警察・消防委員会速記録第十一号

平成十六年十一月二十五日(木曜日)
第十一委員会室
   午後一時五分開議
 出席委員 十二名
委員長こいそ 明君
副委員長橋本辰二郎君
副委員長名取 憲彦君
理事田島 和明君
理事清原錬太郎君
理事秋田かくお君
石井 義修君
藤井 富雄君
内田  茂君
田中 晃三君
尾崎 正一君
土屋たかゆき君

 欠席委員 一名

 出席説明員
警視庁警視総監奥村萬壽雄君
総務部長加地 正人君
警務部長佐藤 正夫君
交通部長関根 榮治君
警備部長石田 倫敏君
地域部長弘光  朗君
公安部長末井 誠史君
刑事部長井上 美昭君
生活安全部長柴田  健君
組織犯罪対策部長栗生 俊一君
総務部企画課長藤原  孝君
総務部会計課長石田 唱司君
東京消防庁消防総監白谷 祐二君
次長予防部長事務取扱関口 和重君
総務部長水崎 保男君
人事部長佐竹 哲男君
警防部長尾崎 研哉君
防災部長小林 輝幸君
救急部長鈴木 正弘君
指導広報部長浅野 幸雄君
装備部長秋山  惠君
総務部企画課長佐藤 直記君
総務部経理課長野原 英司君

本日の会議に付した事件
 警視庁関係
事務事業について(質疑)
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
・性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等の規制に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
(1)一六第七八号 京王線多摩境駅周辺への交番設置に関する請願
(2)一六第六三号 警視庁警察官の不当な対応に関する陳情
(3)一六第八四号 自動車停止線ないし信号柱の位置の変更に関する陳情
 東京消防庁関係
事務事業について(質疑)

○こいそ委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、第四回定例会中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会において協議の結果、お手元配布の日程とすることを申し合わせました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の事務事業に対する質疑及び警視庁関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに警視庁関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際、資料の要求はしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。

○こいそ委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○加地総務部長 平成十六年第四回都議会定例会に提出を予定しております警視庁関係の案件についてご説明を申し上げます。
 案件は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例案、性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等の規制に関する条例の一部を改正する条例案の二件でございます。
 都内の繁華街では、性風俗店等への客引き等やスカウトによるポルノビデオ出演等の勧誘が横行し、現行法令では規制できないピンクビラ類がはんらんしているほか、多数の暴力団員がたむろし、または地回りと称して集団でうろつく行為も数多く行われるなど、地域住民等に多大な迷惑、不安を及ぼしている状況にあります。
 当庁では、これらの迷惑行為の対策につきまして、幅広い視点から検討を行うため、有識者の方々による懇談会を開催いたしましたところ、迷惑防止条例等を改正して迷惑行為に対する規制の強化や新たな規制の盛り込みにより対処することが、当面、最善の方法であるとの提言をいただいたほか、多くの都民の方からも、このような行為を厳しく取り締まってほしいとの意見が寄せられたところでございます。
 そこで、これらの迷惑行為を規制する必要があるため、それぞれの条例を改正するものであります。
 初めに、お手元の資料第1、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例、いわゆる迷惑防止条例の一部を改正する条例案についてご説明を申し上げます。
 このたびの改正案は、繁華街等において都民が迷惑または不安を覚えている客引き、勧誘、客の誘引、客待ち及び暴力団の威力を示す行為を規制するとともに、ピンクビラ等の配布行為等の規制を強化するほか、規定を整備するものであります。
 それでは、改正内容につきまして、資料五ページ以下の新旧対照表により順次ご説明を申し上げます。
 まず、五ページの、第五条の粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止についてであります。
 第二項では、都内の繁華街等、公共の場所で多数の暴力団員がたむろし、または地回りと称して集団でうろつく際等に、付近住民、通行人等に対して暴力団の威力を示す行為、例えば暴力団の組名が記載された同一の服を着た暴力団員十数人が横一列になって集団でうろつく行為などを、公衆に不安を覚えさせるような粗暴行為ととらえまして、いいがかりをつけ、すごむと同様に規制するものであります。
 次に、資料六ページから八ページの第七条、不当な客引行為等の禁止についてであります。
 第一項第一号では、わいせつな行為等への呼びかけや、ビラその他の文書図画の配布などによる客の誘引行為を新たに禁止するものであります。
 第三号では、いわゆるキャバクラ等への客引きを禁止するとともに、特に身体等に接触させるなどの卑わいな接待を行うものについては、呼びかけや、ビラその他の文書図画の配布などによる客の誘引行為を禁止するものであります。
 第五号及び第六号では、公共の場所において、性風俗店やいわゆるセクシーパブでの稼働、あるいはポルノビデオ等に出演するよう勧誘することを禁止するものでございます。
 第二項では、対償の供与等をして、第一項で禁止される客引き、勧誘などを他人に行わせることを禁止するものであります。
 第三項は、東京都公安委員会が指定した区域内で、性風俗店等への客引きを行う目的で、公衆の目に触れるような方法での客待ち行為を禁止するものであります。
 八ページにわたりまして、第四項では、警察官は、第三項に違反して客待ちをしていると認められる者に対して、その行為の中止を命ずることができることとしたものであります。
 第七条の二のピンクビラ等配布行為等の禁止についてであります。
 第一項第一号で、現行条例の規制対象外となっていたパンフレット類や人の水着姿などについても、公共の場所での配布を禁止するものであります。
 第二号では、ピンクビラ等の掲示等を禁止する場所として、いわゆる風俗店無料紹介所などの、公衆が出入りすることができ、かつ屋外の場所から容易に見える屋内の場所を加えるものであります。
 第二項では、ピンクビラ等を配布等の目的で所持することを禁止するものであります。
 第三項では、対償の供与等をして、配布等を他人に行わせることを禁止するものであります。
 次に、第八条、罰則についてであります。
 第八条第一項第二号に第五条第二項を加え、六月以下の懲役または五十万円以下の罰金に引き上げ、重罰化を図るものでございます。
 第三項を新設いたしまして、第一号では、第七条第二項で禁止される、対償の供与等をして客引き等を他人に行わせた者、第二号では、第七条の二第三項で禁止される、対償の供与等をしてピンクビラ等の配布行為等を他人に行わせた者について、百万円以下の罰金に処することといたしまして、実行行為者の罰則より重罰化を図るものでございます。
 一〇ページに移りまして、第九項では、これらの常習者につきまして、六月以下の懲役または百万円以下の罰金に処するとするものであります。
 第九条の両罰規定についてでありますが、不当な客引き、勧誘、ピンクビラ等の配布行為等につきましては、性風俗店等の営業に関して行われることが多く、当該禁止規定の実効性を担保する上からも、その行為者のみでなく、当該営業を営む法人や人に対しても罰則を科することを新たに規定するものであります。
 そのほか、「または」などについて、一般的な法令表記に合わせて漢字表記にするなどの規定の整備を行うものであります。
 なお、本条例の施行日につきましては、来年四月一日から施行いたしたいと考えております。
 次に、お手元の資料第2、性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等の規制に関する条例の一部を改正する条例、いわゆるぼったくり条例の一部改正条例案でございます。
 本条例の改正案は、不当な客引き、勧誘、客の誘引、客待ち、あるいはピンクビラ等の配布行為等に対しましては、さきにご説明をいたしました迷惑防止条例の改正で規制されることとなりますが、営業自体に対する規制は特段行われないことなどから、都民生活の平穏及び清浄な風俗環境を保持するため、不当な客引き行為等を用いる性風俗営業等を新たに規制するものであります。
 それでは、改正内容につきまして、資料七ページ以下の新旧対照表に沿って順次ご説明を申し上げます。
 第一条では、今回の改正趣旨を踏まえ、本条の目的に「都民生活の平穏及び清浄な風俗環境の保持」を加えるものであります。
 第二条第一項では、性風俗営業等に関し、現行条例で指定区域を定めておりましたが、このたびの迷惑防止条例違反の改正に伴う規制対象については、指定区域を設けず、都内全域とし、性風俗営業等について、第二号で、いわゆる無店舗型の営業を新たに加えるものであります。
 第二項では、現行のいわゆるぼったくり規制の対象となるものを「指定性風俗営業等」と用語を改めまして、現行どおり指定区域を定めたものとしております。
 八ページの第二条の二、性風俗営業等を営む者の勧誘等の委託に伴う指導義務につきましては、性風俗営業者に対し、勧誘等の委託をした場合は、このたび改正する迷惑防止条例の各規定に違反しないよう、受託者を指導すべき義務を課すものでございます。
 九ページ、第二条の三、指示についてであります。
 第一項では、公安委員会は、性風俗営業者等が、その営業に関し、このたび改正する迷惑防止条例第七条または第七条の二の規定に違反したときは、当該営業者に対し、再発を防止するため必要な指示をすることができるとしております。
 第二項では、公安委員会は、勧誘等の受託者が前項と同様の迷惑防止条例違反をしたときは、性風俗営業者に対し、当該受託者に前条と同様の指導をするよう指示をすることができることとしております。
 資料一〇ページ、第二条の四、営業の停止についてでありますが、公安委員会は、性風俗営業者が、前条の指示に従わなかった場合等には、六月を超えない範囲内で期間を定めて、営業の全部または一部の停止を命ずることができることとしております。
 第二条の七、不当な客引行為等を用いた営業の禁止についてであります。
 第一項では、性風俗営業者は、このたび改正する迷惑防止条例の規定に違反する不当な客引きをした者などから紹介を受けて、当該客引きを受けた者を客として営業所内に立ち入らせてはならないとするものであります。
 一三ページにわたりまして、第二項では、性風俗営業者は、このたび改正する迷惑防止条例の規定に違反する不当な勧誘をした者などから紹介を受けて、当該勧誘を受けた者を性的サービス等に従事させてはならないとするものであります。
 第二条の八、営業禁止区域等における性風俗営業等への場所の提供の禁止については、何人も、営業禁止区域内であることを認識して、違法な性風俗店に営業の場所を提供することを禁止するものであります。
 資料二〇ページ中ほど、第九条でございます。
 広報啓発活動についてでありますが、現行条例では、指定区域を管轄する警察署長は、性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取り立て等を防止するために必要な広報啓発活動を行うこととしていたものを、すべての警察署長に改めるものでございます。
 資料二〇ページから二二ページの罰則についてであります。
 第十一条第二項第一号で、営業停止命令に違反した者について六月以下の懲役または五十万円以下の罰金に処するほか、同条第三項で、不当な客引き行為等を用いた営業の禁止に違反した者について五十万円以下の罰金に処するなど、所要の罰則を設けるものでございます。
 なお、本条例の施行日につきましても、迷惑防止条例の一部を改正する条例と同様に、来年四月一日から施行したいと考えております。
 以上で、今定例会に提出を予定しております案件についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○こいそ委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○秋田委員 いわゆる迷惑防止条例について、二点お願いをしたいと思います。
 一点目は、客待ち行為の禁止及びビラ配布等の目的所持の禁止にかかわる他県の先行条例もしくは規制方法についてわかる資料をつくっていただきたい。
 それから二番目に、その禁止条項の適用事例を示していただきたい。
 以上です。

○こいそ委員長 ただいま秋田理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された理事と調整の上、ご提出願います。

○こいそ委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、一六第七八号、京王線多摩境駅周辺への交番設置に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○弘光地域部長 資料整理番号1により、一六第七八号、京王線多摩境駅周辺への交番設置に関する請願につきましてご説明を申し上げます。
 本請願の要旨は、人口や世帯数の急激な増加を抱えた京王線多摩境駅周辺地域の治安の悪化に対処するため、一日も早く駅周辺に交番を設置していただきたいというものであります。
 本請願にあります京王線多摩境駅周辺地域を含めた町田署管内北西部の地域は、多摩ニュータウンの整備に伴う人口の増加などにより、同地区の警察負担も重くなっていることから、これまで、町田署員の増員や本部による応援態勢等の強化を図ってきたところであります。
 加えて警視庁では、現在の八王子署を分割し、新しい警察署の設置を検討中でありますが、その際、町田署の北西部の地域をその新設警察署の管轄に含めることによって、効率的な警察運営ができるものと考えております。
 さらに、当面の対策として、町田市の北部地域に、パトロールの制服警察官のほか、刑事、防犯、交通等の要員を配置する大型の幹部交番を設置することについて具体的な検討を進めているところであります。
 このようなことから、多摩境駅の交番新設につきましては、これらの状況や他の交番の新設要望等を踏まえ、警視庁内に設置中の交番機能の強化方策検討委員会におきまして、総合的な見地から検討をしてまいりたいと考えております。

○こいそ委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 異議なしと認めます。よって、請願一六第七八号は趣旨採択と決定いたしました。

○こいそ委員長 次に、一六第六三号、警視庁警察官の不当な対応に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○加地総務部長 一六第六三号、警視庁警察官の不当な対応に関する陳情につきまして、資料整理番号2により、ご説明申し上げます。
 本陳情は、JRの発行する高額オレンジカードが、不正カード対策のため使用できなくなったことから、その払い戻しをめぐって、相当額の小額カードと交換するというJRの方針に納得せず、犯罪に当たらないことが明らかであるにもかかわらず、JRを詐欺罪もしくは暴行罪による告訴を執拗に要求したことに係る事案であります。
 陳情者は、このことに関し、警察官は、名乗らず、暴力を用いて追い返そうとしたほか、検挙率が下がるという理由で告訴を受けないのは本末転倒であるということを理由に、五点の措置を求めるというものであります。
 当庁といたしましては、調査いたしましたところ、陳情者が主張するような不当な対応はございませんでしたので、その点を踏まえましてご説明を申し上げます。
 一点目の要旨は、警察署内で都民に対応する警察官全員に写真入りの名札を着用することというものであります。
 現在、当庁では、職務執行における責任の明確化を図るため、都民と応対する業務として、受付業務などあらかじめ指定された業務に従事する職員が当該業務に従事する場合などに、所定の様式の名札を着用することといたしております。なお、名札を着用することにより、その個人を特定できますので、写真入りの名札はその必要がないと思われます。
 二点目の要旨は、警察官の暴力や職務怠慢に対する被害申告の窓口を明確にし、その連絡先などを警視庁の広報紙に掲載して都民に周知することというものであります。
 警察官の暴力があった場合は、警視庁本部または警察署の刑事担当課が被害申告の窓口となります。職務怠慢など警視庁職員の取り扱いに対して苦情を申し立てる場合は、東京都公安委員会または警視庁広報課もしくは各警察署の警務課が窓口となっております。
 なお、広く警察活動全般についての各種相談窓口として、警視庁相談総合センターを設置しておりまして、相談専用電話シャープ九一一〇番及び三五〇一-〇一一〇--一一〇番でございますが、一一〇番とあわせ、当庁の広報紙などにより都民への周知を図っているところでございます。
 三点目の要旨は、被害届けや告訴告発の受け付けを拒んだ件数及びその理由について調査することというものでございます。
 要件の整っていない場合には、被害届けや告訴を受理しない場合がございますが、その統計はとっておりません。
 四点目の要旨は、告訴等の受け付けを拒否した警察官が、名前を名乗るかどうかは警察官の勝手だ、というのが警視庁の方針なのかどうかについて調査することというものであります。
 当庁では、職員は、相手方から身分の表示を求められた場合は、職務上支障があると認められるときを除き、所属、階級、職及び氏名を告げなければならないとしておりまして、原則として身分を表示することを基本方針といたしております。
 なお、当該事案を取り扱った警察官は、明らかに犯罪とならないことを繰り返し説明したにもかかわらず、執拗に告訴の受理を求めてきたほか、当該警察官の言動について、あげつらっていることなどから、氏名を告げると職務上の支障があると判断し、氏名等を告げなかったものでございます。
 第五点目の要旨は、警視庁が被害届けや告訴告発を受理しない場合、その理由を文書で明示することというものであります。
 当庁では、要件が整っていないため受理できない場合には、その理由を口頭で説明し、ご了承をいただいているところでありまして、文書で明示することまでは要しないものというふうに考えております。
 以上でございます。

○こいそ委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一六第六三号は不採択と決定いたしました。

○こいそ委員長 次に、一六第八四号、自動車停止線ないし信号柱の位置の変更に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○関根交通部長 資料整理番号3により、一六第八四号、自動車停止線ないし信号柱の位置の変更に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 本陳情の要旨は、西多摩郡瑞穂町大字武蔵百九十番地一の東側の都道と町道との交差点付近の町道上に設置されている自動車停止線と信号柱が近接している。このため、都道から町道へ進入する自動車との関係で、お互いに通行に支障を来していることから、停止線ないし信号柱の位置を変更していただきたいというものであります。
 資料の略図にありますように、当該交差点は、都道の新青梅街道と町道五〇一号が交差する石畑診療所入口交差点であります。また、町道五〇一号は、道路幅員が約五メートルで、歩車道の区別がない相互通行の道路であります。
 当該町道は、幅員が狭隘な上に、停止線と当該町道に既設されている信号柱が近接しているため、停止線で車両が停車しているところに、新青梅街道から当該町道に進入すると、相互通行に支障を来す状況が見られました。
 このため、本年十月十八日に、略図で〔1〕の位置にあった停止線を約二メートル後方の〔2〕の位置に移設するとともに、十一月十五日には、当該町道に設置していた〔3〕の位置の信号柱を約五メートル前方の〔4〕の位置に移設し、より安全な通行が確保できるようにいたしました。
 以上です。

○こいそ委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、採択とすることにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一六第八四号は採択と決定いたしました。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、その処理の経過及び結果について報告を請求することといたしますので、ご了承願います。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で警視庁関係を終わります。

○こいそ委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○秋田委員 簡単に二点だけ質問をさせていただきたいと思います。
 去る十月二十三日の午後五時五十六分に発生した新潟の中越地震は、翌日の二十四日の午前九時現在の新潟県の発表では、震源地に近い川口町を初め長岡市や小千谷市などで四十人の方が亡くなり、二千八百五十九人が負傷されたことが発表されております。家屋は、全壊、大規模半壊家屋などが三千六十九戸を超えて、半壊や一部損壊などを含めると六万四千九百四十八戸に及んでいます。
 その後の余震などでさらに多くの犠牲が生じたのではないかというふうに推測されますが、私は、品川区内で私たちに寄せられました被災者救援募金を去る九日に現地に届けると同時に、全国から寄せられた物資を現地に直接届けてまいりました。
 その際、被害状況の視察をし、被災者の声を直接伺ってまいりました。全壊の家屋や、危険と書かれたレッドカードが張られた家、注意と書かれたイエローカードの家が軒並みをそろえているという地域では、立ちすくむような思いがいたしました。
 ワゴン車いっぱいに詰めて私たちが持っていきました野菜やリンゴ、ミカンなどの果物、暖かいセーターやマフラー、下着などの衣類、ウエットティシュペーパーなどの日用品などの物資を、たくさんの人が持ち帰っていただきました。
 それにつけても、この地震がもし東京で起きたらどうなるんだろう、こういう心配が尽きませんでした。阪神・淡路震災の経験を踏まえて、一九九七年に東京都防災会議が、東京における直下地震の被害想定に関する被害報告書で、冬の平日の午後六時ころにマグニチュード七・二の地震が発生したら、死者は七千百五十九人、負傷者は十五万八千三十二人、全壊家屋は四万二千九百六十二棟、半壊家屋は九万九千五百九十六棟、焼失の建物は三十七万八千四百一棟などとされております。
 これだけの被害想定に消防庁はどれだけ有効な対応ができるのかと大変心配をしていたやさきに、つい先日、十七日に、中央防災会議の首都圏直下地震専門調査会が、東京湾北部直下型などの震度分布図を発表しましたけれども、東京消防庁としては、この発表をどのように受けとめて、どう対処されようとしているのか、お聞かせをいただきたい。

○小林防災部長 東京消防庁では、平成九年に東京都防災会議が公表した東京直下を震源とする地震被害想定に基づき、震災消防活動支援システムの整備による情報収集体制の強化や、消防ヘリコプターの運用による消防活動体制の充実強化など、各種の対策を進めてきたところであります。
 地震発生時には、火災に対し全消防力を挙げて消火活動を行うとともに、救助救急活動等人命安全確保を最優先とした活動に全力で取り組んでいくこととしております。
 今後、本調査会の動向に注視しつつ、関係機関と連携し、震災対策の充実に努めてまいります。

○秋田委員 先日の事務事業概要のご説明のときにいただきました「消防行政の概要」都民生活の安全を高める消防行政の展開、平成十六年度、二〇〇四年度版ですけれども、ここでは、地震対策として、出火防止対策、それから初期消火対策、地域の防災性向上対策、初動対応強化対策、情報管理対策、火災の拡大防止対策、救助救急対策、避難・震後対策などを挙げておられます。
 これらの対策に全力を尽くすということはもちろんでありますが、今後、中央防災会議は、この調査に基づいて被害想定などを検討するとされておりますが、その際は、被害を最小限に食いとめるために、さらに具体的な対応をしっかりと立てていただきたいと要望しておきます。
 次に、このたびの新潟中越地震で、長岡市妙見町の土砂崩れによって、道路を走行中の母子三人が乗った乗用車が土砂や岩石にのみ込まれた現場で、東京消防庁の緊急消防支援隊として出動した消防救助機動部隊によって、九十三時間ぶり二歳の皆川優太ちゃんが救出された場面を私はテレビで見ていて感動いたしました。これは、私だけではなくて、テレビを見ていた人が一様に優太ちゃんの無事を喜ぶと同時に、東京消防庁の消防救助機動部隊の活躍に拍手を送ったのではないでしょうか。
 私は先日、第二消防方面本部の消防救助機動部隊の訓練を京浜島の訓練所で拝見させていただきました。この日は折しもマスコミの取材班が入っておられまして、どんなときにやりがいを感じるかとか、あるいは体力をつけるために日ごろどんなことをしているのか、また、家族は出動時にどのように思っておられるのかなど、さまざまな質問がされていました。
 隊員の皆さんは、それぞれ非番のときにも大変な努力をされているということが、このお話の回答の中で私たちは知ることができました。本当に頼もしく思いました。
 しかし、この広い東京で、消防救助機動部隊が、大田区の京浜島と立川だけにしかハイパーレスキュー部隊が設置されていない、こういう状況では大変心もとない、そんな気がいたします。
 少なくとも各消防方面本部ごとに設置する必要があるんじゃないか、こういうふうに思いますけれども、そのために東京消防庁はハイパーレスキュー隊の整備を計画的に進めるべきではないか、こんなふうに私は考えておりますが、消防庁はどのようにお考えかご答弁をいただきたい。

○水崎総務部長 東京消防庁では、阪神・淡路大震災の教訓などを踏まえ、消防救助機動部隊、通称ハイパーレスキュー隊を現在まで三部隊、これは大田区、立川市のほかに、渋谷区の第三方面にもございます。それを入れまして、現在まで三部隊整備してまいりました。
 今後、新潟県中越地震の被害調査結果なども踏まえ、ご指摘の部隊の強化や各種装備資機材の充実について引き続き検討してまいります。

○秋田委員 ぜひこれは実現に向けて前向きで検討していただきたいと思うんです。
 第三方面本部の部隊は、地震のときに直接かかわるというのではなくて、化学災害のときに出動する部隊で、地震に関しては二つしかないんじゃないですか。
 そういうのを南の端から、今度、東京湾北部つまり東京の中心部を想定をした、そういう分布図が示されているわけで、それらに対して都民は非常に不安を感じているんですね。したがって、京浜島から、あるいは立川から、それぞれ救助に向かうんでしょうけれども、本当に必要なところに十分到達するんだろうかという心配も尽きません。
 したがって、ぜひ各方面に設置するぐらいの年次計画を立てて、実行されるようにお願いをして、終わりたいと思います。

○こいそ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十五分散会

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