委員長 | 吉野 利明君 |
副委員長 | 大木田 守君 |
副委員長 | 坂口こうじ君 |
理事 | 樺山たかし君 |
理事 | 清原錬太郎君 |
理事 | 秋田かくお君 |
中村 明彦君 | |
小山 敏雄君 | |
大山 均君 | |
石井 義修君 | |
藤井 富雄君 | |
内田 茂君 | |
田中 良君 |
欠席委員 なし
出席説明員警視庁 | 警視総監 | 石川 重明君 |
総務部長 | 佐藤 正夫君 | |
警務部長 | 岩橋 修君 | |
交通部長 | 渡邉 晃君 | |
警備部長 | 池田 克彦君 | |
地域部長 | 濱口 征三君 | |
公安部長 | 米村 敏朗君 | |
刑事部長 | 米田 壯君 | |
生活安全部長 | 友渕 宗治君 | |
組織犯罪対策部長 | 宮本 和夫君 | |
総務部企画課長 | 関根 榮治君 | |
総務部会計課長 | 鹿倉 則彰君 | |
東京消防庁 | 消防総監 | 白谷 祐二君 |
次長予防部長事務取扱 | 関口 和重君 | |
総務部長 | 水崎 保男君 | |
人事部長 | 佐竹 哲男君 | |
警防部長 | 尾崎 研哉君 | |
防災部長 | 小林 輝幸君 | |
救急部長 | 鈴木 正弘君 | |
指導広報部長 | 浅野 幸雄君 | |
装備部長 | 福田 市郎君 | |
総務部企画課長 | 佐藤 直記君 | |
総務部経理課長 | 稲葉 義行君 | |
生活文化局 | 参事 | 高嶋 明君 |
本日の会議に付した事件
警視庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十九号議案 東京都安全・安心まちづくり条例
・第百六十号議案 警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百六十一号議案 警視庁の警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十二号議案 警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・第百七十五号議案 ヘリコプターの買入れについて
東京消防庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百六十三号議案 特別区の消防団員に係る退職報償金に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十四号議案 特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十五号議案 東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・志村消防署の火災概要について
○吉野委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
この際、傍聴人の方々に申し上げます。
傍聴人の方々は、東京都議会委員会傍聴規則を守って、静粛に傍聴を願います。傍聴人は、可否を表明したり騒ぎ立てるなど、議事の妨害となる行為をすることは禁じられております。委員会傍聴規則等に違反する場合には退場を命ずることがありますので、念のため申し上げておきます。ご協力をお願いいたします。
○吉野委員長 初めに、所管外の理事者の出席について申し上げます。
第百五十九号議案に対しまして、所管外の理事者の出席を求め、質疑を行いたいとの申し出があり、理事会において協議の結果、生活文化局の参事で調整担当の高嶋明君に本日出席をいただくことにいたしました。ご了承願います。
○吉野委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の付託議案審査並びに東京消防庁関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより警視庁関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百五十九号議案から第百六十二号議案まで及び第百七十五号議案を一括して議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○佐藤総務部長 去る六月二十三日、当委員会から要求のありました過去十年間の犯罪件数、検挙件数及び検挙率がわかる資料につきましては、お手元に提出のとおり、平成五年から平成十四年までの過去十年間における刑法犯の罪種別等の認知件数、検挙件数、検挙率を記載いたしております。
資料の上部、総数欄にありますように、都内における刑法犯の認知件数は、平成九年以降、年々増加の一途をたどり、昨年は三十万件を超えて過去最多を記録するに至っております。
また、検挙件数につきましては、平成六年をピークに減少傾向で推移しておりますが、昨年は、前年に比べて増加したものの、検挙率では下回っており、犯罪の発生に検挙が追いつかないというべき現状にあります。
なお、罪種別の認知及び検挙の状況につきましては、資料のとおりでございます。
以上で説明を終わらせていただきます。
○吉野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○樺山委員 第百五十九号議案の東京都安全・安心まちづくり条例案について質問をいたします。
ご案内のとおり、この七月は、全国一斉に実施されております社会を明るくする運動の強化月間と位置づけられております。
おとといの街頭キャンペーンを皮切りに、防犯団体の関係者あるいは保護司、更正保護婦人会、少年団体を初めとする多くの地域ボランティア等の方々が、犯罪のない、だれもが安心して暮らすことのできる明るい平和な社会をつくろうと、それぞれの立場から精力的に啓蒙活動を繰り広げておられます。
実は私も、保護司という立場でおとといの街頭キャンペーンに加わりまして、久しぶりに京成電鉄高砂駅でティッシュの配布等をさせていただきまして、非常に充実した時を過ごしたわけであります。
そんな多くの人々の努力と善意をしり目に、犯罪はこの瞬間にも頻発をいたしております。今や東京は、世界でも有数の犯罪都市として、まさに魔といっても過言ではないほどの殺伐とした現実に立ち至っております。
今や社会問題化している万引きあるいはピッキング等、ひったくり、恐喝、または強盗、殺人に至るまで、ありとあらゆる犯罪が連日連夜繰り返されるさまは、一体この国には、社会を構成するための鉄則である人間の良心と良識は果たして本当に存在しているのだろうかと、率直に慨嘆せざるを得ない状況になっているといって過言ではないものであります。
犯罪の裏には、当然のごとく、その犯罪によって取り返しのつかない不利益をこうむった被害者が存在するわけであります。被害者の心情は、実際に被害者になってみないとわからないとよくいわれるわけでありますが、まさにそのとおりでございまして、なぜ自分がこんな目に遭わなければならないのかという理不尽さ、あるいは悔しさ、あるいは犯人に対するさまざまな思いが複雑に交錯して、しかも、それによって受けた傷はなかなかいえないのが常であります。ここにおられる方も、大なり小なり犯罪の被害者あるいは犯罪被害を受けた経験がおありになるだろうというふうに思います。
大変個人的な話でございますが、私もこの十年間に三度ほど、個人的ないわゆる犯罪の被害をこうむっております。二度は置き引きであります。それから一度は車上ねらい、これはいまだに私は腹が立ってしようがなくて、その原因も含めて、ときどき夢にまで見ちゃう。
今からちょうど八年ぐらい前でございますが、私どもの宅の近所のファミレスですね、あそこに夜分、車をちょうど十分ほどとめた間の出来事でございます。駐車場に戻りまして車に乗りまして、気がつかずに発進をしました。発進して百メートルぐらいして、すき間風がぴゅうぴゅう入ってくるので不思議だと思って確認しましたら、助手席の窓が見事にたたき割られて、粉々にその破片が助手席に散らばっておりました。そのとき初めて事の重大さに気がつきまして、ひょいと見て、あれ、ここにあったはずのバッグがない。実はそのバッグには、普段持ちつけない金でありますけれども、大体五十万ぐらい入れてあった。
まことに理不尽かつとんでもないことになったと当然警察に通報して、何人ものお巡りさんが参りまして、現場検証から指紋の採取等々やっていただいたわけでございますが、もちろん犯人はつかまらないわけであります。
そのときに私自身が思ったのは、なぜこんなことになったんだろうと。一つは、決定的な思いは、私自身の不注意だ。助手席の見える位置にバッグを置くなどという単純なミスを犯す以上、これはもうねらわれてもしようがないという思いがあったことは事実でありますけれども、それ以上に、そのファミレスの駐車場が真っ暗だった。当時、防犯灯が一つあったかどうか。しかも、私がとめた位置は店からはちょっと死角の位置にございましたものですから、ねらおうと思えば自由勝手にねらえる位置にあったわけであります。
それはそれとして、とにかくその後もこの車上ねらいというのは全く減らない。減らないどころか、連日のように新聞、テレビ等でその報道がない日がない。いろいろ警視庁に確認をしましても、もう頻発している。
なぜ減らないのか。いろいろ思いつくところ、やはり駐車場が暗いということとか、あるいは監視カメラが一台あれば、それが抑止力になってこんな犯罪は減るのにという、極めて単純な理屈に行き当たったわけでございます。あえていえば、当事者がそれだけの努力をするための何か指針とか規範がないのはどうしてだろうという思いがあった。
そういった状況にまさに呼応するかのように今回の条例案が提案をされてきたところでございますが、私たちとすると、遅きに失したという思いすらあるわけでございまして、一刻も早く、社会全体が責任を共有して、いわゆる犯罪の芽をつみ取るための努力をお互いがしていく、これが今一番必要なんだろうというふうに思うところでございます。
犯罪の発生とか増加を、社会のせい、あるいは政治のせい、とりわけ昨今の規制緩和、いわばグローバリゼーションの弊害だとする論が一方であるようであります。しかし、実際に被害を受けた身になれば、率直に申し上げて、そんな悠長なことをいっていられない。この現実を何とかしてくれというのが本音であります。
繰り返しますが、そういった観点から、今度の条例案には期待するところ極めて大ということを申し上げたいというふうに思います。
そこで、この条例の第三条で、都の責務は、安全・安心まちづくりに関する総合的な施策を実施することとなっております。また、その第二項では、施策の実施に当たっては、国及び区市町村との連絡調整を緊密に行うこととしております。
既に都内では、十四区七市において、生活安全に関する条例が制定されると伺っております。私どもの葛飾区でも本年四月に施行されております。また、幾つかの区や市では、防犯に関する取り組みを自治体が率先して行っているところも見受けられるところであります。例えば世田谷区あるいは武蔵野市の自主パトロール隊等であります。防犯意識の向上を図るには、その観点から見ますと、コミュニティの再生が不可欠だと考えます。コミュニティの核となる町内会や商店街とのつながりが最も深い、これら自治体の地元の区市町村であります。
今後、都が安全・安心まちづくりに関する総合的な施策を実施するに当たっては、このような区市町村との連携なくしては進んでいかないというふうに考えるわけでありますけれども、東京都は区市町村と、このことのために今後具体的にどのように連携をしようとしておられるのか、まずお伺いをしたいと思います。
○高嶋生活文化局参事 区市町村との連携についてお答えいたします。
安全で安心して暮らせるまちを実現するためには、それぞれの地域事情を踏まえたきめ細やかな取り組みが求められることから、地域事情に精通し、かつ地域住民に密着している区市町村の果たす役割が大変重要であると認識しております。
これまでも、本条例の制定につきまして、警視庁とともに、特別区の総務部長会等の場で事前に説明を行うなど、理解を求めてまいりました。
また、本条例制定後は、知事を会長としまして、区市町村を初めとする行政、都民、地域団体、事業者団体等の代表で構成される東京都レベルの推進協議会と、区市町村、警察署長、関係団体、地域住民で構成される地域レベルの推進協議会を設置する予定でございまして、これらの協議会において、今後取り組むべき施策を十分に協議していく中で、区市町村との連携強化を図ってまいりたい。さらに、区市町村の担当者との意見交換を十分に行うなど、万全を期していく考えでございます。
○樺山委員 次に、昨年の十月、千代田区で制定されました生活環境条例での路上禁煙地区での歩きたばこ、これには二万円以下の罰金を課すということでございまして、いろいろなニュースで既にご存じのことでございます。確認しましたところ、既に三千百名がその対象となっているということでございますので、かなりこの条例は実行が具体的な形でなされているというふうに理解をいたしております。
また、ことしの十月に施行予定の杉並区の安全美化条例での空き缶やたばこのポイ捨てに対して、その改善命令に従わなかった場合の過料でありますが、これが五万円以下の罰金ということになっているようであります。
こういったさまざまな規制の例を待つまでもなく、条例をつくる以上、それを守らせるための徹底といいますか、そのために担保として罰則規定を設けるというのは、ごくごく当然のことではないかというふうに思いますが、この条例にはその規定がないわけでありまして、率直な疑問です。どうしてこの条例には罰則を設けないのか、これを明快にお答えいただきたいと思います。
○友渕生活安全部長 罰則による規制がない理由についてお答えいたします。
本条例案は、都民が安全で安心して暮らすことができる社会の実現を目指して、都や都民、事業者の責務を明らかにするとともに、地域住民による自主的な防犯活動の促進、犯罪の防止に配慮した環境を整備するための諸施策、学校等における児童等の安全の確保など、犯罪の防止に関する都、都民、事業者の総合的な取り組みを定めるものであり、安全・安心まちづくりに向けた都全体の方向性を示す基本条例というべきものであります。
安全で安心なまち東京を実現していくためには、何よりもまず、関係行政機関はもとより、都民や事業者が安全・安心まちづくりの趣旨を理解し、その力を自発的に結集していただくことが肝要でありますので、罰則による、実施を担保するべきような事項は盛り込んでいないところであります。
○樺山委員 ぜひその辺を、我々の不安を払拭するような具体的な活動を徹底していただきたいというふうに思います。
核家族化や社会における価値観の変化、このことが、人と人との連帯意識の希薄化、それに伴ういわゆる自己中心主義の蔓延という事態を招いております。この辺が、凶悪犯罪の急激な増加のいわゆる直接、間接的な原因になっていると見られます。そして、その病巣は、先ほども申し上げましたけれども、今やまさに、我々が想像する以上に極めて致命的な状況にあるといっても過言ではありません。
一千二百万という、世界でも例のない過密大都市、大東京の治安を、大変失礼でございますけれども、わずか四万人の警察官に委ねているという現実、これを我々はもうちょっと直視せざるを得ないのではないか。四万人の警察官だけにお願いすればそれで事足りるという状況ではもうない。先ほども申し上げましたけれども、社会全体で犯罪を防ぐための責任を共有していく。そして、住民一人一人、国民一人一人が犯罪を未然に防ぐことに対する強い自覚を持つことが、今、何よりも必要であり重要であるというふうに考えるわけであります。
このことについては、既にこれまでにも、都内各地域でさまざまな組織や団体等による防犯意識の向上を目指した取り組みが展開されてきたところでありまして、例えば、私の直近の小学校の学区にも、いわゆるひまわり一一〇番というのがあって、子どもたちですら、このことに対しての自覚と啓蒙を身につけようと必死に頑張っている。大人も含めてですね。
こういった事実があるわけでありますが、改めて、この条例の制定をこの時期に行うに至ったその、いわゆる本質的な意図といいますか、考え方といいますか、これを最後にお伺いしたいと思います。
○友渕生活安全部長 条例制定を行う理由についてお答えいたします。
現在でも、防犯協会、各種ボランティア、業界団体等の皆様にご協力をいただき、地域における防犯キャンペーンや防犯パトロールなどの各種防犯活動を推進していただいておりますが、残念ながら、東京における犯罪情勢は、平成十四年の刑法犯認知件数が三十万件を超え、犯罪の凶悪化、国際化、組織化等が進展するなど、大変厳しいものとなってきております。
このような状況を踏まえまして、多くの都民の方々に防犯意識を持っていただくとともに、関係行政機関相互においても、連携の枠組みがつくられ、安全・安心まちづくりに関する取り組みが効果的に行われるよう、本条例案が上程されているものであります。
本条例が制定されることによりまして、これまで以上に、都民一人一人が自分たちの町は自分たちで守るという意識を持ち、地域ぐるみの活動が活発に行われるとともに、関係行政機関においても十分な連携が図られた取り組みが展開されるものと期待しております。
○石井委員 今回、治安担当の副知事を選任し、そしてまた、安全・安心まちづくり条例が提案をされております。知事の姿勢、また、警視庁を初めとする皆様のご努力を高く評価するものであります。
昨年一年間で都内で発生した犯罪件数が約三十万二千件、そして犯罪も、特に殺人、強盗、放火というふうに凶悪化しており、検挙率がまた年々減っている。加えて外国人犯罪が増加の一途をたどっているという状況の中で、今回、この安全・安心まちづくり条例が提案されたということは、非常に私は意義のあるものだと思います。
警察だけではなくて、区市町村を初めとする行政、企業、都民、住民が一体となって、今、友渕部長からもお話がありましたけれども、警視総監も昨日、一昨日いっておりましたけれども、我が町は我々で守るという、一体となって治安のために立ち上がるという、非常に意義は大きいと思います。
そこでお尋ねしたいんですが、一昨日、私どもの大木田さんが代表質問でも申し上げましたが、この条例が施行後、東京都レベルの推進協議会、また地域レベルの推進協議会をつくるということが述べられておりましたけれども、具体的にどうつくるのか、お尋ねをいたします。
○友渕生活安全部長 推進協議会についてお答えいたします。
東京都レベルの推進協議会については、知事を会長として、行政、都民、地域団体、事業者団体の代表者で構成されることが考えられており、地域レベルの推進協議会については、警察署長、区市町村、関係機関、地域住民の代表者で構成することを考えており、警察署単位または区市町村単位で設けることから、おおむね五十の推進協議会の設置が見込まれます。
また、現在のNPOの社会的意義にかんがみ、NPOに参加していただくことも考慮の一つと思われます。
○石井委員 それから、あわせて東京都が、それぞれ住宅局なり総務局なり生活文化局なりが対応するわけでありますが、東京都庁としては、どこの局が中心になって、また、どういう局と連携して行うのか、お尋ねをいたします。
○高嶋生活文化局参事 安全・安心まちづくりの所管についてお答えいたします。
安全・安心まちづくりは、学校における安全管理の充実、各種ボランティアとの連携、地域住民に対する防犯教育の実施などソフト面における対策と、犯罪の防止に配慮した住宅や道路、公園の普及、学校施設や通学路における防犯性の向上などハード面における対策の両面からの取り組みが必要でございまして、警視庁はもとより、教育庁、住宅局、建設局などの関係局を中心に、全庁を挙げて対応すべき施策でございます。
その際に、知事部局の窓口といたしまして、生活文化局が教育庁や各局を横断的に調整いたしまして、警視庁とともに安全・安心まちづくりを推進するものでございます。
○石井委員 今もありましたけれども、中でも子どもたちの安全を守るということで、警視庁さんも大変進めていただいておりますスーパー防犯灯、子ども緊急通報装置、非常にこれは効果を上げているわけであります。これは各区や市でも、公園、団地、子どもの遊ぶ場所ですね、非常にスーパー防犯灯のニーズが多いわけだけれども、今後、地元と協議しながら進めるべきでありますけれども、どんなふうにやろうとしているのか、お尋ねをいたします。
○友渕生活安全部長 子どもの安全確保と今後の地元区市との連携についてお答えいたします。
スーパー防犯灯は、道路、公園などの公共空間における子どもや女性の被害の未然防止を図るために開発された通報装置で、平成十三年度から、東京都を初め全国で運用が開始され、都内においては、現在、世田谷区、杉並区、江戸川区、墨田区、江東区、武蔵村山市の六地区において八十六基が運用されています。そのほか、平成十四年度には、練馬区立南町小学校周辺に子ども緊急通報装置七基を整備し、道路や公園における犯罪の防止等に役立っております。
これまでも、路上犯罪等の発生状況や住民の要望等を参考に設置地域を決定し、設置区域を管轄する区市には事前のご理解とご協力を得ながら設置してまいりました。今後も、区市との連携を密にしながら、スーパー防犯灯等の整備を進めてまいりたいと考えております。
○石井委員 プライバシーが侵害されるとかいう人がいますけれども、プライバシーが侵害されるよりも、子どもたちの命が脅かされているわけでありますから、ぜひとも今後も促進していただきたいと思います。
それから、子どもの安全ということで、最近あった事例なんですけれども、私立学校に通っている小学校の子どもさんが地下鉄の中で痴漢に遭った、二日連続で。人間が違うんですけれども、そういう相談を受けたわけであります。
ことしの四月に鉄道警察隊が各私鉄に呼びかけをいたしまして、痴漢防止のアナウンスを一週間ぐらい電車でやったそうでありますけれども、痴漢は明らかな犯罪行為でありますので、これは交通局にもお願いをしたわけでありますけれども、ぜひとも、子どもたちの命を、安全を守るために、この痴漢対策についても徹底してやっていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○友渕生活安全部長 痴漢対策等の子どもの安全対策についてお答え申し上げます。
子どもの安全につきましては、保護者のみならず、地域住民など周囲の大人が協力して安全の確保に努めることが大切であります。
当庁では、各種の防犯教室に警察職員を派遣したり、「よい子の約束」と題するチラシ、リーフレットの配布や定期刊行物、警視庁ホームページへの掲載により、子どもの被害の防止策などについて情報発信を行っております。
また、平成十三年には、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の卑わい行為について、当議会において罰則を大幅に引き上げていただき厳しく対処しているほか、主要駅における朝夕のパトロール強化や鉄道事業者に対する働きかけを行うなど、痴漢対策に取り組んでおります。
今後とも、議員ご指摘のような子どもの安全の確保について、都民の方々のご協力を得ながら、当庁としても最大限の努力をいたしたいと考えております。
○石井委員 大阪で電車に乗りますと、至るところに「チカンはアカン」と書いてあるんですね、もうでかい字でね。おしとやかなPRではなくて、これは警視庁だけではありませんけれども、ぜひとも鉄道事業者も協力して、痴漢は犯罪であるということを明確に訴えていただきたいと思いますし、取り締まりをしていただきたいと思います。
「文藝春秋」六月号に佐々淳行氏が、ニューヨークの例も取り上げながら、日本の世界に冠たる交番が空き交番になっている、これが犯罪がふえている大きな原因になるんだという話がありまして、ぜひとも警察官の増員、またはOB警察官の増員ということで、今回の議会でも、したがって、石原知事も職員を千人派遣するとか、こういっているわけでありますが、至るところの交番が--データも出されておりましたけれども、これは、警察官を増員するなり、OBのリタイアされた方の再雇用という形で、ぜひとも増員していただいて、それを求める都民の皆さんの要求にこたえていただきたいと思うんですが、重ねてお尋ねをいたします。
○濱口地域部長 当庁といたしましては、交番に常に警察官がいてほしいという地域の方々の強い希望があることは十分承知しており、従来から空き交番対策を進めているところであります。
警察官が不在となる交番には、犯罪の多発時間帯に幹部やパトカーを立ち寄らせるなど、住民の方々の不安解消に最大限の努力をしているところであります。
また、退職した警察官を交番相談員として、現在、約三百名配置しているほか、平成九年からは、必要に応じて、交番を都市型駐在に転換するなどにより、二十五名の交番警察官を捻出して空き交番に振り向け、少しでも交番を開けるように努めているところであります。
さらに、本年五月からは、警察署の交番やパトカー勤務員の勤務時間等を見直し、深夜帯のパトロールを強化しております。この見直しは、現在、一部の署で試験的に実施しておりますが、全警察署で実施した場合、一日当たり約三千五百人時のパトロールが強化されるほか、パトカーにつきましても全車両がフル稼働できるようになります。
今後も、地域の実態を的確に把握しながら、住民の方々のご意見、ご要望を真摯に受けとめ、空き交番に対する有効な対策を講じてまいりますとともに、ご指摘のとおり、国に対する警視庁警察官の増員要望や、都民の皆様のご理解を賜りまして、OB警察官の逐次増員を図ってまいりたいと考えております。
○石井委員 中央区の大川端に都営住宅、公団住宅、マンション、五千戸の大団地ができ上がりまして、痴漢とか空き巣とか多いものだから、何とか交番をつくってほしいと地域の方々から要請があった。ところが、なかなか月島警察署が人が捻出できないということで、最終的に駐在型の交番を、なかなか都会で駐在型の交番は珍しいのでありますが、警視庁さんにお願いしてつくっていただいて、非常に地域の方々に喜ばれているという事例がございます。そうしたことも含めながら、ぜひとも推進をお願いしたいと思います。
最後に、我が町は我々が守るということで、今、警視庁の皆さんだけにお願いするのではなくて、我が町は私たちが守ろうということで、東京の中でもさまざまな住民の防犯意識が高揚しております。
例えば、区の広報車による防犯広報を徹底していこうとか、それから、愛犬グループと警察が連携してワンワンパトロールをやっていこうとか、それから、区の職員が区道の陥没状況をチェックする際に防犯面のチェックをしていこうとか、そうした身近な行政、それから、先ほどNPOの話がありましたけれども、地域住民の中でも、私たちで守っていこうという意識がかなり高まっていることはすばらしいことだと思います。
私は墨田区なんでありますが、墨田区の錦糸町は、これは、特に南口は大変な町でございまして、何とか町をきれいにしていかなきゃいけないというふうに思っていた。現在、濱野警察署長さんが来ていただいて、地元の方々と連絡をとって、そして歌舞伎町でつけた防犯カメラを、自分たちでお金を捻出してつくっていこうということで、間もなく設置されることになりました。歌舞伎町も、防犯カメラをつくることによりまして、約一三%犯罪が減った。具体的な犯罪が減ったということでデータも出ているものですから、地域の方々も、ぜひとも自分たちで、商店街でお金を捻出してつくっていこう。そういう中で、警察署長さん初め皆さんが、一生懸命頑張っていただいている。
また、向島警察では木滑さんという署長さん、それから、前庁務におられた小野さんが警備課長になりまして、各町会、自治会の中のさまざまなイベントに積極的に入っていただいて、町の皆さんをサポートしながら、そして、我が町を守るさまざまな対応をしていただいておる。
警察の皆さんが非常に積極的に、しかも違和感もなく、地域の皆さんを応援しながら、そして我が町を守ろう。夜中に火の用心をやったり、非常に大きな効果を上げているわけであります。私たちも非常に感謝をしているわけでありますけれども、ぜひとも、そうした地域の市民との連携による地域の防犯活動を一層徹底していただきたいということを、最後に重ねてお願いをするわけであります。見解を伺います。
○友渕生活安全部長 警視庁といたしましては、厳しい治安情勢に対処するために、年初から、都民の皆様が特に不安感を感じるひったくり、侵入窃盗、強盗、性犯罪等を中心とします街頭・侵入犯罪総合抑止対策に組織の総力を挙げて取り組んでいるところでございます。
都民の体感治安の回復のためには、私ども警察が、その本来の任務であるこうした犯罪の検挙とその防止活動に全力を上げることはもちろんでありますが、地域住民の方々一人一人に犯罪の防止に関心を持っていただき、自分たちの町は自分たちで守るという意識のもとに、地域防犯活動等に積極的に参画していただくことも極めて効果的であり、また、犯罪の防止という視点から、知事部局を初めとする関係行政機関と緊密な連携を保っていくことも不可欠と考えております。
こうした認識に基づき、今回の条例案を審議いただいているわけでありますが、本年を治安回復元年と位置づけました私どもといたしましては、今後とも、東京都民の皆様が安全で安心して暮らせる社会を実現するために、不退転の決意で臨む所存であります。
○中村委員 東京都安全・安心まちづくり条例についてお尋ねいたします。
先ほど机上に配られましたこの犯罪件数、見ますと、総数で三十万件を超える。また、その中でも強盗の件数、そしてまた窃盗の件数が非常に年々多くなっているわけでございます。中では、本当に凶悪な犯罪、外国人による凶悪な犯罪もふえているわけでございます。
私の地元では、御徒町というところにジュエリータウンというのがあります。宝石屋さんの町ですね。数百軒ありまして、そのところにも外国人のいわゆる侵入強盗が多々あるわけでございます。
一例を取り上げますと、夜間、シャッターを強引にバールのようなものでこじあけて、ショーケースをたたき割って中の宝石類を持ち去ってしまう。そこで経営者の方がいたり、またはお店の方がいたりすると、その人たちに襲いかかって危害を加えて逃げていってしまう。その間、所轄の警察で聞きますと、二、三分で作業が全部終わってしまって逃げていってしまう。幾ら警備会社との契約をしていても、警備会社が来てもとても間に合わない。そういうような悪質な事例が多くなっているわけでございます。
その中で、御徒町のジュエリータウンでは、防犯カメラを地元の人たちで設置しようという動きが出てまいりまして、今申請をしているわけでございます。地元の人に聞きますと、防犯カメラもいいけれども、やはり一番頼りになるのは警察官なんだと。特に、交番に行くまでに時間がかかったり、または空き交番になっているという現状が多々あるわけでございまして、その空き交番を何とか解決できないだろうかという訴えを聞いているわけでございます。
今まで日本は、世界で一番安心、安全な国であるといわれてまいりました。その神話が今もろくも崩れ去ろうとしているとき、この安全・安心まちづくり条例、今こそこの条例を制定して実施していかなければならない、このように考えるわけでございます。
また、都と地域と住民が一体となって犯罪から守っていく、また犯罪を起こさせないというようなまちづくり、こういうものをつくり上げていくのが一番大事ではないかと思っているわけでございます。
その中で、今現在、本会議でも説明がありました、都内で九百四十二カ所の交番の中、二百七カ所の交番が空き交番であるという実態がわかったわけでございます。その交番、一番地域の人たちが頼りにしている交番、そこに行きますと、交番もかぎがかかっているところもあります。または、あいているところは、その中に入って、地域の人たち、地元の人たちが電話をかけて、今こういう状態ですというふうに連絡しなければ所轄の方に伝わらないというのが現状です。ただ、地元の人は、交番の中へ入って電話機をとって連絡するというのは、なかなかなれなくて非常に不自由をしているのが現状であります。
そこで、一つ提案でございますけれども、交番の外側に、家庭にあるインターホンみたいなものがありますね、カメラつきのインターホン、そういったものを設置して、所轄または近隣の常駐交番、そういうところと連携がとれないものだろうか。インターホンだったら、どなたでも簡単に押すことができる。そして、困っている人の顔もわかる、大変なんですというのがすぐ連絡がつくような、そういうシステムをつくり上げられたら、空き交番--確かに常駐交番ですと、四交替で八人、最低でも必要だというふうにいわれています。所轄でもなかなか人数が足りないという現状を私も認識しております。ならば、空き交番対策としてインターホン形式の通報連絡システムというものができないであろうかというふうに考えるわけですけれども、それについてのお答えをいただきたいと思いますが。
○濱口地域部長 ご質問の趣旨にあります防犯用の通報カメラシステムにつきましては、情報サービス自動案内ハイテク交番、略称ハイテク交番を既に一部の交番に導入しておりまして、空き交番対策及び都民サービスの向上を図っているところであります。
ハイテク交番は、当初、夜間に警察官が不在となる交番に配置することといたしまして、平成八年度に六警察署の十三交番に、平成十一年度には二警察署の二交番に設置しました。その後は、業務量の多い交番の負担軽減も加味して、逐次設置交番をふやし、現在は二十三警察署三十九交番に設置しております。
ハイテク交番の主な機能は、都民の皆様が緊急時にタッチパネルで本署の警察官と直接テレビ対話ができるほか、地理案内、困りごと相談等の都民サービスにも対応しております。
このハイテク交番の導入は、ご質問の空き交番対策の趣旨にも沿ったものでありますことから、今後とも、ご指摘のとおり、システムの機能拡充及び設置場所を含めまして、必要に応じて増設を検討してまいりたいと考えております。
○中村委員 ぜひ住宅地または盛り場等に積極的に設置をしていただきたい、このように念願いたしております。
続きまして、第二章に、都民等による犯罪防止のための自主的な活動の促進というものがあります。これは、この条例に書かれている都と都民とそれから地域の警察が一体となって防犯に取り組んでいくという、そういうような信念に基づいての条例でございます。
今、私どもの住んでいる下町、昔は、隣近所、何をしているのかということは常に連絡をしていた。おみそが足りなくなれば、ちょっと借りるよ、または、そこの家に訪ねていっても、その人、今おふろへ行ってるよというような、常に連携がとれている、近所づき合いのある、そういう町があったわけです。それが、なかなか今、核家族、少子高齢化という中で、隣近所のおつき合いが希薄になってきているのが現状であります。
その中でも、商店会活動または町内会活動というのがこの東京では多く見られるわけでございまして、町内会活動では防犯部というものもございます。それが、夜または昼間、パトロールをしたり、年末年始の夜警だとかに活動しているわけでございます。また、商店街でも、商店会活動の一環として商店会パトロール、そういうものも行っております。そして、そういうパトロールを行っている中で、ここの家にはおじいちゃんがいたね、おじいちゃん、今具合はどうなんだろうか、そういうような隣近所のいいおつき合いがあったわけでございます。
ところが、最近では、パトロールをしていると、そんな格好で大勢で歩いていると商売の邪魔だとか、または迷惑だ、営業妨害だというようなことをいわれ、本来の安全な町を確保するための活動を阻害されてしまうというのが多々あるわけです。何で君たちは、町で勝手にそういうような防犯活動ができるのだというようなことまでいわれるようなときがあるわけでございます。
そこで、こういった町の人たちの意識の啓発、そういうものをなえさせないためにも、パトロールのときには警察官の随行、同伴というものを積極的に行っていただけないものか。そしてまた、これは、警察官から、警察署から押しつけて防犯パトロールやってくださいよということではなくて、町の人がぜひ、こういう活動をしているので、警察の方もお手伝い願えないか、協力をできないかといったときに、積極的な協力をしていただきたい。
そしてまた、それをどういうセクション、どういう部署に持っていったら、そういう対応をしてくれるのかというものも、少し今よりかもわかりやすい状態でお知らせいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
○友渕生活安全部長 防犯パトロールに対する支援と協力体制の確立等についてお答えいたします。
防犯パトロールは、ボランティアの方が自主的に参加し、地域住民に声かけを行うなどにより、地域の防犯意識を高めようとする趣旨のものであり、議員ご指摘のとおり、安全・安心まちづくりを推進していく上で大変重要なものと考えております。
すべての防犯パトロールに警察官が同行することは人員的にも限界がありますが、警視庁といたしましては、今後、街頭警察活動を一層強化することとしておりますので、その中で地域における犯罪情勢を勘案しつつ、可能な限り、警察の力強いパートナーともいうべき住民の方々と連携を図っていきたいと考えております。
なお、仮に悪質な嫌がらせ等があった場合には、警察に速報していただき、警察として住民の危害防止に十分配慮してまいりたいと考えております。
また、住民との協働に関する恒常的な窓口としては、各警察署の防犯係がその機能を果たすことになります。
○中村委員 これからも積極的に協力をして、住民とともに協力して働いて治安を確保していきたい、このように願っております。
最後に、第六章にあります、学校等における児童等の安全確保についてお尋ねいたします。
最近でもありましたように、関西の方の学校で、不審者が侵入し児童を殺害、死なしめたというような事例もあります。その中で、児童というこれからの日本を背負って立つ子どもたちの安全を確保するためにも、今の学校の体制では非常に心もとない部分があるわけでございます。学校の周辺に不審者がいたり路上生活者がいたり、そういうようなところでの生徒、一生懸命勉強しているにもかかわらず、登下校時または就学時に不安を感じるというようなことが多々聞かれるわけでございます。
その中で、教師も一生懸命になって安全確保とともに教育指導をしているわけですが、そこにはやはり限界というものがございます。
そういう中で、今、国公立の学校には警察との緊急連絡システムも確立されたと伺っております。しかし、校門から不審者が中へ入ってきたとき、その通報システムのところに行くまでにどのくらいの時間がかかるか。例えば、校庭から職員室にある通報システムのところまで行くのに時間がかかってしまう。その間に危害を加えられるということは当然想定されるわけです。
私ども、せんだって、ある資料をいただきまして、トランシーバーによる通信・放送システムというものを調査いたしました。トランシーバーを一つの学校で十台ほど持って、それが集中管理をして、館内放送にも届く、そしてまた最寄りの交番にも届けられる、そういうようなシステムであります。
守衛さんにそのトランシーバーを一つ持たせる、また体育の授業の先生のところにも置いておく、または校長先生または学生指導の先生、そういう人たちにトランシーバーを持たせて、何か不審な者が校内に入り込もうとしている、または校内の様子をうかがっているというときに、トランシーバーによって連絡をして、注意を促すというようなことも大事ではないかなというふうに考えるわけでございますが、そういう中で、学校の安全対策というものを都と警視庁では--地域のPTAはもちろんそういう活動もいたしておりますが、都といたしましては、学校に対する安全対策というものをどのように考えるのか、お示しいただきまして、質問を終わらせていただきます。
○高嶋生活文化局参事 学校におきます児童等の安全確保のための施策についてお答えいたします。
これまでも都は、警視庁と連携いたしまして、学校における児童等の安全を図るため、ソフト面の対策としまして、学校職員を対象とした不審者侵入時の防犯訓練や、また、児童等が犯罪被害に遭わないための安全教室等を開催してきたところでございます。
また、ハード面の対策といたしましては、異常発生の際、警視庁に速報される非常通報装置を、私立学校も含む都内の全小中学校等に整備したほか、通学路における児童等の安全を図るため、子ども一一〇番の家の拡充を行うなど、施策を講じてきております。
今後は、条例の制定を受けまして、児童等の安全を確保するために行います、学校職員を対象とした防犯教室指導員養成等のソフト面における対策や、議員ご指摘のような、学校内の緊急通報システムの整備などのハード面における対策につきましても、警視庁と調整を図りながら、条例を具体化する指針の策定や事業の実施に反映していくとともに、これらに必要な情報の提供や技術的助言を積極的に行うよう努めてまいりたいと考えております。
○秋田委員 私は、安全・安心まちづくり条例について質問をさせていただきたいと思います。
今日の凶悪犯罪や都市型犯罪の増加のもとで、都民の生命と財産を守ることは重要な課題であること、同時に、犯罪をなくす基本は、警察法で定められていた責務や権限を持った警察にあるということは、先日の代表質問でも述べさせていただいたところであります。
今回提案をされました安全・安心まちづくり条例について、憲法学者や研究者、法曹界の皆さんから多くの問題が指摘をされておりますし、反対の声明や要望も私どもに届けられております。また、都下の小金井の市議会では、本条例に反対する意見書が、日本共産党や民主党、生活者ネットなど、賛成多数で可決をされました。
本条例案は、都民生活や憲法が保障する人権、あるいはプライバシーにかかわる非常に重要なものであるというふうに思っております。したがって、本委員会といたしましても、慎重かつ十分な審議が求められていると考えています。
しかしながら、本条例案は、極めて重要な条例にもかかわらず、不明確な点が余りにも多いので、そこで、正確な審議を行う前提といたしまして、少し時間がかかりますけれども、逐条の説明を、まずお願いをしたいというふうに思います。
まずその第一は、条例案は、「東京都(都)」、こういう文言がたくさんこの中に出てまいります。一般的に、東京都といえば知事部局のことを指すと多くの都民は思っているのだろうし、他の条例でもそのように使われていることが多いのであります。ここで、本条例でいう東京都、このことは何を指すのか、そのご説明をいただきたいと思います。
○友渕生活安全部長 本条例でいいます東京都とは、公安委員会、知事部局、教育委員会などの、都の執行機関のすべてを指します。
○秋田委員 先ほども申し上げましたように、一般の都民は、東京都といえば、新宿にあるこの都庁舎をイメージをするのですね。知事部局をイメージをします。警視庁といえば、桜田門をイメージするのですね。それが、ここでは東京都に一つにまとめられて公安委員会、知事部局、そういうことになっているわけなんですね。
まあ、そういうすべてを指すのだということになるのですが、それでは、事業者とは何を指すのか、また、経営者以外の雇用者はそこに含まれるのかどうか、そのことを確認したいと思います。
○友渕生活安全部長 事業者とは、東京都内に事務所または事業所を持ち、一定の目的と計画とに基づいて経営する、経済的活動を行う者をいいます。
雇用者は、事業者には該当しませんが、事業者が事業者として安全・安心まちづくりに関する取り組みを行う際には、雇用者が企業の社会参加に賛同して、具体的な活動に参加することはあると思われます。
○秋田委員 それでは次に、自主的活動という言葉もあちこち出てくるのですけれども、これはどういう活動をいうのか、具体的に示していただきたい。
○友渕生活安全部長 地域における犯罪を防止するための活動で、具体的にはキャンペーン等の防犯広報活動、防犯パトロール、防犯意識の向上を目的とした各種会議の開催などをいいます。
○秋田委員 それでは次に、「犯罪の防止に配慮した構造、設備等」、こうありますが、この構造、設備とは具体的にどんなものを指すのか、またあちこちに「等」という言葉がついていますが、この「等」は、どんなことを想定しているのか、示してください。
○友渕生活安全部長 構造とは、住宅等を形成する仕組み、組み立てをいい、設備とは、住宅等に備えつけられたものをいいます。
本条例案にあります「犯罪の防止に配慮した構造、設備等」とは、第九条、犯罪の防止に配慮した住宅の普及では、住宅に関して、出入り口は周囲からの見通しが確保された位置にあること、外部からの侵入者の侵入に備えて、防犯カメラの設置等により見通しを補完する対策が講じられていること、住戸においては、侵入が困難となる構造の玄関錠が備えつけられていることなどを想定しております。
第十四条、犯罪の防止に配慮した道路、公園等の普及では、道路に関して、周囲からの見通し、防犯灯や街路灯等による照度が確保されていること、公園に関して、周囲からの見通し、夜間の照度、防犯設備の設置がなされていること、自動車駐車場及び自転車駐車場は、さく等による周囲との区分、管理者の常駐、巡回がなされていることなどを想定しております。
第十七条、犯罪の防止に配慮した店舗等の整備では、防犯設備が効果的に配置されていること、店舗出入り口について、周囲から見通しが確保されていること、現金輸送時における有効な警備体制が確立されていること、深夜の通報体制が整備されていることなどであります。
また、「等」につきましては、例えば管理体制が挙げられます。これは、管理人が置かれていることなどにより、住宅等の管理につき、責任ある体制がとられていることを想定しております。
○秋田委員 今説明のございました防犯設備、これはどういうものを指すのか、一般的に防犯設備といわれましてもわかりませんので、具体的にお示しをいただきたい。
○友渕生活安全部長 スーパー防犯灯、防犯カメラ、防犯ベル、その他非常通報装置などが考えられます。
○秋田委員 「金融機関店舗等を管理する者等」及び「当該学校等」の「等」ですね、これも具体的に何をいうのか。また「必要な情報の提供、技術的助言等」の「等」は具体的に何をいうのか、それをお示しをいただきたい。
○友渕生活安全部長 「金融機関店舗等を管理する者等」の「等」とは、管理者に準ずるような者で、責任を有する職員をいいます。
「当該学校等」の「等」は、児童福祉施設及びこれに類する施設をいいます。
また、第二十一条第二項の「必要な情報の提供、技術的助言等」の「等」とは、非常通報装置の設置が挙げられます。
〔「よくわかりました」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員 皆さんはわかっているかもしれませんが、あいまいな点が非常に多いのです。だから、はっきりさせなきゃならぬ、そういうことから私は聞いているのであって、皆さんは必要ないかもしれませんが、私は必要だと思っております。
技術的助言と必要な措置は、それぞれどんなことをいうのか、また、その他必要な措置はどんなことを考えているのか、さらに、助言する技術者の配置はどうするのか、そして、防犯に関する構造、設備等の建築確認とのかかわり合いはどうするのか、そこも教えてください。
○友渕生活安全部長 技術的助言とは、第十一条第二項、建築確認申請時における助言等、第十三条、建築主、所有者等に対する情報の提供等、第十八条、事業者、管理者等に対する情報の提供等、第二十一条第二項、学校等における安全対策の推進に規定されており、防犯設備の性能や配置等についてアドバイスを行うことであります。
必要な措置とは、第十二条、建築事業者、所有者等の努力義務につきましては、共用出入り口、エレベーターホール等における見通しの確保、玄関扉に係る防犯装置、破壊及びピッキングに強い錠の設置、第十六条、自動車駐車場及び自転車駐車場の設置者等の努力義務につきましては、駐車場の外周におけるさく等の設置、駐車スペースにおける必要な照度の確保などの措置をいいます。
第二十一条、学校等における安全対策の推進につきましては、学校内のパトロールの実施、子どもたちに防犯上の心構えや緊急時の対応を教えるための生活安全教室の開催、関係機関等との協力による緊急避難訓練の実施などが挙げられます。
第二十二条、通学路等における児童等の安全の確保につきましては、PTA、地域住民等と連携して行う学校周辺におけるパトロールの実施、地域の人々の協力を得て、子どもが危険を避けるために駆け込める子ども一一〇番の家の拡充などが挙げられます。
その他必要な措置とは、第十三条、建築主、所有者等に対する情報の提供等につきましては、共同住宅における防犯組織の結成の働きかけや、管理組合等への自主防犯活動の呼びかけなどが挙げられます。
第十八条、事業者、管理者等に対する情報の提供等につきましては、強盗事件など、緊急事態を想定した訓練に関する指導、協力が挙げられます。
助言する技術者の配置でありますが、警視庁においては、各警察署の防犯係に専門的な立場から助言できる者がおりますが、今後、さらに専門的知識を有する者の育成に努めていくこととしております。
また、建築主に警察署長の意見を求めるよう助言するとされておりますが、これは強制するものではなく、また、建築確認申請の条件でもありません。
○秋田委員 次に、先ほど石井委員も聞いておりましたけれども、第六条の一項及び二項でいう推進体制は、具体的にどのようなメンバーで構成するのか。そして、第一項の推進体制の組織には、このたび副知事になられました竹花副知事は入るのか。入った場合には、副知事と警視総監という関係上どちらが--先ほどは知事が会長でという話がありましたけれども、会長職務代理などはどちらが務めるのか、そのことをお聞きしたい。
○友渕生活安全部長 第一項にあります推進体制の整備につきましては、知事を会長として、行政、都民、地域団体、事業者団体の代表者で構成される東京都レベルの協議会を設けることが考えられており、事柄の性質上、竹花副知事にもこれにふさわしい立場で参加いただければと思いますが、具体的には条例制定後に検討されることになります。
また、第二項にあります推進体制の整備につきましては、警察署長、区市町村、関係機関、地域住民の代表者で構成することを考えており、警察署単位または区市町村単位で設けることから、おおむね五十の推進協議会の設置が見込まれます。また、現在のNPOの社会的意義にかんがみ、NPOに参加していただくことも考慮の一つと思われます。
○秋田委員 第二十四条で、条例の施行に必要な事項は規則で定める、こうありますけれども、この規則の内容はどんなものになるのか、示していただきたい。
○友渕生活安全部長 今のところ、規則に委任を予定している事項はございません。
なお、条文においては、第十七条第二項の特定小売店舗としてコンビニエンスストア及びスーパーマーケット、第十九条の児童福祉施設に類する施設として認証保育所を、東京都公安委員会規則において定めることとしております。
○秋田委員 この条例は、警察の責務を規定した警察法第二条の犯罪の予防、この範疇と考えていいのかどうか、そこら辺のことを教えてください。
○友渕生活安全部長 警察が行うことについては、警察法第二条に基づいて行われるものですが、安全・安心まちづくりのため、行政、都民、事業者等、警察以外の方々に行っていただくことについては、警察の責務を定めた警察法第二条、犯罪の予防とは直接の関係はありません。
○秋田委員 それは警察法とは直接関係がないかもしれませんけれども、警察法も、犯罪の予防というのを警察の責務として定めてありますよね。その予防と、自主的な組織であるものが予防のために--この条例もそのためにつくるのだと思うのですよね、その予防とは、同じなんじゃないでしょうか。
○友渕生活安全部長 この条例は、都、都民、事業者が一体となった取り組みを行うことにより、犯罪の防止を目指すものであります。
○秋田委員 つまり、予防するという点では、協力し合って、同じことを意味しているということですよね。
じゃあ、次にいきますが、第二十二条で定める、警察署長は、通学、通園路、それから公園、広場などの安全の確保に、管理者などと協力をして措置を講ずるとありますけれども、余りにも範囲が広過ぎて、例えば広場などといわれても、どの程度の広場のことを指すのか、全くわからないのですね。具体的にお示しをいただきたい。
○友渕生活安全部長 本条は、通学路等における児童等の安全の確保を目的としており、通学、通園等の用に供されている道路及び児童等が日常的に利用している公園、広場等であればすべてを含むものでありますが、条例の運用に当たっては、学校との近接性、利用頻度、あるいは危険性、保護者や児童等の意見、要望を踏まえて、個別に対策の程度や要否について検討したいと考えております。
○秋田委員 それではまだ、やはり十分わからないですね。学校の近接性だとか利用頻度だとか、個別に対策を行うとか、こういわれるのですけれども、それをだれが規定をするのでしょうか。
○友渕生活安全部長 本条は、地域住民、児童の保護者等のご協力を得て初めて実効あるものとなることから、警察署長がこれらの方々に十分説明し、また地域レベルの推進協議会において、地域の方々に説明することも考えてまいりたいと思います。
○秋田委員 それは、相談することはあるでしょうけれども、決めるのは一体だれなんですか。
○友渕生活安全部長 地域住民の方々と十分相談して、警察署長等が決めさせていただきます。
○秋田委員 まあ、その辺でいいでしょう。以上、逐条の確認をさせていただきました。その上に立って、私は次、以下の論点について、質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず第一点は、この条例の主体に関する問題であります。
この条例は、指針をつくる知事、公安委員会などと、助言などをする警察署長以外の主体はすべて東京都--さっき説明いただきましたね--あるいは都となっております。先ほどの説明では、こういう東京都とは、公安委員会、知事部局、教育委員会、都の執行機関のすべてを指すとの説明でありました。
では、八条一項の自主的な活動推進のための情報の提供、十三条の住宅についての情報の提供、その他の措置、そして二十一条二項の学校などの安全対策への情報の提供、技術的助言は共同して行うということになるのかどうなのか、そこら辺のことを、いっぱいあるのですけれども、示していただきたい。
○友渕生活安全部長 情報の提供や技術的助言は、行うべきことの性質に応じて、関係する部局や執行機関が、それぞれの立場で必要なことを行うものでありますが、中には共同して行うものもあります。
第八条第一項では、都民等が適切かつ効果的に犯罪防止のための自主的な活動が行えるよう、必要な情報の提供を行うこととしており、例えば最新の犯罪情勢、新たな犯罪手口などの情報の提供、各種ボランティア活動の紹介などが挙げられます。
第十三条では、住宅を建築しようとする者等に対し、防犯性の向上のために必要な情報の提供、技術的助言を行うこととしており、例えばピッキングによる解錠が困難な錠の紹介、侵入手口などの犯罪情報が挙げられます。
第二十一条二項では、都立の学校以外の学校等の設置者等に対し、安全対策の実施について必要な情報の提供、技術的助言等を行うこととしており、例えば都の学校における施策の紹介、最近の犯罪の特徴などに関する情報の提供が挙げられます。
これらはそれぞれ関係する機関が行うものですが、その過程において、連携して行うことが効果的と認められるものについては、共同して行う場合もあります。
○秋田委員 それぞれの立場で必要なことを行うとか、中には共同して行うものもあるというようなことを説明をされましたけれども、これもよくわからないのです。共同でやる場合に、だれが整理をして、実行方法は具体的にはどうなるのか、そこら辺のことも教えていただきたい。
○友渕生活安全部長 これにつきましては、それぞれ関係部局、警察署長、あるいは警視庁本部、その他の者が決定をする、このようになろうかと思います。
○秋田委員 結局、いろいろいわれましたけれども、警察が中心ということになるのだということですよね。
では、二点目にお伺いをしますが、住民の自主的努力や区市町村との関係の問題でありますけれども、石原知事は、所信表明で条例制定の趣旨を、地域と自治体、民間企業などが力を合わせてまちづくりを実現する、実現のために、こういうふうに説明をされました。だとすれば、住民、事業者、自治体の自主的な努力こそが基礎のはずであります。ところが、条例では、東京都の施策に住民が協力することが責務とされて、都の定める指針に住民や区市町村などが協力することが前提となっております。
そこで伺いますが、六条の二項は、警察署長は、その管轄区域において、区市町村及び都民等と協働して、推進するための体制を整備するとされておりますけれども、区市町村はこれに拘束をされますか。
○友渕生活安全部長 本条例案は強制力を伴うものではなく、区市町村が拘束されることはございません。
しかしながら、安全・安心まちづくりにおいては区市町村の役割が大きいことから、本条例の趣旨を理解していただき、必要な連携協力を行っていきたいと考えております。
○秋田委員 強制を伴わないというお話ですけれども、最初に生文局の高嶋参事は、区市町村の特性を生かして地域に推進体制を、協議会をつくるというふうにお話をされましたし、先ほど来、答弁の中で、五十くらいの推進協議会を予定をしているというようなお話でありますけれども、そういうことになれば、だんだん強制されるのじゃないかというふうに思うのです。同種の規定を持つ大阪では、区市町村の条例とは無関係に、全自治体に地域協議会がつくられております。警察署長がすべての協議会で副会長になっております。
そこで、必要な連携や協力ということで強制をしないというのですが、はっきりと約束されますか。
○友渕生活安全部長 地域住民、事業者の方々には、犯罪の防止に関心を持っていただき、自分の町は自分で守るという意識を高め、自主的な防犯活動等を推進していただくためのご協力をお願いするものであり、何かをしていただくことを強制するとか、あるいは協力しないことで不利益をこうむるといったものではなく、警察の責務の押しつけということとは考えておりません。
○秋田委員 まあ、いろいろいわれますけれども、結局、自主的といいながら、努力していただくといいながら、区市町村に推進体制の確立が半ば強要されるというか、そういうような危険を持つものだと指摘をせざるを得ないのであります。ここでは、都道府県と区市町村は対等、平等の関係にあるわけですけれども、その位置を保障した地方分権の趣旨に逆行するのではないかというふうに思うのです。
そもそも、住民や区市町村が真に自主的な活動を行うことを尊重するというのであれば、都の条例でこのように一律に規制することはないのですね。自主的にやって、それで推進協議会をつくるかつくらないか、地域の特性によって考えればいいというふうになるのだと思うのです。そして、いろいろな相談は警察署長が、来れば気軽に受ければいい、そういうことではないかというふうに思うのです。
三つ目の問題として、私は、何に努力をする責務を負うのかという問題について、お伺いをいたしたいと思います。
条例では、指針を定めるものは十条の住宅の構造、設備、それから十五条の道路、公園、駐車場、二十条の学校だけに限定をされておりますが、七条の自主的な活動や十七条の商業施設などについては、どのような方法でどう具体化するのでしょうか。
○友渕生活安全部長 第七条については、都民等が行う犯罪防止のための自主的な活動を促進するための必要な支援について定めたものでありますが、自主的な活動には多種多様なものがあることから、指針を画一的に示すべき性質のものではないと考えます。今後、関係部局が連携協力し、具体的な事業として推進することとしております。
また、条例施行後に設置される東京都レベルの推進協議会及び地域レベルの推進協議会においても、ご理解を得て実施していくこととしております。
次に、第十七条の商業施設等につきましては、それぞれの業界によって統一的な対応が可能と認められますので、それぞれの業態や店舗等の規模、周囲の環境等、さまざまな要素を勘案して、各業界において協力していただき、必要な整備に努めていただくのが適当と考えております。
○秋田委員 自主的とか、いろいろあるのですが、都民や事業者は施策に協力する責務を負わされても、指針などで具体的に示されなければ、何に努力する責務を負うのか、これもわからないのです。
今の答弁では、だれがどのようにして具体化し、都民に示すのか、明確ではありません。これでは、都あるいは警察署長への白紙委任といわれても仕方がない、そんなふうに思えて仕方がありません。結局、指針や規則などがないまま、本条例によってフリーハンドで運用されるおそれが強いといわなければなりませんが、そこら辺のことはどうなりますか。
○友渕生活安全部長 自主的な防犯活動につきましては、地域住民あるいは事業者等がまさしく自主的に決定をして、活動するものと考えております。
〔「飛躍し過ぎですよ」「共産主義国家じゃないのだから大丈夫だよ」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員 何もそんなことを聞いているんじゃないのだ。(「考え過ぎだよ、本当に」と呼ぶ者あり)これは、ちゃんとしておかなきゃ都民が安心できないのだ、この条例は。そういうことから聞いているのであって、黙って聞きなさいよ。
結局、指針もなければ規則にも定められない、そういうことになれば、だれが判断するかということになれば、結局は警察が判断することになるというのも、さっきはっきりしたじゃありませんか。
そういう点から、私は、もうそのことはこだわりませんけれども、次に移りますが、四つ目に、指針の策定や変更の問題について伺います。
指針の策定や変更は、区市町村や都民、専門家の意見は反映されるのですか。
○友渕生活安全部長 指針の策定や変更につきましては、区市町村や事業者団体に対する事前説明や、都民、専門家の意見も踏まえながら行っていきたいと考えております。
○秋田委員 先ほども紹介をいたしましたけれども、大阪の条例では、指針を定めまたは変更しようとするときは、あらかじめ市町村長の意見を聞くとともに、府民の意見を反映させるための適切な措置を講ずるものとする、こういうふうに明記をしているのですね。
ところが、都の条例では、これらが何の規定もないわけなんです。だから、先ほどもいろいろと皆さんご意見あるけれども、ちゃんと確認しておかなければならないことはしておかなければならないから聞いているのです。したがって、そこら辺のことをぜひ説明をしていただきたい。
○友渕生活安全部長 先ほども申し上げましたように、十分、市町村あるいは専門家、都民等の意見を聞いた上でこの指針を策定していきたい、このように思っておりますし、同時に、できました時点では公表をしたい、このように思っております。
○秋田委員 それなら、どうして条例に、ちゃんと大阪のように明記をしないのですか。先ほど来、罰金だとかなんとか、悪いものはまねすることはないのですよ。しかし、こういう必要なことについては、都民の参加を保障するのは当然ではないですか。そのことを条例に明記するのは当然じゃないですか。
○友渕生活安全部長 これにつきましては、東京都レベルの推進協議会等の意見についても聴取をして定めていきたい、このように思っております。
○秋田委員 それじゃあ、そういうふうに明記をすればいいのですよ。
五点目にお聞きしますが、逐条でも説明を受けましたけれども、情報の提供、それから技術的助言が条例にはたびたび出てくるのですが、具体的にだれがどんな方法で行うのか、確認をしておきたいと思います。
○友渕生活安全部長 情報提供と技術的助言につきましては、都が行うものと警察署長が行うものがあります。
都が行うものについては、関係部局がそれぞれの立場で、または必要により共同して行うことになります。その方法としては、都民等からの問い合わせに応じる形で行ったり、パンフレットの配布、インターネットホームぺージの活用、広報誌への掲載等により行ったりするものと承知しております。
例えば、住宅の防犯性の向上に関しましては、住宅局はモデル住宅や防犯設備の紹介などを行い、警視庁は防犯設備の性能、配置等についてのアドバイスなどを行います。また、犯罪の防止に配慮した住宅の普及に関するキャンペーンなどは、共同して行うことになります。
また、警察署長は、その管轄区域の犯罪情勢を把握しているという立場から、地域住民等に対して、同様の方法により情報の提供や技術的助言を行うこととしております。
○秋田委員 そういうお話であれば、住宅の相談などは、建築設計の段階で、今、防犯設備士という資格があるわけですけれども、こういう人が担えればいいのであって、条例をつくるまでもなく、住民が必要を感じたら警察に相談に行ったり、助言を求めたりすればいいのであって、ここでわざわざそんなことを規定する必要はないのじゃないかというふうに思うのです。
次に、条例に責務、助言、措置などをこういうふうに規定するということは、自主性や任意を超えた義務になるのではないかというふうに思いますが、答弁をお願いいたします。
○友渕生活安全部長 この条例は、都民の理解と協力を得て安全・安心まちづくりを推進するためのもので、もとより強制力を伴うものではありませんので、自主性や任意性を超えたものになるとは考えておりません。
なお、本条例の目的を達成するためには、都民等が安全・安心まちづくりについて理解を深め、自発的かつ積極的に協力していただくことが極めて大切であると認識しており、都民等が自主性、任意性を持って参画していただけるよう、十分配慮した条例の運用に努めたいと思っております。
○秋田委員 そうはおっしゃいますけれども、そんなことなら、わざわざ条例をつくるまでもないのですね。それで責務や助言、措置など、規定する必要はないのですね。しかし、努めなければならないが努力義務ではないとか--義務になる例は、あちこち幾らでもあるのですよ。だから心配をするのですよ。
ここにありますが、今あちこちで問題になっておりますけれども、健康増進法という法律ができましたよね。それで分煙か禁煙か、こういうことをはっきりしなきゃならぬというようなことが決められているのですね。この法律では、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない、こういう法律になっているのです。
ところが、これが実は、四月二十八日に分煙指導の研修会を、健康局がこの下の都民ホールでやったのですね。そのときに、都民ホールの前にある喫煙所、そこにこれが張ってあったのです。(ポスターを示す)それをもらってきたのですけれども、きのうまで張ってあった、きょうはがして、借りてきたのです。
ここには、こうなっているのです。(「ポスターはがしじゃないか」と呼ぶ者あり)いやいや、局がやってくれたのですよ。完全分煙、禁煙と、こう書いてあるのです。そして、受動喫煙を防ぐため、完全な分煙または禁煙をすることが義務となりましたと、こういうふうに、上にゴシックで書いてあるのですよ。下に、さっきの健康増進法の法律の抜粋で、小さくこういうふうに書いてあるのですね。こんなふうに、世間では次々と広がっていくというような状況になるから、私は心配をしているのです。
そういうことから、役所ですら、努めなければならないということが義務だということで宣伝をするというようなことになっているのです。一般の人は、安全・安心まちづくり条例ができたと。そこに努めるものとすると書いてあれば、もう、義務だ、そういうふうに思う危険は、この一例から見ても十分あると、私は思うのです。
自主性や任意性を超えたものにならないというような趣旨のことをおっしゃいましたけれども、それでは済まないと思うのです。だから、そういうことは絶対にないというふうに、はっきりとここでいっていただきたい。
○友渕生活安全部長 あくまでも自主性、任意性の範囲で検討したい、このように思っております。
○秋田委員 そのことを一般に周知徹底を本当にしてもらいたい、そのことを約束していただきたいというふうに思うのですが、どうですか。
○友渕生活安全部長 先ほど申し上げましたとおり、自主性、任意性に十分配慮したいと思います。
○秋田委員 その現場の警察官の一人一人にまで周知徹底をしていただきたい。
それでは次に行きますけれども、防犯パトロール、防犯カメラなどによって得た情報は、だれが管理をし、どう活用するのか、伺いたい。
○友渕生活安全部長 地域ボランティアの方々等による防犯パトロールは、ボランティアの方々が地域住民に声かけを行い、防犯上のアドバイスをするなどにより、地域の防犯意識を高めようとする趣旨のものであります。
したがいまして、防犯パトロールに参加された方々が、犯罪の防止に役立つと判断される情報は、薄暗い裏通りの改善要望や、変質者の出没に対する警察官のパトロール要望というように多種多様であり、一概には申し上げられませんが、警察にご連絡をいただいた場合に、急を要する事案に対しましては、一一〇番受理時と同様に、迅速的確に対応することとなります。また、プライバシー等に係る内容を含むものである場合には、その取り扱いに十分な配慮をしてまいります。
次に、防犯カメラについてでありますが、当庁が設置している新宿歌舞伎町街頭防犯カメラシステムによって得られた画像は、警視庁本部において、原則として一週間保存されることとなっており、公安委員会規程を制定して、その管理運用を厳格に行っているところであります。
このほか、防犯カメラを自主的に設置しようとする地域住民の方々から相談があった場合等においては、個々のケースに応じて、その設置に当たり自主的に管理運営委員会を設置して、データ管理を厳格に行っている例等を紹介するなどして、プライバシーに対する配慮がなされるよう、努めてまいりたいと考えております。
○秋田委員 今、自主的に管理をするということでありますが、例えば犯罪の防止のために配慮した構造、設備、そこにカメラを設置をしなければならないということになっていますよね。そして道路、公園等で防犯カメラの設置、こういうことになっているわけなんです。それらは自主的にやるのかもしれませんけれども、こういうカメラのことについてはだれが管理をし、そしてどういうふうに運用されるのか、それもお聞かせをいただきたい。
○友渕生活安全部長 これにつきましては、設置主体によりそれぞれ異なってくる、このように思います。
○秋田委員 そこに映った不審者などがいるというような場合に、それを警察に見てもらいたいというような場合には、どういうふうになるのでしょうか。
○友渕生活安全部長 警察が受けたデータ情報等につきましては、警察の管理規程に基づきまして厳格に管理をしてまいりたい、このように思っております。
○秋田委員 いろいろ今お聞きをしてまいりましたけれども、届けられたものは、警察で厳重に規程によって管理をするということでありますけれども、これは本当に重大なことなんですね。
私は、このことについて非常に危惧を抱いている者なんですけれども、ここに映される被対象物ですか、被撮影者といわれますか、そういうものはプライバシー、人権、そういうものにかかわって非常に重大なものを持つということは、いうまでもないことなんです。
もし、証拠保全などのために警察に届けられたもの、それは一般的に許容される限度を超えないものでなければならないということになると思うのですよね、予防のためですから。そういうことになったら、本当に許容されるのかどうか、このことが厳しく問われるのだと思うのです。
現に、昭和四十四年十二月二十四日の京都府学連事件というのが、最高裁で確定をしているのです。ここでは、令状なしで被撮影者の意思に反して撮影できる限界が確定をしているのですけれども、そこでは、現に犯罪が行われもしくは行われた後間がないと認められる場合であって、証拠保全のため必然性及び緊急性があり、かつその撮影が一般的に許容される限度を超えない相当な方法をもって行われるとき、こういうふうに厳しく限定をされておりますね。
この最高裁判決は、憲法の書物でも紹介をされているのです。ここに岩波書店の「憲法 新版補訂版」というのを持ってきましたけれども、この中で、この京都府学連事件のことも触れて、個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしに、みだりにその容貌、姿態を撮影されない自由を有する、これを肖像権と称するかどうかは別として、少なくとも、警察官が正当な理由もないのに個人の容貌等を撮影することは憲法十三条の趣旨に反し、許されない、と判示して、肖像権、つまりプライバイシーの権利の逸失と崩壊でありますが、肖像権の具体的権利性を認めた判決だということで、警察が収集する撮影でも、こういうふうに厳しい限定がされているのですよね。
それを、一般のあちこちで防犯カメラがとらえるということに対する肖像権はどういうふうになるのか、こういうことも極めて心配でありますが、問題は、本条例は犯罪が起こった場合の話ではなくて、その以前の予防の範疇の問題なんです。
警視庁は厳格な管理運用を行っているというふうにいいますが、常時個人を撮影することになると、防犯カメラの設置は、最高裁判例に照らしても、そして憲法十三条の人権とプライバシーの自由に抵触をする、違反をするおそれが強いものといわざるを得ません。
ましてや、都の条例で防犯カメラの設置を位置づけて、地域住民、社会全体に防犯カメラの網を張りめぐらすというようなことになりかねないやり方が許されるのかどうか。(「許されているのだよ、今」と呼ぶ者あり)こういうことをそういうふうに茶化したり何かするのじゃなくて、真摯に都民の立場に立って考えて、都民合意で、こうした条例をつくる場合にはちゃんとやるべきだ、私はそういうふうに思うわけなんです。
したがって、凶悪犯罪の増大に対する都民の不安の解消に自治体が力を尽くすのは当然でありますけれども、問題解決には、犯罪予防と取り締まりの責任と権限を持つ警察の力を発揮させることが第一であって、さまざまな問題を持つ今回の条例は撤回をして、本当に都民合意でもう一度出し直すべきだ、必要があるならばそうすべきであって、今回は撤回をすべきだということを強く主張して、私の質問を終わります。
○吉野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉野委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で警視庁関係を終わります。
○吉野委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百六十三号議案から第百六十五号議案までを一括して議題といたします。
本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉野委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
○吉野委員長 次に、志村消防署の火災概要についての報告事項に対する質疑を行います。
本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉野委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で東京消防庁関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時散会
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