警察・消防委員会速記録第四号

平成十四年三月二十日(水曜日)
第十一委員会室
   午後一時五分開議
 出席委員 十三名
委員長三原 將嗣君
副委員長名取 憲彦君
副委員長石井 義修君
理事宮崎  章君
理事小山 敏雄君
理事秋田かくお君
中嶋 義雄君
いなば真一君
土屋たかゆき君
花川与惣太君
清原錬太郎君
藤井 富雄君
田中  良君

 欠席委員 一名

 出席説明員
警視庁警視総監野田  健君
総務部長岩橋  修君
総務部会計課長鹿倉 則彰君
消防庁消防総監杉村 哲也君
次長白谷 祐二君
総務部経理課長稲葉 義行君

本日の会議に付した事件
 予算の調査(意見開陳)
 ・第一号議案 平成十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 警察・消防委員会所管分
 付託議案の審査(決定)
 ・第百三十二号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百三十三号議案 警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
 ・第百三十四号議案 東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百三十五号議案 火災予防条例の一部を改正する条例
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○三原委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 また、本日程以外に委員の派遣が必要な場合につきましては、その取り扱いを委員長に一任いただきたいと思います。あわせてご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、平成十四年度予算の調査及び付託議案の審査、並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び継続調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、警察・消防委員会所管分を議題といたします。
 本案については、既に質疑を終了いたしております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○いなば委員 私は、東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託されました平成十四年度予算関係議案について、意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 現下の都財政は、三年連続の財政赤字や、七兆円を超える都債残高に加え、一兆円を超える隠れ借金など、大変厳しい状況にあります。さらに、十四年度は景気が一段と悪化することが予想される中で、都税収入についても大幅な減少が見込まれております。財政再建道半ばにある今日、都財政の構造改革に一層の進展がなければ、都政のさまざまな施策の実行に支障が生じかねません。
 その一方で、東京は国内外の厳しい都市間競争にさらされており、この中で生き残っていかなければ、東京だけではなく我が国自体の衰退につながるものであり、都市基盤の整備や少子高齢社会への対応、景気対策、環境危機や治安悪化への対応など、都政の重要課題への取り組みが急がれております。こうした取り組みを通じて首都東京を何としても再生し、都民一人一人が夢や希望を持ち続けられるような輝かしい社会をつくり上げていくことが、我々の責務であります。
 新しい時代にふさわしい施策の再構築や歳入確保努力など、財政構造改革の実行がますます重要になっております。知事は、平成十四年度予算案を、東京が直面する危機に積極的に対応する予算と位置づけ、編成されました。
 内容を見ますと、歳出面においては、財政再建推進プラン三年目の予算として、引き続き、職員定数の削減など内部努力や施策の見直し、再構築に取り組んでおります。
 また、都民生活の不安に対しては、緊急地域雇用創出特別基金事業や中高年リストラ対策などの雇用対策や、中小企業制度融資の充実や、商店街活性化事業などの中小企業対策を迅速に進めることとしております。
 首都圏再生に向けては、区部環状道路や多摩南北方向の道路など幹線道路の整備に取り組むとともに、りんかい線などの公共交通網の整備を進めることとしております。また、交通渋滞の解消策として、新たに効果満点道路事業に取り組むとともに、鉄道の連続立体交差を推進することとしています。
 環境面では、東京の森再生プロジェクトに新たに取り組むとともに、自動車公害対策についても充実させております。
 さらに、我が党が強く主張してきた福祉改革についても、認証保育所の一層の拡充や、暮らしの福祉インフラ緊急整備など、きめ細かく対応されております。
 このように、厳しい財政状況にあっても、首都東京の再生に向けて、ハード、ソフトの両面からしっかりと対策が組まれております。
 一方、歳入面においては、都市基盤整備を推進するため、国庫支出金の確保に努めるとともに、都民間の負担の公平を図る観点から、使用料、手数料について必要な見直しがなされております。
 しかしながら、税源の移譲など地方税財政制度の改善については、この予算案では具体的な改善が図られませんでした。今後も引き続き、税源移譲を初めとする地方税財政制度の改善を強く国に働きかけ、地方主権の時代にふさわしい財政自主権を実現していかなければなりません。
 景気の先行きについて速やかな改善が期待できない中、都財政の運営に当たっては、常に財政再建の初心に立ち返り、引き続き、財政再建推進プランに基づき、財政構造改革へのなお一層の取り組みを行い、明るい展望が得られるよう、努力を積み重ねていただきたいと思います。
 なお、予算の執行に当たっては、各局とも一層効率的な事業運営に努め、都民の期待にこたえるべく、最大限の努力を重ねられるよう強く要望いたします。
 次に、警視庁関係について申し上げます。
 一、国際的なテロ組織及びけん銃や刃物等を使用する来日外国人、暴力団等犯罪組織から都民を守るため、組織犯罪対策の強化と取り締まりに必要な装備資器材等の整備を図られたい。
 二、慢性的な交通渋滞を解消し、交通の円滑化を図るとともに、交通安全対策を強力に推進するため、交通信号施設、交通管制機構施設及び道路標識等の交通安全施設の整備を図られたい。
 三、交通公害抑止を推進するために必要な装備資器材の整備を図られたい。
 四、大規模災害発生時に迅速、的確に対応するための拠点となる警察庁舎及び災害対策要員確保のための待機宿舎の整備を図られたい。
 五、大規模災害発生時における被害の早期把握、被災者の救助に必要な装備資器材の整備を図られたい。
 六、地域安全活動推進の拠点となる警察署、交番、駐在所庁舎の整備を図るとともに、一一〇番受理体制の強化を図られたい。
 七、情報通信技術を悪用したサイバーテロや不正アクセス行為等のハイテク犯罪に対処するために、必要な機器の整備を図られたい。
 八、犯罪被害者の精神的、経済的負担を軽減するとともに、被害者支援要員の拡充を初めとする、犯罪被害者支援体制の強化を図られたい。
 次に、東京消防庁関係について申し上げます。
 一、震災時の消防活動拠点となる消防庁舎の機能を確保するための耐震補強工事を行うとともに、耐震性防火水槽を整備し、震災時における消防活動の万全を図られたい。
 二、消防部隊の円滑な運用を図るため、災害救急情報センターの部隊運用装置の更新を図るとともに、情報、指揮等を迅速、的確に伝達するための各種通信機器を充実されたい。
 三、消防団の分団本部格納庫や可搬ポンプ等積載車の装備資器材を整備し、消防団活動体制の強化を図られたい。
 四、救急件数の増大に対応するため、救急車の増強を行い、救急活動体制の強化を図られたい。
 五、防火促進キャンペーン等を実施し、地域と一体となった火災予防対策を推進されたい。
 六、増大する消防行政に対応するため、各種消防車両の更新を行い、消防力の充実を図られたい。
 七、学校教育における応急救護技術の普及を図り、自主救護体制の充実に努められたい。
 以上をもちまして、私の意見開陳を終わらせていただきます。

○土屋委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成十四年度予算にかかわる議案について、意見の開陳を行います。
 平成十三年度予算は、企業収益の改善や銀行業等に対する外形標準課税の導入などにより、法人二税の大幅な伸びを見込み、三年ぶりの増額予算となりましたが、十四年度予算案は、アメリカ経済の急減速の影響もあり、法人二税の大幅な減収を見込むマイナス予算となっています。
 そうした中にあっても、既存の施策を聖域なく見直すとともに、重要施策を選定し、財源を重点的に振り向けることによって、めり張りのある予算編成を行っている点は評価できるところですが、重要施策の選定基準や財源が不明確だったため、選定された事業が総花的な嫌いがあります。今後も同様の手法を講じられる場合は、目標、基準、財源を明確にして取り組まれるよう求めるものです。
 また、政策的経費である一般歳出を四兆三千七百六十三億円確保し、福祉と保健に七千六十七億円、教育と文化に九千七百五十八億円充て、それぞれ構成比を高めるなど、限られた財源を都民福祉の向上に重点的に投じていることは、評価されてよいと考えます。
 しかし、さまざまな工夫にもかかわらず、二千五百七十七億円の財源不足が生じ、減債基金の一部計上見送り七百二十三億円、基金の取り崩し千三百五十四億円、借入金の返済繰り延べ三百億円などを余儀なくされています。この結果、減債基金の積み立て不足額四千六百七十四億円を初めとした隠れ借金が、一兆円を超えることとなっています。
 十四年度予算案では、都職員千四百十七人削減、管理職給与削減、五十五歳昇給停止、八十八事業の廃止、休止など、引き続き徹底した内部努力や、施策の見直し、再構築などの財政再建の取り組みを進めていますが、事業評価にバランスシートが活用し切れていないなど、十三年度から本格的に実施された行政評価制度の活用が不十分で、施策の見直し、再構築に的確に反映できたとはいえません。
 今後、施策の見直し、再構築を都民とともに考え、実行していくためにも、事業ごとに行政コスト計算書や貸借対照表などの事業別バランスシートを作成し、行政評価制度に組み込んでいくことが必要だと考えます。
 いずれにしても、東京都の財政は都税収入の主要な部分を法人二税が占めるため、景気動向に大きく左右されています。地方税財政制度の抜本的改革が強く求められるところですが、同時に、今後の都政の安定的運営を確保するために、バブル崩壊以降のこれまでの経験を総括し、財政運営の基本原則を定める条例の制定をも視野に入れるべきであります。検討を求めるものです。
 以上、私たちの総括的な見解を述べ、以下、各局にかかわる事項について述べます。
 まず、警視庁について。
 一、来日外国人、暴力団等組織犯罪対策を強力に推進するとともに、銃器対策の強化を図ること。
 一、ストーカー、ピッキング犯罪対策資器材等の整備充実を図り、生活安全対策の充実強化に努めること。
 一、各種交通安全施設の整備拡充を図るとともに、交通違反取り締まりの強化、交通安全教育及び交通事故防止対策の一層の推進等、交通安全対策の強化を図ること。
 一、情報通信技術に精通した捜査員の養成、コンピューター等資器材の整備など、ハイテク犯罪対策の一層の強化を図ること。
 一、犯罪被害者支援要員の拡充を初めとした犯罪被害者支援体制の整備を進め、犯罪被害者対策の強化を図ること。
 一、アメリカで起きた同時多発テロ事件を対岸の火事とすることなく、その対策を初め治安対策の強化を図ること。
 一、ワールドサッカー大会の開催に当たり、フーリガンの大挙しての来日、また、大会期間中はもちろんのこと、その前後には多くの外国人が来訪することが予想される。そのことを前提に、治安対策に万全を図られたい。
 次に、消防庁について。
 一、震災時の災害対応能力の強化を図るため、消防庁舎の耐震補強工事、耐震性防火水槽の整備並びに耐震対策用装備器材の整備を行うこと。
 一、災害活動時の情報通信体制の強化を図るため、部隊運用装置の更新や各種通信機器の整備、更新を行うこと。
 一、消防団活動体制の充実強化を図るため、分団本部格納庫や装備資器材等の整備を行うこと。
 一、救命効果を高めるため、救急車の増強や各種救急資器材を整備するとともに、自主救護体制の強化を図ること。
 一、火災予防体制の充実を図るため、効率的な査察執行体制を確立するとともに、地域や行政機関と連携した防火推進キャンペーンを実施すること。
 以上で、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○中嶋委員 都議会公明党を代表して、平成十四年度東京都予算に対する意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し述べます。
 長引く経済不況のもと、都税収入が前年度に比べ三千六百億円減少するという厳しい財政状況下で編成された平成十四年度東京都予算案は、一般会計で五兆九千七十八億円、前年度比四・八%マイナス、施策経費である一般歳出も前年度比二・四%マイナスという、超緊縮予算となりました。
 こうした中、都は本予算を東京が直面する危機に積極的に対応する予算と位置づけ、現在の最大課題である雇用、中小企業対策、都市再生などの重要施策には新たな編成手法を導入し、財源を優先的に配分する一方、都民生活を守る観点から、生活環境分野では四・七%増、保健福祉分野では、額として〇・三%減ながら、構成比においては過去最高の一二・〇%となるなど、評価できるものであります。
 また、投資的経費においては、十年連続のマイナスでありながら、効果の高い事業に重点化し、めり張りをつけており、努力のあとがうかがわれます。
 行政改革においても、千四百十七人の定数削減を初め、監理団体の統配合、団体職員の削減など、我が党の主張に沿う形で推進され、その結果、財政再建推進プランの取り組み目標はその八割が達成されております。今後も引き続き都の財政改革を進める必要があるとともに、とりわけ税財源の移譲は、これまで以上に強い取り組みを進めなければなりません。
 都財政は、今後さらに厳しい事態が予想されており、都債の実質償還額も急増いたします。そうした中にあって、予算案では、減債基金の積み立てを本来額の四分の三にとどめております。諸般の事情は理解できるものの、予算本来のあり方として、今後の課題と位置づけるべきであると考えます。
 今後、予算案の執行に当たっては、より一層都民の期待にこたえられるよう、丁寧に、スピーディーに行われるよう、強く要望いたします。
 次に、警視庁関係について申し上げます。
 一、国際的テロ組織から都民の暮らしを守るために、必要な装備資器材を整備し、警戒、警備の万全を期されたい。
 二、銃器や刃物を使用した凶悪犯罪に対処するための諸対策を強化されたい。
 三、来日外国人及び暴力団等による組織犯罪の取り締まりに必要な装備資器材等の整備を進められたい。
 四、交通の円滑化を図り、交通公害を抑止するための諸対策と、交通信号施設、交通管制機構施設及び道路標識等の交通安全施設の整備による交通安全対策の強化を図られたい。
 五、大規模な災害発生時の災害対策要員を確保するため、待機宿舎の整備を図るとともに、被災者の救助に必要な装備資器材及び通信器材の整備に努められたい。
 六、ハイテク犯罪の急増に対処するため、情報通信技術に精通した捜査官の養成、及びコンピューター等の捜査資器材の整備を図られたい。
 七、ストーカー行為など、都民生活に不安を及ぼす各種問題に対応するため、生活安全相談対策を積極的に推進し、犯罪の未然防止を図られたい。
 八、地域住民の安全を守る拠点となる警察署、交番、駐在所庁舎の整備を図られたい。
 続いて、消防庁関係について申し上げます。
 一、消防活動用資器材等の充実を図り、災害対応力の向上に努められたい。
 二、各種通信機器の整備更新を行い、災害時における情報通信連絡システムの整備拡充を図られたい。
 三、消防庁舎の耐震補強工事を行うとともに、震災時の消防水利確保のため、耐震性防火水槽の整備を進め、初動体制強化のため、宿舎等の整備を図られたい。
 四、増大する救急需要に対応するため、救急車の増強や各種救急資器材の整備を行い、救急活動体制の充実強化を図られたい。
 五、火災予防対策の強化を図るため、防火促進キャンペーンを実施するとともに、効果的な査察執行体制の確立に努められたい。
 六、排出ガス規制に適合した消防車両への転換を図り、環境問題に配慮した消防行政の推進を図られたい。
 七、NBC(核・生物・化学)災害に対応できる専門部隊の整備と、毒物、劇薬、放射性物質対策の専門的な研修を実施するとともに、大学や研究機関と連携し、専門知識、技術の向上を図られたい。
 八、各地域の防災体制を強化するため、消防団機能を強化し、分団本部の格納庫等の整備を進められたい。
 以上です。

○秋田委員 日本共産党都議団を代表して、当委員会に調査を付託された予算案に対して、意見の開陳を行います。
 まず、警視庁関係について申し上げます。
 一、警察行政の執行に当たっては、日本国憲法に基づき、自治体警察の本旨に徹して、不偏不党の公正な立場に立って、地域とともに歩む警察としての運営を図られたい。特に、地域の安全に欠かせない交番の警察官不在状態をなくすこと。また、交番の増設に努められたい。
 一、都民に開かれた警察行政に努め、効率的行政を確立するために、不要不急の事業や施策の見直しに積極的に取り組まれたい。
 一、けん銃、刃物などによる凶悪犯罪、ピッキング犯罪など、悪質な犯罪から都民の快適な生活と安全を守るために万全を尽くされたい。同時に、高齢者など社会的弱者が犯罪被害に遭わぬよう、特段の努力をされたい。
 一、IT関連等のハイテク犯罪への対応に万全を尽くされたい。
 一、反社会的な行為を繰り返す暴力団対策については、毅然たる姿勢で対処し、暴力団根絶に全力を尽くされたい。
 一、交通事故から都民を守るため、信号機の設置など、交通安全施設の整備拡充を図られるとともに、交通安全の普及啓発に努められたい。
 一、法の本来の趣旨に沿って、起訴された後の被告人の身柄を拘束する拘置所の増設を国に求めること。
 一、相次ぐ警察の不祥事に対して国民の批判が高まっていることにかんがみ、かかる不祥事が起こることのないよう、万全を期されたい。
 次に、消防庁関係について申し上げます。
 一、改正基準にあわせて、各種消防車、救急車などの消防資器材、消防施設、設備及び職員体制などの消防力の増強を速やかに達成するよう努めること。
 一、東京都地域防災計画で示されている消防施設、設備、資器材及び職員体制の早期達成に努めること。特に、倒壊建築物から人命救助のためのハイパーレスキュー隊、消防レスキュー隊を増強し、災害救助犬、ファイバースコープなどの救助器材、重機車両等の整備計画を立てて、各所に配備すること。
 一、防火水槽、防火水利の整備を計画的に行うこと。おくれている多摩地域の防火水槽の整備を促進するために補助を行うこと。
 一、多摩地域の消防署未設置市を早急になくし、さらに消防署の適正配置に努めること。
 一、消防団の装備や通信体制の整備、処遇改善に努めるとともに、活動拠点になる消防資器材格納庫や、分団施設の整備及び可搬ポンプ積載車の配備などを促進されたい。
 一、救急救命隊から指導助言を行う指導医に、現場の状況が画像やデータの伝送で行えるようにすること。
 一、救急救命隊が行う処置範囲の拡大について、いわゆるメディカルコントロール体制の確立を図ること。
 一、救急救命隊の出動途中に携帯電話を使用して、傷病者の情報収集に加え、応急処置の方法、おおむねの到着時間などの伝達を図られたい。
 一、高速道路等の事故に備えて、救急救命用ドクターズ小型ヘリの配備に努められたい。
 一、高齢者や障害者など災害弱者対策を、庁内各局はもちろんのこと、区市町村、福祉団体、ボランティア組織との連携で、実態把握及び対策の促進を図ること。
 一、消防職員の待遇改善と待機宿舎の整備を計画的に進めること。
 以上です。

○三原委員長 以上で、予算に対する意見の開陳は終わりました。
 なお、ただいま開陳されました意見は、調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたします。ご了承願います
 以上で予算の調査を終わります。

○三原委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百三十二号議案、警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例から第百三十五号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも質疑を終了いたしております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○秋田委員 ただいま議題となっています第百三十二号議案、警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例に関して、採決に先立ち、一言意見を述べます。
 本条例案は、昨年末の閣議決定で、平成十四年度の予算案において全国で四千五百人の地方警察官の増員が予算化され、警視庁に百三十人の配置が認められたことから、本条例十四条で定める、地方警察職員の定員を百三十人増員するものであります。
 昨今の東京の警察事象が複雑多様化していることは承知していますが、留置管理体制の強化などは、その多くが起訴後の被告人などとなっている者まで留置しており、国の所管すべき範疇のものを肩がわりしています。
 東京都の知事部局の職員数は、平成四年度の総数は四万八千四十六人でした。以来、来年度の削減予定を含め、十年間で一万五千七百三十五人も削減されて、三万二千三百十一人になっています。特に、都民生活に密接な関係を持ち、福祉は人なりといわれている福祉局では、統合された養育院職員を含めて、五千五百四人から、現在は、事業団に派遣されている職員を含めても四千七百八十五人と、七百十九人も減らされているのです。
 一方、同じ期間中の警視庁の定数は、四万四千二百十三人から四万四千六百四十四人へと、四百三十一人増員となります。今回提案されている地方警察官だけでも、四万一千三百十二人から四万一千七百七十三人と、四百六十一人ふえることになります。
 都財政が厳しいからといって、都民生活にどんな影響が出ようとも容赦なく職員を削減して、今や完全に知事部局と警視庁の職員定数は逆転したばかりではなく、警視庁職員の方が一万二千三百三十三人も多くなっています。
 この間に、二十三特別区に事業を移管された、元清掃局分七千九百九十四人減を考量しても、四千三百三十九人多いのです。都民の福祉や医療、教育の分野の職員などはどんどん削減されているとき、ひとり警視庁だけは、国が認めたからといって、増員するわけにはいかないと考えます。
 警視庁の地方警察官の人件費は都財政で賄われている以上、我が党は直ちに賛成するわけにはまいりません。
 なお、八王子の所轄区域の変更は賛成であることを表明して、私の意見といたします。

○三原委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百三十二号議案、警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○三原委員長 起立多数と認めます。よって、第百三十二号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百三十三号議案、警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例から第百三十五号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○三原委員長 異議なしと認めます。よって、第百三十三号議案から第百三十五号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○三原委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情及びお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○三原委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○三原委員長 この際、所管両庁を代表いたしまして野田警視総監から発言を求められておりますので、これを許します。

○野田警視総監 警視庁及び東京消防庁を代表いたしまして、ごあいさつを申し上げます。
 ただいまは、当委員会に付託されておりました両庁関係の各議案について原案どおりご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 私どもは、皆様方から賜りました貴重なご意見を今後の業務運営に十分反映させるとともに、都民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、引き続き都民の視点に立って、首都の治安維持と都民生活の安全確保に全力を尽くしてまいります。
 また、委員の皆様方には、歌舞伎町地区に設置した街頭防犯カメラシステムの稼働状況について、近くご視察をいただくとのご決定をいただきましたが、どうかよろしくお願いいたします。
 終わりに、委員の皆様方には、今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではありますが、御礼の言葉とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○三原委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時三十六分散会

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