警察・消防委員会速記録第五号

平成十三年六月六日(水曜日)
   午後一時五分開議
 出席委員 十三名
委員長比留間敏夫君
副委員長萩谷 勝彦君
副委員長清原錬太郎君
理事三宅 茂樹君
理事三浦 政勝君
理事秋田かくお君
花川与惣太君
大山  均君
植木こうじ君
橋本辰二郎君
藤井 富雄君
三田 敏哉君
嶋田  実君

 欠席委員 なし

 出席説明員
警視庁警視総監野田  健君
副総監警務部長事務取扱属  憲夫君
総務部長末綱  隆君
交通部長浅井  守君
警備部長和田 康敬君
地域部長安藤 忠信君
公安部長安藤 隆春君
刑事部長栗本 英雄君
生活安全部長片桐  裕君
総務部企画課長阿多 壽次君
総務部会計課長関根 榮治君
消防庁消防総監池田 春雄君
次長杉村 哲也君
総務部長中村 正弘君
警防部長小林 茂昭君
防災部長稲葉  昇君
救急部長白谷 祐二君
予防部長鈴木 淳雄君
指導広報部長金子  勉君
装備部長関口 和重君
総務部企画課長佐藤 行雄君
総務部経理課長伊藤 克己君

本日の会議に付した事件
 警視庁関係
  付託議案の審査(質疑・決定)
  ・第百三十四号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
  ・第百三十五号議案 警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
  ・第百三十六号議案 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
 消防庁関係
  契約議案の調査
  ・第百四十号議案 東京消防庁渋谷消防署庁舎改築工事請負契約
  付託議案の審査(質疑・決定)
  ・第百三十七号議案 特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
  ・第百三十八号議案 特別区の消防団員に係る退職報償金に関する条例の一部を改正する条例
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○比留間委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、テレビの取材について申し上げます。
 フジテレビから、本日の委員会をテレビ取材したい旨の申し出がありました。本件について、申し入れのとおり許可したいと思いますので、ご了承願います。

○比留間委員長 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、警視庁及び消防庁関係の付託議案の審査及び消防庁関係の契約議案の調査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び継続調査の申し出の決定を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十三年六月五日
      東京都議会議長 渋谷 守生
警察・消防委員長 比留間敏夫殿
契約議案の調査について(依頼)
 このことについて、左記により財政委員長へご報告願います。
  記
1 調査議案
 第百四十号議案 東京消防庁渋谷消防署庁舎改築工事請負契約
2 提出期限 平成十三年六月六日(水)

○比留間委員長 これより警視庁関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十四号議案、警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例、第百三十五号議案、警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例及び第百三十六号議案、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○末綱総務部長 去る五月二十九日、当委員会から要求のありました資料につきまして、お手元に提出のとおり準備いたしましたので、ご説明申し上げます。
 お手元の資料の1、卑わい行為の検挙件数・人員は、平成三年から平成十二年までの十年間の卑わい行為の検挙件数及び検挙人員を示したものであります。グラフでも明らかなように、平成七年以降、急増傾向が継続しており、早急に的確な対策を講じる必要が認められます。
 2、無罪判決の件数は、当庁で把握している過去十年間に確定した無罪判決の件数を示したものであり、平成十一年には一件、十二年には六件の無罪の確定判決があります。
 以上で説明を終わります。

○比留間委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 ご発言を願います。

○植木委員 今、資料でいただいたように、痴漢行為がこの六年間、ふえておるという現状があることが示されました。痴漢行為そのものは、絶対にあってはならないことは当然であります。しかし一方で、痴漢行為による検挙の中でも、十一年、十二年には無罪判決が七件も出ています。捜査に当たる警視庁として、こういうことは決してあってはならないと思いますが、どのようなお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

○片桐生活安全部長 近年、卑わい行為--ご指摘の痴漢行為でございますが--で検挙いたしました事件に関しまして、ご指摘のような無罪判決が出ているところでございますけれども、これらは、いずれも混雑した電車内における卑わい行為に係る事件であること、また、被害者以外の確かな目撃者がいないこと、また、背後から被害に遭っていること等の共通した事情がうかがえるところでございます。
 当庁としましては、委員ご指摘の趣旨を踏まえ、判決の結果を真摯に受けとめるとともに、被害者の心情に十分配意して、慎重かつ適正な捜査に努めてまいる所存でございます。

○植木委員 指摘の趣旨を踏まえて、判決の結果を真摯に受けとめというお話でしたが、「痴漢は犯罪です」というポスターなどでキャンペーンが張られて、痴漢の被害に悩んでいた方々が勇気を出して痴漢を摘発するというふうになったことは、大変大事なことだというふうに思います。そういう意味で、痴漢を根絶するということに取り組むことは、大変重要だと思います。
 しかし一方で、痴漢に間違われたり、捜査の段階で確認が困難な場合もある、こういうことで無実の方が罪になるということも、あってはならないことは当然であります。それによって社会的な立場を失う方も現に出ているわけで、最高裁までいっている例もあります。このような無罪事件がマスコミや法曹界でも社会的な問題になっていると聞いております。
 また、今明らかに示されましたように、現在でも無罪判決が出ているわけですが、さらに罰則が強化されることによって、このような無実の方が罪になるようなことが増大することも根絶しなければなりません。
 今の答弁ではっきりしましたように、こういうことがあってはならないことは明らかであり、捜査が適正に行われることが必要であるということを、この際、我が党の見解として申し上げておきたいと思います。
 以上です。

○比留間委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○比留間委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で警視庁関係を終わります。

○比留間委員長 これより消防庁関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百四十号議案、東京消防庁渋谷消防署庁舎改築工事請負契約を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しております。
 資料の要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○比留間委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○比留間委員長 ご異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案については、異議ない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○比留間委員長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○比留間委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百三十七号議案、特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例及び第百三十八号議案、特別区の消防団員に係る退職報償金に関する条例の一部を改正する条例を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しております。
 資料の要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○比留間委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○比留間委員長 ご異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で消防庁関係を終わります。

○比留間委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百三十四号議案から第百三十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも質疑を終了いたしております。
 この際、本案に対する発言の申し出がありますので、これを許します。

○植木委員 第百三十五号議案、警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例は、情報公開に伴う条例改正についてでありますが、我が党は、東京都情報公開条例の制定に当たって、手数料について、本来無料であるべきと主張してきました。この見解は今日でも変わりません。今回実施機関に警視庁が入ることに伴う改定については、警視庁だけ特別扱いするわけにいきませんので賛成いたしますが、手数料についてはこのような見解を持っていることを改めて表明しておきます。
 なお、百三十六号議案、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例についての我が党の見解は、先ほど質問の中で述べさせていただきました。
 以上です。

○比留間委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第百三十四号議案から第百三十八号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○比留間委員長 ご異議なしと認めます。よって、第百三十四号議案から第百三十八号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○大山委員 この条例の問題とはちょっと外れるんですけれども、今IT化という時代になりまして、我が東京都議会でも、本会議また予算特別委員会の議事録がすべてオープンにされております。
 たまたま今回起こったことでありますけれども、そのホームページから議員の発言を、全発言を載せるのではなくて、その中から都合のいいところだけを引き抜き出して文章を捏造して、非常に中傷、誹謗の文書を選挙区にばらまくような事例が今回出ているんですけれども、こういうことに関して警視庁は今後どのようなご感想で対応していくのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○末綱総務部長 個別の事案については、答弁をちょっと控えさせていただきますが、警察としましては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づいて適正に対処してまいりたいと思っております。

○大山委員 それから、今度は我々議会としての問題でありますが、今の規則でいきますと、予算特別委員会が一度閉じた後は、本人が間違いを認め、あやまったときであっても、その文章の訂正ができないというようなことがありますけれども、ぜひこれは議会の方の問題として、過ちがあったときにはいつでも訂正、また、そういうことができるようなルールをつくっていただいたらいいのではないか、これは我々の問題としてであります。
 そして、私の質問のときの訂正につきましては、私自身のホームページの中でおわびと訂正をしていきたいと思いますので、そのような形でもって今回いたしますけれども、ぜひ議会としてご検討いただけましたら、ありがたいと思います。
 以上です。

○比留間委員長 発言は終わりました。

○比留間委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情及びお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び継続調査の申し出をしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○比留間委員長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○比留間委員長 この際、所管両庁を代表いたしまして、野田警視総監から発言を求められておりますので、これを許します。

○野田警視総監 警視庁及び東京消防庁を代表いたしまして、ごあいさつを申し上げます。
 ただいまは、当委員会に付託されておりました両庁関係の各議案について、原案どおりご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 皆様方によります当委員会も、本日が最後の機会と承っておりますので、一言御礼を申し上げます。
 皆様には、昨年の十月以来、両庁関係の予算案を初め、警視庁警察署協議会の設置に関する条例などの新たな条例案及び条例改正案、契約案、請願陳情など、各種案件についてご審議をいただくとともに、三宅島、神津島等に対する災害対策、国際組織犯罪対策など、両庁が取り組む数々の施策にご理解とご支援を賜り、まことにありがとうございました。
 都内における警察事象及び消防事象の現況は、一段と厳しさを増しておりますが、私どもは皆様から賜りました貴重なご指導やご意見を今後の業務運営に反映させるとともに、引き続き首都の治安維持と都民生活の安全確保に最善を尽くしてまいります。
 委員の皆様方には、今後とも両庁に対する一層のご支援、ご協力を賜りますようお願いを申し上げまして、簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。
 本当にありがとうございました。

○比留間委員長 発言は終わりました。
 本日は、私たちにとりましても、今任期中最後の警察・消防委員会となると思われますので、委員長といたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 昨年の十月、皆様のご推挙をいただき、不肖、委員長の大役を仰せつかって以来、皆様方のお力添えをいただきながら、本日まで滞りなく委員会運営を行ってまいることができました。
 これも、萩谷副委員長、清原副委員長を初め、理事の皆様方、委員の皆様方のご指導、ご配慮があったからこそと存じます。心からお礼を申し上げます。
 また、警視庁、消防庁、両庁理事者の皆さん方におかれましては、委員会の運営に対し特段のご協力を賜りましたこと、厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 申し上げるまでもなく、我々、政治や行政の使命は、住民の生命、身体、財産を守り、安全で安心できるまちづくりに邁進することであります。まさに、両庁におかれましては、この使命遂行のため、昼夜を問わず、日々着実な努力を積み重ねていただいているところであり、大変なご苦労であると存じます。
 先ほど、野田警視総監からお話がございましたとおり、警察事象及び消防事象は、一段と厳しさを増しておりますが、今後一千二百万都民の信託にこたえるべく、首都東京の治安維持と都民生活の安全確保に向け、野田警視総監並びに池田消防総監を中心に、職員一丸となって最善を尽くしていただきますよう、心よりお願いを申し上げます。
 ところで、萩谷副委員長、三浦理事、嶋田委員におかれましては、今期をもってご勇退されるということでございます。長い間本当にご苦労さまでございました。都政発展に尽力され、数々のご功績を残されたことに、改めて敬意を表するとともに、感謝を申し上げます。
 また、改選を迎える先生方におかれましては、お体に十分ご留意の上、再び都議会においてご活躍されるよう、心からお祈りを申し上げ、最後になりますが、皆様方のご協力に対して、委員長といたしまして、重ねてお礼を申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
 これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十五分散会

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