警察・消防委員会速記録第九号

平成十二年十月三十一日(火曜日)
   午後一時十五分開議
 出席委員 十三名
委員長比留間敏夫君
副委員長萩谷 勝彦君
副委員長清原錬太郎君
理事三宅 茂樹君
理事三浦 政勝君
理事秋田かくお君
花川与惣太君
大山  均君
植木こうじ君
橋本辰二郎君
藤井 富雄君
三田 敏哉君
嶋田  実君

 欠席委員 なし

 出席説明員
警視庁警視総監野田  健君
副総監警務部長事務取扱奥村萬壽雄君
総務部長末綱  隆君
交通部長浅井  守君
警備部長近石 康宏君
地域部長富山 幹夫君
公安部長安藤 隆春君
刑事部長栗本 英雄君
生活安全部長寺尾 正大君
総務部企画課長友渕 宗治君
総務部会計課長阿多 壽次君
消防庁消防総監池田 春雄君
次長杉村 哲也君
総務部長鎌倉 弘幸君
警防部長中村 正弘君
防災部長稲葉  昇君
救急部長白谷 祐二君
予防部長小林 茂昭君
指導広報部長金子  勉君
装備部長鈴木 淳雄君
総務部企画課長三上  進君
総務部経理課長伊藤 克己君

本日の会議に付した事件
 警視庁関係
  事務事業について(説明)
 消防庁関係
  事務事業について(説明)

○比留間委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会において、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 次に、請願陳情について申し上げます。
 本委員会に付託されております請願陳情は、お手元配布の請願陳情継続審査件名表のとおりでございます。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、警視庁及び消防庁関係の事務事業の説明聴取を行います。
 なお、本件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行います。ご了承願います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、警視総監から、あいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○野田警視総監 警視総監の野田健でございます。
 本日は、新しい委員の皆様によります初めての警察・消防委員会でありますので、警視庁を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様方には、平素から当庁の運営について何かとご支援、ご指導を賜っているところであり、この機会に厚く御礼を申し上げます。また、これからは、警察・消防委員会の委員としてのお立場から、予算を初め当庁に関する条例の改正、請願陳情等についてご審議を賜ることになりますが、何とぞよろしくご指導をお願いいたします。
 さて、最近における都内の治安情勢は、三K二S一Hと申しておりますが、犯罪の凶悪化、広域化、国際化、組織化、スピード化、そしてハイテク化がさらに進展する中で、国際組織犯罪の急増や少年犯罪の凶悪化が目立っておりますほか、三宅島雄山の噴火に伴う災害警備活動、被災者の皆様に対する支援活動や、増加を続ける交通事故の防止など、さまざまな重要課題を抱え、一段と厳しさを増している状況にあります。
 当庁では、引き続き、都民の視点に立って、首都東京の治安維持と都民生活の安全確保に最善を尽くすとともに、都民の皆様のご意見、ご要望等を幅広く受けとめ、あらゆる事案に的確に対応する二十一世紀の警視庁の確立に向けて、諸対策に取り組んでまいる覚悟であります。
 皆様方には、今後とも、当委員会を初め、あらゆる機会を通じて、警視庁に対する一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いを申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
 引き続き、当庁の幹部をご紹介申し上げます。
 皆様方から向かいまして中央から左の方へ、副総監警務部長事務取扱奥村萬壽雄、刑事部長栗本英雄、警備部長近石康宏、地域部長富山幹夫、中央から右の方へ、総務部長末綱隆、公安部長安藤隆春、交通部長浅井守、生活安全部長寺尾正大、中央の後列に、企画課長友渕宗治、会計課長阿多壽次。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕

○比留間委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○比留間委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○末綱総務部長 警視庁の事務事業の概要につきまして、お手元の資料によりご説明申し上げます。
 初めに、資料第1の一ページ以下の警視庁の組織及び定員についてであります。
 警視庁の組織は、東京都公安委員会の管理のもとに、警視総監及び副総監が置かれ、本部組織として、総務部など八つの部と警察学校が設けられ、各部には課、隊などが置かれております。
 また、二ページのとおり、第一線の組織といたしまして、本年十月十二日に新設いたしました第十方面本部を含む十の方面本部と百一の警察署が置かれております。
 職員の定員につきましては、三ページのとおり、合計で四万四千五百九十三名となっております。
 なお、本年は、東京都の要請を受け、都財政再建の重要性、緊急性にかんがみまして、警視庁の設置に関する条例を改正して一般職員二十名を削減いたしました。また、女性警察官の適正な運用を促進するため、同じく交通警察に従事する女性の巡査八百名につきまして、性別及び階級の条件を撤廃いたしました。
 次に、各種警察活動の概要についてご説明申し上げます。
 最初に、刑事警察についてでございます。
 資料四ページのとおり、本年九月末までの都内における刑法犯の認知件数は、約二十一万一千件であります。これは、過去最高の認知件数を記録した昨年の同じ時期に比べて、約九%の増加となっております。
 こうした厳しい情勢のもと、当庁では、都民生活に著しい不安を与える犯罪の検挙に重点を置いた捜査活動を推進いたしました結果、殺人等の凶悪犯の検挙率が約六〇%、空き巣ねらい、事務所荒らしなどの侵入窃盗犯の検挙率が約四〇%となっております。
 また、特別捜査本部を開設した重要特異事件の発生は、本日までに二十三件でありまして、過去最高を記録した昨年同時期と比較いたしますと四件減少しております。これまでに、このうち麹町四丁目右翼事務所におけるけん銃発砲殺人事件を初め十件を検挙したほか、その他の事件につきましても、全容解明に向けて全力を傾注しているところであります。
 このほか、宗教法人法の華三法行代表らによる組織的な詐欺事件や、ロシア大使館付駐在武官の絡んだ自衛隊法違反事件、三菱自動車工業株式会社による組織的な道路運送車両法違反事件の検挙など、社会的反響の大きな事件を検挙、摘発しております。
 次に、国際組織犯罪対策についてでございます。
 資料五ページのとおり、本年九月末までの来日外国人による刑法犯の検挙数は、二千九百五十四件、千三百七十一人であります。
 近年における来日外国人犯罪は、組織化が進展するとともに、銃器、薬物事犯を初め強窃盗、各種の偽造犯罪など、敢行する犯罪の多様化及び凶悪化が顕著になっております。
 特に最近では、いわゆるピッキングと称する特殊な用具を使用してシリンダー錠を開錠する手口の組織的な侵入窃盗被害が、資料五ページの下部にありますとおり、本年九月末現在、約九千四百件発生し、昨年同時期と比較して約五千四百件の増加となっている上、家人に発見されるや居直り強盗に移行したり、バールや刃物、けん銃等の凶器を必ず携帯し、発見者や警察官に激しく抵抗するなど、危険性が一段と高まっております。
 こうした厳しい状況に対応するため、あす十一月一日に、生活安全部の附置機関として、隊長以下百七十名体制の警視庁国際組織犯罪特別捜査隊を新設し、国際犯罪組織の実態解明とその壊滅に照準を当てて、さらに強力な取り締まりを推進することとしております。
 次は、暴力団対策についてでございます。
 都内の暴力団勢力は、約六百五十組織、暴力団員約一万六千人と、ほぼ横ばいで推移しておりますが、依然として、麻薬、覚せい剤の密売や都民に対する民事介入暴力、企業を対象とした資金源獲得活動を活発かつ巧妙に行っております。
 特に、我が国最大の暴力団である山口組は、その傘下組織を都内に進出させて、在京の暴力団との抗争事件等を引き起こしております。これに対して当庁では、平成八年から山口組集中取締推進本部を設置し、資料六ページの上部にありますとおり、本年は、九月末までに、山口組構成員を含む約七千七百人を検挙するとともに、けん銃四十九丁を含む百九十二点の凶器類を押収したところであります。
 また、暴力団対策法の運用につきましては、資料六ページの中ほどにありますとおり、東京都公安委員会におきまして、現在、都内全暴力団構成員の約八〇%を占める五団体を指定暴力団として指定し、暴力的要求行為の封圧や組事務所の使用禁止措置等に努めているところであります。
 次は、銃器対策についてでございます。
 当庁では、都民の安全な生活を脅かす銃器問題に的確に対処するため、全国の警察組織を初め関係機関との連携による情報収集及び摘発体制の強化と密輸入に対する水際監視体制の強化等を図っており、資料六ページの下部にありますとおり、昨年は、全国警察の押収量の約二〇%に当たる二百三丁のけん銃を押収いたしました。本年も、暴力団の武器庫等の摘発などにより、九月末現在で九十五丁のけん銃を押収しております。
 しかしながら、都内においては、けん銃使用殺人事件や暴力団が関与する発砲事件が十二件発生して、一般市民が犠牲となっておりますことから、当庁では、取り締まりを一層強化するとともに、装備資器材の整備や捜査員に対する教養・指導、銃器追放キャンペーン等の広報活動など総合的な銃器対策を推進しているところであります。
 次は、薬物対策についてであります。
 最近の薬物情勢は、覚せい剤の大量押収が相次いで、昨年中は過去最高の覚せい剤押収量を記録したほか、イラン人や暴力団を中心とした薬物密輸、密売組織に加え、中国人組織の進出が著しく、警戒を要する事態になっております。
 当庁では、供給源の遮断、需要の根絶及び密輸、密売組織の壊滅を重点とし、関係機関との連携による水際対策と取り締まりを推進して、本年三月に中国ルート、八月に香港ルートを摘発し、さらには麻薬特例法に基づくコントロールドデリバリーの実施等により、資料七ページの中ほどにありますとおり、九月末現在で二千三百九十二人の被疑者を検挙、約二百六十四キログラムの薬物を押収しており、昨年同時期と比較すると、百十九人、約九十九キログラムの増加となっております。
 このほか、中高校生を対象とした薬物乱用防止教室の実施や、ポスター、パンフレットの配布など、薬物乱用防止対策を総合的に推進しているところであります。
 次は、少年非行総合対策についてであります。
 非行少年の補導人員は、資料七ページの下部にありますとおり、九月末現在、約一万六百人であります。全刑法犯の約三〇%を少年が占めており、さらに、その約六〇%は中高校生による犯罪であります。
 最近の少年非行は、低年齢化や、依然として後を絶たない薬物事犯に加えて、暴走族等による組織的かつ凶悪な殺傷事件の多発、傷害、恐喝等の粗暴犯や校内暴力、ひったくり事犯の増加など、粗暴化、凶悪化が目立っております。その背景には、少年を取り巻く社会環境の悪化、学校、家庭、地域社会の教育機能の低下、少年自身の規範意識の低下などさまざまな要因があり、当庁では、一声運動の推進や、家庭、学校、関係機関、地域ボランティア等との連携のもとに、薬物乱用防止教室、街頭キャンペーン等の開催、有害広告物の撤去、不健全図書類等の販売自粛、区分販売の要請、さらには少年の福祉を阻害する犯罪に対する取り締まりを徹底するなど、総合的な非行防止対策を講じて少年の健全育成を図っているところであります。
 また、暴走族や地域非行グループに対しては、これらを非行助長集団と位置づけ、諸対策を推進するとともに、粗暴犯や凶悪事件に対しては、厳正な取り締まりを行って解体、補導に努めております。
 次は、ハイテク犯罪対策についてであります。
 IT社会が進展し、インターネット利用者の急増に伴い、不正アクセス事犯や、ネットオークションをめぐる詐欺事件などのハイテク犯罪が増加しております。当庁では、本年二月にハイテク犯罪対策総合センターを設置し、被害相談の受理、サイバーパトロール等による情報収集及びハイテク犯罪の捜査、技術支援を推進するとともに、昨年結成したハイテク犯罪対策協議会を通じてプロバイダー等関係業界との連携を図るなど、総合的な対策を講じております。
 本年九月末現在で、昨年に比べ、検挙件数で約二・四倍、検挙人員で約一・五倍に達しており、今後も、体制の強化と捜査能力の向上、資器材の整備拡充等に努め、ネットワーク社会の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
 次は、オウム真理教対策についてでございます。
 オウム真理教は、アレフと改称いたしましたが、いまだ全国に二十四カ所の主要施設を有し、千六百五十人の信者がいるといわれております。都内には六カ所の主要活動拠点、十一社の関連企業があり、約七百人の信者が活動しているものと見られております。
 同教団は、昨年十二月の無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律施行以来、表面的な活動を控え、サリン事件等の被害者補償に合意するなど、教団に対する社会的批判をかわしながら、組織の再構築、拡大をもくろんでいるところであります。
 こうした中で、当庁では、あらゆる法令を適用して同教団に係る不法行為の摘発を進め、銀行職員に対する脅迫事件、関連企業の事務所確保を目的としたマンション契約に係る詐欺事件等で教団幹部を逮捕したほか、押収資料の分析から、防衛庁を初めとする官公庁や大企業のソフト開発に教団関連会社がかかわっていたことなどを明らかにいたしました。また、この十月二十四日には、出家信者一人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用被疑事件で検挙するなど、強力な取り締まりを推進しております。
 なお、本年九月二十日に、上祐史浩教団最高幹部が横浜から都内に転入してまいりましたが、今後とも、その動向を十分注視するとともに、東京都を初め関係機関、団体等との連携を一層強化し、教団施設周辺の重点的な警戒を実施して、住民の方々の不安感を払拭するよう取り組んでまいりたいと考えております。
 次は、警戒警備についてでございます。
 極左暴力集団は、本年に入り、沖縄サミット、成田空港の暫定滑走路建設あるいは党派闘争に絡んで、都内で三件、千葉県下で一件のゲリラ事件を引き起こしております。また、昨年の革労協分裂に伴い内ゲバ殺人事件を引き起こしており、依然として、非公然組織を強化しつつ武装闘争方針を堅持しているところであります。
 一方、右翼は、北方領土問題を初め、ロシア、中国、北朝鮮等に対する外交問題等、内外の諸問題をとらえて、抗議、要請行動に活発に取り組んでおります。
 当庁では、重要防護対象や国内外の要人等に対する警戒警備を徹底するとともに、捜査を強化して革労協反主流派活動家十七人を一斉検挙したほか、革マル派による警察無線の傍受、窃用等を事件化し、非公然活動家三人を逮捕、九人を指名手配するなど、資料八ページのとおり、本年九月末現在で、極左五十一人、右翼五十一人を検挙したところであります。
 また、本年は、香淳皇后斂葬の儀、九州・沖縄サミットなどの重要警備が相次ぎ、全力を挙げて取り組んできたのでありますが、今後も、警衛警護を初めとする各種警戒警備を的確に行い、テロ、ゲリラ等の不法事案の防圧検挙に努めてまいりたいと考えております。
 次は、災害対策であります。
 六月二十六日に三宅島雄山の緊急火山情報が発令され、その後、神津島近海では、震度五強以上の地震が十数回も発生し、がけ崩れにより一名が死亡するなどの被害が発生いたしました。また、三宅島雄山の噴火に伴って、現在もなお、全島の皆様が島外避難を余儀なくされているところであります。
 当庁では、機動隊員等を現地に急派し、全力で避難誘導等の災害警備活動に当たったほか、現在も、三宅島署員を中心に、引き続き現地での警戒活動を行っているほか、被災者の心情に配意して、訪問連絡、各種相談の受理や運転免許手数料免除措置等の諸対策を講じているところであります。
 また、本年九月三日の東京都震災警備総合訓練では、防災関係機関と連携を図りながら実戦的な訓練を実施し、有事の備えの万全を図ったところでありますが、今後、さらなる技術向上と各種マニュアルの整備等により、即応体制を確立し、総合的かつ効果的な災害対策を推進してまいりたいと考えております。
 次は、交通警察についてでございます。
 都内における交通情勢は、資料九ページのとおり、昨年は約七万四千件の交通人身事故が発生し、死者数三百九十八人、負傷者数約八万六千人と、いずれも一昨年を上回っております。本年は、九月末現在で、昨年同時期を約二割上回る約六万六千件、負傷者約七万六千人に上る交通人身事故が発生しており、先般、都知事から、交通事故防止に関する緊急アピールが発表されたところであります。
 最近における死亡事故は、高齢者の道路横断中の事故、二輪車の単独事故が目立っており、事故死者の四人に一人が六十五歳以上の高齢者であり、また、歩行者、二輪車を当事者とする事故が全体の七割弱を占めております。さらに、四輪乗車中の死亡事故では、約四割がシートベルトを着用していない実態にあります。
 このような情勢から、当庁では、高齢者の交通事故防止、二輪車、自転車乗車中の交通事故防止、シートベルト及びチャイルドシートの着用の徹底等を重点とし、一日一日を交通死亡事故ゼロに抑えようという趣旨から、「限りなき『0(ゼロ)』への挑戦」をスローガンに掲げて、悪質、危険性、迷惑性の高い違反の指導取り締まりを推進しております。また、大幅に増加した自転車利用者の事故の防止及びマナーの向上対策や、東京都を初め各自治体、関係機関、団体のご協力に基づく参加、体験、実践型の交通安全教育、交通安全施設の整備拡充など、総合的な対策を講じて重大交通事故の抑止に努めているところであります。
 交通の円滑化につきましては、渋滞の原因となっている放置駐車の指導取り締まりを強化するとともに、道路標識等の簡素、合理化及び点検、整備の推進、中央線変移システムや公共車両優先システム等を導入した総合的な交通管制対策の推進、さらには、交通管制センターによる交通流に即応した信号制御やドライバーへのリアルタイムな交通情報の提供を行って、交通渋滞の緩和に努めているところであります。
 また、道路交通に起因するばい煙、騒音等の交通公害を防止するため、交通公害取締部隊の編成、公害取締検問車の配備による黒煙排出取り締まりなどの諸対策を強力に推進しているところであります。
 次は、地域安全活動の推進についてであります。
 侵入盗やひったくり、高齢者に対する悪質商法や女性をねらう性犯罪など、都民の身近で発生する犯罪の未然防止を図るため、当庁では、地域の防犯協力組織や防犯ボランティア等と連携して防犯パトロール、防犯教室、防犯広報等を実施し、地域住民や自治体と警察とが一体となって、安全安心まちづくりを展開しているところであります。
 とりわけ交番、駐在所は、生活安全センターとして地域警察活動の基盤的役割を担っており、その特性を生かしていくため、いわゆる都市型駐在所の導入拡大のほか、ハイテク化やコミュニティルームの設置による施設の大型化等、機能の充実を図っております。また、交番相談員の拡充による空き交番対策を推進して、安全で住みよい地域社会の実現に努めております。
 次は、生活安全相談業務の推進についてであります。
 都民から警察に寄せられる生活安全相談件数は、増加かつ多様化しており、中でも防犯に関する相談が大幅に増加しております。このため、当庁では、本年四月一日から、本部の生活安全相談センターの体制を強化したほか、各警察署においても相談責任者等三名以上の担当者を指定するなど、間隙の生じない体制を構築して、的確な相談業務の推進に努めているところであります。
 また、悪質なつきまとい行為等を執拗に繰り返す、いわゆるストーカー事案に関しては、近年、社会問題化している実態にかんがみまして、本年十一月二十四日のストーカー規制法施行に合わせて、生活安全総務課にストーカー対策室を設置するほか、犯罪被害防止即時対応システムの活用により、被害の未然防止及び取り締まりを徹底する所存であります。
 なお、新宿を初め一部の繁華街において、反社会的行為により高額な料金を巻き上げる事案が多発していることから、さきの定例会で、いわゆるぼったくり防止条例を可決していただいたところでございます。本条例につきましては、地域の指定等の諸準備を整えて、この十二月から実際の運用開始を予定しておりますが、その目的達成に向けて、性風俗営業等に対する指導、取り締まりのほか、営業者や都民の方々に対する広報啓発活動に努めてまいります。
 次は、犯罪被害者対策についてであります。
 犯罪被害者の方々の精神的負担を軽減し、その個別の要望にこたえるため、当庁では、犯罪被害者ホットライン及び各種窓口による被害相談業務や、被害者に付き添いながら支援を行う初期支援制度、捜査状況等の情報を提供する被害者連絡制度や被害者の手引の交付等の諸対策を組織的かつ総合的に推進しているところであります。
 また、被害者支援に関係する二十八の行政機関や民間団体が参加する東京都犯罪被害者支援連絡会や、本年四月に設立されました社団法人被害者支援都民センターとの密接な連携による支援活動を効果的に推進するとともに、地域単位の犯罪被害者支援ネットワークの拡充を図り、より一層のきめ細かい被害者支援に努めているところであります。
 以上が各種警察活動の概要でありますが、お手元に警察活動の状況等について紹介しております警視庁のパンフレットをお配りしてございますので、参考にしていただければと存じます。
 続きまして、警視庁所管の歳入歳出予算の概要についてご説明申し上げます。
 資料一〇ページのとおり、当庁の平成十二年度予算は、歳入が四百三十一億一千七百二十万円、歳出が六千八十三億六千三百万円となっております。詳細につきましては、お手元の平成十二年度予算説明書をごらんいただきたいと存じます。
 次に、当庁の懸案事項について申し上げます。
 懸案事項のその一は、警察改革の推進についてでございます。
 既に報道等でご承知のとおり、警察刷新会議の警察刷新に関する緊急提言を受けまして、国家公安委員会及び警察庁から警察改革要綱が示され、現在、国会におきましても、警察法の一部改正等の検討が進められているところであります。
 警視庁では、かかる情勢を真摯に受けとめまして、去る九月に警視庁改革推進委員会を設置し、国民、都民の視点に立って、あらゆる警察事象に的確に対応する警視庁の確立、新たな時代の要請にこたえる強くしなやかな組織体制の構築、及び高度な資質、能力を備えた正しく強く朗らかな職員の育成を基本方針として、公安委員会に対する苦情処理や監察の確認等の機能強化、警察運営に都民の声を反映させるための警察署協議会の設置、厳しさを増す治安情勢に対応するための業務の合理化及び職員の処遇の向上等、各般の対策を統一的かつ強力に推進しているところであります。
 当面は、厳しさを増す諸情勢のもとで、首都治安の維持及び都民生活の安全確保に最大限の努力を継続いたしますことはもとより、二十一世紀に通用する新たな警視庁の組織と伝統の創造に向けて、全職員が一丸となり、警察倫理を基盤として厳正かつ積極的に職務執行に取り組んでまいることとしております。
 その二は、警察活動の拠点となる各種施設の整備についてであります。
 まず、警察署の新設計画でございますが、資料一一ページのとおり、臨海副都心地区及び多摩ニュータウン地区につきまして、それぞれの地域の開発の推移を見ながら、警察署を新設すべく検討を進めているところであります。特に開発の進展が著しい臨海副都心地区につきましては、仮称臨港警察署の地質調査等につきまして、平成十三年度に予算を要求中であります。
 次は、資料一二ページの警察庁舎の整備計画についてでありますが、著しい老朽化や狭隘化あるいは耐震対策等の理由から改築を要する警察署庁舎のほか、交番、駐在所につきましても、その機能の充実強化を図るため、計画的に整備を推進してまいりたいと考えております。
 なお、近年、職員の住居地の遠隔化が進んで長距離通勤を余儀なくされており、このことが、重大事件、事故の発生時における初動活動等に支障を来しかねない実態にあります。特に大震災のような、緊急に大量の要員を招集しなければならない突発災害等を考慮いたしますと、職員の遠隔地居住は大きな問題となっております。
 しかしながら、現況では、現有待機宿舎の絶対数が不足しているばかりでなく、老朽、狭隘等、居住環境上の問題もありますので、警察庁舎の整備と同様に、家族待機宿舎及び単身待機宿舎につきましても、計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。
 続きまして、お手元にお配りしてあります資料第2の東京都監理団体の概要につきましてご説明申し上げます。
 現在、当庁が所管している該当団体には、財団法人暴力団追放運動推進都民センターがございます。同センターは、都民の暴力団追放意識の高揚に資するとともに、暴力団の排除活動を推進し、暴力団が存在しない、安心して住める東京の実現に寄与することを目的として、平成四年五月一日に設立された公益法人であります。主な事業といたしましては、暴力団追放都民大会の開催を初めとする広報活動、相談活動、被害者救援等の事業、さらには暴力団離脱者の支援事業などがあります。
 なお、詳細につきましては、お手元の資料第2のとおりでありますので、後ほどごらんいただきたいと存じますが、委員の皆様方におかれましては、同センターの健全な発展のために、一層のご指導、ご支援を賜りますようお願いを申し上げます。
 以上で説明を終わらせていただきます。

○比留間委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○植木委員 二点ほどお願いしたいんですが、一点目は、本来、警視庁にいただく資料ではないようですので、警察庁に問い合わせの上、都道府県の警察職員の定数と人口割職員数について、全国比較を一覧表でお示しいただきたいと思います。そのうち、国費で負担する人数はどのようになっているのか、都道府県別にお示しいただきたいと思います。
 それから、警視庁について、部局別定数と実員を示していただきたいと思います。
 以上、二点でございます。

○比留間委員長 ただいま植木委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○比留間委員長 ご異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
 以上で警視庁関係を終わります。

○比留間委員長 これより消防庁関係に入ります。
 初めに、消防総監から、あいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○池田消防総監 消防総監の池田でございます。
 本日は、新しい委員の皆様方による初めての委員会でございますので、一言ごあいさつを申し上げます。
 諸先生におかれましては、平素から消防行政の運営につきまして格別のご指導、ご支援を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。今後、東京消防庁関係の予算、条例、契約、請願陳情など全般にわたり、ご審議、ご指導をいただくことになりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 さて、今日の首都東京は、都市構造の複雑化や生活様式の変化などにより、火災を初めとする各種災害も年々多様化し、消防活動はますます困難性を増しております。
 加えて、三宅島の火山噴火災害からはや四カ月経過いたしましたが、なお火山活動の推移がつかめない状況でございます。当庁では、東京都災害対策本部等と連携し、引き続き消防応援隊を派遣して、防災関係者の安全確保のため、現在、火山性ガスの測定活動などを行っているところでございます。
 一方、高齢化の進展や疾病構造の変化、救急業務へのニーズの多様化など、より高度で迅速かつ適切な救急活動が求められております。
 また、去る十月六日、鳥取県西部地震が発生し、多くの負傷者と建物並びに道路の損壊など被害をもたらしました。一方、東京地方を含む南関東地域直下の地震や東海地震の発生も危惧されているところでございます。
 こうした中、江東区有明において、今月二十三日及び二十四日の二日間にわたり、東京に大規模な地震が発生したとの想定で、全国四十七の都道府県隊千百九十名の消防職員が参加いたしまして、緊急消防援助隊の合同訓練を実施いたしました。特に二十四日の合同訓練におきましては、皇太子殿下のご臨席を賜り、東京消防庁を含む消防機関相互による大規模かつ実戦的な訓練を実施いたしましたところでございまして、今後とも、震災対策をより一層積極的に推進していく必要があります。
 さらに、大規模建築物等に対する火災予防対策や、災害に弱い方々のための諸施策が求められ、消防行政を取り巻く環境は、ますます厳しさを増しているところでございます。
 東京消防庁といたしましては、都民生活を安全に守るため、全職員が一丸となって職務を遂行し、一層努力してまいります所存でございます。
 警察・消防委員会の諸先生方におかれましては、当委員会を初め各機会を通じまして、消防行政推進のため、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 引き続きまして、当庁幹部の紹介をさせていただきたいと思います。
 次長の杉村哲也でございます。警防部長の中村正弘でございます。救急部長の白谷祐二でございます。装備部長の鈴木淳雄でございます。総務部長の鎌倉弘幸でございます。予防部長の小林茂昭でございます。防災部長の稲葉昇でございます。指導広報部長の金子勉でございます。企画課長の三上進でございます。経理課長の伊藤克己でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕

○比留間委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○比留間委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○杉村次長 東京消防庁が所管しております事務事業の概要について、ご説明申し上げます。
 お手元に、「消防行政の概要」、「東京の消防」、平成十二年度東京都一般会計予算説明書及び東京都が二五%以上出資している東京都監理団体、財団法人東京防災指導協会の資料をお届けしてございます。
 初めに、「消防行政の概要」の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 東京の消防は、明治十三年六月、当時の内務省に、公設消防機関として消防本部が設置されたことに始まります。その後、昭和二十三年三月、消防組織法が施行され、現在の自治体消防制度が発足し、特別区における消防は東京都知事が一体的に管理することとなり、東京消防庁が設置されたものであります。
 一方、多摩地区におきましては、各市町村単位に消防の任務を果たしておりましたが、行政需要の増大などにより、昭和三十五年以降、逐次、地方自治法に基づき消防事務の委託を受け、現在、東久留米市、稲城市及び島しょ地区を除く二十五市三町一村の消防事務を執行しているものでございます。
 それでは、具体的な事務事業の概要につきまして、もう一つの資料、「東京の消防」によりご説明させていただきます。
 三ページをごらんください。東京消防庁の組織についてでございます。
 初めに、消防予算でありますが、左中央にお示ししてありますように、平成十二年度当初予算は二千四百二十二億七千万円であり、東京都一般会計予算に占める割合は四・〇%でございます。詳細につきましては、お手元の資料、平成十二年度東京都一般会計予算説明書を参照していただきたいと存じます。
 次に、東京消防庁の組織体制についてであります。
 右下の表にお示ししてありますように、八部、一学校、一研究所のもとに三十九の課、室等があります。また、行政事務及び部隊活動を円滑に実施するため、中央上にお示ししてあります図のように、当庁の管轄区域を九つに区分いたしまして、第一から第九の消防方面本部を設置し、方面内の消防署を統括しております。
 五ページへ参りまして、消防力についてでございます。
 まず、消防職員数でありますが、消防吏員一万七千五百三十七人、一般職員四百六十一人、合計一万七千九百九十八人でございます。また、消防行政の拠点として、八十の消防署、二つの消防分署、二百六の消防出張所を設置し、消防行政を推進しております。さらに、消防機動力として、ポンプ車、はしご車、救助車、化学車、救急車、ヘリコプター、消防艇など、近代装備を施した消防車両千七百九十八台を配備し、各種災害に備えております。
 七ページへ参りまして、火災についてでございます。
 建築物の大規模化、高層、深層化及び用途の多様化等に伴い、消防活動はますます困難性を増しております。こうした中、消防隊は、各種災害現場において、人命救助を最優先としながら積極果敢な消防活動を展開しております。
 八ページへ参りまして、火災の調査についてでございます。
 火災の調査は、消防法に基づき、火災の原因及び損害などについて実施するものでございます。平成十一年中の火災件数は六千七百七十四件でございました。
 また、主な出火原因では、右下の円グラフにお示ししてありますように、放火及び放火の疑いが出火原因の第一位になっております。このため、関係機関等の協力を得ながら、放火防止対策を推進しているところでございます。
 九ページへ参りまして、救助についてでございます。
 火災はもとより、交通、水難、山岳事故など、救助事象は多岐にわたっております。これらの救助事象に対処するため、救助を専門とした消防救助機動部隊二部隊、特別救助隊二十三隊、水難救助隊六隊、山岳救助隊四隊を配備しております。
 左下の円グラフにお示ししてありますように、平成十一年中の救助件数は一万三千百七十八件でございまして、建物や工作物内で発生した救助事象が最も多く、全体の約四八%を占めております。
 一〇ページへ参りまして、特殊災害対策についてでございます。
 都内には、危険物や毒劇物などを貯蔵し、取り扱っている施設が多数ございます。これらの施設は、火災、爆発、漏えいなどの災害発生危険が内在していることから、ガス分析装置を初め最新鋭の資器材を積載した化学機動中隊十隊を配備するなど、万全な体制をとっております。
 また、水防対策につきましては、台風や集中豪雨などによって発生する家屋等の浸水や河川のはんらんなどの水災に対しまして、的確な水防活動を行っているところでございます。
 一一ページへ参りまして、災害活動支援についてでございます。
 東京消防庁の管轄区域外に大規模災害が発生した場合、消防組織法に基づく応援協定や緊急消防援助隊制度により消防隊を派遣し、災害活動の支援を行っております。
 最近の支援活動として、本年三月に発生した北海道有珠山の火山噴火災害を初め、六月から七月にかけて発生した三宅島の噴火災害や神津島・新島近海地震災害において、直ちに消防応援部隊を派遣したところであります。とりわけ三宅島につきましては、現在も火山活動が続いており、当庁では、引き続き消防応援隊を派遣して、火山性ガス測定調査などの応援活動を実施しております。
 一方、海外で大規模な地震災害等が発生した場合には、国際緊急援助隊の派遣に関する法律により、国際消防救助隊を派遣しております。昨年八月のトルコ共和国及び九月の台湾での地震災害に際しては、地震発生後、救助隊を派遣し、トルコ共和国においては、生存者を救出するなどの成果を上げたところでございます。
 一二ページへ参りまして、空と海の消防についてでございます。
 東京消防庁航空隊は、昭和四十一年に、我が国初の消防航空隊として発足いたしました。現在、六機のヘリコプターを保有し、災害時には空からの人命救助や消火活動、救急活動あるいは情報収集活動を行うとともに、各種調査や警戒並びに広報活動に従事しております。
 また、島しょ地域からの救急患者の搬送は重要な任務の一つでございまして、業務開始以来、搬送人員は、本年九月末で四千七十三人に達しております。
 次に、港湾消防についてであります。
 現在、消防艇九艇を配置し、船舶や沿岸に対する消火活動及び水難救助活動、さらには油流出事故への対応など幅広い活動を行っております。
 一三ページへ参りまして、救急についてでございます。
 救急件数は、高齢化の進展や疾病構造の変化などにより、年々増加しております。平成十一年中の救急出場件数は、左下の円グラフにお示ししてありますように、五十三万七千四百十六件に達しており、このことは、五十九秒に一回の割合で救急車が出場し、都民二十一人に一人が救急車を利用したことになります。
 当庁では、現在、百九十八台の高規格救急車を消防署所に配置するとともに、すべての救急隊に救急救命士を配置して救急活動を実施しています。さらに、本年四月から、迅速かつ的確な救急活動を行うため、救急隊とポンプ隊等の連携活動を実施しているところであります。
 一五ページへ参りまして、震災対策についてでございます。
 南関東直下地震の切迫性が指摘されている中、東京消防庁では、地震時における地域の防災能力向上のため、出火防止、救助、救急などの対策を最重要課題として取り組んでおります。また、阪神・淡路大震災の教訓から、パワーショベル、クレーン車などの重機を保有する消防救助機動部隊や、消防活動二輪車を整備しております。さらに、地域の防災行動力を一層高めるため、災害時支援ボランティアの育成、指導など、各種の施策を強力に推進しているところでございます。
 一七ページへ参りまして、消防水利についてでございます。
 地震によって消火栓が使用できなくなった場合に備え、従来から耐震性防火水槽などの水利を整備、推進してきたところであります。
 今後、さらに関係機関と連携をして、河川、海、大容量の貯水施設等、巨大水利の確保に努めていく所存でございます。
 一八ページへ参りまして、消防団についてでございます。
 消防団は、郷土愛護の精神に基づき、火災を初め震災や水災に対し、消防署と連携して活動するとともに、年末年始や火災多発期における各種警戒など、地域の安全確保に日夜献身的に活動をしております。
 現在、東京都における消防団体制は、九十九団、団員二万六千三百三十二名であり、そのうち特別区は、五十八団、団員一万六千名が活動しているものでございます。
 一九ページへ参りまして、予防業務についてでございます。
 火災等の発生を未然に防止するためには、予防行政の充実が極めて重要でございます。このため、建築物の建築にかかわる事前相談や消防同意などを通じた安全指導を初めとして、危険物施設の許認可や建築物等に対する火災予防査察、事業所の防火管理体制に関する指導などを行い、予防行政の推進を図っているところでございます。
 二一ページへ参りまして、都民とともにについてでございます。
 防災は、地域住民と防災機関とが一体となった実践的な活動を行うことが重要であります。このため、春、秋の火災予防運動などを初めとする諸行事を積極的に展開し、都民の防災行動力の向上や防災意識の普及、啓発に努めているところでございます。
 二三ページへ参りまして、都民生活を守るについてでございます。
 都民生活の安全を守るため、住宅防火対策や放火防止対策を進めるとともに、災害に弱い方々の安全を守るため、地域ぐるみで助け合う消防のふれあいネットワークづくりを積極的に推進しているところでございます。さらに、ひとり暮らしの高齢者の方々に対しても、緊急通報システムや火災安全システムによる受信業務を行っております。
 二四ページへ参りまして、国際化への対応についてでございます。
 外国人に対しましては、外国語による各種パンフレット等を活用し、防火防災意識の普及啓発や緊急時の対応など、防災行動力の向上に努めているところでございます。また、消防の国際化を推進するため、海外からの研修生等の受け入れや国際会議等への参加など、諸外国との交流を図っているところであります。
 二五ページへ参りまして、研究開発についてでございます。
 多様化する災害事象に的確に対処するためには、時代の変化に対応した研究開発を行うことが必要であります。このため、消防科学研究所では、消防資器材や消防ロボットの開発、災害時の行動心理についての研究や火災にかかわる鑑定など、さまざまな研究と開発を行い、その成果を火災予防あるいは消防戦術に反映しているところでございます。
 二六ページへ参りまして、消防車両等の整備についてでございます。
 東京消防庁では、消防機動力の有事即応体制を確保するため、近代的な設備を有した装備工場において、ポンプ車やはしご車、救助車、化学車等の消防車両の整備を行っております。
 二七ページへ参りまして、人づくりについてでございます。
 的確な消防行政を推進するためには、消防職団員等の資質を一層高めていくことが極めて重要であります。このため、消防学校におきまして、新たに採用した職員に対する初任教育を初め、幹部研修、専科研修などを実施し、消防職団員としての必要な知識、技術の習得はもとより、気力、体力の錬磨に努めているところでございます。
 二八ページへ参りまして、明日への活力についてでございます。
 職員が健康で働くことができるよう、健康管理対策を積極的に推進しております。また、各種福利厚生施設の充実やクラブ活動の奨励を行い、職員の士気の高揚と豊かな人間性の醸成に努めているところでございます。
 二九ページへ参りまして、学習・体験・育成についてでございます。
 四谷にあります消防博物館や、池袋、立川、本所に、体験学習施設として都民防災教育センターを設けまして、都民の方々の防火、防災に関する知識、技術及び防災行動力の向上を図っております。
 また、事業所の自主防火管理体制を確立するため、下の表にお示ししてありますように、各種試験、講習を実施し、消防技術者の育成に努めているところであります。
 三〇ページへ参りまして、一一九番通報のしくみについてでございます。
 一一九番通報は、二十三区においては千代田区大手町の災害救急情報センターで、多摩地域は立川市にあります多摩災害救急情報センターで、それぞれ受信しております。平成十一年中の一一九番通報は百二万八千九百三件でございまして、おおむね三十一秒に一件の割合で受信したことになります。
 災害の通報を受信いたしますと、同センターから直ちに災害地点直近の消防署所に出場指令を行い、ポンプ車やはしご車、救急車などが出場する体制を確保しております。
 また、消防テレホンサービスは、昼夜を通し、消防相談や救急医療機関の案内などを行っております。
 以上が東京消防庁の事務事業の概要でございます。
 次に、東京都が基本財産の二五%以上の出資を行っている東京都監理団体についてであります。お手元の資料をごらんいただきたいと存じます。
 財団法人東京防災指導協会は、都民の安全と福祉の増進に寄与することを目的として、昭和四十八年十月に設立された財団であります。主な事業といたしましては、防火管理者や危険物取扱者などの育成、災害予防に関する調査研究、防火防災思想の普及並びに防災関係図書の刊行などの事業を行っております。詳細につきましては、本資料をごらんいただきたいと存じます。
 委員の皆様におかれましては、この団体が都民の安全の向上に大きな役割を果たしていることをご理解いただきまして、本協会の健全な発展のため、今後ともご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 以上で、東京消防庁の事務事業概要並びに財団法人東京防災指導協会の概要についての説明を終わらせていただきます。

○比留間委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○植木委員 消防体制の充足率についてでありますが、一九七八年と現在の対比を示していただきたいのが一点目です。
 二点目は、消防体制について、国と都の基準、及び計画に対する充足状況を示していただきたいと思います。
 以上です。

○比留間委員長 ただいま植木委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○比留間委員長 ご異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
 以上で消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時九分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る