オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会速記録第三十四号

令和二年一月三十一日(金曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長小山くにひこ君
副委員長吉原  修君
副委員長長橋 桂一君
副委員長伊藤 ゆう君
理事山崎 一輝君
理事上野 和彦君
理事両角みのる君
理事ひぐちたかあき君
理事あぜ上三和子君
古城まさお君
けいの信一君
藤井あきら君
池川 友一君
川松真一朗君
白戸 太朗君
奥澤 高広君
とや英津子君
桐山ひとみ君
山口  拓君
里吉 ゆみ君
入江のぶこ君
木村 基成君
高島なおき君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
次長理事兼務延與  桂君
次長岩瀬 和春君
次長総務部長事務取扱中村 倫治君
技監荒井 俊之君
理事西村 泰信君
理事中澤 基行君
調整担当部長菅原 雅康君
大会企画調整担当部長中嶋 初史君
自治体調整担当部長小池 和孝君
聖火リレー担当部長田中 愛子君
自治体連携担当部長筒井 宏守君
計画推進部長田中  彰君
運営担当部長末村 智子君
運営推進担当部長関口 尚志君
運営調整担当部長三浦 幹雄君
ボランティア担当部長小高 都子君
競技・渉外担当部長川瀬 航司君
事業推進担当部長丸山 雅代君
パラリンピック部長越  秀幸君
障害者スポーツ担当部長加藤 みほ君
大会施設部長鈴木 一幸君
開設準備担当部長利用促進担当部長兼務鈴木 研二君
施設担当部長湯川 雅史君
施設整備担当部長草野 智文君
選手村担当部長斉藤  有君
スポーツ施設担当部長藤木 仁成君
輸送担当部長村田 拓也君
輸送担当部長佐久間巧成君
スポーツ推進部長小室 明子君
ラグビーワールドカップ担当部長国際大会準備担当部長兼務篠  祐次君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九™の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・東京二〇二〇パラリンピック観戦チケット第二次抽選販売について(説明)
・東京二〇二〇大会アーカイブ資産活用の方向性(案)について(説明)
・東京二〇二〇大会後の名称・設置物について(案)(説明)
・東京二〇二〇ライブサイト等実施計画(案)について(説明)
・ラグビーワールドカップ二〇一九™大会報告について(説明)
・大会経費V4(バージョン四)について(質疑)

○小山委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項、東京二〇二〇パラリンピック観戦チケット第二次抽せん販売については、説明を聴取することにとどめます。
 また、報告事項、東京二〇二〇大会アーカイブ資産活用の方向性(案)について、東京二〇二〇大会後の名称・設置物について(案)、東京二〇二〇ライブサイト等実施計画(案)について及びラグビーワールドカップ二〇一九大会報告については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は二月四日の委員会で行いますので、ご了承を願います。
 それでは、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、東京二〇二〇パラリンピック観戦チケット第二次抽せん販売について報告を聴取いたします。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 それでは、私から、報告事項、東京二〇二〇パラリンピック観戦チケット第二次抽せん販売についてご説明いたします。
 お手元の資料第1号をごらんください。
 令和二年一月七日に組織委員会はパラリンピック観戦チケットの第二次抽せん販売について詳細を公表いたしました。
 1、抽せん申し込み受け付けのスケジュールについてご説明いたします。
 抽せん申し込みの受け付けが令和二年一月十五日から一月二十九日、抽せん結果の発表が二月十八日、購入手続期間は二月十八日から三月二日となります。
 次に、2、抽せん申し込みの対象となるチケットについてご説明いたします。
 対象チケットには、一般チケット、車椅子ユーザーチケットがございます。
 次に、3、対象競技についてご説明いたします。
 対象となるのは、パラリンピック全競技と開会式、閉会式となります。
 最後に、参考として、抽せん申し込み終了以降のスケジュールについて記載しております。
 一枚おめくりください。参考資料といたしまして、組織委員会の報道発表資料を添付してございます。後ほどご参照いただければと存じます。
 説明は以上でございます。

○小山委員長 報告は終わりました。
 次に、東京二〇二〇大会アーカイブ資産活用の方向性(案)について外三件の報告を聴取いたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 それでは、私から、報告事項、東京二〇二〇大会アーカイブ資産活用の方向性(案)についてご説明いたします。
 お手元の資料第2号をごらんください。
 1、アーカイブ資産とはでございますが、東京二〇二〇大会資産は、大会の準備、運営等に伴って作成、利用された資産のうち、歴史的な価値を有し、大会の記憶や記録を伝えていくものでございまして、これらの大会資産は、開催都市契約上、原則としてIOC、IPCに権利が帰属いたしますが、その承認のもと、長期的に保存し、後世に受け継いでいくべき重要なレガシーでございます。
 都は、これらのうち、表のカテゴリーに記載の聖火リレーから記録、報告書等までをアーカイブ資産と位置づけ、展示等の活用を図ってまいります。
 一枚おめくりください。次に、2、国内における資産の管理についてでございますが、IOC、IPCは、大会後にアーカイブ資産の散逸や商業利用を防止するため、日本国内において資産の展示等活用や長期的な保存、適切なブランド保護を行うアーカイブ組織の設置を要請しており、大会後もIOCと密接な関係を有するJOCがその役割を担う予定です。
 今後、アーカイブ資産の権利や管理、活用、負担等を定めた協定を都、JOC、JPC、組織委員会の間で締結してまいります。
 最後に、3、都における資産活用の方向性についてでございますが、メダル、聖火リレーのトーチ等の記念品や記録などのアーカイブ資産を活用し、大会の感動と興奮を分かち合うとともに、大会の成果や感動を確かなレガシーとして将来に引き継いでいくことが重要でございます。
 都の承継するアーカイブ資産を一元的に管理し、適切に保存、保管するとともに、JOCなど関係機関との調整のもと、スポーツ、文化、教育等のさまざまな場面における効果的な展示、活用について、今後、具体的に検討してまいります。
 本件の説明は以上でございます。
 引き続きまして、報告事項、東京二〇二〇大会後の名称・設置物について(案)をご説明いたします。
 恐れ入りますが、お手元の資料第3号をごらんください。
 ただいまご説明いたしました大会アーカイブ資産の活用とあわせまして、東京二〇二〇大会の開催を記念するものをまちの中に残し、大会の感動と記憶を後世に長く伝えていくため、オリンピック・パラリンピックの名称付与や、大規模展示物であるオリンピック・パラリンピックシンボルや大会マスコット像の再設置、また、大会で使用した施設等へ大会エンブレム等を活用した銘板を設置することを考えております。
 これらにつきましては、IOC、IPCの承認が必要となるため、都議会はもとより、地元区市町村など関係者の意見を踏まえ、都案を取りまとめてIOC、IPCと調整してまいります。
 表をごらんください。
 初めに、オリンピック・パラリンピックの名称でございますが、大会開催を象徴する施設、場所等にオリンピック・パラリンピックの名称を付与することを考えております。
 これにつきまして、IOC、IPCの見解の欄に記載がございますとおり、IOCからは都内で一から二カ所の象徴的な、大会後も競技会場が残る場所であること等が示されております。
 これを踏まえまして、都案では、競技会場等となった施設と公園を一体的なエリアと捉えまして、有明親水海浜公園(仮称)等を含むエリア、武蔵野の森公園等を含むエリアの二カ所を候補地とすることを考えております。
 続きまして、大規模展示物でございますが、IOC、IPCの見解といたしましては、オリンピック・パラリンピックシンボルについては、設置数を二から三カ所程度に限定して希少性を確保すること、大会マスコット像については、大会に関連し、多くの来訪者が見込める場所に設置することが示されております。
 これを踏まえまして、オリンピック・パラリンピックシンボルは、区部及び多摩における象徴的な場所として設置いたします臨海部と高尾山周辺に三つを再設置、大会マスコット像は、都やJOCでの活用に加え、大会時の設置場所が所在する自治体において、都民に親しんでいただける場所十三カ所に再設置することを考えております。
 続きまして、銘板でございますが、都案では、都は都立の競技会場等二十一カ所、区市町村はそれぞれの意向により、ロード競技のコース上や聖火リレー等、大会関連場所に設置していくこととしております。
 なお、オリンピック・パラリンピックシンボル及びマスコット像の再設置や銘板を設置する自治体へは補助制度による支援を予定しております。
 各項目の詳細につきましては、それぞれ別紙を添付しております。後ほどご参照いただければと存じます。
 私からの説明は以上でございます。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 それでは、報告事項、東京二〇二〇ライブサイト等実施計画(案)についてをご説明いたします。
 お手元の資料第4号をごらんください。
 冒頭の囲みの丸の二つ目にございますように、都は昨年四月に基本計画を公表後、具体的な検討、調整を進め、このたび、各会場の主な実施内容等を東京二〇二〇ライブサイト等実施計画(案)として取りまとめましたので、ご報告いたします。
 まず、1、都内会場の概要をごらんください。
 (1)の〔1〕、東京二〇二〇ライブサイトのうち、(ア)、拠点会場の都立代々木公園及び都立井の頭恩賜公園は、都民のみならず、国内外から訪れる観戦客等を広く受け入れる広域的で大規模なライブサイトです。会場の規模を生かし、区部、多摩の代表的な会場として、競技中継だけでなく、競技体験、ステージイベント、大会パートナー出展等を幅広く展開いたします。
 続いて、(イ)、ターミナル駅周辺会場の高輪ゲートウェイ駅前特設会場、池袋西口公園及び東京都庁舎は、都内外から訪れる観戦客の利便性を踏まえ、既存施設を活用しながら駅周辺に設置するライブサイトです。
 高輪会場では、大会パートナーである東日本旅客鉄道株式会社が隣接地で開催するイベントと、池袋会場では、東京芸術劇場の催しと連携する予定でございます。
 次に、〔2〕、都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場では、都の実施する競技中継に加え、周辺でさまざまな主体が実施するイベントや出展と連携し、全体的な盛り上げを創出いたします。
 都立日比谷公園など区部会場では、東京の産業及び文化の魅力発信イベント等と、調布駅前広場周辺など多摩会場では、大会パートナーや地域の協力によるイベントと連携いたします。
 なお、会場の名称は、都独自の呼称を検討し、今後、広報PRに活用する予定です。
 続いて、〔3〕、組織委員会が中心となって展開する盛り上げエリアについては、大会の象徴的な場所であり、組織委員会と都が協力してにぎわいを創出いたします。
 青海、有明地区をつなぐプロムナードには聖火台が設置され、ライブパフォーマンス等も実施予定です。このエリアをオリンピックプロムナードと呼び、青海地区の二カ所のパートナーショーケーシングエリアとの一体的な運営で効果的な盛り上げを図ってまいります。
 続いて、(2)、開催日程についてでございます。
 開催期間は大会通期を予定しておりますが、開閉会式の日は終了が深夜となるため、来場者の安全や交通機関の状況等を踏まえ、実施方法について検討してまいります。
 開催時間は、競技が多く行われる時間帯を中心に、会場の特性等に合わせて設定しており、会場ごとの日程は、別添資料の東京二〇二〇ライブサイト等実施計画(案)五ページに記載しておりますので、ご参照ください。
 また、終了時間は定めますが、競技中継については、状況に応じて切りのよいところまで対応する方針です。
 一枚おめくりください。続いて、2、被災地会場の概要でございます。
 都は、大会の興奮と感動を届けるため、資料記載の各県の会場において、東京二〇二〇ライブサイトを実施いたします。競技中継だけでなく、競技体験等幅広いコンテンツを実施いたします。大会パートナー出展等につきましても、組織委員会とともに調整中でございます。
 開催日程については、各県の希望を踏まえ、土日を中心に、オリンピックは四日、パラリンピックは二日といたしました。
 会場ごとの日程は、別添資料、実施計画(案)六ページに記載がございますので、ご参照ください。
 次に、3、各会場のゾーニングでございますが、別添資料の実施計画(案)一五ページ以降に図面を掲載しておりますので、後ほどごらんいただければと存じます。
 続いて、4、会場運営に係る主な検討事項でございます。
 ハード、ソフト両面から総合的な対策が求められる(1)、暑さ対策、持続可能な大会を発信する観点から充実した対策が求められる(2)、環境配慮の取り組み、誰もが快適に楽しめる会場づくりに必要な(3)、アクセシビリティー対応を初めとする検討事項については、別添資料、実施計画(案)一二から一四ページに記載しておりますので、後ほどご参照いただければと存じます。
 続いて、5、区市町村が実施するコミュニティライブサイト等でございます。
 都は、都内全体の盛り上げを図るため、区市町村が実施するコミュニティライブサイト及びパブリックビューイングの取り組みを、補助制度のほか、各種相談対応等により支援しております。実施に向けて、組織委員会とともに引き続き丁寧に対応してまいります。
 説明は以上でございます。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ担当部長国際大会準備担当部長兼務 それでは、報告事項、ラグビーワールドカップ二〇一九大会報告についてご説明いたします。
 資料第5号をごらんください。
 なお、参考資料として、大会報告の全編もお手元に配布してございますので、適宜ご参照ください。
 初めに、大会概要でございます。
 大会は、昨年九月二十日から十一月二日までの四十四日間、全国十二会場で四十五試合が開催され、東京では八試合が行われました。
 チケット販売率は約九九・三%と、各会場とも連日満員となり、大会は成功のもと終了いたしました。
 続いて、資料中ほど、機運醸成をごらんください。
 大会の認知度向上や機運を醸成するため、節目に合わせたイベントの開催など、さまざまなプロモーションを実施いたしました。
 また、街灯フラッグやバス、電車のラッピングなどの都市装飾を都内各地で実施いたしました。
 一枚おめくりください。東京都運営本部の設置でございます。
 交通輸送、セキュリティー、ファンゾーン等の開催都市業務を行う開催都市運営本部を設置し、組織委員会の運営本部と連携しながら一体的に大会を運営いたしました。
 次に、会場整備、会場運営でございます。
 組織委員会とともに、試合会場における施設、諸室の配置等を定める会場運営計画を策定し、東京スタジアムの改修や仮設、芝フィールドなどの整備を実施いたしました。
 次に、交通輸送でございます。
 観客の安全かつ円滑な移動を目指し、都、組織委員会、警視庁、交通事業者、地元三市等によるPTでの議論を経て、交通輸送計画を策定し、交通事業者による特急の臨時停車や臨時列車の増発、シャトルバスの運行などを行いました。
 一枚おめくりください。試合会場周辺、ラストマイル等の安全・安心の確保でございます。
 組織委員会、警視庁、東京消防庁、地元自治体等の関係機関と協議を重ね、警備計画を策定し、試合会場周辺における傷病者への対応、受動喫煙の防止、清掃などを含め、関係機関の協力のもと、対応いたしました。
 次に、ファンゾーンでございます。
 パブリックビューイングやケータリング、ラグビーの普及活動など、無料で誰もが気軽に訪れることができるファンゾーンを多摩及び区部の二カ所で運営いたしました。台風十九号の影響により中止になった日もございましたが、国内外から約三十一万人の方にご来場いただきました。
 一枚おめくりください。ボランティアでございます。
 国内外から訪れる観客を温かいホスピタリティーで迎え、おもてなしするボランティアは、大会を大いに盛り上げ、東京、日本の魅力を伝える大会の顔として活躍いたしました。試合会場周辺や空港、主要駅での案内、ファンゾーンの運営サポートなど、東京会場では約二千四百人が活動いたしました。
 次に、大会の盛り上げでございます。
 スペクテータープラザにおいて、観客に和体験を提供するとともに、スタジアム内において、地元三市と連携して和太鼓等のパフォーマンスを実施いたしました。
 また、都内や被災地のラグビーに取り組む子供たちを試合観戦に招待するとともに、交流事業を実施いたしました。
 一枚おめくりください。多様な主体との連携でございます。
 大会の成功は、他の開催都市や都内区市町村、民間事業者など多様な主体がワンチームとなって連携することでなし遂げられました。具体的な取り組みにつきましては記載のとおりでございます。
 一枚おめくりください。最後に、レガシーでございます。
 大会終了後、思い出や感動を共有するための写真展やラグビーワールドカップ二〇一九の熱気を東京二〇二〇大会につなげる記念シンポジウムを開催いたしました。
 今後も、このラグビー熱を一過性のものとせず、東京のラグビー文化の定着を図るとともに、今大会を通じて得たさまざまな経験や知見を東京二〇二〇大会の成功につなげてまいります。
 説明は以上でございます。

○小山委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小山委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。
 次に、報告事項、大会経費V4(バージョンフォー)についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 去る十二月二十六日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明いたします。
 お手元に配布してございますオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会要求資料をごらんください。
 表紙を一枚おめくりいただき、資料1、大会経費(V4)の組織委員会、東京都の負担についてをごらんください。
 組織委員会と東京都の負担額につきまして、項目と主な内容ごとに一千万円単位でお示ししたものでございます。
 一ページでは恒久施設と仮設等、一枚おめくりいただきまして、二ページではエネルギーとテクノロジー、その次の三ページでは輸送、その次の四ページではセキュリティーとオペレーション、その次の五ページでは管理、広報から調整費及び緊急対応費の区分と、最後に各項目の合計をお示ししてございます。
 続きまして、資料2、経費増減(東京都負担分、V3とV4との比較)をごらんください。
 十二月二十六日の当委員会にご報告いたしました資料第1号、大会経費V4(バージョンフォー)についての五ページ、4、経費増減(東京都負担分、V3とV4との比較)の主な増及び主な減の各項目に増減金額をお示ししたものでございます。
 続きまして、一枚おめくりいただきまして、経費増減(組織委員会負担分、V3とV4との比較)をごらんください。
 先ほどの東京都負担分の主な増減と同様に、組織委員会の主な増及び主な減の各項目に増減金額をお示ししたものでございます。
 続きまして、資料3、大会経費V4において、暑さ対策により増額された項目をごらんください。
 組織委員会が大会経費V4において増額した暑さ対策を項目別に区分してお示ししたものでございます。
 説明は以上でございます。

○小山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより質疑を行います。
 発言を願います。

○入江委員 今回の大会経費バージョンフォーの予算の質疑に入る前に、一言申し上げます。
 東京二〇二〇大会の成功には、都民、国民の大会経費への理解を得ることが不可欠です。今回の大会経費バージョンフォーは、その最終予算ということになります。これは大会全体を俯瞰する予算という位置づけではありますが、これまで私ども都民ファーストの会は、都がホストシティーとして都民、国民への説明責任を果たすべく、大会経費の透明化、精緻化を強く求めてまいりました。今回の質疑を通じて、どのように改善されたのかを確認するとともに、多くの都民、国民の理解のもと大会が開催されるよう、わかりやすく、大会経費V4の内容を伝えていきたいと思います。
 それでは、質疑に入ります。
 今回発表された大会経費バージョンフォーについては、総額はバージョンスリーと同じ一兆三千五百億円となっています。分担内容は、組織委員会が三十億円増の六千三十億、都が三十億円減の五千九百七十億、国が変わらず一千五百億ですが、その詳細を伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費V4の経費の総額については、大会準備の進捗や事業の具体化に伴って増加する経費がある一方で、経費精査等により可能な限りの経費縮減を図ったことなどから、全体としてはV3と同額の一兆三千五百億円となっております。
 この中で、マラソン、競歩に係る経費については、競歩に係る経費として計上していた約二十五億円を東京都から削減し、同額を組織委員会に組み替えて計上したことにより、東京都の負担額が減り、組織委員会の負担額がふえております。
 また、東京都につきましては、経費精査により生み出した百億円を財源として、新たに緊急対応費を計上するとともに、組織委員会については、従前から計上してきた調整費百億円に加え、増収努力によって生み出した三百億円を財源として、新たに二百七十億円の予備費を一兆三千五百億円の枠外に計上しております。

○入江委員 今のご答弁で、都の緊急対応費百億円と組織委員会の調整費百億円、そして大会経費の枠外にある予備費二百七十億円の区分けがわかりにくかったと思います。それぞれどのような場合に使うのか伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 ただいま委員お話しいただきました調整費、緊急対応費、予備費でございますが、これらの経費については、東京都と組織委員会がそれぞれの役割分担と経費分担に基づき、必要があれば使用するものでございます。
 まず、組織委員会の調整費につきましては、業務に係る詳細な計画等が未確定であることから、具体的に見積もることができない支出に対応するための経費であるため、今後、計画がより具体化することなどに伴って、組織委員会において取り崩して使用するものと考えております。
 一方で、都の緊急対応費と組織委員会の予備費については、現時点で具体的な事項を想定しているものではなく、それぞれ突発的な事項等が生じた場合や、予期せずに発生した事態等に対処するための経費であるため、必要が生じれば使用する可能性はあるものの、必要が生じない限り使用しないものと考えております。

○入江委員 一番望ましいことは、不測の事態も起こらず、追加の運営経費なども発生しないということですが、その場合は、こうした経費は結果的に余ることになると思います。使用しない場合はどのようにするのか伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 開催都市契約においては、剰余金の分配について、NOC、すなわちJOCに二〇%、IOCに二〇%、OCOG、すなわち組織委員会に六〇%。この六〇%につきましては、JOCと協議の上で、組織委員会が決定する開催国、すなわち日本におけるスポーツの全般的な利益のために使用することを目的とすることとなっております。
 組織委員会の収支が黒字となり、剰余金が生じた場合でございますが、大会経費を組織委員会、東京都、国が負担していることも踏まえ、組織委員会及び関係者により慎重に取り扱いを決めるべきものと考えております。

○入江委員 先日、来年度の東京都の予算の概要が発表されました。そこでも大会経費V4は一兆三千五百億円、そして大会関連経費は当初見込みの八千百億円から七千七百六十六億円になったと示されました。この三百三十四億円の削減は、これまでの執行実績を反映しただけではなく、それを踏まえて、今後の見積もりを精査した結果です。
 その一方で、例えば我が会派が要望した、子供たちに都立施設公式練習会場での練習を見学してもらう費用など、新たな都民のための予算が計上されています。
 改めて、大会経費と大会関連経費、それぞれの経費はどのようなものか伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会にかかわる経費のうち、大会に直接必要となる経費が大会経費でございまして、東京都や国が負担する新規恒久施設の整備、大会開催のために組織委員会が実施する仮設施設の整備や大会運営の経費などとなっております。
 また、行政目的のために行われるものでございますが、大会を契機に重点的に取り組むことで大会のためにもなり、大会後の東京のさらなる発展につながるレガシーになるものの経費を大会関連経費と区分しております。
 既存体育施設の改修や暑さ対策、教育、文化プログラム、都市ボランティアの育成、ライブサイトやシティードレッシングなど大会の機運醸成、都市のバリアフリー対策、輸送インフラとしての道路整備などがございます。
 今後とも、こうした経費の全体像を示すことで、できる限りわかりやすい情報提供に努めてまいります。

○入江委員 さて、一年前のV3では、五十億円単位で枠ごとの計画が示されまして、その内訳は特別委員会の質疑の際に十億円単位で示されました。その際に私は、次回は百万円単位での各費目の積み上げを要望したわけですけれども、今回のV4は変わらず十億円単位で枠ごとの計画でした。
 その内訳は、本日の質疑に際して一千万円単位で示されました。ようやく昨年度より細かい金額単位となり、また内訳の項目も詳しくはなりましたが、当初から示せなかった理由は何なのか伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費につきましては、単年度の予算ではなく複数年にわたる経費の総額を計上していること、また事業によって計画の具体化の進捗度合いが異なっていることに伴い、精緻化のレベルが異なる経費が混在していることから、V3までは五十億円単位としてお示ししておりましたが、V4では経費の精緻化が進んできたことから、十億円単位で公表させていただきました。
 これに加え、本日提出いたしました資料におきましては、仮設等やエネルギー、テクノロジーなど大きな区分のそれぞれの内訳について、主な内容を一千万単位でお示しさせていただいたところでございます。
 これについては、組織委員会の各部署において、V4積算後の個別の契約状況や事業計画の詳細化などに対応して、さらに精緻化を図り、東京都の各部署においてもこれを確認した上で、より詳しい数字として一千万円単位でお示ししたものでございます。

○入江委員 当初から一千万円単位ではご提示いただけなかった点なんですけれども、昨年も、大会経費の質疑においては金額の表示単位をもっと細かくすべきだという議論がなされました。このことに関して組織委員会には働きかけをしなかったのか伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費をよりわかりやすく説明し、都民、国民の皆様のご理解をいただきながら、大会の準備を進めていくことが重要でございます。そのため、V4の策定に当たりましては、経費の内訳や金額の単位について、事業執行に支障がない範囲で、できる限り詳細に示せるよう組織委員会に要請をしてきたところでございます。
 今回、組織委員会と協力し、さらなる経費の精査化を進めたことによりまして、V4の単位は十億円となり、また仮設等、エネルギー、テクノロジーなど、大きな区分のそれぞれの内訳について、事業計画の詳細化などに対応して整理した計数を都においても確認いたしまして、各事業の主な内容を一千万単位でお示ししたものでございます。

○入江委員 ようやく一千万単位での大会経費の内訳が示されまして、本日の資料は、当委員会への提出資料としてオリ・パラ局のホームページに掲載され、都民、国民にお知らせすることになりますが、まだ詳細は不明です。
 項目の中に、見ていただきますと、その他が幾つかあり、それぞれ金額も大きいです。その内容について説明を求めます。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 お話しいただきましたその他についてでございますが、まず、エネルギーについてでございますが、エネルギー設備整備費のその他には、電気設備や電源ケーブルなどの設計や撤去費、エネルギー費用等のその他には、確実なエネルギー供給のためのスタッフ費用を計上しております。
 次に、テクノロジーでございますが、通信インフラのその他には、データ回線の使用による経費等、その他につきましては、コントラクターやコンテンツ管理などのインターネット経費等を計上しております。
 次に、輸送についてでございますが、輸送用車両のその他には、大会関係者向けのタクシーや舟運の経費等、その他のところでは、輸送センターや輸送スタッフ、シミュレーション経費等を計上しております。
 次に、セキュリティーのその他には、サイバーセキュリティー対策やセキュリティーシステムの経費等を計上しております。
 次に、オペレーションのその他には、選手などの出入国、競技会場等の清掃、競技会場内サインの経費等を計上しております。
 最後に、その他の項目としまして、テストイベントや暑さ対策など、組織委員会の各部門の共通経費を計上しております。

○入江委員 ご答弁いただきましたが、その他の説明として、今ご答弁いただいた内容も追記していただければ、さらにわかりやすかったと思います。
 続いて、昨年のV3質疑で、大会経費の計画が一年に一回で経費のコントロールができるのかという観点から、年度の途中において費用の実績を把握することが重要であると申し上げましたが、現在はどのように行っているのか伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費につきましては、共同実施事業管理委員会において、計画段階では、V2、V3、V4の大会経費計画の全体概要を確認し、予算段階では翌年度予算要求の内容について確認をしております。こうした確認をより精緻に行うためには、お話をいただきましたとおり、年度途中の執行状況について、よりきめ細かく把握し、確認することが重要でございます。
 そのため、共同実施事業管理委員会においては、これまでも四半期ごとに仮設やエネルギーといった区分ごとに執行状況の確認を行っておりましたが、今年度からはさらに、各区分における詳細な事業ごとの執行状況についても確認を行っており、その内容についてホームページで公表させていただいているところでございます。

○入江委員 確かにオリ・パラ局のホームページを見ますと、昨年十二月十九日に開催された共同実施事業管理委員会の会議資料において、令和元年度の第二・四半期までの事業の実績が、仮設やテクノロジーというような大きな枠ごとだけではなく、詳細な事業ごとに履行実績として円単位で表示され、確認できるようにはなりました。
 共同実施事業の契約案件を確認するその下部組織である作業部会については、公表された議事要旨は非常に簡単なものであり、議論の過程がわかるような内容にしていただきたいと、こちらも昨年のV3の質疑において要望いたしましたが、こちらの方の現在の公表内容や公表状況について伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会とそのもとに設置している作業部会の会議資料につきましては、個人情報や公開の同意を得られない企業の事業活動情報などの秘密情報を除いて公表しておりまして、議事要旨についても会議における議論や意見等の内容がわかるよう、内容の充実を図って公表しております。
 とりわけ作業部会においては、確認の対象となる共同実施事業の内容について、組織委員会と東京都の双方の担当から説明を受け、疑問点等の質疑応答を行い、案件ごとの確認表に記載された内容の確認を行っておりますが、その過程における議論や意見等の内容がわかるよう、議事要旨の充実を図ったところでございます。
 これまで委員会は十五回開催し、全ての回についてホームページに掲載し、作業部会は昨年度までに二十八回、今年度は二十五回開催し、そのうち二十八回分を掲載しております。

○入江委員 作業部会におけるやりとりがわかるような議事要旨になってきたとは思いますけれども、ホームページの公表がおくれています。その理由を伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 作業部会では、組織委員会が契約手続に入る前に案件の確認を行い、その会議資料や議事要旨は、組織委員会が契約を締結し、会議を構成する東京都、国、組織委員会の三者での確認ができたものから公表しております。
 組織委員会においては、調達を適正に実施するとともに、入札などによる事業者決定後、さらなるコスト縮減を図るため、契約の相手方と減額交渉を行う場合もあることなどから、契約締結までに日時を要するものもあり、公表時期を一律に早めることは困難でございます。
 しかしながら、引き続き手続の迅速化を図るなどして、可能な限り速やかに公表できるよう努めてまいります。

○入江委員 V3の際の要望でもありましたが、共同実施事業の契約については、オリ・パラ局のホームページにおいて、パートナー契約の金額が徐々に公表されてきています。
 そもそも、どうして公表できないのか改めて確認するとともに、今後の見通しについて伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 オリンピック・パラリンピックにおけるトップパートナーはIOCとのマーケティングプラン契約に基づき、また国内パートナーは組織委員会との国内スポンサー契約に基づき、決められたカテゴリーの中で組織委員会が必要とする商品等を供給する権利を有しております。
 組織委員会はパートナーのカテゴリーの商品等を発注する場合、求められる仕様や納期が合致すればパートナーから調達する義務を負っております。この権利、義務に基づく契約をパートナー供給契約と呼んでおります。
 パートナーは当該契約において最低価格を提示することとなっていることから、その事業上の地位を脅かすことのないよう、契約内容について契約当事者双方に守秘義務が課されておりまして、金額の公表には法的課題がございます。
 一方で、こうした契約につきましても、組織委員会が契約の相手方と個別に調整を図り、合意が得られた契約について、七月に続き十二月に金額を公表しているところでございます。これにより、平成二十九年度及び三十年度の共同実施事業に係る契約二百六件のうち、百八十一件について金額も含めた公表を行っております。
 残る契約につきましても、組織委員会が契約の相手方である個別企業やトップパートナーについてはIOCと調整を行っておりまして、合意が得られたものから公表していくこととなっております。

○入江委員 確かにオリ・パラ局のホームページでは、平成二十九年度、三十年度分の契約について合意が得られたパートナー企業との契約金額が公表されてきています。
 共同実施事業の原資というのは、スポンサー収入及び都からの資金、国からの資金、公的な資金が投入されているわけですので、都民、国民の皆様にその契約内容をできる限り開示していくというのは義務だと思っております。
 引き続き、このゴールドパートナーについては、IOCとの調整もあるとのことですけれども、ぜひ公表に向けて進めていただきたいと思います。
 続いて、V4における経費の増減について、資料も出ておりますけれども、それぞれ区分ごとの主な増減理由を伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 まず、会場関係でございますが、仮設等について、IBC、MPCの撤去工事費等による増、エネルギーについて、テストイベントや大会関係者の要望を踏まえ、競技会場の諸室をふやしたことなどによるケーブル数量の増、テクノロジーにつきましては、大型映像装置を仮設で設置することとしたことによる増などを見込んでおります。
 次に、大会関係でございますが、輸送について、輸送計画の精緻化や都外会場における調整等が進みまして、車両基地や駐車場等の詳細が確定したことに伴いまして、必要な予算を計上したことなどにより増となっております。また、セキュリティーについて、警備計画の具体化に伴い、セキュリティーカメラなどの機器の効率的な配置による減と、競技会場等における工事期間中の警備費の減を見込む一方、大会運営に必要な関係者用の駐車場やホテル、競技用備品や機器等を保管する倉庫など、競技会場以外での警備費の増を見込んでおります。そのほか、オペレーションについて、大会時の各会場の運営を委託する運営コントラクターの人件費の増、開閉会式の費用増などを見込んでおります。

○入江委員 では、このV4における感染症への対策について伺います。
 本日の未明、世界保健機関、WHOは、中国の武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎について、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態と宣言しました。東京都も速やかに新型コロナウイルス感染症対策本部を設置しています。
 東京二〇二〇大会を約半年後に控え、迅速で正確な情報発信も含め、さまざまな感染症に対して今からしっかりと対応策を策定していく必要がありますが、この大会経費V4において、どのような感染症への対応を行うことにしているのか伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 選手や大会関係者、観客など多くの訪日外国人を迎える東京大会に向けて、感染症の対策を講じていくことは重要でございます。
 大会経費V4におきましては、マスクや消毒剤などの感染拡大防止策に係る費用を計上いたしますとともに、選手や大会関係者、観客等へ感染症に関するわかりやすく正しい情報提供に加えまして、競技会場や選手村での選手、大会関係者への保健指導について、関係局も協力し、実施する予定でございます。
 また、選手や大会関係者など多くの人と接する機会のあるボランティアに対しまして、研修の機会などを通じまして、感染症に関する注意喚起などの取り組みを行っておりまして、引き続き正しい知識の普及啓発等も行うこととしてございます。
 加えまして、選手村の総合診療所を受診する選手や大会関係者に対するサーベイランスを実施し、感染症が疑われた場合には、早期に医療機関や保健所と連携して対応することといたしております。
 都は、組織委員会とともに、引き続き新型コロナウイルスへの対応も含めまして、感染症の発生状況等を収集、把握、共有するなど、感染症の発生動向を注視しながら、万全の対策を講じてまいります。

○入江委員 こちらの今後の経過はどうなるか本当に見通しがつかない状況ですので、ぜひしっかりと対策を行っていただきたいと思います。
 そして、V4ではオペレーションで九十億円、東京都の負担があります。オリンピックとパラリンピックの開会式と閉会式、合わせて四つの式典は、起承転結で構成、演出され、予算百三十億円となっておりますが、そのうち東京都も開催都市として応分の負担を計上しているとのことです。この主な内訳を伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 オペレーションにつきましては、大会運営に係る経費でありますことから、基本的には組織委員会の負担でございますが、開閉会式に係る経費について、開催都市東京の魅力を世界に発信する観点から、東京都の負担を計上いたしますとともに、聖火台について、臨海部に設置する聖火台の設置費用等を、大枠の合意に基づき東京都の負担として計上しております。
 また、大会運営に係るさまざまな経費に係るパラリンピック経費につきましては、国負担と同額を都負担として計上しております。

○入江委員 組織委員会の収入を見ますと、好調なマーケティングにより、国内スポンサー収入がV3の時点から二百八十億円増加しております。
 チケット販売については昨年五月に開始され、都民、国民の関心も高く、販売状況も大変好調であると聞いております。V4予算でもV3に比べ八十億円の増収となりました。現在の販売状況を伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 チケット販売状況についてでございますが、昨年五月にオリンピックの第一次抽せんが開始されて以降、追加抽せん、第二次抽せんを合わせまして、オリンピックは四百四十七万枚、パラリンピックは第一次抽せんで六十万枚のチケットが購入されており、現時点でのID登録者数は八百万人を超え、延べ九百三十四万人もの方にお申し込みをいただきました。
 そのほか、組織委員会が企画する学校連携観戦チケットにつきましては、全国でオリンピックが約六十万枚、パラリンピックが約六十八万枚のお申し込み状況であるとしております。
 組織委員会からは、春以降に実施される対面窓口での販売や公式リセールサービス等を通じ、フルスタジアムの実現に向けて引き続き努力をしていくと聞いてございます。

○入江委員 チケットの売り上げが伸びている状況をご答弁いただきましたけれども、マラソンの札幌移転でキャンセルとなった分は、このV4予算に織り込んでいるのか伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 札幌移転となったマラソンチケットの取り扱いにつきましては、昨年十二月に組織委員会が方針を示しており、男子マラソンについては全て払い戻しを行うこととしております。
 女子マラソンにつきましては、陸上競技もあわせて観戦できるチケットであることから、全て払い戻しを希望される購入者については払い戻しを行い、陸上競技のみの観戦を希望する購入者については、チケット価格を見直した上で観戦いただけるよう検討する方針を示しております。
 このことから組織委員会からは、払い戻される枚数及び金額が明らかになっておらず、現時点では札幌移転でキャンセルとなった部分を織り込んでいないが、引き続き全体的な収入確保に努めると聞いてございます。

○入江委員 この一月は多くの都民の方と直接お話をする機会がありました。やはりマラソンを東京で観戦したいというご意見が大多数でした。
 マラソン、競歩の札幌開催により、このV4予算では都負担の二十五億円を組織委員会の負担としていますが、その内訳を伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費V4では、V3で計上していた札幌に変更となるマラソン、競歩に係る経費、具体的にはオリンピックの競歩に係る経費約二十五億円を東京都の負担から削減し、同額を組織委員会の負担に組み替えて計上しております。
 その内訳でございますが、競歩の会場として予定していた皇居外苑における仮設施設の設計、工事が約十二億八千万円、仮設発電機などのエネルギー関係が約四億八千万円、通信インフラが約四億七千万円、会場警備が約三億円となっております。

○入江委員 今のご答弁ですと、競歩の分しか含まれていないようなんですが、マラソン分はないのか伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 国立競技場についてでございますが、パラリンピック経費を除きまして、仮設整備に係る都の負担がないことから、今回、都から組み替えた経費は、先ほど答弁させていただきました競歩分のみとなっているところでございます。

○入江委員 では、この二十五億円についてですけれども、組織委員会はIOCに請求するのか伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 V3で計上していたオリンピックの競歩に係る経費については、V4の東京都負担から削減したことにより、今後、東京都が支出することはございません。
 また、既に支出した経費については、先般の四者協議により、都において別の目的に活用できないものは都は負担しないこととなっておりまして、精査、検証を行った上で都としての判断を行い、必要に応じたIOCとの調整を組織委員会とともに行ってまいります。
 一方で、札幌開催によって発生する経費については、組織委員会において精査を行った上で、IOCとの経費分担を調整していくこととなっております。

○入江委員 経費分担の調整というのはこれからの作業だということだと今ご答弁いただきましたけれども、ぜひ東京都としての立場といいますか、東京都としての意見をきちんと表明していただいて、やっていただきたいと思っております。
 このように、仮設などハード系の経費は徐々に固まりつつありますが、大会本番の運営ですとか演出などのソフト系の経費は、まだまだこれからの部分が多いところでございます。最高のパフォーマンスを求めれば、それだけコストが膨らむわけであり、追加費用が発生する可能性があります。
 また、こうした運営経費は、パラリンピック経費を除いて、基本的には組織委員会の負担です。今後、こうした経費をどのようにコントロールしていくのか、具体的な方法を伺います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会本番の運営など、さまざまな業務が具体化していく中で、新たな需要が発生する可能性もあり、引き続き効率化に向けた精査を組織委員会とともに行っていく必要があると考えております。
 そうした中で、組織委員会の収支が赤字になることがないように取り組むことが何よりも重要でございます。そのため、組織委員会の収支について月次で報告を受け、都としても収支を把握してまいります。
 具体的には、収入については、組織委員会における収入済額、支出については、これまでも四半期ごとの支払いベースでの執行状況を確認してまいりましたが、今後はさらに、大会経費全体の執行状況を最も精緻に把握することができる契約ベースでの支出見込み額を月次で報告することについて、三月分から実施するよう、現在調整を行っているところでございます。
 また、大会本番を円滑に運営していくためには、現場レベルで対応を求められる事項が生じる可能性が考えられる一方で、執行管理を十分に行わなければ想定外の経費負担が生じてしまう可能性がございます。
 そのため、組織委員会において、会場別に執行管理を行っていくための体制や方法等について検討を行っているところでございまして、引き続き、東京都としてもその内容を確認し、必要な調整を組織委員会と図ってまいります。

○入江委員 組織委員会の収支が赤字になることがないように取り組むことが何よりも重要であり、そのため、組織委員会の収支について月次で報告を受け、都としても収支を把握していくという新たなご答弁でした。組織委員会の収支が赤字となった場合は、都が補填をしなければならないわけですから、予算管理をしっかりとやっていただくことは当然でありまして、今ご答弁いただいた方法で確実に進めていただきたいと思います。
 今後は特に予算の迅速で、かつ適正な執行管理が大変重要になってまいります。会場ごとの人材の適正配置や備品の共有化、またはサービスの水準などを十分に検討、調整し、各会場、競技ごとの予算管理を進めていただくことを要望します。
 さて、これまでもこの委員会でよく取り上げられてまいりましたが、過去最も成功したロンドン二〇一二大会は、オリンピックパークとなった東ロンドンの再開発、地域の巻き込みと活性化、八〇%にも達したテレワークの普及、障害者スポーツの促進など、多くのレガシーを残しました。そして、ロンドン二〇一二大会の予算は九十三億二千五百万ポンド、大会後の支出は八十九億二千百万ポンドで、予算を下回り黒字で終了しました。
 ホストシティーの大ロンドン市、今回ですと私ども東京都に当たるところですが、この議会の議事録を確認したところ、大ロンドン市では予算執行のモニタリングを担当する小委員会に対し、四半期ごとに市や関係機関の予算執行状況のレポートが提出されています。このレポートをもとに、小委員会では、ロンドン二〇一二大会を含め、市や関係機関の予算執行について四半期ごとの議論が行われていました。
 また、大ロンドン市市議会では、ロンドン・オリンピック・パラリンピック組織委員会のコー会長など、運営団体の幹部を本会議に数回招き、大会開催に関する議論が活発に行われてきました。東京大会では、こうした内容については当委員会での質疑が役割を担ってきたというわけです。
 開幕まで残り半年を切った東京二〇二〇大会を成功に導くとともに、大会後にさまざまなレガシーを残し、なおかつ収支が赤字となることがないよう、しっかりとガバナンスとコンプライアンスを働かせ、後世に高く評価される大会とするべきです。局長の決意を伺わせてください。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長
大会まで半年を切りまして、開催に向けた準備はまさに総仕上げの段階に来ております。メーンスタジアムとなります国立競技場も竣工いたしまして、また、都の新規恒久施設も順次、竣工を迎えるなど、ハードの整備は着実に進んでおります。
 また、輸送や警備など、大会運営に係る一つ一つの計画も、より具体化が図られてきている、そういった状況でございます。
 今後も組織委員会や国などと連携をしまして、大会の準備をより精緻かつ確実に進めまして、世界からお越しになる選手、あるいは観客の皆さんを万全な体制でお迎えをしていきたいというふうに思っております。
 また、一層の機運醸成を図りまして、日本全体でオリンピック・パラリンピックを応援していただけますよう取り組みまして、大会を成功に導き、大会後のレガシーにつなげていきたいというふうに考えております。
 大会経費V4は、こうした取り組みを財政面で裏打ちするものでございますが、これをもとにしまして、収支が赤字となるようなことがないように、組織委員会とともにしっかりと取り組んでいくことはもとよりでございますが、貴重な税を原資としている東京都の負担につきまして、引き続き縮減が図られますよう、都として経費のチェックなどをしっかり行っていく所存でございます。
 また、都民、国民の皆さんから後押しをしていただきながら大会準備を進めるためにも、今後とも経費の執行を適切に行いまして、透明性の確保に努めるとともに、事業の全体像をわかりやすくお伝えをしていきたいというふうに考えております。
 開催都市としての責任を果たしまして、運営面でも財政面でも、東京大会はすばらしい大会だったというふうにいっていただけるように、皆様からのご指導、ご支援を賜りながら、これからも大会の準備に局一丸となって全力で取り組んでまいります。

○入江委員 ありがとうございました。東京大会は最高の大会だったといっていただけるようにとのご答弁が局長からもございましたが、そのためにも、都はホストシティーの責務として、都民、国民に理解を求めるため、業務内容や運営内容や経費の執行状況をしっかりと精査し、そして全体像を常に把握し、速やかに公表していただくことを強く要望いたします。
 オリ・パラ局の皆さんにおかれましては、これからますます加速的にお忙しくなられるとは思いますけれども、ぜひ一致団結して、本当に成功でよかったという大会となるようによろしくお願いしたいと改めて申し上げます。これで質疑を終わります。

○古城委員 大会経費V4、バージョンフォーについて、都議会公明党の委員を代表いたしまして、質問をいたします。
 令和となって初めてのお正月を迎え、二〇二〇年が開幕をしました。いよいよ東京オリンピック・パラリンピック競技大会が行われるという節目の年となったわけでございます。
 これまで我が党は、大会経費一兆三千五百億円の枠組みを堅持すべきであると訴えてまいりました。昨年十二月に公表されたV4予算の総額は一兆三千五百億円で、V2、V3と同額になっております。また、大会本番に向けてさまざまな契約等が本格化し、経費増の圧力がますます強まる中で、経費の見直しをしっかりと進めていかなければならないと強く求めてまいりました。
 そこで、我が党の提案も踏まえまして、進捗を確認する観点から、順次、お尋ねをいたします。
 初めに、感染症への対応について、冒頭質問をしたいと思います。
 新型コロナウイルスによる肺炎患者の拡大を受け、都民の皆様に不安の声が広がっております。感染の拡大を防ぐためには、機敏に対応していくことが重要であると考えます。もし後手に回れば、百七十五日後に迫る東京二〇二〇大会などにも影響を与えないとも限りません。どうかこの季節の中で終息できるよう、都としても最大限の力を発揮していただきたいと思います。
 こうした感染症の件につきましては、特にことし二〇二〇年は諸外国から多くの方がいらっしゃるということも踏まえて、既に準備、予測もされているところではあるわけですけれども、一方で、国内における感染症という側面からは、多言語での周知とともに、とりわけ選手や大会関係者、会場の観客が感染した際の対応も訓練を行うなどして、あらかじめ考えておかなければなりません。
 都は昨年四月、東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領(第二版)を策定しています。大会会場や選手村において感染症に感染している疑いがある場合は、必要に応じて検査を行い、適切な医療機関へ搬送することになります。
 具体的には、選手や大会関係者であれば大会指定病院、観客であれば各地域の医療機関であると理解をしております。
 また、これは仮定の話でありますが、万が一、感染症に感染している患者を発見した場合には、必要に応じて隔離、停留、消毒等の防疫措置を行う必要性に迫られるとも考えます。こうした点については、公衆衛生の観点から、そもそも行政の事務事業として行われることになるかとも理解をしているところでございます。
 るる申し上げてまいりましたけれども、大会経費V4では、どのような感染症対策を予定しているのか、見解を求めたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会におきましては、感染症への対策を講じていくことは重要でございます。大会経費V4におきまして、マスクや消毒剤等の感染拡大防止策に係る費用を計上いたしますとともに、選手、観客等へ感染症に関する多言語も含めました正しい情報提供に加えて、競技会場や選手村での選手、大会関係者への保健指導について、関係局も協力し、実施する予定でございます。
 また、多くの人と接する機会のあるボランティアに対して、研修の機会等を通じて感染症に関する注意喚起などの取り組みを行っており、引き続き、正しい知識の普及啓発等も行うこととしております。
 加えまして、選手や大会関係者、観客が利用する競技会場内の医務室等におきまして、患者の発熱などの感染症が疑われた場合には、早期に医療機関や保健所と連携して対応し、大会指定病院や指定感染症医療機関など、症状等に応じた病院に搬送を行う予定としてございます。
 都は、組織委員会とともに関係機関と連携した訓練を行っておりまして、引き続き、新型コロナウイルスへの対応も含め、感染症への万全の対策を講じてまいります。

○古城委員 ぜひとも感染症の発生拡大が都民の皆様初め、健康に重大な影響を及ぼすことなく、また大会運営に支障が生じるような事態につながることも回避をしていただいて、そして、もし万が一、危機的な事態に至った場合においても、速やかにその感染拡大、また被害拡大の防止のための対策が講じられるよう求めておきたいと思います。
 続いて、大会経費V4全般について質問をいたします。
 今、冒頭お伺いをした感染症の質問でも関連をする点かと思っておるんですけれども、実際に大会経費に当たるのか、大会関係費から支出をされていくのか、またそもそも予定されている都の一般予算から支出をされていくのか、こういった区分けがなかなか難しい部分もあろうかと思いますけれども、改めて、大会経費と大会関連経費の区分けについて明確な答弁をいただきたいと思います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 区分でございますが、大会にかかわる経費のうち、東京都や国が負担する新規恒久施設の整備、大会開催のために組織委員会が実施する仮設施設の整備や大会運営の経費など、大会に直接必要となる経費を大会経費としております。
 また、行政目的のために行われるものではございますが、大会を契機に重点的に取り組むことで大会のためにもなり、大会後の東京のさらなる発展につながるレガシーになるものの経費を大会関連経費と区分をしております。
 大会関連経費でございますが、既存体育施設の改修、暑さ対策、教育文化プログラム、都市ボランティアの育成、ライブサイトやシティードレッシングなどの大会の機運醸成、都市のバリアフリー対策、輸送インフラとしての道路整備などがございまして、大会に密接にかかわる事業や大会の成功を支える関連事業として東京都が実施をしております。
 大会経費は、大会経費V4におきまして、都の負担が五千九百七十五億円、大会関連経費は、令和二年度予算案において、平成二十九年度から令和二年度までの四年間の合計で七千七百六十六億円となっております。
 今後ともこうした経費の全体像を示すことで、できる限りわかりやすい情報提供に努めてまいります。

○古城委員 今回、V4における大会経費の表示単位の変更であるとか、また本日、要求資料として明らかになりました詳細な区分につきましては、先ほど質疑が行われておりましたので、重複という意味で避けたいと思いますけれども、当初発表された際に、東京都の負担額については、マラソン、競歩の札幌移転に伴って三十億減ったといわれていて、具体的には、競歩の開催経費として計上されていた分が削減されたということですけれども、細かく見ていくと、競歩経費として二十五億円であって、表示単位が十億円であることから、差し引き五億円は反映をされていなかったということであるわけであります。
 この点について、知事は記者会見での質問に答えて、一つ一つの積み上げをしていくが、今のこの段階においては十億円単位で進めている、さらに細かな内訳は、係数の整理をして、より詳しい数字が公表できるように準備をしていくとの見解を示されておりました。
 そこで、こうした点も含めて、V4の作成の過程で都はどのように関与したのかお尋ねをいたします。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費V4の策定に当たりましては、基本的に組織委員会が作成した素案についての説明を受けた上で、都として経費の精査や確認等を行うとともに、内容に関して必要な調整を行ってまいりました。
 また、経費の内訳や金額の単位につきましては、事業執行に支障のない範囲でできる限り詳細に示せるように、組織委員会に要請をしてまいりました。
 さらに、共同実施事業につきましては、共同実施事業管理委員会と、そのもとに設置している作業部会において、東京都、国、組織委員会の三者で経費区分と負担額について確認を行いました。
 大会経費V4は、こうした過程を経て、昨年十二月二十日に組織委員会が公表したものでございます。

○古城委員 続いて、東京都負担分の財源についてお尋ねをしたいんですけれども、やはりこの大会開催に当たっての経費につきましては、特にこの大会経費の東京都負担分においては、都民サービスが低下することがないようにするであるとか、また、都民負担を軽減していく、そういう観点が重要であるということがこれまでいわれてきたわけでありますけれども、改めてこの大会経費の東京都負担分の財源について見解をお尋ねします。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 都が負担する大会経費としましては、大きく分けて、都が行う新規恒久施設の整備と、それから組織委員会が行う仮設施設の整備を初めとする共同実施事業の二つがございます。
 このうち新規恒久施設の整備につきましては、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金を財源として充当しております。また、共同実施事業につきましては、同基金を充当するほか、当該自治体の会場に係る輸送やセキュリティーの経費について、宝くじ収入を都が受け入れ、組織委員会に支出をしております。
 こうした対応によりまして、都民サービスに影響を及ぼすことなく、かつ将来に負担を残すことなく、大会開催が可能になると考えております。

○古城委員 次に、大会経費V4の収入の部について質問をいたします。
 大会経費V4では、V3も同様でありましたけれども、国内スポンサー収入が増加をしております。まず、この要因についてお尋ねします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 V4予算の収入におきまして、国内スポンサー収入はV3予算と比較して二百八十億円増加しておりまして、過去最高の三千四百八十億円となっております。スポンサー収入がふえましたのは、組織委員会によるスポンサー獲得の努力の成果と考えられます。
 その背景には、都と組織委員会が連携して機運醸成に取り組んできたことにより、東京大会のブランド価値が一層向上してきたことが挙げられます。

○古城委員 続いて、今答弁がありました国内スポンサー収入三千四百八十億円のうち、既にどの程度見込んでいるのかお答えください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 V4予算に計上されている国内スポンサー収入三千四百八十億円は、ほぼ同額を実績として見込めるものと聞いております。

○古城委員 今、ほぼ同額が見込めるというお話の三千四百八十億円でありますけれども、この国内スポンサーによる収入は、組織委員会の収入の五五%超を占めておりまして、大会経費を支える根幹となる大変重要な項目であります。万が一、組織委員会が赤字に陥りそうであるとか、また陥ったという場合には、都の新たな負担ということも想定をしなければならないわけですから、国内スポンサー収入を確実に確保していくということが重要であると考えます。
 そこで、今後のスポンサー増に向けた取り組みについてお尋ねします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 ただいまお話にございましたとおり、国内スポンサー収入は組織委員会収入の半分以上を占め、大会を支える重要な要素でございます。組織委員会では、大会まで残り半年の間、引き続き東京大会のブランド価値の向上に努め、新たなスポンサー獲得を目指していくとしております。
 都といたしましては、大会の価値がさらに高まるよう、開催機運の醸成等に取り組んでまいります。

○古城委員 スポンサーの獲得については、そのスポンサーのクラスであるとか、また重複を避ける、そういった点について、いろいろな知恵を出しながら進めていただいているところかと思いますけれども、都としても、ぜひともその大会機運の醸成とともに、組織委員会と連携しながら着実に、また確実にこの国内スポンサー収入を確保していくことを要望させていただきたいと思います。
 次に、調整費、緊急対応費、予備費について質問をいたします。
 予備費の部分につきましては先ほどの質疑でご説明がありましたので、これは省略をさせていただきたいと思います。
 その上で、組織委員会の調整費と都の緊急対応費は、昨年の委員会でお示しいただいた大会経費V4の一覧表では、同じ行に表示をされておりますけれども、その目的は随分異なるようであります。同じ行に表示をされているということから、都民の皆様にとって誤解を与えないように、改めて、この調整費と緊急対応費はどのようなものなのか確認をさせてください。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費V4では、組織委員会に調整費百億円、東京都に緊急対応費百億円を計上しております。これらの二つの経費でございますが、委員からお話をいただきましたように、それぞれ性格が異なっておりまして、組織委員会の調整費については、業務に係る詳細な計画等が未確定であることから、具体的に見積もることができない支出に対応するための経費であるため、今後、計画がより具体化することなどに伴って、組織委員会において取り崩して使用するものと考えております。
 一方の都の緊急対応費につきましては、現時点で具体的な事項を想定しているものではなく、突発的な事項等が生じた場合に対処するための経費でありますため、必要が生じれば使用する可能性はあるものの、必要が生じない限り使用はしないものと考えております。

○古城委員 予備費については、組織委員会の中で二百七十億円が計上されていますけれども、増収努力によって生み出された三百億円を財源として新たに計上されたということで先ほどお話がありました。
 また、その性格についても、現時点で具体的な事項を想定しているのではなく、今後予期せずに発生した事態等に対処するための経費であると、これが組織委員会の予備費であるということであります。
 それを踏まえてなんですが、V4では注釈の中で、予期せずに発生し得る事態等に対処する必要が生じた場合、関係者は役割分担に応じて対応するとあります。V3の場合、同様の箇所には、このほかに予備費一千億円から三千億円があります。これにより、予期せずに発生し得る緊急に対応すべき事態等に対処しますと記載がされておりました。
 この点についても先ほども質疑があったわけでございますけれども、このような注釈の記述も含めて、V4における緊急対応費、それから予備費と、V3までの予備費との関係について見解をお尋ねします。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今お話しいただきましたV3までの予備費でございます。これは予期せずに発生し得る緊急対応すべき事態等に備えるためのものといたしまして、財源の裏づけはなく計上していたものでございます。
 しかし、大会が間近に迫り、ある程度先が見通せる段階に来ている中、現実に即した対応として、財源の裏づけのない一千億円から三千億円の予備費については、V4には計上しないことといたしました。
 一方で、V4におきましては、ただいまお話しいただきましたが、予期せずに発生し得る事態等に対処する必要が生じた場合、関係者は役割分担に応じて対応することとしておりまして、こうした場合、組織委員会においては、今回計上した二百七十億円の財源の裏づけがある予備費を使用するものと考えております。
 また、そうした場合におきまして、東京都におきましては緊急対応費を使用して対応するものと考えております。

○古城委員 今答弁いただいた点で確認をさせていただきますけれども、組織委員会においては今回計上した財源の裏づけがある予備費を使用する、また都においては緊急対応費を使用して対応するというものがV4の(注1)にあるところの、予期せずに発生し得る事態等に対処する必要が生じた場合、関係者は役割分担に応じて対応する、こういうことであるということを確認させていただきました。
 冒頭、調整費、それから緊急対応費、そして予備費の点でご説明いただいた調整費の部分でありますけれども、事業の進行により、V3に積み上げていた調整費を一部取り崩しているとのことでありますけれども、取り崩しによって実施した事業とその金額について確認をさせてください。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 調整費でございますが、業務に係る詳細な計画等が未確定であることから具体的に見積もることができない支出に対応するための経費といたしまして、大会経費V2まで五百億円を計上し、大会準備の進捗や計画の具体化などに伴いまして、V3において百五十億円を取り崩して使用しております。
 今回のV4におきましては、輸送計画の具体化に伴う駐車場など、輸送施設の整備費等と警備計画の具体化に伴う関係者用の駐車場や倉庫など、非競技会場の警備費等が計上されたこと、また開閉会式の費用が増加したことに伴いまして、さらに二百五十億円の調整費を組織委員会において取り崩して対応しておりまして、残る百億円をV4に計上しているところでございます。

○古城委員 今、数問にわたって、調整費、緊急対応費、予備費という点について確認をさせていただきましたけれども、大変曖昧になりがちな費目でもあるのかなと考えているところでございますので、そうした意味においても、ぜひともしっかりと精査に当たっていただきたいということを要望させていただきます。
 続いて、大会経費V3の説明資料の今後の検討課題に示されていた点について質問をいたします。
 まず、競技会場に敷設するネットワーク、AVシステム、携帯電話、各種IT機器の調達価格、数量の精査についてであります。
 大会経費全般にわたって、リース契約による経費の低減を目指しているとのことでありますけれども、具体的な事例として、競技会場のネットワーク機器について、リース契約の活用も含め、組織委員会はどのような経費削減の取り組みを行っているのかお尋ねします。

○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 競技会場のネットワークを構築するには、その特色上、高いセキュリティーと多くの機器が必要となります。そのため、組織委員会では、セキュリティーを確保しつつ、適宜、会場のネットワーク構成を見直すなど、必要数量を精査するとともに、お話のとおりリース契約を活用し、経費の削減を図っているところでございます。
 さらに、必要数量をまとめて発注するなど、スケールメリットを生かしまして、調達価格の削減と安定供給を実現しているところでございます。

○古城委員 続いて、同様に今後の検討課題に示されている放送用映像回線の利用料、整備費の低減、この点についても組織委員会は具体的にどのような取り組みを行っているのかお答えください。

○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 オリンピック放送機構、いわゆるOBSからは、大会の放送用回線の信頼性確保のため、基本的に地中化された二ルートの回線を確保するよう求められておりました。しかしながら、組織委員会がOBSと協議を重ねた結果、土木工事費が多額となる一部の会場において、二回線のうち一回線を架空化するなど、整備費の低減を図ってきているところでございます。
 また、放送用回線の容量につきましても、需要を見越して適切なものにするなど、回線利用量の削減につながる取り組みを行ってきているところでございます。

○古城委員 オリンピックの当初東京で開催が予定されていたマラソン、競歩は、残念ながら札幌に移転することになりました。移転をめぐる報道が過熱する中で、この放送用回線についても追加経費がかかるのではないか、こういうような指摘もあったと記憶をしております。そうした中で、放送用映像回線の費用が高額になるのではないか、そういった疑念も生まれたところであります。
 そこで、札幌の会場については、どのような放送用回線が計画をされているのか確認させてください。

○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 マラソン、競歩の放送用回線につきましても、OBSからは、IBCから競技会場まで地中化された二ルートの回線の確保を求められております。しかしながら、組織委員会からは、サッカーの予選会場である札幌ドームまでの放送用回線や、マラソン、競歩会場までの通信事業者の既存の通信網を活用することで、導入費用を抑える取り組みを行っていく予定と伺っております。

○古城委員 今、答弁で確認させていただきましたが、移転先となった札幌市内にある札幌ドームでは、オリンピックのサッカー競技が開催をされ、特に七月二十二日から二十九日にかけて計五日間、十試合が行われる予定になっております。
 したがって、東京-札幌間、少なくとも国際放送センターと競技会場である札幌ドーム間には、放送用回線が敷かれることになっていたわけであって、今答弁いただいたとおり、札幌ドームからマラソン、競歩会場までの間については、既存通信回線を活用するということでありますので、オリンピックのマラソン、競歩の札幌移転に伴う経費増をなるべく抑える取り組みが進められているということを確認することができました。
 今、V3の中で今後の検討課題ということで示された点について、どのように進捗があるのかというのを幾つか例を挙げて確認させていただきましたけれども、引き続き、このV4の中においても、経費の縮減、低減に向けた取り組みを着実に進めていただきたいと思います。
 あわせて一点要望をしたいと思うんですが、今、マラソンの札幌移転に伴う放送用回線の話題を質問としてさせていただきましたけれども、先日、NHKから東京オリンピックにおける競技の放送予定が発表されました。一方で、パラリンピックについては決まり次第、放送計画を発表するとのことであります。また、その発表に合わせて、パラリンピックについては、これまで以上に力を入れてお伝えする予定との方針も示されております。
 今、新年を迎えて、地域の皆様といろいろお話をさせていただく中で、マラソン、競歩の札幌移転は残念だったけれども、パラリンピックのマラソンが九月六日に行われるから、ぜひともこれを楽しみにしている、こういうお話もいただいておりますし、また先日行われたNO LIMITS SPECIALの際に、競技用レーサー、車椅子の速度計測を私も体験させていただきました。一生懸命こぎましたけれども、最高時速二十キロでした。
 しかし、この車椅子マラソンの最大の魅力であるスピードは最高時速五十キロにも達し、平均時速は三十キロ。私が一生懸命こいでも二十キロのところ、パラアスリートは三十キロを平均で出していく。これが魅力であるとも思っています。そうした魅力を今、地域の皆様にもお伝えさせていただいています。
 ですから、ぜひとも競技会場、新国立競技場もそうですし、また沿道からも多くの皆様に応援をしていただきたいと思っておりますが、放送でも生中継で全国、全世界の皆様にパラリンピックマラソンを応援していただきたい。だからこそ、ぜひとも都としても組織委員会や関係者と連携していただいて、このパラリンピックのさまざまな競技、パラリンピックマラソンも含めて競技を生中継してほしい、このことを働きかけていただきたいということを要望させていただきます。ぜひよろしくお願いいたします。(「聞いた方がいいよ」と呼ぶ者あり)
 では、聞かせていただきたいと思いますが、パラリンピックの放送予定について、特に九月六日の大会の掉尾を飾るパラリンピックマラソンの生中継をぜひとも都として働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 私ども、今、パラリンピックのマラソンにつきましては、リーフレットをつくらせていただいて、PRにしっかりと努めているところでございます。放送権者ですとかそういったところにも、できる限りパラリンピック競技が多く放送していただけるように、ご要望をお伝えさせていただきたいというふうに思っております。

○古城委員 多くの委員の皆様にも応援をいただいて、今ご答弁をいただいたところでございます。ぜひとも働きかけ、そしてそれを実現していくための取り組みをお願いしたいと思います。その上で、パラリンピックの成功なくして東京二〇二〇大会の成功なしでございますので、一丸となって盛り上げていきたい。そのためにも私も働かせていただきたいと思います。
 次に、SDGsに関連して一点お伺いをいたします。
 ことし二〇二〇年は、日本の将来を決定づける大事な十年に向かう一歩ともなる年であると、このようにもいわれております。
 国連の持続可能な開発目標、SDGsや地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定の目標達成年次は、十年後の二〇三〇年となっており、行動の十年の初年度に当たる本年二〇二〇年の取り組みが正念場ともいえます。その二〇二〇年に行われるのが東京オリンピック・パラリンピック競技大会であります。
 一昨年、二〇一八年六月に公表された東京二〇二〇大会の持続可能性に配慮した運営計画第二版は、大会開催が持続可能な開発に貢献するように組織委員会が策定したもので、運営計画の五つの主要テーマとSDGsのかかわりを明確にしています。
 さらに、国際連合と組織委員会は同年十一月、大会を通したSDGsの推進協力に関する基本合意書に署名しました。
 そこで、SDGsの実現に貢献していくため、持続可能性に配慮した取り組みの一環で、再生可能エネルギーなどV4で具体化している事項についてお尋ねします。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局運営推進担当部長 東京二〇二〇大会では、委員、今お話ししていただいたとおり、都や組織委員会等が持続可能性に配慮した取り組みを進めておりまして、SDGsの諸目標と一致する部分につきまして、大会開催を通じたSDGsへの貢献を目指しております。
 例えば、大会経費V4の恒久施設では、新規恒久施設の整備に当たり、太陽光、太陽熱など多様な再生可能エネルギー設備を導入することとしております。
 また、大会経費V4のエネルギーでは、再エネ電気の調達のほか、再エネ電気が受電困難な部分につきまして、グリーン電力証書等による電気のグリーン化を進め、大会期間中の再エネ電力一〇〇%使用を目指すこととしております。
 さらに、大会経費V4のオペレーションでは、使用済み携帯電話などからメダルを製作するメダルプロジェクトにおきまして、多くの都民、国民の協力により、メダル製造に必要な金属量が集まり、現在、組織委員会においてメダルの製造を行っているところでございます。
 大会本番に向け、引き続き組織委員会とも連携し、持続可能性に配慮した取り組みの具体化を進め、SDGsの実現に貢献してまいります。

○古城委員 昨年の本委員会におけるV3の質疑において、都議会公明党は、新規恒久施設を運用する中で、再生可能エネルギー設備を導入している場合においては、その再生可能エネルギーの利用実績データを見える化する取り組みを求めたところであります。その際に方針としてお示しいただきましたけれども、再生可能エネルギーの積極的な利用とともに、見える化による来場者等へ向けた情報発信を通じた再生可能エネルギーの有用性の周知を重ねて要望させていただきます。
 また、今、答弁の方でメダルプロジェクトについてお話をいただきましたけれども、みんなのメダルプロジェクトについて、都庁内に設置された回収箱に持参した携帯電話を入れた都内在住の方のお話を仄聞いたしました。家に眠っていた携帯電話を六台持ってきた、選手の胸にかけられるメダルの一部になると思うとうれしくて、このように語っておられたそうであります。
 東京二〇二〇大会をきっかけに都市鉱山を活用する機運が盛り上がり、持続可能な社会へ、確実な東京二〇二〇大会のレガシーとなることを期待したいと思います。こうしたことから、大会におけるエンゲージメントを高めていく上でも、SDGsに関する取り組みが大変重要であるという認識に立たせていただきました。
 次に、話題変わりまして、共同実施事業について質問をいたします。
 大会経費V4で都の負担は五千九百七十五億円となり、このうち恒久施設を除く三千七百十五億円は、都と国と組織委員会との共同実施事業における都側の負担となります。
 まず、共同実施事業の進捗状況はどのようになっているのかお尋ねをいたします。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業の東京都の負担額でございますが、大会経費V4における都負担五千九百七十五億円から新規恒久施設の二千二百六十億円を差し引いた、お話しいただきました三千七百十五億円でございます。
 このうち平成三十年度までの決算額は約二百二十六億円となっておりまして、これに加えて、今年度は約一千百億円の執行を見込んでいることから、今年度末には支払いベースで三六%の進捗を見込んでいるところでございます。

○古城委員 組織委員会が発注する共同実施事業について、都の負担は税が原資になっていることを踏まえるならば、契約する案件の全てを都として精査していく体制が不可欠であります。
 そこで、共同実施事業の契約案件をチェックする体制はどのようになっているのかお尋ねします。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業につきましては、東京都と国の資金を使用して組織委員会が事業を行うことから、これを適切に執行し管理することにより、コスト管理と執行統制の強化を図ることを目的として、東京都、国、組織委員会の三者により、共同実施事業管理委員会を設置しております。
 また、一つ一つの案件をチェックしていくため、委員会のもとに作業部会を設置して経費の確認を行っております。その体制でございますが、東京都、国、組織委員会の部課長級で構成をしておりまして、東京都が九名、国が四名、組織委員会が六名の計十九名となっております。
 作業部会については、昨年度までに二十八回、今年度は二十五回、合計で五十三回開催をしているところでございます。

○古城委員 V3の際にも我が党も確認をして、質疑において何回かやりとりがあった点でありますけれども、具体的な契約を確認する方法について、全ての案件を確認するのか、どのように確認するのか、見解を求めます。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 具体的な契約案件の確認方法でございますが、案件が契約手続に入る前に、まず都の担当が組織委員会の担当から内容をヒアリングし、積算資料等を確認しながら、必要な内容、機能か、適正な規模、単価か、類似のものと比較して相応か、公費負担の対象として適切かなどの観点からチェックをいたしまして、所定の様式である確認表に取りまとめをしております。
 その上で、一定金額以上の案件につきましては、東京都作業部会において、案件や確認の内容を組織委員会と東京都の双方の担当から説明を受け、疑問点等の質疑応答を行い、確認表に記載された内容の確認を行っております。
 また、これ以外の一定金額未満の案件につきましては、各所管部署において同様に確認をしておりまして、最終的には作業部会において全ての案件を一覧にして確認をしているところでございます。

○古城委員 都議会公明党は、都の公費が投入されていることから、組織委員会が守秘義務を負う契約分も含め、全ての契約内容を開示し、透明性を確保することを求めてきました。
 そこで、改めて、共同実施事業におけるパートナー供給契約の公表状況についてお尋ねします。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業におきましては、基本的に契約の相手方及び金額を公表することとしております。
 一方、パートナー供給契約では、パートナーが最低価格で商品等を提供することとなっていることから、その事業上の地位を脅かすことのないよう、契約当事者双方に守秘義務が課されておりまして、金額の公表には法的課題がございます。
 こうした契約につきましても、組織委員会が契約の相手方と個別に調整を図り、合意が得られた契約について、七月に続き、十二月に金額を公表しているところでございます。これによりまして、平成二十九年度及び三十年度の共同実施事業に係る契約二百六件のうち、百八十一件について金額も含めて公表しております。
 残る契約につきましても、組織委員会が契約の相手方である個別企業やトップパートナーについてはIOCと調整を行っておりまして、合意が得られたものから公表していくこととなっております。

○古城委員 先ほどの質問でも確認をいたしましたけれども、東京二〇二〇大会の実施に当たっては、SDGsの実現に貢献していくための持続可能性に貢献する取り組みが欠かせません。また、大会の成功には、選手、観客の安全確保も欠かせないとの認識に立っております。
 今回の大会経費V4における今後の課題に、大会直前期、大会期間中と、V4予算編成後に生じた事態等に対応するための予算の確保、各会場での柔軟な予算執行の権限の付与と適切な執行管理とあります。着実に準備していく、またその準備が進んでいくに当たって、よもやの課題が表出し、どうしてもやらなければならないという事項が明らかになったときには、当然やるべきであると思います。
 その上で、やはり都民からは、できる限りお金のかからない大会開催ということも求められています。都が主体となって、大会組織委員会のコスト管理、執行状況を含めて経費全体を管理し、その透明性を確保していくべきと考えます。大会経費が赤字とならないよう回避する都の取り組みは、これも東京二〇二〇大会の成功に不可欠です。
 そこで、大会の成功に向けた局長の決意をお尋ねします。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 東京二〇二〇大会は、オリンピックアジェンダ二〇二〇が初めて適用され、ご質問いただきましたSDGsの実現への貢献も打ち出されるなど、持続可能性の取り組みを大きく推進する大会でもございます。
 再生可能エネルギーの導入を初めとしました持続可能性に向けたさまざまな取り組みは、まさにこの大会におけます具体的な行動で示すことが求められております。
 こうした中、大会経費につきましては、経済合理性と資源の効率的な活用を見きわめつつ、共同実施事業管理委員会によりますコスト管理や執行統制の強化によりまして、適正な事業の執行はもとより、全体経費が膨張することがないよう取り組みを進めてまいりました。
 さらに、大会経費全体の収支を決定づけます組織委員会の収支につきましては、このほど、新たに三月分から収入、支出の両面の執行状況を都として把握することといたしました。
 引き続き、組織委員会と密接に情報を共有化しまして、持続可能性に配慮した取り組みを進めながら大会準備と大会経費の管理を行いまして、大会収支が赤字とならないよう、しっかりと取り組んでまいります。
 大会まで半年を切りまして、準備が総仕上げの段階に来てございます。ラグビーのワールドカップが非常に高い評価をいただいたところでございますが、今大会におきましても同様に、非常にすばらしい大会だったというふうに評価していただけますよう、本番に向けまして、局を挙げて全力で取り組んでまいります。

○古城委員 オリンピック・パラリンピック準備局の皆様が、日夜朝暮に大会成功へ邁進されていることに心から敬意を表するものであります。私どもも、皆様とともに東京二〇二〇大会の成功を断じてなし遂げていきたい、このことを改めて申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○川松委員 改めまして、今回のV4の予算というのは大会前の最終予算であります。私たち都議会自民党は、ことしの大会を成功させるためにさまざまな提案を行ってきたわけであります。
 まず初めに、ちょっと確認だけさせていただきたいんですが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてから今までの流れの中で、いろんな間違った情報というか、東京大会、危ないんじゃないかという情報が今、世界にも発信されている中で、都及び大会組織委員会含め、オリンピックの準備をする側として、新たに感染症対策を検討したり、対策したり、調査したりという動きはあったのかということを教えていただきたいと思います。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 まず、今お話ございましたように、いろんな報道が出ております。その中にはかなり誤った情報も、中止になるんじゃないかとかいう情報もございます。特にIOCとWHOがいろいろ連絡を取り合っているとかということがいろんな誤解を招いておりましたけれども、昨日も組織委員会の方では、大会の中止は検討していないというふうにいっております。
 それから、この間の検討としましては、私ども、一つは都におきまして、先日来、本部の立ち上げ等ございまして、私もその中に加わっております。
 そしてまた、私どもの方では、東京都安全・安心推進会議というものがございまして、そちらにおいても感染症の対策分科会というのがございます。そこにおいては、国ですとか関係省庁を初め関係機関と情報共有して、正確な情報をきちんと共有していくということになっております。
 今、それらの関係機関との情報共有も図るべく、現在準備をしている段階でございます。

○川松委員 ありがとうございます。対策本部は、もちろん都庁の中に知事を先頭に設置されていますが、一九六四年、昭和三十九年の大会のときには、この大会を契機として、大幅に環境衛生というものが見直されたり、あるいは、さまざまな環境衛生の場面を現場現場で支える皆さん方の知恵だとか、わざだとかを世界中の皆さんに知っていただいた、あるいは、日本の国内の皆さん方にも知っていただいて生活のスタイルが変わるきっかけになったといわれています。
 世界中が、これは中国から発生しているわけですけれども、隣接のこの日本、東京の大会がどうなのかといって見られている中で、もう間もなく二月になろうという段階ですから、やはりここはしっかりと、東京はこうやって安全・安心を保っているんだ、環境衛生面はこうやって我々は守っているんだというものを強く発信していくことによって、そして大会の準備もきっちりとやっているんだということを内外に示していただいて、二〇二〇年の大会の開会式、七月二十四日を迎えていただきたいということで、最初に聞かせていただきました。
 さて、今冒頭で、都議会自民党はさまざまな提案をこの委員会でしてきたというお話をしましたが、昨年の六月二十六日のこの特別委員会で私自身が、今度のこの東京大会での取り組みというのは、日本だけでなくて世界中の皆さんから認めてもらえる先進モデル、そういうふうな大会にすべきだということを申し上げました。
 東京大会は、東京が世界中に貢献する、あるいは東京自体が日本中にいろんなことを提案できる大きなチャンスであるという主張を我々は続けています。そこでの取り組みが日本中に広がっていく大きなレガシーになると考えているわけですが、そのために、聖火リレーだったり、あるいは廃プラスチック対策、飲み物を含めた暑さ対策、ライブサイトや輸送などについて、補正予算を編成してでも積極的に取り組むべきだと、これを求めてきたわけであります。
 いずれも大会の成功に不可欠な事項でありまして、その結果、さきの第四回定例会において、実際に暑さやプラスチック対策、輸送などの追加対策が補正予算として認められたことについては、一定の評価をさせていただきたいと思います。
 しかし、東京都だけではなく、組織委員会も含めて、必要なものは着実に実施するとともに、見直すべきものはきちんと見直すなど、適切な対応をすることが重要です。そのような視点から、最終予算であるこの大会経費V4での取り組みについて、確認の意味で何点か、まず聞かせていただきます。
 この大会経費V4におきまして、暑さ対策はどうなっているんだといろんなところでいわれていますけれども、この暑さ対策についてはどのように取り組むこととなっているのか教えていただきたいと思います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局運営推進担当部長 組織委員会では、昨年の夏に実施したテストイベントにおきまして、日陰を創出するテントに大型冷風機を併設する取り組みや、会場内を巡回し、体調不良者の早期発見を行うファーストレスポンダーの配置などの試行を行いました。
 こうした試行を踏まえまして、組織委員会では、大会経費V4において、アスリート向け休憩所やアイシング等を初め、観客向けの日よけテントや水飲み場の増設、ボランティアやスタッフ向けの飲料水、暑さ対策グッズの配布等、さらなる対策の強化を図ることとしております。
 都におきましても、引き続き組織委員会と連携し、会場内外の切れ目のない暑さ対策に取り組んでまいります。

○川松委員 夏場の暑さ、今感じられない時期でありますけれども、やっぱり今この寒い時期でありますが、大会本番ということを意識しながら、最後の準備を加速していただきたいと思います。
 次に、輸送についてです。
 この問題については東京都と組織委員会とで連携し、一体となって取り組むことが重要であります。これは各関係団体、業界団体もありますが、この輸送について今後どのように取り組んでいくのかを教えてください。

○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会の成功に向けましては、円滑な大会輸送の実現と経済活動の維持との両立を図ることが重要でございます。この目標を実現するため、これまでも組織委員会と適切な役割分担と連携を行い、大会車両の運営やTDMを含む交通マネジメントなどの取り組みを進めてまいりました。
 輸送運営につきましては、組織委員会と共同で輸送センターを設置し、大会時の運行管理、安全な観客流動の確保、混雑や交通規制に関する広報など、一体で進めてまいります。
 今後、TDMを初めとしたスムーズビズを一層推進するため、業界団体や大企業への働きかけはもとより、中小企業や商店にも大会に向けた取り組みを呼びかけるなど、きめ細かく取り組んでまいります。

○川松委員 ぜひいろんな意味で、これ、年が明けてから、やはりこの問題、輸送について緊張感が高まっているというか、各地域あるいは各業界の中において、もう早く出してほしい、どうなっているんだという声が聞かれるようになってきましたので、引き続ききめ細かく、かつ迅速にこの問題に対応していただきたいと思います。
 さて、今回の大会経費V4予算というものが、東京都が組織としてオーソライズされていたのかということをお伺いしたいわけですが、まず私の認識でいくと、今回東京二〇二〇年大会の最終予算として、昨年の十二月に大会経費V4が報告されました。全体としては、これは一年前に公表されたV3と同額でありますが、金額については五十億円単位から十億円単位にするなど、大会が近づいたことを踏まえて精緻化されたということだと思います。
 最初に確認させていただきますが、東京都からは組織委員会に、多羅尾副知事が副会長、潮田局長が理事として参画して運営に関与されています。多羅尾副知事や潮田局長などの理事は、このV4予算を認められたから公表されたということで、まず確認ですが、よろしいですか。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 ただいま出てまいりました二人とも組織委員会理事会におりますので、承認をそこの中でもしておるものと認識をしております。

○川松委員 これは組織委員会の理事会で協議したということだと思うんですけれども、では、組織委員会の理事ではない小池都知事は、この大会経費V4を認めているのか、またどのように受けとめていらっしゃるのか教えてください。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 知事から了承をいただいております。受けとめということでございますが、必要な予算は確保しつつ、引き続き、効率化に向けた精査を組織委員会とともに行っていくよう指示をいただきました。

○川松委員 そこで本日、局から大会経費V4について、項目、金額を詳細にした資料が追加で説明されました。これは、都知事の与党である都民ファーストの会東京都議団が去年十二月二十六日のこの委員会において、V4予算についてさらに詳細に分解をした予算書を提示していただきたいという資料要求に基づいて追加で作成、報告されたものであります。確かにこの資料では、各項目の金額が一千万円単位まで細かく説明されています。
 ところが、これまでの質疑を確認しても、そこまで細かい単位が示されないと大会経費について質疑ができないものなのかは、私は疑問に感じたわけですね。単位を細かく示せるという手法は、私たちは精査していますよ、細かく見ていますよという意味ではわかりやすく、対外的にはPRしやすい手法だとは思いますが、それは、こういった場で予算を質疑することの本質として必要なものではなくて、表面的な事柄ではないのかということを私は考えています。
 ましてや、今お話しいただいたように、東京都の最高幹部が関与している組織委員会の理事会で了承されて、小池都知事も認めている中で発表されたV4予算にもかかわらず、これに対して内容、金額を示すよう知事与党が求めるというのは、これ、仕事を皆さん頑張ってくださいといっていますけれども、知事と都民ファーストの会が一体となっているのか、ちょっと疑問が残りました。知事と議会の最大与党とがこのように連携をしていない状況で大会を迎えることに不安を覚えていることを指摘しまして、次の質問に移ります。
 次は、先ほど古城先生からもありましたが、札幌のマラソンのことで、こちらも確認させていただきますが、今話になった都民ファーストの会の皆さん方は、去年十月に、マラソン、競歩会場変更に伴う影響について、こういった検証プロジェクトチームということで発表しました。札幌でもし開催されたら、経費概算として三百四十億円プラスアルファとなる可能性があると結論づけているわけですね。
 改めて確認しますけれども、マラソン、競歩の会場が札幌に移ったことに伴う費用は幾らになるんでしょうか、教えてください。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 マラソン、競歩の札幌開催によって発生する経費につきましては、組織委員会において精査を行った上で、IOCとの経費分担を調整していくこととなっております。

○川松委員 この三百四十億円プラスアルファとなるかということを確認させていただきたいと思うんですけど、今後精査するということで今の答弁になったかわかりませんが、この報告書では、基本開催経費として運営に係る経費と思われる額が百四十億円と示されています。オリンピックのマラソン、競歩を札幌で開催する際の運営費用は、このV4予算では幾らになっているんでしょうか。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほど申し上げましたが、マラソン、競歩の札幌開催によって発生する経費については、組織委員会において精査を行った上で、IOCとの経費分担を調整していくこととなっております。
 なお、大会経費V4におきましては、移転に伴う経費が精査中であることから、競歩に係る経費として計上していた約二十五億円を東京都の負担から削減して、同額を組織委員会に組み替えて計上しております。

○川松委員 まだそこは詰めができていないということでありますが、同じくこの報告書では、札幌開催時には、これは当時スタジアムの案がまだ出ていたときでしたので、約七十億円、仮設の施設整備費がかかるよと書かれていたんですけれども、実際にマラソン、競歩を札幌で開催することに伴い発生する仮設の整備費というのは、今現状どうなっているのか、V4ではどういう扱いになっているのか教えてください。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 マラソン、競歩の札幌開催によって発生する経費については、組織委員会において精査を行った上で、IOCとの経費分担を調整していくこととなっております。

○川松委員 だとすると、これ、部長、いつごろ経費精査が終わるんですか。大体いつごろかというのはわかっていますか。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 繰り返しになりますが、マラソン、競歩の札幌開催によって発生する経費については、組織委員会において現在精査を行っているところと認識しております。

○川松委員 これ、僕はいつごろわかるのかと、別に特定して、いつごろかという幅も持たせたんですけれども、同じような答弁。つまりこれ、三百四十億円プラスアルファというのが最初にぼんと飛び出してきて、このことがひとり歩きして、いろんなメディアに乗って札幌が何か悪者になっていると。
 東京から札幌にマラソン、競歩を持っていくのはおかしいじゃないかみたいな議論になったわけですが、先ほどの古城委員の説明でもメディアの専用回線の話がありました。あれは札幌ドームをもしゴールとした場合の計算だったわけですけど、札幌ドームからビッグサイトまで持ってくるのに百三十億円かかると書いてあったけど、古城委員の質問でわかったように、札幌ドームはもともとサッカーの会場だったから、百三十億新たにかかるはずがないわけですよ。こういうことがこの報告書に載っていたことによって、世の中は混乱してしまったと。
 メディア専用回線は、先ほどの質疑を聞いていればわかるように、札幌ドームからビッグサイトまでは整備される当初から予定の計画があるわけだから、今度はドームと大通り公園を追加のメディア専用回線で整備すればいいということになるわけです。では、どうするかということをこれから考えなきゃいけない。
 今僕がいったように、札幌はあの当時、今も若干思っている人たち、結構僕も、この一月になっていろんな新年会を回っておりますけれども、札幌は東京からマラソン、競歩を奪ったといういわれのない誹謗中傷を受けている面があるわけです。そもそも札幌はサッカーの会場であり、東京と同じ二〇二〇年大会の開催都市の一つなわけです。東京はその中でもホストシティーとして、オリンピック・パラリンピックの恩恵を東京だけでひとり占めするのではなくて、全国に広めて日本全体で盛り上げる、そういう使命があったにもかかわらず、札幌と東京の分断を生んでしまいました。さらに加えて、この不正確な試算によって、開催都市同士の対立をあおった責任は少なくないというわけであります。
 以前の委員会でも指摘しましたが、私たちの責任というのは、都民、国民に正確な情報を提供し、大会への理解を得ることであります。特に経費については、数字だけ見れば切りとり方などもあるので、感じ方、あるいは報道のされ方で大分変わる。だからこの経費については慎重に、かつ重要に扱わなければならないと思います。一度、どんな形であれ公表されますと、それが事実のように映ってしまう。慎重に議論し、都民の皆様、国民の皆様に伝えていくべきだと私は考えています。
 大会まであと百七十五日。聖火リレーに至っては、福島県のスタートまであと五十五日です。もう二カ月ないんです。理事者の皆様におかれましては、ことしのテストイベント、あるいはラグビーワールドカップを通じて得た知見を再検証し、大会本番への準備を加速していただきたいと思います。
 また、東京都知事やほかの会派の皆様方にもお願いさせていただきますけれども、前から僕は何度もずっといっていますが、年も明けました。もうここまで来たら議会も会派の枠を超えて、大会を成功に導くべく、しっかりと前を向いて協力していくことこそが大会を招致した議会としての責任である。一致団結し、残りの準備を邁進していただくよう、自戒も込めまして、一言述べて質疑を終わります。よろしくお願いいたします。

○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時二分休憩

   午後三時二十五分開議

○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○里吉委員 私からも、まず初めに、新型コロナウイルスによる肺炎対策をめぐり、IOCとWHOが協議しているとの報道を受けて、一問、質問をしたいと思ったんですが、先ほど来質問があったので、それは割愛いたします。
 ただ、V4予算の中、オペレーション等の中に医療サービス等あって、感染症対策などの取り組みがあることはわかりました。そして今、現状も広がらないようにということで、情報収集と予防対策に全力を尽くすというご答弁がありましたので、日本共産党都議団としても、新型肺炎対策、十分に取り組んでいただきたいということをまず改めて申し上げておきます。
 それでは、V4予算について順次伺ってまいります。
 質疑いろいろありましたけれども、最終予算案です。このV4予算は、最終予算案だからこそ、全容をわかりやすく示すことが求められました。しかし、実際には十億円単位だったということで、V3が五十億円単位だったのに比べれば、それはよくなったと思いますが、十億円単位というのはなぜなのかということで、これも重なりますので、もう答弁は要りませんけれども、私は、これは改めて、V4予算は資料として一千万円単位まで出てきたわけですから、このことについては今後のさまざまな取り組みも含めて、資料を提供する、情報公開するというときにどうあるべきなのかということについては、一言指摘をしておきたいと思います。
 ちょっと一言だけ申し上げますけれども、V3とV4の比較をいたしますと、幾つも表示単位変更に伴う計数増というものがございます。つまり、これは五十億単位で示していたために、正しく増減が示せないと。こういうふうに細かく示してやっとわかるという項目がたくさんあるということなんですよね。
 それはやはり、数字についてせっかく皆さんに公表しているにもかかわらず、それが正しく伝わらないということですから、これは本来であればV3のときも、それ以前からもできるだけ細かく公表できるものは公表し、やはり議会でしっかりと審議をする、そういう場に提供していただきたかったということについては申し上げておきたいと思います。
 次に、暑さ対策です。
 これも資料を用意していただきました。大会経費V4において、暑さ対策により増額された金額と項目を示していただきましたが、三十億円の増加ということでした。追加以前にも多分、日よけや選手用の休憩所などの予算は入っていたのではないかと思います。それらを含めますと、暑さ対策は総額どれくらいになるのか。
 また、ここには特に記載はありませんけれども、医療スタッフなどの増員などは必要ないと判断したのか、増員しているのか、この点についても伺います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局運営推進担当部長 今般、暑さ対策につきましては三十億円の追加となっておりますが、既存の対策につきましては、組織委員会における多種多様な取り組みの一部にその要素が含まれているものも多く、対象や範囲が明確でないことから、総額をお答えすることは困難でございます。
 また、組織委員会は、各競技会場の医務室に医師、看護師等を配置することなどに加え、暑さ対策経費の増額によりまして、熱中症等への予防対策を拡充するとともに、救急搬送受け入れ体制の整備など、医療機関との連携を強化し、対応しているところでございます。

○里吉委員 例えば、東京都の暑さ対策は、ハード対策中心でしたけれども、三十四・三億円。今回予算案には、環境局ですけれども、ハードで二十九億円、ソフト対策で二十八億円、総額五十数億円という予算が組まれているので、組織委員会は今回三十億円増なんだけれども、それで大丈夫なのかと、前回もいろいろ組んでいたのではないかなということで、こういう質問をしたわけですけれども、さまざまなところに入っていて、なかなか暑さ対策というくくりで引っ張ってこれないので、そういうふうには総額としては答えられないというご答弁でした。
 そういう意味では、ちょっとどれぐらい、今まで用意していた暑さ対策を一・五倍にしたのか、二倍にしたのかどうなのかとか、そういう規模感についてお伺いしたかったんですけれども、それもなかなか難しいということでしたので、必要な対策をとったんだということで、こういう金額を示したということでしかちょっとわからないので、これ以上議論はできないわけですけれども、いろいろな対策をこれから具体化していくと思います。ちょっとお聞きしましたら、医務室の人員体制は特に強化、ふやすということではなかったというふうに伺いましたけれども、今十分だという判断なのかもしれませんけれども、感染症対策などもありますから、必要に応じてその拡充なども早急に行うということもしていただきたいと思います。
 次に、SDGsにかかわって、私も何点か質問していきたいと思います。
 東京二〇二〇大会は、初めて国際連合とSDGsに基づいて基本合意を締結して行われる大会です。3Rを徹底する、細かい分別に取り組む、こうしたこともいわれています。大会準備の中でさまざまな建築物を建設するときに、その建築資材、それから、そこから出たごみをどう処理するかということについても細かくいろいろと対策がとられていると思うんですけれども、やはり国内外からたくさんの方々が集まる競技会場でどのような対策がとられるのかというのも重要だと思うんです。
 そこで、会場から出るごみや廃棄物対策の費用、V4にはどのようになっているのか、具体的な内容も含めて伺います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 ごみや廃棄物対策に係る経費につきましては、V4予算では二十一億二千万円を計上しております。組織委員会では、大会期間中に会場から排出された廃棄物につきまして、持続可能性に配慮した運営計画で掲げた資源化率六五%の目標を達成できるよう、現在準備を進めているところでございます。
 具体的には、競技会場内等から排出される廃棄物であるペットボトルや瓶、缶などにつきまして、適切に再生利用できるよう、品目ごとにごみ箱を設置し、処理することとしております。

○里吉委員 競技会場で出されるペットボトル、プラスチック、瓶、缶など、適切に再生処理できるように分別を促すということでしたけれども、ライブサイトなどについて前回ここで質疑したときには、ライブサイトでは、ごみ箱を設置する場合は、ごみ箱にピクトグラムや多言語等によるわかりやすい表示を行うほか、運営スタッフやシティキャストによる分別方法の案内の実施などについて検討を進めているというお話もありました。
 V4予算の中にはこのようなごみ分別にかかわる対策の予算は含まれていないということでよろしいのでしょうか、伺います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 東京都は、都民や事業者の協力を得ながら、競技会場内等でのごみの分別徹底の呼びかけを行う分別ナビゲーター活動に取り組んでいくこととしております。
 具体的には、東京二〇二〇大会の競技会場の一部ですとかライブサイトにおきまして、ごみ分別徹底の呼びかけや、もったいない意識の啓発に取り組み、来場者に向けて持続可能な資源利用の重要性について積極的に発信してまいることとしております。昨年開催されましたラグビーワールドカップの有楽町ファンゾーンにおきましても、こうした活動を試行的に実施いたしました。
 このような取り組みを通じまして、東京二〇二〇大会におきましても、これを契機に組織委員会と連携して、都民や事業者の協力を得ながら廃棄物の分別徹底を呼びかけ、東京都として廃棄物処理やリサイクルにしっかり取り組んでいくこととしているものでございます。

○里吉委員 今ご説明ありましたけれども、東京都としてこのごみ分別、しっかり頑張っていくというご答弁でした。そうなんですよね。環境局の予算に、ごみ箱付近に分別ナビゲーターを配置して、大会時の競技会場の廃棄物の分別収集を徹底する七億円の予算が計上されています。
 ちょっとお伺いしましたら、大体なんですけれども、約八割は、大会競技場内での分別ナビゲーターとなるのではないかということでした。ライブサイトですとかそういうところでのごみ分別に東京都が積極的に取り組むということは、私は大いに進めてほしいと思うわけですけれども、少なくとも競技会場の中のごみ分別になぜそういう予算が入るのかなというのが大変疑問なんですね。これ、組織委員会でどのような検討がされていたのかということが見えてこないわけです。
 組織委員会としても、ごみ減量、ごみ分別、資源化ということで取り組むということで、SDGsの精神で、ごみゼロに向けて頑張るということをいっているわけですから、組織委員会ではどのような取り組みを競技会場内でやることになっているのか、V4予算に入っていないにしても、どのように取り組むことになっているのか伺いたいんですが、お願いします。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局運営推進担当部長 東京都では、プラスチック対策を都の重要な課題の一つとして位置づけておりまして、東京二〇二〇大会におきましても、都が開催都市の役割として積極的に取り組むことが必要だと考えております。
 昨年十二月に策定いたしましたプラスチック削減プログラムにおいても、東京二〇二〇大会における持続可能性の取り組みをレガシーとして二〇三〇年、二〇五〇年につなげていくことが必要でございまして、都は組織委員会等と連携し、東京二〇二〇大会の場でプラスチック対策、例えば分別の回収であるとか、あとプラスチックの削減の取り組み、そのような取り組みを推進することとしております。
 組織委員会におきましても、持続可能性に配慮した運営計画に基づきましてプラスチック対策の検討を進めておりまして、選手村ダイニングにおけるリユース可能なカトラリーの導入や、再生利用をするための分別が徹底されるよう、わかりやすいピクトグラムの作成、観客等への意識啓発に向けた取り組みなどを進めております。
 競技会場内における飲食の容器等におきましても、事業者に対し可能な限りプラスチックを使用しないように求めるなど、対策の具体化に取り組んでいると聞いております。

○里吉委員 今、ごみ減量の方でプラスチック容器の話をしていただきましたけれども、多分、競技会場の中で多くの観客の皆さんが飲んだり食べたりされるときに出るごみというのが、きちんと分別して、資源化できるものは資源化するということで、今、どこの大きな競技会場でもそうだと思うんですけれども、ごみ分別を進めていますよね。
 ごみ分別ナビゲーターという、ごみをきちんと分別してもらうための人を組織委員会が管理するというか責任を負っている。競技会場の中で、東京都の予算で、しかも大会関連経費になるんでしょうかね。そこでやるというのは、私は、オリンピックを環境面でもすばらしいものとして成功させる、そういう協定を結んだ組織委員会が、そこまで東京都がお金をかけないとできないというのは、ちょっと納得がいかないんですね。
 次、プラスチック対策も一緒なんです。さっきちょっとお答えしていただきましたけれども、廃プラ対策についてはV4の中で予算化されているものはあるのか、また競技会場の中での飲食にかかわる容器の対応について、現在どうなっているのか伺います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局運営推進担当部長 先ほどご答弁させていただきましたが、プラスチック対策は都の重要な課題の一つでございまして、組織委員会等と連携し、東京二〇二〇大会を契機として積極的に取り組むとともに、国内外から訪れる多くの来場者に対して情報発信を強化することとしております。
 組織委員会におきましても、持続可能性に配慮した運営計画に基づきプラスチック対策の検討を進めておりまして、選手村ダイニングにおけるリユース可能なカトラリーの導入や、再生利用するための分別が徹底されるよう、わかりやすいピクトグラムの作成、観客等への意識啓発に向けた取り組みなどを進めております。
 競技会場内における飲食の容器等につきましても、事業者に対し可能な限りプラスチックを使用しないように求めるなど、対策の具体化に取り組んでいると聞いております。

○里吉委員 今もいろいろ取り組んでいる中身を教えていただいたんですけれども、V4予算には、プラスチック対策の予算は特に取り出せるようなものはないということでよろしいのでしょうか。これ、一点確認します。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局運営推進担当部長 組織委員会では、各部門の事業の一環として必要なプラスチック対策を行っておりまして、例えば選手村ダイニングでは、飲食提供の委託業務の中からリユース可能なカトラリー導入など、プラスチック対策に資する経費だけを抽出することは現実的ではないと考えております。

○里吉委員 なかなか抽出するのは難しいということでした。
 では、改めて伺いますが、これ私、この場でも何回も、また環境のところでも何回も質問しているんですが、競技会場の中での飲食の容器、主には外で飲んだり食べたりするときの容器はプラスチックが中心だったわけですけれども、これは紙製品に変えていくだとか、それからリユースできるものに変えていくだとか、今もお話ありましたけれども、こういうことを取り組んでいるということでしたけれども、具体的にどこまで進んでいるのか。もう全ての会場でそういうふうに紙製品に変わったというふうに答えられるのか、まだ検討中なのか、どういう状況なのか、進捗状況について伺いたいんですが、わかるでしょうか。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局運営推進担当部長 ただいまご指摘がありました競技会場内の飲食の容器等につきましては、ただいま事業者に対して可能な限りプラスチックを使用しないように求めるなど、対策の具体化に取り組んでいるところでございます。

○里吉委員 ここもまだ過程というか、どうなるかわからないということなんですよね。
 それで、ここでもやはり来年度の東京都の環境局の予算案を見ますと、大会における使い捨てプラスチック対策として九億円が計上されています。これ、内容は、プラスチック製食品容器等を紙製品などの容器へ代替するなど、プラスチックの使用削減、また使用済みプラスチックのリサイクル実施ということであるんですね。
 これも私、ライブサイトとかそういうところの業者に対して何か支援をするのかなと勝手に思っていたんですけれども、よくよく聞くと、ここもやはりその八割は競技会場内の飲食の提供をするところへの予算だということなんですね。ここでも本来、競技会場内の飲食について、その事業者がきちんとプラスチック以外の食器を使うために、組織委員会の責任で取り組むべきだと思うんですね。ここになぜ東京都の予算が入らなければいけないのかということが理解できません。
 本来、競技会場内での飲食提供について、廃プラ対策を行うのであれば、今いろんなところに予算が散らばっているといいましたけれども、きちんとそういうふうに対策をとって、組織委員会の責任で取り組むべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局運営推進担当部長 プラスチック対策につきましては、先ほどもご答弁させていただきましたけれども、都の重要な課題の一つでございまして、東京二〇二〇大会を契機として積極的に取り組むとともに、国内外から訪れる多くの来場者に対して情報発信を強化することが重要だと考えております。
 昨年十二月に策定いたしましたプラスチック削減プログラムにおきましても、東京二〇二〇大会における持続可能性の取り組みをレガシーとして二〇三〇年、二〇五〇年につなげていくことが必要であり、都は組織委員会等と連携し、東京二〇二〇大会の場でプラスチック対策の取り組みを推進することとしております。

○里吉委員 東京都としてオリンピックで廃プラ対策を頑張るというのは、それはそれで大事なことだと思うんです。ただ、オリンピックそのものでも、二〇一八年三月に東京二〇二〇大会飲食提供に係る基本戦略というのが出されています。もう約二年近く前ですよね。
 ここには、持続可能性に配慮した運営上の取り組みに、組織委員会は、飲食提供の運営において、以下の方針のもと、持続可能性に配慮した取り組みを行うとあって、幾つかあるんですけれども、その三つ目に、食器の取扱方針、食器については、持続可能性に配慮した運営計画(第一版)に基づき、リユース食器の導入を可能な限り行う、また、リユース食器が利用できない場合であっても、資源化が可能な素材(間伐材等)の使用等、紙ですよね、そういうものに、リユースに相当するような持続可能性への取り組みを追及するものとするというふうに書かれております。
 もう二年近く前にこういう方針をきちんと組織委員会は決めていらっしゃるわけですよね。選手村ダイニングにおけるリユース可能なカトラリーの導入とか、競技会場内での飲食の容器等について、可能な限りプラスチックを使用しないということが、そういうふうにやっていきますよというお話もあったと思うんです。
 こういう対策は、東京都からの税金投入がないと組織委員会はできないということなんでしょうか。それはちょっとおかしいんじゃないかと思うんですね。さらに一歩上を行く何か対策をとるということではなく、組織委員会が自分たちで決めた基本戦略のところにたどり着くのに、何か東京都からお金が出ないとできないということなのか、そこについて、組織委員会について答弁をお願いします。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 一九六四年、前回のオリンピックのときには、例えばごみ箱が設置されて東京が非常にきれいになった、あるいは、少々汚い話ですけれども、たんつぼとかが設置されてマナーの向上にとかという、いろんなことが前回大会のレガシーというふうにいわれております。その中でのごみ箱の設置だとか、そういったマナーの向上だとか、そうしたことも大切なレガシーの一つであったというふうに考えております。
 今大会におきまして、日本において今実施しております、例えばごみの分別ですとか、あるいは先ほどの廃プラ対策ですとか、そういった対策というのは、今回の東京大会の次につなげる新しいレガシーの一つであると思っておりますし、我々東京都としても、しっかりとそのレガシーを残していくべく、開催都市として責任を持っていく立場であるというふうに思っております。
 また、組織委員会におきましても、先ほど来、関口から答弁させていただきましたように、さまざまな取り組みを行っていただいておりまして、単に会場内であるから組織委員会である、外だったらば東京都であるということだけではなくて、やはりすばらしい日本のそうした考え方を、こういった二〇二〇大会を契機として、あるいは前回のラグビーのワールドカップでもやらせていただきましたけれども、そういったことを契機として、次につなげていきたいと、そういう思いで実施していきたいと思っております。

○里吉委員 オリンピック・パラリンピック準備局の皆さんを私は責めているつもりは全然ないんです。組織委員会に対していいたいんですけど、組織委員会の人はここにいらっしゃらないから、結局皆さんにいうしかないんだけれども、本来、大会--これまでいろいろな議論をしてきましたけれども、ここからここまでは組織委員会の責任で、ここからここまでは東京都の責任でということをいろいろ議論して決めてきました。しかし、それでも組織委員会がお金が出せないと、そういうことで、大枠の合意というのもあって、東京都は当初の負担よりもかなり多くの税金を投入することになっているわけです。
 その上で、さらに今回、組織委員会がきちんと結んだSDGsの、何年でしたっけ、国際連合とSDGsに基づいて基本合意を締結しましたよね。締結したのは組織委員会と国際連合なんですよね。そして、いろいろ取り組むというふうに決めているわけです。
 ですから、東京都がさらに頑張るということを、私はそれを否定するわけではなくて、少なくとも今までにないオリンピックの環境対策、ごみ、資源対策、廃プラ対策、組織委員会としてきちんと取り組むという立場できちんと体制をとるのが私たちに見えないと、それはおかしいのではないかということで、こういう質疑をさせていただいたわけです。
 これを結んだのは二〇一八年十一月ですね、だからもう何年も前なわけですよ。資源管理についても、東京オリンピックでは再生資源を活用して資源の使用量を減らすことを目標としていると。資源は3Rを徹底して、廃棄物の処理で生じる熱やエネルギーを回収して、持続可能な資源利用を図りますと。具体的には、食品ロスの削減や容器包装の削減、調達物品や廃棄物のリユース、リサイクル率のアップなどを図りますというふうにいっているわけです。
 ですから、先ほどご答弁にもありましたけれども、資源化率六五%だとか、多分いろいろな場面で今までにない努力をされていると思うんです。だけれども、一番、国民やお客様が集まってくる競技会場で、そういったことについて組織委員会としての体制がどうなのかなということでは、組織委員会にはきちんと対応をとっていただきたいなというふうに思うわけです。
 次に行きます。
 一点だけいっておきますと、今、食品を競技会場内で提供する一般競争入札が組織委員会の方でされていますけれども、これは全部公開されているので、私、きのう見てみたんですけれども、幾つも不調がありました。だから、なかなかご苦労されているんじゃないのかなと思うんですね。会場の中で食品を販売する業者がなかなか決まっていないということで、組織委員会としてもご苦労されているんじゃないかなと思いますけれども、ここはきちんと組織委員会の中で責任を持って最高のおもてなしをすると、そして環境に優しいおもてなしをするという立場で頑張るべきではないかなと、そこに都民の税金を投入するというのはおかしいのではないかなというふうに一言申し上げて、次の質問を伺っていきたいと思います。
 次に、選手村の賃借料について伺います。
 この選手村についても、私たち日本共産党都議団は、繰り返しこの選手村の土地は都有地を周辺公示価格の十分の一という破格の安値で民間ディベロッパーに売却した土地で、しかも、現在も土地は東京都のもので、ですから税金も払っていないという中で、選手の宿泊などの部屋を使うための内装工事も都民の税金で行っていると。この選手村の住宅棟などの賃借料として数十億円も東京都が負担するというのは、やはり多くの都民の皆さんから納得がいかないと声が上がっているのは当然だと思っております。
 そこで改めて伺いますが、選手村の賃借料については、立候補ファイルでは上限が三十八億円と示されておりました。昨年V3の質疑のときには、専門の知見を有する不動産鑑定士による建物賃料調査を実施するなど、所定の手続を経て今後決定するという答弁でしたので、改めて、選手村宿泊棟などの賃借料について、金額とその金額となった根拠を伺いたいと思います。

○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 選手村の宿泊棟及び商業棟については、都が施行する市街地再開発事業において、特定建築者が整備する住宅棟などを大会期間中に一時使用するものでございます。
 都が特定建築者から借りる住宅棟などの賃料については、専門の知見を有する不動産鑑定士による建物賃料調査を行っております。賃料調査に当たっては、建物の躯体工事、下地工事、管工事等までを行った状態で評価しており、未整備の内装は評価対象としていないなど、選手村の特殊な条件を考慮しております。
 賃料につきましては、こうした賃料調査の結果を東京都財産価格審議会に付議した上で算出しており、その議事録は公開されております。
 昨年四月に都は、特定建築者と定期建物賃貸借契約を締結しており、賃料は税抜きで三十八億円、税込みで四十一億八千万円であり、この契約金額は他の契約案件と同様に、都のホームページで昨年の四月に公開しております。

○里吉委員 いろいろと今述べていただきましたけれども、消費税が一〇%になって四十一億八千万円という金額だということが明らかになりました。
 選手村の建物は特定建築者が建設する建物ですけれども、内装工事は四百四十四億九千万円ですね、都が負担しています。組織委員会が積算した上限金額は四百四十七億七千万円でしたが、ほぼ上限額と同じですが、それでも多少低くなっています。
 委員会質疑では、担当部長が上限金額を踏まえて減額交渉を行って金額を確定させたと答弁しましたけれども、今回はそういった交渉はされたのでしょうか。なぜ三十八億、上限額と同じ金額なのか、減額はできなかったのか伺いたいと思います。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 先ほどご答弁させていただきましたとおりでございまして、都が特定建築者から借ります住宅棟などの賃料につきましては、専門の知見を有します不動産鑑定士による建物賃料調査を行っております。
 また、賃料調査に当たりましては、建物の躯体工事ですとか、下地の工事ですとか、管工事等まで行った状態で評価をしておりまして、未整備の内装は評価対象としないなど、選手村の特殊の条件を考慮したものでございます。そうした上で、こうした賃料調査の結果を財産価格審議会に付議した上で算出しているものでございます。
 なお、それらについては議事録で公開をさせていただいている次第でございます。

○里吉委員 もう終わりにしますけれども、議事録を読んでも、あれだけでは全然わからないんですよね。ですから、根拠となる数字や考え方についてはきちんと示していただきたいということで、この問題については、これ以降も引き続き追及していきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

○山口委員 私からも大会経費V4について幾つかお伺いをしていきたいと思います。
 まず、経費の分担試算について伺いたいと思います。
 2の経費分担試算(V3とV4の比較)をざっくりですが見てみますと、やはり組織委員会に新たに二百七十億円の予備費が設けられたことと、また東京都に新たに百億円の緊急対応費が設けられたこと、こういったところが非常に気になるところなわけであります。
 既に他会派からも質問も出ているところでありますが、この二百七十億円の予備費についての確認をまずはさせていただきたいと思うんですが、仮にこの二百七十億円が残った場合、開催都市契約の条項に基づいて、IOCが二割、JOCが二割、残り六割を組織委員会を通じてスポーツ全般の振興のために充てられるというふうに決められているかと思うんですが、ここに関して東京都は関与ができないものなんでしょうか。まず伺いたいと思います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 委員お話しのとおり、開催都市契約におきましては、剰余金の分配につきまして、JOCに二〇%、IOCに二〇%、それから組織委員会に六〇%となってございます。
 組織委員会の収支が黒字となり、剰余金が生じた場合には、大会経費を組織委員会、東京都、国が負担していることも踏まえ、組織委員会及び関係者により慎重に取り扱いを決めるべきものと考えております。

○山口委員 スポンサーさんからの収入だからといって、大会運営というのは、東京都の財政支出や財政的な保証があって初めて成り立っているということは申し上げておきたいと思います。
 経費分担試算の項目において見てみると、セキュリティーについて、組織委員会の負担が百三十億円ふえる一方で、東京都の負担が二百三十億円減っている。計百億円減ったことになるわけであります。
 しかし、例えばですが、セキュリティーの増要因として、非競技会場の警備費用の増などは組織委員会というよりも東京都の増要因だと思われるわけでありますが、この増減要因の東京都と組織委員会との内訳はどのようになっているんでしょうか。伺いたいと思います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 セキュリティーにおける都の負担でございますが、警備計画の具体化に伴うセキュリティーカメラ等の機器の効率的な配置などによる減と、競技会場、選手村等における工事期間中の警備体制を精査したこと、また仮設工事のスケジュールや競技日程の詳細が固まりまして、警備実施期間が確定したことによる警備費の減などにより、二百三十三億円の減となっております。
 一方、警備計画の具体化に伴いまして、組織委員会が負担することとなっております大会運営に必要な関係者用の駐車場やホテル、競技用備品や機器等を保管する倉庫など、競技会場以外の警備費の増などによりまして、組織委員会の負担は百三十一億円の増となっております。

○山口委員 具体的なこの増減の内容はわかりました。また、V3においては、今後の課題として、大会時の警備サービスに係る行政が担う業務との関係の整理が挙げられていたわけでありますが、一体どのように整理をされたんでしょうか。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 大会時の都内競技会場等の警備につきましては、歩行者検査場、いわゆるPSAを含む会場内を組織委員会が、また観客利用想定駅から会場までのいわゆるラストマイルは都が、それぞれ業務を担当する整理となっております。
 現在、会場内外で切れ目のない警備を一体的に行うため、警備員の確保など、体制づくりを組織委員会と継続して調整しておりまして、引き続き、大会時における安全・安心の確保に万全を期してまいります。

○山口委員 経費の節減については、それはそれで評価されるべきものであると思います。この段階になっての大幅削減で、逆に本当に大丈夫なんだろうかと心配も湧いてくるわけであります。
 例えば一月二十四日付の某新聞では、五輪警備員の質に課題と報じられたわけでもありますが、必要な人員は確保される見込みはあるのでしょうか。今後、単価が上がるような事態は生じないんでしょうか。伺いたいと思います。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 都内競技会場等の警備員の確保等につきましては、大会運営を行う組織委員会が、国内の警備事業者が加盟し、平成三十年四月に設立いたしました警備JVと、警備計画の具体化など大会に向けた準備を計画的に進めているところでございます。
 なお、警備員の質の確保につきましては、警備JVが法令で定める警備員教育を修了している者を確保し、さらに組織委員会は、大会固有の知識や技能を習得させるため、eラーニングを活用した事前教育や実技訓練などの研修を行う予定となっております。

○山口委員 聞くところによると、警備員の単価も上がってきているというふうに聞いています。ぜひとも混乱なく、安全や安心、大会運営に欠かせないこの部分についてしっかりと取り組んでいただきたいと思うところであります。
 次に、組織委員会予算、V3、V4との比較についてお伺いをしたいと思います。
 この参考4にある組織委員会予算の比較に関してでありますが、今回申し込んだオリンピックのチケットが、私自身はことごとく外れたわけであります。運がないといえばそこまでなんですが、多くの人が外れたと伺うところもありますし、そう思うところでもあります。いまだにチケットをどうしても入手したいという要望も多く耳にするところでもあります。
 その意味からも、チケット売り上げがV3より大きく伸びたこと自体は大変喜ばしいことでありますが、そもそもV3ではどの程度の有料入場者数を見込んでいて、現在どの程度までふえたのか、今現在どの程度あきがあるのか、今後もチケットの売り上げがふえる余地があるのか、この辺について確認をしたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 組織委員会は、チケット販売枚数につきましては販売戦略上の理由から非公表としておりまして、今後の販売予定数についても同様でございます。
 なお、今後につきましては、チケットの収入目標である九百億円を達成するため、春からの公式サイトや窓口での販売の中で、チケットが一枚でも多く購入希望者に届くよう取り組みを進めていくと聞いております。

○山口委員 具体的にはわからないというところだと思いますが、ことしになってからも、例えば東京メトロが合計百組二百名様に東京二〇二〇大会の観戦チケットが当たるなどとキャンペーンを張っているわけですね。ほかのテレビCMなんかを見ていても、こういったCMがたくさん躍っているわけでありますが、どこにそんなチケットがあるのかなと不思議に思ってしまうところも正直あるんですが、一方で、国内スポンサーからの収入も好調でありまして、V3から二百八十億円ふえて三千四百八十億円にまで上っているわけであります。
 スポンサーがチケットを確保できることもこの要因にあるんではないかと思うところでありますが、国内スポンサーが好調な理由は一体どこにあるんでしょうか。また、今後もふえる見通しはあるんでしょうか。伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 スポンサー収入が好調な理由は、組織委員会によるスポンサー獲得の努力の成果と考えられます。その背景には、都と組織委員会が連携して機運醸成に取り組んできたことにより、東京大会のブランド価値が一層向上したことが挙げられます。
 国内スポンサー収入は組織委員会収入の半分以上を占めまして、大会を支える重要な要素でございます。組織委員会では、大会まで残り半年の間、引き続き東京大会のブランド価値の向上に努め、新たなスポンサー獲得を目指していくこととしております。

○山口委員 先ほど伺ったとおり、スポンサーさんがどれほどチケットを確保しているのかはわからないと。さらには、しっかりとこれからも新たなスポンサーの獲得を目指していくということでありましたが、せめてスポンサー収入の内訳は示せないものなんでしょうか。全ては難しいとしても、例えば上位十社の社名は公開するとか、収支の透明化に向けて働きかけをするべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 スポンサーとの契約内容につきましては、契約金額を含め、契約当事者双方に守秘義務が課されております。収入の内訳等の公表には法的課題があることから、難しいと認識しております。
 なお、大会スポンサーはスポンサーレベルに応じて権利内容が異なっておりまして、レベルごとに分けて公表されてございます。

○山口委員 法的課題があって難しいという答弁でございましたが、ぜひとも公開に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 さて、組織委員会の収入において、その他収入が三百七十億円とあるわけなんでありますが、四十億円の増要因も含めて、その内容について確認をしたいと思います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 組織委員会のその他の収入の内訳は、資産処分による収入、大会関係者にカタログでサービスを提供するレートカードによる収入、スポーツ振興くじ助成金、寄附金、ソールサプライヤー契約に基づく収入等となっております。
 V4で収入増となった主な要因は、IOCのガイドラインに従い、国際競技連盟、IFの承認した事業者が組織委員会に対して競技用備品を提供するソールサプライヤー契約が当初想定よりも増加したことによるものでございます。

○山口委員 収入の内訳は大体わかりました。
 さて、ちょっと話が変わるんですが、組織委員会の総人数は今どれぐらいになっているんでしょうか。そのうち都庁の職員はどの程度派遣をされているのか、その人件費総額は一体どの程度なんでしょうか。伺いたいと思います。

○中村オリンピック・パラリンピック準備局次長 令和二年一月一日現在、組織委員会の職員数三千二百九十一人のうち、都からの派遣職員数は、行政系職員で八百八十一名、警視庁、東京消防庁等行政系以外の職員百十四名を合わせて九百九十五名となっておりまして、人件費としては、平成三十一年度予算額で約八十二億円となっております。
 また、平成三十年度までの実績といたしましては、設立当初二十六名を派遣した後、平成三十年四月一日時点で六百三十二名、その間の人件費総額は決算ベースで約百三十億円となっております。
 今後の見込みといたしましては、大会本番に向けまして、行政系職員を一千名程度派遣した上で、大会後の業務の状況に応じまして、段階的に派遣を解除することを想定しておりまして、行政系以外の職員を含めた人件費は、来年度予算案で約七十七億円を見込んでいるところでございます。

○山口委員 三十年度までの決算額で百三十億円ですよ。三十一年度の予算額で八十二億円と。これからも都からの派遣人数がふえるという今ご答弁でありました。
 V4の議論とややそれるかもしれませんが、これら人件費はオリンピックの関連経費としてどこかに計上されることになるんでしょうか。むしろ計上するべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 東京都から組織委員会に派遣している職員の人件費については、任命権者が異なるため、それぞれの所管で計上している警視庁、東京消防庁など、行政系以外の職員分を除き、当局の予算に計上しております。
 なお、お話ございました大会関連経費については、大会に密接にかかわる事業と大会の成功を支える関連事業の事業費となっておりまして、人件費は含んでおりません。

○山口委員 これらの人件費というのは、都民の感覚からすれば間違いなくオリンピックの関連経費として受けとめられるはずなんですよ。関連経費に計上するのかテクニカルな問題は別として、こうした経費がかかっているということは、レガシーとしてもしっかりと残していかなければならないわけでありますし、丁寧に都民に説明する義務が東京都にあると思いますよ。
 さらに次に、収支の公表、検証についても伺いたいんですが、この大会経費V4の一一ページには、今後の課題として、国民、都民にわかりやすい大会収支報告の策定というふうに書かれているわけなんですが、この大会の公式報告書とは別に収支報告が作成をされるという理解でよろしいでしょうか。確認したいと思います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 開催都市契約においては、大会終了時、オリンピック憲章で言及している大会運営や開催についての公式報告書をIOCの指示に従って作成し、配布するものとされております。この報告書とは別に、大会収支を記載した財務報告書などを作成することとなっております。

○山口委員 リオデジャネイロの大会においては、まだ報告を実はされていないと聞いています。その要因は一体どこにあるんでしょうか。また、東京二〇二〇大会の収支報告については、いつごろ策定をされる予定なんでしょうか。確認をしたいと思います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 リオデジャネイロ大会については、現時点において財務報告書が策定されておりませんが、その要因については明らかにされておりません。二〇二〇大会については、開催都市契約に従い、組織委員会が解散する前に策定することとなっております。

○山口委員 これを聞くだけでもひどいなと思う話なんでありますが、本当に国民、都民にわかりやすいものとするためには、東京都の関与は絶対欠かせないはずなんですよ。都の関与について確認をしたいと思います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会収支を含む財務報告書は組織委員会が策定することとなっておりますが、都は、都民の皆様の税を原資として大会経費を負担していることから、共同実施事業管理委員会におけるコスト管理や執行統制の取り組みなど、公費を投入した事業を適切に実施してきたことはもとより、大会経費全体の執行状況についてわかりやすく説明できるよう、国や組織委員会と連携して取り組んでまいります。

○山口委員 これまでの答弁を聞いていても、そもそも不都合なものは公表されないんじゃないかという懸念を持ってしまうわけです。例えば、昨年の五月二十日の共同実施事業管理委員会で示された東京二〇二〇大会に係る共同実施事業の契約案件一覧ではありますが、そのうちの二十一件が金額の公表について調整中という理由で公表されなかったわけであります。いまだにされていないわけであります。
 公表の進捗状況は一体どうなっているんでしょうか。その後の契約の公表状況、またいつまでに全てが公表される見通しなんでしょうか。ぜひ伺いたいと思います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業においては、基本的に契約の相手方及び金額を公表することとしております。一方、パートナー供給契約では、パートナーが最低価格で商品等を提供することとなっていることから、その事業上の地位を脅かすことのないよう、契約当事者双方に守秘義務が課されており、金額の公表には法的課題がございます。
 こうした契約についても組織委員会が契約の相手方と個別に調整を図り、合意が得られた契約について、七月に続き十二月に金額を公表しているところでございます。これにより、平成二十九年度及び三十年度の共同実施事業に係る契約二百六件のうち百八十一件について、金額も含めて公表しております。
 残る契約についても、組織委員会が契約の相手方である個別企業や、トップパートナーについてはIOCと調整を図っており、合意が得られたものから公表していくこととなっております。

○山口委員 V4予算が示されて、いよいよオリンピックに向けて、パラリンピックに向けて、どのように取り組みを具体的にしていくのかというところが明らかになってきたところではありますが、しかし、もう考えなければならないのは、そこ以降にどのようにしっかり残していくのか、さらには、都民の皆様に納得をしていただけるような説明ができるのかというところに視点を置いて取り組みをしていかなければならない時期も迎えているんだと思います。
 いずれにしても、収支報告を初めとして、検証可能になるような体制、機能の構築というのは欠かせないわけであります。とりわけ関係文書の保存、管理、そして公表についてはしっかりとやっていただきたいと思いますし、このことについては、まだ二月四日の委員会もありますので、そこでも詳しく質問させていただきたいと思います。その点を申し上げて、質問を終わりたいと思います。

○奥澤委員 私からは、一点だけお伺いさせていただきたいと思います。
 他会派さんからちょっと似たようなというか、触れられた場面もありましたけれども、これまで非公開とされてきた練習会場、競技団体の協力を得るなどして、一部見学ができるようになったということについて、警備なども必要な場面はふえてきていると考えますけれども、今回の大会経費V4には反映されているのかどうかお伺いしたいと思います。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 練習会場における練習風景の見学は、地元での大会機運醸成や、将来を担う子供たちに夢や希望を抱かせるすばらしい機会となります。そのため、都や区などが主催者となり、IFや各国チームと調整の上、アスリートの負担に配慮し時間や実施方法などを工夫して、ご協力いただけるものについて実施する予定であります。
 この練習風景の見学が実現した場合の見学者の誘導や警備に要する経費は、主催者である都や区が負担するものであり、大会運営を行う組織委員会の警備費用には含まれておりません。

○奥澤委員 なぜこの質問をしたのかというお話ですけれども、今、大会機運の醸成、あるいは子供たちに夢や希望を抱かせるすばらしい機会という部分、ここには反対する部分はありません。これはこの事業を通じて表の部分、光が輝く部分だと思います。
 一方で、こういった取り組みをするときには、裏にある部分というのも必ず目を向けなければいけないと思っています。この練習風景の見学について、このお話につきまして、あるアスリートの方から強く指摘をされてしまったことがあるので、この場で紹介をさせていただきます。
 人生の全てを競技にかけてきた中で、アスリートとして最後の大会と位置づけて挑戦を続けている、試合前の最後の時期の練習は、競技をしていない方々には理解いただけないほど本当に繊細な調整であり、肉体的にも精神的にもかなり追い込んだ状態になる、ほんの少しの違和感がメダルをとれるかどうかの瀬戸際になることを理解していただきたい、練習風景を見てもらうことよりも、競技を通じて結果を出すことで、一人でも多くの方に感動を届けたいという思いを持ってやってきている、そのために、ぜひとも細心の注意を払っていただきたいという言葉をいただいております。
 これは一つのエピソードです。逆の思いを持っておられる方がいることもわかっております。ただ、私はこの言葉をいわれたときに何一つ返す言葉が見つかりませんでした。機運醸成のための手段というのはさまざまあると思いますけれども、本当にこれがベストだったんだろうかと私は自問自答を繰り返しました。今、練習風景の見学を見直せと、そういった話をいっているわけではないことも理解していただいた上で、こうした声があることもぜひとも皆さんには理解していただきたいと思います。
 最後の状況になってきていますというお話もありましたけれども、最後の仕上げの状態に入っているからこそ、大会を通じてどのようなレガシーを残していくのか。一つ一つの事業に対して、なぜやるのか、何がベストなのか、負担がふえる人はいないか、そのような方への配慮は十分なのか、これは本当に都がすべきことなのかということをしっかりと考えをめぐらせていただきたいというふうに思います。今、アスリートの負担に配慮してというご答弁があったことには、一つ私も安心いたしました。ここに関してはしっかりとご対応いただきたいということをお願いします。
 加えて、警備費用については、今回示されたV4には反映されていないということですけれども、大会関連経費の方には多分含まれるんだろうということであります。これは目的が違うから、同じ警備費でも計上の仕方が違うんだというようなことで、多分、皆さんの中では線引きができているんだと思いますけれども、なかなか都民の皆さんにとっては線引きできにくい、何だかよくわからないという話になってしまいます。トータルとしては変わっていないというお話かもしれないですけれども、しっかりと都民の皆様にも理解しやすい形で、これは終わった後に伝えていっていただきたいと思います。
 たしか昨年のきょうだったと思います。その中で、経費の全体像を示していくことで、都民の皆様の理解を得ていくといった旨のご答弁があったかと思いますので、これは今後の取り組みの中でもぜひとも意識していただいて、大会が終わった後にご理解をいただける、そのような状況をつくり出していただきたいということを申し述べて、私からは質問を終わります。

○池川委員 私からもV4予算について幾つかお伺いをしたいと思います。
 立候補ファイル四八ページには、大会組織委員会予算の資金不足補填のメカニズムという項目があり、万が一、大会組織委員会が資金不足に陥った場合は、IOCに対する払い戻しを含めて東京都が補填することを保証すると記述があります。都が資金不足を補填することがこの都議会の中でも議論になってまいりました。
 これは確認になりますが、現時点でもこの立候補ファイルに書いてあることは変更されていないということでよろしいでしょうか。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 立候補ファイルでは、組織委員会が資金不足に陥った場合は都が補填し、都が補填し切れなかった場合には、最終的に国が補填することとしております。

○池川委員 そのときから現状は変更はないというふうに受けとめました。資金不足となった場合には都が補填するということは現時点で生きているということだと思います。その意味では、今回のV4予算の収支計画について、都がその全体像についてきちんと把握をし、そして対応していくことが必要になると考えます。
 V4予算のうち、まずチケット収入の関係について質問をいたします。
 V3からV4にかけて、組織委員会の収入増がありましたが、そのうちチケット収入は八百二十億円から九百億円、八十億円の増というふうになっています。このチケット収入が増となった要因についてどのように考えているか、その理由についてお伺いをいたしたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 組織委員会からは、今般、V4の策定に当たりまして、セッションスケジュール及び各会場の収容人数が確定し、売り上げの見込みが一定程度精緻化するとともに、実際にチケット販売を開始する中で、国民の関心の高さもうかがえたことなどを勘案いたしまして、チケット収入目標を上方修正したと聞いてございます。

○池川委員 V3予算と比較をすると、チケット価格が決まり、実際に販売が始まったことを受けて増収の見込みとしたと。八十億円の増収というのは、非常に大きいなというふうに思います。
 先ほどチケット販売の枚数や現状については質問がありましたので、この点については割愛をいたしますが、現状としてチケット販売が行われているわけですが、一方で、チケットの総枚数については、チケット戦略上、明らかにされていないというふうになっています。
 これまでのチケット売り上げの収入根拠、すなわち八百二十億円でこれまでV3予算までは置いてきたわけですが、その八百二十億円の根拠とされていたのは一体何なのか確認をさせてください。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 V3までのチケット収入計画は、立候補ファイルをもとにしていると組織委員会からは聞いてございます。

○池川委員 立候補ファイルをもとにして、V3までは数字を八百二十億にしてきたということです。
 立候補ファイルには、チケット収入について次のような記載があります。オリンピック競技大会六百八十三億一千九百万円、パラリンピック競技大会四十億七千万円、これを合計すると七百二十三億八千九百万円となります。このときは一ドル八十八円で計算をされているので、V1予算以降、一ドル百円で計算したとすると、それが約八百二十億円になると。これをずっとV1、V2、V3と置いてきたということだというふうに思うわけです。
 さらに、立候補ファイルには販売率というものも書かれています。オリンピック競技大会は八四・〇%、パラリンピック競技大会は六八・五%、チケット販売枚数として、オリンピック競技大会においては約七百八十万枚、パラリンピック競技大会においては約二百三十万枚のチケット販売を見込んでいるということも立候補ファイルの中で示して、これをベースにしてV1、V2、V3というふうに来ていると思います。
 これは具体的に金額、どのぐらいの販売率、またチケットの枚数について、立候補ファイルがもとになっていると思うんですが、この数字というのはどういう根拠で示されたものなのかについて伺いたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 立候補ファイルの数字でございますが、現時点では把握してございません。

○池川委員 これは事前にお伺いをして、どういう根拠なのか調べてほしいといったが、わからないというのがお答えだったわけです。それに基づいてずっとV3まで予算が積まれてきて、今回、組織委員会の側から九百億円になっているという報告があったということだというふうに思うんですね。
 それで、この立候補ファイルについては、チケット販売枚数は約一千十万枚だというふうになっているわけですが、最終的にどのぐらいになるかは非公表だということになっていると。
 これは確認をしたいんですけど、先ほど組織委員会の副会長は多羅尾副知事で、潮田局長も理事でいらっしゃるという話がありました。要職についている方々の中では、このチケットの販売の詳細について何も知らされていないのか、それとも知っているけれども公表することができないのか、どっちなのかお答えいただきたいと思います。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 チケットの販売枚数につきましては、立候補ファイルではオリンピックが七百八十万枚、パラリンピックで二百三十万枚と見込まれておりますけれども、具体的なチケット販売枚数については、先ほど来申しておりますとおり、販売戦略上の理由から、組織委員会は非公表としているところでございます。

○池川委員 それはつまり、理事会にも具体的に報告がないというふうに受けとめてよろしいんでしょうか。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 理事会では具体的な報告はされておりません。

○池川委員 そうなると、このチケットの販売戦略は、都としては何も関与することが事実上ないということだと思うわけです。V4予算ではチケットが上方修正されているために、最初に確認したとおり、具体的に資金不足になった場合には都が補填をするということがあると。にもかかわらず、このチケットの販売等については、実際に都としては詳細を把握することができないでいるということだと思うわけです。本当にこれでいいのかが問われるというふうに私は思います。
 立候補ファイル時点の販売計画の中には、最初、具体的になかった、例えば子供、シニア、障害のある方いずれか一名が観戦すれば、オリンピックは二千二十円、パラリンピックは五百円から二千二十円と、通常価格よりも安価でチケットが購入できる東京二〇二〇みんなで応援チケットなどの販売が行われたり、また学校観戦チケットについても、現時点でオリンピックが約六十万枚、パラリンピックが約六十八万枚、これもみんなで応援チケットと同じ価格帯で基本的には販売をされているというふうに聞いています。仮に一千十万枚という数が変わらない中で、今いった六十万枚と六十八万枚を足すと一割程度になるわけです。
 全体のチケット戦略がどういう状態にあるかもわからない中で、こういう新しい、さまざまな人たちがオリンピック・パラリンピックの観戦ができる機会は確保していく。しかし、チケット全体の収入がそれでどうなるかということについては、都としてはなかなか関知することができないということなのではないかと思うわけです。
 学校観戦チケットについては、例えば多摩地域からはなかなか行きにくいとか、暑さ対策の問題とか、同行者の対応など、課題が指摘をされていますが、政策的に判断をして、これはやろうというふうに決めたということなんだと思います。
 一方で、チケットの収入という視点から考えれば、本来の価格帯よりも実際には割引されたチケットを供給しているということになってくるということだと思います。それが合計で、学校観戦チケットでは百二十八万枚、二〇二〇みんなで応援チケットについてはわからないということなんじゃないかと思うんですよね。これは百二十八万枚が仮に平均価格と千円差額があっただけで、十二億円差が出るということになるわけです。
 改めて申し上げますが、資金不足に陥った場合は都民の税金で負担をする。こういうことを考えると、都としては具体的にきちんと見ていく必要があるのではないかと思うんですが、この点については、都としてチケットの販売戦略について把握していくという考えはあるのかないのか、その点だけ確認させてください。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 先ほど来ご答弁差し上げておりますとおり、組織委員会は、チケット販売枚数については販売戦略上の理由から非公表としているところでございます。
 なお、今後につきましては、チケットの収入目標である九百億円を達成するために、チケットが一枚でも多く購入希望者に届くよう取り組みを進めていくと聞いております。東京都としても、その状況をしっかり見ていきたいと考えております。

○池川委員 一枚でも多く売れるように都の皆さんが努力をしていただいていることは重々に承知をして伺っているわけです。すなわち、チケット戦略については組織委員会が全て握っていて、都はそこに関知できないということ自体にやっぱり課題があるのではないかということを改めて指摘しておきたいと思います。
 それから、パートナー企業が扱うチケットについて、先ほど来質問があったので、質問そのものは幾つか割愛をしたいというふうに思うんですが、これは私も調べてみました。
 例えば、ワールドワイドオリンピックパートナーのVISAはオリンピック・パラリンピックチケットは一千名とか、コカ・コーラは一千十組二千二十名、パナソニックもオリンピック・パラリンピックチケット合わせて合計で二千二十名分ということで、パートナー、スポンサーとなっている企業が、自社製品を買って応募することでオリ・パラチケットを入手できるというキャンペーンを本当に各企業が行っているということだと思います。
 あるパートナー企業の商品を買うと応募できるチケットの取り扱いについて聞いてみました。そのパートナー企業では、取り扱っているチケットに当選をしてチケットホルダーとなった方は、一般購入した方とは違いがあるということもわかりました。
 例えばチケットホルダーとなった方以外、本人以外に譲渡することが禁じられている。これは具体的にいえば、今後開設予定のリセールサイトなどにも出品することができないということだそうです。チケットを入手したけれども、ご本人が行くことができないとなった場合には、その席というのは当日空席になってしまう可能性があるということでありました。他のパートナー企業がどういう取り扱いになっているのか、一つ一つのパートナー契約の中身については守秘義務があるのでわかりませんが、私が聞いたこの企業については、そういう取り扱いをしているということでありました。
 いずれにしても、パートナー企業に配分されたチケットは、企業の販促や接待などに使うことができるものになっています。こうしたチケットが、どのように席が割り振られ、全体としてどのぐらいの割合を占めているのか、チケット収入との関係でこれらがどのように扱われているのかというのは、極めて重要ではないかと考えます。多額の税金を投入し、また多数のボランティアの皆さんによって支えられているオリ・パラ大会であるわけですから、この部分は透明で公平であるべきだと考えます。
 そこで、具体的に伺いたいと思うんですけれども、パートナー企業が取り扱うチケットが全体のどのぐらいになるのか、またこれが組織委員会から有償なのか無償なのか、どういう取り扱いでパートナー企業に対してチケットが供給されているのかについて伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 パートナー企業へのチケットの割り当てにつきましては、スポンサーとの契約になるわけですが、その内容につきましては、お話のありましたチケットの配分も含め、契約の当事者双方に守秘義務が課されてございます。それらを公表するということは法的に課題があるから難しいものであるというふうに認識しております。

○池川委員 パートナー企業がどのくらいチケット枚数を取り扱っているのか、有償なのか無償なのか、都として把握できないし、それは守秘義務の範囲なんだということです。
 先ほど共同実施事業の話がありました。共同実施事業も最初、パートナー供給契約については法的課題があるということで、なかなかオープンにならなかったわけです。しかし、都議会でも議論がありました。そして、オリ・パラ局の皆さんが各場面で、やっぱりこれは税金を投入した以上オープンにしてほしいという努力があって、少しずつではありますけれども、パートナー供給契約についてもその金額が明らかになってきたということがあります。
 確認したいんですけど、これは守秘義務だからしようがないという、パートナー供給契約で共同実施事業のときに公開を求めていた東京都の皆さんですけど、このチケットについては公開を求めていくような姿勢もないということなんですか。確認させてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 繰り返しになりますが、守秘義務が課されていることから公表には法的課題があり、難しいものだと認識をいたしております。

○池川委員 これは、だから同じだったんですよ。パートナー供給契約のときも、法的課題があって難しいというところから始まったけれども、やっぱりここはオープンにしないと都民の皆さんの理解が得られないじゃないかということで皆様方が努力をされて、徐々にですけれども、金額が公表されてきたということなので、これは難しいからやりませんということではなく、やっぱり公平に、そして透明に、このチケットがどういう販売経路になっているのか、どういうふうに取り扱われているのかについては、オープンにしていただきたいということは求めておきたいと思います。
 それから、チケット販売にかかわって、最後に確認を含めて伺います。
 これまでチケットを購入する際には、事前にID登録をし取得するなど、いろいろなインターネット経由での注文になってきたわけです。これからは対面での販売、リセール、さらには当日の会場での当日販売などと、これまでとは販売方法が異なるということになってきます。その場合に、何をどこまで情報として求めるのか、これまでとの違いは何なのかが重要になってまいります。
 具体的に、対面販売、当日販売、このセキュリティーチェックなどはどの程度行うのか、またこれまでインターネットによって応募していた一次抽せん、一次追加抽せん、二次抽せんとはどういう変更点があるのかお伺いしたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 組織委員会は、対面販売、当日販売におきましても、不正転売等を防止する対策について検討しているところでございます。

○池川委員 不正転売については、もうこれは絶対やらなきゃいけない課題だと。しかし、対面販売の場合、それをどこまで担保できるのか、これが率直にいってテクニカルにどうしていくのかというのは、まだ決まっていないということなんでしょうか。具体的にこれまでの販売と変わるものがあるのかないのかについて、現時点で都として把握しているものがあればお答えいただきたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 先ほどの繰り返しになりますが、組織委員会では現在、対策について検討しているところでございます。

○池川委員 この春からですけれども、まだよくわからないということだと思います。対面販売、当日販売というのは、これまで抽せんでチケットを入手できなかった方々にとって、また新たにチケットを入手したいと思う方々にとって、インターネットを介さず注文することができるということで、インターネットを通じて購入するのはちょっとなと感じていた方も含めて、対面であれば足が向くことにもつながるのではないかと思います。こうしたことも含めて、対面での販売や当日販売も含めて、都として広くチケットが購入できる環境について、組織委員会に求めていただきたいということは求めておきたいと思います。
 それから、予備費の関連についても幾つか質問が出たので、重複しない範囲で聞きたいと思います。
 V4予算では、予備費、調整費、緊急対応費がそれぞれ計上され、これまで組織委員会の収入については百億円の増収見込みとなっていた部分がなくなり、総額六千三百億円の収入となったというご説明がありました。
 これはV4予算の中に注意書きがあって、予期せずに発生し得る事態等に対処する必要が生じた場合、関係者は役割分担に応じて対応するということについて先ほど来質問があって、現時点では何か不測の事態を想定して取り組んでいるものではないということも確認をさせていただきました。
 調整費については、具体的に今後、調整で未確定な部分への対応があるということですが、東京都の緊急対応費百億円と組織委員会の予備費二百七十億円については、そういう意味では、現時点では何か使途を想定していないというものだということも先ほど来の質疑で確認をさせていただきました。そういうことになると、剰余金となって最終的に残る可能性が出てくるということです。
 これまで剰余金の取り扱いについては、開催都市契約で、組織委員会六割、IOC二割、JOC二割ということで、これについても先ほど確認をさせていただきました。この点にかかわって、先ほどの質問の中で剰余金については、大会経費に公金等が入っているので、最終的に都、国、組織委員会で慎重に検討していくという話がありましたが、慎重に検討するというのは、どういうレベルの話なのか。具体的に、例えば東京都の負担を軽減するということもこの中では検討に含まれるのか、その点について、慎重に検討するという内容について伺いたいと思います。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほども答弁いたしましたが、組織委員会の収支が黒字となり剰余金が生じた場合には、大会経費を組織委員会、東京都、国が負担していることも踏まえ、組織委員会及び関係者により、慎重に取り扱いを決めるべきものと考えているというところでございます。
 まさに剰余金が出た場合には、公金も入っていることも踏まえるとともに、組織委員会も費用を出しておりますので、これら関係者によって慎重に取り扱いを決めるべきものと考えているというところでございます。

○池川委員 立候補ファイル、大会開催基本計画に組織委員会予算は三千十三億円だというふうに最初されていました。その後、V1予算で五千億円、V2とV3で六千億円、そしてV4予算では六千三百億円となっています。
 しかし、組織委員会が収入増になって剰余金が生まれた場合に、これらの剰余金をどうするのかについて、やっぱりこれまでの経緯を踏まえて対応していただきたいというふうに思うわけです。
 二〇一七年の大枠の合意のときには、もともと組織委員会が負担することになっていた仮設整備費、大会運営費などのうち、組織委員会が負担できないとしたほぼ全てを東京都が負担することになりました。都民に約束した一千五百三十八億円はおろか、都がその時点で積み立てていたオリンピック基金四千億円もはるかに超え、六千億円を都が負担することになったわけです。これだけの都民負担は到底理解が得られないのではないかと、私たちはそのときに、大枠の合意の際に表明をし、経費の縮減と東京都負担の軽減を求めてきました。
 大枠の合意の際に、組織委員会はできる限り増収入の努力を行い、所要の収入確保を目指すという内容について、これは組織委員会が六千億円を目指して集めればよいということではなく、さらにそれを超えて集める努力を都としても行うべきではないかということを質問でもただしています。
 その当時のオリ・パラ局長からは、組織委員会の増収については再三、知事からも求めているが、民間資金、スポンサー収入等々については一定の限界もある、そして、都が財政保証しているという現実もあるということから六千億円にしたんだという答弁もありました。
 このときの合意によって、組織委員会が実施する事業に都民の税金を投入する共同実施事業についても新たにつくられたと。そして、もともと公金が投入をされていた経費の透明化が必要だったわけですが、さらにこれによってより一層、その経費の透明化、縮減化を求められるようになったというふうに思います。
 そして、加えていえば、例えば国立競技場四百四十八億円、そして都民の税金を投入するということには立候補ファイル時点ではなっていなかった、例えば日本武道館には、これは二十五億円の補助金を出すなど、都としてはそうした、次々と負担をすることになってきた経過があります。そういう中で組織委員会が増収の見込みとなったわけですから、その分、都の負担を減らすというのは当然のことだと思います。
 都として、組織委員会に対して東京都負担分のあり方についてきちんと意見をいう必要があると考えます。今後、経費の縮減を都としてはどのように行っていくのか、V4予算では一千五百七十億円、精査すると七十五億円になるようですが、となっている東京都負担分について、さらなる負担軽減を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 これまでも都立新規恒久施設の整備費の削減や、組織委員会と連携してIOCに対し放送用回線の二重地下化などの要件緩和を求めるなど、大会経費の縮減に取り組んでまいりました。大会本番の運営など、さまざまな業務が具体化していく中、新たな需要が発生する可能性もございますが、引き続き、効率化に向けた精査を組織委員会とともに行ってまいります。

○池川委員 先ほど、剰余金が出た場合には、都もお金を出している、国もお金を出している、組織委員会もお金を出している、だからその場で慎重に検討するんだという話がありましたが、やっぱり経過からいって、大枠の合意で東京都負担がふえたことについて、多くの都民は納得がいっていないというのが現実だと思います。
 その後、V4予算において新たな状況の変化があるわけです。増収となった分については、本来は組織委員会が負担するはずだったものを負担することになった東京都の負担を軽減することが必要ではないかということについて、都としてはぜひ組織委員会の場には伝えていただきたいというふうに思います。
 組織委員会が行う事業に国や東京都が税金を出して行う共同実施事業についても、私たちは透明化が必要だということで、再三再四、この委員会でも求めてまいりました。今なお、パートナー供給契約については金額がオープンになっていないものもあります。公開していくことは、五輪成功にとっては不可欠だというふうに考えます。立候補ファイルで都民に約束した一千五百三十八億円から、現時点で五千九百七十五億円となっている経費の縮減をさらに図っていくことも必須だと考えます。
 大会経費とともに五輪関係経費の精査も含め、さらなる経費縮減と透明化を求めて、質問を終わりたいと思います。

○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十一分散会

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