委員長 | 小山くにひこ君 |
副委員長 | 吉原 修君 |
副委員長 | 長橋 桂一君 |
副委員長 | 伊藤 ゆう君 |
理事 | 山崎 一輝君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | 両角みのる君 |
理事 | ひぐちたかあき君 |
理事 | あぜ上三和子君 |
古城まさお君 | |
けいの信一君 | |
藤井あきら君 | |
池川 友一君 | |
川松真一朗君 | |
白戸 太朗君 | |
奥澤 高広君 | |
とや英津子君 | |
桐山ひとみ君 | |
山口 拓君 | |
里吉 ゆみ君 | |
入江のぶこ君 | |
木村 基成君 | |
高島なおき君 |
欠席委員 なし
出席説明員オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 潮田 勉君 |
次長理事兼務 | 延與 桂君 | |
次長 | 岩瀬 和春君 | |
次長総務部長事務取扱 | 中村 倫治君 | |
技監 | 荒井 俊之君 | |
理事 | 西村 泰信君 | |
理事 | 中澤 基行君 | |
調整担当部長 | 菅原 雅康君 | |
大会企画調整担当部長 | 中嶋 初史君 | |
自治体調整担当部長 | 小池 和孝君 | |
計画推進部長 | 田中 彰君 | |
運営担当部長 | 末村 智子君 | |
運営調整担当部長 | 三浦 幹雄君 | |
ボランティア担当部長 | 小高 都子君 | |
競技・渉外担当部長 | 川瀬 航司君 | |
事業推進担当部長 | 丸山 雅代君 | |
パラリンピック部長 | 越 秀幸君 | |
障害者スポーツ担当部長 | 加藤 みほ君 | |
大会施設部長 | 鈴木 一幸君 | |
開設準備担当部長利用促進担当部長兼務 | 鈴木 研二君 | |
施設担当部長 | 湯川 雅史君 | |
施設整備担当部長 | 草野 智文君 | |
選手村担当部長 | 斉藤 有君 | |
スポーツ施設担当部長 | 藤木 仁成君 | |
輸送担当部長 | 村田 拓也君 | |
輸送担当部長 | 佐久間巧成君 | |
スポーツ推進部長 | 小室 明子君 | |
ラグビーワールドカップ準備担当部長 ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 | 田中 愛子君 | |
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長 ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務 | 篠 祐次君 | |
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長 国際大会準備担当部長兼務 | 関口 尚志君 |
本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九™の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・ラグビーワールドカップ二〇一九™開催結果(速報)について(説明)
・東京二〇二〇オリンピック観戦チケットの第二次抽選販売について(説明)
・テストイベントを活用した都における検証の結果について(令和元年九月三十日・Wave1終了時)(説明・質疑)
・大会本番に向けた二〇一九年夏の試行の結果及び東京二〇二〇大会における首都高速道路の料金施策に関する方針について(説明・質疑)
・東京二〇二〇大会開催時における都庁発注工事の調整に関する取組方針(二〇一九・十版)の策定について(説明・質疑)
・会場周辺交通対策(二〇一九・十)について(説明・質疑)
・第十回東京都聖火リレー実行委員会等について(説明・質疑)
・東京二〇二〇大会の公式練習会場について(説明・質疑)
・東京二〇二〇大会シティキャスト研修の実施について(説明・質疑)
・大会本番に向けた二〇一九年夏の試行の結果(速報)及び東京二〇二〇大会における首都高速道路の料金施策に関する方針(案)について(質疑)
・テストイベントを活用した都における検証について(令和元年八月末時点)(質疑)
・第九回聖火リレー実行委員会等について(質疑)
・東京二〇二〇パラリンピック競技大会の競技スケジュール(種目実施日程)の公表について(質疑)
・東京二〇二〇オリンピック競技大会ボクシング競技スケジュール(種目実施日程)の発表について(質疑)
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(全体計画・競技)について(質疑)
○小山委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会を開会いたします。
これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
なお、報告事項、ラグビーワールドカップ二〇一九開催結果(速報)について及び東京二〇二〇オリンピック観戦チケットの第二次抽せん販売については、説明を聴取することにとどめます。
それでは、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
初めに、ラグビーワールドカップ二〇一九開催結果(速報)について外一件の報告を聴取いたします。
○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ事業調整担当部長ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務 それでは、私から、報告事項、ラグビーワールドカップ二〇一九開催結果(速報)についてご説明いたします。
お手元の資料第1号をごらんください。
本資料は、去る十一月二日に閉幕いたしましたラグビーワールドカップ二〇一九につきまして、開催結果を速報として取りまとめたものでございます。
まず、1、大会概要でございます。
(3)、開催期間でございますが、本年九月二十日から十一月二日までの四十四日間で、(6)、試合数は、台風十九号の影響により三試合が中止となり、四十五試合が行われました。
(8)、観客動員数につきましては百七十万四千四百四十三人となっており、(9)、ファンゾーン来場者数は約百十三万七千人となっております。
次に、2、試合会場についてでございます。
(1)、試合概要の表の最下段、計の欄をごらんください。東京では計八試合が行われ、入場者数の合計は三十八万五百二人となっております。
一枚おめくりください。(2)、交通輸送でございます。京王線臨時停車、増発につきましては、各試合日九十本前後、八試合合計約七百五十本実施、シャトルバスにつきましては、各試合日百六十便前後、八試合合計約千三百便運行されました。また、車椅子利用者対応として実施いたしましたおもいやりシャトルバスにつきましては八試合延べ百四人、おもいやり送迎車両につきましては延べ十人の利用がございました。
(3)、セキュリティー、医療につきましては、最寄り駅から会場までのラストマイル等に警備員を配置し、雑踏警備、案内誘導等を実施いたしました。
(4)、おもてなしイベントでございますが、東側補助競技場内のスポンサー活動エリアにおいて和体験を提供するとともに、都内観光案内等を実施し、八試合合計六千四百八十一人の来場がございました。
次のページをごらんください。3、ファンゾーンでございます。
(1)、会場は、多摩会場、区部会場の二カ所において開催いたしました。
(3)、開催日数及び来場者数につきましては、台風十九号の影響により、多摩会場は二日中止し、十六日間開催、区部会場は一日中止し、二十五日間開催いたしました。両会場合計で三十一万五百人の方にご来場いただきました。
一枚おめくりください。4、ボランティアでございます。大会期間中、都内でボランティア、チームノーサイドが活動いたしました。
(2)、東京都が運営主体のボランティアについては、最寄りの鉄道駅及び会場周辺、シャトルバス乗降駅、主要アクセス拠点、ファンゾーン等においてそれぞれ活動いたしました。
次に、5、都市装飾でございます。東京国際空港、会場周辺、最寄り駅、ラストマイル等における装飾を実施いたしました。
次のページをごらんください。6、公認チームキャンプ地については記載のとおりでございます。
次に、7、観戦招待でございます。
(1)、都内ジュニアラグビー選手招待につきましては、東京スタジアムでの三試合に東京都ラグビーフットボール協会登録の中学生及び引率者、合計千十六人を招待いたしました。
(2)、被災地ジュニアラグビー選手招待につきましては、東京スタジアムでの一試合に宮城県及び福島県の小学校高学年、中学生、保護者など合計百二十四人を招待いたしました。また、被災地と都内ジュニア選手の合同練習などの交流を実施いたしました。
説明は以上でございます。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 それでは、私から、報告事項、東京二〇二〇オリンピック観戦チケットの第二次抽せん販売についてご説明いたします。
お手元の資料第2号をごらんください。
令和元年十一月八日に、組織委員会はオリンピック観戦チケットの第二次抽せん販売について詳細を公表いたしました。
1、抽せん申し込み受け付けのスケジュールについてご説明いたします。
抽せん申し込みの受け付けが令和元年十一月十三日から十一月二十六日、抽せん結果の発表が十二月十八日、購入手続期間は十二月十八日から令和二年一月十日となります。
次に、2、抽せん申し込みの対象となるチケットについてご説明いたします。
対象チケットには、一般チケット、車椅子ユーザーチケットがございます。
なお、抽せん全体の申し込みにおける一人当たりの申込購入上限枚数は十八枚となっております。
次に、3、対象競技についてご説明いたします。
対象となるのは、開会式、閉会式、各競技となります。今回、新たに申し込みができる競技としてボクシングがございます。また、今回申し込み対象外の競技は記載のとおりでございます。
最後に、参考として、抽せん申し込み終了以降のスケジュールについて記載しております。
一枚おめくりください。参考資料として組織委員会の報道発表資料を添付しております。後ほどご参照いただければと存じます。
説明は以上でございます。
○小山委員長 次に、報告事項、テストイベントを活用した都における検証の結果について(令和元年九月三十日・ウエーブワン終了時)外六件の報告を聴取いたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 それでは、私から、報告事項、テストイベントを活用した都における検証の結果について(令和元年九月三十日・ウエーブワン終了時)についてご説明いたします。
本件につきましては、九月十日の当委員会にて、八月末時点の検証の実施状況をご報告いたしましたが、九月末にウエーブワンが終了したことを受けまして、改めて検証結果としてご報告させていただきます。
お手元の資料第3号、テストイベントを活用した都における検証の結果について(令和元年九月三十日・ウエーブワン終了時)概要版をごらんください。検証項目、検証概要、検証結果及び今後の対応について概要をまとめたものでございます。
最上段の暑さ対策でございますが、検証概要としては、ハード対策として休憩所や極微細ミスト等の設置、ソフト対策としてネッククーラー等の配布、また救護所を設置し、検証を実施いたしました。
検証結果等については右の欄でございますが、ハード対策としては、テントによる日よけと送風機等を組み合わせた場合は、暑さ指数の低減効果が高いなどの結果が得られました。
また、ソフト対策としては、ネッククーラー等の体を冷やすグッズはおおむね高い評価でございました。
医療、救護では、ビーチバレーボールでの救護所利用実績七名のうち、熱中症疑い患者は四名であり、大会時のラストマイルの距離や観客数等を勘案すると、熱中症疑い患者が同時複数発生する可能性を改めて把握いたしました。
今後の対応についてでございますが、これら検証結果を踏まえて、ハード対策では、距離の長いラストマイルなど重点箇所においてテントによる日陰の十分な確保、送風機等と組み合わせた効果的な対策を実施してまいります。
ソフト対策では、体を冷やす、風を当てるグッズを配布し、熱中症予防の注意事項を記載するなど、ウエブサイト等での多言語による情報提供に加え、効果的なツールの一つとしても活用してまいります。
医療、救護については、想定される観客数やラストマイルの距離など、各会場におけるリスク分析も踏まえ、より効果的な救護所の設置方法を検討してまいります。
二段目以降にはシティキャスト、一枚おめくりいただきまして、次ページに観客輸送、アクセシビリティー、都市オペレーションセンターについてそれぞれ検証概要と検証結果及び今後の対応について整理しておりますので、後ほどご参照いただければと存じます。
最下段のウエーブツー、スリーにおける試行検証の視点でございますが、ウエーブツー、スリーでは、屋内競技中心にテストイベントが行われていくことになります。大会準備の進展に伴い、新規、改修施設も含めて、より本番を意識した実践的な検証を実施し、大会本番への取り組みへ反映してまいります。
詳細につきましては、参考資料として、テストイベントを活用した都における検証の結果について(令和元年九月三十日・ウエーブワン終了時)を添付しております。後ほどごらんいただければと存じます。
説明は以上でございます。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 それでは、私から、大会本番に向けた二〇一九年夏の試行の結果及び東京二〇二〇大会における首都高速道路の料金施策に関する方針についてご説明いたします。
お手元の資料第4号をごらんください。
都及び組織委員会などは、東京二〇二〇大会時を見据え、スムーズビズ推進期間において、交通需要マネジメント、いわゆるTDM、交通システムマネジメント、いわゆるTSMなど交通対策の試行を行い、今般結果を取りまとめました。その検証結果などを踏まえ、十月十六日にパブリックコメントの結果とともに、東京二〇二〇大会における首都高速道路の料金施策に関する方針を公表いたしました。
1、大会本番に向けた二〇一九年夏の試行の結果についてでございます。
(1)、試行の概要については記載のとおりでございます。
(2)、得られた知見についてでございます。
〔1〕、TDMに関しましては、目標達成に向けて、さらなる交通量減少が必要であることなどがわかりました。〔2〕、TSMにつきましては、交通規制により、大会輸送の円滑性を一定程度確保可能であることなどの知見が得られました。
(3)、今後の展開についてでございます。
〔1〕、TDMに関しましては、交通需要の効果的な分散、抑制に向けた重点取り組み地区での働きかけの継続など、入念な事前準備によるさらなる交通量低減などが必要となっております。〔2〕、TSMに関しましては、時間帯や実施箇所、郊外部における対策の検討など、運用の最適化などが必要となっています。
裏面をごらんいただきまして、2、東京二〇二〇大会における首都高速道路の料金施策に関する方針(案)のパブリックコメントの結果概要についてでございます。
(1)、実施日時並びに(2)、意見数については記載のとおりでございます。
(3)、意見の内容についてでございます。
意見の内容につきましては、料金施策のあり方について、賛同二十六件、反対十件の計三十六件、料金上乗せ額について九件など、対象車種、額、範囲などについて計二十一件、企業への働きかけについて十六件など、TDMの進め方などについて四十二件となっております。
次に、3、東京二〇二〇大会における首都高速道路の料金施策に関する方針の概要についてでございます。
(1)、適用期間につきましては記載のとおりでございます。
(2)、実施内容についてでございます。
ETC搭載車両につきましては、夜間割引といたしまして、全車種、首都高速道路全線を対象に五割引きにすることとしております。料金の上乗せにつきましては、マイカーなどを対象に、都内区間において千円を上乗せすることとしております。
なお、他の交通への転換が困難な公共交通、物流車両などは対象外とすることとしております。
現金車両につきましては、夜間割引はございません。料金の上乗せにつきましては、普通車以下の全ての車種、首都高速道路全線を対象として千円を上乗せすることとしております。
(3)、主な追記事項についてでございます。
〔1〕、夜間割引及び料金上乗せの適用時間についてでございます。ETC搭載車両につきましては、首都高速道路の入り口を通過した時間としております。現金車両の料金上乗せにつきましては、首都高速道路の最初の料金所の通過時間としております。〔2〕、料金上乗せ範囲につきましては、現金車両のうち、都内区間を走行しないことが明らかな下り線の区間は対象外としております。
最後に、4、今後のスケジュールについてでございます。
今回お示しした試行の検証結果及び料金施策に関する方針につきましては、本年十二月策定予定の輸送運営計画バージョンツーに反映してまいります。
詳細につきましては、参考資料として、輸送連絡調整会議の資料抜粋、東京二〇二〇大会における首都高速道路の料金施策に関するパブリックコメントの結果並びに方針の公表資料を添付してございます。参照いただきたく存じます。
続きまして、東京二〇二〇大会開催時における都庁発注工事の調整に関する取組方針(二〇一九・十版)の策定についてでございます。お手元の資料第5号をごらんください。
都は、円滑な大会輸送と都市活動の両立を図るため、主に関係者輸送ルートや会場周辺などにおいて都庁発注工事の調整を実施することとし、本年四月、都庁発注工事の調整に関する取組方針を公表しております。このたび、この夏の試行結果や会場周辺交通対策の取りまとめなどを踏まえ、十月十八日に更新し、公表いたしました。
1、目的につきましては記載のとおりでございます。
次に、2、基本的な考え方についてでございます。
基本的な考え方といたしましては、その年に必要な工事を着実に実施することを前提といたしまして、平準化に努め、発注時期を適切に調整する、工事調整に係る経費、工期は適切に積算することなどとしております。
3、工事調整の手法についてでございます。
工事発注時期の調整や工事の一時休止、工事車両の出入り調整を行うことなどとしております。
4、対象期間及び5、対象工事につきましては記載のとおりでございます。
6、対象地域と取り組みについてでございます。
競技会場周辺や区部、多摩などに対象地域を分けまして、工事発注時期の調整や工事車両の出入り調整など、各地域における工事調整の取り組みをきめ細かく設定しております。
最後に7、今後の対応等についてでございます。
都庁各局工事におきまして、本取り組み方針に沿って対応し、建設発生土の受け入れ調整などを行ってまいります。また、国、自治体、民間団体の皆様へ工事調整への協力のお願いを行いますとともに、工事関係事業者の皆様へ路上工事の抑制をお願いしてまいります。
詳細につきましては、参考資料として、十月十八日のプレス発表資料を添付しております。後ほどごらんいただければと存じます。
説明は以上でございます。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 それでは、私から、会場周辺交通対策(二〇一九・十)についてご説明いたします。
お手元の資料第6号をごらんください。
都及び組織委員会は、安全かつ効率的で信頼性の高い大会輸送と都市活動との両立を図るため、会場等周辺において段階的に交通対策を実施いたします。
会場周辺交通対策につきましては、六月十九日に公表した素案に基づき、関係者と調整を進め、内容の更新を行い、十月十八日開催の輸送連絡調整会議において報告し、公表いたしました。
1、会場周辺交通対策の目的についてでございます。こちらにつきましては、会場等周辺の交通混雑の緩和、会場等のセキュリティーの確保を目的としております。
次に、2、交通対策の内容についてでございます。会場等周辺の交通対策といたしましては、進入禁止エリア、通行規制エリア、迂回エリア、専用、優先レーンを設定し、東京圏の会場等周辺二十エリアにおいて、それぞれ対策図を作成し、提示しております。
次に、3、更新した内容についてでございます。
(1)、進入禁止エリア及び通行規制エリアについてでございます。こちらにつきましては、大会規制期間の追加、交通規制道路の明確化など、記載内容の更新を行ってございます。
(2)、迂回エリアについてでございます。こちらにつきましては、エリアの変更を行ってございます。
最後に、4、今後の予定についてでございます。大会関連工事による規制を含めた規制期間につきましては、年内を目途に調整し、輸送運営計画バージョンツーに反映してまいります。
詳細につきましては、参考資料として、輸送連絡調整会議の資料抜粋を添付しております。ご参照いただきたく存じます。
説明は以上でございます。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 続きまして、私から、報告事項、第十回東京都聖火リレー実行委員会等についてご説明いたします。
お手元の資料第7号をごらんください。
1の第十回東京都聖火リレー実行委員会についてでございますが、去る十月四日に書面にて開催いたしました。
(3)の議題でございますが、〔1〕の報告事項につきましては、オリンピック聖火ランナーの応募結果として、公募の人数百六十五名に対して応募総数一万六千九百三十二名となりましたことを報告いたしました。〔2〕の協議事項は、パラリンピック聖火リレーの検討についてでございまして、ルート選定の考え方や検討の進め方などを協議いたしました。
2のパラリンピック聖火リレーについてでございますが、(1)、パラリンピック聖火リレーの目的としては、オリンピックからの移行期間中に勢いや興奮を維持し、人々にパラリンピックの精神及び価値を伝える役目を持っております。
次に、(2)の実施期間でございますが、二〇二〇年八月十三日木曜日から八月二十五日火曜日までの十三日間で実施いたします。
そのうち東京都は八月二十一日金曜日の午後、都内で採火を行った後、聖火リレーや聖火ビジットを行います。そして、その日の夜に四十七都道府県で採火した火を東京に集め、一つに統合する全国集火式を開催いたします。翌日の二十二日土曜日から二十五日火曜日の四日間は、集火した聖火によって都内で聖火リレー等を行います。
なお、二十二日から二十四日の三日間は、オリンピック聖火リレー同様、その日の夜に聖火の到着を祝うセレブレーションも実施いたします。
恐れ入りますが、裏面をごらん願います。(3)の聖火ランナーでございますが、ランナーは初めて出会う三人がチームとなって走行いたします。
(4)、実施概要としましては、走行時間は原則として十五時から二十時となっておりまして、聖火ランナーは一チーム当たり二百メートルを走行いたします。また、一日当たりの聖火ランナー数はおおむね四十チームでありまして、一日の走行区間は五区間程度、一区間当たりおおむね八チームが走行いたします。
続いて、(5)、ルート選定の基本的な考え方でございますが、記載のとおり組織委員会から示されてございます。
最後に、(6)、聖火リレーの検討の進め方でございます。検討の前提といたしまして、パラリンピック聖火リレーは、オリンピック聖火リレーに比べて走行日数が少なく、時間も短くなっております。検討の進め方としましては、東京都聖火リレー実行委員会がリレー通過自治体の素案を作成し、該当区市町村とも調整しながら、実行委員会で審議、決定の上、都案を組織委員会に提出いたします。
なお、リレー通過自治体につきましては、組織委員会がIPCと協議の上、年内に公表する予定となっております。
また、ランナーの選考基準、選考方法等につきましても、組織委員会が年内に公表する予定となっております。
説明は以上でございます。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 それでは、私から、東京二〇二〇大会の公式練習会場についてご説明いたします。
お手元の資料第8号をごらんください。このたび東京都関連の公式練習会場が全て決まりましたので、ご報告させていただきます。
まず、1、公式練習会場とはについてでございます。
公式練習会場とは、選手が試合前の最終調整を行う会場であり、選手村の開村から競技終了までの間、組織委員会が提供する公式の練習施設のことでございます。
練習会場には、競技会場エリア内に設置する併設練習会場と競技会場エリア以外の既存施設を活用する独立練習会場がございます。
組織委員会は、オリンピックの練習会場として約七十施設、パラリンピックの練習会場として約三十施設を指定しております。
次に、2、東京都関連の公式練習会場についてでございます。
組織委員会に指定された公式練習会場のうち、東京都関連施設は、オリンピックで十八施設、パラリンピックで十施設となっております。
一枚おめくりください。参考資料として、公式練習会場となる東京都関連施設の一覧を添付しております。後ほどご参照いただければと存じます。
説明は以上でございます。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 それでは、私から、報告事項、東京二〇二〇大会シティキャスト研修の実施につきましてご説明いたします。
お手元の資料第9号をごらんください。
初めに、1、シティキャスト研修の概要でございます。
シティキャストの研修には、共通研修、役割別、配置場所別研修、リーダーシップ研修がございます。実施期間と回数、時間は表記載のとおりです。対象者は、本年二月から七月にかけて実施した面談、説明会に参加された三万一千五百九十七名全員となります。
次に、2、研修の内容等でございます。
(1)、共通研修は、土日、夜間含め週五日の割合で延べ百日、百八十回程度、フィールドキャストと同じ国立オリンピック記念青少年総合センターで実施いたします。
主な内容として、大会のボランティアとして必要なオリンピック・パラリンピックの歴史、意義やボランティアの心構え、ダイバーシティー等の情報を提供してまいります。ダイバーシティー研修では、車椅子使用者や視覚障害者のサポート方法について、実演を交えた説明も行っております。
また、ボランティア同士の交流、連携を図る取り組みとして、会場内における交流スペースの設置や交流会の開催等の取り組みを行っております。
裏面をごらんください。(2)、役割別、配置場所別研修は、役割や配置場所ごとに必要な東京の観光、交通、ラストマイルやライブサイトの概要、役割別、場所別の活動方法などの情報を提供いたします。
(3)、リーダーシップ研修は、リーダーとして必要なメンバーとのコミュニケーションや、多様なメンバーへの配慮などの情報を提供してまいります。
また、参考としまして、シティキャストの面談、説明会の実施状況を記載しましたので、後ほどごらんいただければと存じます。
説明は以上でございます。
○小山委員長 それでは、報告事項、テストイベントを活用した都における検証の結果について(令和元年九月三十日・ウエーブワン終了時)外十二件に対する質疑を一括して行います。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○両角委員 いよいよ二〇二〇大会開催まで八カ月余りとなりました。今回、突然の一方的なマラソン、競歩の会場変更があり、競技団体やアスリートにも動揺が見られるわけでありますが、限られた期間の中で各種競技の準備に万全を期していかなくてはなりません。
こうした中、実際の大会運営はもとより、ラストマイル運営や観客輸送など、実地で検証することのできる貴重な機会がテストイベントであります。特に今回は実際の大会同様の時期に開催をされ、暑さ対策の状況を検証することができる大変貴重な機会でもあったと思います。
そこで、テストイベントについて、まず伺いたいと思います。
今回のテストイベントは、夏の五輪同様の暑い時期に開催をされたことに大きな意義があると考えますが、そうした点を踏まえ、特にどのようなことに重点を置いた検証がなされ、都として総括的にどのような成果が得られたのか伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 大会本番と同時期に行われたウエーブワンにおきましては、天候による影響が大きい屋外競技を中心に、暑さ対策を初めとして、シティキャストや医療救護、観客輸送など、会場外において都が担う役割について検証を行いました。
その結果、テントと送風機の組み合わせなど、観客への有効な暑さ対策や医療救護体制、炎天下におけるシティキャストの適切な活動時間、見やすくわかりやすい案内サイン、バスによる円滑な観客輸送確保など、ラストマイル運営や観客輸送についての具体的な検証結果が得られたところでございます。
こうした成果は、それぞれの運営に関するマニュアルや実施計画などに取り入れ、大会本番への取り組みに反映させてまいります。
○両角委員 続きまして、このテストイベントに関してのIOCの評価というものを伺いたいと思います。
五輪の主催者であるIOCは、まずマラソンを含め、今回のテストイベントの視察には訪れているのかどうか確認をさせていただきたいと思います。また、IOCは暑さ対策の取り組みについてどう評価していたのか伺います。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 組織委員会に確認したところ、これまでビーチバレーボール、ボート、ホッケー、トライアスロンなど十四テストイベントをIOCが視察したと聞いております。
なお、IOCは九月十五日のマラソンのテストイベントを視察しておりませんが、IAAF、国際陸上競技連盟からは、オリンピックのコース計測を行う技術役員が競技全般を通して視察し、高く評価をしていたと聞いております。
また、十月三日のIOC理事会後の記者会見では、バッハ会長は暑さ対策の問題について、解決する自信はある、東京が真剣に選手と観客の健康と安全を考えていることが理解できたとコメントしております。
○両角委員 今ご答弁いただきまして、テストイベントをIOCも幾つかもちろん視察されているということでありますが、マラソンのテストイベントには残念ながら来られていなかったと。しかし一方で、国際陸連は現地視察をしていただいて、競技運営を高く評価していたということでありました。
一方で、IOCは視察をしていなかったわけでありますが、バッハ会長のコメントでは、暑さ対策について高い評価もいただいていたようであり、そういったことを考えると、MGCの視察もすることなく、マラソンの会場変更を強行したというIOCの姿勢には、やはり疑問を感じざるを得ないということは一言申し上げておきたいと思います。
次に、ラストマイルの運営について伺いたいと思います。
開催都市としての都の役割は、主としてラストマイルの運営であるわけでありますが、都はラストマイルの各ルートに責任者を定め、体制を築いていくというふうに聞いておりますが、現状でどのような体制が構築できているのか伺います。また、テストイベントではどのようなやり方をしたのか伺います。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 各ラストマイルには、現地において運営を総括する都職員を配置いたします。
総括業務としては、ラストマイルや競技会場運営の情報収集と都市オペレーションセンターへの報告、競技会場内外の連絡調整、観客への案内、おもてなしを行うシティキャストとの連絡調整、軽易な事案に対する意思決定などの取り組みを行います。
テストイベントにおきましては、都市オペレーションセンターの訓練として、各ラストマイルに都職員を配置し、メーンオペレーションセンター、輸送センターなど関係機関等との情報共有、連携に必要な体制の検証を行いました。検証結果を踏まえ、効果的な運営の体制につきまして今後検討してまいります。
○両角委員 この検証結果を踏まえて、今後体制については検討していくということであります。しっかりとした体制を築いていっていただければということでございます。
次に、暑さ対策について伺わせていただきたいんですが、二〇二〇大会で最大の準備と、そして配慮が求められるものの一つがやはり暑さ対策ではないかと、このように感じるわけであります。
我が会派では、これまでも医師会とも意見交換をするなどし、その意見も含めて、日よけ対策についてはさまざまに提案をしてきたところでございます。
今回、私もビーチバレーのテストイベントに参加をさせていただきました。当日大変暑い日でございまして、真夏の日差しと高温、高湿の中で、帽子、あるいは日焼けのUVカットのウエアも着ていたんですけれど、観客が集中する最寄り駅から競技場まで、さらには競技場での観戦も、厳しい暑さには十分な暑さ対策が必要だなということを改めて感じた次第でございます。
今回の報告書においては、ソフト対策のグッズや、ハード対策としてテントと送風機が暑さ指数の低減に効果を発揮したとあります。しかしながら、あくまでもソフト対策は補助的なものであり、またテントでの暑さ対策は有効ではあると思いますが、限界もあるのではないかな、このように感じるところでもあります。本番では最寄り駅から競技会場まで混雑が続くということが想定をされ、一層のラストマイル上のハードの対策が求められると思います。
そこで、例えばですが、設置型の樹木のようなもの等を工夫するなどして、何らか歩道上に日陰をつくっていくという取り組みを展開していくべきではないか、このように考えるわけでございますけれど、今後のラストマイルでの暑さ対策について見解を伺います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 屋外競技会場の観客は、ラストマイルや沿道、会場内で日差しや暑さに長時間さらされるため、日差しを防ぎ、水分を補給する休憩所は熱中症予防の観点からも重要でございます。
このため、ラストマイル上のハード対策といたしまして、今夏のテストイベントでは、お話のテントに送風機などを設置いたしまして、暑さ指数の測定を行いますとともに、ウオーターサーバーによる飲料水の提供なども試行しまして、さらにソフト対策として、体を冷やす、風を当てるグッズ等の配布も行い、使用感などのアンケートも実施したところでございます。
こうした検証の結果、会場までの距離が長いルートや、路上競技の沿道観客向けの日陰を創出するテントにつきまして、材質など仕様を定め、配置場所についての調整を進めており、実効性のあるソフト対策も組み合わせながら、来夏のラストマイルの暑さ対策を計画的に進めていきたいと考えております。
なお、お話にありました歩道上の新たな設置の樹木の配置でございますが、こちらは形状にもよりますが、ラストマイルの通行の問題、あるいは台風、強風等によります倒れるというような被害のリスクの問題も想定されるところでございます。それらの課題も踏まえまして、日陰をつくる取り組みにつきまして引き続き対策を検討してまいります。
○両角委員 今、ハード対策で提案させていただいたことについては課題もあるということでありますが、残された期間の中で、やはり暑さ対策、特に観客の皆さんがラストマイルを通行する中での日よけ対策というのは、そういった課題もクリアしながら総合的に考えていただきたいと、このように要望させていただきます。
引き続いて、案内について伺いたいと思います。
大会時には、まさに世界の各国からいろんな国々のお客様が競技会場に足を運ぶということになります。今回のテストイベントでは、本番のように多様な国からの来場者をお迎えするということはなかったわけでありますが、そうした意味では外国人対応についての検証は十分には行えなかったのかなというふうにも考えます。
そこで、諸外国からの訪日観戦者を念頭に伺いたいと思いますが、会場へのルートがすぐわかって、観戦する試合会場に迷いなく行くことができるということもラストマイルでは重要なことだと思います。
諸外国からの訪日客に対する案内表示やシティキャストの多言語対応については、今回のテストイベントでどのような課題が明らかになり、今後いかなる改善を図っていくつもりか伺います。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 今回のテストイベントには、シティキャスト応募者のうち、ボランティアリーダー経験を有し、希望する延べ五十名程度の方々に会場最寄り駅や会場周辺における観客案内等を行っていただきました。
英語を話せる方には、イングリッシュと英語で記載したパスケースを首からかけ、国内外からの観客の案内を行っていただきましたが、パスケースが小さく、近寄らないと文字を読み取れませんでした。シティキャストには、英語を初め、さまざまな外国語スキルを有する方が多くおられることから、上着などに対応可能な言語を見えやすく表示するとともに、ラストマイルなど、スキルを生かせる場所で活動いただけるよう配置してまいります。
このほか、外国語に不安をお持ちの方でもご案内を行っていただけるよう、音声翻訳アプリを活用してまいります。
また、テストイベントのボランティアには、競技や会場名を日本語と英語で記載し、会場の方向を矢印で示したシートを持って活動いただきましたが、文字が多く、一目でわかりにくいとの意見をいただきました。
ラストマイルに設置する多言語の仮設案内サインにも競技や会場名、会場までの距離等を記載し、加えてピクトグラムを用いるなど、見やすく、わかりやすいデザインとしてまいります。
○両角委員 今回、シティキャスト五十人ほど延べで参加をしていただいたということで、課題も幾つか、表示の問題等々、明らかになったということでございますが、英語だけでなくて、英語を解しないという、例えば中文とか仏文とか、代表的な言葉には簡単なことは対応ができるようになっているのがいいだろうなと思いますし、その意味で、うまく音声翻訳アプリなんかも活用していただければありがたいなと、そんなふうに思っております。
引き続いて、ボランティアについて伺いたいと思います。
本年六月の本委員会で、我が会派の白戸委員より、シティキャストとフィールドキャスト、ともに大会を支えるボランティア同士の交流の場を提供すべきと問題提起をしているわけでございますが、そのとき答弁では、局から、研修の際にその機会を提供するという、そんなお答えがありました。
先ほどの報告の中でもボランティアの交流会を行ったとの説明もありましたが、その具体的な取り組みを伺います。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 ボランティア同士の連携を促進して一体感を醸成し、参加機運を高めていくことは、活動の円滑化はもとより、大会後の活動継続につながる上でも重要でございます。
シティキャストの面談や研修では、参加者同士がコミュニケーションを深めるためのグループワークを行うとともに、シティキャストとフィールドキャストが仲間との情報交換を行える交流スペースを設置しました。また、先月にはチームワークづくりや仲間とのコミュニケーションに役立てていただくための交流会を開催いたしました。当日はシティキャスト、フィールドキャスト八十六名の参加を得て、講師のレクチャーのもと、グループワークやゲームを行いました。
参加者のうち九割以上の方から、有意義であり、また参加したいとの評価をいただくとともに、チームワークづくりのコツがわかった、リーダーになった際の参考になったなどの意見もいただきました。
今後、交流会を月一回程度実施するほか、今月中にはシティキャストの運営システムにおきまして情報交換を行える掲示板を設置し、ボランティアのネットワークづくりに向けた取り組みを進めてまいります。
○両角委員 ご答弁いただきまして、交流会を月一回実施していく、あるいは掲示板等を設置してボランティアのネットワークづくりに向けた取り組みをしていただけるということで、大変評価をしたいと思います。
このボランティアさん、組織委員会、あるいは都と参加の仕方は違っても、やはりボランティアに、この大会にかかわるという意味で、交流を持って情報交換をすることは大変有効なことだと思っておりますので、引き続き取り組みを推進していただきたいと、このように考えております。
次に、医療と救護の問題でございます。
炎天下での熱中症、あるいは不測のけがということが大会の期間中も想定をされるわけでございまして、こういった問題にしっかりと対応ができる体制を整えておくことは大変重要なことである、このように考えております。
今回のテストイベントでは、東京都医師会がご協力をしてくださり、救護所の運営がなされました。あるいは日赤が協力をしてくださって、DMATカーを出動させて、より実践的なシミュレーションができたというふうに聞いているわけでございます。
そこで、このテストイベント期間中に実際に救護や医療措置が必要となった案件の数とその状況、症状等、そして具体的な対応がどのようなものであったか伺います。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 テストイベントにおけます救護対応として、ビーチバレーボールではコンテナ型の救護所を設置し、マラソンでは沿道等における観客の救護のため、東京DMATカーを活用した救護所を設置いたしました。
ビーチバレーボールにおきましては、救護所利用者は七名、そのうち熱中症疑いの患者は四名でございました。
なお、医療機関への搬送が必要な方はいませんでした。
マラソンにおきましては、救護所の利用者はいませんでした。
救護所を利用された方に対しては、医師、看護師が軽微なけがの応急手当てや水分補給、安静の指示などを行いました。
○両角委員 幸いマラソンにおいては、そういった医療措置が必要になった方はいらっしゃらなかったと。ビーチバレーにおいて熱中症の疑いのある方は四名出たということでありますから、炎天下の救護医療体制を整えていくということは重要なんだろうと思います。
そこで、今回のテストイベントを通じて見えてきた医療救護の課題は何なのかということを伺います。
本番では、より大勢の外国人が訪れてくださるということになろうかと思いますが、現場での外国人の方への対応について、今後、この医療面でどのように取り組んでいくのか、あわせて伺います。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 テストイベントでの救護所利用実績を踏まえまして、大会時のラストマイルの距離や観客数、競技日程等を勘案いたしますと、熱中症疑いの患者が複数同時に発生することも想定されます。また、救護所におきましては、医療救護活動用資器材等の管理や患者記録の保管、COCとの連絡調整など、多岐にわたる事務的業務が必要となります。
これらのことを踏まえまして、適切な医療救護体制の構築に向けて、救護所の設置方法や事務職員の配置などについて検討してまいります。
海外からの来訪者に対しましては、わかりやすい救護所の表示を行うことに加えまして、外国語が話せるシティキャストによる案内、翻訳ツール、コミュニケーションボードの活用等を含め、適切に対応できるよう検討してまいります。
○両角委員 今回、実際にテストイベントで医療救護の対応を試してみてわかったということで、事務的業務が非常に多いんだということで、それ、収穫だと思いますね。そういうバックヤード的なものにも対応できる人材を配置するということでしょうし、今、またご答弁にもありましたように、本番のときは来場者が大変数が多いわけですから、熱中症の患者が複数同時発生するということがやっぱり危惧をされるわけでございます。
そういったことを考えると、この会場周辺の救護所だけでなくて、会場周辺のビルの部屋を借りるなどして、気分が悪くなった人の救護所として確保していくということは有効ではないかなと、そんなふうに考えるわけですが、見解を伺います。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラストマイルにおきまして熱中症疑いなどの体調不良を生じた方には、なるべく早く涼しい場所で安静にしていただき、水分補給等を行っていただくことが重要でございます。
救護所につきましては、区市等の公共施設を含め、ラストマイル周辺の活用可能な既存施設を使用するほか、既存施設の確保が困難な場合には、仮設コンテナを使用することを検討しております。
○両角委員 ご答弁でラストマイル周辺の活用可能な既存施設を使用というお話がございました。今回、コンテナも有効なんですが、いかんせんキャパが小さいですから、もう二、三人でいっぱいになってしまう、対応ができないという状況になると思います。
ですので、ある程度大きな会議室等にエアコンをきかせて、水分も用意して対応ができるという、そんなふうなことをぜひ推し進めていただきたいと。既存施設、そういうものがあるかどうかということもありますけれど、それをしっかり調べて対応を進めていただきたいと、このように思います。
大会時に搬送先とされる医療機関では、通常の医療需要に加えて、そういった特別な医療需要が生じるということになるわけでありますが、関係医療機関への協力要請というのはどのようになっているんでしょうか。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラストマイルにおきまして傷病者が発生した場合、比較的軽症な方は救護所において応急手当てや経過観察を行うほか、医療機関での診療が必要な方につきましては、近隣の医療機関の受診案内や、必要に応じて救急搬送を行う予定でございます。
このため昨年度、都と組織委員会から、都内の医療機関に対して、診療体制の確保や、大会期間中の患者受け入れにおける連携した対応等について協力を依頼したところでございます。
現在、東京都医師会や救急医療の専門家などからのご意見を伺いながら、通常の医療体制に影響を及ぼすことのないよう、ラストマイル等における医療救護体制につきまして検討を進めており、引き続き医療関係者と緊密に連携し、体制整備を行ってまいります。
○両角委員 今、協力依頼をされているということであります。情報をしっかり十分に提供していただくということが一番重要なことだと思います。大会の開催時には雨天であったり、好天であったり、地震、テロの発生ということも可能性としてはあるわけでございまして、こういった状況の中で発生する医療需要というのもあろうかと思いますので、そういったことも念頭に、万全を期すように要望させていただきたいと思います。
次に、アクセシビリティーについて伺いたいと思います。
大会の本番では、大変多くの観客の方々が競技会場に一斉に集まってくるということになります。そうした中で、障害をお持ちの方が安全で、かつ安心して来場し、観戦を楽しむようにできることが、これは非常に重要なことであると考えております。
そのためにも、本番を想定したテストイベントの際に、アクセシビリティーについて実践的に検証していくことが重要でありますが、ウエーブワンでの検証結果について伺います。
○越オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック部長 東京二〇二〇大会においては、会場へのアクセスルートとなる経路のうち、アクセシビリティーに配慮が必要な観客の動線として、アクセシブルルートを選定しております。
海の森水上競技場で実施された世界ボートジュニア選手権を活用したテストイベントの際に障害のある方にご参加いただき、最寄り駅から会場までのアクセシブルルート並びに会場内の動線など、アクセシビリティーの検証を行い、ご意見を頂戴いたしました。
車椅子使用の方からは、ルート上におけるケーブル等の仮設設置物を円滑に越えられるようスロープ板を設置してほしいなどのご意見をいただきました。
また、視覚に障害のある方からは、駅構内の改札及びエスカレーターなどのルートの分岐点のほか、交差点などの危険箇所及び休憩所等において、ボランティアによる声かけがあるとよいなどのご意見をいただいたところでございます。
さらに、聴覚に障害のある方からは、視覚でわかる案内サインをルート上に設置してほしいなどのご意見をいただきました。
障害当事者の方からいただきましたこうしたご意見を十分に踏まえながら、今後のテストイベントにおいても大会本番を見据え、さまざまな想定のもとアクセシビリティーの検証を行い、障害のある方が安全・安心に大会を楽しんでいただけるよう準備を進めてまいります。
○両角委員 車椅子や、あるいは視覚、聴覚にそれぞれ違う障害をお持ちの方の直接の意見を今回、参加していただいて、伺ったということは大変今後の参考になるんだろうと、このように思っております。
一方で、競技会場によっては、アクセシブルルート、一般のお客さんのルートとかぶる部分も結構あるんだろうと。そうすると、混雑した中で、その設定したルートから完全に独立したルートまでの部分というのは結構注意が必要なんだろうと思いますので、そうした対応についても今後検討して、問題がないように万全を期していただきたいと、このように要望させていただきたいと思います。
次に、都市オペレーションセンターについて伺いたいと思います。
ラストマイル運営や組織委員会との連携のかなめともなる都市オペレーションセンターでありますが、特に今回は情報収集、あるいは情報共有と情報の発信方法の検証に視点を置いたというふうに聞いております。
スケジュールが急に変更する、あるいは交通機関が乱れたなどといったことで突発的な状況変化への対応をする、対応をすることで情報共有の重要性とともに課題も浮き上がってきたようでありますが、各関係者間でのリアルタイムでの情報共有について、今後の具体的な取り組みを伺います。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 テストイベントにおきましては、観客の安全な誘導や組織委員会との連携に必要となる大会運営、交通、気象等の情報の収集、共有、発信方法の検証を行いました。
具体的には、ICTツールを活用したリアルタイムでの情報共有や、事案管理などの連絡体制、現場とCOC本部、メーンオペレーションセンターとの連携等につきまして検証を行いました。
訓練の結果、観客の滞留や傷病者の発生などの事案が同時に発生した際、事案に迅速に対応するためには、COC本部と現場がリアルタイムに必要な情報を共有する一方で、過剰な情報による混乱を招かないよう、情報を選別することが重要であるということがわかりました。
今後の対応といたしまして、本部等が必要とする情報をあらかじめ明確化し、現場が本部に報告する際、重要な情報を効果的に選別することで迅速かつ機動的な体制を確保してまいります。
また、ICTツール等に加えまして、電話や無線等で補完するなど、必要な情報を確実に伝達する運用の工夫を行いまして、マニュアル等に反映させてまいります。
今後のテストイベント等の機会を活用し、円滑な運営方法について継続的に検証を行いながら、大会における取り組みに反映させてまいります。
○両角委員 検証をしたことによって課題が幾つか明らかになったということでありまして、特に情報の取捨選択をしてセンターへ上げると。どこまでの情報を上げるのかということをしっかり選別する必要があるという、そんなお話でございました。
そういった把握ができた事柄についてマニュアル等に反映をさせるということなんですが、実際の職員の方がそれを実際に対応できないと何にもならないので、情報の扱いについてはきちっと徹底して、今後現場で適切な情報が適切に共有されて、適切な対処ができるという体制を築いていただけるようにお願いいたします。
ここまでこのテストイベントの機会を活用した検証ということで伺ってまいりましたが、今回のウエーブワンでの検証を踏まえて、今後もテストイベントを重ねて検証を積み重ねることが重要であろうと、このように考えます。
暑さ対策でも聖火リレーなど機運醸成でも、あるいはセキュリティーや輸送などの面でも、5Gを含めた新たな技術の活用や施設整備など、取り組むべき課題は山積をしております。こうした課題にしっかりと対処していくためには、必要な予算も確保して、着実に大会準備を進めていくことが重要であると思いますが、今後の大会準備に向けた局長の決意を伺います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 この夏のテストイベント、ウエーブワンは、大会本番と同様の気候条件において、庁内の関係各局はもとより、東京都医師会や日本赤十字社など関係機関のご協力も得て、暑さ対策を初め、ラストマイル運営や観客輸送など実践的な試行、検証を積み重ねてまいりました。
今後続くウエーブツー、スリーにおいては、屋内競技が中心となり、新規施設の完成を初めとした大会準備の進展に伴いまして、より本番を意識した実践的な検証を行っていきたいと考えております。
例えば大会時におけます運営体制や情報共有するためのシステムなど、大会時に近い環境での検証や、さまざまな言語圏の外国人や、聴覚障害など情報提供に配慮が必要な観客の方への文字情報の提供方法の検証、あるいは地震等の災害を想定した訓練など、より具体的な課題を明確にした検証も実施してまいります。
これらウエーブワンからスリーまでの検証を通じて得られた課題はもとより、今お話ございました機運醸成や輸送、セキュリティー、新たな技術の活用など、大会に向けた重要な課題について適切に対応できるよう、関係局と連携してしっかりと取り組むとともに、組織委員会や国など関係機関との緊密な連携体制を構築しまして、大会を成功に導いていきたい、かように考えております。
○両角委員 ありがとうございます。これからはより実践を意識した検証のステージに移っていくというお話がございました。今回のマラソンの変更に見るように、いろんなことが起きてくるわけでありますけれど、限られた期間、都の職員の皆さんもなかなか大変なところが多いと思いますが、しっかりと大会成功に向けた準備を進めていただきますよう、ここで再度お願いを申し上げたいと思いますし、私たち都民ファーストの会も議会の立場から精いっぱい背中を押して、その取り組みを応援してまいりたいと、このように申し上げておきます。
引き続きまして、東京二〇二〇大会開催時における都庁発注工事の調整に関する取組方針の策定について伺わせていただきたいと思います。
都はこれまで、二〇二〇大会時の交通混雑緩和に向けて交通需要マネジメントを推進し、企業等に対し働きかけを行ってきております。TDMを進める上で工事調整の取り組みというのは非常に重要であろうと我々は認識しているところでもあります。
我が会派では、本年八月に工事調整による影響を心配している企業等の不安を解消し、企業からの協力を得られるよう要望を行ったところでもございます。第三回定例会の代表質問において、東京都の発注工事の調整により、工事の一時中止等に係る費用負担などについての質問を行いました。
そこで、今回更新した取り組み方針には、これらの内容はどのように盛り込まれたのか改めて伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会期間中の交通混雑緩和を図る上では、工事調整を進め、路上工事によるボトルネックを回避するとともに、工事から発生する車両を削減することが重要でございます。
このため、四月に都庁発注工事の取り組み方針を作成し、今般この夏の試行結果や会場周辺交通対策の取りまとめ、業界団体などの意見などを踏まえて更新いたしました。ご質問の工事一時中止等に係る費用負担につきましては、今回更新した方針におきまして、大会に起因した工事調整にかかわる経費、工期は適切に見積もることを明記しました。
具体的には、契約済みの工事で対象期間に工期が重なる工事につきましては、契約約款に基づき、工事調整にかかわる経費、工期は設計変更で適切に対応することとしました。
また、今後発注する工事では、発注時に工事調整の取り組みを特記仕様書で明記し、工期等を適切に設定するとともに、必要な経費は基準等に基づき適切に積算することといたしました。
○両角委員 業界団体等のご意見を踏まえて更新されたこの取り組み方針でございますけれど、設計変更等で適切に対応していくということで、我々の要望をしっかりと受けとめていただいたということを評価させていただきたいと思います。
ところで、工事の調整の取り組みを進めるには、この更新をした方針を定めただけでなくて、広く知っていただくということが大切だと思います。その上で工事の受注者に協力、実践をしていただく、こういう段取りになろうかと思います。
そこで、今後、受注者等の工事関係者に対しまして、この改正をしました方針についてどのようにわかりやすく周知をしていくのか、この点について伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 工事調整のためには、工事関係者の理解と協力をいただくことが重要であり、大会期間中に取り組んでいただきたい工事調整の内容を盛り込んだわかりやすいチラシを作成し、業界団体を通じて協力の依頼を行っております。
また、都などの工事関係の窓口でチラシを配布するとともに、二〇二〇TDM推進プロジェクトのホームページに工事調整に関する項目を新たに掲載いたしました。既に契約している都発注工事につきましては、各局で今回更新した取り組み方針を丁寧に説明し、受注者と協議の上、具体的な取り組みを実施していくこととしております。
引き続きわかりやすい情報提供などを行い、工事関係者の理解と協力をいただきながら、大会輸送と経済活動の両立に努めてまいります。
○両角委員 わかりやすいチラシを作成もしていただいて、業界団体に協力依頼をする、あるいはホームページもアップをしていくということでございまして、それはしっかりやっていただきたいと思います。
一方で、業界団体の方にチラシを見てというだけではなくて、必要に応じて説明をする、あるいは問い合わせにしっかり答えていただくような、そんな答えられる体制を内部にしっかり対応していただけるようにお願いしたいと思います。
引き続きまして、パラリンピックの聖火リレーについて伺いたいと思います。
パラリンピックの聖火リレーは、八月十三日から八月二十五日までの十三日間行われます。そのうち東京都内は八月二十一日の金曜日から二十五日の最終日までの五日間ということになっているわけでございます。
一方で、百二十一日間をかけて日本全国をめぐるオリンピックの聖火リレーと比較をしますと、日数も規模も大きく異なるわけでございます。しかし、パラリンピックの聖火リレーにはオリンピック聖火リレーにはない目的や役割があると、このように理解をしております。
本日、パラリンピック聖火リレーの実施概要について報告があったわけでございますが、オリンピック聖火リレーと比べて、パラリンピック聖火リレーの都民の認知度は低いと感じるわけでございます。改めてパラリンピック聖火リレーの実施の意義と概要について伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 東京二〇二〇パラリンピック聖火リレーには、オリンピックの熱気や興奮をパラリンピック大会につなげていく目的に加え、二〇二〇大会を契機に共生社会を実現することを目指しております。
そのためルートにつきましては、組織委員会からパラリンピックならではの場所や、人と人との新たな出会いが生み出せる場所、共生社会の実現に資する場所などをめぐるルートとなるよう、選定に当たっての基本的な考え方が示されているところでございます。
また、パラリンピック聖火リレーのランナーは、原則として初めて出会う三人がチームとなってリレーを行うこととされておりまして、年内には選考基準や選考方法が組織委員会から示されることになっております。今後こうした考え方をもとにルートやランナー選定を進め、共生社会の実現に資する聖火リレーとなるよう取り組んでまいります。
○両角委員 パラリンピックの聖火リレーの意義というのをお話しいただいたところでございます。この選考基準も初めて出会う三人、どきどきしていいんじゃないかなと、こんなふうにも思うわけでございますけれど、パラリンピックの聖火リレーについては、オリンピック大会の盛り上がりをパラリンピック大会へつなげていくという非常に大きな役割があると、私はこのように思っております。
都では、組織委員会から示されたルート選定の、今お話をいただいた基本的な考えのもと、それでは、どのようなリレールートを作成するつもりか伺いたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 東京二〇二〇パラリンピック聖火リレーのルートは、パラリンピック聖火リレーのコンセプトを踏まえまして、多くの方々に観覧していただき、人々に勇気や希望を与えられることが必要でございます。
都内では、五日間開催されるうち、初日は東京都の火としてリレーを行い、全国集火式を実施した翌日からの四日間は、全国の統合された火として象徴的な場所をめぐることになります。
具体的には、東京の観光地などに加えまして、リハビリテーション施設や障害者支援施設、パラリンピックと親和性のあるスポーツ施設などをめぐるルートや聖火ビジットを想定してございます。
今後、組織委員会が示す基本的考え方や区市町村からの情報も参考にしながら、都内全体で来るパラリンピック大会への盛り上げや、共生社会の実現につながるようなルートを実行委員会で検討してまいります。
○両角委員 パラリンピックの成功なくして二〇二〇大会の成功はありません。そのため、パラリンピック聖火リレーを通して大会開会に向けた機運を盛り上げ、二回目の東京パラリンピックにつなげていかなくてはならない、このように考えております。東京二〇二〇パラリンピック聖火リレーが共生社会としてのダイバーシティー東京の実現に資するよう、市区町村を初め関係機関と緊密に連携しながら、着実に準備を進めていただきますよう要望をいたします。
以上、何項目かにわたりまして質問をさせていただいてまいりましたが、最後に、二〇二〇大会成功に向けて、一言付言をさせていただきたいと思います。
マラソン、競歩の札幌開催に伴い、東京都、そして都民には直接的、間接的、あるいは物質的、精神的、これまでに費やしてきた費用、そして本来であれば得られたはずの費用など、多種多様な費目について大きな損害が生じております。当然、相手方のある交渉ですので、都は合意内容に従い、そのうちIOCが負担すべきものをしっかり補償請求しなければならず、現在も都の方で精査中と理解をしております。
改めていうまでもなく、東京都の支出の原資は、都民からお預かりをしております税金です。都民の利益を最大限確保する観点から、IOCからの補償額が最大限確保されるように都はIOCと折衝しなければならず、そのためにはあり得る損害の範囲を広範に検討の俎上にのせた上で精査する必要があると考えます。
もし仮に損害の範囲を必要以上に限定的に捉えたり、また実際の経費のごく一部だけを取り上げ、あたかもそれだけしか損害が発生していないような主張を行うことで、まるで東京都、そして都民には大して損害は生じていないというご見識をお持ちの会派があるのであれば、それこそ誤ったものであり、都民の代表として都政を預かる都議会議員の姿勢として、果たして適切かどうか大いに疑問があると指摘をさせていただきます。
繰り返しとなりますが、私たちの最大の目標は東京二〇二〇大会の成功です。大会の成功のためには今回のような事態を二度と生じさせてはなりません。そのためには本件の原因を徹底的に究明し、再発防止策を講じることが必須です。
先週八日の我が会派の質疑を通して、森会長を含め組織委員会の業務や組織のあり方に関し、多くの疑問点が浮かび上がりました。それらを明らかにして再発防止を講じ、東京二〇二〇大会を成功に導くため、組織委員会の幹部、とりわけ森会長の参考人招致が必要と考えておりますので、各会派のご理解、ご賛同をよろしく申し上げ、私の質問を終わります。
○山崎委員 私からも、きょうの報告事項につきまして、また何点か質問させていただきたいと思います。
質問に入る前に、今の両角理事の質疑に当たっての最後の部分のお話でございますけれど、臆測に呼ぶ臆測を積み重ねていくのはいかがなものかなと思います。我々議員として、しっかりとした情報を皆様にも質疑を通じてやはり感じてもらわなくてはならないですし、そういう部分はしっかり我々都議会議員の責務として、またオリンピック・パラリンピックを成功に導いていく、このことがまず大前提で、我々も今この特別委員会の中でさまざまな議論を積み重ねていると思います。しっかりとそういった点も含めて質疑をしていきたいと思いますので、よろしくお願いをさせていただきたいと思います。
まず初めに、シティキャスト研修について何点かお伺いをいたします。
大会の成功には、ボランティアの協力がもちろん不可欠であります。十一月二日、閉幕をいたしましたラグビーワールドカップでは、二千四百人のボランティアが活躍をし、大会を大いに盛り上げていただきました。
私も、試合会場やファンゾーン、また空港などで直接このラグビーワールドカップのボランティアの皆さんともお話をいたしました。そういったところで感じるところは、そのボランティアの皆さんがしっかりと自分の責務を遂行している、自分の役割、役目はどういうことなんだと、そして国内外からの観客の皆様に丁寧に日本人のおもてなしというか、そういったところでしっかり対応していただいているところを私も感じたわけでございます。
また、大会に訪れる国内外の観客がこういったボランティアの皆様とも触れ合い、国内外から来る観客の皆様にとっても、またいい経験というか、ボランティアはこういう形でやっているんだなということが非常によくわかったと思いますし、またボランティアの皆様にとっても、自分たちの活動や、この役目がすばらしい思い出になった、そのように感じているわけでございます。
そのため、あくまでも任意による活動ではあるものの、十分な知識を取得していただいて、自信を持って活動に従事をしていただく必要があると思います。そのためにも研修は非常に重要であるということであります。
東京大会はラグビーワールドカップと異なり、真夏に行われることから、日本の暑さになれていない外国人の方、また暑さに弱い子供の皆さんや高齢者の皆様への対応に必要な知識なども備えておく必要があると思います。暑さで体調を壊した国内外の観客への対応という視点では、どのような今、研修を行われているのかお伺いをいたします。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 シティキャストの方々に熱中症の基礎知識や緊急時の連絡方法などを身につけていただくことは重要でございます。シティキャストには救命講習の受講者や看護師、救急救命士等の資格を有する方々にも多く参加いただいておりまして、緊急時に知識、経験を生かした対応を行っていただけるよう配置を行ってまいります。
現在実施しておりますシティキャストの共通研修では、熱中症に関する注意喚起を行うとともに、予防のポイント等について説明しておりまして、今後も研修等の機会を捉え、繰り返し情報提供を行ってまいります。
来年度からの研修では、多言語の手持ちサインを活用しまして国内外の観客に注意を促す方法や、近くの休憩所や救護所を事前に確認すること、また熱中症を疑う症状や緊急時の連絡方法等について理解を深めてまいります。
加えてリーダー研修では、涼しい場所に移動させ、体を冷やすなどの応急措置についても解説するなど、迅速適切な対応が行えるよう取り組んでまいります。
○山崎委員 観客への対応に加え、ラストマイル等で活動するシティキャスト、都市ボランティアでございますけれど、自身の暑さ対策もしっかり行っていく必要があると思います。
その中で、この夏のテストイベントではシティキャストの皆さんがかぶる傘を使用したと聞いております。この夏の検証結果と大会本番時におけるかぶる傘の扱いについて伺います。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 今回のテストイベントでは、シティキャストの暑さ対策として、参加したボランティアのうち希望する方にかぶる傘を着用していただき、暑さをしのぐ効果や着用時の感覚などについてご意見をいただきました。
炎天下の活動となりましたビーチバレーボールで着用した三十七名のうち三十六名の方からは、暑さをしのぐ効果を感じられたとの回答をいただきました。また、ハンズフリーとなるため活動しやすい、人目を引くためシティキャストであることがわかりやすいなどのご意見をいただいた一方、風に弱い、見た目が気になるなどのご意見もいただきました。
このように、かぶるタイプの傘は、暑さ対策としてはおおむね良好と考えられますことから、大会時に希望するシティキャストへの提供を検討しております。
○山崎委員 今、答弁の中で最後の部分、希望する方への提供を検討という答弁がございました。私、思うんですけれど、ボランティアというものは国内外からの観客の方の大会への印象を決めてしまう大切な存在だと思います。そのため、統一感があり、機能性の高いユニホームや帽子をわざわざそこで用意したはずだと思うんですよね。いろいろとボランティアのユニホーム、公募によってデザインも、そして七月ぐらいにたしか発表があったと思います。大会ボランティア、都市ボランティア、シティキャストとフィールドキャスト。
急にこのかぶる傘の話が舞いおりてきたんですね。よく私わからないんですけれど、ちょっとお聞きをしたいんですが、このかぶる傘はたしか産業労働局がTokyo Tokyoの観光事業の一環として、都市のPRのために試作品として作成をしたものであったと思うんですけれど、それがなぜ、いつ、このオリンピック・パラリンピックのシティーボランティアの方に、正式なユニホームと同列に扱われるようになったのか。
まず、ちょっとお聞きしたいんですけれど、産業労働局がTokyo Tokyoの観光事業の一環として、都市のPRのために試作品として作成したものであったにもかかわらず、それがなぜ、いつ、このようにオリンピックで使うように、またこの夏のテストイベントで使うようになったのか、それをまず教えてください。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 昨年来、暑さ対策につきましてはさまざまな検討をしてまいりました。この五月には、暑さ対策に資する観光PRツールとして、かぶるタイプの傘を試作したことが発表されました。
それを受けまして、ことしの夏のテストイベントで検証しました結果、また私ども、大会に向けて活用することとしたところでございます。
○山崎委員 今、なぜというのが全く入っていないんですけれど、なぜなんですか。もうちょっとちゃんと答えてください。
○小山委員長 発言、挙手をお願いします。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 かぶるタイプの傘は、ユニホームのアイテムとしてシティキャスト全員に配布するハットと異なりまして、安全に活動いただくための選択肢の一つとして検討しているものでございます。
かぶるタイプの傘は日差しを遮る面積が大きく、また傘と頭の間をあけて高い通気性を確保するなど、日差しの強い場所では効果が期待できることから、今回のテストイベントで希望するボランティアに着用いただきました。
その結果、暑さ対策としておおむね良好と考えられますことから、ネッククーラーとともに希望する方に提供することを検討してございます。
○山崎委員 先ほども答弁でありましたけれど、このかぶる傘を使用するかどうかは個人の希望に委ねるという。例えば、屋外の同じ場所にシティキャストがいます。隣の人は傘をかぶっている、隣の人は傘をかぶっていない、統一感って全くなくなっちゃうんですよね。しかし、先ほども話がありましたけれど、ユニホームは帽子から靴まで全て本当はそろっている。そういう発表があったんですよね。
私たち、かぶる傘、否定しているわけではないですよ。しかし、統一感とか、例えば今までのオリンピックでボランティアのユニホームってそんな簡単に隣同士の人が違うようなボランティアの制服、ユニホーム、過去のオリンピックにおいて私は見たときがありません。色が違うとか、そういうのはもちろんありましたけどね。形状が違うということは、私は今までのオリンピック・パラリンピックでは見かけたことがございません。
それともう一点指摘をしておきたいと思いますけれど、大会ボランティア、いわゆるフィールドキャストですね。フィールドキャストの皆さんは、このかぶる傘、取り扱いはどうなっているんですか。教えてください。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 かぶるタイプの傘は、繰り返しでございますが、ユニホームのアイテムとしてシティキャスト全員に配布するハットと異なりまして、安全に活動いただくための選択肢と考えてございます。晴天時の屋外で活動する場合は、ユニホームのアイテムであるハットを着用するよう、今後策定するガイドラインにおいて定めてまいります。
シティキャストの希望者にかぶるタイプの傘を提供する際には、基本的に日差しの強い屋外で活動する場合にハットにかえて着用できること、その一方、安全に活動できるよう、混雑時や強風時等には着用しないことなどを定める基準を策定してまいります。
それと、フィールドキャストについてのご質問でございます。競技会場内などで活動するフィールドキャストの暑さ対策に関しまして、組織委員会では十分な休憩時間の確保や飲料水の提供、暑さ対策グッズの配布や熱中症予防策の周知等につきまして、テストイベントにおける試行を行いながら検討しております。
シティキャストの希望者にかぶるタイプの傘の提供を検討していることは組織委員会にも伝えておりますが、フィールドキャストの活動の多くは屋内である上、屋外においても、観客のみならず、選手や大会関係者に近い距離で接する場面が多いことから、より慎重に検討する必要があると伺っております。
○山崎委員 ボランティアって二種類あって、そんなのはいうまでもないんですけれど、フィールドキャストとシティキャストの方の取り扱いのそういった部分、屋外、暑さ対策をしなきゃいけないけれど、やはり組織委員会とどういう話し合いをされているのかというのがちょっと今の形では見えません。やはり統一感って大変重要なことだと思いますよ、統一感というものが。それをしっかりと定めていかなくては私はいけないと思います。
先ほどから何回もお話ししておりますけれど、この大会時に希望するシティキャストへの提供を検討している、こういう形で大会主催者としての安全の配慮への責任を欠くのではないかと私は思います。希望する人に渡す、希望されない人には渡さない、そんなことで本当によろしいんですか、東京都として。統一感や視認性などを踏まえて、ユニホームとしてのこの帽子か、かぶる傘、しっかりといずれかに統一すべきだと私は考えますけれど、見解を伺います。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 繰り返しでございますが、ユニホームとしてはハットがございまして、かぶるタイプの傘につきましては、安全を確保するというところでの選択肢と考えてございます。
また、統一感ということで全員に配布すればというお考えと思いますが、かぶるタイプの傘は日差しの強い場所では効果が期待できますが、一方、風には弱く、また混雑時には観客に接するおそれがあるなど、着用を避けた方がよい場面がございます。シティキャストによる暑さの感じ方などもそれぞれ異なりますので、ネッククーラー同様に希望する方への提供を検討しております。
○山崎委員 繰り返しになりますけれど、希望する人だけに配るという、大会主催者として無責任な、そんなことでよろしいのかと思います。ユニホームの中にハットがしっかりと含まれている、ハットがユニホームの中に含まれているわけですから、私は今までの質疑を通じて感じるのは、もし皆さん方がそういう考えであれば、であるならば、シティキャストの皆さんに、屋外を担当する人たち全員にしっかりかぶる傘を必須のアイテムにするべきだと思います。もう一度聞きますけれど、どうですか。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 かぶるタイプの傘は、ユニホームのアイテムとしてシティキャスト全員に配布するハットと異なりまして、安全に活動いただくため、選択肢の一つとして検討しているものでございます。
大会期間中に屋外で活動するシティキャストについては、さまざまな手段を組み合わせまして、効果的に暑さ対策を講じていくことが重要でございます。そのため、全体の活動時間のうち半分を休憩に充てるとともに、連続する活動時間は最大一時間とするほか、暑さをしのげる休憩場所の確保や小まめな水分補給の徹底等を行うとしております。
かぶるタイプの傘は日差しを遮る面積が大きく、また、頭と傘の間に高い通気性確保ができますことから、日差しの強い場所では効果が期待できることから、今回のテストイベントでボランティアに着用いただきました。
その結果、暑さ対策として良好でございまして、私どもボランティアの安全管理を努める者としましては、ネッククーラーとともに希望する方に提供することを検討しております。
○山崎委員 はい、もう結構です、次の質問に移りたいと思います。
聖火リレーについて何点かお伺いします。
オリンピックの聖火リレー、ギリシャの採火式から始まるわけであって、採火式はたしか三月の十二日、あしたでちょうど四カ月前になると思います。聖火リレーが回る自治体の順番やセレブレーション会場は既に公表され、それぞれの自治体では具体的なコース選定や会場の演出について検討を進めているところであります。
聖火リレーはオリンピックの開会式に向けた最後の機運醸成の機会であるとともに、被災地の福島県、Jヴィレッジを皮切りに全都道府県を回ることから、大会に向け、全国が一体となれる貴重なイベントであります。
聖火ランナーの募集は八月末に締め切られたわけでありますが、東京都分を見ると、百六十五人の応募の枠に対して、実に百倍を超える約一万七千人の応募があったとのことで、期待の大きさが感じられるわけであります。ランナーになれなかった方についても、サポートランナーとしての参加やセレブレーション会場や沿道での観戦など、さまざまな形で参画をしていただき、大会に向けた祝祭感を共有してもらいたいと思います。
三月二十六日のJヴィレッジでのグランドスタートまであと四カ月となりましたが、オリンピック聖火リレーのスタートに向け、今後の予定や取り組みなどについて、まず伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 オリンピックの聖火リレーのランナーにつきましては、理事、今お話にございますとおり、本年八月末で公募を締め切りまして、現在、各区市町村の意見も踏まえながら、実行委員会で公募分、推薦分の合計三百三十人を選考しているところでございます。
今後これらを取りまとめまして組織委員会に提出することになっており、決定後、十二月には当選されたランナーの方々に対しまして個別に通知する予定でございます。
また、聖火リレーのルートについてでございますが、本年六月に通過自治体が公表されたところでございまして、現在、各区市町村や警察、消防など、関係機関と詳細なルートを詰めておりまして、年末までに都内含め全国の詳細なルートが組織委員会から公表される予定でございます。
これらルートの詳細やランナーの決定を踏まえまして、引き続き区市町村を初めとする関係機関との間でリレーにおける走行場所や沿道における対応、毎日のセレモニーに関する運営面での調整など、より一層進めてまいります。
○山崎委員 続いて、もう一つの聖火リレー、パラリンピックの聖火リレーについても何点か伺いたいと思います。
聖火リレーという名称はもちろん一緒でありますが、パラリンピックの聖火リレーはオリンピックとは異なり、さまざまな配慮や特徴があると聞いておりますけれど、パラリンピック聖火リレーの特徴について伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 パラリンピック聖火リレーは、オリンピックの熱気と興奮を持続させ、来るパラリンピックへの関心や祝祭感を最大限に高められるよう、オリンピックの選手村閉村後からパラリンピック開会までの移行期間に行われるものでございます。
その火はオリンピック聖火リレーのようにギリシャで採火されるものではなく、パラリンピック発祥の地であるイギリスのストーク・マンデビルで採火されるほか、開催国内で採火されることとされております。
聖火リレーの実施に当たりましては、オリンピック聖火リレーに比べて期間が短いため、トーチで火をつなぐリレーは、開催都市東京都と競技開催県である千葉県、埼玉県、静岡県の四都県のみで実施をいたします。そのため、四都県を除く四十三道府県においてもパラリンピック聖火リレーに参画できるよう、採火や、その火を一つの炎に統合する全国集火式を行いますほか、パラリンピックに親和性の高い場所へ聖火が訪問する聖火ビジットなど、オリンピック聖火リレーにはない取り組みを実施いたします。
また、ランナーにつきましても、二〇二〇年を契機に共生社会を実現すべく、新しいパートナーシップを考えるきっかけになることを目指し、原則として初めて出会う三人が一つのチームになってリレーを行うこととしており、東京二〇二〇パラリンピック聖火リレーの特徴の一つでございます。
○山崎委員 パラリンピックの聖火リレーはオリンピックの聖火リレーと異なり、都内の走行日数は五日、オリンピックの三分の一であります。
結果としてさまざまな制約もあると思いますが、パラリンピックの聖火リレーへの参画を希望する区市町村に対して、できるだけかかわれる機会を設けるべきだと考えますが、対応について伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 パラリンピック聖火リレーは、オリンピック聖火リレーに比べまして実施日数が少なく、都内は五日間となってございます。
また、一日にリレーを行う時間も五時間であることから、一日にリレーで通過できる自治体は五団体程度に限られると考えられ、都内全ての区市町村をリレーすることは現実的には困難であると想定されております。そのため、パラリンピック聖火リレーの実施期間中、リレーで通過する場所以外におきましても、できるだけ聖火ビジットを実施するなど、都民がパラリンピックへの盛り上がりを感じられるよう検討してまいります。
今後とも区市町村と十分連携しながら、パラリンピックの聖火リレーを通して、都内全体での機運醸成を図り、パラリンピックの成功につながるよう取り組んでまいります。
○山崎委員 続きまして、暑さ対策について何点かお伺いします。
この夏のテストイベントにおける暑さ対策、私も、例えば潮風公園のビーチバレーのテストイベントも観戦をいたしました。その他の会場も、会場の中には入れないけれど、近くまで行って、どのような体感があるのかなとか、そういったことも感じたわけでございます。
都として、まずこの夏の暑さ対策の検証結果、どう総括しているのかお伺いします。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 今夏のテストイベントの機会を活用しまして、実際の大会運営に近い暑さの中でさまざまな暑さ対策について、五競技で試行、検証を行ったところでございます。
ハード対策といたしましては、日差しを遮るテントや水道水を提供するウオーターサーバーの配置等、ソフト対策といたしましては、体を冷やす、風を当てるグッズ等の配布を行いまして、暑さ指数の測定や観客の携行品のアンケート等も実施したところでございます。
また、医療救護対策として、医師、看護師を配置した救護所の設置、運営等を試行しまして、また、シティキャスト応募者の参加による暑さの中での活動時間についても検証したところでございます。
検証結果といたしましては、ハード対策におきましては、テントによる日よけと送風機を組み合わせた場合は暑さ指数の低減効果が高く、利用者から好評であり、ウオーターサーバーは利用者も多く、マイボトルへの補水等にも活用されたところでございます。
ソフト対策といたしましては、体を冷やすグッズはおおむね好評でありまして、ネッククーラーの評価が高かったとしております。
今後は、来夏の大会に向けまして、実効性の認められた対策につきまして局横断的に組織委員会とも連携した取り組みを進めてまいります。
○山崎委員 今の答弁では、かぶる傘のことは触れていませんでしたね。なぜでしょうかね。
暑さ対策は競技だけではないと思います。聖火リレーについても同じ課題があると思います。特に東京都は最終到着地であり、七月の十日からスタートすることから、大会と同様、この聖火リレーの暑さ対策にも対策が必要であると思います。
聖火リレーについても暑さ対策、しっかり講じていくべきと考えますが、見解を伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 来年の七月十日から始まります都内のオリンピック聖火リレーは、ランナーが約二百メートルという短い距離を走行することや、リレー走行区間以外は車で移動することなど、真夏に開催される屋外競技と比べて状況は異なりますが、沿道の観衆やスタッフ等に対する暑さ対策については配慮する必要がございます。
現在、聖火リレーの実施に向けまして、ルートの詳細について区市町村や警察等の関係者と調整しておりますほか、リレー運営等に関する役割分担につきましても調整を行っているところでございます。
とりわけセレモニー会場には一定の時間、多くの方々が滞在することから、暑熱対策用のテントや扇風機の設置、飲料の配布などの対策も検討する必要がございます。
今後、聖火リレーを実施する組織委員会や地元の区市町村とも十分連携協力いたしまして、各地域ごとに有効な方策を検討し、適切に対応してまいります。
○山崎委員 聖火リレーは大会本番に入る前の最後の機運醸成の場となるのはもう皆さんもよくご理解していると思います。その聖火リレーに、例えば沿道に何時間前から皆さん並ぶんでしょうかね。そういったことを考えると、本当に暑さ対策というものはしっかり講じていくべきだと思いますので、ぜひその点はよろしくお願いをしたいと思います。
また、この第三回定例会でも我々は指摘をさせていただきましたが、大会の暑さに対しては、都と組織委員会、国で連携して取り組むのが大前提ではありますが、観客一人一人の協力、すなわち自助の精神についても呼びかける必要があると思います。
ラグビーワールドカップでは会場内で食べ物が不足したことなどから、途中から食べ物の持ち込みは可能となりましたが、飲料の持ち込みは禁止のままでありました。東京大会はラグビーワールドカップよりも暑い時期に行われます。安全対策の重要性は理解しますが、自助の暑さ対策を進める上でも、飲み物の持ち込みについて検討をすべきでないか、そのように思います。
以前、本委員会でも大会時の飲み物の持ち込みの可否に関する質問をさせていただきましたが、現在の検討状況、どのようになっているのかお伺いいたします。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 水分補給は熱中症予防に有効でございまして、暑さ対策の中でも重要な取り組みと認識しております。
組織委員会では、飲料の持ち込みに関して、お話の暑さ対策や、あるいはセキュリティーの観点も含めまして、IOCやスポンサーと調整中とのことでございます。
○山崎委員 恐らくスポンサーとの兼ね合いが一番のハードルだと思います。しかし、やはりこれだけ東京の夏は暑いということで、そういったところは東京都としてもしっかり組織委員会と国とも調整をしていただいて、スポンサーともしっかりと話し合いをされながら協議を進めていただいて、まずは観客や皆さんの命にかかわる問題ですから、ぜひその点はまたよろしくお願いをしたいと思います。
今回、IOCの決定により、マラソン、競歩は結果として札幌に移ってしまったことは大変残念なことであります。これはこれまで行ってきた暑さ対策だけではIOCとしても不十分という判断もされた、これが一つの理由だったかもしれませんが、マラソン、競歩と同じように屋外で行われる競技はまだまだほかにもあるわけです。
例えば、自転車のロードやボートやカヌー、ゴルフなど、暑さ対策が必要な会場は少なくありません。競技会場はそれぞれの環境が異なり、画一的な対策が難しいこともありますが、それぞれの会場に応じ、柔軟性を持って臨機応変に対応していく必要があると考えます。
残された時間は少ないわけでありますが、暑さ対策に一層しっかりと取り組みを進めていかなくてはならないと思います。屋外競技における選手、観客の暑さ対策を改めて検証し直した上で、至急、補正予算を組んで対策に着手するとともに、来年度の予算要求においても局横断的に対策を講じるべきと考えますが、見解を伺います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 屋外競技会場や路上競技におきましては、競技を行う選手はもちろん、観客の方々もラストマイルや沿道、会場内で日差しや暑さの中で長時間過ごすことで熱中症のリスクが高まることになります。
熱中症予防の観点からは、日差しを防ぎ、水分を補給できる休憩所が有効でございまして、会場までの距離が長いルートや、路上競技の沿道観客に向けた送風機を組み合わせたテントの配置等につきまして、関係局が連携して調整を進めているところでございます。
また、ネッククーラーなど体を冷やすグッズなども配布しまして、熱中症予防にかかわる注意情報を多言語でそうしたグッズに記載することなどにつきましても、来夏の配布数、配布場所につきまして、関係機関との調整を連携して取り組んでおります。
引き続き競技会場周辺のラストマイルや路上競技、沿道等での暑さ対策の取り組みを局横断的に組織委員会とも連携して取り組んでまいります。
○山崎委員 もうオリンピックは来年ですから、もちろん来年度予算要求、その前にしっかりと補正予算を組んで、対策に着手をしていただきたいことを改めて要望しておきたいと思います。
続きまして、交通マネジメントについてもお伺いをいたします。
大会輸送について伺います。
これまで我が党は、円滑な大会輸送の実現と都市活動の維持との両立を図ることが重要だと訴え続けてまいりました。例えば先日の即位の礼の際、式典が行われた十月の二十二日は祝日になり、首都高速道路が全面的に通行どめになった際でも、高速道路も一般道路もほとんど渋滞はありませんでした。
しかし、翌日の二十三日の水曜日は平日のまま、首都高速も一般道路も交通規制がかけられたわけであります。この結果、首都高速での渋滞はもちろんのこと、一般道路では皇居周辺のみならず、新宿や渋谷、お茶の水、上野、新橋など、広範囲で激しい渋滞が発生をいたしました。
本来はこうした機会にも企業などへの働きかけを行い、大会に向けた予行演習として対応を呼びかけるべきだったのではないでしょうか。都がこれまで多くの企業、業界などに出向き、説明していることは理解をしておりますが、評価もしておりますが、こうした例を見ると、まだまだTDMの実効性を確認できるレベルにはなっていないのではないかと危惧をしているところであります。
特に物流などを手がける中小企業からは、どういう対策をしたらよいのか、まだ情報もないという声がまだまだ根強くあります。こうした声にも丁寧に対応すべきと考えますが、中小企業の物流対策についてどのように進めていくのか伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 この夏の企業の取り組み状況を聞いたアンケート結果では、人の流れについて二千三百八十七社、物の流れについて千四百八十四社から回答を得ており、全体の約六割がTDM等に取り組む意向を示す一方、残りの約四割の企業が取り組む予定がないと回答しており、こうした企業の八割以上が百人以下の中小企業でした。
大会に向けたTDMの取り組みのうち、特に物流対策はサプライチェーン全体で取り組むべき課題であり、大企業も中小企業も一体となって物流の効率化を進めることができる環境づくりを行う必要があると認識しております。これまで中小企業を対象に、東京商工会議所を初めとした経済団体、業界団体等を通じた会員向け説明会での情報提供などを行ってきております。
引き続き国土交通省など関係省庁とも連携し、全国の荷主企業を対象に、物流効率化に向けた協力要請を文書で行うほか、首都圏の中小企業を中心に広く周知や個別相談など、積極的に進めてまいります。
○山崎委員 今の答弁の中で二千三百八十七社、これは人の流れ、そして千四百八十四社が物の流れについてアンケートの回答を得ていると。東京都内にはどのくらいの企業の数があるんでしょうか。これだけのアンケート、確かに来たのは皆さん方のご努力かもしれませんけれど、しかし、この数だけでは全く足りないんですよね。そういったことも踏まえて、ぜひその点もよろしくお願いをしたいと思います。
TDMの取り組みは企業を巻き込むための時間を要します。企業の準備を踏まえれば、待ったなしの状態であります。また、これを実行するには予算が必要になります。先ほどの暑さ対策でもそうです。来年度の予算では間に合わない、待ったなしの状態であるので、補正をしっかりと組んでも取り組むべきだと考えます。
国など、これは国土交通省だと思います、連携をし、広く周知を図っていくとのことでありますが、現場からはどのような交通規制がかかるのか、いつ公表されるのかという声もまだまだあります。前回、会場周辺の交通対策として交通規制の概要が示された際にも、私は十月末までには詳細を公表するよう強く求めてまいりました。
ようやく公表したこの交通規制について、どのようにして住民や企業の理解を得ようとしているのか伺います。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 会場周辺交通対策につきましては、組織委員会や関係区市とも連携を図り、六月公表の素案に基づき、競技会場等の周辺の町会や自治会、さまざまな企業などに対し説明会などで丁寧な説明を行い、意見を伺ってまいりました。
今回、関係機関などと調整を図り、交通規制の対象道路の明確化、期間や詳細な内容の提示、迂回エリアの変更などについて更新し、十月に公表したところであり、前回同様、地元の住民や企業に説明を始めております。
今後は、区市の広報やチラシの配布、ホームページでの掲載など、さまざまなツールを活用するとともに、引き続き関係者への丁寧な説明を行うなど、周知徹底を図ってまいります。
○山崎委員 答弁の中で区市の広報、チラシ配布、またホームページ、さまざまなツールを活用していくというお話がございましたが、やはりこの交通問題というものは、どれだけの人に周知をするか、どれだけ徹底させるかで、まさにオリンピックの成功、パラリンピックの成功に結びついていくと思います。
ですから、改めて提案をさせていただきますが、テレビのCMやラジオ、こういったものも活用しながら広く周知をしていくことが大変重要であります。こういったことの発表もそうなんですけれど、対象、目的、時期をしっかりと検討し、効果的に行うように要望しておきたいと思います。
環状二号線は、大会輸送においても重要な路線である一方、周辺住民や豊洲市場の関係者の利便性にも配慮した交通規制の運用の検討が必要であります。
豊洲市場では通常、水曜日の休市日を特例的に来年夏は交通量が多い金曜日とすることを東京都の中央卸売市場取引業務運営協議会の中で決定をし、交通の分散に協力をしてくれております。市場関係者の車両は環状二号線を通行できるのか、具体的な運用形態について伺います。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 晴海選手村周辺の環状二号線につきましては、大会輸送における定時性及び安全性を確保する上で重要な道路でございます。
今回の公表に当たりましては、事前に関係区、地元、豊洲市場関係者などに細かな説明を行い、意見を伺いながら具体的な運行形態を検討してまいりました。
まず、一般車両につきましては、豊洲から勝どきまで通行禁止としておりますが、勝どきから築地までは北行きのみ通行可としております。ただし、市場関係車両につきましては、大会時においても生鮮食品などを円滑に供給する必要があることから、利用の多い朝の六時台から十一時台は豊洲から晴海までの北行きについて通行できることとしております。
○山崎委員 この答弁の中で、六時台から十一時台、豊洲から晴海までの北行きについて通行できるという形の答弁がございました。あくまでも豊洲市場から月島の警察署の区間の話であります。そういったところで晴海通りにどういうふうに出ていくかということも、しっかりと豊洲市場の関係者や住民の皆さんにも徹底をしていただいて、その部分の話であります。
築地市場の跡地の環状二号線の方は地上部道路を活用するということで、まだこれ、どういう形になっていくかわかりませんけれど、トンネルはまだできない、このことはぜひ皆様にも改めてお話をしておきたいと思います。
次に、大会期間中の工事調整についても何点かお伺いをいたします。
大会期間中の工事調整の実施に当たっては、交通規制情報などの早朝の提供や受注者の負担軽減など、これまでも都に対して強く要請をしてきたところであります。
また、我が会派は業界団体向けの説明会を八月に開催し、四十四団体、五十人以上の参加をいただき、さまざまな要望や不安の声を直接いただいてまいりました。今回の工事調整に関する取り組み方針にそれらの意見がどのように反映されたのか、また今後どのように進めていくのか伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 今回の取り組み方針では、業界団体からの意見などを踏まえ、都庁発注工事の調整に関する基本的な考え方として、工事発注の平準化に努めることや、工事調整に関する経費、工期を適切に見積もることなどを明記するとともに、発生土の受け入れ調整などを追加いたしました。
また、会場ごとの交通規制等を行う範囲に合わせ、路上工事を控えていただきたい路線やエリア、時間などをわかりやすく示しました。
引き続き、大会時の交通混雑緩和のため、業界団体等に丁寧に説明を行い、理解と協力をいただきながら、工事調整の取り組みを進めてまいります。
○山崎委員 工事調整の取り組みを進めるためには、都の発注工事のみならず、国や区市、資材の搬出入を考慮すれば、周辺県市なども調整対象にする必要があると考えますが、どう働きかけていくのか伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 工事車両は資機材の搬入等で都内外を問わず広域で移動しており、こうした車両による交通の影響を最小限に抑えるためには、広く工事調整への協力が必要でございます。
そのため、都の取り組み方針をもとに、区市はもとより、公共工事の発注者である国、近隣県市にも説明をしてきており、引き続き協力していただけるよう働きかけてまいります。
○山崎委員 都内で行われる工事の大部分を占めるのは民間の発注工事であり、大会期間中の交通混雑緩和に向けては民間工事の協力は極めて重要であります。業界団体からもどのように調整を行うのかわからないとの声が上がっております。
都として、いつまで、どのように働きかけていくのか伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 建設工事施工統計調査報告によりますと、都内で行われる工事の約八割が民間工事でございます。大会時の交通混雑緩和に向けては、民間工事の発注者、受注者それぞれに工事調整の取り組みに協力いただくことが重要でございます。
これまでも建設業、不動産、建設資材などのさまざまな団体や道路占用工事の民間事業者などに工事調整の協力を依頼してまいりました。新たな取り組み方針につきましても、改めてそれら団体等に説明と協力依頼を始めたところでございます。
工事調整の協力につきましては、大会直前まで働きかけを行っていく所存ですが、工事の発注や準備期間等を考慮し、今年度末までに集中的に協力の依頼を行ってまいります。
引き続き丁寧な説明とわかりやすい情報提供を行い、工事関係者の理解と協力をいただきながら大会輸送と経済活動の両立に努めてまいります。
○山崎委員 これまで質問してきたように、大会に向けた交通マネジメントはさまざまな課題を掌握しております。その枠組みなど、構築されてきたようにも感じております。
大会までの残された期間を考えると、本来輸送については既に実践のステージに入っていてもおかしくないところだと思います。これまで私は、輸送運営計画バージョンツーは年内に取りまとめるよう、事あるごとに申し入れてまいりましたが、現在の進捗状況について伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会に向けた交通マネジメントは、企業や市民の皆様からご協力をいただき、大会時の交通需要の発生を極力少なくする交通需要マネジメントを基本に対応していくこととしております。
加えて、首都高速道路での夜間割引と日中時間帯の料金上乗せ、交通状況に応じた首都高速道路の入り口閉鎖などを組み合わせ、事故発生時なども含めたさまざまな交通状況に対応してまいります。
このほか、競技会場周辺道路の交通規制や、大会関係車両が通行するルートで一部の区間を専用、優先レーンとして設置するなど取りまとめてまいりました。こうした交通マネジメントも輸送運営計画バージョンツーに盛り込み、関係機関と調整を進め、年内には公表することとしております。
その後はTDMの取り組みをさらに進めるとともに、車両の調達やデポ整備、輸送センターの稼働などの準備を進め、円滑な大会輸送の実現と都市活動の維持との両立を図ってまいります。
○山崎委員 大会まで残された期間は、わずか八カ月であります。輸送の実務を進めるというが、企業側に取り組みも始まったばかりであり、相当の覚悟を持って都も取り組んでいただきたいと思います。
そして何より、輸送の取り組みの結果、培ったものを大会後にどう生かしていくのか、レガシーの観点も重要であると考えますが、現時点での所見を伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 これまで都は、円滑な大会輸送の実現と都市活動の維持との両立を図ることを目的に、大会関係車両や観客のマネジメントのほか、企業や市民の人の流れと物流にかかわる物の流れの対策を進めてきております。
さまざまな取り組みの例として、大会時の混雑の中でも業務を継続させるための手段として、テレワークや時差通勤、配送時間の変更、発注から配送までのリードタイムの緩和などを呼びかけてきております。
こうした働き方の見直しや物流の効率化などは、生産性を向上させる効果があるとともに、台風などで鉄道が運休する場合でも経済活動を継続するための新たな取り組みとして企業も注目し始めてきているところでございます。
今後は関係機関とも連携し、個別訪問やコンサルティングなど丁寧な対応に努め、企業や市民の取り組みを広げていき、大会後の定着を目指してまいります。
○山崎委員 きょうもさまざまな質疑をやらせていただきました。この夏のテストイベントの検証結果、また聖火リレー、ボランティア、暑さ対策、輸送、こういった状況を確認ができたわけであります。
その中で感じたことでありますけれど、大会まであと二百五十六日、八カ月強しか残されていない中では、一瞬の対応のおくれが大会の成功に影響を及ぼす可能性があります。この夏、都はテストイベントを通じてさまざまな検証を行ってまいりました。その結果を踏まえ、暑さ対策を初めとした各事項について、対応が必要な課題も見えてきたと思われます。
それらについて、来年度の予算要求で対応するのはもとより、喫緊の課題については至急補正予算を組んで対策に着手をし、局横断的に対策を講じるべきと考えますが、最後に局長の見解、また決意、お伺いいたします。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 この夏のテストイベントは、大会本番と同様の気候条件におきまして、関係各局や関係機関の協力を得まして、暑さ対策を初めとしましたラストマイル運営、あるいは観客輸送など、実践的な試行、検証を積み重ねてまいりました。
検証を進める中で、暑さ対策につきましては、観客のための休憩所に日陰をつくるテントと送風機などを組み合わせること、これらによって効果が高まること、あるいは、ネッククーラーなど体を冷やすグッズの有効性などが確認できたところでございます。また、救護所の設置における課題などについても明らかになってまいりました。
さらに、シティキャストの適切な活動時間や休憩時間、アクセシビリティーに関するきめ細かな対応の必要性など、本番の大会に向けて多くの検証結果が得られたところでございます。
これらの結果も踏まえまして、引き続き来年の大会に向けて関係局と連携し、着実に取り組んでまいります。
○山崎委員 補正予算等、こういったことは必要だと思いますよ。今の段階では局長からそういうようなお話はもちろんできないのは私も承知であります。しかし、来年に迫ったこのいろいろな暑さ対策、また交通マネジメントもそうです。常にいろんな部分でお金もかかるんですよ。お金もかかる。
大会経費、大会関連経費、いろんな部分があると思いますけれど、やはり大会を成功させるためには、いろいろな検証もしてきているわけですから、裏づけもあるわけですから、しっかりと補正予算等を組んで、来年の大会、みんなで成功に導いていきたいと思いますので、その点をよろしく最後にお願いをし、私の質疑を終わります。
○長橋委員 それでは、私からも質疑をさせていただきます。
きょうは当委員会で冒頭、ラグビーワールドカップの開催報告がございました。大変盛り上がったラグビーワールドカップでございまして、チームのスローガンがワンチームということで、まさに日本全体が成功とともに日本チームをたたえて、まさに日本全体がワンチームになったんではなかろうかというふうに私なんかは思っているわけでございまして、来年のオリンピック、今、二百五十六日余りということでございましたけれども、ぜひこの委員会を通して、我々も前向きに、しっかりと成功に向けて質疑を重ねていく。そして、ぜひ局からも前向きな答弁をお願いしたいと思います。
私からもテストイベントに関連して何点か伺いたいと思います。
テストの大きなテーマが暑さ対策であったと思いますし、それについては今さまざま答弁があったわけでありますが、特にラストマイルでの暑さ対策は大変重要であったと思うわけでありますけれども、ラストマイルにおける暑さ対策、その課題は何だったのか、またどういう知見が得られたのか、まず伺いたいと思います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 ラストマイルでの直射日光を初めとする暑さから観客を守ることは熱中症予防の観点からも重要でございまして、今夏のテストイベントの機会を活用し、重点的な試行、検証を行ったところでございます。
この検証の結果、ハード面では送風機等の設置されたテントは、日差しを遮る効果や暑さ指数の低減効果がございました。また、マイボトルに水道水を補給できるウオーターサーバーの設置等は好評でございまして、また、ソフト面ではネッククーラーや紙製のうちわなどが有効でございました。
現在、来夏に向け、休憩所の設置や効果的なグッズの配布など、ラストマイル上の暑さ対策の具体化に取り組んでおります。
○長橋委員 テストイベントの最中は大変な猛暑が続いた日が多かったんだろうと思います。私もホッケー会場に行かせていただきましたけれども、特にこの日は暑くて、三十五度を超えていたんですよ。
そういう意味では、大井競馬場前駅からホッケー会場まで、お伺いすると、普通は十五分で行くんでしょうけど、もっと時間がかかった方もたくさんいて、中には案内表示がよくわからなかったのか、競馬場へ行った人もいるみたいなんですけれども、それはともかくとして、日陰が少なかったとか、それからまた、例えば障害者とか高齢者の方だったら、この猛暑の中で大変な思いをしたんだろうなとつくづく感じたわけでございまして、ぜひさらなる暑さ対策、取り組んでいただきたいと思います。
次に、以前、当委員会の質疑の中で、疲れた方、またはぐあいが悪くなった方、ラストマイルでもあるかと思います、休むことができる休憩所の設置は大変重要だ、このように主張をいたしまして、休憩できる箇所の調査、また具体的な場所を検討すべきだと、このように申し上げまして、検討しますと、こういう答弁がありましたけれども、それは昨年でございました。現在の検討状況について伺いたいと思います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 ラストマイルにおける休憩所につきましては、観客利用想定駅から会場までの距離が長いルートへの設置について検討してきたところでございます。現在、都や区市が管理する敷地などへの設置に向け、調整を進めております。
また、沿道施設の協力を得て、既存施設内の冷房がきいたエリアを提供するクールシェア等につきましても検討しております。
○長橋委員 資料をいただいて、二〇二〇大会のアクセシビリティ・ガイドライン、こういうのがあるわけでございます。そのアクセシビリティ・ガイドラインには、休憩エリアについても記載がございます。その中で、休憩ベンチの設置間隔まで推奨として決められている、このように記載がありまして、例えばアクセシブルルートとなる道路には五十メーター程度の間隔で設置を推奨していると。
もちろん円滑な通行に支障を及ぼさない範囲でということだから、別に五十メートルずつにつくれとはいっていませんけど、そうしたぐあいが悪くなったりするような方、高齢者の方、疲れた方、そうした方々のためにベンチの設置を推奨しているわけでありますが、五十メーター単位というと、どれぐらいの数になるのかなとつい思うわけでありますが、現在の検討状況について伺いたいと思います。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 障害のある方など、移動に配慮が必要な観客の会場への動線となりますアクセシブルルートにおける休憩用のベンチの設置につきましては、現在既存のベンチの設置状況や、その既存ベンチがアクセシビリティ・ガイドラインに適合したベンチとなっているかを調査しているところでございます。
既存のベンチでは不足が見込まれる箇所につきまして、観客流動への影響を考慮しながら、仮設ベンチの設置に向け検討を進めてまいります。
○長橋委員 もちろん既存のベンチも活用しながら、仮設のベンチも設置することを検討していると。
このベンチというのが非常に重要でありまして、私の地元では、地下鉄の駅が私の区にもあるんですけれども、最近は地下鉄がもう二層になっていまして、いわゆる二階おりないと、一階おりて地下鉄に乗って、さらに違う地下鉄に乗ると、もう一階おりないといけない。ワンルートの確保もしてあるところもあるんですけど、全ての地域に、全てといいますか、あちこちにワンルートがあるわけじゃありませんから、ぜひベンチを地元の人は設置してもらいたいと。
ところが、地下鉄の駅ですから、駅は地下にあるわけであります。ですから、地上部は道路なんで、道路にベンチは設置できないと、このようにほかの局がいうものですから、そうはいっても、高齢社会にあって、そうした地下鉄の出入り口にも地上部にもベンチをつけたらどうかと、こんな話をしましたら、いろいろ知恵を出して、駅舎は地下だけれども、上にはかなり広い歩道もありますので、駅前広場ということでベンチをつけていただいたことがありました。地元の方には大変喜んでいただいた。
そうした意味でいうと、ベンチというのは非常に重要なことでありますけれども、ぜひこうしたベンチを、五十メーター間隔ということがあると、ある面では疲れた方にとってはありがたいと思うわけでありますが、今、ベンチのことが話題になりましたけれども、ベンチはどのように調達をするのか伺いたいと思います。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 アクセシブルルートにおける仮設のベンチは、道路管理者等の許可を得て大会期間中に設置するものでございまして、大会終了後は撤去する必要がございます。
そのため、資源の効率的な活用や、購入する場合と比較した価格面での優位性を考慮し、ラストマイルにおける他の仮設設備とあわせて、設置から撤去までを委託することを基本に検討してございます。
○長橋委員 仮設のベンチですから、もちろん業者に委託をして、終わったら引き払う、こういうことが基本だというのはよくわかりますけれども、ある面では、ベンチがその後残ったことによって、東京大会で、二〇二〇大会で使われたベンチだということが残って、それがレガシーになる場合もあるんじゃないかと、こう思うわけであります。
先ほど道路を、高齢社会の中にあって、駅前広場ということでベンチがついた。もちろん通行の方には妨げにならないような場所にベンチをつけていただきましたし、そのベンチは決して長時間休憩するようなベンチではなくて、そこで寝ることができないようなベンチでありますけれども、つけていただいた。
また、私の地元で、都営住宅で最近建てかえが進んでいます。そうすると、建てかえが進んでいくと、エレベーターがもちろんつくわけでありますが、エレベーターを待っている時間も随分時間がかかると。都営住宅のエレベーターはかなり遅いんでしょうかね。高層階になると、エレベーターが来るまでに、大きな荷物を持って待っていると大変だということがあって、そこも都営住宅のエレベーターの出入り口にベンチをつけてもらったら、地元の都営住宅ですから、高齢者の方も大いに喜んでいただきました。
そうした意味では、基本的には業者に委託をしてベンチをつけるけれども、例えば将来こういうベンチを残したことによって、場所をどこにするかはまた考えてもらいたいと思うんですけれども、それがある面ではレガシーになるんじゃなかろうかなと私なんかは思うわけであります。
先日、この局にも聞きましたけれども、体操競技場のベンチは、東京大会で観客席を撤去した後はベンチとして競技場外部に設置したり、学校での再利用を検討していると。これ、ちょっと記事が正しいかどうかはわかりませんけれども、そんな記事が出たり、それから、そういう意味でいうと、備品で購入はできない、リースだ、レンタルだというんではなくて、東京都全体で、もちろん目的は決まっていますけれども、被災地支援ということでいうと、今月、都バスが役割を終えたら福島交通に十一台寄贈しているわけです。東京都の財産だけれども、被災地支援ということで寄贈している。
こういう話も聞きましたし、先ほど話した都営住宅も、被災地支援のために被災者の方に入っていただく、提供する。その後、さまざま工夫をして、一緒に、部屋とともに出るときに、そうした備品なんかも提供している。こんなこともあるようでありますので、こうしたことを考えると、来年の大会で使った、ベンチは一つの例でありますけれども、ぜひそうしたレガシーという観点から取り組んでいただきたいと思うわけであります。
私の地元に、地元の話で恐縮でありますけれども、目白駅に前回の昭和三十九年のオリンピックのポールが立っているんですよ。地元に目白駅美化同好会という会があって、私も参加をさせていただいたんですけれども、その会が尽力して、オリンピックのポールが立っているんですよ。恐らく五十五年前のときには、そのポールに日本の旗なのか、世界の旗がたなびいていた。そのポールが今、豊島区にあるんです。
豊島区は競技会場がございませんから、そのポールは地元では非常に大きな大きなレガシーになって、それを軸に来年のオリンピックも盛り上げていこうという機運ができてきているわけでありますが、前回の五十五年前、私はもう小学生でありましたけれども、皆さんの中にはまだ生まれていない方もいらっしゃるでしょうけれども、目白駅にあるオリンピックのポール、ご存じですか。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 お話のポールにつきましては存じております。
○長橋委員 知っているという答弁でございましたけれども、先ほど私が教えたからでありますけれども。(笑声)ぜひ来年の東京大会、ワンチームで成功させていこう、こういうことでございました。そうした中で、今いった一つの例でありますけれども、来年のオリンピックの大会、後世に東京大会がすばらしかった、それを具体的に残していく取り組みも大事だろうと思うわけであります。
そういう意味でいうと、このオリンピック・パラリンピック大会で使用したもの、設置したもの、これもできるなら残して、全てじゃなくていいんです、残して、これを後世の子供たちに伝えていくことによって、まだ終わっていませんけれども、東京大会が成功したというレガシーに残すことが私は大変重要であると思うわけであります。
そうしたことを含めてレガシーをしっかり残していく、この取り組みは後世の子供たち、将来の子供たちに向けて大変重要なことであろうかと思いますけれども、最後に局長の思いを聞きたいと思います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 東京二〇二〇大会は、IOCが持続可能な大会の実現を目指して発表しましたオリンピックアジェンダ二〇二〇の考え方が初めて適用される大会でもございます。
ご案内のとおり、アジェンダ二〇二〇では、大会の運営経費の削減や、物品やサービス調達など、日々の業務活動に持続可能性を取り入れることなどについて組織的に見直すよう提言がされてございます。これまで東京都としましても、大会準備のあらゆる面におきまして、持続可能性に配慮した取り組みを進めるため、例えば知事みずからが先頭に立って実施しました都市鉱山からつくるみんなのメダルプロジェクトを推進してきたわけでございます。
さらに、物品を調達する際、こういった場合には、基本的には経済合理性を基本としつつ、資源の効率的な活用を進めるために、レンタル、リースを優先して、レンタル等に適さず、購入により調達する場合は、あらかじめ後利用などについて検討することとしてございます。
東京二〇二〇大会は、持続可能な資源利用に向けた取り組みを世界に広く発信する絶好の機会でもございます。大会の運営におけます3Rの推進を初め、大会を通じ、国連の持続可能な開発目標でございますSDGsの実現にも貢献すべき取り組みを進めていくことが重要であると認識してございます。
○長橋委員 以上で質疑は終わりたいと思いますが、小池知事も、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーと、この実現ということをいっているわけでありまして、その中で来年のオリンピックを迎えるに当たって、言葉だけではなくて、今、局長もいったとおり、経済合理性ももちろん重要だけれども、残すことによって、その思いが伝わるということもあろうかと思いますので、ぜひそうしたこともしっかりと検討していただいて、来年のオリンピック、ともに成功に向けて取り組んでいきたいと思っております。
以上でございます。
○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十五分間休憩をいたします。
午後三時五十三分休憩
午後四時二十分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○あぜ上委員 それでは、私から、まずテストイベント検証についてです。
これまで私たち日本共産党都議団は、繰り返し酷暑の中での大会、この開催の時期を延期するように求めてまいりましたが、時間の一部変更、そして会場変更の対応となったわけです。そういう意味では、かなりの酷暑の中での大会というふうに思われますが、何よりもアスリート、観客、スタッフ、そしてボランティアの皆さんの命と健康を最優先にする、そのことを改めて求める立場で何点か伺っておきたいと思います。
まず、観客の暑さ対策についてです。
暑さ対策の検証では、距離の長いラストマイルには休憩所を設置する予定だと。そして先ほどのご答弁では、送風機等を併設したテントの休憩所は一定の効果があったんだと。そして具体的には、どのようなテントにするかはこれから検討中だということがわかりました。
先ほども水分の持参のお話も出ておりましたけれども、私も水分の持参は認めていくべきだというふうに思っております。そして、帽子の着用やマイボトルの持参を呼びかけていくということは大変大切なことではありますが、同時に休憩所の確保、そしてクールダウンできる場所の確保は暑さ対策として不可欠だというふうに思っております。
熱中症対策の専門家の方にも私もお話を伺ってきましたが、熱中症対策としては、風と日陰と水分補給が決定的なんだということであります。休憩所には送風機はもちろん、ウオーターサーバーを設置して水分補給を十分行えるようにする、先ほども検討中ということでありましたけれども、このことを私からも強く求めておきたいと思います。
検証の中では、ミスト等の追加設備を検討というふうに書いてあったんですが、ミストはむしろ湿度を上げることがあって効果は疑問があるということも、専門家の方々からの声を伺っています。
また、先ほどのご答弁でクールシェアということがありましたけれども、沿道でセキュリティー上、どこまで一階のロビーなどを貸してくれる建物があるのかとは思うんですけれども、やはりこれは協力を求めるなどして、クールダウンできる場所の確保、ここにぜひ力を尽くしていただきたいというふうに求めておきたいと思います。
そこで伺いたいんですが、休憩所は先ほど五十メートルに一カ所というお話もありましたが、各会場、どの程度の人数分を、どのような配置をするのか、その点について伺います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 現在、来夏に向けまして、駅から会場までのラストマイルの距離や路上競技の沿道の立地条件に応じまして、各競技会場における休憩所の適切な配置や具体的な設置場所を各局連携して検討しているところでございます。
○あぜ上委員 実態を踏まえて設置するということで、今、検討中ということですね。例えば、ビーチバレーボール、先ほど来もお話がありましたが、五日間のテストイベントがあったと。
この五日間の十二時の時点の暑さ指数を調べますと、外出はなるべく避ける危険レベル、または外出時は炎天下を避ける厳重警戒、こういうレベルとなっておりましたが、そうした中で、五日間で五千二百人の観客のうち四人が熱中症の疑いの患者さんが発生したという事態となりました。本番の大会では、ビーチバレーボールの開催予定は七月二十五日から八月八日までの十五日間となっております。
ことしの七月二十五日から八月八日までの十五日間の暑さ指数を調べてみますと、九日間は危険レベル、六日間は外出時炎天下を避けることが求められる厳重警戒レベルということでありました。一枠おおよそ三時間から四時間ということで書いてありましたけれども、一日のグロスキャパシティーが一万二千席ということでありますから、一日の観客だけでも一万人は超えるだろうという想定ができるわけです。会場周辺やラストマイルにはそれに見合う相当数の休憩所が必要となるわけです。
私がとりわけ心配だなと思ったのは、有明地域のバレーボールのラストマイルなんです。二〇一九年の六月の時点で示されましたラストマイルでは、バレーボールの場合は豊洲駅から徒歩で行くようになっておりました。そして帰りは豊洲駅、また東雲駅、国際展示場に向かうんだということになっているんですが、国際展示場は、テニスとか、体操とか、BMXとか、ほかの三競技と、時間もずれている部分もありますけれども、重なっているということで、バレーボールの場合は豊洲を中心になっているんですが、私も歩いてみると、行きも三十分かかっちゃう。帰りは三十分では帰れなかった。かなりの距離になっているわけです。こういう距離を炎天下の中で歩くというのはなかなか大変、非常に危険だなというふうに私は思ったわけです。そういう点では、休憩所を適切に配置していただきたいと。
そして、エアコンの入ったコンテナというお話も先ほどちょっと出ていましたが、これをできるだけ多く配置するなどして、さまざまな工夫と配慮をしてクールダウンできる、そういう場を確保していただきたいということを強く求めておきたいと思います。
では、シャトルバスを使う会場の場合はどうかと。海の森水上競技場と馬術のクロスカントリーの場合でいいますと、最寄り駅まではとても歩ける距離ではありませんから、移動は全てシャトルバスとなると。もちろん大量のシャトルバスを準備されていることと思いますが、バス待ちの場所、十分な休憩所や、また屋根がないと、非常にここも炎天下で危険だということです。
また、障害のある方や病弱な方、子供、誰でも座りたいと、少し休憩したいというときに休憩できる、そういうベンチと日陰が必要だと思っています。その辺の対策も講じていただくように求めておきたいと思います。
シャトルバスなんですが、一台において車椅子の乗車は何台可能なのか伺います。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 海の森水上競技場へのシャトルバスには、大型の路線バスタイプの車両使用を想定しており、車椅子の方の乗車可能数は二名でございます。
路線タイプの車両の乗車人数は五十人から七十人程度であることから、その数に占める車椅子の方の比率は三から四%程度である一方、競技会場における総座席数に占める車椅子の座席の比率は、アクセシビリティ・ガイドラインにおいて〇・七五から一・二%を目指すとされております。
このため、車両側の車椅子の方の比率が会場を上回っていることから、予定している路線バスタイプの車両の輸送は十分可能と考えております。
○あぜ上委員 今、アクセシビリティ・ガイドラインのお話がありましたが、これでいくと車椅子席はオリンピックで〇・七五、百席ですね。パラリンピックでは一%から一・二五%というと、約百二十席ということになります。
百台のバスでピストン輸送というふうに伺っていますけれども、車椅子の方々が送迎のバスに乗る場合、ただいまのご答弁で、バス一台には車椅子の方が二人ということでありますから、やはり待機時間が発生するというふうに考えられるわけです。
私はさまざまな配慮の仕方、工夫が必要だというふうに思いますけれども、やはり車椅子専用のバスの配車も検討する必要があるとも思いますけれども、その点はいかがなんでしょうか。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 海の森水上競技場へのシャトルバスにつきましては、先ほどお話しした乗合バス形式のバスで考えております。
○あぜ上委員 私は、できるだけ炎天下を早く避けるという意味では、今回ラグビーワールドカップにおきましても、送迎で専用車両を配置したというふうに報告書に書いてありました。ぜひそういう点では検討していただきたいと、このことを求めておきたいと思います。
屋外の競技場内の暑さ対策も大変重要だと思います。私自身も海の森水上競技場の開所式に出させていただきましたけれども、当日は風があったので、少しはよかったんですけれども、長時間この暑さにさらされたらどうなるのかなという心配をいたしました。
海の森水上競技場は、大会ではボートとカヌーで、七月二十四日から八月八日まで、中二日間は競技がありませんけれども、ほぼ連日、大勢の観戦客の方がいらっしゃるわけです。海の森水上競技場のグロスキャパシティーはボートが一万六千席、カヌーは一万二千八百席と。そのうち日陰のある、屋根のある席は幾つかといえば、千席なんですよね。
競技時間は、例えばカヌーの最終日の決定の日は本当に炎天下の、まあ、気候によって、曇っていたらいいんですけれども、晴れていたら、炎天下の中で約三時間半になるわけです。競技会場の観客席にテントを張るなどの対策が必要ではないかというふうに私は考えますが、テストイベントを踏まえた結果、特に観客席の屋根など追加整備する屋外競技場があるんでしょうか。
また、屋外競技場における今回のテストイベントでの検証内容と今後の取り組み、伺いたいと思います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 屋根の追加整備を予定する屋外競技場はございません。また、組織委員会では、会場内における暑さ対策といたしまして、今夏のテストイベントにおいて、大型冷風扇を設置したテントや、会場内を巡回するいわゆるファーストレスポンダーの配置などの試行、検証を行っております。
組織委員会では、こうした検証結果を踏まえまして、会場内の対策の具体化等を進めることとしており、これらの対策と連携して、総合的な暑さ対策に取り組んでまいります。
○あぜ上委員 確かに冷風機を設置するようなテントや、それからファーストレスポンダーの方を配置するということは大事なことだと思うんですよ。だけれども、やっぱり危険を少しでも避ける、予防する、こういう日陰をつくる対策が私は必要なんじゃないかというふうに思うわけです。
私は、海の森の会場については、計画当初から会場変更をずっと提案してきました。そして、海の森の決定以降は、仮設施設をせめてIOC基準に縮小すべきじゃないかと、仮設を減らすべきじゃないかと見直しを求めてきましたが、仮設施設の観客数も減らさない、そして客席の日陰、屋根もつけないということで、本当に観客の皆さんの安全が守れるんでしょうかね。
仮設観客席はこれから設置するわけです。公設はもう既に設置されているわけですけれども、仮設はこれからつくるわけですから、屋根、テントの日陰づくり、これを真剣に考えるべきだというふうに申し上げておきたいと思います。
残念ですが、現実に、限られたテストイベントでも熱中症の疑いのある患者さんが発生したという報告が先ほどもありました。救護所の答弁もありましたが、熱中症への対応を初め、各会場内外の傷病者の想定というのは一体どうなっているんでしょうか。各会場でどのくらいの人をケアできるんでしょうか。各会場のメディカルスタッフ、その数、配置状況、どうなのか伺いたいと思います。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 福祉保健局が策定いたしました大規模イベントにおける医療・救護計画ガイドラインでは、会場ごとに収容人員一万人当たり救護所を一カ所設置し、医師二名、看護師四名を基本に、会場規模に応じ、適宜増員して配置するとしておりまして、会場内につきましては、組織委員会が本ガイドラインに基づき医務室を設置し、医師、看護師を配置いたします。
ラストマイルの医療救護体制につきましては、観客利用想定駅から各会場までの距離、観客数、ルート周囲の環境等、会場ごとに状況を勘案し、医師、看護師などの配置を検討しております。
○あぜ上委員 今のご答弁で一万人当たりに一カ所ということでしたけれども、この酷暑の中で想定を超える傷病者が発生した場合には、どのような手だてをとるんでしょうか。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 災害等によりまして多数の傷病者が発生した場合には、先ほどのガイドラインに基づきまして、東京消防庁、警視庁、東京DMAT、医療機関、組織委員会等、関係機関と連携を図りながら対応することとなります。
○あぜ上委員 災害級の暑さと今いわれていますけれども、そういう中での大会の可能性が多い中で、やはり近隣の医療機関との連携も大事なことだと思います。近隣の医療機関の受け入れ体制もあると思いますので、早急な対策の具体化を求めておきたいと思います。
シティキャスト、それからフィールドキャストもそうなんですけど、ボランティアの暑さ対策も重要だと思います。大会成功に向けて多くのボランティアの方々が参加するわけですけれども、こうした皆さんの命と健康を守る責務をしっかりと果たしていただきたいということも申し上げておきたいと思います。
そのためには、いかに炎天下での業務を短くしていくか、それから、いかに体力消耗を避けて健康を維持できるようにするのか、こういう配慮と工夫が必要なんじゃないかと思うわけです。
最近、トライアスロンは六時半開催に前倒しで調整しているというふうに伺っておりますが、競技時間の変更の際に、シティキャストの皆さんの集合時間というのはどうなるんでしょうか。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 シティキャストに活動いただく日程につきましては、来年三月以降、本人に役割と活動エリアをお伝えするとともに、活動可能な日程を全てお示しし、希望の日時等を選んで参加いただくこととしております。
各競技の集合時間は、競技日程の検討状況等を踏まえ、今後検討してまいります。
○あぜ上委員 既にマラソン、スイミングは朝七時開催ということで前倒しになったわけですが、例えばトライアスロンも六時半スタートになった場合、今、検討中ということなんですけれども、シティキャストは、フィールドキャストは二時間前というふうに伺っていたんですけれども、例えば二時間前集合とした場合には、朝四時半、または五時にお台場海浜公園に行かなきゃならないわけです。
万一そうなりますと、交通機関が全くないわけです。「ゆりかもめ」も、豊洲市場が開場しましたけれども、五時前はありません。ですから、万が一終電で行くようなことになったら、会場近辺で待機するような状況になるわけですね。冷房完備の待機所は確保するんでしょうか。シティキャストの命と健康をどう守るのか、その具体化を検討する必要があるんじゃないかと思います。
先ほど来、まだお話ですと、ご本人の希望でということなんですけれども、希望されても行けない可能性が多いわけですね。朝には行けないと。歩いて行ける距離の人というのはそんなにいないと思うんですね。ですから、やはり夜になった場合の待機所をどうするのかというのは検討する必要があると思うんだけれども、その点はいかがなんでしょうか。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 早朝のラストマイルに配置するシティキャストの人数は、面談において早朝の活動が可能と回答した方の人数や、当該ラストマイルにおける警備員等のスタッフの配置状況、早朝に来場する観客数の見込み等を踏まえまして、適切な人数を設定してまいります。
○あぜ上委員 早朝可能な方がいないんじゃないかということで私は質問したんですけれども、ご本人が希望したから自己責任でやってくださいとはならないように、一言その点は指摘しておきたいと思います。
苛酷な状況を放置するようなことがあったら、それこそ人権問題になるわけですね。アスリートファーストで時間を前倒しすると、これは私、当然すべきことだと思いますけれども、同時に、そのことによって時間変更を強いられるシティキャストやフィールドキャストの方々の命と健康を守ることにも、やはり私は万全を期していただきたいというふうに思うわけです。
大会時は全ての競技会場周辺とかラストマイルにおいてシティキャストの方を配置すると思うんですけれども、その方たちの休憩所というのは配置するんでしょうか。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 今回のテストイベントでは、ボランティアが活動した全ての日程で、活動場所の近くに屋内の休憩場所を用意しまして、活動の合間に休憩いただきました。
二〇二〇大会期間中の屋外で活動するシティキャストにつきましては、会場周辺のラストマイルを初め、シティキャストが活動する全ての場所の近くに暑さをしのげる休憩場所を確保してまいります。
○あぜ上委員 一時間交代というふうに伺っておりますけれども、複数体制での行動の予定ですから、途中でちょっと気分が悪くなったとか、そういう場合に遠慮なく冷房の入った場所でクールダウンできるようにしていただきたいなというふうに思うわけです。
現在、シティキャストの研修が行われているというお話もありましたが、その際、暑さ対策などの健康管理や活動上のルールなどの研修もあるというふうに書いてありました。その中で、まず命を守る行動が大事だと、こういうことをしっかり押さえていただいて、無理はしないと。お互いに支え合って、遠慮なく冷房の入った待機所に行くことをぜひ徹底していただきたいなと思います。
何よりもオリンピック・パラリンピックは人の命を大切にする、最優先に考える大会でなければならないのだと思います。今後もその立場で、専門家の方々のお知恵もおかりして、ぜひ最善の対策をお願いしたいと思います。
次に、首都高速道路の料金施策に関する方針及び会場周辺の交通対策について伺います。
首都高速道路の料金施策については、パブリックコメントをされまして、いろんなご意見があったのも私も読ませていただきましたが、一日四十九万台、四八%が料金の上乗せになることについて、小規模企業など、明らかに仕事の車両というのは除外すべきではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 首都高速道路の料金施策につきましては、八月二十七日から三十一日間、パブリックコメントを実施し、いただいた意見などを踏まえ、ETC車両につきましては、他の公共交通への転換が困難な物流車両を初め、タクシーなどの事業用車両、障害をお持ちの方が利用する車両などを料金上乗せの対象外としております。
マイカーにつきましては、通勤や業務の目的で使用しているのか、私用で使用しているのか、その都度、車両の使用用途を正確に判断することができないことから、料金上乗せの除外の対象とはしておりません。
なお、ETCのシステム上からも車両の使用用途の判別ができなく、物理的に困難であると聞いております。
○あぜ上委員 自家用車は私用なのか仕事なのか区別ができないということなんですが、障害者の方の場合は、事前に手帳での確認で登録書を発行することになっていると伺っています。つまり、事前登録というやり方は可能なわけですから、そうした対応も私は検討すべきじゃないかと思うんです。
ある建設現場で働く方々からは、工事現場まで乗用車で何人かまとまって行っているんだと。経済活動や都市のインフラを守る仕事をしているのに、対象にされないというのは納得がいかないという声が寄せられています。また、東京港で仕事をされている方々からは、公共交通網のない港に行くのに自家用車通勤は欠かせないんだ、それでも料金上乗せにされるのか、こういった声も寄せられております。
小規模な事業所、それから本当に自家用車で現場まで行かざるを得ない、明らかに仕事の場合は、事前登録というやり方を活用して、ぜひ料金上乗せから除外するように、これは意見として求めておきたいと思います。
また、豊洲市場の関係者の方々からは、環状二号線が使えないのは困るという声も寄せられたんですが、局からは、六時から十一時台は豊洲市場関係者のみ、豊洲から晴海に向かう方向に限り環状二号線は使用できるようになるという、先ほどご答弁がありました。この豊洲市場の関係車両について、市場関係者の皆さんとどのような協議をされたのか伺います。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 東京二〇二〇大会期間中の豊洲市場周辺の交通対策につきましては、先月十八日に開催の輸送連絡調整会議で公表した会場周辺交通対策の中で示したところでございます。
今回の公表に当たり、六月に公表した交通対策素案に基づき、関係区、地元、豊洲市場関係者などに丁寧に説明を行い、意見を伺いながら調整を進めてまいりました。
引き続き市場関係者などへの説明を行い、会場周辺交通対策の周知を図ってまいります。
○あぜ上委員 今、丁寧に説明を行って意見交換したということなんですが、この話は市場関係者の多くの方々はまだ知らないという声をたくさん聞いています。市場関係者の皆さんの合意と納得が得られる、そういう努力を図っていただくように求めておきたいと思います。
東京港は、現在も交通渋滞が大きな課題になっております。大井や青海地区では、海上コンテナトラックが長蛇の列をなして四時間、五時間待ちだという問題が発生している地域です。ゲートオープンの時間延長とか、コンテナ待機場の増設など、東京都としてもご努力されているのは理解しておりますけれども、それでも長蛇の列は解決できる見通しがまだ今のところないと。
こうした環境下の中で、東京二〇二〇大会の会場は臨海地域にも多くあるということは、輸送問題、交通問題は大会開催においても大変厳しい課題に取り組まざるを得なくなっているのだというふうに思っております。
東京港の物流との関係、港の物流との関係ではどのような対策を講じるのか伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 東京港を中心とする物流活動を維持するため、物流車両が多く通行する国道三五七号や青海縦貫線などは、選手など大会関係車両は原則通行しないこととして、物流車両が円滑に通行できる道路として確保してございます。
また、これまで東京港運協会などの関係機関と連携し、コンテナターミナルのゲートオープン時間の延長を試行するなど、東京港の混雑緩和にも努めております。さらに、港湾事業者だけでなく、東京港を利用する荷主企業に向けても繰り返し説明会を実施し、可能な限り大会期間を避けた輸出入などの検討を呼びかけております。
○あぜ上委員 ご努力されていることはわかるんですけれども、荷主に協力を求めているということもわかるんですが、小型船で海運を利用して対応するとか、大きい業者の方はそういうことができるんですけれども、中小零細業者の場合などは夜中の物流になりかねなくなっていて、結果、労働者の長時間労働や夜間労働になって、労働環境悪化することが懸念されているわけです。
東京港への物流を担うトラック運転手さんなどの意見なども聞いていらっしゃるんでしょうか。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会に向けた交通マネジメントの推進に向け、これまで物流関係の業界団体とも数多く意見交換や説明会などを実施してきております。
こうした中では、東京都トラック協会の海上コンテナ部会といった東京港の物流を現場で支えるトラック事業者の会合にも定期的に出向き、交通対策の状況などを含めて直接説明し、意見交換を行ってきております。今後も、こうした説明会や意見交換などを継続して実施してまいります。
○あぜ上委員 意見交換などをぜひ積極的にやっていただきたいと思うんですけれども、東京港で働く方たちからは、東京二〇二〇大会には非常に協力したいと思っているよ、だけど、これを機会に夜間労働とか長時間労働の負のレガシーをつくられてしまったら、それこそ五輪憲章に逆行するんじゃないかという声も上がっています。こうした声もぜひ受けとめていただきたいなと思います。
最後に、各公共交通機関についてです。
観戦客の移動確保として重要であり、また同時に従来の通勤などの利用者への影響を最小限にするための手だてについてなんですが、競技開催に合わせた公共交通の増便など、どのような協議がなされているんでしょうか。具体的な協議が進んでいらっしゃるのかどうか伺いたいと思います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 鉄道の輸送力の確保につきましては、組織委員会とも連携しながら、大会時の観客需要を踏まえ、混雑する区間の輸送力増強の可能性について鉄道事業者と調整を進めております。
ダイヤ等余力が少ない朝の混雑時間帯につきましては、鉄道の増発等が事実上困難なため、時差ビズやテレワークなどを推進することが重要であると考えております。それ以外の時間帯は、組織委員会とともに観客需要を踏まえた増発等について鉄道事業者と検討を進めており、既に終電の延長を実施することを公表しております。
引き続き、鉄道事業者に対し観客需要を踏まえた輸送力増強を働きかけるとともに、TDMを推進するなど、安全で円滑な観客輸送の実現と経済活動の維持との両立を図ってまいります。
○あぜ上委員 オリ・パラ準備局の皆さん、本当にこの間、ご苦労は大変だなと思っておりますけれども、結果として、やっぱりオリンピック・パラリンピックだから我慢せざるを得ないというようなことがないように、本当に都民が心から歓迎できる、そういう都民生活との調和のとれた東京二〇二〇大会にするために、一層ご奮闘、ご尽力いただくことを求めまして、私の質疑を終わります。
○山口委員 私からも幾つか伺わせていただきたいと思います。
まず、先ほど報告もありましたラグビーワールドカップが大変な成功のうちに終わったと。私も一にわかファンといたしまして、ルールもなかなかわからないままに会場にも伺わせていただきましたが、本当に会場に行かなければわからないことがたくさんあって、そして、その中からたくさんの検証を拾い出すことができたと。本当にこの経験をオリンピック・パラリンピックにしっかりとつなげていただくようにさらにご尽力いただきたいと思っておりますし、札幌の一件も含めて、皆様には本当に休みなく、眠る時間もなく、今、お仕事をされているさなかだと思います。
そんな中の質疑でございますので、なるべく簡潔に確認をしていきたい、また質疑をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
まずは、本日報告のありました会場周辺の交通対策について一問お伺いさせていただきたいと思うんですが、この会場周辺の交通対策について、これまでは物流業界を初めとして広く協力要請を行ってきたというふうに伺っております。競技会場周辺の交通混乱であるとか、大会の安全な開催には交通規制に伴う対策が必要になることは十分理解ができるところであります。
一方で、会場周辺にお住まいになられている方々、ご商売をされている方々、また営業されている飲食店、都市活動において必要最低限の荷物の運搬などの車両に対しては、具体的にどのように対応していくおつもりかお伺いしたいと思います。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 都及び組織委員会は、会場等周辺におきまして、進入禁止エリア、通行規制エリア、迂回エリアを指定し、段階的に交通対策を実施する予定でございます。
通行規制エリアは、交通規制標識を設置し通過交通の制限を行うものであり、迂回エリアは、案内看板や広報などにより会場直近を通り抜けようとする車両に迂回を促すものでございます。通行規制及び迂回エリアは、エリア内の居住者、業務や施設利用者など所用のある車両はいずれも通行いただけることとしております。
会場周辺交通対策につきましては、関係区市や地元等に説明を行っており、年内に策定予定の輸送運営計画バージョンツーに盛り込むことを予定しております。
引き続き関係者への説明を丁寧に行うなど、周知徹底に努めてまいります。
○山口委員 混乱をしっかりと避けていくためにもご協力をいただくことは重要だと思っておりますし、誰が通ってよくて、誰が通ってよくないのかということを、一々標識をつくったりだとか、許可証をつくって確認をするということになると、ほかの大会でも見られたように、そこに渋滞ができてしまうであるとか、大変な交通混乱を招く可能性もあるわけでありますから、それはいいとは思いませんけれども、しかしながら、誰でも通れるわけではなくて、そのエリアではどういうことが許されているのかということをやっぱりしっかり知っていただくことが重要だと思いますので、自治体はもとより、関係各団体も含めて、各者も含めてしっかりと説明が行き届くように努めていただきたいと重ねてお願い申し上げておきたいと思います。
さて、もう一方で、さまざまな都民の皆様の期待も高まっていく中で、聖火リレーについてもきょうはご報告がありました。百六十五名の公募人数に対して応募総数が一万六千九百三十二名と、オリンピックの前段階の聖火リレーに対する関心も、オリンピックに対する関心、パラリンピックに対する関心と同じように、非常に期待が高まっている。そして、何とかかかわりたい、自分も参加をする一人になりたいという方々がたくさんいらっしゃるというのは、本当にありがたいことだなというふうに思うわけでありますが、先ほどのオリンピックの聖火ランナーの応募結果の報告によると、百倍を超える応募があったわけであります。
ここで確認をしたいんですが、都内を走行するランナーが全体で一体何人いて、都の実行委員会以外にスポンサーなどが選考するランナーがどれぐらいいるのか、全体のイメージがわかないんですが、それをぜひちょっとご説明いただきたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 組織委員会から示されておりますオリンピック聖火ランナーの数は、一日当たり八十名から九十名となってございます。
都内で実施する聖火リレーは十五日であることから、約千二百名から千三百名とされております。このうち東京都聖火リレー実行委員会に割り当てられましたオリンピック聖火ランナーは三百三十名で、そのうち百六十五名を公募し、残りの百六十五名を推薦分としたところでございます。
実行委員会に割り当てられた分以外のランナーについては、組織委員会や聖火リレーパートナー四社などの分とされているところでございます。
○山口委員 残りの百六十五名が公募で選ばれる、その内訳というのが全体の中のどれぐらいかというのが、多いか少ないかというのは軽々に申し上げられるものではないとは思いますが、残りのところは、実際に区市町村からも推薦で選ばれる、東京都からも公募の中で選ばれていくと。
この方々が、実際にトーチを持って走られる方もそうなんですけれども、さらにはサポートをされる、またグループとして走られるとか、いろんなランナーがあるわけで、どういうふうに自分たちが参加できる可能性があるのかということがわかっていないと、やっぱりこの聖火ランナーというもの、見る側も同じですよね。楽しみに沿道で見る方も同じで、どういうふうなものがどういうふうに来るのかというのがやっぱりとても大事なところだと思いますので、十五日間にわたって六十二市区町村全部で走られるわけですから、そこがしっかりと伝わっていくような広報をぜひ努めていただきたいというふうに思うところでございます。
多くの方々にランナーにご応募をいただくわけですけれども、限られた人数しか当然のことながらランナーにはなれないわけで、大会の開催に向けて聖火リレーを盛り上げていく、全体を盛り上げていくためには、多くの方々になるべく参加をしていただくことが重要だと思うんですが、今お話をしたように、都の考え方を伺いたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 オリンピック聖火リレーは、大会の開催を直前に控えて都民の機運を盛り上げる象徴的なイベントでありまして、ランナーを初め、沿道の観衆や地域住民など多くの方々に参画いただくことが重要でございます。
このため、出発式などの場におきまして、聖火ランナーの後方を走行して、地域から聖火リレーを盛り上げるサポートランナーの活用を行うほか、各種セレモニーの演出など、地元区市町村の意見を聞きながら検討を進めているところでございます。
今後とも都内全ての区市町村におきまして、多くの方々に参加していただき、地域での盛り上げが図れるよう、区市町村等の関係機関とも十分協議を進めてまいります。
○山口委員 本当に会場によって走れたり、公道であればこの人数とか、いろいろ制限もたくさんあるというふうにも聞いておりますが、より多くの都民の皆さんに参加していただく取り組みの一つとして、聖火リレーの実施に当たって、ルート、沿道などの誘導など、ボランティアの活用というのも大変有意義な参加の一つであると思うんですが、都と区市町村のどちらがボランティアを主体として確保していくのかを確認したいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 聖火リレーの実施に当たりましては、警察、消防はもとより、各区市町村の地域住民を初め多くの方々の協力が不可欠でございます。特にルートの沿道での観衆の整理や歩行者通路の確保のほか、セレモニー会場での案内誘導など、聖火リレーを円滑に実施するためには、スタッフとしてのボランティアの活用なども重要でございます。
聖火リレーが通過する地元におきまして、できるだけ多くの方々に参加していただくことが必要であり、こうしたスタッフの確保につきまして、各区市町村に積極的に担っていただくよう現在調整しているところでございます。
今後とも区市町村や関係機関と協議しながら、より多くの都民に参加していただき、聖火リレーを成功に導いていけるよう取り組んでまいります。
○山口委員 ボランティアの確保に当たっては、区市町村を主体として積極的に担っていただくように調整をされているというご答弁でありましたが、ボランティアの確保に当たっては、区市町村に任せるばかりではなくて、都としても大変意識の高いシティキャストの活用、シティキャストの皆さんに今回ボランティアでご参加をいただくわけですから、こういった活用も検討するべきと考えているんですが、東京都の見解を伺いたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 聖火リレーの実施に当たりまして、ボランティアの確保につきましては、ルートの詳細の決定を踏まえて、具体的な場所や担っていただく内容、人数等の精査を行う予定でございまして、都は現在、区市町村や関係機関との間で協議を進めてございます。
こうした状況も踏まえながら、今後、シティキャストの方々への情報提供なども含め、必要なスタッフの確保に向けた取り組みについて検討してまいります。
○山口委員 シティキャストに関しても、ぜひご協力をしていただくということでございましたが、先ほどもご報告の中に、ボランティアのオリエンテーションもスタートしたというところで、研修内容だとかというものも幾つか見せていただいているんですが、この中には当然、期間中のことであるとか、オリンピックの歴史も含めて学ばれるわけですけれども、やはり聖火リレーについては全く触れられていないんですね。
そうすると、ボランティアの方々によっては二度、三度とお越しをいただいて、新たにさらに研修をふやさなければならなくなってしまうのかもしれませんし、ボランティアの方への負担を考えても、でき得る限り効率よくやっていただくことは非常に重要だと思いますので、当然聖火リレーのこと、まだ決まっていないことも多々あるわけでありますし、区市町村単位でありますから、なかなか難しいところもあるのかもしれませんけれども、でき得る限り、どういう場面でボランティアの方に周知、また協力をしていただくことを踏まえた体制というものも考えていかなければいけないのかということも含めて、あらかじめの準備が必要だと思いますので、ぜひその点も踏まえて取り組んでいただければというふうに思うところでございます。
さて、聖火リレーで走ることができなかったけれども、ボランティアに参加をしたというのも大事な一生の思い出になると私は思うんです。そこで、聖火リレーのボランティアに参加をした方々に対して統一的な、要するに区市町村でボランティアを募集するということは、それぞれの例えばボランティアウエアみたいなものは区市町村で違うものになるわけですよね。
そうなった場合に、オリンピック・パラリンピックの聖火リレーのボランティアに参加をしたんだというものがわかる統一的なバッチとかワッペンとか、何かそういったものを用意した方が皆さんの思い出に残るものとしてきちっと残せるんじゃないかと思うんですが、都の見解を伺いたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 各地域において聖火リレーを盛り上げるためには、できるだけ多くの地元の方々に参画していただくことが重要でございます。ボランティアの方々への対応を含め、住民の参画のあり方につきましては、今後、各区市町村ごとに検討していくことになります。
○山口委員 物にしなくても、例えばキャラクターをつくって、何かそれを印刷できるようにするとか、刺しゅうできるようにするとか、やはり何らか参加をしたんだということを形として残せるものというのは非常に大きな思い出として、レガシーとしても残ると思いますので、ぜひとも検討していただきたいと、このように思うところでございます。
聖火リレーについて最後にもう一個伺いたいんですが、パラリンピックの聖火リレールートについてはこれから検討されていくと思うんですが、どのように決定をされていくのかを伺いたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 パラリンピックの聖火リレーは、オリンピック選手村の閉村後、パラリンピック開会式までに実施されるものであり、オリンピックの熱気や興奮を維持し、人々にパラリンピックの精神や価値を伝える目的がございます。
都内で行うパラリンピック聖火リレーは八月二十一日から二十五日までの五日間であり、またリレー時間は午後から開始されることから、オリンピック聖火リレーのように都内六十二区市町村全ての自治体をリレーでめぐることは現実的に困難と想定されます。
リレーのルート選定に当たりましては、組織委員会から示されているルート選定の基本的な考え方を踏まえ、パラリンピックと親和性のある場所など、区市町村からの情報等を参考にしながら、実行委員会で審議、検討してまいります。
○山口委員 聖火リレーは約二百メートル、一人当たりのランナーが走る時間は約二分間です。でも、この二分間が一生の思い出にやっぱりなるわけですから、この思い出をしっかりとつくってあげる側も考えてあげると。これはぜひ進めていただきたいと、このように思うところです。
さて、続いてテストイベント、先ほどからも質問が出ておりますが、このテストイベントについても幾つか伺っていきたいと思います。
一番本番と環境が近い状況でテストイベントができたわけでありますが、どのような課題が今回のこれまでのテストイベントで見出すことができたのか、また、本番にこれをどうつなげていくのかというところを総括して伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 大会本番と同時期に行われたウエーブワンにおきましては、天候による影響が大きい屋外競技を中心に、暑さ対策を初めとして、シティキャストや医療救護、観客輸送など、会場外において都が担う役割について検証を行いました。
その結果、大会時における熱中症疑い患者の同時複数発生の可能性や、見やすくわかりやすい案内サイン、急な競技時間変更時における観客輸送対応など、各分野における具体的な課題を把握し、対応策の検討を行いました。こうした検証結果は、それぞれの運営に関するマニュアルや実施計画などに取り入れ、大会本番への取り組みに反映させてまいります。
○山口委員 私もテストイベントなどにも議連としてお伺いさせていただいたりだとか、幾つか会場も回らせていただいたんですが、屋外でも屋根があるなしでも本当にこんなに違うんだなとか、むしろ新設の施設などで工夫なども含めて、すばらしいものもたくさんあるんだなというものも拝見をさせていただきました。
さて、中でもやっぱり注目を集めるのが暑さ対策になるわけでありますが、暑さ対策の一環として、ソフト対策ですよね。この中でいろんな配布物を手にすることが機会としてあったわけですが、一体どのような配布物をどのぐらい用意されたのか、また、配布した結果がどうだったのか、今後の取り組みにつなげていくことも含めてお伺いしたいと思います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 今夏のテストイベントにおけます暑さ対策のソフト面の検証としては、ビーチバレーボールからマラソンまでの五つの競技でグッズの配布を施行いたしました。
配布物は競技ごとに異なりますが、涼感マフラータオル、瞬間冷却保冷剤など体を冷やすグッズ、扇子や紙製うちわなど風を当てるグッズ、日差しを遮るサンバイザーなど、総数で二万二千余り配布したものでございます。
配布時の利用者によるアンケート結果によりますと、体を冷やすグッズはおおむね好評であり、特に首元を冷やすネッククーラー等の評価が高かったと伺っております。次いで風を当てるグッズが評価が高く、日差しを遮る紙製グッズの評価は比較的低かったものでございます。
今後は実効性が認められたグッズにつきまして、来夏の大会に向けた準備を進めますとともに、熱中症予防に係る啓発等をさまざまな媒体を通じて組織委員会や国とも連携して行ってまいります。
○山口委員 数えてみたら十三種類ぐらいつくって、二万二千二百個ぐらいのものをつくったということでありましたが、会場に入る前段階からラストマイルの部分で配っているものもあれば、会場内で配って使えるものもあれば、会場内には持ち込めないものもあると。いろんな条件が課されていく中で、ソフト対策というものは本当にいろいろ考えていかなければならない。工夫が当然求められていくんだと思うんですけれども、今回二万二千を超える、この数が多いか少ないかでいうと、実際テストイベントはそれぐらいで足りたのかもしれませんけれども、本番になればもっと数は必要になってくるわけでありまして、当然予算もかかってくるわけであります。
今回はイベント全体の予算の中でグッズをつくったという中で、その金額だとかを絞り出すということはなかなか難しいんだろうとは思いますけれども、ラグビーワールドカップのときにテレビにも盛んに映っていた、トライとかいろんなことが書いてある、とある物流会社が配布していた扇子、我々も喜んで振っていましたけれども、あれはあおぐこともできるし、応援の気持ちも非常にあらわせると、非常に会場では大好評だったわけであります。
こういった取り組みが二〇二〇大会においても可能ならば、例えば民間企業と協賛をするであるとか、もちろん、当然のことながら、オフィシャルスポンサーになるとは思うんですけれども、こういったところに事前に協議をして協力的につくっていただくことがもし本当に可能なんであれば、非常に双方にメリットがあると考えるわけですが、こういったことは可能なんでしょうか。お伺いしたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 東京二〇二〇大会を成功させるためには、国や組織委員会はもとより、競技団体やスポンサー企業等さまざまな主体と連携して取り組むことが重要でございます。このうちスポンサー企業は、大会の安定的な運営や大会の機運醸成などに貢献しております。
お話の件は、ラグビーワールドカップ二〇一九のスポンサー企業との協力でなされたものと聞いております。東京二〇二〇大会におきましても、組織委員会と連携し、効果的な暑さ対策や機運醸成に取り組んでいるところでございます。
○山口委員 ラストマイルから会場までと、会場の中と、非常に使い分けをうまくやらなければならないところはあると思うんですけれども、非常にやっぱり効果的だと思いますし、会場によっては、私も九州の会場も行ってきたんですけれども、非常に距離が長いんです。二キロとか歩かないと会場まで着かない。本当にその間がすごくしんどかったりとかもするわけで、そこで配られているものだとかもあったりして、非常に効果的でうまいなと。
ただ、中には持ち込めないんで、ここで処分してくださいとか、いろいろやり方があるんだなとか、いろいろやっぱり考えなければならない部分があるんだなとは思いますけれども、これは非常に効果的だと思いますし、かつ予算的にも非常に効果があると思いますので、ぜひ検討を進めていただいて、協力的に進めていただけるところとうまくやっていただくことをぜひ強く要望しておきたいと思います。
さて、ビーチバレーボールなどのテストイベントを活用した都の暑さ対策の検証結果なども拝見したんですが、東京二〇二〇大会時に使用するライブサイトでも、一つ一つの検証結果が生かせるんじゃないかというふうに思うわけでありますが、都としては、ライブサイトの暑さ対策については具体的にどのように考えられているのか伺いたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都内五会場で実施予定の東京二〇二〇ライブサイトは、都庁会場を除き、都立公園等、屋外での実施を予定しております。このため暑さ対策は重要であり、リオ大会時に都が実施したライブサイトでの試行結果に加え、このたびのテストイベントでの暑さ対策の効果を検証し、環境局とも連携しながら、ライブサイトにおける対応を検討しております。
ハード対策としては、テストイベントでも効果のあった日よけテントや送風機、ミストの設置、ソフト対策としては、来場者への暑熱対策グッズの配布などを中心に検討しております。また、暑さ指数、WBGTに基づき、来場者に水分補給等の注意喚起を行うとともに、競技体験など運動を伴うコンテンツの実施判断を適切に行う必要があると考えております。
来場者に安全、快適に大会を楽しんでいただけるよう、ライブサイトの暑さ対策について引き続き検討を進めてまいります。
○山口委員 ライブサイトも何カ所も伺わせていただいたんですけれども、やはり同じように暑さはかなり気になるところでもありますし、ラグビーは夜の試合も多かったので、日中そこまで気になることもなかったのかもしれませんけれども、リオ大会などの検証もじっくりともう一度、再検証をしっかりしていただいて、ここに見に来ていらっしゃる方の暑さ対策というものにもぜひとも積極的に取り組んでいただくようにお願いをしたいと思います。
最後に伺いたいのは、アセスについてもう一度ちょっと伺いたいんですけれども、これまで行われてきた東京二〇二〇大会、オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案の競技について、暑さ対策など、マラソンと競歩の評価の結論はどのようなものだったのかを改めて伺いたいと思います。
○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 環境影響評価書案におきまして、マラソンは大気等、振動、騒音及び歩行者空間の快適性について、競歩は大気等及び歩行者空間の快適性について評価を行ってございます。
このうち、例えば暑さ対策を含めました歩行者空間の快適性につきましては、これまで都において行ってきた遮熱性舗装や、マラソンコース沿いにおける街路樹の樹冠拡大による緑陰の創出などを実施してきております。
さらに、今夏のテストイベントにおきまして、複数の暑さ対策を試行し、その結果を検証することによって、より効果的な大会本番の暑さ対策について取りまとめる計画としていることから、開催都市である都と大会運営主体である組織委員会によって、観客及びアスリートへの配慮が実施可能な範囲で最大限行われるものと評価をしてございます。
○山口委員 マラソン、競歩のお話を八日からもずっとしているところでございますが、この二競技の会場が東京から札幌に変更されることになるわけですが、この実施段階環境影響評価の今後の手続についてはどのようになるのか伺いたいと思います。
○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 東京都環境局が作成いたしました東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック環境アセスメント指針には、環境影響評価開始後に会場の計画や整備内容等の変更が生じた場合の手続が定められております。
この指針によりますと、会場等の変更によるアセス図書のやり直しは行わず、次の段階の実施段階アセス図書、またはフォローアップ図書への反映をもって変更とみなすことができるとされております。
マラソンと競歩につきましては、今後その変更内容等を見きわめながら、この指針と今回の決定における確認などを踏まえて、その取り扱いについて検討してまいります。
○山口委員 どうもこの辺の手続の順序がどうなのかなというふうに思うところが本当に拭えないんではありますが、いつまでもこんなことをいってもいけないのかもしれませんけれども、やはり手続って大事だなとつくづく思うところでもあります。
さまざま要望も含めてお伺いさせていただきました。一つ一つの検証をどのように生かしていくかということが非常に重要になってくると思いますし、前向きに一つ一つのこれまでの実証も含めて、もう一度精査をし直し、また何が起こるかわからないんだという気持ちを常に持ちながら準備に取り組んでいかなければならないんだということも身をもって感じているところでもございますから、一つ一つを丁寧に、また私たちもしっかりとその検証を踏まえて皆様にもお伺いさせていただきたいと思っております。どうか引き続きご尽力を賜りますようお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○奥澤委員 まず、テストイベントにおける検証についてお伺いしようと思いますが、都市オペレーションセンターのお話、最初にしようと思ったんですけれども、重複しましたので、こちら質問は割愛させていただきます。
ただ、都市オペレーションセンターの運用で一番大事だったのは何かと考えると、情報の優先順位づけをしっかりしなきゃいけないということ、つまりトリアージをしなきゃいけないということだったと思います。現場の誰もが一生懸命に対応しようとします。だからこそ情報が錯綜して対応が混乱してしまう、こういったことが往々にしてあることですので、この課題を解決していくこと。これは平時の災害時の対応などにも生きていくものであると思いますので、ぜひともそういった視点を持って取り組んでいただきたいというふうに思います。
この後は暑さ対策について、少し細かな視点で伺っていきたいと思います。
ミストを活用した暑さ対策について、子供への暑さ対策と考えた場合には、上から噴射するタイプであると、道路からの反射熱に対して効果が薄い、あるいは風で流されてしまって子供の身長のところまで届かないといったこともありまして、例えば下から噴射するようなタイプについても検討した方がいいんではないかなというようなことも思ったところなんですけれども、今回の検証を踏まえて、ミストの活用、検証結果と今後の取り組みの方向性についてお伺いしたいと思います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 都がこの夏行いましたラストマイルや路上競技沿道における暑さ対策の試行では、ミスト単体での設置は暑さ指数の低下が見られず、また低い位置への設置は、足元がぬれることによる不快と感じるアンケート結果などの評価がございました。
一方、テントにより創出した日陰や送風機と組み合わせた場合には、暑さ指数の低減効果が高まることも確認されております。
このため、来夏に向けた対策では、ラストマイルの休憩所や日よけとなるテントに送風機を併設することや、利用者の不快感を避ける設置方法等を検討してまいります。
○奥澤委員 少し今気になるお話が、不快感のお話があったんですけれども、この目的はあくまで暑さ対策をどうしていくかということだと思いますので、不快感を避けるという理由で、その効果が薄れてしまうような方法はとるべきではないと私は思っています。
子供、車椅子ユーザー、あるいはベビーカーの方々など、特に地面からの暑さ、反射熱というものに対して対策が必要と思われる方々に対して、より効果的な方法をとっていただきたいということをお願いしておきます。
どれだけ暑さ対策、こちら側から提供したとしても、やっぱり最終的に参加者本人、来る人自身が身を守っていかないといけないという部分は避けられないことだと思っています。熱中症予防に関する情報提供の重要性については、今さらという話かもしれませんけれども、やはり訪日外国人への情報提供は非常に重要です。来日前から滞在時において適切な情報提供に努めるべきと考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 日本の暑さを知らない外国人が熱中症を予防し対処するためには、気象情報や熱中症の知識など、情報を適切なタイミングで提供することが重要でございます。訪日前は、各国の在外公館等のウエブサイトを通じ、また航空機内でも動画ニュース等の活用による情報発信を行うなど、国や関係機関が取り組んでいるところでございます。
都もウエブサイトから多言語による熱中症の予防や対処方法等を発信しますとともに、区市町村が行う外国人向けの普及啓発事業への支援などにも努めております。組織委員会でも多言語のモバイルアプリにより、各会場の暑さ指数の情報や熱中症予防対策の情報を提供しており、ラストマイルのクールスポットの情報も掲載するよう、提携して検討を進めているところでございます。
今後は、都は組織委員会や国とも連携いたしまして、在日外国人の暑さ対策にかかわる適切な情報提供に努めてまいります。
○奥澤委員 適切な情報提供をぜひお願いしたいと思います。
ビーチバレーの視察のときだったと思うんですけれども、議連の方でたしか視察に行ったとき、前日に、暑さ対策をしてくださいという案内が事務所の方に、ファクスだったかなと思うんですけど、我々会派、三人いるんですけど、三者三様で対策を行ってしまいまして、一人は帽子をかぶってきて、一人は忘れてきたということで、その場で帽子を買って、私が一番暑さに強いと自分で勝手に思っていたもので、タオルを持って、タオルを頭にかぶっていればいいやというふうにやった結果、私が熱中症になるという、大学までスポーツをしていた人間として、あるまじき行動をとってしまったなと思うんですけれども、そういう差が当然出てくるわけなんですね。
そのときに休憩に入ったのが近隣のホテルのロビーだったんですね。一時間ぐらい正直休憩して、大分体が戻って帰っていったんですけれども、そこでなるほどなと気づいたのが、そこにチェックインしてくる外国人の方々の多さだったわけなんですね。訪日外国人の方々が必ず訪れる場所というのが宿泊施設。チェックインのとき、あるいはチェックアウトというか、競技を見に行くときに啓発グッズを配布していただいたり、あるいは情報提供を行っていただくような事業者さんへの協力を呼びかけるべきなんじゃないかなというふうに考えています。
また、航空機内での動画ニュースの話があったんですけれども、タイミングなんかも含めて、ぜひ検討いただきたいなと思います。どうすれば日本で快適に過ごせるのか、つまり、ハウツーみたいな部分を伝えていただくことになっていくのかなと思うんですけれども、それが飛び立つ前のタイミングなのか、あるいはおりる直前なのか、あるいは空港で配られるのか、そういったタイミングにもきめ細やかな配慮をいただきたいなというところで、官民で一体となって取り組んでいただきたいと、そういったことを指摘しておきたいと思います。
次に、ネッククーラーについてお伺いします。
これまでの議論でもその効果が一定程度確認されているということはあるんですけれども、ラグビーのワールドカップで配布されていたネッククーラー、これはマスコットがデザインされていて、なかなかかわいいもので、私の一緒に行った友人なんかも、応援グッズとか、お土産で子供に渡そうなんていって、来年も使えるなんていう話をしていて、それ自体にやっぱり価値があったなと思っています。
事前のイベントで配布されていたものを本番にも、じゃあ、これを持っていこうというような動機づけにもなっていたなというふうに考えます。デザイン一つで行動を促すことができるということは大いに参考にしていただきたいなと感じます。
プラス、ネッククーラーの材質というのも大変重要で、スポーツメーカーなんかはエビデンスをとっていると思いますけれども、体感でマイナス五度以上の効果を発揮するような材質のものもあれば、ただぬれているという冷感だけでマイナス〇・五度とか一度とか、それぐらいにしかならないような材質のものもあって、どういったものを使っていくのかというのはかなり差が出てきます。
より効果を発揮していくというためには、今いったようなデザインの工夫だったり、あるいはどういった材質を使っていくかということで、効果の差が出てくるというふうに考えますけれども、これから多分その仕様を検討していって、発注していくような場面が出てくると思うんですけれども、見解を伺いたいと思います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 都は、この夏の暑さ対策の試行におきまして、ソフト対策としてネッククーラーなど体を冷やすグッズも複数試行、検証したところでございます。利用者アンケートでも体を冷やすグッズはおおむね高い評価を得ておりまして、ネッククーラーなど首元を冷やすグッズの評価は高かったところでございます。
また、専門家からも、ネッククーラーは、体、特に首元を冷やすことは有効とのご意見もありまして、所管局では大会本番に向けてデザインや材質の仕様などの工夫を進めているところでございます。
○奥澤委員 工夫を進めていくということで、ぜひそういった、より効果を発揮するような工夫を凝らしていただきたいと要望しておきます。
少し一点、ちょっと今回の検証で残念だったなと私が思うところでいうと、アンケートを通じて主観的な、おおむねよかったとか、涼しさを感じたというような話はあるんですけれども、エビデンスを収集していくという部分では、ちょっともったいなかったなというふうな部分があると思います。気持ちの面では涼しく感じていたというのが、人によってやっぱり感じ方というのは違いますので、実際にそれが何度ぐらいの効果を発揮していたのかというのは、今、サーモグラフィーみたいなものをつければすぐにとれるものですから、今後の、冬の時期に入るとなかなか難しいかもしれないんですけれども、それ以外の部分でも、ぜひともエビデンスをとっていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
もう一点、これはもうこれからの話だと思うんですけれども、こちらの資料にはラストマイル上の店舗等の協力を得ることも大事であるという指摘がありました。そこで一つ気をつけておいていただきたいのが、そこで起きた事故等についての責任関係をどうしていくのかというのは、ぜひとも検討していただきたいと思います。
つまり何がいいたいかというと、涼みに入った先で起きたトラブルへの責任を誰が持つのかということですね。先ほど私、ホテルのロビーで休ませてもらったと、まあ、勝手に休ませてもらったんですけれども、そこで倒れてしまいましたと。頭を打って、例えば亡くなってしまったといったときに、じゃ、これ誰の責任だったんだと。受け入れたホテル側が何か施設に不備があったなんていう話になってしまったら、受け入れ拒否されてしまう話になってしまうので、決してそういったことがないようにその辺もきちんと検討していただきたいと。
なぜこれをいうかというと、帰宅困難者対策の受け入れ施設の話で、なぜふえないのかという一因として一番指摘されているのが、責任の所在を線引きすることが難しいということがいわれています。ここでもし仮に、もう少し小さな話なのかもしれないですけれども、協力していただいた店舗とか施設が都の責任の所在なんかをきちっと線引きできていくようになれば、これも一つの今後の政策に生かしていけるものになるんじゃないかというふうに考えます。
アメリカとかカナダでは、よきサマリア人法という考え方が定着していまして、災難に遭ったり、急病にあったりした人など、窮地の人を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗しても、その結果について責任を問われないという趣旨の法ですけれども、これはまだ日本では法律の考え方として入れるかどうかを議論している段階だというふうに聞いております。ぜひとも今後の議論の参考にしていただきたいと思いましたので、紹介させていただきました。
暑さ対策の関連で忘れてはいけないのがシティキャストの方々です。きょうもるるお話もありました。今回のテストイベントでは、ボランティアリーダー経験者に参加してもらう中で適正な活動時間などについてヒアリングをしたと認識しています。
一方で、例えば真夏の災害ボランティアなどにおいては、どちらかというと体力のない方、あるいは初めてボランティアに参加する方に合わせてガイドラインを決めていく場合もあるというふうに伺います。その点では、ボランティアリーダーの方へのヒアリングを参考にして活動時間の上限を六十分とした点には、やや不安を感じるところです。
その不安を解消していくためには、リーダーの方、そしてリーダー以外の方々、双方に対して暑さへの対応を指導する研修が非常に重要と考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 大会期間中の屋外で活動するシティキャストにつきましては、全体の活動時間の半分を休憩時間とするとともに、活動場所の近くに暑さをしのげる休憩場所を確保し、活動の合間に休んでいただくこととしております。
今回のテストイベントに参加したリーダー経験者には、初めてボランティアに参加する方にとって適切な活動時間についても伺っておりまして、ご意見などを踏まえ、連続する活動時間を最大一時間といたしました。
なお、個々のメンバーの活動は、当日の天候や本人の体力等を踏まえ、現場のリーダーの判断で一部のメンバーの活動時間を繰り上げ、休憩させる判断ができるようマニュアル等を作成することとしておりまして、その内容についてはリーダー研修等において周知してまいります。
また、シティキャスト全体に対しては、現在実施中の研修を初め、さまざまな機会を捉え、熱中症の注意喚起を繰り返し行うとともに、活動時に少しでも不調を感じた場合は、みずからの判断で活動を切り上げ、休憩をとっていただけるよう研修等において周知してまいります。
○奥澤委員 この周知、マニュアル等の作成を含めてしっかりと進めていただきたいと思います。こちら、先ほど他会派さんからちょっとお話のあった、寝不足状態というか、そういう形でもしかすると来る方々がいらっしゃる。早い時間に競技があったりするケースなんかで考えられると思うんですけれども、これって実は熱中症を引き起こすリスクをかなり高める話なんですよね。
私もスポーツをやっていたときに、前日、寝不足で臨むと、ふだんだったら三時間ぐらい平気で炎天下で練習できるような人が、三十分ぐらいで倒れちゃうような姿もたくさん見てきました。そういった部分もぜひ参考にしていただきたい。
何でそんなことをいうかというと、みんな力になりたいと思っているからボランティアに参加するんですよね。特にリーダーの方々というのは、無理をしてでも何とか自分だけは頑張らなきゃいけないと、そういった気持ちがどうしても前面に出てしまうからこそ、無理していることに気づかずに熱中症までいってしまうというようなことがあると思いますので、ぜひともそういったことまで考慮してマニュアルを作成いただきたいというふうに指摘をしておきます。
このままシティキャスト研修の方についてのお話に行きたいと思うんですけれども、特別な配慮を必要とする方に対して、個別相談に応じながら研修を進めていると認識しています。
その中で、私、注目しているのが、ALSの方が今回ボランティア研修、参加希望していると思いますけれども、たしか分身ロボットを活用してのボランティア参加を希望していたと記憶しています。このチャレンジは私、大変応援していますし、障害等を理由に外出が困難な方が社会に参画する一つの方法として確立されていったらいいなと願っています。
そこで、ALSの方を初めとして、分身ロボットを活用したボランティア参加を希望する方については、研修への参加状況、どうなっているのか伺いたいと思います。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 病気や障害等のため外出困難な方々については、ご本人の希望により、電話やご自宅の訪問などにより面談を実施し、活動に当たってのご意向や配慮、支援を必要とする内容をお伺いしており、その中で、いわゆる分身ロボットを活用して参加したいとのご希望が寄せられております。
現在ご本人の希望を伺いながら、共通研修に参加いただく日程や、ご自宅等にいながら研修を受けていただく方法について調整を進めております。
○奥澤委員 実際研修に臨まれる皆さん、それから運営する皆さん、あるいは一緒に取り組んでいくキャストの皆さんにとっても初めてのことであると思います。ただ、この挑戦、本当に障害のある方が社会参画の道を切り開くものだと思って、本当に希望を持って見ていますので、ぜひとも積極的に支援をしていただきたいと思います。
今後、いろいろ役割ごとというか、チームでの研修だったり、あるいは今開かれている交流会の参加などにおいても、周囲の方々の協力を得ながら、自宅にいながらチームになっていける、そういったように支援していただきたいというふうに思います。
それで、障害のある方の参加を促して共生社会を目指していくという観点から、パラリンピック聖火リレーのことを一点お伺いしようとしていたんですけれども、一問は重複しましたので割愛させていただきまして、この意義について改めて振り返ってみますと、先般、組織委員会、あるいはアスリートの方々がDアンドI宣言というものを行っていまして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを契機に多様性を認め合う共生社会の実現を目指すというような宣言が行われています。
東京二〇二〇大会の基本コンセプトの一つは、多様性と調和が掲げられていまして、肌の色や障害の有無、性別や性的指向など、あらゆる面での違い、多様性を認め合うことのできる社会、つまり共生社会の実現を目指しているということでありまして、そのような観点から、一人でも多くの方に共生社会についてご理解いただきたい。その一つの仕掛けが聖火リレーになるんではないかというふうに思っています。
その中で、やっぱり共生社会を理解するのに最も有効な手法、方法って何だろうと考えると、一つの目的に向かってみんなで行動をともにすること、それが一番だと私は考えています。沿道での警備だとかセレモニー、イベントの運営スタッフ、聖火リレーを成功に導く役割というのはたくさんあると思いますので、ぜひともここにさまざまな方にかかわっていただきたいと、私からもその要望をしておきます。
そのような観点から一点、確認をしておきたいと思います。資料によりますと、聖火ランナーについて、初めて出会う三人がチームとなり走行するとのことですけれども、介助者などが必要となっている場合は、どのような考え方になるのか伺いたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 パラリンピック聖火リレーのランナーの選考基準や選考方法等につきましては、組織委員会において年内公表予定と聞いておりまして、現時点においては未定でございます。
なお、オリンピック聖火リレーランナーの募集の際には、基本、応募要件の一つに、みずからの意思で火を安全に運ぶことができる方となっておりましたが、介添えスタッフのサポートは必要に応じて可能とされているところでございます。
○奥澤委員 ありがとうございます。オリンピック同様に、パラリンピックも当然そういうふうになっていくだろうと思っていますけれども、念のため、しっかりと伝えていただきたいというふうに思います。
オリンピック・パラリンピックというのは共生社会の実現というものと一緒に、一つがテクノロジーのショーケーシングという側面も持っていると思います。先ほどの分身ロボット、これ、OriHimeというものを想定していると思いますけれども、ほかにも移動型のNIN_NINというやつもあって、これは目の見えない、視覚障害のある方が肩に乗せて、見えているのはご自宅にいるALSの方々などが見ていると。自宅にいる方が声を出して、今赤信号ですよとか、青信号ですよというのを視覚障害の方に伝えながら、一緒にまち歩きをするという、そういったものも開発されつつあります。
そういったものを希望される方がいるかどうかというのはちょっと別に置いておいて、この取り組み自体がそういった意味合いを持っているということをぜひとも皆さんにもご理解いただきたいなというふうに思います。
話題をシティキャストの研修に戻して、もう数点伺います。
昨年、東京都ではオリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例が制定されまして、いかなる種類の差別も許されないというオリンピック憲章にうたわれる理念、広く都民に浸透した都市を実現するという強い決意が示されたところですが、東京都人権施策推進指針に記載される十七の人権課題については、差別が解消されるように、あまねく研修を行っていただきたいと考えています。
一方で、LGBT等の性的マイノリティーに対する差別、あるいはヘイトスピーチについては近年急速に認知されてきた部分もありまして、まだまだその内容や望ましい対応については理解が進んでいないのも事実であるとの指摘もあります。
そこで、シティキャスト研修におけるLGBTと性的マイノリティーやヘイトスピーチに対する取り組みについてお伺いしたいと思います。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 多様性と調和を理念の一つに掲げる二〇二〇大会においては、年齢、性別、国籍や障害の有無等にかかわらず、さまざまな方々が生き生きと活躍し、また大会を楽しんでいただくことが重要でございます。
現在実施しているシティキャストの共通研修では、国籍などさまざまな違いを乗り越えて、お互いを理解するオリンピックの精神や東京二〇二〇大会の理念を説明しております。
また、LGBTについては基礎的な知識を専門の講師から解説し、ダイバーシティーへの理解を深めていただいております。
さらに、来年四月以降に実施する研修では、都の人権条例や人権指針等の取り組みについて解説する中で、多様な性のあり方や、外国出身の方等に対する不当な差別的言動、いわゆるヘイトスピーチの解消に向けた取り組みについても理解を深め、活動に生かしていただくこととしてまいります。
○奥澤委員 ありがとうございます。先日、東京二〇二〇の組織委員会の方ですけれども、こちら、職場におけるLGBTなどの性的マイノリティーへの取り組みの評価指標、プライド指標において最高ランクのゴールドを受賞したとのことです。たしかその前の年はシルバーで、交流を促進したところでゴールドになったと記憶していますけれども、キャストの皆さんは東京二〇二〇大会の顔だというふうに私は思っています。その研修を通じて、真のダイバーシティー社会実現の大会に近づくことができるよう、引き続き取り組みを推進していただきたいと思います。
次に、キャストに対する子育て世代の参加についてお伺いします。
以前の委員会で、同じ会派の森澤都議から、子育て世代がボランティア活動に参加できるようにするさまざまな配慮を求めるというような要望をさせていただいたことがあったかと思います。
実際に子育て世代、どれくらい参加しているのでしょうか。また、研修に参加しやすいようにどのような工夫を講じているのでしょうか。お伺いしたいと思います。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 シティキャスト応募者のうち、子育て世代とされる三十代、四十代の割合はそれぞれ九%、一六%でございまして、合わせて約九千人の方々に参加いただいております。
本年七月まで実施した面談説明会や、十月から実施している共通研修は、働く世代、子育て世代の方も参加しやすいように、土日、夜間を含め、週五日程度開催し、参加者の方には都合のよい日程を選んで参加いただくとともに、子育て中の方で希望する方には、会場内で託児サービスを無償で提供しております。
○奥澤委員 研修において今、さまざま配慮しているということで理解をいたしました。
では、企業の理解、あるいは制度面での整備は進んでいるのかということも確認したいと思います。
都ではボランティア休暇制度の導入、あるいは休暇の取得促進に向けてどのような働きかけをしているのかお伺いしたいと思います。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 都は、平成二十九年度より大会に向けた独自の取り組みとして、ボランティア休暇の整備に対する支援を実施し、従業員による活動への参加を促進する企業に助成を行っております。
これまでも関係局と連携し、商工団体の広報誌や企業の人事担当者向けのメールマガジン等を通じ、助成制度の周知等を行うとともに、大会期間中の休暇取得の促進を経済団体等に働きかけてまいりました。
ボランティア休暇の整備や取得促進、従業員に対するシティキャストの募集周知等の取り組みを通じ、募集に協力いただいた企業、団体については、その取り組み内容とともに都のウエブサイトに一覧を掲載し、大会に向けたボランティア機運の一層の盛り上げを図っております。
○奥澤委員 いろいろな働きかけをしているということだったんですけれども、先ほど四分の一ですか、二五%程度が世代的には三十代、四十代ということで、子育て世代であり、働き盛りの世代が数多く参加するということは、ボランティア文化の定着に大きく貢献する、ひいては今後の地域活動の担い手がふえていくような、そういったことにもつながっていくというふうに考えます。
一方で、実際にボランティアに参加しようとしたら、例えば仕事とどちらが大事なんだといったようなプレッシャーを受けたりすることで、断念せざるを得ないような風土が残っている企業があるという現実もあると思います。こうした風土を変えていくことも一つのレガシーになり得ると私は考えます。今後はキャストの方々の相談に乗りながら、実際に休暇をとるなどしてボランティアに参加できるように各方面との連携を深めていただきたいと思います。
先ほど都のウエブサイトのお話ありましたけれども、こちらに掲載されている協力企業、あるいは団体さんを見ると、まだまだ数が少ないなと率直に感じたところでもあります。商工団体の広報誌や企業の人事担当者側への働きかけ、しているということですけれども、実際にその会社の中でボランティアに参加したいという人がいないと、なかなか制度というのはつくられていかないものだと思っていますので、キャスト側から会社に対して、実は私こういうものでこの制度を使ってもらえませんか、枠組みをつくってもらえませんかと働きかけることができるような、そういう逆方向でもできるような仕組みも効果的なんじゃないかということを指摘しておきます。
最後に意見を申しますけれども、残り九カ月を切って最後の仕上げ段階になっていくと思います。ますますさまざまな主体との連携協力が重要になってくるものと思います。きょうの報告にあったラグビーワールドカップですけれども、私もさまざまな場所へ行かせていただきました。北の方が多いんですけれども、札幌へ行って、盛岡へ行って、釜石へ行って、区部ももちろん行ったし、多摩も行ったし、もちろん町田のパブリックビューイングも行ったという形で、いろいろ見回っていくと、やっぱり地域独特、それぞれ違うんですよね。盛り上げ方も違えば、警備の仕方も違う。さまざまな違いがありました。そういった中にこれからの成功の鍵があるんだろうなと思っています。
大会のレガシーということを考えたときに、もちろん東京二〇二〇大会ですけど、東京の視点、日本全体の視点、そして世界への視点という三つの視点が大事だという話は、これまでも何度も取り上げられているところですので、ぜひとも、今回ラグビーでできたさまざまな協力関係といいますか、連携を生かしていただきたいなと思っています。
ですので、ただ待っていても、これ、待っていて何か教えてくれるというものじゃないと思いますので、東京都からぜひ各自治体に働きかけていただいて、情報収集だけじゃなくて、機運が広がっていくように働きかけていただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○伊藤委員 私の方からは、大会輸送についてと、それから練習会場について伺いたいと思います。
その前に、本当にこの間、マラソン、競歩の開催地の変更があったり、そして八日、そしてまたきょうの特別委員会があったり、もちろんラグビーワールドカップもございました。そういう意味で本当にオリ・パラ準備局の皆様のご苦労には心から敬意を表したいというふうに思います。
先日の潮田局長の大変悔しさのあふれる答弁も伺いました。さまざまなことがありつつも、改めて来年の二〇二〇大会の成功を祈りたいと思いますし、また私どもも尽力させていただきたいというふうに思います。
さて、大会輸送についてですけれども、大会時には選手など大会関係者や観客のみならず、多くの人が集まることで物資の移動なども活発になり、道路や鉄道の混雑が当然ながら懸念をされております。大会の成功に向けては、円滑な大会輸送の実現と、そして都市活動の維持との両立が重要であり、このための交通マネジメントを進めることが肝になっております。
これまで都は、国や組織委員会、そして関係機関などと連携をし、さまざまな交通マネジメント施策を打ち出してきました。この交通マネジメント施策を構成するTDM、TSM、ロードプライシング、交通規制、鉄道対策などは、おおむね具体的な施策として整理されており、残すところの課題は、こうした交通マネジメントを企業や都民、市民を巻き込んだ形で実施していくスムーズビズの推進と、その協力を得るための広報、周知であります。この観点から質問をさせていただきます。
まず、ことしの夏にテレワークや時差ビズ、TDMなどの取り組みを企業に促すスムーズビズとして行った試行について、内容と結果を伺いたいと思います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 この夏、大会と同時期に企業など多くの皆様のご協力のもと、テレワークやTDM、時差ビズを一体的に進めるスムーズビズの取り組みを大規模に実施いたしました。
あわせて、七月二十四日と二十六日には交通システムマネジメント、いわゆるTSMとして、高速道路の本線料金所でのレーン数の制限や、交通状況に応じた入り口閉鎖などをテストいたしました。
この結果、一定程度の交通量減少が図られた一方で、交通規制を行った箇所の周辺で渋滞が発生するなど、大会時の円滑な交通状況の実現にはさらなる交通量減少が必要であることが明らかとなりました。
また、企業等へのアンケート調査結果において、来年に向けたスムーズビズへの取り組み意欲がある企業が六割程度あることから、こうした企業の後押しなどに積極的に取り組んでまいります。
○伊藤委員 今、積極的に企業の後押しを行っていくということですので、なお一層の取り組みをお願い申し上げたいというふうに思います。
さらなるTDMの推進を図り、交通量を減らす必要があるということですが、この夏の結果を受けて、ロードプライシングが新たに施策に追加をされました。追加に当たっては、我が党は、こうした施策を行う場合は、とりわけて都民生活への影響も大きいわけでありますので、物流事業者などに配慮するよう要望してまいったところでございます。
今回のロードプライシングの考え方において、とりわけて我が党の要望を受けて、どのようになっているのか伺いたいと思います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 ことしの夏に行ったスムーズビズの試行の結果、道路交通についてはさらに交通量を減らす必要性が明らかになりました。大会時には、選手など大会関係者の車両や物流車両などの増加を見込んだ上でも、期間中を通じて円滑な交通状況を実現していく必要がございます。
このため、オリンピックルートネットワークの主体となる首都高速道路の流動を確保するため、料金施策を導入することといたしました。この料金施策につきましては、日中の交通を夜間へシフトすることを目的として、例えばETC車両につきましては、首都高速道路全線において、午前零時から四時までを半額としたほか、一般道から首都高への転換を抑制するため、都内区間において、マイカーなどを対象に午前六時から二十二時まで千円の料金上乗せを行うことといたしました。
また、ご要望いただいていた他の公共交通への転換が困難な物流車両を初め、タクシーなどの事業用車両、障害をお持ちの方が利用する車両につきましては、料金上乗せの対象外としてございます。
○伊藤委員 私どもが要望させていただいた、とりわけて今お話のあった他の公共交通への転換が困難な物流車両を初め、タクシーなどの事業用車両、あるいはまた障害をお持ちの方が利用する車両の料金上乗せが対象外となったということについては、高く評価をさせていただきたいと思います。
ただ、そもそもがこのロードプライシングについては、千円、一般の利用者については上乗せをするということで、これはどちらかというと、料金そのものを高くしてその期間制約をするということ以上に、こうした取り組みによって、その期間できるだけ首都高を使わないでくださいねとか、あるいは首都高のみならず、できるだけ公共交通機関を使っていただいて、車が必要じゃない方には車を使わないでくださいねという機運の醸成が最も重要で、このロードプライシングを通じて、そういう機運を高めていただくことが何よりも大事ではないかというふうに考えております。
そういう意味で今後、より多くの企業や市民が大会に向けた準備の必要性というものを理解して、みずからのこととして行動してもらうためにも、交通マネジメント、交通マネジメントというとちょっと言葉が難しいのかもしれませんけれども、よりわかりやすい形で内容をきちんと理解してもらう必要があると考えますが、どのように進めるのか都の所見を伺いたいと思います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 これまで都は、経済団体や業界団体などと連携するなどし、延べ一万二千人を超える企業の経営者や担当者を対象として、大会輸送の内容や、企業に取り組んでいただきたいことについて丁寧に説明を行ってまいりました。
さらに、競技会場周辺や、特に交通混雑が見込まれる十六の重点地区を中心に、個別相談会の実施や、個々の企業に直接出向くことに加え、要請に応じてコンサルタント派遣などを行ってきております。
この夏の試行の際にも、大会関係車両の動きや大会時の交通規制など、十分な事前周知を行ってほしいという声が寄せられていることから、大会に向け、組織委員会や交通管理者を初め、関係機関と連携しながら、わかりやすい広報や情報発信を積極的に展開してまいります。
○伊藤委員 先ほど申し上げたように、千円徴収を高くすることが目的ではもちろんなくて、その期間に多くの方々に協力していただくことが重要です。私の周りでも大会期間中に首都高が千円高くなるということを今時点で知っている方、一般の方でいえばそんなに多くないですね。そういう意味ではこれからということだとは思いますけれども、やっぱり一カ月前、二カ月前から一般の方々に周知されていて、そうか、そこまでしてやっぱり車の抑制をしていかなきゃいけないんだということをご理解いただくことが重要ではないかというふうに思います。
都や組織委員会などが進めるこの交通マネジメントについては、交通混雑の発生をなるべく抑えるという狙いもありますが、あわせてスムーズビズの本質には、働き方改革の実現、物流の効率化、ドライバーの雇用環境の改善といったレガシーにつながる要素が多く含まれます。
企業や市民にスムーズビズを広く呼びかけるということの中に、こうしたレガシーにつながるような働きかけや行政としての対応といったことも必要だと考えますが、都の所見を伺いたいと思います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 都は、快適な通勤環境、企業の生産性向上を図る新しいワークスタイルや企業活動の東京モデルをスムーズビズとして推進しており、通勤などの人の流れに関する取り組み、サプライチェーン全体にかかわる物の流れに関する取り組みを進めております。
人の流れに関する取り組みのうち、例えばテレワークにつきましては、国や関係局と連携しながら、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方ができる環境の整備につなげて働き方改革を実現してまいります。
物の流れにつきましては、さまざまな業界団体を所管する関係省庁とも連携し、配送事業者のみならず、荷主となり得る企業などに対して柔軟な対応が可能な発注を行っていただくことを働きかけ、リードタイムを延長するなど、物流効率化につなげてまいります。
こうした取り組みは大会時のみならず、その後のレガシーともなり得る施策として取り組んでまいります。
○伊藤委員 大会に向けた企業や市民の準備も待ったなしの時期に来ていると思います。この働きかけを都や関係機関にお願いすることももちろんですが、我が会派としても、また都議会としても、みずから呼びかけ、働きかけをしていく必要があるものと考えています。
大会の成功に向け、ここにいる全ての皆様のご協力と行動をお願いして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
本年六月にもオリ・パラ特別委員会、この委員会において公式練習会場について質問をさせていただきました。私の地元でもあり、また世田谷区でもありますオリンピックの名が冠されている駒沢公園が大会開催中においては会場にならないということもあって、ぜひ何らかの形で活用をしていただきたいということを再三申し上げてまいりました。その中で、サッカーの練習会場になるということが明らかになったわけでございます。
公式練習会場に決まったことにあわせて、ぜひこの練習会場、例えば一般の方とか、特にお子さんたちに中に入って見てもらえないだろうかということを以前に提案させていただいたところ、セキュリティーの問題だったり、情報漏えいの問題だったり、いろんなことがありますということで、なかなか難しい旨のお話をご説明としていただきました。
正確な答弁としては、練習会場は選手のコンディションなどへの配慮から原則として非公開とされ、地元の子供たちが練習会場に入ってボール拾いをするなどの活動は想定されていませんという答弁であったわけです。
しかし、子供たちにとって、まさに一生に一度の思い出になるチャンスであることから、都として、組織委員会とともに国際競技団体などに対して、練習の見学や手伝いなど実現できるように働きかけていただきたいということを質問させていただきましたところ、今後、具体的に調整を進めていくとの答弁がその当時ございました。
そこで、現在の調整状況について確認をさせていただきたいと思います。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 練習会場は選手にとって試合前の最終調整の場であり、練習期間中の一般利用が制限されます。そこで都は、これまで都立の練習会場について、試合前の練習風景の見学等を実現できるかどうか、組織委員会を通じて国際競技団体へ働きかけを行ってきたところであります。
ご質問の駒沢オリンピック公園総合運動場につきましては、組織委員会が国際競技団体と調整した結果、国際競技団体の了解を得られたと聞いております。実施に向けましては、各国チームとの調整が必要となりますことから、今後より詳細な調整を進めてまいります。
○伊藤委員 ありがとうございます。過去には、駒沢公園を使われる、練習場になる、しかし、バスだけは来れて、バスは見れるけど、そこで何が行われているかはなかなか見せられないんだ、難しいんだというお話もあり、過去大会においては、こうした取り組みというのがなされたことが、都の確認するところ、ないということで、大変困難だったと思うんです。今、答弁にあったように、組織委員会が、ここでいうとサッカーなのでFIFAということになるんだと思いますが、国際競技団体と調整した結果、FIFAの了解を得られたということでありますので、今回、マラソン、競歩、チケットがなくても見れると思っていたものが、残念ながら東京では見れないことになってしまいましたが、この練習会場でスーパースターが練習しているところを目の前で見れるというのも、いってみればチケットを持っていない方にとっては大変大きなオリンピック・パラリンピックを感じられるチャンスだというふうに思います。
これからもちろん、どなたでも入れるというわけではないと思いますので、どういう方に入っていただくのか、抽せんなのか何なのか、また調整が必要なんだと思いますけれども、とりわけて子供たちが多く見れるように、ぜひご配慮をいただきたいと思います。
この駒沢オリンピック公園の練習風景の見学などについては、まさに今、実現に向け大きく前進したと思うんですけれども、スター選手たちの練習を間近で見ることができます。
この練習会場は、今、駒沢オリンピック公園のことを取り上げましたけれども、都立施設以外にも、区立施設なども練習会場に指定をされていると聞いています。そういう意味で、都立以外の公共施設も練習見学などが可能になるのか。これから駒沢公園で練習が見れるということになると、ほかの練習会場の方々からもそういう関心を持たれると思うんですけれども、この点について答弁をお願いしたいと思います。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 都内においては、都立施設のほか、地元自治体が所有する施設が練習会場となっており、十月末現在、十四自治体が練習会場となる施設を公表しております。
こうした施設につきましても、各自治体からの要望に基づき、組織委員会が国際競技団体との調整を進めており、例えば近代五種については、前向きな回答を国際競技団体からいただいていると聞いております。
○伊藤委員 今、サッカー以外にも近代五種というのが出てきました。これから各自治体から、うちでもぜひ公開してもらって、公開というよりは一部限定をした形でも、地域の方々に見れるようにしてもらいたいという話が出てくるんだろうと思います。ぜひ都としても、組織委員会の協力を得ながら、こうしたことが一カ所でも多く実現できるようにお願いをしたいというふうに思います。
都内には競技会場がない自治体も多くございます。練習会場のある地元自治体では、練習見学などが今みたいに可能になる部分があるということで大いに機運が高まりますが、また、練習会場がない自治体の住民の方も、都立施設の練習見学などに足を運ぶことで東京二〇二〇大会にかかわることができ、大いに盛り上がると思います。そのためにも、今申し上げたように組織委員会に強く働きかけてもらいたいと思います。
都立施設でこうした練習風景の見学等の取り組みを実施していくためには、組織委員会との連携が重要だと考えますが、どのように役割分担して実現を図るのか、また今後どのようなスケジュールでこれらを進めていくのか伺いたいと思います。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 組織委員会は、都からの要望に基づき、国際競技団体や各国チームへの働きかけや折衝、練習スケジュール等の調整を行うこととなります。また、東京都は練習風景の見学等の企画や対象者の選定、当日の練習会場での対応等を行うこととなります。
今後、来年春ごろには参加チーム等も決まってまいりますので、これらが決まり次第、組織委員会と連携しながら、各国チームとのより詳細な調整を進めてまいります。
○伊藤委員 以上、今、答弁していただいたように、本当にこれも新しい東京から始まる取り組みになるというふうに思います。今後のパリやロスにおいても、地域の方々がチケットがなくても見れるオリンピックの楽しみ方の一つに確実になるレガシーだと思いますので、ぜひ実現に向けて一層のご尽力をいただきたいと思います。
ただ、職員が全て今ある予算の中で対応し切れるとも限りませんので、確実に実施するためにも、必要に応じて予算措置を行うなど、都として積極的な対応をお願いしたいということを申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。
○川松委員 私からは、首都高の値上げの方針について、ちょっと思っていることもありまして、確認の意味も含めて幾つかお聞かせいただきたいと思いますが、今回は夏の実証実験を経て、大会中の首都高値上げという話なわけでありますが、この首都高値上げに行く過程の中で、輸送の現場の皆さん方というのは、こんなこともやったらいいんじゃないか、ああいうこともやろうじゃないか、いろんなことを取り組んできたけれども、いろいろ実験した結果、ここの料金はやむなしだ、そして取り組んでいくんだという苦しいご判断に至られたんだろうと私は推測しています。
今回その中で、物流業者に皆さん方、配慮するということで、資料、きょう報告された中にも入っていますが、ナンバーでいえば白ナンバーと緑ナンバーを選別することで、値上げをする対象者、そうじゃない人たちということを分けるということでありますけれども、これを受けて、こんな話が出てきたんで、ある方から相談がありました。
白ナンバーで社用車として使っている経営者の方が、確かに我々は輸送を業とはしていないよと。でも、いろんな仕事を確保するために、物を納品するとか、私が届けるから、その分安くなるからうちで使ってくださいねなんて営業をしているんですと。
現実的に、例えば来年の七月二十日から八月十日まで、あるいは八月二十五日から九月六日までに、その人は仕事が発生するかわからないんだけれども、このときにまた仕事が発生して、往復の運賃とかを考えると、首都高が値上げしちゃったら意外と余り利益が出ないんだけれども、これは何とかならないかと。薄利で商売をやっている私たちにとっては結構きついんですよと。白ナンバーなんだけれども、きついんですよという話がありましたので、部長にお聞きしますが、白ナンバーの中で社用車と、例えばレジャー、自家用車を分けて、料金の値上げ方針に取り組むということは厳しいんでしょうか。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 まず白ナンバーですが、その用途の目的が業務なのか、通勤なのか、もしくは本当に仕事で使っているのか、そういうことがその都度、首都高に乗るたびに判断することがやはりちょっと困難なために、仕分けはできないんではないかというふうに考えてございます。
また、ETCのシステム上もそういった使用目的ごとに判別できるようなものになっていないため、システム上も対応するのが困難だというふうに確認しております。
○川松委員 部長、ありがとうございます。例えば首都高に乗ろうと思って、バーが上がらないと、反応しないでとまる場合がありますよね。そうすると、これ渡して、処理をしてもらって、このまま出口に出られますよという処理ができるわけですよ。
ある人は僕のところに行って、そこで一回とまって、荷物も見せて、ETCカードも渡して、この上で社用だという判断はできないんだろうかという質問があったんですが、これ、部長、どうお答えしますか。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 現実的に、確かに首都高の入り口のところで、現金車対応のためにいる人がそういうのをチェックできるかということなんですが、実態上そういうことをやった場合、やっぱり首都高の乗る流動性といいますか、入り口に時間がかかったりとか、もたもたしてしまう、そういうようなことも考えられますので、現実的にはちょっと対応はなかなか難しいというふうに考えます。
あと、先ほど白ナンバーの話がございましたが、白ナンバーの中でも、いわゆる四ナンバーとか六ナンバーとか八ナンバー、貨物車登録しているものにつきましては、料金上乗せの対象外と一応なっております。
○川松委員 そうなんです。ただ、僕のところに相談があったのは、常日ごろそういうことをやっていないから登録をしていないということなんですが、まだあと八カ月近くありますから、何かいい知恵を出して、そういう人たちに対して答えを出していっていただきたいなと。もう少し愛のある答弁が出てくるように、部長の取り組みを要望しておきます。
一方で、交通規制を都内でかけていくわけでありますが、かなりこの大会期間中は厳しい交通規制をかける場面もあると思います。そこに合わせて首都高の値上げという流れが乗ってくるんですが、かなり物流業の皆さんはわかっていると思います。今回の実証実験も、物流業の皆さんは事前からいろんな、もちろん皆さんプロですから、常に情報には敏感にキャッチしていたと。大阪のサミットを見ていても、物流業者の皆さんは、もう前々からよくわかっていて、何カ月も前から取り組みをしていましたが、ちょっとさっきも話がありましたけれども、一般の方というのは、なかなか物流業者と違ってこういったことの情報に敏感ではないと。今回のパブリックコメントの数を見ると三十九通、九十九件ということですから、ちょっとパブリックコメント自体もやっぱり広がりが弱かったのかなという印象を受けました。
今後こういった方針を広く都民の皆さんに知っていただかないと、直前で首都高の値上げについて混乱して、何でオリンピックをやるんだとまた話が出かねない。(笑声)もう笑っている人たちが多分いい始めるんですけれども、だから、こういうことに関して、局としてどういうふうに、もう一回、このパブリックコメントの数を受けて、どう広げていくかということの思いとか取り組みの姿勢みたいなのを教えていただければと思います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 今回パブリックコメントの結果はごらんのとおりの数字でございましたが、こういった施策をとるに当たっては、しっかり周知して取り組んでいくことがやはり大事だというふうに認識しております。
また、今回、大会期間に向けた交通の輸送対策を実施していくに当たっては、より多くの方々にご理解いただき、その取り組みに取り組んでいただくことが非常に重要だと考えております。
ですので、我々としましては、今後いろんな節目節目のタイミングを捉え、大会の機運の醸成に合わせた広報のあり方等についても検討を行い、しっかり国民の皆さんに行き届くように取り組んでいきたい、広報していきたいというふうに考えてございます。
○川松委員 ありがとうございます。ここ、本当にじっくり取り組んでいただいて、みんなが理解をした上で、広く皆さんのご理解をいただいた上で、首都高の値上げを実施されていくという来年の七月になっていくということを要望しておきます。
本日は、本件以外にも会場周辺交通対策について報告されていますが、この大会期間中の都心部の輸送オペレーションが大変だということは、私自身も二〇一六年のリオ大会が終わったあたりからずっとこの委員会で話をしてきました。
そこで一言申し上げますが、この要因の一つというのは、環状二号線の本格開通が二〇年大会に間に合わなかったということだと私は考えています。これはいうまでもなく、市場移転問題で都知事の決断がおくれたことによりますが、こういうことをいうと、大会輸送計画上影響はないんじゃないかと多くの人に反論されますが、これ、もっと早く環二ができていることがわかっていれば、この計画も変わっていたと。
つまり何をいいたいかというと、二〇年大会に環二の本格開通が間に合わないとわかった後にできた計画が今の大会輸送計画です。環二がない前提でつくられたんだから、それは計画上問題がないんです。ただ、環二ができるとわかっていたら、もっと違う輸送計画になっていて、首都高の値上げという方針もちょっと変わっていたんじゃないかなというのが私の思いであり、これは間違いなく明らかなことであります。
つまり、環二の本格開通ができなかったことが多くの人々、あるいは多くの自動車を利用される皆さんへの負荷につながっていると私は認識をしておりますので、なお一層気を引き締めて、これ、東京都の政策上こうなってしまったという一端が私はあると思っていますので、局の皆さんとこの問題に取り組んでいかせていただきたいと思います。
それと、本日はこんなことに触れるつもりはありませんでしたが、先ほどの冒頭の理事からの発言で、参考人招致を求める発言がありました。先週の金曜日にマラソンが札幌に移転する話があって、そこから、きょう、積み上げた議論がないにもかかわらず、参考人招致を求める発言が出てきたわけであります。これは明らかに議会、委員会の場をいたずらにみずからのアピールに利用しているとしか私には見えません。
参考人招致そのものを否定するわけではありません。否定はしていませんが、お呼びするにはその根拠、なぜ必要かということを明確にすることが必要であります。何でもかんでも参考人を呼べばいいやと繰り返していたら、議論は前に進まないどころか、都議会ってそんなところなのとほかからいわれると私は考えております。
この件に触れていうと、イメージづくりだとすると、根拠なくして、一部の都議の人たちがSNSなどで、一部国会議員と一部都議会議員の合作による意趣返しとか、都議会自民党の怨念政治はマラソンの札幌開催に向けての東京都外しが見てとれると断定されている方もおられました。本当にそういうことがあるんだったらいいけれども、断定していっていくと、議論が前に進まないどころか、多くの人たちを不安に陥れるんじゃないかと思います。
改めて、ここの場、議会の場、我々というのは、二〇二〇年大会の成功ということが大切な目標だと思います。
この目標を忘れて、今回の事態を政局に利用しようとする発言がこの委員会の場で行われていることは、ちょっと私は、都議会が一致団結して大会招致から大会成功に邁進してきた経緯を知る一人として、IOCによる会場変更以上の驚きでありまして、オリンピックを政治利用することには断固抗議することを申し上げて、質問を終わります。
○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十五分間休憩をいたします。
午後六時十八分休憩
午後六時四十五分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○古城委員 第九回聖火リレー実行委員会等について並びに第十回東京都聖火リレー実行委員会等についてに関連して質問をいたします。
私も出席、観覧させていただきましたけれども、七月二十四日、東京国際フォーラムではオリンピック一年前セレモニーが、そして八月二十五日には、NHKホールでパラリンピック一年前セレモニーがそれぞれ開催されました。
両セレモニーに、聖火リレー公式アンバサダーとして登場した女優の石原さとみさんは、聖火リレーにはランナーはもちろん、沿道での声援、ボランティアなど、さまざまな形で参加できます、一緒に全力で楽しみましょうと呼びかけました。
報告事項で説明があったとおり、オリンピック聖火ランナーについて、公募人数百六十五名に対して、東京都分ですけれども、一万六千九百三十二名の応募がありました。倍率百倍ということからも、聖火リレーへの関心が非常に高いことが明らかであります。
また、聖火リレートーチについては、ことし七月から八月に都庁でその展示を行ったところ、多くの方々に見ていただき、大変好評であったと聞いております。
そこで、どのくらいの方々がトーチの展示を見に来場したのかお尋ねいたします。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 聖火リレーの機運を盛り上げるため、本年七月十日から八月二十五日まで四十七日間、都庁第一本庁舎二階の展示コーナーにおきまして、オリンピック聖火リレートーチとパラリンピック聖火リレートーチ各一本を展示いたしました。
この展示期間は、来年のオリンピック聖火リレーの都内出発式の一年前からパラリンピック聖火リレーの終了日の一年前として設定したものでございます。
展示実績でございますが、都民や海外等から来訪された方々も含め、展示コーナー来場者数で延べ八万八千八百十八人でございました。
○古城委員 聖火リレーのトーチについては、都庁舎での展示が延べ八万八千八百十八人であったということでございます。
参考までになんですが、私、昨年の総務委員会で確認しましたところ、ここ都庁舎は、日々一万人以上の都職員や委託会社の社員等が勤務されるとともに、都民に開かれたシティーホールとして、年間約三百三十万人の来庁者があるとのことであります。
また、昨年の各会計決算特別委員会では、展望室の年間入場者数が二十一年ぶりに二百万人台を回復した平成二十七年度以降、ここ数年、外国人旅行者を中心に増加傾向にあることを確認したところでありますけれども、これらの数字を少し、一日当たりにしてみますと、都庁舎には職員の皆さんが一日一万人、それから来庁される方も一日一万人、都合で二万人、そして人気の展望室には一日当たり約六千人弱が訪れているということになります。
これらの数字と一概には比較できないかもしれませんけれども、四十七日間という期間限定の中で、一日平均しますと一千八百八十九・七人ということですけれども、このトーチ展示コーナーの来場者数は堅調であったということがいえますし、また評価できるというふうに考えております。
さて、私の地元である新宿区は、昨年の夏、百貨店内の特設会場で、駐日ギリシャ大使館、在日ギリシャ商工会議所と共催し、「古代オリンピアから日本へ 想いをつなぐトーチ展」と題した、聖火リレーのトーチが一堂に会す展示会を開催しました。聖火リレーが始まった一九三六年ベルリン大会以降に開催された夏季オリンピック全十九大会で実際に使用されたトーチ二十四本を初め、冬季オリンピックから六本、さらにパラリンピックから六本、計三十六本のトーチが公開されました。
これらのトーチは当時の最先端の技術が盛り込まれているほか、大会コンセプトを表現する意匠が凝らされているなど、歴史的価値の高いものとなっております。百貨店内の特設会場ということから、やはり多くの方が来場されたというふうに聞いておるところでございます。
東京二〇二〇大会の終了後、この大会が都民の皆様の記憶に残るよう、都が検討しているアーカイブの取り組みに聖火リレーのトーチの展示を検討すべきと考えますけれども、都の見解を求めます。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会の成功とともに、その成果や感動を確かなレガシーとして将来にわたって残すことは重要でございます。開催都市契約等においては、組織委員会が大会の資料等について保存する計画を策定することとされておりまして、現在、都を含む関係機関において、その保存、活用についての協議を行っております。
また、JOCは、オリンピックムーブメントの発信拠点として、ことし九月に日本オリンピックミュージアムをオープンし、オリンピックの意義や歴史を紹介するなどしております。こうした状況も踏まえ、都としても展示スペースや効果的な展示方法のあり方の検討を行っております。
今後、聖火リレーのトーチを初め、大会を通じて残される貴重な財産の保存と活用につきまして、多くの都民が訪れる都立施設での展示を含め、具体的な検討を進めてまいります。
○古城委員 これまで都議会公明党は、都によるレガシー施設をつくるべきであると繰り返し訴え、その具体的な場所や内容についても提案してまいりました。
今、部長に答弁していただいたところですけれども、ことしの三月の予算特別委員会で我が党の橘議員から質問しまして、局長からご答弁いただいたところと、半年以上たって、どこが進んでいるのかなと思いまして、今ちょっと答弁をしっかりと聞かせていただいたところですけれども、JOCがことしの九月に日本オリンピックミュージアムをオープンしたというところは変わっている点ですね。しかし、この主体はJOCであります。都については展示スペースや効果的な展示方法のあり方の検討を行っていると。そして、るるありましたけれども、今後は具体的な検討を進めていくと、こういう答弁でありました。
ちょっと済みません、この点、これまでいろいろやりとりをさせてきていただいているんですが、少し意見も含めて申し述べたいなと思うんですね。
先ほど、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会の開催結果速報でも紹介されておりましたけれども、東京での試合日及び土日について、想定の平均五千人の倍にも迫る一日平均九千八百人が来場した東京スポーツスクエアは、交通至便で来街者も多い立地であることがこの好結果につながったといえると思います。
今も答弁があって、そして予算特別委員会のときにも答弁があったとおり、都が行っている展示スペースのあり方の検討の中で、この東京スポーツスクエアも検討材料に加えるべきと考えているんですけれども、もしお答えいただけるのであれば、その後、この東京スポーツスクエアに限らず、検討は進んでいるのか、この立地等について、また展示スペースのあり方、この半年たった中で進んでいるのか、また今後どのような検討をされていくのか、もしお答えいただけるのであれば、お尋ねしたいと思います。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 アーカイブにつきましては、さまざまな状況を踏まえまして、都としても展示スペース、効果的な展示方法のあり方の検討を行っておりまして、多くの都民が訪れる都立施設の展示を含めまして、具体的な検討を進めてまいります。
○古城委員 大変お答えされにくいということなんだろうと思うんですが、もう一点ちょっとお伺いしたいなと思うんですね。
昨年の三月、平昌大会の際に、議連でも多くの方が、平昌、江陵、そしてソウルを視察されたと思います。私も三月に、都議会公明党を代表しまして、平昌冬季パラリンピックの競技会場がある韓国の平昌と江陵などを視察させていただきました。その際、江陵オリンピックパーク内に開催都市東京及び東京二〇二〇大会のPRを目的として設置された東京二〇二〇ジャパンハウスを訪れまして、自分自身の等身大アバターが東京を観光する、ザ・トウキョウ・トラベラーズコーナーなどを体験させていただきました。
またあわせて、ソウル市内のソウルオリンピックミュージアムを視察いたしました。ここは一九八八年のソウル大会とともに、昨年の平昌大会もあわせて、招致準備から開催の成果まで、両大会のレガシーを残す貴重な展示施設となっております。ソウル大会だけでなくて、まさにその期間行われていた平昌大会の聖火トーチも厳然と展示をされておりました。
そして、3D技術を活用した冬季オリンピック、またパラリンピック競技の疑似体験をできる施設を私も体験させていただいたところであります。
また、先ほど答弁の中で触れておられました日本オリンピックミュージアムですけれども、私や、また長橋副委員長も先月こちらを視察してまいりました。オリンピックの歴史や日本とのかかわりを紹介する展示や、オリンピック選手の卓越性を体験できるコーナーがありまして、楽しみながら学ぶことができるということを強く実感してきたところであります。ここにも各大会の聖火のトーチが展示をされておりました。
さらにもう一点申し上げたいなと思うんですけれども、先ほど冒頭にご紹介をした石原さとみさんは、聖火リレー公式アンバサダーになって、競技にそれぞれ楽しみ方があることも知りました、パラスポーツは知らないと楽しみ方がわかりませんが、実際に知るとおもしろいと思いますと語っています。
東京二〇二〇大会のレガシーとして、パラスポーツが人気コンテンツ化すること、いわゆる八月に発表された論点整理には、このように二〇四〇年代の東京のイメージが描かれております。石原さとみさんが実感した、知ることがおもしろさにつながるという点、これはラグビーワールドカップでも日本代表の躍進とともに多くの方と共有できる点ではないかなと思います。
さらに加えて申し上げますと、私は一昨日、九日の土曜日に、BEYOND FES日本橋にお邪魔をして、日本パラ陸上界のレジェンド、パラリンピックに七大会出場されている永尾嘉章さんのトークショーを拝聴いたしました。永尾さんは、諦めないことや家族の大切さを訴えられるとともに、パラ陸上を楽しむコツとして、まさに今、パラの世界陸上が開催をされているところですから、ぜひお気に入りの選手を見つけてほしい、こういうふうにおっしゃっておられました。
そして、私もあわせて、体験会が行われていましたので、初めて競技用車椅子、レーサーに試乗いたしました。先頭部分、先が大変軽くなっていて、自分自身の体重が後部にかかるものですから、前傾姿勢にならないと転倒してしまうと、そういうことも教えていただいて、少しおっかなびっくりでありましたけれども、競技の魅力ということを少しばかりですが、経験させていただいたところです。
これら、八日のマラソン関連の質疑で確認をさせていただいた点でもありますが、都では、チームビヨンドのBEYOND FESでの体験会や、パラリンピック全二十二競技の体験機会を都内各地で提供するNO LIMITS CHALLENGEを実施されております。これらの実績を活用して、日本オリンピックミュージアムとのすみ分けを図る上で、都のレガシー施設、アーカイブの取り組みでは、パラスポーツの体験コンテンツを取り入れるべきであると考えます。
繰り返しになりますが、三月の予算特別委員会、そしてきょうの委員会質疑でも答弁があった、検討されているという効果的な展示方法のあり方というのは今どのような状況にあるのか、この点も確認させてください。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 今、お話しいただきましたさまざまな大会で使用されるもの、あるいは記念品や記録など、大会を象徴する貴重な財産につきまして、大会後も保存をして、多くの方にごらんいただくということ、そして、それを将来に引き継ぐべき資料として確実に保存し、広く利活用するということは、大会の記憶を長く伝えていく上で大変重要でございます。
今後、こうした展示につきまして、より効果的な保存、活用につきまして、多くの都民が訪れる都立施設での展示を含めまして、検討してまいりたいと考えております。
○古城委員 検討であるというお話でありますけれども、最後に一言申し上げさせていただきたいと思います。
東京二〇二〇大会のレガシーを未来に伝えるために都が整備する施設、またアーカイブの取り組みの充実に向けて検討を加速させて、早期に成案を得ていただきたいと強く要望をさせていただきまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
私からは、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案概要版について質問させていただきます。
まず、再生可能エネルギーについてなんですが、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書については、初めに冒頭で、東京都環境影響評価条例に準じて環境アセスメント制度のチェック機能を活用すると。東京二〇二〇大会に伴う環境影響の回避、最小化、代償を行うとともに、大会を契機とした東京の持続可能性の向上に資することを目的とした自主的な取り組みですとあります。
そして、今回の評価書案の内容については、全体計画、そして、屋外の敷地外及び水域で実施される競技の周辺環境への影響に加えて、アスリートへの影響も評価の対象となっております。
東京都が自主的な取り組みとして環境アセスに取り組む姿勢は、私、とても重要だと思うし、歓迎をしたいと思っております。
そこで、本日は、主に全体計画の評価について伺っていきたいと思います。
大会では、SDGsを含む世界的な議論の潮流を踏まえて、持続可能性の主要テーマとして、気候変動、資源管理、大気・水・緑・生物多様性、そして人権・労働、公正な事業慣行等への配慮、さらに参加・協働、情報発信(エンゲージメント)の五つを掲げております。これにかかわって、今回のアセスに照らして質問したいんですが、その中でまず、気候変動対策についてです。
アセス案でいいますと環境項目に当たるというふうに思いますが、二〇二〇大会は脱炭素化に向け徹底して取り組み、世界の人々と共有することは、パリ協定及びSDGsの目指す姿を実現する上で重要な転換点になると述べられております。再生可能エネルギー使用一〇〇%目標達成に向けて、どのような取り組みを検討されているのか、まず伺います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 持続可能性にかかわることですが、都が整備する恒久会場におきましては、環境に最大限配慮した施設となるよう整備を進めておりまして、既に整備が終了した武蔵野の森総合スポーツプラザでは、太陽熱利用システムや太陽光パネルなどの導入により、エネルギーを低減する取り組みを行っております。
また、大会時に会場運営を行う組織委員会は、競技会場における電力の供給につきまして、発電元が明確な電気だけを供給し、発電源の公表も含めた取り組みを行うこととしております。
さらに、大会運営電力の再エネ以外の部分につきましては、グリーン電力証書等を割り当てることと想定しておりまして、再エネルギー使用一〇〇%を目標とした取り組みを進めているところでございます。
○とや委員 極力、電力の再エネで対応すると。だけれども、それでできないところについては、グリーン電力証書やJ-クレジットを割り当てるというご答弁でありました。
それでは、伺うんですが、グリーン電力証書など、オフセットによる対応になるのは全体の何割になるでしょうか。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 グリーン電力証書を割り当てる電力使用量の関係のご質問でございますが、組織委員会では、来夏の大会運営に向けまして、各競技会場の電力使用量の見込みなどを調整中でございまして、グリーン電力証書の割合を含めた電力使用量の具体的な数値は、現時点では定まっておりません。
○とや委員 アセス案を読ませていただいたんですけれども、ここでは最大限活用となっていて、終わってみないとわからないというふうに感じました。
一方で東京都は、脱炭素ワーキンググループの論議で、パリ協定の目標に即した厳格なクレジットを当ててカーボンオフセットを実施することは、夏季大会として初めての取り組みとなると、そして、これを新たなレガシーとしてパリ、ロサンゼルスへとつなげていく、省エネや森林保全など、削減や吸収活動に対するあらゆる主体の意識向上につながるような、全員が参加できる取り組みとすると述べております。
私自身は、排出削減の取り組みを本格的に導入すること自体、とても重要だと考えています。同時に、グリーン電力証書によるオフセットが仮に多くの割合を占めることになれば、本来、再生可能エネルギーを一〇〇%達成といっているわけですから、これはどうなのかなと思っております。
都として、この割合についてどのように評価するかお答えください。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 都が整備する恒久会場におきましては、環境に最大限配慮した施設となるよう整備を進めておりまして、既に整備が終了した武蔵野の森総合スポーツプラザでエネルギーを低減する取り組みを行っております。
一方、大会時に会場運営を行う組織委員会は、競技会場における電力の供給につきまして、発電元が明確な電気だけを供給する取り組みを行うこととしております。
大会運営電力の再エネ以外の部分につきましては、グリーン電力証書等を割り当てることを想定しておりまして、再エネに由来する電力を一〇〇%使用することを目標としているものでございます。
○とや委員 オフセットを利用しながらも、やはり再生可能エネルギーをきちんと利用していくと、切りかえていく、そういった取り組みが私は必要だと思います。
再生可能エネルギー一〇〇%目標を掲げているオリ・パラ大会です。ゼロカーボンについて東京都が率先して取り組み、組織委員会と連携して実現をしっかりと目指すことを改めて要望したいと思っております。
タワーズゼロカーボンについても読ませていただいたんですけれども、会場の約六割について、既にある会場を使うということ、それから新たに建設する会場は、高い省エネルギー水準を確保しているというふうに記載がありました。
私は、ゼロカーボンを目指しているというのであれば、新たに建設する会場についても、高い省エネルギーではなくて、再生可能エネルギーを使うという立場に立っていただきたいと思っております。
組織委員会のホームページを見ましたら、パリ協定がスタートする二〇二〇年に開催される東京大会だと。可能な限りの省エネルギー、再生可能エネルギーへの転換を軸としたマネジメントを実施し、世界に先駆けて脱炭素化の礎を全員参加で築いていくとありました。
一方、国は、六月に地球温暖化対策の国際的枠組み、パリ協定に基づく長期戦略を政府が閣議決定しております。今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現するという目標を掲げながら、二酸化炭素を大量に出す石炭火力については、依存度を可能な限り引き下げるとの表現で、結局維持をする表現となっています。多くの国が廃止を打ち出しているのに、これは逆行だといわざるを得ない。
片や、原発は再稼働を進めて、新しい炉も開発するといっております。脱炭素化の選択肢だからということです。しかし、原発から出る核のごみは、十万年もの間、管理が必要だし、その処分、処理のめども立っていません。
再生可能エネルギーによる脱炭素化こそ世界の流れといえるのではないでしょうか。既存電力の契約についても再生可能エネルギーに切りかえることができれば、ここの二〇二〇大会における再生可能エネルギーに既存電力が切りかえられれば、それこそレガシーになるのではないかと思います。東京都がオリ・パラ大会を契機にその先頭に立つことを強く要望しておきたいと思います。
次に、大会期間中における廃棄物の処理などについて伺います。
アセス案では、建築廃材の状況と取り組み、また、一般廃棄物についても調査結果が掲載されております。東京大会では、廃棄物を分別し、再使用、再資源化を図る取り組みが行われると考えますが、分別について二〇二〇大会ではどのようになるのか、また、多くの外国からの観光客を含めた人たちが訪れることになるわけで、分別方法も国によっても違うし、自治体によってもさまざまであります。これは六月にも一部取り上げさせていただいておりますが、どのように徹底して分別をするのか、改めてお聞きします。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 組織委員会では、会場内の運営時廃棄物の再使用、再生利用にかかわる目標の達成に向けまして、適切に再生利用できる分別を実施することとしております。
具体的には、競技会場における運営時廃棄物の収集、処分において、ペットボトル、プラスチック、紙等を適切に再生利用するための分別が徹底されるよう、外国人も含めた観客等にもわかりやすいピクトグラムを作成することとしておりまして、大会関係者や観客等への意識啓発に向けた取り組みも進めていると伺っております。
○とや委員 ピクトグラムや意識啓発に取り組むということです。これはこれで徹底していただきたいんですけれども、知事は六月の全米市長会議で、ごみ分別を徹底し、リサイクルを進めると、分別ナビゲーターを配置して、ゼロエミッションの大会を目指すと明言をされました。具体的な取り組みについて伺います。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 東京二〇二〇大会に向けた組織委員会と連携した取り組みといたしまして、不必要な使い捨てプラスチックを削減するため、レジ袋の削減などを行うこととしております。
また、競技会場等でごみを五から六種類に分別するなど、大会運営時の廃棄物の抑制にも努めることとしております。
○とや委員 五種類から六種類の分別をするということであります。これ自体すごく大変だと思うんですけれどもね。廃プラスチック、ペットボトルを初め、大会期間中には大量の廃棄物の発生が予想されます。
過去大会の例が、評価書案を読ませていただきましたが、ロンドン大会では、会場の設営、撤去で約六万トン、大会運営活動に伴う廃棄物は約一万トンとありました。これらを、分別廃棄物のうち、会場設営にかかわっては九九%を再利用、再資源化されたとあり、大会期間中では六二%が再利用、再資源化、そして堆肥化されたとありました。過去大会にも学んで、それ以上の資源循環に取り組んでいただきたいと思います。
分別や発生抑制について今伺ってきたんですけれども、さまざまな対策を講じているということは理解できるんですが、それ以前に、大会に向けて、競技会場などのごみも散乱するんではないかということが予想されます。これを防ぐことは大変困難だと思いますが、どのように取り組むのか伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 競技会場内で排出される廃棄物につきましては、組織委員会において、会場内にごみ箱を設置して回収をいたします。ごみ箱の設置に当たりましては、会場内の通路のほか、売店やトイレの付近にも設置し、観客がごみを捨てやすいように配慮いたします。
さらに、競技終了後に観客が退場する際には、会場の出口におきまして、清掃業者等を集中的に配置して観客からごみを受け取るなど、競技会場にごみが飛散しないよう対策を講じることにしております。
○とや委員 いろいろ対策を講じるといいますけれども、先日終わりましたラグビーワールドカップ、先ほどもご報告いただいたんですが、ここで出たごみはバックヤードにあふれて、観客席を徹夜で清掃したというふうにお聞きしました。二〇二〇大会はさらに多くの観客が訪れることになります。
こうした状況を踏まえた検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 ラグビーワールドカップ二〇一九では、競技会場内の清掃は組織委員会、ラストマイルの清掃は開催都市が行うこととしておりました。
会場となりました東京スタジアムでは、会場内はごみ回収ボックス付近に組織委員会がスタッフを配置し、観戦客に分別の呼びかけを行い、また、ラストマイルでは、都が散乱したごみの回収を行いました。
このラストマイルにおきましては、当初、試合終了後のみ、ごみの回収を行ったところでございますが、地元の要請を受けまして、二日目からは、特に飛田給駅から会場までのラストマイルにつきまして、試合開始一時間半前、試合開始直後、そして試合終了後一時間後の計三回にわたりまして、ごみの回収を行うことといたしました。さらに、翌朝にも再度状況の確認を行いまして、ふだんの日と変わらない状況にするよう努めたところでございます。
ごみの発生状況や対応方法等につきましては、会場や地域ごとに異なりますが、地元の自治体等にも確認し、ラグビーワールドカップ二〇一九での経験を東京二〇二〇大会に十分生かしてまいります。
○とや委員 本当にお疲れさまでした。大変だったと思います。都の職員の方も出ていって清掃に当たったとお聞きしました。だからこそ、大会になればもっと大変なのかなというふうに思いました。詳細な検証はこれからということですけれども、ぜひこの経験を生かしていただきたいなと思っております。
オリ・パラ大会期間中に排出される廃棄物はさまざまです。先ほど五、六種類に分けるということですが、徹底した分別、そして資源管理が求められ、ここで発生抑制も求められてきます。
私、この質問をするに当たって、各国のごみの状況をいろいろ調べてきたんですけれども、ごみの排出量は、例えば各国で差もあります。一人当たりのごみの発生量は、アメリカは日本の二倍にも当たっています。一方、ドイツなどのEU加盟国は、物質の回収に最大限の力を注いで堆肥化も進んでいるんですが、日本はなかなか進まないという現状があります。
会場内外ともに清潔で衛生的な環境になって、会場を訪れる人たち、会場周辺を観光する人たちも含めて、快適な環境をつくっていただきたいというふうに、そのご努力を期待しております。
衛生的な環境を維持するという点で、やはり私は、もう一つ心配なことがあります。ここからは感染症対策について伺っていきたいんですが、今申し上げたように、多くの観客が競技会場に集中するし、その周りにも観光客の方がいらっしゃいます。東京都は、二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領を策定し、現行の取り組みの充実強化や外国人対応等の新たな取り組みを実施するとしています。
まず、東京都の二〇二〇大会における感染症対策の方針について伺っておきたいと思います。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会に向けて、これまでに策定いたしました都市オペレーションセンター運営計画及び安全・安心確保のための対処要領におきまして、大会期間中、都は、都内の感染症の発生状況等の集約や、関係機関等への情報提供、特に注意が必要な際の警報発出の対処等を行うこととしております。
また、本年八月に都と国及び組織委員会が合同で取りまとめました二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた感染症対策に関する推進計画におきまして、関係機関が連携し、感染症予防策等の周知や実施に取り組むこととしております。
○とや委員 感染症の予防の観点は、私、とても重要だと思っています。大会期間中には、感染症が一度広がればパニックになってもおかしくないというふうに感じています。
感染症対策について、アセス案、全体計画の説明が前半で書かれているんですけれども、この中では、感染症の発生動向の監視、情報の収集及び都民、関係機関への提供等と触れられて、感染症の発生時に迅速的確な対応をとるための専門家の助言を受けられると記述がありました。
ところが案そのものを読みますと、予防の観点がないんです。感染症にかかったらどうするかと、そのときどうするかという観点のみになっていて、予防の観点がありません。これはなぜなのかを伺います。
また、大会における取り組みの影響を評価する部分では、飲食の提供のみの掲載になっているわけです。つまり、食中毒、O157とか、食事を提供するときにどういうふうに気をつけているのかとか、そういったところの評価しか想定をしていません。これについてもなぜなのか教えてください。
○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 本環境影響評価は、東京都環境局が作成した東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック環境アセスメント指針に基づき実施するものであり、大会における取り組みが与える影響を評価するものでございます。
このため、本影響評価は、大会期間中に衛生管理が求められる飲料水、食料等を評価の対象とすることが指針に記載されております。この指針に従い、食中毒など、アスリートや大会関係者等が直接的に被害を受ける可能性があるものとして、大会時の飲食提供を対象に評価しているものでございます。
なお、感染症の予防については、先ほど答弁があったとおりでございます。
○とや委員 環境アセスメント指針にないからということですけれども、私はこれは違うと思います。今だってもう既にテストイベントをやったりして、もうどんどんどんどん大会の準備が始まっているわけですし、大会の期間中だけでいいのかといったら、そうではないと思います。きちんとアセスを行って、その対応を検討すべきだと申し上げておきたいと思います。
東京都の医師会はことしの五月、東京オリンピック・パラリンピック大会関係者における麻しんの予防・まん延防止に関する要望書を小池都知事に提出しています。その内容は、大会関係者、選手、ボランティアに対して麻疹抗体検査を行う、抗体陰性または抗体価低値の者にワクチン接種を行う、また、都民全体に麻疹を初めとして各種感染症に関する啓発活動をさらに強化するということが盛り込まれております。
それはどうしてかというと、やっぱり大会期間中は会場やその周辺が過密状態になる、衛生環境の悪化が懸念されること、あるいは、病原体を持った人が移動することが懸念されるからです。オリンピックやパラリンピックは、まさに感染症蔓延の条件が整っているわけです。
国は、大会期間中に多くの外国人が国を訪れることから、入国管理や警備などの業務に当たる国家公務員のうち、ワクチン接種の確認ができない人に対して、来年五月までに接種することを求めるとしています。職員など大会関係者はもちろんなんですけれども、都でもこのような取り組みが必要だと思います。
そこで、特に私が心配なのはボランティアです。二〇二〇大会のボランティアさんは、大会ボランティア、都市ボランティアで合計十一万人という規模に上ります。大会期間中は一千万人を超えると見込まれる人たちがいる中で、ボランティアさん初め、大会関係者にMRワクチンの接種を実施すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 先ほどご答弁いたしました推進計画に基づきまして、都職員には、今年度の一般健康診断におきまして、風疹の抗体保有率が低い年代の希望者を対象に抗体検査を実施しており、抗体価が十分でない職員にMR、風疹、麻疹混合ワクチンの接種を推奨しております。
推進計画では、都や組織委員会の職員、出入国管理等に従事する国の職員等を対象に、MRワクチンの確実な接種に向けた対策を講じるとしております。
東京都医師会の提案については承知しておりますが、シティキャストやフィールドキャストにつきましては、こうした職員等が業務として従事する場合とは異なるものでございます。既に組織委員会との連携のもと、研修の機会を捉えて感染のリスクやワクチン接種に関する普及啓発を行っておりまして、健康状況を踏まえて活動に参加していただけるよう、引き続き周知に努めてまいります。
○とや委員 業務の性格が違うということで、シティキャストあるいはフィールドキャストに対しては研修だということですけれども、結局、自己責任でやりなさいということです。多くの人たちが集中する東京で感染症が蔓延すると。その引き金になることは絶対に避けなければならないわけですから、これはワクチン接種をボランティアさんの人たちに対してきちんとやるべきだと重ねて申し上げておきます。都と組織委員会、国の責任でやっていただきたいと要望しておきます。
次に伺いたいのが人権問題です。
二〇二〇大会を運営していく上で重要なテーマが人権です。大会では、持続可能性に配慮した調達コードを策定しております。その基本原則には、大会の準備、運営の調達プロセスにおいて、法令遵守はもちろんのこと、地球温暖化、資源の枯渇、生物多様性の損失などの環境問題、さらに、今申し上げた人権、労働問題、不公正等に配慮して、大会運営のために真に必要なサービスを調達していくということです。持続可能性を十分に考慮した調達を行うとしています。
また、組織委員会は、適正な労務管理と労働環境への配慮を重視する、そのため、サプライヤー及びライセンシーに対し、製造、流通過程において強制労働や児童労働がなされておらず、安全、衛生が確保されており、労働者の諸権利が法令に照らし確保されている、さらに、物品、サービス等を提供することを求めるというふうになっているわけですが、これは大会が求める持続可能性のテーマそのものを基本原則で定めていると思います。
ところが、環境影響評価書案では、またしてもオリ・パラ大会の主要なテーマの一つに人権・労働、公正な事業慣行とあるのに、このテーマが評価項目にないのはなぜなんでしょうか。唯一あるのは雇用の項目なんですが、全く観点がないんです。この理由についてお答えください。
○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 繰り返しになりますけれども、本環境影響評価は、東京都環境局が作成した東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック環境アセスメント指針に基づき実施するものでございまして、大会における取り組みが与える影響を評価するものでございます。
○とや委員 人権や労働は非常に大事だと思っているんですよね。それがオリ・パラ大会ならではだと私は思っています。人権・労働、公正な事業慣行等への配慮として、大会にかかわる全ての人々の人権を尊重するため、大会の準備、運営のあらゆる分野において、ダイバーシティー、インクルージョンを可能な限り最大限に保障するとあります。
ところが、例えば企業内で著しい人権侵害があったり、労働争議が行われるなど、裁判が起きたりしております。最近では建設現場での人権侵害というか、苛酷な労働条件のもとで労働者の人たちが亡くなってしまうとか、そういったことが幾つも起きております。こういったところに私は光を当てるということが大事なんではないかと思います。
係争が起きていたり、また元請企業に問題があったりする、こうしたときに、こういった会社が二〇二〇大会のパートナー企業になっている、そういった状況を都としてどのように考えていらっしゃいますか。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 東京二〇二〇大会のパートナーは、IOCまたは組織委員会と合意したカテゴリー、業種のスポンサーでございます。組織委員会の持続可能性を尊重して取り組む関係にあると考えております。
○とや委員 余り関知しないという意味だと思うんですが、この環境影響評価書の冒頭で何をいわれているかといいますと、その目的が、東京二〇二〇大会を契機とした東京の持続可能性の方向に資することを目的とした自主的な取り組みとしています。これは、先ほど紹介をさせていただきました都の条例も活用して、いわば求められる以上の自主的な取り組みをして、このアセスメントを行うという東京都の積極的な姿勢を私たちは評価するものです。
けれども、人権、労働といった問題になると、それは組織委員会の問題ですというのでは、せっかくの積極的な姿勢がこの分野では後退してしまっているということになるのではないでしょうか。
二〇二〇大会のゴールドパートナーとなっているNECでは、二〇一五年に、当時二十四歳の労働者が上司からのパワハラ、セクハラで精神疾患にさせられた上、勤務時間中に四人がかりで両手、両足を拘束され、うつ伏せの宙づり状態で職場から排除されるという事件が起きました。
さらに、この若者は医師の復職可能の診断を受け、会社が提示した復帰プログラムをきちんと終了していたにもかかわらず不当に解雇をされ、今裁判に訴えている。こうしたNECが大会のゴールドパートナーになっています。例はこれだけじゃなくて、明治乳業でも係争が起きていて、こうした企業も大会のパートナーになっているわけです。
パートナー企業がオリンピックにふさわしい、パラリンピックにふさわしい企業活動を行っているかどうか、少なくとも調べるなどして、問題があれば是正をさせるべきではないでしょうか。
○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 繰り返しになりますが、東京二〇二〇大会のパートナーはIOCまたは組織委員会と合意したカテゴリーのスポンサーでございまして、組織委員会の持続可能性を尊重した取り組みを行う関係にあると考えております。
○とや委員 尊重していないですよね。せっかくこのアセスを、東京二〇二〇大会を契機とした東京の持続可能性の向上に資することを目的に、自主的に取り組んでいるわけですから、東京都は、オリンピックを契機に人権問題でレガシーをつくったと評価されるくらいの取り組みを行ってほしいと強く要望しておきます。
次に、その人権問題にかかわって、先ほどもちょっと出ていたLGBT、そしてスポーツに関する問題に移りたいと思います。
ラグビーワールドカップの期間中に、神宮前の交差点でLGBTとスポーツに関する期間限定の情報発信施設、プライドハウス東京がオープンしています。日本ラグビーフットボール協会が後援し、日本スポーツ協会などが協力して発行された、誰も排除しないスポーツ環境づくりのためのハンドブックが配布されました。これです。私も読ませていただきましたけど、とてもいい取り組みだなと思いました。大変重要な取り組みだと思いますが、見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 オリンピック憲章では、オリンピズムの根本原則で、性別や性的指向等を理由とする差別の禁止が定められております。また、東京二〇二〇大会開催基本計画では、多様性と調和が大会ビジョンの基本コンセプトとして掲げられております。
東京都も大会に向けまして、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を制定しており、LGBTを含め、大会を通じて人権尊重の理念の実現に取り組んでおります。
○とや委員 このハンドブック、読みましたか。スポーツは、種目が男女別だったり、あるいは更衣室も男女別だったり、水着などで肌の露出がふえたりということがあります。LGBTの子供たちの中には体育の授業が精神的な苦痛になってしまうという、そんな問題提起がされて、スポーツ環境の見直しを呼びかけています。
ユニホームは男女共通のデザインにするなど、不要な性別分けをやめたり、更衣室のコーナーにカーテンを設置する、シャワールームやトイレは男女関係なく使用できる個室を設けるなど、環境や施設を見直すことで、みんなが気持ちよく利用できる。多様性を尊重したいと思っている人にとっても、男女別がはっきり分けられることの多いスポーツで、どうすればよいか悩んでしまうこともあると思います。そういう点で、こうしたパンフレットは具体的な手助けとなります。
スポーツは上下関係が厳しくて、身体的な接触もあったりして、セクハラやパワハラ等のハラスメントも起こりやすいという点も指摘したいと思います。どんな人でも仲間として気持ちよく受け入れ、過ごすことができる、そんなチームづくりなども呼びかけているんですね。これはとても大事な視点だと思っております。
こういった取り組みに対して、東京二〇二〇大会では多様性と調和ということを大目標としているわけです。都として条例も制定しました。人権条例ですね。東京都や組織委員会でこうした取り組みを支援することを求めますが、いかがでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 都では、職員に対し、オリンピック・パラリンピック大会に関連して、LGBTを含む人権問題に関する研修等を実施いたしますとともに、大会を支えるシティキャストに対しては、現在実施している共通研修において、LGBTを初め、ダイバーシティーへの理解を深めていただいております。
今後も引き続き組織委員会等と連携し、大会開催基本計画の大会ビジョンのコンセプトも踏まえまして、大会準備を着実に進めてまいります。
○とや委員 スポーツだけではなくて、世界の注目が集まるオリンピック・パラリンピックです。多様性を尊重する人権意識を啓発することはとても重要で、こうした取り組みを幅広く支援することは大きな意味があると思いますので、ぜひ検討していただきたいと申し上げておきます。
ここまで環境影響評価書案について質問させていただいてきたわけですけれども、先ほど影響評価の質問も一部出ていたんですけれども、金曜日に出ていたマラソンと競歩の会場変更にかかわって、札幌の環境影響評価は誰が行うのか、最後にお聞きしたいと思います。
○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 マラソンと競歩の環境影響評価の今後の手続につきましては、変更内容等を見きわめながら、東京都環境局が作成した東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック環境アセスメント指針と今回の四者協議の内容などを踏まえまして、その扱いについて検討してまいります。
○とや委員 八日の質疑を聞いていて、私もたくさんの課題があるなというふうに思いました。四者協議の中身に照らして、この環境アセス一つとっても、誰が行うのか、あるいは経費は誰が負担するのか、これから非常にデリケートな問題として協議がされていくのかなと思います。
いずれにしても、二〇二〇大会に向けてもう八カ月ちょっとというふうになっているもとで、皆さんのご努力によって誰もが納得する、環境にも人権にも優しい大会としていただくことを求めて、私の質問を終わります。
○上野委員 本日最後の質疑になります。これまでさまざまな質疑がなされました。重なる質問もございましたので、割愛いたしまして、辛うじて残りました三問の質問をさせていただきます。
障害のある観客の方々への対応について質問いたします。
東京はご存じのとおり、世界で初めてパラリンピックを二度開催する都市であります。ぜひとも成功させなければなりません。そのためにも、オリンピック・パラリンピックを通じ、シティキャストが障害のある観客をしっかりとサポートしていただけるよう取り組むことが重要でございます。
先ほどのオリ・パラ局からの報告では、シティキャストの共通研修の中で、障害のある方をご案内するためのダイバーシティー研修を行っているとの説明がありましたが、この研修を行う目的についてまずお尋ねいたします。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 大会では、障害のあるなしにかかわらず、全ての観客の方に不安なく大会を楽しんでいただけるよう、シティキャストによるサポートを行っていくことは重要でございます。
このため、シティキャストのダイバーシティー研修におきまして、大会のバリアフリー指針であるアクセシビリティ・ガイドラインも踏まえ、ボランティアが障害特性や場面に応じたサポート方法を身につけ、障害のある方に適切に対応いただけるよう、実演を交え、実施しております。
○上野委員 ダイバーシティー研修は、障害のあるなしにかかわらず、誰もが大会を楽しんでいただくことを目的とするということでございますが、障害のある方を初め、多くの観客が大会を楽しんだ経験は、東京大会のいい記憶として広く受け継がれていくものと思います。
そこで、先ほどの報告では、障害のある観客の方のサポート方法について、実演を交えた説明を行っているとの説明がありましたが、もう少し研修の詳細についてご説明していただきたいと思います。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 ダイバーシティー研修では、専門の講師から、障害のある方が感じる不便さを解説し、相手の気持ちを尊重してサポートを行うといった基本的な姿勢について説明しております。
次に、研修参加者のうち一名が障害者役、一名がサポート役となり、講師の説明に従い、車椅子による段差の上りおりや視覚障害の方への声かけと誘導など、大会時を想定した観客のサポートを壇上で実演していただいております。
このほか、筆談では大きく簡潔に書くといった聴覚障害者とのコミュニケーション方法、内部障害など見えにくい障害の種類、ヘルプマーク等の概要など、さまざまな障害特性に対応するための情報についても説明しております。
参加者からは、九割以上の方からわかりやすかったとの評価をいただき、また、多くの新たな気づきがあった、実演がためになり、すぐに実践できるなどのご意見もいただいております。
○上野委員 ご答弁にありました、研修受講者に実際にやっていただくなど、参加者からも評価されるいい内容だと、こういうことでございます。大会まではまだ半年以上ありますので、研修に参加した方々が学んだ知識を自分のものとして定着させ、本番できちんとしたサポートが行えるようにする必要があります。
大会を契機として、東京都が目指すべきものは、障害のあるなしにかかわらず、多様性を認め、尊重し合える社会であります。ぜひとも障害のある方のサポートに関する研修を今後しっかり行い、東京二〇二〇大会では、多様性を理解する三万人のシティキャストによる活動を通じて、目指すべき社会に大きく前進することを期待するものでございます。
そこで、最後に、そうした視点からの今後の取り組みについてお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長 現在実施しております共通研修では、別途、eラーニングも実施しており、映像などをごらんいただきながら繰り返し受講できる環境を提供し、必要な知識を深めていただけるよう取り組んでおります。
今後、参加者向けに公開するパートでは、集合研修で扱った障害者対応の心構えやポイント、車椅子使用者や視覚障害者のサポート方法、さまざまな障害特性等について丁寧に解説してまいります。
加えて、手話による簡単な挨拶や筆談など、聴覚障害者のサポート方法も解説していきます。
また、来年度に実施する研修においても、障害者等のサポート方法につきまして、グループワーク等を通じ確認いただけるよう内容を検討してございまして、大会に向け、さまざまな障害特性や場面に応じ、適切なサポートを行えるよう、引き続き取り組んでまいります。
○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時四十六分散会
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