オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会速記録第二十五号

平成三十一年四月二十三日(火曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長小山くにひこ君
副委員長高倉 良生君
副委員長伊藤 ゆう君
副委員長吉原  修君
理事うすい浩一君
理事両角みのる君
理事石川 良一君
理事山崎 一輝君
理事あぜ上三和子君
藤井あきら君
池川 友一君
細田いさむ君
斉藤れいな君
川松真一朗君
白戸 太朗君
とや英津子君
入江のぶこ君
山口  拓君
里吉 ゆみ君
中山 信行君
桐山ひとみ君
木村 基成君
高島なおき君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
次長岩瀨 和春君
技監荒井 俊之君
理事西村 泰信君
理事中澤 基行君
総務部長中村 倫治君
調整担当部長菅原 雅康君
大会企画調整担当部長中嶋 初史君
自治体調整担当部長小池 和孝君
計画推進部長田中  彰君
運営担当部長末村 智子君
運営調整担当部長三浦 幹雄君
ボランティア担当部長小高 都子君
競技・渉外担当部長川瀬 航司君
事業推進担当部長丸山 雅代君
パラリンピック部長越  秀幸君
障害者スポーツ担当部長加藤 みほ君
大会施設部長鈴木 一幸君
開設準備担当部長利用促進担当部長兼務鈴木 研二君
施設担当部長湯川 雅史君
施設整備担当部長草野 智文君
選手村担当部長斉藤  有君
スポーツ施設担当部長藤木 仁成君
輸送担当部長村田 拓也君
輸送担当部長佐久間巧成君
スポーツ推進部長小室 明子君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務
田中 愛子君
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長
ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務
篠  祐次君
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務
関口 尚志君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九™の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・東京二〇二〇オリンピック観戦チケットの抽選申込方法について(説明)
・持続可能性進捗状況報告書について(説明)
・東京二〇二〇オリンピック競技大会の競技スケジュール(種目実施日程)の公表について(説明)
・東京二〇二〇大会の競技会場等における仮設施設整備について(説明)
・東京二〇二〇パラリンピック聖火リレーについて(説明・質疑)
・第六回東京都聖火リレー実行委員会について(説明・質疑)
・東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領(第二版)について(説明・質疑)
・東京二〇二〇ライブサイト等基本計画について(説明・質疑)
・東京二〇二〇大会のシティドレッシング・大規模展示物基本計画について(説明・質疑)
・ラグビーワールドカップ二〇一九™ファンゾーン運営計画(案)について(説明・質疑)
・東京二〇二〇オリンピック聖火リレーについて(質疑)
・東京二〇二〇大会における都市オペレーションセンター運営計画について(質疑)
・「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」における小型家電等の回収終了について(質疑)
・ラグビーワールドカップ二〇一九™東京都交通輸送実施計画について(質疑)
・ラグビーワールドカップ二〇一九™の都内の公認チームキャンプ地決定について(質疑)

○小山委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員の辞任及び選任について申し上げます。
 議長から、去る三月二十九日付をもって、おときた駿委員の辞任を許可し、新たに、やながせ裕文委員を選任した旨、また、去る四月二十二日付をもって、やながせ裕文委員の辞任を許可し、新たに里吉ゆみ委員を選任した旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員を紹介いたします。
 里吉ゆみ委員です。

○里吉委員 里吉です。よろしくお願いいたします。

○小山委員長 紹介は終わりました。

○小山委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○小山委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介をいたします。
 議事課の担当書記の野原考平君です。
 議案法制課の担当書記の小森繁樹君です。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○小山委員長 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項、東京二〇二〇オリンピック観戦チケットの抽せん申し込み方法については、説明を聴取することにとどめます。
 また、報告事項、持続可能性進捗状況報告書について、東京二〇二〇オリンピック競技大会の競技スケジュール(種目実施日程)の公表について及び東京二〇二〇大会の競技会場等における仮設施設整備については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 初めに、先般の人事異動に伴い、本委員会に出席する幹部職員に交代がありましたので、局長から紹介があります。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 四月一日付の人事異動により、当局の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介申し上げます。
 技監の荒井俊之でございます。調整担当部長の菅原雅康でございます。計画推進部長の田中彰でございます。運営担当部長の末村智子でございます。運営調整担当部長の三浦幹雄でございます。ボランティア担当部長の小高都子でございます。パラリンピック部長の越秀幸でございます。障害者スポーツ担当部長の加藤みほでございます。開設準備担当部長の鈴木研二でございます。鈴木は利用促進担当部長を兼ねてございます。施設担当部長の湯川雅史でございます。輸送担当部長の村田拓也でございます。同じく輸送担当部長の佐久間巧成でございます。ラグビーワールドカップ準備担当部長の田中愛子でございます。田中はラグビーワールドカップ事業調整担当部長を兼ねてございます。ラグビーワールドカップ事業調整担当部長の篠祐次でございます。篠はラグビーワールドカップ準備担当部長を兼ねてございます。ラグビーワールドカップ会場運営担当部長の関口尚志でございます。関口は国際大会準備担当部長を兼ねてございます。最後に、本委員会との連絡を担当いたします総務課長の石原慎でございます。
 なお、当局の理事者のうち、次長の延與桂につきましては、公務のため本日の委員会を欠席いたしております。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○小山委員長 紹介は終わりました。

○小山委員長 それでは、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、東京二〇二〇オリンピック観戦チケットの抽せん申し込み方法について報告を聴取いたします。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 それでは、私から、報告事項、東京二〇二〇オリンピック観戦チケットの抽せん申し込み方法についてご説明いたします。お手元の資料第1号をごらんください。
 平成三十一年四月十八日に組織委員会は公式チケット販売サイトを開設するとともに、チケットの抽せん申し込み方法等について詳細を公表いたしました。
 1、抽せん申し込み受け付けのスケジュール(予定)についてご説明いたします。
 抽せん申し込みの受け付け期間が五月九日から二十八日、抽せん結果の発表が六月二十日、購入手続期間は六月二十日から七月二日となります。
 なお、抽せん申し込みの一人当たりの最大申し込み当選枚数は三十枚となっております。
 次に、2、抽せん申し込みの対象となるチケットについてご説明いたします。
 対象チケットには、一般チケット、車椅子ユーザーチケット、東京二〇二〇みんなで応援チケットがございます。
 車椅子ユーザーチケットは、当該チケット一枚につき一枚の同伴者チケットの申し込みが可能でございます。また、東京二〇二〇みんなで応援チケットにつきましては、十二歳以下の子供、六十歳以上のシニアの方、車椅子ユーザーを含む障害のある方を一名以上含む家族やグループが対象となり、申し込み枚数は二枚以上となっております。
 次に、3、価格等についてご説明いたします。
 一般チケットのA席からE席に加え、新たに車椅子席等を含む価格表が公表されました。また、一般チケットについて、会場におけるA席、B席などの場所を示したシートマップが公表されました。
 最後に、参考として、抽せん申し込み終了以降のスケジュールについてご説明します。
 ことし秋以降、先着順販売が開始され、来年春以降には都内に設置予定のチケット販売所にて窓口販売が開始されます。
 なお、参考資料として、組織委員会の報道発表資料を添付しております。後ほどごらんいただければと存じます。
 説明は以上でございます。

○小山委員長 次に、持続可能性進捗状況報告書について外二件の報告を聴取いたします。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 それでは、私から、報告事項、持続可能性進捗状況報告書についてご説明いたします。お手元の資料第2号をごらんください。
 1、これまでの経緯でございます。
 平成三十年六月に組織委員会は、持続可能性に配慮した運営計画第二版を公表いたしました。この計画に基づき、組織委員会や東京都、国などが連携し、持続可能な大会の準備、運営に向けた取り組みを推進しているところでございます。
 また、組織委員会は、これらの取り組みの成果について、大会前に二回及び大会後に一回の合計三回報告することとされており、平成三十一年三月に一回目となる持続可能性進捗状況報告書を公表したところでございます。
 次に、2、テーマごとの主な取り組みの状況でございます。表をごらんください。
 報告書には、五つの主要テーマである気候変動、資源管理、大気・水・緑・生物多様性等、人権・労働、公正な事業慣行等、参加・協働、情報発信に加え、横断的に各テーマに共通する持続可能性に配慮した調達、会場整備等の項目が設定されております。
 ご参考として、各テーマの項目ごとに主な取り組みの進捗状況を記載させていただいております。
 最後に、3、今後の予定でございます。
 平成三十二年春に大会前報告書を、大会終了後の同年十二月に大会後報告書を公表する予定でございます。
 なお、参考資料1として、組織委員会の報道発表資料、参考資料2として概要版を、参考資料3として本文をそれぞれ添付しております。後ほどごらんいただけたらと存じます。
 説明は以上でございます。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 それでは、私から、東京二〇二〇オリンピック競技大会の競技スケジュール(種目実施日程)の公表についてご説明いたします。お手元の資料第3号をごらんください。
 1、競技スケジュール(種目実施日程)についてでございます。
 組織委員会は、東京二〇二〇オリンピック競技大会の全三十三競技三百三十九種目中、IOCにより計画が凍結されているボクシングを除く三十二競技三百二十六種目の競技スケジュールを本年四月十六日に公表いたしました。
 次に、2、主な特徴についてでございます。
 アスリートファースト、人気競技のバランス、円滑なオペレーションなどの基準を考慮して、組織委員会がIOCや国際競技連盟IFなどの関係団体と協議して策定しました。
 大会期間を通した機運醸成を図るため、大会初日、最終日以外は連日おおむね二十種目前後の決勝を実施いたします。二〇二〇年八月八日土曜日は、大会期間中最多の三十種目で決勝を実施いたします。
 また、アーバンスポーツについては、3x3バスケットボール、スポーツクライミングなど、若者に人気のアーバンスポーツを大会期間を通じて青海、有明エリアで開催いたします。
 最後に、3、その他ですが、暑さ対策の観点から、マラソンの開始時間を七時から六時、競歩二十キロの開始時間を七時から六時、競歩五十キロの開始時間を六時から五時三十分に変更しております。
 パラリンピックの競技スケジュールについては、組織委員会が本年夏ごろに公表する予定です。
 なお、参考資料として、組織委員会の報道発表資料を添付しております。後ほどごらんいただければと存じます。
 説明は以上でございます。

○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 それでは、報告事項、東京二〇二〇大会の競技会場等における仮設施設整備についてご説明いたします。お手元の資料第4号をごらんください。
 東京二〇二〇大会における会場整備につきましては、新規恒久施設の整備を都が行うとともに、現在、競技会場等における仮設施設については、組織委員会において整備を進めております。
 このうち、三十六競技会場及びIBC、MPCにつきまして、平成三十年度に主要な契約が整い、組織委員会が契約状況を公表しており、今後、順次工事が本格化してまいります。
 まず、1の主な内容でございますが、各会場の仮設施設整備における運営用のプレハブ、テント、放送用照明等のオーバーレイやセキュリティーフェンス、観客用座席等の仮設インフラに関する実施設計及び工事などでございます。
 次に、2の契約金額につきましては、記載のとおりでございます。
 詳細につきましては、参考資料として組織委員会の公表資料を添付してございます。後ほどごらんいただければと存じます。
 説明は以上でございます。

○小山委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○とや委員 資料を要求させていただきます。
 まず、三十六競技会場のそれぞれの仮設施設整備の都と国並びに組織委員会の負担金額と割合。
 それから、三十六競技会場のそれぞれの仮設施設整備における契約方法。
 最後に、ロンドン、リオ大会など過去の大会の種目別開催時間。
 以上です。よろしくお願いします。

○小山委員長 ただいま、とや委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小山委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○小山委員長 次に、報告事項、東京二〇二〇パラリンピック聖火リレーについて外五件の報告を聴取いたします。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 それでは、私から、報告事項、東京二〇二〇パラリンピック聖火リレーについてご説明をいたします。お手元の資料第5号をごらんください。
 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会におきまして、去る三月二十五日に東京二〇二〇パラリンピック聖火リレーに関する発表がございました。
 まず、1の東京二〇二〇パラリンピック聖火リレー概要でございますが、ランナーの特徴につきましては、二〇二〇年を契機に共生社会を実現すべく、原則として初めて出会う三人がチームとなってリレーを行う予定でございます。
 次に、実施スケジュールについてでございますが、オリンピック終了後、二〇二〇年八月十三日から同月二十五日のパラリンピック開会式までの移行期間に開催いたします。
 このうち東京都は、同月二十一日から二十五日までの最後の五日間を担当し、採火式から聖火ビジット、聖火リレー、集火式、そして開催都市内聖火リレーを実施いたします。
 そのほか、2、3といたしまして、聖火リレーエンブレム、トーチの発表がございました。
 詳細につきましては、参考資料といたしまして組織委員会の資料を添付しております。後ほどごらんいただければと存じます。
 引き続きまして、報告事項、第六回東京都聖火リレー実行委員会についてご説明いたします。お手元の資料第6号をごらんください。
 第六回実行委員会につきましては、去る四月五日に開催いたしました。
 中ほど3の議題、(1)、報告事項でございますが、まず、〔1〕の第五回実行委員会で書面議決した内容でございますが、パラリンピック聖火リレーの検討や監事等の追加でございます。
 次に、〔2〕の組織委員会から公表された資料でございますが、一つ目の東京二〇二〇オリンピック聖火リレーの運営方法の概要については、聖火ランナーと十数台規模の車両から成る聖火リレー本体隊列により実施することとし、ランナーの走行距離は二百メートルとなってございます。
 また、ギリシャの採火時から親の火と子供の火を用意し、通常は親の火のみでリレーを実施いたしますが、離島など遠隔地を訪問する際には、あらかじめランタンで運搬しておいた子供の火を活用するとのことでございます。
 一日当たりの聖火ランナー数は、おおむね八十人から九十人を目安として調整し、聖火ランナーは一人で走行するものの、リレーを盛り上げる中で、より多様で多くの方が参画できるよう今後工夫することといたしてございます。
 おめくりいただきまして、次のページの(2)、協議事項といたしまして、〔1〕の聖火リレールートの考え方と〔2〕の今後のスケジュールについてを議題として協議を行ったところでございます。
 具体的には、4の審議状況のとおり、聖火リレールートにつきまして、各区市町村と意見交換、実地調査を実施したことを報告の上、ルート作成に向けた今後の協議方法といたしまして、区市町村、警視庁と相談することを議論するとともに、今後のスケジュールについて確認をいたしました。
 委員から出された主な発言につきましては、記載のとおりでございます。
 なお、参考資料といたしまして、実行委員会当日の資料を添付しております。後ほどごらんいただければと存じます。
 説明は以上でございます。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 それでは、私から、東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領(第二版)についてご説明いたします。お手元の資料第7号をごらんください。
 1、今回改定についてでございます。
 まず、(1)、これまでの経緯についてですが、都は、昨年三月に対処要領第一版を公表いたしました。これは、開催都市東京都として対応すべき大会の安全・安心の確保について、治安対策、サイバーセキュリティー、災害対策、感染症対策の四つの視点で想定される各種事態への対応方針などを定めたものでございます。
 また、同年七月には庁内各局、国、組織委員会、区市町村やインフラ事業者で構成する東京二〇二〇大会に向けた東京都安全・安心推進会議を設置いたしました。
 (2)、対処要領の改定についてにありますとおり、昨年度に実地訓練や図上訓練などを実施し、検証を進め、第二版として改定したものでございます。
 次に、2、改定のポイントでございます。
 まず、(1)、総論(総則)についてでございますが、大会期間中に発生する各種事象に対し、都市運営に影響を及ぼし得る事案につきまして、四つの対応レベルに分類いたしました。下の図は、左側に事案分類として、クライシス、インシデントなど対応レベルとその基準を示し、右側にその事案分類ごとの対応者等を整理したものでございます。
 続いて、右側上段の本文でございます。
 まず、〔1〕、組織横断的な対応として、具体的にはクライシスなど、都全体に影響が及ぶ危機的事態が発生した場合には、都災害対策本部は都全体の安全・安心の確保を目的に、現行計画等に基づき対応し、都市オペレーションセンターは選手、観客等の安全確保を目的に対応いたします。
 また、〔2〕、リスク横断的な対応として、テロや災害が発生した場合の各リスクに共通する対応についても整理いたしました。
 次に、(2)、各論に関するポイントでございますが、安全・安心の確保に関する四つの視点、〔1〕、治安対策、〔2〕、サイバーセキュリティー、〔3〕、災害対策、〔4〕、感染症対策ごとにそれぞれの事象や事態発生の際に対応すべき措置等を明確化いたしました。
 最後に、3、今後の取り組みでございますが、大会開催に向けて行われるテストイベントや実地訓練、図上訓練等を通じて実効性を確認するほか、ラグビーワールドカップ二〇一九で得た知見を反映させるなど、今後も継続的に検証、見直しを図ってまいります。
 なお、参考資料として、対処要領第二版本文を添付しております。後ほどごらんいただければと存じます。
 説明は以上でございます。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 それでは、私から、報告事項、東京二〇二〇ライブサイト等基本計画についてご説明いたします。お手元の資料第8号をごらんください。
 本件につきましては、一月の基本計画案の報告、質疑を経て、地元自治体や関係者との調整、検討を進め、四月十一日に東京二〇二〇ライブサイト等基本計画として公表したものでございます。本日は、このたび新たに確定した項目等についてご報告させていただきます。
 初めに、2、会場の概要でございます。資料中段の表をごらんください。
 〔3〕の都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場のうち、多摩拠点会場の場所を記載のとおり決定いたしました。オリンピック期間は、多摩地域のライブサイト会場である井の頭恩賜公園との地域バランスを考慮し、大学や大会パートナーと連携した盛り上げが可能な八王子市の首都大学東京南大沢キャンパス周辺を会場といたします。
 また、パラリンピック期間には、車椅子を含む障害者の方々の来場がふえると見込まれることから、駅から至近のアクセスのよさとコンパクトな会場づくりが可能な調布市の調布駅前広場周辺を会場とすることにいたしました。
 次に、4、来場者想定でございます。
 さらなる検証を踏まえ、池袋西口公園の来場者数を上方修正するとともに、このたび追加した多摩拠点会場の来場者数、一日当たり五千人を新たに加えました。これにより、大会期間中、都内会場全体で一日当たり九万五千人以上、総計で二百八十五万人程度の来場を想定し、準備を進めてまいります。
 続いて、5、実施に当たっての留意点でございます。
 新たな項目として、ライブサイト等会場は完全禁煙の方向で検討を進めることや、環境配慮の取り組みについて記載いたしました。詳細は、参考資料の基本計画本文に記載しておりますので、ご参照いただければと存じます。
 今後は、都が実施するライブサイト等の準備を進めるとともに、区市町村が実施するコミュニティライブサイト等の取り組みを支援し、都内全域の盛り上げに取り組んでまいります。
 続きまして、東京二〇二〇大会のシティドレッシング・大規模展示物基本計画についてご説明いたします。お手元の資料第9号をごらんください。
 本件につきましては、一月の基本計画案の報告、質疑を経て、地元自治体や関係者との調整、検討を進め、三月二十九日に東京二〇二〇大会のシティドレッシング・大規模展示物基本計画として公表いたしました。
 その際、四月上旬確定となっていた多摩拠点会場がこのたび確定いたしましたので、その点も反映し、本日は、新たに確定した項目等についてご説明させていただきます。
 初めに、資料右側の3、大規模展示物の(2)、実施内容のオリンピック・パラリンピックシンボルについてでございます。
 区部及び多摩における象徴的な場所として、臨海部及び高尾山に設置することとし、具体的な設置場所の検討を進め、このたび臨海部は都立お台場海浜公園水域に、高尾山は山頂に設置することといたしました。詳細資料は、最終ページの別添3のとおりでございますので、ご参照いただければと存じます。
 次に、資料一枚目にお戻りいただきまして、右側3の(2)の大会マスコット像でございます。
 新たに東京二〇二〇ライブサイト等を会場に決定した首都大学東京南大沢キャンパス周辺及び調布駅前広場周辺にも設置することといたしました。また、多摩・島しょ地域の主要観光地については、関係者との調整を経て、候補となっていた七カ所への設置が確定いたしました。詳細は、後ろから二枚目の別添地図2のとおりでございますので、ご参照いただければと存じます。
 今後は、都の実施内容の着実な準備に加え、区市町村による地域のシティードレッシング等の取り組みを支援し、都内全域の盛り上げに取り組んでまいります。
 説明は以上でございます。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 それでは、ラグビーワールドカップ二〇一九ファンゾーン運営計画(案)についてご説明いたします。お手元の資料第10号をごらんください。
 本件については、平成三十一年一月三十一日に報告を行いました運営計画(素案)からの変更、追加箇所を中心にご説明いたします。
 まず、Ⅰ、多摩会場についてです。1、全体概要をごらんください。
 (1)、会場は、調布駅前広場、調布市グリーンホールです。ただし、パブリックビューイングについては、グリーンホール大ホールが利用できない記載の五日間については、代替会場として、〔1〕、グリーンホール小ホール、〔2〕、文化会館たづくり大会議場、〔3〕、調布クレストンホテル宴会場のいずれかを活用いたします。また、屋外でもパブリックビューイングを開催いたします。
 二ページ目をごらんください。3、実施運営です。
 (1)、パブリックビューイングについてですが、調布市グリーンホールにおける屋内パブリックビューイングに加え、ステージビジョンとトリエ京王調布B館の壁面スクリーンの屋外二カ所で追加実施することとしました。
 (2)、交流エリアについては、日本の伝統文化体験、出場国紹介、地元の観光PRや名産品の紹介、ラグビーの魅力発信等により、来場者が交流できる空間を創出いたします。
 (3)、ラグビー体験では、記載の地元六チームと連携し、トップ選手等によるラグビー体験を実施します。
 (4)、ステージイベントでは、試合の見どころ解説やトークショー等を実施します。また、区部会場と中継で結び、両会場で盛り上げを共有してまいります。
 (5)、ケータリングでは、誰もが気軽に楽しめ、また訪日外国人が日本の食文化を楽しめるとともに、出場国の食文化を紹介できるメニューを提供してまいります。
 (6)、公式グッズ販売等では、大会の公式グッズ販売や大会スポンサーのブースの設置も行います。
 (7)、警備、安全対策等についてですが、入場時に手荷物検査を実施し、危険物またはそれに類する物品の持ち込みを排除するとともに、ガイドラインに基づき、会場の一定範囲にフェンスを設置してまいります。
 三ページ目には会場レイアウトをおつけしておりますが、イメージのため、今後変更となる可能性があります。
 四ページ目をごらんください。Ⅱ、区部会場についてです。1、全体概要をごらんください。
 (2)、開催日についてですが、東京スタジアムの試合日及び大会期間中の土日の十五日間に加え、これ以外の試合日の十一日間についても、パブリックビューイングを中心として開催いたします。その他の非試合日についても、公式グッズ販売や飲食の提供等ができるよう検討してまいります。
 五ページ目をごらんください。(1)、パブリックビューイングについては、一階では大型マルチビジョンと高性能音響設備を設置し、大迫力のパブリックビューイングを実施し、二階では子供やお年寄りでもゆったりと試合を観戦できるようにしてまいります。
 (2)、交流エリアについてですが、区部会場の特色として、他の開催都市等に関する発信等も行い、日本全体のファンゾーンとして、来場者が交流できる空間を創出してまいります。
 (3)、ラグビー体験では、大人でも楽しむことができるよう、ラグビーワールドカップに関する展示やフォトスポット等を設置し、試合への興味、関心を深めてまいります。
 (4)、ステージイベントは多摩会場と同様です。
 (5)、ケータリングについてですが、一階にはラグビーバー、二階にはラグビーカフェを設置し、幅広い来場者に即したさまざまな飲食物を提供してまいります。
 (6)、公式グッズ販売等は多摩会場と同様です。
 (7)、警備、安全対策等については、手荷物検査を実施してまいります。
 六ページ目には会場レイアウトをおつけしておりますが、イメージのため、今後変更となる可能性がございます。
 最後に、参考資料としまして運営計画案の本編を添付しております。後ほどごらんいただければと存じます。
 説明は以上です。

○小山委員長 それでは、報告事項、東京二〇二〇パラリンピック聖火リレーについて外十件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○入江委員 都市オペレーションセンターと聖火リレーについて伺います。
 ホストシティーである東京都の大会開催時における都市運営を担う都市オペレーションセンターの具体的な内容が示されました。組織委員会の円滑な大会運営を支援し、大会が都民生活や経済活動に与える影響の軽減に取り組むという大変重要な役割がありますので、詳しく伺ってまいります。
 運営についての本部が、組織委員会はメーンオペレーションセンター、都は都市オペレーションセンターと分かれていますが、観客などへの対応について、それぞれの役割を伺います。
 また、観客のみならず、ラストマイルと指定された道路を通行する一般都民にも対応するのか伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 各競技会場内の観客対応を含む運営に関しましては、組織委員会のメーンオペレーションセンターが総合的な対応方針を検討し、必要な調整を行います。
 都が設置する都市オペレーションセンターは、観客利用想定駅から競技会場までの観客歩行ルート、いわゆるラストマイルやライブサイト周辺における観客の案内、暑さ対策、事故、災害等の事案が発生した際の対応に関するオペレーションを行います。
 観客に対する会場への案内等に加えて、安全確保、路上美化等にも取り組むなど、近隣の住民や道路を通行する一般都民に対しても対応してまいります。

○入江委員 今のご答弁ではっきりと、メーンオペレーションセンターは選手、大会関係者、そして何よりもゲートを入られたチケットホルダーを持った観客の方に対応する、そして、東京都の都市オペレーションセンターはその周辺、ラストマイル上の方、もしくはそこにお暮らしになる都民に対応するということがわかりました。
 続いて、この都市オペレーションセンターの本部というのはどういう機能を想定しているのか、また、図を見ますと、本部の中のエリアチームとして五つのエリアを想定していますが、エリアチームの役割についても伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンター本部では、気象情報、上下水道等ライフラインの運用情報を初めとする都市情報や、各会場やラストマイルの情報を集約、分析し、メーンオペレーションセンターや輸送センター、国等の関係機関との連絡調整を行います。また、ラストマイルにおける現場の運営、指揮やライブサイトの運営に係る調整等を行います。
 ラストマイルの運営に当たりましては、地元区市等との連携調整が効果的にできるよう、都内二十五の会場所在地によって五つのエリアに分けることを想定しております。エリア別にチームを設置し、一つのチームが近接する複数のラストマイルを運営することで、各ラストマイル対応に係る情報の集約、判断、指示を効率的、効果的に実施いたします。
 具体的には、エリア内の会場間で人員や機材を融通するとともに、混雑情報等の共有や地元自治体との連携などを効果的に行ってまいります。

○入江委員 今ちょうどオリンピックの競技スケジュールが公表されたというご報告がありまして、多くの観客とテレビ視聴者を集めるスーパーサンデー、ゴールデンサタデーというお話も出ておりました。
 この大会のスケジュールというものの変更などの決定は誰が行うんでしょうか。また、都市オペレーションセンターを通じて、こうしたスケジュールの変更などがラストマイル上の観客にどのようにきちんと情報が共有されるのか伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会の競技スケジュールの大幅な変更等につきましては、IOC等と協議の上、組織委員会が決定いたします。
 競技スケジュールの変更等の情報につきましては、組織委員会からチケット保有者にメール等で情報提供がなされるほか、速やかに都市オペレーションセンターを通じて観客への情報提供や会場までの案内等を行うシティキャストや警備、誘導員等からラストマイル上の観客に周知いたします。

○入江委員 競技スケジュールの変更はIOCと協議の上、組織委員会が決定するということがわかりました。
 続いて、大会期間中に悪天候、あるいは地震などによる災害、または大規模なテロなどが発生した場合、都市オペレーションセンターはどのように対応するのでしょうか。
 また、首都直下地震など大会の継続にかかわるような事案が発生した際は、このメーンオペレーションセンターと都市オペレーションセンターは、どちらがヘッドクオーター、司令本部になるのか伺います。これは現在、図で見ますと二つのオペレーションセンターが並列になっているので、こうした重大事案のときはどういうことになるのか伺いたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会期間中には台風や地震などさまざまな場面が想定されますが、大会の継続に影響する大規模なものでない限り、基本的には都市オペレーションセンターや現場のラストマイルCOC職員で対応いたします。
 一方、首都直下地震の発生など、都全体に被害が及ぶ災害が発生した場合、都は災害対策本部等を設置することになります。都市オペレーションセンターは、災害対策本部の一員として組織委員会等との密接な連携のもと、観客等の一時保護や避難誘導など、ラストマイルの安全確保などの役割を担います。
 また、大会の継続にかかわる判断につきましては、組織委員会がIOC等と協議いたしますが、都は国などの関係機関と連携し判断に加わっていくこととなります。
 組織委員会が大会継続の判断を行うに当たっての都との具体的な連携方法等につきましては、今後、テストイベント等の訓練の機会を通じまして、関係機関と調整し、都の運営計画等に反映させてまいります。

○入江委員 首都直下地震など大会の継続にかかわる判断については、組織委員会がIOCと協議をして判断を行うので、それに対して都市オペレーションセンター、東京都はきちんと判断に加わっていくということで理解いたしました。
 続いて、ラストマイルというところなんですけれども、シティードレッシング実施計画、今もございましたが、これではラストマイルは最寄り駅から競技会場までの約七十ルートと書いてあります。都内には二十五の会場があるわけで、この二十五の会場のラストマイルを設定していくと、かなりの数になると考えます。
 おのおののラストマイルにおいては、都が責任を持って対応する体制を整えるべきだと考えますが、見解を伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラストマイルのルートにつきましては、都内二十五競技会場の実情を踏まえて複数ルートを想定し、円滑な観客誘導等の観点から、現在調整を進めているところでございます。
 基本的に、各ラストマイルには、現地において運営を総括する都職員を配置いたします。
 総括業務としては、軽易な事案に対する意思決定、ラストマイルや競技会場運営の情報収集と都市オペレーションセンターへの報告、競技会場内外の連絡調整、観客への案内、おもてなしを行うシティキャストの運営などの取り組みを行います。

○入江委員 幾つのラストマイル、幾つの現場があるということはこれからだということなんですけれども、いずれにせよ、一つのラストマイルに対しては、必ず運営を総括する都職員、ジャッジをする都の職員の方がいらっしゃるということで認識いたしました。
 続いて、各ラストマイルにおいては、シティキャスト、ボランティアの皆様の配置計画、そして民間だと聞いておりますが、警備員の配置計画、そして環境局が担当することになっています暑さ対策のグッズの配布者の配置計画など、目的の異なるスタッフがいろいろと対応することから、各ラストマイルを一つの現場と考えた円滑な運営が必要だと考えます。運営のプラン策定はどのように行うのか伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 運営計画は、都市オペレーションセンターの組織構成、機能、オペレーション等について定めたものでございます。
 現在、本計画を踏まえまして、ラストマイルにおける具体的なオペレーションについて、オリンピック・パラリンピック準備局が各局と連携しながら、業務別や会場別のマニュアルを作成しているところでございます。
 例えば警備員の運営につきましては、会場内外の切れ目ない対応が必要なことから、組織委員会と連携し配置計画を策定いたします。
 暑さ対策のグッズ配布者の配置等につきましては、今後、マニュアルを検討する中で、環境局とも連携し調整してまいります。
 シティキャストの運営につきましては、これらのさまざまな要素を考慮しながら、オリンピック・パラリンピック準備局を中心に配置計画を作成いたします。
 今後、テストイベント等の機会を活用し、現場での円滑な運営方法の詳細につきまして、継続的に検証を行いながら作成してまいります。

○入江委員 こちらの計画に対して、今後、会場別、業務別の運営マニュアルをきっちりと策定していただくということがわかりました。
 続いて、都市オペレーションセンターの中のお話なんですけれども、まず都庁内の場所も伺いたいんですけれども、都市オペレーションセンターの中では、都と警視庁が共同で設置するというラストマイルカメラの映像や、都市情報を表示するモニターや、緊急時にメーンオペレーションセンターや輸送センターや警視庁などと遠隔会議できるシステムなどによって、効果的に情報の収集、共有を図る必要があると考えます。
 また、現場で何が起こっているかという情報を速やかに共有することが重要です。どのように対応するのか、具体的な都市オペレーションセンターの場所も含めて伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンターは、都庁第一本庁舎八階に設置する予定でございます。
 都市オペレーションセンターにはモニターが設置され、大会期間中はラストマイルカメラによりラストマイル上の映像を映すほか、ゲリラ豪雨、雷等の気象情報など、ラストマイル運営に必要な都市情報を地図上に集約し、効果的に情報を収集し、対応いたします。
 ラストマイル運営における事案につきましては、発生の都度、情報を同時に共有し、蓄積するための事案管理ツールを活用いたします。都市オペレーションセンターと現場の都職員等との間でタブレットやスマートフォンを利用し、迅速な情報共有を図ります。
 大会時には組織委員会のメーンオペレーションセンター、輸送センター、警視庁等からの連絡員を都市オペレーションセンターに配置し、各機関と連携を図るほか、緊急時には遠隔会議の仕組みを利用する等、効果的に情報を共有いたします。

○入江委員 今のご答弁の中に、速やかな情報共有のための事案管理ツールというお話がありました。これは、タブレットやスマートフォンで使う東京都のオリジナルのシステムだと思いますが、現場に立つ担当者、職員の方ができる限り簡単に入力できる設計にしていただくことを要望いたします。
 続いて、都市オペレーションセンターでは、二十四時間体制でライフラインの運用情報、水道水の水質情報など、都市情報の集約をするとのことですが、その全てのデータを分析し、都市機能に異常がないことを確認するのは誰が行うのでしょうか。
 また、その情報を速やかにメーンオペレーションセンターへ共有するために、どんな方法をとるのか伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンター本部には、情報収集担当を設置し、関係局、関係機関等から都市情報を集約し、関係局等と連携しながら、大会への影響を分析、確認いたします。
 異常、または異常の予兆がある場合には、それに伴う大会運営やラストマイルへの影響について、関係する都庁各局、国または関係機関と連携し、事案の詳細や復旧見込み等について確認するとともに、事案に応じて対処いたします。
 収集した情報につきましては、メーンオペレーションセンターに定期的に報告するほか、随時連絡調整を行います。
 異常があった場合には、二十四時間体制で情報共有できるよう、重大性に応じ情報が迅速、確実に関係者全体に共有される体制を整えます。

○入江委員 そして、この都市オペレーションセンターと警視庁、東京消防庁とはどのように連絡、連携を図っていくのか伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンター内には、関係機関連絡員として警視庁、東京消防庁からの連絡員を配置し、大会運営に係る情報を確実に共有する体制を構築する予定でございます。
 ラストマイル上での事件や事故、急病人、傷病者が発生した際には、警視庁、東京消防庁による対応が確実、迅速に行われるよう、観客の避難誘導を適切に行ってまいります。

○入江委員 都市オペレーションセンターの場所、内容、そして他の機関との連絡調整等々伺いました。
 続いて、各会場におけるラストマイルなんですけれども、そこでの医療体制はどのようにするのか伺います。
 組織委員会の方で施設内の医療体制ということは発表になっていますので聞いておりますが、ラストマイルにおける医療体制は東京都が行うというお話ですので、現状をお教えください。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会時におけるラストマイルの医療体制につきましては、一時的な救護ができる場所を確保するため、観客利用想定駅から各会場までの距離、観客数、木陰や涼む場所の有無などのルート周囲の環境など、会場ごとに状況を勘案し、関係局間で検討を進めております。
 検討に当たりましては、組織委員会、医療の専門家、東京都医師会からラストマイルにおける救護スペース、医療スタッフの配置の考え方、地域の医療機関との連携などにつきまして意見を聞き取っているところでございます。
 引き続き、関係機関等と緊密に連携を図りながら、傷病人の発生に適切に対応できるよう、ラストマイルにおける医療体制の構築を検討してまいります。

○入江委員 こうした大会開催時の都市運営のノウハウが積み上がるわけですけれども、どのようにこうしたノウハウをレガシーとして残していくのか伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会時の都市運営のノウハウは、ICTツールを活用した都市情報の集約や事案発生時の登録管理の方法、都市運営の連携、組織体制など多岐にわたっております。
 これらは今後、大規模な国際イベントの運営、増加する外国からの来訪者への対応、ボランティアの運営、災害時対応等を行う際に有用でございます。
 これらをもとにさまざまな情報を集約し、活用する仕組みにつきまして関係局とともに検討するなど、大会開催の経験をレガシーとして、今後の都政運営に活用してまいります。

○入江委員 都市オペレーションセンターについて詳細をお伺いしたわけですけれども、東京都が運営するラストマイルやライブサイトの現場を改めて想像してみていただきたいと思います。
 暑い中で大変混雑します。外国人の方も多いと思います。気分が悪くなる方や混雑にクレームをいう方、迷子になるお子さんなど、トラブルは多く発生すると考えられます。
 こうしたマスギャザリングの現場運営のノウハウは、運営の一部を委託する民間企業に豊富にありますけれども、それぞれの現場の速やかな最終判断は、運営責任者のオリ・パラ準備局の担当の方が行うことになります。
 既に机上でのさまざまなシミュレーションは、今後万全となっていくんだと思うんですけれども、例えばどの時間帯のどのラストマイルが一番混むとか、どこが一番多くの観客もしくは歩く方、地元の方が見込まれるとか、そういったシミュレーションは万全だと思いますけれども、実際の現場で無駄のない動きや判断というのは経験がないとできないことが多くあります。
 この夏から五十四のテストイベントが始まるわけですけれども、事前の経験をする大事な機会です。大会開催時、多くのラストマイルやライブサイトにオリ・パラ局の職員の方が現場運営責任者となって立つわけですので、そうした責任者となる人材の育成を計画的に行っていただくことを要望します。
 また、大会時には、都市オペレーションセンターは、警視庁、消防庁などを初め、多くの関係機関と連携していくことになります。こうした連携体制を大会後にもレガシーとして、今後の都市運営の安全・安心に生かしていくべきです。
 また、オリンピックからパラリンピックまで約一カ月以上にわたる大会期間中は、選手など大会関係者や観客など多数の来訪者が訪れ、日常ではない状況となります。観客への対応のみならず、一般都民の日常生活や経済活動への影響の軽減に向けて、さらにできる限り取り組んでいただくことを強く要望いたします。
 続いて、聖火リレーについて伺います。
 聖火リレーのルートについては、各区市町村との意見交換や実地調査を行っていると伺いました。そして、さらに今回の報告では、ギリシャでの採火時に親の火と子供の火が用意されるということです。
 この方法を活用しながら、離島部を含む都内全区市町村の聖火リレーを確実に実施すべきだと考えますが、見解を伺います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 都は、大会開催に向けまして、都民の機運の盛り上げが図れるよう、特別区や多摩地域のほか、島しょ地域を含む都内六十二区市町村全てを巡回するルートなどについて検討を行っております。
 ルートの検討に当たりましては、都内各地の魅力ある場所を巡回させることに加えまして、全ての地域で聖火リレーが安全かつ確実に行われるルートを設定することが重要でございます。
 今回、組織委員会から示されました親の火、子供の火は、離島などで活用できる方法の一つと聞いてございます。都内各地の実情を踏まえまして、全ての区市町村を十五日間で確実にめぐれるよう、聖火の移動方法を含め、地元区市町村の意見を聞きながら、引き続き東京都聖火リレー実行委員会において検討してまいります。

○入江委員 聖火ランナーの選定についてですが、これまでも質疑がございましたけれども、改めてスポンサー枠、そして各都道府県の聖火リレー実行委員会の枠の割合はどうなっているのか伺います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 オリンピックの聖火ランナーにつきましては、聖火リレースポンサーが三社でありました最近のロンドン・オリンピックやリオ・オリンピックでは、全体の六割ほどのランナーがそれらスポンサーにより選定されていたと組織委員会から聞いております。
 一方、今回のオリンピック聖火リレースポンサーは、コカ・コーラ、トヨタ自動車、日本生命、NTTの四社に決まったところでございます。東京二〇二〇オリンピック聖火ランナーについて、スポンサーにどの程度選定枠が配分されるかは、現在組織委員会において検討中でございます。
 スポンサー以外の枠の中から各都道府県実行委員会に割り振られることから、東京都聖火リレー実行委員会におきましても、今後、区市町村と調整しながら検討を行ってまいります。

○入江委員 今、スポンサー枠と実行委員会枠についてご答弁いただいたんですけれども、本日の資料の中に、夏ごろに全国ランナーの公募とあります。この公募というのは、誰が主体となって行うのか伺います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 オリンピックの聖火リレーランナーにつきましては、今後組織委員会が夏ごろまでに公募の候補を公表する予定となってございます。
 組織委員会によりますと、各都道府県実行委員会や聖火リレーのパートナーがそれぞれ公募選考を実施する方向で検討していると聞いております。

○入江委員 パラリンピックの聖火リレーについても概要をご説明いただきましたけれども、改めてオリンピック聖火リレーとの違いについても伺います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 オリンピック聖火リレーとパラリンピック聖火リレーは、さまざまな点で違いがございます。
 まず、その役割でございますが、オリンピック聖火リレーは、大会への関心と期待を呼び起こすものであり、全国を百二十一日間かけてめぐることとなってございます。
 一方、パラリンピック聖火リレーは、オリンピックからの移行期間中に興奮を維持し、パラリンピックの精神及び価値を伝える役割を担っておりまして、十三日間で実施いたします。
 また、採火につきましては、オリンピックはギリシャの古代オリンピア市で採火する火が唯一であり、分火できませんが、パラリンピックはイギリスのストーク・マンデビルで採火するほか、国内各地で採火し、その火を開催都市東京で集火することとなってございます。
 さらに、東京二〇二〇大会の聖火ランナーは、オリンピックでは一人で走行いたしますが、パラリンピックでは原則として三人がチームになってリレーを行います。
 このほか、パラリンピック聖火リレーにおきましては、実際に聖火ランナーによるリレーを行うのは競技会場の所在する一都三県のみでございますが、その他の地域におきましても、学校や病院などを訪問する聖火ビジットというイベントの実施が可能である点などがオリンピック聖火リレーとの主な違いでございます。

○入江委員 今ご説明いただいたパラリンピックの聖火リレーは、聖火をつないでいくというよりも、聖火ビジットと呼ばれる施設を訪れるイベントを実施することが示されていまして、採火や集火の方法などは特に示されていません。
 そこで、都としては、ぜひパラリンピックの聖火リレーはこうあるべきと提案していくのがよろしいのではないかと考えますが、見解を伺います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 パラリンピックの聖火リレーは一九八八年のソウル大会から行われておりますが、イギリスのストーク・マンデビルと開催国内で採火されることや、それらの火が開催都市で集火されるといった基本的な内容以外、詳細な実施方法につきましては大会ごとに異なっているところでございます。
 例えば一九九八年に開催されました長野大会におきましては、都内で採火された後、長野県内を二つのコースに分けてリレーされ、長野市内で集火して、開会式会場にて聖火台にともされてございます。
 東京二〇二〇大会につきましては、組織委員会が都も参加している聖火リレー検討委員会での議論も踏まえまして、聖火リレーの日程のほか、採火や集火等の枠組みをIPC、国際パラリンピック委員会と協議して決定しております。
 その上で、組織委員会が全国の道府県に対しても、参加の要請や具体的な内容の検討依頼を行っているところでございます。
 都内につきましては、五日間と定められたところでございまして、組織委員会や他の道府県とも連携しながら、記憶に残るような聖火リレーの実現に向けて取り組んでまいります。

○入江委員 記憶に残るような聖火リレーの実現に向けて取り組んでいくとご答弁いただいたので、ぜひお願いしたいと思います。
 パラリンピックを盛り上げるためには、オリンピックの終了後から始まるパラリンピック聖火リレーの役割は大変重要と考えます。都の見解を伺います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 都といたしましては、パラリンピックの成功なくして東京二〇二〇大会の成功はないという認識のもと、これまでさまざまな機運醸成に取り組んでまいりました。
 パラリンピックを盛り上げるためには、オリンピックの閉会式からパラリンピックの開会式までの間、オリンピックの熱気を持続させ、これから始まるパラリンピックへの関心や祝祭感を高めることが必要であります。
 東京二〇二〇パラリンピック聖火リレーは、先ほども答弁いたしましたとおり、各地で行われる採火や聖火ビジット、競技開催県による聖火リレーの後、全国各地で採火した火を開催都市東京で一つに集めることとなってございます。そのように集めた火で都内をリレーすることは、開催機運の醸成のためにとりわけ重要なものと認識してございます。
 今後こうした認識のもと、東京らしいパラリンピック聖火リレーになるよう、都内での聖火ビジット、聖火リレーなど、具体的な内容につきまして組織委員会とも相談しながら、聖火リレー実行委員会において検討を行ってまいります。

○入江委員 大会そのものは、競技をされるアスリート、選手の皆さんと観客、見る側と分かれるわけですけれども、この聖火リレーは、とにかくあらゆる都民の方、日本国中の方が参加できるということで、非常に皆さん、わくわくと待ち焦がれていると思います。そして、開会式前の最大で最後の機運醸成の機会だと考えます。
 私ども都民ファーストの会も常に申し上げているように、より多くの、一人でも多くの都民がさまざまな形で聖火リレーに参加し、自分たちが東京二〇二〇大会の当事者であるという思いと感動を得ていただくことが重要であると考えております。ぜひその取り組みを強く展開していただきたいと要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○高倉委員 来年の東京二〇二〇大会は、復興オリ・パラとしまして、被災地が復興しつつある姿を国内外に発信をするということで、さらに被災地の支援につなげていくといった意義があるというふうに思います。これは、東京へのオリンピック・パラリンピックの招致に当たっての原点ともいうべきものでありまして、決して忘れてはならないことであるというふうに思っております。
 今月、聖火リレーのグランドスタートの会場となります福島のJヴィレッジが全面再開をいたしたわけであります。私も、被災直後からJヴィレッジには繰り返し訪れさせていただいておりまして、最初のころはいろんな作業に当たる方々のプレハブの住宅がサッカーのグラウンドの中にあったり、いろんなそういう状況がありましたけれども、本当に今こうして全面再開をしたという段階を迎えて、そしてここから聖火リレーがスタートする、大変すばらしい形になっていると思います。
 ぜひ来年の二〇二〇大会を、さらに被災地の復興につながるように頑張っていただければというふうに思います。
 そして、聖火リレーのトーチ、この素材の一部に東日本大震災の復興仮設住宅のアルミ建築廃材を再利用するというふうにしているわけであります。これは、先ほど私が申し上げましたけれども、今回の復興オリ・パラを国内外にアピールをしていく、そういう意味でも大変重要な取り組みであるというふうに思います。
 このような聖火リレーにおける復興面での取り組みについて、私はぜひわかりやすく、そして積極的に情報発信をしていくと、そのことが冒頭申し上げましたように、今回のオリンピック招致、開催の原点となっている復興オリ・パラの意義の発信につながるというふうに思いますけれども、まずこの点についての見解をお伺いしたいと思います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 ただいま副委員長ご発言のとおり、東京二〇二〇大会の聖火リレーにおきましては、このトーチに仮設住宅の廃材を活用した再生アルミが使用されておりますほか、先日、全面再開を果たしました福島県Jヴィレッジがグランドスタート会場に選ばれたところでございます。
 また、聖火リレーの直前には、ギリシャで採火した聖火を岩手県、宮城県、福島県で復興の火として展示する取り組みも実施される予定でございます。
 このように聖火リレーにおきましても、被災地の復興は重要なテーマとなっておりまして、こうした取り組みをより多くの方々に知っていただくことは、震災の記憶を風化させず、被災地の今の姿を広く発信していくことにつながると考えてございます。
 都といたしましても、引き続き組織委員会や被災県等と連携しながら、海外メディアによる被災地取材ツアーなどさまざまな機会を活用いたしまして、効果的な情報発信を行ってまいります。

○高倉委員 今答弁の最後に、海外メディアによる被災地取材ツアーのお話もありましたけれども、いろんな工夫をしていただいて、来年、オリ・パラにいらっしゃる、特に海外からいらっしゃる方々に、ぜひともこの機会に被災地も訪問してみたいと、このように思っていただけるような積極的な取り組みをお願いしたいというふうに思います。
 今回の聖火リレーのうち、パラリンピックの聖火リレーについては、人と人、人と社会との新しいパートナーシップを考えるきっかけとなることを目指すというふうにしておりまして、原則として、初めて出会う三人がチームとなってリレーを行うというふうにしております。
 そこで、新しいパートナーシップというのはどういう意味であるのか、また、なぜ三人で走ることになったのか、このことについて答弁をお願いしたいと思います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 今回の東京二〇二〇パラリンピック聖火リレーのコンセプトにつきましては、シェア・ユア・ライト、あなたはきっと誰かの光だでございまして、人は社会の中で誰かの希望や支えとなっているということをあらわしてございます。
 多様な光が集まり出会うことで、共生社会を照らす力にしようというメッセージが込められておりまして、二〇二〇大会を契機に共生社会を実現すべく、一人一人が互いの価値や輝きを認め合う姿を新しいパートナーシップとしていると組織委員会から聞いております。
 また、パラリンピック聖火リレーは、三人一組により実施されるとのことでございますが、三人の由来にはパラリンピックのシンボルでありますスリーアギトスにあると聞いております。
 加えて、日本では三本の矢、三人寄れば文殊の知恵などのことわざのように、三という数字は力を合わせる例えによく使われるなじみの深い数字でありまして、その場で初めて対面する三人が力を合わせて聖火リレーの区間を全うするという意味で、三人一組としていると組織委員会から伺ってございます。

○高倉委員 続きまして、ライブサイト等基本計画についてお伺いをしたいと思います。
 ライブサイトには、いろんな方々が訪れるというふうに思っております。パラリンピックということもありますので、特に障害のある方々も多く訪れるということになってくるというふうに思います。
 せんだっても、我が党のうすい委員の方からも、特に補助犬を連れていらっしゃる方々への対応といったこともお伺いしたわけでありますけれども、障害のある方々、障害といってもさまざまな障害があるわけですが、その中でも特に情報のバリアといったようなことに直面をされている方々、具体的には視覚に障害のある方、あるいは聞こえない方、こういう方々にとっては、本当に情報提供については十分な配慮をしていくということが重要であるというふうに思います。
 そのことも踏まえまして、ライブサイトにおけるバリアフリー対策の取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇ライブサイト会場内において、障害者を含めた全ての観戦客が必要な情報を得て、快適に大会を楽しんでいただけるよう取り組むことが重要でございます。
 このため、会場内のアクセシビリティーに配慮した取り組みのほか、障害者の方々への案内や誘導など、人的サポートの適切な実施に向け、運営スタッフやボランティアへの研修を行うなど、視覚、聴覚を含めた障害者へのきめ細かな対応ができるよう準備してまいります。
 とりわけ情報バリアフリーの観点からは、大きな文字によるわかりやすい案内サインの設置を初め、競技中継を観覧しやすい優先観覧エリアの設定等を行う予定でございます。
 今後は、このたび決定した各会場の状況も勘案しながら、障害の有無や内容、程度にかかわらず、誰もが楽しめる環境整備に向けて検討を進めてまいります。

○高倉委員 情報バリアフリーのことでありますけれども、例えば具体的におトイレを考えてみたときに、視覚障害の方は入り口に入りますけれども、男性用、女性用と分かれていたとした場合に、どちらに行ったらいいのかというのは即座にはわからない。そのために、音声案内といったようなことも極めて重要になるわけでございます。
 音声案内については、そうした視覚に障害のある方だけではなくて、外国人にとっては多言語でもって音声案内をする、そのことによって十分な情報を得ることができるというわけであります。
 これは、私、聞いたお話なんですけれども、音声案内、国内のある地方の空港で、それまで、海外の方々がふえて、そしておトイレを使うときに、なかなか使い方がよくわからないというようなことで、よく通報というか連絡があったということなんですね。そこに多言語対応も含めたトイレの音声案内をつけたところ、そういう通報が激減をしたと、こういうふうにも聞いております。
 障害者対応というだけにとどまらず、海外からいらっしゃる方々への多言語の情報バリアフリーということについても十分ご検討していただいて、より具体的なところにも目を向けていただいて、対応をよろしくお願いをしたいと思います。
 昨年、都議会の議員連盟で、韓国、ピョンチャンの冬季大会に私も参加をさせていただいたわけでありますけれども、ライブサイトも含めてでありましたけれども、いろんなところでVRを積極的に駆使して、来場者を楽しませていたわけであります。
 東京大会のライブサイトでも、大会パートナーとも連携をしながら先端技術を十分に活用して、観戦客が楽しめる、そうした実施内容を検討すべきであるというふうに思いますけれども、見解をお伺いしたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 ライブサイトについては、競技のライブ中継だけでなく、先端技術の活用を含めた多様な内容で、世界中から訪れる観戦客等に楽しんでいただけるような取り組みを進めることが重要でございます。
 過去大会においても、VRを活用した競技体験や先端技術のショーケーシングなど、大会パートナーの出展協力により、ライブサイトを含むオリンピックパークの充実が図られていた例がございます。
 今後ともライブサイトでの実施内容の充実に向け、大会パートナーによる各種催しや出展等の協力が得られるよう、組織委員会と連携しながら取り組みを進めてまいります。

○高倉委員 次に、ラグビーワールドカップの交通輸送実施計画についてお伺いしたいと思います。
 まず、案内サインのデザインが決まったわけでありますが、その大きさでありますとか、あるいは配置場所、これをどう決めていくのか、基本的な考え方と、いつまでにそうしたことを決めていかれるのか、このことについてご答弁お願いしたいと思います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 大会の案内サインは、最寄りの各駅から会場までの歩行者の安全かつ円滑な移動を確保し、都市装飾とともに大会機運を盛り上げるため重要なものでございます。
 そのため、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会が策定したガイドラインに基づき、大会共通のデザインを使用した日本語、英語、そしてピクトグラムによる案内サインを歩行者にわかりやすく配置することとしております。
 案内サインの大きさや設置場所につきましては、歩行者の視線や警備員、案内誘導員、ボランティアの配置場所等を考慮いたしまして、誰もが安心感を持って来場し、大会を楽しめるよう、道路管理者とともに調整しながら、夏ごろを目途にできるだけ速やかに決めてまいります。

○高倉委員 ぜひわかりやすく、効果的にお願いしたいと思います。
 次に、シャトルバスについてお伺いしたいと思います。
 各交通機関の駅と、それからスタジアムとの間を走るシャトルバスは有料ということになっているわけであります。その料金を見ますと、ルートによって多少の違いがあるわけであります。こうした料金の根拠について説明をいただきたいと思います。
 あわせて、シャトルバスを無料にすべきであるというような議論はなかったのか、このことについてもお伺いしたいと思います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 試合当日、会場に最も近い京王線飛田給駅には利用者が集中することが見込まれますことから、混雑緩和に向けまして多様な来場ルートを確保する必要がございます。
 このため、昨年三月に策定いたしました東京都交通輸送基本計画におきましては、東京スタジアムで行われる大規模イベントで運行された実績のあるルートを基本といたしまして、シャトルバスを運行することとしております。
 東京スタジアムでは、Jリーグやこれまでのテストマッチの試合等の際、周辺駅とスタジアム間で路線バスを運行する民間事業者の協力を得て、有償でシャトルバスを運行しております。
 大会シャトルバスにつきましては、各事業者の既存の路線バスの区間を活用していただきますことから、既存の運賃と同額としておりまして、シルバーパスや障害者割引につきましても、既存の路線バスと同様に適用されることとなっております。

○高倉委員 このシャトルバスについてですけれども、障害のある方々も多数会場に訪れると思います。会場の中にも、例えば車椅子の方々のためのスペースといったものをきちっと確保されているというふうに思います。
 そこで、障害のある方々への対応として、シャトルバスを利用する際の配慮についてお伺いしたいと思います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 会場には車椅子利用者向けのチケットを購入した方のための座席を用意してございまして、大会成功のためには、車椅子利用者を初めとする障害者等を含め、誰もが安心して会場に来場し、大会を楽しめる環境を創出していくことが重要でございます。
 このため、京王線調布駅、西武多摩川線多磨駅、JR武蔵境駅、小田急線狛江駅と会場を結ぶシャトルバスは、いずれのバスも車椅子での乗車が可能なものを導入することとしております。
 また、シャトルバス乗降場には、安全に乗降できるよう訓練を受けたスタッフを配置いたしまして、車椅子利用者だけではなく、支援の必要なさまざまな障害のある方に対しても乗降や移動を補助するなど、きめ細かく丁寧にサポートを行うことを予定しております。

○高倉委員 このことの最後に、案内サインについては、英語についても対応するということでありますけれども、東京スタジアムの試合を見ますと、対戦チームにロシアとか、フランスとか、アルゼンチンといったようなチームの試合が予定をされているわけであります。こうしたことを踏まえた多言語対応の取り組みはどうなるのかお伺いしたいと思います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 東京会場には、英語以外を公用語とする国の出場も予定しておりますが、海外からの観客の大多数は、イギリスやオーストラリアを初め、英語圏からの来場を想定しております。
 そのため、案内サインにつきましては、組織委員会から開催都市に対して示されているガイドラインを踏まえ、日本語、英語の表記を基本にしつつ、誰もがわかりやすいピクトグラムを活用しながら、適切な案内、誘導に取り組んでまいります。
 また、大会時に都内で活動する約二千四百名のボランティアにつきましては、英語を初め外国語スキルを有する方が多数いることから、こうした方々にニーズの高い空港、駅、シャトルバス乗り場等で活動いただくとともに、対応可能な言語をわかりやすく上着に表示することといたしております。
 さらに、各国の言語で簡単な挨拶を行える会話集や多言語対応の観光ガイドブック、音声翻訳アプリなどを活用いたしまして、外国語のコミュニケーションに不安を持つボランティアの方でも、外国人来場者に一定の案内ができるよう取り組んでまいります。

○高倉委員 残る時間を使いまして、最後に、東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領(第二版)についてお伺いをしたいと思います。
 今回の改定でありますけれども、二〇一八年に行われました実地訓練や図上訓練、また専門アドバイザーからの意見聴取などを通じて、検証を行って改定をしたというふうにされております。
 そこでまず、この対処要領第二版の主な改定の内容とその理由についてお伺いしたいと思います。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 改定の一例といたしまして、首都直下型地震などの災害対策の分野に、今回新たに関係機関との連携方針の項を設けております。
 具体的には、この項の中で、国との連携方針として、都災害対策本部が国の緊急災害対策本部等と情報共有を図り、人命救助や医療救護、物資調達、避難者対策等に努めることを明確化いたしました。
 また、大会運営を行う組織委員会との連携につきましては、都の都市オペレーションセンターを経由して、競技会場の被害状況や観客等の保護、避難状況等を共有することなどを新たに記載いたしました。
 この改定の理由でございますが、国や組織委員会など関係機関と実施した訓練等を通じまして、各機関が連携して行うべき災害応急対策の具体的な活動内容が明確になったためでございます。

○高倉委員 この対処要領は、本当に各種の事態が発生したとき、いってみれば本当に緊急に対処しなきゃならない事態が発生したとき、そういったときにどう対処していくのかということを、いろいろとこの要領の中で定めているというふうに思います。
 それで、二〇一八年には実地訓練、図上訓練を行っているわけでありますけれども、この改定版が出たことを踏まえて、さらに実地訓練等を行っていく必要があると。内容を新たにしているわけですから、それを踏まえた訓練というのを当然やっておかなければ、いざというときに対処がなかなか大変になるということもあると思います。
 今後のこうした実地訓練等について、どう対応されようとしているのかお伺いしたいと思います。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 今回改定に当たりましては、先生ご指摘のとおり、昨年十一月に東京スタジアムにおける実地訓練を行い、治安対策やサイバーセキュリティー、災害対策、感染症対策など、四つの分野ごとにテーマを定めて行いました計十二回にわたる図上訓練等により、検証を進めてまいりました。
 今年度は、東京二〇二〇大会に向け、テストイベントが本格的に実施されるため、こうした実践的な機会も利用いたしまして、実地訓練や図上訓練を行うことを予定しております。
 具体的なテーマといたしましては、複数会場を想定したクライシス事案の発生を想定するなど実践的な訓練を行いまして、対処要領に記載いたしました活動手順の有効性を確認いたしますとともに、関係機関の職員の連携と事案対応への練度の向上を図ることなどを検討しております。
 こうした実践的な訓練の継続やラグビーワールドカップ二〇一九から得られる知見なども反映いたしまして、継続的な検証と見直しを図ってまいります。

○高倉委員 ことしのテストイベントという貴重な機会を活用して、そこで訓練をされると。この訓練そのものが、いざというときの事態ということの訓練ですから、非常に難しい訓練であるというふうには思いますけれども、ぜひこのテストイベント等の機会を十分に生かして、そこで対処要領の改定がさらに必要であれば、恐らくまた直していかれるんだろうと思いますけれども、十分にことしのそうした実地訓練等を生かして、万全なものに仕上げていただきたいというふうに思います。
 改定版を拝見させていただきますと、危機的な事態が発生した場合に設置をされる東京都の災害対策本部、そして今回、オリ・パラ大会で設置をされる都市オペレーションセンター、さらには組織委員会があり、そして、当然ながら国というところもあるわけであります。さまざまな主体が対処要領の中でかかわりを持つ、こういうふうになっているわけであります。それぞれ恐らくしっかりとした役割が決まっていると思います。
 普通に考えると、それらさまざまな機関を全体的に一体どこが統括をするのかというようなことも、どうなんだろうかなと思うわけでありますけれども、どこが統括するということよりは、どこがどういう役割をしっかり担って、いざというときに、きちっと混乱せずに行っていくのか、こういうことであろうと思っております。その点についての見解をお伺いしたいと思います。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 大会期間中には、台風や地震などさまざまな事態が想定されますが、影響が単一会場にとどまるなど、いわゆるイシューの対応レベルにおきましては、都市オペレーションセンターが組織委員会と連携して対応いたします。
 これに対しまして、首都直下型地震などクライシスレベルの危機的事態が発生した場合におきましては、それぞれの危機に応じて対処するための全庁的な体制が設置されることとなります。
 例えば大規模災害発生時には、都地域防災計画に基づき、都災害対策本部が国や区市町村、ライフライン事業者などと連携し、都域全体の安全・安心の確保を目的として、危機的事態への対応を行います。
 都市オペレーションセンターは、こうした大規模災害発生時には、都災害対策本部の構成メンバーとなり、大会運営への影響の軽減やラストマイル、競技会場周辺の観客等の安全・安心を確保するため、組織委員会と連携して総合的な連絡調整に当たります。
 組織委員会は、大会運営の責任者として競技会場の被害状況を確認し、会場内の観客等の保護、避難を行いつつ、その被害状況や対応状況など、メーンオペレーションセンターに集約された情報を都市オペレーションセンターを通じ、都災害対策本部に提供いたします。
 危機的事態に際してそれぞれの役割を果たしつつ、連携して取り組むことで、都民や観客等の安全・安心の確保に努めてまいります。

○高倉委員 今るる説明をしていただきましたけれども、ぜひしっかり混乱のないようにお願いしたいと思います。
 いただいた資料の連携体制のイメージの中に、さまざまな関係する機関が書かれているわけであります。ぜひ混乱のないようにお願いしたいということと、やはり例えば災害のときなどには、今や自衛隊の存在というのは欠かせないわけであります。
 このイメージ図の中にも自衛隊というのが入っておりますけれども、ぜひことしのテストマッチ等での実地訓練に当たっても、十分な連携をとっていただくように要望いたしたいと思います。
 それから、首都直下型地震などが発生をした場合、観客などの一時的な避難場所をあらかじめ確保すると、このようにこの要領には書かれているわけであります。これを読むと、当然全ての競技会場において一時的な避難場所を確保するのであろうかというふうに思うわけであります。
 実際になかなか難しい場合もあるんじゃないかと思いますけれども、全ての競技会場において一時的な避難場所を確保するということについてのご見解をお伺いしたいと思います。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 対処要領におきましては、災害時の避難方針といたしまして、各競技会場ごとの一時的な避難場所や避難経路など、避難措置を行うため必要となる事項を定めることとしております。これに基づきまして、組織委員会が各会場ごとに策定する避難基本計画等との整合性を図りつつ、連携して検討を行っているところでございます。
 このうち一時的な避難場所につきましては、各競技会場の観客数及び空きスペースの有無など、会場ごとの情報を個別に調査し、現在、具体的な検討を行っております。
 さらに、競技会場等から避難してきた観客がラストマイルに滞留した場合にも、地域住民の避難や救助に与える影響が最小となるように、地元区市の地域防災計画に定められた内容に基づき、地元区市や関係機関とも調整を進めております。
 こうした検討を進めまして、各競技会場で必要となる一時的な避難場所の確保に努めてまいります。

○高倉委員 今答弁によりますと、一時的な避難場所については具体的な検討を今行っているというお話でありました。災害ということを考えた場合だけでも、関係するのはオリンピック・パラリンピック大会の競技を観戦に来ていらっしゃる方だけではなくて、当然ながら住民の方々というのがいらっしゃるわけであります。
 防災計画などでは、住民の方々のための計画になっているというわけでありまして、一時的な避難場所というのも、場合によっては専ら住民の方々が使うための避難場所というのを何とか使わせていただきたいというようなことになるような場所もあるんじゃないかと思うんですけれども、その際にどういうふうにきちっと事前に調整をしておくか、極めてこれは重要なことであると思います。
 今、具体的な検討を行っているということでありますけれども、来年のことですから、一刻も早くこれは検討して、特に地元の自治体などとも十分な調整を図らないと、いざというときには、今いったように競技の観戦客だけではなくて、地元住民にとっても極めて切迫した課題に直面をするということでありますので、これは非常に大事なところですから、ぜひ具体的にわかりやすくお願いをしたいというふうに思います。
 そして、一時的な避難場所については、一時的とはいえ、暑さ対策ですとか、あるいは備蓄品といったようなことも重要であると思います。ここがあいていますからここに避難してくださいって、それだけじゃ多分、恐らく済まないと思いますので、ここはどういうふうにされようとしているのか答弁を求めたいと思います。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 大規模災害時には、暑さ対策等の観点も含めまして、とりわけ飲料水の確保は必要不可欠であると考えております。
 このため、競技会場にとどまる観客等が必要とする飲料水等につきましては、東京二〇二〇大会パートナー等に災害時物資調達支援協定等に基づく協力を要請し、配布することを想定しております。
 さらに、競技会場周辺エリアなど観客等の滞留が予想される地域におきましては、災害時給水ステーションによる応急給水の実施等も想定しております。
 また、他の備蓄品につきましても、観客等が一時的な避難場所で一定期間とどまることも想定いたしまして、避難場所ごとに収容する観客等の規模に応じ、物資の量を調査しており、ほかに必要となる備蓄スペースも含めて、組織委員会や関係局とも連携し確保に努めてまいります。

○高倉委員 オリ・パラ大会の競技会場については、競技会場の中に備蓄があるというようなところと、備蓄は、いってみればないというようなところもあるというふうにお伺いをしております。そういうことも含めて、整合性のとれた対応をぜひお願いしたいというふうに思います。
 あわせて、一時的な避難場所が確保されている場合にスムーズな誘導を行うためには、観客に十分な情報提供を行っていくということは大変大事です。住民の場合は、避難場所というのは通常、事前にいろいろと周知をされておりますので、大概は知っているような方が多いわけですけれども、オリ・パラの会場に来る観客の方々は、そこの一時避難場所というのは一体どこになっているのかというのは、十分意識しないまま来ている場合がほとんどであると思います。
 十分な情報提供についてどうされるのか、お考えをお伺いしたいと思います。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 競技会場内の観客等を競技会場外へ避難させることとなった場合には、観客等を安全かつ迅速適切に誘導するため、まず警察等の関係機関や組織委員会、関係区市等と調整いたしまして、一時的な避難場所及び避難経路の安全を確認した上で、その運用を決定することとなります。
 避難する観客等に対しましては、開設する一時的な避難場所や誘導経路につきまして、競技場内設備の大型スクリーン等を用いて情報提供するとともに、SNSなど効果的な情報発信や警備員等による多言語での誘導などにより、必要な情報提供を行います。
 さらに、地元区市や警視庁とも連携した積極的な現場広報を行うことなどによりまして、一時的な避難場所等に観客等を適切に誘導いたします。

○高倉委員 次に、医療のことで一つお伺いしておきたいと思います。
 昨今もテロのニュースが流れているわけでありますけれども、テロの発生を想定した場合に、そこでテロによって被害をこうむる方々というのはどういう被害をこうむるかというと、例えば銃器で撃たれる、いわゆる鉄砲で撃たれるとか、あるいは爆弾でもって大けがをする、こういういわゆる銃器とか爆弾によるけがといったものについて、もちろん医療の方々は当然いろんな専門的な知識を持っていらっしゃるので、対処は十分可能ではあると思いますけれども、銃で撃たれた人がどんどん病院に運ばれてくるなんてことは日常的にはないわけでありまして、また爆発物でどんどん患者さんが運ばれてくるなんてことも日常的にはないわけであります。
 私は去年、東京港にアメリカ海軍の「マーシー」という病院船が入港したときに中に入らせてもらいました。軍隊のある国では、こういういってみればテロで被害を受けたような方々、いわゆる銃器ですとか、あるいは爆弾、こういうものの治療に当たる専門的なノウハウを持っている方々というのは多いのではないかなと思います。
 そういうことも考えて、医療スタッフについてもぜひこういったことにも的確に対処できる、経験ある方というのも変ですが、ノウハウをきちっと備えている方、こういう方もきちっと配置をすべきというふうに思いますけれども、この体制はとっていらっしゃるのかどうかお伺いしたいと思います。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 銃器や爆発物などにより、不幸にして負傷者が発生した場合は、救護活動に向けた初動対応を適切に行うことが重要でございます。
 このため、重傷者が多数発生するなど、被災現場による医療需要が高い場合は、現場で救命処置を行える専門チーム、東京DMATや医療救護班の派遣を要請することとなります。
 不測事態発生時における具体的な体制につきましては、現在、組織委員会や医療の専門家、東京都医師会から意見も聞き取り、関係局間で情報を共有し、対応を検討、調整しております。
 こうした取り組みを通じまして、競技会場周辺の医療機関への搬送を行うため、組織委員会や消防庁等と連携する体制をあらかじめ構築することで、負傷者の救護活動に万全を期してまいりたいと思います。

○高倉委員 医療従事者については、オリ・パラ大会に当たってさまざまな方々がいろんな役割を果たす、その一方で、例えば東京都内の救急医療というのは、日常的にはもちろん万全な体制はしいているんだとは思いますけれども、十分な関係者がいるかどうかというような状況もあります。
 オリ・パラ大会のときに日常的な救急医療体制の維持、これが大丈夫なんでしょうかというような懸念も大分聞かれておりますので、そういったことも今後十分に配慮していただければと思います。
 最後に、テロ対策も含めてのことになりますけれども、会場周辺や、あるいは会場への動線などにしっかりと防犯カメラの設置を進めるということは、私は重要なことではないかと思いますけれども、この点についてご見解をお伺いしたいと思います。

○三浦オリンピック・パラリンピック準備局運営調整担当部長 都市オペレーションセンターにはモニターが設置され、大会期間中は最寄り駅から会場までの間に設置するラストマイルカメラにより、ラストマイル上の映像を映すこととしております。
 この防犯カメラを活用し、警視庁等と連携し、リアルタイムで映像を共有することで、現場のトラブル把握や事故等への迅速な初動対応、例えば雑踏事故などの防止に取り組むこととなります。
 こうした防犯カメラの設置や、警視庁や組織委員会と連携した警備員の適切な配置などによりまして、テロや犯罪の未然防止を図ってまいります。

○高倉委員 ぜひこのカメラについては、恐る恐る控え目につけるんではなくて、しっかりと対応してほしいと私は思っています。いろんな意味で安全・安心につながることは間違いありませんし、特にオリ・パラの競技会場やそこへの動線、いわゆる周辺ですね、ここは本当にしっかりとした、そういう目があるんだということを内外に十分周知をする、知ってもらうということは大事だというふうに思います。
 また、恐らく警視庁、あるいは消防庁なんかも考えていらっしゃると思いますけれども、最近いろいろ活用されているドローンといったようなものも、水平の私たちが立っている目線から見ると、なかなか向こうで何が起こっているかってよくわからないんですが、少し高いところから見ますと、すぐ必要な情報を得られる、こういうものもぜひ十分に活用して、安全・安心の体制を整えていただきたいと思います。
 以上で終わります。

○川松委員 私からは、ラグビーワールドカップのファンゾーンについて、ここでも何度もやってまいりましたけれども、最新の状況について確認をさせていただきたいと思います。
 今回、ファンゾーンの実施運営の業務委託がなされたというふうに聞いておりますけれども、実際にファンゾーンの契約に当たって、何社ぐらいが手を挙げて、そしてどういう基準で選んだのか教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーンの実施運営業務委託につきましては、総合評価方式により発注し、多摩会場の審査会には二社、区部会場の審査会には五社が参加しました。
 総合評価方式においては、参加者からの提案内容の審査により算出した技術点と価格競争による価格点の合計により評価します。
 各社の提案につきまして、会場の地域特性の活用、集客力、費用対効果等の項目に従って審査を行いまして、これに価格点を合計し、点数が最も高い事業者に決定したところでございます。

○川松委員 今、いわゆる合計の点数で評価をして決めたというふうに答弁があったわけですが、集客力だとか費用対効果等の項目に従って審査をされたと、しかも価格点が入っているということです。
 確認なんですけど、この契約で枠組みを決めて、皆さん方がもうこの業者にしようとお決めになったのはわかるんですが、もうこの枠組みは崩せないということですか。つまり、価格点はここで決めちゃいました、内容もここで決めましたと。実際にはこれからやっていく上において、具体的な項目がこれから出てきたりする中で、枠を決めた中で評価をされて入札を決めたわけですから、この枠の中でおさめなきゃいけないという認識でよろしいんでしょうか。教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 先生のおっしゃるとおり、この枠の中で事業者の提案を受けながら、我々とともに一緒に検討して決めていくところでございます。

○川松委員 済みません、もう一点だけ確認させてください。そうすると、今私たちが議論していることというのは、枠を飛び出したことをもし我々が提案した場合には反映されないということですか。
 つまり、僕が何度もいっているのは、このファンゾーンの成功こそ二〇一九年の日本大会の成功だという話をしてきました。しかも、東京のファンゾーンというのは、今回十二の開催都市、それぞれ開催都市の責任ですよ、もう四年前からいわれてきたわけです。
 でも、東京はほかの十一の都市とは違って、日本のファンゾーン、日本大会のファンゾーンという意味合いもあって選んでいただきたいということをいってまいりましたけれども、そういう視点も加味して今回の業務委託というのは決まっていますか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーンの具体的な実施内容につきましてですけれども、事業者からの提案も踏まえまして、あとは関係各局との連携も図りながら検討を進めてまいります。

○川松委員 連携をしながら進めていきますということですから、我々、いろんなところからの声もあるだろうし、今、じゃあ、具体的に何をしたら成功かというのはわかりません。ただ、やれることはしっかりとチャレンジしながら、ほかの地域も見てくるだろうし、東京はどんなことをやってくるんだろうかと注目されている中で開かれるファンゾーンです。
 四年前のロンドンというかイングランド大会においても、それぞれの地域によってファンゾーンの中身が変わっていましたけれども、やはりそれが多くの皆さん方、イギリス国内だけではなくて、世界中から集まる皆さん方に大会成功の大きなインパクトを与えたわけでありますので、そこはしっかりと詰めていただきたいと思います。
 次に、区部会場について、私たちは前回のときから、当初の皆さん方が描いてきた計画の日数というのは足りないんじゃないか、もっとふやすべきだというふうにいっておりましたけれども、今回十一日間追加で開催するということになりましたが、当初の契約を皆さん方が出していたときには、この十一日間は入っていなかったはずなんですね。
 業務委託契約とは切り離して十一日間が追加で入ったと思うんですが、この十一日間について、皆さん方はどのような対応をされていくんでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 追加開催することとした十一日間につきましては、いずれも平日であり、区部会場の周辺には多くの企業や商業施設等が立地しているため、仕事帰りのビジネスパーソン等の来場とともに、日ごろから海外からの観光客も多く、二〇一九年大会を目的とした訪日外国人等の来場も想定されております。
 このため、国内外のラグビーファンが集い、交流できるよう、アルコール等を含む飲食の提供を行うとともに、パブリックビューイング等を実施してまいります。
 引き続き、ワールドカップ二〇一九組織委員会や大会スポンサー等にも協力を求めながら、実施に向けた準備を進めてまいります。

○川松委員 もう一度確認ですけれども、最初に業務委託契約になったのは、例えば東京会場、区部会場全体を使うという形でどこかやりませんかといって業者を募ったわけですが、十一日間開催は、丸々あの会場自体、区部会場を全部使えるんですか。それとも、どこか一部だけでやるのかという確認をお願いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 現在、提案内容につきましては工夫をして、不足分の経費につきましては、機運醸成のイベント等の経費もございますので、こちらの方を活用しながらやっていこうと思っております。

○川松委員 そこも後から出てきた計画ですけれども、平日のゲームだからといって、気持ちの中では土日にいいゲームが集中しているだろうと思いますが、世界中の人たちが注目するような国の、ニュージーランドだったり、南アフリカだったり、イングランドの試合が平日入っているわけですので、ぜひそこで多くの皆さん方が有楽町という立地に集まって盛り上がっていけるような中身の工夫もしっかりとやっていただきたいと思います。
 その追加ということも含めて全体の中の話に行きますが、ファンゾーンの実施内容を最終的にここからどのように検討していくのか。区部会場では、前にもここでお伝えしましたが、いわゆる東京都として、テストマッチにあわせてさまざまなファンゾーンをやったり、一年前イベントで銀座でいろんなものにチャレンジしてみたりしてきたわけですけれども、今回もやはり単純にラグビーをパブリックビューイングで見てもらう、アルコールを提供するということではなくて、エンターテインメントの要素も含めながら楽しめる場所、そこに行って喜びが生まれる場所にするべきだと思いますけれども、見解をお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーンにおけるステージイベントやラグビー体験等の具体的なコンテンツの内容につきましては、ファンゾーン運営計画案の内容に記載した基本的な考えのもと、検討を行ってまいります。
 昨年九月に銀座ソニーパークにて開催した一年前イベントでは、ラグビー選手等も参加したパス回し等のラグビー体験や、雑誌CanCamモデルによる女性がラグビー観戦を楽しむためのトークショーを行いまして、多くの女性客にもご来場いただいたところでございます。
 また、昨年十一月のテストマッチに合わせまして実施しました東京ラグビーファンゾーン二〇一八では、本番と同じ東京スポーツスクエアで開催しまして、試合前にミニライブ等を行い、ラグビーファン以外の方々にもご来場いただいたところでございます。
 検討に当たりましては、こうしたこれまでのラグビーイベント等の実績なども踏まえまして、幅広い層の方々が訪れ、楽しめるファンゾーンとしてまいります。

○川松委員 先ほどの答弁の前の質問の中で、訪日外国人の皆さん方の来場も想定したファンゾーンにしたいというお話がありました。一年前のときには、新しいラグビーを応援してくれる皆さんも掘り出そうということで、CanCamモデルの人たちが来られてトークショーもやったわけですけれども、訪日外国人の皆さん方がラグビーを見に来るんだけれども、そのときに行われる首都東京に何を求めてくるのか、こういう視点もしっかりと取り入れていただきたいと思うんですね。
 例えば日本を代表するものであれば、そこにアニメのキャラクターがいたりとか、あるいはアイドルグループがいたりとか、そういう付随するものと一緒になってラグビーのワールドカップがそこにあるんだということを、世界中から来るわけですから、それぞれニーズがありますけれども、そういった工夫をすることによって、ファンゾーンを盛り上げていくという必要があるんじゃないかなと思います。
 訪日外国人という話になりますと、オリンピックの招致が決まってから、東京もたくさん人が集まってきているわけですが、訪日外国人の消費動向の調査をすると、一人当たり十五万円ぐらい観光客が使われているということであります。
 また、こういうラグビーワールドカップとか特殊なイベントのときには、さらにその金額が上がることも想定されますので、私はファンゾーンというものを利用して、東京なら東京の地場産業を応援していく、あるいは前からいっておりますように、日本のファンゾーンとしてほかの開催都市の産地を応援していく、そこでまた経済活動が生まれていくような仕組みが必要だと考えますけれども、都の見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーンには、外国人のチケットホルダーだけでなく、国内外から多くの方々が来場されることから、東京だけでなく他の開催都市も含め、日本の魅力を世界にPRする絶好の場であると考えております。
 しかしながら、ファンゾーンにおきましては、会場内で消費する飲食物を除き、公式グッズ以外の物品の販売は原則としてできないこととなっております。このため組織委員会に対しては、こうした都のファンゾーンの意義について理解を求め、都内区市町村や他の開催都市の特産品等の販売を認めるよう要請しているところでございます。
 さらに、これら以外の都市につきましても、観光PRや特産品の紹介ができるよう関係局と連携の上、組織委員会と調整を行っております。

○川松委員 今、原則の話でありますが、ステークホルダーの皆さん方がいる、でも、それとは違うんだと。何のために我々は二〇一九年を誘致したかと。もちろんラグビー宗主国といわれる皆さん方とは考え方が違う点もありますけれども、そこは最後まで交渉を頑張っていただいて、やはり日本のファンゾーンという意義をしっかりと皆さんで思いを共有して前に進めていただきたいと思います。
 ファンゾーンは、ただ開くだけではやはり意味がなくて、そこに誰が来るかということが大切になろうかと思います。二〇一九年のラグビーワールドカップが九月から始まって、東京及びその近郊で試合が行われる。各国の代表選手もちょっとしたオフの間に訪れたくなるようなファンゾーンの仕組みづくりが必要だと考えております。
 そういう選手たちが、もちろんその選手たちを見たくて来る人たちが多いわけですから、その選手たちのSNSを使ってさまざまな情報を発信していく。しっかりと皆さん方が交渉をかち取って、それぞれの地場産業を応援するようなものをここに置くことができれば、さらに各国の選手たちの発信を見て、もう一度来たいな、そういうものを手にしたいなという人たちがふえていけば、これはもう皆さん方が考えている以上の投資効果が出てきますので、そういった工夫もしていただきたいと思います。
 また、契約が決まって枠組みが決まったということでありますが、これは一般論でいくと、契約をとられてイベントをやる側は、枠の中で上限が決まっちゃったから、あとは中身をできるだけ抑えようと、それで利益をとろうというような考え方が一般論でありますが、そういうところに陥って、どんどんどんどん規模の縮小したものにならないでいただきたい。
 しっかりとお金をかけても効果があるんだ、何でお金をかけるんだという理屈を持って、ファンゾーンをしっかりと成功させることをお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。
   午後二時五十九分休憩

   午後三時二十分開議

○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○池川委員 私からは、ラグビーワールドカップ二〇一九東京都交通輸送実施計画について質問いたします。
 ラグビーワールドカップまで二カ月となりました。準備も詰めの段階にあると思います。きょうは、幾つかの視点から交通輸送計画について伺っていきたいと思います。
 まず、交通輸送の大動脈といっていい京王線飛田給駅の対応について伺います。
 これまでも東京スタジアムではJリーグの試合やコンサートなどの大規模イベントが行われてきており、時々に合わせて臨時電車を発着させるなど、対応がとられてきたと認識をしています。
 調べてみると、例えば昨年九月に行われたB’zのコンサートでは、開始前は、新宿方面からの電車を二十八本臨時停車、終了後は、新宿方面に向かう電車十二本、新宿方面から来る電車十二本を臨時停車させるなどの対応が行われたということが記載をされておりました。
 今回のラグビーワールドカップでも京王線飛田給駅において臨時電車を発着させるということでありますが、具体的にどのような対応となるのでしょうか。また、コンサートやJリーグの試合など他の大規模イベントと比較して、どのような対応になるのかお伺いをいたします。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 京王線飛田給駅では、通常、各駅停車のみが停車いたしますが、東京スタジアムにおいてコンサートやJリーグの試合などの大規模イベントが行われる際は、委員ご指摘のとおり、改札付近や車内混雑抑制のため、特急、準特急の臨時停車を実施しております。
 ラグビーワールドカップ二〇一九におきましては、鉄道事業者の協力を得て、試合当日は、上り下りとも、試合や開会式の四時間前ごろからその開始時間ごろまで、また、試合終了から一時間半ごろまで臨時停車を行うこととなっております。これは、他の大規模イベントと比較しても同等以上の対応となっております。

○池川委員 他の大規模イベントと比較をしても同等以上の対応にするということであります。
 国内からのお客様とともに、外国からのお客様に対してどのように必要な情報を発信していくのかがとても重要になってまいります。特に人が集中するということが明らかな中で、緊急時の対応をあらかじめ想定して動くことが大切だと思います。
 昨年の基本計画の段階で、我が党の里吉委員から、京王線のトラブル発生時の対応についてはどのように対応するのかということを質問しました。そのときには、試合当日に京王線で事故が発生した場合の対応については、シャトルバスを活用した振りかえ輸送等も含めて検討を行っております、今後とも、鉄道事業者やバス事業者と協議を進め、来年度中に策定する実施計画に反映してまいりますという答弁がありました。今回出てきたのがその実施計画だと思うんです。
 今回この実施計画の中では、四六ページに緊急時の対応について記載があります。不測の事態での対応のとき、京王線を初めとする公共交通機関の案内は当然、日本語以外の外国語等の表記、案内、アナウンスが必要となってくると思います。これは第一義的には交通事業者が行う問題だと思いますが、この辺については東京都ともしっかりと連携をして取り組んでいただきたいと思うんです。
 そこで、緊急時の対応として、京王線の例えば運休になってしまうような状態が起こる場合等の対応方針が示されていますが、具体的な内容についてはどのようにやっていくのか、また、この対応の実施主体についてはどことなっているのか伺います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 まず、入場時間帯に京王線が運休し、復旧に時間を要する場合には、JR中央線や小田急線を利用した迂回のアクセス方法をご案内いたします。
 周知の方法といたしましては、鉄道事業者が鉄道駅構内、車内アナウンスを行うとともに、アプリやツイッターを活用し、日本語及び英語でご案内いたします。
 また、組織委員会では、チケットホルダー向けのメール等を活用いたしまして、情報発信することと予定しております。
 さらに、都といたしましては、ホームページで周知を行うとともに、スタジアムの周辺や飛田給駅、シャトルバス発着駅などの案内ブースで活動するボランティアが、英語を初め多言語による案内を行います。
 次に、退場時間帯に京王線が運休した場合でございますが、都と組織委員会とが協議を行いまして、東京スタジアム内及び会場周辺で交通案内、交通状況のアナウンスを行うほか、混雑箇所や他の交通手段の輸送可能容量を踏まえ、必要に応じて退場者数を制限するなどの対応を行ってまいります。

○池川委員 これは実施計画にも示されていますが、入場時には飛田給駅には八六・七%、また、退場時には六九・八%というふうに、前回のテストマッチも踏まえて考慮した数字が示されていますが、やっぱりこの一番大動脈であるところの対応が極めて重要ではないかというふうに思います。
 日本語と英語での案内、また、アプリやツイッターなどの活用、そしてチケットホルダーへのメール配信、さらには、スタジアム周辺の交通状況のアナウンスや退場者制限などについて今対応していくということがご説明がありました。
 緊急対応については、あらゆる想定を行い、組織委員会、東京都、また交通事業者でしっかりと連携を行っていただきたいと思います。
 また、正確でスピード感ある情報提供というのが鍵だと思いますので、ここに示されている鉄道運休時の連絡フローイメージ等に基づいて、この緊急時の対応についてはぜひ関係者間で協議を行い、スムーズな対応ができるように取り組んでいただきたいと思います。
 次に、車両通行どめが行われるということでありますが、その点について伺っていきたいと思います。
 実施計画では、試合が行われる八日間、試合開始四時間前、終了後三時間は通行規制を行うとしています。関係車両などの誘導や安全対策が必要であると同時に、周辺住民の方、周辺施設の利用者や職員の方などに影響があることが想定をされるわけです。理解と協力がしっかりと得られるかどうか、ここに重要な点があるんじゃないかと思います。
 車両通行どめについては、試合開始四時間前、終了後三時間とされているわけですが、なぜこの時間を設定したのか、その理由について伺いたいと思います。
 また、車両通行どめ等についてはどのように周知をされていくのでしょうか。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 大会当日、スタジアム周辺にはメディア、運営事業者、大会関係者など約千六百五十台の車両が集中するとともに、送迎車両の駐停車や周辺の生活道路への迂回など、地元住民への影響が想定されます。
 こうした状況のもと、周辺の混雑を回避するため、関係車両の出入りや観客の入退場の時間を考慮し、スタジアム通り及びその周辺の道路の一部におきまして、一般車両の通行を制限する時間帯を設定いたしました。
 なお、地元住民や周辺施設の関係者等の車両につきましては通行証を発行するなど、大会時におきましても住民生活や事業活動に影響が生じないよう、地元住民の意向をお伺いしながら、地元市、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会や交通管理者等と調整を行っているところでございます。

○池川委員 施設周辺の対応について、私も幾つかの施設の関係者の方からお話を伺いました。スタジアム周辺には福祉関連施設等がたくさん存在をしております。
 例えばお話を伺った施設の中では、利用者の方の送迎等について対応が必要だということで検討していますが、実際に当日、通行がとめられることによってどの程度の渋滞が発生するのか、それはやってみないとなかなかわからないので、その辺を心配しているとか、別の施設の方からは、職員の車の移動、搬出搬入業者の出入りなどについて対応が必要であり、事前に情報提供いただいていることは大変ありがたいが、これ、しっかりとやっぱり共有していかなきゃいけない、こういう話を伺ってきたところであります。
 また、この近くには都立府中けやきの森特別支援学校がありまして、平日試合のある開幕戦の九月二十日については学校を休校する、また、十一月一日は最も早いバス便、一便というふうにいっていますが、一便で全員が下校するなどの対応を考えているという話もお伺いをしました。この休みについては、開校記念日を登校日にして対応するという話も伺っています。
 既に学校関係者や保護者の皆さんとの間では協議が行われているということも伺いましたが、具体的に交通をとめることによって学校が休みになる、また、早く下校になる等によって、例えば障害のある子供たちの場合、放課後等デイサービスとの受け入れの連携ですとか、保護者が仕事を休まなければならない、そういう対応がさまざま必要になってくると思いますので、既にやっていただいているということは承知した上で、引き続き丁寧に協議をし、対応していただきたいというふうに思います。
 また、オリンピックやパラリンピックのときにも、このセキュリティー対策などで都民生活にさまざま影響が出ることが想定をされるわけです。しかも今回、一つの会場ではなく、複数会場で対応が必要になってくるわけです。こういうときは、やっぱり都民第一の視点で協議を尽くしていただきたいし、対応していただきたいと思うんです。
 これは今回の一つモデルとして通行どめを行うわけですけれども、都民生活との調和がやっぱり必要だと思いますが、こうした今回の一つのステップを通じて、今後このような、例えばオリンピック・パラリンピック等に向けては、どのように都民生活の調和については対応していくのか伺いたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンターにおきましては、大会の円滑な運営とともに、都民への日常生活への影響ができる限り軽減されるよう取り組んでいくところでございます。
 現在、都市オペレーションセンターの運営計画を策定したところでございまして、今後、さまざまな実地訓練等を通じまして、さらなる検討を進めていくところでございます。

○池川委員 都民生活との調和、そして理解、協力がとても重要であるということは従来強調してきたわけですが、学校はもちろん、保護者、子供たち、そして周辺の関係施設、もちろん居住者の皆さんを含めて理解が得られるように、今回の一つの教訓として生かしていただきたいということを求めておきます。
 さらに、スタジアム周辺には調布基地跡地の運動広場がありまして、土日は野球やサッカーなどの子供たちの練習や試合が毎週行われている場所であります。一流のトップスポーツを見る機会が来る一方で、やっぱり地域で行われている子供たちのスポーツができなくなってしまうやに聞いております。
 具体的に、土日は六日間試合が行われるわけですが、事前にお伺いをしたところ、全面的にこの周辺については使用ができないという対応をするということでありました。これもやっぱり利用者、関係者との連携が必要だと思います。
 東京スタジアム周辺でも、今回のラグビーワールドカップのような規模で車両通行どめが行われるということは余り経験がないということであります。東京オリンピック・パラリンピック二〇二〇大会のときには、他の競技会場周辺でも同様の影響が出てくるわけで、この辺については実際に利用者、関係者の意向をよく聞いて、影響を最小限にとどめるとともに、理解と協力が得られるような形にしていただきたいということを求めておきたいと思います。
 次に、シャトルバスについて伺います。
 計画では、シャトルバスについて調布駅、多磨駅、武蔵境駅、狛江駅が試合の前後、武蔵小金井駅は試合後に運行するとされており、試合開始前は十分から最大二十五分の輸送間隔で、試合終了後は二分から十分間の輸送間隔で行われるということでありました。実際の運行は、イベントや交通状況等によって変更する可能性があるということですが、計画としてはこのように示されております。
 行きはそれぞれの時間帯でスタジアムに向かわれると思うんですけれども、帰りの時間帯については、バスに人が集中することになるわけです。計画でも予定どおり運行スケジュールを維持するために、料金収受方法等を工夫し、円滑な方法で運行するというふうに書かれております。
 そこで具体的に伺いたいと思うんですが、シャトルバスについて、料金の支払いをどのように考えているのか、また、現金払いとICカード払い等について違いがあるのか、どのような検討になっているか伺いたいと思います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 シャトルバスにつきましては、予定どおりの運行スケジュールを維持するためには、料金収受方法を工夫し、円滑に短時間で行うことが重要でございます。
 往路につきましては、車内で料金収受を行いますが、復路につきましては、昨年のテストマッチにおきまして、東京スタジアムのシャトルバス乗り場で一部車外徴収も実施しておりまして、大会時も同様に取り組む予定でございます。
 また、より円滑な乗降促進に向けまして、現金だけではなく、ICカードの利用につきまして、外国人も含め広く周知してまいります。
 また、先ほど車両通行どめのご質問で、地域住民への周知についてのご質問をいただきまして、ちょっと私の方から答弁が漏れておりまして、まことに申しわけございませんでした。
 車両通行どめの地域への周知でございますけれども、地元自治会への説明のほか、SNSやホームページ、広報紙の活用、会場周辺地域へのポスティング、駅張りポスター、横断幕、道路交通情報板などによりまして広く周知してまいります。

○池川委員 試合前は通常どおり、試合後は現金もICカードも事前対応ということで対応していくということであります。シャトルバスに乗車される方々に対しても、事前にきちんと周知を行う取り組みが必要だということを求めておきたいと思います。
 また、スポーツ観戦というと、なかなかハードルが高いというふうに感じておられる方々に対しても、こうしたさまざまな交通の面での対応があるんだということも含めて、お知らせをしていただきたいと思います。
 それから今、広報についてお話があったんですけれども、広報と周知の問題にかかわって、ラグビーワールドカップを行うに当たっては、やっぱり住民の皆さん、都民の皆さんの理解と協力が必要だというふうに思うんです。特に周辺住民の皆様方への理解と協力というのは、もう不可欠だと思います。
 今回計画が示されていますが、三七ページに書かれていますけれども、広報やポスティングなどのイメージの中で、例えば交通規制のお知らせ、マイカー自粛のお願いなど、率直にいって、決まっているからこうしてくださいねという趣旨で書かれているなというニュアンスが強いものがあるなと感じました。
 明快でわかりやすい情報提供は必要だと思いますが、協力をお願いするというふうな角度から、ぜひ言葉を選んでやっていただければなというふうに思います。これ自体は今後修正する可能性もあるというふうに記載がありますので、ぜひ表現などについても理解と協力が得られるように再考していただきたいということも要望して、質問を終わりたいと思います。

○山口委員 それではまず、東京二〇二〇大会における都市オペレーションセンターの運営計画についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 昨年三月二十三日のオリ特の質問においても、私はこのボランティアのオペレーションなどについて幾つか質問させていただいたわけであります。この間、都市ボランティアの名称もシティキャストと決まり、ボランティアの応募自体も予定を大きく超えたとうれしく思っているところでもあります。
 しかし、問題はこの本番であります。私はシティキャストと都市オペレーションセンター、以下COCと申し上げますが、この二つが連携しながら、競技会場まで案内や観光案内を行い、大会を盛り上げていくことが極めて重要になるだろうというふうに考えるわけであります。
 そこでまず、幾つか確認をいたしますが、都市オペレーションセンター運営計画の一七ページには、COCの組織構成図が示されております。AからのEの五つのエリアチームとライブサイトチームの合計六チームをつくるとして、一九ページには、都域を五つのエリアに分けと書かれているわけであります。
 そこで、この五つのエリアの分け方の考え方は、どんなイメージで分けるのかお伺いしたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラストマイルの運営に当たりましては、地元区市等との連携調整が効果的にできるよう、会場所在地によって五つのエリアに分けることを想定してございます。
 エリア別にチームを設置し、一つのチームが近接する複数のラストマイルを運営することで、各ラストマイル対応に係る情報の集約、判断、指示を効率的、効果的に実施いたします。

○山口委員 今の答弁を伺っていると、まだ具体的なエリア分けというのは検討中だということだと思うんですけれども、これはぜひとも効率的、効果的な実施に向けた具体化をお願いしたいなというふうに思います。
 また、昨年三月にも質問させていただいたんですが、幕張メッセや埼玉県の競技場など、都外の地域においては、組織委員会及びそれぞれの自治体でオペレーションを行うということになるわけであります。
 そのため、東京二〇二〇大会の成功のためには、都外の自治体との連携、とりわけ情報共有という点で非常に重要になってくると思いますが、どのように協力連携をしていくんでしょうか。お伺いしたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都外会場におけるラストマイルにつきましては、組織委員会と各自治体が運営を行いますが、都は多くの競技会場を有する自治体として、必要の都度、ラストマイル運営について情報提供を行っております。
 都外会場におけます大会の準備や運営が着実に行われるよう、今後とも暑さ対策、救護対応等、都の取り組みを積極的に情報提供するなど、協力連携してまいります。

○山口委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 COCの組織体制についてもお伺いをいたしますが、運営計画には、COCの本部事務局には本部担当部長、支部事務局には支部事務局担当課長などというふうに書かれているわけであります。この組織の重みは理解をできるわけでありますが、COC本部にぶら下がっている五つのエリアチームの責任者は、エリアチーム担当課長という考え方でよろしいんでしょうか。
 また、それぞれのチームの人数規模は、各ラストマイルに派遣をされるCOC職員の数も含め、どの程度と考えているのか。さらには、エリアチームの常駐場所は都庁内のCOCと考えていいのか、あわせて確認をしたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 エリアチームは、都庁内の都市オペレーションセンター本部での常駐を想定しておりまして、ラストマイル運営の総括として、現地のラストマイル職員と連携し、情報集約、指示及び現地で解決が難しい事案への対応を行います。
 エリアチームの責任者につきましては、こうした職責を踏まえ、検討しているところでございます。
 各エリアチーム及び各ラストマイルに必要な人員数につきましては、現在、具体的に検討を進めているところでございます。

○山口委員 エリアチームの責任者の職責や、エリアチームの人員などについてもまだ決まっていないということでありますが、私は、ラストマイルに派遣される職員というのは極めて大きな重責を担うことになると思います。
 大会のボランティア活動を担うシティキャストは、競技場までの道案内や観光案内にとどまらず、仮設休憩所などでは水分補給の呼びかけだとか、救護対応とか、いざというときのAEDの活用なんかも含めると、さまざまな対応が求められるところなわけであります。また、電車の運行停止や競技時間の変更などがあった場合の案内とか、臨時の対応も十分していかなければならない方々になるわけであります。
 そして、このシティキャストを現場で直接指揮をするのが、このラストマイルCOCの職員になるわけであります。恐らくこのラストマイルCOC職員は、都庁の職員の方々がつくものと思われますが、どのような人材を、どのようなことを期待して配置をされようとしているのか伺いたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラストマイルに配置されますCOC職員は、現地における意思決定、ラストマイルにおける情報収集と競技会場内外の連絡調整、シティキャストの運営、近隣対応などの取り組みを行うことが求められます。
 こうした役割を適切に果たすため、ラストマイルの運営を総括する都の職員を配置してまいります。これらの職員に対しましては、適切な研修を行い、運営に必要な知識、情報を付与してまいります。

○山口委員 今、細かなところを少しずつ確認させていただいたんですが、意外に大事なところがまだ決まっていないんじゃないかなとか、いろんなボランティアの方々の募集だとかを始めているけれども、肝心な束ねる方々に対してのことって、実はまだ決まっていないんじゃないかなと若干の不安も感じるところではあるんですが、ラストマイルCOCの職員の対応によって、ボランティア文化がレガシーとして大きく残せるのかどうかという、実は成否にかかわってくると思うんです。ぜひとも検証を初めとする人材育成に努めて、優秀な都庁職員を現場に送り出していただいて、かかわってくださった方々もそうですけれども、そのご本人たちにとっても貴重なレガシーになるよう取り組んでいただきたいと思います。
 次に、ラグビーワールドカップ二〇一九ファンゾーンの運営計画についても伺いたいと思います。
 きょうもたびたび出ているところですが、ラグビーワールドカップのファンゾーンというのは、外国人の来場者を含めて、誰もが気軽に集って楽しむことができる場所として運営されることが期待されるわけであります。
 今回、ファンゾーン運営計画案がまとまったわけですが、以前のオリンピック特別委員会、このオリ特においては、区部会場三千人程度と多摩会場は二千四百人程度と答弁をされておりまして、私はその際、この会場規模では足りないんじゃないかと懸念をしてきたところであります。
 二〇一一年のニュージーランド大会においては、オークランド市に一万人規模のファンゾーンが設けられました。また、二〇一五年のイングランド大会では、ロンドン市内だけでも三カ所、一万五千人、一万人、一万人の三つのファンゾーンが設けられています。
 ファンゾーンの運営計画案では、どのように対応することとなったんでしょうか。ファンゾーンの規模は果たして適切といえるんでしょうか。まず確認をしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ラグビーワールドカップ二〇一九の興奮と感動を広く共有していただくためには、できるだけ多くの方々にファンゾーンに来場していただくことも重要であると考えております。
 多摩会場につきましては、調布市との調整によりまして、駅前広場の工事予定地を開放していただき、利用できることとなりました。また、区部会場につきましても、東京スポーツスクエアの一階だけでなく、二階、三階もファンゾーンとして活用することとし、より多くの方々に来場していただくことが可能となりました。
 来場者の想定人数は、会場の広さや過去の類似イベントの実績を踏まえまして、東京スタジアムの試合日及び大会期間中の土日で一日当たり平均五千人を見込んでおります。
 なお、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会は、ファンゾーンの収容人数について五千人を目安として示しておりまして、両会場ともこれを満たしております。

○山口委員 そうですか。東京スタジアムの試合日や土曜、日曜日で一日当たり五千人を見込んでいるというご答弁だったわけでありますが、私は、日本は決勝戦に進出をすると信じておりますので、会場があふれるんじゃないかと心配をしているところでもあるわけなんです。また、ファンゾーンは原則無料であって、誰もが気軽に立ち入れるものだと考えられますが、二〇一五年大会では、ロンドン市のニューハイム区に設けられたファンゾーンでは地元イングランドの試合がある日では、また、ブレント区のファンゾーンにおいては全ての日で入場するのに当日の試合チケットが必要だったというふうに聞いています。
 そこで改めて、東京のファンゾーンの入場料であるとか、入場券の考え方について確認をしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 組織委員会が策定しましたガイドラインにおきまして、ファンゾーンは常に入場無料とすることが規定されております。
 これを踏まえ、都のファンゾーンにおきましては、多摩会場、区部会場ともに入場無料とし、試合チケットの有無にかかわらず、誰もが気軽に訪れることができる場としてまいります。

○山口委員 そうですよね。であるならばこそ、本当にその規模がこれで大丈夫なのかという懸念はどうしても拭えないので、ぜひそこももう一度再考する必要があるんではないかなということだけ投げかけておきたいと思います。
 ファンゾーンは、対戦カードによって、当然混雑する日もあれば閑散とする日もあるとは思います。その上で、今回、区部会場、多摩会場ともに想定来場者数を土曜、日曜の混雑時に合わせて設営することになるんだろうというふうに思います。
 しかし一方で、例えば興行でいうと、プロレス興行の場合においては、お客さんの入りが悪いと見込まれる場合は、会場の二階席をあえて閉鎖したり、客席の一部に暗幕を張るなどして満員感を出したりだとか、一体感を演出することで会場を盛り上げる工夫などをされているんだそうです。
 私は、来場者数が少ないと見込まれる平日などの日においても、ファンゾーンが盛り上がるような工夫をしていくべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーン区部会場につきましては、平日の試合日である十一日間においても追加開催することとしておりますが、土日と比べ来場者数は少なくなると考えられ、一日当たり平均二千五百人と想定しております。
 このため、来場者数が少なく見込まれる日には、会場内のエリアを工夫するなど一体感を創出することで盛り上がりを高めてまいります。
 あわせて、盛り上がりに不可欠な飲食や公式グッズ販売等についても、組織委員会や大会スポンサー等に協力を求めながら、引き続き検討を行ってまいります。

○山口委員 その辺の誘導、案内だとかも非常に心配されるところもありますので、具体的なものをなるべく早目にお示しをいただければなというふうに思うところであります。
 ところで、パブリックビューイングに関して、運営計画案では、多摩会場は芝生におのおのが座って壁面スクリーンを見るというイメージが示されておりまして、区部会場は横一列の椅子席にだあっと座ってマルチビジョンを見るというイメージが示されております。
 芝生に座って観戦するスタイルの場合、気軽に観戦できるという点ではすばらしいと思うわけでありますが、一方で、車椅子利用者の方々への配慮が気になるところです。また、横一列に座って観戦をする場合においては、より多くの人が観戦をできるというメリットがある一方で、席の出入りが不自由になるんではないかというデメリットがあるように感じます。
 他都市では、自由に動かせる丸椅子であったり、丸テーブルという設営もあるようでありますが、このようなスタイルで観戦することになった狙いを確認したいと思います。
 また、特に芝生で観戦をする場合、車椅子利用の方にはどのような対応を考えているのか、あわせて伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーンにおけるパブリックビューイングは、多摩会場では、グリーンホールでの屋内会場に加えまして、屋外二カ所で開放感あるパブリックビューイングを行うこととしております。また、区部会場の一階では、大型マルチビジョンとサブビジョンの二台設置するとともに、二階にもビジョンを設置し、多くの観客が観戦できる環境を整備しております。
 どちらの会場も複数の場所にビジョン等を設置することで、座席に座って観戦するだけでなく、床や芝生に腰をおろしてゆったりと観戦したり、飲食を楽しみながら仲間と観戦するなど、さまざまなスタイルを来場者に選択していただくことができると考えております。
 さらに、芝生で観戦する場合の車椅子利用者への対応につきましては、車椅子エリアの設置だけでなく、車椅子利用者の方が芝生の上に直接座っても楽しんで観戦できるよう、柔軟な対応を行ってまいります。

○山口委員 この時代でありますから、映画やお芝居などの観劇をする場合、車椅子の利用者の方がどこの席で観戦ができるのか、アクセス面を含めて、ホームページなどを通じて丁寧に利用案内をしている劇場なんかもあるわけであります。
 一方で、例えばオリ・パラ準備局のホームページを拝見いたしますと、区部会場となる東京スポーツスクエアのアクセスの説明においては、有楽町線有楽町駅下車、D9出口すぐというふうに書かれているんですね。表記されているんです。このD9出口というのは実は階段でございまして、私は多くの案内がこのように車椅子、あるいはベビーカー利用の目線でないことが実はずっと気になっていたところであります。
 ファンゾーンの利用案内については、車椅子利用者の席がどこに確保されているのか、そこへのアクセスなどを含め、利用者目線での情報提供をしっかりとしていくべきと考えるんですが、そこの点についてお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーンは、身体の不自由な方や小さな子供連れの方などが楽しむことができる場を目指しております。そのため、車椅子利用者の方にもパブリックビューイングを楽しんでいただけるよう、ファンゾーンのガイドラインに沿って、他の来場者のサイトラインにも配慮しながら、観覧席の最前列や、動線上、至便な場所に席を用意する予定でございます。
 また、会場内にスタッフやボランティアを適切に配置し、丁寧な案内誘導を行ってまいります。
 今後、ファンゾーンの開催に当たり、実施内容等の情報とともに、バリアフリー経路等の情報につきましても、都のホームページや広報紙、SNS等を活用しながら、よりきめ細かく周知を行ってまいります。

○山口委員 ご答弁は丁寧でよくわかったんですけれども、大事なのは、そこに着くまでにどうやって丁寧にご案内をするかということを聞いているわけであって、もちろん周知徹底も大事だと思いますし、着いた後にどうやってガイドしていただくとか、誘導していただくかは大事ですけれども、そこに着くまでに、その方々が着いたはいいけれども、どうにもできないというのが一番困ってしまうわけですから、その誘導などについても各局いろいろご相談をいただいて、きちっとその方々がわかるように、自分たちがどうすればそこにたどり着けるのかわかるようにというのは、これは今や常識ですから、しっかりやっていただいた方がいいと思いますので、引き続きお願いをしておきたいと思います。
 今回、ファンゾーンのみへの質問をさせていただいたわけでありますが、ラグビーワールドカップ二〇一九の交通輸送実施計画においては、最寄り駅から競技場までの車椅子ルートの基本動線が示されているんですよね。こういった情報を含めて、ファンゾーン以外の全ての施設においても積極的に情報発信をしていく。もうできているわけですから、これは改めて情報発信されていくことを強く要望しておきたいと思います。
 さて、ラグビーワールドカップに欠かせない重要なアイテムとしてビールがあるわけであります。若干細かい質問になっていって恐縮なんでございますが、新聞でも報じられておりますけれども、ラグビーワールドカップの大会期間中は、各地で通常の四倍から五倍のビールが消費されるそうでして、二〇一九大会の組織委員会の方で、ビールのメーカーや開催エリアの飲食店に協力を求めて説明会を開いているということでありました。
 実際、イングランド大会の観客のビール消費量は、同じ会場で行われるサッカーの試合の平均六倍以上だったそうです。
 一方で、運営計画案を読みますと、ビールの銘柄では、ハイネケン以外のビールは提供できないという旨の記載があります。わざわざ日本に来ていただいてオランダのビールしか提供できないというのは申しわけない限りではありますが、ハイネケンは日本ではキリンビールがライセンス契約を結んでいます。本当にハイネケンしか提供できないものなんでしょうか。
 また、ビールが品切れになれば、SNSなどで文句をいわれ、日本の評判を落としかねないとの指摘もあるわけであります。用意するビールの量についても、品切れにならないよう十分配慮すべきと考えますが、あわせて見解を伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ビールにつきましては、これまでの大会に引き続き、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会のワールドワイドパートナーであるハイネケン社が独占販売の権利を持っております。そのため、試合会場やファンゾーン内においては、ケータリング業者がハイネケン社のビールのみを仕入れて取り扱うこととなります。
 都のファンゾーンにおきましても、来場者に十分満足していただけるよう、ハイネケン社やケータリング業者に必要な情報提供を行ってまいります。

○山口委員 そうですか。ハイネケンにはエクストラコールドなどもあると思いますし、ぜひとも品ぞろえと十分な量の確保、これ、甘く見ると本当に大変だと思いますよ。確保をお願いしたいなというふうに思います。
 また、運営計画案では、警備、安全対策として、入場時に手荷物検査を実施し、危険物またそれに類する物品の持ち込みを排除というふうに書かれています。
 一方で、日本のプロ野球の場合、中身がわからないという理由だと思うんですけれども、缶ビールを球場に持ち込もうとする際には、大きな紙コップに移しかえてから入場することが多いというふうに私も経験上、思うんですが、また、仲間のために缶ビールを大量に買い込んで持ち込もうとした場合、これが禁止されると、せっかくの楽しみが台なしになってしまうのではないかなと思う一面もあるわけです。
 缶ビールなどの持ち込みについては、どのように対応する予定なのか、仮に缶ビールの持ち込みを禁止するのであれば、事前にしっかりと広報しておくべき必要もあるのではないかと思いますが、こういった点についても伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーンへの持ち込み禁止品につきましては、各開催都市で統一的な対応が図られるよう、現在、組織委員会において方針を検討しているところでございまして、都においても、その内容を踏まえて適切に対応してまいります。
 持ち込み禁止品につきましては、手荷物検査時の混乱を避けるため、都のホームページや広報紙、SNS等を活用しながら十分な周知を行ってまいります。

○山口委員 これはこれからまた具体的に何がどこまでどうよくて、何がどこまでどうだめなのかということが示されていくんだと思いますが、ここ、結構大事なところだと思うんですよね。普通の感覚でいうと、やっぱり持ってきちゃうと思いますし、悪気はなく、自分の好きなものを持ち込んじゃおうとする傾向って当たり前のことだと思いますので、ここをしっかり伝えておかないと、僕なんかもうっかりやっちゃいそうなので、その辺はぜひ事前にしっかりとお伝えいただければなというふうに思うところであります。
 また、日本のプロ野球の球場にいるビールの売り子さんというのは、実は外国人の方々からすると物すごい珍しいんだそうでございまして、SNSなどではインスタ映えをする透明なプラスチックカップに注がれたきめ細やかな泡と、七対三の黄金比というのをうれしそうに掲げる外国人の投稿って、すごく今はやっているんだそうでございまして、少なくないわけであります。
 何がいいたいかというと、ぜひとも、世界にアピールできるビールの提供にも心がけていただきたいなというふうに思います。これは全然要望なんで、いいんですが。
 ところで、ビールといえば、つきものなのがトイレであります。総務省がまとめているラグビーワールドカップ二〇一九を通じた地域活性化についての調査研究報告書においても、二〇一五大会で、ロンドン市リッチモンド区が予想できなかったこととして、トイレ問題を掲げています。お酒を大量に飲むので簡易トイレの設置が必要だった、コーナーごとに簡易トイレを設置したが、それでもなお道端で用を足す人は後を絶たなかったというコメントが残されています。
 横浜市のファンゾーン運営業務委託では、既存のトイレ以外に仮設トイレを必要とする数、イコール、男性小三十程度、大六程度、女性十六程度を設置するなどと、既にその必要数を明らかにしている自治体も実はあるわけであります。
 そこで、私は想定されるビールの消費量を見越したトイレの設置が必要になると考えるわけでありますが、ユニバーサルトイレも含めたトイレの設置数について見解を伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーンは、興行場法に定める興行場に該当することから、トイレの必要数につきまして、その基準を満たすことが必要となります。
 さらに、ラグビー観戦においては、ビールの消費量が多いという特殊性を踏まえ、来場者の利用頻度を勘案することも必要であると考えております。
 今後、既存のトイレ以外に必要な数を算定の上、ユニバーサルトイレも含め必要な仮設トイレを適切に設置してまいります。

○山口委員 大変細かいところに至るまでの質問で恐縮では存じますが、ラグビーワールドカップ二〇一九は四年に一度ではない、一生に一度だと。
 多くのファンの方を受け入れることになるこのファンゾーンにおいても、東京都としては、おもてなしに全力を尽くしていただきたいと要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

○斉藤委員 私から、まず聖火リレーについて伺いたいと思います。
 現在、聖火リレーのルートが検討されておりますけれども、ルートが決まると聖火ランナーの選定に移ると思います。
 組織委員会が示す聖火ランナー選定の基本的な考え方のところに、地域で活動している人を中心に選定とありますけれども、地域で活動している人というのは、具体的にはどのような人をイメージしているのか伺います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 組織委員会が昨年四月に公表いたしましたオリンピック聖火ランナー選定の基本的な考え方では、ランナーの対象は全ての人々となっておりまして、国籍、障害の有無、性別など、バランスに配慮しながら幅広い分野から選定し、開かれたリレーとすること、また、地域で活動している人を中心に選定することが示されてございます。
 そのコンセプトといたしまして、家族、仲間、同僚などお互い支え合って諦めずにどんな困難にも立ち向かう人、さまざまな人との違いを認め合いながら新たなものに取り組んでいる人、ランナーとして走ることで地域の一体感を高め合うことができる人などの考え方もあわせて示されているところでございます。
 具体のランナー選定方法につきましては、組織委員会の基本的な考え方や市区町村の意向を踏まえながら、東京都聖火リレー実行委員会において詳細を検討してまいります。

○斉藤委員 ご説明ありがとうございます。地域で活動している人というと、何か行政であるとか、地元の団体につながっている方でないとそこに入らないのかという懸念がございます。地域で活動の言葉が指し示す内容には、ぜひ広く地域にかかわる方、また、ゆかりのある方を含めていただきたいと考えております。
 昨年度、例えば生活文化局の方で、地域活動に参加をする人が減っているという現状をいかにこれから打破していくかということを、さまざまな形の自助、共助を模索するという動きもございました。例を挙げれば、子育て中の親御さんであったりとか、働き盛りの世代というのは、最近お住まいの地域活動にもなかなか参加ができないという現実がございます。
 また、例えば、さまざまな事情があって、今現在ご自分の生まれ育った家ではなくて、施設等で暮らしている青少年がいることや、孤立するシニア、また、ひきこもりの中高年が各地域にふえていることも踏まえて、この聖火リレーというのは、やはり狭義の意味だけではなくて、広義の意味で、地域にゆかりのある全ての人を聖火で照らし、つなげていくというモチーフとしても、その効力を発揮していただきたいと考えております。
 どんな人が手を挙げようとしてくれるのか、その幅広い道筋をつくっておくという責任は東京都にあると考えております。ぜひ幅広く捉えていただきますようお願いを申し上げます。
 次に、東京二〇二〇大会における都市オペレーションセンター運営計画について伺います。
 まず、テストイベント等を活用した実地訓練等を通じた見直し改善を図っていくということですが、具体的にどれくらいの頻度と規模を想定しているか、また、修正したものを随時どのように周知徹底していくのか伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 今年度、複数回にわたり実施されます一連のテストイベントを活用した実地訓練等を通じ、現場での円滑な運営方法の詳細につきまして継続的に検証を行い、組織体制、連絡系統、判断基準等について、運営計画の見直しを行ってまいります。
 マニュアルの改定につきましては、大会準備に合わせて随時行うとともに、内容を集約した上で、一定の時期に運営計画の見直しに反映いたします。見直し後の運営計画につきましては、公表するとともに、都市オペレーションセンターにかかわる庁内関係者、組織委員会、関係機関等に速やかに周知徹底を図ってまいります。

○斉藤委員 ぜひ細やかな情報共有をお願いしたいと思います。
 少し細かく質問に入っていきたいんですけれども、ラストマイルのトイレについて、運営計画の中に競技会場周辺のラストマイルについて記載がありましたので、ラストマイルについて質問をいたします。
 平昌オリンピックの際に、我が会派の森澤都議が、仮設トイレが韓国語表示のみだったというのが目についたということを申しておりました。これは一体、実際に何を書いてあるのかというのが現地では非常に皆さんわからなかったことがあったということを伺ったんですけれども、この写真を私、いただきまして、これを韓国語がわかる方に訳していただいたところ、結構大事なことが書いてありまして、ハンディキャップ用トイレというふうに書いてあって、そして張り紙があったんですけれども、この張り紙の方は、こちらのトイレは一般人は使用禁止ですよということが書かれていたんですね。
 これは現地の中でわかった方がいなかった場合は、使ってしまうこともあったんではないかなというふうに思うんですけれども、ラストマイルにおいても、既存の公衆トイレはもちろんのこと、仮設のトイレやトイレカーにおいてもしっかりと多言語表示を進めるべきと考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラストマイルにおきまして、国内外から訪れる観客が不便を感じることなくトイレを利用できる環境を整えることは重要でございまして、現在、会場周辺の公共トイレ等の状況把握を行っております。
 今後、駅や公共施設、商業施設などの周辺施設や関係機関に対し、既存のトイレの活用と多言語表示につきまして理解と協力を求めてまいります。
 また、不足が見込まれる場所に仮設のトイレの設置を検討してまいりますが、設置に当たりましては、多言語表示やピクトグラムを活用するなど、わかりやすい表示に取り組んでまいります。

○斉藤委員 ありがとうございます。先ほどの例もそうですけれども、ピクトグラムで普通は基本的な情報はもちろん伝わると思うんですけれども、時に国が違う、そしてまた文化が違うということがありまして、国内ではいわなくてもわかるようなことも、外国人の方にとっては理解が非常に難しいというような場合もあると思います。場合によっては多言語表示も英語表記のみではなく、英語も日本語も理解が難しい外国人が使用することも想定をして、わかりやすい表示に努めていただきたいと要望いたします。
 会場と最寄り駅をつなぐラストマイルには、交通案内、警備、救護対応など多くの機能が集約しておりまして、大会時に実際通行される方や周辺で休憩される方の数は相当数いるんではないかなというふうに想像しております。
 帰り道に交通機関の運行情報を調べようとしたり、また、周辺地域の情報を調べようとしたりするなど、公共のフリーWi-Fiの整備が必須であると考えますけれども、現在、例えば区市町村が設置をしている公共のWi-Fiなどが時につながりにくい場合があるというふうに伺っております。
 ラストマイルにおける仮設のWi-Fiについては、一度に多くの来場者が利用しても耐え得る容量を設置していただきたいと考えますけれども、この対策について伺います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラストマイルにおきまして、Wi-Fiの利用環境を整えることが重要である一方、利用する観客が路上で立ちどまることで滞留が発生する可能性がございまして、安全上の課題もございます。
 大会に向けましては、常設の公共フリーWi-Fiの設置について、関係局等と連携を図っていくとともに、必要な場合には仮設Wi-Fiの設置を検討してまいります。検討に当たりましては、来場者の数を踏まえた容量や、観客の通行に支障がない場所など、適切な利用環境が確保されるように検討を進めてまいります。

○斉藤委員 ありがとうございます。仮設Wi-Fiの設置を検討されるということで、ぜひ今現在の通常時の通行数ではなくて、今ご答弁でおっしゃっていただいたように、来場者の数を踏まえた容量を確保していただきたいということと、実際にラストマイルで設置されるとなったときには、仮設Wi-Fiはぜひその後も含めて最大限に利活用をいただきたいというふうに考えております。
 特に具体的に検討していただきたいのが、ラストマイルでは最大何名ほどの接続を同時にできるのかという点と、あと全てを公設公営で設置する前に、活用できる民間のアクセスポイントはないのかというところを調べていただきたいという点と、また、設置したWi-Fiについては、少し気が早い話で申しわけないんですけれども、大会後に防災などの観点からぜひ利活用を行っていただきたいということを要望いたします。
 例えば、熊本県の方では、二〇一三年から公衆Wi-Fiサービスを提供してきたんですけれども、これが二〇一六年四月の熊本地震のときに、被災地の通信のインフラ確保、また、復興支援に非常に役に立ったということを伺っております。わかりやすい接続、そしてつながりやすい接続、そしてつながった上は、それを活用した周辺の回遊を促進する取り組みなど、いろいろ使えることがあると思いますので、ぜひ最大限に活用していただきたいと要望して、次の質問に移ります。
 次に、ラグビーワールドカップの交通輸送実施計画について伺います。
 まず、シャトルバスについてです。
 高倉副委員長からも少しご質問があったところがありまして、そこをちょっと割愛しつつ進めたいんですけれども、テストマッチのとき、シャトルバスの存在自体、また、乗り場の案内が余りなかったように感じた部分がございます。
 また、シャトルバスで着いた先の駅からどのようにターミナル駅、都心のターミナルまでたどり着けるかという案内が必須だというふうに考えておりますが、バスの存在や乗り場の案内、実際の帰宅ルートについて、より明確に多言語で案内をするべきと考えますが、都の見解を伺います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 より多くの方にシャトルバスの利用を促すためには、事前周知が大変重要でございます。シャトルバスの事前周知の方法といたしましては、都のホームページでの事前の情報掲載や、シャトルバスのルートを含めたアクセス案内マップの配布等による周知を行ってまいります。
 また、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会では、チケットホルダー向けのメール等を活用して情報発信することを予定しておりまして、いずれも日本語だけではなく、英語でも対応いたします。
 さらに、試合当日におきましては、英語を初め、外国語スキルを有するボランティアがシャトルバスの発着駅やスタジアムの内外等で活動し、外国の方に対して多言語でシャトルバス乗り場や行き先についてご案内いたします。このような取り組みを通じまして、海外からの観客が往路、復路ともに不安なく移動できるよう努めてまいります。

○斉藤委員 飛田給駅の混雑で非常に怖い思いをした小さなお子さん連れの家族の話というのを私も聞いておりまして、前回の委員会でもこの件について質問が出ていたと思いますけれども、事前にどれだけシャトルバスのターミナル駅へのアクセスが認知をされているかというのが非常に重要で、まさに今ご答弁いただいた事前周知を丁寧に行っていただきますようにお願いを申し上げます。
 次に、試合終了とともに観客が雪崩を打って帰宅するということを避けるべきと考えておりまして、会場にとどまるように要請することも必要だと思っております。例えば試合後のセレモニーなど、見たい人だけがその場にとどまるという仕掛けが必要ではないか、また、あるいは周辺の飲食店などで食事をとってから帰宅するなどの選択肢があれば帰宅が分散されると考えますが、見解を伺います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 退場時は入場時と異なりまして、試合終了後、観客が一斉に会場から最寄り駅に向かうことが予想されます。このため、観客が試合後も会場エリアにとどまり、試合の余韻を楽しみ、交流できるよう工夫することが重要でございます。
 一昨年に行われましたテストマッチにおきましては、スタジアム周辺で実施したイベントを試合終了後、約二時間開催したところ、多くの方々に楽しんでいただき、退場時の混雑緩和に効果がございました。
 今回の大会におきましても、会場に隣接する飲食も可能なスポンサー活動エリアで試合後もイベントが行われ、また、シャトルバスの発着地である調布駅前ではファンゾーンを開催することとしておりまして、これらをあらかじめ周知することによりまして、退場時間の分散を図ってまいります。

○斉藤委員 イベントもファンゾーンも飲食スペースもなんですけれども、それを知らなかったといって帰ってしまわれることがないように、なるべく大きく事前に知らせていただきますようお願い申し上げます。
 ファンゾーンのイベントについては、ちょっとまた後ほど質問させていただきます。
 シャトルバスの多言語案内については、先ほど高倉副委員長からご質問がありましたので、割愛させていただきます。
 また、緊急時における多言語案内については、池川委員からご質問がありましたので、こちらも割愛させていただきます。これ、質疑は割愛するんですけれども、緊急時の対応についてちょっと意見だけ申し上げさせていただきます。
 緊急時の対応は、アプリやツイッター、またアナウンス、そしてボランティアの活用をして情報発信するという答弁だったと思うんですけれども、実は私が、二〇〇七年のときなんですけれども、そのとき約三十年ぶりに富士スピードウエーの方で開催をされたF1グランプリに観戦に行ったことがありました。
 この大会は、実は悪天候で、駅から会場への途中の道の木の枝が折れてしまったという、たったそれだけのことでバスが通れなくなってしまったということがありまして、大変な交通輸送の混乱が起きたという伝説の大会となっておりまして、後に観客の方から民事訴訟まで起こされてしまったというような、悪夢のF1グランプリと呼ばれているものでございました。
 こちらに私、行ったときなんですけれども、このときの会場とは今回、立地とか輸送手段ももちろん異なっているんですけれども、何か緊急のことが起きたときに、ボランティアの方の働きに期待をし過ぎるというのは非常に危険だなというふうに感じております。
 富士の方では、現場の案内スタッフという方がたくさんいらっしゃったんですけれども、途中から姿を消してしまいまして、次にバスが来るのが一体いつになるのか、また、恐らくスタッフ間での情報共有というのが全くなされていない状況でございました。そしてサイトも更新をされず、アナウンスもされず、結構厳しい空気の罵声と怒号が響くような中で、スタッフさんたちが心が折れてしまったんだと思うんですけれども、最終的にスタッフは一人もいない中で、観客だけがわあっとなっているような状況だったんですね。
 なので、緊急の何かが起きたときにどのような連絡系統で動くのか、緊急時というのは、ふだんから指示系統をしっかりと立てて動いている組織とかチームでも相当難しいと思いますので、これはしっかりとさまざまな状況を想定して、ボランティアスタッフ任せにしないという体制を構築していただきたいということを要望いたします。
 そして、地域住民に対する緊急時、周知については、こちらも池川委員から先ほど質問がありましたので、割愛させていただきます。
 次に、ライブサイトの質問に移らせていただきたいと思います。
 新しく南大沢の方に会場がふえるというふうに伺っておりますが、この南大沢の会場、来場者想定が五千名となっておりますけれども、この五千名は、学生に加えて近隣、隣接しているアウトレットがあるんですけれども、こちらのお客さんの往来も考えると、ちょっと少ないんではないかなというふうに思っております。
 ちなみに、会場の予定地に隣接しているこのアウトレットは、駐車場は七百台、年間の来客数は三百七十六万人で、一日平均をすると一万三百人ほどの来客があるということになっています。
 この周知と連携を工夫していただければ、こちらの会場に地元から多くの市民が足を運んでいただけると思っているんですけれども、まず、この積算根拠というのを伺うとともに、足を運んでもらうための工夫について伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 首都大学東京南大沢キャンパス周辺会場の来場者想定については、他の会場と同様に、広さ、立地、過去のイベント開催実績等を勘案して算出しておりますが、今後、具体的な実施内容の検討を進める中で、さらに精査してまいります。
 今後は地元の来場者に加え、国内外から訪れる観戦客等にも足を運んでいただけるよう、大学や大会パートナーとの連携により実施内容を充実させるとともに、ホームページ、SNS等を通じた広報PRに取り組んでまいります。

○斉藤委員 大学やパートナーとの連携を進めていただくこと、また、地元の市民により直接的にしっかり実施内容を知っていただくためのPRは、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 首都大学東京にはボランティアセンターがございまして、ミニカレッジを開催するなど独自の取り組みがございます。首都大学東京会場の独自性を出すための工夫は、学生の主体的な参画から生まれると考えております。
 実施内容の充実に向けて首都大学東京との連携が重要と考えますが、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 首都大学東京南大沢キャンパス周辺会場の実施に当たっては、実施内容の充実に向けた大学との連携を十分に図ることが重要でございます。
 これまでもリオ大会や平昌大会時に都が実施したライブサイトにおいては、音楽やダンス、伝統芸能等、文化の発信や、運営へのボランティア参加等で、首都大学東京を初め多くの大学と連携し、盛り上げを図ってまいりました。
 今後は首都大学東京と意見交換を行い、意向も確認しながら、どのような参画が可能か検討を進めてまいります。

○斉藤委員 あと、都が実施するライブサイトだけではなくて、市区町村のコミュニティライブサイトやパブリックビューイングに対する支援をぜひ都の方からしっかり行って、都内全体で盛り上げていただきたいということを今までも申し上げてきたんですけれども、都の具体的な取り組み状況について伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇大会の盛り上げのためには、都が実施するライブサイトに加え、市区町村が身近な場所で実施する地域のコミュニティライブサイト等の取り組みを推進することが重要でございます。
 このため、今年度からコミュニティライブサイトに対する補助制度を創設したところでございます。さらに、コミュニティライブサイトの実施内容を定めたガイドラインが本年二月に組織委員会から公表された際には、速やかに市区町村向けの説明会を実施し、きめ細かく質疑応答に対応するとともに、都の補助金制度の活用についても説明を行っております。
 また、今月十五日からは、組織委員会が全国のコミュニティライブサイトの申請受け付けを開始いたしましたが、都内の市区町村分については、都が取りまとめを行い、申請手続のフォローや各種相談対応等のきめ細かな支援を実施することといたしました。
 引き続き市区町村が円滑に準備を進められるよう支援し、コミュニティライブサイトの実施を通じて都内全体の盛り上げを図ってまいります。

○斉藤委員 つまり、都が実施するライブサイトとコミュニティライブサイトが地域によっては二つ、近しい場所で開催されるということも想定をされるんですけれども、東京都の実施するものと市区町村のそれとがお互いに、例えば企画や方向性がかぶってしまったりとか、食い合うような状況はなるべく避けていただくためにも、市区町村の事情や懸念にはできる限り寄り添って、内容を検討していただきますようお願い申し上げます。それぞれの独自性や特色を生かして、お互いの開催内容がそれぞれ補完し合い、刺激し合うためにも、ぜひよろしくお願い申し上げます。
 最後に、ラグビーファンゾーンについて、本日もたくさん質疑が行われているので、かぶっていないところを質問させていただきたいと思います。
 気になりましたのは、自分はファンゾーンの区部会場の方で、特に三階の交流エリアというところが非常に重要ではないかなと思っているんですが、ここまで人が来てくれるのかというところを心配しております。
 個人的には、一階のパブリックビューイングやステージを三階にして、そこに行くまでに日本の伝統文化体験や地元の魅力発信エリアを通らないといけないというぐらいにレイアウトをしていただきたかったなというふうにも考えているんですけれども、それくらい三階の交流エリアというのは、ファンゾーンの中でも特にぜひ来場された皆さんに足を踏み入れてもらいたい場所であり、一階、二階で、ご家族のお父さんとお兄ちゃんが例えばラグビーに関する体験やグッズ購入で盛り上がっているときに、三階にはお母さんと妹さんが足を踏み入れて日本の伝統文化を体験するなんていうことは、例えば外国人ではなくても、ぜひ体験してみてほしい行程です。
 家族連れが三階まで行っていただけるように、例えば一階から三階の中でスタンプラリーを実施するということも、細かい企画ですけれども、家族にとっては盛り上がるポイントになります。ぜひご検討をお願いしたいと思います。
 さらに期待をしていますのは、交流エリアのほかの開催都市に関する情報発信でございます。本日も少し触れられておりましたけれども、釜石市など、例えばほかの開催都市の物産紹介を行って、さらにその催しを都民に広く周知していただきたいと考えますけれども、周知の方法を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーン区部会場の三階につきましては交流エリアとし、日本の伝統文化の体験、出場国の紹介、東京の魅力発信に加え、他の開催都市に関する物産や観光などの情報発信等を行ってまいります。訪れた方々が東京や全国の魅力に触れ、相互に交流できる空間を創出していきたいと考えております。
 こうした内容につきましては、東京都のホームページや広報紙、SNS、案内チラシ等を活用しながら周知を図るとともに、組織委員会とも連携しながら広くPRしてまいります。

○斉藤委員 例えば地元のデパートの催し会場なんかでも、地方のグルメの物産展などが行われるとき、すごい人気があるんですね。つまり、地方都市の物産や情報って都民にとっても非常にニーズが高いと思うんですけれども、そのニーズがある層にファンゾーンでそういうものが行われていますよということがしっかり行き届いているのかというところに懸念を持っておりまして、ラグビーに興味がないとファンゾーンって行っちゃいけないんじゃないかとか、ラグビーはよくわからないから、ファンゾーンってあるけれども行かないという意見があったら、非常にもったいないなというふうに思っております。
 これに関しては、ホームページだけでは周知が届き切らない可能性もありますので、紙媒体での周知や、おっしゃっていただいたような地元区との連携した情報発信をぜひお願いしたいと思っております。
 次に、ノンチケットホルダーの外国人や観光客に対して、どのようにPRと周知を行うのかという点でございます。
 例えば、東京都がつくってくださっているラグビー情報の公式ツイッターは、今現在フォロワーが千九百七十八でした。これ、一週間数えていたんですけれども、一週間で十八名伸びていたという感じなんですけれども、ラグビー愛好家がフォローしているのかなという印象を持っております。
 例えば、Tokyo Weekenderという在日外国人向けの英字紙があるんですけれども、こちらが今月頭に記事を出しまして、ラグビーを見るのに最も適した都内のバーはどこだみたいな記事があるんですけれども、結構反響もございまして、ツイートもリツイートもされておりました。
 このようにバーや、まちの至るところに散らばって、この時期はラグビーを見る方がいる、もしくは気にかけている方がいる、もしくは興味はなかったんだけれども気になってきたという方がいる中で、このノンチケットホルダーたちをどうファンゾーンに誘致するか。それには、ファンゾーンに、ここに来ないと得られないものというのが必要なんじゃないかなというふうに考えております。
 例えば、ファンゾーンに来てQRコードを読み取った人に特典があるとか、ファンゾーンそのものを例えば日本ならではの夜市のような雰囲気の場所にするとか、インスタ映えという言葉はちょっともう今、古くなってきているそうなんですけれども、インスタに上げるために、やっぱり大江戸温泉なんかでは、アジア人カップルなんかも非常に一生懸命写真を撮って上げているということがございます。
 その場所の装飾も含めて、先ほど川松委員からもありましたけれども、味気ないものではなくて、一つのエンターテインメントを提供していただきたいということは強く要望いたします。
 ノンチケットホルダーの外国人や観光客をファンゾーンに誘致するために何か工夫や仕掛けが必要と考えますが、見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 チケットを持たない外国人や観光客を初め、多くの方々にファンゾーンに来場していただくためには、ファンゾーンそのものを魅力あるものとしていくとともに、幅広く周知を図ることが必要であると考えております。
 例えば外国人に人気のある日本の伝統文化を体験するコーナーを設けたり、大会に出場する国々にちなんだ飲食物を提供するなど、ラグビーファン以外の方々にも魅力的なコンテンツについてさらに検討を進めてまいります。
 また、都のホームページや広報紙、SNS、案内チラシ等を活用し、幅広く周知するとともに、会場周辺にいる方々にも興味を持っていただけるよう、来場を促すような会場装飾についても検討を行ってまいります。

○斉藤委員 しつこいようですけれども、山口委員もおっしゃっておりました、これは一生に一度のお祭りということで、装飾についても今検討中ということなんですけれども、日本で、東京でラグビーのワールドカップがある、これでもかというぐらい、やっぱり日本の色、東京の色というのをつけて特徴を出して、日本人も外国人も、もう行かなきゃというような雰囲気を出していただきたいということを申し添えます。
 そして、さらにファンゾーンへの外国人来場者に対し、広く都内の観光につながるような取り組みを行う必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーンの来場者が都内各地を訪れ、さまざまな東京の魅力に触れることは、地域経済の振興に寄与するとともに、広く世界に東京をPRすることにもつながるものと考えております。
 そのため、ファンゾーン会場の交流エリアでは、区市町村や関係局等と連携を図りながら、観光PRや名産品の紹介により、広くその魅力を伝え、都内各地の観光促進につなげてまいります。

○斉藤委員 例えばリゾートホテルなどでは、宿泊者に対して事前にいろいろなアクティビティーのプランを提示しているというところもございます。例えば三時間でこの体験をして帰ってこられるとか、半日コースではこんなところも行ける、一日だったらここまで行けるよと、事前にそれをホームページなどで紹介しているので、宿泊者もコースを想定して、自分もここに行ってみようかなとかいうことを検討することが大変やりやすくなっているということがございます。
 ファンゾーンに区市町村のブースを置いてくださるのもいいんですけれども、来場者ができれば事前にさまざまな情報を持てるということが、実際にその場所へ足を運んでくださることにつながると思っています。宿泊施設や旅行業者との連携も効果的であると思います。また、ファンゾーンの来場者が東京都の多摩エリアの方に遊びに行ったりとか、もしくはナイトライフ観光の方にも調整をしていただけるように取り組みをお願いしたいと思います。
 また、一提案なんですけれども、ラグビーファンではないけれども、休暇の滞在中の観光客という方に対して、都内の動物園や博物館など文化施設等の広報と一体的に連動させて、ファンゾーンの活用を考えるということも要望させていただきます。
 最後に、ファンゾーンのステージイベントについて伺います。
 区部会場、多摩会場ともにステージイベントが開催されるというふうに記載をされておりますが、この運営計画の中には具体的な内容が示されておりませんでした。今後、ステージイベントはどのようにして調整を進めるのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ファンゾーンにおけるステージイベントは、試合前は試合への期待を高め、会場の盛り上げを図るとともに、試合後には余韻を楽しめる内容とすることを考えております。
 こうした考えのもと、現在具体的な内容について検討を進めており、順次、組織委員会や都内トップリーグチーム等と連携しながら、プログラム、演出等の調整を図ってまいります。

○斉藤委員 ありがとうございます。少し自分は驚いてしまったんですけれども、今現在検討中ということで、正直申しまして、音楽系の演者というのは、人気のあるメジャーな方は、ちょっとこれから調整して呼ぶというのはほぼ無理ではないかと思います。ジャンルを問わず、音楽の演奏者というのは、夏とか秋の予定、非常に繁忙期でありますので、一年前から半年前にほぼ出演の場所と時間と全て決まっているんですね。オファーをいただいてお答えをして、もう済んでいる状態かなというふうに思います。
 一緒に連れていく例えばメークさんだったりPAさんという方の予定も、普通はもうイベントの方は、音楽系は決まっていますので、これから事業者の方から企画や調整を行うということであれば、一体どんなコンセプトで、ステージの来場者数をどれくらい見込んで、その観客にそのステージ前後にどのように周辺を回遊していただきたいと検討していらっしゃるのかなというところをぜひ丁寧に検討していただきたいなというふうに思っております。
 イベントを開催するということは、ラグビーファンゾーンを盛り上げるための手段であって、目的となってしまってはいけないと考えています。せっかく都が主催するライブサイトのステージであるならば、例えば都立学校、有名なところでいうと、片倉とかの吹奏楽部が非常にうまいと有名なんですけれども、こちらを演者として招くとか、もしくはロード・ツー・ラグビーファンゾーンステージみたいな感じで、そこに向けての企画というものを今からもう始めてもいいような時期なんでございますね。
 ここは非常に、今もう時期的に厳しいかなというのも思っているんですが、ぜひ地域や都民へのよい刺激となるような企画、そして本当に誰もが参加しやすい、したくなるような企画をお願いしまして、私からの質問を終わります。

○両角委員 私からは、東京二〇二〇ライブサイト等基本計画について伺いたいと思います。
 さきの委員会で素案が示されましたが、今回、基本計画という形になりました。もともと我々の会派では、多摩地域は競技会場もごく限られていると、そうした中で機運醸成にさらに多摩地域へのライブサイト等ができないかという働きかけ、質問等をしてきた中で、先般、多摩地域にパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場ということでさらに設置をするということで、大変これは評価していたわけでございます。
 そして、二月一日の委員会で私も質問させていただいたんですが、じゃあ、その多摩地域の会場というのはどこになるのかということで、井の頭公園自体が多摩東部でありますから、できれば多摩の南部や西部からアクセスのよい、そういう配置バランスを考えてほしいと、そんな要望をさせていただいたところ、今般、私の地元である八王子の南大沢の首都大周辺ということに決定をしていただいたということで、市民の一人としても大変うれしく、ありがたく思っているところでございます。
 ということで、今回は、この都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場、特に多摩の拠点会場について伺っていきたいと思っております。
 今回示されました基本計画を見ますと、多摩の拠点会場は、オリンピック期間は南大沢の首都大周辺、パラリンピックの期間は調布駅前ということで、結果として二カ所ということになっていて、これはさらに評価のできることかなと思うわけですが、それぞれオリ・パラ期間を通じて会場とできないのかというふうに思うんですが、そこら辺についての見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都内全体の盛り上げのため、一月に公表した基本計画案において、多摩地域に拠点会場一カ所を追加することとし、検討を進めてまいりました。
 追加会場については、ライブサイトに準じた広さやアクセス等の要件を満たし、イベント開催実績もある複数候補地を検討し、既に東京二〇二〇ライブサイト会場に選定していた井の頭恩賜公園との地域バランスも考慮の上、首都大学東京南大沢キャンパス周辺を選定いたしました。同会場では、大学及び大会パートナーとの連携により、既存施設を活用した屋内外での実施を検討しており、実施エリアを広く設定する想定でございます。
 パラリンピック期間は、車椅子を含む障害者の方の来場がふえると見込まれることから、コンパクトな会場での実施について検討いたしまして、駅からアクセスもよい調布駅前広場周辺をパラリンピック期間の会場として選定いたしました。
 このたびの基本計画公表に当たり、オリンピック期間は首都大学東京南大沢キャンパス周辺、パラリンピック期間は調布駅前広場周辺を会場とすることで、地元自治体や関係機関のご了解をいただいております。二会場の特徴を生かし、大会をさらに盛り上げてまいります。

○両角委員 オリとパラで地域の特性を生かしたというような回答でございましたので、そういうふうに決まったんであれば、しっかりとそれぞれの会場に多くの方においでいただいて、その地域、多摩が盛り上がるように取り組んでいただきたいと、このように思います。
 次に、この基本計画の中では、都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場については、地域のさまざまな主体と連携して盛り上げるというふうに記載があるわけでありますが、この想定される連携主体というのはどこなのかということと、そういうことであれば、今後この各連携主体との協議会のようなテーブルが必要ではないかと思いますが、協議会というのか、実行委員会というのか、そのあたりにつきましてご見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場において連携を想定している主体については、地元自治体や会場管理者を初め、会場での出展や催しに参画していただける地域の団体や関係機関等を想定しております。
 会議体を設置するかどうかは未定でございますが、都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場が円滑に運営できるよう、さまざまな関係者と連携を密にしながら取り組んでまいります。

○両角委員 今お答えいただきまして、一つはもちろん地元自治体ということでございますし、会場の管理者、あるいは、これから出展をしたり、催しに参加をしてもらう地域団体、関係機関ということでございましたが、どういうふうに協力をするかという形については、会議体等を設置するかどうかはまだ今後詰めるというような、そんなご答弁でございました。
 一番いいやり方をしていただければ結構だと思うんですけれども、同様に、これからどういうふうな会場にしていくのかという各団体との協議と同時に、実際に期間中の運営、オペレーションについても、このパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場についてはどんなふうな体制をとっていくのかということがちょっと気になるわけでございます。
 そこで、大会期間中のオペレーション体制についてはどのようにお考えなのか伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場は、地元自治体やさまざまな団体等と連携して運営する会場でございますが、全体的な計画など、実施に係るさまざまな調整は都が主体となって行うこととしております。
 今後検討を進める中で多様な主体に参画していただき、ともに運営する会場であるという特徴を踏まえながら、大会時の具体的な運営方法については関係者と調整し、来場者に安全、快適に大会を楽しんでいただけるよう協力連携してまいります。

○両角委員 都が総合調整をしていくということでございます。それで結構なんですけれど、各団体の意向もきちっと踏まえて、うまくオペレーションもしていただきたいと、このように思います。
 次に、経費の負担ということについて伺いたいと思います。
 コミュニティライブサイトにつきましては、区市町村支援事業ということで、二カ年にわたって補助金を出す、で、各地域でコミュニティライブサイトをやってもらおうという仕掛けが今できているわけでございますが、それでは、今議題としております都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場、いろんな主体がかかわってくるということでありますが、運営経費の負担についてはどのように考えればいいのか伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場において、都は競技中継を実施することに加え、大会のドレッシングやマスコット像の設置等により、大会の祝祭感の演出等を行う予定でございます。
 連携する団体等の出展や催しについては、基本的には経費を含めた協力をお願いしていく方針でございますが、さまざまな団体等が大会を契機に東京の魅力発信や観光PR等を展開できるよう、都としては魅力ある会場づくりや広報PRに取り組んでまいります。

○両角委員 今、ご答弁では、連携する団体等の出展や催しの部分については、基本的にそういった団体機関が経費を持つというような、そんなふうに理解をさせていただきましたが、とはいえ東京都が中心にやっていくというパブリックビューイングを核とする施設でありますので、それ以外の部分の支援、相談をするとか支援をする部分についてはしっかりやっていただきたいと、このように考える次第でございます。
 次に、先ほど来、さまざまな主体があるわけでありますが、特に地元の自治体との連携というのは一番重要であろう、まず基本であろうと、こんなふうに考えます。
 そこで、今現在、地元の自治体との連携、実際にここでやりますよというふうに決定をして、こうやって基本計画に出しているわけですけれども、そこに至る連携の状況、さらには今後の展開について、スケジュール感を含めて伺いたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場の決定に当たっては、地元自治体と調整し、検討を進めてまいりました。
 今後は、各会場の円滑な実施運営や地元団体等の出展や参画などについて、具体的な調整が必要になってまいります。ことし夏ごろ予定の会場運営業務の発注に間に合うよう、各会場の実施内容の具体化に向け、地元自治体としっかりと連携しながら取り組んでまいります。

○両角委員 具体的に自治体といえば、区部では千代田区であり台東区であり、市部では八王子市であり調布市ということになろうかと思いますが、もう調整を具体的にして、ここに至っているというふうなことだろうと思います。
 ただ、夏ごろに会場運営業務の発注を行うということですから、夏までに具体的な調整をどんどん進めていくというお話がございました。夏までそれほど期間もありませんので、そこはしっかりと早い、連休明けぐらいから調整をしっかりやっていただきたいと、そんなふうに要望させていただきます。
 次に、南大沢の首都大キャンパス周辺の件について伺いますが、首都大南大沢キャンパス周辺といういい方、オリンピック期間中の会場については、そのような表記になっているわけですね。首都大周辺といってもかなり広いので、具体的にはどのようなエリアを想定しているのか。そして、どのような取り組みをするつもりなのか伺いたいと思います。
 さらに、首都大、大学があるということで活用するということだと思いますので、大学施設を活用するのか、具体的には大学施設のどの部分を活用するのか、わかればお聞かせをいただきたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 首都大学東京南大沢キャンパス周辺会場では、大学内の講堂での競技中継を検討しているほか、大学キャンパスや隣接する大会パートナーの商業施設を有効に活用して会場全体を盛り上げていきたいと考えております。
 具体的な施設の活用については、施設管理者と協議、調整しながら今後検討を進めてまいります。

○両角委員 今、大学の講堂で中継を検討しているというお話をここで明らかにしていただきました。それと隣接する商業施設ということで、パートナー企業ですか、具体的には三井アウトレットパークだと思うんですけれども、そこも有効活用していくような方向を考えているということで、実はあの地域、土日はすごい人が多いんですね。
 アウトレットに来る方、そして駅から首都大に向かう歩行者専用道路になっていますから、多くの方が散策を楽しんだり、商業施設に行ったりということでございまして、時々イベントもあります。食べ物のブースが並んだり、ちょっとマルシェ風になったりということもありますので、そういったお休みの日にかなり人の流れがあるということも想定をして、そういうことを踏まえて、この期間中、さらなる盛り上がりができるような取り組みをしていただきたいと思います。
 次に、首都大でありますので、大学との連携ということを伺おうと思ったんですが、先ほど斉藤委員が確認をしていただいておりますので、その中で、首都大とは意見交換をして、学生の参画等も考えていくということでありました。
 実は、八王子というのは学園都市であります。大学等が二十五あって、そこに学ぶ学生が十一万人いるといわれていて、ですから、十八歳の学生さんがいろんな地方から八王子に来られて四年間過ごして出ていくと。若い世代が十万人以上ぐるぐる回っている、そういう地域なんだという特性があります。全国的にも京都とか八王子、特に学校が集中しているところではないかなというふうに思います。
 そうした中で、地元の八王子市では、十年ほど前に大学間の連携をする組織、大学コンソーシアム八王子というのを設立して、情報発信とか、学校同士の単位の相互交換とか、いろんなことをやっています。ですから、そういう組織も一つの連携主体として相談をかけて、今から調整をしていただきたいなと、こんなふうに要望させていただきたいと思います。
 最後に、ちょっと広報ということで伺いたいと思います。
 この南大沢周辺地区は、先ほどお話もございましたが、アウトレットがありまして、駐車場が七百台という話がありましたけれど、車で来ることもできると。駐車場、商業施設にとめて会場に訪れることもできるし、あるいは鉄道路線でも来ることができるという、そういう多摩地域の南部とか西部とか、アクセスが悪くない地区だろう、いいところだろうと、そんなふうに思っておりますが、特に広報について、期間中、ここでやっているんだよ、パブリックビューイングがあるんですよということを積極的に広報していただきたいなと思うんです。特に鉄道の電車の中の中づりですね、ほかの路線も含めて、多摩地域の一つの核でありますから、そういうこともやっていくべきではないかと思いますけれど、パブリックビューイングの会場案内の広報について見解を伺いたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇ライブサイト等会場の情報を効果的に広報、PRするため、都や組織委員会のホームページ等の媒体だけでなく、多様な実施内容を検討することは重要でございます。
 このため、これまでに都がリオや平昌大会時に実施したライブサイトにおいても、来場者の目に触れやすい最寄り駅へのポスター掲示や車両の中づり広告などを行いました。
 大会本番に向け、鉄道事業者とも協議しながら、多くの方に来場していただけるよう効果的な広報、PRの実施について検討を進めてまいります。

○両角委員 多摩地域につきましては、競技の施設自体が限られているわけでございます。しかしながら、多摩四百万都民が住まうところであり、この二〇二〇大会を、やはり五輪の熱気というのを共有できるような、そんな場にしていただきたいと思いますし、そのためには、井の頭公園の拠点となるライブサイト、あるいは南大沢のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場、さらにはコミュニティライブサイトもできてくるんでしょう。
 役割分担と連携をうまくしていただいて、多摩都民が五輪の熱気をしっかり共有して、そして、多摩都民の二〇二〇大会の思い出をしっかりつくれるような、そしてそれがレガシーになるような取り組みをお願いいたしまして、質問を終わります。

○山崎委員 私の方からも何点か質問させていただきたいと思います。
 来年の大会に向けて一年半に迫ったわけであります。前回の委員会で報告のあった都市オペレーションセンター運営計画に示されているように、大会では円滑な大会運営と都民生活への影響の軽減を両立することが重要であるともちろん示されてあります。
 また、同運営計画では、都市オペレーションセンターが中心となって、大会運営にかかわる総合的な連絡調整やラストマイルなどの競技会場周辺での対応を行うとされており、大会の成功に不可欠なさまざまな事項について対応の方向性が示されております。
 いずれも重要な事項でありますが、私は従前から指摘しているとおり、過去の大会の例を見ても、大会の輸送の成否が大会の成否に大きくかかわると思っております。
 では、都市オペレーションセンターが能力を発揮するためには、輸送センターとの連携が重要であると考えますが、具体的に輸送センターとどのように連携、対応していくのか、まず伺いたいと思います。

○末村オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンターは、大会運営に係る総合的な連絡調整及び観客の誘導等の競技会場周辺対応を行います。輸送センターは、道路や鉄道等の混雑回避に向けた広報など、大会の輸送に関する情報発信、提供、大会関係者や観客等の円滑な輸送に向けました総合調整を行うものでございます。
 輸送センターが把握する公共交通機関の運行状況、都市オペレーションセンターが集約する観客の混雑状況は、それぞれの役割におきまして相互に重要な要素でございます。このため、都市オペレーションセンターの支部を輸送センターと同一建物内に設置し、公共交通の運行状況に関する最新情報や、ラストマイルカメラ映像のリアルタイムでの共有など、輸送センターとの密接な連携体制を構築いたします。
 こうした連携体制のもと、都市オペレーションセンターは、交通状況やラストマイルにおけます歩行者の流動状況に合わせた観客の誘導管理、近隣対応等を行ってまいります。

○山崎委員 とにかくこの都市オペのセンターは輸送センターとの連携は必須であり、大変重要でありますので、しっかりと進めてもらいたいと思っております。
 次に、大会時の輸送は平常時とは大きく異なるわけであります。実効性のある対策を講じるためには、まずは輸送に関するシミュレーションを行い、それに沿った対策を示し、テストイベントにおいて検証、見直しを行うというものが私は本来の姿であると思います。
 しかしながら、年度内に公表すると約束をしていた大会輸送計画V2の案は、ほぼ目次といわざるを得ないような、まさに骨子が示されただけでありました。
 対策の前提となる混雑率などのシミュレーションは、対応策によって変動すると考えますが、そもそも大会時の輸送について現在どのような前提でシミュレーションを行い、今後どのように更新をしていく予定があるのか伺います。

○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時の交通シミュレーションにつきましては、道路交通、鉄道それぞれで交通需要予測を実施しております。
 道路交通につきましては、大会と同時期の夏の期間の平均交通量を基礎といたしまして、大会関係車両による交通量を加えて算出しております。また、鉄道につきましては、夏季の交通需要をもとに、大会時の観客による移動を加味して算出しております。
 今後はこうしたシミュレーションの精度をさらに高めていくため、ライブサイトへの来訪者やチケットを持たない観客などの想定、大会期間中の消費活動の活性化による物流車両の増加、最新のセッションスケジュールなども加味していくこととしております。
 こうして得られた結果につきましては、大会輸送影響度マップに反映させ、順次更新していくほか、大会期間中により詳細な日程ごとの混雑予測などに活用していくこととしております。

○山崎委員 ちょっと今、答弁の中で、ライブサイトへの来訪者やチケットを持たない観客などの想定という答弁があったんですけれど、これ、チケットIDを持っている方たちは、恐らくどの地域から来るとか、どこから皆さんが来るというのは大体想定できるんですね。それでも車で来るのか、鉄道で来るのかわからないと思います。
 その仕掛けをすればわかるとは思うんですけれど、ただ、チケットを持たない観客とか、またライブサイト、これ誰でも入れますから、こういう人たちをどのように想定できるのか、想定していくのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 今ご指摘いただいたことに関しましては、例えばこれまでのイベントなどを参考といたしまして、組織委員会と連携して進めてまいりたいと思っております。

○山崎委員 不安でなりませんね、今の答弁だとね。しっかりやっていただきたいと思います。
 都は混雑マップを策定、公表したわけでありますが、一方で具体的な対応をした対策や計画が示されていないわけであります。そのため運送事業者はもとより、競技会場の周辺住民や都民、国民は大会時の輸送について不安を募らせております。いよいよ夏のトライアルが近づいているにもかかわらず、ロードプライシングなどの追加対策についても全く明らかになっておりません。
 また、TSMもそのトライアルの中で実施するということも何かいわれておりますけれど、こういった実施をする具体的なことも明らかになっていないわけであります。都は大会時のシミュレーションを更新するとともに、説得力のある対応策を早期に示す必要があると私は思います。
 それでは、都として、今後、大会輸送の対策について具体的にどのようなスケジュールで検討し、その内容を明らかにしていくのか伺いたいと思います。

○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 これまで組織委員会とともに、国土交通省や警察庁、警視庁、内閣官房など、さまざまな関係機関と協議や調整を行いながら、大会輸送に関する検討を進めてまいりました。先月二十七日に輸送連絡調整会議で構成案等をお示しした輸送運営計画バージョンツー案につきましては、現在、鋭意、関係者と調整を行っており、早期に公表できるように進めております。
 また、ことしの夏は大会時の混雑緩和に向けたトライアルを実施することとしており、多くの企業の皆様にご参加いただき、組織委員会や国などと連携いたしまして、TDMの実効性の確認や課題の検証などを行っていくこととしております。
 最終的な輸送運営計画V2の取りまとめに当たりましては、夏のトライアルの結果も踏まえ、関係機関とさまざまな観点からさらに検討を行う必要がございます。
 今後とも組織委員会や関係機関などと連携を図りながら、本年十二月のV2の策定に向け取り組んでまいります。

○山崎委員 まず、そもそもその前に、V2は、ことしの十二月、策定をするといっております。しかし、我々に本来約束したV2の案は年度内に発表するといったんですけれど、結局目次みたいなもので、三月はそれを示しただけでありました。一体、では、V2の案、これ、いつ発表するか。本来は、さっきもいいましたけれど、三月末といっていたわけなんですけれど、まさにこのV2の案をいつ発表するかということがいまだにわからない。
 夏のトライアルの前だと私は思いますよ。それじゃないと、夏のトライアルをやって検証して、いろいろと課題も見えてきて、それがV2の最終的な十二月に反映されていくわけですよね。ですから、本来であれば、案は夏の前に発表しなきゃおかしいわけですよ。
 このV2の案、いつ発表するかもいまだにわからないんですけれど、その形でよろしいんですか。ちょっと確認させてください。

○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 繰り返しとなりますが、先月二十七日に輸送連絡調整会議で構成案をお示しいたしました輸送運営計画V2案につきましては、現在、鋭意、関係者と調整を行っており、早期に公表できるように進めてまいります。

○山崎委員 であるならば、V2の案を三月に出すとか、そんなふうに初めからいわなきゃいいんだよ。そうでしょう。そういうふうに皆さん方が約束をしたから、私たちだってお話を聞かなきゃいけなくなっちゃう。ですから、ちゃんと約束したことは守っていただいて、なぜおくれているか、なぜ調整ができないのか、そういったところをはっきりと皆さん方も示さなきゃいけない。
 それじゃないと、どんどんどんどん時間だけがたって、ロンドン大会のときには三年前に素案ができ上がって、一年前には輸送計画のしっかりとしたものができ上がっているんですよ。ですから、そういった過去大会の事例を見ても少しおくれている。正直そういうふうにいわざるを得ないと思います。
 ですから、この大会の成功というものは、やはりこの輸送対策、物流、交通、こういったものにかかっていると思いますよ。ぜひそういう観点からも、しっかりと輸送の対策、また交通の対策、前に進めていただきたいと思います。
 以上で終わります。

○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。
   午後五時六分休憩

   午後五時二十五分開議

○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○藤井委員 ラグビーワールドカップ二〇一九東京都交通輸送実施計画について質疑をさせていただきます。重なっている質問も多いので、その点、省略をして進めさせていただきたいと思います。
 ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会の開催まで、本日であと百五十日。この世界大会がもう目前に迫っているかと思うと心からわくわくしているところでございます。
 東京での試合会場は、私の地元府中市に隣接します東京スタジアム、いわゆる味の素スタジアムでして、開幕戦を含む八試合が行われる予定になっています。
 今回報告されました東京都交通輸送実施計画は、昨年三月に策定されました東京都交通輸送基本計画に基づいて、一般観客を安心・安全を第一に、限られた時間で円滑輸送するということを目的として作成をされています。安全を第一にしながら、観客の皆様に速やかに会場に入っていただき、帰ってもらうという、大会の成功の入り口と出口を担う大変重要なものであると認識をしております。
 この基本計画と実施計画の間に、昨年、二〇一八年十一月にラグビーワールドカップのテストマッチが開催をされています。テストマッチは本番と同等規模での開催となりましたが、その際に出てきた交通上の問題点と、どのように東京都交通輸送実施計画に反映されているかお伺いをいたします。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 昨年十一月のテストマッチは、日本対ニュージーランド戦という人気カードでございましたことから、東京スタジアムに初めて来場した方が多く、京王線飛田給駅に観戦者が集中しておりましたが、特急、準特急の臨時停車本数の増加によりまして、おおむね円滑に誘導することができました。
 大会本番時には、自動車での来場が規制されることから、飛田給駅のさらなる混雑が予想されるため、臨時停車の開始時間を昨年十一月のテストマッチの際の二時間四十五分から四時間前に早めて、早期来場を促進いたします。
 また、調布駅前で開催するファンゾーンを初め、試合前イベントや周辺のおもてなし、スタジアム内スポンサー活動エリア等の試合前後の催しを周知いたしまして、入退場時間のさらなる分散を図るとともに、調布、多磨、武蔵境、狛江からのシャトルバスのさらなる周知を図り、利用を促進することとしております。
 このほかにも、退場時に東京スタジアムから西調布駅へ向かう甲州街道上の上石原歩道橋付近で歩行者の混雑が発生しましたことから、西調布駅利用者に対しまして、天文台通り口からの動線を積極的に案内するなど、テストマッチの検証結果を計画に反映しております。

○藤井委員 シャトルバスについてお伺いをいたします。
 輸送の円滑化のためには、何より観客の集中が予想できる最寄り駅の京王線飛田給駅の利用をなるべく避けてもらうということが非常に重要だと考えております。そのために、シャトルバスの活用というのは非常に有効であり、シャトルバスの観客への周知というのは非常に重要なものだというふうに認識をしております。
 公共交通機関で来場する観客への対応について、入場時は調布、多磨、武蔵境、狛江からシャトルバスを出すとのことですが、昨年十一月のテストマッチでのシャトルバスへの分散率というのは十分だったのかお伺いをいたします。特に入場時のシャトルバス利用をふやすため、事前の周知が必要と考えますが、観客への周知をどのように図るのかお伺いさせていただきます。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 飛田給駅に利用者の集中が見込まれることから、周辺の各鉄道路線駅とスタジアム間の輸送ルートを確保いたしまして、交通手段の分散を図る必要がございます。このため、東京スタジアムにおける過去のラグビーテストマッチ等の実績を踏まえて、シャトルバスを運行することとしております。
 昨年のテストマッチでのシャトルバスの利用率は、試合前三・五%、試合後一〇・二%でございまして、前年の試合前二・九%、試合後六・五%に対しまして、それぞれ向上しております。
 大会時には、テストマッチとは異なり、自家用車での来場が制限されることなどから、本実施計画ではシャトルバスの利用率を、試合前六・三%、試合後一二・二%と想定しております。
 飛田給駅の利用者も引き続き多く見込まれておりますことから、特に入場時のシャトルバスの利用をふやすため、チケットホルダー向けの情報発信、ホームページ、アクセス案内マップ等、大会に向けてシャトルバスの事前周知を拡大するとともに、運行本数や時間帯を拡大する方向で今、事業者と調整を行っております。
 また、地元自治体の協力のもと、公共施設を初め、JR中央線や小田急線の主要駅におきまして、シャトルバス乗降場等に関する情報を記載したリーフレットの配布などのプロモーション活動を行うこととしております。
 さらに、退場時の分散を図るため、会場内でのアナウンスや案内チラシの配布を行い、入退場時のシャトルバスの利用促進を図ってまいります。

○藤井委員 観客の皆様も、東京スタジアム、味の素スタジアムと聞くと、アクセス方法は最寄りの飛田給駅から会場まで歩くしかないと思ってしまうと思います。
 私は、東京スタジアムの最寄りの飛田給駅の隣の駅、武蔵野台駅というところに住んでおりまして、東京スタジアムや武蔵野の森総合スポーツプラザでイベントがある際には京王線が大変混雑するのを目の当たりにしています。
 複数のイベントが重なったりすると、帰宅のときには飛田給の駅に入るのに二十分から三十分もかかるというような状況が生まれていまして、こういった飛田給が大変混んでしまうということの情報の提供をなるべく早く観客の方にすることで、別のルートを利用してもらうということが非常に重要だというふうに考えております。
 事前の周知の際に、別のルートがあるということとあわせて、メールでの周知の際に、当日の来場時の飛田給は大変混雑して会場まで時間がかかりますであったりとか、おくれが出る可能性があるであったり、退場時の飛田給駅に入るのに非常に時間がかかる可能性があるといったような文言も入れて、行動が変わるような内容で具体的に伝えることが重要ではないかなと思う次第でございます。ぜひ、チケットホルダーにメールでご連絡する際には、そういった文言というのを入れていただきますように要望させていただきます。
 続きまして、これ、ちょっと一部、質問が重なってしまうので、適切に答えていただけると助かります。
 五万人の来場者のうち三割は外国人であるということでして、交通輸送やシャトルバスに関する外国人への周知をどのようにするのかという質問をさせていただきたいです。事前、当日、それぞれについてお伺いいたします。
 また、退場時は武蔵小金井駅へのシャトルバスもあるが、これについてもどのように周知をするのか、一部かぶりますが、これは普通に回答していただければと思います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 来場者の約三割を外国人と見込む中、東京スタジアムに初めて来場する外国からの来場者に対するスタジアムまでのアクセス方法の案内周知は重要でございます。
 このため、先ほどご答弁申し上げましたチケットホルダー向けの情報発信、ホームページでの事前の情報掲載やアクセス案内マップ等につきましては、日本語だけではなく、英語併記または英語版もあわせて作成をいたします。
 また、各試合日にスタジアムに来場した観客に対しまして、退場時のシャトルバス利用等を案内周知するチラシのほか、最寄り駅や鉄道路線等の試合当日案内アナウンスにつきましても、英語対応を行ってまいります。
 案内サインにつきましても、日本語、英語の表記を基本に、誰もがわかりやすいピクトグラムも活用いたします。さらに、英語を初め、外国語スキルを有するボランティアが外国の方に対しまして、多言語で乗り場や行き先についてご案内いたします。

○藤井委員 海外からの来場者につきましても、事前にチケット登録時のIDを利用して、メール等でアクセスをすることができるということがわかりました。これは非常に重要なことでありますし、私はすごい宝であるというふうに思っております。
 チケット販売百八十万枚を予定しておりまして、ID登録、多分数十万とかのIDになるんじゃないかと思うんですが、そういった方々に直接アクセスできる、しかもユーザーの属性情報であったりというところと直接メールが送れるというところというのは非常に大事だなというふうに思っています。
 特にラグビーに関心がある方ですし、海外からの方であれば、日本に来ている方ということで、先ほど来話が出ております例えばファンゾーンの情報であったり、そういった関連するようなところの情報というのを事前に送ることで、そこに行ってくれる可能性が非常に高くなるのではないか。
 ほかにも例えば地域の情報、会場周辺地域はどんなものがあるか、どんなイベントが当日行われているか、そういった情報提供を行うことで、非常に観客にとっても有益な情報を得ることができて、さらにはその周りであったり、交通の分散化、混乱を防ぐこともできるということで、大会の運営にとっても役に立つというところで、ぜひとも積極的にいろんな情報提供に活用することを要望させていただきたいと思います。今申し上げたような周辺観光情報や、当日開かれているイベント等の紹介など、ぜひあるといいなと思います。
 あわせて、オリンピック・パラリンピックの方も、同様にID登録をしてチケットを買うような仕組みになっておりますので、同じような形で活用するということをぜひ組織委員会等含めてご提案いただきたいと思います。
 続きまして、案内サインについて質問する予定でしたが、こちらは高倉副委員長がされておりますので、割愛をさせていただきます。日本以外の国のチケット申し込み上位国は英語圏の国が多いということで、日、英での表記というところでありますが、多言語の対応というところ、ぜひ細心の注意を払って対応をいただければと思います。
 続きまして、シャトルバスの料金に関する質問を二問用意していたんですが、こちらも高倉副委員長と、あと池川委員との重複がございますので、二問割愛をさせていただきます。
 二問目の方は効率的な料金収受の方法に関しての質問を入れていたんですが、こちらに関しましては、意見としまして申し述べさせていただきます。
 帰宅時なんですが、こちら、バス乗車前の料金収受を予定しているということで、これはぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
 あわせて、キャッシュレスというか、Suica、PASMOなどを使った推進も要望したいと思います。Suica、PASMOなどがありますので、そういった情報をチケットホルダー、特に海外の方にも事前にメール等で連絡をされるのもいいのではないかと思います。
 東京であれば、成田空港に着いてからSuica、PASMOを使って観光地を回ったり、会場まで行くということで、非常に効率的にできるのではないかと思います。スポンサー等の関係もあって、もしかしたら難しいかもしれないんですが、こちらは提案、要望をさせていただきます。
 続きまして、私の地元というか、西武線多磨駅についてお伺いをさせていただきます。
 交通計画の中で、多磨駅からもシャトルバスの運行がありますと。さらには多磨駅は、二十分ほどかかるんですが、会場まで歩いて行くこともできるところにございます。
 その多磨駅ですが、中央線武蔵境駅まで二駅でアクセスできるということもありまして、京王線飛田給からの分散化という観点からも非常に重要であるし、活用を深めていただきたいなと、多くの方々に利用してもらいたいと考えております。それに関しまして都の見解、考えをお伺いします。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 西武多摩川線の多磨駅は、シャトルバスの発着場であると同時に、会場まで歩いて二十分であるため、歩行者動線も設定しております。
 また、多磨駅前のロータリーをタクシーの集積が可能なエリアとしているため、車椅子利用者の方などがタクシーからシャトルバスに乗りかえることも可能となっております。
 多磨駅の利用をふやすために、こうした情報につきまして、組織委員会や鉄道事業者と連携して、チケットホルダー向けの情報発信やホームページ、アクセス案内マップ等により、事前周知を図ってまいります。
 また、ことし三月から大会終了まで、西武多摩川線の車両一編成におきまして、大会マスコットのレンジーの装飾を実施しておりまして、大会機運を盛り上げるとともに、大会時の多磨駅の利用促進に向けてもPRを行い、交通の分散に努めてまいります。

○藤井委員 ありがとうございます。これまでは、都のシャトルバスに関しての質疑をしてまいりましたが、自治体のシャトルバスについても確認をさせてください。
 都が計画しているシャトルバスは、調布、多磨、武蔵境、狛江などと会場間を直接結ぶものでありますが、地元自治体からは、みずからスタジアムまでの送迎バスを運行したいという声も聞いております。私の地元の府中市からもそういった声がございます。
 セキュリティーや駐車スペースの確保などの課題もあると思いますが、都も積極的に組織委員会に働きかけるべきと考えますが、所見をお伺いします。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 地元自治体などから、住民の利便性を確保し、また大会機運の醸成を図るため、送迎バスを運行したいとの要望があることは認識してございます。
 このため、都では、各自治体がスタジアムまでチケット購入者を送迎するバスを運行する場合の駐車場を確保するため、組織委員会と調整を行ってまいりました。
 現在、運行希望調査を行い、その結果を取りまとめているところでございまして、今後、実施に向けて、組織委員会及び各自治体と調整してまいります。

○藤井委員 自治体のシャトルバスの件、前向きにご検討いただいているということで、ぜひ進めていただきたいと思います。
 最後に、一般の方々、特に地元住民への周知についてお伺いをする予定でしたが、こちらも質問の重複がございますので、割愛をさせていただきまして、ぜひ、観客、一般の方々双方にとって成功といえる大会運営をお願いしたいということを申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。ありがとうございます。

○吉原委員 それでは、若干でございますけれども、質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、聖火リレーについてお伺いをさせていただきます。
 一九六四年のかつての東京大会、聖火リレーで、当時まだ若かりしころ聖火ランナーを務めたことがある、こういった我々の先輩議員もおられました。そうした皆さんの話を聞きながら、私どもの町田にもそうした人たちがいて、そうしたトーチをぜひ自治体にも寄附して、多くの皆さんに見てもらいたい、こういっている方もおられるわけでございまして、今や市民の皆さん、もう間近に迫りましたオリンピック・パラリンピックを非常に楽しみにしている人たちが大変ふえてきたなと思います。
 そうした中にあって、聖火リレー、いよいよ来年の三月二十六日、福島県を皮切りに、四十六県目が埼玉県で七月九日までだ、こういうことでございますから、いよいよ東京に入ってくるのが来年の七月十日から十五日間、こういうことでございます。
 そういう意味でいえば、聖火リレーもかつてのような東京オリンピックのときと違いまして、一筆書きのような形でリレーを回さなければならない、採火された火を回さなければならない、こういう制限もいろいろあるようでございますけれども、やっぱりそうした状況の中にあっても、走る人たちだけではなくて、多くの皆さんが参加できるように、そして、その聖火隊にも一般の都民の人たちが一緒に走れるような環境をつくってもらいたい、これまでにこの委員会も、本会議でもこういうお願いをさせていただいてまいりました。
 そういう意味では、若干日にちがたったと思うんですけれども、もう既に三月の末で終わりました一定の中でも、私も本会議場の中で知事にも代表質問という形でお尋ねをさせていただきました。それは、一人でも多くの人が聖火リレーに参加できるように、ランナーをふやすなど環境づくりを行ってもらいたい、こういう問いかけをさせていただきましたけれども、知事の方は、近年の過去大会では一人の走行となっておりまして、二〇二〇大会におきましてもそれが準用されるものと考えております、こういう答弁でございました。
 しかしながら、最近、組織委員会の方からのことでしょうけれども、リレーを盛り上げる中で、より多様で多くの方が参加できるような工夫を今後していくという、そうした方針が示されたやにお聞きをしているわけでありますけれども、東京都として、聖火リレーにおいて多くの人が走れる、これは当時いわれていた、これまでの大会のように準用されるという、そうした知事の答弁との違いを教えていただきたいと思います。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 知事が答弁いたしましたランナーは一人の準用ということにつきましては、その当時、組織委員会から伺っていた過去大会の経験に基づく、その時点での基本的原則を説明したものというふうに考えてございます。
 今回、オリンピック聖火リレーのランナーにつきましては、組織委員会から一人で走行するということが示されておりますが、都はこれまでも、都議会や区市町村のご意見を踏まえて、地域の盛り上げが図れる方策について組織委員会と協議を重ねてまいりました。
 こうした中で、今般、より多様で多くの方が参画できるよう、今後工夫することが組織委員会から示されたところでございます。
 したがいまして、都といたしましては、より多くの都民が聖火リレーに参画することが可能な実施場所や人数について具体的なルートの選定とあわせまして、どのような工夫が可能か、十分検討する必要があるというふうに考えてございます。
 今後、各区市町村、警視庁を初めとしまして、関係機関とも十分に協議をしながら、知恵を出し合いまして、都内各地域で聖火リレーの盛り上げが図れますよう、実行委員会において十分検討を進めてまいります。

○吉原委員 そういうことなんでしょうけれども、潮田局長、この特別委員会でもそうした意見もさせていただきました。そしてまた局長も、組織委員会の理事として参加をされているわけでありますから、イメージがいまいちよく湧かないんです。そういう意味で、何か補足していただいて、やっぱり都民の皆さんがよりそうした聖火隊に参加できるようなイメージというのをもう少し、ちょっと語っていただけるとありがたいなと思いますけれども、どうでしょう。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 当時、組織委員会の方からは、やはりそういった、先ほどお話ございましたけれども、一筆書きじゃないとだめだとか、一九六四年とかなり違うようないい方をされていたところでございまして、そうしたことで、この間、かなり厳しいかなというふうに思っていたところでございますが、私どもの聖火リレー実行委員会での議論でも、なるべく多くの方が参加できるようにと、あるいは議会の皆様方からもいろいろご支援を賜り、最終的には、今般、そういった形での参加をなるべく多くというお話でございましたので、これから組織委員会と調整するに際しましては、今聞いているところでは、やはり原則はあくまでも一人だということではあるんですけれども、さまざまなやり方が工夫できると思いますので、その手法につきましては、今後、地元の各区市町村ともよく相談させていただいて、取り組んでいきたいと、かように考えております。

○吉原委員 どうもありがとうございます。局長も組織委員会の中でこういった議論が多分されたということの場面におられたんだろうと思いますので、大変恐縮ですけど、そんなイメージをちょっとお尋ねさせていただきました。
 これはスポンサーもいることですから、スポンサーにも気を使わなきゃならないし、また区市町村の皆さん、自治体に対しても気を使わなきゃならないんですけれども、やっぱり方針というものをしっかりと立てないと、区市町村にもお話しすることができないでしょうし、また聖火リレーにかかわる実行委員会というのも当然できているわけですし、その中でも議論もされることもあるんだろうと思いますので、そういう意味で、知恵を出し合って工夫をしていただいて、都民の皆さんが本当にオリンピック・パラリンピックの入り口のところで、それぞれが燃えるような熱い思いを感じるような、そうした聖火リレーにできるようにぜひお願いをさせていただきたいと思っています。
 次に、聖火リレーの採火された火でありますけれども、これは当初、分火はできない、こういうお話でございました。そのことをずっと、東京も当然、二十三区、三多摩ありますけれども、島しょもありますので、そうしたときにどうするのかなと、そんな思いをしていたんですけれども、この間、きょうも、第六回の東京都聖火リレー実行委員会、この概要というところに、聖火リレーの運営方法の概要についてということでペーパーがございました。
 聖火については、ギリシャの採火時から、親の火と子供の火を用意しておいて、通常は親の火のみでリレーを実施するが、離島などの遠隔地に聖火が訪問する際は、あらかじめランタンで運搬しておいた子供の火を活用する、親の火と子供の火が同時に人目に触れることはない、こう記されているペーパーが東京都から出されていると思います。
 これは確かに子供の火と親の火が同時に目に触れたんでは、この聖火リレーも台なしになると思うんですね。
 当然、離島のことですから、ヘリコプターなのか、あるいは船で運ぶのか、いろんな方法を考えなければならないと思いますけれども、やっぱり聖火リレーの火が来たときに、島の人たちが、ああ、これがあのギリシャの採火された火だと、こう思っていただけるような環境づくりというのをやっぱりしないと、離島の人たちも、何かランタンで運んできて、みんなが島のどっか中心部、会場に集まったらもう火が届いていて、そこから式典スタート、始まるということでは、なかなか楽しみが減ってしまうんではないかなというふうに思います。
 ですから、ランタンなのかどうかわかりませんけれども、親の火と子供の火というこの表現が、やっぱり島の人たちにとっては大変現実で、これは曲げようのないことだろうとは思いますけれども、やっぱりこの辺のところは上手に島の人たちにお話をするということが大切だろうなと思います。
 そして、空からか海からかわかりませんけれども、島に着いたときに、そうした聖火リレーがいよいよスタートするというその場面、やっぱり東京都としてもそういったイメージを持って島の中をリレーするという、そうした環境づくりをしなくてはならないんだろうなというふうに思いますけれども、その点についていかがでしょうか。

○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 組織委員会によりますと、過去大会の聖火リレーにおきましても、車の隊列が中心となっておりまして、車列が行けない場所など、物理的に聖火をつなぐことが難しい場合には、今回と同様に、それぞれの大会ごとに工夫をして運営していたというふうに聞いてございます。
 今回、東京二〇二〇大会のオリンピック聖火リレーは、先ほど副委員長からお話ありましたとおり、来年三月二十六日から百二十一日間もかけて、日本全国をめぐることになっておりまして、また日本各地は離島も大変多いことなどから、限られた時間の中で確実にリレーを実施することが望ましいということから、親の火と子供の火ということを名づけて、IOCの了解のもと、活用方法を組織委員会として示したというふうに聞いてございます。
 今お話のありましたように、特に島しょ町村につきましては、聖火リレーの実現というものは悲願でありまして、聖火を確実に運んでリレーやセレモニーを行い、大会の開催機運を盛り上げていくことが何より大事だというふうに考えてございます。
 このため、引き続き各区市町村の意向を丁寧に伺いながら、今般示されました聖火の活用方法も含めまして、聖火リレー実行委員会で議論し、都民の記憶に残る聖火リレーが実現できるよう、しっかり取り組んでまいります。

○吉原委員 地続きじゃない島の人たちにとっては印象的なその場面だと思いますから、それがレガシーとして残るような、そういう雰囲気を持った聖火リレーになるように、ぜひまた知恵を出しながらやっていただきたい。そしてまた、そういうことが決まった段階の中で、しっかりとご報告をいただければありがたいなというふうに思っています。
 次に、ライブサイト等の基本計画について伺いたいと思います。
 もう先ほど来さまざまなお話をいただきました。二十三区も三多摩も含めて八カ所だ、こういうお話でございましたけれども、これまでにもやっぱり多摩は少ないんじゃないでしょうかと、何とかふやしてください、こういうお願いをさせていただいてまいりました。いろいろな知恵を出していただいて、ご努力をいただいて、多摩をもう一カ所ふやしていただくことは大変ありがたいことだな、そういう意味では、これはレガシーにもつながるし、また多摩振興にも大きなつながりになるんだろうなというふうに思っていますので、その意味では感謝をしています。
 先ほどもお話ありましたけれども、その九つ目、皆さんでご検討いただいてスタートをしていただくやになったライブサイト、これは首都大学東京、南大沢の近辺、そして、それはオリンピックだよと。もう一つのパラの方については、調布駅の駅前だ、こういうお話をいただきました。
 これはいろいろな意味があって、多分こういう形になったんだろうと思いますけれども、ほかの八つはそういう形ではない中にあっての今回その二つにオリとパラを分けた経緯についてお尋ねいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都内全体の盛り上げのため、多摩地域に拠点会場一カ所を追加することとし、検討を進めてまいりました。追加会場については、ライブサイトに準じた広さやアクセス等の要件を満たし、イベント開催実績もある複数候補地を検討し、既に東京二〇二〇ライブサイト会場に選定していた井の頭恩賜公園との地域バランスも考慮の上、首都大学東京南大沢キャンパス周辺を選定いたしました。
 同会場では、大学及び大会パートナーとの連携により、既存施設を活用した屋内外での実施を検討しており、実施エリアを広く設定する想定でございます。
 パラリンピック期間は、車椅子を含む障害者の方の来場がふえると見込まれることから、コンパクトな会場での実施について検討いたしまして、駅からアクセスもよい調布駅前広場周辺をパラリンピック期間の会場として選定いたしました。
 この過程では市長会からもご意見を伺いながら、これら二会場を決定し、先ごろの市長会役員会でもご報告をしたところでございます。また、地元自治体からは、大会期間を通じての実施についてご協力が得られることとなっております。
 今後は、二つの会場の利点や特徴を生かし、大会のさらなる盛り上げに取り組んでまいります。

○吉原委員 ぜひお願いをしたいと思います。東京都がお考えをいただいていた八カ所から九つになることになって、当然予算もかかることですけれども、これは有効な予算の使い方だというふうに思っていますので、ぜひ地域にとってもまた盛り上がるライブサイトを、細かな面も気を使いながらやっていただきたいというふうに思います。
 次に、シティードレッシングと大規模展示物の基本計画について若干お尋ねをしたいというふうに思っています。
 オリンピック・パラリンピックのシンボル、そして大会マスコット像は、盛り上がりには大変大きな役割を果たすというふうに思っています。
 しかしながら、いずれも、シンボルにしても、マスコットにしても、当然期限が限られているわけですね。オリンピック・パラリンピックにしても、その期間の最終日まで、こういうことになっているんだろうと思います。
 しかしながら、やっぱりせっかくのオリンピック・パラリンピック、次の時代、我々はオリンピック・パラリンピックの日本の開催に関与できないというふうに思っていますし、局の皆さんだって当然そういう状況にあるんだろうと思っていますので、せっかくこうして盛り上げに盛り上げてきて、最後のときにそうしたシンボルやマスコットが一気になくなってしまう、これはなかなか寂しいことでございまして、そのレガシーにどうやって--それは経済面もあったり、まちづくりもあったり、いろんな意味でのレガシーは当然のことながらありますけれども、目に焼きついたそうしたマスコット等がいつまで残ったらいいのかなというふうな思いを少ししています。
 そういう意味で、今のところマスコット、あるいはシンボルにしても、大会が終わった後、いつの時点かわかりませんけれども、そこから近いうちに取り除かなければならない、こういうふうに今決められているのではないかなと思いますが、こうしたものをぜひレガシーとしても残してもらいたいなと、そういう思いもあります。
 これは全部が全部残せるのか、あるいは会場のところに対して、例えば東京スタジアム、むさもりの辺だとか、あるいは江東区の選手村の近くだとか、いろんな置き方があるんだろうと思いますが、全部が全部なくさなくてもいいんではないかなというふうに思いますけれども、ご意見だけ伺いたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 オリンピック・パラリンピックシンボルや大会マスコット像を大会の記憶とともにレガシーとして大会後も活用していくことは重要でございます。現在、都立スポーツ施設や学校、公園等における活用を検討しているところでございます。
 オリンピック・パラリンピックシンボルについては、それぞれの設置場所によりサイズや素材が大きく異なることから、それぞれのシンボルの効果的な活用方法について検討しております。
 また、大会マスコット像については、オリンピックとパラリンピックのマスコットがワンセットで、高さ一メートルから二メートル程度の大きさ、素材は強化プラスチックを想定しております。そのため恒久的な活用に当たりましては、スポーツ施設や小学校など屋内施設を中心に検討を進めております。
 オリンピック・パラリンピックシンボルや大会マスコット像のレガシー活用については、IOC等の承認が必要ともなりますが、施設管理者と十分協議を行いながら、大会後も地域で親しまれ、後世に引き継がれるものとなるよう、関係者と協議し対応してまいります。

○吉原委員 ぜひ検討いただいて、全部が全部取り除かなければならないということは、IOCもお考えではないんだろうと思いますので、そういう意味で、残せる部分については、特に印象深いところにはレガシーとして残していただきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いをいたします。
 それで、オリンピック、パラリンピックもそうかもしれませんが、シンボルの部分について、高尾山の山頂にも置いていただけると、こういうことなんですね。高尾山、ご案内のとおり、一年間でも三百万人前後の人たちが足を運ぶ、そういう環境で、最近は観光のメッカとしても、東京でも有数な場所になってきました。
 そういう意味でいえば、有意義なところだと思いますけれども、イメージ図というか、どっかに載っていた写真を見せていただきましたけれども、山頂の広場の余り高くないところに、そして五輪のマーク、あるいはパラリンピックのマークですから、そんなに頑丈なのかなと素人ながらにちょっと心配するんです。期間中に壊されることがないようなね。
 一つは、臨海部のところには海の中にきちっと設置をしていただく、こういうことになっているようですから、余り心配はないなと思いますけれども、やっぱり高尾山という場所柄のことですから、多少余分な心配をしておりますけれども、その辺の管理についてどういうふうになっているのか伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 高尾山へのオリンピックシンボルの設置に当たりましては、事故などが起こらないように安全に設計をいたしまして、十分な強度を持ったものを設置したいと考えております。
 また、いたずら防止策としまして、セキュリティーカメラによる監視のほか、委託事業者による見回りや、地元警察などとも連携をして適切に管理を行ってまいりたいと考えております。

○吉原委員 もうおっしゃるとおりだと思いますけれども、世の中には、日本人に限らず、外国人も含めて、いろんな人たちがいますから、神社仏閣の国宝級のところまで、何かぼやを出すみたいな人たちもいるわけで、人けの少ないところですから、例えば夜だとか早朝だとか、ぜひその辺のところは徹底をして、途中で破損されるようなことがないような環境をぜひお願い申し上げたいなというふうに思っています。
 それでは、最後に恐縮ですけれども、ラグビーワールドカップのファンゾーンについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 もう百五十日を切ったわけでございまして、さまざまなことをこれからも詰めていかなければならない、そうした状況にある中にあって、ファンゾーン、先ほど来、委員の皆さんからもご意見さまざまございました。旧一〇〇〇days劇場、東京スポーツスクエアですか、これは場所もすばらしいところにあるし、中も充実するような運営ができるやに先ほど来、お話をお聞きしておりました。
 一方、多摩のことを考えたときに、調布の駅前、こういうことでございますので、十五日間の土日、あるいは開会当日、あるいは三位決定戦を含めた十五日間ということでファンゾーンを開いていただくようになっているわけであります。
 しかしながら、これは三多摩の皆さんがみんな、いいかえれば東京スポーツスクエアの方に足を運ぶわけではないわけで、できるだけ近くでそうした環境に触れたい、あるいはラグビーワールドカップ、先ほど来、四年に一度ではない、一生に一度だ、こういうお話もございましたけれども、そうしたことを、実質自分たちが体をもって体感できるような環境をぜひつくってほしいなと思っています。
 その意味でいえば、調布のところのファンゾーンについては、ほかの十一日ぐらいでしょうか、十二会場で試合が開催されるわけですから、東京で試合がないとき、あるいは土日でないとき、当然のことながら十一月の頭までやっていますから、試合も開催をされているわけです。
 調布というのはご案内のとおり、京王線で多摩市の方に行く路線、そして八王子の方に向かう路線との分岐点の結節点にもなっているわけで、そういう意味でいえば、西武線の方からもそう遠いところではない。
 なおかつ、東京スタジアム、ここのところで開会式もされて、三位決定戦もされて、初日には日本対ロシア戦が熱く戦っていただく、そういう直近の場所でもあるわけでございますので、そういう意味でいえば、東京スタジアムも開会式当日から閉会式まではずっとこのラグビーワールドカップのために日程を確保されているはずだと思います。
 その会場の直近のところで、土日、なおかつ開会式と三位決定戦の十五日しかあけていないというのは、これはいかがなものかなと思います。ぜひほかの地方でやっている試合も、時間では七時ぐらいのものがあったり、十六時ぐらいのものがあったり、十四時というのもあるかもしれません。時間もまちまちで、なかなかセットをするのに大変になるかもしれないけれども、やっぱり開会式をやる東京スタジアムの直近のファンゾーンですから、それは当然のことながら、地方で試合をやっているときぐらいはファンゾーンとしてあけておくべきだというふうに思いますけれども、そのことについて伺いたいなと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会を多くの方に楽しんでいただくために、これまでファンゾーンの運営方法についてさまざまな検討を行ってまいりました。
 ファンゾーン多摩会場につきましては、試合会場との一体性を確保し、試合への期待と試合後の余韻を創出していくという基本コンセプトのもと、開催日を東京スタジアムでの試合日及び大会期間中の土日であります十五日間としております。
 多摩会場であります調布駅前広場は、京王線調布駅改札の至近に位置しておりまして、市民を初め多くの人々が日常的に行き交う場所でございます。とりわけ、ファンゾーンの開催時間は、平日は買い物や子供の送迎等に加えまして、仕事、学校帰りの市民が多い時間帯であることから、市民生活への影響をできるだけ少なくしていくことが必要でございます。
 また、大会期間中の祝日で国内で試合が開催されるのは九月二十三日でございますが、この日は地元の恒例行事が予定されているとのことでございました。
 以上のことから、多摩会場の開催日は十五日間としておりますが、具体的な実施内容の検討をさらに進めまして、ファンゾーンの一層の盛り上がりと市民生活の両立を図り、地元の方々にも喜んでいただける場としてまいります。

○吉原委員 都民の皆さん、あるいはラグビーファンでない、ラグビーが好きになろうとしている人たち、時にはテストマッチを誘われて初めて見に行った人たち、こういう人たちもいるわけですね。こういう人たちが、アジアで初めてラグビーの世界大会が開催をされるということを知らない人たちはたくさんいるんです。そして、そうした思いというものを、やっぱり東京が先頭に立ってそうした環境づくりというのをしなければならないんだろうなと私は思うんです。
 このファンゾーンというのは、担当する責任というのは組織委員会ではなくて東京都だというふうな意識を持っていますが、違いますか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 先生のおっしゃるとおり、ファンゾーンの運営につきましては、開催都市東京都の役割でございます。

○吉原委員 大変恐縮ですけれども、このラグビーの世界大会が東京で開かれて、調布だということで、調布の駅前広場でファンゾーンが、こういうことはもう決定しているわけですし、ご案内のとおりロンドンで開かれたあそこのファンゾーンも見に行った方がおられるかどうかわかりませんけれども、テントもしっかりと強固なもので、風に飛ばされないような環境で、しかも大変大きなもので、中にはステージがあったり、飲み物が飲めたり、いろんなそういう環境がそのテントの中でもできたんですね。
 この十五日間、ファンゾーンが開催される中にあって、雨が降るかもしれないし、風が吹くかもしれないし、どういう環境になるかわからないんですよ。だから、そういうこともしっかりと検討する材料にしながら、やっぱり十一日間の地方でやるその開催日については、ファンゾーンというのは東京に必要だなというふうに私は思っているんです。
 去年のテストマッチ、理事者の皆さんも大半の皆さんは行かれたと思います。あのときも調布市も頑張っていただいたし、東京都も頑張っていただいたといわれていますけれども、大変寂しい環境でありました。そうした環境は潮田局長もごらんになっておられると思いますけれども、そういう意味で、これからの世界大会のラグビーをいざ盛り上げていく中にあって、東京スタジアムでは、その期間は使わないときも確保をしながらやっている中、そうした会場のすぐそばにあるファンゾーンが、地方都市でやっているときに、東京の開会式をやった会場のすぐそばの駅前のファンゾーンが閉じているということの今の状況は、局長、どう思われますか。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 副委員長おっしゃるように、昨年のテストマッチのときにつきましては、地元の市の皆さんには本当にご尽力賜りまして、寂しいというお話もございましたけれども、今回新たに実施します多摩のファンゾーンにつきましては、一つは、あのとき工事で封鎖されていたあの区域、あちらについては全面的に今回、市のご協力を得てオープンにしていただける、あるいは、地元の地域のご協力も得て、夜につきましても、夜の試合がある場合については、外に投影してパブリックビューイングを、屋内だけでなく、両方やらせていただくというような取り組みも実施するところでございます。
 そうした取り組み等々しっかりやってまいりまして、また、多摩会場の開催日、現在十五日としておりますけれども、具体的な実施内容もどうしていくか含めまして、しっかりと地元の地域の方々にもよくご相談し、ファンゾーンの一層の盛り上がりと地域の市民生活の両立を図っていくということで、地元の方々に喜んでいただける場としていきたいと、かように考えております。

○吉原委員 私は今、局長がいったことは余り理解できません。あそこはA、B、Cのエリアがあって、駅前のところで確かに一部道路であったり公園であったりする部分があるかもしれません。だけれども、先ほど部長の方から答弁いただきましたけれども、二十三日の祭日でも地元の人たちが使われるというお話がありました。これは何時まで使うんですか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 九月二十三日ですけれども、布多天神社例大祭というものが開催されまして、駅前広場の利用時間は、例大祭として十一時から十三時ごろ、駅前フリーマーケットとして八時から十五時までということを伺っております。
 例大祭の開催が予定されておりまして、おみこしのルートに広場が入っているということを伺っております。

○吉原委員 申しわけないんだけれども、時間過ぎて済みません。過ぎていますか--では、手短に。
 今、十五時までというようなお話がありました。この日の大会は十七時からなんですよ。十七時過ぎなんですよ。みこしがいるといわれるけれども、その時間までみこしがいるんですか。
 私は、東京都が主体的になって、責任持って、できないことをどうやってやっていったらこの大会が盛り上がるのか、都民の皆さんがラグビーというものに親しんでもらえるのかということのレガシーを東京都が率先してつくっていかなきゃいけないんです。できないといわれたから、じゃあ、全てやめようというんではなくて、できないことをどうやってやったらできるのかということの知恵を出していかなければ、この大会なんていうのはうまくいかないと思いますよ。
 そういう意味で、局長、申しわけないんだけれども、その十一日間のファンゾーンをやらない期間、平日のとき、これはやっぱり全部が全部やってくださいとは申し上げません。いろんな事情があるし状況もあるんでしょうから。だけれども、全部カットするということも、これはちょっと理解をいただけないので、検討だけしていただきますようにお願いをして、終わります。

○伊藤委員 では、最後ですので、私の方から、一つのテーマ、東京スタジアムにおける障害者、スペシャルニーズのある方がいらっしゃった際の移動手段について伺いたいと思います。
 昨年の予算特別委員会でも、ラグビーワールドカップに限らず、オリンピック・パラリンピック会場において、障害者の方々がお使いになる、乗車されるタクシーが会場に入ってこられるように、タクシープールをつくるようにということで質疑をさせていただきまして、前向きな答弁を当時いただきました。
 今回改めて質問をさせていただきたいと思いますのは、タクシープールそのものは設置をされるということでありますし、東京スタジアムにおいては、もう既に当然ながらタクシープールがあるということですが、今現在も大きな大会等が東京スタジアムにおいて行われるときには、警備の都合上、あるいは周辺の車両の規制の都合上、タクシーが入ってこれないということで、タクシープールはあってもタクシーが入ってこれないから、当然ながら障害者の方を初め高齢者の方、車椅子利用の方々がタクシーをその場で利用することができないということになっていると伺っております。
 そこで伺いたいんですけれども、改めてですが、ラグビーワールドカップにおいて、行きにおいてタクシーで会場まで行こうと思った方がどのような形でタクシーを使って会場に行けるのか、そこをまず伺いたいと思います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 今般策定いたしました交通輸送実施計画では、タクシーの利用を希望する車椅子利用者につきまして、西武多摩川線多磨駅ロータリーにタクシー乗降場を設置いたしておりまして、多磨駅とスタジアムの間はシャトルバスを利用していただくこととしております。

○伊藤委員 行きということですので、さまざまなタクシーにそれぞれの、例えば車椅子利用者の方が乗っていらっしゃるという意味で、車両を事前に検査したりすることもできないんだろうと思うので、おりていただいてシャトルバスに乗ってもらって会場に来る、こういう仕組みになっているという、警備上の問題が大きいんだろうというふうに理解はしています。
 一方で、シャトルの乗り入れ場所、乗りかえ場所というんですかね、を正確に車椅子利用者の方々が事前にわかっていないとそこまでたどり着かない、どこでおりていいのかわからないということにもなりかねませんので、当然ながらメール等で周知されるというふうに理解していますけれども、その辺はくれぐれも丁寧な事前の説明をお願いしたいというふうに思います。
 一つ参考として、二〇一五年においてロンドンでラグビーワールドカップが実施されているわけですが、そのロンドンのラグビーワールドカップにおける障害者のタクシー利用というのはどのような形だったのか、障害者のタクシー利用はどのように行われたのか伺いたいと思います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 例えば二〇一五年イングランド大会のメーン会場でございますトゥイッケナム・スタジアムにおきましては、タクシーの乗降場は会場から一キロ程度離れた最寄り駅付近に設置されておりました。
 タクシー乗降場から会場まではシャトルバス六台が運行されておりまして、タクシーで来場した車椅子利用者は、そこでシャトルバスに乗りかえて会場に向かうこととなっておりました。

○伊藤委員 バリアフリーの先進国であり、都市でもあるんだろうと思いますが、イングランド、あるいはロンドンの大会においても、一キロ離れたところで乗りかえてもらって、シャトルで会場に向かっていただいたということでありますが、ロンドンでそうであったから東京でもいいということではなかろうと思います。
 ここから既に四年たっていますし、また東京はどこの都市よりも車椅子利用者の方々に乗りおり優しいまちだったと、大会だったと、やっぱり世界中の方々から評価をいただくことが何より望ましいと思いますので、その上で伺いたいと思います。
 行きは先ほど申し上げたとおりですけれども、特に帰りだと思います。帰りについていうと、今のところ、またシャトルに乗って、そしてタクシーに乗れるところまで行って、そこでタクシーに乗りかえてお帰りになるというケースが考えられるんだろうと思いますが、帰りは行き以上に集中的に同じ時間帯に、当然健常者の方々が駅の方に向かって歩かれるという意味では、車椅子利用者の方にとってみると、帰りの方がはるかに時間調整も難しいですから、そういう意味で大変混雑もされている中、車椅子を利用せざるを得ない。そしてまた、そこから乗りかえていかなきゃいけないということになりかねません。
 東京に来てラグビーワールドカップをごらんになられた方が、随分対応としてはやっぱりおくれているなというような評価になりかねませんし、そうなってはならないというふうに思っております。そういう意味では、障害者にとって混雑した会場から帰宅することがとりわけて困難でありますので、障害者などがタクシーを利用して帰宅できるよう、試合会場に乗車場を備えておくことが必要であると思います。
 かつ、乗車場を備えただけでは、これは多分可能とならなくて、現実問題、乗車場はあるんです。あるんですけれども、帰りにやっぱりそこにタクシーが入ってこなければ、当然ながら普通にタクシーがその辺を走っていると、空車で走っていたら健常者の人たちがつかまえて利用されてしまうという意味でいえば、迎車で来るのか、そこはタクシー協会、あるいは事業者の方々とやはり事前に協議をして、そしてまた、例えば通行証を渡すのか、許可証を渡すのか、車両規制がされている中でもタクシーが入ってこられるという調整を事前にしておく必要があると思います。
 これは、場合によっては民間事業者にとってはいささか負担になる話かもしれませんけれども、都としてやっぱりここは粘り強く交渉していただいて、そして、なかなか事業者の方々にご理解いただけなかったんでできなかったんだということにならないように、ここは粘り強くやって、やはりほかの都市も、あの東京がやるんだったらうちもやろうということを今後見習ってもらえるように、また、このラグビーでの取り組みがオリンピック・パラリンピックの取り組みにも直結をすると思いますので、ぜひそのような交渉を含めた取り組みをしていただきたいと思いますが、都の見解を伺いたいと思います。

○関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 副委員長、今ご指摘いただきましたとおり、特に退場時間帯につきましては会場内外の混雑が予想されております。そのようなことから、障害のある方が利用できますように、会場付近に東京都が指定した車両の乗り場の設置に向けて、ただいま組織委員会や関係者と調整を行っているところでございます。
 今後、障害のあるなしにかかわらず誰もが大会を楽しめるよう、大会準備を進め、そのノウハウを東京二〇二〇大会につなげていくよう努めてまいります。

○伊藤委員 今、組織委員会や関係者と調整を行っているところということですので、初めて本当にこの件において大変前向きな答弁をいただいたものと思います。ぜひ実施をしていただきますようにお願い申し上げたいと思います。
 最後に、これはちょっと要望ですけれども、タクシーに限らず、会場の中における、例えばトイレの場所であったり、あるいはトイレそのものであったり、あるいはトイレまでの動線であったり、我々、日常的に車椅子を使っていない人にとってはわからないけれども、車椅子を使っている人にとってはいろんな気づきがこのラグビーワールドカップにおいてもあるんではなかろうかなというふうに思います。
 もちろんそういうさまざまなコンサルティングなのか、視点というのをもう今既にご議論はいただいていると思うんですけれども、しかし、やっぱり実際にスタジアムに来られた方の実感をちゃんと生で聞いてみるということは、非常に今後、ラグビーワールドカップのみならず、オリ・パラに向けても大事なことではないかと思います。
 そういう意味では、今回、障害者、車椅子利用者の方用のスペースをしっかりとって、それ用のチケットを販売されているということでありますし、そういう意味ではメールでのやりとりも可能なんだろうと思います。
 会場において紙を渡してもいいと思いますし、またメールでお答えをいただいてもいいと思いますが、私は今回のラグビーワールドカップで東京スタジアムに来られた方、特に車椅子を利用して来られた方にアンケートをとられて、どのような不便があったのか、あるいは逆に感心したところがあったのかということをぜひお答えいただいて、それをまたオリ・パラに生かしていけたらいいんじゃないかなというふうに思いますので、それは要望にとどめて、質問を終わらせていただきたいと思います。

○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時三十一分散会

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