オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会速記録第二十三号

平成三十一年二月一日(金曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長小山くにひこ君
副委員長高倉 良生君
副委員長伊藤 ゆう君
副委員長吉原  修君
理事うすい浩一君
理事両角みのる君
理事石川 良一君
理事山崎 一輝君
理事あぜ上三和子君
藤井あきら君
池川 友一君
細田いさむ君
おときた駿君
川松真一朗君
白戸 太朗君
とや英津子君
入江のぶこ君
山口  拓君
中山 信行君
栗下 善行君
桐山ひとみ君
木村 基成君
高島なおき君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
次長岩瀬 和春君
技監相場 淳司君
理事西村 泰信君
理事中澤 基行君
総務部長中村 倫治君
調整担当部長雲田 孝司君
大会企画調整担当部長中嶋 初史君
自治体調整担当部長小池 和孝君
計画推進部長根本 浩志君
運営担当部長田中  彰君
競技・渉外担当部長川瀬 航司君
事業推進担当部長丸山 雅代君
パラリンピック部長萱場 明子君
障害者スポーツ担当部長越  秀幸君
大会施設部長鈴木 一幸君
開設準備担当部長鈴木 研二君
施設担当部長砂田  覚君
施設整備担当部長草野 智文君
施設調整担当部長湯川 雅史君
選手村担当部長斉藤  有君
スポーツ施設担当部長藤木 仁成君
輸送担当部長片寄 光彦君
スポーツ推進部長小室 明子君
ラグビーワールドカップ準備担当部長篠  祐次君
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務
田中 愛子君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九™の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項(質疑)
・ラグビーテストマッチ(十一月三日開催)について
・東京二〇二〇ライブサイト等基本計画(案)について
・東京二〇二〇大会のシティドレッシング・大規模展示物基本計画(案)について
・東京二〇二〇大会都市ボランティアの応募者数について
・新規恒久施設等の整備(平成三十一年一月時点)について
・ラグビーワールドカップ二〇一九™ファンゾーン運営計画(素案)について

○小山委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項に対する質疑を行います。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 延與次長パラリンピック準備調整担当理事大会運営調整担当理事兼務は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承を願います。
 次に、報告事項、ラグビーテストマッチ(十一月三日開催)について外五件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 昨日の当委員会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 それでは、お手元に配布してございますオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会要求資料をごらんください。
 表紙を一枚おめくりいただき、都市ボランティアへの応募に当たり障害等の事由で配慮、支援を希望する方の状況をごらんください。
 応募の際にご本人から障害等の事由による配慮、支援を希望された方の人数及び障害等の事由ごとの内訳をお示ししたものでございます。
 簡単ではございますが、説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより質疑を行います。
 発言を願います。

○石川委員 初めに、ラグビーテストマッチについて伺います。
 昨年十一月三日土曜日、文化の日、東京スタジアムでワールドラグビー世界ランキング一位のオールブラックスことニュージーランド代表が五年ぶりに来日をし、勇敢な桜の戦士ということで、ブレイブブロッサムズ、世界ランキング十一位のラグビー日本代表とテストマッチを行ったわけであります。
 試合の結果は、ラグビー日本代表はニュージーランドに三十一対六十九の完敗を喫しました。日本はこのカードで過去最多の五トライを上げ、六度目の対戦で過去最多得点を奪ったわけでありますが、ワールドカップ二連覇の王者の力の前に、対戦成績は日本の六戦全敗となり、日本にとっては試合上の課題も多く見出されたわけであります。
 この試合では、東京スタジアムのラグビーテストマッチ史上最多の四万三千七百五十一人の観客の皆さんがスタジアムに観戦に訪れたわけであります。東京スタジアムのキャパシティーは約五万人であり、本年九月二十日から始まるラグビーワールドカップ開幕戦からの試合に向けて、さまざまな課題を明らかにするよい機会となったわけであります。
 そこでまず、本委員会でも、一昨年六月二十四日の対アイルランド代表戦に比べて、スタジアムへの来客数を含め、盛り上がりを懸念する意見も出されたわけでありますけれども、過去最高の来場者数を記録することができたわけですけれども、来場者数確保に向けた都の取り組みの内容について伺います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 十一月三日のテストマッチは、ラグビーワールドカップ過去二大会連続優勝のニュージーランド代表と日本代表の対戦であり、二〇一九年大会に向けて注目度の高い好カードでございました。
 こうした機会を捉え、都は、主催者である日本ラグビーフットボール協会と連携し、多くの観戦客の来場を促進するために、さまざまな取り組みを行いました。
 具体的には、交通結節点となる京王線新宿駅、渋谷駅及び試合会場の最寄りの飛田給駅において、テストマッチのポスターを集中的に掲出いたしました。
 これに加え、京王線及び小田急線新宿駅では、デジタルサイネージ八十二基で二〇一九年大会をPRする動画も放映いたしました。
 また、京王バス及び小田急バスの協力を得て、バス車内にテストマッチのポスターを掲示するとともに、区市町村等にもポスターやチラシを配布し、広く周知を行いました。
 さらに、開催までの約一カ月にわたり、SNSで試合への来場を呼びかけるなど、テストマッチの来場者促進を図ったところでございます。
 これらの効果もあり、過去最多の観戦客にご来場いただくことができたものと考えてございます。

○石川委員 さまざまな努力、特にプロモーションを中心に取り組んだことによって結果を出したということがわかりました。また、試合日が土曜日で、しかも文化の日という祝日だったことや、指摘にもありましたけれども、世界一のチームとの対戦ということも人気を集め、スタジアムに足を向かわせる要因になったといえるわけであります。
 さらに、今までのテストマッチの中でも、チケット価格も高かったわけでありますけれども、それもクリアしたことも大きな意味があるというふうに思っております。
 そのチケットのことでございますけれども、ことしの秋から始まりますラグビーワールドカップのチケット価格は、東京スタジアムで開会式後の日本対ロシア戦で最高五万円の売り出しとなっており、横浜国際総合競技場の決勝戦でも最高で十万円となっております。
 私もイングランド大会のトゥイッケナム・スタジアムに行きましたが、あのとき準決勝のニュージーランド対南アフリカ戦を観戦したわけでありますけれども、ワールドカップ日本大会のチケット価格は、前回までのワールドカップと比べてどのような位置にあるのか伺います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 二〇一九年大会のチケットにつきましては、開幕戦が一万五千円から五万円、決勝戦が二万五千円から十万円となっております。
 一方、前回の二〇一五年イングランド大会のチケットにつきましては、現在の為替レートで換算すると、開幕戦が約一万一千円から四万五千円、決勝戦が二万一千円から十万二千円でございました。
 二〇一一年ニュージーランド大会のチケットにつきましては、同様に現在の為替レートで、開幕戦が約九千円から三万三千円、決勝戦が二万九千円から九万三千円でございました。
 このように、二〇一九年大会のチケット価格帯については過去大会とおおむね同水準であると考えてございます。

○石川委員 日本大会が特別高いわけでなく、ワールドカップの平均的な価格であるということで理解をいたしました。ただ、今までの国内の試合と比べますと、高いと感じる人も多いわけで、ワールドカップとしては平均的であり、世界標準であるというようなことのPRも必要なのかなと思っており、またチケット価格に対する観客の皆さんの心理的な壁を小さくするということも、ワールドカップ終了後のラグビーの振興のレガシーとなるというふうにも思っております。
 次に、ファンゾーンについて伺います。
 二〇一五年のイングランド大会にて、トゥイッケナム・スタジアムの近くのファンゾーンを視察し、試合前、試合後、多くのラグビーファンが握手をしたり、ハグをしたり、集い、交流をする場となっていたわけであります。東京でもファンゾーンは、まさにここがラグビーを通じてさまざまな国の人々が出会い、つながり合える場となるというふうに思うわけであります。
 東京スタジアムの八試合は夕方から開催される試合も多く、試合前、試合後も、試合の予想や余韻を楽しむ空間が、スタジアムに足を運んだ皆さんにとって、スタジアム周辺でも必要だというふうに考えます。
 ファンゾーン運営計画素案によると、都は、試合会場周辺では盛り上げを検討するということになっておりますけれども、内容について伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 ファンゾーン運営計画に記載してございます試合会場周辺等を活用した盛り上げについてでございますが、十一月のテストマッチでは、武蔵野の森総合スポーツプラザ前のペデストリアンデッキ上におきまして開催都市PRブースを設置し、各都市がチラシやノベルティー等を配布するとともに、大会のマスコットであるレンジーが登場したこともありまして、開場前から多数の観戦客が来場しました。
 ラグビーワールドカップの開催時におきましても、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会と調整し、試合会場周辺を活用した盛り上げを検討してまいります。

○石川委員 試合会場周辺では外国人も大変多くなるわけでありまして、ぜひ盛り上げをお願いしたいと思います。ファンゾーンということではありませんけれども、コンテンツなども工夫をしていただいて、交流し楽しんでいただけるような企画をお願いしたいと思います。
 十一月三日は、東京ラグビーファンゾーン二〇一八と銘打って、旧一〇〇〇days劇場は入場者数約三千人、調布市と共催で実施した調布スクラムフェスティバルとして、調布駅前広場で約三千五百人が参加をしてイベントが開催をされました。
 二つのイベント会場では、有楽町三千人、調布二千四百人を目標としておりまして、昨日の説明で、今回の計画では上方修正されたわけでありますけれども、当初の目標は十一月三日のイベントでこれをクリアしたわけでありますけれども、二会場の開催結果についてどのように評価をしているのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 有楽町で実施したイベントにつきましては、アクセスのよい立地などの特色もあることから、ラグビーファンだけでなく、さまざまな方に興味を持っていただけるような内容としました。
 具体的には、大型モニター三台を設置し、多様なスタイルで観戦できるパブリックビューイングを行うとともに、ラグビー選手や開催都市サポーターによるトークショーやミニライブなどを実施しました。また、ラグビー体験コーナーやグッズの販売コーナー、飲食ブースも設置して、観戦以外も楽しめる取り組みを行いました。
 また、調布で実施したイベントにつきましては、会場が京王線調布駅前であることから、駅利用者や買い物客等に来場を促すとともに、シャトルバス乗り場にも隣接していることから、試合後にはシャトルバスを利用した観戦客も呼び込み、にぎわいました。
 どちらの会場におきましても、多くの方々に来場いただき、イベントを楽しんでいただくことができたと思っております。
 また、試合前後の人の流れや、アンケートを通じたファンゾーンへの意見を把握すること等により、本番に向けた知見を得ることができたと考えております。

○石川委員 おおむね良好な評価をいただけたものと思っております。私は調布に行っていたので、実際に目にしたわけではありませんけれども、有楽町では、現地に行った人の話ではなかなか大変だったという感想もいただいたわけであります。
 有楽町の旧一〇〇〇days劇場前は、入り口が狭くて、かなり混み合っていたという意見も聞いておりますけれども、実態はどのようなものだったのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 旧一〇〇〇days劇場は、昨年の十一月三日時点では、入り口付近を含む施設の一部で民間店舗が営業を行っておりまして、使用できるスペースに一定の制約がございましたが、来場者が滞留することもなく、イベントは円滑に実施できたと認識しております。
 なお、当該店舗につきましては既に移転しておりまして、二〇一九年大会本番時には、入り口部分を含め、建物全体を有効に活用してファンゾーンを実施してまいります。

○石川委員 本番では、試合によってはかつてないほど多くの人が詰めかける可能性があるわけでありまして、建物全体を活用できるということは大変ありがたいなというふうに思っております。
 ただ、昨日の説明にあった一〇〇〇days劇場の一日当たりの入場者数五千人は、有楽町周辺エリア全体を考えると少し少ないように思うわけでありますけれども、安全確保等を含めた万全な体制をしいていただきたいと思っております。
 次に、昨年六月のテストマッチのジョージア戦では、雨に降られてしまいまして、調布駅前は人も少なく、運営に苦慮をしたわけでありますけれども、映画館を借り切ってのパブリックビューイングは私も参加をさせていただきましたけれども、大盛況だったわけであります。
 既に我が会派の白戸委員も述べておりますけれども、試合の内容や展開に対する解説を聞きながら、しかもゆったりとした席でラグビーを楽しむことができ、高い評価を与えることができると私自身も現場で思ったところでございます。
 特に会場に駆けつけるのが困難なお年寄りや障害のある方、お子様やお子様連れのご家族にとっては、最高の場の提供というふうにいえるんではないかと思います。しかも、雨が降っても、風が吹いても、天候にかかわらず対応できるわけであります。
 調布駅は、交通アクセスを分散するためにも、スタジアム向けのシャトルバスが運行されていたわけですけれども、このバス利用の乗車状況について伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 十一月三日のテストマッチにおいては、二〇一九年大会を想定しまして、交通分散に向けて、調布駅、西武多摩川線多磨駅、JR中央線武蔵境駅、武蔵小金井駅、小田急線狛江駅と会場をつなぐシャトルバスの運行を行うこととしまして、観客への周知に取り組みました。
 このうち、調布駅発着のシャトルバス発車状況につきましては、都が実施した交通量等調査によりますと、試合前の乗車人数は四百三十七人、試合後は千七百三十三人でございます。
 また、調布駅のシャトルバスの利用率は、平成二十九年度に実施しましたテストマッチと比較して、試合前は〇・四%から一%へ、試合後は一・九%から三・九%へ向上しました。

○石川委員 平成二十九年度に比較してシャトルバスの利用率は上昇しておりまして、認知度を高めればもっと拡大できるのかなと思っております。
 試合会場からシャトルバスを利用する人が駅前のファンゾーンを訪れる流れができていたわけですけれども、どのように流れを形成してきたのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 調布でのイベントにおいては、東京スタジアムで試合を観戦した方々に試合後の余韻を楽しんでいただくとともに、帰りの観戦客の混雑を緩和する観点から、試合後に現役ラグビー選手等と試合結果を振り返るアフタートークショーを実施しました。
 東京スタジアムからシャトルバス利用者の来場を促した結果、トークショーは立ち見が出るなど、多くの方々に楽しんでいただくことができたと思っております。

○石川委員 試合後のトークショーなどは、ラグビーをより楽しむ上でも有意義だったというふうに思っております。本番でもさらに充実をさせていただきたいと思います。
 どうも日本ではさまざまなことが目的的過ぎて、試合を見る人は試合を見て終わりという傾向が強いわけでありますけれども、ファンゾーンなどに立ち寄ってイベントに参加をして交流する文化を、今後ラグビーなどのスポーツだけではなくて、文化活動など含めて育てていくことが必要ではないかなと思っております。
 そのためにはイベントの内容をさらに充実をさせる必要があり、誘導も重要と考えております。これは東京だけでなく、二〇一七年十一月四日に行われました横浜国際総合競技場で全日本対オーストラリア戦を私も観戦したわけでありますけれども、その際も、シティードレッシングなどはしっかりと行われていましたけれども、スタジアム近くのファンゾーンは盛り上がりに欠けているという印象を持ったわけであります。試合を観戦するだけでなく、交流を含めたスポーツを楽しむ文化を発信していただきたいと思います。
 調布駅前広場はバスロータリーや駅にも隣接をしており、駅前におり立った人には、南口でも北口でも認知しやすい位置にあり、場所が開けているというのが強みでありまして、多くの来場が見込まれるわけであります。開幕戦でも、十九時以降ということで、暑さ問題も深刻ではないわけでありますし、台風等による降雨、風対策が課題といえば課題というふうになるわけでありますけれども、よさとしては、会場スペースの拡大がどんどんと必要に応じて席などをふやすことができるというのが強みではないかなと思っております。
 ファンゾーン運営計画素案ですと、調布駅前のパブリックビューイングはグリーンホールだけというようなことになっておりますが、調布駅前では、グリーンホールだけではなくて、屋外広場のパブリックビューイングも必要で、来客数に合わせた柔軟な対応が可能と考えますが、都の見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 十一月三日のイベントにおきましては、調布駅前広場においてパブリックビューイングを行いました。この日は日中の試合でございまして、日没ごろに試合が終了しましたが、二〇一九年大会につきましては、夕方以降に試合が多く設定されております。
 このため、夜間の寒さ対策、照明確保、音出し対策が必要でございまして、また、台風等による雨天対策も求められていることから、屋内会場であります調布市グリーンホールでパブリックビューイングを行うこととしました。
 多摩会場につきましては、来客数に合わせた柔軟な対応ができるという屋外の特性を踏まえ、周辺施設や地元市等とも調整を図り、さらなる盛り上げにつきまして検討してまいります。

○石川委員 グリーンホールは席に座って落ちついて映像等を楽しむことができ、また駅前広場では、通りすがりの人にも興味を持っていただくためにも、ぜひパブリックビューイングを実施していただきたいと思っております。
 また、もし使えないときにはグリーンホールの代替の場所というような想定もしているようでございますけれども、ぜひ、まずは全ての日程で使えるようにしっかりと交渉していただければありがたいと思います。
 次に、調布市では、まちづくりの総合計画である調布市総合計画ができ上がることになっておりまして、二〇二二年までの計画となっていますが、ラグビーワールドカップも視野に入れた計画にするといわれていますが、ファンゾーンの実施に当たって、調布市とどのように連携をしていくのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 昨年十二月に公表されました調布市基本計画素案におきましては、ラグビーワールドカップ等の好機を最大限に生かし、さまざまな角度から取り組みを通じて、まちづくりの多面的効果につなげていく必要があると記載されております。
 これまで調布市とはさまざまな点で連携を行ってまいりました。昨年六月二十三日や十一月三日のテストマッチにおけるラグビーイベント等においては、相互に広報紙やホームページ、SNS等を通じたPRを行いました。
 また、二〇一九年大会のファンゾーンに向けては、会場となる調布駅前広場の利用日や工事予定地の開放につきまして調布市と調整を行い、全面的な協力をいただいているところでございます。
 引き続き調布市と連携を図りながら、ファンゾーンやその周辺地域を含めた盛り上げを検討してまいります。

○石川委員 調布市としても、ワールドカップをまちづくりの多面的な効果につなげていくとしているわけでありまして、ワールドカップを一過性のものにしないためにも、また二〇二〇大会につなげていくためにも、都とも具体的な連携を図っていただければと思っております。
 次に、交通輸送計画について伺います。
 交通輸送基本計画において、飛田給駅の利用率は、入場時八〇%、退場時七六%となっており、同じ京王線の西調布駅は、入場時六%、退場時五%、西武多摩川線多磨駅は入場時四%、退場時五%となっているわけであります。
 ロンドンのトゥイッケナム・スタジアムからバスにたどり着くまで三、四十分近く歩いたという、そのような経験からしますと、私は、西調布駅も多磨駅も、国際的に見ても決して遠い駅には当たらないんじゃないかなというふうに思うわけであります。
 今回のテストマッチにおいても、鉄道については飛田給駅に観客が集中したようでございますけれども、飛田給駅の混雑緩和に向けて、他の最寄り駅の活用など、会場までのアクセスルートの分散を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 東京スタジアムに来場する観客の多くは、京王線飛田給駅を利用することから、飛田給駅での混雑を緩和するために、会場までのアクセスルートの分散を図る必要がございます。
 徒歩圏内の最寄り駅につきましては、飛田給駅のほか、西調布駅、西武多摩川線多磨駅としておりまして、歩行者に対する案内表示や誘導スタッフ等によりまして適切に誘導を行ってまいります。
 また、京王線の調布駅やJR中央線、小田急線等の駅とスタジアムを結ぶシャトルバスの利用をご案内し、アクセスルートの分散を図ってまいります。
 また、こうした取り組みにつきましては、駅、車内におけるポスター掲示やアナウンス、ホームページやSNSなど、多様な媒体を活用して観客に対する事前周知を図ってまいります。

○石川委員 西調布駅からスタジアムまで八分は決して遠い距離ではないわけで、西調布駅の比重をぜひ高めていただくと、検討していただきたいというふうに思います。
 今回のテストマッチの実態を見ましても、飛田給駅の負担が大き過ぎるように思うわけであります。お子さん連れで観戦をし、帰りに飛田給駅を利用した人の意見としては、駅のホームでの規制も余りなかったことから、危険さえ感じたというような感想も聞いているわけであります。
 当日、飛田給駅の帰りの駅構内、ホーム、乗り口での安全確保はどのように行われていたのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 飛田給駅の構内につきましては、京王電鉄が飛田給駅に到着する列車の混みぐあいや、ホームでの待機客の状況等を勘案しまして、安全確保に努めております。
 テストマッチ当日におきましては、試合終了後、ホームの混みぐあいに応じて、一時的、四分程度でございますが、入場規制をするなど安全確保に配慮した対応を行ったと聞いております。
 なお、京王電鉄によりますと、本大会時までに新宿方面への列車が発着します二番線、三番線にホームドアを設置する予定となっておるところでありまして、都は引き続き鉄道事業者と連携しながら観客の安全確保に努めてまいります。

○石川委員 大会までにホームドアの設置というのは、大変ありがたいと思っております。多摩地域の全体の駅でのホームドアの設置については、基準が高くてなかなか具体化は困難というふうに思っているわけでありますけれども、そういう意味でも、多摩地域の先駆けのモデルとなるようなことを期待しておきたいと思います。
 次に、ターミナル駅の京王線新宿駅でも混雑がひどく、ラグビーの試合によるものであることを知らないお客さんもいたようで、大会期間中は飛田給駅だけでなく、ターミナル駅においても、東京スタジアムに向かう観客で混雑が予想されるわけでありますけれども、テストマッチにおいて、新宿駅の混雑緩和に向けてどのような対応を事前に行ってきたのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 スタジアムに来場する観客の多くは、京王線新宿駅を利用します。新宿駅での混雑を緩和するために、JR中央線、小田急線等、京王線以外の利用促進や来場時間帯の分散に向けた取り組みを行いました。
 京王線以外の利用促進につきましては、西武多摩川線、JR中央線、小田急線と連結する駅と会場を結ぶシャトルバスの運行をバス事業者と協議の上、実施し、積極的に観客誘導を行いました。
 来場時間帯の分散につきましては、京王電鉄と協議し、昨年のテストマッチよりも四十五分早い、試合開始の二時間四十五分前から飛田給駅に臨時停車する特急、準特急の運行を行いました。
 これらの取り組みにつきましては、テストマッチ主催者である日本ラグビーフットボール協会が作成する大会チラシへアクセス案内を掲載するとともに、ホームページやSNSを活用し、東京スタジアムへのアクセス方法の周知を図りました。

○石川委員 ラグビーワールドカップが始まりますと、混雑に対する一般の人々の認識も浸透するということで、そんな大きな心配は要らないわけであります。かえってテストマッチの方が突然混むというような、そういう印象を持たれたのかなと、そんなふうに思っているところでございます。
 次に、シャトルバスの利用状況について伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 シャトルバス全体の利用状況につきましては、都が実施した交通量等調査によりますと、試合前の乗車人数は千五百四十九人、試合後は四千四百六十三人でした。
 また、シャトルバスの利用率につきましては、平成二十九年度に実施したテストマッチと比較しまして、試合前は二・九%から三・五%、試合後は六・五%から一〇・二%へ向上しました。

○石川委員 シャトルバスの利用も拡大をしているわけで、これも飛田給駅への集中を避けることにつながっていると思うわけであります。さらに拡大できれば、拡大していかなければならないと思っております。
 小田急線は狛江駅からシャトルバスがありますが、埼玉方面に直接つながる西武線関係の駅にはシャトルバスがないわけであります。国分寺駅からのシャトルバスの拡大によって、埼玉方面に直接つながる西武線沿線の人のアクセスを可能とすることと、京王線への負荷を低減していくというような考え方はありませんか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 シャトルバスにつきましては、運行主体となるバス事業者が限りある車両や人員を有効に活用し、大会時においても通常の路線バスの運行便数を維持しながら、より多くの観客を効率的に輸送できるよう、発着駅を設定することが重要でございます。
 そのため、二〇一八年三月に定めた交通輸送基本計画では、ラグビーテストマッチ等での運行実績を踏まえまして、バス事業者と協議を行い、シャトルバスの需要が高く、効率的な輸送が可能な調布駅、多磨駅、武蔵境駅、武蔵小金井駅、狛江駅を発着駅とすることを想定しており、こうした駅とのシャトルバスの運行によりまして、より多くの車両を振り向ける必要がございますため、現時点では、他の駅については運行対象として想定しておりません。

○石川委員 南武線への分散化についても、前にも提言をしたわけでございます。また、西武線ということで、国分寺というのを一つ例示させていただいたわけでございます。ラグビーワールドカップについては、特には拡大はしないという話でございますけれども、二〇二〇大会には、このラグビーワールドカップの状況を見ながら、二〇二〇大会での必要性がもしあるならば、これはぜひ拡大をしていただきたいと思います。
 なぜならば、狛江駅、決してそんな近いわけじゃないわけですけれども、小田急とつなぐ、南武線とつなぐ、西武とつなぐという、こういうような考え方もぜひ頭に置いていただければありがたいなと思います。
 また、東京スタジアム周辺に障害のある方などが利用できるタクシー乗り場の確保をしてほしいということ、以前にも伊藤副委員長の方からも質問させていただいたわけでございますけれども、現在もまだ検討中ということでございますけれども、これはもう絶対にしっかりと確保していただくことを求めておきたいと思います。
 次に、キャンプ地について伺います。
 都内では、大会出場国のキャンプ地となる自治体が決定をしているわけであります。滞在中のチームにかかわる費用は組織委員会が負担する仕組みとなっており、住民の皆さんが世界有数のラグビーチームと交流する機会となることは、イングランド大会の南アフリカのキャンプ地であったバーミンガム大学の現地視察でも確認することができました。
 特に大学の知名度の向上と、学生が国際大会のボランティア体験ができたことに大きな意義があったとしておりまして、大学側が負担した以上の経済価値があったことも試算をされており、シティーアイデンティティーを高める効果もあったとされているわけであります。
 調布市の近隣にあります武蔵野市、府中市、町田市は公認キャンプ地となるわけですけれども、ファンゾーンを盛り上げていくためにも、こうした自治体とも連携を図りながら取り組みを進めていくことが重要かと思うわけであります。都内のキャンプ地の準備状況について伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 公認チームキャンプ地につきましてでございますが、組織委員会が選定を行いまして、都内ではキャンプ地に立候補した武蔵野市、府中市、町田市がいずれも内定しております。
 武蔵野市についてはロシア、府中市についてはイングランドとフランス、町田市についてはナミビアが滞在する予定でございます。内定した各市におきましては、チーム視察対応や施設の整備等を行い、受け入れ準備を進めていると聞いております。

○石川委員 わかりました。まさにシティーアイデンティティーを高めること、あるいはまた、その後のレガシーとなるように、都としてもぜひ支援をしていただければと思います。
 また、実際にはキャンプ地に選定されるところではないわけでありますけれども、ラグビーを振興しようと思っている自治体は多くあるわけであります。パブリックビューイング等を実施し大会を盛り上げたいとする自治体もあるわけでございますけれども、自治体が進めるパブリックビューイングの開催予定と、都はこれらをどのように支援していくのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 都は、パブリックビューイングを行う区市町村に対する助成を平成三十一年度予算に計上しているところでございます。
 区市町村が行うパブリックビューイングにつきましては、大会主催者であるワールドラグビーから権利を得て、試合の放映権を販売する事業者が今後策定するガイドラインに基づいて実施する必要がございます。引き続き、ガイドラインにおいて指定される条件の情報収集に努め、適切に対応してまいります。

○石川委員 自治体のパブリックビューイングにつきましては、二〇二〇大会につながっていくということにもなるわけでありますので、支援をよろしくお願いいたします。
 次に、ボランティアについて伺います。
 今回、会場周辺三十二名、イベント会場十名のボランティアの方に働いていただいたわけでありますけれども、この四十二名のボランティアの方はどのように選考されたのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 二〇一九年大会本番での活動を予定しているボランティアの方々に、テストマッチにおきまして本番を想定したボランティア業務に従事していただくことで経験を深め、改善点をご提案いただくことを目的に、今般、ボランティアの募集を行いました。
 具体的には、本番のボランティアとして東京都から組織委員会に推薦を行った東京都観光ボランティア及び東京マラソン財団のボランティアの合計千六十名に案内を送付し、希望者を募りました。その結果、二百二十七名の応募がございまして、その中から抽せんにより選考しました。

○石川委員 ボランティアの皆さんからは、関連情報の事前説明が欲しかった、あるいはまた、シャトルバスの運行状況を適時情報提供してほしかったとの意見が寄せられているわけですけれども、ぜひしっかりと今後対応していただきたいと思います。
 ボランティアの方はどのくらいの時間携わっており、またどのような事前説明をいつ行ったのか、ちょっと細かい質問ですけれども、伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 ボランティアの実施時間は、配置場所によりまして、二時間から六時間程度でございまして、活動内容としては、会場最寄り駅に設置した案内ブースでの活動や、会場周辺でのシャトルバス運行情報の配布、ファンゾーン会場への案内誘導等に従事していただきました。
 また、ボランティアの方々には、事前に活動内容や留意事項等を記載したボランティア業務マニュアルを送付し、業務内容を把握いただくとともに、テストマッチ当日の業務開始三十分前に配置場所に集合いただき、現場の確認等を含めた事前説明を行いました。

○石川委員 わかりました。東京外語大がスタジアムの目の前にあるわけでございますけれども、外国語を勉強中の大学生ボランティアの活用など考えるべきじゃないかということを以前にも提案させていただいたわけでありますけれども、今後、ボランティアの方の多言語対応を進めるための都の対応について伺いたいと思います。また、ボランティア用の外国語対応のテキスト配布についても伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 二〇一九年大会の東京会場には、開幕戦のロシアを初め、フランス、アルゼンチンのように、英語以外を公用語とする国の代表チームも出場いたします。大会の雰囲気を盛り上げるためには、こうした国からの来場者にボランティアが可能な範囲でその母国語でコミュニケーションを行っていただくことが重要と認識しております。
 大会時に都内で活動する約二千四百名のボランティアは、英語を初め、外国語スキルを有する方が多数おられますことから、こうした方々にニーズの高い空港、駅、シャトルバス乗り場等で活動いただくとともに、対応可能な言語をわかりやすく上着などに表示するよう取り組んでまいります。
 また、各国の言語で簡単な挨拶等を行える会話集や、多言語対応の観光ガイドなどを作成いたしまして、外国語でのコミュニケーションに不安を持つ方でも、これらのツールを用いて外国人来場者に一定の案内ができるように取り組んでまいります。

○石川委員 対話集等、資料も用意をしているということでございますので、研修なども予定をされておりますので、ぜひその中でもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、安全対策について伺います。
 今回のテストマッチでのスタジアムへのペットボトルの持ち込みについての状況と、今後本番ではどうするのか伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 今回のテストマッチにおけるペットボトルの持ち込みについて、主催者である日本ラグビーフットボール協会は、国内で行われてきたこれまでのラグビーテストマッチの運営実績と同様に、特段の制限は行っておりません。
 しかし、二〇一九年大会では、組織委員会が定めたワールドカップチケット規約におきまして、ペットボトルは持ち込み禁止品とされており、所持している場合は廃棄等をすることになります。

○石川委員 わかりました。今まで国内で開かれている大会では、ペットボトルは持ち込みができるというのが来客される皆さんの常識になってしまっているわけでありますので、本大会ではそういうわけではないということですので、そのあたりのPRですとか、現場での対応をしっかりとやっていく必要があるのかなと、こんなふうに思っております。
 また、ファンゾーンではアルコール類の販売が行われ、テストマッチも東京スタジアムにおいてアルコール類の販売は行われ、また大会本番時にも会場内でアルコールの販売は行われるわけであります。
 今回のテストマッチは日本ラグビーフットボール協会が主催をしたわけですけれども、二〇一九年大会では次のような規定になっているわけであります。
 ラグビーワールドカップ組織委員会、ラグビーワールドカップリミテッドまたは権限者は、チケット所持者が以下に該当する場合または以下の行為を行おうとする場合、払い戻しまたは補償をすることなく当該チケット所持者の会場への入場を拒否しまたは既に入場した会場から退場させることができます。アルコール、薬物、その他行動に影響を及ぼす物質の影響下にあることが明らかである場合や、暴力、他害または公の秩序や安全に反する行動を行うか、そのような可能性があると権限者が判断した場合というふうになっているわけでありますけれども、今回のテストマッチにおけるラグビー協会の安全に反する行動等への対応状況と、本番における対応について伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 テストマッチにおいては、大会主催者が観戦ガイドの中で、危険物の持ち込みや危険行為を行った場合には、退場や入場禁止の処分になること等の注意事項を定め、チケット購入時やホームページにより周知を行いました。
 当日は会場内で危険行為等が行われないように、手荷物検査や係員等による監視を行うなど、安全確保対策を行った結果、退場や入場禁止を行った実績はなかったと報告を受けております。
 二〇一九年大会におきましては、組織委員会がチケット規約の中で、大会の円滑な運営や危機管理等を目的に、会場への入場に関する条件等を定め、今後さまざまな機会に周知を図っていきます。
 安全に反する行動等の判断につきましては、現場の警備員や大会関係者が観客の言動の観察を行う等、対応マニュアルに基づきまして運営主体である組織委員会が適切に判断し、対応していくことになる、そうなっております。

○石川委員 泥酔をしている場合などはもう、そもそもその会場に入ることができないと、また入ってそのような状態になった場合は出されてしまうと、こういうようなことも当然起こり得るというふうになっているわけでありまして、現場の警備員等とも事前にしっかりと本番では対応していただければありがたいなと思っております。
 開催都市は開催自治体協議会が設立をされておりまして、当初東京都知事が、今は横浜市長が協議会の会長となっているわけであります。全国で試合が行われ、国と自治体、自治体と自治体の連携をしっかりとしたものにしていかなければならないことは当然のことかと思います。
 これまで協議会として、大会の機運醸成や、ラグビーの普及啓発等に向けた取り組みへの国要望や、全国自治宝くじ事務協議会への資金協賛の要望を実施し、合計百億円の資金協賛を得るなどしてきたと思いますが、引き続き関係者と連携を図りながら、大会成功に向けて準備を進めていただきたいと思っております。
 また、ラグビーワールドカップの目標の一つに、嶋津事務総長が、先日行われました東京ラグビーキャラバンで、ワールドカップを東京五輪につなげ、震災復興の状況を世界に発信したいと述べております。被災地の釜石復興スタジアムで試合が開催されることはその目的にかなっているわけであります。各自治体も、東日本大震災の復興の支援や、復興しつつある姿を世界に発信する取り組みが必要であり、連携しながら具体的な内容を詰めていっていただきたいと思います。
 最後に、局長のラグビーワールドカップ成功に向けての決意を伺います。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長
先ほど来お話ございましたが、昨年行われましたテストマッチには、国内におけますラグビー日本代表戦で過去最高となる観客が来場いたしました。また、二〇一九年大会のチケット販売も好調のようでございます。
 こうした盛り上がりを生かし、より多くの皆様にラグビーの魅力やおもしろさを伝えられるよう、さらなる機運醸成に取り組み、大会への期待感を一層高めていきたいというふうに考えております。
 アジア初となるこの大会の成功に向けまして、テストマッチでの経験も生かしまして、開催準備や機運醸成の取り組みを加速してまいります。都議会の皆様を初め、組織委員会、都内の市区町村、そして他の開催都市など、関係する関係機関とも連携をいたしまして、二〇一九年大会の成功に向けまして、安全・安心あるいは円滑な大会運営がなされるよう全力を挙げて取り組んでまいります。そして、その成功を来年の東京二〇二〇大会へとつなげていきたいというふうに考えております。

○石川委員 ラグビーは紳士のスポーツであり、おおらかなスポーツで、戦いと調和をしっかりけじめをつけられる文化を有しているわけであります。ラグビー文化とは、激しさと冷静さ、個人の力と連帯による調和、それを見事に日本が発信した英語として、試合が終わればノーサイドというすぐれたコンセプトを我が国日本のラグビー界は生み出しているわけであります。
 終われば敵も味方もない、ノーサイドの精神文化を我が国のラグビー文化の象徴として発信し、広めていくことを都議会ラグビーワールドカップ成功議員連盟の一人として表明をして、質問を終わります。

○川松委員 ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会におきまして、東京スタジアムの使用をワールドラグビーや日本ラグビー協会に要請を始めて以来、開催都市の責任としてファンゾーンを設置する、これが重要なんだということを私たちは受けとめて、オリンピック・パラリンピック準備局に対して再三にわたり、ファンゾーンの内容の充実、試合の開催と同等の力を入れて設置準備を進めていただくよう、何度も要望を繰り返してまいりました。
 二〇一五年イングランド大会におきましても、理事者の皆様もファンゾーンを視察し研究する必要があることを強く主張してきたわけであります。特にイングランド大会におけるロンドン市内に設置されたファンゾーンでは、単純にパブリックビューイングを行っているのではなくて、大会全体を盛り上げるために、各所に工夫をして、老若男女が大会に対して期待感を膨らませるような雰囲気をつくっていたのが私にとっては印象的であります。
 また、開会式を初め、イングランド大会のメーン会場となりましたトゥイッケナム・スタジアムの近くに設置されましたリッチモンドのファンゾーンでは、チケットホルダーもノンホルダーも、各試合、大会を楽しむためにエンターテインメントの要素が散りばめられており、広い空間全体に誰もが一歩足を踏み入れると、わくわく感を持った、そういうファンゾーンであったわけであります。
 二〇一五年に比べて、四年後でありますけれども、この四年間の間にもIT関連の技術は進歩し、特に日本においてはエンタメコンテンツをたくさん抱えている中で、前回大会を超える夢が詰まるファンゾーンを設置して、九月二十日の開会式、開幕戦以降、十一月二日の決勝まで東京中、日本中にその熱を伝える拠点として、ダイナミックに東京のファンゾーンを運用していく必要があるのは明白であります。
 そのようなこだわりを持ちまして、この特別委員会でもファンゾーンについては議論を重ねてきたわけでありますが、今回出された運営計画素案を見て疑問に感じたところをこれから幾つか伺ってまいります。
 まず改めて、東京都が考えるファンゾーンの目的は何か教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 都におけるファンゾーンは、全ての人が国籍や性別、応援するチーム等の垣根を越え、ラグビーを愛する心を持って語り合い、打ち解け合い、その輪を広げていく場としております。
 多摩会場は試合会場に隣接し、区部会場は銀座や丸の内に近接していることから、多くの方々に来場していただきやすい場所でございます。試合チケットの有無にかかわらず、ファンゾーンに訪れた多くの人たちがラグビーワールドカップの興奮と感動を共有して、忘れられない記憶を刻む体験をしていただくことが目的であると考えております。

○川松委員 ありがとうございます。まさにラグビーワールドカップの興奮と感動を共有して忘れられない記憶を刻む体験という答弁があったわけですが、これは決して試合を見たというだけではなくて、その空間で何をしたか、何があったかということも含めて記憶であります。
 そうすると、今大会のビジョンであります「絆 協創 そして前へ」を、どうこのファンゾーンは実現のために貢献していけるのか、これが大きなテーマになってきます。また、二〇一九年の組織委員会、JR二〇一九によれば、ファンゾーンポリシー運営ビジョンでは、地域の特色を出すということもしっかりとうたわれているわけであります。特に今回の区部会場は、今お話もありましたように、有楽町の駅前ですから、東京の中心というだけではなくて、まさにこれ、日本の中心に置かれるファンゾーンなわけです。
 去年の一年前のイベント、これ、都はこの会場から徒歩圏内の銀座の数寄屋橋交差点で行ったわけですが、このときには、例えばモデルのトラウデン直美さんや、まいさんのトークショーがあったり、そこにまたジュニアの子たちを中心としたラグビー体験もあったり、一日限りのイベントとしては、限界点はあったとしても、よかった点、悪かった点がいろいろあったかと思います。
 そういったイベントも含めてきた中で、ことしの九月のファンゾーン設置を迎えて運営をしていくわけですけれども、都が経験してきたことをどれだけ生かしていけるか、そのファンゾーン運営は、まさに過去の蓄積の中でそれをばねにして、どれだけ飛躍できるかというものの責任が東京都にあるんだろうと思います。
 例えば先ほど触れましたイングランド大会でのレビューなどは、現地にはCLAIRのロンドンもあるわけですから、これ、現地と協力しながら調査分析をしたとは思いますけれども、現状どうなっているのか教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 これまでも文献等での調査や、イングランド大会への視察で得た情報や大会の記録を参考にイベント運営を行い、検証を重ねてまいりました。さらに、自治体国際化協会を通じまして、より深く調査するなど、さまざまな事例をよりきめ細かく調べてまいります。
 また、事業者選定手続などで幅広く提案を受けるなど、創意工夫を凝らしまして、ラグビーワールドカップ二〇一九年大会を象徴するファンゾーンとなるよう努めてまいります。

○川松委員 特にトラファルガー広場のファンゾーンは、まさに自治体国際化協会、CLAIRの現地事務所の目の前でございましたから、日々の流れの様子も現地の人たちは見てきたはずです。意見を聞いていただいて十分に活用していただきたいと思います。
 これ、二〇一五年のイングランドの話ですけれども、その前の一一年のニュージーランドの大会のまちの様子、試合が始まって、試合後のまちの様子なども、皆さんもぜひ調査していただいて、僕はこれ、何年も前からファンゾーンについていっていることがまだまだ伝わっていないように思いますので、しっかりとやっていただきたいと思います。
 今回の素案では、ファンゾーンの開催日を十五日間としています。大会は九月二十日から十一月二日まであるわけですけれども、開催を十五日間とした考え方、それ以外の日は開催しないのかお伺いします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 開催日につきましては、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会が策定したガイドラインにおきまして、ファンゾーンの開催日は、開催都市での試合日、日本代表の試合日、準決勝、決勝を含み、最低十日間とすることとされております。
 これを踏まえますと、都においては十三日となりますが、より多くの方に来場していただくため、集客が見込まれます大会期間中の全ての土日を含めた十五日間を開催日として想定しました。
 それ以外の日につきましては、主に平日でございまして、試合を開催されていない日も含まれますが、この間におきましても、二〇一九年大会を盛り上げていくことは重要であると考えております。会場の確保や関係者等と調整など課題はございますが、両会場の特性を考慮し、どのように盛り上げを図っていくのか検討してまいります。

○川松委員 今、十五日の考え方というのは、東京でいえば東京スタジアム、開催都市としての試合がある日、日本代表の試合、そして土日、それ以外については何かやらなきゃいけないなというようなニュアンスを伺ったわけですけれども、最初にいったように、このファンゾーンというのは、東京のファンゾーンでもあると同時に、あれだけの立地にあるわけですから、大会全体を盛り上げるためのファンゾーンという意味合いでいくと、僕はこの十五日間というのは少し短いと感じています。
 もちろん、今いったように多摩の会場、こちらは東京スタジアムの試合の開催と、より有楽町に比べれば、かなり中身の濃く連動する調布の会場になるわけです。ですから、有楽町と調布では、目的も変えて、今回の素案から実現に向けて進んでいっていただきたいと思いますが、そういう意味でいくと、この会場を同条件で区切っていくという発想が僕はちょっともったいない気がするわけですね。
 有楽町のファンゾーンは、二〇一九年大会は九月二十日に始まったら、このまち中にある大会の象徴として、期間中、大きな期待を寄せられるのではないかと思います。原則論でいえば、今、部長が答弁していただいたような十五日間になろうかと思いますけれども、今、ファンゾーン開催日に入っていない平日には、日本にもファンが多いニュージーランドの試合がある、オーストラリアの試合がある、南アフリカ、イングランドのゲームが実は予定されているんです。
 一方、地方の会場、東京以外の会場ということでいくと、釜石であったり熊谷、豊田、静岡、あるいは、そういった大都市外の会場があるわけですね。何をいいたいかというと、この有楽町は、僕は大会を盛り上げるためにより稼働させるべきだと思っていまして、各地を応援するという意味合いも持たせたらどうでしょう。
 平日をクローズにするのではなくて、平日を上手に活用することで週末の試合の盛り上げもできるし、ファンがいる、例えばニュージーランドの試合なんていうのは恐らく盛り上がりますから、そういう人たちを応援する。そして、釜石で試合がある前後であれば、今の被災地の状況を応援するようなプログラムを組んでみる。静岡に対しては静岡の物産を持ってくるとか、そういうような、日本中の大会の拠点となるようなファンゾーン運営が私は有楽町には必要だと思っています。
 ですので、改めていいますけれども、平日をクローズにするのではなくて、有楽町のファンゾーンは九月二十日から十一月二日まで全日程とすることを東京都に強く要望しておきます。
 さて、今回の素案に出てまいりました運営計画のイメージ図というのがありますが、これが何かどこにでもあるようなイベントの図みたいに私は感じてしまって、ファンゾーンを本当に盛り上げようとしているのか、ここに人を集めようとしているのか、最初に部長がおっしゃったような忘れられない記憶を刻む体験をここでしていただこうと思っているのかという情熱を私は全く感じないんですが、今回の素案に載っているイメージ図は誰がどう決定したのかお伺いします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 多摩会場及び区部会場の概要図につきまして、都民の皆様にファンゾーンをわかりやすくイメージしてもらえるよう、都が一例として作成したものでございます。
 作成に当たりましては、組織委員会から示されておりますファンゾーンガイドラインに基づきまして、それぞれの会場の地域特性や施設特性等を踏まえるとともに、これまでのテストマッチに合わせて実施した有楽町や調布等でのイベント内容も考慮しました。
 ガイドラインにおきまして、パブリックビューイングやケータリング、ラグビー体験等のエリアを設置することが求められておりますが、具体的なレイアウトや詳細な実施内容につきましては、事業者からの提案、組織委員会を初めとした関係者の意見も踏まえながら、今後検討を進めてまいります。

○川松委員 ですから、これはあくまでイメージ図であって決定ではないということはわかるんですけれども、結果として、これはこの先、恐らく外部のどこかの事業体に運営を委託することになると思いますが、公式発表の文書に、一階はこうなっていますよ、二階はこうなっていますよ、三階はこうなっていますよというイメージ図が出てきて、それから計画を進めていくと、どうしてもイメージ図に人々は引っ張られちゃうんじゃないかなという思いもありますので、改めて今後外部の委託に当たっては、そのあたり注意を払って準備を進めていただきたいと要望しておきます。
 また、答弁の中に過去のテストマッチについての言及がありましたけれども、直近の十一月三日のテストマッチでの経験を今回の運営計画のどこにどのように反映させたのか、お伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 十一月三日に有楽町で実施したイベントは、有楽町の駅前でありまして、銀座エリアに近いことから、周辺施設の買い物客等の来場も多く見られました。本番のファンゾーンでも、丸の内、銀座エリアへ面的広がりを持たせ、幅広くPRを行うことで、観光客、買い物客、ビジネスパーソンなど、多くの集客に結びつけたいと考えております。
 コンテンツの中身としましては、大型モニターを三台設置しまして、多様なスタイルでパブリックビューイングを楽しんでいただくとともに、開催サポーターによるトークショーやミニライブ等を行いまして、初心者にも楽しめる工夫を行いました。こうした内容は、本番のファンゾーンでも参考にしてまいりたいと思っております。
 また、調布のイベントにつきましては、家族連れの来場者が多くありまして、子供がラグビー体験を楽しむ様子が多く見られたことから、ラグビーファンだけでなく、親子で楽しむことができる内容について検討しております。
 さらに、試合終了後に実施したラグビー選手等によるアフタートークショーによりまして、スタジアムから調布駅に向かうシャトルバス利用者にも足を運んでいただけました。このため、試合会場との一体性を確保した運営を行うこと等によりまして、試合前は期待を高め、試合後は余韻を楽しんでいただけるようなファンゾーンとなるよう検討を行ってまいります。

○川松委員 もう十一月三日の終わったことを私がここでああだこうだいうことはありませんけれども、我が党の吉原副委員長もこの件については、本件について鋭く指摘をしてきましたが、今、いい点ばかり一生懸命選んで反映させたということをいっていますけれども、悪い点もあるわけですよ。
 そこが何で悪かったかということも含めないと、僕は今のまた延長線で入ってくることが危ないなといっているんです。悪い点もかなりあったわけです。それを改善して、特に多摩の会場について、調布の会場についてはやるべきことがたくさんありますから、引き締めてやっていただきたいと思います。
 多摩会場については、都内のラグビークラブチームと連携するというふうに計画に記載されているんですけれども、どのような内容を考えているのか教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 都内には、多摩地域を中心としまして、ラグビートップリーグ等に参加するクラブチームが多くあることから、これを地域の魅力として捉え、連携を図りながら二〇一九年大会を盛り上げていきたいと考えております。
 具体的には、ラグビー体験コーナーにて選手やコーチ等によるタックルやパス回し等の指導や、パブリックビューイング等における解説、トークショーへの出演などが例として考えられます。
 今後、事業者からの提案や関係者からの意見を踏まえまして、より多くの方に楽しんでいただける具体的な取り組み内容を検討してまいります。

○川松委員 つまり今の話というのは、ありきたりな話なんですよ。誰もが思いつくことを一生に一度だといっているイベントでやろうとしていることとしてはもったいない。せっかくトップ選手を呼んで何かをやろうというんだったら、もっとその先のことを考えていく必要があるんじゃないかなと私は思います。アイデアをもっとより広範囲な層からいっぱいいただいて、そして多くの人が集まるような、楽しいなと、そして最終的には振り返ってもらうようなものを実現しなければいけません。
 その中で考えると、こちらのパブリックビューイングについては、より人に参加してもらう。何だろう、そこに目的を持ってくる人も当然いると思いますけれども、ほとんどの方はわからないままそこに来るという方もいるわけで、その人たちを巻き込むためには、僕は屋内のパブリックビューイングよりも屋外のパブリックビューイングこそが人に対しての訴求力が大きいと思うんですが、これ、屋外では調布は実施しないのか教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 二〇一九年大会における試合は、その多くが夕方以降に行われることとなっておりまして、夜間の寒さ対策、照明確保、音出し対策が必要でございます。
 また、大会が始まる九月は台風等に伴う雨天対策も求められることから、多摩会場においては、調布市グリーンホールでパブリックビューイングを行うこととしたものでございます。
 より多くの方々にファンゾーンに来場していただき、二〇一九年大会の感動と興奮を共有していただくことは重要でございまして、そのためには魅力的なコンテンツが不可欠であると考えております。多摩会場におけるさらなる盛り上げにつきまして、地元市や関係団体とも調整を図り、連携しながら検討を進めてまいります。

○川松委員 特に多摩会場は拠点としたいんだと。多摩のスポーツの振興という意味も含めると、いろんな条件はあると思いますけれども、やはり屋外で、駅、出てきて、目に見えるところで触れてもらう。何だろうなと思った人たちがまたSNSで拡散していって、次の人を呼んでいく。次から次へと人の連鎖ができていくような仕掛けが必要だと思います。とにかくベストな選択をどうしていくかということは大切ですので、多摩と有楽町を切り分けて考えていただきたいと思います。
 その中でいくと、区部の会場というのは、先ほど話が出たように丸の内エリアがある、銀座エリアがあるということで面的広がりを創出していくんだということでありますけれども、現時点ではどういう面的な連携を考えているのか教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 区部会場は周辺に東京交通会館や東京国際フォーラムなどの施設があるとともに、日本を代表する繁華街である銀座エリア、オフィス街の丸の内エリアに隣接しております。
 こうした区部会場の立地特性を最大限生かし、周辺地域の施設や企業、商店街と連携した都市装飾の展開を初め、大会スポンサー等と協調したイベントの実施等、ファンゾーンを中心としたエリア全体で回遊性を持たせながら二〇一九年大会を盛り上げてまいることを検討しております。

○川松委員 有楽町も本来は、我々は日比谷公園だとか屋外でやることが多くの人たちに広がるためには必要だといっていましたけれども、有楽町の駅前の建物になりました。そこをどう面的に広げていくかというのは非常に大切な話なんですね。
 具体的な取り組みについては今検討していくということでしたけれども、大・丸・有のエリアマネジメントの考え方が東京都にはこれまであったはずです。どういうふうに人を歩かせる、回遊性を持たせるか、そして、銀座なら銀座に来た買い物の皆さん、あるいは世界から多くの人たちに集まってもらおうといっても、アジアの方たちや欧米の方で、それぞれ出身の国や地域の特性から求めてくるものも違うわけです。
 このエリア、隣の東京駅を考えると、東京マラソンのゴールも今、東京駅の目の前にあるわけですし、その一帯を、空間をどう使うか。あるいは、丸の内エリアには大会の有力なスポンサーの拠点もあります。この面的な広がりをどう日本中に広げていくかというのが課題だというふうに私はお伝えしているんですね。
 有楽町もそうですけれども、東京駅というエリアで考えれば、熊谷、豊田、静岡、大阪、神戸、新横浜、これ、みんな東京駅から一本で行けるところなんです。ですから、他会場と連携をするということも、この東京だからこそできる。東京が結節点になるという発想で、ファンゾーンが一翼を担っていくという考え方を持っていただきたいと思いますが、なかなかそういう発想にならないので、どうしても議論がきょうはかみ合っていないわけですね。
 いろいろと語っていますけれども、都心のファンゾーンというのは、要はパブリックビューイングを楽しむと皆さんいうんだけれども、パブリックビューイングというのは要素の一つであって、僕は目的じゃないんだと思うんですね。
 パブリックビューイングの大型ビジョンを設置するんだったら、別に家のテレビを見たらいいじゃないですか。区市町村のパブリックビューイングも設置するわけでしょう。そことの違いというのを明確にするのがファンゾーンの存在だと僕は思います。
 今触れましたけれども、区市町村が実施するパブリックビューイングのイベントとこの都心のファンゾーン、現状でどうやってすみ分けようと思っているんですか。考え方を教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 都が実施するファンゾーンは、大型ビジョンによるパブリックビューイングを実施するほか、ステージでのイベント、ラグビー体験、ケータリング、さらに大会スポンサーによるブースや公式グッズ販売店の設置など、さまざまなコンテンツを集約しておりまして、大人も子供も誰もが楽しむことができる場であると考えております。
 ファンゾーン以外にも、区市町村や大会スポンサー、スポーツバーにおいてもパブリックビューイングを行うことが想定されますが、それぞれの会場の特性や特色などを生かしつつ、誰もが好きなスタイルで楽しむことができるよう、都内全体で二〇一九年大会を盛り上げていきたいと考えております。

○川松委員 今、もう二月です。あっという間に九月がやってくる中で、まだ今の段階でぼやっとした回答でありますが、見る人が好きなスタイルで楽しんでいただけるよう都内全体で盛り上げていきたいという部長の考え方はわかるんですが、これ、見る人が好きなスタイルで楽しんでといって、ファンゾーンが頑張らなかったら、ファンゾーンに人が来ないで、みんな外に人が行ってしまって、何のためのファンゾーンだったかという議論にならないように、ここはとにかく腰を据えて準備していただきたいと思います。
 先ほどラグビー選手を調布に呼ぶというアイデアも披露していただいたわけですが、むしろ、今のラグビーのトップリーグというのは地域との連動が進んでいるんです。だからこそ、区市町村のパブリックビューイングにこそ、都内のトップ選手たちが連動しながら動くことがいいんじゃないかなと僕は思っています。
 ファンゾーンは、目的も中身も、いわゆるパブリックビューイングだけではないので、さまざまなものがあります。共存共栄、もちろん区市町村のパブリックビューイングもあり、でも、日本代表戦以外も開くファンゾーンの中では、じゃあ、次はファンゾーンへ行ったらこんなこともありますよ、こういう体験もできますよというふうに宣伝が広がっていくような開催、だからこそ平日のファンゾーン開催というのが大切になってくるんだということでお聞きしますが、大会期間中に、一回行ったらもういいやではなくて、何度もファンゾーンに足を運んでもらうためには、ファンゾーンの空間そのものを魅力あるものにしなきゃいけないわけです。先ほどのイメージ図のようなものでは無理だと僕は思います。
 ですので、改めて都はファンゾーンをどう運用していこうとされているのか、考えを教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 大会期間中、七週間にわたって開催されるファンゾーンに何度も来場していただくためには、飽きさせないよう工夫を凝らし、実施していくことが必要であると考えております。
 特に日本代表の試合とそれ以外の試合では、来場される人数や客層が異なるものと考えられます。こうした違いを踏まえるとともに、その日の出場国に合わせたケータリングの提供や、試合の合間時間を活用したイベントの企画など、事業者からの提案等も踏まえながら、今後さらに検討を進めてまいります。

○川松委員 今僕がいった何度も来てもらいたいというのは、仮にも一五年大会のファンゾーンへ行った方ならわかると思うんですよね。小山委員長や石川理事含め、またここにいらっしゃる理事者の中に行った方がいるのかいないのか、ちょっとわかりませんけれども、僕はそのことが年も明けて二〇一九年にもなっているのに、ぼやっとしているから心配なんです。本当に大丈夫なのかなと思っています。
 これ、幅広く、いろんな人たちにファンゾーンに足を運んでいただきたいというのは当然ですが、二〇二〇年大会へのつながりを考えると、在京、在勤の外国人だけではなくて、この期間観光で訪れる方にも、たくさんファンゾーンに訪れていただきたいわけです。
 そう考えると、僕、これも考え方をお聞きしたいんですが、区部の会場で一日の来場者想定数五千人というのは、部長、これ、少々控え目な数字だと思いませんか。これだけ聞かせてください。なぜ調布と有楽町と一日の来場者想定数、両方とも五千人でそろえちゃっているんですか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 来場者数の想定でございますけれども、東京スタジアムで試合が開催される日とそうでない日ということで、いろいろな日があるというふうに想定しております。
 東京スタジアムで開催される日は、それ以上のものを我々としては見込んでやっていきたいと思っておりますが、そうじゃない日もございますので、それを平均して五千人と考えております。

○川松委員 つまり、それは調布の考え方ですよね。有楽町はもっと五千人超えて、毎日集まるようにしなきゃいけないと思います。九月二十日よりも十一月二日のときには、さらに人でにぎわっているというのが、大会を通じて、このファンゾーンが盛り上がっていく様子をみんなで見詰めていかなきゃいけないと思うんですが、恐らく日本大会開催中は、有楽町に行けばオフィシャルグッズが買えるんじゃないかなという話が広がって、次から次へと僕は人が来るような気がするんです。
 ある意味において、区市町村のパブリックビューイングというのは、試合をみんなで見ましょうよ、みんなでその空間を体験しましょうよというものですけれども、このファンゾーンというのは、最初にいったように大会のPRの拠点でもあり、ラグビーを通じたアミューズメントパーク的な思いで来る人たちがいるということをしっかりと認識して準備していただきたいんですね。
 実際に、これはどのオリンピックもそうだと思いますし、ラグビーのワールドカップもそうですが、公式グッズが売られているところって数がないわけですよ。こことここで一番近いところはどこかなと考えながら行ったりするわけです。そういう人たちをどうターゲットにしていくかという魅力も踏まえながら努力をしていく、それがファンゾーンの設置の意味なんじゃないかなと私は考えます。
 だからこそ、工夫をしっかりしていただきたい。そして、わくわくどきどきするような空間をつくり上げていく。これだからこそ、二〇一九年大会のファンゾーンというのは前例にとらわれない発想で企画を進めるべきだと私は今までいってきたんですが、では、ファンゾーンの運営に関する委託業者、委託団体を皆さんはどうやって決定されようとしているのか教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 ファンゾーンの実施運営業務委託につきましては、総合評価方式にて受託事業者を決定する予定となっております。
 総合評価方式の場合は、価格競争に加えまして、参加者からの提案内容も踏まえ、総合的に判断し、事業者を決定してまいります。事業者の決定に当たりましては、多摩会場と区部会場のそれぞれの地域特性を生かした、多様で魅力的なファンゾーンを提案する参加者を選定していきたいと考えております。

○川松委員 これは新年度になって計画の素案が取れて、どう進んでいくかということになると思いますけれども、二〇一九年大会の東京開催が決まってから、内定してから、私はあらゆる面で理事者の皆さんとこの件に向き合ってきたんですが、常にいわれてきたことが、予算がない、予算がないということなんです。
 ここは、もう一生に一度だと先ほどいいましたけれども、このテーマの思いで大胆な決断をすべきだと思います。恐らく私の話を聞いていて、この後、ファンゾーンにお金がかかったといって批判される委員の人もいないと思いますから、しっかりと、ここの一九年大会の成功こそが二〇年大会のライブサイトにつながっていくという思いで、ファンゾーンは、どういう提案がこれから出てくるかわかりませんけれども、これが大会を盛り上げる象徴になるんだというよい提案があったら、そこは大きな決断をして選択していただくよう強く要望して、ライブサイトの質問に行きます。
 今回発表されました二〇二〇年大会のライブサイトは、区部の拠点として代々木公園、多摩の拠点として井の頭公園となっており、そのほか都内各地にさまざまな拠点を設けることになっています。
 代々木と井の頭を見ただけでも、公園の中身も大分違うわけですし、地域には特性があり、会場によって、そこに集まってくる人々のターゲット層、あるいはテーマが異なるのではないかと思います。
 例えば、今挙げた代々木公園は、渋谷、原宿という地域であり、まさに今の日本の若者やポップカルチャーの中心地であります。こちらはそのようなエンタメだったりダンスなどの要素を取り入れることで、例えばですけれども、大会期間中の渋谷の交差点の混乱を回避できる可能性もあるんじゃないかなと思っているんですね。
 去年のハロウィンで大きくメディアに取り上げられたように、ひとたび盛り上がろうとするスイッチが入った人たちが、何のルールもない、何の規制もないスクランブル交差点に殺到すると、さらに勢いがついてしまうということは、明確に皆さんよくわかっているわけです。こういう原因をつくらない。
 別にこれ、私は今回、代々木公園をスクランブル交差点にしろといっているわけではなくて、そういうルールをつくったところに人を誘導していく工夫が必要だということで私は話をしているわけです。
 彼らのような若い人たちの思いを受けとめる、そして若くない人たちの思いも受けとめられるような要素を持つことが、今回二〇二〇年大会のライブサイトを設置していく中で、実は二〇二〇年を超えて東京というまちの方向性をどう伸ばしていくか、それぞれのまちを伸ばしていくかというヒントがこのライブサイトの運営にあるのではないかと私は思っています。
 これまでリオ大会のときや平昌大会のときにも、東京都はライブサイトにチャレンジしてきたわけですが、これも、さっきの議論と一緒になるんですが、どこかありきたりなイベントで、大型ビジョンがあってブースが並んでいる。あるいは、スペースの全体のマネジメントという点においては、本当に平昌大会をもっと盛り上げようと思っていたか、リオ大会をもっと盛り上げようと思っていたかというような熱が少し足りなかったんじゃないかなというふうに思っています。
 直近の平昌大会においても、井の頭公園であったり臨海部で、お互いが大きく演出が変わっていたかというと、やっていた、向かっていた方向性は、井の頭公園と臨海部でそんなに変わっていなかった。だからこそ、次の二〇二〇年は、別に僕は過去の大会のことをいうのではなくて、やはりそれぞれの会場、拠点となる会場の地域の特性を生かして、ターゲット層をしっかり絞った取り組みでやることが効果的だと考えますけれども、都の見解を教えてください。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇ライブサイト等会場の運営に当たり、各会場の立地特性などに応じた実施内容を工夫していくことは重要でございます。
 東京二〇二〇ライブサイトの区部拠点会場である代々木公園については、若者や外国人観光客が多く集まる地域に位置し、競技会場にも隣接しております。こうした特性を踏まえ、競技中継やステージイベント等、来場者に楽しんでいただける実施内容を検討してまいります。
 また、東京二〇二〇ライブサイトの多摩拠点会場である井の頭恩賜公園については、自然豊かな憩いの場を訪れる子供たちやファミリー層が安全、快適に大会を楽しんでいただけるよう、競技中継や競技体験等を工夫してまいります。
 今後、各会場の具体的な実施内容については、地元自治体等関係者のご意見も伺いながら、さらに検討し、各会場の特性を生かした運営となるよう取り組みを進めてまいります。

○川松委員 今の答弁は大変重要でして、各会場の特性を生かした運営となるよう取り組んでいくということでありました。本当にここは大切ですので、それぞれの特徴、それぞれの地域の次の二〇三〇年、四〇年に向かった繁栄の拠点づくりという思いでもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 先ほど、例えば渋谷の立地の面から渋谷の話をしたわけですが、上野公園であれば、上野公園というのは皆さんご承知のとおり国立、都立の文化施設が周辺を取り巻く形で並んでいます。そうすると、今度は文化事業との連携の中でライブサイトをどう運営していくか。これ、ライブサイトの冠がつくと、いわゆるオリンピックのいろんな規定の中があるのはわかりますけれども、オリンピックの規定の内と外側で、どうやったらうまく連携できるかという工夫もしながらまちをつくっていく、ライブサイトをつくっていくことが重要であるというふうに指摘しておきます。
 日比谷公園であれば、先ほどの有楽町の話ではないですけれども、銀座や東京駅に近い。そしてまた、JR東日本との協力で高輪ゲートウェイ駅前用地でのライブサイトも考えておられるわけで、今度はこちらは未来に向かって何を発信できるかというような拠点になろうかと思います。それぞれの機能や特性を踏まえた運営を行っていくということが重要だというのは明らかであります。
 そこでお聞きしますけれども、私は、ここはポイントだと思っていますが、東京二〇二〇ライブサイト等の契約に当たって、ライブサイト運営全体を一括発注するのではなくて、各事業者の企画力を生かせるよう分割発注して業者を選んでいくべきだと思いますけれども、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇ライブサイト等会場は都内九会場と被災地四県での実施となることから、各会場の特性を踏まえたきめ細かな対応や、確実な履行の確保を図る観点から、分離分割発注を検討していくことが必要と認識しております。
 今後さらに検討を進める中で、発注方法については適切に対応してまいります。

○川松委員 ありがとうございます。分割発注の必要性、その認識をされているということがよくわかりました。今これをあえて指摘しているのは、今までのこういったケースの都の発注を見ていると、全部一括してイベントの事業者が受注して、まとめて進めていっていたような印象があるし、実際あったわけですね。
 そうすると、効率はいいかもしれませんけれども、実は一つ一つの質が落ちてしまっていたというふうに私は認識しています。二〇一九年のファンゾーンとも重なりますけれども、その立地で一番いい提案をする、それが東京のためになる、大会のためになるという事業者を選定していただくよう要望しておきます。
 その意味におきまして、ラグビーワールドカップ二〇一九の熱気、九月二十日から十一月二日までやった熱気、今度は次の七月二十四日につなげていくということは本当に重要でありますが、ラグビーのファンゾーンでのノウハウや経験を東京二〇二〇ライブサイト等にしっかりとつなげていっていただきたいと私は思いますが、現状、都はどのように認識されているのか教えてください。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇ライブサイトとラグビーワールドカップ二〇一九のファンゾーンはともに、競技会場外で、チケットを持つ人も持たない人も、誰もがライブ中継等を通じて大会を楽しみ、その感動と興奮を共有する場所でございます。
 これまでもそれぞれがトライアルとなる取り組みを実施してきており、そこで得られた運営のノウハウや経験等を共有し、本番での実施に向けた計画策定や運営内容のブラッシュアップに活用しております。
 さらに、ラグビーワールドカップ二〇一九のファンゾーンで実施する警備や医療、ボランティア、多言語対応、アクセシビリティー対応等、運営を通じて得られたさまざまな知見を生かし、東京二〇二〇ライブサイト等会場の運営をさらに充実させられるよう、引き続き連携してまいります。

○川松委員 二〇一九年のファンゾーンも同じですけれども、事前の様子と違って、ひとたび大会が始まると、このライブサイト一つ一つというのは大会のにぎわいづくりの拠点となります。オリンピックの機会に東京に来ようという方、日本国内外からやってくるわけですから、必要です。
 特に、前にもここで話したことがあったかと思いますが、オリンピック期間の例えば前半の競技を終えた人たちが足を踏み入れたくなるような空間をライブサイトのどこかにつくっていただきたいと思うんですね。その中で、仮にもメダリストがあらわれた際には、SNSなどを通じて何倍にも、東京のライブサイトはこんなになっておもしろいよというのが世界中に広がっていくと思います。
 オリンピック期間は、選手だけではなくて、いわゆる大会IDを持った関係者があちらこちらに点在します。その家族もいます。IDは持たないけれども、各国の競技団体の関係者もいます。各国のウエアを身にまとわれた人たちがあふれ返るのが恐らく二〇二〇年の夏であります。
 今の想定だけ見ても、全ライブサイト等の会場を合わせると一日に八万七千人の来場者数ですから、この一日に八万七千人の人々がどうやって楽しんで、そしてその熱が二〇二〇年を盛り上げていくことにつながっていくかと、僕は考えただけでわくわくするんですね。だからこそ、この八万七千人が次につながっていく。次の日に次の日につながっていって、閉会式のときには本当に大きなお祭りになっていくというようなことのきっかけになるのがライブサイトだと思います。
 これが二〇二〇年を乗り越えて三〇年、四〇年に向かって東京や日本を成長させていく、ましてや次の大阪万博という考え方もあれば、大きなライブサイトのテーマというのも見えてくるかと思いますが、ライブサイトに必要なことはエンタメの要素かもしれないし、場合によっては都内外の産業振興の拠点をつくるという仕掛けかもしれないし、それは先ほどいったように、各ゾーニングの中で判断をしていただきたいと思います。
 ライブサイトは単純にやれば何でもできます。どういうふうな質かというのは、どれだけ皆さんと我々が熱を持って準備をしていけるか、戦略的に立地に合わせたライブサイトをつくっていけるかだと思います。
 まとめにしますけれども、先ほど前半でいった二〇一九年のファンゾーンも、二〇二〇年のライブサイトも、ともに期待する目的は似たようなものがあります。これらが大会そのものを、側面的でありながら、実は強力的に成功に導ける、話題性をつくれる、盛り上がりを牽引できる、これは間違いないわけです。ですから、ファンゾーン、ライブサイトの成功というのは大会の成功につながるということをしつこく僕らがいってきたのはそういう思いです。
 恐らく大会が始まると、一九年も二〇年も、各テレビ局はこの大会についてさまざまな角度から取り上げると思います。ただ、そのときに、映像の権利などもあって、競技内もそうなんですが、競技外のトピックというのは、よりメディアに取り上げてもらいやすくなるんですね。その競技外のトピックを提供する一つの拠点がファンゾーンであったりライブサイトになるんじゃないかなという期待が僕はあります。
 ここは側面的なものだというふうにいう人はいるかもしれませんけれども、こういう議論がもっと広がって、一九年のファンゾーンを頑張ることが二〇年のライブサイトはもっと盛り上げようということになるんです。さっきもいいましたけれども、一九年の予算がない、予算がないといっていたことが、戦略的に使うことによって、二〇二〇年のライブサイトはあんなことをしようよ、こんなことをしたらもっと盛り上がるんじゃないかという声が出てくる。これが大会の成功になり、東京、そして日本の発展への大きな投資になるんだという考え方で、東京都の皆さん方はダイナミックにファンゾーン、そしてライブサイトを展開すべきであると思います。
 二〇二二年の次の北京の冬季、そして二四年のパリの夏季に向かって、振り返ってみたけれども、東京のあの競技会場外のライブサイトはすごかったよねと各国の関係者に語り継がれるようなライブサイトの運営ができるよう強く強く要望しまして、質問を終わります。

○中山委員 オリ・パラ局の皆さん、本当にご苦労さまでございます。我々もしっかりとオリンピック・パラリンピック、都民、国民目線から見て成功したなと思っていただける大会となるように、予算の獲得にしっかり努めていきたいと思いますし、また予算は成立しなきゃ意味がありませんから、その成立が本当に進んでいくような環境を整えていきたいと思います。
 そのためにも、オリ・パラ委員会の質疑というのは、かみ合ったものであった方が望ましいというふうに思っております。一体感のあるご答弁をいただけることを期待して入らせていただきます。
 まず初めに、ラグビーのテストマッチについてでございますけれども、テストマッチでは、主催者のラグビー協会と連携して交通分散の課題に取り組んでこられたと思います。先ほどの答弁と重なるところは割愛していただいて結構ですけれども、特に効果のあった取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 十一月三日のテストマッチにおきましては、周辺道路の混雑緩和等の課題に対応するため、道路管理者を初め、さまざまな関係機関と連携し、取り組みを行いました。
 具体的には、事前の対策としまして、中央自動車道及び甲州街道において、横断幕掲出等によりまして車両混雑の注意喚起を行いました。また、当日は甲州街道におきまして、スタジアム前交差点付近への柵の設置や、巡回警備員を配置しまして、禁止されている場所での横断や違法駐停車の防止に取り組みました。
 一方、甲州街道の柵未設置箇所におきまして、路上駐停車や禁止されている場所での横断が散見されました。
 今後は、こうした課題を踏まえまして、中央自動車道及び甲州街道利用者に対する事前周知を拡充するとともに、スタジアム前交差点の東側まで柵の延伸や警備の強化を行うなど、関係機関とさらなる連携に努め、二〇一九年大会の円滑な交通輸送に向けて取り組んでまいります。

○中山委員 答弁、大丈夫ですか。--そんなに演出してかみ合っていないこと……。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 大変失礼いたしました。十一月三日のテストマッチにおいて、特に効果のあった交通分散の取り組みについてでございますが、まずはシャトルバスの利用促進が挙げられると思っております。
 具体的には、事前の周知によりまして、主催者と連携しまして、チラシや中づり広告、ホームページ、SNSによりまして、シャトルバスを活用した複数の来場ルートについてのご案内を行いました。
 また、試合当日には、スタジアム周辺におけるシャトルバス運行情報の案内チラシの配布や、スタジアム内の大型電光掲示板や場内放送を活用した案内によりまして、シャトルバスへの観客誘導を行いました。
 こうした案内、周知によりまして、シャトルバスの利用率が二十九年度に実施したテストマッチと比較しまして、試合前は二・九%から三・五%、試合後は六・五%から一〇・二%へ向上し、交通分散につながりました。
 今後はシャトルバスの運行時間や本数等につきまして、交通事業者や関係機関とさらなる調整を進めるとともに、事前広報の拡充に努めまして、二〇一九年大会の円滑な交通輸送に向けて取り組んでまいります。

○中山委員 二日間なんでお疲れになると思いますけれども、よろしくお願いします。
 先ほども分散の話は質疑でございました。いろんな提案もあったかと思いますので、そうした提案も踏まえていただいた上ですけれども、シャトルバスということが大変効果的だという話がございました。
 昨日、我が党の細田委員からも、いろんな交通の渋滞、混乱に関する危惧を踏まえてというような話があったかと思うんですが、シャトルバスをオリ・パラ大会でも、近くの駅まで出すか出さないかといったあたりも踏まえて、今回のテストマッチの成果というものを参考にしていただいて、ご検討いただきたいというふうに思います。
 定期的なバスと使い分けることが可能かどうか、かえって混乱することであっては意味がないんですけれども、そうした事柄を踏まえて、ぜひこのデータを活用していただきたいというふうに思います。
 それから、今もう答弁が出ちゃったんですけれども、もう一回質問させていただきます。
 一般車両による道路混雑の回避に向けて、さまざまな周知を行ってきたというふうに思います。一部路上駐車等が散見されたと聞いております。大会期間中の周辺道路混雑緩和に向けた観客の皆さんへの周知など、今回のテストマッチの状況をお伺いするとともに、これは大事なことなんですが、今後改善していくべき点として確認できた点、そうした取り組みについてお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 大変失礼いたしました。十一月三日のテストマッチにおきましては、周辺道路の混雑緩和等の課題に対応するため、道路管理者を初め、さまざまな関係機関と連携し、取り組みを行いました。
 具体的には、事前の対策としまして、中央自動車道及び甲州街道において、横断幕掲出等により車両混雑の注意喚起を行いました。また、当日は甲州街道におきまして、スタジアム前交差点付近への柵の設置や、巡回警備員を配置しまして、禁止されている場所での横断や違法駐停車の防止に取り組みました。
 一方、甲州街道の柵未設置箇所におきまして、路上駐停車や禁止されている場所での横断が散見されました。
 今後は、こうした課題も踏まえまして、中央自動車道及び甲州街道利用者に対する事前周知を拡充するとともに、スタジアム前交差点の東側まで柵の延伸や警備の強化を行うなど、関係機関とさらなる連携に努めまして、二〇一九年大会の円滑な交通輸送に向けて取り組んでまいります。

○中山委員 昨日もボランティアや警備員の問題等、取り上げて、高倉副委員長が質疑させていただきましたけれども、決して自分の国だけを誇るわけじゃありませんけれども、一般の国民の方々が大変優秀で親切であるということは我が国の特性でもあると思います。そうしたものを踏まえて、警備の方、ボランティアの方々が適切に整理、誘導ができるような発信をしていただけるということが、ある面では、爽やかで安全性の高い大会を実際に行っていく上で非常に大事だというふうに思います。
 そういった意味では、今答弁にあったような事柄を踏まえて、実際取り組まれる方々の、はっきりと声を出すとか、身ぶり手ぶりを出すとか、そうしたものを踏まえて誘導をしていただきたい、研修を重ねていただきたいというふうに思う次第でございます。
 次に、今回のテストマッチでは、四十二名の方々にボランティアとしてご協力をいただいたと伺っております。人数的には少し少ないのかなと感じておりますけれども、四十二名で十分に対応できたのか。また、今回のテストマッチを踏まえて、本番ではボランティアの活用範囲、今回はボランティアを置かなかったけれども、本番ではボランティアを置きたいといったようなエリアについての対応など、活用の仕方など、四十二名のデータが十分本番に生かせるのかどうかというのはそこはちょっと不安なところですけれども、その点についてお伺いをしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 十一月三日のテストマッチにおいては、都がラグビーワールドカップ組織委員会に推薦した二〇一九年大会のボランティア千六十人の中から募集しまして、四十二名の方に大会運営においてご協力いただきました。
 テストマッチの運営につきましては、主催者である日本ラグビーフットボール協会が担っておりまして、四十二名のボランティアにつきましては、シャトルバスの利用促進、乗降場での案内やファンゾーン会場への案内誘導等、二〇一九年大会に向けて都として重点的に検証が必要と考える部分につきまして、主催者と調整した上で配置したものでございます。
 ボランティアからのアンケートによりますと、業務量に応じて、おおむね適切な配置がなされていたという意見が多かった一方で、シャトルバス乗り場で活動した方からは、各乗り場の利用者数に応じた人数配置が必要との意見もいただいております。
 二〇一九年大会期間中、東京では会場内やその周辺、ファンゾーン、空港、主要駅等におきまして、四十四日間を通じて約二千四百名のボランティアが来場者の案内を初めとする活動を行います。
 ボランティアの配置につきましては、組織委員会と連携のもと、今回いただいた意見を踏まえまして、来場者による交通手段の利用状況なども十分見きわめながら、適切な人数を配置できるよう調整してまいります。

○中山委員 四十二名というのは少ないんではないかと私、申し上げましたけれども、事前に十分調整して、特にこの地点での検証が必要だというところに配置して行ったという、よくよく考えた取り組みであったんだということでご答弁いただいたわけであります。
 ボランティアの方々がようこそお越しくださいましたとか、いろんなお声を出していただくことは当然すばらしいことなんですけれども、と同時に、案内等の大事な役割も果たしていただくことになりますので、例えば、ご答弁の中にありました、利用者数に応じた人数配置が必要であるというようなお声というのは、当たり前の話かもしれませんけれども、それがちゃんと実際のボランティアの配置に生かされてこそ意味がありますので、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、都市ボランティアについてのお話をさせていただきたいと思います。
 今回、応募は都内だけでなく、国内各地からも多く寄せられたと思います。報告資料の上ではそういったものがどういった状況なのかというのが一概には明らかになっておりませんけれども、都内、都外でそれぞれどのくらいの応募があったのか説明をお願いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアの応募者のうち、都内にお住まいの方は六四%、他の道府県にお住まいの方は三二%、日本国外にお住まいの方は四%となってございます。

○中山委員 他県からも、道府県ですから、道も入っているわけですけれども、三二%もあったと。国外からも四%、わざわざそのためにお越しいただくということだそうでございます。
 毎回、遠くからボランティアとしての活動場所にお通いいただく方々については、交通費の負担も大きくなると思います。ある程度の支援は必要かと思いますが、お取り組みをお伺いします。これは今までの答弁と重なるかもしれませんが、この点はお願いしたいと思います。
 また、ボランティアの方々が高い意識を持って活動していただくためには、ユニホームなどへの配慮も必要と考えますが、あわせて見解をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアが誇りを感じ、意欲的に活動いただけるよう取り組むことが大会の成功にとって重要でございます。
 そのため、ボランティア活動に当たり、都市ボランティア独自デザインのユニホーム一式、活動日における活動場所までの交通費相当として一日千円に加えまして、活動中の飲食やボランティア活動向けの保険を提供する予定でございます。
 また、子育て世代の参加に向け、託児サービスの提供についても検討しております。さらに、活動後はボランティアに感謝の意を表明し、その活動が大会を支えたことを実感できるような取り組みについて検討してまいります。

○中山委員 感謝の意を表明するというのは非常に大事なことでして、ぜひ、これ、それぞれの方々が一生財産として残していけるようなものに形として、していただきたいというふうに思います。
 ユニホームについては、どんなデザインをとっても好き嫌いはあるんだと思いますけれども、ただ、やはり目立つものであっていただいて、この方の案内している内容とか、発言している内容は尊重しなければいけないなと、そういうふうに日本人の国民性としては思っていただけると思うんですけれども、多くの国々の方々も来られますし、そういった面で、一般の人とは違うという存在であることがよくわかるようなユニホームにしていただきたいというふうに思います。
 続きまして、都市ボランティアの方々は、オリ・パラ大会時に内外から東京を訪れる観客や観光客の目から見ますと、東京の顔ともいえる重要な役割を担っていただく方々であります。案内にしても、豊かなホスピタリティーマインドを持って役割を担っていただいて、観客や観光客のおもてなしをしていただくよう期待したいところでありますが、そのために都としてどのように研修を行っていくのかお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会において、開催都市東京の顔として活動する都市ボランティアが国内外から訪れる多くの観客、選手等をおもてなしの心を持ってお迎えするとともに、明るく楽しい雰囲気で案内していただくことで、大会全体を盛り上げていくことが重要と考えております。
 そのため、本年十月より開催し、都市ボランティア、大会ボランティア全員に受講いただく共通研修では、必要な基礎知識として、おもてなしの心や活動の楽しさなど、ボランティアの役割に関する研修や接遇マナー研修、障害者を初めとする多様性の理解を深めていただくダイバーシティー研修等を実施してまいります。
 また、都市ボランティアには、競技会場周辺におきまして、会場へ向かう観客を盛り上げていただく役割も期待されていることから、今後、応募者の皆様からのご意見やご提案も踏まえながら具体的内容を検討してまいります。
 選手や観客を初めとする多くの来場者に対し、都市ボランティアによるホスピタリティーあふれる日本らしいおもてなしができるよう取り組んでまいります。

○中山委員 研修に当たっては、いろいろな方々からのご意見、提案も踏まえるという答弁がございました。これは非常に大事で、やはり研修を受けて、より一層意欲が沸くような、そういう研修にしていただきたいというふうに思います。研修を受けた段階で誇りを持てるということをすごく感じてくれば、さらに効果は高まっていくんではないかと思います。
 都市ボランティアに応募された方々の中には、もともと語学が堪能であったり、医療などに専門知識を持つ方もいらっしゃると思います。そうした専門的な知見を持ったボランティアの方々を適切に現場に、拠点に配置していくことは大変重要な視点だと考えますが、この点の取り組みをお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会におきましては、国内外から訪れる観客や選手を初めとする多くの来場者に対し、都市ボランティアが多言語で適切に案内を行いますとともに、急病人の発生など、不測の事態が発生した際、状況に応じた適切な対応を行えるようにすることが重要と考えております。
 日ごろより多言語での観光案内を行っておられる東京都観光ボランティアを初め、都市ボランティアには多言語での簡単な会話や、日常会話などを行える方々に数多く参加いただける予定でございます。
 また、医師や看護師、救命救急士や救命講習の受講者など、医療、救命救急関連の資格、スキルを有する方にも多数応募いただいております。
 都は、今月から始まる面談などの場で、応募者本人のスキルやご意向などを丁寧に確認してまいります。都市ボランティアの活動拠点にこうした方々を適切に配置させていただきまして、外国人来場者の観光、交通案内や、急病人や事故等が発生した場合の速やかな通報など、知識、経験を生かしていただくよう取り組んでまいります。

○中山委員 もともと観光案内を多言語を使ってやっていただいている観光ボランティアの方々もそうですし、医師や看護師、救命救急士、救命講習の受講者など専門的知見を持った方々が多く応募していただいているということは本当にありがたいことであるし、同じ日本人として感謝したいし、すばらしいことだなと思います。そうした方々の能力というものが遺憾なく発揮されるように、しっかりと配置をお願いしたいと思います。
 今月より都市ボランティアの面談が行われると聞いております。面談という言葉からは、応募者が面談を通じて選考されるかのような印象を受ける場合もありまして、私のもとにも、どうやったら落ちないかとか、いろんなことを聞かれる方もいらっしゃいますけれども、実際はどうなんでしょうか。面談の考え方についてお伺いしたいと思います。
 また、来年の大会本番まで長い期間があります。応募した人たちの中には、個人的な都合が生じて辞退せざるを得ないと、そういった方々も出てくる可能性があると思いますが、都市ボランティアに必要な人数は今後もしっかりと確保、維持していけるのか、そうした取り組みについてもあわせてお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都は、都市ボランティアの面談を選考の場とはせず、面談の中で応募者のご都合やご意向等を丁寧に伺い、ご参加いただける人数を見きわめてまいりたいと考えております。
 都市ボランティアには、二万人の募集に対し三万六千人以上の方々に応募いただいており、やむを得ないご事情から活動を辞退される方々が出た場合にも、予定している人数にご参加いただけるものと考えてはおりますが、面談等を通じ、より多くの方々に参加いただけるよう取り組んでまいります。

○中山委員 今回、都市ボランティアとして活動していただく方々のこれからの貴重な経験を記録して、大会後にレガシーとして、さまざまなその後のボランティアとしての取り組みの拡大、充実、そうしたものに活用していくことが重要と考えますが、都の取り組みについてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会において活躍していただく三万人の都市ボランティアの活動状況や運営実績等をまとめまして、大会後のさまざまなボランティア運営に生かしていくことが重要でございます。
 そのため、大会後に向けて、個々の都市ボランティアの体験記を初め、ボランティア全体の活動実績や運営体制、募集、研修から大会に至るまでの取り組み状況などを取りまとめていく予定でございます。
 取りまとめた内容につきましては、官民のさまざまな団体が参画する東京都ボランティア活動推進協議会やボランティア関連の団体、また、今後の大会開催都市等に広く提供いたしまして、さまざまなボランティアの運営に生かしていただけるように取り組んでまいります。

○中山委員 ぜひ、研修の内容についても意見や要望、提案を取り入れていただくということでございますので、ボランティアに参加した方々が指示、命令されたということだけじゃなくて、自分たちのいろいろな意見や創意工夫、努力で大会を成功に導いたと、そういうふうに思っていただける、そういう大会にしていただきたいというように思います。それがレガシーとして、ボランティア活動が本当に日本に根づいていくことの大事な役割につながると思いますので、よろしくお願いいたします。
 その上で、新規恒久施設等の整備に関する質疑に移りたいと思います。きょうはこの点につきましては、アクセシビリティ・ガイドラインの進捗について、私はお伺いしたいと思います。
 今回、新規恒久施設等の整備の内容にアクセシビリティーの向上という項目がございます。アクセシビリティ・ガイドラインへの対応について質問を行います。
 都議会公明党は、二度目のパラリンピックを開催する都市にふさわしい障害者への合理的な配慮を十分に心がけた大会の実施、運営を求めてまいりました。組織委員会並びにオリ・パラ局としては、東京二〇二〇大会の会場整備において、障害者等への合理的配慮を実現するため、障害の当事者団体などから意見を聴取してアクセシビリティ・ガイドラインを定め、それに基づいて、東京都が整備する競技施設について、設計への具体的な配慮を固める上で、やはり障害の当事者団体等から重ねて意見を聴取するアクセシビリティ・ワークショップを都合、現在まで七回開催していると認識しております。
 そこで、ワークショップを踏まえて、各施設の実施設計に反映された主な工夫の概要について改めてご説明願いたいと思います。

○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 都が整備いたします新規恒久施設につきましては、アクセシビリティ・ガイドラインの基準を踏まえるとともに、アクセシビリティ・ワークショップにおきまして、障害のある方から直接意見を聴取しながら施設整備を進めてきております。
 これまでのワークショップにおきまして、トイレ、観客席、エレベーター、音声案内設備、サイン計画などの幅広いテーマに対しまして、障害特性に応じたさまざまな意見が寄せられたことで、障害の有無にかかわらず、全ての人にとって利用しやすい施設となるよう工夫してきているところでございます。
 例えば、これまで開催してまいりましたワークショップでは、車椅子席の配置に関しまして、一カ所にまとめるのではなく、一般の観客と同様に、さまざまな場所で観戦したいとの意見をいただいております。
 こうした意見を踏まえ、車椅子席につきましては、移動経路や避難動線、サイトラインの確保等の観点に配慮しつつ、さまざまな場所から観戦ができるよう、水平方向や垂直方向に分散して配置しているところでございます。

○中山委員 ご工夫いただいた点の一端をご紹介いただきましたけれども、今さまざまな場所というのは、これ、大事なことだと思いますね。やはり障害を持った方々が後でいろいろ集まって語らいをしたときに、みんな同じ場所から見ていたというのでは、いろんな意味では話が弾みませんし、そういう面では、同じ境遇にある人が違った角度で、いろんな視点から競技を見ることができたということが非常にお互いにさらに思い出を膨らませていける、そういうことにつながっていくんではないかというふうに思います。
 先ほど、新規恒久施設の整備におけるアクセシビリティーの向上のための予算の概要をお伺いしましたけれども、そこで、整備の内容の一つであります誰でもトイレについてお伺いしたいと思います。
 誰でもトイレはスペースを要しますので、数多く設置することが困難というふうにいわれております。したがって、結果的にたどり着くまでに時間を要したりする場合もあります。また、比較的スペースを広くとっているため、更衣室がわりに使用される方もいらっしゃって、着がえ中の利用者を車椅子の方が外でトイレ待ちしている、そうした姿もしばしば見られます。
 実際、誰でもトイレというネーミングがかえって災いしてしまう場合もあるようで、誰でもトイレでなくても、トイレの本来目的の利用を果たせる健常者などの利用が多くて、誰でもトイレでなければ、トイレの本来目的の使用を果たせない人が困っているということを私も当事者団体の方から直接お伺いしたことがあります。そのため、都の交通局などに対しては、そうした不都合の発生をできる限り回避するために注意喚起を促す表示などの工夫を委員会質疑などで求めたことがありまして、改善を推進していただいた経緯があります。
 そこで、都が整備を担当するオリ・パラ大会の新規恒久施設では、こうした点の工夫はどのように配慮されていくのか見解を求めたいと思います。

○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 都が整備する新規恒久施設のトイレにつきましては、車椅子対応トイレにつきまして、アクセシビリティ・ガイドラインの車椅子使用者十五人に対して一カ所以上との基準を踏まえまして、分散して複数の箇所に配置しております。
 また、アクセシビリティ・ワークショップにおきまして、多機能トイレだけに機能を集中させるのではなく、たとえ狭くても、機能を分散配置してほしいという意見がございました。
 こうしたご意見などを踏まえまして、車椅子使用者、オストメイト、乳幼児連れ、異性介助者の同伴といったさまざまな利用者のニーズに対応したトイレを分散配置して、利用の集中を回避するなど、全ての人にとって利用しやすい施設となるよう工夫しているところでございます。

○中山委員 ぜひそうした工夫を実現していただきたいと思います。的確な工夫であるかと思います。
 また、誰でもトイレにおきましては、人工肛門などのオストメイトの方々がパウチからふん尿を排せつする際に、流し台が設置されています。ところが、この流し台の高さが腰の高さに合わないということで、特に背が低い方とかというような方々かもしれませんけれども、ご苦労されているという話をお伺いすることがございます。
 業者によっては、流し台の高さを変化させられる、そういった流し台を開発しているところもあるそうです。そこで、流し台ではなくて、トイレに腰かけたまま、パウチからの排せつがしやすくなるように、腰かけ部分の、お尻の下のところを広くして、そして前の部分、排せつに使うところですけれども、この開口部の面積を大きくする、前方部の開口部の幅を広く設計した幅広便座、福祉便座と俗にいわれておりますけれども、そうしたものが、オストミー協会の方々とか、それに共鳴した事業者などのご努力によって開発されております。
 オストメイトだけでなく、陰部の洗浄を障害者、高齢者の介助の際に行う上でも使い勝手がよいとか、あるいは、女性の方々が健康状態を確認する上で必要な採尿も実施しやすくなるなどのメリットがあるとのことであります。
 こうしたことから、この福祉便座がご関係者の皆様のご厚意によりまして都に寄附されておりまして、第一本庁舎の一階中央の、私は普通のトイレに配置した方がよかったんじゃないかと思いますけれども、誰でもトイレに設置されております。ぜひオリ・パラ局の方々も多く見ていただきたいと思います。
 この福祉便座は本来、誰でもトイレではなく、普通のトイレに設置されて、そのトイレをオストメイトの方々も利用しやすい誰でもトイレ化する効果があるわけでありますけれども、便座だけを取りかえればよいので、費用の上でも、スペースの上でも、簡単にはふやせない誰でもトイレの不足を補う効果が期待されているところであります。
 こうした工夫はこれだけではなく、さまざまにあろうかと思います。ワークショップの意見はちゃんと反映していただいた。その上で、さらにこれからもいろんな提案が障害者の方々や、いろんな専門家の方から出てくると思いますけれども、新規恒久施設では、こうした工夫を今後積極的にさらに取り入れていく方針があるのかどうか、その点について見解をお伺いしたいと思います。

○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 都が整備いたします新規恒久施設のトイレにつきましては、アクセシビリティ・ガイドラインの基準を踏まえるとともに、アクセシビリティ・ワークショップにおきまして、障害のある方や学識経験者等から直接意見を聴取しながら、トイレ機能のあり方について検討してまいりました。
 オストメイトの方々が利用可能なトイレにつきましても、混合水栓などを備えた汚物流し等を有するオストメイト対応設備を車椅子対応トイレや一般の男子、女子トイレの中などに分散して適切に配置しているところでございます。
 今後、今お話のございました都庁舎内の福祉便座が設置されたトイレの利用状況の把握に努めますとともに、新規恒久施設に設置しますオストメイト対応設備を初めとしたトイレの利用状況等を踏まえまして、今後も引き続き利用者の声を聞きながら、障害のある方の利便性を確保してまいります。

○中山委員 実際にはオフィシャルパートナーの問題等もございますし、いろいろ難しい点もあろうかと思いますけれども、OEMでの供給が可能かどうかという点も課題があろうかと思います。
 ただ、これからもさまざまな視点で障害者の方々、またそのご家族、関係者の方々からいろんなご意見が出てくると思いますので、それが本当に役に立つものであるかどうか、しっかり見聞して確認していただきながら、可能なものについては積極的に取り入れていっていただきたいというふうに思います。
 合理的な配慮とは何も特別な施設、設備を要するものばかりではありません。例えばエレベーターが設置されていても、入退場口から遠くに設置されていたり、どこにあるかわからなくて遠回りになったり、そこに到着するまでの道のり自体が車椅子利用者や歩行困難な方々にとっては、難行苦行になりかねない面もあります。
 また、鉄道駅に設置されているエレベーターの前には内部障害者をあらわすハート・プラスマークの方とか、車椅子の方とか、歩きづらそうな高齢者ばかりが並んでいるかというと、そうではない場合も多くて、お疲れなのではありましょうけれども、健常者なのかなと思う方々が列をなしている状況も日常しばしば目にします。
 本当におぐあいの悪いときに休めずに通勤されている中では、やむを得ない場合もあると思いますけれども、同じようなことが大会時にオリ・パラ競技場で発生してしまっては、せっかくのアクセシビリティ・ガイドラインも、その効果を果たせないことになってしまいます。エレベーターなどの競技会場内の施設については、利用者にとって実際に使いやすいものとなっていることが重要であります。
 そこで、ハード面での使い勝手を考慮するとともに、ソフト面からも、車椅子使用者や歩行困難な方々を含めた障害者等への配慮、対策をしっかりと講じていくべきと考えますが、見解を求めます。

○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック部長 障害者や高齢者など、あらゆる方に使いやすい施設とするためには、ハード面でのバリアフリー化の取り組みに加え、情報発信や人的サポートなどのソフト面の取り組みもあわせて検討していくことが重要でございます。
 例えば、ハード面の取り組みとして、障害のある方などの動線に配慮した適切な場所にエレベーターを設置したり、通路からアクセスしやすい場所に車椅子席を配置するなど、障害のある方等の利便性に配慮した整備を行ってまいりました。
 また、ソフト面の取り組みとしては、エレベーターやトイレなどの場所をわかりやすく表示した総合案内板や、それと大きな文字の誘導サインとを組み合わせて配置するなどして、障害のある方等が目的地まで容易にたどり着けるよう、案内サインの整備を進めてまいります。
 加えて大会時には、大会スタッフ、ボランティアによる声かけや案内誘導等を通じて、障害のある方などがエレベーター等、必要な設備を利用して円滑に移動できるよう、組織委員会と連携しながら対応策を検討してまいります。

○中山委員 今ご答弁いただいたことは全て大事で、中でもスタッフやボランティアの方々による声かけは本当に大事なことだと思います。声かけで実際そういう方々を優先して、みんなが協力して使えるようなことが現実に大会競技場で実現していけば、その後の日常の交通、列車の中での優先席を譲っていくとか、そういったことというものも、さらにさらに効果的に広がっていくんではないかと思います。
 日本人は、そうした方々がきちっと発信していただければ、声を出して案内していただければ、注意していただければ、従う方も大勢いらっしゃると思いますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 障害の当事者の方々の意見を踏まえて、アクセシビリティ・ガイドラインを定めました。実際の設計に取り組む上で、同じく障害当事者の方々の意見を聴取するアクセシビリティ・ワークショップも実施されました。障害者の方々への配慮は万全と思われます。
 しかし、大事なことは、実際完成する施設が本当に使い勝手のよい施設であるかどうかであり、またその運営であります。より一層、対応を工夫する時間的余裕があるのは工夫面ですけれども、施設のハード面の方はもうでき上がっちゃったら大変なことになりますから、大事な課題であります。
 各施設の実施設計に際して、事前にアクセシビリティ・ワークショップを開催しているわけでありますが、新規恒久施設については工事も進み、現在は?体工事と並行して内装工事等の現場施工のレベルの最終的な検討を行っていると聞いております。
 今後、最終的な詳細仕様を詰めていく上で、アクセシビリティ・ガイドラインやワークショップの意見内容との突き合わせを、障害の当事者の方々の視点も踏まえて、しっかりと行うべきであると思います。その実施時期の目安を含めて、今申し上げた点に関する今後の取り組みについて見解をお伺いしたいと思います。

○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック部長 アクセシビリティ・ワークショップは、平成二十八年三月から約三年間、七回にわたって実施してまいりました。これまで障害者団体等から丁寧にご意見を聴取するとともに、いただいたご意見は次の回、あるいは次の次の回のワークショップにおいて、設計にどのように反映したか、具体的に図面等を提示しながらご説明してきたところでございます。
 次回、二月七日に開催する第八回ワークショップでは、サインを初めとした設計の詳細仕様について意見交換を行うとともに、ガイドラインの基準を踏まえた整備内容や、これまでいただいたご意見の設計への反映内容を取りまとめ、施工後のイメージ図を用いながらご報告する予定でございます。
 これまで積み重ねてきた取り組みの成果に基づき、大会後を見据えて、障害当事者の視点を踏まえた使い勝手のよい施設の整備を進めてまいります。

○中山委員 施工後のイメージ図を使いながらということで、大変すばらしい取り組みだと思います。また、実際の工事の完了の検査においても、しっかりとそういった点は見ていただいて、?体をやり直すわけにはいきませんけれども、実際にまだ工夫できる点がありましたら、気づいた点があったら、それは取り組んでいただきたいというふうに思います。
 最後の項目に移ります。ラグビーワールドカップにおけるファンゾーンの成功に向けて質疑を行いたいと思います。
 今回取り上げますのは、調布駅前広場を会場としたファンゾーンのことであります。我が党の地元選出の議員でもあります中嶋義雄議員団長のもとに調布市の商工会の皆様から、東京都と連携してラグビーワールドカップを盛り上げたいという意味で、産業祭りをファンゾーンとタイアップして開催したいと、市の当局だと思いますけれども、相談したところ、恐らくタイアップはだめでしょうというふうにいわれてしまって困ったと、憤慨もしているといった相談が届いた経緯があります。
 今回の質疑に当たって、オリ・パラ局の方々に事情を調査していただきましたところ、オリ・パラ局自体としてはそうした地元の商工会の皆様、あるいは市当局の方々の意向や打診を直接聞いていなくて、都がお断りしたということもありませんし、恐らくはファンゾーンとして予定している範囲を縮小して産業祭りを行いたいという意味と受け取ったのか、あるいは、ファンゾーンの中に産業祭りのブースを設けたいといった意向として受け取ったのではないかという認識で、市が比較的、否定的な見方を示されたのではないかということ、これは想像ですけれども、ということでございました。
 例えば、我が党が被災地の復興なくして東京のオリ・パラ大会、ラグビーワールドカップの成功なしということで、被災地の復興とともに東京大会との認識から、東京、各県を訪れた際にも、地元の方々から、物産展をファンゾーンやライブサイトとタイアップして開催したいと打診したんだけれども、例えば釜石の例ですけれども、その会場の何キロメートル四方以内では公式スポンサー以外の商品の販売はだめと断られてしまったと。これではせっかく東京以外でも開催する意味が薄らいでしまうということで相談を受けた経緯がございます。
 試合会場だけではなく、ファンゾーンにも多くの外国人や国内観光客が訪れることが想定されます。これらの人々を温かくお迎えすることで、世界に東京や、東京以外の日本の開催都市の魅力をさまざまにPRすることはすばらしい取り組みであります。また、そうした効果を期待して、地元の方々がラグビーワールドカップやオリ・パラ大会を楽しみに準備することは、機運向上にも大変役立つことが期待されます。
 そのため、地元市や地元の商工会を初め、地域の人たちの協力を得ながら取り組みを進めていくことが大変重要と考えますが、そこで初めにお伺いいたしますけれども、調布駅前広場をファンゾーンの多摩会場とするに当たり、これまで調布市とどのように連携し、今後どのように連携を図っていくのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 調布市との連携につきましては、昨年六月二十三日や十一月三日のテストマッチにおけるラグビーイベント等におきまして、相互に広報紙やホームページ、SNS等を通じたPRを行う等、積極的に実施してまいりました。
 ファンゾーンの多摩会場を調布駅前広場とするに当たりましても、調布市の全面的な協力のもと、開催を予定している十五日間につきまして調布駅前広場を利用できることとなりました。また、現在工事予定となっている場所につきましても開放していただける予定となっております。
 さらに、ファンゾーン周辺の街頭フラッグ等につきましても、調布市に協力いただき、設置する予定でございます。
 引き続き調布市と連携を図りながら、ファンゾーンに多くの方々が訪れていただけるよう取り組んでまいります。

○中山委員 ぜひ連携をよろしくお願いしたいと思います。どうしてもこの点は、公式に語れることと、実際に工夫できることとの間には少し差があるのかもしれませんので、ただ、連携が密じゃないと、やはりそこら辺の誤解を生んで腰が引けてしまうということになりかねませんので、よろしくお願いしたいと思います。
 調布市の事例を取り上げましたが、他の区市町村とも連携してファンゾーンを盛り上げていくことがとても重要であります。ファンゾーンにおきます地域との連携について、都は積極的にタイアップを図るべきと考えますが、見解を求めます。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 地域との連携を図りながら、来場した方々を温かくもてなすことは、ファンゾーンの集客に資するとともに、ラグビーワールドカップの大会価値の向上にもつながるものでございます。
 本番のファンゾーンにおきましては、多摩、区部、どちらの会場におきましても、東京地元PRブースを設置し、区市町村や都内商工会などとも連携しながら、地元の物産、観光、名所等のPRを行い、東京の魅力を発信していきたいと考えております。
 引き続き、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会と調整を行い、コマーシャルパートナーの権利にも配慮しながら、具体的な内容について検討を進めてまいります。

○中山委員 ラグビーについてであれ、オリ・パラ大会であれ、中央の組織体との交渉の一番積み重ねをしてきたのが東京都でございます。
 そうした面で、地方の会場で同じようなことで悩む自治体があろうかと思いますので、私たちも全国のネットワークを生かして有益な情報の発信に努めていきたいと思いますけれども、東京都の方々も、お忙しい中とは思いますけれども、全日本でのそうした取り組みが成功に結びついていくよう情報提供、相談に乗ってあげていただくことをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。

○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時十八分休憩

   午後三時三十九分開議

○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○池川委員 新規恒久施設等の整備についてお伺いをいたします。
 日本共産党都議団はこれまでも、新規恒久施設の整備に際して、都民生活との調和、都民への情報公開と透明化、都民やアスリートの意見を聞きながら経費の縮減をすること、五輪後も見据えた都民スポーツの振興に寄与するものにすべきであるということを求めてきました。
 まず初めに、今回ご報告のあった内容の全体像について伺います。
 ご説明の中では、有明アリーナ、夢の島公園アーチェリー場、有明テニスの森について、今回見直しが行われたということでありますが、整備費の見込みの全体像は一千八百二十八億円で同額になるとのことであります。
 経費が増額となった項目及び減額となった項目は具体的に何か、またそれが幾らになっているかお示しください。

○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 新規恒久施設等のうち、有明アリーナにつきましては、障害のある方や学識経験者等で構成されますアクセシビリティ・ワークショップでの意見を踏まえまして、障害者などが利用するトイレや観客席の配置を分散させるなど施設計画に反映しまして、アクセシビリティーの強化を行ったところでございます。
 また、イベント開催時に、より多彩なバリエーションの大規模舞台装置が設置できるよう、消防指導に従いまして、排煙設備を設置するなど、防災性の向上や観客等の安全を確保いたしました。
 これらの項目などによりまして、十三億円増額することとなりました。
 一方、夢の島公園アーチェリー場につきましては、工事入札が完了したことに伴いまして、五億円減額することとなりました。
 また、有明テニスの森公園テニス施設につきましては、工事入札による減額、既存配管などの地中障害物の処理、屋外コート等の受注者の経営破綻に伴う増額によりまして、差し引き八億円減額とすることとなりました。

○池川委員 今回ご報告いただいた内容は、結果として総額は同額というふうになっております。オリンピック・パラリンピック準備局の立場からすれば、減額したのにまた増額となったり、総額を超えるような事態は絶対に避けなければならないということだと思いますが、数字を出し入れして同額にするというのでいいのだろうかという気持ちも一方であります。
 特に、この時点で対策が必要になったということで、有明アリーナが十三億円の増額となりましたが、追加対策工事の十五億円の予算を、二〇一七年の見直しの際ゼロとしていたわけです。実質それと同程度額の予算増となっているわけで、見通しがどうだったのかも問われると思います。
 これは確認になりますが、全体の予算一千八百二十八億をさらに縮減するための各施設の管理をしっかり徹底するなど、そうした努力を行う必要があると思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 都が整備します新規恒久施設等の整備費につきましては、本年一月時点で、委員ご指摘のとおり合計千八百二十八億円と見込んでおります。引き続き、この総整備費におさめますようコスト管理に努め、着実に施設整備に取り組んでまいります。

○池川委員 今後もさらなる見直しをぜひ行っていただきたいと思います。
 私たちは繰り返し提案をさせていただいておりますが、例えば、海の森水上競技場の南側の仮設観客席部分は、本来、人が立ち入ることができない廃棄物処理場であり、敷地などの整地をする経費もかかることから、こうした施設のあり方については最後まで見直しを追求すべきだということを求めておきます。
 また、新規恒久施設について、今後も変動があるということだと思いますが、契約内容の変更等、さまざまな変更があった場合には、情報公開をしていただきたいということも求めておきます。
 昨年末に国立競技場は、賃金や物価上昇を反映して整備費を二十億円増額するという報道がありました。こうした経費の増額について、都の新規恒久施設でも変更があるのかどうか、都民の関心事となっています。
 そこでお伺いをしたいと思いますが、資材の高騰、物価上昇などによって国立競技場は二十億円の増額となったわけでありますが、各、都の新規恒久施設についてはどのように見込んでいるかお答えください。

○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 賃金や物価の変動につきましては、受注者が入札時に工期を踏まえまして、竣工までを見通した積算で入札し、契約しているものと考えております。

○池川委員 このご提出いただいている資料に示されている金額は、予算としての総枠だと思いますが、今の答弁では、予算の金額ではなく入札した契約額の範囲で今後も対応できるというふうに考えてよろしいのか確認をさせてください。

○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 現在契約しております各施設整備の費用につきましては、入札額が決まっておりまして契約しておりますが、それらの変更がありましても、先ほどお示しした千八百二十八億円の範囲内でおさめるという形でコスト管理を進めていく、そういう考えで進めております。

○池川委員 私の聞き方が多分悪かったんだと思いますが、今、契約を既に結んでいらっしゃる額があると思います。今後、さまざまな要因で変動はあると思いますが、先ほど、国立競技場等で起こった資材の高騰、物価上昇などの問題というのは、最初にご答弁があったように、それを見通して積算した額で入札されているということを現時点では踏まえて、入札された金額の中で基本的には対応できるものと考えているのかということについて改めて伺います。

○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 先ほど申し述べたとおり、受注者の入札時の考え方が、工期、竣工までを見通した積算と考えておりますので、私どもとしましては、契約額で竣工できるものと考えております。

○池川委員 入札した金額で基本的には対応すると、これは基本だと思います。ただ、今後の工事の推移、状況の変化などには対応が必要だということもあるわけです。
 海の森水上競技場とアクアティクスセンターは、今後追加工事等が発生した場合の対応費用として各十億円、合計で二十億円が既にこの予算の中には含まれております。
 これは、経費縮減の一環として行われた、先ほど紹介した有明アリーナを含めた三施設で、当初から百三十五億円となっていた対応費を百十五億円減額にした結果、現時点では海の森とアクアティクスで各十億ずつになっていると。この二施設については対応費を準備して、何かあれば使うよということだと思います。ところが、有明アリーナについてはそれがなかったから今回増額するということに至ったんだと思います。
 いずれにしても、この入札した金額の中で良質な工事を行っていただけるよう、都としても発注者責任をぜひ果たしていただきたいということは求めておきます。
 次に、有明テニスの森の再入札の経過について伺いたいと思います。
 昨年十月に、株式会社エム・テックが民事再生手続の開始の申し立てを行い、開始決定がなされたものの、再建のためのスポンサーの協力が得られないとして、請負契約の解除が行われるという事態になりました。
 昨年十一月の東京新聞の報道によると、粗雑な工事や契約違反、建設業法違反を理由として、指名停止処分を過去十年間で六回受けていたと報道されています。
 さらに、二〇一五年に埼玉県議会で、エム・テックに関する疑惑の追及をした自民党県議が、手抜き工事、作業事故が多発している業者なのに、県は指名から外さないなど、おかしな点が幾つもあったのに、県は問題ないといい逃れた、あの業者が東京五輪の工事まで受注できるとは、驚きを隠さなかったと報じています。
 今回の資金ショートの発端となったのは、東京都が発注をした橋の撤去工事において、海上保安庁の許可を受けなかったことによって起訴されたことが理由となっています。その意味では、都の責任が厳しく問われていると思います。
 まず、その一連の経過について伺いたいと思います。
 有明テニスの森の施設の再入札の経過がどのようなものであったのか、再入札前の施工状況はどのようなものだったのか、ことしに入って、施設工事は関東建設工業、電気設備工事は栗原工業が新たに契約をしたということですが、この再入札に際してはどのようなことを考慮して行ったのか、また特命随意契約として契約をしたのはなぜか、その点についてお伺いします。

○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 有明テニスの森公園テニス施設のうち、受注者の経営破綻により中断したのは、屋外コート等の工事でございます。中断前に照明柱の建柱や倉庫棟の基礎などを施工しておりまして、昨年十一月の清算時の出来高は約三一%でございました。
 工事の再発注に当たりましては、限られた工期内で遅延なく円滑に工事を進めることのできる調整能力、工程管理能力及び安全管理能力が不可欠でございます。このため、同一敷地内の隣接工区を担当し、施設整備内容、工事条件及び敷地条件等を熟知し、かつオリンピック関連施設の建設現場における警備ガイドラインに基づきますセキュリティー対策を既に敷地全体で確保していることなどを勘案しまして、隣接工区の受注者と特命随意契約を締結したものでございます。

○池川委員 今、一連の経過についてご説明がありました。入札後に付された経緯及び理由というものを読みますと、もはや一刻の猶予も許されないという記載があるわけですが、こうした事態を招く前に対応ができたのではないかという疑問が残ります。
 同時に、時間が差し迫った中で、工期までに良質な公共工事を行っていただかなければなりません。
 加えて私が懸念をしているのは、現場で働く方々への影響であります。この点では発注者である都の責任が問われると思います。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会持続可能性に配慮した調達コード(第三版)には、賃金、長時間労働の禁止、職場の安全、衛生などの項目があり、法令遵守はもとより、良質な公共調達を行うために、組織委員会は東京都に対しても、この調達コードの遵守を働きかけるとしています。
 そこでお伺いをしますが、この再入札による労働者への影響を都としてはどのように考えているのか、またそれに対してはどのように対応されていくのか伺います。

○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 再発注の工事につきましては、屋外コート九面の整備を行うこととしておりますけれども、うち三面について、本年八月までに先行して整備することとしておりまして、その他については、来年三月までに整備することとした工事でございます。
 再発注となりました工事につきましても、工事内容に見合った適正な日数を算定し、工程を設定しておりまして、過重労働など、労働者へのしわ寄せはないものと考えております。
 都といたしましても、週一回開催しております現場定例会に参加しまして現場状況を把握しますとともに、月一回、労働条件について受注者から報告を求めるなど、法令遵守の徹底を図っております。

○池川委員 九面のコートのうち、まずは三面やるんだというご説明で、かつ、分割して上の部分、北側の部分については年度末までに整備を行っていくんだというご説明だったと思います。そういうことによって労働者にはしわ寄せが行かないようにするんだということだと思います。
 建設関係の組合の方からは、今、都内建設ラッシュによって慢性的な人手不足、厳しい工事日程のしわ寄せは、結果として下請、孫請に行くという指摘がされております。特に、この慢性的な人手不足というのは、この有明テニスの森だけ例外ということではなく、都内全域で起こっている問題として、きちんと捉える必要があると思います。
 調達コードにはワークライフバランスの推進もあり、この点もきちんと先ほどの会議の中等でも都として位置づけて発信をし、発注者責任をぜひ果たしていただきたいと思います。
 公共サービス基本法の第十一条には、国及び地方公共団体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとするという規定もあります。
 既に五輪関係施設においては、死亡事故、現場監督の自死、苛酷な労働によって失われた命があることを胸に刻み、こうした事態を生まないように、全ての施設であらゆる角度から対応していただきたいということを求めておきます。
 調達コードの原則に立って、安全かつ良質な公共工事となるよう、発注者として都が責任を果たすことを強く求め、質問を終わります。

○山口委員 それでは、私からも質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、ラグビーテストマッチ、ラグビーワールドカップ二〇一九ファンゾーン運営計画についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 私も先日、ラグビーテストマッチを観戦させていただいたわけでありますが、その中で、交通手段の関係で気になることが何点かありました。
 まず一つ目でありますが、タクシーの利用についてであります。
 タクシーの運送は、営業できる範囲が当然決まっていることもあり、特に多くの方が利用すると見込まれる試合終了後においては、タクシーがなかなかつかまらないという可能性が容易に想像できるわけであります。
 そこで、タクシー事業者との連携など、タクシー利用者に対する都の対応について改めてお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 観客のタクシー利用につきましては、タクシー事業者団体と大会期間中の乗降場所や乗客への対応について検討を行ってまいりました。
 本大会における退場時のタクシー利用希望者への対応につきましては、営業区域内におけるタクシー事業者との連絡体制や、案内サイン等による利用者へのわかりやすい案内誘導等によりまして、タクシー利用が必要な方についても対応ができるよう、連携して検討を進めてまいります。

○山口委員 また、シャトルバスの発着の駅についてでありますが、昨年三月に策定をした交通輸送基本計画の中で、京王線調布駅、西武多摩川線多磨駅、JR中央線の武蔵境駅、武蔵小金井駅、小田急線の狛江駅の五駅とされているわけでありますが、ラグビーワールドカップ二〇一九大会の地元市にあるJR中央線の三鷹駅も運行してほしいという意見が根強く地元から上がってきているところでもあります。
 そこで、これに対しての東京都の対応について、改めてお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 シャトルバスにつきましては、運行主体となるバス事業者が、限りある車両や人員を有効に活用し、大会時においても通常の路線バスの運行便数を維持しながら、より多くの観客を効率的に輸送できるよう、発着駅を設定することが必要でございます。
 このため、二〇一八年三月に定めました交通輸送基本計画におきまして、ラグビーテストマッチ等での運行実績を踏まえ、バス事業者と協議を行いまして、シャトルバスの需要が高く、効率的な輸送が可能な調布駅、多磨駅、武蔵境駅、武蔵小金井駅、狛江駅を発着駅とすることを想定しております。
 こうした駅とのシャトルバスの運行に、より多くの車両を振り向ける必要があるため、現在では三鷹駅について運行対象として想定しておりません。

○山口委員 大変残念な答弁なわけでありますが、日ごろからご協力をいただいている三鷹駅においても、ぜひとも運行を検討していただきたいと強く要望しておきたいと思います。
 さて、ラグビーテストマッチでは、本番を想定しながらシャトルバスを運行して、利用率が向上したという報告を受けたわけでもあります。
 本番のファンゾーンの多摩会場においては、テストマッチでのイベントと同様、調布駅前で実施することとなっているわけでありますが、本番はより大勢の方々が来場し、海外からのお客様も多くいらっしゃるんだろうというふうに思っています。特に、ファンゾーンに来場した海外の方には、利便性の高いシャトルバスが好まれるのではないかと考えます。
 そこでお伺いをしたいのですが、調布駅前広場、調布市グリーンホールでファンゾーンを開催することによって、多くの方が調布駅発着のシャトルバスを利用することになるのではないかと想像するんですが、これは大変な混雑もあわせて予想がされるわけであります。
 この辺についての都の対応についてお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 調布駅前のファンゾーン多摩会場につきましては、東京スタジアムでの試合開催日は、チケットホルダーの多くが立ち寄り、試合会場を目指していただくことを想定しております。
 調布のファンゾーン多摩会場から東京スタジアムに向かう手段としては、スタジアムと直結するシャトルバスを利用する方法と京王線を利用する方法がございますが、シャトルバスは直接スタジアム前に到着できるため、多くの方に利用いただけるものと考えております。
 都としましては、シャトルバスの円滑な運行に向けて、バス事業者と連携するとともに、バス乗降場周辺に警備員やボランティア等の誘導スタッフを適切に配置し、小まめに運行情報をアナウンスすることを予定しております。

○山口委員 あわせてお伺いしたいんですが、ファンゾーンのPR方法についてもお伺いしたいと思います。
 ラグビーワールドカップという世界的なイベントを成功に導くためには、東京スタジアムを観客で満席にすることだけでは当然十分といえないわけであります。観戦チケットの販売が順調である状況においては、東京スタジアムで試合観戦ができない方々にも試合会場と同じような興奮と感動を共有できるようにしていかなければなりません。そのためにファンゾーンが果たす役割は大きなものがあるということが、きょうの議論の中でも再三いわれて指摘をされているところでもあります。
 そのためには、まず初めに、できるだけ大勢の人にファンゾーンのことを知っていただくところからスタートしなければならないわけであり、また会場に来ていただくことが重要であると考えます。
 そこで、ファンゾーンのことを大勢の方に知っていただくために、基本的に東京都としてどのようにPRをしていくおつもりなのか、改めてお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 ラグビーワールドカップの興奮と感動をできるだけ多くの方々に共有していただくために、ファンゾーンを誰もが気軽に集い楽しめる場所としていくとともに、ファンゾーンのことを幅広く周知していくことが重要であると考えております。
 ファンゾーンのPRにつきましては、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会や都内区市町村とも連携しながら、各種広告、ホームページ、SNS、都主催のイベント等を活用し、幅広く行ってまいります。

○山口委員 ファンゾーンのパブリックビューイングにおいては、日本各地で行われる多くの試合を観戦することができる、また大勢の人が集まって熱い声援を送ることができる、また試合会場さながらの熱気と興奮を共有ができる、すばらしい場所になるんだろうというふうに思うわけでありますが、いわば第二の試合会場になるわけであります。
 それを日本の首都である東京で実施するのですから、当然に多くの方々が来場していただいて、注目も大いに集まる場所にならなければならないわけであります。すなわち、都で実施をするファンゾーンの成否によって、ラグビーワールドカップ二〇一九の評価が変わってくるといっても過言でないと私は思っています。
 都は、このように大変重要なファンゾーンというものをどのようなものとしていこうとしているのか、改めて見解を伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 都におけるファンゾーンでは、全ての人が国籍や性別、応援するチーム等の垣根を越え、互いに打ち解け合い、その輪を広げていくものを目指しております。
 多摩会場は試合会場に近接し、区部会場は銀座や丸の内に近接していることから、多くの方々に来場していただきやすい場所でもございます。都のファンゾーンにおける取り組みは国内外からも注目されるものであると考えております。
 ファンゾーンに訪れた全ての人たちが二〇一九年大会の興奮と感動を共有し、忘れられない記憶を刻むものとなるよう、準備を進めてまいります。

○山口委員 これは日本だけではなくて世界中の注目が集まるワールドカップにおいて、その開催国の首都で行われるファンゾーンの位置づけというのは、本当に大きな意味を持つと思います。おもてなしをする、東京都のおもてなしという場所でこれ以上の場所は当然ないわけでありますから、おもてなしには当然手間も、知恵も、お金も、時間もかけてやらない限りは、やはり相手のことを満たすと、相手に満足をしていただくというのはすごく大変なことだと思います。これは東京都の本当に真価の見せどころだと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思っておりますし、このファンゾーンがすばらしいものにできることによって、大会の成功につなげていただきますように、重ねてお願いをしておきたいと思います。
 続いて、ボランティアの応募についてお伺いさせていただきたいと思います。
 多くの応募があった、三万六千六百四十九人という大変ありがたい応募が都市ボランティアに寄せられたわけであります。キャストという新しい名称も決まり、シティキャストとすばらしい名称も決まり、このキャストという言葉の思いには、競技場と競技場を結ぶ、観客の皆さんとかかわりながらまちで活躍をしてくださる方々を、そしてボランティア一人一人に大会を盛り上げる重要な役割を担ってほしいと、東京都の大変な重い思いを込めての名前が、このシティキャストという名前に込められたというところは大変すばらしいことだとは思います。
 さて、そこで、もう一度、ボランティアをしていただくんだというこの意味、思いをボランティアの皆様とともに共有していくことが重要なわけでありまして、そこで、まず一点、確認をさせていただきたいことがあります。
 都市ボランティアには、チームワークのとれた活動を行うことで質の高いおもてなしができることは、かねてより私も主張してきたところであります。そのためには、企業、団体から職場の仲間が大勢参加していただくことが一つの方法、手段であろうというふうに訴えてきたわけでありますが、都市ボランティアを募集する過程においては、企業、団体からも応募いただく取り組みを行ったことはあるんでしょうか。お伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアの募集では、個人単位に加えまして、不安なく応募いただき、多くの方々に参加いただけるよう、職場の仲間や友人同士、障害のある方と介助者など、四名までのグループによる応募も可能としたところでございます。
 企業や職場でまとまって参加したいとのお問い合わせも数多く受けてございまして、ご希望のあった企業、団体には個別に説明を行うとともに、従業員や構成員の方々へのご案内を行えるよう、応募申し込み用紙の配布やポスターの掲示など、可能な範囲でご協力をいただいております。

○山口委員 こういった申し出やご協力をやっぱり生かさない手はないわけでありますから、これはもう広く、また会場においても、その力を活用できるような仕組みづくり、また取り組みについても、引き続き行っていただきますように要望しておきたいと思います。
 さて、ボランティアに参加をしていただくことに当たっては、これからより詳細に、ボランティアをされる皆様方がどのように運営が進められていくのか理解をしていただく、把握をしていただく、協力をしていただくことで混乱を避けていくということが求められていくんだろうというふうに思います。
 都市ボランティアの応募者の皆さんは、面談、研修を受けるために、会場にまず何回来てもらうことになるのか確認をしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアに応募いただいた方には、基本的に今月から開催する面談、説明会、そして本年十月から順次開催いたします共通研修、役割別研修、配置場所別研修にそれぞれ一回、延べ四回会場にお越しいただく予定でございます。
 ボランティアリーダーの方につきましては、これにリーダーシップ研修が一回加わることになります。
 面談、説明会の所要時間は最大九十分、各研修は三時間から四時間以内を予定いたしますとともに、土日も含め、幅広い日程の中から都合のよい日時を選んでいただくなど、参加しやすさに配慮してまいります。
 研修ではeラーニングなども活用し、都市ボランティアの方々の負担を軽減しながら、必要な知識を身につけていただけるよう工夫してまいります。

○山口委員 ボランティアに参加をされる皆様は意識の高い方々だと思いますので、当然、この辺を確認しながら参加をしていただけていることだろうと思いますが、とはいえ、こういった詳細をあらかじめしっかりと改めてお伝えしていくこと、また認識していただくということが、ボランティアに多くの方に参加をしていただくという点では非常に重要なことだと思います。
 改めて、追加をして伺いたいんですが、都市ボランティアの面談、研修はどこで開催されるのか確認をしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアの面談は、大会ボランティアのオリエンテーションとともに、今月九日より有楽町の旧一〇〇〇days劇場において実施する予定でございます。
 集合研修につきまして、共通研修と役割別研修は都内の会場で、配置場所別研修は都内の各配置場所を予定しておりまして、具体的な場所につきましては今後応募者にお知らせをしてまいります。
 また、先ほども申し上げましたが、研修は集合研修に加え、eラーニングも活用し、効率的、効果的に実施してまいります。

○山口委員 都内一カ所でということでありますから、この報告の中においては、年代別、国籍別、国籍は確認をしていなかったということでありますが、十代から八十代まで、幅広い方がいらっしゃると。
 日本全国で都市ボランティアに参加してくださるという予定をされる方がいるとすれば、結構な回数を東京にまで足を運ばなければならなくなるわけであります。三時間から四時間の研修ということでありますが、場所によっては東京に宿泊をしなければこの研修が受けられないという方もいらっしゃるかもしれない。そういう方々がそこまでの意識を持って臨んでくださっているのか、ひょっとすると、それによってボランティアを諦めなければならなくなってしまう方もいらっしゃるかもしれない。
 そういった方々も含めて、しっかりともう一度、研修や面接にこれだけの回数来て、そして、全国、世界からもいらっしゃるわけですから、こういった方々が、いかに一人でも多くの方に負担なく、そして、できるだけ参加をしていただけるような仕組みを考えていかなければならないんだろうなというふうに思っているところであります。
 その方法として、都市ボランティアの応募者の方々、参加をなるべく多くしていただくためには、都市ボランティアの活動日数のあり方や研修に来る回数なども早いうちから十分に理解をいただくことで、各自でそれぞれの準備をしていただけるんではないかと思うんですが、都の取り組みを伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアの応募者には、基本的に研修に延べ四回参加いただくことになりますが、土日も含め、幅広い日程の中から、応募者の都合のよい日時を選んでいただくなど、参加しやすさに配慮してまいります。
 また、都市ボランティアの活動には、オリンピック・パラリンピックの両期間を通じ、五日から、週休日なども活用し、連続した日程でなくても参加することが可能でございます。
 こうした点につきましては、募集説明会や応募いただいた方にお送りしたメール等の中で詳しくご案内してまいりました。
 今月より開催する面談、説明会におきましても、研修日程や活動日などの考え方を改めて説明いたしますとともに、参加可能な日程などのご都合や、配慮、支援を必要とする内容等を丁寧に伺い、多くの応募者の方に活動に参加いただけるよう取り組んでまいります。

○山口委員 より一層、受けやすい研修であったり面談であったりということが求められるんだと思いますが、例えば、サテライト的にでも、主要都市の行政、役所をお借りするなどして、負担を、持ち出しも、こちらもなるべく経費をかけずに、また皆様の経済的な負担なんかも減少できるような面談の方法、また研修の方法などもぜひ検討していただければなというふうに要望しておきたいと思います。
 さて、都市ボランティアの応募者数三万六千人強いるわけでありますが、志を持って応募をしてくださった方々であって、この意思を最大限尊重して、本人の都合以外で参加を辞退するようなことは極力ないようにするべきではないかというふうに思っておりますが、都市ボランティアの面接はどのような内容で行われるのか、改めて概要を伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアの面談、説明会は、大会ボランティアのオリエンテーションとともに、今月九日から有楽町の旧一〇〇〇days劇場において実施いたします。
 都は、面談を選考ではなく、応募者のご都合やご意向等を丁寧に伺う場として実施してまいります。
 やむを得ないご事情からボランティア活動にご参加いただけない方々も出ることが想定されることから、より多くの方々に参加いただけるよう取り組んでまいります。
 面談、説明会の実施日は、二月九日から七月にかけて百日程度、土日、夜間を含む幅広い日程をご用意しており、応募者の方には都合のよい日時を選んでご参加いただく予定でございます。
 託児をご希望の方には、会場内で託児サービスをご利用いただけるように対応してまいります。
 応募者との面談では、参加可能な日程や活動エリア等に関するご意向やご都合など、配慮、支援を必要とする内容を都の職員が丁寧に伺いまして、意欲のある方々に得意分野を生かしながら都市ボランティアとして活躍いただけるよう取り組んでまいります。

○山口委員 面談については都内の会場で開催されるということは先ほど確認したんですが、障害のある方や海外在住の方など、会場に来ることがやはり困難な方もいるのではないかというふうに想像できます。
 ケース・バイ・ケースで、例えばスカイプなどを使った面談などを検討できないものでしょうか。お伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 面談は、応募者のご都合やご意向、配慮、支援が必要な内容等を丁寧に伺う場として実施することから、応募者への負担にも配慮しながら、可能な限り直接お会いしてコミュニケーションを図ることが重要と考えております。
 一方、応募者が病気や障害等のため参加が困難なことも想定されますが、その場合には、個々の状況を踏まえまして、会場にお越しいただかなくてもコミュニケーションを行う方策を現在検討しているところでございます。

○山口委員 すばらしい答弁だと思います。やはり前向きに、できる限り協力をしていただく、その姿勢を持って、ぜひいろんな取り組みをしていただければなというふうに思います。
 大切なキャストの皆様、これも大切な同志、仲間であって、都への協力の姿勢を示してくださっている仲間だからこそ、やはり、希望しているからこそ当たり前ではなくて、でき得る限りのキャストの皆さんへのおもてなしの精神も示していただけるように要望いたしまして、以上で質問を終わります。

○おときた委員 では、私からは、ライブサイト、シティードレッシング、そしてボランティアの三点について質問いたします。
 初めに、ライブサイトについてお伺いいたします。
 今回の基本計画案と昨年のライブサイトに関する開催都市東京の考え方について、こちらの資料を比べますと、都庁都民広場とされていた会場が都庁舎へと変わっています。
 昨年五月の当委員会のご答弁においては、広いスペースが確保できる屋外の候補地を基本に抽出とも答弁いただいておりましたのが、屋内の都庁舎と変更されたわけですが、この点についての変更理由をお伺いいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 昨年四月に公表した都内八候補地については、ライブサイトの主な要件に照らして選定したものでございますが、各候補地により利用可能面積など立地特性等が異なるため、それぞれの実施可否や実施規模、内容等を個別に検討していくこととしておりました。
 その後、都と組織委員会は現地調査や関係者との協議を行いながら、特に各会場の特性に応じた適切なセキュリティー対策に万全を期すとともに、大規模なライブサイトは数を絞るなど、安全・安心な運営に向けた検討を実施してまいりました。
 その結果、各会場の状況を踏まえ、実施内容や運営にめり張りをつけることとし、都庁においては都民広場ではなく、既存の映像機器や冷房を使用できる屋内のホール等を使用し、快適な環境で競技のライブ中継を楽しめるようにすることといたしました。

○おときた委員 昨年の当委員会でも意見を述べさせていただきましたが、ライブサイトは、国際感覚になじむ祝祭的な雰囲気、いわばフェス感を備えている必要があります。
 そして、その点についてはご同意をいただいていたからこそ、なるべく屋外で行われるという方向性であったわけで、駅の乗降客数が世界一の新宿駅近くにあり、多くの人々が訪れる可能性が高い会場となるこの都庁周辺において、屋内会場となることは少々残念に思うところであります。
 また、例えばロンドンでは、市庁舎の横のスペースがザ・スクープと呼ばれる広場となっており、スポーツイベントのパブリックビューイング会場になるなどして、広く市民に親しまれていると聞き及びます。
 こうした取り組みから、開かれた行政、親しみやすい行政にまでつながるわけであり、都庁舎周りはほかの会場以上に開放的な雰囲気でやっていただきたかったというのが率直な思いであります。
 もっとも、この都庁の周りはコンクリートに覆われており、暑さ対策がしにくいことや、構造上、セキュリティーの確保が難しいことも確かであって、屋内会場を選択したことも理解をいたします。
 屋内会場となったとしても、ライブサイトは祝祭的な雰囲気を出していただくことが必須であり、また先ほど申し上げたとおり、他の会場以上に親しみやすい雰囲気で盛り上げていただきたいと思います。
 そこで、具体的には、都庁舎内での実施であれば、都議会議事堂の中や都庁舎と都議会議事堂との間の渡り廊下、展望台、そして可能であれば知事室なども含めて、都庁内全てをコンセプチュアルに活用するべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都庁舎を活用したライブサイトの運営については、これから詳細を検討してまいりますが、現在のところ都民ホールやオリンピック・パラリンピックフラッグの展示コーナー、展望台などを活用できるかどうか検討しているところでございます。
 都庁舎内での実施に当たり、今後、来訪者と職員の動線の整理、セキュリティー対策など、庁舎管理への影響も十分考慮しながら、来訪者に競技中継やさまざまな展示などを楽しんでいただけるよう具体的な検討を進めてまいります。

○おときた委員 比較になるかわかりませんが、豊洲市場なども、やはりこういう開放をするときには隅々まで来場者が見て回れるような仕掛けをして、その結果、市場に対する親しみが湧いたという感想が多く届いております。
 現在も観光客が多く訪れている展望台までは含めて検討していただいているということで、ぜひともコンセプチュアルで、かつ都庁舎全体が親しまれ、東京そのもののPRにつながる取り組みとなることを期待したいと思います。
 次に、シティードレッシングについてご質問いたします。
 東京都は先ごろ一月十八日に、民間施設を活用した大会エンブレム装飾の実施についてを発表いたしました。これは東京都が装飾の実施主体となり、施設所有者の協力を得て、都内民間施設の外壁に東京二〇二〇大会のエンブレムなどを大会終了まで継続して掲出するというもので、民間施設を活用したシティードレッシングの一環であると考えられますが、今回のシティードレッシングと大規模展示物基本計画との関連性、一体性について、まず都の見解をお伺いいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都はこれまで、東京二〇二〇大会の機運醸成のため、大会エンブレムやマスコットを活用した横断幕やのぼり旗、バナーの掲出など、装飾による盛り上げを実施してまいりました。
 また、区市町村では、みずからが主体となって、周辺の公共施設とともに商店街にフラッグを掲出する取り組みも始められております。
 こうした取り組みに加え、民間の力もさらに活用して装飾の拡大を図るため、昨年八月から大会パートナー以外の民間事業者にも参画いただけるエンブレム装飾事業を開始し、一層の機運醸成を図ることといたしました。
 現在、都の取り組みに加え、区市町村や民間事業者にもご協力いただきながら、エンブレム等の装飾を実施する取り組みを推進しているところでございます。
 こうした中、今般、東京二〇二〇大会のシティドレッシング・大規模展示物基本計画(案)を公表いたしました。大会直前から都が実施する内容を明らかにすることで、区市町村や民間による取り組みをさらに拡大していきたいと考えております。
 引き続き大会本番に向けて、都内全域での装飾の充実を図り、祝祭感を醸成してまいります。

○おときた委員 この民間施設を活用した大会エンブレム装飾もシティードレッシングの一環であるということが確認できました。そうであれば、この取り組みも透明性が高く、公正で、費用対効果も高いものであるべきだと考えます。
 先ごろ、第一号が発表されたこの民間施設活用の装飾において、現時点まで施設所有者からの問い合わせが何件あったのか、まずお伺いいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 事業の募集を開始した昨年八月以降、民間事業者から十件ほどのお問い合わせをいただいております。
 この事業は、対象をランドマークとなる建物としていること、また民間事業者に費用負担のご協力をいただくことや、アンブッシュマーケティングに該当しないこと等の要件がございますが、今後、取り組みを広げていけるよう、引き続き事業のPRを強化してまいります。

○おときた委員 前向きな新たな取り組みではあるものの、現時点では残念ながら非常に少ない件数から選定されているということがわかりました。
 ここで、この民間施設活用の装飾における費用負担はどのようになっているのか、都の経費負担は発生するのかどうか、こちらを確認のため、お伺いいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 当該装飾事業は、民間事業者に掲出場所の提供のほか、装飾に使用する壁面バナーの作成、掲出、維持管理及び撤去に至る費用全般についてご負担いただくこととなっており、都としての経費負担はございません。

○おときた委員 民間施設所有者の方に費用をお願いしているということで、都負担はないということがわかりました。もっとも、そうであったとしても、後述するオフィシャルスポンサーやアンブッシュマーケティングとの関係性から、施設所有者や行政、議員の間に利益供与などのあらぬ疑いがかからぬよう、選考過程の透明性を担保する必要があるかと思います。
 そこで、今回、第一号として、目黒区の自動車学校のみが選定されましたが、この経緯と理由についてお伺いをいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 これまで、さまざまな民間事業者や商店街などから、大会の盛り上げに協力したいというお申し出をいただいてまいりました。
 都は、大会機運醸成のため、都庁舎等の建物にPR効果の高い大きな壁面バナーを掲出する取り組みを進めてまいりましたが、さらに幅広い民間のご協力により、大会の装飾を拡大したいと考えていたところでございます。
 このため、大会パートナー以外の事業者も参画できるよう、さまざまな課題を整理し、昨年八月に民間建物の外壁にエンブレム等の装飾を行う事業を開始いたしました。
 この事業は、民間事業者に費用を全額負担していただくということに加え、ランドマークとなる建物であることや、アンブッシュマーケティング等に関する制約など、さまざまな要件がございます。
 事業開始後、複数の民間事業者と協議を進めてきており、目黒区の当該建物については、実施に向けた調整や諸手続が今回初めて整ったことから、二月下旬に第一号として実施が可能となったものでございます。

○おときた委員 確かに、この当該事業者の方、山手線からよく見える目立つスポットの一つではあるかと思います。
 ただ、特に観光雑誌に載っているような東京を象徴する写真としてたびたび登場するようなスポットとまではいえないため、選定条件として発表しているランドマークとなる建築物とまではいい切れず、少々、こちらには疑問が残るところです。
 ここで対象となる民間施設の条件を確認いたしますと、一、ランドマークとなる建築物で、東京二〇二〇大会の機運醸成に寄与するものであること、二、建築物またはその所在場所が東京二〇二〇大会のイメージなどに悪影響を及ぼさないものであること、三、東京二〇二〇大会のアンブッシュマーケティングに該当しない建築物であることなどとなっております。
 とすると、今回対象となった建物は眼前の自動車教習所と一体となっており、建物と自動車とをあわせれば、五輪マークを殊さら利用した企業宣伝とも思われかねず、建物の企業名を隠していたとしても、アンブッシュマーケティングに抵触する可能性があるとの指摘もありますが、こちらについての都の見解をお伺いいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 本事業の実施に当たっては、対象となる施設、実施要件、実施方法等、必要な事項を実施要項により規定しており、そのうち、特にアンブッシュマーケティングに関する事項は組織委員会と協議を行った上で定めております。
 今回の目黒区の当該建物における装飾の実施に当たっては、実施要項に基づき、大会エンブレムのバナーと企業ロゴが近接しないようにするなど、アンブッシュマーケティングに該当しない対応を行うこととし、組織委員会の承認も得て実施したものでございます。

○おときた委員 アンブッシュマーケティングの問題はないとのご答弁でございましたが、この制度を活用すれば五輪マークと企業名は、この場所を通りかかった人にはわかるわけで、企業価値が高まる側面もあると考えられます。
 都税負担がかからないという意味で、この取り組みは評価できるものです。決して今後萎縮してほしいわけではありませんが、民間事業者と関係者による利益誘導が起きかねない可能性には配慮する必要があると考えます。
 本事業の選考過程においては、民間事業者や議員、関係者と行政側が接触した記録は全て残し、後に公開することを検討するなど、透明性を高く確保するルールを確立されることを要望しておきます。
 最後に、都市ボランティアについて質問いたします。
 今回、都市ボランティアの応募数が公表されたわけですが、実際にこの中から何人の方が実働していただけるのかは、やや不安に思うところであります。
 リオ大会においては、大会が始まってみると約一万五千人が姿を見せなかったということも報告されているからです。
 その点などを踏まえて、今回の募集人数は必要となるのに十分な人数であるのか、あるいは内定者数を多目に見積もっているのか、そもそも辞退率をどの程度予測しているのかについてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアの募集人数二万人は、大会を円滑に運営するために予定している人数でございます。
 都は、面談を選考ではなく、応募者のご都合やご意向等を丁寧に伺う場として実施いたします。都市ボランティアには二万人の募集に対し、三万六千人以上の方々に応募いただいており、やむを得ないご事情から活動を辞退される方々が出た場合にも、予定している人数にご参加いただけるものと考えておりますが、面談等を通じ、より多くの方々に参加いただけるよう取り組んでまいります。

○おときた委員 今のお答えの内容でございますと、辞退者の予測や不測の事態、コンティンジェンシープラン作成などができておらず、綿密な計画が現時点では立てられないように感じられます。
 辞退者がふえ、募集人数、想定人数を下回った場合、追加募集するなどのプランはないのか、現時点の所見をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ご答弁いたしましたとおり、都市ボランティアには二万人の募集に対し、三万六千人以上の方々に応募いただいており、やむを得ないご事情から活動を辞退される方々が出た場合にも、予定している人数にご参加いただけるものと考えておりますが、面談等を通じ、より多くの方々に参加いただけるよう取り組んでまいります。

○おときた委員 繰り返しの答弁となったわけですけれども、こちら、繰り返しになりますけれども、金銭契約のないボランティアのような人集めの場合には予測が非常に立てづらいわけですから、コンティンジェンシープラン、万が一のときの不測の事態に備えたプランBを考えるということは、民間では一般的な方法になってきております。
 大幅に申し込み数を超過した大会ボランティアから人員を確保することや、都市ボランティアの二次募集を検討しておくなど、さまざまな工夫と打ち手を用意して、不測の事態に備えるプランを立てられておくことを要望いたします。
 また、都市ボランティアは応募された方を絞る、選考するということはないとのことですが、大会ボランティアの方は人数を絞っていくという方針が報道されています。この点につき、せっかくご応募いただいた思いのある方々の人数を絞るということはいかがなものかという指摘もなされているところでございます。
 多くの人がボランティアに参加するべきであると考えますが、大会ボランティアの方の選考の考え方についてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 組織委員会では、大会ボランティア応募者の希望する活動分野、活動場所などをもとにマッチングを行い、成立した方にオリエンテーションにご参加いただき、不成立の場合はその旨を本年九月ごろにお知らせする予定であると聞いております。その後、オリエンテーションにおける面談等でお伺いした内容も含めた全ての情報と、実際の役割、活動場所等を総合的に考慮の上、マッチングを行ってまいります。
 具体的な役割、活動場所は、来年三月以降、応募者にお知らせする予定でございます。

○おときた委員 こちらの大会ボランティアについても、現時点では辞退者多数というような不測の事態に対する想定はされておらず、何かが発生するというような不安は拭えない状態であるかとも思います。ぜひとも、より柔軟な仕組みを構築して多様な人材確保に努められますことを要望いたします。
 さて、多様な人材という点でいえば、東京大会のボランティアは、障害の有無にかかわらず活躍してもらえるように応募の門戸を開いており、この姿勢は高く評価をするものです。
 この配慮を希望される方の割合、人数などを伺おうと思ったんですが、資料要求で出していただきまして、現在、百四十名の配慮、支援を希望する方がいらっしゃるということでございました。
 約三万六千人の応募者数のうち百四十名ということで、人数としては非常に限られているものの、いただいた資料によって、肢体不自由やALSなど、さまざまな障害のある方から応募があったことがわかりました。恐らく、従来であれば社会参加が難しかった人々も、テクノロジーの進化によってボランティア参加などに希望を見出していることは大変すばらしく、可能性を感じさせるものではないかと思います。
 そうした障害者などの配慮を必要とされる方のボランティア参加という点では、今応募されている方への対応方法を柔軟化し、充実させることは特に重要です。
 今後、障害者など特別な配慮を必要とされる方の採用、選考はどのように行っていくのかお伺いいたします。
 特に、対面で面接に来たり、研修を受けるのが困難な場合はどのように対応していくのか所見をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都は、障害者の方々も応募されている都市ボランティアの面談につきましては、選考ではなく、応募者のご都合やご意向等を丁寧に伺う場として実施してまいります。
 面談では、参加可能な日程や活動エリアなどに関するご意向やご都合、障害のため、活動に当たり配慮、支援を必要とする内容等を都の職員が丁寧に伺い、障害の有無にかかわらず、意欲のある多くの方々に得意分野を生かしながら活動に参加いただけるよう取り組んでまいります。
 そのため、面談は応募者への負担にも配慮しながら、可能な限り直接お会いしてコミュニケーションを図ることが重要と考えております。
 また、研修はボランティア同士の交流やチームとして活動いただくための仲間意識を醸成する機会として捉えておりまして、可能な限り参加していただきたいと考えております。
 一方、応募者が病気や障害等のため、面談や研修に参加が困難なことも想定されますので、その場合は個々の状況を踏まえまして、しっかりと対応してまいります。

○おときた委員 障害者の方がボランティアに参加することで、当事者としての知見が生かされる場面が必ず出てくると考えられます。
 ご答弁でさまざまな方法を検討ということをおっしゃっておりましたが、スカイプやeラーニングなど、工夫した取り組みを通じて、ボランティアチームに障害者など、当事者の知見を共有できるようにしていただきたいと思います。
 そして、テクノロジーの進化により、驚くほど社会参加の可能性は広がっています。昨年末には、日本財団ビルで分身ロボットカフェという企画が行われました。遠隔操作されたロボットがカフェにいて、オーダーやサーブなどの作業を行うというものですが、驚くべきことは、このロボットを操作したのは難病や障害などで、いわゆる寝たきり状態の方々であったことです。ある方は指先で、ある方は顎で、ある方は目の動きだけで、彼らのために開発された分身ロボットによって、ついに寝たきり状態にある人でも自宅から遠隔操作によって仕事を、とりわけデスクワークだけではなく、人と接する接客業、サービス業まですることが可能になりました。これは、あらゆる人の社会参画の可能性を切り開く非常に大きな一歩であったと考えます。
 このカフェで実際に勤務していた重症心身障害者、難病患者の皆様も、分身ロボットを使っての五輪ボランティア参加を望んでおります。こうした可能性にも門戸を開くべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会では、都民一人一人が大会の担い手であると実感し、大会をより身近に感じていただくため、障害の有無などにかかわらず、多くの方々にボランティアとして活躍いただけるよう取り組んでおります。
 障害者等の方々による都市ボランティアとしての活動に当たりましては、応募申し込み時に配慮や支援を要する内容を伺っております。
 お話のような場合に、どのように対応できるかにつきましては今後の検討となりますが、まずは面談等の機会を通じ、それぞれの状況について詳しくお伺いしてまいります。

○おときた委員 まずは話を伺っていただけるということで、可能性を確保していただいたことを評価いたします。
 先入観と前例にとらわれず、参加が実現されることを切に期待をいたします。ダイバーシティーを目指す東京から、分身ロボットによる要支援者のボランティア参加が実現できれば、その社会的、世界的影響ははかり知れません。
 技術面や費用面など、課題も生じてくるかと思いますが、ぜひとも東京大会で多様な人々のボランティア参加を目に見える形で実現していただき、あらゆる人が社会参加できるようなレガシーを残す取り組みをしていただきたいと思います。
 一方で、今回の都市ボランティアにおける障害者の応募状況はまだまだ非常に少ないものでした。とりわけ二度目のパラリンピックが開催され、多様性ある社会を目指す東京都としては、あらゆる障害の有無にかかわらず、活躍できることを証明し、世界や社会に示すことができる最大の機会であると考えます。
 現時点では百四十名から応募があったわけですが、今後は一定の目標、枠を設けて採用を進めるべきと考えますが、そのような予定があるのかどうか、都の見解をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 障害者の方々も応募されておられます都市ボランティアの面談につきましては、選考ではなく、応募者のご都合やご意向等を丁寧に伺う場として実施してまいります。
 参加者数に何らかの目標や枠を設ける予定はございませんが、参加可能な日程や活動エリア等に関するご意向やご都合、障害等のため、活動に当たり配慮、支援を必要とする内容を都の職員が丁寧に伺いまして、障害の有無にかかわらず、意欲のある多くの応募者の方々に得意分野を生かしながら活動に参加いただけるよう取り組んでまいります。

○おときた委員 できるだけ全員、そして丁寧な対応をしていくという発想はすばらしいものである反面、目標をきちんと設けなければ、できない理由の方を探してしまって、結局は参加者数がさらに少数に限られてしまうのではないかという点をやや危惧するものです。
 最後に意見を申し上げますが、今大会の基本コンセプトである多様性と調和、障害の有無など、あらゆる面での違いを肯定し、自然に受け入れ、互いに認め合うといった点をぜひ都市ボランティアから具現化していただきたいと思います。
 ある民間報告によれば、ロンドンでは障害者ボランティアの活躍がマスメディアで大きく取り上げられ、続くリオデジャネイロでも会場内で案内業務に従事する車椅子ボランティアの姿を数多く目にしたという記述が残っています。
 また、ロンドン大会では、実にボランティアの四%が障害者であったということも聞き及びます。現時点で応募がある百四十名が全て採用されたとしても、母数が二万人だとして一%未満とロンドン大会に遠く及びません。
 先ほども申し上げましたが、障害者の知見や経験は必ずやボランティアチームに生かされます。また、障害があることで社会参加を諦めている障害者が数多くいる現状をボランティア参加の促進によって変化させることも期待できます。
 そのためにも数値目標をしっかり定める、障害者の枠や割合を定めるなどして、場合によっては追加募集を検討するなど、障害者など、多様な背景を持つ人々のボランティア人数をぜひふやす取り組みをしていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○白戸委員 私からも、今質疑がありましたが、ボランティアに関しての質疑をさせていただきます。
 募集の段階から多くの論議を呼びましたこのオリンピック・パラリンピックのボランティア、関係者の皆様の熱心な広報活動、そして募集活動が実を結びまして、定員を大きく上回る方にご応募いただいたことは本当によかったのではないかなというふうに思っております。
 ちなみに私がスポーツのイベントをつくる仕事をしているときにいつも感じていることは、大会の温度感というのは、運営者、参加者、そして観客、さらには地元社会、そしてボランティアが決めるものだということです。
 参加者や運営者はもちろんなんですが、実は選手や観客に一番接するのはボランティアの方々なんです。この方がどんな気持ちで、どんな表情で大会を彩ることができるかというのは大変重要なことです。
 ボランティアが楽しそうにやってくれている大会は参加者にとっても心地よい、そんな現場をつくるべく、私も努力してきました。
 そうした意味では、今回のこのボランティア募集というのは、大会の成功の大きな鍵ではないかというふうに考えております。
 まず、今回、この都市ボランティアの活動日、五日以上ということで募集しておりますが、応募者全体の参加可能な日数はどのぐらいになったのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアへの応募に当たり、活動可能な日数をお伺いしているところでございますが、五日と回答した方は全体の五〇%、また六日から十日の方は三五%、十一日から十五日の方は六%、十六日から二十日の方は四%、二十一日以上の方は六%となってございます。

○白戸委員 今の数字を聞くにつけて、やはり大会ボランティアよりも半分の五日という短い期間にしても、日本人はやはりこの日数をとるというのがなかなか難しいんだなというのが正直な感想でございます。
 ただ、今回、五日以上という制約も、実は先ほどもお話が出ていましたが、連続しなくともよいとか、日にちを指定できるとかといういろんな方法があったということが、まだ余り知られていなかったというのが今回の少し課題ではないかなとも思います。
 そうした意味で、今後、日程がさまざまありますので、こういったところでしっかりとお伝えしていくことが大事ではないかなというふうに感じます。
 さて、今回の応募者の年代を見ますと、未来を担う十代の若者が多く、個人的には非常に心強いなというふうに思いました。
 一方、働く世代、子育て世代の中心となる三十代の応募者が九%ということで、ほかの年代と比べてかなり少なくなっています。仕事や家庭の事情で応募しない、もしくはできない三十代の方も多かったのではないかなというふうに推察されます。
 応募者の半数も最低限の五日だけでも参加可能ということで、今後事情が変わって、都市ボランティアに参加できなくなることも考えられます。
 働く世代、子育て世代の方々にも大会に積極的に参加してもらえるような、そんな取り組みを伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアの活動につきましては、働く世代や子育て世代を含め、多様な方々が参加し活躍できるよう取り組んでいくことが重要でございます。
 都は、働く世代のボランティア参加機運の醸成を図るため、昨年度より大会に向けた独自の取り組みとして、ボランティア休暇の整備に対する支援を実施し、従業員による活動への参加を促進する企業に助成を行っております。
 商工団体の広報紙や企業の人事担当者向けのメールマガジン等を通じ、ボランティア休暇制度の普及や大会期間中の休暇取得の促進を引き続き働きかけてまいります。
 都市ボランティアにつきましては、その活動日は連続した日程である必要はなく、週休日なども活用して参加することが可能でございまして、また大会時に子育て世代が都市ボランティアの活動に参加できるよう託児サービスの提供も検討しております。
 今月より実施する面談、説明会では、こうした活動日の考え方や託児サービスの提供等について説明をいたしますとともに、応募者本人のご都合やご意向、子供連れの参加など、配慮、支援が必要な内容等を丁寧に伺い、働く世代、子育て世代の方々に参加いただけるよう取り組んでまいります。

○白戸委員 本当に今の答弁を聞きますと、非常にすばらしい取り組みが幾つもありまして、この取り組みが募集の段階でもっと周知されていればよかったんじゃないかななんていうふうなことも思ってしまうんですが、どちらにしましても、こういったすばらしい取り組み、今大会だけではなくて、今後のボランティア、ひいては働き方にかかわってくる大切な取り組みだというふうに思います。ぜひ今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そして、二十万人を超えます応募をいただきました大会ボランティアに関しての選考に関しては、先ほどの答弁で出ていたとおり、大会ボランティアでは応募数が非常に多いということもありますが、まずはマッチングをして、面談をする前にある程度振り分け、絞り込みがされるということになっているようです。
 また、予定よりも採用を減らすなどの方法も発表されていると聞いております。そして、今月より開始予定の都市ボランティアの面談、こちらも選考の方法、面談の方向性に関しては、先ほどの答弁にもありました。
 面談を選考ではなく、応募者の都合やご意向を丁寧に伺う場というお答えでした。つまり、応募いただいた方全てにかかわる機会をつくる。これは、私は本当にすばらしい方向性ではないかなというふうに考えております。
 応募いただいた皆さん、それぞれ職場、家庭、何らかのさまざまなハードルを越えて、そして志を持ってこのボランティアに応募いただいた方々です。この思いに対してしっかりと応えていくことは非常に重要かと考えます。
 さらに、ボランティアにかかわることで、自分たちがつくっている我々の大会なんだという思いが強くなるということも、これ、見逃せません。今回の東京大会は、見るだけのものではなく、全ての方にさまざまな形で、さまざまな方法で参加してもらうということが重要な大会であると考えます。多くの方がボランティアとして参加いただける場をつくることは非常に有益なのではないかなと考えます。
 さらに、ボランティアは無償の活動ではあります。しかし、仕事や家庭の時間を割いて参加いただいていることもあり、活動したあかしや記念となるものを提供できれば、参加者は誇りを感じたり、大会後もボランティアをまたしてみたい、続けようという気持ちが高まるのではないかと思っております。このあたりについての検討状況を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 過去大会では、ボランティアに対し、活動に当たりユニホームを提供するとともに、活動後に大会マスコット関連グッズなどを提供するなどの取り組みを行っておりました。
 東京大会におきましても、都市ボランティア独自のデザインのユニホーム一式を今後お渡しする予定でございます。
 また、都市ボランティア本人の申請に基づき、活動日などを記載した証明書を発行するよう取り組んでおります。
 引き続き、過去大会の事例も参考にしながら、都市ボランティアとして活動いただいた方に感謝の意を表明し、その活動が東京二〇二〇大会を支えたことを実感できるような取り組みについて検討してまいります。

○白戸委員 ボランティアをされた皆さんが欲しいのは、金銭ではなくて誇りであるというふうに思います。そんな誇りが鼓舞できるような記念品をぜひお願いしたいと思います。
 例えば、職場ですとか、何かの活動の際にも使えるバッジみたいなものもおもしろいかなというふうに感じます。そういうものがありますと、アイスブレイクのネタにもなりますし、連帯感を持つような場にできるというふうに思います。ぜひご検討いただきたいと思います。
 そして、都市ボランティアにおいては、お互いに連携し、強みを生かし合って、チームとして質の高いおもてなしができるようになっていただきたいと考えております。
 この都市ボランティア、しかし、言葉は悪いかもしれませんが、必ずその日その日の、ある意味、寄せ集めになってしまうことも現状でございます。こうした都市ボランティアのチームワークを高める取り組みについて伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアは、空港ターミナルビルや主要駅構内に設置する案内ブースや競技会場最寄り駅から会場までの主なポイントにおきまして、二人一組を基本に、複数のペアで活動いただく予定でございます。
 都市ボランティア同士が連携し、語学スキルや観光に関する知識など、個々の強みを生かした案内を行い、チームとして一体的に活動できるようにすることは、大会の円滑な運営を図る上で重要でございます。
 今月より実施する面談、説明会では、当日初めて会った者同士がコミュニケーションを深めるきっかけを提供できるようなグループワークを行っていただくことも予定しておりまして、また研修におきましても、ボランティアが集合する機会を活用し、チームとして活動いただくための仲間意識の醸成を図ってまいります。
 大会期間中は、各活動拠点で都市ボランティアのリーダーを中心に活動いただくなど、ボランティアの一体的な活動に向けた取り組みを進めてまいります。

○白戸委員 やはりボランティアがより機能するためにも、初見の方々と活動できるチームワーク、非常に重要だと思います。また、ボランティアの皆さんにとっても、そのコミュニティ自体が今後の財産になっていくものと考えます。
 そこで、ボランティア専用のSNSみたいなものをつくってはどうかと。これは私の考えですけれども、思います。このSNSがあることでボランティア同士のコミュニケーションの円滑化はもちろんですし、大会からの連絡等も非常にスムーズになります。さらに、ボランティアをやっている人が入れるんだ、やった人だけが入れるんだというようなことは非常に誇りに感じる場所でもあります。
 これから面談が始まり、そしてメンバーが確定していくところだと思います。ぜひご検討いただければと思います。
 続きまして、シティードレッシング、そして大規模展示物の質疑に移らせていただきます。
 空港に着いた瞬間に飛び込んでくるオリンピックのマーク、空港のあちこちにそんな雰囲気を感じさせてくれるだけで心の高鳴りは大きく変わります。そして、その後、まちに入りますと、あちこちに装飾され、案内が出ている。道案内のボランティアがほほ笑みをかけてくれ、実際の大会はまだ何一つ見ていないのに、すっかり気分はオリンピック・パラリンピックに染められている。これが、今まで僕自身が過去に経験してきたオリンピック・パラリンピックの印象です。
 そう、実は実際の競技以上に、まちの雰囲気は大会の気分を盛り上げてくれるものだと考えます。それは、決して海外からのお客様のことだけではありません。実際は都民や国民の中でも大会を実際に見られない方、見ることができない方の方が多いんです。
 テレビ観戦しかできないという方も多くいらっしゃるでしょう。そんな方々が、競技ではなく大会の雰囲気を肌で感じてもらうには、やはりまち中の装飾等で空気感をいかにつくり出せるかということが重要だと考えます。そういった意味では、シティードレッシング、大規模展示物のどちらも大会の機運醸成には大変重要なものではないかと考えます。
 しかし、平昌大会の例を見るまでもなく、オリンピックへの盛り上げはできていても、パラリンピックへの盛り上げが伴っていないのが実情でございます。これは、オリンピック・パラリンピックという順序の問題もあると思われますが、それはここでは論議する問題ではないので置いておきまして、ともあれ東京においては、オリンピックはもちろんなんですが、パラリンピックもしっかり盛り上がって開催されることが大事だと思います。
 かねがね、これも繰り返し東京都でもいわれておりますが、オリンピックはもちろんですが、パラリンピックもしっかり盛り上げて開催することが成功であるとしているだけに、この両大会の機運醸成になるような仕掛けが必要だと考えますが、都としてこのあたりをどのように捉えて対応されていくのか考えを伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇大会において、オリンピック・パラリンピックを一体的に盛り上げていくことは重要でございます。
 大会のシティードレッシングについては、オリンピック・パラリンピック共通のフラッグなどを用いて、大会期間中を通して装飾を行う予定でございます。
 また、大会マスコット像についても、オリンピックマスコットとパラリンピックマスコットをセットで設置することで、両大会を一体的に盛り上げてまいります。
 なお、オリンピック・パラリンピックシンボルについては、IOCから単独で設置することを求められており、オリンピック終了後にパラリンピックシンボルへの切りかえを予定しております。

○白戸委員 いろいろと規則があって難しい側面もあるとは思います。本当に過去の事例を見ますと、どうしてもオリンピックに重点が置かれ過ぎてしまって、パラリンピックに力が及ばないというところが多いようです。ぜひ東京大会におかれましては、シティードレッシング、そして大規模展示物を活用し、オリンピック・パラリンピックを一体的に盛り上げていっていただくことを要望しておきます。
 そして、中でもオリンピック・パラリンピックのシンボル、これは大変大きな注目を集めます。これをどのように発表するかも大切な演出であると考えます。
 昨日の聖火台の質疑と若干重なるんですが、大会の象徴であるこのシンボルに関しましては、これにまつわるニュース事態が既にもう発信力があり、大会の機運醸成だと思います。情報公開に関しては非常にセンシティブなところもあり、サプライズ感を損なわないようにする必要などもあると思いますが、可能な範囲で多くの人に関心を持ってもらえるような工夫が必要だと思います。
 タイムリーな話題の提供、そしてそのリリースの仕方など、そのための戦略をしっかりと考えていくべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 認知度が高いオリンピック・パラリンピックシンボルを活用して、戦略的に大会の機運醸成を図っていくことは重要でございます。
 区部及び多摩における象徴的な場所である臨海部と高尾山に設置するオリンピックシンボルについては、オリンピックイヤーの幕あけとなる二〇二〇年一月から順次設置し、お披露目方法を工夫することで、開催都市東京の世界発信に加え、大会が間近に迫ったことをアピールしてまいります。
 また、東京二〇二〇ライブサイト等会場や空港に設置するオリンピックシンボルについては、二〇二〇年六月ごろから設置することで、大会直前の開催機運の盛り上げを加速させてまいります。
 さらに、オリンピック終了後、一斉にパラリンピックシンボルに転換することで、パラリンピックを印象づけ、期待感を高めるなど、段階的な盛り上げを図ってまいります。

○白戸委員 本当にオリンピック・パラリンピックシンボルというのは、お披露目自体がニュースであると思いますので、ぜひこのあたり、しっかりとお願いいたしたいと思います。
 そして、このシンボルマークや大会マスコットは、開会時にはもちろんなんですが、大会の終了後も大会の記憶を受け継ぐ大切な象徴、まさにレガシーであると考えます。この後活用は非常に重要だと思うんですが、例えば過去にさかのぼりますと、シドニー・オリンピックでは、あのハーバーブリッジに飾られた後、工場で実はほこりをかぶっていたと。それがイーベイで売られて二万一千百ドル、約二百万ぐらいですか、で販売されたというような、落札されたというニュースもありました。
 また、逆に今度はロンドン大会が終わった後に、二十日間かけて海を渡ってリオに寄贈され、リオデジャネイロの北部にあるマドゥレイラ公園に設置されたというようなニュースもありました。
 つまり、決まった方法がないということなんですよね。決まった方法がないんですけれども、歴史をひもといてみると、残念ながらうまく活用されていないという事例の方が多いように見受けられます。
 だからこそ、東京は設営計画の段階から丁寧に検討を進めておくべきだと考えます。このあたりの都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 大会期間中はもちろんのこと、大会終了後も東京二〇二〇大会の感動や記憶を次世代に引き継いでいくことは重要であり、リオや平昌など、過去大会においてもオリンピックシンボル等が大会後の貴重なレガシーとして活用されております。
 オリンピック・パラリンピックシンボルや大会マスコット像などの展示物については、都立スポーツ施設、小学校、公園などにおける活用の可能性を検証しているところでございます。
 今後、個々の展示物のレガシーとしての活用可否、設置場所、管理主体などの検討を進めてまいります。

○白戸委員 個人的にも、大会後にこのシンボルがぞんざいに扱われている写真なんかを見ますと、本当に悲しい気持ちになってしまいます。大会シンボルは、大会のその後のレガシーのシンボルということもいえると思います。ぜひ丁寧で深い論議を現在から進めていただきたく思います。
 さて、このように大会の盛り上げに欠かせないシティードレッシングや大規模展示物なんですが、都が行うだけでは都内全域をカバーするのはなかなか難しいでしょう。そのために、区市町村や民間業者の協力を得て、都内全域を巻き込んでいくことが必要です。
 区市町村や商店街、公共交通機関運営者など、どのように協力していくのか、見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都内全域の祝祭感を盛り上げるため、都が実施するシティードレッシング等に加え、区市町村や民間事業者と連携し、都内全域にシティードレッシングや大会マスコット像等の配置を拡大していくことは重要でございます。
 大会本番に向けて、地元の商店街や人通りの多い道路等のフラッグによる装飾、観光地などへの大会マスコット像の設置など、地域の機運醸成につながる取り組みを推進していただけるよう、区市町村に対し補助制度による支援などを実施いたします。
 また、大会パートナーや鉄道、空港事業者などがみずからPR効果の高い駅や空港等を積極的に装飾していただけるよう、組織委員会とも連携し、取り組みを推進してまいります。

○白戸委員 オリンピック・パラリンピックは、東京都や国だけが推進するものではありません。さまざまな立場の皆さんにご協力をいただき、東京全域、そして日本全域を盛り上げていくものだと考えております。
 そうした意味では、今回、目黒の民間業者の施設において大会エンブレムの装飾が実施されることが決まりました。アンブッシュマーケティングに配慮した上で、大会パートナー以外の民間業者との連携が可能となる座組みができたことで、今後に大きな可能性を示せたのではないかというふうに考えます。今後も、このようにぜひ民間の力を活用すべきだと考えます。
 そして、これに対する今後の考え方、先ほども前向きに取り組んでいくということを答弁でお伺いしました。ぜひこれからも民間業者を含めまして、多くの方々と一緒に機運醸成に取り組んでいただきたいと思います。
 もちろん、先ほども出ましたアンブッシュマーケティングなど、注意しなければいけないことはたくさんありますが、より広範囲に広げていくためにも、そして僕がそれよりもさらに大切だと思うのは、より多くの方が機運醸成に携わる当事者になるということが非常に重要なことではないかと考えます。
 行政や自治体、メディアが盛り上げている東京大会ではなくて、自分たちもかかわる大会なんだと捉えていただくことが盛り上がりをつくっている一番の基本になっていくのではないかなと考えます。
 ぜひさまざまな形で、多くの方を今後も巻き込んでいただけるよう要望して、質問を終わります。

○山崎委員 私からも、二〇二〇大会のシティードレッシング、大規模展示物の基本計画について何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 その前に、今、きょうの質疑を聞いておりまして、大会ボランティアと都市ボランティアという名前を局の皆さんもお使いいただいていると思うんですけれども、先日、大会ボランティアがフィールドキャスト、都市ボランティアがシティキャストという正式名称なのか、愛称なのか、そういう発表がされたわけですよね。我々は大会ボランティア、都市ボランティア、そういう形で今までいっておりますけれど、この辺で、そのフィールドキャスト、シティキャストというのをやはりいっていかなきゃいけないのかな、そういうふうにも思います。
 先ほど局の方の、ほかの先生方の質疑の中で、大会ボランティア、都市ボランティアといっておられましたけれど、これ、これからどういう位置づけになるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会ボランティア、都市ボランティアのネーミングにつきましては、ボランティアの機運、一体感の醸成につなげるという目的で、ボランティアに応募された皆様の投票によりまして、大会ボランティアについてはフィールドキャスト、都市ボランティアについてはシティキャストというネーミングが決定したところでございます。
 本日の質疑におきましては、都市ボランティアのいわゆる運営等についてのご議論でございますので、都市ボランティアという名称を用いさせていただいておりますけれども、ネーミング、シティキャストにつきましては、これから実施いたしますボランティアの面談を初め、さまざまなイベント等でできる限り使ってまいりまして、機運醸成、一体感の醸成につなげていきたいと考えております。

○山崎委員 東京都の理事者の皆さんは、これからどうされるのか、ちょっと教えてもらいたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 混乱のない限り、できる限り今回決定いたしましたネーミングを使っていきたいと考えております。

○山崎委員 それでは、シティードレッシングの質問に移ります。
 先日、都が発表したシティードレッシング、大規模展示物の基本計画案で都の実施内容が明らかになったわけであります。
 大会のルックで一斉に装飾が始まることによって、都民がいよいよ大会に近づいてきたことが実感できるようになり、また東京を訪れる多くの観戦客を歓迎することができるわけであります。
 観戦客が競技を見に行く際、会場への起点となるのは、もちろん競技会場の最寄りの駅であります。それでは、最寄りの駅におり立ったときから、大会への期待感を高めていただくために、駅の装飾は大切であり、鉄道事業者に最大限協力をしてもらい、しっかりと取り組んでいく必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 競技会場に至るラストマイルの出発点に当たる最寄り駅を装飾し、観戦客の方々に大会に来たと実感していただくことは重要でございます。
 そのため、都として都営地下鉄に加え、各鉄道事業者のご協力を得て、競技会場の最寄り駅を大会ルックを用いた統一的なデザインのバナーなどで装飾することを計画しております。
 また、都が実施を予定している会場の最寄り駅だけではなく、大会パートナーを初めとする鉄道事業者の取り組みを支援することにより、都内におけるさらなる装飾の拡大を図り、大会を盛り上げてまいります。

○山崎委員 今、丸山部長から答弁をいただいた中で、会場の最寄り駅だけでなくというお話もございました。私は、リオの大会ももちろん、先日の平昌も、またロンドンの方はワールドラグビーといろんな大会を見に行ってきた一人なんですけれど、やはり駅のおりた目の前がそういう装飾で飾られていたケースというのは非常に多くございました。
 ですが、東京都が示している案のところを見ますと、例えば競技会場の最寄り駅ではない、観光客の皆さんが、外国から来るインバウンドの皆さんが非常に行きたがっている六本木の駅だとか、秋葉原の駅とか、こういったところが何も装飾される予定が今のところ案ではないんですね。
 ぜひそういう都内の主要駅、そういったところにも何らかのシティードレッシング、そういったものを実施していただきたいこと、これをしっかり検討する事項の一つとして追加をしていただきたい。そのことをまず強く要望させていただきたいと思います。
 また、この案を見ますと、羽田空港や成田空港、シティードレッシングをやりますよと書いてあります。
 また、オリンピック・パラリンピックのシンボル、羽田空港、成田空港の国際線到着ロビー両方に飾りますよ、二〇二〇年の六月ごろからと記載されております。
 あともう一つ、私は思うんですけれど、国際クルーズターミナル、客船のターミナルが二〇二〇年の恐らく春、六月ぐらいかな、世界的な大きな規模の客船が入ってくる。まさに潮風公園の手前ぐらいですね。今の船の科学館のところ、あそこに客船ターミナルができ上がって、駅が運用されるわけです。そこに何もないんです。これはおかしいと思いませんか。
 空の玄関口、そこにはいろいろなシンボルがあって、しかし船の、海の玄関口である国際クルーズターミナルの方に何もないというのはいささかおかしいかなと私は思います。ぜひそこにもしっかり、臨海部という位置づけの中で入っているのかもしれませんけれど、そういったところはしっかり配慮していただいて、追加をしていただくなりなんなり対応していただきたい、そのことを要望させていただきたいと思います。
 ぜひ鉄道事業者等としっかりと綿密に、協力を得られるように積極的に働きかけていただきたいこともお願いをさせていただきたいと思います。
 続いて、シティードレッシングで使ったフラッグやバナー、こういったものは大会終了後どのようにするのか、そのままただ廃棄をするのではなくて、やはり記念に残すことも検討していくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 大規模展示物については、東京二〇二〇大会の記憶を引き継ぐため、レガシーとしての活用を検討していくこととしておりますが、シティードレッシングで使用するフラッグ等については、使用に伴う劣化等も想定されます。
 シティードレッシングの取り組みを通じて、大会の記憶をとどめていくことは重要でございますことから、今後、大会後の取り扱いについてしっかりと検討してまいります。

○山崎委員 例えば大規模展示物をレガシーとして活用していくということは、今、部長の方で答弁をいただきましたけれども、やはりシティードレッシング、フラッグやバナーも、例えば記念に残るものですから、恐らく劣化しているとか、そういったものも含めて欲しいと、記念として預かりたいとか、いろんな人たちがいると思いますよ。
 例えば、このフラッグに関しては、東京都内の商店街にも飾られるわけであって、そういうことも含めると、やはりこういった後利用というか、ただ廃棄をするわけではなくて、しっかり記念に残してもらう、そういったものを考えていただきたいと思います。
 そういうことがまた地域の皆さんにも喜んでもらえるのではないかと、そのように思いますので、ぜひしっかりと検討していただきたいことをお願いさせていただきます。
 続いて、大規模展示物の方でありますが、オリンピック・パラリンピックシンボル、そしてまたマスコット像の設置場所が公表されておりますが、大会の象徴として各種メディアなどで取り上げていただけるよう工夫を凝らすとともに、盛り上げにも十分活用していただきたいと思います。
 特に大会マスコット像は、私、昨年の八月の本委員会の場でも取り上げたように、子供たちに非常に人気が高い。まさに子供たちが名前を決めた、そういったことも加味して非常に人気が高い。大会の盛り上げに有効活用することが大変重要であるということを提案させていただいたわけであります。
 今回の基本計画案では、ライブサイトの会場のほかに、また多摩や島しょ地域、主要観光地七カ所にマスコット像を重点的に配置する方針が示されております。
 私としては、国内外から訪れる多くの観戦客の皆さんに競技会場だけでなく、自然豊かで魅力ある観光地を有する多摩・島しょ地域にも足を運んでいただき、さまざまな風景をあわせ持つ東京の魅力を発見していただきたいと思うわけであります。
 そこで、多摩・島しょ地域の設置場所は、どのような基準で選定をされたのか伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 大会マスコット像については、ライブサイト等会場のほか、大会を機に観戦客等が多摩・島しょ地域を訪れ、魅力を発見するきっかけとなるよう、七カ所の候補地への設置を検討しているところでございます。
 候補地については、年間観光客数や都が重点的に観光PRを行っている場所等について検討を行い、国営昭和記念公園周辺や御岳山周辺などを選定いたしました。
 今後は、候補地における具体的な設置場所について、関係自治体や施設管理者等関係者と調整し、確定していく予定でございます。

○山崎委員 具体的な設置場所はこれから詰めていくと思いますので、ぜひ地域の皆さんにも喜んでいただき、親しんでいただけるよう、地元の自治体や関係者などの皆さんともしっかりと調整していただきたいことをお願いしておきます。
 国内外の観光客に多摩・島しょ地域を訪れていただき、魅力を発見してもらう契機とするためには、観光地に単にマスコットを置くだけでなく、周辺の食や名所の情報の提供など、その場所に訪れてみたくなるような仕掛けづくりも必要だと思いますけれど、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 多摩・島しょ地域への大会マスコット像の設置に当たっては、世界中から訪れる観戦客等に実際に足を運んでもらえるような魅力発信の工夫もあわせて行うことが大切でございます。
 二〇一二年のロンドン大会では、大会マスコット像をロンドン市内のウオーキングコースに設置し、観光地をめぐってもらうマスコットトレイルを実施し、地域の魅力を効果的にPRする取り組みを行ったと聞いております。
 こうした事例も参考にしながら、大会期間中の観光地の周遊につながる取り組みについて、今後検討してまいります。
 また、都が推進している観光プロモーションとも連携し、大会を契機に東京を訪れた方々が多摩・島しょ地域に足を運び、また多くの観光地をめぐっていただけるよう取り組んでまいります。

○山崎委員 いろいろと知恵を出していただいて、我々もいろいろと知恵を出していきたいと思います。観戦客が都内各所の観光地を訪れていただけるように取り組んでいただきたいと思います。
 また、地域に置いたマスコットを大会終了後もそのまま地域で末永く親しまれるように残すことができれば、マスコットを見るたびに、大会を皆さんが思い出すこともでき、よいレガシーとなるわけであります。設置段階から、しっかりと大会後の活用についても検討する必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 マスコット像を大会の記憶とともに、レガシーとして大会後も活用していくことは重要でございます。
 この像については、オリンピックとパラリンピックのマスコットがセットで、高さ一から二メートル程度の大きさがあり、恒久的な設置場所については、広さ等、さまざまな条件があることから、施設管理者等と十分な協議が必要でございます。
 また、マスコット像の素材は強化プラスチックを想定しており、恒久的に活用するためには、都立スポーツ施設や小学校など、屋内施設を中心に検討していく必要もございます。
 今後、具体的な設置箇所の詳細を検討する中で、地域で親しまれるレガシーとなるよう、関係者と協議し、対応してまいります。

○山崎委員 今、都内のスポーツ施設、小中学校だとか、そういうお話をされておりました。それだけでなくて、やはり都内の観光拠点となるようなところにもレガシーとして目立つ場所、そういった目立つ場所にもレガシーとして残すことも大変大事だと思いますので、その点も要望をしておきたいと思います。
 最後に、オール東京が本当の意味でオリ・パラ一色であるということをしっかりアピールできるよう、世界からも、さすが東京だなといわれるような、装飾、またシティードレッシング、大規模展示物、盛り上げに対して、より一層の皆様のお力を傾注していただいて、我々もしっかりやっていくことをお約束し、質問を終わります。

○うすい委員 私の方からは、資料第2号の東京二〇二〇ライブサイト等基本計画についてと、資料第6号、ラグビーワールドカップ二〇一九ファンゾーン運営計画についての二つについて、主に情報バリアフリーの視点で質問をさせていただきたいと思います。
 初めに、東京二〇二〇大会期間中のライブサイトに関して何点かお伺いをしたいと思います。
 この東京二〇二〇ライブサイトは、基本計画の案を見ますと、大まかにいってしまえば、東京二〇二〇ライブサイト、区部、多摩の拠点会場、ターミナル駅周辺東京二〇二〇ライブサイト、都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場など、さまざまな実施形態があるわけでございますけれども、それぞれの特徴について、都の見解をお伺いしたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇ライブサイトは、都民のみならず、国内外から訪れる観戦客等を広く受け入れる広域的で大規模なライブサイトであり、区部、多摩それぞれに一カ所ずつ拠点を設け、競技中継やステージイベント、スポーツ体験に加え、大会パートナーの出展を誘致いたします。
 ターミナル駅周辺東京二〇二〇ライブサイトは、都内外からアクセスしやすく、利便性が高いターミナル駅周辺にコンパクトな会場も設け、競技中継やステージイベント等を中心に実施いたします。
 都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場は、都が競技中継を行うほか、さまざまな団体や地元等の出展やイベント等と連携しながら、全体的な盛り上げを創出するものでございます。
 組織委員会が中心となって展開する盛り上げエリアは、多くの競技会場が集積する青海から有明地区に至る臨海部において、組織委員会を中心に都や大会パートナーに加え、地元等のご協力も得ながら、来訪者が大会の雰囲気を体感できる特別な盛り上げエリアとしていく予定でございます。
 以上のように、都内会場については実施内容、運営にめり張りをつけ、都内全体の盛り上げを図ってまいります。

○うすい委員 今、それぞれ詳細にご説明をいただきましたが、都民の皆様は各ライブサイトの会場において、競技中継を初め、どんなことが行われているのかということに非常に関心が高いと思うわけでございます。何が行われているかわからなければライブサイトの会場に行きづらいとも思うわけでございます。
 具体的な計画策定はこれからだと思いますけれども、それぞれの会場で実施をする競技中継、ステージイベントや大会パートナー出展についてなど、いつ、どのように都民に広報周知をしていくのか、具体的に見解を伺いたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 各会場で実施される競技中継の放映スケジュールや、ステージイベントの内容、大会パートナーの出展内容などについて、都民のみならず、国内外から訪れる観戦客等に適切に広報することは重要でございます。
 一方で、各会場における競技中継の放映スケジュールやステージイベント、大会パートナー出展の詳細内容の決定は、大会直前になる見込みであり、詳細な広報は二〇二〇年春ごろを想定しております。
 広報に当たっては、「広報東京都」やオリンピック・パラリンピック準備局や組織委員会のホームページ、SNS、広報PR用チラシなどを活用して、広く都民、国民などに周知してまいります。

○うすい委員 ぜひしっかりとした広報周知をお願いしたいと思います。
 次に、ライブサイト等の会場には、健常者だけではなく、車椅子の方、そして盲導犬や聴導犬、いわゆる介助犬を伴った障害者や車椅子の方も来場されることが予想されるわけであります。
 そこで、適切な対応を実施していく必要があると思いますが、そうした障害者の方にどのように対応していくのか、都の見解をお伺いいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇ライブサイト等については、障害者を含めた全ての観戦客に、会場内で安全で快適に楽しんでいただくことが必要でございます。
 介助犬を伴った方や車椅子の方などに対しましては、会場内のアクセシビリティーに配慮した取り組みのほか、競技中継やステージを観覧しやすい優先観覧エリアを設置する等、対応を行う予定でございます。
 また、障害者の方々への案内誘導など、人的サポートも適切に実施できるよう、運営スタッフやボランティアへの研修を行うなど、きめ細かな対応が行えるよう検討を進めてまいります。

○うすい委員 ぜひハード面、ソフト面、さまざまな対応をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、ラグビーワールドカップ二〇一九ファンゾーンにおける障害のある方の対応についてお伺いをしたいと思います。
 ファンゾーンでは、ラグビーファンだけではなく、大人も子供も障害のある人もない人も、全ての人がラグビーのすばらしさを感じてもらえる場としていくことがとても必要であると思います。
 スタジアムにおけるバリアフリー対策を行うとともに、障害のある人もない人も、より多くの方にラグビーワールドカップを体感していただくには、ファンゾーンに来ていただいて、大勢の人たちとその熱気や興奮を共有してもらうことが一番であると思うわけでございます。
 そこで、そうした障害をお持ちの方にファンゾーンを楽しんでいただくための対応について、都の見解をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 ファンゾーンは、高齢者や体の不自由な方、小さな子供連れの方など、誰でも安心して来場できる場にしたいと考えております。
 特に、車椅子で来場された方に対しては十分な配慮が必要でございまして、車椅子が通れる動線の確保、多目的トイレの設置、車椅子用のパブリックビューイングスペースの確保、エレベーター利用時の案内誘導など、ハード、ソフトともにアクセシビリティーに配慮したファンゾーンとなるよう今後検討してまいります。

○うすい委員 ぜひアクセシビリティーに配慮したファンゾーンにしていただきたいと思います。
 しかし、先ほど質問させていただいた、障害者の中には盲導犬や聴導犬を連れた方もいらっしゃいます。こうした犬は十分な訓練がされて、ほかの方に迷惑をかけるようなことはありませんが、過去には飲食店への入店が断られたといったこともありました。
 ファンゾーンにおいてこのようなことはないと思いますけれども、そこで、盲導犬や聴導犬を連れた方に対して、どのような配慮を行っていくのか、そしてまた専門家の意見も聞いた上での対応も必要かとも思いますが、どう取り組んでいくのかお伺いをしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 盲導犬や聴導犬等の補助犬を連れた来場者につきましても、他の来場者と同様にパブリックビューイングやラグビー体験等を楽しんでいただけるファンゾーンとしていくことが必要であると考えております。
 補助犬を連れた方が来場した場合に備えまして、有識者からの助言を参考に、対応方法についての検討を行い、実際に来場された際には会場内のスタッフやボランティア間で情報を共有しながら、丁寧な対応を行ってまいります。

○うすい委員 今、答弁がありましたように、障害のある人もない人も、快適にファンゾーンを楽しんでもらえるように準備を進めていただきたいと思いますし、障害のある人たちに対して安心して楽しむことができるファンゾーンなんだという、先ほどの二〇二〇大会のライブサイトもそうですけれども、積極的にそうしたことをPRしていただきたいことを要望させていただきます。
 昨日から議論していることや、本日の報告全てにかかわることと思いますけれども、来年のオリンピック・パラリンピック、そしてまたことしのラグビーワールドカップともに、SDGsと軌を一にするものだと理解しているところでございます。
 全ての皆様が安心して楽しんでいただき、本当に来てよかったと、そういっていただける、ぜひそういうイベントにしていただくことを強く要望しまして、質問を終わります。

○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。
   午後五時二十九分休憩

   午後五時五十分開議

○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○とや委員 よろしくお願いします。私からは、都市ボランティアについて質問いたします。
 二つの論点で質問したいと思います。一つは、運営についてです。
 東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略では、大会運営を支えるスタッフの中に有給スタッフや請負事業者とともにボランティアも含まれることが示されています。
 大会の雰囲気を醸成する一翼を担っていると説明されていますけれども、中でも大会ボランティアは、大会前後と期間中に競技会場や選手村などの大会関係施設における会場内の案内や誘導など、大会運営に重要な役割を果たすとしています。
 一方、今回ご報告いただきました都市ボランティアについてですが、二〇二〇大会都市ボランティアの皆さんの主な任務を改めて伺っておきたいと思います。
 また、時期が時期だけに、選手や観客の皆さんはもちろん、ボランティアの皆さんの暑さ対策、危機管理、安全対策など、現在の到達についてお聞きします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティア、これからはシティキャストと呼ばせていただきますが、シティキャストは東京二〇二〇大会時に、国内外から訪れる多くの観客、選手に対し、空港や主要駅、観光地などにおける観光、交通案内や競技会場周辺における案内などの活動を行います。
 ボランティアの暑さ対策など、安全管理につきましては、暑さを避けられる休憩場所を確保する、小まめな水分補給を行えるようにするとともに、ボランティア活動向けの保険への加入も予定しており、安全に活動できる環境づくりに取り組んでまいります。

○とや委員 部長はシティキャストということでしたが、私はきょうは都市ボランティアということで……。
 東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略のデータでは、ボランティアに関心があるかどうか、有無について、関心がある人が全体の五〇%、とても関心があるが九・三%、約六割の人が関心を持っている一方で、経験のない人が七六・七%と約八割に上っています。
 今回も都市ボランティアの皆さんの中には初めてという方が多くいらっしゃると思っていますけれども、こうした方々がスムーズに運営するために、毎年一万人以上のボランティアが参加する東京マラソンの経験やノウハウを十分に生かすというふうにおっしゃってきていますが、どのように生かすのか具体的に教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 毎年一万人以上のボランティアが参加する東京マラソンには、多くのボランティアをまとめるボランティアリーダーの活躍を初め、東京二〇二〇大会に向けて参考にすべき多くの取り組みがございます。
 このため、こうした実績も踏まえ、東京マラソン財団には東京都ボランティア活動推進協議会に参加していただき、意見やアドバイスをいただいております。
 また、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会のボランティア募集に当たりましては、都は東京マラソン財団オフィシャルボランティアクラブVOLUNTAINERなどから希望者を募りまして、ラグビー組織委員会に推薦したところでございまして、これらの方々には東京二〇二〇大会のシティキャストとして引き続き活躍していただきたいと考えております。

○とや委員 ありがとうございます。その東京マラソンですが、一万人規模でボランティアの方々が運営に当たっていると。経験も豊富にあるというふうにいわれています。
 この東京マラソンのボランティアとして参加された人の中には、一方で希望どおりの場所に配置されなかったという方もいらっしゃったり、あるいは競技の雰囲気を全く感じることができない場所が割り当てられて、ずっと同じ場所だったという方もいらっしゃいました。
 多くの方々がボランティアとして参加するので、中にはこういう方々もいらっしゃるかもしれませんけれども、今回、二〇二〇大会のとき、やはりボランティアの方々の希望をどう取り入れるのか、大変大事なことだと思います。
 ボランティアの配置、参加者の希望については、ある程度受け入れることができる運営となるのかどうかお答えください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 応募の段階ですので、都市ボランティアと呼ばせていただきますが、都市ボランティアの応募者からは、応募申し込み時に都内の活動を希望するエリアについてお伺いしており、できる限り希望するエリアで活動していただきたいと考えております。
 今月より実施する面談、説明会では、活動エリア等に関するご意向や配慮、支援を必要とする内容を都の職員が丁寧に伺い、都市ボランティア、シティキャストとして活躍いただけるよう取り組んでまいります。

○とや委員 今月より面談を開始するということです。そして、できる限り活躍できるよう希望も聞くということですが、先ほど来の質疑の中で、申しわけないんですが、ちょっと気になったことがありましてお聞きしたいんですが、その面接ですが、どのような体制で三万六千人もの方々を面接するのか。その一人一人にかかる時間、それから都の体制について、申しわけないんですが、教えていただけませんか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアの面談につきましては、今月より七月までをかけまして、その時間内に基本的にお越しいただける全員の方と東京都の職員が面談をやらせていただくほか、例えば都市ボランティアとしての活動の内容の説明、さらに初対面の方同士が一体感を深められるようなグループワーク、そういった取り組みを丁寧にやっていきたいというふうに考えております。

○とや委員 七月までかけて職員の皆さんがお一人お一人と面接をするということです。ボランティアをやってよかったと思える経験をつくることが来年の大会については大事だと思いますので、ぜひ皆さんの声をしっかり聞いていただきたいと思います。
 同時に、三万人からの方々を調整するのは大変だと思いますし、大会中は特にチームリーダーの役割は責任も重くなり大変だと思いますが、ぜひ多くの人たちが今後に生かせるような、そんな運営をお願いしておきたいと思います。
 ボランティアにかかわって、次は、そのあり方について、そのものについて伺っていきたいと思います。
 今回、幅広い年齢層の方々が応募されているわけですが、特に若い人たちにとって、ボランティアの経験は今後につながると思います。
 そこで、高校生など若い人たちに焦点を絞ってお聞きしたいんですが、いただいた資料では、一番多いのが二二%の十代となっています。応募要件上、十八歳と十九歳の方々が対象になると思いますが、それぞれの人の割合についてお答えください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアに応募した十代のうち、十六歳以上十八歳以下の方は五五%、十九歳の方は四五%でございます。

○とや委員 ありがとうございます。分母で割り返すと、十代が全体で八千人くらい応募しているということになると、そのうち十八歳以下が約四千四百人、十九歳の方々が三千六百人の計算になります。
 多くの高校生や大学生、あるいは社会人の方も含まれていると思われますが、大会ボランティアについては、応募者が募集人数を上回る状況が締め切り時点であったわけですが、都市ボランティアについては十二月二十一日まで、当時、募集を延長しています。その理由を改めて確認させてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 募集期間につきまして、大会ボランティア、都市ボランティアともに、昨年九月二十六日より募集を開始いたしました。
 募集期限につきましては、大会ボランティアは当初、昨年十二月上旬としておりましたところ、十二月二十一日まで募集を受け付けることになりました。
 都市ボランティアと大会ボランティアの募集の期間が大きく異なると応募者が混乱するおそれもございましたことから、当初の期限である昨年十二月五日から変更いたしまして、大会ボランティアと同じ十二月二十一日まで募集を受け付けることとしたところでございます。
 なお、都市ボランティアにつきましても、十二月五日の時点で応募者が募集を予定していました二万人を上回ってございました。

○とや委員 募集期間を大会ボランティアと合わせたということですけれども、十一月二十一日の報道では、この時点で都市ボランティアの方々が約五千人足らなかったという報道もあります。そのため募集締め切りを延期して、さらに募集をかけたという報道もあります。
 私、心配なのは特に高校生なんですけれども、都立高校へはどのように募集をかけられたんでしょうか。教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 教育庁では、都市ボランティアの募集期間の延長を受けまして、全都立学校を対象に改めて応募案内を送付し、生徒への都市ボランティア参加の意義等の周知について依頼をしたと聞いております。

○とや委員 教育庁から聞き取りを行った結果についてのご報告だと思いますけれども、そうしますと、高校生のボランティアについては、高校全体での割り当て人数は決めていなかったのかどうか。それから、親の承諾が要るはずですけれども、その日に書かせたといった事例もありますけれども、そのことについては承知していますか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティア募集において、高校全体での割り当て人数は決めておりません。
 また、教育庁におきましても、高校全体での割り当て人数は決めていないと聞いております。
 また、未成年者の申し込みにつきましては、親権者、または未成年後見人の同意を得た上で応募してもらうことを必要条件としております。
 このことについて教育庁からは、各都立学校へ通知する際、生徒への説明文例や生徒向けチラシにより周知するとともに、生徒が家庭で保護者と相談できる日程を確保していたと聞いております。

○とや委員 報道されていますから、多くの方々、この問題についてはご存じだと思うんですけれども、私どもの方にも、この問題では問い合わせや相談が来ています。この間、教育庁などにも、また関係者にも、聞き取りなど調査をしてきました。
 応募締め切りを延期する前、都立高校では、校内放送もして募集要項を配布しています。そして、延期になってまた配布しています。そして、二十一日の締め切り直前にも配布をしています。ご丁寧に都立高校では三回も配布しているという事例もございます。
 なぜここまでやるのかと大変疑問に思うわけですけれども、実は都の二〇二〇大会のボランティア戦略を読みますと、そこでは一項設けて、オリンピック・パラリンピック教育として、都内全ての公立学校において、ボランティアマインドを醸成するために東京ユースボランティアの取り組みを進めるとあります。ボランティア活動を計画的、継続的に行っていくとも書いてありました。
 さらに、教育委員会も二〇一六年からボランティア教育を行っており、五つの資質の一つにボランティアマインドを位置づけています。これ自体、否定するわけではないんですけれども、何よりもボランティアに一番大事なのは自発性、これが大前提となるのではないかと思います。こうしたことを忘れてしまうと、どんどんどんどん働きかけがエスカレートしていくように思います。
 そこで、最後に伺っておきたいんですが、東京都としてボランティアそのもののあり方について認識を確認させてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティア活動とは、自発的に行い、他者や社会のため、見返りを求めないで社会の課題解決に取り組む活動と認識しております。
 東京二〇二〇大会のボランティア活動への参加は、都民一人一人が大会の担い手であると実感し、大会をより身近に感じていただける貴重な機会と考えております。
 できるだけ多くの方々にボランティア活動に参加いただき、大会を契機に高まった参加機運を大会後もさまざまな活動への参加につなげていくことで、レガシーとしてボランティア文化の定着に寄与していきたいと考えております。
 なお、先ほども申し上げましたけれども、都市ボランティアの当初の募集期限でございました十二月五日の時点で応募者は募集の予定人数を上回っておりますので、申し添えさせていただきます。

○とや委員 今、ご答弁をいただきました。日本ボランティアコーディネーター協会代表理事の筒井のり子氏の文章がありまして、日本でボランティア推進が語られるとき、肝心の自発性や主体性の重要性がないがしろにされることがあるといっています。よいことだから子供たち全員にやらせようという発想です。
 でも、ボランティア活動が持つ最大の力は、私発であるということだとも述べています。これから面接も行われることと思うわけですけれども、ぜひこの立場を堅持して運営に当たっていただきたいと要望しておきたいと思います。
 加えて、本日ご提出いただきました障害者の皆さんの応募状況の資料を拝見させていただきましたので、これにかかわっても一言意見を申し上げさせていただきます。
 障害や難病を持った人たちが大会にボランティアとしてかかわりたいということで応募をされたと思います。
 一方、事由の内訳を見ますと、障害の中では一番少ないのが知的障害者の方々の参加です。私どものもとには、特別支援学校の関係者の皆さんからも、競技だけでなくて、セレモニーやボランティアなどにも子供たちが直接かかわれるようにという声も届いています。ぜひこうした要望を酌み取っていただき、知的障害を持っている人たちを初め、障害者の参加しやすい条件を整えて、追加で募集するなどの配慮をお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。

○両角委員 私からは、東京二〇二〇ライブサイト等基本計画(案)について伺いたいと思います。
 この委員会で、他の委員の方々からライブサイトについてご質問されて、多岐にわたってあったわけでございますが、そうした中で、一月二十五日付で発表されましたライブサイト基本計画案でございますけれども、この案がいつとれて正式な基本計画となっていくのかということで、まず、今後のスケジュールについてお聞かせをいただきたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇ライブサイト等基本計画(案)につきまして、今後は各会場にふさわしい実施内容、運営についてさらに検討するとともに、検討中としている多摩地域会場の具体的な場所の選定を進め、関係者のご意見を踏まえた上で、年度内に東京二〇二〇ライブサイト等基本計画を決定する予定でございます。

○両角委員 よくわかりました。年度内に計画として決定をしていくということで、その前提として、今回追加となった多摩地域の会場、具体的な場所の選定を済ませると。そういったお話でございました。
 そこで、多摩地域の追加施設について伺いたいと思うんですけれど、もともとこのライブサイトについては、都内八カ所というのが当初の考え方でございまして、多摩地域については一カ所だけだという話があって、そうした中で、いろいろな会派から、あるいは、もちろん我々の会派からも、多摩地域に一カ所だけではバランスに欠けるんではないか。多摩地域にもう一カ所はライブサイトをつくっていただけないかという要望をしてきたわけでありますが、今般のこの計画案の中で、多摩地域に新たな施設を追加するということになったことについては、高く評価したいと思います。
 しかし、現行で考えられていたのが、多摩地域では井の頭公園ということでありました。井の頭公園は、多摩全体をエリアで見ると、区部隣接の東寄りのエリアでありますから、新たな施設については、多摩の南部エリアや、あるいは西部エリアからアクセスがよいところを考えていかなくてはいけないだろうというふうに思いますし、このライブサイト、都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場という位置づけでありますが、しかしながら、こういった施設は人が来やすいところ、ある程度のキャパがあるところ、そして三十日間、この期間中、使用ができるという条件を兼ね備えていなくてはいけない。
 アクセスのみならず、そういう条件をあわせて兼ね備えているということであれば、なかなかこの条件を備えたところを選定するというのは相当限られてくるんではないか。このように感じるわけでありますけれど、この多摩の追加施設については、いつまでに、どのような観点で選定をしていくかについて都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 今回、都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場として追加することとした多摩地域会場の選定に当たりましては、これまでの基礎的な調査や検討の状況を踏まえるとともに、大会三十日間の使用が可能であるかどうかに加え、地域バランスなども考慮し総合的に検討してまいります。
 これらの検討を早期に実施し、関係者のご意見も踏まえ、年度内の計画策定に向けて具体的な場所を確定する予定でございます。

○両角委員 今、多摩の追加施設については、当然、関係者、地元自治体もあるかもしれませんし、あるいは警備関係とかそういうところもあるのかもしれません。
 年度内の計画策定に向けて具体的な場所を確定するということで、年度内に選定をしていきたいんだと。地域バランスという話がありましたが、ぜひ、先ほどの東に井の頭公園があるということに対して、多摩の交通網等をよくしんしゃくしていただいた上で、バランスをとった施設を選んでいただきたい、このように思うわけでございます。
 次に、ライブサイト等の運営に係る経費について伺いたいと思います。
 ライブサイト等の基本計画では幾つかの考え方が示されていて、被災地のライブサイトもありますし、コミュニティライブサイトもあります。そこら辺をひっくるめて、大体このライブサイト運営に係る都の経費というのは、どの程度を見込んでいるんだろうということで確認をさせていただきたいと思いますが、お答えいただきたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 来年度は、東京二〇二〇ライブサイト等の計画準備に係る費用として約二億円を見込んでおります。
 また、二〇二〇年度については、都内及び被災地会場における大型ビジョン等の機材やスタッフ、警備員の人件費等、運営に係る経費として約四十五億円を見込んでおり、債務負担として予算計上しております。
 このほか、二〇二〇年度にさらに計上が必要な経費として、ライブ中継等に伴う放映権料などが想定されております。

○両角委員 今お答えをいただきまして、来年度が二億円、三十一年度ですね、新年度予算。二〇二〇年度、オリンピックの開催年には債務負担行為で四十五億円ということで、単純にいうと四十七億円プラスアルファだというようなお答えでございました。
 このお金の中で、ここに出てきている幾つかの位置づけのあるライブサイト、あるいはパブリックビューイングを核とした盛り上げ施設等を設置、運営していくということであります。
 特にコミュニティライブサイトについては、各自治体が手を挙げてやっていくということになると思います。そして、それについては、今回の基本計画案の中でも、都が支援をしていくということが明確にうたわれているわけでございますが、各自治体が取り組んでいくに当たって、では、どのぐらいの規模のことをできるのかなというのが、その規模感、あるいは何カ所できるだろうというような、それも東京都の支援、いわゆる補助金額にもよるんだろうというふうに思いますので、そこら辺も今後、各自治体にしっかり伝えていただきたいなと、こんなふうに思うわけでございます。
 次に、被災地のライブサイトについてお聞きをしたいと思います。
 もともとこの二〇二〇大会、最初の計画時点で、大きな柱のテーマが復興五輪ということでありましたから、被災地が復興している姿を世界に見せていくんだと、そういうことが一つの大きなコンセプトであったということでありますから、今般、この被災地ライブサイトを、東北三県のみならず、熊本についてもしっかり設置していくということは大変意義があることである、このように感じているわけであります。この被災地のライブサイトについては、地元自治体のかかわりや役割分担というのはどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 被災地東京二〇二〇ライブサイトは、都と組織委員会が共催で、東北三県と熊本県で実施するものでございます。
 被災地の会場については、各県と調整し実施場所を選定いたしました。各県には会場使用に関する調整や地元の方々への広報、ステージイベント出演者の調整などの協力を求め、連携して取り組んでいく予定でございます。
 ライブサイトの実施を通じて被災地に元気を届けることができるよう、各県と密接に連携し、大会を盛り上げてまいります。

○両角委員 復興五輪のコンセプトというのは、ちょっと薄らいじゃっているかなというふうに私は感じているんですが、このライブサイトは、そういった意味で被災地の皆さんが直接に五輪にかかわれるという、そんな場だろうと思います。しっかり地元の自治体の皆さんの地の利を生かした人脈とかノウハウとかを生かしていただいて、その地域地域にふさわしいライブサイトの展開をしていただくように期待したいと思います。
 次に、ライブサイト等の運営について伺いたいと思います。
 こちらの東京二〇二〇ライブサイト等基本計画(案)の中では、午前十時から午後九時ごろというのがライブサイトの開催時間とされているわけでありますが、例えば競技大会のセッションスケジュールを見ると、バレーボールなんかは二十三時三十分までやっているというのが結構多いんですね、枠で。
 あるいは、今マラソン、暑さ対策で七時とか六時とか五時というような案も出ているようでありますが、そうすると、まさに一番日本選手が活躍をするような競技で、それがライブでやっている時間に、このライブサイトでみんなで楽しめるという形でないと意味が半減してしまうんではないかなというふうにも感じるわけでありまして、そういった意味で、十時から九時ごろとされているライブサイトの開催時間、施設の場所等の特性もあるでしょう、あるいは競技時間も考慮して柔軟な対応が必要だと思いますけれど、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 各会場の開催時間については、競技が多く実施される時間帯である午前十時から午後九時ごろを中心に、競技の放映スケジュールや各会場の立地特性などを考慮し、今後、個別に検討、調整を行っていく予定でございます。

○両角委員 今ご答弁がございましたけれども、柔軟に対応がしていただけるものと要望もしますし、期待をしているところでございます。
 次に、運営の中で幾つか、この基本計画案の中でもセキュリティーとか暑さとか多言語対応とか医療体制、ボランティア等、対応に留意すべき事項ということで芽出しがされているわけでございまして、まさにこういう点は十分な準備が必要だろうと思うわけでありますが、特にWi-Fiの環境も当然準備をしていくということであろうと思いますけれど、十分な対応をしていっていただきたいと。
 要は、多くの方が、外国からの方も含めて情報を今スマートフォン等、端末で見られると思います。そうしたときに、かなりの人数が使っても対応ができる十分なそういう対応をしっかりしていただきたいということ、これは要望をさせていただきたいと思います。
 もう一つ、私は留意をすべき点ということで、トイレということを挙げたいんですね。いろんなスポーツイベント、あるいは我々が外国に旅行に行って観光した、そのときにトイレが、例えば非常に混んでいてなかなか入れないとか、あるいは非常に不潔であったということになると、その都市の印象自体も決めてしまうということがあるんではないかと思います。
 そこで、会場内のトイレについては、障害者の皆さんの対応もしっかり対応するのはもちろんのこと、質、量ともに十分に確保するとともに、特にオペレーション、清潔に保つということが重要だと思いますけれど、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇ライブサイト等会場には、多くの観戦客が訪れることが見込まれているため、来訪者の方々が快適に過ごせるよう、必要性を踏まえて仮設トイレの設置を検討する予定でございます。
 必要数の確保も重要でございますが、来訪者が快適に使用でき、車椅子の方など、障害者も利用しやすい仮設トイレの設置を検討してまいります。
 また、来場者に清潔な状態で気持ちよく使っていただけるよう、適切に清掃も行ってまいります。

○両角委員 今、日本に外国からいらした方がいろんなことに驚いたり、あるいは、これはすごいなと思っていただけることがいろいろあると思いますが、その一つが日本のトイレだということだそうでございます。
 多分、世界で一番清潔な、そしてハイテクなトイレが日本ではないかな。日本の国の、ライブサイトも含めていろんな会場に来たときに、今、SNSでさまざまなものを発信しますけれども、そういった日本の文化として日本の清潔なトイレ文化というのを発信していただけるような、そのぐらいの気持ちで取り組みを進めていただきたいと思います。
 次に、コミュニティライブサイトについて伺いたいと思います。
 コミュニティライブサイトは、各区市町村が実施をする、区市町村でやっていくということだろうと思いますが、このコミュニティライブサイトについては、今回の基本計画案の中で補助をしていくという方針が明確に打ち出されておりまして、これは大変評価ができると同時に、各自治体にとっても、これは大変うれしい知らせではないか、このように思うわけであります。
 一方で、先ほどちょっと話をしましたが、規模感というのもあると思います。そして、各自治体の準備が当然あります。どういう形でやっていくのかなということを早く情報を伝えるという必要があると思います。
 そこで、コミュニティライブサイトについて、ガイドラインを早期に策定して早目の対応をしていただきたいと思いますけれど、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇大会の盛り上げのためには、都が実施する国内外の観戦客を広く受け入れる広域的なライブサイトに加え、市区町村が身近な場所で実施する地域のコミュニティライブサイトの取り組みを推進することが重要でございます。
 コミュニティライブサイトのガイドラインについては、現在、組織委員会が鋭意策定を進めているところでございます。
 都は、ガイドラインが公表され次第、速やかに市区町村に情報提供を行うとともに、各種相談対応等を実施することで市区町村の取り組みを後押ししてまいります。

○両角委員 区市町村も予算の対応等もありますので、先ほどの補助の金額等々も含めて、これは早目に伝えていただいて、区市町村が十分な準備ができるような、そんな環境を整えていただきたいと思います。
 このライブサイトの最後の質問ということにさせていただきたいと思いますが、前回のこの特別委員会の中でも他の委員から声が出ておりましたが、鉄路が十分でない郊外、多摩地域で鉄道が通っていないところもありますよね。そういったところでは、実は大規模なショッピングモールなどがコミュニティライブサイトとしては適当であるという見方があるわけでありますが、前回の特別委員会でもなかなか難しいんですよというお話がございましたが、しかし、現段階でコミュニティライブサイトとして、こういった大規模商業施設を活用するということへの見解についてお伺いしたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇大会のコミュニティライブサイト等における商業施設を含めた実施可能な会場の要件等をまとめたガイドラインについては、現在、組織委員会が鋭意検討しております。
 なお、大規模商業施設などにおけるコミュニティライブサイト等の実施につきましては、アンブッシュマーケティングや会場費等の課題があり、過去大会の際にはホールや公民館、体育館などの公共施設等での実施が主であったと聞いております。

○両角委員 なかなか難しいところがあるようでございますが、特に郊外エリアについては、なかなか交通の結節点とかでうまく使えるようなところが限られてくるかもしれませんので、ぜひそういう地域もコミュニティライブサイトが展開できるように、東京都のフォローというか、助言等々をお願いいたしまして、質問を終わります。

○伊藤委員 昨日に引き続いて、きょうも最後ですので、最後までよろしくお願いいたします。
 まず、シティキャストについて伺いたいと思います。
 先ほども別の委員さんから質疑がありましたけれども、ボランティアについては、親からいわれて半ば強制的にボランティアをやるにせよ、またチラシを見て自発的にボランティアに参加するにせよ、その体験を通じて結果的にいい体験ができたなということになることがボランティアをされたご本人にとっても大事なことなんではないかなというふうに思います。
 そういう意味で、このシティキャストを通じてオリンピックの記憶がさらにご本人にとって印象に残るものとして、また光輝くものになるようにしていっていただきたいなというふうに思っております。
 そういう意味でも、終わった後に記憶がなお一層鮮明になるためにも、先ほども少し議論がありましたけれども、記念品などをお渡しすることは大変有効ではないかなというふうに思います。白戸委員からも先ほど記念グッズ、あるいはまた被服についての質疑がございました。
 私からは、とりわけてバッジについてのご提案をさせていただきたいというふうに思います。
 我々も今、招致バッジから始まって、この大会バッジをつけさせていただいているわけでありますけれども、多くの皆さんからそのバッジについて興味を持っていただいていますし、持たれている方も、また大会が終わった後に記憶として、また記録としても残るものとして大切に保管をしていただけるものではないかというふうに思います。
 そういう意味では、シティキャストを体験された方にこうした特別なバッジをつくって差し上げることは、記憶の意味でも大変重要ではないかと思いますし、また多くの方が学生ではなかろうかと思います。そういう意味では、就職活動を控えている学生にとってみれば、そのバッジをつけて就職会場の面接に行きますと、都市ボランティア、まさにシティキャストをされていたんですかというような話題からも入ることができるんではないかなというふうに思います。
 そういう意味で、シティキャストに対する独自にデザインしたオリ・パラバッジを配布してはどうかと思いますが、都の見解をお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 シティキャストの方々が、お話のような就職活動の機会なども含め、ボランティアとしての経験を広く証明できるようにすることは、ボランティア文化の定着にとっても重要でございます。
 そのため、都は、ボランティア本人の申請に基づき、活動日などを記載した証明書を発行するよう取り組んでまいりますとともに、都市ボランティアとして活動いただいた全員に感謝の意を表明し、その活動が東京二〇二〇大会を支えたことを実感できるような取り組みについて検討してまいります。
 なお、過去大会ではボランティアに対し、活動後にピンバッジや大会マスコット関連のグッズ等を提供するなどの取り組みを行っておりまして、こうした事例なども検討の参考にしてまいります。

○伊藤委員 今、過去大会でも活動後にピンバッジや大会マスコット関連のグッズなどを提供しているので、こうした事例を参考に検討するということですので、バッジが実現し配布されることを強く望みたいと思います。
 次いで、ラグビーワールドカップのファンゾーンについてお伺いをしたいと思います。
 先般、ラグビーワールドカップのファンゾーンのゾーニングというんですかね、こういうイメージ図だということをお配りいただきました。その中に飲食店のコーナーというものも設けられていて、そこにちょっと注目をさせていただいたところでございます。
 このファンゾーンの飲食店については、受託事業者の選定をまずどのように行ったのか伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 二〇一九年大会のファンゾーンの実施運営業務委託につきましては、多摩会場と区部会場のそれぞれで総合評価方式により受託事業者を選定する予定でございます。
 総合評価方式の場合は、価格競争に加えまして参加者からの提案内容も踏まえ、総合的に判断し事業者を決定してまいります。
 ファンゾーン内のケータリング業者につきましては、この受託事業者がファンゾーン全体の演出を踏まえ、これに沿った店舗を募集し、都と調整の上、選定していきます。

○伊藤委員 受託事業者さんが一体的に飲食店を選んでいくと。それは非常に効率的だとは思いますし、合理的なんだろうとは思いますが、一方で、例えば地元の方で、こういう特産品をぜひ出したいとか、あるいはまた全国の名産を持っていらっしゃるところが、ぜひこの機会にこういうものを集っていただいているファンの皆さんに食べていただきたい。例えばこういう自発的なご要望があったとしても、もう既に事業者さんの方で選定されてしまうんですよということですと、開かれているイメージが失われてしまうというふうに思います。
 そういう意味で、地元の飲食店や特産品を提供する店舗とも連携をしながら、来場された方々をおもてなしすることが必要なんじゃないかなと思うんですけれども、その辺の工夫ができないものか伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 多くの方々にファンゾーンに訪れてもらうためには、地元の名産や名物等の提供は必要であると考えております。
 ファンゾーン内のケータリング業者につきましては、来場者への十分なおもてなしができるよう、受託事業者と調整を図りながら選定を行ってまいります。
 とりわけ多摩会場におきましては、地元とも連携を図り、ファンゾーン会場だけでなく、その周辺を含め、さらなる盛り上げに向けて検討を行ってまいります。

○伊藤委員 ありがとうございます。できる限りの工夫をしていただきたいと思います。もう既に決まっている、あるいは特定の事業者が特定の事業者だけを選ぶんだろうというような評判にならないようにぜひお願いしたいと思いますし、同じことが東京二〇二〇大会でもいえるんではなかろうかと思います。
 ライブサイトもそうですし、また東京二〇二〇大会では、例えば大会会場周辺においても出店を出す必要というのがこれから出てくる可能性が十分にあるんじゃないかなと思います。
 例えば、国立競技場にしても十万人を収容するということで、ケータリング業者さんが選定されていますけれども、到底その会場内だけで飲食を提供し切れるというふうには思えませんので、今もそうですけれども、外苑のあの辺なんか行きますと、大きな大会があると出店が出ている。これから警備の問題等々、いろいろ大変だとは思いますが、いずれにせよこうした大会会場周辺においての出店の必要に迫られたときに、それこそ全国の地方と共存共栄できるような形で、開かれた出店になるよう、また公募ができるように、ぜひ工夫をしていただきたいということは申し上げておきたいと思います。
 次に、新規恒久施設について伺いたいと思います。
 新規恒久施設が、まさに負の遺産とならないように、積極的に国民に活用されるよう願ってやみません。
 既に平成二十九年四月に新規恒久施設の運営計画というものが、冊子としてお示しをしていただいております。まさにこのとおり進むことが最低条件だというふうに思います。
 この計画では、まず有明アリーナ以外は、どこを見ても年間一億円から六億円程度の赤字というのが見込まれております。あえていえば、国民の多くの皆さんに公益的に使っていただく施設なので、赤字が出ているからいけないというふうには全く思っておりません。
 そういう意味では、公共で行うこうした公共施設ですので、赤字かどうかではなくて、まず赤字を最も圧縮できる計画を立てていただいた上で、その計画どおり進めていくことが重要だという観点からお伺いをしたいというふうに思っております。
 まず、指定管理という制度も使いながらの施設の後利用でありますが、先ほど申し上げた一億円から六億円程度の赤字分を、いってみれば指定管理制度を使って都が負担し、請負事業者さんに委託をするという仕組みになっているかと思います。
 この中に記載されている赤字分の中に、まず確認をしたいのは、建物の修繕費とか、それから建物の減価償却費というのが含まれているのかどうか、まずお伺いしたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 都は、新規恒久施設の施設運営計画の策定に当たりまして、類似施設の利用状況や競技団体の利用意向、そして知見を有する外部有識者の助言等をもとに収支見込みを試算してございます。
 この収支見込みでは、指定管理料算定の前提となる施設の管理運営に係る収入及び支出を計上しており、この中には日常的に行う修繕費を含む一方で、都が実施する大規模な修繕にかかる費用や建物の減価償却費は含んでございません。
 なお、新規恒久施設の施設運営計画におきまして、収支見込みを試算した時点では施設の実施設計が完了していなかったため、大規模な修繕にかかる費用などの詳細な算定は行ってございませんでしたが、今後、長期的な修繕計画を策定するなど、適切に対応してまいりたいと存じます。

○伊藤委員 つまり修繕経費と、それから減価償却分が入っていない状態で、なお年間一億から六億円程度の赤字が見込まれているということですから、両方入れるともっと大きな赤字額になってくるわけで、民間的にいえば、当然、減価償却を見込んだ上での収支を立てるというのが通常かと思います。そういう意味では、よりシビアに、これから収支計画を見ていく必要があるということをまず申し上げておきたいと思います。
 もう一度申し上げますけれども、赤字幅をできる限り圧縮できるようにするためには、ここにも書かれていますけれども、各施設ごと、やっぱり利用者数と収入額というのは当然リンクしてくるわけでございます。利用者数をふやしたり、あるいは大会をもっと誘致するなど、利用料収入をふやす必要があると考えます。
 新規恒久施設を負の遺産にしないための取り組みについて、改めてお伺いしたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 新規恒久施設を大会のレガシーとして有効に活用するためには、大会後の後利用の計画や運営体制を大会前の早期に確立することが重要でございます。
 そのため都は、平成二十九年四月に新規恒久施設の施設運営計画を策定いたしまして、大会前の早期に運営事業者を決定して、大会後の施設運営に万全を期することといたしました。
 昨年十月には議会の議決をいただきまして、指定管理者を指定いたしまして、運営体制を確立したというところでございます。
 指定管理者からは、競技団体との連携による積極的な大会誘致により稼働率向上に取り組むということや、旅行代理店の体験ツアーとの連携や隣接する公園との共通チケット等、こういったことで利用者増を図ることなど、さまざまな収益向上策が提案されております。
 今後、指定管理者と密に連携を図りながら一層の収益向上に努め、レガシーとしての有効活用を進めてまいります。

○伊藤委員 まさに今おっしゃられていた指定管理料というのは、当然、いわば赤字分を民間事業者に都が支払う仕組みになっているわけですよね。ですから、赤字見込み額が小さくなれば委託料もその分少なくて済みますが、逆もしかりだと思います。数年に一度、これからも見直しがかかっていくんだと思いますけれども、余りにもまた赤字額が大きくなっていると、委託料そのものも上げていかなきゃいけないという状況というのもないわけではありませんので、これからちょっとお話を伺っていきたいと思いますけれども、なおのこと計画どおりいくのかどうか、よくチェックをさせていただきたいというふうに思っています。
 その中でも、やっぱり一番懸念しているのは海の森競技場です。既に一九六四年の戸田漕艇場が、大学生を初め、多くの団体に親しまれており、一九六四年のオリンピック大会で使われたということもあり、この漕艇場の優位性というのがかねてから指摘をされています。
 海森の交通利便性というのが決して高くないことはもう周知の事実で、施設計画どおりいくのかどうか、その不安はやっぱり拭えていないんではないかと思います。
 計画では、後利用として年間三十の大会、三十五万人の利用を見込んでいるということがこの計画書から読んでとれます。それでもなお、年間一億五千八百万円の赤字を見込んでおります。
 ここで、計画をよく見ますと、三十大会の観客数が二十一万六千人と計画の中で見込まれているんですね。これ、割り返すと一大会当たり七千二百人の観客が海の森競技場に来る計算になるということです。
 実は国内の登録競技者というのは、ボートで九千人、カヌーで四千人程度ということであるそうですので、利便性も考慮した上で、この観客数というのが本当に確かなものなのかというものについては、一層検証をする必要があるんではなかろうかと思います。
 そこで、年間三十大会をまずは誘致することが最低条件だと思いますが、これ、大会を誘致する責任の所在がどこにあるのかしっかり確認をさせていただきたいと思います。
 基本的には、東京都も競技団体の皆さんと相談をされて、この計画を練られたことと思いますが、まさに競技団体とどれだけ詰めた約束、あるいは文書などの取り交わしをしているのか伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 新規恒久施設の施設運営計画では、海の森水上競技場は、国際基準の水上競技場として、ボート、カヌー、トライアスロンやドラゴンボートなど、さまざまな水上競技の国際大会、国内大会を誘致、開催することとし、年間三十大会の開催を目標としてございます。
 この大会の開催目標の設定に当たりましては、各競技団体の意向を書面で確認した上で設定してございます。
 こうしたことから、大会の誘致や開催につきましては、競技団体みずからが取り組むものと考えてございます。
 こういったことにつきまして、先生からも、大会の誘致、あるいは開催等については定期的な会議を持ったらどうだと、関係者で会議を持つのがいいんじゃないのかというようなお話もございましたけれども、指定管理者の提案におきましても、年間の大会実施計画の策定におきまして、競技団体を一堂に会した調整会議を設けて調整を行うことというふうにしてございます。
 都といたしましても、指定管理者と連携して、より多くの大会が開催されるように取り組んでまいります。
 なお、日本ボート協会、日本カヌー連盟からは、海の森水上競技場の大会後の活用計画が公表されてございまして、この中で三十大会の開催についても明記されてございます。

○伊藤委員 今、答弁があったように、指定管理者の中に競技団体も含まれているというようなケースもあれば、そうでないケースもあるんだと思います。
 いずれにせよ、指定管理者、競技団体、東京都と協議をして、そして責任を負うことになるんだと思いますが、私、一番心配しているのは、いつもこういうときに、三者、あるいは二者、責任を負いますという話が出てくると、結局どちらが本当に責任を負うのかが最後までわからない状態になって、都がやると思っていました、あるいは競技団体がやると思っていました、あるいは私たちは目標としては掲げていましたということにならないように、最終責任がどこにあるのかというのは、きょうは聞きませんけれども、もう一度検証していただいて、それぞれの施設によって違ってくるとは思いますし、大会に対しても違ってくると思いますので、よくそこはしっかり整理をしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 それからあともう一つは、戸田の漕艇場ですけれども、先ほどもお話ししたように、一九六四年の大会のレガシーになっているところで、歴史は深いということであります。多くの学生や団体の方々が今、戸田を使われていらっしゃる中で、戸田市が、ボートのまちの未来を見据えたまちづくりに関する研究というのを最近発表されているのを私もちょっと拝見いたしました。
 これを見ると、東京の海の森競技場ができた後の自分たちの影響調査とかというのもよくまとめられていらっしゃいますし、また、この間、いかに学生、団体を呼び込むかということの工夫がさまざまに書かれておられました。
 都に聞いたら、都でも戸田のことはよく研究しているということでありますけれども、やっぱり既存施設を抱えている自治体から、その取り組み例をよく聞かせていただくことというのも、公共施設として重要なんじゃないかというふうに思います。
 ある部分は競合しますけれども、しかし、ある部分は共存共栄していくことがまさに重要なことなので、よりこのコミュニケーションは十分に図っていただいて、ごみの問題であったり、ミーティングルームであったり、学生の方々が、あるいは団体の方々が必要と思われるものについてのスペックを改めて検証していただきたいというふうに思います。
 そしてもう一つ、競技場としてだけでなくて、ほかの活用方法というのが各施設検討をされているというふうに思います。大会として使うというもののみならず、民間でお使いいただく、さまざまな利用方法があると思います。競技場だけではない利用方法についてお伺いしたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 新規恒久施設の施設運営計画では、海の森水上競技場を国際水準の水上競技場として、大会の開催やアスリートの強化育成に活用するとともに、広く都民に親しまれる施設とすることとしてございます。
 具体的には、水域を活用して、ボート、カヌー等の教室やドラゴンボートの体験乗船会などの機会を都民に提供することとしております。
 また、陸域におきましては、隣接する海の森公園と連携して、ランニング、サイクリング等のさまざまなスポーツイベントなども実施していくこととし、こうしたレクリエーション利用などで年間四万人の利用を見込んでおります。
 指定管理者からも、全国の公園で多種多様なイベントを手がけてきた公園管理の実績を生かしまして、隣接する海の森公園と連携したスポーツフェスティバルやキャンプイベント、野外コンサートなど、スポーツ以外の多様なイベント利用について、具体的な提案がなされております。
 今後、指定管理者と連携しながら、海の森水上競技場が多様に活用され、多くの都民の利用でにぎわう施設となるように取り組んでまいります。

○伊藤委員 今お話があったように、スポーツフェスとかキャンプとか野外コンサート、本当に立地を生かした、そういう使い方によって利用料収入というのをさらにふやしていくというのは、これから期待をさせていただきたいと思います。
 とともに、今、指定管理者という言葉がありました。基本的には都と指定管理者で協議をすることだと思うんですけれども、多分、アイデアは指定管理者と都の間だけではなくて、民間の中にさまざまあるんじゃないかと思います。
 最近ちょっと私が耳にしたところでいうと、とにかくドローンの練習会場がないと。どこへ行ってもドローンは飛ばすなといわれると。しかし、テレビ局でもドローンの練習は、やっぱり訓練としてさせたいみたいなこともあって、例えばこういう立地特性を生かしたもの、いろんなアイデアが多分、それのみならずあると思います。
 そういうアイデアを民間が持っていても、都と指定管理者の間で協議されて決まることなので、私たちは口を挟めないんだろうなと思うとアイデアが寄ってこないと思うので、年間を通してみれば、この期間はちょっと稼働しないな、動かないなというところが検証していけばあろうと思います。そこについては、ぜひいろんな企業、民間に何かアイデアがないかということを公募する、アイデアを募るということがあってもいいんじゃないかと思いますので、そのことは要望をしておきたいというふうに思います。
 まず、先ほどの大会の回数と、それから来場者数について、アクアティクスに当てはめて少し伺いたいと思います。
 今度、アクアティクスの方は年間百大会、開催日数が百四十日間ということで計画に記されております。要するに、二日に一回近く大会を開催することになりますので、なおのこと競技団体の責任は大きなものになろうかと思いますが、どのような競技になっているのか、こちらも確認をさせていただきたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 東京アクアティクスセンターは、辰巳国際水泳場の機能を引き継ぐこととしておりまして、施設運営計画の大会数の目標は、辰巳国際水泳場の実績である年間約百大会を参考に、競技団体の意向を確認した上で設定しているところでございます。
 さらに、東京アクアティクスセンターの指定管理者となった事業者グループには、競技団体が含まれておりまして、指定管理者公募時に年間百二大会の開催を提案しております。こうしたことからも、目標の達成は可能というふうに考えてございます。

○伊藤委員 ぜひ競技団体さんとよく相談していただいて、実効性の高い計画をさらに練っていただきたいと思います。
 ここで少し細かく見ていきたいと思うんですが、このアクアティクスは、大会、今申し上げたように百四十日間に対して、三十八万人の来場目標というのがこの計画書に書かれております。一日に割り返すと大体、大会一日当たり二千七百人の来場者、応援をする方々が集まるということであります。
 それは結構なんですけれども、水泳大会が今いったように大体二千七百人、観客が集まるだろうという見込みを立てていらっしゃる一方で、先ほどの海の森競技場にちょっと戻りますけれども、カヌー、ボート大会の方を見ますと、海森は三十大会で二十一万六千人、大会は一日に一大会やるわけじゃなくて、三十大会、六十九日間でやるということで計算されているそうなので、割り返すと一日当たりの観客数が三千百人になるんですよね。
 ちょっとそこが確認をさせていただきたいんですけれども、立地、利便性を含めて、アクアティクスセンターの方が優位性があると思います。それから、優劣はなかなかつけられませんが、しかし、カヌー、ボートを見に来られる方々と、それから水泳大会を見られる方々、どちらが多いとは一概にはいいづらいですけれども、私は正直いって一日二千七百人、水泳大会に来るというのに対して、カヌー、ボート競技の観客数が一日三千百人と見込んでいるのは、本当に試算として妥当性あるんですかということを確認させていただきたいと思うので、その点について認識を伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 海の森水上競技場における大会の来場者目標数は、ボート、カヌー等の各競技団体から、大会開催の意向があった大会につきまして、各大会の来場者数の過去実績を積み上げることにより試算を行っております。
 このうち観戦者数につきましては、年間合計二十一万六千人、大会一日当たり三千百人と試算されているところでございます。
 海の森水上競技場の大会は、国際大会、全国大会が全体の半数を占めるのに対し、東京アクアティクスセンターは、都大会やその他大会が全体の八割以上となっておりまして、大会の規模や期間に違いがあるため、観戦者数が東京アクアティクスセンターより大きな数字となっているということでございます。
 例えば、二〇〇五年に長良川で開催されました世界ボート選手権大会の実施報告書では、一週間で約十一万八千人、一日当たりで約一万七千人が来場したというふうに報告されているところでございます。

○伊藤委員 正直いうと、今の最後のところでより心配になるんですよ。というのは、二〇〇五年に長良川で開催された世界ボート選手権大会、私もちょっとネットで調べてみました。これ、二〇〇五年でしょう。毎年日本でやっている大会じゃないですよね。何十年かぶりに日本に来た大会で、世界中から注目度の高かった大会だと思います。
 これを今のように披瀝されて、最大値でお話をされてしまうと、やっぱり見積もりが厳しくならないんじゃないかなというふうに思うんです。ですから、一例として挙げられたというふうには理解しますけれども、やっぱり国内大会、あるいは学生の大会もあるんだろうと思います。平均値でしっかり出していただいて、もう一度、本当にそれだけの数の方々が観客として来るのかどうか。それは今、過去の大会では来ていたと。それがそのままスライドしてくると。そういう計算をされているんだと思うんです。
 例えば長岡で花火大会がありますけれども、有名ですよ。毎年行くと決めている方々はいっぱいいらっしゃると思いますけれども、同じ花火を違う地域で上げたからって、その地方都市にそのままごっそり観客が行くとは限りませんよね。ですので、より精緻な見込みというのをよく検証していただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
 それから、少しそれらを包括した話になりますけれども、ロンドン市の取り組みでは、ロンドン・オリンピック・レガシー開発公社、いわゆるLLDCを大会運営組織とは別に立ち上げて、運営準備にかかわらず、大会後の施設などの後利用を周到に計画したというふうに聞いていますし、少し有名な話だと思います。
 つまり、運営する組織とは別ですので、オリ・パラ準備局とはまた別に後利用をする専門のチームをつくって、運営にかかわらず、しっかり時間と人員を割いて後利用をする専門部隊をつくったということでありますが、こうした取り組みというのは都としても参考にすべきものではないかと思うんですが、所見を伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 ロンドン大会では、オリンピックパークの管理運営を行わせるために、ロンドン・オリンピック・レガシー開発公社を設立いたしまして、同公社がアクアティクスセンターなどの個々の施設の運営事業者を早期に定めまして、後利用のための体制づくりに取り組んだと聞いております。
 こうした事例を参考にしまして、都においては平成二十九年四月に大会後の運営の指針となる新規恒久施設の施設運営計画を定めるとともに、大会前の早期に運営事業者を決定いたしまして、大会後の後利用にスムーズに移行できるように取り組んでまいりました。
 今後とも、ロンドンの取り組みも参考にしながら、指定管理者と連携して、多くの人に利用されるような新規恒久施設となるよう運営してまいりたいと思います。

○伊藤委員 最後にします。
 昨日も局長にお話を申し上げましたけれども、東京の残せる大きなレガシーの一つには、経費の縮減であったり、ロンドン以上の積極的な活用をされる後利用だというふうに思います。そういう意味で、後利用の年間収支の赤字額を一円でも圧縮する努力が都民、国民の皆さんに向けて必要だというふうに考えます。
 最後に、こうした削減努力、あるいはまた施設の後利用のより積極的な利用促進に向けての局長の決意をお伺いしたいと思います。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長
新たに整備をいたします競技施設につきましては、都民の皆様からお預かりした貴重なお金をもとに整備を図ってございます。
 私どもも、リオの競技会場の施設で使われていないような写真も拝見をしたりするわけでございますが、やはりまずは多くの都民に親しまれ、末永く皆様に利用されるものとしていくことが非常に重要であるというふうに思っております。
 そのため、大会後の競技施設は、スポーツはもとよりレクリエーション利用ですとか、その他の幅広い活用ということを行っていくとともに、指定管理者、競技団体の皆さん、あるいは周辺の地域の皆さんとも連携をしまして、にぎわいの創出をいたして、広がりのあるレガシーの形成を目指していきたいというふうに考えております。
 その際、施設運営に係る都民の負担につきましては、できるだけ少なくしていくことも大変重要でございますので、先ほどご答弁させていただいておりましたように、早期に運営事業者の決定、そして大会後の各種の競技大会、あるいはイベントの誘致、こういったものにも速やかに着手するようにすることは、収益向上策としても非常に重要な取り組みだというふうに認識しております。
 今後は、各施設のネーミングライツの導入の検討を進めていくことに加えまして、指定管理者等と連携をしまして、創意工夫を凝らした収益向上、あるいはコストの縮減、そういったことに取り組むことで、新規恒久施設がいつまでも持続可能性を持って、そして多くの都民に愛される、価値のあるレガシーとなるように努めてまいりたいというふうに考えております。

○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時四分散会

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