委員長 | 小山くにひこ君 |
副委員長 | 高倉 良生君 |
副委員長 | 伊藤 ゆう君 |
副委員長 | 吉原 修君 |
理事 | うすい浩一君 |
理事 | 両角みのる君 |
理事 | 石川 良一君 |
理事 | 山崎 一輝君 |
理事 | あぜ上三和子君 |
藤井あきら君 | |
池川 友一君 | |
細田いさむ君 | |
おときた駿君 | |
川松真一朗君 | |
白戸 太朗君 | |
とや英津子君 | |
入江のぶこ君 | |
山口 拓君 | |
中山 信行君 | |
栗下 善行君 | |
桐山ひとみ君 | |
木村 基成君 | |
高島なおき君 |
欠席委員 なし
出席説明員オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 潮田 勉君 |
次長理事兼務 | 延與 桂君 | |
次長 | 岩瀨 和春君 | |
技監 | 相場 淳司君 | |
理事 | 西村 泰信君 | |
理事 | 中澤 基行君 | |
総務部長 | 中村 倫治君 | |
調整担当部長 | 雲田 孝司君 | |
大会企画調整担当部長 | 中嶋 初史君 | |
自治体調整担当部長 | 小池 和孝君 | |
計画推進部長 | 根本 浩志君 | |
運営担当部長 | 田中 彰君 | |
競技・渉外担当部長 | 川瀬 航司君 | |
事業推進担当部長 | 丸山 雅代君 | |
パラリンピック部長 | 萱場 明子君 | |
障害者スポーツ担当部長 | 越 秀幸君 | |
大会施設部長 | 鈴木 一幸君 | |
開設準備担当部長 | 鈴木 研二君 | |
施設担当部長 | 砂田 覚君 | |
施設整備担当部長 | 草野 智文君 | |
施設調整担当部長 | 湯川 雅史君 | |
選手村担当部長 | 斉藤 有君 | |
スポーツ施設担当部長 | 藤木 仁成君 | |
輸送担当部長 | 片寄 光彦君 | |
スポーツ推進部長 | 小室 明子君 | |
ラグビーワールドカップ準備担当部長 | 篠 祐次君 | |
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長 国際大会準備担当部長兼務 | 田中 愛子君 |
本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九™の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・東京二〇二〇大会オリンピック公式チケットの販売概要の公表について(説明)
・東京二〇二〇ライブサイト等基本計画(案)について(説明)
・東京二〇二〇大会のシティドレッシング・大規模展示物基本計画(案)について(説明)
・東京二〇二〇大会都市ボランティアの応募者数について(説明)
・新規恒久施設等の整備(平成三十一年一月時点)について(説明)
・ラグビーワールドカップ二〇一九™ファンゾーン運営計画(素案)について(説明)
・第四回東京都聖火リレー実行委員会について(説明・質疑)
・大会経費V3(バージョン三)について(質疑)
・第三回東京都聖火リレー実行委員会について(質疑)
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会聖火台について(質疑)
・大会輸送影響度マップの作成及び公表について(質疑)
○小山委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会を開会いたします。
初めに、委員の辞任及び選任について申し上げます。
議長から、去る一月二十五日付をもって、斉藤れいな委員及び森澤恭子委員の辞任を許可し、新たに藤井あきら議員及び栗下善行議員を選任した旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
この際、新任の委員を紹介いたします。
藤井あきら委員です。栗下善行委員です。
〔委員挨拶〕
○小山委員長 紹介は終わりました。
○小山委員長 次に、議席について申し上げます。
議席につきましては、お手元配布の議席表のとおりといたしますので、ご了承を願います。
○小山委員長 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
なお、報告事項、東京二〇二〇大会オリンピック公式チケットの販売概要の公表については、説明を聴取することにとどめます。
また、報告事項、東京二〇二〇ライブサイト等基本計画(案)について、東京二〇二〇大会のシティドレッシング・大規模展示物基本計画(案)について、東京二〇二〇大会都市ボランティアの応募者数について、新規恒久施設等の整備(平成三十一年一月時点)について及びラグビーワールドカップ二〇一九ファンゾーン運営計画(素案)については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は二月一日の委員会で行いますので、ご了承願います。
それでは、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
初めに、東京二〇二〇大会オリンピック公式チケットの販売概要の公表について報告を聴取いたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 それでは、私から、報告事項、東京二〇二〇大会オリンピック公式チケットの販売概要の公表についてご説明いたします。
恐れ入りますが、お手元の資料第1号をごらんください。
1、これまでの経緯ですが、組織委員会は、平成三十年七月二十日に、競技別の価格帯や企画チケット、スケジュールなどの公式チケット概要を公表し、チケット販売に向けたPR活動を展開しており、本年一月三十日には、より具体的な販売方法を紹介する販売概要を公表したところでございます。
次に、2、主な公表内容についてご説明いたします。
(1)、チケットの販売方法ですが、公式チケット販売サイトにて、抽せん申し込みを二〇一九年春から開始し、六月中旬以降に抽せん結果を発表した後、先着順販売を二〇一九年秋以降実施することとしております。
また、窓口販売につきましては、都内に設置予定のチケット販売所にて、二〇二〇年春以降実施する予定です。
(2)、チケットの概要でございますが、一般チケットにつきましては、席の種類ごとの価格を公表したほか、車椅子ユーザー向けチケットとして、開閉会式、全競技のセッションを対象に、同伴者の方と一緒に観戦できるチケットを設定しております。
また、二千二十円で販売される東京二〇二〇みんなで応援チケットの対象者は、十二歳未満の子供、六十歳以上のシニアの方、障害のある方を一名以上含む家族やグループとなります。
一枚おめくりください。参考資料として、組織委員会の報道発表資料を添付しております。後ほどご参照いただければと存じます。
なお、パラリンピック公式チケットの販売概要につきましては別途公表予定です。
説明は以上でございます。
○小山委員長 報告は終わりました。
次に、東京二〇二〇ライブサイト等基本計画(案)について外四件の報告を聴取いたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 それでは、私から、報告事項、東京二〇二〇ライブサイト等基本計画(案)をご説明いたします。お手元の資料第2号をごらんください。
初めに、1、検討経過でございます。
昨年四月にライブサイトの都内八候補地を公表後、都と組織委員会は、現地調査や関係者との協議を行い、各会場の実現可能性を検証してまいりました。
特に、各会場の特性に応じた適切なセキュリティー対策に万全を期すとともに、大規模なライブサイトは数を絞るなど、安全・安心な運営に向けた検討を実施いたしました。
続いて、2、会場の概要でございます。
都内につきましては、世界中からの多数の観戦客を迎える広域的な受け皿として、八候補地全てを活用する一方で、各会場特有の状況を踏まえ、実施内容や運営に、下記の表のとおり、めり張りをつけることといたしました。
また、都内全体の盛り上げのため、多摩地域に都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場一カ所を追加いたします。具体的な実施場所は現在検討中でございます。
今後、都と組織委員会は、各会場にふさわしい実施内容や運営についてさらに検討し、関係者のご意見を踏まえ、年度内に東京二〇二〇ライブサイト等基本計画を決定する予定でございます。
資料中段の表をごらんください。
〔1〕の東京二〇二〇ライブサイトは、都民のみならず国内外から訪れる観戦客等を広く受け入れる広域的で大規模なライブサイトとして、区部と多摩に一カ所ずつ設けます。区部拠点会場は都立代々木公園、多摩拠点会場は都立井の頭恩賜公園とし、大型ビジョンによる競技中継のほか、東京及び日本の魅力発信、大会パートナーの出展等により、大会の盛り上げを図ります。
〔2〕のターミナル駅周辺東京二〇二〇ライブサイトは、都内外からアクセスしやすく、利便性が高いターミナル駅周辺に会場を設け、世界中から訪れる観戦客等を受け入れるものでございます。高輪ゲートウェイ駅前用地、池袋西口公園、東京都庁舎において、大会パートナーとの連携や既存施設の活用により、効果的に大会の盛り上げを図ります。
〔3〕の都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場については、大会パートナーだけではないさまざまな主体と連携して、大会を盛り上げる会場といたします。区部と多摩に拠点会場を設け、都は競技中継を行い、さまざまな団体や地元等とも連携しながら、全体的な盛り上げを創出できるように取り組んでまいります。
なお、先ほどご説明申し上げました多摩拠点会場一カ所については、実施場所を検討中でございます。
〔4〕の組織委員会が中心となって展開する盛り上げエリアとは、多くの競技会場が集積する青海から有明地区に至る臨海部であり、大会の象徴的なエリアとして盛り上げを図ってまいります。
今後、組織委員会を中心に、大会運営に配慮しながら、都や大会パートナーに加え、地元等のご協力も得て、来訪者が大会の雰囲気を体感できる特別な盛り上げエリアとして、詳細について検討を進める予定でございます。
〔5〕の被災地東京二〇二〇ライブサイトは、東北三県及び熊本県で都が実施するライブサイトであり、資料記載の会場については、各県のご意見を伺いながら選定したものでございます。
続いて、3、開催期間及び時間でございます。
東京二〇二〇ライブサイトの区部、多摩拠点会場は、大会期間三十日間を基本に実施し、その他の会場については、今後検討、調整の上、確定いたします。
開催時間については、競技が多く実施される時間帯、午前十時から午後九時ごろを中心に、会場ごとに今後検討、調整いたします。
続いて、4、来場者想定でございます。
会場の有効面積や実施内容、立地特性等の要素を踏まえ、大会期間中、都内会場で一日当たり八万七千人以上、総計で二百六十万人程度の来場を想定しております。
続いて、5、実施に当たっての留意点でございます。
セキュリティーや暑さ対策、アクセシビリティーなど運営における諸課題につきましては、参考資料、基本計画案本文に記載しておりますので、ご参照いただければと存じます。
なお、資料下段にございます、都が主体となって実施するライブサイト等とともに、都内の盛り上げを担っていただく区市町村が実施するコミュニティライブサイト等につきましては、都は補助制度の拡充や相談対応等の支援を実施してまいります。
説明は以上でございます。
続きまして、東京二〇二〇大会のシティドレッシング・大規模展示物基本計画(案)をご説明いたします。お手元の資料第3号をごらんください。
初めに、1、経緯でございます。
昨年八月に東京二〇二〇大会のシティドレッシング・大規模展示物の概要(案)を公表後、大会の盛り上げや東京の魅力発信に資する効果的な実施箇所等を検討し、IOC等関係者と調整を行ってまいりました。
都としては、本年四月から装飾物等の製作など準備を進める必要があり、また都の実施内容を明確にすることにより、区市町村、大会パートナー等と連携し、取り組みを広げていくことが重要と考えております。
このため、本計画案を公表し、関係者のご意見を踏まえ、年度内に東京二〇二〇大会のシティドレッシング・大規模展示物基本計画を決定したいと考えております。
続いて、2、シティードレッシングでございます。
(1)の実施方針でございますが、都は、競技会場、ライブサイト等の周辺を中心に、選手や観戦客等が通行する主要幹線道路、ラストマイル等、空港、駅などを統一的なデザインのフラッグやバナー等で効果的に装飾いたします。
(2)の実施内容でございますが、主要幹線道路やラストマイルなど実施箇所、規模、期間については、表に記載のとおりでございます。
具体的な箇所については、別添地図1-1から6、都が実施するシティードレッシング箇所(案)をご参照いただければと存じます。
続いて、3、大規模展示物でございます。
(1)の実施方針でございますが、オリンピック・パラリンピックシンボルやワードマークについては、IOCの承認を得て、国内外の多くの観戦客等が訪れる大会の象徴的な場所や、東京二〇二〇ライブサイト等会場に設置いたします。
オリンピック・パラリンピックシンボルについては、フォトスポットに適した幅三から五メートル程度のものを中心に、それぞれの設置場所に応じた適切な大きさを検討しております。
また、大会マスコット像は、ライブサイト等会場のほか、多摩・島しょ地域の主要観光地に効果的に配置し、大会の雰囲気を盛り上げるとともに、観戦客等が多摩・島しょ地域を訪れ、魅力を発見する契機としていきたいと考えております。この像については、オリンピックとパラリンピックのマスコットをセットにした、高さ一から二メートル程度のものの設置を検討しております。
(2)の実施内容でございますが、オリンピック・パラリンピックシンボルについては、区部及び多摩地域における象徴的な場所として、臨海部と高尾山への設置のほか、ライブサイト会場や空港への設置を予定しております。
また、オリンピック・パラリンピックシンボルの園芸装飾、ワードマークも設置を予定しております。
大会マスコット像につきましては、東京二〇二〇ライブサイト等会場に加え、多摩・島しょ地域の主要観光地七カ所程度に設置を検討しております。
各大規模展示物の設置箇所、期間については、表に記載のとおりでございます。
あわせて、別添地図2、都が実施する大規模展示物の設置箇所(案)をごらんいただければと存じます。
(3)の大会後のレガシーとしての活用でございますが、東京二〇二〇大会の記憶を引き継ぐため、都立スポーツ施設や学校、公園等における効果的な活用を今後検討してまいります。
続いて、4、区市町村等に対する都の支援でございます。
区市町村による地域のシティードレッシングやマスコット像の設置等の取り組みを促進するため、都は補助制度による支援等を実施してまいります。
また、都内全域の祝祭感を盛り上げるため、都や区市町村が実施するシティードレッシング等に加え、商店街、大会パートナー、鉄道、空港事業者等の協力により、都内全域にシティードレッシング等を拡大していくことを目指してまいります。
説明は以上でございます。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 それでは、私から、報告事項、東京二〇二〇大会都市ボランティアの応募者数につきましてご説明いたします。お手元の資料第4号をごらんください。
初めに、1、募集状況でございます。
(1)、募集人数でございますが、都市ボランティア三万人のうち、二万人程度を募集いたしました。
(2)、募集期間につきましては、昨年九月二十六日から十二月二十一日まででございます。
(3)、募集周知の取り組みといたしましては、都や区市町村のウエブサイトや広報誌への掲載を初め、さまざまな広報媒体を活用したPRを行いますとともに、組織委員会と連携し、募集説明会を二十回開催するなどの取り組みを行ってまいりました。
次に、2、応募状況でございます。
(1)、応募者数は三万六千六百四十九人でございます。
(2)、応募者の構成といたしましては、性別は男性が三五%、女性が六三%、年齢は、年代別に見ますと幅広い年代から応募をいただいております。また、国籍等につきましては、九割以上が日本人の応募者でございます。
恐れ入りますが、裏面をごらんください。3、今後の予定等でございます。
(1)、面談、研修等の予定といたしましては、来月九日より面談、説明会を開始いたします。面談、説明会では、応募者の活動に当たってのご意向やご都合、配慮や支援が必要な事項等を丁寧に伺ってまいります。
その後、本年十月からは共通研修を初め、各種研修を実施いたします。
最後に、(2)、ボランティアのネーミングでございますが、今週二十八日、都市ボランティア、大会ボランティアの応募者による投票の結果、都市ボランティアのネーミングをシティキャスト、大会ボランティアのネーミングをフィールドキャストに決定いたしました。このキャストという言葉には、ボランティア一人一人に大会を盛り上げる重要な役割を担っていただきたいという意味が込められています。
以下、参考といたしまして、大会ボランティアの募集、応募状況を記載いたしましたので、後ほどごらんいただければと存じます。
説明は以上でございます。
○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 それでは、新規恒久施設等の整備(平成三十一年一月時点)についてご説明いたします。お手元の資料第5号をごらんください。
1、新規恒久施設等の整備費についてでございますが、平成二十九年十一月の当委員会におきまして、その時点における整備費の見込みをご報告したところでございます。今般、各施設の工事等が進捗したことを踏まえまして、整備費の見込みに変更のあった施設についてご報告いたします。
本表は、都が整備する新規恒久施設等について、報告済みの平成二十六年十一月時点の当初整備費、平成二十九年十一月時点の整備費の見込みに加えまして、今回、平成三十一年一月時点の整備費の見込み等をお示ししております。
なお、中央の平成三十一年一月時点の整備費の見込み、右側の当初整備費からの主な縮減項目等のうち、下線を引いたものは平成二十九年十一月時点からの変更部分でございます。
それでは、まず、(3)、有明アリーナの平成三十一年一月時点の整備費の見込み及び当初整備費からの主な縮減項目等をごらんください。
アクセシビリティーの強化や消防指導への対応などを行った結果、現時点の整備費の見込みは約三百七十億円となっております。
次に、(6)、夢の島公園アーチェリー場をごらんください。
工事入札による減を反映した結果、現時点の整備費の見込みは約九億円となっております。
次に、(7)、有明テニスの森公園テニス施設をごらんください。
工事入札による減、地中障害物の処理、受注者の経営破綻に伴う増を反映した結果、現時点の整備費の見込みは約百二億円となっております。
その他の施設につきましては、平成二十九年十一月時点の整備費の見込みから変更はございません。
これらを踏まえた整備費の合計は約千八百二十八億円であり、平成二十九年十一月の当委員会へのご報告と同額でございます。
一枚おめくりください。2、新規恒久施設等の整備状況でございます。
昨年の当委員会におけますご報告以降、スケジュールに変更のあった施設についてご説明いたします。
なお、右側の備考欄のうち、下線を引いたものは昨年六月時点からの変更部分でございます。
それでは、(4)、カヌー・スラロームセンター及び(7)、有明テニスの森公園テニス施設をごらんください。
昨年十月に、カヌー・スラロームセンターの工事のうち、管理棟工事及び有明テニスの森公園テニス施設の工事のうち、屋外テニスコート等の工事の受注者が経営破綻したことに伴いまして、工事を再発注することになりました。
これにより、カヌー・スラロームセンターの管理棟工事の竣工は平成三十一年十二月に、有明テニスの森公園テニス施設の屋外テニスコート等工事の竣工は平成三十二年三月の見込みとなります。
その他の施設につきましては、スケジュールに変更はございません。東京二〇二〇大会はもとより、テストイベント等が確実に実施できるよう、引き続き整備を進めてまいります。
なお、参考資料として、現時点における各施設のイメージを示しましたパース及び現場状況を撮影した写真を添付しております。後ほどご参照いただければと存じます。
説明は以上でございます。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 それでは、私から、報告事項、ラグビーワールドカップ二〇一九ファンゾーン運営計画(素案)についてご説明いたします。お手元の資料第6号をごらんください。
ファンゾーンは、ラグビーワールドカップ開催期間中、開催都市が設置するものです。昨年七月に都は、ファンゾーン会場の候補地を選定し、申請を行い、先日、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会から承認がありました。
都では、ファンゾーンを、チケットを持つ人も持たない人も、全ての人が、国籍や性別、応援するチーム等の垣根を超え、輪を広げる場として、本年四月の運営計画策定を目指し、検討を進めております。
1、会場、コンセプト等についてですが、多摩会場として調布駅前広場、調布市グリーンホール、区部会場として、旧一〇〇〇days劇場に決定いたしました。
ただし、調布市グリーンホールは、利用できない日については近隣の代替施設を確保してまいります。
開催日時についてですが、多摩会場と区部会場は共通で、東京スタジアムでの試合日と大会期間中の土日、合計十五日間の想定、開催時間は、プール戦は十二時から二十二時、決勝トーナメントは十四時から二十二時を基本に、東京スタジアムでの試合開始、終了時間を踏まえ、設定してまいります。
多摩会場のコンセプトですが、試合会場との一体性を確保しスタジアムの玄関として試合への期待と試合後の余韻を創出といたしました。
多摩会場の主な来場者は、国内外のチケットホルダーやラグビーファン、ファミリーが想定され、来場者数は期間中に七万五千人、一日当たり平均五千人を想定しております。
次に、区部会場のコンセプトですが、丸の内、銀座エリアに広がりを持たせ、東京、日本の玄関として国内外の来場者をおもてなしといたしました。
来場者は、ラグビーファン、チケットを持っていない外国人、観光客、買い物客、ビジネスパーソンが想定され、来場者数は多摩会場と同じく、期間中七万五千人、一日当たり五千人を想定しております。
次に、2、実施項目についてですが、どちらの会場も共通で、パブリックビューイングやラグビー体験、ケータリング、グッズ販売、スポンサーブースの設置等を行います。また、外国人等に向けた東京のPRとして、地元の物産や観光、名所等の紹介も行いたいと思います。
二ページ目をごらんください。多摩会場のコンセプトを地図上で表現いたしました。
多摩会場は、東京スタジアムに近接しているという立地特性があります。シャトルバスで試合会場と直結するとともに、試合会場の最寄り駅である京王線飛田給駅に特急、準特急を臨時停車させることで、一体性を高めてまいります。
また、試合会場周辺やファンゾーン会場周辺でも盛り上げを図ることで、コンセプトにある試合会場との一体性を確保し、スタジアムの玄関として、試合への期待と試合後の余韻を創出してまいります。
三ページ目をごらんください。多摩会場の概要図でございます。
まだイメージのため、レイアウトや内容は今後変更となる可能性がございます。
四ページ目でございます。こちらは、区部会場コンセプトを地図上で表現いたしました。
区部会場は、東京駅や日本を代表するオフィス街の丸の内、同じく日本を代表する繁華街の銀座に近接しているという立地特性がございます。有楽町駅周辺の施設との連携はもとより、さまざまな関係団体と連携を図りながら、面的広がりを創出してまいります。
そして、その中心にあるファンゾーンを拠点とすることにより、コンセプトにある丸の内、銀座エリアに広がりを持たせ、東京、日本の玄関として国内外の来場者をおもてなしすることを実現してまいります。
五ページ目をごらんください。区部会場の概要図でございます。
こちらもイメージのため、レイアウトや内容は今後変更となる可能性がございます。
最後に、資料としまして、運営計画の素案の本編をつけております。今後さらに検討を行い、四月の運営計画策定に反映してまいります。
説明は以上でございます。
○小山委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○おときた委員 大会都市ボランティアの応募者数についてに関しまして、障害者の方、特別な配慮を求める方の人数、割合、これをできる限り種別に分けてご報告いただきたいと思います。お願いします。
○小山委員長 ただいま、おときた委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。
○小山委員長 次に、第四回東京都聖火リレー実行委員会について報告を聴取いたします。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 それでは、私から、報告事項、第四回東京都聖火リレー実行委員会についてご説明いたします。お手元の資料第7号をごらんください。
第四回実行委員会につきましては、去る一月二十八日に開催をいたしました。
当日は、第三回実行委員会の審議状況を踏まえ、聖火リレールートについて及び今後のスケジュールについての二つを議題といたしました。
委員会では、都内の区市町村ごとの聖火リレールートについて、現在、各区市町村と協議中であることを報告いたしました。あわせて、各区市町村の要望を踏まえた通過スポットや区市町村ごとの走行距離の考え方を議論するとともに、今後のスケジュールについて確認いたしました。
委員から出された主な発言につきましては、記載のとおりでございます。
なお、参考資料といたしまして、実行委員会当日の資料を添付してございますので、ご参照いただければと存じます。
説明は以上でございます。
○小山委員長 報告は終わりました。
それでは、報告事項、第四回東京都聖火リレー実行委員会について外四件に対する質疑を行います。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○中村オリンピック・パラリンピック準備局総務部長 去る十二月二十五日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明いたします。
お手元に配布してございますオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会要求資料をごらんください。
表紙を一枚おめくりいただき、資料1、大会経費(バージョンスリー)の組織委員会と東京都の負担についてをごらんください。
組織委員会と東京都の負担額につきまして、項目と主な内容ごとにお示しをしたものでございます。
一ページでは恒久施設からテクノロジー、一枚おめくりいただいた二ページでは輸送からオペレーション、もう一枚おめくりいただいた三ページは管理、広報からその他の区分をお示ししてございます。
いずれも、注に記載してございますように、各区分の計につきましては、十二月二十五日の当委員会にご報告いたしました金額と同様五十億円単位で、各区分の内訳につきましては十億円単位でお示しをしたものでございます。
続きまして、一枚おめくりいただきまして、資料2、大会経費の増減について(バージョンツーとの比較)をごらんください。
十二月二十五日の当委員会にご報告いたしました資料第1号、大会経費バージョンスリーについての三ページ、2、経費増減(バージョンツーとバージョンスリーとの比較)の主な増及び主な減の各項目に増減金額をお示ししたものでございます。
続きまして、一枚おめくりいただき、資料3、東京二〇二〇大会に係る共同実施事業の契約案件一覧(平成二十九年度まで)をごらんください。
組織委員会が共同実施事業で契約いたしました平成二十九年度までの案件につきまして、契約件名、契約者、契約金額を一覧でお示ししたものでございます。
続きまして、三枚おめくりいただき、資料4、組織委員会がIOCに提案したコスト削減に係る二十五項目のうち具体化している主な事例をごらんください。
組織委員会がIOCに提案したコスト削減に係る二十五項目のうち、具体化している主な事例につきましてお示ししたものでございます。
続きまして、一枚おめくりいただき、資料5、東京二〇二〇大会会場となる既存都立スポーツ施設の大規模改修工事に関わる契約額一覧(平成二十七年度~三十年度)をごらんください。
東京二〇二〇大会会場となります既存都立スポーツ施設の大規模改修工事における平成三十一年一月二十一日までに契約済みの工事にかかわる契約額をお示ししたものでございます。
説明は以上でございます。
○小山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより質疑を行います。
発言を願います。
○入江委員 質問冒頭に当たりまして、直近で報道された件について申し上げます。
開催都市決定前の招致活動時における疑惑に関するメディア報道がなされ、当時の招致活動の取り組みや海外コンサルタントへの支払いなどが話題に上っています。
この件に関しては、招致委員会が既に解散していたことから、国内のオリンピック統括組織であるJOCが二〇一六年五月、外部の弁護士などの第三者から成る調査チームを設置し、都の職員もオブザーバーとして参加した上で、招致委員会とシンガポールのブラック・タイディングス社とのコンサルタント契約について検証を行いました。
この調査の中で、契約書などの関係資料や関係者のパソコンなどのデータの調査、関係者へのヒアリング、シンガポールの現地調査などを実施し、二〇一六年九月には、この契約には違法性は認められないとする報告書を公表しています。
現在では公表から二年以上が経過しましたが、その後、新たな事実は出てきていないと聞いています。今後、新たな事実が判明した場合には、当委員会において速やかに報告すべきです。これを強く要望いたします。
続いて、もう一点です。新聞報道で、東京二〇二〇大会期間中の渋滞緩和のため、首都高速道路の通行料金を時間帯によって上下させて交通量を調整するロードプライシングや、車両のナンバープレートの番号による通行規制の案が出ていましたが、現在の検討状況を伺います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時における円滑な大会輸送の実現と経済活動の維持との両立を図ることは、重要なことでございます。特に、大会関係車両や物流車両が多く通る高速道路につきましては、さまざまな渋滞緩和対策があり、ロードプライシングやナンバー規制も有効な手法の一つとして認識しております。
検討に当たりましては、交通量の低減効果や社会的な受容性など、さまざまな観点からの検証が必要でございます。このため、学識経験者などによる交通輸送技術検討会等において議論を行うこととしております。
いずれにいたしましても、国や組織委員会と連携いたしまして、東京二〇二〇大会の円滑な運営が図られるよう取り組んでまいります。
○入江委員 では、大会経費V3予算について伺います。
二〇一三年九月七日にブエノスアイレスで二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市が東京に決定してから、約五年半がたちました。これから開催までの一年半は、東京都、組織委員会、国、地方自治体が、オールジャパンの体制で十分に情報共有しながら、無駄をなくし、スピード感を持って大会準備を着実に進めていく大変重要な時期です。
都の職員も既に六百名以上、組織委員会に出向しています。ホストシティーとしての都の役割は、まだまだ不透明だといわれる大会予算と実績について、厳しく包括的に管理していくことだと考えます。
さて、この大会経費V3予算は、組織委員会の企画財務局で作成され、IOCに承認を受けるための大会運営直接費の経費の予算案で、収支均衡になっています。組織委員会の五十二のファンクショナルエリア、FAからの要求を積み上げ、トータルで削減に努めた予算案だと聞いています。
総額一兆三千五百億円はV2と予算規模が変わらず、あらかじめ用意していた調整費の取り崩しなどで対応していますが、輸送百億、オペレーション五十億、管理、広報五十億と、増額になっている内容の詳細について改めて伺います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 それぞれの主な増減理由と金額でございますが、輸送につきましては、大会関係者の輸送を担うフリート、これは乗用車のことでございますが、使用目的や車種が一定程度明らかとなりまして、これまで一律に軽自動車の単価で設定していたものを見直したことによりまして、六十八億円の増となりました。また、関係者バスの運行管理費用は九億円の増、輸送センター費用は十億円の増となってございますが、それぞれ業務内容の具体化の進展に伴いまして、ドライバー対応経費やシステム経費などが増加したものでございます。
オペレーションにつきましては、競技会場に仮設の厨房を設置しないこととしたこともございまして、夏の暑さ対策として、配送される弁当等の食品を保管する冷蔵庫などを設置することによりまして十七億円の増、馬の輸送費用で八億円の増、空港での関係者の入出国対応費用が七億円の増となってございます。
一方で、選手村の備品につきまして、水準、仕様の見直しを図り、一億円の減となっております。
また、管理、広報につきましては、ボランティアに支給する交通費で八億円の増、活動用のバッグなどユニホーム関連費用で八億円の増となっております。
○入江委員 今、ご答弁に出てきた大会関係者というのは、選手、そして国際オリンピック委員会、IOC、各国のオリンピック・パラリンピック委員会、国際競技団体に所属する方、スポンサー企業の方を指しています。
輸送のためにリースや購入をする車は軽自動車からミニバンやセダンに変更になりました。今後も流動的な要素が大変多い内容ですが、精査を加えて、予算の枠を守ることが重要だと考えます。
ボランティアの皆さんに対して、一日千円の交通費が支給されることになったのは大変よかったです。
そのほか、会場の医務室に勤務する医師や看護師の方に対しても、それなりの手当を出すべきではないかと考えますが、都の見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会期間中、選手、大会関係者、観客に対して適切な医療サービスを提供するため、組織委員会は、選手村にはアスリートやチーム役員を対象に医療を提供する総合診療所を設置し、各競技会場には選手用、観客用の医務室をそれぞれ設置いたします。
総合診療所や各競技会場の医務室につきましては、医療関係団体や医療機関等の協力を得ながら組織委員会が必要な医療スタッフを確保いたしますが、大学病院や医師会等、多くの団体からは無償での協力の意向をいただいていると聞いております。
手当につきましては、交通費相当分を支給する予定でございまして、医療行為を行うに当たっては、組織委員会が保険に加入する予定であると聞いております。
都は、組織委員会と医療関係団体や医療機関等との調整状況の把握に努めますとともに、組織委員会と連携し、大会に向けて適切な医療を提供できるよう対応してまいります。
○入江委員 今後、都が運営するライブサイトやラストマイルの医療体制も検討されますけれども、医師や看護師の皆さんというのは、日常の東京の医療体制を維持した上で対応していただくことになりますので、配慮をお願いしたいと思います。
さて、V3の方なんですけれども、柔道などの会場になる日本武道館の改修費が約二十五億円、新たに計上されましたが、恒久施設費の総額が変わっておりません。この理由を伺います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 日本武道館につきましては、その施設整備に対し、都は平成三十年度から補助を行うこととしております。
今般の大会経費V3におきまして、大会時にウオーミングアップ施設として使用される中道場棟について、大会を機に新たに整備される点に着目いたしまして、都民の皆様にわかりやすく説明する観点から、恒久施設の経費として計上いたしました。
この金額は二十五億円でございますが、大会経費V3は五十億円単位で整理、計上しておりますため、結果として恒久施設整備の合計額に変更はなかったものでございます。
恒久施設整備は事業が進捗しておりまして、経費につきましても、都立施設や新国立競技場といった個別に億円単位で公表しております。それらを合計いたしますと、V2では三千四百四十八億円だったものが、V3では三千四百七十三億円となっておりまして、概数化の金額である三千四百五十億円に変わりはないものでございます。
○入江委員 五十億円単位で経費が示されているということです。説明資料ではさらに十億円単位にはなっているんですけれども、余りにも単位が大き過ぎます。大会経費V3はなぜ五十億円単位なのか伺います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費につきましては、単年度の予算ではなく、平成三十二年度までの経費の総額を計上していること、それから、事業によりまして計画の具体化の進捗度合いが異なっておりまして、それに伴い、精緻化が異なる経費が混在しておりますことから、仮設等やオペレーションといった大きな区分で公表しておりますため、これまでのV1、V2と同様に、今般のV3におきましても、全体経費一兆三千五百億円の内訳の金額単位として五十億円としておるものでございます。
なお、都、組織委員会ともに、各年度の予算におきましては千円単位、決算につきましては円単位で公表してございます。
V4の金額単位につきましては、経費の精緻化の度合いも踏まえながら、今後、組織委員会と調整してまいります。
○入江委員 また一年後、V4予算が出るわけですけれども、常識的な単位、例えば百万円単位での各費目の積み上げ、そういったことをしていただいて、さらにそれを都民、国民に公表するということを強く要望いたします。
さて、酷暑対策などの経費はこのV3予算に盛り込まれていないと聞きますが、どの費用で対応していくのか伺います。これ以上の経費の膨張は抑えなければなりません。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 暑さ対策につきましては、例えば、大会経費におきましては、競技会場における仮設のひさし設置ですとか、競技会場内の暑さ対策用品などの経費が、仮設とかオペレーションといったそれぞれの区分に計上されておりまして、まとめて一つの区分に計上しているわけではございません。
また、東京都では大会関連経費におきまして、都市における暑さ対策として、道路の遮熱舗装やミストの設置など、それぞれの所管局におきまして、行政として行うべきさまざまな取り組みを進めていくこととしてございます。
安全・安心な大会の開催が重要でございますが、無駄や二重計上のないよう、必要な経費の精査に努めてまいります。
○入江委員 V1、V2、V3と予算は経緯しているわけですけれども、では、これまで既に幾ら使ったのか、実績累計の状況について伺います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 経費の確定でございますが、例えば共同実施事業では、当該会計年度が終了したときに、組織委員会が東京都に実績報告書を提出いたしまして、それに対して都が審査等を行った上で、負担金の額が決定してからになります。
したがいまして、現時点で確定しておりますのは平成二十九年度までに支出した分となりまして、大会経費の都負担分六千億円のうちでは、恒久施設整備は六百五十三億円、共同実施事業四十七億円でございまして、合わせて七百億円となっております。六千億円に占める比率は一一・七%でございます。
○入江委員 三十年度実績、今、一月の末ですから、既に十カ月たっているわけなんですけれども、この実績の予測見込みということも今ご回答にはなかったということです。一般企業では余り考えられないような実績管理だと思うんですけれども、年度の途中で使った費用実績を把握する取り組みが必要だと考えますので、ぜひご検討いただきたいと思います。
さて、二〇一七年五月三十一日に東京都と国と組織委員会は、共同実施事業管理委員会を設立しました。東京都や国が負担する資金を使用して組織委員会が実施する共同実施事業を包括管理するための委員会です。
そして、二〇一七年十二月二十一日に、下部組織である東京都作業部会が発足しました。ここでは年度予算の作成、契約前の単価や内容の精査、そして、予算執行後の実績の確認など、より実務に近い内容を担うことを目的としています。
東京都作業部会のこれまでの会議内容と取り組み内容について伺います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会のもとに設置しております東京都作業部会におきましては、特に執行の段階で経費の確認を行っております。
具体的には、案件が契約手続に入る前に、まず、都の担当が組織委員会の担当から内容をヒアリングし、積算資料等を確認しながら、必要な内容、機能か、適正な規模、単価か、類似のものと比較して相応か、公費負担の対象として適切かなどの観点からチェックいたしまして、所定の様式である確認表に取りまとめております。
その上で、東京都作業部会におきまして、当該案件や確認の内容を組織委員会と東京都の双方の担当から説明を受け、疑問点等の質疑応答を行い、確認表に記載された内容の確認を行っております。
また、大会特有のシステム経費など、専門的な視点から確認が必要な案件につきましては、外部の専門的識見を有する方にお願いいたしまして、作業部会にもご出席いただき、意見を徴しております。
なお、東京都作業部会はこれまで二十三回開催しておりますが、組織委員会の契約締結後に関係者等の同意を得られない企業の事業活動情報などの秘密情報を除きまして、確認表を含めた会議資料及び議事要旨を公表しております。
○入江委員 この東京都作業部会、これまで二十三回開催していると今ご答弁ありましたけれども、組織委員会のホームページから議事録を確認できるんですが、五回分しか掲載がございません。公表がおくれているんでしょうか。お伺いします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 東京都作業部会におきましては、組織委員会が契約の手続に入る前に確認を行うこととしております。また、組織委員会におきましては、契約や調達を適正に実施する必要がございます。
このため、東京都作業部会におきまして確認が行われた案件の会議資料や議事要旨の公表につきましては、組織委員会の契約締結後に行うこととしております。
組織委員会におきましては、入札などによる事業者決定後におきまして、さらなるコスト縮減のため、契約の相手方との減価交渉を行う場合もございます。そうしたことから、契約手続に日時を要するため、東京都作業部会の開催時期と公表時期とに差が生じているものでございます。
いずれにいたしましても、契約締結後には会議資料や議事要旨を公表し、情報公開に努めているところでございます。
○入江委員 先週、共同実施事業のうち、スポンサーとの随意契約について非公表との報道がされました。二〇一七年度末までに七件、約四億三千万円分が非公開という内容です。
本日提出されました資料において、一部の案件については、組織委員会が契約者と調整中との表示がありますが、この理由について説明を求めます。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 オリンピック・パラリンピックにおきますトップパートナーはIOCとのマーケティングプラン契約に基づきまして、また国内パートナーは組織委員会との国内スポンサー契約に基づきまして、決められたカテゴリーの中で組織委員会が必要とする商品等を供給する権利を有しております。組織委員会は、パートナーのカテゴリーの商品等を発注する場合、求められる仕様や納期が合致すれば、パートナーから調達する義務を負ってございます。この権利、義務に基づく契約をパートナー供給契約と呼んでおります。
パートナーは、当該契約におきまして競争力のある価格を示すこととなっており、トップパートナーは最大顧客に提示する最低の価格を、また国内パートナーは最低卸価格、最大顧客への販売価格、政府調達価格のうち最も安い最低価格をさらに下回る価格を提示することとなってございます。
こうした点を踏まえまして、パートナーの事業上の地位を脅かすことのないよう、パートナー供給契約における契約内容につきましては、契約当事者双方に守秘義務が課されていると聞いてございます。
今お話がございました、本日ご提出させていただきました要求資料3におきましても、こうした守秘義務が課されたパートナー供給契約について金額を表示していないものでございます。
しかしながら、都の公費を投入する事業でありますことから、都は組織委員会に公表を求めておりまして、現在、組織委員会において、契約の相手方と公表について調整を行っているところでございます。
○入江委員 この件も含めまして、都税、また国税が投入される共同実施事業に関する情報公開について、その方針を改めて確認いたします。
委員会では契約にかかわる情報などが含まれている資料もあるので、議論されているということは理解いたしましたが、議事要旨のさらなる充実など情報公開に努めるべきだと考えます。いかがでしょうか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業につきましては、年度当初の共同実施事業管理委員会におきまして、前年度の決算及び当年度の事業概要の報告を受けております。
本年度は平成三十年五月九日に開催し、平成二十九年度の決算につきましては、仮設等、エネルギー、テクノロジーといった区分ごとだけではなく、事業ごとの決算金額を円単位で確認してございまして、こうした会議資料や議事要旨をホームページに掲載してございます。
また、契約案件ごとの確認につきましては東京都作業部会で行い、組織委員会の契約締結後に会議資料や議事要旨をホームページに掲載しております。
さらに、共同実施事業の契約実績につきましてもホームページに掲載し、現時点で可能な限りの情報提供に努めているところでございます。
なお、委員お話しの議事要旨につきましては、今後内容の充実に向け、組織委員会など関係者と調整してまいります。
今後とも共同実施事業の透明性確保に向け、取り組んでまいります。
○入江委員 今、ご答弁もいただきましたけれども、現在見る限りこの議事録は非常に簡単なものなんですね。ぜひ議論の過程がきちんとわかるような詳しい内容になるようにしていただきたい。強く要望いたします。
さて、都は、このV3予算のほかに別途、五輪関係事業として約八千百億円を見込んでいます。国も昨日新聞報道もございましたが、オリ・パラ関係予算として二千百九十七億を計上していることを公表しました。
この直接経費V3予算とこうした関連経費に線を引くのは大変難しいと考えます。現場の仕分けがどのように行われるのか、機能的に行われるのか、日々の積み上げが非常に大事なことではあります。正しい仕分けをどのように機能的に行うのか、改めて伺います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会にかかわる経費の分類は、大会に直接必要となる経費を大会経費、行政目的のために行われるものでございますが、大会を契機に重点的に取り組むことで、大会のためにもなり、大会後の東京のさらなる発展につながるレガシーになるものの経費を大会関連経費としております。
それぞれの具体的な事業といたしましては、大会経費には仮設整備や大会運営などがあり、大会関連経費には既存体育施設の改修や教育文化プログラム、都市ボランティアの育成、活用、ライブサイトやシティードレッシングなど大会の機運醸成、都市のバリアフリー対策、道路整備の輸送インフラなどがございます。また、新規に整備する恒久施設につきましては、レガシーとなるものではございますが、大会を機に新設する点などに着目し、大会経費としております。
これらの仕分けでございますが、それぞれ各事業の目的や機能、効果などを踏まえて行っておりますが、都や国が負担する新規恒久施設の整備と大会開催のために組織委員会が実施する事業の経費を大会経費、大会中はもとより大会後にも東京や都民に効能が及ぶとして都が実施する事業の経費を大会関連経費としております。
こうした経費の全体像を示すことで、できる限り都民にわかりやすい情報提供を進めてまいります。
○入江委員 先ほどからかなり細かくお伺いしているんですけれども、いずれにせよ非常に巨額な予算、そしてそれを執行する方たちも非常に多い中で、果たして費用コントロールがこのままの状態でできるのかということをすごく危惧しております。
例えば民間企業で大きなプロジェクトをなす場合、予算があるんですけれども、必ず毎月ごとに、どのぐらい使っていったか、月次実績を確認いたします。さらに四半期実績も確認します。そして、もちろん年次ごとの決算も出します。とにかく日々日々積み上がっていく中できちんと精査していかないと、あっという間に、締めたときには費用が膨らんでいたということが起こりかねない、そういうことがありますので、きょうもこのようにしつこくといいますか、厳しくお話し申し上げているんですけれども、ぜひとも経費の全体像をとにかく把握していただいた上で、現場一件一件の使い方に至るまで、きっちりとコントロールしていただきたいと強く要望いたします。
続いて、組織委員会の予算の収入の方です。
スポンサー収入を随分ふやしてはいただきましたけれども、さらに百億達成しなければなりません。ライセンシング収入も、例えばライセンス商品の売り切れなどが見受けられますが、速やかにこうしたことをなくすなどして増収を目指す取り組みをすべきだと考えます。
今後の組織委員会の増収と経費縮減の取り組みについて伺います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 組織委員会の増収努力につきましては、引き続き新たな国内スポンサーを獲得していくことが大きな柱となります。加えて、寄附の受領やチケットの売り上げ、ライセンシンググッズの販売を進めていくことによりまして、増収見込みを達成していきたいとしてございます。
一方、経費につきましては、縮減の大きなものは既に大会経費V2までに行われておりまして、今般のV3以降はさらに具体的な実施方法や運用などを踏まえて、細かい部分の見直しが多くなってきます。
引き続き、新たな需要などに伴うコスト増は精査するとともに、節減できるものは節減し、しっかり対応してまいります。
○入江委員 節減するものは節減し、しっかり取り組んでいくというご答弁をいただきました。
そして、先の話ではあるんですけれども、大会が終了すると、この組織委員会というものは解散してしまいます。組織委員会の事業の中でも都が経費を負担している共同実施事業については、当然都も内容を把握し、文書、伝票類も含め、適正に保管していることと思います。
それに加えまして、都が経費を負担していない組織委員会の事業についても、解散後何らかの問題が生じた際に調査できるよう、必要な文書が散失することなく、適切に保存される仕組みにすべきだと考えますが、都の見解を伺います。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局大会企画調整担当部長 組織委員会の事業の中で、大枠の合意に基づき、都が経費を負担している共同実施事業については、都として内容を確認するとともに、必要な文書を保管しております。都が経費を負担していない組織委員会のさまざまな事業に係る文書については、公益財団法人として適切に保管していく必要があり、関係法令では、重要な資料は解散後の清算の結了から清算人が十年間保存することと定めております。
このほか、開催都市契約大会運営要件に基づき、組織委員会は、都、IOC、JOC等と合意の上、大会に関する記録を保存し、将来に引き継ぐための計画を策定することとされております。
こうした取り組みを通じまして、解散後においても組織委員会の重要な文書が適正に保存されるよう、都としても働きかけてまいります。
○入江委員 さきの招致委員会の疑惑につきましても、文書が保存されていたことから調査チームで内容を調べ、違法性がないということを確認することができたわけです。組織委員会の経費についても、解散後仮に疑義が生じた場合に検証できるように、経費の流れがわかる資料、これは決算書のみならず、できれば大きな案件については伝票一件一件だと私は考えますけれども、解散後も適正に保存されるように都としても働きかけていただくことを強く要望いたします。
さて、大会の運営にかかわる経費も、関連事業にかかわる経費も、予算の進捗に合わせ内容を一つ一つ精査することが大変重要です。予算管理体制を強化し、さらなる適正な費用コントロールを行うべきと考えます。そして、その最新の情報を都民に示し、見える化をしていくことも求められております。
こうしたことを日々実行しながら、記録と記憶を残し、負の遺産を残さない、つまり赤字を出すことがない大会とするために、最後に局長の決意を伺います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 大会準備のフェーズにつきましては、開催に向けた準備がまさに総仕上げに向けた段階に入っております。本番に向けましては、必要な業務の具体化を詰めまして、さまざまな関係者との連携のもとに、一つ一つの事業を着実に実施していかなければならないと考えております。
また、それに要する経費につきましては、大会の成功に必要な予算を確保しつつ、引き続き、効率化に向けた精査を行いまして、めり張りをつけて全体として抑制していくことが必要であると考えております。
大会経費は、各事業の計画の具体化の進捗度合いによりまして、経費の精緻化が異なっているものが混在しているので、今後の具体化、精緻化の進捗も踏まえながら、都議会や都民の皆様に状況をご説明し、わかりやすい情報提供に努めてまいります。
今、委員からるるご意見を賜りました。委員のコスト意識に対します危機意識は私どもも共有しているつもりでございます。常にコスト意識を持って、念頭に置きまして、開催都市としての責任をしっかりと果たして、大会の成功とともに、大会を契機にした確かなレガシーが都民、国民に残せますよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○入江委員 ありがとうございました。局長のお言葉、そしてオリ・パラ局全体の皆様の今後やっていただくことに非常に期待しておりますので、よろしくお願い申し上げます。
これで質疑を終わります。
○高倉委員 新しい年が開幕をいたしまして、いよいよオリンピック・パラリンピックが明年に行われるという段階に参りました。局の皆様には、大成功に向けて日々本当に全力を挙げていらっしゃることと思います。ことしは本当にお正月もなかったような方もいらっしゃるんではないかなというふうに想像いたします。心から敬意を表したいと思います。私どもも一緒になって、ぜひ大成功に向けて、全力を挙げていきたいというふうに思っておりますので、よろしくまたお願いを申し上げたいと思います。
その上で、質問をさせていただきますけれども、今、入江委員さんの方からいろいろ質問があった中で、共同実施事業等については、私が予定をしていた質問とかなり重なりがありますので、この部分については大幅にカットさせていただいて、私、予定している時間が随分長いものですから、これも大幅にカットさせていただいてというふうに思っております。ただ、ちょっと幾つかだけお話はお聞きしておきたいというふうに思っております。
まず最初に、先ほども質問がありましたけれども、大会の経費と、それから大会の関連経費のことについてであります。先ほどわかりやすい説明をいただいたというふうに思っております。
その中で、都民からした場合に、オリンピック・パラリンピックというのが一体幾らぐらい実際には費用がかかるものなのかと、常にこうした疑問なり質問なりというのがあるわけであります。
大会経費は中身も明らかであると思いますけれども、関連経費というような言葉遣いの中で、本来オリンピックにかかる費用をこちら側で計上して、そして少なく見せるようなことがあるんではないかみたいな質問さえ私のところにもあったわけでありますが、そういうことはないんだと思いますね。
それで、先ほども、例えばライブサイトやシティードレッシングといったようなお話があって、ちょっと聞くと、これは大会経費なんじゃないのかというような感じもするわけですね。ここのところをもう一度、大会経費と大会関連経費の違いということについてご答弁いただきたいと思います。
特に関連経費の場合は、オリンピック・パラリンピックが開催をされてもされなくても、しっかりと東京都としてやっていくような事業が入っているんだと思うんですね。ただし、この大会の開催を契機として、加速させてやっていくというようなものも多く入っているんじゃないかと思います。もう一度大会経費と関連経費の立て分けについて明確なご答弁をお願いしたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今お話のございました大会経費と大会関連経費との区分けでございますが、それぞれ事業の目的ですとか機能、効果などを踏まえまして、区分けを行ってございます。
その結果、具体的には、都や国が負担いたします新規恒久施設の整備と大会開催のために組織委員会が実施する事業の経費を大会経費、大会中はもとより、大会後にも東京や都民に効能が及ぶとして、都が実施する事業の経費を大会関連経費としてございます。
大会経費、具体的には仮設整備とか大会運営、それから新規恒久施設整備がございます。
また、大会関連経費には、既存体育施設の改修のほか、今お話のございましたライブサイト、シティードレッシング、これは確かに大会に行われるものではございますが、目的は機運醸成ということになってございますので、行政側で実施するという整理にしてございます。そのほか、都市のバリアフリー対策ですとか道路整備の輸送インフラなどがございます。
○高倉委員 V3の予算の収入につきまして、この中でスポンサーの収入についてお聞きをしたいと思います。
今回、スポンサー収入という数字が増加をしているわけであります。具体的にはスポンサーの数がふえているというような状況であると思いますけれども、まず、スポンサー収入が増加をしているということについての要因についてご答弁をお願いしたいと思います。
○根本オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 副委員長ご指摘のとおり、V3予算の収入において、国内スポンサー収入はV2予算と比較して百億円増加し、過去最高の三千二百億円となっております。現在、東京大会では、国内スポンサーが六十六社となっておりまして、平成三十年の一年間におきましても、新たに十七社がスポンサー企業に加わっております。
スポンサー収入がふえた要因といたしましては、国内企業の好業績に加えまして、機運醸成に向けた地道な取り組みや、エンブレム、マスコット等の開発により、東京大会のブランド力が高まったこと、組織委員会がスポンサー獲得に向け、一業種一社という慣例を破る異例の取り組みを行ってきたことなどが挙げられると考えております。
○高倉委員 スポンサーがふえていること、スポンサーについては、トップパートナーですとかゴールドパートナー、あるいはオフィシャルパートナー、オフィシャルサポーターというようなことがあるんですけれども、恐らく去年あたり随分ふえたというのは、オフィシャルサポーターに当たるようなところで大分ふえているというふうに思うんです。
今ご答弁にもありましたが、三千二百億円という国内スポンサーの収入については、既にどれぐらいの収入が見込まれているのか、こういったことについてご答弁をお願いしたいと思います。
○根本オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 組織委員会からは、V3予算に計上されている国内スポンサー収入三千二百億円は、確実性のある数値を積み上げたものであり、ほぼ同額を実績として見込めるものと聞いております。
○高倉委員 この数字を見込めるということですので、しっかりと推進をしていかなければならないというふうに思いますけれども、スポンサーの収入は組織委員会の収入の非常に大きな部分を占めているわけでありまして、大会の経費を支える大変重要なところであるというふうに思っております。
当然、組織委員会の方の収入が予定どおりいかないというようなことにもしなった場合には、例えば赤字になるというようなことになった場合には、そこをどこが対応していくのか、こういうことになったときに、東京都の新たな負担にもなってくるというふうに思いますので、本当にこのところは大変重要であると思いますけれども、スポンサーの増加についての今後の取り組みでありますとか見通しについて、見解をいただきたいと思います。
○根本オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長 国内スポンサー収入は、組織委員会収入の半分以上を占めており、ご指摘のとおり大会経費を支える重要な要素であると認識しております。組織委員会では、引き続き東京大会のブランド価値の向上に努めるとともに、新たなスポンサー企業が見込める業種の開拓に努めていくとしております。
都といたしましても、組織委員会とともに大会開催機運の醸成等により一層取り組み、多くの企業に大会が魅力的なものと感じてもらえるよう努めてまいりたいと考えております。
○高倉委員 先ほども申し上げましたけれども、共同実施事業のところにつきましては、質問をずっと用意していたわけでありますが、先ほど入江委員さんの質疑で、かなり一緒の内容がありましたので、ここは割愛をさせていただきながら、ちょっと確認をいたしておきたいと思っております。組織委員会が発注をする共同実施事業については、東京都が三千七百五十億円を負担するということになっているわけであります。これは事業全体にわたっているというふうに思います。東京都の負担というものは税が原資になっているというようなことを踏まえていくならば、契約する案件の全てを都として精査をしていく、こういう体制が不可欠であるというふうに思っております。
先ほどの質疑でも管理委員会のお話等々ありましたけれども、いま一度改めて、こうした契約案件をしっかりとチェックする組織の構成はどうなっているのか、説明をいただきたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 まず、私ども都オリンピック・パラリンピック準備局におきまして、組織委員会が発注いたします事業に対応する各所管部署の担当職員が経費の確認を行います。その上で、共同実施事業管理委員会の東京都作業部会において経費の確認を行っております。
東京都作業部会は、都、組織委員会、国の部課長級から構成されておりまして、それぞれの委員の数は、都が九名、組織委員会が六名、国が四名の計十九名となっております。また、平成二十九年十二月二十一日に第一回を開催して以降、本年度には共同実施事業が本格化し、これまで二十三回開催しているところでございます。
○高倉委員 今、作業部会の人数の構成、それから開催をした回数のご答弁をいただきました。共同実施事業の契約の案件について、今のような体制の中で、具体的に案件のチェックをしていくのは全ての案件であるのか、あるいは抽出をしてチェックをしていくのか、これについてご答弁をいただきたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 都の担当が組織委員会の担当から内容をヒアリングし、資料を確認しながら経費をチェックいたしますのは、全ての共同実施事業の案件でございます。
そのうち一件当たりの予定価格が、請負、委託にありましては三億五千万円以上、物件の買い入れ、売り払い、借り入れ、貸し付けに当たりましては六千万円以上の案件につきまして、東京都作業部会においても案件ごとに確認しております。
また、これ以外の案件につきましては、東京都作業部会では一覧で確認しているところでございます。
○高倉委員 今、一件当たりの価格ということについてのお話がありまして、それ以上のものでないものについては一覧で確認をするというようなご答弁があったわけであります。ちょっと聞くと、一覧だけで確認するんですかと、こういうような感じを抱くわけですけれども、もう一度具体的に、一覧で確認をするということの、いわゆる表でもって見てオーケーということでは多分ないと思うんですけれども、もう一度、一覧でもって確認をするということの意味について答弁をいただきたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 具体的な契約の確認の方法でございますが、まず、案件が契約手続に入る前に、都の担当が組織委員会の担当から内容をヒアリングいたしまして、細かい積算資料等を確認しながら、必要な内容、機能か、適正な規模、単価か、類似のものと比較して相応か、公費負担の対象として適切かなどの観点からチェックし、所定の様式であります確認表に取りまとめているところでございます。
なお、先ほどご答弁申し上げました一定の価格以上につきましては、同様に案件ごとに東京都作業部会において確認しているところでございますが、これ以外の案件、これを下回る案件につきましては、それぞれ担当ではきちっと確認をしつつ、それについては定期的に、東京都作業部会では全体の一覧でもって、表でもって確認をしているというところでございます。ここは事務の効率化と、あと、いかに正確にチェックをしていくかと、整合を図りながらやっていくというところの結果として、今こういう手続のやり方をしているところでございます。
○高倉委員 ぜひ一つ一つ、本当にきちっとチェックをしていただきたいというふうに思います。
先ほどの質疑の中でも、共同実施事業の契約案件の中では、契約上、中身を公表できない案件があるというお話がありました。理由も答弁をいただいたというふうに思います。
先ほど、こうした契約の案件が具体的にどれぐらいなのかという数字もご答弁をいただいたわけですけれども、恐らくこれからこの案件の数が大幅にふえていくというふうに思うんですね。そうした意味では、私も、ぜひともこの中身については公表すべきであるというふうに強く思うわけであります。
先ほど組織委員会とも協議しているというようなお話でありました。この見通しはいかがなんですか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今お話のございましたように、パートナー供給契約につきましては、組織委員会とパートナー双方に守秘義務が課された契約の内容になってございまして、現時点におきましては、本日ご提出させていただきました資料3のとおり、金額は表示できない、こういう状況でございます。
当然、私どもといたしましては、都の公費を投入している事業ということですので、従来より公表を求めているところでございます。それを踏まえまして、現在、組織委員会において精力的に、相手方と公表につきまして調整を行っているというところでございます。
○高倉委員 守秘義務というのはわかるんですけれども、そこに公費が投入されているということを踏まえて、これはぜひしっかりと公表がされるように、取り組みをお願いしたいと、そのように思います。
それで、バージョンスリーの予算の今度、支出の方なんですけれども、今回幾つか、輸送とかオペレーションとか管理、広報とか、増額になっているのがありますけれども、資料を見ると、増額になったところを形の上で埋めているというんでしょうか、これは、その他というところが五十億円減、それから調整費が百五十億円減ということになっていて、こちらから埋めたというように読み取れるわけですけれども、まず、その他というのはどういう内容であるのかについてご説明をいただきたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 その他につきましては、今般の大会経費V3では七百億円計上してございますが、この中で一番大きなものにつきましては、いわゆる調整費と呼ばれているものでございます。これがV2では五百億円だったものが、V3では三百五十億円ということで、百五十億円の減となっております。
また、現在、組織委員会ではシステムを導入いたしまして、経理につきましては、いわゆる財務会計システム的なものを導入しまして管理をしているところでございますが、まだ発足当初、そのシステムがなかった時点では、きちっとFAの過年度につきまして区分ができていないものを一括してここで計上しているというようなものもございます。
現在、それにつきましては、順次、所管のFAの事業に振りかえをしているところでございまして、それにつきましては、今回V3ではV2より六十九億円の減となっているところでございます。
○高倉委員 そちらからいただいた資料の大会経費バージョンスリーについてというところの八ページを私、ちょっと見てお話をしていたわけですけれども、ここに調整費というのがあって、そしてこれがV3で三百五十億円になっていて、百五十億円減になっているということです。
この調整費は、まさにその言葉のとおり、ほかのところに振り向けられる、調整するようなお金と、そういう捉え方でいいんでしょうか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 調整費でございますが、もともと現時点、ある程度経費の見積もりが想定はされるんですけれども、現時点では予見しがたい支出ですとか、あるいは、ある程度予見はできるんだけれども、要件とか仕様というのが未定でありますことから、具体的な経費が見積もれないということの支出に対応するために、これは過去の大会、例えばロンドン大会でも計上しておったんですが、そういうものを参考に、もともとV1では組織委員会は五千億でございましたので、おおむねその一割の五百億を計上していたものでございます。
○高倉委員 今の資料の二ページ目を見てみますと、下の方の欄外に、予備費として一千億から三千億円があると書いてあるんですが、この予備費というのはどういうものであるのか説明をいただきたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今、お話のございました予備費でございます。こちら、先ほどの調整費とは性格が異なりまして、予期せずに発生し得る緊急に対応すべき事態等に備えるために、一千億から三千億円を設定しているものでございます。現時点で予測し得ない天変地異ですとか、あるいは大規模な災害などの不測の事態などに備えるためのものでございます。
○高倉委員 今、天変地異等のお話がありましたけれども、V3予算でもここにさまざまな項目が挙げられておりますけれども、いろんなことを考えていったときに、この予算がふえざるを得ないと、そういうものに充てるものではないということでよろしいですか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 一義的には、先ほどご答弁申し上げました調整費というもので、そういうものを対応していくこととしてございます。
○高倉委員 ですから、この予備費というのがそういうものではないということでいいですかと聞いているんですよ。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほど申し上げましたように、予備費というのは天変地異ですとか大規模な災害の不測の事態に備えるということでございまして、もともと見積もりが難しい経費につきまして、それを対応していくのは調整費ということで、予備費とは性格が異なるということでございます。
○高倉委員 きっと恐らくまた聞いても同じ答えになってしまうんだと思いますが、この予備費については、一千億から三千億と大きな幅があるわけですけれども、どっかにもう既にこのお金が用意をされているというようなことでは多分ないんだと思うんですけれども、確保されているのかどうかということと、それから、もしこの予備費を使うようなことになったときに、これを負担するのは誰が負担するのか、このことについてご答弁いただきたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 こちらの予備費につきましては、財源について具体的に例えば東京都で基金で確保しているとかということはございません。それから、負担者につきましては、それぞれの、どういう事業に充てることになるかという事業の性格に応じて、大枠の合意に基づきまして決定するということになろうかと思います。
○高倉委員 大会が迫ってまいりまして、私は、とにかく大会は大成功させなければならないと、これが第一義的に大事なことであるというふうに思っております。したがって、本当にやむを得ない形で、先ほど天変地異、災害みたいな話がありましたけれども、ちょっとそれは置いといて、いわゆる大会をさまざまな形で準備をしていくに当たって、どうしてもこれはやらなきゃならない、そういうものが出てきたときには、大会を成功させるためには、これは私はやらなきゃならないというふうに思います。
その上で、このV3の予算、これからV4の予算が出てくる、またその先もあるのかもしれませんけれども、そういう中で、やはり都民からは、できる限りお金のかからない形での大会の開催ということも一方では求められているわけです。
したがって、例えば調整費の場合は、これはやはりやむを得ない、本当にそういうことがあって、これを活用するためにこれは設定されている。これは理解をします。
もし、仮に予備費というものが、先ほどあった災害みたいなこと、確かにそれはそうだなと思うんですけれども、そうでないような、大会の直接の経費というようなところにかかって使われていくというようなことがあるとした場合に、私は皆さんのことを信頼はしております。しかしながら、こういうものがあるから多少膨れ上がっても仕方ないんだというようなことがあってはならないと私は思うんですね。やはりV3の予算の枠組み、こうしたものはもう本当にできる限り守っていきながら、本当に精査をしながら、大会を開いているんだということをしっかりとやっていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。
こうした、できる限り無駄なお金を使わない、そして予算の枠をしっかり守りながら、工夫してやっていくということについて、済みません、局長、ちょっとご決意をいただきたいと思います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 大会経費V2におきましては、まだ事業の内容ですとか、規模などの詳細が決まっていないもの、あるいは関係者と調整するもの等がございまして、その時点において経費の総額を見積もったものでございましたが、その後、計画の具体化、あるいは事業の進捗に応じまして、詳細が少しずつ決まってまいりまして、関係者との調整も済むなど、経過が経てございます。個々の事業の経費につきましても、そうしたものにあわせまして精緻化が図られてきているというふうに考えてございます。
今後、さまざまな業務が具体化していく中にありまして、新たな需要が発生する可能性もございますが、経費面におきまして、しっかりと精査をしまして、節減できるものはしっかりと節減をしつつ、必要な予算は確保をしてまいりたいと考えてございます。
大会の成功に向けまして、私ども、日々組織を挙げて取り組んでいるところでございますが、委員ご懸念のように、どんなに立派な大会が開催できたとしても、万が一、赤字などということになった場合には、大会が成功したというふうにはいわれないというふうに承知しております。
私ども、大会も一年半切った中で準備を総仕上げする段階に来ておりますので、引き続き、局を挙げて、気を引き締めて開催準備に取り組んでまいります。
○高倉委員 それでは続きまして、暫定施設のオーバーレイについてお伺いをしたいと思います。
都が整備を担う恒久施設のオーバーレイにつきましては、既存、新規の別を問わず、アクアの客席を、通常五千席のところ、一万五千席にふやすということだけに限られておりまして、このことについては後ほど取り上げますけれども、ここでは組織委員会が整備を担う暫定施設についてのオーバーレイについて質問したいと思います。
まず、暫定施設のオーバーレイにはどのようなものがあるのか、費用も含めて確認させていただきたいと思います。
○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設調整担当部長 仮設オーバーレイでございますけれども、仮設インフラとオーバーレイに分類されまして、仮設インフラはフェンス、仮設トイレ、仮設観客席等、オーバーレイはテント、プレハブ、放送用照明等でございます。
なお、費用につきましては、大枠の合意に基づきまして、大会経費のうち、東京都は都及び都内自治体所有施設における仮設インフラ、組織委員会はオーバーレイ並びに民間と国の所有施設における仮設インフラに係る経費を負担することとなってございます。
また、パラリンピック経費につきましては、都と国がその四分の一相当額を負担することとなっております。
○高倉委員 暫定施設に係るオーバーレイは、基本は本体である暫定施設と同様に、閉会後は撤去、原状復帰をするのが前提であるというふうに聞いております。これは、整備主体である組織委員会自体が東京大会の運営のためだけに存在をしているものでありまして、大会終了後は解散をするために、時間限定的にしか存在しない組織委員会が資産を持たないようにするのが基本ルールであるためというふうにいわれております。
今回用意をされる暫定施設用のオーバーレイの所有者は、DB、デザインビルド方式で請け負う事業者であり、組織委員会はそのDB事業者から短期的にレンタルで使用する形になるということであります。
一般にレンタル品は、繰り返して異なる借り受け者のもとで使用されることが前提の物品であることが多いわけでありまして、多くは中古品であるというふうにもいわれております。したがって、同じものを新品で購入する場合に比べますと、廉価で使用できるメリットがあります。
一方、リース契約は、比較的長期、法定耐用年数の六〇%から七〇%の期間で使用することが前提でありまして、途中解約がきかない場合が多く、物品の多くは新品で使用されるために、費用的には購入とさほど変わらない。むしろ量販店などを考慮に入れれば、購入より高くつく場合もあるというふうに理解をいたしております。
今大会の暫定施設用のオーバーレイ施設は短期の使用でありますので、基本はレンタル形式でありましょうけれども、中古品ではふさわしくない、あるいは暫定施設本体との一体的な使い勝手を担保するために、新規に、あるいは特注的に整えられるものもあるというふうに考えます。
こうした新品ないし特注品的なオーバーレイは、ほぼ購入と同額の費用で調達されるものでありますから、組織委員会が大会後に解散をしてしまうため、その所有者はDB事業者のものとなるといった短絡的な整理の仕方ではなく、行政であれ、民間のスポーツ団体であれ、それらのオーバーレイ設備を保有、使用することに社会的にも賛同を得られるような機関に移譲することも検討するべきというふうに考えます。
こうした移譲を検討すべき仮設オーバーレイ施設の取り扱いを大会後に決めるのでは、受け取り手の準備が整わずに有効活用が促進をされないおそれがあります。
そこで都は、暫定施設のオーバーレイ設備について、大会後の社会的価値の高い後利用の可能性について、契約の主体である組織委員会と事前に検討し、調査し、大会前に方針を整えるべきと考えます。
この点に関する現時点での取り組みの進捗状況と、いつまでに方針を決定する必要があるのかなどのスケジュールを含めまして、見解を求めます。
○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設調整担当部長 仮設施設でございますけれども、組織委員会が発注し、大会時は原則、受注者が整備したものを組織委員会が借り受けて運営し、大会後は受注者に返却する予定でございます。
受注者の仮設物調達に当たりましては、レンタル、リースを基本としておりまして、これになじまない場合は、やむなく購入とすることがございます。組織委員会では、これらの中から撤去、処分等も考慮して最適な方法で仮設物調達を考えているというふうに伺っております。
購入したもののうち有効利用が可能な仮設物につきましては、処分せずに、都庁内及び都内自治体でも有効活用できるよう、その仕組みや今後のスケジュールにつきましては、組織委員会と調整を開始したところでございます。
今後とも、仮設物の有効活用について検討を進めてまいりたいと考えています。
○高倉委員 新規の恒久施設であります東京アクアティクスセンターは、東京二〇二〇大会開催時は一万五千席となりますけれども、大会後には五千席に改修をするということになっているわけであります。
撤去する観客席は再利用が可能であるというふうに聞いているわけであります。希望する都内の自治体に譲って、レガシーとして活用してもらうようにすべきというふうに考えていただきたいと思いますけれども、ご所見をお伺いしたいと思います。
○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 東京アクアティクスセンターにおきましては、東京二〇二〇大会後に一万五千席から五千席に改修することに伴いまして、大会に向け設置した観客席について、その一部を撤去することとしております。
撤去後の観客席は、陸上競技場や体育施設等での再利用が可能と考えられるため、都では、持続可能性に配慮する観点から再利用の方策を検討しておりまして、庁内を初め、都内の各自治体へ再利用についての意向調査を行っているところでございます。
今後、自治体等からの要望を踏まえまして、具体的な再利用の方策について検討を進めてまいります。
○高倉委員 ぜひともしっかり取り組んでいただきたいと思います。
有明レガシーエリアにあります仮設の有明体操競技場は、大会後に中小企業のための恒久的な展示場にする予定でありまして、仮設に係る費用は一部、大会経費に算入されております。さらに、後利用に相当する部分は、産業労働局予算で賄うことになっておりまして、そしてさらに、展示場として大規模改修をされることになっております。
基本的にその建物は、基礎や?体など、一万平方メートルの展示場が後利用としまして頑丈なコンクリートで残るわけであります。何らかの方法で、オリンピック・パラリンピックのときの大会の会場であったというレガシーとして形に残る工夫をするべきというふうに考えますけれども、ご所見をお伺いしたいと思います。
○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明体操競技場は、立候補ファイルでは大会後に撤去する仮設施設として計画されたものでありますが、耐震性など、恒久施設と同等の構造が必要となることから、大会終了後直ちに撤去するのではなく、都内中小企業の振興に資する展示場として活用することとしております。
大会後は、仮設観客席や運営諸室等を撤去し、会議室や駐車場などを整備して、競技会場から展示場へ改修する予定であり、その際には、撤去した大会時の仮設観客席の木材の一部を再利用することを検討しております。
こうした取り組みを含めまして、今後、大会のレガシーを形として残していく方策について、関係局とともに検討してまいります。
○高倉委員 次いで、エネルギーについてお伺いをしたいと思います。
来年の東京大会が環境に優しい環境先進都市東京をアピールする絶好の機会ということでもあるんではないかなと私は思います。そうした意味で、エネルギーについては、さまざまに対応の工夫を凝らしていただきたいというふうに思っておりますけれども、都が整備をする新規恒久施設における再生可能エネルギーの利用設備は、どのような施設にどのような設備を設置していくんでしょうか。また、それらの施設を運用する中で、再生可能エネルギーの利用実績データを見える化する取り組みをすべきであるというふうに思いますけれども、見解をお伺いします。
○草野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 再生可能エネルギーの利用につきましては、施設の用途や規模、エネルギー利用特性などを考慮するとともに、導入に係るイニシャルコストやランニングコストを比較考慮して総合的に判断し、施設ごとに適切な整備の導入を図っているところでございます。
例えば、大規模な室内空間を持ちます有明アリーナや、大型プールが設置される東京アクアティクスセンターにおきましては、室内空調や温水供給に多くのエネルギーを必要とするため、大規模な地中熱利用設備を初め、太陽光発電設備、太陽熱利用設備を導入しております。
一方、海の森水上競技場など、建物の内部諸室の規模が小さく、エネルギー消費が少ない施設では、太陽光発電のみを採用しております。
こうした再生可能エネルギー設備の利用実績について、例えば、海の森水上競技場におきましては、生み出されるエネルギー量や利用状況などを表示するモニターをエントランスロビーに設置するなど、見える化に向けた施設整備を進めております。
今後、運用におきまして、指定管理者等と連携を図りながら、再生可能エネルギーの積極的な利用を進めるとともに、見える化による来場者等へ向けた情報発信を通じまして、再生可能エネルギーの有用性の周知に取り組んでまいります。
○高倉委員 次に、輸送についてお伺いしたいと思います。
V3予算では、組織委員会の六千億円のうち、輸送の区分が百億円増加をしているわけであります。理由は、フリート関係費用の増といったことでありますが、今回の増額措置で円滑な輸送や渋滞の緩和など、交通マネジメントを確実に実行できることになるのか、ご所見をお伺いしたいと思います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 輸送に関し、今回の大会経費V3では、組織委員会が実施する選手等の関係者輸送に必要なフリート関係費などについて、V2の取りまとめ以降決定された競技予定などの要素を加味しつつ精査した結果、増額されたものでございます。
今後、この予算をもとに、大会組織委員会とともに、円滑な大会輸送の実現に向け、努めてまいります。
○高倉委員 大会のときの交通の円滑な運行というんでしょうか、当然さまざまな産業活動を常に行っている方々への配慮も必要だと思います。そういう中で、TDM、交通需要マネジメントでありますけれども、都としてTDMをどう進めていく予定なのか、基本的な考えについてお伺いしたいと思います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 東京二〇二〇大会の成功には、円滑な大会輸送の実現と経済活動の維持との両立が必要不可欠であり、この実現に向けまして、昨年八月には、国や組織委員会とともに、経済団体とも連携して、二〇二〇TDM推進プロジェクトを立ち上げ、企業等に大会時の交通需要マネジメント、いわゆるTDMの協力を呼びかけているところでございます。
これまで千社を超える企業や団体に説明会や個別相談会などを実施しており、今後、地域を限定しない説明会に加え、競技会場が集中するエリアなど、十六の重点取り組み地区を中心に、各地区の特性等を踏まえて、継続的に開催してまいります。
また、各企業に対しまして、大会輸送影響度マップなどを活用した大会時の交通混雑の緩和に協力をお願いするとともに、具体的な混雑回避のための行動計画の策定等を呼びかけ、TDMの実効性を高めてまいります。
○高倉委員 今、千社を超える企業や団体に説明会や相談会等を実施している、こういう答弁がありました。
例えば物流のことを考えたときに、東京に入ってくる車両というのは、全国各地から入ってくる。当然東京から全国各地へ出ていくということであります。したがって、物流は全国的なネットワーク網の中で日々動いているわけでありまして、さまざまな通知ですとか、徹底とか、場合によっては、いろんな事業者から、あるいは団体から意見を聞いていかなければならないというのは、全国的な視野でやっていく必要があるんではないかなというふうに思うんですけれども、この点について今後どう働きかけを行っていくのか、見解をお伺いしたいと思います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 東京には、全国との往来があり、TDMによる交通量の低減を目指すためには、広域的な取り組みが必要でございます。
現在、日本商工会議所や日本物流団体連合会など、主に全国に広がる団体等については、国や大会組織委員会とともに、都もTDMの取り組み状況などの情報提供を広く行っているところでございます。
また、物流面につきましては、国の協力を求め、全国の荷主企業等に二〇二〇TDM推進プロジェクトへの参画や、大会時の交通混雑を避ける取り組みへの理解と協力を求めているところでございます。
○高倉委員 いずれにしても、この交通の対策、輸送の対策は、大会の成功を左右する非常に重要な課題ではないかと思っておりますので、しっかりお願いしたいと思います。特に地域的な重要性ということを考えたときに、首都圏の各県、あるいは会場がある区市との調整、こうしたことが最も大切であるというふうに考えておりますけれども、これとどう調整を進めていくのかについてお伺いしたいと思います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 これまで都は、組織委員会とともに、会場のある各県や区市が委員として参加する輸送連絡調整会議などを通じ、TDMの取り組みについて、県市の理解と協力を求めてきているところでございます。
昨年十一月の九都県市首脳会議におきまして、都からの提案に基づき、九都県市連名で、各県市の商工会議所やトラック協会、経営者協会などに、TDMの協力要請を行ったところでございます。
こうした活動の中で、東京を初めとする首都圏内の自治体と経済団体等が一体となったTDMの機運の醸成を図ってまいります。
○高倉委員 渋滞の緩和の対策というのは、さまざまな手法があるというふうに思っております。先ほど入江委員さんの質問にもありましたけれども、ロードプライシングも非常に重要な手法であるというふうに思っております。
さらに、TSM、交通システムマネジメントによる流入規制、こういったことも非常に重要であるというふうに思っておりますけれども、こうしたロードプライシング、それからTSMを含めた有効な手法の活用について、ご見解をお伺いしたいと思います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 交通システムマネジメント、いわゆるTSMは、大会時の交通状況に応じ、高速道路の本線料金所において通過できる車両を制限するなどのものであり、現在、大会組織委員会が中心となって、警察などと具体的な運用について検討をしております。
また、ロードプライシングにつきましては、大会関係車両や物流車両が多く通る高速道路におけるさまざまな渋滞緩和策の有効な手法の一つとして認識しております。
その検討に当たりましては、交通量の低減効果や社会的な受容性など、さまざまな観点から検証が必要でございます。このため、学識経験者などによる交通輸送技術検討会等において議論を行うこととしております。
いずれにいたしましても、国や組織委員会と連携し、東京二〇二〇大会の円滑な運営が図られるよう取り組んでまいります。
○高倉委員 次に、セキュリティーについてお伺いをしたいと思います。
まず、大規模な地震とかテロといったような緊急事態、これは本当にこうしたことが起こらないことを祈っておりますけれども、万が一、こうしたことが発生をした場合に、避難誘導というのは極めて大変なことになろうかと思っております。
こういう緊急事態が発生をした際の、外国人を含めた観客等の誘導、避難に対する対策について、取り組み状況をお伺いしたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会開催中、大規模地震やテロ等の緊急事態が発生した場合に想定されるさまざまなリスクを庁内横断的に洗い出しまして、国、組織委員会等関係機関とも連携しながら、昨年三月、東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領を策定いたしました。
対処要領では、外国人を初めとした多くの観客が競技会場に訪れる大会特有の状況を踏まえまして、緊急事態発生時には、一時的な避難先を確保いたしますとともに、多言語に配慮した適切な誘導を行うこととしております。
現在、観客等を一時的に受け入れる避難場所について、区市町村等関係機関と検討を進めているところでございます。
また、ホームページやSNSなどを活用した情報提供に加えまして、競技会場周辺において警備員などによる多言語での案内誘導が適切に行えるよう、自動翻訳機能などICT技術の活用も検討しながら、大会準備を進めてまいります。
○高倉委員 セキュリティーに関して、警備人員の確保、養成についてお伺いをしたいと思います。
組織委員会は、警備の業界団体とも協議を重ねまして、昨年の四月三日には、業界上位の二社、セコムと綜合警備保障が東京オリ・パラ大会に向けた共同事業体、JVを組むことが公表されるに至っております。
若者から敬遠されがちな業種であるということで、業界団体も人員確保に苦労しているという声も聞かれております。
そこでまず、現時点での人員確保に向けた取り組みの進捗状況を都はどのように認識し、評価をしているのか、確認をしておきたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 過去大会では、大会開催の直前に、会場警備を担う民間警備員が大幅に不足するという事態が生じたことを踏まえまして、組織委員会では、警備業界とも協議を重ねながら、安定的かつ早期の警備員の確保と、全体の警備員を一括で把握し、統合的に運用していくために、昨年四月に設立された東京二〇二〇大会警備JVに対して、警備業務を委託することとしております。
警備JVは、立候補ファイルに示されている民間警備員数一万四千人を踏まえ、現在、全国の警備会社に広く加入を呼びかけておりまして、組織委員会からは、警備員の確保状況は順調に推移していると聞いております。
都としても、引き続き組織委員会と連携しながら、大会開催に必要な警備員を確保できるよう取り組んでまいります。
○高倉委員 二年ほど前の報道であったかと思いますが、全国の警備員のうち、女性の警備員は五%程度にすぎないといったデータを目にしたことがございます。
例えば、身体検査の点でも、トイレや更衣室などの中の安全性を高める必要が生じた場合の対応などの点においても、警備対象に女性が多い場合には、警備員も女性を多く確保した方がよいことは明らかであります。
都はこの点、JVによる準備がどのように進展をしていると認識しているのか、またその進捗状況をどう評価しているのか、ご答弁をいただきたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 競技会場への入場時におけるセキュリティーチェックを実施するに当たり、女性への身体検査や手荷物検査などを円滑に行うためには、女性警備員の確保が重要でございます。
このため組織委員会は、警備会社における女性警備員の採用を促進するため、業界団体が開催する会社経営者に向けた研修会に赴き、東京二〇二〇大会の概要や、大会時における女性警備員の果たす役割等を説明するなど、警備会社への働きかけを行っております。
また、大会時におきましては、女性警備員のための休憩場所の確保など、職場環境の整備に努めることとしており、より多くの女性警備員の確保に向け、積極的に取り組んでいるものと認識いたしております。
○高倉委員 今の女性の警備員の確保ということは大変重要であるというふうに思いますので、ぜひしっかり進捗状況を確認していただきたいというふうに思います。
東京二〇二〇大会の際の警備には、競技会場におけるセキュリティーチェックや、外国人対応などに向けまして、JV等が警備員に新たに訓練を施す必要がある内容も多いというふうに思いますけれども、その実施に必要な期間や方法等はどうなるんでしょうか。都民に安心感を与えるためにも、ここで確認をさせていただきたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会の安全・安心を確保していくためには、警備JVに所属する全ての警備員に対し、競技会場ごとの特性に応じたセキュリティーの確保や、外国人への対応などを含めまして、大会特有の状況に的確に対応できるよう、教育訓練を実施していくことが必要でございます。
そのため警備JVは、組織委員会と連携し、統一された高いレベルで行われる共通研修の利点を生かしながら、eラーニングなどIoTを活用した効果的な教育や、実際の競技会場を使用した訓練に本年から計画的に取り組むよう準備を進めております。
都は、組織委員会と連携し、競技会場における実地訓練を公開して行うなど、大会の安全・安心に向けた取り組みを広く発信することにより、都民に安心感を持っていただけるよう、大会準備を進めてまいります。
○高倉委員 今後、具体的な警備業務の契約は施設ごとに行っていくのか、また必要人員はどう確保していくのかといった点は、大会の実施前に必要な調整が間に合うように対応していかなければならないと思いますけれども、現時点での取り組み状況についてお伺いしたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 組織委員会は、競技会場ごとの準備状況を踏まえ、本年中に、会場ごとの警備計画に基づく警備JVとの個別の契約をしていくこととしております。
大会に向け、安定的かつ早期に整備に必要な人員を確保していくことが重要であることから、都といたしましても、組織委員会を初め、国や警察など関係機関と連携を図りながら、適切な段階で必要な警備員が確保できるよう対応してまいります。
○高倉委員 この委員会の質疑の中でも、都民に対して大会の安全・安心に向けた準備が着実に進んでいることを明らかにしていくということが重要であるというふうに思います。
そこで、この項の最後に、局長から、今質疑をしてきたような点に関して、都民が安心感を持てるような取り組みを都として責任を持って行うことを約束していただくことも含めまして、大会の安全・安心の確保に向けたご決意を表明いただきたいと思います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 ロンドン大会、リオ大会など、過去の大会では、大会の直前に必要な民間警備員が確保できなくなるという事態が生じたところでございます。そうしたことから、組織委員会では、大会準備の初期の段階から危機意識を持って、民間会社による警備JVを活用した警備員の確実な確保に取り組んでまいりました。
東京二〇二〇大会ではオリンピックパークがなく、競技会場が分散するなど、より困難性の高い警備が求められてございます。都といたしましても、警備員の教育訓練を初め、安全・安心な大会の実現に向けまして、組織委員会の取り組みをしっかりとサポートしてまいります。
同時に、都は、治安対策や災害対策などの観点から、組織委員会を初め関係機関と連携し、昨年三月には各種事態を想定した対処要領を策定するとともに、昨年十一月には、東京スタジアムにおきまして、爆破テロの発生を想定しました実践的訓練を行ってまいりました。
また、地元区市と連携し、緊急時におけます観客の一時的な避難先の確保につきましても、現在調整を進めているところでございます。
今後とも、大会警備を担う組織委員会や国の関係省庁とも緊密に連携を図りながら、世界から東京を訪れますアスリート、大会関係者、また観客、そして都民の安全・安心の確保に、開催都市としてしっかりと取り組んでまいります。
○高倉委員 次に、オペレーション予算の増額につきまして質問したいと思います。
V3予算では五十億円、オペレーション予算額が増額となっておりますが、その内訳としまして、食品安全対策の費用の増が十七億円、馬等の輸送費用の増が八億円、関係者の入出国対応の費用の増が七億円などといったことであります。
このほかにも増減の要因はあるのかもしれませんけれども、まずはこの主な三要因の詳細につきましてご説明をいただきたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 オペレーションの主な増加理由でございますが、まず、競技会場に仮設の厨房を設置しないこととしたこともございまして、夏の暑さ対策として、配送される弁当等の食品を保管する冷蔵庫などを設置するための費用が増となりました。
また、馬の輸送費用につきましては、専用のコンテナ一つに、当初三頭入れる案となっておりましたが、IFとの調整の結果、二頭に変更になったことに伴う増でございます。
空港での関係者の入出国対応費用につきましては、体制の強化を図るためのスタッフ経費の増などでございます。
○高倉委員 食品安全対策の費用の増による十七億円は、競技会場に仮設の厨房設備を設置せず、その場で料理を調理して提供する方式を採用しないということが前提とのことであります。
似たような事柄に、しばしばおいしさなどの点で話題を集める学校給食の問題があります。学校給食の自校調理方式、それから複数の学校の給食を専用の共同調理場で調理して届けるセンター方式、さらに、提供側の既成メニューの中から選択してもらった上で届けるデリバリー方式の三種類があるわけでありますが、この場合はどのような方法で提供されるんでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 競技会場における飲食提供につきましては、既存の厨房設備等がある競技場ではそれらを活用し、厨房設備がない、あるいは十分に備わっていない競技会場では、組織委員会の発注に従い、飲食提供業務を受託した事業者が会場外で調理する方法により提供することといたしております。
○高倉委員 先ほどの学校でいうところの自校調理方式で食事を提供する選手村を除いて、その他の施設での選手、アスリートなどの食事につきまして、厨房設備がない場合は、当初から組織委員会は会場外で調理されたものを提供することもあり得るということで、都もこれを承知していたということでよろしいでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 厨房設備が十分に備わっていない競技会場における飲食の提供につきましては、組織委員会が競技会場に仮設厨房設備を設置する場合と、会場外で調理したものを提供する場合について、品質の確保、経費を含めたオペレーションの効率性とを比較しながら検討を進めてきたと聞いております。
○高倉委員 センター方式とデリバリー方式との相違は、メニューの内容、食材、栄養価、調理法などを客があらかじめ指定し、調理をみずから、あるいは委託して調理をするのがセンター方式でありまして、メニューの内容を提供側に任せるのがデリバリー方式という違いが大きいものであるというふうに思います。
一概にどちらがよりすぐれているというふうな断定をすることはできませんけれども、東京大会の魅力として強調されるべき事柄に関する大方の見方としまして、共通認識として、おもてなしや、和食を含む食事のおいしさと多様性といった点が挙げられているものというふうに考えます。
そうした点で、少なくとも選手村については、東京オリ・パラ大会の運営側の意図が、より食事という面でストレートに反映されやすい自校調理方式が採用されたものと考えますし、その点、理解ができるわけであります。
それでは、どうして同じ考え方が選手村以外の施設でも採用されなかったのか。これは経費の節減のためということになると考えますけれども、この認識でいいんでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 選手村につきましては、選手がそれぞれの競技スケジュールに合わせて必要な食事がとれるよう、二十四時間での柔軟なサービスを効率的に提供することが必要であるため、選手村で調理したものを提供することとしております。
一方、厨房設備が十分に備わっていない競技会場における飲食提供につきましては、品質の確保、それから経費を含めたオペレーションの効率性等の観点から、会場外で調理されたものを提供することとしております。
○高倉委員 品質の確保や経費を含めたオペレーションの効率性のためであるというふうに答弁がありました。
食事を運ぶ場合に、腐敗や細菌の繁殖を避けるために、温度を下げた状態での物流が必要で、持ち込まれるものにセキュリティーチェックをかける必要などから、その対応のための総額が十七億円の予算増につながったということでよろしいでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 既存の厨房設備が十分に備わっていない競技会場では、会場外で調理されたものを持ち込んで提供することになりますことから、搬入前のセキュリティーチェックのための冷凍冷蔵設備を備えた倉庫等に要する費用が必要となったものでございます。
○高倉委員 今の答弁を踏まえまして、持ち込まれるものにセキュリティーチェックをかける必要などから、その対応のため、十七億円が必要となったということでありますが、それならば、初めから自校調理方式で取り組んだ方がよかったのではないか、あるいは費用が逆転してはいないかという疑問でございます。
この点、自校調理方式で取り組んでいた場合と、今回の増額を含めた会場外で調理されたものを提供する方式の費用の比較はどうなっているのか、見解を求めたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 競技会場における飲食提供につきましては、厨房設備が十分に備わっていない競技会場では、品質の確保、経費を含めたオペレーションの効率性の観点から、会場外で調理されたものを提供することとしております。
会場外で調理されたものを持ち込んで提供することになったことに伴いまして、搬入前のセキュリティーチェックのための冷凍冷蔵設備を備えた倉庫等に要する費用が必要となりますが、それぞれ競技会場に仮設厨房設備を設置する場合に比べまして、厨房機器などの設置に要する費用が約四十四億円減となり、全体として経費の削減につながっております。
○高倉委員 今述べられた数字が本当に逆転をしないことを願うものであります。
私が先ほどまで学校給食を事例に質問を重ねてきたのも、文脈をわかりやすくするためのものでありますが、同じような問題は学校給食の案件で既に十分知られてきているからでもあります。
なぜ今の時点で予算増になったのか、なぜ初めからこれを見込めなかったのか、このことについて見解を求めたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京大会では、オリンピックパークがないなど、過去大会と会場の状況が異なることから、厨房設備が十分に備わっていない競技会場における飲食の提供につきましては、組織委員会が競技会場に仮設厨房設備を設置する場合と、会場外で調理したものを提供する場合について、品質の確保、経費を含めたオペレーションの効率性とを比較しながら検討を進めてまいりました。
組織委員会がこの二つの方法を比較検討した結果、厨房機器などの設置に要する費用が約四十四億円かかることなどから、会場外で調理されたものを持ち込んで提供することとしたところでございます。
これに伴い、搬入前のセキュリティーチェックのための冷凍冷蔵設備を備えた倉庫等に要する費用が必要となりますが、それぞれの競技会場に仮設厨房施設を設置する場合に比べ、経費が削減されております。
このたび、こうした対応につきまして、IOCの了承も得られたことから、必要な経費を計上したものでございます。
○高倉委員 同じような疑問については、事柄は違いますけれども、競技用の馬の輸送の問題、出入国の管理に必要な空港内の人員の確保についても感じるものであります。
経費を抑えたいという狙いは十分に理解ができます。しかし、しかるべき機関に問い合わせれば、経費を抑えたいという狙いが本当に実現可能なものであるのかどうかといったことは、V2予算までの段階で十分に可能ではなかったのかというふうに考えます。どうしてそうした確認ができなかったのか、見解を求めたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 ただいま副委員長お話しの件でございますが、大会経費V2公表の二カ月前である平成二十九年十月に、組織委員会からIOCに提案いたしましたコスト削減項目などでございまして、その後、V2からV3までの間に計画の具体化や運用などを詰める中で、関係者との調整の結果、詳細な要件が確定したものと承知しております。
○高倉委員 今回、修正できた見積もりのミスの責任を個人や組織体に追及するつもりは毛頭ありません。むしろ、過去を振り返ることよりも、これからどう改善できるか、今の時点でわかってよかったという見方で臨むべきであるというふうに思います。
しかし、本当の意味で今の時点でわかってよかったといえるのは、最終的に結果がよかった場合であります。大会の無事な成功、都や都民が余計な費用負担を事後に負わないように努めるためには、今回の見直しをよい材料にして改善を図るべきであります。それを的確に行うことが今の局の責任履行のあり方と考えますが、局長の見解を求めたいと思います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 今、副委員長からるるご質疑をいただきました。大会経費のV2を整えた段階では、その際にもこの委員会でも申し上げましたけれども、ハード面の施設部分につきましては、ある程度の見通しが立ちながら進めていたところでございますが、ソフト面につきましては、まだまだ内容が細かく詰まっていないという状況の中で、私どもも組織委員会も走りながら、いろいろ苦慮してきたところでございます。
ただ、そうしたものもだんだんと明確になってまいりましたので、副委員長おっしゃるように、これから精緻化をしていくに際しましては、そうしたこれまでの成果も踏まえまして、しっかりと精緻化をさらに進めていきまして、無駄な経費が発生しないように、しっかりと努めてまいりたいと、かように考えております。
○高倉委員 組織委員会も、あるいは組織委員会に出向している都庁の職員の方々も、さらには現在のオリ・パラ局の職員の方々も懸命に頑張っていらっしゃることと思います。その努力が確実によい結果に結びつくように、必要なバックアップ体制の充実は今後も遠慮なく提示をしていただきたいと思います。
私ども都議会公明党も精いっぱい応援していくことをお約束いたしまして、オペレーションに関しまして、次の質問に移ります。
一つだけ。オペレーションの項目の医療、アンチドーピング活動についてお伺いしたいと思います。
組織委員会の負担で医務室、医師、看護師の配置、医療機器の備品、ドーピング検査等というふうにございます。医師、歯科医師等は高度な医療を提供するわけでありますが、感染症等の危険や高度な医療判断が伴うものであります。
東京大会に貢献をしたいというボランティアについては、基本的に対価を伴わないというものでありますけれども、この場合に、責任に見合った体制になっているのか、疑問を感じるところもあるわけでありまして、見解を求めたいというふうに思っております。
組織委員会に対しまして、オペレーション、万全な対応をするよう求めていただきたいと思いますけれども、見解を求めます。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会期間中、選手、大会関係者、観客に対しましては、適切な医療サービスを提供するため、組織委員会は、選手村にはアスリートやチーム役員を対象に医療を提供する総合診療所を設置し、各競技会場には選手用、観客用の医務室を設置いたします。
総合診療所や各競技場の医務室につきましては、医療関係団体や医療機関等の協力を得ながら、組織委員会が必要な医療スタッフを確保いたしますが、大学病院や医師会等多くの団体からは無償での協力の意向をいただいていると聞いております。
また、医療行為を行うに当たりましては、組織委員会が保険に加入する予定でございまして、大会時には、各競技会場に医師の資格を有する組織委員会職員の会場医療責任者を配置する体制を整えることといたしております。
都は、組織委員会と医療関係団体や医療機関等の調整状況の把握に努めるとともに、組織委員会と連携し、大会に向けて適切な医療を提供できるよう対応してまいります。
○高倉委員 V3の予算の中の今後の検討課題において、暑さ対策の検討具体化というのが盛り込まれております。
暑さ対策については、私は昨年の二月の韓国の平昌で行われました冬季オリンピック・パラリンピックの開会式にも参加をしてきたわけでありますけれども、当時は暑さ対策ではなくて寒さ対策。翻って東京大会の場合には本当に暑さ対策、これもさまざまな角度で議会でも取り上げられてきているところということでありますけれども、改めて三つの点を確認させていただきたいと思います。
まずは、競技者の暑さ対策について、取り組みをお伺いしたいと思います。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 競技者に対する暑さ対策についてでございますが、まず、都においては、マラソンコースを含む都道への遮熱性舗装等の整備や、街路樹の計画的な剪定による樹形の拡大、木陰の確保を行っております。
また、組織委員会では、各会場へ専用休憩スペースを設置するほか、各国の選手が東京の気象状況を想定したトレーニングをできるよう、現時点からNOC、NPCへ気象情報を提供するなど、アスリートのための暑さ対策に取り組んでおります。
さらに、選手や観客等への一層の配慮が必要な競技については、組織委員会がIOCやIFと競技時間変更の検討を進めており、昨年十二月には、関係機関等からの提言を受け、競技時間を変更したところであります。
例えばラグビーについては、午前十時半や十一時となっていた開始時間を午前九時としたほか、自転車競技のうちマウンテンバイクについては、開始時間を午後二時から午後三時に変更いたしました。
なお、マラソンや競歩につきましても、スタート時間を繰り上げる方向で関係機関と調整を進めております。
○高倉委員 先ほど平昌大会の話をしましたけれども、開会式が終わりまして、移動するバスに乗るときに、夜もう遅い時間でしたけれども、非常に寒い風が吹く中で、かなり長時間待たされたということがあって、観客にとっても、今は寒さの話ですが、暑いさなかにさまざまなことが想定をされると思います。観客に対する暑さ対策についてお伺いしたいと思います。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 都が整備する競技会場につきましては、暑さ対策として、海の森水上競技場における観客利用エリアでの遮熱性舗装の導入、大井ホッケー競技場における観客席への屋根の設置、有明アリーナにおける壁面の緑化などの整備を進めております。
また、組織委員会では、観客が滞留しやすい場所への大型冷風機やテントなどの設置、会場内に暑さ指数の測定器を設置して、モバイルアプリを通じて観客へ注意喚起を行うことなどを検討しております。
さらに、熱中症予防には水分補給が重要であることから、ボランティアやスタッフによる注意喚起の呼びかけを行うとともに、発症時には、観客用医務室で医療スタッフが対応できるような救護体制の構築を検討するなど、引き続き、都と組織委員会で連携して取り組んでまいります。
○高倉委員 暑さ対策の最後に、ボランティアなどの大会運営スタッフについての暑さ対策ついてお伺いしたいと思います。
特にボランティアの方々も役割を担って配置をされているわけで、非常に気候が厳しいからといって勝手に移動はできないという意味では、まさに大変な状況に置かれると思います。
こうしたボランティアなどの大会運営スタッフに対する暑さ対策について、この項の最後にお伺いしたいと思います。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 組織委員会では、大会運営スタッフが屋外で連続勤務する時間の上限を設定するとともに、屋内勤務と屋外勤務のローテーションを実施いたします。
それに加えて、会場や施設において、冷房のある屋根つき休憩スペースを設置することとしております。
また、都においては、屋外で活動する都市ボランティアについて、小まめな休憩時間の設定や水分補給を徹底するとともに、冷房のある休憩場所の確保などを行っていくこととしております。
引き続き、組織委員会と連携し、競技者、観客、大会運営スタッフの暑さ対策に取り組んでまいります。
○高倉委員 それでは、報告事項のうちの聖火台についてお伺いをしたいと思います。
オリンピックスタジアムに常設となる聖火台が設置されず、競技期間中に会場外に移設をされたのはリオ大会が初めてで、二台設置されたわけであります。ロンドン大会以前の夏季大会ではなかったというふうに聞いております。リオ大会の状況と、どういう理由でリオ大会では二台になったのかについて、ご説明をいただきたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 リオ大会においては、開会式が行われたマラカナン競技場において聖火台に火がともされ、式典の終了後に、競技場から離れたライブサイト会場に設置された聖火台に火が移されており、こうした対応は夏季大会では初めてのことと聞いております。
二台を製作して設置した公式な理由は明らかにされておりませんが、開閉会式会場であるマラカナン競技場はサッカー会場でもあり、競技運営上の課題があったことや、IOCはチケットを持たない人々も見ることができる場所への設置を求めていることなどから、競技期間中は競技場外に聖火台が設置されることになったと推測されます。
○高倉委員 もともとメーンスタジアムの新デザイン策定の際に、組織委員会は事前に聖火台の要件を政府や事業主体の日本スポーツ振興センターに伝えていたという報道もあります。なぜ新国立競技場に聖火台の置き場所は計画されていなかったのかについてお伺いしたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 新国立競技場の聖火台検討ワーキングチームのまとめによりますと、従前の整備計画は、ラグビーワールドカップ二〇一九までに完成する前提であり、聖火台を含め、東京二〇二〇大会のために必要な追加工事を組織委員会が検討し、実施する方針であったことから、聖火台に関する計画等は措置されていなかったとされております。
次に、現在の新国立競技場の整備計画では、当初は、東京二〇二〇大会時に必要な追加スペックを、組織委員会からの要望に基づき、設計段階から織り込むことが検討されていたとされております。
しかしながら、聖火台については、開閉会式の演出とも密接に関連することから、式典の内容が決まっていない設計段階では対応が困難であるとの理由などにより、盛り込むことは見送られ、後日検討する課題として整理された経緯があるとされております。
○高倉委員 聖火リレーでつないできた聖火は、開会式で点灯され、さらに臨海部の夢の大橋の有明側に移されまして、ともし続けられることになります。
オリンピックスタジアム内に設置し続けることは物理的に困難ということでありますけれども、どういったことが困難であって、スタジアム内での点灯というのがどういう対応になるのか、これについてお伺いしたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 先ほどご説明した検討ワーキングチームのまとめによりますと、新国立競技場内に聖火台を設置し続けることが可能かどうかについては、フィールドやスタンド等、複数の候補場所について、技術的な検討がなされましたが、空間確保や耐荷重、競技観戦への影響等の物理的な課題が解消できないとの結果となっております。
また、切れ目なく聖火をともし続ける必要があることから、開会式でともされた火を式典終了後に競技期間用の聖火台に移し、さらに、閉会式の際には新国立競技場に戻すことになりますが、具体的な対応については今後検討を進めることになります。
○高倉委員 コンパクトオリンピックという思想、考え方の中で、多くの競技場があり、そして競技が行われる東京の臨海部に聖火台が設置をされるということは、ある意味で喜ばしいことであるというふうにも思われるわけであります。
このことについてのご所見をお伺いしたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 競技期間用の聖火台の設置候補地である東京臨海部夢の大橋有明側は、アーバンスポーツ会場が集積する大会を象徴するエリアであり、世界中から訪れる多くの観戦客等が見て楽しむことができる場所でございます。大会や東京の魅力の効果的な世界発信が期待できるとともに、臨海部という大会の象徴的なエリアの盛り上げに有効に活用できるものと考えております。
○高倉委員 東京臨海部に設置をする聖火台のレガシーについては、設置場所もしくはその周辺に確実に残して、後世に伝えていけるように取り組んでいただきたいというふうに強く提案をいたしたいと思いますけれども、ご所見をいただきたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 二つの聖火台をレガシーとして有効に活用していくことは重要であり、これまで組織委員会、都、国等の関係者で検討を行ってまいりました。
その中で、式典用聖火台については、開閉会式会場であるオリンピックスタジアムまたはその周辺にレガシーとして残されることが自然と位置づけられており、今後、スポーツ庁及びJSCが組織委員会と協議しながら適切な場所を検討し、レガシー管理を行うこととなっております。
また、東京臨海部の聖火台は、設置場所または関連する場所にレガシーとして残されることが自然と位置づけられ、都がレガシー管理することとなっております。都は、レガシーとしての活用について、長く都民、国民に親しまれるよう、設置や保存のあり方等を今後検討してまいります。
○高倉委員 それでは、最後の質問として、聖火リレーについて何点かお伺いをしまして、質問を終わりたいと思っています。
今回の聖火リレーについて、東京においては実行委員会によりまして聖火リレーの検討が進められているというわけでありますが、東京らしい特色を出すためには、より広いアイデアを求めていくというような工夫も必要ではないかと思いますけれども、そのための取り組みについて見解を求めたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 組織委員会が昨年四月に公表しております東京二〇二〇オリンピック聖火リレーのルート選定の基本的な考え方におきましては、地域が国内外に誇る場所や地域の新たな一面を気づかせる場所などが示されております。
こうしたことも踏まえまして、先日の第四回実行委員会では、東京のPRにも資する通過スポットの候補地抽出の視点などについて、幅広く議論を行ったところでございます。
今後、区市町村と具体的なルートやセレブレーションなどの内容の検討を行っていく予定でありますが、これらの視点をもとにいたしまして、区市町村等からいただいた見どころやPRスポット、演出などのアイデアを含めて検討いたしまして、開催都市東京らしい聖火リレーとなるよう準備を進めてまいります。
○高倉委員 聖火リレーの経路におけるシティードレッシングといった問題についてお伺いしたいと思っています。
これはあすの報告事項の質疑ということになりますけれども、今回もシティードレッシングの話題が報告事項となっておりますが、これは競技会場周辺のお話でありまして、各地を回る聖火リレーの経路周辺でのシティードレッシングといったものは別物でありまして、今回の報告には入っていないということであります。
しかし、当然、聖火リレー経路周辺での盛り上がりも極めて重要でありまして、何らかのシティードレッシングが行われるように、配慮や予算づけ、また何らかのルールの設定をお願いしたいというふうに思いますけれども、ご所見を求めたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 聖火リレーは、大会の開催を直前に控えて、多くの都民や国民にオリンピックへの関心と期待を呼び起こすための重要なイベントでございます。このため、それぞれの地域で聖火ランナーを歓迎し、大会の祝祭感を盛り上げる取り組みは大切であると考えてございます。
過去大会におきましても、聖火リレーのルートやセレブレーション会場において聖火の装飾が行われていたというふうに聞いてございます。
今後、東京二〇二〇大会におきましても、組織委員会を通じて示される全国統一の方針を踏まえまして、さまざまな対応を検討してまいります。
○高倉委員 聖火リレーの経路周辺でのシティードレッシングもそうでありますけれども、聖火リレーとタイアップした地元の商工会、あるいは商店街等との連携企画も盛り上げを図ることが大変重要な視点かというふうに思います。どういったことが行える、あるいはよくて、あるいはどういったことが困難なのか、ルール決めを早急に行っていただきたいと思いますけれども、この点についての見解をお伺いしたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 聖火リレーは、ランナーだけではなく、多くの人々がオリンピックに参加できる貴重な機会でございます。そのため、聖火リレーに合わせまして、それぞれの地域ごとに地元を盛り上げていくことは重要であると考えてございます。
一方で、聖火リレーはスポンサーが主体となって実施、運営する部分も多いことがございますので、今後、組織委員会とも十分に協議をいたしまして、必要な情報提供や個別の相談に対応してまいります。
○高倉委員 さらに、警備の問題であります。
オリ・パラ大会の本大会については、先ほどもちょっと質問で述べましたけれども、大手警備会社二社を中心とするJVによって今後対応が進むということでありますが、聖火リレーも交通規制やテロ対策などの警戒が必要な案件でありまして、このJVによる警備が実施をされるんでしょうか、あるいは地元で対応しなければならないんでしょうか。この点についてのご所見をお伺いしたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 先日行いました第四回実行委員会の議論におきましても、ルートについて早目に実地調査を行いまして、警備上の課題を解決すべきとのご意見がございました。都と区市町村の役割分担につきましては、今後、実行委員会において検討していく予定でございますが、まずは区市町村ごとのルートについて、今後、各区市町村から出される意見や提案をもとに、意見交換や現地調査を行いながら、具体的に作成をしてまいります。
このため、ルートの検討を行う中で、警備の方針につきましても、安全対策や道路使用とあわせまして、警視庁や道路管理者など関係機関と確認し、調整を行ってまいります。
○高倉委員 聖火リレーにつきましては、しっかりと成功させるためにも、いろんな方々の協力ということは欠かせないというふうに思っております。大会については、もう既に大会のボランティア、あるいは都市ボランティアの募集が行われて、さまざまなスケジュールが具体的に進んでいるわけでありますけれども、聖火リレーも恐らくボランティアの協力ということが不可欠であるというふうに私は思っております。
そうした意味では、聖火リレーに協力をするボランティアの体制づくりを急ぐ必要があるというふうに思いますけれども、この点の見解をお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 聖火リレーは、ランナー、観衆、地域住民など、多くの人々が大会開催に向けた機運醸成イベントに参加することができる貴重な機会でございまして、ボランティアもその一つであると考えてございます。
聖火リレーの具体の運営方法の検討につきましては、都内のルート案の検討が終了した後になる予定でございますが、都内十五日間にわたる聖火リレーを実施するに当たりましては、地元区市町村の盛り上げが不可欠でありまして、お話のボランティアの活用につきましても視野に入れながら検討してまいります。
○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後三時四十一分休憩
午後四時開議
○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○山崎委員 私の方からは、大会における交通マネジメント等、また大会の輸送影響度マップ等について何点か質問させていただきたいと思います。
まず初めに、局長にちょっとお伺いします。
交通マネジメント、先ほど来お話が何点かあったと思いますけれど、国と組織委員会と連携という答弁が何回もございましたが、まず、もちろん国と組織委員会としっかりと連携をしていかなくてはならないのは、もう周知の事実だと思います。
その中で、この実行に当たっての責任は、どこが責任をしっかり果たしていくのか教えてください。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 大会輸送につきましては、まず一義的には、関係者ですとか、そういった輸送業務自体は組織委員会が担いますけれども、それに伴いまして、都民、あるいは国民、あるいは経済活動、こういったところに極力影響を生じさせないための取り組みにつきましては、東京都が主体的にやっていくべきだというふうに思っております。
○山崎委員 東京都がしっかりやっていくわけですよね。東京都が責任を持ってやるかやらないか、それだけお答えください。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 東京都が国ですとか組織委員会と連携しながら、しっかりとやっていきたいというふうに思っております。
○山崎委員 国と組織委員会と連携をする中、東京都がしっかりやっていく、東京都が責任者である、これはもう間違いないことだと思いますので、まずその点をしっかり確認させていただきました。
それでは、何点か質問に入りたいと思います。
混雑マップ、大会の輸送の影響度マップというものが公表されておりますが、大会の輸送影響度マップは、いわゆる大会関係者とその車両のみ、一般車等のことが反映をされていない。現在出されている大会輸送影響度マップというのはそういう形でよろしいんでしょうか。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会輸送影響度マップにつきましては、大会関係車両及び一般車両についても公表しております。
○山崎委員 一般車両の方もこの影響度マップには反映されているということでよろしいですか。
私もこの影響度マップの方を見せていただきましたが、例えば臨海部の中央防波堤のところは真っ白なんですね。真っ白。要するに何も赤くなっていない。しかし、港湾物流、そういったものもある中で、なぜこれは真っ白なのか、ちょっと教えてください。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 今、理事ご指摘のありました一般道におきます大会輸送影響度マップにつきましては、通常の交通状態をベースといたしまして、それに大会関係車両がオンされた状況、大会関係車両による影響を示したものでございます。
ただ、作成に当たりましては、通常の一般車両等も含まれておりまして、特に首都高速道路におきましては一般車両も反映されたような影響度マップになってございます。
○山崎委員 ちょっとわかりづらいんですけれど、もちろん首都高速だけじゃなくて、一般道も大変交通マネジメントをやっていくわけですよね。そういった中で、これから随時更新されると思いますけれど、しっかりと影響度マップをつくり上げていただきたい。これが要するにTDMの肝になっていくのかな。それを皆さんが、各企業、各団体が見ながら、自分たちはどうしていくべきかということを恐らく考えていくと思いますので、ぜひその点はしっかりやっていただきたいと思います。
それと、オリンピックの期間中に一五%程度の交通量を削減していくというお話だと思います。先ほどもお話ししましたが、交通量の想定、一般車両、大会関係者車両を上乗せしているだけで本当にいいのか。要するに認識が少し甘いんじゃないかなと思います。
例えば、暑い中、物資を運ぶ、特に飲み物とかそういったものを運ぶ車両というものも非常に多くなってくる、そのように私は考えております。ですから、交通量を想定する部分での認識が非常に甘いといわざるを得ないと思うんですね。ぜひそういったところもしっかりと捉えていただきたいと思います。
そして、あと、観客の皆さん、これは要するに公共交通機関を使ってください、鉄道を使ってください、地下鉄を使ってくださいとはいっても、全国各地から考えれば、マイカーを使って来る方もいらっしゃると思います。また、海外の人たち、どこまで鉄道や地下鉄を使えるかわからない。タクシーに乗る方もいらっしゃると思います。もちろんバスもいます。
ですから、そういう部分もやっぱりしっかりと考えていかなくてはならないと思うんですね。それじゃないと本来の意味の影響度マップというのはつくり上げられない。ぜひそういったところも踏まえて作成を、また随時随時更新をしていただきたいことをお願いしておきたいと思います。
そこで、今のお話の中も踏まえて交通量を予測するべきではないかと思いますけれども、その見解をまず伺います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時におけます交通量増加の見通しにつきましては、これまでも、大会と同時期における平均的な交通量に加えまして、大会関係車両の往来を加味し、シミュレーションなどを実施してきたところでございます。
今後、さらに見通しの精度を高めていくため、ライブサイトへの来訪者ですとか、チケットを持たない観客などの想定、大会期間中の消費活動の活性化による物流車両の増加なども加味していくこととしております。
引き続き、学識経験者などによる交通輸送技術検討会等において議論を行うことなどにより、交通量の増加要因について精査し、大会時の交通量予測の精度を高めてまいります。
○山崎委員 次に、TDMの強化が必要な状況にあって、二〇二〇TDM推進プロジェクトでは、個々の企業が取り組む削減車両の台数について、具体的な数値目標の設定が必要だと私は思いますけれど、今、皆さん方が公表されている中では、TDMに参画をされている企業は、約四百社ぐらいと聞いております。団体は三十八団体、そのように聞いておりますけれど、こういったものは自主的に皆さん方が取り組んでいただいている。
もちろん東京都が各企業、各団体に、今TDMの説明をしていく中で、徐々にふえていっている、そのように私も捉えておりますが、企業数ではないと僕は思います。団体数でもないと思います。やはりその企業なり団体がそういう車両に対して何台削減をする、協力してもらうのかというところが全く見えていないんですね。
では、一企業が一台減らしますよといったって、それは一企業なんですよ。その企業数とか団体数ではなくて、本当に何台減らすことができるのかというところが肝だと思いますけれど、見解を伺います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時の交通量の低減に向けまして、昨年八月のTDM推進プロジェクトの発足以降、経済団体等と連携いたしまして、これまで延べ約千社を超える企業に交通需要マネジメント、いわゆるTDMの取り組みについて説明を実施してまいりました。
今後も、競技会場などが集中するエリアなど、十六の重点取り組み地区を中心に、各地区の特性や各企業の状況に応じて、きめ細かく対応し、より多くの企業がプロジェクトに参画できるように取り組んでまいります。
この間のヒアリングにおきまして、幾つかの企業からは、TDMにどの程度協力すればよいのか示してほしいという声が寄せられております。このため、今後は、各企業が取り組みやすくなるよう、これまでの具体的な事例を紹介することなども通じて、個々の企業の取り組みの目安についても何らかの数値で示すことができないか、検討を深めてまいります。
○山崎委員 今、部長が、これまで約千社を超える企業に交通マネジメントを説明してきた、TDMの件を説明してきた。そこで、先ほど僕がいった四百の企業だとか、約三十八の団体だとか、その流れでそういうふうに自主的に皆さん方が参画をしてもらっているのが現状だと思います。
ただ、私、思うんですけれど、特に団体、企業もそうですけれど、どこまで下にその話がおりているのか、団体で。じゃあ、上の人たちにお話をされて、上の人たちにご理解をいただく。しかし、その団体にはいろんな団体があると思います。先ほども、物流団体連合会とか、商工会も、経団連も、トラ協も、いろんな団体に皆さんが説明しておりますけれども、じゃあ、そこで、どの程度、その団体に参画をしてもらっている人たちが、傘下の人たちが理解をしているかというのが肝だと思いますので、そこで台数が必要なんですよというところに結びつくんですね、私がお話ししたいのは。ぜひそこはしっかりと、下にどこまでおりているのか、そこまでやらないと、この交通マネジメントなんて絶対うまくいきませんよ。ぜひその点はよろしくお願いをしたいと思います。
次に、ことしの夏、いよいよTDMに参画されている人たちにもご協力いただきながら、シミュレーション、TDMの大会一年前の試行ですね。トライアルをやるとお話を聞いております。
まず、このトライアルは何日間行うのか、またどのようなことをやるのか。そして、トライアルは、まさにこの夏のワンチャンス、ことしの夏しかもうないんですね。来年はもう本番ですから。それを改善につなげていくことを考えると、私は取り組みがいささか遅いんではないかと思っております。
このTDMのトライアルに向けてさらなる取り組みが必要だと思いますけれども、見解を伺います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 ことしの夏のトライアルにつきましては、都や組織委員会のほか、さまざまな企業にも参画いただき、大会運営、交通量の低減、企業活動の継続という観点から、試行と検証を行うことが重要と認識しております。
実施時期の設定には、組織委員会が行うテストイベントのスケジュールや、交通量の多い時期、時差ビズやテレワークデーズなどの実施期間などの要素を加味し、現在、関係機関と調整を行っております。
今後、早期に実施期間の設定を行い、国や組織委員会等と連携し、より多くの企業に参加していただきながら取り組みを進めてまいります。
○山崎委員 今、時差ビズ、テレワークデーズ、こういう単語が出てきました。このテレワークデーズというのは経産省とたしか総務省が国の方でやられていること。時差ビズは東京都の都市整備局が中心となってやられていること。またテレワーク、東京都がやっているテレワーク、産労がいろいろとやられておりますけれども、まさにこういったところとしっかりと調整をしていただいて、この試行に向けて、トライアルに向けて、もうワンチャンスしかないですから、どこまで本番さながらの、そういうことができるのか、それをしっかりと捉えていただいて、この夏、スケジュールどおり、しっかりとやっていただきたいことを改めてお願いさせていただきたいと思います。
あと、さっきの質問でもありました交通システムマネジメント、いわゆるTSMですね。首都高なり、また警視庁、これ、一緒に東京都はやっていくべきだと思っておりますけれども、一つ首都高でいろいろな規制をかける、これからになると思うんですけれども、首都高で規制をかけるとなると、どういったことが起こるか。一般道に皆さんがまた流れていく。
じゃあ、警視庁が一般道までこのTSMをできるのかどうなのか、そういう問題点もあると思うんですよね。ですから、まずはTDMがいかに大事かというところに、ここもかかってくると思いますので、ぜひそういった点もお願いをしたいと思います。
先般、都市整備局の方が取りまとめ役として、スムーズビズ、そういったものが出てきてまいりました。TDMとテレワーク、そして時差ビズなどの取り組みを一体的に推進するという発表がされたわけでございますが、私は正直、今さら感があるのかなと思います。
このスムーズビズを一体的にやっていくという発表がこの間ありましたが、であるならば、もっと前に、こんなことは公表すべきだった、また計画にのせるべきだった話ではないのかなと思います。
TDMというものは、オリンピック・パラリンピックにとって大切なものであって、その手法の一つが時差ビズであり、テレワークであり、私はそういう考えでおります。
ぜひそういったことも含めて、今回のスムーズビズとして打ち出しによって、TDMへの理解が薄れてしまうのではないか、私はそういう心配をしておりますが、見解を伺います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 東京二〇二〇大会の交通混雑緩和に向けたTDMとテレワーク、時差ビズなどの取り組みをスムーズビズとして一体的に推進することといたしました。
テレワークや時差ビズにより働く人たちの行動を変えていただくことも、大会時の交通量削減に欠かせない取り組みであり、今後、関係各局と連携を強化し、各企業の状況に応じてきめ細かく対応するとともに、より多くの企業が大会に向けた準備に取り組めるよう、一層TDMを推進してまいります。
また、こうした取り組みを通じて、新しいワークスタイルや企業活動の東京モデルが大会のレガシーとして残るよう取り組んでまいります。
○山崎委員 もちろんこういう部分のレガシーというものも否定するべきではないと思いますけれど、それよりまずはTDMをしっかりとやっていただきたいことをお願いしたいと思います。
最後に、首都高速のロードプライシングについて、お話をちょっとさせていただきたいと思います。
先ほどお話を聞いておりますと、質問の中で、これから国と本格的に検討するということだったと思いますが、課金をするということは経済的にも相当インパクトがあるということは都も承知をしていると思います。
課金の検討を行うに当たっては、物流への配慮はどうなっているのか。首都高速道路を走る車の約半分が物流車両というデータもあります。物流は荷主の意向によって動くので、首都高の料金が上がっても通行せざるを得ない事情もあります。また、その課金が、そのまま物流事業者が負担をせざるを得ない状況にもなりかねないわけであります。
物流車両を課金の対象から外すなどの検討を行うべきという意見を、私は一つ、意見としてお話をさせていただきました。
また、料金が上がるということは、先ほどもお話ししましたが、首都高の増収につながるということだと思います。ロードプライシングが首都高にとって単なるもうけ話にならないよう、また増収になった場合、その原資を生かして割引の時間帯を設けるなど、利用者に還元できる対策も同時に検討していくべきだと考えております。
以上二点について、現時点で都の見解は、今お話を聞いても、多分これからという話になると思いますので、この見解は求めませんが、ぜひ首都高、また国としっかりとこの点も、ロードプライシングの件も協議をしていただいて、一般道に流入する、そういったことももちろん予想される中、しっかりと前に進めていただきたいことを要望して、質問を終わります。
○あぜ上委員 それでは、私から、冒頭、五輪招致での贈賄疑惑問題について、五輪開催の根本にかかわる問題ということで一言申し上げたいと思います。
五輪招致での贈賄疑惑問題については、都の責任も大きく、都議会への報告を求めるものであります。そもそも当時の招致委員会の副理事長は東京都副知事でしたし、同評議会会長は当時の石原知事、猪瀬知事で、五輪招致を進めてきたわけです。招致活動の内容については東京都に重い責任があるのです。
また、開催都市として、一年半後に控えた東京二〇二〇大会を、胸を張って迎え、成功させるためにも、疑惑解明は必要不可欠であります。
二〇一六年、検察が捜査をしているということで、国会では、当時の招致委員会の理事長の竹田恒和氏が参考人招致されております。そのときも都議会には報告がありませんでした。
今回、フランスの司法当局の捜査ということで、より重い段階になっております。速やかに都議会に報告をし、真相を明らかにすることが求められている。このことを一言申し上げておきたいと思います。
それでは質疑に入りますが、まずV3についてです。
先ほど来質疑の重なる部分も結構ありましたので、極力ダブりがないように行いたいと思います。
都の負担でいいますと、先ほどもお話がありましたが、大会経費だけでも六千億、そして大会関連経費を含めれば一兆円と、大変な莫大なお金になるわけです。五輪大会によって税金が一体幾ら使われるのか、国の負担も含めて、さらにどのような経費が膨らむのかといった都民、また国民からの不安の声も寄せられております。
今強く求められているのは、やはり大会経費と関連経費の全容を明らかにしていくことではないでしょうか。私たちは、V2のときも余りにも不透明な試算じゃないかと指摘をさせていただきました。そして、V1、大枠の合意からどのように検討されてV2の試算がなされたのか、増減の項目での表示を求め、資料として十億円単位での増減が示されました。
ところが、今回のV3においては、また五十億円単位での表示になっておりまして、資料要求によって初めて、また十億円単位の増減が示されるという状況です。
恒久施設を初め、増減があってもプラス・マイナス・ゼロで金額に変化のない項目は、ふえたものは何なのか、減らしたものは何なのかについて全く示されておりません。結果として同じ金額になったとしても、やはり精査の中身をきちんと明らかにすべきだと思います。
そうした立場で何点か伺います。
増減の五十億円の単位の表示の理由の質疑がありました。その中で、平成三十二年までの総額を計上しているからなんだという旨の答弁がありました。そして、V1、V2と同じようにやったけれども、V4では単位を精査するようにしていきたい旨のご答弁もありましたが、そもそも、今回V3予算を作成するに当たり、五十億円単位の見直しをすべきだったというふうに私は思うんです。
都の契約でも、九億円以上の工事は議決事項になっているわけです。五十億円単位で増減しか示せないということになると、本当に経費の精査に逆行するものだといわざるを得ないと私は思います。
例えば、先ほど質疑でもありました、恒設施設に日本武道館の改修費を入れたという説明が先日の委員会で口頭でも報告がありました。二十五億四千万だ。なぜ内訳として出さなかったのかという質問に、先ほど、金額的には五十億に達していないからだ、示せなかったんだというご答弁でした。
それでは伺いますが、日本武道館には国のスポーツくじの助成金も二十億、改修のために支出されている。これはV3の国負担分の増額に含まれていないんですか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 ただいま理事お尋ねの件につきましては、大会経費に含めていないと国から聞いております。
○あぜ上委員 国から聞いているということなんですけれども、なぜ含んでいないんでしょうか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 国によれば、国の経費は日本武道館の改修部分に充当されまして、代々木競技場など既存施設の改修に関する費用と同様の扱いと聞いてございます。
○あぜ上委員 そうなりますと、国と東京都で日本武道館の補助については、V3に入れる基準は違うということになるんじゃないですか。おかしいと思います。
では、改めて、恒久施設の増減が示されていない問題ですけれども、恒久施設の場合、日本武道館では先ほどいった都の補助で二十五億四千万円のプラスになると。それから、これは既に報道されておりますが、国立競技場は人件費と資材高騰で二十五億円のプラスになると発表されています。合わせれば五十億の増となるわけです。それなのに、これも書いていないと。なぜなんでしょうか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 ただいま理事お話しのございました新国立競技場の物価スライド分でございますが、これは現在、最終的には二十億円と承知をしてございます。この二十億円につきましては、もともと契約差金の範囲の中でございまして、現在、大会経費で計上しております新国立競技場は、当初の関係閣僚会議の決定の金額で計上しておりますため、大会経費のV3には影響しないものでございます。
○あぜ上委員 今こうやって増減の中身を聞かないと、私たちはこの表を見ただけでは全くわからないわけですよ。本来であれば、主な増に日本武道館二十五億、そして新国立は差金でできるということなんですが、きょういただいた資料でも、有明アリーナの増が十三億、本来書くべきだと思うんですね。そして、主な減には夢の島のアーチェリー会場五億、有明テニスの森八億など、示す必要があると思うんです。
そして、全体経費をふやさないために、武道館と、先ほどご説明もありましたが、新国立がふえた分は何で吸収するのか、できそうなのかどうなのか、その辺もしっかりと示すことがやはり必要なんじゃないでしょうか。
日本武道館が恒設施設に入ることは資料にも何も書いてありません。新しい事態が発生しているにもかかわらず、V2、V3の比較表を見ただけでは全くわからない。資料要求で、全額の変動のあるものについては十億単位での増減の内訳を示していただきましたけれども、プラス・マイナス・ゼロで金額の変わらない項目でも増減を出すべきだということを意見として申し上げておきたいと思います。
そもそも日本武道館の経費を恒設施設として東京都が入れたその理由は何でしょうか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費は、仮設整備や大会運営といった大会に直接必要となる経費のほか、都や国が負担して競技会場となる新規恒久施設整備費としてございます。
日本武道館につきましては、その施設整備に対し、都は平成三十年度から補助を行うことといたしました。今般の大会経費V3におきまして、大会時にウオーミングアップ施設として使用される中道場棟について、大会を機に新たに整備される点に着目いたしまして、都民の皆様にわかりやすく説明する観点から、恒久施設の経費として計上したものでございます。
○あぜ上委員 中道場が新規施設だからというご答弁なんですが、日本武道館は中道場だけではありません。日本武道館の二十五億四千万の中には耐震改修なども入っているわけですよね。
そもそも民間の五輪会場については、都が費用負担するという仕組みはこれまでなかったわけです。五輪経費の分担でも、民間施設の恒久的な改修は民間でとなっていて、V2には含まれておりませんでした。三年前に都の担当局が知事に対して行った説明ブリーフィングでは、民間施設の武道館に都が直接支援することについて、公平性、公益性の観点から課題が多く、慎重な検討が必要だというふうにしていたわけです。
しかし、昨年の三月に、オリンピック・パラリンピックレガシー再整備補助制度という制度をつくって、区市町村立の体育施設の補助の予算枠の中で国以上の補助をするということになったわけです。
私たち日本共産党都議団は、補助の決定過程も不透明だし、本来国と武道館を所有する公益財団の責任で改修すべきであって、都の補助を抜本的に見直すべきだと、昨年の十一月二十二日の文教委員会や第四回定例議会の代表質問でも求めてまいりました。
新たにV3予算に計上したことは、東京二〇二〇大会の会場整備のために支出するにもかかわらず計上していなかったことを改善したということだと思います。
しかしながら、もともと国が建設したという経緯からいっても、国の公益財団法人の施設だという点からいっても、本来国の責任において行うべき補助であるということを改めて厳しく指摘しておきたいと思います。
次に、共同実施事業についてです。
一兆三千五百億円の大会経費のうち、公費負担は七千五百億円であることは、V3においても変わらないということであります。このうち仮設施設や輸送、セキュリティーなど、四千五十億が共同実施に当たります。それは国の負担分の三百億と、都が三千七百五十億ということです。都として、ことしの予算では共同実施事業に七百四十四億円の負担となっていますし、来年度予算案では千五百九十三億円を計上しています。
この間、私たちはこの共同実施事業の内容が余りにも不透明じゃないかと指摘をして改善を求めてまいりましたが、さらなる透明化を求める立場から、これも何点か伺っておきたいと思います。
まず、V3予算の仮設等の都負担は二千百億円ですが、きょういただいた資料で、そのうち千六百五十億円が仮設施設整備費、そして四百五十億円が賃借料だということがわかりました。
仮設整備費の都負担分、千六百六十億円の内訳について伺います。
○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設調整担当部長 仮設施設整備費千六百六十億円の内訳でございますけれども、V3予算におきましては、プレハブ、テントや仮設観客席など、いわゆる競技会場の仮設施設にかかわる整備費が約六百億円、選手村など非競技会場の仮設施設にかかわる整備費が約九百五十億円、競技の運営にかかわる大型仮設物などの整備費が約八十億円、これらのほか、アドバイザリー業務等の委託費を約三十億円計上してございます。
○あぜ上委員 初めて仮設施設整備費の都負担の内訳が出てまいりました。ただ、同じ仮設でも、例えば有明の体操場は二百五十三億円ですけれども、産労局の負担分が百九十三億、そして共同実施で六十億ということはもう既に明らかになっています。
そういう意味では、今後さらに、会場別の概算だけでも示すように求めておきたいというふうに思います。
それでは、仮設等の都負担分の賃借料の四百四十億の内訳を伺います。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 賃借料の対象は、競技会場や駐車場の使用料、大会運営上必要な土地の借り上げ料などであり、今後、施設管理者等と使用や借り上げについて協議していく予定であります。
○あぜ上委員 まだ内訳は出せないということなんですが、それでは、選手村の賃借料は決まったんでしょうか。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 選手村の宿泊棟などにつきましては、都が施行する市街地再開発事業において、特定建築者が整備する住宅棟などを大会開催のために一時使用する計画となっております。
都が特定建築者から借りる住宅棟などの賃料につきましては、専門の知見を有する不動産鑑定士による建物賃料調査を実施するなど、所定の手続を経て、今後決定する予定でございます。
○あぜ上委員 今後決定すると。しかしながら、立候補ファイルでは上限が三十八億だということが示されているわけですが、選手村、私もつい先日、見に行ってきましたが、かなりもうでき上がっておりまして、住宅についてはこの五月から販売されるという報道がもう既になされておりました。
販売されるとなると、一体誰に東京都は賃借料を払うことになるんでしょうか。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 都が施行する市街地再開発事業におきまして、特定建築者がみずから資金を調達して整備し、所有する住宅棟などを大会運営上必要な選手村の建物として借り受けるため、建物の所有者である特定建築者に支払うことになります。
○あぜ上委員 そうすると、大会前に住宅は販売されるけれども、あくまでも予約販売という理解でよろしいんでしょうか。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 住宅の販売が開始されたことにより特定建築者から購入者に所有権の移転がされるものではなく、大会後に建築物が完成し、購入者が特定建築者に代金を支払い、引き渡しがなされた時点で所有権が移転するものでございます。
繰り返しになりますが、特定建築者がみずから資金調達して整備を行い、所有権を有する住宅棟を特定建築者から借り受けるため、特定建築者に賃借料を支払うものでございます。
○あぜ上委員 選手村については、先ほども申し上げましたが、賃借料が上限で三十八億と。都と特定建築者は、土地の売買も契約が成立をしております。しかしながら、現在は都有地だということで、固定資産税も支払い義務はございません。都有地を売却した土地代も、選手村要因ということで近隣価格の十分の一以下に減額されていると。その上、賃借料も都財政から上限三十八億と。
先ほど仮設のご答弁の中で、選手村などの非会場の仮設整備に九百五十億というお話もございました。そういう点では、仮設整備など多くの部分は特定建築者が契約する可能性が多いのではないかというふうに思わざるを得ないわけです。都民から至れり尽くせりじゃないかという批判が上がってしまうのは当然だというふうに私は思います。
今後もこの問題については、引き続きただしていきたいというふうに思っております。
さて、共同実施事業の契約先と契約金額についても伺いたいと思います。
きょうは、二〇一七年度までの共同実施事業の契約案件名ごとの契約先と契約金額を出していただきました。
これには経緯がありまして、昨年の十一月の文教委員会で、我が党の星見てい子委員が同じ資料を要求しました。要求したところ、契約先のパートナー企業、すなわちスポンサー企業の場合、金額を非公表とする契約を結んでいる、V3に向けて公表できるように契約変更してもらうよう交渉中だからということで、そのときには資料全体をいただけなかったわけですね。
今回、こうやって資料を出していただいたということなんですが、金額の大きな契約でいいますと、有明の体操場のほか、選手村仕様の設計等に関する協定書、三井不動産レジデンシャル株式会社外十社、十八億八千万、アクアティックセンターオーバーレイ大型映像設備工事、大林組東京本店、十一億八千万などがあることがこの資料でわかりました。
契約相手がパートナー企業の契約については、残念ながら今回示されませんでした。しかし、公金を入れるわけですから、情報公開は当然の前提です。先ほどの質疑では、都としての公金のあり方として非公開は適切でないと考え、組織委員会に申し入れ、組織委員会では現在スポンサーと個別に協議をしているというご答弁がありました。
そういう点では、東京都ご自身が努力されているということはわかりました。しかし、いただいた資料では、先ほど申し上げたように、スポンサー企業、調整中となっているところが七件あったわけです。
スポンサーとの合意を得られるように、ぜひ組織委員会に強く求めていただきたいと、これは意見として申し上げておきたいと思います。
次に、二〇一七年度の共同実施事業について、特別契約、つまり東京都でいうところの特命随契ですね、及びパートナー供給、スポンサー企業と優先的に契約する。これは調達契約の結果、それぞれ金額ベースで、比率でどのぐらいになるんでしょうか。
それから、契約相手がパートナー企業なのに特別契約になっているものもあるんですけれども、これはどうしてなのか教えてください。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業に係る平成二十九年度までの契約全体に占める特別契約の比率は、契約金額ベースで二二・二%であり、同じくパートナー供給契約の比率は、契約金額ベースで一・四%でございます。
また、組織委員会がパートナーのカテゴリーの商品等を発注する場合、求められる仕様や納期が合致すれば、パートナー供給契約を締結する義務がございますが、カテゴリー以外の商品等につきましては、パートナーも通常の事業者として扱われます。
そのため、結果としてパートナーと競争入札など、他の契約形態で契約を行う場合がございます。
○あぜ上委員 二〇一七年度の共同実施事業の中では、パートナー契約は、今のご答弁で一・四%ということでありました。
なぜこのようなことをお伺いしたのかといいますと、今後、五輪が本番に近づいていくにつれ、パートナー供給、つまりスポンサーと優先的に契約する事業、契約というものがかなり増加するのではないかと予想されるからなんですね。
この間、組織委員会としての調達契約結果が発表されています。これは共同実施事業以外の組織委員会だけの事業の契約も含む、そういうものなんですが、それを見てみますと、パートナー契約は二〇一四年度がゼロ、二〇一五年度が三・九%、二〇一六年度が二・四%、二〇一七年度が一七・八%、そして二〇一八年度は、まだ出ているのは上半期だけなんですけれども、四四・一%なんです。昨年あたりからやはり急増しています。
したがって、もしパートナー企業との契約金額を公開できないということになってしまったら、共同実施事業の契約金額のかなりの部分が非公開になってしまうというおそれがあるんじゃないかというふうに思うわけです。
パートナー企業との契約は今後ふえると思うんですけれども、契約条項を変更して公開できるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 本日ご提出させていただきました資料3におきましても、守秘義務が課されたパートナー供給契約につきましては金額を表示しておらず、既に契約がなされたものの契約条項の変更は困難な面がございます。
しかしながら、先ほど来ご答弁しておりますように、都の公費を投入する事業でありますことから、既に都は組織委員会に公表を求めておりまして、現在、組織委員会において契約の相手方と公表について調整を行っているところと聞いてございます。
○あぜ上委員 ぜひ頑張っていただきたいと思うんです。繰り返しになって恐縮なんですが、都民、国民の税金が原資となっているわけですから、少なくとも決算後に公開するのは当然であって、個々の契約案件について、契約金額も含め、情報を明らかにするように、都として組織委員会に強く働きかけていただきたいと思います。
共同実施事業は総額四千五十億、都負担は三千七百五十億です。二〇一七年度は都の決算額で四十七億五千百万円、今年度予算額は七百四十四億一千万円、そして来年度予算案に計上された共同実施事業の金額は千五百九十三億円です。
私が住んでおります江東区、五十二万の人口を有しておりますけれども、来年度の一般会計予算案を見ましたら二千三十一億円なんですね。江東区の予算の二年分という膨大な共同実施事業なんです。ブラックボックスなどという批判が上がらないように、東京都として組織委員会に強く働きかけることを求めておきたいと思います。
次に、共同実施事業管理委員会の議事要旨についてです。
これが余りにも大ざっぱで、とても情報を公開しているとはいえないと思います。
例えば、先ほど質疑の中でご答弁がありました、昨年、二〇一八年の五月九日の会議の議事要旨を見たら、議題の一番目と二番目は、委員の変更と追加についてということで、それぞれ承認とあるだけなんです。
議題の三番目、平成二十九年度及び平成三十年度の共同実施事業については丸ポチがありまして、平成二十九年度共同実施事業の決算について確認。行がえして、また丸ポチで、平成三十年度共同実施事業の予算の概要について確認。これだけです。
次の四番目の議題、共同実施事業に係る経費の確認等の進め方についても、大会経費の執行段階で個別案件について精査していくことを確認。たったこれだけなんですね。
こんな調子で、A4判一枚に要旨の部分は全部でたった八行しかない。これで協議の経過がわかるといえるでしょうか。いかがですか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今お話のございました議事要旨につきましては、今後、内容の充実に向け、組織委員会など関係者と調整してまいります。
○あぜ上委員 そうですね。せめて協議の経過がわかる議事録に改善することを求めたいと思います。
また、ホームページでは、昨年の五月九日を最後に会議の開催情報が更新されていません。共同実施事業管理委員会はそれ以降やっていないと。先ほど作業部会は二十三回というお話があったんですが、管理委員会は五月九日を最後に会議は開催されていないという理解でよろしいんでしょうか。確認。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会につきましては、昨年の五月以降三回開催してございます。
○あぜ上委員 三回やっているということはわかりました。それにしても遅いですよね。早く出していただきたいと思います。
それで、先ほど作業部会のご質疑があって、そのご答弁の中で二十三回やっていると、しかし、五回しか載っていないよということがありました。これについても情報公開に努めるということでしたが、二〇一八年の四月から九月、これで、共同実施事業だけではありませんけれども、組織委員会で何本の契約がされているかと調べると、四百六十本なんですよ。
先ほど減価交渉をやったりして公表がおくれているんだというお話があったんですけれども、そうなりますと、どのぐらいの減価交渉がやられているのか、本数というのはすぐに出ないと思うんですが、割合が出せれば教えていただきたいんですけれども。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 申しわけございませんが、今、金額の割合につきましては手元に資料がないので、ちょっと答弁ができない状況でございます。
○あぜ上委員 わかりました。いずれにしましても、四千億円を超える公金の支出をチェックする、そういう機関なんですから、どういう協議が行われたのか、しっかりと議事録に残して、しかも早急に都民の前に明らかにして、説明責任を果たすように求めたいと思います。
次に、輸送問題についてです。
V3において、輸送経費がV2の五百億円から百億円ふえていますが、その要因の内訳は資料で大枠は示していただいております。
フリートの車種変更で六十八億、バスがV2のときは二千二百台だったわけですが、それを三千から四千にするということで九億の増と、輸送センターの賃料が十億の増ということなんですけれども、もともと幾ら見積もっていたのかが示されていない中で、どの程度ふえたのかというのがぴんとこないんですけれども、輸送センターのシステムというのはどういうもので、どのぐらいの費用を要するものなのか教えていただけますか。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 輸送センターは、大会輸送全体の運営を統括するものであり、大会輸送に関する情報発信や提供、大会関係者や観客等の安全で円滑な輸送を実現するための総合調整を行います。
具体的な機能といたしましては、大会輸送に関する情報の集約、交通管理者や鉄道事業者等との連携や情報共有、大会輸送や交通需要マネジメント、いわゆるTDMに関する情報発信、現場レベルでの対応が難しいイレギュラー時の対応などが想定されております。
費用につきましては、検討段階のものや契約前であり、今後の契約等に影響を与えるものがあるため、現時点では公表することができません。
○あぜ上委員 ありがとうございました。ロードプライシングについては、先ほどご答弁もありました。その中で、検討に当たっては、交通量の低減効果や社会的な受容性などさまざまな観点からの検証が必要であるというふうにご答弁されていましたが、そのことは非常に大事なことだと私も思います。
IOCからは、車両のナンバープレートの番号での通行規制が求められているといった報道などもありましたが、私はこのような画一的なやり方は現実的ではないと思いましたし、個々の事情が配慮されないということは問題だと思います。そのことは一言申し上げておきたいと思います。
組織委員会は、目安として、都心の通行量を平日から一五%程度の減の休日並みの交通量まで抑制したい、首都高では最大二五%減にするということとしていましたが、近隣企業及び物流業界への説明が行われたと、先ほど他の委員の質疑のご答弁の中で明らかにされておりました。
どういう意見が出たのかということも少し紹介されていましたが、その意見を受けとめて、東京都としてどのように対応しているのか、そして、特に荷主への説明、調整はどこまで進んでいるのか、その辺を明らかにしていただけますか。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 円滑な大会輸送の実現と都市活動の維持との両立を図るためには、大会時の物流対策を進めることも重要でございます。これまでも臨海部などで直接物流に携わる団体等との意見交換を進めており、この中で、大会時の物流車両の削減や配送時間の変更等につきましては荷主の意向が強く、物流会社単独でTDMを進めることは難しいなどの意見をいただいております。
このため、二〇二〇TDM推進プロジェクトにおいては、物流面での取り組みとして、荷主の理解と協力を求め、サプライチェーン全体での取り組みを進めることとしております。
今後、荷主となり得る企業などに対し、混雑時をずらした発注や納入など、物流面での工夫を働きかけるとともに、大会時の対応について検討を進め、経済活動を支える物流の維持に努めてまいります。
○あぜ上委員 これからだということはわかりました。私も大変心配しているのは、臨海地域、港湾地域です。五輪会場も多く、ふだんから渋滞もあり、大会開催の時間帯とも重なると、かなりの影響が出てくると思われます。
例えば、豊洲の市場が開場したわけですけれども、その輸送トラックなども入ってきまして、有明や豊洲の地域から環状二号線を通って都心に向かっていく、そういう道路は朝六時から七時ぐらいの間は非常に混んでいるというふうに伺っていますし、また東京港を起点とする開梱トラックは、昼過ぎから夕方にかけて、コンテナターミナルを目指して車が集中しているというふうに伺っています。
さらに、物流関係の多い地域に新砂三丁目と若洲の一、二丁目にそれぞれ、新砂にはフリートの六百台の車両基地、それから若洲にはバスの約七百台の車両基地が設置されますけれども、そのこともやはり近隣の企業や、それから輸送関連の仕事をされる、そういう皆さんからは、大変心配の声が上がっています。
若洲や新砂の車両基地周辺については、今後どのように対応するのか伺います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 車両基地は、選手村やメディアセンターなどから競技会場に移動するための車両を管理する重要な施設でございます。若洲車両基地にはバスを、新砂車両基地には乗用車を駐車する予定でございまして、近隣企業や物流業界の方々へ大会期間中の車両基地の運用について情報提供を行い、ご理解とご協力をいただくことが必要でございます。
今後、バスや乗用車の時間帯ごとの出入庫の台数など、具体的な車両基地の運用計画がまとまり次第、車両基地の近隣企業や物流業界に対し、組織委員会と連携して、大会時の対応について丁寧に説明を行ってまいります。
○あぜ上委員 実際にトラック輸送などの仕事をしている方々にご意見も聞いてきましたが、夜間輸送に転換してくれというふうにもしなったら、労働環境が一変すると。これを機に、二十四時間対応物流への転換になってしまったら非常に大変だと、不安の声を伺ってきました。
また、ある印刷会社の社長さんはこういっていました。協力したいのはもう本当にやまやまなんだけれども、決まった時間で印刷発送しなければならないのに、その時間帯を崩すことは、うちの会社にとどまらず、関連会社にも大きな影響を及ぼすので、なるべく影響を最小限になるように配慮してもらいたいという声を伺ってまいりました。
やっぱり、先ほど来質疑やご答弁の中で、TDMでというお話がありましたが、本当に自主的協力が中心であることが原則だというふうに思いますが、どうしても強制的な部分については、私は臨海地域が多くならざるを得なくなってしまうんじゃないかというちょっと心配をしています。
そういう点では、やっぱり直接影響を受ける企業、そして労働者の合意と納得の上で、この試行に努めていただくようにお願いしたいと、そのことを強く求めまして、私の質問を終わります。
○山口委員 私からも幾つか質問させていただきたいと思うんですが、今期の都議会に、また都政に課せられている最大のテーマといいましょうか、使命は、当然、情報公開というのが一つの大きなテーマであり、課題であることは、ここにいる誰もが認識をしているところだと思います。
この大会経費のバージョンスリーについて私も質問させていただきたいところなんですが、この情報公開がしっかりなされていれば、これだけの質疑にならないんではないかと思うところが多々あるわけであります。
昨年一月のV2の経費の質疑の中においても、私は、輸送やセキュリティー、オペレーションなどについても詳細な情報公開を求めてきたところでありますが、当時、担当部長は、現在検討中であるから、計画策定など重要な事項の節目を捉えて説明をしていきたいというふうに答弁を受けたわけであります。
改めて詳細な情報公開を求めますが、見解を伺います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費は単年度の予算ではなく、平成三十二年度までの経費の総額を計上していること、事業によって計画の具体化の進捗度合いが異なっており、それに伴い、精緻化が異なる経費が混在していることから、仮設等やオペレーションといった大きな区分で公表しております。
とりわけ、輸送やセキュリティー、オペレーションなど大会運営そのものや密接にかかわるものにつきましては、大会期間中の要件や運用方法など、今後さらに具体的に詰めていく必要があるものでございます。
なお、V4における区分につきましては、こうした事業の具体化や経費の精緻化の度合いも踏まえながら、今後、組織委員会と調整してまいります。
○山口委員 V3のときにも申し上げましたが、V4には期待をしたいと思います。私はV3発表段階で、少なくとも都が追加で示した今回の資料の程度のものが示されるものだろうというふうに考えていたわけでありますが、組織委員会は一年間一体何をされていたのかなと疑われかねない事態ではないかと思います。
情報を隠そうとするのは組織的な体制ではないかと疑ってしまうところもあるわけでありますが、施設の関係においても、予算の増減があったものもあると思われますが、主な増減要因として記載はされていないわけであります。この点を確認しておきたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほどご答弁申し上げましたように、V3におきましては、これまでのV1、V2と同様に、全体経費一兆三千五百億円の内訳の金額単位として五十億円としてございます。そのため、V3とV2との増減につきましても五十億円単位となってございます。
そのうち、輸送やオペレーションなどの区分単位で増減が発生するものにつきまして、組織委員会と東京都が調整の上、主な増減を記載したものでございます。
恒久施設につきましては、五十億円単位では増減が発生しなかったことから記載していないものでございます。
○山口委員 V3経費の金額単位は五十億円ということでありますし、また、東京都が追加で示した資料も十億円単位と数字を丸めているわけであります。
七兆円を超す東京都の一般会計予算も少なくとも百万円単位で確認をすることができるわけでありますが、なぜもっと細かく示さないんでしょうか。もっと細かく示すべきだとあえて申し上げたいんですが、いかがでしょうか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費につきましては、平成三十二年度までの総額で、かつ精緻化が異なる経費が混在しておりまして、今後契約予定が多数ございますため、全体の整合性を図る観点から、大きな区分では五十億円単位、その内訳を十億円単位としたものでございます。
今後、V4におきまして、どのくらいの事業区分と金額単位でお示しできるか、V4の作成過程などを踏まえまして、組織委員会と調整してまいります。
○山口委員 一例ですけれども、例えば、このV3経費で示された主な増要因にある馬等の輸送費用の増は、コンテナ一つで馬三頭を運ぶ想定だったものを馬二頭に変更したものによるものという説明を受けました。
これは東京都の追加資料の二ページ目にあるオペレーションのうち、一体どこの項目になるんでしょうか。幾らが一体幾らになったんでしょうか、お伺いします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今お話のございました馬の輸送でございますが、このオペレーションのうち、その他の項目にありますロジスティクスに該当いたしまして、組織委員会経費が百五十億円となってございます。
このロジスティクス全体では、組織委員会経費がV2から約十億円増加してございます。
○山口委員 余りに雑駁過ぎてあれなんですが、V3経費で示された主な増要因、減要因にある項目は、一体どのような基準をもとに記載をされているんでしょうか、お伺いします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 輸送やオペレーションなどの区分単位で増減が発生するもので金額が大きい事業費につきまして、主な増減として記載してございます。
○山口委員 記載されている項目が少ないので、大きいとか小さいとかという金額的なイメージも正直いって持てないわけでありますが、東京都の追加資料のレベル感で主な増要因、減要因などは示せないものなんでしょうか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほど来ご答弁申し上げて大変恐縮ですが、V3につきましては、これまでのV1、V2との整合性を図る観点から五十億円単位で公表してございます。
なお、V4の金額単位につきましては、経費の精緻化の度合いも踏まえながら、今後、組織委員会と調整してまいります。
○山口委員 ところで、会場別の予算の内訳については、昨年一月三十日、私の質問に、会場別の予算の内訳については、事前に公表することで適正な入札を阻害する可能性があるとして、V3、V4と公表される段階があるので、適切な機会を捉えて再度示していきたいと答弁をいただいたわけでありますが、V3が出たこの段階で、会場別の内訳が示せない理由は何かあるのでしょうか。
○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設調整担当部長 会場別の整備費でございますけれども、V3が出たこの段階においても、設計施工一括発注の各会場において、現在、組織委員会による入札者との価格交渉などの契約手続を行っているところでございます。公表することによりまして入札者との交渉に影響を与える可能性があるため、現時点での公表は難しいと考えております。
ただし、組織委員会の動向を踏まえまして、契約後、整備費が確定した段階で公表していきたいと考えているところでございます。
○山口委員 とするならば、一方で、決算は細かい数字、単位で確定をしているわけでありまして、私は決算の数字を活用するなどして、もっとわかりやすく都民にこれはしっかり情報公開をできるんではないかと考えます。
例えば、共同実施事業については、平成二十九年度決算までに仮設やエネルギー、テクノロジー、輸送などでそれぞれ幾ら使っているんでしょうか。二十九年度までで東京都の負担六千億円のうち、一体どれぐらい使っているんでしょうか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費の都負担分六千億円のうち、平成二十九年度までに支出した分は、恒久施設整備は六百五十三億円、共同実施事業は四十七億円であり、合わせて七百億円となっております。六千億円に占める比率は一一・七%でございます。
また、共同実施事業につきましては、平成二十九年度の決算の概要と事業ごとの詳細を共同実施事業管理委員会のホームページに掲載しておりまして、仮設等につきましては四十四億円、エネルギーは八千万円、テクノロジーは二億円、輸送は四千万円などとなっております。
○山口委員 正直いって、これはV4に向けてでは遅いので、三十年度決算が出た時点で項目ごとに取りまとめた既執行額とV3予算とを比較するなどして、都民にわかりやすく、どのようにお金が使われているのか情報発信をしっかりしていくべきだというふうに考えるわけでありますが、見解を伺いたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費のうち共同実施事業につきましては、平成二十九年度の決算の概要と事業ごとの詳細を平成三十年五月に開催いたしました共同実施事業管理委員会で確認し、ホームページに掲載してございます。
今後、平成三十年度以降の決算時にも同様の取り組みを行うこととしてございまして、引き続き都民にわかりやすい情報提供に努めてまいります。
○山口委員 これまでどのようなお金が使われてきたのか、どのようなところに使われているのか、そして残りがどれぐらいあって、どのように使われていこうとしているのかということがわからない限り、これは議論をしろといわれてもなかなかできないし、質疑をしていくといっても、これはやっていてもなかなか質疑にならないわけであります。
組織委員会においては、ホームページにおいて、過去の調達の状況についても公表しているとされているわけでありますが、案件名及び契約方法、落札企業名しか記載をされておりません。金額も記載をされていないわけであります。
私たちは入札経過調書も公表するように求めてきたわけでありますが、これらの情報公開について、都の見解を伺いたいと思います。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局大会企画調整担当部長 組織委員会は、都とは別の法人格を有する公益財団法人でありまして、契約に係る情報の取り扱いについては、IOCを初めとするさまざまなステークホルダーとの関係や契約相手方との調整等を踏まえ、組織委員会が判断するものでございます。
しかしながら、都といたしましては、大会の準備を万全にし、大会を成功に導くためには、都民、国民に丁寧な説明を行い、理解を得ていく必要があると考え、組織委員会に対して情報公開を推進するよう働きかけてまいりました。
その結果、昨年四月からは関係法令の求めるレベルを超えて、契約に関して定めた会計処理規程などをホームページで公表しております。
また、昨年六月からは、過去の契約について年度ごとの全体状況とあわせて、個々の契約の件名や相手方等をホームページで公表するなど、契約に関する情報公開に取り組んでいるところでございます。
○山口委員 大切なところですよね。今、都としては大会の準備を万全にし、大会を成功に導くためには都民、国民に丁寧な説明を行い、理解を得ていく必要があると、組織委員会に対しても情報公開を推進するように働きかけていくと。東京都がいっている情報公開というものを本当に都民に示していくのであれば、この姿勢を貫かなきゃならないわけだと思いますよ。
本当にここはしっかり求められるところだと思いますので、今の答弁にあったように、組織委員会のホームページ、案件や契約企業名が載っているわけでありますが、契約金額は記載をされていないわけであります。これはなぜ公開しないんだと東京都は思われますか。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局大会企画調整担当部長 繰り返しになって恐縮ですが、組織委員会は公益財団法人であり、契約金額などの取り扱いについては、さまざまなステークホルダーとの関係等を踏まえ、組織委員会が判断するものでございます。
そうした中で、組織委員会においては、契約に関する情報公開を進める観点から、過去の調達について年度ごとの全体状況をホームページに掲載しており、その中では、契約形態ごとに区分した件数と契約金額の合計について公表しております。
また、都が経費を負担している共同実施事業の契約実績については、都のホームページに掲載しており、現時点で可能な限りの情報提供に努めているところでございます。
○山口委員 東京都の情報公開で考えたらあり得ない方法だと思いますが、今の組織委員会であれば仕方がないという解釈なんだと思いますが、都として組織委員会に対して、契約金額なども公表するように求められているんでしょうか、お伺いします。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局大会企画調整担当部長 契約金額などの取り扱いは、ステークホルダーとの関係等を踏まえ、組織委員会が判断するものではございますが、都といたしましては、可能な限り情報公開に取り組むよう、引き続き組織委員会と調整してまいります。
○山口委員 これ都民の方が見ていれば、純粋に不思議でならない関係性だというふうに映らなければいいんですが、本当にここは情報公開に向けてぜひともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
先ほどから共同実施事業管理委員会の活動が見えてこないという質疑が重なっておりまして、この部分に関しては重複をしておりますので、質疑については少し割愛をいたしますが、東京都においては、経費削減や情報公開について、事あるごとに組織委員会や国に要望していくべきだというふうに考えているところでありますが、共同実施事業管理委員会では、実際に要望しているのかどうか確認をしたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 例えば昨年五月に開催されました共同実施事業管理委員会では、組織委員会による経費削減の取り組みに対して評価しつつも、引き続き組織委員会が大会経費の圧縮、効率化の追求、限られた予算の最適配分に取り組むことなどを要望し、出席者の東京都、国、組織委員会の三者で確認されております。
○山口委員 この共同実施事業管理委員会では、ホームページで確認できる回数など、先ほどもお話があったところで、会議のうちの半分が持ち回りになっていて、資料を確認しているにすぎないんじゃないかと、ちょっと疑わざるを得ないところもあるんですが、仮に開催をされたとしても議事録がなくて、ほんの数行の議事要旨が示されているのみであって、何が一体議論されているのか、ほとんどわからない状況にあることは先ほどからいわれているところであります。
議論なく終わっているという印象すら持ってしまうんですが、この議事内容というのは、もっと公開ができないものなんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 現在、ホームページに掲載してございます議事要旨につきましては、今後内容の充実に向け、組織委員会など関係者と調整してまいります。
○山口委員 この議事要旨をまず充実させること、内容の公開、これはぜひ強く求めておきたいと思います。
ところで、これまでの質問はV3経費に関連をするものでありましたが、これ以外にもかかる経費があるわけであります。例えば、都有地や公営企業会計用地の無償貸与、実質上かかった経費とこれもいえるのではないかと思うところでありますが、これまでの質疑でもここの点を申し上げてきたわけであります。昨年、私の質問に対して、東京都から組織委員会に派遣している職員数は平成三十年一月一日現在で三百八十八名、人件費は平成二十九年度予算で約三十五億円を東京都の歳出予算に計上していると答弁を受けました。ことしはどうなっているでしょうか、確認をしたいと思います。
○中村オリンピック・パラリンピック準備局総務部長 東京都から組織委員会への職員派遣は、平成三十一年一月一日現在で六百三十名となっております。また、人件費につきましては、平成三十年度予算額で約五十四億円となっておりまして、都の歳出予算に計上しております。
○山口委員 昨年十月の会計検査院の報告書などによっても、都民の理解を求めるために公表されているものはもとより、その他の経費も含め、運営に資すると認められる国の業務については、経費の規模などの全体像を示すことを検討することと示されたわけであります。
東京都としては、運営に資すると認められる都の業務については、どのように整理をされているんでしょうか。また、東京二〇二〇大会に向けてなどと称して、各局で行われている機運醸成やセキュリティー対策などの全ての事業についても、そのかかわり度合いを明確にして、経費を含めて都民に示すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会にかかわる経費は、大会に直接必要となる経費を大会経費、行政目的のために行われるものでございますが、大会を契機に重点的に取り組むことで大会のためにもなり、大会後の東京のさらなる発展につながるレガシーになるものの経費を大会関連経費として、平成三十年度東京都予算案に引き続き、平成三十一年度東京都予算案の公表時にその全体像をお示ししてございます。
その際、それぞれの区分ごとに主な内容や金額もお示しをしているところでございます。
それぞれの具体的な事業といたしましては、大会経費には新規恒久施設の整備のほか、仮設整備や大会運営などがあり、大会関連経費といたしましては、既存体育施設の改修や教育文化プログラム、都市ボランティアの育成、活用、ライブサイトやシティードレッシングなど大会の機運醸成、都市のバリアフリー対策、道路整備の輸送インフラなどがございます。
東京都とのかかわりでいえば、これらの区分につきましては、それぞれ各事業の目的や機能、効果などを踏まえて行ってございますが、事業の実施主体で見ますと、都や国が負担する新規恒久施設の整備と大会開催のために組織委員会が実施する事業の経費は大会経費となり、大会中はもとより、大会後にも東京や都民に効能が及ぶとして都が実施する事業の経費は大会関連経費としてございます。
○山口委員 ここまで質問させていただいた内容というのは、皆様だけの努力でどうにかできるものではないこともよくわかっておりますし、むしろその大半は、ほかに委ねられているところが大きいこともよく理解をしています。
しかし、都民の皆様が全体像をしっかりと、経費の細かい部分まで理解をしていただく、情報公開をしていくことによって、皆様とともに共有をしていくということが共感の得られる大会、すばらしい大会をつくっていくことになっていくことは間違いがないわけでありますから、ぜひとも、これまで努力をしていただいていることは十分理解をしておりますが、ここから先もさらに一層の努力をしていただくことで、都民に共感を得られる大会をつくっていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。
○おときた委員 冒頭、東京五輪の招致をめぐる贈賄の疑惑について一言申し上げたいと思います。
過日報道されました東京大会の招致をめぐる不正、贈賄疑惑につきましては、昨日三十日の衆議院本会議でも、安倍晋三首相が招致委員会の主体のJOCと東京都が説明責任を果たしていく必要があるという言及もされているところです。
やはり開催都市の東京都議会としては、捜査の進展を待つのではなくて、早急に報告事項を聴取し、質疑をすべきであると考えます。場合によっては関係者の参考人招致も含めて検討すべきであるということを冒頭意見として申し上げたいと思います。
さて、私からは、大会経費V3について、聖火台について、そして大会輸送影響度マップの関連の三点についてご質問させていただきたいと思います。
初めに、V3の予算についての質問ですが、ここまでの質疑を通じて、他の多くの委員の皆様の思いと私もほとんどが同じであると思います。完全に重複している質問は避けて進んでいきたいと思います。
この予算案が示されたとき、私も正直、大変驚きました。大会本番まで一年半を切ったこの時期に、予算の中身が五十億円単位でしかいまだに示されておらず、これを予算と定義してしまう姿勢にも大変失望をいたしました。民間では考えられない大ざっぱ過ぎる予算案です。
これはそもそも論で、なぜこういった予算になったのかをまずお伺いしようと思いましたが、この点は何度もご答弁いただいておりますので、割愛をいたします。
昨年の当委員会においても、V3予算については精査、精緻化するとお答えをいただいております。にもかかわらず、精緻化が異なる経費の混在を理由に、V1、V2と同じ精度で予算案を出されることは非常に不誠実なものであると考えます。結局、いつまでも都民や都議会が精査不可能な予算案が提示され、実態が不明確なまま大会直前、大会本番に突入してしまうのではないか、そういった懸念を払拭することができません。
その一方で、一旦資料要求されれば、十億円単位の詳細が出てきたわけで、これを最初から示せなかった根拠をまずお伺いいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 一般に、内訳が細くなるにつれまして、金額の単位がそれに比例して細かくなると考えてございます。
大会経費につきましては、V1、V2と同様に仮設等やオペレーションといった大きな区分で公表しておりまして、今般のV3におきましても、五十億単位で公表したものでございます。
一方、本日ご提出させていただきました要求資料の1におきましては、さらにその内訳を記載してございまして、十億円単位としたものでございます。
○おときた委員 お答えになっていないんですよね。なぜ最初からこれが示せなかったのかということをお答えいただきたい。なぜ最初から、資料要求の年度で予算案が示せないのか、その根拠を伺いたいのであって、私は、局や組織委員会の不誠実性、これを問題視しているところであります。
そもそも、他の委員からも指摘があったように、平成二十九年度共同実施事業決算概要においては、決算については具体的な事業と一円単位での決算額が公開されているわけです。翌年に継続されるものなどは、そのまま予算としてV3に詳細に載せることは可能であったはずです。
決算と同様の詳細さを予算でも示せるはずであると考えますが、どうして結果としてはこのような五十億単位の予算案になってしまうのか、ここを改めて都の見解をお伺いいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費V3のように、複数年度にまたがる経費を取りまとめたものと単年度の予算、決算とは、その対象範囲や熟度がおのずと異なってまいります。大会経費は事業によって計画の具体化の進捗度合いが異なっておりまして、例えば、契約済みで事業を進めているものから、計画段階で要件が定まっていないものまで、精緻化の異なる経費が混在してございます。
こうした要件が定まっていないものも今後具体化し、精緻化されていくことから、単年度の予算や決算時には、その状況も踏まえまして、契約手続に差しさわりのない範囲でお示しをしていきたいと考えてございます。
○おときた委員 精緻化の異なる経費の混在を理由に、決算とは異なる熟度で出されたということでありますけれども、この熟度が異なるといわれても、都民には何のことかわからないと思います。契約済みで、翌年も継続するものだけ切り出すことが不可能である理由には少なくともならないわけです。
そして、添付資料として初めの段階からこれは具体化されているものを示すべきではなかったのではないかと思います。
加えて、単年度の予算でお示ししていくということでありますけれども、大会まではあと一年半しかないわけであります。いつまでそのような先延ばしを続けるつもりなんでしょうか。
私は、国民、都民のオリンピック・パラリンピックの経費膨張に対する不信感を拭い去るためには、都民からもフィードバックをもらうべきであると考えておりますけれども、この予算案のままでは、そのフィードバック、審議をすることもままなりません。予算案の詳細を公開して、意見を聞くというプロセスを検討すべきであると考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 経費全体につきまして、都民の皆様にご理解をいただくのは重要なことでございますため、ホームページに掲載しているほか、都議会にご報告してご審議をいただいているところでございます。
東京都には都民の声などの仕組みもありますことから、都民の方々のご意見をしっかり受けとめさせていただきたいと考えてございます。
また、実際に事業を実施する前には、各年度の都の予算の段階で都議会にご報告し、ご審議いただいているところでございます。
○おときた委員 都民の皆様にご理解いただくのは重要と考えていらっしゃることはわかりましたが、その割には、やっていることがどうも矛盾しているように私は感じます。だとすれば、このような不透明、不誠実な予算案というのは出てこないはずではないでしょうか。
先ほども申し上げましたが、昨年の当委員会において、V3作成に当たっては、コスト削減に向け、経費の精査、精緻化を図り、費用対効果を踏まえ、必要な経費を見きわめて精査といった発言もされているわけであります。
では、具体的に今回のV3の予算の作成に当たって、この精査、精緻化を東京都のオリンピック・パラリンピック準備局は実行したとはっきりとおっしゃれるのでしょうか、その局の見解を伺いたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 昨年の当委員会におきまして、大会経費V2の作成に当たりましては、建設工事が本格化している新規恒久施設や今年度末を目途に基本設計を行っている仮設など、ハード系業務を中心に現時点で精査可能なものを精査している、今後は輸送やセキュリティー、オペレーションといったソフト系業務を中心に計画の具体化など、その進捗状況に応じてコスト縮減に向け、経費の精査、精緻化を図り、V3、V4に反映させていくと申し上げたところでございます。
大会準備の進展に伴い、組織委員会が主体となる大会運営のソフト系業務を中心に、具体的な実施方法や運用などの検討が行われておりまして、それに伴い、支出すべき内容や新たな需要の明確化が進んでおります。
このため、V3の作成に当たりましては、組織委員会が中心となりまして、組織委員会負担の六千億円分をメーンに経費の精査、精緻化を図ったところでございます。
都といたしましては、大枠の合意を踏まえた経費分担となっているか、経費削減努力がなされているか、増加経費は過大となっていないか、全体経費はおさまっているかなどといった点を中心に、その内容を精査したところでございます。
○おときた委員 それではもう一つ、昨年発言された精査、精緻化とは具体的にどのようなプロセス及び内容を意味しているのか、これを確認いたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 事業の計画や内容が具体化することによりまして、経費の単価や数量などの規模につきまして、それに即した設定が可能となります。これらの過程における取り組みについて、精査、精緻化と申し上げたところでございます。
○おときた委員 経費の単価や数量などの規模について、それに即した設定をした結果として、再び五十億円単位で予算案が出てくるというのは、一般の感覚では考えられない結果だと思いますし、事業計画や内容が具体化するまで、結局は精査、精緻化できないというのであれば、今回はもうそれができなかったというふうに捉えられてもいたし方ないのではないかと思います。
いずれにせよ、本当に都は予算案作成に際して機能していたのか、ここに私は疑問が出てくるわけであります。
そこで、東京都及びオリンピック・パラリンピック準備局は、V3予算作成にどのようにかかわっていたのか、発言録や議事録、稟議書などは存在するのかどうかをお伺いいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費V3の作成に当たりましては、東京都といたしまして、大枠の合意を踏まえた経費分担となっているか、経費削減努力がなされているか、増加経費は過大となっていないか、全体経費はおさまっているかなどといった点を中心に、その内容を精査したところでございます。
また、共同実施事業につきましては、共同実施事業管理委員会のもとに設置しております東京都作業部会におきまして、年間を通じて案件ごとに確認するなどして、大会経費全体が膨張することのないように取り組んでおります。
こうした取り組みは日常業務において行われておりまして、発言録や議事録等は特段作成してございません。
○おときた委員 明確な成果も見えない中で、発言録や議事録も存在しない、これで妥当性を都議会や都民が検証しろというのは、到底不可能であるといわざるを得ません。これまでの協議プロセスについては、業務メモレベルも含めて、今からでも公開することを検討するとともに、今後のプロセスにおいては、しかるべき記録を残すことを強く要望いたします。
そして、V3予算案作成に当たっては、共同実施事業管理委員会がどのようにかかわっていたのかも疑問に思います。というのも、ホームページを見ると、昨年五月で議事録公開はとまっており、これは機能しているのかどうかはかりかねるからです。他の委員からも、公開されている議事要旨についても、余りにも内容が大ざっぱ過ぎる、ずさん過ぎるという指摘がされているところであります。
これ、委員会が開催されているのであれば、なぜ議事録をすぐに公開できないのかも含めて、V3作成に当たって委員会が果たした役割についてお伺いをいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 昨年十二月に第九回共同実施事業管理委員会を開催し、共同実施事業に係る大会経費V3の大枠を確認するとともに、ニューノームによる経費削減の取り組みについて組織委員会から報告を受けました。
本委員会の会議資料や議事要旨については、現在、都、国、組織委員会それぞれにおいて確認中でございまして、後日ホームページに掲載いたします。
なお、昨年五月に第六回共同実施事業管理委員会を開催した後、昨年十二月の第九回開催までの間に持ち回りで二回開催してございますが、それらもあわせまして、近日中に公表してまいります。
○おときた委員 近日中に公開していくとのことですが、この半年間、三回あった議事録が公開されていないというのは、もう指摘するまでもなく、情報公開が求められるこの時代において考えられない遅さであります。しかも、非公開の間にバージョンスリーの予算案が発表されて、しかも都議会の審議までスタートしているわけであります。
こうした議事録の公開は、入札など差しさわりのないものであれば、順次、速やかに、早急に公開できるわけであり、公開するべきであります。この点について、改めて都の見解をお伺いいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会のもとに設置しております東京都作業部会におきましては、組織委員会が契約手続に入る前に確認を行うこととしております。
また、組織委員会におきましては、契約や調達を適正に実施する必要がございます。このため、東京都作業部会において確認が行われた案件の会議資料や議事要旨の公表につきましては、組織委員会の契約締結後に行うこととしてございます。
また、共同実施事業管理委員会の会議資料や議事要旨につきましても、契約手続に差しさわりのない範囲で、都、国、組織委員会、それぞれにおいて確認が終了次第、順次公表してまいります。
○おときた委員 そもそも組織委員会の契約締結後の公開というルール自体にも疑問が残ります。
一昨年には、共同実施事業の実施に関して、本委員会等におきまして必要な資料と説明を求めて、その内容を聴取するとともに、後日、透明性の確保や説明責任の観点から、個人情報や公開の同意を得られない企業の事業活動情報などの秘密情報を除き、会議資料などにつきましては公開を進めていくと発言がされています。
では、共同実施事業のうち、公表することになっているものとは何か、議会に報告すべきとされているものは何か、その基準を含めて改めてお伺いをいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会設置要綱第九条第一項におきまして、本委員会及びその下部組織である作業部会について、後日、会議資料等を公開する、ただし、関係者等の秘密情報が含まれる資料については、当該関係者等の事前同意を得るものとするとされておりまして、事務の整ったものから公表してございます。
都議会へのご報告につきましては、他の事業と同様、予算、決算等のご審議の際に必要な資料を提出し、ご審議いただいているところでございます。
○おときた委員 要綱九条のご説明もありましたが、結局のところ、自己の裁量で公表が左右できるレベルの運用ルールになっているわけで、これが非常に大きな問題であると私は考えます。公表ルールの見直しを含めて、共同実施事業管理委員会を抜本的に変革されることを強く求めるものです。
あともう一つ、スポンサー企業との随意契約の公表についてお伺いしようと思いましたが、こちらについては他の委員からもご質問がありまして、答弁が完全に重複いたしますので、割愛をいたします。ぜひともこの公表に向けては、鋭意、前向きに取り組んでいただきたいと存じます。
V3予算に関連する一連の質疑を通じまして、やはり都民に対してしっかりと説明する、調査責任を果たすためには、我々は五輪組織委員会とも直接的な質疑、対話をすることが不可欠であるという思いを深めるばかりであります。
大会経費にかかわる予算は、東京都全体の予算案にもかかわる重大事項です。よって、第一定例会の開催前、または開会中に五輪組織委員会の関係者を参考人招致いたしまして、V3予算など大会運営にかかわる事項の質疑の場を当委員会に設けていただくことを改めて委員長に提案をいたします。
二点目として、聖火台についてご質問いたします。
製作費、レガシー化に関する費用負担については、聖火台の具体的検討の進捗に合わせて、関係者間で協議を行うとのことですが、聖火台は、それ単体では利益を生み出すものではないため、レガシーとしてどう残すか戦略的に計画する必要があると考えます。
私としては、製作費以上にレガシーとなった場合の維持管理費については、コスト削減の取り組みが必要であると考えますが、設置後のコスト削減をどのように図っていくのか、現状の計画をお伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 維持管理費を含むレガシー化に関する費用負担については、今後、聖火台の具体的検討の進捗に合わせて、関係者間で協議の上、決めていくこととなります。
レガシーとして活用するためには、長期間の保存に耐えられるように製作し、必要な維持管理等を行うことが必要ですが、後年度負担をできるだけ減らすことは重要でございます。こうした観点を踏まえ、都は関係者とも協議しながら適切に対応してまいります。
○おときた委員 負担をできるだけ減らすことは重要という認識を持っておられる点については、評価、理解をいたします。
しかしながら、製作が決定している現時点で、維持管理費のコスト削減の具体策、戦略的な計画がいまだ立てられていないことについては、少々不安を感じるところであります。
早急にその計画を立てていただきたいと思いますが、例えば、利益を基本は生み出さない聖火台の維持管理については、一定の金額を寄附した方のネームプレートを聖火台に設置するなど、ネーミングライツを付与した都民寄附なども検討するべきと考えます。この点について、都の見解をお伺いいたします。
また、聖火台をどのようにレガシーとして残していくつもりなのか、あわせて都の見解をお伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 聖火台の維持管理を含めたレガシー化に関する費用負担については、今後、関係者間で協議を行うこととなっており、その中で都の負担のあり方等についても検討していくこととなります。
また、レガシー管理とあわせて検討していくこととなりますが、お話のネーミングライツの活用については、組織委員会に確認したところ、現在IOCは特定企業による聖火台の商業利用を認めない方針であることから、困難な課題と認識しております。
次に、聖火台のレガシーとしての活用については、長く都民、国民に親しまれるよう、設置や保存のあり方等について今後検討してまいります。
○おときた委員 企業の商業利用は認められないということは、もう理解をしているところでありますが、私の提案は個人による寄附でありますから、小さなネームプレートなどで名前の掲載、こういったことを検討することなど、コスト削減戦略として引き続き前向きに検討していただきたいと思います。
また、レガシーとしての活用について、長く都民、国民に親しまれることを目的とするのであれば、都民、国民の意見を募る機会、あるいは計画について意見をいただく機会を設けていただくこともあわせて要望いたします。
三点目として、最後に、輸送計画についてお伺いをいたします。
先ほど来、ロードプライシングの議論の方は何度か質問が出ておりますので、冒頭二問はカットいたします。
ロードプライシングにつきましては、都も有効な手段の一つとして認識されているというお答えが答弁の中でございました。これはさまざまな課題はあれど、画期的な取り組みになると非常に期待しているところでございます。ぜひとも積極的に検討に取り組んでいただきたいと思います。
さて、ロードプライシングの前提となる、今般発表されました大会輸送影響度マップについても、東京としては初の取り組みであり、都民がこれを共有することが日常的になれば、非常に意義深いものになると考えられます。
そこで、今回公表された大会輸送影響度マップを東京のレガシーとしてどのように残していく予定なのかについてお伺いをいたします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 今回公表いたしました大会輸送影響度マップにつきましては、東京二〇二〇大会期間中に何も交通対策を行わなかった場合の道路や鉄道等に生じる影響についてまとめたものであり、企業等が経済活動への影響を把握し、混雑回避の検討等に活用していただくことを目的に作成したものでございます。
今後、大規模イベントなどにおいて、主催者が今回のマップなども参考に需要推計や関係機関調整などを行い、新たなマップを作成し、それをもとに混雑回避のための行動を関係者に呼びかけるなどの混雑緩和への取り組みがレガシーとなっていくものと考えております。
○おときた委員 今回のマップがレガシーとなっていくものと考えられていることで、ぜひ一層の都民、都内企業への周知をしていただきたいと思います。そして、今回の大会輸送影響度マップは、確かに五輪時用ではございますが、こうしたものはこれまでにもなく、私は今後の応用に特に期待しているところであります。
とりわけ、データのみならず、作成のノウハウやナレッジ活用も含めて、今後、いわゆるオープンデータとして民間活用の可能性も含めて残していくことができれば、これこそがレガシーになると考えるところでありますが、この点につきまして最後に都の見解をお伺いいたします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 他の大規模イベントなどにおける本マップの活用につきましては、民間事業者へのノウハウの提供方法やデータの取り扱いなど、解決すべき課題はございますので、今後の検討事項であると認識しております。
○おときた委員 こうしたマップのデータについては、蓄積するだけではなく、公開していくことによって価値を持っていく、価値が高まっていくと考えます。世界最大のメガシティーである東京でこうした取り組みを深めていくことは、オープンデータ、オープンガバメントの取り組みとして大変意義深いものになると確信をしております。
今後の検討事項とのことでありますが、ぜひとも積極的にオープンデータとして公開していくことの検討をお願いいたしまして、私からの質問を終わります。
○両角委員 いよいよオリンピック・パラリンピックまで一年半ということで、今回の委員会の報告事項もチケットの販売概要の公表、あるいは大会ボランティアについても大変大勢の皆さんに応募していただいている、さまざまなことが具体化をして、施設についても急ピッチで今整備が進められているということで、まさにことしは、この二〇二〇大会に向けて準備をしていくということが東京都にとっても大変大きな準備の一年間になると、そんなふうに感じているところでございます。
そうした中で、私からは、今回、第四回東京都聖火リレー実行委員会について及び第三回東京都聖火リレー実行委員会について、この件に関して質問をさせていただきたいと思います。
聖火リレーは、各自治体が二〇二〇大会、オリンピックにかかわりを持てる貴重な機会であります。また、この聖火リレーを通じて、二〇二〇大会の機運を盛り上げていく大変重要なものであると、そのように認識をしているわけでありますが、まず最初に、この実行委員会で今回何が決まったのかと、具体的に何が決まったかについて確認をさせていただきたいと思います。
案として、この六十二区市町村の回る順までが決まっただけなのか、あるいはルートまで決定をしたのか、さらにはセレブレーションをする十四自治体の全ての会場が決まったのかということを再度ちょっと確認させていただきたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 第三回実行委員会におきまして、区市町村の巡回の順番について審議をいたしまして、六十二区市町村のリレー順の案がおおむね一つの案で了承されたところでございます。
なお、今後の調整の状況もあることから、副案についても残すことといたしました。
また、リレー順の案とあわせまして、毎日の最終自治体となる十四の自治体でセレブレーションを実施することといたしまして、実施会場案についても取りまとめたところでございます。
今後、これらの案につきまして、組織委員会と調整を進めていくとともに、区市町村ごとの具体的なルートについて検討を行ってまいります。
○両角委員 確認をさせていただきました。副案も残すこととしたということではありました。
それで、今後なんですけれども、具体的な聖火のルート、さらには、当日のそれぞれのタイムスケジュールの案というのを決めていくということになろうかと思いますが、これはどのように、いつ決定をされるのか伺いたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 区市町村内のルートにつきましては、今後、各区市町村から出される意見や提案をもとに、区市町村と意見交換や現地調査を行いながら具体的に作成してまいります。
その際、安全対策や警備方針、道路使用等について、警視庁や道路管理者など関係機関と確認や調整を行うこととしております。
その上で、組織委員会において全国のルート案を取りまとめ、IOCの承認を得て、本年夏ごろまでに公表する予定であると聞いております。
なお、都内の当日のタイムスケジュールにつきましては、全国のルートの決定後、詳細を検討していくことになります。
○両角委員 区市町村内のルートについては、区市町村と意見交換や現地調査をしていくということで、実際に現在もう協議をしている区や市があるというふうに伺っておりますが、この第四回の実行委員会の中でも、区市町村ごとのルートについては、各自治体の意見を十分聞いてほしいという意見が出ているようでございますので、この点については、東京都としてもしっかりと受けとめて、そのような対応をしていただきたいということを要望させていただきたいと思います。
次に、埼玉県から聖火を引き継いで、東京都の十五日間の聖火リレーが始まるということでありますが、開催都市としての出発地、さらには、聖火リレーのゴール地点というものは、ある面、全世界が注目をし、国内外に情報発信がなされていくという、そんな場面でもあります。
そうしたことを考えると、この出発地とゴールというのは、絵になる象徴的な場所、シーン、あるいはサプライズというものが求められるのではないかというふうに思いますけれども、特に最近、インスタ映えということで、SNSにいろんな方が発信をしていくということが情報発信が伝播していくということで重要な役割を担っておりますので、そういった点を実行委員会では、きちっと意識を持ってルート案の組み立てに当たっているのかどうかということについて確認をさせていただきたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 東京都聖火リレーの出発地や最終ゴール地点の選定に当たって、お話のような視点は重要であると考えてございます。そのため、実行委員会においては、出発地等の選定に当たっての考え方を整理し、組織委員会が示す聖火リレーコンセプト、希望の道をつなごうを体現できる場所、日本国内を巡回した聖火が開催都市東京都に運ばれたことを世界に発信するのにふさわしい場所、できるだけ多くの人が見に行くことができ、安全かつ確実に実施できる場所から選ぶことといたしました。
聖火リレーの盛り上げにはセレモニーの場所だけではなく、そこで実施される内容も重要でありますことから、世界から注目され、都民の記憶に残る聖火リレーとなるよう今後検討を進めてまいります。
○両角委員 ぜひそういう視点を持って組み立てていただきたいと思います。
次に、区市町村との意見の確認と調整についてということで伺いたいと思います。
今、回り順についても情報管理がかなり徹底をされているようで、各自治体は、みずからの聖火リレーがいつだということ、何番目だということしか情報を得ていないようでありますが、そうした中で、先ほどもお話がございましたが、区市町村の意向を丁寧に酌み取りながら聖火ルートを選定していくということをご答弁いただいているわけです。
こういった東京都と個別の区との情報は共有をされるけれど、基礎自治体、区や市、その日にルートを組んでいくほかの自治体との情報共有がされていない中で、この意向の確認やルート調整というのが十分できるのかという、そんな疑問があるわけですけれど、そこら辺についてはどのようにお考えなのかお聞かせをいただきたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 区市町村において聖火リレールート等の検討を進めるに当たっては、これまで区市町村の担当者向けに説明会を開催してまいりました。その際には、組織委員会を通じてIOCから情報管理を徹底されていることも理解していただいた上で、適宜必要な情報提供を行いながら、個別に意見交換等を行ってきたところでございます。
また、聖火リレーのルートやセレブレーション会場等を検討するに当たり、昨年夏から区市町村に対しまして、リレー通過希望スポットやセレブレーションの実施規模及び実施会場について照会を行ってきたところでございます。
その上で、今回、区市町村の具体的なルート案を作成するに当たって、改めて順次、区市町村と意見交換や区市町村職員立ち会いのもとで現地確認等を行っております。
今後とも、区市町村の意見を丁寧に伺いながら、区市町村とともに聖火リレールート案の作成を進めてまいります。
○両角委員 しっかりと丁寧に区市町村の意向というのは把握をしていただきながら、ルート選定をしていただきたいということを改めて要望させていただきたいと思います。
次に、セレブレーションでありますが、これはそれぞれの日の最大の見せ場ということでありますので、各区市町村ともに開催の意向が大変多かったんではないかなと、こんなふうに推察をするわけであります。
このセレブレーションをする自治体、あるいはその会場の選定に当たって、組織委員会からのハード面の条件というのが事前に出ているわけでありますが、これ以外にはどのようなことを加味して、この十四会場を決定していったのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 セレブレーション会場につきましては、組織委員会が求める条件を備えた会場であることに加えまして、都内で広く機運醸成を図れるよう、各地域のバランスを考慮して配置するようにいたしました。
また、セレブレーション会場は、区市町村のリレー順とも関連するものでございます。そのため、いわゆる一筆書きとなるようなルートを念頭に置きながら、毎日の最終自治体にセレブレーションが実施可能な会場があることを考慮して選定したところでございます。
○両角委員 キャパですとか安全性というようなことが組織委員会から示されているわけでありますが、それ以外にも、特に各地域のバランスを考慮したというような、そういう視点でこの十四会場を選んだということを確認させていただきました。
そこで、次に、このセレブレーション、あるいは途中に各自治体が行うとされているミニセレブレーションでありますが、それぞれの財政負担というのはどのように考えていくのかということについて確認をさせていただきたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 都と区市町村の役割分担や費用負担につきましては、今後、実行委員会において検討してまいります。
なお、セレブレーションは、毎日の聖火リレーの終わりに聖火の到着を祝うイベントでありまして、組織委員会が主催し、実行委員会の共催により実施されるものでございます。
一方で、ミニセレブレーションは、実行委員会の主催のもと、区市町村の任意で聖火リレーの途中に行われるセレモニーでございます。
いずれにいたしましても、セレブレーションやミニセレブレーションなどのセレモニーは、地元の魅力を広くPRするよい機会であるため、地元自治体にも会場の確保や演出プログラムの検討など、重要な役割を担っていただきたいと考えております。
○両角委員 この聖火リレーそのものが組織委員会と各都道府県実行委員会の共催というふうに聞いておりますので、そういった中では、しっかりと考え方を整理して、区市町村が自分のPRをするような、そういう組み方については、その部分については区市町村が財政負担をするとか、合理的に考えていっていただきたいと思いますし、区市町村が財政負担でなかなか手を挙げられないということがないようにしていただきたいと、そのように思います。
次に、悪天候の対策と代替手段ということで、特に島しょについて確認をさせていただきたいんですが、今回、六十二区市町村を東京都の聖火リレーでは全部を回るということが打ち出されているわけでございます。その手段としては、例えば飛行機、あるいはヘリ、船ということが想定をされているようでありまして、この資料にも添付をされていたわけでありますが、当然、海ということであれば、しけ等々の悪天候ということが想定をされるわけでありますが、この悪天候への対処についてはどのように考えているのか。
さらに、この代替手段というものをどのように検討されているのかということについてお聞きをいたします。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 東京都では、島しょ地域を含む全ての区市町村を聖火リレーが回ることとしているため、機運醸成を図る上で島しょ地域における聖火リレーは非常に重要でございます。
一方で、島しょ地域の移動は他の区市町村と状況が異なり、移動手段が限られるため、悪天候時には聖火リレーが実施できなくなるおそれもございます。そのため、悪天候時においても島しょ地域で聖火リレーが実施できるよう、さまざまな手段について、今後、組織委員会や地元町村等とともに十分検討してまいります。
○両角委員 今後の検討ということでございますが、まさに悪天候ということが当然考えられるわけでございますので、十分に手段について検討を進めていただきたいと、このように要望させていただきます。
見学者の安全対策ということにつきましては、先ほど質問、答弁ございましたようなので割愛をさせていただきます。
次に、ランナーの選定ということでございます。ルートの順番が決まり、ルートが決まり、そして、じゃあ、誰が走るのかということになるわけでございますが、今後、ランナー選定ということになれば、当然、地元自治体もランナーの選定にかかわるということが想定をされるわけであります。
そこで、できるだけ早くこの選定方法を各自治体に伝えていくことが必要だと思いますが、ランナーの選定については、いつ、誰が、どのように行っていくのかということを伺いたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 聖火ランナーの選定時期につきましては、ルートの公表後になる見込みでございます。
具体的な聖火ランナーの選定は、過去大会におきましては、聖火リレースポンサーや組織委員会、各実行委員会が行ったと聞いております。東京二〇二〇大会での選定基準や選定方法などにつきましては、今後、組織委員会が示すこととなっております。
そのうち、東京都実行委員会において選定する聖火ランナーにつきましては、今後、組織委員会から示される選定方法などを踏まえまして、実行委員会において具体の実施方法を検討し、決定次第、速やかに区市町村に伝えてまいります。
○両角委員 今後ということでありますけれど、各自治体がやはり、それぞれが選定委員会を組むというような、そんな想定もあり得ると思いますので、今ご答弁いただいたように、決定後速やかに区市町村に伝えていただくということを実施していただくよう改めて要望させていただきたいと思います。
この聖火ランナーでございますが、過去大会におきましては、その六割がスポンサー枠であったというふうに聞いているわけでありますが、スポンサー枠ということであっても、その地域の出身者や住民を優先するような、そんな視点を入れていくべきではないかなというふうに考えるわけでございますが、そういった視点を入れるように協議をしていくべきではないかというふうに考えるんですが、見解を伺いたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 昨年四月に組織委員会が公表しました聖火ランナー選定の基本的な考え方によりますと、対象は全ての人々でありますが、地域で活動している人を中心に選定することとされております。
組織委員会によりますと、具体的な選定基準は現在検討中とのことでありますが、都道府県実行委員会枠とスポンサー枠とを問わず、その都道府県にゆかりのあるランナーが選ばれる方向で検討されていると聞いております。
○両角委員 やはりそれぞれの地域にかかわりがあるという方をいろんな枠についてもやっていただけるように期待をしたいと思います。
最後になりますけれど、実行委員会がルート案を決めた後に、この聖火ルートとあわせた区市町村のPRということについて確認をさせていただきたいと思います。
東京都の聖火、夏に聖火リレーの全ルートが発表されるという予定でありますが、これを内外にPRをして機運醸成に結びつけていくことが非常に重要であると、そのように考えます。
特に都内のルートについては、その見どころや各市町村の観光情報などを、この際積極的にPRをしていく、そんな取り組みをしていくべきだと思いますけれど、こういった取り組みについての見解を伺いたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 聖火リレーは、大会開催直前の機運醸成に資するとともに、地域のPRにもなる取り組みでございます。
このため、東京のPRに資する通過スポットなども盛り込みながら策定を進めておりまして、ルートが決定した際には、組織委員会や区市町村の協力も得ながら効果的な広報を行い、聖火リレー実施時の盛り上げはもとより、大会後におきましても、都内各地域の観光振興等に結びつけられるよう努めてまいります。
○両角委員 こういった聖火リレーのルート、そして、多分、そのルートは各自治体の、ぜひ皆さんに見て、知っていただきたいという場所が選定をされることが多いと思いますので、それがきちっとPRされるということが、大会後もその地域にとってのレガシーになるんだろうというふうに思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
聖火リレーについては、まだ今後検討という部分が非常に多いわけでございますが、今質問をさせていただいたような項目について十分配慮をしていただいて、これが非常にしっかりとした機運醸成に結びつくような聖火リレーを実現していただくことをご期待して、質問を終わります。
○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。
午後六時七分休憩
午後六時二十六分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○細田委員 私からは、輸送について、輸送影響度マップ関係について質問をさせていただきます。ほかの委員の方々からも質問がございましたので、可能な限り重ならないようにご質問させていただきたい、このように思っております。
さて、昨年の十月三十一日に公表され、また、十二月十三日に追加公表されました大会輸送影響度マップによりますと、何も交通対策を行わなかった場合の道路や鉄道等に生じる影響についてまとめたものとあります。先ほどからも、たびたびそのような趣旨のご説明がございました。TDMによって、都民や輸送関係者に注意を喚起して自主的に改善を促す、こういう施策である、このように理解しております。
私も江東区が地元なんですが、有明、東雲、豊洲、辰巳、これらの東京臨海部に居住する住民生活や企業活動に大きく影響が出る、このような結果が資料からは出ております。
また、例えば東京商工会議所などからも、輸送の時間が倍以上になるのではという不安の声が聞こえております。
そもそも、何も交通対策を行わなかった場合の道路や鉄道等に生じる影響、これはそれだけでは、例えはうまくないかもしれないけれども、病気がありますと、しかし治療法は示せません、示せるのかもしれないけれども示さない、薬も飲まない、手術もしない、そうした場合に症状はこのように悪化しますといっているようにも聞こえてしまいます。
組織委員会、また、なかんずく東京都は、これをどうするつもりなのか。放っておくと交通は倍以上になるから、大会期間中の平日が休日並みの一五%減にはならないので、このようにしていかなくてはいけない、私たちは次のように実行したいという提示、アクションが、アクションプランということじゃなくて、その動きが関係者や都民、また地方公共団体の基礎自治体、こういうところに必要なんじゃないのか。
そして、この一番大事なことというのは、可及的速やかに今ある情報を関係者に伝えていくこと、混乱を未然に防いでいくこと、これが大変に重要であると最近いろんな方々とお話をしていて、しみじみと実感しているところであります。もちろん、このことは東京都は深く認識をして取り組んでいるとは思っています。
そこでお伺いしたいんですけれども、ラストマイルのことについて伺いますけれども、これまで会場周辺のラストマイル、観客の輸送、移動については、組織委員会、そして東京都、また関係の区市等は綿密に打ち合わせを重ねてきた、このように聞いております。しかし、現在ではまだ具体的な施策は出ていない、具体化されていない、これが課題でありまして、昨年の十一月六日、輸送連絡調整会議、たび重ねてやっておりますが、この輸送連絡調整会議では、今年度末に輸送運営計画のバージョンツーを公表する、このように聞いています。すなわち、もう今が二月の初めになりますから、あと二カ月後までにはバージョンツーを公表する、このようにいっているわけですね。
ここで私が伺いたいのは、今の現状の中で、これは間に合うんでしょうか。現在の輸送計画にかかわる検討状況はどのようになっているのか、東京都に伺います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時における輸送計画につきましては、輸送の条件や提供するサービスについての検討状況を取りまとめた輸送運営計画バージョンワンを平成二十九年六月に策定し、IOCに報告いたしました。現在、輸送運営計画バージョンツー案の取りまとめに向け、交通マネジメントなど、具体的な内容について検討を進めているところでございます。
検討に当たりましては、交通工学、物流等の学識経験者を委員とした交通輸送技術検討会において専門的見地から議論するとともに、輸送連絡調整会議を開催し、関係省庁や関係機関、関連自治体などと緊密な連携を図っているところでございます。
今後とも、大会組織委員会との連携を図りながら、大会に向けた輸送計画の策定に努めてまいります。
○細田委員 私は間に合いますかというふうにお伺いしたんですが、今検討中ということは、間に合わない可能性もあるのかもしれないという、そのようなちょっと不安を抱きましたけれども、ぜひ検討された結果、間に合うように、また、しっかりと関係者にこの情報を伝えていくようにしていくこと、行政や企業、団体、都民の関係するところにいち早く情報を提供していく、このことに全力で取り組んでいただくことを強く要望しておきます。
それから、これまでTDMの質疑、さまざまにされておりますが、このTDMに協力していただいた企業、または団体、そして都民などに対してインセンティブを準備していくべきである、このように私は思います。四百団体が協力するよという登録もされているとありました。また、さまざまなところで、都民におきましても協力する、またはその中で、仕事の混乱だとか、そういうのは本当に好まないけれども、でも東京二〇二〇大会を自分たちが成功させるために役に立ちたい、社会として役に立ちたい、また、そこで自分も一緒に参画したい、こういう思いで協力するという方はまさにいらっしゃるし、こういう思いがベースになっているというのが、このTDMを進めることのベースになっていると思うんですよ。
だとすると、ぜひこのインセンティブを、別にお金をかけなさいといっているわけじゃないです。インセンティブを準備すべきであると私は思うんですが、東京都の考え方、そして、その対応についてはどうなのかということについてお尋ねします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時のTDMの実施に際しては、企業等に自主的に取り組んでいただくことが重要と考えており、大会時の混雑の見通しなどの情報提供や大会輸送に関するセミナー、個別相談会などを行い、企業などが大会に向けた準備を整える取り組みを進めているところでございます。
加えて、TDMプロジェクトに登録いただいた企業名を都のホームページ等で公表し、大会の成功のため協力していただいていることを周知する等の取り組みも行っているところでございます。
引き続き、業界団体や関係各局とも連携し、TDMの実効性を高める施策の検討を進めてまいります。
○細田委員 その取り組みをしっかりやっていただくとともに、まさにこれからさらに多くの方々にも協力を呼びかけて、そして取り組んでいくわけですよね。ですから、何らかのさらなる工夫をしていただいて、形に残っていくような、私はこのときにこういう形で協力したんだという、我が社は頑張ったんだ、我が団体もこの成功に一つの役割を担うことができたんだ、そういうふうに残っていくような、そういう取り組みの工夫を重ねてぜひ実施していただきたい、このことをさらに要望させていただきます。
次に、会場周辺近隣の輸送の関係。ラストマイルにおける各種施策の基本的な考え方、現在の進捗状況について伺いたいというふうに思っております。
資料を見ますと、道路交通、また一般道路といういただいている資料なんですが、かなり混雑というふうにこの臨海部、またそういう臨海部じゃないところでも当然なっていて、その会場周辺は三割以上のおくれ、こんなふうにもなっています。先ほども申し上げましたように、何も具体的にはなっておりません。
そこで伺いたいんですけれども、例えば、車の優先レーンだとか専用レーン、こういうものを設けられるとすると、大会の関係者が移動するわけなので優先レーンがあります、また、もしくは専用レーンになったときには、交通渋滞がさらに発生してしまう。三割以上よりももっと発生してしまうというふうになってしまうと思います。
ですから、先ほど申し上げたように、設ける設けないを含めて早く公表して、大会の混雑になることを未然に防いでいくという取り組みが必要である、このように思っております。
先ほども検討中といっていましたけれども、ちょっときょう、パネルを--これは一例なんですけれども、江東区内の明治通りというのが南北を縦に走っています。ここは、この上に永代通りという都道一〇号線がありまして、まさにここのところに国道三五七号線、湾岸道路というのがあります。そして、この下に新木場があって、木場のエリアになっていきます。新木場のエリア。ここにはもちろん木材の関係の事業者の方々もいますし、物流の拠点にもなっています。そういう点で、いつもこのラインは混んでいるわけであります。
ここでさらに専用レーンを、アーチェリー会場のこともありますから、専用レーンをつくりました、つくらざるを得ないよねとなったときは、早く公表しておかないと、行政がこれに対してどんな予算措置を講じたらいいんだろうかという、それは都の問題じゃないです、それは基礎自治体の問題ですよねとなったときには、先に予算措置を講じなくてはいけないですよね。だとすると、今年度末にこの情報がしっかりと行政の基礎自治体に伝わるということは非常に重要だと、このように私は思っております。
そのような考え方の中から、ラストマイルの各施策に関して、都はどんなふうに考えているのか。いち早く伝えなくてはいけないということについては、都はどういうふうに考えているのかという、この点についてお尋ねします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会期間中におきましては、会場周辺において、選手など関係者が車両により移動することに加えまして、会場周辺の歩道が観客で一時混雑することが想定されております。
都としては、こうした状況でも会場周辺の住民の理解と協力を得ながら、日常の区民生活、市民生活上に必要な移動手段の確保を図ることが重要と考えております。このため、地元自治体や大会組織委員会とともに会場周辺の町会や商店街に対し、大会時に想定される輸送ルートの状況について丁寧に説明を行い、理解と協力を求めてまいります。
また、駅から会場までのラストマイル上においても、大会時の観客を適切に誘導するとともに、周辺住民のための生活動線の確保に必要な対策について検討を進めてまいります。
○細田委員 続いて、会場の周辺のオリンピックルートのネットワークのことについてちょっと伺いたいんですけれども、これも大会の輸送の影響度マップからの話なんですが、先ほどの輸送調整会議の中からの資料をちょっと出させていただきたいと思います。
(パネルを示す)今、いろんなさまざまな資料で選手の退場時や入場時の時間別、これはもう出ています。また、大会関係車両の往復だとか、歩行者の入退場のルートというのも一部例として示されておりましたけれども、またアクセシブルルートも示されておりました。また、この時間帯は人数が多いですよとか、比較的多いですよなどという時間帯別、こういうふうな形の周知でありました。そのような示されたベースから、じゃあ、これがどうなるのかというと、ちょっとここは、これは有明アリーナというバレーボールが行われる競技場です。ここにはどうやって行きますかというと豊洲駅。ここに地下鉄の豊洲駅があるんですが、ここから、赤のラインで歩いて有明アリーナに入ります。そして、帰るときは青のルートで豊洲の駅に帰るか東雲駅に帰りましょう、こういうふうになっています。
けれども、ごらんいただいてわかるように、有明の体操競技場も有明のBMXコースも有明のテニスの森もありますし、例えば、大阪なおみさんを一生懸命応援したいということで行った後に、大して距離はありませんから、ここの有明アリーナに行きますというのは、こういうルートの計算は、シミュレーション、考え方は今回のこの出されている資料にはないわけですね。どういうふうに動くのか、これがどうなのかという柔軟性にはまだまだほど遠い、こういうような資料であるというふうに思います。
ぜひ道路交通、また道路交通においても、先ほども申し上げましたような状況もあります。会場周辺のオリンピックルートのネットワークの運営をどのように対応していくつもりなのか、これを東京都にお伺いしたいなと思います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 オリンピックルートネットワークは、選手やメディア等の大会関係者が競技会場と選手村やメディアセンター等の間を移動するルートでございます。
ルートの選定に当たりましては、信号交差点がなく、一般道路に比べ事故率の低い高速道路を主としており、一般道も交通容量の大きい四車線以上の道路を優先して選定し、最寄りとなる高速道路出入り口から競技会場までの最短距離で結ぶ経路としております。
現在、オリンピックルートネットワークにおける運用などにつきましては、警察など関係機関と協議を進めておりまして、ルート上の企業や周辺住民の車両の通行に配慮しつつ、適切な大会輸送の実現に努めてまいります。
○細田委員 よろしくお願いします。また、今いわれるように、当然、全てをわかるということはできないと思うんですけれども、そういうようなさまざまな動きがあるだろうということを想定した上で、だから今こういうふうに取り組んでいるんですよ、だから今このように進めているんですよという輸送に関しての情報を関係する自治体に、また関係する都民、関係する団体、企業に早く伝えていく、これが大事だというふうに重ねて申し上げておきたいと思います。
例えば、江東区におきますと区民ボランティアだとか、都市ボランティアとは別なボランティアもあります。それを募集されて、みんな一生懸命やりたいと思っている。また、大会の中には位置づけられないけれども、体育協会の江東区の方々なんかもいますし、何とかして自分たちが役に立ちたい。そのときに顔がわかっているから、地元の人が例えば交通整理をしていたら、そうしたら、この人がこういっているんだからそうすればいいんだねみたいな安心感を持って対応できるというところが、やっぱり地域のコミュニティとしてのよさであったりもしますから、だから、そういう関係者の方々が役に立って、自分たちが動けるようにという情報を前倒しで早く伝えていく、こう決まったから、はいこうしてくださいよじゃなくて、ちゃんと情報を伝えていくということをさらに丁寧に、しっかりとやっていただきたいということを要望させていただきます。
さて、それでは最後に、大会時の既存の路線バスはどのような位置づけになっていくのか、現在の利用者に対してはいかなる配慮をするつもりなのか、大会関係者や観客は利用しないという計画にはなっているんですけれども、どのように運用を図るのかということについてお尋ねをしたいと思います。
これはみんくるのバス路線図です。実はここに海01という門前仲町からパレットタウンというのを通ってくる路線があるんですが、このバスの路線は約十キロありまして、そして一日に一万人の方々が乗降されるというバス路線です。
この路線を通っていきますと、豊洲、この豊洲というのは、大体人口が今二万人ぐらいいます。この後に東雲を通って有明に入っていきます。この東雲と有明だけで今一万七千人ぐらいいます。これらの方々が、またここには大きなマンションもできてきている。そして、先ほどの有明アリーナのところから歩いて行けるところには、東雲都橋というバス停がありまして、ここには都営住宅が目の前にあって、またちょっと行きますと大きな都営住宅もあって、たくさんの人が住んでいます。この人たちの生活道路になっています。
当然、観客はバスは利用しませんよということになっているから、利用しないとは思うんですけれども、先ほどいった有明アリーナというのはここですから、ここから帰るルートをずっと歩いて豊洲に帰ってきますから、その場合には、ここにバス停がありますから、それに乗った方が便利だよねという話になるのは当然のことで、そうなると、どうなっちゃうんだろうか。じゃ、日ごろの路線は潰れちゃうんだろうか、そうじゃなくても結構いっぱいの人が移動するところなのにどうなってしまうのかとか、そういう心配も出てくるわけですね。
じゃあ、これを円滑に、住民も喜んで、また住民もオリンピックを応援できて、そして、観客も喜んで、また、そういうような体制にするために、このバス路線の位置づけというのはどのように運用を図っていこうというふうに都は考えているのか。また、都営バスだけじゃなくて、いろんな民間のバスを交通局等と連携をとってやっていると思うんですけれども、東京都の基本的な運用を図るための考え方についてお尋ねします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 既存の路線バス路線は、近隣の住民が通勤通学といった日々の生活に利用する身近な交通手段であり、大会期間中もそうしたニーズに適切に対応できる環境を整えることが重要でございます。
一方、一部の会場では、駅から会場までのアクセス経路上に停留所があり、観客が大量にそうした場所から乗車、もしくは停留所付近に滞留してしまい、会場近隣の住民生活に悪影響を及ぼす可能性があることも認識しております。
このため、輸送運営計画バージョンワンにおきましては、観客は基本的に鉄道及び徒歩での来場を原則としており、そうした来場が可能となるよう適切な案内誘導等を実施する予定でございます。また、大会期間中の会場付近の路線バスの運行方法につきまして、バス事業者と会場近隣の住民ニーズに適切に対応できるよう、今後詳細に調整を進めてまいります。
今後とも組織委員会や地元区市とも十分に連携し、適切に対応を進めてまいります。
○細田委員 ぜひよろしくお願いします。まさにバスに乗らないよという話でしたので、もう一つ最後に、(パネルを示す)ここのバスが東京駅からずっと回って東京ビッグサイトに行くバスなんですね。さっきのバスは、ここで潮風公園というビーチバレーをやる品川区の会場を通ります。ここのところをずっと、ここにもマンションが非常に多くできて、交通局が一生懸命バス路線の充実を図っているところなんですね。こういうところも新たに出てきて、なかなか連携が、新たに住まわれた方が多かったりするので、すぐに伝わりにくいとか、こんな状況もあったりします。
それなので、今まさにいわれたように、今後しっかりとやっていただけるのであるならば、丁寧に、そして早く、今こういうふうに進めていますということを都の方からも会場周辺の関係者にお伝えをしていっていただけるよう重ねて要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○吉原委員 それでは、私の方から何点かについてお尋ねをさせていただきたいと思います。
まず最初に、V3、大会経費についてお尋ねをいたしたいと思いますけれども、これまでにも大会経費の方向性だとか、そういうものはいろいろ議論になったんだろうと思います。先ほど来、それぞれの委員の先生方からV3に対してのいろんなご意見がございました。
まず冒頭に恐縮でございますが、小池知事は、今回のこのV3の大会経費について、公表されたものについてはよく承知をしておられるんでしょうか。まずお伺いします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費V3につきましては、公表の前に知事に説明をいたしまして、いろいろ増加する要素もある中、V2と同額の中におさめたということをご報告申し上げたところでございます。
きちっと経費を精査して、また引き続きこの枠の中でV4に向けて精査を続けるようにというお話がございました。
○吉原委員 わかりました。そうでなければおかしいなと思いますし、私自身も、V1があって、V2があって、今回のこのV3ということでございますけれども、また、ことしの末になろうかと思いますが、V4、最終の経費の修正等を含めたものが出てくるんだろうなというふうに思っています。
この大会経費の中にも関連経費があったり大会経費があったり、いろいろあるんだろうと思いますけれども、先ほど来お話の中で、組織委員会が、組織委員会がというお話がございました。もし組織委員会を参考人として招致をするということであるとするならば、委員長に申し上げたいんですけれども、まずその前に、このV3を熟知している知事にここにお越しいただいて、これまでの委員の皆さんが、これはおかしいというものを知事にぜひ問いただす、お伺いをする、そういう機会を設けていただきたいというふうに思っています。
もともと知事が就任して以来、ご案内のとおり、これまで、今から五年ぐらい前だと思いますけれども、アルゼンチンで東京に招致が決定したわけでございまして、もう五年ぐらいたっているんだろうと思います。最初の一年、二年、三年も含めて、やっぱり二〇二〇の大会までにしっかりと準備をしていかなきゃならない、その助走の段階もあったわけでございまして、そういうことを考えたときに、知事が就任して早々に三施設の変更の問題がございました。あれだって半年以上も時間がかかり、そして、組織委員会とも相談をしながら、地方のそれぞれの施設の変更といいましょうか、移転にかかわることでいろんな議論があったんだろうと思います。
そういうことも含めて、今回のこういった予算の中にも、そういういろんな足りないところも確かにあるのかもしれません。だけれども、大会運営や、あるいは予算というものも同時に進んできた経緯というのも、先生方というか委員の皆さんはご案内なんだろうと思います。
そういう意味で、足りないところもたくさんあるんだろうと思いますし、東京都も局としても意識もしてもらいたいし、組織委員会にもそのことをちゃんと意識してもらいたい。これは私も同感でございますけれども、ただ単に誰がいいとか悪いとか、物が足りないとかということだけで発言をされているやにお聞きした部分がございますので、一言申し上げさせていただきました。
そういう意味で、もう先生方はいろんな、委員の皆さんにこのV3についてはご意見いただきましたけれども、もう一つは、会場をこの大会に充てられている地方の人たち、地方の自治体ですね、地方の自治体でしっかりと連携をとっていかなきゃならないんではないかなと思います。二十九年の三月末に、本来であれば地方との役割分担、費用分担の決着を見る、こういっていたんですが、それも五月に延びたという経緯がございました。
そういういろんな経緯の中で今日を迎えているわけでございまして、そうしたことで、地方の連携というものもまたしっかりと我々も考えていかなきゃならないという意味で、再度確認の意味でお尋ねしたいと思います。
二十九年の五月の末に負担割合の合意を東京都も見たわけでありますけれども、その都外の競技会場の費用分担は何が決まって、何がそのときまだ決まっておらなかったのか、確認の意味でお尋ねをいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 平成二十九年五月に、都、組織委員会、国、競技会場が所在する自治体--関係自治体のことですが、の四者で合意いたしました東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の役割、経費分担に関する基本的な方向、いわゆる大枠の合意に基づきまして、都は大会の開催都市として責任を果たすといたしまして、都外の関係自治体に関しましては、当該自治体が所有する施設における仮設等、エネルギー、テクノロジーのインフラと賃借料等に係る経費を負担することといたしました。
また、関係自治体におきましては、大会開催に向け、円滑な準備及び運営に協力するといたしまして、大会時の都市活動や市民生活に与える影響を最小化するよう、輸送、セキュリティー対策など、大会が開催される自治体として担う業務を実施することや、関係自治体が所有いたします会場施設の必要な恒久的改修を進めるとともに、大会後も地域や住民に使用される設備等は施設改修の一環として整備することといたしました。
一方で、関係自治体の会場周辺におきます輸送やセキュリティー等の経費、当時の三百五十億円につきましては、業務内容、経費を含めまして、立候補ファイルを基本として今後、整理、精査を行っていくこととなったものでございます。
○吉原委員 輸送、セキュリティーなど、経費三百五十億円、このことについて精査を行っていく、こういうお話でございました。
その後、どんな調整が行われてきているのか。そして、このV3でどういうふうに反映されてきたのかお尋ねいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 平成二十九年五月の大枠の合意後、行政として担う役割の整理、具体化に向け、関係自治体と調整してまいりました。
その結果、関係自治体にかかわる業務、経費といたしまして、まず一つ目が、全国の自治体が実施いたします聖火リレーなど、オールジャパンでの取り組みに係る経費、二点目といたしまして、関係自治体が実施する関係自治体が当該地域において行政として担う役割と整理されたものに係る経費、三点目といたしまして、組織委員会が実施する関係自治体に所在する競技会場等において大会開催のために要する経費の三点に整理がなされました。
これらの経費に対しまして、平成二十九年十月の全国自治宝くじ事務協議会におきまして、宝くじ収益金三百四十億円を充当することが決定されました。
その内訳は、先ほど申し上げました一点目の聖火リレーが四十億円、二点目の関係自治体が行う行政として担う業務の経費が百五十五億円、三点目の大会開催のために要する経費百四十五億円でございます。
このうち、最後の三点目の組織委員会が実施いたします大会開催のために要する経費について、大会経費V3に計上しているものでございます。
○吉原委員 わかりました。そうすると、関係自治体との費用分担は解決したと考えてよろしいのか、今後のことについて伺います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほど申し上げました二点目の関係自治体が行政として担う業務といたしましては、例えば、ライブサイトなど機運醸成や都市ボランティアの育成、自治体が行政サービスとして担う輸送やセキュリティー対策、会場施設の恒久的改修や設備の整備などでございます。
この業務の財源となる宝くじ収益金百五十五億円につきまして、関係自治体の会場数、観客数、競技日数などの一定の基準のもとに配分することが決定されております。具体の業務内容につきましては、引き続き実施主体でございます組織委員会と関係自治体との間で詰めてまいります。
都といたしましても、関係自治体との連携を密にし、オールジャパンで大会の成功に向け準備を加速させてまいります。
○吉原委員 ぜひ関係自治体とも連携をとっていただいて、一層機運を高めていっていただきたいなと思います。東京も、どなたもお話しいただきますように、世界の都市でもどこも経験したことのないような少子高齢化の時代を迎えているわけでございますし、また、人口減少社会も迎えているわけでございますので、世界がグローバル化されるということの中で一層の進展をしていかなければならないなというふうに思っています。
そうした持続的な発展を続けていくために、こうしたオリンピック・パラリンピックのこの大会も一つの起爆剤として、将来の発展のために、礎になるような、そういう環境づくりをしていかなきゃならない。そのためには、無駄なことはやっぱり排除しなきゃいけないというのは当然でございますけれども、必要なところにはしっかりとお金をつけていく。そういう視点も持っていただかないと、何でもかんでも悪かろうだけではよくないのではないかなと思いますので、今後も最終段階に入ってくる中にあって、大会関係費関係を含めて、ぜひ精査をしていただきながら、経費の面でも都民の皆さんに理解をいただけるような発信もしていただきながら、ぜひ前に進めていただきたいなというふうに思っています。
次に、聖火リレーについてお尋ねをさせていただきたいと思いますけれども、聖火リレーについても、これまでもそうでしたし、きょうもさまざまな質疑がなされたところだと思っています。ギリシャから採火されて、福島に、来年の三月二十六日からスタートする、こういうことでございますので、そんなに日にちがあるわけではないなというふうに思っているわけでありますけれども、先ほど来お話出ています、来年の七月十日、いよいよ東京に入ってくるわけでありますけれども、聖火リレーのルートの順番もまとまったというお話もお聞きしたところでございます。
しかしながら、今度は、地域の中にあってどんなルートを通っていくのかということも大変地域にとっても大きいし、東京にとっても大きいことだろうなと思いますけれども、やっぱりここのところで一番大切なことは、情報管理をいかにしていくかということを局の皆さんには十分お気をつけをいただいた中でこういった作業を進めていっていただきたいなと。そうでないと、東京都内にあっても、それぞれの自治体、特にこういうことをいっていいかどうかわかりませんけれども、ことしは選挙イヤーといわれていますから、統一選挙も控えていますし、参議院選挙もあったり、そういう政局にならないような形をぜひおとりいただきたい。
そのためには、徹底した情報管理に気をつけていかなければならないなというふうに思っているところでございますけれども、まず、都内の聖火リレーをどのようなものにしたいのか、改めて基本認識を伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 オリンピックの聖火リレーは、開催に向けて国民の心を一つにし、開催機運を盛り上げる象徴的なイベントでありまして、観衆や地域住民、ボランティアなど、多くの人が参加できる大会開会前の最大の機運醸成イベントでございます。
一九六四年大会では、都内自治体の全てには聖火がめぐりませんでしたが、東京二〇二〇大会では六十二区市町村全てをめぐるルートにし、都内全域で開催機運を醸成していきたいと考えてございます。
東京都は、最先端の技術と古くからの伝統が共存しており、高層ビルが建ち並ぶ都心のオフィス街や下町情緒あふれるまち並み、また緑豊かな多摩、海に恵まれた伊豆諸島、世界自然遺産の小笠原など、世界に誇れるさまざまな魅力にあふれる場所がございます。
これら六十二区市町村の魅力的な場所をめぐりまして、その盛り上がりを開会式につなげ、国内外の人々と大会が始まる期待感を共有できるリレールートを実現したいというふうに考えてございます。
ただいま副委員長からお話がありました情報管理につきましても、心しながら作業を進めてまいりたいと考えてございます。
○吉原委員 今お話しいただきまして、ぜひ、しっかりと取り組んでいただきたい。オリンピックの聖火リレーに対する認識というものは理解をさせていただいたつもりでいます。
そうした中にあって、リオの大会にも私も開会式のときに行きました。昼間には聖火リレーも見させていただきました。そのときの印象は、ちょっと寂しいなと。全体的な中で寂しいなと。特にリオの場合については、危険な地域が多いというような前触れもありまして、空港に着いた途端に軍隊が銃を構えているような環境でございましたし、リレーが地域の中を回っていくのも大変な努力があったんだろうなと思います。
先頭に軍隊がまずいて、その後に聖火リレーのランナーがおりました。それを取り囲むように警官隊というか軍隊というかわかりませんけれども、おられました。もう既に先頭の車には銃を構えているような、そういう体制もあったわけでございまして、聖火ランナーの後には、今度はスポンサーの、そうしたラッピングバス等も随分走っていました。あれを見たときに、聖火ランナーって本当に目立たなかったんですね。通りが広いとか多少狭いとか、いろいろあるんでしょうけれども、ラッピングバスもかなり大きいバスですから、そこそこの大通りだったと思いますけれども、聖火ランナーの方も背がそんなに小さいわけではないとは思いますけれども、本当に目立たなかったなという、僕がいたところの区間はそんな印象だったんです。
ですから、やっぱり今度の二〇二〇大会のときの聖火リレーの方法というのは物すごく気になるわけでありまして、資料を見させていただいた中の実行委員会の設置について、もう回も重ねてきていただいて、メンバーの人たちもご苦労いただいているんだろうと思います。その中にも、一九六四年の東京大会と二〇二〇大会の聖火リレーの比較のペーパーも入っておりましたけれども、随分違うんだなというふうに思いました。
特にいろんなルートの数だとか、通過する区市町村の数はもちろん違うのかもしれませんし、日数も違うかもしれません。一番やっぱり感じたのは、ランナーのリレー隊の編成が、今後、二〇二〇は一体どうなるのかなというふうに思いました。
そういう意味で、二〇二〇大会のランナーの走り方というのは、かつての一九六四年の東京大会と比べて大きく変わるのではないかなというような思いをしておりますけれども、改めてその辺のお尋ねをしたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 東京二〇二〇大会の聖火リレーのランナーにつきましては、現在、組織委員会におきまして、日本全国を走るランナー数、各都道府県実行委員会が選定できるランナー数、具体的なランナーの基本条件や選定方法などとともに、走行方法につきましても検討中であると聞いてございます。そのため、東京二〇二〇大会の走行方法の詳細については、まだ公表されていない状況でございます。
しかしながら、ただいま副委員長からお話のありましたリオ大会や平昌大会など近年の大会では、一九六四年大会での聖火リレーとは異なりまして、ランナーは一人のみで、その周りをセキュリティーランナーが取り囲んで走っていたことから、東京二〇二〇大会でも同様になる可能性が高いものと考えているところでございます。
○吉原委員 大きく変わるという、今、説明をいただきました。地域の人たちは本当に聖火リレー、あるいは聖火ランナーというものに対して、経験した人もまだまだ東京にもたくさんおられるんだろうと思います。そうした中にあって、僕らもそうなんだけれども、やっぱり聖火リレーを見たい、あるいは走りたい、そういう方々がたくさんおられるんだろうと思うんですね。東京の場合、人口だけでも一千三百万人いるわけですから、それが世界から来て、あるいは国内からたくさん東京に訪れていただくんだろうと思うんですけれども、やっぱり生で、テレビを通じないで、間接的にじゃなくて、直接的に見れるという喜びもあるし、実際にそこに準主役としてといっていいかどうかわかりませんけれども、ランナーとして参加ができるという喜びも持ちたいと思っている人たちもたくさんおられるんだろうと思います。
そういう意味で、この大会の中でかなりの--どのぐらいでしょうか、チケットも一千十万枚でしたでしょうか、そのぐらいのチケットも用意されているやにお聞きしているわけですけれども、見に行かれる人たちも、もう数が限られるわけですね、東京の人たちにとっても。そしてまた、沿道でそうした聖火リレーを見る人たちにとっても、数が限られてしまうんだろうなと思います。だからこそ、その分、ぜひ聖火リレーだけは地域の中で燃えるだけ燃えていただけるような環境をぜひつくってもらいたいなというふうに思っているんです。
そんなことを考えれば、一人でも多くの人たちがそうした聖火リレーに参加できるような環境づくりというものが必要だと思うんですけれども、聖火リレーの盛り上げについて、どういうふうに進めていかれるのかお尋ねいたします。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 第三回実行委員会におきましては、都内の地域バランスにも配慮しながら、セレブレーション会場十四カ所を取りまとめるとともに、毎日の出発式やミニセレブレーションについて、各区市町村に現在、意向調査を行っているところでございます。
こうしたセレモニーにおきましては、できるだけ多くの都民の参加や地域のボランティアも参画することで、各区市町村の特色を生かしたPRにつなげていくことが重要であると考えてございます。
このため、各区市町村が準備を進められますよう、適宜、現地調査や意見交換を行いますとともに、地元の都民の方が一人でも多く聖火リレーにかかわることができるよう、都としても組織委員会に伝えるなどして、より魅力的な聖火リレーとなるよう取り組んでまいります。
○吉原委員 ぜひお願いをしたいと思います。
一つだけ、またお願いをさせてもらいたいんですけれども、一九六四年のときの大会のランナーの対象者はある程度限られておられました。だけれども、二〇二〇大会については、幅広く、そして外国の人も含めて選定をされるやにお聞きをしているわけでありますけれども、ランナーの人はお一人ですからいいんだろうと思いますけれども、やっぱりそこにリレー隊、これは東京大会、一九六四年の大会については、副走者が二名いて、リレー隊の編成が伴走者で二十名以内ということで、大変多くの、多くのといっていいかどうかわかりませんけれども、地域にとっては大変喜ばしい、そうした編成隊だったんだろうなと思うんです。
だけれども、今回は聖火リレーランナー一人だけですから、やっぱりこれは副走できる人、あるいは伴走の人も加えて、そうしたリレー隊というものを編成してもらいたいなと思っているんです。これは組織委員会の方と、あるいはIOCの方との打ち合わせもしているところなのか、これからなのか存じ上げませんけれども、ぜひ今回のこの二〇二〇大会にあっては、聖火ランナー一人だけじゃなくて、民間から、ぜひそうした伴走する人も複数名、数十名でもいいですけれども、そうした人たちも参加できるような環境づくりをぜひしてもらいたいなというふうに思っていますけれども、そのことを聞いていいかどうかわかりませんけれども、要望だけしておきます。
ぜひその辺のところは組織委員会の方とも相談をいただいて、そうすると地域地域の中、それぞれで自治体の中を全部回っていただけるわけですから、盛り上がりはかなり出てくるんではないかなというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
最後に、聖火台のことについてお尋ねをしたいと思いますけれども、先ほど来、聖火台のお話もございました。開会式場である新国立競技場の中については、設置じゃなくて仮設でやるよ、仮設といいましょうか移動式でやるよ、こういうことでございますし、競技開催中についてはそこに置くわけにいかないので、夢の大橋にというお話がございました。
そういう意味でいえば、この大会において、当然のことながら、開会式場の式典用の聖火台、そしてもう一つは競技期間中の聖火台、当然二つつくるということでございますが、これはどっちかが、いい方はよくないんだけれども、レプリカではないんだろうなというふうに認識をしています。そういう意味で、これ二つとも本物の聖火台だと、単純な質問で恐縮でございますけれども、そういう認識を持ってよろしいですか。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 切れ目なく聖火をともし続ける必要があるため、開閉会式で使用する式典用の聖火台と競技期間用の聖火台の二台を製作することとなっております。
この二つについては、どちらも大会運営上必要不可欠なものであり、両方とも同じ価値を持つ本物の聖火台でございます。
○吉原委員 そういう意味で、レガシーとして活用することが大切だ、こういうことが今までいろんなご意見がございました。そういう意味で、先ほどもお話あったのかもしれませんけれども、これは夢の大橋ということでございますが、まさか橋の真ん中に立てるわけにはいきませんから、青海側なのか有明側なのかわかりませんけれども、土地のあるところに立てなければならない、だけれども、ああいう場所ですから、立てられるところも限りがあるんだろうなと思います。
先ほどV3のお話があって、経費を無駄にしないようにコストダウンもしっかり図っていこうよというお話がございましたけれども、やっぱりそこに一度、競技期間中、聖火台として扱っていただけるとするならば、そこは大会が終わっても、移動しなくても済むようなところにきちっと設置をしてもらいたいなと思うんですね。
特にああいう、先ほど来申し上げましたけれども、有明の地域、あるいは青海の地域もございますけれども、そこの夢の大橋という、まさに夢の大橋、都民のみならず国中の人たちが、ああ、すばらしいな、あそこに行けば、こう思っていただけるような環境づくりをしていかなければなりませんので、ぜひ、一度設置したものを大会期間が終わった後にどこかに移動をするということのないような、そうしたレガシーをしっかりとつくってもらいたいなというふうに思っていますけれども、そのためには設置場所も検討していかなきゃならないし、技術的にどうやってやっていくのかということもしっかりと議論していかなきゃならないことだと思いますけれども、今後、どのような形で検討を進めていくのかお尋ねいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 設置場所候補地である夢の大橋有明側は、青海地区と有明地区をつなぐプロムナードの中心に位置する橋でございます。このため、橋の耐荷重や火の使用に伴う安全確保等技術的な課題や、観客の観覧スペースと歩行者の通路確保等、運営上の課題について検証する必要がございます。
今後は、大会期間中の設置とレガシーとしての恒久的な設置の両面から、組織委員会を中心にさまざまな課題について検証を行い、競技期間用聖火台が大会の記憶とともに、長く都民、国民に親しまれるよう、製作、設置や保存のあり方等について検討を進めてまいります。
○吉原委員 ぜひ、今ご答弁いただきましたけれども、そういう形で、この東京にとっても日本にとっても、長くレガシーとして残るような、そうした設置の方法をしっかりと実らせていただきたいと思っております。
以上をもって質問を終わります。
○池川委員 私からは、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会聖火台についてお伺いをしたいと思います。
聖火台については、当時のオリンピック・パラリンピック準備局長もメンバーに加わった新国立競技場の聖火台に関するワーキングチームの中で検討されてきました。この検討に至る経過の中には、新国立競技場に聖火台を置く場所がないという問題がありましたが、この聖火台が設置できなかった経緯について、簡潔にお伺いをしたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 ただいまお話ございましたチームのまとめによりますと、従前の整備計画は、ラグビーワールドカップ二〇一九までに完成する前提でございましたので、組織委員会が必要な追加工事を検討し、実施する方針でございましたので、聖火台に関する計画等は措置されていなかったとされております。
次に、現在の新国立競技場の整備計画では、必要な追加スペックを組織委員会からの要望に基づき、設計段階から盛り込むことが検討されておりましたが、聖火台については、開閉会式の演出とも密接に関連することから、内容が固まっていない段階では対応が困難との理由により盛り込むことが見送られ、後日検討する課題として整理されてきた経緯があるとされております。
○池川委員 今の検討委員会の報告書の中では、従前の計画時には聖火台に関する計画、予算積算の措置はされていなかった等の記述もあり、実際にこの建設案の段階で、この置き場が考慮されていなかったため、このワーキングチームを発足させ、検討したというのが経過だと思います。
国内で行われた一九六四年東京大会、一九七二年冬季札幌大会、一九九八年冬季長野大会で聖火台の費用負担について、今紹介をしたワーキングチームの資料に示されています。
こちらがその中身になりますが、一九六四年の東京大会は、明確に立証する資料はなかったとしながら、国がスタジアムと一体的に設置したものと臆測されるということで、国が負担をしたというふうに書かれております。
七二年札幌大会は、設置者は国ですが、ロータリークラブからの寄贈があったという記述があり、ロータリークラブの寄贈ということです。
九八年の長野大会は、聖火台の設置者は組織委員会となっていますが、実際に費用負担をしたのはオフィシャルサプライヤーの対価の一部として、東京ガスさんが物品役務の提供ということで、設置費用を見ているということがこの中では明らかにされています。
すなわち、これまでの国内で行われた五輪大会では、今示したとおり、聖火台の費用については開催都市が負担をしたという経過はありません。そして今、先ほど紹介したように、今回の聖火台、二台設置に至る経過というのは、そもそも国立競技場の建設案に聖火台の置き場が考慮されていなかったということに端を発したものとなっています。
こうした一連の経過も踏まえて、第一義的にはこの聖火台の費用負担については、国もしくは組織委員会が行うべきだと考えますが、都としてはどのように臨んでいくのか伺いたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 聖火台の製作を含めた費用負担については、聖火台の具体的検討の進捗に合わせまして、今後、関係者間で協議を行ってまいります。
○池川委員 これからの進捗というのはご報告の中にあるんですけれども、そうした経過も踏まえて、都としては意見をいっていくというふうに考えてよろしいのか伺いたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都も含めた関係者間で今後、協議を行ってまいります。
○池川委員 もちろん最終的には協議によって決まるわけですが、この一連の経過をきちんと踏まえて、第一義的には国、組織委員会が費用負担についてしていくべきではないかということを都として主張すべきだと思います。これからの協議内容、また費用負担のあり方、さらにはレガシー管理の費用等についても情報公開、そして透明化を求めるものです。
また、今回示された大会期間中の競技期間用聖火台の設置場所については、先ほど輸送影響度調査の関連の質問であぜ上さんからも指摘をさせていただきましたが、臨海部の輸送に課題がある地域でもあります。人が集中することによる影響など、この点についても関係者の意見を聞きながら、場所について定めていくことを求めておきます。
聖火リレーについて意見だけ申し上げます。
組織委員会が明らかにしている聖火ランナーの選定の基本的な考え方には、国籍、障害の有無、性別、年齢のバランスに配慮しながら幅広い分野から選定し、開かれたリレーとするとされています。
一九六四年大会時の東京都内の聖火ランナーについて過去の資料を調べてみたところ、二千七百八十三人のランナーの方が走ったうち女性は六百五十四人で、全体の二三・三%だったという記録が残されています。そうすると、先ほど紹介をした組織委員会が明らかにしている基本的考え方を踏まえて対応するとなれば、今後きちんとこうしたバランスを考慮していただきたいということを申し上げておきます。
また、この聖火リレーが行われる時期というのは、昨年も七月豪雨というので大変気候的には厳しい時期でありますので、こうしたものについてもきちんと対応できるように、ぜひ今から想定をして準備を進めていただきたいということを求めて質問を終わりたいと思います。
○白戸委員 私からも聖火台についての質問をさせていただきたいと思いますが、ここまでさまざまな質疑が行われてきましたので、割愛しながら進めさせていただきたいと思います。
まず、このオリンピックの聖火というのは、オリンピック競技大会の象徴であります。その起源をたどってみますと、古代ギリシャ時代にさかのぼり、ギリシャ神話ではプロメテウスという神がゼウスから天界の火を盗み出したことにより、人類は火を使うようになったというふうにされています。火は神聖なものというふうに考えられまして、神々をあがめる祭典であった古代オリンピックの期間中に開催地のオリンピアでともされ続けました。
近代オリンピックの聖火が正式に再導入ということになったのは一九二八年、アムステルダム・オリンピックで、それ以来、大会にはなくてはならない存在というふうになっています。
今回、この東京二〇二〇大会においても、二つの聖火台を製作し、競技期間中にともす聖火台は、オリンピックスタジアムとなる新国立競技場と、そして、私の地元でもあります東京臨海部夢の大橋有明側に設置する方向が先日の調整会議で承認されたということになっております。
この東京二〇二〇大会において、式典用と競技期間用の二台の聖火台を製作する必要があることは、先ほどまでの質疑でよくわかりました。そして、当然この二つを製作することによって、メリットとデメリットが発生します。
デメリットとしては、当然、これも論議されてきましたが、金銭面、そして管理面の問題。しかし、それをもってもカバーできるメリットがあるからこそ、二つつくるということだと考えます。
そこでまず、競技期間用の聖火台を製作、設置する理由とメリットについて改めて伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 開会式においてオリンピックスタジアムで聖火台にともされた聖火は、閉会式で納火されるまでともし続けなければならないとされております。このため、開会式会場である新国立競技場における競技期間中の聖火台の設置場所については、フィールドやスタンド等複数の候補が検討されましたが、空間確保等の物理的な課題が解消できないことから、新国立競技場の外に確保する必要が生じたと聞いております。
また、新国立競技場の外に開会式でともした聖火台を移設するには、火の使用に伴う安全性確保や輸送等の課題があることから、開閉会式で使用する式典用の聖火台と競技期間中にともす聖火台の二台を製作し、切れ目なく聖火をともし続ける対応を行うこととなったところでございます。
競技期間用の聖火台の設置場所については、東京の魅力発信や大会運営及び警備上の課題等について検討した結果、東京臨海部夢の大橋有明側が候補地として最適との結論に至りました。当該地はアーバンスポーツ会場が集積する大会を象徴するエリアであり、都民、国民のみならず、世界中から訪れる多くの観戦客等が見て楽しむことができる場所でございます。
また、近くの東京ビッグサイトには、大会時に国際放送センター及びメーンプレスセンターが設置され、各国のメディア等もアクセスしやすく、世界各国のテレビ放送等を通じて大会や東京の効果的な世界発信が期待できると考えております。
○白戸委員 リオ大会では、もともと人の集まる観光名所に聖火台が設置され、さらにパブリックビューイングであるとかコンサートなどを行いますライブサイトが併設されまして、大会の中心地として盛り上がりに大いに寄与しました。チケットのない方や、そして大会の気分を味わいたい方々の楽しめる場所は、オリンピックパークがないこの東京二〇二〇大会にとっても大変参考になる事例だと思います。
東京二〇二〇大会において、この聖火台を中心に盛り上がる仕掛けをつくり、機運醸成につなげるべきと考えますが、見解を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 競技期間用の聖火台の設置場所候補地が所在する臨海部は、アーバンスポーツを初めとする多くの競技会場が集積する場所であり、組織委員会を中心に大会の象徴的なエリアとして盛り上げを図る予定となっております。
また、夢の大橋有明側は、臨海部を東西につなぐプロムナードの中心にあり、青海、台場地区や有明地区にある競技会場の両方からアクセスしやすい場所でございます。
大会を象徴する聖火台を効果的に活用し、競技会場が集積する臨海部を盛り上げていくことは重要でございます。このため、都は、プロムナードへの装飾等を行うとともに、組織委員会と連携し、大会パートナーや地元等のご協力を得ながら、臨海部全体の盛り上げを目指してまいります。
臨海部を訪れる方々がオリンピック・パラリンピックの雰囲気を体感し、大会の感動と興奮を共有できる特別な盛り上げエリアとなるよう、組織委員会とともに取り組んでまいります。
○白戸委員 ぜひこの聖火台を中心に臨海部の盛り上げをしていただくよう改めてお願い申し上げます。
そして、今回の二〇二〇大会で最も重要なのは、開催することと同時に、開催後にどうつなげていくかということだと思います。費用としても無駄な投資にならないような検討が必要ですし、さらには、その後の活用方法も重要です。
大会期間中に象徴として活用された聖火台は、大会後もその象徴的な価値が十二分にあると考えます。しかし、リオ大会の例を見るにつけ、その検討を十二分にしておかないと生かすことができない可能性があるのも事実であります。
東京二〇二〇大会の聖火台のレガシーについての議論は、先ほどもたくさんしていただきましたが、競技会場など周囲のレガシーとともに、大会の記憶をどのように捉まえて、どのような場所にどのような考え方で運用していくのか、しっかりと検討していく必要があると考えております。今後は都民の声を聞きながら、都民目線でしっかりと取り組んでいただくようお願い申し上げます。
次に、夢の大橋の有明側については、現時点では設置場所候補地ということですが、いつごろ正式に確定し、デザインなどの具体的な内容の検討に入るのか伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 組織委員会は、競技期間用の聖火台の設置場所について、今年度中にIOCの承認を得て確定するとしております。
式典用の聖火台に関するデザインや大きさなどの具体的な内容は、開閉会式の演出内容と密接に関係することから、今後、野村萬斎氏がチーフ・エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターを務める東京二〇二〇総合チームを中心に、IOCの意見を踏まえつつ検討を進めていくこととなります。
競技期間用聖火台についても、これを踏まえて関係者で検討を進めてまいります。
都は引き続き、開閉会式とあわせて、聖火台についても都民、国民の期待に沿ったすばらしいものとなるよう、組織委員会や関係者と連携しながら取り組んでまいります。
○白戸委員 大会の象徴であるこの聖火台は、それにまつわるニュース自体にも発信力がありまして、大会機運醸成にもつながると考えます。
IOCとの関係、そして、今おっしゃっていただいた開閉会式のサプライズ感を損なわないようにする必要があるなど、配慮すべきことが多々あることは十分に理解しておりますが、可能な範囲で多くの人に関心を持ってもらえるような工夫が必要かと考えます。
そのためにも、この戦略をしっかりと考えていくべきだと要望して、質問を終わらせていただきます。
○藤井委員 本日、初めて本特別委員会、オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会で質疑をします藤井でございます。どうぞよろしくお願いします。
既にさまざま質問が出ておりますが、私からも大きく二つ、大会経費V3と大会輸送影響度マップについて、合計八つほど質疑をしようと考えております。
大会経費については、赤字となった場合は東京都が補填することとなっておりまして、都民への影響が大きいということから、どのように赤字が出ないようにするかという観点から質疑をします。大会時の混雑は都民生活への影響が大きく、都民の関心も高いことから、大会輸送影響度マップの活用方法など、輸送対策について質疑をいたします。
まず、一点目の大会経費V3についてです。
東京二〇二〇大会の経費については、組織委員会、都、国などが負担することとなっておりまして、都はIOCへの立候補ファイル及び開催都市契約二〇二〇に基づき、組織委員会が資金不足に陥った場合は、その分を補填することとなっております。
過去の大会において、現実に開催直前に当時の組織委員会が財源不足に陥り、組織委員会が担当する予定だった競技会場の警備や開会式、閉会式などの費用に公的資金が投入されたという前例もあるというふうに聞いておりますので、そういった事態を避けるためにも、大会経費の管理というのは大変重要なものであると考えております。
一般的に組織の運営においては、組織内のルールや体制、仕組みなどのそういった構えができていないと、適切な成果を出す組織ということはできないと思います。
そこで、最初に、大会経費の全体をどのように管理しているのか、例えば管理部門の人数、管理のための会議の数や頻度、その方法など、管理の体制についてお伺いをいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費には、大きく分けまして、都や独立行政法人日本スポーツ振興センター、JSCでございますが、などが実施いたします新規恒久施設の整備に係る経費、大枠の合意に基づき大会の準備のため、都や国が役割、経費分担に応じて費用を負担し、組織委員会がその資金を使用して実施する共同実施事業に係る経費、組織委員会がみずからの収入で実施する事業に係る経費の三種類がございます。
まず、新規恒久施設の整備につきましては、事業を実施いたします都やJSCなどがそれぞれ進捗状況を踏まえながら経費の管理を行っております。
共同実施事業につきましては、組織委員会が実施者でございまして、弁護士や公認会計士の外部委員を含めた調達管理委員会におけるチェックなども含めまして、経費の管理を行っております。
また、都、国、組織委員会の三者による共同実施事業管理委員会や、そのもとに設置してございます東京都作業部会におきまして、計画予算の全体や執行の段階での経費の確認を行っております。
組織委員会がみずからの収入により実施する事業につきましては、調達管理委員会におけるチェックなども含めまして、経費の管理を行っております。
管理体制につきましては、組織委員会では大会経費の管理を行う部署は、企画財務局財務部及び共同実施事業管理部でございまして、五十八人が従事してございます。
共同実施事業管理委員会のもとに設置しております東京都作業部会は、都九名、組織委員会六名、国四名の計十九名の部課長級で構成されており、平成二十九年十二月を初回として、これまで二十三回開催しております。
○藤井委員 東京都作業部会を設けるなど、都としても積極的に管理にかかわっているという実態を理解することができました。
加えて、組織委員会においては、財務部と共同実施事業管理部の五十八人もが大会経費の管理にかかわっているとのことでしたので、明確な管理を期待しております。
私、常任委員会は総務委員会に所属をしておりまして、東京都監査委員会の平成二十九年の財政援助団体等監査の報告書も確認をしております。組織委員会も平成二十九年の監査の対象になっておりまして、その中で指摘されている意見、これはしっかりと受けとめて改善をする必要があると考えています。
その監査の中で改善が要望された四点のうち、まだ改善されていない事項が二点あります。一点目が生涯予算についてというところと、あとFA別の予算管理ができていないところのご指摘を受けているところです。
この監査は、平成二十九年を対象に実施したものですので、大会経費分V1が主な対象となっていますが、その中で指摘されていることを、少し長いんですが、引用をさせていただきます。
このV1予算及び大枠合意では、年度ごとの予算計画や現在までの収支実績については示されていない。そのため、生涯予算に対して、今後の年度ごとの予算がどうなるか、また、生涯予算に対して現状はどの程度の収支実績となっているのかがわからないものとなっている。また、V1予算では十項目の支出内訳を公表しているが、V1予算には調整中の見積もりや仮定が多く含まれていることから、監査においても予算の確実性や網羅性などが十分には検証できなかった。組織委員会が資金不足に陥った場合は、その分を東京都が補填することとなっており、都民の理解と協力を得るためにも、都民に対して適切な情報公開を進めていくことが必要である。組織委員会は、今後策定する生涯予算については、業務の内容や計画が具体化していく段階に応じて、予算計画や見積もり方針などを明らかにすることが望まれると指摘をされております。
ほかの指摘とあわせて考えますと、先ほど申し上げました組織としての構えであったり、体をなしていないという、結構厳しい指摘をされているというふうに認識をしております。先ほどから多くの委員がご指摘をしておりますが、残念ながら今回のV3の予算を見ても、年次の予算計画だったり、生涯予算などは明らかになっていないものだと理解をしております。
先ほど来、質問のやりとり等を聞いていますと、実績部分についての具体的な数字も、一部明らかになっているんですが、なかなか出てこないような状況なのかなというふうに思っております。ですので、これは次の予算、V4といわず、なるべく早く、体制を含めて改善をいただきたいと考えております。
先ほど、入江都議や高倉副委員長からも予実の管理をしっかりしてくれという要望がありましたが、私からも要望させていただきます。また、その経費の全体像を明らかにして、さらに一件一件細かくきちんと管理をしていくということも要望させていただきます。
開催都市契約二〇二〇に基づきまして、超過した経費というのは、東京都が負担することとなっていますが、都としてのリスクはどこにあると認識しているのか、見解をお伺いいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今後さまざまな事業におきまして計画が具体化し、経費の見積もりも精緻化される事業実施の段階が重要であると考えてございます。その際、費用が超過することがないようにするためには、経費をしっかりとチェックし、コスト管理と執行統制の強化を図っていく必要がございます。
組織委員会におきましては、監査法人や海外コンサルタントなど、専門的な識見や知見を有する第三者の意見を伺いながら、コスト縮減に向けた取り組みを進めております。
また、共同実施事業につきましては、共同実施事業管理委員会の東京都作業部会におきまして案件ごとに確認するなどして、大会経費全体が膨張することのないように取り組んでございます。
都としては、さらに毎年度の決算報告に加えまして、ただいま委員お話のございました東京都監査委員による財政援助団体等監査も行ってございます。事業の進捗を図りつつ、こうした取り組みを持続的に行うことによりまして、費用超過のリスク低減につなげてまいります。
○藤井委員 費用超過のリスクを管理するために、組織委員会に任せるだけでなく、先ほど来ご答弁いただいています、二十三回も開かれています東京都作業部会を通じて、都としても積極的に取り組んでいくということが理解できました。より一層の管理の方をお願いいたします。
また、二〇二〇大会の経費については、都民からの注目も大きいことですし、また費用の超過がないのは最低限達成していただきたいこととしても、可能な限りコストの削減をしていただきますようお願いをいたします。
続いて、費用の面、コストの面だけでなく、収入面についてもお伺いしたいと思います。
V3でもV2に引き続きまして、六千億円の収入が見込まれていますが、V2時点で二百億円と見込んでいました増収策について、達成率についてお伺いをさせていただきます。お願いします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会経費V3におきます組織委員会の収入見込みにつきましては、好調なマーケティング活動に伴い、国内スポンサー収入が百億円の増収を達成できる見込みとなりましたことから、V2時点の三千百億円から三千二百億円と増額させております。
これに伴いまして、V2時点で二百億円としておりました増収見込みにつきましては百億円としており、増収見込みの五〇%は達成されたことになります。
○藤井委員 国内スポンサー収入が百億円増となったということがわかりました。このV3予算上も、まだ残りの百億円の増収見込みとして残っておりますので、引き続き対応をよろしくお願いいたします。
これも増収に関するところにもなるかもしれませんが、スポンサー収入に加えまして、大会公式ライセンスの販売による収入というのも重要であると考えております。このV3の中でも、大会の公式ライセンス商品による収入を百四十億円と見込んでおりますが、その達成に向けて、組織委員会においてどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 大会の公式ライセンス商品は、組織委員会の許諾を受けた民間事業者、いわゆるライセンシーが組織委員会にロイヤルティーを支払い、大会エンブレムやマスコット等を使用して製造販売するもので、その収入は組織委員会の重要な財源でございます。
組織委員会は公式ライセンス商品による収入増に向け、大会エンブレムの決定後、過去大会よりも早い段階から商品の開発、販売を開始しております。また、販売力の高いライセンシーの開拓や、東京、日本ならではの魅力的で品質の高い商品の開発を進めるとともに、オフィシャルショップを初めとする販売店舗の拡大に努めているところでございます。
さらに、昨年七月のマスコットのデビューに当たっては、マスコットハウスを設置し、関連商品の発売を一斉に開始するなどの取り組みを行っております。
組織委員会においては、今後もカウントダウンイベント等の節目を適切に捉えた販売促進に努めながら、大きな売り上げが見込まれる二〇二〇年の大会本番を見据え、さらなる取り組みを進めていく予定でございます。
○藤井委員 民間企業などのライセンシーの商品の販売計画等々、関連してくるところですので、非常に難しい面があるとは思うのですが、販売力がある新商品の開発や販売店舗の拡大など、積極的に取り組んでいただいているというご答弁をいただきました。最大の売り上げが見込める二〇二〇大会本番に向けて、商品ラインナップや販売網、販売チャネルを拡大していると理解をいたしました。
ご答弁にありましたとおり、季節であったり時宜を捉えた商品の投入、例えば、開会一年前の限定グッズなど、売り上げを伸ばす方法というのは幾つもあると思います。
加えて、これは私の個人的な経験になるんですが、昨年やおととし、オリンピック・パラリンピックの浴衣を購入しようと思ったんですが、毎回ちょっと遅くて売り切れてしまっていて、なかなか購入できなかったり、あと、地元の盆踊りなどに参加すると、同じように浴衣が買えなくて、どうにかならないのかといわれるような話も聞きましたので、そういった点で機会損失もすごく大きくなっているのではないかなと思っております。先ほど入江委員からもご指摘がありましたが、民間企業であれば、そういった機会損失というのは非常に許されないというか、もったいないものになってしまうかと思います。
組織委員会では、ライセンス部とその業務委託先でありますライセンシング事務局が商品の許認可等の取り組みを行っていると聞いていますので、そういった数年間の売り上げの傾向であったりとか、今後の起こるイベントの予測できる需要について、ライセンシーの企業であったりとか、見込みの企業に積極的に情報発信しながら、増収に取り組める体制をつくっていただきたいと思います。
機会を適切に捉えれば、ライセンス収入は百四十億円といわず、もっとふやせるのではないかと大いに期待をしているところでございます。
続いて、大会の輸送についてお伺いをさせていただきます。こちらも重複する部分は少し飛ばしながら質問をさせていただきます。
二〇一八年十月三十一日から影響度マップが出てきたという話も先ほどあったかと思うんですが、公開された際、新聞やテレビなどで報道されるなど、非常に大きな注目を集めていたのも記憶に新しいところでございます。都民の皆様の生活に直結する部分ですので、混雑緩和の対策というのは重要であるというふうに考えています。
輸送に関しましては、先ほど答弁にもありましたが、組織委員会が輸送、運送の計画の策定、大会時の輸送運営全般、車両、運転手の手配をするということ、東京都が経済活動、都民生活への影響を最小化する交通需要マネジメント、インフラ整備をするとなっていると聞いております。
都は今回、大会輸送影響度マップにて提示された交通環境を改善すべく、これも先ほど来出ていますが、交通需要マネジメント、TDM、交通システムマネジメント、TSM、さらには、公共交通輸送マネジメント等の対策の検討を進め、大会輸送の円滑化と経済活動や都市活動の両立が図られるよう取り組みを進めていると聞いております。
まず最初に、TDMにつきまして、その削減目標と、その背景や理由の詳細についてお伺いいたします。一部ほかの委員と重なる部分がありますので、そこは簡単にでいいのでお願いします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 東京二〇二〇大会の成功には、円滑な大会輸送の実現と経済活動の維持との両立が必要不可欠であり、この実現に向け、昨年八月には国や組織委員会、経済団体とも連携し、二〇二〇TDM推進プロジェクトを立ち上げ、企業等に大会時の交通需要マネジメント、いわゆるTDMの協力を呼びかけております。
大会関係車両や観客の交通需要の影響により、大会期間中に何も交通対策を行わなかった場合には、道路、鉄道とも混雑が深刻化するものと考えております。
こうした中でTDMの目標といたしまして、道路交通では平日の一五%程度交通量が削減された休日並みの交通環境の実現、鉄道では局所的な混雑への対応などにより、現状と同程度の安全で円滑な運行状況を目指すこととしております。
○藤井委員 円滑な交通が保たれるための予測に基づき、道路交通では休日並みの平日の一五%削減の交通量、鉄道では局所的に生じる混雑への対応を進めているとのご答弁でした。根拠を持って対応しているということがわかり、安心をいたしました。
大会輸送影響度マップ、この反響は大きかったのではないかと思うんですが、大会輸送影響度マップを受けて、今後、企業、個人に対してどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会輸送影響度マップは、大会輸送の円滑化と経済活動の維持との両立を図るため、企業等が経済活動への影響を把握し、混雑回避の検討等に活用していただくことを目的に作成したものでございます。
これまで千社を超える企業や団体に説明会や個別相談会等を実施しており、今後、地域を限定しない説明会に加え、競技会場などが集中するエリアなど、十六の重点取り組み地区を中心に各地区の特性等を踏まえて継続的に開催してまいります。
こうした中で、各企業に対し本マップなどを活用した大会時の交通混雑の緩和に協力をお願いするとともに、具体的な混雑回避のための行動計画の策定等を呼びかけ、TDMの実効性を高めてまいります。
また、大会時のTDMについては、企業に加え、個人の方々のご協力をいただくことも重要であると考えております。個人の方々への広報などにつきましては、個人向けのPRを大会直前に集中的に行い成功をおさめたロンドン大会の事例などを踏まえ、効果的なPR策などの検討を行い、本年夏以降、本マップやさまざまな媒体の活用を含めて、具体的な取り組みを展開してまいります。
○藤井委員 企業につきましては、先ほど来いろいろとございましたので、個人についてのところを言及させていただきます。
ロンドン大会の事例を踏まえて、ことしの夏から積極的に取り組んでいく、直前に特に中心的に取り組んでいくということが理解をできました。この本マップを通じた事前の混雑情報の提供に加えまして、特に個人に対してはリアルタイム、本番中のリアルタイムの混雑情報であったりとか、運行情報などを提供することも重要だと考えております。
特に公共交通、バスや鉄道の運行情報、混雑の情報というのを一般の方々が受け取れれば、都民の皆様はそこを避けるような行動をするはずですので、これはまたちょっと後で意見を述べさせていただきたいと思います。
大会輸送影響度マップを受けて、今ご答弁いただきましたようなTDMへの協力を広く呼びかけることは重要であると考えますが、鉄道の混雑区間については、運行本数をふやすなどの取り組みについても働きかけることが重要ではないかと考えております。見解をお伺いいたします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 鉄道の混雑区間につきましては、輸送力の確保や観客の需要分散平準化、一般利用者の需要分散抑制の三つの施策を効果的に組み合わせて対応することが重要でございます。
このうち輸送力の確保につきましては、組織委員会と連携しながら鉄道事業者と調整を進めているところでございます。ダイヤ等の余力が少ない朝の混雑時間帯につきましては、鉄道の増発等が事実上困難なため、時差ビズやテレワーク等を推進することが重要であると考えております。
それ以外の時間帯につきましては、組織委員会とともに観客事情を踏まえた増発等について鉄道事業者と検討を進めており、要員や車両の確保等の課題について対策を検討していただいております。
引き続き、鉄道事業者に対し観客需要を踏まえた輸送力増強を働きかけるとともに、TDMを推進するなど、安全で円滑な観客輸送の実現と経済活動の維持との両立を図ってまいります。
○藤井委員 時差ビズやテレワークなど、ソフト面でのレガシーとなる取り組みに加えて、需要に応じた増発対応も検討を進めていただいているということ、具体的な課題について、今対策をしているということが理解できました。ぜひ実現しまして、観客輸送と経済活動を維持していただきますようにお願いをいたします。
鉄道については、混雑緩和対策を進めることも重要でありますが、深夜に競技が終了する会場からの観客の帰宅のため、終電の延長をすることも必要ではないかと考えております。ちょうど本日、先ほどJR東日本がそういったことを山手線や中央線などで検討しているというような報道があったとのことですが、見解をお伺いいたします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 昨年公表されましたセッションスケジュールにおいては、バレーボールやバスケットボールなど、一部の競技会場で終了時間が深夜時間帯に及ぶものもございます。こうした会場における観客の帰宅手段の確保に当たっては、現在、大会時の終電の時間延長や運行範囲などについて、組織委員会と連携しながら鉄道事業者と具体的な検討を進めております。
今後も来場される方への運転情報の適切な周知方法などを含め、対応策を詳細に検討し、円滑な観客輸送を実現してまいります。
○藤井委員 深夜に終わる競技においても観客がきちんと帰宅できるように、鉄道事業者と取り組んでいまして、具体的な検討に入っているということが理解できました。これもぜひ実現をしていただきたいと思います。
先ほど少しお話ししました、ロンドン大会での混雑対応に戻りますが、ロンドン大会では、民間の力も活用して取り組んだそうでございます。ロンドンの交通局が中心となりまして、リアルタイムの混雑情報、そして位置データ、またはバリアフリーに関する情報などをオープンデータとして専用サイトで提供したとのことです。その登録したアプリの開発者は五千超に及びまして、それを使ったアプリというのが数百個できたというふうに聞いております。
皆さんも使うと思いますが、移動する際には路線検索などのアプリ、名前を出すとナビタイムさんだったりヤフー路線検索さんなどといったものがあるかと思うんですが、そういう中でリアルタイムで混雑のデータが出てくれば、混雑区間を自然と避けるルートを選びますし、そういった民間の力をうまく活用するために、ぜひ東京大会でもこういったものを通じて、リアルタイムの情報の提供に努めていただきたいと思っております。
これは混雑緩和だけでなく、大会時の交通の混乱を防ぐことにもつながると思います。海外からの観光客の多くは、グーグルマップのようなものを使うと思うんですが、バスや鉄道のリアルタイムの情報がそこに反映されていれば、迷うことは少なくなるんではないかと思います。データをきちんと公開するような形で進めていただきたいと考えております。
これは都営交通を持つ交通局、そしてオープンデータを取り扱う総務局の情報通信企画部、さらには民間事業者の協力が必要になりますが、オリ・パラ準備局の皆様にも、ぜひリーダーシップをとって民間連携を含めて進めていただきたいということを要望しまして、私からの質疑を終わらせていただきます。
○伊藤委員 最後に、二問程度質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。私からは、レガシーについて質問させていただきたいと思います。
大会競技会場、特に新規恒久施設についてですけれども、以前にもロンドンのアクアティクスにお邪魔をしたときに、施設の中のトレーニングルームに多くのレガシーとして機材が残ったりしていました。
というのは、選手の方々が使われたトレーニング用のバーベルとか、そういったものがそのまま一般の方も使えるようになっていたり、そしてまた、会場内において、小さかったですけれども、パネル展のような形でロンドン大会の当時の様子を伝えるものが展示されておりました。一般に開放されているロンドンのアクアティクスでありますので、まさに金メダルをとった選手と同じプールで泳ぐことができる、またトレーニングもできるというような感動を味わえる、そうしたつくりになっていたところでございます。
こうしたことをもとに、以前にも、このアクアティクスなどで展示スペースを確保されてはいかがかということを提案させていただきましたので、その検討状況とあわせて、これはアクアティクスだけじゃなしに、新規恒久施設において、そうした感動を伝えられるような展示スペースのつくれるところには、ぜひレガシーとして二〇二〇年の記憶をとどめるものを整備していただきたいと思うんですけれども、その点についての見解を伺いたいと思います。
○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 東京二〇二〇大会の競技会場となります新規恒久施設におきましては、オリンピック・パラリンピックのレガシーを残していけますように、施設によって制約はございますが、展示スペースを確保するよう整備を進めているところでございます。
一例としましては、副委員長のお話にもございましたが、アクアティクスセンターでございますが、人の集まるエントランスホール付近に東京二〇二〇大会にまつわる展示が可能なギャラリーを設けることとしてございます。
今後、各施設の特性を踏まえながら、運営事業者や競技団体、JOC等とも連携しまして、新規恒久施設に二〇二〇年大会の記憶を残す方策について検討を進めてまいりたいと思います。
○伊藤委員 今後、アクアティクスのみならず、各施設においても記憶を残す方策についてご検討いただけるということですので、大変前向きな答弁として受けとめさせていただきたいと思います。特にバーベルとかは結構置いて帰られる方も多いということですので、全てとはいいませんけれども、活用できるものはできるだけ活用して、東京の財産にしていただければと思います。
そしてもう一つ、これは要望ですけれども、先ほど来質疑がありました情報公開についてですが、皆様方の今の取り組みについては、レガシーあるいは準備状況について、先般もIOCから大変準備が進んでいて高い評価を与えられるというような発言があったというふうに認識をしております。これは本当に東京都庁の職員の皆様、あるいは組織委員会の方々の尽力のたまものというふうに思いますが、どうしても、そういう意味では、準備作業に追われてしまって、情報公開が後手に回るようなことがあってはならないというふうに思います。私からも、情報公開については積極的に行っていただきますように要望を申し上げたいと思います。
最後にレガシーですが、レガシーもいろいろありますけれども、私は、東京の取り組みの一つとして、今回、四百億円を超える施設整備の予算削減もまさに大きなレガシーだというふうに承知をしております。
そういう意味では、今、オリンピックは先進国じゃなければできないんじゃないかという指摘があるくらい、大会競技会場の整備や運営にコストが大変かかっているという中にあって、東京の今回の取り組みというのは、まさにこれからの開催都市にとって財産になるものだというふうに思います。
特に海森の競技場のポンツーン、これもIOCからの指摘で、北側に計画していたものを一回南側にしてくれないかというような打診があり、しかし、北側でも映像を撮るに当たって逆光になるけれども、日本の技術においてきれいな映像を撮ることができるんだというふうにご主張していただいた上で、数十億円の経費削減ができたというふうにも承知をしておりますし、有明アリーナの屋上の太陽光パネルのくぼみによる反射を少なくするといったような取り組みや、あるいは自然エネルギーを活用したコスト削減というのは、まさに東京の、あるいは日本の知恵と技術の結晶だというふうに思います。
こうした削減努力について、今後の大会において生かしていただけるように、私は持続可能なオリンピックのためにも、これを記録としてしっかり残し、後世に継承していくことが大事なんではないかというふうに思うところでありますが、こうした取り組み事例をどのように残し、パリ、ロサンゼルスに継承していくのか局長に所見を伺いたいと思います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 東京二〇二〇大会におきましては、都や組織委員会からの要望、提案を踏まえまして、競技会場の借り上げ期間が十一カ月から六カ月に短縮され、また選手村の開村期間が縮まるなど、さまざまな要件緩和を実現していただきました。
このような東京大会に向けて取り組んできたコスト削減などが反映されましたニューノームが平成三十年二月にIOCから公表されたところでございます。このニューノームは、東京大会におけます費用縮減に向けた取り組みの一つの成果であるというふうに考えております。
二〇二四年の大会から全面的に適用されるものでございますが、次の大会の開催都市であるパリはもちろん、それ以降の開催都市にもレガシーとして綿々と引き継がれるものと考えております。
また、これまで二〇二〇大会におけますさまざまな節減努力、あるいは運営の工夫などにつきましては、今後、デブリーフィングなどの機会を通じまして、都の取り組みを次の開催都市に伝えていきたいというふうに考えております。
○伊藤委員 ぜひ伝えていただきたいと思いますし、どうしても日本人は遠慮がちだと思います。今回取り組まれている技術的な成果、先般、NHKでも各施設会場の取り組みの技術的な高い評価というものが放送されておりました。こうしたものをぜひ記録としてしっかり残していただいて、今はロンドン、ロンドンとよく引き合いに出されますけれども、今後、東京大会が各開催都市で引き合いに出されるように取り組んでいただきたいということを申し上げて、質疑を終了させていただきたいと思います。
○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後八時九分散会
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