委員長 | 小山くにひこ君 |
副委員長 | 大松あきら君 |
副委員長 | 吉原 修君 |
副委員長 | 伊藤 ゆう君 |
理事 | 加藤 雅之君 |
理事 | 両角みのる君 |
理事 | 中山ひろゆき君 |
理事 | 山崎 一輝君 |
理事 | あぜ上三和子君 |
森澤 恭子君 | |
おときた駿君 | |
川松真一朗君 | |
栗林のり子君 | |
龍円あいり君 | |
白戸 太朗君 | |
入江のぶこ君 | |
山口 拓君 | |
里吉 ゆみ君 | |
谷村 孝彦君 | |
桐山ひとみ君 | |
とくとめ道信君 | |
木村 基成君 | |
高島なおき君 |
欠席委員 なし
出席説明員オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 潮田 勉君 |
次長理事兼務 | 延與 桂君 | |
次長 | 岩瀬 和春君 | |
技監 | 相場 淳司君 | |
総務部長 | 中村 倫治君 | |
調整担当部長 | 雲田 孝司君 | |
大会企画調整担当部長 | 中嶋 初史君 | |
自治体調整担当部長 | 小池 和孝君 | |
計画推進部長 | 根本 浩志君 | |
運営担当部長 | 田中 彰君 | |
競技・渉外担当部長 | 川瀬 航司君 | |
事業推進担当部長 | 丸山 雅代君 | |
パラリンピック部長 | 萱場 明子君 | |
障害者スポーツ担当部長 | 越 秀幸君 | |
大会施設部長 | 鈴木 一幸君 | |
開設準備担当部長 | 鈴木 研二君 | |
施設担当部長 | 砂田 覚君 | |
施設整備担当部長 | 草野 智文君 | |
施設調整担当部長 | 湯川 雅史君 | |
選手村担当部長 | 斉藤 有君 | |
スポーツ施設担当部長 | 藤木 仁成君 | |
輸送担当部長 | 片寄 光彦君 | |
スポーツ推進部長 | 小室 明子君 | |
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長 国際大会準備担当部長兼務 | 小久保 修君 |
本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九TMの開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
理事の互選
報告事項
・東京都聖火リレー実行委員会の設置について(説明・質疑)
・東京二〇二〇大会開催準備に関わる主な取組について(質疑)
○小山委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会を開会いたします。
初めに、委員の辞任及び選任について申し上げます。
議長から、去る七月三日付をもって、石川良一委員の辞任を許可し、新たに中山ひろゆき議員を選任した旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
この際、新任の委員を紹介いたします。
中山ひろゆき委員です。
○中山委員 よろしくお願いします。
○小山委員長 紹介は終わりました。
○小山委員長 次に、石川良一理事の委員辞任に伴い、理事一名が欠員となっておりますので、これより理事の互選を行います。
互選の方法はいかがいたしましょうか。
○おときた委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。
○小山委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認めます。よって、理事には中山ひろゆき委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認めます。よって、理事には中山ひろゆき委員が当選をされました。
○小山委員長 次に、議席について申し上げます。
議席は、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。
○小山委員長 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
初めに、先般の人事異動に伴い、本委員会に出席する幹部職員に異動がありましたので、局長から紹介があります。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長
七月九日付の人事異動により、当局の幹部職員に異動がありましたので、ご紹介申し上げます。
次長の岩瀬和春でございます。
なお、当局の理事者のうち、理事の西村泰信、中澤基行は公務のため、ラグビーワールドカップ準備担当部長の篠祐次は病気療養のため、本日の委員会を欠席いたしております。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○小山委員長 紹介は終わりました。
○小山委員長 次に、理事者から、東京都聖火リレー実行委員会の設置について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 それでは、報告事項、東京都聖火リレー実行委員会の設置についてご説明いたします。恐れ入りますが、お手元に配布しております資料をごらんください。
まず、1、設置目的でございますが、東京都聖火リレー実行委員会は、東京都における十五日間の聖火リレーの実施に向けた各種計画の検討、準備、そして聖火リレーの実施を行うこととしております。
続いて、2の構成団体につきましては、記載のとおりでございます。
次に、3、検討事項でございますが、実行委員会においては、まず、東京都内の聖火リレールート案の選定や、毎日、聖火の到着を祝うため実施するセレブレーション会場案の選定に向けた検討を行い、その後、来年以降には、ランナーの選考計画の策定に係る検討を行ってまいります。
次に、4の第一回実行委員会についてでございますが、第一回実行委員会につきましては、先日、七月十日に開催をいたしました。当日は、会長、副会長の選任、聖火リレーの概要、今後の進め方などを議題といたしました。委員からの主な発言は記載のとおりでございます。
なお、参考資料1といたしまして、実行委員会当日の資料を添付しており、委員名簿、聖火リレーの概要、主なルール、今後の検討スケジュールや主な論点などをお示ししております。
また、参考資料2といたしまして、昨日、七月十二日の東京オリンピック・パラリンピック調整会議において了承されましたオリンピック聖火リレー出発地、出発日、各都道府県日程に関する組織委員会の資料を添付しておりますので、ご参照願います。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○小山委員長 報告は終わりました。
それでは、報告事項、東京都聖火リレー実行委員会の設置について外一件に対する質疑を一括して行います。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○白戸委員 オリンピックの開催まで七百四十二日となり、まさにあと二年ということになりました。東京で開催される二回目のオリンピック・パラリンピックをどのように開催するのか、これは国内はもとより、世界中が注目をしております。
これまでも申し上げてまいりましたが、二〇二〇年の東京大会は、見る、観戦するオリンピック・パラリンピックから、より多くの都民、国民が参加し、体感するオリンピック・パラリンピックとすること、さらに、アーバンリニューアル、つまり都市更新を快適性やバリアフリーな都市へと図ること、そして、大会開催はもとより、大会開催後に負の遺産を残すことなく、都民、国民に有形無形のレガシーを残すことであると考えております。
大会開催後の成功とは、都民にとって有益な施設を残すことはもちろんですが、オリンピックがあったからこそ、育まれたり、拡散されるムーブメントが大切だと考えます。そんな視点を踏まえ、本日も質問させていただきます。
まず最初に、聖火リレーです。
聖火リレーの日程が発表されました。また、先日は、東京都聖火リレー実行委員会も開催され、具体的な検討が始まったところです。今回は、全行程、移動日も含め百二十一日間で全国を回るという長期間での開催となります。
一九六四年は、東京の約三分の二程度の区市町村しか回ることができませんでしたが、今回は東京の全ての六十二市区町村を回ることが決定していまして、大いなる盛り上がりを期待するところであります。
さて、東京は、今回十五日間と発表されていますが、どのような行程を検討されているのか伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 オリンピック聖火リレーの日数につきましては、昨日、七月十二日の調整会議におきまして、総日数を百十四日間に移動日を加えた百二十一日間とすることが決定されました。
国内の出発地は福島県と決まり、東京都は、埼玉県から聖火を引き継ぎ、開会式に受け継ぐ最後の期間であります二〇二〇年の七月十日から二十四日までの十五日間を担うこととなりました。
都は、都内全域で開催機運が盛り上がりますよう、これまで島しょ地域を含めて都内全区市町村を巡回したいと表明してまいりました。
地域の観光資源や魅力あるまちをめぐり、六十二区市町村の全てを巡回できるよう、ルートについて、今後、実行委員会において検討してまいります。
○白戸委員 それでは、その十五日間、どのくらいの人がどのくらいの距離を走るのか、できる限り多くの人に参加してもらった方が機運醸成につながると考えますが、意向を伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 一九六四年大会におきましては、伴走者を含めた二十数名でリレー隊を編成し、約二キロ程度走っておりましたが、直近の過去大会ではランナーは一人で走り、一日当たりのランナーは百人程度、一人当たりの走行距離は二百メートルから三百メートル程度となっておりまして、一九六四年大会とは大きく異なっております。
なお、二〇二〇大会におけるランナー一人当たりの走行距離や人数などにつきましては、現在、組織委員会において検討中でございまして、今後公表されるものと聞いております。
○白戸委員 できる限りたくさんの方に走っていただくことが、やはり機運醸成につながってくるのではないかと思われるんですが、次に、それぞれの地域のランナーはどのように決めるのでしょうか。地域にゆかりのある人が走った方が、当然のことながらより大きな盛り上がりに寄与するのではないかと考えています。
そして、この大会はインクルーシブ、つまり多様性を訴える大会でもございます。大会の象徴である聖火ランナーにも障害、性別、国籍などを超えてさまざまな立場の方に走ってもらうことが重要であると思いますが、都の意向を伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 四月の東京オリンピック・パラリンピック調整会議におきまして、ランナー選定の基本的な考え方として、全ての人々を対象とし、国籍、障害の有無、性別、年齢のバランスに配慮しながら幅広い分野から選定し、開かれたリレーとすること、また、地域で活動している人を中心に選定することなどの考え方が組織委員会から示されております。
今回、新たに設置いたしました実行委員会の委員には、区市町村や公益社団法人東京都障害者スポーツ協会の会長など、各団体の代表者にも就任していただき、さまざまな立場からもご意見をいただくことにいたしました。
今後、こうした考え方をもとに策定される組織委員会のランナー選考基準を踏まえまして、実行委員会において具体の選考計画を定め、公募、選考を実施してまいります。
○白戸委員 ぜひ幅広い方々に参加をしていただきたいというふうに考えております。
今までは人についてご質問させていただきました。今度は場所でございます。
多摩地域において今大会の会場になりますのは、武蔵の森スポーツプラザ、東京スタジアム、そしてロードレースのコースということになっております。都全体の盛り上げを考えるのであれば、聖火リレーがこの多摩地域を走ることは大変重要であり、地域の機運醸成に欠かすことができないと考えます。
東京都として、この地域を走ることが重要と考えますが、都の見解を伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 一九六四年大会におきましては、四つのルートに分かれてリレーを実施いたしましたが、多摩地域の一部や島しょ地域はめぐることができませんでした。
東京で二回目の開催となる二〇二〇大会を成功させるためには、都内全域で開催機運を醸成することが重要でございます。このため、今回設置いたしました実行委員会には、区市町村を代表して特別区長会、東京都市長会、東京都町村会の各会長に委員に就任していただき、多摩地域を含む六十二区市町村全てをめぐるルートなどについて議論していただくことといたしました。
今後、区市町村への意見照会なども行いながら、具体的な検討を進めてまいります。
○白戸委員 多摩地域ももちろんなんですが、今回、駒沢公園を初めとします一九六四年大会のレガシーとなっているような施設についても、聖火リレーを通してPRしていくことが重要と考えますが、見解をお願いします。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 都内には駒沢オリンピック公園を初め、一九六四年大会のレガシーとなっている施設が数多く存在しております。
組織委員会が示したルート選定の基本的な考え方では、地域が国内外に誇る場所を事例として挙げられております。
そのため、今回のルートの選定に当たりましては、東京を象徴するようなランドマークやビュースポット、一九六四年大会のレガシーなどの巡回をどうするかなどを論点に掲げながら、今後、具体の検討を進めてまいります。
○白戸委員 ぜひ観光スポット、そして六四年と今度の二〇二〇年を結びつけるような聖火リレーができればなというふうに考えております。
続きまして、被災地支援について質問させていただきます。
東京都が招致の際に掲げました復興オリンピック・パラリンピック、ちょうど二〇二〇年は被災から十年ということなので、ここはしっかりと発信していくべきだと考えております。
都が考えるこの復興オリ・パラとは、世界中の注目が集まる舞台で、被災地が復興をなし遂げている姿を世界に披露し、世界中の方々からの支援に対する感謝を伝える機会、さらに、スポーツの持つ力で被災地に夢と希望を届けることであるというふうに認識しております。被災地の復興なくして大会時の成功はないという思いこそが、この復興オリ・パラにつながっていくものだと考えております。
それでは、そんな思いの中で都が現在行っている復興オリ・パラ活動にはどんなことがあり、そして、今後どんな計画があるのかを教えてください。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 都はこれまで、東日本大震災以降、スポーツ交流事業、千キロ縦断リレーなど、スポーツの力で被災地の復興を後押しする取り組みを進めております。また、被災地でのフラッグツアーやライブサイトなど、東京二〇二〇大会を通じて地元の方々も一体となって取り組める事業により、元気を届けてまいりました。
こうした取り組みによって元気を取り戻しつつある被災地の姿を世界に伝えるため、被災地復興支援映像の制作、発信を行うとともに、今年度は、海外メディアによる被災地取材ツアーを実施し、世界に向けた発信を強化いたします。
さらに、中高生による大会でのボランティア活動体験や大会観戦機会の提供など、被災地の子供たちに大会を感じてもらえる取り組みを検討しております。
今後とも国や組織委員会等と連携しながら、復興オリンピック・パラリンピックの実現を目指してまいります。
○白戸委員 さまざまな角度から被災地の盛り上げに寄与されているということがよくわかります。しかし、さらに広がりを持たせるために、例えば、都が行う事業だけではなく、被災自治体が行っている事業なども、この東京二〇二〇大会との連携を感じさせるようにできないか、見解をお願いします。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 被災地の方々とともに東京二〇二〇大会を通じた盛り上げを図るためには、地元自治体が実施する事業との連携も大切なことであります。そのため、昨年から宮城県で開催されている東北・みやぎ復興マラソンを後援し、東京マラソンの関連イベントでPRブースを設置するなどの支援も実施してまいりました。
さらに、東京二〇二〇大会を契機に、被災地を含む各自治体や団体が実施する取り組みに対して、組織委員会が東京二〇二〇参画プログラムの認証を行っておりまして、公認や応援マークを通じて大会とつながることができるよう取り組んでいるところでございます。
今後とも地元自治体と連携しながら、大会に向けた取り組みを進めてまいります。
○白戸委員 さらに、今、挙げていただいたことのほかに、例えば、都が被災地で行うライブサイトで被災地をさらに盛り上げることができるのではないかと考えますが、見解を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 被災地の方々に大会の感動と興奮を共有していただき、復興の力としていただくことは重要でございます。
そのため、都は、リオや平昌大会に合わせて被災地においてライブサイトを開催し、地元選手の応援などを通じて盛り上げを図ってまいりました。
東京二〇二〇大会期間中についても、都は、東北被災三県と熊本県においてライブサイトを実施する方針でございます。現在、各県の意向を伺いながら、具体的な開催場所や実施日程の協議を行っております。
ことし秋ごろに予定しているライブサイト基本計画に向けて着実に準備を進め、県とともに被災地のライブサイトの盛り上げに取り組んでまいります。
○白戸委員 今出ましたライブサイトなんですが、ライブサイトというところで一つ大きなヒントになると思われるのが、先日行われましたラグビーワールドカップのパブリックビューイング、六月の二十三日でしたか、シアタス調布で開催されました対ジョージア戦、こちらの方を我が会派からも数名が見学に行かせていただきました。五百人の定員の会場ですけれども、もう満席で、映画館だけありまして、音響効果、そして臨場感も非常に高く、非常に盛り上がったということを聞いております。
この前の秋葉原会場もそうなんですが、やはり屋内であるということ、さらに調布のような既存観覧施設であるということが、過去のものとかなり異なってくるのが大きなポイントなのかなという感じもいたします。これ、一つ、ライブサイトの成功事例として、今後のヒントになるものではないかなというふうに考えております。ぜひ、今後のサイト運営に経験を生かしていただきたいなというふうに思っております。
さらに、このような復興オリ・パラをしっかりと告知していくことも大事なんではないかなというふうに考えております。このあたりのPR、今後どのように広めていくのか伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 震災の記憶を風化させず、被災地の今の姿を広く発信していくためにも、復興オリンピック・パラリンピックに向けたさまざまな取り組みについて、より多くの方々に知っていただくことは重要であります。
そのため、こうした取り組みにつきましてホームページで公表するとともに、大会ガイドブックへの掲載や、総務局が行う風化防止イベントへのブース出展などを通じまして、PRを行っております。
今後、これらの取り組みをさらに幅広く周知していくため、既に実施しております千キロ縦断リレーへの在京の海外特派員の招待に加え、今年度は、被災地のさまざまな現在の姿を、海外メディアに取材してもらうためのメディアツアーを実施いたします。
そして、これらの成果を踏まえ、メディアと連携した、より効果的な広報について検討してまいります。
○白戸委員 我々が自身で発信していくのにも限界がありますので、そういった意味ではメディアをうまく使うということも非常に重要ではないかなと考えております。ぜひよろしくお願いします。
続きまして、競技会場について、まず、トライアスロン会場の水質問題について質問させていただきます。
SDGsの観点から、この大会の開催において、水辺環境の整備、生態系を守ることは非常に重要であると考えております。六月の十一日にも組織委員会が環境や人権を大切にする取り組みについての運営計画を公表したばかりです。課題は五つのテーマに分かれており、中でも大気・水・緑・生物多様性等の項目においては、お台場の降雨時の大腸菌群流入への対策も課題に挙げられているところでした。
それらを踏まえますと、この整備計画を進めているトライアスロン会場となるお台場の水質対策というのは非常に大切なテーマであると考えます。
現在、トライアスロンと水泳、マラソンスイミングの会場であるお台場海浜公園において、現時点において検討されている二〇二〇年大会に向けた水質対策の取り組み状況について伺います。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 東京二〇二〇大会におけるお台場海浜公園の水質対策につきましては、現在、IOCや競技団体等の意見を踏まえ、組織委員会とともに検討を進めております。
具体的には、過去の実験において大腸菌などの抑制効果が確認されている水中スクリーンについて、本年夏、その枚数を二重から三重にふやすなど、機能を拡充させた実証実験を予定しております。
また、昨年度に引き続き、オリンピック及びパラリンピックの開催期間に合わせて、選手が実際に泳ぐことが想定されるコース上において、水質データの収集を実施する予定であります。これらの結果を踏まえ、東京二〇二〇大会時の水質対策に反映させてまいります。
○白戸委員 このようなデータの積み重ねが非常に大事になってくるのかなというふうにも考えます。
そして、この二〇二〇年大会の水質対策を組織委員会とともに検討しているのは、今のでよく理解できましたが、その対策が一過性のもの、この二〇二〇に向けてだけのもので終わってしまっては非常にもったいないと考えます。
レガシーを残す観点からも、何らかの対策が必要だと考えますが、見解を伺います。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 大会のレガシーを残すことは、都としても大切なことだと認識しております。
例えば、現在検討中の水中スクリーン設置のノウハウは、東京二〇二〇大会時の水質対策だけではなく、大会後、さまざまな水域での活用が可能であります。
さらに、オリンピック及びパラリンピックの開催期間に合わせて収集した水質データは、東京二〇二〇大会後における各種競技会などの実施運営の参考として活用することができます。
東京二〇二〇大会において蓄積した水質対策の知識や経験を関係局や関係自治体に提供するなど、大会後のレガシーにつなげてまいります。
○白戸委員 単に大会時のみのために投資するのではなくて、大会後の東京につながる投資を考えることが必要だと考えます。
簡単にいいますと、二〇二〇にきれいになることが目標ではありますが、最終的な目的ではない。目的は、お台場の恒久的水質改善と水辺環境の向上であると。今後もこの観点に立った環境整備を考えていただくことを強く要望します。
続きまして、セキュリティーに関して質問させていただきます。
対象や場所や時間にとらわれず、相手を害したり物を破壊する偶発的な犯罪行為であるソフトターゲットテロが頻繁に起こっております。二〇二〇大会時には、人の集まる場所もふえまして、交通機関の利用者もふえることが想定されます。
中でも先日の新幹線殺傷事件では、社会に恐怖を与えたことが非常に記憶に新しいところでもございます。そして、このような鉄道や公共機関でのセキュリティーの必要性が求められているところでもあります。
テロリストグループは、専らこのソフトターゲットを攻撃することを選択します。なぜなら、より強い相手との直接対決を避けるためにということはもちろんなんですが、容易に犠牲者を出し、同様に恐怖を与えることができるということが理由だと考えております。
二〇一一年、ロンドン・オリンピックの前年ですが、翌年のロンドンに向けてオリンピックのテロが準備されているということが判明しました。当時のロンドン警視庁の警視副総監は、テロリストが入ることができないように会場の安全性を確保すれば、彼らはオリンピックにリンクしてもセキュリティーは低い同時イベントのようなソフトターゲットを探すだろうと述べ、警備を強化してオリンピックのテロを回避したといわれています。つまり、警備を強化することによって、ソフトターゲットでなくしたということですね。
これは非常に極端な例でもありますが、いずれにしても事前にしっかりとした対策が必要だということはいうまでもありません。
今回、この競技会場周辺やラストマイル、交通拠点など、観客などがたくさん集まる場所、いわゆるソフトターゲットになり得る場所に対して、都としてどのように対応していくのか伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 競技会場周辺や最寄り駅から会場までのラストマイルなど、多くの観客等が集まる場所、いわゆるソフトターゲットといわれる場所におきまして、テロに対する備えを的確に行うためには、テロの未然防止の取り組みを強化するとともに、万が一テロが発生した場合には、警察を初めとする関係機関と連携し、観客等の安全を確保するための取り組みを行うことが重要でございます。
そのため、警視庁、区市町村と連携いたしまして、地元企業、住民の参画を得て、官民一体となった防犯、安全見守り活動により防犯意識を醸成し、不審者、不審物の発見や通報依頼等を推進してまいります。
また、警視庁や組織委員会と連携いたしまして、ラストマイル等への警備員の適切な配置や警視庁が設置する防犯カメラの情報を共有するなど、テロの未然防止を図ってまいります。
大会の安全・安心の確保に向け、官民の関係機関の連携を一層強化しながら、ソフトターゲットを初めとするテロに万全の備えを行うための取り組みを進めてまいります。
○白戸委員 ぜひ、この二年間でしっかりとした備えをお願いしたいと思います。
続きまして、機運醸成について質問させていただきます。
現在、都内各自治体でトレーニングキャンプ地の誘致が盛んで、続々と決定されています。大会時だけではなく、大会前から雰囲気を盛り上げて、むしろ大会中よりも長く選手を見ることができる貴重な機会ともなり得ます。
ただ、残念ながら、このような情報は各自治体単位で公表されており、一元化されていないというのが現状かと思います。だからこそ、都内各地のトレーニングキャンプ地一覧をつくって、より盛り上げに寄与するべきだと考えます。都民はもちろん、メディアもそんな情報を得て取材を行う、また受け入れる自治体もより誇りに思うのではないでしょうか。さらに、他地域の情報を見ることで刺激をし合い、各自治体が発奮する機会となり得ると考えます。
ぜひ見解を伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 事前キャンプは、各国のオリンピック委員会などが大会直前に任意で行うトレーニングでありまして、区市町村が主体となって取り組むことで、積極的に大会に参画できる貴重な機会でございます。
それぞれの地域におきまして大会への関心が高まるだけでなく、地域振興や国際交流の促進、スポーツの振興など、大会後にもさまざまなレガシーが期待される取り組みでもあります。
これまで都は、キャンプの誘致を希望する都内区市町村のスポーツ施設などを掲載したホームページを運用するなど、情報発信を行うとともに、海外の各国オリンピック委員会などによる視察の受け入れに係る調整を行ってまいりました。
現在、都内の自治体におきましては、各国オリンピック委員会などと事前キャンプの覚書を締結した事例といたしまして六件ございまして、具体的には、世田谷区とアメリカ・オリンピック委員会、中央区、江東区、大田区とブラジル・オリンピック委員会、港区とイギリス・オリンピック委員会、府中市とオーストラリア野球連盟のほか、直近の例でございますと、板橋区とイタリア・オリンピック委員会、町田市とインドネシア・パラリンピック委員会などの例がございます。
今後は、これらの情報を加えたホームページの内容の充実を行うなど、情報発信を強化いたしまして、都内の機運醸成が図られるよう取り組んでまいります。
○白戸委員 ぜひ機運醸成に向けて、一つ大きなポイントになると思いますので、進めていただきたいというふうに考えます。
続きまして、ボランティアについて質問させていただきます。
いよいよこの九月に大会ボランティア、都市ボランティアの募集が始まります。合計十一万人というボランティアが大会の運営にかかわり、大会の盛り上げに重要な役割を果たしていくこととなります。
ロンドン・オリンピックにおける最大の成功の一つは、全国規模のボランティア制度といわれています。二十四万人を超える人々がゲームズメーカーに応募をし、その中から最終的に七万人が選ばれました。そのうち何と四〇%の方が過去にボランティアの経験がないという人だったそうです。
この七万人のボランティアは、延べ百万時間を超える訓練を受け、延べ八百万時間の活動をしたといわれています。彼らはロンドン・オリンピックの雰囲気を変え、開催都市に息を吹き込み、そして、世界にロンドンを示すことに貢献しました。
そして、イギリスはこのオリンピック以来、ボランティア文化に対する認識が変わり、今では多くの人々が地域のコミュニティなどでボランティア活動をしているということでございます。
日本でも現在、このボランティアに対してネガティブな報道も出ているようですが、ぜひ東京大会の顔として活躍し、その後の日本のボランティア文化醸成に一役買っていただけるようなものにすべきと考えております。
さて、現在、日本には二百五十六万人の在日外国人が在留し、東京だけでも五十三万人おられます。この中には、自国言語はもちろんですが、日本語も堪能な方が多く、大会時に海外から大勢やってくる外国人観客の対応には最適なんではないかなと考えます。ならば、こういった在留外国人の方に積極的に参加していただきまして、その役割を担っていただくことが適切であるのではないかと考えます。
在日外国人の都市ボランティア、大会ボランティアの積極的な参加に向けた取り組みについて見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会では、国籍などにかかわらず、多くの方々がボランティアとして大会を支えるとともに、世界中から東京を訪れる選手、観客をおもてなしする上で、さまざまな言語に対応するボランティアが活躍することが重要でございます。
これまで都は、組織委員会とも連携いたしまして、ボランティアの魅力を伝えるウエブサイト、東京ボランティアナビにつきまして、日英二言語で情報発信を行ってきたところであり、今後掲載する募集関連情報や、募集開始後に設置する応募申し込みページにつきましても同様に対応してまいります。
また、九月からの募集に向けましては、英語字幕つきのPR映像等も活用し、広く参加を呼びかけますとともに、東京都国際交流委員会などのホームページにおきましても、外国籍の方々の応募に向けた働きかけを行ってまいります。
さらに、組織委員会が全国十一都市で行う大学への広報活動でも連携いたしまして、外国人留学生を含む多くの学生の応募を促すなど、日本で生活する多くの外国人の方々に参加いただけるよう取り組みを進めてまいります。
○白戸委員 東京は、この在留外国人の方が非常に多い、私、実はけさも一緒だったんですが、日本語をべらべらに話す外国人の方がたくさんいらっしゃいますので、そういった方を、ずっとこの中でも論議されております言語対策というところに役立てていただければなというふうに考えます。
続きまして、選手村に関して質問させていただきます。
選手村には、このオリンピック期間中には最大で一万八千人、そして、パラリンピック期間中では八千人程度の選手や関係者がステイし、行き来する大変にぎわった場所になると考えられます。そして、毎日練習会場や大会会場に向かう車両で混み合うことはいうまでもありません。
まず現状、一日どのぐらいのバスが往来する想定なのか伺います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 選手村におきましては、各会場へそれぞれの競技スケジュールに合わせて選手を輸送するため、多くのバスが発着することとなります。
そのため、都は、限られたスペースを最大限活用して、選手村にバスの乗降場を整備することとしており、現在、その配置計画の検討を進めているところでございます。
バスの具体的な発着台数や乗降場の詳細な運用につきましては、組織委員会が中心となり、今後決定される競技スケジュールや練習会場などを踏まえて検討を進めてまいります。
○白戸委員 その中で選手村のバスの乗降場は、それだけたくさんのバスに対応できる設計となっているんでしょうか。相当数の車が発着し、選手が乗車待ちをするわけです。当然のことながら、選手村の敷地内で使用できるスペースも限られていますし、うまく運用しないと、多くのバスなどで駐停車スペースも混み合ってしまい、混乱する事態も予想されます。
どんなに築地に調整機能を持たせたとしても、最終的にはもちろん、この選手村の前でやるしかありません。アスリートファースト、つまり選手を確実に時間どおりに競技場に運ぶという重要な役割を果たすためには、できるだけ混乱を避けなければいけないというのはいうまでもありません。この敷地の制約などの課題もあると思いますが、しっかりと検討を行う必要があります。
具体的にはバスでの送迎が中心になると思いますが、バスが待機する場所、バスが回れるロータリー機能が大変重要になると考えます。
バスの乗降場を検討するに当たって、どのような課題があるのか、またそれに対しての検討状況を伺います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 選手村のバス乗降場の計画に当たりましては、限られたスペースの中で多くの選手やバスが行き交うことに加えて、セキュリティーの確保などに対しても十分検討していく必要がございます。
このため、選手が目的の競技会場などにスムーズに移動できるよう、乗降場所と降車場所の分離や案内の設置、数多く発着するバスが円滑に運行できる道路形状など、最適な配置計画について組織委員会と検討を進めているところでございます。
引き続き、コスト縮減を図りつつ、組織委員会と綿密に連携し、安全で円滑な選手の輸送が実現できるよう準備に万全を期してまいります。
○白戸委員 過去のオリンピックの選手村を見ましても、なかなかこの発着場というのは非常に混み合うものでございます。ぜひとも、気が早いのかもしれませんが、周到な準備をお願いしたいと思います。
それはともあれ、関係者の皆様が丁寧に準備を進めていただいていること、改めてよくわかりました。ただ、今回の大会を安全にスムーズに開催することはもちろん重要ではございますが、大会後に何を残せるかが一番重要なところではないかとも考えます。
大会があったからこそ、多様性への理解、普及が促進されたとか、海がきれいになったとか、アクセスがよくなったとか、健康への意識が高まったなどの都民、国民の幸福度を高めていくことこそが必要なのではないかと思っております。
あと二年間という限られた時間ですが、そういった視点を忘れないように準備を進めていただくことを要望し、私の質問を終わらせていただきます。
○山崎委員 私の方からは、先ほど聖火リレーの質問もありましたけれど、聖火リレーのことについて質問を始めさせていただきたいと思います。
四月の十日の調整会議で、東京都のリレーの日数が十五日に決定をして、そして昨日行われた調整会議では、今度は福島県、きょう資料も配布されましたけれど、福島県を出発として各都道府県を回る順番や、全体の日程が公表されたわけであります。アテネから日本に来る、その一番目が福島になるということだと思いますけれど、東京都では、今週のたしか七月の十日、東京都聖火リレー実行委員会を立ち上げて、いよいよ聖火リレーの議論をする時期に来たという実感を今、私もしております。
前回大会の一九六四年の大会を知る人たちにとっては、やはりその当時の記憶というものが鮮明にあると思います。私はもちろん一九六四年は影も形もありませんでしたので、いろいろな諸先輩からお話を聞いていくと、やはり最近の過去大会と一九六四年の違いというものがいろいろと私もわかってきました。
また、一昨年、私、リオの方に行ってまいりました。その視察したときに見た風景の一つに、聖火リレー、目の前で拝見をさせていただいたんですけれど、特に感じているのは、車列が非常に長かった。初めの車列と、また真ん中の車列と、そして後続車という、大きく三つぐらいの規模に分かれていたのかなと思うんですけれど、そこではリオならではというか、非常に明るい、そういった聖火リレーだったのかなという印象を受けたんです。その中で、私たちが実感としてびっくりするのは、やはり軍隊の活用が、目の前で軍隊の人たちが警備をしていたのが、こんな風景が見られるんだというのは非常にびっくりしたところであります。また、各スポンサーのラッピングバスだとか、そういったものが非常に目まぐるしく派手にというか、スポンサーですから、派手に聖火リレーの一翼を担っていたのかなということが感じられたわけであります。
そういった中で、聖火リレーのメーンであるランナー、また聖火、こういったものがちょっと余り目立たなかったのかなという印象も受けました。
聖火ランナーは一人でありまして、その周りにセキュリティーランナーがたしか二十人ほど囲んでいたような風景も見られたんです。ですから、何かスポンサーなどのラッピングのそういったものが非常に目立っていて、本来目立たなきゃいけない聖火と聖火ランナーが、私の印象では余り目立たなかったのかな、これをもっともっと目立つようなものにしていくのが本来の聖火リレーのあり方なのかな、そういうことを感じたわけでございます。
それでは、そこで、まず一九六四年大会、この東京の第一回目の大会と今回二〇二〇年大会における聖火リレーの違いについてお伺いをいたしたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 二〇二〇大会のオリンピック聖火リレーにつきましては、一九六四年大会のときとはルート、ランナーのいずれの点でも異なっているものとなります。
ルートに関していえば、一九六四年大会当時は分火ができたため、四つのルートでリレーをすることができ、各ルートとも一日から二日で都内を巡回しておりましたが、二〇二〇大会では分火ができないため、一つの聖火によって一つのルートを十五日間かけて都内を巡回していくということが考えられます。
また、ランナーにつきましても走り方が異なっておりまして、一九六四年大会では全てランナーが走ってつないでおりましたが、二〇二〇大会では、ランナーがリレーする区間のほかは車でつないでいくという違いもございます。
加えて、対象者ですが、一九六四年大会では十六歳から二十歳の体力のある日本人が走っておりましたが、二〇二〇大会では全ての人々が対象となっております。
そのほかにも、一九六四年大会では二十数名でリレー隊を編成して走っておりましたが、直近の大会では、ただいま理事からお話がありましたとおり、スポンサーを初め多くの車が隊列をつくりまして、その中でセキュリティーランナーに囲まれて聖火ランナーが一人で走るなど、一九六四年大会とは状況が大きく異なっております。
○山崎委員 今の答弁を聞くと、やはり一九六四年大会と今度の二〇二〇年大会の聖火リレーのルートも含めて、ランナーも含めて、隊列も含めて、変わっているということがよくわかったわけであります。
一九六四年大会は、多摩の一部や島しょ地域は回らなかったわけであります。今回は全てを回ると聞いております。前回とリレーの方法は異なるわけでありますが、本当に六十二の区市町村を回るリレーが可能なのか、その辺がよくまだわからないわけであります。
東京にはもちろん島があります。大島、八丈の伊豆諸島、そして、東京から約千キロ離れている世界の自然遺産にも登録をされている小笠原諸島ももちろん東京都の島であります。
この六十二の区市町村を全て回るとのことでありますが、十五日間で島も含めて全て回るというスケジュール的には、私はかなり厳しいようにも感じます。
島はどのような方法で回る想定なのか、現段階でのお話をお伺いしたいと思います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 一九六四年大会は、いずれの島も聖火がめぐることができませんでしたが、二度目の開催となる今回は、島しょ地域を含めて六十二区市町村全てを回る聖火リレーのルートを検討しております。
島しょ間の移動は距離が離れ、移動手段も限られることから、先日の第一回実行委員会におきましても、限られた日数の中、島しょ地域をどのようにめぐるかは課題であるとの意見がございました。
島しょ地域のめぐり方につきましては、今後、過去大会の事例なども参考にいたしまして、知恵と工夫を重ねながら実行委員会で検討してまいります。
○山崎委員 東京全体で機運の醸成を図るためには、島も含めてリレーをすることが大変必要だともちろん思います。ぜひ島も含めて、六十二の区市町村のリレーをしっかりと実現していただきたいと要望しておきたいと思います。
ところで、実行委員会では、今年度、ルートに加えて、セレブレーション会場の選定を実施するとのことであります。
セレブレーションについては、各会場において区市町村による地域の特色を出したプログラムとなるようにすべきと考えますが、都の見解を伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 セレブレーションは、聖火の到着を祝うイベントで、毎日の聖火リレーの終わりに行うものでございます。セレブレーション会場では、自治体や聖火リレースポンサー各社がそれぞれ演出を行いまして、最後に聖火ランナーが到着し、聖火皿に点火して、一日のリレーが終了いたします。
セレブレーションの具体的な実施方法等につきましては、現時点で組織委員会から示されておりませんが、過去大会では地元の文化や歴史、伝統芸能など、地域ごとに特色を生かしたプログラムが展開されておりました。
そうしたことから、セレブレーションの実施に当たりましては、今後、区市町村に対し意向確認などを行い、各自治体と連携して取り組んでまいります。
○山崎委員 東京都は十五日間のため、恐らくセレブレーションは最大で十五回に当たるのかなと思います。恐らく全ての自治体において、このようなイベントを実施したい、そのように思うはずであります。
セレブレーションは、毎日の最終到着地点でしかできないものでありますが、そのほかの、例えば、十五日間最後到達する自治体はセレブレーションできるんですけれど、そのほかの自治体においても何らかのイベントを実施することができるんでしょうか、お伺いをいたします。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 聖火リレーに関するセレモニーといたしましては、毎日最終到着地で行うセレブレーションのほかに、任意で実施される出発式やミニセレブレーションと呼ばれております中継地イベントがございます。
出発式は、その日最初の聖火ランナーの出発時に行われるセレモニーでございまして、中継地イベントは、一日の聖火リレーの途中で行われるセレモニーであるとされております。限られた時間の範囲内ではございますが、聖火の出発や到着を祝うプログラムや地域文化の演目など、地域の特色を生かしたイベントを実施することが可能でございます。
そのため、今後、区市町村の意向を踏まえながら、セレブレーションや出発式、中継地イベントの会場選定などについても検討を進めてまいります。
○山崎委員 区市町村の意向も踏まえながら、これからセレブレーション、出発式、中継地のミニセレブと会場の選定、これはルートとの兼ね合いも必ず出てくると思います。非常に大変な調整だと思いますので、ぜひその点は、恐らく各区市町村、いろんなご意見があると思います。しかし、ルートを決めた以上はとか、そういった意味も含めて、円滑な調整役として、東京都には頑張っていただきたいと思います。
セレブレーションや出発式の地域の活動をPRするよい機会になるわけであります。自治体が希望する場合には、いずれかのイベントが実施できるよう、東京都として、区市町村の意向を確認して取り組んでいただきたいことも重ねてお願いをしておきたいと思います。
また、先ほど答弁にもありましたスポンサーが行うセレブレーションなどと、どのように区市町村がまた連携できていくのか、こういった課題も恐らく出てくると思います。ある意味、スポンサーと区市町村とのかけ橋として、東京都としては、その調整役もしっかり担っていただきたいことも重ねて要望をしておきたいと思います。
これらのイベントについての東京都と地元自治体との役割分担はどのようになっているのかお伺いをいたします。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 スポンサーなども含めまして、セレブレーションなどにおける組織委員会と都道府県実行委員会の役割分担につきましては、今後、組織委員会において整理される予定でございます。
それを踏まえまして、都と区市町村との役割分担、費用負担について、今後、実行委員会で検討してまいります。
いずれにいたしましても、セレブレーションや出発式などのイベントにつきましては、区市町村において地域の魅力を発信する機会でもありますことから、地元自治体にも重要な役割を担っていただくことになると考えてございます。
○山崎委員 イベントの種類により自治体の不公平感が出ないように、要するに、出発式とミニセレブ、そして、多分大々的にやる一日の最後のセレブレーションが自治体で、こっちが小さくてこっちが大きい、恐らくイベントのいろんな、そういった大小は出てくると思いますけれど、そういったところにもしっかりと配慮をして、調整していただきたいと思います。
聖火リレーは、大会前の恐らく最大の、最後のイベントになると思います。しっかり成功させるということが最後の直前の機運醸成に私はつながると思いますので、誰もが身近に大会を感じられるよう、聖火リレーにおいてもぜひボランティアを活用すべきだと考えます。
聖火リレーを成功させるためにはボランティアの活用が重要だと考えますが、所見を伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 聖火リレーは、ランナーのほか、観衆、地域住民など多くの人々が大会開催に向けた機運醸成イベントに参加することができる貴重な機会でありまして、ボランティアもその一つでございます。
聖火リレーの具体の運営方法の検討につきましては、都内のルート案の検討が終了した後を想定しておりまして、聖火リレーにおけるボランティアの活用につきましても、区市町村と連携しながら今後検討してまいります。
○山崎委員 この九月から大会ボランティア、都市ボランティアと募集が始まります。それとは私は別に考えていただいて、この聖火リレーのボランティア制度、ぜひ新たに創設をしていただきたい。そして、多くの方が最後の機運醸成、そういったものにつながる、また多くの方が参加できるような聖火リレーとして、ぜひ実行していただきたいことを強く要望しておきたいと思います。
我々自民党は、招致の段階から全国各地をめぐり、オリンピック・パラリンピックを東京と地方が一体となって成功させたいということを訴えてまいりました。
国内の出発地や都道府県の順番が決まって、東京都に引き継ぐ県も埼玉県と決まったわけであります。聖火リレーの検討は、まさにこれからがスタートになるわけでありますが、さまざまな思いが込められ、全国をめぐった聖火を東京都がしっかりと受け継ぎ、聖火リレーが大会を成功に導く最後の機運醸成になることを願いたいと思います。
六十二の区市町村全てをめぐるルートとは一体どのようなルートになるのか、皆が関心を持っておられると思います。全員が納得するルート等をつくり上げるのは大変難しいことであると私は思いますが、その調整役として、しっかり各区市町村をまとめていただいて--恐らく、うちが先だ、こっちが後だ、いろんな要望が来ると思います。ぜひその調整、これ大変困難だと思いますけれど、東京都をリーダーとして、最後はやはり都民、国民が盛り上がる聖火リレーを実現していただきたいことを要望して、私の質問を終わります。
○加藤委員 まず初めに、競技力の向上とともに、競技人口の拡大になくてはならない練習会場の場の確保について質問をいたします。
東京二〇二〇オリンピック競技大会には、スケートボードを初めとする新種目が追加をされました。スケートボードもスポーツクライミングもメダルを狙える有望な日本人選手がおりまして、テレビでその活躍を伝える番組を見る機会がありました。
一方で、身近な地域における練習場所が多いわけでもなく、プレーヤーにとっては、練習場所に困っていたり、普及が進まないことが課題となっています。
そこで、これらの追加種目の、身近な地域での場の確保に向けた都の取り組みについて伺います。
○小室オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部長 都では、身近な地域におけるスポーツ活動を促進するため、平成二十六年度に創設しましたスポーツ施設整備費補助により、区市町村を支援しております。
具体的には、競技スペースを拡大する工事、利用時間の延長等の利用機会拡大に資する工事や、誰もが利用しやすい環境を整備するバリアフリー工事等を対象として補助を行っておりまして、平成二十九年度は、スケートボード施設について一件補助を行いました。
今後もこうした補助制度を活用しながら、身近な地域における場の確保に努めてまいります。
○加藤委員 こうした課題に対しまして、都では、今お話ありましたとおり、区市町村スポーツ施設整備費補助があるわけですけれども、区市町村によっては、補助金活用の前提となるスポーツ施設整備のための土地が確保できず、整備が進まないケースもあります。
スポーツ環境の拡大という補助制度の目的からも、区有地だけではなく、都有地等の借地にスポーツ施設を整備する場合にも補助制度が活用できれば、スポーツ環境の整備が進むと考えます。
そこで、こうした借地における施設整備に対する補助制度運用の現状について伺います。
○小室オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部長 本補助制度における補助対象施設につきましては、原則として自治体所有の土地、建物であることが要件となりますが、借地における施設整備につきましても、長期貸借契約の締結や、将来的に自治体が買い取る計画がある場合等は補助対象としております。
今後も区市町村のニーズを踏まえ、都民のスポーツ環境の充実を図ってまいります。
○加藤委員 借地についても、条件次第で補助対象になるとのことですが、例えば、首都高速道路の高架下は駐車場や公園などに活用されていて、スケートボードのような音が発生するスポーツでも、場所によっては周りへの影響を及ぼさない環境にあると思います。管理主体が都ではありませんけれども、スケートボードやスポーツクライミングなどの練習場所にも適していると思いますので、借地として借りることができて、区市町村からの補助の要望があれば、ぜひ都も協力をしていただきたいと要望をいたします。
続きまして、持続可能性に配慮した運営計画について質問します。
一九六四年の東京大会では、高度経済成長時代にあって、アジアで初開催となるオリンピックとして、高揚感に満ちていたと聞いております。新幹線、高速道路といった新技術や新しいインフラも目に見えてわかりやすかったですし、平均年齢も若く、世の中全体が活気にあふれていたとのことです。
ところが、五十数年たった今、成熟時代の中で迎える二回目の東京大会では、少子化、超高齢社会という課題を抱えながら、持続可能性とどう結びつけていくかが問われるものと思います。第二回定例会の我が党の代表質問でも、そのことについては言及してまいりました。
本計画では、東京二〇二〇大会を通じて、持続可能性の実現に向けたこれまでの取り組みをさらに発展させ、課題解決のモデルを国内外に示していくこととしています。
ぜひこの計画で示された取り組みが国内外に広く普及し、将来、都民や国民生活のスタンダードとなり、振り返ればそれらは二〇二〇大会から始まった、または大きく前進したことだったんだと後々いわれるようになればと期待しておりますし、大きなレガシーになると信じております。
本計画の具体化に向けては、組織委員会、都、国を初めとする多くの関係者が主体的に取り組むことが求められます。
そこで、持続可能性に配慮した運営計画に基づき、都はどのような取り組みを行うのか伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 運営計画では、持続可能性に配慮した大会の準備、運営に向けて、気候変動や資源管理など五つのテーマごとに組織委員会や東京都、国などが取り組む施策が示されております。
気候変動対策の都の取り組みといたしましては、都内事業者が削減したCO2排出量の提供を受けることにより、東京二〇二〇大会の開閉会式の四日間に都内で排出される全てのCO2をゼロにする東京ゼロカーボンフォーデーズを実施するなど、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。
資源管理におきましては、選手村の宿泊施設で使用される給湯器などの設備等につきまして、大会後、他の公共施設等での活用を検討するなど、大会にかかわる資源の再使用、再生利用を進めてまいります。
また、暑さ対策といたしまして、マラソン沿道等を含む都道における遮熱性舗装の整備や、競技会場周辺における微細ミスト、ひさし等を活用したクールエリアの創出などを行ってまいります。
さらに、都が発注する大会関係の施設整備や調達する物品等につきまして、持続可能性に配慮した調達コードを尊重した取り組みを進めますとともに、都民、国民の大会への参加意識の醸成につながるメダルプロジェクトを積極的に支援するなど、大会を通じて持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
○加藤委員 いずれの取り組みも大会運営だけにとどまらず、大会後も引き続き、その取り組みを継続していただきたいと思います。
また、持続可能性に配慮した行動を持続するためには、都民、国民の理解を深め、みずからの行動につなげていく必要があると考えます。本計画のコンセプトであるビー・ベター・トゥゲザー、よりよい未来へ、ともに進もうは、より多くの方々とともに、持続可能性に配慮した行動をするということを表現したすばらしいコンセプトであると思います。私は、この二〇二〇大会のテーマにしてもいいぐらいだと、そのように思っているところであります。
ぜひこのコンセプトをより多くの都民、国民に普及し、本計画の取り組みを周知していただきたいと思います。
そこで、都は、運営計画第二版で示された東京二〇二〇大会の持続可能性のコンセプト、ビー・ベター・トゥゲザー、よりよい未来へ、ともに進もうを普及していくことが重要だと思いますが、どのように普及していくのか伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 持続可能性のコンセプトは、組織委員会が公表した運営計画や東京二〇二〇大会を持続可能なものとするためのさまざまな活動をわかりやすく発信するメッセージでございます。
組織委員会におきましては、メディア向け説明会を開催するなど、運営計画やコンセプトについて広く周知を行っております。
また、今後につきましても、広く都民、国民に持続可能性に関するセミナーの実施や、オリンピアン、パラリンピアンなどを通じた意識向上の取り組みなどの中で普及を図っていくことといたしております。
都におきましても、今後、都のウエブサイトや「広報東京都」等の広報媒体の活用、大会二年前イベントを初めとするさまざまな催しでの周知など、関係局とも連携を図りながら、コンセプトの効果的な活用による大会を通じた持続可能な社会の実現に向けて、普及啓発を行ってまいります。
○加藤委員 都民、国民のみならず、海外の人に向けても本計画の取り組みを発信していくべきですし、都民の行動が、この二〇二〇大会から開始するのではなく、二〇二〇大会に向かってともに取り組むために、あらゆる手段で周知を図ることが大切です。ホームページやイベントも大切ではありますが、例えば都庁内に常設の展示スペースを設けて、訪れる人々にも大いにアピールすべきと思います。
また、今は動画の時代ですから、イメージビデオを作成するなどして発信すべきです。たしか大会招致のときにもイメージビデオを作成したと思いますけれども、この取り組みのビジュアル化を図りながら、わかりやすく、多くの方々にこの計画と、そして持続可能性に配慮した取り組みを知っていただき、全員参加の東京二〇二〇大会にしていくことが大事です。
そして、よりよい未来をともにつくって、ともに進もうという、東京二〇二〇大会のすばらしさを広く発信して、都民の協力も得ながら、すばらしいレガシーができ上がっていくことを期待して、質問を終わります。
○あぜ上委員 私からは、被災県の負担問題についてです。
先ほどもお話がありましたけれども、復興五輪ということで、聖火リレーのスタートを福島にすると。サッカーや野球の競技を被災地で開催することも決めておりますが、私が心配しているのは費用負担の問題なんです。
私たち都議団はこれまでも、被災地に負担をかけてはならず、国や組織委員会が責任を持って負担することを求めてまいりました。そもそも、都が他県の仮設部分における費用を負担することは、地方財政法の原則からいっても問題だし、開催都市の責任を強調して、国がみずからの責任を果たさないことは許されないという主張もしてまいりました。
被災県で行われる聖火リレーにつきましては、現地の方にお話を伺うと、予定コースの地域では歓迎の声が上がっているというふうに伺っていますが、被災県全体から見ると、やはり見えない費用負担に対する不安の声も多く上がっていると伺っています。
そこで、まず伺いたいと思いますが、聖火リレーの際のセキュリティーや輸送、機運醸成など、大会にかかわるものはどこの負担になるのか伺います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 組織委員会は、各都道府県に対しまして実行委員会を設置し、ルートやセレブレーション会場の選定、沿道整理や交通整理などを行うことを依頼しておりまして、具体的な経費負担につきましては、現在検討中でございます。
なお、聖火リレーなどオールジャパンでの取り組みに係る行政的経費につきましては、宝くじ収益金を充当することとなっております。
○あぜ上委員 そうすると、ちょっと確認なんですが、現在検討中ということなんですが、先ほど任意の出発式などのお話もありましたけれども、そうすると、被災県が負担をせざるを得なくなる部分というのは出てくる可能性があるんでしょうか。現段階でいえることを教えてください。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、具体的な経費負担につきましては、現在検討中でございます。
○あぜ上委員 ということは、やっぱり今の段階では、被災県に負担がないということは、現段階ではいえないということであります。
では、被災地で東京二〇二〇年大会の競技会場となる施設はどうでしょうか。被災地において、東京二〇二〇大会で使用する施設の改修が必要な会場、どこでしょうか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 被災地の会場でございます宮城県の宮城スタジアム及び福島県のあづま球場のいずれの会場におきましても、改修を行うこととなっております。
○あぜ上委員 そうしますと、この二つの施設の改修の場合、各自治体の費用負担はどのような仕組みになっていらっしゃいますか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 自治体所有施設におきます改修の費用負担でございますが、大会時のみの一時的な施設改修につきましては仮設整備でございまして、平成二十九年五月の東京都、組織委員会、国、競技会場が所在する自治体の四者による、いわゆる大枠の合意によりまして、東京都負担となっております。
一方、大会後も使用する施設改修につきましては、恒久的な改修となりまして、施設所有者である当該自治体の負担となります。
○あぜ上委員 ということは、恒久的な改修は自治体負担だということは、つまり被災県であっても、被災県以外の県であっても同じだという理解でよろしいですね。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 ただいま答弁申し上げましたように、大会後も使用する施設改修につきましては、恒久的な改修ということで、施設所有者である当該自治体の負担となります。
○あぜ上委員 復興五輪ということでありますけれども、結局、他県と同様に被災県が負担しなければならないということであります。
では、それぞれの自治体が行う施設改修の費用は幾らになるか教えてください。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 各県の公表資料等によれば、宮城スタジアム及びあづま球場におけます恒久的な施設改修の費用は、宮城スタジアムで約十億円、あづま球場で約十三億円でございます。
○あぜ上委員 私が伺ったところによりますと、今お話あったように、サッカーの会場となる宮城スタジアムは約十億と。このうち四億は宝くじで確定しているけれども、六億については、まだどうするのか決まっていないということでありました。この際、恒久施設はバリアフリーなどの改修も考えているけれども、宝くじで支出される範囲を超える部分があるかもしれないということでありました。
宝くじの費用というのは三百五十億ということでありますが、それは被災県だけで使うわけではないわけですね。恒久施設の改修には、もちろん国庫補助金がありますけれども、自治体負担があることは、私は被災地にとっては大変大きな負担であるというふうに思います。
宮城県の県議会でも、この財政負担に関する議論がされていたんですが、県の担当部長さんは、こういうふうにご答弁されていたんですね。宮城県の利府町でサッカー競技をすることについては、招致の前から今回復興五輪ということに位置づけて実施をしていく中で、ぜひ宮城県内でというお話がございまして、基本的には、整備についても大会の運営についても、宮城県の負担ではなくて実施されるというような前提で引き受けた経緯もございますというふうにいっておられました。
復興五輪ということであるならば、私はやっぱり復興に寄与するという意味からも、やはり宮城県がおっしゃったように、自治体負担分を支援するということは当然だというふうに思うんです。ただ、冒頭申し上げましたように、都が負担するんじゃなくて、やっぱり本来、国が被災県の負担分を全額支援すべきだというふうに思います。
都として、国に対してこの復興五輪で使用する恒久施設の改修費は、国の責任において負担するよう求めるべきだというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 いわゆる大枠の合意では、東京二〇二〇大会の役割分担及び経費分担に関しまして、国は、オールジャパンでの取り組みを推進するため、必要な協力、支援を行うこととされております。
大会の成功に向け、国を挙げて開催準備に取り組むことが必要となる中、国としてこれまで以上に役割と責任を果たすことが求められておりまして、そこで、都は……(発言する者あり)
○小山委員長 静粛に願います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 国への提案要求におきまして、競技会場として都、他の自治体及び民間事業者が整備を行う恒久施設につきましては、積極的な財政支援を行うよう要求しております。
○あぜ上委員 今ご答弁にありましたけれども、ことし六月に東京都は、平成三十一年度国の施策及び予算に対する東京都の提案要求を提出されておりました。
これを見ますと、この提案要求には、競技会場として都、他自治体及び民間事業者が整備を行う恒久施設については、国庫補助率等国の通常の財政措置の枠組みを超えた積極的な財政的な支援を行うことと、かなり踏み込んで、東京都としても要望されていることがわかりました。
また、スポーツ基本法の第二十七条に基づき、東京二〇二〇大会の開催に必要な補助金を交付するとともに、大会開催に必要な資金に対して、スポーツ振興くじの助成金を交付するなど必要な措置を講ずることというふうに、都負担に対しても国がもっと積極的に財政支援を行うことを求めていることもわかりました。これは、私はとても大事なことだと思います。
引き続き、都として、復興五輪の意義、そして復興の支援につながるものになるように、国に対して強く求めていただきたいというふうに思います。
ことしの三月に、時事通信社が岩手県、宮城県、そして福島県の三県の四十二の市町村長を対象として行いましたアンケート調査があるんですが、これを見ますと、復興五輪の理念が浸透していると考える市長は約二六%にとどまっているんです。市長たちからは、やっぱり被災地との連携不足を指摘する意見が多かった、そしてまた、国や組織委員会、東京都への要望では、連携や支援の充実を求める意見が出ていたとされていました。
こうした被災地からの、今後のさらなる都との連携や、国からの支援の拡充を求めるこうした声をどう受けとめていらっしゃるか伺います。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 六月の国への提案要求では、大会が被災地の復興の後押しとなるよう、国として必要な事業を着実に実施することを要求事項として新たに追加しております。
復興支援の取り組みを検討するに当たりましては、その内容が被災地の意見を踏まえたものとなりますように、組織委員会、国とともに東北の被災三県をそれぞれ訪問するなどにより、意見交換を実施してまいりました。
引き続き、組織委員会や国等と連携して取り組んでまいります。
○あぜ上委員 いろいろな取り組みが既に行われているということですが、やっぱり一番大事なのは被災地の皆さんの思いや、それから現実的な問題だというふうに思うんですね。
三月に発表されました河北新報社のネットアンケートがあったんですけれども、これは東北六県と首都圏で行ったんですが、残念ながら、大会が復興に役立つかどうかの問いに対しては、役に立たないと答えた人が五二%、そして、被災三県の内陸部では五八・九%が復興に役立たないと答えたんですね。
私は、やっぱり被災地の子供たちが本当にアスリートのすばらしい競技を観戦する中で、また触れ合う中で、何かをつかむことができれば大変すばらしいというふうに思っています。
ただ、現実問題として、復興が道半ばの中で経済的な負担まであるのでは、何のための復興五輪かという思いがあるのは当然だというふうに思うんです。経済的な負担や具体的な取り組みについては、これから組織委員会と話し合って具体的に詰めていくようになっていくというふうに先ほどのお話も伺ってわかったんですが、やっぱり被災県の意見、要望をしっかり把握していただいて、被災地の負担がないように、そして、むしろ復興に資する、こういう取り組みを進めるために、都としても、国に対して強力に財政支援を取り組むように求めていただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わります。
○山口委員 それでは、私からは、ボランティアを初め、幾つかお伺いをしていきたいと思っております。
いよいよ大会のボランティア、都市ボランティアがこの九月から応募の登録がスタートするわけでございますが、都や組織委員会のボランティアの募集要項を拝見いたしておりますと、ボランティアに応募する際は、基本的に個人で申し込むことという記載があるわけでありますが、一方、この都市ボランティアの募集要項では、個人だけではなくて、グループによる応募も可能という記載もあるわけであります。
この都市ボランティアでグループ応募を可能としていることの考え方について確認をしておきたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアにおきましては、不安なく応募いただき、多くの方々に参加いただけますよう、障害のある方と介助者、職場の仲間や友人同士など、四名までのグループによる応募も可能といたしているところでございます。
○山口委員 ボランティアの活動の経験が少ない方でいらっしゃったり、参加をためらう方々も、仲間と一緒であるならば、ボランティアにぜひ参加をしてみたいという方もたくさんいらっしゃると思うところでもありますので、そういった方々に積極的に参加をしていただくという点では、期待できるところだろうというふうに思います。
グループで参加をした方々を含めて、都市ボランティアにおいては、空港、駅、会場までの道のりで観客の案内を行われる方々、また、場所によってはかなりの人数のボランティアが活動されることになるんだろうというふうに想像ができるわけであります。その際、英語ができる方、地理に詳しい方、障害のある方のサポートになれている方々とか、そういったそれぞれの強みを生かして、お互いに協力して観客をご案内できれば、非常に高いレベルのいわゆるおもてなしができ、大会の成功につながるのではないかと思うところでありますが、この都市ボランティアの皆様が現場でチームワークのとれた活動ができるよう、どのように取り組まれていくのか確認をしたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアは、二人一組を基本に、空港ターミナルビルや主要駅構内に設置した案内ブースの周辺、競技会場最寄り駅から会場までの動線上の主なポイントなどに複数のペアを配置する予定でございます。
そのため、空港、駅、会場までの動線などの各活動拠点におきまして、都市ボランティア同士が連携し、語学スキルや観光に関する知識など、個々の強みを生かした案内を行い、チームとして一体的に活動できるようにすることは、大会の円滑な運営を図る上で重要でございます。
都はこれまで、大会のボランティアの魅力を伝えるウエブサイトやシンポジウムにおきまして、過去大会の経験者による体験として、チームとして活動することの重要性を発信してまいりました。今後実施する研修におきましては、ボランティアが集合する機会を活用いたしまして、チームとして活動いただくための仲間意識の醸成を図ってまいります。
また、ボランティアの組織的な運営を図るため、各活動拠点に研修を通じ育成したリーダーを配置いたしますとともに、全ボランティアに正確な情報を迅速に発信する機能を備えたアプリも活用するなど、ボランティアの一体的な活動に向けた取り組みを進めてまいります。
○山口委員 研修やボランティアリーダーの養成であるとか、アプリを使った情報連携などによって、チームワークのとれた活動を確保していくというご答弁をいただき、それが確認がとれたわけでありますが、企業や団体で日ごろからボランティア活動を行っておられる方々は、周りと協力をしながらチームとしてまとまった活動というのが非常に期待できるわけでありますし、そういった経験値をたくさんお持ちになられているんだと思います。
私も地元でバレーボール連盟の会長をしているわけでありますが、世界バレーを初めとして、そういった大会があるときには、チーム単位であるとか、場合によっては、連盟から団体としてボランティアにたくさんの方々の要請があって、送り込んでいるわけなんであります。当然、バレーボールという競技の性質も知っておりますし、会場でどのように動けば選手方や運営に非常に協力できるかというところで、横との連携、縦との連携を、行ったその場ですぐにできるという経験を私たちもしてきているところから、知事を初めとして、局の皆様方も、これまで外でたくさんの方々にボランティアの養成をされているところであります。
私のところにも学校単位、学校の中でも部活やサークル単位、また、専門性の高いボランティアということになれば、より一層チームワーク、仲間というもので連携をしてやっていくというのは非常に期待ができるところでございますので、そういった方々をどのように効率的に受け入れをしていくかということは非常に重要であり、かつ、より一層ボランティアとして価値のある参加をしていただけることになると思いますので、十分その点を踏まえた参加、参加の手続の方法はさておきとして、どうやってその方々がチームとして活動ができるか、そこにもぜひお力を注いでいただきたい、このように思うところであります。
ぜひ都として、この広報PRをさらに積極的に展開していただくとともに、また、ボランティア休暇を整備する企業に対する都の助成金も周知をしながら、こうした方々に数多く参加をいただけるよう全力で取り組んでいただくよう要請をし、次の質問に入りたいと思います。
さて、東京都が非常にこれまで働きかけをしてきた一つの事業として、都市鉱山でつくるみんなのメダルプロジェクト、これは非常にこれから注目を集めていくんだろうというふうに思っております。これまでにない取り組みでもありますし、私も非常にここは期待をしているところでありますし、もらう選手の皆さんも、そのメダルの価値というのも、これまでのメダルとは違う価値をそこに持っていただけるんではないかと期待をしているところであります。
さて、このメダルプロジェクトについて、組織委員会であるとか、東京都であるとか、いろんな報道がされているところであるんですが、どこが一体主体となって主催をしているのか、全体像、仕組みが非常にわかりづらいところがございます。ここを明確に示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 メダルプロジェクトは組織委員会が主催しておりますが、組織委員会、東京都、環境省、NTTドコモ、日本環境衛生センターの五者が連携して取り組んでおります。
役割分担といたしましては、組織委員会は、主催者として事業全体の把握と方針の決定を行っております。
東京都は、都庁舎での回収窓口の運営や都主催イベントでのメダル協力ボックスの設置などによりまして、プロジェクトへの参加を促すことで大会機運の醸成を図りますとともに、都民、国民のリサイクル意識を高め、大会後の持続可能な社会の実現というレガシーを構築できるように努めているところでございます。
環境省は、小型家電リサイクル制度の普及促進を担い、NTTドコモと日本環境衛生センターは、メダルプロジェクトの事業協力者として、使用済み携帯電話等の回収を行っており、解体をして分離作業した後、金属を抽出し、再生することで素材化する役割を担っております。
○山口委員 各種目が確定をし、競技数も確定をしてきたところで、メダルが約五千個必要だというところで試算されていることだと思いますが、そのために必要な金属数はどのくらいと試算をされていますでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 メダルプロジェクトを主催している組織委員会によりますと、ロンドン大会時の製造メダル数や一個当たりのメダル重量を参考に、金、銀、銅、約五千個を製作するための必要金属量について、金、約四十二キログラム、銀、約五千三百キログラム、銅、約二千七百キログラムの合計八トンと算出しているところでございます。
○山口委員 となりますと、その必要金属量というのはわかっているわけでありますが、今そのメダルプロジェクトで集めている小型家電の回収状況、進捗率というのはどのようになっているでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 メダルプロジェクトにつきましては、これまで数多くの方々に参加いただいておりまして、都庁舎におきましては、先月二十四日に十一万個を超えたところでございまして、プロジェクト全体では、ドコモショップにおける携帯電話の回収が約三百三十万台、自治体における小型家電の回収が約一万五千トンとなっております。
組織委員会によれば、現在集まった金属を随時精錬している状況でございまして、各金属の抽出量の実数値が得られた段階で公表すると聞いております。
○山口委員 なぜこのような質問をしているかというところなんでありますが、組織委員会が全体を管理し、この進捗率、現時点で正直わかっていないという答弁だということであります。
このメダルプロジェクトの終了は、実は今年度末まで、残りあと九カ月しかございません。その中で、都としてはどのようにこれに取り組んでいくのか、ここを確認したいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 メダルプロジェクトにつきましては、より多くの方々に参加いただけますよう、本年三月からは全国三千の郵便局での回収が開始されておりますが、都といたしましても、都庁舎に加えまして、十三の都営地下鉄主要駅や十五の都立文化、体育施設において、順次、回収拠点を拡大するなど、参加しやすい環境整備に取り組んでおります。
今後、プロジェクト終了予定である来年三月に向けまして、さらなる回収促進を図るため、大会二年前イベントを初め、さまざまな機会を活用し、より多くの方にプロジェクトへの協力を呼びかけるほか、事業者の方に対しても使用済み小型家電回収を呼びかけるなど、あらゆる機会を捉えながら協力を呼びかけてまいります。
○山口委員 都市鉱山でつくるみんなのメダルプロジェクトということでありますから、この九カ月で、東京都に与えられている役割は、その回収を徹底してふやしていくというところに尽きるんだろうとは思いますが、私が少なくとも聞き調べているところによれば、先ほど組織委員会によれば、現在集まった金属を随時精錬しているというお話もありましたけれども、その契約の状態がどういうふうになっているのかもまだ不透明であり、東京都もまだその実態を把握し切れていないという答弁にもあったとおり、この一つ一つがどのように進んでいくのか、そして、きちっとその目標数に達成をするのか、そして、間に合うのか、最終的にどうするのかということをきちっと東京都として把握をしていくべきであると思いますし、そこには十分注目をしながら、事業がどのように進んでいるのかということは確認していただくべきだと思います。その点を強く要望して、この質問も終わりたいと思います。ありがとうございました。
○おときた委員 私からは、開閉会式、アクセシビリティー及びみんなのメダルプロジェクトの三点についてお伺いしたいと思います。
初めに、開閉会式について質問いたします。
開閉会式は、都民、国民のみならず全世界中が注目する一大イベントであり、それゆえ、さまざまな思惑を持った利害関係者が参加やコンテンツの売り込みに躍起になることは想像にかたくありません。
開閉会式は、その中身の性質上、サプライズの演出がつきものであり、当然、秘密にしなくてはならないことも多くあると思います。しかし、開閉会式を企画、運営する者が、その秘密性に乗じて不当な利益を受けたり、恣意的な人事や企画判断、運営をすることによって、都民や国民の利益を損ねてしまうことが危惧されます。
また、仮にそういう不正や不当な取引がなかったとしても、何らかの疑義が残る手続があったり、外形的に不正が疑われるような状態で企画、運営されることは、都民、国民の不信感を招き、オリンピック・パラリンピックに水を差すことにもなりかねません。
事実、例えば、いわゆるエンブレムの撤回問題は、その選考過程などの手続が外から見て公正だったのかどうかが疑問視され、都民、国民の不信感を招いた原因の一つになってしまいました。
そこで、開閉会式の監督選出過程や式典出演者などについて、利害関係がない公平な選出ができる仕組みとなっているか、選考基準は事前にどこまで公開できるのか、都の所見をお伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 開閉会式について、組織委員会は、基本コンセプトの作成や式典の監督について審議する東京二〇二〇有識者懇談会を設置し、御手洗座長を初め各界の有識者による検討を行っております。式典の柱となる基本コンセプトの検討経過については、随時公表をしております。
式典の監督選定については、この夏をめどに同有識者懇談会及び理事会での審議を経て決定する予定ですが、組織委員会では、ロンドン大会やリオ大会同様に、監督の選考基準を事前に公開する予定はないと聞いております。
また、式典出演者については、演出内容と密接不可分であり、開閉会式本番のサプライズ演出の要素もあることから、一律の公開にはなじまないものと考えております。
○おときた委員 サプライズ演出の重要性は十分承知をしており、私自身も楽しみにしているものであります。しかしながら、手続的公正性を担保することと演出内容の秘密性を守ることは、一定程度の両立ができるはずです。外形的な公正さを都民、国民に示すことと演出内容を公開することとは、本来は別次元の事柄であります。
先ほど申し上げましたように、今大会の事前の準備における組織委員会の取り組みは、エンブレム問題などを受けて、都民、国民の広範な支持を得ているという状況ではありません。そういった特殊な事情に至った経緯があるわけですから、過去大会の慣例にとらわれることなく、都におかれましては、開閉会式の企画に当たって、これまでの数々の反省を生かし、できる限り疑義の生じない状況を確保し、高い透明性を組織委員会に求め、ともに推し進めていただくということを強く要望いたします。
手続の点に引き続いて、開閉会式の内容面についてもご質問させていただきます。
ご答弁にもありましたように、開閉会式の内容はサプライズの演出が中心となり、芸術家の表現の場でもある一方で、オリンピック・パラリンピックが都民、国民でつくり上げるものだとすれば、都民、国民の満足感を満たすための場でもあるかと思います。
そこで、具体的な式典の内容については、一般公募などをして広くアイデアを募る予定はあるかどうか、こちらについての所見をお伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 開閉会式の検討に当たり、組織委員会は、基本コンセプトを策定する過程において、専門家へのヒアリングに加え、都民、国民にアンケートを実施したところ、千八百件を超える意見が寄せられました。これを踏まえ、現在、式典の柱となる基本プランの検討が進められております。
なお、組織委員会によれば、この夏以降、監督のもとで具体的な演出の企画が進められることになっております。
○おときた委員 これまでにもアンケートを実施してきたという点については評価をいたします。具体的な演出の企画はこれからということになりますが、今後も折に触れて、都民、国民の声を広く聞く機会を設け、透明性高く、都民、国民とともにつくるオリンピック・パラリンピック開閉会式にしていっていただきたいと思います。
次に、アクセシビリティーについてです。
昨年三月に公表されましたアクセシビリティ・ガイドラインですが、改めて読み返させていただきましたところ、理念を含めて非常によくできていると感じるところでございます。こうした考え方と整備は、前回大会にはなかったわけですから、大会運営で発揮されることはもちろんのこと、何より大会後のレガシーとして残していかなければならないと考えます。
そこで、第一に、昨年三月に公表されたTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインは、十分に関係各所に広まっているものなのでしょうか。また、本ガイドラインは、広く都内のサービス施設などにも有効と思われるため、大会運営に直接かかわらない都内のさまざまな施設にも周知を行うなど、ガイドラインの考え方を広く東京のまちづくりにも生かしていくべきと考えますが、都の所見をお伺いいたします。
○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック部長 Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインは、大会時のバリアフリー化の指針であり、大会の準備は、このガイドラインを踏まえて進めていくこととなっております。そのため、施設を所有する自治体や民間事業者のほか、道路管理者、交通事業者など、大会準備に係る関係者とは十分に共有しております。
また、本ガイドラインは、策定の目的の一つとしてこのように掲げております。大会を契機にして、大会に直接かかわらない方々を含めて、このガイドラインを活用した自主的な環境整備に幅広く取り組んでいただくことで、レガシーとしての共生社会の実現を目指す。そのため、都及び組織委員会のホームページに掲載して、誰もが入手可能にするとともに、オリンピック・パラリンピック担当の課長会で説明するなど、都内区市町村への周知を図ってまいりました。
さらに、東京都福祉のまちづくり推進協議会では、施設整備マニュアルの改定に向けて、競技会場等で車椅子使用者が観覧しやすいサイトラインに配慮するなど、本ガイドライン等を踏まえた整備内容の見直しが議論されているところでございます。
今後とも関連局と連携し、本ガイドラインの考え方が広まるよう周知に努めてまいります。
○おときた委員 繰り返しになりますが、このガイドラインの理念こそが東京大会最大のレガシーの一つともなり得る可能性を秘めたものであります。ICT活用を含めたさまざまなツールを用いて、ぜひとも多くの都内施設や都民にこのアクセシビリティーの考え方を広めていき、多くの人々にとって開かれたまちづくりを進めていただきたいと思います。
さらに関係局との連携面においても、ぜひともオリンピック・パラリンピック局が積極的にレガシー戦略を主導し、本ガイドラインにあるようなアクセシビリティーの考え方、施設整備、運用等が後世に残るよう取り組まれることを要望いたします。
一方で、本ガイドラインにおいては、色覚障害者に対しての配慮に関し、若干の不安が残ります。というのも、色覚の記載については、コントラストについて若干の記載があるのみで、東京都が福祉保健局から別途提示している東京都カラーユニバーサルデザインガイドラインの理念や運営等が反映されているとはいえないからであります。
大会期間中は、組織委員会の主導によって、仮設での看板設置もふえることが予想されます。このような状況において、色覚障害者に配慮した色使いを徹底できるのかどうか、都の所見をお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 アクセシビリティ・ガイドラインでは、色の区別がしにくい方への配慮として、サインの文字やシンボルにはコントラストがはっきりした色彩を用いることを規定しております。
今後、大会中に仮設で設置する案内サインにつきましては、アクセシビリティ・ガイドラインはもとより、東京都カラーユニバーサルデザインガイドラインを初め、関連する国や都の指針等も踏まえて、例えば、彩度の低い色同士や鮮やかな蛍光色同士といった見えにくい色の組み合わせを避けるなど、色覚障害者にも配慮したサインとなるよう、組織委員会と連携しながら検討してまいります。
○おときた委員 東京都カラーユニバーサルデザインガイドライン、こちらは大変すぐれたガイドラインであり、積極的に今後も活用すべきものと考えます。ご答弁にありましたように、ぜひこの指針こそを基準として、色覚障害者への配慮も十分に行っていただきたいと思います。
また、大会運営に直接かかわらない施設や観光業者も、大会に際しては看板を見直したり、仮設で設置することも予想がされます。アクセシビリティーの考え方は、先ほど申し上げましたとおり、広くレガシーとして残していくべきものです。そうした大会運営に直接かかわらない施設や事業者などにも、色覚障害者への配慮ある看板づくりを呼びかけるよう、都が積極的に行っていただくことを要望いたします。
最後に、先日の委員会でも取り上げまして、また、他の委員からもご指摘がありましたが、改めて、みんなのメダルプロジェクトについて幾つか質問をさせていただきます。
全てのメダルをリサイクルした金属でつくることが可能なのか、間に合うのか、多くの問い合わせがあり、また、昨今では報道でもたびたび取り上げられており、このプロジェクトに対する都民の不安は日増しに高まっているところであります。
こうした事態を招いたそもそもの原因は、計画を作成する際に、具体的な数値目標がなされていなかったことに起因すると考えます。今なおそのような計画状況なのか、先日に引き続いて改めてお伺いいたしますが、携帯電話やスマートフォンなどの換算で、一体何個の回収があればメダルが一〇〇%つくれるのでしょうか。そして、具体的な目標数の検証、設定はされていたのでしょうか、こちらを伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 メダルプロジェクトを主催している組織委員会によりますと、ロンドン大会時の製造メダル数や一個当たりのメダル重量を参考に、金、銀、銅、約五千個を製作するための必要金属量について、金、約四十二キログラム、銀、約五千三百キログラム、銅、約二千七百キログラムの合計約八トンと算出し、これを目標として定めております。
また、携帯電話、スマートフォン、パソコン、デジカメなどの小型家電につきましては、品目のみならず、同一品目でも機種によって金属含有量が異なるため、お尋ねの携帯電話、スマートフォン換算での目標数の設定は行っていないと聞いております。
○おときた委員 金、銀、銅がそれぞれ幾ら必要なのかは、達成基準となる数値の一つにすぎません。計画とは、達成基準に至るまでの数値目標を個別に立てていくことであり、本プロジェクトでいえば、必要数を満たすためには何台のどういう種類の家電が必要なのか、また、日本全国には未使用で眠っている家電は何台あると推測されるのか、そして現実的に、その中からどれだけの回収できるポテンシャルがあるのか、こういった数値を算出した上で、具体的にそれぞれの家電の回収目標を定めるべきでありました。
それぞれの家電で金属含有量が異なるため、スマートフォンなどの換算での目標数設定は行っていないとの答弁でしたが、日本での普及台数、シェアなどに鑑みて、回収の中心となるスマートフォンのスペックは事前に調べられるわけでありますし、かつ、それぞれの家電の普及率などから、各家電の回収割合もどれぐらいか予想が立てられるはずです。本プロジェクトの現状は、いまだに甚だ無計画であると指摘せざるを得ません。早急に数値目標を定めた計画を立てられることを強く望みます。
こういった残念な状況であるとはいえ、プロジェクトは進んでいくことになります。こちらも再度の確認となりますが、今後の具体的な工程表の策定の有無についてお伺いいたします。そして、これがまたないとすれば、早急につくるべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 組織委員会は、メダルプロジェクトにつきまして、来年三月までの展開を予定しており、これまで回収拠点の拡大やプロジェクトへの協力を呼びかけてまいりました。
組織委員会によりますと、現在集まった金属を随時精錬している状況でございまして、都といたしましては、さらなる回収促進に向けたPR活動を効果的に展開できるよう、各金属の抽出状況を取りまとめ次第、早期に公表するよう、組織委員会に対して働きかけているところでございます。
○おときた委員 働きかけについてはよいと思うんですが、ご答弁のように、組織委員会は、集まった金属を随時精錬している一方で、金属収集状況は現状では発表できないという事態でございます。これはやはり余りにもずさんで悠長な工程であるといわざるを得ません。
都も早期の現状公表を働きかけているとのことですが、事前の計画にせよ、現状把握にせよ、組織委員会主導のプロジェクトとはいえ、東京都がPRしていることを踏まえれば、都も本プロジェクトの責任の一端を担っているわけでありますから、組織委員会と連携し、早急な事業計画の見直しと工程表の策定、そしてその公表が行われることを要請いたします。
そして、こうしたプロジェクトにおいては、不測の事態に備えた計画、いわゆるコンティンジェンシープランも策定される必要があります。本プロジェクトでいえば、万が一、目標数に満たずメダルをつくることになった場合に、追加のコストが幾らかかるのか、そういった数値予測と計画であります。
そこで、リサイクル率一〇〇%が達成されない場合の計画を策定されているか、こちらは前回の委員会でお伺いしたところ、策定はないとのご答弁がありましたが、本日の状況も踏まえて現状を見れば、そうしたプランを考案することが急務と考えます。この点につきまして、都の見解をお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 組織委員会と連携いたしまして、まずは都民、国民の皆様の参画により、このプロジェクトを積極的に推進し、より多くの小型家電が集まるようにしていきたいというふうに考えております。
なお、メダルプロジェクトにつきましては、ドコモショップにおける携帯電話の回収が約三百三十万台、自治体における小型家電の回収が約一万五千トンとなっておりますように、これまで数多くの方々に参加いただいており、メダルプロジェクトの目的である資源の有効活用や国民の東京二〇二〇大会への参加意識の醸成につながる取り組みになっているものと考えております。
○おときた委員 あくまで本プロジェクトを推進し、少なくとも現時点では失敗は考えていないというのが現状であるようです。
もちろん、これから多くの家電回収が進むことを私も期待しておりますが、現状に鑑みれば、リサイクル率一〇〇%を達成できない場合も想定して計画を立てることが合理的な対応であって、組織委員会が行わないのであれば、東京都としてそうした計画を立てて、組織委員会の軌道修正の判断材料とすることも都の職責の一つではないかとも考えます。
根性論で背水の陣をしくのではなくて、合理的かつ具体的な計画のもとで本プロジェクトを進めていただきたいと切に願います。
最後になりますが、都として、現状を踏まえ、今後このプロジェクトをどう進めていくのか、どうかかわっていくのかについてお伺いをいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 メダルプロジェクトにつきましては、より多くの方々に参加いただけるよう、本年三月からは全国三千の郵便局での回収が開始されており、都といたしましても、都庁舎に加え、十三の都営地下鉄主要駅や十五の都立文化、体育施設において、順次回収拠点を拡大するなど、参加しやすい環境整備に取り組んでおります。
今後、プロジェクト終了予定である来年三月に向けまして、さらなる回収促進を図るため、大会二年前イベントを初め、さまざまな機会を活用し、より多くの方にプロジェクトへの協力を呼びかけるほか、事業者の方に対しても使用済み小型家電回収を呼びかけるなど、あらゆる機会を捉えながら協力を呼びかけてまいります。
○おときた委員 回収拠点の増設や協力の呼びかけの強化といった活動は評価をいたします。しかし、繰り返しになりますが、現状や達成地点がはっきりしない中では、果たしてその努力が適正なものなのか、五里霧中でやみくもに突き進んでいるだけなのか、これを判断しづらいというのも事実です。
全体として組織委員会が主導する本プロジェクトについては、いまだに手続的な疑問があったり、計画がずさんである点が多いようにも感じられます。今後もこの現状が打破できないようでありましたら、組織委員会の方を参考人招致し、質疑を行い、取り組みについてただすことも当委員会の役割の一つではないかと感じるところです。
都におかれましては、組織委員会との一層の連携を図り、今以上に責任感を持ち、主体的に取り組んでいただきますことを求めまして、私の質問を終わります。
○桐山委員 それでは、私からは、ライブサイト関連、そして、ただいまも質疑がありましたみんなのメダルプロジェクトについて質問させていただきます。
まず最初に、ライブサイト関連について質問させていただきます。
試合会場を持たない自治体で大いに有効でありますこのライブサイトは、都内八カ所の候補地に加えまして、被災地でのライブサイト、先日詳細が明らかにされましたコミュニティライブサイト及びパブリックビューイングがございます。
これまでも、多摩地域におけます都のライブサイトが一カ所ということもありまして、三多摩の要望でも上がっておりました、例えば、地元選手が出場する競技などをしっかり応援したい、これも今、機運醸成の中で取り組みを行っている自治体もあります。そういったことをしっかりと最終的に連動させるような形でも市区町村が実施主体となることは、私も大変有効であると考えておりまして、そのことが先般可能となりました。
競技中継のみ実施しますパブリックビューイングと、競技中継とステージイベントや競技体験などの催し物を同時に行うコミュニティライブサイトとの概要が示されております。
ライブサイトやパブリックビューイングを実施するに当たりましては、競技時間帯は注目をされる内容かと思います。
最近では、冬季五輪、お隣韓国で行われました平昌オリンピックで話題になり、変則的な競技時間が選手らの負担になっており、欧米の放映権者のテレビ局の事情が日程に絡んでくるとのことから、大変心配もしております。ライブサイトやパブリックビューイングも大きくこの点については影響してくるのではないかと思います。
競技スケジュールはいつごろ発表されるのかお伺いをいたします。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 各競技の開始終了時間等をまとめた競技日程につきましては、組織委員会がアスリートや観客、競技運営や放送など、さまざまな要素を勘案しながら検討を進めており、現在、IOCや国際競技連盟等の関係者と調整を行っているところであります。
そして、オリンピックの競技日程につきましては、組織委員会が今月開催されるIOC理事会における承認を目指しており、承認後、速やかに公表される予定であります。
また、パラリンピックの競技日程につきましては、組織委員会が九月に開催されるIPC理事会に報告していく予定であり、報告後、速やかに公表される予定であります。
○桐山委員 ただいまご答弁があったように、理事会において承認されれば速やかに発表していただくということで、パラリンピックの方は九月ごろに発表予定とのことです。
この点については、都の方にお伝えしてもどうすることもできないのかもしれませんが、アスリートファーストの視点を忘れずに、時間設定の配慮をぜひしていただきたいと思います。
また、放映権はNHKと民報連が担うとされており、オリンピック及びパラリンピック全ての競技の映像を獲得することになっておりますが、全ての競技が放映されるわけではなく、また、日本人選手が活躍する競技や人気競技が優先されることも想像されますと、競技時間をある程度把握した後に、実際、地上波に乗る映像スケジュールをもとにコミュニティライブサイトやパブリックビューイングの申請をすることとなるかと思います。
準備も含めますと、早目の情報提供というものが大変重要になってまいりますので、引き続きまして、都の対応をしっかり組織委員会にも求めておきたいということで、お伝えをよろしくお願い申し上げたいと思います。
次に、概要におけます実施主体についてお伺いをいたします。
パブリックビューイングの実施主体となり得る教育機関と示されておりますが、この教育機関とは、どの範囲を指すのかお伺いします。
また、自治会等とありますが、スポーツ団体やNPO法人も実施主体となり得るのか、そのあたりについても、ぜひお伺いをしたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 リオや平昌大会時において、パブリックビューイングが実施可能であった教育機関の例としては、公立、私立を問わず、小学校、中学校、高等学校、大学、各種学校などでございました。また、スポーツ団体やNPO法人も非営利団体であれば実施可能であったと聞いております。
東京二〇二〇大会のパブリックビューイングについては、六月下旬に組織委員会が概要を公表いたしております。地方自治体、教育機関、自治会等が実施主体であることや、入場無料で実施することなど、一定の方針が示されましたが、実施主体の範囲など、実施要件の詳細については現在検討中でございます。
○桐山委員 この実施主体の範囲など、実施要件の詳細については現在検討中であるということです。リオや平昌大会の例ということで、公立、私立を問わず、小、中、高、大学、各種学校でありまして、自治会等の等でいうと、団体などは非営利団体であれば実施可能とのことでした。詳細の詰めはこれからだということですけれども、地方自治体や公立学校であれば、市区町村が把握はしやすいというふうには思いますが、例えば、自治会や団体がパブリックビューイングをやりたいというふうに申請をする場合の調整、これを市区町村がかまないのであれば、やはり市区町村が把握をしづらいということでございますので、こういったことも組織委員会に直接、申請を上げるにしても、ぜひ調整や支援を市区町村と連携して、東京都が積極的に対応していただくように要望をしておきたいと思います。
次に、実施会場についてお伺いいたします。
六月二十三日に開催をされたラグビーテストマッチ日本対ジョージア代表戦において、調布駅前の広場、イオンシネマシアタス調布にてパブリックビューイングが開催されたということで、白戸委員からもお話があったところですが、映画館の高音質なサウンドと大型スクリーンでの上演ということで、先ほども申し述べましたが、会派からも多数参加をさせていただきました。
映画館での観戦ということで、スクリーンに映し出される選手とぶつかり合うシーンですとか迫力感、臨場感があふれるということで、私も大変有効だというふうに認識をしております。
最近では、劇場で行うこの生ライブ、例えば、演劇ですとかミュージカルですとか、映画館でライブ中継を実施されるといったことが相次いで、映画館で行われることは私も聞いているところです。映画館は快適で見やすいという声もございます。
今後、工夫次第でこの映画館や、また大型複合商業施設、いわゆるショッピングモール等、多くの人が集まる場所で開催することも、各自治体での実施なども今後考えられるのではないかというふうに思います。
それらの実施会場についてお伺いをいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇大会のコミュニティライブサイト等における実施会場の要件など、詳細については現在組織委員会が検討しております。
なお、大規模商業施設などにおけるパブリックビューイング等の実施につきましては、アンブッシュマーケティングや会場費等の課題があり、過去大会時にはホールや公民館、体育館などの公共施設等での実施が主であったと聞いております。
○桐山委員 既存の施設への対応ができるように、ハードルを上げずに開催できるよう、ぜひ支援をお願いしたいところでございます。
白戸委員からも出ておりましたように、復興五輪との関係性、また日本全国で盛り上がるために、特に地方は公共施設よりも車で移動してこられる既存大型商業施設、いわゆるショッピングモールなどでの開催も、過去にも例外規定の中で、こういった大型施設も可としてきたことも聞いております。既存施設への対応ができるように、このアンブッシュマーケティングなど課題は多いかと思いますが、できるだけハードルを上げずに開催できるような支援を、ぜひ東京都としてもお願いをしたいということを求めておきたいと思います。
次に、実施費用についてお伺いします。
実施費用につきましては、実施主体の負担とされております。成功させていくためには費用負担が大変重要でございます。市区町村がコミュニティライブサイトを実施するに当たり、ノウハウや財源が不足しております。
都としてどのように市区町村を支援していくのか、見解をお伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇大会の盛り上げのためには、都が実施する国内外の観戦客を広く受け入れる広域的なライブサイトに加えまして、市区町村が身近な場所で実施する地域のコミュニティライブサイトの取り組みを推進することが重要でございます。
リオや平昌大会の際にも地域での応援の希望があり、都内の多くの自治体で競技のライブ中継を実施し、都はさまざまな支援を行ってまいりました。コミュニティライブサイトについて、先ごろ組織委員会が概要を公表した際にも、市区町村に対し、都は速やかに情報提供を行っております。
今後、都としては、各市区町村が円滑にコミュニティライブサイトを実施できるよう、円滑な情報提供、組織委員会への申請手続のフォローなど、さまざまな支援を検討してまいります。
○桐山委員 リオや平昌大会の際にも多くの自治体で競技のライブ中継を補助金なども活用しながら実施したと聞いております。
今後は財政支援ということで、ぜひともお願いしたいということと、先ほども質問で申し上げましたように、組織委員会への申請手続などのフォローや支援、速やかな情報提供をこれからもしっかりと各区市町村にしていただけますように強く求めておきます。
次に、暑さ対策、熱中症予防について伺います。
二〇二〇の東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、七月から九月の暑さが厳しい時期に開催をされ、世界各国から我が国の夏の暑さになれていない外国人等が多く訪れます。
現在、暑さ対策推進会議の中で検討されておりますが、新設、既存会場、会場周辺、マラソン、道路沿道の暑さ対策と外国人への情報発信などの課題が挙げられております。
さて、競技会場ではない二〇二〇大会のライブサイトでは、暑さ対策はどのように取り組んでいくのか、都の見解をお伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 ライブサイトは、競技のライブ中継のほかスポーツ体験等、多様な内容で構成され、また国内外の観戦客が多数来場することから、都立公園など広いスペースが確保できる屋外での実施を想定しております。
このため、暑さ対策は非常に重要であり、リオ大会時に実施したライブサイトでは、日よけや微細ミスト等のハード面や救護室運営等のソフト面など、さまざまな試行を重ねてまいりました。
今後は、これらの試行結果や費用対効果も踏まえながら、各ライブサイトの立地特性に応じた暑さ対策を検討してまいります。
○桐山委員 都内八カ所のライブサイト会場では、都立公園でも立地特性が違う中での対応になるかと思いますが、日よけとなるテントや微細ミストは必須だと思います。
また、涼を得るための江戸の知恵であります打ち水が東京のおもてなしとして定着することを目指して、打ち水日和と銘打った打ち水も、これからも展開をされていくということでございますので、こういった取り組みもぜひイベントの中に盛り込んでいただけますと、外国人の方も参加したり、または涼をとって涼し気な日本の風情を感じられるのではないかなというふうにも思っておりますので、そういったこともぜひ検討していただければと思います。
また、競技会場に水飲栓を設けたり、例えば、ラストマイルに給水ポイントを設置するなど、これまでも我が会派からも提案をさせていただいております。給水所を設け、東京都の水道局のブランドとして東京水もありますけれども、世界に発信する東京の水がおいしいよということを、ぜひPRにもつながるということで、私は給水車もラッピングとかして、ぜひ出動していただいて、水の供給をしていただければいいななんて思っておりますので、そういった水のPRにもつながるということでの暑さ対策とあわせて、ぜひご検討していただきたいというふうに思っております。
最後の質問ですけれども、都市鉱山でつくりますみんなのメダルプロジェクトについて質問させていただきます。
オリンピック・パラリンピックで使用されるメダルを、リサイクルによって小型家電から集めた金属で製作をするプロジェクト、小型家電リサイクルの推進とともに、国民がオリンピックに参加をするということで、この取り組みというものは都市鉱山のレガシーとして、これは先ほども出ておりましたが、一〇〇%ぜひ達成をしていただきたいと私も思っております。オリンピック史上初の試みをなし遂げていただきたいと周りのみんなが期待をしている事業の一つだと思います。
さて、先ほども山口委員やおときた委員からもありましたが、これはオリンピック組織委員会主催の事業でありまして、東京都は開催地としてPRをし、全国に発信をしているわけでございます。一般的に見ますと、知事の発信の影響力も大変ありますので、東京都が主催をしているのではないかというふうに勘違いをされていることもよく聞いております。
また、この小型家電の回収量によって、先ほども出ておりましたが、足りない部分、もし目標を達成できなかった部分の財政負担は東京都が持つんですかということを私も聞いたことがございます。そういったことで、わかりづらい面もあるのかなというふうに思います。
また、回収量も出ておりましたが、ドコモでは台数で発表され、また自治体ではトンという数量で発表されておりますので、どの程度集まっているのかがわかりません。そういったことも、都庁舎では十一万個を超えられたということで、すばらしい取り組みだということで、私も大変評価をさせていただいております。
そして、今後、オリンピック・パラリンピックで金、銀、銅、合わせて五千個のメダルの授与が予定をされているということで、また今年度、回収が終わるとなりますと、やはり残り九カ月の中で目標数値くらい、組織委員会にしっかりと要望していただいて、これまでも要望していただいていることは十分承知をしておりますけれども、やはりモチベーションも上がりませんし、あと八カ月、この中で締め切るまでの間にしっかりと多くの方に眠っているものを出していただくという取り組みをぜひしていただくためにも、しっかりと目標数値を挙げていただきたいことをお願いしておきたいというふうに思います。
私からの質問は、都市鉱山のみんなのメダルプロジェクトについて、今年度末でプロジェクトが終了すると聞いておりますが、これまでも都庁舎のほかに、郵便局や地下鉄駅で順次回収の取り組みがされてきております。そういったことは大変重要でございますし、また、今後は個人の方はもとより、事業者もいろいろな手法で積極的な協力を求めていくことも重要であります。
プロジェクトへの参加を促進するためには、より効果的な取り組みが必要と考えておりますが、今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リサイクル金属を活用してメダルを製作する国民参加型のこのプロジェクトは、資源の有効活用や、国民の東京二〇二〇大会への参加意識の醸成を目的に実施しているため、より多くの方々にメダルプロジェクトに参加いただくことが重要でございます。
今月二日からは、都内の事業者の方も参加しやすいよう、使用済み小型家電をリサイクル施設まで届ける際に、廃棄物処理法に基づくいわゆるマニフェストを不要とするなど、持続可能な資源利用を進める観点から、手続の簡素化を図ったところでございまして、不用になった小型家電を宅配便で速やかに送付することが可能になることから、今後、各企業に対する参加を働きかけてまいります。
加えまして、さらなる回収促進には、メダルプロジェクトの達成状況を広くお知らせしていくことも重要であることから、組織委員会に金属の精錬作業の進捗に合わせ、各金属の抽出量を早期に明らかにするよう要請いたしますとともに、PR動画の放映や、全国で実施されるフラッグ歓迎イベントでのメダル協力ボックスの設置を初めといたしまして、さまざまな機会を捉えながら一層の協力を呼びかけてまいります。
○桐山委員 ありがとうございます。この七月二日から都内の事業者も参加しやすいように受け付けるとの拡大が始まったとのことです。
事業者が再生利用指定制度によって手続の簡素化を図ることにより、各企業が参加しやすくなり、また眠っている小型家電が一気にふえてくることを期待したいと思います。
環境省もPRされているように、各家庭に眠る日本の貴重な資源を有効活用するために始まったこの小型家電リサイクル法に沿って、大会後も都市にある鉱山ということでのこの都市鉱山、リサイクルの活動がさらにレガシーとしても定着するよう期待をしたいと思います。
最後に、ぜひこの数値目標達成ということで、早期に出していただきますように強く求めて、私の質問を終わります。
○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。
午後三時十一分休憩
午後三時三十分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○川松委員 東京オリンピックまであと二年となってまいりましたが、二〇一三年九月の東京大会招致決定以来、さまざまな準備を進めてきたわけでありますけれども、ハード面の準備は整ってきましたし、いよいよここからソフト面をどう充実させていくかというのが東京都、開催都市としての大きなテーマになってくるかと思います。
まず、医療体制について質問をいたしますが、当然、トップアスリートのサポートスタッフとして医療班が各国の選手団にはついてくると思いますけれども、そうでないチーム、あるいは選手も多く存在するわけであります。
また、各競技で世界で一番を決めるような試合が行われますから、各会場には多くの関係者、あるいは観戦される皆さん方をサポートする、そういった医療機関の協力は不可欠でして、既に組織委員会は大会の医療スタッフについて病院等に協力を依頼しているということを私は聞いております。
病院側は通常の医療業務を、もちろんオリンピックがあろうがなかろうが行っている医療業務を行いながら、医療スタッフを二〇二〇年大会に提供するという形になるかと思いますけれども、そこで、まず大会に係る医療スタッフの派遣について、組織委員会による協力の依頼というのは、これは有償なのか、あるいは無償なのかということを伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会期間中、選手、大会関係者、観客に対して適切な医療サービスを提供するため、医療関係団体や医療機関等と連携を図り、十分な医療スタッフを確保することは重要でございまして、具体的には、選手村にアスリートやチーム役員を対象に医療を提供する総合診療所が、各競技会場には選手用、観客用の医務室が設置されます。
総合診療所や各競技会場の医務室につきましては、医療関係団体や医療機関等の協力を得ながら、必要な医療スタッフを確保することになりますが、組織委員会は、大学病院や医師会等に無償での協力を打診しており、多くの団体からは協力の意向をいただいているものと聞いております。
○川松委員 無償でお願いをしているということであります。これ、一度きりの大会ですから、二〇二〇年大会についてお手伝いしたいと口にされる方がたくさんいるのは当然だと思います。とはいえ、医療現場の現状を考えれば、人材不足、あるいは人件費が上がっている中で、組織委員会はそういったお願いをしていますけれども、あくまで開催都市の東京都として、そういった医療機関、各機関を何かサポートするような策もこれから講じていかなければならないのかなということで、一つ私の考えを述べておきます。
今、医療機関、大きな病院に対してのお願いということの質問でありましたが、医師会だけではなくて、医療関係の団体というのはたくさんあるわけです。私が知り得る限りでも、理学療法士会であったり鍼灸師会、あるいは柔道整復師会など、二〇二〇年大会に協力したいという方々が多く存在します。
そこで、大会の医療について協力したいという方々を活用していくという仕組みを都がしっかりと、あと二年の中につくっていくべきだと私は考えていまして、これは先ほど触れたようなアスリートだけではなくて、観客の皆さん、あるいは大会関係者など、この二〇二〇年の七月というのは多くの方が集まってきます。
つまり、通常の医療業務があると同時に、多くの人が入ってきた中での医療関係の需要が高くなるんじゃないかなと私は思うんですけれども、これに対して都は開催都市として、いろんな対処すべきことがあると思いますけれども、現在どのようなお考えなのか所見を伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会に協力したいというさまざまな申し出を大会の成功に結びつけていくことは重要でございます。大会時の医療サービス体制につきましては、選手村総合診療所や競技会場の医務室に加えまして、大会指定病院を指定する予定であり、関係機関にご協力をいただき、組織委員会が準備を進めているところでございます。
選手村総合診療所で提供する医療につきましては、IOCの定める要件等に基づき、組織委員会がIOCと調整し決定していくこととなります。
必要な理学療法サービスにつきましては、組織委員会が日本理学療法士協会等、関係する医療関係団体等に協力を打診していると聞いており、都といたしましても、関係団体との連絡調整など、必要な協力を行ってまいります。
会場周辺等における医療需要への対応についてでございますが、ラストマイルにおきましては、都市ボランティアによる給水の呼びかけや急病人等が発生した場合の適切な対応、一時的な救護ができる場所の確保など、救護体制について検討を進めております。
また、ライブサイトの医療体制につきましては、ライブサイト会場ごとの実施内容などとあわせまして検討を進めているところでございます。
大会時医療の運営体制につきまして、組織委員会、東京都医師会、都との間で情報交換を実施しておりまして、大会時には都民生活に与える影響を軽減するため、都市オペレーションセンターを中心に状況を把握し、調整を行ってまいります。
今後、関係機関等と緊密に連携を図りながら、大会に向けた医療体制の構築を検討してまいります。
○川松委員 ぜひ、東京マラソンでも、そういった団体の皆さんがゴール地点でさまざまなサポートもされたりしていますから、今回でも二〇二〇年大会、皆さんの思いをしっかりと実現させていただきたいなと思います。
今、都市オペレーションセンターを中心にさまざまな調整を行うということですが、ちょっとこれは各論になるかもしれませんけれども、開催都市として腰を据えて取り組んでいただきたいと思うことがあります。
これは、二〇二〇年七月に、先ほどもいったようにオリンピックが開催されるということで、チケットを持っているかどうか、その有無にかかわらず、東京には多くの方が集まってくるというのは容易に予想ができます。ここにはオリンピック関係者だけではなくて、そこに合わせてビジネス目的で来る人たちもいますから、たくさんの人が東京に来るわけですね。
何をいいたいかというと、通常の生活スタイルと比較すれば、二〇二〇年の七月というのは、瞬間的に医療需要がふえる可能性が高くなります。観光立国として、今、日本自体が訪日外国人がふえると同時に、実は医療現場では支払いトラブルも多々起きています。
政府にも訪日外国人に対する適切な医療等の確保に関するワーキンググループというのができまして、先月には、過去に医療費の未払いがあった、そういった外国人観光客に対する入国の制限を行うというような総合対策が政府から公表されています。
今年度中にもこの件に関しては国の方向性が見えてくるかと思うんですが、私がなぜ今ここでこの話をするかというと、二〇一六年、厚生労働省が実施した実態調査によりますと、外国人の受け入れ医療機関として選定されるなどした全国千三百七十八病院のうち、医療費未払いの外国人受診者がいた病院は三五・一%だったんです。これは外国人患者による医療費の未払いで困っている医療機関が決して珍しくないという数字じゃないかなと私は思うんですね。
単なる外国人旅行者と医療機関間の問題として捉えるのではなくて、この需要が高まる二〇二〇年に向けて、オリンピック開催を機に、開催都市として行政が観光関連の企業や団体、医療機関が連携して取り組んでいくさまざまな枠組みをつくっていかなきゃならないと思います。
都が中心となって旅行会社やホテルなど、それはウエブサイトやチラシなどを使うと思いますけれども、海外旅行保険を持って東京に来るようにといったような啓蒙活動も今後は必要になってくるんじゃないかなと感じたところでありますので、ここで触れておきました。
せっかく二〇二〇年大会のためにみんな協力しようよと前向きになって思ってくる人たちが、実はふたをあけて振り返ったときには、あの一夏は未払いが多かったななんてことになってしまっては、オール東京でみんなで盛り上げていきましょうという二〇二〇年が台なしになってしまいますので、これを機にしっかりと整備をしていただきたい。
福祉保健局や産業労働局とも手を結び、対策していただくことを要望しておきます。
次に、選手村についてお聞きをいたします。
そろそろこの選手村については、運用法について各論の議論をしていく必要が議会でもあろうかと思いますが、最近は、前から私はこの委員会でもさまざまな場面で触れていますが、各競技者は、それぞれの個々がこだわる用具があったりとか、例えば、選手村内にソファーがあったりとかで、みんな各国からコンテナに積み込んで開催都市にやってくるのがスタンダードになっています。
そうすると、私が気になるのは、その量がかなりふえていくわけです。ただ、ふえていくけれども、前回大会の二〇一六年のリオデジャネイロと比べると、選手村用地のスペースというのはかなり狭くなります。その狭くなった中でこういったコンテナをどのように運用していくのか、どこに置いていくのかということですけれども、現在の検討状況を教えていただきたいと思います。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 選手団が持ち込む備品等の置き場にしましては、IOCの規定等に基づき、宿泊棟の共用部にNOCやNPCの倉庫が設けられる予定であり、今後、そうしたスペースの活用につきまして、具体的なことが決まっていくことになります。
なお、選手団などが備品等を持ち込むためのコンテナにつきましては、過去大会における事例も踏まえまして、現在、組織委員会が選手村内での置き場等について検討を進めているところであります。
○川松委員 今、コンテナについては検討を進めているということでありますが、これは大変難しい課題だと思います。それぞれの国の事情もあるでしょうが、今の東京でのルールを考えますと、コンテナを上に積み重ねていくというのは、安全面でもかなりチェックが必要になってきます。狭い中で、上にもなかなか積み重ねるのが難しいという中で、でも選手の皆さんにはきっちりと快適にこの期間を過ごしてもらうということですから、この準備、抜かりなく進めていただくことを要望しておきます。
もう一点、選手村に関しては、車両管理のオペレーションを私は気にしております。基本的には、晴海の選手村と行き来するのは、築地のデポからは築地大橋を渡ってとなりますが、環状二号線の全面開通ができない以上、この大会の命運を握るのは晴海通りの流れということになります。
特に環二が使えない中で、首都高の晴海インターチェンジというのはとても大きな期待が寄せられているわけですが、その環状二号線が使えないからこそ、より晴海通りに大会関係車両が入ってきた中で、晴海通りから選手村に入っていく経路のどのあたりに、いわゆる車両検問所を置くかということが私は気になっています。
選手村の車両検査エリアの設置に当たって、何でこんなことをいうかというと、例えば、選手村の近くまで晴海通りから入っちゃって、いや、あなたの車は入れませんよといっている間に、Uターンなどをしている間にまた渋滞が起きてしまう。不必要な人たちがまた晴海通りに右折、左折で入っていくと、また渋滞が起きてしまうんじゃないかという心配がありますので、選手村の車両検査エリアの設置に当たって、一般車両など周辺の交通状況に影響を及ぼさないよう、その運用や周知について検討すべきと私は思っているわけですけれども、現在の検討状況を教えてください。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 選手村のセキュリティー確保に必要な車両検査エリアの設置につきましては、現在、組織委員会が警察などと協議しながら検討を進めております。
車両検査エリアの設置に当たりましては、選手村周辺で交通混雑等を招かないように、車どめの設置等による運用や案内看板の設置など、一般車両等への周知についても適切に対応することが必要でありまして、今後、具体的な検討を深めていくこととしております。
引き続き、組織委員会と連携しながら関係機関と協議を進め、車両検査エリアの設置に伴う地域への影響が少なくなるよう努めてまいります。
○川松委員 ぜひ交通の流れについても関係機関と協力をしていただきたいと思います。都内から来れば、勝鬨橋を渡ったあたりから、この先の晴海エリアに向かっての交通量のアナウンスなどもしていかなければならないのではないかなというふうに考えております。
最後に、マスコットを活用した機運醸成について二つお聞きします。
いよいよ今月の二十二日の日曜日に大会のマスコットがデビューをするわけであります。マスコットによるPRを展開していく、これは大会のさらなる認知度の向上や機運の盛り上げにつながっていくことで、私は本当に期待をしております。
国内外の方々により東京を知っていただき、大会に関心を持ってもらう上で、これは大きなチャンスと考えますが、このマスコットについて、二十二日にデビューするわけですけれども、都の見解を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 大会のマスコットは、都民、国民の大会への関心を高め、機運を盛り上げる大会のアンバサダーでございます。七月二十二日に名前が決定し、本格的にPRへの活用が可能となることから、機運醸成にしっかりとつなげてまいります。
まず、七月二十二日にマスコットデビューイベントや水上バスで浅草からお台場をめぐるパレードを実施し、国内外に効果的に発信をいたします。次に、七月二十四日のオリンピック二年前カウントダウンイベントでも盛り上げに活用することを初め、今後とも注目度の高いイベントでのPRを展開してまいります。さらに、地域の各種イベントでの活用も今後検討してまいります。
また、これらに加え、マスコットデザインのラッピングバスの運行や地下鉄車内の一斉装飾など、都営交通の媒体を活用し、都民や東京を訪れた国内外の多くの方に大会への関心を高めていただく取り組みも行います。
今後ともマスコットを活用したPRの推進により、開催都市東京を国内外に積極的に発信するとともに、さらなる開催機運の盛り上げを図ってまいります。
○川松委員 ありがとうございます。デビューすると水上バスにも乗るということですが、実際、船の上にマスコットがいるだけではなかなか注目が集まらないんじゃないかなと思うんですね。
浅草からお台場に向けてということになれば、例えば、スカイツリーをバックにした、インスタ映えするような写真を多くの人が撮れるような仕組みをつくるとか、あるいは国技館があったり、あと隅田川にかかる橋とマスコットのコラボレーションだとか、そういうことを考えながら七月二十二日の運営ができると、これはいろんな意味で、いわゆる拡散という状態の中で多くの人に知ってもらえるんじゃないかなと思います。
事前のPRも含めて、あくまで七月二十二日に関しては、メーンはデビューするマスコットであるという認識を持っていただいて、都知事が主役になるんじゃなくて、マスコットだということをしっかりと考えていただきたいと思います。
今後、これは知事だけではなくて、二十二日、いろいろ皆さん方の立場もあるでしょうけれども、知事や組織委員会の幹部の皆さんにも、これはあくまでマスコットだということを入念に説明した上で二十二日を迎えていただきたい。それが力強いPRになるということを私は期待していますので、そういった作業を要望しておきます。
そして、重要なことは、この先二年間、このマスコットとともに一緒に大会を盛り上げていこうということで、どれだけ多くの人を巻き込んでいけるか、そして多くの人にこのマスコットが目に入っていくか、あるいは耳に届いていくかということになろうかと思います。
そこで、大きなのは、今までは確かにマークが出てきたり、いろんなキャッチフレーズが出てきたりしていましたけれども、このマスコットに期待することは、子供たちを多く巻き込める、そういうことだと私は思っています。
マスコットに親しんでもらい、マスコットを通じて大会をより身近に感じてもらうためには、このマスコットを使用した広報PRツールの展開やグッズの販売などが、さらなる加速度的に二〇二〇年の盛り上げにつながると思いますが、現在の都の考えを教えてください。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 マスコットを使用した広報PRツールの展開は、大会を身近に感じていただき、一層の機運醸成を図る上で重要でございます。このため、現在マスコットを使用したポスター、のぼり旗を都庁舎や議会棟、区市町村の庁舎のほか、都立のスポーツ施設や都営交通の駅など、都民に身近な場所に掲出できるよう準備を進めております。
また、ポスター、のぼり旗については、全国の道府県、政令市にも配布し、盛り上げに活用していただく予定です。さらに、デザイン決定の際に投票に参加した小学生に大会への関心をさらに高めてもらえるよう、都内の全ての小学校にポスターを配布いたします。
マスコットを使用した東京二〇二〇公式ライセンス商品につきましては、東京ミッドタウン日比谷に夏季限定で開設するマスコットハウスや、オフィシャルオンラインショップ等で七月二十二日から販売が開始される予定でございます。
○川松委員 ありがとうございます。本当にこれからの展開を期待しております。特に現代の日本の人々というのは、熱しやすく冷めやすいという側面もあります。
これから二年間、このマスコットが国内外でどれだけ露出していくかということを考えると、多くが常に仕掛けを持ってやっていくこと、私はこのマスコットの展開というのはすごく重要だと。繰り返しになりますけれども、この露出がふえればふえるほど、二〇二〇年に向けたわくわく感というのが戻ってくるんだろうと思います。
担当部署の皆様には、これから二年間でダイナミックな展開がされることを要望しまして、私の質問を終わります。
○里吉委員 私からは一点、ライブサイトについて伺います。前回、要望だけにとどめましたので、今回少しお伺いしたいと思います。
オリンピック・パラリンピックの期間中、チケットを持っていない人も含めて大会に参加できるライブサイト。東京都の資料を読ませていただきましたら、都民、国民、世界からの来訪者を歓迎する都市活動プログラムの中核というふうに書かれておりました。
私も、東京都が開催都市として、都民誰もが、そして国内外から東京を訪れる全ての人が大会期間中、ライブ中継での競技観戦やスポーツ体験やさまざまなイベントなどを楽しんで、ともに東京二〇二〇年大会を楽しめる場となってほしいというふうに思っております。
そこで、前回からも質疑が繰り返されておりますが、東京都が実施するライブサイト八カ所のうち多摩地域一カ所ということ、このことについて、前回の質疑では、都として広域的なライブサイトについてIOCから、いわゆるオリンピックパークがない、その代替としての機能が重要だということで、競技会場周辺や国内外からのアクセスがよい場所で実施する、そういう場所を拡充できないかという要請もあって、当初の四カ所から八カ所に広げたということでした。その際、多摩地域では五十カ所程度抽出して検討したけれども、最終的には一カ所しか残らなかったということです。
そこで、改めてお伺いしたいんですけれども、いろいろと探したけれども、結果としては一カ所だったということなんですが、多摩地域に都主催のライブサイト八カ所のうち一カ所というのは少ないのではないかと私は思うんですが、都としての認識を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 ライブサイトには、開催都市がみずから実施するものと地域が主体となって実施するものの二つがあり、都が実施するライブサイトは、都民のみならず、国内外から訪れる観戦客を広く受け入れる広域的なライブサイトでございます。
いわゆるオリンピックパークがない東京二〇二〇大会では、その代替としての機能が重要であることを踏まえ、大規模イベントが長期間実施可能な広さや、都内外からのアクセス、日常的な人流、にぎわい、競技会場や文化施設等に近いなどの地域特性等、必要な要件を満たす会場として、多摩地域では井の頭恩賜公園を最終的に抽出いたしました。
○里吉委員 井の頭恩賜公園が選ばれたことはいいことだと思うんですね。いい場所だと思います。ただ、都内八カ所のうち多摩地域が一カ所のみと、また、広い多摩地域からいっても、大変区部に近い場所一カ所ということで、これで都として広域的なライブサイトを選びましたといわれても、多摩地域の方からいって、果たして納得できるのかなというふうに思うわけです。
私は、八王子出身の者として、あそこが多摩地域といわれてもなと、周りの友達にもいろいろ聞きましたけれども、やっぱり同じ感想なんですね。
そこで、五十カ所程度抽出して検討したということですから、本当は、東京都としてはもっと選びたかったのではないかなと。一生懸命探したけれども、最終的には一カ所しか残らなかったということではないかなということで、一カ所では少ないと思っていないんですかというふうに伺ったわけですね。
最終的にそこしかなかったということは、前回のやりとりでわかったわけですけれども、一生懸命探していたというふうに、五十カ所も出して一生懸命検討したという中で、あそこしかなかったということだから、本当はもっとふさわしい場所があれば選びたかったんじゃないかなと。
前回の質疑で、他会派からも立川市にある国営昭和記念公園について、使い勝手もいいし、交通アクセスもいいし、条件は整っているのになぜ選ばれなかったのかと、その経緯の説明を求める質問がありました。しかし、はっきりした答弁はありませんでした。
昭和記念公園はライブサイトとして使いたい場所なんだけれども、入場料をとる場所で、国からの協力が得られなかったという話も聞いております。ですから、私も前回の委員会で意見として、国営昭和記念公園なども国に協力を求めて活用できるようにすることを求めたわけです。
交通アクセスとか近隣住民との関係などで選べなかったのではなく、国営公園ですから、国から協力が得られなかったということが選べなかった大きな原因であるなら、再度、調整していただきたいと思うわけです。
立川市の方に話を聞きましたら、地元では、以前から昭和記念公園で東京五輪のライブサイトをやるという話がまことしやかに流れているそうです。そして、みんな期待をしていると伺いました。
今年度中に都としてライブサイトの計画を策定するということですが、改めて多摩地域で都が実施するライブサイトをふやすことも検討すべきではないかと考えますが、都の見解を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都が実施するライブサイトは、都民のみならず国内外から訪れる観戦客を広く受け入れる広域的なライブサイトでございます。その実現に必要な要件に照らして検討を行った結果、井の頭恩賜公園を最終的に抽出いたしました。
ライブサイトの実施に当たっては、警備や観客動線、実施内容などを検討し、組織委員会や関係機関、IOCなどとも調整するなど、本年秋ごろの基本計画の策定に向け準備を進めていく必要がございます。
国内外から訪れる観戦客がライブサイトを楽しんでいただけるよう、都内八候補地について、それぞれの実施可否や実施規模などを個別に検討してまいります。
○里吉委員 警備や観客動線だとか実施内容とかを検討して、組織委員会や関係機関、IOCなどとも調整して、最終的に実施可否も実施規模も検討するということですから、これから決定するということですよね。八カ所全部が選ばれるか、きちんと決定するかどうかも含めて、これから本格的な検討に入るということだと思うんですね。
そういう意味では、私は、この八カ所という中で多摩が一カ所ということについては、東京でせっかくオリンピック・パラリンピックを開催する、大会会場がないところでも、多摩地域でも大会期間中に大会を楽しむ拠点として、都が実施するライブサイトをもう少しふやしていただきたいということは、改めて要望しておきたいと思います。
そして、じゃあ、もしそれができなかった場合、区市町村が行うコミュニティライブサイトがあるというふうに話も伺いました。その質疑もございました。現に、じゃあ、立川の国営のあの場所は、立川市が使おうと思ったとしても同じ問題が発生して、やっぱり使えないというふうになることも考えられます。違う場所を探さなくちゃいけないと。区市町村が行うコミュニティライブサイトは、小さいものもあるし、いろいろな場所を使うということで、先ほど議論がありました。
ここで私は、いろいろと立川の方にもお話を聞いたんですけれども、近くに民間の場所で大変使いやすい場所があって、あそこでライブサイトをやるんじゃないかという話もあるというふうに聞きました。ただ、先ほどの質疑を聞きましたら、やっぱり民間の場所はお金がかかるということで、なかなか使いにくいということで、それは難しいのではないかという議論もありました。
これからどういう形で地域のコミュニティライブサイトをつくっていくのかというのは、区市町村が検討していくと思いますけれども、支援の枠組み、今後検討ということですが、この枠組み、多摩地域には重点的にぜひ支援を検討していただきたいと思うんですが、都の所見を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇大会の盛り上げのためには、都が実施するライブサイトに加え、市区町村が身近な場所で実施する地域のコミュニティライブサイトの取り組みを推進することが重要でございます。リオや平昌大会の際にも、地域での応援の希望があり、都内の多くの自治体で競技のライブ中継を実施し、都はさまざまな支援を行いました。
今後、都としては、多摩地域も含め、各市区町村が円滑にコミュニティライブサイトを実施できるよう、丁寧な情報提供、組織委員会への申請手続のフォローなど、さまざまな支援を検討してまいります。
○里吉委員 これまでも過去大会で、地域で行ったコミュニティライブサイトに対しても、都としての助成もあったと伺っております。ですから、今後、東京二〇二〇大会についても、何らかの財政支援は検討されると、行われると思います。
先ほどいいましたように、民間のアリーナや会場を使ってコミュニティライブサイトを開催しようとした場合、多少は安く貸していただけるかもしれませんけれども、公営の施設に比べて費用がかかる、こういうことも予想されます。
非営利の団体ですとか、学校ですと、私立でも公立でも主体となり得るというお話でしたけれども、企業ですとやっぱりなり得ないわけですよね。企業が持っている民間の場所を使う場合は、やはりそこを区市町村が借りて行うということでないとできないというふうに伺いましたから、そういった場合はどういうふうに費用負担できるのか、ぜひ、きめ細やかに相談にも乗っていただいて、ぜひ多くの都民が気軽に楽しめる場をふやしていくということも重視していただきたいということを最後に要望して、私の質問を終わります。
○入江委員 ボランティアの募集とパブリシティーについて伺います。
六月十一日にボランティアの募集要項が発表され、今、大変多くの方がインターネットでオリンピック、ボランティアと検索しています。トップに表示されるのは、組織委員会の東京二〇二〇大会のボランティア活動というページで、大会ボランティアについて詳しく説明をしています。
しかし、都市ボランティアについては、東京ボランティアナビをごらんくださいというリンクが張られているだけの状態で、詳しい情報にたどり着きにくいところがありました。それをお伝えしたところ、現在は、都市ボランティア募集要項への直接リンクを追加されるなど、改善をしていただきました。
今後、九月中旬からいよいよ応募開始ですが、応募開始に当たっては、組織委員会と東京都で連携し、大会ボランティアも都市ボランティアも一つのページからわかりやすく応募できる、東京二〇二〇大会ボランティア特設ページといったものを開設することが必要だと考えますが、見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会ボランティア、都市ボランティア合わせて十一万人の方々にボランティアに参加いただくためには、組織委員会と都が一体となってウエブサイトを活用して、ボランティアの魅力や活動内容等を発信し、参加意欲を高めていくことが重要でございます。
これまで都は、組織委員会と連携し、ボランティアの魅力を伝えるウエブサイト、東京ボランティアナビを通じ、過去大会のボランティア経験者の体験などを発信してまいりました。
募集に向けましては、組織委員会と協定を締結した日本財団と連携のもと、今回新たに作成した大会ボランティア、都市ボランティア共通の入り口となるウエブサイトを活用し、応募者がワンストップで組織委員会の大会ボランティア募集ページや、都を初め各自治体の都市ボランティア募集ページへ円滑に移動し、参加申し込みができるよう取り組んでまいります。
○入江委員 取り組んでいただけるということで、ありがとうございます。大会二年前に当たるこの七月下旬には、ボランティア応募キャンペーンを開始するとのことです。改めて都民に大会開催を楽しみに感じていただき、みずからも参加することができるとしていただきたいです。
短期間で多くの人々に訴求し、一気に東京二〇二〇大会の機運を醸成させるためにも、最も効果的な宣伝方法が必要です。例えば、関東地区の場合、テレビの世帯視聴率は一%で十八万六千世帯、個人視聴率は一%で約四十万八千人です。視聴率が高い朝のニュースや情報番組の合間に流れるCMは、大変多くの人が目にすることになります。
費用対効果の検証と適正な予算規模が前提ですが、ボランティア応募開始についての十五秒のテレビスポットCMを通勤や通学前の朝の時間帯に一週間でも放送することが大変有効だと考えます。見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 十一万人の方々にボランティアに参加いただくためには、募集PR映像をテレビCMなどで放映し、多くの方々に大会のボランティアへの興味、関心を持っていただくことは効果的でございます。
そのため、都では、七月下旬より、ボランティアへの参加を呼びかけるPR映像をまち中の大型ビジョンやデジタルサイネージ、東京動画を初めとする動画サイトにおいて放映するなど、さまざまな媒体を通じ、多くの方々へボランティアへの参加を呼びかけてまいります。
さらに、九月の募集開始後、テレビCMや電車内のビジョンの活用についても費用対効果等を踏まえまして、今後検討してまいります。
○入江委員 テレビCMやトレインチャンネルなどを検討していただけるということでご回答いただきました。招致のときより、ちょっと今オリンピック・パラリンピックに対する機運が少し下がっているんじゃないかということもありますので、この大会二年前、マスコットもデビューする、そしてとにかく皆さんが主役になるボランティアも応募開始するということですので、効果的なパブリシティーをお願い申し上げます。
続いて、私からも、医療体制について質問いたします。
各会場での医療体制は、組織委員会が収容人数一万人ごとに医務室を一カ所置き、医師や看護師が複数常駐し、選手用と観客用の救急車を用意するとのことです。各会場までのラストマイルやライブサイトの医療体制は東京都が策定することになりますが、現状をお伺いします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアには、競技会場の最寄り駅周辺における観客への案内を行うことに加えまして、急病人や事故等の不測の事態が発生した際、速やかな通報など、状況に応じた適切な対応を行っていただく必要がございます。
そのため、先月公表した都市ボランティアの募集要項では、積極的に応募していただきたい方として、救命救急等に関する知識を生かしたい方を掲げているところでございます。こうした方々には、急病人や事故等が発生した場合に、知識、経験を生かした対応を行っていただくことを期待してございまして、今後、都内の医療、看護関連の学部を有する大学や看護専門学校等に対し、応募促進に向けた働きかけを行うなどの取り組みを進めてまいります。
また、来年十月よりボランティア全員が受講できる共通研修等におきまして、緊急時の連絡方法やAEDの使用方法を初めとする初動対応を習得できるよう研修を実施してまいります。
○入江委員 多分今の回答は、私の質問はラストマイル、あるいはライブサイトにおける東京都の医療体制の策定についてでしたので、ちょっと違う部分で出したんじゃないかと申し添えたいんですけれども……。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大変失礼いたしました。大会期間中、選手や大会関係者、観客に対して適切な医療サービスを提供するため、医療関係団体や医療機関等と連携を図り、十分な医療スタッフを確保することが重要でございます。
選手村総合診療所や各競技会場の医務室につきましては、必要な医療スタッフを確保するため、組織委員会が医師会等に個別に依頼を行っているところでございます。
また、総合診療所や各会場の医務室での診察の結果、専門的な治療が必要な場合、選手や大会関係者は大会指定病院へ搬送され、観客は一般病院へ搬送されることとなりますが、大会指定病院の指定につきましても、関係機関にご協力いただき、組織委員会が準備を進めているところでございます。
さらに、大会時医療の運営体制につきまして、組織委員会、東京都医師会、都との間で情報交換を実施しておりまして、大会時には都民生活に与える影響を軽減するため、都市オペレーションセンターを中心に状況把握し、調整を行ってまいります。
今後、関係機関等と緊密に連携を図りながら、大会に向けた医療体制の構築を進めてまいります。
○入江委員 ちょっと先に進めます。日本救急医学会、日本災害医学会、東京都医師会など、二十の団体から構成される東京二〇二〇大会にかかわる救急災害医療体制を検討する学術連合会、コンソーシアムというものがございます。
今回の質問に当たっては、そちらの救急災害医療体制検討合同委員会の委員長である東京大学医学部附属病院災害医療マネジメント部長の森村尚登教授などにお話を伺いました。
このコンソーシアムでは、とにかく大会の医療体制については、消防、警察、医療従事者、行政、大会関係者で構成される多機関連携センターのようなものの必要性を提言されています。また、現状において、大会時の医師や看護師を確保するためにも、東京都と地域病院団体と医師会との連絡調整をさらに密にすべきとの指摘がありましたが、見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 失礼いたしました。大会期間中、選手、大会関係者、観客に対して適切な医療サービスを提供するため、医療関係団体や医療機関等と連携を図り、十分な医療スタッフを確保することは重要でございます。
選手村総合診療所や各競技会場の医務室につきましては、必要な医療スタッフを確保するため、組織委員会が医師会等に個別に依頼を行っているところでございます。
また、総合診療所や各会場の医務室での診察の結果、専門的な治療が必要な場合、選手や大会関係者は大会指定病院へ搬送され、観客は一般病院へ搬送されることとなりますが、大会指定病院の指定につきましても、関係機関にご協力いただき、組織委員会が準備を進めているところでございます。
さらに、大会時医療の運営体制につきまして、組織委員会、東京都医師会、都との間で情報交換を実施しており、大会時には都民生活に与える影響を軽減するため、都市オペレーションセンターを中心に状況を把握し、調整を行ってまいります。
今後、関係機関等と緊密に連携を図りながら、大会に向けた医療体制の構築を進めてまいります。
先ほどご質問のありましたラストマイルやライブサイトでの医療体制についてご答弁させていただきます。失礼いたしました。
東京二〇二〇大会では、観客など国内外から多数の来訪者が見込まれておりまして、特に多くの観客が集中するラストマイル、ライブサイトにおきましては、熱中症を防ぐための暑さ対策など予防対策を講じますとともに、けが、急病人の発生時の迅速な連絡体制や応急措置など、適切な初期対応の体制を整えることが重要でございます。
ラストマイルにつきましては、最寄り駅から各会場までの距離、ルート、周囲の環境等、会場ごとに状況が異なりますが、都市ボランティアによる給水の呼びかけ、一時的な救護ができる場所の確保など、救護体制について検討を進めております。
東京二〇二〇大会のライブサイトの医療体制につきましては、ライブサイト会場ごとの実施内容などとあわせまして検討を進めているところでございます。
なお、リオや平昌大会時に都が実施いたしましたライブサイトにおきましては、会場内に救護室を設置するなど対応を行っておりまして、これを踏まえまして、より多くの来訪者が見込まれる本番時の体制を構築してまいります。
今後、関係機関と連携を密にいたしまして、大会時の救護体制構築に向けて準備を進めてまいります。
○入江委員 ありがとうございます。大会ボランティアの役割の中には、ヘルスケアというところがありまして、四千人から六千人が募集され、観客やオリ・パラ関係者に急病人やけが人が出た場合に、ファーストレスポンダーとして速やかに対応するとのことです。
今もお話、少しありましたけれども、競技会場の外や駅で観客をご案内する都市ボランティアにも急病人やけが人に速やかに対応できるようにするべきだと考えます。見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアには、競技会場の最寄り駅周辺における観客への案内を行うことに加えまして、急病人や事故等の不測の事態が発生した際、速やかな通報など、状況に応じた適切な対応を行っていただくことが必要でございます。
そのため、先月公表した都市ボランティアの募集要項では、積極的に応募していただきたい方として、救命救急等に関する知識を生かしたい方を掲げております。こうした方々には、急病人や事故等が発生した場合に、知識、経験を生かした対応を行っていただくことを期待しており、今後、都内の医療、看護関連の学部を有する大学や看護専門学校等に対し、応募促進に向けた働きかけを行うなどの取り組みを進めてまいります。
また、来年十月よりボランティア全員が受講する共通研修等におきまして、緊急時の連絡方法やAEDの使用方法を初めとする初動対応を習得できる研修を実施してまいります。
○入江委員 緊急時の初動対応を研修に入れてくださるということを今伺いましたけれども、先ほどのコンソーシアムの東大の森村教授からは、医療スタッフのみならず、ボランティアの皆さんにも次の三点を習得してもらうことが重要だと教えていただきました。AED、心臓救命装置の操作方法、熱中症患者への初期対応方法、さまざまな感染症に対する標準予防策です。ぜひともボランティアの研修内容に入れていただくことを要望いたします。そして、大会時に平時の東京都の医療レベルを保つことができれば、大会の成功につながるというお話でございました。
続いて、東京都が実施するライブサイトの運営についてお伺いします。
先ほどオリンピック競技のスケジュール、七月、パラリンピックは九月というお話も出ていましたが、競技スケジュールが決定すると、その後、NHKと日本民間放送連盟、民放各社で組織している連盟が調整の上、地上波テレビ各局でどの競技を放送するか編成が決まります。これはまだ少し先になるとは思うんですけれども、この競技のテレビ中継映像を大型スクリーンで映し出すのがライブサイトです。
チケットを持っていない都民や国内外からの都の来訪者に、東京二〇二〇大会のすばらしさを感じ、十分に満足していただくことが重要です。そのために、ライブサイトでは競技の中継だけではなく、文化的な体験のステージイベント、アーティストライブ、スポーツ体験、パラスポーツ体験、最新テクノロジーの体験などで、史上最もイノベーティブな大会を体感していただきたいと思います。
このようにライブサイトの魅力を高めるためには、民間のオリンピック・パラリンピックスポンサー企業の参加、協力が必須だと考えます。その誘致のためにどのような対策をとっているのか伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 ライブサイトについては、大会パートナーと連携し、事業内容を充実させていくことが必要でございます。リオや平昌大会時に都が実施したライブサイトにおいては、大会パートナーのご協力により、競技体験や展示等を実施し、ライブサイトを盛り上げることができました。
都は、ことし四月に、東京二〇二〇大会期間中のライブサイトに関する開催都市東京の考え方を公表後、大会パートナーに対して情報提供を行うなど、誘致に向けた取り組みを開始したところでございます。
東京二〇二〇大会本番のライブサイトでは、より多くの大会パートナーと協力し、来場者にとってさらに魅力ある実施内容となるよう、組織委員会とともに取り組んでまいります。
○入江委員 今回の東京都が実施するライブサイトは、過去とは全く規模感が違うわけですし、例えば、飲料のスポンサーには飲み物のようなものを提供していただいたりとか、いろいろな側面があると思いますので、ぜひともスポンサーの皆様には丁寧なご説明と協力を仰いでいただくようにお願い申し上げます。
そして、東京都がライブサイトを展開することで、どのようなレガシーを残そうと計画しているのかを伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 ライブサイトは、チケットを持つ人も持たない人も大会を楽しみ、その感動と記憶を心のレガシーとして残していただくために重要な役割を担うものでございます。
具体的には、ライブでの競技中継を多くの来場者で一体感を感じながら観戦、応援することを通じて大会の迫力を体感することを初め、さまざまな競技体験への参加などを通じて、その後のスポーツへの関心や参加意欲を高めることにつながることが考えられます。
また、世界最大級のスポーツイベントのライブサイトにおいて、ボランティア、多言語対応、暑さ対策、バリアフリーなどの取り組みを実践することで運営上のノウハウが蓄積され、今後のさまざまなイベントなどに活用することができると考えております。
○入江委員 ソフト面のレガシーについては、期待どおりのご答弁をいただきました。ありがとうございます。
都立公園がライブサイトの会場になるという予定になっております。四つ出ておりますけれども、ぜひこの機会に、例えば、WiFi環境を設備するなど、ハード面のレガシーも残していただくことを要望いたします。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○とくとめ委員 東京二〇二〇大会の開催準備の一つであるアクセシビリティ・ガイドラインに基づく、障害者にとって参加しやすい環境整備に関する問題の中で、とりわけ車椅子利用の障害者が競技場に時間どおりに確実に、安全に移動、到着できるようにする問題にかかわって質問をいたします。
最近、障害者団体の関係者から、アクセシビリティ・ガイドラインに基づく環境改善の取り組みについて評価する声をいただいております。同時に、臨海部のビッグサイトの会場で開催される福祉器具の展示会に参加したときに、JR新橋駅からエレベーターで「ゆりかもめ」に乗りかえる際に長い列ができ、大変な混雑になって時間がかかってしまった経験があったと聞きました。こうした事態は、パラリンピック会場への移動の場合に少なくないところで起こり得るということを感じました。
チケットを購入して、オリンピック・パラリンピックの競技場で観戦する人にとって、誰もが時間どおり、安全に、確実に参加できるかどうかは、競技を楽しむ大前提だと思います。特に障害者、高齢者の車椅子利用者の場合は、健常者と違って移動などにはさまざまな困難な条件があると思います。こうしたことをしっかりと大会主催者側が酌み取って、改善に取り組むことが必要だと思います。
まず、東京二〇二〇大会のオリンピック・パラリンピック観戦の車椅子利用者が競技場まで安全に、確実に移動する上で、既存の鉄道利用だけでは混雑などにぶつかるとスムーズに移動できないのではないかとの不安の声が寄せられている問題について、スムーズに移動できる環境の改善が不可欠になっていると思いますが、都はこうした事態に対してどのような認識を持っておられるんでしょうか。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 東京二〇二〇大会時におきましては、多くの車椅子の利用者が安全、円滑に移動できる環境をハード、ソフト両面から多様な手段を適切に組み合わせ、構築していくことが重要と考えております。
具体的には、大会時のバリアフリー化の指針でございますアクセシビリティ・ガイドラインでは、適用対象施設の管理者等に対し、まずは大会後のレガシーとなる恒常的な施設としての環境整備を働きかける、また、恒常的な整備が困難な場合は、仮設による整備や専用車による移動支援等のソフト的対応により、サービス水準を確保するとしており、現在、この方針に基づきさまざまな事態を想定し、準備を進めているところでございます。
○とくとめ委員 答弁では、恒常的な整備が困難な場合は、仮設による整備や専用車による移動支援等のソフト的対応といわれましたけれども、大変重要な内容を持っていると思います。
恒常的なバリアフリー化でオリンピック・パラリンピック後の福祉の向上に役立つと同時に、オリンピック・パラリンピック時の車椅子利用者が集中する際の対応として、障害者の抱えるさまざまな困難な条件に配慮して、丁寧に対応することが大事だと思います。これがアクセシビリティ・ガイドラインの本来の精神であり、バリアフリー具体化の鍵だと思います。
そこで、オリンピック・パラリンピック競技会場で観戦する車椅子利用者が何人ぐらいおられるのかということで、一つの目安として、車椅子座席についてお尋ねをいたします。
東京二〇二〇大会の競技会場では、車椅子観戦者の座席数はどのくらいの割合で設定されているのでしょうか。また、過去大会ではどうだったのかについてお伺いします。
○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック部長 さきの答弁でも出ましたアクセシビリティ・ガイドラインでは、車椅子使用者の席数の基準をIPCアクセシビリティーガイドと同レベルの、オリンピックは総座席数の〇・七五%、パラリンピックは一・〇%から一・二%と規定しております。
また、二〇一六年のリオデジャネイロ大会は、オリンピック、パラリンピックともに一%、二〇一八年の平昌大会は、オリンピック〇・七五%、パラリンピック一・〇%から一・二%と規定されておりました。
○とくとめ委員 競技場の車椅子利用者の座席数の基準は、東京二〇二〇大会でも過去のリオ大会でも平昌大会でも、おおよそ一%前後ということでした。過去大会の新聞報道の情報によりますと、パラリンピック競技のチケット販売の実績に限って見ますと、リオ大会がパラリンピックのチケット販売で約二百万枚、ロンドン大会が約二百七十万枚になっています。そのうち約一%程度が車椅子利用者の座席分として計算してみますと、理屈上は、リオ大会では約二万人、ロンドン大会では約二万七千人、これが過去二大会の車椅子利用者の延べ参加の実績ということになります。このことを想定しての対応が必要ではないかと思います。
こうした車椅子を利用する観戦者の予想される規模、実績から予想される混雑などを解消するためには、輸送手段、移動手段の改善が必要になっていると思いますが、安全・安心、確実な時間に移動できるようにするための具体的な改善策については、どのように進められているんでしょうか。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 都は、組織委員会と連携し、昨年六月、輸送運営計画バージョンワンにおいて、重点的に対策を働きかけるアクセシブルルート利用想定駅の案を公表するとともに、本年四月には、会場計画の変更などを踏まえ、想定駅を追加するとともに、駅から会場までのルート案について公表したところでございます。
現在、公表した駅や道路における恒常的な整備を各管理者、事業者に依頼し、既にエレベーターの増設などの対策が始まっているところでございます。
今後も、関係者と連携し、対策を進めてまいります。
○とくとめ委員 ルート案や恒常的なバリアフリーの整備を進めているということでした。
具体的には、エレベーターを二基ふやすなどの工事が既に始まっています。同時に、最初に申し上げたように、それだけでは対応できないかもしれない、そういう可能性も高いと思います。
その対策として、車椅子利用の観戦者の輸送手段、移動手段として、現状では鉄道以外の車椅子仕様のバス、乗用車などの利用が考えられますが、どういうことを検討しているんでしょうか。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時における車椅子利用者につきましては、最寄り駅から会場までのアクセシブルルートを設定し、来場していただくことを基本と考えております。
一方、海の森水上競技場など、シャトルバスを運行する会場につきましては、車椅子の方も乗車可能なノンステップバスが広く普及していることから、路線バスタイプの車両による輸送を検討しております。
また、それぞれの会場の状況に応じまして、障害者向けの車両の発着場の設置の必要性などについて検討しているところでございます。
○とくとめ委員 多様な移動手段、輸送手段の具体化を検討されているということで、大変安心をしたし、評価をして、ぜひ、こうした方向での具体化を進めていただきたいと思います。
こうした移動手段、輸送手段の確保に必要な経費や予算について、事前に確保されているとしたら幾らぐらいなのか、それとも、今後検討されていくのかについてお伺いします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 現在、輸送に必要な経費につきましては、本年度末に予定している輸送運営計画V2の案の策定に合わせ、精査しているところでございます。
○とくとめ委員 必要な経費については精査中ということでした。本番に向けてさまざまな経費が膨らむという傾向がある中で、ぜひ十分精査をして、節約にくれぐれも留意していただきたいと思います。
質問、最後となりますけれども、重要な移動手段として、バスではない乗用車タイプの車両による車椅子利用者の移動に対して、安全、スムーズな乗降スペースなどについて、さまざまな環境整備を求める声が寄せられています。
こうした問題について、都はどういう認識で、何か改善の検討をされているのかどうか伺いたいと思います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 現在、車両による車椅子利用者の移動につきましては、都や国の補助などに伴い、ユニバーサルデザインタクシーが急速に普及しつつあるなど、大会を視野に取り組みが進んでいるところでございます。
こうしたことを踏まえ、都は、組織委員会と連携し、各会場の状況に応じ、安全で円滑に乗降できる環境整備を含め、障害者向けの車両の発着場について検討を進めているところでございます。
○とくとめ委員 車両による車椅子利用者の移動については、都や国の補助などに伴い、ユニバーサルデザインタクシー、UDタクシーと呼ばれているそうですけれども、これが急速に普及しつつあるという答弁でした。
この取り組みは、東京二〇二〇大会の障害者、高齢者の移動手段として大変重要な役割を果たすとともに、その後の大会後のレガシーとしても重要な役割を果たすことになるというふうに思います。それだけに、利用しやすい環境整備を同時的に進めていただくように心から要望いたしまして、質問を終わります。
○龍円委員 私は、まず、アクセシビリティーの確保についてお伺いします。
第二回定例本会議では、東京都障害者差別解消条例が成立しました。私自身も厚生委員会の委員として質疑に加わりましたが、事業者が障害、つまりスペシャルニーズのある方に対して合理的な配慮を提供することが義務づけられ、情報保障の観点から、手話が言語として認められました。
東京二〇二〇大会も当然、この障害者差別解消条例に基づいて、スペシャルニーズのある方への合理的配慮が担保され、情報が保障される必要があります。
条例で求められている情報提供の保障を二〇二〇大会ではどのように実現していくのか伺います。
○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック部長 障害を理由とする差別の解消を図るためには、障害者が円滑に意思疎通できる環境の整備が必要であることから、障害者差別解消条例では、情報保障の推進を基本的施策の一つとして規定しております。
東京二〇二〇大会では、障害の有無にかかわらず、誰もが参加しやすい大会となるよう、アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえた運営を行うこととしており、情報保障につきましては、障害者差別解消条例と同様、点字や拡大文字、手話通訳など、障害特性に応じた手段によって、適切に情報提供を行うことを掲げております。
具体的な対応は今後の検討ではございますが、このガイドラインを踏まえ、できる限り障害の有無にかかわらず、必要な情報を入手しやすい大会となるよう、組織委員会とともに環境整備に努めてまいります。
○龍円委員 アクセシビリティ・ガイドラインに基づいて合理的配慮を提供していくということがわかりました。実際のアクセシビリティーの確保について考えますと、ハードでは対応できない面は、ボランティアなどによるソフトでの支援をすることが合理的な配慮だと思われます。
先日の委員会では両角理事が、観客に対して通訳アプリを利用するという提案がありましたけれども、私はもう一つ、指さしコミュニケーションというのを提案したいと思っております。
ちょっとこちら、よければ見ていただきたいんですけれども、これコミュニケーションチャームというものになっています。渋谷区の超福祉展という、数年前から行われている展示会で提案されたものなんですけれども、このような小さい蛍光色の透明なボードに八つの絵が書いてあります。マル、バツ、トイレ、病院、電車、電話、それから、エクスキューズミーとサンキューというのが書いてあるんですね。これ、話し言葉が通じない海外の方や、それから自分の言葉で意思を疎通することができない方が指さしをして、自分の伝えたいことを伝えるコミュニケーションツールになっております。
マタニティーマークだとかヘルプマークは、いわゆるスペシャルニーズのある方本人がつけて、私は助けを必要としていますよという表示になっているんですけれども、これは本人もつけていいんですが、一般のいわゆる健常者といわれている方たちが、バッグだったりウエストあたりにつけることによって、もし、あなたが助けが必要であれば私はいつでも手助けしますよ、言葉が話せないんだったら指さしで、またはジェスチャーなどで話を聞きますよという意思表示になっています。つまり、こういうものを身につけている方がふえると、心のバリアフリーというのがこの東京で広がっていきます。
また、このコミュニケーションチャームのいいところは、ここのふさふさの部分が渋谷区内の福祉作業所でつくられているんです。つまり、皆さんが、健常の方たちが身につけるものをスペシャルニーズの方たちがつくっていて、ここの部分が、賃金向上だったりとか、仕事の創出に役立っているという仕組みになっています。
例えばなんですけれども、これのオリンピック・パラリンピックバージョンというものをつくりまして、それで、都内の各福祉作業所でスペシャルニーズのある方たちがそれをつくることになれば、心のバリアフリーのレガシーをみんなでつくっていくことができるというすばらしい取り組みになるのではないかなと思っています。
もしこういったチャームが無理だとしても、この人さし指の指さしコミュニケーションというのは手軽に、簡単に、それでいて非常に有効なコミュニケーション手段だと私は考えているので、例えば、ボランティアの皆さんが、紙にプリントした絵文字でも構わないので、そういうものを持っていて、会場の方向はどっちですかみたいなのとか、そういったことを指さしで会話できるようなツールを持っているということも情報保障になってくるのではないかなということで、提案させていただきました。
さて、駅や会場周辺などで活動する都市ボランティアは、多様なスペシャルニーズの特性をしっかりと理解して、手話、筆談、今お伝えしたような指さしコミュニケーションなど、あらゆる方法を利用して案内ができるようにするべきですが、取り組みを伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 全ての観客の方が不安なく大会を楽しんでいただけるよう、アクセシビリティーに配慮した案内やボランティアによるサポートを行っていくことは重要でございます。
そのため、先月公表したボランティアの募集要項では、積極的に応募していただきたい方として、手話のスキルを生かしたい方を掲げてございまして、募集PRを通じ、スキルを有する多くの方々に参加いただけるよう取り組んでまいります。
また、ボランティア全員が受講する共通研修におきまして、障害者を初めとする多様性の理解を深めるためのダイバーシティー研修や、障害特性に応じたきめ細かな対応を習得していただくための研修等を実施してまいります。
具体的には、Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインを参考に、視覚や音声による情報が得にくい方、知的障害のある方、それぞれの方との会話や筆談など、さまざまなコミュニケーション方法を含めまして、多様な障害特性に適切に対応できるよう、実技研修等を通じ、学習していただくことを検討してまいります。
○龍円委員 ありがとうございます。
続きまして、パラリンピックのレガシーについてお伺いします。
これまでの私自身の一般質問等で、NO LIMITS CHALLENGEや映像を使った魅力の発信などについては既に伺わせていただきましたので、その部分については質問は割愛させていただきます。
さて、パラリンピックというと、世間一般には障害者、スペシャルニーズのある方たちのスポーツの祭典というふうに思われがちです。しかし、前回の委員会でも触れさせていただきましたが、実際は、ありとあらゆるスペシャルニーズのある方がいる中で、そのごくわずか一部の方たちにしか門戸が開かれていない大会となっています。
基本的には、身体的なハンディがある方が主たる参加者となっています。クラス分けを見ますと、身体的ハンデの部位などによって分けられていますが、生まれつき身体的ハンデがある方には、内部障害だったり、知的障害も合併していることも少なくありません。そういう方にとっては、パラ大会のクラス分けでは出場することが容易ではありません。結果として、事故や病気などによって人生の途中で身体的ハンディを持つようになった中途障害者が比較的多く参加する大会となっています。
また、身体的ハンデ以外ですと、知的障害のクラスがありますが、陸上、水泳、卓球の三種類のみとなっているんですね。知的障害は、ざくっと一つのクラスにまとめられてしまっているんですが、本来そんな簡単に一くくりにできるものではありません。
例えば、ダウン症のある方は、心臓疾患だとか聴覚や視覚障害、それから全身の筋肉の発達におくれがある低緊張症というような合併症がある方がほとんどなんですね。その中で身体的ハンデのない知的障害者といわれている方たちと競うのは、そもそも無理があるんですね。したがって、奇跡でも起こらない限り、ダウン症のある選手はパラリンピックに参加することができないという現状があります。
一般の方は、全てのスペシャルニーズのある方やその家族がパラリンピックに夢と希望を感じていると想像されていると思います。しかし、今述べましたように、当事者意識が持てない方も多くおりますので、残念ながら、必ずしもそうだとは限りません。そのことを大会に関係する方たちにもっと知っていただきたいと思っています。その上で、スペシャルニーズのある方たち全ての方が、この大会が自分ごととして期待と希望を持てるようにすることが成功の鍵だと私は考えています。
さて、先日の委員会質疑で、パラに出場できないスペシャルニーズのある方たちがほかの形で主体的にかかわっていただく方法はあるのかと伺いましたら、介護者などとグループで都市ボランティアに応募できるように取り組むという答弁をいただきました。都市運営にも大会準備、運営、あらゆる分野においてダイバーシティー・アンド・インクルージョンを可能な限り最大限確保するというふうに明記されています。今後、ありとあらゆる機会にスペシャルニーズのある方をインクルードしていく工夫をしていただきますようお願いします。
さて、パラリンピックを契機として、多くのスペシャルニーズのある方たちが自分でもスポーツを地域で楽しんでいただくようになることも重要です。都が三月に策定した東京都スポーツ推進総合計画によりますと、二〇二一年までにスペシャルニーズのある都民のスポーツ実施率を四〇%にするというのが目標として掲げられています。ですが、現状では一九・二%にとどまっています。
これがどれぐらい低いのかといいますと、一般の都民は五六・三%が現在でもスポーツを楽しんでいるということで、やっぱりスペシャルニーズのある方にとって、スポーツをするということに高いハードルがあることがここからわかります。
スポーツ実施率四〇%を達成するためには、パラリンピックを契機としてスペシャルニーズのある方が身近な地域でスポーツを楽しめるようにしていくことが必要ですが、大会のレガシーともなりますけれども、都の見解を伺います。
○越オリンピック・パラリンピック準備局障害者スポーツ担当部長 障害のある方がスポーツに親しめるようにするためには、身近な地域で活動ができることは重要であり、都は、障害者スポーツの場の確保などに取り組んでおります。
具体的には、平成二十八年度から、障害のある方や障害者スポーツ競技団体等に対し、都立特別支援学校の体育館やグラウンドなどの体育施設を学校教育活動に支障のない範囲で開放し、活用を促進しているところでございます。初年度は五校で開始し、三年目の今年度には十五校まで拡大しているところでございます。
該当する学校では、スポーツを始めるきっかけとなるよう、風船バレーや知的障害者向けのダンス教室など、障害の有無や種別にかかわらず、個人で参加できる体験教室も開催しております。
このほか、区市町村などによる地域における取り組みを後押しするため、スポーツ施設のバリアフリー化の支援に加え、障害者スポーツ事業を実施する際の企画の相談や指導員の派遣、用具の貸し出しなどを行う障害者スポーツ地域パワーアップ事業を実施しております。
こうした取り組みなどを通じ、障害のある方が身近な地域でスポーツに一層取り組んでいけるよう、障害者スポーツの環境整備に努めてまいります。
○龍円委員 スペシャルニーズのある方たちがスポーツをできないでいる背景には、特有の器具や用具などが必要になるということもあります。
ことし一月三十日、伊藤ゆう副委員長の質疑で、障害者スポーツ地域振興事業の補助金、上限三百万円を使って、区市町村が競技用の車椅子だとかプールの可動式リフトなどの備品を購入することが可能だということが確認できました。
その後、都が事業を進めるに当たり、区市町村に備品購入が可能ですよとお知らせする資料を新たに作成し、配布してくださったと聞いています。この事業を利用して、地域の障害者スポーツ環境が整備されることを期待します。今年度の申請状況を伺います。
○越オリンピック・パラリンピック準備局障害者スポーツ担当部長 障害者スポーツ地域振興事業は、区市町村が身近な地域で障害者スポーツの振興を図り、障害のある方が継続的にスポーツを楽しめる環境を整備することを目的として、平成二十七年度から実施しております。
本事業は、スポーツ教室や体験イベントのほか、各区市町村が障害者スポーツ事業を実施する際に必要な備品購入経費も補助対象にしており、区市町村の職員に対する補助金説明会やスポーツ主管課長会など、さまざまな機会を捉え、改めて積極的に周知してまいりました。
今年度は、本事業の利用を促進するため、申請の受け付けを昨年度の二回から四回にふやしており、第一・四半期の時点で前年度の実績を上回る十の区市から事業実施に伴う備品購入の申請がございました。
引き続き、地域における障害者スポーツの環境整備につながるよう、本事業の活用を区市町村に働きかけてまいります。
○龍円委員 今ありましたように、昨年度よりも申請状況もふえているということで、障害者スポーツの環境整備へのニーズがあることが伺えます。ぜひニーズをしっかりと把握してくださって、必要があれば、来年度はさらに予算をふやすなどの対応もお願いして、質疑を終わらせていただきます。
○木村委員 都市ボランティアに関して幾つか伺いたいと思います。
まずは、都市ボランティアの地歴研修の必要性について伺います。
東京二〇二〇大会が開催される東京は、古くから人が住んでいる場所で、今では日本の首都となり、世界一ともいわれる巨大都市となっております。
もともと湿地帯だった場所が本格的に開拓されたのは一四五七年、太田道灌が江戸城を再興して以降となります。
その後、江戸時代を経て、奠都が行われたのは明治であり、そのときから近代政治の基礎が築かれました。その際に、都である京都から十五万人もの公家がともに移動して、現在の官公庁の骨組みをつくったということは意外にも余り知られておりません。
二〇二〇大会のボランティアは、どういった人たちが中心になるのか想像してみると、仕事をリタイアした人、子育てが一段落した人などのイメージが浮かびます。そうした人たちに共通するのは、いずれも戦後教育で歴史を学んだ世代だということです。三十年前の歴史の授業を思い出すと、近世の歴史は駆け足で行われ、特に東京のことはほとんど理解できずに終えた現状があると思います。
また、外国人観光客の訪日目的はさまざまですが、世界と比べた日本の特異性、あるいは強さに関心を持っている人たちがおります。SNSの発達で、訪日観光客の中で話題になっている地方都市というのもございます。
二〇二〇大会で訪れた人たちが東京だけに滞在せず、日本各地を訪問することは容易に想像ができるわけですが、都市ボランティアには東京都内の史跡、あるいは東京が日本の歴史の中でどのような位置づけなのか、鎌倉、京都、奈良、大阪などとどのようなかかわりがあるのか、そういう知識を身につけた上で観客に接することが大切だと思います。
そこで、都市ボランティアには東京に関する地歴研修を行い、ほかの地域との歴史上のかかわりも含めて学んでいただくことが必要だと思いますが、見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会時に東京を訪れた観客に対し、都市ボランティアが歴史の知識を踏まえて観光地や名所の案内を行い、東京はもとより、日本の魅力を国内外に発信することは重要でございます。
東京都観光ボランティアには、都市ボランティアの中核として活躍していただくこととなっておりまして、これらの中には歴史に関する広範な知識等を有する方もいることから、こうした方々の知識や経験を十分活用していきたいと考えております。
さらに、都市ボランティアの研修におきましては、東京はもとより、日本の基本的な歴史や文化の知識を学んでいただくよう取り組んでまいります。
研修内容の検討に当たりましては、東京都観光ボランティアにおきまして、歴史をテーマとした内容の研修を実施しているところでございまして、こうした取り組みについても参考にしてまいります。
○木村委員 東京から電車で一時間とほど近い鎌倉です。東京の学校は鎌倉に遠足に行くことが多いのですが、鎌倉遠足のときに鎌倉についてどれだけ理解していたでしょうか。少なくとも私はよくわかりませんでした。皆さんわかりますか。
鎌倉は、当時のこれまでの都とは異なって、複雑な自然の地形を生かした都市であり、後の十三人の合議制では初めて武士と官僚が混在した政治が生まれるなどしたわけです。後に北条氏が執権として実権を握ったことで、武士の都というイメージは薄れ、新田義貞の挙兵で鎌倉幕府は滅び、都は再び京都に戻りました。
その後は、幕府の後に鎌倉公方という出先が置かれ、関東管領上杉氏の一族で、扇谷上杉家の家宰、太田資清の子、道灌によって湿地帯だった関東平野が開拓されて、江戸幕府の礎になったわけです。鎌倉がなければ江戸も東京もなかった、そういうことだと思います。
東京に滞在している観客に対して鎌倉をお勧めする場合、お寺めぐりや小町通りがおもしろいと勧めるのか、鎌倉と東京の歴史的なつながりを理解した上で勧めるかでは、相手への訴求力が違うと思います。
二〇二〇大会は、訪日観光客に東京以外の地域を訪問していただくことも重要ですから、東京との関連性や鎌倉の歴史上の役割も説明できれば、訪日観光客が東京や日本を理解するための入り口になると思います。こういう点で、鎌倉、京都、大阪や奈良などと連携していただきたいと強く要望します。
都市ボランティアには、研修で学んだ知識も生かして、観客に全国へ足を運んでいただけるように取り組むことも、東京二〇二〇大会の重要な使命だと考えますが、見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会時に東京を訪れた観客に対し、国内各地の観光案内を行い、東京以外へも足を運んでいただけるようにすることで、日本全国の活性化につなげていくことは重要でございます。
そのため、東京と全国を結ぶ交通の結節点となる都内の空港や主要駅などへ設置する都市ボランティアの案内ブースにおきまして、関係局はもとより、競技会場を有する開催自治体、被災地の自治体等とも連携し、研修で学んだ歴史の知識等も生かして、国内各地の観光情報の発信や観光交通案内、広域的な観光モデルルートの紹介を行うなどの取り組みを検討してまいります。
○木村委員 地歴を政治家としてちゃんとわかっているかどうかというのは、非常に重要なことだと思います。少なくとも私は、東京都議会議員としてやっていくのであれば、この東京の地歴、あるいは東京が周辺の歴史とどうかかわったかということについては知っているのが当然であり、そうあるべきだと思います。
次に、AEDについて伺います。
AEDについては、ここから伺う……(発言する者あり)済みません、ちょっと静かにしていただけますか。
○小山委員長 静粛にお願いします。
○木村委員 これから命の話をしますから。AEDについてはここから伺いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
先日、都民ファーストの会東京都議団では、アスリートセーブジャパンの代表を務めるライフセーバーの飯沼誠司さんをお招きして、AEDの講習というのを我々会派のほとんどの議員で受けたわけであります。
このアスリートセーブジャパンというのは、飯沼さんのほかに、例えば、マラソンの有森裕子さん、サッカーの小野伸二さん、競泳の岩崎恭子さんなど、約四十名のアスリートから成る団体で、AED講習を通じてスポーツの楽しさと命の大切さを教える命の教室というのを全国で開催しています。世田谷区内の小学校でも何回も開催しており、先日は渋谷区長ともお会いしたと伺っております。
AEDが救命救急に有効だということは広く知られていますが、それを裏づけるデータというのが消防庁から公表されています。平成二十九年版救命・救急の現況によれば、一般市民が心肺停止した人を目撃した際のAEDを使った場合と使わなかった場合の生存率の差がわかると。この中では、一カ月後生存率と一カ月後社会復帰者数というものがあり、AEDを使うと、どちらも五〇%が助かっております。逆に、AEDを使わないと、一カ月後生存者数が一六・四%、一カ月後社会復帰者数が一一・七%と極端に低くなります。
また、救急車の到着時間、これは消防庁が努力していることは承知していますが、それでも平成二十九年で平均七分十九秒となっております。もし救急車到着までの七分間、何もしなかった場合、生存退院率というのは約三〇%まで下がるわけです。
AEDを実施するまでの時間が五分だと生存退院率は約五〇%、三分だと七〇%にまで上昇します。一刻も早くAEDを使うことが大切だと思うんです。
そこで、三点の提案があります。一点目は、先ほど我が会派の入江議員からもありましたが、東京二〇二〇大会の都市ボランティアの方々には、AEDを使えるようになっていただきたい。二点目は、大会までの限られた時間で研修を受けていただくには、民間の力をかりることも重要だと思う。三点目は、AEDの設置場所がわからなければ、幾ら研修を受けても意味がないので、この際、都内のAED設置場所を調査すべきではないかと思いますが、見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアには、観客への案内等を行うことに加え、急病人の発生等の不測の事態が発生した際、速やかな通報など、状況に応じた適切な対応を行っていただくことを期待しておりまして、観客が心停止した場合に備え、AEDを使用できるようにすることが有効でございます。
このため、今後、都内の医療、看護関連の学部を有する大学等に対し、応募促進に向けた働きかけを行うなど、救命救急に関する知識を有し、AEDを使用できる方々にできるだけ多くご参加いただけるよう取り組んでまいります。
なお、都市ボランティアに対するAEDの使用方法の研修につきましては、来年十月より実施する研修におきまして全員に実行していただく予定でございます。
次に、AED研修における民間との連携についてでございますが、現在、組織委員会やボランティア研修のノウハウを有する日本財団と連携し、研修の枠組みを検討しているところでございますが、お話の取り組みも参考にしながら、具体的な内容を検討してまいります。
AEDの設置場所につきましては、一般財団法人日本救急医療財団が地図上の位置情報等をホームページ上に公開してございます。このうち、競技会場周辺等に設置されているAEDについて、建物内のどこにあるのか、使用可能な曜日や時間帯がいつなのかなど、今年度中に調査する予定でございまして、それぞれの都市ボランティアが配置場所の至近にあるAEDを事前に確認できるようにしてまいります。
このようにAEDの研修や場所の確認等を行い、大会時に心停止の可能性がある傷病者が発生した際に、迅速に救命措置が行えるような体制を整えてまいります。
○木村委員 今回明らかになるAEDの設置場所に関する情報なんですけれども、他局とぜひ共有していただきたいと思います。
さらには、都民にも周知していただきたいと思います。ボランティアだとかスタッフ以外の一般の方々でも使えるようにすべき、それが最終的なことだと思っております。
加えて、都としてラストマイル以外の設置状況も把握し、さらには都が主導してAEDを積極的に都内に設置することも検討していただきたいと強く要望して、質問を終わります。
○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時五十九分散会
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