委員長 | 小山くにひこ君 |
副委員長 | 大松あきら君 |
副委員長 | 吉原 修君 |
副委員長 | 伊藤 ゆう君 |
理事 | 加藤 雅之君 |
理事 | 両角みのる君 |
理事 | 石川 良一君 |
理事 | 山崎 一輝君 |
理事 | あぜ上三和子君 |
森澤 恭子君 | |
おときた駿君 | |
川松真一朗君 | |
栗林のり子君 | |
龍円あいり君 | |
白戸 太朗君 | |
入江のぶこ君 | |
山口 拓君 | |
里吉 ゆみ君 | |
谷村 孝彦君 | |
桐山ひとみ君 | |
とくとめ道信君 | |
木村 基成君 | |
高島なおき君 |
欠席委員 なし
出席説明員オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 潮田 勉君 |
技監 | 相場 淳司君 | |
理事 | 西村 泰信君 | |
理事 | 中澤 基行君 | |
総務部長 | 中村 倫治君 | |
調整担当部長 | 雲田 孝司君 | |
大会企画調整担当部長 | 中嶋 初史君 | |
自治体調整担当部長 | 小池 和孝君 | |
計画推進部長 | 根本 浩志君 | |
運営担当部長 | 田中 彰君 | |
競技・渉外担当部長 | 川瀬 航司君 | |
事業推進担当部長 | 丸山 雅代君 | |
パラリンピック部長 | 萱場 明子君 | |
障害者スポーツ担当部長 | 越 秀幸君 | |
大会施設部長 | 鈴木 一幸君 | |
開設準備担当部長 | 鈴木 研二君 | |
施設担当部長 | 砂田 覚君 | |
施設整備担当部長 | 草野 智文君 | |
施設調整担当部長 | 湯川 雅史君 | |
選手村担当部長 | 斉藤 有君 | |
スポーツ施設担当部長 | 藤木 仁成君 | |
輸送担当部長 | 片寄 光彦君 | |
スポーツ推進部長 | 小室 明子君 | |
ラグビーワールドカップ準備担当部長 | 篠 祐次君 | |
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長 国際大会準備担当部長兼務 | 小久保 修君 |
本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九TMの開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・東京二〇二〇オリンピック聖火リレーコンセプト等について(説明)
・ラグビーワールドカップその二〇一九TMの都内の公認チームキャンプ地内定について(説明)
・東京二〇二〇オリンピック競技大会の会場(その二)について(説明・質疑)
・ラグビーワールドカップ二〇一九TM大会五百日前イベントについて(説明・質疑)
・平昌大会オブザーバープログラムについて(質疑)
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会大会ボランティア募集要項(案)及び都市ボランティア募集要項(案)について(質疑)
・ラグビーワールドカップ二〇一九TM日本大会公式ボランティアプログラムについて(質疑)
・持続可能性に配慮した運営計画第二版(案)について(質疑)
・東京二〇二〇大会期間中のライブサイトに関する開催都市東京の考え方について(質疑)
・選手村宿泊棟の整備について(質疑)
・大会輸送の検討状況(その二)について(質疑)
・共同実施事業に係る経費の確認について(質疑)
○小山委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会を開会いたします。
これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
なお、報告事項、東京二〇二〇オリンピック聖火リレーコンセプト等について、ラグビーワールドカップ二〇一九の都内の公認チームキャンプ地内定については、説明を聴取することにとどめます。ご了承を願います。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
延與次長パラリンピック準備調整担当理事大会運営調整担当理事兼務は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承を願います。
次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
まず、東京二〇二〇オリンピック聖火リレーコンセプト等について、ラグビーワールドカップ二〇一九の都内の公認チームキャンプ地内定について報告を聴取いたします。
○小池オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 それでは、報告事項、東京二〇二〇オリンピック聖火リレーコンセプト等についてご説明いたします。
恐れ入りますが、お手元の資料第1号をごらん願います。
聖火リレーコンセプト等につきましては、平成三十年四月十日に開催されました東京オリンピック・パラリンピック調整会議において決定されたものでございます。
初めに、1、聖火リレーコンセプトについてでございます。
東京二〇二〇オリンピック聖火リレーコンセプトは、ホープ・ライツ・アワー・ウエー、希望の道をつなごうです。このコンセプトは、昨年二月に組織委員会に立ち上げた聖火リレー検討委員会におきまして検討され、IOCの承認を得たものでございます。先月の調整会議において報告され、了承されました。
コンセプトには、柱となる三つの視点といたしまして、復興・不屈の精神、違いを認め合う包容力、祝祭による一体感が盛り込まれております。
続いて、2、聖火リレーの日数についてでございますが、全国を丁寧に回るため、百日を上回る日程が設定されました。
まず、東京都につきましては、開催都市としての位置づけを十分考慮し、十五日間に設定されました。
次に、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の三県及び複数種目を実施する埼玉、千葉、神奈川、静岡の四県につきましては、日数を配慮し、各三日間に設定されました。
また、その他の三十九道府県につきましては、長野大会の各一日を上回るそれぞれ二日間に設定されました。
これらの結果、聖火リレーとしての総日数は、百十四日に移動日を加えたものになっております。
続いて、3、復興の火についてでございます。
東京二〇二〇大会の原点は、復興オリンピック・パラリンピックでありまして、その観点から、オリンピック聖火リレーの開催に先立ち、ギリシャで採火した火を復興の火として、被災三県で順次展示されます。
恐れ入りますが、一枚おめくりいただきまして、続いて、4、ルート選定の基本的な考え方についてでございます。
ルート選定に当たりましては、原則として、できるだけ多くの人々が見に行くことができ、安全かつ確実に聖火リレーが実施できる場所となっております。その上で、国内外に誇る場所や地域の新たな一面を気づかせる場所、また、聖火が通ることによって人々に新たな希望をもたらすことができる場所がルート選定に当たっての基本的な考え方になっております。
続いて、5、ランナー選定の基本的な考え方についてでございます。
ランナーは全ての人々を対象として、国籍、障害の有無、性別、年齢のバランスに配慮しながら幅広い分野から選定し、開かれたリレーといたします。また、地域で活動している人を中心に選定することとされております。
なお、具体のランナー選考基準につきましては、ルート等が明らかになる二〇一九年に選考方法とともに決定される予定でございます。
最後に、6、組織委員会から各都道府県への協力要請事項の予定でございますが、今後、組織委員会から都道府県に対しまして、実行委員会の設立、運営、聖火リレーのルートの選定、ランナーの公募選考、当日対応などが依頼されることとなっております。
東京都におきましても、実行委員会を立ち上げ、区市町村や関係機関と調整を図りながら、聖火リレーのルート等について検討を進めていくことになりますので、改めて本委員会において説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
なお、参考資料といたしまして、別添で組織委員会の資料を添付しておりますので、後ほどごらんいただければと存じます。
本件につきましての説明は以上でございます。
○小久保オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 それでは、ラグビーワールドカップ二〇一九の都内の公認チームキャンプ地内定についてご説明いたします。資料第2号をごらんください。
まず、概要でございます。
公認チームキャンプ地とは、大会期間中に出場チームが練習及び調整を行うために滞在する場所のことでございます。ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会が公認チームキャンプ地の公募を行い、全国から七十六件九十自治体の立候補がありました。都内からは、武蔵野市、府中市、町田市の三市が立候補いたしました。平成三十年四月二十日、組織委員会が立候補のあった中から選定したものに加え、独自に試合会場周辺で追加確保したものをあわせ、公認チームキャンプ地を内定し、公表を行いました。内定した自治体は、今後、組織委員会との間で公認チームキャンプ地契約を締結することで、公認チームキャンプ地として確定することになります。
次に、都内の公認チームキャンプ地の内定状況でございます。
立候補した都内三市については、いずれも公認チームキャンプ地として内定いたしました。武蔵野市にはルーマニア、府中市にはイングランドとフランス、町田市にはアフリカ地区代表がそれぞれ滞在する予定ですが、ルーマニアについては五月十五日にラグビー国際統括団体であるワールドラグビーが発表した情報によれば、ヨーロッパ地区予選で選手の代表資格に問題があったとして出場権を取り消し、ロシアに変更するとのことです。
本件につきましては二週間の上訴期間が設けられており、五月二十四日現在、正式に決定されてはおりません。
なお、施設の名称や滞在期間については、セキュリティー確保の観点から非公表となっております。
次に、組織委員会が独自に追加確保したものとして、立候補した三市以外に都内にA、B、Cの三カ所の公認チームキャンプ地が公表されております。東京都Aにはスコットランドとフランス、東京都Bには日本、ウェールズ、アルゼンチン、東京都Cにはニュージーランド、日本、オーストラリア、イングランドが滞在することとなっております。
なお、こちらの公認チームキャンプ地についても、セキュリティー確保の観点から施設の名称や滞在期間については非公表となっております。
参考資料として、四月二十日に組織委員会がリリースしたプレス資料をおつけしておりますので、後ほどご参照ください。
先ほど申し上げたとおり、今後、自治体と組織委員会との間で契約を締結することで、公認チームキャンプ地として確定いたします。正式決定について組織委員会から公表がございましたら、改めてご報告いたします。
説明は以上でございます。
○小山委員長 報告は終わりました。
次に、報告事項、東京二〇二〇オリンピック競技大会の会場(その二)について、また、ラグビーワールドカップ二〇一九大会五百日前イベントについて報告を聴取いたします。
○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 それでは、私から、東京二〇二〇オリンピック競技大会の会場(その二)についてご説明いたします。お手元の資料第3号をごらんください。
東京二〇二〇オリンピック競技大会のサッカー競技の会場については、組織委員会が国際競技団体等と協議、調整を行ってまいりました。その結果、五月二日にローザンヌで開催されたIOC理事会におきまして、新国立競技場、東京スタジアムなどの立候補ファイルの六会場に、茨城カシマスタジアムを加えた七会場が一括して了承されました。
なお、今回の了承により、東京二〇二〇大会の全ての競技会場が決定いたしました。
一枚おめくりください。別途、参考資料1として、東京二〇二〇オリンピック競技会場一覧、参考資料2として、東京二〇二〇パラリンピック競技会場一覧を添付しております。後ほどご参照いただければと存じます。
説明は以上でございます。
○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 それでは、ラグビーワールドカップ二〇一九大会五百日前イベントについてご説明いたします。資料第4号をごらんください。
大会五百日前を記念し、開催都市として都が主催してイベントを実施いたしました。日程は五月六日の日曜日、場所は秩父宮ラグビー場でございました。ゲストには、ラグビーワールドカップ二〇一九アンバサダーの松田努さん、二〇一五年大会日本代表の五郎丸歩さん、そして、昨年、中学生の全国大会で優勝した東京都ラグビースクール女子代表の皆さんをお迎えし、大会の公式マスコットのレンジーも登場して開催をいたしました。
イベントの内容でございますが、知事とゲストによるトークや、開幕までの日数を表示するデーカウンターのお披露目、PRコーナーの展開などを行いました。
最後に、今後の主なイベントの予定でございます。
六月十六日土曜日に、神戸において日本代表対イタリア代表のテストマッチが行われます。この試合のパブリックビューイングを同日、秋葉原で実施いたします。六月二十三日土曜日には、愛知県の豊田において日本代表対ジョージア代表のテストマッチが開催され、調布においてパブリックビューイングを実施いたします。また、九月には大会一年前イベントを行うとともに、十一月三日土曜日は、東京スタジアムにおいて日本代表対ニュージーランド代表のテストマッチが開催される予定となっております。
説明は以上でございます。
○小山委員長 報告は終わりました。
それでは、報告事項、東京二〇二〇オリンピック競技大会の会場(その二)について外九件に対する質疑を一括して行います。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○中村オリンピック・パラリンピック準備局総務部長 去る五月七日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明いたします。
お手元に配布してございます、オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会要求資料をごらんください。
表紙を一枚おめくりいただき、資料1、選手村宿泊棟の整備についてをごらんください。
まず、1、宿泊棟の戸数と一戸の面積でございます。選手村宿泊棟で整備いたします住戸の戸数、一戸の面積を記載してございます。
続きまして、2、大会時内装工事の予定価格の積算方法、積算の根拠、金額の内訳をごらんください。選手村宿泊棟におけます大会時内装工事の予定価格の積算方法及び積算の根拠を記載してございます。
また、金額の内訳につきましては、二枚おめくりいただきまして、別紙にお示ししております。
恐れ入りますが、一枚お戻りください。3といたしまして、エアコン、シーリングライトの必要台数、設置・撤去費用の見込み、機器のメーカーの選定方法、工事業者の選定方法を記載してございます。
次に、4として、宿泊棟以外の仮設施設の工事の契約単位や契約時期、事業者の選定方法、費用の見込みを記載してございます。
最後に、5として、住宅棟等を特定建築者から借りる期間及び賃借料の見込み、賃借料の算出方法を記載してございます。
続きまして、二枚おめくりいただき、資料2、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会における共同実施事業の経費支払に係る実施協定書をごらんください。
この協定は、昨年五月の大枠の合意に基づき、共同実施事業において東京都が負担いたします経費の支払いに関し必要な事項を規定しておりまして、東京都と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会との間で本年三月に締結したものでございます。
続きまして、二枚おめくりいただき、資料3、共同実施事業における執行段階での確認についてをごらんください。
局長決定レベルの案件、部長決定レベルの案件の区分につきましては、中段に参考〔1〕として記載いたしました、東京都事案決定規程における決定権限を準用して定めております。
また、下段では、参考〔2〕といたしまして、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例に関する規程を記載してございます。
続きまして、一枚おめくりいただき、資料4、共同実施事業に係る秘密情報についてをごらんください。
共同実施事業に係る秘密情報の基準をお示ししたものでございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○小山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより質疑を行います。
発言を願います。
○白戸委員 平昌大会が終わりまして、東京までいよいよ八百日を切り、きょうで七百九十二日だと思いますが、近づいてきました。私も今回のこの平昌オリンピック、短期間ではありましたけれども、パラリンピックとあわせて視察をさせていただき、大変身の引き締まる思いでございます。その中で、きょうはその現場を思い出しながら質疑をさせていただきます。
ほかの大会の分析をすることは、この東京の大会をよりスムーズに、より印象的な大会にしていくために大変重要なことと思います。さらに、大会のときだけではなく、大会後に東京や日本にとっても財産になるような物、事、人をつくっていけるようにしなければいけません。
そのためには、参加選手、関係者だけではなく、都民や国民が参加し、ボランティアやまちの盛り上げ役として参画することが大切であり、都民、国民でつくり上げるオリンピック・パラリンピックであるべきだというふうに考えております。
また、施設はもちろん、そのシステム、ノウハウも約二カ月間のための一過性のものではなく、その後、長く親しまれるような持続可能な都民の共有財産となるべく構築していくことが重要であると考えております。
本日は、この考えを基本に、ライブサイト、オブザーバープログラム、大会輸送計画、選手村に関して質問させていただきます。
まず最初に、ライブサイトに関して質問させていただきます。
平昌大会では、オリンピック時にもちろんこのライブサイトは設置されていたのですが、パラリンピック時にはほとんど開催されていないという現状でございました。私の見た江陵のサイトでは、ミュージシャンのイベントとしては非常に工夫はされていたんですが、パラリンピック競技のPRが若干弱かったのではないかなというふうに考えております。
東京都として、このパラリンピックでのライブサイトの取り組みについて伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 パラリンピック大会の成功なくして東京二〇二〇大会の成功はないと考えております。
このため、パラリンピック期間中のライブサイトについても、しっかりと盛り上げられるよう取り組んでまいります。
具体的な実施内容等については、本年秋ごろをめどにまとめる基本計画に向けて検討していくことになりますが、例えば、オリンピック大会閉会後の移行期間を含めた事前の広報、PRの徹底、会場でのパラリンピック競技の見どころの解説や競技体験の充実などの取り組みにより、盛り上げていくことなどが考えられます。
○白戸委員 ありがとうございます。ぜひパラリンピックでもしっかりと盛り上げていただきたいと考えております。
そして、このオリンピックからパラリンピックの間、二週間あるのですが、この期間での盛り上げも非常にポイントになるのではないかというふうに考えております。ただ、この期間は当然、オリンピックからパラリンピックへの施設の転換等々もあるということで、非常に簡単ではないと思いますが、ぜひともこの二週間の盛り上げ施策も検討していただきたいなというふうに思います。
さて、現在のこのライブサイトの計画地八カ所を見ますと、二十三区、特別区ばかりで、実は多摩地区に目を移しますと、井の頭恩賜公園のみということになっております。この比較がいいかどうかはともかくとして、単純に特別区が人口約八百万人、多摩地区が四百万人と大まかに見ますと、大体二対一ぐらいの割合なんですが、それから見ますと、ライブサイトの場所に非常に偏りがあるのではないかなというような感じも見てとれます。
また、まさに人口比率と同じとはいきませんが、もう少し多摩地区でも開催、多摩地区での盛り上げができないものか。そういうことを含めまして、今回の候補地の選定経緯と都の見解を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 ライブサイトには開催都市がみずから実施するものと地域が主体となって実施するものの二つがあり、両方を推進することで、都内全域を盛り上げることが重要でございます。
まず、都が実施するライブサイトは、都民のみならず、国内外から訪れる観戦客を広く受け入れる広域的なライブサイトであり、招致の際には、都立四公園を候補地としておりました。その後、いわゆるオリンピックパークがない東京二〇二〇大会においては、その代替としての機能が重要であり、競技会場周辺や国内外からのアクセスがよい場所で都が実施するライブサイトをさらに充実できないかIOCからの要請もあり、改めて検討を行いました。
その結果、新たにターミナル駅周辺三カ所と臨海部を加え、今回の八候補地を抽出いたしました。その過程で、多摩地域においては公園、広場など五十カ所程度を抽出し、都が実施するライブサイトの要件に照らして再度検討を行った結果、井の頭恩賜公園が最終的な候補地となりました。
また、都内全域の盛り上げに欠かせない地域が主体となって実施するコミュニティライブサイトについてでございますが、都は現在、その具体的な枠組みを検討している組織委員会や映像の提供者である放送権者に働きかけるなど、今後取り組みを進める区市町村をしっかり後押ししてまいります。
○白戸委員 経緯ありがとうございます。その中で今、少し経緯のご説明をいただいたんですが、今回選択されていない、例えば立川市にあります国営昭和記念公園、こちらは非常に使い勝手がよくて、広さ、それから過去の実績、周辺状況なども含めて条件が非常に整っているのではないかなというふうに考えます。
もちろん、今お話にあったように五十カ所の候補地には入っていたということなんですが、昭和記念公園などが外れた経緯、教えていただけますでしょうか。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 都が実施するライブサイトは、都民のみならず国内外から訪れる観戦客を広く受け入れる広域的なライブサイトとなります。その実現のためには、大規模イベントが長期間実施可能な広さや、都内外からのアクセス、日常的な人流、にぎわい、競技会場や文化施設等に近いなどの地域特性等、必要な要件がございます。
これらの要件に照らして再度検討を行いました結果、井の頭恩賜公園を最終的に抽出したところでございます。
なお、井の頭恩賜公園以外についても、都が実施する広域的なライブサイトの要件には合致しないものの、庁舎や体育館等、都民に身近な場所で地元ゆかりの選手や国の応援などを行う地域におけるコミュニティライブサイトに適した場所はあるものと認識しております。
○白戸委員 コミュニティライブサイトという方向性ということであれば、やはり都としても積極的に支援を、そして資金的な支援もしていただきまして、多摩地区の盛り上げを図っていただきたいと考えます。ぜひご検討いただきたく思います。
そして、このライブサイトなんですが、ライブサイトは、チケットホルダーではない観客のオリンピック・パラリンピックに対する満足度を上げていく一つの大事なツールであると考えます。そして、このライブサイトは全体でどのぐらいの来場者を想定していくのか、ここは非常に重要だと思います。
また、競技のライブ中継をするだけではなくて、質の確保ということも大切で、来場者の満足度調査もすべきではないかと考えますが、ライブサイトの成功はどのように図るのか伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 リオ大会や平昌大会時に都が実施したライブサイトでは、来場者の目標数値を設定し、達成状況を検証するとともに、報道件数などでも事業効果を把握しております。また、来場者の満足度についてもアンケート調査を実施しております。
東京二〇二〇大会のライブサイトにおいては、これまでのそうした調査結果を実施内容や運営の改善、充実に役立て、来場者に大会の感動と興奮を共有していただけるよう実施する考えでございます。
引き続き、来場者の満足度についても的確に把握できるよう取り組みを進めてまいります。
○白戸委員 ここまでの過去の調査結果を踏まえるということは大変重要であると思います。ぜひ来場者を本当に興奮させるようなライブサイトの構築をお願いしたいと思います。
さらに、それぞれのライブサイトの特性について伺います。
例えば、上野は美術館が集積しているなど、それぞれの立地特性を生かして内容を詰めていくべきだと考えますが、今後、このあたりどのように進めていくか伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 今回公表した八カ所の候補地については、それぞれに競技会場や文化施設等に近いなどの地域特性があるところを抽出しております。
例えば、文化施設に囲まれた上野恩賜公園や、国際色豊かな日比谷公園など、それぞれに特徴を有しております。今後、それらの特徴を生かし、区市町村や関係機関などと連携して、具体的な実施内容等を検討してまいります。
○白戸委員 続きまして、オブザーバープログラムのセキュリティーに関して質問させていただきます。
平昌では、韓国軍の動員がありました。我々の視察時もあちこちに軍隊の方を見る機会がありました。ロンドン・オリンピックでは、民間警備員が数千人規模で不足しまして、英の陸軍が補ったということもありました。
リオでも軍隊の動員があった経緯がありまして、最近のオリンピックでは、どこもこの軍に対しての支援要請をしているというのが現状でございます。
そこで、この東京大会では、自衛隊をどのように活用していくのか伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 立候補ファイルでは、自衛隊について競技会場周辺を含む我が国上空の警戒監視を実施し、関係省庁等に必要な情報を提供するとともに、その他所要の支援を実施することとしております。
また、災害発生時には、警察、消防等の関係機関と連携して、被災者の救命救助等の迅速な応急対応も行うこととしており、現在、調整を行っているところでございます。
○白戸委員 警備に関しまして、もう一つ、この警備会社の約九〇%以上が人員不足を訴えているという現状もございます。大会時にも、この立候補ファイルにもありましたが、警官では二万一千人、そして警備員は一万四千人が必要とされています。このままでは、大会時、警備員不足は必至だということになります。
東京都として、どのように民間の警備員を確保していくのか伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会では、ロンドン、リオ大会を上回る競技数が開催され、さらに、オリンピックパークがなく、競技会場が分散していることから、多くの民間警備員が必要となります。
このため、組織委員会では、平成二十六年八月、速やかに警備局を設置し、初期の段階から警備を担う国を初めとする関係機関と連携、調整を図りながら準備を進めているところでございます。
また、オフィシャルパートナーであるセコムと綜合警備保障、通称ALSOKの二社は、組織委員会と継続的な協議を重ねた結果、四月三日、多数の民間警備会社が参画する東京二〇二〇大会警備共同企業体、JVを設立し、安定的かつ早期の人員確保の実現などに努めております。
今後とも、大会におけるセキュリティーの確保に向け、関係機関と緊密に連携し取り組みを進めてまいります。
○白戸委員 引き続きまして、ボランティアに関して質問させていただきます。
平昌大会では、このボランティアの温かいもてなし、非常に心地よかった反面、案内のほとんどがハングル語だけだったということもありまして、余り理解することができませんでした。これは施設周辺のサインも同様で、なかなか意味を理解できず、困ったこともありました。
そこで、ボランティアも現場では必要最低限の会話ができるようにすべきであると考えます。大会を契機として、基礎的な英会話ができるボランティアをふやすことが大会後のインバウンド促進にもつながるのではないかと考えます。
例えば、必要最低限の簡単な英会話集をまとめてボランティアに配布するなどできないのか、このあたりの都の取り組みを伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会におきましては、世界中から訪れる多くの選手や観客に日本らしいおもてなしを行う上で、大会のボランティアそれぞれが、例えば片言の英語を身ぶり手ぶりで補いながら、可能な範囲で外国語によるコミュニケーションを行うことが望ましいものと考えております。
過去のリオ大会、平昌大会では、ボランティアが活動の現場で携帯し、案内等の参考にするために、手のひらにおさまるサイズのガイドブックを大会ボランティア全員に配布してございまして、その中には簡単な英会話集も掲載されております。
東京大会に向けまして、こうした事例も参考にしながら、ボランティアが選手、観客等と英語を初めとする外国語でコミュニケーションできるよう取り組みを進めてまいります。
○白戸委員 語学はなかなか、研修をしてもすぐにできるものではないのですが、逆にいうと、現場で試されるとできるようになるという側面もありますので、ぜひそのあたりの対応をお願いしたいと思います。
そして、この平昌では、大学生のボランティアが非常に多く活動しておりまして、特にMPC等々、より組織委員会に近いところで携わっているのが非常に印象的でもありました。将来の日本を背負う大学生ボランティアが、英語が飛び交う中で、さまざまな国から来た選手や大会関係者の中で活動することによって、国際感覚を身につけ、大きく成長することにつながるのではないかと考えます。
中高生ボランティアの活用は既に発表されておりますが、大学生ボランティアが数多く参加できるようにするための取り組みを伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会を通して次世代を担う若い世代に、世界各国地域から訪れる多くの選手、観客の方々と触れ合い、国際感覚を身につけていただくためにも、多くの大学生にボランティアとして参加していただくことは重要でございます。
都はこれまでも、ボランティアシンポジウムにおきまして、過去大会のボランティアとして活動した大学生の経験談を発信するとともに、都市ボランティアが国内外の観客に行うおもてなしのアイデアを学生が競い合うコンテストを開催するなどの取り組みを行ってまいりました。
今後、組織委員会では、全国から多くの大学生にボランティアへ参加してもらうため、大学連携の仕組みを活用し、応募促進に向けた説明会を開催することから、都も組織委員会と連携し、働きかけを行ってまいります。
また、国等とも連携し、大学における試験時期の変更などについての働きかけを行うなど、大学生がボランティアに参加しやすい環境が整備されるよう取り組んでまいります。
○白戸委員 日本の若者たちが国際の舞台で活動できる、そのいい準備のタイミングだと思いますので、ぜひそのような仕組みをしっかりとつくっていただきたいと思います。
そして、先ほど少しお話ししましたサインの件なんですが、視察したこの範囲では、平昌大会において、会場内はしっかりと出ているんですが、ラストマイルのところ、会場周辺のところでは、ほとんどがハングル語だけで、英語表記されているものが非常に少ないように感じました。
東京大会の会場周辺におけますサインの多言語化の取り組みに関して、考え方を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会におきまして、世界から多くのお客様をお迎えするためには、多言語によるわかりやすい案内サインを要所に適切に整備することが重要でございます。
そのため、組織委員会等と連携いたしまして、競技会場内における多言語による案内サインの整備を推進するとともに、最寄り駅から競技会場までの経路における案内サインにつきましても、組織委員会とともに整備に向けた検討や調整を進めております。
こうした取り組みに加えまして、東京二〇二〇大会及びその後を見据え、外国人旅行者が円滑に移動できるよう、官民一体となった多言語対応協議会におきまして、主要ターミナル駅の案内サインの統一化などに取り組むとともに、道路標識の英語併記化などを推進いたしております。
今後、東京二〇二〇大会におきまして、海外からのお客様が快適に移動できるよう、関係機関と連携し、誰にもわかりやすい案内サインを適切に整備する取り組みを積極的に進めてまいります。
○白戸委員 確かに我々の日本語はアルファベットを使っておりませんので、やはり韓国に行ったときによくわかったんですが、アルファベットを使わないと、なかなかそれ以外の方には全く何のことかわからない。我々がハングルを見たときに、何の意味をしているのか全くわからないというシーンが本当に多々ありました。そういった意味で、英語表記、それからサインも含めて検討いただきたいなというふうに思います。
続きまして、ハードのバリアフリーに関して質問させていただきます。
会場におきまして、車椅子専用観客席などは当然の対応ではあるんですが、平昌大会では車椅子席の横に同伴者席というのが用意されておりました。これ、すばらしい配慮であると考えますけれども、新しい施設を整備する場合と異なり、既存の施設を改修する場合はさまざまな制約がありまして、非常にこの整備が困難であると思われます。
そこで、二〇二〇年大会の会場となります都立の既存スポーツ施設において、車椅子席、そしてその同伴者席の整備について、どのような対応を計画しているか伺います。
○藤木オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ施設担当部長 東京二〇二〇大会時のバリアフリー化の指針でございますTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインにおきましては、総観客席に対する車椅子席の比率につきまして、一般的なスポーツイベント時の最低要件として〇・五%、オリンピック大会会場として〇・七五%、パラリンピック大会会場として一・〇から一・二%の三つの基準を定めております。
また、同伴者席につきましては、車椅子席と同じ割合で、その横に設置することを定めております。
大会会場となります既存の都立スポーツ施設の改修に当たりましては、既存の構造躯体や限られたスペースを有効に活用しなければならないなど、建築構造上の制約もございますけれども、できる限りガイドラインの基準の実現を目指しまして、車椅子席及び同伴者席の整備を行ってまいります。
○白戸委員 もちろん理想はありますが、現実的に難しい側面があるというのは理解しております。なるべく幅広い方々が楽しんでいただけるよう努力いただきたいと思います。
さらに、平昌では食堂や施設各所で、この車椅子用の低いテーブルというのが非常に印象的でありました。これもアクセシビリティ・ガイドラインに沿ったものですが、東京でもぜひ採用していただきたいと思います。
ただ、ちょうど先日、車椅子のアスリートの方にいろいろとお話を聞く機会があったんですが、どうしても健常者が考えるバリアフリーと障害者が考えるバリアフリーはポイントがずれてしまうことが珍しくないという話を聞いてきました。ぜひガイドラインとともに、実際に検証されて、誰もが楽しめる施設にしていただくようお願いします。
続きまして、大会の輸送計画について質問させていただきます。
東京大会におきまして、観客輸送の中心は既存の公共交通機関になると思われます。そして、百万人ともいわれる外国人客、さらにはふだんの東京の交通網になれ親しんでいない方々が全国から一堂に集結するわけで、交通機関の混雑は避けては通れないと思われます。
そこで、外国人や日本人でも東京の鉄道になれていない方々が混乱しないためにも、何かこの対策を実施するべきではないかと思いますが、検討状況をお伺いします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時におきましては、海外などから多くの観客等が東京を訪れることが想定されることから、こうした東京の交通にふなれな方々に向けた対応が重要であると認識しております。
現在、組織委員会と連携し、鉄道事業者等と意見交換をしながら、多言語対応やわかりやすい案内表示など、さまざまな観客の混乱防止対策に関して検討を進めているところでございます。
このうち、一つの方策といたしまして、乗りかえ時や改札通過時の混乱防止のため、交通系ICカードの活用が重要であると考えております。
このため、外国人を初めとする観客の皆様に対して、さまざまな機会を通じ、交通系ICカードの利便性等を広く周知していくとともに、鉄道事業者の協力のもと、大会時には空港等を含め多くの購入場所を設けるなどの取り組みを進めてまいります。
○白戸委員 この交通系ICカードというのは非常にすばらしいアイデアだと思います。また、販売の場所等々もこれからふやしていただきたいと思いますが、このSuica、PASMO等になると思いますけれども、こういうものを販売する際に、例えばオリンピックのマークをカードにプリントするとか、オリンピック記念のSuica、PASMOみたいなものがあると、非常に購買意欲を高めることになるかというふうに考えます。
ぜひこの購買意欲を高めるような都の取り組みを伺いたいと思います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 オリンピックマーク等を交通系ICカードにプリントする際には、アンブッシュマーケティングの課題がございます。
そのため、ICカードの発行主体である鉄道事業者が組織委員会などと調整していくこととなります。
いずれにいたしましても、ふなれな観客への対策の一つとして、ICカードの普及は重要でございまして、今後、組織委員会とともに検討を進めてまいります。
○白戸委員 スポンサー、それから権利問題、いろいろと繊細な問題が絡んでくるということは重々理解いたしますけれども、観光客の立場になってみると、これ、マークが入っているか入っていないかで随分商品の魅力が変わってくるわけで、特にこの予算のない中で有効な策ではないかなというふうに考えます。ぜひ販売促進のためにも、そして、さらに東京の交通網の利便性を知っていただくためにも、このあたりの検討をさらに進めていただきたいなと思います。
続きまして、選手村について質問させていただきます。
選手村宿泊棟のコストに関しては、先ほどご説明いただきましたが、かなり大きな金額であることは間違いありません。もちろん、大会として必要なものであるのは重々理解しておりますが、都の予算は都民の大切な税金であり、一円たりとも無駄にすることはできません。どの段階においても、コスト縮減に向けて努力をし続けていただきたいというふうに思います。
その中で、選手村宿泊棟の大会の内装工事において、どのようなコスト縮減にこれまで取り組んでこられたのか伺います。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 選手村の宿泊棟は十四から十八階建ての二十一棟の建物専有部に、オリンピック開催時に一万八千ベッド、パラリンピック開催時には八千ベッドを確保する計画となっており、共用部には二百カ国以上のオリンピック委員会等が使用するオフィスや倉庫も配置するものです。
選手村の宿泊室は、一つの住戸に何人もの選手が泊まれるよう、間仕切り壁などで仕切られたシングルやツインの個室を設けるとともに、小規模な浴室を複数配置した施設であり、約三千八百戸の住戸に約四千七百個の三点ユニットバス等の大会時内装が設けられます。
このため、大規模な内装工事が必要となりますが、大会後の住宅となる部分を選手村の宿泊施設として最大限に生かした内装計画とすることで、仮間仕切り壁や床の解体範囲を極力少なくするとともに、サッシや玄関扉は取りかえずに、洗浄や表面養生等により転用するなど、可能な限りコスト縮減を図ってまいります。
これらに加えて、壁や床などの材質や仕様の見直し、用途に合わせた設備の簡素化、配線器具の見直しなど、IOCの規定等を踏まえながらも、徹底したコスト縮減に取り組んできたところであります。
引き続き、組織委員会と連携しながら、宿泊棟以外の仮設施設についてもコスト縮減に取り組んでまいります。
○白戸委員 非常に規模が大きくて、非常に複雑なところをコスト縮減に取り組んでおられるということがよくわかりました。今後も備品調達等、まだまだ縮減できる段階があると思います。ぜひ引き続き、この努力を続けていただきたいとお願いをしておきます。
さらに、この選手村宿泊棟のエアコン調達においては、3Rの観点から、リースやレンタルを検討すべきではないかと考えます。ぜひこの点について、考え方、現状の取り組みについて伺います。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 選手村の宿泊棟は、大会後に新築住宅として分譲、賃貸することから、大会期間中に使用したエアコンについては撤去することになります。
そのため、委員がご指摘の3Rの観点は重要と認識しており、組織委員会がリースやレンタルでの調達も含めて現在検討を進めております。
今後とも持続可能性に最大限配慮した大会としていくため、組織委員会と連携しながら、3Rの観点を踏まえて、選手村整備に着実に取り組んでまいります。
○白戸委員 都民から預かりました貴重な東京都の予算でございます。ぜひ今後とも、リースも含めて有意義な使い方になるようご検討いただけるよう、お願い申し上げます。
また、再三申し上げていることではありますが、東京大会においては、大会自体の成功はもとより、大会後においても成功しているということが大切なポイントであると考えます。成功とは、経済的な採算性はもとより、都民にとって意味のあるものであるか、そして、大会の記憶を引き継いでいけるものであるか、そして何よりも、負の遺産を残さないなど、それぞれの側面から議論をしていくことが重要であり、求めておきます。
ぜひ有効な投資で、有効な施策で、二〇二〇年以降に都民のレガシーを残せるよう求め、質疑を終わります。
○加藤委員 私からは、大会輸送の検討状況に関し、TDM、交通需要マネジメント推進に向けた基本方針案から、まず一問お聞きしたいと思います。
今回、TDMの必要性や目標、取り組み内容等を示した基本方針案を大会組織委員会とともに策定したとのことですが、目標を定め、計画を立て、試行して課題を見つけ見直すと、こういう取り組みが行われます。特に大会二年前となることしの夏にTDM推進行動計画V1が試行されるとのことですが、中でも都心における陸上の物流対策がTDMの大きなポイントと思っております。
大会期間中においても物流をとめることはできないわけであり、さらに大会を開催することで人が集まり、例えば飲食やお土産などでふえると。ふやさなければならない物流もあると考えられます。
そこで、現在の物流に対するTDMの考え方を伺います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 TDMの対象は、区部の競技会場を中心といたしまして、首都圏内で平日の一五%交通量が抑制された休日並みの交通環境を実現することを目標として、広く企業や市民に協力を呼びかけることとしております。
この働きかけは、物流も対象と考えておりますが、ご指摘のように大会時に増加する物流もございます。
このため、特定の路線やエリアの混雑緩和を図ることを目的として、都は、あらかじめ混雑が予測される道路や時間帯等の情報提供を行うとともに、物流事業者等に対しましては、運送の時間帯や使用する経路の変更、在庫調整、倉庫の変更などを呼びかけていくこととしております。
また、物流は荷主の意向が強く反映されることから、荷主となり得る企業等に発注時期の変更なども呼びかけ、総合的に物流のTDMを推進してまいります。
○加藤委員 資料では、七月に行動計画V1が公表となっておりますが、できるだけ多くの企業、また市民に参加していただいて実験をし、課題を検証してもらいたいと存じます。特に先ほど答弁がありましたとおり、荷主という役割は非常に大きいので、いろいろ働きかけをお願いしたいというふうに思います。
次に、選手村宿泊棟の整備についてですが、資料では宿泊棟以外の仮設施設として、ビレッジプラザという施設がありますが、その施設の概要について伺います。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 ビレッジプラザは、大会期間中の選手を支える施設として整備されるものであり、雑貨店等の店舗、カフェ、メディアセンターなどが配置されるとともに、メディア関係者や選手村居住者の関係者などが訪れる施設であります。
また、ビレッジプラザの建設に当たっては、組織委員会の公募により決定された全国の自治体から無償で借り受けた木材を使用することになっております。これら木材は大会後に解体され、各自治体の公共的な施設などで活用し、大会のレガシーとして後利用が図られることとなっております。
○加藤委員 環境負荷の低減、持続可能性の実現の取り組みとして注目をしております。東京都も開催都市として参加しておりますので、多摩産材を活用して、大会後は公共施設で大いに活用されるよう、都としてもハンドリングをお願いしたいと思います。
次に、宿泊棟の大会時内装工事では、エアコンとシーリングライトについて、宿泊棟の大会時内装工事とは別途の発注となっておりますが、その理由について伺います。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 エアコンとシーリングライトの調達については、現在、組織委員会において詳細を検討中でありますが、大会時内装工事とは異なり、特定建築者が行う工事と一体的に施工する必要がないため、別途に発注する予定であります。
引き続き、組織委員会と連携し、コスト縮減に努めながら適切に対応していきます。
○加藤委員 コスト縮減につながるということであれば、それにこしたことはないと思いますので、適切な対応をお願いしたいというふうに思います。
次に、3Rの取り組みについてですが、二十九年六月にアイデアを募集したとのことですが、そこで寄せられました意見の概要と現在の検討状況について伺います。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 3Rの取り組みを進めるため、昨年六月に選手村宿泊棟において、大会時に使用した設備等のリユースなどについてアイデア募集をしたところ、リユース先に関するものや、リユース品の販売促進策に関するアイデアなどが寄せられました。
具体的には、福祉施設や教育施設、都営住宅などへ設備等を再利用するアイデアや、インターネットの活用による売却促進策に関するアイデアなどが寄せられました。これらのアイデアの実現可能性を検討するため、外部への業務委託により、国内外における事例を調査するとともに、有識者等へのヒアリング調査を行うなど、検討を深めてきたところであります。
引き続き、持続可能性に配慮した大会としていくため、3Rの推進に積極的に取り組んでまいります。
○加藤委員 福祉施設、教育施設、都営住宅などへの再利用のアイデアがあったとのことですが、宿泊室の給湯器も大量に撤去されることを考えますと、例えば都営住宅では、年間三千八百戸の目標を立てて建てかえを進めております。本日の要求資料にも宿泊棟の戸数は約三千八百戸と同数でありますから、建てかえ時にこれを再利用する。
また、既存の住宅でも、お風呂のないところもありますので、この住民が引っ越しするときに更新すると思うんですけれども、こうしたときに再利用するという手もあるのではないでしょうか。
今、都営住宅も、建てかえされた設備、非常に進歩しておりまして、ボタン一つでお風呂が沸かせるというオートバスになっております。選手村の給湯器がどういうものかわかりませんけれども、再利用可能だと思いますので、検討をお願いしたいというふうに思います。
次に、大会後は商業棟となる建物等を最大限活用して、仮設施設の設置を検討とあります。であるならば、仮設施設としての利用に当たり、大会後の計画も踏まえて検討すべきと考えますが、見解を伺います。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 大会後に商業棟となる建物の活用については、大会後の後利用も考慮しながら効果的な計画となるよう設計を進めることで、コスト縮減に努めることとしております。
具体的には、大会後の用途を考慮した配置計画とすることや、大会後に商業棟として利用される設備の一部を活用するとともに、コストにも十分に配慮した仕様の採用や、必要な設備の精査などについても検討しています。
引き続き、組織委員会と連携しながら、大会後の用途を踏まえ、コスト縮減にもつながるよう適切に対応してまいります。
○加藤委員 晴海は中央区のエリアですけれども、選手村が大会後に民間に売却されて、多くの住民が生活するようになりますので、当然、保育、教育施設や集会施設、生活支援施設、店舗等が必要となります。共通項をできるだけ見出して、大会後を見据えた施設整備を行うことが選手村レガシーを継承することになるとも思いますので、ご協力をお願いしたい、そのように思います。
次に、ボランティアについて伺います。
阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など、震災を通じてボランティアの機運や経験値は高まっていると思いますが、大規模イベントとなりますと、欧米に比べるとまだまだ日本はボランティア文化が定着しておらず、多くのボランティアが集まるか心配をしております。大会ボランティアの募集要項案には、応募条件として活動日数が十日以上、また活動時間として一日八時間程度と記載されており、都民からは応募条件が厳しいとの声も聞いております。
そこで、この活動日数十日間以上という条件について、もう少し柔軟な対応ができないものか。
例えば、十日に八時間を掛けますと八十時間ですけれども、この八十時間という最低ラインは確保しながら、例えば日数をふやすかわりに一日の時間を短くする。また、その逆もあるというふうに思うんですけれども、フレキシブルに調整して対応する枠もあった方が、ボランティアのスキルを持っているんだけれども、日程的に対応できないという方々のカバーをできるんではないかと考えます。
したがって、活動日数十日間以上という条件について、もう少し柔軟な対応ができないか所見を伺います
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ご指摘いただきましたように、大会ボランティアの応募条件に対しましては、さまざまなご意見があることは承知いたしております。大会ボランティアの活動日数につきましては、ロンドン大会やリオ大会を参考にするとともに、ボランティア活動をするために研修を受けるなどして身につけたスキルを十分に発揮するためにも、一定期間ご活躍いただきたいことから、組織委員会におきまして活動日数を十日間以上、一日八時間程度としているところでございます。
一方、都市ボランティアは、過去大会を参考にするとともに、週休日等を活用して参加できるよう、オリ・パラ両大会を通算して五日間以上とし、活動時間についても参加しやすさを考慮し、五時間程度としております。
現在、組織委員会では有識者等の意見を聞きながら、募集要項案について議論を行っているところでございまして、都といたしましてもオブザーバーとして参加をいたしております。ボランティアにつきましては、さまざまな課題があることから、その確保に支障が生じないよう組織委員会と協力して取り組んでまいります。
○加藤委員 ぜひいろいろ検討していただいて、新しい試みというものも今後考えていただければというふうに思います。
次に、最後になりますけれども、大会におきまして、中学生、高校生がボランティア活動に参加できるような取り組みが大切だと考えますが、都の検討状況について伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会ボランティア及び都市ボランティアのボランティア募集要項案では、二〇〇二年四月一日以前に生まれた方、すなわち二〇二〇年三月末時点で満十八歳以上の方という応募状況を掲げてございます。
一方、ボランティアへの十八歳未満の子供たちの参画につきましては、次世代を担う子供たちがボランティア活動を体験するなど、大会にさまざまな形で参画することで、人生の糧となるかけがえのないレガシーを心に残すとともに、大会後に活動の裾野を広げ、ボランティア文化の定着を促進する観点からも意義のあることと認識しております。
そのため、大会開催時には、被災地を含む都内の多くの中学生や高校生が、例えば競技会場外の観客の案内、サッカー等のボールパーソンなどの競技運営の支援、入場待ちの観客向けの楽器演奏といった活動を体験できるよう、教育庁や組織委員会などと連携し、検討いたしております。
○加藤委員 レガシーを継承し、未来を開く青少年の若者ができるだけ多く参加できるよう、都としてしっかりと取り組んでいただくことを要望しまして、質問を終わります。
○山崎委員 私からは、まず、先ほど来質疑に出ておりますが、ボランティアについて何点か質問させていただきたいと思います。
きょうは五月二十四日ですから、ちょうど二カ月後の七月二十四日が二〇二〇年東京大会の二年前となるわけです。大会に向けて、これまで準備してきたことを次々形にしていかなければなりません。
中でも十一万人以上のボランティアは大会の原動力であり、熱意と責任感と経験を兼ね備えた人材を十分に確保することこそが成功の鍵を握ります。ボランティアの経験という意味では、現在、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会のボランティアの募集が行われております。
都は、このラグビーのボランティアに関して、東京マラソンのボランティアなどから一千人をラグビーの大会のボランティアとして組織委員会に推薦をするとともに、ラグビーの大会時に都内で活動したボランティアには、東京大会の都市ボランティアとして引き続き活動をしていただくとのことでもあります。東京マラソンの経験豊富なボランティアの活用は、我が党がかねてより主張をしてきたものであり、二〇一九年大会と、またその翌年の二〇二〇年大会の双方で着実に取り組みを進めていただきたいと思います。
一方、十一万人という過去に例を見ない規模のボランティア、この人数を確保することは大変な課題でもあり、組織委員会とともにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。ロンドン大会では、ホームページやSNS、またポスター、ラッピングバスなどをうまく活用しながら、多くの応募者を得ることができたと聞いております。ロンドン大会ボランティア、たしか七万人だったと思いますけれども、それを上回る八万人の大会ボランティアを確保するには、PRの取り組みの工夫はもちろんのこと、都も組織委員会としっかりと連携をして、PRや募集活動に取り組む必要があると思います。
そこで、組織委員会の大会ボランティア八万人の募集広報に対し、都はどのようにかかわっていくのか、まず伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会ボランティア、都市ボランティア、合わせて十一万人の方々にボランティアに参加いただくためには、大会に向けて都と組織委員会が一体となって、ボランティアの魅力や活動内容、募集に関する情報を知っていただき、参加意欲を高めていけるよう取り組むことが重要でございます。
これまで都は、組織委員会とも連携し、ボランティアの魅力を伝えるウエブサイト、東京ボランティアナビにおきまして、大会ボランティア経験者の体験談などを掲載いたしますとともに、組織委員会と共催で、ボランティアの重要性、やりがい、楽しさなどを伝え、参加機運の醸成を図るシンポジウムを毎年開催してまいりました。
九月からの募集開始に向けましては、組織委員会と連携いたしまして、大会二年前の時期を捉え、ボランティアのPRを行うイベントの開催や、各種メディアにおける募集映像の放映、主要駅等におけるポスターの掲示などの広報を展開することで、多くの方々に参加いただけるよう積極的に取り組んでまいります。
○山崎委員 ぜひ組織委員会と一体的な広報PRを進めていただきたいと思いますが、とにかくこれだけの規模のボランティアを九月から十二月、三カ月の募集期間で本当に確保することができるのか。東京マラソンでは、たしか大体一万人のボランティアだったと思います。その大会ボランティア、都市ボランティアを足すと十一万人ということですから、大会ボランティアであれば八倍、都市ボラであれば三倍と、本当にこれだけ三カ月間で集められるのか。
もちろん、大会ボランティアについては、組織委員会が中心となって東京都と連携をしてやっていくというお話でございますけれども、実際のところは、東京都が主体性を持ってやっていく形になると私は思います。ですので、とにかく八万人、三万人、これをしっかりとまず集めなきゃいけない。
ただ、募集の人数が八万集まったからといって、その八万人の方が全員登録、研修を受けて合格ができるかどうかわかりません。そのバッファーも含めて、しっかりとその点の部分は考えていただきながら、ボランティアの募集、これマンパワーが必ず必要になります。まずはマンパワーが必要になりますので、ぜひその点はよろしくお願いをさせていただきたいと思います。
次に、社会一般への広報のPRはもちろん必要でありますが、大学生のように長期間の活動ができる方、また東京マラソンのボランティアのように十分な経験を持つ方、組織委員会のスポンサー企業の従業員など、こういった方々に直接参加を働きかけていくことも必要ではないかと考えます。
大学生については、全国を回って各地域の大学担当者などに集まってもらい、直接、丁寧に説明をして、学生にボランティアに応募するようお願いをすべきと考えますが、見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 次世代を担う多くの大学生に大会のボランティアとして参加していただき、大会を盛り上げることは重要でございます。今後、組織委員会では、全国から多くの大学生に大会ボランティアに参加してもらうため、大学連携の仕組みを活用し、応募促進に向けた説明会を開催する予定でございます。
具体的には、大会の二年前となる七月下旬からボランティアの募集が開始される九月中旬にかけて、組織委員会が全国の面接会場が所在する地域の連携大学を訪れまして、教員や事務担当者向けに募集要項等の説明を行ってまいります。
都といたしましても、大学生のボランティアへの参加に向けまして、組織委員会と連携して大学に対する働きかけを行ってまいります。
○山崎委員 都としても、大学生のボランティアの参加に向けては、組織委員会と連携して大学に対する働きかけを実施していくというお話がございました。また、組織委員会が全国の面接会場が所在する地域の連携大学を訪れ、そういうことで説明をしていくと今答弁がございました。
しかし、これももちろん重要です。このことももちろん重要なんですけれども、やはりボランティアに参画をしてもらうというのは、東京の学生はもちろんですよね。東京は一番競技会場も有しておりますし、そういった中で、各自治体、要するに競技会場がある自治体の、例えば大学にはしっかりと募集の要項、説明をして、もちろん面接会場だけでなく、それは組織委員会が恐らくこれからもやられると思いますけれども、そういった点も含めて、競技会場がある自治体に対しての働きかけもしっかりとやっていただきたいことをお願いさせていただきたいと思います。
大会ボランティアも都市ボランティアも十八歳以上という応募条件がありますが、多くの若い人たちに夢や希望を与えるために、先ほど来出ております中学生、高校生にもボランティアとして大会に参加できるよう、しっかり考えていくべきということは、私は二月の本委員会においても申し上げさせていただきました。
中高生は通常のボランティアと同じレベルで現場で判断をし、行動することは難しいかもしれませんが、しかし、世界的なスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックには、世界のさまざまな国や地域から一流のアスリートや多くの観客が東京を訪れることから、大会の興奮を肌で感じ、国、そして文化、宗教の異なるさまざまな観客と触れ合えることができるわけであります。
こうした一生に一度あるかないかの貴重な機会に中高生がボランティアなどで大会に参加することは、教育的にも効果が高く、また本人にとって、将来まで残る最高の思い出となるのではないかと考えます。
例えば、選手や観客が会場に入る際、中高生のブラスバンドが演奏をしたり、それでお出迎えをしたり、そしてまた、ダンスをやるグループの人たちが踊ったりすれば、選手、観客と子供たちが触れ合う機会にもなると私は思います。
東京二〇二〇大会における中学、高校生のボランティアなどへの参加、参画についての取り組み状況をお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会のボランティア募集要項案では、応募条件の一つに、二〇〇二年四月一日以前に生まれた方、すなわち、二〇二〇年三月末時点で満十八歳以上の方という条件を設けてございます。
一方、十八歳未満の次世代を担う子供たちがボランティア活動を体験するなど、大会にさまざまな形で参加することで、人生の糧となるかけがえのないレガシーを心に残すとともに、大会後に活動の裾野を広げ、ボランティア文化の定着を促進する観点からも意義のあることと認識いたしております。
そのため、大会開催時には、被災地を含む都内の多くの中学生や高校生が、例えば競技会場の観客の案内、サッカー等のゴールパーソンなどの競技運営の支援、入場待ちの観客向けの楽器演奏、ご指摘にもございましたこういった楽器演奏といった活動を体験できるよう、教育庁や組織委員会などと連携し、検討いたしているところでございます。
○山崎委員 組織委員会や都の教育庁と連携をして、中高生のさまざまな活動機会を用意されますよう、お願いをさせていただきたいと思います。
やはり何でもいいと思うんですよね。会場に選手団が例えばバスで入るだとか、そういった動線のところで、何か中学生や高校生にそういう機会を与えるということでも、私は、その子供たちにとっては一生の思い出になると思います。また、目の前でそういった場面に対応できる、そういうことが恐らく子供たちの、多くの中高生のこれからの生きる上での大きな糧になると思いますので、ぜひその点は組織委員会と教育庁とも連携をして、また、もちろん区市町村の皆様にも協力をいただかなくてはならないわけですから、ぜひそういった部分でもよろしくお願いをさせていただきたいと思います。
次に、ボランティアに関する区市町村との連携についての進捗を伺いたいと思います。
各区市町村では、ボランティアや地域の方々による日ごろの活動が、私たちの生活を支え、豊かにしております。二月の本委員会でも私は紹介をさせていただきました。江東区では、文化の観光ガイドを育成し、区内の観光スポットや地域資源を案内するまちあるきガイドツアーというものを実施しております。江東区の中では九つのコースの中から選べて、所要時間も柔軟に調整ができ、ガイドさんがついて、費用はもちろん無料という充実した内容となっております。このことを紹介させていただきました。
これは一つの例でありますけれども、ほかにも地域には防災や防犯などのさまざまな分野での多くのボランティアや地域の皆さんが活動しており、二月の本委員会では、こうした地域の活動に関し、都の都市ボランティアと区市町村との連携が重要であるとの答弁を伺ったところであります。
その後発表されました都市ボランティアの募集要項案では、都内区市町村から推薦のあった方々など、一万人程度が都市ボランティアとして活動することを想定しているようでありますが、その目的や、また区市町村からは何人推薦をしてもらうのかなどについて伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会時に、選手、観客に対する観光、交通案内等を行う都市ボランティアには、東京の観光、交通案内に関する知識や防災、防犯、救命救急に関する知識等を有する方々にご参加いただくことが重要でございます。都内各区市町村におきましては、日ごろより観光名所の案内やまちの見回り、防火活動等、さまざまな分野でボランティア活動や地域活動が行われておりまして、そのような活動等を行っている方々には、その知識や経験を生かしていただきたいと考えております。
昨年度より、都市ボランティアと地域におけるボランティア活動との効果的な連携につきまして、都内区市町村との検討の場を設け、意見交換を行ってきたところ、区市町村からも推薦枠を求めるご意見が多かったことから、募集要項案にその旨、盛り込むことといたしました。
区市町村からの推薦人数は、全体で五千人程度を想定しておりますが、区市町村の意向を確認しながら、ボランティアの募集開始時期を踏まえ、引き続き調整を進めてまいります。
○山崎委員 日ごろから地域で活動する方々が、土地カンのある地元で、しかも世界的なスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックの都市ボランティアとして、世界中の選手、観客に地域のことを案内できるとなれば、非常にモチベーションも高く、熱心に活動していただけることが期待できるわけであります。ぜひ区市町村と引き続きしっかりと調整をして、具体化を進めていただきたいと思います。
ボランティアについて何点か質問をしましたが、まずは目前に迫った募集開始に向けて全力で取り組んでいただきたいと思います。先ほど来いっております八万人、三万人、計十一万人のボランティアが確実に確保され、大会成功に向けた第一歩がしっかりと踏み出せるよう、お願いをしておきたいと思います。
続きまして、ライブサイトについてお伺いをいたしたいと思います。
リオ大会、平昌大会時の、この東京、日本における、ある意味、機運醸成のため実施したこれまでのライブサイトと、東京二〇二〇大会本番のライブサイトでの位置づけというのは全く違うと私は思います。役割も異なってくると思います。
もちろん、注目度も一気に高まり、来場者も国内外から相当数人が集まってくる想定をされるわけであります。その認識のもと、準備をしっかりと進めることが重要であります。
まだ正式ではございませんけれども、海の日とか山の日だとか体育の日、そういったものがオリンピックに、二〇二〇年は集中をしてくる。ですから、ライブサイトというものは、基本的には無料で誰もが見れるわけです。全国から、チケットはないけれども、じゃあ、東京に行ってみようとか、いろんな人たちがいると私は思います。大会のチケットがない方が恐らく集まるのはライブサイト、そういったところに私は集中すると思います。
ですから、そういったことも含めて、しっかりこの準備を進めていくことが必要だと思います。そして、世界中から訪れる観戦客に、この東京大会のライブサイトは楽しかった、本当に来てよかったという思い出を持ち帰っていただくためには、まずは大きな事故もなく、安全に運営することが第一だと思います。
そこで、都が実施をするライブサイトにおける警備について、都の所見をまず伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 ライブサイトにおいて、誰もが安心して安全に大会を楽しんでいただけるよう、会場に応じて適切に警備を実施していくことは重要でございます。
このため、八カ所の候補地を公表後、警視庁や東京消防庁、組織委員会など、関係機関と現地視察を開始するなど、現在準備を進めております。リオ大会、平昌大会におけるライブサイトでの試行結果も踏まえながら、今後、警視庁等関係機関との連携を密にし、基本計画の策定に向けて、候補地の状況に応じた警備体制を検討してまいります。
○山崎委員 先ほど質疑でもありました、警備の人員が不足をしている。また、最近の報道も見ると、警備会社の人手不足、深刻な状況である。それに加えてオリンピック・パラリンピックという一大イベントが加わり、二〇二〇年には警備員の確保が大きな課題だと私は思います。
大会の競技会場の警備ももちろん、このライブサイトでの警備も大変私は重要だと思います。先ほど来いっているように、チケットがないわけですから、どなたでもライブサイトに参加ができる。ですから、いろんな意味で、仮にテロなんていう、そういったとんでもないことを考えている人たちは、いろんなことを考えるわけです。どの部分が警備が手薄なのかとか、いろんなことを考えてくるかもしれない。
そういった意味では、ライブサイトの会場、今、八カ所の候補地があると聞いておりますけれども、とにかくその候補地それぞれの特性があると思います。大きい場所もあれば、小さい場所もある。室内の場所もあれば、屋外の場所もある。いろんな形のライブサイトを計画されていると思いますけれども、ぜひこの秋に向けてのライブサイトの基本計画、しっかりとそういった警備の人員の部分もお考えいただければと思っております。
それでは、ライブサイトの警備に必要な人員確保について、東京都はどのように考えているのかお伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇大会のライブサイトの警備を担う民間警備員については、各候補地において実施規模や警備体制等を検討していく中で、必要となる人員等を算定していく予定でございます。
東京二〇二〇大会の開催期間中は、多数の民間警備員が必要になると認識しており、今後組織委員会や関係機関とも協議しながら、ライブサイトで必要となる民間警備員が確保できるよう検討を進めてまいります。
○山崎委員 民間警備員が確保できるよう検討を進めていくということですから、それをしっかりと私たちも信じて、この後も推移を見守っていきたいと思います。
次に、真夏の時期の開催であることから、暑さ対策が必須であります。東京二〇二〇大会のライブサイトにおいての暑さ対策にどのように取り組んでいくのか、都の所見を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇大会のライブサイトは、競技のライブ中継だけでなく、スポーツ体験や文化発信等、多様な内容で構成され、また、国内外の観戦客等が多数来場することから、都立公園など広いスペースが確保できる屋外での実施を想定しております。
このため、暑さ対策は非常に重要であり、リオ大会時に実施したライブサイトでは、日よけや微細ミストなどのハード面や救護所運営などのソフト面など、さまざまな試行を重ねてまいりました。
今後は、これらの試行結果や費用対効果も踏まえながら、各ライブサイトの立地特性に応じた暑さ対策を検討してまいります。
○山崎委員 非常に暑さ対策って重要だと思います。例えば、夏に行われるコンサート、フェスなんかは、もう若い人たちがこういうものなんだというので行くわけですよね。しかし、オリンピック・パラリンピックのライブサイトは、いろんな年代の人たち、子供も来れば、お年寄りの方も来る。そういった部分では非常にこの暑さ対策というものは重要でありますので、お金、予算をどのくらいかけられるかまだわかりませんけれども、しっかりとした対応をお願いしておきたいと思います。
次に、アクセスについてであります。
ライブサイトについては、公共交通機関の駅から歩いて向かうことになります。障害者や外国人などのさまざまな方が訪れる中で、スムーズなアクセスができるようにすることがもちろん大切であります。
競技会場については、アクセシブルルートを含む観客輸送ルート等の検討が開始をされております。ライブサイトについても観客輸送ルートの考え方を参考にして、会場までのアクセスについても検討していく必要があると考えますが、都の所見を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇大会のライブサイトについては、国内外からのアクセスがよい場所を候補地として抽出しておりますが、障害者や外国人を含めた全ての観戦客に円滑に来訪していただくことが重要でございます。
今回お示しした八カ所の候補地は、公共交通機関の最寄り駅からのアクセスを想定しており、今後、各候補地の立地条件に応じたアクセスルート、多言語による案内表示、スタッフによる案内誘導などについて、組織委員会や関係機関とともに検討を進めてまいります。
また、アクセシビリティーに配慮が必要な来場者への対応についても、あわせて検討してまいります。
○山崎委員 さきの予算特別委員会の中でも、ライブサイトの費用対効果について質問させていただきました。適正な規模で効果的な実施内容を目指すべきであります。
具体的には、ことしの秋ごろをめどに基本計画がまとめられる。その計画の中で、それぞれの会場の規模や来場者数をしっかりとまず整理をしていく、そのように聞いております。それに加え、経費面についても精査をしっかりすべきであると思います。今後、しっかりと議論をまた深めていきたいと思います。
恐らく、その会場がどのくらいの人員なのか、そして、その会場がどのくらいの広さがあるのか、まず、これをどういうふうに決めていくのかというのが重要だと思います。ライブサイト、大きなテントをつくるのか、私たちも平昌オリンピック、もちろんリオのオリンピックも行って、ライブサイトを見学しましたけれども、やはりそれぞれのライブサイトはいろんな特徴があったと思います。
ですから、東京大会では、二〇二〇大会ではどのようなライブサイトを目指していくのか、しっかりとこれは東京都が責任を持って頑張っていただきたいこと。また、我々もこの基本計画が出た後はしっかりとまた議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いをさせていただいて、質問を終わります。
○里吉委員 それでは、私からは、まず選手村について伺います。
私たちはこれまで、選手村整備に当たり、特定建築者である三井不動産などの民間事業者に都有地を売却する手法が都民に大きな損失を与え、民間事業者を優遇するやり方になっていることを批判してまいりました。
さらに、選手村は民間が建設する施設であるにもかかわらず、その仮設施設の整備費が東京都負担になっていることを批判し、その金額を明らかにするように求めてきましたが、東京都は契約前であることを理由に、それを拒んできました。
今回、選手村の仮設施設のうち、宿泊棟の内装工事の部分の契約金額が四百四十四億九千万円であることが報告され、その金額の大きさに大変驚いているところです。この契約金額は、東京都の積算基準等に基づき算出した金額が上限ということで、今回資料でその上限金額も出していただきましたが、これ見ますと、四百四十七億七千万円とのことです。
したがって、競争入札風にいえば、予定価格四百四十七億七千万円に対して契約金額が四百四十四億九千万円で、落札率というふうにすれば九九・四%、ほぼ一〇〇%というふうにいえるのではないかと思います。
内装工事はもともと特定建築者が行うと決まっている特別契約、都でいう特命随意契約なわけですが、この四百四十四・九億円は、特定建築者が提示してきた金額だと思います。東京都の算出した上限額、予定価格といえると思うんですが、これと極めて近いと思いますが、どうしてこれだけ近くなったのか、都としての見解を伺いたいと思います。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 都の負担となる選手村宿泊棟の大会時内装工事については、組織委員会と特定建築者が平成三十年三月二十七日に契約を締結したことを踏まえ、同年三月二十八日の組織委員会の理事会において、契約内容や工期、契約金額等が報告されたものでございます。
これを踏まえて、都としても、本委員会において、宿泊棟の大会時内装工事の契約締結について、契約内容や契約金額などを報告するとともに、局のホームページで既にこれらの情報を掲載しております。
都、国、組織委員会から構成される共同実施事業管理委員会等でも、組織委員会が算定した予定価格が東京都の積算基準に基づくものであるなど、適正であることを確認しております。
具体的には、オリンピック競技大会ガイド等に基づき、選手村に必要な部屋面積、設備個数となっていることを確認しております。
また、大会後、解体することになる壁を極力少なくするよう、将来、住戸となるべく同位置に壁を配置したり、床の解体範囲を極力少なくするよう、床先行工法を採用するなど、大会後、住宅となる部分を選手村の宿泊施設として最大限生かすことを前提として効率的であることなどを確認しております。
なお、敷地譲渡価格は、専門の知見を有する不動産鑑定士が土地価格を算定し、都市再開発法に基づく適正な審査等の手続を経て定めており、適正な価格であると聞いております。
今後も機会を捉えて、都民への丁寧な情報提供に努め、理解をいただきながら大会準備を着実に進めてまいります。
○里吉委員 今、東京都が共同実施事業で金額についていろいろときちんと精査をしたという中身についてはお伺いしたんですけれども、特命随意契約というやり方なので、私、詳しくないんですけれども、東京都と、それから特定建築者との間で金額についてのやりとりが事前にあって、こういう金額が出てきたということなんでしょうか。
今回、私、この資料を別紙で、宿泊棟の大会時内装工事の上限金額の内訳ということで出していただいたんですけれども、本当は、四百四十四億九千万円の内訳について出してくださいということで資料要求させていただきました。それについては、その内訳を出すことは、株式会社の積算の根拠を明らかにすることになって、企業の利益を阻害することになるので、それは出せないということで、かわりに組織委員会が積算した上限金額の内訳であれば出せますということで、四百四十七億七千万円という内訳を出していただいたんです。
これで大体何に幾らぐらいかかっていると見積もったのかというのがわかったので、これはありがたいと思うんですけれども、一方で、その金額と契約した金額が大変近いということで、もし一般競争入札だったら九九・四%という金額が近いことについて、何でこれだけ近い数字が出てきたのか、相談してそうなったのかよくわからないですけれども、根拠がわかれば教えてくださいと、ただそれだけ申し上げたんです。もしわかれば教えてください。わからなければ結構です。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 契約金額につきましては、組織委員会が東京都の積算基準に基づき算出した金額を上限として上限金額を決めておりまして、その上限金額を踏まえて減額交渉を行って、特定建築者と契約金額を確定させたものでございます。
なお、東京都におきましても、契約したものの金額の内訳を公表していることはございませんで、あくまでも積算した予定金額の内訳というものを情報公開で公表させていただいております。
○里吉委員 減額させたといういい方でしたけれども、これもともと、特定建築者が行うと決まって、競争相手のない請負です。ですから、そのもとで都が積算した上限に極めて近い価格での契約ができたと。しかも、そのお金は都民の税金ですから、私は、これは特定建築者は大変優遇されているというふうに思うし、都民的には非常に疑念を感じるということは指摘しておきたいと思います。
四百四十四億九千万円は一つ明らかになったんですが、先ほど来議論になっていますように、宿泊室のエアコンやシーリングライトは別途発注、さらに宿泊棟以外にメーンダイニングやビレッジプラザやスポーツジム等々、仮設施設の工事がありますということで、今回それぞれの費用の見込みなども資料要求しましたが、明らかにされませんでした。明らかになったのは、エアコンとシーリングライトの必要台数が約一万五千台ずつということです。
私は、何も、費用が幾らぐらいかかるかって、ぴしっとした金額を出せといっているわけじゃないんです。おおよその見込みがわからないかということをお伺いしたかったんですね。組織委員会のホームページを見ましたら、今、仮設の工事について、発注予定表が公表されています。アーチェリー会場の夢の島だったら二十億円以上三十億円未満とか、幕張メッセは三十億円以上四十億円未満とか、こういった数字が出されているわけですね。大変大きな、漠とした数字ではありますけれども、こういう金額が出されているわけです。
ですから、これから、例えばエアコンやシーリングライトについては、スポンサーが供給可能なのかどうかなど含めて、まだ不確実な要素があるということでしたけれども、下限は幾らぐらいなのか、上限は幾らぐらいなのか、何億円ぐらいなのか、何億円から何億円だとか、そういう程度の見込みであれば出せるのではないかと思います。
改めて、この表に検討中ということで書いてありますけれども、金額の見込みについてお伺いしたいと思います。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 選手村宿泊棟の大会時内装工事の中には、スポンサー企業の製品の単価が含まれております。工事費の内訳の詳細を公開することで当該単価が明らかになり、スポンサー企業の競争上の地位が損なわれるおそれが生じることになります。
また、共同実施事業にかかわる経費の確認において、組織委員会の契約締結後には、関係者の同意を得られない企業の事業活動情報等の秘密情報は、情報公開から除くものとしております。
このため、今回も支障が生じない範囲で内訳をお示ししているものでございます。
また、今後、契約が予定される仮設の工事等でございますが、これらの額につきましても、設計段階のもの、それから契約前のものでございまして、今後の契約等に影響を与えるものであるため、現段階では公表できません。
なお、選手村の整備にかかわる情報につきましては、引き続き適切に公開してまいります。
○里吉委員 細かくその中身がわかるような出し方では出せないということだったので、例えば今、組織委員会で入札にかけている何十億円から何十億円という出し方であれば出せるのではないかという提案をさせていただいたんですが、出せないということでした。
そうしたら、その次の宿泊棟以外の仮設の契約、商業棟の工事は特定建築者との特別契約、特命随意契約みたいなものですが、それ以外は競争入札が基本ということがわかりました。これも一つ一つでなくていいので、およそ全体で本当は教えてほしいんですが、それも含めて、じゃあ、エアコン、シーリングライトも含めて、この資料で出していただいた3、4を含めて、あと、東京都の負担で出さなければいけない選手村の負担の金額、幾らぐらいなのか。
今、四百四十四・九億円というのはわかりましたけれども、それ以外に、おおよそ何十億円なのか、何百億円なのか、幅はつけていただいて結構なんですけれども、どれくらい見込んでいるのか、こういうこともお答えいただけないんでしょうか。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 先ほどもお答えをさせていただきましたが、今回、選手村宿泊棟の大会時内装工事につきましては、契約をされたということで資料を公表させていただいたところでございます。
そのほかのものにつきましては、設計段階のもの、それから契約前のものであり、今後の契約等に影響を与えるものであるため、現段階では公表できません。
ただ、選手村の整備にかかわる情報につきましては、引き続き適切に公開してまいりたいと思っております。
○里吉委員 立候補ファイルにしかほかの数字が載っていないんですけれども、選手村の建設工事費は九百五十四億円、今と全然違うものになっているので、これ全然比べ物にならないというふうにご説明を受けたんですけれども、でも、立候補ファイルには建設工事は九百五十四億円、仮設会場費用は百三億円、合計一千五十七億円と示されている。これが示されている数字なんですね。この九百五十四億円は恒久施設の部分ですので、特定建築者負担に当たる部分で、どれぐらいかかったのかはわかりません。百三億円が仮設ですから、現時点でも四倍以上になっているわけです。これからどれくらいかかるのか、一体幾らまで膨らむのか、都民の税金で負担するわけですから、本当に大丈夫なのかと不安に思うのは私だけではないと思いますよ。
結局、いまだに選手村は、総額幾らかかるのか、おおよその金額もわからないわけです。私たちはこれまで、オリンピックの恒久施設、体育施設についても、見直しを皆さんと一緒に行ってきました。都も大変努力をしていただいて、検討して削減してきたと思うんですね。しかし、選手村については、特定建築者との契約が決まるまで結局何も明らかにされてこなかった。これは本当に不透明であり、都民に説明責任を果たしていないというふうに私は思います。
競争入札の場合は、先ほど示したように、大枠であっても予定価格が出るわけです。特命随意契約の場合は何の情報も出てこないと。やはりこれはおかしいのではないかと思いますが、見解を伺いたいと思います。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 都の負担となる選手村宿泊棟の大会時内装工事については、組織委員会と特定建築者が平成三十年三月二十七日に契約を締結したことを踏まえ、同年三月二十八日の組織委員会の理事会において、契約内容や工期、契約金額等が報告されたものでございます。
これを踏まえまして、東京都としましても、本委員会において宿泊棟の大会時内装工事の契約締結について、契約内容や契約金額などを報告するとともに、局のホームページで既にこれらの情報を掲載しております。
また、晴海地区の住民に対する工事情報の報告、連絡の場でも、本委員会資料を用いまして、宿泊棟の大会時内装工事の契約締結について説明したところでございます。
今後とも機会を捉えまして、都民への丁寧な情報提供に努め、理解をいただきながら大会の準備を着実に進めてまいりたいと思っております。
○里吉委員 丁寧な情報公開をしているというお話なんですけれども、これは後の方でもう一度議論したいと思うんですが、宿泊棟の賃借料について伺いたいと思います。
資料を出していただきましたけれども、これを読みますと、今後、都において、外部鑑定による建物賃料調査、財産価格審議会等の所定の手続を経て決定というふうになっております。普通に読むと、近傍同種家賃というんでしょうか、これくらいのお部屋なら通常これくらいといった市場価格に近い賃料を想定しているのではないかというふうに思ってしまうんですが、そういう金額を考えているのかどうか伺います。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 都が特定建築者から借りる住宅棟などの賃借料については、専門の知見を有する不動産鑑定士による建物賃料調査を実施して算出することを予定しております。
建物賃料調査については、今後、不動産鑑定士との相談の上、適切に対応してまいります。
○里吉委員 専門家と相談するというお話だったんですけれども、今、都有地ですね、そこに建築した建物で、内装工事は東京都負担で工事を行っている、そういう建物だと。いわゆる普通の賃料が発生するのとは金額が違うという前提で相談するということでよろしいでしょうか。そういう特殊な条件を加味して相談するということでよろしいのか確認します。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 先ほどもご答弁させていただいたとおり、都が特定建築者から借りる住宅棟などの賃借料については、専門の知見を有する不動産鑑定士による建物賃料調査を実施して算出することと予定をしておりまして、今後、不動産鑑定士との相談の上、適切に対処してまいります。
○里吉委員 最初にもいいましたけれども、もともとこの晴海の都有地、近隣の基準値から推計すると、約一千三百億円と見込まれるところを、百二十九億円という破格の安値で特定建築者である三井不動産など民間事業者に売却したと。およそ千二百億円も優遇したことになる。さらに、現在都有地であるために、固定資産税も発生していない。さらに、市場価格に近い賃料で賃借料を特定建築者に支払うとなったら、これは到底都民の理解は得られないと思います。このことについては、ぜひしっかりと心にとめていただきたいと思います。
さらに、部屋の内装からユニットバスやエアコンの設置やメーンダイニングなどの仮設建設費や撤去費用、これも都が負担する。商業棟は特命随意契約で特定建築者と契約をする。こういう特殊な条件の選手村の宿泊施設ですから、都民の皆さんの中には、賃借料については都が支払う必要ない、こういう意見もあるわけです。ぜひ都民の理解が得られるような検討をしていただきたいということを改めて求めておきます。
我が党は、この選手村については、民間事業者に有利な手法で土地を破格の価格で売却したということで、いまだに土地所有が東京都のために固定資産税の支払いもないなど、こういった優遇を許せないということで、繰り返し指摘をしてまいりました。この問題についてはこの場ではなく、引き続きさまざまな場でこの経過を明らかにするために力を尽くしたいということは申し上げておきます。
次に、共同実施事業について伺います。
共同実施事業についても、いろいろと資料をいただきました。この共同実施事業は、都が負担する金額が仮設施設で総額二千百億円というふうに示されております。今年度分で七百五十億円とされていますが、この内訳が全くわかりません。仮設施設の工事については、現在、先ほどもいいました組織委員会のホームページに発注予定表が公表されております。
どのような発注があるのかと、改めて仮設オーバーレイ整備業務として発注予定表を見ますと、一番上から、有明アリーナ、有明体操場、有明テニスの森、この三つが一つで六十億円以上七十億円未満、税込みと。次に、大井ホッケー場、海の森水上競技場、カヌースラローム、海の森クロスカントリーで百億円から百十億円など、こういうふうに組織委員会の発注の仕方は複数の施設が一緒になっているので、一つ一つの施設についてはどういった金額が示されているのかはわからないようになっています。
それから、この組織委員会が負担する部分と東京都が負担する部分が一緒になって発注されておりますので、このうち都の負担がどれくらいなのかということもわかりません。
そこで、一点確認したいんですが、この入札情報を見ますと、例えば有明アリーナ、一番上のところですが、希望申請期間が四月十六日から五月二十四日までとなっています。開札予定日は七月三十日となっておりました。共同実施事業に係る経費として、既に東京都作業部会では確認がされていると思いますから、入札後、入札結果や契約金額などについては公表するということでよろしいのか確認いたします。
○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設調整担当部長 まず、現在、組織委員会で公表している情報でございますけれども、こちらは建設業者向けに入札を希望するかどうか判断していただくための基礎的な情報でございますので、都費をどれだけ負担しているかという情報は、確かに載っている情報ではございません。
仮設オーバーレイ工事につきましては、これまでも何回かご説明をさせていただいておりますけれども、組織委員会における契約の状況や、今回、選手村における事例なども踏まえながら、都民の理解が得られるよう、引き続き時期や内容、方法など、公表のあり方について組織委員会と検討してまいります。
○里吉委員 検討するということでしたけれども、公表する方向で検討するというふうに、以前、答弁いただいたことがあったと思うんですが、公表する際には、東京都の負担と組織委員会の負担分が、大枠でいいのでわかるように公表すべきだと思いますが、その公表の仕方についても検討していただけるということでよろしいでしょうか。
○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設調整担当部長 繰り返しになりますけれども、どういった公表がいいかということにつきまして、引き続き組織委員会の方と検討してまいります。
○里吉委員 資料で、公表する中身、秘密情報について何かということを示してもらいました。これは先ほどもご説明あったように、企業のさまざまなノウハウがわかるものについては公表できないということでしたけれども、例えば、契約を結んだ後、全体の金額の中で都の負担が幾らで、組織委員会の負担が幾らかというものは、この秘密情報に当たると私はとても思えないんですけれども、それは秘密情報には当たらないということでよろしいですか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 本日、要求資料にございました共同実施事業に係る秘密情報についての記載にございます、東京都情報公開条例七条一項各号に該当する情報などに照らしまして判断してまいりたいと考えておりますが、基本的には、この秘密情報には当たらないというふうに考えてございます。
○里吉委員 この共同実施事業が始まったときに、経費の節減をすることとあわせて情報公開に努めていきたいと。そして、透明性を確保していきたいというご答弁が第三回定例都議会で小池知事からありました。ぜひそういう方向で明らかにしていただきたいと思います。
ホームページで東京都作業部会についても見させていただきましたが、共同実施事業の作業部会の中身、議事要旨としてA4ペーパー一枚で、議論の中身はほとんどわかりませんが、資料がつけられておりまして、そこには確かにコスト縮減方策とか、3Rの取り組みについてということで説明がございましたが、全体として縮減効果がどれくらいあったのか、金額については細かい数字が載せられないということは、これまでの議論でわかりましたが、全体の金額についてもわからないという状況で、これは大変不親切ではないかなと思いましたし、ホームページに四百四十四・九億円という数字が載っているのは、共同実施事業のホームページではなくて、オリ・パラ準備局の議会資料の公開というところに私たちが受け取った資料として出ているだけなんですね。これではなかなか見つけられないんじゃないかなと。これでは到底都民への丁寧な情報提供とはいえないと思います。
共同実施事業の作業部会の対象になるのは、都の局長決定レベルの金額三億五千万円以上の案件だというご説明をいただきましたが、資料にも改めて示していただきましたように、東京都であれば、さらに工事であれば、予定価格九億円以上は私たち都議会の議決が必要になるわけです。そうなれば私たちも議論するし、その議事録は残ります。
しかし、共同実施事業の対象となっている仮設施設は、お金は東京都が負担するが、契約は組織委員会であるために、議会のチェック機能が果たせないわけです。全く同じにはできないとしても、東京都としてもこの透明性を担保するために、今のままの公表の仕方では全く不十分だといわざるを得ません。部会の議事録ぐらいはすぐに公表していただきたいと思います。
時間がなくなってきたので、最後に、共同実施事業では、金額については契約後に公開するのだから、契約後には具体的な数字は出てくるといいますけれども、今出された数字も、こういった大枠の数字しかわからないわけですね。入札情報というのは、業者向けの数字だということでありましたけれども、それでも大体これぐらいなんだなということがわかるわけです。
私が知りたいのは、都が全体で負担する二千百億円という仮設の費用、そのうち、今、選手村の宿泊棟内装工事だけで四百四十四億九千万円ということがわかりましたけれども、それ以外は全然わからないという中で、本当にこの金額で足りるのか、どういう積算根拠でこの数字だって東京都がいっているのか、これが全然わからないわけです。
本来、組織委員会が負担することになっていた仮設などの費用を大枠の合意で東京都が負担することになったと。共同実施事業で負担軽減を進めると。そして、情報提供いたします、透明性を担保いたしますといわれましたけれども、今の中では全然わからないと。金額が大きいわけですけれども、都民の税金が使われるわけですけれども、中身について都民に全然示せないということでは、都民は到底納得できないというふうに思います。その時々で、でき得る限りの情報を出すように強く求めておきたいと思います。
最後に、ライブサイトについて一言だけ意見を申し上げます。
先ほどお話ありましたけれども、私、三多摩でもぜひ東京都が実施するライブサイトをやっていただきたいと思うんです。余りにもバランスが悪いと思います。いろいろ説明を聞いたら、国営昭和記念公園なども国に協力を求めているというお話も聞きました。
改めて国に協力も求めて活用できるようにすることや、東京都の要件を緩和するなどして、東京都が実施するライブサイトは、二十三区と多摩地域とバランスよく開催場所を設置していただきたいということを最後に要望いたしまして、私の質問を終わります。
○山口委員 それでは、私からも、ボランティアについて幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。
この委員会でもボランティアについてこれだけ多くの質問が重ねられ、またこの大会の成功に当たっては、ボランティアの皆様方の存在の大きさ、またこれから意識が高まっていくこの情勢において、ボランティアの募集から非常に大きな影響があるという委員の皆様、そして都民の皆様の思いがこもっている質疑なんだろうというふうに感じているところであります。このボランティアの存在が欠かせない大会運営において、その募集がいよいよ始まるわけでありますけれども、ボランティアについては、あり方、かかわり方について幾つかこれまで質問もしてまいりました。
このボランティアの活動をしていただく上で、その役割の重要性を認識していただいて、必要な知識の習得、またその上で一体感の醸成を図っていくことが極めて重要であるということは共通の認識かと思います。
それで、この募集に当たって幾つか確認をしたいと思いますが、まず、今年度ボランティアに関し、都が委託をしていくこの事業の概要についてお伺いしたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会のボランティアにつきましては、本年九月中旬より募集を開始し、来年の二月から面接、十月からは共通研修を実施する予定でございまして、ボランティアの人数を確保できるよう積極的な広報を行いますとともに、多くの応募者を適切に管理しながら、募集、選考、研修等を円滑に実施する必要がございます。
今年度の委託事業といたしましては、応募促進のため、ボランティアのPRを行うイベントの開催や、多様なメディアを活用した広報等に関する業務を委託するもの、また三万人の都市ボランティアの募集、選考、研修等に関する管理運営事務を委託するもの、また都市ボランティアの管理運営を行うシステムの構築、運用に関する業務を委託するものなどがございます。
さらに、来年度からの共通研修の実施に向けまして、eラーニングの設計や集合研修のテキストの作成など、研修コンテンツの作成に向けた支援を行う業務を委託するものがございます。
○山口委員 今お話を伺ったとおり、ボランティアの募集のためのPRと、また募集、選考、研修にかかわるもの、またシステムの構築、運用にかかわる業務と大きく分けて、これから委託をされ、また夏からいよいよ運営が、その募集がスタートするということでありましたが、そのボランティアの今年度の予算規模についてお伺いしたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 平成三十年度のボランティア関係の予算は、都市ボランティアの応募促進に向けた広報、ボランティアの募集、選考、研修など、管理運営、システムの構築、運用、共通研修の実施に向けたコンテンツの策定など、合計九億九千万余円でございます。
○山口委員 三万人の募集に九億九千万円と、これ、大変大きな額だと思います。この金額が適正か適正でないかというのは、もちろん短いとはいえ大きな大会においてどれぐらい必要かということは、後々わかることであろうかと思いますし、その価値はこのオリンピック・パラリンピックだけではかられるものではないというふうに思っています。だからこそ、今後一つ一つ丁寧に精査をし、しっかりとチェックをしていく必要があるだろうと思いますので、また改めて細かく伺っていきたいと思います。
続いて、大会ボランティアと都市ボランティア、両方が募集されるわけでありますが、お一人の方が両方に参加をすることが可能か。また、可能である場合、活動日が重複をした場合などにおいては、どちらか活動できなくなる可能性なども出てきてしまうわけでありますが、この活動日が重複しないように、どのような取り組みを行っていくのかを伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会の期間中、活動日が重ならない限り、大会ボランティアと都市ボランティア双方のボランティアに参加し、活動いただくことは可能でございます。
応募者の面接では、もう一方のボランティアへの応募状況を確認いたしまして、応募している場合には、活動日が重複しないよう、応募者に注意を喚起してまいります。
また、両方のボランティアになられた方につきましては、活動希望日を伺う際に、活動日が重複しないよう、改めて注意喚起を行いますとともに、万が一重複した場合には、本人からの連絡などに基づきまして、活動日の変更について調整を行うこととなります。
○山口委員 今確認がとれたように、大会ボランティアと都市ボランティアは、両方ともに登録することが可能なんだと。三万人、八万人、十一万人といわれていますが、当然、意識の高い方ほど両方に登録をして、でき得る限り協力をしようという強い意思のもと参加をしていただく可能性が十分考えられるわけであります。
そういう方にこそ、やはりしっかりと情報提供していく。また、それは管理をする側が別々になっていくわけでありますから、そこもしっかりと配慮をしてあげる。これもボランティアに対する心配りであり、またこれは、ボランティアの方々ともに一緒に頑張っていく、組織の一人として協力をしてあげられる大切なところだと思いますので、十分な配慮と、またその仕組みづくりにも尽力していただければなというふうに思っているところであります。
さて、もう一点、ここまでボランティアで十分活躍をしていただいている皆様でありますが、東京マラソンで活躍をしていただいたボランティアの皆様の力というのは、東京にとっては大きな影響がある、力があるというふうに考えていますが、この連携、ノウハウの活用についてお伺いしたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 毎年一万人以上のボランティアが参加する東京マラソンには、多くのボランティアをまとめるボランティアリーダーの活躍を初め、東京二〇二〇大会に向けて参考にすべき多くの取り組みがございます。
このため、こうした実績も踏まえまして、東京マラソン財団には、東京都ボランティア活動推進協議会に参画していただきまして、意見やアドバイスをいただいております。
また、ラグビーワールドカップ二〇一九に関し、都は、東京マラソン財団オフィシャルボランティアクラブVOLUNTAINER等から希望者を募りまして、千名をラグビー組織委員会にボランティアとして推薦してまいります。
ラグビーワールドカップ大会時にVOLUNTAINERを含め都内で活動したボランティアには、経験、ノウハウを生かして、東京二〇二〇大会の都市ボランティアとしても引き続き活躍していただくことを期待しております。
今後、大会のボランティアの運営を具体的に検討していく上で、東京マラソンにおけるボランティア運営の経験やノウハウ等を十分に生かしてまいります。
○山口委員 二十七年の九月から、東京都ボランティア活動推進協議会においても、またこれから開かれていくボランティア戦略を踏まえた検討状況、また募集要項についても広く意見を伺っていくという、この中にも、マラソンを初め、これまで東京都のボランティアに多くかかわってきてくださった皆様、またこれからまさにかかわっていく多くの皆様が来られて、たくさんの意見を伺うというようにも聞いています。
こういったところの意見は十分、特に現場でこれまで生かされてきたノウハウが凝縮されているわけでありますから、ぜひこれは広く生かしていただいて、ボランティアをする方も、またその管理をされる方々にも、いい意見として反映をされるように努めていただきたいと、このように考えるところであります。
最後にお伺いしたいんですが、大会後のレガシーとして、ボランティアのデータベースがどのように生かされていくのかというところは大変重要なところだと思いますが、その見解を伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会を契機に高まったボランティア活動への参加機運を一過性のもので終わらせず、大会後も着実に維持発展させていくことは重要でございます。
都は、都市ボランティアとして参加した方々に活動を継続していただくため、大会での経験を踏まえまして、大会後のボランティア活動継続の意思や活動したい分野等を確認することを予定いたしております。
また、本人の希望に合ったボランティア募集情報を提供するなど、ロンドン大会同様、活動を継続できる仕組みのあり方について検討してまいります。
東京二〇二〇大会に参加したボランティアが大会後もさまざまな活動を継続することで、関係局とも連携の上、国内におけるボランティア文化の定着を目指してまいります。
○山口委員 組織委員会から出されている持続可能性に配慮した運営計画などを見ても、今後は環境省が行う二〇二〇オリンピック・パラリンピックを契機とした3R人材育成検討会とも連携、協働していくというふうにも示されています。こういった持続可能性のプログラムへの理解を深めた研修にも、この一連の情報や人材というものが今後当然生かされていくことになるんだろうというふうに思っています。
すなわち、ボランティアの皆様が、この一連の流れや、これから自分にかかわってくる環境、東京都というものとの関係性というものをしっかり把握しておいていただくということが非常に重要であり、またその説明はきちっとあらかじめしておくべきだと私は考えています。
この目的は一大会のボランティアだけではなくて、今後、東京都と皆さんがどのようにかかわっていくか、この一つを、また皆さんにその一翼を担っていただくんだということを、東京都、また組織委員会、そしてかかわる委託企業、そしてボランティアの皆様それぞれも同じ思いを共有していただくように、ぜひそれがしっかり伝わっていくように要望していきたいと思います。
何よりも、参加をされる方々があの東京オリンピック・パラリンピックのボランティアに参加をしたんだよと誰にでも自慢ができるような、誇りに思ってもらえるようなボランティアにしていかなければならないと思っておりますので、私たちも、そして皆さんも、そしてボランティアの皆さんも、そう誇れるボランティアの体制を築いていただくよう強く要望して、質問を終わりたいと思います。
○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
午後三時七分休憩
午後三時二十六分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います
○おときた委員 初めに、平昌大会オブザーバープログラムの報告に関しまして、私が現地視察に伺って得られた知見を踏まえまして、幾つか質問させていただきます。
まず、受動喫煙防止対策、喫煙所についてお伺いをいたします。
ご承知のとおり、IOC、国際オリンピック委員会は、開催国にたばこのないオリンピックを求めており、受動喫煙対策を中核とした喫煙対策は、ソフト面のみならずハード面の整備として喫緊の課題です。
私も平昌大会の視察に参りましたが、そこでは会場周辺で、これは具体的には私がトイレに行ったときに目撃したんですが、屋根や囲いのないスペースが喫煙所となっているような光景も見受けられました。
これは恐らく運営側が意図的に用意したものではなく、私設で、いわば勝手につくられたものと見受けられましたが、東京大会においては、観客を副流煙にさらさないために、厳格な喫煙所運営を行う必要があると考えます。
この喫煙所運営に関して、都の現在の所見をお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 IOCからは、選手村や競技会場における禁煙環境の確保を求められておりまして、近年の過去大会におきましては、屋外の指定された喫煙場所以外は禁煙の取り扱いとなっておりました。
東京二〇二〇大会に向けましては、過去大会の取り扱いや東京都子どもを受動喫煙から守る条例の趣旨などを踏まえまして、組織委員会と連携し、選手や大会関係者、観客などの健康を守るよう、適切な受動喫煙防止対策に取り組んでまいります。
○おときた委員 適切な受動喫煙防止対策に取り組んでいくとのことですが、現時点では具体的な運営計画や整備工程が見えてこない点には、やや危機感を覚えるところであります。
適切な受動喫煙防止対策を効果的に進める上では、喫煙者がたばこを吸える場所を確保、整備する必要があります。もしこの整備が十分ではなかった場合、モラルハザード的な結果が引き起こされ、平昌であったような私設の、いわば公的ではない野良の喫煙所ができてしまうことにもなりかねません。
そうならないようにするためにも、囲いつきの屋外喫煙所の整備を十分に行い、また喫煙所マップなどをつくって、喫煙者の方には決まった場所以外では吸わないようにご案内をするなどの取り組みを進めていただくことを要望いたします。
次に、平昌五輪におけるアプリの報告の前提となる通信環境についてお伺いをいたします。
平昌五輪では、観客によるモバイルWiFiの持ち込みを制限したのにもかかわらず、開会式でWiFiがつながらなかったということも聞き及び、また私自身が実際に経験もしております。
平昌五輪においてのWiFi接続環境について、特にトラブルについての知見は得られたのかどうかについてお伺いをいたします。
○砂田オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 WiFiなど通信環境に関する内容を含みます平昌大会のオブザーバープログラムには、組織委員会のテクノロジーサービス局の職員が参加しました。
大会におけるさまざまなテクノロジーサービスのうち、WiFiにつきましては、平昌大会の会場において、個人のWiFiルーターの使用を制限する一方で、通信事業者による無料WiFiを提供しているとオブザーバープログラムにおいて説明がございました。
一方、実際に現地を視察いたしました組織委員会及び都の職員からの報告により、混み合った会場では、無料WiFiへの安定的な接続ができない状況があったことを確認してございます。
○おときた委員 無料WiFiへの安定的な接続ができない状況があったというご答弁でございまして、私の体験と同じ状況が確認されていたことがわかりました。
WiFiがつながらないとなると、ストレスに感じる方も多く出てまいります。また、障害者の方など、特に通信サービスを必要とする方の来場も予想されます。
三万五千人規模の平昌スタジアムと比べて、東京大会の新国立競技場は八万人規模であり、WiFi環境を整備するとしたら、今回の性能を参考に、入念な準備が必要になります。
平昌五輪の知見を生かして、東京五輪におけるWiFi環境についてどのように整備し、どのように運営していくのか、都の所見をお伺いいたします。
○砂田オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 東京二〇二〇大会の会場におけます携帯電話によるデータ通信や、WiFiなどの通信環境の整備と運用につきましては、現在、組織委員会におきまして、開催都市であります東京都や、会場となる施設の所有者などと協議しながら、主体的に準備を進めているところでございます。
携帯電話につきましては、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた携帯電話の通信環境整備ガイドラインを昨年十一月に策定いたしまして、現在、大会時における十分な通信環境の整備に向けた準備を携帯通信事業者と連携して進めてございます。
大会時のWiFi利用環境につきましては、平昌大会の視察を通じて明らかになった課題なども踏まえまして、携帯電話によるデータ通信とあわせて検討を進めているところでございます。
○おときた委員 予算の制約といった面もあるかと思いますが、ほぼ一人に一台のスマホを持つこの時代において、WiFi環境の整備は水道や電気と同様のインフラ整備にも当たります。
また、先ほど述べましたとおり、バリアフリーという観点からも、WiFi環境を特に必要とする方への配慮が必要です。
今回、平昌の開会式で問題になった点は、整備が追いついていないとともに、そうした状況や必要な情報が観客に提供されなかったことにもあるかと考えています。
以上の点を踏まえて、障害者の方などが優先的にWiFi環境に接続できる、そういったような配慮を求めるとともに、通信環境をより一層整備、充実させるなどの対応を含め、より具体性を持った積極的な通信環境の整備と運用を進めていくことを要望いたします。
次に、飲食の提供に関連して、ハラールの対応についてお伺いをいたします。
イスラム教徒の方のためのいわゆるハラール対応も、東京五輪のメッセージの一つであるおもてなしの一環として大変重要な課題であります。
平昌五輪においては、イスラム教徒のためのハラール対応が選手村だけに限られ、観客までは行き届いていなかったとのことですが、観客、旅行客からのクレームの有無についての知見が得られたのかどうかについて、まずお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 平昌大会におきましては、競技会場内の観客用レストランでハラール対応は行われておりませんでしたが、ベジタリアン料理を提供していたと聞いております。また、大会関係者にヒアリングを行った限りでは、苦情等はなかったと聞いております。
○おときた委員 ヒアリングの中ではクレームはなかったものの、競技会場内の観客用レストランではハラール対応はなかったとのことでございました。
それでは、二〇二〇年東京大会に向けては、観客向けのハラール対応を行っていく計画はあるのか、イスラム教徒の旅行客や観客に向けての取り組みについて、都の所見をお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会に向け、都も検討に加わり組織委員会がことし三月に策定した飲食提供に係る基本戦略では、選手村や競技会場等において、ハラールなど宗教上の個別の事情を有する方の選択肢を確保し、適切な情報提供を行うこととしております。
今後、大会に向けまして、飲食提供について多様性への配慮が適切に行われるよう、組織委員会と連携し対応してまいります。
○おときた委員 日本、とりわけ東京都は、先進国の中でも礼拝への対応など、イスラム教徒の方々の受け入れ体制がおくれていることがかねてより指摘をされています。
東京五輪パラリンピック大会を契機に、イスラム教徒の方々との交流を深め、国際都市として模範となるような都市として東京を発展させるためにも、ぜひとも観客用レストランでのハラール対応が実現されることを要望いたします。
続きまして、私からも、ボランティア募集要項案について幾つかお伺いをいたします。
今回の募集要項案は、ロンドン大会やリオ大会でのボランティア募集要項を参考に作成されたものと認識しております。
一方で、ロンドン大会では、都市ボランティアに限っては十六歳以上とされておりましたが、東京大会では、都市ボランティアにおいて年齢を引き上げて十八歳以上としております。このように改めた理由について、改めて理由をお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ロンドン大会の都市ボランティアは、空港、駅、観光地における観光、交通案内を行っておりましたが、東京二〇二〇大会のボランティアは、観光、交通案内に加えまして、競技会場最寄り駅から会場までの動線における観客の案内等の活動も行い、競技開催時間に応じ、早朝の活動や夜遅くまでの活動が生じることから、健康面、安全面でもきめ細かい配慮が必要となると考えております。
こうしたことを踏まえまして、都市ボランティア募集要項案では、応募条件の一つに、二〇〇二年四月一日以前に生まれた方、すなわち、二〇二〇年三月末時点で満十八歳以上の方という条件を設けたところでございます。
なお、十八歳未満の次世代を担う子供たちが大会にさまざまな形で参加することで、人生の糧となるレガシーを心に残すとともに、大会後に活動の視野を広げる観点からも意義があることであり、多くの中学生や高校生が参加できるよう、教育庁等と連携し、検討しているところでございます。
○おときた委員 安全面等を考慮し、年齢を十八歳に引き上げたことは、一義的には納得できるものの、やはり部分的に機会損失をしている感も否めません。
特に語学ボランティアにおいては、語学力の高い人材の確保は必須であり、東京及び関東圏にはインターナショナルスクールや英語に力を入れている高校が多数あります。既にふだんから学校で英語を日常的に用い、将来の日本の国際化を牽引するであろうポテンシャルのある若い人材をオリンピックボランティアとして活用しない、ボランティア対象から外すというのは、非常に双方にとってもったいないことであります。
一方で、かねてからのこうした指摘も踏まえて、中学生、高校生などが活動を体験できる仕組みを検討している点は高く評価されるところです。その取り組みにおきましては、生徒が内申点や就職といった動機から参加する軽薄なボランティア理解にならないよう努めること、また日々忙しくされている教員の活動が、より一層ブラック化しないような配慮も求めるところでございます。
さて、こうした若い方のボランティア参加と同時に、質の高いおもてなしと国際交流を実現するためには、有資格者など専門性のある方の積極的な参加も非常に重要と考えます。
我が国の場合、英語のスキルがある方が特に必要であり、また、ヘルスケア部門に関して、看護師等の資格を有する方の参加も求められます。こうした方々へ参加していただくための周知方法について、特段の予定や方法を考えているかどうかお伺いをいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会ボランティア及び都市ボランティアの募集要項案では、積極的に応募していただきたい方として、英語、その他言語のスキルを生かしたい方など、また、都市ボランティアの募集要項案では、積極的に応募していただきたい方といたしまして、防災、防犯、救命救急等に関する知識を生かしたい方などを掲げてございます。
都は、外国語のスキルを有する多くの方々に参加していただけるよう、ホームページやシンポジウムにおきまして、過去大会で外国語のスキルを生かして活躍したボランティアの活動内容を発信するなどの取り組みを行ってまいりました。
募集に向けましては、大会二年前の時期に大会のボランティアのPRを行うイベントを開催するなど、一層の周知を図ってまいります。
なお、日ごろから外国語のスキルを生かして観光案内を行っている東京都観光ボランティアには、都市ボランティアの中核として活躍していただく予定でございます。
また、大会ボランティアのヘルスケアの活動分野といたしましては、観客等の急病人やけが人が出た場合に素早く対応するためのファーストレスポンダーとしての役割や、医務室への搬送サポートなどがございます。
これらの役割を担う方は必ずしも看護師等の資格を想定してございませんが、緊急時に適切な対応がとれるよう研修を実施するとともに、ボランティアと会場内の医務室との連携体制を構築してまいります。
○おときた委員 募集要項の掲載やPRイベントの開催のみでは、やや物足りないものを感じます。先ごろ大相撲の土俵上で発生した急病人対応においても、看護師の救護方法に称賛が集まりましたが、たとえ研修を行っていたとしても、日ごろ医療業務に当たっている人でないと、緊急時に適切に判断し、対応できないことも多いと思われます。
募集時のインターネットサイトで、その必要性を特段に訴える特設ページを作成するなど、専門性を持った方への参加の呼びかけを、より一層積極的に進めることを要望いたします。
さて、先ほどのボランティアはレガシーになるとのご答弁もございました。ロンドン大会では、ボランティア希望者をデータベース化し、チーム・ロンドンとして大会後の行政やマラソン大会などのイベントなどに活用し、レガシーとなっているとも聞き及びます。こうしたデータベース化の有無や今後の人材活用の可能性については、同様の質問が前段ございましたので、こちらは割愛いたします。
ロンドンでは、地域のボランティアニーズと担い手をマッチングする機能をオンライン上で引き続き提供することにより、ロンドンの市民社会の下支えになっているとも聞き及んでおります。
ボランティア文化の定着は、単にボランティア精神が漠然と残るだけにとどまらず、地域の課題を解決する人材レガシーを生み出す可能性も秘めているものです。そうした観点からも、このデータベース化の取り組みを行っていただきたいと思います。
続いて、持続可能性に配慮した運営計画第二版(案)についての関連質問に移らせていただきます。
この質問に先立ちまして、こちらの資料でございますが、率直に、非常に読みづらいものを感じました。本資料は、パブリックコメントを受け付けているように、都民にとって重要なものであり、今大会のレガシーに直結するものであります。現在の、そして将来の都民の誰もが読める資料とするべきです。
しかしながら、本資料は、字が細かい、行間が狭いなど、読みづらい箇所が多数あり、図表に至っては、初歩的なミスで罫線が微妙にずれている箇所も見受けられます。
また、例えば三二ページに、東京を走る鉄道車両は現段階で全て電化されておりなどといった不正確な表現もところどころ目立ち、さらに、横文字の使用が多く、表現として迂遠に感じるものや、意味が理解しにくいというものもございます。
書類の性質上、文字が主体となるため、見やすさとの両立には苦心されることと思いますが、視力や色覚に不安や困難を抱える人も含めた全ての人にとってアクセスしやすいものとなるよう、デザインやレイアウトの改善を望みます。
さて、初めに、本資料に関してはパブリックコメントを受け付けたとのことですが、その件数や工程、具体的意見についてお伺いをいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 パブリックコメントにつきましては、四月二十日に、プレスリリースやツイッターなどを通じて広く意見募集を呼びかけまして、五月九日までの募集期間に合計三十九件の意見をいただきました。
具体的には、計画に記載のリユース食器に関する取り組みを確実に進めるべきとの意見や、再生可能エネルギーの活用等に行政やさまざまなステークホルダーが連携して取り組むことが重要であるという意見、また、障害者の異性介助や性自認等により、男女別のトイレが利用しにくい方への配慮として、男女共用個室トイレの積極的な設置に関する意見等、資源管理、気候変動、人権等、各分野にわたり、さまざまな意見が寄せられたところでございます。
○おときた委員 たくさんのコメントが来たということですが、これだけのボリュームを持った内容に対する募集期間の短さについて、いささか疑問を感じます。
本資料は、都民のレガシーにつながるものです。三十九件という非常に限られた応募件数を見ても、募集期間や、あるいは周知方法に何らかの問題があったのではないかと推察をされるところです。
これからも五輪関連では多くの分野でパブリックコメントが行われると思いますが、開かれた都政という意識を心がけ、対応を改善していくことを求めます。
次に、本資料における都市鉱山のメダルプロジェクトについてお伺いをいたします。
リサイクル率一〇〇%を目指すと記載がありますが、現在どの程度達成されているのか、現状をお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 メダルプロジェクトのために協力いただいた小型家電の回収量は、都庁舎での回収が先月二十七日に十万個を超えたところでございまして、このほか、ドコモショップにおける携帯電話の回収が約二百七十万台、自治体における小型家電の回収が約九千トンとなっております。
お尋ねの達成状況につきましては、今後、各金属の精錬が本格化するのに合わせまして、抽出した重量が明らかになってまいりますことから、その段階で把握、公表してまいります。
○おときた委員 東京大会で必要なメダルの数は計五千個ほどで、金は約四十キログラム、銀は約四千九百キログラム、銅は約三千キログラムの原材料が必要になるというデータがございます。また、回収した各家電からどの程度の金、銀、銅が抽出できるかの試算も立っております。
そうであるならば、これらの数値に基づいて、各家電の回収目標数などを含めた計画を早期に立てることは可能である、かつ、絶対に必要なことでもあります。現在、達成状況を把握していない、公表していないということですが、残念ながら全く緊張感が足りないと指摘せざるを得ません。
また、ご答弁いただいた台数では、必要な量が到底集まっていないように思われます。仮にリサイクル率一〇〇%が達成できない場合、コストが相当かかると考えられますが、その試算などはされているのでしょうか、お伺いをいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 このプロジェクトの達成状況や、各金属別の必要量につきましては、今後、精錬作業が本格化する中で明らかになるものでありますため、現時点ではお尋ねの試算は行ってございません。
○おときた委員 ご答弁のように、都市鉱山プロジェクトについては現状の把握もされていない上に、目標が達成できなかった際の計画も、現時点では少なくとも立てられていないということが明らかになりました。
都が現在行っているLED電球交換のプロジェクトにも近いものを感じておりますが、耳目を引くPRで都民に大々的に告知したにもかかわらず、具体的な計画が立てられず、現状を把握せず、リスクマネジメントすらされていないという状況には、強い危機感を覚えるものです。現に、同じような展開を見せているLED電球交換プロジェクトでは、現時点で達成率が目標の二〇%以下にとどまるという悲惨な状況に陥っています。
オリンピックのメダルは必ずつくらなければならないものです。早急な計画の見直しと現状把握やコスト試算の公開を強く要望いたします。
次に、東京二〇二〇大会期間中のライブサイトの報告に関連して質問をさせていただきます。
ライブサイトについて、リオ大会では二十万人もの来場があった会場のケースも報告されております。東京大会のライブサイトでも多くの来場者が予想されています。
暑さ対策で屋内ライブサイトへの要望が出される一方で、祝祭的な雰囲気の形成という面とともに、運営における安全性の面からも、ライブサイトが屋外である方が望ましいという指摘もありますが、この点に関する都の現在の所見をお伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 東京二〇二〇大会のライブサイトは、競技のライブ中継だけでなく、スポーツ体験や文化発信等、多様な内容で構成され、また国内外の観戦客等が多数来場することが想定されることから、都立公園など、広いスペースが確保できる屋外の候補地を基本に抽出しております。屋外の会場は開放的な空間で、自由度の高い設営や、より多くの来場者を収容できるという利点がある一方で、警備や暑さ対策等の課題もございます。
今後、本年秋ごろをめどに取りまとめる基本計画の中で、さまざまな課題について検討し、国内外から訪れる観戦客が安全で快適に大会を楽しめるライブサイトを実施できるよう取り組んでまいります。
○おときた委員 ご答弁にありましたように、ライブサイトは海外からの観光客が大勢訪れます。ライブサイトは国際感覚になじむ祝祭的な雰囲気、いわばフェス感を備えている必要があります。また、大勢の観光客が訪れることから、屋内会場では収容人数が限られ、混雑した場合の対応が難しくなる可能性があります。
こうした点も踏まえまして、屋外ライブサイトにおいては、暑さ対策、降雨対策をできる限り講じた上で、開放的な空間で自由度の高い設営を行う計画を進めていただきたいと思います。
また、ライブサイトには、残念ながらチケットが入手できず会場に入れなかった人々に対応するという意味合いもあると考えます。
チケットが入手できなかった人にもライブサイトに来訪、あるいは誘導していただくために、どのような取り組みを考えているのかお伺いをいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 ライブサイトは、チケットを持つ人も持たない人も、誰もが気軽に訪れ、競技のライブ中継等を通じて大会の迫力と感動を共有していただくことを目的に設置いたします。
特にチケットを持たない方にとっては、大会の雰囲気を楽しめる場として非常に重要な場所となります。
このため、こうした方々に適切に必要なライブサイトの開催情報が伝わるよう、広報PRを充実させることが重要でございます。
平昌大会時に都が実施したライブサイトでは、メディアへの周知のほか、ホームページ、チラシやポスターの配布、掲出、交通広告、新聞への折り込み広告、SNSを活用した広報などを実施いたしました。
こうした取り組みを踏まえながら、効果的な広報PRができるよう検討を進めてまいります。
○おときた委員 当日券の販売計画についてはまだ定まっておりませんが、当日券を買い求めた人が買えずに競技場の周りにたまってしまうということがありますと、通行の安全性確保が阻害されるおそれがあります。
現時点で具体的な計画はないということかと思いますが、当日券を買いに国立競技場に来たが手に入らなかった観光客は、近くの代々木公園のライブサイトに誘導するなど、きめ細かな計画を立てて、大会を盛り上げる企画となるよう進めていただきたいと思います。
続きまして、大会輸送の検討状況(その二)についての報告に関連して幾つか質問させていただきます。
チケットと連動した最寄り駅の通知など、特にICTサービスでの案内について、都として具体的にどのように活用していきたいと考えているか、その規模や工程なども含めてお伺いをいたします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 平昌大会では、インターネットやアプリにより、バスの運行ダイヤ等の情報提供が多言語で行われていた一方、現地を視察した職員の話では、変更状況の更新が遅いなど、一定の課題もあったと聞いております。
東京二〇二〇大会では、組織委員会等と連携し、過去大会における取り組み状況や課題などを踏まえ、大会前及び大会時に外国人を含む全ての観客を対象といたしまして、どのような情報提供を行うかについて、本年度末に取りまとめを予定しております輸送運営計画バージョンツー案の策定に合わせて検討を進めてまいります。
○おときた委員 平昌大会の知見を生かして検討を進めているとのことでした。チケットと連動させ、ICTサービスを生かした案内は、今後、さまざまなスポーツイベントやエンターテインメントのイベントで採用されていくことと思われます。最新の技術や情報に常にアンテナを張り、東京らしい最先端の取り組みを推進していただきたいと思います。
暑さ対策の取り組みについてもお伺いをいたします。
観客向けの暑さ対策としては、水分補給の呼びかけが最重要ポイントの一つとなるものであり、そうであるならば、ルート上で都がPRしている無料の東京水を配布する方法なども考えられます。
観客ルートにおける暑さ対策について、東京水活用の可能性を含めて、都の所見をお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 最寄り駅から競技会場までの観客歩行ルート、いわゆるラストマイルにおきましては、高温多湿の気候のもと、多くの観客が集中することから、熱中症を防ぐための暑さ対策が不可欠でございます。
このため、会場周辺での遮熱性舗装の整備や街路樹の計画的な剪定による緑陰の確保、区市等と連携した微細ミストの設置など、暑さ対策を進めているところでございます。
さらに、熱中症予防には水分補給が重要であることから、ボランティアによる注意喚起の呼びかけを行いますほか、昨年度、ラストマイル上の公園の水飲み場や自動販売機、コンビニなど、給水や飲料水の購入が可能な場所の調査を実施したところでございます。
東京水の活用につきましては、既存店舗への影響やスポンサーとの調整などを考慮する必要がございまして、個々のラストマイルの状況を踏まえ、組織委員会や関係局等と協議しながら、観客が適切なタイミングで必要な水分補給ができるよう検討してまいります。
○おときた委員 まずは観客、観光客の方の熱中症ゼロというのを一つの目標に進めていただきたいと思います。
そして、世界からも高い評価を受ける東京水の活用については、スポンサー調整は必要になるものの、検討していくということでございますので、ぜひとも実現に向けて前向きに進めていただきたいと思います。
続いて、交通量削減の取り組みについてお伺いいたします。
交通需要の抑制は、働き方改革などと関連するものでもあり、大会のレガシーとなる可能性も秘めています。
この点に関して、今回のご報告では、夏期限定という期間限定の取り組みが多く示されておりますが、平時から交通量の総量抑制の取り組みや予定、また大会後に向けた取り組みやその見通しについて、都の所見をお伺いいたします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時には、選手、関係者の車両による移動や、観客が鉄道を利用すること等により、道路や鉄道の混雑が予想されており、交通量の抑制を図る交通需要マネジメントの導入が必要でございます。
このため、都は、組織委員会などと連携し、大会時の交通状況の見通しなどを示しながら、企業や市民に混雑回避のための準備に取り組んでいただけるよう呼びかけを行うほか、時差出勤やテレワークなどの取り組みとも連携し、協力企業の拡大を図ってまいります。
こうした時差出勤やテレワーク等の取り組みは、夏の期間で重点的に実施してまいりますが、今後とも継続的に企業へ協力を求めてまいります。
○おときた委員 ご答弁いただきましたように、ぜひとも交通量削減の取り組みは、夏に限らず継続的に行っていただきたいと思います。
また、ロンドン大会では、自転車通勤の奨励により、交通渋滞を減らす取り組みを行い、結果としてレガシーが残ったということも有名な事例として聞き及んでおります。自転車通勤の奨励を行うなど、大会後にレガシーを残すという観点、視点を持って、交通量削減の取り組みをしていただきたいと思います。
こうした交通量削減の取り組みについては、企業や市民にお願いをするということですが、多くの方に当事者意識を持っていただくためには、企業や市民の方へパブリックコメントを受け付けるという方法も考えられます。
これまでこの問題に関しましてパブリックコメントを受け付けた実績はあるのか、今後、その計画はあるのかについてお伺いをいたします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 交通需要マネジメントについて、物流など大会運営との関係が深い企業や業界団体向けに、大会輸送の検討状況の説明や意見交換などを行ってきているほか、ホームページ上におきましても意見を受け付けているところでございます。
引き続き、大会時においても交通量を抑制しながら事業継続が可能となるように、多くの企業とともに検討を進めてまいります。
さらに、大会の成功に向けまして、交通量抑制の取り組みについて市民の理解が得られるよう、幅広く協力を呼びかけてまいります。
○おときた委員 こうした多くの人の協力が必要不可欠な分野こそ、パブリックコメントになじむものだと考えます。ぜひともホームページ上の意見公募を拡張し、意見公募、あるいはパブリックコメントを生かした取り組みをすることで、効果的な成果を出していただきたいと思います。
企業の協力ということで、報告では、二〇一八年、ことしの夏期にTDMの協力企業の呼びかけを行うということになっておりますが、協力企業の目標数や見通しについてお伺いをいたします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会に向けた、ことしの夏のTDMの取り組みといたしまして、時差出勤やテレワークなど、都や国などで進めている働き方改革関連の取り組みへの参画を呼びかけるほか、経済界とともに、交通量抑制に向けた具体的な取り組み内容を検討するための場を設けることとしております。
引き続き、経済団体などと意見交換を進めながら、幅広く企業の参画を呼びかけることとしており、特に、協力企業の数についての目標数の設定はしておりません。
○おときた委員 今期の呼びかけについては、目標数の設定は残念ながら存在しないとのことですが、二〇二〇年大会での協力企業については、今期の成果も含めて数値目標を設定すべきと考えますが、都の所見をお伺いいたします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 東京二〇二〇大会に向けましては、TDMの理解を得ることがまず重要でございます。TDMの協力企業が数多く集まるよう働きかけを強めていくことは、広くTDMの理解をいただくことの一つと捉えております。
現在、協力企業の数についての数値目標については設定してございませんが、今後、具体的な協力企業を募っていくこととしており、より多くの企業が参画できる方策について、経済団体とも相談してまいります。
○おときた委員 先ほども都市鉱山メダルの件で申し上げましたけれども、大会計画において、進展が不十分であったり、数値目標を初めとした計画がやや粗い面が見受けられます。
本件におきましても、大会成功のために、今年度の企業数がわかり次第、具体的な数値目標を計画として立てていかれることを強く要望いたします。
最後に、共同実施事業に係る経費の確認についての報告に関連して、二つほど質問をさせていただきます。
共同実施事業管理委員会は、コスト管理の強化、執行統制を図るということでございますが、この委員はどのような基準で選定されたものか、まず確認のためにお伺いをいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会の委員につきましては、東京都、国、組織委員会の三者が、おのおの共同実施事業のコスト管理と執行統制の強化を図るため、必要な委員を選定しております。
東京都におきましては、東京二〇二〇大会を所管する副知事、オリンピック・パラリンピック準備局の局長、担当理事のほか、都財政を担う財務局の局長、都の政策の総合調整担う政策企画局の次長をそれぞれ委員として選定いたしました。
国と組織委員会におきましても、共同実施事業のコスト管理と執行統制の強化を図るため、必要な委員を選定しているものと承知しております。
同時に、具体的な案件の経費を確認いたします東京都作業部会につきましては、三者がそれぞれ実務レベルの担当を選任しております。
東京都におきましては、積算基準など、施設整備のコストにつきまして精通した当局の技術職の部課長を含めるなど、案件の確認に必要な知識を持つ委員を中心に選定いたしました。
○おときた委員 本委員会は主に経費の確認をするものであり、委員会の役割として、会計、管理会計の知見を必要とすると思われます。
今後、会計の専門委員や、あるいは会計知識を持つ第三者の視点を検討しているかどうか、これは検討すべきと私は考えますが、都の所見をお伺いいたします。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 組織委員会は、海外市場におけます調達単価や、これまでの大会の取り組み例などに詳しい海外コンサルタントのほか、監査法人など専門的な識見や知見を有する第三者の意見を踏まえて、IOCの提示する要件の見直しも含めたコスト縮減に取り組んでおります。
共同実施事業管理委員会におきましては、こうしたコスト管理の強化などの取り組み状況につきまして、組織委員会から報告を受け、必要に応じて指摘、助言等を行うこととしておりまして、その際に、専門家である第三者の参加を得て意見を伺うこともできることになっております。
今後、具体的な共同実施事業におきまして、技術的な専門性や先進的なコスト縮減手法などが課題となる場合、必要に応じて専門的な識見や参考となる類似の事例などの知見を有する第三者の意見を伺っていきたいと考えております。
○おときた委員 第三者の意見を伺う予定がある、その意思もあるということが確認をできました。
会計の領域も常に進展がある分野であると聞き及んでおります。予算面は都民の関心が最も高い分野ともいえます。ぜひとも、都民、国民のお金が無駄に使われないよう、最先端の知識に基づいた取り組みを進めていただくよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。
○両角委員 私からも、ボランティアに関して、何点か質問をさせていただきたいと思います。
オリンピック・パラリンピックの招致、東京大会が決まって、あのとき全国的に大変盛り上がったのがきのうのことのようでありますが、今、この特別委員会では、だんだんとオペレーションに関する議題、報告事項が多くなってきているな、そんなふうに感じます。
そうした中で、このボランティアに関しては、オリンピック・パラリンピック競技を見るのも一つ、そしてもう一つ、このボランティア参加というのは、都民、国民がオリンピック・パラリンピックにかかわる大変重要な大きな要素である、そのように感じているわけでございます。
そこで、まずはこのボランティアの役割に関して確認をさせていただきたいと思います。
ボランティア要項案が発表されたわけでございますが、このボランティアに参加をしてもらうことによって、参加意識や機運の盛り上げをすると。あるいは、大会運営にかかわる実質的な戦力となるなど、いろいろボランティアに対して求めるものはあると思いますけれども、大会ボランティア、都市ボランティアそれぞれについて、主な役割は何であるのか伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会ボランティアは、競技会場、選手村などの大会関係施設におきまして、観客へのサービス、競技運営のサポート、メディアのサポートなど、大会運営に直接携わる活動を行っていただき、大会を支える重要な役割を担っていただきます。
都市ボランティアは、空港や主要駅、観光地などにおける国内外からの旅行者に対する観光、交通案内や、競技会場、最寄り駅における観客の案内などの活動を行っていただき、観客等をおもてなしの心を持ってお迎えをするとともに、大会を盛り上げる役割を担っていただきます。
○両角委員 大会ボランティアについては、大会を支える重要な役割を担うということで、かなり実質的な役割を担っていくのかなと。一方で、都市ボランティアについては、おもてなしの心を持って大会を盛り上げるということをご答弁いただきましたので、参加をすることによって大会を一緒に盛り上げる役割がメーンなのかなと、そんなふうに理解をさせていただきました。
ところで、このボランティアの問題を考えるに当たって、大会全体の中でどの部分をボランティアさんが担い、あるいはどの部分を直接都や組織委員会が担い、さらには専門的な委託業者等のスタッフが担う部分もあるんであろうと思います。
そこで、この大会全体に関して、組織委員会や都の職員が直接担う部分、委託した民間会社等のスタッフが担う部分、そしてボランティアが担う役割については、どのような整理がされているのかを伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会の運営主体である組織委員会の職員は、大会の準備、運営につきまして、それから大会の開催都市である都の職員は、組織委員会の支援や大会期間中の都市運営等についての企画立案を初めとするさまざまな業務を行うことになります。
大会運営を支える人々のうち、専門性を要する業務や警備などにつきましては、請負事業者のスタッフが対応することになります。
ボランティアは、選手や大会関係者、観客、メディアの案内やサポート等の活動を中心に行っていただくことになります。
○両角委員 やはり、つかさつかさという部分があると思います。まずは、企画立案をしっかりしていただいて、その上で、専門業者をしっかり使うべきは使い、そしてボランティアさんに安心に安全に活動していただく、そういうことを心がけていただきたいと思います。
次に、過去の大会におけるボランティアについて何点か確認をさせていただきたいと思いますが、過去大会でのボランティアの担った役割、実際の参加人数、大会ごとのボランティアの活用の特徴について、さらには、二〇二〇大会のボランティアの特徴を踏まえ、募集人数を大会ボランティア八万人、都市ボランティアを三万人としたことについての考え方を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 過去大会におきまして、大会ボランティアは、会場内における観客の案内や競技運営のサポートなど、大会運営を支える役割を担い、ロンドン大会では七万人、リオ大会では五万人が活動いたしました。
一方、都市ボランティアは、空港、駅、観光地における観光、交通案内等を行い、ロンドン大会では八千人、リオ大会では有償のシティーホストと呼ばれるスタッフ千七百人が活動いたしました。
ボランティア活用の特徴といたしまして、ロンドン大会では、ロンドン市外の競技会場を有する地方都市におきましても、地元自治体が中心となってボランティアを採用し、国内外からの来訪者を迎えております。
一方、リオ大会では、ボランティア活動が十分に浸透していないことから、リオ市はシティーホストを有償で雇用いたしております。
東京二〇二〇大会では、ロンドン、リオ大会を上回る競技数が開催されること、ロンドン、リオ大会のように競技会場が集まるオリンピックパークがないことから、より多くのボランティアが必要となります。
東京二〇二〇大会のボランティアにつきましては、競技種目や会場の決定状況を踏まえ、より多くの方々に参加いただけるよう、組織委員会が募集、運営を行う大会ボランティア八万人、都が募集、運営を行う都市ボランティア三万人としたところでございます。
○両角委員 最初、この八万人とか三万人というのはどういう根拠で積み上げていったのかななんて思ったんですが、過去大会の状況や、あるいは東京大会が置かれた状況を踏まえて、最終的には、できるだけ多くの方々にボランティア参加をしていただきたいというところで、過去最大級のボランティア人数の募集要項案に至ったと、そんなふうに理解をさせていただきました。
そこで、過去の大会というのは大変参考になる点があるんではないかというふうに思いますが、過去のボランティアの状況からはどのようなことを学んで、そして今回のこの要項案、計画に、どのようにその教訓が生かされているのかという点について伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ロンドン大会では、ボランティア活動が社会に浸透していた状況で、積極的な募集PRを行った結果、募集人数の約三倍の応募者を得ており、多くのボランティアを確保するためには、参加機運の醸成や裾野拡大を図りますとともに、十分なPRが重要であるという知見を得ております。
これを踏まえまして、これまでもウエブサイトやシンポジウムを通じ、参加機運の醸成や裾野拡大に努めてきたところでございまして、今後の募集開始に向けましては、イベントの開催や映像、ポスター等を活用した広報など、積極的な取り組みを展開してまいります。
また、リオ大会では、ボランティアの取り組みが計画どおり進まず、研修が十分に行えなかったケースが見受けられました。ボランティアが必要な知識やスキルを習得できるよう、ボランティアの募集、育成は早期から計画的に実施する必要があるという知見を得てございます。
これを踏まえまして、ボランティアの募集要項案では、募集、研修等を早期から計画的に実施できるようスケジュールを設定いたしております。
○両角委員 ロンドンではボランティアが社会に浸透しているという、まさに欧米はボランティア社会でありますので、日本の社会がどうかというと、そこまでボランティアというのは浸透していないということも踏まえて、今、二つのキーワードがございましたが、PRと研修ということに十分力を入れて、ボランティアさんの募集に取り組んでいただきたいと、そんなふうに思います。
続いて、この募集人数、あるいは今話をしました周知、PR、あと、参加条件等について確認をさせていただきたいと思いますが、この募集要項案が発表され、報道されたときにかなり反響があったんではないかと思うんですね。
どういう点かというと、十八歳以上であるとか、あるいは一日八時間とか、十日以上とか五日以上というところが注目をされたように私は感じました。
そこで、大会ボランティアの募集要項案で応募条件として、大会のその時点で十八歳以上、さらに、大会ボランティアについては一日八時間程度、合計十日以上活動が可能な方、都市ボランティアについては一日五時間程度で合計五日以上活動可能な方というのが応募の条件となっているわけでありますが、これはどのような考えでこのような条件設定となったのか伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 年齢につきましては、大会ボランティア、都市ボランティアともに二〇〇二年四月一日以前に生まれた方、すなわち二〇二〇年三月末時点で満十八歳以上の方としており、過去大会を参考にいたしますとともに、早朝の活動や夜遅くまでの活動が生じることから、このような条件といたしております。
次に、活動日数につきましては、大会ボランティアは、ロンドン大会、リオ大会を参考にいたしますとともに、ボランティア活動をするために研修を受けるなどして身につけたスキルを十分に発揮していただくためにも、一定期間ご活躍いただきたいことから、組織委員会において、活動日数を十日間以上、一日八時間程度といたしております。
一方、都市ボランティアは、過去大会を参考にいたしますとともに、週休日等を活用して参加できるよう、オリ・パラ両大会を通算して五日間以上といたしまして、活動時間についても参加しやすさを考慮し、五時間程度といたしたところでございます。
○両角委員 都市ボランティアにつきましては、オリンピックとパラリンピックを通算できるということで、条件が若干緩い形に設定されているのかなと思いますが、今の応募条件というのはかなり厳しいんじゃないかという声は各所で上がっているんではないかと思います。
さらに、過去大会に比べて、合計十一万人という数は最大級の募集数であるということを考えますと、合計十一万人に上るボランティアを確保することは容易ではないというふうに感じるわけでありますが、これだけの数のボランティアを確保できるという見通しがあるのか、またボランティア確保に向けての周知方法を含めた今後の取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 十一万人のボランティアに確実に参加いただけるよう、大会に向けてボランティアの魅力や活動内容、募集に関する情報を知っていただき、参加意欲を高めていくことが重要であると認識いたしております。
これまで都は、ボランティアの魅力を伝えるウエブサイト、東京ボランティアナビにおきまして、過去大会におけるボランティア経験者の体験などを掲載いたしますとともに、組織委員会と共催でボランティアの重要性、やりがいや楽しさなどを伝え、参加機運の醸成を図るシンポジウムを毎年開催してまいりました。
九月からの募集に向けましては、組織委員会と連携いたしまして、大会二年前の時期を捉え、ボランティアのPRを行うイベントの開催や、各種メディアにおける募集映像の放映、主要駅等におけるポスターの展開など、ボランティア募集に向けた広報を組織委員会と引き続き一体的に展開し、多くの方々に参加いただけるよう、積極的な取り組みを進めてまいります。
○両角委員 これだけの数のボランティアの方にかかわっていただけるように応募していただくということは、まず、大会のボランティア、あるいは都市ボランティアという募集があるんだということを大勢の皆さんに認識をしていただくということが一番大きいわけでありますから、今お話をいただいたように、特に組織委員会と一体となってPR活動に力を入れていただきたいと思います。
その上で、私は多摩地域、八王子選出の議員でありますが、八王子には、ご案内のとおり競技会場はありません。多摩地域にも、ごく限られた大会の競技会場しかありません。そういった意味でいえば、ボランティア参加というのが、大会に直接触れ合う大変大きなチャンネルであるというふうに思うわけであります。
先ほど来お話が出ているように、子供たちが、特に中学生、高校生、これに参加をするというのは、将来にわたって心に残る、大変すばらしい経験になるんだろうと思いますが、その件につきましては、先ほど来質問が何件か出ておりますので割愛をいたしますが、先ほどご答弁の中で被災地を含む中高生というお話がございました。ぜひとも被災地の復興ということも、二〇二〇大会の主要なテーマであるということをもう一度心に刻んでいただいて、被災地の中高生が本当にかかわれるように、しっかり具体的な案を考えていただきたいと思います。
一方で、私、朝、駅なんかで立っていると、サラリーマンの方がいっぱい通勤していかれるわけですね。再来年の夏の七月、八月、オリンピックやパラリンピックの開催時期も、会社は一斉休みというわけでもないでしょうから、多くの方が通勤をされている。
しかし、この世界的な大イベント、スポーツイベントを日本で、東京で開催をされている中で、やはりサラリーマンの方もボランティア参加したいなという気持ちを持っている方は大勢いらっしゃると思います。
しかし、今の参加条件というのは大変厳しいなというのは、先ほど来、私の耳にも届いているところです。限られた一定の期間の中で、特に大会ボランティアについてはオリとパラが別々でありますから、それぞれの期間内にほぼ十日休みをとるというのは非常に困難ではないかなと思います。土日含めて十日というのもなかなか厳しい、例えば通勤者、サラリーマンの方でいえば、土日とあとウイークデーで三日ぐらい休みをとれるかなという方はいらっしゃると思うんです。
そこで、大会ボランティアの役割というか職種を見ると、非常に多岐にわたっています。いろんな役割があると。ご自身の特性に応じて職種というか、かなりいろいろあるわけですね。ですから、例えばここにあるのはアテンドとか、運営サポート、ヘルスケア、メディア、式典。それぞれ一律に全部十日というふうにすると、それもちょっと機械的ではないかなというふうに思うわけでございます。
そこで、先ほど来出ていますが、ちょっと切り口としては、活動分野に応じて柔軟な、もう少し通勤者の方もボランティアの応募がしやすいような条件緩和をすべきだというふうに思うんですが、その見解を伺いたいと思います。
一方で、関東圏以外の方は、これは全国からボランティア参加を求めるわけでありますから、宿泊の手当てなど、ハードルが非常に高いと思います。そこら辺も含めて、サラリーマンの方がボランティア参加をしやすいことに対する見解を伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアの募集につきましては、働く世代や子育て世代を含め、多様な人々が応募し、活躍できるようにすることが重要でございます。
一方、ご指摘のように、大会ボランティアの応募条件に対し、さまざまなご意見があることは承知いたしております。
大会ボランティアの活動日数につきましては、ロンドン大会、リオ大会を参考にするとともに、ボランティア活動をするために研修を受けるなどして身につけたスキルを十分に発揮するためにも、一定期間ご活躍いただきたいことから、組織委員会において活動日数を十日間以上、一日八時間程度としております。
現在、組織委員会では、有識者等の意見も聞きながら、募集要項案について議論を行っており、都といたしましてもオブザーバーとして参加をいたしております。委員ご指摘の点も含め、ボランティアにつきましては課題があることから、その確保に支障が生じないよう、組織委員会と協力して取り組んでまいります。
なお、宿泊につきましては、過去大会の状況も踏まえまして、自己負担、自己手配をお願いしているところでございますが、遠方からお越しになるボランティアのため、都と組織委員会で連携し、多様な宿泊施設の情報提供について検討してまいります。
○両角委員 せっかくこの東京都議会にこういう特別委員会が設けられて、大会運営のボランティアの関係については組織委員会マターですよね、しかし、それもテーマとして議論が行われているわけでございます。
今、オブザーバーとして参加をしているんで、この間、五月二十九日に、ボランティアのための組織委員会の分科会が開かれるというような発表もあったようでありますが、ここで、ただいいっ放し、聞きっ放しということでも何ら進展がございませんので、この委員会で出た意見等をしっかりと伝えていただいて、できるだけ職種に応じた柔軟なボランティア参加のあり方というのを募集要項の中に反映させていただきたいなというふうに要望させていただきたいと思います。
次に、ダイバーシティーの観点で伺いたいと思います。
東京都も、三つの柱の一つに、今ダイバーシティーということをうたっているわけでありますけれども、ダイバーシティーの観点からは、ハンディキャップをお持ちの方がその状況に応じてボランティア参加ができるということが重要だと思うんです。ハンディキャップのある方をサポートするということではなくて、ハンディキャップのある方がボランティアするということに対する見解を伺います。
あわせて、ハンディキャップのある方々のボランティア参加への具体的な対応について伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会では、都民一人一人が大会の担い手であると実感し、大会をより身近に感じられるよう、障害の有無などにかかわらず、多くの都民がボランティアとして大会を支える取り組みが重要でございます。
これまで都は、ボランティアの魅力を伝えるウエブサイト、東京ボランティアナビを通じて、障害者のボランティア活動の事例や活動機会を発信してまいりました。障害者のボランティアへの参加促進に向けまして、活動に当たって配慮や支援を要する内容を申し込み時に把握し、それぞれの状況に応じた適切な配置を実施してまいります。
あわせて、都が運営する都市ボランティアにおきましては、障害のある方が不安なく参加できるよう、介助者などとグループで応募できる仕組みを構築してまいります。
東京二〇二〇大会に向け、障害者が参加しやすい環境を整え、障害のある都民もボランティアに参加し、多様な活動ができるよう取り組んでまいります。
○両角委員 障害者の方のボランティア参加については、かなりしっかりした検討がなされているんだなというふうに思っておりますので、さらにこの検討を具体化していっていただきたいと思います。
次に、研修等について伺いたいと思いますが、東京二〇二〇大会のときには、まさに全国、全世界から大勢の方がこの東京を訪れるわけでございます。
今、インバウンドも四千万になろうと、目標ということでございますけれど、その中で、多くの方の中に大変多くのムスリムの来訪者も予想されると思います。そうした中で、宗教理解や地域の歴史の理解、さらには緊急時対応など、必要な知識を事前に得ておくべきではないかなというふうに考えるわけでありますが、事前研修の期間と内容について伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアには、国内外から訪れる多くの選手、観客に対し、文化や宗教等の多様性を踏まえ、適切な案内を行うことに加え、事故や火災等の不測の事態が発生した際、速やかな通報など、状況に応じた適切な対応を行っていただく必要がございます。
そのため、都と組織委員会は、来年十月より、ボランティア全員が受講する共通研修等におきまして、多様性の理解を深めるためのダイバーシティー研修や、緊急時の連絡方法やAEDの使用方法を初めとする初動対応を習得できる研修などの実施を検討いたしております。
また、二〇二〇年六月より実施するボランティアの役割別、配置場所別研修におきましても、ボランティアの役割により、多様性を踏まえた案内方法や、医務室との連携方法等を習得していただくことを検討してまいります。
○両角委員 ダイバーシティー研修や初動対応研修ということを今検討していただいているということでございますので、しっかりとそこら辺の対応ができるように進めていただきたいというふうに思います。
今、世界の各国から、まさに宗教も、言語も、習慣も、文化も、さまざまな方がこの東京に集まってくるというお話をしました。一番わかりやすいのは言語でございます。全く通じないとかいう局面が出てくるわけでありますから。言語については、世界的な国際語である英語だけではなくて、もちろん中国語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語とか、かなり世界で多く話されている言語、それ以外の言語の方もいっぱいいらっしゃると思います。
ですので、先ほどの質問等々で出ていますけれど、過去、平昌等でもちょっと言語の案内が弱かったよとか、そういう経験を語られている方がいらっしゃいましたけれど、まさにボランティアをやられる方も、直接そういう諸外国の方に第一線で当たられるということでございますので、そこで私は、今日本のITの技術をしっかり活用していくべきだ。今、自動翻訳機とか、自動翻訳ソフトというのがどうもネットとか、いろんな広告を見ると、非常に優秀になっているようでありまして、例えば七カ国語対応で、イヤホンをつけて同時通訳的なことができるとか、あるいは、小さい機器でそれぞれが違う言語で話したことを逐次翻訳をするというような機械が大変普及をして、どうもこれがかなり使えるというような口コミになっているわけでございます。しかも、これはまだ大会まで二年あるわけでありますから、さらに磨きがかかって、もっといいソフトなりができていくだろうというふうに思います。
そこで、大会期間中に世界中からさまざまな言語、宗教、習慣の人々が東京を訪れるわけでありますから、今お話をしたような多言語の相互翻訳ソフトの能力が非常に向上している、実用が高まっているという中で、ボランティアの活動においても、この自動翻訳機や自動翻訳ソフトを積極的に有効活用していくべきと思いますが、所見を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会におきましては、世界中から訪れる選手や観客を初めとする多くの来場者に対し、ボランティアがICTを効果的に活用しながら、多言語で適切な案内を行い、国内外からの大会関係者や旅行者にスムーズに対応することが重要でございます。
都は、都市ボランティアの活動拠点それぞれの状況やニーズを踏まえまして、外国語のスキルを有する人の適切な配置を行うほか、各ボランティアが対応可能な言語を観客等にわかりやすく表示する方法を検討してまいりますが、加えまして、多言語に対応した大会関連情報アプリ開発の検討や、地図やガイドブックなど、配布資料の多言語対応についても検討することはもちろん、音声翻訳アプリの活用を図ることにより、ボランティアによる案内をより効果的に実施できるよう取り組んでまいります。
○両角委員 今、ご答弁の中で音声翻訳アプリの積極的活用というお話もございました。このことは実は、ほかの国から見て日本はIT先進国、あるいは技術立国、そういうイメージにも資するんではないかと思いますし、実際有効だと思いますので、ぜひとも活用を図っていただきたいと思います。
次に、ラグビーワールドカップについて伺いたいと思います。
ラグビーワールドカップのボランティアさんについては、もうこの大会自体が二〇一九、来年でございますので、今まさにボランティア募集の最中でございます。大会自体は来年の九月二十日から十一月二日ということでありますが、こうした中で、全国十二会場で行われるラグビーワールドカップ、その中の東京会場については、おおむね三千人のボランティアの方に活動していただくという計画になっているわけでありますが、先ほどお話をさせていただいたように、四月二十三日からもうラグビーのボランティアさんについては募集が始まっています。ちょうど一カ月がたったところであります。
七月十八日までのほぼ三カ月間にわたって、このボランティア募集が今まさに行われているということでありますが、この応募状況等は、オリンピック・パラリンピックのボランティアさんの応募を見る試金石になるかもしれない、そのように考えます。
そこで、来年に迫ったラグビーワールドカップ、既にボランティア募集が始まっているわけでありますが、現時点での応募状況を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会によりますと、五月二十三日時点の東京会場における応募者数は五千四百二十六名となってございます。
○両角委員 ラグビーワールドカップの東京会場のボランティアさん、昨日時点で五千四百二十六人応募が来ているというお話でございました。これは、三千人活動していただくうちの千人程度については、東京都の観光ボランティア等々の方から推薦をするということでありますので、公募をかける二千人に対して五千四百二十六人。
要は、今、ボランティアの募集期間の三分の一の期間です。だから、まだあと二カ月ある中で、一カ月で募集人員の二・五倍の方が応募してきているというのがラグビーワールドカップの状況でありまして、これを伺ったときにちょっと驚いたんですね。これだけボランティアをやってみたいという方がいらっしゃるんだな。
ただ、ラグビーワールドカップの東京会場の場合は、やっていただく最低の期間が五日間ですよと、条件がちょっと緩いというところがありますから、こういった条件も、先ほど来お話をしているように、オリンピック・パラリンピックもこういうラグビーのワールドカップの応募状況を見れば、大勢来ていただけるのかもしれないけれど、それはやっぱり参加条件にもよるのかなということなので、ここはもう一度再検討をしていただきたいとは思います。
それで、ラグビーワールドカップについては、東京都は、東京都観光ボランティア、あるいはVOLUNTAINERから組織委員会に千人程度を推薦するということ、別枠で千人推薦するということなんですが、現在の推薦希望者数と今後の予定について伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 今月二十三日の時点で、東京都観光ボランティア及び東京マラソン財団オフィシャルボランティアクラブVOLUNTAINERのうち二千五十九人の方々より推薦の希望を受けてございます。
都は今後、希望のあった方々のうち千人を、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会に推薦する予定でございます。
○両角委員 こちらの推薦枠も千人に対して、まだ始まって一カ月でというか、今現在で二千人以上推薦希望があるということで、二倍以上の方が来られているということは、大変ありがたいことではないかなというふうに感じております。
ですから、多分、ボランティア希望というのは潜在的には非常に多いんじゃないかなというふうに感じますので、それをしっかり受けとめられるような、やっぱり条件整備というか、オリンピック・パラリンピックについても必要なんだなということを改めて感じたところでございます。
次、最後の質問ということになりますが、我々の会派はもともと、ラグビーワールドカップの知見や経験をしっかりと次のオリンピックに生かしていくべきだということを主張しているわけでございますが、このボランティア活用についても、ラグビーワールドカップでの経験というのは、翌年の二〇二〇大会に大きく生かすことができると思います。
ボランティアを含め、ラグビーワールドカップでの経験をどのように二〇二〇大会に生かしていくのかということを、局長の決意を伺わせていただきたいと思います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 都は、ラグビーワールドカップ二〇一九と、翌年に開催されます東京二〇二〇大会を一体のものとして捉え、現在、着実に準備を進めておりまして、二〇一九年大会で得た経験、ノウハウをしっかりと東京二〇二〇大会に生かしていくことが重要でございます。大会運営を支え、観客の案内等を行いますボランティアは、両大会共通の課題として取り組みを進めてまいります。
二〇一九年大会時に東京会場で活動した三千人のボランティアの皆さんには、例えば二〇二〇年に都市ボランティアのリーダーとして活躍をいただくことや、経験、ノウハウを他のボランティアと共有していただきまして、全体のレベルアップを図っていただくことを期待しております。
また、研修の成果やボランティアの配置、活動状況など、運営状況を検証いたしまして、東京二〇二〇大会の都市ボランティアの効果的な運用に生かしてまいります。
ボランティアのほかにも、治安対策、サイバーセキュリティーなど、安全・安心への取り組みや、鉄道やシャトルバスを活用した観客輸送など、ラグビーワールドカップ二〇一九からは貴重な経験、ノウハウを得られることが見込まれます。
そうしたことから、それらをしっかりと検証しまして、二〇二〇大会で十分に活用していくことで、両大会を成功に導いていくよう全力で取り組んでまいります。
○栗林委員 それでは、私の方からは、持続可能性に配慮した運営計画案について、三点質問させていただきます。
持続可能性に配慮した運営計画は、東京大会が持続可能な開発に貢献するために組織委員会が策定したもので、運営計画の五つの主要テーマとSDGsのかかわりを明確にしています。
SDGsは持続可能な開発目標の略でありますけれども、二〇一五年九月の国連総会において採択され、持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダにおいて記載された二〇一六年から二〇三〇年までの国際目標でございます。
これは、環境問題とか、やはり貧困、格差拡大など、この課題を放置すれば経済成長は続かず、健全な社会を築くことができないというこうした問題意識から、持続可能な社会に向けて取り組みを強めていこうという動きが世界共通認識でスタートしたところでございます。
これは、誰一人取り残さないということから、多様性と包摂性のある社会の実現に向けた十七のゴールと、それらを達成するための百六十九のターゲットから構成されています。
そこで、初めに、この五つの主要テーマを決めるに当たって、どのような観点で選定されたのか伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 五つの主要テーマは、環境、社会、経済の側面に統合的に取り組むことが必要であるという視点で、このうち、まず環境の領域につきましては、東京二〇二〇大会による環境への影響と社会的要請を考慮し、気候変動、資源管理、大気・水・緑・生物多様性等の三つのテーマを掲げました。
次に、社会、経済の領域につきましては、オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、人権の尊重、特にダイバーシティー・アンド・インクルージョンの進歩のための大きな機会であることを考慮し、人権・労働、公正な事業慣行等への配慮を四つ目のテーマとして掲げております。
さらに、東京二〇二〇大会を成功へと導くためには、さまざまな主体間のパートナーシップが必要であるため、五つ目のテーマとして、参加・協働、情報発信(エンゲージメント)を掲げております。
○栗林委員 それでは、この五つの主要テーマやその取り組みとSDGsの関係性はどのようになっていますか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会の持続可能性の取り組みは、SDGsの諸目標と全てにおいて一致するわけではありませんが、幅広くかかわることから、運営計画では、大会開催を通じてSDGsにどのように貢献しようとしているのかを示しております。
例えば、気候変動の分野におきましては、東京二〇二〇大会では、既存競技会場や公共交通網を最大限活用する戦略的な会場計画としておりますが、これはSDGsの目標である持続可能な都市、持続可能な消費と生産、気候変動などに大きくかかわるものでございます。
また、資源管理の分野におきましては、大会の準備、運営のあらゆる側面において、資源を無駄にせず、調達から廃棄までのライフサイクルの視点での資源の循環的利用の推進を図る取り組みは、SDGsの持続可能な消費と生産の示す取り組み目標に合致するものでございます。
○栗林委員 今回配布していただいた資料の参考資料1の方には、五ページになりますけれども、運営計画の五つの主要テーマとSDGsの目標等との関連ということで、かかわり合いの例が出されています。
そこに一から十七のSDGsの項目を振り分けて、これは二番、三番、六番、九番とか、大変わかりやすく振り分けてはいただいているんですが、やはり、より以上、もっと明確にしていかなくてはならないのかなと思います。
実は、世界的にこのSDGsの達成状況を調査されたドイツのベルテルスマン財団、ドイツ最大の財団だそうでございますけれども、ここが世界で初めて各国のSDGsの達成状況を報告されています。
その中で、百五十七カ国中、日本は十一位ということで、十七の目標に対して日本が達成しているのは三目標、質の高い教育、安全な水とトイレ、産業と技術革新の基盤ということで、未達成は七目標、貧困、ジェンダー平等、クリーンエネルギー等々ということで報告があります。
やはり具体的に今力を入れていかなければならないことが何かということも出ている状況でございますので、こういう目標との関連、大会におけるSDGsのかかわりということをより明確にすることは大変重要だと思います。
例えば、この五ページの中で、私、関心があるのが人権・労働、公正な事業慣行等への配慮というところ。これは一、四、五、八、十七と十一項目ぐらい振り分けて、一番は貧困をなくそう、四番は質の高い教育をみんなに、五番はジェンダー平等を実現しよう等々、十一の項目をここで振り分けているわけでございますけれども、特に人権・労働、公正な事業慣行等への配慮については、具体的にどのように展開していくのか伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 運営計画では、オリンピック憲章の理念のもと、大会にかかわる全ての人々の人権を尊重するため、大会準備のあらゆる分野において多様性の確保等に努めるとともに、人権への負の影響の防止または軽減する大会となるよう努めることとしております。
具体的には、人権を尊重した取り組みの実践に向けた職員への研修機会の提供や、二〇一七年三月に策定、公表したTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインをもとに、大会会場等の施設整備や大会スタッフ、ボランティアを初めとした関係者のトレーニング等を推進してまいります。
また、組織委員会が調達する物品、サービス等につきましては、サプライヤー等に人権尊重や公正な事業慣行を含め、持続可能性に適切に配慮するよう求めるため、持続可能性に配慮した調達コードを策定しております。
さらに、調達コードの不遵守に関する通報受け付け、解決に向けて対応するための通報受け付け窓口を設けるなど、人権、労働等を尊重した取り組みを推進することといたしております。
○栗林委員 二〇二〇年大会、こうしたSDGsと運営計画との関連性ということで、目標を明確にしたわけでございますので、次の調査のときには、日本が、東京がランクアップするような、やはり具体的な挑戦が必要ではないかと思います。
ちなみに、この調査結果で、一番、二番、三番、四番ぐらいまでは北欧が入っておりまして、G7ではドイツとイギリスだけがトップテン入りということで、ここを目標にしながらも、今回がチャンスではないかと思います。
やはり東京都の総務局の人権部でも、多様性と調和の実現を目指して、オリンピック・パラリンピックと人権という、こういう冊子も出ております。やっぱり人権の意識がまだまだ高いとはいえません。
そういったところで、女性、ジェンダーの平等とか、またLGBTとか、障害があるなしとか、そういった偏見とか差別をなくして、一人一人が自分らしく輝いていける、この実現がここにかかっているのではないかと思います。
世界的にも、世界人権宣言が国連が創設されて三年後に採択されて、ちょうどことしが七十周年だそうでございます。そういったことも考えましても、この東京大会が、人権の意識がさらに高まった大会というふうに、ぜひ目指していただきたいと思います。
先ほどご意見もございましたけれども、私もこの調査報告書、大分厚くて、本当によくここまで細かくというぐらい調査をされて、まとまってはいるんですが、大変読みにくいですね。最後まで読もうというか、ちょっと深掘りしてとかというところはなかなか行かない。概要版の方を熟読したわけでございますけれども、やはりとっても大事なテーマなので、子供にもわかるような、お子様にも、小学校、中学校、高校生、若い方たちにもわかるような、そういったものをぜひこれからつくっていっていただきたいなと思います。
この報告は二〇一九年、来年ももう一度進捗状況を発表するというふうになっているかと思いますので、やっぱりそういった改善もしながら、SDGsが突破口となって、東京が誇れる取り組みを期待いたしまして、質問を終わります。
○川松委員 私からは、輸送の検討状況とラグビーワールドカップの五百日前イベントについて幾つか質問させていただきますが、その前にちょっと、ボランティアのことでいろんな議論が出ているわけでございますけれども、二〇二〇年に向けて大会ボランティア、都市ボランティアの募集がもう目の前にありますけれども、ボランティアという言葉の響きから、都民の皆さん、あるいは日本国中の皆さんがどう感じるのかということを整理しておく必要があるんじゃないかなと思います。
年齢制限があるとか、時間の要件があるとかありますけれども、多分、日本人にとってのボランティアを募集しますといったときの幅はかなり広いと思うんです。この状況の中で、小池知事もおっしゃっていますが、ボランティアの皆さんの協力なくして二〇二〇年大会の成功はないわけで、そして二〇二〇年大会に向けて手を挙げて、ボランティアについていただいた皆さんがやってみて、あれっ、思っていたのと違うなということになっては元も子もないわけです。しっかりと二〇二〇年、これは成功させるために多くの人たちを募集するわけですから、東京大会があってこそ、この東京で築かれたボランティアの概念、価値観みたいなレガシーをきっちりと残していけるような取り組みをしていただきたいなと、ここまでの議論を聞いていて思いました。
さて、輸送の問題に参りますけれども、とにかく私たちは何度も、ボランティアの皆さん方の協力と同様に、交通輸送の成功こそが二〇二〇年大会の大成功の大きなキーになるということを話してきたわけです。そこで、都内の交通需要の抑制をしていくんだというような一つの方向性が今、検討状況の中で東京都から出てきているわけですけれども、TDMの考え方、これ、責任主体は東京都であるのかどうかという議論があるわけです。
しっかりとここで、東京都はどのように交通需要の抑制を認識されているのか、考え方を聞かせていただきたいと思います。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時には、選手などの関係者や観客などの移動で、何も交通対策を行わなければ、道路や鉄道で激しい渋滞や混雑が予測されております。
このため、大会時の円滑な輸送の実現と都市活動との両立を図る上では、交通需要の発生の抑制や分散を促す交通需要マネジメント、TDMの取り組みが必要不可欠でございます。
都は、開催都市として、東京圏のTDMの推進の重要性を認識しており、組織委員会や関係省庁と一層の連携を図り、経済界のご協力も得ながら、積極的に取り組んでまいります。
○川松委員 東京都はどのような認識かという中において、やはり東京都は開催都市であります。そもそも、一都市一開催という原理原則のもとに東京都は手を挙げて開催都市になりました。ここまでのいろんな経緯の中で、東京都以外の開催自治体が出てきたことはありますけれども、やっぱり都が責任主体として交通のマネジメントもしていかなければならない。
TDMというのは今のお話でも東京圏と答弁がありましたが、首都圏を中心にやるばかりか、全国の皆さんを対象に協力を呼びかけるTDMの考え方もあると思います。
一方で、競技会場周辺など、狭いエリアに基づくエリアマネジメント、ここで交通規制をどうかけていこうか、道路の運用をしていこうか、地元の商売の皆さん方に影響が出ないように最小限にするためには、どうやって町会、自治会の皆さんと声をかけ合っていくかというようなTDMもあるんじゃないかなと思うんですね。
もちろん今の検討状況の中で、各会場のあり方と方向性というのは出てきていますけれども、例えば新国立競技場でいえば、新国立競技場にかかわる地元区というのは一つではないわけで、複数にかかわってくる。地元の三区の皆さん方とどう協力していくかなどといった細かい、本当に狭い狭いエリアマネジメントとしてのTDMは、今回進めていくに当たっては物すごく大変で、しかも東京都がそここそ主体的に動いていかないと、成功できないんじゃないかなと思っています。
実際、個別のTDMについてどのように都は進めていくつもりなのか、考え方を教えてください。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 本年四月十二日の輸送連絡調整会議におきまして、関係者が使用するルートであるオリンピックルートネットワークと、観客の利用想定域、また、駅から競技会場まで観客をご案内するルートについて公表いたしたところでございます。
こうしたルート上の交通規制など、運用手法につきましては、大会時の交通状況を想定して、大会組織委員会とともに警視庁と協議を進めているところでございます。
現在、この協議が調う前ではございますが、公表したルートなどをもって、競技会場周辺の地元区市などと意見交換を進めております。
今後、道路の交通運用や競技スケジュールなどの決定状況なども踏まえ、継続的にこうした調整を進め、地元の協力も得ながら、競技会場周辺のTDMについても推進してまいります。
○川松委員 当然各競技会場は、さまざまな競技の催し物だったり、コンサートだったり、やられている中で、多くの人が集まっている経験はしておりますが、やはりオリンピックの競技会場となると、エリア全体の交通の動かし方と同時に、セキュリティーのマネジメントもしていかなきゃいけない中で、地元の皆さんの協力をどう得ていくかというのが課題になると思います。
ぜひ、今もう既に進められているということですけれども、そこはより関係性が濃くなるように進めていただくことを要望しておきます。
以前からこの委員会でも私は指摘をしておりますが、環状二号線が本来、立候補のときに、トンネルが開通して、多くの選手や大会関係者の皆さんの輸送の一つの柱として使うべきだったけれども、それが間に合わなくなった。そのことによって、今、選手の輸送は首都高速道路などを使うというような話が出てきているんですが、例えば二〇二〇年の七月の開会式のとき、ちょっとこの一点が一番激しいと思うんで考えますけれども、そのときに選手を主に首都高速道路で輸送するのはわかりました。
恐らくですが、まだわかりませんけれども、想定の範囲内でいくと、そこに世界中からVIPのさらに上、VVIPといわれる皆さん方が新国立競技場にそれぞれの空港なりから集まってくるんだろうと思います。
現在においても、もちろん首都高速道路を使ってVVIPの皆さんを輸送するオペレーションというのはありますが、入り口、出口の考え方ではなくて、そのときに、場合によっては首都高速道路をとめるというVVIPの皆さんの来日もあるかもしれません。そこに選手の輸送があったときに、これはかなり大変なオペレーションになろうかと思います。
ですので、私とすれば、既にもうやられていると思いますけれども、東京都、首都高速道路、そして警察関係、あるいは国と、こういったあたりの議論もされているのかどうかというのが気になるところなんですが、都の所見をお伺いします。
○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 リオ大会や平昌大会などにおきましても、要人輸送やIOC役員などの輸送につきましては、大会組織委員会を中心に、関連する部署や関係機関との連携が非常に重要であったと報告されております。
このため、東京大会におきましても、可能な限り警視庁などの関係機関と連携を図り、組織委員会とともに大会輸送に支障のないように取り組んでまいります。
○川松委員 これは個別具体例のことをいっているので、まだ想定の中かもしれませんが、ぜひ詰めていただきたいんですね。
先ほども僕、ボランティアの幅の考え方、レガシーで価値観を築き上げていきましょうといいましたが、ここも一緒だと思うんです。というのは、ただでさえ今の東京で走っている人たちは、我急いでとにかく目的地に着こうという方が多い中で、オリンピックのために多くの車が入ってくる、あるいは選手の輸送が入ってきて、VVIPの動線なんかができてくると、何であの人たちだけそうやって行かせるんだというような考え方が出てくるのが今の東京です。
でも、実際にはVVIPの動線をつくって、世界中の多くのイベントをやっていますけれども、そんなに慌てて怒ったりする人たちがいないのが世界中のイベントです。その感覚でオリンピックに参加される方は来られるわけですから、こちらも交通需要の問題もそうですし、輸送のオペレーションもそうですが、実は、自分が急ごうと思って急ぐ人がいっぱい殺到すると、車が詰まっちゃって、結局行く時間がかかっちゃうというようなことがあるので、みんなで協力し合うことが本当に充実した交通オペレーションになるんだというような--今後、いろんな競技会場をレガシーで後利用しようとしたときに、僕らは例えば有明アリーナは東京のマディソン・スクエア・ガーデンにしようといっているわけですから、そこに物すごいVIPが来る可能性があるわけです。
そういうことにつなげていくように、交通輸送の価値観というものもこの二〇二〇年でみんなで築き上げて、東京がさらに発展していく一つのキーファクターになるように、ぜひ引き続きこの特別委員会でも議論させていただきたいなと思いますので、要望をしておきます。
さて、ラグビーワールドカップの五百日前イベントに行きますが、この連休が明けた五月八日で実際には五百日を迎えて、もういよいよここから加速していかなければいけないということになりました。
二〇〇九年に大会の招致が決まってから、これはアジアで初めて開催される大会として、多くの人たちの協力を得て、そして準備を進めてきた。まさにこれ、一生に一度というそのスローガンどおりの国際的なスポーツイベントなんですが、残念ながら、なかなか関係する人以外には、ラグビーのワールドカップが来年の九月に開幕するということ、十一月に決勝戦が行われるということが知られていないのが現状なんじゃないかなと思っています。
残された期間を有効に使って大会の盛り上げを図っていく。その中で五百日前イベントを、今回東京都がお金を使って開かれたというのはいいことだと思いますけれども、実際に秩父宮ラグビー場で開かれた五百日前イベントの目的は何だったのか、改めて教えてください。
○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 都は、ラグビーワールドカップの成功に向け、大会の機運を醸成するため、さまざまな機会を捉え、大会のPRに努めてございます。
今回、大会五百日前という節目を迎えたことから、この機会に、より多くの都民に大会を知ってもらい、興味を持ってもらうことを目的に、イベントを実施したものでございます。
実施に当たっては、ラグビーの聖地ともいわれている秩父宮ラグビー場において行われる大学生の試合に合わせて開催することにより、観戦に訪れたラグビーファンにアピールするとともに、メディアによる報道やSNSなどを通じて、広くPRできるように努めたところでございます。
○川松委員 多くの都民の皆様に大会を知っていただくということで、五百日前のイベントをこの節目のタイミングを使って打たれたことに対してはマイナスはないと思います。効果的、プラスだったと。
ただ、当日、秩父宮ラグビー場では、関東大学の東海大学と明治大学の試合が組まれていて、その後に、関東学生代表とニュージーランド学生代表の試合が組まれていたわけです。
そこに、その間の十五分間程度の短い時間だったかもしれませんが、前後のゲームに関係なく、突然その五百日前イベントが出てきて、都知事がたくさんお話をされて、来られたゲストの皆さんは一言ずつで除幕をするというのが、一つの流れとして、このイベントが成功だったのか。ポイントだけ見れば、報道もされたかもしれません。今いったように、ラグビーの聖地で五百日前イベントをやることに意味があったかもしれませんよ。でも、そもそも人がいるところに集まってきて、ただやっただけじゃないかというのが僕の印象なんです。
実際、全国のいろんな会場の五百日前イベントを見ると、ラグビーにふだん余り接していない人たちに向けてのイベントが多かったんです。最初にいったように、ラグビー関係者とか大会関係者、開催自治体関係者は、来年ワールドカップがあることをみんな知っているんです。でも、全くそこに接したことのない生活をしている人たちにとっては、いわれてみて、あっ、来年ワールドカップがあるんだというのを知るわけですね。
僕は、結構いろんな地方のイベントをチェックしていたんですが、やっぱりいろんなショッピングモールみたいなところで五百日前イベントをやって、多くの人たちを集めたりとか、例えばオフィシャルスポンサーがやった五百日前イベントは丸ビルでやったりとか、どんどんどんどん知らない人たちにSNSで発信をしてもらうような取り組みもあったので、僕はこの間の五月六日がだめだったといっているんじゃなくて、長いスパンで大会を盛り上げるために、皆さん方はイベントとして会社と契約をされたわけですから、次に向けては中身をもっとおもしろくさせて、多くの人たちが参加していくような企画をぜひ会社に要望してほしいんですね。
ニュージーランド学生代表が今回秩父宮で試合をしたわけですが、その前に関西で試合をしてきました。関西では、ラグビーをこの機会に知ってもらおうと思って、ニュージーランド学生代表を下鴨神社というところにお連れして、下鴨神社でハカをやってもらったわけです。
そうしたら、そこにいた観光客の皆さんは、一体何が起きているんだろうと思って、それを写真に撮ってばんばんばんばん発信していったことで、ニュージーランド学生代表はすごいな、ラグビーはすごいなと広がったのが関西でもありました。
ですから、こういうふうなことをやっていただきたいなと要望しておきますけれども、そもそも五月六日のこのイベントというのは、事業の目標値をどのように設定して、そして迎えたんでしょうか。ここがちょっとポイントだと思うんで教えてください。
○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 試合観戦の予測来場者数は、試合を主催する関東ラグビーフットボール協会によりますと、当初、四千人程度ということでございました。
このため、イベントの実施により、四千人を上回る来場者にPRすることを目指していたものでございます。
また、会場に訪れることができない方に対してもPRすることを目的に、当局のフェイスブックやツイッターなど、SNSを通じた五百日前イベントの動画配信を行うこととし、来場見込みと同規模の四千人以上の視聴を目標といたしたところでございます。
これに加えまして、より多くのメディアに取り上げてもらうことにより、さらに多くの方々にPRすることを目指してイベントを実施したところでございます。
○川松委員 では、その基準に照らして、今回の五月六日を東京都はどのように評価されているんでしょうか。
○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 イベントには、二〇一五年大会で活躍した五郎丸選手などにも出演していただくとともに、大会公式マスコットのレンジーも登場するなど、会場を盛り上げていただきました。
今回のイベントでは五千八百人を超える来場者に加え、SNSを通じた動画配信では四千三百件以上の視聴があり、合わせて一万人以上の方々にイベントを見ていただいたことになってございます。
この様子はテレビ九件、新聞十件、ウエブ媒体百四十七件など、多くのメディアでも取り上げられ、本イベントの目的である多くの方々へのPRとして効果があったものと考えてございます。
また、今回の来場者の多くは熱心なラグビーファンであるため、ラグビーワールドカップへの観戦が期待できるとともに、各人による家庭や学校、職場での発信も期待できるものと考えてございます。
○川松委員 ありがとうございます。大会の公式のイベントとして五百日前をやられた。ただ一点、このイベントがあったから秩父宮ラグビー場に足を運んだ人は余りいなかったと思います。僕はそういう仕掛けをしてほしかったんです。
別にマイナスだったといっているんじゃなくて、プラスだったんでしょうけれども、次に向けての課題として問題提起をしておきますが、やはり同じ日に、例えば都民大会の開会式があって、そっちは少なくともラグビー以外のスポーツをやられる方がたくさん集まっていて、そこで五百日前がありますよというPRも一つの方法だったんじゃないかなと思うんですよね。
五百日前ぴったりかどうかということは別としても、ワールドカップがあるということは秩父宮に来た四千人の方は知っていたと思います。でも、都民大会の開会式だったら、ほとんどの方が知らない中で行って、ああ、そうなのかと思うこともあったんじゃないかなというふうに、ふと頭をよぎりましたので、いっておきます。
いずれにしましても、ここからもうみんなで力を合わせて、開会式、開幕戦を行う来年九月二十日の東京スタジアムに観客を集め、そして多くの取り巻く皆さん方と一つになって大会を迎えなければいけないんですが、今後、報告によりますと、パブリックビューイングや、次は一年前イベントを予定されているということでございますけれども、どのように取り組んでいくのか、考え方を教えてください。
○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 六月に秋葉原と調布の二カ所で予定しておりますパブリックビューイングは、天候なども考慮し、屋内の快適な環境で観戦できるようにいたしました。
また、人気タレントや元ラグビー日本代表による解説を交えたトークショーでラグビーの魅力をわかりやすく伝えるとともに、テストマッチの対戦国であるイタリアやジョージアの紹介コーナーや料理をそろえた飲食コーナーなどを企画しているところでございます。
今後は、さらに企画内容を詰めるとともに、その後の一年前イベントなど、さまざまな機会を最大限に活用し、ラグビーファンも、ラグビーになじみの少ない人も含め、より多くの都民に大会に関心を持ってもらえるよう、組織委員会、都内区市町村などと連携し、取り組んでまいります。
○川松委員 ぜひ、ラグビーファンだけでなく、より多くの人にラグビーの魅力を知ってもらうように、このイベントをどんどん成功させていただきたいと思います。
特にことしの秋は、東京スタジアムにおいてニュージーランド代表のゲームを控えているわけですから、ここは一つの、さらに火をつけていく起爆剤になると思います。
また、今度はジョージアと試合をやるわけですけれども、ジョージア出身の栃ノ心関は、実際そのゲームのときには現地に行ってやられたり、今度は大相撲ファンも含めてラグビーの方に取り込んでくるとか、可能性がいろんなところに、今、枝葉を広げるチャンスですので、ぜひ頭をやわらかくして、こういうもんだではなくて、こんなことをやったらおもしろいんじゃないかということをみんなでダイナミックに考えながら、政策を実現していくことが一九年の成功になり、これは二〇二〇年の大成功に向けて大切なことですので、ぜひボランティアや交通輸送と同時に、ラグビーワールドカップを皆さんと一緒に盛り上げていただきますよう、私もしっかりと決意を表明しまして、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
午後五時十分休憩
午後五時二十五分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○とくとめ委員 東京二〇二〇大会の持続可能性に配慮した運営計画第二版(案)にかかわって質問いたします。
運営計画第二版案の前書きでは、オリンピックアジェンダ二〇二〇に示された、オリンピック競技大会の全ての側面とオリンピックムーブメントの日常的な業務で持続可能性とレガシーを重視する考え方を尊重して、持続可能性への配慮を最大化して、大会開催が持続可能な開発に貢献するために、運営計画を策定するとなっています。
そうした運営計画第二版の前書きの最後には、日本、世界の人々が持続可能な開発への取り組みを行うに当たって、この運営計画が参照され活用されることを意図すると書かれています。とても重要なことだと思います。
活用に当たっては、まずその基本が大事だと考えます。今後、運営計画第二版の案の細部の具体化、そして実践が進む中でも、東京二〇二〇大会の根本であるオリンピック憲章の根本原則や、アジェンダ二〇二〇の持続可能性とレガシーに重点を置くという基本方針を堅持して、オリンピック・パラリンピック関係者の全体に徹底すること、大会成功の取り組みの中にも太く貫いていくことが東京二〇二〇大会の成功につながって、都民的にも、国際的にも共感や信頼を広げる上で重要だと考えていますけれども、いかがでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 運営計画第二版案の内容の普及についてでございますが、これまでも持続可能性ディスカッショングループを初めとする検討の状況を広くプレスに公開するとともに、この半年の間に二度にわたりパブリックコメントを実施するなど、検討段階から情報発信に努めてまいりました。
計画策定後には、職員に対する研修はもとより、大会関係者や広く社会の人々を対象に、持続可能性に関するセミナーの実施やオリンピアン、パラリンピアンなどを通じた意識の向上に取り組むこととしております。
また、計画の取り組み状況について報告書として取りまとめ、公表するなど、東京二〇二〇大会における持続可能性に関する取り組みを継続的に発信してまいります。
○とくとめ委員 ぜひ、オリンピック憲章の基本原則や、オリンピック改革を目指すアジェンダ二〇二〇が求める持続可能性とレガシーを重視した基本方針を、大会成功に向けたあらゆる準備、運営計画の具体化、実践に貫いてほしいと思っております。
同時に、幅広い分野に普及してほしいと思いますけれども、今のご答弁の中では、直接オリンピック憲章についての言及はありませんでした。ぜひ、このオリンピック憲章の基本原則を繰り返し徹底していくことが大事ではないかと思います。
運営計画の第二版案は、国連のSDGsにどのように貢献するかという角度から、持続可能性へのかかわりを示すものになっています。二〇一五年に国連で採択されたSDGs、持続可能な開発目標は、一番の貧困をなくそう、二番が飢餓をゼロに、三番が全ての人に健康と福祉を、ここから始まって、十六番の平和と公正を全ての人に、十七番がパートナーシップで目標達成を、この十七の目標から成っています。
運営計画の第二版案では、これらSDGsの課題に日本、東京がどう取り組み、いかなる発展を遂げようとしているのかを世界に示していこうということで、五つの主要テーマが示されて、その一つ一つにSDGsの十七の目標のどれが主に対応するのかが示されています。
五つの主要テーマの中の気候変動、資源管理、大気・水・緑・生物多様性など、どれも大切なものですけれども、きょうは主に四番目の人権・労働、公正な事業慣行等への配慮について中心的に質問をしたいと思います。
まず、平和、友好の祭典として、東京二〇二〇大会を成功させることがオリンピックの原点から見ても大事な問題だと思います。政府も、二〇一五年十一月の閣議決定において、東京大会の成功へ平和の祭典としての基本方針を掲げています。今、東アジアの情勢を考えてみても、大変大事な問題だと思います。
そこで質問ですけれども、運営計画第二版の案の序章の文で、平和の祭典といわれるオリンピック・パラリンピック競技大会だが、多数の紛争が勃発して、世界各地で難民が発生し、難民危機といわれる状況は解決していないとだけ書かれています。これでは、東京二〇二〇大会としてどう位置づけて、どう取り組むのか、主要テーマの四、五にも含まれるとなっていますけれども、具体的な目標や施策が必要ではないかと思います。平和と友好の問題にどのように取り組むのかについて、もっと積極的に打ち出すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会の持続可能性の取り組みは、SDGsの諸目標と一致する部分につきまして、大会を通じたSDGsへの貢献を示してございまして、SDGsの掲げる目標全ての実現を計画の推進を通して目指しているものではございません。
SDGsの目標に、平和と公正を全ての人に、またパートナーシップで目標を達成しようが掲げられてございます。運営計画では、それに貢献するものとして、人権・労働、公正な事業慣行等への配慮及び参加・協働、情報発信(エンゲージメント)を示してございます。
○とくとめ委員 平和と友好の祭典といえば、さきの平昌大会は、大変緊迫した状況の中で、観戦者が目標どおり集まらない中で大会の成功が危ぶまれる状況だったと聞いています。それをIOCのバッハ会長や、南北の首脳や、オリンピック関係者の奮闘、努力を通じて、結果的には過去最高の大会参加者になったといわれています。
また、韓国では、平昌大会後、北朝鮮とスポーツ大臣定例会談の開催等も推進され、さらに、冬のアジア大会、ユニバーシアード大会などの共同誘致の企画、検討も進めていきたいという韓国の意向を明らかにしています。相互理解や友好関係の推進、増進、努力が続けられております。
そうした中で、朝鮮半島の非核化、平和体制をめぐって新しい変化が生まれつつあります。
我が党はこれまで、二〇二〇年までを平和を積極的に推進する期間として位置づけて、多様な平和事業を集中的に行うことを提案もしてまいりました。昨年は国連の核兵器禁止条約が六割を超える国の賛成によって締結をされています。唯一の被爆国として、これをどう実現するのかも重要な課題だと考えています。
東京二〇二〇大会が平和の課題の解決にも貢献できるよう、ぜひ特別に位置づけて取り組んでいただきたいということを強く要望しておきます。
次に、格差と貧困の問題について質問いたします。
SDGsの目標一では、あらゆる貧困に終止符を打つと提起していますけれども、運営計画第二版案では、具体的な取り組みはどうなっているのかが余りよく見えてまいりません。世界はもとより、都民の中でも格差と貧困は大変拡大してきています。
東京二〇二〇大会を通じて貢献すべき重要な課題だと考えますけれども、どのように取り組んでいかれるんでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 繰り返しになりますが、東京二〇二〇大会の持続可能性の取り組みは、SDGsの諸目標と一致する部分について、大会を通じたSDGsへの貢献を示しており、SDGsの掲げる目標全ての実現を計画の推進を通して目指すものではございません。
SDGsの目標の一つに、貧困をなくそうが掲げられております。運営計画第二版案では、それに貢献するものとして、人権・労働、公正な事業慣行等への配慮を示しているところでございます。
○とくとめ委員 SDGsの十七項目の持続可能な開発目標が、全て東京二〇二〇大会で実現するものではないことはよく理解しているつもりです。しかし、格差と貧困の問題の解決は、当然、東京二〇二〇大会の取り組みを通じて貢献すべきテーマではないかと思います。
この問題に貢献するものとして、人権・労働、公正な事業慣行等への配慮を示しているということ、そういうふうに今答弁でありました。それならば、ロンドン・オリンピックのレガシーのように、選手村の後利用においても、低所得者のための都民住宅として活用する計画などがあるべきだと思います。この問題は特別に位置づけ、重視していただきたいということを要望しておきます。
次に、人権・労働、公正な事業慣行分野の大目標について、この運営計画第二版の案が議論された持続可能性ディスカッショングループでは、調和や配慮という言葉ではなくて、人権侵害を起こさせないときちんと述べるべきだと、多様性は人権の一部ではなくて、やはり人権の尊重がよいのではないか、こういう議論もされていますけれども、こうした意見は、この運営計画の中ではどのように反映をされているんでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 運営計画第二版案では、人権・労働、公正な事業慣行等への配慮を主要テーマの一つに位置づけており、その内容については、持続可能性ディスカッショングループでの議論に加え、本年二月からは、この分野に関する有識者やNGO、パラリンピアン等をメンバーとする人権労働・参加協働ワーキンググループを設置し、検討を行ってまいりました。
その結果、今般策定した運営計画第二版案では、大会にかかわる全ての人々の人権を尊重するため、大会準備のあらゆる分野において多様性の確保等に努めるとともに、人権への負の影響を防止、軽減する大会となるよう努めることとするなど、人権を尊重する立場を明確にしております。
○とくとめ委員 この人権・労働、公正な事業慣行分野の大目標は、今の案では多様性の祝祭となっています。わかりますか、祝祭って。私、意味がわからなくて辞書を調べましたけれども、祝うということと祭り、つまり多様性の祝祭となっているんですね。
ところが、この議論の中では、調和や配慮よりもさらに弱いと、抽象的なものになっていますと。ディスカッショングループで出された意見は、人権はあらゆる人に平等に尊重されるべき権利として保障すると。まだまだ弱者や少数者などへの人権侵害がある社会の中で、それは許さないという姿勢を明確に目標として示すべきではないかと思います。非常に大事な視点だと思います。
前にも議論がありましたけど、この多様性の祝祭という言葉を別の言葉でいうと、横文字ないしは英文を略してD&Iと、ダイバーシティー・アンド・インクルージョンというのも入っているんですよね。ますますわからなくなっちゃうという、そういう言葉の使い方も残っております。
大事な視点ですから、ぜひこれは議論の中での意見を生かしていただきたい。また、こういうフレーズも改善をしていただきたいと思います。
そこで質問ですけれども、ハラスメントや時間外労働についても、このディスカッションの中などで意見が出されていました。組織委員会の街づくり・持続可能性委員会の議論では、きちんと対応するということを明確に打ち出した方がいいと、こういう意見も議事録に紹介をされています。こうした意見は運営計画第二版の案の中ではどのように反映をされているんでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 運営計画第二版の主要テーマ、人権・労働、公正な事業慣行等への配慮の中の労働への適正な配慮の実践におきまして、多様な人材の確保、柔軟かつ多様な働き方の実践・確保、職場環境の適切な整備及び研修の適切な実施と記載されているところでございます。
○とくとめ委員 続いて、大会運営の中で、ハラスメントなどの人権侵害にかかわる問題や、労働現場の深刻な長時間労働、あるいは過労死、過労自殺などの防止に向けて、運営計画第二版の案ではどのように具体化し、その実効性を保障するようになっているんでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 運営計画第二版案におきましては、主要テーマ、人権・労働、公正な事業慣行等への配慮におきまして、人権、労働等を尊重した取り組みの一つとして、持続可能性に配慮した調達コードの策定及び運用の適切な実施を掲げております。
その調達コードを担保するための取り組みとして、組織委員会は、サプライヤー等に対して、調達コードに対する理解やその遵守に向けた取り組み状況の記録化などを求めていくこととしております。
また、対策を講じるとともに通報窓口を設置し、通報を受けた場合には、サプライヤー等に対して事実確認を求めるほか、必要に応じ、改善措置を要求するなど、解決に向け、必要な対応を行うこととしております。
○とくとめ委員 今、人権侵害の一つであるハラスメントなどは、スポーツ界では大変深刻な問題となっているのはご存じのとおりです。過労死も実際に五輪施設の建設現場で起こってしまっている問題です。ぜひ実効性がある取り組みを強く要望しておきたいと思います。
東京二〇二〇大会では、世界で初めてILOと日本の組織委員会が、昨年来一年間かけていろんな討論を踏まえて、ディーセントワークに関する覚書を結んでおります。この内容を本当に大事にしてもらいたいと思います。
この覚書が締結をされた四月の際には、組織委員会の武藤事務総長は記者会見において、こうした覚書を開催国の組織委員会とILOで締結するのは初めてですと、今後はこの覚書に基づいて、ILOから労働の専門機関としての知見を提供いただきながら、東京二〇二〇大会の成功に向けて協力と活動を進めていきますと語って、東京二〇二〇大会のビジョンとして、世界にポジティブな変革をもたらす大会とすると、こういうことを述べています。そして、ディーセントワークの実現というポジティブな変化を起こすことが東京大会の重要なレガシーになると考えていると、ここまで記者会見で述べています。
そこで質問ですけれども、このディーセントワークについての重要な覚書の内容を踏まえて、運営計画の第二版の案の中の人権・労働、公正な事業慣行等への配慮の内容にも反映をさせて、具体化、実行すべきだと思いますけれども、どのような取り組みになるんでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 運営計画第二版におきましては、ディーセントワークを推進しているILOを初めとする国際機関等と連携し、情報の発信を行っていくことが示されております。
昨年九月、組織委員会は、ILOが主催するディーセントワークをテーマとするサステナビリティー・フォーラムの開催への協力を行うなどの取り組みを既に行っているところでございます。
○とくとめ委員 ディーセントワークの働き方の問題は、日本の雇用や労働をめぐる情勢からも逆行するような状況が多数存在しており、大変重要なテーマであると思います。東京二〇二〇大会の取り組みを通じて、労働界全体にこうした取り組み、考え方が普及する機会にしてほしいということを強く要望しておきます。
次に、街づくり・持続可能性委員会や持続可能性ディスカッショングループの中では、この運営計画第二版案は、人権を初め人間に係る部分が弱いと、内容が薄いと、そういう趣旨の議論が繰り返されております。これは議事録に載っております。これからの議論の本当に大事なしどころとの指摘もされています。
今後、この指摘の部分についてはどのように反映、生かされていくんでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 運営計画第二版案の検討に当たりましては、先ほどもご答弁いたしましたとおり、持続可能性ディスカッショングループのもとに、人権労働・参加協働ワーキンググループを設置し、議論を重ねてまいりました。
今後、各分野の有識者を初めとする多様な方々との意見交換を計画策定後も実施し、進捗のモニタリングを適切に実施していくことといたしております。
○とくとめ委員 今答弁でありましたように進捗のモニタリングだけではなくて、目標や内容を充実することが必要だと思います。
議事録の中にどういう意見が掲載されているかといえば、人権の部分はまだ幹もないが、葉もないという感じだと、こっちが弱い、いわゆるコンテンツがないなどの議論もされていると紹介をされています。
先ほど申し上げた平和や貧困、また多様性にしても、労働にしても、これからますます充実が必要な中身になっているんではないかと思います。
公正な事業慣行にしても、私たちは選手村の問題や岸記念体育館の移転問題についても批判をしておりますけれども、やはりオリンピックが今後、都民を初め世界の人たちに本当に信頼をされ、支持されるかどうかという点では、まず日本みずからが本当に厳しく対応する必要があるのではないかと思います。ぜひ充実を図っていただきたいということを強く要望しておきます。
次に、第二版の運営計画の確定以後も、大会開催目前まで、運営計画の追加版といいますか、あるいは追加報告があるというふうに記載がされています。その内容は、こうした議会への報告、説明がされるようになっているんでしょうか。お答えください。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 先ほど、議論の中で内容が薄いという趣旨の議論が繰り返されたというご指摘がございましたが、こういったご意見、ご指摘を踏まえまして、組織委員会では、持続可能性ディスカッショングループのもとに人権労働・参加協働ワーキンググループを設置いたしまして、議論を重ね、その結果をこの運営計画第二版に反映させてきた経過がございます。
ご質問でございますが、運営計画第二版におきましては、本計画の実現に向けたマネジメント及びツールとして、進捗のモニタリングを実施していくこととしており、大会開催前年の二〇一九年春及び大会開催の前後となる二〇二〇年春、冬にそれぞれに報告書を取りまとめ、公表する予定でございます。
なお、これらについては、必要に応じて適切な時期に議会へ報告をさせていただきます。
○とくとめ委員 適切な時期に議会にも報告するということでした。本来なら、持続可能性に配慮した運営計画の第二版になる前の第一版の段階でも、やっぱり報告をして、議会で議論をして第二版に臨むべきじゃなかったのかなと。
先ほども何人かありましたけど、内容が濃過ぎてというか、具体的過ぎてこなし切れないと。そうこうしているうちに、一番大事な精神の方が薄れていくような、そういう感じで読みました。
ですから、やっぱり議会の中で報告、説明を行っていただいて、議会の質疑で内容を充実させていく、そういう機会をしっかり設けていただきたいと要望しておきます。
次に、運営計画第二版で明記された内容は、たくさんのテーマが詳しく書かれて、それ自身はすばらしいと私も思います。だけれども、それが絵に描いた餅にならないように、本格的に東京二〇二〇大会のレガシーにしていくためにも、この運営計画のオリンピック・パラリンピック関係者への徹底は当然だと思いますけれども、幅広い国民、都民から見ても内容が魅力的に受けとめられて期待がされると、それが実行されていく中で信頼になり、共感になっていく、そういう取り組みが必要だと思います。
そういう意味で、この運営計画第二版の内容の普及、理解を広げていくことが極めて重要だと思いますけれども、どのように広く普及するようになっているんでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 運営計画につきましては、計画策定後、職員に対する研修はもとより、大会関係者や広く社会の人々を対象に、持続可能性に関するセミナーの実施や、オリンピアン、パラリンピアンなどを通じた意識の向上に取り組むこととしております。
また、計画の取り組み状況について報告書として取りまとめ、公表するなど、東京二〇二〇大会における持続可能性に関する取り組みを継続的に発信してまいります。
○とくとめ委員 今、答弁の中で、あらゆる角度から普及、徹底を図るということでした。本当にこれが身について、こういう精神で、こういう原則でこの運営計画の第二版、やっていこうというふうになるように、ぜひ重視をしていただきたいと思います。
運営計画第二版が地球環境を初め、全ての人が幸福になれる経済活動のあり方、人権の保障、全ての根本である平和の実現などに本当に東京二〇二〇大会が貢献をする、寄与することになるように強く要望もし、私どもも頑張る決意を申し上げて、質問を終わります。
○龍円委員 こんにちは。龍円あいりと申します。こちらの委員会では初めての質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
私は、運営計画と選手村についてお伺いさせていただきます。
一九六四年の東京大会、私はまだ生まれておりませんでしたが、高度成長期の真っ最中で、オリンピック景気ともいわれる好景気を生み出したと聞いています。
この東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会持続可能性に配慮した運営計画を拝読して、次の二〇二〇大会は前回の大会とは全く違う方向性のものになるのだということがわかりました。二〇二〇大会を通して東京は持続可能な成熟都市へと変わっていく姿が目に浮かんでまいりました。
先ほど栗林委員と、とくとめ委員からも説明がありましたので詳しくは触れませんが、運営計画を通してSDGsに貢献しようとしているところはとても評価しております。各主要テーマごとに、SDGsのどの目標にアプローチするのかが明確にされていて、とても心強く感じました。
さて、この運営計画の中から主要テーマの一つ、人権・労働、公正な事業慣行等への配慮についてお伺いします。
この運営計画には、各テーマごとに目標が掲げられています。とくとめ委員は日本語の方の目標に触れましたが、私は英語の方のテーマについてお伺いします。
この目標というのが、セレブレーティング・ダイバーシティー、ザ・モースト・インクルーシブ・ゲームス・エバーと、多様性を祝し、これまでで最もインクルーシブな大会にというふうになっています。私はこの目標をとても高く評価しておりました。
私の息子にはダウン症があります。そのため、本当にいろんな場面で差別、区別され、偏見に遭遇し、インクルーシブの反対の経験をしてまいりました。私のように子供や家族のメンバーに障害、スペシャルニーズのある人、またはスペシャルニーズのある当事者にとっては、この目標は未来に希望を抱かせてくれるものでありました。
また、ことし三月に衆議院議員会館で開催されたLGBTの課題について考えるレインボー国会に参加したのですが、この目標がスクリーンに大きく映し出されまして、そんな大会になったらどんなにいいだろうかと、皆さんが期待を込めてその言葉をかみしめておりました。
しかし、このたび、パブリックコメントやIOCからの指摘を受けて、この目標を変えることが検討されていると伺いました。
今出ている代案というのが、インクルージョン、インスパイアリング・ゲームス・フォー・エブリワンだそうです。訳しますと、インクルージョン、誰もが何かしらインスパイアされる大会にというものになります。これはかなりトーンが落ちたようにとられる内容です。
ザ・モースト・インクルーシブ・ゲームス・エバーは諦めてしまうのでしょうか。最大限やった結果、最もインクルーシブな大会にならなかったとしても、私はいいと思うんです。そこを目指すくらいの意気込みで大会が運営されるということが重要だと思います。
この運営計画は既にインターネットでも公開されていて、レインボー国会の例でもわかりますように、この言葉は既に多くの方に届いていて、希望と期待を与えてしまっております。それを今さら撤回して、何だか無難な目標に変えられてしまったら、何ともいえない喪失感というか、期待を裏切られたような気持ちになります。組織委員会の皆様には、この目標設定を変えることによって、傷つき、失望する人がいることも知っておいていただきたいです。
東京都は、たとえ運営計画の目標が変わったとしても、ザ・モースト・インクルーシブ・ゲームス・エバーを目指すという意気込みと情熱はそのまま持ち続けていただきたいです。東京都の見解を教えてください。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 運営計画第二版の主要テーマの一つである人権・労働、公正な事業慣行等への配慮の大目標の副題は、日本語では、誰もが主役の開かれた大会となっており、英語では、ザ・モースト・インクルーシブ・ゲームス・エバーという表示になっておりました。
五月二十一日に開催された組織委員会の持続可能性ディスカッショングループにおきまして、この英語のザ・モーストは最もと訳されますが、客観的な測定、評価が困難な中で、過去大会と比較する考え方が批判を受けるリスクがあるのではないかという懸念がございまして、これにかえて、日本語の副題はそのままで、英語の表記を、包摂の精神を吹き込んでいく、活気づけることを意味するインクルージョン、インスパイアリング・ゲームス・フォー・エブリワンが提案、議論されたところでございます。
運営計画の大目標の副題につきましては修正の方向となっておりますが、具体的な取り組みにつきましては何ら変わってございません。引き続き組織委員会と連携して、人権、労働等を尊重した取り組みを積極的に進めてまいります。
○龍円委員 ザ・モーストが最上級であるため、東京がほかの都市よりすぐれていて一番だという誤ったメッセージを与えかねないということでした。
でも、これはザ・モーストが問題ではないと思います。英語の文法で申しわけないんですが、最後にエバーがついていることで、過去の大会と比べてという意味合いが出てきてしまいます。エバーを削除して、ザ・モースト・インクルーシブ・ゲームスとしますと、意味が急に変わりまして、可能な限り最大限インクルーシブな大会にするという意味になります。つまり、インクルードする度合いがいろいろある中で、最もインクルーシブにするということになります。
ですので、エバーだけをとって、ザ・モースト・インクルーシブ・ゲームスを残してくれるよう、いま一度検討していただけませんでしょうか。多くの方が期待や、そして希望を感じる目標が変わるのは残念でなりません。よろしくお願いいたします。
さて、この人権・労働、公正な事業慣行等への配慮の中身を見てみますと、全ての参加選手、大会運営スタッフ、ボランティア、観客など大会にかかわる全ての人が、人種や肌の色、性別、性的指向、性自認、言葉、宗教、政治、社会的身分、年齢、障害の有無等による差別やハラスメントなどを経験せず、インクルードされたと感じられる環境で大会が実行されるよう取り組むと明記されております。
そこで、具体的にどのような取り組みをしていくのかお伺いしていきます。
まずは、障害者、つまりスペシャルニーズのある方たちのことについて二点伺います。
一点目は、持続可能性に配慮した調達コードにおける障害者の権利尊重にまつわる質問です。
調達コードには、サプライヤー等は、調達物品などの製造、流通において、障害者の権利を尊重し、その経済的、社会的活動への参加を支援するため、障害者の雇用促進や職場環境のバリアフリー化、障害者授産製品の使用等に配慮すべきと書かれています。
都は、スペシャルニーズのある方たちに対して、どのように人権を尊重してインクルーシブな取り組みを行うのでしょうか、教えてください。
そして二点目は、パラリンピックに出ることがかなわないスペシャルニーズのある方たちのことです。
一般には、パラリンピック、イコール、スペシャルニーズのある方たちのオリンピックのように捉えている方が多いと思います。しかし、実際は幅広く多種多様なスペシャルニーズがある中で、ごく一部の方たちしかパラリンピックに出場することができません。
パラリンピックは、肢体不自由の方がメーンに出場しますが、例えば肢体不自由に加えて全身の筋肉の発達におくれがあったり、知的障害を伴っている方は出場するチャンスがほぼありません。また、知的障害の枠も本当に限られています。しかも、知的障害を一くくりにしてしまっているので、知的障害に加えて身体的な発達におくれがある方にはチャンスがないのです。それから、そもそも聴覚障害の競技はパラリンピックにはありません。パラリンピックは、残念ながら全てのスペシャルニーズのある方をインクルードする大会ではないのです。
パラリンピックの開催を通じて、日本全国でスペシャルニーズのある方たちに対して関心を持ってもらい、理解を深めていく機会になることを考えますと、パラリンピックに出場できるアスリートの皆さん以外のいろんなスペシャルニーズのある方たちにも活躍の場があり、光が当たる大会にすべきだと思います。それがこの大会が成功するかしないかの大きな鍵になると私は思います。
そこで、お伺いしたい二点目として、パラリンピックに出場できないスペシャルニーズのある方たちをどのように大会に主体的に参加できるようにし、インクルードしていくのか教えてください。以上の二点についてそれぞれお答えください。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 持続可能性に配慮した調達コードにおける障害者の権利尊重に向けた具体的な取り組みでございますが、組織委員会が調達する物品、サービス等を提供するサプライヤー等に対しまして、製造、流通等において、障害者の権利を尊重し、その経済的、社会的活動への参加を支援するため、障害者の雇用促進や職場環境のバリアフリー化等に配慮するよう求めていくことを挙げてございます。
また、東京二〇二〇大会に障害者の方が参加できる場面についてのお尋ねでございますが、例えば大会のボランティアにつきましては、障害の有無にかかわらず、大会成功の担い手として、多くの方に応募いただきたいと考えております。
募集に当たりましては、障害者の方に不安なく参加いただけるよう、活動に当たって配慮や支援を要する内容を申し込み時に把握し、それぞれの状況に応じて適切な配慮を行うことや、介助者などとグループで都市ボランティアに応募できるよう取り組んでまいります。
○龍円委員 ありがとうございます。
次に、社会的少数者の権利尊重についてです。
調達コードには、民族的、文化的少数者、LGBTなどの性的少数者、移住労働者といった社会的少数者の人々の権利を、ほかの人々と同様に尊重し、それぞれの特性に応じたプライバシー保護にも配慮しつつ、これらの人々が平等な経済的、社会的権利を享受できるような支援に配慮すべきだと記されています。
二〇一四年二月のソチ冬季大会では、主催国のロシアの反同性愛法に反対して、当時のオバマ・アメリカ大統領やキャメロン・イギリス首相らは開会式を欠席する事態になりました。その年の十二月には、オリンピック憲章が改正されて、性的指向による差別禁止が盛り込まれました。
また、ソチ大会以降、オリンピックに出場するアスリートが、自分が性的マイノリティーであることをカミングアウトする風潮が生まれ、二〇一六年のリオ夏季大会では、五十人以上がカミングアウトして出場しました。また、ことしの平昌オリンピックでも十五人おりました。当然この東京二〇二〇大会でも多くのアスリートがカミングアウトして出場することが予想されます。
また、東京大会は、ガイドラインが改定されて初めてトランスジェンダーの方が、その方の心の性の方のアスリートとして出場するケースが出てくる大会になります。
これらの意味から、東京大会はLGBTなどの性的マイノリティーに対してフレンドリーな大会を目指すべきです。どのような取り組みをしていくのか教えてください。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 調達基準では、組織委員会がサプライヤー等に対して、調達物品等の製造、流通等において、社会的少数者、マイノリティーの人々の権利を、他の人々と同様に尊重し、それぞれの特性に応じたプライバシー保護にも配慮しつつ、これらの人々が平等な経済的、社会的権利を享受できるような支援への配慮を求めていくことを挙げてございます。
○龍円委員 これまで存在そのものを否定されたり、差別に苦しんできたLGBTを初めとする性的マイノリティーの方たちの人権に配慮した大会を目指すこと、非常に喜ばしく思います。
この調達コードがじわじわと既に効果を発揮しているようで、NTTグループなど、かなり大きな企業などがLGBT対応を取り始めています。大会までにこうやって少しずつでも社会が変わっていくことに期待します。
ただ、これが大会終了とともにとまってはなりません。現在、東京都の総務局人権部で、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例が検討されていて、秋には条例案が議会に提案されると伺っております。この条例こそがレガシーになっていくと思います。しっかりと東京に性的マイノリティーに対する差別の禁止と、理解と受容を根づかせていっていただきますようお願いいたします。
さて、今回の質問では内容に踏み込めませんが、調達コードには、スペシャルニーズや社会的少数者以外にも、国際的人権基準の尊重、いかなる差別やハラスメントも排除、女性の権利尊重、子供の権利尊重、適正な労働環境の確保など、非常に重要なことが定められています。
これが適切に遵守される必要があると思いますが、その具体的な担保方法を教えてください。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 調達コードを担保するための取り組みといたしまして、組織委員会はサプライヤー等に対して、調達コードに対する理解や、調達コードを遵守するための体制の整備を促すとともに、調達コードの遵守に向けた取り組み状況の記録化などを求めていくこととしております。
また、通報窓口を設置し、通報を受けた場合には、サプライヤー等に対して事実確認を求めるほか、必要に応じ、改善措置を要求するなど、解決に向けた対応を行うことになります。
○龍円委員 今ご説明いただいた担保方法がとても画期的だと私は思っています。つまり、事業者は調達コードを守りますよと約束するだけではなくて、遵守するための体制を整備して、その取り組みを記録して開示しないとならないわけです。
しかも、状況によっては第三者による監査が入って、改善措置が要求されることもあるそうです。改善されないと契約解除することさえもあるということです。これはサプライチェーンにまで求められます。
また、不遵守の場合は、今ご説明あったように、通報窓口まで設けるということなので、この大会の開催を通して本気で社会を変えていこうとしている姿がうかがえました。
さて、続きまして、運営計画案の別のテーマである資源管理についてお伺いします。
この目標は、ゼロ・ウエースティングになっております。その中でも私が特に注目しているのが食品ロス削減です。
私は、三年前までアメリカのカリフォルニア州に住んでおりましたが、移住して最もカルチャーショックを受けたのが、人々の生活の中にもったいないという精神が全くというほどなかったということです。
これまでの過去大会でも、特に選手村での食品ロスが多かったと聞いています。具体的にどのような取り組みをしていくのか教えてください。また、その取り組みを通してもったいない精神を世界にアピールするべきだと考えますが、見解を教えてください。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 オリンピック・パラリンピックにおきましては、選手、観客、ボランティアなど数多くの方々に飲食を提供するため、持続可能性の観点から食品ロスの発生抑制に取り組むことが重要でございます。
東京二〇二〇大会に向け、都も検討に加わり組織委員会がことし三月に策定いたしました飲食提供に係る基本戦略では、大会時の選手村や競技会場等における飲食提供に関する基本的な考え方が示されておりますが、この中で、食品廃棄物抑制についての意識啓発、食べ切れる量を考慮して給仕量を調整するポーションコントロール、ICT技術を活用した飲食提供数の予測、食品廃棄物の飼料化等の資源循環利用などに取り組むこととしております。
また、戦略では、食材を無駄にせず使い切る、いただきます、もったいない等で表現されるような食べ物を大切にする精神性など、持続可能性の高い日本の食文化を発信していくこととしており、今後、組織委員会と連携して適切に対応してまいります。
○龍円委員 ICTを活用して予測し、その結果がどうだったのかをデータ化していくのは非常にいい取り組みだと思います。
東京では、食品ロスが毎年六百二十一万トン出ており、とても重要な課題です。大会終了後も、この取り組みから得たデータやスキルをレガシーとして今後に生かしていくべきだと考えますが、都の見解をお願いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 持続可能性に配慮した運営計画第二版では、飲食提供に関して、供給量、消費量、残量を日々計測するなどして、日々の発注量の最適化を図り、その取り組みを今後さまざまな場面において食品ロス対策を進めるためのレガシーにするとしております。
都は、東京都食品ロス削減パートナーシップ会議を設置するとともに、食品ロスに関する調査や普及啓発など、食品ロス削減に向けた取り組みを推進しているところでございます。
引き続き、大会における成果を踏まえまして、関係局間で連携して取り組みを進めてまいります。
○龍円委員 ありがとうございました。
次に、選手村についてお伺いします。
選手村は、アスリートの皆さんにとっては大会期間中に心身の調子を整え、精神を集中させていく大切な場所になります。
宿泊室のベッドやテーブル、椅子などの備品は組織委員会において検討し調達するということでしたが、それ以外のテレビや冷蔵庫、電子レンジなどの家電製品などについてはどのようにしていくのでしょうか。過去の大会では、各国がそれぞれ要望を出して、それを組織委員会が受けて用意するような仕組みがあったと聞いております。
東京二〇二〇大会の選手村ではどうするのか、検討状況を教えてください。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 選手村は、大会中のアスリートの生活の中心であり、快適に過ごせる環境を整備し、リラックスできる雰囲気を提供することが重要であります。
お尋ねの家電製品のうち、エアコンなどについては仮設工事の一部として整備をします。
一方、組織委員会において用意しない冷蔵庫やテレビなどの備品につきましては、過去大会では、各国の費用負担のもと、有償で提供可能な商品やサービスをカタログ化した、いわゆるレートカードという仕組みを取り入れており、今大会においても、組織委員会がその導入について検討中と聞いております。
今後とも組織委員会と連携しながら、過去大会の知見を踏まえて、選手村の準備を着実に進めてまいります。
○龍円委員 レートカードという仕組みを使って、各国が部屋をカスタマイズするということがわかりました。
先日、四大会連続で出場した元オリンピアンの皆川賢太郎さんに、選手村に求めるものとしてお話を伺いました。その中でいただいた意見が、大会後に分譲マンションなどとしてきれいな状態で売りたいからなのか、過去大会では選手には部屋の中のキッチンなどを使わせないことが多かった、それが本当に不便、確かにキッチンを使って自炊するというわけではないけれども、何も部屋の中にないことが多いのを改善してほしいという話をいただきました。
東京大会ではキッチンは大会後に設置されるとは聞いていますが、ぜひ、アスリートたちから本当に不便などといわれないようにしてほしいです。そのほかにも、セキュリティーの強化や洗濯エリアの充実という意見もいただきました。
選手村は大会経費の縮減に配慮しながらも、ぜひアスリートたちの声をしっかりと聞いて、快適に過ごせる場所としてほしいと思いますが、そのために何か取り組みをしていたら教えてください。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 選手村の運営に当たっては、IOCが定める規定等に基づき、適切なサービスを提供していくとともに、アスリートの意見も取り入れていくことが重要であります。
そのため、組織委員会では、オリンピックやパラリンピックに出場経験のある選手等で構成するアスリート委員会を開催し、選手村についても選手の意見の聴取や現地調査を行っております。
これらを通じてアスリートの意見を聞くとともに、コストにも配慮しながら、組織委員会と連携してアスリートに快適な環境を提供できるように努めてまいります。
○龍円委員 先ほどの元オリンピアンからは、食事の選択肢が豊富だとアスリートから喜ばれるとも教えていただきました。
食事については、いろんな食文化や食習慣のある選手や、スペシャルニーズのある選手がいると思いますが、それに対応するためにどのような取り組みをするのでしょうか。また、選手のみならず、スタッフや観客の多様性にどのように対応するのか教えてください。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会に向け、都も検討に加わり組織委員会がことし三月に策定した飲食提供に係る基本戦略では、選手と同様、メディア関係者、観客、ボランティア等について、多様性の配慮は重要な視点とし、菜食主義、ハラールなど宗教上の個別の事情を有する方々の選択肢を確保し、適切な情報提供を行うこととされております。
今後、大会に向け、飲食提供について多様性への配慮が適切に行われるよう、組織委員会と連携して対応してまいります。
○龍円委員 菜食主義、いわゆるベジタリアンやハラールなど、多様性に配慮した食を提供するということでよかったです。ただ、例えばベジタリアンとはいっても、宗教によって食べられるものが違っていたりとか、卵や乳製品は食べるという方から、一切動物由来のものは食さない方までいます。なるべくフレキシブルに対応できるよう検討を続けていただきたいと思います。
私自身はベジタリアンなのですが、アメリカに住んでいたときは、ほぼ全てのレストランやハンバーガー店に至るまでベジタリアンメニューというのがありました。ところが、日本だと入った店で頼めるものがなくて困り果てることがしばしばあります。日本にいると気にならないと思いますが、海外から訪れるベジタリアンは驚いて困るのだろうなと思います。
大会の会場や選手村のみならず、食の多様性の必要性について、啓発も行っていっていただきますようお願いいたします。
では、最後に、選手村のエネルギー事業についてお伺いします。
選手村地区では、大会の後に水素ステーションを整備して、日本で初めてとなる住宅等への供給を実施して、水素社会実現へのモデルにすると、さきの運営計画に記されています。大変すばらしいことだと思います。
それに先立つ大会期間中の取り組みについて、検討状況を教えてください。
○斉藤オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 都は、選手村整備に水素エネルギーなど最先端の環境技術を導入するため、選手村地区エネルギー検討会を設置し、関係部局と連携しながら検討を進めてまいりました。
昨年三月には、都市整備局が選手村地区エネルギー整備計画を策定し、同年九月に決定した事業予定者との基本協定締結を経て、本年三月に水素パイプラインの工事に着手したところでございます。
計画では、大会後を見据えて、選手村の各街区などに水素供給を行っていくこととしておりますが、大会期間中にも世界の注目が集まる機会を捉え、選手村における水素関連施設の一部を先行して稼働させ、水素技術の有効性や先進性をPRしていく予定であります。
引き続き関係部局と連携しながら、大会終了後には宿泊棟が民間分譲、賃貸住宅等として改修される、多様な人々が交流し集うまちとして、そこに水素社会を東京二〇二〇大会のレガシーとして残すべく、選手村での水素利用に取り組んでまいります。
○龍円委員 東京二〇二〇大会の開催を通して東京が持続可能な都市になり、人権が尊重され、差別のない社会として成長するムーブメントが生まれることを願っています。
きょう質問させていただいたこの運営計画、そして調達コードは、東京というまちがこれからどう変わっていくのかという設計図ともいえるような非常に重要な大切なものだと私は思います。
ただ、先ほど、おときた委員や栗林委員からもありましたように、やはりちょっと三回ぐらい心が折れそうになりながらこれを読み通したような感じがありまして、ただ、本当に多くの都民の方、日本全国の方にこれを読んでいただきたいという思いがありますので、どうか都民向けのわかりやすい運営計画というものを、この後発表していただけると非常に助かります。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
○伊藤委員 それでは、私の方から、最後にボランティアについてまずお伺いしたいと思います。
きょう、もう再三ボランティアについては質疑がなされましたので、重複するところは割愛したいと思いますが、やっぱり何といっても、ボランティアの位置づけは、ボランティアをしようと思っている方にとっても、どういう位置づけにされているのかということはとても気になるところで、また、参加意識、モチベーションにもつながってくるところと思います。
そういう意味で、まず、この東京二〇二〇大会におけるボランティアの位置づけについて伺いたいと思います。
そこで、ちょっと運営担当部長にお伺いしたいんですけれども、ロンドン大会でもちろんボランティアの方々が大変活躍されたということはきょうお話にもありましたけれども、ロンドン大会においてボランティアの方々がどんなふうに英語で呼ばれていたかというのはご存じでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ロンドン大会でボランティアが呼ばれていた名称ですけれども、大会ボランティアについてはゲームズメーカー、都市ボランティアについてはロンドン・アンバサダー、こういった名称で呼ばれていたというふうに聞いてございます。
○伊藤委員 さすが担当部長と思います。ゲームズメーカーというふうに呼ばれていたというのは本当に象徴的だなというふうに思っていまして、ボランティアというと、どうしても日本人の感覚でいうと、少し従事者といった感じだったりとか、あるいは無償で何かお仕事をお手伝いしますというような印象があるんですけれども、大会をつくる人というのがまさにゲームズメーカーということなんだろうと思います。
まさにゲームズメーカーとしてぜひ参加していただきたいという呼びかけによって、多くのロンドンの市民、またロンドン市以外の方々も大変多く参加をされたというふうに聞いているところであります。
そして、ロンドン大会は、やはり何といってもさまざまな面で評価をされている大会で、このゲームズメーカーという呼び名を初め、ボランティアにおいてさまざまな取り組みをベストミックスさせているなという印象を受けております。
というのも、例えばなんですけれども、これはNTTデータさんがロンドン大会のボランティアについての論文を発表されています。
一つには、ヤングプレゼンテーター事業なるものがあって、これは、ボランティアの中で選ばれた十五名の若者の方々が、オリンピックの開催前の準備段階において、オリンピックの裏側に潜入取材をして短い報告ビデオにレポーターとして出演すると。この事業は、スポーツ記者になりたいと思っている若者など、将来の夢に向けて最初の一歩となる経験の場を提供したと、こういう紹介があって、ああ、なるほど、そういう取り組みをされているんだなというふうに思いました。
先ほどもほかの委員さんからお話があったように、今回、活動分野は多岐に及んでいて、メディアというコーナーもあって、国内外のメディアが快適に取材ができるよう各種サポートを行うと、こういうお仕事もあるということですから、記者を目指す方にとってはまさに千載一遇の貴重な体験を積める機会なんではないかと思います。
そこで、今回、ボランティア確保においては大学連携が非常に重要なんだというふうに東京都の方から周知がされていますけれども、大学連携はさまざまな形があり得るんだろうと思います。ロンドン大会においても、実は大学と連携して、ゲームズメーカーの経験と関連する大学のコース、恐らく学部のコースだったり学科のコースなんだと思いますけれども、コースワークの一部として大学側がこれを組み込んだというような事例もあるそうです。
そういう意味では、今回の大会においての大学連携。私は、これはちょうど夏休みぐらいになるんだろうとは思いますけれども、例えばメディア学部のようなところに行かれていたりとか、あるいはヘルスケアだったりテクノロジー、さまざまな学部があると思いますけれども、そういう方々、そういう分野でボランティアとしてご活躍をいただく学生の皆さんには、例えば大学が単位交換のような形で積極的にこれを認めてくださると、学生にとってもなお一層インセンティブとなって参加意識が高まるのではないかと思うんです。
大学の単位交換の検討を、大学の自治を損なわないよう配慮しながらも促す努力について伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 多くの大学生が都市ボランティアとして参加し、大会を盛り上げていただくためには、学生がボランティアに参加しやすくなるよう、各大学において環境整備に努めていただくことが重要でございます。
学生のボランティア活動を学習単位として認定する取り組みは多くの大学で行われており、募集に向け、組織委員会の大学連携の仕組みも活用し、各大学に対し、都市ボランティアの具体的な活動内容について情報を提供するとともに、学習単位の認定が受けられるよう働きかけを行ってまいります。
また、国等とも連携し、大学における試験時期の変更などについての働きかけを行うなど、大学生がボランティアに参加しやすい環境が整備されるよう取り組んでまいります。
○伊藤委員 ぜひ、今答弁にあったように学習単位の認定が受けられるよう働きかけを実施していただきたいと思いますし、やっぱり大学生にとってのインセンティブがどこに働くのかということは、ぜひ検証していただきたいなと思います。
同時に、ロンドンの事例で、少し見ていったときに、ロンドン市以外からボランティアに参加した方々が、私の手元の資料だと大体六〇%を超えているということでありました。恐らく東京大会においても七〇%、八〇%が都民で賄えるということにはならないんだろうというふうに思います。
タイミングもタイミングで、大学生にとっては、試験時期を少しずらしていただければ、夏休みにかなりほとんどかぶるんだろうと思いますが、しかし、先ほど話にあったように、会社員の皆さんにとってはなかなか五日間、十日間とるのが難しい。
かつ、地方からご協力をいただく必要もあるという中においては、やはり地方の大学生の方々がこの東京大会のお手伝い、まさにゲームズメーカーになっていただくことが期待されます。
ただ、私はこの間、選挙の応援で奥州市に行ってきたときに、ちょうどたまたまボランティアの学生の方とお話ししましたけれども、ぜひ東京大会には行きたいと。大会が見れなかったとしても、チケットが手に入らなかったとしても行ってみたいと。ただ、何ていったって泊まるところがないと。友達もなかなか東京に都合よくいないと。こういうことがやっぱりあるわけです。
先ほど、できる限り滞在先は見つけて情報提供したいというお話がありましたけれども、ちょっと具体的に私の方から提言をさせていただきたいと思いますが、都内にはやはり教育機関がたくさんあって、そこには体育館などの施設もあります。せっかくボランティアで来ていただいている方に体育館というのも本当は申しわけありませんけれども、体育館でもいいから、そこにちゃんとマットが敷いてあって、夏場ですし、寝袋でもいいから屋根のあるところを確保してほしいという学生もいるというふうに理解しています。
そういう意味では、こうしたあらゆる施設を都として検討していただきたいと思うんですけれども、所感を伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 お話にございましたように、例えば地方の大学生が、大会期間中東京に滞在する場合で、宿泊施設の確保が困難なときは、親戚や友人等の自宅に滞在するケースが多いと考えられます。宿泊については、過去大会の状況も踏まえ、自己負担、自己手配をお願いしているところでございますが、遠方からお越しになるボランティアのため、都と組織委員会で連携し、多様な宿泊施設の情報提供について検討してまいります。
学校の体育館等をボランティアの宿泊場所として提供することにつきましては、有用な手法の一つではございますが、セキュリティー上の課題やプライバシーの確保、該当校における教育活動への影響などの課題整理が行えるか検討をしてまいります。
○伊藤委員 本当にさまざま課題はあると思います。私の地元の目黒なんかでは、例えば住区センターというのがありまして、まさに畳敷きの部屋になっていたりしております。そういう公共施設も、区によっては、ここだったら滞在先として使えるかもしれませんよというようなところもあると思いますので、ぜひさまざまな可能性というのを検討していただきたいなというふうに思っております。
それからもう一つは、今は大学生の方々なんですけれども、今登録をして、しかし、二〇二〇年大会のときになりますと、ちょうどもう社会人になるという方もいらっしゃると思います。今はできると思っていても、会社員になってしまって、なかなかこうしたボランティア参加が会社の都合によってしづらいというようなことがあろうかと思いますけれども、こうしたときのために会社に対して、私はもうボランティアに参加させていただいているんだ、登録をしたんだということで、会社とかけ合う必要も出てくると思いますが、そのときにおけるボランティア登録証について伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアの募集につきましては、働く世代や子育て世代を含め、多様な人々が応募し、活躍できるようにすることが重要でございます。
都市ボランティアに応募した方々に対しましては、書類選考を経て、来年二月から五月にかけて面接を行う予定でございまして、十月から行われる共通研修の受講の後、都市ボランティアに採用が決まった方には採用通知をお送りする予定でございます。
都は、企業などにおけるボランティア休暇の整備や取得を促進する取り組みの中で、都市ボランティアの採用者には通知を出すことを周知するとともに、企業等に対し、採用者に対してもボランティア休暇の取得を促進するよう呼びかけてまいります。
○伊藤委員 そこで、今度は企業の方の対応にもなってきますけれども、やっぱり五日間とか十日間とか従業員を休ませるその負担というのは大きいと思います。大きいという中で、先般、東京都は、ボランティア休暇に対する補助制度というのを創設して発表をされました。
ボランティア休暇をとりたいなと思っていながらも、こうしたボランティア休暇制度を企業も知らないし、実は、学生、あるいはその時点では社会人かもしれませんが、社会人の方も知らないというふうなこともあり得ると思います。
そういう意味では、ボランティア登録をされた方々には本当にボランティア休暇制度もあるんですよということを周知して、中には、登録者の方から企業に対してこういう制度をぜひ会社としても使ってほしいというような働きかけも有用だと思いますが、所感を伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会のボランティアに、働く世代や子育て世代を含め、多様な人々が応募し、活躍できるよう、企業などにおけるボランティア休暇の整備や取得を促進するなど、働く世代も積極的にボランティア活動に参加できる取り組みを推進することが重要でございます。
都は昨年度より、大会に向けた独自の取り組みとしてボランティア休暇制度を整備し、従業員によるボランティア活動への参加を促進する企業に助成を行っており、本助成制度の一層の利用を促すには、経営者を初め、従業員等に対しても周知を行っていく必要がございます。
都はこれまで、商工団体の広報誌を通じた周知や、企業の人事担当者向けのメルマガ発信等により、企業に対して助成制度の周知等を行ってまいりましたが、今後は、大会二年前の時期にボランティアのPRを行うイベントや、ボランティアの募集広報などの機会を活用し、関係局とも連携しながら、都民に対して広く助成制度の一層の周知を図ってまいります。
○伊藤委員 ぜひ、今答弁にあったような周知を図っていただいて、このボランティアの休暇制度も使っていただきながら、会社にも協力をいただける体制づくりをしていただきたいなというふうに思います。
先ほども、特に都市ボランティアなんですけれども、これはスキル習得につながるコースが多いというふうに思っています。こうしたさまざまなスキルをボランティアを通じて身につけることによって、例えば就職活動においては、採用企業としてはそうした活動をされた学生をぜひ採用したいというふうに思う一つのきっかけにもなるかと思いますし、また学生の側もこんな体験をしてきたんだということの一つの話題提供にもなろうかと思います。
そこで、ボランティアをまさにやり切って、そして一つのスキルを身につけられた方に対して、ボランティア完了証明書というのが事実上あるというふうに伺っているんですけれども、このボランティア完了証明書について伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市ボランティアの方々が、学習単位の認定申請やボランティア休暇の取得、また、お話のような就職活動への活用などのためにボランティア活動を行ったことを都が証明する必要性は高いと考えております。
都は、都市ボランティア本人の申請に基づき、活動日などを記載した証明書を発行するよう取り組んでいきますとともに、ボランティアに感謝の意を表明し、その活動が大会を支えたことを実感できるような取り組みを検討してまいります。
○伊藤委員 ぜひその検討をお願いしたいと思うんですけれども、紙も大事なんですが、証明書としてなかなかふだんから胸にしまっておくわけにもいきせんし、また、一つ話題づくりという意味でいうと、今ちょうどオリンピックのバッジは本当に多くの方々がつけられていて、機運の醸成にもつながっていると思います。オリンピックバッジはどこにあるのとか、ぜひつけたいんだけれどもという声が特に広がったというのは大変喜ばしいことだと思っているんです。
そういう意味では、ボランティアを本当にやり切られた方々には、例えばですけれども、ボランティアを完遂された方は、特別な非売品バッジみたいなものもあればこれをつけていると、それは何なのという話の中の展開で、実はこういう経験を積ませていただいたんですなんていうことにもなるんではないかと思います。今ご検討いただくということでありましたので、ぜひその記念バッジや、またそれに類するようなものをご検討いただきたいなというふうに思っております。
それから、これはちょっと要望として申し上げたいと思います。選手村のことであります。
先ほど、選手村のエアコンのことについては都民ファーストの会の委員から指摘をさせていただきましたが、そうしたエアコンとは別に、備品が東京都の方の用意で必要になるかと思っております。
例えば、想定される備品としていえば、タオル類だったりとか、もちろん寝具もその一つかと思います。タオルなんかはリネンとして全体のセットでリースか何かになるんだろうと思うんですけれども、日本の中には、本当に給水性のいい、そして弾力性のいい、手ざわりのいいタオルを特産品として都内でもつくられている有名なところがありますけれども、都外にもあろうかと思います。
ですから、全部をとはいいませんけれども、一つでも二つでも、持って帰ってもらってもいいというものを、ぜひ日本の特産品として置いていただけないかと。これはアンブッシュの問題とかさまざまな問題があるというのは承知していますけれども、ここは大丈夫だろうというところはぜひご検討いただきたいなと思っています。
本当にくしなんかでも日本ならではのものがあったりとか、石けんなんかもそうかもしれません。
いずれにせよ、さまざまな課題があると思いますが、日本のいいものを持って帰ってもらって、ああ、日本ってやっぱりいいものをつくっているねと、こういう印象を持って帰りの飛行機に乗ってもらいたいなというふうに思うところでありますので、要望しておきたいと思います。
そして、最後に、共同事業実施管理委員会について伺いたいと思います。
ちょうど昨年の今ごろに、我が都民ファーストの会の公約、五輪経費透明化条例をつくりましょうと、こういうことを発表させていただいたところ、図らずもその何週間か後に東京都から、まさに私たちの目指すところでありましたが、共同事業実施管理委員会を設置して、負担する経費については適切に管理するということを表明されました。
今回、その報告の中で協定が組織委員会と結ばれたということでありますので、この協定について確認をさせていただきたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 昨年五月の大枠の合意に基づき、共同実施事業において東京都が負担する経費の支払いに関し、東京都と東京二〇二〇組織委員会との間で本年三月に協定を締結いたしました。
この協定におきましては、共同実施事業管理委員会において確認された事業に都の負担を充てることと規定してございます。
具体的には、計画予算の段階におきましては、バージョンスリー、バージョンフォーの大会経費計画の全体についての概要や、翌年度予算要求の内容につきまして、費用対効果を踏まえ、執行状況を検証しながら、必要な経費を見きわめて精査してまいります。
また、執行の段階におきましては、契約予定案件の経費につきまして、必要な内容、機能か、適正な規模、単価か、類似のものと比較して相応かといった確認の視点に基づきまして、東京都作業部会等においてチェックを行い、共同実施事業の適切な遂行を図ってまいります。
その際、技術的な専門性や先進的なコスト縮減手法などが課題となる場合に、必要に応じて監査法人など、専門的な識見や参考となる類似の事例などの知見を有する第三者の意見を伺っていきたいと考えてございます。
このように、この協定に基づく共同実施事業の経費確認によりまして、コスト管理と執行統制の強化に取り組んでまいります。
○伊藤委員 再三お願いをしてきたのは、適切な、そしてまた厳しい管理でありますし、同時に、やっぱり専門的な目で見ないと、見積もりであったり、相みつであったり、金額の妥当性というのがはかれませんので、第三者をぜひ入れてほしいということも申し上げてきましたが、それも今回確認をさせていただきましたので、これを見守らせていただきたいというふうに思っております。
二〇二〇大会の成功要因はたくさんあると思いますが、欠かせないのが何といっても大会において赤字を出さないということであります。そういう意味では、今回の第七条だったでしょうか、負担金についてはこの委員会において確認された事業に充てなければならないということでしっかり明記されておりますので、まさに赤字を出さない予算の管理体制をしっかり構築していただきたいと思います。
そういう意味では、絶対に赤字を出さない仕組みに向けた局長の決意を伺って、終わりにしたいと思います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 二〇二〇大会を成功に導いていくためには、財務面におきましてもしっかりとマネジメントを行いまして、限りある資金の中で、そして何よりも、皆様からお預かりした貴重なお金でございますので、適切に執行管理を行っていくことが非常に重要であるというふうに考えております。
昨年の十二月に公表いたしました大会経費バージョンツーにつきましては、恒久施設、あるいは仮設といいますか、ハード系の業務を中心に精査を行ってまいりましたが、今後もハード系の業務についてさらに精査を行うとともに、今後は輸送やセキュリティーといったソフト系の業務を中心に、費用対効果を踏まえて精査していくこととなります。
経費を削減するべきところは削減しつつも、大会の成功と大会後を見据えまして、必要な経費はしっかりと見きわめまして、組織委員会におけます徹底した執行管理と、共同実施事業管理委員会によります執行統制によりまして、大会経費全体の精査につなげ、大会経費バージョンスリー、そしてバージョンフォーと、組織委員会とともに作成していきたいというふうに考えております。
これらの取り組みを通じまして、赤字を出さないことはもとより、経費の抑制に努めつつ、大会を都民、国民の皆さんから信頼を得て、喜んでいただけるような大会、世界中の人々の記憶に残る大会として成功に導いていく、それと同時に、その先を見据えまして、将来の東京にすばらしいレガシーを残せるよう、全力で取り組んでまいります。
○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時四十五分散会
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