オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会速記録第十一号

平成三十年三月二十三日(金曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長小山くにひこ君
副委員長大松あきら君
副委員長吉原  修君
副委員長伊藤 ゆう君
理事加藤 雅之君
理事両角みのる君
理事石川 良一君
理事山崎 一輝君
理事あぜ上三和子君
森澤 恭子君
おときた駿君
川松真一朗君
栗林のり子君
龍円あいり君
白戸 太朗君
入江のぶこ君
山口  拓君
里吉 ゆみ君
谷村 孝彦君
桐山ひとみ君
とくとめ道信君
木村 基成君
高島なおき君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
技監相場 淳司君
理事延與  桂君
総務部長中村 倫治君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長根本 浩志君
連絡調整担当部長戸谷 泰之君
連携推進担当部長丸山 雅代君
事業調整担当部長高野 克己君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務越  秀幸君
運営担当部長田中  彰君
パラリンピック部長萱場 明子君
障害者スポーツ担当部長新田見慎一君
大会施設部長鈴木 一幸君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 研二君
施設担当部長砂田  覚君
施設整備担当部長草野 智文君
施設調整担当部長湯川 雅史君
輸送担当部長片寄 光彦君
選手村担当部長朝山  勉君
スポーツ施設担当部長藤木 仁成君
スポーツ推進部長小室 明子君
スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務
川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長篠  祐次君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九TMの開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・平昌パラリンピックについて(説明)
・東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針について(質疑)
・東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領について(質疑)
・東京二〇二〇オリンピック競技大会の会場について(質疑)
・東京二〇二〇パラリンピック競技大会の会場について(質疑)
・ラグビーワールドカップ二〇一九TM東京都交通輸送基本計画について(質疑)
閉会中の継続調査について

○小山委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取及び閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 なお、報告事項、平昌パラリンピックは、説明を聴取することにとどめます。ご了承を願います。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 小山次長大会準備調整担当理事スポーツ推進担当理事兼務及び小池自治体調整担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承を願います。
 次に、理事者から、平昌パラリンピックについて報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局総合調整部長 それでは、私から、報告事項、平昌パラリンピックにつきましてご説明させていただきます。
 お手元に配布してございます資料をごらんください。
 まず、Ⅰ、平昌パラリンピックについてでございます。
 大会の概要ですが、平昌パラリンピックは三月九日から十八日までの十日間にわたり、雪上競技は平昌地域において、氷上競技は江陵地域において開催されました。競技、種目数は六競技、八十種目でございまして、日本選手団は三十八名の選手が五競技に出場したほか、四十八名の関係者が参加いたしました。
 オリンピック・パラリンピック準備局からの派遣職員数は、ジャパンハウスの運営に十名、オブザーバープログラムに二十名でございました。
 続きまして、Ⅱ、平昌パラリンピックにおける取り組みについてでございます。
 まず、東京二〇二〇ジャパンハウスでございます。
 都と組織委員会が江陵オリンピックパーク内に、開催都市東京及び東京二〇二〇大会のPRを目的として設置いたしました。ザ・トウキョウ・トラベラーズコーナー、追加競技イメージフォトコーナーなど、体験型コンテンツや、パラリンピック期間は、新たにボッチャ体験コーナーなども実施いたしました。平昌オリンピック・パラリンピック、両大会期間中の合計で十五万人を超える観戦者、大会関係者等が来場し、大きな注目を集めました。
 なお、資料下段には、都立日比谷公園などで実施いたしました東京二〇二〇ライブサイトイン二〇一八について参考として記載させていただいております。
 続きまして、Ⅲ、パラリンピック・オブザーバープログラムについてでございます。
 まず、プログラム参加の概要でございますが、このプログラムは、IPC及び平昌組織委員会が次回開催都市等を対象に大会時に実施する学習プログラムでございます。東京二〇二〇大会と共通する課題である会場等でのバリアフリーなどの分野を中心に、五十一プログラム中、四十二プログラムに参加し、大会時の状況について知見を習得してまいりました。
 次に、プログラムを通じて得られた主な知見についてでございます。
 (1)、競技会場等のアクセシビリティーですが、各会場の車椅子用座席は、IPCの指針を踏まえ、全座席数の約一%を確保し、同伴者席を隣に配置しておりました。また、健常者用トイレに隣接して、車椅子の回転スペースを確保した障害者用トイレを設置しておりました。
 (2)、輸送におけるアクセシビリティーですが、オリンピック大会に引き続き、ソウル市等から賃借した低床バスを活用しておりました。パラリンピック期間中は、さらに車椅子用リフトつきバスを運用し、選手など関係者のニーズに対応しておりました。高速鉄道であるKTXの車両とホームの段差への対応としましては、駅員がリフト等で乗降を補助しておりました。
 (3)、情報アクセシビリティーでございますが、視覚障害者向けに点字のガイドブックや地図を作成するとともに、一部の会場では、アプリを活用した実況中継のサービスを提供しておりました。また、聴覚障害者向けに手話通訳のスタッフを配置しておりました。
 (4)、人的サポートの提供ですが、ボランティアが車椅子を押して目的の場所へ案内するなどの補助を実施するとともに、視覚障害者誘導用ブロックの敷設が十分でない場所につきましては、ボランティアによる案内で対応しておりました。
 以上、今回の平昌パラリンピックにおける取り組みや視察を通じて得られました知見につきましては、今後の大会準備に十分活用してまいります。説明は以上でございます。

○小山委員長 報告は終わりました。

○小山委員長 次に、報告事項、東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針について外四件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○中村オリンピック・パラリンピック準備局総務部長 去る三月九日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明いたします。
 お手元に配布してございますオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会要求資料をごらんください。
 表紙を一枚おめくりいただき、資料1、東京二〇二〇大会の輸送計画に関する招致決定後の検討の経緯をごらんください。
 東京二〇二〇大会の輸送についての検討に関する会議の主な議事や輸送計画の策定などについて、招致決定後の内容を時系列でお示ししております。
 三ページをごらんください。参考といたしまして、東京二〇二〇大会の輸送にかかわる推進体制につきまして、各会議体の役割及び関係等を図にてお示ししております。
 続きまして、資料2、サイバーセキュリティにおける国と東京都の主な役割をごらんください。
 この資料は、サイバーセキュリティ基本法等における国と東京都の主な役割についてお示ししております。
 続きまして、資料3、ラグビーワールドカップ二〇一九東京都交通輸送基本計画に係る協議の状況についてをごらんください。
 1、会議体における協議の状況についてでございます。ラグビーワールドカップ二〇一九東京都交通輸送基本計画に係る会議体における協議の状況について、会議体の名称、設置目的、構成と開催日及び主な内容を記載しております。
 二ページをごらんください。2、事業者との個別協議の状況についてでございます。
 平成二十八年六月十五日以降に実施いたしました事業者との個別協議の状況について、協議を行った事業者名、協議対象部署、回数及び主な内容を一覧でお示ししております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより質疑を行います。
 発言を願います。

○森澤委員 まず、東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針についての全体についてお伺いをいたします。
 ロンドン大会、リオ大会ともに市が都市オペレーションセンターを設置、活用し、大会成功に向けての都市運営において有効に機能させたと聞いています。
 過去大会と比べ、東京二〇二〇大会における都市運営のポイントは何だと捉えているのか、そういった視点を踏まえて、今回の基本方針で特に工夫し反映した点はどういったところにあるのか、お伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会は、過去大会と異なり、競技会場が集積するオリンピックパークがなく、都内においても競技会場が複数に分散していることから、都市機能への影響が広範囲にわたるものでございます。
 そのため、大会における都市運営にかかわる多様な組織間での情報共有や連絡調整を行うことに加えまして、都市ボランティアの配置調整や事故対応など、競技会場周辺における各種取り組みをきめ細かに実施することが重要と考えておりまして、これらの点について基本方針に反映させたところでございます。

○森澤委員 オリンピックパークがなく、都内において競技会場が複数に分散していて、さまざまな取り組みをきめ細かに実施する必要があるという意味で、都市運営が過去大会以上に非常に大事だと受けとめました。
 そういった意味では、組織委員会及び関係機関等との緊密な連携と、競技会場周辺におけるさまざまな対応を行う都市オペレーションセンターの役割も重要だということです。
 その都市オペレーションセンター、国、組織委員会を初め警視庁、東京消防庁など、多くの関係機関との連携が肝となり、物理的な場所も大事となってくるわけですけれども、センターの拠点は今どこを想定しているのか、お伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンターは、大気等の情報や上下水道等、ライフラインの運用状況など、都市情報を集約するとともに、大会への影響を分析し、大会運営に影響を及ぼし得る事態が発生した場合には、都庁関係局及び関係機関と連携した迅速な対応を行うことが必要でございます。
 そのため、都庁関係各局と密接に連絡調整を行いながら、速やかに状況を分析し、対応方針を取りまとめることが必要でございまして、都庁内に設置することを基本に検討を進めてまいります。
 また、都市オペレーションセンターでは、観客の案内や路上美化など、競技会場周辺における対応を行うことを予定してございます。この機能につきましては、組織委員会の大会運営と緊密な連携体制を確保するため、晴海地区に設置される予定の組織委員会の各種センター機能を考慮しながら、設置場所を検討してまいります。

○森澤委員 都庁内に設置を検討しているということと、また、晴海の組織委員会の各種センター機能と連携できる場所ということで検討していると理解をいたしました。
 二十四時間体制ということですし、今後、必要な人員数を精査し、大会時に想定されるさまざまな事案に迅速に対応できるよう、適切な配置を図っていただけるようお願いいたします。
 さらに、会場がある当該区市との情報共有も非常に大事となりますので、区市側の意向も踏まえながら、緊密な連携体制が確保できるよう検討いただきますよう、あわせてよろしくお願いいたします。
 さて、都市オペレーションセンターの設置期間については、大会前後とされていますが、都庁関係局はもとより、関係機関とは今からでも情報共有と連携を深め、準備を進めていくべきだと考えます。
 そして、二〇一九年ラグビーワールドカップやテストイベントなど、多くの観客が集まるタイミングで試行的に運営し、シミュレーション等を重ねることが必要であると考えますが、見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンターの準備につきましては、今後想定される事案に対する具体的な対処方法などを定めた運営計画を都庁関係局、組織委員会や関係機関と連携して作成していく予定でございます。
 大会前年に開催されるラグビーワールドカップや各競技のテストイベントは、関係機関との連携方法などを検証する重要な機会でございます。
 これらの機会を活用いたしまして、この運営計画に基づき、大会時に想定される事案に対する対応方法の確認など、必要な訓練を行ってまいります。

○森澤委員 大会時に都市オペレーションセンターが機能するよう、しっかりと準備を進めていただきますようよろしくお願いいたします。
 大会時には観客が集中するラストマイルでだけでなく、ライブサイトなど多くの人が集まる場所でも、事件、事故等が発生する可能性があります。
 ライブサイトの警備体制なども重要だと考えますが、都市オペレーションセンターでは、そういったライブサイトなどの状況についても把握をしていくのか、そういったところをお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンターは、大会運営に影響を及ぼす事態が発生した場合に、関係機関と連携して迅速に対応することになります。
 そのため、観客が集中する競技会場周辺はもとより、ライブサイト会場や駅、空港など、都内において大会運営に影響を及ぼす可能性のある箇所についての状況を幅広く把握してまいります。

○森澤委員 そういった中で、現場の状況をリアルタイムに把握をすることで、有事の際の対処が適切に行えるようになると考えます。もちろん、警察、消防などとの情報はしっかりと共有されることと思いますが、現場にいるボランティア等の情報もうまく吸い上げていただければと思います。
 都市オペレーションセンターでは、どのようにリアルタイムに現場の情報を収集していくのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 トラブルの未然防止や事故等の迅速な初動対応を行うために、競技会場周辺や最寄り駅などの状況をリアルタイムに把握することが重要でございます。そのため、競技会場周辺に都市オペレーションセンターの職員を配置し、現地の状況を的確に把握する体制を整備してまいります。
 また、都市オペレーションセンターには、都市ボランティアの配置調整等を行う機能を置く予定でございまして、観客等に身近に接触する都市ボランティアが入手した現場の情報も迅速に集約してまいります。
 なお、警視庁は、競技会場周辺にセキュリティーカメラを設置する予定でございまして、都市オペレーションセンターにおきましても、警視庁と連携して現場の情報を確認できるよう検討してまいります。

○森澤委員 警視庁のカメラ、ボランティアを初めとする方々からの情報などを総合的に踏まえ、適切に判断が下せる体制の構築を期待したいと思います。
 さて、都市オペレーションセンター設置に当たり、都庁関係局等が保有する都市情報を効率的に集約する仕組みは、大会を契機とした都市運営のレガシーとなり得るものだと考えます。
 具体的にはどのような仕組みを想定しているのか、また、大会後、ビヨンド二〇二〇の東京の都市運営にどのように生かしていくのか、生きていくのかということをお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ライフラインの安定供給や公衆衛生、環境衛生の確保など、安定した都市機能の維持は、大会の円滑な運営の前提となるものでございます。
 そのため、大会運営に影響を及ぼす可能性のある都市情報につきましては、異常の兆候の段階から迅速かつ的確に把握するため、情報を時系列、地区別に整理し、できる限り視認性を高められるよう、システム化も含めて検討してまいります。
 また、大会後におきましても、防災分野など今後の都政に活用できるよう、レガシーの視点も踏まえながら関係局と十分に連携して、この仕組みを検討してまいります。

○森澤委員 防災分野などに生かしていくというところで、大会後を見据えて、複雑に高度化した東京の都市運営に資する仕組みとなることを期待したいと思います。
 次に、都市運営の役割の一つである、大会が都民生活に与える影響の軽減についてお伺いをいたします。
 本委員会でもたびたび議論されてきていますし、報道等も多々されていますが、やはり都民の皆様の関心が高いところでもあります。
 期間中、特に懸念されている渋滞、リオ大会では、開会式当日、閉会式などを休日としたことで渋滞が減少し、また、ロンドン大会では随分前から五輪期間中に外出を控えるよう呼びかけることで、需要をうまく抑えたとのこと。平昌大会でもナンバープレートの末尾の数字の奇数、偶数に応じて通行の許可を与えるといった方法もとられていましたが、東京大会では、一般都民、国民の移動に対してどのような取り組みを行うのか、お伺いをいたします。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会の成功に向けましては、円滑な大会輸送の実現と東京の都市活動との両立を図ることが重要と認識しております。
 このため、大会時の道路や鉄道の混雑状況など、大会期間中の交通状況の見通しを早期に提示し、不要不急の車の利用や外出などを控えていただくなど、交通需要マネジメントへの協力が得られるよう、国や組織委員会と連携して、経済団体や物流事業者などに幅広く働きかけを行ってまいります。
 また、夏休みの計画的な取得や、テレワークの導入の呼びかけを行うなど、企業や市民側でも大会に向けた協力が得られるよう、環境づくりにも積極的に努めてまいります。

○森澤委員 企業や市民に対しても協力を呼びかけていくということですが、大会期間中は、東京がいつもとは違う状況になるというところで、オリンピック期間中の渋滞はない方がいいんですけれども、交通機関の乱れ、これもない方がいいんですけれども、ネットワークのアクセス集中などを想定しての危機管理という意味で、企業に対して、BCP、ビジネス・コンティニュイティー・プランの策定を促していくことなども必要ではないかと考えます。
 さて、また渋滞にかかわることでいえば、物流も大きく影響してきます。ロンドン大会では、早朝、深夜など大会に関する移動が少ない時間に配送を行ったということです。
 一方、物流業者は、荷主の意向に左右されるため、配送の調整は荷主の理解が必要不可欠となりますが、都の所見をお伺いいたします。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 道路交通にかかわる調査によりますと、都内を走行する車両の約三割が物流に関連する移動だと報告されており、大会時の交通量の抑制に向けましては、こうした物流や業務に関連する企業の協力が重要であると認識しております。
 一方、昨年、東京商工会議所が会員企業一万社に対して行った大会期間中の協力意向にかかわるアンケートでは、運輸業の約四割が荷主の意向があるので協力できないと回答しており、物流や業務にかかわる交通の抑制に向けては、荷主への働きかけが重要であることがわかってきております。
 このため、都は、国や大会組織委員会と連携し、輸送連絡調整会議や、交通輸送円滑化推進会議の場で、東京商工会議所や経団連など荷主となり得る経済団体との意見交換を進めているほか、今後、大会に向けた協力の働きかけとして、在庫の調整や納入時間の工夫、商慣行の見直しなどを呼びかけてまいります。

○森澤委員 企業に対して働きかけをしていくことはもちろんですが、近年、スマートフォンの普及による、ネット通販の拡大による物流への影響も多いことが現状としてあります。ネットでの買い物はリードタイムが短い、つまり、すぐに手元に届くということが一つの大きな魅力となっています。そういった意味では、東京大会に向けて、こうした個人の消費活動についても呼びかけや働きかけをしていくべきだと考えます。
 さて、こうした交通対策を進めていく上では、直接的に影響を受ける都内の関係者も、そして全国の事業者等にも協力を求める必要があります。そういったことに対し、今後どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 円滑な大会輸送と都民生活の維持の両立を実現していくためには、早期の情報提供を行い、多くの方々のご理解とご協力をいただくことが重要でございます。輸送には、大会時の交通の円滑化に取り組む交通マネジメントのように、首都圏を中心に国内全体で対策に取り組む事項もあれば、競技会場周辺で、選手や観客の輸送を確保しながら都民の日常生活の動線をいかに確保するかといった、きめ細かい対応が必要な事項もございます。
 都としては、商工会議所など、経済団体や物流等の業界団体を通じて、広域にわたって大会輸送にかかわる情報提供や働きかけを行うとともに、地域特有の課題につきましても、地元の声をよく聞くなど丁寧な対応を行い、都民生活への影響を最小限に抑え、円滑な大会輸送を実現してまいります。

○森澤委員 地域特有の課題についても、地元の方々の声をよく聞き、丁寧な対応を行うということですので、都民生活への影響を最小限に抑える取り組みを引き続き進めていただければと存じます。
 また、企業や都民、国民に対し、協力や呼びかけ、働きかけ等を行ったものが実際にどのような効果を生むのか、機能するのかということを検証する、その実効性を事前に確認していく必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会に向けまして、協力を呼びかけた企業や市民の皆様がどの程度賛同し、行動に移していただけるかなど、その実効性を検証していく必要があると認識しております。
 具体的な検証項目などは検討中でございますが、既に実施されている時差ビズやテレワーク等の機会を利用した意向把握、各種スポーツ大会のイベント等の会場周辺の交通状況把握など、さまざまな機会を捉えて検証してまいります。
 また、交通需要マネジメントにかかわる協力企業を募り、意見交換を進めながら、車両の抑制方法等についても具体化を進め、実効性を高めてまいりたいと考えております。

○森澤委員 実効性について、二年間、しっかりと高めていたければと存じます。
 続きまして、対処要領についてお伺いをいたします。
 まず、治安対策について伺います。
 対処要領でも想定するリスクの一つとして、主な治安現象として競技会場、大規模集客施設等に対するテロの発生が挙げられています。最近のテロは、トラックや車両を使ったものや、また、いわゆるソフトターゲットを狙ったものがふえています。
 二〇一六年十二月十九日、ドイツ・ベルリンでのクリスマスマーケットに大型トラックが突入したテロや、二〇一七年五月二十二日、イギリスのマンチェスター・アリーナでのアリアナ・グランデのコンサート終了後に起こった自爆テロなど、記憶に新しいものです。
 国のオリ・パラテロ対策推進要綱では、テロを未然に防ぐためのソフトターゲットに対する見せる警戒等の推進もうたわれています。テロを起こさせない体制整備が非常に重要であることは、都も認識されていることであります。
 競技会場周辺で人が集まる場所、例えばライブサイトやパラレルイベント、あるいはラストマイルで多くの観客が歩いている道など、そういったテロに対してどのように備えていくのか、また、会場周辺の施設など民間事業者や区市にどのように協力や対策を促していくのか、都の取り組みについてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 最寄り駅から競技会場までのいわゆるラストマイルなど、多くの観客が集まる場所におきまして、テロに対する備えを的確に行うためには、テロの未然防止の取り組みを強化するとともに、万が一テロが発生した場合には、警察を初めとする関係機関と連携し、観客や会場周辺の住民の安全を確保するための取り組みを行うことが重要でございます。
 そのため、警視庁、区市町村と連携し、会場周辺を初めとする地元企業、住民の参画を得て、官民一体となった防犯、安全見守り活動により、防災意識を醸成し、不審者、不審物の発見や通報依頼等を推進してまいります。
 また、警視庁や組織委員会と連携いたしまして、ラストマイル等への警備員の適切な配置や、警視庁が設置する防犯カメラの情報を共有するなど、テロの未然防止を図ってまいります。
 万が一テロが発生した場合には、観客や周辺住民が安全な場所へ速やかに避難できるよう、警察や消防とも連携して、適切な誘導等に係る調整を行うとともに、一時的な避難先の確保に向けまして、関係区市町村と連携し、検討を進めてまいります。

○森澤委員 官民一体となった防犯、安全見守り活動により、誰かが見ている、見られているという状況をつくることは、テロの未然防止という意味で非常に有効だと考えます。
 ただ、これも都市オペレーションセンター、都市運営と同じですけれども、直前になって始めるのでは遅いと考えますので、二〇一九年のラグビーワールドカップ、そういったさまざまな機会を捉えて、しっかりと取り組み、推進していただけるよう要望いたします。
 続きまして、サイバーセキュリティー対策についてお伺いをいたします。
 平昌オリンピック・パラリンピックでも組織委員会のサイトがサイバー攻撃に遭ったというようなこともいわれております。過去大会でも同様、さまざまなサイバー攻撃というのは起こっておりまして、オリンピックでは、必ずサイバー攻撃が起こるということを前提に考えなくてはいけないわけですけれども、東京都庁を初めとする東京都関連のサイトのセキュリティー対策について、これまでの取り組みと今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都は、行政サービスの継続的な提供を確保していく観点から、サイバーセキュリティー対策を強化するため、平成二十八年四月、サイバー攻撃への対処を専門的に行う東京都CSIRTを設置いたしまして、事態対処の体制を強化してございます。
 あわせて、都及び区市町村を含めたセキュリティー水準向上のため、平成二十九年三月、都区市町村情報セキュリティクラウドを構築いたしまして、インターネット通信時のセキュリティーを確保するとともに、通信などの記録を収集し、集中監視を行っております。
 また、サイバーセキュリティーの専門的な知識を備えたアナリストを配置し、通信などの記録を分析することで、攻撃やその予兆を早期に発見し、不正な通信先を速やかに遮断するなど、高度なセキュリティー対策を実施しているところでございます。
 大会時は、サイバー攻撃を検知した際には、国や組織委員会等関係機関と迅速な情報共有を行いますとともに、大会運営に与える影響に配慮したインシデント対応を適切に行うことができるよう、国等関係機関との情報連携強化に向け、各種訓練に取り組んでまいります。

○森澤委員 しっかりと情報連携の強化、そして各種訓練に取り組んでいただければと思いますが、ロンドン大会では、サイバー攻撃により、開会式の電源が落ちる可能性があった等、手動で操作することがあったように聞いております。そういった制御系システムに対するサイバー攻撃がリアルな空間に影響を与えるような状況についても、しっかりと対応を進めていただきますよう要望をいたします。
 続きまして、災害対策につきまして、まずは、外国人観光客の観点について伺います。
 日本よりもリスク意識が高い外国人に対しては、事前に日本の首都直下地震に対する取り組みについて積極的に発信すべきと考えます。
 また、滞在中もしっかりと情報が得られるよう環境を整えていくことが必要です。既にある国土交通省の防災ポータルや、観光庁のセーフティーチップスなどとうまく連携していくべきと考えております。
 そして、その首都直下地震など災害が起こった際には、日本文化になじみがなく、言葉が通じない外国人観光客の観客の避難誘導は、在日外国人の方々とはまた違った対応が必要だと考えます。
 アプリなどの情報だけでなく、現場でデジタルサイネージやサインなどを使った多言語による誘導等も有効であると考えますが、都の見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 首都直下地震等の災害を想定し、避難先や行動ルールなどの情報を、観客等に対しあらかじめ提供するとともに、発災時には観客等が競技会場内外における安全な場所へ速やかに避難できるよう、被害状況を踏まえた的確な情報発信が重要でございます。
 そのため、ホームページやSNSなどを活用した情報提供に加えまして、競技会場周辺において、警備員などによる多言語での案内誘導が適切に行えるよう、自動翻訳機能など、ICT技術の活用も検討しながら、大会準備を進めてまいります。
 また、デジタルサイネージなどでテレビ映像の配信を行うなど、使用可能な広報媒体をできる限り活用し、最新の避難情報の提供に努めてまいります。

○森澤委員 また、外国人だけでなくて、特にパラリンピックでは、障害者、さまざまなスペシャルニーズがある方々が一堂に集まり、災害時にそういった方々をどう安全に避難させるかという視点、計画も非常に重要なわけであります。こちらに関しましても、しっかりと検討、準備をしていただけるよう要望をいたします。
 首都直下地震等の災害が発生した場合、外国人も含めましてですけれども、観客は滞在先に戻れない可能性があります。一方、都で帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設は、必要数の三分の一しか確保できていない状況でございます。
 会場周辺の一時避難所の設置についてどのようにしていくのか、見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会開催中に首都直下地震等が発生した場合、国内外からの多くの観客等が滞在先に戻れず、競技会場周辺に集中することも想定されますことから、これらの観客向けの退避場所を適切に確保していくことが必要でございます。
 そのため、発災時には、組織委員会と連携いたしまして、競技会場等の施設の点検等を実施し、被災状況等に応じて、競技会場や周辺の待機場所等において、観客等の円滑な受け入れを行ってまいります。

○森澤委員 そういった一時滞在施設、一時避難者への物資の調達については、東京二〇二〇大会パートナー等にも協力を要請していき、要配慮者への対応も念頭に必要な物資の確保に向けた対策を行っていくということですけれども、東南アジア系の方から、東京のオリンピック・パラリンピックには行きたいけれども、ハラール対応の非常食がなければなかなか難しいといったような声も聞きました。
 さまざまな宗教を持つ外国人がいらっしゃる東京二〇二〇大会において、会場周辺でのハラール対応の物資の備えなども必要であると考えますが、都の見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 対処要領では、要配慮者への対応も念頭に、一時的に会場内にとどまる観客等への支援のため、必要な物資の確保に向けた対策を検討することとしておりまして、ハラールに対応した備蓄の必要性の調査についても検討してまいります。

○森澤委員 対処要領を実効性のあるものにするためには、関係機関と共有し、浸透させることが必要となります。
 対処要領の関係機関への周知と共有方法についてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 対処要領は、国の内閣官房や組織委員会、警視庁、東京消防庁等の参画を得ながら、庁内横断的な検討を重ね、区市町村の意見も反映して作成いたしたものでございます。
 平成三十年度は、この対処要領をもとに、競技会場等において具体的な事案を想定した実地訓練等を予定しております。訓練には、組織委員会や警察、消防、地元区市等の参加や協力も得たいと考えておりまして、こうした機会も活用しながら、関係機関との一層の情報共有や連携強化を図ってまいります。

○森澤委員 ありがとうございます。
 最後に、今後この対処要領はどのようなタイミングでアップデートされていくのか、スケジュール感についてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 平成三十年度には、このたび策定した対処要領をもとに、図上訓練に加えまして、競技会場等において具体的な事案を想定した実地訓練を行う予定でございます。これらの訓練の結果を踏まえながら検証、見直しを行い、実効性を高めてまいります。
 さらに、平成三十一年度に開催されるラグビーワールドカップ二〇一九におきましても、この対処要領に該当する事態があった場合には、これを踏まえて対応する予定でございまして、実践から得られた知見も反映させながら、東京二〇二〇大会に生かしてまいります。

○森澤委員 訓練や実践を経て、より実効性のあるものへと昇華していくものと考えます。
 これからの取り組みにさらに期待をし、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○川松委員 私からは、何点か基本的なところを確認させていただきたいと思いますが、まず、二〇二〇年大会の成功への鍵は輸送計画であるということは、さまざまな面でいい続けてきておりますけれども、その背景で支えるのは、サイバーテロ対策であると思っています。
 そういう思いもありまして、これまで例えばアメリカだったり、イスラエル、イギリスなどのサイバーセキュリティーを学び、各国の皆さんからそれぞれの技術を聞き、そして日々を過ごしてきたわけでありますが、二〇一六年大会のリオでもそうでしたが、各国は軍隊と連携をしながら、そのサイバーテロ対策の策を講じてきました。ところが、日本では軍隊という存在はまた各国とは違うわけですから、ここは慎重にやっていかなければならないなと感じています。
 きょうは資料要求の中で、国と都の役割を示していただいたわけですけれども、改めて二〇二〇年大会に向けたサイバーセキュリティーの国と都の役割、あるいは費用分担について教えていただきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 平成二十六年制定のサイバーセキュリティ基本法では、国は、国の行政機関等のサイバーセキュリティーを確保するほか、重要社会基盤事業者等におけるサイバーセキュリティー確保の促進等の役割を担うものとされております。
 これを踏まえまして、国は、東京二〇二〇大会に向け、政府における情報セキュリティー対策を推進するとともに、大会運営に影響を与える可能性のある重要サービス事業者等におけるサイバーセキュリティー上のリスク評価、脅威やインシデント情報の共有を担う中核組織としてのオリ・パラCSIRTの構築などに取り組んでいるところでございます。
 都は、サイバーセキュリティ基本法を受け、改定いたしました東京都サイバーセキュリティ基本方針に基づきまして、都が保有する情報処理システムや上下水道、都営交通などの制御システムに関する情報セキュリティー対策の実施などの役割を担っております。
 都は、東京二〇二〇大会に向け、平成二十八年に東京都CSIRTを設置し、事態対処の体制を強化するとともに、平成二十九年、都区市町村情報セキュリティクラウドを構築し、区市町村を含めたセキュリティー水準の向上に取り組んでおります。
 費用分担についてでございますが、各システムのサイバーセキュリティー対策に要する費用につきましては、システムを保有する主体がそれぞれ負担することとなります。

○川松委員 ありがとうございます。その基本的な姿勢にのっとって、二〇二〇年まであっという間に迎えてしまいますけれども、これから入念な準備を要望するところであります。今後、都、組織委員会、厳密にはNISC、内閣サイバーセキュリティセンターと連動していくことになろうかと思いますけれども、リオデジャネイロ大会では、開会のときには、いわゆる大会関連ウエブサイトへの攻撃が集中していて、その後徐々に攻撃の対象が周辺のウエブサイトへと移行していったというふうに私、聞いています。リオの組織委員会では、事前の対策や、事前の演習などを重ねることによって、開会時のたくさんの攻撃をしっかりとさばいてきたというふうな報告も聞きました。
 今のご答弁の最後の部分で、システムを保有する主体がそれぞれ費用は負担していくということでしたが、原則はそうだと思います。ところが、サイバー空間の中では、いつどこで何が起こるかわからないというのが現代社会です。大会組織委員会のウエブ関連が攻撃されるばかりではなくて、ちょっとお話がありましたけれども、都庁舎の中で考えれば、交通局だとか上下水道という、いわゆる日々の都市生活を支える重要なインフラを管理している所管も都庁内には組織としてあるわけです。オリンピックの開催がなくても、これらの組織というのはきっちり常にサイバーテロ対策をしていかなければいけなくて、常に緊張感を持っているわけでありますが、一度狙われて何かあったら大変なんです。そのための費用というのは、大体どれぐらいを上限にしていこうかというのは全くわからないわけです。
 技術も日進月歩で進んでいく、その中で二〇二〇年大会に向けて、あるいは二〇二〇年を超えた中で、しっかりと各部局にオリンピック二〇二〇年大会を契機として、いろいろお声がけをしていただいて、ここに対しての緊張感をさらに強めていただきたいと要望しておきます。
 常に本件に関しては、都と国の線引きは非常に難しいと思います。難しいですけれども、二〇二〇年大会の基幹システムというのが一つ存在をしていて、その二〇二〇年大会を支える都市の中に各部署があり、そして民間企業があり、都民の皆様がいて、国民の皆様がいる。この中で日本でのオリンピックは開かれるわけです。
 IoTの普及によって、各家庭にもいろんなところで今サイバーというのはつながっています。多くの皆さん方に、いつどこに、自分たちも危険があるんだよということを呼びかけしていくということは、開催都市の責任として必要ではないかと思いますので、さまざまな人たちを巻き込んで、そして二〇二〇年を迎え、その先に向けての、このサイバーとともに現代社会があるわけですから、ここを注視していくということを要望しておきます。
 次に、輸送計画についてですが、立候補ファイルの時点では、何度もいっていますけれども、環状二号線は本線のトンネルが開通することを前提として、環二のトンネルを活用した計画を立てていたわけです。ところが、これは以前のこの委員会での答弁でも、環二の本線トンネルではなくて、主に首都高速道路を活用してというふうに答弁というか、姿勢が変わってきたわけですね。
 改めて、いつの時点で、環二の本線のトンネルは使わない、大会輸送として使えないという認識になったのかを伺います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会の成功に向けては、輸送運営が重要であり、そのためには、東京の道路ネットワークを最大限活用する必要があると認識しております。
 環状第二号線の本線につきましては、一昨年十一月十八日に知事から、大会時は地上部道路で対応するとの方針が示されており、その状況につきましては、昨年一月にIOCに報告しているところでございます。
 大会で活用するルートについては、二〇二〇年時点で活用可能な道路ネットワークの中で、首都高速道路のほか、環状第二号線地上部道路を初めとした一般道も含めて、現在その活用について検討しているところでございます。

○川松委員 首都高速道路に関しては、新しい晴海の出入り口もできたわけですし、実際に去年の一月にIOCに報告をされていた。振り返れば三月の予算特別委員会や、六月の輸送運営計画のV1でも高速道路という文言は出ておったわけですけれども、二年前の十一月十八日の時点で、環状二号線は使えないんだ、知事の会見から考えたということですが、きょういただいた資料では、輸送計画に関する招致決定後の検討の経緯というのを出していただいたわけですけれども、そもそも第一回の輸送連絡調整会議というのは、三年前にスタートしているわけですね。
 まさか環二が使えなくなるなんていう前提はなくて、輸送連絡調整会議がスタートして、このスタートしていく過程の中で十一月十八日に、ああ、もう環二のトンネルは無理なんだな、地上部道路で対応するんだなという認識になったということですから、現場の皆さんの、もう一度焼き直しというか、ゼロからの再スタートというのは大変苦労があったんだろうと思います。
 このことは、大会の準備もさることながら、環状二号線の計画を一般の都民の皆さん、あるいは臨海部につながっていくということで運用していきたいといって期待をされていた方もおるわけです。オリンピックのときにはBRTの活用というのも当初の計画の中で入っていたわけですが、改めて環状二号線の本線の開通計画がおくれていることで、BRTの準備もおくれているのは間違いありません。
 地元の皆さん、都民の皆さんの足としてもBRTは重要だったはずですけれども、局として、この点についてどのような見解をお持ちなのかを教えていただきたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 BRTにつきましては、臨海地域での交通需要に対応するため、現在、環状第二号線の整備状況を踏まえ、早期に運行を開始できるよう、都市整備局と運行事業者で調整を進めていると聞いております。
 BRTは、地域の足を支える重要な路線であることから、今後も関係局等と連携してまいります。

○川松委員 ありがとうございます。オリンピック二〇二〇年の大会のときに、BRTを活用されるのかしないのか、今検討中のようでございますけれども、これは聞くところによって全部答えが違うわけです。
 BRTという一般名称、これを例えばバスと置きかえたときに、小型のバスもあれば、中型のバスもあれば、大型のバスもあるわけです。だから、環状二号線の地上部道路で対応できるものというのは、BRTという響きの中では、多分多くの人たちは当初の計画で使おうとしていたBRTを頭の中でイメージしていると思います。
 それをそのまま本当に使えるのかどうかというのは、まだ、この間の予算特別委員会では、地上部道路の線形も決まっていないという建設局の答弁なわけです。でも、二〇年の夏にはオリンピックがやってくる。ここに向けてBRTの車体の大きさだとか、事業者の皆さんとも協力しながら、どうやって対応していくのかというのは非常に難しい次年度の取り組みを迎えると思いますけれども、輸送計画をしっかりと練っていただいて、二〇二〇年の大会も、今の時点でベストを尽くす。そして、都民生活の向上のためにさらなる計画を進めていただきたい、そのように要望しておきます。
 もう一問、これは最後に聞かせていただきますけれども、輸送計画が重要ですと繰り返しいっています。改めて、この二〇二〇年大会の輸送計画の策定の責任者というのは、組織委員会なんでしょうか、それとも東京都なんでしょうか。確認です。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 都はこれまで、大会組織委員会と共同して、輸送連絡調整会議や交通輸送技術検討会を立ち上げ、種々の観点から検討を進めており、昨年六月に輸送運営計画バージョンワンを、本年一月に技術検討会の中間のまとめを組織委員会と共同で作成し、公表してまいりました。
 今後も、円滑な大会輸送の実現に向けまして、大会組織委員会とともに取り組みを進めてまいります。

○川松委員 今の答弁だと、私は組織委員会か東京都かどっちですかと聞きましたが、これは両方の責任があるというような趣旨の答弁ですよね。輸送計画であれば、車の両輪であると。
 ところが、小池都知事は就任して以来、組織委員会初め大会関係の皆さんから環状二号線の本線トンネルだけは何とかしてくださいよと要望されてきたけれども、なかなか市場の一旦立ちどまった、さらに動かす決断をせずに、この環二本線トンネル計画がだめになってしまったわけですよ。
 スタートの時点で車の両輪だった輸送計画、東京都と組織委員会が崩れたものをもう一回戻してスタートするに当たっては、ぜひ知事にも、この原理原則をご理解いただくよう皆さんも説明していただいて、過去のことはきょうは問いませんから、この時点からしっかりと輸送計画を練り上げて、二〇二〇年の大会、そして二〇二〇年を乗り越えての東京の計画というのを実現していただくよう要望しまして、私の質問を終わります。

○谷村委員 先日、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部で事務局長をお務めになっておられます内閣官房参与の平田竹男さんのお話をお伺いする機会がありました。
 いろいろ感銘深いお話をお伺いしましたけれども、その際に、組織名としても長い名称なので、所属されているこの事務局は、オリ・パラ推進本部という言葉で、このオリ・パラという言葉を公式にもう定着をさせていきましょうというふうに呼びかけておられます。さまざまな、五輪、オリ・パラとかオリンピック・パラリンピックとか、いい方がありますけれども、もうオリ・パラという言葉を定着していく、それは角度としては、パラリンピックをもっともっと前面に出していただきたい、また、出していこうというくだりの中でおっしゃっておりました。それ以降、私どもも、これはもうオリ・パラという表現で、公式でも使わせていただこうと思っております。
 それでは、東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針について質問いたします。
 このニ、ゼロ、ニ、ゼロという表現も、公式にはニ、ゼロ、ニ、ゼロということになっているわけですけれども、日本語と英語というのですか、ゼロで混同しているわけで、普通だったら日本語でいえば、ニ、レイ、ニ、レイ、英語でいえばツー、ゼロ、ツー、ゼロかトゥエンティートゥエンティーで、ニ、ゼロ、ニ、ゼロとはいかにもおかしいなと思うんですが、この基本方針は、都市運営の取り組みについて全体像を明らかにする。そして、この全体像を関係機関等と共有し、具体的な検討と準備を進める。そういう位置づけでは、大変によく理解しやすいものになっていると思います。
 少し粗削りな面も当然あろうかとは思いますが、それぞれの分野でどう連携して役割を果たし、責任を負っていくのかということを今から明確にしていくというもので、都市運営、いわゆる開催都市としての責任の明確化、組織委員会に対する円滑な大会運営の支援、そして大会の開催が都民の皆様の生活に与える影響の軽減の二つの基本方針をまとめられたものと理解をいたしております。
 今回の都市オペレーションセンターの連携体制イメージを拝見して思い浮かべるのは、今もお話がありました、リオで視察をされた方が本委員会で、このイメージの表でいうと、輸送センターに当たる状況をごらんになってこられて、それが見事に運営されている様子を確認されていることに感動され、これぞオリンピックだとおっしゃっていたご発言を聞いて、私も感銘を受けたわけであります。
 テレビなどで報道されている華やかな舞台、あるいは激しい熱戦、そして、アスリートの感動的なエピソード、あるいは金メダルやメダルの数といったものだけがオリ・パラではなく、関係者それぞれで、輸送部門を担う方はその管理運営がその方にとってのオリ・パラであるということ。
 そして、この都市オペレーションセンターの連携体制イメージが物語っているんだと感じましたが、あえてこれを申し上げれば、この都市オペレーションセンターこそが都庁で働いておられる方々のまさにオリ・パラであると。組織委員会に派遣されている方も、あるいは都庁の通常業務をされている方も、まさに同じことがいえるのではないかと思います。輸送センターでご活躍される方も、また、都と組織委員会で共同設置し、同様に感じているわけでございます。
 この連携体制イメージをたたき台にして、責任者や担当者の職責、また、設置場所なども明らかにされていくものと思いますが、東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領では、サイバーセキュリティーインシデント対応体制については、副知事が担当するという職責が明示をされております。そのつかさつかさによって、つく職責によって、各担当部署の重みも出てくるものと思いますし、この大会期間中の副知事、あるいは局長級の役割などにつきましても、今後明確になっていくものと思っております。関心を持って注視させていただきたいと思っております。
 さて、この都市オペレーションセンターですが、大変に重要な役割を担っておりますけれども、少し重なりますが、現段階で設置場所をどこに想定しているのか、お伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンターは、大気等の情報や上下水道等、ライフラインの運用状況など、都市情報を集約するとともに、大会への影響を分析し、大会運営に影響を及ぼし得る事態が発生した場合には、都庁関係局及び関係機関と連携した迅速な対応を行うことが必要でございます。
 そのため、都庁関係各局と密接に連絡調整を行いながら、速やかに状況を分析し、対応方針を取りまとめることが必要でございまして、都庁内に設置することを基本に検討を進めてまいります。
 また、都市オペレーションセンターでは、観客の案内や路上美化など、競技会場周辺における対応を行うことを予定してございます。この機能につきましては、組織委員会の大会運営と緊密な連携体制を確保するため、晴海地区に設置される予定の組織委員会の各種センター機能を考慮しながら、設置場所を検討してまいります。

○谷村委員 都市オペレーションセンターは都庁の本丸と、そして組織委員会の各種センター機能と近接した場所になるということですが、本基本方針に記載されている都市運営の役割である都市機能の維持と、それから大会運営支援という意味で、この都市オペレーションセンターは分けられるのかとも思います。
 具体的には、組織委員会とどのような連携をとるのか、また、機能を分離してしまうことによる支障も少なからず考えられると思いますが、どのように対応していくおつもりなのか、見解をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都が運営を行う都市ボランティアを適正に配置し、観客等への案内を適切に行うためには、会場ごとの競技の開催状況や観客の流れについて即時に情報を共有することが重要でございまして、このような会場周辺対応機能につきましては、組織委員会の各種センター機能を考慮しながら設置場所を検討しているところでございます。
 都市オペレーションセンターの機能が分割して設置される場合に必要となる情報共有につきましては、テレビ会議などICTツールの活用や、会場周辺に設置されたセキュリティーカメラの情報を共有するなど、相互の連絡体制を構築してまいります。

○谷村委員 大会の成功に向け、庁内連携を推進し、組織委員会や国、警察、消防などと必要な調整を迅速に行うためには、強力な執行体制が必要になってくると思います。
 誰が、あるいはどういう職責の方がこのセンターの長になるのかも含めて、都市オペレーションセンターをどのような体制で運営していくのか、見解を求めます。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンターは、大会運営に影響を及ぼす事態が発生した場合、庁内関係局や関係機関と情報を共有し、対応方針を決定するために、関係者間での迅速な合意形成を行うことが求められることから、センターの長につきましては、その職責を果たす上でふさわしい職員の配置を今後検討してまいります。
 大会運営に影響を及ぼし得る都市情報を集約するための仕組みを構築いたしますとともに、関係局職員が日々参集し、情報共有を行うことに加えまして、事態への対処が必要な際には、関係局職員が常駐できる体制を検討してまいります。
 また、組織委員会のメインオペレーションセンターや国のセキュリティ調整センターに職員を派遣いたしますとともに、都市オペレーションセンターに対しても、警察、消防を初め、必要な連絡調整要員の派遣を要請することにより、情報共有を初めとする連携を推進してまいります。

○谷村委員 今ご答弁にもありましたとおり、大変重要な役割を担う方と思いますので、二年ありますので、都庁人事の回転の課題もあり、急ぐことでもないかもしれませんが、検討状況をしっかりと見守らせていただきたいと思っております。
 この都市オペレーションセンターは、大会時に重要な役割を担うことになります。これだけ多くの関係機関が連携する体制の構築を、決してオリ・パラ一過性のものに終わらせず、大会後も見据えて取り組みを進めるべきと考えますが、見解を求めます。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会に向け、都市オペレーションセンターの設置に向けた検討を進めるに当たりましては、大会期間中はもとより、増加する外国人観光客への対応など、大会後のレガシーとしても生かしていく視点を持ちながら準備を進めることが重要でございます。
 都市オペレーションセンターにおきまして、大会運営に及ぼす可能性のある都市情報を集約する仕組みを構築する際は、防災分野など今後の都政の活用を見据えまして、費用対効果も勘案しながら、異常の兆候の段階から迅速かつ的確に把握できるよう、情報の時系列や地区別の表示など視認性にすぐれたシステム化も含めまして、検討を行ってまいります。
 また、円滑な大会運営を支えるために構築いたしました庁内各局や多くの関係機関との連携がソフト面のレガシーとして大会後も適切に受け継がれるよう、運営計画策定の段階から関係機関と連携し、取り組んでまいります。

○谷村委員 増加する外国人観光客への対応を、大会後のレガシーとして生かしていく視点を持ちながら今から準備をしていただくと。大会後も防災など今後の都政に活用していくことを前提に、異常の兆候の段階から迅速かつ的確に把握できるよう、情報の時系列や地区別の表示など視認性にすぐれたシステムの検討を今から行っていただくと。そして、庁内各局や多くの関係機関との連携がソフト面のレガシーとして大会後も適切に受け継がれるよう、運営計画策定の段階から関係機関と連携する。
 いわゆる直面する二〇二五年問題、あるいは気象変動、気候変動、あるいは頻繁に開催されます各種国際会議等、目まぐるしく変わる都市のニーズに対応していくためにも、このソフト面でのレガシーというものもしっかり残していただきますように、今から準備していただけるという意味では、それ相当のものを期待させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、基本方針の、大会における都市運営の取り組み、(3)の輸送、交通に係る取り組みですが、冒頭にも申し上げましたが、これは大会の成否を左右するとても重要な取り組みであります。
 円滑な大会輸送の実現に向けて、都が大会輸送全体のコントロールをしていかなくてはならないと考えますが、見解を求めます。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 都はこれまで、円滑な大会輸送の実現を目指し、交通輸送技術検討会を大会組織委員会と共同して設置し、学識経験者を交え、交通工学の専門的な見地から検討を進めております。
 本年一月に交通マネジメントの方向性を示した中間のまとめを公表し、円滑な大会輸送の実現に向けて、交通需要マネジメントや、公共交通のマネジメントに取り組むこととしております。
 今後、その具体的な方策について、大会組織委員会や関係機関と検討を進め、大会時の着実な大会輸送運営を目指してまいります。

○谷村委員 都と組織委員会で共同設置する大会輸送の中核を担うこの輸送センターには、どのような機能を設けていくのか、ご説明をお願いします。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 輸送センターは、大会組織委員会と共同して設置し、大会輸送全体の運営を統括するものでございます。
 その機能は、円滑な大会輸送の実現と都市活動の両立を図るため、主に三つあると考えております。
 一つは、主に大会時の交通情報の提供や需要抑制に向けた呼びかけを行うこと、二つ目は、関係者輸送や観客誘導のオペレーションを行うこと、最後に、鉄道や道路の事業者と連携し、リアルタイムで状況を把握すること、事故時の対応を行うことでございます。
 大会時にはこれら三つの役割を担う部門で相互に連携し、円滑な輸送運営を行っていくこととしております。

○谷村委員 石原都政時代の話になりますけれども、交通渋滞は大都市東京の最大の弱点とまで位置づけてきたわけですが、その最大の弱点を抱えている東京が二度目のオリ・パラを開催していくという意味では、この輸送センターの長となる方も重要な職責の方が担われると思います。
 この輸送センターは、常時、都市オペレーションセンター、あるいはメインオペレーションセンターとの緊密な連携が必要であると考えますが、このご認識について確認をさせていただきたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 円滑な大会輸送の実現には、大会時の時々刻々と変化する状況に臨機応変に対応していくことが重要でございます。
 このため、輸送センターでは、大会全体の運営をつかさどるメインオペレーションセンターが有する情報の取得や、上下水道、電力などのインフラの状況や感染症に関する情報などを都市オペレーションセンターから取得する検討をしております。
 また、通常時のみならず、暴風雨や大規模地震など不測の事態が発生した場合には、メインオペレーションセンターや都市オペレーションセンターとの連携が特に重要になるものと考えており、センター設置段階から連絡方法や手段の確認を相互に行い、輸送運営に支障のないように努めてまいります。

○谷村委員 今後、輸送、交通に係る具体的な取り組み内容は、別途策定される輸送運営計画に定められると記載してありますけれども、大会成功の鍵を握る大会輸送に向けた潮田局長のご決意をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 今るるお話がございましたが、輸送センター、都市オペレーションセンター、それからメインオペレーションセンター、これら三つとも、これから大会を運営していく上で非常に重要な役割を担ってまいります。
 その中でも、今お話がございました輸送センターにつきましては、円滑な大会輸送を進めていくということで、大会の成功に向けての円滑な輸送運営の実現、それと、都民生活あるいは都市活動の維持、これらの両立を図っていくことが重要な役割というふうに認識しています。
 先ほど片寄部長よりお話ししたとおり、主に三つの機能があるということで、交通情報の提供あるいは需要抑制に向けた呼びかけ、それから、観客輸送あるいは観客誘導のオペレーションを行うと、それと、鉄道、道路の事業者と連携してリアルタイムで状況を把握すると。
 こういった中でも、とりわけ今、早急にできることの一つとしまして、やはり一つ目の需要抑制に向けた呼びかけというのが今喫緊の課題として重要だというふうにも考えております。
 このため、大会時の道路、鉄道の混雑状況など、大会期間中の交通状況の見通し、そういったものを早期に提示をしまして、混雑箇所の迂回、あるいは時間を変えた配送など、交通需要マネジメントへの協力が得られるように、国や組織委員会と連携をして、経済団体あるいは物流業者などに幅広く働きかけを行っていかなければいけないというふうに考えています。
 また、夏休みの計画的な取得、あるいはテレワークの導入、こういったものの呼びかけを行うなど、企業や市民の側でも大会に向けて協力が得られるように、環境づくりを積極的にやっていきたいというふうに考えております。
 都といたしましては、こうした交通需要マネジメントの具体的な取り組み内容等につきまして、関係機関との調整が整い次第、適切な時期に公表していくことに加えまして、引き続き、大会組織委員会や関係機関と連携をしまして、輸送運営計画バージョンツーを取りまとめまして、円滑な大会輸送の実現に努めてまいりたいと考えております。

○里吉委員 それでは、私からは、まず東京二〇二〇年大会における都市運営に係る基本方針について、地元世田谷区を例に何点か確認をしたいと思います。
 私の地元世田谷区には、オリンピックの馬術の競技に使われる馬事公苑があります。この場所は、最寄り駅でいうと、東急田園都市線の用賀駅、桜新町駅、小田急線の経堂駅、千歳船橋駅と四つの駅が最寄り駅になります。
 大会時に観客が集中するこれらの最寄り駅から会場までラストマイル対策をどうするのか、また、大会期間中に会場付近で開催され、大会運営に影響を与える可能性のある大会とは直接関係しないもの、いわゆるパラレルイベントへの対応はどうするのかということは、地元自治体にとっても大きな関心事です。
 ラストマイルなどにおける東京都と会場周辺自治体との役割分担はどのようになっているのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都は、大会運営を支援するとともに、大会による都民生活への影響の軽減を図るため、都市オペレーションセンターを設置し、ラストマイル上におきまして、都市ボランティアによる案内や暑さ対策、仮設トイレなど利便設備の設置、大会運営に影響を与える可能性のあるイベント、いわゆるパラレルイベントの対応等を行う予定でございます。
 ラストマイルでのこうした取り組みにおける会場周辺区市の役割といたしましては、ラストマイル上の区市道の管理、バリアフリー化工事やパラレルイベントに関する主催者側との調整への協力などを想定しておりますが、都民生活への影響を軽減し、地域住民の理解を得るためには、会場周辺区市との連携が不可欠でございまして、引き続き連携して取り組んでまいります。

○里吉委員 ラストマイル上の取り組みは、地元自治体も協力したいが、世田谷区として何をすればいいのか。地元自治体として、東京都や組織委員会との役割分担などについては、具体的に相談したいという話も地元から伺ってまいりました。
 今のお話では、実際には東京都が責任を持って取り組むと。地元自治体としては、区道などあれば、そのバリアフリー化を進めることや、イベント主催者との調整など、都と一緒に取り組むということがわかりました。
 また、世田谷区は、アメリカ選手団の事前キャンプや、幾つかの競技の公式練習場として使われる予定と聞いております。大会会場のように人が押し寄せるわけではないかもしれませんが、オリンピック・パラリンピックの選手の方々が来るわけですから、マスコミの方々なども来るかもしれません。ファンの方々が来るかもしれません。
 こうした対応は、直接大会における都市運営とは関係ないかもしれませんけれども、地元自治体に対して、必要であれば情報提供していただくとか、何らかの支援をしていただく必要があるかもしれませんので、そういったことについても、ぜひ協議していただきたいと思います。
 そして次に、暑さ対策です。
 夏の暑さ対策のため、ここでもいろいろ議論されてきたと思いますが、世田谷区では、一般的に夏の時期になりますと、公共施設に加えて、公衆浴場や薬局、商店街などの個店の協力も得て、熱中症予防ひとときお休み処という取り組みを毎年行っています。
 公共施設や協力してくれたお店の前に、給水器や椅子を用意して休憩と水分補給ができるようにしたもので、協力店にも公共施設と同じように黄色い大変目立つのぼり旗とか垂れ幕などを設置して、そこは買い物をしなくても、用事がなくても、休むために誰でも入れるという、熱中症予防ということで、世田谷区がここ毎年取り組んでいるものです。
 こうした自治体として、暑さ対策をいろんなところでやられていると思いますので、こうした地元自治体の取り組みとも連携して、休憩所の設置など進めるべきだと思いますが、見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 最寄り駅から競技会場までの歩行者ルート、いわゆるラストマイルにおきましては、多くの観客が訪れることとなり、疲れた方やぐあいが悪くなった方が休むことのできる休憩所の設置は重要でございます。
 今後、距離や観客動員数などの条件を踏まえまして、ラストマイルごとの必要性に応じて休憩所の設置を検討していくに当たり、会場周辺自治体とも連携し、必要な休憩所を確保できるよう取り組んでいくことといたしております。

○里吉委員 この馬事公苑という場所は、本当に世田谷区民にとっては、毎年夏というのは、せたがやふるさと区民まつりで大変にぎわう場所なんです。今は五輪準備のために閉鎖中ですけれども、一昨年までは、世田谷区に毎年本当にたくさんの人が集まって、私も八月上旬の土日、行っていました。大変楽しいお祭りなんだけれども、とにかく暑かったという記憶が一番残っていて、どの会場もそうでしょうけれども、大会そのものが夕方にやられるとか、競技は夜という場合であっても、その会場に向かう間、道すがら、そして会場付近、ぜひ地元自治体と協力して、休憩所などの設置を進めていただきたいということをお願いしておきます。
 次に、ラグビーワールドカップ、東京都の交通輸送計画にかかわって何点かお伺いします。
 会場となる東京スタジアムは、京王線の飛田給駅が最寄り駅ですが、改めて私、毎日京王線を使って、この都庁にも出勤しておりますので、大変な混雑になるのではないかということで、大変心配しております。
 何度も京王線の大混雑を経験していますし、雪が降ったとき、人身事故、何らかのトラブルが起きると、とにかく新宿駅、京王線の駅構内に入るのも一苦労ということで、東京スタジアムへの経路はいろいろありますけれども、そうはいっても、やはり飛田給駅から歩くのが一番近いということで、どうしてもここに集中してしまうのではないかと思います。
 この点で、都としての対策はどんなことを検討しているのか、改めて伺います。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 京王線飛田給駅からスタジアムに来場する観客の多くは、京王線新宿駅を利用することから、新宿駅での混雑を緩和するためには、JR中央線、小田急線など、京王線以外の利用促進や、来場時間帯の分散を図る必要があります。
 このため、駅舎内におけるポスター掲示やアナウンス、ホームページやSNSなど、多様な媒体を活用して、観客に対する事前周知を徹底してまいります。
 具体的には、JR中央線、小田急線などの駅とスタジアムを結ぶシャトルバスの利用や、西武多摩川線多磨駅からの徒歩による来場に加え、早い時間帯での来場を促してまいります。

○里吉委員 これまで何度も議論されてきたことであろうと思いますけれども、何か特別の決め手がある、解決策があるというわけではなく、やはり来場者の皆さんに協力していただくということだと思います。
 初日と最後は金曜日ですから、通勤通学の方とも重なる時間になります。今ご答弁にもありましたように、ファンゾーンの認知度や魅力を高めて、早い時間に来ていただくなど、時間の分散化が必要だと思います。
 そしてこの京王線、本当にトラブルが発生したときには、乗りかえて、新宿駅から小田急線で行くか、中央線で行くか、振りかえ輸送で会場に来ていただくことになると思うんですが、そうした場合には、シャトルバスの本数をふやすなど、改めてそういった検討はされているのか伺います。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 試合当日に京王線で事故が発生した場合の対応については、シャトルバスを活用した振りかえ輸送等も含めて検討を行っております。
 今後とも、鉄道事業者やバス事業者と協議を進め、来年度中に策定する実施計画に反映してまいります。

○里吉委員 テストマッチのときにも、京王線が運転見合わせということで、大変な影響が出たというふうに伺っております。そうなると、並行して走っている小田急線に乗るか、JRを使うかということで、その先のバスでまた混雑してしまう、結局試合に間に合わないということになっては元も子もないわけですから、前回のトラブルをきちんと糧に、今度は極力試合開始に間に合わなかった方がいらっしゃったということも聞いたので、間に合うようにしていただきたいと思います。
 そして、混雑が予想される飛田給駅のホームドアの設置についても、これは所管ではないということなので質問はいたしませんが、けが人など出ないように、ラグビーワールドカップには間に合うように、このホームドアの設置も、都としても進めていただきたいということは要望しておきます。
 そして、シャトルバスの輸送計画ですけれども、これは、いただいた資料を読みますと、調布駅、多磨駅、武蔵境駅、狛江駅、武蔵小金井駅、ここからシャトルバスを出す予定というふうに記載がございます。これ、路線バスも走っているところでもあり、その一般客への影響が生じないように、同じ路線にシャトルバスを運行させるということだと思いますけれども、バスターミナルが新しく完成した西調布駅や中央線でアクセスのよい三鷹駅や、さまざま、それ以外の駅からのシャトルバスの運行は検討したのかどうか、これから検討する予定なのかどうか、あわせて伺います。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 本大会におけるシャトルバスにつきましては、バス事業者が運賃収入により運行するものでございまして、大会時においても、通常の路線バスの運行便数を維持しながら効率的に運送できるよう、発着駅を設定する必要がございます。
 このため、ラグビーワールドカップ二〇一九東京都交通輸送基本計画では、ラグビーテストマッチ等での運行実績も踏まえ、バス事業者と協議を行い、シャトルバスの需要が高く、効率的な輸送が可能な調布駅、多磨駅、武蔵境駅、武蔵小金井駅、狛江駅を発着駅とすることを想定しております。
 なお、その他の駅につきましては、運行可能な車両数やスタジアムからの距離なども含め、バス事業者と総合的に検討した結果、現時点では運行の対象として想定してございません。

○里吉委員 シャトルバスの運行はバス事業者が運賃収入により運行するものということで、採算性や通常のバスを運行しながら、どれだけシャトルバスを用意できるかにかかっているというご答弁だったと思います。
 一方、飛田給駅への集中を避けるという点では、利便性の高い駅、急行がとまる駅とか、そういう駅からバスを出すことで、一極集中といいますか、飛田給駅への集中を避けることもできるのではないかと思いまして、こういう提案をさせていただきました。使いやすい駅からシャトルバスを出すことで、飛田給駅への一極集中を避けられるのではないか、こんなことについてもぜひ検討していただけたらと要望しておきます。
 そして最後に、バスや電車を使ってこの会場に行くのが大変困難な障害者の方や車椅子の方などが車で会場に行く場合の駐車場対策、この対応についてどうなっているのか伺いたいと思います。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 公共交通機関による来場が困難な車椅子利用者の方に対しましては、組織委員会においてチケット購入時に自動車での来場希望を確認し、希望者の方には駐車スペースを用意することとなります。

○里吉委員 東京スタジアム、味の素スタジアムのホームページを見ましたら、車椅子用駐車場は二十二台というふうになっておりました。それ以外にも駐車場はあると思うんですが、関係者の方やVIPの方の駐車場なども用意することになっているのではないかと思うんですね。
 この二十二台の車椅子駐車場は、今お話がありました、申し込んだときに自動車で来場したいと希望した方が優先的に使えると考えてよろしいのか、確認したいんです。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 駐車場の運営に関しましては、組織委員会の方で行うことになっておりまして、障害者の方、車椅子利用者の方の駐車場が必要な場合には、組織委員会の方で措置をするというふうに聞いております。

○里吉委員 組織委員会の方で責任を持って対応していただくというご答弁でした。
 これを見ますと、当日はどうなっているかわかりませんけれども、今、東京スタジアム、車椅子者用の観覧席は五十二席あるというふうに記載されております。車椅子利用の方が自動車での来場を希望した場合、会場から近い駐車スペースが必要だと思いますので、ぜひ近い場所に用意していただいて、障害のある方もない方も、みんなで楽しめる大会にできるように要望いたしまして、私の質問を終わります。

○山口委員 私からも幾つか質問させていただきたいと思っておるのですが、あらかじめ重複した質問は割愛してまいりたいと思っておりますので、その点だけご容赦をいただきたいと思います。
 ようやく競技種目や会場も次々と定まって、明確になってきたところでもありますので、どのように運営をされていくのか、どれだけの人が集まってくるのか、そういったところもイメージをしやすくなってきたところでございます。と同時に、課題であるとか、どのような可能性があるのか、そういったところも明確になりつつあるのかなというふうに感じているところです。
 それだけに、東京都としてはしっかりと説明をしていく、その説明の責任も果たしていくということ、これを同時に理解いただいて、さらに、同時に都民の皆様の心も一つ一つまとめ上げていく、まさにつくり上げていくことが、いわゆる東京都が求めている機運醸成というものにつながっていくんじゃないかなというふうに思うところでもあります。
 広告宣伝に力を入れていくということではなくて、オリンピックというものがどういうものがあるのか、パラリンピックというものがどういう位置づけにあるのか、それに参加をしていただく、かかわっていただく、東京都がどういう位置づけで世界にアピールをしていくのかと。都民一人一人が少しでもそこを考えていただくということが、まさにこの意識の向上ということで自分のまちと向き合っていく、またさらに、可能性だとか、今後、そして今を見詰めていただくということが、大切な新しいこれからつくり上げていくムーブメントになっていくんではないかなというふうに思うところであります。
 こういった視点から、都民のイメージがより湧いていくような質疑に心がけていきたいと思っておりますので、ご答弁をよろしくお願いしたいと思います。
 まず伺いたいんですが、この東京都がお示しになられた、都市運営に係る基本方針ということで、先ほどの答弁の中にも、都市オペレーションセンターができて、大会運営に影響を及ぼす事態が発生した場合に、関係機関と連携をして迅速に対応していくということでありましたが、そのために必要な東京都庁、都庁内の関係局等が保有をしている都市情報を効率的に集約をする仕組みというふうにここに明記をされているわけでありますが、具体的にこれはどのようなものになるんでしょうか。伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ライフラインの安定供給や公衆衛生、環境衛生の確保など、安定した都市機能の維持は大会の円滑な運営の前提となるものでございます。
 そのため、大会運営に影響を及ぼす可能性のある都市情報につきまして、異常の兆候の段階から迅速かつ的確に把握するため、情報を時系列、地区別に整理し、できる限り視認性を高められるよう、システム化も含めて検討してまいります。
 また、大会後におきましても、防災分野など、今後の都政に活用できるよう、レガシーの視点も踏まえながら関係局と十分に連携して、この仕組みを検討してまいります。

○山口委員 先ほどの答弁にもありましたが、ライブサイトを初めとしてパブリックビューイング、それに限らずとも、多くの方々が世界中から集まってくれば、どうしても気持ちも高ぶって、まちに出ると人が集まってしまう、時には車やバスをとめて大騒ぎをしてしまう、そういった可能性もなくはないわけでありますから、これを機会にありとあらゆる、こういう情報の蓄積ができる、また後継、後につないでいくことができるという機会はなかなかないわけでありますので、ぜひ生かしていただくような仕組みづくりを心がけていただきたいと思います。
 また、各競技会場周辺でのトラブル、事故や事件などあるかと思いますが、適切に対処するためには、現場にいらっしゃる警察や消防との連携が非常に重要な鍵を握ると思いますが、各現場での連携体制についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 観客等が集中する競技会場周辺の状況を的確に把握し、混乱の未然防止や事故等への迅速な初動対応を行うために、組織委員会はもとより、警察や消防など関係機関や地元自治体等と各現場におきまして、直接連携して対応することが重要でございます。
 このため、競技会場周辺に関係機関等との連絡調整の中心的な役割を果たす都市オペレーションセンター職員を配置することという方向で考えてございます。
 また、観客数や競技スケジュール、立地条件など、各現場の実情に応じまして、各関係機関等が円滑に情報共有や対応方針の合意形成を行える場を設置するなど、関係機関が緊密に連携できる体制を検討してまいります。

○山口委員 今お話にもあった、この関係機関というのをどこまで広く捉えていくかというところも非常に大事かなというふうに思っているところでありますが、この東京二〇二〇大会においては、競技会場は当然のことながら都外にも分散をしているわけであります。
 この大会全体の成功のためには、都外の自治体との連携も非常に重要になってくると思いますが、この点に関してはどのように協力連携をしていくのか、お伺いしておきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会全体の成功のためには、競技会場の所在する各関係自治体におきまして、大会運営の円滑な支援や住民生活への影響を軽減するために組織委員会と連携して取り組むことが必要でございます。
 都は今回、東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針を公表いたしましたが、会場数や立地条件などの状況がそれぞれ異なる関係自治体の実情に合わせた準備がなされるよう、今後とも、都の取り組みを積極的に情報提供していくなど、組織委員会とともに協力連携してまいります。

○山口委員 当然のことながら、この都市という言葉、ありとあらゆる可能性を東京都として考えていくには、まず都市を中心に考えていく。しかし、大会運営の全体の成功を考えていく上において、情報であるとかどのように運営をしていくのかということの共有というのは、非常に大きな鍵を握っていくと思います。
 当然のことながら、都内に限ることではなくて、広く情報を共有し、その情報が円滑にかつ適切に使っていただけるような仕組みづくりも重要だと思いますので、ぜひその点にも留意をして進めていただくようにお願いしたいと思います。
 また、先ほど輸送のお話もございました。当然のことながら、円滑な大会の輸送の実現というのも、当然のことながら都内に限ることではありません。こういったことにも一つ一つ心がけて取り組んでいただきたい、ここも要望しておきたいというふうに思います。
 また、この円滑な運営について、どうしても鍵を握ってくるのが、私はボランティアの方々の活躍、また、ボランティアの方々のご協力だというふうに思っているところでもございます。
 まず、一点伺いたいのは、観客等に対する会場への案内や、ボランティアの皆さんが観光案内を行う、この都市ボランティアについて、観客の流動状況に合わせた配置調整を行うというふうにされているわけでありますが、どのような調整を行うのか伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラストマイルにおきまして、観客への案内等を行う都市ボランティアの配置に当たりましては、観客数や競技の開催状況等に応じた柔軟な調整が必要であると考えております。
 一昨年開催されたリオ二〇一六大会では、大会開始当初、チケットの販売状況等、組織委員会との情報共有が十分に図られておらず、会場によってはボランティアの過不足が生じていたと聞いております。
 こうした過去大会における事例を参考に、観客数や競技の開催状況等はもとより、都市オペレーションセンターにおいて公共交通の状況等も勘案しながら、適宜現場におけるボランティアの配置、場所、人数を調整するなど、配置調整について検討してまいります。

○山口委員 まだ具体的なところはこれからだというふうに思いますが、開会式当日をとってみても、観客の入場から退場まで、大会初日から円滑な案内を行っていく必要があるかと思います。
 当日指示をされて活動できるとは到底思えないわけでありますが、準備としてどのように考えておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアが適切に観客への案内を行うためには、ボランティア一人一人がそれぞれの役割を果たす上で必要な知識やスキルを習得する事前の十分な研修が必要でございます。
 そのため、都と組織委員会はボランティア全員に対して、ボランティア活動を行う上で必要な基礎的知識を習得してもらう共通研修に加えまして、役割別の研修や会場別、配置場所別研修を実施する予定でございます。
 選手や観客を初めとする多くの来場者に対し、大会時のボランティアによる適切な案内、日本らしいおもてなしに満ちた対応が行われるよう、組織委員会等と連携し、ボランティアの計画的な研修の実施に取り組んでまいります。

○山口委員 今回示された中には、東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領というものも示されたわけでありますが、このボランティアの皆様一人一人も参加をしていただく、また、この中にはありとあらゆる可能性も書かれているところでございます。
 誰でもボランティア活動に安心をして参加していただく、従事していただけるように、どのような取り組みを行っていくのか、お伺いしておきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会のボランティアの運営に当たりましては、安全に活動を行えるよう、暑さ対策を初め適切な安全管理を行っていく必要がございます。
 そのため、大会時には休憩場所の確保や、屋外で活動するボランティアへの小まめな休憩時間の設定など、ボランティアの安全な運営に向け、取り組んでまいります。
 また、ボランティア活動向けの保険への加入も予定しておりまして、ボランティアが安心して参加し、活動できるよう取り組んでまいります。
 さらに、障害者が安心してボランティア活動に参加できるよう、活動に当たって配慮や支援を要する内容を申し込み時に把握し、一人一人の身体の状況に応じた適切な配置や、介助者などとグループで応募できる仕組みを構築してまいります。

○山口委員 恐らくきょう参加の理事の方、委員の方も問い合わせが多いんじゃないかと思いますが、オリンピックのときには、パラリンピックのときには、ぜひボランティアとして参加をしてみたい、いろんな形でオリンピックにかかわってみたい、もう今からそういう方も都民の中でたくさんいらっしゃると思うんです。
 と同時に、都市ボランティアとして三万人を東京都で募集をかけて、多くの方に参加をしていただく。と同時に、今、区市町村が何をしているかというと、東京都が十一万人集めるということになると、例えば世田谷区で、それからほかの市で、それぞれの自治体で募集をするボランティアが集まらないんじゃないかという危惧から、今からボランティアを募集しようといって早速募集しているところもあります。
 十一万人といわれているボランティアも、そういったところまで含めていくとどれだけの数になっていくかというか、非常に多くの方にかかわっていただくことにもなります。
 どこからどうかかわって、オリンピックという目標、パラリンピックという目標に向かって、ボランティアでかかわっていくわけでありますが、入り口が違うだけで処遇や待遇が変わってもいけませんし、また、指示、指令系統も全く違うところで、でも同じ駅で誘導するということがあった場合に、どのように対応していくのかということも、これから検討していくことになると思います。ボランティアという位置づけで、自分がどこに所属をして、どの指揮系統でどういうふうに活躍をしていくのか、活動していくのか、ご協力をしてもらうのかということも、やっぱりしっかりと理解をしていただかなければなりません。
 参加をしている、どれでもどこからでもいいじゃないかではなくて、また、ボランティアというだけで二重に登録をしてしまって、同じ日に働くことになって、どっちかを断らなきゃいけないなんて、ボランティアの方が自分で選択をしなきゃいけなくなるようなことがないように、案内の時点から事細かに、参加をしていただく方がどれぐらい安全で、どこに参加をしているんですよ、どういうふうに協力をするんですよ、そこはしっかりわかるような仕組みづくりを準備の段階から進めていただくように強く要望しておきたいと思います。
 最後に、テロ発生時の各機関の役割についてお伺いをしておきたいと思います。
 競技会場などの大会関連施設や大規模集客施設に対するテロの発生が危惧される中、迅速かつ適切な対応が求められるわけでありますが、各機関の役割について確認をしておきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会時におけるテロ発生のリスクに的確に対応するためには、国や都、組織委員会等の関係機関がそれぞれの役割を適切に果たしながら連携した対応を行うことが重要でございます。
 国は、テロに関する情報収集、分析や水際対策、会場上空を含む警戒警備等を行います。都は、都内全域における都市運営を担う立場から、テロ等の発生を防ぐための防犯活動や、テロ発生時は会場周辺等における避難対応等について、警察や消防等の円滑な活動を支援してまいります。また、組織委員会は、競技会場を初めとする大会関係施設のテロに備えた自主警備を担うことになります。
 大会時には、国はセキュリティ調整センターを、都は都市オペレーションセンターを、組織委員会はメインオペレーションセンターをそれぞれ設置する予定でございまして、相互に情報の共有を図りながら、テロの未然防止と発生した場合の迅速かつ的確な対応に取り組んでまいります。

○山口委員 危機的事態に対応していくためには、当然のことながら、各局の連携が必要となってくるわけでありますが、これに対応していくための事前の訓練等に関しては、どのように計画をされているのか、お伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 平成三十年度には、対処要領に基づき、庁内関係各局はもとより、国や組織委員会、警察や消防の参加を得ながら、図上訓練や実際の競技会場におけるテロなどの事態を想定した実地訓練を実施していく予定でございます。
 これらの訓練を通じまして、各局や関係機関の役割の明確化や連携体制の一層の強化を図ってまいります。

○山口委員 今回示されたさまざまな運営のあり方、方針が明確になってきたわけでありますが、大きな枠が決まって、どのような指令系統の中で、どういうふうに運営をしていきたいか、大きなところはわかったんですが、細かなところはまさにこれからだと思います。
 しかし、形だけ整って、実際に機能しないというのでは意味がありませんし、今回、運営をしたことが、以降に生きればいいということではなくて、この二〇二〇大会のために組織をされるんだということが非常にやっぱり重要なわけであります。そのための準備、また、実際に機能する組織として、また、この方針が生かされる大会になっていくように十分に努めていただきたいと思っております。その点を要望して、質問を終わりたいと思います。

○おときた委員 私からは、都市オペレーションセンター及び輸送センターの役割について、災害対策並びにラグビーワールドカップにおける都の取り組みについてと、大きく四つのテーマでご質問させていただきます。
 初めに、都市オペレーションセンターについてお伺いいたします。
 都市オペレーションセンターは、大会期間中の都市運営の中心的役割を果たす意味だけではなく、大会後、都市情報や都市政策をレガシーとして残すという意味でも重要です。
 この都市オペレーションセンターは、二〇一二年のロンドン大会及び二〇一六年のリオ大会でも設置されていることが視察報告などからも明らかとなっています。今回、東京大会でも、都市オペレーションセンターが設置された理由には、こうした過去大会での設置例があったからと、そういった経緯もあったと思います。
 この東京大会で、都市オペレーションセンターが大会期間中にスムーズに運用され、さらには大会後にレガシーを残す活用がなされるためには、過去大会の事例の検証が必要不可欠です。
 初めに、ロンドン大会及びリオ大会における都市オペレーションセンターの規模や役割についてお伺いをいたします。また、それぞれの大会において、来訪者との最後の接点である、いわゆるラストマイルの担当を都市オペレーションセンターが担っていたのか、そうではなかったのかについてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ロンドン大会、リオ大会ともに、市が都市オペレーションセンターを設置し、組織委員会や国などの関係機関との緊密な連携体制を構築するとともに、ラストマイルにおいて観客の流動把握などの取り組みを行っておりました。
 都市オペレーションセンターの人員規模につきましては、ロンドン大会では仮設で設置され、百名程度の規模であったと聞いております。リオ大会では、リオ市の交通を初め、電気、ガス、水道などのライフライン等を一元的に管理する既存の都市オペレーションセンターを活用し、観客の流動状況に合わせた都市ボランティアの配置調整など、大会時特有の機能を付加させており、大会時は既存の四百名に二百名程度を増員して対応したと聞いております。

○おときた委員 ロンドン大会とリオ大会とで、都市オペレーションセンターの規模や役割が多少異なっているということがわかりました。そうであるならば、東京大会でも東京という都市に合わせ、また、社会情勢や国際情勢にも合わせて、柔軟な対応で都市オペレーションセンターを運用できるということかと思います。そのために、過去大会における失敗事例や反省点を検証して対策していくことも大切です。
 先ほど述べました平成二十八年十月十一日のリオ大会の視察報告において、リオ大会では、大会開始当初、最寄り駅から会場までの観客案内について、組織委員会との連携が十分でなかったという旨が示されています。
 同じような組織構造である東京大会でも、この懸念は拭えません。東京大会で、こうした過去大会の反省を踏まえて、具体的にどのような対策を講じるのかなど、所見をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会におきましては、最寄り駅から会場まで観客を案内するスタッフの配置につきまして、大会開始当初は、組織委員会との連携が十分でなく、場所によっては過不足が生じていたと聞いております。
 大会時には、都市オペレーションセンターと関係機関との密接な連携が必要であることから、今般公表した東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針は、大会時の連携を見据え、庁内関係局や組織委員会など、関係機関とも協議しながら策定したところでございます。
 また、都市ボランティアの配置調整などを行う都市オペレーションセンターの機能の設置場所につきましては、組織委員会の各種センター機能が晴海地区に設置されることを考慮しながら検討いたしております。

○おときた委員 組織委員会と密接に連携する体制を構築する、これはもちろんのことであり、必要不可欠です。組織構造上、かなり複雑なものとなっている東京大会では、リオ大会の反省を踏まえて、都と組織委員会の意思疎通をしっかりと図っていただきたいと思います。
 この点については後ほどもう一つ確認いたしますが、先にロンドン大会についてもお伺いいたします。
 ロンドン大会では、主に組織委員会がラストマイルについて担当したと聞いております。都市運営は都が請け負い、大会運営は組織委員会が請け負うというロンドン大会のモデルは、一見筋が通っているようにも思えます。
 東京大会においては、ロンドンとは異なり、都市オペレーションセンターがラストマイルを担当することになった経緯と理由についてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会は、ロンドン大会と異なり、競技会場が集積するオリンピックパークがなく、都内においても競技会場が複数に分散していることから、都市機能への影響は広範囲になります。
 特に最寄り駅から会場入り口までの観客動線であるラストマイルは、歩道などの公共空間でございまして、多数の会場において約二カ月にわたり開催されるオリンピック・パラリンピック大会に際して、できる限り住民生活への影響の軽減に取り組むことは、都市としての責務でございます。
 また、ラストマイル上に集中する多数の観客は、同時に都を訪れる観光客でございまして、都市として、観光客に安全で快適な経験を提供するために、観光案内やバリアフリー化、暑さ対策などを行う必要がございます。
 こうした観点から、都は、組織委員会とともにラストマイルにおける対応について、会場周辺自治体等と連携しながら準備を進めてまいります。

○おときた委員 東京大会では、オリンピックパークがないこと、また、ラストマイルも公共空間であることなどから、東京大会においては都市オペレーションセンターの役割が重要であるということはよくわかりました。
 ラストマイル上の観客を、都を訪れる観光客として意識されている点も評価いたします。ぜひその意識を強く持って、大会期間中、ラストマイル上における都市オペレーションセンターの役割を果たしていただきたいと思います。
 一方で、組織委員会のメインオペレーションセンターも組織図上、重要な役割を果たしていることは明らかです。先ほどもご答弁で、組織委員会と密接に連携する体制の構築ということをおっしゃっておりましたが、具体的に都市オペレーションセンターと組織委員会、メインオペレーションセンターとの連携について、その頻度や人数規模等を含めた連携体制をどのように構築していくのかをお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンターは、競技の実施状況や会場内の混雑状況など、大会運営情報を集約し、庁内関係局や関係機関等と連絡調整する役割を担います。
 そのため、大会運営情報を統括する組織委員会メインオペレーションセンターとの連携が不可欠でございまして、双方による連絡員の配置や定期的な会議の開催、定時報告等により連携体制を構築してまいります。
 また、特に連携が必要な会場周辺対応機能につきましては、晴海地区に設置される予定の組織委員会の各種センター機能を考慮して設置場所を検討しております。
 メインオペレーションセンターとの連携体制の詳細につきましては、今後、都市オペレーションセンターの具体的な対応を定める運営計画を策定する予定でございまして、その中で検討してまいります。

○おときた委員 詳細がまだ決まってないという点で、やや不安は残りますけれども、特にラストマイルは、都市運営と大会運営がかぶる範囲であり、その役割分担をさまざまな角度から検証した上で決めていく必要があります。特にトラブル発生時には、現場対応の者がどちらの組織の意向を優先させるのか迷ってしまうといったことがないようにしなくてはなりません。こうしたいわゆるピラミッド型ではないフラットな組織構造において、トラブル発生時に初動管轄に懸念があるわけでございます。
 そこで、都民生活と大会運営双方にかかわるトラブル発生時、都市オペレーションセンターの役割や組織委員会との役割分担について、都の所見をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ライフラインなど、都市機能の異常や被害が広範囲に及ぶ事件、事故などのトラブルにつきましては、大会運営と都民生活の双方に影響を与えることが想定されます。
 都市オペレーションセンターは、円滑な大会運営への支援や都民生活に与える影響の軽減に取り組む役割を担うため、例えば競技会場周辺への職員配置のほか、情報共有や対応方針の合意形成を行うための場の設置などによりまして、関係機関が緊密に連携できる体制を検討してまいります。
 今後、都市オペレーションセンターの具体的な対処方法等を定めた運営計画を策定する予定でございまして、大会時には、この計画に基づき、大会運営や都民生活に影響を及ぼすさまざまな事案に対して、組織委員会を初めとする関係機関と連携し、迅速に対応してまいります。

○おときた委員 運営計画の策定は、都市オペレーションセンターの運用の根幹にかかわります。ぜひともここは綿密にやっていただきたいと思います。少なくとも、トラブル発生時のシミュレーションはしっかりと行い、現場任せ、その場しのぎの対応とするのではなくて、指揮系統がはっきりとした計画を立てていただくことを強く要望いたします。
 それでは、次に、輸送センターについてお伺いいたします。
 輸送センターは、都市オペレーションセンターと組織委員会のメインオペレーションセンターの双方の傘下にある組織と位置づけられています。輸送センターは、大会運営のみならず、東京という大都市の交通網の中心を担う組織になり、果たす役割は都民に直結することになりますので、その位置づけと役割を曖昧にしてはいけません。
 そこでまず、輸送センターと都市オペレーションセンターとの連携、役割分担についてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 輸送センターは、都市交通需要マネジメントや大会輸送管理、交通インフラ等、運行管理を行うために、都と組織委員会の共同で設置されるものでございます。
 都市オペレーションセンターは、競技会場周辺におきまして、観客等への案内を行うボランティアの配置調整や観客の滞留による事故防止への取り組み等を担うため、大会関係者や観客等の動きを把握し調整する輸送センターとの連携が不可欠でございます。
 このため、観客等の輸送状況をリアルタイムで共有し、公共交通機関の遅延による観客輸送ルートの変更など、不測の事態に対しましても、競技会場周辺における案内を円滑にできるようにするなど、両センターの緊密な連携体制が確保されるよう検討してまいります。

○おときた委員 輸送センターは、都市オペレーションセンターと連携して、大会輸送管理を行っていくことがメーンになるというご答弁でした。
 今後、連携体制の構築が具体化していく中で、より役割が明確化し、輸送センターがしっかりと機能していくことを望みます。
 一方で、大会期間中も都民生活は継続されており、都民生活に支障を来さないような輸送計画を立てていただきたいと思います。
 また、ロンドン大会などでは、オリンピックを契機とした交通政策として、市民に自転車利用を推進して、レガシーとして自転車通勤文化がロンドン市に根づいたという有名な事例があります。
 郵送センターは、将来の東京都の交通政策のためにも重要な役割を果たすのではないかと考えられますが、そのためには、やはり過去の事例の検証から発展させていくことも重要です。
 ロンドン大会、リオ大会では、それぞれ輸送センターの位置づけが異なっていたようですが、ロンドン、リオ大会における位置づけと、東京大会では輸送センターを独立させた経緯についてお伺いをいたします。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 輸送センターは、大会時の道路や鉄道等の状況を把握し、大会輸送の運営を統括する重要な機能を担うこととしているところでございます。
 ロンドンやリオ大会では、大会組織委員会が大会関係者の輸送運営を行うセンターを設置し、開催都市が公共交通機関や道路の管理運営を行うセンターを設置したと報告されております。
 東京大会では、円滑な大会輸送の実現と、都市活動の両立を図ることを目的とし、輸送センターに交通需要マネジメント、大会輸送運営管理、公共交通との連絡調整の三部門を設け、相互に連携しながら、より円滑な輸送運営を行うこととし、大会組織委員会と協議し、一つの輸送センターとすることといたしました。

○おときた委員 先ほど来のご答弁を伺っておりますと、輸送センターにせよ、都市オペレーションセンターにせよ、主に大会期間中、もちろん重要なんですが、その運用、活用に終始しているように感じられます。
 過去の大会においては、都市オペレーションセンター、輸送センターの情報や知見がその後の都市運営や交通政策にレガシーとして根づいております。ぜひともここはもう一度、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを通して、東京に残すべきレガシーとは何か。都として共有し、都市オペレーションセンター、輸送センターの運用、活用も大会を成功させることだけに焦点を当てるのではなく、レガシーを残すという観点からも計画を立てていただきたい、このように思います。
 次に、災害対策についてお伺いいたします。
 本件資料においては、主に地震対策を念頭に記載がありますが、地震以外の、例えば台風や豪雨について想定しているか。想定されている場合は、その進捗も含めて内容をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 台風やゲリラ豪雨など、大会運営に影響を及ぼす事態が発生した場合、都市オペレーションセンターを中心に関係機関と連携し、大会運営を支援するための対応を行ってまいります。
 今後、こうした大会時に想定される事案に対して、都市オペレーションセンターの具体的な対処方法等を定めた運営計画を都庁関係局、組織委員会や関係機関等と連携して策定していく予定でございます。

○おときた委員 大会期間中は、台風の上陸やゲリラ豪雨も想定される時期ですので、その対策をより一層強化していただくことを切に要望いたします。特に、外国人向けの台風情報の告知や日本特有の台風対策は、工夫した伝え方が重要です。災害対策であらゆることを想定するのは不可能かもしれませんが、きめ細やかな運営計画の策定をしていただくことを強く望みます。
 最後のテーマは、ラグビーワールドカップにおける都の取り組みについて何点かお伺いをいたします。
 本件計画によりますと、自転車での来場者についての配慮が幾分少なく感じられました。確かにワールドカップは、遠隔地からの来場者が多いことが予想されるため、自転車での来場者は少ないことも予想されますが、昨今のレンタサイクルでの観光ブームやエコの広まりから、自転車来場者も一定数あることが予想されます。
 また、東京スタジアムの近隣住民の中には、ふだん自転車で周辺道路を通行する方も多く、そうした自転車通行と来場者とのすれ違いの危険性は無視できるものではありません。
 そこで、自転車での来場を想定しているとして、自転車来場者の動線確保や危険性の把握の有無、駐輪スペースの確保について、局の所見をお伺いいたします。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 これまで東京スタジアムで開催されたラグビーテストマッチなどの大規模イベントの実績を踏まえ、ラグビーワールドカップ二〇一九においても、自転車による観客の来場があると想定しております。
 自転車での来場については、歩行者や車両等の交錯により危険が生じないよう配慮する必要があり、今後、歩行者や関係者等の車両の動線等も考慮し、駐輪場の配置等について検討を進めてまいります。

○おときた委員 駐輪スペースの確保をして、広く告知をすれば、自動車での来場を控えてもらえる方法の一つになるかもしれません。ぜひとも積極的に進めていただきたいと思います。また、自転車事故は近年多発しており、ぜひとも近隣住民にも配慮した取り組みをお願いいたします。
 次に、ラグビーワールドカップでは、鉄道利用者や歩行者に多くの外国人が含まれることが予想されます。外国人への案内に関して、どのような多言語対応を想定されているのかをお伺いいたします。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 二〇一九年大会時には、海外から多くの観客が東京スタジアムに来場することが見込まれます。
 このため、海外から訪れる観客が円滑に移動できるよう、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会が開催都市に示す方針を踏まえるとともに、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会における基本的な考え方も考慮し、日本語及び英語を基本とした適切な案内誘導に取り組んでまいります。

○おときた委員 ここなんですけれども、原則として日英、二カ国語対応というお答えなんですが、東京開催においては、例えばフランス、アルゼンチン戦など、英語を母国語としない国同士のカードが組まれています。
 このため、英語の対応だけでは不十分ではないかという指摘もあるわけですが、これに対して、どのように対応していくのか、都の所見をお伺いいたします。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 組織委員会は、誘導サイン等の表示は日英表記を行うなどの方針を十二開催都市に対して示しておりますが、歩行者動線や案内ブース等における外国人観客を想定した案内誘導のあり方については、今後、詳細を組織委員会と協議し、定めてまいります。

○おときた委員 組織委員会は、同じサービスをどの会場でもという理念から二カ国語表記を求めているのかと思われますが、東京都は、その翌年のオリンピック・パラリンピックの開催都市でもあり、その開催経費や開催理念上、おもてなしをより一層進めていくことが望まれると考えます。
 本委員会がオリンピック・パラリンピックとラグビーワールドカップを同時に扱っていることが、何よりもその証左であるといえます。組織委員会が求める以上の多言語対応を行うべきと考え、要望いたします。
 また、日英表記のみということになっても、例えばアルファベットの看板をふやしていくとか、我々も中国語だと、アナウンスだけだとよくわかりませんが、漢字の表記だとちょっとわかるということがありますので、そういった看板表記をふやしていただくなど、細かなところでも努力をぜひお願いしたいと考えます。
 それでは、最後に、ラグビーワールドカップでは、チケットIDを活用した情報発信を予定されていると聞いております。
 このチケットIDについては、どのような仕組みを想定されているのか、まずお伺いいたします。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 二〇一九年大会のチケットを購入するためには、組織委員会が開設する公式チケットサイトから、個人認証のために、住所、氏名、性別、生年月日やメールアドレスなどの個人情報を入力し、ID登録をする必要があります。
 組織委員会は、チケットIDに登録された情報のうち、メールアドレスを活用した情報発信を行っており、大会時においてもこの仕組みを活用して、チケット購入者に直接情報を発信することが想定されております。

○おときた委員 ご答弁のとおりチケットIDは、顧客の情報が記載されており、チケットIDを活用した積極的な情報発信が可能です。
 では、東京都として、現時点で想定されている利用方法の所見について、これを最後お伺いいたします。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 組織委員会の管理するチケットIDを活用した情報発信としては、例えばアクセスルートの混雑緩和を図るため、公共交通機関による来場、シャトルバスや西武多摩川線多磨駅を利用したルート、早い時間帯での来場等について観客に直接周知することなどが考えられます。
 なお、具体的な情報発信の方法につきましては、今後、チケットIDの管理を行う組織委員会と連携し、検討を進めてまいります。

○おときた委員 東京スタジアムへ車での来場を控えていただくには、チケットIDを活用し、メール等で情報を発信する方法が最も効果的であることは明白です。
 また、台風や豪雨の情報など、緊急時のアナウンスや会場周辺の観光情報などもチケットIDの活用で行えます。組織委員会にチケットIDを使った情報提供を行うように、より積極的に働きかけていただくことを要望いたします。
 全体として、現計画においては、レガシーを残すという観点がやや欠けているように感じられました。大会が近くなると、より大会運営のことに追われがちになってしまいますが、現段階では、都民の将来ためにレガシーを残すという初心を忘れずに計画を進めていただきたいと思います。
 ラグビーワールドカップも、オリンピック・パラリンピックも、決してその場しのぎの大会運営にしてはなりません。オリンピック・パラリンピック準備局の皆様にも、世界に誇る東京という観点とともに、将来の都民のためという観点からも準備を進めていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時三分休憩

   午後三時二十分開議

○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○白戸委員 私からは、競技会場について、そしてラグビーワールドカップ二〇一九交通輸送基本計画について、質問させていただきます。
 自転車ロードレースは、競技会場内ではなく、ふだん生活道路として使用している一般公道を使う競技でございます。この競技の盛んなヨーロッパでは、まちからまちへ、村から村へ結ばれるレースが数多く開催されておりまして、自分のまちを、そして自分の知っている道を、そして自分の家の前を通る選手を楽しみにしているという方がたくさんいらっしゃいます。
 そうした意味では、ロードレースはどこを通過するかということが非常に大事であり、皆さんがご存じのツール・ド・フランスなどでは、非常にコースの誘致合戦等々も繰り広げられているというのが現状でございます。
 そんな中、自転車のロードレースのスタート地点、フィニッシュ地点がこのたび決定されました。この場所を見ると、おおよそのルートが決まってくるわけなんですが、かなりの積算標高差ということで、一部選手からは厳し過ぎるんじゃないかというような声も出ているというのも聞いておりますが、なかなかバランスのとれたコースは非常に難しいんだなというのも感じさせられます。
 さて、今回のコースは武蔵野の森公園をスタートして、多摩地域を通過し、山梨県、神奈川県、そして静岡県という壮大なコースになると思われます。そして、その中でも東京に着目すると、都心部ではなく多摩地域を中心に行われる数少ないオリンピックの競技でもあります。それだけに、コースが多摩地域の多くの市町村を通過することが大変重要なことであると思います。
 自分のまちを選手たちが駆け抜けていく、それを地元の方の多くが観戦する。一九六四年の東京大会では、調布のまちにマラソンランナーが駆け抜け、府中では競歩が開催されました。そして、八王子ではロードレースが開催され、今でも思い出を語る方が地元に多いとお聞きしております。やはり、オリンピックがまちにやってくる、それが、自分がいつも通っている道を走り抜けているという感覚は、特別な感情になるのだと思います。
 東京オリンピックである以上、多摩地域の機運醸成、大会時の盛り上がりを考えると、非常に貴重な機会ではないかというふうに考えます。ぜひ、より多く多摩地域を通過していただきたいと思いますが、これらを踏まえた都の所見を伺います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 オリンピックの自転車ロードレースのコースにつきましては、立候補ファイル時のものも考慮しつつ、武蔵野の森公園をスタート会場、富士スピードウェイをゴール会場とし、競技性、交通への影響などの観点を踏まえ、組織委員会が国際競技団体等と調整を進めているところでございます。
 多摩地域では、バドミントン、近代五種、ラグビー、車椅子バスケットボールなども実施予定でございまして、これらとあわせ、都内全域で大会を盛り上げていけるよう、組織委員会と連携し、大会全体の準備を進めてまいります。

○白戸委員 ぜひ東京都として、多摩地域の盛り上げをしっかりと進めていただきたいと思います。
 さて、公道を使用するロードレースの難しいところは、一般交通とのバランスになると思います。一般交通量が多い道を通るとなりますと、渋滞などの原因にもなります。競技性を担保しながら、より一般交通に負担をかけないコースというのは非常に難しいと思います。
 そこで、現在、コースの選定をされているところだと思いますが、これらを踏まえた所見を伺います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 コースの検討に当たりましては、高低差など競技性に加え、交通管理者の意見も聞きながら、周辺交通にも十分配慮し、組織委員会が調整を進めているところでございます。

○白戸委員 そういう意味では、今回、東京を初め山梨、神奈川、静岡と四つの都と県の公道をまたぐという、非常に大がかりなものになると思います。そういった意味で、先ほどから出ていますボランティアの問題、会場ボランティアであったり、都市ボランティアというのとまたちょっと違う、コース上のかなり長い距離でのボランティアが必要になってくるということになります。
 また、コースの沿道での応援ということも非常に重要です。これは非常に大変な作業ではありますが、大会の盛り上げにとっても非常に重要なこととなると思いますので、ぜひ地元の自治体と連携して、このあたりもしっかりと進めていただきたいなというふうに思います。
 続いて、競歩に関してです。
 競歩に関しては、競技場が皇居前に会場が変更になっています。国立競技場の周りは競技も非常にたくさんやっておりますし、観戦者で混み合うことが想定されるので、むしろ僕はこっちでよかったんじゃないかなというふうには思うんですが、一体今回なぜ競歩の会場は移転するに至ったのか、その意図と目的を伺います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 競歩につきましては、立候補ファイルでは新国立競技場をスタート及びゴールとして、競技場の外に直線上のコースを設ける計画でございました。
 その後の詳細な検討に伴い、競技場を出て直線コースに至るまでのルートの高低差、それから、関係者動線の確保などの課題が明らかとなりまして、組織委員会が国際競技団体と協議の上、会場を変更したものでございます。
 皇居外苑は、周辺に平たんで幅の広い道路が存在するなど、競技要件を満たすとともに、皇居という日本の象徴的な場所を会場とする、そういったことで、世界に対して東京の魅力ある景観を発信できるものと考えております。

○白戸委員 そういった意味では、今回の変更は非常に有効だったのかなというふうにも思います。
 ただ、非常に限られた範囲とはいえ、交通量が非常に多い地域でもあります。一般交通との兼ね合い、交通規制が非常に重要になってくる場所だと思われますが、どのような計画で進められているのか伺います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 皇居外苑は、公共交通のアクセスもよく、大会時には多くの観客が見込まれ、また、お話のとおり、交通量の多いエリアでございます。
 このため、会場周辺を含めた道路の使用や交通規制については、今後、組織委員会が、周辺交通や都民生活への影響にも十分配慮して、交通管理者等と調整を図りながら検討していくこととなります。

○白戸委員 もともと自転車のロードレースのスタートが皇居前ということでありましたので、代替として競歩が来るということは非常に興味深いなというふうに思います。
 より都内を網羅して、より多くの方に競技を見てもらうチャンスをふやすという意味では、非常にいいことではないかなと思います。ぜひ、競技場だけではなくて、まちが盛り上がる仕掛けを進めていただきたいと思います。
 そして、今回のこの開場決定で、パラリンピックの会場も全て決定したということになります。
 先日、ちょうど平昌パラリンピックも終了いたしました。東京の番ということになりますが、私は、今回、オリンピック、パラリンピックと二つ、視察に行かせていただきました。その際にやはり一番感じたのが、オリンピックのときはみんな盛り上がっている、ソウル市内もそれなりに盛り上がっている。
 ところが、残念ながら、パラリンピックの期間中、ソウル市内、オリンピックの薫りはほぼゼロでした。つまり、機運が相当盛り下がってしまっているといわざるを得ません。東京は、やはりこうなってはいけないと思います。
 そこで、改めまして、東京パラリンピックの成功に向けまして、都の機運醸成の取り組みについて伺います。

○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック部長 都はこれまで、パラリンピックの成功に向け、区市町村等と連携した東京パラリンピックで実施される二十二競技の競技体験会や、パラアスリートのパフォーマンスの高さの発信等を行ってまいりました。
 本年一月発表の世論調査によれば、パラリンピック大会や競技の認知度は上昇傾向にございます。一方で、選手を知らない、あるいは競技のルールや見どころがわからないなどの理由で、障害者スポーツに関心がないと回答した都民は約四割に上ります。
 そのため、来年度は、ウエブサイト等での選手情報の充実に加え、さまざまなイベントなどで選手個人の人間的な魅力に触れる機会を積極的に提供し、選手の顔と名前と競技をアピールしてまいります。
 また、障害者スポーツの観戦イベントで競技のルールや見どころ、応援の仕方などを丁寧に解説し、会場が一体となって応援する楽しさを体感していただくことで、競技会場に足を運ぶきっかけにしていただきます。
 今後も、区市町村、組織委員会など、多様な主体との連携をさらに強化し、都内全域でパラリンピックを盛り上げられるよう、全力で取り組みを推進してまいります。

○白戸委員 ぜひ会場だけではなく、まち全体で盛り上がる仕組みを、仕掛けをしていっていただきたいなというふうに思います。
 続きまして、ラグビーワールドカップ交通輸送計画について質問させていただきます。
 競技人口が世界では五百万人、そして日本でも十二万人以上といわれています。そして、小学生から高齢者まで幅広い年齢の方が楽しめるスポーツといわれるラグビーです。
 このラグビーのワールドカップは、夏季のオリンピック、FIFAのサッカーワールドカップに次ぐ世界の三大スポーツ祭典といわれておりまして、世界中で四十億人が視聴するというふうにいわれております。
 今回、四十八試合、トータルで百八十万人の観客動員、海外からは四十万人程度を見込まれています。何といっても、オリンピックは十七日間しかないんですが、このラグビーのワールドカップは四十四日間ということで非常に長い。また、全国十二カ所で開催するということで、滞在日数が非常に長くなる傾向にあります。
 さらに、今回の参加国、オセアニアであったり、ヨーロッパであったりというように、滞在時の消費額が高い傾向にある国々です。観光庁の調べでは、来日外国人の平均消費額というのは大体十七万六千円程度なんですが、イギリスの方は二十一万一千円、オーストラリアの方は二十三万一千円ということで、ある意味、日本にとって非常にいい機会だというふうに捉えます。さらに、海外観戦者のお客さんが、大体二〇%程度オセアニアになるんじゃないかということもいわれておりまして、かなりの経済効果が見込めるのではないか。だからこそ、この機をしっかりと捉えて、安全でスムーズな運営が求められるところではあると思います。
 まず、交通の輸送計画において、警察、警備員、ボランティアが大変重要になってくると思います。警視庁とは現在調整中ということでお聞きしておりますけれども、警備員、そしてボランティアの役割分担、配置などはどのように考えられているか、お知らせください。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 ラグビーワールドカップ二〇一九東京都交通輸送基本計画では、観客の歩行者動線等に案内や誘導のための人員を適切に配置し、安全かつ円滑な観客等の移動を確保することとしております。
 警備員については、最寄り駅、歩行者動線上の交差点、シャトルバスの発着場、関係者用駐車場等の周辺に配置し、交通誘導等を実施することを想定しております。
 また、ボランティアにつきましては、最寄り駅やシャトルバスの乗降場所等において、観客の案内やサポートを行うことを検討しております。
 こうした人員の詳細な役割分担や配置につきましては、今後、警視庁やラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会等の関係機関とさらに協議を進め、来年度策定する交通輸送実施計画に反映してまいります。

○白戸委員 次に、自動車のアクセスをお聞きしたいと思います。
 車で来る一般来場者というのは基本的に想定されていないというふうに思いますが、関係者中心であっても、今回、関係車両は千六百五十台という数になっており、これはかなり多いんだなというふうな印象を受けます。この算出根拠、そして内訳などを教えてください。
 そして、先ほど答弁ありましたけれども、車椅子来場者というのがいらっしゃるということなんですが、このあたりの想定数もわかれば教えてください。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 大会時の車両台数の想定は、大会関係者等の輸送を担う組織委員会が、過去の大会における実績や関係機関へのヒアリング等を踏まえ推計したものであります。
 開幕戦では、大会役員関係で約百台、招待者やスポンサー関係で約六百七十台、メディア関係で約二百六十台、車椅子利用者で約二百五十台、その他大会運営に係る車両等を含め合計で約千六百五十台を見込んでおります。

○白戸委員 どちらにしても、これだけの数を走らせると、やはり混雑の原因になるというふうに思われます。ぜひしっかりと精査して、円滑な運営につなげていただきたいというふうに思います。
 そして、この今回の計画を見ますと、車の動線、高井戸インターから来る際には、人見街道を通るようなルートも想定されております。この人見街道も含めまして、非常に狭くて危険な場所がたくさんあります。
 大会時の周辺道路の安全確保の考え方を伺います。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 スタジアム周辺道路における車両及び歩行者の安全な通行を確保するためには、アクセスルートにおける車両交通量を抑制し、道路混雑の緩和を図ることが必要であります。
 このため、関係者等の車両につきましては、周辺道路の状況や交通容量等を踏まえ、アクセスルートや入退場時間帯の分散を図っていきます。また、観客に対しては、公共交通機関の利用を周知徹底するほか、周辺道路の利用者に対しても道路混雑に関する情報の事前周知等を積極的に行っていきます。
 これらの取り組みにより、ご指摘の人見街道も含め、アクセスルートにおける入退場時間帯の交通量を抑制し、大会時の安全かつ円滑な交通輸送を確保してまいります。

○白戸委員 次に、最も輸送人数が多いと思われる鉄道に関してお伺いします。
 今回、五万人の観客、そしてボランティア、スタッフなどを考えますと、相当数が鉄道利用ということになると思いますが、当然、近隣を通る各鉄道会社との協力は欠かせないと思います。現在、この鉄道輸送関係で混雑対策やダイヤ編成等、どのような対策を行っているのか、お聞かせください。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 鉄道は、大会時に最も多くの観客が利用する交通手段と想定しており、乗降客の増加への対応を適切に行い、円滑な輸送を確保していく必要があります。
 このため、最寄りの鉄道駅においては、観客の入退場のピーク時間帯における混雑緩和を図るため、改札機の運用機数の変更や入場規制等、臨時的な対応を実施してまいります。加えて、京王線の飛田給駅は、観客の約八割が利用することを見込んでおり、試合前後の時間帯において、通常は通過する特急や準特急の臨時停車を実施することとしております。
 今後も引き続き、列車の運行本数、最寄り駅における混雑緩和対策、駅、車内における交通広報等の詳細につきまして鉄道事業者と協議を進め、具体化を図ってまいります。

○白戸委員 先ほど、シャトルバスの件は里吉委員からも質疑がありましたけれども、それに関してもう少し聞かせていただきます。
 今回も京王線、中央線、西武多摩川線、小田急線とかなりの線にまたいでシャトルバスを出すということで結構分散できる、これは非常にいいことだなというふうに思っております。
 ただ、実はもう一つ、近隣を走る路線が、南武線というのがありまして、この南武線からシャトルバスというのは想定されていないんでしょうか。ちなみに、南多摩駅は東京競馬場、そして、矢野口駅は京王閣競輪場というところにシャトルバスが出ているようですけれども、この南武線のシャトルバスの考え方をお聞かせください。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 シャトルバスにつきましては、運行主体となるバス事業者が、限りある車両や人員を有効に活用し、大会時においても通常の路線バスの運行便数を維持しながら、より多くの観客を効率的に輸送できるよう発着駅を設定することが必要であります。
 このため基本計画では、ラグビーテストマッチ等での運行実績を踏まえ、バス事業者と協議を行い、シャトルバスの需要が高く、効率的な輸送が可能な調布駅、多磨駅、武蔵境駅、武蔵小金井駅、狛江駅を発着駅とすることを想定しております。
 こうした駅とのシャトルバスの運行に、より多くの車両を振り向ける必要があるため、現時点では南武線の駅については運行対象として想定しておりません。

○白戸委員 さて、味の素スタジアム観客動員数、昨年のラグビーのテストマッチは三万人でした。サッカーの日本代表戦で四万四千人というのもありました。そして、音楽イベントではたびたび満員となっております。
 スタジアムが満員になったときに、スポーツイベントでは余り事例がないんですけれども、音楽イベントでたくさんあるということなので、満員になったときの問題点はどのようなことがあるのか、そして、どのような対応を練っていくのか、対応策があるのかというのを伺います。
 また、これらの課題にしっかり取り組んで、十一月の三日、テストマッチがありますが、ここでしっかり確認すべきだと思いますが、見解を伺います。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 都は、昨年度及び今年度にラグビーのテストマッチのほか、サッカーの日本代表戦やコンサートなど、東京スタジアムでの大規模イベント時に交通輸送に関する調査を実施いたしました。これらの調査では、スタジアム前のペデストリアンデッキや京王線飛田給駅における混雑、調布インターチェンジや甲州街道の渋滞などが課題として抽出されております。
 こうした課題を踏まえ、基本計画では、鉄道駅での臨時的な対応、歩行者動線への人員の配置、大会関係者等の車両のルートや入退場時間帯の分散、交通広報の充実など、対策の方向性を示しております。
 今後、交通事業者や地元自治体、交通管理者等と協議を進め、対策の詳細について具体化を図るとともに、本年十一月に予定されるラグビーテストマッチにおいても対策を試行、検証することにより、来年度、実効性ある交通輸送実施計画を策定してまいります。

○白戸委員 ありがとうございます。
 ちなみに、スタジアム周辺の無電柱化、これは調布市を中心にかなり進められております。今回の大会に向けての整備ではありませんが、大会時に震災が起きたとき等にも障害になりにくいということもあります。そして、今後の東京都の無電柱化という方向性を象徴するようで、すばらしいことだと思います。
 さて、一般の会社でありますと、自社でやっているサービス、そして商品がどのように消費者に受け入れられているか、現場調査をするのが通例です。これをしなければ、当然、自分たちの考えていることが自己満足、もしくは自己完結型になるということで、やはり必ず振り返りをしておくということは大事なことだというふうに思います。
 そこで、私たち開催地の都議会や委員会の委員が現場の状況を確認できる機会の提供について、都として組織委員会に検討を働きかけていただきたいと考えております。開催地の議会や委員会の委員が現場を見て、そのフィードバックを、また、この場に戻して、二〇二〇大会に反映させていくという作業は非常に大切だと考えております。
 また、東京大会だけではなく、他の会場の状況や施策も検証し、東京の開催に生かしていくのが重要だと考えております。ぜひご検討いただくよう強く要望しておきます。
 いずれにしましても、この大会は世界で四十億人が見て、四十万人がやってくるという、本当に世界的な大会でございます。このラグビーワールドカップ二〇一九を通じまして、東京の魅力と地域の魅力を世界に伝えると同時に、二〇二〇大会の準備と起爆剤になっていけるように、皆で一丸となって推進していけるように我々も頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

○山崎委員 私からも、ラグビーワールドカップ二〇一九の交通輸送基本計画について何点かお伺いをしたいと思います。
 大会開催まで一年半を切り、チケット販売も開始されるなど、いよいよ大会の準備が本格化する時期になってきました。今回、東京都の交通輸送基本計画が策定をされました。キャッチコピーの一つでもある、四年に一度じゃない、一生に一度だという大会をどのように盛り上げていくか。このイベントを心待ちにした多くのラグビーファンが日本中、そして世界中から東京を訪れるわけであります。
 こうした方々が安全かつ快適に来場し、心から熱戦を楽しんでもらえるようにするために、都としてしっかりとした計画を立て、実施をしていかなければならないと思っております。こうした観点から、何点かお聞きをしたいと思います。
 本大会における会場の一つである東京スタジアムは、いうまでもなく、多摩地域のスポーツの拠点として五万人規模の観客を収容でき、ラグビーの試合のみならず、毎年さまざまな大型のイベントが開催されている場所であります。
 今回の交通輸送基本計画の策定に当たって、東京スタジアムで開催される、例えばJリーグの試合、コンサートといった大規模のイベントと、ラグビーワールドカップ二〇一九との違いは何か、そして、その点は本計画にどのように反映をされているのか、お伺いいたします。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 ラグビーワールドカップ二〇一九においては、他のイベント以上に外国人観客の来場が想定されるほか、大会の役員や招待者、スポンサー、メディアなど多数の大会関係者等が車両を利用するため、スタジアム周辺に来場する車両台数は、これまで開催してきたイベント時を大きく上回ることが想定されます。
 そこで、ラグビーワールドカップ二〇一九東京都交通輸送基本計画では、スタジアム周辺の混雑を緩和し、円滑な道路交通を確保するため、関係者等の車両のアクセスルートや入退場時間帯の分散を図っていくこととしております。
 また、観客に対しては、公共交通機関の利用を徹底するとともに、周辺道路の利用者に対しても道路混雑等の情報を周知して、自動車利用を控えるよう働きかけるなど、アクセスルートの混雑緩和に向けた交通広報の対策を講じることとしております。

○山崎委員 今の答弁で、二〇一九年大会とそのほかの大規模なイベントの違い、まず、自動車の来場される数が全く違うということがよくわかり、まさに、この自動車の数がふえるということは、安全という意味では輸送計画にとって最重要だと思いますので、しっかりとその点は対応していただきたいと思います。
 そして、車が多かった今までのイベントというか、そういったところで考えますと、恐らく東京国体があると思います。その経験も参考にしながら、万全な対策をとっていただきたいと思います。
 一方で、大会の円滑な交通を確保するためには、あらゆる状況を想定し、観客の輸送の担い手となる交通事業者など、さまざまな関係者から意見を聞き、調整を図っていかなければならないと思います。
 資料要求もさせていただいた中に、さまざまな交通事業者との協議の状況、これについては提出していただいておりますが、本計画の策定に当たり、鉄道やバス事業者からはどのような意見が出ているのか、教えていただきたいと思います。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 本計画については、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会、交通事業者、道路管理者、地元市など関係機関で構成される東京スタジアムの会場周辺及びアクセス検討プロジェクトチームを設置し、鉄道事業者やバス事業者などからの意見を踏まえて策定いたしました。
 鉄道事業者からは、試合当日は京王線飛田給へ観客が集中し、京王線の駅及び車内の混雑が想定されることから、西武多摩川線の利用を促す積極的な交通広報の実施などにより、観客のアクセスルート及び時間帯の分散を図るべきであるという意見をいただきました。
 また、バス事業者からは、限りある車両や人員を有効に活用するためには、選択と集中の観点からシャトルバス発着駅を設定し、より多くの観客を効率的に輸送することが必要であるという意見をいただいたところでございます。

○山崎委員 交通事業者と同様に、大会を成功させるためには、スタジアムが所在する地元市ともまた綿密な連携をしっかり図っていくことが重要であると思います。
 そこで、地元市からは、交通輸送について、また、そのほかも含めどのような意見が出ているのか、教えてください。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 地元市からは、計画策定に向けた協議の過程で、警備員を配置するなどにより歩行者動線上の観客誘導を充実させるとともに、違法駐車対策等を実施して、周辺道路の安全性を確保してほしいという要望をいただいており、これらの対策を本計画に盛り込んでおります。
 また、ラグビーワールドカップを契機とした地域の活性化に向け、都と一緒に大会の盛り上げを図っていきたいという声をいただいております。
 具体的には、地元住民に対する大会への機運の盛り上げやイベントにおける連携、PRグッズの提供等についてご意見をいただいており、地元市や都が主催するラグビーイベントにおいて相互に連携するとともに、ポスター、横断幕の提供や駅周辺への街灯フラッグの掲出など、さまざまな場面で協力して取り組んでいるところでございます。

○山崎委員 ぜひ、交通事業者、地元市とは緊密な連絡を取り合って、地に足のついた計画として進めていただきたいと思います。
 また、地元市からは広報への要望も出ているということでありますが、地元地域において円滑な交通を確保するためには、地元の方々に、より大会を知っていただくことが重要であると考えます。
 今後、交通事業者と連携して、車体広告も活用するなど、さまざまな方法で地域の方々へ大会をPRしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 都は、昨年六月のテストマッチ開催時に、交通事業者と連携し、スタジアム最寄りの飛田給駅構内で大型写真広告を展開するとともに、スタジアム周辺を運行する路線バス車内における中づり広告を実施してまいりました。
 また、大会チケットの販売に合わせて、今月、京王線主要駅構内に大会のポスターを掲出するなど、交通事業者の協力を得て地域の方々に対し大会の周知を行っております。
 今後も交通事業者と連携し、各種の効果的な広報も積極的に活用しながら、地元地域の方々を含め、多くの人に大会をPRし、機運醸成を図ってまいります。

○山崎委員 今の答弁の中で、はっきりとお答えはいただけなかったんですけれども、ぜひ鉄道やバス事業者の皆さんに車体広告の活用というものを強く推進していく働きかけをよろしくお願いをしたいと思います。
 また、こういうことは直前だけでなくて、計画的にしっかりやっていくべきことだと思いますので、あわせてお願いをさせていただきたいと思います。
 次に、海外からの観客への配慮も必要だともちろん思います。どのように取り組んでいくのか伺います。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 二〇一九年大会時には、海外から多くの観客が東京スタジアムに来場することが見込まれます。
 このため、スタジアムを初めて訪れる海外からの観客が円滑に移動できるよう、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会が開催都市に示す方針を踏まえるとともに、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会における基本的な考え方も考慮し、日本語及び英語を基本とした適切な案内誘導に取り組んでまいります。
 具体的には、最寄りの鉄道駅とスタジアム間の歩行者動線上やシャトルバス発着場周辺等において、スタッフ、サインの配置を充実いたします。加えて、都内の主要ターミナル駅や空港等のアクセス拠点においても、海外からの観客に対応できる案内ブース等を設置してまいります。

○山崎委員 ラグビーの次はオリンピック・パラリンピックであります。ラグビーの二〇一九年大会の成功が東京の二〇二〇大会の成功につながるので、外国人観光客への対応にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 先日の三月十二日から、都庁舎の前などに街灯フラッグが掲げられ、シティードレッシングが行われております。しかし、スタジアム周辺には掲出がされていないなど、大会に向け地元は盛り上がっているとはなかなかいいがたい部分が感じられております。
 会場周辺への街灯フラッグの掲出は、地域の住民に大会を周知し機運を盛り上げるとともに、また、最寄り駅からの観客動線を明確に示すことにより、円滑な誘導案内にも役立つものであると思います。
 そこで、都は、大会本番に向けてシティードレッシングのさらなる充実を図っていくべきと考えますが、所見を伺います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 街灯フラッグなどでまち並みを飾るシティードレッシングは、広く都民に大会をPRするとともに、大会時には、国内外からの観客をお迎えし会場へと誘導する特別な空間を演出することができるものでございます。
 都はこれまでも、チケット先行抽せん販売の受け付け開始に合わせ、新宿駅周辺など多くの人でにぎわう通りや、地元の調布、府中、三鷹の各駅周辺で街灯フラッグを掲出し、大会開催の周知に取り組んでまいりました。
 今後、大会本番や節目の時期などを捉えながら、スタジアム周辺や最寄り駅、ターミナル駅等においてシティードレッシングを拡充し、開催機運のさらなる盛り上げを図ってまいります。

○山崎委員 四種類のフラッグ、皆さんもこの都庁の前とか、また銀座だとか、新宿、青山、もちろん調布、府中、三鷹、そういったところでごらんになっていると思います。
 一番短い期間というのが銀座エリアで三月末まで、長くても六月末までというところが府中市、三鷹市、これは府中駅の周辺のケヤキ並木通りや、三鷹駅の南口のロータリー周辺、また新宿の都庁の前は六月の末まで、また青山通りを中心とした青山のエリアも六月の末まででございます。
 ご存じのとおり、その後どうするかということがまだ決められていないと思っております。ぜひ、このシティードレッシングの意味も含めて、街灯フラッグ、しっかりと計画性を持って、また大規模に掲げるような、そういう展開も必ず必要だと思いますので、その点はよくラグビーワールドカップ組織委員会とも連携をとって、お願いをさせていただきたいと思います。
 次に、東京スタジアムは、東京二〇二〇大会の競技会場でももちろんあります。ラグビーワールドカップにおける検討状況を、次の二〇二〇大会の輸送計画に反映すべきともちろん考えますが、所見を伺います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 東京二〇二〇大会の輸送計画については、過去の類似イベントや今後実施されるテストイベント等での観客の動きなどを的確に把握し、策定していくことが重要でございます。とりわけラグビーワールドカップ二〇一九については、東京二〇二〇大会の前年に行われ、国内外から多くの観客が訪れるなど類似の特性を持つことから、輸送計画の取りまとめに当たり参考にすべきと考えております。
 このため、ラグビーワールドカップの輸送計画の策定等のために設けたアクセス検討プロジェクトチームには、東京二〇二〇大会組織委員会等も委員として参加し、検討を進めているところでございます。
 今後とも、東京二〇二〇大会の輸送計画につきましては、ラグビーワールドカップ二〇一九の輸送計画も十分に踏まえながら、それぞれの主管部署が連携し策定を進めてまいります。

○山崎委員 局長に決意を聞く前に、最後にもう一問だけちょっとお聞きをしたいと思います。
 この東京スタジアム、五万人とお聞きをしております。その五万人以外に、恐らく人が訪れるんではないか。それはなぜかといえば、やはりラグビーのメッカである、いろんな大会で行われているファンゾーンの位置づけだと私は思います。
 このファンゾーンが、今、位置が定まっていない状況の中、恐らくあの周辺で開催するとなれば、五万人以上、六万人なのか、七万人なのか、そういう人たちがこの東京スタジアム、また武蔵野の森スポーツプラザ、武蔵野の森公園、こういったところに集まってくるわけでございます。
 ですので、この輸送計画というものも五万人の対応ではなく、しっかりそのファンゾーンやそういったものも位置づけを考えながらやっていくべきだと私は考えておりますので、ぜひその点を教えてください。所見をお聞かせください。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 ファンゾーンにつきましては、組織委員会のガイドラインに基づき、その設置場所も含めまして、現在、組織委員会と協議を行っているところでございます。
 その協議の進捗に応じまして、交通輸送対策につきましても、今後策定する交通輸送実施計画に必要な反映を行ってまいります。

○山崎委員 ちょっと拍子抜けしちゃったな。先ほどもお話ししましたけれども、これから恐らく、リミテッド、また組織委員会、その人たちといろんな計画の中でこういったことが決まっていくと思います。
 聞くところによると、なかなか東京都の方におりてくる、そういったことが遅いという、私もこれ、もう来年開催されるわけであって、そういったところで、なかなか計画が前に進んでいないのかな、そんなようなところも見受けられるわけでございますが、しっかりとそういった部分を含めて東京都が主体性を持って、組織委員会と連携をとって、前に進めていただきたいと思うわけであります。
 また、皆さんにもぜひご理解いただきたいのは、ホスピタリティーの中で、スペクテータープラザ、これ、場所をどこでやるかまだ決まっておりませんけれども、この中にも必ずいろいろなファンゾーンを設ける形になると思うんですよね。そのファンゾーンとはまた別に、いろんな人に見てもらうファンゾーンというものもこれから位置づけが決まってくると思いますので、ぜひそういう部分も含めて、大会準備は万全にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、二〇一九年大会において円滑な交通輸送を実現するとともに、東京全体で大会を盛り上げていくよう開催準備を進めていただきたい。最後に局長の決意をお伺いいたします。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 本日は、ラグビーワールドカップ開催まであと五百四十六日でございます。そうした中、三十年度は、大会本番を翌年に控えまして、ボランティア募集が始まるとともに、チケット販売が本格化しまして、開催都市として大会準備を加速して進めていかなければいけない年となってまいります。
 交通輸送基本計画で掲げました対策につきましては、ことしの十一月のテストマッチ等で試行、検証を行いまして、その成果を来年度策定する交通輸送実施計画につなげてまいります。
 また、会場となります東京スタジアムの改修等を着実に進めるとともに、多くの都民、国民が一体感を持って大会を迎えられるよう、大会への期待を高めるシティードレッシングの拡充等を含めまして、さらなる機運醸成に努めていきたいというふうに考えております。
 先ほど申しましたように、もう六百日を切ってございます。これから都議会の皆様初め都内の市区町村、組織委員会など関係する各機関、それから、そういったところはもとより、交通事業者など、さまざまな方々とより一層綿密な連携をとりながら、二〇一九年大会を満員のスタジアムで迎え、ファンゾーン等も含めまして都内全域で盛り上げていけるよう、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 そして、その大会の成功を二〇二〇年につなげていきたいと、このように考えております。

○山崎委員 局長の決意、よくわかりました。この大会をとにかく成功に導いて、次のオリンピックにもつなげていく、そういうお話でございました。
 やはりこの東京スタジアム周辺、武蔵野の森スポーツプラザ、また武蔵野の森公園、こういったところは多摩地域のまさにスポーツの一大拠点になるわけでございますから、そういう意味も含めて、この大会を皆さんとともに成功に導いていくために、我々も汗をかいていきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げ、質問を終わります。

○加藤委員 それでは、私からも、東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針についてに関して質問をいたします。
 初めに、大会における都市運営の役割として二つ挙げられておりまして、その一つが、大会が都民生活に与える影響の軽減です。国内外から都内に多数の来訪者を受け入れる中で、公共交通機関の混雑が都民生活や経済活動に与える影響をできる限り軽減していかなければならないのは重要なことで、大きな役割となります。
 そして、都市運営のうち輸送、交通に係る取り組みとしては、公共交通機関の混雑緩和策を取り上げていますが、特に退場時は、会場周辺の駅や鉄道の混雑は大きな課題になると思います。
 そこで、公共交通機関、とりわけ鉄道の混雑緩和策について、現在どのような方策を考えているのか、その内容を伺います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時における公共交通機関、とりわけ鉄道の混雑緩和につきましては、本年一月、学識経験者などから成る交通輸送技術検討会より中間のまとめとして、輸送力の確保、観客の需要分散・平準化、一般利用者の需要分散・抑制という三つの施策を効果的に組み合わせて実現すべきとの提言をいただいたところでございます。
 このため、都としては、組織委員会と連携し、本提言を踏まえ、観客の利用が集中する区間や時間帯における鉄道の増発などを可能な限り鉄道事業者に要請してまいります。
 また、特に退場時における最寄り駅への観客の時間的な集中を避けるため、会場から時間差をつけて退場していただくことや、周辺で実施するライブサイトなどのイベントへ誘導することなど、観客の帰宅時間を分散する方策を検討してまいります。
 さらに、観客以外の一般鉄道利用者に対しても、大会時に混雑が予測される区間や時間に関する情報をわかりやすく提供し、混雑時間帯の利用を避けていただくなど、適切な鉄道利用を促してまいります。
 今後、組織委員会や鉄道事業者等と連携し、会場や時間帯別の特性を踏まえ、総合的な混雑緩和策について検討を行い、安全で円滑な観客輸送を実現してまいります。

○加藤委員 さきの冬季平昌大会を視察した議員の方から、開会式が終了して一斉に退場し、シャトルバスがなかなか来ず大変だったという話を伺いました。入場時は入場者の判断である程度分散が図れますが、退場時はやっぱり誰しも早く帰りたいというふうに考えてしまいますので、時間差をつけることはとても重要です。イベント等も活用しながら、うまく分散を図っていただきたいと存じます。
 また、先ほどもいろいろ出ておりましたけれども、都心部の企業等の協力も必要となるため、できるだけ休みをとれるようにするとか、出勤や退勤時間の分散を図るなど、企業側の自主努力が発揮できるよう、情報提供やインセンティブが働く取り組みを検討していただければというふうに思います。
 次に、混雑緩和策の一環として、輸送力の増強という内容が含まれるとのことでありましたが、鉄道や道路の混雑が予想される中で、臨海部に競技会場が多くあることを踏まえ、新たな輸送手段として、舟運を検討していくことが大事ではないかと考えます。
 例えば、立候補ファイルを見ますと、海の森クロスカントリーコース会場や、海の森水上競技場は約二万席を擁しており、しかも、どちらも最寄りの鉄道駅とは大分離れていますので、シャトルバスで運ぶとなると、たとえ競技が重ならなくても、単純計算で、バス一台六十人乗車換算でも、三百台以上の輸送容量が必要になると思われます。
 これは大変な量でありまして、デポとなる築地や羽田空港、神奈川、千葉方面からの船のアクセスも考えれば、都心や臨海部の道路混雑も緩和されるというふうに思います。
 そこで、観客輸送に舟運を活用することについて見解を伺います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 現在、観客の会場までのアクセスにつきましては、鉄道で会場の最寄り駅まで来ていただき、駅からは徒歩もしくはシャトルバスで来場することを前提に検討を進めているところでございます。
 観客輸送に舟運を活用することについては、シャトルバス輸送の補完として利用することで、バスの必要台数を減らせることや、利用者に魅力的な体験を提供できるという利点がございます。
 一方、強風や波の影響を受けやすいことや、会場周辺に乗船施設の整備が必要であること、また、その施設が大会後も有効利用できるかとの課題もございます。
 このため、舟運につきましては、これらの課題を整理した上で活用の可能性を含め検討を進めてまいります。

○加藤委員 ぜひ前向きに検討してもらいたいと思います。ボクシング会場となる国技館も、私の地元ですけれども、隅田川の近くにありまして、現在船着き場も整備中です。東京ベイゾーンにある競技会場それぞれも、近くの船着き場を利用するなどして、混雑緩和に活用すべきだと思います。
 輸送運営計画V1では、輸送連絡調整会議のメンバーに舟運事業者も入っておりますけれども、この舟運活用が入っておりません。乗船施設の整備という課題もありますけれども、将来の有効活用も検討して、三十年度末までに策定するV2では、ぜひ盛り込んでもらいたいと存じます。
 次に、観客が集中する競技会場周辺、特にラストマイルにおける取り組みが円滑な大会運営を支援することになりますので、対応が必要です。そのラストマイル上の取り組み例として、休憩所等の設置が挙げられております。競技会場が最寄り駅から近ければいいんですけれども、中にはちょっと歩くところもありまして、ベンチなどで適切に休憩できるところが必要です。
 そこで、休憩所の設置の考え方について伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 最寄り駅から競技会場までの歩行者ルート、いわゆるラストマイルにおきましては、多くの観客が訪れることとなり、疲れた方やぐあいが悪くなった方が休むことのできる休憩所の設置は重要でございます。
 そのため、ラストマイル周辺における公園のベンチなど、観客の休憩に活用できる箇所の調査を行ったところでございまして、今後、その調査結果やラストマイルの距離、観客動員数などの条件を踏まえまして、それぞれのラストマイルにおいて休憩所設置の必要性や具体的な設置場所を検討してまいります。

○加藤委員 仮設トイレやベンチ等が足りないということになると思いますので、今後整備を行っていただいて、その上で、かねてから申し上げておりますが、3Rの観点で、使用後も各地で再利用ができるよう、お願いをしたいと思います。
 次に、ラストマイルの取り組み例として、パラレルイベント対応が挙げられています。競技会場所在の地元においては、機運醸成に積極的に協力したいと考えているところもあると思います。
 そこで、パラレルイベントの対応の考え方について伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 円滑な大会運営を支援するとともに、大会が都民生活に与える影響の軽減のため、ラストマイル周辺におきまして例年開催されている地元の夏祭りなど、大会運営に影響を与える可能性のあるイベント、いわゆるパラレルイベントとの調整が必要となります。
 パラレルイベントの調整に当たりましては、機運醸成に協力したい地元の意向に配慮しながら、大会に影響しないよう、場所や時期をずらして開催することができるのかなど、各地域の状況を丁寧に把握し、可能な限り円滑な大会運営と地元の意向を両立できるよう、きめ細かに対応してまいります。

○加藤委員 先日の東京マラソンでは、地元の歓迎イベントで太鼓を演奏するなどして、大会を大いに盛り上げておりました。大会に影響を及ぼさないことは大前提として、地元の熱意というものをしっかりと受けとめていただきたいと思います。
 各地域との調整をきめ細かに対応するという答弁でありましたので、今後しっかりと調整を行うようお願いをいたしまして、質問を終わります。

○とくとめ委員 東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領を中心にして幾つか質問をいたします。
 大会の安全・安心の確保にかかわって、二年前に都知事から、二十三区の消防団運営委員会に対して、二〇一六年、平成二十八年十一月から二〇一八年、平成三十年の三月までの諮問事項として、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、消防団の活動能力を強化するための方策はいかにあるべきかというテーマで検討が諮問されてまいりました。
 この一年半の間、私を含む我が党の都議会議員四人が各区の消防団運営委員会の委員としてこの審議に参加してまいりました。諮問の目的は、大会期間中の災害の未然防止と災害発生時における人的、物的障害を最小限にとどめるため、消防署隊と連携した警戒を実施すると、こういうふうになっています。
 そこで質問ですが、こうした諮問がなされている一方で、二十三区内に約一万四千人いる消防団員の大会期間中の役割については、立候補ファイルにも、今回の対処要領にも、直接の記載がありません。どのような考えで諮問が行われ、また、オリンピック・パラリンピックと消防団との関係をどのようにするつもりなのか伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 このたび策定いたしました対処要領では、東京都が定める現行の体制、計画を最大限に活用することを前提といたしておりまして、現在におきましても消防団は災害発生時における消火活動などに重要な役割を担っていただいていると認識しております。
 今後、特別区消防団運営委員会から東京二〇二〇大会に向けた消防団の活動能力を強化するための方策についての答申が提出された際には、対処要領への反映の必要性も含め、東京消防庁に確認し、適切に対応していきたいと考えております。

○とくとめ委員 答弁では、現行の体制を最大限に活用することになっているということでした。消防団については、諮問への答申を見て、対処要領への反映の必要性も含め対応する、つまり検討するということでした。
 ここで指摘したいのは、各自治体の運営委員会の中には、消防団の役割を超えて、しかも非常に危険な内容を担わせようという提起が行われている自治体もあるということです。
 例えば、消防団の活動能力を強化するための方策として、テロ災害対策やNBC災害、すなわち核兵器、生物兵器、化学兵器の災害対策も対象になるということが提起している内容に盛り込まれていました。それがまた議論になった運営委員会もありました。
 また、団員に小型カメラのついたヘルメットをかぶらせて警戒や情報収集に当たらせるとした自治体もありました。
 テロ災害といっておりますけれども、テロというのは犯罪であります。災害ではありません。NBC災害ということになれば、もう戦争状態ということです。これらの課題への対応は、消防団の本来の任務を大きく超えるものではないかと思います。
 我が党は、警察・消防委員会でもこの問題の質疑を行いました。消防団員の任務、役割が過大になることのないよう、慎重な検討、対応を求めました。
 また、消防団は、ご存じのとおり、地域防災力の中核という大事な位置づけを与えられています。各自治体のそれぞれの身近な地域の中で、防災活動の中心的な役割を果たしています。消防団が、責任を持つ活動地域を離れて、各競技大会の開催地域に移動して安全・安心の活動を担うということになりますと、地域密着の活動にさまざまな弊害が生まれるというふうに思います。
 消防団の活動は、あくまで本来の担当地域を中心にした防災活動にすべきだと思います。くれぐれも慎重な対応をされることを求めておきたいと思います。
 次の質問です。
 立候補ファイルでは、東京二〇二〇大会開催中の全体のセキュリティー要員は五万八百五十人となっております。内訳の中には、民間警備員一万四千人の確保が記載されています。
 過去のロンドンとリオデジャネイロの五輪大会では、民間警備会社の警備員の確保が計画どおりに進まずに、困難が生まれたと報告をされていますけれども、一万四千人の警備員はどのようにして確保するのか、その見通しはどうなっているのか伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ロンドン大会では、大会開催の直前に、会場警備を担う民間警備員が大幅に不足するという事態が生じたことを踏まえまして、東京二〇二〇組織委員会では、平成二十六年八月、速やかに警備局を設置し、初期の段階から、整備を担う国を初めとする関係機関と連携調整を図りながら、国際的な警備情勢の変化等も見きわめつつ、会場警備に係る準備を進めております。
 必要な警備員の確保につきましても、大会主催者として自主警備を担う組織委員会において、計画的に検討されているところでございます。

○とくとめ委員 過去の経験を踏まえて、早くからその体制をとって取り組んでいるということでした。大会の警備は自主警備が基本だということですから、その基本をしっかり守って、円滑に準備が進むよう対応をお願いしたいと思います。
 立候補ファイルでは、セキュリティー要員の内訳として、セキュリティーボランティア九千人が明記されています。大会ボランティアや都市ボランティアの合計十一万人と役割が違うのか、別だとしたら、どのようにしてこの九千人のセキュリティーボランティアを確保することになるのか伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 立候補ファイル上のセキュリティーボランティアには、競技会場内の誘導案内の一部として、入場管理のサポートなどを行っていただくことを想定しており、これは大会ボランティアの活動内容に含まれるものでございます。

○とくとめ委員 大会ボランティアの中からセキュリティーボランティアが活動に参加していただくということでした。いうまでもなく、ボランティアの皆さんは、善意で大会に協力してくださる方々です。先ほどの消防団の皆さんも、究極のボランティアの活動で頑張っておられます。くれぐれも危険を伴うことのないよう、安全には十分留意していただきたいと、念のために要望しておきます。
 次に、災害対策について伺います。
 災害対策の対処要領の中心が首都直下地震等となっていますけれども、地震対策と同時に、東京二〇二〇大会時期、つまり七月、八月、九月、この時期は、季節的条件から見て、台風、豪雨の集中時期であり、競技施設がある地域的な特徴も踏まえて、こうした事態に確実に対応できるようにしていくことが重要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 台風、豪雨など大会運営に影響を及ぼす事態が発生した場合、都市オペレーションセンターを中心に関係機関と連携し、大会運営を支援するための対応を行ってまいります。
 今後、こうした大会時に想定される事案に対して、都市オペレーションセンターの具体的な対処方法等を定めた運営計画を都庁関係局、組織委員会や関係機関等と連携して策定していく予定でございます。

○とくとめ委員 今後策定するとのことです。しかし、台風や集中豪雨などは、最近の温暖化の中で異常気象が広がって、大変深刻な被害をもたらす経験が次々と全国に発生しております。その台風や集中豪雨の発生の確率が比較的高い時期にオリンピックをやるわけですから、確実な対応を行っていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、競技会場などの災害への備えについても伺います。
 施設が恒久施設の場合は、日常的に水や非常食、毛布などの備蓄があると思いますが、仮設施設の場合はどうなるのか。また、恒久施設でも、仮設の観客席を増設して、通常以上に観戦者が集まるということになると思いますけれども、そういう事態への対応はどうなっているんでしょうか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 このたび策定した東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領では、競技会場内に一時避難した観客等への物資配布に向け、東京二〇二〇大会パートナー等に災害時物資調達支援協定等に基づく協力要請を行うとともに、観客等の増加に伴い物資の不足が見込まれる施設等には、協定事業者等による支援を実施していくこととしております。また、要配慮者への対応も念頭に、一時的に会場内にとどまる観客等への支援のため、必要な物資の確保に向けた対策の検討を行うこととしております。

○とくとめ委員 どういう災害が起こるかわからないという状況にさらされるわけですから、大災害の対応ということでいえば、例えば、ボート、カヌー会場の海の森水上競技場などは、ふだんは一般人が訪れない場所にあり、避難できる場所や建物も少ないと考えます。埋立地から外に出る道路もゲートブリッジと沈埋トンネルなどに限られています。震災時の備えは、内陸部以上に万全を期す必要があるのではないかと思います。こうした条件も視野に入れて検討されることを要望しておきます。
 次に、大会期間中は外国人旅行者がふえるということがいわれています。しかし、実際に、歴史的に調べてみますと、必ずしもそうではありません。
 ロンドン五輪でも、五輪のあった二〇一二年八月は、外国から英国を訪れる人は、前年比で五%減ったそうです。東京にも今や一カ月で百万人以上の外国人が訪れています。オリンピックのときだけ東京に来る人がふえ、トラブルや犯罪がふえるというような見方でいいのか、改めて冷静に考えて捉える必要があると思っています。
 そこで質問ですが、過去の各国の五輪大会の前後の経験を振り返ってみても、五輪大会の瞬間だけふえるというわけではありません。大会前から、あるいは大会後、長期的に右肩上がりに増加する傾向にあるといわれています。このことを考えると、対処要領で強調されている震災対策や感染症対策などは、先を見据えた長期的な対策をとることが、五輪期間中の安全・安心を強化することにもつながるし、その後の大事なレガシーにもなるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 このたび策定した対処要領につきましては、誰もが安心して暮らせる大会後の東京のまちづくりにつなげていくことを見据え、警視庁や東京消防庁等関係機関と連携して検討を行ってきたものでございます。大会に向け構築した危機管理体制やノウハウ等を、大会後も引き続き活用していくこととしております。

○とくとめ委員 対処要領は、大会後も引き続き活用という答弁があったように、大会後も引き続き今後の災害に備える上で、災害に強いまちづくりにとっても大事なレガシーになっていくものだと思います。そうした先々の長期的な視点で東京二〇二〇大会の安全・安心の確保の取り組みを具体化してほしいと要望しておきます。
 最後に、東京二〇二〇大会の成功と大会期間中の安全・安心を確実に確保する上で、これからのさまざまな大会の準備の過程においても、幅広く都民や国民、そして国際社会からも、この東京大会に対して理解や共感が広がるようにすることが重要ではないかと思っております。
 先日終わりました、緊迫した環境のもとで開催された平昌大会が、直前の南北のトップ会談を通じて、オリンピックらしく平和と友好の祭典として開催が行われました。こういう国際環境を東京オリンピックでもしっかり整えていく。そのために大いに役割を果たすことが私は大事ではないかと思います。
 東京大会は、経済効果やメダルを獲得するだけではなくて、さらなる大会経費の縮減、都民の暮らしと環境との調和、何よりもオリンピック憲章の最大の特徴である平和と友好の祭典、国や人種、言語、性別の違いを超えた人権尊重の祭典、アスリートファーストのスポーツの祭典として貫くことが重要ではないかと思います。
 そのことが大会成功への大きな機運醸成にもつながるし、大会の安全・安心の確保にもつながると思います。こうした観点も明確に貫いていただいて、今後の大会の準備、大会の安全・安心の確保に取り組んでいただきたいということを強く要望して、質問を終わります。

○伊藤委員 私からは、都市オペレーションについて伺いたいと思います。
 テロがないにこしたことはありませんけれども、オリンピックに向けて、本当に備えあれば憂いなしということで、早目早目の対策を講じていかなければならないことと思います。
 今回、基本方針が示されまして、都市オペレーションの基本方針ということで、少し中も読ませていただきました。四ページを見ると、都は大会時、組織委員会と緊密な連携体制を構築し等々書かれておりまして、大規模な自然災害、テロ、サイバー攻撃などに対処していくと、こういうことであります。都はというふうに書いてあるんですけれども、多分、主語を具体にすると、都市オペレーションセンターが中心になるのかなというふうに理解をさせていただいております。
 そういう意味では、都市オペレーションセンターに、大会の開催期間中に仮にもテロ等が発生したときには、第一通報者の方々が都市オペレーションセンターにも通報することになることが当然想定されるんですけれども、具体にシミュレーションをちょっと考えたときに、開催期間中、特に競技会場周辺で爆弾が爆発をしたと。仮にも第一発見者が、通報者が警察官であったといった場合というのは、恐らくは警察官の方が上司、警視庁に通報する、あるいは、負傷者も当然出ていらっしゃるでしょうから、消防庁、救急車両を呼ぶということが考えられると思います。
 さらには、この都市オペレーションにも通報いただくことが、まさに円滑な連携を生むんだろうと思うんですけれども、そう考えていきますと、この都市オペレーションの基本方針にも書かれているんですけれども、関係各所が大変多いわけであります。そういう意味では、連携体制のイメージの図は後でまた掲げますけれども、警視庁、消防庁、会場周辺自治体、あるいは輸送センター、それからメインオペレーションセンター、これ、組織委員会ですね、それから国のセキュリティ調整センター、セキュリティ情報センターと、本当に関係各所が多岐に及んでおります。
 そういう意味で、第一発見者の方、通報者の方が各所に当然連絡するいとまもありませんし、目の前に負傷者の方がいれば、それどころではないということも当然考えられます。
 かといって、今度、それぞれの機関に、第二通報者、第三通報者がそれぞれ情報を届けますと、場合によっては、この機関においては第一通報者、第三通報者から情報が行っていて、この機関には第四通報者、第五通報者と、情報が錯綜していくということも十分に考えられます。
 そういう意味では、もちろんこうした事件が起きれば、警視庁、一一〇番されることは当然だと思いますけれども、基本的に情報がやっぱり一元的に集約されていく必要があって、そして、その集約された情報が各機関に漏れなく瞬時に送信されることが望ましいんじゃないかと、私はこういうふうに考えているわけであります。
 そういう意味で、事件が起きた際に、事件の情報伝達を都市オペに集中させ、警察、消防、都庁、それから国、場合によっては官邸もあるかと思いますが、瞬時に組織委員会のメインオペレーションセンターへ行う方法を検討すべきではないかと思います。
 特に、人同士の口頭伝達というのも、瞬時瞬時ではそっちの方が速いということもあって、それを否定するものでは全くありませんけれども、情報を一元化して、むしろメーリングリストのような形で流せる情報は、都市オペから各部局に流すというのが非常に効果的なのではないかと思うんですけれども、まず所見を伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 事件が起きた際に、大会運営への影響を最小限に抑えるため、迅速に関係機関と情報共有を図り、円滑な連絡調整を実現することが重要でございます。
 そのため、関係機関の間で相互に連絡員を配置することやテレビ会議、ご指摘のございましたメーリングリストなど、情報伝達のツールを活用することを検討いたしまして、事案の対応経過等の情報を共有するなど、情報伝達を徹底してまいります。

○伊藤委員 今提案のとおり、メーリングリストはしっかり対応していただけるということですので、いち早い情報伝達がなされるということを期待したいというふうに思います。
 また、何度かやっぱりこれ、具体的に試験運用してみるということも大事だと思いますし、どのクラスの方々がその情報を受け取るようにしておくのかというのも整理が必要だと思いますので、ぜひ時間をしっかりかけて検討していただきたいと思います。
 さらに、具体的にテロが起きた場合のことについて伺って、要望をしていきつつ、また災害時についても質問したいと思っております。
 具体のテロを想定するときに、最近ですと、特に競技が開催されているさなかに起きた一番印象的な事件としては、ボストンのマラソンだったんじゃないかと思います。ちょっとボストンのマラソンを振り返りながら、仮に東京で起きたとき、どういうことができるのかということを伺いたいと思うんですが、担当の部長は田中部長かと思います。
 ボストン・マラソンの事件について、どの程度ご承知されていますでしょうか。もちろんニュースではご存じだと思いますし、また、当時の事件の詳細を何かで読んだとか、あるいは今それも参考にしているとかいうことがあれば、ちょっとご答弁いただきたいんです。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 お話のございましたボストンのマラソンでの事件は、観客等が集中しております、いわゆる沿道のラストマイルの一つと呼べるような場所で起こったというふうに認識をいたしております。
 実際に、観客につきましても、集団での犯行というよりは、いわゆる単独の犯行に近いようなものであって、事前の状況についても、なかなか情報が確保し切れなかったということもあるかというふうに考えてございます。
 最近のテロ状況についても、警察等と情報共有をいたしまして、東京大会におきましては、特に初動の段階でそういった異変にしっかりと目を光らせて、未然に防ぐというようなことと、それから、起きたときにその影響を最小限に防ぐ。大会への影響も防ぐ、人命の確保も最大限努めていくということで、警察、消防の関係機関と連携をしっかりと密接に構築をいたしながら、対策に努めていきたいというふうに考えているところでございます。

○伊藤委員 本当にありがとうございます。おっしゃるとおりで、初動において、これがいわゆるグループ的な犯行、組織的なテロだったのか、あるいは単独犯だったのかも、最初の時点ではなかなか把握できなかったわけであります。
 今回の場合は、オリンピック・パラリンピックの開催期間中だとすると、例えばその競技でテロが起きたと。次の日も競技があり、その次の日も競技がある中で、単独犯なのか、あるいはその犯人が捕まっているのか捕まっていないのかによって、その後の運営も大きく変わってくると思います。そういう意味で、このボストン・マラソンの例はとても参考にしていきながら、対策を講じていくのが望ましいのではないかと思います。
 というのも、今お話にあったとおり、ゴール付近で二度爆発しているんですね。死者は三名です。この死者については、残念ながら、爆弾に近いところにお立ちになられていた方々、お子さんも含まれていますけれども、三名亡くなられました。負傷者が二百八十二名ということです。
 実は、ボストン・マラソンは非常に大きな特徴がありまして、六つの幸運といわれているんですけれども、全部はいいません。ただ、一つは、ちょうど現場周辺の各病院の勤務交代時間である午後三時近くに起きたので、スタッフがまず二倍ほどいたということ。それから、地域、その現場近くには七つの外傷センターや世界レベルの病院が複数存在していたと。それ以外にも四つの幸運があったといわれています。
 何がいいたいかといいますと、実は、この爆弾そのものは、リュックサックの中に入っていた圧力鍋を使った爆弾だということで、比較的つくりやすいものだというふうにもいわれているそうです。特に、中に殺傷能力を高めるためにボールベアリングだったりとか、くぎとか、金属片が入っていて、爆発とともに、ちょうど膝から下あたりにそうした金属片が飛び散るような構造になっていたので、足に裂傷を負った方々がたくさんいらっしゃったということで、二百八十二名の負傷者が出ています。
 十名以上の方が、手や、特に足を切断することになったといわれているんですが、しかし、そういう意味では、皆さん救急搬送されて、失血死した方がいらっしゃらないんです。これは、ボストンにおける当時のテロ対策マニュアルというものが極めて整備をされていて、病院の受け入れ体制も非常に円滑であったということが指摘をされているところです。
 中でも、ターニケットってお聞きになったことはありますか。私も今回調べて初めて知ったんですけれども、止血用のゴムバンドということで、昨年十一月、東京消防庁も七百個購入して、今、救急車に常備をされているそうです。
 これ、読売新聞の記事なんですけれども、ちょっと読みます。ターニケットは一般の止血帯より強力で、短時間で簡単に傷口付近を縛ることができて、戦場や手術でも使われていますと。米国では、消防や警察のほか、市民にも普及していると。二百人以上が負傷したボストン・マラソンの爆弾テロで死者が三人にとどまったのは、消防や市民によるターニケットでの救命措置効果だと専門家は指摘していますと。こういう話がありました。
 やっぱりボストンでは二百八十二人もの負傷者を出しながら、失血死を出さなかった、救護できたというのは、奇跡でもあり、しかし、ただ単に奇跡ではなくて、そういう意味では十分な準備というんですか、用意というか、対策というものがなされていたというふうに分析できると思います。
 さっきお話ありましたけれども、これから消防団の方だったり、あるいは都市ボランティアの方だったり、警察の方々に警備に当たっていただくわけでありまして、このターニケットは少なくとも市民の方でも使える止血バンドです。そういう意味では、ターニケットに限りませんけれども、こうした簡易で市民でも使えるようなものというものを会場周辺で警備に当たってくださる方々に持っていただくということも、これからぜひ具体の対策として検討していただきたいと思います。これは要望にとどめさせていただきます。
 それで、特に今回、ボストン・マラソンのことを調べていて、行き当たったんですけれども、資料で読んだだけですからお会いはしたことはありませんが、元警察庁警備局、そして、その後は内閣官房の日本のテロ対策のあり方についての研究会の委員を務められている河本志朗さんという方がいらっしゃいます。元警察庁ということもあって、大変こうしたテロ対策に対して造詣が深いんですが、ネットなんかでも出ているんですけれども、このボストン・マラソンの当時の病院、あるいは警察、消防の対応についての分析を報告書でまとめています。これ、よかったら、ぜひどこかでお読みいただければと思うんですけれども、全部は当然読みませんが、幾つかちょっと簡単にご紹介をさせていただきたいと思います。
 爆弾テロのような多数の負傷者が発生した場合、関係機関の緊密な連携と、それから情報共有に基づく負傷者の現場措置、トリアージ、それから病院への分散搬送、病院における受け入れと治療が迅速かつ適切に行われなければ、多くの命を救うことはできないと、こういわれています。これはご承知のとおりかと思います。
 ただ、このボストンにおいて、特に注目に値することは、それまでのテロについて、既にこのテロが起きる前から研究をしている。特に、マドリード、ロンドン、ムンバイなどから爆弾テロ対応を経験した医師を招いて、七百五十人以上の警察官、救急隊員、医師などが教訓を学んで対応計画に盛り込んだと。こういう指摘をこの河本さんはされていらっしゃいます。
 さらには、二〇一三年にこの事件が起きていますけれども、二〇一一年の二月から、まさにボストン市内において訓練が始まり、二〇一一年の三月にも、ボストンなど九自治体で構成される病院の実動訓練も行っています。それから、二〇一二年の十一月には、今度は人質事件、危険物事案、映画館での銃乱射事件など、数々のシナリオでの二十四時間の大規模訓練も実施して、五十の機関から六百名以上が参加したということでございます。これは枚挙にいとまがありませんが、二〇一三年の三月にも今度は演習を実施してと、さまざまなことをしています。
 大変示唆に富んだ表現で危機管理対応について指摘を河本氏がされていますけれども、こういっています。事件現場で名刺交換するような関係では、危機管理において連携なんかできないと、こういうことであります。ですから、当然、基本方針をつくることも大事ですけれども、具体にこれを動かして、訓練につなげていくということも重要であるということをあわせて申し上げておきたいというふうに思います。
 そして、大事なことは、先ほど幸運が幾つか重なったといいましたけれども、やはり現場において看護師さん、それから医師の方々に、場合によってはボランティアで、その場で対応していただける方にはその場で対応していただくような仕組みというのもこれからご検討いただきたいと思います。
 よく飛行機の中で急病人が出たときに、お医者さんいますかというような対応があるかと思いますけれども、現実に三万人とか五万人とか十万人とか収容される会場で多くの急病者が出たときには、こうした医師や看護師の助けなくして救急処置もできないかと思います。これも事前に登録制度をつくるなど、駆けつけられる体制づくりというのをぜひご検討いただきたいというふうに思っております。
 それから、今テロの話をしましたが、今度、大規模災害についてちょっと質問をさせていただきたいと思います。
 皆さんのお手元には連携体制のイメージ図というのが都市オペレーションを中心に書かれていると思うんですけれども、これがその組織図になるかと思います。(パネルを示す)私が心配しているのは、通常のオペレーションに関しては、まさにこの組織図どおり動かしていくことになるんだろうと思います。ただ、例えばなんですけれども、本当に震度六を超えるような首都直下型地震が起きましたといった場合というのは、一つには、まずこの東京都の中に災害対策本部が立ち上がるんだろうと思います。
 先ほどお話があったように、この都市オペレーションについても、少なくともこの都庁内に入っているということなので、連携はとれるんだと思いますけれども、しかし、災害対策本部が立ち上がったときの指揮命令系統というのはやっぱりしっかりしておかなければ、どっちに連絡するのか、どっちが上位に立つのかということも混乱の一因になると思いますので、その指揮命令系統について、まず所見を伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都市オペレーションセンターは、災害対策本部が立ち上がった場合には、組織委員会と連携し、選手、関係者、観客等の安全確保など大会特有の対応について、災害対策本部に報告をすることになります。
 指揮命令系統につきましては、災害対策本部、都市オペレーションセンターともに知事の指揮命令のもとにございまして、災害対策本部は都内全体の災害対応、都市オペレーションセンターは組織委員会とともに大会に係る災害対応を連携しながら行っていくことになります。

○伊藤委員 震度六とか七になれば、明確な指揮命令系統の移行があると思いますけれども、震度によっては本当に微妙なラインというのがあると思いますので、混乱を生まないように、ぜひそこの想定というのを十分に図っておいていただきたいと思います。
 もう一個は、そういう災害時に、特に外国人の皆さんにどういう情報がちゃんと伝わるのかというと、大体SNSで発信しますというのが今回の計画の中に書かれているんですけれども、災害になったとき、日本人でもなかなかSNSにたどり着かないんですね。
 そういう意味では、まず日本に来ていただいたときに、外国人の方には特に、SNS情報をいち早くとれるように登録しておいてもらうという方が極めて機能的だと思います。
 そういう意味では、空港とか、あるいは来ていただくときの飛行機の中で、災害情報だとか暑さ情報を配信できるSNS用のQRコードを、来られる訪日客の皆さんにお配りをして事前に登録しておいていただくと、情報伝達しやすいと思うんです。
 最後に、そのQRコードを渡したらどうかという提案に対するご所見をお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 首都直下地震等の震災を想定し、訪日外国人に対し避難先や行動ルールなどの情報をあらかじめ提供することは、発災時の混乱を避け、安全を確保する上で重要でございます。
 そのため、国や区市町村とも連携し、多言語に対応する防災情報サイトやSNSなどを活用して情報提供を進めていくこととしており、QRコード等により、これらのサイトを案内していくことも普及啓発を図る上で有効な手段であると考えております。
 大会に向け、災害時に訪日外国人が安全に避難できるよう、国や組織委員会等と連携し取り組んでまいります。

○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○小山委員長 次に、本委員会に付託されております調査事件についてお諮りいたします。
 本件は、今定例会中に調査を終了することができませんので、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十六分散会

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