オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会速記録第十号

平成三十年三月九日(金曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長小山くにひこ君
副委員長大松あきら君
副委員長吉原  修君
副委員長伊藤 ゆう君
理事加藤 雅之君
理事両角みのる君
理事石川 良一君
理事山崎 一輝君
理事あぜ上三和子君
森澤 恭子君
おときた駿君
川松真一朗君
栗林のり子君
龍円あいり君
白戸 太朗君
入江のぶこ君
山口  拓君
里吉 ゆみ君
谷村 孝彦君
桐山ひとみ君
とくとめ道信君
木村 基成君
高島なおき君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
次長理事兼務小山 哲司君
技監相場 淳司君
総務部長中村 倫治君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長根本 浩志君
連絡調整担当部長戸谷 泰之君
事業調整担当部長高野 克己君
自治体調整担当部長小池 和孝君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務越  秀幸君
運営担当部長田中  彰君
パラリンピック部長萱場 明子君
障害者スポーツ担当部長新田見慎一君
大会施設部長鈴木 一幸君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 研二君
施設担当部長砂田  覚君
施設整備担当部長草野 智文君
施設調整担当部長湯川 雅史君
輸送担当部長片寄 光彦君
選手村担当部長朝山  勉君
スポーツ施設担当部長藤木 仁成君
スポーツ推進部長小室 明子君
スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務
川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長篠  祐次君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九TMの開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項(説明)
・東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針について
・東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領について
・東京二〇二〇オリンピック競技大会の会場について
・東京二〇二〇パラリンピック競技大会の会場について
・ラグビーワールドカップ二〇一九TM東京都交通輸送基本計画について
・平昌オリンピックについて

○小山委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項、東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針について、東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領について、東京二〇二〇オリンピック競技大会の会場について、東京二〇二〇パラリンピック競技大会の会場について及びラグビーワールドカップ二〇一九東京都交通輸送基本計画については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行います。
 また、報告事項、平昌オリンピックについては、説明を聴取することにとどめます。ご了承を願います。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 延與パラリンピック準備調整担当理事大会運営調整担当理事兼務及び丸山連携推進担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承を願います。
 それでは、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針について外四件の報告を聴取いたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 それでは、私から、初めに、東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針についてご説明いたします。
 お手元に配布してございます資料第1号をごらんください。
 まず、1、大会における都市運営の役割でございますが、都として円滑な大会運営を支援していくこと、大会が都民生活に与える影響の軽減を図ることの大きく分けて二つがございます。
 次に、2、大会における都市運営の取り組みでございますが、一つ目は、大会運営に係る総合的な連絡調整を行うことでございます。
 組織委員会から大会運営に係る情報を集約し、関係局や警察、消防など関係機関等との連絡調整を行うこととしております。また、水質や大気、ライフラインなど、都市情報を集約し、異常発生時には関係機関と連携し、迅速に対応してまいります。
 二つ目は、競技会場周辺における取り組みでございます。
 観客への案内、路上美化、暑さ対策などを行うとともに、事故などが発生した場合には、観客の安全確保に取り組んでまいります。
 三つ目は、輸送、交通に係る取り組みでございます。
 大会に係る円滑な輸送の実現などを図ってまいりますが、具体的には、別途策定の輸送運営計画に定めることといたします。
 次に、3、都市オペレーションセンター(仮称)の設置でございます。
 大会における都市運営に取り組むため、都は、都市オペレーションセンター(仮称)の設置を検討してまいります。
 (1)、設置期間、運営時間でございます。
 都市オペレーションセンターは、大会期間中及びその前後に設置し、大会中は二十四時間体制を想定しております。
 (2)、関係機関等との連携体制でございます。
 組織委員会メーンオペレーションセンター等との緊密な連携体制を構築してまいります。
 お手元の資料の二枚目を恐れ入りますがごらんください。都市オペレーションセンター(仮称)の連携体制イメージでございます。
 組織委員会のメーンオペレーションセンターや、国が設置する予定のセキュリティ調整センターなどと緊密に連携してまいります。
 恐れ入りますが、資料の一枚目にお戻りいただければと存じます。
 (3)、大会運営に係る総合的な連絡調整でございます。
 競技の実施状況や会場内の混雑状況など大会運営情報を集約し、関係機関等に情報共有を行うとともに、組織委員会から支援要請があった場合に、関係機関等と連携して対応いたします。また、水質や大気等の状況、上下水道等ライフラインや感染症の発生状況など、都市情報を集約した上で、大会への影響を分析いたします。さらに、台風など大会に影響を及ぼす事態が発生した場合には、関係機関等と連携して対応してまいります。
 (4)、競技会場周辺対応でございます。
 多くの観客が集中する競技会場周辺の状況を把握し、関係機関等と情報共有を行ってまいります。また、観客の流動状況に合わせた都市ボランティアの配置調整、道路上の障害物の除去や路面清掃、仮設トイレなど利便設備の維持管理を行うとともに、けが人や急病人など事故等発生時には、関係機関等と連携して対応してまいります。
 (5)、大会後についてでございます。
 この都市オペレーションセンター(仮称)の設置に当たり、都庁関係局等が保有する都市情報を効率的に集約する仕組みを検討し、今後の都政に活用してまいります。
 最後に、4、大会に向けた都市運営に資する取り組みでございます。
 テロ、防災対策、バリアフリー化の推進、暑さ対策、外国人観光客の受け入れなど、大会に向けて都庁各局が都市運営に資する取り組みを進めており、その取り組みについて記載してございます。
 今後、この方針に基づき、大会運営に係る総合的な連絡調整や競技会場周辺における取り組みについて、具体的に検討してまいります。
 なお、参考資料として、東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針の本文を添付させていただきました。後ほどごらんいただければと存じます。
 続きまして、東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領についてご説明いたします。
 恐れ入りますが、お手元に配布してございます資料第2号をごらんください。
 まず、1、総則の目的でございますが、都は開催都市として、世界から訪れるアスリートや大会関係者、観客、都民の安全・安心を確保していかなければなりません。また、大会期間中における都民生活と社会機能を維持し、さらに大会運営を脅かす事案への対処が必要となります。そのため、治安対策、サイバーセキュリティー、災害対策、感染症対策の四つの視点から、各種事態を想定した東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のための対処要領を策定いたしました。
 本対処要領では、都市オペレーションセンター(仮称)を中心に、各局、関係機関と連携し、危機的事態に対応してまいります。
 次に、本対処要領の考え方についてでございます。
 本対処要領は、多くの観客が競技会場に集中するための取り組みの充実強化を図るとともに、外国人対応など新たな取り組みの展開など、資料右上の図でも示してございますように、現行の体制、計画を最大限に活用しながら、上乗せや横出しが必要な取り組みを示しています。
 対処要領の検証でございますが、今後、実動訓練等を通じ、新たなリスクに対応できるよう、東京二〇二〇大会まで継続的に検証、見直しを行ってまいります。
 各分野についてご説明いたします。
 まず、2、治安対策でございます。
 治安対策分野の考え方といたしましては、犯罪、トラブル等の未然防止及び発生時の警察、消防等治安維持機関への迅速かつ適切な支援を定めております。
 主なリスクといたしましては、競技会場など大会関連施設、大規模集客施設等に対するテロの発生や、来日外国人、訪都旅行者の増加による犯罪、トラブルの増加が想定されます。
 主な対応として、官民一体となった防犯、安全見守り活動により防犯意識を醸成し、犯罪やテロ等を未然に防止する活動を推進するほか、テロ等が発生した場合、観客等の避難先の確保など、警察、消防等の治安維持機関との連携と支援活動を実施してまいります。
 次に、3、サイバーセキュリティーでございます。
 サイバーセキュリティー分野の考え方といたしましては、東京都サイバーセキュリティポリシーに基づいたインシデント発生時の対応プロセスに加えまして、大会期間中に求められる事項、特に庁内連携組織及び外部関連団体との連携について定めております。
 主なリスクとしましては、大会運営や都市運営に被害、影響を及ぼすことを目的に、サーバーのサービスを停止に追い込むDDoS攻撃や、標的型メール攻撃などのサイバー攻撃の増加や、重要インフラの基盤システムに対するサイバー攻撃が想定されます。
 主な対応として、大会運営に与える影響に応じたインシデント対応を行うほか、サイバー攻撃を検知した際は、国や組織委員会等、関係機関との迅速な情報共有を実施し、被害の防止、最小化を図ってまいります。
 次に、4、災害対策でございます。
 災害対策分野の考え方といたしましては、大会開催時に首都直下地震等が発生した際、関係機関と連携して迅速、適切な対策活動が展開できるよう、対応方針等を定めております。
 主なリスクとしましては、国内外からの訪都者の増加によって、負傷者や滞在先等に戻れない者の増加するリスク、安全な避難先がわからず混乱が生じるリスク等が想定されます。
 主な対応として、競技会場周辺エリア等において、滞在先に戻れず滞留した観客等に向け、まず、災害時給水ステーションにおける応急給水を実施してまいります。また、組織委員会等と連携し、外国人を含む観客等に対する多言語対応に配慮した避難誘導を実施してまいります。
 次に、5、感染症対策でございます。
 感染症対策分野の考え方といたしましては、都民等の健康に重大な影響を及ぼし、大会運営に支障が生じる事態を回避し、万が一、このような事態に至った場合にも、速やかに被害拡大防止のための対策を講じられるよう、危機管理体制や大会に向けた取り組みについて定めております。
 主なリスクとしましては、国内外から人や物資の往来がふえ、競技会場周辺や繁華街を中心に通常よりも多くの人が集まることによる、さまざまな感染症が発生、拡大することが想定されます。
 主な対応として、海外で脅威となっている感染症について、診断や保健所への届け出に必要な情報を整理し、医療機関に周知徹底するほか、疫学調査を適切に行えるよう支援する外国語対応のモバイルツールを活用し、速やかな原因究明と感染拡大防止を実施してまいります。
 なお、参考資料として、対処要領第一版本文を添付させていただきました。後ほどごらんいただければと存じます。
 私からの説明は以上でございます。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 それでは、私から、東京二〇二〇オリンピック競技大会の会場についてご説明いたします。
 お手元の資料第3号をごらんください。
 去る二月三日に平昌において開催されたIOC理事会におきまして、東京二〇二〇大会の会場について、路上競技のうち三種目のスタート、ゴールの変更が了承されました。
 まず、陸上競技の競歩につきましては、新国立競技場から皇居外苑に変更いたしました。
 次に、自転車競技ですが、ロードレースにつきましては、皇居外苑から変更し、スタートを武蔵野の森公園に、ゴールを富士スピードウェイにいたしました。
 また、個人タイムトライアルにつきましては、皇居外苑から富士スピードウェイに変更いたしました。
 一枚おめくりください。別途参考資料として、東京二〇二〇オリンピック競技会場一覧を添付しております。後ほどご参照いただければと存じます。
 続きまして、東京二〇二〇パラリンピック競技大会の会場についてご説明いたします。
 お手元の資料第4号をごらんください。
 東京二〇二〇パラリンピック競技大会の自転車競技、ロードの会場については、組織委員会が国際競技団体等と協議、調整を行ってまいりました。その結果、立候補ファイルでは、スタート、ゴールをお台場海浜公園としておりましたが、富士スピードウェイにすることとし、去る三月七日に平昌において開催されたIPC理事会において承認されました。
 なお、今回の承認により、パラリンピックの競技会場が全て決定いたしました。
 一枚おめくりください。別途参考資料として、東京二〇二〇パラリンピック競技会場一覧を添付しております。後ほどご参照いただければと存じます。
 説明は以上です。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 それでは、資料第5号、ラグビーワールドカップ二〇一九東京都交通輸送基本計画についてご説明いたします。
 まず、計画の前提についてでございます。
 計画の位置づけは、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会が策定するガイドラインを踏まえて、開催都市が作成する交通輸送の計画となります。今後、基本計画を策定し、平成三十年度に実施計画を策定してまいります。
 役割分担につきましては、組織委員会が選手、大会関係者の輸送等を担い、東京都は観客の輸送や円滑な道路交通の確保等を担います。
 また、会場となる東京スタジアムへの来場者数は、一試合当たり約五万人、関係者等の車両台数は、開幕戦で約千六百五十台、開幕戦以外のその他七試合については、約千二百台から千五百台と想定しております。
 続きまして、基本計画の主な内容についてでございます。
 まず、1、公共交通機関で来場する観客への対応といたしまして、鉄道輸送、歩行者誘導、シャトルバス輸送について計画しております。
 鉄道輸送計画につきましては、最寄りの鉄道駅を京王線飛田給駅、西武多摩川線多磨駅としており、飛田給駅では、特急、準特急の臨時停車を実施いたします。また、鉄道駅等においては、混雑集中を避けるよう、早期来場やシャトルバス利用を周知いたします。
 歩行者誘導計画につきましては、最寄りの鉄道駅から最短距離で移動できるよう、歩行者動線を設定いたします。動線上においては、誘導のための人員やサインを適切に配置するとともに、交差点での信号サイクル調整等の対策を検討し、観客の滞留抑制にも取り組んでまいります。
 なお、資料の右側中段に、最寄りの鉄道駅からの歩行者動線イメージ図を記載させていただいております。
 シャトルバス輸送計画につきましては、より多くの観客を効率的に輸送できるよう、発着所を設定することとし、今年度のラグビーテストマッチでも運行対象といたしました調布、多磨、武蔵境、狛江、武蔵小金井駅を想定しております。また、シャトルバス発着所周辺では、車両と観客の的確な誘導を実施してまいります。
 次に、2、車で来場する大会関係者等への対応でございます。
 自動車誘導計画としまして、特別に許可する者以外は、公共交通機関の利用を徹底してまいります。関係者等の車両につきましては、アクセスルートや入退場時間帯の分散を図ることで、道路混雑が緩和されるよう取り組んでまいります。駐車場につきましては、東京スタジアム及び周辺の駐車場等を活用いたします。また、一般車の通行どめ等の交通規制のあり方についても検討してまいります。
 なお、資料の右側下段に関係者等の車両動線イメージ図を記載させていただいております。
 最後に、3、交通広報でございます。
 アクセスルートの混雑緩和を図るために、事業者等と連携して事前周知を徹底してまいります。観客に対しては、来場時間及びアクセスルートの分散や公共交通機関の利用を促進するとともに、道路の利用者に対しては、道路混雑等の情報周知などに取り組んでまいります。また、主要ターミナル駅や空港等でのアクセス案内を実施いたします。
 本計画につきましては、今後、三月末ごろに組織委員会に提出する予定としております。
 お手元には参考資料として、ラグビーワールドカップ二〇一九東京都交通輸送基本計画の冊子もあわせてお配りしております。後ほどごらんいただきたく存じます。
 説明は以上です。

○小山委員長 東京二〇二〇大会における都市運営に係る基本方針について外四件の報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○川松委員 私からは四点の資料を要求させていただきます。
 まず一点目は、交通輸送計画の変遷がわかるものをお願いします。これは、今回の都市運営に係る基本方針に載るまでの過程がわかるものを要求させていただきます。
 次に、交通輸送計画について責任の所在が各パートでわかるもの、特に東京都の各計画における立ち位置がわかるものを要求させていただきます。
 次に、サイバーセキュリティーについて、内閣官房、警察庁との連携において東京都の立ち位置をわかりやすく示すものを要求させていただきます。
 最後に、二〇一九年の輸送計画について、各鉄道事業者、バス事業者、NEXCO東日本、首都高速道路との協議の過程がわかるものをお願いいたします。
 以上です。

○高島委員 最後に、ラグビーワールドカップの交通輸送基本計画で、特に鉄道事業者とどういう話し合いをしたのか、回数はどうだったのか、窓口はどうだったのか、具体的な説明をきちっと列記して、資料要求させていただきたいと思います。

○小山委員長 ただいま川松委員、高島委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小山委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○小山委員長 次に、平昌オリンピックについて報告を聴取いたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局総合調整部長 それでは、報告事項、平昌オリンピックにつきまして、ご説明させていただきます。
 お手元の資料第6号をごらんください。
 まず、Ⅰ、平昌オリンピックについてでございます。
 大会の概要についてですが、平昌オリンピックは二月九日から二十五日までの十七日間にわたり、雪上競技は平昌地域において、氷上競技は江陵地域において開催されました。競技、種目数は七競技、百二種目でございまして、日本選手団は百二十四名の選手が六競技に出場したほか、百四十五名の関係者が参加いたしました。
 オリンピック・パラリンピック準備局からの派遣職員数は、ジャパンハウスの運営に十四名、オブザーバープログラムに十三名、大会運営状況の視察に七名でございました。
 続きまして、Ⅱ、平昌オリンピックにおける取り組みについてでございます。
 まず、東京二〇二〇ジャパンハウスでございます。
 都と組織委員会が江陵オリンピックパーク内に、開催都市東京及び東京二〇二〇大会のPRを目的として設置いたしました。ザ・トウキョウ・トラベラーズコーナー、追加競技イメージフォトコーナー、日本文化体験コーナーなど、体験型コンテンツやPR展示コーナーを実施し、期間中十二万人を超える観戦者、大会関係者、メディア等が来場するとともに、国内外の多くの取材を受け、大きな注目を集めました。
 なお、資料下段には参考として、大会期間中に大会開催機運の盛り上げを図ることを目的として、都内及び被災地で実施いたしました、東京二〇二〇ライブサイトイン二〇一八について記載してございます。
 続きまして、Ⅲ、オリンピック・オブザーバープログラムについてでございます。
 まず、プログラム参加の概要でございますが、このプログラムは、次回開催都市等を対象に、IOC、平昌組織委員会が大会時に実施する学習プログラムでございまして、大会運営の実際を現地でじかに学ぶための機会でございます。開催都市として都が直接運営に携わる輸送、セキュリティーなどの分野を中心に、四十九プログラム中二十七プログラムに参加し、大会時の状況について知見を習得してまいりました。
 次に、プログラムを通じて得られた主な知見についてご説明いたします。
 (1)、輸送ですが、バスは全体で約二千台、乗用車は約二千八百台で運用しておりました。平昌地域及び江陵地域ではオリンピックレーンを設置していたほか、江陵地域では一部でナンバー規制を導入しておりました。開会式終了後、会場周辺で渋滞や混乱が発生いたしましたが、これは周辺道路を予定より早く交通規制したことなどが発端でございました。
 (2)、セキュリティーですが、一日の最大セキュリティー要員は一万八千三百八十人でございました。内訳は、韓国警察庁一万三千人、韓国軍五千二百四十人、民間警備員百四十人となっております。役割分担につきましては、国はテロ対策や包括的な警備計画を策定し、地方自治体は施設建設中の安全管理、災害への対応を行っておりました。平昌組織委員会は、会場内で民間警備員によるパトロール、アクセスコントロールを行っておりました。
 (3)、ボランティアですが、オリンピック期間中、約一万五千人の大会ボランティア、約千五百人の都市ボランティアが活躍しておりました。大会ボランティアは約二千人の不参加がございましたが、当初の予定人数は確保しておりました。ボランティアにはユニホーム、活動中の食事または食費を提供しておりました。また、山間部であることから、遠方からの参加者には宿泊施設を用意しておりました。
 (4)、飲食ですが、オリンピック、パラリンピックを合わせて五百五十万食が選手、ボランティア、観客、メディア等に提供されることとなっておりました。選手村メーンダイニングでは、食材の産地表示を行うとともに、韓国料理も提供し、極力韓国の国内食材を活用しておりました。観客用レストランでは、ラーメンの器など、一部食器にリユース食器を使用しておりました。
 以上、今回の平昌オリンピックにおける取り組みや視察を通じて得られました知見につきましては、今後の大会準備に十分活用してまいります。
 説明は以上でございます。

○小山委員長 報告は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十五分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る