オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会速記録第九号

平成三十年二月二日(金曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長小山くにひこ君
副委員長大松あきら君
副委員長吉原  修君
副委員長伊藤 ゆう君
理事加藤 雅之君
理事両角みのる君
理事石川 良一君
理事山崎 一輝君
理事あぜ上三和子君
森澤 恭子君
おときた駿君
川松真一朗君
栗林のり子君
龍円あいり君
白戸 太朗君
入江のぶこ君
山口  拓君
里吉 ゆみ君
谷村 孝彦君
桐山ひとみ君
とくとめ道信君
木村 基成君
高島なおき君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
次長理事兼務小山 哲司君
技監相場 淳司君
理事延與  桂君
総務部長中村 倫治君
総合調整部長根本 浩志君
連絡調整担当部長戸谷 泰之君
連携推進担当部長丸山 雅代君
事業調整担当部長高野 克己君
自治体調整担当部長小池 和孝君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務越  秀幸君
運営担当部長田中  彰君
パラリンピック部長萱場 明子君
障害者スポーツ担当部長新田見慎一君
大会施設部長鈴木 一幸君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 研二君
施設担当部長砂田  覚君
施設整備担当部長草野 智文君
施設調整担当部長湯川 雅史君
輸送担当部長片寄 光彦君
選手村担当部長朝山  勉君
スポーツ施設担当部長藤木 仁成君
スポーツ推進部長小室 明子君
スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務
川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長篠  祐次君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九TMの開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項(質疑)
・IOC拠出金の払戻しに関する契約について
・東京二〇二〇オリンピック競技大会の新種目等の会場について
・大会輸送の検討状況について
・東京二〇二〇大会のボランティア募集について
・ラグビーワールドカップ二〇一九TMのボランティア募集について

○小山委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項に対する質疑を行います。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 雲田調整担当部長は、病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、報告事項、IOC拠出金の払戻しに関する契約について外四件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 去る十二月二十六日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明いたします。
 お手元に配布してございますオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会要求資料をごらんください。
 表紙を一枚おめくりいただき、資料1、車両基地に関わる知事への説明及びリオ大会での知事視察先をごらんください。
 このページは、平成二十八年八月二日に知事が就任して以降の車両基地にかかわる知事への説明日及び説明事項の概要をお示ししたものでございます。
 一枚おめくりいただき、二ページをごらんください。リオ大会での八月のオリンピック及び九月のパラリンピック時の主な視察先をお示ししてございます。
 なお、面会及び記者会見等につきましては、記載から除いております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより質疑を行います。
 発言を願います。

○森澤委員 私からは、大会輸送の検討状況についてと東京二〇二〇大会のボランティア募集についてお伺いをいたします。
 まず、大会輸送の検討状況についてお伺いをいたします。
 東京二〇二〇大会の成功に向けて、選手や関係者、観光客のストレスフリーでスムーズな輸送、移動というのは、大会そのものの印象はもちろんのこと、東京という都市についてのイメージを強く印象づけるものであります。そういった視点において、たびたび言及されてきてはおりますが、綿密な輸送計画は非常に大事であるということはいうまでもありません。
 多くの関係者の理解のもと、年末に豊洲新市場の開場が十月十一日と決定し、築地市場跡地も車両基地としての整備が図られることになりました。
 まず、築地市場跡地も含めて今回の七カ所の拠点について、現在の輸送計画V1、そして、それ以降の検討状況も含めてどのような考え方に基づき配置を決定したのか、お伺いをいたします。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 輸送運営計画V1において、車両基地等は、その設置の必要性のほか、管理事務所など整備する施設内容について記載したほか、乗降場や駐車場などを個別に検討していく旨を記載しております。V1以降、大会組織委員会とともに大会に必要な車両の概数の精査を続けており、大会時に活用可能な大規模な都有地を調査し、築地外二カ所の車両基地を整備することといたしました。
 また、中央区晴海二丁目外三カ所に一時待機場などを分散配置することで、大会時の交通状況に応じて柔軟かつ円滑な関係者輸送を実現してまいります。
 なお、車両基地等の整備及び運営にかかわる検討を進め、早期に地元に対して丁寧に対応してまいります。

○森澤委員 整備のタイミングにおきましても、多くの工事車両が行き来することになるかと思いますので、おっしゃっていただいたように、ぜひ地元の方々に対しても丁寧に対応していただきたいと思います。
 さて、ほかのさまざまな計画と同様、ロンドン、リオ、過去二大会における成果や課題を生かしていくということも必要だと思いますが、今回の車両基地等を考えるに当たり、そういったことがどのように生かされているのかを伺います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 ロンドン、リオ大会における車両基地は、バス用と乗用車用とに区分けするなどし、両大会とも合計五カ所配置されており、その規模や車両基地内の施設配置などを参考にしております。
 また、リオ大会時には職員が現地に赴き、車両等の運用、乗務員等の管理形態も調査し、現場を中心とした指揮系統であったことなど輸送運営面で一定の知見を得てまいりました。
 東京大会の車両基地等は、選手村やメディアセンター等に近接したエリアの中でこれまで得られた知見を生かすことと、まずは都有地の中から選定した結果、報告した七カ所となりました。
 今後、大会組織委員会とともに、大会時の道路交通状況に応じて複数の車両基地を効率的に活用する車両運用の検討を行い、柔軟かつ円滑な車両輸送の実現を図ってまいります。

○森澤委員 ぜひ最大限に柔軟かつ効率的に活用する運用を検討いただければと思いますが、築地市場跡地には、バス約八百五十台、車約千八百五十台が収容され、そこから毎日、選手村や会場に向けて発着をしていくわけですけれども、現在の朝夕の周辺の混雑状況等を踏まえ、実際に稼働した際のシミュレーションなどはどのように行われているのかを伺います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時の交通マネジメントにつきましては、七名の学識経験者と関係省庁等で構成する交通輸送技術検討会を昨年六月に設置し、さまざまな観点から議論を行ってまいりました。
 この中で、おおむね圏央道内側での道路ネットワークで想定される関係車両の流動を加えたシミュレーションを行い、高速道路上の混雑路線や一般道の混雑エリアの特定を進めているところでございます。
 築地で管理する大会関係者車両は、主に選手用のバスとして築地市場跡地から環状第二号線を経由し、選手村で選手を乗せた後、主に首都高速道路を経由し、各会場に向かうこととしております。
 今後、築地周辺など混雑が想定される地域につきましては、さらに分析を進め、必要な対策を講じてまいります。

○森澤委員 さらに分析を進めて検討していくということですが、豊洲新市場も開場して、また今後、交通の流れが現状想定しているものと変わっていくこともあるかと思います。そういった周辺状況も鑑みて、地元の理解も得ながら計画を進めていっていただきたいと思います。
 さて、車両基地からの出入りについてもスムーズになされることが重要ですが、現在、セキュリティーチェックや修理、運転手の待機場所などについて、どのようなゾーニングが検討されているのか伺います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 築地市場跡地に整備予定の車両基地では、駐車場のほか、乗務員の出退勤管理を行う業務施設、食堂などの休憩施設、車両の給油や整備のための管理施設などを配置する予定でございます。
 現在、これらの施設を車両基地内でどのように配置するか、また、どのような範囲でセキュリティーをかけるか等、解体工事を実施する市場所管局との調整を含め、大会組織委員会とともに検討を進めているところでございます。
 なお、これらの施設の詳細な配置等につきましては、セキュリティー上の配慮から、適切な情報管理が求められております。

○森澤委員 これもまた、効率的で安全な出入りができるよう最大限考えているものと期待します。
 今回発表された車両基地等は、これまでの検討状況に基づいて現時点で適切に確保されているものだとは理解していますが、より具体的なルートのシミュレーションの中で、さらなる場所の確保が必要になってくると思いますが、そのあたりについての見解を伺います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 主要な車両基地等につきましては、本委員会にご報告のとおり、七カ所の整備をしていくこととしております。
 今後は、競技会場周辺において、会場運営に伴う関係者用の一時駐車スペースや、観客のバス乗降場などが必要になってくることが想定されております。これらにつきましては、輸送運営にかかわる検討を大会組織委員会と進め、会場周辺の状況に応じ、必要な用地を確保してまいります。

○森澤委員 分散させた車両基地を生かし、さらなる用地を確保し、そして選手村、各会場を結ぶスムーズな移動、輸送を実現し、都市活動と両立していくには、配送業者を初めとした企業や都民、国民の協力が不可欠であります。交通需要マネジメント、TDMについては、過去大会の課題、成果も含め、さまざまな見地から現在、都で検討されているところではありますが、今後のスケジュールについてお伺いをいたします。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 委員ご指摘のTDM等、大会の成功に不可欠な交通マネジメントを推進するため、交通輸送技術検討会におきまして、さまざまな観点から議論を行ってまいりました。
 本年一月、これら専門家からいただいた知見をもとに、実効性あるTDM施策導入に向けた目標と方向性を示した中間のまとめを公表したところでございます。今後、今年度末を目途に、大会までのTDMの施策内容、実施体制、スケジュールなどについて、基本的な考え方をTDM全体行動計画として取りまとめ、これをもとに企業や都民、国民の皆様にご協力を呼びかける予定であり、円滑な大会輸送の実現と都市活動の両立を図ってまいります。

○森澤委員 先ほどありました中間のまとめでは、交通対策を行わない場合は、首都高の渋滞が現況の約二倍まで悪化するということも示されていますが、そういった意味では、やはり交通マネジメントはかなり大事になってくるものと思われます。着実な車両基地の整備とともに、具体的な輸送計画、綿密なシミュレーションによる交通マネジメントで、大会の成功に欠かせない安全かつスムーズな輸送、移動に向けて引き続き尽力していただくことを要望いたします。
 それでは、次のテーマに移ります。
 東京二〇二〇大会のボランティア募集についてお伺いをいたします。
 競技会場や種目の決定状況を鑑み、またオリンピック・パラリンピックへの都民、国民の皆様の期待も高まってきたということで、東京二〇二〇大会のボランティアについては、八万人の大会ボランティア、当初より二万人多い三万人の都市ボランティアを募集するということであります。
 その都市ボランティアは、ラグビーワールドカップ二〇一九に向けた先行的に募集するボランティアとも連携するということで、そういった取り組みは評価すべき取り組みであると感じております。引き続きボランティアのみならず、ラグビーワールドカップとの一体的な運営を考えていっていただくことを期待いたします。
 さて、いずれにしても、このボランティア募集、日本では過去に例を見ない規模でのボランティア募集となるわけです。過去のロンドン大会では、大会ボランティア七万人、都市ボランティア八千人で、三倍ほどの応募があったということですが、ボランティア文化が欧米ほど根づいていない日本においては、期待は高まっているとはいうものの、相当な広報PR活動で盛り上げていく必要があると考えますが、募集に向けた広報PRを具体的にどのように行っていくのか、お伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 多くの方々にボランティアに参加いただくためには、大会に向けてボランティアの魅力や活動内容、募集に関する情報を知っていただき、参加意欲を高めていくことが重要でございます。
 これまで都は、ボランティアの魅力を伝えるウエブサイト、東京ボランティアナビを通じ、ロンドン大会やリオ大会のボランティアの紹介や、過去大会等におけるボランティア経験者の体験談などを掲載してまいりました。
 また、毎年ボランティアシンポジウムを開催いたしまして、ボランティアの重要性、やりがいや楽しさなどを伝え、参加機運の醸成を図ってきたところでございます。先月二十一日に開催いたしましたシンポジウムには、障害のある方、子育て世代の方も含めまして、多くの応募があった中で六百名の方々に参加いただいたところでございます。
 来年度の募集開始に向けまして、現在、映像やポスターなどの制作を行っており、今後これらを活用し、年齢、性別、障害の有無等にかかわらず、多様な方々に参加いただけるよう、ボランティア募集に向けた広報を効果的に展開してまいります。

○森澤委員 現在も東京ボランティアナビやシンポジウムでボランティア参加機運の醸成を図っていることがわかりました。もちろんポスターなども大事なのですけれども、現状、オリンピック、ボランティアと検索しても、東京ボランティアナビがトップに出てこないというところで、恐らくオリンピック・パラリンピックでのボランティアに興味を持った方は、そのような検索もされることが想定されます。せっかくよいコンテンツをつくっていても、必要な人に確実にリーチしなくては意味がないというところで、単純に新規コンテンツを作成したり、保守、運用していくだけではなく、SEO対策はもとより、SNSでシェアされること、拡散されることを念頭に置いた広報戦略を要望いたしたいと思います。
 また、まだまだ大会ボランティア、都市ボランティアの違いがわからないという声も多く聞きます。応募時にそれぞれの役割をしっかりと理解した上でエントリーできるようなわかりやすい広報、誘導をお願いしたいと思います。
 さて、先ほど、多様な方々に参加いただけるよう取り組んでいくというお話もありましたけれども、オリンピック・パラリンピックを契機としたレガシーとしてのボランティア文化の定着、あるいは広い意味での働き方改革という意味でも、二十代、三十代の働く世代がこのボランティアとしてどうかかわっていくのかは重要だと考えます。
 大会ボランティアの応募条件案には十日以上活動できる方、都市ボランティアについては五日以上、一日五時間以上活動できる方とされています。もちろん、オリンピック・パラリンピックは夏休みの時期ではありますので、有給休暇などを使って参加することも想定されますが、まだまだボランティア活動で休暇をとるといったことになじみがないのが日本企業で、個人でぜひ参加したいと思っても二の足を踏んでしまう場合も多いかと考えます。また、子育て世代についても参加しやすい環境整備が必要です。
 こういった働く世代や子育て世代がボランティアに参加できるよう、都はどのような取り組みを行っていくのかをお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアの募集につきましては、働く世代や子育て世代を含めまして多様な人々が応募し、活躍できるよう取り組んでいくことが重要でございます。
 昨年度策定いたしました東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略では、国やスポンサー企業、関係団体等とも連携いたしまして、企業などにおけるボランティア休暇の整備や取得を促進するなど、働く世代も積極的にボランティア活動に参加できる取り組みを推進していくこととしております。
 また、子育て世代がボランティア活動に参加できるよう、託児所の利用等の取り組みを関係機関と連携し、検討していくこととしております。
 今年度より、大会に向けた都独自の取り組みといたしまして、企業におけるボランティア休暇の制度導入に向けた支援を実施するとともに、大会期間中の休暇取得の促進を経済団体等に働きかけているところでございます。こうした取り組みを通じまして、多くの働く世代や子育て世代の方々がボランティア活動に参加できるよう環境を整えてまいります。

○森澤委員 今、ボランティア休暇の制度導入に向けた支援の実施というお話がありましたが、ボランティア休暇制度整備助成金についても、まだ最終的な実績は出ていないものの、今年度五百社という予定社数を上回る事前エントリーがあったということです。
 大会期間中の休暇取得の促進を働きかけていくということですが、募集が始まるタイミングでも企業等にボランティア休暇の導入をさらに促して、社会全体で会社員、働く人たちがボランティア休暇を取得することが是となるような雰囲気づくりをしていく必要があると考えます。
 また、ボランティア活動に参加したことが、社会に貢献したということでプラスに評価されるような取り組みも必要なのではないかと考えます。ぜひ産業労働局を初めとした関係局と連携して、そういった環境整備を進めていただくことを要望いたしたいと思います。
 次に、ボランティアの育成計画について伺います。
 二〇一九年十月から共通研修、そして二〇二〇年三月に役割別研修、六月から配置別研修というスケジュールが出ているわけですけれども、まず、各研修の概要についてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアが受講する研修には、共通研修、役割別研修、配置場所別研修などがあり、都と組織委員会は、ボランティア全員に必要な基礎的知識を習得してもらうため、共通研修を実施することとしております。
 共通研修では、ボランティア活動を行う上で必要な知識として、おもてなしの心、責任感等ボランティアの役割について学んでいただく研修や、接遇マナー研修等集合研修に加え、eラーニングも活用し、実施してまいります。
 また、都市ボランティア一人一人がそれぞれの役割を果たす上で必要な知識やスキルを習得する役割別の研修を行いまして、その後、配置場所ごとに特有の知識を習得する配置場所別研修を実施してまいります。
 選手や観客を初めとする多くの来場者に対し、大会時のボランティアによる適切な案内、日本らしいおもてなしに満ちた対応が行われるよう、組織委員会等と連携し、ボランティアの育成に取り組んでまいります。

○森澤委員 ことしの応募から、実際にオリンピック・パラリンピックでボランティアをするまでの約二年間という期間が今回あります。その間に今ご説明いただいたような研修が入ってくるわけですけれども、二年間の間には、人によっては入学、就職、転職、転勤、結婚、出産など、さまざまな環境の変化が起こって、場合によってはどうしても参加できなくなってしまって離脱してしまうことや、また、応募した時点と状況が変わって、意欲が下がってしまうというような可能性も考えられます。
 先ほど、責任感を持ってもらうような共通研修も行うということでしたが、そういった中で、ボランティアとしての誇り、プライドを育むとともに、研修以外のところでのボランティア同士のコミュニティづくりなど、仲間意識を高めることでモチベーションを維持して、離脱をしない仕組みづくりもしっかりと講じていただけるよう要望したいと思います。
 最後に、障害者のサポートについての研修についてお伺いをいたします。
 障害者の方への対応については、さまざまなスペシャルニーズがある方への対応ができるボランティアの育成が間に合うのかといったような心配の声も聞いております。
 ボランティアの方が障害者を適切に案内することができるよう、都はどのような取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 障害のある選手や観客を初めとする多くの来場者に対し、ボランティアが適切な案内等を行うためには、一人一人がみずからの役割の重要性を認識し、障害者の視点に立って対応することが重要でございます。
 そのため、都と組織委員会は、ボランティア全員に共通研修として、障害者を初めとする多様性の理解を深めるためのダイバーシティー研修や、障害特性に応じた対応方法に関する知識を習得していただくための研修等を実施していくこととしております。
 具体的には、Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインのうち、障害者の接遇等に関するトレーニングの内容を参考にいたしまして、車椅子使用者や視覚障害者の誘導方法等、多様な障害に適切に対応できるよう、実技研修等を通じ学習していただくことを検討いたしております。

○森澤委員 実技研修も行っていくということでしたので、実際の現場でしっかりと実践できるように育成をしていただくことを期待いたします。
 また、外見的な障害以外にも聴覚障害や知的障害等、外見的にはわからない方というのも観客の中には大勢いらっしゃることも想定されます。少しそういったことに予備知識があれば、より適切な対応につながるというところで、そういったところも心のバリアフリーのレガシーに向けて、しっかりとした研修を行っていただきたく要望いたします。
 これからさらに詳細が詰められて、七月に募集要項発表、九月に応募が開始されるわけですけれども、ぜひ今まで意見として述べさせていただきました点もご検討いただき、定員を大きく上回るような人数、そして多様なバックグラウンドの方が応募してくださるよう、引き続き取り組んでいただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○栗林委員 それでは、私の方から、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の新種目等の会場について、何点か質問させていただきます。
 東京が二度目の開催となる、この歴史的な二〇二〇大会も、あと二年半というところまで参りました。本委員会では、予算の見える化、また経費の無駄を削減するとともに、人に、環境に優しい、ハード、ソフトともに今後五十年、百年先の東京を見据えて、後世に誇りを持って遺産を残していく責任があります。レガシーがいかに重要かというところを実感するところであります。
 今回の競技会場も、新設、仮設、そして既存施設利用と、細かく精査して決定をしたことは評価いたします。しかし、競技会場は既存施設を利用するにしても、そこから新たなレガシーが生まれることは間違いありません。かけるべきところにはしっかり投資をし、めり張りのある予算に期待をするところでございます。
 レガシーの一つの代表例として、ぜひ紹介をさせていただきたいところがあります。私の地元世田谷区には、駒沢オリンピック公園があります。オリンピックという名前がつくのはここだけだと思いますけれども、五十四年前の東京大会で、サッカー、レスリング、バレーボール、ホッケーの会場として整備されたのが陸上競技場、体育館、屋内球技場、第一球技場、第二球技場、補助競技場の六施設が完成することになりました。
 この五十四年前のレガシーが、今はっきり形として実感できるのは、やはり私も五十四年前に経験していますので、やっぱりその差がはっきりわかります。この議会の中でも何人かはいらっしゃるかもしれませんが、ほとんど、まだ生まれていないとか、生まれていらしても、まだそんな記憶がない時期だったかもしれません。私は小学生でしたけれども、鮮明に覚えております。
 競技会場ではサッカーが行われたんですね。そこでは釜本選手とか川淵選手、川淵さんは今もこのスポーツ界を牽引するような、お元気で活躍もされている、サッカーの選手として出場されていました。体育館はレスリング。屋内球技場はバレーボールですね。これは東洋の魔女、金メダルをとりました。この体育館は昨年、皆様も行かれたと思いますが、リニューアルされて完成しましたが、そこに何と、このときの東洋の魔女、何人かが参加されておりましたけれども、七十代とはとても思えないスレンダーな、本当に今でもアスリートとして活躍するぐらいの、本当にすばらしいご活躍の元選手の方もおいでになっていらっしゃいました。
 そして、第一、第二、補助競技場、ここはホッケーが行われました。これは当時、大変注目されたんですが、インドとパキスタン、この国と国とが争う中で、オリンピックは平和の祭典だからということからこのホッケーで戦い、そして、金がインド、銀がパキスタンということで、オリンピックは平和の祭典ということがかなりメッセージ性を持って伝わったという記憶もございます。
 人、建物、文化、こうしたレガシーが確実に今も引き継がれているのがこの駒沢会場だと思っております。そうした多くのドラマが生み出されました。
 そして、この大会終了後、五十四年前のオリンピックの大会が終わった後に、これらの施設と公園施設を一元的に管理する建設局と連携をして、駒沢オリンピック公園として都民に開放されることになります。
 五十四年たった今、どうなったか。この公園はスポーツの一大拠点となり、体育施設の稼働率は九八%、ギャラリーも年間六万人の来訪者もいるという、そして、多くの方たちが連日ジョギングとか、地域の方もそうした健康増進にこの場所を使わせていただいているところです。
 高齢者の方も、本当に早朝六時ぐらいから体操などをされて、昨年できたカフェで体操後はモーニングをいただいたりとか、野菜中心のお食事をいただいたりとか、大変介護予防にも取り組むような大きな拠点にもなっています。こうした環境は、医療費や介護費用の抑制につながります。
 一部、オリンピックにお金をかけるより福祉に回せばいいということをおっしゃる方が時々いらっしゃいますけれども、このようなスポーツ施設を整備することが結果的には健康と医療費の軽減という環境をつくることになるのではないかと思います。
 こうした歴史から、今、駒沢は大変もう大人気で、住みたいという若い方たちがふえ、ブランドも上がってきています。レガシーは予想以上にさらに高い価値を生むということを実感いたします。
 そうしたことをしっかり見据えて、不透明なもの、例えば先日の委員会でも我が党の加藤議員が指摘し、またV1予算、V2予算でも指摘させていただきましたけれども、スポンサー収入に支払うロイヤリティーとか、こういった不透明なものはしっかり削減をしていく必要はございますけれども、やはり長いスパンで費用をかけるべきところにはかけるという考え方も大変重要ではないかと思いますので、初めに述べさせていただきます。
 質問に入りますけれども、十二月の本委員会では、BMXフリースタイル、スケートボードが仮設の競技会場である有明BMXコースで開催されるとの報告がありました。
 有明BMXコースを含めて、全ての競技会場における仮設施設は、役割分担において組織委員会が整備することになっていますけれども、現在の検討状況やコスト縮減の取り組みなどはどのようになっているのか初めに伺います。

○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設調整担当部長 各競技会場におけます仮設施設の現在の検討状況でございますけれども、組織委員会では、IOC等の関係団体との協議を踏まえながら、平成三十年四月以降の詳細な実施設計及び工事の発注に向けまして、基本設計を取りまとめているところでございます。
 なお、コスト縮減についてでございますけれども、組織委員会では、工事単価につきまして物価に関する刊行物等による市場価格調査に加え、国内外サプライヤーに対して調査を実施するなどの取り組みを行っているほか、施設整備に当たって、前提条件や仕様の見直しの手法であるCVEや、各競技会場で提供されるサービスの最適化の手法でありますSVSDの取り組みにも踏み込むなど、多方面から取り組んでいるところでございます。

○栗林委員 全体の状況はわかりましたけれども、それでは、競技種目が追加された有明BMXコースはどのような状況になっているのか教えてください。

○湯川オリンピック・パラリンピック準備局施設調整担当部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、現在、組織委員会において基本設計を進めているところでございますけれども、委員お尋ねの有明BMXコースにつきましては、アーバンスポーツの新種目の追加や会場の変更があったことから、施設の配置や規模などの修正を現在行っているところでございます。
 今後、他会場と同様に、さらに詳細な実施設計及び工事につきまして、平成三十年度中に契約を行う予定でございます。

○栗林委員 これらの競技は、若者を中心に大変人気が高いスポーツでございまして、しかしながら、こうしたスポーツに親しむ会場とか場所がございません。拡充を求める声が広がっております。
 先ほど触れた駒沢公園内にも、昨年、建設局が若者の声を受けてストリートスポーツ広場を整備してくださいまして、大変評判で、都内全域から、土日ともなれば競技を楽しむ若者であふれています。スケートボードとBMXフリースタイルは、オリンピック競技種目として、東京大会で初めて取り入れられるものであり、大会を機に、これらの競技が都民の皆様にさらに親しまれるよう期待をするところでございます。そのためにも、オリンピック会場を大会後も利用できるように、ぜひしていただきたいと思います。
 有明エリアでは、先日、谷村委員の方も取り上げていましたけれども、有明体操競技場が大会後も展示場として活用することになっており、このような仮設施設も、有効活用は持続可能性の観点からも重要ではないかと考えます。
 そこで、スケートボード会場の大会後の有効利用について都の考えを伺います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 スケートボード会場の大会後の有効活用についてでございますけれども、都は、昨年四月に公表いたしました新規恒久施設の施設運営計画におきまして、大会後、都が新たに整備する有明アリーナを核とした有明北エリアを、面的なレガシーとして有明レガシーエリアとすることといたしました。
 この計画では、東京二〇二〇大会終了後、大会シンボルや仮設スポーツ施設等を活用したアーバンスポーツゾーンを形成することとしております。さらに、大規模スポーツ大会や文化イベント等の場となる有明アリーナや、展示場となります有明体操競技場、民間事業者が開発を進めています商業施設とホテル等が点在することから、これら施設の機能を集積した相乗効果により、地域にスポーツや文化等によるにぎわいを創出することを検討しております。
 アーバンスポーツゾーンにおきます大会後の仮設スポーツ施設の有効活用につきましては、民間のノウハウや創意工夫も取り入れながら検討する予定でございまして、お話のスケートボード施設につきましても、この検討の中で近隣の住宅や学校などへの配慮や土地利用など、有明レガシーエリア全体の状況も踏まえまして検討してまいります。

○栗林委員 ぜひ取り組みをよろしくお願いいたします。こういった競技の裾野を広げていくためにも、新種目としてこのように今回参加することになっても、やはりアスリートを育てるということになったときに、練習場所、会場がないということが大変課題でございますので、有明レガシーエリア、ぜひここに仮設スポーツ施設の有効活用ということを検討していただきたいと思います。そして、この大会のレガシーをしっかりと引き継いで、目に見える形で引き継いでいただくことを要望いたします。
 また一方で、東京二〇二〇オリンピック競技大会にスケートボードを初めとする新種目が追加をされましたけれども、どこか出かけていってやるのではなくて、身近な地域における練習場所もなく、普及が進まないことが課題となっています。身近な地域における場の確保や普及啓発に向けて、区市町村に対する支援が必要と考えますが、その点はどうお考えでしょうか。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 都は、二〇二〇年大会の成功に向けて、区市町村が主体的に実施するスポーツ振興や地域活性化につながる事業に対して、ハード、ソフトの両面から支援を行っております。
 ハード事業につきましては、競技スペースを拡大する工事や、利用時間の延長等の利用機会の拡大に資する工事、誰もが利用しやすい環境を整備するバリアフリー工事を対象として、区市町村が行う施設整備に対する支援を行っております。平成二十九年度は、スケートボード施設について一件、補助金の交付決定を行っております。
 ソフト事業につきましては、スポーツの普及啓発を図るために区市町村が実施するスポーツクライミング等の競技体験イベントの開催などを支援しております。
 こうした補助制度を活用しながら、身近な地域でスケートボードなどの競技ができる施設整備やイベントの実施について支援を行ってまいります。

○栗林委員 ありがとうございます。今ご答弁で、区市町村が積極的に整備をしたいというときには、そういう補助制度を使えるように支援をしていただけるということでございます。こういった新種目、せっかくこの東京大会から登場するスポーツでございますので、子供たちから、本当に若い方たちが新種目でアスリートを目指して頑張りたいという機運がもっと広がっていくように、ぜひご協力をお願いしたいと思います。
 やはりレガシー、五十年先、百年先を見据えたこの取り組みに期待をして、質問を終わります。

○川松委員 私からは、大会の輸送についての質問をしていきたいと思いますが、まず、二〇二〇年の大会時の輸送のあり方というのは、この大会を成功させるためにはとても重要なことだと私は何度もさまざまな場面で述べてまいりました。
 その中において、この特別委員会でも再三指摘してまいりましたが、環状二号線が当初の計画どおりに二〇二〇年までに開通しないということは、大会運営そのものに影響することは必至であります。
 小池知事におかれては、その重要性について、組織委員会の森会長からも直接説明を受け、あるいはオリンピック・パラリンピック準備局、中央卸売市場の皆さん方からも繰り返し説明を聞かされていたにもかかわらず、ご本人の独断によって環状二号線の計画というものを壊してしまいました。
 この環二が間に合わない、こう多くの関係者の皆さんが感じ始めたときから、現場におられる皆さん方は急遽、新たな輸送計画の作業に入ったわけです。苦肉の策で出てきた環二の暫定迂回道路も、私たちが当初の環二に求めてきた機能を十分に満たせるかといえば、これは満たせないわけであります。
 ここに、このたび車両基地についての委員会の報告が出されました。私は、この車両基地の認識というものが、広く都民の皆さん、あるいは都庁内で正しい形で共有されていないんじゃないかと心配をしています。
 よく、築地市場の跡地はオリンピックのときの駐車場になるんでしょうという声を聞きます。広い意味でいえば確かに駐車場かもしれません。ただ、オリンピックのときに求める車両基地、この機能というのは、やっぱりいわゆる駐車場の響きからは得られないわけです。
 市場移転問題は、オリンピックの大会輸送に密接な関係にあったにもかかわらず、大きく取り上げられなかった。私は、このデポの必要性を知らない方が多過ぎる、このことを現在心配しています。
 今、大会に向けて、築地市場が移転し、解体され、デポを整備する、このスケジュールが間に合うのかという心配もある中で、きょうはその責任の所在も含めて、細かい部分まで質問をさせていただきます。
 まず初めに、今述べてきました車両基地、デポとは何なのか、大会時にどういう機能を求めているのか、改めてですけれども、説明をお願いしたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 車両基地は、大会関係者である選手、メディア、IOC、国際競技連盟などに対し、大会期間中に提供する輸送サービスに用いるバス及び乗用車の管理を行う施設でございます。
 車両基地では、車両を駐車させるスペースだけでなく、乗務員の出退勤管理や、必要に応じて食堂などの休憩施設、給油や整備等の管理施設などを配置する予定でございます。
 大会時には、ドライバーと車両のマッチング、車両の行き先や運行ダイヤなどの管理など、現場のオペレーションを行う機能を配置することとしており、大会運営に必要不可欠な施設でございます。

○川松委員 今、まさにお話ありましたように、ただ車を、この築地市場の跡地で考えれば約二千台を、そこにとめられればいいというものじゃないわけです。マックスで二千台車がとめてあった、でも、そこの車両基地から向かっていく車は全部行き場所が違うわけです。この車は国立競技場、これは千葉県、埼玉県、そういった割り振る機能もしながら整備をしていくということは、やはりただ広大な土地があればいいということではなくて、そこに機能をしっかりと持たせるために整備していかなきゃいけないわけです。
 だとすると、車両基地というのは、私は、今いったオペレーション、車をどう動かしていくかというオペレーションが大会運営の最大の肝だと認識しています。けれども、オリンピック・パラリンピック準備局の皆さん方は、ここをどう考えられているのか教えていただきたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 車両基地は、選手村やメディアセンターなどから競技会場に移動するための車両を管理する重要な施設でございます。
 このため、車両基地で競技スケジュールに応じて適切に車両の送り出しを行うことが大会運営を計画どおりに進める第一歩だと捉えております。

○川松委員 まさに大会運営を計画どおり進める第一歩だという答弁がありました。私が前回の委員会で資料要求したのは、じゃあ、リオデジャネイロ大会で小池知事はそのデポをごらんになったのか。きょう、その資料を出していただいたわけです。オリンピック時の視察日程を見ると、デポが入っていないんです。
 個人的には、僕は、リオ大会でいろんな視察をしてきた中で一番驚いたというか衝撃を受けたのが、まさにこの広大なバスデポ。あの割り振り方、大量のバスを効率よく運営している姿を見て、これがオリンピックというものかと感じたんです。
 東京の二〇二〇年大会では、今、部長からもお話ありましたようなこの機能を築地に本当につくれるんだろうか。これは時間の問題をいっています。もうゴールが限られている中で、まだ築地市場には建物がある中で大丈夫なのかと心配をしていますけれども、現在の状況はどのようになっているのかを教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 昨年末の豊洲市場開場日の決定を受けまして、築地市場跡地を車両基地として活用するため、市場所管局による解体工事との工程調整、車両基地整備に向けた工事計画の策定を進めているところでございます。
 車両基地の整備に向けましては、市場関係者に事前に説明を行い、了解を得た上で、本年一月四日から築地市場の測量を開始し、市場の営業に支障がないよう、休市日を選んで作業を進め、既に測量を終えております。
 今後、測量成果をもとに車両基地の具体的な設計を行い、移転後の解体工事とあわせ車両基地整備を着実に進め、円滑な大会輸送の実現に努めてまいります。

○川松委員 今のお話で、一月四日から測量を開始しているということであります。とにかくできることは何でもやって、とにかくスピーディーにやっていくように要望しておきます。
 そこで、この車両基地の重要性について、小池知事は就任以降、認識をされていたのかという、私の中で課題にぶつかったわけです。オリンピック・パラリンピック準備局は、小池知事に対して車両基地の重要性についてしっかりとお伝えになっていたのか、それを聞かせていただきたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 一昨年の知事就任以降、当局が直接行った説明といたしましては、平成二十八年八月十五日の概要説明の中で、特に築地市場とは特定しなかったですが、駐車場用地として都有地の活用などを検討中と説明いたしました。
 また、同年九月二十七日には、築地市場を念頭に、決定はしていないが市場跡地を駐車場として利用したい希望がある旨を口頭で報告しております。
 その後、昨年五月八日には、輸送運営計画V1について説明を行い、この中で大会輸送に必要な機能として、車両基地についても触れております。

○川松委員 ありがとうございます。今の部長のお話ですと、最初は場所は築地とは特定しなかったけど、駐車場用地が必要なんだというお話があった。今度は築地市場を念頭にご説明をされた。去年の五月には、輸送計画のV1についての中でこの話をされたということですが、部長は最初駐車場といっていましたけれども、やっぱり去年の段階で車両基地と言葉が変わっているわけです。本来だったら、そこでみんなが認識しているはずなんだと思うんですよ、僕は。
 何でこんなことをいうかというと、去年の十二月五日に行われた市場移転に関する関係局長会議、相場技監も出席されていたと思いますけれども、ここに出てくる資料が築地の跡地は駐車場になっているんですよ。だから僕は、関係局長会議をやったとしても、この車両基地の重要性というのが皆さん方に認識されていないんじゃないかなと心配になっています。いえる人にはいい続けています。でも、まだまだ足りないと思います。そして、多くの皆さん方にも、ただの駐車場じゃないんだということを広く知っていただかなきゃならないということを繰り返しお伝えします。
 さて、本年十月十一日、この日が豊洲市場の開場日として決まりました。ですから、この後から築地市場は解体され、そして、車両基地の整備工事に取り組まれる、これは当たり前の話ですけれども、当初の計画からおよそ二年おくれているわけです。
 このおよそ二年のおくれをどう取り戻していくかという課題になっていきますけれども、車両基地整備に必要な工期が確保されているのか、そして、工事計画を立てる上で混乱や支障はないのか、それをお伺いしたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 先ほどもご答弁いたしましたが、昨年末の豊洲市場開場日の決定を受けまして、築地市場跡地を車両基地として活用するため、市場所管局による解体工事との工程調整、車両基地整備に向けた工事計画の策定を進めているところでございます。
 築地市場の解体工事期間と車両基地の工事期間が重なっている期間があるため、工事区域の調整や資材、機材の配置、工事着手の順番など調整を行い、大会に支障のないよう取り組んでまいります。

○川松委員 今、築地市場の解体工事と車両基地の整備工事との綿密な工程調整が必要になってくるというお話なんですけれども、じゃあ、当然、今までやっていたと思いますけれども、中央卸売市場との意見交換、あるいは情報共有、今後どうしていこうか、そういうやりとりはどのようにされていたのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 中央卸売市場とは、解体工事契約の状況確認やその後のスケジュール、車両基地整備の考え方など、実務レベルで意見交換を続けてきております。
 現在は、車両基地整備に向けた現地調査や測量、これに伴う市場関連事業者への説明などのほか、解体工事と車両基地整備との工程調整を中央卸売市場と連携しながら進めております。

○川松委員 解体工事契約という話が出ましたけれども、こちらも今まとまっていない話だと思います。実際に二年前の七月に契約はされたものの、いまだにここは進んでいない状況で来ていますから、そちらはそちらで契約の中身について業者とのやりとりも大変でしょうし、それの様子を見ながら皆さん方も準備をしているということですし、中央卸売市場の皆さんとは、より密に、さらにこの十月に向けて作業をどんどん詰めていっていただきたいと思います。
 次に、七カ所の車両基地について、関係者用のうち、バスは築地をメーンに管理するということになっていますが、本当にこの考え方で賄い切れるんでしょうか、現在どのような使い分けを考えているのか教えていただきたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 車両基地のうち、築地市場跡地では、選手並びに国際競技連盟用のバスに加え、主にIOCなど関係者が使用する乗用車の管理を行うこととしております。また、若洲ではメディア用のバスを管理し、江東区新砂では主催者用車両の管理を行うことを想定しております。
 このほか、関係者ホテルの駐車場、選手村隣接地、バス事業者の営業所などを活用し、車両を管理することとしており、今後、大会組織委員会と車両運用について検討を進め、具体的な調整を行ってまいります。

○川松委員 ありがとうございます。当然、ここも車両基地、今、後段ではほかの土地も探していくというお話でしたけれども、やっぱり競技性だとか、あるいはいろんなスタッフのあり方とか、それぞれありますから、ここもIOC、そして各競技団体とも密接に話をしながら使い分け、割り振りというのをしていただきたいと思いますが、今の若洲については、メディア用のバスを管理するということでございました。
 そうすると、若洲にとめるバスというのは、ビッグサイトに設置する輸送モールで各競技会場に分かれていくということになると思いますけれども、そのビッグサイトの方の運営も心配になってきますが、ここはどういうふうに準備を進められているのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 メディア用といたしましては、東京ビッグサイトと競技会場とを行き来するためのバスを運行することとしております。
 メディア用バスの運営につきましては、今後、大会組織委員会とメディア関係者の意見を聞きながら進めていくこととしておりますが、いずれにせよ、大会運営に支障のないように取り組んでまいります。

○川松委員 もちろん支障ないように取り組むのは当たり前の話ですけれども、メディアセンターができて、そこにはいわゆるスチールの人たちもいればプレスの人たちもいるしという、さまざまな人たちが集まってきます。世界各国から集まってきます。こういう言葉も違う人たちをさばいていくというのも結構大変な作業だと思いますし、選手は選手で競技がありますから、大体みんな固まって動くことはわかりますけれども、メディアの皆さん方はそれぞれ日によってとか時間によって、全く行く先がばらばらで、僕は、このメディアのバスのさばき方というか運営の仕方というのもリオで見て感心をしてきました。こういうこともぜひいろんな中でシミュレーションしながら、知事にもしっかりとお伝えしていただきたいなと思います。
 今、いろんな車、バスを置く、乗用車を置く、そういう話がありましたが、知事は、水素燃料電池車両の普及を促進するために、二〇二〇年大会でもこれは活用したいんだということをおっしゃっていますが、ステーションでの補給の能力、あるいは車両数の確保など、現在どうなっているのか心配なんですけれども、いかがですか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時における燃料電池車の確保につきましては、大会組織委員会や関係者などと具体的な車両数について協議しているところでございます。
 大会時に臨海部周辺で活用できる水素ステーションの供給能力を見定めるとともに、燃料電池車両の導入状況を踏まえまして、車両運行について適切に対応してまいります。

○川松委員 ということは、現状では、まだ一台も使うかどうかわからないという認識でいいですか、確認ですけど。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 繰り返しになりますが、今後、大会組織委員会や関係者などと、具体的な車両数については協議してまいりたいというふうに考えております。

○川松委員 今の現状において、じゃあ、大会の輸送の予算の中に、この水素の車をどうしようかという考え方は含まれていますか、それとも含まれていないですか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 輸送計画の中には、水素燃料電池車両の使用については考慮されておりますが、現在のところ具体的な車両数については決定していないところでございます。

○川松委員 とすると、知事は就任以来、大会の予算を下げました、そういうふうにやってきたわけです。でもこれ、場合によっては皮肉なことに、知事の政策を実現しようとすると、また大会予算が上乗せされちゃうという、そういう状況にあるということは今わかりましたので、今後、数が決まってきたら具体的にしっかりとまた報告していただきたいと思います。
 今、国の方のオリンピックの議連において、オリンピックに関係、関連して、議連が七月二十四日を中心に三日間の休日化の実現を目指すという動きがあります。現在のところ、二〇二〇年の七月二十四日金曜日は平日です。
 この休日化にしようというのはここに出てきた話ですけれども、もともとの計画から、そして現状、この開会式の日の金曜日を前提として、今どんな作業を検討されているのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 開会式につきましては未確定な事項が多く、輸送についてもさまざまな想定を置き、大会組織委員会と実務レベルで調整を進めている段階でございます。この中では、開会式の来場者数や車両数等を想定した上で、新国立競技場周辺での人や車両の動線を整理し、課題の抽出を行っているところでございます。
 今後、開会式の規模やスケジュールなどが明らかになっていく中で、大会組織委員会とともに交通管理者など関係者を交え、輸送の具体的な内容について検討を進めてまいります。

○川松委員 ここは大変重要なポイントだと思います。やっぱり二〇二〇年の七月二十四日、この日が我々が最初に体験する東京オリンピックです。前にもこの委員会でお話ししましたけれども、単純計算でいくと選手村から国立競技場までバスが全部連なっても全員輸送できないわけですから、ただ開会式に関係者が行こうというだけで渋滞が起きてしまうというのが今の想定の中で、これはいろんなルートを使うと思います。休日になったら休日になったで、また別の考え方もあると思いますけれども、そこはまたいろんなシミュレーションを重ねていただきたいということを要望しておきます。
 それで次、環状二号線の話に行きます。
 環状二号線のいわゆるトンネルの本線が完成しない中では、築地の土地周辺の道路というのは交差点の渋滞が、これはもう簡単に、今でも渋滞が起きているわけですから、そこに暫定の迂回道路との結節点が出てくると渋滞してくるんじゃないかなというふうには想像できるわけですが、交通規制の方法はさまざまありますけれども、現在は、開会式のときにどのような交通規制をかけようと考えられているのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 開会式におけます選手の輸送は、選手村から主に首都高速道路を経由し、開会式会場へ向かうことを想定しております。このほか、開会式には競技関係者、観客に加えて、特別な警護が必要な来賓も多数来場することが想定されております。
 開会式時に円滑な輸送を実現するためには、交通需要マネジメントによる交通量抑制に向けた協力の呼びかけを強めていくとともに、交通規制のあり方や内容の具体化について、警察等関係機関と密接に連携して取り組んでまいります。

○川松委員 今、開会式における選手の輸送は、主に首都高速道路を経由するという話がありました。これは重大だと思います。というのは、当初は、環状二号線があれば、そのままストレートに選手村から出て北上していけるというためのトンネルだったわけですけれども、そこよりも迂回をしていく、外側に回っていく首都高速道路を使っていくという考え方、もちろん出入り口が新しく整備されるということもあると思いますけれども、やっぱりこれだけ見ても、環状二号線が間に合わなかったということの影響が出てきているわけです。
 今、首都高速道路を使うということですから、これ、首都高の交通状況なども気になりますし、開会式、一番国立競技場に人が集中する、いわゆる大会時、一番東京の道路が混むとされる日ですから、この状況、開会式における交通規制について、局は検討状況を小池知事に随時報告されているんでしょうか。ここは大事なことだと思います。いかがでしょう。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 開会式の輸送につきましては、規模やスケジュールなど未確定な事項が多いため、知事に対しては想定の来場者数を中心に報告しているところでございます。
 今後、開会式の検討が進められる状況に応じまして、輸送に関する計画についても適宜報告をしてまいります。

○川松委員 もちろん未確定な事項も多いと思いますけれども、交通規制のかけ方です。セキュリティー、特別な警護が必要な人たちも来られるんだというお話もされていました。セキュリティーのポイントをどこにするかということも含め、信号の活用の仕方、あるいは道路の規制のかけ方、相当これ綿密にやっていかないと、当日混乱してしまうと思いますので、無理に全部車とめろというわけにいかないと思いますよ。ですから、一般の人たちもまちの中を走っている、その中に二〇二〇年の七月二十四日がやってくるということをやっぱりみんなで思いを共有して迎えていきたいなと思います。
 さて、私は墨田区からこの都庁に来る、あるいはいろいろ中心部に来るときには隅田川を越えて来るわけですけれども、私は、主に両国橋を使うんですが、どっちに行くにしても、隅田川を越えるときというのは、勝鬨橋にしろ永代橋にしろ、清洲橋など、大体皆さんが使いたい時間が重なるものですから、隅田川越えというのは大体渋滞しています。
 大会期間中に二千台、三千台、四千台というバスなり乗用車が入ってくる。今の車両基地のあり方を見ると、築地市場用地にとめられる車も限られるわけです。この隅田川の外に車両基地もたくさんできます。これ、どうなっちゃうのかな、渋滞状況どうなるのかなと心配になりますけれども、現在どのような対策を考えているのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会の成功に不可欠な交通マネジメントを推進するため、七名の学識経験者と関係省庁とで構成する交通輸送技術検討会を昨年六月に設置し、さまざまな観点から議論を行ってまいりました。
 本年一月、これら専門家からいただいた知見をもとに、実効性あるTDM施策導入に向けた目標と方向性を示した中間のまとめを公表したところでございます。この中でTDMの実施目標として、全体の交通量を約一〇%程度抑制することに加え、特に混雑が予想される区間や地域につきましては個別の対策を実施することで、休日並みの交通環境を実現することを目指しております。
 今後、今年度末を目途に大会までのTDMの施策内容、実施体制、スケジュールなどについて基本的な考え方をTDM全体行動計画として取りまとめ、これをもとに企業や都民、国民の皆様にご協力を呼びかける予定であり、円滑な大会輸送の実現と都市活動の両立を図ってまいります。

○川松委員 本当に企業、あるいは今、国民、都民の皆さんに広く周知したいというお話でしたけど、休日にすれば車が減る、これは一般的にはそういう考え方になるかもしれませんけれども、いろんな考え方でいくと、二〇二〇年の七月二十四日というのは、東京中、あるいは日本中にとってメモリアルな日になるわけです。そうすると、今、企業にも呼びかけるとおっしゃいましたけど、産業的に、経済活動の中で、この七月二十四日にいろんなイベントをやるとか、販売をするとか、経済活動は休日にならないんじゃないかなと思うんです。
 むしろ活発になることも考えられますので、交通規制のかけ方というのは、TDMの中で練っていくと思いますけれども、そこに来て環二を使わないで選手村から行くということですから、どうなってしまうのかというふうに思いますが、とにかく円滑な大会輸送の実現というのは肝ですから、ぜひ部長、ここは引き続きよろしくお願いします。
 その交通規制の中で、僕は一つこれポイントだろうと思うんですけれども、選手村へ入る関係車両についてです。
 当初は、トンネルがあれば割と簡単というか、渋滞はそんなに引き起こさないようにしてセキュリティーチェックできるんじゃないかといわれていましたけれども、今後、築地市場の車両基地から、いわゆる暫定迂回道路などを使って入るということになろうかと思いますが、関係車両のセキュリティーチェックは、今どこで行う予定なんでしょうか。
 リオデジャネイロのときも相当何回もポイント、ポイントがあって、いわゆるパスがない車、パスがあってもここまでは行ける車というので、相当はじく作業が大変だったと私は認識しています。現在の検討状況はいかがでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 築地市場で管理いたします主に選手用のバスにつきましては、委員ご指摘のとおり、築地市場の車両基地から環状第二号線を経由しまして、選手村で選手をバスに乗せ、各競技会場へ輸送することとしております。こうした選手村に入る車両のセキュリティーチェックをどこで行うか等につきましては、周辺道路の交通状況に応じた対応が求められてくるところでございます。
 現在、大会組織委員会や警視庁など、関係者で選手村及びその周辺のセキュリティーの範囲や車両のチェック体制など、さまざまなケースを想定し、課題の抽出などを進めているところでございます。

○川松委員 今のお話ですと、選手村に入るのは環状二号線を使って入る。でも、先ほどの答弁、出るのは環状二号線を主に使わないということですから、北から入っていって東に抜けていくと。そういうふうに晴海ふ頭を使っていくという考え方でいいんですか、基本の考え方は。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 現時点の考えでございますが、委員ご指摘のとおり、選手につきましては築地の車両基地から選手村に選手を迎えに行き、晴海の首都高速道路から各会場へ輸送する計画となっております。

○川松委員 今後、状況に応じてセキュリティーのチェックのかけ方を考えていくということですけれども、いわゆる僕らが心配するのは、やっぱり円滑な大会運営というのは、テロ対策も含まれるわけです。本当に今の技術は、ああいうテロ集団の技術が進歩していますから、そのチェックというのも相当レベルの高いものにしていかないと、この二〇二〇年の晴海を守るという意味では大切なことなんだろうと思いますので、念には念を入れて、ここを詰めていただきたいと思います。
 今、部長から、首都高速道路を使っていくんだという話がございましたけれども、じゃあ、首都高速道路の営業補償はどれくらい想定されているのか、現状を教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 首都高速道路も対象と想定しておりますオリンピックルートネットワークにつきましては、現在、交通輸送技術検討会におきまして、交通需要マネジメントによる交通抑制や高速道路への流入規制などを検討しております。
 これにより、交通量が減少することが想定されますが、営業補償につきましては、その実施の有無を検討の上、仮に行うこととなった場合の具体的な金額は、今後の検討状況等によって定まってくるものと考えております。

○川松委員 今後の検討状況ということですけれども、これも、環状二号線があれば、そこまで心配しなかったことであります。さっき部長おっしゃったように、選手村から出たバスは、環状二号線ではなくて主に首都高速道路を使うということですから、こういう営業補償が出てくるんじゃないかなと思うんですね。
 オリンピックの予算、今のところは、先ほどもいいましたけれども、圧縮、圧縮の雰囲気で来ています。当初の小池知事就任前の予算というのは、予備費だとか、不測の事態に応じた幅を持たせた予算でした。この部分がブラックボックスだと批判されたわけです。
 でも、よくよく考えてみれば、ブラックボックスに見えたかもしれませんけれども、外側はブラックだったけれども、中は透明だったということがこれで証明できると思うんですね。むしろ、逆にその後、私たちが透明性だといっている方が、外は透明だけれども、中が黒かったと。そういうふうな予算の積み方だと思いますよ。
 さっきの水素カーにしてもそうです。首都高速道路の補償費にしてもそうです。想定していないこういうことがあるから、僕らは予備費を積んでおこうと議論してきたにもかかわらず、それを全部カットしちゃったわけですから、これからもしお金がどんどんどんどんかかっていった場合にどう説明されるのか。これは別に部長を責めているわけじゃなくて、皆さん方、しっかりと積み上げてきたものが一回否定されたわけです。ですから、もしお金がかかるんだったら、お金がかかった部分はしっかりと知事に説明していただきたい。そういうふうに伝えておいてください。
 それで、閉会式も含めて、選手村は、この東京大会は分村しない、これを明言されているわけです。だから、選手村は晴海一つです。そうすると、開会式の話がありましたけれども、閉会式も含めて、新国立競技場までどうやって運んでいくのか、改めてお聞かせください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 開閉会式時には、委員ご指摘のとおり、一定の時間内に多くの選手団を選手村から新国立競技場へバスで運ぶ必要がございます。
 他の競技時の輸送と同様に、主に首都高速道路を活用する方向で検討を進めているところでございますが、どの経路を選択するかといったことや、首都高速道路のどの出口を活用するかなど、さまざまなケースを想定し、検討を進めているところでございます。

○川松委員 ちょっと確認のためにお聞きしますが、首都高速道路を活用する、これはリオ大会などでは専用レーンが設置されたわけですけれども、東京では、この専用レーン導入は難しいというふうにいわれていますが、現在の検討状況はいかがでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時において、選手など関係者が通行するルートであるオリンピックルートネットワークにつきましては、昨年六月に公表した輸送運営計画V1の中で、主に首都高速道路上のルートを示しております。
 さらに、昨年六月に行った交通輸送技術検討会の第一回の中で、ご指摘のとおり、首都高速道路上では左右から合流が多く、全面的に専用レーンを設けた場合、大会関係車両、一般車両ともに渋滞に巻き込まれる影響が大きいことが明らかになっております。
 現在、交通需要マネジメントにより、交通量を抑制することを前提に、大会組織委員会や警察など関係機関とともに必要な交通規制等について検討を進めているところでございます。

○川松委員 ありがとうございます。今、開閉会時の選手の輸送について教えていただいたわけですけれども、開閉会時は選手だけじゃないわけです。そして、国際競技連盟、それぞれの競技連盟の関係者で選手村に入れない人たちも迎えに行かなきゃいけないし、メディア、メディアセンター、あるいは、あちらこちらにいろんなホテルから関係者が集まってくるわけですが、今度は新国立競技場にみんな連れてきて、バスを連れてくるわけですけど、その連れてきたバスはどこで待機する計画になっているんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 開閉会式時における車両は式典終了後、速やかにバス等に乗車できるよう、会場周辺に待機する必要がございます。
 このため、新国立競技場を中心として、一定の範囲で複数の駐車スペースを確保することとしており、現在、公有地を中心に候補地の選定を行っているところでございます。

○川松委員 今、公有地を中心に選定を行っているということですが、国立競技場の場所、立地から見て、周辺の土地といっても結構限られると思いますけれども、部長、ある程度当たりはついているという認識でいいんですか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 繰り返しになりますが、現在公有地を中心に候補地の選定を進めているところでございます。

○川松委員 あと、もう一つお聞きしたいんですけれども、渋滞を考慮するということで、さっき分村しないという考え方に基づいて、車両以外を輸送に使うという考え方はあるんですか。ヘリコプターだとか、そういう空を使って選手を--例えば東京から遠いところありますよね、そういう考え方は今の計画の中にあるんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 現時点におきましては、大会関係者の輸送につきましては、バス、フリート等を利用する想定でおりまして、そのほかの輸送手段については検討しておりません。

○川松委員 結局、今いろいろと聞いてきましたけど、ほとんど検討状況なわけです。それはなぜかというと、オリンピックが決まったのは二〇一三年です。この五年間たって、検討状況ということではなくて、環状二号線が開通しない、間に合わないということに基づいて輸送計画が変わってきてしまっているということは大きな要因だと思います。そのことによって、時間も制限がかかってきた、そして、お金もどうしようかという議論になっていますけれども、もう質疑を終わりにしたいと思います。
 いずれにしても、ここまでにわかったことは、オリ・パラ局も市場の皆さんも、環二の必要性、工期の問題、あるいは車両基地のあり方について何度も説明をされてきて、そして、その都度その都度、やれる作業は積み重ねてきている、粛々と準備を進めてきているということはよくわかりました。
 この現場を混乱させているのは、小池知事の独断による政治判断だということです。本来であれば、特別委員会の場は、私は輸送計画のあり方だとか、お金のことをどう考えるかということですから、委員長におかれましては、今後この特別委員会でデポの整備について報告事項に上がったときには、小池知事と中央卸売市場にも出席していただくようお取り計らいをお願いします。これは当然のことだと思います。そのことで現状を多くの皆さんに知っていただいて、知事の輸送計画をどう描いているのか、知事はお金をどう描いているのかというのを、この特別委員会の場で明らかにすることは当然だということを申し上げまして、質問を終わります。

○里吉委員 私からも一点、まず大会輸送問題で、築地の車両基地について伺いたいと思います。
 ここはオリンピック・パラリンピックですので、築地の市場のさまざまな問題点、いいたいことはたくさんありますけれども、そのことについてここでは議論ができませんので、車両基地について、まずこの場所を使うことについて、いつ決めたのか、また、誰が利用するバスと乗用車を想定しているのか、伺いたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 築地の車両基地につきましては、昨年六月、知事は、築地市場跡地をデポとして活用する方針を示しまして、その後、七月の市場移転に関する関係局長会議において、行政施策として行うことを庁内で確認したところでございます。
 昨年末の豊洲市場開場日の決定を受け、築地市場跡地を車両基地として活用するため、中央卸売市場による解体工事との工程調整、車両基地整備に向けた工事計画の策定を進めております。築地の車両基地のバスや乗用車は、選手、競技役員、IOCなどの関係者の輸送に使用いたしてまいります。

○里吉委員 この築地は市場として営業している中で、方向性について知事が発言したということに端を発して動き出したというご説明だったんですけれども、そもそも臨海地域にはほかにも多くの臨時駐車場もありました。
 あえて交通渋滞が想定される築地にデポを想定した根拠は何なのか、伺いたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 臨海部の臨時駐車場は、競技会場や大会関連施設などとして使用することとしており、乗務員の出退勤管理や休憩施設、給油整備等の管理施設などが必要な車両基地として利用できる規模の適地はないと考えております。
 築地市場跡地は、晴海の選手村や各競技会場へのアクセスのよさ、所要の面積及び都心に近いことから車両基地に選定いたしました。

○里吉委員 適地はないということでしたけれども、昨年六月以降、この築地で整備するということで具体的に話が動き出したわけで、車両基地は築地が市場として存続していれば使えない場合も検討していたと思うんですね、皆さんは当然。それで、別の場所も検討していたと。今までもオリンピック・パラリンピックの特別委員会で、ほかの議員がこの問題を質問したときは、あくまでも選択肢の一つだというふうに答弁をされていました。ですから、築地を使わないことも想定して皆さんは準備をしていたわけです。
 私たち共産党都議団は、そのことについて昨年の夏にも確認をいたしました。二〇一七年六月二十日までは市場がどうなるか決まっていない中で、使えない場合も想定して検討していましたというふうに何度も伺ってきました。ですから、昨年六月に出した組織委員会と東京都の輸送運営計画バージョンワンの中には、輸送デポを設置するとは記載されていますが、どこにそうしたデポを設置するのかという具体的な記述は全くありませんでした。
 今いろいろ議論がありましたけれども、築地市場を整地にしてデポにするのは、豊洲市場予定地の安全確認もせずに、移転日先にありきで決める、それは大問題だというふうに思います。手続として五輪先にありきといわざるを得ないのではないかと思いますが、見解を伺います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 先ほども答弁いたしましたが、昨年六月に知事は、築地市場跡地をデポとして活用する方針を会見で発表いたしまして、その後、七月に市場移転に関する関係局長会議におきまして、行政施策として行うことを庁内で確認したところでございます。
 昨年末の豊洲市場開場日の決定を受け、築地市場跡地を車両基地として活用するため、現在、中央卸売市場による解体工事の工程調整、車両基地整備に向けた工事計画の策定を進めているところでございます。

○里吉委員 安全性が確認できていないということを私、申し上げましたけれども、本当に豊洲市場に移転できるのかどうか、安全確認できていない中で移転ありきで進めることは大問題だということを指摘しておきたいと思います。
 そして、築地再開発検討会議が現在進行中です。私も検討会の議事録を読ませていただきましたが、第一回目の検討会では、半円の形、アーチ、あれを何らかの形で守っていく必要があるという意見が複数の委員から出ておりました。まちづくりの方針は二〇一八年度中に取りまとめるというふうになっております。
 しかし、昨年七月の局長会議のデポの予定地の図面を見ますと、その半円のアーチがあるところがすっぽり予定地になってしまっているわけですね。知事がみずから設置した検討会議が軽視された内容を局長会議で確認するという矛盾した状況になっているんではないでしょうか。
 また、既に測量が入り、市場関係者からは、五輪をてこに市場移転が強行され、とても民主的なやり方とは思えない、市場で働く私たちが心から歓迎できる五輪にしてほしいという声が寄せられております。築地市場を更地にしてデポにすることは問題だということを指摘しておきます。
 次に、IOC拠出金の払い戻しに関する条約について伺ってまいります。
 このIOC拠出金とは、IOCが開催都市契約第十四条に基づき、放映権料を原資とする拠出金、負担金八百五十億円、IOCの収入の中にありますけれども、これ、二〇二〇年の組織委員会に払うもので、V2予算の組織委員会の収入にも記載があります。
 今回の払い戻しに関する契約は、大会の中止などにより、IOCが放送権者から放送権料の返還などを求められたときに、東京二〇二〇組織委員会が拠出金をIOCに払い戻すことなどを定めるものです。組織委員会が資金不足になった場合は、IOCの拠出金の払い戻しを含め填補することを東京都が保証しているため、東京都も連署するという中身です。
 改めて伺いますが、この内容は既に開催都市契約で確認されている中身なんですが、この項目について、なぜあえて契約を結ぶ必要があるんでしょうか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 IOCは放映権料を原資とする拠出金を組織委員会に支払うに当たり、開催都市契約第十四条により、拠出金の支払いに関係する条件を決定することとされております。
 これに基づき、このたびIOCから、大会の中止などによりIOCが放送権者から放映権料の返還を求められた場合に、組織委員会が拠出金をIOCに払い戻すことなどを定める契約締結の要請を受けたものでございます。

○里吉委員 そうなんですよね。これ、全部決まっているのに、わざわざこの項目だけ、もう一度きちんと契約を結び直さなくちゃいけないということが書いてあるということなんです。読ませていただきましたが、払戻金が発生した場合に、東京払い戻し負担金の計算によると、放送事業者とIOCの間で払い戻しが合意された場合、裁量的拠出金額総額の全額を支払うことになっています。IOCの負担はないのか。また、この八百五十億では全額にならないと思うんですけれども、その場合はどうなるのか。その金額の決め方、それから八百五十億を超えた場合どうなるのか、仕組みについて伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会の中止などにより、IOCが放送権者から放映権料の返還を求められた場合に、組織委員会が負担する払戻金の割合は、全てのIOCの放送収入のうち、組織委員会に支払われるIOC拠出金八百五十億円が占める割合になっております。
 したがいまして、組織委員会に支払われるIOC拠出金八百五十億円を超えて組織委員会が負担を求められることはございません。組織委員会が負担する金額を超えた部分につきましては、IOCの責任において対応することになります。

○里吉委員 さすがに拠出金を超えて負担を求められることはないということでしたが、しかし、全額でない場合は、これ、読ませていただくと、その金額などについては話し合うことにはなっていますが、精算に関するIOCの全ての決定が最終のものとするという記載もあって、対等な関係にはなっていないのではないかと思います。そもそもこの放送権収入は全てIOCに入っているわけです。そのうち開催都市や組織委員会にどれくらい分配するかという規定はそもそもないということ、二〇一七年六月のオリ特で我が党の吉田委員が指摘をいたしました。
 その質疑の中でもいろいろしたんですけれども、拠出金の払い戻しに関する今議論している契約、この根拠とされている開催都市契約十四条によれば、この八百五十億円というIOC拠出金は、IOCの単独の裁量で自由に決定できる、何の制約もないというふうに定められていて、過去のオリンピックにもIOCが拠出しているわけですが、これ、IOCマーケティングファクトファイルという資料によりますと、負担金とトップスポンサー料含めての金額だと思いますが、ロンドンにはIOCから十三億七千四百万ドル、一ドル百十円で計算すれば約千五百十一億円拠出されていると。さらにリオはもっとふえていて、単純計算すると、リオは十五億三千百万ドル、千六百八十四億円となっています。一方、東京大会の組織委員会に払われているお金は、トップスポンサー料が今回二百億円ふえたとはいえ、IOCからの収入は合わせて千四百十億円です。リオより二百七十四億円ぐらい少ないなというふうに思います。
 IOCが幾ら拠出するか、不測の事態が起こったときに幾ら返還するか、最後はIOCが決める権限がある、こういうことも非常に不利になっていますし、IOCに対しては拠出金の増額を求めることや、払い戻しに関しても、組織委員会として対等に交渉することを強く要望しておきます。
 最後に、大会が中止になった場合、これ、放送権料だけの話ではなくなります。全部もしくは一部大会が開催できなかった、五輪放送ができなかった場合に放送収入として事前に支払われていたものを払い戻すということだと思いますが、それ以外にも、トップスポンサーや国内スポンサーとの関係はどうなるのか。それから、チケットについても、競技が中止になった場合、通常払い戻しとなると思いますが、その場合の扱いはどうなるのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 トップスポンサーや国内スポンサーがIOCや組織委員会に支払った資金の扱いにつきましては、当事者間の契約に基づくものでございまして、その内容は公表されておりません。
 チケットにつきましては、競技が中止になった場合、その状況に応じチケット購入者に払い戻しが行われることになります。

○里吉委員 大会中止となったときに、トップスポンサー料が引き上げられるかどうか、IOCと当事者間の契約で公表されていないのでわからないということですが、特に放送権料、今回こういう議論しているような取り決めがないので、返金を求められないという理解でいいんでしょうか、わかれば教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 繰り返しになりますが、トップスポンサーや国内スポンサーがIOCや組織委員会に支払いました資金の扱いについては、その内容については当事者間の契約に基づくものであり、公表されていないところでございます。

○里吉委員 少なくとも、組織委員会と国内スポンサーの関係ぐらいについては私たちにも伝えられるんじゃないかなというふうに思うんですが、つまり、万々々が一で、こういうことがないという前提で私たちは動いていますけれども、もしあった場合どうするのかということで、この放送権料の話だけ取り沙汰されているので、この機会にそういう場合はどうなるのかなというのをちょっと考えてみたいと思って、私、開催都市契約も読ませていただきました。
 そうしますと、開催都市契約六十六条には契約の解除が載っておりました。いろいろ書かれておりますけれども、東京都や組織委員会は、いかなる形態の損害賠償またはその他の賠償、いかなる種類の救済に対する請求及び権利も放棄というふうになっていて、お金は引き上げられちゃうのかどうなるのか。ちょっとすごい、大会が中止されるぐらいですから、大変な事態になっているわけですが、そのときの後の処理ですよね、経済的な問題を含めて、それをどうするのかということについて何もわからないというのは大変不安だなというふうに思いました。
 大会中止という事態になったときに、拠出金が払い戻しとなる契約だけはあるけれども、それ以外は何もわからない。IOCは責任をとらず、組織委員会と東京都だけが責任をとるというようなことにはならないようにきちんと対応していただきたいということを求めて、次の質問に移ります。
 最後ですが、重なってしまったので意見だけにしておきます。スケートボードの会場の仮設設置についてです。
 スケートボードのできる場所というのは大変少ないため、せっかくオリンピックで正式種目となったわけですから、大会後も会場として使いたいという声がたくさん寄せられています。これを機に、周りに迷惑をかけずに安心して競技ができる場所を整備してほしいという声が寄せられております。スケートボード禁止とか、そういう看板がいろんなところに立っていて、練習したいと思ってもなかなかそういう場所がないということで、スケートボードを楽しんでいる青年からは、いつもスケートボードをどこでやったらいいのかという話を私たちは聞いてきたわけです。
 先ほどスケートボード施設の有効利用についてお答えいただきましたけれども、いろいろ周辺の配慮や、全体の状況を踏まえて検討するというお答えでした。ただ、この場所は近くに学校や住宅もある場所ですから、周りの理解が得られるものにすることが大切だと思います。
 別の場所の話ですけれども、駅からスケボーに乗って会場まで来る音がうるさいですとか、時間を決めているのに、それを超えて夜中まで使っていて迷惑だとか、いろいろそういうこともあって、大変、近隣とうまくいかなくて、せっかく使えるようになったのに、やっぱり使えなくなってしまったというケースもあると聞いています。
 ですから、両方の歩み寄りがすごく大事だと思うんですけれども、そういうことも配慮しながら、スケートボード競技、できる場所が整備できたらすばらしいと思いますので、ぜひその検討を進めていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後二時四十四分休憩

   午後三時開議

○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○山口委員 それでは、私からも質問させていただきたいと思います。
 平成二十九年六月のIOC理事会で新たな種目が決定をされたわけでありますが、開催都市としては、種目の追加は新たなコスト増にもつながる可能性もあったところであります。
 そこでお伺いしたいんですが、種目の決定に先立って、IOCに対してどのようにこれまで対応してきたのか、また、新たに追加された種目の会場決定について、どのように受けとめているのか、まずはお伺いしたいと思います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 種目の決定はIOCが一義的に行うものでございますが、組織委員会はあらかじめIOCに対し、種目決定によりコスト増とならないこと、選手数をふやさないこと、また、新たな種目を実施する際には既存の会場を使用すること等を申し入れておりました。
 IOCの種目決定により、リオ大会から種目数は増加いたしましたが、選手数は減少し、新しい種目について新たな競技フィールドが必要な場合でも、会場をふやさず、既存の会場内に設けることとなりました。現在、会場整備に当たりまして、コスト縮減について、次の三点を中心に組織委員会が検討を進めているところでございます。
 一つ目は、バスケットボールのスリー・バイ・スリーからスポーツクライミングなど、競技を行うフィールドを転換して同じ会場で複数競技を行うこと。二つ目は、BMXフリースタイルとスケートボードなど複数種目で、観客席、放送施設、選手用控室など諸室を共有すること。三つ目は、固定の座席だけではなく、一部は立ち見席とすること等でございます。
 今回の会場決定によって、臨海部に若者に人気の高い競技、種目が集積することになりまして、多くの来客が期待されます。大会時の臨海部のさらなるにぎわいが醸成され、二〇二〇年大会の盛り上げにつながるものと考えております。

○山口委員 コンセプトも含めて、明確な意思表示や綿密な交渉の末の新たな種目決定だったんだなと思われる答弁を伺ったところでありますが、そういった意味と、今、若い方々、子供たちにも人気の高い、これからの期待される種目が選ばれたことによって、注目、またどのように受け入れられていくのか、未知数でもあるこの四つの種目に注目も集まっていくことになると思います。
 中でも、このBMXやスケートボードについてお伺いをしていきたいと思うんですが、都内には、調べた限りで、BMXやスケートボードのスケートパークのスポットは三十カ所以上が都内に設置をされていて、中でも、世田谷区にも区立公園、都立公園に五カ所が既に設置をされています。これはすばらしいことで、私もよく見に行くわけでありますが、利用も大変多く、好評であります。
 スケートボードについては、一方、ストリートと名前がつくように、まち中にある斜面や縁石、レッジ、ハンドレール、ステア、階段などを利用してスケボーを乗りこなすスタイルのことであります。
 これらを模倣した構造物を設置したスケートパークもさまざまな場所にあるわけでありますが、多くのスケーターの方々は、そのような場所でトリック、わざをいわゆる磨かれていると聞いています。このような場所がとても重要なことでありまして、整備された場所できちっと技術を磨くことが重要でありますから、これからオリンピック種目となると、さらに、まち中ではなくて、きちっとした整った環境での練習や、楽しんでいただくことを推進していかなければならないわけであります。
 新たに選ばれたBMXフリースタイル、スケートボード、ストリート、パークについて、周知や機運醸成のほか、身近な練習場所の確保や、裾野の拡大から競技選手の育成について、都の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○小室オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部長 都では、新種目等を含め、二〇二〇年大会で実施されます競技や競技会場を公式ガイドブックに掲載し、PRするほか、都ホームページで、イラストを活用し、ルール等をわかりやすく紹介するなど、都民、国民の関心を高める取り組みを行っております。また、ジュニア層のスポーツ振興を目的としたジュニア育成地域推進事業や、国際大会等を目指す有望選手を競技団体と連携して支援する東京アスリート認定制度では、スケートボードやBMXフリースタイルも対象としております。
 このうち、東京アスリート認定制度におきましては、平成二十九年度、BMXフリースタイルについて競技団体からの推薦がありまして、一名が認定されております。
 さらに、身近な練習場所の確保につきましては、区市町村スポーツ施設整備費補助により支援の対象としておりまして、今年度は、スケートボード施設について一件、補助金の交付決定を行っております。
 今後とも、競技団体等と連携して選手の育成や裾野拡大に取り組んでまいります。

○山口委員 スケートボードとBMXフリースタイルの競技人口ですが、スケートボードでは、日本では、競技会の参加数で三千名、愛好者で、道具の販売数から推測されるんだそうでございますが、四十万人ということでありました。また、世界でも愛好者は、同調査から六千万人もいるともいわれているところですが、一方、BMXフリースタイルは、選手数の把握は今のところまだ難しいそうでございまして、全世界のプロBMXライダーとしての登録数は二百八十名程度と。
 しかし、今お話にもあったように、スケートボードでいえば、日本ローラースポーツ連盟さん、また日本スケートボード協会、また日本スケートボーディング連盟と、こういった三団体が協力をされて、スケートボードについてもJOCにもう加盟をされていると。また、こういったところの協力によって啓発、選手育成、大会運営等がされていくというところで、期待もこれから高まっていくことになっていくんだろうというふうに思っています。
 さらには、競技を楽しまれる愛好家の皆さんがやがて選手として競技団体などに所属をして、技術を磨きながら、大会などでも活躍することになっていくんだろうというふうに思いますし、スケートボードにしても、BMXにしても、これから徐々に成長していく競技であろうというふうに思います。都への加盟など協力の道筋がしっかりと整っていけば、強化への協力であるとか、小さなお子さんから楽しまれている両競技でありますから、まず、愛好家の皆様方が、さらに浸透して楽しんでもらえるように都としても協力していくことが重要だと思いますので、ぜひ要望しておきたいと、このように思います。
 続いて、大会輸送の検討状況について伺っていきたいと思います。
 大会輸送の円滑な運営というのは、先ほどからもお話が出ていますが、大会運営の円滑化と大きな関係性、重要な関係性があるわけであります。そういった意味においても、この準備と関係各位の協力体制というのは大変重要な位置づけを占めてまいります。
 そこで伺いたいんですが、車両基地等を予定している地元自治体との協議はどのように進められてきたのか、お伺いしたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時の車両基地は、柔軟かつ適切な輸送運営を図るため、大会車両の保管や整備、乗務員の管理などを行う重要な拠点でございます。設置に際しましては、地域の方々の理解と協力が必要であり、そのためには、地域の方々とつながりの深い地元区との連携が不可欠でございます。
 これまでも大会時の輸送に関しましては、輸送連絡調整会議を通じて地元区と情報を共有してまいりましたが、これに加え、車両基地に関しては、該当する区に対して必要性や機能について説明を行っているところでございます。
 今後とも、組織委員会とともに区と綿密に連携を図り、着実な整備に努めてまいります。

○山口委員 大会輸送時の安全対策、渋滞対策、これも大変重要なポイントになってくるかと思いますが、これについてはどのように確保されていくおつもりか、お伺いしたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 安全で円滑な大会輸送と都民生活との両立を図るためには、早い時期から情報を発信し、地域の方々や経済界、物流事業者などの理解と協力を得ることが重要であると考えております。
 大会時の輸送に関しましては、これまでに国、組織委員会、交通事業者、関係団体等から成る輸送連絡調整会議や交通輸送技術検討会を設置し、大会輸送の方向性の検討を進めているところでございます。また、本年一月には、交通輸送技術検討会におきまして、交通マネジメントの目標と方向性を示した提言、中間のまとめを取りまとめたところでございます。
 なお、国におきましても、交通輸送円滑化推進会議を開催し、経済界や物流事業者に対し、大会時における全国規模でのTDMの協力を求めているところでございます。
 今後、大会輸送時における具体的な安全対策や交通マネジメントによる渋滞対策について、道路管理者や交通管理者等の関係機関と調整を進め、安全で円滑な大会輸送の実現に努めてまいります。

○山口委員 ありがとうございます。ここまでの質疑の中でも、十分にその重要性というものが確認をされ、また、これからまさに整えられていくんだというところも確認がとれたところでありますから、詳細はこれからお伺いができるんだろうというふうに思っているところであります。
 さて、ここの資料の中に、組織委員会との適切な役割分担のもとというふうに示されているわけでありますが、車両基地等の整備においてはどのような役割分担がなされるのか、確認のためお伺いしたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 車両基地等の整備における都と組織委員会との役割分担につきましては、都は整地や舗装工事を実施し、組織委員会は管理事務所やドライバー休憩施設などの車両運営に必要な施設を整備することとしております。
 今後、関係各局や組織委員会と綿密に工程管理などを行い、着実に事業を進めてまいります。

○山口委員 車が乗せられるスペースの整備までは東京都が行い、以降、管理運営は組織委員会が行うということでよろしいのかと思いますが、だからこそ、一時的な整備になるということもありますから、他同様に、でき得る限り無駄がないようにしていかなければならないというふうに思うところであります。
 そこで、車両基地等の整備における都の役割分担の中で、都として無駄が生じない工夫をどのようにされているのか、お伺いしたいと思います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 車両基地等の整備に当たりましては、現地の利用状況等を詳細に確認し、活用可能な施設の有効活用を図ってまいります。
 例えば、既存の立体駐車場などの施設の使用や、門扉、排水施設などの構造物を活用するなど、執行局と連携し、さまざまな工夫を行い、コスト管理に努めてまいります。また、大会関係者ホテル、選手村隣接地、バス営業所等の利用も進めてまいります。

○山口委員 細かいところかもしれませんが、あらゆるところで見落とすことなく、また、可能性を存分に見出して、都が主体性を持ってこういったところに取り組んでいただくことが大変重要だということを改めて要望しておきたいと、このように思うところであります。
 さて、東京二〇二〇大会のボランティア募集についてもお伺いしたいと思います。
 十一万人のボランティアを募集し、養成していくことが明らかとなりました。予算でいえば、十億円という大規模な一つの事業となっていくわけであります。
 それだけに、一大会のボランティア募集、育成にとどまることなく、まさにこれこそレガシーとして残していかなければならない、このように考えていることがたくさん見出せるわけであります。この点に強く思いを込めてお伺いしたいと思うんですが、まず、多くの方々に参加していただくために、募集に向け、都はどのように広報を行っていくのか、お伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 多くの方々にボランティアに参加いただくためには、大会に向けてボランティアの魅力や活動内容、募集に関する情報を知っていただき、参加意欲を高めていくことが重要でございます。
 これまで都は、ボランティアの魅力を伝えるウエブサイト、東京ボランティアナビを通じまして、ロンドン大会やリオ大会のボランティアの紹介や、過去大会等におけるボランティア経験者の体験談などを掲載してまいりました。
 また、毎年、ボランティアシンポジウムを開催いたしまして、ボランティアの重要性、やりがいや楽しさなどを伝え、参加機運の醸成を図ってきたところでございます。先月二十一日に開催いたしましたシンポジウムには、障害のある方、子育て世代の方も含め、多くの応募があった中で六百名の方々に参加いただいたところでございます。
 来年度の募集開始に向けまして、現在、映像やポスターなどの制作を行っておりまして、今後、これらを活用し、年齢、性別、障害の有無等にかかわらず、多様な方々に参加いただけるよう、ボランティア募集に向けた広報を効果的に展開してまいります。

○山口委員 これは十一万人という大変な数でありますから、大変な作業になっていくことになろうと思います。東京マラソンを初めとして、都もこれまでボランティアの具体的な実践の場はたくさんあったことだろうと思います。これまでの経験を生かしてみようという方、また思ってくださっている方もたくさんいらっしゃることだと思います。こういった方々にしっかり都の思いが届くように、そして参加いただけるように広報に努めていただきたいと思います。
 また、経験の多い方々には、これだけの規模でありますから、ボランティア育成にもしっかりご協力をいただけるように仕組みができていくことを願うばかりであります。また、さらにいえば、ボランティアに参加するという意識、気持ちというものがとても大事になってきますので、とにかく広く、かつ多くの方々の関心を深めていただいて、運営の一員として担っていただければ、大会の成功は、そういったことがなければなし得ないというふうにも思うところであります。
 ボランティアの皆様は大会成功の大切なスタッフであって、一員であるんだということを思っていただくというところから、大会に向けて、ボランティアの責任感の醸成についてどのような検討を行っているのか、お伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会を支えるボランティアは、大会を運営する上で重要な役割を担っており、大会成功にはなくてはならない存在でございます。また、ボランティア一人一人がみずからの役割を認識し、生き生きと活動する姿は選手や観客にも伝わり、大会全体の雰囲気を盛り上げるとともに、大会の魅力を高めていくことにもつながります。
 そのため、募集に向けまして、過去大会のボランティア活動の事例を紹介することに加え、ボランティア全員に受講していただく共通研修におきましては、それぞれがみずからの役割の重要性を認識し、大会を支えるボランティアとしての自覚や誇りを持って活動ができるよう取り組んでまいります。

○山口委員 ボランティアの皆さんが参加するに当たって、自分が何ができるのか、自分がどんな役割を担ったのか、終わった後に自分に何が残ったのか、自分がどんなことができたのか、それをしっかり一人一人が感じられるようなボランティアの育成、醸成というものに努めていかなければならないと思いますし、お話もあったように、そういったことがあらかじめ感じられるような、ホームページ等でも拝見させていただいていますが、東京の思いが、そういったものがしっかり伝わっていく、参加した方々が自分に残るものは何が残るのかということを伝えられるような募集にぜひ努めていっていただきたいと思いますし、やっぱりその気持ちが残っていくということが東京都にとって、気持ち、おもてなしの心もそうかもしれませんが、これこそがやっぱり最大のレガシーになるんだということを強く感じながらやっていくことがいいと思います。
 ちょっと調べてみましたら、日本財団学生ボランティアセンターの「全国学生一万人 ボランティアに関する意識調査二〇一七」というのがありまして、それを見てみたら、ボランティアに関する興味があるない、あるという方は六〇%を超えているんですが、この一年間のボランティア活動を実際にしたかどうかというのは、わずか二七%にすぎないところであります。いわゆるボランティアに対する意識と行動のずれというんでしょうか、気持ちはあるけれども、参加に至っていない。じゃ、何ができるのか、自分が参加をすることによって何が得られるのかというところに、なかなか行動に移せない、こういった方々に、とにかく何でもいいからやってみようだけではなくて、やっぱり意識高く運営の一員なんだということをしっかりお伝えをする。
 さっきもいいましたが、おもてなしをする、オリンピック・パラリンピック、またラグビーも同じだと思いますけれども、ワールドカップにおいても、しっかりと活躍をしていただくことが、大会の成功、また、やりがい、そういったお互いの発展に寄与していくんだと思います。
 どうかこの意識の醸成とボランティア意識の改革、これこそがボランティアの育成ということにもつながっていくと思いますし、それは我が国にもなかった新たなボランティア意識、スピリットとして大切なレガシーになっていくと思いますので、ぜひとも力を入れて頑張っていただければと思います。これをもって質問を終わります。

○おときた委員 私からも、ご報告がありましたボランティア募集について及び大会輸送の検討状況、この二つのテーマについて簡潔に質問させていただきます。
 初めに、ボランティア募集についてお伺いいたします。
 オリンピック・パラリンピック大会の運営に当たって、ボランティアの方々の協力は必要不可欠なものとなっております。二〇一六年リオ大会において、大会関係施設の観客サービスや競技運営、警備などの大会運営を担った大会ボランティアが約五万六千人、リオ市が有償ボランティアとして雇用し、空港や駅、観光地など各拠点において観光や交通の案内、観客誘導を担うシティーホストが千七百人稼働しました。
 また、二〇一二年のロンドン大会においても、チームロンドンアンバサダーと呼ばれる都市ボランティアが約八千人、ゲームズメーカーと呼ばれる大会ボランティアが約七万人の規模を有するなど、過去の事例からも、大会運営に多くのボランティアの方々の協力を必要としていることがうかがえます。
 東京大会においては、大会ボランティア、都市ボランティアを合わせて、リオ、ロンドン各大会でのボランティア人数を大きく上回る十一万人ものボランティアの募集を見込んでいるところです。
 さて、このボランティアの募集に当たって、面接や研修を重ねるとのことですが、面接にて一定の選抜を行うということになれば、定員の十一万人を大きく超える人数に対して面接を行い、選抜された十一万人に対して研修を行うということになります。極めて大人数の面接や研修をどのように実施していくのか。また、都を含めた運営者にとっても、時間的、金銭的なコストは極めて大きなものとなることが考えられますが、これに対する都の所見をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 二〇二〇年大会のボランティアに応募いただいた方々に対しては、第一次選考として書類選考を行い、その後、組織委員会と連携し、第二次選考として面接を実施する予定でございます。また、組織委員会は、東京のほか、全国八道県におきまして面接を実施することとしております。
 面接につきましては、ボランティアとして活動していただくための意欲や動機などを伺うほか、活動に当たっての希望や配慮が必要なことなどについて、本人と直接対面で確認することのできる貴重な機会であると考えております。
 共通研修につきましては、集合研修に加えまして、eラーニングも活用いたしまして、ボランティア活動を行う上で必要な知識といたしまして、おもてなしの心、責任感等や接遇、マナー研修等を実施してまいります。研修は知識を習得していただくだけではなく、ボランティア同士の交流やチームとして活動いただくための仲間意識を醸成することができる機会にもなります。
 一方、効率的、効果的な実施も重要であることから、組織委員会と連携いたしまして、面接、研修会場の運営を共同して行うほか、eラーニングやSNSなどを活用してまいります。

○おときた委員 ボランティアとして応募してくださる方、とりわけ都外から参加される方にとって、都内での面接や研修は、交通費や滞在費など、少なからず経済的な負担が生じることとなります。また、運営者にとっても、面接や研修の会場として会議室やコンベンションホール等を借り上げるに当たって、相応のコストが必要となります。
 それに比べまして、今日では、遠隔でやりとりできるスカイプなどのオンラインでのビデオ通話や、eラーニングのシステムと呼ばれるウエブ上での研修プログラムが多く活用されております。ボランティアの面接や研修に当たっては、できる限りこうした方法を活用し、オンライン上でのやりとりで完結させることにより、参加者、運営者双方の効率化にもつなげられると考えますが、都の所見をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、研修につきましては、ボランティア同士の交流やチームとして活動いただくための仲間意識を醸成する機会としても捉えております。
 また、共通研修では、高齢者や障害のある方などへの介助方法に関する実技研修を検討しておりまして、こうした研修は集合研修として実施することが不可欠であると考えております。
 なお、共通研修につきましては、集合研修に加え、eラーニングも活用することとしておりまして、こうした実技研修以外のものは可能な限りeラーニングを活用し、自由に受講時間を選択できるようにするなど、受講するボランティアの負担を軽減してまいります。
 面接につきましては、応募者への負担にも配慮しながら、可能な限り直接お会いしてコミュニケーションを図ることが重要と考えており、スカイプを使った面接につきましては、それらの点を十分に考慮し、必要性について検討してまいります。

○おときた委員 介助方法の実技研修などは集合研修の必要性もあるということは理解できる答弁でございました。また、面接について、スカイプ等を活用した面接については検討していただくということでございまして、セキュリティーの面や、あるいは対面のコミュニケーションを重要視したいということは十分理解する一方で、やはり何回も東京に来ていただいて繰り返しの負担がないように、こういったものは最低限の回数、あるいは頻繁に行う場合は、やはりこういったスカイプを使うなど、そういった方向性をぜひ検討していただきたいと考えております。
 応募者の参加ハードルというのは極めて高い状態でありまして、十一万人ものボランティアを集めることができるのか、強く危惧されるところです。特に遠方からのボランティアの参加を検討している方には、オンライン上での研修、eラーニングなどもあるんだよという、交通費負担などを軽減する方針などを早目に周知徹底しなければ、応募自体に二の足を踏んでしまうことも考えられます。
 また、大会期間中の宿泊施設の不足が指摘される中、都外から参加するボランティアが宿泊をきちんとできるのか、そういった課題も生じます。ちょうど昨日も平昌オリンピックにおきまして、一部のボランティアから、なかなか待遇がよくなくて辞退者が続出しているという報道がなされているところでもございます。
 こうした諸課題を一つ一つ検討し、ボランティアの方々の負担をできる限り下げながら、運営主体にとっても効率のよい面接や研修がなされるよう、組織委員会との情報共有、意見交換を含め、強い緊張感を持って臨んでいただきたいと思います。
 次に、大会輸送の検討状況についてお伺いいたします。
 大会のスムーズな運営に当たって、交通は欠かすことのできない大きなテーマの一つであります。選手や要人、ボランティアなどの大会スタッフや観客の輸送など、大会期間中には、いうまでもなく大規模な移動需要が発生します。今回議題にもなっております車両基地等の整備も重要な課題の一つであります。
 さて、この車両基地等の整備については七つの予定地が掲げられており、バスやフリートの駐車台数についても算出されておりますが、まずはこの台数の算出根拠について改めてお伺いいたします。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会時に選手など大会関係者の輸送に必要な車両台数は、過去大会の実績などから、バスが約二千台、フリート、乗用車が約四千台と見込んでおります。
 各車両基地のバスやフリートの台数は、駐車場として利用可能な敷地面積と管理事務所等の必要な施設及びバスやフリートの一台当たりの所要面積を勘案して算定してございます。

○おときた委員 過去の事例に鑑みても、バスが約二千台、フリートが約四千台の駐車需要があり、それらをもとに算出がなされているとのことでございました。これだけの受け入れ環境を整えなければ、輸送面における大会運営の成功に黄信号がともるということになります。
 さて、この七つの車両基地予定地のうち、格別の駐車規模を誇るのが中央区築地五、六丁目、すなわち築地市場跡地であります。収容台数は、バスが約八百五十台、フリートが約一千八百五十台と、バス、フリートのそれぞれ約半数が築地市場跡地につくられる車両基地に駐車されることになります。
 この築地市場の跡地については、現在、築地再開発検討会議のもとで跡地活用についての議論がなされているところであります。ところが、その中で、検討会議のメンバーから築地市場の扇形の建物を活用することを含めた提案がなされています。市場跡地を更地にして駐車場をつくるのと、跡地活用に含みを持たせ、扇形の建物を残して駐車場をつくるのとでは、設計や、そのキャパシティーに大きな異なりがあらわれるのは想像にかたくありません。というより、扇形の建物を残しながら大会輸送の輸送基地にするというのは、素人目に考えてもほとんど不可能ではないかと思われます。
 そこで、先ほどご答弁いただいた築地市場跡地におけるバス、フリートの駐車台数は、市場跡地を更地にした前提で計算されているのか、それとも扇形の建物を含めた建築物を残した場合の可能台数も検討しているのか、お伺いいたします。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 築地市場跡地に設置いたします車両基地につきましては、環状第二号線の整備等で使用する範囲を除く敷地全体約十五ヘクタールを活用することとしております。
 バス等の駐車台数は、この十五ヘクタール内にある建物等のうち、大会で使用するものを除き、扇形の建物を含めた全てを解体することを前提に、バスやフリートの一台当たりの所要面積を勘案して台数を算定してございます。
 車両基地の整備は、大会開催まで残された期間が短いことから、中央卸売市場による築地市場跡地の建物の解体が完了した箇所から速やかに工事を実施してまいります。

○おときた委員 扇形の建物を含めた全てを解体することを前提にという重要なご答弁でございました。そして、扇形の建物を残すケースは一切想定されていないと理解をさせていただきます。
 そうであれば、さきの一般質問などでも指摘をさせていただいたとおり、こうした絶対的な前提が共有されずに議論が進められている築地再開発検討会議にどこまで意味があるのかと、こうした疑問が再燃するわけであります。築地市場跡地の車両基地化の計画については、この前提をしっかりと知事及び検討会議をつかさどる都市整備局と共有し、現実的な議論を行うことをぜひオリンピック・パラリンピック準備局からも働きかけていただくことを強く要望いたします。
 既に市場移転完了後から大会までの期間が大変短くなる中、解体、駐車場整備、車両基地化を同時並行で進めていく必要があります。二〇二〇年夏という絶対に動かせぬスケジュールから逆算しても、一刻の猶予ももはやございません。築地市場の跡地については速やかに対応し、車両基地の整備を確実に、かつスピード感を持って進めていただきたい旨を申し上げまして、私の質問を終わります。

○白戸委員 つい先日、雨の中の日本橋、オリンピック千日前イベントに出席させていただきまして、恐らく運営の方も大変だったと思いますが、考えてみると、きょうはもう九百三日前ということで、本当に機運醸成も、そして準備の方も加速させていかなければいけないところだなということを改めて感じております。
 私からは、新種目の会場について質問させていただきます。
 今回の追加種目、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、クライミング、サーフィン、中でもこのスケートボードとクライミング、それからサーフィンなどは、IOCが若年層の取り込みをテーマに積極的に取り組んでいる競技でございます。オリンピックへの関心が低くなっているこの若年層の取り込みは、IOCにとっても大きなテーマであり、現在ではeスポーツ等も検討されているのは皆さんご存じのとおりであります。
 それらの種目の中で、今回、スケートボード、クライミング、BMXのフリースタイル、バスケットのスリー・バイ・スリーは、まち中で行うアーバンスポーツとしての期待値は高く、いかに見せるスポーツかというのを成立させるのがポイントであり、開催場所、それから会場の設備などが非常に重要になってくると思われます。
 そんな背景の中で、今回、このスリー・バイ・スリー、BMXのフリースタイル、スケートボードの会場が決定されました。まず、このスケートボードは青海アーバンスポーツ会場からの変更となりましたが、その経緯と目的、意図をお伺いします。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 スケートボードにつきましては、スポーツクライミングとともに青海地区で実施することとなっておりました。その後、組織委員会は、新たに加わりましたバスケットボールのスリー・バイ・スリー及び自転車競技のBMXフリースタイルについて、若者に人気の高いスポーツであることから、他のアーバンスポーツと同様に臨海部へ配置することとし、この二種目を青海地区及び有明地区に配置する方策について検討を行いました。
 そして、臨海部における他競技を含めた運営の面や、競技を行うフィールドの転換に要する期間やコスト等を勘案した結果、スケートボードの会場を青海地区から有明地区に変更したものでございます。

○白戸委員 ありがとうございます。そして、今回設営されますスケートボードの本格的なパーク、本格的な会場をつくられますけれども、これを多少早くつくる、もしくは後までつくるということはできないんでしょうか。
 といいますのは、このスケートボード、国内では公園でも公道でもほとんど禁止されております。先ほど各委員から都内の施設等々のお話がありましたけれども、実はスケートボード関係者に聞くと、現在国内にある施設は全て初心者向け、つまり国際規格のものじゃないんですね。つまり、オリンピックで開催されるようなもののスケートパークが、実は一切国内にない。現在その選手たちはどこで練習しているかというと、全て海外で練習しているというのが現状でございます。
 そんな状態ですから、当然、日本国内で競技者が育ってこないというのもこれは現状ではあります。今回、せっかく設営するのであれば、例えば工期を早めて日本選手の練習場所を確保するとか、大会後にスケートパークで開放していくだの、どうせ一回、今回つくるんであれば、前後を含めた利用ができないかなというのを考えております。東京から、今回から始まる新スポーツですから、東京が応援できるような形をぜひ検討いただきたいというふうに思っております。
 そして、予算削減はもちろん、集客などを考慮すると、既存施設での開催も非常に大切だというふうに考えております。その中でも、一つの会場にどれだけの種目を盛り込むことができるかというのは非常に重要で、施設の集積が、これは費用の縮減だけではなくて集客にもつながってくることというふうに考えます。
 現状、後利用も含めて、客席のみを共有化して、FOPなどをすぐ変えられるようにするというようなフレキシブルな施設、フレキシブルな考え方が必要ではないかなというふうに思います。このあたりの予算縮減の話、先ほど、FOPではなくて、観客施設、放送施設、選手用の控室を共有することで縮減を図るというようなご答弁もいただいておりますので、ここではこれ以上お話はしませんけれども、今後とも、ぜひこのFOPも含めた予算削減の方法を模索していただくようお願い申し上げます。
 さて、この青海アーバンスポーツ会場で開催されますスリー・バイ・スリー、管轄する国際団体のFIBA、国際バスケットボール連盟からも、できるだけオープンな形での開催をしてくれという要望がされているようです。本来、スリー・バイ・スリーはストリートスポーツとして生まれたものですから、この特徴をにらんだしっかりとした表現をしてほしい、運営をしてほしいということだと思います。
 ただ、もちろんオリンピックでオープンスペースというのは、当然いかないとは思います。そこで、リオ、それからロンドンでも行われましたパーク形式、まず大きなパークをつくり、その中に競技のスペースをつくる、そして、チケットホルダーは競技のエリアにもちろん入れますが、チケットがない方もパークに入ってビジョンを見る、もしくはパーク内にある、実際にできるような、そういう施設でプレーする。チケットがなくてもスリー・バイ・スリーを楽しめるような、そんな施設が、実はロンドン、リオで設営されておりました。
 東京大会にはこのオリンピックパークの計画はないというように聞いておりますけれども、大会はチケット所有者だけが楽しむものではなく、それ以外の方々、スポーツの盛り上がりを感じてもらうこと、参加意識を持ってもらうことが、そんな仕掛けが非常に大事なんではないかなというふうに思っております。
 この視点から、臨海部においても気軽にスポーツを体験したり、青海、有明を結ぶこのプロムナードなどに、ストリートスポーツファンがチケットがなくても楽しめるような仕掛けづくりが必要かと思いますが、都の所見を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 二〇二〇年大会においては、チケットを持つ人も持たない人も、誰もが大会を楽しめる空間を都内各所に設け、スポーツ体験やシティードレッシング等により大会を盛り上げていくこととしております。
 臨海部については、多くの競技会場が集積し、大会の中心となる場所の一つであり、誰もが楽しめる環境を創出する意義は大きいと認識しておりますが、観客の輸送や動線、警備の課題等もあることから、組織委員会を初め関係機関と引き続き十分に協議し、検討を進めてまいります。

○白戸委員 ぜひ今後、このオリンピックの機運醸成に向けた取り組みとして具体的に検討していただけるよう強く要望しておきます。
 一般の方々の参加意識を促す、そして今大会を思い出深いものにしてもらうという見地で考えるならば、大会が実際に行われたFOPで少しでもプレーをする、もしくは、そこに入れるということだけでも非常に印象の深いものになると思います。やはりここでオリンピックが行われたんだということを感じるというのは、単に観戦する以上のものがあると思います。
 そして、今回、仮設のアーバンスポーツ施設が整備されるこの有明は、東京都として、大会後に有明のレガシーエリアとする構想であるということももちろん聞いております。その有明で開催された競技が、大会後も何らかの形で大会に触れられるような形に残しておくのが必要ではないかなと考えております。東京都はこの有明をどのように活用していくのか、考え方を伺います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 東京二〇二〇大会後の面的なレガシーとなります有明レガシーエリアには、大会でバレーボールと車椅子バスケットボールの会場となる有明アリーナや、ボッチャ競技でも使用される有明体操競技場、テニスと車椅子テニスが行われる有明テニスの森などの大会関連施設が存在いたします。さらに、今後は、民間事業者の大規模開発として商業施設やホテル、ホール等も整備される予定となっております。
 新規恒久施設の施設運営計画では、大会シンボルや仮設のアーバンスポーツ施設の活用、カフェ等の設置によりアーバンスポーツゾーンを形成することとしておりまして、大会後は、エリア内に集積する多くの集客施設の相乗効果により、スポーツや文化イベント等によるにぎわいを創出していくこととしております。
 仮設のアーバンスポーツ施設の活用につきましては、今後、民間のノウハウや創意工夫を生かしまして、近隣の住宅や学校などへの配慮や土地利用など、有明レガシーエリア全体の状況も踏まえながら検討していく予定でございます。

○白戸委員 今回このエリアで開催されますクライミング、バスケットのスリー・バイ・スリー、さらにBMXのフリースタイル、スケートボード、その種目の関係者は、このエリアに引き続きこういった施設を残してほしいということを強く希望されていると聞いています。そして、今出たほとんどの種目に国内での本格的な競技施設がないということから、このストリートスポーツのトレセン的な施設が、もしかしたらこういうところにできるといいのかもしれません。
 さらに、商業施設としての一面を持たせることで、採算性も担保できるのではないかと考えております。もちろん東京都として、採算性が悪くて財政的な重荷になるようでは健全な施設とはいえないと思います。後利用をしっかりと論議し、それを踏まえた施設設計を進めていくべきではないかと考えております。
 再三申し上げていますが、大会自体の成功はもちろんですが、大会後においても成功していることが、今回非常に大切なポイントであるというふうに考えております。成功というのは、経済的な採算性ももちろんなんですが、都民にとって有益な施設が残せるのか、それから、大会の記憶を引き継いでいけるものであるのかなど、それぞれの側面から設計段階においてしっかりと論議していくことが重要であり、強く求めておきます。ぜひ有効な投資で二〇二〇年以降に都民のレガシーとなるような資産を残せるよう求めまして、質疑を終えさせていただきます。

○山崎委員 私からも、ボランティアに関して何点か質問させていただきたいと思います。
 今から二年後、二〇二〇年には東京大会が開催されます。先ほど話もあったように、もう九百日足らずでございます。世界各国からの数多くの選手や観客が、東京、そして日本を訪れるわけです。選手が最高のパフォーマンスを発揮していただくとともに、観客が大会観戦はもとより、快適な東京、そして日本での滞在を楽しむ上で、おもてなしの心を持って接するボランティアの活躍は大会成功の鍵であるともいえます。
 私のもとにも、大会が開催されたときにはボランティアとしてぜひ参加をしたいと、そういう声が多く寄せられております。日に日に都民の関心が高まっていることを感じております。こうした都民の思いを都はしっかりと受けとめ、大会の成功につなげていくことが大変重要であります。
 そこで、東京二〇二〇大会のボランティアの募集について、今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。
 まず、今回、東京二〇二〇大会のボランティアの募集人数が九万人から十一万人にふえた理由が何かをお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 これまでロンドン大会を参考に、大会ボランティアと都市ボランティアを合わせて九万人以上の活躍を想定していたところでございます。
 このたび、競技種目や会場の決定状況を踏まえますとともに、日に日にオリンピック・パラリンピックへの関心、期待が高まっていることから、より多くの方々に参加いただけるよう、組織委員会が募集、運営を行う大会ボランティア八万人、都が募集、運営を行う都市ボランティア三万人の合計十一万人とさせていただいたところでございます。

○山崎委員 十一万人というボランティアの数は、もちろん過去に例を見ない募集人数だと思いますし、また、ロンドン大会の七万八千人を超える数でもあります。過去のロンドン大会やリオの大会では、ホームページやSNS、またポスター、ラッピングバス、またはテレビのCMなどをうまく活用しながら多くの応募者を得ることができたと聞いております。
 募集に向けて効果的な広報が必要なことはもちろんでありますが、東京では、二〇一九年にはラグビーワールドカップが、そして翌年にはオリンピック・パラリンピック大会という国際規模の大会が二年続けて開催されるわけです。
 都はこれまで、ラグビーワールドカップと東京二〇二〇大会を一体のものとして捉え、取り組むといっておられましたが、きょうの質疑では、今まではラグビーワールドカップの件は出ていませんので、重複を避けるためにも、東京二〇二〇大会に向けたボランティアの募集のスケジュールと同時に、ラグビーワールドカップの募集時期も含めて伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 二〇二〇年大会のボランティアの募集スケジュールにつきましては、本年七月下旬に募集要項を発表し、九月中旬からの応募受け付け開始に向けまして、多くの方々にボランティアへ応募いただけるよう、組織委員会と連携し、映像やポスターなどを活用した広報を展開してまいります。
 また、ラグビーワールドカップ二〇一九のボランティア募集につきましては、二〇二〇年大会に先行いたしまして募集を行い、二〇一九年大会で活躍いただくとともに、大会で培った経験、ノウハウを生かし、翌年の二〇二〇年大会で活動していただけるよう取り組んでまいります。

○山崎委員 ぜひ両大会でのボランティアの活躍が大会の成功につながるよう、準備を進めていただきたいと思います。
 そして、今月の二十五日には十二回目になります東京マラソンが開催されます。毎年多くのランナーが参加するとともに、ボランティアの数は、一万人以上のボランティアが大会の運営を支えております。十年以上にわたりボランティアを運営してきた東京マラソンのノウハウを東京二〇二〇大会のボランティアに生かすべきと考えますが、見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 毎年一万人以上のボランティアが参加する東京マラソンには、多くのボランティアをまとめるボランティアリーダーの活躍を初め、二〇二〇年大会に向けて参考にすべき多くの取り組みがございます。このため、こうした実績も踏まえまして、東京マラソン財団には、平成二十七年度に立ち上げた東京都ボランティア活動推進協議会に参画していただき、意見やアドバイスをいただいております。
 昨年度策定いたしました東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略におきましても、研修の実施に当たっては、東京マラソン等の経験やノウハウを生かし検討していくことといたしております。
 また、組織委員会は、昨年四月に東京マラソン財団と協定書を締結しており、大会成功に向けたボランティアに関する連携協力体制を構築することとしております。今後、大会のボランティアの運営を具体的に検討していく上で、東京マラソンにおけるボランティア運営の経験やノウハウ等を十分に生かしてまいります。

○山崎委員 こうしたよい例もございますから、東京マラソンボランティア、こういったものとぜひ連携を図っていただきたいと思います。
 また、東京都の産業労働局の中には東京都観光ボランティア制度が進んでおります。多くの観光ボランティアが活動しており、その人数は、来年度、ことしの四月になると思いますが、三千人になると聞いております。都内で観光案内を行う東京都観光ボランティアの貴重な経験、そしてノウハウを都市ボランティアの運営に生かすべきと考えますが、見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京都観光ボランティアは、日ごろより東京を訪れる外国人旅行者に対し、多言語での観光案内などを行っており、外国人旅行者が安心して東京に滞在していただく上で重要な役割を担っていただいております。
 都市ボランティアにつきましても、国内外からの旅行者に対する観光、交通案内を活動内容としていることから、昨年度策定した戦略では、東京都観光ボランティアの方々には、大会期間中、都市ボランティアの中核として活躍していただくこととしております。
 先月二十一日に開催いたしましたシンポジウムにおきまして、東京都観光ボランティアの方からは、ボランティアのやりがいや楽しさなどに加えまして、外国の方を案内する際の工夫なども伝えていただいたところでございます。大会時には、東京都観光ボランティアによる外国語での観光案内の経験やノウハウ等を十分に生かしてまいります。

○山崎委員 ぜひこの東京都観光ボランティア、こういった人たちにこちらの都市ボランティアの方にも参画していただいて、うまく接続もして、やっていただきたいことを要望しておきたいと思います。
 また、東京都観光ボランティアのほかにも、各区市町村等で独自に観光のボランティアが活躍しております。ちょっと私の地元の紹介をさせていただきますと、江東区でも文化の観光ガイドを育成して、江東区内の観光スポットや地域資源を案内するまちあるきガイドツアー、こういったものを実施しております。
 この江東区の文化観光ガイドなんですけれども、コースが九つあって、人数も二人以上からのところにガイドさんがつく。また、所要時間などは柔軟に調整していって、また、費用はもちろん無料になっております。こういったガイドツアー、文化、観光の部分のガイドさんが各それぞれの地域に私はいらっしゃると思いますので、ぜひこういう多くのボランティアの皆さんが活動している地域とのまた連携というものも必須ではないのかなと思います。
 そういったことも含めて、日ごろより地域では多くのボランティアなどが活躍しておりますので、こうしたボランティアを含め、都市ボランティアの募集、運営に当たっては、区市町村との連携が重要と考えますが、見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都内各区市町村におきましては、日ごろより観光名所の案内やまちの見回り、防火活動など、さまざまな分野でボランティア活動や地域活動が行われており、都市ボランティアの運営に当たりましては、区市町村との連携が重要であると認識しております。
 昨年度策定した戦略では、都市ボランティアに生かすことのできる経験や資質として、東京の観光、交通案内に関する知識や防災、防犯などに関する知識などを挙げておりまして、都内各区市町村でボランティア活動等を行っている方々には、都市ボランティアとしてその知識や経験を生かしていただきたいと考えております。
 現在、都市ボランティアの募集に向け、都市ボランティアと地域におけるボランティア活動との効果的な連携につきまして、都内区市町村との検討の場を設け、意見交換を行っておりまして、引き続き、区市町村との連携を深めて取り組んでまいります。

○山崎委員 こうした地域の人々がボランティアとしてまちを案内することで、ガイドブックにはないその地域ならではの魅力が伝わります。ぜひ区市町村としっかりと連携して、その点も取り組んでいただきたいと思います。
 そしてもう一つは、競技会場のある関係自治体との連携ももちろん不可欠であります。国内外からの観客に質の高いおもてなしを行い、東京二〇二〇大会を盛り上げるには、都市ボランティアを募集、運営する各開催自治体と連携し、一体的な取り組みを展開すべきと考えますが、見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会成功のためには、各開催自治体と連携し、質の高いおもてなしの提供や一体感の醸成に取り組むことが重要でございます。そのため、都と組織委員会は各開催自治体と連携し、都市ボランティアのユニフォーム等への統一的なデザインの採用や、共通研修のコンテンツの共有化などを検討いたしております。
 大会に向け、都と組織委員会は各開催自治体と連携し、大会全体の一体感を創出し、全ての会場で同じレベルでのおもてなしが提供できるよう取り組んでまいります。

○山崎委員 大会成功に向け、関係自治体と連携し、ボランティアの募集、運営に全力で取り組んでいただきたいと思います。また、ボランティア活動を一過性のもので終わらせず、大会のレガシーとすることも重要であると考えます。
 現在、生活文化局では、大会に向け、五万人に上る外国人おもてなし語学ボランティアの育成に取り組んでいると聞いております。こうした方々も含め、大会時に活躍したボランティアが大会後も引き続き活動し、また、こういったことが大会のレガシーとなり、東京、そして日本にボランティア文化が定着することを強く期待しております。
 また、大会ボランティアも都市ボランティアも、十八歳以上の応募の規定があると思います。十八歳となると、例えば、高校一年生や高校二年生や、また中学生など、こういった人たちが、何らかの大会に向けての、特にボランティアに参加したいという話も私のところに今来ております。ですので、こういった中高生に向けてどういうふうにボランティアをやっていくのか、そういったこともしっかり東京都として考えていかなくてはならないと私は思っております。
 十八歳以上じゃないとだめだというIOCとの規定の問題、いろんなこと、組織委員会とのいろんなやりとりがあると思いますけれども、やはりそういったところは東京ならではの、特に夢や希望という意味で、中学生、高校生、また小学生も含めてですけれども、多くの若い人たちに夢や希望を与えるためにも、そういったところに参画してもらってやっていくべきだと私は考えておりますので、ぜひそういったところはお考えいただきたいと思います。
 また、その中高生にはどういったことができるか。例えば現場で国際交流はもちろんのこと、観客の触れ合いだとか、大会の興奮を肌で感じる。大会にはもちろん選手としては出られないかもしれないけれども、ボランティアとして、そういった一つ一つの場面に皆さんが参加ができるようなシステムというものは、まさにこれ、ボランティア、こういったものを通じて感じられることだと私は思っておりますので、そういったことも、今後、時間がない、これからの形になると思いますけれども、ぜひ東京都としてもしっかりとお考えいただいて、また、お示しをしていただければと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五十九分散会

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