オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会速記録第三号

平成二十九年九月二十一日(木曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長小山くにひこ君
副委員長大松あきら君
副委員長吉原  修君
副委員長伊藤 ゆう君
理事加藤 雅之君
理事両角みのる君
理事石川 良一君
理事山崎 一輝君
理事あぜ上三和子君
森澤 恭子君
川松真一朗君
栗林のり子君
龍円あいり君
いび 匡利君
白戸 太朗君
入江のぶこ君
山口  拓君
里吉 ゆみ君
谷村 孝彦君
桐山ひとみ君
とくとめ道信君
木村 基成君
高島なおき君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
技監相場 淳司君
理事小山 哲司君
理事延與  桂君
総務部長中村 倫治君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長根本 浩志君
連絡調整担当部長戸谷 泰之君
連携推進担当部長丸山 雅代君
事業調整担当部長高野 克己君
自治体調整担当部長小池 和孝君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務越  秀幸君
運営担当部長田中  彰君
パラリンピック部長萱場 明子君
障害者スポーツ担当部長新田見慎一君
大会施設部長鈴木 一幸君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 研二君
施設担当部長砂田  覚君
施設整備担当部長草野 智文君
施設調整担当部長湯川 雅史君
輸送担当部長片寄 光彦君
選手村担当部長朝山  勉君
スポーツ施設担当部長藤木 仁成君
スポーツ推進部長小室 明子君
スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務
川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長篠  祐次君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九TMの開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項(質疑)
・有明アリーナの管理運営に関する基本的考え方について
・共同実施事業管理委員会について
・ラグビーテストマッチについて
閉会中の継続調査について

○小山委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項に対する質疑及び閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 初めに、過日の委員会において紹介できませんでした幹部職員について、オリンピック・パラリンピック準備局長から紹介があります。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 それでは、過日の委員会において紹介できませんでした当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 連携推進担当部長の丸山雅代でございます。
 なお、当局の理事者のうち、次長の鈴木勝につきましては、病気療養のため、本日の委員会を欠席いたしております。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○小山委員長 紹介は終わりました。

○小山委員長 次に、報告事項、有明アリーナの管理運営に関する基本的考え方について外二件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 去る九月十三日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明いたします。
 お手元に配布してございますオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会要求資料をごらんください。
 表紙を一枚おめくりいただき、資料1、有明アリーナの整備及び後利用の検討における支援事業者(株式会社東京ドーム)との契約内容及び主な助言についてをごらんください。
 有明アリーナの整備及び後利用の検討過程において、施設運営計画策定に係る支援事業者の代表会社である株式会社東京ドームとの契約内容と主な助言の概要を記載しております。
 続きまして、資料2、有明アリーナの整備及び後利用の検討においてコンセッション方式が議論された会議についてをごらんください。
 第二回及び第五回の新規恒久施設等の後利用に関するアドバイザリー会議におけるコンセッション方式についての議論の概要を記載しております。
 続きまして、資料3、有明アリーナの整備及び後利用の検討においてヒアリングを実施した競技団体についてをごらんください。
 有明アリーナの整備及び後利用の検討過程において、スポーツ競技団体にヒアリングを行った日付、団体名及び出席者を一覧でお示ししています。
 続きまして、資料4、有明アリーナの整備及び後利用の検討においてヒアリングを実施したエンターテインメント関係者についてをごらんください。
 有明アリーナの整備及び後利用の検討過程において、コンサートプロモーター等のエンターテインメント業界関係者にヒアリングを行った日付、ヒアリング先及び出席者を一覧でお示ししています。
 続きまして、資料5、有明レガシーエリアに関する庁内検討の実施状況についてをごらんください。
 有明レガシーエリアに関する庁内検討について、日付、参加局、検討事項を記載しております。
 続きまして、資料6、平成二十八年九月一日知事視察行程表をごらんください。
 平成二十八年九月一日に知事が競技会場予定地等を視察した際の行程を記載しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより質疑を行います。
 発言を願います。

○伊藤委員 それでは、都民ファーストの会の伊藤ゆうです。およそ四年ぶりの質疑になりますので、ふなれな点もあるかと思いますけれども、よろしくお願いします。
 まず初めに、きょうは、共同実施事業管理委員会について主に聞いてまいりたいと思いますけれども、その前に、一点、有明アリーナについてまずお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回ご報告のあったとおり、東京都は、事業者を募って、同施設をコンセッション方式で収入を得る予定になっているということですけれども、この有明地域を含む臨海地域における交通利便性についてまず伺っておきたいというふうに思います。
 というのも、ちょっと私も、近年の臨海地域におけるいろんなビルがあるかと思うんですけれども、そうしたオフィスビルの賃料というのを一度調べさせていただいたんですけれども、例えばテレコムセンタービルから台場、青海、それから有明フロンティア、それぞれビルというのがこの臨海地域にはあります。いずれの施設を見ても、平均賃料がこの五年間においても全て右肩下がりになっているということをまずここで指摘をしておきたいと思います。
 特にその中の一つの施設においては、十五年間ぐらいで統計をとっていただいたんですけれども、坪当たりの単価が、平成十五年ころは二万円を超えているというようなオフィス賃料、平均賃料ですけれども、それが平成二十八年になると大体一万六千円前後ぐらいまでずっと減少を続けてきているということでございます。
 そうして見ますと、この有明のみならずですけれども、臨海地域における賃料収入の減少傾向というのが明らかでありまして、臨海エリア全体の交通利便性というのが大きな課題になっているというふうに考えられます。
 そういう意味で、今回、コンセッション方式で事業者公募を行うに当たっても、交通利便性の確保というものを全庁的に検討していかないと、東京都が想定をしている収入を十分に得ることがなかなか難しいんではないだろうかというふうにも思います。
 既に「ゆりかもめ」や臨海線、それから環二、晴海通りの整備を行ってきたことは理解をしているんですけれども、一層の交通利便性の確保が臨海部に残されるオリンピック施設の有効活用にも欠かせないというふうに思います。
 そこで、有明アリーナが十分に活用されるためには、施設単体の魅力だけではなくて、交通アクセスを初めとするエリア全体とあわせて検討していくことが必要だと考えます。アリーナの事業者公募に当たっては、有明アリーナ周辺や交通基盤の将来像など、有明地区のまちづくりとセットで検討する必要があると考えます。
 今後、アリーナを含む周辺地域のにぎわい創出に向けてどのように取り組んでいかれるのか、まずお伺いしたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明アリーナは、有明レガシーエリアの核となる施設でございまして、地域全体の価値を高めるために運営権者の創意工夫やノウハウを最大限生かし、周辺施設や地域と連携した取り組みを進めることが必要と考えています。
 有明地区は、有明アリーナを初め、大会後に展示場として利用する有明体操競技場や一万人を収容できる有明コロシアム、民間開発によるホテルやホール、商業施設など多くの集客施設が集積する地域であります。これらの施設を訪れる人々が、周辺地域で行われるスポーツや文化イベント等に参加し、ショッピングや飲食などを楽しみ、地域を回遊することにより、有明地区にさらに大きなにぎわいが創出するものと思っています。
 有明レガシーエリアの検討に当たっては、本年九月に都が公表した都市づくりのグランドデザインにおける都市づくりの方向性も踏まえて、交通アクセス等の状況も含め、関係局と連携して検討してまいります。

○伊藤委員 ぜひ交通アクセスは関係局と連携していただきたいんですが、東京都の中で既に検討されているバスや電車、あるいは水上もあるのかもしれませんけれども、そうしたさまざまな検討に加えて、ぜひ民間からもアイデアを募っていただければ、斬新な提案というのも出てくる可能性があるかと思いますので、その点は要望を申し上げたいと思います。
 それでは、共同実施事業管理委員会について伺ってまいりたいと思います。
 九月七日に同委員会が発足をいたしまして、都、国、組織委員会が資金を拠出して行う事業に対するコスト管理の組織が設立をされました。これは、これまでの一連の反省を踏まえてのことだというふうに理解をしています。
 一つには、当初の見積もりを大幅に超えた国立競技場の建設費の問題、これについても、大変都民の不満、不安というものが寄せられました。
 また、東京都の事業としても、六十九億円の見積もりだった海の森水上競技場が、一時期一千億円まで膨らむと、そして、四百九十一億円、最終的には三百億円におさまる見通しになったということですが、いずれにしても、一千億円まで膨らんだということに対して、都民の皆さんも大変な不信感を抱いたことは事実だというふうに理解しています。
 その背景に、私はちょっと設計の見通しが甘かったんじゃないかなと考えております。というのも、海の森ですので、湖に水上競技場をつくるのと違って、当然波もあります。また、地盤の緩さというのも、湖等々とは違う性質であろうと思います。
 しかしながら、水位を保つために矢板を打ち込むことで解決できると当初考えておられたようでありましたが、結果、地盤が緩くて、その矢板を打ち込むにも補強が必要になったと、そして複数の板を打ち込む必要が生じて、水中の地盤改良に三百億円以上かかることになってしまったというふうに聞いております。
 ただ、これはもともと六十九億円なので、本当に家を建てるということで例えてみますと、七百万円で家を建てようと思っていたところ、実は家の地盤が緩くて、くいを相当打たなきゃいけない、結果、一億円かかってしまいましたというような話でもあります。
 そういう意味では、そもそもの見積もり、または積算、設計が、立候補ファイルをつくるに当たって時間がなかったとはいえ、甘かったんではないかといわざるを得ないと思います。
 こうした東京都の事業における反省を踏まえて、今度の共同実施事業管理委員会の運営が行われるべきだと考えるんですけれども、この海の森水上競技場の都の見積もりに当たって、都は庁内での積算に加えて、庁外からの意見というものを加味してこうした積算を行ったのか、また、これほどに見積もりが変遷をしたことについてお伺いしたいと思います。

○砂田オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 立候補ファイル時点での整備費六十九億円は、IOCからの求めに応じまして会場施設の本体工事費のみを計上したもので、調査設計等の委託費、周辺整備費などは含んでございませんでした。
 開催決定後、調査委託費、周辺整備費、建設物価上昇分などを見込むとともに、開催決定後に実施いたしました地盤調査の結果を踏まえ、波の影響を軽減する締め切り堤の構造を変更するなど本体工事費を精査いたしましたところ、整備費が一千三十八億円と大きく増加することが判明いたしました。
 このため、整備内容の抜本的な再検討を行い、競技団体の協力も得て会場レイアウトを大幅に変更することなどにより、整備費を四百九十億円に縮減するとともに、外部有識者七名の委員で構成いたします都立競技施設整備に関する諮問会議を通じて、設計内容やコストなどの妥当性を確認してまいりました。
 さらに、昨年は会場見直しのラストチャンスとして、整備コストだけではなく、大会後のレガシーなども含めまして建物の低廉化を図るなど、整備内容を総合的に再検討いたしまして、二百九十八億円までコスト縮減を行ってございます。
 これら開催決定後の整備費の試算につきましては、会場計画の再検討を行い、その時点で想定される経費を見積もったものでございまして、都議会のご審議をいただきながら経費の縮減に取り組んできたものでございます。

○伊藤委員 今、開催決定後に本体工事費の精査と、それから地盤調査の結果を受けてというご答弁があったんですけれども、今後、まさにこれから組織委員会が発注される工事において、後々になってわかったので金額が上がりましたということのないように、今回のことをぜひ反省として生かしていただければなというふうに思います。
 そこで、共同実施事業管理委員会について伺いたいと思います。
 今後、都がみずから発注して行う事業と、それから東京都が資金を組織委員会に拠出して、都の資金で組織委員会が発注する事業、それぞれあるかと思うんですけれども、その内訳と金額を伺いたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 東京二〇二〇組織委員会が東京都や国などの関係者からの資金を使用して実施する事業を共同実施事業とし、この事業を適切に遂行し管理するため、共同実施事業管理委員会を設置いたしました。
 この共同実施事業のうち、東京都の資金を使用する対象は、第一に、会場関係の仮設等、エネルギー、テクノロジー、賃借料等の経費二千七百億円に係る業務と、第二に、大会関係の輸送、セキュリティー、オペレーション等の経費一千五十億円に係る業務がございまして、そのうち組織委員会が実施するものになります。
 なお、会場関係に係る恒久施設の経費二千二百五十億円のうち、東京都がみずから発注して行う事業につきましては、都が適切に管理してまいります。

○伊藤委員 今答弁にあったとおり、エネルギー、仮設等々の二千七百億円、それから大会関係の輸送、セキュリティー、オペレーションなどの一千五十億円、こうしたものが東京都から拠出をされて、そしてそれが組織委員会の発注のもとで事業実施されると、こういう理解でよろしいわけですね。--はい。
 今後、組織委員会が発注する事業で、一度決めた見積もりが跳ね上がる事態は避けなければなりません。この管理委員会で都は、執行段階での追加予算を許さないというように--ごめんなさい、ちょっと一個戻ります。
 そもそも、こういう見積もりが途中から跳ね上がるということをやっぱり許さないというところが非常に重要なポイントでありまして、そういう意味では、今後、東京都において、これまでも、見積もりがおかしかった、あるいは積算がおかしかったので追加工事をしますということで、追加予算を認めるということはほとんど今まで行ってこなかったというふうに私は理解をしています。
 そういう意味では、先ほどちょっとお伺いしましたけれども、東京都庁内の積算のみならず、今後、庁外からの意見をしっかり聞いて、それをぜひ反映していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 そして、こうした見積もりが跳ね上がることのないように、今後、管理監督をしていただきたいと思うんですけれども、特に警備とか輸送といったオペレーション事業については、改めてちょっと指摘をさせていただきたいと思います。
 というのも、当初の計画では大体これぐらいで警備ができるというような見積もりで金額が上がってくる可能性があると思いますけれども、しかし、大会が近づくにつれて、例えば、個別にはこのぐらいの金額でできるけれども、面としてはもっとやっぱり金額がかかるとか、あるいはさらなるセキュリティー向上のためにこんなにお金がかかることになりましたというような形で、追加、追加の見積もりが出てくるのではないかと危惧するところがございます。
 そういう意味で、事業者からの提案が過剰なスペックではないかどうか、それから妥当な金額であるかどうかを判断する上で、まさに先ほど申し上げた庁外の意見、専門家、同業他社からの意見を聞くべきではないかと思うんですけれども、都の見解を伺いたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 組織委員会が共同実施事業を実施するに当たりましては、監査法人や海外コンサルタントなど専門的な識見や、これまでの大会における取り組み例などの知見を有する第三者の意見を十分に伺いながら、経費節減に取り組むこととしております。
 共同実施事業管理委員会におきましては、こうしたコスト管理の強化などの取り組み状況につきまして、組織委員会から報告を受け、必要に応じて指摘、助言等を行うこととしておりまして、その際に専門家である第三者の参加を得て意見を伺うこともできることになっております。

○伊藤委員 その際に第三者の意見を伺うことができるとあるんですけれども、今回いただいた資料の中の委員のメンバーを拝見いたしました。当然、東京都の行政に精通をされていらっしゃる皆様、あるいは国、あるいは組織委員会の事務局を担っていらっしゃる皆様ですが、基本的には行政職員の皆さんだというふうに拝見をいたしました。
 この委員のメンバーの中に、ちょっと確認ですけれども、行政マン以外の方というのはいらっしゃるんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会の委員につきましては、東京都につきまして副知事以下の都の職員となっております。

○伊藤委員 そうすると、行政マンは行政としての視点では物を見られると思うんですけれども、先ほど申し上げたように、警備体制とか、本当にどれだけの警備が必要なのか、また、こういう世界的な大会においての警備体制がどの程度で適切だといえるのかというのは、なかなか行政の職員の皆さんだけでは見抜くこともチェックすることも難しいんじゃないかと思います。
 そういう意味では、公認会計士の方とか、あるいは民間の専門委員の方など、今後、市場の適正価格に精通をされている専門家をメンバーの中に入れるということを検討されるべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会におきましては、必要があると認めるときは、専門的識見を持つ者の出席を求めて、その意見を徴することができることになってございます。
 今後、共同実施事業に係るコスト管理や経費縮減を推進するため、技術的な専門性や先進的なコスト縮減手法などが課題となる場合に、専門的な識見や参考となる類似の事例などの知見を有する第三者の意見を伺っていきたいと考えております。

○伊藤委員 そうなると、ぜひ第三者にも見ていただきたいと思うんですけれども、例えば、組織委員会が警備上必要だというスペックが今後上がってきたとしても、それが妥当かどうかを検証するのは、先ほど申し上げたように簡単ではないと思います。
 ただし、もちろん安全なオリンピック運営というものは欠かせませんので、当然、必要な、適切なスペックは求めていかなければならないと思います。
 そういう意味では、何が適切かというところの一つの参考事例としては、やっぱりロンドン・オリンピックや、ちょっと治安は東京と大分違うと思いますけれども、リオのオリンピックを担った事業者の方々、あるいはそういう事業者に対してコンサルティングをされた方々が大変精通をされているのではないかと推察をいたしますし、また、世界じゃなくても、日本の国内でも世界大会というのは各都市でいろいろ行われているわけでありまして、こういう世界大会を担ったことのある事業者の方から、妥当な警備体制、あるいは輸送体制、オペレーション、その価格というものを見ていただくことが必要だと思います。
 ただし、これを見ていただくにも、ただで見てくださいというわけにもいかないと思うんですね。行政職員の皆さんの場合は、当然お給料が出ていると思うんですが、こういう検証を行うためにも、そうした民間の方々に見ていただくためには予算措置が必要なんじゃないかと。ただ、今現在ご報告いただいている中では、これに対する予算措置がされていないというふうに理解をしているんですけれども、予算を求めていくというお考えがあるかどうか、お伺いしたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今、副委員長おっしゃったとおり、現在、予算には計上してございませんが、今後、本委員会の運営状況なども見ながら検討してまいります。

○伊藤委員 まさにこれはワイズスペンディングで、大きな、後々の追加見積もりが出てきて、都民に不安を与えないように、予算をしっかりとっていただいて、そしてチェック体制の万全を図っていただきたいというふうに思っております。
 次いで、確認をしておきたいんですけれども、スポンサーさんとの関係についてもちょっと伺いたいと思います。
 最高ランクのゴールドスポンサーになりますと、百五十億円程度の巨費を投じていただいております。こうしたスポンサー収入によって五輪の大会が支えられていることを認識して、私たちも感謝をしなければならないというふうに考えております。
 基本的には、一業種一社に限られているスポンサーが、大会運営においてどのようにかかわられるのかということについて確認をさせていただきたいと思います。
 私が承知をしている限り、例えば会場の電光掲示板なども、大体掲示板にスポンサーの社名が入るということになろうかと思いますし、車やドリンクなども社名入りで提供するのが当然になっております。これは当然のことだと思います。
 一方で、警備や輸送業界においても、オフィシャルスポンサーというものが存在をしていますし、もちろんスポンサー収入として大変ご貢献をいただいているんですけれども、大会運営に必要な警備や輸送の受注というのは、当然、大きな輸送だったり警備だったりというのを受注できる企業もそんなに日本国内に多くないように理解をしているんですけれども、これはスポンサーさんに受注が限られるのかどうか、そこを確認させていただきたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会運営に必要な警備や輸送の業務に係る発注はこれからでございます。組織委員会が行う契約におきましては、パートナーの優先供給権を踏まえる必要がございまして、この優先供給権の対象となる契約につきましては、まずはパートナーと調整することになっております。

○伊藤委員 私は、くれぐれも申し上げますけれども、本当にスポンサーさんによって近年のオリンピックは支えられていると思っていますので、スポンサーを大事にしていただくことは、大会運営上、欠かせないことだと思っております。
 ただ同時に、輸送にしても、セキュリティーにしても、あるいは先ほどのオペレーション業務にしても、相みつをとることによって初めて妥当な価格というのがやっぱりわかってくるんだろうと思います。
 そういう意味でいうと、かなり大規模な事業を、引き受けられる事業者が限られる中で、本当に適切な相みつをどうやってやったらとれるのかということを、これからぜひ庁内でも検討していただきたいというふうに思うんですけれども、価格の妥当性を検証することが非常に重要だと思います。都としての見解を伺いたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 組織委員会とパートナーの契約におきましては、仕様が合致すること、納期が求めるものと一致すること、価格が競争力のあるものであることの三点を条件に、パートナーが条件を示すこととなっております。
 この三点の条件のうち競争力のある価格につきましては、IOCと契約しておりますトップパートナーは、最大顧客に提示する最低の価格を、また、国内のローカルパートナーは、最低卸売価格、最大顧客への販売価格、政府調達価格のうち最も低い最低価格をさらに下回る価格を提示することとなっております。この三点の条件が整わない場合には、組織委員会は、現物支給などの検討やパートナー以外からの調達を検討することとなっております。
 なお、価格の妥当性につきましては、公表されております業界の平均値等や公共事業の調達価格を利用して検証することが可能となっております。

○伊藤委員 今、条件面はわかりましたが、公表されている業界の平均値や公共事業の調達価格というのは、物品とか、それからハードの部分に関しては、都庁の中の積算根拠があると思うので、比較的検証しやすいだろうなというふうに思います。
 ただ、オペレーション業務とか、何度も申し上げますが、ソフト面での業務というのは、本当に検証するのは大変だと思います。警備一つとっても、ここの施設だけやればいいということじゃなしに、駅からどうやって出てくるのか、あるいは入り口をどうやって入ってくるのか、あるいはまた施設の中でもどういう警備体制が必要なのか、テレビカメラ、監視カメラは何台必要なのかということについては、なかなか公共事業の調達価格では割り出しにくいだろうと思います。
 そういう意味で、ぜひそうした適正価格を検証できる仕組みづくりということに一層のご尽力をいただきたいというふうに思います。その尽力をするに当たっては、先ほどご紹介いただいた委員の皆様ではもちろん到底手が回らないのだろうと思うんですけれども、いわば組織委員会に対する監査委員会ともいえる管理委員会において、都が見込んでいる人員体制についてお伺いしたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今月七日に発足いたしました共同実施事業管理委員会におきまして、先ほど東京都からは副知事以下の都の職員と申し上げましたが、具体的には、副知事、財務局長、オリンピック・パラリンピック準備局長及び同局理事、政策企画局次長が委員として参加しております。
 また、本委員会のもとには、パラリンピック作業部会のほか、今後、競技会場の所在する都道県ごとに自治体作業部会を設置し、それぞれにつきまして、東京都、国、組織委員会や関係する自治体が委員として出席し、事案に即した協議や調整を行ってまいります。
 こうした協議や調整業務は多岐にわたる膨大な事業が対象となりますことから、本委員会や部会におけます業務が円滑になされるよう、東京都と組織委員会との間であらかじめさまざまな事務的な詰めをきめ細かく行うとともに、必要に応じ外部の専門家の出席を求めるなど適切な体制を構築してまいります。

○伊藤委員 ぜひ万全な体制をつくっていただきたいと思いますし、また、庁内の人員を確保するときに当たっては、ぜひこういう大会運営とかにかかわったことのありそうな方、まさにそういう業界に精通をしている方を探して、人員として充てていただくことが効果的なんではないかなというふうに思います。
 大会運営をつかさどる組織委員会には、今後、都、国、民間などから資金が集まって、お財布にどんどん、いってみれば、資金がたまっていくわけでありますけれども、そのたまったお金に一々、民間から、あるいは東京都からという形で、お金に名前を書いているわけでもありません。
 私は五輪招致の早い段階から、都が拠出する資金と民間から集めてきた資金を区分整理して、そして税金である都の拠出金に絞って集中的に管理監督していくべきだと主張をしてきました。都拠出金とそれ以外の資金との会計区分というものを明確にして、都は都拠出金に集中して、取り分けて管理監督していくべきであろうと考えています。
 都が拠出した資金において、これは組織委員会が発注したものでも都のお金でありますので、相見積書、あるいは入札経過調書などの開示を組織委員会にしっかり求めて、そしていつでもそれを都議会に開示できるようにするべきではないかと考えますけれども、所見を伺いたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会は、東京都や国が資金を負担して組織委員会が実施する事業につきまして、コスト管理と執行統制の強化を図る観点から設立したものであり、事業の実施に当たりましては、適切な執行を推進する必要がございます。
 このため、共同実施事業に係る資金につきまして、組織委員会内において明確化する必要がありますことから、特別勘定を設けて区分経理を行うこととしております。
 また、共同実施事業の実施に当たりましては、組織委員会による発注が適切に行われるかどうか確認する必要がありますことから、本委員会等におきまして必要な資料と説明を求めて、その内容を聴取するとともに、後日、透明性の確保や説明責任の観点から、個人情報や、公開の同意を得られない企業の事業活動情報などの秘密情報を除き、会議資料等につきまして公開を進めてまいります。

○伊藤委員 画期的だと思います。これまでは、もちろん組織委員会は、公益財団法人だったでしょうか、そういう財団法人でありますので、いわば都議会に対しては、少なくても法的にこうした入札経過調書などを開示する義務はなかったと理解をしている中で、今回こういう委員会が設置をされて、今、答弁のとおり、企業の同意を得た上でという前提ではありますけれども、相みつ、入札経過調書などが議会に開示をされるというようになることは大変な前進だというふうに考えております。
 私どもも、かねてから五輪経費透明化推進条例をつくろう、こういうことを訴えてきてもいます。そういう意味では、こうした管理委員会が十分に機能を果たして、都民の皆さんの信頼を得ることを願ってやみません。
 最後にお伺いしたいと思いますけれども、大会の成功に向けたコスト管理は、二〇二〇年の東京五輪のためにも、そしてまた、今後予定されている札幌冬季五輪招致に向けても極めて重要であるというふうに思います。
 先ほど、第三者を委員会に活用するという答弁であったり、情報の開示をする、また、そうした人員体制、あるいは、第三者の方々に対する予算措置も講じることを検討するという前向きな答弁をいただきましたので、大変心強く思っておりますが、高コスト体質の傾向が強まってしまって立候補都市が激減すると最近は危惧をされています。そういう意味では、近年のオリンピック・パラリンピックにおける最大の危機感ではないかなと思いますので、このコスト管理に対する局長の決意をお伺いして、質問を終わらせていただきたいと思います。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 大会まで三年を切り、大会準備が本格化をする中で、費用対効果を常に念頭に置いて大会を成功に導くためには、コスト管理と執行統制の面から進行管理を行っていくことが重要であると考えております。
 このため、本年五月末の大枠の合意に基づきまして、東京都や国などの資金を使用して組織委員会が実施する事業を適切に管理するため設立をいたしました、共同実施事業管理委員会は重要な役割を担っていくこととなっております。
 本委員会のもとに設置をいたします作業部会では、都道県の競技会場ごと、事案に即したきめ細かな確認を行っていきながら、経費縮減を初めコスト面からのチェックをしっかりと行ってまいります。
 これらの取り組みを通じまして、東京都、国、組織委員会、関係自治体が一体となり、経費面からも適切な進行管理に努めまして、東京二〇二〇大会を、都民、国民から信頼を得て喜んでいただける大会、世界中の人々の記憶に残る大会として成功に導いていきたいと考えております。

○谷村委員 それでは、私の方から、有明アリーナの管理運営に関する基本的な考え方について質問をいたします。
 有明アリーナの管理運営につきましては、スポーツ施設では初めてとなるコンセッション方式が導入をされます。このコンセッションでの運営につきましては、事業者は二十五年の長期にわたり有明アリーナを運営し、その収入を得ることとなり、事業者選定の責任はとても重いわけであります。
 民間事業者からのヒアリングを通じて運営のスキームを検討しているということでありますが、これまで現状で幾つの法人、あるいはグループがそのヒアリングの応募に参加をされているのか、お答えをいただきたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明アリーナの管理運営に関する第一回ヒアリング、こちらには二十一グループ、四十九社の申し込みがございました。第二回ヒアリングには、十二グループ、三十四社の申し込みがございました。

○谷村委員 大変関心が高く、こうした応募に一回目が四十九社応募をされてきている。そういう中でさまざまやりとりをされて、第二回のヒアリングはやめようかなという会社も、あるいはグループも出てきて、それでも十二グループ、三十四社あったという、このコンセッション方式による事業運営、管理運営をしていくということについての参加意欲というか、関心が非常に高いということがこの数字を見ても明らかにいえるのではないかと思いますが、実際の事業者選定の際には、このヒアリングに参加をしていた、あるいは参加をしていなかったからだめとかという、ヒアリング参加の前提条件というのはあるのでしょうか、お尋ねいたします。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 このヒアリングは、実施方針等の作成へ向けた管理運営の条件整備のために行っているものでございまして、ヒアリングへの参加の実績が、有明アリーナの管理運営者の公募における要件とか、あるいは選定時の評価の対象ということになるわけではございません。そのような前提で進めております。

○谷村委員 ただ、管理運営の条件を整備していくといえども、ヒアリングを受けたグループ、あるいは法人等の意見が吸収されて、その運営の整備がなされていくわけですね。ヒアリングに参加したグループ、あるいは団体からは、自分たちが手を挙げたときに、あるいはプロポーザルをするときに、非常に受け入れられやすい条件整備をしていこうというのは当然のことだろうと思うんですけれども、このヒアリングに参加した法人、グループと、逆に参加をしていない法人、グループというのが、この事業者選定の際に大きな格差というものが、あるいは不利、有利になるような、そういう格差が生じてしまうのではないかという疑問も生じてくるわけであります。
 このヒアリング法人、あるいはグループの名前は公表しないという前提で募っておられるということで確認をいたしましたけれども、実際にその事業者さん、グループのどういう声があって、管理運営のさまざまな条件整備というものがなされたのかということをせめて公開をされていくと、この事前のヒアリングに参加していない法人、あるいはグループの皆さんにとっても、公平感というのが出てくるのではないかと思いますけれども、そうしたことに対する実施、ヒアリングの実施概要というのを公表するということはできますでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 今後、民間事業者とのヒアリングの結果を踏まえまして、実施方針を公表する予定でございますが、その際に、それまでのヒアリングの結果の概要もあわせて公表することを検討していきたいと思います。

○谷村委員 ぜひ、ここはヒアリングによって変えた、その声が生かされたというものをしっかりと公表していただいて、コンセッション方式による、手を挙げる法人、グループに対して、どのグループも公平性、あるいは透明性がしっかり担保された上で応募ができるという条件整備をしっかりとしていただきたいと思います。
 第四回定例会でこれに関する実施方針条例案が提出されるか、あるいはそこで議論がなされるのかわかりませんけれども、その段階でも改めて、どのような形で反映されたり、どういう形で公平性、透明性が保たれているのかというのを確認させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、共同実施事業管理委員会について質問をいたします。
 これまで小池知事は、就任以来、一貫して東京大会の開催経費縮減に取り組んでこられました。私ども公明党もこれを評価し、後押しをしてまいりました。持続可能なオリンピック、あるいはパラリンピックとしていくためには、開催経費の縮減、これこそが今何よりも求められているからであります。
 また、東京で二度目の開催を推し進め、五輪特有の、オリンピックをやったから、あるいはパラリンピックを開催したからという多岐にわたるレガシーを確実に残していくためには、東京都の経費負担に対して、東京都がこれだけ予算執行しました、これだけ皆様の税金を拠出させていただきましたということについて、あるいはその金額について都民の皆様のご理解を得るということは、断じて欠かすことができない最重要の要件だと思っております。
 去る五月三十一日に、都外運営費三百五十億円の割り振りは先送りされたものの、都と組織委員会でそれぞれ六千億円、国が一千五百億円の負担をするという大枠の合意がなされ、これにより大会準備が大きく前進した、そして体制が整ったと整理をされております。
 また同時に、関係自治体等連絡協議会において、この役割分担及び経費負担に関する基本的な方向とあわせて、大会準備における進行管理の強化、そしてコスト管理と執行統制の強化を図る共同実施事業管理委員会を設置することが合意され、今月初頭に初めての委員会が開催されたという流れになっております。
 この共同実施事業管理委員会の設置は、とかく大きく膨れ上がりやすいオリンピック・パラリンピックの開催経費を抑制していく、しっかりと管理をしていくためには大きな一歩前進であると思いますが、この東京都負担、組織委員会負担、あるいは国負担等の金額について、共同実施事業管理委員会のコスト管理をする対象となる金額は幾らになるでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会が管理いたします共同実施事業のうち、東京都の資金を使用する対象でございますが、第一に、会場関係の仮設等、エネルギー、テクノロジー、賃借料等の経費二千七百億円に係る業務と、第二に、大会関係の輸送、セキュリティー、オペレーション等の経費一千五十億円に係る業務がございまして、そのうち組織委員会が実施するものになります。

○谷村委員 済みません、二千七百億円と一千五十億円というのは、都から拠出される金額をチェックしますよと。組織委員会の部分、済みません、ちょっともう一回、よく聞き取れなかったんですが。--ないですね、公金ですからね。(「はい」と呼ぶ者あり)
 この二千七百億円と千五十億円、三千七百五十億円がこのコスト管理の対象になりますよというご答弁でよろしいですね。
 具体的には、この三千七百五十億円につきましては、どのような手法でコスト管理を進めていかれるのかお尋ねをいたしたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会におけます具体的な手法でございますが、組織委員会がコスト削減のために実施しております外部コンサルタントの活用や、IOCとの交渉等につきまして、組織委員会からの説明を受けて関係者間で情報、状況を共有し、必要な指摘、助言を行うこととしてございます。
 その際に、技術的な専門性、あるいは先進的なコスト縮減手法などが課題となる場合に、専門的な識見や参考となる類似の事例、あるいは過去大会の事例などの知見を有します第三者の意見を伺っていきたいと考えております。

○谷村委員 そういったやり方でこの三千七百五十億円のコスト管理というのは、ちょっと今ご説明を伺う限りでは、きっちりできるのかなと。例えば手法とお尋ねしたので、そういうお答えになったのかもしれませんけれども、どういう体制を組んで、いわゆる公金の支出のチェックをしていくのかというのを、ちょっともう一度、済みません、お願いします。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 体制のご質問でございます。共同実施事業管理委員会におけます管理によって、組織委員会からいろいろと情報を聞いて、説明を聞いて必要な助言等をしていくに当たりまして、やはり業務の対象となりますのは、多岐にわたりまして膨大でございます。
 したがいまして、本委員会、あるいはその下に設けます部会できちっと業務が円滑に行われますように、あらかじめ東京都と組織委員会との間でさまざまな事務的な詰めをきめ細かく行ってまいりたいと考えております。必要に応じまして、先ほど申し上げました外部の専門家の出席を求めまして、しっかりと助言等もいただきながら、適切な体制を構築してまいりたいと考えております。

○谷村委員 先ほどこの委員に名前の挙がっていらっしゃる方々が、副知事、あるいは組織委員会からですと副事務総長等々が出てこられて、一定程度の支出がなされた後に、その支出が適切だったかどうだったかというのを、時に専門的な知見を受けてしていくという、それはどのような頻度で、年度でやるのか、一月一日からの会計でやるのか、頻度はどのぐらいになるのかというのは、お答えできますか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会におきまして、個別具体的な事案につきましては、その下に設けます作業部会で、競技会場ごとですとか、あるいはパラリンピックはまた特別な要素がございますので、そこで部会を別に設置をすることにしてございます。
 そこにおきまして、その執行の後の段階もさることながら、その前の段階でもきちっとチェックをしていこうということで、計画の段階、あるいは予算の段階、それから執行する契約の前の段階、契約後もきちっと執行しているかというところを、節目節目でチェックをしていきたいと考えております。

○谷村委員 五段階にわたってチェックをしていただくというお答えだと思います。なかなか大変なことだと思いますけれども、大変重要な役割を担われていると思いますので、この委員会が機能するのかしないのか、私どもとしましても、引き続き注視をさせていただきたいと思いますが、今回の共同実施事業管理委員会の先ほどお答えいただきました三千七百五十億円以外に、組織委員会の六千億円という金額があります。予算があります。この組織委員会の予算六千億円については、コスト管理の対象とはなっていないわけですね。
 組織委員会予算の六千億円というものが収支均衡がとれなくなった場合、あるいはこの組織委員会の開催経費が、はっきりいえば赤字になった場合、六千億円と掲げているけれども、収入が届かないという場合もあるでしょうし、予算で六千億円組んでいるけれども、それをオーバーしたという場合と、さまざまなケースがあると思いますが、赤字が出た場合、歳出が歳入を上回った場合、それはどういう補填をされる仕組みになっているのか、いま一度改めてお尋ねをしたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 仮に組織委員会の収入よりも支出が上回った場合、それで決算が打たれた場合につきましては、財政保証、まずは東京都が行って、東京都でも補填し切れない場合には国がということが財政保証になってございます。
 具体的な保証の仕方につきましては、現時点ではまだ想定がされていないところでございます。

○谷村委員 ということで、この公金支出の部分のチェックは、今回この報告でいただいているわけですけれども、実際の組織委員会の六千億円というものがオーバーをしたり、あるいは収入が減ったりという赤字が出た場合は、結局、最後、その財政的な責任を負うのは東京都である、これが財政保証で、六千億円クラスのものを、東京都がもうそれは補填するのは不可能だから国ということは、なかなか想定しがたい。
 六千億円だと、国が財政保証する範囲というのはなかなか想定されない、出てこない。東京都が組織委員会の六千億円の予算のうち、オーバーした場合、あるいは不足した場合の部分の責任を負っているということになると思いますが、共同実施事業管理委員会がチェックする三千七百五十億円と、それよりも大きな六千億円、こちらもしっかりとチェックをしていかなければ、最後は財政的な責任は東京都が負わされていく、こういう仕組みになっているわけですね。
 これは、今、どういう状況になっておりますでしょうか。私ども、本会議で公明党の代表質問で幾度もお尋ねしてきて、お答えがずっと出ておりませんので、改めてお答えいただければと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 昨年、東京都、IOC、組織委員会、国の四者協議におきまして、大会経費のバージョンワン予算の作成、公表に向けまして経費精査を行ってまいりました。
 この協議の枠組みにおきまして、今後、おおむね一年ごとに更新されますバージョンツー、バージョンスリー、バージョンフォーの各予算の作成に向けましても、引き続き経費を精査いたしまして、その予算の段階で、しっかりとまずたがをはめていくということが極めて重要でございますので、そういう取り組みをさせていただいて、その結果を定期的に公表し、透明性を確保してまいりたいと考えてございます。
 また、今回設置をいたしました共同実施事業管理委員会におきましても、コスト縮減、執行統制の強化を図りまして、大会経費全体の圧縮、あるいは透明化につなげてまいりたいと考えております。
 組織委員会におきましても、監査法人や海外コンサルタントなど専門的な識見や知見を有する第三者の意見を伺いながら、コスト縮減に取り組んでおります。
 加えて、例えばスポンサーと契約する場合でも、最大顧客に提示する最低の価格が提示されることになっております。
 さらに、毎年度の決算報告に加えまして、来月には東京都監査委員による財政援助団体等監査も予定をされているところでございます。
 今後とも、大会経費の縮減と都負担の抑制に向けまして、組織委員会と共同して執行統制の強化に積極的に取り組んでまいります。

○谷村委員 ありがとうございます。
 じゃあ、最後、一点確認いたしますけれども、現在組織委員会が入っているビルの家賃、これは月間と年間で改めて確認をさせていただきたいと思います。

○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局連絡調整担当部長 虎ノ門ヒルズの家賃ということでございますけれども、組織委員会におきましては、個別に借りておりますオフィスの賃料については公表しておりませんで、年度ごとの決算の財務諸表に賃借料という形で、虎ノ門ヒルズその他のオフィスの賃借料の合計というものを記載してございます。
 それの合計という意味では、二十八年度決算におきましては約五億八千万ということでございます。

○谷村委員 五億八千万、これは虎ノ門ヒルズの組織委員会本体が入っているスペースに限定してということ--全て、トータルですね。トータルで五億八千万。
 最後、お尋ねしますが、東京都の認識として、この家賃ベース収入、月でいくと四千万を超える家賃ということになりますけれども、これは東京都として許容範囲というお考えなのかどうか、それをちょっとお尋ねしたいと思います。

○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局連絡調整担当部長 賃料の適切性というお話でございますけれども、組織委員会におきましては、現状といたしまして、当初、虎ノ門ヒルズを借りた後、組織の人員も相当ふえてございます。そういった中では、虎ノ門ヒルズ一カ所だけでなくて、周辺のところをいろいろ苦労して探して、今、分割して職員を常駐させているという状況がございます。
 そういったようなところも含めまして、適切な場所の選定というところも含めまして、オフィスの賃借に関しましては、賃料水準含めて組織委員会の中で十分検討しているものというふうに東京都では認識してございます。

○谷村委員 今、ちょっと語尾がよく聞こえなかったんですけれども、組織委員会はよく検討しているものと認識している、だから、この金額については受け入れている、容認できる金額という認識をされているということでよろしいですね。

○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局連絡調整担当部長 改めまして、そういった賃料水準含めて組織委員会の中で十分検討しているということでございますので、東京都としても、それは組織委員会の判断を受け入れているということでございます。

○谷村委員 最後、組織委員会の六千億円の予算、そして収入、支出で収支均衡がバランスが悪くなって東京都の財政保証が求められた際に、全ての支出というものが検討されるようになると思います。
 その際のことも想定した上で、きちんとしっかりと、組織委員会がどういう支出をしているのか、本当にそれだけの、家賃収入だけで月四千万、あるいは年間五億円というものが三年間ずっと出ていっているということについて、きちんと引き続きご検討をいただければと思います。
 もうそれだけの収入の見込みができているんですよということであれば、それはそれで受け入れられる話になるのかもしれませんが、万が一、何十億円足りませんでした、数百億円足りませんでしたというような話になると、スタート段階からチェックしておくべきだったのではないかということに必ずなっていくと思います。
 よくよく東京都からも、この組織委員会予算の六千億円につきましては注視をしていただきたいと思いますし、私ども都議会も、これはしっかりと組織委員会の支出につきましてはチェックをしていきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

○川松委員 さて、本日私からは、有明アリーナの建設計画、運営計画について、基本的な部分から、将来に向けた持続発展可能なアリーナのあり方をしっかりと皆様方と議論させていただきたいと考えております。
 初めに、私、いっておきますけれども、これは従来から今までも、そして、今からその先も、有明アリーナは、東京にとって、日本にとって、とっても意味のあるものだというこの考え、間違いなく私たち自民党は変えることはありません。誰が何といおうと、この考えはぶれずに、このアリーナに関してはかかわっていきたいと考えています。
 ただいたずらに、小池都知事が何かをいっているから、その施策に対して意見をいうのではありません。未来志向の考え方において政策を提言していく。議会と行政が政策を競い合うことが大切なんだということを知事が述べましたから、きょうは政策提言ということをこの委員会で述べさせていただきます。
 さて、この一年間におきまして、小池知事、あるいは上山信一特別顧問を初め、既に解散となりました都政改革本部五輪調査チームが何をなしてきたのか、この議会の場でつまびらかにすべきという考えで、私は過日の委員会で資料要求をしたわけでありますが、見事に都政改革本部にかかわるものは本日の委員会で提出をいただけませんでした。
 初めに確認をさせていただきますが、私が要求した資料が今この委員会に出されなかったのは、資料を出さなかったのではなくて、資料が存在しないので出せなかったという認識でよろしいでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 要求いただいた資料で、都の公文書として確認できたものを要求資料として提出をさせていただいております。

○川松委員 私が要求して出てこなかったものを、改めてここで挙げさせていただきます。
 上山特別顧問と小池知事との間で協議された有明アリーナ計画に関するメールを含む記録の全てと私は要求いたしました。これが一つも存在しないということは、これは問題ではないでしょうか。
 市場移転問題でも記録がなくて、知事は、AIが決めたんだといい切った。今になってみれば、去年は、有明アリーナの建設はなくす、横浜アリーナに行くという議論をしてきたわけです。そこでの記録がないということは、もう一年前からAIが動いていたといわんばかりの話でございます。
 しかし、去年のこのオリンピックの三会場の見直し問題で、有明アリーナ建設を白紙にするんだ、そして横浜アリーナを活用する、このことについては、私たちは、物理的に無理なんだ、横浜アリーナは何度も検討したんだ、そういう話をした。にもかかわらず、五輪調査チームは、競技団体やIOCの関係者、あるいはメディア、都民の皆さん、神奈川県民の皆さん、横浜市民を巻き込んで騒いだ結果、結局はもとに戻り、しかも、我々がずっと主張してきた、有明北地区、有明地区、臨海地区、東京の発展を考える有明アリーナの存在価値を見詰めての有明レガシーエリア構想を打ち上げたわけです。
 ところが、このレガシーエリア構想を五輪調査チームが検討した資料も出てこない。今の説明だと、公文書としては存在しないということですが、五輪調査チーム、都政改革本部がそのレガシーエリアについて動いた形跡がないということでイコールだと私は認識します。
 しかも、さらにいうと、小池知事と業界の関係者とのやりとりも出てこない。これは、思いつきで都民やメディアを巻き込んで世の中を騒がせたとしかいわざるを得ません。
 ここでお伺いしますが、小池知事の昨年末の方針決定後、上山信一特別顧問がこの件に関して、有明のことに関して、局と交渉した、あるいは何かこういう情報はないか、今後こういうことがあるんじゃないかという接触があったか、求めたことはあるのか、それをお聞きします。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 昨年十二月に有明アリーナの新設が決まりまして、十二月二十二日にはオリンピック・パラリンピック調査チームの活動が終了いたしました。
 その後は、当局において施設運営計画策定に向けまして具体的な検討を進めてきたものでございまして、顧問からの資料要求等はございません。

○川松委員 この件やほかの件も、顧問の動きについてはこれから聞いていきます。これは前提としてです。
 有明アリーナ、こうやって議会にも報告をされて、多くの業界の皆さんにもヒアリングをして前に進めていこうという、日本の宝となるべき有明アリーナ、東京二〇二〇年大会オリンピックの会場になります。それだけではなくて、大会を超えてビヨンド二〇二〇の考えでこれはつくるべきなんだという議論をしてきたことは、誰も疑いの余地がありませんけれども、改めて、東京都は何を目指してこの有明アリーナを整備するのか、それについてお聞かせください。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明アリーナは観客席一万五千席を有し、都心に近接する都内最大級のアリーナとなります。東京二〇二〇大会後は、国際大会など国内外の大規模スポーツ大会の会場として、アスリートの活躍の場と質の高いスポーツ観戦の機会を提供するとともに、コンサートや文化イベントなど魅力的なエンターテインメントを提供し、東京の新たなスポーツ、文化の発信拠点としていくものでございます。
 また、サブアリーナを活用するなどして都民がスポーツに親しめる場とするとともに、有明レガシーエリアの中核施設として周辺の施設と連携し、スポーツ、文化イベントの開催により地域のにぎわいを創出してまいります。

○川松委員 まさに私が冒頭に申し上げましたとおり、これからの東京の未来にとって夢と希望の拠点である有明北地区にある国内最高のアリーナをつくろうという考えから、これは整備をされてきたということです。
 私もこのことは都政改革本部の上山氏とは議論もしたけれども、あなたのいっていることは理想だ、夢じゃないかということもいわれてきた。でも、日本にもマジソン・スクエア・ガーデンをつくろう、それで日本中から、世界中から多くのVIP、VVIPを集めてこよう、そういう中でこのまちをつくっていくんだという発展から、民間の視点が必要じゃないかということで、平成二十八年二月、三月で、株式会社東京ドームを支援事業者と選んで、皆さん方は意見を求めてきたわけです。
 では、その東京ドームさんからいただいたアドバイスや意見を受けて、どうやって施設運営計画に反映されたのか、それをお聞きします。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 大規模施設の運営について知見を有する東京ドームグループからは、有明アリーナの多様な活用策や具体的な事業計画、周辺地域との連携策などについてアドバイスを受けました。
 具体的には、施設の稼働を向上させるアイデアや、観客の利便性を向上させる工夫などについて、助言を得て施設運営計画を作成いたしました。

○川松委員 実際に都との契約におきまして、守秘義務もあるんだと思います。今回の委員会に出された資料については、具体的というよりは概要が書かれておりますけれども、恐らく東京ドームさんから東京都に提出されたものは、よく分析をされている内容だったはずです。
 少なくとも誰もがわかるように、東京ドームというのは、ジャイアンツの公式戦を中心に多くのスポーツイベントをやっている、あるいはビッグアーティストのコンサートをやっている、そういう会場であります。
 そういう経験のある人たちが、都からお金をもらって調査をし意見を出してきた。これはもう、中身のある話なことは当然なわけですね。そういうものに基づいて有明アリーナの整備が進んでくる中で、都政改革本部というのが立ち上がって、五輪調査チームというのが突然出てきました。
 じゃあ、その五輪調査チームは、この東京ドームさん、支援事業者の委託成果をごらんになったんでしょうか。ごらんになった上で、有明アリーナは要らない、横浜アリーナだという話をしたのか。顧問団と知事は、それを見た上で、有明アリーナは建設すべきではないという方向性を生み出されたのか。ぜひそこをお聞かせください。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 施設運営計画策定支援事業者の委託成果につきましては、有明アリーナの後利用の検討に当たっての根拠資料といたしまして、オリンピック・パラリンピック調査チームに説明をしております。
 なお、調査チームとともに検討いたしました有明アリーナの見直しは、有明アリーナを新設する場合のコスト削減やレガシーに関する検討と、施設を新設せず既存施設等を活用する場合の二つの可能性について検討したものでございまして、二つの選択肢のうち、最終的に知事の総合的判断といたしまして、有明アリーナの新設を決めたものでございます。

○川松委員 つまり、その二つの選択自体が必要なかったんじゃないかというのを私は述べておきます。
 賢い支出、ワイズスペンディングというんだったら、東京ドームさんにお金を出して調べてもらったことは一体何だったのかということを、今後、知事には説明していただきたいなと思うんですけれども、これは支援事業者とは別に、今回も資料で出していただきましたけれども、有明アリーナの施設運営計画には知見が反映されたアドバイザリー会議というものが存在します。
 このアドバイザリー会議の開催目的とは一体何なんでしょうか。そして、この会議の結果は、皆様方は知事に報告をされたんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 アドバイザリー会議は、新規恒久施設を大会後も有効活用するために、幅広い知見を持つ専門家から意見を求めるため、平成二十六年十二月に設置したものでございます。
 昨年八月の知事就任時に、このアドバイザリー会議の概要や施設運営計画中間のまとめの概要について説明をしております。また、知事就任後に開催いたしましたアドバイザリー会議につきましては、事前に議題について説明いたしますとともに、会議の結果についても報告してございます。

○川松委員 ありがとうございます。このアドバイザリー会議のメンバーというのは、まちづくりや、あるいはスポーツ総合施設の専門家など、その道のプロフェッショナルな方が集まった会議体です。
 去年八月に知事がご就任されたときに報告されたということでございますが、知事自身、その後の十二月までの言動を見ていると、どうもこのアドバイザリー会議の内容を真剣にお聞きになっていなかったんじゃないかというふうに思わざるを得ません。
 これはまた、この後の質問の中にリンクしてきますので、そのときに触れますが、冒頭とはちょっと違います。去年十二月の知事会見後に、アドバイザリー会議の内容について、都政改革本部の上山信一氏は何か意見を述べられたことはありますか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 昨年十二月に有明アリーナの新設が決まりまして、十二月二十二日にはオリンピック・パラリンピック調査チームの活動が終了いたしましたことから、その後、アドバイザリー会議を含め、当局において具体的な検討を進めてきたものでございまして、顧問からの関与はございません。

○川松委員 顧問の関与がないということで、私個人的には安心をしたと同時に、いいっ放しだというふうに捉えられる、このことについては少し悲しいなという感じがします。
 有明アリーナの設備仕様に関することにこれはリンクしてくるわけですが、この設備仕様に関する検証等の業務において、諸室の電源の位置、あるいは詳細な検証を実施しているわけですけれども、今後選定される運営事業者が不要と考えた場合、追加投資をして壊してつくり直す、そういう可能性があるんじゃないかなと思うんですね。
 本来、こういう施設の運営計画というのは、基本設計、実施設計とあれば、設計の前の段階でそういう事業者を加えて--オリンピックの大会は、確かに二〇二〇年の大会の仕様が決まっています。IOCはこうです、競技団体はこうです、そこに向けての施設はあるでしょう。
 でも、二〇二〇年以降を超えたときには、スポーツとしても利用する、あるいはエンタメとしても利用するという状況の中にあって、オリンピック会場がそのまま使えるかどうかわからないと判断した事業者がもし都から選定をされた場合に、結局、都は大会用の仮設を整備した。わかりやすくいえば、二〇二〇年までと二〇二〇年以降では会場の中身が変わってしまうという危険性はないんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 今回の検証は、施設運営の実績を有します支援事業者によるものでございまして、スポーツ大会やコンサート等の主催者のニーズも踏まえた、実際に即した検証となってございます。このため、大会後のスポーツ大会やコンサート等のイベント利用におきましても、十分有効なものであると考えてございます。

○川松委員 いや、もちろん有効に活用されて準備をされます。もう一回聞きますよ。だけど、有明アリーナをつくった、A社ならA社がその運営権をとりました、でも、東京都さんがオリンピックに向けてつくってきたこの設備は要らないよ、例えば椅子の位置が悪いよといったときに、運営事業者が椅子を壊して、自分たちの仕様に、今後二十五年間のためにつくり直すという可能性はありますか、ないんですか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明アリーナにつきましては、運営権者が施設のサービス向上や収益性の改善、向上に資する追加投資、改修工事を行うことを可能にする、そういう予定でございます。
 今回の基本的考え方では、運営権者による追加投資や改修工事については、都と協議の上行うという考え方を示しております。

○川松委員 まさに都と協議の上、これは幅広い考え方ですよね。だから、今のお答えでは否定をされなかったわけです。僕は、これが知事の判断が遅かったんじゃないかということにつながるわけですよ。
 もし本当にそういうふうに思っていたんだったら、もっと早くからみんなで考えて、みんなで進んできた流れがあったわけです。それを、建設計画も進む、何も進む、そのときに、横浜アリーナはなしになったけれども、有明に戻してお金を減らす。そして、必要なものも排除した。でも、後から東京グリーンボンドで借金をしてつくると、もう、めちゃくちゃな展開になっている。
 そして、しかも、今の話だったら、有明アリーナは東京都のお金でつくるけれども、運営権者がそれをかち取ったら、自分たちの使い勝手が悪いと思ったら、それを改修する。皆さん方の考え方からすれば、そこに都のお金は必要ないということになるかもしれないけれども、じゃあ何のためにつくったんですかと。この施設というのは二〇二〇年の大会のためにつくった施設なんですかと。
 違いますよ。二〇二〇年を超えて、有明北地区をどう発展させていくか、臨海地区をどう発展させていくか、東京をどう発展させていくか、その視点でつくる施設であるにもかかわらず、いまだに、オリンピックまであと二年だというこの状態の中で、まだ業者のヒアリングをやっている最中。本当に二〇二〇年を迎えられるのか、すばらしい状態でビヨンド二〇二〇を実現できるのか、私は心配でなりませんから、そこは明確に議論を積み重ねていただきたいと思います。
 一部で、有明アリーナに否定的だったそのころ、これは運営は赤字になるんじゃないかという批判もありました。ただ、都の試算では三・六億円の黒字となっています。改めて都の試算の根拠を伺います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 有明アリーナでは、国際競技大会などの大規模スポーツ大会やコンサート等のイベントを開催することを想定しておりまして、競技団体やコンサートプロモーターへのヒアリングに基づく利用計画をもとに、実現可能な収支を試算してございます。
 現時点の収支見込みといたしましては、収入は約十二億四千五百万円、支出は約八億八千九百万円となり、収支は約三億五千六百万円の黒字を見込んでございます。

○川松委員 今述べられた試算はいつ計算された試算ですか。この質問の意図というのは、小池知事が民間コンセッション方式を決める前に出された試算なのか、決めた後に出された試算なのか、それを教えてください。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 この試算につきましては、本年四月に公表いたしました施設運営計画におきまして試算を行っている数字でございます。

○川松委員 では、横浜アリーナか有明アリーナかという議論をしているとき、知事が決断をする前の段階では、オリ・パラ局としては、どういうふうな収支バランスがとれるのか、黒字なのか赤字なのかという計算はされていましたか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 昨年の会場見直しの経過におきましても、さまざまな形で、この収支の見通しというものにつきましては試算をしてございました。

○川松委員 試算をされていたことは、小池知事や五輪調査チームには皆さん方は報告されていましたか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 その説明のタイミングごとに、収支等についても説明をしてございました。

○川松委員 とすると、収支の内容もいろいろあると思いますけれども、もう黒字になるんだ、最初からわかっていたことを、なぜ皆さん方は強く強調されなかったんですか。
 あのときは、知事は、赤字になりそうな雰囲気を醸し出しながら、だから民間に渡すんだ、これが新しい運営の仕方なんだというふうな感じになりましたけれども、もし東京都がそのまま直営で黒字になるんだったら、どんどんどんどん黒字を出して東京都の収入を上げればいいと思いますけれども、いかがですかね。
   〔発言する者あり〕

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 この民間の活用につきましては、先ほど申し上げました平成二十六年十二月に設置をいたしましたアドバイザリー会議の中でも議論されていたことでございまして、外部有識者の方からは、民間を活用したコンセッション方式についても検討すべきという意見もいただいてございます。
 そうした中で、このコンセッション方式も選択肢の一つとして検討してきたものでございまして、収支とは直接関係なく、運営方法の一つとして、そういう民間活用の方式を検討してきたものでございます。

○川松委員 そこは収支を度外視して運営方法を考えていたというのがまかり通ると、何でもありになっちゃいますよ。やっぱり収支があって、どうやって運営していこうかという話になると思いますけれども、では、今、都民ファーストの方からのやじで、運営の見通しなんか甘いんだよということをいわれたんでお聞きしますが、知事が決断する前の有明アリーナの試算を出したときに、スポーツ利用とエンタメ利用の割合はどれぐらいで試算していましたか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 当時の試算でございますが、今、手元にちょっと正確な資料はございませんが、おおむねスポーツ利用が二〇、エンタメ関係の利用が八〇というような見通しで考えていたというふうに考えております。
 あと、申しわけありません、先ほどの答弁の補足でございますが、民間活用につきましては、当然、黒字施設でありましても、この有明アリーナの特性、スポーツのみならずエンターテインメント、そういった民間のノウハウが必要な施設の特性、そういったものを最大限生かす方法として、コンセッション方式も含めて検討してきたという趣旨でございます。

○川松委員 ごめんなさい、今の話だと、もとに戻りますけれども、じゃあ、東京ドームさんと話をしてきたことは何だったんですか。東京ドームは民間事業者じゃないんですか。
 東京ドームから、委託、どうやって運営したらいいか、どうやって活用していこうかという話を聞いている一方で、今の収支とはまた別のところで--だって、アドバイザリー会議の記録を見たら、民間コンセッション方式の議論がされたのは二回しかないじゃないですか。その間で継続して議論していないんですよ。その間に東京ドームの検討結果が入っているわけです。
 東京ドームからは民間コンセッション方式がいいというような内容はありましたか。この情報は開示できますか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 東京ドームからは、この施設運営計画、要は後利用の、どういう形でこれを活用していくのかという部分を主に助言をいただいたということでございまして、コンセッション方式についての提案というものはなかったというふうに記憶してございます。
 一方で、この施設の運営手法については、別途シンクタンクに委託をいたしまして検討、調査を進めてまいりました。その中では、当然、コンセッション方式を含めた民間活用方策についても提案をいただいていたということがございます。

○川松委員 シンクタンクというのが今、突然出てきたわけですが、これはちょっと問題ですよ、委員長。私は資料要求で、有明アリーナ設計前に民間コンセッション方式が議論された会議体と、その取り扱いについての過程がわかる資料一式として求めました。でも、きょうの資料には出ていない話が今の答弁で出てきた。これはどういうことなのか、説明を求めます。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 資料要求につきましては、会議体ということで、アドバイザリー会議ということで提出をさせていただいたものでございます。シンクタンクはあくまでも業務委託という形で、政策形成のための調査を委託していたということでございます。

○川松委員 そのシンクタンクについての業務委託契約のわかる内容を、今、口頭で説明できればぜひお願いいたします。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 このシンクタンクは三菱総研でございまして、新規恒久施設の施設運営計画の策定支援ということでございます。
 中身につきましては、先ほど申し上げましたように、それぞれの管理運営方式についての検討、そういったものも含め提案をいただいたということでございます。

○川松委員 今のシンクタンクに調査を依頼したのはいつの話ですか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 平成二十八年七月からでございます。

○川松委員 その七月から、それで報告を受けて、その委託契約は今続いているんですか。それとも、もうそれは終わった契約ですか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 報告はことし三月に受けておりまして、既に委託については終了してございます。

○川松委員 確認をいたしますが、民間コンセッション方式が話をされたのは、シンクタンクでも話をされたという部長からの答弁がありました。その報告が出たのがことしの三月です。
 小池知事が民間コンセッション方式を打ち出したのは去年の十二月です。ということは、このシンクタンクの結果は受けないで、小池知事は民間コンセッション方式がいいんだと、打ち上げたという確認です。これでよろしいですか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 昨年の十二月七日に途中の報告を受けてございます。この中で三菱総研より、この有明アリーナでのコンセッション方式の実現可能性は高いとの報告を受けているところでございます。

○川松委員 今、実現可能性が高いというのは、どういう認識で実現可能性が高いんですか。この時点では、一般論でいくと、例えば指定管理がいいのか、仮には、そういう議論をされたかどうかわかりませんけれども、有明アリーナを東京都はつくるけれども、高い値段で売っちゃった方がいいのかとか、いろんな方法がある中で、突然、今、十二月の段階で中間報告が出てきていて、民間コンセッション方式の実現性が高いという報告は、今の言葉だけをとると、何だかよくわかりません。どういう背景があって実現可能性が高いと出てきたのか、そこもぜひ教えていただきたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 この当時でございますが、指定管理者制度を初めといたしまして、コンセッション方式や、あるいは貸付方式、売却方式、そういったものを検討しております。
 その調査分析の結果といたしまして、コンセッション方式につきましては、行政が運営条件を提示した上で、それで運営権対価を確実に回収できるスキームであると。そういったことも含めまして、また、この施設の特性を踏まえ実現可能性は高い、一定の収益が望める施設であるという中で、実現可能性が高いというような報告をいただいております。

○川松委員 実現可能性が高い。じゃあ、ほかの方式、民間コンセッション方式以外のほかの方式に関しては、実現可能性は低いと出ていたんですか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 例えば施設を貸し付けする方法等がございますが、貸し付けの場合ですと、貸付料につきまして、相手が民間事業者の場合は、減免等そういうことができないという中で、やはり経営的にかなりの制約要因になってしまう。そういったような指摘とか、あるいは売却につきましても、建設費をなかなか売却で回収するということが困難であるというような指摘をいただいているところでございます。

○川松委員 そういう背景があったということを、これから多分また情報を整理しなきゃいけないと僕らは思いますが、何で今そんな話を聞いたかというと、今後の収支バランスって、有明アリーナ単体で見るんじゃなくて、東京都全体で考えた場合に、僕は今、極端な話で売却といったんですが、何で売却かというと、売却しちゃえば固定資産税もいっぱい入ってくるんじゃないかなという考え方でいったんです。
 民間コンセッション方式の場合、固定資産税の取り扱いというのはどうなっていますか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 地方税法では都道府県に対しては固定資産税を課することができないというふうになってございます。
 コンセッション導入後もこの有明アリーナの所有権は都が有することになりますので、固定資産税は非課税となります。

○川松委員 つまり、シンクタンクにしてもそうでしょう、ほかの外部、内部の検討もそうですが、単体の施設運営計画、考え方ではなくて、そういう広範囲な視点からの検討というのはありましたか。例えば今みたいに、幾ら幾らで売却したときに、これくらいの固定資産税が入ってくるぞ、あと十年、二十年、三十年こうですよと、そういう計画は、この三菱総研の実現可能性が高いという中にはあったんでしょうか、なかったんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 お話のような検討内容というのはございませんでした。

○川松委員 もとに戻すと、有明アリーナをつくります、運営していくというときに、いろんな考え方の方がいて、やっぱり収支バランスどうなんだ、このことに関しては注目が高かったと思います。
 先ほどお聞きしましたけれども、スポーツ利用とエンタメ利用の割合はどう設定するんだろうか。そのことについて、オリ・パラ局の皆さんが、特にスポーツ競技団体の皆さん方とかなりの努力をしながら交渉を重ねてきたことはよくわかりますし、きょう出していただいた資料に基づいても、かなりの回数を重ねてきているわけです。
 そこで、このアドバイザリー会議の内容についても、議会でも我々は議論してきました。また、そのときに一番重要になったのは、有明アリーナの床についてです。床について、特に東京都は本当に真摯な、丁寧な競技団体との交渉を重ねて、一般的な体育館と同様の床とすべきというスポーツ団体からのご要望がありましたけれども、メーンアリーナはコンクリート床としてスポーツ利用に配慮し、一定期間は仮設の木製の床を設置するという経緯がありました。
 私はこのころから、有明アリーナ規模の施設というのはほかにないんだと。東京の、しかも立地からすれば、もう銀座からすぐです、羽田空港からすぐそばです、これから発展していく臨海地区です。こういうものに関しては、さまざまな意見を皆さん方が聞いて、誰もが納得する形で検討を進めていただきたいと委員会でも要望をし続けてきたわけです。
 今回のこの競技団体とのヒアリングの記録を見ますと、前半は、当然オリンピック会場をつくろうという話ですから、バレーボール連盟中心になっています。これ、床の問題を重ねてきたことがわかります。後半になると、トップリーグ連携機構などとも意見交換を行っているわけですが、トップリーグ連携機構とはどんな内容で議論をされてきたんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 トップリーグ連携機構とは、有明アリーナでのプロリーグ等の開催の可能性や、施設管理に当たっての要望などについて意見交換を行っています。

○川松委員 トップリーグ連携機構は、まさに日本の球技を復活させるために、それぞれの球技団体が連動をしてつくった団体であります。川淵さんが今トップになられて、球技を盛り上げていこうということですが、ここは確認だけです。
 トップリーグ連携機構との中では、恐らくバレーボール以外の球技の団体も世界規模の大会をやりたいという要望があったんじゃないかと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 トップリーグ連携機構とは、具体的な大会名についてまではお話をしておりませんでした。

○川松委員 一年間通したときに、少ない範囲で設定されるであろうスポーツ利用の中で、オリンピックの会場はバレーボールになるかもしれませんが、もしかしたらバスケットボールでNBAの公式戦ができるかもしれない、あるいはハンドボールの世界選手権ができるかもしれない、夢が広がる施設なわけですね。
 そこで世界の最高峰の大会ができるんだ。それを楽しみに、東京だけじゃなく、日本だけじゃなく、世界から多くの人が集まってくる。それに伴って経済効果も、この有明アリーナだけじゃなくて、地域全体、東京全体に発展していくんだというのは、スポーツのビッグイベントを呼んでくればそれができるんだ。それが冒頭にいったマジソン・スクエア・ガーデンを東京につくろうということだったと思います。
 マジソン・スクエア・ガーデンという考え方でいけば、スポーツ以外にエンタメの話がある。これはエンタメ業界とのヒアリングの資料もいただきましたが、これを見ると、団体の関係者からしか意見を聞いていないような気がします。競技団体も、業界団体のヒアリングも。つまり、極論をいえば、NBAのスター選手に話を聞いたんですかといえば、今のところはないわけですね。僕は選ばれるアリーナをつくっていただきたいと思うんです。
 スポーツ選手にも有明アリーナで試合をしたい、あるいは、エンタメ業界であれば、アーティストみずからがあそこでライブをやりたいんだ、コンサートをやりたいんだ、そういうふうに選ばれて、世界からもビッグアーティストがいっぱい集まってくる、そういうアリーナをつくっていくべきだと思います。
 今まではなかったことがこの資料でわかりますが、今後は、選手やアーティスト、しかも超一流からの意見を聞くべきという私の考えですけれども、皆さん方の今後の事業展開をお伺いしたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 施設運営計画の検討では、スポーツ大会やコンサート等、イベント開催の実現可能性などについて意見を得るために、選手やアーティストの動向に詳しい競技団体やプロモーターなど、主催者となる団体から意見を聞いてきたところでございます。
 引き続き、より魅力的な大会やイベントを提供できる施設とするため、主催者等を通し、選手やアーティスト等の声も含めヒアリングを実施してまいりたいと思います。

○川松委員 ぜひ、これは主催者等を通じてということですと、やっぱり直接的には今のところはないなと思いますが、運営をしていって、実際に運営をしながらイベントをやっていく、チケットをどうやったら売れるかとか、どうやったらもっともっと盛り上がっていくかということの中で、主催者と意見交換をするというのはわかるんです。
 でも、今はまだ構想の段階です。この夢と希望が詰まったアリーナをどうつくろうかという段階であるならば、僕はスーパースターの選手やビッグアーティストの話を聞いて、ああ、この音はいいなとか、この光はいいな、この動線はいいなというのを反映させれば、もう選ばれます。
 しかも、有明アリーナを使えるようなスポーツ団体、アーティストというのは限られます。日本でも世界でも限られます。そんなに誰もが収益をとれるように、満員にできるようなアーティストがいるかといったら、限られるわけですから、そのあたりをぜひ考慮していただきたいなと思います。
 トップリーグ連携機構にも、一つ団体でアイスホッケーが入っているんですけれども、床に関しては、木製の床を外してコンクリートにできるということは、私は、アイスホッケーだとかフィギュアスケートができるという大きな特性が有明アリーナにあると思います。意外とこれが知られていないんです。
 今回のヒアリングした競技団体の中に冬季スポーツの団体は入っていませんけれども、アイスホッケー等の団体からの意見、トップリーグ連携機構とは別に、個別にお話を聞いておられますか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 昨年五月に施設運営計画の中間のまとめを公表した際、東京都アイスホッケー連盟より、有明アリーナをアイスホッケーで利用できるようにしてほしいとの意見をいただきました。
 有明アリーナのメーンアリーナは、ただいまお話のありましたとおり、スポーツやコンサート等の目的に応じて転換が容易なコンクリート床となっておりまして、アリーナ面にアイスリンクを設置して利用することが可能であることから、アイスホッケーやフィギュアスケート等の大規模大会でも活用いただきたいと考えております。

○川松委員 これは繰り返し強調しておきますけれども、なぜここを私がいうかというと、当時の議論からすると、コンクリート床にするということは、スポーツを見捨てているんじゃないか、もうエンタメのことしか考えていないんじゃないかという競技団体からの意見が僕らにもあったわけです。
 でも、実は、コンクリート床にすることで幅広くいろんなものに使える。フィギュアスケートにしてもアイスホッケーにしても、日本の、じゃあ東京で世界大会をやろうと思えば、限られた場所に今決まっているわけですよ、どこでやるかというのは。
 でも、この最新鋭で、しかもすばらしい、これから発展していく有明で、世界フィギュアスケート選手権、あるいはNHLの公式戦もできるかもしれないということになれば、また氷を使うスポーツ競技団体の皆さんからすれば、大きな希望が膨らんでくると思います。ぜひ、ここに関しては配慮をするようなヒアリングも今後続けていっていただきたいなと思います。
 では、さっきいろんなやりとりの中で、コンセッションの話が出てきてしまいましたが、改めてコンセッションの今回の方式についての契約について詳しくお話を聞いていきたいと思います。
 この方式を採用するということは、運営権者から運営権対価を東京都は得ることになります。先ほど部長の答弁の中で、有明アリーナは黒字で運営していくことが実現可能性が高いんだ、そういうふうにコンサルタント、シンクタンクから出てきたという話がありましたが、じゃあ、この運営権対価についての試算というのはどのような計算に基づいているんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 コンセッション方式の導入により、民間事業者のノウハウと創意工夫を最大限生かすことにより、さらなる収益向上を目指していくというふうに考えてございます。
 この収益をもとに、運営期間中、金額が原則変わらない固定部分と、利益に連動する変動部分から成る運営権対価を都に支払うことを検討しておりまして、具体的な金額等については、公募の手続の中で事業者から提案を求めることとしております。
 運営権対価等につきましては、事業者の選定に当たっての主要な評価要素の一つであり、多くの事業者がコンセッションの公募に参加するよう、ヒアリングを通じて適切な実施方針を策定し、事業者間における運営権対価等を含めた競争性を確保し、都民利益の最大化を図ってまいりたいと思います。

○川松委員 今の答弁で確認させていただきますけれども、運営権の金額に関しては、公募の手続の中で、これはいろんな金額が多分出てくるでしょうと、そこで幾ら、幾らと決めていこうという考え方があるということですよね。これ、金額が全てじゃないということでよろしいですか。
 今の入札契約制度改革は金額が全て、安ければ何でもいいという考え方に基づいて改革が進んでいます。有明アリーナは、東京都に入ってくるお金が高ければいいという考え方でつくらない、そういうふうに宣言していただきたいんです。お金も大事だけれども、中身も大事だということを、ぜひここで局として宣言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 事業者の選定に係ります評価の基準、あるいは考え方につきましてはこれから検討するところでございまして、さまざまな要素も含めまして検討してまいりたいと思います。

○川松委員 皆さん方を別に責めているわけじゃないんです。とにかく、今後二十五年間ですよね。二十五年の先もあるわけです。二十五年で多分更地になる施設じゃないわけですよ。
 そうしたときに、事業提案だけ、うちは幾ら払う、幾ら払うといって、中身はそうでもなかったということも往々にしてあり得る話だと思うので、そうじゃなくて、やっぱりもしかしたら、東京都に入ってくる、運営権としての対価は入ってくる金額は少ないかもしれないけれども、何度もいうように、これは点の考えじゃなくて面です、有明アリーナが充実すればするほど、周辺施設が充実していくんです。
 先ほどの話もありましたけれども、レガシーエリアというのは、体操会場の跡地となる展示場ができる、あるいは、その隣のオリンピック会場もある、北地区には民間ディベロッパーが開発していく、この北地区全体が価値が上がる。それで、そこに対して、アメリカのスーパービッグスポーツが有明アリーナでやったときに、プライベートジェットでこの有明アリーナの空を飛んで羽田空港におりて、そのままいっぱいお金を持った人が銀座で買い物して、有明北地区で会議をやって、夜はスポーツ観戦します。そこで東京の企業がいっぱい集まってきて、自分たちの売り込みをする。こういう発想でつくられているはずなんです。
 単純にそこでコンサートをやる、スポーツをやる、そういう発想でつくるのであれば、それはお金が高ければ高い方がいいという考えでいいと思います。でも、違うと思うんですね。物すごくVVIPが集まる施設だからこそ、東京の魅力を高められる、東京の事業者たちを高められる、日本の技術の売り込みができる。
 そういう視点に基づいて、運営権を獲得したいという企業が出てくるのであれば、私たちは本当に、その中に基づいて、今後二十五年間、有明アリーナに夢と希望を託せるんじゃないかなと思います。
 じゃあ、長期間にわたって民間事業者に有明アリーナを運営させるということに当たって、都はどのような形で関与できるのか、どういうことを想定されているのか教えてください。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 運営権者との実施契約の締結に当たっては、運営権者の実施する業務内容など業務の範囲を明確に定めてまいります。
 また、運営権者が実施契約に定められた業務を確実に遂行し、都が求める要求水準を達成しているかを確認するため、業務内容の評価を継続的に行うモニタリング制度を導入し、施設の管理運営に適切に関与していきます。

○川松委員 この規模感で民間コンセッション方式という前例が余りないので、ちょっと想像つかないんですが、運営権は渡します、でも、モニタリングをして、監視をして意見がいえるんですか。
 東京都はお金をたくさんもらうんだけれども、もらうと同時に、あなたたち、そこおかしいよと、何か文句がいいづらいような気がするんですけれども、原則論としてはいかがなんでしょう。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 PFI法の中にも、コンセッション方式におきまして、運営事業者に対して施設管理者から運営状況をよく監視し指示をする、そういうことができるということになっておりまして、私どもとしましても、それは大変重要なことだと思っておりまして、状況に応じまして必要な指示をしてまいるようにしたいと思います。

○川松委員 これから事業者を選定する、契約するといったときには協議があるんですけれども、多分そこはちゃんと詰めておいた方がいいと思います。恐らく、運営権をかち取るような企業というのは、常に新しく、新しくとやっていて、役所の感覚とは違うと絶対いってきますから。
 でも、譲れないところは譲れないんだ、これは東京都の財産なんだ、都民の財産なんだという価値観は絶対に忘れずに、この民間コンセッション方式を進めていただきたいと思いますが、運営期間二十五年です。この二十五年という設定は、どのような計算に基づいて二十五年を設定されたんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 コンセッション方式では、よりよいサービスの提供と収益性向上などの観点から、追加投資による民間事業者の創意工夫と戦略的な運営を引き出すことが重要であり、運営権者が投資を回収できる長期の事業期間設定が必要と考えております。
 民間事業者のヒアリングでも、二十年から二十五年程度の運営期間が適当との意見が多く、さらに長期間を望む意見もございました。
 また、大規模修繕は都が行うことを想定していることから、大規模修繕を行う時期を運営期間の区切りとすることが適当と考えておりまして、東京体育館など類似施設では二十年から二十七年程度で大規模修繕の実施時期を迎えていることも考慮いたしまして、基本的な考え方では二十五年程度ということをお示ししたところでございます。

○川松委員 ここで要望しておきますけれども、有明アリーナが否定されたときに、大規模修繕費は運営計画の中の重要な部分を占めるんだ、大規模修繕費を入れると都は赤字になるんだという批判の声がありました。運営権料の対価をいただくときには、大規模修繕費の計算もしっかりと考慮した上で契約を結ばれるように要望しておきます。
 また、民間コンセッション方式はいろんなところで採用されているわけですけれども、成功しなかったという事例もあると聞いています。有明アリーナは端的にいって大丈夫でしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明アリーナは都心に近接する大規模アリーナ施設として、大きなポテンシャルを持つ施設でありまして、民間のノウハウと創意工夫を最大限生かして施設を有効活用することにより、収益性をさらに向上させることが可能と考えております。民間事業者の関心も高く、ヒアリングにはアリーナの管理運営に意欲を持つ多くの事業者が参加をしております。
 なお、文部科学省の調査では、コンセッション導入を断念した理由として、収支算定等専門的な知識を有する人材の確保が困難であることや、収益性が低い施設では、民間事業者の参画意欲が低いことなどが挙げられております。
 これに対して有明アリーナの検討に当たりましては、PFI事業に専門的知見を有するシンクタンクをアドバイザーとして活用しており、施設の一定の収益性も見込まれ、民間事業者の参加意欲も高い状況となっております。
 このことから、有明アリーナに関してはコンセッション方式による管理運営に向け具体的な検討を進めているというところでございます。

○川松委員 ぜひそこは、都民の皆さんが心配されている点でありますから、しっかりとやっていただきたいと思います。いわゆる、これはオリンピック施設のためにつくる体育館ではなくて、スポーツも利用できる、エンタメも利用できる大きな施設だということをここで述べておきます。
 さて、いただいた資料によりますと、去年の九月に小池知事は有明アリーナ予定地を視察されているわけですが、その際に知事は、有明アリーナの建設予定地だけではなくて、後に十二月に発表するレガシーエリアについては視察をされているんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 昨年九月には競技会場の予定地を中心に視察を行ったものでございます。

○川松委員 だから、公式的な記録とすれば、レガシーエリア全体というのはどういうところかをごらんになられていないという認識であります。
 去年の十二月九日に知事が記者会見で、有明の地域についてこう述べられています。
 例えば有明の地域も、一つ一つの、例えばディベロッパーがここにホテル建てたい、やれ、ここにバレーボール会場をつくったらどうだと点でしか考えていなかったと思います。これは鈴木都政の時代からの、例えば世界都市博、さらにさかのぼれば、副都心構想といって、例の臨海副都心、そしてまた東京テレポート構想というのが八〇年代ぐらいからあって、そして青島さんが都市博やめてしまうわけです。あの時代から、では面として、あの地域の開発が考えられてきたかどうか、築地のかわりの豊洲ということで、あそこを使おうという話も点として出ているわけです。あの地域全体は、それは広大な地域であり、お金もこれまで、ちょっと計算はもう一度改めてしなければいけませんけれども、それこそ兆の単位でお金をつぎ込んできて、あれだけ東京湾にずずっと陸地ができ上がってきているわけです。これを、これまでいろんなディベロッパーの要請等々、もしくは時代でこれをつくりましょうみたいなことで、これまでのモノレールなどのときにも考えられてはきたけれども、面として考えてきたことがあるだろうかと振り返りますと、ない。つまり、点としての会場ではなく、私はあの地域を面としての、地域としての、エリアとしての、そういった発想が必要なのではないだろうか、そのことによって、あのオリンピックの会場が、今、点で決まっていますけれども、それらをもっと融合させた形で、あの地域全体の価値を上げるということになれば、私はそれはまた別の意味でのプラスになるのではないかと思いますと述べているんですね。
 今、何をいいたいかというと、誰も有明アリーナを点で考えてきていないわけですよ。最初から面で考えてきている。この視察に九月に行ったときに、これはオリ・パラ局じゃなくて、都市整備局とか港湾局の絡みになるかもしれませんが、北地区全体を説明していただければ、あんなに引っ張って、IOCの人たちもいっぱい呼んで、コーツさんにも迷惑をかけて、議論をしなかったんじゃないかなと思うんですね。
 ここは知事がみずからしゃべっちゃっている、間違った認識をしゃべられているわけですから、これはもう訂正のしようがないと思います。何度もいうように、有明北地区というのは東京にとってもう大きな楽園です。何でもできる。
 そのことを知事は、遅かったかもしれませんが、十二月の段階で認識されたということは、今後、レガシーエリア構想に関しては、急速にアクセルを踏んでいただけるものだと思います。
 この有明地区、北地区も含め、今後、レガシーエリアを東京都はどのような地域にしていこうと考えているのか。過去は別として、現時点でどう考えていらっしゃるのか教えてください。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明レガシーエリアは、有明アリーナや有明テニスの森などのスポーツ施設が集積するエリアでございます。さらに、大会時のアーバンスポーツ施設の移設や、スポーツカフェ、スポーツショップ等の誘致など、さまざまな検討を行い、アーバンスポーツゾーンの形成を目指してまいります。
 また、大会後に展示場となる有明体操競技場や、民間開発の商業施設、ホール、ホテルなど多くの人がイベントや文化活動、ショッピング等を楽しむことができるさまざまな施設も集積しております。
 これらの施設が連携してスポーツや文化等のイベントを開催し、有明レガシーエリア全体としてにぎわいを創出していくと考えてございます。

○川松委員 ここ、すごく大切で、批判の中で、東京でオリンピックで投資をしても、二〇二〇年以降どうなるんだ、三十年どうなるんだ、四十年どうなるんだという批判の声が出てくるわけです。
 僕、さっき知事の会見を説明したのは十二月九日の会見の内容でして、十二月十六日はどんなことをいっているかというと、一週間後の話です。
 これ、記者から、有明エリアの開発について、スポーツイベントですとか、会議の誘致ですとか、あと、別個でまちづくりの計画とかも進んでいると思うのですけれども、もう少し具体的に、知事としては、あのエリアを大会後にゴーストタウンにならないようにするには、どのようにお考えかというのをお聞かせくださいということに対して、知事は、一種のベイエリアでございます。ショッピングセンターができ、もう既に高層のマンションには多くの方々もお住まいになっておられます。眺望もすばらしいものがあります。海に面しているということから、海風といった点でもプラスになろうかと思います。一方で、確かな建物を建てていくためには、かなりくい打ちが必要であるとか、いろいろかかる部分がございます。しかしながら、あの地域に多くの人々を呼び込むというためのイベントの開催、それから、有明に行くということは、甲子園に行きますといったら、みんな、野球に行くんだという代名詞になるように、有明に行くということは、スポーツをしに行くのだという代名詞になるような、そういうまとめ方をすることがいいのではないかと思いますといっているんですね。つまり、有明イコールスポーツ、イコール健康とつながっていく。こういうのはブランディングですというお話をされています。
 でも、先ほどの話だと、スポーツ利用は少ないんですよね。知事はどういう考えに基づいてこういうお話をされているのか、いかがでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 このエリア全体のお話というふうに受けとめておりまして、有明アリーナのみならず、例えば有明のコロシアム、テニスの森がございます。また、大会後にアーバンスポーツ施設、そういったものをこちらに移設する、そういうことも含めて、今後幅広く検討していきたいというふうに考えております。
 そういった相乗効果によってスポーツ、そういったものの一つの拠点というようなことで考えてございます。

○川松委員 有明地区全体というのは、これも、なかなか時間もなくなってきたのでいっておきますけれども、有明テニスの森駅から有明アリーナまで一直線で歩いて来られます。例えば晴海通りからも道を真っすぐ来れば、銀座からもそんなにわけがないわけですね。
 展示会場が二〇二〇年以降できるということは、スーパースターのライブや例えばビッグイベントがあるならば、有明アリーナが会場になってやるとすれば、駅からの動線の中で、体操競技場の跡地の展示場でグッズ販売だとか、それに伴う展示会や写真展とかできるわけです。チケットを持っていない人がそこに来ても楽しめる。
 一方で、北地区の開発が進めば、それに伴ったいろんなショッピングだとか、まちのイベントもできる。そういう面の効果があるということを繰り返しいっておきますけれども、ここ、すごく肝の部分になりますので教えていただきたいんですが、有明アリーナは要らないというか、さっきの説明では、有明アリーナをなくすか、そのまま生かすかという二者択一で五輪調査チームは検討していたといいますけれども、五輪調査チームから、有明アリーナを残すような声は余り僕は聞かれなかったわけですね。
 知事や顧問団というのはどういうプロセスを経て、横浜アリーナに心が移っていった、体も移っていったと思いますけれども、横浜アリーナから有明アリーナ、有明レガシーエリア構想に考えが戻ってきたんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 都は、平成二十六年十二月に新規恒久施設等の後利用に関するアドバイザリー会議を設置いたしまして、外部有識者、民間事業者等の意見も聞きながら、大会後の施設の活用方策について検討してまいりました。この中で、施設周辺との連携を図り、新規恒久施設を地域のにぎわいの拠点とすべきなどの意見をいただいております。
 こうした意見を踏まえまして、昨年五月に公表いたしました施設運営計画の中間のまとめにおきまして、周辺のまちづくりとの連携により、面的に広がりのあるレガシーの形成を目指していくことといたしました。
 その後、昨年九月からは、都政改革本部、オリンピック・パラリンピック調査チームとともに、有明アリーナの新設と、既存施設等の活用の双方について検討を行いました。同時に、この面的なレガシーの形成につきましても、引き続き実務的に検討を進めてまいりました。
 最終的に、昨年十二月十六日に、知事が総合的な判断といたしまして有明アリーナの新設を表明し、また、点から面への視点で有明レガシーエリアの将来イメージについて明らかにしたものでございます。

○川松委員 ありがとうございます。平成二十六年十二月のアドバイザリー会議設置から今まで、局として、東京都としては一本の道をたどってきて、別に何にもそれることなく今までに至っているわけです。
 今までの議論で見えてきたことは、ずっと前から、これはオリンピックを招致する、招致決定以前から、まちを開発していこう、地域をよくしていこうという計画のあった有明北地区にできるオリンピック施設会場が有明アリーナであり、二〇二〇年を超えて東京に大きく貢献できる、そういう考え方が我々共通の認識としてあるわけです。
 しかしながら、ある日突然やってきた五輪調査チームという人たちが、こういった過去の議論を丁寧になぞらずに、有明アリーナじゃなくて横浜アリーナでいいんじゃないか、そういう議論をいろんなところでしてきて、世間を巻き込んで盛り上がったのが去年の会場見直しであったと思います。
 このことは、オリンピックの会場施設という考えだったら、ゴールは二〇二〇年の夏と決まっているんです。ここになければいけない。もうゴールは決まっていて、期間が短いのにもかかわらず、いろんなことを施設整備に関しては足踏みをさせてしまったのが皮肉にも五輪調査チームだということは、問題だといわざるを得ません。
 これ、今後のことで大事なことですからいっておきますけれども、五輪調査チームは既に解散されてしまいました。しかしながら、心配なことがあるので指摘しておきます。
 五輪調査チームというのの設置の根拠というのが明確なようで曖昧だということです。都政改革本部についてはここに設置要綱がありますが、五輪調査チームについては設置要綱があるわけではなくて、都政改革本部の設置要綱の第三条、その四というところに、本部長は、必要があると認めるときは、専門的な課題を検討するためのプロジェクトチームを設置することができるとあるわけですね。
 しかも、これは、第一回の都政改革本部の議事録を見てみますと、小池知事から五輪の調査チームについて、外部の皆様方に参加していただいて、専門分野の知見を持った皆様ばかりです、特別顧問、特別参与の皆さん、そして、職員の皆さんとが一緒になってこの調査を進めていただきたい、そして、評価も行っていただきたい、課題を整理して、改善策は一体何ぞやという検討まで行っていただきたいと考えておりますという中で、五輪調査チームは立ち上げられたわけですが、これは考え方としてよいと思います。
 でも、余りにも外部過ぎて、現場が混乱しただけで、改善策を求めたといっていますけれども、有明アリーナに関しては今の話だったら、民間コンセッション方式もずっと前から議論されていた、知事が就任される前の七月に外部委託していたシンクタンクからも回答があった。有明アリーナに関していえば、別に五輪調査チームの改善策とは何だかよくわかりません。
 これは、オリンピックだけに限らず、今後何か問題があるごとに、本部長がこれが課題だ、これが問題だと思うたびに、外部の人たちがいっぱい集まってきて調査チームができてしまうというおそれが今の都政改革本部にはある。これが結果として東京都の利益になるのか、都民益になるのか、その議論がなされないまま、何かいいことをやっていると進んでしまう今の世の中に不安を覚えるわけであります。
 今後、またオリンピックが近づいていくに当たっていろんな調査チームができるかもしれませんが、無責任なかかわり方はないようにすべきだという私の考えを述べておきます。
 そこで、有明アリーナの建設にかかわる設備の資金について、有明アリーナは財源はオリ・パラ基金でやっていく、そういうふうな認識で私たちはおりましたが、じゃあ、都が負担する仮設等の整備についてはどのような財源を充てていくことになるんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 東京都が負担することとなります経費の財源につきましては、都民生活に影響を及ぼさないよう、オリンピック・パラリンピック開催準備基金を初めとして、さまざまなものが想定をされます。そうした中、これから本格化していく来年度の予算編成におきまして、知事から財源について多角的に検討するよう指示を受けております財務局で検討されるものと承知をしてございます。

○川松委員 これも確認しておきますけど、都民生活に影響を及ぼさないように大会の開催についてのお金を準備してきたのは、小池知事が就任する前から、もう都民生活に影響を及ぼさないように考えてこられましたよね。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 既にご案内のとおり、オリンピック・パラリンピックを招致するに当たりまして、あらかじめ四千億の基金を積み立てたというところが、都民生活に影響を及ぼさないような一つの財源の確保と考えております。

○川松委員 その中において、有明アリーナは基金があるから大丈夫ですよ、お金に関してはショートしませんよというのは、僕らは思っていますけれども、ただ、何度も私、皆さん方に指摘していますけれども、仮設の定義というのはよくわからないまま進んでいて、恒設と仮設のお金の費用分担の話も議論できていないわけですね。
 改めて現状、仮設はどういうものかと、都外施設の話もあるので、僕は有明アリーナの運営の資金がショートしないように心配ですからお聞きしますが、仮設の定義は今できていますか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 仮設と恒設の違いでございますが、仮設につきましては、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会期間が終了した後に撤去するものが仮設、それ以降残るものにつきましては恒設という定義の区分けとなってございます。

○川松委員 別にこれは嫌がらせで聞いているんじゃなくて、私がいっているのは、仮設の取り壊す時期の話をしているんです。これ、何度も皆さん方にもいっていますが、一年で終わらせるのが仮設なんですか、三年は仮設ですか、五年は仮設ですかと。この議論のときに、部長は県外との調整をしているわけですよね、都外施設も。そこで多分これからいろいろ、向こうは自分たちでお金を出したくないから、東京都に出せ出せといってくるんですよ。それで余り譲歩し過ぎて出すことになっちゃったら、有明アリーナの建設資金がまたショートして借金するなんて話になったらあほらしい話ですから、確認しておきますが、仮設はいつまでという議論はまだしていませんか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会に当たりましては、組織委員会がその大会の会場を使用する期間というのを定めます。その期間というのは、大会が行われる期間は当然なんですけれども、その事前の準備段階、つまり仮設を構築する段階、あるいはテストイベントの期間、それから大会が行われまして、大会が終わった後に仮設を撤去する期間まで基本的にお借りをするということになりますと、基本的にその期間が仮設の設置、撤去を含めた期間となると考えております。

○川松委員 済みません、そうすると、だから今、議論できていないということですよね。僕がいっているのは、仮設の撤去が、場所によっては一カ月で撤去するかもしれないけれども、三年で撤去するかもしれないというところが出てきたときに、その三年で撤去するまでの間に使われて、そこで収益が出たものに対しても仮設として東京都がお金を出すという話になるんじゃないかという心配の声があるので、都民を代表してお聞きしているんです。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 あくまで仮設は、大会が終了した後に一定の期間の中で撤去するものでございまして、その後にその仮設を使ってさらに何かやるというものにつきましては、仮設から外れると考えております。
 ただ、具体的に仮設と恒設をどう仕分けしていくかというのは、まだこれから関係自治体とも協議をしてまいるところでございます。

○川松委員 そこは明確にしておくべきで、その中で突然、今度降ってきた話は、コーツさんの話です。コーツ委員長が経費削減について突然発言をされたわけでございますが、これは、今まで都民生活に及ぼさないように財源は確保していくんだ、それを整理していくという答弁がありました。
 改めて、コーツ委員長が発言された経費削減について、大会運営に影響はありませんか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会準備につきましては、現在、組織委員会におきまして、大会の競技会場に関しましては仮設オーバーレイ基本設計の業務委託に関する発注を行い、設計に入っているところでございます。また、その他の業務につきましても計画を策定し、準備を進めていくことになります。
 また、大会経費につきましては、年内を目途に作成をされますバージョンツー、いわゆるV2予算に向けまして、こうした業務の内容や計画の具体化の状況も踏まえつつ、運営のみならず、仮設等のハードも含めた大会経費全般にわたりコスト縮減を図ることとしてございます。
 このように経費削減を行いながら、しっかりと大会準備の具体化を図っている、現在はそういう段階でございます。

○川松委員 ただ、ここは、原則論はわかります。でも、いきなりですよ、これは二〇二〇年、二年前で、いきなりIOCの責任者から一千億円削減するという話が出てくるのは、少々意外でありました。
 意外であったわけですけれども、知事がそれに対して言及されてしまったということは、本当に施設運営計画がどうなっていくのか。三会場見直しのときに四百億円削減しましたというのも、落札差金であったり、予備費であったり、あるいは外す必要のないものを一回外しちゃって四百億円、でも、またもとに戻すというようなことも起きています。一千億円削減するって大きなことですよ。
 コーツさんがいったことは、みんなに知れ渡っています。もしそこが厳しいんだったら、早目の段階から、やっぱりオリンピック二〇二〇年の大会というのはこういうものが必要なんだ、こういうことがあるから、お金はこういう計画ですよというのを、V2予算があるわけですけれども、現時点で、いろんな、コーツさんからの話の中で、他県の会場の責任者から雲田さんのところに相談とかはないですか、心配の声とかは。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 現段階では、先ほどご答弁申し上げましたように、例えば仮設であれば基本設計に入ったという段階でございます。
 また、その他の業務につきましても、計画のより具体的なものを作成していくという段階でございまして、自治体の皆様からは、具体的にそれぞれの会場に即してどういう業務がこの会場では行われるのか、どういうものが必要なのかというのを早く個別具体的にお示ししてくれというお話をいただいているところでございます。

○川松委員 そこなんですよ。まさに、どういうことが必要なのか、どういうことをやっていくかということが見えないからこそ、予算立てもできない。全体の予算の枠も決められない。基金は都内だけなのか、さまざまな方法を使って都外にするのか。一時期は都外の施設全額負担すると知事はおっしゃった。でも、今度は宝くじという話が出てきた。いろいろと迷走していることは迷走しているんです。
 私は別にそこに対して、冒頭にもいいましたけれども、いたずらに批判をしているんじゃなくて、しっかりとした柱を持って、もう、こういう方向だと道筋をみんなで示して、その道を歩む時期だと思うんですよね。そこをやっぱりオリ・パラ局中心に物事を積み重ねていかないと、何度も僕はいっています。知事の前でも、皆さん方にもいっていますよね、会派とか関係なくオール東京で、オールジャパンでこの東京二〇二〇年をどう迎えるかということは、すごい大切な時期に入っていますよと。
 ぜひ、雲田さん、大変なお仕事だと思いますけれども、他県との調整を念には念を入れてやっていただきたいと思います。
 いろいろときょう議論してきましたが、中には短い答弁もありまして予定の時間からだんだん短くなっていますけれども、局長に、今までの議論、有明アリーナはどういうものか、あるいは都政改革本部がここにやってきて、何だか動きが見えているようで見えないような中で、有明アリーナをもう整備していくということで、今回委員会に報告をされて議論をしてきましたが、改めて局長の有明アリーナの整備についての決意をお伺いしたいと思います。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 今、委員から、るるお話がございました。
 有明アリーナにつきましては、この間、いろんな収支についてもお話がございましたが、やはり収支につきましては、いろんな見方があると思っております。減価償却の扱いを、これは先生、もう釈迦に説法だとは思いますけれども、どう扱っていくかとか、そういった面で、この間、有明アリーナについてもさまざまな検討をしてきたというのがこれまでの間の議論だったというふうに私どもは考えております。
 その上で、今後、有明アリーナをどうしていくかということにつきましては、東京二〇二〇大会のレガシーとしまして、魅力的なスポーツ、あるいはエンターテインメント、こういったものを提供する東京の新しいスポーツ、文化の拠点としまして、末永く都民に親しまれる施設としていきたいというふうに考えてございます。
 先ほど、有明アリーナをオリンピック施設として使って、その後、今度、コンセッションで施設整備をほかにしていったら無駄になるのではないかというお話もございました。
 一方で、私どもとしましては、当然のことながら、二〇二〇年大会でまずオリンピックをどう成功させていくか、それから、委員からもお話ございましたように、その先のレガシーをどう残していくか、これらをどう両立させていくのがこの施設にとっていいのかということだと私どもも思っております。
 そうした意味で、今回、コンセッション方式をとることによって、これらを両立させて、その後に残していきたいという思いでございます。
 したがいまして、施設の運営に当たりまして、民間の機動的で柔軟な発想によりまして施設のポテンシャルを最大限に引き出しまして、都民に最良のサービスを提供できるように、コンセッション方式の導入に向けた取り組みを着実に進めていきたいと考えております。
 また、点ではなく面ということにつきましても、知事も、先ほど委員からもお話ございましたように、十二月に、点から面というお話の中で、有明レガシーエリアをどう考えていくかということだと思います。有明アリーナを地域のランドマーク、そういったものとしまして、先ほどお話ございました隣接する他の施設、それからスポーツ施設、それから、これから大会後に残ったものを移設するかどうか、そういったことの検討も含めて、周辺のスポーツエリア、また、今後整備をされます展示場、あるいは民間の商業施設、ホテル、あるいはホール、こういったさまざまな機能を持ちます周辺施設との相乗効果によりまして有明レガシーエリアのにぎわいを創出しまして、新たな魅力を引き出して、地域全体の価値を高めてまいりたいと考えております。

○川松委員 局長、ありがとうございます。とにかく、私は冒頭で、日本のマジソン・スクエア・ガーデンをつくっていこうという思いで有明アリーナの準備をしていきましょうと声をかけました。この先は、世界の皆さんが有明アリーナを自分たちにつくろうといわれるような施設をつくっていただきたいんです。
 全世界から選ばれる、世界でオンリーワン、ナンバーワンの施設をつくるんだという強い意思を持っていただいて、たとえ知事が何といおうと、たとえ特別顧問が何といおうと、譲れないものは譲れないという、そういう皆さん方の強いプライドを持って事に当たっていただきたいと思います。
 必ずこの東京は有明アリーナを中心に発展していく。東京の歴史に光を刻むのが有明アリーナでございますから、皆さん方に強く要望をして、質問を終わりとします。ありがとうございました。

○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時二十九分休憩

   午後三時四十五分開議

○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○とくとめ委員 私は、昨年の十二月の本委員会で、有明アリーナの運営のあり方について、コンセッション方式の導入には反対の立場から質疑を行いました。あくまで都立施設、あるいは体育施設条例に基づいて使用料金を設定して、都民にとって使いやすい、そういう有明アリーナにすべきだと主張してまいりました。
 土地代を含めて約五百二十億円もの多額の都民の税金を使って建設するオリンピック・パラリンピックの都立競技施設の有明アリーナの管理運営のあり方の基本は、オリンピックの大事なレガシーとして、都民のスポーツと文化の振興に貢献して、都民の誰にとっても利用しやすく、利用料金も負担しやすいものにする、そのためにも議会でちゃんとチェックできるようにすることが重要であり、大前提だと考えています。
 前回質疑で、有明アリーナの管理運営のあり方にコンセッション方式を導入する検討がされている問題について、法律施行から五年以上が経過した昨年末の時点で、全国の体育施設や文化施設でコンセッション方式を採用している事例について質問しました。これに対して答弁では、現在のところ体育施設や文化施設でのコンセッション方式の導入実績はないという答弁でございました。
 そこで、再度、前回の本委員会の質疑からさらに九カ月近く経過しております。現時点でのコンセッション方式導入の実績は全国的にはどうなっているのかについてお伺いします。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 現在のところ、スポーツ施設における導入実績はございませんが、複数のスポーツ施設において、コンセッション方式の導入が検討されていると聞いてございます。
 なお、文化施設では一件が契約を締結し、運営開始に向けた準備を行っておりまして、それから、社会教育施設では一件導入されている実績がございます。

○とくとめ委員 昨年末の答弁では、平成二十八年度から平成三十年度、来年度までですけれども、三年間を重点分野としてスポーツ施設などの文教施設への導入を促進していくということが政府としても掲げられているということでした。
 しかし、今の答弁でも、現在でもスポーツ施設における導入実績はないと担当者の答弁がありました。また、担当者に聞きますと、全国的にも複数のスポーツ施設が導入を検討中、しかし、都内では検討しているところもないということでした。コンセッション方式では、スポーツ施設への導入については問題点も多いということがあらわれているのではないかと思います。
 そこで、昨年十二月に質疑を行った段階では、有明アリーナの管理運営方式については、コンセッション方式の導入については、まだ検討段階ということでした。その後どのような検討が行われて、このコンセッション方式の導入ということになったのか、ほかのどのような方式と比較検討したのか、コンセッション方式を採用することに決めた理由、メリットについて伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 コンセッション方式のメリットは、民間事業者に長期間にわたり運営権を設定し、創意工夫を生かした柔軟な運営により、施設の収益性の向上や質の高いサービス提供が可能になることや、運営権を担保とした資金調達が可能となることなどが挙げられます。
 昨年十二月にPFI事業に知見を有する民間シンクタンクから有明アリーナでコンセッション方式の実現性が高いとの調査分析結果を得ました。
 また、本年二月に有明アリーナの管理運営に関する第一回ヒアリングを実施し、施設の活用方策等について民間事業者から意見等を伺い、検討を行ってまいりました。
 さらに、本年三月の外部有識者を含むアドバイザリー会議での議論を踏まえ、四月に新規恒久施設の施設運営計画を取りまとめ、現在有明アリーナのコンセッション方式の導入に向けて具体的な検討を進めているところでございます。

○とくとめ委員 コンセッション方式導入についてのヒアリングでは、民間業者や民間シンクタンクからヒアリングを実施したとの答弁でした。
 しかし、要求資料を見ますと、バレーボール競技団体などのアマチュアスポーツの関係者からも繰り返しヒアリングを行っていることが資料に載っています。どういう意見や要望が寄せられているのか、こうした都民スポーツを支えている団体や個人のスポーツ愛好者の意見、要望については、しっかり検討されているのか、そのことについて伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 バレーボールの競技団体からメーンアリーナの床使用に関する要望をいただき、都の考え方を丁寧に説明し、理解を得るよう協議を重ねてまいりました。
 メーンアリーナはコンクリート床とした上で、今回の基本的考え方では、メーンアリーナでのスポーツ利用期間を設定し、この間は原則として仮設の木製床を設置することと考えてございます。

○とくとめ委員 先ほどからメリットについては盛んに強調されておりますけれども、コンセッション方式の法律ができてから、もう五年九カ月近くになるんでしょうか。飛行機や上下水道などのほかの分野はともかくも、スポーツ分野に限れば、思うよりコンセッション方式の導入実績がないということは、このやり方にスポーツ分野、あるいは文化施設の分野では、何かデメリットがあるんではないか。どういう点についてデメリットがあると思われているのか伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 文部科学省の調査では、コンセッション導入を断念した理由として、収支算定等、専門的な知識を有する人材の確保が困難であることや、収益性が低い施設では民間事業者の参加意欲が低いことなどが挙げられております。
 有明アリーナの検討に当たりましては、PFI事業に専門的知見を有するシンクタンクを活用しておりまして、施設の一定の収益性も見込まれ、民間事業者の参加意欲も高いという状況でございます。
 こうした状況も踏まえまして、現在、コンセッション方式による管理運営に向けて検討を進めているところでございます。

○とくとめ委員 一昨日から始まりました第二回目の管理運営に関するヒアリングのことも私、お聞きしようと思いましたけれども、先ほど、質問、答弁がありましたので、これは省きまして、コンセッション方式の運営期間を昨年末の答弁では二十年程度が一般的であるとしていたものが、なぜ今回の管理運営の基本的な考え方では二十五年間の期間にされたのか、改めて伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 コンセッション方式では、よりよいサービスの提供と収益性向上などの観点から、追加投資による民間事業者の創意工夫と戦略的な運営を引き出すことが重要でありまして、運営権者が投資を回収できる長期の事業期間設定が必要と考えております。
 民間事業者のヒアリングでも、二十年から二十五年程度の運営期間が適当との意見が多く、さらに長期間を望む意見もございました。また、大規模修繕は都が行うことを想定していますことから、大規模修繕を行う時期を運営期間の区切りとすることが適当と考えておりまして、東京体育館など類似施設では二十年から二十六年程度で大規模修繕の実施時期を迎えていることも考慮して、二十五年間程度といたしました。

○とくとめ委員 要するに、長期休館による大規模修繕が必要となるのは、竣工から二十五年程度なので、それに合わせて事業を終了するように二十五年にしたということでよろしいんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 ただいま申し上げました大規模修繕のこともございますが、コンセッション方式の本来的なメリットといいますか長所として、長期にわたる運営権を設定して民間事業者の創意工夫、あるいは戦略的な運営を引き出す、こういったこともございますので、民間事業者のご意見などから、長期的な運営期間を望む声もありましたことを踏まえまして、二十五年という期間を設定したということでございます。

○とくとめ委員 昨年末に大規模修繕について質問したときには、大規模修繕の費用は、基本的には東京都の負担だが、コンセッション方式の仕組みの中で、追加投資を事業者に行わせることも可能で、民間事業者の意向も把握しながら都民負担を軽減できる、そういう方式についても検討していきたい、こういう答弁でありました。
 しかし、今回、大規模修繕の期間を外して運営期間を設定したということでは、こうした修繕などの負担を基本的には民間業者には負わせないということで確認してよろしいでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 大規模修繕に関しましては、都がこれを行うという方向で、おっしゃられたようなことではございますが、一方で、民間の運営権者からは運営権対価を都が得るという形になってございます。

○とくとめ委員 昨年十二月に質問したときに、先ほど川松委員も触れられましたけれども、都の方からの答弁では、都立直営の施設にしても三・五億円の黒字になると、そういう答弁もありました。一方で、その日の少し前の十一月二十九日のある新聞では、東京都が大規模修繕費を負担すれば赤字になるという報道などもありました。この大規模修繕をどういうふうに負担していくかという問題は非常に大事な問題だと思います。
 次に、運営権対価売却について伺います。
 運営権対価の金額は、東京都としてはどれぐらいに想定をされているんでしょうか。支払い方法の具体的なイメージはどうなるのか。
 運営権対価には、金額が原則として変わらない固定部分と、運営権者の利益に連動する変動部分を設けるとのことですけれども、固定部分と変動部分の割合は、どの程度の割合を想定されているんでしょうか。
 また、変動部分の金額はどのように決定をされるのか。想定よりもふえる場合もあれば、思うように利益が上がらなければ減る場合もあるということになるんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 運営権対価等につきましては、固定部分と変動部分から構成される、今お話がありましたとおりでございますけれども、運営権者から都へ支払うというものでございます。
 具体的な金額につきましては、公募において民間事業者による提案を求めるものでありまして、事業者選定における主要な評価要素となります。
 なお、変動部分の金額につきましては、利益に一定割合を乗ずるなど、さまざまな方法が考えられますが、詳細につきましては、事業者公募に向けて検討してまいります。

○とくとめ委員 次に、都民スポーツの振興という観点から幾つかお伺いします。
 私は、有明アリーナは、都民スポーツ施設としての役割と公共性を重視すべきだという観点から、この間も繰り返し質問してまいりました。メーンアリーナは、コンクリート製ではなくて木製にすることや、東京都体育施設条例に基づく施設として活用することなども繰り返し提案をしてまいりました。
 そこで質問ですけれども、今回の基本的考え方では、スポーツ利用期間について少なくとも年間通算二カ月程度として、運営権者の負担で木製床を設置することを想定するなど一定の配慮があるようですが、その時期等については、運営権者が設定するなどというふうになっております。大規模スポーツ大会を年間十回程度が目標で、これらは四カ年の平均で達成できればよいとされています。
 運営権者に委ねられる部分が大きいわけでありますけれども、運営権者のイベント開催の方針と、大会などで利用したいスポーツ団体とでは、開催時期や費用の負担などの折り合いがつかない場合もあり得ると思いますけれども、そうした場合は、東京都はどのように対応するのか。都が間に入って調整したり、運営権者を指導したりすることができるのかどうか伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 メーンアリーナでは、観客席一万五千席の規模を生かしまして、国際大会など国内外の大規模スポーツ大会の会場として、アスリートの活躍の場と質の高いスポーツ観戦の機会を提供するとともに、コンサートや文化イベントなど、魅力的なエンターテインメントを提供していく、そのような施設となります。
 スポーツ利用期間の設定につきましては、実施方針や要求水準の中で都として定めてまいります。具体的な期間の設定につきましては、利用団体の意向等も踏まえて運営権者が設定することになります。
 スポーツ利用期間の確保につきましては、毎年実施いたしますモニタリングの中で継続的に確認し、必要に応じて是正を指示するという形になります。

○とくとめ委員 サブアリーナは、都民のスポーツ利用に配慮するものとすると非常に抽象的な言葉で書かれておりますけれども、メーンアリーナと連動して利用が優先した結果、都民の利用が著しく制限される場合なども考えられるのではないかと思いますけれども、こうした事態を防ぐために何か検討されていることはあるんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 サブアリーナにおける都民のスポーツ利用への配慮につきましては、今回取りまとめました基本的考え方にも位置づけておりまして、今後、実施方針や要求水準においても定めていくことを考えております。
 都は、運営権者の運営状況についてモニタリングを行い、都民のスポーツへの配慮が不十分な場合は、運営権者に是正を指示することもあると考えてございます。

○とくとめ委員 モニタリングについて触れられました。都民利用者の声はどのようにモニタリングに反映されていくのかについて、この中身をつかんで改善について是正を指示するという答弁がありました。
 モニタリングは、コンセッション方式の中では、契約の中ではどのように位置づけられるのか、あるいは法的な根拠はどういうものなのか、そして、そこで出たさまざまな意見はちゃんと改善に生かされるような拘束力を持ったものになるのかどうか、その点について伺います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 コンセッション事業におけるモニタリングは、一般的に公共施設等の管理者等が運営権者に対し、業務、経理の内容について報告を求め、利用者調査などの実地の調査、必要な指示を行うことなどにより、運営事業の適正を期すものであります。
 具体的な内容については今後検討してまいりますが、都に寄せられるさまざまな都民の声を踏まえながら、モニタリングについても実施してまいりたいと思います。
 PFI法第二十八条に規定されてございますように、都は運営権者に対し是正等の措置が必要と考えてございますが、具体的にはこれから考えてまいります運営権者との契約の中で定めることになると考えてございます。

○とくとめ委員 公正さを欠く利用者の事態とか、是正を指示するといわれました。だけれども、具体的なその仕組みがどうなっているのかという点では、まだ定かではないと受けとめざるを得ません。
 有明アリーナの管理運営のあり方、方式については、これから年末にかけて四定で提案され、議会で審議する実施方針、条例案の中に具体化されるものと聞いております。特に心配なのは、議会のチェックの機会が条例案の審議と契約を結ぶ、その二回しかないというふうに聞いております。こういう問題も、新しい方式で有明アリーナの管理運営を進めていくということであれば、大きな問題を残すというふうに考えております。
 莫大な都民の税金を投入して建設される、都有施設でもあるスポーツ施設の有明アリーナについては、コンセッション方式で民間業者が運営する場合には、現状のままでは議会や都民からのチェックの仕組みが極めて不十分だと指摘せざるを得ません。
 検討されているコンセッション方式という有明アリーナ運営のあり方については、広範な都民のスポーツと文化の振興にふさわしい公共性を重視して、オリンピック・パラリンピックの後利用、レガシーという観点から見れば、さまざまな問題がまだ解決をされていないと思います。
 我が党は、現時点ではこの方式には反対であります。さらに検討すべき問題があり、慎重な審議が必要であるということを述べて、質問を終わります。

○山口委員 それでは、私からも幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、ラグビーワールドカップ二〇一九、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会、この両大会は、東京というまちが世界から注目をされて、長く東京の歴史に刻まれる大会になることは、いうまでもないわけであります。
 それだけに、今期、この委員会に与えられている責任や役割というものは、大変大きなものがあるわけでありますが、当然、あらゆることがどのように決定をされて、一点の曇りなく都民の皆様に明らかにされ、世界中の皆様を気持ちよくお迎えできるように準備を早急に重ねていくことが、今この時期には求められているんだろうと思っております。
 一方、都民の皆様、国民の皆様とともに、ただ観戦し応援をしていただくのではなくて、都民や国民が参加をし、ともにつくり上げていく各大会であるんだということを明るくこの委員会からも発信をしていかなければならないと、このように私は思っているところでございます。
 そういった意味からも、直接的にこの大会にかかわることができるのが、実はボランティアという大切な役割であると私は思っています。
 この委員会を通じて、都民の皆様初め多くの方々が、どう参加できるのかを知っていただく意味も込めて、幾つかの質問をまずさせていただきたいと思います。
 まずは、六月二十四日に行われましたラグビーテストマッチに関連し、幾つかお伺いしたいと思います。
 ラグビーワールドカップ二〇一九に向けた準備の一環として、日本代表対アイルランド代表の試合が行われました。二万九千三百五十四人と大変多くの入場ということもあり、盛大に開かれたというふうに伺っているところでございます。
 また、テストマッチということで、前回の検証から改善点の解消に向けてさまざまな取り組みがなされたとご報告を受けたところでもありますが、さて、ここからさらに、今回の経験も踏まえて、さらに安全かつ、都民はもとより世界中の方々に楽しんでいただき、またさらに、円滑な運営をしていくためにも伺わせていただきたいと思うのが、中でもボランティアスタッフについてなわけであります。
 都は、今回のボランティアの取り組みとして、経験豊富な多様な主体との連携のもと、人数拡大を図るという目的を掲げて、百四十名のボランティアの方々に集まっていただき、ご協力をいただいたところであります。
 まずは、今回のボランティアの募集、また育成については、どのように行われたのでしょうか、お伺いしたいと思います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 今回のボランティアは、スポーツボランティアの活動実績がある東京マラソン財団、スーパーラグビーのサンウルブズなどの団体、地元三市などの協力のもと募集を行い、約百四十名の方に参加いただきました。
 育成につきましては、区部と多摩地域で事前研修を実施し、ボランティアマニュアルに基づいて当日の活動内容や注意事項、来場者への案内に必要な情報などを共有いたしました。

○山口委員 百四十名とはいえ、大変な数だと私は思います。
 さらには、会場外での案内誘導や語学対応等、手の回りにくいところをお引き受けいただいていることに、本当にありがたさと感謝の気持ちでいっぱいになるところであります。
 今回行われたテストマッチは、各団体等にご協力をいただいて集めたということでありましたが、ラグビーワールドカップ二〇一九大会のボランティア募集については、どのような取り組みを行っていくのかを確認しておきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラグビーワールドカップ二〇一九の大会時には、国内外から多くのラグビーファンが東京を訪れることになります。こうした方々に対しまして、会場周辺やファンゾーン、駅などにおきまして、来場者を案内するボランティアが必要となります。
 そのため、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けた都市ボランティアの募集を平成二十九年度末から一部前倒しして行いまして、ラグビーワールドカップ二〇一九で活躍いただきますとともに、そこで培ったスキルを二〇二〇年大会でも発揮していただけるよう取り組んでまいります。
 また、ラグビー組織委員会と連携いたしまして、イベント等を通じラグビーの魅力を発信しますとともに、ボランティア休暇制度の普及取得促進などの取り組みを推進し、ボランティアに参加しやすい環境を整備してまいります。
 さらに、今年度末からの募集に向けまして、ポスターやウエブサイト等によりPRを展開してまいります。

○山口委員 今回の経験からも、どのくらいのボランティアを要するのかというところから始めて、体制、内容について、これから決められていくというところであるんだと思いますが、当然のことながら、さまざまなご協力と体制整備が大変重要になってくると思っております。
 また、今ご答弁いただいたとおり、二〇二〇大会の都市ボランティアの一部も先行的に募集をしていくということでありました。そういった側面から考えても、この二〇一九から二〇二〇までの各大会の関連性と連携をこのボランティアに関して強く感じるところであります。
 今回のテストマッチもそうでありますが、東京マラソンのボランティアに参加をしてくださったさまざまな方々に会ってお話を聞く機会がありました。今ボランティアに参加をされる方々というのは、本当に参加をして楽しかった、自分が走れなくても、ボランティアでもいいから参加をしたい、自分たちが何ができるのかを自分たちで考えて、何か協力できることをしてみたい、口々に皆さんが、本当にそうおっしゃられているんです。
 なかなか僕には生まれない、ボランティア精神って本当にありがたいことであって、すばらしいことだなというふうに感じることがたくさんあったんですが、どんな形であれ、本当に参加をしたいんだと、参加をしてよかったといってくださるこの声というものを本当に大切にしていかなければならないんだろうなと思っているところであります。こんなありがたいことはない話であります。
 そこで伺いたいんですが、ラグビーワールドカップの中で活躍をしてくださったボランティアの皆様を二〇二〇年にしっかりとつなげていくことが大事だと思うんですが、さらにどのように活躍をしていただくのか、お伺いをしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラグビーワールドカップ二〇一九で活躍いただきました都市ボランティアには、二〇二〇年大会におきましても引き続き他のボランティアと一丸となって活躍していただきまして、ラグビーワールドカップでのボランティアの経験を二〇二〇年大会につなげてまいります。
 例えば、ラグビーワールドカップで活躍したボランティアが、そこで得た知識、経験、これを研修を通じまして他のボランティアに共有いたしますなど、都市ボランティア全体のレベルアップを図ってまいります。
 ラグビーワールドカップにおけます都市ボランティアの活動実績や運営状況を検証いたしまして、二〇二〇年大会における都市ボランティアの運営に反映させるなど、ラグビーワールドカップにおける経験を生かしてまいります。

○山口委員 漠然とボランティアを募集していくというよりも、すばらしい答弁だと思うんです。今お話をいただいたところまで、募集の段階からしっかりと、お手伝いをいただく皆さんにどのように伝えていくのか、都の意図しているところをどのように伝えていくのかということが僕は大切なことだと思います。
 また、オリンピック・パラリンピックのときには、九万人という方々にいずれかの形で参加をしていただくことになります。これはもう大変なことだと思いますし、その熱い思いや行動力、そして、そのおもてなしの心や精神、これこそが何よりも東京にとって大切なレガシーになると私は思うんです。
 そういった意味も込めて、二〇二〇年がゴールではなくて、その先、これだけの方々が東京のため、日本のため、世界の皆様をお迎えするために、しっかりと集まってくださるわけでありますから、ぜひいい仕組みをこの機会にしっかり構築していただいて、それを今後、しっかり東京都に残していけるように努めていただきたいと要望しておきたいと思います。
 さて、続けて、有明アリーナの管理運営についても幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。
 三十二年夏の二〇二〇年大会に向けて、さまざま急ピッチで進めていかなければならないところでありますが、中でも新設をされる施設については、当然さまざまな意味で今後も注目が集まってくるところでございます。
 さて、この国際基準を満たしたアリーナスポーツ開催可能な施設設備は、我が国においても実に限られており、とりわけ、この一万二千人から一万五千人を収容する観客席数、クラスSといわれる大規模なアリーナとなると、世界でも本当にわずかしかこれまでなかったわけであります。
 私自身も世田谷区のバレーボール連盟の会長を務めさせていただいているところもあり、大変注目をしているところであります。また、東京に有明アリーナができることを本当にうれしく思っている、待ち望んでいる一人でもあるわけであります。
 さて、その期待高まる有明アリーナなわけでありますが、これからとりわけ急ピッチで行われることになるわけであります。その運営権者の設定手続を見てみますと、有明アリーナの運営事業者は、平成三十一年三月に管理運営に関する実施契約を締結する予定でありますが、施設が竣工する平成三十一年十二月まで、わずか九カ月しかありません。十分な準備ができるのかという懸念を感じざるを得ないわけであります。
 また、後利用として、国際大会等のスポーツ大会やコンサート等のイベントを大会後すぐに開催をするためには、早期からの誘致活動や予約調整を進める必要があると考えるわけであります。
 運営事業者は、一体いつからどのような準備を行うことが許されるのか、できるのか、また、準備のための時間が十分にとれるのか、都の考え方を伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明アリーナの運営事業者につきましては、平成三十年十一月に候補者を選定し、三十一年三月に実施契約を締結する予定でございますが、実施契約締結までには、運営主体となる特別目的会社が組成され体制が整うことから、三十一年十二月の施設竣工までに東京二〇二〇大会時の管理運営に向けた準備を進めることは可能であると考えております。
 また、コンセッション方式に基づく本格的な施設運営は、平成三十二年の大会終了後、仮設施設の撤去や改修工事等が終了してからになります。一方、スポーツ大会やコンサート等の誘致活動や予約受け付けは、実施契約を締結する平成三十一年三月から可能になるため、おおむね二年程度の期間が確保され、大会後を見据えた十分な準備活動が可能であると考えております。

○山口委員 大会中は、都や組織委員会と連携をしながら、大会実施に支障がないよう施設の維持管理をしっかりと行っていかなければならないわけであります。
 また、大会前にはテストイベントも予定されていることから、運営事業者は大会前に組織委員会が行う仮設整備の調整なども滞りなく進めていく必要があるわけであります。
 大会前及び大会中の期間、都と運営権者の役割分担をどのようにしていくのか、都がどのように関与をしていくのか、改めてお伺いをしたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明アリーナの管理運営者を大会前に選定する理由の一つは、施設の竣工から大会までの維持管理を一貫して行い、大会準備と大会運営に備えることでございます。
 そのため、大会前や大会中の期間、運営者は都の指示のもと、組織委員会と連携し、東京二〇二〇大会の円滑な運営に協力すべきことを今回取りまとめました基本的考え方にも盛り込んでおります。
 都と運営権者との役割分担につきましては、今後実施するヒアリングの結果も踏まえ、実施方針の策定に向け適切に整理を行い、大会組織委員会と緊密に連携しながら、大会やテストイベントの円滑な実施に万全を期してまいります。

○山口委員 今、二問質問させていただいたわけでありますが、運営権者の選定の手続、本当に期間が限られていて、新たに設けられるこのコンセッション方式も、全く今のところ経験においても、どのように生かされていくのかというなかなか難しいところもあると思いますし、運営権対価や、対価ばかりではなくてリスクの部分においても本当に大丈夫なのかというのを、受ける事業者側も探り探りやるようなことがあってはならないわけであります。何があっても、大会の開催に当たって支障があってはならないわけでありますし、その後二十五年間ということにおいて安心して受けられる、または安心して預けられる民間事業者を選定していかなければならないわけでもあります。
 そんな中で考えていけば、本来であれば、公設公営でしばらくの期間を置くであるとか、例えば指定管理でやって、その後民営化をするとか、そういう期間が設けられればいいんでしょうが、与えられた期間はわずかこの期間しかない。その中で決定をしていくということ、この責任は東京都においても大変重いんだということを重々理解をしていただいて、業者の選定含めてさまざまにしっかりと目を向けていただくように強く要望させていただきたいと思います。
 全く新しいこれまでにない方式によって管理運営を行うわけでありますから、慎重に、迅速に一つ一つ重ねていただきたいという質問をさせていただいたところでありますが、最後にもう一点、この有明アリーナは、東京の新たなスポーツ、文化の拠点として位置づけられ、大規模スポーツ大会やコンサート等のイベントを開催していくと位置づけられております。
 一方で、大会会場となった施設として、スポーツのレガシーを確実に残していく必要があるわけでありますが、この有明アリーナでは、都民のスポーツ利用をどのように確保していくのか、改めてお伺いしたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 メーンアリーナでは、一定程度のスポーツ利用を確保することとしており、国際大会等のトップレベルのスポーツ大会を開催して、都民に質の高いスポーツ観戦機会を提供することにより、都民のいわゆる見るスポーツを振興するとともに、スポーツムーブメントを創出してまいります。
 一方、サブアリーナは都民のスポーツ利用に配慮することとしており、アマチュアのスポーツ大会や練習利用、スポーツ教室など、都民のスポーツ活動実践の場としても活用していきます。
 さらに、広く都民が利用可能なジム、スタジオなどの設置も検討しており、今後、施設の具体的な活用方法をさらに検討し、施設全体として都民のスポーツ利用を確保してまいります。

○山口委員 世界でオリンピック後のレガシーとして、例えばロンドンのThe O2もそうですし、ボストンにありますTDガーデンもそうですけれども、十分に活用されている施設もあるわけであります。
 こういった事例も十分に参考にしながら、国内には、あいにくそういった大規模な施設で参考になるものはなかなかないかもしれませんが、間違いなくこの有明は、東京が発信をしていく世界に誇れる施設になっていくものだろうと私たちも確信をしておりますから、それゆえに、しっかりと一つ一つの計画というものを明らかにしていただき、そして、過程というものもしっかりと明らかにしていただくことで、都民の皆様も安心して使える施設に、そして世界の方々を安心して迎えられる施設にしていただくように強く要望しておきたいと思います。
 であるが一方、今質問させていただいたように、有明アリーナは都民の施設であるという基本、この基本をスポーツを愛する都民の皆様が実感できるようにしていくことこそが、都民への理解、ここに結びつく最大の私は要因だと思っております。どうかこの大切なところを、この視点を大切にしていただきながら、さまざまな施策を一つ一つ丁寧に進めていただくように要望して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○両角委員 私からも、有明アリーナの管理運営に関する考え方について質問をさせていただきたいと思います。
 私は、今、行政のやり方として、やはり民間の創意工夫や活力を最大限に生かしていくということは当たり前ではないか、このように思っておりまして、そういった視点からの質問をさせていただきたいと思います。
 コンセッション方式につきましては、平成二十三年、PFI法の改正により導入をされた比較的新しい管理運営手法ということで理解をしておりますけれども、先ほど来ご質問の中で、そのメリットについては、民間事業者が創意工夫を生かして柔軟な運営を安定的に行うことができる、あるいは、利用者ニーズを反映した質の高いサービスが可能である、さらには、この運営権を担保にして資金調達をすることによって追加投資が促されて、より現実対応した、よりすばらしいサービスができる、そんな余地があると、そんな説明をいただいたわけであります。
 本年四月に発表された新規恒久施設の施設運営計画、都が整備をしている新規恒久施設六施設について、今後運営をどういうふうにしていくかということの方向性が示されているわけでございます。その中で、この有明アリーナにつきましては、コンセッション方式を採用する方式が示されていて、他の全ての施設については、指定管理をするという方向性が示されていますけれども、それだけメリットがある方法であれば、他の施設もコンセッション方式というのを採用できないのかなとも思うわけでありますが、その可能性について、まずは伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明アリーナは、都民のスポーツ活動だけでなく、スポーツ観戦やコンサート等エンターテインメントの場としても活用を図るという施設の特性を踏まえまして、民間の創意工夫を最大限に生かした施設運営を可能とするコンセッション方式の導入に向けた具体的な検討を進めているところでございます。
 一方、オリンピックアクアティクスセンター等のほかの五施設は、さまざまな国際、国内のスポーツ大会の開催や、アマチュアスポーツ団体の利用のほか、都民のスポーツ体験やレクリエーションでの利用など、都のスポーツ振興施策の拠点として活用することとし、指定管理者制度を中心に検討していくというふうにしたところでございます。

○両角委員 今ご答弁いただきましたけれども、有明アリーナについては施設内容等々、ポテンシャルが高いというふうに理解をさせていただきました。他の施設については、いろいろご説明いただきましたが、余地が少ないというふうに理解をいたしました。
 今回定例会で、武蔵野の森総合スポーツプラザ、これについて指定管理の議案が出てくるようでありますけれども、こちらなんかも本当はそういう余地が大きいんではないかなというふうに個人的には感じているところでございます。
 次に、この有明アリーナのコンセッション方式の導入に至る経緯について何点か確認をさせていただきたいと思いますけれども、この導入の経緯については、都庁内ではいかなるプロセスを踏んできたのかということをご説明いただきたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 平成二十六年十二月に新規恒久施設等の後利用に関するアドバイザリー会議を設置いたしまして、外部有識者や民間事業者の意見も聞きながら後利用について検討し、その中でコンセッションについても意見をいただいてまいりました。
 平成二十七年六月公表の新規恒久施設に係る後利用の方向性では、官民連携手法等の民間を活用した最適な運営方法を検討することとし、コンセッションについても選択肢の一つとして検討を進めてまいりました。
 その後、平成二十八年十二月十六日に知事が、総合的な判断として有明アリーナの新設を表明し、同時に官から民への視点から、有明アリーナについてコンセッション方式の導入に向けた検討を始めることを明らかにいたしました。
 本年四月には、新規恒久施設の施設運営計画を公表し、民間の力を最大限活用したコンセッション方式の導入に向けて具体的な検討を進めているところでございます。

○両角委員 アドバイザリー会議での意見、あるいは知事の記者会見に至るわけですけれども、その前にも当然、行政の内部で、こういう手法があるわけですから、調査研究を進めてこられたんだと思うんですね。それが先ほど来の議論の中で誤解が生じている部分ではないかなと思いますけれども、そういうことも含めて、本格的なコンセッション方式の採用について、知事が本格的に検討するということを発表したというふうに理解をさせていただきたいと思います。
 その上で、こういった議論を通じて、ではどのような意見が表明をされて、そして、どんな理由によってこの方式を採用するということになったのかを伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 アドバイザリー会議では、官民連携手法などの民間の活用や、周辺施設との連携や面的な広がりのあるレガシーを検討することが必要などの意見をいただき、都として、施設の管理運営手法を検討してまいりました。
 その後、同会議では、コンセッション方式の導入に関して、大会終了後に民間の追加投資を呼び込むためにも、官民の新たな連携方法を構築することや、追加投資を事業者選定の際に評価項目に含めることが必要であるとの意見がございました。
 さらに、民間シンクタンクによる調査分析の結果から、コンセッション方式の実現性が高く、スポーツやエンターテインメント等の多様な活用を図るという施設の特性を最大限引き出せる管理運営手法として、コンセッションが適当との結論に至り、現在、導入に向けた具体的な手続を進めているところでございます。

○両角委員 今ご説明をいただきまして、私の感想としては、この意見、議論の中で、より踏み込んだ積極的な意見が出されていたというふうに感じました。特にこの手法の特性からいって、追加投資を呼び込んで、さらにそのお金を生かして、創意工夫に応じた施設によりよいものにしていく、ハードの面もということが、このコンセッション手法の一つの特徴なんだろうというふうに思います。そして、そういう意見が出ていたと。
 すなわち、先ほど来議論がありましたが、オリンピック仕様を満たしていなくてはいけないと。しかしながら、もともと長期で運営をするに当たっては、新しい追加投資をして、その運営の事業主体が施設の内容をハード面についても手を加えていくということを想定しているんだと、そのことが重要なんだということを確認させていただきたいと思います。
 次に、コンセッション方式そのものについて、ちょっと制度内容について何点か伺いたいと思うんですが、先ほど他の委員からの質問の中で、このコンセッション方式については幾つか事例があるということでありますが、現時点で、但馬空港や仙台空港、空港事業を実施しているところ、あるいは、これは愛知県の道路公社でありますが、道路事業、こういったインフラの管理運営をコンセッション方式を通じて実際に行われているのが現時点で四件ということを今確認しております。
 その上で、これから、このコンセッションを導入する準備段階のものが文教施設、あるいは横浜のMICE施設等が五件ぐらいあるということでございますが、そうした中で、このスポーツアリーナでの導入実績については、現時点でどうなのか再確認をさせていただきたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 現在のところ、スポーツアリーナ施設における導入事例はございませんが、内閣府のPPP・PFI推進アクションプランでは重点分野を設定し、スポーツ施設や文化施設などの文教施設へのコンセッション導入を促進しております。
 また、現在、複数のスポーツ施設においてもコンセッション導入の可能性についての検討が進められていると聞いております。

○両角委員 今、国の方ではアクションプログラムというのをつくって、できるだけ民の力を生かして、こういった施設管理運営をやっていこうという方向が示されていて、私は、これは正しい方向だというふうに思っております。
 そして、それに合致した事業の一つであるというふうに今回の事業を認識しているわけでございますが、しかしながら、スポーツアリーナ分野では、検討しているところはあるけれども、まだ導入をしているところはないということでございまして、東京都のコンセッション方式を導入しようとするこの有明アリーナの事例というのは、まさに先陣を切っている取り組みであるということを確認させていただきたいと思います。
 その上で、このコンセッション方式そのものは、例えば二十五年という今回の設定期間を考えれば、市場動向がどうなっていくんだろう、集客の見込みというのをどのように把握をするのかというような面、あるいは、具体的にそれを仕組み、文書に落とし込んでいく法的なスキームの詰めなど、これまで行政内部の知恵、経験では及ばないような専門知識が必要になってくるのではないか、このように思うわけでございますが、コンセッション方式採用に向けてのアドバイザー体制がどのようになっているのか伺いたいと思います。あわせて、都に対する国の支援状況をお聞きします。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 コンセッション導入の検討に当たりましては、法制度や手続の確認、民間事業者とのヒアリングを積み重ねる中での条件整理、運営権対価等の考え方の整理、財産の取り扱いなど、さまざまな専門的な知識が必要でございます。
 昨年度は、管理運営における事業手法等の調査業務を株式会社三菱総合研究所に委託し、他施設の実施事例や有明アリーナでの実現可能性等について、専門的知見をもとに検討いたしました。
 今年度は、PFI事業に知見を有するシンクタンクの専門知識を活用するため、本年六月からコンセッション方式での管理運営に向けた、アドバイザリー業務をみずほ総合研究所株式会社に委託しております。
 また、実施方針等の検討に当たりましては、内閣府PFI推進室等へ制度の解釈、運用などに関する意見照会等を行い、適宜助言を得ております。

○両角委員 こういった専門シンクタンクの知見をやはり活用しないと、この事業導入はなかなかおぼつかないということだと思いますが、この三菱総研の委託については、平成二十八年七月から本年三月までの事業期間で委託をしているようでありますが、これ自体は幾つかの、六つの施設なんでしょうか、施設に当たって事業手法がどういうものがふさわしいかということを検討した、あるいは、有明アリーナでアドバイザリー会議でもコンセッションというのもありますよという声が出たので、適用が実際にどのくらいの可能性があるのかということを当たりをつけたというか、そういう調査をした、そんなようなことでよろしいんでしょうか。
 確認をしたいと思いますし、その上で、みずほ総研の調査については、具体的なコンセッション方式の導入ということを踏まえて、その業務に対するアドバイスをもらっていると、このように理解をしているんですが、こんなことでよろしいんでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 ただいまお話のあったとおりというふうに考えてございます。

○両角委員 であれば、先ほど来ちょっと議論があって、知事が決定をする前に委託をかけているんじゃないか、ということは、これは行政内部の広い検討の調査研究の一環であると、そのように考えるべきではないか、このように私は思います。
 その上で今度、コンセッション方式そのものでございますが、制度導入の事例もまだ少ないと。運営案件は四件であるということでありますし、ですから、実際の制度そのものに不確実性が内在して、まだそれが顕在化していないんではないか、このように思うわけでありますけれども、そうした中で、例えば、この決定をした事業者が、その直後、あるいは運営期間中に、さまざまな理由から途中で撤退をするような、そのような事態はどうしても避けなくてはならないと思います。
 そこで、これら事業者決定の直前直後や、あるいは事業の中途期間中の撤退といったリスクがあると思いますが、これらのリスクへの対処についてどのようにお考えか、伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 コンセッションは、長期にわたる契約であることから、民間事業者の事業計画や体制、資金調達などについて十分な調査検証を行うことが必要と考えております。
 例えば、事業者撤退等のリスクを軽減するため、運営事業者の選定時において、事業者の運営状況や収支計画の実現可能性などについて、専門家による評価を行うことを検討しております。
 また、中途撤退の場合でも、事業継続が可能となるよう、契約時に事業引き継ぎや損害賠償等の規定について詳細に検討するとともに、運営権者の経営状況を確認するモニタリングを継続的に行うなど、適切なリスク管理に努めてまいります。

○両角委員 事前のチェック、評価等を徹底してやるということが一点、あるいは事業がスタートした後のモニタリング等を継続的に行っていくというご答弁でございましたが、今回の案件等は、事業規模が大変大きいわけですね。そして、例えば先ほどの中途で、どうしても運営がストップしてしまうような事態というのは、大変大きな影響を都民生活にも与えてしまうということで、最悪を想定した対策、研究を進めて徹底をしていただきたいと、徹底したリスク管理を要望したいと思います。
 続きまして、この制度の肝の部分だと思いますけれども、運営権について伺いたいと思いますが、民間の創意工夫を引き出して、そしてその活力、創意や工夫、アイデアを生かした施設の管理運営をしていこうというのがこの制度でありますから、そのためには、多くの企業、あるいは企業グループに参入をしていただくという必要があろうかと思います。
 そのときに考えなくてはいけないのは、例えば、運営権額が高額であれば、これは高いお金を払って企業が参入をしなくてはいけないということで、企業の参入のインセンティブが減ってしまうということであります。しかしながら、一方で、運営権価格を低く設定するということになってしまえば、余りにも低く設定をするということになれば、事例はいいかわかりませんが、森友学園の例のように、評価額より何億円引きみたいな設定をしてしまえば、都民財産の毀損ということにも通じかねないわけであります。
 ということで、事業の見通しとバランスということが非常に重要になるわけでありますが、こうしたリスクヘッジするためには、運営開始後の状況に応じて、契約内容を柔軟に見直すなどのそういった条項が必要ではないかなと思うわけでありますけれども、見解を伺います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 運営事業者の選定方法などにつきましては、これから検討していくということになりますが、検討に当たりましては、専門家を含めた選定委員会を設置し、事業計画の実現性や収支計画等について総合的に評価し、その中で運営権対価等の妥当性を判断する仕組みを検討してまいります。
 契約内容の詳細につきましては、今後の検討ということになりますが、急激な社会情勢等の変化等に対応していくことは重要でありまして、運営開始から一定期間経過後に、都と運営権者にて利用条件等に関する協議の機会を設けることなども含めて考えてまいります。

○両角委員 二十年以上先の長期の将来までなかなか見通せないわけでありますから、それは都庁サイドもそうですし、事業参入した企業サイドもそうであります。
 それで、今ご答弁で協議機会を設けていくということでありました。そういうことなんですが、どの範疇まで協議の対象にするかということが大きな要素になるわけであります。
 難しい問題だと思いますけれども、見通しが狂ったときに対応ができて、双方が東京都としても問題がなく、このままやってもらってハッピーであると、事業者としてもハッピーであるという状況をつくっていけるような、そういう余地を持っていくのが私は必要だと思いますので、今後の研究の課題にしていただきたい、このように思います。
 引き続いて、現在の取り組み状況と見込みということについて伺いたいと思います。
 現在、二回目の事業者ヒアリングがまさに実施をされているということでございますが、導入に向けてのスケジュールというのが、業務量もどうも膨大であるようで、スケジュールはタイトかなというふうに感じるわけでもありますけれども、二〇二〇年大会まで三年を切った今、この準備手続は順調にいっているということでよろしいか伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 コンセッション導入の先行事例のスケジュールなども参考にいたしまして、東京二〇二〇大会の前年までに運営権者を選定できるよう計画的に準備を進めております。今後、都議会や民間事業者からの意見も伺いながら、実施方針条例を制定し、着実に準備を進めてまいります。

○両角委員 計画的に進んで問題がないというようなご答弁でありましたが、この事業そのものが、先ほど来何度か触れていますけれども、民間のアイデアを生かすということですね。行政が公の施設を直営でやるという考えもありますけれども、大きな複合的な施設であったりする場合に、それを行政の皆さんがどこまで知恵を出して、いろんな興行を引っ張ったり、あるいはお客さんに来ていただいたりというのができるかというと、私はそれは不十分であり、やはり民間のノウハウや創意工夫のアイデアを徹底的に生かしていくべきだ、このように思うわけであります。そのためには、やはり参入希望者が少数であれば、当然競争が限られてしまうということでありますから、民間の創意工夫を十分に生かすためには、その最低条件であるアイデアが競える、参入者の競争が働くような数が、十分な参入者を確保するということが重要だと思います。
 そこで、今、計画どおり着々と進めていらっしゃるコンセッション事業の導入なんですけれども、今ここまで進めてきて、競争性が働くような事業者の確保が十分できるのかということについて伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明アリーナは都心に近接する都内最大規模のアリーナ施設であり、複数の鉄道路線やバス等の利用により、東京駅や羽田空港等の交通ターミナルからのアクセスが可能であるなど、大きなポテンシャルを持っております。
 また、ヒアリングには多数の民間事業者が応募しておりまして、有明アリーナの管理運営に意欲を有する事業者は相当数見込めると考えております。
 今後もヒアリング等を通じて、民間の意見を聞きながら実施方針を定め、多くの民間事業者に応募していただけるよう取り組んでまいります。

○両角委員 相当数見込めるのではないかというお話でございましたが、先ほど我が会派の伊藤委員からも、アクセスについて問題提起と提案があったわけでありますけれども、これからこの地域については、今想定されているのは二十五年の運営期間ということのようであります。そしてさらに、あそこはまさにスポーツ、文化のメッカのような場所として、十年後、あるいは五年後、だんだん発展していくんだというイメージを持っているわけでありますから、そのための基本条件として、さらなる交通アクセス、その改善もやはり必要ではないかと思いますので、そういったことも競争性を確保する一つの環境整備の一環として、他の局とも連携をして取り組んでいただくように要望をさせていただきたいと思います。
 このコンセッション事業をアリーナ経営に入れていくということは、他の自治体も今やっているところもあるようでありますけれども、先陣を切っていっている、そんな取り組みであろうと思います。大げさにいえば、皆さんはフロンティアに挑戦をしているんだというふうに思うわけでありますが、東京都自体が、長い都政の歴史の中でいろんな政策に先導的に取り組んで、首都自治体、そして全国のトップの自治体として、その後に続く自治体に大きな影響を与えてきたという歴史があります。
 そういったことを考えれば、私はこの事業をしっかり成功させて、そして、後に続く自治体、あるいは国の機関に対して、こういった事業で民間の活力を生かすことによって、これだけ魅力的なものができ、そのことによって収益も都にも上がるんだということを体現していく、そんな使命が東京都にはあるというふうに考えてもいるわけでございます。
 そこで、最後に局長にお伺いをしたいと思いますけれども、今のような考えを私、持っておりますけれども、民間事業者の創意工夫を生かして、この制度のメリットを十分に引き出した施設運営を成功させて、有明地区が東京、さらには日本を代表するスポーツ、文化エリアとして発展することを期待するものでありますけれども、本事業の局長の決意を伺いたいと思います。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 有明アリーナは、東京の新たなスポーツ、文化の発信拠点として、大会後も都民、国民に親しまれ、末永く有効活用される施設としていくことが何よりも重要であるというふうに認識をしております。
 このため、国内外のスポーツ大会や文化イベント等を開催し、多くの人々が集う魅力ある施設とするとともに、近隣のスポーツ施設や民間開発による商業施設などとも連携をして、有明アリーナを核とした有明レガシーエリア全体のにぎわいを創出して、地域の価値を高めていく存在としていきたいというふうに考えております。
 問題は、それをどう実現していくかということだと思います。両角理事から先ほどご指摘いただきましたように、この間どういう手法がより有効なのか、そういったさまざまな議論を深めていく中で、最終的に知事から、点から面へ、コストから将来の投資へ、官から民へということで、コンセッション方式の導入の方向性となったところでございます。
 そのため、施設の管理運営につきましては、今後、コンセッション方式の導入に向けました具体的な検討をさらに進めまして、民間の力を積極的に活用して、施設のポテンシャルを最大限引き出しまして、時代のニーズに合ったスポーツやエンターテインメント等のコンテンツを常に発信し続けられる、世界に誇るアリーナとしていくように取り組んでまいりたいと考えております。

○加藤委員 初めに、有明アリーナの管理運営に関する基本的考え方について若干質問をいたします。
 有明アリーナは、都が約三百四十億円を投じて整備する施設であり、その利益は民間事業者だけが利益を得るのではなく、都民に還元されるものでなければなりません。
 ちなみに、私の地元墨田区にある墨田区総合体育館が平成二十二年にPFI方式で建てかえとなり、広大なメーンアリーナを擁するすばらしい体育館に生まれ変わりました。区議の方にお聞きしたところ、建設費約百四十億円と、指定管理者制度で毎年の運営費用を二十年間の分割で年間七億円ぐらいを区が民間事業者に支払っていると伺いました。
 有明アリーナは、都が約三百四十億円を投じて建設し、そして大規模改修も都がみずから行うということで、本当に財政力の差というものを感じているんですけれども、その分、決して無駄にならないようにしなければならないと思います。
 この有明アリーナは屋内施設でありますので、天候に左右されず、コンサート等の開催も可能で、黒字が見込まれていますが、先ほどやりとりで約三・六億円という話がありましたけれども、都と運営権者がその利益を分配し、都民のメリットとして還元することが重要であると考えます。まず、この点について見解を伺います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 コンセッションにより運営権者から都に支払われる運営権対価等については、運営期間中、金額が変わらない固定部分と運営権等の利益に連動する変動部分から構成することを考えております。
 固定部分に加え変動部分については、毎年の利益に応じてそれを分配するプロフィットシェアの仕組みを導入し、都と運営権者による最適な配分の仕組みを検討してまいります。
 コンセッションの導入により、民間のノウハウと創意工夫を最大限に生かすことにより、施設の収益性を高め、都民の利益を最大化できるよう取り組んでまいります。

○加藤委員 有明アリーナの周辺は、東京二〇二〇大会のレガシーを引き継ぐ有明レガシーエリアとして、スポーツや文化等によるにぎわいを創出するとしております。
 有明アリーナを管理する事業者は、コンセッションによる管理運営において、このエリアの発展にどのように貢献するのか、この考えを伺います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 有明アリーナは、国際大会など大規模なスポーツ大会やコンサート等のイベント開催により、年間百四十万人の来場者を目指す、東京の新たなスポーツ文化の拠点となる施設でございます。
 また、周辺の有明テニスの森や大会後に展示場として活用する有明体操競技場、民間開発の商業施設等と連携して、地域にスポーツやイベントを呼び込み、有明レガシーエリアの核として、地域ににぎわいをもたらす施設としてまいります。
 運営権者は、こうした有明アリーナの運営を担い、レガシーエリアの発展に貢献することが求められております。
 このため、現在、民間事業者とのヒアリングにおいて、周辺施設と連携した取り組み等についてもアイデアや意見を聞いているほか、今回取りまとめました基本的考え方においても、有明レガシーエリアや周辺地域のにぎわいづくりに貢献することを施設運営の目的と位置づけております。

○加藤委員 今ご答弁いただいたように、単に施設を運営するだけでなく、二〇二〇大会のレガシーエリアの中核として存在していかなければなりませんから、非常に大きな役割があると思います。来年十一月が候補者の選定という予定ですけれども、ぜひ最適な運営権者が決まることを期待しております。
 次に、共同実施事業管理委員会についてでありますが、今月七日に東京都、国、組織委員会の三者が第一回共同実施事業管理委員会を開催しました。この委員会は、都や国などの関係者からの資金を使用して実施する事業を共同実施事業として、この事業を適切に遂行し、管理するために設置したとお聞きしました。
 今後、大会準備がさらに本格化するとともに、大会まで三年を切る中で、時間との勝負という面が出てくるのは否めませんが、こうした中にあっても、この管理委員会を通じて、都の資金がきちんと使われているかを確認するとともに、我が党がかねてから指摘しておりますリデュース、リユース、リサイクルのいわゆる3Rの視点も含め、もったいないの精神を貫きながら経費抑制を図るべきであると考えます。
 そこで、共同実施事業管理委員会において、どのように取り組んでいくのか伺います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会は、共同実施事業に係るコスト縮減等の各種の取り組みを促進したり、公費の充当に当たりまして、必要な協議や調整を行うこととしております。
 また、毎年度、共同実施事業の実施状況を確認し、適切な執行を推進してまいります。
 さらに、競技会場を含む当該地域内の共同実施事業の具体につきましては、本委員会のもとに都道県ごとに設置いたします自治体作業部会におきまして、事案に即した協議や調整を行ってまいります。
 本業務に当たりましては、経費の削減はもとより、例えば仮設施設について再利用したり、再資源化したりするなど、資源の有効活用を図る観点からも取り組んでまいります。

○加藤委員 公明党は、第二回定例会の代表質問でも、今ご答弁いただいた点を指摘させていただきました。環境先進都市を内外にアピールできる取り組みに期待して、質問を終わります。

○吉原委員 それでは、私の方から、ラグビーのテストマッチについて、数点お尋ねをさせていただきたいと思います。
 もう二〇一九年の本大会まで二年を切ったわけでございまして、これからしっかりと関係者の皆さんと議論をしながら、そしてまた、鉄道や、あるいは公共機関の皆さんとも議論をしながら、早い段階の中で見通しがつくような形をつくっていきたいというふうに思っています。
 特に東京スタジアムは、これから改修に入るわけでして、いろんな課題もあるんだろうと思います。そのことをしっかりと見きわめながら、前に進めていただきたいことをまずお願い申し上げたいというふうに思っています。
 昨年の六月、テストマッチ、東京スタジアムで一回目がございました。昨年はスコットランド戦でございましたけれども、ことしも六月二十四日、東京スタジアムでアイルランドの選手の皆さんと日本ナショナルチームが戦ったわけでございます。
 結果的には、大変厳しい結果で勝利できなかったわけでありますけれども、しかしながら、日本のナショナルチームも二〇一五年のイングランド大会、大きな活躍をいただいて、日本中を驚かせていただきましたし、世界中のファンも驚いたような試合を見せていただいたわけで、これからが楽しみだなというふうに思っているさなかでございました。
 しかしながら、ことしの六月二十四日、都議会議員の選挙の真っただ中でございまして、多分、きょう出席をされている委員の皆さん誰一人として、あの東京スタジアムに行った方はおられないと思いますけれども、委員長は近いから行かれたかどうかわかりませんが、そういった中で、二年連続で東京スタジアムでこうしたテストマッチを開催していただいたということについては、一九年に向けて大変大きな弾みになったんだろうと思います。
 そんな中で、我々は選挙中で、先ほど申し上げたとおり、見に行くこともできなかったわけでありますけれども、潮田局長、八月に着任したばかりでございますから、見に行ったのかどうなのか、よく存じ上げておりませんけれども、六月二十四日、局長は行かれましたか。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 残念ながら、観戦をしてございません。当時の局長、次長、それから全ての理事級職員初め多くの局幹部が、当日、スタジアムで今回の六月二十四日のテストマッチを観戦したというふうに聞いております。
 国を代表する選手がその国の威信をかけてお互いに激しくぶつかり合う、そういった姿を目の当たりにして、その迫力に非常に圧倒されたということをいう職員も多かったようでございます。
 ファンゾーンも多くのラグビーファンがお越しいただいて、楽しんでいたというふうにも聞いております。
 私自身も、今後さまざまな機会を捉えまして、スタジアムで観戦をして、その熱気を直接体感したいというふうに思っておりますのと、周辺でまたファンゾーンですとか、そういったもので開催されるイベント等にも参加をしてみたいというふうに楽しみに思っております。

○吉原委員 ぜひ二〇一九大会は責任ある立場ですから、余り観戦だというような悠長な気持ちで迎えるわけにはいかないと思いますけれども、それまでに国内にあっても、トップリーグの試合がたくさんあるのだろうと思います。
 私、地元町田でありますけれども、町田にもキヤノンイーグルスというトップリーグのチームがございますし、三多摩にも東京スタジアムの近辺、府中であったり武蔵野であったり、サントリーだとか東芝のトップリーグに所属をしているチームがあるわけで、そうした試合がございますので、ぜひまたそんな機会を捉えて、局長もファンの一人として、そうしたトップリーグの試合をぜひ見ていただいて、二〇一九年の大会を多くの皆さんに盛り上げていただく、その原動力の一人として、ファンの代表的な一人として見ていただきたいなというふうに思っています。
 話は変わりますけれども、私も二〇一五年のイングランド大会、仲間と一緒に視察に伺いました。ちょうど大会開催中の準決勝のときであったわけでありますけれども、試合も見させていただきましたし、どういう観客の皆さんが世界中からお越しをいただいているのかというのもかいま見させていただきました。
 加えて、輸送の問題だとか、あるいはファンゾーンがどういうものなのかとか、大会運営がどういうふうな形でワールドカップを迎えるまでに至ったかと、さまざまな関係者のそうしたヒアリングもいただきながら、何としても一九年の日本大会は成功に導きたい、そんな思いを持っていた一人でもございます。
 そうした中にあって、ちょうどあのイングランドの大会はトゥイッケナムというスタジアムでございましたけれども、交通制限もございまして、我々バスでその会場まで行ったわけでありますけれども、その交通アクセスというものが非常に大切だなという実感を持って帰ってきました。
 そういう意味では、この二回のテストマッチの中で、交通アクセスというものは、あの地域にとっては大変重要だなと思っておりますので、今回のテストマッチでの交通アクセスの状況についてお尋ねをしたいと思います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 今回のテストマッチでは、アクセスルートの分散を図るため、複数のルートについて、都はもとより、日本ラグビーフットボール協会や東京スタジアムの協力も得て、ホームページや印刷物などを活用した積極的な周知を実施いたしました。
 シャトルバスについては、昨年は武蔵境駅、調布駅、狛江駅の三系統を復路のみ運行いたしましたが、今回は往路でも西武多摩川線多磨駅を加えた四系統を運行いたしました。さらに、復路も武蔵小金井駅を加えた五系統を運行し、拡充いたしました。
 鉄道事業者の協力のもと、昨年に続き、試合開始前と終了後の時間帯に京王線飛田給駅の特急、準特急の臨時停車を実施いたしました。
 シャトルバス、鉄道とも円滑に運行され、飛田給駅周辺においても大きな混乱は見られない状況でございました。

○吉原委員 お疲れさまでした。私、ことしは見ていないので、今のご報告をいただきますと、昨年課題となっていた交通アクセスの問題については、特に京王線は、昨年は人身事故がございまして、大変な混雑でございました。
 その分、片道しかなかったものが、今回については両方とも通したし、一系統もふやしていただいた、こういうことでございますので、鉄道会社の皆さん、あるいはバス会社の皆さんとの密な打ち合わせや協力をいただいたおかげで前に進むことができたんだろうなと思います。
 しかしながら、公共交通機関も、いつ何どきどんなことがあるかわかりませんので、そうしたときに備えられるような環境づくりというものが必要だと思っていますから、これからも引き続き、そうした公共交通の関係機関と密な連絡をとりながら、そして、日々の連絡の連携というものをぜひ構築、さらにつくっていっていただきたいなというふうに思っています。
 次に、周辺の道路のことについてちょっとお尋ねしたいんですけれども、東京スタジアムというのは、ご案内のとおり国道二〇号線があります。それに並行して、京王電鉄の線路がございます。さらには、ちょっと離れていますけど、西武線の方もあったりして、上は高速道路、中央道の調布インターも至近にあるわけでございまして、大変そうした交通の幹線の至近距離にありまして、通ったことのある方はご案内だと思いますけれども、ふだんのときでもあの近辺というのは、二〇号線道路そのものが混雑している、渋滞をしていることが結構多いんです。
 こうした催し物があるときには特にそうだろうと思いますし、一昨年のテストマッチでも渋滞をしていたという報告もいただきましたし、実際に混んでもおりました。
 そういう意味で、ことしの周辺の道路の状況、さらには二〇一九年に向けて、どんな取り組みをなされるのかお尋ねをしたいと思います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 当日の甲州街道は、試合開始前に目立った渋滞は発生しておりませんでしたが、試合終了後には、新宿方面でスタジアム東側の上石原交差点を先頭に若干の渋滞が発生しておりました。
 二〇一九年大会では、より多くの大会関係車両の来場が見込まれるため、円滑な車両通行の確保に向け、実効性ある対策を複合的に実施していくことが必要でございます。
 例えば、大会関係車両の通行ルート、時間帯の分散や台数抑制、シャトルバスを含む公共交通機関による来場の徹底、事前周知による通過交通量の縮減等が考えられます。
 今後も引き続き、交通事業者や関係自治体等で構成する東京スタジアムの会場周辺及びアクセス検討プロジェクトチームにおいて検討を重ね、対策の具体化を図り、今年度末に策定予定の交通輸送の計画に反映させてまいります。

○吉原委員 ぜひまた検討を重ねていただいて、プロジェクトチーム、ぜひ前に進められるような、そうした案をしっかりと練っていただきたいと思います。
 これはオリ・パラ局の皆さんだけではなくて、やっぱり建設局や都市整備局、そういった東京都の中にあっても、横断的な連携をとっていかないとなかなか難しいことだろうと思っておりますので、そうした都庁内の横断的な連携というものもぜひつくってもらいたいなというふうに思います。
 なおかつ、今お話もございましたように、今回のテストマッチでも道路が少し渋滞をしていた、こういうことがございますので、当日は、時間帯にもよりますけれども、通勤時間にも係る時間帯が若干ございますので、きっとそのことを前もって告知をしていても、そうした渋滞が避けられないような状況になるのではないかとちょっと心配をしているんです。逃げ場がないようなところがあの周辺は結構ありますから、ぜひその辺のところを工夫してやってもらいたいなと思います。
 また、VIPの皆さんも、多分大勢来ると思います。世界各国から来ますから、せっかく東京に来て、あの東京スタジアムに来て、何だこんなところで大会をやってと、こういわれないような道路状況をしっかりとつくる。
 そしてまた、先ほど川松委員からも有明アリーナの質問の中に、やっぱり海外からプライベートジェット機で日本に来る可能性だってないわけではありません。そのことを考えるとするならば、横田基地のこともございますし、また、すぐ隣には調布飛行場があるわけですので、そうしたところが使える可能性があるのかないのかということもじっくり関係部署、機関と検討をしていっていただきたいなというふうに思います。
 さりとて、もう残り二年もないわけでございますので、早急な姿勢で臨んでいっていただかないと、全てのことがなかなか後々になってしまう、後手後手に回ってしまうということがないように、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 もう一つは、切っても切れない、やっぱりファンゾーンというものについては、私も先ほどお話しさせていただきましたように、二〇一五年のときにイングランド大会でファンゾーンに寄らせていただきました。本当に中はにぎやかで、老若男女元気に、そして、いろんな催し物があって、やっぱりヨーロッパの文化だなということをつくづく感じました。
 ただ単に試合を見て楽しむということだけではなくて、その会場に行くまでの楽しみ、あるいは、試合が終わった後にファンゾーンで楽しんでいるという姿をかいま見させていただいたわけで、そういったヨーロッパの文化というものは、なかなか日本にはここのところないわけで、それがやっぱりラグビーを通じて、そうした豊かな気持ちになれる、余裕ができる、そうしたスポーツ観戦、スポーツに触れる環境づくりというのはこれから非常に大切だと思います。
 そういう意味で、今回も一昨年と場所を変えて、新たな形のところにファンゾーンを設けられたというお話もお聞きしました。そのファンゾーンの様子をちょっとお聞かせいただけたらありがたいと思います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 ファンゾーンについては、昨年はアジパンダ広場で開催いたしましたが、来場者動線などを考慮して、今回は西競技場に移して開催をいたしました。
 会場では、府中太鼓を初めとした地元市のステージやブース出展、元日本代表の松尾雄治さんの解説を交えたパブリックビューイング、天然芝でのラグビー体験などを実施いたしました。また、八百名を超える方々が参加してラグビーボールの人文字をつくり、写真をSNS等にアップするなど、参加体験型コンテンツを充実させました。試合終了後もアイルランド音楽の演奏を行うなど、一日楽しんでいただけるようプログラムを工夫いたしました。
 来場者アンケートでは、楽しかった、大会を盛り上げるためにもっとこのような機会をつくってほしい、二〇一九年に向けて一人でも多くの人に大会を周知してほしいなどの声が寄せられました。

○吉原委員 その場所に行かれた方々からは楽しいという話ですけど、これは何か、どんなルートでそこに行かれて楽しんだ方々の声を拾ったんでしょうか。直接聞いたのか、どういう形でそうした声を聞くことができましたか。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 当日、会場におきましてアンケート調査を実施させていただきました。

○吉原委員 アンケート調査ということですけれども、どのぐらい集まったのかよくわかりませんが、そういう声があったということは励みになることですので、また次回もぜひそうした機会があればファンゾーンというものを大切にして、前に進めていただきたいなと思います。
 今回の報告によりますと、ファンゾーンが二万一千人だった、こういう資料をいただきました。一昨年は、入場者数が一万九千人ということですから、そういう意味では、時間帯にもよったのかどうかわかりませんけれども、大勢の皆さんがファンゾーンに足を運んでくれたという実数だと思っていますから、そういう意味では、皆さんのご努力がやっぱり実った一つではないかなと評価をさせていただきたいというふうに思っています。
 そのファンゾーンの中にも、やっぱり今、地元の皆さんのいろいろな協力もいただいた、こういうお話をいただいたわけでありますけれども、公認キャンプ地、これももう名乗りを上げたところが幾つかあるわけで、それもいろんな規制や条件がクリアしたところしかないわけですけれども、今のところ三カ所、こういうことでお聞きをしております。
 そのうちの一つは町田でございます。ぜひまた機会があれば町田に見に来ていただいて、こんなところか、こういうふうに評価をしていただけると大変ありがたいんですけれども、そういう意味でいえば、ファンゾーンもそうでありますけれども、ふだんと違った環境がそのスタジアムの周辺には起こるわけで、地域の皆さんにやっぱり理解をしていただく、協力をしていただく、そういうことが非常に大切だというふうに思っています。
 そういう意味で、地域の皆さんというのは、何も三多摩の皆さんだけではなくて、二十三区の皆さんだって当然そうでありますから、そうした東京都内全体が盛り上がれるような環境をつくっていかなければならないと思っていますけれども、そうした地域地域の連携というものをどういう形でとっていくのか、皆さんお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 都は、今回のテストマッチとファンゾーンに多摩・島しょ地域の首長、議長を招待し、二〇一九年大会の成功のため、さらなる機運の盛り上がりに向けた連携と協力を確認いたしました。
 また、都内には公認チームキャンプ地に立候補している自治体が三市あり、今後こうした自治体とも積極的に連携し、大会機運を盛り上げてまいります。
 これらの自治体が正式に公認チームキャンプ地に決定された際には、施設整備費の補助などにより支援に努めてまいります。
 加えて、区部では、六月に秩父宮みなとラグビーまつり、八月に浅草サンバカーニバルなど、各地域で行われるイベントにおいても、二〇一九年大会を広くPRいたしました。
 引き続き、二〇一九年大会に向け、多摩地域はもとより、広く都内自治体と連携した機運醸成に取り組んでまいります。

○吉原委員 ありがとうございました。当然のことながら、この日本大会は十二の都県市で開催をされるわけでございまして、東京で盛り上げるということは非常に大切なことだと思いますので、ぜひ二十三区、三多摩あわせて盛り上がれるようにお願いをしたいと思いますけれども、加えて、やっぱり東京だけが盛り上がってもしようがありません。やっぱり世界大会でありますので、十二の会場でもそれぞれ盛り上がっていかなければならないわけで、あわせて、そうした開催都市との連携をしっかりとっていってもらいたいなというふうに思っています。
 五月十日だったと思いますけれども、京都で抽せんがございました。その中で、開催都市の代表者の皆さんがお集まりになって、何か自治体協議会を開催されたやにお聞きをしました。その中で、横浜の林市長さんが今度は会長にご就任なさったというお話もお聞きしましたので、ぜひ林市長を中心にしながら、東京都も含めた十二の開催地で日本全体が盛り上がれるような、そうした環境をぜひつくっていただきたいなというふうに思っています。
 あと、テストマッチの来場者数、このことでちょっとお尋ねをしたいんですけれども、ことしはテストマッチで二万九千三百五十四人という、このペーパーをいただいております。報告でいただきました。一昨年は三万四千七十三人、こういうことでございます。
 先ほど交通アクセスの問題や道路の問題、ファンゾーンのさまざまな工夫、地元の皆さんの大きな協力、さまざまなことを一昨年からことしにかけて前に進めてきたという中にあって、これ何千人でしょうか--四、五千人、五千人弱ぐらい、やっぱり入場者数が少なかったというのは、ちょっと残念だったなというふうに思います。
 これは当然のことながら、日本ラグビーフットボール協会が主催ということでございますけれども、開催地は東京ですから、東京全体でやっぱり盛り上げるためには、入場者数も我々も気にしていかなければならないと思っているんです。
 ですから、一昨年からことしにかけて、さまざまな取り組みをしてきたにもかかわらず、五千弱の皆さんの空席があった。あそこは五万人弱でありますから、そういう意味であれば、本来であればやっぱり東京が盛り上げていく先頭に立たなければならない、そうした立場にあるんだろうと思います。
 それは開幕戦もやるという、そうしたことはもう既に決定をしているわけでありますから、最終的に準決勝なのか準々決勝なのかわかりませんけれども、その後についても当然のことながら、きっとこの東京スタジアムに試合が来るんだろうと思っています。
 そういう意味で、その辺の一昨年とことし、入場者数の、多少といっていいかどうかわかりませんけれども、五千人弱少なかった、このことをどういうふうに捉えられているのかお尋ねをしたいと思います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 日本代表が活躍した二〇一五年のイングランド大会から時間が経過したこともあり、観客数は二万九千三百五十四人で、昨年に比べ約四千七百人減少いたしました。
 都は、今回のテストマッチに際して、SNSの活用や交通広告の充実など、昨年以上に事前の広報、PR活動を強化したところでございますが、引き続き盛り上げが喫緊の課題でございます。
 各開催都市等、関係機関と連携を密にし、大会準備の節目を捉えたPR活動に加え、ホームページ、SNS等を用いた日常的な情報発信の強化を図り、大会の認知度向上及びラグビーの魅力発信に向けた取り組みを一層推進してまいります。

○吉原委員 来年のことをいうと鬼が笑うといわれますけれども、来年もぜひこの東京スタジアムにテストマッチを誘致していただく、そういう働きかけを協会の方、さらには、組織委員会も含めて、ぜひ東京都が率先して来年もテストマッチが開催できるように運動をしていただきたいなというふうに思います。
 そして、昨年、一昨年と、ことし積み残して、一九年に向かって積み残したもの、不安なもの、そうしたさまざまな課題を解消する、その努力をしていただきたいなというふうに思っています。
 持ち時間もなくなりまして大変恐縮でございますけれども、最後に、潮田局長に一九年に向けての意気込みをお聞きして、質問を終わりたいと思います。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 二〇一九年大会は、アジア初の開催でありまして、私どもとしましては、何としてもこれを成功させたいというふうに思っております。
 先ほど来、いろいろな課題についてご指摘を副委員長からいただきました。交通アクセス、あるいはファンゾーンの問題、あるいは機運醸成、こういったことを積極的にこれからさらにやっていかないといけないというふうに思っております。
 今回のテストマッチでも、昨年得られた課題を踏まえてやってきたわけでございますけれども、大会本番に向けてさらに検証を深めて、大会準備に確実に生かしていきたいというふうに考えております。
 また、本日は九月二十一日でございます。実際、本番がございますのが九月二十日ということで、もう二年を切ったというところでございます。いよいよ残すところ時間がございませんので、先ほどお話ございました都庁内の関係機関、それから都議会の皆様方、それから都内の市区町村、そして開催都市の十二都市というところとの連携、そして組織委員会など、関係する各機関とも一層密接な連携に取り組みまして、二〇一九年大会を世界に誇れる大会として成功させるように、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。そして、その成功を翌年の二〇二〇年の大会へとつなげてまいりたい、かように考えております。

○いび委員 では、私の方からも、味の素スタジアムでのラグビーワールドカップに向けたテストマッチについて何点か質問します。
 まず、二〇一九年の大会に向けて、シャトルバスの運行について現時点でどのような計画を立てているのか伺います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 二〇一九年大会時のシャトルバスの運行については、会場運営計画上、乗り場を東京スタジアム内の北側広場に設置することとしております。
 運行のルートや時間帯、便数などについては、今後、交通事業者や交通管理者など関係者と検討してまいります。

○いび委員 続いて、二〇一九年の大会時に会場へのアクセスのために利用を想定している駅はどこなのか伺います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 徒歩圏内の駅としては、飛田給駅のほか西調布駅、西武多摩川線多磨駅がございます。
 なお、シャトルバスによるアクセスについては、バスの台数や発着スペースの確保、利用者のニーズ、運行ルート途中の交通状況などを総合的に勘案しながら検討してまいります。

○いび委員 それから、味スタに向かう南北方向の移動は、主にバス路線によることになります。
 既存のバス停としましては、萩の原住宅のバス停、そして上石原浄水場のバス停と、いずれも味の素スタジアムからは徒歩圏内にバス停があるわけですけれども、これらのバス停からの来場も想定しているのかどうか、必要であれば増便などの対応も検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 東京スタジアム周辺では、現在、西武多摩川線多磨駅、武蔵境駅、武蔵小金井駅、調布駅、狛江駅への路線バスが運行されております。大会時においては、路線バスを利用する一般乗客への影響が生じないよう、シャトルバスの運行を充実させ、観客にその利用を促すなど、適切な対応を検討してまいります。

○いび委員 何点か意見、要望を述べさせていただきますが、まず、ご答弁いただいた中で、西調布駅が徒歩圏内の駅として位置づけられているようですけれども、実際には、飛田給駅の隣が西調布駅でほぼ一キロ、相当な距離があるわけです。実は、西調布駅はことしの春にバスターミナルが完成しておりますので、ぜひそれも使ったシャトルバスの運行も検討していただきたいと。
 それから、西武多摩川線多磨駅ですけれども、これは新宿方向から見た場合に、基地跡地を完全に通り過ぎたさらにその先にある駅で、数キロの距離があるところでありまして、これを歩けというのは、幾ら何でも大変ではないかと。
 ですから、これまでのテストマッチでもこれらの駅の利用は数%でありますが、器そもそもが大きいですから、五万人の三%は千五百人ですので、ぜひこういったところのアクセスも想定して、バスの利用ということも検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。
 それから、アクセスを想定している駅に三鷹駅が出てきませんでしたけれども、中央快速に乗った場合に、新宿、中野、三鷹ですから、移動には非常に便利な駅なわけですね。ですから、ぜひ三鷹駅からのこういったシャトルバスの運行というものも検討すべきではないかということは、意見として申し上げておきたいと思います。
 ラグビーワールドカップに期待を寄せている方からは、障害者対応についてもいろいろと意見が寄せられております。そもそも会場となる味スタには障害者の駐車場が足りない、一般の駐車場だとスタジアムから非常に遠いという声が寄せられております。
 そして、会場となる味スタでは、階段には手すりがないところが多い、さらに、これは甲州街道沿いのことをいっていますが、府中方向から来るとエレベーターがない、既存のエレベーターも狭く、車椅子では利用しづらいという声が寄せられております。また、障害者のトイレもふやしてほしいとの要望も受けております。
 いろいろ検討中のこともあるかと思いますが、これらの要望に可能な限り応えていただきたいということを求めるものです。
 それから、味の素スタジアムへの最寄りの駅である京王線飛田給駅、これはまさに会場へのアクセスとしてメーンの駅となりますが、ぜひここにホームドアの設置を進めるよう、鉄道会社や国土交通省に働きかけていただきたいということを強く要望して、質問を終わります。

○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後五時四十三分休憩

   午後六時開議

○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○石川委員 ラグビーテストマッチ機運醸成につきましてお伺いをいたします。
 いよいよアジアで初めてのラグビーワールドカップ日本大会の開幕戦が再来年の九月二十日に迫ってきており、残された時間も二年を切りました。組織委員会が全国の自治体と協力をし、東日本大震災の復興支援を兼ねて、この大会を成功させなければならないと思っております。
 昨年六月二十五日には、味の素スタジアムで日本代表はスコットランド代表と対戦し、このときは天覧試合として開催され、私も応援に行きましたが、惜しくも十六対二十一で敗れました。
 二〇一九年ワールドカップの日本チームの目標はベストエイトに進出することですが、最低でも予選プールAで同組のアイルランド、スコットランドのどちらかに勝利をする必要があるわけであります。
 そんな中、迎えたアイルランド代表とのテストマッチでも、時に味スタに駆けつけた二万九千三百五十四人の観客を沸かせましたが、アイルランド戦初勝利とはならなかったわけであります。残念ながら、今回は選挙戦ということでございまして、先ほどお話がありましたが、私も応援に駆けつけることはできなかったわけであります。
 次は十一月四日土曜日、横浜の日産スタジアムでオーストラリア代表、世界ランキング四位との対戦が予定をされているわけであります。何といっても日本代表チームの強化が最大の課題になるわけであります。国内ではラグビートップリーグも開催をされ、またスーパーラグビーにサンウルブズが参戦をし、日本代表選手の強化を図ると同時に、二〇一九年ラグビーワールドカップ大会の機運醸成に寄与しているわけであります。
 そこでまず、大会開催に向けて、この一年間の機運醸成活動についてお伺いいたします。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 都は、昨年六月のテストマッチ以降、ラグビーワールドカップ二〇一九開催に向け、さまざまな場面で機運醸成のためのPR活動を行ってまいりました。
 例えば、昨年十二月には、大会千日前イベントとして、東京タワーにてライトアップやステージイベントなどを行いました。また、ことし五月に行われたプール組分け抽せん会にあわせて、都庁舎内でパブリックビューイングを行いました。あわせて、TOKYOウオークなど都内各地で行われる都が主催、共催するさまざまなスポーツイベントなどにおいてブース出展を行い、大会の認知度向上に努めてまいりました。
 さらに、子供たちにラグビーのおもしろさを感じてもらえるよう、ルールなどを解説した絵本を十六万部作成し、都内の全小学校に配布いたしました。また、誰もが気軽にラグビーの情報に触れられるよう、都のホームページにおいて、都内のラグビーイベントの紹介を行うとともに、大会PR動画やSNSを活用し、積極的な情報発信に努めてまいりました。

○石川委員 さまざまな手法を用いても、なかなか、まだまだ浸透し切れない状況でありまして、これからも一層の努力を求めておきたいと思います。
 機運醸成について埼玉県では、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会並びにラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向け、平成二十七年十一月に知事をトップに県議会や市町村議会、県内の関係団体や企業等から成る二〇二〇オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップ二〇一九埼玉県推進委員会を設置し、オール埼玉体制で両大会の準備を進めているわけであります。四つの部会、機運醸成、ボランティア、多言語対応、文化教育を設けて具体的な取り組みを推進しているわけであります。
 都も、今回のテストマッチにおいて、機運醸成等で民間を含めた他団体と連携し、どのような取り組みを行ったのかお伺いいたします。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 二〇一九年大会に向けて大会機運を盛り上げていくためには、地元市初め都内自治体、民間企業等と連携した取り組みが重要でございます。
 都は、今回のテストマッチ及びファンゾーンの開催に当たって、地元市には事前の広報やボランティア募集等でご協力いただくとともに、ステージイベントやPRブースの設置等を行いました。
 また、都がスポーツへの積極的な取り組みをしている企業として認定した東京都スポーツ推進企業や、区市町村のスポーツ推進委員にもチラシやメールマガジンなどを活用し試合観戦を呼びかけました。
 今後も、地元市を初め民間企業等と連携し、二〇一九年大会に向けて一層の機運醸成に努めてまいります。

○石川委員 東京都と埼玉県では規模などが違うわけでありますけれども、共通点も逆に多いわけであります。埼玉県では、自治体、議会、企業、メディアなども含めて組織化がされているわけであります。ぜひ倣うべき点は倣っていただきたいと思います。
 昨年の対スコットランド戦は、天覧試合ということもあり入場者も多かったわけであります。ただ、機運醸成活動等を勘案すれば、前年を上回る必要があるわけで、しかも、先ほど来、指摘がありますように、キャパシティーは五万人もあるわけであります。ロンドンのトゥイッケナム・スタジアムや横浜国際総合競技場は約八万人を収容するキャパシティーがあるわけで、そのことを考えますと、二万九千人は少し寂しい、そんな思いがするわけであります。
 来年のテストマッチでは、スタジアム、ファンゾーンの高い入場者目標を立て、達成のための全都的な努力が求められるわけであります。その一つとして、ファンゾーンは世界的なラグビーの楽しみ方の一つになっているわけでありますけれども、日本ではなじみが薄いわけであります。昨年も行われ、おおむね来場者の半分を呼び込むことができればということで実施をし、ほぼ目標は達成をしたというような報告が昨年ありました。
 ただ、なじみの薄い分だけファンゾーンの存在に気づかず、スタジアム入場してしまう人も多かったわけであります。
 そこで、ファンゾーンは昨年、アジパンダ広場、アミノバイタルフィールドだったものが、西競技場に変更となったわけでありますけれども、その理由をお伺いいたします。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 昨年のテストマッチでは、スタジアム南側に隣接するアジパンダ広場でイベントを開催いたしました。そこでは、スタジアム入場者とイベント会場に向かわれる来場者の動線が交錯することや、駅やスタジアムの正面ゲートからイベント会場への行き方がわかりにくいといった課題が明らかとなりました。
 そのため、今年度は、スタジアムにかかる連絡橋を分岐点として、試合会場への動線とファンゾーンへの動線をスムーズに確保できる、スタジアムの西競技場でファンゾーンを開催いたしました。

○石川委員 飛田給方面から西競技場に行くには橋を渡った時点で、即、階段を下っていくのが一番近いわけでありますけれども、そのような誘導をすることがまずは非常に肝心だというふうに思うわけでありますけれども、ファンゾーンのPRと当日の西競技場への誘導はどのような方法がとられたのかお伺いいたします。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 今回のファンゾーンのPRについては、テストマッチのPRと一体的に、SNSの活用や交通広告の充実など、昨年以上に事前の広報PR活動を積極的に行いました。
 当日は、案内のボランティアを観客動線に効果的に配置し、チラシやサインを用いてファンゾーン会場への案内誘導を行いました。
 以上の取り組みにより、昨年度より多くの来場者にイベント会場に足を運んでいただいたと考えてございます。

○石川委員 ファンゾーンに来ていただき、楽しんでいただくためには、さまざまな工夫が必要なわけであります。ことしもラグビーに親しんで盛り上げるイベント、東京ラグビーファンゾーン二〇一七を開催し、実際にラグビーボールを使ってのラグビー体験ができるコーナーや、車椅子の格闘技ともいわれますウィルチェアラグビーを体験できるコーナー、元日本代表の、先ほど来話がありましたように、松尾雄治さんらとのトークショー、さらには対戦するアイルランドの料理などが味わえるフードコーナーなどで、日本代表を応援していただけるイベントとして工夫をされてきたわけであります。
 そこで、飲食ブースの状況と課題についてお伺いいたします。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 イベント当日は、アイルランド料理を初めとした提供メニューが好評であったことに加え、試合終了後もイベントコンテンツを充実したことにより、多くの方々に来場いただきました。
 一方、当日は午前中から晴天に恵まれたことから、飲食ブースについて予想を上回る需要が集中し、一部購入を希望するお客様をお持たせする状況もございました。
 今回の結果を踏まえて、本番に向けて飲食ブースの充実について検討してまいります。

○石川委員 東京や国内の素材を使った日本各地の郷土料理や世界の料理を食べ歩けるおもてなしの心や、世界の食文化にロハスの考え方を取り入れた健康と持続可能な社会のためのライフスタイルを提案することなどに取り組んではいかがかと思うわけであります。
 ファンゾーンで食の紹介をしてはいかがかというふうに思いますけれども、お伺いいたします。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 イベント当日は、飲食ブースにおいて、アイルランド、フランス、イタリアなど二〇一九年大会出場国や開催都市の料理を提供し、多くの来場客に楽しんでいただきました。
 二〇一九年大会を契機として、ラグビーだけでなく、さまざまな参加国や地元多摩地域の食文化や物産にも関心が集まるよう、大会本番のファンゾーンでも魅力的なコーナーを企画、検討してまいります。

○石川委員 世界の都市の中でも食の最先端都市東京を知っていただき、楽しめる企画をぜひ組んでいただきたいと思います。
 本番では、チケットを手に入れられなかったファンが、まさにファンゾーンに多く駆けつける企画も必要だと思うわけですけれども、入場者以外のファンゾーンの参加の取り組みについてお伺いいたします。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 今回のファンゾーンでは、チケットのある方もない方も楽しめるよう、ラグビー体験を初めとする参加型コンテンツや、元日本代表の松尾雄治さんによる解説を交えたパブリックビューイングに加えて、地元市のブース出展やステージ出演、子供たちに人気のヒーローショーなどを実施いたしました。
 大会時においても、多くの方に大会の雰囲気を楽しんでいただけるよう、魅力的なコンテンツの企画や情報発信に一層努めてまいります。

○石川委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 武蔵野の森総合スポーツプラザは、東京スタジアムに隣接して新しく建設された総合スポーツ施設であります。大規模なスポーツ大会やイベント興行が可能な施設で、四千八百平米のメーンアリーナ、サブアリーナ、トレーニングルームなど併設をされており、一万人以上収容できる施設となっているわけであります。
 本年十一月には、武蔵野の森総合スポーツプラザがオープンをするわけでありますけれども、ラグビーワールドカップでの施設の活用はどのように考えているのか伺います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 本年三月に策定した会場運営計画では、大会時に必要なホスピタリティースペースを確保するため、東京スタジアムのレセプションルーム等の施設に加え、武蔵野の森総合スポーツプラザのメーンアリーナ棟を活用することとしております。
 大会の円滑な運営を実現するために、東京スタジアムの各施設とともに、武蔵野の森総合スポーツプラザも有効な活用が図られるよう、今後も引き続き組織委員会と調整を進めてまいります。

○石川委員 雨が多い時期でありますので、雨天の際の活用方法などについても別途検討していただきたいと思います。
 次に、交通アクセスについて伺います。
 東京スタジアムは、ご存じのとおり調布市にあり、最寄り駅は京王線飛田給駅で、駅から徒歩五分、調布駅や西武線の多摩川線白糸台駅、多磨駅からも歩いていくことも可能でありますけれども、二十分から三十分かかるわけであります。
 新宿、渋谷からは飛田給駅までそれぞれ乗りかえ一回で二十五分程度、飛田給駅は試合当日の試合前後は特急、準特急とも臨時停車をしているわけであります。京王線飛田給駅と甲州街道への人と車の集中を避けることが大きな課題になっているわけであります。
 シャトルバスは試合前後に武蔵境駅、武蔵小金井駅、狛江駅、調布駅、多磨駅で運行されていたわけでありますけれども、交通アクセスの促進に努めているわけでありますけれども、シャトルバス利用の拡大の内容と今後の課題について伺います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 昨年のテストマッチでは、武蔵境駅、調布駅、狛江駅の三系統のシャトルバスを復路のみ運行いたしました。今回は往路でも西武多摩川線多磨駅を加えた四系統の運行を行い、復路ではさらに武蔵小金井駅を加えた五系統の運行を行いました。
 今回のテストマッチでは、シャトルバスの乗降も円滑になされ、運行に当たり特段の混乱は生じておりませんでした。
 より多くの観客の来場が見込まれる大会本番では、シャトルバスのさらなる利用拡大を図るため、積極的な広報や乗り場への適切な誘導、効率的な運行の確保などに取り組んでいく必要があると考えてございます。

○石川委員 前回といいますか昨年でありますけれども、提案をしております南武線や狛江駅以外の小田急線駅からのシャトルバス運行を拡大すべきと考えますが、考え方を伺います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 シャトルバスの運行ルートについては、バスの台数や発着スペースの確保、利用者のニーズ、運行ルート途中の交通状況などを踏まえて総合的に検討する必要がございます。
 大会時により多くの観客を効率的に輸送できるよう、シャトルバスの運行ルートの設定について交通事業者や交通管理者など関係者と検討を進めてまいります。

○石川委員 シャトルバス運行も二〇二〇大会までつながる課題でもあります。ラグビーワールドカップも二〇二〇大会も、本番を想定しての運行にぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、ボランティアについてお伺いいたします。
 ロンドン・オリンピック・パラリンピックでは七万人のボランティアの方が活動し、リオ大会でも、途中不足したとはいえ、七万人のボランティアを募ったわけであります。昨年のラグビーワールドカップ、スコットランド戦では五十人のボランティアを募集いたしました。
 二〇一九年のラグビーワールドカップの東京開催に向け、都は、ボランティアの育成や道路標識の多言語化など、翌年の東京オリンピック大会の準備についても二〇一九年を目標に進める方針を示しております。
 東京都は、二〇二〇年までに都内全ての都道の道路標識に英語表記を加えるほか、外国人おもてなし語学ボランティアを五万人育成するなどの目標を掲げております。二〇一九年ラグビーワールドカップが、二〇二〇年の東京オリンピックのリハーサル的意味を持つとして、外国人観光客などへの対応は二〇一九年を目標に進めていることとなっているわけであります。
 ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会がお互いに協力をする協定書を交わしました。同じ国、同じ地域で開催されるラグビーワールドカップ組織委員会と五輪組織委員会が協定を結ぶのは前例がなく、両組織委員会は、競技運営、警備及び輸送等に関する連携、ボランティアに関する連携、アンチドーピングに関する連携、開催会場設備、施設整備に関する連携、その他の大会の準備、運営における必要事項の五項目について連携協力を図ることになりました。この協定でさまざまな分野の情報共有がなされていくほか、ボランティアのトレーニング、コスト削減なども協力をしていくことになったわけであります。
 両大会において、三都市、東京、横浜、札幌で競技場が重複することを受け、ラグビーワールドカップのセキュリティーやボランティアの経験がオリンピックにも役に立つことになるわけであります。
 そこで、ボランティアのことについて質問予定でございましたが、先ほど、もう山口委員の質問で一定の答弁がございました。ちょっと細かい質問になりますけれども、六月のテストマッチの際の事前の研修体制やボランティア保険などについてはどうなっていたのか伺います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 ボランティアに対する研修については、都が区部と多摩地域で事前研修を実施し、ボランティアマニュアルに基づいて当日の活動内容や注意事項、来場者への案内に必要な情報などを共有いたしました。
 ボランティア活動に関する保険については、今回のイベント全体としてイベント保険に加入して対応をいたしました。

○石川委員 ボランティアの育成をしっかりと進めることが二〇二〇大会にもしっかりとつながっていくわけでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、テロ対策について伺います。
 このところのヨーロッパを中心としたテロ事件は、さまざまな手段がとられており、厳しいものがあります。我が国の公安調査庁によるヨーロッパのテロ発生件数の多い国は、フランスは件数、被害の大きさとも群を抜いているという報告がありました。
 二番目に多いイギリスでは、二〇一七年三月から立て続けに三件の規模の大きいテロが発生しています。五月のテロでは、マンチェスターでアリアナ・グランデのコンサートの観客を狙った爆弾テロが起きてしまいました。
 ドイツ、ベルギーも件数、被害も大きくなっております。
 二〇一七年三月、四月にロンドン、ストックホルムで発生したテロは、車を暴走させ歩行者に突入するという手口でありました。車を使うテロは、爆弾テロと違って防ぐのが難しく、テロの危険性は増加をしているといえるわけであります。
 鎮静化していたブリュッセルも、中央駅ではまた爆発物を用いたテロが発生をいたしました。中央駅や空港など人が集まるところが標的にされるリスクが高いわけであります。
 このところのヨーロッパを中心としたテロ事件は、さまざまな手段がとられていて厳しいものがあります。ラグビーテストマッチ及び東京ラグビーファンゾーン二〇一七で、テロ対策、セキュリティー対策をどのように進めてきたのか、またペットボトルの持ち込みはどのような対応をしたのかお伺いいたします。

○川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務 今回のテストマッチ及びファンゾーンでは、テストマッチの主催者である日本ラグビーフットボール協会とファンゾーンの主催者である東京都が、警視庁、東京スタジアム等と連携して、それぞれの会場での来場者のセキュリティー確保に努めました。
 具体的には、会場周辺に警察官、警備員を配置するとともに、駐車スペースや会場内の巡回警備、出入り口での手荷物検査を行いました。また、関係者出入り口でも入場許可証のチェックによる立ち入り制限を実施いたしました。
 ペットボトルの持ち込みにつきましては、国内で行われてきたラグビーテストマッチの運営実績に基づき、今回のテストマッチ及びファンゾーンにおいても特段の制限は行いませんでした。
 なお、二〇一九年大会時のスタジアムへのペットボトルの持ち込みにつきましては、今後、組織委員会が警察等と調整の上、決定していくものであり、ファンゾーンにつきましてもこの方針に準じて対応を行うこととなります。
 今後、都としましても、二〇一九年大会に向けて組織委員会や警察等とより一層連携を密にし、来場者の安全確保に向けた対策について検討してまいります。

○石川委員 一昨年、稲城市役所で放火事件があったわけでありますけれども、石油に火をつけるという、そういった事例だったわけであります。石油だったということで燃え広がりも一定抑えられて、一部焼失ということで済んだわけでありますけれども、これがもし仮にガソリンだったら、本当にペットボトルぐらいのものでも全庁全体が焼失をした可能性もあった、そんなようなことも現場検証の中で指摘をされたわけであります。
 東京ドームでもペットボトルの規制を既に行っておりまして、ペットボトル対策はぜひ進めていっていかなければならない課題だろうと思っております。
 また、車によるテロなどについても、想定外というようなことにならないように、しっかりとした対策を講じていただきたいと思います。
 続きまして、自治体連携について伺います。
 公認チームキャンプ地選定プロセスは二〇一六年五月に発表され、十二月二十二日に応募受け付けが終了いたしました。応募件数は七十六件に上り、全国三十七都道府県にまたがる合計九十自治体の応募があったわけであります。
 二〇一七年夏以降に公認チームキャンプ候補地が決定をし、その後、チームによる実地視察が行われ、二〇一八年春以降に順次、公認チームキャンプ地が決定をする予定となっております。
 地元武蔵野市、府中市、町田市が公認キャンプ地として応募をしているわけであります。ぜひ選出されることを願っているわけであります。このことも、いずれはレガシーとなっていくわけであります。
 今大会では、三鷹市、府中市、調布市がパフォーマンスステージを展開し、三鷹市、府中市、調布市、町田市が観光PRブースを出展したわけでありますけれども、地元三市や多摩地域を初めとする自治体との連携について伺います。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 今回のテストマッチ、ファンゾーンの開催に当たっては、地元市には事前の広報やボランティアの募集などでご協力をいただくとともに、ファンゾーン会場における地元伝統芸能などの披露や観光PRブースの出展などで会場を盛り上げていただきました。
 このような地元市を初めとした多摩・島しょ地域の自治体との連携は、二〇一九年大会を成功させる上で不可欠でございます。今後実施するさまざまな関連イベントやPR活動等においても、緊密な連携をとりながら、ともに二〇一九年大会を成功に導いてまいります。

○石川委員 オール東京都となる体制を求めていきたいと思います。
 今回の試合のチケットの価格は、最高でも前売りで九千円、最低は小中学生向けで千円ということでございますけれども、ワールドカップの入場料は、決勝戦では席にもよりますけれども、六十万円以上というようなことになっておりまして、大変大きな負担をしても世界のファンが集まってくるわけであります。
 国内でも購入をしてもらわなければならないわけであります。大きなお祭りというような、そんなような様相になるわけでありますけれども、試合以外にも負担に見合うようなサービスも当然必要になってくるかと思うわけであります。VIPに対する対応はどのように行ったのかお伺いいたします。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 多摩・島しょ地域の首長など都の招待者のうち、自動車で来場された方には、東京スタジアムに隣接する武蔵野の森総合スポーツプラザの駐車場をご利用いただき、試合会場やファンゾーン会場へのアクセスが向上いたしました。また、同プラザのコンコース広場及びスタジアムへの接続橋には誘導員を配置し、試合会場及びファンゾーン会場に円滑かつ安全に移動していただくことができました。
 二〇一九年大会時には、より多くのVIPの来場が見込まれることから、スタジアムやファンゾーン会場への円滑な動線の確保について、さらに検討を進めてまいります。

○石川委員 VIP対応として、プライベートジェットが便利に離発着できる空港の確保、ぜひ検討していただきたいと、これも以前から提案をしているわけでありますけれども、具体化をしていただきたいと思います。
 一昨年訪問いたしましたバーミンガム大学も、学生にとっても大学にとってもすばらしい経験だったという話を直接聞かせていただきました。特に、今後、通訳のサービスなどが重要になってくるわけであります。二〇一九年に向けて、東京外国語大学を初めとする各大学とどのように連携を進めていくのかお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京都では、官民さまざまな団体が参画する東京都ボランティア活動推進協議会を設置いたしまして、都市ボランティアの運営体制や活動内容等につきまして、ご意見をいただきながら検討を進めており、協議会には東京外国語大学にも参画いただいております。
 協議会での検討も踏まえながら、東京外国語大学を含めまして、多くの大学生に大会のボランティアとして参加していただき、大会を盛り上げていただけるよう取り組んでまいります。

○石川委員 東京外大はもうスタジアムのすぐ目の前にあるわけでありますが、そういう意味では、学生さんはその地域の土地の状況などもよくわかっているわけでありまして、そういう点も含めて、しっかりとボランティアとして組み込んでいただけるように努力をしていただきたいと思います。
 東京スタジアムと横浜国際総合競技場は近距離で、開幕戦、決勝戦という大きな試合が行われるわけでありますけれども、開催自治体としてどのような協力体制をとっているのかお伺いいたします。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 横浜国際総合競技場は、首都圏であることに加え、決勝戦が開催されることから、多数のVIPが来場することが予想されるなど、開会式、開幕戦が行われる東京スタジアムと共通する点が多くございます。
 このため、開催都市である神奈川県横浜市との連携は不可欠であり、日ごろから大会の準備状況や会場運営に関する課題について意見交換をするなど、大会運営のノウハウや情報共有を実施しているところでございます。
 二〇一九年大会の成功に向け、開催機運をさらに盛り上げるためにも、それぞれが開催するイベントで相互にPRを行い集客向上につなげるなど、両自治体とは今後もさらなる連携強化を図ってまいります。

○石川委員 十一月には対オーストラリアということでのテストマッチも予定をされておりますので、ぜひしっかりと情報収集、あるいは連携を深めていただきたいと思います。
 最後に、今回のテストマッチ及びファンゾーンで喫煙対策はどのように進められたのかお伺いいたします。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 テストマッチ会場については日本ラグビー協会が、ファンゾーン会場については都がそれぞれ喫煙可能な場所を限定し、分煙対策を実施いたしました。

○石川委員 今後、都の受動喫煙防止に関する条例化が進んでいくわけでありますけれども、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック二〇二〇大会では、国際標準となっている受動喫煙対策にしっかりと取り組んでいただくことを求めて、質問を終わります。

○大松委員 私からも、ラグビーのテストマッチについて質問をいたします。
 ラグビーワールドカップが開催をされます二〇一九年九月二十日まで、ちょうどあと二年ということで、先日は東京国際フォーラムでもイベントが開催をされまして、大会成功に向けた機運は着実に盛り上がってきております。
 そして、六月二十四日のテストマッチでは、観客数は減ったとはいえ、約三万人の方が来場をされまして、ラグビーの試合ならではのファンゾーンも初めて設置をされまして、いよいよワールドカップが開催されるとの期待感がさらに広がっていくものと考えているわけでございます。
 ワールドカップを成功させるためには、こうしたムードを高めていくとともに、やはり大会を無事故で終えるということが大切でございます。特に多くの観客が集まります競技場及びその周辺では、来場者が安全にスムーズに移動ができるように心を砕いていかなければならないわけでございます。
 そこで、都議会公明党は、九月七日、東京スタジアムを訪問いたしまして、バリアフリー化の状況や観客の来場ルートなどにつきまして視察を行ってまいりました。
 そして、主な来場ルートは、京王線飛田給駅から東京スタジアムまでの直線の道路を歩いていくコースでありますけれども、甲州街道を渡るペデストリアンデッキ、この階段を上り、また帰りについてはこれを下らないといけないわけでありますけれども、事故を防止していくためには、このコースで多くの人が混雑をしないように、人が滞留をしないようにしていかなければなりませんし、そのためには、来場者がこのコースに過度に集中をしないように他のルートに分散をさせる、こういう観点からも重要になってまいりますのがシャトルバスでございます。
 シャトルバスが昨年六月二十五日、東京スタジアムでのテストマッチでも運行されまして、今回のテストマッチではその運行を拡充いたしまして、周知についても積極的に行ったということが先ほどの答弁もありました。テストマッチ当日のシャトルバスの運行状況について質問をする予定でありましたけれども、既に同様の質問、答弁が出ておりますので、省略をさせていただきます。
 申し上げるまでもなく、東京スタジアムではJリーグの試合が頻繁に行われておりまして、その都度シャトルバスを運行させて、多くの観客を受け入れてきている、こういう実績がございまして、Jリーグの観客の皆様方もシャトルバスに乗って来場するルートについてはよく認知をされているものと考えられます。
 一方、ラグビーの観客層は、サッカーの観客層とは違うと考えられますし、ワールドカップの開催時には海外から訪日される方も含めまして、東京スタジアムには初めて来場する方の割合が高くなるということが想定をされまして、シャトルバスの利用にはふなれ方が多くいらっしゃると、このように考えられるわけでございます。
 そこで、大会本番に向けまして、このシャトルバスの利用をどう促進して、来場ルートを分散させていくのか、そのためには情報発信を強化するなどの対策に取り組むべきと考えますけれども、都の所見を求めます。

○篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長 大会本番では、より多くの観客の来場が見込まれるため、シャトルバスのさらなる利用促進を図ることが重要でございます。
 このため、大会の開催に向けては、シャトルバスの運行についてホームページやSNS、公共交通機関への掲示等、多様な媒体で情報発信を行い、周知の徹底に取り組んでまいります。
 また、外国人も含め観客をシャトルバス乗り場へ円滑に誘導できるよう、多言語に対応したサイン表示やボランティアによる案内などの充実を図ってまいります。
 さらに、より多くの来場者に利用されるよう、効率的な運行に向けて、運行時間やルートの設定などについて、交通事業者や交通管理者など関係者と検討を進めてまいります。

○里吉委員 それでは、最後の質問となります。よろしくお願いします。
 私からは、共同実施事業管理委員会について質問をしていきたいと思います。
 共同実施事業管理委員会は、設立趣旨にありますように、平成二十九年五月三十一日の合意に基づき、共同実施事業、すなわち組織委員会が、東京都、国等の関係者が負担する資金を使用して実施する事業を適切に遂行し管理するために設立されるものです。
 この五月三十一日の合意とは、本来、組織委員会が負担すべき仮設整備費などのほぼ全てを東京都が負担するというものでした。
 日本共産党都議団は、五輪経費については、組織委員会が主体者として都民に情報公開し、都民参加で縮減を図ることや、どうしても費用が不足するのであれば、国や民間や個人の協力も求めていくべきであり、都が全額負担するべきではないということを繰り返し申し上げてまいりました。
 東京都が五輪経費として都民に約束したのは、千五百三十八億円でした。都が積み立てているオリンピック基金は四千億円、しかし、現在都の負担は既に六千億円にまで膨れ上がっており、到底都民の理解が得られるものではありません。
 都が負担することになっている六千億円のうち、仮設関係二千七百億円や輸送、セキュリティーなどの大会関係千五十億円と、国が負担する仮設等の二百億円、大会関係百億円の執行管理が、この共同実施事業管理委員会の対象となります。
 そこで、まず確認ですが、今回報告のありました共同実施事業管理委員会は、設立の趣旨から見れば、事業の執行管理は経費の縮減、効率化を図るという視点で行うということでよろしいでしょうか、確認いたします。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会は、今、委員お話のございました本年五月の大枠の合意におきまして、大会準備におけるコスト管理と執行統制の強化を図るため設置することとされたものでございます。
 本委員会におきまして、大会の準備や開催に当たり、組織委員会が東京都や国などの関係者からの資金を使用して実施する共同実施事業を適切に遂行し、管理するものでございます。

○里吉委員 いろいろいっていただきましたが、適切に執行し、管理することにより、経費の節減や効率化を図るという視点で行うことでいいかということをもう一度答えていただきたいんですね。
 知事は、第二回定例会本会議で我が党の代表質問に対して、引き続きV2予算に向けまして、さらなる経費の縮減を図っていくほか、今回合意され、関係者により構成されます共同実施事業管理のための委員会の設置で、執行段階におきまして、コスト管理と予算統制の強化を図ってまいりますと答弁しておりますから、ここで経費の縮減を目指すのは当然だと思います。
 このことについて、もう一度改めて確認をしたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 共同実施事業管理委員会は、コスト管理と執行統制の強化を図るという観点でございますので、具体的には、コストの縮減、あるいはその効率化という観点から、東京都及び国が管理をしていくというところでございます。

○里吉委員 そこで大切になるのが、この執行管理などをきちんと議会や都民がチェックできるか、私たちに知らされるかどうかということだと思います。五輪経費の適正化、透明化のためには、情報公開が重要と考えます。
 しかし、設置要綱には、本委員会等の会議は原則非公開とする、後日、本委員会等の会議資料等を公開するとあるわけです。具体的には執行管理の情報公開はどのように行うのか。
 この設置要綱には、公開の対象として、本委員会等の会議資料等というふうに極めて曖昧に書かれているわけですけれども、ここには何が含まれているんでしょうか。作業部会の資料や委員会、作業部会の議事録については含まれるのか伺います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 まず、本委員会等の等でございますが、本委員会のもとに設置をいたします作業部会を示してございます。また、会議資料等とは、会議資料や参考資料、会議要旨などを想定してございます。

○里吉委員 透明性が大事だということで、情報公開を小池知事は進めているわけですけれども、今回、この委員会については、原則非公開ということで、今おっしゃいました資料だとか、それから会議については、議事録ではなく会議要旨を公開するということでした。原則非公開としなければならない理由について伺います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 まず、共同実施事業管理委員会におきましては、共同実施事業の実施に当たりまして、組織委員会による発注が適切に行われるかどうか確認する必要がありますことから、本委員会等において必要な資料と説明を求めて、その内容を聴取することとしてございます。
 その中には、契約に関する情報なども含まれております。あるいは、個人情報ですとか企業の事業活動情報など秘密情報も含まれておりますことから、会議そのものにつきましては非公開とさせていただいているところでございます。
 なお、個人情報や、今申し上げました企業の情報活動などの秘密情報を除きまして、透明性の確保、あるいは説明責任の観点から、会議資料等につきましては公開を進めていくというところでございます。

○里吉委員 何でこういうことを聞くかといいますと、ここでも昨年問題になったと思うんですけれども、昨年末まで、第三協議の事務レベルの会議、この会議資料を組織委員会が回収してしまって、会議の記録も一切ないということが明らかになって、大変問題になったわけです。
 私ども日本共産党は、かねてより、ロンドン大会にも学んで、経費縮減のためには、執行管理の情報等を適宜公開し、議会はもちろん都民も含めてチェックできることが重要だと繰り返し求めてきました。
 今回、この共同実施事業管理委員会ができたわけですから、極力情報をオープンにしていただきたいと思います。そのことについては、今、ご答弁ありましたので、ぜひ極力オープンに情報を出すということでお願いしたいと思います。
 そして、会場関係の恒久施設以外の経費や大会関係経費の内訳等、それぞれについて、今、二千七百億、千五十億と出ているわけですが、その内訳についてはいまだに公表されていません。いつごろ公表されるのか伺いたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほど来ご答弁申し上げております金額でございますが、本年五月の大枠の合意の際にお示しした経費でございます。
 この経費につきましては、都立、国立の新規恒久施設整備を除きまして、組織委員会が過去大会の実績やIOCの要件などをもとに一定の仮定を置いて積算したバージョンワン予算の数値をもとに試算した、いわゆる概算額でございます。
 現在、組織委員会におきまして、大会の競技会場について仮設オーバーレイ基本設計の業務委託に関する発注を行い、設計に入っているところでございます。また、その他の業務につきましても計画を策定し、準備を進めていくことになります。
 今後、年内を目途にバージョンツー予算が作成されることとなっておりまして、その公表に当たりましては、計画やその見積もりの具体化の状況に応じて丁寧に説明してまいります。

○里吉委員 まだ細かいところまで調整ができていないということは承知した上で、既に金額が表に出ているわけですから、一定の仮定を置いた段階での内訳は出せないでしょうかということで質問させていただきました。
 V1予算に基づいていろいろ書かれています。会場関係は仮設等、エネルギー、テクノロジー、賃借料等で二千七百億円、大会関係は輸送、セキュリティー、オペレーション等千五十億円、金額がそれだけしかわからないわけですね。内訳も分担もわからないということでは、この数字は何なのかということになるのではないかと思います。
 私は日本共産党都議団の一人として、組織委員会にも正式にV1予算が出た後、その内訳を求めて要望に行きましたが、一向にその中身がわかりません。V1全体でなくとも、今回の事業の対象となっている二千七百億円と千五十億円の中身については明らかにするべきだと思います。
 そして、年内にV2予算が作成されるわけですが、その段階では、少なくともこの内訳、もう少し細かいところは明らかにできるということをお約束していただきたいんですが、いかがでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほどご答弁申し上げましたように、まず仮設オーバーレイにつきましては、現在、基本設計に入っている段階でございます。
 また、その他の業務につきましても、計画を策定し、準備を進めていく段階となってございまして、その計画や見積もりの具体化の状況に応じまして、年内を目途に作成いたしますV2予算におきまして丁寧に説明してまいります。

○里吉委員 この共同実施事業管理委員会は、次回はV2予算が出される前後に開催される予定と担当者の方に伺いました。都民には具体的なことが何も見えてこないということは許されないと思うんですね。都民の税金が使われるわけですから、適正に使われるのか、経費縮減の努力がされているのか、組織委員会が適正に負担しているのか、私たち議会もチェックしなければなりませんし、都民には知る権利があると思います。少なくともV2予算が示されたときには、内訳や分担についてもう少し詳しく示すべきだと思います。強く要望しておきます。
 最後に、管理の対象四千五十億円で、そのうち東京都負担が三千七百五十億円、国負担三百億円ですが、この東京都負担分、どのような財源を充てることになっているのか伺います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 東京都が負担することとなる経費の財源につきましては、都民生活に影響を及ぼさないよう、オリンピック・パラリンピック開催準備基金を初めとして、さまざまなものが想定をされているところでございます。
 そうした中、これから本格化していく来年度の予算編成におきまして、知事から財源について多角的に検討するよう指示を受けている財務局で検討されるものと承知をしているところでございます。

○里吉委員 オリンピック準備基金は四千億円です。施設整備にしか使えません。ソフト関係にも活用するとしたら条例改正が必要だと思いますが、そのことも含めて検討しているのでしょうか。また、この基金は施設整備に使えるので、新国立競技場への支出、これは私たちは行うべきでないといってきましたが、この基金から行うことができるのでしょうか。二点について伺います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今、委員お話のございましたオリンピック・パラリンピック開催準備基金でございますが、現在、基金の設置条例に基づきまして、競技会場の整備を初めオリンピック・パラリンピック開催に関連する社会資本等の整備に要する資金に充当されているところでございます。
 充当に当たりましては、その所管局である財務局において、その内容を踏まえ適切に判断していくということでございます。多角的に財源を検討していくという中で、この基金なども含まれているというふうに認識をしてございます。

○里吉委員 どちらにしても、今のままですとこの四千億円だけでは足りないということは明らかなので、このことについてはこれからいろいろな機会で議論していきたいと思います。
 今回は共同実施事業管理委員会について伺ってまいりましたが、最初に申し上げましたように、本来であれば組織委員会が負担すべき仮設整備費などの経費ほぼ全額、東京都が負担するとした合意について、私は、やはり納得がいきません。
 知事は所信表明で、組織委員会には一層の増収努力をお願いすると述べましたけれども、組織委員会に本来の責任を果たすべく最大限の努力をしてもらうこと、さらには、国に対しても国の役割を果たしてもらうべきではないでしょうか。
 その上で、共同実施事業管理委員会をせっかく立ち上げたのですから、情報公開をしっかり行って、事業の執行管理は経費の縮減、効率化を図ることを議会や都民のチェックも含めて行えるようにしていただきたいということを要望して、質問を終わります。

○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○小山委員長 次に、本委員会に付託されております調査事件についてお諮りをいたします。
 本件は、今定例会中に調査を終了することができませんので、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時五十六分散会

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