オリンピック・パラリンピック招致特別委員会速記録第四号

平成二十五年十二月四日(水曜日)
第四委員会室
午後一時一分開議
出席委員 十七名
委員長村上 英子君
副委員長畔上三和子君
副委員長小磯 善彦君
副委員長高島なおき君
理事橘  正剛君
理事高橋かずみ君
理事吉田 信夫君
小林 健二君
野上ゆきえ君
山崎 一輝君
鈴木 隆道君
両角みのる君
林田  武君
石毛しげる君
立石 晴康君
川井しげお君
酒井 大史君

欠席委員 なし

出席説明員
スポーツ振興局局長細井  優君
次長理事兼務岸本 良一君
理事雜賀  真君
総務部長中山 正雄君
スポーツ事業部長早崎 道晴君
スポーツ施設担当部長三浦  隆君
スポーツ祭東京推進部長川合  純君
大会運営担当部長松村  博君
オリンピック・パラリンピック大会準備部長松永 竜太君
事業広報担当部長山中 康正君
組織委員会設立担当部長平山 哲也君
競技計画担当部長延與  桂君
施設担当部長荒井 俊之君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行う。
委員会調査報告について

○村上委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック招致特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり委員会調査報告書についての決定を行います。
 委員会調査報告書を議題といたします。
 委員会調査報告書(案)は、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   〔委員会調査報告書(案)は本号末尾に掲載〕

○村上委員長 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、お手元配布の委員会調査報告書(案)のとおりとすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村上委員長 異議なしと認め、委員会調査報告書は、お手元配布のとおり決定いたしました。
 次に、委員会調査に関する委員長の口頭報告について申し上げます。
 本件は、理事会において協議の結果、第四回定例会におきまして、委員長による口頭報告を行うことを申し合わせました。ご了承願います。
 なお、本会議における委員長の口頭報告については、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
 これをもちまして、第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた事項について調査を終了いたします。

○村上委員長 この際、細井スポーツ振興局長から発言の申し出がありますので、これを許します。

○細井スポーツ振興局長 お許しをいただきまして、一言御礼のご挨拶を申し上げさせていただきたいと思います。
 当委員会が設置されましてからこれまでの間、オリンピック・パラリンピック招致に関します数々の貴重なご意見を賜りまして、まことにありがとうございました。
 今回、八年越しで招致を実現することができましたのは、当委員会を初め、都議会の皆様、国、スポーツ界、経済界など、オールジャパンのご尽力があったからにほかなりません。今後、七年後の大会成功に向け、庁内各局はもとより、オールジャパンでの連携のもと、着実に開催準備を進めてまいります。
 当委員会の調査の終了に当たりまして、村上委員長を初め委員の皆様方の、この間のご尽力に対しまして重ねて御礼を申し上げますとともに、今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げまして、甚だ簡単でございますが、ご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○村上委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ご挨拶を申し上げます。
 委員長として、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致に向けた特別委員会において、副委員長を初め、理事の皆さん、そして委員の先生方のご協力をいただいて、今日まで委員会を進めてくることができました。本当にありがとうございました。
 また、二〇一六年オリンピック招致から始まりますと、平成十八年十月五日から始まったこの委員会が、十七期、十八期、そして十九期と長きにわたり委員会を続けてまいりました。二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致については、十八期、十九期をまたいで委員会を行ってきたわけですけれども、九月の七日、ブエノスアイレスにおけるIOCの総会において、東京ということで招致が決定をいたしました。多くの皆さんのお力をいただいて、この招致をかち取ることができました。本当にありがとうございました。
 皆様方が、調査研究あるいは応援、支持率のアップ、こういったところにご尽力をいただいたことが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催のときの成果としてしっかりと、東京を選んでよかったな、海外からもそういうことをいっていただけるような、そんなオリンピック・パラリンピックにしていきたいと思っております。
 今後は、都議会推進本部あるいは都議会議員連盟、そしてまた推進対策特別委員会にバトンをお渡しいたしますが、私たちもしっかりと、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の成功に向けて、これからも先生方とともに努力をしてまいりたいと思っております。
 この委員会におきましては、本当に委員の先生方、理事者の皆さん、そして書記さんを含め関係者の皆さんにご協力をいただいたこと、心から感謝を申し上げ、委員長としてのご挨拶といたします。ありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時六分散会


オリンピック・パラリンピック招致特別委員会調査報告書(案)

 本委員会は、平成25年8月8日に設置され、2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行ってきたところですが、平成25年12月4日に本課題の調査を終了したので報告いたします。
  平成25年12月4日
オリンピック・パラリンピック招致特別委員長
村上 英子
 東京都議会議長
   吉野 利明  殿

目次
1 本委員会の設置
(1)設置の経過
(2)委員及び役員
2 調査研究及び必要な活動の経過
3 調査・検討の概要
4 結び
(参考)第18期オリンピック・パラリンピック招致特別委員会中間報告書

1 本委員会の設置
(1)設置の経過
 本委員会は、東京都議会として、「2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行うこと」を目的として、平成25年8月8日の平成25年第一回東京都議会臨時会において、小林 健二君外106名の動議により、下記の要綱のとおり設置された。

オリンピック・パラリンピック招致特別委員会設置要綱
1 名称
 オリンピック・パラリンピック招致特別委員会とする。
2 設置の根拠
  地方自治法第109条第一項及び東京都議会委員会条例第4条による。
3 目的
 2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行う。
4 委員会の組織
  委員の定数は、17名とし、委員長1名、副委員長3名及び理事3名を置く。
(2)委員及び役員
ア 議長は、平成25年8月8日の本会議に諮り、次のとおり委員を指名した。
小林 健二君 高橋かずみ君
野上ゆきえ君 林田  武君
橘  正剛君 石毛しげる君
山崎 一輝君 高島なおき君
鈴木 隆道君 立石 晴康君
両角みのる君 川井しげお君
畔上三和子君 酒井 大史君
小磯 善彦君 吉田 信夫君
村上 英子君
イ 平成25年8月8日の委員会において、次のとおり委員長、副委員長及び理事が互選された。
委員長  村上 英子君
副委員長 畔上三和子君
副委員長 小磯 善彦君
副委員長 高島なおき君
理事  橘  正剛君
理事  高橋かずみ君
理事  吉田 信夫君

2 調査研究及び必要な活動の経過
 本委員会は、4回の委員会及び3回の理事会を開催し、次のとおり調査研究及び必要な活動を行った。
年月日委員会の調査事項理事会の調査事項
平成25年
8月8日(木曜日)
委員長、副委員長及び理事の互選 1 運営要領について
2 今後の委員会日程について
3 その他
9月26日(木曜日) 閉会中の継続調査について
11月11日(月曜日) 報告事項(説明・質疑)
2020年オリンピック・パラリンピック競技大会招致活動について
1 本日の委員会運営について
2 運営要領について
3 今後の委員会運営について
4 その他
12月4日(水曜日) 委員会調査報告について 1 本日の委員会運営について
2 委員長口頭報告について
3 その他

3 調査・検討の概要
 本委員会は、前記のとおり、平成25年8月8日に設置された特別委員会であるが、第18期において、平成23年12月15日から平成25年7月22日まで、全く同一目的の特別委員会が設置されていた。本委員会の調査は、第18期の特別委員会(以下「18期委員会」という。)から引き続き4か月の間、精力的に調査研究及び必要な活動を行った。
 本委員会設置の直前に、国内オリンピック委員会連合(ANOC)総会、IOC評価委員会報告書の公表、テクニカル・ブリーフィングが行われ、設置後に、招致出陣式、IOC総会などが開催されている。
 本委員会における調査研究及び必要な活動の具体的状況は、次のとおりである。
(1)IOC評価委員会報告書に関すること
 IOC評価委員会報告書は、大会開催計画である立候補ファイルの内容を検証するために、IOC評価委員会が立候補都市の3都市を訪問し、競技会場視察や質疑応答などを実施して、その結果をまとめたものである。
 本委員会において、平成25年3月4日から7日までIOC委員を含む17名のIOC関係者が東京を訪問し立候補ファイルの内容について確認が行われたこと、その結果、コンパクトな会場計画、強固な輸送ネットワーク、財政力などが非常に高く評価されたとの報告があった。具体的な質疑では、2016年招致時の指摘内容である選手村の面積やオリンピックスタジアム周辺の交通、ホテルの客室料金上限保証期間の改善状況について議論が行われた。
(2)国内オリンピック委員会連合(ANOC)総会及びテクニカル・ブリーフィングに関すること
 平成25年6月14日から、国際プレゼンテーションの機会である国内オリンピック委員会連合(ANOC)総会が、平成25年7月3日には、IOC総会前に全IOC委員へ直接プレゼンテーションを行うことができる唯一の機会であるテクニカル・ブリーフィングが、いずれもスイスのローザンヌで行われた。
 本委員会において、それぞれのプレゼンテーションの状況やメディア等からの評価について報告があった。また、スポーツアコード会議やIOC総会を含む全4回の国際プレゼンテーションの戦略について質疑が行われた。
(3)招致活動及びIOC総会に関すること
 平成25年8月23日に都庁大会議場で招致出陣式を実施した。また、平成25年9月7日には、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたIOC総会において、2020年オリンピック・パラリンピック開催都市が東京に決定された。
 本委員会において、東京は、安倍総理を始め全てのプレゼンターが招致への情熱を持ってIOC委員の心に訴えかけるプレゼンテーションを行い、まさにチーム日本一体となった総力戦で、2020年オリンピック・パラリンピック大会開催都市を勝ち取ることができたとの報告があった。具体的な質疑では、IOC委員への働きかけやプレゼンテーション映像などIOC総会での活動に加え、招致気運醸成に向けた都の戦略や招致活動で培ってきたネットワークの活用、招致成功の勝因など招致活動全般についても幅広く議論が行われた。
(4)招致活動経費及びその他関連する事項に関すること
 本委員会において、招致活動経費について、全体計画、今回招致経費の内訳及び決算の見込みについて説明があった。また、新国立競技場の建設費の都の費用負担の考え方や施設整備などについても、質疑が行われた。

4 結び
 18期委員会では、申請ファイルの提出、立候補都市の選定、立候補ファイルの提出などの各段階において、報告を聴取するとともに、質疑を通じて、2020年オリンピック・パラリンピックの招致活動に対し、様々な提案を行った。
 本委員会では、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の東京開催の決定を受け、18期委員会に引き続き、IOC評価委員会報告書、IOC総会など、開催都市決定に至るまでの活動を総括的に質疑し、都の戦略や勝因などについて検証し、都民のもとに明らかにした。
 東京が取り組んだ2020年オリンピック・パラリンピックの招致活動の成果が、今後、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に向けて十分に生かされることを強く希望して、本委員会の報告とする。

(参考)
第18期オリンピック・パラリンピック招致特別委員会中間報告書
1 本委員会の設置
(1)設置の経過
 本委員会は、東京都議会として、2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行うことを目的として、平成23年12月15日の平成23年第四回定例会本会議において、小林 健二君外112名の動議により、下記の要綱のとおり設置された。

オリンピック・パラリンピック招致特別委員会設置要綱
1 名称 オリンピック・パラリンピック招致特別委員会とする。
2 設置の根拠 地方自治法第110条及び東京都議会委員会条例第4条による。
3 目的 2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行う。
4 委員会の組織 委員の定数は、17名とし、委員長1名、副委員長3名、理事3名を置く。
(2)委員及び役員
ア 議長は、平成23年12月15日の本会議に諮り、次のとおり委員を指名した。
山内れい子君 西沢けいた君
伊藤 興一君 小山くにひこ君
淺野 克彦君 中村ひろし君
高橋 信博君 高橋かずみ君
野上 純子君 山口  拓君
たぞえ民夫君 藤井  一君
鈴木 隆道君 大西さとる君
小沢 昌也君 川井しげお君
吉野 利明君
イ 平成23年12月15日の委員会において、次のとおり委員長、副委員長及び理事が互選された。
委員長  山口  拓君
副委員長 藤井  一君
副委員長 小沢 昌也君
副委員長 吉野 利明君
理事  高橋かずみ君
理事  野上 純子君
理事  大西さとる君
ウ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成24年6月5日の平成24年第二回定例会本会議で報告し、承認を受けた。
平成24年4月4日付け

○辞任  西沢けいた君
     小山くにひこ君

○選任  新井ともはる君
     佐藤 由美君
エ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成24年9月19日の平成24年第三回定例会本会議で報告し、承認を受けた。
平成24年9月12日付け

○辞任  中村ひろし君

○選任  柳ヶ瀬裕文君
オ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成24年10月31日の平成24年第一回臨時会本会議で報告し、承認を受けた。
平成24年10月26日付け

○辞任  新井ともはる君
     大西さとる君

○選任  くまき美奈子君
     いのつめまさみ君
カ 平成24年11月9日の委員会において、山口拓委員長と小沢昌也副委員長の辞任が許可され、欠員となった委員長及び副委員長1名並びに欠員となっていた理事1名が次の通り互選された。
委員長  いのつめまさみ君
副委員長 淺野 克彦君
理事  くまき美奈子君
キ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成25年2月20日の平成25年第一回定例会本会議で報告し、承認を受けた。

○辞任  たぞえ民夫君
     柳ヶ瀬裕文君
○選任  林田  武君
     吉田 信夫君

2 調査研究及び必要な活動の状況
 本委員会は、17回の委員会及び12回の理事会を開催並びに1回の視察を実施し、次のとおり調査研究及び必要な活動を行った。
年月日委員会の調査事項理事会の調査事項
平成23年
12月15日(木曜日)
1 委員長、副委員長及び理事の互選
平成24年
2月6日(月曜日)
報告事項(説明・質疑)
オリンピック・パラリンピック招致活動について
1 運営要領について
2 本日の委員会運営について
3 今後の委員会日程について
4 その他
2月23日(木曜日) 報告事項(説明)
申請ファイルについて
1 本日の委員会運営について
2 その他
3月8日(木曜日) 1 報告事項(質疑)
 申請ファイルについて
2 閉会中の継続調査について
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 今後の委員会日程について
4 その他
5月29日(火曜日) 報告事項(説明)
IOC理事会における正式立候補都市の承認について
1 本日の委員会運営について
2 その他
6月7日(木曜日) 1 報告事項(質疑)
IOC理事会における正式立候補都市の承認について
2 閉会中の継続調査について
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 今後の委員会日程について
4 その他
8月28日(火曜日)
から9月1日(土曜日)
視察 英国ロンドン市
(1)オリンピック・パラリンピック競技大会に係る実地調査
(2)ロンドンパラリンピックの開催状況に係る調査
9月12日(水曜日) 報告事項(説明)
ロンドンオリンピック・パラリンピックにおける招致活動について
1 本日の委員会運営について
2 会期中の委員会日程について
3 その他
9月26日(水曜日) 閉会中の継続調査について
11月9日(金曜日) 1 委員長、副委員長及び理事の互選
11月16日(金曜日) 報告事項(質疑)
ロンドンオリンピック・パラリンピックにおける招致活動について
1 本日の委員会運営について
2 その他
12月3日(月曜日) 閉会中の継続調査について
平成25年
1月30日(水曜日)
報告事項(説明)
(1)立候補ファイルについて
(2)IOC評価委員会について
1 本日の委員会運営について
2 その他
2月8日(金曜日) 報告事項(質疑)
(1)立候補ファイルについて
(2)IOC評価委員会について
1 本日の委員会運営について
2 その他
3月8日(金曜日) 閉会中の継続調査について
4月10日(水曜日) 報告事項(説明)
IOC評価委員会訪問の実施状況について
1 本日の委員会運営について
2 その他
4月17日(水曜日) 報告事項(質疑)
IOC評価委員会訪問の実施状況について
1 本日の委員会運営について
2 その他
6月3日(月曜日) 1 委員会調査報告(中間報告書)について
2 閉会中の継続調査について
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 その他

3 調査・検討の概要
 本委員会は、平成23年12月15日に設置された後、1年6か月にわたり、精力的に調査研究及び必要な活動を行った。
 委員会では、継続的にオリンピック・パラリンピック招致のスケジュールを確認するとともに、招致活動の現状について報告を聴取し、質疑を行った。この間、開催基本計画の策定、申請ファイルの提出、正式立候補都市の承認、立候補ファイルの提出、IOC評価委員会の訪問など様々な招致活動が行われている。
 また、4年に一度という限られたオリンピック・パラリンピック開催の機会をとらえ、ロンドンパラリンピックの開催状況等の視察を実施した。
 本委員会における調査研究及び必要な活動の具体的状況は、次のとおりである。
(1)オリンピック・パラリンピック招致活動
 オリンピック・パラリンピック招致活動については、開催都市決定までのスケジュール、他の申請都市の状況、開催都市決定の仕組み、招致体制、世論調査、これまでの招致決議の状況について説明があった。
 具体的な質疑では、今回の招致活動の特徴、招致活動の見通し、世論調査の手法や結果の具体的内容、2020年大会の経済効果に関する見込みなどの確認が行われた。
 国内での招致活動については、全国の道府県での気運醸成策、支持率の更なる向上策、インターネットを活用しての世論喚起の方策、具体的なPR活動、招致決議の状況などの質疑が行われた。国際的な招致活動については、国際的プロモーション活動の重要性や人材確保策、地震に対する不安を払拭するための取組などについて質疑が行われた。
 また、2016年大会招致の負債返済方法、招致活動に関する経費、マーケティング専任代理店契約、復興専門委員会の検討状況などについても質疑が行われた。
(2)申請ファイルについて
 申請ファイルについては、平成24年2月13日にIOCに提出されたことが報告され、次に、大会ビジョン、会場配置コンセプト及びレガシー、競技及び会場、環境及び気象など11章からなる内容について説明があった。また、2020年大会開催に伴う復興支援策を検討するために設置された復興専門委員会の中間報告についても説明があった。
 具体的な質疑では、東京開催の意義、大会レガシーの継承、競技会場の整備、医療体制、招致予算の概要、大会期間中の交通混雑解消策、テロ対策、他都市の申請ファイルの特徴などについて議論が行われた。
 復興専門委員会の中間報告に関しては、大会準備期間における事業や招致段階での取組などについて質疑が行われた。
 また、ロンドンオリンピックにおける国際プロモーション活動や東京の安全性をアピールする取組についても質疑が行われた。
(3)IOC理事会における正式立候補都市の承認
 現地時間平成24年5月23日に、カナダ・ケベックで開かれたIOC理事会において、立候補を申請した5都市の中から、東京、イスタンブール、マドリードの3都市が立候補都市として選定された。発表された評価結果では、東京が、14項目のうちメディアセンター(IBC、MPC)、宿泊施設、輸送、医療及びドーピングコントロールなど7項目で最高評点を獲得し、総合評価で非常に強力との評価を得たことが報告された。
 具体的な質疑では、IOCによる評価の具体的な内容、IOCによる世論調査結果などの確認が行われた。
 また、災害対策、受動喫煙対策、今後の広報戦略、障害者にも配慮した施設整備、オリンピックスタジアムの整備規模や経費、ロンドンオリンピック開催時に設置されるジャパンハウス、オフィシャルパートナーなどについても議論が行われた。
(4)視察(英国ロンドン市)
 平成24年8月28日から9月1日までの間、オリンピック・パラリンピック競技大会に関する実地調査及びロンドンパラリンピックの開催状況に係る調査を実施するため、英国のロンドン市を視察した。
 視察では、ロンドンパラリンピック開会式・個別競技の開催に係る運営や施設の状況調査、JSC(日本スポーツ振興センター)のロンドン事務所長からの説明聴取と意見交換、JPC(日本パラリンピック委員会)及び都で設置したジャパンハウスでの日本代表経験者との意見交換や在英国日本国大使館への訪問などを行った。
(5)ロンドンオリンピック・パラリンピックにおける招致活動について
 ロンドンオリンピック・パラリンピック開催期間中の招致活動については、ジャパンハウスでの招致活動、国際レセプションの開催、IF(国際競技連盟)との調整、IOC及びロンドン大会組織委員会が主催するオブザーバープログラムへの参加、オリンピックパークを中心とした各種競技会場や会場周辺の輸送状況の視察、IOCホテルなど宿泊施設等の視察などについて報告があった。
 ロンドン大会での成果と課題、ロンドンでの招致経費、立候補ファイル提出に向けての取組、カヌー施設の建設や国立競技場の改築、大会終了後の施設利用などについて質疑が行われた。
(6)立候補ファイル及びIOC評価委員会について
 立候補ファイルについては、平成25年1月7日にIOCに提出されたことが報告され、次に、大会の全体的なコンセプト、政治及び市民の支援、環境、財政など14のテーマからなる内容について説明があった。
 IOC評価委員会については、東京訪問の日程、評価委員会委員、評価委員会対応の方針などについて説明があった。また、9月7日のIOC総会までの国際招致活動の流れについても説明があった。
 具体的な質疑では、立候補ファイルについては、東京の強み、都民の支持率、選手村の整備内容、宿泊施設、輸送インフラの整備、施設整備に当たっての液状化対策、開催準備基金の使途、大会開催時の市民生活への影響を抑えるための取組などについて議論が行われた。
 IOC評価委員会については、東京訪問時の具体的な対応やアピールポイントなどについて質疑が行われた。
(7)IOC評価委員会の東京訪問
 平成25年3月4日から7日まで行われたIOC評価委員会の東京訪問については、概要や成果などの報告があった。

4 今後の予定
 平成25年の今後の主な予定としては、6月14日から16日まで国内オリンピック委員会連合総会がスイスのローザンヌで開催される。その後、IOC評価委員会の報告書が公表される予定であり、7月3日、4日にスイスのローザンヌで開催されるIOCテクニカルブリーフィングで、立候補ファイルに関するプレゼンテーションなどが行われる。
 そして、9月7日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されるIOC総会で、2020年オリンピックの開催都市が決定する。