オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会速記録第五十一号

平成二十九年五月十一日(木曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長高島なおき君
副委員長吉倉 正美君
副委員長小山くにひこ君
副委員長吉原  修君
理事遠藤  守君
理事秋田 一郎君
理事野上ゆきえ君
理事相川  博君
理事吉田 信夫君
菅野 弘一君
川松真一朗君
上田 令子君
山内れい子君
まつば多美子君
神野 次郎君
とくとめ道信君
鈴木 隆道君
今村 るか君
畔上三和子君
鈴木貫太郎君
山崎 一輝君
林田  武君
川井しげお君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長塩見 清仁君
次長理事兼務岡崎 義隆君
技監相場 淳司君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長戸谷 泰之君
連携推進担当部長丸山 雅代君
自治体調整担当部長高野 克己君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務越  秀幸君
運営担当部長田中  彰君
パラリンピック部長萱場 明子君
障害者スポーツ担当部長新田見慎一君
大会施設部長根本 浩志君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 一幸君
施設担当部長砂田  覚君
施設担当部長花井 徹夫君
施設整備担当部長小野 幹雄君
輸送担当部長片寄 光彦君
選手村担当部長朝山  勉君
スポーツ施設担当部長藤木 仁成君
スポーツ推進部長小室 明子君
スポーツ計画担当部長川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長篠  祐次君
国際大会準備担当部長土屋 太郎君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・開催都市契約二〇二〇の公表について(説明)
・二〇二〇年大会開催準備に関わる主な取組について(質疑)
・新規恒久施設の施設運営計画(最終のまとめ)について(質疑)
・大井ホッケー競技場の整備について(質疑)
・有明テニスの森の整備について(質疑)
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その六)について(質疑)

○高島委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員の辞任及び選任について申し上げます。
 議長から、去る五月十日付をもって、立石晴康委員の辞任を許可し、新たに神野次郎議員を選任した旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員を紹介いたします。
 神野次郎委員です。

○神野委員 どうぞよろしくお願いいたします。

○高島委員長 紹介は終わりました。

○高島委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○高島委員長 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項、開催都市契約二〇二〇の公表については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 延與パラリンピック準備調整担当理事大会運営調整担当理事兼務は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、塩見オリンピック・パラリンピック準備局長から発言の申し出がありますので、これを許します。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 本日午前十時より、首相官邸におきまして、知事が安倍内閣総理大臣に面会し、大会経費の負担に関し、以下の点について表明し、お願いをいたしました。この場をおかりしまして、その概要について取り急ぎご報告させていただきます。
 まず第一に、東京都及び他の県市所有の施設に係る仮設につきまして東京都が負担することでございます。
 第二に、パラリンピック経費について国の負担を求めることでございます。
 第三に、セキュリティーやドーピング対策などの行政的経費についても国が役割と責任をしっかりと果たすよう求めるということでございます。
 今後、オリンピック・パラリンピック準備局といたしましては、これらに基づき、国や関係自治体、組織委員会と大枠の合意を目指し、さらに努力いたしてまいります。

○高島委員長 発言は終わりました。
 なお、各委員の皆様方にお話をさせていただきます。
 先ほど理事会を開催させていただきました。ただいま塩見局長から発言がありましたように、本日午前中に小池知事が総理とお会いして、今の三点についてのお話をさせていただいたということでございます。
 次回の委員会も予定はされておりますが、まだ日程は未定ということもございまして、この件について、もしきょうの委員会で質疑が行われることについては可とすると各理事から了承をいただいたということで、各委員の先生方にはご理解をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 それでは、そのようにさせていただきます。

○高島委員長 次に、理事者から、開催都市契約二〇二〇の公表について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 それでは、私から、開催都市契約二〇二〇の公表についてご説明いたします。
 お手元に配布してございます資料をごらんください。
 まず、1、開催都市契約二〇二〇でございますが、平成二十五年九月、東京都が二〇二〇年大会の開催都市に決定した際に、東京都、IOC、JOCが大会に向け遵守すべき内容について定めた合意書でございまして、その後、平成二十六年八月、組織委員会が契約に加わっております。
 なお、守秘義務条項がございますことから、これまで非公表となってございました。
 続きまして、2、公表までの経緯についてご説明いたします。
 平成二十七年九月、アジェンダ二〇二〇に基づき、IOCが二〇二四年大会の開催都市契約のひな形を公表しております。また、平成二十八年十一月には、都政改革本部オリンピック・パラリンピック調査チームから、IOCの同意を得て開催都市契約を公表すべきとの提言がありました。
 こうした状況を踏まえまして、情報公開を進め、都民を初め、多くの方々に大会についての理解と協力を得るために、開催都市契約を早期に公表すべく、IOCと協議を行ってまいりました。本年五月四日に合意書への全当事者の署名が完了し、五月九日、公表に至ったものでございます。
 3、公表文書でございますが、開催都市契約二〇二〇のほか、組織委員会が加わるための合意書である併合契約、大会運営要件、そのほか関連する附属合意書二点でございます。
 一ページをおめくりいただきまして、二ページ目、開催都市契約二〇二〇の概要をごらんください。
 開催都市契約の各条項につきまして、項目の一覧をお示ししてございます。基本原則、組織や計画、開催の原則等につきまして、十二章八十七条で構成されております。
 今回公表いたしました文書につきましては、本文並びに参考和訳をお手元にお配りしておりますので、後ほどお目通しいただければと存じます。
 説明は以上でございます。

○高島委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。

○高島委員長 次に、報告事項、二〇二〇年大会開催準備に関わる主な取組について外四件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○川松委員 まず私からは、ただいま局長から報告のありました、けさ、小池知事が安倍総理とお会いし、お話をされたことについて、その考え方について少し説明を求めていきたいと思います。いろいろと聞いてまいりますが、さまざまなことを整理しながらお話を伺ってまいりたいと思います。
 誰もがご承知のとおり、おとといの九都県市の首脳会議におきまして、当事者である、開催県となる三県の知事に対し、小池知事は、現在はその費用分担の考え方について精査中である、あるいは今月中には回答すると答えたばかりでありました。おとといの九都県市の首長さんたちにそういうお伝えをしていて、そして一日と少したった途端、突然、総理に都の対応策を説明されたということであります。
 九都県市の首脳会議が終わってからけさまでの間、オリ・パラ局はどんな作業をされてきたのか教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 昨日、知事に対しましては、本日の総理との面会に当たりまして、昨年十二月二十六日に関係自治体の知事、あるいは市長から要請を受けまして、知事が提案して設置された作業チームでの実務的検討の内容、あるいはそれを経まして、本年四月十八日の関係自治体等連絡協議会幹事会におきまして課題の抽出や整理がなされたこと、それから、改めまして五月九日の九都県市首脳会議におきまして神奈川県などから費用負担の早期決着を要望されたこと、仮設の基本設計が早いものでは五月末から予定されていること、こういった状況につきまして再確認をさせていただいたところでございます。

○川松委員 再確認と今答えがありましたけれども、私、先日のこの特別委員会で、三月末と小池知事が明言しておきながら、なかなか結論が出ないことについて、早期に結論を出すべきであると、そして二〇二〇年に向けて、オール東京、オールジャパンが一つになって向かっていくべきであるということを質問させていただきました。
 再確認という今発言が部長からありましたけれども、九都県市の首脳会議の前には同じような説明はされていたんでしょうか、いなかったんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 知事に対しましては、節目節目で、作業チームの状況ですとか、関係自治体等連絡協議会幹事会の内容、あるいは今後のスケジュール、今申し上げましたような仮設の基本設計が早いものですと五月末から入るといったようなことにつきまして、ご説明をさせていただいております。

○川松委員 つまり、九都県市の首脳会議の前と、そしてきのうでは、オリ・パラ局としては、知事には説明したけれども、いわゆる関係県だとか、国だとか、組織委員会と現場レベルの作業は、きのう一日はされていないということでよろしいんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 それはそのとおりで結構でございます。

○川松委員 ということは、作業自体は何も進んでいなかったけれども、九日、おとといとけさでは、がらっと事態が変わりました。それはなぜだと思いますか。オリ・パラ局としての考え方を教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたように、昨年の十二月二十六日、あるいは、ことし五月九日の九都県市首脳会議におきまして、費用負担の早期決着を要望されたこと、あるいは仮設の基本設計が早いものでは五月末から予定されている、そういったようなことを総合的に勘案したことが類推されるところでございます。

○川松委員 今、部長から類推という言葉が出ましたけれども、私の類推は違います。九都県市の首脳会議で明確な答えが東京都知事から出てこなかった。それを受けて、三知事が総理官邸に行って、総理にこの事態解決、何とかしていただきたいとお願いをした。そして、総理がオリンピック競技大会・パラリンピック競技大会担当大臣に指示を出して、そこから事態が動いたんだと思うんです。
 なぜ、東京都の問題を総理官邸を巻き込んで、このような突然の発表、皆さん方も突然だったと思いますよ、いきなりこういう発表になったのかが不思議でなりません。このことも含めて、まだまだ質問続けていきますが、けさ、知事は総理に説明をされたわけですが、なぜ三知事が総理官邸に行くよりも先に小池知事は総理官邸できょうの話をしなかったんでしょうか。今、部長の話を聞いていれば、きょうよりも前に、きのうだとか、おとといだとか、先週もできた話だったという認識ですけれども、いかがでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 日程につきましては、正直私の方ではよく承知をしておりませんが、報道等によりますと、連休前には予定をされていたというふうには伺っております。

○川松委員 今の部長の話から類推すれば、連休前に決まっていたんだったら、九都県市首脳会議で同じことを発言できたんじゃないでしょうか。局長、違いますか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 あくまでも三者協議の大枠の合意というものはこれからでございますので、それがまず一つ。
 きょう、知事の会見等でも日程については、今、部長から答弁があったように、連休前からの予定がきょうであったということ。
 あと、神奈川県知事の面会については、私、実はおとといですか、当日、神奈川県の宮越局長から夜お電話をいただきまして、実はきょう菅官房長官と会う予定はあったんだけれども、その足で総理大臣にお会いしたと、ついては、一緒に千葉県知事と埼玉県知事を九都県市の場でお誘いして、菅官房長官とお会いして一連の流れになったと、そういうふうに聞いておりますので、日程に関しては、そういった経過の中で行われたというふうに理解しているところでございます。

○川松委員 私は、都知事は連休前から総理にアポを入れているということであれば、あの九都県市の首脳会議で、きっちりとした場面で、情報公開ということを知事就任して以来おっしゃっていた知事であれば、密室での総理にお話をしたということではなくて、あの九都県市の首脳会議の場で堂々とご自身の考えを述べられるべきだったのではないかなと思います。
 では、ちょっと質問を変えますが、小池知事は、けさ総理官邸に行く前に、総理官邸に行きますよということを三県知事にはお伝えをしていたんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 済みません、私としてはちょっと承知をしていないところでございます。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 補佐官からの報告によりますと、きょうの面会の終わった後に三知事にはご連絡したというふうに聞いております。
 それと、先ほどの九都県市の場でというお話は、日程的にきょう知事が総理にお会いする、そこで考え方を表明し、お願いをするということでありましたので、九都県市の場できょうを前にいろんなことをいうというのは、いささか無理があるのではないかというふうにも理解しているところでございます。

○川松委員 九都県市首脳会議の前に、小池知事は総理とお会いすると約束は決まっていたんですか。今の説明だとそういうことになりますが、いかがでしょうか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 先ほども申し上げましたように、日程については連休前から決まっていたというふうに聞いております。

○川松委員 そこのあたりもこれから私どもも精査させていただきますが、今おっしゃったように、知事はきょう官邸に行ってお話をしました。先ほど局長からもあったように、三つの事項について表明をされたということでありますが、これ真っ先に説明すべきは三県の知事だったのではないかなと思うんですね。
 これ、事務レベルで調整を進めてこられたんですよね。知事も何度もいっています。事務方がやっています、事務方がやっていますといっていますが、これをオリ・パラ局として、こうした知事の対応、今後の調整について、ほかの県との信頼関係という意味で影響はなかったのかどうか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 私ども、事務的には各県とかなりいろんなことをしております。今回をもって、きょうをもって大枠の合意に達しているということではございませんで、これからまだまだ各県といろいろご理解を得なくてはいけない。
 あとは、国においてはやっぱりいろんなことの調整も当然ありますので、やっぱり勝負はある意味これからだというふうに思っていますので、私どもとしては、この三者合意に向けてさらなる努力をしていく必要があると、そういうふうに理解しております。

○川松委員 勝負はこれからといいましたけれども、何の勝負についてですか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 大枠の合意に達するということでございます。

○川松委員 これ、今までの知事の発言だとか姿勢からすると、仮設の費用を、例えば他県に都税を使うのは、都民の皆様の税金を他県に使うのはちょっとクエスチョンのようなご発言をされていたように私は思っているわけですが、これ、なぜ今回、方針を変更して、総理に小池知事は考えを示されたんでしょうか。局長、何か聞いていますか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 私の理解としては、方針が変更されたというふうな理解はしておりませんで、他県について出さないと、ちょっときょう、一部新聞記事にそういう内容の報道がありました。ですけど、それは決して当たっていないというふうな理解でおります。

○川松委員 ということは、小池知事は都民の税金、いわゆる都税を他県に使うということを以前から了としていたということになりますけれども、正しいんですか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 知事は以前に記者会見で、都民から預かった都税そのものをほかのことに使うということは、地方財政法との関係もあり、ハードルが高いというような発言をしてございます。
 一方、本年一月三十日の参議院予算委員会におきまして、地方財政法の解釈権限を持つ総務大臣から、三者協議の結果、東京都の事務として整理されたものにつきましては、東京都が負担しても地方財政法上問題はないと答弁も出ているところでございます。
 これらを受けてオールジャパンでの大会準備を加速させるため、先般の第一回定例都議会での施政方針、あるいは今回の知事の表明というふうに理解しているところでございます。

○川松委員 これ、記事にも確かにきょう出ていたわけですが、今回の変更というのは、東京大会、立候補した、その立候補ファイルに基づいた、原点に返っての方針変更という考え方でよろしいんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 立候補ファイルにおきましては、仮設は組織委員会の分担となっております。
 また一方、同じくこの立候補ファイルにおきましては、都は組織委員会に対しまして財政保証をしているところでございます。今回の変更はこれらを総合的に判断した結果と考えているところでございます。

○川松委員 例えば立候補ファイルに基づいてお話しさせていただきますと、先ほど局長から、パラリンピックの国のサポートをいただきたいということをお話しされたということでありました。立候補ファイルにパラリンピック大会の費用負担はどう書かれていますか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 立候補ファイルにおきましては、日本国政府及び東京都は、パラリンピック競技大会の運営費用の五〇%を支援することを保証しているという記載がございます。

○川松委員 ここ重要なポイントです。一〇〇%の東京パラリンピック競技大会の費用の中で、五〇%を都だったり国だったり、公的なもので負担する、五〇%は組織委員会、これはもう立候補ファイルに書かれていました。残りの五〇%をどうするかという議論を今まで我々はずっとやってきたんじゃないんでしょうか。そして、公的なものに関しては、基本的な、常識的な範囲からいくと、国と都はそれをまた半々で分け合うという考え方を持って作業してきたと思います。
 今の、きょうの話、知事の話だと、初物が出てきたような報告でしたけれども、これはもうずっと決まってきたレールにのっとっていたことであって、決して今になって初めて出てきた、国に負担を求めるという話ではなかったはずですが、私の考えは間違っていますか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 委員おっしゃるとおり、立候補ファイルにおきましては、全体の半分をいわゆる公的部門が費用を負担すると、ただ、その内訳につきましては明記をされていないというのはおっしゃるとおりでございます。
 三者協議の実務的、事務的な検討におきましては、じゃあ、この負担割合をどうしていこうかというところにつきましては、かなり大きな課題であったところでございますが、おっしゃるとおり、どういう比率がいいのかという合理的なところもなかなか難しい。あるいは、過去の大会で国と地方との比率というのが必ずしもちょっと明確ではないようなところもございまして、一対一、折半というところが妥当だろうというところで事務的には調整をしていたところでございます。

○川松委員 簡潔に答えていただきたいんです。きょうは小池知事、総理官邸でお話をされた後に記者団に対して、いわゆる今いったように二対一対一という考え方を示されたんですが、これは新しい考え方じゃないですよね。もともとあった考え方ですよね。こういうことで作業を進めてきたんですよね。これに対してイエスかノーかで教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 事務的にはそのような比率で調整してきたところでございます。

○川松委員 そうすると、他県の費用負担の話も、パラリンピックの話も、全てもとに戻ったと。三者協議が立ち上がったのは、そういうことも含めて三者協議が立ち上がったんだと思うんです。
 小池知事が就任してさまざまなことを発信されてきましたが、いろんな問題提起はされました。問題提起はされましたけれども、結局は小池知事就任前に戻った。ただ時間だけが過ぎてしまった。この表現で私は間違っているでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今るるお話のございましたパラリンピック経費のほかにも、さまざまな大会経費には膨大かつ複雑多岐にわたる業務がございます。それらにつきましてどのように関係者間で分担し合うかというふうなところにつきましては、かなり時間を割いていたというところでございます。

○川松委員 だから、時間を割いた結果、時計はもとに戻ったと。それで違いますかね。この一年間、もっといろんなことがあって、オリンピックに向けて本当にいろんな準備をしなきゃいけない、やらなきゃいけないことがあった。この後話しますけれども、神奈川県だって、もうプレプレ大会までやらなきゃいけないというところに差し迫っているわけです。
 にもかかわらず、これは今回の問題だけじゃありませんよ。去年の年末にあった三会場の見直しも含めて、結局全部もとに戻っているんです。このことについて、局長、どう思っていますか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 私が就任したのが昨年四月一日で、その前日、三月三十一日に当時の知事とオリ・パラ大臣と組織委員会会長で三者協議がスタートしたんですね。
 ただ、そこからいろいろ積み上げてきて、もとに戻ったかどうかという評価はそれぞれなのかもしれませんが、私たちとしては、その時点では一定のものというのはまだないわけですね。現在でもまだないわけでありまして、したがって、もとに戻って何かがあるというわけではないというふうに理解していまして、今後も当然、大枠の合意に向けて努力を続けるということでございます。

○川松委員 じゃあ、聞き方を変えます。知事に就任してからこの間、物事は進まなかったということでよろしいでしょうか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 評価は客観的に、私自身がするわけではありませんが、一定の成果を得るべく、日々努力をして、一つ一つ、一歩一歩進めてきたというつもりであります。

○川松委員 だから、事務方の皆さん方もやってきた、詰めてきたけれども、進まなかったということが今わかりました。
 この総理官邸を巻き込んだ今週の動きになっているんですが、ここでどうしても一言触れておかなければならないことがあります。知事は、所管局の事務方との、皆さん方との調整、そして、議会の説明よりも、ご自身の顧問団だとか、さまざまなプロジェクトチームとの調整に何か重きを置いているように見受けられるわけですけれども、その中で、上山特別顧問がご自身のツイッターで、総理が出てきたことについて、何じゃこれ、国は金出さないのにどうやって調整するんだろう、かえって混乱するだけですね、国に都民の税金の使い方を指示される筋合いなしと、こういうコメントをされているわけです。
 こういうことを知事の近くにいる方が発信すると、なおさら混乱すると思いますけれども、このツイッター上での上山特別顧問の発言について、所管局の所見をお伺いいたします。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今、私も初めて聞いたところでございますが、上山顧問の見解を述べたものだというふうに受けとめたところでございます。

○川松委員 私はこの発言そのものを、この一つ一つを捉えて文句をいうのではなくて、みんなでやりましょう、オール東京で、オールジャパンで、みんなで一つになって二〇二〇年成功させようというときに、知事の周辺にいる人たちがそういう発信をすると、また信頼関係をつくるための余計な作業が生じるんじゃないかということで私達は心配しているんです。ですから、所管局の皆さん方としても、都政改革本部なり何なりにこのことに対しては意見を申した方がいいと思います。申してください。ぜひよろしくお願いいたします。
 そして、このオリンピックとパラリンピック両方の二〇二〇年大会の経費と役割分担についての財政保証の考え方についても触れさせていただきますが、開催都市の東京というのは大きな責任があるわけです。東京都が開催都市で、東京都が責任を持って二〇二〇年大会というのを成功させなければならない。その意味において、知事はみずからが先頭に立って、東京都の財政負担をできるだけ削減していく。都民の皆様方からいただいている税金をできるだけ使わないようにしながら、最大の効果を出すように努力し、さまざまな調査を進めるのが私は開催都市の知事としての基本姿勢だと思っています。
 そうした努力を行った上で、なお国による財政保証が必要と知事が判断した場合には、知事みずからが国に出向いて、現在東京都の財政状況はこうなっていますよ、だから一緒になって、オール東京からオールジャパンに向けて一緒になってやってください、頑張りましょうという財政保証への理解を求める努力をすべきだというのが本来の姿ではないかと考えます。
 そこでまず、国による保証も含め、立候補ファイルにある財政保証というのはどういう考え方に基づいているのか教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 まず、組織委員会が資金不足に陥った場合には、開催都市である東京都が補填することを立候補ファイル上、保証しております。なお、東京都が補填し切れなかった場合には、最終的に日本国政府が国内の関係法令に従い補填することを保証しております。

○川松委員 その東京都が補填し切れないという場合は、どういうケースでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 過去に国の方で国会答弁をしているところでございますが、都が財政的に支払えなくなった状態、いわゆる一般的な言葉でいいますと、財政破綻というような状況に陥った場合というようなことを想定した答弁がなされているところでございます。

○川松委員 その財政保証について、今の考え方を当時の内閣総理大臣、あるいは東京都知事がご自身でサインをして保証しているわけであります。その保証書をきょう持ってまいりました。
 ここに野田佳彦、当時の内閣総理大臣のサインが入って保証されております。そして同様に、その財政保証について、当時の猪瀬直樹知事の直筆のサインで財政保証しているわけであります。この責任というのは、内閣総理大臣野田佳彦さん個人、あるいは東京都知事猪瀬直樹さん個人ではなくて、内閣総理大臣や東京都知事の役職として責任を負っているものだったと思いますが、その考え方に間違いはないでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今、委員お話しのその考え方に相違はございません。

○川松委員 つまり、この財政保証というのは、まさに東京都なら東京都知事が世界のオリンピックにかかわる皆さん方に対して証明をした、約束をしたことであります。このことを小池都知事はわかった上でさまざまな財政論議を今されているんでしょうか、局長。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 そのように承知しております。

○川松委員 そして、よくこの財政保証の話の中で出てくるのは、民主党政権時の閣議了解があるんだと、この閣議了解を乗り越えて国にサポートしてもらいたいという発言、さまざまな場面で聞きますが、確認しますけれども、民主党政権時の閣議了解というのはどういうことでしょう。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 平成二十三年十二月に、都に政府として、二〇二〇年大会を東京都が招請することを了解するとともに、大会の円滑な我が国への招致、または開催のために必要な措置を講じ、具体的には次の四つの方針により対処することを閣議了解したものでございます。
 この四つの方針と申しますのは、一つ目は、大会の開催に係る施設につきましては、既存施設の活用を図ることとし、施設の新設や改善、その他の公共事業につきましては、その必要性等について十分検討を行い、多様な財源の確保に努めつつ、その規模を通常の公共事業費の中での優先的配分により対処し得るものとし、国庫補助負担率等、国の財政措置は通常のものとすることでございます。
 二つ目は、新設する施設の将来にわたる管理運営につきましては、地元の責任と負担を主体として行われるものとすることでございます。
 三つ目は、大会運営費は、適正な入場料の設定、放送権収入等の事業収入等により賄われるものとすることでございます。
 最後に四つ目でございますが、国の所要経費は、その必要性等について十分検討を行い、真に必要なものに限って、将来にわたり既定経費の合理化により賄うものとし、関係地方団体においても、その所要財源の確保に努めるよう要請すること。
 以上でございます。

○川松委員 つまり、当時の内閣総理大臣がみずから署名をし、そして東京都知事がみずから署名をした重き決定なわけです。これを乗り越えてお金の話をするというのは、非常に難しいところに我々は立っているということを認識しなければいけません。と同時に、二〇二〇年大会だから、オリンピックだから、パラリンピックだから、いろんなところからお金を使おうという、そういう発想でもないと思うんです。やっぱり小池知事の言葉をかりれば、賢い支出という考え方に基づいて、さまざまなことを精査した上で、この閣議了解も乗り越えていかなきゃいけない、そう思うわけであります。
 小池知事は三月三十一日の記者会見で、役割経費分担に関しては、国の英断を期待するとおっしゃいましたけれども、国の英断とはそもそも何なのか。そして、この猪瀬直樹さんがサインされた保証を引き継ぐとするならば、オリンピックに関していろんな面で英断をすべきなのは小池知事だと思いますが、いかがでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 まず、国の英断でございますが、昨年十二月に組織委員会が公表した大会経費に計上されているものの中には、例えばセキュリティー業務などで、国が本来業務として実施することが適当ではないかと想定されるものも含まれております。
 また、先ほど来ご議論がございましたパラリンピックにおきます運営費用の支援ですとか、あるいはオールジャパンでの取り組みの推進など、大会の成功に向けて国の取り組みや支援が必要と考えられるものもございます。
 このように大会の円滑な準備や運営のための取り組みを関係者と緊密に連携しながら推進し、国としての役割と責任をしっかりと果たしていただくことを国の英断と発言されたものと理解しているところでございます。
 なお、都知事の英断とお話ございましたが、開催都市は東京都でございます。その長としての最終的な判断、責任が、開催都市の長として都知事にあるというふうに考えているところでございます。

○川松委員 今、英断の中でセキュリティーの話もありました。セキュリティーの話は、きょう、総理に知事がお願いをしたと、要請をした中にも先ほど局長の話で入っているわけですが、ただ実際には、サイバー攻撃の対策センターというのは、警視庁の中にもう四月にできているわけですね。もう東京都の予算も入った組織の中で既に動き出しているわけですが、そのあたりのすみ分けというのはできるんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 セキュリティー対策につきましては、ご案内のとおり、警察ですと警察庁、あるいは各県警、都の場合ですと警視庁が中心になろうかと思います。
 国におきましても、警察庁、いわゆる国での対応の部分が、例えば都県域を越えた部分ですとか、そういった部分が想定されるのではないかと考えているところでございます。

○川松委員 これ、セキュリティーの話をアバウトに考えない方がいいと思うんです。年々年々、サイバーテロというのはもう本当に複雑化しています。世界各地で起きています。一年たてば、一年半で一世代、三年で二世代といわれるような時間間隔で動いているのがこの世界ですから、もっと厳密に詰めておかないと、これはもう本当にどんどんどんどん、費用は年々かかっていくと思います。ですから、ここの調整もきっちりと国や組織委員会との話の中でやっておいていただきたいなと要望しておきます。
 次に、この大会準備に向けての入札の話をちょっとさせていただきますが、いよいよ今年度から、都は新規恒久施設を初めとする競技会場の工事に着手することになりますが、今後どれだけの工事の発注を予定しているのか、今年度予定されている案件を示してください。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 今年度、都が整備します新規恒久施設の工事として発注を予定していますものは、カヌースラローム会場が七件、大井ホッケー競技場が五件、アーチェリー会場が二件、有明テニスの森が六件の計二十件となっております。

○川松委員 今たくさんの発注が予定されているという報告でありましたが、その新たな入札制度のもと、都が予定している工事は実際にこの計画どおり間に合うのか、所見を伺います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局総務部長 財務局では、これまでも市場価格とのギャップのない適正な予定価格の設定、事業者に無理を強いることのない適切な工期や工程に設定など、不調を防止し、入札参加者をふやすための取り組みを行ってまいりました。
 今回の改革では、入札参加条件を可能な範囲で勘案するとともに、施工条件や内容をより詳細に設計図書に明示するなど、今まで以上に入札に参加しやすい環境の整備を進めていくこととしております。また、品質確保につきましても、低入札価格調査制度の実施に当たり、工事施工体制に関する調査を強化するとのことでございます。
 当局といたしましても、二〇二〇年大会の準備におくれが生じることなく、また品質が十分確保されるよう、財務局ほか関係各局と連携して取り組んでまいります。

○川松委員 その納期、品質、当然でありまして、これ、私の心配していることは、単に納期が間に合うか、品質を確保できるかと、これは当たり前の話です。そして将来にとって、これは都民の財産を我々はこれからつくっていくわけです。
 ですから、都民にとってレガシーとなるように、使い勝手はよいものなのか、この先十年、二十年、三十年と数十年にわたって広く都民の皆様から愛される施設になっていくのか、こういうこともしっかりと考えて--費用対効果の最大のポイントというのは安上がり、これはもう先ほどいったように賢い支出を考えれば、安いのにこしたことはないんです。安いと同時に、ちゃんとそういったレガシーを残せるかということ、コストパフォーマンスにすぐれた施設であるかどうかということも、きっちりと取り組んでいただきたいと思うんですね。新たな入札制度のもとでこれを、我々は、今、総務部長からは力強い答弁ありましたけれども、大きな不安があるわけです。
 改めてオリンピック・パラリンピック施設建設に取り組む皆さん方の思い、哲学というのを教えてください。

○砂田オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 オリンピックに関連いたします恒設施設整備に当たりましては、その設計に当たりまして、整備費の削減だけではなく、東京にどのようなレガシーを残せるか、また、都民生活にどのような影響を与えるかという点もあわせてこれまで検討を進めてまいりました。この間、説明責任を果たしながらコストの縮減に努めてまいりまして、現在進めております設計でも引き続きコスト管理に努めてございます。
 会場の整備に当たりましては、先ほど申し上げたことを十分に認識し、また、実際に現場で再現できるよう十分な設計に努めてまいります。
 あわせて、施工に当たりましては、今ご議論のあったことも踏まえまして、品質の確保に十分に努めて、改めまして、東京のレガシーとなる施設整備に全力で取り組んでまいります。

○川松委員 とにかくこの思いを大切にしていただいて、取り組んでいただきたいと思います。
 そして、仮設の費用分担の件に関しては、大枠の合意を目指していくという今のスタンスだからこそお聞きしますが、実は組織委員会は、競技会場の仮設オーバーレイの基本設計の発注を既に行っております。既に行っておるわけですけれども、これ、都と組織委員会との役割、経費分担の目途というのは、どこまで話を詰めた状態で、そして組織委員会は発注をされたんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先月二十五日に組織委員会は大会の競技会場につきまして、仮設オーバーレイ基本設計の業務委託に関する発注情報をホームページで公表してございます。この会場の中には、都外の関係自治体の作業チームにおいて議論されてまいりました都外の競技会場も含まれているところでございます。
 都、国、組織委員会の三者におきましては、昨年十二月に組織委員会が公表いたしました大会経費とその考え方を議論のたたき台といたしまして、作業チームの課題を共有しながらコスト縮減を図りつつ、大会費用の分担を協議しているところでございます。
 今後、仮設施設整備を本格化いたしますことから、大会の成功に向けまして準備に支障なきよう、できるだけ早く合意すべく、さらに協議を加速してまいります。

○川松委員 これ、できるだけ早くというよりは、とにかく速やかにやった方がいいと思うんですね。費用分担は誰がやるかまだわからないけれども、もう既に動いちゃっているわけですから、これが後になって宙ぶらりんになって、押しつけ合いになるような格好はよくないと思います。そのことによって我々の東京都のお金が必要以上に使われる、そういうことがないように、きっちりと現場レベルで作業していただくようお願いします。
 加えて、地方の競技会場、さまざまな会場がありますが、設備によっては、仮設といってもかなり難しい工事もあるようで、地方の仮設も基本設計に入っていく、そういう施設もあるというふうに私は調べておりますけれども、この財源の議論というのも速やかに行わなければならないわけですが、きょう、総理と小池知事は会ったわけですけれども、現状において現場レベルでこの財源論はどうなっているんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 委員お話しのとおり、仮設施設の基本設計の経費につきましては、本年度の組織委員会の予算に計上されているところでございます。
 なお、財源につきましては、現在、都、国、組織委員会の三者で協議しています大会費用の分担が合意された後は、その合意に基づき整理をすることになるというところでございます。

○川松委員 私の聞き方が悪かったようです。知事は、仮設の費用を負担すると明言されたわけですから、これ東京都が出すことになると思うんです。東京都が出すとした場合には、この財源というのはどのようにお考えなんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 財源につきましては、一般財源、あるいは起債ですとか、これまでの蓄えの基金ですとか、あるいはもろもろの特定財源であります収入等々ございますが、具体的にはこれから検討していくことになっております。

○川松委員 今、基金という話がありましたけれども、確かに基金は三千九百億円あるわけですが、恒久施設には二千億円使うといっています。残りの千九百億円を使うという一つの選択肢もあろうかと思いますが、私の認識では、基金というのは社会資本等の整備に使われるということですけれども、仮設というのは仮の施設です。その瞬間になくなってしまうものが仮設であるのに、これ社会資本等の整備として今積み上げてきた基金は使えるという認識なんでしょうか。それは使えないのか、いかがでしょうか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局総務部長 委員お話しの基金につきましては、基金の設置条例に基づいて、競技会場の整備を初め、オリンピック・パラリンピック開催に関連する社会資本等の整備に要する資金に充当されることとされておりますけれども、充当に当たりましては、財務局でその内容を踏まえ適切に判断をしていくとのことでございます。

○川松委員 だから、そこの考え方を、事務方は精査しているというふうに知事がお話をされているので、今どんな精査をされているのかなということでお聞きしました。
 もう一点、地方の仮設を東京都の財源で負担するという前提のもとでいくと、地方で仮設を設置しました。この仮設は、いつまで設置していると仮設なんでしょうか。
 つまり、恒久施設は他県であったとしても、その他県が持つはずなんですよ。今、我々が話しているのは、仮設の費用について東京都が持つのか、それぞれの県が持つのか、北海道が持つのかという話をしているわけです。その仮設が二年や三年も残しておくというような仮設だったら、これは我々は恒久施設だというふうに他県の知事ともお話ができると思うんですけれども、その仮設という考え方について、オリ・パラ局はどう思っているのか教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 一般的に仮設と申しますと一年というのが一つの目安というふうにいわれております。実際それぞれ各法律によって若干異なるようでございますが、いずれにいたしましても、恒久施設ということでありますと、そこに、先ほど来ご答弁申し上げました地方財政法との関係で、都の支出としては不適当だということになりますので、あくまでも仮設ということで、都の事務として整理された場合には、先ほど申し上げた総務大臣の答弁を踏まえまして、地方財政法の抵触に当たらないというところからすると、仮設というのはどれぐらいそこにあるのかというのは、一つ基準としてはあるのかなと思っているところでございます。

○川松委員 僕、ここをきっちりと答えられないというのは危険だと思いますよ、皆さんの財政に対する認識が。知事はもう負担するといったわけですよね。皆さん方とそういう仮設とはどういうものなのか、他県にお金を出す場合は幾らぐらいになるのか、じゃ、他県は幾らを求めているのかという議論を局として知事と今までされてきていないんですか。されないで知事は発言されているんですか、いかがですか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 例えば、既にある競技場で老朽化対策、バリアフリー対策というようなもので残るようなものですとか、あるいは施設とか設備の更新で大型映像装置ですとか、今、デジタルサイネージ、あるいはWiFiの環境整備をしていくというふうな残るようなものについては、基本的に各それぞれの自治体の負担になろうかと思っております。
 ただ、それ以外で、大会中だけにしか使用しない、基本的には大会、あるいはその前のテストイベントの期間ですとか、若干の前後の期間ということで先ほど来申し上げた一つの期間として、一年以内の仮設につきましては仮設ということになりますので、そこにつきましては地方財政法の抵触には当たらないというところが一つの基準になろうかと思っております。
   〔発言する者あり〕

○高島委員長 ちょっと待って。今、雲田部長ね、知事についてこの話をきちっとヒアリングやりましたかという質問なんだ。今の恒久施設、失礼ないい方だけど、仮設かどうかという議論はその前段で川松委員から聞いているんですよ。だから、それは今、吉原副委員長から答弁漏れという意見が出たのは、局長、よくわかるよね、今の発言。どなたか、かわる人が発言してください、答弁してください。いいよ、そっちは下がって。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 数字についても大枠の説明は都度都度しているところでございます。

○川松委員 いや、大枠もしていなかったら、これ、とんでもない話になるんです。知事は細かいことといっても--僕は細かいといっても、局長の大枠に比べたら細かいことですけれども、大切な話なんですよ。
 何で今この話をしているかといったら、我々は都民の皆様からお納めいただいている税金をどう使うかという議論の中において、そんなアバウトな考え方で、そんなアバウトな知事とのやりとりの中で他県にお金を出すという議論をされているんですか。違いますよね。ちゃんと議論されているんじゃないんですか、局長。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 申しわけございませんでした。先ほど申し上げた既存施設の改修ですとか、あるいは設備の更新で残るようなものは恒久ですよというようなことについて知事にご説明をしておりまして、そこが自治体側の方でそういうリクエストがあれば、当然それは自治体の方でやっていくというようなことについては説明をしているところでございます。

○高島委員長 ちょっと待って。小山理事は何かいいの、答弁は。おたくも手を挙げたからね。

○川松委員 じゃ、神奈川県の黒岩知事が大変怒っていらっしゃることについて触れます。
 神奈川県は、競技会場として、もう既にプレプレ大会の準備に入っています。今、大会会場が予定されているマリーナにはどれくらい、何艇ぐらいありますか。

○高島委員長 根本さんだろう。ちょっと待ってね。当然、東京都の、開催都市のオリンピックのセーリングの会場に何艇あるかということが質問で、答弁できないのか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 ただいま手元に資料がございませんので、正確なところは申し上げられませんが、私の記憶によりますと約三百艇前後だったというふうに理解しております。

○川松委員 それは早く資料、今、もし持ってこられるんだったら持ってきた方がいい--この間、黒岩知事は千艇といっていたような気がするんです。つまり、今ここにいらっしゃる皆さんがその認識で話を進めていたら進まないんですよ。
 黒岩知事がいっているのは、そのセーリングの会場に今あるこの千艇をほかの場所に移す費用、この費用の財源もどうしたらいいのかまだ決まっていないと。あくまでオリンピックは開催都市である東京都が責任を持つ上において、この今ある船を動かすというのは仮設施設なのか、これは施設の準備費用に入るのか、考え方としていかがでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今、委員お話しの移設の経費につきましては、昨年十二月に公表したV1予算の中では仮設の整備の経費には含まれておりません。

○川松委員 含まれていないとすると、漁業補償もありますけれども、この費用というのは神奈川県が持つことになるんですか。それは組織委員会が持つことになるんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 経費の計上につきましては、V1予算ではまだ未確定ということでございます。誰が負担するのかということにつきましては、まさに今、まだ詰めている段階でございます。

○川松委員 セーリングの会場が東京都から神奈川に移ると決まってから今までどれくらい作業してきて、どんな積み重ねの議論をしてきて、あと、いつになったらその答えが明確に出てくるのか、現在の見通しを教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今お話のありました点も含めまして、今月中の大枠の合意を目指しているところでございます。

○川松委員 つまり、僕は東京都の、ある意味において、東京都で新設の会場をつくっていくとか、さまざまなことを含めたら、既にあるところを使うというのがいいですねという議論の中で、さまざまな会場施設というのは変わっていったわけですよね。夢の島の中にも体育館をつくろうと思ったけれども、それもなくなりました。そういうふうに、これ開催都市の責任というか、開催都市の都合で各県にお願いした経緯もあります。
 私は来年予定されているセーリングのプレプレ大会の運営や会場準備に要する経費等について、現状において、これ東京都から何にもアプローチしていないといわざるを得ませんよ、皆さん方の認識もないんだし。皆さん方頼みます、神奈川県の皆さん協力してくださいと応援要請をしておきながら、全く無責任な対応であるということは、これはオリ・パラ局が責められても仕方ないと思いますから、いま一度引き締めて神奈川県との対応をしていただきたいと思います。
 いわゆる財源論の話というのはすごく大切でして、先ほど基金は使えるか使えないかわからない、あるいは一般財源を使うのかどうかということに関しても、例えばこれ、都外の仮設の費用負担というだけでもおよそ五百億円という数字も出てきています。このことを、要は皆さん方は、きょう、知事が発表される、知事が官邸でこういうことを説明されるというのはどれくらい周知されていたんでしょうか。皆さん方はどれくらい局として認知されていたんでしょうか。教えてください。

○高島委員長 塩見局長じゃないの。いいの、塩見局長、そうなるよ普通は。これを雲田に答弁させるのはおかしいよ。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 どのくらいというか、私と周辺にいる幹部は承知しておりました。

○川松委員 一般財源を使うとしても、基金を使うとしても、そのときには議会の承認というのは要ることでしょうか。専決で出せるお金でしょうか、教えてください。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 当然、議会のご審議を経て、条例改正にしろ、予算の承認にしろ、当然、議会の関与があるというふうに認識しております。

○川松委員 私たちはさまざまな場面で小池知事に対しても、お金のことについては聞きたいと、そして、特別顧問にも直接話を聞きたいと我々述べてきました。しかし、そういった場面はなく、唐突に、突然、総理官邸で発表されるというのは、情報公開の観点から、都民ファーストの観点から、ワイズスペンディングの観点から、余りにもブラックボックスだといわざるを得ませんよ。
 これ、都外の施設で五百億円、そして都内の仮設施設も入れるとすると一千億円も超えてくるんです。合わせて一千五、六百億円とか、まだ数字の精査はあるんでしょうけれども、そういったお金を知事は独断で払います、出します、こういうことが行政手続上、あり得ることなんでしょうか、教えてください。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 きょうは、大枠の合意に向けて知事が総理に考え方の表明とお願いをしに上がったわけでありまして、大枠の合意を得た後も当然それに伴う条例改正、あるいは予算措置というものがあれば、議会のご承認を得て初めて整理するものだというふうに当然考えております。

○川松委員 それはちょっとおかしいと思うんですよ。何で今なんですか。この特別委員会でも取り上げたことをお伝えしますけれども、去年の十月十八日にIOCのバッハ会長が東京にやってこられたとき、知事や特別顧問の皆様方は、仮設費用について一千億から一千五百億円を払うと記載した文書を渡していませんか。もうその時点で知事は腹を決めていたんじゃないでしょうか。
 これをどういう思いだったか知りませんけれども、ここまで政局のように扱って引き延ばしてきたと私は思わざるを得ません。あのバッハ会長に渡した文書の一千億や一千五百億という数字は現在どうなっているんですか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今、委員お話のありました昨年十一月の本委員会におきまして、総務局からご答弁申し上げましたとおり、この文書は公文書に当たるものと考えてございますが、あくまで調査チームとしての考え方を示したものでございます。
   〔発言する者あり〕

○高島委員長 ご静粛に、ご静粛に。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 現在は、大会運営に直接使用するプレハブテント等の整備を組織委員会、オリンピック施設として一時的に使用する施設等の整備を組織委員会以外の分担とする昨年十二月に示されました組織委員会の案をたたき台といたしまして、三者で議論をしているところでございます。

○川松委員 五輪調査チームは都政改革本部の中にあります。都政改革本部の責任者はどなたですか。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局総務部長 小池知事でございます。

○川松委員 これは私、都政改革本部の事務局にも確認して、きょう質疑に立っていますが、五輪調査チームの考え方を示したということは、都政改革本部の考え方を示した。つまり、小池さんが本部長ですから、小池さんの考え方を示したということになります。
 その延長線上において、きょう、小池知事は総理の前で--三知事も官邸に行った、そして、世の中からさまざまな批判も出てきた、その批判をかわすために、みずからばあんと金額を出しますということを明言されたんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 おとといに対するきょうということであれば、先ほどもいったとおり、そういう意味でのきょうのことはないというふうに私は理解しております。

○川松委員 それは局長の理解なので、知事の考えではないですから、本来、直接知事に聞きたいところでありますけれども、数字が余りにも一致しているので、私はそういうことを述べています。
 次、行きます。小池知事は二〇二〇年大会の開閉会式について、これはオールジャパンで取り組む必要があるということで、費用面も含めた国の関与を求めております。
 実際にリオデジャネイロ大会は、小池知事も閉会式に出席されて、そして安倍総理も出席されたわけですが、あのリオ大会のハンドオーバーセレモニーでは、都と国、組織委員会、経費分担はどうなっていたんでしょうか。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 リオ二〇一六大会閉会式におけるフラッグハンドオーバーセレモニーは、国内の大会開催機運醸成に加え、海外に向けた開催都市東京及び二〇二〇年大会をアピールする絶好の機会であり、都と組織委員会が共同で取り組みました。
 実施経費は、オリンピック・パラリンピック両閉会式でのそれぞれ八分間のプレゼンテーションに係る費用一式であり、これをPRの実施内容と所要時間に応じて精査し、都と組織委員会で経費を分担いたしました。
 その結果、都が負担する開催都市東京の魅力PRに相当する部分が全体の約八割、組織委員会が負担する二〇二〇年大会そのもののPRに相当する部分が約二割となったところでございます。

○川松委員 では、リオ大会の前例は今お聞きしました。じゃあ、小池知事が求めている二〇二〇年大会の開閉会式の都の役割や経費分担については、現在どのようにお考えなんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会費用の分担につきましては、この開閉会式も含めまして、現在、三者協議の場で実務的な検討を進めております。昨年十二月に示されました組織委員会の案では、大会運営に係るもののうち、レガシーとして残るものや、あるいは、都市や国のPRにつながるものなどにつきまして組織委員会以外の分担としているところでございます。
 なお、ロンドン大会におきましては、都市や国の経済、観光に寄与するものとして公的部門が一部負担をしているところでございます。

○川松委員 今の答弁に基づいて開閉会式の考え方をお聞きしますが、リオの話だと、これ、東京都をPRする部分と、国、組織委員会をPRする部分で八割と二割で分けたといいます。東京でやる開閉会式で、ここまでは日本のプレゼンテーションです、ここは東京のプレゼンテーションですと厳密に分けられるんですか。
 全てが日本のプレゼンテーションであり、全てが東京のプレゼンテーションであると私は思いますけれども、今いったように、どういう調整の中で明確な分け方をしようと考えていらっしゃるのか教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 現在、どのような開閉会式が行われるのかという内容につきましては、まだこれから具体的な検討というふうに聞いております。したがいまして、その状況に応じて具体的な費用分担を決めていくということが考えられるかと思います。
 ただ、考え方といたしましては、今、委員のお話ございましたように、実際にどう、リオ大会のように、時間というのも一つのやり方でありましょうし、あるいは全体が国をアピールする、東京もアピールする、あるいは大会そのものをアピールする、全体に係るということであれば、それぞれ応分の負担ということもあるのかなというところでございます。

○川松委員 その応分の負担が、リオでやったハンドオーバーセレモニーのここは、それは、安倍さんが出てきたところは国ですねと、東京スカイツリーが出てきた場面だとか、さまざまな東京のまちが出てきたところは東京ですねというのはわかるんですよ。
 だけれども、東京でやる開閉会式で、ここは東京です、ここは日本ですという線引きは、理屈、文字の上ではわかるかもしれませんけれども、実態として、それを割っていくというのは難しいと思いますよ。そういう議論は、例えば作業チームの中でまだ出てきていないということなんですか、されていますか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 ただいま申し上げましたように、開閉会式の中身そのものがまだこれからというところもございまして、具体的な検討、調整状況はまだこれからという状況でございます。

○川松委員 考え方として、開閉会式の中身が決まってから費用を決めるんですか。費用を決めてから中身を決めるんですか、いかがでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 あくまでも予算をあらかじめ立てるというのが通例でございますので、その予算の範囲の中で開閉会式の中身を決めていくんだろうというふうに考えているところでございます。

○川松委員 その予算が大変だから議論しているんですよ。今、例えばオリンピックの競技会場のセーリングのこともそうです、ほかもそうです。みんな個別のところがそうやってまとまっていない中で、いろんな人たちがお金をくれとか、こっちでよこせ、足りないとかと議論していたら先に進みませんから、もう一つ一つできることはちゃんとやっていかないと、数字を決めた上でやっていかないと、もう青天井でどんどんふえていっちゃいますよ。僕はそれが、我々、大事な税金を使っているという認識を、もっと緊張感を持ってくださいと何度もいっていることなんです。
 三者協議、これまで何回開催されていますか。--じゃ、質問を変えます。この三月末に大枠合意を目指すというふうに知事はおっしゃっておりましたけれども、ことしに入ってから三者協議は何回開催されたでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 ことしに入って五回開催しているところでございます。

○川松委員 それは作業チームのことではなくて、いわゆる三者、それぞれのトップ、小池知事も含めたトップが集まった三者協議は何回開かれていますか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 知事、あるいは大臣、それから組織委員会の会長のクラスの協議は開かれておりません。

○川松委員 これ、三者協議というのは、僕、開催都市の首長が責任を持って開くものというふうに認識しております。その中において開かれていないということは、やはりこれ小池知事が主体となって動いてこなかったということの証左だと思います。それで三月末に結論を出すということは僕は不可能だったんじゃないかなと思うんですが、都として、知事は次、いつ三者協議を開こうとされているのか、もし予定が決まっていたら教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今月末に大枠の合意を目指すということでございまして、具体的な日にちはまだでございますが、今月中の開催というふうに考えております。

○川松委員 三月末までといっていて三月に開かれなかったものを今月末に開かれる、本当に僕、信用できなくなっています。これきっちりと、知事は事務方がやっている、事務方がやっているとおっしゃっていますから、作業チームがやっているということはわかりました。やっぱり最終的な決断ができる人、責任を持つ人の立場で開いていただきたいということを申し入れしていただきたいなと思います。
 大会に向けて残された時間はあと三年なんです。役割、経費分担の問題を、これは局として、作業チームとしてはいつごろまでに決着できそうだというふうに認識しておりますか。逆にお金が決まって、本格的な準備に入るのはいつごろかというふうに調整部長として認識されているか教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今月末から、早いものから順次会場の仮設の設計に入ってまいります。したがいまして、今月中に大枠の合意を得たいと考えております。

○川松委員 去年の四月以降、先ほど局長からお話ありましたように、当時の舛添知事だったり、オリンピック・パラリンピック競技大会の担当大臣、組織委員会の会長と三者の連携のもと、役割分担の議論がスタートしたわけです。去年の八月に、皆さんご承知のとおり小池都知事は誕生いたしました。この誕生によって、事実上、この役割分担論議というのは中断されてきた。なかなかそこから前に進めなかったということが今までの質疑でわかってきたわけですけれども、このおくれというのは、ゴールが決まっている、二〇二〇年の夏にはやってくるオリンピック・パラリンピック大会の準備にとって、私は致命傷ともなりかねない事態となっているというふうに考えております。
 みずからの責任で招いたこの事態に対して、小池都知事は開催都市の責任者として、みずから先頭に立って関係者への説明、説得、お願いなど、全力でさまざまな働きかけを行い、しかるべき協力を得るという結果を出さなければならない開催都市の長としての責任があります。にもかかわらず、小池知事が具体的な行動を起こしている姿は一向に見えてきておりません。
 今お聞きしたように、ことしに入ってから三者協議は一度も開かれておりませんし、次回の開催の予定も決まっていない。約束の三月を過ぎて、さあ次の五月の約束を守れるのかという状態になっています。
 これは黒岩知事がところどころで発言をされてきたということも、これ、小池知事のこういった姿勢に対するいら立ち、あるいは不信感、そういったものから出てきたのではないかと考えられます。
 決められないのか、調整できないのか、これ、よくわかりませんけれども、知事であるならば--担当部局が国、組織委員会、各県と議論を詰めて、その知事にかわって関係者との円滑な関係構築に努め、役割分担議論を局が、その先頭に立つ局長が決着をさせていくほかないと思うんです。
 決められない知事のもとでは局長が頑張るしかないと思いますけれども、局長の決意を教えてください。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 先ほど部長から、三者協議は五回というお話がありましたが、私ども、各階層によって、それぞれ国、組織委員会と鋭意話をして、いろんな調整をしております。それが一定のいろいろ調整がついて、知事も五月末、今月末には決着をしたいと、こういうふうにいっておりますし、当然また関係自治体のご協力を得るためにも、三者協議の各トップが集まることと、そしてその自治体の協議会の、私などが出る幹事会ではなくて、本体の各知事が出る協議会もあわせて開いて、その大枠の合意というものを今月末に目指していくということだろうというふうに思っています。
 それがいつになるかはありますが、何としても五月中に開くべく、当然、大会準備が迫っておりますので、これが支障のないよう、さらに私ども局としても一丸となって、この協議を加速させていくべく、しっかりとその責任と役割を果たしていきたいというふうに思っております。

○川松委員 いつになるかわからないような答弁じゃ困るんですよ。もう五月末と、今月中と公の場で発信をされて、しかも負担すると総理に約束をされたんだったら、もう今月のいつか、局長主導で決められないもんですかね。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 それぞれトップの日程の調整もありますので、正確な日付はあれですけれども、何としても五月中にそれを開いていきたいというふうに思っております。

○川松委員 その中において、これ、お金の話をしていますから、全体の経費として、オリンピックに係る経費というのが何かその都度その都度、現在動いている状態ですけれども、今は全体の経費幾らと見積もって、準備、今月中の結論を目指されているんでしょうか、教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 現在、大枠の合意に向けまして、経費につきまして精査をしているところでございます。

○川松委員 全体の経費を精査して、まだわからないのに、仮設は全部を持ちますと知事は総理に約束されたんですか。僕、これ本当にワイズスペンディングなのかよくわかりません。仮設については精査できているんですか、教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 仮設の経費も含めまして現在経費の精査をしているところでございます。

○川松委員 そうすると、例えばきょうの新聞に出ていた数字というのも、まだ上に振れる可能性もあるという認識でよろしいんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 現在、経費について精査中でございまして、いずれにしても、コスト縮減というのは至上命題と考えているところでございます。

○川松委員 じゃ、部長、コストは、まだその経費、V1予算というのが出ましたよね、バージョンワン予算。それよりも、もう今削減していくんだと、東京都としてオリ・パラ局としてもっと削減するけれども、すばらしい大会にしよう、そういう思いで作業されていると私は信じてよろしいですね。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 コストにつきましては、無駄なところは省いて削減していくというところで、一方で必要なところについてはきちっと経費を見て大会を成功させていくという気構えでやっているところでございます。

○川松委員 ちょっと費用のことで触れておきますけれども、去年の年末に小池知事は三会場の見直し案を出しましたけれども、結果的にボートは長沼に行きませんでしたし、横浜アリーナも使わない、そういった議論になったわけですよね、海の森も含めてそうですね。
 そこでです。そのときに、知事は四百億円削減したんだと、そういうふうにお話をされました。ところが、この四百億円、ふたをあけてみれば、半分近くは入札の落札差金で、誰が動かなくても削減できたお金でした。そして必要な整備、この委員会でも触れてまいりましたけれども、バリアフリーに必要な設備だったり、エコに必要な設備も落としたことでトータル四百億円という数字が出てきたんです。私はこれ、まやかしの数字だといってきました。
 重要なことは、エコの面は外し過ぎちゃったので、今現在、都の債券でエコのものを整備していこうと、グリーンボンドも発行しているわけですよね。だから、今回の三会場の見直しもそうだし、お金の話もそうだし、そしてパラリンピックの費用負担のことも含めて、何も新しいものはない。
 調整部長として、この何だかもやもやした中で事がずっと進んでいく。本当に新しいものをこれから我々は見ることができるんでしょうか。本当のコスト削減を見ることができるんでしょうか。どんな調整をされているんでしょうか、教えてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 現在、経費につきましては、コスト縮減を図りながら精査しているところでございまして、一方で必要なものについてはしっかりとやっていくという、めり張りのついた大会経費の全体の予算を組んでいきたいと考えております。

○川松委員 経済波及効果は三十二兆円ともいわれていますから、胸を張って堂々と準備をしていただきたいと思います。
 次に、輸送計画について……

○高島委員長 ちょっと待ってね。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部長 先ほど委員からご質問のございました江の島セーリング会場のヨットの移設の艇数の件でございます。
 先ほど私は三百艇というふうに申し上げましたけれども、こちらは大会の競技艇の数でございまして、大会の運営のためには約千艇の移設が必要とのことでございます。訂正させていただきます。

○高島委員長 失礼をいたしました。

○川松委員 ですから、千艇を動かすのに当たって、これ繰り返しになりますけれども、船のオーナーも一艇一オーナーとは限らないんですよ。もしかしたら、千艇あるけれども、何人に会って、何人を説得して、葉山なら葉山に行っていただくという作業をするに当たっても、これ誰がやるかも明確になっていませんよね。小池知事がやるんですか--やりませんよね、皆さんがやるのか、それも含めて神奈川県は困っていますから、一日も早くこの問題を、東京都としての考え方を示していただきますようによろしくお願いいたします。
 輸送計画に行きます。二〇二〇年大会の大会を運営していくに当たっては、輸送計画は多くの課題がありますよというのを私、この委員会でも何度も触れてまいりました。
 中でも、選手、役員など多くの関係者と、そして都内、都外、海外から競技観戦に訪れる方々を確実かつ円滑、安全に輸送していく。しかも、東京の都市機能はできるだけ邪魔しないでやっていく輸送運営計画の策定というのは、二〇二〇年大会の成功の大きな鍵となります。
 さきの予算特別委員会の我々自民党の質疑に対し、建設局長は、二〇二〇年大会までに環二の本線開通は間に合わない見込みという答弁がございました。
 しかし、東京都は、これはまた猪瀬知事の名前になりますけれども、輸送インフラ整備をIOCに保証しているんです。この項目の中に、二番のこのAの中ですかね、二段落目のAという中に環状二号線を約束しているわけです。都知事が交わした国際的な公約である環二の整備、これ立候補ファイルにも載っていることです。果たして都はどういうふうに認識をされて、この国際公約を果たそうとされるのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 IOCに対しましては、定期的に環状二号線を含めた輸送インフラの整備状況を報告しているところでございます。今後、二〇二〇年時点のインフラ整備状況を見定め、輸送運営に支障がないよう計画を進めてまいります。
 また現在、輸送計画の概要の取りまとめである輸送運営計画バージョンワンを策定しており、今後も輸送計画の進捗についてIOCに報告を行いながら、理解を得られるよう努力してまいります。

○川松委員 つまりこれ、何度もいいますけれども、さっきから出していますけれども、立候補ファイルで国際公約として約束をしたわけです。我々はこういうことをやりますよという約束をして大会の招致を成功として結びつけたわけですが、東京都知事や特別顧問は、この猪瀬都知事がサインした、東京都知事として約束した国際公約をご存じなんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 委員ご指摘のありました約束といいますか、契約につきましては知事にも説明しているところでございます。

○川松委員 IOCに定期的に報告しているといいますけれども、建設局長は、環状二号線は二〇二〇年に間に合いそうにもないという見通しを表明しています。この段階において、技術面、そして工期の面でも多分、建設局長が難しいといっていますから、ほぼ二〇二〇年大会では絶望的であるというふうに私は認識しています。国際公約を果たせない場合の責任の所在は局長、誰にあるんでしょうか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長先ほどご答弁申し上げましたように、大会期間中に輸送の支障のないように、その時点でIOCの理解を得て、しっかりとした大会運営をしていくということに尽きると思います。

○川松委員 じゃあ、IOCに、去年の十一月七日に本来、豊洲市場への移転が実現していれば、とまらなかったこの工事スケジュールが大変厳しくなっているということを、IOCには近々ではいつごろ報告されたんでしょうか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 正確にはちょっと、今答えさせますが、恐らくIOCとの、いろいろ事務担当者も来ますので、その都度報告をしていると思います。
 今回バージョンワンの輸送計画を出して、最終的にそのバージョンツーというのをIOCの承認を得なくてはいけないと。当然その承認を得なければいけないわけでありますので、いずれにしても、そのときの輸送の状況、道路の概成ぐあいを受けて、しっかりとした計画を立てて、それで大会運営に万全を期すということだと思っています。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 失礼いたしました。先ほどのご質問に関しましてでございますが、ことしの三月のプロジェクトレビューのテクニカルミーティングで報告させていただいてございます。

○川松委員 輸送計画というのは大会運営上、大きなことです。そして、開催都市の責任としても大切なことです。今のお話で三月にIOCに報告をされたとありますが、環二が通らないことで大会の輸送計画が大変になりそうだということを当委員会にこれまで報告してこなかった理由は何でしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 環状二号線の整備につきましては、所管局の業務を適宜協議しておりまして、このオリ・パラ特別委員会でのご報告は現在までしていないところでございます。

○川松委員 今いっている輸送運営計画バージョンワン、V1計画の中に環状二号線については触れられているんでしょうか、いかがでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 V1計画におきましては、輸送ルートの定義ですとか、オリンピックルートネットワークの設定の考え方を示しているところでございまして、例えば、大会関係者車両は選手村から主に首都高速道路を利用し、競技会場に向かうことなどを記述してございます。
 なお、環状二号線を含む一般道のオリンピックルートネットワークの設定と運用につきましては、詳細な輸送運営計画を取りまとめる中での検討事項と認識してございます。

○川松委員 そうすると、バージョンワンというのは何か取り決めの中で策定することになったんでしょうか。どういうロードマップで、いつごろからつくることになっていたのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 輸送計画のバージョンワンにつきましては、輸送運営計画に基づきまして、ことしの初夏までに作成し、IOCに報告するという計画になってございます。

○川松委員 この後バージョンツーに向けて具体的な計画が策定されていくということになると思いますが、今、豊洲市場移転の話をちょっと触れましたけれども、大会全体の輸送運営計画を考える上で、築地市場が移転しているかしていないかということは大きなポイントになると思いますけれども、これ検討として、現在どういう検討をされているんでしょうか。築地市場の跡地の利用について考え方を教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 現在、環状二号線の整備にかかわる二〇二〇年時点での交通の状況等を把握しておりまして、その段階で築地市場の跡地の利用等をあわせて考えているところでございます。

○川松委員 前にもこの委員会で触れていますが、晴海通りというのは東京の象徴である銀座を通るわけです。そして、その晴海通り沿線というのは臨海部に向けてまちが発展し続けている、交通需要が本当に高まっているところでありますけれども、環二が使えないことによって、大会期間中、晴海通りをいわゆるオリンピック以外で、ふだんの生活だったり商売であったりで使われる皆さん方に対して、都民生活に対してということで影響が出ないのかどうか心配をしていますけれども、皆さん方、この晴海通りの対策ということで、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 晴海通りにつきましては、都民生活への影響を極力抑えるため、あらかじめ交通需要マネジメントを実施いたしまして、不要不急の外出の抑制ですとか、ルートや時間の変更を呼びかけるなど、できるだけ交通需要の抑制を図っていきたいというふうに考えております。
 また、こうした交通の工夫をあらかじめ行うため、経済活動への影響を最小限にしてまいりたいというふうに考えております。
 ロンドン大会でも同様な取り組みを行っておりまして、結果、大会輸送の成功につながっていたことから、東京大会でも同様に経済界や物流業界の理解を得られることから始めてまいりたいというふうに考えております。

○川松委員 考え方は多分正しいと思うんです。だけれども、銀座にお買い物に行く時間を、昼間に行くのを真夜中に行けとはいえないわけですよ。真夜中に銀座のデパートに、この期間中、夜中に開いてくださいということもできないでしょうし、食べ物屋さんとか、自分の、皆さんの中の時間のサイクルというものがありますから、すごくこれ重要だと思いますので、ぜひ引き続き検討をお願いいたします。
 そして、大会期間中だけでなく、さまざまなオリンピック関連の施設整備が既に始まっているわけですが、この春の新聞報道によりますと、晴海地区での大型車の通行量というのがそれまでに比べて三倍になっているわけですね。臨海部全体でも同様に、工事関係車両が現在増大しております。
 (パネルを示す)これだけオリンピックの会場と、この都心部、さまざまな再開発が進んでいる中で、環二を我々は専用道路として使いましょうよというふうに整備をしてきたわけですが、その環二を使えないということは、臨海部全体も含めた東京都域、二十三区の区部全体の交通量へ影響が出てきそうだと思いますが、皆さん方の認識と今後の対応を教えてください。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 各会場の整備工事や会場周辺の民間開発など、複数の工事が集中する場合には、委員からも今お話がございましたが、工事車両の増加によりまして会場周辺の交通量が相当程度増加することが見込まれております。
 こうした工事の集中に伴います交通環境の変化につきましては、これまで開催してまいりました近隣への説明会等でも、出席されました周辺住民の方から適切に対応するようご意見をいただいております。
 このため、例えば有明北地区では、有明アリーナや有明体操競技場の工事の受注者だけではなく、地区周辺の民間開発工事の施工者も共同し、さらに、地元の江東区や警察署も参加しまして連絡会を設置し、工事用車両の通行に関する情報交換、調整、周辺の住民への情報提供を行うこととしております。また、選手村が位置します晴海地区や海の森水上競技場の周辺につきましても同様に連絡会を設置し、対応しているところでございます。
 今後、施設建設工事などが本格的に着工していくことから、警察などの指導も踏まえながら、関係区とも連携し、工事車両の運行も含めた施工管理が適切に行われるようしっかり取り組んでまいります。

○川松委員 先ほどから繰り返しになりますが、考え方はわかるんです。これは僕、教科書のことをいっているんじゃなくて、実態のマネジメントをやるに当たって、相当綿密なシミュレーションをしないと二〇二〇年の東京が混乱しちゃいますよということをいっているんですね。
 晴海地区の選手村の建設に伴って、通常一日八百台の貨物車の通行量というのが、これから最大で一日二千五百台までふえるという見込みも出ています。そうなると、晴海通りという通りだけではなくて、さまざまな幹線道路が激しい渋滞になる。それにあわせて裏道を利用しようとする車両がふえてくる。そのことによって地域の方々は、事故がふえないだろうか、何かいろんな問題が起きないだろうかということで心配をされているわけですね。
 その中で、環二のもう既につながっている部分に関しては、一部開通をしていただきたい、地元の住民が求めたわけですけれども、現状、そのあたりも含めて渋滞予想もどうなっているのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会輸送等のルートの設定に当たりましては、地域の影響を配慮し、都市計画との両立を図ることが最も重要であるというふうに考えております。
 委員ご指摘のとおり、晴海通りの渋滞等は今後もふえていくというふうに予想はされておりますが、このため、晴海通りについても、二〇二〇年大会の影響などを見きわめ、必要な取り組みを全力でしてまいりたいというふうに考えております。

○川松委員 時間帯にもよりますけれども、大変混雑している晴海通りがさらに混むことによって裏道がどうなっていくかと本当に心配されている方がいますから、ここも、僕は二〇二〇年の大会は、東京にいる人、日本にいる人、みんなにとってよいレガシーとして未来に残していかなければいけないわけですから、たとえ一人でも地元の方が嫌だなと思った時点で、この大成功はなくなるんです。ぜひ部長、ここの計画についてはきっちりやっていただきたいと思います。
 そして警視庁も、東京大会の関係の工事車両の増加等による事故だとか交通違反の増加を警戒して、対策を検討する会合を最近開いたというふうに私、聞きましたけれども、こういう会合はあったのか。そしてあったとすれば、どういう内容の会合だったのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 先月、四月の上旬に警視庁主催で会議があったというふうに聞いております。(「内容は」と呼ぶ者あり)内容は、済みません、十分私も認識しておりませんが、工事車両の増加による安全対策等というふうに聞いております。申しわけありません。

○川松委員 輸送計画というのは、オリ・パラ局だけでやっているものなんでしょうか。警視庁だとか、都市整備局とか、局、あるいは国交省、さまざまな民間事業者を含めてつくり上げていくものだと思いますけれども、警視庁とそういう連携はとられていないんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 輸送運営計画策定に当たりましては、輸送連絡調整会議という会議体を設けておりまして、その中には委員ご指摘の交通管理者である警視庁、また道路管理者、鉄道事業者等、あと民間のトラ協等、関係団体全て含めて会議体を設け、調整しているところでございます。

○川松委員 各局のそれぞれの部隊で連携して、あと三年間向かっていくわけですけれども、オリンピック・パラリンピック関係の、大会中はさまざまな運営がありますが、大会に向けて、二〇二〇年に向けて、工事関係車両の増加についてどういうふうに対応されていくのか教えてください。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 工事車両の増加につきましては、先ほども答弁させていただきましたが、各連絡会等の場を通じまして、各施工者に対しまして、一定時期に集中しないような交通運行、あるいは通学路をなるべく避けるような安全指導、そういったものを徹底してまいりたいと思っております。

○川松委員 (パネルを示す)改めて臨海部を環二が通らないということを確認させていただきたいんですが、この環二の通りというのは信号もなくて、都心部から選手村に一気に入っていけるんだ、出入りできるから環二というのは大会運営上必要なんだということで私たちは強調をして、そして市場の皆様にもご理解いただいて、十一月七日の開場となったわけです。
 環二が、これ今、点線になっていますけれども、使えなくなる。そうすると、都心部に隅田川を越えて入っていく道というのは晴海通りと永代通りの二本しかないわけです。この一本がつぶれることによって、この二本に対する負荷というのは物すごく高くなります。
 しかも、首都高なども使うというふうに先ほど部長からありましたけれども、選手村を出て晴海通りの、選手村の晴海ふ頭から晴海通りとの結節点の交差点は、これ二〇二〇年のときには首都高に行く人たち、そのまま晴海通りから銀座四丁目に向かう人たちで、一般の車両も含めると大変な渋滞のボトルネックになるんじゃないかなと思います。
 また、環状二号線のいわゆる暫定道路を使えばいいという意見もありますけれども、選手村に入る車というのはセキュリティーゾーンを経過しなければいけません。今までの環二の通りでトンネルであれば、その入り口でセキュリティーを決めさえすれば、そこから先は関係車両しか入れないという輸送マネジメントができたわけですが、暫定道路ではそれもできなくなってしまう。それをやることによって、新たに新大橋通りでは大きな渋滞を生むことになるんです。
 こういうことに関して皆さん方は、真剣に考えていないとはいっていませんよ、もっともっと近隣の住民の皆様方も踏まえながら--深刻な事態だと思うんです。(「関係区」と呼ぶ者あり)関係区ですか、江東区含め、中央区、関係区の皆さん方が何を心配されているかというと、湾岸地区を結ぶこの晴海通りという通りが本当に二〇二〇年のときに全員通れる道なのか。
 私はオリンピックだとか大きな大会を見ていると、あるところから封鎖をしてしまって、ここから先は人々は入れませんよという道路マネジメントをやっている部分もあります。
 環二が使えないということ、晴海通りのマネジメントについて将来的なビジョンをどういうふうにお持ちなのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会関係者輸送にかかわりますオリンピックルートネットワークの設定ですとかにつきましては、二〇二〇年時点で活用可能な環状二号線のあり方を見定めて輸送計画を設定してまいりたいというふうに考えております。
 環状二号線につきましては、東京都の重要な道路ネットワークを形成する路線であるということは十分認識しておりますので、大会期間中の活用はもとより、大会後の東京の都市活動の礎となるよう建設局とも連携してまいりたいというふうに考えております。

○川松委員 もう一度いいますけれども、これ、永代通りと晴海通りが東京のど真ん中に抜けていく隅田川を越える二本の通りです。そこを結ぶ、ここに清澄通りというのがありますけれども、この清澄通りより臨海部、晴海通りでいえば臨海部というのが選手村に入っていく道になりますから、僕はここのあたりも、この勝どきの交差点というのも一つ大きなボトルネックになるんじゃないかなと思います。
 そうなった場合、清澄通りというのは、晴海通りと永代通りを結ぶ主要な道路になりますから、清澄通りへの負荷がかかる。清澄通りの負荷がかかると、これは江東区だけじゃなくて、私の地元の墨田区に関しても大きな影響が出てくる。環二が使えないことで、点で見るんじゃなくて、大きな面で交通需要マネジメントを考えなきゃいけない事態になっているわけですが、今、部長は建設局などとも連携しながらこのことを考えていくといいましたけれども、これ、都市工学の専門家、あるいは交通工学の専門家などを交えて、二〇二〇年時の東京の都市の機能のあり方というのをもっと議論すべき、検討すべきだと思いますけれども、そういう考え方はないでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 選手村のございます晴海地区から会場に向かう選手の輸送についてですとか、先ほど委員ご指摘のあった周辺の地区に与える影響などにつきましても、周辺道路への影響を把握し、その対応には努めていかなければならないと認識しております。
 今後、輸送を検討する中で、周辺への負担を少なくするよう関係機関と連携し、さらに学経の先生等を交えた検討会等を含め、さまざまな観点から方策を考えていきたいというふうに考えております。

○川松委員 二〇二〇年のときに交通渋滞でストレスをかけないまちづくり、都市基盤整備というのは、これやっぱり東京都が知事を中心に都庁舎の中でもっと議論すべきだと思いますので、そういう場面、会議体なのか、そしてその先の実証に向けて、もっともっと動いていただきたいと思います。大会は三年後にやってきます。
 そして、二〇二〇年大会のときに、臨海部と都心を結ぶ予定でありましたBRTの運行会社の設立が延期されたということになりました。築地市場の移転延期に伴って環二の整備、運行ルートの見通しが立たない現在、企業の経営判断としてはこれは仕方ないなと考えるわけですけれども、大量輸送手段としてBRTの活用は、開催都市として、私はBRTを大会の運行で使うという認識でおりましたけれども、今BRTのことをどういうふうにお考えなのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会期間中の輸送手段の確保に向けましては、BRTで導入を予定している車両の活用などを含めまして、都市整備局など所管局と関係機関と十分協議を図ってまいりたいというふうに考えております。

○川松委員 大会に必要なBRT車両を製造する場合は、どの程度期間が必要なんでしょう。このあたりもやっぱり詰めていかなきゃいけないと思います。
 そして、BRT車両を運行する場合、長いという面でいくと高速道路を使うのは現実的に不可能だと思いますが、具体的に環二のいわゆるトンネルがないという状態でどのように運行しようと計画されているのか、教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 BRTの製造期間に関しましては、およそ二年というふうに伺っております。また、その運用ですとか、そのルート等については、これからの検討課題ではないかというふうに考えております。

○高島委員長 ちょっと待って。塩見局長、いいの答弁は。交通局長をやっていたんだから、よくわかっているんだ。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 私、前の職場で交通事業者としてBRTに参加しようと思いましたけれども、これはうまくいきませんで、破れた経験がありますが、恐らくBRTの車両については、当時、国産車がなかったわけでありますが、現在、国産車の開発に向けてもう既に始まっていると思っております。
 したがいまして、車両については非常に有効でありますので、これはちょっと今の私の思いつきで恐縮ですけれども、もしそういうものを私の前の職場で購入して運用するということもあってもいいのかなと思ったりしているところでございます。

○川松委員 いろんな思いを、夢を、現実のものに二〇二〇年に向けてやっていただきたいと思います。先ほどから環二が使えないことで大変だという話をしていますけれども、よく、環二が使えないんだったら、迂回路として臨海部に車をどんどん誘導して、臨海部を使って都心を迂回するような形で道を使えばどうだという意見があるんですけれども、予算特別委員会で港湾局長が、臨海部はおよそ十二万台の車両が通行している。そしてさらに、東京港の京浜三港の機能強化によってコンテナ物流量はどんどんふえているんだという状況だと、こちらの臨海部の道というのもパンク状態になりかけるんじゃないかと私は心配しています。
 大会期間中、環二が使えない中で、臨海部を中心として物流活動に影響させることなく、円滑に大会関係車両を動かすことができるとお考えでしょうか、教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 委員ご指摘のとおり、臨海部の物流は、東京のみならず、首都圏の経済活動の源であり、大会期間中であってもその流れをとめることはできないと考えております。
 このため、早期に大会輸送の計画について関連する団体と共有し、大会輸送の実現と物流活動の両立のための方策を検討してまいります。

○川松委員 そこで、オリンピックルートネットワークということの考え方について触れていきますが、リオ大会ではこのネットワーク、どのように対応されていたのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 オリンピックルートネットワークは、選手等の大会関係者が利用する経路のことを指してございます。
 リオ大会では、あらかじめオリンピックルートネットワークを指定し、大会期間中の前後を含め三種類のレーン運用を行っておりました。
 一つは、デディケーテッドレーンという呼び名で、いわゆる専用レーンでございまして、指定車両以外の通行を認めないものでございます。片側三車線から七車線ある幹線道路にこのレーンを一車線から二車線指定してございました。
 二つ目は、プライオリティーレーンといわれるもので、指定車両とバスの通行を許可したものでございます。
 最後は、シェアと呼ばれるもので、一般車両と混在する通行のものでございました。

○川松委員 今、説明ありました専用レーン、優先レーン、こういう考え方がありますけれども、やっぱり車線幅のある、何車線もある道であれば、これは専用だ優先だということが決められると思いますけれども、首都高速なども含めて、やはり今の東京の道というのは車線数が少ないわけですから、専用レーンや優先レーンをつくると、ほかの車両に大きな影響を及ぼすというふうに率直に私は考えるんですけれども、このあたりの交通マネジメントを部長としてはどのようにお考えでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 繰り返しになりますが、ロンドン大会やリオ大会では、指定車両が専用的に使用できるレーンを設定してございました。
 東京大会では、オリンピックルートネットワークとなる経路のうち、大部分を占めると考えております首都高速道路は片側二車線しかないところですとか、分合流が多いことから、全面的に専用レーンを設置するのは難しいのではないかと考えております。
 専用レーンを設定するか否か、また、設定するとした場合の区間や期間など、今後関係機関と綿密に協議し、運用面での検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

○川松委員 結構、世の中で、首都高速を専用レーンにするとか、優先レーンにするというふうに考えを持っている方はたくさんいらっしゃるんですけれども、東京のこの首都高速というのは出口が右側にあったり左側にあったりするわけですから、いずれにしても、大会関係車両がその車線に入った瞬間に渋滞が起きてしまうわけです。
 このことも含めて多くの皆さん方に周知徹底をして、いろんな意味でご協力いただくことになると思いますから、今から東京の都心部はこういうふうに動いていくんだというビジョンを、これからバージョンワンからバージョンツーに向かっていく過程において、多くの皆さん、都民の皆さんと一緒になってこのことを考えていきたいなというふうに思います。
 さて、平成二十六年度に実施いたしました地方会場の活用を含めた競技会場の見直しを小池知事はこのようにお話をしていました。立候補ファイルで示した八キロメートル圏内のコンパクトオリンピックと異なるというふうに批判をされていたんですけれども、今の部長のような話を聞いていますと、結果として、大会期間中の都内の交通渋滞の緩和とさまざまな会場が分散するということは、これ費用の面だけじゃなくて、都市の輸送計画についても副産物をもたらしたのではないかというふうに私の考えを示しておきます。
 しかしながら、その小池知事が大会期間中の輸送のかなめとなる環二の整備をとめてしまった。二〇二〇年に間に合わない状態を引き出してしまったというのは都民生活に影響を及ぼしかねない大きな事態というふうにいえます。
 そこで、具体的な場面を想定して議論させていただきます。選手村から一番多くの人たちが出ていく日というのは、オリンピックの二〇二〇年の開会式です。その開会式の当日、選手村から開会式の会場まで移動する選手や関係者の人数はどの程度になるでしょうか、教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 東京大会におきましては、まだ選手団ですとか関係者の規模が決まっておりませんが、リオ大会を参考にいたしますと、開会式に参加した選手や関係者は約一万人を見込んでいたと報告されておりまして、これを参考に関係者の人数を現在検討してまいっているところでございます。

○川松委員 経験値から一万人だ、一万二千人だというふうにいわれていますけれども、その一万人を超える人たちが晴海から国立競技場に開会式の当日向かっていくわけです。その人数に対応するためにバスは何台必要になるでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 リオ大会では、選手村から開会式への移動に使用したバスが約三百台と聞いております。東京大会の開会式の検討はこれからでございますが、車両の調達台数につきましては、競技や種目の数からすると、リオ大会と同等か、もしくはこれ以上の台数になると考えております。

○川松委員 三百台です。大体バスが十メートルとか十一メートルといわれていますから、バスがぴたっとくっついた状態で三キロです。選手村から国立競技場まで距離は何キロですか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 選手村から新国立競技場までのルートにつきましては現在検討中でございますが、例えば、首都高速道路を利用した場合は約十七キロ、一般道を利用すると約八キロでございます。

○川松委員 一般道を使うのか、首都高速を使うのかということでこれから議論が深まると思いますけれども、今いったようにぴたっとくっついた状態で三百台で三キロ、バス一台分、車間をとるとすれば六キロ、もう先頭からお尻までバスがあるわけですね。バス以外で、部長、選手村以外から国立競技場に向かう方もたくさんいますよね。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 現在、関係者輸送の人数というのは調査中でございますが、例えば、オリンピックファミリーと呼ばれる方々が乗用車等で競技場に移動することは考えられます。

○川松委員 ここは広く都民の皆様、日本中の皆様と認識をちゃんと共通でお持ちいただかなきゃいけないんですが、国立競技場で行われる開会式というのは、我々が今まで経験をしていた旧国立競技場でのビッグイベントとは規模が全く違います。あの旧国立競技場よりもさらに広い新国立競技場の周辺を、セキュリティーゾーンをかけた状態で開会式を迎えることになります。
 しかも、今、バスは連なってスムーズに走っているわけではなくて、国立競技場に着けば、選手だったり関係者をおろす作業がある。そして、おろしたバスは次に向かっていく、抜けていく作業がある中に、いわゆるVVIPといわれている皆さん方はバスではなくてそれぞれの専用車で来る、そこには警護者もついてくる。この状態で国立競技場の周辺をマネジメントしていくというのは、我々は、誰もが経験したこともない、この東京におけるオリンピックだからこそ起こり得ると思いますけれども、国立競技場周辺の交通対応についてどのようにお考えなのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 委員ご指摘のとおり、開会式にバスなどが集中する新国立競技場周辺での対応は非常に重要であると考えております。選手や関係者が到着し、降車する時間、競技場までの距離などを踏まえ、関係機関と連携し、適切なバスの運行方法ですとか、乗用車の乗降場の配置などを検討してまいりたいというふうに考えております。

○川松委員 これもまた、ここにいらっしゃる皆さんと共有したいんですが、今いっているのは、あくまで選手や大会関係者についてのみです。そこに八万人の観客も国立競技場に向かっていくんです。これは皆さん周知徹底しておかないと、開会式のその時間にお客さんが着いていないという事態を招きかねません。それは今から議論する話なんです。一般道を使う、首都高速を使う。それは使ったとしても、最終的にみんな国立競技場に集まってくるわけですから、この周辺のマネジメントは大変になるんだ。ここに関しても、我々は時間をかけて議論する必要があるので、ぜひともよろしくお願いをいたします。
 この国立競技場周辺の運行マネジメントと同時に大切なことは、多くの大会関係車両がオリンピックのときには我々のこのまち東京に入ってくるわけですが、まず、大会関係車両は現在何台程度、この二〇二〇年の大会時に必要だと見込んでおられるでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 選手や大会関係者の輸送に必要な車両は、主に過去大会の実績やIOC、IFなど大会関係者の意見をヒアリングし、算定を行っております。現在の試算でございますが、オリンピック大会時にはバスが約二千台、乗用車が約四千台と見込んでおります。

○川松委員 いわゆる都市機能は動いた状態で、合わせて六千台が来ます。その六千台に及ぶ大会関係車両を駐車しておくスペースはどの程度必要になるんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 過去の大会実績から算出いたしますと、車両の駐車スペースに加え、通路などを含めて、バスは一台当たり約百平方メートル程度、乗用車は一台当たり二十五平方メートル程度が必要となることから、延べ約三十ヘクタール程度が必要となってまいります。

○川松委員 三十ヘクタールというのは、東京ドームに換算すると何個分に相当する広さでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 東京ドームの敷地面積は約四・七ヘクタールであることから、約六個分、正確にいいますと六・四個分になる勘定になります。

○川松委員 広大なスペースになるわけですが、リオ大会のときにはどのように対応されていたんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 リオ大会の計画段階の数字でございますが、バス約八百六十台、乗用車約四千台を用意するとされておりました。この車両の管理のために、バス用と乗用車用で合計約二十ヘクタールを五カ所に分けて確保したと聞いております。

○川松委員 リオ大会では対応できた駐車スペース、東京大会ではどのように対応しようとお考えになっているのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 車両基地につきましては、過去大会同様に複数の場所で運営することを想定してございます。現在その候補地を、都有地を中心に二〇二〇年時点で活用可能な用地を調査し、関係部署との調整を行っているところでございます。

○川松委員 例えば、その中で築地市場の跡地を活用するというふうな想定もされているんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 築地市場の跡地につきましても、その有力な候補の一つでございます。

○川松委員 築地市場の跡地も含めて、三十ヘクタールのスペースをこれから確保していかなければならないんですが、今さまざまな機能も必要だということでありますけれども、車両基地に必要な機能というのは具体的にどのようなものがあるんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 車両基地には、車両の保管に加えまして、車両のメンテナンスとあわせて、大会中の車両の運行管理ですとか、ドライバーの管理なども行ってまいります。
 具体的には、駐車場のほか、管理事務所、ドライバー用休憩所、食堂などの管理施設、燃料供給施設、洗車場、メンテナンス施設、車両待機スペースなどが考えられます。

○川松委員 とすると、今いったようなさまざまな機能を配置する必要がある駐車場整備には、通常だと大体どれくらい整備の期間がかかるのか教えてください。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 整備する場所や形にもよりますが、更地の状態から施設整備を行う場合は、工事の工夫をいたしましても、おおむね一年程度は要するというふうに考えております。

○川松委員 一年ということでありますから、築地市場はその一年前までに解体をしておかなければいけないということでありますから、これはしっかりと総合的な判断の一つとして知事にお伝えしておいていただきたいと思います。
 そういう意味において、仮に、もし仮にですよ、駐車場用地としてあの広大な築地市場が使えなかった場合、代替地の考え方、あれだけの広大な土地というのは都内に少ないと思いますけれども、代替地のめどというのは立っているんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 現在、二〇二〇年時点で活用可能な用地の確保に向けまして、都有地ですとか国有地などを中心に幅広く情報収集を行っております。そして、大会の輸送運営に支障がないように万全を尽くしてまいります。

○川松委員 築地の二十三ヘクタール規模の土地が使えなかった場合のめどは立っているんですかというふうにお聞きしました。都有地や国有地で選手村に近い部分、都心部に近いところで広大な土地というのはあるんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 繰り返しになりますが、現在、都有地、国有地を含めまして、幅広く二〇二〇年時点で活用可能な用地の情報を集めておりまして、車両基地に必要な用地の確保に万全を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

○川松委員 例えば、その例えさえも今はないということなんですかね、調査するということですから。築地だったら築地の一つを使って、ある程度の台数を駐車させようという計画もあるかもしれません。ただ、今、それがだめだった場合の話をしていますから、仮定の話なので、詰めた話にならないかもしれませんけれども、たくさんのところに分散して、大会のバスだとか乗用車を置くという考え方もあるんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 一般的には、車両基地を必要以上に分散配置をいたしますと、運行管理や運転手の配送など、オペレーションが複雑になるということは想定されると思います。

○川松委員 都有地、国有地で見つかればいいんですよ。見つかれば、今の法律や条例に基づいて、大会は無償でその土地を借りることができます。もしそこが見つからなかった場合、民間の土地を使うことにもなりますが、今の大会経費の予算の中で駐車場用地にお金を払うかもしれない、そういう予算の経費の見立てというのは今、計画の中に入っているんでしょうか。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 現在、選手村から遠くない範囲で都有地や国有地を中心に情報収集に努めております。
 また、大会輸送で使用するバスの一部については、近隣のバス事業者の営業所への保管ですとか、関係者が宿泊するホテルの駐車場なども候補として検討をしております。
 現在調査中でございまして、いずれにしても大会輸送に支障のないように万全を尽くしてまいります。

○川松委員 (パネルを示す)例えば、今、駐車場確保だけの問題をいっているんじゃなくて、これ繰り返しになりますが、もう道は限られているんです。隅田川の外側にあるということが、駐車場を外側に持っていくと、また橋を越えるために、大会関係車両が六千台ですから、何千台も隅田川の橋を越えるためにまた渋滞を引き起こしかねない。
 築地の市場がもし移転したとして、跡地であれば、これは隅田川の内側になりますから、その心配がないわけですけれども、こういったことも含めて環二の影響というのは、輸送計画の中に大きな影響を及ぼしそうだというふうに思いますけれども、こういうことも過日のIOCとのワーキングの作業の中ではお伝えしているんでしょうか。

○相場オリンピック・パラリンピック準備局技監 委員のご指摘ございましたとおり、環状第二号線は臨海部と都心部を結ぶ交通、物流ネットワークの強化、並行する晴海通りの渋滞緩和など、地域交通の円滑化、臨海地区の避難ルートの多重化による防災性の向上など、大変大きな整備効果を有する路線でございます。
 また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会におきましても、晴海の選手村と競技会場を結ぶ重要な道路に位置づけられていることは認識してございます。これにつきましてもIOCに適宜状況について報告いたしております。引き続き、二〇二〇年時点でのインフラ整備状況を見定め、円滑な大会輸送に努めてまいります。

○川松委員 そろそろまとめに入っていきますけれども、これまで指摘してきましたように、築地市場の豊洲移転延期に伴う環状二号線の工事中断というのは、選手村の運営、競技会場への選手、役員の移動、港湾物流への影響、周辺地域を巻き込んだ交通渋滞など、二〇二〇年東京大会の運営を大きく阻害するのみだけでなく、今世界で一番を目指している東京の都市機能への弊害となることが明らかなんです。
 この問題の根本というのは、環二の工事中断がもたらす影響というのを顧みずに、都市工学などに精通した専門家が入っていない市場問題プロジェクトチームの意見のみを根拠に、都議会との議論はもとより、関係各局による総合的な検証もないままに、小池都知事が一方的に決定したことに起因しているんです。
 東京都の行う事業は規模も大きく、その中断、変更に当たっては多くの関係者の意見を真摯に聞いて、関係する局が連携して課題を事前に検討しておくことが欠かせないわけですね。そして、広く都民の皆様に意見を聞くことも必要であります。まさに小池都知事がいうところの都政改革の一丁目一番地である情報公開が不可欠でありました。
 ところが、実際には関係局、関係者、そして都民不在のまま、専門家不在の市場問題プロジェクトチームの意見をうのみにして、小池知事が独断で豊洲移転延期決定したことが、今日、環状二号線に関連する多くの問題を引き起こしているわけであります。
 今後、この本日の質疑を踏まえて、豊洲移転延期に伴う多くの課題をどのように解決していくのか考えていく上で、もう大会までにゴールが決まっている残された時間の中で、実現可能な策を具体的に我々は考えていかなければなりません。つまり、二〇二〇年の七月の開幕まであと三年と二カ月という時間軸の中で、対策を詰めていかなければならないんです。
 先ほど、輸送計画バージョンワンでは方向性を定め、バージョンツーでは築地市場の跡地利用が可能な場合と、そうでない場合なども分けながら検討していくという趣旨のお話がありました。つまり、東京都が現在検討している輸送計画を大きく左右するのがこの築地市場跡地が利用可能か否かなんだという認識でおるわけであります。
 そこで、先ほど築地移転、そして解体との関係で時間的な見通しを私はお聞きしましたが、この問題をより具体的に詰めていきますと、これから私がお話をすることは大変な事実でありますから、よくお聞きください。
 まず、先ほどの答弁でありましたように、築地市場を駐車場で使うとした場合、およそ一年の駐車場用地への準備が必要だということであります。これは、築地市場が移転をして解体が終わってから一年必要なんです。この整備に取りかかるに当たっては、解体がどれくらいかかるのかということを一年からプラスして考えなければなりません。去年七月に契約を結び準備をした段階で、小池知事によって中断されております築地市場の解体工事契約を私は見てみました。その工事期間は一年八カ月となっています。
 地図を、もう一回図を見ていただきますが、これは築地市場用地なんですけれども、この一年八カ月というのは、色がついている部分の解体工事契約だけで一年八カ月です。この緑の部分以外はアスベストが使われておりますので、大変難しい解体工事といわれておりますが、この中断している工事を再開できると仮定すると、今後、解体工事に一年八カ月、そして皆さん方いったように、駐車場整備に一年、合わせて二年八カ月の期間が必要になるんです。そこに築地から豊洲への引っ越しにかかわる期間、これは小池知事によります突然の移転延期の影響を加味しますと、各種調整を含めて少なくとも半年はかかるだろうといわれているんですね。
 二年八カ月の間に少なく見てあと半年、これでどれくらいだと思いますか。もう三年以上の期間が必要なんですよ。東京大会が開幕する二〇二〇年七月の三年二カ月前とはいつですか。二〇一七年の五月、今月なんです。皆さん方が積み上げてきたこの計画をしっかりとなし遂げていくには、小池都知事は今月、豊洲市場への移転を決断しなければ、皆さん方が積み上げてきた大会運営計画は全く別のものになってしまうんです。これがまさに総合的な判断の中において重きを得ると私は思います。
 都は輸送計画をこれから検討していくということでありましたけれども、こうした基本的な事実、皆さん方が使おうとしていた築地市場の実態、どこまで具体的に詰めてきたのか甚だ疑問です。今月に決断しなければ、両論で、築地が使えるのを右手、使えないのを左手で考えてきたことの時間、お金、これが無駄になってしまうんです。
 築地市場跡地を駐車場として利用するための各種条件を加味したタイムリミットについて、オリンピック・パラリンピック準備局はこれまで中央卸売市場とどのような調整を行い、情報収集を行ってきたのか、まず伺います。

○片寄オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 委員ご指摘のとおり、築地を対象とした場合、既存施設の解体を伴うため、車両基地の工事との調整を図っていく必要があると考えております。築地を対象とした場合は、複数の工事、今ご指摘の解体工事等と車両基地の工事が同時並行で進むように工程等を調整するなど、万全を尽くしてまいりたいと思います。

○川松委員 今部長の答弁でしたけれども、今、二〇二〇年大会を我々がかち取ってから、ここまで綿密に積み上げてきた計画、輸送の計画もそうです、その中に含まれる駐車場の計画もそうですが、事態が切迫しているということを局長、小池知事は承知されていますか、いかがでしょうか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 状況については理解されていると承知しております。

○川松委員 少なく見て私は六カ月といっているんです。少なく見て今月がリミットであるということのその責任、決断の責任を小池知事は承知していますか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 そこは、六カ月のお話は、私も三年ほど仕事をしておりましたので、当時の状況はわかっておりますが、ただ、その六カ月というのは、私の今の所管の仕事上、何とも評価のできない話でありますので、そこを承知かどうかは私はちょっとわかりません。

○川松委員 局長も市場のことはよくご存じだと思いますけれども、十一月七日に決めるときも、豊洲に移転しようとしてからおよそ二年かかったわけですね。それも先ほどいったように、環状二号線があるんだ、これは国家的プロジェクトがあるんだという旗印のもと、市場の皆様のご理解を得て十一月七日の開場に至ったわけです。
 今回、僕がいっているのは、知事が豊洲移転を決めないと、この大会の計画全ての根本部分、環二が通らないだけではなくて、六千台のほぼ二十三ヘクタールの駐車場を使うというこの計画さえもだめになってしまう。そういうことの責任を感じていらっしゃるのかな。知事に対して局長からは説明をされておられますか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 築地がデポ用地の候補の一つという説明はしておりまして、私どもは、先ほどもいいましたように、いろんなシミュレーションを実はしておりますので、その中での説明というのは、まだ決まった話ではなくて、候補地の有力な一つであるという説明はしております。

○川松委員 いいですか。今までの答弁の中で、築地は候補の一つです。それは間違いありません。でも、ほかの候補がないじゃないですか。ほかの候補についても、じゃあ、知事に説明されているんですか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 今申し上げられる候補地はございませんが、当然、情報収集なり、我々、実は輸送については、先生もずっとこうご指摘のように、大変重要な要素であるというのは承知しておりまして、実は私の部屋に、ほぼ一カ月に一回、あるいは二回ほど内閣官房の国の関係、国交省出身者、あるいは警察、そして組織委員会、現職の国交省の人たちと非常に議論をしていまして、いろんなことを考えているわけであります。
 先生おっしゃったように、まさにこの輸送のことというのは早い時期から検討していかないと、まさに大変なことになりますので、いろんなことを考えながら今やっていますので、何せ要素が確定しているわけじゃないといいますか、まだ未確定要素が多いんで、今、正確なはっきりしたことは申し上げられませんが、いろんなことを含めて準備に向けて考えているということは事実であります。

○川松委員 未確定要素が多いというのは確かだと思います。でも、その未確定要素というのは、輸送に関しては見えていることがあります。臨海部の物流量がふえたり、あるいは臨海部の住民の皆さんがふえることによって、個人で道路を使われる方がふえている。
 そこにおいて、先ほどいったように、築地市場というのは現在、隅田川よりも内側にあるわけです。これを広大な土地を求めようとすると、臨海部に行くとなると、臨海部地域の住民の皆様にも物流の輸送の関係で大きな迷惑がかかってしまう。二〇二〇年というのは、みんなが一つになって、どこに住んでいるかとか、どの人たちも一つになって盛り上げようという旗印で僕らは頑張ってきたわけですよ。
 その一つとして、大きなこの駐車場の計画というのが崩れようとしているこの五月。費用分担の問題も五月中の決断ということでありますけれども、ぜひ局長、築地市場の移転延期も早くしないと、物すごい、これ、世界に対して約束したことです。東京都知事が、猪瀬直樹さんの名前ですけれども、約束した立候補ファイルに基づいて我々は準備を進めてきたはずです。
 そこまで詳しく局長は今まで説明をされましたか。臨海部の輸送はふえるんだ、そして隅田川を越えるのには晴海通りと永代通りの二本しかないんだ、首都高速は専用レーンもつくれないんだ、そういうことも細かく知事にはご説明されているんですか。
 その上で、これは政争の具のようにして移転延期を先延ばししているんであれば、私は全然都民ファーストの観点だと思わない。いかがでしょうか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 繰り返しになりますが、六カ月が必要である、五月が今リミットという話はちょっと私は何とも申し上げられませんが、いずれにしましても、円滑な輸送を実現して、いろんな人が困らない、みんなが大会に当たって都民生活も両立できて、大会開催中みんなで盛り上げて、いい大会にすることはおっしゃるとおりであります。
 一方で、先生もおっしゃいましたように、実現可能なことをしっかりと我々検討していくということも大事でありますので、二〇二〇年時点の状況を今後とも逐一見定めて、私どもとしては、その状況に従って輸送運営計画を綿密につくって、大会期間の輸送に万全を尽くすと、これに尽きると思っております。

○川松委員 私は、知事に対して局長は説明しましたかということをいっているんです。その六カ月ということはさておいても、全体としてこの豊洲市場への移転延期というのが、環二も通らない、駐車場用地も使えない、それが全体の大会運営計画に大きな影響をしていくんだということを都民ファーストの観点、情報公開の観点、賢い支出の観点から局長は知事に説明されているんですかということを伺っているんです。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 ただいま川松先生のおっしゃった視点かどうかはあれですけれども、当然私ども、V1の今、計画をつくっていくということでも、詳細な内容については説明をしております。

○川松委員 矛盾しているじゃないですか。V1は細かいことは入れないとさっき部長の答弁があったんですよ。だから、そこは話が違います。V1をつくるために報告したんじゃなくて、僕は大会の運営計画をする上において、知事にこういう事態があると。これ、大きな問題だからこそいっているんです。
 細かく局長は知事にご説明をされたんですか。細かく丁寧に説明をされたんですかということを伺っているんです。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 輸送計画のV1、当然これ、夏に向けてつくりますし、今度、関係者の会議も開きますので、それに当たってこの輸送の実態等については詳細に説明しております。

○川松委員 ということは、知事は全て承知の上で、今、豊洲にするか、築地にするかも含めて移転延期の判断を先延ばししているという認識になります。そうなると、改めて輸送計画の今後の検討の進め方について考えを教えてください、局長。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 繰り返しになって申しわけないんですけれども、二〇二〇年段階、その時点の輸送インフラの整備見込み、これが大事だと思いますので、先生もおっしゃった実現可能な案、これがまさに大事だと思いますので、それを見据えて、今後その状況の変化等あわせて、五月がリミット、今がリミットかというのは、それは私は承知しません。その六カ月ということもよく存じ上げませんので、ですから、それはちょっと置いておいても、やっぱり実現可能な輸送インフラの整備見込みなどをよく考慮しながら、しっかりと計画を練っていくということだと思っています。

○川松委員 豊洲市場の問題点というのは、さまざまなことを知事はいわれましたけれども、いろいろな局面でそれを乗り越えてきて、今、世の中の人たちはもう豊洲に移転すべきだという声が大半になってきたわけです。総合的な判断を持って、この移転についての結論を出すという知事ですから、私は、この問題というのは、総合的な判断の中において一つ大きなポイントであるということを強調しておきます。
 局長おっしゃるように、六カ月というのが妥当なのかどうかという議論はありますよ。でも、知事が例えば、きょう豊洲に移転すると表明したからといって、あした引っ越しできるんですか、できないですよね。そして、いろんな方の意見もあって、この合意形成することが前回も大変だったんです。そのときの十一月七日というのは環状二号線というのが旗印にあったわけですよ。これを乗り越えて国家的プロジェクトを成功させるために、知事としては、私は責任をとにかく果たしていただきたいということを局長から伝えてください。
 本来だったら、私は知事に直接この場で話を聞くべき課題だと思っています。お金の問題もそうです、大会の準備もそうです、先ほどいったセーリングで千艇をどう動かすかということもそう、全て開催都市である東京の責任、そのリーダーは小池知事なんです。しかしながら、今混乱する事態に陥ってしまった。これは小池知事、独断なわけですよ。役所の皆さんにも相談なかった。議会にも相談なかった。その一旦立ちどまるといったまま、ずっと立ちどまっていることが現在のこの事態を招いている。都議会はもとより、関係各局、そして都民の皆様にもこの件は責任はないということをお伝えしておきます。
 そして、我が党がずっと主張してまいりました豊洲への市場早期移転については、先ほどもいいましたけれども、多くの皆さん方の理解を得てきた、マスコミの皆さん方もそういっている、多くの都民が移転を求めているわけです。つまり、知事の移転延期決定というのは、独善的な手法に加えて、豊洲移転を求めている多くの都民の声を踏まえれば、まさに知事としての合理的な裁量の範囲を逸脱した決定であったといわざるを得ません。
 そして何より重要なことは、本日の委員会質疑で、二〇二〇年の東京オリンピック競技大会、パラリンピック競技大会に向けた幾つもの課題が具体的に明らかになった今、委員会のメンバーである我々都議会議員にも課題の解決に全力で取り組む責任があるということは明確になっているんです。
 そのためには、二〇二〇年東京大会開催に向けた、大きな今障壁として目の前に見えた豊洲市場への移転延期を決定した小池知事本人に対して、九都県市での発言、そして本日の総理への説明なども含めて、現在この事態をどうお考えになっていて、そしてどう乗り越えて二〇二〇年に向かっていこうとしているのか、直接この委員会でお話をするのが、この任期における特別委員会を設置した意味だと思います。
 市場の特別委員会のように、ここに来てくださいといって来るか来ないかは、あちら側の責任でしょうけれども、この特別委員会として知事を直接お呼びし、そしてお話を聞く。そのことをお願いすることはこの都議会議員としての責務であると私は感じております。
 ですから、委員長を初め、この委員の皆様におかれましては、この委員会に直接知事をお呼びし、そして質疑をすること、二〇二〇年の大会に向けてどう考えていくのか、そのことをお諮りいただくようお願い申し上げまして、私の質疑を終わりとさせていただきます。

○高島委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時四十分休憩

   午後三時五十六分開議

○高島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○吉倉委員 今、さまざまな議論がございました。最初に、私からも、冒頭局長よりご報告のありました大会経費の負担にかかわる知事発言について、簡潔に二点お聞きしたいと思います。
 まず第一点は、なぜここへ来て急に仮設費用について都が負担することになったのか。再度、この間の経緯についてお聞きしたいと思います。

○高島委員長 今、局長にといわなかった。今、吉倉副委員長は、局長に答弁を求めています。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 かねてから総理にお会いする日程というのは決まっていたというふうに聞いておりまして、五月中に大枠の合意に達するということがあったんで、きょう、総理官邸に赴いて、一定の考え方の表明とお願いをされたということだというふうに認識しております。

○吉倉委員 再度確認ですけれども、本日の知事の発言は、これまで関係自治体等連絡協議会幹事会が開かれておりますけれども、この中で一つ一つ精査して進めてきた結果なのかどうか、あるいは全く新しい方針として発表されたのかどうか、この辺はどうでしょうか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 これにつきましては、昨年の暮れに関係自治体の知事等の皆さんがいらっしゃって、それによって知事が作業チームを設置して、その積み重ねにおいてきょうがあるというふうに理解しております。
 また、おとといの各三知事の行動できょうがあるということの関連性については、先ほどもいいましたように、それはないというふうに認識しておりまして、かねてからのきょうの日程、五月末の大枠の合意、そういうものについて、今まで積み上げてきた中での一連の流れであるというふうに考えております。

○吉倉委員 わかりました。第二点は、都の負担を五百億円とされたこのことについて伺いたいと思いますけれども、この積算根拠、わかる範囲で結構ですが、明確にお願いしたいんです。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 作業チームに報告をしております都外の競技会場の仮設の積み上げの数値と認識をしております。
 なお、ここには他の自治体所有の施設のほかに、民間の施設、あるいは国有地の施設で活用する競技会場も含まれているものでございます。

○吉倉委員 繰り返しになる部分が多いので、この問題につきましては、今後、我が党としても十分に検討してまいりたいと、このように考えております。
 次に、報告事項であります新規恒久施設の施設運営計画の最終のまとめについて質問をいたします。
 都はこれまで、アドバイザリー会議を設置し、民間事業者や競技団体、さらに地方自治体等の意見を幅広く聴取し、施設運営の詳細の検討を進めてこられたと聞いております。
 そこでまず、施設のバリアフリー化について伺います。
 新規恒久施設の各会場については、Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインが適用され、障害を持つ選手だけでなく、観客に対しても配慮がなされると聞いております。このように障害の有無にかかわらず、全ての人にとって利用しやすい施設としていく方針は大変すばらしいものだと高く評価しております。その上で、ガイドラインを適切に反映することに加えて、より障害者の目線に立った施設となるよう、具体的な意見を聴取することが最も重要であります。
 そこで、アクセシビリティーワークショップでは、どのような障害者団体から、何団体、何名の方々をお呼びして意見交換をしているのかお聞きします。

○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック部長 アクセシビリティーワークショップには、ユニバーサルデザインのまちづくりを推進する東京都福祉のまちづくり推進協議会より、障害者団体五団体から一名ずつ、計五名の方を委員として推薦いただいているところでございます。
 障害種別は、肢体不自由、聴覚障害、視覚障害、精神障害、知的障害などであり、障害者の立場からご意見を伺っております。

○吉倉委員 ありがとうございます。ワークショップでは、さまざまな意見や要望が出されていると思いますが、ここで代表的なものを幾つかご紹介していただければというふうに思いますが、お願いいたします。

○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック部長 アクセシビリティーワークショップでは、施設の整備に関して、障害特性に応じたさまざまなご意見を伺っているところでございます。
 代表的なご意見といたしましては、例えば、車椅子使用者が健常者と同様にさまざまな場所で観戦できるような席の配置を考えてほしい、誰でもトイレに利用が集中しないよう、車椅子使用者、オストメイト、乳幼児連れ、異性介助者の同伴といった利用者ごとに利用できるトイレを分散して配置してほしい、視覚障害者や聴覚障害者もわかりやすく利用できるよう音声案内や文字による案内等の設備を整備してほしいなどが挙げられるところでございます。

○吉倉委員 幾つかの貴重なご意見をご紹介していただきました。誰にでも使いやすい施設となるよう、各会場とも障害特性に応じた配慮が必要であり、こうした意見や要望を十分に踏まえながら施設の整備を進めていくよう要望しておきます。
 また、大会後の施設運営の検討に際しては、障害者競技団体等との意見交換や協議の場をより多く設けるなど、連携を図るべきであります。
 そこで、今回の施設運営計画に障害者の視点が具体的にどのように取り入れられたのか、伺いたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 施設運営計画では、新規恒久施設をアクセシビリティーに配慮するなど、障害の有無にかかわらず、全ての人にとって利用しやすい施設としていくこととし、後利用に当たりましても、大会や練習、体験の場を提供するなど、障害者スポーツの普及促進に努めていくこととしております。
 具体的には、各施設の利用が見込まれます主な障害者競技団体との意見交換を踏まえまして、例えばジャパンパラ水泳競技大会や日本車椅子バスケットボール選手権など大会の開催、そして、障害者ボート、カヌー教室の実施など、障害者スポーツの視点も取り入れ、この施設運営計画を取りまとめております。

○吉倉委員 次に、大事な視点だと思いますが、新規恒久六施設における東京オリンピック・パラリンピック終了後の年間収支について伺います。
 今回示された施設運営計画では、海の森水上競技場など六施設の年間来場者目標や、あるいは収支見込みが記載されております。また、施設に誘致する競技大会の数や観客数などの内訳を具体的に明示しております。
 その中で、オリンピックアクアティクスセンターは、ワールドカップやアジア水泳選手権といった国際大会、あるいは日本選手権などの国内大会を合わせて年間百大会誘致し、競技利用で八十五万人の来場を見込むとしております。サブプールやスタジオなど都民の個人利用は十五万人で、合計百万人の利用を想定しているようであります。しかし、プール施設は、水質管理や空調等の維持管理コストがかさむこともあり、年間収支は六億円を超える赤字が見込まれております。
 同様に、海の森水上競技場は、国際大会四回、国内大会二十六回の年間合計三十大会を誘致し、年間三十五万人を集める計画と聞いております。しかし、この海の森水上競技場も年間収支は約一億六千万円の赤字が見込まれております。
 このように今回の試算では、バレーボール会場の有明アリーナ以外の五つの施設で、オリンピック・パラリンピック終了後の年間収支は赤字になることが見込まれております。全国的に見ても、市民、アマチュア利用への配慮も求められる公共のスポーツ施設で黒字を確保している施設は限られていると聞いてはおりますが、全ての施設で黒字化を図ることは難しいと、このように思っております。
 しかしながら、東京都には、施設の健全な運営を図る責任があるはずであります。一九九八年の長野五輪の競技会場は、維持管理や改修に巨額の費用がかかり、負の遺産といわれました。東京オリンピック・パラリンピックの競技会場も、大会後の運営で発生する赤字は都の財政支出を伴います。
 そこで都は、各施設のさらなる収益性の向上を目指すための明確な方策を示すべきであります。答弁を求めます。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 都が整備いたします新規恒久施設は、大会後も多くの人に利用される施設としていくことが何よりも大切であり、その上で各施設の収益向上を図りまして、施設運営に係る都民負担を可能な限り縮減していくことが重要と考えております。
 このため、ネーミングライツの導入や企業広告の獲得、施設周辺の公園との同一管理者による効率的な管理運営など、今後、運営事業者選定の中で提案を募ることも含めまして、各施設の収益向上について具体的に検討してまいります。

○吉倉委員 今後の収益向上策として、ネーミングライツの導入や企業広告の獲得を目指していくとの答弁がございました。
 確かに、施設を管理する側から見れば、命名権を販売することにより大きな収入を得られるメリットがあります。ネーミングライツは、スポーツ施設や文化施設で、収益確保のための一つの方策として導入されていることはよく知られております。
   〔委員長退席、吉原副委員長着席〕
 しかし、例えばオリンパスホール八王子に対する八王子市への批判のように、スポンサー企業の不祥事が発覚した場合、命名権を導入した側に批判が寄せられるケースも見受けられます。一方、味の素スタジアム、横浜の日産スタジアムなど、ネーミングライツの導入により収益確保を図っている事例もあり、京都市の文化会館や美術館は、ネーミングライツで五十年間で五十億円という長期かつ多額の収益を得ることに成功している例もあります。
 そこで、新規恒久施設のネーミングライツの導入や企業広告については、広告代理店などの専門家の意見も十分に踏まえながら、具体的な検討を進め、本格的な収益向上策を目指すべきだと考えております。見解を伺います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 ネーミングライツの導入に当たりましては、スポンサーとなる企業等のニーズを十分に把握し、効果的かつ安定的なスキームを構築していく必要がございます。
 このため、今後、広告代理店等のノウハウを活用しながら市場調査を行うなど具体的な検討を進め、その効果が最大限得られますよう取り組んでまいります。

○吉倉委員 今後、広告代理店等のノウハウを活用しながら市場調査を行っていくということであります。いうまでもなく恒久施設については、都民負担が少ない持続可能な施設としていくことが最も重要であります。
 そこで最後に、恒久施設の健全運営に向けた局長の決意を伺い、質問を終わります。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 新たに整備いたします競技施設は、多くの都民に末永く利用され、親しまれる施設としていくことが最も重要であると考えております。
 大会後の競技施設は、スポーツはもとより、文化やレジャー、教育など幅広く活用していくとともに、周辺地域とも連携して、にぎわいを生み出し、広がりのあるレガシーの形成を目指してまいります。
 その上で、施設運営に係る都民の負担をできるだけ少なくしていくことが大変重要でありまして、創意工夫を凝らし、収益向上に向けまして、さらに取り組んでまいりたいと思います。
 引き続き、多くの都民に利用される価値あるレガシーとしていくとともに、施設の健全運営に全力で取り組んでまいります。

○小山委員 まず初めに、東京改革議員団として、本日行われました小池知事と安倍総理との二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催費用に関する会談について申し述べます。
 東京二〇二〇大会の開催まであと三年となりました。一方、組織委員会が大会総経費の総額を最高で約一兆八千億円になると発表しましてから、多くの都民、国民から厳しい目が注がれ、費用の精査、削減が求められております。
 大会の開催と成功を実現するためには、国や東京都、関係自治体、組織委員会などの大会関係者がスクラムを組んで前進をしていくことが必要でありますが、都外仮設施設の整備費用負担については協議中となっております。
 小池知事は、先日の九都県市首脳会議での関係自治体からの強い要請への対応として、五月中にしっかりルールづくりをしていくと述べるなど、本件の結論に向けた取り組みを行っております。
 そして本日、知事は、都外仮設施設の整備費に関して都の負担の意向を伝え、国にもパラリンピックの費用負担を求める考えを示しましたが、本来この問題は、仮設施設の整備費用については大会組織委員会が原則負担するということから、森組織委員会会長や武藤事務総長があらかじめ国に要請すべき、また、調整すべき仕事であったのではないかと考えております。
 衆参両院では、既に安倍内閣に対して、東京二〇二〇大会への万全な措置を求める本会議決議を行っているわけであり、国は応分の負担をしてしかるべきと考えております。
 私たち東京改革議員団は、さきの予算議会におきまして、前回の一九六四年東京大会同様、国と都のオリンピック関連諸事業の経費の分担割合については、常に同額、一つのものに対し、おのおの二分の一ずつ負担する原則を小池知事に示し、国に当然、大会に対する費用負担を求めるべきと要望をさせていただきました。
 一九六四年東京大会と同様に、国も応分の負担を行うことで、東京二〇二〇大会を成功に導くべきだと強く表明をいたしまして、質疑に入らせていただきます。
 初めに、東京二〇二〇大会の開催準備にかかわる主な取り組みについてお伺いをさせていただきます。
 まず、開閉会式について伺います。
 開閉会式は、大会を印象づけ、大会そのものを表出させる極めて重要なプログラムであります。二〇二〇年東京大会の理念や哲学、東京や日本そのものを世界に披瀝する重要な機会であります。
 この開閉会式については、さきの北京大会では劇場型といわれておりましたし、ロンドン大会では映画型、さらに先般のリオ大会は、ある意味では観客参加型の開閉会式ではなかったでありましょうか。
 そこで、二〇二〇年の東京大会については、これまで私どもは何度となく、二〇二〇年東京大会は広く都民、国民が参加をして、体感をする東京大会にすべきだと申し上げてまいりましたが、二〇二〇年東京大会の開閉会式についてはどのように取り組んでいくのか、そのプロセスとスケジュールについてお伺いをさせていただきます。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 二〇二〇年大会の開閉会式については、組織委員会が主体となって運営することとされております。このため組織委員会は、開閉会式を含めて、大会で日本と東京をどうアピールしていくか等について検討を行うことを目的に、平成二十九年三月に組織委員会の御手洗名誉会長を座長とする東京二〇二〇有識者懇談会を設置いたしました。
   〔吉原副委員長退席、委員長着席〕
 去る四月二十六日には第一回目が開催され、二〇二〇年大会の歴史的、社会的意義等についての議論が行われております。
 今後は、同懇談会での議論を経て、本年中に開閉会式を含めた二〇二〇年大会の基本コンセプトを策定する予定となっております。これを踏まえ、総合監督を選定し、IOCと協議しながら、企画、制作を進めていくこととなります。

○小山委員 この開閉会式については、本当に多くの国民、都民の関心事であります。この件については、今でもさまざまなところで、どういった開閉会式になるのかということについて議論がされておりますし、注目を集めているわけであります。
 今お答えの中にありました、これからの取り組みということについては承知をいたしましたが、ぜひこの開閉会式については、演出の部分も含め、東京や日本を世界に披瀝する、すばらしい開閉会式となるように取り組みをしていただきたいというふうに思っております。
 加えて申し上げるのであれば、やはりこういった選定に当たっては、透明性の確保というのは、これまでのさまざまな選定過程においても、私ども何度も申し上げてきております。こういったことについても、広く多くの都民、国民が理解、納得のいくような選定過程、選定方法について留意をいただきたいと思います。
 次に、聖火リレーについてお伺いをいたします。
 開閉会式の大きなプログラムとして、聖火台への聖火の点灯、点火がございます。大会開催前に行われます聖火リレーは、大会機運の醸成はもちろんでありますけれども、開閉会式同様に、大会を印象づけます重要なプログラムであります。
 一九六四年の東京大会での聖火リレーは、今でも多くの方が聖火の点灯も含めて、大会の思い出として語られることが多く、私も多くの方からそういうお話を伺うことがしばしばございます。
 一九六四年東京大会のときと、迎えます二〇二〇年東京大会とでは、聖火リレーについての原則やルールが大きく変わっていると伺っております。
 そこで、この聖火リレーのルールについて、一九六四年大会と二〇二〇年大会とはどのように異なるのか、また、聖火リレーの内容が決まるまでのプロセスとスケジュールについてはどのようになっているのか、お伺いをさせていただきます。

○高野オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 一九六四年の東京大会では、聖火リレーの期間が約一カ月であり、聖火を四つのコースに分けて全都道府県を回りましたが、都内につきましては全市区町村を回ることができませんでした。
 IOCによりますと、現在の聖火リレーは百日以内の期間を原則としまして、火を分けないで行うなどの基本的なルールがあるとのことでございます。
 二〇二〇年大会の聖火リレーにつきましては、本年二月に、組織委員会に都や国、全国知事会、外部有識者等で構成します検討委員会を設置し、八月ごろを目途にオリンピック聖火リレーのコンセプトをまとめるとともに、その後、ルート策定の基本方針などについて検討を行っていく予定でございます。
 都としましては、二〇二〇年大会に向けた機運の醸成を図るため、島しょを含めた都内六十二の全市区町村を初め、被災地を含めた全国の巡回を実現したいと考えており、その実現に向けて、IOCを初め関係者に働きかけてまいります。

○小山委員 ただいまの答弁から、一九六四年大会と二〇二〇年大会とでの聖火リレーに関するルールが変わっているということがわかりました。大きくは、やはり聖火を分けることができないということと、百日以内の期間が原則ということで、前回一九六四年大会では、全都道府県を四つのコースに分かれて回って、最終的に大会会場で点火をするというしつらえとして、すばらしい一体感がもたらされたわけでありますけれども、今回については、その点についてなかなか難しいような状況が想定をされるわけであります。
 そういった点で、今オリンピック・パラリンピックのフラッグツアーが実施されているわけでありますので、聖火リレーの基本原則の中でなかなか難しい状況が生じていることに対する一つの対応としても、ぜひ多くの自治体、全国津々浦々、このフラッグツアーが巡っていただいて、大会機運の醸成につなげていくようにお願いをしたいと思います。
 加えて、聖火リレーについては、今、関係者間に働きかけているということでありますので、この取り組みをより一層進めていただいて、できるだけ多くの都内全市区町村はもちろんでありますけれども、被災地を含めた巡回コースができるように取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、大会マスコットについてお伺いをさせていただきます。
 近年のオリンピック・パラリンピックを印象づけるものの一つとして、大会マスコットが挙げられております。二〇一二年ロンドン大会のウェンロックでありますとか、さきのリオ大会のヴィニシウスなど、これは子供たち、多くの世代から親しまれるようなマスコットとして取り組まれてきたところであります。
 やはり二〇二〇年の東京大会のマスコットの選定というものも、私は大会開催において極めて大事な、重要な一つだというふうに考えております。
 そこで、東京二〇二〇大会のマスコットの選定のプロセス、そして、今後のスケジュールについてもお伺いをさせていただきます。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 大会のマスコットは、選手や観戦客を歓迎し、子供たちを初めとする都民、国民の大会への関心を高め、機運を盛り上げる大会のアンバサダーであり、組織委員会が開発するものでございます。
 平成二十九年一月には、組織委員会がマスコット選考検討会議を設置し、検討を重ね、五月中には応募要項を発表する予定となっております。マスコットの応募は、資格審査などは設定せず、広く一般公募とする方針と聞いております。
 また、審査については、専門家や審査委員会による審査に加え、子供たちの意見を反映することとされております。
 マスコットのデザインの発表は来年春ごろを予定しており、ネーミングを含めた最終発表は来年夏ごろになる見込みでございます。

○小山委員 ただいまご答弁から、マスコットの応募要項については五月中に示されるということであります。ぜひこの応募については、これも先ほども申し上げましたが、透明性が確保される中で、広く都民、国民が応募をして、参加をされる、そういった大会の盛り上げに寄与するような、そういった応募となるように求めておきたいと思います。
 また、ご答弁の中で、お子さんたち、子供たちの意見も反映するというこの点は大いに評価をさせていただきたいと思います。やはり将来、未来を担う世代の参加ということが、こういったことからも図られているということで評価をしたいと思いますし、ぜひ多くの方に親しまれるマスコットが選定されるように求めておきたいと思います。
 次に、予算特別委員会や本委員会でも提案をしてまいりましたシティードレッシングについてお伺いをさせていただきます。
 これまで、大会エンブレムを横断幕や、のぼり旗及びポスターを主に中心として掲示をされておりますけれども、二〇二〇年大会のシティードレッシングは、これまでのアナログなシティードレッシングにとどまらず、デジタルアートやプロジェクションマッピングなど、日本の最先端の技術を活用したシティードレッシングを行っていくべきではないかということを申し上げてまいりました。
 そこで、このたび、こういった主な取り組みということで取りまとめをされておりますが、二〇二〇年大会のシティードレッシングをどのように進めていくのかお伺いをさせていただきます。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 大会のシティードレッシングは、大会開催の祝祭の雰囲気を演出し、来訪者に開催都市をPRする重要な取り組みでございます。このため、今年度は、過去大会の事例を参考に、シティードレッシングの実施場所の検討など基礎調査を行います。それに基づき、今後、実施計画を策定する予定でございます。
 二〇二〇年大会本番では、四月ごろから実施予定の東京二〇二〇フェスティバルとも連動して、大会直前から主要道路、競技会場やライブサイト会場の周辺などを統一的な大会デザインで装飾し、開催都市の雰囲気を盛り上げてまいります。

○小山委員 今のご答弁からすると、まだこれまで提案してきたことが具体的に盛り込まれているというわけではありませんけれども、ぜひこれまでのシティードレッシングとは違う、やはり二〇二〇年の東京大会ならではのシティードレッシングに取り組んでいただきたいと思っております。
 二〇二〇年東京大会開催準備にかかわる主な取り組みについて幾つかお伺いをさせていただいてまいりましたけれども、ぜひ二〇二〇年大会は、東京や日本の伝統や文化、そして最先端の技術を世界に披瀝する、すばらしい大会となるように、都としてより一層取り組んでいただくように求めておきたいと思います。
 次に、新規恒久施設の施設運営計画についてお伺いをさせていただきます。
 これまでも、本委員会でも再三、各施設についての課題を指摘させていただき、提案をいたしてまいりましたが、それらの点についてどのように反映をされ、改善をされたのかについてお伺いをさせていただきます。
 まず、各施設を点の整備だけに終わらせるのではなく、面として整備をし、それをレガシーとして有効に後利用されるよう、これは申し上げてきたところであります。また、当然、負の遺産とならないような計画をしっかり事前の施設整備段階から、運営者も含めて入れる中で計画すべきと申し上げてまいりました。
 そこで、新たな本計画の中で、特に臨海スポーツゾーンなどを初めとする面的なレガシーについて取りまとめられておりますが、この意義について改めてお伺いをさせていただきます。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 臨海部には、新規恒久施設が集積することで、新たな一大スポーツゾーンが形成されます。また、新規恒久施設と隣接いたします公園や商業施設等もございますことから、それらとの連携を進めることにより、一層のにぎわいを創出し、周辺地域の活性化につなげてまいります。
 新規恒久施設を施設単体の点に終わらせることなく、都民が多様なスポーツを楽しめ、にぎわいのあるエリアとなりますよう、周辺地域や各施設との連携により、面的に広がりのあるレガシーを創出してまいります。

○小山委員 ただいまのご答弁にありましたように、面的なレガシーの創出について、ぜひ具体的にこういった取り組みがなされるという中で、実現をされるように取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、この面的なレガシーの創出に欠かせないのが、やはり点である各施設をつなぐ線となる交通アクセスの整備だと思います。これまでも、交通アクセスが課題であるということは何度となく申し上げてまいりましたが、先般実施をされております水運の活用などもこの委員会でも提案をしてきたところであります。
 この面的整備について欠かせない施設間の交通アクセスについて、どのように取り組んでいくのかお伺いをさせていただきます。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 施設間の交通手段も含めました新規恒久施設への交通アクセスにつきましては、都営バスの路線拡充やシャトルバス導入の検討など、大会後の需要も踏まえながら、関係各局や今後選定いたします運営事業者とも連携して、アクセスの強化に取り組んでまいります。

○小山委員 先ほども申し上げましたように、水運の活用ということについては、今、実証実験が行われております。こういった結果なども踏まえながら、やはりこれらのそれぞれ点としてある施設が線で結ばれ、面としてきちっと有効な活用が図られるような取り組み、それはやはり線となる交通アクセスが確保されていなければ、そうなることはあり得ないと思っておりますので、ぜひその点について取り組み方をお願いしたいと思います。
 それでは、次に個別の施設について、これまで指摘してまいりました件の改善状況をお伺いさせていただきます。
 まず、アクアティクスセンターについてお伺いをいたします。
 アクアティクスセンター整備に伴っては、隣接をいたします辰巳国際水泳場のあり方を整理、検討する必要があると申し上げてまいりました。
 特に、後利用におけます採算面の観点からも、どのように取り組んでいくのか、そして、不採算とならないような計画、取り組みを行っていくのが極めて重要だというふうに考えますが、東京二〇二〇年大会後の東京辰巳国際水泳場の活用方法についてお伺いをさせていただきます。

○小室オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部長 東京辰巳国際水泳場は、二〇二〇年大会の水球会場でもあることから、今後、大会会場としてふさわしいアクセシビリティーの確保や機能の維持向上を図る予定でございます。
 一方で、この施設は現在、建築後まだ二十数年であり、建物としては引き続き利用可能であることから、先月公表いたしました新規恒久施設の施設運営計画にもありますとおり、大会後は、オリンピックアクアティクスセンターとは異なる機能を有するスポーツ施設としての活用を検討しております。
 今後、都のスポーツ振興施策との整合性や外部有識者の意見なども踏まえ、検討を進めてまいります。

○小山委員 ただいまのご答弁の中で、オリンピックアクアティクスセンターとは異なる機能を有するスポーツ施設として活用をされていくよう検討されているということでありますが、ぜひこれは、以前より申し上げているように、類似の施設が隣接するわけでありますから、ぜひ採算面も含めて、大会後の後利用については十二分に計画をしていただいて、その後の利用に資していただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 次に、海の森水上競技場についてお伺いをいたします。
 これまでも、新規恒久施設の中で最も整備費用を要し、後利用に課題がある施設として海の森水上競技場を挙げさせていただいておりました。本競技場の後利用においては、この中にもございますように、水上スポーツや水上レジャーだけでは到底、採算上極めて厳しいということは申し上げてまいりました。
 これ以外のさまざまな取り組みが私は必要であると申し上げてきたわけでありますけれども、例えば花火大会や、あるいは水上プロジェクションマッピングなどさまざまなイベント利用などを図らなければ、到底、この収支を改善することはできないということは指摘してきたわけであります。
 そこで、海の森水上競技場の後利用に関し、水上スポーツ、水上レジャーだけでは不十分であると考えますが、イベント開催についてどのように取り組もうとされているのかお伺いをさせていただきます。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 大会後の海の森水上競技場では、広大な水域を生かしまして、主要な水上競技大会やアスリートの強化合宿等で活用いたしますとともに、都民に水上スポーツ体験や水上レジャーの機会を提供することに加えまして、北側の陸地部分の多目的エリアを活用して、大規模なランニングイベントなどさまざまなイベントも実施していくこととしております。
 今後の施設運営事業者の選定に当たりまして、多目的エリアの活用方策について具体的な提案を募るなどいたしまして、海の森水上競技場を一層幅広く活用していけますよう取り組んでまいります。

○小山委員 海の森水上競技場が大会後、負の遺産などということにならないように、ぜひ今からの早期の取り組み、そして、さまざまな民間を含めた知見を生かしていただいて、対応を考えていただきたいというふうに思います。
 加えて、海の森水上競技場については、海の森水上競技場施設単体だけでは到底、競技場としての採算はもちろんでありますけれども、有効活用を図ることはできないということは申し上げてきたところであります。周辺の海の森公園などとの面的な整備、そして、連携を図らなければならないというふうに考えております。
 そこで、これも何度となく申し上げてきたところでありますけれども、この海の森水上競技場と海の森公園など周辺施設との面的な整備、そして、連携をどのように図っていこうとされているのかお伺いをいたします。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 海の森水上競技場は、大会後に開園いたします仮称海の森公園と隣接しておりまして、公園と連携することで多様な活用が期待できます。
 具体的には、海の森水上競技場と公園の歩行者動線を連続化し、ランニングコースや散策路を設定するほか、競技場の宿泊、飲食施設等を公園と一体的に利用していくことなどを検討しております。
 また、隣接いたします中央防波堤外側埋立処分場で行われております環境学習と連携した取り組みについても検討するなど、公園や環境関連施設等との連携を進めてまいります。

○小山委員 これも何度となく、いろいろさまざま提案をしているところでありますので、この点については、周辺整備、そして今ある現状この場所に伺うと、何度も申し上げておりますけれども、大変閑散としておりますし、なかなか今多くの人が集うという状況になっていないところを、海の森公園などの整備とあわせて大きく改善をしていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 最後に、カヌースラローム会場についてお伺いをさせていただきます。
 前回の委員会でも、カヌースラローム会場については、施設のあり方や運営についてさまざま申し上げてまいりました。本施設は、日本で初めての施設でありまして、日本代表選手を初めとするアスリートが大会前に練習できる本当に貴重な会場だというふうに考えております。
 そこで、本会場については、なるべく早期にオープンをさせるべきと考えますが、どのように考えているのか、見解をお伺いいたします。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 カヌースラローム会場は、平成三十一年五月末に竣工予定でございまして、運営事業者を平成三十年度中に選定いたしまして、竣工後、速やかに施設を利用できますよう、開設準備に万全を期してまいります。その上で、アスリートの練習利用につきましても、今後、各関係機関と調整してまいります。

○小山委員 さきの委員会の中でも、カヌースラローム会場で事前に練習をすることがメダル獲得に本当につながるということは、ロンドン大会の一つの私の事例ということでもお話をさせていただきました。
 ぜひカヌースラローム会場を早期にオープンして、アスリートの育成ということに加えて、やはりさまざまな多目的な利用ということをカヌースラローム会場は考えているわけですから、大会後の後利用も含めた利活用についても、事前の中での取り組みをぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 これまで、大会開催はもちろんでありますけれども、大会後のレガシー、そして、後利用についても、持続可能性を十分踏まえた施設整備と運営計画となるよう、強く求めてまいりました。
 二〇二〇年東京大会が東京の発展と、やはり都民益にかなうような大会となるような、そういう大会として、これはやはりオリンピック・パラリンピック準備局の皆様を初めとして、都庁全体が連携をして、一丸となって取り組まなければ成功はなし得ないというふうに思っております。先ほどの他の委員の皆様の質問からも同様に、やはりオリンピック・パラリンピック準備局の皆様が、それが私たちの責務である、主導的に、私たちが主体的にその責務を果たしていくんだという、そして、二〇二〇年大会後のすばらしい東京を築くのが今なんだということをぜひそれぞれの皆様には感じていただき、今後の取り組みに全力を尽くしていただくよう求めまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

○吉田委員 それでは、私から質問させていただきます。
 当初いろいろ準備をしてきたテーマはありますけれども、急遽、知事の発言について局長から報告がありました。この問題を中心にして質問をさせていただきたいというふうに思います。
 第一回定例会で知事は、施政方針演説の中でこの問題について触れました。都外の自治体が所有する施設を含め、都も負担することを排除せずということで指示をしたという発言でした。
 私たちは当初、この段階から知事のこの発言については極めて懸念を表明いたしました。もちろん、都外の自治体に負担がないように配慮し、努力をすることは当然のことです。しかし、本来的には、組織委員会がこれまで窓口となって対応してきたことであり、また、仮設については組織委員会負担ということで経過が進んでまいりました。そのことを第一義的に都としても求めるべきではないのかというのが私たちの主張でした。
 また、負担軽減という点で見れば、これは東京都も求められたとおり、やはり地財法との関係から見ても、国が他県に対して必要な財政支援をするというのが第一義的な選択肢であることは明らかだと思うんです。また、こうしたことについて、やはりきちんと透明性を確保した中で協議をし、結論を導き出していくというべきものだということを私たちは主張してきました。
 ところが、きょう突然、知事がこうした発言をしたということは、私は、都民は到底納得できないのではないかと。私どもとしては、きょう質疑をいたしますけれども、改めて知事に再検討を求めたいということで質問していきたいというふうに思います。
 まず、知事の発言内容について、十分確認できなかった点がありますので、確認をしておきたいというふうに思います。
 都が負担をしようとしているのは仮設施設。東京都と、そして、県市の所有する仮設施設への負担というふうに聞こえたんですが、所有なのか、所在なのか、あるいは私の聞き違いなのか、もう一度そこをゆっくりと表明していただけませんか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 東京都が負担することとした施設でございますが、東京都と他の県及び市が所有する施設に係る仮設でございます。

○吉田委員 所有するということは、単に所在するということではなくて、東京都が持っている、県市が所有する、持っている仮設施設というふうに当然理解をするわけですよね。この点についてはまた議論を進めていきたいと思いますが、まず事実確認だけです。
 それと、他の自治体の負担という点で見れば、いうまでもなく、仮設の施設だけではなく、さまざまな負担が、先ほどからも議論がありましたけれども、あったと思います。その点については、知事のきょうの発言というものは、あくまでも都が負担するのは仮設施設のみに限定したのであって、他の自治体負担については一切持たないということの表明なのか、協議次第では、運営その他にかかわる、あるいは恒久施設にかかわる負担も否定されていないのかどうか、重要な点なので、これもまずお答えください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 本日、知事が表明をいたしましたのは、先ほども申し上げましたとおり、東京都と他の県及び市が所有する施設に係る仮設につきまして都が負担をするということでございます。
 なお、仮設以外の全体の経費につきましては、現在、三者協議におきまして事務的に詰めているところでございます。

○吉田委員 わかりやすくいうと、そうすると、きょうの表明は、仮設だけですよということを表明したものではないということになりますね。他の分野については、その他の負担については、三者で今後協議をしていくということになれば、他の負担も全く否定、排除されていないということだと認識いたします。それは間違いないですね、今のご答弁は。これは極めて、二重に私は非常に重要な問題だというふうに指摘せざるを得ません。
 三つ目に確認したいことは、仮設費用というものをどの範囲で捉えるのかということです。とりわけ、東京都内も含めてになりますが、組織委員会が昨年末発表した費用一覧、この分担については、東京都はこういう分担は認めたものではないと、あくまでもたたき台だという表明がありましたが、仮設費用については総額二千八百億円、組織委員会負担が八百億円、その他の負担が二千億円ということになります。
 その中には、スタンドもあれば、あるいはオーバーレイといわれるものもあれば、さまざまなものがありますけれども、仮設負担というふうにいった場合に、どこまでの範囲という、一定の区切りというものがあるのか否かお答えください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 役割、経費分担の詳細につきましては、現在、実務的に調整中でございます。
 昨年十二月に組織委員会が公表いたしました大会経費とその考え方におきまして、例えば仮設におきましては、いわゆるオーバーレイと呼ばれる部分、大会運営に直結する部分につきましては組織委員会負担、それから、それ以外の部分につきましては組織委員会以外の負担というのが昨年十二月の組織委員会の案でございます。
 先ほどおっしゃったように、それ自体の内容を認めているわけではないんですが、それを議論のたたき台として、現在検討しているという状況でございます。

○吉田委員 そうしますと、仮設二千八百億のうち、組織委員会は、今いったような組織委員会自身の判断で八百億円分は負担しますと。その他は国及び東京都の負担以外に負担の道はないわけですね。一部民間があるかもしれませんけれども、他自治体の負担はなしにするわけですから。
 そうすると、最大、マックスで二千億円の負担が東京都にかぶさりかねないと。あるいは、この組織委員会の発表では、先ほど下がるか上がるかという議論がありましたけれども、ただし書きがありまして、暑さ対策だとか、その他練習会場の追加だとかによっては、さらにこれは膨らむ可能性もあるというふうに注意書きがされていることは非常に重視をして見ておかなければならないことだと思うんです。
 もう一つ、関連して確認しておきたいんですけれども、いわゆる選手村は、住宅棟の整備以外はほとんど仮設になるわけですよね。これは仮設という範疇の中に入っているのか、それともオペレーションという範疇に入っているのか、ちょっと私、組織委員会の見方がわからなくて、仮設等の絵柄を見ると、選手村らしきものが出てこないんですよ。
 そこで、選手村の仮設的施設についての負担も、もちろん東京都内につくるわけですから、所有は東京都でないかもしれませんが、知事の発言でいうと、これも負担するということになりますよね。違いますか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今のまずカテゴリーでございますが、選手村の仮設の経費の部分はこの仮設の中に入っております。(吉田委員「入っているの」と呼ぶ)ええ。あと、実際に選手村で行われるいろいろな運営経費、オペレーション経費はオペレーションの部分に入っている、まずそれが経費の仕分けになってございます。
 それで、仮設の部分でございますが、おっしゃるとおり、選手村は民間が恒久施設をつくると。そこの一定の部分をお借りして、オリンピック・パラリンピック仕様にして、そこは仮設として構築をするというたてつけになってございます。
 選手村は競技施設ではありませんが、選手がほとんどそこに住まわれるという極めて重要な施設ということもございますので、選手村も含めて、仮設について都の負担というような方向で知事の考えがあるというところでございます。

○吉田委員 それと、私どもが理解に苦しむのは、この間、五回、事務レベルといっていいかわかりませんが、知事は参加していないレベルで三者協議を行ってきたと。しかし、一体そこで何を議論してきたのかわからないので確認したいんですけれども、先ほども紹介した組織委員会の発表したものは、組織委員会として負担はできない、しないというもので、ソフト分野の総額というのは四千百億円ですよね。何か偶然ですが、ソフトのうち、組織委員会が四千百億円、その他が四千百億円と。その中には、内訳でいえば、輸送が千三百億円、セキュリティーが千四百億円、テクノロジーが四百五十億円、オペレーションが五百億円とあります。
 そこでお伺いしたいんですけれども、東京都は、仮設部分の負担、マックスで二千億円ということにならざるを得ないんですけれども、それを負担します、その他については、組織委員会なり、国なり、その他で持ってくださいよということが前提としてあるんでしょうか。それともまた、三者の協議によっては、こうした分野の負担も全く否定できないということなんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、現在、仮設以外の部分につきまして、三者で協議をしているという状況でございます。
 考え方といたしましては、それぞれ主体、例えば組織委員会であれば、これは大会運営を担う主体である、あるいは東京都は開催都市であるとか、国はオールジャパンで取り組むべき主体であるとか、それから各自治体におかれましては、それぞれその自治体で大会が開催されるという、それの所在の自治体であるというような、それぞれ担う役割とか責任というのがあろうかと思っております。そういったような観点から、現在、分担について実務的に詰めているところでございます。

○吉田委員 いろいろいわれましたけれども、結論的には、すみ分けを確認した上で、東京都が時間の関係があるので仮設部分について表明をしたというわけではないということですよね。そうすると、他の負担も全く否定できないということから見れば、私は、きょうの知事の表明というのは極めて重大な発言だということを率直に指摘せざるを得ないというふうに思います。
 それで、先ほども質問があったことについて、ちょっとはっきり私、理解できなかったんですけれども、当然、一般論ではなくて、こういう負担をするという表明をした場合に、東京都にどれだけの負担がかかるのかということは、検討なしにいうわけはあり得ないと思うんですね。
 しかも、知事は、第一回定例会の私どもの質問に対して次のようにいっているんですね。都として、都民の皆様の負担をできる限り軽減し、都民施策に影響を及ぼさないよう財源も含めまして幅広く検討してまいりますというふうにいわれていますが、知事のきょうの表明は、確定的ではありませんけれども、どの程度の負担はあり得るという認識のもとで表明をされたんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 経費につきましては、現在精査中でございまして、仮設も含めた全体の大枠の合意の時点で概略を明らかにしていきたいと思っております。

○吉田委員 皆さん方はどのように認識をしているかをお答えください。皆さん方は、知事の発言でいくと--私は、だから、マックス二千億の負担はあり得るねという問題提起をさせていただきましたが、皆さん方はどういう可能性があるかと。別に確定的じゃないですよ。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 繰り返しで恐縮でございますが、経費につきましては、現在精査中というところでございます。改めまして、大枠の合意時でお示しをさせていただきたいと思います。

○吉田委員 いずれにしても、先ほどからのご説明を受けると、少なくとも、マックスと断定できない可能性がありますが、今、表に出ている公式の資料で見れば、仮設、組織委員会以外の負担、二千億円の負担を東京都が背負うということはあり得るということは明確だと思うんですよ。
 あえて今の状況のもとで、なぜそういう判断をしたのかということもありますけれども、それに付随して、前から私どもが非常に気にかけて、何回か質問もさせていただいていることについてお伺いしたいんですが、現時点で東京都がオリンピックに絡めて負担が明確になっていること、もちろん、関連の道路予算その他も含めれば非常に幅広いものがありますが、直接的な負担、例えば競技会場、選手村、競技会場は都立だけではなく、その他付随した、さまざまな関連した直接的な負担というものは現在どの程度となっているのか、ご答弁をお願いいたします。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 昨年十二月に組織委員会が示しました大会経費でございますが、そこにおきまして、ハード、会場関係の恒久施設に係る経費が三千五百億円と示されております。
 この内訳につきましては、本年一月二十六日の本委員会でお示しをしてございますが、このうち、都立恒久施設の整備費と新国立競技場整備費の一部が現時点で都の負担となっておりまして、その金額はおおむね二千二百億円でございます。

○吉田委員 せっかくご答弁してくださるんだったら、まとめないで、それぞれきちっといっていただけませんか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 都立恒久施設の整備費が約千八百億円、新国立競技場整備費の都の一部負担額が約四百億円でございます。

○吉田委員 私は、新国立の負担は四百四十八というふうに認識をして、今まで皆さん方にもその旨いっていたつもりですが、違いますか。東京都が直接負担する分も含めてですよ、四分の一負担だけではなくて。全額東京都が負担する付随施設なども含めれば、私の認識は四百四十八億だったんですが、違いますかね。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今回の三千五百億円の中のうち、新国立競技場の整備費が千六百四十五億円でございます。その中で、先ほどおっしゃった四分の一ずつというのが約四百億円でございますが、それ以外に付随する整備費がございます。たしか、それが合わせて四百三十二億円だったかと思っております。

○吉田委員 若干のずれはありますけれども、いずれにしても、新国立にかかわる東京都の負担は、私の調査では四百四十八億円だというふうに思います。かつ、ご承知の上であえてご答弁なさらなかったと思うんですが、それ以外の負担もあるんですよね。
 例えば、お答え願いたいんですが、一つは、これは前から議論しています有明アリーナの土地取得の用地費、一般会計から出ていますよね。これは、先ほどの都立恒久施設の約千八百億の中には入っていないと思うんですが、それをお答え願いたい。
 もう一つ、私は、選手村もということをお話ししたつもりなんですけれども、選手村の基盤整備、防潮堤も含めて莫大な一般会計投入がされていると思うんですが、それは幾らですか。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 有明アリーナの敷地の取得の価格でございますが、ちょっと手元に資料はございませんが、百八十三億か百八十七億かどちらかでございます。

○朝山オリンピック・パラリンピック準備局選手村担当部長 選手村の宿泊棟につきましては、都が施行する市街地再開発事業において民間事業者が整備いたします住宅棟などを、大会期間中、組織委員会が一時使用するといった計画になってございます。
 この市街地再開発事業の中で、土地をかさ上げする盛り土や生活を支える道路整備等として約四百十億円を計上してございます。このほかに、防潮堤の整備費として約五十億円がございまして、選手村地区における基盤整備として、都の負担総額は約四百六十億円でございます。
 これらの施設整備は、まちづくりの上位計画であります豊洲・晴海開発整備計画で規定してございまして、東京二〇二〇大会の選手村としてのみならず、晴海のまちづくりに必要な施設として都が整備していくものでございます。

○吉田委員 あわせて、これはちょっとご準備ないかもしれませんけれども、もう一つ、私、見過ごせないことが、ハンドボール会場である代々木の国立競技場の運営をするための土地を確保する必要があるという要請が、組織委員会から一昨年の夏にオリンピック・パラリンピック準備局にありましたよね。その要請に基づいて、都市整備局に、その土地確保のために、岸体育館の、いわゆる体育協会が入っている部分を確保するような協力要請をオリ・パラ準備局として行いましたよね。それに伴って、あそこの立ち退き、移転補償などの費用が発生しているんですが、そういう経過、事実をお認めになると思うんですが、いかがですか。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 ご質問の代々木公園につきましては、組織委員会が運営用地としたいという要望が出てまいりました。それを受けまして、運営用地として利用するに当たりまして、あそこは都市計画がかかっている部分でございますので、それにつきまして都市計画としてどうかという意見照会をしたという事実はございます。
 後々は、それは公園事業として位置づけられて、施行するとしたら施行されているものという認識をしてございます。

○吉田委員 私の認識は違いますけれども、私は、オリンピック・パラリンピック準備局長名かと思いますが、都市整備局に対して協力要請をされたわけですよ。その結果、本来、公園の整備対象事業とは全くなっていなかった日本体育協会のあの一角を、用地買収、立ち退きが進んできているわけです。そのための費用は、私の見ている資料では約百五十億円という金額もあるわけです。こうした金額を含めれば、先ほどいわれた二千二百億円以外に、もろもろ八百億は超すものだというのが私の認識です。
 少なくとも、先ほどの答弁の有明アリーナ用地費、あるいは選手村の基盤整備等々を含めても、それに近い金額になっているわけです。私が強調したいのは、その上に二千億もの新たな負担をかぶることが都民の納得を得られるのかという問題を改めて指摘をしておきたいというふうに思います。
 それで、次にお伺いしたいことは、この委員会で、都外施設の当該自治体に対する支援問題というのは、私どもだけじゃなくて、随分、議論をしてきたと思うんですよ。そのたびごとに皆さん方が胸を張って答弁されたことは、国に対して財政支援を求めていきますということでしたよね。
 私が控え目に、せめて被災自治体はといったら、いいえ、被災自治体だけではなく他の開催自治体も含めて国に支援を求めるんだというふうに、たしか部長は胸を張ってご答弁をされて、私も軽率な発言だったなと反省したんですが、この点は一体、今回の知事発言に至る過程では、どのような取り組みを皆さん方はしたんですか。
 三者協議の総費用全体の役割分担の問題もあるんですが、今、私がお伺いするのは、東京都外の自治体の負担を軽減し、抑制するために、国が責任をとるべきだ、果たすべきだというのが東京都の要望書の中にも繰り返しされてきたわけですよね。それはどうなったんですかということを端的にご答弁ください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 大会の円滑な準備、あるいは運営の実現に向けまして、関係者と緊密に連携しながら、国としての役割と責任をしっかりと果たしていただくよう、これまでも強く求めてきたところでございます。
 自治体への支援も含めまして、今後、さらに三者協議で詰めてまいりまして、大枠の合意の中でまとめていきたいと考えております。

○吉田委員 要するに、端的に聞かせていただければ、国からは断られたんですか、いや、そうではありませんと、仮設は東京都、恒久施設その他は国が持ちますというふうな協議があったんですかということをご答弁ください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 国からの支援につきましては、現在協議中でございまして、それも含めまして、大枠の合意の時点で取りまとめていきたいと考えております。
   〔吉田委員「最後、ちょっと聞き取れないんだよ」と呼ぶ〕

○高島委員長 もう一度。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 国からの支援につきましては、現在協議中でございまして、大枠の合意の時点におきまして取りまとめをしていきたいと考えております。

○高島委員長 吉田理事、ちょっといいですか。
 局長、先ほどから吉田理事がいっていることは何なのか。申しわけないけれども、答弁になっていないんだよ。それ、委員会をばかにしているの、あなたたちは。都民の代表である議員が委員会の場で質疑をして、同じ話を繰り返ししている。
 先ほどから吉田理事から話をしているのは、国の支援をお願いしますとずっといっていると。にもかかわらず、あなたたちがそういう答弁をしたのにもかかわらず、急遽、きょう、そういう話になった。
 先ほど川松委員が質問したのは、それと同等の、野田政権のときに閣議了解があると。それを超すのか超さないのかと同じような質問をしているんですよ。
 それで私どもは、冒頭、重複した質問はなるべくしないでくださいと、そういうお願いをしていながら、あえて吉田理事が質問したんだから、それは内容はわかっているんだ。しているんだから、それはやっぱり真摯に答えてくれないとだめだよ。ただやみくもに時間を経過するだけじゃだめ。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 事実として、結果としては、大枠の合意の中で明らかにされていくということで、今、実は途中経過であります。
 再三再四、私どもは、国に対しても、それは当然、国の役割と責任をしっかり果たしてほしいということはいい続けております。それが結果としてどうなっていくかということは、大枠の合意の最終の形という中でご説明することになろうかと思いますが、努力はしているところでございます。

○高島委員長 吉田理事、ごめんなさいね。失礼いたしましたけれども、どうぞ。

○吉田委員 結論的には、回りくどいいい方をされたけれども、現時点では、少なくとも、都外の関係自治体に対する財政支援については、国から明確な回答は得ていませんといってくれればいいんですよ、回りくどいいい方じゃなくて。そうでしょう、現時点では国から具体的な支援の表明は出されていないということでしょう。--いや、そういうことなんでしょう。沈黙されたら困るんだけれども。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 現在、まだ三者協議の途中といいますか、大枠の合意に向けておりまして、当然、国の内部の調整もございますし、財源の問題がどうなっていくかというのは、なお、そういったいろんな調整がございますので、現時点でそれがないとかあるとかということを確定的に申し上げる段階ではないということでございます。

○吉田委員 現時点で国から出されていないわけでしょう、何らかの投入の意思というのは。そうじゃなくて、あるんですか。じゃあ、はっきりいってくださいよ、金額はいえないけれども、国から出す意思は表明されているんですと。あとは詰めの段階なんですか、はっきりいってくださいよ。--なぜこのことが非常に不透明かということになれば、五回も少なくとも事務レベルの協議がされている経過と到達点は我々は全くわからないんですよ。皆さんはわかっているから、わかっていることを想定に今のような答弁をされたって、我々何を--五回、一体何をやってきたんですか。全くそれがこの場で公表されていないじゃないですか。
 率直にいって、まあ、知事をというお話があったけれども、私どもはまず、一体、五回の協議がどうだったかということは少なくともきちんと明らかにしていただきたい。しかも、そのことは私ども繰り返し、前回も畔上議員が三者協議が極めて不透明だと。例えば、組織委員会は、自分たちが提出した資料も、その事務レベルの会議が終わったら回収して取り上げてしまうから、私たちは資料もないんだみたいなことがあったわけですよ。そうしたら、いや、それは検討しますと、国や組織委員会に申し入れますということをいったにもかかわらず、五回やったということしか、今我々は知らないんですよ。議題が何だったのか、どういう到達点になったのかということは、改めてこの点を厳しく指摘しておきたいというふうに思います。
 それで、重なるといわれたらちょっと恐縮なんですけれども、テーマ的には重なりますけれども、関連してちょっと質問したいのが地財法との関係です。
 これ、前回もたしか質問をされたと思うんですよね。そのときの答弁ときょうの答弁は、同じ、ことし一月の片山議員の質問に対する総務大臣の答弁を使われているんですけれども、より踏み込んだ解釈という答弁だったと私は認識をしています。
 前回の、たしか川松委員だと思うんですが、質問のときには、まず、二十八条二項の原則論について紹介をし、その後、原則の上に立って具体的なケース・バイ・ケースの判断もあり得るというご答弁だったんではないかなというふうに思うんですが、きょうはさらに、大臣発言で、都の事務というふうに三者協議で固まれば出すことができるんだというようなご答弁を引いて、仮設負担は問題ないというようなご見解というふうに受けとめたんですが、他の県の所有する仮設施設の整備費負担は、これは東京都の事務に当たるという認識を持っているというのが前提だと思うんですが、その根拠をご説明してください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 ただいまお話のございましたように、本年一月三十日の参議院予算委員会におきまして、地方財政法の解釈権限を持つ総務大臣から、三者協議の結果、東京都の事務として整理されたものにつきましては、東京都が負担しても地方財政法上の問題はないという答弁があったところでございます。
 このことから、例えば仮に他の県の、あるいは市の所有する施設に係る仮設整備が都の事務として整理された場合においては、その費用負担は地方財政法に抵触しないというふうに考えられるのではないかというところを申し上げたところでございます。

○吉田委員 ですから、一般論で、都外の自治体が所有する仮設施設の整備は、イコール東京都の事務というふうに一般的にみなすことはできないわけですね。他の自治体が所有する仮設施設の整備は、無条件で東京都の事務として扱うことができるという判断はできないわけでしょう。もう一度。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 先ほど、総務大臣の答弁、最後の結論だけ申し上げましたが、その前段におきまして、個々の事務の範囲や政策目的に照らして、具体的なケースに応じた判断が必要であるというふうに答弁してございます。
 例えば、過去には、国民体育大会を他の県で行った場合には、それを主催する県が負担をしているというような例もあるということもありまして、今回の協議において、東京大会のために仮設が他の県市の所有施設に整備されるものが東京都の事務として整理された場合においては、その費用負担は、先ほどの総務大臣の答弁から引用しますと、地方財政法に抵触しないのではないかと考えられるところでございます。

○吉田委員 私も、念のためにと思って、議事録を取り寄せて読ませていただきました。今いったように、整理できた場合なんですよ、一律じゃないわけですよ。ただ、今回のマックスで二千億円になりかねない負担、それはさまざまなものが入っていますけれども、即、全て東京都の自治事務として、何ら地方財政法上問題ないというふうにはいえないと私、思うんですよ、今のご答弁から見ても。
 さらに関連してお聞きしたいんですけれども、この大臣答弁の中で、いわゆる三者を中心に協議が進められて、東京都の事務の範囲も整理されていくと承知しますなどというふうに書いてありますが、三者で分担されたら、それが自動的に東京都の事務という扱いになるでしょうか。三者で分担が確定したら、国もオーソライズしたものだから、それは東京都の事務であるという判定になるんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 まず、大前提といたしましては、理事ご指摘のとおり、地方財政法の第九条、あるいは第二十八条の二というのが大原則であると。その原則を踏まえて、政策目的等に照らして都の事務と整理された場合にはということでございまして、無条件で機械的になるというような認識は持ってございません。

○吉田委員 実は、この質疑の中で、他の党の議員さんで恐縮ですけれども、片山議員は、この答弁の後、今大臣がお示しになった二十八条の二は突っかい棒にならないということでございますというふうにご発言されているんですけれども、私はこれは違うんじゃないかなというふうに思いますし、やはり原則は明確なんですよ。その上に立ってというのが大臣が答弁された趣旨であるということで、一律に、単純に今回のような判断をし、それが地方財政法上何ら問題ないというふうにいうことは、極めて不正確だということを指摘しておきたいと思うんです。
 それで、関連してお聞きしたいんですけれども、私も考えたんですが、このお金というものは、直接、例えば埼玉県なら埼玉県に東京都がお金を出すのか、それとも組織委員会に東京都が出して、組織委員会から埼玉県にお金が行くのか、そういうことについてはどんな想定をしているんでしょうか。組織委員会を通じれば、何ら問題ないというご判断なんでしょうか。
   〔発言する者あり〕

○高島委員長 静かにしてください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 三者協議でございますが、ここには大きく二つございまして、一つは、誰が何の経費を負担するのかという経費分担、費用分担の話が一つございます。それからもう一つは、誰が業務を担うのか、業務分担というんでしょうか、実施主体というのは誰かというのがございます。三者協議のメーンは、誰が費用を負担するのかというのがメーンになっておりますが、仮設につきましては、先月、組織委員会の方から、基本設計につきまして、発注の入札がもう既に出ているということでございます。
 実際に大会運営にかかわる部分でございますので、大会運営に密接するということから、実際に効率的な業務の観点からは組織委員会が実施するというのが望ましいのかなと思っております。
 したがいまして、仮に東京都が経費を負担する場合には、組織委員会の方に資金が流れる、お金が行くということが一つ想定されるのかと思っております。

○吉田委員 私も、そういうやり方が想定されているんじゃないかなというふうに思って、地財法の逐条解説、第二十八条の二について、にわか勉強ですけれども、負担の転嫁の方法というか、反対側の立場からの書き方になりますが、直接的である場合、または間接的である場合など、いろいろな場合があると。しかし、そういう別な間接的な形で負担があったとしても、それは実態的には、そこの県に対して負担が行われた、あるいは負担を求めたという規制対象になることは何ら変わりがないというのが逐条解説の分析だということは、その点に関連して指摘をしておきたいというふうに思います。
 もう一つお聞きしたいのは、補助金ということなのか、それとも財政負担金ということなのか、扱いはどういうものになるんですか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 現在、検討しておりますのは、東京都は開催都市としての責任がある、この大会を成功させなければならないということでございます。
 したがいまして、いわゆる通常の奨励的な補助金というよりは、都も責任があるんだということで、一種の負担金的な性格があるのではないかと、現在のところ考えているところでございます。

○吉田委員 この点、もうまとめますけれども、私は、先ほどからいっている五回にわたる協議がどのようなやりとりがされていたのかがわかりませんから、非常に質問しにくい面があるんですけれども、例えば丸川大臣の最近の発言などを読んだり、あるいは聞いたりしていると、繰り返し、やはり開催都市、あるいは主催都市である東京都がこの問題で責任を果たすべきなんだという旨のご主張が繰り返されています。
 しかし、私は、そもそも埼玉、千葉、神奈川などの方々のご発言にしても、昨年末、丸川大臣宛てに出された県市の方々の要望書にしても、もともとの原則である仮設部分については組織委員会が責任を持つ、その原則をはっきりさせる、明確にすべきだというのがそうした方々の要望、見解だったんじゃないかと思うんです。
 私は、そういう意味では、東京都がこの間の協議の中で、きちんと組織委員会がこの問題を解決する責任を担うという点で、一体どういう対応をしていたのかということを疑問に思うんですが、その点ではどうでしょうか。また、国に対しても、そういうことをはっきりいうべきではなかったのかというふうに思いますが、いかがですか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 申し上げておりますが、東京都は開催都市としての責任があるということで、大会を成功させなければいけない、そういう立場でございます。
 また、実際の予算、経費の面でございますが、昨年十二月に組織委員会が公表いたしましたV1予算では、組織委員会の収入支出予算が五千億円となってございます。一方、V1予算の経費の全体額が一兆六千億円から一兆八千億円ということになってございます。
 今後、コストの削減、それから、組織委員会の増収努力ということを見込んだといたしましても、全体の収支の乖離を解消するというのはかなり厳しい、事実上困難だという一方のそういう状況もあるということで、そこで、都として財政保証をしている、あるいは開催都市としての責任もあるというような観点から、現在、協議において具体的に詰めているところでございます。

○吉田委員 私は、たとえ組織委員会が、収支均衡で組んでいますから、その制約があることは承知だということは以前からいっておりますけれども、しかし、そうであったとしても、この問題の責任の所在というのは、そもそも都外自治体とのさまざまなやりとりにしても、あるいは立候補ファイルの表明にしても、また大会基本計画の内容においても、組織委員会が仮設の責任を負うという原則はあったわけですよ。それが財政的にできないということがあったとしても、その解決のために、私は、東京都がかぶるのではなく、基本はやっぱり組織委員会が努力をするというスタンスで臨むのが当然ではないかということを述べておきます。
 それで、三者協議全体について、最後、一、二、質問させていただきたいと思います。
 先ほどから三者協議で今後ということがありましたけれども、私どもは、やはり全体の総経費をいかに削減するのかという努力がまず前提としてあるべきだと、膨らんだものを分けるという以前の問題として。知事自身も、そういう点では努力をしていく旨の発言があったと思いますけれども、この点を一体どのように総費用の縮減、削減について努力をし、また努力をしようとしているのか、ご答弁をお願いいたします。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 これまで、会場所在自治体との作業チームにおきまして、競技会場ごとに実務的な検討を行い、先月の関係自治体等連絡協議会幹事会におきまして、課題が抽出、整理されたところでございます。
 例えば、競技場の施設設備面を見ますと、各会場の現状を踏まえまして、大会後も使用するのか、あるいは大会中だけの使用にとどまるのか、また、仮設であってもどのレベルまで必要なのか、あるいは使用面では適正な期間はどれくらいなのかといった課題が上がったところでございます。
 これらの課題は、いずれも大会準備に必要な内容、あるいは程度を知る上でも、さらにコスト縮減を進めるに当たりましても、意義ある重要なものでございます。
 今後、各会場に即してきめ細かく検討すべき課題につきまして、引き続き作業チームで精査、精緻化してまいります。

○吉田委員 それと関連する質問ですけれども、知事は、第一回定例会の答弁の中で、大会経費のコストをさらに縮減していくには、計画、予算、執行の各段階において強力なチェック体制を確立することが求められていますと答弁いたしました。これは一体どのように努力をされているんでしょうか。
 私たちは、かねてから主張しているとおり、ロンドン五輪やリオ五輪に学び、少なくとも半年ごとに、その段階での精査できた総費用を公開し、都民や議会のチェックを受ける仕組みをつくるべきだと、そのことによって削減の努力をすべきだという提案をしてきましたが、こうした点についてはどのように検討されているのでしょうか。ご答弁をお願いいたします。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 コスト管理を徹底し、削減を図っていくためにも、計画、予算、執行の各段階におけますチェック体制を確立することは大変重要でございます。
 現在、大枠の合意に向けまして、役割、経費分担につきまして協議をしておりますが、あわせまして、予算執行統制の強化に向けた具体策につきましても検討しているところでございます。
 また、大会経費の定期的な公表につきましても、説明責任を果たし、予算執行統制の強化に向けた具体策の一つと認識をしておりまして、その制度設計につきましても、あわせて検討しているところでございます。

○吉田委員 今までもそれに近いご答弁を受けた記憶はあるんですけれども、早急に具体化をして、明確に私たちに示していただきたいということを述べておきます。
 それと、先ほどいったことと関連しますが、先ほどは、あくまでも都外自治体の負担問題の協議のことでいわせていただきましたが、改めて、増大する総費用全体の役割分担について、本年一月二十六日の本委員会で、三者協議の経過については一応資料が提出をされた経過があります。しかし、その後、五回行われたということをいわれた以外、何も報告をされていません。これは一体どういうふうに私たちに報告をしていただけるんでしょうか。
 それと、畔上議員が三者協議の透明化についてただしたのに対し、答弁では、議事内容につきましても、今後、国や組織委員会と調整し、その透明化に努めてまいりますというふうに答弁しました。この答弁はどのように実行されているのか、されようとしているのか、ご答弁をお願いいたします。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 三者協議におきましては、昨年十二月に都が提案して設置されました関係自治体との作業チームにつきまして、その進め方、検討状況などを共有するため、本年一月以降、五回にわたり三者で協議を行ってきたところでございます。
 その具体的な内容につきましては、大変恐縮でございますが、関係者と引き続き調整をしているところでございまして、透明化の観点から、その実現に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
   〔発言する者あり〕

○吉田委員 私より皆さんの方が発言が多いんで、恐縮ですけれども、もう一度確認したいんですけれども、議事録、資料等を出す方向で努力をしていきますというふうにご答弁していただきたいんですが、いかがですか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 国や組織委員会と十分に調整をいたしまして、その透明化の実現に努めてまいります。

○吉田委員 きょう、何点か質問をさせていただきました。本来予定していたのは、もう時間がないんで、質問は省きますけれども、例えば都立の競技施設、あるいは仮設施設の縮減という点で見ても、一つ具体的な提案として、私が前からいっております海の森水上競技場の南側、あそこに八千席の仮設スタンドを設けると。しかし、そのためには、そもそも廃掃法によって、みだりに人が入ることが制約されている中で、あえて八千席をつくることが認められるかどうかというハードルが存在している。その上、つくるとなったら、十二メートルの高さのフェンスを移動しなければならない、整地もしなければならない、もろもろの費用がかかる、そうしたことになれば、仮設スタンドを縮小してでも南側はもう使わない、しかも、オリンピックのときだけしか使えませんというのが前回の答弁だったわけですよ。
 そういう努力をすべきだと思いますし、また、規模的には、アクアティクスセンターほど大規模ではありませんけれども、立候補ファイルのときの予定している客席数で、IOC基準の客席数と比較した場合に、たしか六会場でIOC基準を超えていると。もちろん、それは収入減につながる面もありますけれども、そういうことも含めて、やはり縮減の徹底的な努力を大いに皆さん方に図っていただきたいということも最後に述べまして、私の質問を終わります。

○高島委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時三十九分休憩

   午後六時開議

○高島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上田委員 きょうの理事会で急遽、きょう、この机上にも配布されました小池都知事によります都の国の仮設費の全額負担について、質疑ができるということになりまして、本当に段取りよくいろいろ準備が進まれて、ライブラジオも入ったということで、本当に議会改革もすごく進んで非常にびっくりしております。(発言する者あり)いえ、やはり委員会、なかなか実況中継というのがまだ東京都ではなされていない中では、予特は別ですけれども、非常に議会改革が急遽進んだかなというふうな思いで質問させてもらいます。
   〔発言する者あり〕

○高島委員長 静かにしてくださいね。

○上田委員 まず、質問をさせていただきたいと思います。
 本来の知事が決めていた総理との会談に至るまで、調査チームや改革本部での議論も踏まえて、五月九日の九都県市首脳会議を経ての経緯を時系列で、知事がもともと発表するはずだったその予定も含めて、時系列で、いま一度、詳細をご説明ください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 まず、昨年十二月二十六日でございますが、関係自治体の知事、市長から要請を受けまして、知事が提案して設置をされました作業チームでもろもろ実務的検討を行ってまいりました。
 そして、本年四月十八日に、関係自治体等連絡協議会幹事会を開催いたしまして、作業チームにおける課題の抽出、整理がなされたところでございます。
 また、改めまして五月九日の九都県市首脳会議におきまして、神奈川県などから費用負担の早期決着が要望されたということでございます。それで、本日の知事の安倍内閣総理大臣の面会というのが主な時系列の内容となっております。

○上田委員 きょうの面会は、先ほど来、もう決まっていたということだったんですけれども、決まっていたことについてもう一度確認させていただきたいのと、知事によって五月中に発表するということであったんですけれども、仮設のこの負担については、それはいつごろを予定して、はっきりとまだ明言できないとは思うんですが、発表する予定だったというふうに考えておりますけれども、そのあたりについてもお示しいただければと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 知事の日程につきましては、調整をしていたのが連休前にというふうに聞いております。
 それから……(発言する者あり)

○高島委員長 静粛に。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今月末に向けての大枠の合意でございますが、まだ具体的な日程は決まっておりませんが、今月末の大枠の合意に向けて調整をしていきたいと思っております。

○上田委員 では、きょうの総理との話をして調整が決まり、その後、しっかりと発表予定であったということを確認させていただきました。
 三者協議のことについても、いろいろ、るる論議が出てきましたけれども、事務方と知事のこの件に関しまして、役割分担と連携及び庁内情報共有の状況についてもお聞かせください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 知事への報告でございますが、具体的な役割、経費分担の内容につきまして、おおむね週に一、二回程度報告していたところでございます。

○上田委員 あと、庁内連携については、庁内の情報共有についてはどのようになっていますか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 現在、あくまでこれは東京オリンピック・パラリンピック競技大会というところでございますが、まずは私ども、オリンピック・パラリンピック準備局の中で所管して、必要な範囲で協議しているという状況でございます。

○上田委員 では、知事の役割分担と、そして事務方の役割分担と庁内連携はしっかりとされていたということでよろしいでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 知事、副知事、それから私どもの局長等でそれぞれ協議の段階がございますので、それぞれに応じて役割を分担して担当しております。

○上田委員 連携状況の確認をさせていただきました。
 先ほど来、情報公開ができていない、議会軽視とのご指摘などがありましたが、そもそも財政保証に関する調整は、招致活動報告書の五一ページにあるんですけれども、IOCが求めている財政保証は、関係当局の保証ではあるが、近年招致に成功した都市、二〇〇八年北京、その後バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオデジャネイロなどは、全て政府による財政保証を確保しているということで、先ほどフリップにもありました、政府内においても調整が求められ、平成二十三年の十二月二十一日に野田総理大臣からの財政保証が発行されたということでありますから、私たちとしては、財政保証を総理、知事ともサインしているんですから、まず本日、予定どおり、知事はスケジュールどおり首相官邸に行き、報告をするということだったのかなというふうに捉えております。
 つきましては、局として、きょうの総理への報告を受けて、今後どう対応をされていくのか、情報提供等の予定をお聞かせください。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 引き続き、仮設以外も含めまして、大枠の合意に向けまして、関係者間で協議、調整を進めてまいります。

○上田委員 本来なされるべきであった知事からの発表というのは予定されていたと思いますので、それに向けてのお取り組みをお願いしたいと思います。
 五月九日に首脳会議があって、三知事も官邸に行かれ、そこから、首相から五輪大臣に指示があり、本日オリ・パラ委員会があり、急に質疑ができるようになったということで、自民党さんは百五十分のうちほとんどがこの質疑であって、フリップもご用意されていたということであります。なかなか私も、さっき聞いて数時間後なので、こんな手書きな感じになりますし、よくまあ、すごく、原稿もお持ちのようでしたし、政局で先延ばしというふうにはいいますけれども、ちょっと私が見ていて、急に決まって、三十分後にこのような質疑ができることに関してはどうした感じかなと。政局、政局というふうに思いました。(発言する者あり)オリ・パラも重要ではございますけれども、四千八百にわたる事業を抱える東京都にある知事の担う業務は……
   〔発言する者あり〕

○高島委員長 静粛に。(発言する者あり)ちょっと待ってね。ちょっと速記とめて。
   〔速記中止〕

○高島委員長 速記をまたスタートしてください。

○上田委員 ありがとうございました。
 ですので、やはり政局、政局ということを引き出すというのは、私は余りこのオリ・パラ関連に関してはなじまないのではないのかなというふうに考えております。
 オリ・パラというのは何も小池都政になってから始まったことではございませんし、これから私も過去の自分の質疑を振り返って質問もさせていただきますことから、やはり精査をしながら進めていかなきゃいけない事業だというふうに昔から申し上げておりましたので、余り政局ファーストという形のような疑念を都民に持たれないような形で進めていただければというふうに思います。
 先ほど、一応、皆様方ちゃんと連携をとってやっていくということで、知事の担う業務は無尽蔵にありますので、局と知事はしっかりと役割分担を、これまでどおり連携を密にして、オリンピック・パラリンピックの成功に向けて取り組んでいただきたいですし、また、都民への今後のご説明もしっかりと知事の方からなされると思うので、局として支えていただければというふうに思っております。
 また、地財法の解釈についても議論がありまして、いずれ、私個人としても、国の方は、なかなかそうした中で苦しい立場にいつも東京都がすぽっと入ってしまうので、特別法等などを国の方に求めていく等のアクションもお願いをしたいというふうに思っております。
 それでは、本来の質疑でございます。大会開催準備にかかわる主な取り組みについてお尋ねしたいと思います。
 都有財産、区有財産管理についてでございます。
 昨年、オリンピック・パラリンピックについて、都の土地を無償貸与するということが明らかになり、都有財産管理が心配になりまして確認しましたところ、組織委員会に貸与する各公園などは行政財産であることから、東京都行政財産使用料条例第五条にて使用料免除となり、JSCへ貸与するのは、新国立競技場用地なので普通財産であることから、財産の交換、譲与、無償貸与等に関する条例四条にて無償貸与になっているということを確認させていただきました。
 特別措置法のどこを当たっても、都有財産は対象ではないことも明らかにしまして、積極的に都が無償貸与する法的義務はないことを確認させていただいた次第です。つまり、内閣判断で、国有財産を無償貸与する根拠法は制定されていますが、それは都に及ぶものではなくて、無償貸与は都が都条例により主体的判断で行ったということでありました。
 ただし、地方財政法第二条第二項は、国は地方財政の自主的な、かつ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自立性を損ない、または地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。同法十二条は、国は地方公共団体に対し、その経費を負担させるような措置をしてならないということがあります。くしくも、きょうの話にも関連することだったと思います。つまり、国は地方自治体に負担を強制してはならないということであります。
 私としては、無償貸与や都負担を安易に進めていく過程で、都民の持ち物である税金そのもの及び財産管理に差しさわりが発生した場合、地方自治法二百四十二条に当たる財産管理を怠る事実に当たりかねないのではないかと危惧していたところでございます。
 当然、都は条例と法律に従い、適正にするとご答弁いただいたところで一安心したところでありましたが、平成二十八年三月二十二日、平成二十八年度の東京都予算特別委員会の締めくくり総括質疑にて、大会組織委員会が負担することになっていた仮設会場、有明体操競技場について、突如として都が方向転換をし、大会後は都が引き取り、中小企業振興の一環として展示場とし、四億八千万円を負担することが判明しました。
 国民やマスコミが注目しやすいオリ・パラ予算ではなく、産業労働局予算、国際展示場の運営など約二百億の中に入っていたわけでありまして、都の予算書は細かい事業を明記していないので、そこから見つけ出すのは事実上不可能に近く、今後、このようなことが再発しないよう、委員会公式資料を取り寄せさせていただきまして、非常に神経質に競技会場の工事契約について、昨年五月の当委員会において、詳細の管理と共有をさせていただいたところでございます。
 地方自治法二百三十七条二項、逐条解説によれば、普通地方公共団体の財産を適正な対価なくして譲渡し、または貸し付けることも原則として禁止されている、これは、財産を無償または特に低廉な価格で譲渡し、また貸し付けるときは、財政の運営上多大な損失をこうむりかねないのみならず、特定の者の利益のために運営がゆがめられることともなり、ひいては住民の負担を増嵩させ、また、地方自治を阻害する結果となることがあるためである、譲渡とは、無償譲渡すなわち譲与と有償譲渡をいう、適正な価格とは、通常、当該財産が有する市場価格、時価をいうとあります。
 条例の運用に当たっては都が主体でありますので、都民の財産を守ることを最優先に置きまして、国の意向におもねらない、振り回されないためにも、厳格な運用を強く求めてきました。
 都の税金そのものや土地の無償貸与など、有形無形の費用負担の割合がふえ続けている中で、三施設の見直し後における整備費の試算を行い、減額となっており、知事がかわってからの体制が一変しましたことは、前回提出資料のきめ細かさを見ても理解をするものです。
 つきましては、小池知事新体制となり、配布資料の、競技会場に当たりまして、都民の財産であります都有財産の利活用、有償無償の貸与のあり方、都民への情報公開につき、現時点でのご所見をお示しください。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 都は、IOCに立候補ファイルを提出した際、組織委員会に競技会場等を無償で使用させることを保証しております。
 そして、都は、開催都市の責務として、大会の円滑な準備及び運営のため、組織委員会等に対し、施設整備や大会の期間中、都有財産を無償で貸し付けることといたしました。
 都民への情報公開につきましては、適切に行ってまいります。

○上田委員 しっかりと確認をさせていただきました。
 また、区有施設の利用について、今度は東京都が区有財産を毀損することがないか、立場が逆になりますので懸念するところでありまして、関係機関を含め、どのような検討がなされ、都としていかなる法的見解をお持ちなのか、手続も含め、ご所見をお聞かせください。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 区有施設の組織委員会への貸し付けにつきましては、区が条例の規定に基づき判断するものでございますが、都は、開催都市として、組織委員会と連携して大会準備を進める立場から、区有施設の練習会場としての利用について、昨年、区長会において協力依頼を行ったところでございます。
 なお、組織委員会が区有施設を使用する場合は、組織委員会と区の間で使用条件について協議し、協定を締結することとなります。

○上田委員 毀損がないように、しっかりと連携強化を図っていただきまして、開催都市といたしまして、組織委員会と直接ということもあると思いますけれども、しっかりと三者協議会の中でも情報を共有していっていただきたいと思います。
 次に、フラッグツアーについてでございます。
 各、るる報道され、地域でも非常なにぎわいを見せている各地でのフラッグツアーでございますけれども、これまでの実績と評価及び課題についてのご所見をお示しください。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 フラッグツアーは、リオ大会の感動と興奮を二〇二〇年につなぎ、オリンピック・パラリンピックの魅力を広く共有するとともに、都民、国民の皆様が身近な場所で大会にかかわる第一歩としていただくため、その象徴となるフラッグを都内及び全国に巡回させるものでございます。
 昨年九月にキックオフイベントを行い、都内においては、十月の小笠原村を皮切りにフラッグツアーを開始し、現在、五十六区市町村を巡回いたしました。
 また、全国展開の先駆けとして、被災地に元気を届けるとともに、大会への参加、応援機運を高めるため、東日本大震災の被災三県及び熊本県においても実施いたしました。
 この間、セレモニーには四万人以上が参加し、さらに多くの方々に展示をごらんいただきました。その際には、フラッグツアーのアンバサダーであるオリンピアン、パラリンピアンとの交流や地域の子供たちの音楽演奏による歓迎等も行われ、参加型のイベントとすることができたほか、みんなのメダルプロジェクトを初めとするさまざまな大会のPRを実施することができました。
 今後とも、より大きな成果を得られるよう、効果的な広報、PRを充実させることで、オール東京、オール日本の盛り上げを加速していくことが重要と考えております。

○上田委員 やはり、いろいろとオリンピック・パラリンピックの教育等も教育庁の方でもやっていると思いますけれども、やっぱり各地に行き、子供たちがリアルに見ることでコミット感が出てきますし、機運醸成には、一番、各自治体の、また、先ほど来、区有施設等も使ったりしますけれども、どうしてもご協力が必要になってくると思いますので、そういったことに、都市間交流といいますか、自治体間交流の大きなオリンピックの機運醸成に貢献するものと思われます。
 つきましては、実際に現地に行くまでの都内の各自治体との連携状況、東京都職員が何名体制で事前調査を行っているのか、予算等も含めて詳細をご説明ください。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 都内におけるフラッグツアーについては、まず昨年六月に区市町村向けの説明を行い、七月に意向調査を実施した上で、それぞれの区市町村での具体的なセレモニーや展示の実施に向けて、各自治体の担当職員と適時適切に意見交換を行うなど、密接に連携しながら実施しております。
 事前調査については、東京都の職員五名程度と運営スタッフが開催一カ月ほど前に実施会場を訪問し、各自治体の職員と打ち合わせをしながら、要望を踏まえた実施ができるように行っております。
 都内区市町村におけるフラッグツアーの経費は、一自治体当たり約二百万円となっております。

○上田委員 ありがとうございました。割と予算も抑えつつ効果を発揮していることを確認させていただきました。
 そして、やはり何をおいても被災地、復興五輪ということでございますので、被災地におけるフラッグツアーというのは、また大きな意味合いがあると思います。
 殊に、このところ、たび重なる復興大臣の失言で、歴代復興大臣の失言というのが、国民にも非常に批判の目にさらされまして、何か上から目線なんじゃないのかなというふうに思わざるを得ないのでございます。
 殊に、被災地においては、各自治体はそれでなくても大変なご負担を物心ともに抱えていることでございまして、フラッグツアーにおきましても、先方に可能な限り負担をかけないというようなことが大事だと思っております。
 各自治体への負担や精神的な気配りなど、運営上、ハード、ソフトの面ですけれども、どのような配慮をしながら復興五輪の機運醸成に努めているのか、ご所見をお示しください。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 スポーツの力で被災地に元気を届け、被災地の皆様に大会への期待感を高めていただくため、東日本大震災の被災三県及び熊本県においてフラッグツアーを実施いたしました。
 実施に当たっては、復興に全力を挙げている各自治体の現状や要望に早い段階から耳を傾け、具体的なセレモニーや展示の実施に向けて、各自治体の担当職員と丁寧に意見交換を行うなど、密接に連携いたしました。事前調査につきましても、都内同様に丁寧に実施をいたしました。
 具体的な実施に当たりましては、知事の被災地視察や地元の方々との交流と連動させるとともに、各県ゆかりのアスリートの参加や地域の子供たちの音楽演奏等を通じて、被災地の皆様に元気を届ける参加型のイベントを実施し、復興オリンピック・パラリンピックに向けた機運醸成につなげることができたと考えております。

○上田委員 オリ・パラ準備局の方でも、先ほど区市町村にも事前に行っているように、被災地には事前に行っていると思うんですが、総務局の方でも、多分、復興支援対策部あたりが結構行っているようでございまして、可能な限り負担のない事前準備にしていただきたいなというふうに思っております。
 また、そのときのやっぱり接遇ですよね。現地の各職員さんや地域の方々にも丁寧な態度や、上から目線ではないかということについても、大丈夫とは思いますけれども、気配りをお願いしたいということと、あと、地元の方々の交流を連動させていただいているということで大変ありがたく思っております。特に熊本県は、液体ミルク等も小池知事が本当に力を注いで届けていたというような歴史もあって、本当に地域住民の方々は、首を長くして知事をお迎えすると思いますので、余り排他的にならずに、当然、セキュリティーの問題はあるとは思うんですけれども、多くの地域の方々に分け隔てなく参加していただけるような形で、地域の声を聞きながらフラッグツアーを行っていただきたいというふうにお願いを申し上げる次第でございます。
 次に、都市鉱山についてでございます。
 みんなのメダルプロジェクトについてなんですけれども、開始の経緯と効果、現時点での実績について、知事も鳴り物入りで、本当に都市鉱山で金、銀、銅メダルができたならば、非常にリサイクルというか、エコなものと思いますし、大変いいアイデアと思いますので、現時点の実績についてご説明いただければと思います。

○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局連絡調整担当部長 プロジェクトの経緯でございますけれども、本年の一月に組織委員会がプロジェクト参加者を募集いたしまして、株式会社NTTドコモ、それから一般財団法人の日本環境衛生センター、この二者を決定してございます。
 その後、組織委員会が主体となりまして、今申し上げた二者の参加事業者に加えて、環境省、そして東京都の合計五者で共同実施するプロジェクトといたしまして、四月にスタートをしております。
 現時点で全国の五百を超える区市町村及び全国のドコモショップ等が参加いたしまして、オールジャパンでの取り組みが進んでおるところでございます。プロジェクトを通じて都民、国民のリサイクル意識の高まり、それから大会機運の盛り上がりといったものが期待されてございます。
 都庁におきましては、プロジェクトの本格実施に先立ちまして、二月より回収を開始しております。きょう現在の回収状況は約三万個となってございます。

○上田委員 三万個ということで、三万人近くが訪れたというのは非常にありがたいことでございますし、来るだけじゃなくて、都政がわかるような展示等、楽しむ企画もできているということでございます。引き続き、回収に向けての取り組みを期待するところであります。
 あとは、これだけで終わらずに、リサイクルが常態化して、また別のところで使えるようなプロジェクトになるといいなと考えております。
 回収した後なんですけれども、その後のちょっとイメージがつかなくて、回収した物品を今後どのように分解して、金属化をしていくのか。予定、関係機関との連携も含めてお示しください。

○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局連絡調整担当部長 回収した携帯電話等の小型家電についてでございますが、一般的には、解体をして分離作業をした後、金属を抽出し、再生することで素材化をいたします。
 今後、プロジェクトといたしましては、都民等にご提供いただきました小型家電がメダルになるまでの情報提供につきまして、関係各機関と連携しながら検討してまいります。

○上田委員 きっと三万人、これから何万人もふえていくと思うんですけれども、皆さんが楽しみに見守り、例えば日本の選手たちが金メダルを首にかけたときに、自分の携帯があの中に入っているかなというようなことも、大変すてきな、一生の思い出になると思いますので、関係各機関と物品回収及び金属化につきましても、私もいろいろアイデアを今後も提供していきたいと思っておりますので、引き続きのお取り組みをお願いいたします。
 そして、経済の波及効果につきましてでございます。
 平成二十九年三月六日、大会開催に伴う経済波及効果が東京都オリンピック・パラリンピック準備局のページに掲載されました。経済波及効果、生産誘発額は東京都で約二十兆円で、全国で約三十二兆円と試算結果を確認することができました。
 東京五輪の開催費用も問題になりますが、開催に当たっての直接的効果及びレガシー効果、経済波及効果を実現できるよう期待しているところでございます。特に、大会後のレガシー効果によって、経済波及効果に大きく影響を及ぼすと考えられております。その観点から、以下を質問させていただきます。
 初めに、レガシー効果を発揮するための経済の活性化について何を見込んでいるのか、より具体的にお示しください。

○越オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 今回の経済波及効果の試算では、大会後のレガシーを見据えて、都内で行われるさまざまな経済活性化の取り組みによる効果を算出しております。
 具体的には、大会を契機として一層の増加が見込まれる国内外からの旅行者の増加による観光事業の拡大や、外国人旅行者の受け入れ環境の整備に向けた投資の増加を見込んでおります。
 また、国家戦略特区における都市再生プロジェクトへの投資や、魅力的な国際ビジネス拠点の形成による対内直接投資の増加に加え、東京の産業力を世界に向けて発信することによる中小企業の輸出拡大などを見込んでおります。
 こうした取り組みによる効果を大会の寄与率を考慮しながら算出し、経済の活性化、最先端技術の活用による経済波及効果として、都内で約十三兆円、全国で約二十兆円の効果と試算いたしました。

○上田委員 さらに、最先端技術の活用とも記載をされております。具体的にどのような事業なのか、あるいはどのように都民に還元できるのか、どの程度の効果を想定、期待されているのか、ご所見をお聞かせください。

○越オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 今回の試算では、大会開催に伴って活用が見込まれる最先端技術のうち、自動運転技術とロボット産業の拡大を試算対象としております。
 自動運転技術につきましては、羽田空港周辺地域等での実証実験が予定されるなど、二〇二〇年大会における活用を視野に入れた一層の普及が見込まれており、交通事故の減少や渋滞の緩和につなげていくことが期待されております。
 また、ロボット産業につきましても、大会で注目を集めるさまざまな場面でロボットの活躍が期待されるほか、大会を契機として、おもてなしや介護支援の分野での導入促進も予想され、都民の快適な暮らしの実現に貢献することが見込まれます。
 このように、二〇二〇年大会を契機に、都民に身近なところで最先端技術が普及拡大することは、東京大会のレガシーの一つとして、都民生活の質の向上に結びつくものと考えております。

○上田委員 先ほど来、やはりオリンピック・パラリンピックに対する投資の金額が莫大なものになりますことから、大会後のレガシー効果によって、都民負担と都民生活の質が変わってまいると思います。ご答弁いただいたような取り組みと試算を着実に実行できるよう努めていただきたいと思います。
 次に、新規恒久施設の施設運営計画についてでございます。
 後利用についてです。カヌースラローム競技場については、ロンドン方式を取り入れて、一定方向設計からUターンにして、コストが低くなったという点は大いに評価ができると思います。これまで質疑してきた中で、施設運営計画の最終のまとめに向けて検討していくという答弁が繰り返されてきた中で、ここまで具体的に数字として挙げていることも前進していると評価させていただきます。
 しかしながら、有明アリーナを除き、各施設とも年間収支が六億から一千二百万と幅はあるものの、マイナスとなっております。ボブスレーの運営費が二億、収入が一千万ということで、長野は年間利用者が六千人余りだったこともあり、ボブスレーを一部休止することになった事例もございます。
 このマイナス部分については、どこが責任を持って、今後コスト意識を持って運営していくのかお聞かせください。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 今後、収益向上につきまして、さらに検討してまいりますが、最終的に収支に不足が生じた場合には、スポーツ振興のためのコストといたしまして、都が負担するものと考えております。

○上田委員 東京都の負担となるということですね。わかりました。なるたけ圧縮していただきたいなとは思うんですが、平成二十八年の私の文書質問で、東京都が維持管理に係る経費を負担するならば、その回収方法について、具体的な方法を問うということを以前、方法についてたださせていただいておりました。施設運営計画を通じ、民間の知恵やノウハウを生かし検討というご答弁をいただいておりました。
 今回の計画において、どのような検討経緯を経て例示をされていたのか。例えば、ネーミングライツの導入や企業広告で、どう今後現実的に収支の見込みの成果が出せるのか、ご所見を伺います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 新規恒久施設の後利用につきましては、平成二十六年十二月にアドバイザリー会議を設置いたしまして、外部有識者や民間事業者、競技団体などから幅広く意見を聞きながら検討を行ってまいりました。
 また、平成二十七年十月には、施設運営のノウハウを有する事業者を、施設運営計画策定支援事業者として選定いたしまして、ともに検討を進めてまいりました。これらの検討を踏まえ、今回、収益向上策の例示を含め、施設運営計画を取りまとめたものでございます。
 収益向上策のうち、ネーミングライツの導入や企業広告につきましては、スポンサーとなります企業等のニーズを十分に把握し、効果的かつ安定的なスキームを構築していく必要がございまして、今後、広告代理店等のノウハウを活用しながら市場調査を行うなど、具体的な検討を進め、その効果が最大限得られますよう取り組んでまいります。

○上田委員 体力や意欲や、さまざまなノウハウを持つ事業者さんが指定されたことは、この委員会でも確認をさせていただいておりますが、彼らがさらにいろんなアイデアを出せるような形で東京都はサポートしていただいて、なるたけマイナス部分を埋めるような努力を引き続きしていっていただきたいと思います。
 次に、アクアティクスセンターについてです。
 6、施設のバリアフリーには、全体的な考え方が書いてありますけれども、例えばアクアティクスセンターの場合、更衣室、プールまでのアクセス、メーンとサブの間のアクセス、プールと客席のアクセス、選手エリアのトイレ、シャワー室など、水泳場特有の設備についてのバリアフリーについては、アクセシビリティ・ガイドラインに、バリアフリーに関する項目を一部記載し、また、それらを踏まえて整備する旨も記載されてはいますが、使い勝手については、できてから不都合があっては遅いことから、パラリンピアンの選手の人たちや、その後使う障害者の皆さんもご心配になるところだと思います。
 アクアティクスセンターにおけるバリアフリー化の方針や、障害者の大会及び日常使用につきまして、この点も含め具体的にお示しくださいませ。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 オリンピックアクアティクスセンターは、パラリンピックの会場ともなる施設でございまして、車椅子使用者席を約一%確保するほか、介助者も一緒に利用できます家族更衣室の整備など、アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえ、整備を行ってまいります。
 また、後利用につきましても、日本身体障がい者水泳連盟などとも意見交換を行っておりまして、国内最大のジャパンパラ水泳競技大会を初めとした障害者スポーツ大会を開催する計画としてございます。
 さらに、パラリンピアンにも協力を得ながら、障害者アスリート育成のための水泳教室等のプログラムを提供するなど、障害者の利用も踏まえた施設運営計画となってございます。

○上田委員 しっかり配慮をして、障害者の大会についても、予定も想定もしているということを確認させていただきました。そのぐらいしっかりと障害者の人たちに利用してもらうというハードウエアもソフトウエアもそろっているということでございますので、水泳会場のアクアティクスセンターの名称が、オリンピックアクアティクスセンターなんでございますが、障害者に係る法整備も現在進んでおりますことから、記念すべき東京で行われるオリンピック・パラリンピック東京大会のレガシーとして残る施設名称にしていただきたいと思いまして、オリンピック・パラリンピックアクアティクスセンターとしてはどうかと考えますが、ご所見をお聞かせください。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 今後、各施設の収益向上の取り組みといたしまして、ネーミングライツの導入につきましても検討を進めていくこととしてございます。
 新規恒久施設の大会後の名称につきましては、こうした検討の状況も踏まえつつ、広く都民、国民に認知され、親しまれるものとなりますよう、今後検討してまいります。

○上田委員 ぜひ障害者の方々にも、自分の施設だというふうに親しまれるものになっていただきたいと思います。
 カヌースラローム競技場についてです。
 カヌースラローム競技場については、駐車場が常設立体駐車場、六百台をつくる予定です。私、地元なんですけれども、葛西の海が見えて、すごく美しい水平線の視界が魅力的なんですが、景観を損なわないのか懸念をしております。担当部局が違うことは十分承知しているんですけれども、縦割り行政の中で全体のバランスを欠くことの懸念を持っております。
 以前、新規恒久施設の有効活用の観点から、都が中心となりまして、周辺施設の一体的な活用に向けて関係各機関と調整を図ると答弁も頂戴しております。また、プールなどを望む周辺住民の声もあり、私からも、限定的ではありますが、なぎさで海水浴もできるようになったことから、海と水と気軽に親しめる環境を求め、周辺施設と一体的な活用を図り、東京の豊かな自然や水辺を生かした新たなにぎわいの拠点とするとの答弁もいただいております。
 最終のまとめに当たりまして、カヌースラローム競技場についての周辺施設との連携や地域住民に応え得る後利用につきまして、ご所見をお聞かせください。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 カヌースラローム会場の活用に当たりましては、葛西臨海公園や葛西海浜公園のさまざまな施設と一体的な活用を図ってまいります。
 例えば、カヌースラローム会場で実施いたしますラフティングと水族園との共通チケットや、カヌー教室と葛西海浜公園の干潟観察のツアーなど、さまざまな連携が考えられます。
 また、地域の住民の皆様の要望への対応につきましては、施設運営計画の策定に当たりまして、地元区や都民から広く意見を聞いており、それらを踏まえまして、さまざまな水上スポーツや水上レジャーを楽しめる施設としていくこととしております。

○上田委員 ぜひ江戸川区とも連携を図りながら、地域住民が楽しめるものをもっと具体的に、ざっくばらんに話し合って進めていっていただきたいと思います。
 また、カヌースラローム競技場をつくることによりまして、ちょっと臨海野球場が一つなくなってしまいまして、でも、地域住民は自然を守るために反対運動も起こさず、じっと我慢をして、場所を移動できるのかなということで見守っていてくださいました。
 こういった経緯がありますので、引き続き江戸川区と野球連盟等とお話をしながら、とうきょう保育ほうれんそうという形で、あれは保育園ですけれども、都有地をどんどん各自治体にも利用していただこうという方針も出たところでございますので、代替地を探すご協力をしていただければということで、最後の質問に移らせていただきたいと思います。
 レガシーについてです。
 昨年十一月のオリンピック・パラリンピック調査チームの提言では、大会前からスポーツ振興や競技団体のレガシー戦略づくりを支援するため、レガシー二〇二〇財団の発足についても提言されているところであります。競技施設をレガシーとして有効活用していくためには、競技団体などとの連携が重要でございます。
 そこで、改めて競技施設を後世に、大きなランニングコストの問題、先ほども指摘させていただいたのでございますが、負担を残さないレガシーとしていくために、どのように取り組んでいくのか、意気込みというか、ご所見を伺えたらと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 新規恒久施設は、大会後も多くの人に利用される施設としていくことが何よりも大切と考えております。
 そのため、競技団体が独自に策定いたしましたレガシープランも踏まえ、二〇二〇年大会後もさまざまな競技大会や合宿、練習等で活用していくこととしております。また、都民の日常の健康づくりなど、多くの都民に利用されるスポーツ振興拠点としても有効に活用してまいります。
 こうした取り組みとともに、各施設の収益向上を図り、施設運営に係る都民負担を可能な限り縮減していくことが重要でございます。このため、ネーミングライツの導入や企業広告の獲得、施設周辺の公園との同一管理者による効率的な管理運営など、今後、運営事業者選定の中で提案を募ることも含めまして、各施設の収益向上について具体的に検討してまいります。

○上田委員 お言葉どおりしっかりと運営をしていっていただきまして、負債というレガシーは残さないというお覚悟で進めていただきたいと思います。
 しかし、一番のレガシーというのは、こういった施設だけではなくて、よく私も人生の先輩に聞くと、東京の一九六四年のとき、大空に五輪の飛行機の雲が見えて、その思い出が本当に忘れられないということで、一番のレガシーは、都民と、そして日本中、世界中の人々の心に残る思い出がレガシーだというふうに思っております。
 そして、かかわる私たち初め東京都職員の皆様も大変な中、東京オリンピックをつくっていらっしゃるので、皆様の心の中にもよきレガシーが脈々と東京都職員にも遺伝のようにつながって、後世に残る東京オリンピックになり、絶対成功していただいて、この成功事例を東京都の事業の取り組みのレガシーとして、引き続き取り組んでいっていただければということを切に願いまして、私の質問を終わらせていただきます。

○川松委員 ただいまの上田委員の発言について、一言申し上げます。
 上田委員の思い込みと事実誤認に基づき、私の質問内容について意見を述べられました。私が用意したパネルは、実際に存在する文書や地図等でありまして、けさの事象を受けて作成したものではございません。
 また、費用分担については、九都県市の首脳会議以降、全国的なニュースになっており、私はそれを受けて質問を準備したものであります。
 よって、当該部分について議事録の削除と上田委員の謝罪を求めます。

○高島委員長 ただいま川松委員から発言がありました。
 先ほどの上田委員の発言につきましては、後日、速記録を調査の上、理事会で協議させていただきます。ご了承を願います。
 大変失礼をいたしました。引き続き質疑を続行します。

○山内委員 委員会の冒頭に、本日午前中に行われました小池知事と安倍首相との会談内容について局長から報告がありました。タイムリーではあるものの、これだけの重要なことを局長の口頭報告のみというのは余りにも乱暴といわざるを得ません。局としてきちんと説明できる状況にすべきであったと申し上げます。
 質問に入ります。
 施設整備費を筆頭に、巨額な税金を使っての東京二〇二〇大会に対し、都民の大きな関心は、大会後の東京のまちが都民の負担にならないことです。重要なことは、まず、費用をできる限り削減し、都民の日常生活への影響を与えないこと。
 次に、全ての人に優しいバリアフリー、ユニバーサルデザインのまちにすることです。これについては、前回の委員会のアクセシビリティ・ガイドラインにおいても質疑し、要望してまいりました。
 三つ目に重要なことは、首都直下地震等の災害対策です。
 そこで、今回の新規恒久施設の施設運営計画に関して質問をいたします。
 生活者ネットワークは、災害等の緊急時には、全ての都立施設を一時滞在施設及び長期化する場合の避難所として開放すべきと指摘してまいりました。二〇一一年、東日本大震災の際に、東京スタジアムでは被災地からの避難者の受け入れを行いました。その経験から、首都直下地震等に備えて、東京都は帰宅困難者対策や被災者の受け入れの検討などを進めてきています。
 一時滞在施設とは、発災から三日間程度まで、帰宅困難者等の受け入れのために東京都が指定する施設であり、避難所というのは、発災から二週間程度を目安に、地域の避難住民の受け入れのために区市町村が設置する施設で、ともに大規模災害発生時には重要な役割を果たす施設です。
 そこで、現在、既存の都立スポーツ施設である東京スタジアム、東京体育館、東京辰巳国際水泳場の一時滞在施設、避難所としての登録状況についてお伺いいたします。

○小室オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部長 東日本大震災に際しましては、東京体育館を初めとした都立体育施設四施設におきまして、約八百名の帰宅困難者を受け入れました。また、東京武道館などで、福島県を中心とした被災地から、避難者の受け入れを行いました。
 ご質問の東京体育館、東京辰巳国際水泳場及び東京スタジアムの室内施設につきましては、平成二十四年三月に制定されました東京都帰宅困難者対策条例第十二条に基づきまして、全て一時滞在施設としての指定を受けております。避難所として指定を受けているのは、当局所管の都立体育施設では、東京武道館のみでございます。

○山内委員 東京武道館以外の施設については、避難所としては登録されてはいないのでしょうか、お伺いいたします。

○小室オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部長 避難所は市区町村が設置するものでございまして、現時点では、東京武道館以外の施設につきましては、そのような位置づけにはなっておりません。市区町村から相談があった場合は、丁寧に対応してまいります。

○山内委員 次に、今回、新規恒久施設の施設運営計画が報告され、また、ことし三月には、武蔵野の森総合スポーツプラザが竣工いたしました。一時滞在施設等の指定など、これら施設の災害等緊急時の対応について今後どのようにしていくのか、基本的な考え方についてお伺いいたします。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 二〇二〇年大会に向け、新たに整備いたします新規恒久施設におきましても、災害発生時には、利用者等の安全確保を最優先に考え対応していくことが必要でございます。このため、今後の各施設の運営者の選定におきまして、災害発生時の対応について明示するなど、適切に対応できるようにしてまいります。
 また、東京都帰宅困難者対策条例に基づきます一時滞在施設等の指定につきましても、各施設の特性などを踏まえながら、今後、関係各機関と協議してまいります。
 なお、武蔵野の森総合スポーツプラザでは、指定管理者の募集に際しまして、一時滞在施設としての災害への備えについて管理基準に記載しておりまして、今後選定する指定管理者と協力して、災害時の対応に万全を期してまいります。

○山内委員 二〇一四年四月に施行された東京都帰宅困難者対策条例では、都は、都立施設を一時滞在施設として直接指定することになりました。避難所については、ご答弁もありましたけれども、区市町村が設置することになっていますが、まだまだ数が足りていません。
 都立施設を避難所として活用したい場合には、区市町村がその都立施設を所管する局と調整をすることになっていますが、交渉に時間がかかっているという話も聞きます。既存施設、新規施設ともにバリアフリー、ユニバーサルデザインとなり、省エネ、再エネも進むこれら都立スポーツ施設を区市町村が避難所として活用できるよう、むしろ東京都の側から積極的に対応して、協力して迅速な災害時対応が行えるよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○遠藤委員 それでは、私からも、本日、議題となっています報告事項、東京二〇二〇大会開催準備に関する主な取り組みに関連して、何点か質疑を行わせていただきたいと思います。
 いうまでもなく、東京二〇二〇大会のスタートは、先ほど来、各委員からもさまざまな引用、言及がございましたこの立候補ファイルにあるわけでございます。そして現在、このオリ・パラの準備推進の実施主体となっている組織委員会、この立候補ファイルには、組織委員会についてこういう記載があります。すなわち、二〇二〇東京大会の計画、運営、実行に責任を持つ、これがこの組織委員会の、いわば立候補ファイルの中に定められた規定であります。
 先ほど来、この組織委員会の役割ですとか、または開催都市であります東京都の責任者、知事の役割や、または権限、またはその責任等について、多角的な議論がございましたけれども、そもそもの話として、この組織委員会の長である代表、組織委員会の会長、そして開催都市であります東京都の知事、それぞれの役割、権限、または責任、これについてはどう整理をされているのか。まず、この原則について、立候補ファイルにはそのような者の規定がこうある、ないならない、あるならある、ないのであれば、どういう規定に基づいて、これまでオリ・パラ局として答弁をしてきたのか、これについてお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 お尋ねの立候補ファイルでございますが、立候補ファイルは二〇二〇年大会の招致に向けまして、大会の詳細な開催計画を記載したものでございます。ビジョン、レガシー、財政、競技及び会場、選手村など全十四テーマにわたりまして、IOCからの個別の質問へ回答する形で構成されてございます。
 IOCの求める要件に対応するためには必要な調査を行いまして、競技団体、関係行政機関との調整を図った上で作成されたものでございまして、私どもも、これを踏まえて大会の準備を進めているところでございます。

○遠藤委員 私は、立候補ファイルの位置づけをお伺いしたんではなくて、今さまざまな議論がありました。組織委員会に対する評価、また批判もありました。また、その長に対する批判や意見や助言もありました。
 その一方で、きょうだけではなくて、いわゆる現在の小池知事に対するさまざまなご意見、また場合によってはご批判、または前知事、または前々知事に対するさまざまな批判、提言というのがあります。
 そこで、その両者の役割の違いですとか権限の違いですとか責任の所在とか、これを誰がどう責任を持って、どういう権限を持ってやるのか、これが、この議論を聞いていると、また我々もしていると、どうしてもちぐはぐ感が否めないので、ここを整理しないと、時には、これは誰々さんの責任だ、誰々の権限でそういうことをすることは不適切、こういう議論が、いわば堂々めぐりのように行われていると感じますけれども、その辺について、それを答えていただきたい。
   〔「わかりやすくね」と呼ぶ者あり〕

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局総務部長 わかりやすくご答弁申し上げられるかどうかはあれなんですけれども、手続論的にご説明させていただければと思うんですけれども、そもそもオリンピック・パラリンピック大会は都市で行うものということで、平成二十五年、東京が開催都市として決定をされた。そこからこの二〇二〇年大会の準備が始まるんであろうと考えております。
 開催都市で選ばれたということですけれども、大会の主催はIOCです。このIOCから私ども東京都とNOCであるJOCに本大会の計画、組織、資金調達及び運営を委任されるという関係に立っておりますので、大会全般の責任を負うんだということでございます。
 それで、その後、東京都とJOCで大会の実施運営を担う組織委員会というのを設立いたします。ですので、実務的なところにつきましては、一義的には組織委員会が責任を負うという関係に立とうと思っています。
 そのことから、東京都は、まず組織委員会の財政的な状況について、まずは財政的な保証を担うという関係に立っていると理解しております。
 ちょっと手続論的なもので恐縮ですけれども、そういう関係で東京都と組織委員会の役割が定義できるんだろうと思っております。

○遠藤委員 ほかに質問がありますので、当座のところ、ちょっと今のやりとりは置いておきます。
 それで、なぜこういう話をしたのかといいますと、実は、組織委員会の会長でございます森会長が、先般、この「遺書 東京五輪への覚悟」、こういう書籍を出版されました。その前書き、一部帯に書いてありますけれども、私は今、二つの闘いを進めていると、一つはもちろん、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を成功させる準備であると、もう一つは、ご自身のご病気のことをつづられて、オリンピック・パラリンピックの準備も含めて、私のこの闘いの軌跡をこのまま墓場まで持っていくのは余りにむなしい、本書が世に出るころには私はどうなっているのかわからないが、この闘いの中で知り得たこと、記録にとどめておくべきことは書き残しておきたい、それで、あえて遺書としてまとめたと、こういうことを書かれております。
 個人的な著作とはいえ、先ほど申し上げました立候補ファイルの中に、二〇二〇年の東京大会の計画、運営、実行に責任を持つその現職の、いわば最高責任者、森さんは、責任者、トップはいないんだと、みんなの取りまとめ役なんだということをこの書籍の中では書かれております。外形的には、その組織のトップ、責任者が、個人の著作とはいえ、この中で開催都市の長、これは知事でありますけれども、またはJOCの会長など、本来、一致結束をして、この二〇二〇五輪パラリンピックの成功を目指すべき仲間を中で酷評いたしております。私は、本当に、この内容を見て、大変困惑をし、または非常に驚いた。恐らく皆さんも、これを読まれた方は多いんだと思います。複雑な思いを抱かれているんだと思います。
 その一方で、私からはうかがい知れないような組織委員会の内部、内情、例えばこれも衝撃的でありましたけれども、JOCはパラリンピックに対する非常に排除の理屈というか、空気感というか、こういうものがあるんだ、持っているんだということを森さんご本人がこの中でつづられております。こうした点も含めて、うかがい知れない組織の内情というか、実態というか、現実というか、こういうものをかいま見た思いがしますので、それはそれで新しい発見だったと思います。
 ところで、この著作の中には、先ほど来ありました最大の基本図書であります立候補ファイルについて、随分ご批判をされております。例えば、ずさんな計画で大きな問題だ、甘い認識だ、さらに、まともに調査をしてつくったものとは思えない、さらに、いかに猪瀬元知事がいいかげんな立候補ファイルをつくっていたか、さらには、皆さん方または先輩に対して、当時の都の職員たちがこうしたものの作成に手をかしているということなどなど、極めて辛辣にいわれているわけであります。
 立候補ファイルの信頼性、この立候補ファイルをもとにして、これまでさまざまな議論が行われてきました。いわば、そのベースとなるこの立候補ファイルに対して、現職の会長がここまで辛辣なことをいわれている。これについて、オリ・パラ局としてどういう認識を持たれますでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 立候補ファイルでございますけれども、都としてIOCの求める要件に対応して作成したものでございまして、適正なものであるというふうに認識してございます。

○遠藤委員 IOCが求めるリクエストに対して回答したと、適切なものだと、こう部長はおっしゃられましたけれども、繰り返しますけれども、二〇二〇東京大会の計画、運営、実行に責任を持つその組織のトップが、今申し上げたとおりのことを近著でいわれている。一方、パラリンピックの担当の幹部は、適切なものであると。この開きというのは、一般の都民の皆さん、どう理解したらいいんでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、立候補ファイルというのは、二〇二〇年大会に向けまして、大会の詳細な開催計画を記載したものでございます。
 したがいまして、都といたしましては、適正なものであるというふうに認識しております。

○遠藤委員 じゃあ、塩見局長はどういう認識ですか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 立候補ファイル自体については、今、部長の答弁したとおりでございます。
 森会長がそういう認識に至ったかについてはわかりませんが、それは森会長の心境として述べられたものであろうというふうに思っております。

○遠藤委員 心境だといわれてしまえば、これより議論は進みませんので、じゃ、別の角度からお伺いします。
 この招致活動時から、我々また多くの都民は、東京大会の売りというのは、ほとんどの競技会場が選手村から半径八キロ以内にあって、そのコンパクトさがIOCに評価をされ、また我々も東京招致に向けては、これまでと違うのは、まさにコンパクトにあるんだということで都民の皆さんにも説明し、また理解をいただいた。オリンピック招致に反対する、そうした皆さんの声もありましたけれども、それを乗り越える一つのバックグラウンドとして、コンパクトなんだということも話してまいりました。
 この森会長の書籍では、そのコンパクトさこそが費用高騰の原因だ、このような指摘をされて二年前に大きな見直しをしたとしていると。現在の会場計画は、他の大会と比べて、もはやコンパクトといえなくなっていると、このようにも指摘をされるわけでありますけれども、当時のこの立候補ファイルの中にも、ファイルの責任者でありますけれども、猪瀬知事もこのようにつづっております。東京が提案するコンパクトな大会運営は、アスリートにとって最高の舞台となることを自信を持って申し上げます、これが当時の知事の記載であります。
 この売り物にしていたコンパクトな会場計画が変更された経緯、また背景を改めてお伺いしたいと思います。といいますのも、今、盛んに議題、テーマとなっております都外施設云々かんぬんというのは、まさにこの計画の大きな変更から生じている課題でありますので、改めてこのコンパクトな会場計画が変更された経緯、または背景について答弁を求めたいと思います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 都と組織委員会は平成二十六年六月以降、立候補ファイルを現実妥当性のある内容へとさらにブラッシュアップするため、東京にどのようなレガシーを残せるか、都民生活への影響、整備費高騰の懸念への対応、この三つの視点から、会場計画の再検討を実施し、IOC、各競技団体との協議を進めました。
 なお、当時IOCは、既存施設の活用促進などを提言するオリンピックムーブメント改革の検討を進めており、平成二十六年十二月、アジェンダ二〇二〇として取りまとめられております。
 都の会場計画見直しに対しまして、IOCのバッハ会長からは、アジェンダ二〇二〇と軌を一にする計画となっていると非常に高い評価を得ております。そして、会場計画の変更につきましては、平成二十七年二月以降、数回にわたってIOCの承認を得ております。
 立候補ファイルでのコンパクトな会場計画の考え方、その一つには、アスリートファーストがございますが、これらを踏襲しつつ、アスリートにとって快適な競技環境であることや、各競技の実施に求められる要件に合致し、大会を確実に運営できる会場であること、それらの観点から決定されております。

○遠藤委員 今答弁に、立候補ファイルを現実妥当性のある内容へとさらにブラッシュアップといわれましたけれども、裏を返せば、当初のものは非現実的で非妥当性であったと。ブラッシュアップというよりも、これはブラッシュアップではなくて、このコアの部分の抜本的な変換ですから、ブラッシュアップという、そういう言葉は適切ではないと私は思います。
 それで、この費用負担の問題で、先ほど来出ておりますけれども、この立候補ファイルの中に財政保証と財務的保証という二つのキーワードがあります。財政保証と財務的保証、これ簡単に書いてありますけれども、それぞれの違い、またこの財政保証と財務的保証をなぜいいかえているのか、これについて説明を求めたいと思います。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 まず、財政保証でございますが、先ほど来ご答弁申し上げましたように、組織委員会が資金不足に陥った場合には、東京都が補填するということを保証する、まさに財政そのものを保証しているというところかと認識をしております。
 一方、財務的保証でございますが、ここでは、日本国政府及び東京都は、大会組織委員会の費用負担なしにセキュリティーですとか医療とか出入国管理とか、要するに、直接お金を組織委員会に提供するというよりは、政府あるいは東京都自身が業務を実施して、それを組織委員会が大会運営者として受けるというような意味合いかというふうに考えております。
   〔委員長退席、吉原副委員長着席〕

○遠藤委員 財政保証で今おっしゃられましたけれども、組織委員会の予算、これは今時点でいうならば、昨年の冬に出ましたV1予算、すなわち五千億、ここについては組織委員会のお金だから、そこを上回った場合は全て東京都、また東京都が負担し切れなければ国がアグリーするという、そういうことをいっているんでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 財政保証そのものの考え方でございますが、今おっしゃったような、財源が足りなくなって組織委員会が支出ができなかった場合に、東京都が補填をするということでございます。
   〔吉原副委員長退席、委員長着席〕
 一方で、現在まだ精査中でございますが、昨年十二月に公表いたしました大会経費の中にも、例えばセキュリティーですとか輸送ですとか、行政的なセクターが担うような要素があるのではないか、それは先ほどの、今度は財務的保証の方の概念に入ってくるのかなと。その辺のちょっと切り分けの作業なども今進めているところでございます。

○遠藤委員 まさに私は、財政保証と財務的保証の決定的な違いというかコアは、この財務的保証の中にある、組織委員会は大会組織委員会の費用負担なしに、今おっしゃったとおり、その余のものについては、しっかり政府と東京都が保証するんですよと、ここをしっかりとIOCとして確認をとりたかった。組織委員会にそれほど負担かけないでくださいよと。今でいえば、キャップは五千億と決まっている、現時点であるんだから、それ以上の負担を組織委員会に求められても、それは立候補ファイルと相違しますよと。こうしたことをこの財務的保証で、あえて大会組織委員会の費用負担なしにというキーワードを入れていると理解してよろしいでしょうか。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 今おっしゃったように、組織委員会が公的セクターから受ける業務につきましては、基本的に無償で提供を受けるというのがこれまでのIOCの考え方でございます。

○遠藤委員 まさにそうですね。そこのところにあえて政府関連業務の無償提供ということがありますよね。政府関連業務の無償提供、これを保証してくださいよと、こういうことでありまして、そこにサインをしているわけですから、そういった意味では、組織委員会、またはその幹部の方々に対して、一部の人たちが、もっと組織委員会出せないのかとか、いろんな批判もありますけれども、このファイル上、もうここで政府が無償提供すると、それを保証しているということだから、出せないんですと、こういうことでいいわけですね。そうですね。はいといっていますね。わかりました。
 じゃ、そこのガバナンスはしっかりと持った上で、今後の三者協、または組織委員会とのやりとり等々もしっかりとやっていっていただきたいと思います。
 次いで、この組織委員会の組織の中についてちょっとお伺いしたいと思います。
 まず、組織委員会は、さまざまなくくりがあるわけでありますけれども、執行機関には理事会があります。改めて、質疑の直前になりましたけれども、その組織委員会のメンバー表、構成表を見させていただきましたが、この組織委員会の中、理事会は、東京都の山本副知事、そして塩見局長、または議会を代表しということで、お二方が理事として重要なポストにつかれているわけであります。また、理事の任免や予算、決算の承認をする評議員、これは六名のうち二人は東京都の副知事、安藤さんと川澄さんであるわけであります。さらに、先ほど来、お金の話がいろいろ出ていますけれども、この組織委員会の監事ですかね、これは都の財務局長が入られているわけであります。
 こうした理事や評議員、または監事にも組織委員会内部の情報共有、また意思疎通というのは、私から見れば、本来、皆さんが情報共有を図られているでしょうというのが大前提だと思います。
 ところが、森会長の、たびたび引用して申しわけないですけれども、この中には、組織委員会は、内閣府が認可している公益財団法人であって、都は出資金を出しているからといって監査するわけにはいかない、こういう記載があります。監査するわけにはいかない。
 とはいうものの、その中に監査すべき財務局長が入ったり、またそこをさらに幅広くチェックをするさまざまな方が入られているわけであります。執行機関からも入っている、議会からも入っている、または衆議院議員の先生方も入って、幾らでもチェックしようがあるんだと私は思うんですけれども、なかなかそうはいけていないというのが現状なんだと思います。そして、きわめつけは、監査するわけにはいかないという、これは森会長の自己認識だと思います。
 何でこんなことをいうかといいますと、我々公明党は、この組織委員会の財政、財務の見える化、透明性、これをしっかりと図るべきである。より都議会としてもそこに関与をしていくべきだというのが我々の考え方であると同時に、オリ・パラ局としても、局長が中に入っているんですから、も含めて、しっかりと中身、財政のこともガバナンスのこともチェックをし、また都民にも報告をし、また我々議会にも必要な情報を適宜適切に知らせるべきだということを繰り返しいってまいりました。
 そこで、このように監査するわけにはいかないと、公益財団法人なんだというこの認識は正しい認識なんでしょうか、誤った認識なんでしょうか。

○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局連絡調整担当部長 今お話のありました組織委員会につきましては、基本財産三億円のうち、東京都が一・五億円を出捐しております出資等団体という扱いになってございまして、地方自治法上の関与を受ける団体となってございます。ゆえに、監査委員ですとか、包括外部監査人による監査等を行うことはできるということにはなってございます。
 先生おっしゃいました情報公開ですとか、そういった関与ということでございますけれども、これから大会準備が加速していく中で、やはり国民、都民の信頼を得ていくためには最大限情報公開して、準備状況等を丁寧に説明していくことが不可欠だと認識しておりまして、今後とも、我々としてしっかりと組織委員会の運営に関しては関与してまいりたいと考えてございます。

○遠藤委員 ここで森さんも監査するわけにはいかないということで、監査できないとはいっていません。内部として監査するわけにはいかないでしょうと。いいかえれば、そこは東京都の責任として、しっかりやってくださいよと、こういう逆説的な表現なんだと思います。
 いずれにしても、組織委員会の動きや情報、これら理事の皆さんや、また評議員の皆さんを通じて、もっと我々議会にも情報提供をしてもらいたい、これは強く要望をしておきます。
 知っている、もしくは知り得る立場にあるが、守秘義務によって、それはいえないのかいわないのか、そういう側面もあると思います。その一方で、そもそも組織委員会の内部で、情報が、ある人がクローズをして出さないという状況があるのかないのか、そういうことについても我々はわかりません。都民の皆さんは、なおさらわかりません。
 そうした中でありますので、繰り返しになりますけれども、皆さん方、この組織委員会の中枢におられるわけですから、他人ごとではなくて、しっかりと情報提供というものをしてきてもらいたい。
 国会では、参考人として組織委員会の幹部が何度か委員会に出席をして、答弁しているケースもあるようであります。もし、局がオリ・パラ局として責任を持った答弁、答えられるのであれば、当オリ・パラ委員会に組織委員会の幹部を参考人としてお越しいただくと、こういう選択肢もあるのではないかと、このように思ってございます。
 守秘義務に関連して、最後に、組織委員会の職員の皆さんの身分についてお伺いしたいと思います。
 組織委員会は、都庁だけではなく、多くの企業からの出向者で構成をされております。もちろん、国の機関からも多数来られております。こうした方々も、いわゆる出向元には、組織委員会が決めたことだといって、何も報告できないわけはないんだろうと思います。契約上、特に民間からの出向の方は、不正があってはいけないけれども、スポンサー企業の多くは、やはりこの組織委員会に派遣されている職員と日々お互いよく連携協力しながら、自社にとって、より優秀な、よりいい製品やサービスを五輪パラリンピックに活用できるよう努力しているともいえるんだと思います。
 もちろん、不正が起こるような調達というのは、厳に起きないようにしなければいけませんけれども、役所よりも厳しい調達基準を導入している、こういう民間があるわけでありますけれども、どう考えても、その民間ではなくて当事者、都の職員、組織委員会へ入っているという、ここの風通しが、意思疎通がうまくいっていないな、何が原因なのかな、何が組織委員会の会長をして、こうしたことまで書かれるのかなという素朴な疑問がございます。
 そこで、都から組織委員会への職員の派遣について、IOCと組織委員会との間で何らかの合意、例えば、もう三年になります。何でもそうですけれども、一定の準備をしてきて、その人が抜けたり云々というのは、これは組織にとっても、または大会準備全般にとってもマイナスの要因でありますけれども、こうした人の異動、動きについて、これはしないでもらいたい、こうしてもいいと、そういうような組織委員会とIOCとの何らかの取り決めとか合意、こういうものがあるのかないのか。ないのであれば、どういう基準等に基づいて、都からの出向者は組織委員会に派遣をされ、またはバックをされるのか、その全体像について、IOCと組織委員会との合意も含めて答弁をしてもらいたいと思います。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局総務部長 理事お話しのIOCと組織委員会との間におけます職員派遣に係る取り決めは特段ございませんで、スポンサーを含めますけれども、組織委員会が関係機関と協議をしながら職員体制を構築しているというところでございます。
 東京都は、組織委員会と協議の上、開催都市としての役割を果たすために必要な職員を派遣してございます。職員の派遣に当たっては、組織委員会との間で派遣職員の給与、その他の勤務条件や派遣期間等について取り決めを交わしているところでございます。

○遠藤委員 それぞれ都庁に入った職員の皆さんが、この時代、また能力等に応じて、組織委員会に皆さん方の仲間、先輩、後輩が行っておられるわけでありますので、本当に気持ちよくその場で仕事ができて、または大成功に向けて、お互いの意思が図れるような形で、やはりこちらで現場に残る塩見局長以下、みんながそういった意味で目配り、こういうのをしっかりとしていっていただかないと、向こうで頑張っているスタッフの皆さんの士気というか、こういうものにかかわってくると思いますので、十分その辺は組織委員会とも意思疎通を図っていってもらいたい、このように思います。
 最後に、スポーツ振興とオリ・パラの成功に向けて、今さまざまなレベルでスポーツの振興ということが叫ばれ、またその取り組みが進んでいるわけでありますけれども、やはりこのスポーツと事故というのは裏腹の関係にあるというか、激しくなればなるほど、なるわけであります。
 先日、上野公園で開かれましたNO LIMITS SPECIALに行かせていただきました。実際にウィルチェアラグビーを体験させていただきました。本当に車椅子と車椅子が当たるその衝撃、実際体験しましたけれども、物すごい圧力というかGというか、こういうのを感じて、やはりこういう中でやるとけがもあるなと。しかも、軽傷ということではなくて、場合によっては大きなけがに結びつく、そういうリスクというのがスポーツというのは常にあるんだなと。裏を返せば、それだけみんなが熱を込めて、そして思い切りやるからこそ、そこにこそスポーツの魅力というか、人を引きつけるものがあるんだと思います。
 アメリカで二〇一五年に放映されたスポーツドラマで「コンカッション」、いわゆる脳震盪という映画がありました。これはナショナルフットボールリーグの選手たちの慢性外傷性脳症、いわゆるMTBIとの関連を発見した医師の実話に基づいたものとして、NFLはアメリカのメジャースポーツでありますので、そこに、実はこうした華々しい選手たちの活躍、活動の陰に、MTBI等々で苦しんでいる選手、また元選手がいるんだということを扱った実話でありました。
 都は先ごろ、国に行った新規の支援要請で、先端技術の普及等々とあわせた二大柱として、オリ・パラ教育の普及について国に支援を求める、こうした要請を行っておりますけれども、今申し上げました、例えばこのMTBI等に象徴されるスポーツに伴う事故を予防する取り組み、さらには、不幸にも、残念にも発生してしまった場合の適切な対応について、都として関連局及び区市町村、こうしたところと事前の情報共有ですとか、または都民全体に対する普及啓発とか、こういうのもスポーツ振興の一方で、こうした点についてもしっかりと配慮をして普及啓発していくべきだと考えますけれども、答弁を求めたいと思います。

○小室オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部長 東京二〇二〇大会に向けましたスポーツ振興を進めるに当たりましては、都民が安心してスポーツに取り組めるよう、都の関係局、区市町村及び関係団体と連携し、スポーツ事故の予防等への対策を講じることが重要でございます。
 当局におきましては、東京都体育協会と連携しまして、都民へ直接指導を行うスポーツ指導者や区市町村などで活躍するスポーツ少年団のリーダー等に対して、研修会や講習会を実施し、事故防止策や現場における救急処置等の指導及び普及啓発を行っております。
 また、先ほど理事のお話にもございましたが、スポーツイベントを実施する際は、看護師等が常駐する救護室の設置及び運営マニュアルに近隣の医療機関情報等を掲載し、関係者で情報共有することを基本としております。
 今後も引き続き、関係機関等と積極的に連携し、スポーツ事故の予防及び対策に取り組んでまいります。

○遠藤委員 先ほどMTBIについて触れました。正式には軽度外傷性脳損傷、軽度ということで、軽いとこう書いてありますけど、決してこれは軽いということではなくて、例えばスポーツだけではなくて交通事故ですとか、または高いところからの転落、転倒、暴力、またはお子さんをあやしたとき等、スポーツ以外でも起こるということであります。
 大事なことは、繰り返しになりますけれども、一見華やかなスポーツシーンの中に、選手や、またプレーヤーの健康を著しく損なう危険が常に隣り合わせになっているということをお互いよく自覚をしながら、選手の皆さん、またこれから若い皆さんにもスポーツの普及をしていきますので、そうした児童生徒たちとか若い皆さんも含めて、こうしたけがや事故が起きないように、その対策を怠りなく進めてもらいたいし、私たちもそれに向けて努力、協力をさせていただきたい、このように思います。
 終わります。

○高島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 ご異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたします。

○菅野委員 本日の委員会質疑では、本日、知事が発表した五百億円の負担の問題やパラリンピックの運営費が立候補ファイルに基づいて事前に決まっていた割合であることも判明しました。
 また、一向に進まない三者協議、そして、豊洲移転延期に伴う駐車場確保の問題など、二〇二〇年東京大会に向けた幾つもの課題が具体的に明らかになりました。
 しかし、今後の対策については全く不透明なままです。こうした多くの疑問を解消するためには、開催都市東京のリーダーである小池都知事に本委員会にお越しいただき、直接お考えをお聞かせいただくことが必要であると考えます。
 よって、この際、仮設施設の整備費の費用負担などの大会開催準備に当たっての諸課題について、執行機関に対し報告を求めるとともに、小池都知事に本委員会への出席を求める動議を提出したいと思います。

○高島委員長 ただいま菅野委員から動議が提出をされました。
 本動議は、起立により採決いたします。
 本動議に賛成の方のご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○高島委員長 起立少数と認めます。よって、本動議は否決されました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時三十七分散会

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