オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会速記録第四十六号

平成二十八年十二月二十六日(月曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長高島なおき君
副委員長吉倉 正美君
副委員長秋田 一郎君
副委員長吉原  修君
理事遠藤  守君
理事小山くにひこ君
理事山崎 一輝君
理事相川  博君
理事吉田 信夫君
菅野 弘一君
おときた駿君
川松真一朗君
山内れい子君
まつば多美子君
石川 良一君
とくとめ道信君
谷村 孝彦君
鈴木 隆道君
今村 るか君
畔上三和子君
林田  武君
立石 晴康君
川井しげお君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長塩見 清仁君
次長理事兼務岡崎 義隆君
技監上野 雄一君
技監三浦  隆君
技監小野 恭一君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長岡安 雅人君
連携推進担当部長丸山 雅代君
自治体調整担当部長井上  卓君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務戸谷 泰之君
運営担当部長田中  彰君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
大会施設部長根本 浩志君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 一幸君
施設担当部長花井 徹夫君
施設整備担当部長小野 幹雄君
輸送担当部長選手村担当部長兼務朝山  勉君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君
スポーツ推進部長小室 明子君
スポーツ計画担当部長川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務
土屋 太郎君
総務局局長多羅尾光睦君
次長理事兼務榎本 雅人君
総務部長小暮  実君
都政改革担当部長小笠原雄一君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項(説明)
・四者協議(その二)について
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会における業務と経費について
・オリンピック・パラリンピック調査チームの提言等について

○高島委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめますので、ご了承願います。
 また、本日の委員会には、お手元配布の名簿の理事者が出席をしておりますので、ご了承願います。
 それでは、理事者から四者協議(その二)について外二件の報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 それでは、報告事項、四者協議(その二)につきましてご説明いたします。
 お手元の資料第1号、都、IOC、組織委員会、国による四者協議(その二)についてをごらんください。
 まず、資料上段に概要をまとめてございます。
 四者協議は、十二月二十一日水曜日にメディア公開で行われました。出席者は、小池知事、ジョン・コーツIOC副会長、森会長、丸川大臣ほかでございました。
 次に、話し合われた内容についてご説明いたします。
 まず、会場見直しについてでございます。
 資料中段の2、会場見直しについてをごらんください。
 バレーボール、車椅子バスケットボール会場につきましては、十一月二十九日に行われました四者協議以降、有明アリーナ案と横浜アリーナ案の双方を検討してまいりましたが、有明アリーナを整備することで四者が合意いたしました。
 また、有明アリーナの整備につきましては、施設運営に民間の創意工夫を最大限に生かすため、コンセッション方式の導入を検討すること、環境性能の確保など将来のために必要な投資はさらに検討すること、周辺を有明レガシーエリアとし、面として価値を向上することなどの方針を都から説明いたしました。
 次に、大会予算でございます。
 資料下段の3、大会予算についてをごらんください。
 組織委員会予算と大会全体経費につきまして、組織委員会から説明がございました。組織委員会予算につきましては、五千億円で収支均衡となっております。また、大会全体経費は、組織委員会予算を含めまして一兆六千億円から一兆八千億円となっております。
 今後、引き続きコストの削減に努め、予算管理のガバナンスを強化してまいります。また、役割分担につきましては、都、国、組織委員会の三者で協議を進めてまいります。
 説明は以上でございます。

○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 それでは、報告事項、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会における業務と経費につきましてご説明いたします。
 お手元の資料、第2号をごらんください。
 表紙を一枚おめくりいただき、目次をごらんください。
 本資料は、去る十二月二十一日に組織委員会が発表しました組織委員会予算及び大会経費の資料をもとにしつつ、これまでの経緯、業務と経費の状況、今後の課題、取り組みにつきまして整理し、まとめたものでございます。
 一枚おめくりいただき、1、これまでの経緯についてご説明いたします。
 さらに一枚おめくりいただき、まず初めに、(1)、立候補時の状況につきまして、立候補ファイルの概要をご説明いたします。
 立候補ファイルにおける役割分担は、大会組織委員会が仮設施設の整備、大会運営を担当し、都、国、民間等の非大会組織委員会が施設所有者による恒久施設の整備、改修のほか、既存の公的サービスを活用して大会に係る業務を担当することとされております。
 大会に係る経費、予算は七千三百四十億円で、その内訳は、大会組織委員会が三千十三億円、非大会組織委員会が四千三百二十七億円となっております。
 また、大会組織委員会が資金不足に陥った場合は都が補填することを保証しており、都が補填し切れなかった場合には最終的に国が補填することとされております。
 なお、大会開催の七、八年前に作成する立候補ファイルには、基礎的要素のみを計上していること、公的部門は施設整備が中心となっていること、招致決定後の状況変化などの制約がございます。
 それぞれの内容につきましては四ページの中ほどから次の五ページにかけまして記載しておりますので、後ほどごらんいただければと存じます。
 では、具体的な業務内容ですが、一枚おめくりいただきまして、六ページの(2)、東京二〇二〇大会に関わる業務をごらんください。
 東京二〇二〇大会にかかわる業務の内容は、第一に、大会開催に伴い、専ら大会のために行われる大会に直接必要となる業務、第二に、大会にも資するが、大会後もレガシーとして残るものや引き続き展開される業務など、本来の行政目的に密接にかかわる業務、第三に、大会にも資するが、大会開催の有無にかかわらず、そもそも本来の行政目的のために行われる業務の三つに分類、整理することができます。
 それぞれの具体的な業務内容の例につきましては、中段の〔1〕から〔3〕に記載してございます。
 これらの業務のうち、現在当局では、下段に記載のとおり、施設の整備や改修のほか、輸送やセキュリティー対策などにおきまして、組織委員会や国、庁内各局などと調整を行い、大会準備を着実に進めているところでございます。
 しかしながら、一枚おめくりいただきまして、七ページの(3)、大会を取り巻く環境の変化をごらんください。
 開催都市決定後、資材、人件費の高騰、世界的なテロの脅威の拡大や深刻化するサイバーテロなどの課題の顕在化に加えまして、平成二十八年八月に競技種目の追加がIOCから了承されました。
 このようなことを初めとしまして、大会を取り巻く環境が変化する中、過去最高の競技種目数のもとで最大規模の選手などの大会関係者、要人、観客が高度に都市機能が集積した大都市東京に集中することになります。
 したがいまして、大会開催に当たりましては、質的、量的に充実したホスピタリティー、安全・安心の確保、円滑な輸送など、万全な運営を行うことが必要となります。
 一方で、大会期間中におきましても、大都市東京の持続した経済活動や都民の日々の生活に支障を及ぼさないことが必要でございます。
 以下、七ページの中ほどから次の八ページにかけまして、資材、人件費の高騰の状況、世界的なテロの脅威の拡大や深刻化するサイバーテロの状況、追加競技種目の一覧を記載しておりますので、後ほどごらんください。
 さらに一枚おめくりいただきまして、九ページの参考、東京二〇二〇大会についてをごらんください。
 東京二〇二〇大会と、参考としてロンドン二〇一二大会の項目ごとの規模を記載してございます。
 網かけをしております競技数、種目(金メダル)数、選手数、選手村ベッド数につきましては、現時点で反映可能な追加競技種目分を含んだものとなっております。
 では、このような大会環境の変化を受けまして、現在どのように取り組んでいるかですが、一枚おめくりいただきまして、一〇ページの(4)、大会環境の変化を踏まえた現在の取組(協議)状況をごらんください。
 平成二十八年三月に都知事、オリンピック・パラリンピック大臣、組織委員会会長の三者で会談を行い、大会環境の変化を踏まえ、大会準備における役割分担のあり方について見直していく方向で一致し、四月から都、国、組織委員会の三者で事務的協議を行っております。
 都といたしましては、一〇ページの下段、2、都の考えに記載しておりますように、例えばIOC、組織委員会関係では、停電の心配がない日本では、IOCから求められている電源の二重化が必要かなど、成熟都市である東京の実情に見合った対応策をとれるよう求めていたり、国関係では、自治体等が行う施設整備等に対する支援を求めるなど、大会準備全般にわたり、都の考えを組織委員会や国に伝えているところでございます。
 また、十月には都知事とIOC会長が会談いたしましたが、詳細は、一枚おめくりいただきまして、一一ページの二つ目の黒ひし形以降をごらんください。
 この会談におきまして、都、IOC、組織委員会、国の四者による協議の場を持つこととされ、十一月の二回の作業部会、テクニカルワーキンググループの会合を経まして、十一月二十九日の四者協議におきまして、組織委員会から大会経費について、現在精査中であるが、二兆円を切る見込みと報告したものの、IOCからは二兆円は高過ぎると、さらなる削減の要求があったところでございます。
 そこで、現時点における業務と経費の状況でございます。
 一枚おめくりいただき、一二ページの2、業務と経費の状況におきまして、組織委員会が十一月の四者協議後もさらに経費の精査を続け、十二月二十一日の四者協議後に公表いたしました大会経費と組織委員会予算を中心にご説明いたします。
 一枚おめくりいただきまして、一三ページの(1)、業務と大会経費の状況をごらんください。
 大会経費につきましては、組織委員会が過去大会の実績やIOCの要件等をもとに一定の仮定を置いて積算しました大会に要する経費に都立、国立の恒久施設整備を加えました現時点での総額は一兆六千億円から一兆八千億円になっております。
 その内訳は、ハード、会場関係経費が六千八百億円、ソフト、大会関係経費が八千二百億円、予備費が一千億円から三千億円でございます。
 下の棒グラフとその下の注釈をごらんください。
 ハード、会場関係経費の内訳は、都立恒久施設などの恒久施設、運営用のプレハブ、テントや観客用の座席などの仮設等、それに電源関係のエネルギーインフラでございます。
 また、ソフト、大会関係経費の内訳は、大会関係者などの輸送、会場警備などのセキュリティー、通信インフラなどのテクノロジー、運営に係るオペレーションなどでございます。
 一枚おめくりいただきまして、一四ページの(2)、組織委員会の経費・収入(V1予算)の概況をごらんください。
 組織委員会の収入は、一業種一社の大会スポンサーの慣例を破る手法によりまして、大会史上最高の国内スポンサー収入額を見込んでおりますが、現時点での見込み額は五千億円となっております。
 一方、支出は、この収入や大会経費の見積もり状況をもとにしまして、組織委員会が大会運営を行う主体としての観点から、大会経費のうち、現時点で組織委員会が担うと考えたものをV1、バージョンワン予算として計上してございます。
 収入、支出の内訳につきましては、それぞれの表に記載のとおりでございます。
 では、この経費の見積もりの考え方でございますが、一枚おめくりいただきまして、一五ページの参考1、大会経費の考え方をごらんください。
 まず、今回、組織委員会が公表しました大会経費と組織委員会V1予算との関係についてでございます。
 現時点の経費や組織委員会の収入の見積もり状況をもとにしまして、組織委員会が大会運営を行う主体としての観点から、大会経費のうち、現時点で組織委員会が担うと考えたものをV1予算に計上してございます。
 また、経費は、同じ時点においても業務の種類に応じて、主にハード系とソフト系ですが、見積もりの精度が異なっております。現在、施設整備などのハード系業務は恒久施設を中心に設計、工事に入るなど事業が本格化しているものもありますが、セキュリティーや輸送対策、大会運営のオペレーションなど、ソフト系がメーンの業務は大会時の計画策定等に向けて準備を進めている段階でございます。
 このように、ハード系とソフト系とでは経費の見積もりに必要な要件や仕様を決定する時期が異なっておりまして、これに伴い、左下のイメージ図のように、精緻化された予算の計上は、まずはハード系から行われ、順次ソフト系に移ってまいります。
 したがいまして、今後、経費、収入の見積もりの精緻化や経費の縮減状況を踏まえまして、大会経費と組織委員会予算との関係も見直し、変更してまいります。
 なお、右下の3、予備費の計上に記載してありますように、暑さ対策や集中豪雨、台風対策、広域化に伴う業務増など、現時点で予見しがたい支出や、ある程度の予見はできますが、要件や仕様が未定でありますことから、経費を見積もることができない支出に対応するため、ロンドン二〇一二大会を参考に予備費を計上しているところでございます。
 一枚おめくりいただきまして、一六ページをごらんください。
 ただいまご説明いたしました大会経費と組織委員会予算との関係をイメージ図としてお示ししたものです。
 今後、中段の図のように、組織委員会の収入が五千億円のままで経費が縮減された場合や、下段の図のように、経費縮減に加えて組織委員会の収入が増加した場合には、大会経費のうち、組織委員会とその他がそれぞれ担う部分も変更されることを示したものでございます。
 一枚おめくりいただきまして、一七ページの参考2、大会に関わる経費の分類をごらんください。
 これは、今回公表されました大会経費の業務を含め、六ページでご説明いたしました大会にかかわる業務の分類を踏まえまして、大会にかかわる経費の分類をイメージ図としてお示ししたものです。
 今回公表されました大会経費は、赤い枠の、大会開催に伴い、専ら大会のために行われる大会に直接必要となる業務と新規恒久施設の整備に係る経費となり、青い枠の、大会にも資するが、大会後もレガシーとして残るものや引き続き展開される業務など、本来の行政目的に密接にかかわるソフト系の業務に係る経費は大会関連経費として、また、黒い枠の、大会にも資するが、大会開催の有無にかかわらず、そもそも本来の行政目的のために行われる業務に係る経費はその他の経費として分類し、いずれも毎年度、各経費の性質に応じて公表してまいります。
 一枚おめくりいただきまして、(3)、各業務の状況をごらんください。
 この一八ページから二二ページまで、組織委員会の発表資料によりまして、主要な業務分野ごとに、業務の内容、主な項目とその規模、今後の検討事項をお示ししております。
 まず、この一八ページの仮設等でございますが、競技会場につきまして、運営用のプレハブ、テント、放送用の照明などのオーバーレイ、観客用座席、セキュリティーフェンス、競技スペースなどの仮設インフラを追加整備することとしております。
 具体的な規模はそれぞれ図でお示ししているとおりです。今後、引き続き資材単価、スペックを精査するなどコストカットに努めるとともに、リデュース、リユース、リサイクルなどにつきまして検討することとしております。
 一枚おめくりいただきまして、一九ページの輸送でございます。
 選手村やホテルと競技会場などの間にオリンピックルートネットワークなどを設け、選手やメディアなどの大会関係者ごとのニーズに合わせた輸送サービスを提供するとともに、観客のために最寄りの駅から距離のある会場までの交通手段を用意することとしております。
 具体的な規模はそれぞれ図でお示ししているとおりです。今後、公共交通の活用による経費削減、オリンピックルートネットワークの標識や路面標示の簡素化などにつきまして引き続き検討することとしております。
 一枚おめくりいただきまして、二〇ページのセキュリティでございます。
 観客や大会関係者などの安全・安心を確保するため、競技会場や関係施設への入場時に確実なセキュリティーチェックを実施することや、テロやサイバー攻撃などの脅威に備えることとしております。
 具体的な規模はそれぞれ図でお示ししているとおりです。今後、警備指揮所の既存施設活用や警備資機材のレガシー化、大会後の活用などにつきまして引き続き検討することとしております。
 一枚おめくりいただきまして、二一ページのテクノロジーでございます。
 大会運営のための各種情報システムや通信インフラ、音響、映像機器、パソコン等を整備することなどとしておりまして、具体的な規模はそれぞれ図にお示ししたとおりです。今後、通信インフラのレガシー化、大会後の活用や、大型映像装置などのスペック等サービスレベルなどにつきまして引き続き検討することとしております。
 一枚おめくりいただきまして、二二ページのオペレーションでございます。
 選手村、宿泊、飲食、医療などのサービスを選手などの大会関係者に提供することや、聖火リレー、開閉会式、競技プレゼンテーション、アンチドーピング活動などを実施することとしております。
 具体的な規模はそれぞれ図でお示ししているとおりです。今後、レガシー化、大会後の活用やスペックの見直しなどにつきまして引き続き検討することとしております。
 一枚おめくりいただきまして、二三ページをごらんください。
 ここから、3、今後の課題・取組についてご説明いたします。
 さらに一枚おめくりいただきまして、二四ページをごらんください。
 まず、(1)、予算管理のあり方についてでございます。
 都の基本的な考え方といたしましては、持続可能性等をうたうアジェンダ二〇二〇を具現化した初の大会となります東京二〇二〇大会を成功に導き、新たなオリンピック・パラリンピックの姿を世界に示すことでございます。
 具体的には、情報公開を進め、都民、国民の理解のもと、開催まで三年半となった東京二〇二〇大会の準備を加速させること、また、限りある資金のワイズスペンディング、有効活用を図り、調達面での改革、工夫などにより費用の拡大を抑制すること、さらに、大会後の東京、日本のあり方を見据え、バリアフリーを初め、ソフト、ハードの両面で必要なレガシーに投資することでございます。
 以上のような考え方に立ちまして、東京二〇二〇大会のガバナンスを強化することとし、IOCに対しても都の姿勢を表明したところでございます。
 次に、このガバナンスの強化と、それに必要な大会にかかわる多くの各関係者間の協調を促進するプラットホームの構築についてでございます。
 一五ページの大会経費の考え方でご説明いたしましたが、業務の種類、主にハード系とソフト系に応じて要件や仕様の確定時期が異なりますことから、大会準備全般にわたりまして、効率的かつ効果的な予算の執行、経費の支出を行うためには、必要性の検証などを経た適正な計画の策定、単価や規模の妥当性の精査など計画に基づく予算の編成、予算執行時における調達等の発注時の手法などの工夫といった、具体化していく各段階におきましてチェック体制を確立し、継続することが必要でございます。
 そのためにも、各段階におきまして、都、国、組織委員会などの関係者が緊密に連携し、同一歩調で取り組むことが重要でございます。
 取り組み例といたしましては、調整会議の機能強化、予算でのキャップ設定、横串を刺した体制の構築、より効率的な調達の実施などが考えられますが、今後その具体化に向けまして関係者間で協議してまいります。
 続きまして、下段の(2)、経費の精査・縮減等についてでございます。
 現時点で未決定の競技会場や練習会場などのほか、地震や台風、暑さ対策などの増額要素はございますが、リオ二〇一六大会の状況も踏まえまして、もったいないの視点を持ってしっかりと経費の精査、縮減に取り組んでまいります。
 特に、仮設は大会後は原則として撤去するものでございますが、使ったら捨てるのではなく、3R、すなわち、リデュース、減らす、リユース、繰り返し使う、リサイクル、再資源化するの実現に向けて取り組み、サステーナブル、持続可能な社会づくりに貢献することが重要と考えます。
 今後、都といたしましても組織委員会と連携し、IOCとも調整しながら、経費の精査、縮減に取り組み、その状況につきましては毎年度公表してまいります。
 次に、一枚おめくりいただきまして、二五ページの(3)、役割(経費)分担の整理についてでございます。
 東京二〇二〇大会における役割、経費分担につきましては、年度内の公表を目指しまして、都、国、組織委員会の三者による協議を精力的に進めてまいります。
 なお、先ほどもご説明いたしましたが、今回公表されました大会経費は、現時点の経費や組織委員会収入の見積もり状況をもとにしまして、組織委員会が大会運営を行う主体としての観点から、現時点で組織委員会が担うと考えたものをV1予算に計上したものでございます。したがいまして、役割、経費分担の協議は組織委員会も含めた三者で行ってまいります。
 なお、今後、経費の性質や経費、収入の見積もりの精緻化、経費の縮減状況を踏まえまして、改めて役割、経費分担について協議し、順次、V2以降の予算に反映させてまいります。
 続きまして、下段の(4)、都以外の会場所在自治体への対応についてでございます。
 競技会場が所在します自治体が抱える共通の課題や取り組みにつきまして、情報共有や意見交換を行い、組織委員会や国も含め、相互緊密に連携しながら大会準備を進めていくため、関係自治体等連絡協議会を平成二十七年十一月に設置いたしました。
 構成メンバーは、オリンピック・パラリンピック大臣を座長といたしまして、組織委員会会長、東京都知事と、都外に競技会場が所在します北海道、宮城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、静岡県、札幌市、さいたま市、千葉市、横浜市の各首長でございます。
 平成二十七年十一月に協議会が開催され、今後、役割分担等について実務的な検討を進める旨を決定したことを受けまして、これまで幹事会が五回開催され、役割分担や四者協議等について実務者による情報共有を実施いたしました。
 今回、大会経費が公表されましたことから、関係自治体等連絡協議会などの場におきまして、まずは経費の状況を説明した上で、役割分担について協議してまいります。
 なお、国に対しましては、都と同様に、大会の成功に向け、施設整備やセキュリティー対策などの大会に関する事項全般につきまして支援を要請してまいります。
 一枚おめくりいただきまして、ロンドン二〇一二大会の状況につきましてご説明いたします。
 さらに一枚おめくりいただき、二七ページの全体の概況をごらんください。
 東京大会における業務の内容、これらに要する経費、役割分担につきましては、一つの目安として、先進国、成熟都市であるなど、比較的状況が類似しておりますロンドン二〇一二大会を参考にしております。
 まず、大会経費につきましては、直近十年間の最小値と最大値との中間値であります一ポンド百八十一円で計算しますと、組織委員会は、立候補時は約二千八百億円、大会終了時は約四千三百億円でございました。なお、このほかに、セキュリティー対策などの経費として、公的部門から約一千八百億円が組織委員会に支出されております。
 また、公的部門は、立候補時は枠として最大約四千三百億円を準備し、そのうち約三千億円を計上いたしましたが、その後、政府が公的資金枠につきまして、予備費の約五千億円を含め、約一兆六千億円に増加させることを発表し、最終的には、組織委員会への支出分も含め、その枠内で支出しております。
 なお、施設整備につきましては、大会終了時点で組織委員会が約九百億円で、組織委員会経費全体の約二割、公的部門が約七千五百億円となっております。
 次に、役割分担につきましては、組織委員会は大会運営と一部の仮設施設整備を担い、公的部門は恒久施設整備と一部の仮設施設整備、セキュリティー対策、輸送、交通対策など、本来の行政目的のために行われる業務や、これに係る大会業務を担っております。
 一枚おめくりいただきまして、二八ページはロンドン二〇一二大会の経費の内訳になっておりますので、後ほどごらんください。
 説明は以上になりますが、最後に、今回、組織委員会から大会経費が公表されたことを契機といたしまして、都といたしましては、組織委員会となお一層情報の共有化を図ることとし、十分な透明性を確保して説明責任を果たし、円滑な大会準備を進めてまいります。
 以上でございます。

○小笠原総務局都政改革担当部長 それでは、総務局の報告事項、オリンピック・パラリンピック調査チームの提言等についてに関しましてご説明をいたします。
 恐れ入りますが、お手元に配布しております資料第1号、オリンピック・パラリンピック調査チームの提言等についてをごらんください。
 この資料は、都政改革本部のオリンピック・パラリンピック調査チームが行った提言等の主な活動の状況を記載したものでございます。本年九月一日の第一回都政改革本部会議で設置をされてから、十二月二十二日の第五回都政改革本部会議で活動を終了するまでの間における主な活動の状況を記載しております。
 続きまして、資料第2号、提言-レガシーの実現に向けて-をごらんください。
 この資料は、十一月一日の第三回都政改革本部会議におきまして、調査チームから提出された資料でございます。
 内容についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただきまして、裏面の一ページをごらんください。本資料の構成がこちらに書かれてございます。
 次に、二ページをごらんください。はじめにといたしまして、丸の四つ目に、大会の成功とその後のレガシーを具現化させるための提言をまとめたとありますように、本提言の趣旨が述べられております。
 次の三ページでは、コストとレガシーのバランスについて、図表で説明を行っております。
 次に、四ページをごらんください。Ⅰ、改めてオリンピックの難しさについてでございます。
 最初に、二〇二〇大会の準備は、日本とIOCの双方にとって大変大きなチャレンジであり、関係者も都民、国民もそのことを理解し、成功に向けて力を合わせていく必要があると述べられております。
 そして、この四ページから五ページにかけまして、オリンピックにおけるガバナンス構築の困難さなど、大きく四つの問題点が提示をされ、五ページの最後では、情報公開と丁寧な説明が必須であるとされております。
 次の六ページから八ページにかけましては、図表を用いて、以上の内容に関連する説明を行っております。
 次に、九ページをごらんください。Ⅱ、発想の転換-一九六四againを超える-でございます。
 ここでは最初に、二〇二〇大会は、大会自体の成功だけでなく、その後のレガシーの実現を目的として設計する必要があると述べられております。
 そして、九ページから一〇ページにかけまして、準備期間中から開催費用に見合ったレガシーの実現に向けた工夫が必要であること、競技団体や都民の参画が必要であることなど、大きく四点の指摘を行っております。
 次の一一ページから一五ページにかけましては、図表を用いて以上の内容に関連する説明を行っております。
 次に、一六ページをごらんください。Ⅲ、今後に向けた提言でございます。
 一六ページから一八ページにかけて、予算情報の早期開示、共同CFO体制、都、各県、国の分担の明確化など、八つの提言が記載をされております。
 そして、次の一九ページから二〇ページにかけましては、提言に関連した図表が掲載をされております。
 提言については二〇ページまででございますが、さらに資料を一枚おめくりいただきますと、提言に続けて、附属資料として、競技のレガシー計画-水泳のモデルケース-を添付してございます。
 この附属資料は、表紙の下部にございますように、検討のためのモデル資料であり、今後本格的な検討が必要とされております。競技ごとのレガシー計画を策定する際の参考として作成されたものでございます。
 資料第2号の説明は以上でございます。
 続きまして、資料第3号、総費用の抑制に向けてをごらんください。
 本資料は、十一月二十八日の第四回都政改革本部会議におきまして、上山特別顧問から提出された資料でございます。
 一ページでは、総費用が明らかにされず、また、上限が設定されていなかったために見込み額が膨らんできたことなどの問題意識が述べられた上で、最終決算額が予算を超過しないためのガバナンスの構築が必須であるとされております。
 裏面の二ページでは、総費用の見える化のタイミングについて、図表で説明を行っております。
 続きまして、資料第4号、IOCレターの検討結果をごらんください。
 本資料は、十二月二十二日の第五回都政改革本部会議におきまして、特別顧問等作成資料として提出された資料でございます。
 横浜アリーナ案の検討に当たり、IOCから送られてきたフォローアップレターに書かれている十四の確認事項についての検討結果を特別顧問等がまとめたものでございます。
 続きまして、資料第5号、オリンピック・パラリンピック調査の総括につきましてご説明申し上げます。
 こちらも同じく十二月二十二日の第五回都政改革本部会議におきまして、上山特別顧問から提出された資料でございます。
 内容についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただき、裏面の二ページをごらんください。今回の成果といたしまして、左側には総費用に関するリスク管理を通じて得られた成果として五項目が、右側には三施設の見直しを通じて得られた成果として五項目が記載をされております。
 また、次の三ページには、今回の調査を開始した本年九月から十二月までの各組織の変化として、九月以前と現在の状況及び今後の課題が記載されております。
 資料第5号の説明は以上でございます。
 続きまして、資料第6号、調査報告書につきましてご説明申し上げます。
 こちらも同じく十二月二十二日の第五回都政改革本部会議におきまして、調査チームから提出された資料でございます。
 表紙をおめくりいただき、裏面をごらんください。本報告書は、都政改革本部オリンピック・パラリンピック調査チームが九月二十九日の第二回都政改革本部会議で報告した調査報告書(バージョン〇・九)と、十一月一日の第三回都政改革本部会議で報告した新規恒久施設についての二つの報告書をあわせて取りまとめたものでございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○高島委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○吉田委員 それでは、ただいま報告のあった四者協議(その二)及び東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会における業務と経費について、ちょっと細かくなりますが、何点か資料をお願いいたします。
 一つ、今回の発表に至る都と組織委員会等との協議の経過を示す資料です。
 一つ、役割分担に関する三者協議の経過についての資料をお願いいたします。
 一つ、立候補ファイルで明記された準備、運営に関する組織委員会の責任分担について及び都、国の責任分担について詳細がわかる資料をお願いいたします。
 一つ、都及び国がIOCに提出した財政保証に関する文書をお願いいたします。
 一つ、立候補ファイルで示した組織委員会の支出予算額と今回の支出予想に基づく均衡収支を前提としなかった場合の組織委員会の支出予算額を示す資料をお願いいたします。
 一つ、ファイルで計上してなく、今回新たに計上した事項と予算額及び役割分担が不明確だった事項と予算額がわかる資料をお願いいたします。
 一つ、都外開催の場合の準備、運営に関する費用負担についての立候補ファイル及び組織委員会のこれまでの方針、負担問題に関する都外開催自治体との連絡、協議の経過についての資料をお願いいたします。
 一つ、都外開催に伴う開催自治体及び種目ごとの費用についてお示しください。
 一つ、ハード関係の恒久施設、三千五百億円の内訳を示す資料をお願いいたします。
 一つ、仮設等二千八百億円について、仮設競技場施設ごとの整備費及び恒久、既存施設ごとの仮設設備等の整備費についてわかる資料をお願いいたします。
 仮設整備費のうち、組織委員会八百億円負担の内訳を示す資料をお願いいたします。
 一つ、輸送、セキュリティーなど各事項ごとの支出内訳及び組織委員会負担の内訳を示す資料をお願いいたします。
 次に、プレ大会、いわゆるテストイベントの準備、運営に関する総費用と内訳及び負担責任についてお願いいたします。
 次に、中潮橋撤去費用、選手村基盤整備費など発表では計上されていない五輪関連の都負担を示す資料をお願いいたします。
 次に、ロンドン関係ですけれども、ロンドン五輪での立候補ファイル以降の組織委員会と組織委員会以外の予算額の毎年の推移及び最終結果額について、なお、費用のうち、都の場合、五輪費用として計上していない事項と費用についてもわかるようにしてください。
 次に、ロンドン五輪での公的資金に占める政府、ロンドン市等の支出割合を示す資料をお願いいたします。
 次に、ロンドン五輪でのODA、オリンピック・デリバリー・オーソリティー費用の内訳及び政府、ロンドン市の負担割合を示す資料をお願いします。
 最後に、ロンドン五輪での半年ごとの費用公表とチェックの仕組みについて概要がわかる資料の提出をお願いいたします。
 以上です。

○吉原委員 それでは、私の方から、透明性の確保、あるいは情報の共有という意味で数点お願いをしたいと思います。
 一点目は、都政改革本部、いわゆる調査チーム、それとオリ・パラ局、総務局、その他の局の職員の方がおられれば、その方の分まで含めて議事録、そしてメール等、そのやりとりがわかるものをお願いをしたいと思います。
 二点目として、宮城県、特に知事、あるいは県の職員の皆さんとの調査チームのメール、あるいは議事録があれば、そのやりとり全て。加えて、株式会社横浜アリーナ、さらには横浜市、特に、林市長、あるいは市の職員の皆さんとのやりとり、これはメール、あるいは何か議事録もあればお願いをしたいと思います。
 最後に、IOCのデュビ統括部長とのメールのやりとりの内容がもしわかれば、お願いをしたいと思います。
 以上です。

○高島委員長 他にございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 ただいま吉原副委員長、吉田理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○高島委員長 この際、私から一言申し上げます。
 先ほど雲田調整担当部長からもお話がございました。このたび、大会組織委員会から東京二〇二〇年大会における組織委員会予算及び大会経費が公表されました。先ほどの説明において、これを契機として、東京都は組織委員会となお一層情報の共有化を図ることとし、十分な透明性を確保して説明責任を果たし、円滑な大会準備を進める旨、オリンピック・パラリンピック準備局から発言がありました。
 本委員会といたしましても、必要な情報が提供されるなど、議会との情報共有もしっかり図られるよう申し上げておきますので、オリ・パラ準備局についてはしっかりとそのことを理解して対応していただきますよう、よろしくお願いをしたいと思います。

○高島委員長 次に、理事会の協議結果について申し上げます。
 十二月二十一日の委員会において、都政改革本部の参考人招致について、本日採決を行うことを提案させていただきましたが、先ほどの理事会の協議の結果、今回は参考人招致を行わないこととなりましたので、ご報告をさせていただきます。ご異議ありませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 はい。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十一分散会