オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会速記録第四十四号

平成二十八年十二月六日(火曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十一名
委員長高島なおき君
副委員長吉倉 正美君
副委員長秋田 一郎君
副委員長吉原  修君
理事遠藤  守君
理事小山くにひこ君
理事山崎 一輝君
理事相川  博君
理事吉田 信夫君
菅野 弘一君
おときた駿君
川松真一朗君
山内れい子君
まつば多美子君
石川 良一君
とくとめ道信君
谷村 孝彦君
今村 るか君
畔上三和子君
立石 晴康君
川井しげお君

欠席委員 二名

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長塩見 清仁君
次長理事兼務岡崎 義隆君
技監上野 雄一君
技監三浦  隆君
技監小野 恭一君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長岡安 雅人君
連携推進担当部長丸山 雅代君
自治体調整担当部長井上  卓君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務戸谷 泰之君
運営担当部長田中  彰君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
大会施設部長根本 浩志君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 一幸君
施設担当部長花井 徹夫君
施設整備担当部長小野 幹雄君
輸送担当部長選手村担当部長兼務朝山  勉君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君
スポーツ推進部長小室 明子君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務
土屋 太郎君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・四者協議について(説明)
・東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略(案)について(質疑)
閉会中の継続調査について

○高島委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取及び閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 なお、報告事項、四者協議については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめますので、ご了承願います。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 川瀬スポーツ計画担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、理事者から、四者協議について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 それでは、報告事項、四者協議につきましてご説明いたします。
 お手元の資料、都、IOC、組織委員会、国による四者協議についてをごらんください。
 まず、資料上段に概要をまとめてございます。
 四者協議は、先月十一月二十九日火曜日にメディア公開で行われました。
 出席者は、小池知事、ジョン・コーツIOC副会長、森会長、丸川大臣ほかでございました。
 次に、話し合われた内容についてご説明いたします。
 まず、会場の見直しについてでございます。
 十一月七日の本委員会にてご報告いたしましたとおり、新規恒久施設の会場見直しにつきましては、ボート、カヌースプリント、水泳、バレーボール、車椅子バスケットボールの各競技会場でそれぞれ複数の検討案を対象に調整を行ってまいりましたが、お手元の資料のとおり、四者協議において合意されました。
 ボート、カヌースプリント会場につきましては、海の森水上競技場で、当初案から整備レベルを変更いたしまして、整備費を縮減して整備するスマート案を採用しました。
 なお、検討案の一つであった宮城県長沼ボート場につきましては、事前キャンプ地として活用することとされました。
 水泳会場につきましては、オリンピックアクアティクスセンターを現計画地において、当初の二万席規模を一万五千席規模に縮小して新設いたしまして、大会後の減築は行わないことといたしました。
 バレーボール、車椅子バスケットボール会場につきましては、今回は結論を出さず、引き続き有明アリーナ案と横浜アリーナ案の双方について検討することといたしました。
 主な検討事項といたしましては、有明アリーナにつきましては、建設コストの精査、収支計画、民間の活用、横浜アリーナにつきましては、会場外スペース、動線、輸送、周辺の住民の方や地権者の合意などがございまして、引き続きこれらについて検討を進めてまいります。
 なお、横浜市からは、平成二十八年十一月二十五日付で、横浜アリーナの活用についての横浜市の考え方を示す文書を受領しております。
 また、検討期限は、クリスマスまでとしております。
 次に、その他でございますが、組織委員会から、現段階では大会予算は二兆円は切る見込みであることや、大会経費のさらなる削減努力を行うことなどの発言がございました。
 説明は以上でございます。

○高島委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○山内委員 私から資料要求をさせていただきたいと思います。
 二〇一六年十一月二十九日に行われました東京都とIOC、組織委員会、国による四者協議の会議録をお願いしたいと思います。

○とくとめ委員 四点お願いしますが、一点目は、今の資料要求とダブるんですけれども、議事録の詳細の中で全ての発言者の内容と、特に英語による発言内容は日本語訳と英文でお願いをしたいということです。
 二つ目は、三つの会場見直しによる減築計画の内容と費用削減の内容の詳細及び各施設の見直し後における維持経費についてお願いいたします。
 三つ目が、組織委員会の武藤事務総長が発言の中で、東京五輪の支出は意見を交換した上でのものでございますと述べていますが、二兆円を切るというその内容と積算根拠及び意見交換の際に活用された資料についてお願いいたします。
 最後に四番目ですが、二〇一一年十二月十三日のオリンピック・パラリンピック東京招致についての閣議了解について、その内容をお願いいたします。

○おときた委員 私から二点、横浜アリーナ活用についての横浜市の考え方を示す文書、こちらを改めて公式にお出しいただきたいのと、四者協議に至るまでの間に横浜市と東京都の間で行われたやりとりがわかるもの全て、こちらの資料要求をお願いしたいと思います。

○山崎委員 今、おときた委員からも出たんですけれども、我々自民党としても一点お願いをしたいと思います。
 先日の十一月二十五日、横浜アリーナの活用についての横浜市の考え方についての文書、我々も今、横浜市の方から取り寄せていただいているわけでありますけれども、その文書を確認する意味でも資料請求させていただきたいと思います。
 以上です。

○高島委員長 他にございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 ただいま山崎理事、とくとめ委員、山内委員、おときた委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○高島委員長 次に、報告事項、東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略(案)についてに対する質疑を行いたいと思います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○秋田委員 二〇二〇年大会を成功に導き、人々の心に深く残る歴史的な大会とするためには、多くの都民の参加を得て、オール東京、オール日本で大会を盛り上げることが重要だと思います。
 その中でもボランティアは、大会に欠かすことのできない存在であり、過去の大会でもそれぞれが責任感と誇りを持って活動し、大会の成功に大きく貢献していたと聞きます。
 また、大会時に東京を訪れる選手を初めとする大会関係者や国内外からの旅行者、観客などを笑顔でもてなしをするボランティアの姿は、大会の雰囲気を醸成する重要な役割を果たすんだと思います。
 そこでまず、今回まとめた東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略案の意義と目的、今後の進め方について伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 このたび取りまとめました東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略案は、大会に向けたボランティアの募集や研修などの運営のあり方、参加者の裾野拡大等について基本的な考え方を示すものでございます。
 都は昨年九月、官民さまざまな団体が参画する東京都ボランティア活動推進協議会を立ち上げまして、意見をいただきながら、九万人を超えるボランティアを確保、育成し、質の高いおもてなしを提供するためのボランティアに関する戦略の検討を進め、今回、案として取りまとめたものでございます。
 今月末を目途に、都議会における審議や都民の方々からいただいた意見等を踏まえまして、組織委員会と連携いたしまして戦略を策定し、公表してまいります。
 戦略策定後は、東京マラソンやスポーツ祭東京二〇一三、東京都観光ボランティアでの経験を踏まえまして、二〇一八年夏ごろの募集に向けまして、組織委員会と一体的に準備を進めてまいります。

○秋田委員 ぜひ組織委員会と連携をし、戦略に基づき、計画的に準備を進めていただきたいと思います。
 先日のリオ大会でも、ボランティアの皆さんは会場内で観客を案内したり、競技フィールド上でモップをかけたり、まさに縁の下の力持ちとしてさまざまな場面で活躍をされていたと聞いております。東京大会でも、ボランティアに大会全般を支えていただくことになると思います。
 そこで、この戦略案におけるボランティアの種類と具体的な役割について、改めて確認させてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 戦略案では、組織委員会が募集する大会ボランティアと都が募集する都市ボランティアにつきまして、運営のあり方等を示してございます。
 大会ボランティアは、競技会場などの大会関係施設におきまして大会運営を支える役割を担います。
 具体的には、会場内における観客の誘導やごみの分別方法の案内、競技エリアにおける競技運営サポートやアスリートのサポートなどといった活動から、通訳や医療サポートなど専門的なものまで、その役割は多岐にわたるものでございます。
 また、都市ボランティアは、空港、主要駅、観光地に設置するブースなどにおきまして、選手、大会関係者や国内外からの旅行者に対する観光、交通案内等を行っていただきます。
 大会成功に向けまして、大会ボランティアと都市ボランティアが連携し、円滑な大会運営を図っていくよう取り組んでまいります。

○秋田委員 東京都と組織委員会で連携を進めて、大会ボランティア、都市ボランティア双方のボランティアが現場で協力し合って一体的に活動し、大会を成功に導いてもらいたいと思います。
 そのために、ボランティアの募集に向け今後重要となっていくことは、さまざまな媒体を活用したPRだと思います。
 この戦略案にもあるように、ボランティア経験のある人は、約二割にとどまっています。こうした調査の結果なども踏まえ、今後、九万人以上のボランティアを募集するには、ボランティアの魅力を伝え、多くの方々に参加をしていただくことが重要だと思います。
 今後、ボランティアの募集に向け、どのように取り組んでいくのかを伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアの募集に向けましては、大会時のボランティアについての正確な情報発信等を通じて、ボランティアへの参加機運の醸成や裾野の拡大を図っていくことが重要でございます。
 そのため、本年三月、二〇二〇年大会に向け、過去大会におけるボランティアの活躍等、ボランティアの魅力を発信するために開設したウエブサイト、東京ボランティアナビのコンテンツの拡充を図りますとともに、来年一月二十二日には、ボランティアの魅力を伝えるシンポジウムを昨年度より規模を拡大して開催いたしまして、ボランティア活動の魅力、やりがいや楽しさなどを伝えてまいります。
 さらに、各局が行うボランティアの育成やオリンピック・パラリンピック教育等とも連携いたしまして、大会のボランティアに多くの都民の参加を促してまいります。
 また、働く世代や大学生のボランティア参加に向けまして、ボランティア休暇の普及促進や大学生の試験時期の変更などにつきまして、国や関係機関と連携し、検討してまいります。
 今後、官民一体となった取り組みを促進いたしまして、都民のボランティアへの参加機運を醸成し、裾野拡大を図ってまいります。

○秋田委員 おっしゃったようなさまざまな取り組みをぜひとも推進していただいて、多くの都民の皆さんがボランティアに興味を持ち参加するよう周知を図るとともに、参加しやすい環境整備に努めていただきたいと思います。
 ボランティア活動への参加は、多くの人々と一丸となって大会をつくり上げることで、ほかでは決して得られないような感動を体験する貴重な機会だと思います。多くの方々にボランティアとして大会に参加をいただき、大会後もボランティア活動を継続していただくためには、参加した都民の皆さんの活躍に報いるような取り組みを検討することも重要だと考えますが、いかがでしょう。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 参加意欲を向上させ、大会を契機にボランティアに対する意識を高めるとともに、大会後、ボランティア活動を継続したいと思えるような取り組みが重要でございます。
 大会のボランティア参加者には、大会への貢献に対しまして感謝の意を表明するとともに、次のボランティア活動につなげていくためにも、参加者自身が大会を支えたことを実感できるような取り組みを検討してまいります。
 例えば過去大会では、新聞紙面への全ボランティア氏名の掲載やモニュメントの設置、閉会式における表彰など、ボランティア活動に参加したあかしとなるような取り組みを実施してございました。
 今後、組織委員会と連携いたしまして、効果的な取り組みの実施に向けて検討を行ってまいります。

○秋田委員 今のご答弁を聞いても、過去大会では、へえ、そんなことをやったんだというような事例もたくさんお見受けするようでございますので、参加した都民の皆さんがみずからの活躍を実感できるよう、過去大会の例のような取り組みをぜひ実現していただきたいと思います。
 次に、ボランティア一人一人が日本人の得意とするきめの細かく心のこもったおもてなしを行い、選手、観客が大会や東京滞在を心ゆくまで楽しめるようにぜひともしていただきたいと思います。
 その鍵となるのが、日ごろより地域で活動する町会、商店街など、地域の団体との連携だと思います。こうした地域の人々がボランティアとしてまちを案内することで、ガイドブックにはない、その地域ならではの魅力が伝わり、心の通う交流も多く生まれるんだろうと思います。
 東京全体で大会を盛り上げるためにも、地域で活躍する多くの方々が二〇二〇年大会のボランティアとして活躍できるよう取り組むことが重要だと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都内各地域におきましては、日ごろより地域の団体が観光名所の案内やまちの見回りなど、さまざまな分野でボランティア活動を展開しておられます。
 大会期間中、東京を訪れた人々にその地域の魅力を伝えるとともに、案内等を円滑に行うためには、こうした地域の方々に都市ボランティアに参加していただくことが重要でございます。
 そのため、このたび取りまとめました戦略案では、東京の観光、交通案内に関する知識や防災、防犯等に関する知識等を観光、交通案内を行う都市ボランティアに生かすことのできる経験や資質として挙げてございます。
 また、都市ボランティアによる案内が区市町村を初め地域の団体、町会等の活動と連携いたしまして、円滑かつ効率的に行われるよう取り組みを進めてまいります。
 さらに、大会期間中、参加意欲のある多くの都民がさまざまなボランティア活動に参加し、一人一人が大会の担い手であることを実感できる方法につきましても、地域と連携し、検討してまいります。
 大会の成功に向けまして、一人でも多くの地域の方々にボランティアとして参加していただくとともに、運営に当たりましては、ボランティアと地域が連携した取り組みを推進してまいります。

○秋田委員 少しでも大会の役に立ちたいという、そうした地域の方々の思いに応えていけるよう、さまざまな取り組みをぜひとも検討していただきたいと思います。
 また、地域では、日ごろより多くの方々がボランティアとして市民スポーツの運営を支えており、こうした方々からも二〇二〇年大会に協力したい、そういった声をよく聞きます。
 先ほど、大会ボランティアには競技運営のサポートなど、さまざまな役割があるとの答弁がございましたが、地域のスポーツを支える方々も二〇二〇年大会ボランティアとして活躍できるよう、組織委員会などとしっかり連携をして取り組んでいただきたいと思います。
 大会の一年前にはラグビーワールドカップ二〇一九があります。ラグビーワールドカップと二〇二〇年大会に共通するボランティアを一体のものと捉え、検討していくべきだと考えます。
 そこで、ラグビーワールドカップとの連携に向けた取り組みについて伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラグビーワールドカップ二〇一九大会時には、国内外から多くのラグビーファンが東京を訪れます。こうした方々に対しまして、会場周辺やファンゾーン、駅などにおいて、来場者を案内するボランティアが必要となります。
 そのため、二〇二〇年大会に向けた都市ボランティアの募集を平成二十九年度に一部前倒しして行いまして、ラグビーワールドカップ二〇一九で活躍いただくとともに、そこで培ったスキルを二〇二〇年大会でも発揮していただくよう取り組んでまいります。
 また、ラグビーワールドカップ二〇一九で得られたボランティアの研修や運営のノウハウを二〇二〇年大会に十分生かしてまいります。

○秋田委員 ぜひ二つの大会でボランティアの皆さんが活躍し、大会を成功に導けるよう、今後とも共通の課題については、一体のものとして着実に準備を進めていただきたいと思います。
 また、これまで東京都では、スポーツ祭東京二〇一三や東京マラソンなど、大規模なスポーツイベントを開催してまいりました。特に東京マラソンは過去十回開催され、ボランティアの運営の経験、ノウハウが蓄積をされており、こうした経験などを二〇二〇年大会のボランティア運営に生かしていくべきだと考えます。見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 毎年一万人以上のボランティアが参加する東京マラソンには、多くのボランティアをまとめるボランティアリーダーの活躍を初め、二〇二〇年大会に向けて参考にすべき多くの取り組みがございます。
 このため、こうした実績も踏まえまして、東京マラソン財団には、昨年度立ち上げました東京都ボランティア活動推進協議会にも参画いただきまして、意見やアドバイスをいただいております。
 さらに、組織委員会が設置いたしましたボランティアアドバイザリー会議にも参加いただき、戦略案を取りまとめるに当たりましても、実務的なアドバイスを頂戴してございます。
 今後も大会のボランティアの運営を具体的に検討していく上で、東京マラソンにおけるボランティア運営の経験やノウハウ等を十分に生かしてまいります。

○秋田委員 こうした貴重な取り組みを二〇二〇年大会にぜひ生かしていただきたいと思います。
 大会へのボランティアの参加を通じ、年齢、性別、障害の有無等にかかわらず、みずから積極的にボランティアに参加をし、ともに支え合い、相手を思いやることのできる社会を実現することは、何よりも大切なレガシーとなると思います。
 そこで、多様な参加者の活躍に向け、具体的にどのような取り組みを行っていくのかを伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 二〇二〇年大会では、年齢、性別、障害の有無などにかかわらず、多くの方々がボランティアとして大会を支え、一人一人が大会の担い手であると実感し、大会をより身近に感じられる取り組みが重要でございます。
 例えば障害者の方々には、活動に当たり配慮を希望する事項を申告していただくことにより、募集、研修、配置等、それぞれのステージにおいて不安なく参加し、活躍できる環境を整えてまいります。
 また、子育て世代のボランティア参加に向けまして、託児所の利用などについて関係機関と連携し、検討してまいります。
 さらに、都内の中学、高校生につきましては、教育庁と連携いたしまして、学校行事等による参加や、小学生についてはスポーツ祭東京二〇一三での実績も踏まえまして、親子でのボランティア参加等を検討してまいります。
 今後、多様な参加者が生き生きとボランティア活動に参加し、活躍するとともに、大会後もボランティア活動を継続できるように取り組んでまいります。

○秋田委員 大会へのボランティア参加を通じ、年齢、性別、障害の有無などにかかわらず、みずから積極的にボランティアに参加し、ともに支え合い、相手を思いやることのできる社会を実現することは、繰り返しになりますが、地域のきずなや地域の活力を強めることにもつながり、何よりも大切なレガシーだと思いますし、そういうことを想像するだけで、何かこう、楽しくなってくるような気もいたします。
 大会で高まったボランティア活動への参加機運を大会後も維持、継続させ、大会後のさまざまな活動につなげていくべきだと思います。
 大会に参加したボランティアの皆さんが引き続き活動できるよう、大会後に向けた取り組みを考えておくべきと考えますが、いかがでしょう。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 二〇二〇年大会に参加したボランティアが大会後も継続して活動できる仕組みを構築し、都内におけるボランティア文化の定着を目指すことは重要でございます。
 そのため、ボランティア休暇制度の活用促進など、ボランティアに参加しやすい環境づくりやボランティア募集情報の効果的な提供、活動希望者と活動機会のマッチングを図るための仕組みづくりなどにつきまして、大会後も視野に入れ、関係局と連携し、検討を行ってまいります。
 こうした取り組みにより、大会を一過性のもので終わらせず、大会後もボランティアへの参加機運を維持、継続させるとともに、さまざまなボランティア活動への参加につなげてまいります。

○秋田委員 今回発表されたボランティア戦略案について、るる質問をしてまいりましたが、大会成功の鍵を握るボランティアの皆さんには、ぜひすばらしい活躍をしていただきたいと思います。
 そこに向けた局長の決意を、最後に伺いたいと思います。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 リオ大会におきましては、五万人以上のボランティアの方々が、選手を初めとする大会関係者や国内外からの旅行者、観客等を楽しく、親しみやすい雰囲気で案内をしておりました。
 ボランティアの方々がまさに誇りを持って生き生きと活動する姿は、大会の雰囲気に大きな影響を及ぼしていることを私も肌で感じてまいりました。
 大会開催時には、世界の二百以上の国、地域から多数の選手や観客等が日本を訪れることとなりまして、こうした方々を日本ならではのおもてなしの心を持って歓迎するとともに、安心して東京滞在を楽しんでいただくためには、まさにこうしたボランティアの方々の協力が不可欠であると思っております。
 より多くの都民の方々にボランティアとして参加いただき、ともに大会をつくり上げることで、かけがえのない感動と記憶を都民の皆様一人一人の心に残していきたいというふうに思っております。
 これまでの大会にない、東京ならではのおもてなしを提供し、二〇二〇年大会時に高まったボランティアへの参加機運を大会後のさまざまな活動へつなげていくためにも、組織委員会と一体となりまして、このボランティア戦略を強力に推進していきたいと考えております。

○秋田委員 前回の東京オリンピックの際にボランティア活動をされた皆さんのお話を聞くと、私ども知らない世代も、本当にすばらしいオリンピックだったんだなということを改めて実感する次第でございます。それもまた、大会後の重要なレガシーとなっているものだと思います。
 二〇二〇年大会まで、もう残り四年を切りました。大会成功のためには、ボランティアの活躍が不可欠でございます。また、大会成功に向けては、区市町村と連携した大会の盛り上げなどについても全力で取り組んでいただくことを改めてお願いして、私の質問を終えます。

○吉倉委員 私からも今回のボランティア戦略案について、より多くの都民がボランティアとして参加できるよう、人材確保の観点から質問いたします。
 まず初めに、組織委員会では、平成二十六年から全国の大学、短期大学と連携協定を締結し、二〇二〇年東京大会に向けて、オリンピック・パラリンピック教育の推進やグローバル人材の育成など、各大学の特色を生かした取り組みを進めております。
 私も二年前、早稲田大学で行われた大学連携の調印式に参加をし、これまでの大会にない新機軸の取り組みに大いに期待をいたしました。五百五十校の大学との連携でスタートした連携協定は、ことし、平成二十八年十二月一日時点で七百九十二校までに拡大しているとお聞きをいたしました。
 全国には、語学を専門とする外語大や福祉や医療の専門大学、あるいは美大や芸大、さらに体育大など、さまざまな特色のある大学があります。
 こうした大学との連携を深め、専門性や特色を生かせる大学生の積極的な活用を図るべきであります。見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 多くの大学生に大会のボランティアとして参加していただき、大会を盛り上げていただくことは重要でございます。
 二〇二〇年大会に向けたボランティアの募集に当たりましては、組織委員会が実施しております大学連携も活用いたしまして、各大学を通じ、情報提供を初めとする積極的な働きかけを行ってまいります。
 さらに、大学生が大会のボランティアに参加しやすいよう、国等とも連携いたしまして、試験時期の変更などについての働きかけを検討してまいります。

○吉倉委員 ご答弁いただきましたが、全国の大学生による自主的なネットワークとして、日本学生観光連盟や、あるいは日本理学療法学生協会など、さまざまな横のつながりがあり、各分野で社会貢献などの取り組みを行っております。
 組織委員会の大会ボランティアでは、さまざまな専門知識や技術を必要とする業務もあると思います。こうした各分野の取り組みに対して、積極的に参加を呼びかけることも有効であります。
 さらに、大会期間中だけではなく、大会前には全国各地で事前キャンプが行われます。こうした事前キャンプにこそ、全国七百九十二校の大学生の参加を促すべきであります。
 大会を初め関連して実施されるさまざまなイベントなどに大学生がボランティアとして積極的に参加できるよう、組織委員会と連携し、裾野の拡大や機運の醸成に努めていただきたい、このように考えております。
 次に、ボランティア戦略案にはこのようにあります。障害の有無にかかわらず、安心して生き生きとボランティア活動に参加できるよう、募集等の各プロセスにおいて環境整備に取り組んでいくと、このように記述されております。
 ロンドン大会の成功は、さまざまな障害のある人々が障害を感じさせないほど積極的に活躍し、大会を支えたことにあると、このようにいわれております。
 二〇二〇年東京大会においても、障害のある人々が生き生きとボランティア活動に参加できるよう、しっかりと環境整備をしていくことが重要であります。
 そこで、環境整備とは具体的にどのような取り組みを行っていくのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 二〇二〇年大会では、障害の有無などにかかわらず、多くの都民がボランティアとして大会を支え、都民一人一人が大会の担い手であると実感し、大会をより身近に感じられる取り組みが重要でございます。
 リオ大会では、視覚、聴覚及び肢体不自由の方々が空港や駅、オリンピックパークにおきまして、観光、交通案内を担当しておられましたが、リオ市からは、活動場所について、障害者の個々の状況に応じ、バリアフリーの整った施設、あるいは自宅から近い場所、障害者用トイレの設置状況などを配慮したと聞いております。
 現在、障害者団体等へのヒアリングを実施するなど、募集、研修、配置等、それぞれの段階におきまして、障害のある方が不安なく参加し、活躍できる環境の整備につきまして検討を行っております。
 また、障害の有無にかかわらず、安心して生き生きとボランティア活動に参加できるよう、配置、活動に当たっての配慮や支援を要する内容を申し込み時に把握するための方法等についても検討してまいります。
 今後、リオ大会での実績も踏まえまして、二〇二〇年大会に向け、障害者が参加しやすい環境を整え、多くの障害者がボランティアに参加し、多様な活動ができるよう取り組んでまいります。

○吉倉委員 答弁ありがとうございます。ぜひ障害のある人もない人も、ともに支え合い、多様性を認め合う大会として、そうした大会にしていくためにも、障害のある方々が不安なく参加し、活躍できるよう取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 ボランティアの方々がそれぞれの役割の重要性を理解し、十分な力を発揮していただくためにも、研修による知識の習得が重要となってまいります。
 また、特にパラリンピック開催時には、障害のある選手や障害のある観客も多く東京を訪れることになります。
 そこで、ボランティアとして必要な知識を習得するとともに、障害のある方々に心のこもった対応を行えるよう、どのように取り組んでいくのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアとして活動する上で、それぞれの役割の重要性を認識し、障害者に対する適切な対応を初め必要な知識を習得し、チームで活躍するための一体感の醸成などを図っていくということが重要でございます。
 そのため、ボランティア全員に共通して習得していただきたい基礎的な知識といたしまして、ダイバーシティーに関する理解促進、接遇マナーなどにつきましては、組織委員会と連携し実施してまいります。
 このうちダイバーシティーに関する理解促進といたしまして、障害者を初めとする多様性の理解を深めるとともに、運営時のアクセシビリティーの指針でございますTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインをもとに、車椅子使用者や視覚障害者の誘導方法など、障害者に対するきめ細かい接遇の方法について学習していただくことを考えております。
 こうした研修を通じまして、大会時に適切な案内等を実施し、障害のある選手や観客を初めとする多くの来場者に喜ばれるよう、組織委員会等と連携し取り組んでまいります。

○吉倉委員 答弁いただきましたが、ボランティアとしてスムーズな対応ができることはもちろんのこと、笑顔を絶やさず、生き生きと活動する姿は、選手、観客等にも伝わり、大会全体の雰囲気を盛り上げるとともに、大会の魅力を高めることにもつながります。ぜひこうした点について、研修で伝えていただきたいというふうに考えております。
 二〇二〇年大会では、多くのボランティアが都内の観光スポットや空港、駅などで観光案内や交通案内等に携わることになります。ボランティア一人一人が来日する外国人に対し、日本ならではのおもてなしの心を伝えることが重要であります。
 また、外国語での対応も必要となるため、日本にいる留学生や外国人の方々にボランティアとして活躍していただくことが重要であると、このように思っております。
 そこで、二〇二〇年大会に向けて、外国人のボランティア参加についてどのように取り組むのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 二〇二〇年大会では、国籍などにかかわらず、多くの方々がボランティアとして大会を支え、一人一人が大会の担い手であると実感し、大会をより身近に感じられる取り組みを行っていくことが重要でございます。
 そのため、昨年九月に立ち上げました東京都ボランティア活動推進協議会に留学生が在籍する大学などにも参画いただきまして、戦略案の検討を行ってまいりました。
 外国人の方の参加につきましては、例えば都市ボランティアは日本に居住する資格、大会ボランティアは日本に滞在する資格を有する多くの方々に参加していただきたいと考えております。
 また、世界中から東京を訪れる選手や観客をおもてなしする上で、さまざまな言語に対応するボランティアの活躍も必要でございまして、大学などとも連携し、大会のボランティアに関する情報を発信するなど、多くの外国人のボランティアへの参加を促進してまいります。
 今後とも、留学生を含む外国人のボランティア参加につきまして、組織委員会と連携し検討を進めてまいります。

○吉倉委員 大会後も日本を訪れる外国人旅行者をふやすためにも、大会関係者や観光客に、日本に行って本当によかった、また行ってみたいと、こういういい印象を持って帰国していただくことが何よりも重要であります。
 そのためにも、世界中から訪れる多くの人々に、日本の観光地や都市の魅力、交通や宿泊施設の利便性など、おもてなしの心を持って丁寧に伝えていくとともに、多言語での対応に向け、留学生を含む語学ボランティアの育成、活用について、ぜひとも検討を進めていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○吉田委員 私もボランティア戦略案について質問させていただきます。
 ボランティア活動は、被災地支援など、近年、多くの都民、とりわけ若者が参加しており、ボランティア活動は定着しつつあります。
 オリンピック・パラリンピックボランティアの場合、特別の役割があり、専門性も求められ、大会の成否に直結する課題となっているというふうに思います。こうしたボランティアの準備は、都としても初めてのことだと思います。
 そこで改めて、まずお伺いいたしますが、オリンピック・パラリンピック準備局として、この間のロンドン五輪及びリオ五輪でのボランティアの確保や研修などの教訓について、最近ではリオ五輪の経験を継承するデブリーフィングも行われましたけれども、どのような点を教訓として学んでいるのか、まずお答えください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ロンドン大会、リオ大会から、多くのボランティアを確保するためには、ボランティアへの参加機運の醸成、裾野拡大を図るとともに、新聞、広告、メディア等を活用した十分なPRが重要であるということ、また、大会時にボランティア一人一人がそれぞれの役割を果たす上で必要な知識やスキルを習得するよう、ボランティアの募集、育成は早期から計画的に実施する必要があることなどの知見を得たところでございます。

○吉田委員 そうした教訓は、示されている戦略案にどう生かされているのか、また、今後どう生かしていくのか、現時点でいえることがあったらご答弁お願いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 過去大会から得た知見を生かしまして、今回のボランティア戦略を策定したところでございますが、戦略では、ボランティアへの参加機運の醸成、裾野拡大や、ボランティアの募集、育成は早期から計画的に実施することといたしております。
 今後、こういった考え方に沿って取り組みを進めていきたいと考えております。

○吉田委員 ボランティアの意義、役割に関してですけれども、五輪ボランティアに関するパンフレットというものを最近、読むことがありました。
 ボランティアの語源は、志願兵、あるいは義勇兵という意味で、第一回アテネ大会を初め初期のオリンピックは、ボーイスカウトなどによって支えられ、組織委員会や競技団体も無償の役員によって支えられてきたというふうに記載されています。そういう意味では、ボランティアによる大会運営は、まさに五輪の原点ともいえるのではないかなと私は思いました。
 しかし、現代では、五輪の大規模化が進むもとで、こうした原点、理念が理解され、貫かれることは困難であることはいうまでもありません。
 インターネットで五輪ボランティア戦略について検索すると、次のような言葉が出てきました。外国語ができて、コミュ力があって、フルタイムで十日間以上働く十八歳以上をただで使うの、これ、お金を出してちゃんとした人を雇っておくべき案件ではないのと、極めて素朴な意見だと思いますが、積極的な募集を広げていく上で、こうした素朴な疑問にきちんと答えていく必要があると思いますが、どのように考え、答えていくのかご答弁お願いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアの募集に当たりましては、過去大会におきましても、大会運営上一定の条件を設定いたしますとともに、無償での活動を前提としております。
 一方、大会のボランティア活動への参加は、大会にかかわる多くの人と一丸となって大会をつくり上げるということで、ほかでは決して得られない感動を体験する貴重な機会ともなるものでございます。
 こうしたボランティアに参加することの意義をさまざまな機会を捉えまして広く発信いたしまして、大会のボランティアに一人でも多くの都民に参加いただき、大会の感動を一人一人の心のレガシーとして残し、ともに支え合い、相手を思いやることのできる社会の実現につなげてまいります。

○吉田委員 そうした特別の意義、役割を広げていくということは、極めて重要な課題だと私も思います。
 その際に、ネーミングの問題というのがやっぱり検討されるべきだと思います。ロンドン五輪の場合、大会運営に関するボランティアはゲームズメーカー、いわゆる都市の案内などの場合にはロンドン・アンバサダーとネーミングされました。
 東京の場合も、大会の重要なスタッフ、大会の成功を支えるスタッフであるという位置づけを明確にするためにも、単にボランティアという表現だけではなく、その役割にふさわしい呼称というものを東京、日本らしく示していく必要があるかと思うんですが、いかがでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 今回取りまとめました戦略案では、ロンドン大会の例を参考といたしまして、二〇二〇年大会のボランティアの呼称につきましては、大会にふさわしいものを組織委員会と連携し、検討していくことといたしております。

○吉田委員 ぜひ重要なスタッフであるということがわかるようなネーミングを大いに工夫していただきたいというふうに思います。
 次に、ボランティアに応募するために、語学やスキルを高めるために早い段階から努力をし、準備をすることが求められます。
 そうした状況を考慮し、募集要項の発表スケジュールがこの戦略案で示されていますけれども、採用の決定は早い方がよいのではないかと思いますけれども、第一次審査、第二次審査など、どのように進めていくのかご答弁をお願いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会のボランティアにつきましては、二〇一八年の夏ごろから募集を予定しておりますが、応募条件の検討の方向性につきましては、今回の戦略案において既にお示ししているところでございます。
 また、ウエブサイトにおきまして、過去大会のボランティア経験者の体験談を掲載する等の情報提供も行っており、今後とも適時適切に必要な情報を提供していくことといたしております。
 なお、選考につきましては、戦略案では応募者に対して書類選考や面接等を実施する、この旨記載しているところでございます。

○吉田委員 戦略案の二〇ページにスケジュールが示されていますが、これを見ると、採用決定、採用通知は大会の前年、二〇一九年末というふうに思われます。矢印で、月が書いてありませんから漠然とした認識になりますけれども、五輪前年の末というのは、当事者からすれば、自分が実際にボランティアとして採用されたのか否かというのがその時点でないとわからないということは、準備にかかわることですから、私はもっと可能な限り早く採用決定を示してあげるべきではないかというふうに思いますので、これは意見、要望として述べさせていただきます。
 次に、ボランティアは、東京都民だけではなく、全国から参加できるような配慮というのは、私たちはすべきではないかというふうに思います。
 ロンドンの場合に、ロンドン・オリンピック・ゲームズ・オフィシャル・レポート第三巻を見ますと、例えば、県自治体へボランティアプログラム宣伝のための巡業をしただとか、九つの州で面接センターを開き、ロンドンまで来なくても面接ができたというふうに紹介されています。翻訳は素人ですから正確かどうかわかりませんが、趣旨はそういうことなんですね。
 こうした配慮について、どのように検討しているんでしょうか。また、都外の開催都市、都外で実際競技を行う都市の場合のボランティア対応はどのようにされるのか、ご答弁をお願いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ロンドン大会における大会ボランティアの面接におきまして、お話のような取り組みを実施したことは承知しておりますが、二〇二〇年大会における面接の実施方法については、今後組織委員会が検討していくということになってございます。
 また、今回の戦略案では、競技会場を有する都外自治体における都市ボランティアの募集、研修等につきましては、それぞれの自治体において運営することとなりますが、それぞれ運営するボランティアが効果的に活動できるよう、必要な部分について、都と組織委員会は一体的な取り組みを検討していくということにいたしております。
 また、戦略案では、競技会場を有する自治体などと十分に連携し、一体的な取り組みを検討するというふうにいたしておりまして、今後ともこれらの自治体からの意見を踏まえて対応してまいります。

○吉田委員 一体的な取り組みを促進するということは、極めて重要なことだと思います。
 ただ、どのような形態をとるかは別にしても、全国から参加が促進できるよう、ロンドンのような対策、手だて、これはさまざまな検討すべきことがあるかと思いますけれども、少なくとも各都道府県が窓口を設置するとか、広報など、ボランティアの募集の旗振りを担ってもらうとか、そういう努力、働きかけを大いにお願いすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 繰り返しで恐縮でございますが、戦略案では競技会場を有する自治体などと十分に連携し、一体的な取り組みを検討することといたしております。
 今後とも、これらの自治体からの意見も踏まえまして対応してまいります。

○吉田委員 先ほどインターネットの声を紹介しましたけれども、次に、このような声もありました。えっ、こんなスペックがあって、交通費、宿泊費、自己負担?オリンピックでどこも値上げするのに?の疑問の声が掲載されていました。
 交通費の場合、とりわけ地方から上京してボランティアを行う場合、交通費はもちろん、宿泊費などの本人負担は一定額に及ぶわけですけれども、この点ではどのような対応になるんでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 戦略案におきましては、過去大会と同様に、東京までの交通費の負担や宿泊場所の自己手配等をお願いするということにいたしております。
 一方、ボランティアとして活動していただくに当たりましては、活動意欲を高め、一体感や誇りを感じられるようなユニホームや研修、飲食などは提供していくことといたしております。

○吉田委員 それが原則なのかもしれませんけれども、大会時、少なくとも十日間、例えば特定の会場に往復で交通費を払うとなれば、決して少ない額ではないというふうに思いますが、これも全てボランティアの自己責任、自己負担ということなのでしょうか。何らかの支援策があってしかるべきと思いますが、いかがでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアの具体的な運営方法につきましては、組織委員会と連携し、今後検討することといたしております。

○吉田委員 ぜひ検討していただきたいと思いますが、次に、こんな声もありました。へえ、日本に短期間に十日以上も有給がとれる文化があったとは初耳だ、日本社会でオリンピックのボランティアに行くのに十日休みますというのがすんなり通るかも疑問、お金持ちしかできないのではの声がありました。
 戦略では、企業の支援、協力が挙げられておりますけれども、また戦略では、参加促進の取り組みの上で第一に希望されたのが、ボランティア休暇、有給休暇をとりやすくしてほしいということでした。
 やはり応募する上で、いち早くそうしたことが具体化される必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 今回取りまとめました戦略案におきましては、働く世代のボランティア参加に向けまして、国やスポンサー企業、関係団体とも連携し、企業などにおけるボランティア休暇の整備や取得を促進していくことといたしてございます。

○吉田委員 ぜひ早くからこれが具体的に促進されることを求めておきたいというふうに思います。
 次に、先ほども紹介したロンドンのオリンピック・ゲームズ・オフィシャル・レポート第三巻では、失業者に対し政府の財政主導によるトレーニングを受けてもらい、ボランティアに応募するに当たっての基本的なスキルを身につけると記載してありました。
 どんな方でも応募できるということを促進するという意味での取り組みかと思いますが、こうした点もぜひ、国責任かもしれませんけれども、都としても参考にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ロンドン大会では、お話のような政府による労働政策としての取り組みがあったことは承知してございますが、二〇二〇年大会におきましては、国がそのような取り組みを行うということは聞いてございません。

○吉田委員 直訳しますと、ボランティアに志願できるレベルの基礎的スキル向上の訓練を政府財政で支援するというふうに書いてあります。もちろんスキルを受けるときには無償なんでしょうけれども、応募する以前にそのスキルをつけることを財政的に政府として支援しようと。私は非常に重要な取り組みだと思い、こうしたことがぜひ東京、日本でも取り組まれるよう要望したいというふうに思います。
 次に、大学生への取り組み促進については先ほども話がありました。
 ご発言があったように、組織委員会は大学との連携ということを非常に重視しています。個々の大学生への応募促進ということではなく、ぜひ大学自身がボランティアの応募を積極的に組織するということになるように取り組んでいただきたいということを要望として述べさせていただきます。
 最後に、五輪ボランティアの役割から、他のボランティア以上に研修が非常に重要だということはいうまでもないと思います。研修はどのように行うのか、研修のための交通費等はどう対応するのか。
 研修の一環として、例えばプレ大会がありますね。また、他の国際大会などもあります。こうしたことを積極的に研修の場として生かすべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 今回取りまとめました戦略案では、ボランティア全員に共通して習得していただきたい基礎的な知識といたしまして、オリンピック・パラリンピックの歴史、意義、接遇などについて、組織委員会と連携し、研修を実施いたしますとともに、ボランティア一人一人がそれぞれの役割を果たす上で必要な知識やスキルを習得していただくため、役割別の研修なども実施していくことといたしております。
 なお、研修の具体的な実施方法等については、今後検討を行ってまいります。

○吉田委員 先ほどのご答弁でも、リオ、そしてロンドンの五輪からの教訓として、研修について、たしか早期から計画的にという旨のお話があったかと思います。ぜひそうした取り組みを、改めて求めておきたいと思います。
 以上で私の質問を終わりますけれども、いうまでもなくボランティアは、オリンピック・パラリンピックの成否にかかるという極めて重要な取り組みだと思いますし、それは参加した個人にとっても、また、社会全体にとっても大きなレガシーになるよう、全力で取り組んでいただきたいということを述べて、私の質問を終わります。

○今村委員 それでは、私からも質疑をさせていただきたいと思います。
 ロンドン、そしてリオ、それぞれの大会においても多くのボランティアが大会運営を支えていたというふうに聞いています。大会運営になくてはならない大会のボランティアさん、そして都市ボランティアさんに協力していただくということは大変重要でありまして、その戦略が今回の案だということであります。
 そこで、このボランティア戦略案は、どういった会議でどのような議論を経て、今回取りまとめられたのかをまず確認させていただきます。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都では昨年九月、官民さまざまな団体が参画する東京都ボランティア活動推進協議会を立ち上げまして、当該協議会の中に都市ボランティア検討部会を設け、意見をいただきながら戦略案の検討を行ってまいりました。
 また、組織委員会では、ボランティアアドバイザリー会議を設置いたしまして、ボランティア運営にかかわる有識者やオリンピック・パラリンピックのアスリートの方々に実務的なアドバイスをいただいてまいりました。
 本戦略案は、こうした過程を経て今回取りまとめたものでございます。

○今村委員 都は官民さまざまな団体が参画をする東京都ボランティア活動推進協議会、組織委員会はボランティアアドバイザリー会議を設置し、取りまとめたということであります。
 特に、都市ボランティア検討部会で検討されたということでありますけれども、この戦略案第2章には、多様な参加者の活躍促進というふうな項目が書かれております。
 都市ボランティア検討部会にも多様な団体や当事者の参画が大変重要だと考えますけれども、そのような団体が参画をしていたのかどうか確認をさせてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 多様な参加者の活躍に向けまして、都市ボランティア検討部会には町会や商店会、障害者団体、大学、経済団体、国際交流団体などさまざまな団体に参加していただいております。

○今村委員 都と、そして組織委員会、さらに官民さまざまな、まさにオール東京、そしてまた、それぞれの団体が日本全体に組織を持っていらっしゃると思いますけれども、そうした団体が参画をされて作成されたというものであります。
 そうした案ができ上がったわけでありますけれども、この本戦略案の特徴を、一言というわけにはいかないかもしれませんけれども、簡略にお聞かせいただきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略は、大会に向けたボランティアの募集や研修などの運営のあり方、参加者の裾野拡大等について基本的な考え方を示すものでございます。
 組織委員会と連携し、本戦略を一体的に策定、公表するとともに、ボランティアの募集、研修から運用、大会後に向けた取り組み等、可能な限り一体となったボランティアの運営を図ることとしております。

○今村委員 一体的な運営を図っていくということでありますから、しっかりと二〇二〇年に向けて、まず戦略がされていることが確認できました。
 一方で、ロンドンでは約八万人、そしてリオ大会では約五万六千人が活躍したというふうに聞いております。
 二〇二〇年大会では、大会ボランティアと都市ボランティアを合わせて九万人募集をするということでありますけれども、このような多くの方々のご協力をいただき、そして、それぞれ活躍をしていただかなければならないわけでありますけれども、こうしたことを具体的な事例を含めてどのように行っていくのかお聞かせください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 二〇二〇年大会の運営を円滑に行うためには、ロンドンを上回る九万人以上の大会ボランティアと都市ボランティアが必要と考えてございます。
 大会ボランティアは、例えば会場内における観客の案内や競技エリアにおける競技運営サポートなどといった活動から、通訳や医療、サポートなど専門的なものまで、その役割は多岐にわたるものでございます。
 また、都市ボランティアは、空港、主要駅、観光地に設置するブースなどにおきまして、選手、大会関係者や国内外からの旅行者に対する観光、交通案内等を行います。
 今後、役割ごとの人数を精査した上で募集を行ってまいりますが、大会の成功に向けまして、ボランティアの方々が期待される役割を果たしながら、存分に活躍していただきたいと考えております。

○今村委員 ロンドンを上回る九万人にしっかりと活躍をしていただけるよう取り組んでいくというお話がありました。これが、東京大会がこれから後の大会の大きなレガシーにもつながっていくのだというふうに思います。
 そこで、先ほど確認をした多様な参加者の確保について伺いたいと思いますが、戦略の主な内容、(2)に記載の障害者、それから児童生徒、そして働く世代、子育て世代という特出しの項目がありますけれども、そのほかにも外国からボランティアに参加をしたい方、外国籍の方、高齢者の方々にも参加していただくことは大変重要ではないかというふうに考えます。
 都も検討されているのではないかというふうに思いますけれども、都の考え方をお聞かせください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 二〇二〇年大会では、国籍、年齢などにかかわらず、多くの方々がボランティアとして大会を支え、一人一人が大会の担い手であると実感し、大会をより身近に感じられる取り組みが重要でございます。
 外国人の参加につきましては、大会ボランティアには外国から参加される方も含めまして日本に滞在する資格を有する方々に、都内の観光、交通案内を行う都市ボランティアには日本に居住する資格のある外国籍の方々に参加いただきたいと考えております。
 また、年齢につきましては、早朝の活動や夜遅くまでの活動があることも鑑みまして十八歳以上の方という条件はございますが、年齢の上限は設定してございません。多くの高齢者の方々に参加いただきたいというふうに考えております。
 外国人や高齢者を含めまして、多様な参加者が生き生きとボランティア活動に参加し活躍いただけるよう取り組んでまいります。

○今村委員 日本国籍、日本人を初め多様な方々たち、九万人のボランティアが活躍されるということであります。大会成功に向けて大きな貢献をしてくださると期待をしております。
 そうした方々がきちんと充実した活動ができるようにすることは、ご本人のやりがいにもなりますし、またさらに、その一つ一つが積み重なって大会の成功へとつながるものと考えます。
 そこで、ボランティアの方々への研修内容を充実したものにしなければなりません。過去大会の事例も踏まえまして、東京大会ではどのようなことを実施していくのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアとして活動する上で、それぞれの役割の重要性を認識し、必要な知識を習得するとともに、チームで活躍するための一体感の醸成などを図っていくことが重要でございます。
 ロンドン大会やリオ大会では、組織委員会と開催都市それぞれが必要な研修を実施しておりました。また、北京大会では、オリンピック・パラリンピックの歴史、意義、接遇、基礎的英会話の研修を組織委員会と開催都市が一体的に実施してございました。
 二〇二〇年大会では、ボランティア全員に共通して習得していただきたい基礎的な知識といたしまして、オリンピック・パラリンピックの歴史、意義、接遇などにつきましては組織委員会と連携し、eラーニングも取り入れながら研修を実施してまいります。
 さらに、ボランティア一人一人がそれぞれの役割を果たす上で必要な知識やスキルを習得していただくため、役割別研修等も実施してまいります。
 こうした研修を通じまして、ボランティアが大会時に適切に活動していただけるよう取り組んでまいります。

○今村委員 過去のスポーツ祭東京におきましては、町田の丘学園の生徒さん初め、障害のある方たちがボランティアとして活躍をする姿を私も見させていただきました。
 そしてまた、リオ大会では難民選手団があったわけでありますけれども、今回の協議会の中には難民支援の団体も入っているようでありますけれども、そうしたさまざまな方たちが参加をするということは大変重要でありますし、パラリンピックもあるわけでありますので、障害当事者のボランティアだけではなくて、ピアボランティアというような障害者同士のボランティア活動というものもぜひ広まっていくように期待をしておきたいと思います。
 そういった意味で改めて、先ほどから九万人集めるのが大変だというお話がありましたけれども、私の印象でもあるんですけれども、募集というものは広く門戸をあけておかなければならないと思うんですね。
 ここは今、案でありますので、あくまで案を見た印象でありますけれども、余り条件の設定をするのではなくて、ここにも書かれておりますけれども、二〇二〇年大会を成功させたいんだ、ボランティアで参加したいんだということがまず第一条件ではないかというふうに思うわけでありますので、そうしたことがこういったいろいろな紙面にあらわれてくるのかなと思います。
 ぜひ参加をしたいなというような、先ほど何かマイナスなご意見の披露もありましたけれども、そうではなくて、いっぱいかかわりたいと思っている人たちがたくさんいるわけでありますので、そうした人たちの声をしっかり聞いていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 それから、二〇二〇年大会は、都と組織委員会が一体的に募集、研修に取り組んでいくということでありましたけれども、その前年に行われますラグビーワールドカップにおいても、ラグビー組織委員会との連携が大変重要になるのではないかというふうに思います。
 そこで、都はラグビー組織委員会とどのように取り組むのかお伺いします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラグビーワールドカップ二〇一九におけるボランティアに関する都とラグビー組織委員会の連携につきましては、今後示されます大会概要を踏まえまして、そのあり方について検討していきたいと考えております。

○今村委員 しっかりと検討されるということでありますので期待をしておきます。
 そこで、ラグビーで行うボランティア育成や実際の取り組みが、当然一年後のオリンピック・パラリンピックにも生かされなくてはならないというふうに思います。
 そこで、この経験をどのように活用されていくのか都の見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ラグビーワールドカップ二〇一九でのボランティアの経験を二〇二〇年大会につなげていくため、例えばラグビーワールドカップで活躍していただいたボランティアによる研修を通じまして、そこで得た経験、知識をほかのボランティアに共有していただくなど、都市ボランティア全体のレベルアップを図っていきたいと考えております。
 また、ラグビーワールドカップにおける都市ボランティアの活動実績や運営状況を検証いたしまして、二〇二〇年大会における都市ボランティアの運営に反映させるなど、ラグビーワールドカップにおける経験を生かしてまいります。

○今村委員 組織委員会と、そしてまた、東京都がそうした経験を生かしていくということでありますけれども、当然、ラグビーワールドカップの大会ボランティアとして、または都市ボランティアとして参加をした方たちがいらっしゃるわけでありまして、このラグビーワールドカップで活躍したボランティアさん、この人たちには引き続き二〇二〇年大会で活躍していただくことを期待したいと思いますけれども、こうした貢献をしてくださったボランティアの皆さんたちを都はどのように考えているのか伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 二〇二〇年大会の都市ボランティアにつきましては、平成二十九年度に一部前倒しして募集を行いまして、ラグビーワールドカップ二〇一九で活躍いただくとともに、そこで培ったスキルをほかのボランティアに共有していただくとともに、二〇二〇年大会におきましてもほかのボランティアと一丸となって活躍していただきたいと考えております。

○今村委員 期待をしております。
 特に、ラグビーワールドカップにおいては、多摩地域での開催もあるわけでありますし、そうしたキャンプ地誘致を行っている都市を初めとする自治体ともしっかりと協力をしていただいて、機運の醸成と、それぞれ東京全体から多摩も含めて参加者が多くなるように取り組みを期待しております。
 先ほどユニホームや食事など、ボランティアスタッフの皆さんには提供したいというお話がありました。もう既に東京マラソンでは、本当に多くのボランティアの皆さんたちが参加をされております。その皆さんは参加をされますと、二〇一六とか二〇一五とか、年数の入ったボランティアバッジをいただいています。
 私もきょう、たまたま手元に持ってきたんですが、これは私の妻が持っていたものでありまして、二〇〇九年のアジアユースパラゲームズの医療スタッフとして参加をしたときにいただいたものです。医療スタッフといってもボランティアスタッフでありますけれども、そうしたスキルを生かして参加させていただいたものであります。
 この二〇〇九年のアジアユースパラゲームズは二回目だということで聞いておりますけれども、東京マラソンでも毎年毎年参加をしてくださっている方たちがいらっしゃるわけですね。ぜひこうした方たちが当然参加をしてくださるというふうに期待をしておりますけれども、先ほど一九六四年の東京大会のボランティアの経験をされた方のお話を聞いたと秋田さんからもお話がありましたけれども、皆さん、バッジをもらったというふうに伺っています。
 そのバッジを大事になさっている方のお話を私も聞いたことがございますけれども、そうしたものを用意していただくというのは、大変参加の励みにもなるというふうに思いますし、それも一つとして、終わってからお配りすることもあるでしょうけれども、こういったものもご用意をしていますということをすることも必要だと思います。こういうスポーツの大会にかかわったバッジ、東京マラソンなら東京マラソン、これをたくさんつけていただいているということになりますと、それはそれだけの経験がある、それが一目でわかるわけでありますし、リーダーになり得る方にもなるというふうに思います。
 そうしたルールづくりや、何でもかんでもつけるというわけにはいかないと思いますけれども、そうした励みになったり、自分がこれだけ参加してきたんだという自負にもつながり、大きなやりがいにもなっていくというふうに思いますので、そうした過去大会のいろいろなバッジなどもあると思いますが、そういったルールを各競技団体とも相談をしていただいて、やりがいにつなげて、また募集の拡大につなげていっていただきたいなというふうに思っています。
 以上申し上げまして、質疑を終えます。

○石川委員 私の方からも何点かお伺いいたします。
 東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略案では、九万人以上のボランティアを募集するとのことでありまして、多くの都民が興味、関心を持ち、積極的に参加していただくため、何よりもボランティアへの参加機運醸成が重要であり、まずは機運醸成の視点から質問させていただきたいと思います。
 先日のリオ大会では、カラフルなユニホームを身につけたボランティアが活躍をしておりました。このユニホームは、各ボランティアに与えられるもので、大会に参加した記念品として、本人のモチベーション向上につながると聞いております。
 こうしたボランティアのユニホームは、都と競技会場のある自治体との間で同じデザインとすることで、全国的に参加したいという方がふえると考えますが、ユニホームの共通化についてお伺いいたします。
   〔委員長退席、吉原副委員長着席〕

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都が運営いたします都市ボランティアと都外の競技会場を有する自治体が運営する都市ボランティアが効果的に活動できますよう、必要な部分につきまして一体的な取り組みを推進し、都市ボランティアのユニホームに関しまして統一的なデザインを採用することについて検討してまいります。

○石川委員 十一月二十五日に行われました有識者らによる東京ブランドのあり方検討会において、都の観光ボランティアの制服見直しについての議論がなされました。
 その際、参加されたデザイナーのコシノヒロコさんの意見として、着るとピエロみたいになると。二〇二〇年東京五輪パラリンピックに向け、上質なデザインができることをアピールするチャンスだというような話があったことが報道されております。
 インターネットなどでは、現在のユニホームデザインについて、ださいとか着たくないとかの否定的な意見が多いとの報道もなされたわけであります。
 二〇二〇東京大会の機運盛り上げに当たって、東京都はもちろんのこと、全国的な何らかの展開を図っていく必要があり、その展開の一つとして、オリンピック・パラリンピック大会のボランティアのユニホームは格好のアイテムというふうにいえるのではないかなと思います。
 都と競技会場のある自治体との間では、統一的なデザインを採用するということでございますけれども、大会ロゴと同様に、ユニホームのデザインを全国公募すべきというふうに考えますが、見解をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ユニホームのデザインの選定方法につきましては、今後の検討となりますが、ボランティアの方々が活動意欲を高め、一体感や誇りを感じられるようなユニホームとなるよう取り組んでまいります。

○石川委員 ぜひ盛り上げの一環として、数案用意をして選択してもらうなど検討していただきたいと思います。
 大会ボランティアの機運を高めるには、社会人だけでなく中高生の参加を促すことも重要でございます。産業労働局では、中高生を対象として外国人旅行者に都内の観光案内等を行ってもらうボランティア、おもてなし親善大使の育成に取り組んでいるわけであります。
 本年、新たに中学生百十二名、高校生百十六名の二百二十八名が親善大使となり、十月二日に任命証の授与があり、盛り上がったというふうに聞いております。
 二〇二〇年大会における中高生のボランティア活動への参加についてお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 次世代を担う子供たちが大会のボランティア活動を通じて社会貢献活動への意欲、関心を高めるとともに、大会に参加することで人生の糧となるかけがえのないレガシーを、子供たちの心に残していくことが重要でございます。
 そのため、多くの中学、高校生が大会のボランティアとして活躍できるよう、教育庁と連携いたしまして、都内の中学、高校生が学校行事や部活動として大会のボランティアに参加できるよう検討してまいります。

○石川委員 おもてなし親善大使は、おもてなしの心を持って都内観光スポットで外国人旅行者を案内するとなっており、都内観光地、歴史、文化等の知識と英会話力、外国人へのおもてなし方法の知識などが必要となり、そのための研修を受け、さらに実践をするということがボランティアである中高生の人間的成長を見込める、そして、中高生自身の未来に対する夢を育むための大変意義の深い試みだと思われるわけであります。
 ボランティア活動をすることによってポイントを進呈し、そのポイント数で大会後表彰する制度などは、ポイント制度にはさまざまな意見があるわけでありますけれども、特に中高生の参加を促す上で有効と考えるわけであります。
 ボランティア文化の国内での定着に当たって、二〇二〇東京大会はその先鞭をつける絶好の機会にあるわけでございます。ぜひそうした観点から、適切で持続的な対応が必要であることを指摘しておきたいと思います。
 さまざまな工夫をして、中高生の参加意欲を高めてもらうとともに、ラグビーワールドカップ二〇一九においても、中高生がボランティアとして参加できるよう検討を進めてもらいたいと思います。
 次に、サラリーマンなど働く方々の参加促進について伺います。
 いうまでもなく、サラリーマンなど、仕事を持って働く人々は、ボランティア参加の意欲はあっても、時間の制約で事実上参加困難な人が多く、また二〇二〇大会期間中もその状況は変わらないと思うわけであります。
 こうした人々が土日の休みを活用して、大会のボランティアとして参加しやすくするなどの仕組みを検討すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
   〔吉原副委員長退席、委員長着席〕

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 多様な方々にボランティアに参加いただくためには、働く世代のボランティア参加を促進していくことが重要でございまして、大会に向けまして、ボランティア休暇の普及促進について国や関係機関と連携し、検討してまいります。
 また、都市ボランティアにつきましては、働く世代が比較的参加しやすい日数、時間といたしまして、戦略案では一日五時間、五日以上を想定いたしておりまして、これは連続させる必要はございませんので、土日などの休日、夏休み等を活用し参加していただきたいと考えております。

○石川委員 サラリーマンの方などの中には、語学能力の高い方も多くおいでになるわけであります。また、広く日常的な活動として、ボランティア活動を普及させ、根づかせる、これは少子高齢化が進んでいく我が国の喫緊の課題の一つともいえるわけであります。将来への社会意識の改変を促す方途として、さまざまな工夫をしていただきたいと思います。
 次に、ボランティアの暑さ対策について伺います。
 二〇二〇年東京大会の期間は、七月二十四日から九月六日であり、夏の暑い盛りに行われるわけであります。
 ボランティアの年齢基準は、平成三十二年、二〇二〇年四月一日時点で満十八歳以上となっており、当然、六十歳以上の方もボランティアに参加をされるわけでありますけれども、東京大会を支えるボランティア自身の暑さ対策が当然必要になると思うわけであります。
 猛暑からボランティアを守る対策が不可欠というふうに思うわけですけれども、見解をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会時には、屋外におけるボランティアの配置が必要となることから、暑さ対策を適切に実施することが必要でございます。
 適切な休憩時間や休憩場所の確保、水分補給に関するボランティアへの注意喚起など、ボランティア活動の安全な運営に向けまして、今後組織委員会と連携し、具体的に検討してまいります。

○石川委員 観客が会場付近でぐあいが悪くなった場合にも、その近くにいる案内役の都市ボランティアが最初の対応を行うのが効果的であるというふうに考えますけれども、見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 戦略案では、防災、防犯、救命救急等に関する知識を都市ボランティアに生かすことのできる経験や資質として挙げてございます。
 また、ボランティア一人一人がそれぞれの役割を果たす上で必要な知識やスキル、これを習得する役割別の研修等におきまして、救命講習等の実施を関係機関と連携し、検討してまいります。

○石川委員 東京大会で懸念されることとして、いつ起こるか知れぬ大地震などの自然災害があるわけでございます。
 多言語対応の一つとして、大きな地震が起きたときの対応の仕方を外国人に周知させるための方策も必要でございます。地図やガイドブックなどが配布資料として挙げられておりますけれども、そこに地震対応としての避難マニュアルを付記することなども一つの方法だと思われます。
 また、そのほかにも簡単なフライヤーやネットでの告知などを検討していただきたいと思います。
 また、既に周知されております「東京防災」の英語版、中国語版、ハングル版などをもととした外国人向けの簡易マニュアルを作成することもぜひ進めていただきたいと思います。
 次に、大会期間中のボランティアの運営について伺います。
 先日、報告をされましたリオ大会の視察報告書によりますと、都市オペレーションセンターにシティーホストの各クラスターマネジャーを配置し、交通状況、観客動向などをモニターで確認し、適宜現場に指示を出し、スタッフの配置場所、人数を柔軟に調整したとありますが、合理的なシステムだというふうに思われるわけであります。
 東京大会においても、観客の動向などに応じて都市ボランティアの配置等を柔軟に調整すべきと考えますが、見解を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会では、都市オペレーションセンターにおける情報収集に加えまして、組織委員会と連携し、チケット販売状況も踏まえ、シティーホストを配置するなど、開催期間中に運用の改善が図られておりました。
 こうしたリオ大会の取り組みも踏まえまして、観客数に応じ適切なボランティアの配置を柔軟に行うための効果的な方法につきまして、今後、組織委員会など関係機関とも十分に連携を図りながら検討を進めてまいります。

○石川委員 情報を集中させる中央管理部門があり、情報の幹となる部分があり、枝葉となる部分があり、そこでの情報流通が過不足なく常時行われることは、巨大イベントにおいてその命を支え続けることにつながるわけであります。そこで情報流通が麻痺し、ストップすることは、巨大イベントにとって致命傷になるわけであります。今後のボランティアの研修会においても、この構図を明確にしていくこと、そこに大会の成功がかかっていることを確認しておきたいと思います。
 日本という国が外国から好感を持たれる大きな要因は、その安全性にあるといわれております。安全であることは、今後さらに観光立国としての顔を持とうとしている我が国においても、極めて重要なわけであります。
 治安の安全な国であり、しかも外国人に対しておもてなしの国であり、病気になっても、何らかの非常事態が発生しても、的確なケアが整備されている国であり、都市であることをぜひアピールできるようにしたいと思います。
 最後に、レガシーについて伺います。
 大会を契機に盛り上がったボランティア活動の機運をさらに高めていくには、過去の大会の取り組みが参考になるわけであります。今回の二〇二〇東京大会のボランティア活動をレガシー化するに当たって、イギリスには約五十万のボランティア団体が存在するといわれております。
 ロンドン大会では、大会後もボランティア活動が盛んに続いていると聞いておりますけれども、ロンドンにおけるレガシー化の取り組みについてお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ロンドン大会では、大会後、ロンドン市がさまざまな地域イベントでのボランティア活動をあっせんするボランティアプログラム、チーム・ロンドンを実施いたしまして、現在も引き続き運営されております。
 大会期間中に活躍したロンドン・アンバサダーは、大会後も観光客が多い夏季とクリスマスシーズンに期間限定で復活いたしまして、主要観光拠点におきまして観光客に対する案内を行っております。
 また、ボランティアの機運をさらに拡大し、地域の草の根スポーツに生かすことを目的といたしまして、中央政府や民間企業などからの資金提供のもと、慈善団体ジョイン・インが設立され、ボランティア活動を推進する各種キャンペーンの実施やボランティア機会を検索できるサービスを提供しております。

○石川委員 二〇二〇東京大会後にボランティア文化の定着を図る上で、平成二十八年二月に共助社会づくりを進めるための東京都指針を策定し、平成二十八年度、東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞を創設いたしました。これは、生活文化局の事業ということになるわけであります。
 また、先ほど質問させていただきましたおもてなし親善大使制度は、産業労働局の制度ということで、福祉関係のボランティア団体も多数存在をしているわけであります。
 こういった他制度や事業をボランティアという分野で横串を刺し、相互に連携していく機会としていただきたいと思います。
 大会に参加したボランティアが大会後も引き続き活動できるよう取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 二〇二〇年大会に参加したボランティアが大会後も継続して活動できるよう、ボランティア休暇制度の活用促進など、ボランティアに参加しやすい環境づくりの推進、ボランティア募集等の情報提供のあり方、活動希望者と活動機会のマッチングを図るための仕組みづくりにつきまして、関係局と連携し、検討してまいります。
 こうした取り組みにより、大会を一過性のもので終わらせずに、大会後もボランティアへの参加機運を維持、継続させるとともに、さまざまなボランティア活動への参加につなげてまいります。

○石川委員 今、我が国では地域のコミュニティ力が弱まっているといわれております。しかし、一方では、防災力や防犯力などは、地域と連携することで、いわゆる地域力を高めることで、その効果が高まることが明らかになっております。
 防災、防犯にとどまらず、子供たちを育てる教育力も、お互いに助け合う地域福祉に当たる相互扶助力も、今ほど求められている時代はありません。この地域力の原点がボランティア力であります。
 オリンピック・パラリンピックを通じてボランティア力の醸成が達成され、レガシーとして地域力の向上に結びつくよう、大いに盛り上げていかなければならないことを申し上げて、質問を終わります。

○おときた委員 私からもボランティア戦略案についてのご質問をさせていただきます。
 本ボランティア戦略案では、ボランティア九万人以上という非常に高い目標を掲げております。ボランティアの輪を広げていくためには、戦略立案段階から都民の意見を取り入れ、戦略を作成していくことが極めて重要です。
 そうした観点から、今回、こちらの立案に当たりまして、パブリックコメントを実施したことについては高く評価をしたいところでありますが、えてして都の行うパブリックコメントというものは、応募の件数が伸び悩んで、盛り上がりに欠ける印象がございます。
 そこで今回、二〇二〇年大会に向けたボランティア戦略案に対しまして、集まったパブリックコメントの件数は何件だったかを教えてください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 都と組織委員会は、本年十一月十八日から十二月二日までの意見募集を実施いたしました。この間、合計七十人の方から約百九十件の意見を寄せられたところでございます。

○おときた委員 七十人の方からということなんですが、九万人以上のボランティアを見込む戦略立案において、やはり三桁に届かない人数しか意見を寄せてくださっていない状況については、少々残念であるように感じます。
 そこで、このパブリックコメントの周知方法について確認をしたいのですが、例えばオリンピック・パラリンピック準備局のツイッターアカウントを見ると、せっかくこちら二万八千人のフォロワーを有しているのに、何と一度もパブリックコメントの募集について触れられた形跡がございません。この二万八千人というフォロワーの数は、情報発信をしている企業や個人であれば、喉から手が出るほど欲しい広報力を持つ数値であります。
 これがどれぐらいのものかと一例を申し上げますと、ちょうど今、私が持っているツイッターのアカウントのフォロワーが二万八千人です。私が都議会議員になった当初、フォロワーの人数が千二百人だったんですね。千二百人を三年以上かけて何とか二万八千人まで到達しまして、そこまでにツイッターに投稿した回数は一万千回を超えています。ここまでこつこつこつこつやって、ようやく二万八千人という数値を獲得したわけなんですが、オリンピック・パラリンピック準備局は、もう既にその数字を持っているんですね。
 この数字を持つとどれぐらいの方にアピールできるかと申しますと、大体私のツイッターアカウントで一カ月に一番多いときは、ツイッターは一回見られることをインプレッションという数値ではかるんですが、一人の方が一回見れば一インプレッション、二回目は二インプレッション、私のアカウントで一カ月で最高一千万インプレッションに達成したことがございます。
 二万八千人という数字をうまく使えば、これだけ多くの方にアピールできるにもかかわらず、これをやっていないというのは、まさに宝の持ち腐れといっていい、非常にじくじたる思いで私は見詰めているわけでございますが、そういったことを踏まえまして、今回、パブリックコメントの募集については、どのような方法で周知をして行ったのかということを伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 先月十八日、都と組織委員会は、意見募集について同時にプレス発表を行いますとともに、合同で記者会見を実施しております。
 あわせて、ボランティアの魅力を伝えるウエブサイト、東京ボランティアナビを初め、都の公式ホームページ等に意見募集の実施について掲載いたしますとともに、組織委員会におきましても、ホームページに同様の掲載を行ってございます。

○おときた委員 記者会見という、いわゆるリアルの世界の募集というのと、ホームページに掲載を行っていたということなんですが、ホームページというのは、いわばお客様がアクセスしてくれるのを待っているプル型、引っ張っていく方式の戦略で、こちらから情報発信を届けていくというプッシュ型、届けていく特性を持つSNSと呼ばれるものとは明確に役割が異なります。
 今回のパブリックコメントに関しては、やはり待っているだけではなくて、積極的に届けていく姿勢というのが必要だったのではないかと、私はそのように思っておりますので、今回の募集件数の結果も踏まえまして、今後の情報発信の体制につきましては、改善を強く要望していきたいと思います。
 それでは、この集まったパブリックコメントにつきましては、今後具体的にどのように計画案に取り入れられていくのか、その後の展望をお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、いただいた意見を踏まえまして、十二月下旬を目途に、東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略を策定いたしまして、公表していきたいと考えております。

○おときた委員 このパブリックコメントに寄せられた方々の意見がどのように生かされたのか、またどのような意見が寄せられたのか、そういったものが目に見える形で立案過程が進んでいくことを期待したいと思います。
 また、今回、ボランティアを幅広く募集するために、ことしに入って専用のボランティアサイトが立ち上げられました。このページの現在の月間のアクセス数、ページビューなどの状況がどの程度になっているのか、現状についてお伺いをいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ボランティアの魅力を発信するウエブサイト、東京ボランティアナビを本年三月に開設いたしましたが、本サイトの一カ月当たりの平均アクセス数は約一万五千件超となってございます。

○おときた委員 約一万五千件、これ、トップページのページビュー、アクセス数だと思いますので、実態はもう少し多いんじゃないかとは思うんですが、そうしますと一日当たりのアクセス数は五百前後ですね。
 五百前後という数字は、個人のサイトであれば大体上位の三%に入るといわれていまして、まずまずの集客といえると思うのですが、やはり九万人のボランティアを集めるということが目的で、官公庁がオフィシャルに運営している公式サイトとしては、やや物足りない数字であるように思います。こういったサイトの認知度やアクセス数を向上させて、ボランティア機運そのものを高めていくためには、共感という輪を広げていくことが欠かせません。
 そこで、現代社会で共感を広げていくのに有効なのは、やはり今、SNSなどの各種のネットツールでございます。このボランティアサイトを拝見いたしますと、つくり方が非常にシンプルで、こういったSNSが残念ながら活用されている形跡がございません。
 よりこうしたネットツールを活用して広報戦略を行っていくべきと考えますが、今後の広報展開の展望についてお伺いしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ウエブサイトにつきましては、本年度、リオ大会におけるボランティアの紹介、それから過去大会におけますボランティア経験者の体験談を追加していくなど、コンテンツの拡充を図っているところでございます。
 また、今回取りまとめました戦略案におきましては、募集に向けまして、SNSなどさまざまなツールを活用した幅広い情報発信を実施していくことといたしております。
 また、ボランティアの魅力、ボランティアに参加する魅力を高めるために、例えばSNSを活用してボランティア同士が交流し、ネットワークを広げる楽しさを感じられる取り組みなど、組織委員会と連携し検討していくということにいたしております。

○おときた委員 コンテンツ案の充実というのは非常によいことなんですが、先ほども述べさせていただきましたように、ホームページはお客様が来るのを待っているプル型の特性を持つツールのために、コンテンツを充実させても、必ずしも来訪者がふえるということには直結をしません。
 そういったものが今のネット社会でどういうふうに広がっていくかというと、やはりSNSのいわゆる拡散といわれる機能、ボタンがついていまして、そこをクリックすると、この記事を読んだ感想など、ネガティブな反応ももちろん、先ほど紹介されましたけれども、このボランティア体験談を読んでおもしろかったよ、みんな読んでみてとか、私自身もボランティアやってみて、こんないいことがありましたと、そういったことをSNSで投稿するようなことを促す機能を持たせることによって、こういった共感の輪が広がっていくというのが一般的にいわれているところでございますので、昨今、議会質問などでもSNS活用については指摘する声が多くなってまいりましたが、ツイッターやフェイスブックのアカウントを開設すればSNSを活用していることにはならなくて、その特性を理解して、ホームページにある、今おっしゃっていただいたようなコンテンツと有機的に連動させることが極めて重要となっております。
 民間サイトなど、こういったことに関しては先例がたくさんございますので、ボランティア九万人目標の達成のために、本当の意味でこういったSNS活用をしっかりと充実させていただきたいという旨を要望いたしまして、私の質問を終わります。

○高島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○高島委員長 次に、本委員会に付託されております調査事件についてお諮りいたします。
 本件は、今定例会中、調査を終了することができませんので、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十七分散会

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