委員長 | 高島なおき君 |
副委員長 | 吉倉 正美君 |
副委員長 | 秋田 一郎君 |
副委員長 | 吉原 修君 |
理事 | 遠藤 守君 |
理事 | 小山くにひこ君 |
理事 | 山崎 一輝君 |
理事 | 相川 博君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
菅野 弘一君 | |
おときた駿君 | |
川松真一朗君 | |
山内れい子君 | |
まつば多美子君 | |
石川 良一君 | |
とくとめ道信君 | |
谷村 孝彦君 | |
鈴木 隆道君 | |
今村 るか君 | |
畔上三和子君 | |
林田 武君 | |
立石 晴康君 | |
川井しげお君 |
欠席委員 なし
出席説明員オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 塩見 清仁君 |
次長理事兼務 | 岡崎 義隆君 | |
技監 | 上野 雄一君 | |
技監 | 三浦 隆君 | |
技監 | 小野 恭一君 | |
理事 | 小山 哲司君 | |
総務部長 | 鈴木 勝君 | |
調整担当部長 | 雲田 孝司君 | |
総合調整部長 | 児玉英一郎君 | |
連絡調整担当部長 | 岡安 雅人君 | |
連携推進担当部長 | 丸山 雅代君 | |
自治体調整担当部長 | 井上 卓君 | |
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 | 戸谷 泰之君 | |
運営担当部長 | 田中 彰君 | |
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 | 萱場 明子君 | |
大会施設部長 | 根本 浩志君 | |
競技・渉外担当部長 | 小野 由紀君 | |
開設準備担当部長 | 鈴木 一幸君 | |
施設担当部長 | 花井 徹夫君 | |
施設整備担当部長 | 小野 幹雄君 | |
輸送担当部長選手村担当部長兼務 | 朝山 勉君 | |
スポーツ施設担当部長 | 田中 慎一君 | |
スポーツ計画担当部長 | 川瀬 航司君 | |
ラグビーワールドカップ準備担当部長 国際大会準備担当部長兼務 | 土屋 太郎君 |
本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項(質疑)
・東京二〇二〇パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況(その三)について
・東京二〇二〇参画プログラムについて
・リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックについて
○高島委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会を開会いたします。
これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項に対する質疑を行います。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
小室スポーツ推進部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
次に、報告事項、東京二〇二〇パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況(その三)について外二件に対する質疑を一括して行います。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局総合調整部長 去る十月十一日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明いたします。
お手元に配布してございますオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会要求資料をごらんください。
表紙を一枚おめくりください。資料1、リオ大会における出張経費の内訳についてをごらんください。
一ページにはオリンピック期間の、二ページにはパラリンピック期間における当局の出張について、各項目ごとに経費を記載しております。
なお、下線の引いてある金額は、請求額が一部未確定のため、確定していない額でございます。
続きまして、資料2、リオ大会における各事業経費についてをごらんください。
東京二〇二〇ジャパンハウス、フラッグハンドオーバーセレモニー、東京二〇二〇ライブサイトイン二〇一六、リオから東京への各事業につきまして、平成二十八年度の都予算額及び支出金額を記載しております。
東京二〇二〇ジャパンハウス及びフラッグハンドオーバーセレモニーにつきましては、現在支出金額を精査しているところでございます。
なお、予算計上の考え方や精査中であることの理由等につきましては、備考欄に記載してございます。
また、東京二〇二〇ライブサイトイン二〇一六、リオから東京へにつきましては、予定支出金額を記載しております。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○高島委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより質疑を行います。
発言を願います。
○川松委員 過日の委員会で、二〇一三年九月に二〇二〇年大会をかち取った思いを持ち、皆で頑張ろうという趣旨の話を吉原副委員長から伺ったわけでありますが、さらにいえば、二〇一六年大会招致で敗れた悔しさ、あるいはそのときに一致団結して力を合わせてくださった福岡の皆さんの思いも胸に努力していく、それが本筋であると私は考えております。
きょうの質問を考えるに当たりまして、二〇一六年招致のときは、都庁舎の大会議場で涙をのんだことを思い出しました。そんな込み上げてくる思いもある中で、きょうの質疑に入らせていただきます。
一六年大会が終了し、東京パラリンピック競技大会まで四年足らずとなりました。いよいよ本格的に開催の準備を進めていく段階に入ってきております。
パラリンピックの会場計画の再検討もいよいよ終盤です。これまで確定していない会場は、自転車競技ロードレースと五人制サッカーの会場のみとなっておりましたが、先日のこの委員会におきまして、このうち五人制サッカーの会場が青海に変更されたという報告がございました。
会場の変更には、さまざまな事情があったからこそ変更されたというふうに思うわけでありますけれども、まずはその変更の経緯について確認をさせてください。
○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 パラリンピックの会場選定に当たりましては、オリンピックの会場を使用することを原則とするとともに、アスリートファーストの視点はもとより、パラリンピック競技の特性、会場へのアクセシビリティーなどを重視し、会場計画再検討を行ってまいりました。
五人制サッカーにつきましては、周辺環境に影響を受けやすい競技特性を持つことから、立候補ファイル時の会場である大井ホッケー競技場について、大会本番と同時期の状況を国際競技連盟、IFとともに確認したところ、IFより、会場周囲の音など周辺環境が競技に影響を与える可能性が高く、大井ホッケー競技場は避けるべきとの指摘を受けました。
そのため、オリンピックで使用する会場を中心に代替地を検討した結果、周辺環境が競技に影響を与える可能性が低く、選手村からのアクセスにすぐれ、お台場に近く集客も期待できる青海といたしました。
なお、この会場につきましては、オリンピックのスケートボード、スポーツクライミングの会場予定地であり、十二月のIOC理事会で、これらの競技の会場として正式に承認されることが前提となっております。
○川松委員 ありがとうございます。
今回の青海への会場変更となりましたことで、実は大井より会場設営という点で手間もお金もかかることになります。
今、この特別委員会や局の皆さん方は、各方面から、二〇二〇年大会について経済面などを考慮して仕事をしていないかのように一部に思われておりますので、あえて触れておきますが、この五人制サッカーは、ブラインドサッカーと呼ばれる視覚障害者による競技でありまして、今答弁にありましたように、音が重要です。あのシャカシャカと鳴るボールを使用しながらですから、当然のことであります。
そのために、大井は羽田空港に近いこともありますから、空の音が課題になり、関係者一同が航空行政に働きかけて、大会中の航路の相談をしてきたり、また周辺の道路整備にしても、音が出にくい舗装にすることで地上の音の影響も軽減できないかと模索してきた中で、IFの意向を踏まえてアスリートファーストをより重視した結果の変更と思います。
ただ一方で、パラリンピック競技開催を期待していた地元住民の気持ちも酌まなければなりません。ぜひそういった地元住民の気持ちにも配慮して、盛り上げの取り組みなどを検討していただきたいと思います。
次に、東京二〇二〇参画プログラムについて伺います。
四年後の二〇二〇年大会では、世界中のアスリートや観客をお迎えするに当たりまして、着実にこの準備を進めていくのはもちろんのこと、都内全体で盛り上げる雰囲気をつくることが大切です。
これは、さきの決算特別委員会でも皆さんに訴えさせていただきましたけれども、二〇二〇年大会の成功に向けては何が必要かといえば、オール東京、オール日本、しっかりと一つになって機運を高めていくことが重要なのだと常に私は思っているわけです。
このたび組織委員会が公表した参画プログラム、多くの人々の大会への参加を通して大会機運の盛り上がりにつながるものと期待しております。
そこでまず、この参画プログラムを活用するメリットについてお伺いをいたします。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 大会に向けた機運を盛り上げていくためには、オリンピック・パラリンピックと関連したイベントや事業が、誰もが気軽に参加できるように都内全体で数多く実施されるということが重要であります。
これまでも、都内のさまざまな団体から、大会関連のイベントを実施したいとの希望が寄せられておりましたが、大会エンブレムやオリンピック・パラリンピックに関連した表現を使うことは認められておらず、大会とのつながりを持つことが難しい状況でありました。
そのため、オリンピック・パラリンピックムーブメントへの参加促進と、レガシー創出に向けたアクションの促進を目的といたしまして、組織委員会が参画プログラムの制度を立ち上げたところでございます。
この制度の活用によりまして、認証されたイベントや事業については、オリンピック・パラリンピックという文言ですとか、参画プログラムのマークを使用することができ、多くの人々の二〇二〇年大会への参加意識を高めていくことが可能となります。
都といたしましても、この参画プログラムを積極的に活用して、一層の大会機運の盛り上げを図ってまいります。
○川松委員 ぜひ都民の皆様にさまざまな場面で幅広く使用していただいて、大会に向けた機運を大いに盛り上げていただきたいと思います。
私の地元である墨田区も、ボクシング競技会場となる両国国技館もあることから、区内のそれぞれの自治会、町会、あるいは商店街など、大会に向けて自分たちから盛り上げていきたいという方が大勢いらっしゃいます。
こうした方々からは、招致のときと同じように地元を盛り上げていきたいんだけれども、どういうふうにして大会とかかわっていったらいいのかという問い合わせをいただいています。ぜひ皆さん方には、そういうことも考えながら、参画プログラムをもっともっと周知徹底していただきたいなと思います。
この参画プログラムでは、今私もいいましたけれども、こういった地域からの、地域を支える団体の事業については認証していただけるのかということについてお伺いさせていただきます。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 東京二〇二〇参画プログラムのうち応援プログラムにつきましては、これまで大会エンブレムが使用できなかった全国の自治体ですとか、非営利団体等が実施するイベントや事業を幅広く対象としております。地域の自治会、町会や商店街などの団体が実施するイベントや事業も、来年度から応援プログラムの対象となる予定でございます。
一方、認証を受ける条件といたしまして、非営利目的の活動に限定されるほか、非営利目的であっても、大会スポンサーの権利を保護する観点から、スポンサー以外の企業の宣伝等につながるような活動は認められない予定だと聞いております。
このような条件はございますが、地域を支える団体が実施するイベントや事業に、この応援プログラムが幅広く活用できるよう、都としても組織委員会と調整を図ってまいります。
○川松委員 考え方の基本はわかりました。ありがとうございました。
ぜひそれぞれの地域の団体の事業に有効に活用してほしいんですが、応援のエンブレムも含めて、スポンサーへの配慮について、しゃくし定規に、あれもだめ、これもだめとなってしまっては、さっきいったようにみんなで盛り上げていこうという機運がなかなか醸成されないと思います。
ですから、東京都からも組織委員会に働きかけていただいて、なるべく弾力的な運用を行って、地域の団体が柔軟に活用でき、そして、都民あるいは日本全国の国民の皆様、誰もが気軽に参加できる制度としていただきたいなと思います。要望しておきます。
そこで、この制度を活用し、東京都はどのようにして大会に向けた機運を高めていこうとしているのか、今の考えを聞かせてください。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 参画プログラムの意義や手続につきまして、庁内はもとより、区市町村、関連団体などに幅広く周知を図ってまいります。既に十月に開始しております公認プログラムにつきましては、東京都や区市町村が実施するイベント、事業の認証が始まっておりまして、今後とも、都として積極的に申請していくとともに、区市町村に対しても、数多くのイベント等を申請するように働きかけてまいります。
特に、昨年度から東京都が財政支援を行っている区市町村の機運醸成事業や、スポーツイベント等に公認プログラムの利用を促し、より一層、大会とのつながりを持たせることで、身近な地域で都民が大会とのかかわりを実感できるようにいたします。
一方、自治会、町会、商店街など、地域の団体が実施するイベントなどにつきましては、来年度から応援プログラムの対象となるために、今後、こうした団体と密接に関係する区市町村との調整を進めまして、区市町村から地域団体に働きかけ、相談に乗れるような仕組みづくりといったものを検討してまいります。
なるべく多くの地域団体が幅広い事業を申請できるよう、組織委員会と調整し、地域から二〇二〇年大会に向けた盛り上げを図ってまいります。
○川松委員 本当に多くの人が、何かやりたい、参加したいと思っているからこそ、局の皆さん方が積極的にこれらの情報を発信し、もう四年という期間です、この期間の中で、ぜひ大会の盛り上げに向けて、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと思います。
さて、この夏開催されましたリオデジャネイロ大会は、東京大会までに開催される最後の夏のオリンピックでありました。
我が党からは、オリンピックに五名、パラリンピックに四名の議員が地球の反対側、リオデジャネイロの地まで赴いたわけでありますが、私自身もその一員として、オリンピック閉会式に赴き、日本選手の活躍に声援を送るとともに、大会の運営状況をつぶさに見てまいりました。
東京都としても、この貴重な機会を捉え、大会運営をじかに視察し、そして学ぶとともに、次回開催都市東京をPRする重要な機会であったと思います。
先月のこの委員会における説明では、大会運営を学ぶオブザーバープログラムや、ジャパンハウスの運営、事前キャンプPR等を行うため、多くの職員が遠くリオの地まで派遣されたと聞きました。
今回の出張には、オリンピック・パラリンピック準備局では、およそ三億円の費用がかかったということであります。これは非常に大きな金額だと思います。改めて具体的にどのような費用がかかったのかをお聞かせください。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局総合調整部長 オリンピック・パラリンピック準備局からは、リオ大会中に延べ百三十六人が出張いたしました。出張に係る経費は、オリンピックが約二億一千万円、パラリンピックが約一億一千万円でございます。このうち航空賃、宿泊料、車両関係費が全体の約七割を占めております。
航空賃につきましては、遠隔地へのフライトだったため高額となりました。宿泊料や車両関係費につきましては、スポーツ関係者のみならず、国際的な要人等がリオに短期間に集中して滞在したため需要が高まり、結果として価格が高騰したものでございます。
なお、宿泊施設や車両の手配に当たりましては、治安や交通渋滞等の現地状況を勘案し、価格面だけではなく、職員の安全性や業務の効率性についても十分考慮したところでございます。
○川松委員 ありがとうございます。
そして、本日、この委員会に提出されました出張費用の内訳を見てみますと、明らかにオリンピック大会時とパラリンピック大会時では宿泊料に差があります。
私自身も、八月に入ってから、ここにいらっしゃる相川先生と一緒に二人でリオに行くことになりましたので、そこから探したらホテル代が高くて、二人で狭い部屋に泊まったというのも、いかにどれぐらい高かったかということを皆さんにお伝えしておきます。
これはもう本当に大変だった。皆さん方が大変だったというのはよく理解できるわけですが、出張費用については、オリンピック・パラリンピック競技大会期間中という特殊状況下ならではの高騰があったとはいえ、高額な費用がかかっています。今回の出張の成果については、しっかりと二〇二〇年大会の成功につなげていただくよう、強く要望しておきます。
さて、本日の資料要求にありましたが、リオには、今お話ありましたように、多数のオリ・パラ局の職員が公務として出張されました。
ところで、現在、東京都のホームページで公表された資料によりますと、小池都知事の出張については、オリンピック閉会式に出張者五名、概算経費が八百二十一万八千円、パラリンピック閉会式に出張者五名、概算経費で五百三十万四千円となっております。
私もオリンピックの閉会式に行きました。そのときに、知事の行く先々には、これ、知事含めて五名とありますけれども、四名以外の方、もっと多くの人が知事の行く先々に都の職員がいたというふうに私は覚えているわけですね。
もちろん、知事の現地での行程を円滑に進めるために、事業局であるオリ・パラ局の職員が受け入れ体制をつくることは当然でありますが、ここで改めて具体的に、どのようにその受け入れにオリ・パラ局の職員が従事されたのか伺います。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局総合調整部長 今回の知事のリオ出張は、ハンドオーバーセレモニー、ジャパンハウスでのレセプション、次回開催都市としての記者会見、IOC、IPC等の要人面会といったオリンピック・パラリンピックに関する業務を行うものでありました。
当局職員は、大会期間中、ハンドオーバーセレモニーの調整、ジャパンハウスの運営、次回開催都市のPR、大会関連施設の視察等の業務に従事いたしました。
そのため、現地に出張中の職員が知事出張の行程において、それぞれの担当業務として、現地関係者との調整や、現地情報の知事への提供を行ったものでございます。
○川松委員 ありがとうございます。ということなんですよね。さらにいうと、知事にほぼ全行程随行されたオリ・パラ局の職員がいらっしゃるとも聞いています。でも、この職員の費用については、知事出張の内訳にカウントされておりません。これはなぜなんでしょうか。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局総合調整部長 知事に随行した当局職員は、オリンピック・パラリンピック業務に精通しており、大会中、刻々と変化する状況に適切に対応し、大会に伴うさまざまな業務に関する情報を知事に伝達するとともに、知事の指示を各業務に従事する職員に伝える役割を果たしておりました。
このため、当該職員につきましては、当局業務に従事したものと整理し、ホームページに公表された知事出張の人員には含めておりません。
○川松委員 つまり、オリンピック・パラリンピック準備局職員による随行というのは、知事出張に挙げられている随行者とは性質が異なるのだというふうに今整理されているということです。ですが、実態としては、これ、切り分けが難しい。ホームページで公表されているデータ以外にも経費が発生していたんじゃないかという見方もできるんではないでしょうか。
この件については、この特別委員会でどうこう議論するつもりはありませんが、実際に八月五日の知事会見では、知事はこうおっしゃっています。今回は出張人数も私を含めまして五名ということに絞らせていただいております、もちろん、オリンピック・パラリンピックの準備でリオのケースを調べるというのは別働で、もう既に向かっているところでございますけれども、私と同時に移動するのは五名に絞らせていただいておりますというふうになっているわけですね。
これを受けて、またさまざまな報道が出たわけですけれども、今回のいただいた資料を読み解いて、その感想を述べますと、情報公開をする際には、こういった事情にはもう少し詳しく言及しておかれた方がよかったんじゃないかなと思います。
いずれにしても、今、私たちが課せられている課題というのは、貴重な都民の皆様の税金の使い道です。今、課題になっているほかの施設についても、これは予算のつけかえだ何だといわれています。ですから、こういう点については、局の皆様方も政策企画局の皆さんとよく情報共有していただくよう、強くこちらも要望しておきます。
さて、ここからは個別の事業について伺います。
まず、オブザーバープログラムについてですが、オリンピック・パラリンピック準備局では、オブザーバープログラムに、オリンピック開催時に三十五名、パラリンピック開催時に二十九名の職員を派遣したという報告がありました。
そこで、大会期間中、現地でどのような活動を行ったのかを伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会期間中、現地に派遣された職員は、IOC、IPC等が実施するオブザーバープログラムに参加いたしまして、リオ組織委員会等の大会関係者へのヒアリングや大会関連施設の視察を実施いたしました。
加えて、開催都市であるリオ市の関係機関等を訪問するなど、輸送、ボランティア、セキュリティー、持続可能性、飲食の提供などの多岐にわたる分野について調査を行ってまいりました。
オブザーバープログラムでは、大会関係者や観客の輸送、物品等の調達や配送、セキュリティーチェックなど百十九のプログラムに参加いたしまして、招致決定以降のリオ組織委員会の準備や大会運営に係る具体的なノウハウを、座学による意見交換、質疑応答を通じて習得いたしました。また、車両基地、選手村などの大会を支える施設や、競技会場等におけるバリアフリーの状況などを視察いたしました。
リオ市につきましては、道路や公共交通機関の運行情報等の集約を行う都市オペレーションセンターや、まち中での観光、交通案内、競技会場周辺における歩行者の安全確保の取り組み等を調査してまいりました。
○川松委員 現地ではさまざまな機会を捉えて幅広く活動されてきたということがよくわかりました。こうした取り組みを通じて、大会運営に関して具体的にどのように知見を得ることができたのか。また、大会準備をこれから東京としては本格化していきますけれども、そこに当たって、今回得た知見をどのように活用していくのか、考えを教えてください。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 オブザーバープログラムへの参加やリオ市の関係機関への視察などを通じ、大会準備を進める上で有益な知見を得ることができました。
主なものといたしまして、例えば輸送につきましては、リオ市が開会式当日を休日にするなどの交通需要マネジメントを実施し、大会時の渋滞緩和を効果的に図っておりました。
ボランティアにつきましては、リオ市と組織委員会が連携してチケット販売の最新情報を共有し、スタッフの配置を柔軟に調整しておりました。
また、飲食の提供につきましては、リオ州やブラジル国内産食材を優先的に調達するとともに、選手村においてブラジル料理コーナーを設けるなど、国産食材の優先的使用や魅力を発信していたことなどが挙げられます。
こうした有用な知見につきましては、視察報告として取りまとめたところでございますが、今後開催されますIOC、IPC、リオ組織委員会による大会公式報告会の機会や、引き続きリオ市から情報を収集することなどを通じまして、リオ大会の成果や課題を明らかにし、内容を精査、充実することにより、二〇二〇年に向けた大会準備に十分活用してまいります。
○川松委員 ありがとうございます。選手村の食事提供のオペレーションについては、いろいろな課題があったというのを私も選手村でお聞きしました。ここは、二〇二〇年大会に向けては、東京の食材あるいは日本の食材をアスリートの方々に楽しんでもらうよう環境整備を頑張りたいなと思った次第です。
そして、今話にありました輸送についてなんですが、私自身はオリンピックの閉会式の翌日に帰国する予定だったんですけれども、フライトがキャンセルになって、まちをずっと見て後片づけの様子なども見てから帰ることができました。閉会式の翌日も、大会関係者の専用レーンが有効的に機能していたように見詰めておったわけですね。
そこで、この輸送関連で具体的な話をお聞きしたいんですが、僕の現地での感想というのは、とにかく多くの大会関係車両をずっと一日中見ていたということです。
まず、リオ大会における大会関係車両の使用台数というのはどれくらいだったのかを教えてください。
○朝山オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長選手村担当部長兼務 参加したオブザーバープログラムでの説明によりますと、リオ・オリンピックにおける大会関係車両につきましては、主にアスリートやメディアを輸送するためのバスが約九百台、IOC関係者などを運ぶための乗用車が約四千三百台でございました。
○川松委員 すごい数です。よく考えなくてはいけないのは、二〇二〇年のこの東京大会というのは、選手村が晴海、いわゆるMPC、IBCが有明です。神宮外苑や臨海部、あるいは武蔵野の森等、リオ大会のようにオリンピックパーク一つにわあっと集中しているわけではないわけですね。そうすると、相当数の車両の行き来が、この期間中、東京中を走るんだろうと思います。
また、こういった選手村や、メディアの集うところというのは、具体的にいえば銀座に近い。二〇二〇年大会のときには、今の東京の都市機能、ビジネスであったり、観光だったり、物流だったり、これが動く中で大会関係車両の車がそこに入ってくる。
本来、これは当初の計画であれば、今週、豊洲の市場がオープンして、環状二号線の工事も進めていくことになったわけですが、さっきの繰り返しになりますけれども、私がリオの地で見た大会車両数あるいはBRTの輸送力、これは局の皆さんも感じたことだと思います。
さらに、これから詳しいリオの交通事情、大会時がどうだったかというのは、実情も報告されると思いますけれども、もし仮に、余り考えたくはないですが、環状二号が間に合わなかった場合に、この大会時、東京の諸活動に混乱が生じないような交通シミュレーションも、交通行政担当者の皆さんとともに綿密に緊張感を持って考えておかなければいけないんだろうと思っています。これはとてつもなく大きな責任を私たちは負っているんだということを、自身への戒めも含めて今述べさせていただきました。
次に、この交通に関連しますけれども、バリアフリー対策について聞きたいと思います。
私、リオ大会のメーンプレスセンターの食堂で、ちょっとちょっとと呼ばれて、君たち東京の人たちだろうと呼ばれて、呼んだ人たちはイギリスのスチールのカメラマンの人たち、集団でした。
そこで、彼らは何と僕らにいったかというと、彼らの持っているバッグって、こんなに重いんだよ、重いスチールカメラの入ったキャリーバッグを持っていろんな会場に今回行ったんだけれども、道路に段差が多い、非常に不便だと、四年後の東京は、こんなことないようにしてほしいよと要望をいただきました。
そこでまず、リオにおける道路や鉄道など会場へのアクセス経路のバリアフリー化の状況についてお伺いいたします。
○朝山オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長選手村担当部長兼務 現地で職員が確認した範囲では、オリンピックパーク周辺に仮設の大規模スロープを設置するとともに、オリンピックスタジアムの最寄り駅におきましてエレベーターを新設するなど、一定の対策が実施されておりました。
一方で、会場周辺におきましては、横断歩道に切り下げがなく、大きな段差が生じているケースや、点字ブロックが設置されていない箇所が多くあるなど、課題も見受けられたところでございます。
○川松委員 ですから、彼らの思いというのはまさにそういうところなんですね。東京は当然、これまでもバリアフリー対策について重点的に取り組んできたところでありまして、既に高いレベルでバリアフリー化が図られていると思いますが、さらに高いレベルを目指していく必要があると思います。
そこで、東京のこの二〇二〇年大会に向けた、道路や鉄道など会場へのアクセス経路のバリアフリー化の今後の取り組みについてお聞かせください。
○朝山オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長選手村担当部長兼務 大会時に障害のある方などが円滑かつ安全に会場へ移動できるよう、道路や鉄道施設のバリアフリー化を推進することは、特にパラリンピック大会の大きなレガシーにもなることから、重要な取り組みであると考えてございます。
このため、会場周辺の道路の勾配や段差、駅構内のエレベーター等に関する調査を行い、バリアフリー化状況の把握を進めてまいりました。
今後、調査結果を踏まえまして、障害者などアクセシビリティーに配慮が必要な方の動線となるアクセシブルルートの選定や必要な施設改良等につきまして、道路管理者や鉄道事業者等と連携しまして、検討、調整を進めてまいります。
○川松委員 今の答弁にありましたとおり、競技会場内はもとより、会場外のアクセス経路について、早急にアクセシブルルートを選定し、道路管理者や鉄道事業者などへ、バリアフリー対策の推進を強く働きかけていただきたいと思います。
さて、次に、リオ大会におけますIBC、国際放送センター、あるいはMPC、メーンプレスセンターの運用について聞きたいと思います。
現在の放送技術というのは日進月歩でありまして、日本でも4K放送の開始だとか、8K放送の技術が実用化しております。
具体的にリオ大会におきまして、どのような放送技術が採用されていたのか、また、東京大会においては、どのような放送技術が活用される予定なのか教えてください。
○岡安オリンピック・パラリンピック準備局連絡調整担当部長 リオ大会におきましては、IBC、国際放送センターで2K放送が制作され、全世界に配信されました。また、8K映像も制作され、日本で試験放送が行われたところであります。この放送は、NHKの放送局やパブリックビューイング会場等で視聴されておりました。
東京大会における放送技術は、OBS、オリンピック放送機構や、各国の放送事業者が技術の進歩に合わせて今後決定する予定でありますが、視聴者に最高の放送が届けられるよう、都と組織委員会は引き続き連携してまいります。
○川松委員 私自身は、以前からこのMPC、IBCについてはかなり力を入れて、注目、研究してきたわけであります。
特に東京ビッグサイトを全て使うんだ、その必要があるんだと聞いたころから、これはOBSが全世界に配信するという役割の大きさについて、当初は想像もできませんでしたけれども、だんだんと理解できるようになってきたわけです。
今回の有明、四年後はIBC拠点になるわけですけれども、各競技会場においてもOBSが求めるものがあるはずです。そこを踏まえながら各会場の準備をしていくべきだと、いろんな場面でいい続けてきました。
そういったことは皆さん方も百も承知でしょうが、これ、四年後の東京大会の放送技術というのは、かなり進歩した状態で迎えると思います。今後決定していくんだということでありましたけれども、技術の進歩に比例して、その設備整備に要する費用も必要になってくるんではないかなと認識しておりますので、注意していただきたいと思います。
さて、次に、ジャパンハウスについてお伺いします。
このジャパンハウスですが、現地の方々やメディア関係者など、八万人以上の方々がリオでは来場され、大変なにぎわいだったという報告がありました。
私自身も、何度か大会中には、このリオのジャパンハウスを訪れたわけですが、次回開催都市である東京のPRはもちろんのこと、展示やステージ、あるいは書道や着物といった日本の文化を体験するさまざまな仕掛けもあったわけであります。
世界中から大勢の人がリオへ訪れ、リオ大会の開催期間中は、東京大会の成功に向けて東京や日本の多彩な魅力を世界へ向けてPRできた絶好の機会であったと私は考えております。
そこで、このジャパンハウスにおいて、東京都はどのような取り組みを行って、どのような成果があったと考えているのか教えてください。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 リオ大会期間中に現地に設置した東京二〇二〇ジャパンハウスは、次回開催都市東京及び日本のPR機能、メディアへの発信機能、オリンピック・パラリンピック関係者等のホスピタリティー機能を担う施設として、組織委員会等と共同で設置いたしました。
その中で、都は、東京が世界に誇る観光地や食、都市インフラなど、その魅力を効果的にPRする各種展示等を行いました。さらに、東京の魅力発信だけでなく、全国四十六道府県のPRパネルと伝統工芸品の展示、伝統芸能の紹介ステージ、日本文化の体験などを行い、オールジャパンでの魅力発信にも取り組みました。加えて、事前キャンプの誘致活動の場としても活用し、現地に集まった各国関係者との個別面会などを行ったところでございます。
二十九日間の大会期間中には、八万二千人を超える多くの市民、大会観戦客、オリンピック・パラリンピック関係者などが来場し、大変盛況であり、東京及び日本のPR拠点としての役割を十分に果たしたと認識しております。
メディアについては、国内だけでなく、ブラジル最大の放送局、グローボで連日報道されたほか、世界的な放送網を持つフォックススポーツ、AP通信、BBCなど延べ約二百回、海外メディアの取材があり、次回開催都市東京の多彩な魅力を全世界に向けて発信することができたと考えております。
○川松委員 ありがとうございます。そして、このジャパンハウスと同時に東京を大きくPRしましたリオ大会におけますオリンピック・パラリンピック両閉会式で行われましたフラッグハンドオーバーセレモニーについて伺います。
このセレモニーは、全世界が注目する中で次回開催都市東京をアピールするまたとない機会でありました。私自身も、オリンピックの閉会式をマラカナンスタジアムで実際に視察したわけですが、現地の方々の盛り上がりを目の当たりにし、日本人として非常に誇らしい気持ちになりました。
日本を代表するアニメ、総理にも一役買っていただいてサプライズ演出、若者たちの躍動するパフォーマンスなど、次回開催都市東京をPRしたプレゼンテーションは大変すばらしく、感動を覚えたわけであります。
このプレゼンテーションによって、次回開催都市東京の魅力を全世界に伝えることができたのではないかとみんな思っていると思いますけれども、改めてフラッグハンドオーバーセレモニーによる開催都市PRの意義と成果について都の見解を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 フラッグハンドオーバーセレモニーを含めたオリンピック・パラリンピックの閉会式は、テレビ中継を通じて世界中で数十億人が視聴するといわれており、国内の大会開催機運の醸成に加え、海外に向けた開催都市東京及び二〇二〇年大会をアピールする絶好の機会でございました。
このため、日本を代表するクリエーターや演出家、歴史文化に精通した外部専門家の意見を取り入れながら、魅力あるプレゼンテーションができるよう、都と組織委員会の共同で企画、制作を進めました。
具体的には、オリンピックでは、現代の東京の風景や、東京が世界に誇るアニメ等のクールジャパンコンテンツ、テクノロジー等を取り入れ、ラブスポーツをテーマに、二〇二〇年大会のビジョンを印象づける内容といたしました。
パラリンピックでは、ポジティブスイッチをテーマに、東京の新しいチャレンジの象徴となる障害を乗り越えて輝く若者たちにスポットを当て、二〇二〇年大会の目指すところを紹介いたしました。
また、双方の冒頭では、東日本大震災への復興支援等への感謝の意を子供たちの人文字で表現いたしました。
これらの映像は、国内外の数多くのメディアで取り上げられ、効果的なPRを実施できたと考えております。
ある日本語版のインターネット動画サイトでは、現在まで八百万回以上再生視聴され、内容についても好意的な受けとめがされております。
さらに、映像については、十月から開始したフラッグツアーイベントの会場や、都庁舎のオリジナルフラッグ展示コーナーで放映するなど、引き続き有効に活用しております。
今後とも、さまざまな場で多くの方々に見ていただくなど、大会開催機運の醸成に継続的に活用してまいります。
○川松委員 ありがとうございます。今ありましたオリンピック閉会式でのセレモニーですが、本当に世界中の人々に大きな印象を与えることになったと思います。
後日談として、演出を担当されました佐々木宏さんの話によりますと、最後まで決まらなかったのは、マリオを誰が演じるかということだったそうです。佐々木さんはもういわずと知れたCMクリエーターとしては超一流の方でありますけれども、かねてより日本のCMをつくりたいと思っていたといいます。
そのときに、組織委員会の森会長が安倍総理はどうかと提案されて、本当にそういうことができるのかなと本番当日まで半信半疑だったという佐々木さんの話が強く印象に残っているわけですね。
また、パラリンピック、こちらはポジティブスイッチを押そうというテーマでしたけれども、ピチカート・ファイヴの名曲である「東京は夜の七時」が余りにも美しくて、これまた多くの人に感動をお届けすることになりました。
私は、この二つのセレモニーをとっても、もう東京大会のレガシーが既に築かれ始めているんだと思います。
オリンピックでのこの日本のCM、IOCの許可もいただいて、いろいろと多くの人に改めて目に触れる機会があります。そして「東京は夜の七時」を歌っていた野宮真貴さん、九〇年代の渋谷の文化をつくってこられた元祖渋谷系の女王と呼ばれていた方です。
こういった新たな文化が、例えば渋谷なら渋谷を中心に醸成していく、それをきっかけに、大会は四年後の二〇年ですけれども、既に東京が元気になっていくんだ、盛り上がっていくんだという躍動感を覚えています。ぜひこういった熱を二〇二〇年につなげていっていただきたいなと思います。
先ほど答弁のありましたフラッグを活用した機運醸成ツアーについてでありますけれども、リオ大会で東京が引き継いだオリンピック・パラリンピックフラッグを都民、国民の皆様に広く見ていただいて、そして、次は東京なんだという期待感を高めていただくようしっかり取り組んでいくことが必要だというのは共通の認識だと思います。
そこで、リオから東京に引き継がれたオリンピック・パラリンピックフラッグを活用した開催機運の醸成について状況をお伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 リオ市から引き継いだオリンピック・パラリンピック両フラッグは大会の象徴であり、開催機運盛り上げの重要なツールでございます。
このため、八月にオリンピックフラッグが東京に到着した際には、羽田空港において、フラッグの到着歓迎式典を行うとともに、九月のパラリンピックフラッグの到着日には、都民広場において両フラッグの掲揚式典及びフラッグツアーのキックオフイベントを実施し、多くの都民の皆様にご参加いただきました。
十月からは、小笠原村を皮切りに、都内全ての区市町村をフラッグが巡回する東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックフラッグツアーを開始し、十一月二日には知事が福島県を訪問し、全国のツアーも開始いたしました。
こうした取り組みを通じて、都内での盛り上げを加速させていくとともに、被災地である宮城県、岩手県、熊本県を初め、全国を巡回することにより、オールジャパンでの機運の盛り上げにつなげてまいります。
さらに、十一月一日からは、都庁舎において過去大会の開催都市が代々引き継いできたオリジナルフラッグの展示を開始いたしました。
こうしたフラッグを活用したさまざまな取り組みを通じて、二〇二〇年に向けた大会開催機運の醸成を引き続き推進してまいります。
○川松委員 ありがとうございます。本当に各地の皆さんが今か今かとフラッグが来るのを待たれているという話をよく伺っております。
さて、次に、事前キャンプに関する取り組みについて伺います。
大会時の事前キャンプは、主に時差調整や気候順応のために行われまして、選手にとっては本番に向けた重要なトレーニングとなります。
また、事前キャンプを受け入れる自治体にとっては、選手団との交流や地域おこしが期待されることですから、日本全国の多くの自治体が誘致を望んでいる、誘致していきたいというふうに思っているようでございます。
全国の方々に大会を身近に感じていただいて、二〇二〇年、このときに向けてオールジャパンでの盛り上がりをつくっていくためには、日本の各地で事前キャンプが行われることは非常に重要ではないかと考えています。
今回の出張におきまして、どのような成果があって、その成果を都内のみならず、全国自治体の事前キャンプ誘致実現に向けて、どうやって生かしていくのか聞かせてください。
○井上オリンピック・パラリンピック準備局自治体調整担当部長 事前キャンプ誘致実現のためには、各国のオリンピック委員会や、パラリンピック委員会等のキーパーソンと関係構築を図り、候補施設に関する情報の積極的なPRやニーズの把握をするなど、きめ細やかに対応していくことが重要でございます。
このため、リオ大会に赴きまして、二十二カ国のオリンピック委員会の方々と、また十七カ国のパラリンピック委員会の方々と個別面会するとともに、関係者が集まるレセプションや各国のNOC、NPCハウスでの活動などを通じまして、幅広くPRと情報収集を行ってまいりました。
具体的に得た情報といたしましては、ブラジル国内での事前キャンプを希望していたけれども、情報が不足しているために実施できなかった事例ですとか、組織基盤が脆弱な国におきましては、受け入れ自治体の財政面の支援に加えて、選手の移動や通訳等運営面の協力に関心が高いことなどがございました。
これらリオ出張で収集した情報につきましては、早速、都内区市町村や全国知事会を通じまして、道府県にも提供し、各自治体の受け入れ体制整備の参考としていただいております。
今後、リオ出張の成果を生かしまして、各国へのPRや視察受け入れの調整など、事前キャンプ誘致の実現に向けまして、都内区市町村のみならず、全国の自治体を支援してまいります。
○川松委員 本当にここは力を入れていただきたいと思います。例えば福岡市は、既にスウェーデンに続いて、ノルウェーの受け入れも決めています。
ただ、今もブラジル国外という話もありましたけれども、日本の国外からも、このキャンプ誘致という運動の機運も上がってくるかもしれませんから、とにかく情報発信については、皆さん方、各自治体へ早急に力強くしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、次は、今度は日本国内で実施されましたライブサイトについて伺います。
リオ大会の開催に合わせて、東京都が都内と被災三県で開催しましたライブサイトでは、多くの方々が会場を訪れて、大会観戦や競技体験、ステージイベントなどを楽しみ、盛り上がりを見せていたというふうに伺っています。
東京大会開催時におきましても、会場内で競技を観戦するだけではなくて、ライブサイトや地域でのパブリックビューイング等を通じて、国内外から訪れる人々が都内各所でさまざまな形で大会を楽しめる環境をつくっていくことが、大会を盛り上げていくためには必要不可欠と考えます。
また、今回に関しては、セキュリティー対策、暑さ対策等の本番に向けたトライアルの意味合いもあったという報告もありました。
そこで、この夏のリオ大会におけるライブサイトの成果と今後の課題について、東京都の見解を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 リオ大会期間中に、都内二カ所と東日本大震災の被災三県で実施したライブサイトでは、競技の観戦だけでなく、地域の学校や団体等によるステージイベントやパラリンピック競技の体験等を実施し、約三十五万人が来場し、大会の迫力と感動を共有することができました。
運営については、台風による中止等はあったものの、全会場で熱中症や事故の発生等もなく、手荷物検査やボランティア活用などのトライアルを含めて、円滑に期間中の事業を終了いたしております。
また、会場で実施したアンケートでは、東京大会でもライブサイトで競技観戦を行いたいという回答と東京大会への期待が高まったとの回答が、いずれも約九割という結果であり、二〇二〇年大会の開催機運醸成に大きく寄与したと考えております。
今回の実施を通じて得られた今後の課題としては、会場におけるボランティア活用や暑さ対策のさらなる充実、多言語対応、環境配慮型の運営や広報活動の充実が挙げられます。
さらに、地域と連動したステージコンテンツの充実、復興やオールジャパンの視点を取り入れた催し等の具体化、大会装飾と連動した祝祭感の演出等の取り組みも重要でございます。
二〇二〇年大会本番に向けて、国内外の観客の印象に残る、多くの方々に楽しんでいただけるライブサイトの実施に向けて、引き続き精力的に取り組みを進めてまいります。
○川松委員 特に、このライブサイトは、これまで一般的に多くの人たちがイメージしているパブリックビューイングの要素をさらにパワーアップさせたものです。
競技の中継に加えて、音楽アーティストだったり、芸人さんだったり、アスリートの方々たちが集まっての大きなお祭りです。
東京大会でも、こういうものを企画していきたいというお話ですけれども、その成功に向けて、今後、ライブサイトというのはどういうものなのか、こういうことだという認知度を向上させていく必要があるのではないかなと考えております。
まとめに入りますが、これまで、それぞれのさまざまな事業について成果をご説明いただきました。二〇二〇年大会の成功に当たって、真に重要なことは、今伺いました一つ一つの成果をいかに活用していくかであると考えております。
そこで、この夏のリオ大会を終えて、その成果を今後どのように生かしていくのか、局長の決意を聞かせてください。
○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長
お話にありましたように、リオ大会は、二〇二〇年大会前の夏季大会を経験できる最後の機会でございました。
この機会に、現地に職員を派遣し、大会運営の知見を深めるとともに、国際社会に対して東京の魅力を積極的にPRできたことは大変有意義なものでございました。また、国内におきましても、二〇二〇年に向けた開催機運を高めるさまざまな取り組みを行ったところでございます。
今後は、この成果をしっかりと生かすべく、二〇二〇年大会の実際の運営を念頭に置いて、多角的にリオ大会の成果や課題を検証し、リオ大会の取り組みのよい点などは参考にしながらも、東京ならではの制約、例えば建築に係る規制や、東京ならではの利点、治安のよさなども踏まえまして、環境面やコスト面についてもしっかりと検証しながら準備を進めてまいります。
今回、リオ大会を通じて得られました成果をより十分に検証した上、これを存分に活用し、大会の成功に向け、都議会の皆様のご支援のもと、局一丸となって取り組んでまいります。
○川松委員 局長、ありがとうございました。このリオ大会も終わりまして、二〇二〇年大会に向けて既に準備は本格化していることと思います。開催までの道のりは決して平たんなものではありませんが、たとえどんなことがあろうと、私たちには大会を成功させるという使命があります。
くどいようですけれども、東京が一つになることがとても大切です。それぞれの取り組みの成果を東京大会の成功に向けて最大限に活用すること、最後にこれを念押しさせていただきまして、私の質問を終わりとします。
○吉倉委員 それでは、私の方から、資料第1号の東京二〇二〇パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況(その三)について、また、資料第5号のリオデジャネイロ二〇一六オリンピック・パラリンピック競技大会視察報告、この二点について重複を避けて、簡潔に質問させていただきます。
最初に、東京二〇二〇パラリンピック競技大会の会場計画の再検討の状況について伺います。
当委員会の報告によりますと、五人制サッカーの競技会場が江東区青海へ変更されたとのことであります。
ブラインドサッカーは、特に、音に敏感な視覚障害者の競技であり、羽田空港や首都高に近いこれまでの大井ホッケー競技場では、競技環境として望ましくないと判断されたことは正しい選択だと思っております。
しかし、一つ懸念されることがあります。それは、パラリンピック競技会場は、オリンピック競技を実施する会場を使用することが原則となっていることであります。すなわち、ブラインドサッカーの会場は、スケートボード、スポーツクライミングの会場が決定することが前提との条件がついておりますが、江東区青海の会場で行われる予定のオリンピックのスケートボード、スポーツクライミングについて、十二月のIOC理事会での会場承認の見込みはどうなのか、見解を伺います。
○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 オリンピックのスケートボード、スポーツクライミングにつきましては、八月のIOC総会において、コーツ委員長から会場予定地は青海が最適との検討結果が説明されております。
オリンピックの競技会場はIOC憲章により、手続としてIOC理事会で承認されなければならないとされておりまして、スケートボード、スポーツクライミングの会場についても、最終的にはIOC理事会に諮った上で決定されることになります。
○吉倉委員 また、ご承知のとおり、江東区青海に予定されている会場は、現在、駐車場のままであります。これから新たな整備を進められると思いますが、スケートボード、スポーツクライミングの後利用としてのブラインドサッカーを行う場合、特に配慮をいただきたいのは、競技会場とその周辺のバリアフリー化であります。
観客席は、ロンドン大会では約三千席で、ロンドン大会同様、仮設で計画されていると聞いておりますが、観客の中には、目の不自由な方や、あるいは弱視の方も多くいらっしゃいます。
日本ブラインドサッカー協会松崎事務局長は、特に次の点を要望しております。それは、観客席に向かう階段には手すりが必要であり、弱視の人が階段を踏み外すことがないように注意喚起のために、段差ごとにカラーテーピングが必要です、また、車椅子利用者のための緩やかなスロープや多目的トイレも必要不可欠だということであります。
ぜひこうした細やかな配慮を検討すべきと思いますが、見解を伺います。
○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 会場の詳細が検討されるに当たりましては、Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインが適用され、障害を持つ選手だけでなく、観客に対しても配慮がなされることとなっております。
副委員長ご指摘のように、視覚障害のある観客への細やかな配慮を初め、誰にでも使いやすい施設となるよう、また、競技特性に応じた配慮なども含め、NFやIF等との協議に都も連携して準備に取り組んでまいります。
○吉倉委員 ありがとうございます。答弁をいただきましたが、アスリートファーストの観点からも、ぜひバリアフリーの整備をお願いしたいというふうに思っております。
次に、リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック競技大会について質問いたします。
報告書のリオ大会における状況の中で、オリンピックパークの整備の考え方について触れられております。ロンドン、リオ双方の大会を訪れた人は、リオデジャネイロ、ロンドンともにオリンピックパークがあり、複数の競技を移動なく見学することができた、また、パーク内にスポンサーパビリオンやライブサイトがあり、競技以外でも観客を楽しませていたと述べております。
ちなみに、リオのバッハ地区に整備されたリオデジャネイロ・オリンピックパークは、広さ約百十八万平方メートル、東京ドーム二十五個分であり、ロンドンのストラトフォードに整備されたロンドン・オリンピックパークは、広さ約二百五十万平方メートル、東京ドーム三十五個分と聞いております。
リオデジャネイロでは、オリンピックパークの整備を大会後のレガシーとして、施設が残るだけでなく、インフラ整備や自然環境の回復も実現させるものとして位置づけていたようであります。
二〇二〇年東京大会では、オリンピックパークの計画はありません。
そこで、都は、オリンピックパークがない中で、競技会場への観客の円滑な移動、あるいは観客を楽しませる、こういった観点から、どのような工夫をして大会準備を進めていくのか、見解を伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会では、競技会場周辺の道路交通状況等をモニタリングしながら、観客誘導要員を配置するとともに、バス発着場に仮設スロープを設置するなど、競技会場への観客の円滑な移動に配慮した取り組みを行っておりました。
また、ライブサイト会場では、大型ビジョンによる競技中継だけではなく、競技体験や出展ブースなどが大規模に展開されまして、エリア全体のにぎわいが創出されておりました。公共交通が高度に発達した東京におきましては、IoT技術などを活用いたしまして、観客の移動の利便性をさらに向上させてまいります。
ボランティアにつきましては、競技会場までの観客への案内が適切に行われるよう、組織委員会と連携した取り組みを進めてまいります。また、現在、大会運営時のバリアフリー化の指針であるTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインを策定しておりまして、今後、ガイドラインに基づき、移動経路における段差解消等をきめ細かく行ってまいります。
さらに、ライブサイトやシティー装飾などによりまして、東京を訪れる多くの人がまち中においても大会の雰囲気を楽しめるような取り組みを進めてまいります。
これらの取り組みを通じまして、円滑な大会運営はもとより、大会後のレガシーも見据えながら、東京を訪れる観客等が快適に大会を楽しむことができる環境を整備してまいります。
○吉倉委員 ありがとうございます。答弁いただきましたが、本当に東京を訪れる観光客が快適に大会を楽しむことができるように、整備、環境をお願いしたいというふうに思っております。
また、オリ・パラ準備局は、十月十一日の当委員会において、リオ大会の東京二〇二〇ジャパンハウスについては、次のように述べております。
大会期間中、八万人を超える市民や観戦者、オリンピック・パラリンピック関係者が来場するとともに、国内外の多くの取材を受け、日本のPR拠点としての機能を果たしましたと、このように説明がありました。
しかし、実際にジャパンハウスを設置したシダージ・ダス・アルテスを訪れた人に確認したところ、ここは市街地からもかなり遠く離れており、環境はよいが立地は悪い、確かに雰囲気があり、建築的にもすぐれた建物ではあるが、近寄りがたい格式を感じるところで、ついでに立ち寄る場所ではないと指摘しておりました。
ちなみに、スイスハウスは大会期間中、来場者五十万人を超えたとの報道もあり、デンマークハウス、ドイツハウス、ブラジルハウスはロケーションもよく、飲食、アクティビティーもあり、にぎわいがあったと聞いております。
こうしたPR拠点は、一般客を対象にするか、あるいは招待客を対象にするかによって設定は変わると思いますけれども、一般客も対象とした今回のジャパンハウスは、実際どのような状況だったのか伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 東京二〇二〇ジャパンハウスを設置したシダージ・ダス・アルテスは、コンサートホールやギャラリーなどを備えたリオ市の複合文化施設であり、通常は文化鑑賞等の目的で訪れる方々が利用する施設でございます。
ジャパンハウスは、メダリストの記者会見場や大会関係者へのホスピタリティー機能を備える必要があるため、オリンピックパークや選手村、BRTのターミナル駅に近く、広いスペースを有するなどの点で、当該施設が会場として適していると判断いたしました。
PR展示につきましては、大会関係者だけでなく、一般の方々にも楽しんでいただけるよう、また、東京を知り、体験する機会となるよう、迫力ある映像展示や体験型のブース、ステージコンテンツ等を充実いたしました。
このことが現地で話題となり、ブラジル最大の放送局、グローボでも連日報道されたことで、ファミリー層などが多数来場し、十二時から二十時までの終日、大変にぎわっておりました。
特に、東京の魅力的な場所を観光体験できるコンテンツや書道、着つけ体験などは、一時間以上の行列ができる人気でございました。
結果として、訪れた八万二千人を超える方々に楽しんでいただきながら、効果的に東京及び日本のPRを行うことができたことに加え、一般客の来場によるにぎわいが生まれたことで、大会関係者やメディアの方々にも、二〇二〇年大会に向けた期待感を実感していただける施設になったと考えております。
○吉倉委員 ありがとうございます。よく状況がわかりました。また、今回リオは、大統領の弾劾問題など不安定な政治情勢の中、屋外の公共スペースで人々が集まる催し自体が忌避されたことに加え、経済的にも厳しい状況から、当初組織委員会で計画されていた文化プログラムについては、ほとんど実施できなかったと聞いております。
そこで、現地のセキュリティーを初め観客を受け入れる体制は、実際どのような状況だったのか伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会におけるセキュリティーにつきましては、警察や軍を中心とした約八万五千人の警備体制が構築され、大会を訪れる人々の安全・安心を確保しておりました。
一方で、組織委員会が予定しておりました警備要員を確保できず、入場検査要員として退職警察官を直前に配備するといった課題もございました。
ボランティアにつきましては、統一感のあるユニフォームを着用し、競技会場内外で明るく親しみやすい雰囲気で観客を案内するなどしておりましたが、大会開始当初は、組織委員会とリオ市の連携の不足により、ボランティア等の適切な配置が行えない状況も生じておりました。
標識、サインは緑に白字で統一され、ランドマークとして大会の雰囲気をつくり出す役割も果たしておりましたが、文字が小さく、色彩的にもコントラストが弱く、読みにくいといった課題もございました。また、駅などに設置されました標識には、ポルトガル語のみの表記も見られたところでございます。
リオ大会の視察を通じて明らかになったこれらの課題につきましては、しっかりと分析、検証を行った上で、東京大会の円滑な運営の実現に向けまして、組織委員会を初めとする関係機関と連携し、大会開催準備を着実に進めてまいります。
○吉倉委員 答弁いただきましたが、リオ大会の視察を通して、大会運営上の課題も明らかになりましたが、これを教訓とし、二〇二〇年東京大会に向けた万全の大会準備を進めていただきたいことを要望し、質問を終わります。
○とくとめ委員 リオ五輪大会には、いただいた要求資料によりますと、オリンピック・パラリンピック準備局から総勢延べ百三十六人が出張したということになっています。そして視察を行った結果が報告をされています。
リオ大会時にIOC、IPC、リオ組織委員会が実施する大会運営を学ぶオブザーバープログラム、ジャパンハウスの運営や事前キャンプPRなど、リオ大会の実際を現地においてじかに学べる貴重な機会になったとされています。
それだけに、リオ大会の本番中の実際を視察した貴重な内容を、四年後に、東京大会にしっかりと生かして、その準備がアスリートファーストを貫くとともにコスト縮減を図るなど、都民の理解と納得が得られるように、ぜひ生かしていただきたいと考えております。
そこで、幾つか質問をしたいと思います。
まずは、財政問題やコスト削減にかかわって伺います。
東京では、五輪の総費用が膨張するといわれながら、その具体的な根拠や金額の見込みはまだ公表されていません。そのもとで、東京都の負担は今明らかになっているだけでも、三千五百億円と立候補ファイルで示された二倍を超える状況になり、都民の中には不安の声も広がっています。
リオ大会の総費用にかかわって、笹川スポーツ財団の国際情報による報道では、リオ市によると、五輪の競技部門の予算総額のうち、八〇%は民間資金で賄われたと紹介をされています。
リオ五輪大会の立候補ファイルでは、総費用はどうなっているのか。また、開催都市や政府、組織委員会、それから民間などの財政負担についてはどのようになっているのか。ことし一月にリオ大会のAPO、オリンピック公共機関といわれておりますけれども、そこで発表された総費用額が公表されましたけれども、その金額と負担割合についてわかっている範囲で答弁をお願いしたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 リオデジャネイロ大会におけます立候補ファイルでは、二〇〇八年時点の数値といたしまして、大会組織委員会予算は約五十六億レアル、非大会組織委員会予算は約二百三十二億レアルとなっております。
財源につきましては、大会組織委員会予算は主に民間資本により構成されておりますが、非大会組織委員会予算の公的資金と民間資本の構成は明らかになっておりません。
また、委員お尋ねの本年一月のAPO、オリンピック公共機関の公表資料などによれば、大会関連予算の総費用は三百九十億レアルでございまして、このうち、組織委員会予算が七十四億レアル、組織委員会以外が行う競技会場関連施設などの整備と交通機関や都市再開発などの都市のレガシーとなる費用を合わせまして三百十六億七千万レアルとなっております。総費用の財源構成は、公的資金が約四三%、民間資本が約五七%でございます。
なお、これらは大会半年前のものでありまして、実際の大会費用につきましては、今後公表される報告書によることとなります。
○高島委員長 それ、日本円でいえなかったのか。レアルじゃわからないよ、リアル過ぎて。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 日本円で換算でございますが、円とレアルの為替レートがかなり変動幅が大きゅうございまして、ちなみに、過去十年の為替レートで見ますと、直近では三十円ですが、六十円という期間もございまして、仮にそれで換算をいたしますと総費用額、先ほど三百九十億レアルと申し上げましたが、それで換算しますと約一兆一千七百億円から約二兆三千四百億円となります。
○高島委員長 とくとめ委員、それでよろしいですか。
○とくとめ委員 はい。今も再度ご報告がありましたけれども、総費用の負担割合は、公的資金が約四三%、民間資金が約五七%というふうになっているという報告でした。
これが、組織委員会と非組織委員会に分けてお答えいただきましたけれども、役割の分担としては、組織委員会が民間資金を主にして大会運営を担い、非組織委員会が市や州政府、あるいは国、民間で主に競技施設関係、あるいは選手村、あるいは地下鉄や高速道路などの整備に当たっているというふうに聞いておりますけれども、こういう役割分担でよろしいのか、もしわかれば答えていただきたいし、わからなければ後でも教えていただきたいと思いますが、いかがですか。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 リオ大会におきます組織委員会と非大会組織委員会の役割分担でございますが、組織委員会におきましては、主として大会運営を担っていると聞いております。
また、組織委員会以外の非組織委員会が行っております連邦政府、州政府、リオ市におきましては、主としてインフラ経費、インフラの事業を担っているということと、それから競技会場の関連整備を行っているということが先ほどの経費の中に含まれているところでございます。
なお、ここには警察等が行っております公的部門におけます運営に係る経費は含まれていないということでございます。
○とくとめ委員 途中経過の報告とはいえ、リオ五輪大会にかかわった総経費の財源が公的資金の割合に対して、民間資本が約五七%を占めているという報告でした。
今後、東京大会にとって経費が大きく膨らむ傾向にあるもとで、ぜひしっかりと検証して生かしてほしいと思います。
次に、二つ目の質問ですが、財政の透明化と管理も重要な課題だと思います。リオ大会では、五輪大会にかかわる費用全般についての財政運営の管理はどのようにやられていたのか、今後、東京に生かしていく上でどのように生かしていけるのかをご答弁いただきたいと思います。
○雲田オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長 リオ大会では、連邦政府、州政府、リオ市の調整役といたしまして、APO、オリンピック公共機関が設置され、半年ごとに施設の準備状況などを公表していたところでございます。
なお、APOなどによります具体的な財政運営の管理につきましては、詳細が明らかではないため、今後公表される報告書等をもとに検証してまいります。
○とくとめ委員 APO、オリンピック公共機関が設置をされて、半年ごとに施設の準備状況を公表しているということでした。今後、リオ大会の報告書等をもとに検証していくということです。
東京五輪大会の総経費の実態と、財政管理の役割分担が不明確なまま、二兆円とか三兆円など大きく膨らむことが大変懸念されているときに、東京五輪の総費用の実態掌握と、その公表、そして財政運営の管理のあり方を早急に確立することが重要だと思います。
既に十一月一日の都政改革本部のオリンピック・パラリンピック調査チームの提言、レガシーの実現に向けてにおいても、ロンドン大会の予算管理の経験が紹介されています。
そこでは、政府が予算の執行状況、進捗管理を行い、大会三年前から四半期に一度ずつ簡易的な報告書も公表され、さらに、政府から独立した第三者として監査局が予算の進捗を監視していたということが紹介をされています。生かすべき重要な経験だと思います。
リオ大会のオリンピック公共機関のAPOのペドローゾ会長は、日本の新聞の取材に対して、各組織がばらばらにならないよう調整機関をつくってほしいとIOCに要望されているとAPO発足の経緯を語り、リオ大会は透明性を重視している、それぞれの役割、責任をはっきりさせ、国民に伝えることが大事と取材に答えていることが報道されていますけれども、大変重要な指摘だと思います。
実際に、ことしの一月二十九日のリオ大会のオリンピック公共機関のAPOのホームページに、実際に、ここにありますけれども、その時点の総費用の実態と、各種事業の責任や財政負担の責任と分担などがリオ市、州政府、国、民間ごとに詳細に報告をされ、はっきりと公表されています。ぜひ参考にすべき取り組みだと思います。
次に、東京五輪大会に向けて、今見直しの焦点になっているボート、カヌー施設に関連して伺いたいと思います。
リオの五輪大会においては、湖にラゴアスタジアムという形で、ボート、カヌー競技が開催をされました。この競技の場では、カメラレーンなどのコース沿いの通路はどのようになっているのか、お聞きしたいと思います。
○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 リオ大会のボート、カヌースプリント競技会場でございますラゴアスタジアムは、広い湖の中に競技コースが設置されておりました。
この会場におきましては、フィニッシュ付近の約二百メーターの区間におきまして、競技コースに沿った通路がございまして、カメラレーンとして使用されておりました。
○とくとめ委員 リオ大会のボート、カヌー会場のラゴアスタジアムにおいては、カメラレーンと伴走のための通路、いわゆるロードは、二千メートルのコース全体ではなくて、ごく一部、今お話があったように、二百メートルで開催できるというコースになっておりました。
東京大会でも、今、会場見直しで挙げられている候補地などを見ますと、長沼ボートや、あるいは彩湖の整備費の計算では百四十億円、あるいは建設費高騰や消費税なども加えると二百二十億円と試算がされております。
しかし、カメラレーンをコース全体に設置することが前提ですけれども、これが必ずしも必要でないということになりますと、節約にとって、見直しにとって、大変大事な参考になるのではないかというふうに思います。
東京大会のボート、カヌーの会場については、こうした事実に基づいて試算をやり直して、公平公正で透明な方法で再検討していただきたいと要請をしておきます。
次に、セキュリティーについて伺います。
リオ五輪のセキュリティー対策では、組織委員会が予定をしていた自主警備要員の確保ができずに、連邦政府が大会直前に入場検査要員として退職警察官を配備したと報告されております。
リオ大会の立候補ファイルでは、もともと自主警備要員は何人を確保することになっていたんでしょうか。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会の立候補ファイルでは、自主警備要員に相当する民間警備員を二万人と見込んでおりました。
○とくとめ委員 二万人と見込んでいたということでした。報告書によりますと、結果的には三千五百人だったということでよろしいんですね。
そこで、東京大会では、セキュリティー対策の重要性が格段に増大すると舛添前知事が都議会で答弁をしておりました。
リオ大会では、当初の警備要員の計画はどういう目標だったのか、そして、最終結果としてはどういう規模になったのかについてお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会の立候補ファイルでは、大会警備に必要な人員は約六万人と見込まれておりまして、また、このほか具体的な人員は明記されておりませんが、必要に応じて国防軍などの展開が可能とされておりました。
最終的には、約八万五千人の警備体制がしかれたところでございます。
○とくとめ委員 最終的には六万人プラスアルファの計画だったものが八万五千人になったということがわかりました。
東京でも立候補ファイルの中の役割分担を基本にして、民間警備要員の確保など、リオ大会の経験も踏まえて、検証、検討されることを要望しておきたいと思います。
次に、リオ五輪大会の期間中の輸送、交通などの五輪大会を支える都市運営について、どうなっているのかについてお伺いします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会では、リオ市が道路交通等の情報を一元的に集約する既存の都市オペレーションセンターを活用いたしまして、輸送を中心に円滑な大会運営を支援するとともに、競技会場の周辺等では、リオ組織委員会等と連携いたしまして、歩行者の安全確保や清掃等の都市機能を維持するための取り組みを行っておりました。
○とくとめ委員 巨大都市東京であり、国内、国外からの大量の観戦者や観光客が集中することが予想される中でのスムーズなアスリートと観戦者の移動、大会運営は、綿密な都市運営なくして保証はできないというふうに思います。
同時に、大都市東京の日常的な都市機能、あるいは都民や生活環境を維持しながらの対応は避けて通れないというふうに思います。これらの準備は、首都での巨大な今後の予想される災害対応にも生かされる内容になると思います。
リオ五輪大会の経験も生かしつつ、東京独自の巨大で複雑な条件も考慮した検証、検討を要望しておきます。
次に、リオ五輪においてバリアフリー化については、アクセシビリティ・ガイドラインに基づいて具体化がやられていると思いますけれども、競技施設に至る動線、あるいは交通機関などのバリアフリーの具体化はどういうことが対象とされ、どのような状況だったのかについてお伺いします。
○朝山オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長選手村担当部長兼務 リオ大会におきまして、東京と同様にアクセシビリティーに関するガイドラインが作成されまして、観客のアクセス経路上の駅や道路などを対象といたしまして、バリアフリー対策が実施されておりました。
また、実施状況といたしましては、現地で職員が確認した範囲でございますが、オリンピックスタジアムの最寄り駅においてエレベーターを新規に設置するなど、一定の対策が実施されていた一方、会場周辺の道路においても点字ブロックが設置されていない箇所が多くあるなど、課題も見受けられたところでございます。
○とくとめ委員 現地の調査報告を実際行かれた方々から聞きますと、バリアフリーに関して、リオと東京の都市としての状況の違いもあり、東京の現状の方が進んでいる面もあるというお話も伺いました。同時に、東京には大都市特有の独自の複雑さや困難さもあると思います。
いずれにしても、この東京大会を通じて、どんな目標を持ってどれだけ前進をさせることができるのか、ここが重要だと思います。リオから学ぶべきことは学び、東京が掲げている、誰もが安心して暮らせるユニバーサルデザイン都市づくりへの重要な前進の契機として、積極的な具体化を求めておきたいと思います。
今回のリオ五輪大会の視察は、大会開催の真っ最中の視察であり、リアルに見える部分と、リオ大会の正式報告書が出されないと、検証、検討しにくい面もあるのは事実だと思います。
しかし、直近の五輪大会として生きた経験、教訓も多数あると思います。今回のリオ五輪の視察の結果を真剣に検討するとともに、今後発表されるリオ五輪大会の正式の報告、あるいはロンドン五輪大会の教訓などもよく検証、検討して、東京大会が都民に納得され、アスリートファーストや、豊かで確かなレガシーが残るように、真剣に生かしていくべきだと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 オブザーバープログラムへの参加などを通じて得られたリオ大会の参考となる取り組みにつきましては、今後公表が予定されている大会の公式報告書等を踏まえて内容を精査し、二〇二〇年に向けた大会準備に活用してまいります。
○とくとめ委員 最後に、知事がいつも述べている都政改革の基本姿勢として強調する都民ファーストの見地から、この東京五輪大会の準備の具体化に当たっては、議会にはもちろん、都民にも十分に情報を公開して、透明性があり、都民の納得が得られるよう、進めていただくことを強く要望して、質問を終わります。
○高島委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時三十一分休憩
午後二時四十五分開議
○高島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○小山委員 私からは、東京二〇二〇参画プログラムとリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック及び視察報告について、できるだけ重複を避けて質疑をさせていただきたいと思います。
まず、東京二〇二〇参画プログラムについてお伺いをさせていただきます。
私たち都議会民進党は、これまでも二〇一二年ロンドン大会のインスパイアマークを参考に、二〇二〇年大会への都民、国民の関心を大いに高め、都民、国民が積極的に参画していく取り組みを行うよう求めてまいりました。
今回、組織委員会が実施をいたします東京二〇二〇参画プログラムのマークとして、東京二〇二〇公認マークと東京二〇二〇応援マークが策定されました。
そこでまず、東京二〇二〇公認マークと東京二〇二〇応援マークの策定経緯と、どのようなデザインコンセプトのもと策定をされたのか、お伺いさせていただきます。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 東京二〇二〇公認マークと東京二〇二〇応援マークにつきましては、組織委員会が外部有識者で構成するアドバイザリーグループの助言を得て作成しておりまして、十月六日に公表したものでございます。
デザインといたしましては、大会エンブレムとの関連性がわかるように、大会エンブレムと共通する三つの異なる四角形の組み合わせをデザインの基礎といたしまして、参画プログラムが目指す参画促進や、多様なつながりなどを表現してございます。
色は、大会エンブレムの藍色を基本色といたしまして、日本国旗の日の丸の色を加えることにより、二〇二〇年大会に向けて日本全体で盛り上がっていくということをあらわしております。
○小山委員 ご答弁の中で、大会エンブレムとの関連性を持たせることによって、大会とのつながりを表現しようとしているということはわかりました。
しかしながら、応援マーク等々を拝見させていただいていて、少し残念なのは東京二〇二〇という、この文字が極めて小さくて、まさに二〇二〇年に東京で開催される、その大会のためのものだということの趣旨が、ややもすると、とても小さく感じられてしまうところでありますので、これはマークとして一応活用されるということになるわけでありますけれども、この点の活用方法についても、今後、より東京での二〇二〇年開催に寄与するものだということを十分ぜひPRしていただきたいと思います。
二〇一二年ロンドン大会では、開催都市や公式スポンサーの文化イベントで使用されます文化オリンピアードマーク、それと、市民団体などが実施をします非営利の事業で使用されますインスパイアマーク、この二つが幅広く活用されました。
特に、インスパイアマークにつきましては、スポーツ、文化、教育、持続可能性、ボランティア、そして、ビジネスチャンスという、六分野の活動にマークが活用されたと伺っております。
この東京二〇二〇公認マークと東京二〇二〇応援マークも同様に、東京大会に向けた機運醸成を図り、多くの文化、教育プログラム、スポーツイベントなどに幅広く活用していくべきと考えますが、どのような視点から策定をされたのかもあわせてお伺いさせていただきます。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 公認マークと応援マークにつきましては、スポーツと健康、まちづくり、持続可能性、文化、教育、経済とテクノロジー、復興、オールジャパンと世界への発信と、この八つの分野にわたって付与されることとなっております。
こうした分野のイベントや事業につきまして、幅広く活用されるマークとして開発されたというものでございます。
○小山委員 今ご答弁にありましたように、二〇二〇年の東京大会では、八分野の非営利活動を対象とされているということがわかりました。
その中で、特にまちづくり、復興、そしてオールジャパン、世界への発信という、この三つについては、東京独自のものなのではないかと考えております。その三分野に対する考え方と、どういった取り組みを期待されているのかお伺いしたいと思います。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 先ほどお示しした八つの分野でございますけれども、これは組織委員会が本年七月に策定したアクション&レガシープランにおける五本の柱を細分化したものとなってございます。この五つの柱の考え方をもとに、参画プログラムの各分野の考え方も決められております。
まちづくりにおきましては、大会を契機にしたユニバーサルデザイン社会や、快適でにぎわいのある社会の実現などを目指しております。
復興につきましては、復興に関するイベントや事業と大会とを結びつけることで、被災地に元気を届けるということを意図してございます。
オールジャパンと世界への発信におきましては、日本各地での大会に向けた盛り上がりを世界に発信し、世界につなげていくことなどを期待してございます。
これらは、いずれも二〇二〇年に向けた都の取り組みの方向性とも合致しておりまして、テーマに沿った都のイベントや事業において、積極的に申請して認証を受けるとともに、区市町村や地域の団体等においても積極的に活用されることで、大会に向けた機運醸成とレガシーの創出につなげていきたいと考えてございます。
○小山委員 今、説明のありました各分野での多くの方々を大会に巻き込んでいくために、地域で非営利活動を行っている団体などの参加が不可欠だと考えております。
特に、先ほど来申し上げておりますように、ロンドン大会での活用は極めて有効でありましたし、このロンドン大会の事例に学ぶことは極めて重要だというふうに考えております。
ロンドン大会のインスパイアプログラムでも、そうした草の根の事業を数多く認証され、三千件に近い認証数があったと聞いております。
そのインスパイアプログラムを実施することによって、多くの人々が文化イベントの観客や参加者というだけではなくて、まさしく主催者に成りかわって大会の機運醸成や、大会への主体的な参加や参画を促したということがいえると思います。
そこで、東京二〇二〇参画プログラムの制度でも、このインスパイアプログラムに相当する応援プログラムについても、大会機運の醸成や都民、国民が大会に参加、参画できるような取り組みとして行っていくことが極めて重要であると考えております。
本格実施は来年度からということでありますが、この応援プログラムではどのような団体が当事者としてかかわれるようになっているのか、また、そうした団体にどのようなことを期待しているのかお伺いしたいと思います。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 応援プログラムの対象団体でございますけれども、これは東京都や都内の区市町村、会場関連自治体といった自治体以外の自治体、それと非営利団体などでございます。
非営利団体につきましては、地域の自治会、商店街などの地元の団体についても幅広く対象となる予定になってございます。
こうした地域の団体が応援プログラムの活用によりまして、オリンピック・パラリンピックとのつながりを持つ取り組みを数多く行い、積極的に地域を盛り上げていくということで、二〇二〇年大会に向けた機運を一層高めていくということを期待してございます。
さらに、こうした取り組みが全国に波及することで、オールジャパンのムーブメントにつながることを期待してございます。
○小山委員 今ご答弁の中で、さまざまな団体、あるいは組織について対象とされていくということがわかりました。特に、ご答弁の中では、地域の自治会、商店街などといった地域に密着した団体についても幅広くということがございました。
ぜひ大会に向けた機運の盛り上げに、この応援プログラムを地域の規模というか、あるいは地域のいかんを問わず、幅広い団体の事業を数多く認証してほしいと思っております。
一方で、この中で非営利団体の場合については、手続が煩雑であると、どうしても団体にとっての申請のハードルというものが高くなってしまうと思われます。受け付け方法や書類の作成方法についても、わかりやすい解説などが大事であろうと思います。
そこで、応援プログラムの本格的な実施に当たって、団体等にとって使いやすいガイドラインをつくっていくべきと考えますが、どのように考えているのかお伺いしたいと思います。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 地域に密着して活動する非営利団体を初めといたしまして、多くの団体に活用していただき、大会に向けた機運を盛り上げていくためにも、ガイドラインの作成は必要と考えております。
ガイドラインは組織委員会が作成する予定でありますけれども、都といたしましても、地域の団体に密接に関係する市区町村の意見をお聞きしまして、その意見を反映させるなど作成にかかわることで、さまざまな団体が申請しやすい体制を整えてまいります。
○小山委員 ぜひこのガイドライン作成に当たっては、一義的には組織委員会が作成をされるということでありますけれども、やはり都として、また現場を持っている市区町村などの意見を十分集約をしていただいて、都からその声が十分組織委員会のもとに届いて、この作成、何といってもそれぞれの各団体にとって利活用しやすい方策となるようなガイドライン策定に向けて、力を尽くしていただきたいと思います。
応援プログラムの事業が数多く申請されること自体、この参画プログラムの成功にとって重要なことでありますし、先ほども申し上げているように、ぜひ団体にとって申請しやすい制度となるようにお願いをしておきたいと思います。
その参画プログラムの質問の最後に、今後、この東京二〇二〇公認マークと東京二〇二〇応援マークを活用して、都はどのように二〇二〇年大会に向けて取り組んでいくのか、お伺いをさせていただきます。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 公認マーク及び応援マークの普及を図るために、参画プログラムのイベントや事業として認証される件数をふやしていくことが重要だと考えております。
そのために、公認プログラムにつきましては、都庁内のイベントや事業に活用するとともに、市区町村のイベント等にも積極的に活用できるような体制を整えてまいります。
また、応援プログラムにつきましては、地域の団体が申請を開始する来年度に向けて、より使いやすい制度となるよう、組織委員会と調整を進めてまいります。
地域で行われるイベントなどを二〇二〇年大会と関連づけて数多く認証できるようにし、二〇二〇年に向けた東京、さらには日本全体の開催機運の盛り上げに寄与してまいります。
○小山委員 ぜひ今ご答弁のように、二〇二〇年大会に向けて、その機運醸成を図るようなものとして活用していただきたいと思います。
まさに、いかに多くの都民、国民が、この二〇二〇年大会に向けて主体的に参画して、開催機運を盛り上げていくということが重要だと考えております。もちろんIOCによる厳密なルールがありまして、東京二〇二〇参画プログラムの活用に当たっては、一定の条件が求められていることも承知をしております。
しかし、できる限り多くのイベントや事業を受け入れ、参加を促していくことも重要だと考えております。
都においても、組織委員会と密接に連携をしていただきまして、東京二〇二〇参画プログラムの広報や周知など、先ほどもマークのことについては触れましたけれども、この周知などを徹底して行っていただいて、多くの団体が主体的に手を挙げ、主催し参加するような仕組みづくりに取り組んでいただくよう強く求めておきたいと思います。
次に、リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックについてお伺いをさせていただきます。
リオデジャネイロ大会は、東京大会を開催する上で、まさに最高の機会、最後の機会ということも先ほどの委員の皆様の方からもありましたように、実際運営を実地に行って見聞きをし、体感する上で本当に重要な機会であったというふうに思います。
二〇二〇年大会の運営は組織委員会が行いますが、都は、視察報告にもありますように、輸送、大会ボランティア以外のボランティア、警視庁によりますセキュリティー、ハード、ソフト面でのバリアフリー、教育プログラム、大会を支える都市運営など、これを主体的にとり行っていかなければなりません。
そうした意味でも、今回の視察成果というものを二〇二〇年東京大会につなげていかなければならないというふうに思っております。
この質問については、多くの委員からご質問もありましたので、重複をなるべく避けて質疑をさせていただきたいと思いますが、まず初めに、ジャパンハウスについてでございます。
ジャパンハウスについては、先ほど川松委員や、あるいは吉倉副委員長からもお話がございました。それぞれこれの成果はあったということは、答弁の中から確認をさせていただきましたが、特に、このジャパンハウスについては、大会関係者や、あるいは各国政府、それから世界の国内外のメディアということについては、私は極めてこれは有効であったのではないかなというふうに考えております。
私自身も、このジャパンハウスに何度かお伺いをさせていただきましたが、接遇の場所という点では、極めて有効だったというふうに考えております。
そこで、先ほど幾つかご答弁もいただいておりますので、その答弁とは別に今回のジャパンハウス、まさに各国の大会関係者や政府関係者なども訪れておられ、次回大会のPR拠点として機能を果たされていたと思いますが、この大会関係者や各国政府、世界のメディアに対するこのジャパンハウスの成果というものについてお伺いをしておきたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 東京二〇二〇ジャパンハウスにおいて、都は、東京が世界に誇る観光地や食、都市インフラなど、その魅力を迫力ある映像などで実感できる展示を行いました。
また、全国四十六道府県のPRパネルと伝統工芸品の展示や書道、着つけなどの体験ブース、伝統芸能のステージなど、日本の魅力、文化のPRに取り組みました。
こうした楽しみながら東京及び日本の魅力に触れることができるイベント等が現地でも話題となり、八万二千人以上が訪れ、終日一般市民の方々で大盛況でございました。
また、オリンピックパークや選手村、メーンプレスセンター、IBCの近隣であったことから、開催期間中三千人を超える大会関係者、スポーツ関係者、各国政府関係者やメディア関係者も千三百六十人が訪れました。
こうした方々に対しても、ジャパンハウスの展示やにぎわいを通じて、次回開催都市東京に期待を抱かせることができたことに加えまして、国内外七百十六媒体からの取材を受け、効果的にPRができたと考えております。
○小山委員 このジャパンハウス、今訪れていただいた各国の要人等々の人数についてもお答えをいただきました。
確かに多くの市民の方々に目に触れていただくということも極めて大事な部分だというふうに思っておりますけれども、それ以外にも、やはり今後の二〇二〇年大会を成功に導くために、その大会に関係する世界の多くのスポーツ関係者や、あるいは各国の政府要人など、そういった方々に日本大会、特に二〇二〇年の東京大会についてしっかり理解をしていただき、あるいはいろんなことを知っていただいて、今後の二〇二〇年大会の成功に結びつけていくという意味でも、今回のジャパンハウスは大事であったというふうに思っております。
またもう一つ、メディアについても、国内外のメディアで大変これが取り上げられて、そして多くの方々が目にする機会があったということを聞いております。
ブラジル国内の方にもお話を聞いたところ、メディアの報道を受けて関心を寄せて訪れたという方もいらっしゃるということを聞きました。
ぜひこのジャパンハウスというものが前回のロンドン大会に続いて、今回のリオデジャネイロ大会でも設置をされたわけでありますけれども、今回の経験などを踏まえて、これから行われるさまざまな機会を通じて、やはり二〇二〇年大会へのPR、さらには成功へ向けた取り組みにつながるような教訓としていただきたいというふうに思っています。
そして、今回のリオデジャネイロ大会のもう一つ大きな課題として、これも先ほど他の委員からもご質問がありました、やはり輸送の問題だというふうに思っております。
特にリオデジャネイロ大会は、四地区で開催が行われておりまして、当時、バーラ地区、デオドロ地区、マラカナン地区、さらにはコパカバーナ地区ということで、四会場の中で大会が開催をされたわけであります。
この視察報告の中にも、まず第一番目に輸送を載せていらっしゃるのは、多分そういったところが大きいのではないかなというふうに考えております。この輸送の中で、特に私も現地に行って感じましたのは、やはり競技会場が分かれているということをどううまく大会成功につなげるか、その取り組みとして、ここにも記載がありますように、特にBRT、このシステムが本当に対応されていたと思いますし、まさしくこのBRTなくしては、今回の大会成功、リオデジャネイロの大会というのはあり得なかったのではないかなというふうに思っております。
また、新設をされました地下鉄の四号線などにも乗せていただきましたけれども、これらも当時の競技会場へ行くための新たに新設された地下鉄として、これも有効に機能していたというふうに思っております。
今回の視察報告、この中を見ますと、やはり観客及びスタッフの輸送は、全て公共交通機関で行われたということでありました。また、大会関係者輸送の運用主体としては、これまでも質疑の中にもありましたように、オリンピックレーンが設置をされ、調整はリオ市が実施をされたということでもありました。
そして、さらにいうと、この輸送調整センターや、バスや、フリートオペレーションセンターにも市職員が派遣をされて、交通需要マネジメントを図られ、学校の長期休暇の時期の変更や、大会期間周辺四日間の休日化を実施されたということであります。
そこで、今回の輸送に関して、都としてリオ大会の成果を踏まえて、今後二〇二〇年東京大会に向けて、交通需要マネジメントなどの輸送に関し、どのような計画を立てていくのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○朝山オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長選手村担当部長兼務 リオ大会で実施されました新たな休日の設置などの交通需要マネジメントの取り組みは、大会車両の着実な輸送を担保するといった面で、大会運営上有効であったというふうに認識してございます。
東京大会におきましても、都ならではの交通需要マネジメントを考えていくことが重要であるというふうに認識してございます。今後、大会輸送と都市活動の両立を目指しまして、充実した交通網を活用するなど、東京の特性に応じた大会輸送を関係機関と連携して計画してまいります。
○小山委員 二〇二〇年の東京大会においても、この輸送の部分というのがやはり極めて重要だというふうに思っております。今回のリオ大会は一つの参考事例として、私は東京大会においても大変参考となるものだったと思いますので、ぜひ有効活用を図っていただきたいと思います。
続いて、バリアフリーについての質問のうち、ハード面のことについては、先ほど川松委員の方からご質問がありましたので、これは省かせていただいて、それ以外のソフト面のバリアフリーということについてお伺いをさせていただきたいと思います。
先ほどのハード面のバリアフリーについても幾つか課題があって、それらの課題に対して、これから東京都として十全に取り組んでいくということでありますけれども、同じように、ソフト面のバリアフリーに対する取り組みについても、リオ大会での状況はどうであったのか、また、二〇二〇年の東京大会には、この点どのように取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。
○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務
リオ大会の競技会場内では、視覚障害者や聴覚障害者に情報を提供するため、触知案内図--建物のレイアウトなどを触れて理解していただくものでございます触知案内図の設置や、大型ビジョンによる文字情報の提供などの情報バリアフリー対策がとられておりました。また、ボランティアが車椅子を押して案内したり、高齢者や障害者が乗車できるゴルフカートを走らせるなど、人によるサポートも多く見受けられたところでございます。
東京大会では、運営時のバリアフリー化の指針であるTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえてバリアフリーに取り組むこととしており、例えば、階段や通路等における点字ブロックの敷設、エレベーターやトイレでの音声による案内、聴覚障害者のための案内サインの掲示、大会スタッフ等への障害者等に対する接遇トレーニングの実施などを予定してございます。
今後は、組織委員会と連携しながら、障害のある人もない人も、必要な情報を同様に入手できるなど、観客のニーズにきめ細やかに対応できる環境の整備に努めてまいります。
○小山委員 今回のソフト面のバリアフリーについても、さまざまリオ大会でも取り組みが行われていたというのは、私も現場に行って拝見もさせていただきました。
ただ、そのときすごく感じましたのが、もちろんハードの整備もそうなんですが、ソフト面といっていいのかと思いますが、要はボランティアの方もそうなんですが、実はそこにいらっしゃる観客の皆さん、あるいはブラジル国民の皆さんが、そういった方に対して配慮するという姿がたくさん見られました。
私は、このことは、多くの皆さんが心のバリアフリーということをおっしゃって、提案を議会の中でもされておりますけれども、やはりこういった取り組みが私どもにとって、大会後のレガシーということでも極めて重要だというふうに思っております。そういった意味では、今回のリオ大会でのそれぞれ視察をされてきた成果というものも踏まえながら、ぜひ今後の取り組みを進めていただきたいと思います。
そして、まさしくそれぞれの会場で、そういった手助けを行っていらっしゃったボランティアについてお伺いをさせていただきたいと思います。
ボランティアについては、こちらの視察報告書の三ページ、四ページにも載っておりますが、会場内、あるいは私ども最初に目にしたのは、リオの空港に着いたときでありました。リオデジャネイロの空港に着いたときから、多くのボランティアの皆さんが活動をされていらっしゃいましたし、当然各競技会場の中でも活動をされておりました。
ただ、これは現地でも聞いたことでありますけれども、実際にボランティアの数が充足できなかったであるとか、あるいはボランティアの視察研修などが十分うまく行えなかったなどという評価もあったやに聞いております。さらに、リオ市は、観光、交通案内を行うシティーホストを有償で雇用したということもあるやに聞いております。
そこで、今回のリオ大会でのボランティア等の視察を通して確認できた主な課題が何であったのか、また、今回の視察結果を二〇二〇年東京大会に向けたボランティアの募集、育成にどう生かしていくのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会では、約五万六千人のボランティアが大会運営を支えましたが、観光、交通案内を行うスタッフにつきましては、ボランティア活動が国民に十分浸透していないことから、リオ市が有償で雇用いたしております。また、大会直前まで募集を行っていたため、十分な研修が実施できないといった課題がございました。
二〇二〇年大会では、大会運営に携わる大会ボランティアと空港、主要駅や観光地等で観光、交通案内を行う都市ボランティアとして、大規模かつ多様な参加者を確保していく必要がございます。
また、大会時には、国内外からの旅行者や観客に対する質の高いおもてなしを提供していくことも重要でございます。
今後、リオ大会の課題等も踏まえまして、組織委員会と連携しながら大会のボランティアに関する戦略を速やかに策定いたしまして、ボランティアへの参加機運の醸成、裾野拡大を図るとともに、計画的にボランティアの募集、育成に取り組んでまいります。
○小山委員 ただいまリオ大会での視察の成果ということも伺いましたし、今後の取り組みについてもお伺いをさせていただきました。
確かに今回のリオデジャネイロ大会で、ボランティアということが一つ大きなキーワードだったというふうに思っておりまして、私もブラジルに伺ったときに、多くの方にお聞きをしましたが、ボランティア文化というのがまだまだブラジルでは根づいていないということを数多くお聞きいたしました。
このボランティアやボランティア文化というものを今回の二〇一六年のリオ大会を通じて、ぜひ根づかせていきたい。そして、あるいはこのボランティアというものを、ぜひブラジル国内、リオにおいてどんどんこれから参画してもらうような取り組みとして、今回の二〇一六年のリオ大会を捉えていきたいというお話を伺いました。
特に閉会式の会場に伺う間で強く感じましたのが、そういった意図が極めて強く出ておりまして、閉会式の会場まで行く道すがら、特に大会競技会場の中でしたけれども、ボランティア一人一人の皆さんの顔写真が閉会式の会場までに行く道路、通路の中にずっと張りめぐらされておりました。
さらに、リオデジャネイロのオリンピックの方の閉会式でも、ボランティアの皆さんをたたえる、最後に顕彰されるというような、ああいうしつらえもあったということは、今回のブラジルのリオデジャネイロ大会の大きな眼目であったんだろうというふうに思っております。
確かに実際にはまだまだこのリオ大会、ボランティアに課題もありましたけれども、そういった意味で大会を通じて、このボランティア文化を根づかせようという意図があったことをはっきり感じとることができました。
一方、私はボランティアに課題があったということも幾つか聞いておりましたけれども、しかし、大会自体は大変盛り上がっていたように感じております。
それは、開会式もそうでありましたけれども、閉会式も空席がありました。しかしながら、閉会式、最後まで大変な盛り上がりでして、恐らくこれはブラジルの国民性もあるかもしれません。あるいは、これまでのリオまでのいろんなプログラムを通じて、そういった皆さんがリオの大会を盛り上げようということをそれぞれが図られたんだというふうにも考えております。やはり市民、あるいは私たちに置きかえてみれば、都民、国民の盛り上げ、盛り上がりというのが本当に重要だというふうに思っておりますが、こういった市民を巻き込む取り組みということが今回の視察報告の中にも挙げられております。
そこで、このリオ大会の視察報告を受けまして、この市民を巻き込む取り組みとして教育プログラム、トランスフォーマーというものを取り上げていただいておりますが、都としてはどのような点が参考になって、それを二〇二〇年東京大会の教育プログラムに向けてどのように生かしていくのか、お伺いをしたいと思います。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 リオデジャネイロでは、教育プログラムの一環として、新たなスポーツに挑戦する姿勢を育むために、一般市民も参加する競技体験会などを実施しておりました。
都といたしましても、次代を担う若者がスポーツに親しむことを目的の一つとして、オリンピック・パラリンピック教育を実施しておりまして、その中で、体験活動を通じた学習を重視しているところであります。
今後も、子供たちがスポーツへの関心を高めるとともに、夢に向かって努力をする意欲や、困難を克服する意欲を培っていくために、オリンピアン、パラリンピアンを学校に派遣し、ともに競技を体験するなどの取り組みを行ってまいります。
また、海外からの訪問者を日本のおもてなしの心で迎え、大会を一層盛り上げるため、大会開催時に子供たちが大会関連ボランティアとして活躍できる機会を設けてまいります。
○小山委員 ただいまご答弁をいただきましたが、まず、リオデジャネイロの中での一つの成果として、まさしくこの競技体験イベントなどが行われて、ここの写真にもありますように、実際子供だけではなくて、大人、親御さんも一緒に参加をされているということもあったと思います。
やはり今の答弁の中で、それぞれ子供に対する教育プログラムとしての視点は、極めて都としてもこれまでも取り組みを行っていただいていると思いますが、やはり子供だけではなくて、その親御さんや、さらに広くいえば、多くの都民、国民に対しても、そういったオリンピックのありようというものを伝えていただく。そして、さらにはそれが先ほど申し上げたような二〇二〇年大会のときに、まさしく世界の方々をお迎えするときのおもてなしや、お迎えの方々として、その場で活躍をしていただけるような、そういった取り組みをぜひ検討していただきたいと思いますし、今回のリオ大会での視察結果というものをぜひ参考にしていただきたいというふうに思います。
続きまして、そのリオ大会の中で、もう一つ私がすごく印象にありましたのが、オリンピックのモニュメントでございます。
このシティードレッシングの一三ページ、一四ページの中にもございますが、各競技会場に五輪のマークがあったり、あるいはパラリンピック、アギトスが設置をされていたり、こういったモニュメントが各所に配置をされていて、それが多くの皆さんが、このオリンピックに来たときに、そこで写真撮影をされたり、あるいはそこの場所で多くの皆さんが集っているという姿をたくさん拝見いたしました。
これは大会開催、閉会式後も、その各所に残っていて、やはりこれは一つの観光のためのモニュメントにもなっていたということを、私自身も大会後、たくさんそういった場所を見受けました。
リオ大会で行われましたオリンピックリング、五輪の輪やアギトスがモニュメントとして各会場に設置をされ、今もなお残って、人々を引きつけるのに役立っております。
ぜひ東京大会でも同じような取り組みができればというふうに考えておりますが、都の見解をお伺いしたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 IOCの規定により、開催都市の役割として、大会の祝祭の雰囲気を演出し、開催機運の盛り上げを図るため、大会エンブレムやマスコット等による装飾、オリンピック・パラリンピックシンボル等の大規模展示物の設置等は有効な手段とされており、ロンドンやリオなどの過去の大会でも実施されております。
都としては、現在二〇二〇年大会に向けたシティードレッシング全体の調査及び検討を行っており、大規模展示物の設置を含め、大会の祝祭の雰囲気の効果的な盛り上げに向けて引き続き取り組んでまいります。
○小山委員 今後も、そういったことも含めて、引き続き取り組んでいかれるということでありますので、ぜひそういった大会後のレガシーにもつながるような、そういった各祝祭のあり方、あるいはシティードレッシングのあり方というものを検討していただきたいというふうに思います。
次に、セキュリティーについてお伺いをさせていただきたいと思います。
視察報告によりますと、リオ大会は、ブラジル連邦政府やリオ州、リオ市の警察が約三万人、各州警察など特別派遣部隊が約六千五百人、軍が約三万八千人、退職警察官など民間警備員が約三千五百人など、合計八万五千人の警備体制を構築されたということでありました。
私たちも、確かに現地に伺いましたときに、多くのそういった方々を目にしましたし、さらに、閉会式までの道すがらは、それこそ軍が装甲車まで配備して出ていたということを目にいたしております。
そこで、このようなリオ大会と、また東京大会は全く異なるとは思いますが、都として、今回のリオ大会のセキュリティーについてどのように捉え、そして二〇二〇年東京大会に向けて、どのように競技会場や、その周辺、まち、大会へ訪れる全ての人々の安全・安心を確保していくのか、お伺いしたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会におきましては、治安維持を担う警察や軍を中心に警備体制を構築し、大会の安全・安心を確保する一方で、大会直前に組織委員会が予定していた警備要員が確保できず、入場検査要員として退職警察官を直前に配備するといった課題もございました。
都は現在、庁内横断的な安全・安心部会におきまして、治安、サイバーセキュリティー、災害、感染症の四つの視点から、大会時に想定されるさまざまなリスクを踏まえまして、関係機関と連携しながら、対処要領の策定に向けた検討を進めております。
今後、リオ大会の課題等も踏まえまして、平成二十九年度までに対処要領を策定し、実地訓練を重ねながら、大会を訪れる全ての人の安全・安心を確保するための取り組みを進めてまいります。
○小山委員 先ほども申し上げましたが、やはり実際、大会開催時の安全・安心ということは極めて大事だというふうに思いますし、その一つに、セキュリティーの部分が大きな部分を占めると思います。
今回のリオ大会の成果は、先ほども申し上げましたが、東京大会とは異なる部分が大変多いと思いますけれども、そういった先ほどもお話のあった安全・安心部会で検討されております治安、サイバーセキュリティー、災害、感染症、こういった四つの視点というのは、まさしく東京大会ならではの部分もあろうかというふうに思いますので、ぜひその点について着手をお願いしたいというふうに思います。
そして、最後になりますが、東京都は、やはりこの二〇二〇年の東京大会は、来訪者を受け入れながら、先ほども申し上げましたようなおもてなしだとか、そういったことも十全に取り組みながら、一方、生活をしている都民に安全で快適な環境を提供していかなければならないと思っております。
そこで、大会を支える都市運営について、今後、東京都としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをさせていただきます。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 オリンピック・パラリンピック競技大会開催時には、開催都市は国内外から多数の来訪者を受け入れることになりますが、通常の都市機能を維持しつつ円滑な大会運営を支えていくことが必要でございます。
リオ大会では、リオ市が道路交通、電気、ガス、水道等の情報を一元的に集約する既存の都市オペレーションセンターを活用いたしまして、輸送を中心に円滑な大会運営を支援するとともに、競技会場の周辺等では、リオ組織委員会と連携し、道路の交通規制や歩行者の安全確保、清掃等に取り組んでおりました。
リオ大会における取り組みも踏まえながら、東京大会に向けまして、組織委員会を初め、輸送機関や警察、消防等の関係機関とも連携し、円滑な大会運営を支えるとともに、大会時の都市機能を維持するための取り組みを進め、東京を訪れる観客や住民に対して安全で快適な環境を提供してまいります。
○小山委員 これまでリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックを実地で見聞きされ、体感されました視察の成果を伺ってまいりました。
ぜひこの視察成果が二〇二〇年の東京大会の開催準備はもちろんのこと、大会開催、さらには大会後のレガシーを見据えた取り組みに最大限有効活用されるよう強く求めまして、私の質疑を終わります。
○石川委員 まず、パラリンピック会場計画についてお伺いいたします。
今回のIPC理事会で五人制サッカーの会場が決まり、残すは自転車競技ロードレースのみとなったわけであります。
自転車には切断、脳性麻痺、視覚障害などの選手が参加をいたします。ロードで行われる競技はタイムトライアルとロードレースの二種目で、使用する自転車は一般的な競技用自転車ですが、障害によってはペダルと義足が固定できるように改良することが認められております。
さらに、体幹のバランスが悪い選手はバランスのとりやすい三輪自転車を使用し、視覚障害の選手はパイロットとともに乗るタンデム自転車で競技を行います。また、下肢障害の選手は上肢だけで駆動するハンドサイクルを使用します。
そこで、自転車競技ロードレースの現在の検討状況についてお伺いいたします。
○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 自転車競技ロードレースの会場につきましては、お台場海浜公園を中心としたコースについて、距離の不足や高低差が小さいなどの難易度の課題に加え、周辺交通に与える影響なども踏まえ、検討を継続しているところでございます。
引き続き、組織委員会と連携し、早期にIPC理事会に報告できるよう、国際、国内競技団体や交通管理者等との調整を進めてまいります。
○石川委員 検討を継続されているということでございますけれども、一つ申し上げておきたいことは、リオデジャネイロ・パラリンピックの九月十七日、自転車男子個人ロードレース、運動機能障害C四、五のイランのバハマン・ゴルバルネジャド選手がレース中の事故で死亡したということでございます。四十八歳だったそうで、パラリンピックでの選手の死亡事故は初めてで、オリンピックで競技中の選手が死亡するのは一九六〇年のローマ大会以来だそうでございます。
事故は、十七日午前十時半ごろ起きたそうでございます。山間部を走っていた同選手は、下り坂でスピードに乗った状態でカーブを曲がり切れず、壁に衝突して頭などを強く打って病院に運ばれましたが、心肺停止の状態だったそうでございます。
同じレースに日本の石井雅史選手も出場していたそうでございますけれども、事故に他の選手は巻き込まれることはなかったそうでございます。
十八日の閉会式では黙祷が行われました。ゴルバルネジャド選手は、今大会が二〇一二年ロンドン大会に続く出場で、個人ロードタイムトライアル、運動機能障害C四では十四位だったそうで、力のある選手でありました。
ロードレースのコース設定には、交通、特に周辺交通に与える影響等を検討することは当然ですが、安全性ということについても、死亡に至るようなことにならないようしっかりと対応を求めておきたいと思います。
次に、リオ大会オブザーバープログラムの五輪における飲食の提供について質問させていただきます。
オリンピック・パラリンピックという世界中から多くの選手や観客が集まる二〇二〇大会は、東京や我が国の新鮮で安全な食材をアピールするとともに、和食文化を発信する絶好の機会でもあります。
現在の先進国で懸念されております生活習慣病予防としての健康面から、また、味わいの面からも日本食が注目をされているわけですが、世界のイベントたる東京五輪により、その注目されている日本食をどのようにアピールをしていくかが問われるわけであります。
そこで、先日の視察報告の再確認ということになりますけれども、リオ大会における地元産食材の活用や地元料理の発信の取り組みについて、飲食の提供状況などについても、お伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会では、選手村、メディアセンター、競技会場等におきまして、各国の選手など大会関係者や報道関係者、観客等に対し、千四百万食以上を提供する計画のもと、取り組みを実施いたしました。
地元産食材の活用につきましては、リオ州産やブラジル国内産の食材を優先的に調達する基準を定め、食材調達を行っております。
また、選手村のメーンダイニングにブラジル料理のコーナーを設置したほか、テラス式のカジュアルダイニングでは、くつろいだ雰囲気の中でブラジルの肉料理を中心に提供する取り組みを行っておりました。
○石川委員 リオ大会でも食材の選択基準は、まず、開催地の地元中心であったわけであります。
日本国内において、京都の京野菜は全国的な知名度を獲得しておりますけれども、東京野菜は知る人ぞ知るというところでございまして、まだまだその名を広く知らしめるところまでは至っておりません。
リオの問題もあるわけでございますけれども、今回の東京五輪は、東京の食文化、名産品を日本国内に、また、世界にアピールする絶好の機会と思われるわけであります。
こうしたリオ大会の取り組みも参考にしながら、都は、二〇二〇年大会において、国産食材の活用や日本食文化の発信が行われるよう、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 現在、組織委員会では、持続可能性に配慮した食材等の調達基準について、専門家や業界関係者などを交え検討を行っております。
この検討には都も参加しておりまして、国とも連携しながら選手村などにおいて、東京産や国産食材の優先的な活用や日本食の魅力の発信が効果的に行われるよう取り組んでまいります。
○石川委員 リオ五輪では、ブラジルのオーガニック基準による認証を受けたオーガニック食材の確保を優先したという報告が準備局の視察報告にもございました。
農薬や化学肥料を使わず、有機肥料によって生産されたオーガニック食材は、食材そのものから人間の生き方へ波及するものであります。
それは自然エネルギーと共存するエコなライフスタイルの提示でもあるわけでございます。太陽、水、土地、そこに生物など、自然の恵みを生かした人間の生活ということがあるわけであります。
オーガニックが広がることにより、人や動植物、微生物など全ての生命にとって平穏かつ健全な自然環境、社会環境が実現をしていく可能性があるわけでございます。
そうしたオーガニック食材の紹介とともに、日本の食文化のよさや魅力をレガシーの一つとして、海外の観光客の永続的な増加へと誘導させていく流れをつくっていかなければならないと思うわけでございます。具体的な食材の検討は今後のことになると思いますが、東京の食材として、世界に紹介できる名産品は多いわけであります。
都の農林水産部が主催をしております各種イベント、とうきょう特産食材商談交流会、東京味わいフェスタ、東京食めぐり、東京都食育フェア等で紹介がされているわけであります。
食材としての東京の畜産部門ですと、トウキョウXが近年、都内では注目をされております。他の部門、特産野菜、果実、水産の各部門での食材についても、多摩地域ですと、私の地元の稲城市の梨、稲城は八月に収穫ができる品種でもございます。また、島しょ部からの名産品も多々あるわけでございます。
そこで、東京を初め国産食材の紹介を、東京都は組織委員会と連携してしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
一九六四年の東京オリンピックのレガシーとして、後のファミリーレストランの原点となる食材とシステムが選手村に紹介をされました。それは、今や私たちの日常に欠かせない冷凍食品が選手村で一度に大量に料理として提供されたということでございます。冷凍食品がその後の日本人の食生活を変えるレガシーとなったわけでもございます。
ぜひ東京食材の提供と、その後の食のレガシーとなる食の開発がなされることを期待をしていきたいと思っております。
次に、都市オペレーションセンターについてお伺いいたします。
リオ五輪の視察結果報告書では、大会運営に当たって、IOCからは、組織委員会が設置するメーンオペレーションセンターと効果的に連携し、競技会場外の活動に係る調整を行う都市オペレーションセンターの設置が求められているとございました。
オブザーバープログラムへの参加に加え、リオ市の都市オペレーションセンターへの視察の報告を踏まえ、このセンターは、東京五輪の参考になると思うわけでございますけれども、どのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会では、災害の発生をきっかけに設置されました道路交通、電気、ガス、水道等の都市に関する情報を一元的に集約する既存の都市オペレーションセンターを活用いたしまして、輸送を中心に組織委員会との情報共有、緊密な連携を図り、円滑な大会運営を支援してございました。
具体的には、各競技会場やライブサイト会場周辺等の道路交通状況、観客動向等をモニタリングするとともに、公共交通機関等からの派遣連絡要員が常駐いたしまして、公共交通機関の運行に関する情報を収集し、オリンピックレーンや観客誘導要員の配置に関する調整を行っておりました。
○石川委員 東京五輪という世界的なイベントでは、大会の道路交通規制、救急体制、テロ、治安対策、歩行者の安全確保、シティーホストの配置、観光案内所の設置、給水所の設置、競技会場関係の清掃、仮設トイレの設置等が支障なく機能していくことが必須事項となっているわけであります。
関連部署である警視庁や消防庁などが縦割りの情報流通ではなく、横串の入った柔軟な情報流通と情報管理が行われるよう、統括部署の新設を求めておきたいと思います。
こういった面でも、レガシーとなるのではないかと思っております。よろしくお願いいたします。
次に、東京二〇二〇参画プログラムについてお伺いいたします。
東京二〇二〇参画プログラムでは、区市町村のイベントや事業が認証をされるとのことでありまして、区市町村が実施するイベント等を幅広く認証することにより、地域から二〇二〇に対する機運を盛り上げていくことが求められているわけであります。
公認プログラムは既に十月一日から開始をしているとのことでございますけれども、既に事業認証を受けた区市町村の数とその件数についてお伺いいたします。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 今月八日の時点におきましては、十三の区市における二十件のイベントなどが認証されております。
○石川委員 既に一自治体で複数認証を受けている区市町村がある一方で、一件も受けていない自治体があるなど、ばらつきが見られるわけであります。認証されている区市町村にばらつきが見られる理由についてお伺いいたします。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 参画プログラムのマークが十月六日に発表されてからまだ時間がそれほど経過していないため、区市町村の各部署に浸透するまでに、ある程度の時間を要しているものと考えられます。
また、大会に関連づけていきたいイベント等の時期がまだ先のために、申請を見合わせている区市町村もあります。
一方、これまで申請のなかった区市町村からも、申請手続についての相談は受けておりまして、今後はそうした区市町村からの申請が見込まれるところでございます。
○石川委員 既に認証を受けておりますイベントが特殊なものでもないということからしますと、担当者がどう認証について情報を受けとめているのかということが大きな差となってあらわれているんではないかなと思うわけであります。
今後、東京都としてどのように拡大を図っていくのか、お伺いをしておきたいと思います。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 区市町村のオリンピック・パラリンピック担当者会議など、さまざまな機会を捉えて、改めて制度の活用を呼びかけてまいります。
また、より使いやすい制度になるように組織委員会と調整することで、区市町村のイベントや事業が数多く認証されるように取り組んでまいります。
○石川委員 さまざまな手段を活用して区市町村で実際に利用されるようにしていただきたいと思います。
区市町村の市長さん、首長さんで関心のない人はいないと思います。市長さんに認証情報を伝える機会をさらにつくっていただきたいと思います。
また、地域団体の利用は来年度になる予定でございますけれども、区市町村のイベントでの活用はその試金石となるものと思われるわけであります。ぜひ多くの事業が認証されるよう努力をしていただきたいと思います。
また、ラグビーワールドカップ開催の機運とオリンピック・パラリンピック開催機運は、その中身もまた重なってくるわけであります。おのおの主体は当然異なるわけでありますけれども、自治体のイベントでの機運盛り上げは、上手にコラボレーションさせていく工夫も必要と思います。ぜひ検討をお願いしたいと思います。
○おときた委員 私からは、資料要求に基づきまして、東京二〇二〇ライブサイトイン二〇一六についてお伺いをいたします。
都内二カ所と被災三県の会場で行われましたこちらのイベントでありますが、ご提示いただきました資料によりますと、約十億円の予算が計上され、支出金額としては九億九千九百万円と、ほぼ全ての予算がきれいに執行される予定となっています。
その内訳を見ますと、九億七千万円超が運営委託費で、イベント運営を委託した事業者に支払われていることがわかります。
この計画、運営事業者の選定に当たっては、企画提案方式、プロポーザル方式による特命随意契約であるというふうに伺っております。プロポーザル方式をとることが必ずしも悪いわけではありませんが、原則は競争入札であって、昨今の都民からの厳しい目も踏まえて、透明性、公平性、競争性の確保が何よりも重要である点から、幾つかの確認をさせていただきたいと思います。
まず、こちらのリオ大会ライブサイト二〇二〇の計画を作成する際、競争入札ではなく、企画提案方式を採用された理由を伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 リオ大会のライブサイトについては、二十九日にわたる期間中、都内二カ所と被災三県の会場で確実かつ円滑な事業の実施が必要でございました。
加えて、これまで都にはノウハウがない大規模なイベントであり、二〇二〇年大会に向けた公式事業第一号となる新しい取り組みへの注目を集める広報PRや機運醸成に資する魅力的なコンテンツの企画及びその実現が求められておりました。
このため、二十七年度の契約については、都が定めた仕様に基づき価格で競争する競争入札よりも、事業の企画内容や実施体制等を事業者の具体的な提案に基づき見きわめることのできる企画提案方式の採用が適切であると判断いたしました。
なお、この方式の採用については、財務局の委託等随意契約業者選定委員会での審議も経て承認されております。
○おときた委員 確実性の担保や、これまで都にはノウハウがない大規模なイベントである等の理由で、企画提案方式を採用したとのご答弁でありました。
では、実際に企画提案を行った企業は何社あったのかを教えてください。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 提案を行った企業数は五社でございます。
○おときた委員 複数の企業、五社が参加をし、競争が行われたことがわかりました。この五社によるコンペを勝ち抜きまして採用されたのは、株式会社電通さんであったわけでございますけれども、この選定経過と選定理由についてお伺いをいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 選定に当たっては、五社から事前に企画書の提出を受け、委託先選定委員会において各社のプレゼンテーションを聞いた上で審査を行いました。
審査項目としては、二〇二〇年大会の成功に向けた開催機運の醸成に効果的な企画内容か、文化、教育プログラムや被災地を含めた地元の企画等とも連動した魅力的で一体感のある提案であるかなどの事業の企画内容の項目に最も大きなウエートを置いております。
また、本件のような大規模事業の実施に必要な運営体制が確保できるか、実施工程が適切に設定されているかなどの事業の実施体制や、業務実績等についても審査項目としております。
これに基づき各委員が評価を行い、全員の採点を積み上げ、最も高い評価点を得た株式会社電通を受託者として選定したものでございます。
○おときた委員 委託先選定委員会において、適切な審査を行ったというわけでございまして、そこで、この審査を行った選定委員会について確認をさせていただきたいのですが、委員として参加したメンバー構成とそのうちの外部委員の比率について教えてください。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 企画提案の審査に当たり、委託先選定委員会を設置しており、委員は都職員六名及び外部委員二名の計八名で構成されております。外部委員の比率は二五%でございます。
○おときた委員 まさにこの点についてなんですが、外部有識者が二名で二五%というのは、いささか少な過ぎるのではないかというふうに感じております。
そもそも今回の企画をプロポーザル方式、企画提案方式にしたのは、さきにご答弁で述べられたように、これまで都にはノウハウがない大規模なイベントであったことがその大きな理由の一つです。
であれば、審査に参加した六名の都職員たちに企画内容を判断できるスキルがあったのかどうか若干の疑問が残ります。少なくとも、こうした大規模なイベントに対して知見を持つ有識者に、半数程度は審査委員として参加していただく方が審査の質の向上につながるのではないかと考えられます。
そして、ここでまた一つ確認なのですが、こうした外部委員も含めた審査委員の情報公開はされているのでしょうか。公開されていないとすれば、その理由もあわせて伺います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 委託先選定委員会の審査委員について、その情報を事前に公表することは、外部委員への働きかけ等により、事業者の競争性に影響を及ぼすおそれがあることから、公表は行っておりません。
また、契約後の公表についても、類似の事業や関連事業の契約の競争性に影響を及ぼす懸念があることから、委員の公表は行っておりません。
なお、当局における契約後の公表につきましては、透明性の向上の観点から改めて検証し、検討してまいります。
○おときた委員 まさにここが私は問題だと認識しておりまして、外部委員とは果たしてどのような専門性とキャリアを持っている方なのか、それがわからない状態ですと選定の説得力が著しく欠けることになりますし、いわゆるご用学者であるとか、そういったいつものメンバー、同じようなメンバーで繰り返し審議が行われているのではないか、そういった疑惑についても答えることができないわけです。
結果が出る前の段階であれば、審査委員の素性を明らかにすることにはさまざまな面から懸念があることは、ご答弁のとおり理解できますが、決定後であれば、審査委員の情報を公開することにはほとんど差しさわりはないはずです。
こちらお調べしたところ、全庁的な取り決めはないとのことで、そして今、今後改めて検証していくという極めて前向きなご答弁をいただきました。他の自治体では、この審査委員の事後の公表については行っているところも多くございますし、この公表を行うということで、審査委員を依頼する側も、また引き受ける側にも非常によい意味での緊張感を持たれることになります。
企画提案方式を採用された案件における審査委員の情報などの公開、透明性の早急な向上を強く求めておきたいと思います。
最後に、本件の今年度事業費十億円については、どのように積算したのかを伺いたいと思います。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 本件の事業費は、リオ大会期間中に複数会場において競技中継、ステージイベント、競技体験等の多岐にわたるライブサイトのコンテンツを確実かつ効果的に運営するための所要額を計上したものでございます。
積算に当たっては、大型ビジョン等の必要機材の借り上げや会場の設営、ステージイベント等の演出関係、広報PR等のライブサイト運営に要する必要経費を過去に実施した類似の大規模イベントや競技体験イベント、ステージイベント等の事例や標準的な単価等を踏まえながら適切に積み上げております。
○おときた委員 適切に積み上げを行っていただいたということなんですが、こちらについても、今後検証が必要になってくるかと思います。
過去の実績を参考にされているわけですけれども、こちらも最初のご答弁のように、これまで都のノウハウがないイベントを実施されたわけであって、企画提案方式で受注した事業者に予算を都が提示すれば、もちろんよいものをつくりたい一心だと思いますが、事業者の方は、当然ぎりぎりまで予算を活用してイベント運営を行うことになります。
果たしてそれが過不足のないものだったのかどうかについて、事後検証が必要になりますし、また私の方でも今後しっかりとこちらは見させていただきたいと思います。
そして、これからも五輪関連では、それなりに大きな規模のイベントが二〇二〇年まで散発的に継続的に続いていくと思います。特定分野のイベント運営においては、ある意味ではアマチュアである都が積み上げ方式で予算を設定して事業者に委託を行うのではなくて、競争入札によるプロの事業者同士の競合により、コスト面、クオリティー面を向上させることができないかどうかという点につきましては、改めて検討を重ねていただきたいところですし、また、企画提案方式、プロポーザル方式を採用される場合でも、外部審査委員の増員や、また、審査委員名簿の事後の早期公表などで、競争性、公平性、透明性を高めていただくことを重ねて強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○山内委員 最後の質問となります。よろしくお願いいたします。
〔委員長退席、吉原副委員長着席〕
まず、リオ大会における取り組みについてお伺いしたいと思います。
リオ大会で実施したジャパンハウス、フラッグハンドオーバー、二つの事業の経費についてお伺いしていきたいと思います。
ジャパンハウスは、東京都、組織委員会、JOC、JPCの四者の共同事業で、事業運営経費として、総額十三億円を委託契約の覚書として締結したと組織委員会が発表しております。そのうち都の予算額は十億円となっています。現在、四者で全体共通経費を分担するため精査中とのことでした。
ハンドオーバーセレモニーについても、予算総額は十二億円で、都がその十二億円を予算計上していますが、これも組織委員会との共同事業なので、費用分担をするために現在精査中とのことです。
一般都民の感覚といたしましては膨大な金額です。都は、一体どのような経費を支出することになるのか、お伺いしたいと思います。
まず、ジャパンハウスについてはどうなっていらっしゃいますか。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 東京二〇二〇ジャパンハウスは、次回開催都市東京及び日本のPR機能、メディアへの発信機能、大会関係者へのホスピタリティー機能を担う施設として、組織委員会、JOC、JPCと共同で二十九日間開設いたしました。
各主催者は、会場の借り上げ費用やセキュリティー対策などの全体共通経費について、その使用実態に応じた費用を分担するとともに、各主催者独自のPR展示に係る制作及び運営費用を負担いたします。
全体共通経費については、履行実績と委託業者からの請求金額、各主催者の使用面積や使用実態に応じた割合などを組織委員会において現在精査中でございます。
都独自のPR展示については、東京が世界に誇る観光地や食、都市インフラなどを楽しみながら体験できる映像や展示等を行ったところであり、現在、請求金額等の精査を行っております。
いずれの費用についても、都として今後厳正に審査の上、支出を行ってまいります。
○山内委員 フラッグハンドオーバーについてはどうでしょうか。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 フラッグハンドオーバーセレモニーは、国内の大会開催機運の醸成に加え、海外に向けた開催都市東京及び二〇二〇年大会をアピールする絶好の機会であり、都と組織委員会が共同で取り組みました。
実施経費は、オリンピック・パラリンピック両閉会式でのそれぞれ八分間のプレゼンテーションに係る費用一式でございます。これは冒頭映像を含む舞台演出を実施するための全ての企画、制作及び現地での運営に要する経費でございます。
なお、リオデジャネイロは日本から非常に遠いため、キャストやスタッフの渡航費や舞台装置、機材等の運搬費等がこのうちの約半分を占めております。
現在、組織委員会において履行確認等を行っており、確認終了後、組織委員会と都の負担割合について実施内容に係る役割分担に応じて整理の上、都の負担金額を決定し、ジャパンハウスと同様、厳正に支出を行ってまいります。
○山内委員 フラッグハンドオーバーでは、何をアピールしたかったのか、お伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 二〇二〇年に向けた期待感を高め、国内外に東京及び日本、そして大会の魅力をアピールするため、フラッグハンドオーバーセレモニーを実施いたしました。
また、アスリートファーストや東日本大震災への復興支援に対する感謝の気持ち、若者の参画などの観点も取り入れました。
これらをより効果的に表現するため、日本を代表するクリエーターや演出家、歴史、文化に精通した外部専門家の意見を取り入れながら企画検討を進め、実施いたしました。
○山内委員 フラッグハンドオーバーセレモニーには、たくさんのゲームやアニメのキャラクターが出てまいりました。このキャラクターの使用料についてお伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 組織委員会が通常日本国内で実施するイベント出演費相当額を支払っております。
○山内委員 総額やそれぞれの負担、その根拠など一日も早く都民に情報公開をしていただくよう要望しておきます。
閉会式には、安倍首相、小池都知事が参加することは明らかにされていましたが、それ以外に誰がサプライズ参加するのか直前まで話題となっておりました。
北京五輪ではベッカム氏が、ロンドン五輪ではペレ氏が登場いたしました。さあ、東京大会のサプライズは誰だと期待を持って見ていると、何と安倍首相がマリオに扮して、地球にドリルのような道具で土管を通しあらわれました。
五輪は都市で開催される大会で、国は開催都市を支える側に立つのだと思っていたので、違和感を覚えた人も多いのではないかと思います。
フラッグハンドオーバーに今まで首相や大統領が出演したケースはあったのか、お伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 IOCに問い合わせましたところ、確認できる一九九六年アトランタ大会以降は、首相や大統領の出演はないとのことでございます。
○山内委員 安倍首相の出演はいつ誰が提案し、都はどの段階で知ったのか、お伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 ハンドオーバーの出演者を検討していく中で、組織委員会の森会長から安倍首相に出演を打診し、了承を得たと聞いております。
都としても、サプライズ演出として実施することを情報共有しておりました。
〔吉原副委員長退席、委員長着席〕
○山内委員 オリンピック憲章には、オリンピック区域、競技会場、またはその他の区域では、いかなるデモンストレーションも、あるいは政治的、宗教的、人種的プロパガンダも許可されないとあります。
安倍首相の出演は、オリンピック憲章に抵触するのではないかという声もあります。都としてどう考えるのか、お伺いいたします。
○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 安倍首相の出演は、サプライズ演出の一つとして、事前にIOCの了承を得た上で実施しております。
○山内委員 オリンピック憲章には、スポーツの実践は一つの人権である、何人もその求めるところに従ってスポーツを行う可能性を持たなければならないとあります。リオ大会は、開会式直前まで治安や大会運営が心配されました。そうした中で、史上初の難民選手団が結成され、競技に参加したことは、世界に大きな希望を与えました。
国連難民高等弁務官事務所のことし六月の発表によりますと、二〇一五年末の全世界の難民の数は約六千五百万人を超えたといいます。
オリンピック・パラリンピックには、国家、民族、宗教などを超えた平和の祭典として、その意義を継承していくことが大事だと思います。東京大会でも、ぜひそれを引き継いでほしいと要望いたします。
次に、リオ大会で得られた主な知見についてお伺いしたいと思います。
今回、オリンピック・パラリンピック準備局で、リオ大会を視察した報告がございました。
ボランティアについてですが、ボランティアの募集には、市民が参加しやすい条件が重要だと思います。リオ大会でのボランティアの人数は、ロンドン大会と比較すると少ないのですが、リオ大会の募集条件は、ロンドン大会と比べて主にどのような点が異なっていたのか、お伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 大会運営をサポートする大会ボランティアの募集条件につきましては、リオ大会、ロンドン大会ともに十八歳以上、開催期間中に十日以上参加可能であることなど、ほぼ同様の条件でございました。
一方、空港、主要駅や観光地等で観光、交通案内を行う都市ボランティアにつきましては、ロンドン大会では、十八歳以上、開催期間中に五日以上参加可能であることなどであったのに対しまして、リオ大会につきましては、ボランティア活動が国民に十分浸透していないことから、ボランティアの募集は行わず、有償で雇用することとなっております。
○山内委員 リオでは、観光、交通案内を行うスタッフは、有償で雇用されたということです。有償、無償というのは難しいところですが、ボランティアには、気持ちよく参加してほしいと思っております。
東京二〇二〇大会に向けて、多くの人のボランティア参加が得られるように取り組んでいただきたいと思いますが、見解をお伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会の視察やオブザーバープログラムを通じまして、ボランティアの募集、育成に早期から計画的に取り組むことの重要性などが確認できたところでございます。
今後、リオ大会の課題等も踏まえまして、組織委員会と連携しながら、大会のボランティアに関する戦略を速やかに策定し、ボランティアへの参加機運の醸成、裾野拡大を図るとともに、計画的にボランティアの募集、育成に取り組んでまいります。
○山内委員 視察報告の中には、市民を巻き込む取り組みという項目もありました。さまざまな視点で取り組みが行われているようですが、市民参加という観点では、快くボランティアに参加しようという気持ちが自発的に起きることが重要だと思います。
組織委員会で、今週発表したボランティアの方向性、応募要件案を見ますと、検討が進められているようですが、それに先立って七月に発表したボランティア応募要件案のときには、ボランティアに参加したいと考えていた市民から、これでは厳し過ぎて参加意欲を失ったという声が上がっていました。私もそういう声をよく聞きました。
競技施設建設費用が巨額になり、大会の総費用も幾らか見えない、膨大に膨れ上がっていると話題になる中、東京大会に対する市民の思いはしぼんでいるんではないかという声も聞いております。
わくわくするような大会にするには、ボランティア等、市民が快く参加しようという気持ちになるよう考えていかなければならないと思います。ぜひ工夫をお願いいたします。
次に、食材の調達についてお伺いしたいと思います。
地産地消は、生産者と消費者が互いに顔の見える関係を保ち食の安全確保が可能となること、また特に東京においては、都市農業の振興にもつながることから、その推進については、生活者ネットワークはこれまでもさまざまな場面で主張してまいりました。
先日のリオ大会の視察報告によりますと、地元産食材の活用に関する説明がありましたが、東京大会においても地産地消を推進していくことで、大会を契機に取り組みが拡大していくと考えます。
そこで、リオ大会の取り組みを踏まえつつ、産業労働局とも連携しながら、二〇二〇年大会において、都内産や国内産食材を活用するためどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 リオ大会では、リオ州産やブラジル国内産の食材を優先的に調達する基準を定め、食材調達を行っておりました。
現在、組織委員会では、持続可能性に配慮した食材等の調達基準について、専門家や業界関係者などを交え検討を行っているところでございますが、この検討には、オリンピック・パラリンピック準備局と産業労働局がともに参加しておりまして、選手村等において、東京産や国産の食材が優先的に活用されるよう取り組んでまいります。
○山内委員 ロンドン大会においては、農産物や乳製品、牛肉などは英国産の食材確保を義務づけていたと聞いております。東京大会でも、都内産、国内産食材を積極的に調達し、地産地消の取り組みを推進するよう要望いたします。
次に、標識、サインについてお伺いしたいと思います。
先日、汐留駅で乗りかえすることがありました。ゆりかもめの乗り場、大江戸線の乗り場がわからずに苦労いたしました。
一方、サインが至るところにあって、複雑になっている駅もあるようです。こうした状況は、特に外国人を含めた来訪者にとってはわかりにくいと考えます。
標識、サインによる方向や情報の表示には、適切な配置やバランスなどが重要だと思いました。リオ大会において、標識、サインはどのように整備され、都はどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○戸谷オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 リオ大会におきましては、交通機関、道路、大会会場等に大会サイネージを二十五万枚設置し、既存の標識も活用して会場の場所の案内を行っておりました。
東京都内では、都市交通機関が高度に発達し、複雑化しております。このため、東京大会の開催時には、外国人も含めた多くの来訪者が円滑に移動するために、都市の情報をわかりやすく示す必要があります。
例えば、駅については、多言語対応協議会の中の交通分科会におきまして、わかりやすい案内表記を実現するため、ケーススタディーとして新宿ターミナル協議会を設置し、取り組みを進めているところです。
二〇二〇年大会に向けて、外国人はもとより、全ての人にとってわかりやすい標識やサインを整備するため、引き続き協議会の場などを通じて、関係者と連携してまいります。
○山内委員 今のご答弁で、都が全ての人にとってわかりやすい標識、サインの整備にも取り組んでいくということでした。
特に障害のある方にとっては、適切な表示が必要です。中でも色覚特性の人や弱視の人を含む視覚障害者への配慮は、標識、サインを整備する上で重要な観点であると考えます。
リオ大会の標識、サインの視覚障害者に対する配慮をどのように評価し、今後、東京都としてどのような取り組みを行っていくのか、お伺いいたします。
○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務
リオ大会の標識やサインにおける視覚障害者への配慮としては、競技会場内における触知案内図の設置など、一定の対策がとられておりました。
一方、大会用案内サインの文字が小さく、色彩的にもコントラストが弱く、読みにくいという課題も見受けられたところでございます。
東京大会における標識、サインは、運営時のバリアフリー化の指針であるTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえて整備することとしており、文字やシンボルには背景色とコントラストがはっきりした色彩を用いることや、設置場所等に配慮していくこととなります。
また、大会会場のうち、都が整備する恒設の競技会場につきましては、このガイドラインの適切な反映に加え、障害のある方に直接意見を伺うアクセシビリティ・ワークショップを開催してございます。
視覚障害者にも見やすい文字による案内表示の設置や、エレベーターやトイレの音声案内の整備についてご意見をいただいており、可能な限り設計へ反映してまいります。
こうした取り組みを通じて、組織委員会と連携しながら、視覚障害者も参加しやすい大会となるよう努めてまいります。
○山内委員 カラーユニバーサルの視点、そして情報バリアフリー、当事者の意見や要望を聞きながらぜひ進めていっていただきたいと思います。
次に、五人制サッカーの会場についてお伺いしたいと思います。
五人制サッカーの会場については、大井ホッケー競技場から青海に変更となりました。その経緯については既に質疑がありました。
競技に影響を与える可能性があるということで、アスリートファーストの観点等から競技を変更したと先ほどの答弁で伺いましたが、選手だけではなく、観客についても十分な配慮が必要です。
五人制サッカーは、視覚障害の方の観客も多いと聞きますが、会場を準備するに当たっては、視覚障害の方に対しても配慮すべきと考えます。
視覚障害者への情報提供について、リオ大会では、競技会場内で競技解説用のFMラジオの貸し出し等を行っていたとのことです。
東京大会の開催に当たっても、視覚障害のある方も会場で競技観戦を楽しめるよう、適切に情報提供を行うことが必要だと思いますが、手段としてどのようなものがあるのか、お伺いいたします。
○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務
ただいまのお答えと重なるところがあり、まことに恐縮ではございますが、競技会場は、大会運営におけるハード、ソフト両面のバリアフリー化の指針であるTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえて整備されます。
ガイドラインの案は、現在IPCに承認申請中でございますが、視覚障害者への配慮としてエレベーターやトイレにおける音声案内、表示サインの色彩のコントラスト等の項目を挙げてございます。
また、ただいまご紹介のあったFMラジオを用いた、競技の説明でございますが、こちらは視覚障害者の大会を運営する際に用いられる手段の一つでございます。私自身、足立区総合スポーツセンターで開催されましたゴールボールの大会でも経験したことがございます。
いずれにしましても、運営主体である組織委員会と連携しながら、視覚障害がある人もない人も、他の障害がある人もない人も、必要な情報を同様に入手できる環境の整備に努めてまいります。
○山内委員 ご答弁にありましたように、一口に障害者とくくるのではなく、その障害の種類や程度にも応じた合理的配慮が必要です。障害があってもなくても、会場の内外で世界最高のプレーをともに体感し、一体感を持って盛り上がれるよう、物理的なバリアフリーだけではなく、情報のバリアフリーにも配慮して、東京大会を機にインクルーシブな社会としていくよう進めていきたいと思っております。
五人制サッカーの会場は仮設会場であり、組織委員会が整備することになっておりますが、大会会場全体についても、そういった観点がしっかりと反映されるよう、都としても組織委員会と連携し、準備に取り組んでいってほしいと要望いたしまして、私の質問を終わります。
○高島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。
これをもちまして本日の委員会は閉会をいたします。
午後四時十四分散会
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