オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会速記録第三十五号

平成二十八年五月二十五日(水曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長高島なおき君
副委員長畔上三和子君
副委員長藤井  一君
副委員長吉原  修君
理事伊藤こういち君
理事小山くにひこ君
理事秋田 一郎君
理事相川  博君
理事吉田 信夫君
小林 健二君
川松真一朗君
斉藤やすひろ君
上田 令子君
山内れい子君
山崎 一輝君
石川 良一君
徳留 道信君
鈴木 隆道君
今村 るか君
林田  武君
立石 晴康君
川井しげお君
酒井 大史君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長塩見 清仁君
技監上野 雄一君
技監西倉 鉄也君
技監石山 明久君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長岡安 雅人君
連携推進担当部長丸山 雅代君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務戸谷 泰之君
運営担当部長田中  彰君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
大会施設部長根本 浩志君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 一幸君
施設担当部長花井 徹夫君
施設整備担当部長小野寺弘樹君
輸送担当部長選手村担当部長兼務朝山  勉君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君
スポーツ推進部長小室 明子君
スポーツ計画担当部長川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務
土屋 太郎君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・新規恒久施設の施設運営計画(中間のまとめ)について(説明)
・平成二十八年度における競技会場等整備の予定について(質疑)
・東京二〇二〇パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況(その二)について(質疑)
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムについて(質疑)

○高島委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項、新規恒久施設の施設運営計画(中間のまとめ)については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 岡崎次長スポーツ推進担当理事兼務及び井上自治体調整担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、理事者から新規恒久施設の施設運営計画(中間のまとめ)について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局開設準備担当部長 それでは、新規恒久施設の施設運営計画(中間のまとめ)の概要についてご報告をいたします。
 お手元の資料第1号の一ページをごらんください。
 まず、1、これまでの経過ですが、都は昨年六月、新規恒久施設に係る後利用の方向性を公表いたしました。その後、オリンピックアクアティクスセンター、海の森水上競技場、有明アリーナ、カヌースラローム会場の四施設について、施設運営計画の策定を支援する事業者を公募、選定し、昨年十月から関係各局とともに検討を進めてまいりました。本年三月末には、外部有識者等で構成されるアドバイザリー会議でご意見をいただき、中間のまとめを取りまとめております。本日、この施設運営計画中間のまとめを公表させていただき、六月八日までの二週間、パブリックコメントで都民の意見を募集いたします。
 次に、2、施設運営計画の位置づけでございますが、この計画は新規恒久施設を大会後も都民、国民の貴重な財産として末永く活用していくため、民間の知恵とノウハウを取り入れて策定した施設運営の指針となる計画でございます。
 次に、資料右側の3、新規恒久施設のレガシーの基本的考え方をごらんください。
 まず、多目的な活用です。競技スポーツに加え、都民のスポーツ利用や文化、レジャー活動、青少年教育の場として活用していきます。次に、周辺との連携による広がりのあるレガシーの形成です。施設周辺との連携を図り、さまざまな人々が集い、交流が生まれるにぎわいの拠点としてまいります。
 次に、4、周辺のまちづくりとの連携につきましては、臨海部など今後の東京のまちづくりの方向性ともかかわることから、都市づくりのグランドデザイン(仮称)の検討とも連携し、周辺のまちづくりとの連携によるにぎわいを創出してまいります。
 次に、5、臨海部の交通利便性の向上に向けた取組では、昨年十二月に公表いたしました二〇二〇年に向けた東京都の取組において、道路整備やBRTの導入、都営バスの路線の拡充など、都の取り組みを明らかにしておりますが、新規恒久施設を大会後も有効活用していくため、さらなる交通アクセスの強化について検討してまいります。
 次に、6、今後の検討ですが、引き続き検討を進め、今後の議会での議論も踏まえまして、今回取りまとめた四施設に大井ホッケー競技場とアーチェリー会場も含め、施設運営計画、最終のまとめを今年度末を目途に策定していく予定でございます。
 次に、個別施設の運営計画の概要についてご説明をいたします。
 資料の二ページをごらんください。まず、オリンピックアクアティクスセンターです。
 施設の位置づけですが、国内外の主要大会の会場、アスリートの競技力強化と育成の場、子供から高齢者までが安心して日ごろからスポーツ活動や健康増進を行うことができる場、海上公園との一体感やつながりを持った都民の憩いの場としてまいります。
 次に、Ⅰ、運営の基本方針及び主な事業内容ですが、四つの基本方針とそれに対応する事業内容を記載しております。
 まず第一に、国際、国内競技大会の会場やオリンピアン、パラリンピアン水泳教室など、競技力向上の場として活用いたします。第二に、水上レジャー広場のほか、水中歩行やベビースイミングなど、子供から高齢者まで幅広く楽しめる場を提供いたします。第三に、大会運営諸室を有効活用し、健康増進事業や文化、教養講座などを実施いたします。第四に、都民の憩いの場として、海上公園と一体になったにぎわいを創出してまいります。
 その下のⅡ、周辺地域との連携ですが、周辺の公園内にランニングコースを設け、ランナーがアクアティクスセンターの更衣室やシャワーを利用できるようにしてまいります。また、デッキ等におけるイベントの開催などにも取り組んでまいります。
 資料右側のⅢ、年間利用イメージですが、メーンプールでは、年間を通じて大会開催や選手育成などを行ってまいります。また、サブプールでは、夏の時期を中心に早朝から一般開放を行ったり、遊具を浮かべた水上レジャー広場を設けてまいります。
 資料右下のⅣ、年間来場者目標ですが、類似施設の利用状況や競技団体、支援事業者からのヒアリングなどをもとに目標数を設定しております。アクアティクスセンターにつきましては、大会利用や観戦、一般利用や教室等で約百万人を目標としております。
 次に、資料の三ページをごらんください。
 海の森水上競技場の施設の位置づけでございますが、ボート、カヌースプリント等の大会の会場と競技力向上の場、そして都民の新たなスポーツ体験と青少年教育の場、また、隣接する海の森公園(仮称)などと連携した臨海部の新たなにぎわいの場、憩いの場としてまいります。
 次に、Ⅰ、運営の基本方針及び主な事業内容ですが、第一に、ボートやカヌースプリント、ドラゴンボート、トライアスロンなどの水上競技大会の会場、国内選手の強化、育成の拠点として活用いたします。第二に、青少年を対象とした水上スポーツ体験や環境学習を実施いたします。第三に、サイクリングやランニングなど多様なスポーツに親しめる機会を創出いたします。第四に、冬季も含めたさまざまなイベントなどにより、多くの人々が集い訪れるにぎわいの拠点としてまいります。
 その下のⅡ、周辺地域との連携ですが、隣接する海の森公園(仮称)と連携し、利用案内、情報提供の効率化、駐車場や宿泊施設などの相互利用、ランニング、サイクリングコースの設置などを検討してまいります。
 資料右側のⅢ、年間利用イメージですが、競技コースでは、春から秋を中心といたしまして大会を開催し、練習や合宿を通年で受け入れてまいります。また、夏休みの期間を中心に、水上スポーツ体験などのレクリエーションを行ってまいります。また、冬季も含めさまざまなイベントの開催などを検討してまいります。
 資料の右下のⅣ、年間来場者目標ですが、競技利用やレクリエーション利用などの合計で約三十五万人を目標としております。
 次に、四ページをごらんください。有明アリーナでございます。
 施設の位置づけですが、大規模なスポーツ大会やイベントの開催に加え、都民が日常的にスポーツに親しめる場、また、ウオーターフロントの景観を生かしたにぎわいと潤いのある東京の新たなスポーツ、文化拠点としてまいります。
 次に、Ⅰ、運営の基本方針及び主な事業内容ですが、第一に、国内外の主要な競技大会など、質の高いスポーツ観戦機会等を提供してまいります。第二に、コンサート等の文化イベントの開催など、魅力的なエンターテインメントの場を提供いたします。第三に、身近なスポーツ施設として、サブアリーナ等で都民が日常的にスポーツに親しめる環境を提供いたします。第四に、交流広場を活用したイベントの開催など、多様なコミュニティの場を提供いたします。第五に、施設周辺の親水空間や近隣施設と連携し、にぎわいを創出してまいります。
 その下のⅡ、周辺地域との連携ですが、有明親水海浜公園(仮称)と連携したランニング、ウオーキングコースの設置や交流広場での各種イベントの開催を検討してまいります。
 資料右側のⅢ、年間利用イメージをごらんください。メーンアリーナでは、スポーツの国際、国内大会やコンサートのほか、卒業式や入学式、株主総会、企業の運動会などを行ってまいります。サブアリーナでは、都民のスポーツ利用を中心に行い、そのほかフィットネススタジオやカフェ、レストラン等を営業してまいります。
 Ⅳ、年間来場者目標ですが、競技利用やコンサート利用、イベント利用等で約百四十万人を目標としております。
 次に、五ページをごらんください。カヌー・スラローム会場でございます。
 施設の位置づけですが、カヌーのほか、ラフティングなど、さまざまな水上スポーツが楽しめるレジャー、レクリエーション施設、また、葛西臨海公園など周辺施設と一体的な活用を図り、新たなにぎわいの拠点としてまいります。
 次に、Ⅰ、運営の基本方針及び主な事業内容ですが、第一に、国内初の人工スラロームコースとして、国内外の主要大会の開催、選手の強化、育成、カヌー教室など、さまざまな水上スポーツの機会を提供していきます。第二に、ラフティング体験などの水上レクリエーションのほか、水難救助訓練、企業研修など、多様な活用を進めてまいります。第三に、葛西臨海公園など、周辺施設や地元区と一体となってにぎわいを創出してまいります。
 その下のⅡ、周辺地域との連携ですが、水族館や観覧車、ホテル、人工なぎさなど、さまざまな公園の資源を生かした一体的な活用を検討してまいります。
 資料右側のⅢ、年間利用イメージをごらんください。
 スラロームコースでは、国内外の競技大会とともに、夏場を中心にラフティング等のレクリエーション利用を進めてまいります。また、秋冬につきましても、水難救助訓練などの場としても活用していきます。フィニッシュエリアは、カヌー教室や水上遊具などのレクリエーションで活用してまいります。さらに、周辺の公園と連携して、カヌー体験と植物や野鳥の観察会などを組み合わせたアウトドア教室を実施してまいります。
 Ⅳ、年間来場者目標ですが、競技利用やレクリエーション利用等で約十万人を目標としております。
 なお、資料第2号は、本日の公表資料、新規恒久施設の施設運営計画―中間のまとめ―の本編でございます。後ほどお目通しいただければと存じます。
 説明は以上でございます。

○高島委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○上田委員 地元というか、そこの設置区の大会の前と後との連携と、また、地元要望の反映のわかるもの。
 二つ目が、大会後のランニングコストと人的配置の見込みがわかるもの。
 最後になりますけれども、パブリックコメント、起案から実施までの経緯と、多分、次の質疑のときは結果が出ていると思いますので、実施状況と結果につきまして資料請求をさせていただきます。

○高島委員長 ごめんなさい、一番最初がちょっと聞こえなかったんだけれども。

○上田委員 地元区との大会前後の連携と、また、地元からの要望の反映はどういうふうになってきたかの経緯がわかるもの。

○高島委員長 以上三点ですね。

○上田委員 はい。

○高島委員長 ただいま上田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○高島委員長 次に、報告事項、平成二十八年度における競技会場等整備の予定について外二件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局総務部長 去る五月十二日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 それでは、お手元に配布してございますオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会要求資料をごらんください。
 表紙を一枚おめくりいただき、資料1、競技会場等の設計・工事の契約状況についてをごらんください。
 この資料は、平成二十八年五月十二日現在の各競技会場等における設計、工事の契約状況をお示ししたものでございます。
 1から9のそれぞれの施設について、資料左側から、会場名、進捗状況、契約件名、契約日、契約金額、履行期限、執行委任先、執行委任の範囲と内容を記載しております。
 なお、契約件名につきましては、現在の設計、工事契約について主要な契約を記載しております。
 また、契約金額について、2、海の森水上競技場及び7、武蔵野の森総合スポーツ施設では、記載の契約件名以外の工事を含めた総額を下段に記載しております。
 なお、6、アーチェリー会場(夢の島公園)及び9、その他(代々木歩道橋改修)につきましては、現在、設計、工事の発注準備中でございます。
 資料をおめくりいただき、資料2、エンブレムの選定方法・経過等についてをごらんください。
 昨年九月一日に使用中止となりました旧エンブレムと本年四月二十五日に決定された大会エンブレムそれぞれにつきまして、作成、選考、応募要件、選考経過を記載しております。
 資料をおめくりいただきまして、資料3、旧エンブレム関連PR告知物に関する経費についてをごらんください。
 旧エンブレム関連のPR告知物それぞれについて、数量、契約金額、支出金額を記載しております。契約金の総額四千六百五十万余円に対し、最終的な支出総額は八百五十万余円となっております。これは、使用中止の時点で作成が完了していなかったものについて、作業を中止する、あるいはエンブレムを使わずに印刷するなどの対応を行ったことによるものでございます。
 資料をおめくりいただきまして、資料4、平成二十八年度の大会エンブレムの活用事業と執行見込額についてをごらんください。
 東京二〇二〇大会に向けた開催機運を醸成するため、当局が各局や都内区市町村などと連携しながら実施する主な事業と執行見込み額を記載しております。
 資料をおめくりいただきまして、資料5、大会エンブレム使用申請の流れについてをごらんください。
 都庁各局、都内区市町村、国、道府県及び市町村、民間それぞれにつきまして、使用申請の流れを記載しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより質疑を行います。
 発言を願います。

○秋田委員 皆さんご存じのとおり、去る四月二十五日にようやく二〇二〇年大会のエンブレムが決まりました。
 前回エンブレムの使用中止以降、私たち都議会自民党は、オリンピック・パラリンピックが国民的行事であることから、透明性の高い手続を経て、誰からも愛され、日本はもとより、世界に発信できるようなエンブレムが策定されるよう要望してまいりました。
 前回の反省点を踏まえ、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会のエンブレム委員会において、多くの国民、都民の参加をいただきながら、透明性の高いプロセスで選考を進めていただけたものと感じています。
 しかしながら、本来であれば、昨年七月から開始できたエンブレムを活用しての開催機運の盛り上げが相当期間おくれてしまったということは否めません。
 都は今後、この空白期間を埋めるべく、開催都市として責任を持って、組織委員会などの関係機関と密接に連携して、あらゆる機会を捉えてこの新たな大会エンブレムを活用し、機運醸成を図っていかなければなりません。
 今後、都はこの大会エンブレムをどのように活用して、開催都市の雰囲気や都民の参加機運を醸成していくのか、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 大会エンブレムは、二〇二〇年大会の成功に向けて、都民、国民が一つになるための象徴であり、世界に向けて大会のメッセージを発信する重要な役割を果たすものでございます。
 大会エンブレムを活用した広報PRを推進するため、既にポスターやのぼり旗などの広報ツールの作成に着手し、都庁舎の案内コーナーや展望台、議会棟への掲示を行ったところでございます。
 今後、六月上旬ごろから、都内の学校、区市町村の庁舎、都立競技会場などへの掲示を進めてまいります。
 また、都庁舎や議会棟の外壁への大会エンブレムの掲示については、先週から作業を開始し、六月中には完了する予定です。
 さらに、都庁舎のデジタルサイネージでの映像による情報発信を既に開始しており、今後は、都立スポーツ施設や都営交通の各駅など、都内各所に設置されたデジタルサイネージにおいて大会エンブレムの発信を行ってまいります。
 六月末ごろには、広報PR用のバッジができ上がる予定であり、都庁各局や区市町村などが実施する各種イベント等を通じて、広く都民に配布してまいります。
 今後は、組織委員会が今年度策定するブランド戦略に基づく大会独自の一貫性のあるデザインにより、競技会場やまち中の装飾を展開してまいります。
 こうした取り組みを通じ、二〇二〇年大会に向けて、開催都市としての祝祭の雰囲気を醸成するとともに、都民の参加機運の盛り上げを図ってまいります。

○秋田委員 ぜひ開催都市としての雰囲気や都民の参加機運の醸成に、今おっしゃったようなデジタルサイネージ、あるいはバッジを通じて、全力で取り組んでいただきたいと思います。
 私たち都議会自民党としても、あらゆる機会を捉えて広報活動に協力し、大会PRを強力に後押ししていきたいと思っております。
 また、二〇二〇年大会を成功に導くためには、東京都やオリンピック・パラリンピック競技会場となる自治体のみならず、全国の自治体や議会からもご協力をいただきながら、オールジャパンで取り組んでいく必要があります。
 二〇二〇年大会の招致に当たり、各道府県や政令市などには、各議会での招致決議をいただくとともに、のぼり旗、横断幕などの掲出によるPR、各種イベントを通じた盛り上げなど、多大なご協力をいただきました。こうした全国からのご支援のおかげで、国民の支持率が向上し、招致実現につながったことを忘れてはなりません。
 全国からのご支援に対する返礼の意味でも、都は今後、大会エンブレムを活用して、被災県を初め全国の道府県などと連携し、全国的な開催機運を盛り上げていく必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 都は、昨年末に策定した二〇二〇年に向けた東京都の取組において、被災地復興の後押しやオールジャパンでの大会成功を掲げ、都内のみならず、全国の大会開催機運の醸成に取り組んでいるところでございます。
 都が作成するポスターやのぼり旗、広報PR用のバッジを、被災地を初めとする道府県、政令市にも今後配布し、庁舎や関連施設への掲示や各自治体が実施する大会PRイベント等において活用していただけるよう依頼を行ってまいります。
 また、リオ大会期間中に被災三県で実施するライブサイト等を初めとする大会PRにつながるイベントでも活用し、被災地における大会開催機運を醸成してまいります。
 今後とも、組織委員会と協力し、道府県や政令市と連携した盛り上げ策の工夫を行いながら、全国的な開催機運醸成の取り組みを加速させてまいります。

○秋田委員 リオ大会はもうすぐです。そのリオ大会が終了すると、次期開催都市である東京に世界中から注目が集まるんだろうと思います。
 二〇二〇年大会に向けて、ポスターやのぼり旗、広報PR用のバッジなどの活用はもちろんのこと、祝祭感を演出するためのシティードレッシングを順次拡大するとともに、都内区市町村や全国の自治体、組織委員会と連携して、オール東京、オールジャパンで都内及び全国の開催機運を盛り上げていただくことを強く要望しておきます。
 東京パラリンピック競技大会まであと四年と少しとなりました。東京は世界で初めて二回目のパラリンピックを開催する都市であり、このパラリンピックを通じて、障害のある人もない人も、互いに尊重し、支え合う共生社会を実現するなど、確かなレガシーを残していかなければなりません。
 そのために、パラリンピックを満員の観客で盛り上げ、ロンドン大会を超える大成功におさめる必要がありますが、競技会場はパラリンピアンの活躍の舞台として、多くの夢と感動を世界に向けて発信する核となるものであり、会場計画はパラリンピックの成否を左右する重要な要素の一つです。
 パラリンピックの会場計画は、昨年十一月のIPC理事会で、十九競技の会場が承認され、残りの三競技のうち、今回、自転車競技トラックレースとパワーリフティングの二競技二種別の会場が承認されたところでございます。
 どちらの競技も立候補ファイル時の会場から変更されたとのことでございますが、どのような観点から会場選定を行ったのかを伺います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 パラリンピックの会場選定に当たりましては、オリンピックの会場を使用することを原則とするとともに、アスリートファーストの視点はもとより、パラリンピック競技の特性、会場へのアクセシビリティーなどを重視し、会場計画再検討を行ってまいりました。
 その結果、自転車競技トラックレースにつきましては、国内で唯一オリンピック規格を満たしたトラックを有し、オリンピックトラックレースの会場である伊豆ベロドロームを使用することといたしました。この伊豆ベロドロームでは、本年一月にはアジアパラサイクリング自転車競技選手権大会が開催されております。
 パワーリフティングにつきましては、オリンピックウエートリフティングの会場であり、選手村からのアクセスもすぐれた東京国際フォーラムを活用することといたしました。

○秋田委員 確かに今回、自転車競技トラックレースとパワーリフティングの会場が確定したことについては一歩前進であり、大変喜ばしいことだと思います。
 しかし、一方で、自転車競技ロードレースと五人制サッカー、二競技二種別については、引き続き競技会場の調整を進めるとされています。
 この二競技二種別について、今回、会場の承認に至らなかった理由について伺います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 自転車競技ロードレースにつきましては、立候補ファイル時の会場であるお台場海浜公園を中心とした競技コースについて、種目によっては距離の不足や高低差などの難易度に課題があり、引き続き検討することといたしました。
 五人制サッカーにつきましては、会場周囲の音や風などが競技に影響を与えることから、立候補ファイル時の会場である大井ホッケー競技場について、大会本番と同じ時期の環境下で確認したいという国際競技連盟、IFの意向も踏まえ、引き続き検討することといたしました。
 当該二競技二種別の会場につきましては、IPCや国際、国内競技団体と調整しながら早期に確定させ、IPC理事会で報告できるよう、組織委員会と連携し、精力的に協議してまいります。

○秋田委員 自転車競技ロードレースと五人制サッカーの会場が引き続き検討となった理由はわかりました。
 この二競技の会場についても課題は多いと思いますが、東京二〇二〇年パラリンピックを大成功におさめるべく、パラリンピアンのすばらしい活躍を通じ、多くの夢と感動を全世界に与えるにふさわしい会場計画としてほしいと思います。
 続いて、競技会場の整備について質問をします。
 五月十二日の委員会において、平成二十八年度における都立競技会場等整備の予定についての説明を受けました。
 今年度は、先行して整備を行うオリンピックアクアティクスセンターなどの三競技会場に加え、カヌースラローム会場など他の競技会場についても、工事実施に向けた実施設計等に取り組むとのことでございます。
 大会を成功に導き、史上最高の大会としていくために、施設整備において設計や施工が適切に行われているだけでなく、都民に愛され、大会後にレガシーとして誇れるような施設となるようしっかりと取り組んでほしいと思います。
 そこで、これらを踏まえ、着実に施設整備を進めていくに当たり、今年度どのように取り組んでいくのか伺います。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 大会に向けて限られた期間で確実に施設を整備するためには、関係者等との連携のもと、丁寧に調整を行い、大会時の競技会場として、また、大会後も都民に親しまれる施設として適切なものとなるよう、十分に検討しながら進めることが重要でございます。
 設計業務を進めるに当たりまして、引き続きIF、NFと協議、調整を図りますとともに、昨年度設置いたしました都立競技施設整備に関する諮問会議を六月ごろに開催するなど、施設の性能、仕様、コストなどについて検討を重ねてまいります。
 また、オリンピック・パラリンピック環境影響評価などの手続を適切に行いますとともに、工事実施に当たりましては、地元の理解と協力が得られるよう努めてまいります。
 今年度策定予定の施設運営計画の検討状況もしっかりと踏まえながら、大会後も多くの都民に活用される施設となるよう、着実に設計等を進め、施設整備に取り組んでまいります。

○秋田委員 先ほどの施設運営計画中間のまとめの報告で、類似施設の利用状況や競技団体、支援事業者からのヒアリングをもとに、年間来場者目標を設定したとの説明がございました。
 この目標をしっかりと確実に達成していくためにも、大会後のレガシーを見据えながら、多くの都民、国民に喜ばれる施設をつくり上げてもらいたいと思います。大会までの限られた時間の中で、大会準備に万全を期すことを期待しております。
 そこで、最後に、施設整備に向けた局長の決意を伺い、私の質問を終わります。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 二〇二〇大会に向けました施設整備につきましては、これまでも当委員会でのご議論を踏まえ、会場計画の再検討を行い、設計等の作業を進めてまいりました。
 おかげさまをもちまして、三施設につきましては、設計施工一括発注による契約を締結して作業に取り組んでおります。
 その他の施設につきましても、基本設計の完了が見込める段階にまでこぎつけることができたところでございます。
 今後は、詳細な設計作業を確実に進め、工事における品質、工期、コストの適切な施工管理に努め、テストイベントにも対応しながら、四年後には選手や観客に最適な施設を提供できるよう、着実に整備を進めてまいります。
 また、本日、施設運営計画の中間のまとめの案をご報告させていただきましたが、先ほど秋田理事からのお話もありましたとおり、大会時だけでなく、後利用についても、より具体的で詳細な検討をしっかりと進め、大会後も末永く都民に親しんでもらえる施設としてまいります。
 今後とも、都議会の皆様を初め大会組織委員会、IOCやIPCといった関係機関、地元自治体などと十分に連携を図り、二〇二〇大会にふさわしい施設整備に向けまして、局一丸となって全力を挙げてまいります。

○伊藤委員 それでは、私からは、パラリンピック競技大会会場計画の再検討について伺ってまいりたいと思います。
 昨年十二月の当委員会において、私の方からは、昨年十一月のIPC理事会で競技会場が決まらなかったパワーリフティング、そして自転車競技、そしてまた五人制サッカー、ブラインドサッカーのこの三競技会場について、今後どのようなプロセスで進めていくのか、また早期に会場を決めてほしいと質疑を行ったところであります。
 都としても、早期に会場を決めるべく努力してきたと思いますけれども、立候補ファイル上、私の地元品川区と隣の大田区に設置される大井ホッケー競技場で実施されることになっている五人制サッカー、ブラインドサッカーは、今回も会場が決まりませんでした。
 そこで、五人制サッカー、ブラインドサッカーの会場決定に向けて、昨年からこれまでの間、都はどのような取り組みを行ってきたのか、まず伺いたいと思います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 大井ホッケー競技場につきましては、既存の野球場利用者への影響に配慮し、ピッチの配置を変更いたしました。
 こうした変更も踏まえて、五人制サッカーのIFと調整を行い、本年三月には、IFの希望により会場視察を行っております。
 視察の際には、アスリートファーストの視点から、実際にプレーしている選手にも同行を依頼した上で、ピッチの配置に加えて、競技に影響を与える可能性のあるピッチ周辺の環境についても確認を行っております。

○伊藤委員 本年三月に行われたIFの視察については、現役の選手に同行してもらったということについては、アスリートファーストの観点から大変に重要な取り組みであったというふうに思います。
 しかしながら、地元品川そして大田では、昨年十一月に続いて、先月のIPC理事会でもブラインドサッカーの競技会場が決まらなかった状況に大変に大きなショックを受けているとともに、本当に大井ホッケー競技場で決まるのか、心配の声が寄せられております。
 そこで、ブラインドサッカーの競技会場が引き続き調整となった理由について伺いたいと思います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 本年三月の会場視察の際には、視察に同行したアスリートの意見も踏まえ、風向きや風の強さ、会場周囲の音など、大会本番と同じ時期の環境下で再度確認したいというIFの意向が示されました。
 周辺環境に影響を受けやすい競技特性に加えて、こうしたIFの意向も考慮し、引き続き検討することといたしました。

○伊藤委員 以前のこの委員会でも申し上げましたけれども、ブラインドサッカーは視覚障害者の競技でありまして、サッカーボールの中の鈴のような音と、そして監督、またコーチ、ゴールキーパーの指示する声を頼りにプレーをする競技であります。その競技の性質上、周辺の環境、特に音に関してはシビアなスポーツであるわけであります。
 視察は三月に行ったということでありますけれども、風向きによっては、会場周囲の音の状況が変わったり、時期によって風の強さも異なるわけであります。こうしたことから、現時点では引き続き検討となってしまったことについての事情は理解できますけれども、一方では先ほど申し上げたように、地元品川、大田では早く決定してほしいと期待をしているところでございます。
 そこで、ブラインドサッカーの競技会場の確定に向けて、都の今後の取り組みを伺いたいと思います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 大会本番と同じ時期の環境下を確認したいというIFの意向を踏まえ、夏の時期に視察が実現するように調整を行ってまいります。
 視察に当たっては、周辺環境に関するデータなどを用いて、できるだけ大会本番に近い環境をIFに理解してもらえるように取り組んでまいります。
 また、周辺環境に影響を受けやすい競技特性を考慮し、その影響をできるだけ緩和させる運営面での工夫を組織委員会とともに検討してまいります。
 これらの取り組みにより、早期に会場を確定させ、IPC理事会で報告できるよう組織委員会と連携し、精力的に協議してまいります。

○伊藤委員 品川区では、ブラインドサッカーの体験教室を行うなど機運醸成に熱心に取り組んでおりまして、大変に盛り上がっております。
 先日は、ブラインドサッカー協会とパートナーシップ協定を結んだところでもあります。パラリンピックの競技は、先ほど申し上げたとおり、その性質上、慎重な検討が求められることは理解をしておりますけれども、このような地元の状況、また期待も踏まえて、夏の視察においては、国際競技団体に大会本番期間中の環境をきちんと配慮するんだよということを理解してもらえるよう努力するとともに、IPC理事会で早期に承認が得られるよう、都としてしっかりと取り組んでいただきたいことを強く要望して質問を終わります。

○吉田委員 私は、今年度における競技場等整備の予定について質問させていただきます。
 競技場整備に当たって、さまざまな角度から検討すべき課題があると思いますけれども、都民が危惧していることの一つは、やはり整備費の増大問題、一体どれだけの税金投入になるのかという問題ではないでしょうか。
 そこでお伺いします。報告では、九施設についての今年度の予算額が示されましたけれども、都立施設の最終的な整備費及び付随した用地費は、現時点でどの程度になるという見込みを認識されているでしょうか。お答えください。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 理事ご質問の今回ご報告いたしました競技施設等の整備の予定につきまして、都が実施いたします恒設施設の整備費は、総額で二千二百四十一億円でございます。
 有明アリーナの用地につきましては、昨年度百八十三億円で港湾局から所管がえを行ったところでございます。所管がえに伴う経費につきましては、施設整備費には含めておりません。
 また、カヌースラローム会場の用地につきましては、今後、関係局と調整してまいります。

○吉田委員 そうすると、あとはカヌースラロームの用地費の問題が残っているということだと思います。
 この二千二百四十一億円という数字は、たしか昨年十一月に発表されたもので六カ月がたっていますが、現時点でもこういう予想だということですね。
 それで、関連して、仮設の有明体操場の負担問題がことしに入って議論がされていますけれども、組織委員会の責任である仮設施設の負担問題が急浮上し、新聞等では三千億円などという報道もされています。
 都として、現時点で仮設競技場は何カ所で、どの程度の整備費になるという認識を持っていらっしゃいますか。お答えください。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 仮設施設とその費用につきましては、現在、組織委員会におきまして精査中でございます。

○吉田委員 競技場関係の都負担は、先ほどの所管がえの用地費も含めて二千四百二十四億円、それに新国立競技場の都負担四百四十八億円を加えれば、いわば三千億円近い、これだけで負担になります。
 その上、仮設競技場の負担問題の議論が始まろうとしていますけれども、都負担が次々と増加する中で、組織委員会が責任を負う仮設の整備費まで受け入れるということはあってはならないという意見を述べさせていただきます。
 こうした状況であるがゆえに、私は都が直接責任を負う競技施設の整備費の削減は、これからも一層努力が求められていくべきだと考えます。
 そこで、改めて、局としての基本姿勢をお伺いいたしますけれども、IOCのアジェンダ21は、競技施設について既存施設の最大限活用を強調いたしました。
 また、二〇二〇では、開催都市に運営費の縮減を提言したと認識しています。
 局としては、こうした提言をどのような理念として認識し、どのように受けとめていらっしゃるのかご答弁をお願いいたします。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 オリンピックムーブメンツアジェンダ21は、一九九九年にIOCがスポーツを通じて環境保護や持続可能な開発を促進するための手引書として、基本概念や奨励する取り組みを示したものであり、オリンピックを初めとして、その後のスポーツのあり方に影響を与えたものであると認識しております。
 一方、オリンピックアジェンダ二〇二〇は、二〇一四年にIOCが既存施設の最大限の活用や大会運営経費の削減など、オリンピック改革の方向性について提言したものであり、都が行ってきた会場計画再検討の方向とも一致していると認識しております。

○吉田委員 私は、IOCはこれまでの五輪開催の経過を踏まえ、開催都市の過大な負担を軽減する、また、施設の新設による資材の大量消費やCO2の発生を抑制する、そうした意図があったのではないかなと思っております。
 二〇二〇の提言12では、既存施設の最大限活用とともに、オリンピック競技大会の運営経費を削減し、運営ではより柔軟性を持たせるということを提起しています。こうした経費の増大抑制を打ち出したことを、私は東京都としても受けとめて努力をすべきだというふうに思います。
 この点で、経済効果などを理由に負担増を是認する発言を知事は行っていますけれども、これはIOCのこうした理念から見れば不適切だと私は指摘せざる得ません。
 そこでお伺いしますけれども、現時点で今後、都立施設の整備費をどう縮減していくのか、基本的考え方と具体的な方向性についてご答弁ください。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 設計等を進めていく中で、IFやNF等との協議によりまして、具体的な施設条件を精査いたしますとともに、施設計画の合理化や現場施工の効率化などを検討しております。
 また、都立競技施設整備に関する諮問会議を活用し、専門家から性能、仕様、コスト等について意見をいただくなど、引き続き適切な予算管理に努めてまいります。

○吉田委員 今答弁があったような努力はあるでしょうけれども、まだ実施設計段階ですから、今からでも私は構造的な問題の再検討をすべきだと思います。
 とりわけアクアティクスセンターは、立候補ファイル時点の二倍を超える六百億円の整備費が予定されております。
 削減する鍵は、これまでも議論をしてまいりましたけれども、客席数だと思います。大会後は五千席にするにもかかわらず、大会時はIOC基準一万二千席よりも大幅に多く、かつロンドンや北京よりも大きい二万席で設計、建設が準備をされています。
 そこでお伺いいたしますけれども、大会時の二万席のときの延べ床面積と大会後五千席の延べ床面積及び屋根の大会中と大会後の変更は、どのようになっているのかお答えください。

○小野寺オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 アクアティクスセンターの基本設計におきましては、約二万席を有する大会時の建物の延べ床面積は約七万七千七百平方メートルでございます。
 その後、約五千席に減築いたしました大会後の建物の延べ床面積は約四万六千六百平方メートルでございます。
 屋根につきましては、減築後の建物規模も考慮しつつ、良好なスポーツ観戦を可能とするため、各階の席からプール面への視線を確保した観客席を配置できるような高さ、形状としておりまして、大会時と大会後で変化はございません。
 引き続き、実施設計において詳細について検討を行ってまいります。

○吉田委員 大会後は五千席であるにもかかわらず、屋根の大きさは二万席に対応した巨大な構造になると。しかも、五千席に客席数を減らすための工事費が七十四億円、既に計上されています。
 立候補ファイルでは、アクアティクスセンターをオリンピックで使うのは七月二十五日から八月九日、パラリンピックでは八月二十六日から九月四日だと思います。日数を合計すれば二十六日です。
 そのために巨額な費用を投入して二万席の巨大構造物をつくり、さらにその直後に改築のために七十四億円も使わなければならない。この二万席をIOC基準や、少なくとも他の大会並みに変更を私は検討すべきだというふうに思います。
 そこでお伺いいたします。昨年の本委員会で、徳留議員がなぜ二万席なのかの根拠についてお伺いしました。そのときの答弁は、たしか非常に人気のあるスポーツだというお答えだったと思います。余りにも漠然とした根拠だと思います。整備費の増減に直結する極めて大きな問題であり、改めてなぜ二万席という設定にしたのか、そのことをご答弁ください。

○小野寺オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 先日もご答弁申し上げましたとおり、水泳は陸上競技、体操と並びまして、オリンピックの中でも主要な競技といわれておりまして、競泳会場の観客席は、北京大会で一万七千席、ロンドン大会で一万七千五百席を用意してございました。
 これら過去大会の状況を勘案するとともに、日本においては水泳はメダルも期待され、非常に人気のあるスポーツであり、多くの観客を見込めることから二万席の計画としております。
 基本設計におきましては、質の高い水泳競技場の整備、良好な観覧環境、大会後のレガシーとしての活用、環境への配慮及びコスト管理を重要なポイントとして設計をしております。
 今後とも、確実に進行管理を行いまして、予算の適切な管理と整備費の縮減に努めながら施設整備を推進してまいります。

○吉田委員 たとえ人気があったとしても、やはり莫大な整備費に直結する大きな問題であり、検討すべきだと私は思います。
 そこでお伺いいたしますけれども、ロンドン及びことしのリオ五輪の場合、水泳競技場は、立候補ファイルで示した、東京の場合も二万席というのは立候補ファイルで示したわけですけれども、その客席数を変更したという状況はないのでしょうか。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 立候補ファイル時点の客席数を変更した事例についてでございますが、ロンドン大会では、立候補ファイル時点二万席に対して、大会時は一万七千五百席に変更されております。
 また、リオデジャネイロ大会では、立候補ファイル時点一万八千席に対して、大会時は一万五千席に変更されております。

○吉田委員 このように、ロンドンでも、あるいはリオデジャネイロ大会でも、立候補ファイルの席をそのまま固執するのではなく、状況に応じて変更しているわけですね。そうしたことを、東京都としても参考にする必要があるのではないでしょうか。
 しかも、新国立競技場の場合も、当初、大会時八万席にする予定でしたけれども、都民、国民の批判の中で、整備費圧縮のために、大会時、たしか六万八千席に縮小するというふうに変更がされました。
 施設整備費の増加が深刻な状況となっているとき、立候補ファイルの二万席を聖域化するのではなく、規模の見直しを検討すべきだと私は思います。
 次に、整備費用という点では、ボート、そしてカヌースプリントの会場となる海の森水上競技場の整備費、現時点で四百九十一億円も極めて異例な高さではないかと思います。
 最近のアテネや北京、ロンドン大会で、ボート、カヌー会場にこれだけの費用をかけた例はあるのでしょうか。お答えください。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 直近のロンドン大会、北京大会、アテネ大会につきまして、ボート、カヌースプリント競技会場の整備費は明らかにされておりません。

○吉田委員 私は、多分、これまでにない高額の整備費が今回進められているというふうに思います。しかも、四百九十一億円もの巨費を投入しても、ボート、カヌー施設として適切なのかという問題があります。
 最大の問題は、風、波問題がクリアされているのかということです。
 私は昨年の質疑で、防風林を設置しても、コース全体の面積の四分の一しか風を低減できないことを指摘いたしました。
 また、国際カヌー連盟事務局長、サイモン・ツールソンさんとも電話で話し、連盟が風対策に関し、風の実証実験を都に求め、風の影響についてデータの提供をリクエストし、それを待っているというお話を聞かせていただきました。
 波対策についても、大学などの機関と連携して、新たな波対策の設備を開発していただきたいと話されていました。
 こうした、いわば宿題ともいえる問題は、その後どのようになっているのか、風のデータは調査し、提出をされたのか、波の新たな対策が開発されているのか、また、そうしたことについてIFは了解をしているのかお答えください。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 風及び波の対策につきましては、競技団体と、防風林や消波装置等に関しまして協議しながら、調査、実施設計を進めているところでございます。
 例えば、国際カヌー連盟に対しましては、風速等のデータを提供し、防風林や消波装置の配置などに関する協議を行ってまいりました。これらの協議の内容につきましては、理解が得られており、実施設計を進めていくこととしてございます。
 引き続き効果的な対策につきまして競技団体と協議し、後利用も含め、よりよい競技環境の確保に向けた対応を行ってまいります。

○吉田委員 引き続き効果的な対策について競技団体と協議をしというお話ということは、これで十分だとはいえないということになりますよね。
 やはり私は、根本的に高額になっているにもかかわらず、こうした大事な問題がクリアされていない根本には、立地場所に無理があるということを改めて指摘をしておきたいというふうに思います。
 最後に、これはできたら局長にお伺いしたいんですけれども、負担問題について改めてお聞きをしておきたいというふうに思います。
 オリンピックをめぐって一体どれだけの税金投入になるのか、それが明らかにされておりません。私の認識では、都立施設の整備費、用地費、そして、新国立競技場の負担四百四十八億円。さらに、選手村の基盤整備費が先日、都市整備局で明らかにされましたけれども、四百十億円。そして、まだ明らかにはなっていませんけれども、ハンドボール会場の運営用地確保のための用地買収や建物の移転費などが今後発生すると思われます。
 ロンドン五輪では、ご承知のとおり、当初は半年ごとにその時点での最終的な予想総額、事業費総額、運営費総額、その後は三カ月ごとに発表してきました。また、リオ五輪の場合にも、現在、半年ごとに、年二回は少なくとも最新の予測事業費を公表すると。常に国民の皆さんに情報を提供し、開かれた中で事業を進めるという努力がされ、これは当然のことだと思います。
 私は、組織委員会ももちろんそうした努力をしていただくよう都として働きかけていただきたいと思いますが、東京都としても、都立競技施設の負担だけではなく、全体として都が担うべき、担わされている面もありますけれども、整備費の総額が一体どの程度になるのか、適時適切に都民に明らかにすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 ただいまご質問をいただいた件につきましては、本日の質疑の範囲を超えているとは思っておりますが、さきの第一回定例会及び予算特別委員会において知事がご答弁申し上げましたとおり、二〇二〇大会につきましては、テロの脅威の増大、資材や人件費の高騰など、大会を取り巻く環境が大きく変化し、数多くの課題に直面しております。
 そのため、これらに対応すべく、国や組織委員会と連携して、どのような事業がどの程度必要なのか、経費の精査も含め、おのおのが責任を持ってしっかりと役割を果たしていけるよう、現在、三者による事務的な協議に入ったところであります。
 私も、こういった取り組みにつきまして、今後全力を挙げて取り組んでいきたいと思っております。

○吉田委員 私は、やはり常に都民に情報を提供し、都民の理解のもとで進めていくということは大原則ですから、そういう立場に立って局長に努力をしていただきたいということを述べまして、質問を終わります。

○今村委員 それでは私からも、競技会場等整備などについてから、質疑をしてまいりたいというふうに思います。
 まず、アスリートファーストによる大会を開催するためには、IFやNFの意見を踏まえて施設を整備することが重要であり、アスリートファーストの理念に基づく最高の競技場を整備することも当然であります。
 一方で、その最高の競技場を整備するに当たっては、コストの計算についてもしっかりと無駄のない設計や工事を進めることが重要となると考えます。
 アクアティクスなどの先行三施設は、設計施工一括発注により契約し、総コストの削減や工期の短縮などに取り組んでいることは評価をいたします。
 現在、実施設計を行っているということでありますけれども、都庁内での検討はもちろんでありますけれども、外部専門家や有識者などの意見などを取り入れるべきと考えますが、このコスト管理を都はどのように実行していくのか具体的に伺います。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 先行三施設につきましては、設計施工一括発注により契約を締結しておりまして、請負者は必要な仕様や性能等を満足しつつ、設計や工事の中で合理化や効率化を図っております。
 また、都の技術職員が中心となりまして、工期や仕様、品質、コスト等を監理しております。その際には、基本設計を行ったアドバイザリー業務受託者も活用しております。
 六月ごろには都立競技施設整備に関する諮問会議を開催いたしまして、専門の立場から設計の妥当性等をご確認いただくなど、引き続きコスト管理を徹底し、適切に施設整備に取り組んでまいります。

○今村委員 ありがとうございます。
 他の施設についても、都による監督はもちろんでありますけれども、今ご答弁いただいたように、諮問会議など、しっかりと活用していただきますように要望をしておきます。
 次に、他の四施設の進捗状況について確認をしてまいりたいと思いますけれども、カヌースラローム会場などの四施設は、先行三施設とは異なり、設計関係と建設工事関係を別にして、現在基本設計を行っているとの報告でありました。
 そこで、改めて現在の進捗状況をまずお伺いします。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 カヌースラローム会場、有明テニスの森は五月中に、大井ホッケー競技場につきましては六月中に基本設計委託を完了する予定であり、その後、設計内容を精査の上、実施設計に取りかかる予定でございます。
 夢の島公園のアーチェリー会場は、現在、昨年度完了いたしました盛り土設計の委託内容を精査しているところでございまして、今後、盛り土工事に着手いたしますとともに、施設設計を進めてまいります。
 いずれの施設につきましても、IFやNFと緊密に連携し、大会開催に向けて着実に施設整備を進めてまいります。

○今村委員 大会に向けてしっかりと整備が進むことを希望しております。
 一方で、これらの施設は、大会後は都民が健康や体力の増進のために利用できる施設としていくべきであります。先ほど、後利用については、施設運営計画中間のまとめについて報告を受けましたけれども、その中でカヌースラローム会場などについては、レジャー、レクリエーション施設としていくとの説明でありました。
 例えばこのカヌースラローム会場については、シドニー大会におけるホワイトウオータースタジアムは、カヌー、カヤック選手の練習会場として、また、川に似せて作成をされていることから、一般の利用者もカヤックを楽しめ、泳いでも危険はないということであります。このように総合レクリエーション施設としての活用が図られ、競技関係者の評価も高いそうであります。
 このように、シドニー、アテネ、北京、ロンドンなど、過去の大会での完成度の高い事例を参考にし、今後の設計、建設の参考とすべきと考えますけれども、都の見解を伺います。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 カヌースラローム会場につきましては、国内に例がなく、競技コースのレイアウトなど、過去大会の事例を踏まえまして、国際、国内競技団体と協議しながら、基本設計を進めてまいりました。
 よりよい競技会場となるよう、引き続き競技団体と緊密に連携いたしますとともに、都民等のレクリエーションの場としての活用など、後利用の検討も踏まえまして、着実な整備に取り組んでまいります。

○今村委員 よろしくお願いをいたします。
 それでは、パラリンピック会場計画についてもお聞きをしたいと思いますけれども、先ほどから質疑がされておりますが、自転車競技トラックレース及びパワーリフティングの二競技二種別の会場が決まったことは大変喜ばしいことであります。
 一方で、今回決まらなかった自転車競技ロードレースと五人制サッカーの競技会場も早く確定されることが期待をされています。
 いうまでもなく、パラ大会は障害の特性を踏まえた検討が特に重要であります。IF、NFと協議を続けているというふうに先ほどからお話がありましたけれども、改めて今後どのような視点で会場を検討し、決定させるのかを伺います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 自転車競技ロードレースにつきましては、立候補ファイル時の会場であるお台場海浜公園を中心とした競技コースについて、障害の程度に応じたコース設定の視点から、引き続き検討してまいります。
 五人制サッカーにつきましては、周辺環境に影響を受けやすい競技特性があり、立候補ファイル時の会場である大井ホッケー競技場について、大会本番と同じ時期の環境下で確認したいというIFの意向も踏まえて、引き続き検討してまいります。

○今村委員 パラ大会は、競技の特性やアクセシビリティー、そしてさらには自転車競技のように、会場が選手村から離れる場合の宿泊施設など、障害の特性に応じて配慮しなければならない点が多くあります。こうした視点を踏まえ、早期に確定できるように、都の取り組みを求めておきたいと思います。
 次に、オリンピック・パラリンピックエンブレムについて伺います。
 既に機運醸成の取り組み、そのためのグッズの作成などについては質疑が行われておりますので、重なる質疑は省略し、私どもも、日本らしいすばらしいエンブレムが決まりましたので、このエンブレムを十分活用し、機運醸成に努めていただきたいと要望し、また、我が会派も全力で協力していくことを表明しておきたいというふうに思います。
 その上で、そうした活動を行っていくことで今後重要となるのが第二エンブレムであります。ロンドン大会では、インスパイアプログラムとして、第二エンブレムを活用し、多くの団体に大会に参画していただいたとの話を聞いております。どのようなものであったのか、また、その効果はどのようであったのかを伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 ロンドン大会では、大会の運営や盛り上げにつながる非営利事業を組織委員会が認証し、これにインスパイアマークという名称の、いわゆる第二エンブレムの使用を認める事業認証のプログラムを実施しておりました。
 教育、ビジネス、文化、スポーツ、持続可能性、ボランティアの六分野の非営利事業で展開され、二千七百十三件が認証を受け、一千万人以上の人々がプログラムに参加しております。
 事業認証を受けたプログラムでは、パンフレット、ポスター、ウエブサイト等でインスパイアマークを使用することができ、多くの人々のロンドン大会への参加意識を高めるのに効果があったと聞いております。

○今村委員 私たち都議会民進党は、第一回定例会におきまして、この第二エンブレムを作成し、幅広く活用すべきと質問を行ったところであります。
 二〇二〇年大会の第二エンブレムについて、リオ大会終了後、早期に作成され、広く浸透させるべきと考えますが、その後の進捗状況についてお伺いします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 組織委員会は、本年一月に策定したアクション&レガシープラン中間報告において、文化、教育プログラム、スポーツイベントなどに幅広く活用できるマーク、いわゆる第二エンブレムを開発することとしており、今後、IOCと協議していく予定でございます。
 都は、二〇二〇年大会の趣旨に賛同するさまざまな非営利事業に第二エンブレムを効果的に活用し、より多くの都民、国民が主体的に大会に参画できるよう、現在、組織委員会と連携し、検討を進めているところでございます。

○今村委員 ぜひその方向で進めていただきたいというふうに思いますが、第二エンブレムについて、ぜひ広く都民、国民に開かれた中での選考が行われ、関心を持っていただいて、また、日本や江戸の伝統などが生かされたデザインや色使いになることを期待しておきたいというふうに思います。組織委員会との連携、検討状況を見守ってまいりたいと思います。
 以上で質疑を終了いたします。

○石川委員 エンブレムの問題についてお伺いいたします。
 旧エンブレムは、盗用疑惑などが持ち上がり、結局のところ白紙撤回となったことはご承知のとおりであります。
 新たにエンブレムを選考するに当たって、選考過程の透明性や公開性の確保に努め、後になって類似疑惑など招かないための工夫も求められたところであります。
 新エンブレムは、デザイナーの実績を前提とすることなく、広く公募し、一万四千五百九十九点の公募があり、審査の様子などもインターネットで公開するなどの方法がとられ、最終候補四点に絞り、商標のチェックをし、公表し、意見公募も行われたわけであります。審査委員会の審査を経て決定し、公正を期した選考といえるだろうと私は思っていたわけであります。
 ところが、報道などをつぶさに見ておりますと、再決定も透明性不十分という記事を目にすることになりました。その主張によりますと、組織委員会などは、一月の審査で、最終選考四点と、類似等の問題など不測の事態を勘案して次点四点を選びました。その後、商標調査と商標登録の出願手続を進めました。その結果、類似性などの問題で、最終候補四点のうち三点と次点の二点の五点が外れました。そこで、四点をそろえるために、最終候補、次点四点にも含まれない選外の一点を敗者復活で繰り上げたというものであります。この敗者復活が公正性や透明性に問題があるとして批判をされているわけであります。
 このことについて、公正性や透明性の観点から、どのように組織委員会から説明がなされているのかお伺いいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 エンブレム委員会で選定した採用候補作品四作品と次点作品四作品、計八作品のうち、商標調査の過程で、五作品について類似作品の存在等の難点が示されました。
 残る三作品についても商標調査で難点が示された場合、意見募集の対象として公表できる作品が少なくなることが危惧されたため、エンブレム委員会では、これまでにデザイン審査を通過していた五十六作品の中から一作品を委員の挙手により決定し、追加することといたしました。
 組織委員会は、エンブレム委員会のこの決定については、委員の合意に基づき、公正、透明な手続で行われたとしております。
 なお、このたび決定された大会エンブレムについては、最後に追加した作品ではないことを組織委員会が明らかにしております。

○石川委員 ただいま説明がありましたように、敗者復活は審査委員会の決によって公に決められたということであり、また、結果としては、この敗者復活の一点が野老さんの作品ではないということが確認をされたということなわけであります。
 最終四候補とすることは既に決まっていたことであり、四点をそろえる必要と、審査委員会の決定で敗者復活作品を選考したことからすると、公正性も透明性も確保されているといえるだろうと思います。
 全く個人的な感想になりますが、私も野老さんの組市松紋を見た瞬間、四作品の中ではこの作品を瞬間的に選んでおりました。年代等でも異なるのかと思いますが、私の周りの人たちは、おおむね組市松紋を選んだ人が多かったように思います。
 東京大会開催基本計画の中にも、日本らしさや和の心を伝えることが記されており、そういう意味でもよい作品が選考されたのではないかと思っており、旧エンブレム選出時の負のイメージを払拭して、すがすがしい思いで新エンブレムの旗が振れるのではないかと思っております。
 野老さんみずからが少し地味といわれることを意識しているわけでありますけれども、その分、これから展開がされるということで、展開のために抑えていることもご本人も語っているわけであります。
 この展開とは、今後、大会エンブレムを基本とし、競技会場やまちじゅうの装飾などにおいて、さまざまなデザインやカラー展開が図られていくと思うわけでありますが、どのようなことを想定し、いつごろまでに誰が進めるのかお伺いいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 組織委員会では、大会エンブレムの決定を出発点として、競技会場やまち中の装飾などを大会独自の一貫性のあるデザインにより展開するためのブランド戦略を今年度中に策定いたします。
 二〇二〇年大会における具体的なデザインやカラー展開については、これを踏まえ、今後、組織委員会がIOCと協議しながら検討していくこととなります。

○石川委員 野老さんもぜひ参加をして、原作者の意図をカラフルに、しかも全体の中に反映させていくことも重要と考えております。そのような方向に向かっていけば、大いに楽しみにしていけると確信をしているところでございます。
 続きまして、パラリンピック自転車ロードレースについてお伺いしたいと思います。
 今回いただきました資料の中で、引き続きIF、IPCと調整する競技に自転車競技のロードレースがあるわけでございます。
 パラリンピックで自転車が正式競技となったのは、一九八四年のニューヨーク・エイルズベリー・パラリンピック大会で、最初は屋外を走るロードという種目だけだったわけであります。
 一九九六年のアトランタ大会から、屋内で行われるトラックという種目が追加をされました。同大会では、日本は、ロードレースの三輪自転車を使用するタイムトライアルで小川睦彦選手が金メダルと銅メダルを獲得しました。
 二〇〇〇年のシドニー大会のトラックでは、葭原滋男選手が金、銀メダルを獲得し、二〇〇四年のアテネ大会では、同選手が銀メダルを獲得しました。
 アテネ大会の自転車男子三輪ロードレースでは、小川睦彦選手が銅メダルを獲得しております。
 二〇〇八年の北京大会では、藤田征樹選手がトラックで銀メダル二個、ロードレースで銅メダル一個を獲得し、石井雅史選手がトラックレースで金メダルと銀メダル、ロードのタイムトライアルで銅メダルを獲得いたしました。
 二〇一二年のロンドン大会では、ロードレースで藤田選手が銅メダルとなり、二大会連続でメダルを獲得したわけであります。
 このように、ロードの中にタイムトライアル、ロードレース、そしてチームリレーがあるわけでございます。我が国での国際試合の開催は、本年のアジア大会などわずかな経験しかないわけですが、二〇一二年のロンドン大会ではどのようなコースであったのかお伺いしたいと思います。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 二〇一二年ロンドン・パラリンピック大会における自転車競技のロードレースのコースは、ロンドンの郊外、ケント州に位置するブランズ・ハッチというモーターレースサーキットを中心に設定されておりました。
 具体的には、サーキット内にスタート及びゴールを設定し、サーキットコースの一部に加え、周辺の公道を使用するコースでございました。

○石川委員 立候補ファイルを見ますと、お台場を中心に開催をされることになっておりますが、オリンピックの自転車ロードレースは、多摩地域までコースを延ばし、平たんな場所ではなく、アップダウンのあるコースとしており、最高到達点は今のところ海抜百四十メートルほどになるということになっております。
 今後、パラリンピックのロードレースのコースを選定するに当たってどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 パラリンピックの自転車競技は、通常の二輪自転車に加え、下半身不随等の選手が乗るハンドバイク、重度四肢障害の選手が乗る三輪自転車、視覚障害の選手がパイロットと二人で乗るタンデム自転車の四つの部門がございます。
 さらに、部門ごとに障害の程度により複数のクラスに分類され、それぞれのクラスが求める難易度や距離は異なっております。
 そのため、国内、国際競技団体等と調整しながら、これら多種多様の条件を満たす適切なコースを選定してまいります。

○石川委員 我が国選手がメダルを多くとっている競技でもあり、また、パラリンピックの成功のためにも多くの人々が応援をする姿を見られればと思っております。そのような応援や観戦が可能なコース選定や要件を備えるものとなるよう求めておきたいと思います。
 また、車椅子の方など多く観戦することになると思いますが、道路のバリアフリー化はもちろんのこと、公共交通もバリアフリー化を進め、万全の準備をしていただきたいと思います。
 いつも指摘をしておりますが、暑さ対策もよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

○上田委員 初めに、競技場の建設費用についてお尋ねしたいと思います。
 オリンピック・パラリンピックに向けての競技場の建設費のうち、都負担に当たっては、国立競技場問題に始まりまして、日本中で話題になりましたけれども、都民から批判を受けまして、周辺設備を含め四百二十一億円に圧縮したものの、都有地を国に無償貸与、いわゆるただ貸しすることが東京都議会への報告より先にマスコミ報道となり、昨年末、騒然となりました。
 明けて一月十八日、本特別委員会にて、ようやく無償貸与を現時点で予定している一覧を示され、一方的ともいえる報告がなされたわけでございます。その際に、一体いつ無償貸与が決まったのか経緯をただしましたところ、招致段階で、IOCに対して組織委員会へ無償貸与を保証、貸与するのは、国ではなく組織委員会とJSCだと答弁をいただき、JSCは招致段階では対象外であったとのことです。
 都有財産管理が心配になりまして確認したところ、組織委員会に貸与する各公園等は行政財産であることから、東京都行政財産使用料条例第五条にて使用料免除となり、JSCへ貸与するのは、新国立競技場用地なので普通財産であることから、財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例四条にて無償貸与となったことがわかりました。
 特別措置法のどこを当たっても都有財産は対象ではないことも明らかにしまして、積極的に都が無償貸与する法的義務はないことを確認させていただいた次第です。つまり、内閣判断で国有財産を無償貸与する根拠法は制定されているが、それは都に及ぶものではなくて、無償貸与は都が都条例により主体的判断で行ったということであります。
 ただし、地方財政法第二条第二項には、国は地方財政の自主的なかつ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性を損ない、または地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない、同法第十二条には、国は地方公共団体に対し、その経費を負担させるような措置をしてはならないとあります。つまり、国は地方自治体に負担を強制してはならぬということであります。
 私としては、無償貸与や都負担を安易に進めていく過程で、都民の持ち物である税金そのもの及び財産管理に差しさわりが発生した場合、地方自治法二百四十二条に当たる財産管理を怠る事実に当たりかねないと危惧をしているところでございます。
 当然、都は、条例と法律に従い適正にするとご答弁をいただいたところで一安心したところでありましたが、去る三月二十二日、平成二十八年度の東京都予算特別委員会の自民党の締めくくり総括質疑にて、大会組織委員会が負担することになっていた仮設会場、有明体操競技場について、突如として都が方向変換をし、大会後は都が引き取り、中小企業振興の一環として展示場とし、四億八千万を負担することが判明しました。
 国民やマスコミが注目しやすいオリンピック・パラリンピック予算ではなく、産業労働局予算、国際展示場の運営等約二百億円の中に入っていたわけでありました。
 東京五輪の開催が決定してから三年が経過しようとしており、毎年、都の税金そのものや土地の無償貸与など有形無形の費用負担の割合がふえているのではないかといわざるを得ません。
 都の予算書は細かい事業を明記していないので、そこから見つけ出すのは事実上不可能に近く、今後このようなことが再発しないように、資料1を取り寄せさせていただきまして、非常に神経質に競技会場の工事契約について、この委員会にて詳細の管理と共有をしたいところでございます。
 その中で、東京五輪招致をめぐり、招致委員会がシンガポールのコンサル会社に二億二千万円を払っていた事実も明らかになり、調査委員会も立ち上がったようで、予断を許さないところであります。
 しかるに、資材高騰による額の増加はいたし方ないものとしましても、正当な根拠法を持たないまま、都の負担割合が増加することを看過できない、許容できない、また、危惧をしているという観点で、順次伺わせていただきたいと思います。
 なお、都は、組織委員会については関知しないというのではなく、都民の税金であります出捐金を出している立場として、責任を持って回答を求めるものであります。
 まずは競技会場、全部オリ・パラ準備局が一括してやるわけではなく、各局に執行委任をしていると思いますが、その連携体制についてご説明くださいませ。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 施設整備に関する条件や課題等を共有し、整備を円滑に進めるため、連絡調整を行う場といたしまして定例会を開催するなど、執行委任先の局と連携を図り、設計業務等を進めているところでございます。
 このような取り組みのもと、引き続き会場等の整備を着実に進めてまいります。

○上田委員 資料1を見ますと、財務、港湾、建設といったところ、多岐に分かれているところであります。
 また、これ、オリンピック会場だけじゃなくて、周辺地域とのいろいろな課題とか問題もあるかと思いますので、今後もぜひ、オリ・パラ準備局担当課長のみならず、各局の皆さんも現場で--なかなか、聞くと場所がいまいち、私自身も全部の場所を把握はしていないんですけれども、現地をしっかりと見て、地に足のついた連携を図っていただきたいというふうに要望をいたします。
 また、心配なのが、ちょっと委員会は違いますけれども、豊洲新市場の問題等もありまして、工期の遅滞などでもっと経費がかかるようなことがないよう、状況と遅滞による損失状況につきましてご説明いただければと思います。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 現在、いずれの会場等におきましても工期の遅滞等は発生しておらず、損失等も発生してございません。

○上田委員 今のところはないということを確認させていただきました。
 また、先ほど述べましたように、突如として有明体操競技場のような方針変更が今後行われるのか、今後、都負担の急な方針変更によります都民と都議会への周知、報告の進め方につきましてご説明ください。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 都が実施いたします施設整備につきまして、引き続き、都民の皆様にお知らせいたしますとともに、都議会の皆様にも適切にご報告してまいります。

○上田委員 ありがとうございます。
 また、駐車場整備に当たりまして、一月の委員会の報告では無償貸与の対象とはなっているが、今後、競技会場整備に当たりまして、同類の計画はあるのか、ある場合の駐車場の利用目的と対象をお示しください。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 都が整備いたします施設につきましては、施設運営上必要な駐車場を敷地内に整備していくこととしております。
 敷地内に整備する駐車場の大会時の使用につきましては、大会運営の具体的な検討の中で組織委員会が定めていくこととなっております。

○上田委員 それでは、都度確認をさせていただきたいと思います。
 次に、会場計画再検討の状況についてです。
 都はこれまで、バドミントン会場、夢の島ユース・プラザ・アリーナ、また同じくバスケ会場、どちらも同じアリーナA、B、あとセーリング場の若洲オリンピックマリーナ、三会場の新設中止をされました。
 また、トラックレース、マウンテンバイクは江東区から伊豆市に変更、トラックレースは屋内競技場の伊豆ベロドローム、マウンテンバイクは近接する既存コースを改修して使うということでありました。
 組織委員会は、コスト削減のためBMXもあわせて伊豆市に変更する案を検討しましたが、都心開催を求める国際自転車連合に譲歩し--UCIですよね、BMXは従来の計画どおり有明で実施することになり、ロードレースは皇居外苑をスタートして西に向かい、武蔵野の森公園にゴールするところが、UCIが希望した皇居外苑発着に変更をされました。
 都内、都外の既存施設や代替施設を再検討し、コストの圧縮を図っていることは大いに評価したいところではございますが、当初予定となっていた自治体、関係機関とのあつれきや円滑な協力体制の配慮、今後の都政の連携体制への影響などを懸念しているところであります。
 そこで、会場計画再検討におけます回答前と後の関係各機関との調整、理解、協力、連携体制についてお示しくださいませ。

○小野オリンピック・パラリンピック準備局競技・渉外担当部長 会場計画再検討に当たりまして、変更することとなった競技会場が所在する関係自治体や競技団体等に対し、都は、組織委員会と十分に連携しながら、真摯に協議を進めてまいりました。
 また、昨年十一月に、競技会場が所在する都道県、政令市と組織委員会、国により構成される二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた関係自治体等連絡協議会を立ち上げ、緊密に連携を図りながら、大会準備を進めております。
 今後も各関係機関と必要な情報共有や実務的な検討を進め、大会成功に向け円滑に準備を進めてまいります。

○上田委員 ありがとうございます。連絡協議会、あるいはオリ・パラ準備局を通しまして、決まったからにはご理解、ご納得いただきまして、地域自治体並びに議会の皆様にも協力いただきますよう、会場変更に伴う不満がたまらないように、粛々と進めていっていただきたいと思います。
 三番目、エンブレムについてです。
 これもまた日本全国で大騒動になりました問題ですが、PR広告物について、資料3を提出いただきました。八百五十二万円の支出となっております。
 選定方法の資料2によれば、エンブレムの選定に関しては、都がご批判は受けましたけれども、関与できる部分は非常に少なかったのかなというふうに拝見しました。余り関与はできないのに費用負担は押しつけられたとも読み取れなくもなく、都と納税者である都民が結局損害をこうむった形になってしまっております。
 このようなことが再発しないことを願い、以下を伺わせていただきたいと思います。
 新エンブレムにおいての同様の白紙撤回が行われないために、都は組織委員会に対してどのような働きをされたのかお伺いいたします。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 組織委員会では、旧エンブレム選定の反省点として、秘匿性を優先する余り説明が不足していたこと、応募要件を限定し過ぎたことで幅広い参加を排除する結果となったことなどを挙げております。
 都は、こうした反省点を踏まえ、このたびの大会エンブレムの策定に当たっては、選考過程について可能な限り情報を提供すること、秘匿性を守りつつも、選ぶ側も選ばれる側も、より幅広く参加できる仕組みを工夫することなどについて、機会を捉えて組織委員会に働きかけるとともに、エンブレム委員会での審査を継続的に注視してまいりました。

○上田委員 私も大会の発表に行ってわくわくして見させていただきました。個人的には、下町育ちなので朝顔市とかいうのを見て育ったんで、アサガオのデザインに心の中で一票入れていたんですが、余り世間に知られていないデザイナーさん、野老さんが決まったということは非常に喜ばしいことだと思いますが、あのときもなぜかマスコミ報道の方が先に流れてしまって、あれは少し残念だったかなと。秘匿性がここは流れてしまったのかなというところで残念に思いました。
 デザインにつきましては、今回、フレッシュな、プロとはいえ、新人といいますか、非常にスポットが野老さんに当たったところではございます。
 盗用疑惑はどうしてもついて回るものでございまして、前回と今回で権利の精査につきまして、どのように改善をされたのかもお伺いしたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 登録制度がある商標権については、前回同様、このたびの大会エンブレムの選定においてもしっかりと調査を行っております。
 一方、登録制度がない著作権について確認するため、今回の選定において、組織委員会は、作者からみずから創作したオリジナル作品であること等を確約する誓約書に加え、その制作過程に関する情報や関連資料を提出していただいていると聞いています。
 法律の専門家であるエンブレム委員からは、こうした対応をとったことにより、著作権に関する過去の最高裁判例に照らし、著作権侵害との指摘に対しても、オリジナル作品であることを証明できるとの見解が示されております。

○上田委員 今回は非常に丁寧に進められたことがわかりました。といいますのも、東京都でも、&マークとかも、あれも盗用じゃないかというようなご指摘を都民からいただいて、東京都はバッジとかデザインとかゆるキャラとか、たくさん都民に親しまれるものをつくっているんですが、それもいついかなるときに盗作疑惑が湧くかもしれないということで、今回のことで八百五十万かけて学ばせていただいて、都政に反映できればなというふうに私は思っている次第です。
 デザイナーはデザインをつくるまでが仕事で、行政はそのデザインの権利を精査し、その精査の上で活用するのが都の仕事なのではないかなと思っておりまして、デザイナー一人に罪をかぶせることなく、しっかりと精査の結果は公表して、デザイナーは保護されながら、豊かな活用に結びつけられるのかなというふうに見ております。
 最後に、エンブレムの活用方法ですが、資料4を見る限りは、ただ配って、ただ掲示するにとどまるのかということを危惧しています。
 雰囲気を醸成とは、具体的にどのような費用対効果を目指して--各局、区市町村にもお委ねします、この期待するものをお示しいただければと思います。
 また、オリンピックバッジなど、私の方も欲しいという声を多数受けとめております。手に入れたい都民もいますけれども、どうしても限られた人や機関での配布になっています。あまねく都民の東京五輪であるので、不公平であってはならないはずで、希望者にはどういうふうに対応するのかお示しくださいませ。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局連携推進担当部長 大会エンブレムを活用した機運醸成については、組織委員会から開催都市に作成が認められている広報PRツールであるポスター、のぼり旗、横断幕などを多くの都民が集まる都庁各局が実施するイベントなどにおいて活用し、広報PR活動を行ってまいります。
 さらに、今後は開催都市としての雰囲気の醸成に向けて、競技会場の装飾やシティードレッシングを順次拡大し、東京のまち全体でオリンピック・パラリンピックの祝祭の雰囲気を計画的に醸成してまいります。
 また、広報PR用バッジについては現在製作中であり、都庁各局や都内区市町村が実施するイベントなどを活用した配布を予定しておりますが、都民の方から問い合わせがあった場合には、そのイベントをご紹介するなど、広く都民に配布できるよう取り組んでまいります。

○上田委員 ありがとうございました。バッジ、のぼりをつけたり見ることで、当事者意識が芽生えるようなイメージを持たせていただきました。
 ただただオリンピックに乗るのではなくて、例えば外国人の方を見て迷っているなら声をかけるとか、ボランティアの醸成にもつながっていくといいかなというふうに思っております。
 東京都に問い合わせた場合のご答弁をいただきましたが、やっぱり身近な区市町村にもお問い合わせが行くかと思いますので、配布できるイベントの周知を区市町村にも協力を呼びかけていただきたいと思います。いろいろと今、オリ・パラ事務局の担当課長と話している中で、私、東京生まれ、東京育ちで、二十一日に誕生日を迎えましたが、そこそこの年にはなって、かっぱのバッジというのが昔都民の日に配られて、あれをつけていると、バス、何かいろいろちょっと安くなるとか、すごく自分が都民の意識とか、わくわくしたことを、ずっと大切に帽子につけて、六年生になると六個かっぱがつくのが自慢みたいな感じでやっていたことを、きっとある一定以上の年齢の方は覚えていると思うので、予算にはいろいろうるさい私ではございますが、ぜひオリンピックのバッジは東京都内の児童生徒には一人残らず持っていただけると、映画でもありましたけれども、二十一世紀少年少女たちが誇らしいバッジとして、一生涯の思い出になるのではないかと思いまして、そこら辺のあたりもご検討いただきたいと思います。
 るる厳しいことを述べてまいりましたけれども、土地も税金も限られた財源でございますので、変更があればいち早くご報告をいただきまして、一丸となって、何としてでも、もう始まってしまったオリ・パラ事業は点検しながら、過不足ない実現をしていきたいと思っております。
 あと一点だけ、最後辛口で。過日、視察に行った銀座でのパラリンピックイベントも、ちょっとマスコミ最優先で観客が全く見られず、レガシーとしては住民参加を堂々うたっていらっしゃいますことから、あの辺も、あの後多くの都議は観客に捕まって、皆さんお叱りを受けている姿を見たので、そこら辺の配慮もお願いをしまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○山内委員 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の招致活動は、東日本大震災からの復興のシンボルを明確な目標に掲げたことで、招致実現に不可欠だった国民的支持を得て、二〇一三年九月の東京開催決定につながったといわれています。
 ところが、東京五輪の建設需要が高まった途端、建築資材の高騰や人材不足が起こり、被災地の復興工事のおくれという懸念も指摘されています。
 今回、二〇一六年度における競技会場等整備の予算が出されました。
 そこで、会場の整備費について、資材価格等の高騰に対してこれまで委員会で説明がありましたけれども、どのように対応してきたのか改めてお伺いいたします。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 資材価格や労務費の変化が競技会場の整備に支障を来さぬよう、適切に対応していく必要がございます。
 このため、建設物価の急激な上昇を踏まえ、着実に会場整備を進める観点から、平成二十七年度予算要求の基準に準じまして、上昇率を年率一二・三%とし、平成二十六年度から二年分の建設物価上昇を施設整備費に見込んでおります。
 また、アクアティクスセンターなど先行三施設の設計におきましては、現在の実勢に合わせて工事費を精査し、必要な額を見積もって予定価格を算出し、設計施工一括方式により契約を締結したところでございます。

○山内委員 四月十四日に発生いたしました熊本地震は、今なお余震が続いており、被災地の方々の不安を思うと、本来なら東京五輪どころではなく、一日も早く安心した生活が戻るよう復興支援に尽力すべきと考えます。
 そこで、熊本地震に関連して、東京二〇二〇大会の施設整備費が復興を妨げるような影響を生じないのかお伺いいたします。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設担当部長 熊本地震が資材価格や労務費など建設市場に与える影響につきましては、現時点では明らかではございませんが、今後、熊本の被災地の復興状況を含めまして、建設物価の動向等を注視しながら、施設整備を進めてまいります。

○山内委員 震災からの復興は、東京二〇二〇大会の大前提です。大会は、東日本大震災、熊本地震の復興を応援するものにしなければなりません。そのことを肝に銘じていただきたいと思います。
 今年度の競技会場等の整備費の予算は単年度のみで報告されました。昨年度の予算の資料には、債務負担行為も明示されておりました。整備費が変更され、一体合計で幾ら整備費等がかかるのかわかりづらくなっている中、こうした総額を見えやすくする一つの手だてとして示すことは重要だと考えます。ぜひ今後は工夫をして明記していただきたいと思います。
 次に、都立夢の島公園におけるアーチェリー会場の整備についてお伺いいたします。
 夢の島公園は、ごみの埋立地を緑化した総合公園で、約百二十本もの桜があり、円形広場は広々とした芝生の広場で、四季折々、ピクニックや集会など多目的に都民に親しまれています。
 今年度、アーチェリー会場の整備として盛り土工事を実施する予定となりました。
 そこで、今年度施工する予定となっている盛り土工事はどのような工事で、いつごろ施工する予定なのかお伺いいたします。

○小野寺オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 アーチェリー会場である都立夢の島公園における盛り土工事は、予選会場となる広場のうち、現在、深さ三メーター程度の円形のくぼ地となっている多目的コロシアムの部分を盛り土して、平たんに整地する工事等を予定してございます。
 現在、昨年度実施いたしました設計委託の内容を精査して詳細を検討しているところでございまして、工事の具体的な内容、着手の時期や工期等については、今後決定してまいります。

○山内委員 夢の島公園に整備するアーチェリー会場については、立候補ファイル時点では、より南側の緑地部分に予選会場を恒設で、決勝会場は仮設で整備する予定であったものを、公園の緑や利用者に配慮して、予選会場を円形広場の位置に新設し、決勝会場を陸上競技場の位置に仮設することとしたと、昨年十月の委員会で報告を受けました。
 この配置変更を含めて、夢の島公園で今後どのように工事が予定され、利用できない期間が発生するのか、都民に十分に周知する必要があると考えます。
 そこで、都立夢の島公園における盛り土工事等の会場整備について、利用者である都民にどのように周知をしていくのかお伺いいたします。

○小野寺オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 夢の島公園における会場整備につきましては、地元区に説明するとともに、昨年六月から、イベント等のために多目的コロシアムを占用して使用したいなどの問い合わせに対しまして、オリンピック・パラリンピックの準備工事のために使用できなくなることを説明してまいりました。
 今後、具体的な工事の内容や着手時期等を決定した後、地元区へのお知らせや公園の利用者など関係者への説明等周知を図ってまいります。

○山内委員 後利用については、別途質疑する機会があるということなので、本日は質問しませんが、現在、円形広場は多くの都民に親しまれています。まるで巨大な隕石が落ちたかのように円形にくぼんでいるおわんのような形の広場というのは、ただ平らな芝生ではなく、勾配がついているために、子供たちが楽しく遊んでいるとも聞いています。
 アーチェリーの予選会場として、広い芝生の空間を整備するということなんですけれども、平たんにしていくということですね。大会後、これまでのように広く都民が利用できる広場として、都民の皆さんの意見や要望を聞き、親しまれる広場として残していただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○高島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 この際、委員長から委員の皆様に一言お願いを申し上げます。
 本日行われました質疑の中で、本日の議題になじまないと思われる質問がございました。今後、委員の皆様方には、質疑におきまして慎重に対応していただきますようお願いを申し上げます。
 これをもちまして本日の委員会を終了いたします。
   午後二時四十八分散会