オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会速記録第三十二号

平成二十八年二月十七日(水曜日)
第四委員会室
午後三時七分開議
出席委員 二十三名
委員長高島なおき君
副委員長畔上三和子君
副委員長藤井  一君
副委員長吉原  修君
理事伊藤こういち君
理事小山くにひこ君
理事秋田 一郎君
理事相川  博君
理事吉田 信夫君
小林 健二君
川松真一朗君
斉藤やすひろ君
上田 令子君
山内れい子君
山崎 一輝君
石川 良一君
徳留 道信君
鈴木 隆道君
今村 るか君
林田  武君
立石 晴康君
川井しげお君
酒井 大史君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長中嶋 正宏君
次長理事兼務岡崎 義隆君
技監邊見 隆士君
技監西倉 鉄也君
技監石山 明久君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長岡安 雅人君
準備会議担当部長丸山 雅代君
自治体調整担当部長井上  卓君
計画調整担当部長鈴木 一幸君
大会準備部長延與  桂君
運営担当部長田中  彰君
競技担当部長根本 浩志君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
施設輸送担当部長花井 徹夫君
施設調整担当部長小室 明子君
施設整備担当部長小野寺弘樹君
選手村担当部長安部 文洋君
スポーツ推進部長早崎 道晴君
国際大会準備担当部長土屋 太郎君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項(説明)
・二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その三)について
・「Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドライン」暫定基準の承認について

○高島委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 それでは、理事者から二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その三)について及びTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドライン暫定基準の承認について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設輸送担当部長 それでは、私から、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その三)につきましてご説明申し上げます。
 この環境影響評価は、大会の開催に伴う会場施設の整備、運営等による影響につきまして、東京都環境局の指針に基づき、東京都が任意で自主的に実施している環境アセスメントでございます。
 今回は、アーチェリー会場(夢の島公園)、オリンピックアクアティクスセンター、海の森水上競技場、有明アリーナの四施設につきましての評価書案を作成いたしました。
 アーチェリー会場につきましては、一月二十日に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック環境アセスメント評価委員会に報告しております。その他の施設につきましては、二月二十九日に報告予定となっております。
 お手元の資料第1号から第4号は、各施設の評価書案の概要版でございます。
 なお、今回の評価書案は、既に計画が具体化している部分を対象とし、仮設工作物や大会開催中にかかわる環境影響評価要因は対象としておりません。それらにつきましては、今後の計画の熟度に応じまして、別途実施いたします。
 また、今回対象としておりません他の施設につきましても、順次実施してまいります。
 まず、お手元の資料第1号、アーチェリー会場(夢の島公園)の概要版二四ページをごらんください。なお、当該のページには附箋をつけてございます。
 アーチェリー会場(夢の島公園)につきまして、評価の結論を記載しております。アーチェリー会場につきましては、表の項目にございます1、生物の生育・生息基盤から始まり、全体で八つの評価項目がございます。
 1、生物の生育・生息基盤につきましては、大会開催前における施設の建設による影響につきまして、予測、評価を行いました。
 その結果、生物、生態系は一部減少するものの、計画地周辺も含めた公園内と連続した樹林の創出や、新たに芝を張ることから、生物、生態系は維持され、評価の指標は満足するものと考えられます。
 その他の各項目につきましては、結果について、それぞれの欄に詳しく記載しておりますが、適切な対応に努めることなどにより、おおむね評価の指標を満足するものとなっております。
 続きまして、資料第2号、オリンピックアクアティクスセンターの概要版三二ページの評価の結論をごらんください。
 アクアティクスセンターにつきましては、表の項目にございます1、大気等から始まり、全体で二十一の評価項目がございます。
 1、大気等につきましては、大会開催前における工事用車両の走行及び建設機械の稼働、大会開催後における熱源施設の稼働について、それらを要因とする大気等の状況の変化の程度につきまして、予測、評価いたしました。
 その結果、大会開催前の建設機械の稼働に伴う二酸化窒素の濃度につきまして、計画地の辺縁部に環境基準をわずかに上回る値が出ております。これは、工事工程の中で、建設機械の稼働が最も重複する期間内に、建設機械が最大稼働したと想定して計算した値でございます。
 工事の実施に際しましては、工事工程の調整等により、建設機械の集中稼働をできるだけ避けるなど、影響を低減する取り組みに努めてまいります。
 1、大気等のその他の項目につきましては、環境基準値を下回る結果となっております。
 また、5、騒音・振動の項目で、工事用車両の走行に伴う道路交通騒音が基準値を上回る値がございます。これは、観測地点における現況の調査結果が既に基準値を上回っており、工事用車両による増加分は一デシベル未満とわずかな値となっております。
 工事の実施に際しましては、工事用車両が一時的に集中しないよう、計画的、効率的な運行管理に努めるなど、周辺地域への影響を極力小さくするよう努めてまいります。
 その他の各項目につきましては、結果については、それぞれの欄に詳しく記載しておりますが、適切な対応に努めることなどにより、おおむね評価の指標を満足するものとなっております。
 資料第3号、海の森水上競技場の概要版三六ページの評価の結論をごらんください。
 海の森水上競技場につきましては、1、大気等などの二十一項目がございます。
 そのうち、2、水質等につきましては、大会後の計画地内の調査地点における水質につきまして、現況で環境基準値に適合していない事項がございますが、いずれも整備に伴う影響は小さく、計画地内の水質は、ほとんど変化しないと考えられます。
 その他の各項目につきましては、結果については、それぞれの欄に詳しく記載しておりますが、適切な対応に努めることなどにより、おおむね評価の指標を満足するものとなっております。
 資料第4号、有明アリーナの概要版三七ページの評価の結論をごらんください。
 有明アリーナにつきましては、1、大気等など十八の評価項目がございます。
 このうち、大気等につきましては、大会開催前の建設機械の稼働に伴う二酸化窒素の濃度につきまして、計画地の辺縁部に環境基準値をわずかに上回る値が出ております。これは、先ほどご説明いたしましたオリンピックアクアティクスセンターと同様、工事工程の中で建設機械の稼働が最も重複する期間内に、建設機械が最大稼働したと想定して計算した値でございまして、工事の実施に際しましては、工事工程の調整等により、建設機械の集中稼働をできるだけ避けるなど、影響を低減する取り組みに努めてまいります。
 その他の各項目につきましては、結果については、それぞれの欄に詳しく記載しておりますが、適切な対応に努めることなどにより、おおむね評価の指標を満足するものとなっております。
 本評価書案につきましては、アーチェリー会場は三月二日まで、オリンピックアクアティクスセンター外二施設につきましては三月三十日までの期間で、都民意見の募集を行っております。
 都民意見に対しましては、実施者としての当局の意見見解書をまとめて環境局に提出し、評価委員会におきまして評価書案の審議が行われます。
 その後、環境局長の審査意見書を反映させた評価書を作成して環境局に提出し、公表いたします。
 説明は以上でございます。

○萱場オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務
 それでは、私から、Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドライン暫定基準の承認についてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます資料第5号をごらんください。
 ページ左上、Ⅰ、アクセシビリティ・ガイドラインをごらんください。
 アクセシビリティ・ガイドラインとは、当該大会の組織委員会が、IPC、国際パラリンピック委員会の求めに応じて策定する、競技会場等やそのアクセス経路のハード面と、情報発信や観客誘導などのソフト面の両面のバリアフリー化を目的とする大会時の指針でございます。
 アクセシビリティ・ガイドラインに法的拘束力はございません。しかし、組織委員会は、施設管理者等の大会関係者に整備を働きかけるとともに、仮設施設の整備やソフト的対応により、ガイドラインを踏まえた大会運営を行うこととなります。
 次に、Ⅱ、Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインをごらんください。
 まず、1、検討体制についてですが、東京大会用のガイドラインの策定に向けては、平成二十六年十一月に、都、国、組織委員会が事務局となり、関係地方公共団体や障害者スポーツ団体等の参画を得て、アクセシビリティ協議会を設置し、検討を開始しました。
 協議会の下に、実務者による協議及び調整を行うため、建築、交通・アクセス、コミュニケーション・サービスの三つの部会が設置されています。
 建築部会は各会場におけるバリアフリーの技術仕様を、交通・アクセス部会はアクセス経路にかかわる空港、駅、港湾、道路、バス停等におけるバリアフリーの技術仕様を、それぞれ検討範囲としております。また、コミュニケーション・サービス部会は組織委員会による刊行物、案内サイン等の技術仕様に加え、大会スタッフやボランティア向け接遇トレーニング等を検討範囲としております。
 また、より細やかな意見集約を行うため、二十にわたる障害者団体等の要望や学識経験者の意見を伺う場を設けております。
 続いて、2、策定スケジュールをごらんください。
 昨年四月に、ハード編(暫定基準)について、アクセシビリティ協議会での審議を経た後、IPCに承認申請いたしました。そして、本年一月、IPCから承認を受けたところでございます。
 現在は、設備や情報発信等の技術仕様に加え、ソフト面についても検討を進めており、これらを取りまとめた上で、IPCに承認申請いたします。今回先行して承認を受けた暫定基準を含めた全編の最終承認を平成二十八年度中に得る予定でございます。
 次に、ページ右上、Ⅲ、暫定基準の適用でございます。1、暫定基準をごらんください。
 大会施設や会場までの経路等、構造物の設計段階で必要となる通路、スロープ、階段、出入り口、エレベーター、会場の座席等といった項目については、早期に決めておく必要があることから先行して検討を行い、暫定基準としてIPCに承認申請いたしました。
 項目数は約百八十項目あり、そのうち数値基準は約五十項目ございます。
 ハード面のうち、家具やカウンター等といった住宅設備機器については、現在検討を進めているところでございます。
 続いて、2、適用の範囲をごらんください。
 暫定基準の適用対象は、(1)、東京オリンピック・パラリンピック大会の会場であって、アクセシビリティーに配慮が必要な観客、パラリンピック選手、大会関係者等の動線及び(2)、両大会の競技会場へのアクセスの動線となる通路であって、アクセシビリティーに配慮が必要な観客の動線でございます。
 なお、各会場における具体的な動線については、組織委員会と施設管理者等との個別協議で決定してまいります。
 次に、3、暫定基準の設定と適用の考え方をごらんください。
 暫定基準は、IPCが示すIPCアクセシビリティーガイド並びに関係国内法令等に基づき設定しております。
 推奨基準は、東京都条例等による望ましい整備及びIPCアクセシビリティーガイドの推奨基準の水準を総合的に勘案し設定いたしました。
 都立の新設会場については、仮設対応も含めて、可能な限り推奨基準の実現を目指してまいります。
 標準基準は、IPCアクセシビリティーガイドの遵守基準、国の推奨基準、国の遵守基準を上回る東京都条例等の整備基準の水準のうち、相対的に高いものを総合的に勘案し設定いたしました。
 都立の既存会場については、仮設対応も含めて、可能な限り標準基準の実現を目指してまいります。
 また、その他基準として、構造上の理由等によって、標準基準を満たさない場合でも、少なくとも現行の国の遵守基準は満たすこととしております。
 上記三つの基準は、現場条件、大会時及び大会後の利用ニーズ、会場施設の規模、用途、維持管理等により、施設ごとに組み合わせて適用いたします。
 一枚おめくりください。二枚目以降は、参考資料といたしまして、暫定基準の具体例、Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドライン(ハード編)暫定基準の本文と、その数値基準に係る主要寸法参照表を添付させていただいております。
 説明は以上でございます。

○高島委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 それでは、資料要求はなしと確認をさせていただきました。
 これをもちまして本日の委員会は閉会いたします。
   午後三時二十四分散会

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