オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会速記録第二十五号

平成二十七年十一月二十日(金曜日)
第四委員会室
午後二時十五分開議
出席委員 十八名
委員長高島なおき君
副委員長畔上三和子君
副委員長藤井  一君
副委員長吉原  修君
理事伊藤こういち君
理事秋田 一郎君
理事吉田 信夫君
小林 健二君
石川 良一君
山内れい子君
山崎 一輝君
徳留 道信君
鈴木 隆道君
小山くにひこ君
林田  武君
立石 晴康君
川井しげお君
酒井 大史君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長中嶋 正宏君
次長理事兼務岡崎 義隆君
技監邊見 隆士君
技監西倉 鉄也君
技監石山 明久君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長岡安 雅人君
準備会議担当部長丸山 雅代君
自治体調整担当部長井上  卓君
計画調整担当部長鈴木 一幸君
大会準備部長延與  桂君
運営担当部長田中  彰君
競技担当部長根本 浩志君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
施設輸送担当部長花井 徹夫君
施設調整担当部長小室 明子君
施設整備担当部長小野寺弘樹君
選手村担当部長安部 文洋君
スポーツ推進部長早崎 道晴君
国際大会準備担当部長土屋 太郎君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・大会後のレガシーを見据えた二〇二〇年に向けた東京都の取組について(説明)
・東京二〇二〇パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況について(説明)
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会における国際放送センター及びメインプレスセンターの配置計画について(説明・質疑)

○高島委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の開催に向けた事項について調査を行います。
 初めに、中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長から発言の申し出がありますので、これを許します。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 前回、十一月九日の当委員会にてご報告をさせていただきました、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案に係る手続の取りやめについてご報告いたします。
 本評価書案は、二〇二〇年大会時にメーンプレスセンター、MPCとして使用することが予定されておりました東京ビッグサイトの拡張棟建設工事を対象としたものでございます。
 昨年度から現況調査等に着手し、本年十一月六日にアセス実施者であるオリンピック・パラリンピック準備局から環境局に提出、公表いたしました。あわせて都民意見の募集も行っており、直近に開催されました十一月九日の当委員会にもご報告をさせていただいたところでございます。
 一方で、昨年から行っております会場計画の再検討の結果、東京ビッグサイトの東展示棟に予定しておりましたレスリングなど三競技の会場を幕張メッセに変更することが、本年六月のIOC理事会で了承されました。
 その後、施設内でのMPCの再配置について、IOC等と協議を継続してきたところでございます。成案を得るまで時間を要しましたが、最終的に、本評価書案公表後の十一月十二日、IOCとの調整において、拡張棟についてMPCとして使用しないことが確認されました。
 詳細につきましては、後ほど担当部長からご説明いたしますが、この計画変更に伴いまして、東京ビッグサイトの拡張棟はMPCとして使用しないことから、大会のための施設ではなくなり、拡張棟の建設工事はオリンピック・パラリンピック環境アセスメントの対象から外れることとなりました。
 つきましては、委員会報告後ではございますが、本件評価書案に係る都民意見の募集、意見見解書の公表、評価書の作成といった一連の手続を取りやめることといたします。
 東京ビッグサイトに係るオリンピック・パラリンピック環境アセスメントの手続としましては、今後、国際放送センター、IBC及びMPCの設置、運営に伴う仮設工事等を対象に、改めて評価書案の作成等が予定されておりまして、大会組織委員会の運営計画等が明らかになった段階で実施をいたします。
 公表直後、報告直後の取りやめとなりまして、この間、評価書案について真摯にご検討いただきました先生方、また、都民の皆様に深くおわび申し上げます。
 ご報告は以上です。

○高島委員長 発言は終わりました。
 ただいまの発言にありましたように、過日の委員会で説明を聴取しております報告事項、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その二)については質疑を行わないことになりましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項、大会後のレガシーを見据えた二〇二〇年に向けた東京都の取組について及び東京二〇二〇パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 初めに、理事者から申し出がありますので、これを聴取いたします。
 まず、大会後のレガシーを見据えた二〇二〇年に向けた東京都の取組について及び東京二〇二〇パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況について報告を聴取いたします。

○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局計画調整担当部長 それでは、報告事項、大会後のレガシーを見据えた二〇二〇年に向けた東京都の取組につきましてご説明いたします。
 お手元の資料、第1号の一ページをごらんください。今般、二〇二〇年に向けた東京都の取組-大会後のレガシーを見据えて-(素案)を取りまとめましたので、その概要についてご説明をさせていただきます。
 まず、取りまとめの目的でございますが、今回の素案は、二〇二〇年大会を視野に、大会を通じてレガシーを残していくための取り組みをわかりやすく取りまとめたものでございます。
 大会後のレガシーを見据えた都の取り組みの方向性を明らかにすることにより、価値あるレガシーを残していくための取り組みを二〇二〇年に向けて着実に進めてまいります。
 また、大会に向けた取り組みを明らかにし、広く知っていただくことにより、都民の皆様が大会にかかわりを持ち、参加していただくきっかけにもしていきたいと考えております。
 次に、大会に向けた取り組みの方向性でございます。
 素案では、大会後のレガシーを見据えた八つのテーマについて、取り組みの方向性を示させていただいております。
 一点目が、競技施設や選手村のレガシーを都民の貴重な財産として未来に引き継いでいくこと。
 二点目が、大会を機に、スポーツが日常生活に溶け込み、誰もが生き生きと豊かに暮らせる東京を実現すること。
 三点目が、都民とともに大会をつくり上げ、かけがえのない感動と記憶を残していくこと。
 四点目が、大会を文化の祭典としても成功させ、世界一の文化都市東京を実現していくこと。
 五点目が、オリンピック・パラリンピック教育を通じた人材育成と、多様性を尊重する共生社会づくりを進めていくこと。
 六点目が、環境に配慮した持続可能な大会を通じて、豊かな都市環境を次世代に引き継いでいくこと。
 七点目が、大会による経済効果を最大限に生かし、東京と日本の経済を活性化させること。
 そして八点目が、被災地とのきずなを次代に引き継ぎ、大会を通じて世界の人々に感謝を伝えることであります。
 二ページをごらんください。ただいまご説明いたしました八つのテーマに共通する視点として、三つ掲げております。
 まず、大会を起爆剤として東京をさらに発展させ、豊かな都民生活を実現していく、東京の視点。
 オールジャパンで大会を成功に導き、経済の活性化や被災地復興の後押しなど、大会の効果を日本全体に波及させる、日本の視点。
 そして、東京、日本の先進的な取り組みや高度なテクノロジー、東京のブランド力などを、大会を通じて世界に向けて発信していく、世界の視点。
 この三つの視点のもと、大会に向けた取り組みを進めてまいります。
 また、東京は世界で初めて二回目のパラリンピックを開催する都市であり、大会に向け、都市のバリアフリー化や心のバリアフリーの浸透など、ハード、ソフト両面での取り組みを進め、誰もが暮らしやすい東京をつくり上げてまいります。
 次に、今後の予定でございますが、本日、この素案を公表いたしまして、十二月四日までの二週間、パブリックコメントで都民の意見を広く募るとともに、議会でのご議論も踏まえまして、本年十二月末に最終的な取りまとめを公表させていただく予定でございます。
 次に、各テーマの概要につきまして、ポイントをご説明させていただきます。
 三ページをごらんください。競技施設や選手村のレガシーを都民の貴重な財産として引き継いでいくため、四つの取り組みをお示ししてございます。
 一点目は、新規恒久施設を着実に整備していくため、外部専門家によるチェック体制を強化するとともに、施設を大会後も有効活用していくため、民間のノウハウを生かした施設運営計画を策定していきます。
 また、多摩地域のスポーツ拠点となる武蔵野の森総合スポーツ施設の整備や既存のスポーツ施設の改修に合わせ、バリアフリー化などの機能強化を進めるなどして、東京のスポーツ拠点を拡充してまいります。
 二点目は、大会後の選手村を誰もが憧れ住んでみたいと思えるまちにしていくため、民間事業者の活力と経験を生かし選手村の整備を進め、資料の図にございますような、多様な人々が交流し、快適に暮らせる機能や、水素社会の実現に向けたモデルとして、水素エネルギーなど最先端の環境技術を導入してまいります。
 三点目は、競技施設や選手村が集まるベイエリアの交通利便性を向上させ、アクセスを強化するため、臨海部の骨格幹線道路の整備やBRTの導入、シェアサイクルや水上交通の活用を進めてまいります。
 四点目として、大会に向けてバリアフリー化を推進するとともに、アクセシビリティーガイドラインを策定し、ユニバーサルデザインのまちづくりにもつなげてまいります。
 また、危機管理体制の構築など、安全・安心への取り組みを進めてまいります。
 四ページをごらんください。スポーツ分野では、三つの取り組みをお示ししてございます。
 一点目は、アスリート、都民や地域、企業など、スポーツにかかわる多様な主体による協働、コラボレーションの仕組みを構築してスポーツを推進してまいります。
 二点目は、道路や遊歩道、学校、職場や、駅の階段など、さまざまな資源を最大限に活用して、東京全体にスポーツフィールドを創出し、いつでもどこでもスポーツができる環境を整備してまいります。
 三点目は、パラリンピックの成功に向けて、障害者スポーツの認知度を飛躍的に向上させ、障害者がスポーツに親しむ環境整備を加速させるため、障害者スポーツの普及啓発と機運醸成、場の整備と人材育成、そして、競技団体の強化の三つの柱で取り組みを推進してまいります。
 五ページをごらんください。都民とともに大会をつくり上げていく都民参加のテーマでは、三つの取り組みをお示ししてございます。
 一点目は、オリンピック・パラリンピックの魅力を体験できる多種多様な機会、プログラムを展開するとともに、地域や民間団体など、さまざまな主体と連携し、都民の皆様の参加を得て、大会開催機運を醸成してまいります。
 二点目は、オール東京で大会を成功に導くため、区市町村へのきめ細かな情報提供や相談体制を構築するとともに、地域におけるスポーツやおもてなしの取り組みを支援してまいります。
 三点目は、本年九月に設立いたしました東京都ボランティア活動推進協議会を通じて、企業、町会、学校など、さまざまな主体と連携するとともに、ラグビーワールドカップ二〇一九に向けて育成したボランティアを大会関連ボランティアにつなげるなど、大会を支えるボランティアの裾野を拡大いたします。そして、都民のボランティア活動への参加を促進し、ボランティア文化の定着を目指してまいります。
 六ページをごらんください。オリンピック・パラリンピックは、スポーツの祭典であると同時に文化の祭典でもあります。大会を文化の祭典としても成功させ、世界一の文化都市東京を実現するため、三つの取り組みをお示ししてございます。
 一点目は、東京キャラバンなど、文化プログラムを先導するリーディングプロジェクトを推進するとともに、来年のリオ大会後には、多彩で魅力的な史上最高の文化プログラムを本格的に展開してまいります。
 二点目は、障害者アートを初めとしたアール・ブリュットを普及させるとともに、子供や青少年が芸術文化にかかわる機会を創出するなど、あらゆる人が芸術文化を享受できる社会基盤を構築してまいります。
 三点目は、多彩な文化拠点、最先端技術と芸術文化の融合など、東京の持つポテンシャルを活用し、芸術文化の魅力を世界に発信してまいります。
 次に、七ページをごらんください。オリンピック・パラリンピック教育を通じた人材育成と、多様性を尊重する共生社会づくりでは、三つの取り組みをお示ししてございます。
 一点目は、お手元の冊子の四一ページに記載がございますが、四つのテーマと四つのアクションによるオリンピック・パラリンピック教育を推進するとともに、異文化理解と国際交流、障害者への理解促進、使える英語力の習得などにより、多様性を尊重する意識や国際感覚を醸成してまいります。
 二点目は、多文化共生社会に向け、外国人への情報提供や多言語対応の充実、共生意識の普及啓発などを進めてまいります。
 三点目は、障害のある人もない人も互いに尊重し、支え合う共生社会を実現していくため、ユニバーサルデザインの視点に立った福祉のまちづくりや、心のバリアフリー、情報のバリアフリーなどを推進いたします。
 八ページをごらんください。環境に配慮した持続可能な大会を通じて、豊かな都市環境を次世代に引き継いでいくため、二つの取り組みをお示ししてございます。
 一点目は、選手村を水素社会の実現に向けたモデルとするとともに、水素ステーションの整備や燃料電池自動車の普及など、水素エネルギーの普及に向けた、さまざまな取り組みを進めてまいります。
 二点目は、持続可能な都市の実現に向け、大会施設等でのエネルギー利用の効率化や、大会に向けた3Rの徹底、暑さ対策、緑化などの取り組みを推進いたします。
 九ページをごらんください。オリンピック・パラリンピックの開催は、大会施設の整備や大会運営などに伴う経済効果だけでなく、スポーツの裾野拡大や観光客の増加など、レガシーの創出に伴う効果も見込まれ、大きな経済効果をもたらします。
 こうした経済効果を最大限に生かし、東京と日本の経済を活性化させていくため、五つの取り組みをお示ししてございます。
 一点目は、国際ビジネス拠点の整備や国際金融センターの実現など、大会を機に国際ビジネス環境の創出を促進し、日本経済の持続的発展に貢献してまいります。
 二点目は、東京ブランドのPR、外国人旅行者の受け入れ環境とおもてなしの場の整備、そして日本各地との広域連携を進め、東京を世界有数の観光都市にして、東京から日本の魅力を発信してまいります。
 三点目は、東京のみならず日本全体に幅広く大会の経済効果を波及させるため、大会を機に生み出されるさまざまなビジネス情報を提供して、全国の中小企業の受注機会の拡大を図るとともに、新たな技術、製品、サービスを創出し、世界に発信するなど、中小企業の取り組みを支援してまいります。
 四点目は、大会を契機に、東京産、国内産食材の魅力を発信し、あわせて東京の農林水産物の安定供給に向けた取り組みを進めてまいります。
 五点目は、大会を通じた水素エネルギー技術の普及拡大や、ITS技術を活用した交通の円滑化など、東京、日本の高度なテクノロジーを活用して、さまざまな課題の解決を促進し、科学技術面でのプレゼンスを高めてまいります。
 一〇ページをごらんください。被災地の復興を後押ししていくため、二つの取り組みをお示ししてございます。
 一点目は、スポーツによる被災地との交流事業や、被災県でのライブサイトの設置、事前キャンプ誘致の支援などにより、スポーツの力で被災地に元気を届け、復興へ歩む被災地の姿を継続的に映像に記録し、さまざまな機会を通じて世界に発信してまいります。
 二点目は、早期復興に向けて被災地を支援するため、被災三県へ引き続き職員を派遣するとともに、ふくしま東京キャンペーンの展開や、卸売市場関係者を対象とした研修会の開催などの風評、風化対策、文化、教育分野での被災地との交流などを進めてまいります。
 以上が二〇二〇年に向けた東京都の取組-大会後のレガシーを見据えて-(素案)の概要でございます。
 今後、ラグビーワールドカップ二〇一九に向けた取り組みとも連携を図りながら、二〇二〇年大会に向けた取り組みを着実に進め、価値あるレガシーを残してまいります。
 説明は以上でございます。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 それでは、私から、東京二〇二〇パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況についてご説明いたします。
 お手元の資料第2号をごらんください。
 去る十一月十二日から十三日まで、メキシコシティーにおいて開催されましたIPC理事会におきまして、東京二〇二〇パラリンピック競技大会の会場計画について報告いたしました。その結果、二十二競技のうち、十九競技の会場計画について承認されました。
 資料の1、今回の理事会において報告し、承認を得た競技会場についてごらんください。
 (1)が、会場について立候補ファイルから変更のない競技会場でございます。表に示しました十一競技、十会場につきましては、立候補ファイルの時点の会場から変更はございません。
 (2)が、会場について立候補ファイルから変更があり、国際競技連盟からの承認を得ている競技会場でございます。このたび、表に記載の八競技、六会場について変更がございました。変更はいずれも国内、国際競技団体の理解を得てIPCに報告し、承認を得ました。
 初めに、1のバドミントンにつきましては、昨年十月のIPC理事会におきまして、二〇二〇年大会から新たに実施する競技として選定されましたことから、既存施設活用の可能性を検討してまいりました。その結果、オリンピックのハンドボールで使用した国立代々木競技場第一体育館を活用することといたしました。
 次に、2のボッチャにつきましては、東京ビッグサイトを競技会場としておりましたが、国際放送センター、IBCのスペースが狭隘なことから既存施設活用の可能性を検討してまいりました。また、検討に当たりましては、ボッチャは重度障害の選手がおり、特に選手村からのアクセスには配慮が必要なことから、有明体操競技場を活用することといたしました。
 次に、3の馬術につきましては、夢の島陸上競技場を競技会場としておりましたが、オリンピックの競技会場が馬事公苑に変更になったことから、パラリンピックでも同一の会場を使用することといたしました。
 次に、4のゴールボールにつきましては、有明体操競技場を競技会場としておりましたが、競技の特性上、静穏な環境を要することから、周囲から音の影響の少ない幕張メッセのイベントホールを活用することといたしました。
 次に、5のシッティングバレーボールにつきましては、有明アリーナを競技会場としておりましたが、コートがバレーボールコートよりも狭く、座って競技するという特性を考慮し、低い位置から観客席をつくり込むことのできる幕張メッセを活用することといたしました。
 次に、6のテコンドーにつきましては、本年一月のIPC理事会におきまして、二〇二〇年大会から新たに実施する競技として選定されたことから、既存施設活用の可能性を検討してまいりました。その結果、オリンピックの競技を行うこととなった幕張メッセをパラリンピックでも使用することといたしました。
 次に、7の車椅子フェンシングにつきましては、夢の島ユース・プラザ・アリーナAの新設中止を受け代替となる会場を検討した結果、オリンピックの競技を行うこととなった幕張メッセをパラリンピックでも使用することといたしました。
 最後に、8の車椅子バスケットボールにつきましては、夢の島ユース・プラザ・アリーナA及びBの新設中止を受け代替となる会場を検討した結果、現在建設中の武蔵野の森総合スポーツ施設と有明アリーナを活用することといたしました。
 次に、2、引き続きIF、IPCと調整する競技でございます。
 残りの自転車競技、五人制サッカー及びパワーリフティングの三競技につきましては、引き続きIPC、国内、国際競技団体等と調整しながら、早期に確定させ、IPC理事会で報告できるよう、組織委員会と都が連携し、精力的に協議してまいります。
 なお、今回の報告に対し、IPCのクレーブン会長からは、新たな会場計画は、アジェンダ二〇二〇の精神にのっとり、既存施設の最大活用のみならず、アスリートファーストにも配慮しているとの非常に高い評価をいただいたところでございます。
 説明は以上でございます。

○高島委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○畔上委員 一点お願いいたします。
 各競技会場におけるユニバーサルデザインの施設整備の内容を一覧でお願いいたします。

○高島委員長 ほかに資料要求のある方、ございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 ただいま畔上副委員長から資料要求がありました。これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○高島委員長 それでは、次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会における国際放送センター及びメインプレスセンターの配置計画について報告を聴取いたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 それでは、資料第3号をごらんください。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会における国際放送センター及びメインプレスセンターの配置計画につきまして、先ほど局長からご説明いたしましたように、今般、IOCとの調整により、国際放送センター、IBC及びメーンプレスセンター、MPCの配置計画が変更されましたので、ご説明いたします。
 初めに、1、これまでの経緯についてご説明いたします。
 平成二十五年一月の立候補ファイル時における計画ですが、資料左下の配置計画図にございますとおり、IBCを東京ビッグサイトの東展示棟四から六ホール及び西展示棟一から四ホールに配置いたしまして、MPCとして西展示棟の南側に拡張棟を増築する計画としてございました。
 なお、拡張棟の整備費といたしましては、百四十四億円と見込んでおりました。
 また、会議棟につきましては、IBC、MPC共用エリアとして使用し、東展示棟一から三ホールにつきましては、レスリング、フェンシング、テコンドーの競技会場を配置する予定でございました。
 次に、平成二十六年十一月の当委員会におきましてご報告させていただきましたが、会場計画の再検討の結果として、建築物価の上昇、工事中のセキュリティー経費などを考慮いたしまして、拡張棟の整備費の見込額を百四十四億円から二百二十八億円に変更してございます。
 また、平成二十七年六月の当委員会におきましてご報告させていただきましたが、IBCのスペースが狭隘なことから、レスリング、フェンシング、テコンドーの競技会場を東京ビッグサイトから幕張メッセに変更いたしております。
 続きまして、2、配置計画の変更についてご説明いたします。
 今回の変更後の配置計画につきましては、資料右下の配置図をごらんください。
 IBCにつきましては、スペースが狭隘なほか、道路を挟んで東西に分割された配置であったことから、東展示棟一から六ホール及び東新展示棟に集約して配置することといたしました。
 なお、東新展示棟は、今後、東京ビッグサイトの施設の老朽化に伴う大規模修繕などに伴い既存展示会場に利用制限が生じることが見込まれることに対応するため、株式会社東京ビッグサイトが整備を進めている仮設施設でございます。平成二十八年十月の竣工となっております。
 MPCの配置につきましては、これまでIOCや組織委員会と調整を続けてまいりました。成案を得るまでに時間を要しましたが、最終的に今月十二日のIOCとの調整におきまして、IBCの配置変更に伴って余裕が生じた会議棟と西展示棟一から四ホールのスペースでMPCの配置が可能であることから、拡張棟はMPCとして使用しないことが確認されたところでございます。
 拡張棟につきましては、引き続き展示施設として着実に整備を進めていくこととなっております。
 これに伴い、拡張棟の整備費二百二十八億円は、二〇二〇年大会の施設整備費から除外されることとなります。
 次ページをごらんください。恒設分の施設整備費の見込みについてでございますが、総額が二千四百六十九億円から二千二百四十一億円に変更となります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○高島委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○伊藤委員 それでは私から、ただいま報告がありました二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック大会における国際放送センター、IBCとメーンプレスセンター、MPCの配置計画の変更について質問をしたいと思います。
 いうまでもなく、オリンピック・パラリンピックは、世界各国のアスリートの皆さんが一国の期待と誇りを胸に、自身の限界に挑戦して技を競う世界最高峰のスポーツの祭典であります。
 そのアスリートたちのほとばしる雄姿と感動を世界中にリアルに伝える重要な役割を果たすのが国際放送センター、IBCとメーンプレスセンター、MPCであるわけであります。
 そこでまず伺いたいと思いますが、東京大会の招致に向けて、二〇一三年一月にIOCに提出された立候補ファイルの時点では、東京ビッグサイトを拡張し増築する計画であったわけですが、そもそも、その計画の内容はどうだったのか、確認のため伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 立候補ファイル時は、二〇二〇年大会開催時にMPCとして東京ビッグサイト西展示棟の南側に拡張棟を増築し、大会終了後には展示施設として活用する計画でした。
 拡張棟は、展示面積一万平米、延べ床面積約四万四千平米の施設として建設する予定でございました。

○伊藤委員 先ほど報告があったように東京ビッグサイトで予定されたIBCとMPCの配置が見直されて、オリンピック・パラリンピックのための拡張、増築の必要はなくなったと判断されたわけでありますけれども、先ほども報告していただきましたけれども、その経緯をもう少しわかりやすく説明していただきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京ビッグサイトにつきましては、IBCのスペースが狭隘なことから競技会場の再検討を行ってまいりましたが、平成二十七年六月、当初、東展示棟一から三ホールで実施する計画でございましたレスリング、フェンシング、テコンドーの三競技の会場を幕張メッセに変更することになったところでございます。
 それによりまして、IBCを東展示棟一から六ホール及び仮設の東新展示棟に集約して配置することといたしまして、MPCの配置につきましては、組織委員会やIOCなどと調整を行ってきたところでございます。そして、十一月十二日、IOCとの調整におきまして、IBCの配置変更に伴って余裕が生じた会議棟と西展示棟一から四ホールのスペースでMPCの配置が可能であり、これまで予定していた拡張棟はMPCとして使用しないこととなったところでございます。

○伊藤委員 その経緯についてはよくわかりました。
 先ほどの報告、また、ペーパーにもありますけれども、配置計画を変更して、IBCとMPCとしては使用しないけれども、引き続き展示施設として整備されるということになっております。
 その拡張、増築される施設は、二〇二〇年東京大会の前、あるいは大会期間中、そして大会終了後、それぞれどのように使用するのか伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 拡張棟につきましては、本来の展示施設として整備することとなっておりまして、二〇一九年、平成三十一年十二月末までに工事が完了し、展示施設として使用される予定と聞いております。
 大会開催期間を含む二〇二〇年、平成三十二年四月から十月までの間は、拡張棟と接続する西展示棟がMPCとして使用されることに伴いまして、工事のための期間も含め、一体的にセキュリティーを確保する必要があるため、使用できなくなる見込みでございます。
 大会後、MPCの撤去工事が終了した後には、本来の展示施設として使用できる見込みとなってございます。

○伊藤委員 私は先日、東京ビッグサイトで開催された危機管理産業展、また、テロ対策特殊装備展、東京エアロスペースシンポジウム、こうした展示や、おとといには産業交流展二〇一五を視察してまいりましたけれども、ビッグサイトでは国内最大級の展示会が、頻繁に、そして盛んに、所狭しと行われております。
 今回、拡張棟の整備費二百二十八億円は、二〇二〇東京大会の恒久的な施設整備費から除外されるとのことでありますけれども、今後、この拡張棟はどのように整備していくのか伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 拡張棟につきましては、現在基本設計が完了したところでございます。
 このたび、大会期間中にMPCとしては使用しないこととなりましたが、将来の産業振興に有効活用できる展示場として、引き続き整備が進められることとなっております。

○伊藤委員 本日は、東京ビッグサイトの配置計画の変更ということで、報告に対しての質疑をさせていただきましたけれども、これまでもたびたび、見直し、あるいは変更等が出てくることがあったわけでありますけれども、私は、何よりもまず、この東京大会に集ってくる世界中のアスリートの皆さんが少しでも使いやすいように、そして自分の力を発揮できるように、よりよい方向に見直されていく、変更されていく、こうしたことは、必要なことはやっていくべきだ、このように思っておりますので、今後も局長中心に全力でオリンピック・パラリンピック準備局、頑張っていただきたいと申し上げて、質問を終わります。

○吉田委員 私からも、ただいま報告がありました国際放送センター及びメーンプレスセンターの配置計画について何点か質問をさせていただきます。
 ただいま経過の説明がありましたけれども、そもそもレスリングを初めとする三競技施設の幕張メッセへの変更は、IBCのスペースが狭隘だということで変更したわけですから、それならば当然、変更と一体に、国際放送センター、メーンプレスセンターの配置計画が検討されたのではないかという思いがいたしますが、それが今日に至ったというのはなぜなのかという思いはあります。
 具体的な質問を何点かさせていただきます。
 今回の変更によって、国際放送センター及びメーンプレスセンターのそれぞれの床面積ですが、変更前と今回の変更で、どのように変化、拡張されたのか、ご答弁をお願いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 立候補ファイル時は、IBCが配置される建物の延べ床面積が約十一万四千平米、MPCにつきましては約四万四千平米、また、IBCとMPCの共用エリアにつきましては約六万四千平米でございました。
 今回の配置計画の変更によりまして、IBCが配置される建物の延べ床面積が約十二万五千平米、MPCは約十二万六千平米でございまして、共用エリアの機能はIBC及びMPCのそれぞれのエリアに配置されることとなっております。

○吉田委員 国際放送センター及びメーンプレスセンターが重要な役割を果たし、そのために適切な施設の提供というのは開催都市としての役割だということはもちろん承知をしております。
 今、変更の説明がありましたけれども、競技施設三施設の変更は、IBC、すなわち国際放送センターが狭隘なためだというご説明でしたけれども、今の変化を見ますと、国際放送センターが約一万平米の増ですか。それに対して、メーンプレスセンターの方は四・四万平米から十二・六万平米ということで、逆にMPC、メーンプレスセンターの方が大幅に増加しています。
 もちろん六万四千平米の共用部分がそれぞれ配置されますから、それぞれ増なのでしょうけれども、これはどういうことなのでしょうか。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 今回の配置変更によりまして、IBCが配置される建物の延べ床面積が約十二万五千平米、MPCにつきましては約十二万六千平米となったところでございますが、共用エリアの機能、こういったものを配置する過程でこのような配置になってございます。
 なお、MPCが配置されます会議棟につきましては、店舗、それから、いろいろホール等の共用スペースが多いという状況がございます。

○吉田委員 国際放送センターが狭隘だということで今回の見直しが行われたわけですけれども、そこでお伺いいたしますが、ロンドン五輪の場合の、この国際放送センター及びメーンプレスセンターの床面積はどの程度だったのでしょうか。お答えください。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ロンドン大会におきましてIBC、MPCが配置された建物の延べ床面積でございますが、十万平米程度であったと聞いております。
 この施設はIBC及びMPCのために新たに建設されたものでございます。これに対しまして、東京ビッグサイトは展示場として整備されまして、店舗、それから連絡通路、それから待合スペースなどの共用スペース等の占める割合が多いことから、単純に比較することは困難でございます。

○吉田委員 単純比較はもちろんできないでしょうけれども、しかし、先ほどの見直しの結果、ビッグサイトにおける国際放送センター、メーンプレスセンターの床面積の合計は二十五万一千平米ということになると思うんですね。ロンドンの場合には十万平米程度であったと。もちろん、他の通路その他の共用施設部分も入っているでしょうけれども、ロンドンと比べた場合、床面積を見れば大幅に増加しているということになると思います。
 それで、やはりこれを確保することは他の事業その他に影響を与えるわけですから、そこは私は慎重な検討があってよかったのではないかなというふうに思いますが、今回の変更によって、ビッグサイトの、オリンピック・パラリンピックのために使用不能となる期間及び全床面積はどのぐらいになるのかご答弁をお願いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京ビッグサイトの利用制約の期間につきましては、各施設により異なる状況でございます。
 まず、IBCとして使用する東展示棟ホール及び仮設の東新展示棟につきましては、準備工事や撤去工事にかかる期間を含めまして、平成三十一年四月より平成三十二年十一月までの二十カ月間、展示場として利用できなくなる見込みでございます。対象となる延べ床面積は約十二万五千平米でございます。
 MPCとして使用する会議棟及び西展示棟ホールにつきましては、同様に、平成三十二年四月から十月までの七カ月間利用できなくなる見込みでございまして、対象となる延べ床面積は約十二万六千平米でございます。
 拡張棟につきましては、IBC、MPCとして使用しないことになりましたが、会議棟及び西展示棟ホールにMPCが配置されるため、セキュリティー上の観点から、平成三十二年四月から十月までの七カ月間利用できなくなる見込みでございまして、対象となる延べ床面積は約六万九千平米でございます。

○吉田委員 新たに拡張棟もつくりますが、これもセキュリティーの関係で、オリンピック・パラリンピックの前後の期間中は事実上使えないということですから、ほぼ全施設が、しかも長い場合では二十カ月にわたって展示はできなくなるという状況ですね。
 しかも、隣接する、同様の施設である幕張メッセの場合にも、ここにオリンピック三競技、今説明がありましたパラリンピック四競技が移設されますから、当然一定の制約を受けることは明らかだというふうに思います。
 それで、新聞などでも報道されておりますけれども、長期にわたってビッグサイトが使えないということで困ったという声が伝えられていますけれども、こうした利用事業者への影響について、これは直接的には産業労働局にかかわることだと思いますが、どのように対応をされているか、認識しているでしょうか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 幕張メッセにおきましては、オリンピック競技では、レスリング、フェンシング、テコンドーの三競技、パラリンピック競技では、先ほどご報告いたしましたとおり、ゴールボール、シッティングバレーボール、テコンドー、車椅子フェンシングの四競技が行われます。
 大会の開催に当たりましては、競技スペースのみならず運営スペースも必要でございまして、具体的な使用範囲や期間等につきましては、今後、国際、国内競技団体やIOC、IPC等と協議の上、組織委員会が施設管理者と調整していくこととなると考えております。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 ビッグサイトが使えないことによる利用者への影響についてでございますが、展示会関係者から東京都に対しまして、二〇二〇年東京大会開催に伴う展示会に関する要望が上げられてございます。現在、産業労働局が対応策を検討しているところでございます。

○酒井委員 それでは、私からも何点か質問をさせていただきたいと思いますが、かなり質問内容が重複しておりますので、大胆に割愛をして質問させていただきたいと思います。
 今話題になっておりますビッグサイトの増設、拡張棟の件については、都議会民主党もかねてから求めていたことでございますし、また、先進都市の中で展示面積という観点でおくれをとっている我が国にとって、展示会のビジネスの発展や、また、日本のすぐれた商品を世界に発信していくという観点からは大変評価をしておりました。
 今回、会場計画が変更された段階においても、この増設、増築自体は継続されるということですので安心をしておりますけれども、今回の、この会場計画の変更の発表といったもの、先ほども報告がございましたとおり、十一月九日の委員会での説明から十日もしないうちの変更であり、唐突であるという感は拭えないと思います。
 先ほどの質問の中でのご答弁では、十一月十二日に、IOCより、この会場計画の変更案が出されたということでございますけれども、再度、一点だけ確認をさせていただきますけれども、この会場計画の変更案が十二日のIOCとの会議等々の中で突然出されたわけではなくて、事前に調整していたものを最終的に合意したということではないのかと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
 であるとするならば、会場計画の見直しは、一体いつごろから話題になり、水面下での話し合いをしていたのかお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 東京ビッグサイトにおけるIBC、MPCの配置計画の見直しにつきましては、平成二十六年夏ごろより、組織委員会やIOCなどと継続的に行ってまいりました。
 本年六月、レスリング等三競技の会場が東京ビッグサイトから幕張メッセに変更されまして以降は、具体的にMPCとして使用する範囲や共用エリアの機能の取り扱いなどについて、組織委員会やIOCなどと実務的な協議を行ってまいりました。
 今般、最終的に拡張棟をMPCとして使用しないという結論が確認できたところでございます。

○酒井委員 ただいま経緯についてご説明をいただいたわけですけれども、少なくとも先週の十二日にはここを使わないということがはっきりしたという中で、その発表といったものが週をまたいでしまったということは、やはりこれは、先ほど局長からもお言葉がありましたけれども、この委員会での質疑の内容、準備等にもかかわることですので、ぜひ今後こういった変更が生じたときには、なるべく早い段階で報告をしていただくようにお願いさせていただきたいと思います。
 その上ででございますけれども、今回増設棟が使用施設から外れたということで、さきに説明をされた環境影響評価書案については対象から外れたということでありますけれども、この環境影響評価書については、一体どれだけの経費を費やしていたのか。また今後、新たな計画において、環境アセスメントは実施をするのかどうかお伺いいたします。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設輸送担当部長 環境影響評価に係る調査委託につきましては、複数の施設を対象といたしまして、共通して行う作業も含めまして、一括で契約してございます。
 したがいまして、一つの施設だけの費用を切り分けることはできませんが、平成二十七年度の委託契約は、海の森水上競技場や有明アリーナ外九施設を対象としておりまして、約一億一千八百万でございます。
 オリンピック・パラリンピックの環境影響評価は、大会の会場につきまして、工事や競技の実施、大会の運営といった事項を対象に、大会の開催前、開催中、開催後、それぞれの段階において予測、評価を実施するものでございます。
 引き続き、仮設工事や大会時の運営につきましては、オリンピック・パラリンピック環境影響評価の対象でございますことから、計画が明らかになりました段階で、それらの事項を対象に環境影響評価を実施してまいります。

○酒井委員 ただいまのご答弁ですと、これは九つの施設を一括して契約しているということですので、個別に切り分けることができないという話だったわけですけれども、九施設で一億一千八百万円ということですから、単純にざっくり割っても、一施設一千万円を超える、そういった費用がかかっていたものが、今回の計画変更によって、ある意味無駄になってしまったということでございますので、この点については、やはり今後のこういった--引き続き、新しい計画についても環境影響評価を実施するということですから、こういった無駄な経費を支出しなくてもいいように、慎重に対応をしていただきたいということはお願いしておきたいと思います。
 その上で、今回、この会場計画の変更によって、いろいろと今、面積等の話もあったわけですけれども、外国のメディアの方々を初めとしたメディアの当事者の方々にとっては、今回の会場計画の変更によって、その使用環境といったものはどのように向上するのか、具体的にお伺いしたいと思います。
 やはりメディアの方々が日本に来ていただいて、それを発信していくということは、オリンピックだけの発信ではなくて、いかに日本のオリンピックの会場で気持ちよく仕事をしてもらうことによって、東京、あるいは日本のよさといったものを、世界に、好印象を発信していただきたいということもありますので、ぜひどういった向上につながるのかお聞かせいただきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 配置計画の見直しによりまして、IBCにつきましては東展示棟一から六ホール及び仮設の東新展示棟に集約して配置することといたしました。
 また、MPCにつきましては、IBCの配置変更に伴いまして余裕が生じた会議棟と西展示棟一から四ホールに配置することとしております。
 これらの配置計画の変更によりIBC及びMPCの作業スペースの集約化や移動時間の短縮などが図られることによりまして、メディア関係者の利便性が向上するものと考えております。

○酒井委員 これはIOCの側から変更を求められたわけですから、使い勝手が当然よくなるように会場計画の変更が行われていると思いますので、ぜひこれらの点についても--メディアの方々にとっても、日本に来て取材して、とてもよかったといっていただけるような会場整備を、今後、中身の中の整備をしていただきたいというふうに思います。
 今回のこの会場計画の変更によって、これまでの計画の中でも、先ほど質疑がございましたけれども、会場のビッグサイトが使用できない期間といったものが当然生じてきてしまうということで、細かく、るるご説明がありましたので、その内容については繰り返しお聞きすることはしませんけれども、全体として、今回のこの会場計画の変更によって、会場の設営など、準備スケジュールといったものは全く変更がないのかどうかお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 今回の変更は、既存の東京ビッグサイト内におけるIBC、MPCの配置計画の変更でございますため、会場設営などの準備スケジュールに変更はございません。

○酒井委員 会場設営、会場の準備スケジュールには変更がないということで、先ほどの質疑によるご答弁の中でも、拡張棟に関しても、これはセキュリティーの関係で、その前後等々については利用ができないというお話でした。
 動線上の観点もありますので、利用できないというのであれば、それはそれで仕方のないことかなとも思うわけですけれども、本来であれば、この部分については、引き続きその期間も民間が利用できるようになっていればよかったと思いますけれども、こういったセキュリティーの観点から利用ができないということであるならば、ここの空間をただ単にあけておくというのももったいない話でございますので、今後、メディアの方々にさらに有効活用していただくなど、オリンピック・パラリンピックでの活用をぜひ検討していただきたいということはお願いさせていただきたいと思います。
 最後に、これだけ長い期間会場が使えなくなるということは、先ほども話に出ておりましたけれども、展示会関係者にとって、また、日本のビジネスにとっても大きな影響を与えることになろうかと思います。
 展示会関係者との調整はどのようにしていくのか、改めてで恐縮ではございますけれども、お伺いし、質問を終わりにしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 展示会関係者から東京都に対しまして、二〇二〇年東京大会開催に伴う展示会に関する要望が上げられてございまして、現在、産業労働局が対応策を検討しているところでございます。

○石川委員 拡張棟施設につきまして、三点簡単にお伺いいたします。
 先ほど正式に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会で、国際放送センター、メーンプレスセンターとして全館を使用することになっていた東京ビッグサイトの拡張棟施設が、フェンシング、テコンドー、レスリングが幕張メッセで開催されることになったため、報道拠点を現在のビッグサイトで収容することができ、急遽、五輪施設から除外されるという説明を聞かせていただきました。
 既存施設の活用ということで、結構なことだろうと思っております。しかし、拡張棟は、放送センター、メーンプレスセンターが入る東京ビッグサイトに隣接していることから、五輪のセキュリティー等、どのような対策が必要なのかお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 IBC、MPCは大会時のメディアの拠点といたしまして極めて重要な施設でございまして、これらの施設が配置される期間中は施設の周辺にセキュリティーのエリアを設定いたしまして、施設内への入場を関係者のみに限定するなど、厳重に管理する必要がございます。
 このため、同一敷地内でIBC、MPCが配置される建物に接続する拡張棟につきましても、セキュリティーの観点から、一般の展示会の会場などとして利用ができなくなることになります。拡張棟はセキュリティーエリア内に入ることになりますが、具体的なセキュリティー対策につきましては、今後、組織委員会において検討されることとなってまいります。

○石川委員 二〇一九年の末に、拡張棟、延べ面積六万八千五百平米が完成することになっておりますけれども、オリ・パラ施設としては不用となるわけですが、完成後すぐに展示場として活用できないやにいわれております。
 では、どのぐらいの期間、本来の目的である展示場として使用することができないのか、改めて確認させていただきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 拡張棟は、会議棟及び西展示棟ホールにMPCが配置されることから、平成三十二年四月から十月までの七カ月間利用できなくなる見込みでございます。

○石川委員 拡張棟はオリンピック・パラリンピックの施設としては外れるわけですが、特別な設計変更やコストの増減はないということであります。
 ただ、この広大な施設をオリンピック・パラリンピック期間中使うことができないのならば、オリンピック全体事業のリザーブ施設として位置づけ、必要に応じて活用することができないのかどうかお伺いいたします。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 拡張棟につきましては、大会期間中、セキュリティーエリア内に入るということがございますので、展示場として利用できないことになりまして、現時点におきまして他の用途に使用する予定もございません。

○石川委員 パリでのテロ事件などもあり、今後、テロ対策、それもサイバーテロやハッカー対策等も含めて今まで以上に重要になってくるわけであります。約七ヘクタールの面を確保できる可能性があるということは、大変大きなことだと思っております。
 危機管理対応施設などのリザーブ施設、バックヤードとして位置づけ、活用することを提案させていただき、質問を終わります。

○山内委員 まとめながら質問させていただきたいと思います。
 ビッグサイトのホールA、Bで予定されていましたレスリング、フェンシング、テコンドーの競技会場が幕張メッセに変更になった時点から、生活者ネットワークは、増築は中止して、既存のホールA、Bを含む東展示場、西展示場、会議棟をIBC、MPCに使用することができるのではないかと提案する考えでおりましたので、今回の配置計画変更は当然のことだと思っております。
 そこで質問させていただきたいと思いますが、会場が幕張メッセに変更になった三競技の会場は、当初は東京ビッグサイトホールA及びBとされておりましたけれども、このホールAとホールBが競技場でなくなることで、どのくらいの面積がIBCに使えることとなったのか、また、これまでの大会でのIBC、MPCの規模と比べて適正な規模であるのか、改めて確認いたしたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 立候補ファイルで競技会場としておりましたホールA及びBは、東展示棟一から三ホールを想定しておりまして、その延べ床面積は約五万二千平米でございます。
 今回の配置計画の変更で、一部西展示棟に分割して配置されておりましたIBCを、この東展示棟一から三ホールを含む東側の施設に集約することによりまして、IBCが配置される施設の延べ床面積は約十二万五千平米となっております。
 立候補ファイル時の約十一万四千平米と比較いたしますと、面積が約一万平米増加しておりまして、また、施設の集約化により、運営の利便性が向上しております。
 ロンドン大会でIBCが置かれた建物の延べ床面積はMPCと合わせて十万平米程度であったと聞いておりますが、この施設はIBC及びMPCのために新たに建設されたものでございます。これに対し、東京ビッグサイトは展示場として整備され、店舗や連絡通路などの占める割合が多いことから、単純に比較することは困難でございます。
 今回のIBC及びMPCの配置計画については、これまでIOCとも調整を重ねておりまして、適切なものと考えております。

○山内委員 今回の配置計画については、さまざまな課題があるとは思いますけれども、工夫とアイデアで既存施設を有効活用していただきたいと思います。
 今回の変更で、産業労働局が増築する拡張棟はMPCに利用しないことになったことから、拡張棟の費用に充てる二百二十八億円は東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金の対象とはなりません。しかし、それでも産業労働局は--完成予定、二〇一九年二月でしょうか、大会前に五百九十九億円をかけて増築する予定だと聞いています。
 資材高騰、建築物価の上昇や人手不足のさなか、なぜ二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに使用しない拡張棟の建設がこの時期に必要なのか問われることと思います。即刻見直しが必要と考えております。
 次に、環境影響評価についてお伺いしたいと思います。
 東京ビッグサイトについては、拡張棟をMPCとして使わないとしても、既存施設をIBC、MPCとして使う計画です。今後、仮設物の設置や大会の運営に際しても、環境へのさまざまな影響が出ることも想定されています。
 それらを含めた大会開催中の東京ビッグサイト全体の環境影響評価については、どのような考え方で進めていくのかお伺いいたします。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設輸送担当部長 オリンピック・パラリンピック環境影響評価は、大会の会場につきまして、工事や競技の実施、大会の運営といった事項を対象にいたしまして、大会の開催前、開催中、開催後それぞれの段階におきまして予測、評価を実施するものでございます。
 今回のIBC及びMPCの配置計画の変更の結果、拡張棟の建設工事は予測、評価の対象から外れることになりましたが、引き続き、仮設工事や大会時の運営は、オリンピック・パラリンピック環境影響評価の対象でございます。
 したがいまして、運営のための仮設物の設営、解体や、関係車両の発生、集中、会場設備の稼働など、IBC、MPCの運営に伴う影響につきまして、仮設物の計画や運営計画等が明らかになりました段階で、改めて環境影響評価を実施いたします。

○山内委員 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック環境アセスメント指針では、任意で自主的ではありますけれども、都が新規に整備する施設だけではなく、国や民間が整備する施設や既存施設、組織委員会が整備する仮設施設についても実施するほか、競技運営や全体計画についても予測、評価の対象としていることを改めて確認させていただきました。
 緑の保全に影響がないか、騒音や振動、廃棄物等、ぜひ環境影響評価の実施をお願いして、私の質問を終わります。

○高島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 ご異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして本日の委員会は閉会いたします。
   午後三時十八分散会

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