オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会速記録第二十三号

平成二十七年十月六日(火曜日)
第四委員会室
午後一時四十五分開議
出席委員 十八名
委員長高島なおき君
副委員長畔上三和子君
副委員長小磯 善彦君
副委員長吉原  修君
理事橘  正剛君
理事秋田 一郎君
理事吉田 信夫君
小林 健二君
石川 良一君
山内れい子君
山崎 一輝君
徳留 道信君
鈴木 隆道君
小山くにひこ君
林田  武君
立石 晴康君
川井しげお君
酒井 大史君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長中嶋 正宏君
技監邊見 隆士君
技監西倉 鉄也君
技監石山 明久君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長加藤 英典君
準備会議担当部長矢部 信栄君
自治体調整担当部長井上  卓君
計画調整担当部長鈴木 一幸君
大会準備部長延與  桂君
連絡調整担当部長準備会議担当部長兼務浦崎 秀行君
運営担当部長児玉英一郎君
競技担当部長根本 浩志君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
施設輸送担当部長花井 徹夫君
施設調整担当部長小室 明子君
施設整備担当部長小野寺弘樹君
選手村担当部長安部 文洋君
スポーツ推進部長早崎 道晴君
国際大会準備担当部長土屋 太郎君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・東京二〇二〇オリンピック競技大会の追加種目について(説明)
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況について(説明)
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた都立競技施設整備の進捗状況について(説明)
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止(その二)について(説明・質疑)
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止について(質疑)
閉会中の継続調査について

○高島委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取及び閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 なお、報告事項、東京二〇二〇オリンピック競技大会の追加種目について、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況について及び東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた都立競技施設整備の進捗状況については、本日は説明を聴取し、資料要求することにとどめますので、ご了承願います。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 岡崎次長スポーツ推進担当理事兼務は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 まず、東京二〇二〇オリンピック競技大会の追加種目について外二件の報告を聴取いたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 それでは、私から、東京二〇二〇オリンピック競技大会の追加種目についてご説明いたします。
 お手元の資料第1号をごらんください。
 まず、経緯でございます。
 昨年十二月のIOC総会で、オリンピックアジェンダ二〇二〇が採択され、開催都市の組織委員会がIOCに対し、当該大会について種目を追加提案することが認められました。
 これを受けて、組織委員会は、七人の有識者から成る東京二〇二〇種目追加検討会議を設置し、本年二月九日を皮切りに約八カ月にわたり議論を重ねてまいりました。
 五月には、組織委員会が三つの主要原則を盛り込んだ応募要項を発表し、IOC承認国際競技団体三十三団体を対象として提案の募集を開始いたしました。
 なお、三つの主要原則とは、資料の左下に記載してございますとおり、若者へのアピール、東京そして日本での機運向上、透明、公平な手続の三点でございます。
 また、IOCの側におきましても、五テーマ、三十五項目から成る評価項目を六月八日に発表いたしました。主な内容は資料の右下に記載のとおりでございます。
 期限までに、二十六団体から応募がございましたが、議論の結果、六月二十二日、ヒアリング対象団体として八団体が選定されました。選考に際しては、各国際競技団体、IFからの応募内容を精査し、三つの主要原則と三十五の評価項目に基づき、若者へのアピールや国内的な盛り上がり、世界的な普及度、国際大会等の開催実績などを総合的に評価いたしました。
 八月一日には、IOCから追加種目の選手数を五百人以内とすることが提示されました。
 また、八月七日、八日には、八団体に対するヒアリングを実施いたしました。
 こうした経過を経て、九月二十八日に開催された種目追加検討会議において、追加種目案が決定されました。その競技は、資料の右側に記載のとおり、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの五競技でございます。
 選考に際しましては、国内外での普及や男女間のバランスといった客観的評価を行った上で、若者へのアピールや国内での盛り上がり等について総合的に評価を行い、まずはこの五競技を選出いたしました。
 その後、選手数五百人という枠を踏まえまして、各競技ごとに種目数、選手数を精査するとともに、国内での盛り上がりと若者へのアピールとの間のバランスなども考慮し、最終的に五競技、十八種目とする案が全会一致で決定されました。
 なお、引き続き開催された組織委員会理事会において検討会議の原案が正式に決定され、即日、IOCに対して提案が行われたところでございます。
 提案された追加種目でございますが、野球・ソフトボールは小学生から社会人まで、まさに日本の国民的スポーツであり、東京そして日本での盛り上がりが大いに期待できること、空手は日本発祥で世界各地に広まった競技であり、日本のスポーツ文化や日本開催ならではの大会イメージを世界に発信できること、スケートボードはストリートスポーツの代表格として、抜群の若者へのアピール力により、オリンピックの価値を若者世代へ訴求できる可能性が期待できること、スポーツクライミングは若者へのアピール力とともに、都心のスポーツとしての人気も高く、他の競技には見られない、垂直方向へ登る力を競い合うという特徴が大会に新鮮味を与えると期待されること、サーフィンは若者に人気のマリンスポーツであり、若者のライフスタイルにも大きな影響を与え、多くの国で若者の絶対的支持を得ている競技であることなどの理由により、選定されたものでございます。
 なお、先生方ご案内のとおり、野球・ソフトボールと空手につきましては、平成二十六年十一月、都議会の全会一致により、東京大会における競技実施を求める決議が採択された経緯がございます。
 最終決定は、来年八月にリオデジャネイロで開催されるIOC総会で行われる予定となっております。
 なお、追加種目を実施する競技会場につきましては、IOCによる種目の最終決定の後、決定される予定となっております。
 都といたしましても、東京大会が史上最高の大会となるよう、組織委員会と連携して実施準備に取り組んでまいります。
 引き続き、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況についてご報告させていただきます。
 お手元の資料第2号をごらんください。
 大井ホッケー競技場、夢の島公園(アーチェリー会場)、有明テニスの森の三施設につきまして、これまで各競技団体、地元自治体等と協議してまいりましたが、それぞれの施設について、関係者等との調整がおおむね整いましたので、その結果についてご報告させていただきます。
 1、これまでの経緯の欄をごらんください。
 昨年十一月の本委員会におきまして、大井ホッケー競技場と夢の島公園につきましては現計画地で整備することとし、都民生活への影響について引き続き検討する旨、報告させていただきました。
 また、本年四月には、大井ホッケー競技場と夢の島公園につきまして、会場内の施設配置を検討中である旨、報告させていただくとともに、有明テニスの森につきまして、改修計画を検討中である旨、報告させていただきました。
 2の各施設の検討結果の欄をごらんください。
 初めに、(1)の大井ホッケー競技場につきましては、立候補ファイル時点では、既存の野球場六面を廃止し、大会時一万席の観客席を有するメーンピッチと五千席のサブピッチの二面を整備する計画でありました。地元からの要望も踏まえ、野球場の利用者への影響を極力抑制するよう、公園内での配置変更をIF等と協議してまいりました。
 その結果、メーンピッチは第一球技場などの位置に新設し、サブピッチは第二球技場を改修することでIFの理解が得られました。これにより、野球場につきましては、大会時、仮設の運営施設等で使用はいたしますが、大会後は現状どおり利用できる見込みでございます。
 あわせて、アジェンダ二〇二〇の趣旨や後利用を踏まえ、よりコンパクトな施設規模を検討してきた結果、大会後、メーンピッチの恒設の座席数を立候補ファイル時点での四千席から二千六百席に変更することについてIFの理解が得られました。現在の状況といたしましては、九月十六日に基本設計業務委託の公募を開始いたしました。
 整備に当たりましては、今後、この案をたたき台に競技団体、地元自治体などの意見を伺いながら、フットサルなどにも使用できる多目的グラウンドとしての活用等、後利用を含め、基本設計の中で検討してまいります。
 資料を一枚おめくりください。(2)、夢の島公園(アーチェリー会場)についてでございます。
 立候補ファイル時点では、公園内の円形広場南側の緑地部分に恒設の予選会場と、大会時七千席の観客席を有する仮設の決勝会場を整備する計画でありました。
 会場再検討の結果、公園内に整備を予定していた夢の島ユース・プラザ・アリーナA及びBの新設を中止するとともに、夢の島競技場で実施予定であった馬術の競技会場を馬事公苑に変更したことから公園全体の配置計画を見直すことが可能となりました。
 そのため、公園の緑や利用者への影響に配慮し、公園全体で最適な施設配置を検討してまいりました。
 その結果、予選会場を円形広場の位置に新設し、決勝会場を陸上競技場の位置に仮設することでIFの理解が得られました。これにより、立候補ファイル時点に比べ、樹木の伐採は大幅に抑制できる見込みでございます。
 また、既存施設のBumB東京スポーツ文化館内のアリーナ、会議室等については、大会時の諸室として有効活用してまいります。
 現在の状況といたしましては、今年度から、くぼ地状の円形広場を平たんにするための盛り土の設計に着手する予定となっております。後利用につきましては、今後、競技団体、地元自治体などの意見を伺いながら検討してまいります。
 資料を一枚おめくりください。(3)の有明テニスの森についてでございます。
 立候補ファイル時点では、センターコートとして既存の有明コロシアムを使用するとともに、公園内のテニスコートを再整備し、計三十五面とする計画でございました。
 検討の視点に記載しておりますように、競技団体等からは、現在のテニスコート四十九面から十四面減少することについて、減少数を最小限にとどめるよう要望があり、また、地元からは、既存のイベント広場を残してもらいたい旨の要望がございました。
 これらの要望を受け、配置変更をIF等と協議してまいりました。
 その結果、公園内のテニスコートは、大会時は計三十七面といたしますが、大会後、現状と同じ計四十九面に改修することといたしました。
 あわせて、アジェンダ二〇二〇の趣旨や後利用を踏まえ、よりコンパクトな施設規模を検討してきた結果、大会後、ショーコート1の恒設の座席数を立候補ファイル時点での五千席から三千席とすること、ショーコート2を仮設とし、大会後撤去することにつきましてIFの理解が得られました。
 これにより、イベント広場につきましては、大会時、ショーコート2を整備いたしますが、大会後はイベント広場機能を回復し、これまでどおり利用できる見込みでございます。
 現在の状況といたしましては、九月二十九日に基本設計業務委託業者と契約を締結いたしました。
 今後、この案をたたき台に、競技団体、地元自治体等の意見を伺いながら、後利用を踏まえた配置計画について基本設計の中で引き続き検討し、ブラッシュアップしてまいります。
 資料の説明は以上でございます。
 なお、資料はございませんが、会場計画の再検討の状況における自転車競技の状況についてご報告をさせていただきます。
 去る八月四日の本委員会におきまして、九月末に開催される国際自転車競技連合の委員会での合意に向け取り組んでいく旨、ご報告をさせていただきました。これまで組織委員会と連携し取り組んでまいりましたが、いまだ協議すべき課題が残っていることから、引き続きIF等と協議を行っております。
 今後、IFと合意し、IOCの理事会の了承が得られ次第、都議会にご報告をさせていただきます。
 説明は以上でございます。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設輸送担当部長 それでは、私から、都立競技施設の整備につきまして、現在の状況と今後の進め方をご説明いたします。
 お手元の資料第3号、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた都立競技施設整備の進捗状況についてをごらんください。
 今回は、東京都が整備を予定している競技施設のうち、オリンピックアクアティクスセンター、海の森水上競技場、有明アリーナの三施設につきましてご報告いたします。
 お手元資料の1、現在の状況をごらんください。
 これら三施設につきましては、平成二十七年一月から基本設計を進めておりましたが、八月で設計業務の委託が完了いたしました。現在は委託の成果を踏まえ、図面の確認や積算書の精査を行うなど、各施設の基本設計の最終的な取りまとめをしているところでございます。
 また、次の段階といたしまして、これら三施設では、実施設計と工事を一括して発注する設計施工一括発注方式により整備いたします。現在、契約の手続の準備を進めております。設計施工一括発注方式による契約は、平成二十七年度中を予定しております。
 続きまして、2、今後の進め方のイメージをごらんください。
 三施設の整備の流れを、左から右への帯の矢印で表現しております。基本設計の後、設計施工一括発注方式の契約手続を経て、実施設計、工事へと進んでまいります。
 帯の上の部分に、都立競技施設整備に関する諮問会議とございます。これは、基本設計、実施設計につきまして、設計業務を進めていくプロセスの中で設計内容をチェックする体制を強化、充実するために設置するものでございます。
 都が整備する競技会場につきましては、昨年度から会場計画の再検討を行い、都議会でもご審議をいただいて予算計上し、これまで準備を進めてまいりましたが、さらに、設計の段階におきまして、この会議を通じて外部の専門家により設計の妥当性を確認していただきながら進めてまいります。
 会議は、基本設計、実施設計のそれぞれ適切な段階で開催し、設計の内容、性能、仕様、コスト等につきまして専門の立場からご意見をいただき、施設整備に反映させていく予定でございます。
 委員は七名で、建築、土木、法律、スポーツの各分野のご専門の方々にお願いいたします。委員の詳細は別紙の参考資料1のとおりでございます。
 なお、第一回の会議は十月九日に開催する予定です。
 また、他の都立競技施設の設計につきましても、ご説明した三施設に準じて諮問会議を開催いたします。
 次に、帯の下の部分に記載してございます新規恒久施設の施設運営計画の検討・策定についてご説明いたします。
 東京都は、新規恒久施設を大会後も末永く有効活用していくため、施設整備と並行して民間事業者等の知識や経験、アイデアを取り込んだ施設運営計画を策定していくこととしております。
 本年六月に、この計画策定を支援する民間事業者を募集したところ、本日ご説明いたしまた三施設にカヌースラローム会場を加えた四施設の合計で二十五件の提案をいただき、その提案内容につきまして、企画提案内容、財務状況、運営実績の面から審査し、支援事業者を選定いたしました。
 今後、施設ごとに支援事業者や関係各局で構成する検討会を設置し、競技団体や地元自治体の意見も聞きながら、平成二十八年度当初を目途に、施設運営計画中間のまとめを策定し、平成二十八年度末ごろを目途に、施設運営計画最終のまとめとして取りまとめてまいります。
 また、他の新規恒久施設につきましても、今後、これに準じた対応を検討してまいります。
 なお、別途、参考資料2として、先日十月二日に公表いたしました施設運営計画策定支援事業者の選定結果及び企画提案書の提出件数を添付させていただきましたので、お目通しいただきたいと存じます。
 都立競技施設の進捗状況につきましては、今回の内容も含め、適時適切に都議会にご説明させていただきます。
 今後も、諮問会議を活用するなど、適切に施設整備を進めるとともに、大会後の後利用につきましても十分な検討を行い、これらを合わせて着実に進捗を管理していくことで大会に向けて期限内に着実に整備を進めるとともに、都民、国民に喜んでいただける、すばらしい施設となるよう、しっかり取り組んでまいります。
 説明は以上でございます。

○高島委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○吉田委員 都立競技施設整備に関して、三点の資料をお願いいたします。
 第一は、委託が既に完了しているオリンピックアクアティクスセンター、海の森水上競技場、有明アリーナの基本設計について示していただきたい。
 二つは、三施設について、基本設計時点での推計整備費とその内訳について示していただきたい。
 三つ目は、アクアティクスセンター、有明アリーナの整備費の参考比較ができるロンドン五輪及び国内他都市の施設の整備費について示していただきたい。
 以上です。

○高島委員長 他にございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 ただいま吉田理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○高島委員長 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止(その二)について報告を聴取いたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 それでは、報告事項、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止(その二)についてをご説明いたします。
 お手元の資料第4号をごらんください。
 大会エンブレムにつきましては、前回九月十七日の当委員会におきまして、大会エンブレム発表以降の経過、使用中止の理由、中止に伴う都の対応、中止に伴う都への影響についてご説明いたしましたが、その後、組織委員会による新たなエンブレムの選考に向けた検討が始まっておりますので、その内容をご説明いたします。
 まず、東京二〇二〇エンブレム選考に向けた準備会の設置をごらんください。
 大会エンブレムの使用中止を受け、組織委員会は九月十八日、東京二〇二〇エンブレム選考に向けた準備会を設置いたしました。
 メンバーは、宮田亮平東京藝術大学学長を座長とした有識者六名の方々でございます。
 九月十八日、二十二日、二十四日の三回の会議を通じまして、前回の反省点、新たなエンブレムの選考において踏まえるべきポイント、エンブレム委員会の人選について議論をし、九月二十八日に開催された組織委員会の理事会におきまして、新たなエンブレムの選考に向けてを報告いたしました。
 次に、東京二〇二〇エンブレム委員会の設置をごらんください。
 準備会からの報告を受け、九月二十八日の理事会におきまして、東京二〇二〇エンブレム委員会が設置されました。第一回がその翌日の九月二十九日に開催され、第二回が本日十月六日に開催される予定であり、今後、順次開催することになっております。
 メンバーは、宮田亮平東京藝術大学学長を委員長とし、デザイン、芸術、法律、経済、スポーツ、インターネットなどの分野から選ばれた計十九名の方々でございます。
 なお、参考資料3として、委員の名簿がございますので、後ほどごらんください。
 役割は、新たなエンブレムの選考についてであり、応募要項の決定、審査、エンブレム案の決定等を行うこととしております。
 次に、旧エンブレム策定に係る反省点をごらんください。これは、九月二十八日の理事会において組織委員会が報告したものでございます。
 反省点のポイントを要約いたしますと、大会エンブレムとは何かという議論を行わないまま、専門的なデザイン性の高さを重視する閉じられたエンブレム選定に入ってしまったこと、組織委員会内の情報共有、意思決定のあり方について、大会エンブレム策定作業は一部の職員のみによって進められ、十分なチェック機能が働かなかった面があったことでございます。
 最後に、新たなエンブレムの選考に向けてをごらんください。これは、先ほど申し上げました準備会が九月二十八日の理事会に報告したものでございます。
 まず、踏まえるべきポイントを要約いたしますと、エンブレムの考え方については、エンブレムにどのような思いを込めるのか基本的コンセプトを検討し、明確に伝えること、応募要件については、法的な責任の観点から、年齢に一定の制約を設ける必要はあるが、可能な限り国民参加できる仕組みを用意すること、審査方法については、秘匿性は考慮しながら、できる限り情報発信すること、商標、著作権への対応について、専門的観点から検討することなどでございます。
 次に、今後の方向性を要約いたしますと、誰もが考え、応募でき、納得して選んだ、みんなのエンブレムを世に送り出すことが必要、各界の英知と経験を集めて、透明性の高い議論と手続のうちに、皆様に愛され、ときめきを共有し、世界に発信できる新たなエンブレムを作成することでございます。
 説明は以上でございます。

○高島委員長 報告は終わりました。
 それでは、報告事項、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止について及び同(その二)についてに対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○林田委員 それでは、大会エンブレムについて何点か質問をさせていただきたいと思います。
 思い返しますと、七月二十四日に東京オリンピック・パラリンピック大会のエンブレムが都民広場において華々しく公表されました。しかしながら、その後、九月一日には大会エンブレムの使用中止が発表されました。新国立競技場の整備計画白紙撤回という衝撃的な事態の直後だけに、私どもにさらなる衝撃を与えました。
 使用中止の理由としては、継続使用することによってオリンピック・パラリンピックそのものに対する国民の支援が損なわれるということを組織委員会が懸念した結果であるということがわかりました。
 このようなたび重なる事態は、まことに残念であり、オリンピック・パラリンピック大会という歴史的な祭典を待ち受ける都民、国民の期待に水を差すような状況となりました。今後は二度と同じことを繰り返さないようにしていかなければならないと思います。
 そこでまず、質問をいたします。
 大会エンブレムの使用中止という事態を都としてどのように受けとめているのかお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 大会エンブレムが使用中止となりましたのは大変残念なことであります。大会エンブレムが使用できないことにより、大会の準備や機運醸成を進める上で影響があることにつきましては、都としても真摯に受けとめております。
 組織委員会は九月二十八日、旧エンブレムの選考過程における応募要件、審査委員の選任、公募、審査等について検証し、反省すべき点を詳細に報告いたしました。その報告において、大会エンブレムの基本的コンセプトについて議論不足のまま閉鎖的な選定に入ったことや、組織内において十分なチェック機能が働かなかったことなどを挙げております。
 都としましても、今後こうした反省点を踏まえ、公正な手続により、一日も早く都民、国民に広く支持される新たなエンブレムが策定されるよう取り組んでいただきたいと思います。

○林田委員 組織委員会において、旧エンブレムに関する選定の経過を振り返り、今回の事態がなぜ起こったかをきちんと精査し、反省する作業が行われたことは評価したいと思っております。
 ところで、大会エンブレム使用中止に伴う都の対応については、市区町村を初めとする関係機関に対し速やかに使用中止する旨の連絡を行うなど、迅速に対応されたと、さきの委員会で報告を受けておる次第でありますが、しかし、旧エンブレム入りの名刺や、既に作成した印刷物などに関しては、その取り扱いに実際苦慮されたことだと思いますけれども、極めて短期間で方針が変更になったということで、関係者に多大な迷惑をかけたことは事実であります。
 このことに対しまして、大変遺憾なことだと思っております。二度とこのようなことにならないよう対応していただきたいと切にお願いいたします。
 次に、使用中止に伴って、都への影響はどうなのか、どうなっているのかをお聞きいたします。
 報告された都の経費の中で、エンブレムを用いた制作物の作業経費が約四千六百万円ということでありました。そのうち約三千百万円については早期に対応ができたということで、都民の税金が無駄にならずに済んだということであります。
 一方、納品前に使用中止になったことで、契約業者と協議中の経費が約九百万円であるとお聞きいたしました。中止によって影響を受ける契約業者が被害をこうむることのないよう、十分な配慮が必要だと思います。今後どのように対応していくのかお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 増刷予定としていましたポスターやのぼり旗など約九百万円の契約につきましては、既に原材料を手配していた三者の契約業者と今後の対応を協議中でございます。
 いずれにしましても、契約に関する基本的ルールに基づき、契約業者の不利益とならないように、実際にかかった費用について確実に支払いができるよう調整を行っております。

○林田委員 そこには当然、その契約業者の中には中小の事業者がおられることと思います。ここはぜひとも中小企業等の契約業者に対し不利益をもたらすことのないように、丁寧な対応をお願いいたしたいと思います。
 旧エンブレムの使用中止に対する都の対応状況はご説明でよくわかりました。使用中止が決まってから、以前から使用していた招致エンブレムを暫定的に利用することになりましたけれども、大会エンブレムは二〇二〇年東京五輪に向けた機運醸成に重要なアイテムであることは申し上げるまでもありません。
 今回の事態で大会エンブレムの空白期間を長引かせないためにも、できるだけ早期に新たなエンブレムを策定する必要があります。大会エンブレムの使用中止は、最初に申し上げたとおり非常に残念なことでありますけれども、先ほど報告があったとおり、新たなエンブレムについては、その選考過程を含め、都民や国民に丁寧に説明し、十分に理解を得ながら進めていくよう重ねてお願いをいたします。そのためには、透明性の高い議論とできる限りの情報発信が重要であると考えます。
 一方、大会エンブレム策定に当たっては、国際商標登録を確実に行う必要があるから秘匿性が求められるという言及が組織委員会の報告にありました。旧エンブレムについては、この秘匿性を最優先する余り、説明や広報が絶対的に不足しており、都民、国民の中で必ずしも強い支持が得られなかったという結果になりました。
 新しい大会エンブレムが旧エンブレムの使用中止という轍を踏まないためには、このような二律背反する課題もクリアしていかなければならないと思いますが、都の認識をお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 組織委員会は、旧エンブレムの選考過程において秘匿性を過度に重視した結果、国民へのエンブレム決定プロセスの説明が不十分だったと総括し、秘匿性は守りつつも、選ぶ側も選ばれる側もより幅広く参加できる仕組みを工夫することが必要だったとしております。
 今後、エンブレム委員会において委員ご指摘の国際商標登録にかかわる課題も踏まえつつ、新たなエンブレムに都民、国民が親しみを持っていただくために、情報公開の徹底について十分に議論が尽くされるよう、都としても注視しつつ、必要に応じ働きかけてまいります。

○林田委員 大変難しい課題であると思いますけれども、ここで改めてオリンピック・パラリンピックが国民的行事であるという出発点に戻り、透明性の高い議論と手続を経て、誰からも愛され、日本はもとより世界に発信できるようなエンブレムが策定されることを期待してやみません。
 そこで最後に、都としても、新たに、エンブレムが広く都民、国民に支持されるものとなるように積極的にかかわるべきと考えますが、局長の決意をお伺いいたします。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 大会エンブレムは、二〇二〇年大会の成功という大きな目標に向かって、我々オールジャパンを牽引する重要なシンボルとなります。旧エンブレムの使用中止を教訓にいたしまして、都民、国民に広く愛され親しまれる大会エンブレムとするために、幅広い方々による応募や多様な分野からの人選による審査、選考過程における情報公開の徹底がこれは必要でございます。
 また、できるだけ早く、オール東京、オールジャパンにおける機運醸成に活用できるよう早期に策定される必要がございます。
 都といたしましては、こうした観点から、あらゆる機会を捉えて、策定が適切かつ円滑に行われるよう組織委員会に対して働きかけてまいります。
 また、新たなエンブレムが策定された暁には、さまざまな場面で、機運醸成のためにこれを積極的に活用してまいりたいと考えております。
 都は、都議会の皆様のご理解、ご協力を得ながら、組織委員会とも一致協力して二〇二〇年大会の成功に向け尽力してまいります。

○林田委員 最後に一言申し上げます。
 大会エンブレムは、二〇二〇年東京五輪に向けて、まさに都民、国民が一つになる象徴であると思います。都は開催都市として責任を持って、今後誕生する新たなエンブレムを活用し、市区町村とも連携し、あらゆる場面、さまざまな機会を捉えて、ぜひ機運醸成を図っていただきたいと要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

○小林委員 私からは、簡潔に七点お伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、大会エンブレム中止に伴う都への影響についてですが、報告の中でエンブレムを用いて広報用に活用しようとした制作物、約四千六百万円のうち約三千百万円はエンブレムの中止が決定した時点で、エンブレムを使わずに印刷するなどの工夫をしたということでありました。
 具体的にどのような工夫を行い、またその制作物を今後どのように活用していくのかお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 まず、パラリンピックガイドやクリアファイルにつきましては、パラリンピック競技の普及啓発のために作成を予定していたものであり、大会エンブレムを使用しなくても本来の目的を実現できることから、躍動するパラリンピアンの写真などのデザインに差しかえて印刷することといたしました。
 オリンピック・パラリンピックの展示用十枚組パネルにつきましては、大会エンブレムを紹介している三枚を除き七枚組のパネルとして使用することといたしました。これらの制作物はオリンピック・パラリンピックに向けた機運醸成イベントなどで配布や掲示を行うことで活用してまいります。

○小林委員 都民の税金を無駄にせず、でき得る限り活用できるものは活用していくということはいうまでもありませんので、現在契約業者と協議中となっている約九百万円も含め、都民の無用な負担とならないようなご検討をくれぐれもよろしくお願いしたいと思います。
 今回これほどの注目を浴びた大会エンブレムでもありますので、新エンブレムが決まった際に有効活用し、親しんでいただけるよう、改めてエンブレムというものについて、確認を何点かさせていただきたいと思います。
 そもそもオリンピック・パラリンピックにおける大会エンブレムの意義や果たす役割、また、オリンピック・パラリンピックそれぞれの大会エンブレムがつくられるようになったのはいつからなのか、あわせてお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 まず、大会エンブレムの意義と役割についてでありますが、大会エンブレムはオリンピック・パラリンピックそれぞれの競技大会の成功に向けて都民、国民が一つになるための象徴であり、世界に向けてそれぞれの大会メッセージを発信する重要な役割を果たすものでございます。
 次に、大会エンブレムがつくられるようになった時期につきましては、文献等によれば、オリンピックシンボルをあしらったオリンピックの大会エンブレムは一九三二年のレークプラシッド冬季大会から策定され、また、パラリンピックシンボルをあしらったパラリンピックエンブレムは一九八八年のソウル夏季大会から策定されました。

○小林委員 エンブレムの意義、役割は国民が一つになるための象徴、さらに、世界に向けてそれぞれの大会メッセージを発信する重要な役割を果たすものとのことですが、この重要な意味を持つエンブレムの作成は、いうまでもありませんが、日本において今回が初めてではなく、過去三回作成されています。
 そこで、一九六四年夏季東京大会、一九七二年冬季札幌大会、一九九八年冬季長野大会について、それぞれのエンブレムの選定はどのように行われたのか確認をいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 組織委員会によれば、一九六四年東京大会の際は六名のデザイナーによる指名コンペ、一九七二年札幌大会の際は八名のデザイナーによる指名コンペによりエンブレムデザインが選定されました。
 また、一九九八年長野大会の際はデザイン会社などを対象としたコンペにより会社を選定し、デザイン開発を行いました。

○小林委員 過去三回のエンブレムの作成においては、少なくともこのたびのような混乱する事態はなかったと思います。
 ただ、当時はこのような選定でもよかったのかもしれませんが、現在は当時とは情報公開に対する国民の意識も大きく変わってきているという状況もあります。四回目のエンブレムの作成となる今回、中止となった事態をどれだけ重く受けとめ、刷新された心で何としても国民に愛されるエンブレムをつくるとの気概を持って臨んでいかねばならないと思います。
 旧エンブレムの選考はわかりにくさや密室性について問題点が指摘されていますが、国民への説明責任や国民参加という観点について、組織委員会はこのたびの事態をどのように反省し、それを踏まえて、今後どのようなものにしていく方向性なのかお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 組織委員会は反省点として、秘匿性を優先する余り、説明や広報が絶対的に不足したこと、応募資格要件を限定し過ぎたことで幅広い参加を排除する結果となったこと、国民がエンブレムについて知り、その策定に参画できる環境を用意しなかったことなどを挙げております。
 こうした反省点を踏まえ、新エンブレムの策定では、できるだけ積極的に説明や情報発信をすること、可能な限り広く応募できる仕組みとする必要があること、国民の意見をエンブレムの選考過程に反映させることなど、より広く多くの人が参画できるようにしていくべきとしております。

○小林委員 また一方、エンブレムの今回の使用中止においては、都に対する批判というものも若干耳にいたします。
 改めての確認ですが、大会組織委員会との関係性において、エンブレムの策定、管理、使用という全体の枠組みの中で都はどういう立場であるのかお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 大会エンブレムはIOC及びIPCの知的財産であり、それぞれの承認のもとに組織委員会が策定するものでございます。
 大会エンブレムは、二〇二〇年大会まで組織委員会が管理することとなっております。
 都は開催都市として、組織委員会から大会エンブレムの使用が認められております。

○小林委員 都はあくまでも使用する立場であるとのことですが、反省点を踏まえて、大会組織委員会が進めていく方向性の実現のため、エンブレムの選考過程を都も主体性を持って情報発信していくなど、大会組織委員会との共同体制を強化していくべきではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 組織委員会は、エンブレムの選考に当たって、積極的に情報発信をしていく必要があるとしており、都としましても、情報発信という面で可能な限りの協力を行ってまいります。
 具体的には、組織委員会が新エンブレム策定の過程で発信する応募要項等、さまざまな情報につきまして、都のホームページやSNS等の広報媒体を活用し、できるだけ迅速な提供を心がけてまいります。

○小林委員 一九六四年の東京大会の有名なエピソードの一つに、江の島ヨットハーバーで行われた二人乗りのヨットの競技中、折からの強い風でオーストラリア選手のヨットが転覆するというアクシデントがありました。その際、優勝候補であったスウェーデンの選手が競技をやめ、転覆したオーストラリアの選手を救助し、それから再び競技に戻り、優勝候補ではあったのですけれども、十一位に入ったそうであります。スウェーデンの選手は救助するのが海の男の友情、当然のルールを守ったまでと語ったそうで、人類愛の金メダルと呼ばれるエピソードが東京大会のときに残っております。
 先ほどエンブレムの意義、役割について確認しましたが、新たに作成されるエンブレムのもとで感動のエピソードの数々が生まれ、全世界に友情と平和を発信していくことが何より大事な目的であります。
 今度こそ、国民はもとより、全世界に愛されるエンブレムを作成し、さらに、名実ともにそのエンブレムを光輝かせていくための万全の準備を着実に推進していかねばなりません。そのためには、いま一度、都民、国民の中にあの招致成功の際の感動や共感を取り戻すための努力と熱き情熱が必要であると思います。
 再びオリンピック・パラリンピックに向けた機運醸成を図るには、二〇二〇年大会にかかわる都民の参加機会の拡大が必要であり、開催都市である都としても、都民の参加意識を高め、都民とともに大会成功への勢いをつけていくべきであると思います。
 最後に局長のご見解を伺いまして、私の質問を終わります。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 大会成功への鍵は、多くの人々が大会にかかわり、自分たちの大会だと感じてもらうことだと考えております。
 エンブレムの選考過程におきましても、幅広い方々による応募や情報公開の徹底を実施していくことによりまして、参加の機会をふやし、多くの都民、国民に、自分たちのエンブレムであると感じてもらうことが重要でございます。
 このため都は、選考過程の透明性を高め、より多くの人が選考過程にかかわり、みんなに愛され親しまれるエンブレムが早期に策定されますよう、多様な機会を捉えまして、組織委員会に対して働きかけてまいります。
 そして、新たなエンブレムが策定された際には、多くの都民が参加するイベントなど、さまざまな場面で積極的にこれを活用いたしまして、参加者の中に生まれます、ともに大会を成功させたいという機運の醸成を図り、二〇二〇年大会の成功という大きな目標の達成につなげてまいります。

○畔上委員 先ほど、報告書の概要の踏まえるべきポイントというご説明をいただいたわけですけれども、今後新たなエンブレムを策定する上でも、また、今後五年間、大会までの作業を一つ一つ進めていく上でも、組織委員会がオープンで透明性の高い組織運営を行うこと、国民参加で国民の信頼と賛同を得られる活動を行っていくことは大変重要だと思っております。
 そのためにも、今回の旧エンブレム策定に当たって、何が問題だったのか、そのことをしっかり明らかにして教訓を酌み取ることが求められているんだと思います。選考過程を検証する上で大切なのは、情報の公開と客観的検証だと思います。
 新国立競技場の整備計画の撤回に係る経緯の検証も同じように検証報告書が出ておりますが、こちらの方は第三者から成る検証委員会を設置して、関係者に対する聞き取り調査などを行っております。
 大会エンブレムの場合は、報告書は誰が検証して作成をされたのか、まず伺いたいと思います。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 報告書は東京二〇二〇エンブレム選考に向けた準備会での意見を踏まえながら、組織委員会として、エンブレムの取り下げに至る経緯、当時の考え方を検証し、反省すべき点を整理して作成し、事務総長名で理事会に提出しております。

○畔上委員 私は報告書全文を読ませていただきましたが、組織内外のどんな人から聞き取りを行ったのか、また、九月十八日に設置した新しいエンブレム選考に向けた準備会の有識者から意見を聞いたということなんですが、どのような意見があったかなど、明らかにはされておりません。
 国民、都民から批判と不信が沸き起こった、とりわけ公募前に八人のデザイナーに参加要請をしていた問題とか、審査委員長も知らないうちに原案が修正されていた問題など、どうしてそのような事態が起こったのか、その事実解明と分析も大ざっぱという印象を拭えないと思います。
 例えば、具体的に申し上げれば、もちろんこれは組織委員会の責任にかかわるものでありますが、公募する前に八人のデザイナーに参加依頼をし、しかも上位三人がこの八人の中の三人だったということは解明すべき問題の一つなわけです。
 本当に公平な募集だったのかと、もしゆがめられていたとするならば、なぜそうなってしまったのかと、組織委員会の信頼にもかかわる問題だと思います。大問題だと思います。都としては、組織委員会に対し、どのように対応するおつもりなんでしょうか。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 報告書において、事前の参加要請と審査結果の関係につきましては、調査を継続し、民間有識者による調査が必要であるとしていることから、都としては今後の組織委員会における調査を見守ってまいります。

○畔上委員 今後の調査というお話だったんですけれども、既に、先ほどご説明いただいたように、新エンブレムを検討する審査委員会が開催されるわけですから、不透明さを残したまま審査を進めるわけにはいかないんじゃないでしょうか。
 民間有識者による調査を行うというご説明でありましたけれども、これにつきましては、早急に行うように都として求めていただきたいと考えます。
 経緯が不透明で疑惑と不信の声が大きい問題に、原案の修正問題もあると思います。原案の修正と再修正は誰の判断によるものなのか、誰がその決定をしたのかという点も直ちに明らかにする必要があると思います。
 マスコミ報道では、組織委員会の幹部が、一位の最初の案では下部にあった赤い丸を日の丸に見立てて足元に置くのはおかしいと修正を求め、こうした注文が二度に及び、いずれもエンブレムの審査委員らには伝えられていなかったと複数の関係者が証言したというものもありました。審査委員会を飛び越えて修正したということであったら、これは大問題なわけです。
 報告書には、誰の判断で修正したのか、これは全く書いていないので、疑惑が疑惑のまま残ってしまっているわけです。このままでは組織委員会が信頼を得ていくのは難しいんじゃないでしょうか。都はその点どう考えますか。都は組織委員会に対して客観的な検証と情報公開を求めるべきじゃないでしょうか。直ちに検証を求めるべきじゃないでしょうか。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 都としては、組織委員会が旧エンブレム策定にかかわる反省点をしっかり検証したものと考えております。この内容を踏まえ、新たなエンブレムの策定に生かし、都民、国民に広く愛され親しまれるものとなるよう期待しております。

○畔上委員 私は多くの国民は納得していないと思います。不透明な部分はやっぱり残さないように、都としても、客観的検証と情報公開を組織委員会に対してやっぱりしっかり求めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、エンブレムの考え方についてです。
 報告書では、エンブレムの考え方について、いわば使い方にとらわれ過ぎたと、展開力に目を奪われ過ぎていた側面もあったとしています。九月八日の参議院の文教科学委員会での参考人質疑を読んだのですが、この中で大会組織委員会の副事務総長はこうご答弁されていました。
 一位の作品については、会場装飾とか関連グッズへの展開など展開性がすぐれたデザインであるというのが審査委員の方々の高い評価だったと、そういうふうにご答弁されています。
 エンブレムの選考に当たって、このエンブレムの使い方、関連グッズ等の展開を優先したということについて、東京都はどのように考えていらっしゃいますか。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 東京二〇二〇エンブレム選考に向けた準備会がまとめた新たなエンブレムの選考に向けてでは、エンブレムの考え方について、展開力といういわば使い方に目を奪われ過ぎていたことを反省点として挙げております。
 また、デザイン的にすぐれたものを求めるだけでなく、国民的行事のエンブレムであることを強く意識し、エンブレムにどういう思いを込めるのかという基本的コンセプトを検討すべきとしており、都としても同様に考えております。

○畔上委員 そのためにも、選定方法の枠組みをつくる体制のあり方が本当にどうだったのかという点も検証しておかなければいけないと思います。大会エンブレムの選考方法の枠組みづくりを行ったのは、当時のマーケティング局の局長と組織委員会のクリエーティブディレクターだと報告書に書いてありました。
 当時のマーケティング局の局長と組織委員会のクリエーティブディレクターは、どこから出向された方なんでしょうか。

○加藤オリンピック・パラリンピック準備局総合調整部長 いずれの方も株式会社電通からの出向でございます。

○畔上委員 私は、やはり電通のノウハウというものはあるかもしれませんが、こうした立場の方たちが中心になって体制を組んでいくと、どうやったらグッズなどの展開がしやすくなるのか、それから、実際にエンブレムを使用するスポンサーがどうやったら使いやすくなるかと、こういった視点がどうしても強調されてしまうのではないかというふうに思うんです。
 ローカルスポンサーの収入が約三割という組織委員会の財政構造からも、そういう傾向を生みやすいのかなというふうに考えておりますが、国民的行事のエンブレムであることを強く意識し、エンブレムにどういう思いを込めるかという基本的なコンセプトを検討すべきだということを、先ほどご答弁されていたように、審査委員とともに、やはり部局の体制もその実現にふさわしい体制にすべきだというふうに考えます。
 透明性の担保とともに民主的に進めていくという体制づくりのためには、やっぱり組織委員会の中で、まさに地方自治体である東京都の役割が大きいんじゃないでしょうか。その点は東京都はどう考えますか。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 組織委員会は、エンブレムの選考に当たって、今後、情報の透明化、あるいは幅広い都民の参画ということを検討していくということとしており、東京都としても可能な限りの協力を行ってまいりたいと考えております。

○畔上委員 組織委員会の中にも東京都、たくさん入っているわけです。副知事を初め入っているわけですから、やはり都が組織委員会の中でもそうした役割をしっかりと果たしていただくことを求めておきたいと思います。
 次に、そもそも大会エンブレムとはどういう意味を持つものかと、先ほどご答弁の中でエンブレムの意義と役割のご説明がありました。元陸上競技の選手であった為末大さんがこの前テレビに出られていて、このようにおっしゃっていたんですね。一番大事なのはオリンピック自体のコンセプトだと、そういうものが本当に伝わるエンブレムを作成すべきだというふうに発言されていましたが、全く同感であります。
 できるだけ公募の範囲を広げるなどしてオリンピック自体のコンセプトを深めて、オリンピック憲章を貫く、そういうものにしていく必要があるというふうに考えます。中止となったエンブレムについても、デザインについてもさまざまな意見が寄せられているようですけれども、いずれにしても、透明性の高い議論と、それから手続によって決めていただきたいというふうに思います。
 最後は、お金の問題です。
 エンブレムの撤回により、都民の税金も含め多額の損失が生じたわけです。都がこれまでエンブレムに関して税金投入されたものは、オリンピック・パラリンピック準備局として支出済み及び既にでき上がり支払いを要する経費が六百万円と、そして教育庁のポスターなど、各局の印刷物などで約百万円ということで、合わせて約七百万円毀損したということであります。先ほどもお話がありました現在契約業者との協議中のものが約九百万あるということであります。
 このように税金を無駄にしてしまったという点から見ても、今回の事態の事実経過と責任の所在というのはやっぱり明確にしていかなければいけないというふうに思います。そして、大会エンブレム発表イベントの約七千万については、組織委員会と協議して、都負担なしで合意したという報告がありました。
 さらに、現在、スポンサー企業はエンブレムの使用は中止しているわけですが、その損失を組織委員会の負担にすることになれば、財政上、悪影響が懸念されるわけです。
 そこで伺いたいんですが、スポンサー企業の損失に対する組織委員会の対応はどうなっていらっしゃるんでしょうか。

○加藤オリンピック・パラリンピック準備局総合調整部長 スポンサー企業の損失に対する組織委員会の対応につきましては、組織委員会と各スポンサー企業がそれぞれのスポンサー契約に基づき協議することとなっておりますことから、都としてはお答えできません。

○畔上委員 マスコミ報道では、エンブレムの使用中止でスポンサー各社は広告や自社のホームページから削除するなどの対応を迫られたわけですが、組織委員会に損害賠償請求をするかどうかは未定だというふうに報道ではされていました。
 その点はまだ何ともいえないというところなんですけれども、組織委員会とスポンサー企業との間でどんな協議がなされているのか、それから組織委員会としてどう考えているのか、こういったことについては東京都としても、きちんと把握をしておくべきだというふうに考えます。
 また、組織委員会の予算は立候補ファイルによると約三千十億というふうになっておりますが、現時点での見通しはどうなっているのか。資金不足の際に都が補填することになっている以上、やっぱり組織委員会の財政状況については常にきちんとその時点時点で把握をして、そして明確にしていく、その責任が、私はあるというふうに思います。そのことを指摘しておきたいと思います。
 最後に、今後新しいエンブレムがつくられるわけですけれども、それに伴って、都として作成する新たな旗とかポスターとか、どの程度つくるんでしょうか。総額は幾らになると考えていらっしゃるんでしょうか。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 新たなエンブレムを使った機運醸成の取り組みに関する予算につきましては、今後改めて検討してまいります。

○畔上委員 使用中止となった大会エンブレム関連経費だけでも、都の当初見積もりの四千六百万だったわけですね。新しい大会エンブレムが決まって、今年度と同程度の関連経費と見積もっても四千六百万円余ということになるわけです。多くの都民の皆さんからは、ポスターや旗などでたくさんの税金を使うことは無駄遣いじゃないかと、五輪にそんなに税金をかけるべきではないという声が上がっているんです。
 機運醸成ということは理解できるんですけれども、何に幾ら使うのかということを都民にしっかり明らかにするとともに、できるだけ経費は節減すると。都民の貴重な税金はやっぱり都民の納得のいくような使い方をするということを求めておきたいと思います。
 きょう、何点か質問させていただきましたけれども、大会エンブレムの問題や、さきの委員会での新国立競技場問題で、かつてなく国民や都民が多くの批判と、それから厳しい目を注いでいる。これはなぜかといえば、私は、国民の暮らしの大変さや、先の見えない不安や、被災地の厳しい現状などの中で、オリンピック・パラリンピックが結局国民を置き去りにして、大型開発や商業主義に傾いているんじゃないかと、新しい持続可能な社会への契機になってほしいという切なる都民の願いに背を向けているんじゃないかという国民的な気分、感情があらわれているんじゃないかと、まちの中でいろんな人とお話ししても、このことを感じるわけです。
 大会エンブレムや新国立競技場、そして新たな都立施設の整備などなど、これからオリンピック・パラリンピックに向けたさまざまな事業が展開されていくわけですけれども、オリンピック憲章やオリンピック二〇二〇に基づいた行動を本当にしっかり貫いていただいて、情報を公開していただき、現時点でやっぱり総括すべきはしっかりと総括していただいて、国民、都民の共感と願いに応えた取り組みを、東京都としても、そして組織委員会としても行っていただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わりたいと思います。

○小山委員 二〇二〇年東京大会は、広く都民、国民が参加し、体感するオリンピック・パラリンピックでなければならないとこれまでも再三申し上げてまいりました。本日報告をされましたエンブレムについても多くの都民、国民が参加する中で選定され、大会機運の醸成を図り、二〇二〇年大会の成功につなげるものとしなければなりません。
 過日の八月二十八日の本委員会におきまして、エンブレムの問題について、応募資格や審査委員の選定、審査過程に問題があると指摘をし、情報公開と透明性の確保を求めました。
 その後、大会組織委員会は、佐野研二郎氏のエンブレムを撤回し、使用中止、新たなエンブレムを選定することとなりました。
 そこで、検証後の報告において、大会組織委員会はエンブレムの考え方についてどのように総括をし、反省点をまとめ、その対応を図ったのかお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 旧エンブレムの策定当時は、近年のエンブレムがマークとしての美しさに加えて、会場の装飾、多岐にわたるグッズ類への展開、デジタルメディアのへの展開など、展開力が求められること、エンブレム策定に当たり、デザインにおける高度な専門性と国際商標登録のための秘匿性を重視することとしました。
 反省点としては、早期策定を目指したため、基本的なコンセプトについて十分詰め切れず、国民にも二〇二〇年大会にもふさわしいエンブレムとはどのようなものかを示さなかったことを挙げております。
 また、オリンピック・パラリンピックは国民的事業であり、オールジャパンでつくり上げて幅広く理解され愛されるものでなければならないが、秘匿性を最優先する余り、透明性に欠けていたこと、組織内部で情報が共有されず、多様な視点からの議論や組織間の相互牽制が機能しなかったことを挙げております。
 対応としまして、新しいエンブレムの策定に向けては、国民的行事のエンブレムであることを意識し、どういう思いを込めるかという基本コンセプトを検討すること、シンプルでわかりやすいコンセプトを定め明確に伝えること、展開力、メッセージ性、シンボル性などエンブレムに求められる機能につきましても応募、選考プロセスの指針とすべきであるとしております。

○小山委員 ただいまご答弁いただきましたように、今回の問題は秘匿性、すなわち選定における透明性が十分確保されていなかったことが撤回、使用中止という結果につながったものと考えております。ぜひ新たなエンブレムの選定に当たっては、この透明性の確保が図られるよう取り組んでいただくことを求めておきます。
 次に、過日の八月二十八日の本委員会で指摘をさせていただきました幾つかの問題点についてどのような対応が図られたのかお伺いさせていただきます。
 まず、応募要件についてであります。
 前回はごく限られた中で、さらに、報道等によりますと、恣意的であったとも指摘をされております。そこで、この応募要件や公募についてどのように総括をされ、反省点をまとめられた上で、その対応が図られたのかお伺いしたいと思います。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 旧エンブレム策定当時は、オリンピック・パラリンピックのエンブレムにふさわしいものを策定するために、グラフィックデザインを追求するスキルだけでなく、展開面まで開発していける実力を持つトップデザイナーによるコンペを実施しました。
 反省点としましては、特定ジャンルのデザイナーしか参加できないものにしてしまい、幅広い参加を排除し、閉鎖的との批判を招くことになったこと、また、国民的行事のエンブレム策定を単に一流デザイナーの競争で行うことの妥当性の検討が不足していたこと、これらの制度設計を担当部局のみの狭い視野で取り組んだことを挙げております。
 なお、公募に当たって、トップレベルの競い合いを実現するために、公募発表前に特定の一流デザイナー八名の方に招待状を送りましたが、結果的に上位三名は事前参加要請のあった八名に含まれておりました。これにつきましては調査を継続し、民間有識者による調査が必要であるとしております。
 対応としまして、法的な責任の観点から一定の制約を設ける必要はありますが、受賞歴等で参加者資格を制限するのではなく、可能な限り広く国民参加できる仕組みを用意することが必要であるとしております。

○小山委員 ぜひ広く都民、国民が参加できる応募要件となるよう、努めていただきたいと思います。ご答弁に、可能な限り広く国民参加できる仕組みとありましたけれども、この仕組みがぜひ二〇二〇年大会の盛り上げにつながるような仕組みとなるよう、都としても取り組んでいただきたいと求めておきます。
 次に、審査委員の選定についてであります。
 この審査委員についても、旧エンブレム選定に当たっては、多くの疑惑を持たれ、特に受賞者であります佐野研二郎氏と複数の審査委員との間で、他のデザイン受賞において相関していることが指摘をされておりました。公平かつ公正な審査は極めて重要であります。
 そこで、審査委員の選任についてどのように総括をされ、反省点をまとめた上で、その対応が図られたのかお伺いしたいと思います。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 旧エンブレム策定当時の審査委員は、プロ中のプロによる競争の中から質の高いものを選ぶことを考えたため、グラフィックデザインの代表や一流デザイナー、会場装飾、デジタルメディアへの展開を想定し、関係する分野で活躍中の方八名で構成されておりました。
 反省点としまして、大会の印象、日本のイメージを決めるエンブレムを選考する認識に立った多様な意見を反映するべきで、エンブレムを着用する選手や、そのほかの分野の専門家を加えるべきであったこと、審査委員の過半がグラフィックデザイン界の方々に偏っていたこと、エンブレムの策定プロセスは開かれたものでなければ納得感が得られないことに思いが至らなかったことなどを挙げております。
 対応としましては、九月二十八日に行われた組織委員会の理事会で、エンブレム委員会を設置し、デザイン、芸術、法律、経済、スポーツ、インターネットなどの分野から十九名の委員を選任しております。

○小山委員 九月二十八日の組織委員会理事会において、本日報告されましたエンブレム委員会が設置をされまして、十九名の委員が選任されたわけであります。
 ぜひこのエンブレム委員会に期待をしたいと思っておりますし、かつての旧エンブレムの審査委員会における審査については、では、どのように総括をされ、反省点をまとめ、対応を図られたのかもお伺いしておきたいと思います。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 旧エンブレム策定当時は、応募作品の管理や審査当日における公正性の確保のため、作品がどの作者のものかが審査委員に明らかにならないよう、秘匿性の観点から、ごく限られた人間しか審査過程に関与しないこととしました。
 反省点として、秘匿性を重視し過ぎた結果、説明や情報発信などが不足し、透明性に欠けたこと、著作権の問題が生じる可能性は潜在的に低いかどうかといった視点を考慮して審査、チェックを行うべきであったことなどを挙げております。
 対応として、新たなエンブレムの選考に向けては、秘匿性は考慮しながら、できる限りの情報発信を行うこと、商標、著作権の問題やネット対応などの専門的観点からの検討が必要であることとしております。

○小山委員 ぜひ新たなエンブレムの選定に当たっては、公平かつ公正な審査のもと、広く情報公開して行われるよう求めておきたいと思います。
 また、秘匿性の考慮とのご答弁がありましたが、これはさきの委員会でも申し上げましたが、事後にしっかり検証ができるよう、委員会の議事録作成など、選定過程の公平性と公正性を客観的に担保できるよう、都として大会組織委員会に求めていただきたいと要望しておきます。
 次に、八月二十八日の本委員会後に明らかとなりました旧エンブレムの修正についてお伺いいたします。
 佐野研二郎氏の原案に対し二度の修正が加えられたとのことでありますが、この原案の修正についてはどのように総括をされ、反省点がまとめられ、その対応を図ったのかお伺いしたいと思います。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 旧エンブレム策定当時は、デザインが国際商標登録されるものであるため、コンペ段階の案が修正を余儀なくされることはあり得るものと考えていたが、修正は法律的にクリアできるものと認識していた、当初は軽微な修正で済むと考えていたが、国際商標登録を取るための検討を重ねていくうちに大きな変更になったとしております。
 反省点としまして、国際商標を取るために修正が行われたが、修正について、どのような場合にどのような手順で行うかなどの考え方を事前に明らかにし、また、審査委員会の役割や組織委員会との関係を事前に詰めておくべきだったこと、修正に当たっては審査委員と連携して手続を進めるべきだったこと、修正作業の進捗の中で組織的な検討がなされなかったことを挙げております。
 対応としまして、エンブレム委員会では、事務局の役割、審査過程について明示し、特にデザインの調整につきましては手続を明記することが必要であるとしてございます。

○小山委員 原案からの修正につきましては、今後、手続を定め、明らかにされるということでありますが、このようにやむを得ず修正をしなければならない事態が生じた際には、審査過程や修正過程についてもその都度明らかにし、都民、国民の理解を得られるよう取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、大会組織委員会は、このエンブレムの発表から取り下げに至る過程についてどのように総括をし、反省点をまとめ、対応を図ったのかお伺いしておきます。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 ベルギーのリエージュ劇場などからIOCが訴訟を提起された当時は、エンブレムが著作権を侵害していないと確信し、原案から最終案に至る経過からもオリジナリティーがあることは明らかであり、時間をかけて法律的に問題ないことを説明し続ければ、いずれ国民の皆様に理解されると考えていたということです。
 反省点としましては、エンブレムは著作権を侵害していないと確信し、エンブレムを守ることを最優先とすることを選択したこと、また、訴訟への影響を最優先に考慮したため、結果としてエンブレムの詳細な制作経緯について国民への説明がおくれたこと、会見用資料について著作権への認識が不足していたこと、チェック体制が不備であり、職員への教育も不足していたことを挙げております。
 対応としまして、選考過程については可能な限り情報を提供し、広く国民に向き合ってエンブレム策定を進めること、秘匿性を守りつつも幅広く参加できる仕組みを工夫すること、審査委員会と組織委員会が密接に連携をとり、国際商標権や著作権について必要なチェックを行い、確実にクリアできるエンブレム案を検討することが必要であるとしてございます。

○小山委員 これまで旧エンブレム選定における問題点について、さきの委員会で伺った点も踏まえながら、検証結果とその対応について伺ってまいりました。
 そこで、改めて、二度とこのような事態が起こらないように、新たなエンブレム選定においては情報を公開し、透明性を確保しながら、広く都民、国民に支持されるエンブレムが選定されるよう、都として大会組織委員会に求めるべきと考えますが、局長の見解をお伺いして質疑を終わらせていただきます。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 ただいま担当部長から詳細な説明がありましたが、組織委員会は旧エンブレム策定に係る反省点について詳細な報告を出しますとともに、エンブレム委員会を立ち上げ、こうした反省点を踏まえ、より開かれ、より透明性の高い選考を行っていく方針を示したところでございます。
 都といたしましては、組織委員会が反省すべき点をしっかりと検証したと考えておりまして、その上で、よりすばらしいエンブレムの策定に取り組んでいくことを期待しております。
 さらに、二〇二〇年大会の重要なシンボルとして都民、国民に愛されるエンブレムができるだけオープンな形で多角的に議論され、早期に策定されるよう注視しつつ、組織委員会に対しまして、必要に応じ、さまざまな場面で働きかけてまいります。
 二〇二〇年大会の機運醸成のために新たなエンブレムの積極的な活用を図り、オリンピック・パラリンピック大会の成功につなげてまいります。

○石川委員 知事がエンブレム入りの名刺や袋の使用を決定し、その後、撤回に至った経緯についてお伺いいたします。
 知事は、新国立競技場の建てかえ問題に関する情報公開のあり方について、七月二十四日の定例記者会見で、国、都、組織委員会、あらゆる団体が心を一つにして成功に導かなければならない、その大前提は情報公開と情報共有、最大の失敗の要因は情報公開しなかったこと、課題は山積しているが、乗り越えて日本人の団結心を示したいと述べています。そのとおりだと思います。
 また、新国立競技場の白紙撤回に関しても、最大の責任は文部科学省にあり、担当役人の処分は免れない、組織の長にその処分ができないのなら、その長みずからが辞任するしかない、文部科学省はきちんと役人の責任をとらせるべきだ、組織の長が信賞必罰をやらないなら、長はみずから辞任してくださいと講演で発言をしております。前回私が紹介した松下幸之助氏の信賞必罰論と同じ考え方であります。
 表現の仕方はともかくとしても、情報公開に対する姿勢と責任論については知事の基本的な考え方を高く評価したところであります。
 また、文科省の検証委員会も結局文科大臣の責任にも触れ、知事の指摘したとおりの結果となり、下村大臣の辞任の決断も、新国立競技場問題を象徴するように遅きに失したといわざるを得ません。
 結局こういった積み重ねがオリンピックに対する国民的情熱に冷や水をかけたといわざるを得ません。新国立競技場問題に対しての知事の発言は一貫性もあり、先を読んでいたともいえるわけであります。
 一方、東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムが白紙撤回された問題で、知事は九月二日に、既に完成したエンブレム入りの紙袋や職員の名刺などの実用品については、もったいないからそのまま使うと述べました。訴訟が続いているエンブレムを使用し続けると決断した理由についてお伺いいたします。

○加藤オリンピック・パラリンピック準備局総合調整部長 知事は都民の税金を無駄にしないという観点から、旧エンブレム入りの名刺や紙袋について在庫限りで使用することといたしました。

○石川委員 知事は九月四日、実用品はもったいないから使うと宣言してから二日後に、エンブレムに関する訴訟に影響するなどと、一転して使用中止を表明したわけであります。残念ながら、知事もわずか二日で白紙撤回をしてしまったわけであります。
 もちろん、新国立や一旦決定したエンブレムの白紙撤回とは、内容も、その影響の大きさも異なるわけでありますが、知事の発言の一貫性を支持していた者としては非常に残念だったわけであります。
 そこで、エンブレムの白紙撤回が伝わった時点で、もったいないから使えるものは使いたいとの反射的な反応は理解できるわけでありますが、それを都庁のトップが決断することとはレベルの違うことだというふうにいえるわけであります。知事のもったいないから紙袋や名刺を使うという決断は、事務局であるオリ・パラ準備局と協議をした後の決断だったのかお伺いいたします。

○加藤オリンピック・パラリンピック準備局総合調整部長 オリンピック・パラリンピックに関しましては、今回のエンブレムの問題も含め、常日ごろから知事に対し迅速に必要な情報提供を行っており、その上で知事が判断したものでございます。

○石川委員 事務局も慎重な対応を知事に提言すべきだったとつくづく思うわけであります。
 というのも、舛添知事は九月二日、都が制作したエンブレム入りの紙袋などについて、オークションにかけて少しでも無駄になった費用を取り戻せるなら税金の無駄遣いの防止につながる、記者会見用のパネルは一回しか使っていない、例えば私がサインしたら百万円ぐらいで売れないかなどと話しています。
 いわばブラックジョークだとしても、事の本質を見誤った発言としかいいようがありません。関係自治体にも大いに影響ある案件であり、事務局としっかりと事の本質を理解し打ち合わせしたとは思えない発言なわけであります。また、この発言について、事務局は後づけでも問題点を指摘するべきだったというふうに思うわけであります。
 世の中には悪乗りする人がいて、九月一日に白紙撤回となった二〇二〇年のエンブレム入りポスターがネットオークションに出品されて、四万五千円で落札をされました。このことを受けて、知事は八日、都庁で行われた定例会見で、大変けしからぬと非難をしました。しかし、都には紙袋が欲しいという問い合わせなどが殺到したとも報道されております。
 知事は、オークションに出すこと自体が恥ずかしいし、落札するのも恥ずかしいことと述べましたが、しかし、知事自身も片棒を担いだといわざるを得ないわけであります。
 名刺と袋の使用を決定してから撤回するまで、二日の空白があるわけであります。この間、知事の決定に反対する意見は世の中にたくさん出ていたわけであります。組織委員会の見解を勘案しなくても、もっと早い撤回の決断ができなかったのか、疑問が残るわけであります。
 知事は補佐官制度を設置しました。設置に当たり、二十六年五月に、補佐官の設置はこの都庁という巨大組織を効率的、効果的に動かしていくためのトップマネジメント機能強化の第一歩であります、都の職員である理事級の六名を今の現職と兼務で補佐官といたしますと。五名の担当は、それぞれ、まず第一がオリンピック・パラリンピック担当補佐官に、そして五つの分野を指定して、一名には首席補佐官として取りまとめを行ってもらうということであります。
 私の補佐役として、いつもいうように、鳥瞰図的に、鳥が空から全体を見るように、全体の都政を把握して必要な指示を与える、したがって、補佐官に任命される者は、それぞれ各局に属しているわけですから、そこの兼職しながら知事の補佐をやるということなので、現場でアリの仕事をしながら、鳥の目で全体を見るということをやっていって、相当なスピード感を持って仕事をしないと、今の都政が抱える重責を担えませんのでと述べております。
 そこで伺います。知事がエンブレムの名刺や袋を使用すると決めて撤回するまで、二日も空白があったわけであります。補佐官は、こういったときこそ素早く、エンブレムの白紙撤回はもったいないというレベルの問題ではないと、スピード感と鳥瞰図的な視点を持って指摘できる立場だと理解をするわけであります。補佐官から知事に対して、補佐官制度を通じて意見を申し述べることはできなかったのかお伺いいたします。

○加藤オリンピック・パラリンピック準備局総合調整部長 都としては、旧エンブレム入りの名刺や紙袋を使うと決めた段階では、エンブレムに関する訴訟に対し、どのような影響があるのか判断できる情報を持っておりませんでした。
 その後、当局が新たに把握、報告した情報をもとに、知事が旧エンブレム入りの名刺や紙袋の使用中止を判断したものでございます。

○石川委員 今回の問題について、都庁の内部からの意見で撤回に至らなかったということについては大変残念に思うところでございます。
 ところで、前々回の本委員会で、エンブレムが白紙撤回する可能性もあるので、招致エンブレムにかかわるグッズの活用を考えてほしいと提言しましたが、そのとおりになってしまったわけで、しっかりと保全をされていると思うところでございます。
 新エンブレムの決定までにはまだ時間があり、今回のごたごたで招致エンブレムの旗やポスターなど、余り見かけなくなりましたけれども、それこそもったいないの精神で再活用をもっと強く表明すべきと考えますが、どう対応するのかお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 組織委員会から、次の大会エンブレムが決定するまでの間、招致エンブレムを暫定的に使用する旨の依頼を受け、招致エンブレムを使用することといたしました。
 既に招致エンブレムのピンバッジの着用、庁舎内及び都や区市町村のイベントの際、のぼり旗の掲出などを行っておりますが、今後も新たなエンブレムが策定されるまでの間、機運醸成に活用してまいります。

○石川委員 区市町村や各さまざまな団体等にも、しっかりともっともっとPRをしていただきたいと思っております。
 オリンピックにかかわる仕事は、都の責任と権限、財源で進める事業と、国やその他の団体の責任と権限で進める事業と、当然分かれるわけであります。しかし、開催都市は全体の結果責任を負わされるわけであります。ですから、問題がある計画については都も積極的に関与し、対案を出して、よりよいものにしていく努力を全庁一丸となって進める必要があると思います。例えば、都では猛暑対策の協議会を庁内に立ち上げましたが、新国立の建設計画等にも積極的に提言をしていく必要があると思うわけであります。
 今回のエンブレムにかかわる指示を白紙撤回したことの教訓としては、知事とオリ・パラ事務局のコミュニケーションをもっと密にし、補佐官などはまさに鳥瞰図的な視点で、また自由に遠慮なしに発言したり、提言をしていくことを組織として進めるべきであることを求めておきたいと思います。今回の失敗を胸に刻んで、一丸となって進んでいただくことを願っております。
 最後に、オリンピック・パラリンピックのエンブレムの使用中止と、新たにエンブレムを決定するための委員会の設置と今後の考え方の説明が先ほどあったわけでありますけれども、この内容に特に異論があるわけではありませんが、反省点として、大会エンブレム策定作業は一部の職員のみによって進められ、十分なチェック機能が働かなかった面があるとしています。
 一方で、シンプルなエンブレムのデザインは、既に著作権が確立したものや商標登録されているデザインと類似する可能性が高いといわれております。どのような方法と体制のもとに類似のデザインのチェックを行うのかお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 新たなエンブレムの選考に向けての報告におきまして、今後、新たなエンブレムの審査に際しましては、商標登録、著作権への対応につきまして、また、類似エンブレムの検索など、選考過程におけるネット対応について、ともに専門的な観点からの検討が必要であるとしております。
 具体的な対応につきましては、今後、組織委員会において検討していくものと考えております。

○石川委員 いずれにしましても、もう失敗は許されないわけであります。透明性を確保して、みんなのエンブレムになることを大いに期待いたしまして、質問を終わります。

○山内委員 七月二十四日、エンブレムは華々しく公表されましたが、その五日後にはベルギーのリエージュ劇場のロゴに酷似していると報道され、八月十四日にはベルギーのロゴデザイナーがIOCを訴えました。
 それを受けて、八月二十八日、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の武藤事務総長は、東京二〇二〇エンブレム選考過程に関する会見を行いました。
 その中で、審査方法についてマーケティング局長は、一九六四年大会のエンブレムは、今回の選考委員会代表の永井氏を含む六名のデザイナーによる指名コンペで、亀倉氏のデザインに決まった、一九七二年の札幌大会は八名の指名コンペで、永井氏の案が選ばれた、一九九八年長野大会では、デザイナー個人のコンペではなく、デザイン会社や広告代理店を対象としたコンペにより決定した、近年のオリンピックエンブレムはデザインそのものの美しさだけでなく、会場装飾やグッズ、デジタルメディアなどへの展開力が必要とされている、IOCからも最も重要なポイントであるとして強調された、ロンドンやリオのような広告代理店への発注ではなく、今回はオープンな個人参加のコンペにしたいと思ったと語られています。
 これまでの大会のエンブレムのように指名コンペではなく、オープンな個人参加のコンペにしたいとのことで今回の選考方法になったようですが、その理由についてお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備 会議担当部長 組織委員会は八月二十八日の記者会見において、国内外のスキルあるデザイナーが個人の資格で参加し、自己ベストな研さんを繰り広げ、競い合うといった全員が自己ベストという組織委員会の大会ビジョンにふさわしいコンペにしたいという理由から今回の選考方法になったと説明してございます。

○山内委員 最終選考に残ったのは三作品だということです。九月二十八日、組織委員会は、旧エンブレムの公募開始前に特定のデザイナーに促していたことが明らかになった、応募を促したのは八人のデザイナーで、旧エンブレムを作成した佐野氏を含め、三人が最終選考に残ったと報告いたしました。
 つまり最終審査に残ったのは、参加を促したデザイナーの作品ということになります。指名コンペと変わりがないのではないかと思われても仕方がないと思います。それについて都はどのような報告を受けているのか、また、都の見解をお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 都は、この件に関しましては特段の報告は受けておりません。
 九月二十八日の理事会において報告された旧エンブレム策定に係る反省点についての中で、事前参加要請と審査結果の関係については調査を継続し、民間有識者による調査が必要であるとされておりますことから、今後、組織委員会における調査を見守ってまいります。

○山内委員 二〇一四年十一月、佐野氏の案に決定した後に、佐野氏の原案が、IOCと組織委員会で実施した商標確認で類似するものがあったため、IOCのアドバイスもあり、原案を断念、佐野氏に改善を依頼し、二カ月かけて修正案が出されたと報告がありました。
 ところが、原案を修正することは審査委員会で議論されず、審査委員代表の永井氏すら知らなかったということです。組織の閉鎖性は、指摘するところではもちろんあり、改善をすべきところでありますけれども、決定したロゴがベルギーの劇場のロゴに酷似していたとマスコミに出始めた後、インターネット上で炎上するなど大騒ぎとなりました。
 今や時代は変わり、国民がチェックする時代ということです。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は全体で年間百三十億円規模の予算の巨大組織とのことですけれども、古い体質では時代についていけないということを申し添えておきたいと思います。
 九月一日、エンブレムの使用中止が決定する前の八月二十八日の本委員会で、私は制作物に対して状況を見るべきと指摘し質問したところ、その時点で広報活動としてのポスター、のぼり旗等の契約締結額は約四千六百万円かかっているとの答弁がありました。その際、あわせて、万が一差しとめとなった場合には、回収や撤去、適切な廃棄等に費用がかかることを指摘いたしました。
 例えば羽田や成田空港のサインの撤去など、撤去や適切な廃棄にかかった費用はあるのかお伺いいたします。

○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 現時点におきまして、ご指摘のものに対する経費で支出済みのものはございません。
 既に実施した羽田空港、成田空港のサインの撤去及び廃棄に要する経費などの支出を今後見込んでおります。

○山内委員 要するに、廃棄や撤去に対する費用というのがこれから出てくるということだと思います。都民の声等でエンブレムに関して多くの意見が届いていると聞いています。
 都民も、一連の白紙撤回でオリンピック・パラリンピックの開催に対して不安に思うのは当然です。都民の税金を使って開催されることをしっかりと肝に銘じ、都民が納得できるような大会にするために、開催都市として東京都の責任を果たしていくことを求め、私の質問を終わります。

○高島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。

○高島委員長 次に、本委員会に付託されております調査事件についてお諮りいたします。
 本件は、今定例会中に調査を終了することができませんので、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時二十四分散会

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