委員長 | 高島なおき君 |
副委員長 | 畔上三和子君 |
副委員長 | 小磯 善彦君 |
副委員長 | 吉原 修君 |
理事 | 橘 正剛君 |
理事 | 秋田 一郎君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
小林 健二君 | |
石川 良一君 | |
山内れい子君 | |
小山くにひこ君 | |
徳留 道信君 | |
山崎 一輝君 | |
鈴木 隆道君 | |
林田 武君 | |
川井しげお君 | |
立石 晴康君 | |
酒井 大史君 |
欠席委員 なし
出席説明員知事 | 舛添 要一君 | |
オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 中嶋 正宏君 |
次長理事兼務 | 岡崎 義隆君 | |
技監 | 邊見 隆士君 | |
技監 | 西倉 鉄也君 | |
技監 | 石山 明久君 | |
理事 | 小山 哲司君 | |
総務部長 | 鈴木 勝君 | |
調整担当部長 | 雲田 孝司君 | |
総合調整部長 | 加藤 英典君 | |
準備会議担当部長 | 矢部 信栄君 | |
自治体調整担当部長 | 井上 卓君 | |
計画調整担当部長 | 鈴木 一幸君 | |
大会準備部長 | 延與 桂君 | |
連絡調整担当部長準備会議担当部長兼務 | 浦崎 秀行君 | |
運営担当部長 | 児玉英一郎君 | |
競技担当部長 | 根本 浩志君 | |
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 | 萱場 明子君 | |
施設輸送担当部長 | 花井 徹夫君 | |
施設調整担当部長 | 小室 明子君 | |
施設整備担当部長 | 小野寺弘樹君 | |
選手村担当部長 | 安部 文洋君 | |
スポーツ推進部長 | 早崎 道晴君 | |
スポーツ施設担当部長 | 田中 慎一君 |
本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
議席について
報告事項
・東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止について(説明)
・新国立競技場の整備計画見直しについて(質疑)
・新国立競技場の整備計画見直しについて(その二)(質疑)
○高島委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会を開会いたします。
この際、議席についてお諮りいたします。
本委員会における議席につきましては、ただいま着席のとおりにいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
○高島委員長 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の開催に向けた事項について調査を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
なお、報告事項、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行います。ご了承願います。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
土屋国際大会準備担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
次に、理事者から東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 それでは、報告事項、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止についてをご説明いたします。
お手元に配布してございます資料をごらんください。
大会エンブレムにつきましては、八月四日の当委員会におきまして、エンブレムやその活用の基本的な考え方についてご報告をさせていただき、八月二十八日にご審議をいただいたところでございます。
その後、九月一日、組織委員会が大会エンブレムの使用中止を発表いたしましたので、エンブレム発表以降の経過、中止の理由、中止に伴う都の対応や都への影響についてご報告をさせていただきます。
まず、大会エンブレム発表以降の経過をごらんください。
七月二十四日に組織委員会が大会エンブレムを発表いたしましたが、その後、ベルギーの劇場のロゴに酷似しているとの報道が相次ぎ、七月三十一日、組織委員会、IOCともに、国内外の商標調査を経て決定しており、問題ないとの見解を発表いたしました。
また、八月五日には、制作者である佐野研二郎氏が組織委員会の記者会見におきまして、完全なオリジナルであることを主張し、八月二十八日に組織委員会がエンブレムの選考過程を明らかにする中で、オリジナルの作品であることを改めて説明いたしました。しかし、その説明の中で使用した展開事例や原案に対し、無断転用や類似性の指摘がございました。
その後、九月一日、組織委員会がエンブレムの使用中止を発表いたしました。
次に、使用中止の理由をごらんください。
組織委員会は、デザインのオリジナル性に関し、制作者である佐野氏の専門的な説明は理解するが、国民の理解を得ることは困難であり、継続使用することにより、オリンピック・パラリンピックそのものに対する国民の支援が損なわれることを懸念いたしました。
また、佐野氏から、オリンピック・パラリンピック全体への悪影響を鑑みて原案を取り下げたいとの提案を受けたことから、大会エンブレムの使用中止を決定したものでございます。
次に、使用中止に伴う都の対応をごらんください。
都といたしましては、組織委員会からの連絡を受け、大会エンブレムの使用中止を決定し、区市町村や他道府県へ使用中止の旨を連絡いたしました。また、ポスター、のぼり旗、印刷物等の大会エンブレム関連の制作物につきまして、その使用を中止し、適切に廃棄を行うこと、また、招致エンブレムを再度暫定使用することを決定し、各区市町村へも同様の対応をしていただくよう連絡いたしました。
このほか、庁内ポスターの撤去、羽田、成田両空港のサインの撤去、エンブレム関連制作物の契約業者へ作業中止の連絡をいたしました。
なお、資料にはございませんが、当初、使用を中止したエンブレム入りの名刺や印刷物を、都民の税金を無駄にしないという観点から、在庫があるうちは使用するとしておりましたが、その後、IOCがエンブレムに係る訴訟対応を行っていることなどを総合的に勘案し、名刺や印刷物も含めて全て使用を中止することといたしました。
最後に、中止に伴う都への影響をごらんください。
まず、七月二十四日に組織委員会と共催した大会エンブレム発表イベントの経費負担である約七千万円につきましては、エンブレムの使用中止に至った経緯に鑑みて、組織委員会は都に経費を請求しないことで、組織委員会と協議の上、九月十五日に合意いたしました。
次に、エンブレムを用いた制作物の作成契約、約四千六百万円の対応についてでございます。本日現在におきまして、契約業者と交渉し、早期に作業をとめたり、エンブレムを使わずに印刷するなどの工夫をした経費が約三千百万円、支出済み及び既にでき上がり支払いを要する経費が約六百万円、現在、契約業者と協議中のものが約九百万円となっております。
また、このほか、教育庁で作成いたしましたポスターなど、各局印刷物等の経費が約百万円となっております。
詳細につきましては、別紙として、大会エンブレム関連の対応状況一覧がございますので、別途ごらんください。
都といたしましては、エンブレムが使用中止となったことは大変残念ではございますが、今回の事態を受け、組織委員会は東京二〇二〇エンブレム選考に向けた準備会を立ち上げ、第一回会議をあす十八日に開催する予定です。
この準備会では、仮称ではございますが、エンブレム委員会の人選や新エンブレムの選考において押さえるべきポイントの検討をしていくこととしております。
その後、組織委員会理事会の決議を経て委員会を発足させ、公募を前提として、より開かれた選考方法により、国民の皆様に広く愛されるエンブレムを策定するとのことでございます。
都といたしましても、組織委員会と一致協力しまして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会の成功に向け尽力していく所存でございますので、何とぞご理解、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
説明は以上でございます。
○高島委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 それでは、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
○高島委員長 ここで舛添知事の出席を求めます。
〔舛添知事出席〕
○高島委員長 それでは、報告事項、新国立競技場の整備計画見直しについて及び新国立競技場の整備計画見直しについて(その二)に対する質疑を一括して行います。
過日の委員会において、新国立競技場の整備計画見直しについては質疑を引き続き行うこととし、同(その二)については説明を聴取してあります。
本件につきましては、舛添知事にご出席をいただいております。知事、本日は、お忙しいところ、ありがとうございます。
これより質疑を行います。
まず初めに、委員長として私から何点か質問をいたします。
国や都を初め、オールジャパンで開催をかち取った二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを成功させることは、現下都政の最大の課題といっても過言ではありません。
改めて申し上げるまでもなく、オリンピックは単なる国際スポーツイベントの開催ではなく、前回の東京五輪は、我が国が先進国としての地位を確立し、東京が近代都市としての基礎をつくったということの象徴的な意味を持つイベントでありました。
これに対し今回のオリンピックは、人口減少、超高齢化、グローバル化という社会経済構造の変化に対応した新たな社会のあり方や、産業構造を模索し世界にソフトパワーを発信することを目指す我が日本にあって、その首都東京が、世界に冠たる高度なテクノロジーを持ちつつ、自然との共存を図り、他のどこの文化圏とも異なる独自の文化、芸術、ライフスタイルを生み出す魅力ある都市であることをアピールする絶好のチャンスとなるべきものであります。
このため、国も都も民間も、立場の違いを超えて、後世を見据え、最高のイベントとするべく、力を結集して取り組む必要があります。
今回のオールジャパンでかち取った大会招致の成功を振り返るとき、私は、二〇一六年招致委員会理事として、努力を積み重ね、多くの方たちの協力がありながら敗北を喫したあのときの理事会で涙を流した方たちの姿を忘れることはできません。その悔しさがエネルギーとなり、さらに大きな輪となり、私たちは二〇二〇年大会招致をかち得たと信じております。
なし遂げるための苦労を知っている方は、苦労してかち得たものを安易に壊すことはできません。あの招致決定の瞬間の喜びと日本国民全体の高揚感は、どこへ行ってしまったのでしょうか。
無論、反省がなければ進歩はありません。何が起きたかではなく、どう対処するか、それが問われているときではないでしょうか。
今、あの招致決定の瞬間に立ち戻り、ネガティブな批判ではなく、皆さんの心が一つになり、前進することが求められております。
何よりも、この二〇二〇年大会を何としてでも成功させなければならない、その思いであります。そのために、東京は、開催都市としての責任をまずもって自覚する必要があります。
改めて、私どもは、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの成功に向け、どんな障害があろうとも、それらを排除して、必ず成功させることをまずもって宣言するものであります。
また、我々は、議会側からも、私を含めて二名の理事が組織委員会に加わっております。二元代表制としての責任の一端を我々は常に自覚をし、日々努力をしているつもりであります。
そこで改めて、恐縮でございますが、まず、日本が一つになって東京オリンピック・パラリンピックを成功に導くために、開催都市としての都の果たすべき役割と責任について知事の認識をお伺いしたい。
○舛添知事 私は、二〇二〇年大会の招致は、二〇一六年大会の招致の努力と経験に裏打ちされて、オールジャパン体制でかち取ったものと認識しておりまして、その成果を引き継ぎまして、大会開催の準備に邁進してまいりました。
オリンピック・パラリンピックという国家的大事業は、その準備や大会本番におきましても、また大会後におきましても、すばらしいレガシーを残すためにも、それぞれの段階、局面で都や国、組織委員会などが一致団結して協力しなければ、なし得ないものであると考えてございます。
都といたしましては、関係者を牽引するなど、主体性を持って開催都市の役割を果たしてまいります。
都が率先して真摯な議論を積み重ね、お互いの信頼関係をより強固なものとして真の協力体制を築き上げて大会を成功に導いていくことは、開催都市の責任を果たすことであると考えてございます。
○高島委員長 残念なことに、オリンピックの開催に影を落とすように、ここへ来て新国立競技場の問題の混乱や五輪エンブレムの問題が世間を騒がせております。
これだけの大規模なイベントですから、開催までにさまざまな問題が生じることは、ある意味、避けられないのではないでしょうか。しかし、適切に対応して解決されるなら、大会が終わってみれば、数あるエピソードの一つになるかもしれません。
しかし、これまでの経緯を見る限り、どうしても一つ大きな危惧や懸念といったものを感じずにはいられません。それは、国や都、組織委員会での役割分担をするのは当然としても、個々が組織の立場の壁を壊さないまま動いているように思われることであります。
例えば、新国立競技場については、第二回定例会で既に指摘をしたことですが、知事は、去る五月十八日の下村文科大臣とのトップ会談以後、ご自身のブログやその他で本問題にたびたび触れ、第二回定例会の所信表明でも条件をつけての協力を表明されたものの、みずから主体的に動き、問題を解決しようという姿勢は一向に見られませんでした。
国立の施設ですから、都に主導権はないとおっしゃるかもしれませんが、神宮外苑は、知事が関係者の合意をみずから取りつけ、五輪後の東京のスポーツの新しいコアとなる再開発の絵柄を示したところであります。
新国立競技場の建つ神宮外苑は、単なる緑地ではなく、イチョウ並木などの東京を代表する景観やさまざまな歴史的価値を持ち、未来の東京に引き継ぐレガシーとして象徴的かつ重要な場所であります。だからこそ、知事が主体的に動かれたものと受けとめております。
この地区において、新国立競技場は圧倒的な存在を示す施設となります。都も、国任せにして、建設コストだけを問題にしている場合ではありません。将来の東京都民にとって新国立競技場がいかにあるべきか、デザインはどのようなものが望ましいのかという結論をみずから巻き起こし、主導権を持って、方向性、スケジュールを決めていくくらいの意気込みが、首都東京、開催都市の首長として必要ではなかったでしょうか。
新国立競技場については、知事は、積極的に支援するという一方で、ともすれば、ブログやツイッターで評論家的、他人事ともいえる発言をなさっているように思えます。そうした発言は、開催都市のリーダーとしてのあるべき当事者意識を欠いたものと誤解されてしまうのではないでしょうか。
知事、どうぞ、いいたいことがあれば、マスコミやネットにではなく、我々都議会におっしゃっていただきたい。我々は、当事者として一緒に考え、責任を持って行動していきたいと思っております。今回は、そういった意味でも、いい機会ではなかったかと思っております。
そこで改めて、新国立競技場問題に対する都としての反省点と、今後、新国立競技場建設に、首都東京の、そして開催都市の首長としてどのようにかかわっていくのか伺いたい。
○舛添知事 私は、昨年の第二回定例会で会場計画の再検討を表明して以降、都議会の皆様とともに、二〇二〇年大会における都立施設の整備計画見直しに、コストの視点、レガシーの視点から危機意識を持っていち早く取り組んでまいりました。
新国立競技場の計画がゼロベースから見直されました現時点から顧みますれば、国立の施設とはいえ、大会のメーンスタジアムであるという位置づけを踏まえるなら、開催都市の長として、早くから国や組織委員会とこうした危機意識を共有しておくべきではなかったのかという痛切な思いはございます。
計画は見直しに至りましたが、これを契機に、国と都がさらにがっちりと力を合わせ、新国立競技場を何としても間に合わせ、きちんと完成させる必要がございます。
このため、都が行いました会場計画再検討の経験を生かしまして、関係閣僚会議の場におきましては、都として求める機能やレガシーを積極的に提言してまいりました。
今後とも、私は、首都東京及び開催都市の長として、関係閣僚会議や再検討推進室を初め、さまざまなチャンネルを通じて、国に伝えるべきことを伝え、新国立競技場の整備の各段階で全面的に協力をしてまいります。
○高島委員長 五輪エンブレムの問題にしても、現在の五輪の準備組織の問題を象徴しているように思えてなりません。
あのエンブレムが差しかえに追い込まれたのは、盗用疑惑もさることながら、デザイン自体が、専門家的にうまくできているのかもしれませんが、我々一般人には、どこかぴんと来ないと、そんな思いもさせていただいております。本当に都民、国民から支持される力のあるデザインであれば、このような中途半端な結果にはならなかったのではないでしょうか。
つまり、申し上げたいことは、今の大会準備には、知事のいう大日本帝国陸軍と同じ壮大なる無責任体制というより、誰もが一種の他人任せで評論家的な態度をとり、明確な思想や意思を持って世論をつかみ、大会をまとめ上げる力、リーダーシップが不足しているのではないでしょうか。
誰もが他人の様子をうかがって、すきを見せれば足を引っ張るようなことを繰り返していれば、このような大会は絶対に成功しない。世界に恥をさらし、禍根を残すことになってしまいます。
開催準備に向けての問題や課題は、ほかにも大小限りなくあります。施設整備はもとより、酷暑の季節において選手や来場者の負担をどのように軽減するか、大規模災害が発生した場合の対応、治安、円滑な輸送その他、枚挙にいとまがなく、それぞれに的確な対応が求められております。
多くの組織が協力して行うイベントである以上、個人が全て決めるべきものではありません。しかし、それなりの地位にあって、捨て石になってもいいという覚悟で各組織に割って入り、困難な調整を行い、必要ならやり直すこともいとわず、泥をかぶってでも大会を成功させるという人物が必要であります。マスコミ受けや功名心などにとらわれている場合では絶対ありません。
そして、国や組織委員会で不十分とお考えならば、開催都市の長がやるしかないです。知事には、その能力もリーダーシップもあるはずであります。その発想こそが、開催都市の首長の責任であるはずです。
もちろん、我々もともに行動いたします。大会の成功に責任を負う者の一人として、ともに犠牲を顧みず、汗を流し、力を合わせて進んでいく覚悟であります。
私は、一昨年の十二月十三日の本会議で、当特別委員会の委員長報告において、前の知事の発言が独断専行であることと、議会への説明が不十分であることを指摘した上で、議会としても手をこまねいているわけにはいかないので、今後、二元代表制のもと、都議会と東京都がより緊密な意思疎通と情報共有を行い、十分なコンセンサスを得た上で、国や組織委員会との連携を強化し、オリンピック・パラリンピックの開催準備を推進していくことが不可欠であることを強く指摘いたしました。
最後に、私自身も、知事とともに、大会成功に向け、引き続き積極的に取り組むことを申し上げ、以上を踏まえて、今後の五輪パラリンピック開催準備に、開催都市の首長としての責任を果たすべく、知事の主体的にかかわっていく意気込みをお聞かせいただきたい。
○舛添知事 二〇二〇年大会を成功させるためには、新国立競技場以外にも準備にさまざまな課題がある中で、都や国、組織委員会など、オールジャパンで英知を結集し、果断に解決していくことが必要でございます。
日本には、これまでも数々の困難を乗り越えてきた経験がありました。皆で一致協力すれば、どのような課題も克服できると信じております。そのために、私が先頭に立って関係者と調整を行い、開催都市の長としての責任を十分に果たし、史上最高の大会の実現に向けて邁進してまいります。
今後とも、都民の代表であります都議会の皆様のご協力を仰ぎながら、東京を世界一の都市とするための諸施策に全力を挙げて取り組んでまいります。
東京のすばらしさと魅力を世界に発信するとともに、二〇二〇年大会、そして、さらにその先の東京の発展を目指してまいります。
○高島委員長 これで質問を私は終わるわけですけれども、今、東京、日本の社会は、まさに負の連鎖といっても過言ではないと思います。多くの事件があり、あのときの高揚感、あのときの二〇二〇年のオリンピックに対する期待は、残念なことに、今はないといっても過言ではないと思っております。
私どもは、この負の連鎖をしっかりプラス思考に持っていく、このことが今問われていると思っております。ぜひ皆さんとしっかり努力をさせていただきたいと思っております。
そして、あのブエノスアイレスで決まったとき、IOCの会長は、開催都市は東京、二〇二〇年と、こう発表いたしました。まさに私どもは、この東京が開催都市であり、その責任を担っている。このことをぜひ理事者の皆さん、もちろん知事もご理解をいただかなければ、私どもはこれから五年後に向かって努力すらできない、そういう思いでございますので、重ねてご理解をしていただきますよう、よろしくお願い申し上げて、私の質問を終わります。
引き続き、質疑に入らせていただきます。
次に、委員からの質問を行います。
発言を願います。
○吉原委員 知事、きょうはご苦労さまでございます。ふだんの特別委員会とはちょっと様子が違う、会場も違うということで、我々の要請にお応えをいただきましてありがとうございました。
今、委員長からも、るるご質疑がございました。その中でも特に、知事と我々都議会との関係をもう少し緊密なものにしなければならない、そういうお話であったように私は受け取りをさせていただいているわけであります。
きょうは、新国立競技場の整備計画の見直しに関して、こういうことが本題でございますので、このことについて、知事に今後の対応についてお伺いを幾つかさせていただきたいと思っております。
まず、新国立競技場は、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会の会場であることは当然であります。加えて、前年の二〇一九年、これは日本で初めて開催をされますラグビーワールドカップの会場でもありました。
多くの都民や国民の皆さんは、新国立競技場で行われる二つのこの大会の開会式、さらには閉会式、また、その期間中に行われます競技を非常に楽しみにしていたのだろうと、今思っています。
また、ワールドカップの成功を、その翌年のオリンピック・パラリンピックにつなげていくということで、スポーツ振興にとどまらず、経済や、あるいは観光なども含めたさまざまな相乗効果が、東京だけではなくて全国的に波及される、このことも大きな期待をされていたわけであります。
そして、新国立競技場は、オリンピック・パラリンピックとラグビーワールドカップ、この二つの大会にとって欠かすことができなかった施設であるはずだと思います。
この二年間の短い期間の中で、私たち日本や東京にとっては、この二つの大会が行われる、これは、大げさにいうわけではありませんけれども、二十一世紀最大の大会の期間ではないか、そんなことをいっても過言ではないと思っています。
しかし、残念なことに、新国立競技場の建設が白紙撤回されて、こうした大きな期待を裏切ることになってしまいました。
知事は、東京オリンピック・パラリンピックの開催都市の知事であると同時に、ラグビーワールドカップの二〇一九年開催都市の自治体の協議会の会長でもございますね。その中で、今回の新国立競技場建設の白紙撤回をどのように受けとめておられるのか、まず最初に伺います。
○舛添知事 安倍総理が本年七月に、二〇二〇年東京大会を国民から祝福される大会としなければならないとして、白紙撤回という重い決断をなさいました。二〇一九年のラグビーワールドカップに間に合わなくなったのは、まことに痛恨のきわみでございます。
この異例な事態に対しまして、私としても、新国立競技場を何としても間に合わせ、全力を挙げて二〇二〇年大会を成功に導いていくという責任を改めて感じた次第でございます。
そして、この責任感のもと、国を初めとする関係者との信頼関係をさらに強固なものとし、一致協力してこの難局を乗り越えていかなければならないと決意をいたしております。
○吉原委員 開催都市の知事として当然な決意だ、そういうふうに思っているわけであります。
二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会の成功に向けまして、これまで知事には、大局的な見地から、国や組織委員会を初めとする関係団体との協力関係、また、信頼関係をしっかり構築することを常に求めてまいりました。
本委員会での冒頭で、今もお話がございましたけれども、二元代表制のもと、都議会と東京都は緊密な意思疎通と情報共有を行って、国や組織委員会との連携を強化しながら、オリンピック・パラリンピックの開催準備を進めていかなければならないわけであります。
しかし、今回、新国立競技場建設計画が白紙撤回に至る経緯の中で、舛添知事の言動には、東京都知事として、また二〇二〇年の東京大会の開催都市の長として、本当に自覚があるのだろうかと感じることがたびたびございました。
まず、国に対する知事の姿勢についてであります。
五月十八日、ご案内のとおり、下村大臣との会談がございました。その後、日にちをまたいでだと思いますけれども、文科省の局長が都へ途中経過を報告しようとしたときのことであります。
覚えておられると思いますけれども、知事は、役人の中間報告なんか不要として、門前払いをしたわけであります。トップ同士の約束は、多分、大臣と知事の間であったのだろうと思います。しかしながら、双方の事務方による情報共有や意見交換まで知事がとめてしまったわけであります。
その一方で、知事は、七月二十三日のご自身のツイッターで、新国立競技場が白紙撤回されたことに関しまして、こう発言されております。政府は、至急、今回の大失策に至る経緯を検証し、責任者の処分をすべきである、最大責任者は文科省であり、担当役人の処分は免れない、組織の長にその処分ができないのなら、みずからが辞任するしかない、こう述べられました。
さらには、二十八日の「現代ビジネス」で、建設の責任者である文科省の無能、無責任は論外であると、ここまで記されておりました。
オリンピック・パラリンピック成功に向けてのタッグを組んでいかなければならない相手からの協力を拒み、他の組織の人事に口を出す、インターネット上で無能であると断ずるなど、マイナスにしかならない言動を繰り返していることだけではなく、国と連携して困難な状況を乗り越えていく姿勢を内外ともに強くアピールすべきではなかったのでしょうか。開催都市の知事として、極めて不適切な対応であったと思います。
私は、とにかく反省をしていただく。先ほどの委員長の質疑にもございました。そう考えているわけでありますけれども、知事ご自身の、今どういうふうにお考えなのかお聞きをいたします。
○舛添知事 今、吉原副委員長お話しの、私の発言におきまして行き過ぎがあったというご批判がございましたのを謙虚に受けとめたいと思っております。
私の当時の心境は、国家的な計画が、しかも一部契約行為にまで進んだものが白紙に戻り、ゼロベースで見直されるとなれば、今度は絶対に同じ轍を踏むことがあってはならない、二度と失敗することは許されない、そういう差し迫った強い危機感がございました。
そのためには、原因をきちんと検証し、組織としてどのような対応をとるかということが極めて重要と考えて、あえて厳しい表現を対外的に用いたものでございました。
○吉原委員 ただいま知事から、行き過ぎがあったという批判を謙虚に受けとめるよと、こういうご答弁がございました。その上で、原因の検証と組織的対応の重要性に鑑み、あえて厳しい表現を対外的に用いたんだ、こういうお話でございました。
謙虚にお受けとめいただきたいのは、発言内容が厳しかった、こういうことではないんです。オリンピック・パラリンピック開催に向けて連携していく相手方に対して使う言葉としては、極めて失礼ではないか。と同時に、オリンピック・パラリンピック開催に、責任者というご自身の立場をわきまえないものではないのかなと。こういった発言はまさに軽率ではなかったのかなということを思わざるを得ません。
開催都市の知事の発言は、日本はもとより、先ほども申し上げましたけれども、内外ともに世界が注目をしているんです。
今回の開催準備が円滑に進むよう、関係者との良好な関係を維持するとともに、オリンピック・パラリンピックにマイナスなイメージを増幅することがないように、発言には今後とも、くれぐれもご留意をいただく必要があろうかと思います。
再度、知事のご意見をお伺いいたします。
○舛添知事 ご指摘の点につきましては、今、副委員長がおっしゃいましたように、今後、極めて注意をしていきたいと思っております。
○吉原委員 オリンピック・パラリンピック成功に向けまして、国との良好な関係維持という大きな視点があるわけでございますので、このことを忘れずに、落ちついて、常に落ちついた対応を重ねてお願いしたいと思います。
次に、議会に対する姿勢について、先ほど委員長からもございましたけれども、お伺いをさせていただきたいと思います。
知事は、政治信条として、万機公論に決すべしを掲げられております。民主主義の根幹をなす重要なお考えだと思います。
それでは、新国立競技場の問題をめぐる、この間、知事から議会に対して何らかのアクションがあったのでしょうか。
例えば、八月七日に、オリンピック・パラリンピック関連施設の進捗を確実に行うために担当副知事を決めたと発表されました。議会にとっては、実務的な窓口が副知事のお立場だというふうな理解を我々はしています。
こうした窓口である副知事に関する重要な役割変更を行うに当たって、議会には一切、いまだに連絡は直接ありません。
そのほか関係閣僚会議等の公式の場での発言を初め、定例記者会見、メディアのインタビューや、あるいはブログやツイッター、こういうものを通じて、知事は多くの考え方を述べられておりますけれども、これについても、都議会には正式な説明は一切ございません。
また、九月一日、組織委員会がエンブレムの中止を決定し、都民、国民のみならず、世界がそのニュースに驚いているときに、知事は突然、名刺と紙袋はもったいないから、なくなるまで使い続けると、記者会見でエンブレム入りの名刺を手に発表され、後日、慌ててまた撤回をされたんです。
都民、国民、そして世界の人たちも強い関心を持っているエンブレムであります。その取り扱いについて、開催都市の知事として、発表する際に、都議会には事前の相談も連絡もありませんでした。
こうした知事の姿勢は、議会側にとっては、万機公論に決すというより、知事が独断で物事を進めているに等しい、これは密室政治といわれても仕方がないんじゃないだろうか、そういう状態ではないですかと思うぐらいに強く感じざるを得ません。
この一大イベントを成功に導いていくには、組織委員会、そして日本政府はもとより、都内の区市町村、全国の道府県の皆さんと連携し、東京、そして日本が総力を結集していかなければなりません。
そのためにも、知事と都議会が一枚岩になっていなければなりません。知事は、都議会との連携についてどのようにお考えになっているのか伺います。
○舛添知事 まず、私は、今日の開かれた民主主義においては、情報公開が不可欠な要素であると考えておりました。政治リーダーには、メディアやインターネットなどにより、都民、国民に直接語りかけていくこともまた重要だと考えております。これまで私は、オリンピック・パラリンピックを成功させたいという強い使命感のもとに、スピード感ある情報発信を心がけてまいりました。
こうしたメディアやSNSなどにより発信した内容を含めまして、議会説明に先行し過ぎたというご指摘につきましては、真摯に受けとめたいと思っております。
都民の代表であります都議会の皆様方とは、これまで以上に丁寧かつ率直な議論の積み重ねを何よりも大切にしていきたいと思っております。
○吉原委員 今、ご答弁いただきましたけれども、開かれた民主主義、ネットを活用した都民、国民への幅広い情報公開は、都議会自民党も、当然のことながら精力的に取り組んでいるんです。これは、もう当たり前のことなんです。
我々が問題にしているのは、SNSでの情報発信が議会説明に先行し過ぎた、こういうことではないんです。そもそも、議会に対して現在まで一切説明がない、このことについて知事に今、説いているんです。
都議会は、都民の信託を受けて、都民を代表しています。知事が真っ先に情報発信すべき都民は、私どもは都議会ではないかと思っています。
SNSなどでの情報発信も重要でありますけれども、オリンピック・パラリンピックに関連する案件については、都議会と情報の共有をして、しっかりと意見交換、あるいは議論をしていくべきではないのでしょうか。答弁を再度お願いします。
○舛添知事 今、吉原副委員長がおっしゃいましたように、都議会との議論、それから、きちんとした説明、今後、肝に銘じて断行してまいりたいと思っております。
〔「ぜひ民主主義の原点に戻ってください」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員 今お話しいただいた、原点に戻って、こういうことでありますけれども、こういうお話は今まで何度となくお聞きをしてまいりました。
しかしながら、きょう今日までも、こうした同じお話をお聞きしている。何か寂しいものを感じるわけでございまして、ネットへの情報配信とか開かれた民主主義といった話では全くないんです。都議会との意見交換はおろか、一言の相談もなく、開催都市の知事としての情報発信をしていることが問題だと申し上げているんです。
これから先、さまざまな課題を知事と都議会で連携して乗り越えていかなければなりません。これまでの態度を改めていただき、よりよい関係構築に向けて努力していただくことを要望を再度させていただきたいと思っています。
六月二十五日、オリンピック・パラリンピックの専任の大臣として遠藤利明担当大臣が就任されました。担当大臣が決まったところで、新国立競技場に関して、前向きで建設的な議論ができる環境が整ってきたと思っています。
早速、七月八日には大臣が知事に面会をいたしまして、改めて国立競技場への東京都負担の協力要請がありました。また、事務的調整のためのチームを設置いたしまして、東京都からも人を出してほしいなどの依頼に対して、知事も早急に人選も含めて検討すると、こういうことを聞き及んでいます。
こうした国との協力体制の強化に加え、組織委員会と良好な関係を構築していくことは極めて重要だ、こういうふうには認識をしております。
オリンピック・パラリンピックのような大イベントにかかわる調整を円滑に進めていくには、都と組織委員会との風通しをよくしながら、率直な意見交換に基づく信頼関係を構築していかなければなりません。
エンブレム使用中止後の取り扱いについての混乱も、組織委員会との間で意思疎通が十分に図られていたとすれば、そういった二転三転に及ぶ取り消し、そうした軽率な発言というものはきっと避けられたのではないかなと思います。
開催都市と組織委員会との間に役割分担があり、都の権限の及ぶ範囲に限りがあるのは承知しています。しかし、そのことと、組織間での情報交換、意思疎通は別問題であるというふうに思っています。東京都と組織委員会がオリンピック・パラリンピックの成功に向けまして、まさに車の両輪として緊密に連携し、さまざまな課題に対して迅速かつ柔軟に対応できる関係を日ごろから構築しておく必要があろうかと思います。
二〇二〇年大会に大きな責任を持つ東京都知事として、オールジャパンで大会を成功に導くメンバーの主役として、東京都と組織委員会との関係構築に知事みずからが主体的に取り組むべきと考えますが、知事のお考えを聞かせください。
○舛添知事 今、副委員長ご指摘のように、都と組織委員会は、ともに大会の成功を目指して全力を尽くしていくべきパートナーでございます。両者のトップが意思疎通を密接に図っていくことが大会準備に拍車をかけることにつながると思っております。
私は、組織委員会とがっちりとスクラムを組んで、物事を前へ前へと進めていく決意でございます。
○吉原委員 七月十七日、安倍総理が、オリンピック・パラリンピックは国民の皆さんの祭典であり、主役である一人一人の国民やアスリートに祝福される大会でなければならない、こう発言をされました。その上で、整備計画を白紙に戻して、ゼロベースで見直すことを表明されました。
この首相の決断から程なく、七月二十一日には遠藤担当大臣を議長とする新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議が設置、開催をされまして、知事はこの関係閣僚会議に出席をし、まさに当事者として新たな整備計画の策定に関与することになったと思います。
これまでの計画が首相の決断によって白紙に戻るという異例の事態に直面している今、開催都市の長として、閣僚会議にも参加されましたが、この会議において知事はどのようなお話をされたのでしょうか、お尋ねいたします。
○舛添知事 私は関係閣僚会議に出席いたしまして、開催都市や競技場の地元自治体の長として、以下のような考えを申し述べました。
まず、新国立競技場の整備計画再検討に当たりましては、アスリートや観客の視点に立つこと、大会開催とレガシーを踏まえること、二〇二〇年一月までの完成を目指すこと、さらに神宮外苑地区のまちづくりとの調和を図ること、この四点をお伝えいたしました。
また、再検討に当たりましての今後の進め方として、的確な工程管理と情報公開の重要性をお伝えしたところでございます。
○吉原委員 四点をお伝えしたと、こういうことでございます。
八月二十八日には、第四回の閣僚会議が開催されました。新国立競技場の整備計画がそこで決定をされたわけであります。
基本理念の部分から、スタジアムの性能、工期、コストの上限、今後の進め方など、首相の白紙見直しの表明から一カ月強のわずかな期間でこの整備計画を取りまとめることができたわけであります。
これは、関係者が強い危機意識を持って、そして、国と都が連携して取り組んでいけば、新国立競技場の問題も、オリンピック・パラリンピック大会の成功も、必ずや達成できることのあかしだというふうに思います。
そこで伺いますが、知事は、これまでの閣僚会議と、それを支えた整備計画再検討推進室の取り組みをどのように評価されるでしょうか。
また、今後、整備計画の検討が進められていきます。施設整備には多額の経費がかかることは承知をしているところでありますけれども、しかしながら、経費の面のみではなくて、大会後の東京の発展、つまり、大会のレガシーという観点からの検討も大切なことである、そういうふうに考えています。知事のご所見をあわせて伺います。
○舛添知事 今ご指摘の新国立競技場の整備計画の白紙見直しから、ごく短期間で新たな計画の策定をなし遂げたことは評価いたします。
その背景には、適切な進行管理と情報公開があったと考えております。整備計画のステップをきちんと踏みつつ、その間の検討結果を節目節目で情報公開することで、都民、国民の間に理解が得られていったと考えております。このように、透明性の高いプロセスを踏んで説明責任を果たしていくことが、物事を進めるに当たって大切だと思っております。
また、大会後のレガシーを十分踏まえることが重要であることは、私も、吉原副委員長と全く同感でございます。
新国立競技場を二十年後、三十年後も、アスリートだけでなく、都民、国民から愛され親しまれるスポーツの拠点としていきたいと思っております。
また、新国立競技場は神宮外苑地区にございますが、レガシーという意味では、この地区のまちづくりと調和したものとする必要がございます。具体的には、地区計画などを踏まえまして、緑豊かな歴史と風格ある都市景観との調和を図ることや、災害発生時に避難者や帰宅困難者を受け入れるなど、地域の防災拠点としての活用も図ることでございます。
○吉原委員 ところで、今お話しいただきました件でございますけれども、知事が出席されました閣僚会議で、今後の整備計画に関しまして、具体的な財源負担のあり方については、今後、政府において、東京都など関係者と協議を行い、早期に結論を得る、このことが確認されたんだろうと思います。
知事出席の閣僚会議でこうした確認がなされたということは、東京都は、この新国立競技場建設の財源問題の解決に向けて全面的に協力していく、このことを表明したものと解釈、理解をしているわけでありますけれども、改めて所見を伺います。
○舛添知事 新国立競技場の整備に当たります財源につきましては、まず、国の負担やスポーツ振興くじ、いわゆるtotoの活用も含めました全体像がきちんと示されることが必要でございます。
また、都が財政負担を行うには、当然、都民が納得できる理由が必要でございまして、そのために、スポーツの振興や地域の防災機能など、都民にとってどのような受益があるのかを明らかにしてまいりたいと思っております。
さらには、現行の地方財政制度におきます法的課題の解決にも取り組まねばなりません。
こうしたことについて、国から十分な説明を受け、都側からもきちんと意見を述べるなど、都と国がしっかりと連携協力して、都民、国民が納得できるような結論を導き出してまいりたいと考えてございます。
○吉原委員 ただいまお話しいただきました、都民の皆さんに理解をいただけるように、そしてまた都民の皆さんに便宜供与が図れるように、さらには法的な解決をしていかなければならない、こういうお話のように承ったわけでありますけれども、そういったことはもうかねてからいわれていることでありまして、十分承知をしていることであります。
今お話しいただいた、課題の解説を今お聞きしているんじゃないんです、私の方は。そうした課題がたくさんありますけれども、解決を含めまして、この新国立競技場建設に向けて、東京都が財源問題も含めて全面的に協力していく、こういうことですよね。そういうことでよろしいですか、改めて。
○舛添知事 副委員長、おっしゃるとおりでございます。
○吉原委員 関係閣僚会議を受けて、九月八日には、国と都の事務方による財源検討ワーキングチームが早々に発足をいたしました。これから財源の問題について具体的な検討が進むことになるんだろうと思います。この検討は非常に重要です。
何点か確認をさせていただきますけれども、知事はかねてから、国が整備する新国立競技場について、都が負担できるとしたら周辺整備の五十億円程度、こういうふうに下村大臣との会談でもお話をされておりました。
一方、八月二十八日の整備計画の中では、整備コストとして、周辺整備二百億円程度と記載されています。
また、知事は、財源負担について、都民の便益という点を一つの判断材料にされているようでありますけれども、この都民の便益という考え方についても、周辺整備の範囲にとどまるものなのか、あるいはスタジアム本体も対象として広く都民の便益ということを考えていくのか、議会に対して、今まで何の説明もお話もございません。
その一方で、知事は、九月八日の記者会見で、都民の便益という言葉とともに、基本はあくまでも国立だよと、こういうお話も発言されています。
そこで、新国立競技場建設が白紙に戻りまして、体制を整備して新たにスタートを切った今日でありますけれども、国と東京都の間で財源負担の検討を進めるに当たりまして、その前に知事と都議会とでしっかりと議論をしておく必要があろうかと考えますが、見解を伺います。
加えてもう一点。こうした議論は、新国立競技場の建設スケジュールに悪影響を及ぼさぬように、ある一定の時期には取りまとめ、必要なら重要な決断をしなければならないと思いますけれども、取りまとめの時期の目安についてもお尋ねをいたします。
○舛添知事 吉原副委員長ご承知のように、法的な側面で許されているものが五十億と。今詳しいことは申し上げませんけれども、いろんなものもございます。
ただ、そういうことも含めまして、国側からと都側からで優秀な人材を集めまして、ワーキングチームで今からこの議論を始めていく。そういう中で、今ご指摘の問題は、一つ一つ解決していきたいと思っています。
その中で、都民の代表でございます都議会の納得を得られるということを第一に、そして、今おっしゃられたように、新国立競技場の整備や大会の準備に支障がないように、精力的にこの協議を進めまして早期に取りまとめまして、都議会にお諮りした上で、ご議論をしっかりいただいた上で、都としての結論を両者で出していきたいと思っております。
それからもう一つ、最後におっしゃいました取りまとめの時期の目安でございますけれども、まだこれも遠藤大臣とも細かく詰めはしておりませんが、一般的に申し上げさせていただければ、我々も国もそうですけれども、大体、予算策定が年末、遅くても年始と思っておりますので、そういう時期には間に合うように、これから精力的にやっていきたいというふうに思っております。
○吉原委員 早期に内容を取りまとめて議会にも諮る、そして都としての結論を得ていく、こういうお話であります。
先ほどもお話ししましたけれども、ワーキングチームがスタートをして、これからいよいよ大事な時期に差しかかってきたんだろうと思います。
今も財源問題をお尋ねいたしました。報道によれば、これは新聞報道でございましたけれども、知事は新国立競技場の財政負担に関しまして、帰宅困難者のスペースの例を挙げてお話しいただいていた新聞記事がございました。先ほどもお話がありましたように、制度的あるいは法的な制約が解決できれば、本体工事にも支出可能であると発言もされているんです。
しかし、今求められているのは、国が条件整備をするなら協力しますよと、こういう姿勢で本当にいいかどうなのか。
これは、開催都市として、当然のことながら、あの国立競技場を使わなければならないんです。使わせていただくのか使うのか、いい方は別にしても、いずれにしても使用していくことになるんだろうと思います。
そういう意味では、制度的あるいは法的な、そうした課題を超えて、開催都市の責任者の一人として、今議論をいただいております財政面も含めまして、日本を代表する競技場の一つでありますから、前向きに、全面的にという、先ほど来お話がございましたけれども、全面的に協力していくということを、再度で恐縮ですけれども、お尋ねいたします。
○舛添知事 今、副委員長ご指摘の問題は、いろんな協力をするための法的な枠組みがあったり、そのほかの道具もあると思います。
しかし、基本は二〇二〇年大会を大成功に導いて、そして、あの地区を含めてすばらしいレガシーが残るということでありますから、しっかりと議論をして、そこで都議会の皆さん、都民の皆さんとコンセンサスができれば、東京都出身の国会議員の皆さん方もおられるわけですから、例えば新しい法律が必要であるということになれば、そういうこともお願いして、一番いい形でいきたいというふうに思っておりますが、そのための作業は、できるだけ早くこのワーキングチームでスタートしたいというふうに思っております。
○吉原委員 今お話をお聞きしますと、全面的に協力をするよ、そのかわり、法的、制度的な、そういう法整備の環境を国の方でしっかり整えてさえくれれば、議会にも理解をいただいて、国民、都民の皆さんにも理解をいただいて進めることができるよと。
とどのつまりは、この国立競技場について財政的な問題を考えるとしたときに、周辺整備あるいは本体工事にもそういう可能性はありますねと、こういうふうに理解してよろしいですか。
○舛添知事 おっしゃるとおりでありまして、都議会の皆さんとしっかりとこの点は検討して、我々がコンセンサスを得て全面的に協力する中身が周辺か本体かと、そういう分け方ではなくて、まさに神宮外苑全体を含めての、スポーツのメッカにしたいわけでありますから、そういう観点からきちんと新国立競技場を位置づければ、さまざまな可能性が広がってくると確信しております。
○吉原委員 ぜひそうした状況を、知事の方からも国に対して話を持ち上げていただくぐらいの積極性を持って、早急に解決をしていただきたいなというふうに思います。
先ほど来、国立競技場の白紙撤回がされまして、新たな整備計画の検討がスタートをしたわけでございますので、ぜひこのオリンピックの会場となるすばらしい国立競技場をつくるべく、知事も積極的に働きかけを国に対して、そしてまた、国はそれを受けて、きっと知事の意向も踏まえながら対応していくんだろうというふうに思っているところでもございます。
そういう意味では、先ほど来申し上げておりますけれども、とにかく今までのブログやツイッター、こういった問題を冒頭にお話しもさせていただきました。今後、こういうことが一切ないように--とにかく我々議会、百二十七名でございましたでしょうか。知事が選挙に出られて得た投票、二百十万強だったと思います。我々都議会全会派を合わせると、三百二十万を超えるんです。
そういう意味では、都民の理解をいただいてということについては、これはまず最初に、我々は都民の皆さんの代弁者でありますから、理事者側、知事の皆さんとしっかりと意見のやりとりをした後に、知事がしっかりと発表をしていただく、そういう姿勢をぜひおとりいただきたいというふうに思っているところでございます。
何としても、このラグビーもそうであります、そしてオリンピックもそうでありますけれども、世紀の大会である、私たち日本にとってのすばらしい大会をぜひとも成功に導かなければならないと思っていますから、きょうが私はスタートだと思っています。
これからさまざま、代表質問や一般質問、あるいは委員会等の理事者の答弁もあろうかと思いますけれども、知事がそのことをしっかりと理解していただいた上で、これからの知事の発言を、国に対しても都民の皆さんにも発していただけるようにお願いを申し上げまして、きょうの質問を私からは終わらせていただきます。
以上です。
○小磯委員 オリンピック・パラリンピックの招致については、前回の招致活動のときから東京都が主体になってきたと多くの都民、国民は思っております。
ところが、いざ決定してから、あと五年となった本年、さまざまな問題が生じ、新国立競技場の白紙撤回、エンブレムの使用取りやめなど、オリンピック・パラリンピックのシンボルともいえるものが変更になってきたという、そうした批判と、また、不安視する声が多く、その中で、開催都市で主体者の東京が傍観者のような立場に立たされていると感じる都民が多いのが現状であります。
しかし、我が党は、この招致決定から二年間の東京都の対応には評価すべき点が多々あると思っております。そして、都民が持っているその印象との違いに驚き、どうしたら東京都の努力が理解されるのかと考えてまいりました。
この委員会では、新国立競技場問題について議論しますが、この問題解決に東京都が貢献するには、東京都が今まで取り組んできた経緯と意義を再確認し、国や関係者に明確に示すことが一番の近道であると考えております。
そこで私は、今日までの経緯を改めて振り返るとともに、これからの都の対応方針を質問したいと思います。
まず、全体の競技会場計画については、コンパクトな会場配置が大きなポイントでありましたが、その後、都が行った変更の趣旨が都民に十分理解されていないように思います。
新国立競技場の建設に当たって、都が主張すべきこととして、東京都が取り組んできた会場再検討に当たっての主な理由、そして経緯、また再検討の結果、会場を変更したものに関し、競技環境や選手の負担について知事の見解を伺います。
○舛添知事 招致の時点で作成しました会場計画を、開催決定後、都民のご理解を得て実現できるように、改めてみずからの視点で内容を再検討することにいたしました。
見直しの主な視点は、新たに整備する施設が東京にどのようなレガシーを残せるのか、広く都民の生活にどのような影響を与えるのか、また整備コスト高騰の懸念にどのように対応するのかと、この三点でございます。
まず、都が新設する予定でございました十施設のうち三つにつきましては、既存の施設を活用することとしまして、新設を中止いたしました。その結果、都の恒設施設は、全体としておおむね二千億円程度の整備費圧縮が可能となりました。
また、都が新設します施設につきましても、競技団体や民間事業者等の意見も参考にしながら、先般、後利用の方向性を示したところでございます。
なお、変更となりました会場につきましても、各競技開催に求められる環境を確実に確保する、さらにアスリートファーストの観点から、選手に最高のパフォーマンスを発揮してもらうための競技環境の整備、さらには円滑な選手輸送のためのオリンピックレーンの整備など、さまざまな取り組みを今後とも組織委員会とともに進めてまいりたいと思っております。
○小磯委員 近年、オリンピックの開催費用が高額になってきていると、こういう批判がございます。東京都は安定した財政力をアピールして、円滑、確実な開催への安心感を持ってもらったわけであります。
だからといって、基金がある、だからといって、幾らでも予算をかけても構わないという姿勢をとるわけにはまいりません。費用の低減化に努めるのは当然であります。
もちろん、その際の変更内容は、競技環境にとってマイナスになり、選手にとって移動も含め負担が大きいものとなってはいけません。それでは本末転倒といえます。今後も、答弁にあったような取り組みを進め、きちんと対応をしていただきたいと思います。
さて、こう考えてまいりますと、招致決定からの変更の中で、多くの競技場計画については、各種競技団体との意見交換も重ね、真摯な検討がなされてきていると思います。しかし、それが都民、国民あるいは世界の選手たちに知られていないのではないか。
また、IOCや日本の競技団体から、また、それらの団体を通じてさまざまな国の団体からも意見を聞いていると思いますが、各国の競技者の意見をより多く聞き、文化、風習の違う人たちにも最高のパフォーマンスを展開してもらうことが重要であります。
そこで、新国立競技場や競技施設について、施設ごとの内容や、運営で工夫、配慮しようと計画していることを広くインターネットで公開し、多様な意見を聞いて、これからの施設づくりに生かしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 新国立競技場につきましては、整備計画の再検討に当たり、アスリートからのヒアリングやインターネットでの国民からのアンケートなどを行い、新たな計画を取りまとめました。
一方、都立施設につきまして、都はこれまでも、競技団体などと連携しながら、選手第一の理念に立ち、大会時に選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう施設整備を進めてまいりました。
また、大会後も施設を有効活用できるよう、外部有識者などから構成されるアドバイザリー会議で検討を進め、本年六月には、後利用の方向性を都のホームページや「広報東京都」により広く都民に周知し、意見を伺っております。
今後も引き続き、多様な意見を参考にしながら検討を進め、人々に喜ばれる、親しまれる施設としてまいります。
○小磯委員 東京都がアピールしたおもてなし、これは相対したときの接遇のよしあしだけでないと思います。競技場や運営で何が足りないのか、何が求められているのか、積極的に情報を得なければ何も始まりません。そして、寄せられた意見を今後の施設整備、運営にも可能な限り反映していくことが、オリンピック・パラリンピックの本当のおもてなしになると考えます。
以上の質疑で、都がここまで真摯に質の向上を目指し、努力してきたことがわかりました。
にもかかわらず、オリンピック・パラリンピックの準備のイメージを損ねてしまったのは、やはり新国立競技場の問題とエンブレムの問題であります。
これから国と新国立競技場の計画について協議を行っていくわけでありますが、知事は以前より新国立競技場の内容、高額な費用に対して疑問を呈していて、都民が納得できる説明を求めてきました。
知事は、今回の会場案の白紙撤回をどう受けとめているのかお伺いいたします。
○舛添知事 本年六月の組織委員会での調整会議におきまして、私が都民に明らかにするように求めてまいりました新国立競技場の工期や工事費などの説明がございました。
こうした中で、安倍総理が七月に、二〇二〇年東京大会を国民から祝福される大会としなければならないとして、白紙撤回という重い決断を下されました。
この異例な事態に対し、私としても、新国立競技場を何としても間に合わせ、全力を挙げて大会を成功に導いていくという責任を改めて感じた次第でございます。
そして、この責任感のもと、国を初めとする関係者との信頼関係をさらに強固なものとして、一致協力してこの難局を乗り越えていかなければならないと決意しているところでございます。
○小磯委員 新たな整備計画が策定されたことを受け、開催都市の代表として、どのような施設とすべきか、その理念をお伺いいたします。
○舛添知事 私は関係閣僚会議で、まずアスリートや観客の視点に立つこと、次に大会開催とレガシーを踏まえること、さらに二〇二〇年一月までの完成を目指すこと、そして最後に神宮外苑地区のまちづくりとの調和を図ること、この四点を求めたわけでございます。
この都の考えの多くが新たな整備計画に反映されておりまして、それを読んでみますと、基本理念として、アスリート第一、世界最高のユニバーサルデザイン、周辺環境等との調和や日本らしさ、これが明記されてございます。
今後、新国立競技場の整備におきましても、これらのことがしっかりと反映され、二十年後、三十年後も、アスリートだけでなく、都民、国民から愛され親しまれるスポーツの拠点となるように、引き続き国に求めてまいりますとともに、都としても全面的に協力してまいりたいと思っております。
○小磯委員 国との検討の場が設けられましたが、ただいま知事がおっしゃいましたその理念を実現するための具体的な提案や選定基準について、しっかりと反映させる努力をすべきでございます。どう担保していくのかお伺いいたします。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 ただいま知事から答弁がありましたとおり、関係閣僚会議でお伝えしました都の考えの多くが新たな整備計画に反映されております。
その具体化に当たりましては、整備計画に基づき、事業主体である独立行政法人日本スポーツ振興センターによる整備プロセスを点検する関係閣僚会議におきまして、実現が担保されております。
なお、委員お話しの国との検討の場につきましては、こうした枠組みの中で、整備に係る財源を検討していくことになります。
○小磯委員 今回の新国立競技場の建設に当たって、予算がないということで、国立競技場の屋根をなくしたり、またサブトラックを仮設にしたり、猛暑の時期の開催にもかかわらず冷房をつけないと、こういう決定がされたわけでございますが、都民の中には、それでいいのかな、この夏の大変な暑さの中、五年後に、同じ時期にこのオリンピック・パラリンピックが開催されて、こういうことでいいのかなと、不安に思っている人も少なくないと私は感じております。
この暑さ対策でありますが、ことしの夏の高校野球、東京も大変、二校とも盛り上がったわけでございますけれども、この甲子園球場で、熱中症、そしてまた日射病で救護室に運ばれ、あるいは行った人が、八月八日で六十一人、八月九日は四十二人であったと。また、試合中の選手がこうした暑さのせいでけいれんしたということも聞いているわけでございます。もし、オリンピック開催の新国立競技場で同じようなことが起きたら大変であります。
レガシーの観点からも、新国立競技場の暑さ対策、これはもう万全を図るべきと考えますが、所見を求めます。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 新国立競技場の熱中症対策につきましては、予防対策、スタジアム内の医療施設の充実、医療機関との連携強化などを図り、しっかりと対応していくと聞いております。
具体的には、建物形状の条件として、観客席の観戦環境、フィールドの競技環境の向上、例えば夏季の熱中症対策等の暑さ対策などや芝のメンテナンスのため、通風等の採涼に配慮した計画とするとされております。
また、予防対策としましては、空調設備を備えた休憩室を整備することや、入退場ゲート付近にミスト冷却などの設備を設置することなどとされております。
○小磯委員 ただいまの答弁で、それなりの暑さ対策はわかりましたけれども、ぐあいが悪くなってからの対策ももちろん大事でありますけれども、そうならないための暑さ対策、最初、入り口でミストを浴びたら、もうその後は何も暑さ対策がないわけでございますので、もっとしっかり検討すべきである、こういったことを国にしっかりと求めていくべきである、このように思いますので、よろしくお願いいたします。
知事は、常々、都負担に当たっては都民の納得する理由が必要と、このようにただいまも何回もおっしゃっておられたわけでございますが、財源検討ワーキングチームは非公開で行われると。また、その結果は関係閣僚会議で公表されると聞いております。
都民の理解を得るには、都民を代表する都議会での議論、そして結論が必要と考えます。都議会の関与の場を積極的に行うべきである、こう考えますが、知事のお考えを伺いたいと思います。
○舛添知事 新国立競技場の整備にかかわります財源を検討するワーキングチームは、国と都の事務方が細かい議論を行う場所でありまして、実務レベルの率直な意見の交換を確保するという観点から非公開としてございます。
なお、都の財政負担につきましては、都民の受益や法的整合性など、解決しなければならない課題がございます。
このため、都民及び都民の代表でございます都議会の納得が得られることを第一に、新国立競技場の整備や大会の準備に支障のないように、国と精力的に協議を行いまして早期に検討内容を取りまとめ、都議会にお諮りし、ご議論をいただいた上で、都としての結論を得ていきたいと考えてございます。
○小磯委員 我々は、オリンピック・パラリンピックで、少子高齢化が進む東京、日本において子供たちに夢と希望を与え、確かな未来を開きたいと願い、多くの国民がともに同じ思いに立って招致に成功いたしました。
また、東日本大震災の被災地の方の励ましにとも訴えてまいりました。我が党は、震災から一貫して現地に入り、被災者に寄り添い、さまざまな問題に取り組んでまいりました。そういう中で、東京都が多くの人材、また、機材を投入し、地元自治体に感謝されていることもよく承知をしております。
東京都は、招致計画の理念に沿った対応をしっかりしてきたと私は思います。今後、都民、国民のオリンピック・パラリンピック開催への思いを裏切ることなく、世界に貢献できる大会とするためには、東京都は、これまでの取り組み、実績の意義を再認識し、国を初め関係機関に、より強く明確に主張し、働きかけていくべきだと考えます。
知事の今後の取り組みについての決意と姿勢についてお伺いいたします。
○舛添知事 私は、昨年二月に知事に就任して以来、最大の仕事の一つとして、二〇二〇年大会の準備に邁進してまいりました。
まず、都立施設につきましては、先ほど申し上げましたように、会場計画の再検討を表明して以降、整備計画見直しに、コストの視点、さらにレガシーの視点から取り組んでまいりました。
また、新国立競技場について申し上げれば、本年七月に安倍総理が整備計画見直しを表明して以降、わずか一カ月余りで新たな計画が策定されましたが、私みずからの関係閣僚会議への出席や職員の派遣など、都として積極的に協力してまいりました。
そして、オリンピック・パラリンピックの準備におきましては、これら以外にもさまざまな課題が山積してございます。その解決に当たりましては、オールジャパンで英知を結集し、開催都市である都が率先して国や組織委員会などと調整を行い、都民、国民の納得を得ていくことが何よりも重要だと考えております。
今後とも、大会の成功に向けまして、関係者との信頼関係をさらに強固なものとして密接な連携を図りつつ、都議会の皆様のご協力も仰ぎながら、大会開催都市の長としての責任を果たしてまいりたいと考えております。
○小磯委員 関係者と信頼関係を強固にし、そして密接に連携していく、これが本当に大事なときを迎えているというふうに私は思います。
都民、国民には、オリンピックを祝福し、ホストとして誇りを持って二〇二〇年を迎えていただきたい、こう思っております。しかし、現在は、相次ぐ変更と成功への不安が覆いかぶさっている現状であります。
しかし、私は、ある新聞に増田明美スポーツジャーナリストが投稿をしているのを拝見して、なるほどと思いました。それは、こう書いてありました。
しかし、決して悪いことばかりではないはず、五輪パラリンピックはスポーツのお祭り、準備の最初でそれが盛り下がってしまったのは大変残念、ただ、雨降って地固まるともいう、つまずいたからこそ、国民や世界の厳しい目にさらされ、大会の質を高めるきっかけになる、新国立競技場もエンブレムも、世界の注目を浴びている、だからこそ、いいものをつくれば、インパクトも大きいはず、本番は五年先、世界の信頼を取り戻す時間は十分にあると、こうありました。
都として、都民の感情を改善し、オリンピック開催意識の向上と機運の醸成の取り組みをすべきであります。
私は、やはり言葉というのは大事だと思います。この増田明美スポーツジャーナリストの新聞の投稿を見ると、ああ、そうだな、そうだよなと、こう思うわけでありまして、やはり開催都市としての知事のそういう一つ一つの言葉というのは、私は大事だというふうに思っております。
今後、都知事として、この機運の醸成、どのような手を打っていかれるのか、それをお伺いいたします。
○舛添知事 二〇一六年のリオ大会が終わりますと、次は東京大会だということで、ばっと世界の関心が東京に集中すると思います。
これを新たなステージとして、二〇二〇年、もう四年後になりますから、その先を見据えたさまざまな取り組みをさらに加速化させていくということが大会の成否とその後の東京の姿を決めることになるんだと考えております。
じゃ、どういうふうに成功に導くかと。例えば、ソフト面では、ボランティアの育成も一生懸命今やっておりますけれども、こういうことを通じまして多くの人々が大会にかかわって、これは自分たちの大会だと、こう思えるようにしていきたいと思っています。
また、ハード面では、大会が終わった後も、都民、国民がまさにオリンピック・パラリンピックの遺産だなと、プラスの遺産だなと思えるような施設をつくってまいりたいと思っています。
さらに、パラリンピックについて申し上げましたら、二回目をやるというのは東京が初めてでございます。ですから、バリアフリー、これはハードのみならず、ソフト、心のバリアフリーへの取り組みを加速させて、すばらしいバリアフリーのまちにしたいと思っております。
こうした取り組みを今後しっかりと続けていくことによって、そして、目に見える成果を出すことによって、都民、国民のオリンピック・パラリンピックに対する理解、期待をさらに一層高め、これまでにない機運の醸成を行っていきたいと思っております。
そして、史上最高の大会として成功させるとともに、大会後の東京に確かなレガシーとして実現させていきたいというふうに考えております。
○小磯委員 これまでにない機運の醸成にしっかりと取り組んでいくという知事の発言がございました。
我々も、本当にこの二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、史上最高の大会とするべくしっかりと取り組んでまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○吉田委員 新国立競技場計画は、着工直前に白紙見直しという異例な結果となりました。
槇文彦氏を初めとする多くの建築家、都民、国民、そしてアスリートの強い批判が政府を動かす原動力になったと私は思います。
また、先ほどから知事発言についていろんなご意見がありました。個々の言葉は別にしても、私は、舛添知事が文科省に全面的な情報開示を求めたことは、計画のずさんさをある面、社会的に浮き彫りにする、そういう結果にもなったというふうに思っております。
問題はこれからだと思うんです。重要なことは、新たな競技場計画がこれまでの専門家や都民の声に背を向け続け、解決をおくらせたことを本当に反省し、計画の過程についても全面的な情報開示に努め、真に都民、国民の願いに応えた計画となる努力をするかどうか。
この点でも、舛添知事がどう努力をするかが、私は改めて問われていると思いますけれども、知事としての基本的なお考えをお答えください。
○舛添知事 私は関係閣僚会議で、検討結果を節目節目で情報公開して、都民、国民に丁寧に説明し、納得を得ることが重要である旨をお伝えしておりますが、この考え方は、既に新たな整備計画に反映されております。
都としましては、引き続き、この計画に基づきまして、整備プロセスの透明化が図られるように国に求めてまいりたいと思っております。
○吉田委員 問題は、都民、国民の納得する計画、競技場になるかどうかであり、そのために開催都市の知事として積極的に発言するかどうかが問われていると思います。
先ほども話がありましたが、安倍首相は、競技場計画の白紙見直しを発表した際に、ゼロベースで見直しをすると発言いたしました。
ところが、八月二十八日の関係閣僚会議で了承された新たな整備計画と技術提案公募のための要求水準書では、整備費は下げたものの、高さは七十メートル、規模は八万席、人工地盤などの構造も従来計画を前提とするという内容でした。
これでゼロベースといえるでしょうか。逆に、従来計画ベースといわざるを得ないではありませんか。抜本見直しを求めた都民、国民の願いに反するものではありませんか。知事の見解をお聞きいたします。
○舛添知事 新国立競技場の新たな整備計画は、アスリートから直接意見を聞き、また、国民に対しましてインターネットでアンケートを行った上で策定されておりまして、また、先ほど申し上げましたように、私も関係閣僚会議に出席しまして、アスリートファースト、バリアフリー、情報公開など、都の考え方を述べておりまして、その多くは反映されていると思っております。
さらに、安倍総理が白紙見直しの表明の際に、国民の皆様やアスリートたちから大きな批判があったとおっしゃったコストについても、大幅に抑制されております。その意味で、私は現実的な計画になっていると考えてございます。
今後、大会の準備や開催に支障のないように、期限までの完成を求めてまいりたいと思っております。
○吉田委員 ただ、知事、ご承知されていないかもしれませんけれども、九月八日の文部科学委員会で、JSC、日本スポーツ振興センターの鬼澤理事が、新たな計画では、高さ、敷地、人工地盤、これらは変更されているのかという我が党の議員の質問に対して、次のように答えているんですよ。施設規模、いわばスタジアムのボリュームは、おおむね旧計画と同様でございます。したがいまして、業務要求水準書の中で、施設の高さ、敷地、人工地盤については、旧計画と変更はございませんと。
これでは、私、ゼロベースで、抜本見直しの国民の願いには応えるものではないと思うんです。
しかも、関係閣僚会議の整備計画の理念では、言葉としては、明治神宮外苑の歴史と伝統ある環境や景観等と調和ということを上げています。それは、知事もかかわったから、ご承知だと思うんですよ。
しかし、高さや規模が従来どおりであったとしたら、槇先生などが当初から指摘したように、歴史的景観を損ないかねません。私は本当に、歴史的景観の保全はそもそも都の責務であるわけですから、知事として、環境と調和した計画となるように努力をしていただきたいということは強く要望しておきます。
しかも、今回、オリンピックは六万八千席ということが打ち出されました。この規模を考えた場合には、高さはもっと下げることができるということは具体的な事例としてあると思うんです。
知事、横浜の日産スタジアムはご承知と思うんですね。私も行きましたし、改めて調べてみましたけれども、この日産スタジアムは、客席数は七万二千席です。しかし、高さは五十一・九六メーターなんですよ。総工費は六百三億円ですね。しかも、全国二十四カ所の工場で柱や、はり、床を製造し、現地で組み立てる新工法で、三年九カ月で完成させたというふうに報告されています。
こうした事例をやっぱり把握して、今後の参考に生かすべきだと思うのですが、知事、いかがですか。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 国におきましても、いろいろなスタジアムについて調査検討しながら、今後、新国立競技場の整備を進めてまいると考えておりますので、そういった今のご指摘も今後の検討の対象になっていくのではないかというふうに考えております。
○吉田委員 これから具体的なデザイン、設計の段階に入るわけですから、まだまだ選択、検討の余地はあるわけですから、ぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。
次に、先ほど財政問題が随分語られましたので、新国立競技場への財政負担の問題について質問をさせていただきます。
国立競技場整備への負担要請に対する対応について、知事のこれまでの基本的な見解を私なりに整理させていただきますと、第一に、国立競技場である以上、国が整備するのは当然であるというのがいわば前提だと思うんですね。二つ目に、しかも、法的に許されるものでなければならない。三つ目に、かつ、納税者、都民の納得を必要とするんだということを挙げたと思うんですが、私は今後もこうした立場は貫くべきだというふうに考えますけれども、知事、いかがでしょうか。
○舛添知事 今、吉田理事おっしゃいましたように、新国立競技場は国立でございますので、国が責任を持って整備するというのが当然でありますが、二〇二〇年大会のメーンスタジアムでありますし、東京都の神宮外苑地区に所在する施設であるということもまた事実であります。
したがいまして、都は、大会開催都市や地元自治体としての立場から、まちづくりを初め、都の政策と整合を図りつつ、大会の準備や開催に支障なく整備されるよう、全面的に協力してまいりたいと思っています。
また、ご指摘のように、都が財政負担を行うには、当然都民が納得できる理由が必要でございまして、そのためには、スポーツの振興や地域の防災機能など、都民にとってどのような受益があるのか、これが示される必要があると考えております。
その上で、現行の地方財政制度のもとにおきましては、国の事務事業に対する支出には制約がございますことから、法的課題の解決も必要であるということを再三申し上げているわけであります。
○吉田委員 ただ、先ほどの質疑を聞いて、私、非常に違和感を感じたのは、もちろん国立競技場の整備に開催都市として協力すると。これまでも協力してきたと思うんですよ、我々、意見はありますけれどもね。
ただ、その財源について、財源ですよ、全面的に協力をするという立場は、冒頭述べた、かつ知事がいってきた、国立競技場である以上、国の責任が第一だということを改めて、まるで財政負担について国と東京都がイーブンの関係で責任を負うかのような印象を負いかねないんです。
そんなことはないですね。国である以上、国責任が第一だということは明確ですね。
○舛添知事 先ほど申し上げたとおりでございます。
○吉田委員 それ以上はいえませんか、残念ですね。
さらに、防災対策について話がありましたが、都負担の根拠として、帰宅困難者など防災対策のための施設利用が取り沙汰されていますけれども、財政負担の理由づけのための検討だとしたら、そうした態度自身がいかに財政負担の理由を見つけるのか、つくるのかということで、どう防災問題を考えるかというのは、これは転倒した考え方じゃないでしょうか。
こういう点、同時に防災対策という点でも、私は厳格な法的な検討が求められていると思います。
そもそも首都直下地震対策は、国自身、内閣自身が責任を担うものです。さらに、帰宅困難者対策でいえば、入場した方々の保護は施設設置者の責任であることは明確ですよね。そういうことをやはり考えた上で、この問題は検討されるべきだということを指摘しておきたいと思うんです。
さらに関連して、閣僚会議で示された新たな整備計画の中で、私、非常に疑問に思ったのは、整備費ですから、問題は用地費なんですよ。明治公園を新たに国ないしJSCが獲得してつくるわけですよね。その用地費が計上されていませんでした。
それで、国立競技場用地となる明治公園霞岳広場、四季の庭は、貴重な都有財産であり、この点でも法令に基づく厳格な対応が求められていますけれども、当然、有償で国ないしJSCに譲渡するというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 都有財産の譲渡に当たりましては、東京都公有財産規則によりまして、その予定価格は適正な時価により評定した額とされております。
また、財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例によりまして、国または地方公共団体その他公共団体において、公用または公共用に供するためなどの場合につきましては、無償または時価よりも低い価額で譲渡することができるとされております。
よって、財産の取り扱いにつきましては、この条例等に基づき、今後、関係者と協議をしていくことになります。
○吉田委員 今後、協議をするといいましたけれども、無償もあり得るかのようなご答弁でした。
それで、お伺いいたします。
平成二十四年十二月に、日本スポーツ振興センター、河野理事長に提出した東京都の文書があります。この文書は、地区計画の企画提案書を提出するに当たって、地権者である東京都に同意を求めるという文書です。
東京都は、同意をしますと。ただ、同意をするに当たって、下記の条件を付して同意いたしますという文書です。どのような条件を付したのか、読み上げます。
(1)、建設局が所管する公共施設を新国立競技場等の敷地とする場合には有償とするというふうに出しているんです。
この有償とするという先方に出した方針はどうなんですか。これも覆すのですか。生きていないのですか、これは。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 その当時の文書につきましてのつまびらかなことは承知しておりませんけれども、いずれにいたしましても、新国立競技場につきましては、これからゼロベースで整備をしていくことになりますので、土地の取り扱いにつきましても、JSC、その他関係者とこれから協議していくというスタンスに変わりはございません。
○吉田委員 これは、平成二十四年十二月二十八日、二十四建総企第五百二十四号、誰の名前で出ているかといえば、舛添知事じゃありませんけれども、東京都知事猪瀬直樹名なんですよ。公文書ですよ。ここで東京都としての意思が、企画書提出に同意するけれども、条件は有償であると。これをJSCは受け取ったわけですよ、既に。
したがって、東京都の方針は有償だということになっているんですよ。これはもうなしにするんですか、もう一度お答えください。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 先ほどご答弁しましたが、公有財産規則によりまして、原則として、その予定価格は適正な時価により評定した額ということにしておりますので、原則はそういうことだということでございます。(「原則は何」と呼ぶ者あり)原則は、その予定価格は適正な時価により評定した額ということで考えておりますので、その原則に基づいた考えとして、先ほどの文書があったのではないかと推察はいたします。
ただ、繰り返しますが、新国立競技場の整備に当たりましての土地の取り扱いにつきましては、今後、JSCや国と協議を進めまして、どう取り扱うのかについて今後検討を進めていくということになります。
○吉田委員 局長はこの文書をご存じないのかもしれませんけれども、後でお渡ししますので、確認してください。
さらに、財政負担に関連して、もう一問お聞きしておきたいというふうに思います。
先ほどから知事もいわれたように、法的な検討というのは当然のことです。同時に、私はやはり、都の財政負担の全体から見て、財政的に見て、国立まで負担することが可能なのかと、そういうことも検証されなければならないと思います。
都は、競技場整備及び有明アリーナなどの用地費、さらに選手村の用地費、基盤整備費など莫大な負担が求められています。
こうした財政負担を考えるならば、財政的にも国立競技場整備費まで全面的に協力をするなどといえる状況ではないと思いますし、また、都民は納得しないと思いますけれども、知事、いかがでしょうか。
また、いや、そうではないというならば、推計で結構ですけれども、東京都が今後、競技場整備、選手村などをどの程度の整備費で抑えることができるのかということもあわせてご答弁ください。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 東京都の恒設施設分の施設整備費の現時点の見込みにつきましては、去る六月二十二日の当委員会におきましてご説明したとおり、総額で二千四百六十九億円でございます。
ただいまお話がございました有明アリーナの用地につきましては、今年度に港湾局から所管がえを予定しておりまして、今年度予算として二百十一億円を計上しております。
所管がえ等に伴う経費につきましては、都庁内の会計間の調整でありまして、先ほどご説明した施設整備費には含まれておりません。
なお、選手村の用地の取り扱いや、道路、盛り土などの基盤整備費につきましては、今後、市街地再開発事業の事業計画の策定に向けて検討してまいります。
また、新国立競技場の整備に係る都の財政負担につきましては、繰り返しになりますが、今後、都民の受益や法的整合性などの観点から国と検討してまいります。
○吉田委員 選手村の用地費及び土地の基盤整備費がどのぐらいになるかということが明らかにできませんので、不明確かもしれませんが、四十四ヘクタールですよ。しかも、特定建築者に土地を分譲するとしても、それは一部ですよね。もし半数を東京都が負担するというふうになれば、私の推計でも、それだけで一千億を超える危険性があるんです。
それ自身が果たして都民が納得できるかという問題を抱えますけれども、その上、全面的に国立競技場の整備費まで協力するということは、私は、都民は納得しないと思います。
これは、今は主張だけにとどめておきますけれども、強くそのことを指摘しておきたいと思います。
最後に、都営霞ヶ丘アパートに関して質問いたします。
都営霞ヶ丘アパートの廃止計画は、従来の構造を前提としたものでした。したがって、本体計画の配置、構造の見直しによって、旧明治公園から都営住宅に向かって陸橋を渡しスロープでおりてくるという計画は不要にすることも可能ではないのでしょうか。
また、全面存続が困難であったとしても、部分的に都営住宅用地を継続することも可能ではないのでしょうか、お答えください。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 安倍内閣総理大臣から示されました新国立競技場の整備計画見直しの対象につきましては、本年八月四日の参議院文教科学委員会などにおける下村文部科学大臣及び遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣のご答弁によりまして、新国立競技場の本体の設計、施工のみが見直しの対象であり、敷地についてまで見直すことは考えていないと承知しております。
よって、新国立競技場の新たな整備計画は、都営霞ヶ丘アパートの移転計画に影響を及ぼすものではございません。
また、独立行政法人日本スポーツ振興センターが、都営住宅を現地のままで競技場の整備を行う案を検討したかどうかにつきましては、都は承知してございません。
○吉田委員 パネルを用意しましたけれども、このスタジアムから人工の陸橋をつくり、それをスロープで都営住宅までおろすという計画なんですよね。
本体のデザインが変われば、このブリッジもスロープも不要になるということはあり得るわけですよ。これがどんな計画になっても、ここだけは変わりませんよなんていうことはあり得ないじゃないですか。
さらに(パネルを示す)これは施設建築部会の第三回に出ましたけれども、その当時の検討のたたき台として、日産スタジアムをベースにして考えた案なんです。色は私どもでつけましたけれども。
都営住宅はこれですよ。人工地盤をここまでもってこなくたって、道路から緩やかなスロープでコンコースのフラットなところまで移動できるという一つの事例なんですよ。
しかも、知事はもう行き先が決まっているかのようなことを先日会見で述べましたけれども、ご承知かどうかわかりませんが、住民の皆さんは、住み続けることを希望して、バッハ会長宛てに手紙を出されているんです。
その手紙では、新国立競技場を建設することで、この地域に長く住んできた住民のコミュニティを壊し、住む権利、生きる権利を踏みにじるとしたら、それは私たちに苦痛を与えるばかりではなく、人間の尊厳の保持に重きを置くオリンピック精神にも反しますと訴えています。
五輪によって、二度にわたって都営住宅が移転、廃止された例というのはないんですよ。そう異例なことなんですね。しかも、オリンピック憲章の人間の尊厳の保持の理念や、住宅や環境問題を重視したアジェンダ21にも反するものなんですよ。
今からでも、この本体の計画の見直しに当たって、部分的であったとしても、都営住宅と共存できるような見直しになるように努力をしていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○高島委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分休憩をいたします。
午後二時五十七分休憩
午後三時十分開議
○高島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○酒井委員 それでは、新国立競技場の整備計画の見直しについて質問をさせていただきます。
新国立競技場の整備計画並びにその見直しに対しては、前回の委員会において、私どもの小山議員より指摘をいたしましたが、都議会民主党として、アジェンダ二〇二〇にあるとおり、サステーナビリティーとレガシーが極めて重要であることを前提に、東京都の費用負担に関しても、その内容や根拠などの情報を明らかにすることを求めてまいりました。
本日は、舛添知事出席のもとでの委員会でございますので、改めて新国立競技場整備に対する知事の基本的なお考えをお伺いさせていただきたいと存じます。
今回の計画見直しは、当初予定の二倍近くもの建設整備費が想定をされる中で、将来に過剰な負担を残さないための当然の判断であったと思いますが、さらにいえば、契約締結前の決断であれば、無駄な経費を支出しなくても済んだのにとの思いもあります。
先ほど来、この整備計画の見直しに対しては、るる質問が出ておりまして、繰り返しになって大変恐縮ではございますけれども、舛添知事の計画見直しに対する見解をまずお伺いさせていただきたいと存じます。
○舛添知事 安倍総理が本年七月に、二〇二〇年東京大会を国民から祝福される大会としなければならないとして、白紙撤回という重い決断を下されました。この異例な事態に対しまして、私としても全力を挙げて大会を成功に導いていくという責任を改めて感じた次第でございます。
新国立競技場は国立の施設ではございますけれども、国を初めとする関係者と信頼関係を強固にして、何としても大会までに間に合わせなければならないと考えております。
○酒井委員 次に、新国立競技場は、改めていうまでもなく、今、知事の答弁にもありましたとおり、国立の競技場でございます。国立の競技施設である以上、本来、国の責任において建設、運営されるべきものであるわけですけれども、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会を成功に導くためのメーンスタジアムとして、都も大きな期待、そして関心を寄せる最重要の施設であり、さきの新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議において、アスリートや観客の視点に立つ、大会開催とレガシーを踏まえる、二〇二〇年一月までの完成を目指す、神宮外苑地区のまちづくりとの調和を図るという四点の要望、意見を示しております。
そこで、知事は、この新国立競技場の建設整備に対し、どのような期待や、あるいは希望をお持ちになっているのか、お伺いをしたいと思います。
○舛添知事 新国立競技場は、先ほど申し上げましたように国立ではございますけれども、二〇二〇年大会のメーンスタジアムでございまして、さらに、東京都の神宮外苑地区に所在する施設でもあります。
この観点から、今ご指摘のように、私は関係閣僚会議で四点のこの要望をお伝えいたしましたけれども、その多くが新たな整備計画に反映されております。例えばアスリートファーストやバリアフリー、レガシー、周辺環境との調和などであります。このような観点から、ぜひすばらしい施設が二〇二〇年に間に合うように完成してもらいたいと思っております。
○酒井委員 次に、前回の委員会で私どもの小山議員から、整備計画再検討推進室にオリンピック・パラリンピック準備局などの幹部職員三名を派遣した経緯についてお伺いしたところ、遠藤大臣からの協力依頼を受けての派遣であったというご答弁でございました。
知事は、この幹部職員三名の派遣に関して、大会の開催や準備に支障なく整備をされるということは当然のこととして、何を意図し、そして、具体的にどのような目的実現を託して派遣したのか、お伺いをいたします。
○舛添知事 再三申し上げますけれども、新国立競技場は大会のメーンスタジアムであるとともに、東京に存在する施設でもあります。また、限られた時間の中で、全く白紙に戻った整備計画の再検討を早期に軌道に乗せる必要がございます。
このため、都は、大会開催都市として、また地元自治体としての立場から、情報を共有し、まちづくりを初め都の政策と整合を図りつつ計画の取りまとめに協力し、大会の準備や開催に支障なく整備されるよう、職員を派遣したものでございます。これによりまして、国との連携体制はより一層強固になったと考えております。
○酒井委員 ただいまの知事のご答弁では、まちづくりなどの都の政策との整合性というお話もあったわけですけれども、まさにその部分が、東京都として、この新国立競技場を新たに計画し、そして整備をしていく上での肝の部分ではなかろうかなというふうに思っております。
それ以外のお話については、これは国に任せておいても、大会に間に合わせるようにというその思いは、当然国も持っていると思いますので、東京都の意思をどれだけこの準備の段階に伝えていくのかということが重要になってこようかと思いますけれども、そういった中で、八月二十八日、関係閣僚会議において決定をした新国立競技場の整備計画において、スタジアムの性能、工期、そしてコストの上限などが示されたわけですけれども、その内容は、ただいまお話しされたような知事の意図したところ、そして、都の政策目的と合致をしているのか、その評価について知事にお伺いをいたします。
○舛添知事 私は関係閣僚会議におきまして、過剰な機能をつける必要はないけれども、また逆に、安かろう悪かろうではならないということをお伝えしました。
新たな整備計画におきましては、コストが従前の計画より大幅に抑制されているわけでありますけれども、性能につきましては、オリンピック・パラリンピックの水準を踏まえて設定されているということ、また、世界最高のユニバーサルデザインとすることなど、随所に工夫の跡も見られると思っております。
一方、この工期につきましては、期限は二〇二〇年四月末となっていますけれども、私はずっと一月ということを主張してきたのですが、その点につきましては、事業者からの技術提案による工期短縮目標をこの二〇二〇年一月末としてありますので、大会の準備や開催に支障ないよう、ぜひともこの二〇二〇年一月までの完成を願っている次第であります。
○酒井委員 次に、新計画の選考についてお伺いをいたします。
プロポーザル方式の公募について、その選考においては、アスリートや観客の視点をしっかり取り入れた上で、その過程においては、特に透明性確保が何よりも重要になると考えますが、これらの点はこの選考に当たってどのように担保されているのか、これについては局長にお伺いをいたします。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 新国立競技場の新たな整備計画では、整備プロセスの透明化を図ることとしておりまして、これは情報公開という都の考えが反映されたものと理解しております。
公募の選考に当たりましても、事業者に対する設計条件を明確化して、公募手続開始の即日にホームページに掲載され、求める技術提案の項目や技術提案に当たっての評価基準、配点が明示されるなど、プロセスの透明化が図られております。
○酒井委員 ただいまご答弁にありましたような透明性の確保、そして選考基準等々の明確化といったものが、新しい計画が決定をされるまで、ぜひ最後まで貫かれるように、東京都としても国等に対してしっかりと目を光らせていただきたいと思います。
次に、新国立競技場の整備費の問題についてお伺いをいたします。
この問題については、先ほど来、多くの委員から、それぞれの立場からのお話がございました。この新国立競技場の整備に当たり、国が東京都に対して整備費の一部負担を求めているという問題は、都においてこれは大変苦慮する課題であろうし、また都民にとっても大きな関心を寄せる問題であろうと思います。
私どもはかねてから、国立の施設に都民の税金を拠出するには、その根拠が何よりも必要であり、何はもとより、国から得られた情報を、この都議会のみならず、広く都民に公開していくことを強く強く求めておりました。
知事もこの問題に対しては、法的根拠がなければ都が費用を出すべきではないとの趣旨の発言をされており、この発言については、地方自治体の長として誠実なお人柄を示しているものと考えております。
しかし、このたび、新国立競技場の整備に関する国、東京都の財源検討ワーキングチームが発足をされました。本来、国で整備すべき国立施設の財源検討に都が参加をするということには、少なからず違和感を感じます。前回の委員会における法的根拠を問う質問に対する局の答弁も、新たな整備計画の詳細な情報を国から提供を受けて分析し、対応について検討と、何とも歯切れの悪い答弁に終始をしていました。
そこで、知事にお伺いをいたしますが、現在においても、知事は法的根拠がなければ都が費用を出すべきではないとの立場に変わりがないのかどうか、お伺いをいたします。
○舛添知事 再三申し上げていますように、都が財政負担を行うには、当然、都民が納得できる理由が必要であります。そのためには、スポーツの振興や地域の防災機能など、都民にとってどのような受益があるのか、これが示される必要があると思っています。
その上で、現行の地方財政制度のもとにおきましては、国の事務事業に対する支出には制約がありますことから、何度も申し上げていますけれども、法的課題の解決が必要であるということであります。
こうした課題はございますけれども、この東京都の中につくる、そしてまた、大会のメーンスタジアムになるわけでありますし、さらに、都民のためのレガシーともなる新国立競技場の整備につきましては、全面的に協力してまいりたいと思っております。
○酒井委員 ただいま知事より答弁のあった、都民が納得できる理由、また、都民の受益が示されることは、都政を進める上で大変重要な視点であろうかと思います。
また、それにつけ加えて、これは本来、国の施設であるわけでして、国が負担をするのが当然であろうと思う中ではありますけれども、東京都としても協力を惜しまないという趣旨の発言があったと思います。
しかし、これらの課題あるいは東京都の役割、責任といったことがあったとしても、法令に従って運営をしている地方自治体において、法律上、行えることと行えないことを踏まえた判断、そして行動が求められるということはいうまでもないことであろうと思います。
そこで、知事のいう法的根拠あるいは法的課題といったもの、これは現行法上どのような解釈、また整理をしているのか、これは局長にお伺いをいたします。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 現行の地方財政制度のもとにおきましては、国の事務事業に対する支出には制約があるという件についてですが、国と地方との財政規律を規定する地方財政法におきまして、法律または政令で定めるものを除くほか、国の事務事業に対して地方自治体が財政支出できないという原則がございまして、このことを指しているものでございます。
○酒井委員 ただいまの局長のご答弁によれば、地方財政法上、国立の施設に東京都は財政支出をできないということであり、現時点においては、東京都が国の施設に財政負担をするという法的根拠がないということになります。
しかし、その一方で、法律または政令で定めがあれば可能であるということも、今の答弁の中からうかがうことができるわけでございますけれども、そこで知事に確認をさせていただきますが、今後、現在検討されているワーキングチームの検討結果いかんによっては、後づけの法的根拠によって費用負担をすることもあるのかどうなのか、知事にお伺いをしたいと思います。
○舛添知事 この法的整合性の問題でありますけれども、基本的に都民の納得が得られることを第一に、まず、この新国立競技場の整備や大会の準備に支障がないように、国と精力的に協議を行い、これは、今おっしゃるようにワーキングチームでこれから議論していきますけれども、その上で早期に検討内容を取りまとめて都議会にお諮りし、ご議論をいただいた上で、今、酒井委員のご質問の点につきましても、都としての結論を得ていきたいと考えております。
○酒井委員 今、知事のご答弁によると、私の質問は、後づけの法的根拠でも支出をするのか否かという話であったわけですけれども、これに対しては、今後の検討結果のいかんによって都としても検討していく、現時点では確定をしていないというふうに理解させていただきたいと思います。
この二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会の成功といったものは、多くの国民、都民が望んでいることであろうと思います。この間、新国立競技場計画の見直し、大会エンブレムの白紙撤回と、水を差すような、そういった事態が続いております。新国立競技場の整備計画並びに建設においては、これら過去の教訓をしっかりと生かしていかなくてはなりません。
これまでは、都が関与できない国やJSC、また組織委員会の問題でもありましたが、今後、新国立競技場に関する事柄は、東京都もさまざまな場面でこれに絡んでおりますので、都も一定の責任を担わなくてはならないということになろうかと思います。
この財政負担の問題については、今後、検討ワーキングチームの検討いかんによって、その方向性といったものは東京都としても検討していくということであり、先ほど来の知事の答弁をお伺いしていると、東京都として全く負担をすることがないということではないと。負担も検討の俎上に上がるというニュアンスのご答弁であったと思うわけですけれども、しかし、この問題、法的な問題等がクリアをされたとしても、東京都が野方図に幾らでもお金を出しても構わないという話ではなかろうかと思います。
これまでも、都の役割、国の役割、組織委員会の役割と、それぞれの役割に基づいてこの準備を進めているわけですから、東京都が国に対して協力をするのであっても、そこについては一定の原則、その原則を考えていく上での当然の根拠といったものは、都民の皆さんのご理解、ご納得が得られるのかどうなのかということが一つの物差しになってこようかと思います。
この財政負担の問題については、将来に禍根を残すことがないように、都議会のみならず、都民にしっかりと情報を公開し、透明性の確保に努め、都民の理解が得られる対応をしていただきたいと改めてお願いをし、この点についてはご要望とさせていただきたいと思います。
以上です。
○石川委員 新国立競技場の暑さ対策についてお伺いいたします。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催について、今までに都議会の中でも、猛暑の時期を外すべきだという強い意見もあったわけでありますけれども、都は、IOCの規定で、オリンピックは七月十五日から八月三十一日の間で開催し、パラリンピックを合わせて六十日間以内で実施をすることとなっており、学校が夏季休暇となり、多くの人が参加しやすく、他の大規模な国際大会と重複せず、開催時期としては適切と考えると答弁をいたしております。
IOCの規定でやむを得ないというふうに思うわけでありますけれども、しかし、ことしの五輪期間中の気温が三十五度以上の猛暑日は、何と十日を数えております。また、湿度も高く、アスリートにとっても、観客にとっても、とても適切な時期とはいえないわけであります。
下村文部科学大臣も、スタジアムに冷房は入れた方が望ましいと発言をしたわけでありますが、しかし、今回、公表されております新国立競技場の整備計画からスタジアムの冷房計画は外されているわけでありますけれども、冷房計画が外された理由についてお伺いいたします。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 新国立競技場の座席空調の設置につきましては、次の三点の理由を勘案しまして見送ることとした旨を、九月二日の衆議院文部科学委員会における遠藤担当大臣の答弁により承知しております。
一点目は、仮に座席空調を設置したとしても効果は二、三度程度であり、年間の使用日数も多くないと考えられること。二点目は、屋根が開放した状態で座席空調を使用しているスタジアムは、世界的に見てもほとんど例がないこと。三点目は、維持管理コストが使用日数の割にかなりかかると見込まれること。
以上でございます。
○石川委員 気温の二、三度は、障害をお持ちの方などには特にばかにできない数値だろうというふうに思います。冷房計画が外されたのは、一千五百五十億円という予算枠が先行したことが原因とも思われるわけであります。
新国立競技場は酷暑の東京に建設されるわけです。二〇二〇年オリンピック・パラリンピックが北の北海道で開催されるならば、スタジアムの暑さ対策は東京とは異なってくることは当然といえるわけであります。今回の新国立競技場は、オリンピック・パラリンピック終了後も長期にわたって使用し続け、しかも東京にあり続けるわけであります。
そこで、今回、冷房計画は外されたわけでありますけれども、先ほど来の答弁で、スタジアムの本体の負担についても、都もあり得るというような答弁もされているわけでありますけれども、夏の東京の酷暑は地域的なものであることから、観客席の冷房設備の全てではなく、一部でも都の負担によってでも冷房席を導入することができないか。都民の受益にもかなうというふうにも考えられますので、考え方をお伺いいたします。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 先ほどご答弁いたしましたけれども、新国立競技場の座席空調につきましては、費用に対して空調の効果が限定的であることなどから見送ることとしたと承知しております。
なお、こうした条件に基づきまして、事業主体である独立行政法人日本スポーツ振興センターにおきまして、既に九月一日から事業者向け公募手続が開始されているところでございます。
○石川委員 ぜひ引き続き、冷房計画については検討していただきたいというふうに思いますけれども、暑さ対策は、いずれにしろ欠かすことができないわけであります。同じことは、国会でも、また、さまざまなメディアも取り上げているわけであります。
それならば、酷暑対策に具体的にどのような方法が考えられるのか、お伺いいたします。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 新国立競技場の暑さ対策、熱中症対策でございますが、これにつきましては、予防対策、スタジアム内の医療施設の充実、医療機関との連携強化などを図り、しっかりと対応していくと聞いております。
具体的には、建物形状の条件として、観客席の観戦環境、フィールドの競技環境の向上、例えば夏季の熱中症対策などの暑さ対策などや芝のメンテナンスのため、通風等の採涼に配慮した計画とするとされております。
また、予防対策としましては、空調設備を備えた休憩室を整備することや、入退場ゲート付近にミスト冷却などの設備を設置することなどとされております。
○石川委員 施設のハードの計画に対策がほとんど見られないのは大変残念なわけであります。パラリンピックは特に、心身にハンディキャップをお持ちの多くの観客の皆さんが世界から来られるわけであります。とりわけ暑さ対策が求められるわけであります。
そこで、新国立競技場で開催されるパラリンピックのバリアフリー対策や観客の安全対策はどのようになっているのか、お伺いいたします。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 新国立競技場のバリアフリーにつきましては、新たな整備計画におきまして、基本理念の一つとして、世界最高のユニバーサルデザインが掲げられており、IPCのアクセシビリティーガイドを踏まえ計画することとされております。
また、安全対策につきましては、競技やイベントの開催時には多数の観客などが集まることから、観客などの安全の確保を特に考慮して計画することが事業者に求められております。
○石川委員 頸椎損傷などの障害をお持ちの方は、体温調節などができない人が少なくなく、暑さは命にかかわる問題でもあります。二〇二〇年五輪開催時、車椅子席が四百五十席で、その数や動線等についても障害者の意見をよく聞き、対応していかなければならないことと、暑さ対策も引き続きしっかりとしたもの、できるならば世界一のものにしていただきたい、このことを求めて、次の質問に移ります。
新国立競技場建設についてお伺いいたします。
新国立競技場の建設計画が、俄然、都民、国民の強い関心を引くきっかけとなったのは、下村文部科学大臣から知事に、東京都が五百億円負担することを会談の中で求められたことに始まるといえます。
もちろん、当初の新国立の建設費が一千三百億円から始まり、ザハ・ハディド氏の案をそのまま進めていけば三千四百六十二億円になることが、建設にかかわる共同企業体からJSCに二〇一三年の段階で既に報告をされていましたが、広く公表されていたわけではありません。一般国民には細切れの情報ばかりで、建設予算も財源も明確になっておりませんでした。そんなことから、特に知事は、正確な情報を公開することが必要であることを、国に対して事あるごとに求めてきました。
そして、下村大臣と面会した際、一千六百二十五億円の建設費が示され、その後、間もなくして、二千五百二十億円とさらに金額が増大をしたわけであります。
また、知事は、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催までに屋根を含めた新国立競技場の完成が間に合わなくなったことに対しても、国の施設計画である以上、この不手際に対して、国のどこに責任があるのか、明確にすることを求めてきたわけであります。
既に一千兆円を超える借金を抱える我が国において、国民、世論は敏感で、新国立競技場計画についても、増大する建設費を許容するのではなく、縮小することを求めており、安倍内閣総理大臣は、新国立競技場問題について、世論の反発も察知してか、七月十七日に、二〇二〇年のメーン会場となる新国立競技場の建設計画を白紙撤回する決断に至ったわけであります。
私どもも、遅きに失したとはいっても、総理の白紙撤回を支持するとともに、知事の情報公開と責任を明確にせよとの、この間の政府との直接のやりとりや情報発信に対しては、その姿勢とその結果を高く評価するものであります。
そこで、改めて、この間の新国立競技場問題に対する国の情報公開に対する知事の基本的な見解をお伺いいたします。
○舛添知事 新国立競技場の整備計画の白紙見直しから、ごく短期間で新たな計画が策定できましたのは、この間の検討結果を節目節目で情報公開することで、都民、国民の間に理解が得られていったことも、その背景にあると考えております。このように透明性の高いプロセスを踏んで説明責任を果たしていくことが、物事を進めるに当たって最も大切なことだと考えております。
○石川委員 前回の本委員会においても、私は、佐野氏が原案をつくり決定したエンブレムの問題について盗用疑惑があることを、さまざまなメディア等で議論となっており、東京都も、エンブレムにかかわる作業を中断して、少し様子を見るべきだと発言をいたしました。知事も、早い時期から商標権と著作権の問題を指摘しておりました。
このエンブレムの取り消しも、新国立競技場の白紙撤回も、いわばその判断は支持するわけでありますが、このことの責任が全く明らかにされていません。
前回のこのオリンピック・パラリンピック委員会において、新国立競技場問題の責任者は安倍内閣総理大臣であることを、総理自身が国会の答弁で表明したことを指摘いたしました。最終責任者としてそのとおりなわけでありますけれども、全ての公務の責任を一々、総理大臣がとることは不可能であり、そのために組織があり、省庁も存在をしているわけであります。
新国立競技場は白紙に戻ったわけですが、既に六十二億円という国民の財が投入され、しかも、何も生み出していないわけであります。いわゆる、どぶに国民の財が捨てられたといっても過言ではないわけであります。
私も稲城市長を二十年務めさせていただきました。その際、職員には、組織を健全に運営するためには信賞必罰を旨とすることを表明し、また、実行してまいりました。
信賞必罰について、経営の神様といわれた松下幸之助氏は、信賞必罰、すなわち罰すべき罪過ある者は必ず罰し、賞すべき功ある者は必ず賞せよということ、これは人間が存在する限り、程度の差はあっても絶対に必要なことであろう、これが行われない国家社会は、次第に人心がうみ、やがては必ず崩壊してしまうだろう、国家だけではない、会社、集団、家庭どこにおいても、これは決してないがしろにされてはいけないことだと思うと述べております。そのとおりだと思います。
新国立競技場が白紙に戻ってしまったぶざまな結果に対して、その責任のあり方を知事はどのように考えているのか、お伺いいたします。
○舛添知事 今ご指摘のように、新国立競技場の整備計画という国家的な計画が、しかも、一部契約行為にまで進んだものが白紙に戻り、ゼロベースで見直されることとなったのは極めて異例であります。今度は絶対に同じ轍を踏むことがあってはならないし、二度と失敗することは許されないと考えております。
そのためには、原因をきちんと検証し、組織としてどのような対応をとるかということが重要であります。国におきましては、既に新国立競技場整備計画経緯検証委員会で今検証を行っているところでございまして、今後、その経緯や責任の所在が明らかになるものと考えてございます。
○石川委員 検証委員会等に委ねるのではない責任のとり方があったのではないかと、あえて指摘をさせていただきたいと思います。
二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの決定は、特に失われた二十年などといわれるバブル経済の破綻後のデフレ経済下で育った若者に、夢と希望を与えることができる大きな目標となったといえるわけであります。ですから、国、都、組織委員会、JSCが一体となって目標に向かっていくことによって、オリンピック・パラリンピックに向かっていく国民のエネルギーをなえさせてしまう雰囲気を払拭していく必要があると思います。
今後、今までのような失態を繰り返さないために、責任体系が明確な組織とするために、知事はどのようなことが求められるとお考えですか。
○舛添知事 この責任体系の明確化ということでございますけれども、関係閣僚会議で、的確な工程管理と検討結果を節目節目で情報公開して、都民、国民に丁寧に説明して納得を得ることが重要であると、その旨をお伝えいたしました。この考え方は、新たな整備計画に関係閣僚会議による準備プロセスの点検や定期的な公表を行うということで反映されていると考えております。
○石川委員 都が全体の計画を担っているわけではないわけでありますけれども、結果は全て共有しなければならないわけであります。ですから、今まで以上に積極果敢に対応していただきたいと思います。
最後に、オリンピック・パラリンピック開催都市の代表として、その成功に向けて知事の決意をお伺いし、質問を終わります。
○舛添知事 新国立競技場につきまして、本年七月に安倍総理が整備計画見直しを表明して以降、わずか一月余りで新たな計画が策定されましたけれども、この間、私自身の関係閣僚会議への出席、さらに職員の派遣など、都として全面的に協力してまいりました。
また、新国立競技場以外にも、オリンピック・パラリンピックの準備におきまして、さまざまな課題が山積しておりますけれども、その解決に向けまして、オールジャパンで英知を結集して、国や組織委員会などと一致協力して都民、国民の納得を得ていくことが何よりも重要であると考えております。
今後とも、大会の成功に向けまして、関係者との信頼関係をさらに強固なものとし、密接な連携を図りつつ、都議会の皆様のご協力も仰ぎながら、大会開催都市の長としての責任を果たしてまいりたいと思っております。
○山内委員 新国立競技場の整備計画の見直しに関して、まず初めに、暑さ対策についてお伺いしたいと思います。
生活者ネットワークは、オリンピック開催の七月二十五日から八月九日、パラリンピック開催の八月二十五日から九月六日の東京は高温多湿で、選手に限らず、観客にとっても苛酷な時期での開催になることから、熱中症等を危惧してまいりました。
実際に調べてみたところ、ことしの東京の気温は、オリンピック開催の予定の七月二十五日から八月九日の十六日間、全てが三十度以上の真夏日でした。そのうち、三十五度以上の猛暑日は半分を占める八日間、熱帯夜も十四日間という厳しいものでした。
例年の記録でも、この期間が夏の暑さのピークとなっており、五十年前の一九六四年の東京五輪でも、連日真夏日でした。開催日を十月にしたことは、賢明な選択であったと思います。
当初、ザハ案の計画では、緑は確保し、地上部上の緑化面積は約七割を確保する計画となっていると聞いておりました。私は、大地に植えられる樹木が七割なのかと思って喜んだのですが、詳しく聞いてみると、地上部の上の緑化面積というのには壁面緑化も含まれているのだそうです。
自然な土地の植栽をふやして、大地に根を張り、木陰を生み、雨水を浸透させていくということが本来は重要です。人工地盤上の植栽では、大地との水循環が遮断され、建築構造の寿命から見ても、百年を超えて永続していく森に成長していくことは不可能であり、また、人工的につくった地盤上に計画された樹種では木陰がほとんど確保されずに、オリンピック開催時の猛暑における熱環境は苛酷なものになると指摘する専門家もおられます。
人工排熱の増加や、建築物や舗装面の増大で地表面が人工化されることなどによるヒートアイランド現象の対策は重要です。ザハ案の新国立競技場計画では、オリンピック開催時の熱環境は極めて苛酷であり、観客の熱中症のリスクが増大すると指摘されていました。これは、競技場周辺が人工的な地盤になり、緑が少ないからだと考えますが、新たな整備計画での対応について、知事の見解をお伺いいたします。
○舛添知事 私は関係閣僚会議におきまして、新国立競技場の整備に当たりましては、地区計画を踏まえて、緑豊かな歴史と風格ある都市景観との調和を図っていただきたいと、その旨をお伝えいたしました。その結果、新たな整備計画の基本理念に、明治神宮外苑の歴史と伝統ある環境や景観等と調和ということが位置づけられております。
今後、この点に関して、国において適切な対応がなされるものと考えてございます。
○山内委員 神宮の森は、都心に残された貴重な緑の固まりであり、明治神宮内外苑付近は、一九二六年、東京の風致地区第一号に指定されました。以来九十年、風致地区として、自然的景観と建築物の調和が保たれ、涼しさや生態系を維持するとともに、憩いの場所として多くの都民に愛されています。
ザハ案の競技場にはスポーツ博物館や図書館も整備するために、非常に巨大な施設となっていました。また、新国立競技場建設に伴って日本青年館の移転が必要となり、移転予定地は、神宮野球場の向かい、国立競技場西テニス場のところに、高さ七十二メートルものビルを建てることも明らかになっています。
都は、ザハ案決定後の二〇一三年六月、この案を追認する形で地区計画を定め、建築制限を大きく緩和いたしました。本来なら、コンペの要項に都市計画変更の予定を記載し、さらに、記載する前に都市計画審議会で意見を聞くといった対応を行うべきだと考えます。
もともとの風致地区の基準は、建蔽率四〇%以下、高さ十五メートル以下です。これを建蔽率七〇%、高さ七十五メートルまでとしました。基準より高さが五倍になるということです。ただ、実際には、既に建てられた約三十メートルの建物があるわけですから、それと比べても、ザハ案では二・五倍の高さになります。
そして、さらに立体都市公園制度を導入いたしました。地面に根づいている木を伐採し、建築物の上に公園をつくることで緑地確保を図る考えのようですが、それで風致地区の趣旨を尊重することになるのか、大いに疑問です。
生活者ネットワークは、オリンピックという国家プロジェクトだからといって、貴重な自然をなし崩しに壊し、東京の貴重な財産を失ってはならないと主張してきました。ザハ案がなくなり白紙に戻ったのですから、都市計画を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 新国立競技場の施設規模につきまして、旧計画と同様という考え方でございます。旧計画の範囲におさまるものであることから、都市計画の提案者である独立行政法人日本スポーツ振興センターと、都市計画手続を所管する都市整備局からは、現状の都市計画を変更する予定はないと聞いております。
○山内委員 本当に残念だと思います。せっかくゼロベースとしたのですから、規模について配慮をしてほしいと思います。
メーンスタジアムとその周辺環境を、どのようなビジョンを持って未来に残すかが重要です。一九六四年の東京オリンピックの際に暗渠化した渋谷川については、開渠にすることによって、熱環境、景観の改善、健全な水循環の回復、生態系の回廊の形成をすることが、未来へのレガシーの一つになるのではないでしょうか。下水処理技術が進んでいる東京都だからこそ、清流の復活が可能であると考えますが、見解をお伺いいたします。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 渋谷川は、現在、都立明治公園沿いに埋設され、暗渠化された下水道千駄ヶ谷幹線となっております。この下水道幹線は、既に移設工事に着手していると聞いております。
○山内委員 ザハ案の新国立競技場の建設のために多くの樹木が伐採され、JSCが負担したとはいえ、九億円もの経費をかけて都立明治公園用地内の下水道の移設工事が行われてしまいました。
ザハ案については決定当初から、建築専門家や市民団体等から、巨大過ぎる、デザインが外苑周辺にそぐわしくない、総工費が膨れ上がるなどなど噴出しており、見直しをするチャンスは何度もあったはずです。特に悔やまれるのが、新国立競技場を全て取り壊してからの見直しになったことです。
都立明治公園内には、まだ伐採されずに残っている樹木があると聞いています。今、公募が行われている新国立競技場計画はどのようなものが採用されるのかわかりませんが、都としては、残された樹木や自然を生かした、緑陰や風の道などに配慮した外苑周辺と調和する美しい暑さ対策の地域にしていただきたいと思います。
次に、インクルーシブ、ユニバーサルデザインについてお伺いいたします。
知事は、第二回定例会の所信表明で、障害の有無にかかわらず同じように生活ができるバリアフリーの環境を整えることが求められている、国や組織委員会とともに、障害のある人も利用しやすい大会施設などの基準を検討している、車椅子の配置や通路の確保、座っていても見やすい席の高さなど設計を工夫することで、全ての人が安心して競技の興奮を味わえるものにしていくと述べられました。
ところが、障害者からは、新国立競技場の車椅子席は国際基準を満たしていない、座っていても見やすい席の高さ、つまりサイトラインも配慮されていない、障害がある方に使い勝手のよいトイレとなっていないなど、ユニバーサルデザインへの配慮がなかったという指摘がありました。
知事は、六月議会で、生活者ネットワークの質問に対し、前回の東京大会から五十年以上を経て行われる二〇二〇大会は、価値観が多様化した成熟都市東京での開催で、相互理解、多様性の尊重などのオリンピズムを普及させることが重要だと考えている、二〇二〇大会では、多様性と調和を大会ビジョンの基本コンセプトの一つとしており、世界の人々がスポーツの力を通じて、人種、性別、性的指向、言語、宗教、障害の有無など、あらゆる面での違いを肯定し、互いに認め合う社会を育む大会を目指す、二〇二〇大会の成功を通じて、全ての人が生き生きと暮らすことのできる真の共生社会を実現できるよう取り組んでいくと答弁されました。
これから計画される新国立競技場は、インクルーシブなスタジアムにすべきと考えます。ロンドンでは、オリンピック・パラリンピック開催を機にユニバーサルデザインが進んだと聞いています。そこで、新国立競技場はどのようなスタジアムになるべきか、ロンドンを視察された知事の所見をお伺いします。
○舛添知事 私は関係閣僚会議に出席いたしまして、観客の皆さんが心地よく観戦を楽しめるようにすることも重要であります、例えば、座席や歩行者動線などのバリアフリー化を図るなど、アクセシビリティーの確保も重要でありますと、こういう点を申し述べてまいりました。
新たな整備計画では、基本理念の一つとして、世界最高のユニバーサルデザインということがうたわれてございます。オリンピックももちろんですけれども、パラリンピックを成功させてこそ、二〇二〇年大会全体の成功といえるものでありまして、真に東京が成熟した都市であることを示すものとなります。
今ご指摘のように、新国立競技場が、多様な利用者の意見を踏まえまして先進的なユニバーサルデザインの施設になるよう、都としても引き続き求めてまいりたいと思っております。
○山内委員 東京は、万全な大会を開催できるとアピールして、二〇二〇年五輪の招致をかち取りました。ところが、メーンスタジアムの新国立競技場設計計画に続き、エンブレムも、公表された後に白紙撤回を余儀なくされました。
知事はこれまで、インタビューで、新国立競技場や公式エンブレムの混乱について、決定プロセスの不透明さが一因であるとし、情報公開の徹底を訴えてこられました。ブログでも、新国立競技場の見直しについて、安倍総理は一カ月前から見直しを検討したというが、それなら六月二十九日になぜ政府案を決定したのか、国民に情報公開をしながら合意形成を図るべきと書いておられます。
今後計画される新国立競技場について、都民の理解を得るために、情報公開の徹底をどのようにすべきとお考えか、知事にお伺いします。
○舛添知事 私は関係閣僚会議におきまして、検討結果を節目節目で情報公開して、都民、国民に丁寧に説明し、納得を得ることが重要である旨をお伝えしてございまして、この考え方は、既に新たな整備計画に反映されております。
都としましては、引き続き、この計画に基づきまして、整備プロセスの透明化が図られるように国に求めてまいりたいと思っております。
○山内委員 この間の迷走の原因は、責任の所在や権限が曖昧で、情報公開が徹底されていなかったとの指摘もあります。
ところが、九月八日、国立競技場の整備に関する国、東京都の財源検討ワーキングチームが発足いたしましたが、内容については非公開と聞きました。相変わらず閉鎖的であり、非常に残念です。知事には、くれぐれも同じ轍を踏まないよう、情報公開を求めていっていただくよう要望いたします。
二〇二〇オリンピック・パラリンピック開催まで五年を切りましたが、とにかくオリンピックだから金はかかるんだ、オリンピックだから二千五百億円くらいは仕方がないという発想はもはや通用せず、その段取りには明らかにほころびが見えています。オリンピックは、無理をせず、シンプルに、将来の負担にならないようにすると考える多くの世論が白紙撤回に転換させたといえます。同じ白紙撤回が決まった公式エンブレムのデザイン問題についても同様のことがいえます。
こうした白紙騒ぎを経て、オリンピックの準備体制そのものも刷新されることが求められています。
新国立競技場だけではなく、東京都も各種競技施設の大幅な予算オーバーという問題も出ており、今こそ都としても、身の丈に合った大会となるよう、しっかり取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○山崎委員 知事、私がきょう最後の質問者になりますから、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
我々都議会自民党として、きょうは吉原副委員長が質問に立たせていただきました。そういった質問も踏まえて、私の方からも、最後に何点か質問させていただきたいと思います。
まず、質問に入る前に、オリンピック・パラリンピックを成功させるための取り組みについて一言申し上げておきたいと思います。
このような一大イベント成功に向けて、多くの方々の協力を得ながら、五年をかけて取り組んでいくとき、さまざまな条件整備を着実に進め、戦略的かつ計画的に事業を進めていくことが欠かせないわけであります。
しかし、最も大事なのは、全てのこの事業にかかわる方々が、一〇〇%、一〇〇%の力を結集するという強い気持ちと互いの連帯感があると私は考えます。
そして、舛添知事は、こうした連帯の中心人物として、関係する方々の熱意を力強く後押ししていく立場と考えます。この目に見えないきずな、熱い思いが、最終的にオリンピック・パラリンピックの成功を左右すると確信しております。
先ほど、我が党の吉原副委員長の質問に対して、これまでの幾つかの知事の言動に対し、批判を真摯に受けとめ、肝に銘じて、これから開催都市の長として、都知事として取り組んでいくというご答弁がございました。
しかし、私は、知事の今までのいろいろなところでの発言、本当に、大変重い責任の知事をもっと認識していただかねばなりません。先ほど知事は答弁で言っておられましたが、これからの知事の姿勢次第だと、我々都議会自民党はそう思っております。
五年後の成功に向けて、決まったレールが敷かれているわけではありません。ひとときも歩みをとめることなく、前を向いて、先頭に立って道を切り開いていく上で、知事の言動は非常に大きな影響があります。このことを常に念頭に置いていただいて、都議会とともにオリンピック・パラリンピックの成功に取り組んでいくことを、まず要望したいと思います。
続いて、財政問題についてですが、知事からは、先ほど、神宮外苑地区をスポーツのメッカにするという大きな視点で、必要な条件整備を国とともに取り組み、周辺整備、本体工事を含め、都として新国立競技場建設に全面的に協力するとのお話がありました。
新国立競技場は、これまで幾つかの質疑がありましたが、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックのためだけの施設ではなく、大会後のしっかりとしたレガシーとなる施設であるわけです。新国立競技場建設の重要性を正しく認識していただいて、開催都市の知事として、課題解決に全力で取り組んでいただきたいと思います。
そこで、再度お尋ねをいたします。財政問題も含め、新国立競技場の建設に全面的に協力をしていく知事の決意を改めてお聞かせいただきたいと思います。
○舛添知事 私は、昨年二月、知事に就任して以来、最大の仕事の一つとして、この二〇二〇年大会の準備に邁進してまいりました。
新国立競技場について申し上げれば、本年七月に安倍総理が整備計画見直しを発表して以来、わずか一月余りで新たな計画が策定されましたけれども、この間、私自身、関係閣僚会議へ出席いたしましたし、また職員を派遣するということなどで、都として積極的に協力をしてまいりました。
今、山崎委員ご指摘の都の財政負担でございますけれども、この検討について、都民の納得が得られることを第一に、引き続き国との協議を進め、早期に協議内容の取りまとめを行って、都議会のご審議を賜った上で、都としての結論を得ていきたいと思っております。
今後とも、大会開催都市の長としての責任を果たすべく、新国立競技場整備の各段階で、国に対して全面的に協力してまいりたいと思っております。
○山崎委員 知事が今いわれた、都民の納得が得られることを第一に、これはすごく重要なことですよ。しかし、我々も都民の代表であります。選挙で勝ち抜いてきて、我々も都民の代表であるから、二元代表制ということもしっかりと知事もわかっておられますから、我々とともにしっかりやっていきたいと思いますので、もう一度、知事、知事の言葉で答弁ください。
○舛添知事 都民の皆様方、そして国民の皆様方のために、すばらしいスタジアムをつくるということでございますから、都議会の皆さんと真摯に協議をし、すばらしい結論を得ていきたいと考えております。
○山崎委員 議会との関係という観点から、もう一点申し上げておきます。
我々自民党は、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックを成功に導くために、これから本格化する新国立競技場の整備計画はもちろん、さまざまな課題について、しっかりと知事と議論をしていきたいと考えております。
本日の質疑を踏まえ、第三回定例会での代表質問、そして、一般質問、各常任委員会において、知事と一つ一つ議論をしながら、大会成功に邁進する覚悟であります。都民、国民への情報の発信も大変重要なことですが、東京都知事舛添要一さんとして、オリンピック・パラリンピック開催都市の知事としての所管する案件について都議会と議論をしていくに当たっての知事の姿勢を改めてお聞かせいただきたいと思います。
○舛添知事 山崎委員、先ほどおっしゃいましたように、二元代表制でありますから、都議会も私も都民を代表する立場でございます。そういう観点から、あらゆる機会を通じて議論を重ねていって、都民にとって最もいい結果を出したいと思っております。
○山崎委員 冒頭申し上げましたが、これだけの大事業は、大会にかかわる全ての人が心を一つに一〇〇%の力を発揮しなければ、成功には導くことができません。一〇〇%の力というのは、やはりしっかりとした、しっかりとした信頼関係がなければ話にならないわけであります。
法的、制度的な整理など、さまざまな課題整理は当然でありますが、何より大事なのは、都民、国民の皆様に、力を合わせてオリンピック・パラリンピックを成功させようという気持ちになっていただくことが大変重要であります。
この国民、都民の皆様にそういう気持ちになっていただくことを牽引するのが知事の役割であって、我々都議会自民党もそういったところは同じ思いでありますから、ぜひその点はしっかりと知事--また、いろいろなことが白紙に戻って再スタートも切っております。そういったところをしっかりと認識していただいて、知事の姿勢をまた改めていただきたいことを私からも強く要望させていただきたいと思います。
そして、知事みずからが開催都市の知事として前向きな姿勢で取り組んでいただき、熱い思いを都民や国民に発信していくこともまた重要であります。
それ以上に、オリンピック・パラリンピックは、知事の専管事項ではなく、二元代表制のもと、我々都議会とともに取り組んでいくべきであります。これからも多くの困難が恐らく待ち受けており、国内外からも批判を受けることもあるかもしれません。そのときには、自分一人でやるのではなく、国や都、組織委員会、JOC、IOCなど、そして、何度もいいますけれども、我々都議会とともに解決に向けてやっていきたいと思いますので、知事、よろしくお願いをしたいと思います。
今後も、知事の対応、これからの知事の言動や知事の対応をしっかり見させていただくことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○高島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたし……そこ、静かに。
理事者は傍聴していて、委員会終わっていないんだったら、出るんじゃないよ。だめだぞ。よくいっておくように。
異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時十一分散会
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