オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会速記録第十六号

平成二十七年四月十日(金曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 十八名
委員長高島なおき君
副委員長畔上三和子君
副委員長小磯 善彦君
副委員長吉原  修君
理事橘  正剛君
理事秋田 一郎君
理事吉田 信夫君
小林 健二君
石川 良一君
山内れい子君
小山くにひこ君
徳留 道信君
山崎 一輝君
鈴木 隆道君
林田  武君
川井しげお君
立石 晴康君
酒井 大史君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長中嶋 正宏君
次長理事兼務岡崎 義隆君
技監佐野 克彦君
技監邊見 隆士君
技監石山 明久君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長加藤 英典君
準備会議担当部長矢部 信栄君
自治体調整担当部長井上  卓君
事業推進担当部長福崎 宏志君
計画調整担当部長鈴木 一幸君
大会準備部長延與  桂君
連絡調整担当部長浦崎 秀行君
運営担当部長児玉英一郎君
競技担当部長根本 浩志君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
施設輸送担当部長花井 徹夫君
施設輸送担当部長荒井 俊之君
施設調整担当部長小室 明子君
施設整備担当部長小野寺弘樹君
選手村担当部長安部 文洋君
スポーツ推進部長早崎 道晴君
国際大会準備担当部長土屋 太郎君
スポーツ施設担当部長三浦  隆君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
副委員長の互選
理事の互選
報告事項
・平成二十七年度における競技会場等整備の予定について(説明)
・二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案について(説明)
・二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況等について(質疑)

○高島委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員の辞職及び選任について申し上げます。
 議長から、去る四月七日付をもって、地方自治法第百二十六条ただし書きの規定により、村上英子議員の辞職を許可した旨、また、同日付をもって、秋田一郎議員を本委員会委員に選任した旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員を紹介いたします。
 秋田一郎委員でございます。

○秋田委員 秋田一郎です。よろしくお願い申し上げます。

○高島委員長 紹介は終わりました。

○高島委員長 村上英子議員の辞職に伴い、副委員長一名が欠員となっておりますので、これより副委員長の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○小山委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名をしていただきたいと思います。

○高島委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には、吉原修理事をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には、吉原修理事が当選されました。
 吉原副委員長より就任のご挨拶があります。

○吉原副委員長 ただいま高島委員長よりご指名をいただきました副委員長の吉原修でございます。当委員会のオリンピック・パラリンピック大成功に向けて、職責を果たしていきたいと思っておりますので、どうぞ委員の先生方、よろしくお願いいたします。

○高島委員長 次に、吉原理事の副委員長就任に伴い、理事一名が欠員となっておりますので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○小山委員 委員長の指名推選によることとし、直ちに指名をしていただきたいと思います。

○高島委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 ご異議なしと認めます。よって、理事には、秋田一郎委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。よって、理事には、秋田一郎委員が当選されました。

○高島委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○高島委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の担当書記の光永玲子さんです。榎本徹君です。
 調査部の担当書記の小西拓君です。
 よろしくお願いをいたします。
   〔書記挨拶〕

○高島委員長 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項、平成二十七年度における競技会場等整備の予定について及び二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行います。ご了承願います。
 初めに、先般の人事異動に伴い、本委員会に出席する幹部職員に交代がありましたので、局長から紹介があります。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 四月一日付の組織改正及び人事異動により変更のありましたオリンピック・パラリンピック準備局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 大会準備調整担当理事の小山哲司でございます。調整担当部長の雲田孝司でございます。自治体調整担当部長の井上卓でございます。運営担当部長の児玉英一郎でございます。パラリンピック担当部長の萱場明子でございます。なお、萱場部長は障害者スポーツ担当部長を兼ねてございます。施設輸送担当部長の花井徹夫でございます。同じく施設輸送担当部長の荒井俊之でございます。施設調整担当部長の小室明子でございます。選手村担当部長の安部文洋でございます。国際大会準備担当部長の土屋太郎でございます。最後に、本委員会との連絡を担当いたします総務課長の中嶋初史でございます。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○高島委員長 紹介は終わりました。

○高島委員長 次に、理事者から、平成二十七年度における競技会場等整備の予定について及び二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○花井オリンピック・パラリンピック準備局施設輸送担当部長 それでは、私から、平成二十七年度における競技会場等整備の予定について及び二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案概要版の二点の報告事項につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます資料第1号、平成二十七年度における競技会場等整備の予定についてをごらんください。
 東京都が整備を予定している競技会場等の整備に関する現在の状況と二十七年度の予定及び予算等を記載しております。
 さきの第一回定例会におきまして予算のご審議を賜り、ご承認をいただきました。本日は、年度当初に当たり、本年度における整備の予定等につきまして、改めてご報告させていただくものです。
 なお、債務負担行為があるものにつきましては、二十七年度予算額の欄にあわせて記載しております。
 資料に沿いましてご説明いたします。
 まず、1、オリンピックアクアティクスセンターから、3、有明アリーナの三施設につきましては、既に基本設計に入っております。二十七年度は引き続き基本設計を進め、完了後は実施設計に着手いたします。
 その際、実施設計と工事を設計施工一括発注方式、いわゆるデザインビルド方式により、一括して発注する予定でございます。
 なお、3の有明アリーナの予算額につきましては、用地の所管がえの経費を含めた額となっております。
 次に、4、若洲ヨット訓練所から、7、夢の島公園アーチェリー会場の四施設につきましては、現在、会場内の施設配置などを検討しており、順次基本設計に着手する予定でございます。
 なお、若洲ヨット訓練所におけるセーリング競技につきましては、競技海域での空撮に係る航空管制上の制約等について、これまで関係者と調整を進めてまいりましたが、現段階で課題が残っており、非常に厳しい状況にございます。
 そのため、航空管制等の調整と並行して、今後、組織委員会、競技団体とともに、代替会場となる既存施設についても調査、検討を開始いたします。六月に予定されているIOC理事会において、残る十競技の会場の検討状況を報告する予定であるため、それを目途に調整を進めてまいります。
 8の武蔵野の森総合スポーツ施設につきましては、既に平成二十五年十二月から建設工事に着手しており、引き続き工事を進めてまいります。
 また、その他の欄に記載のとおり、武蔵野の森総合スポーツ施設につきましては、オリンピック・パラリンピック環境影響評価書案を三月に公表しております。
 なお、同時に、欄外の注記に記載のとおり、オリンピックスタジアム及び選手村につきましても、環境影響評価書案を公表しております。
 9、有明テニスの森につきましては、現在、改修計画を検討中で、二十七年度には改修に向け基本設計に着手する予定でございます。
 10のIBC、国際放送センター、MPC、メーンプレスセンターとなる東京ビッグサイトにつきましては、現在、所管であります産業労働局におきまして、増築の基本設計を行っております。基本設計完了後、実施設計に進む予定でございます。
 続きまして、資料第2号、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案概要版をごらんください。
 この環境影響評価は、大会の開催に伴う会場の施設の整備、運営等による影響につきまして、東京都環境局の指針に基づき、東京都が任意で自主的に実施している環境アセスメントでございます。
 先ほどの資料第1号、競技会場等整備の予定についてにてご報告いたしましたが、今回は、オリンピックスタジアム、武蔵野の森総合スポーツ施設、選手村の三施設についての評価書案を三月二十五日に二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック環境アセスメント評価委員会に報告しております。資料第2号はその概要版でございます。
 なお、今回の評価書案は、既に計画が具体化している部分を対象とし、仮設工作物や大会開催中に係る環境影響評価要因は対象としておりません。それらにつきましては、今後の計画の熟度に応じて、別途実施いたします。
 また、今回対象としていないほかの施設につきましても、順次実施してまいります。
 お手元の資料第2号の一九ページをごらんください。
 オリンピックスタジアムにつきましては、評価項目と評価の結論が記載されております。オリンピックスタジアムにつきましては、表の項目にございます1、大気等から始まり、全体で二十五の評価項目がございます。
 1、大気等につきましては、大会開催前の工事用車両の走行及び建設機械の稼働を要因とする大気等の状況の変化の程度について、また、大会開催後は、これらに加えて熱源施設の稼働を要因とする変化の程度についても予測、評価を行いました。
 その結果、いずれの要因につきましても、大気等の状況の変化は環境基準値を下回る結果となっております。
 続く2、土壌以下、その他の各項目につきましても、結果についてはそれぞれの欄に詳しく記載しておりますが、適切な対応に努めることなどにより、おおむね、評価の指標を満足するものとなっております。
 四二ページをごらんください。
 武蔵野の森総合スポーツ施設につきまして、評価の結論を記載しております。1、大気等のほか、全体で十七項目がございます。
 1、大気等につきましては、大会開催後の関連車両の走行及び熱源施設の稼働を要因とする大気等の状況の変化の程度について予測、評価を行いました。
 その結果、いずれも大気等の状況の変化は環境基準値を下回る結果となっております。
 続く2、生物の生育・生息基盤以下、その他の各項目につきましても、結果についてはそれぞれの欄に詳しく記載しておりますが、適切な対応に努めることなどにより、おおむね、評価の指標を満足するものとなっております。
 六〇ページ及び六一ページをごらんください。
 選手村につきまして、評価の結論を記載しております。1、土壌など十項目がございます。
 1、土壌につきましては、大会開催前の土地の状況を踏まえ、法令に基づく手続と対応を行い、土壌汚染が確認された場合には、関係機関と調整を行った上で適切な汚染拡散防止措置を実施することにより、評価の指標を満足するものとの結論でございます。
 続く2、生物の生育・生息基盤以下、その他の各項目につきましても、結果についてはそれぞれの欄に詳しく記載しておりますが、適切な対応に努めることなどにより、おおむね、評価の指標を満足するものとなっております。
 本評価書案につきましては、三月の公表後、五月九日までの期間で都民の意見の募集を行っております。
 都民の意見に対しては、実施者としての当局の意見見解書をまとめて環境局に提出し、評価委員会において評価書案の審議が行われます。
 その後、環境局長の審査意見書を反映させた評価書を作成して環境局に提出し、公表いたします。
 簡単ではございますが、説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○高島委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。

○高島委員長 次に、報告事項、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況等についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○川井委員 まずもって、前回の委員会に大変ご迷惑をおかけし、委員長を初め委員の各位、また理事者の方々に、委員会中断というような形の中で大変ご迷惑をおかけしたことに心からおわびを申し上げたいと思っております。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 会場計画の再検討の状況等について何点か質問をさせていただきます。
 去る二月末、IOC理事会において大会の準備状況等を報告し、オリンピック会場計画の一部について了承されたわけでございますが、昨年の六月、第二回定例会において、会場計画の再検討について知事が決意表明して以来、我が党は、この知事の決断を評価する立場で、つくるべき施設については、都民に喜ばれる、後世利用されるものにしていくことを主張してまいりました。
 私としては、もう一歩進んでいただき、新しくつくる施設が日本の将来を担う青年たちのそれぞれのスポーツ競技の聖地となるよう、後利用を含めたすばらしい施設をつくっていただきたいと思っております。
 特に私は、組織委員会の理事会で次のような発言をしております。それは、一部の方々から経費がかかり過ぎるとか、いろいろな心配をされているわけでございますけれども、逆に我々は、ただ単にオリンピック競技場をつくるのではないと。我々は、一九六四年のレガシーがそうであったように、例えば、バスケットボールであれば代々木の第二が全国の高校生の夢の場所であり、甲子園であり、聖地であると。あるいは、サッカーであれば国立、そして、バレーボールであれば駒沢、それぞれの施設が五十年間、それぞれの世代の若人の夢と希望の場所であり、まさにそのスポーツの聖地であったわけであります。
 そういうものを我々はつくるのでありますから、ただ単にオリンピック競技、金がかかり過ぎるというような言葉だけに振り回されることのないようにというような発言をしているわけであります。まさにそのことは、これからも大事にしていただきたいと思っております。
 これまでの再検討の結果、馬術のメーン会場は、一九六四年大会のレガシーでもある馬事公苑に変更するなど、既存施設の活用をうたうアジェンダ二〇二〇の趣旨にも沿った計画に見直されたと。そうした点についてIOCからも了承されたものと理解している。
 そこで、最初に、二月末に行われたIOC理事会で会場計画の再検討状況を報告した際、IOCからはどのような評価をいただいているのか、お伺いをいたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 都と組織委員会は、昨年六月以降、東京にどのようなレガシーを残せるか、都民生活への影響、整備費高騰の懸念への対応の三つの視点から、会場計画の再検討を実施し、IOC、各競技団体と精力的に協議を行ってまいりました。その結果、十八競技、二十一会場につきまして、了承を得ることができました。
 この取り組みに対しIOCのバッハ会長からは、既存施設の活用など、アジェンダ二〇二〇を取り入れた計画となっており、その上で、オリンピック競技大会の精神を尊重し、多くの選手にプラスとなるコンパクトな大会の開催を実現していると、非常に高い評価を得ることができたところでございます。

○川井委員 今回の会場変更になった競技のうち、カヌースラロームについては、公園整備の歴史的背景や公園の自然環境への配慮から、隣接地に移動したと了解している。その他、バスケットボール会場についてはさいたまスーパーアリーナに、馬術会場について馬事公苑に、それぞれ会場変更することとし、IFの承諾を得てIOCの承諾を得たということであるが、それぞれの会場変更になった経緯についてお伺いをいたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 まず、バスケットボールにつきましてですが、有明アリーナを含めた三つの施設の競合の問題や、現存するユース・プラザ利用者への配慮などから、夢の島ユース・プラザ・アリーナBの新設を中止いたしまして、既存施設を活用することといたしました。
 代替となる会場を検討しました結果、二〇〇六年にバスケットボールの世界選手権を開催するなどの実績のあるさいたまスーパーアリーナに変更することで国際競技連盟の承認を得ることができました。
 次に、馬術につきましてですが、夢の島陸上競技場内に仮設施設を設置して競技を行う計画でございましたが、既存の馬術競技場で一九六四年大会の馬術競技のレガシーでもあり、二〇二〇年のレガシーとしても残すことのできる馬事公苑を活用することで、国際競技連盟の承認を得ました。
 その結果、夢の島競技場や隣接する夢の島野球場の利用者への影響を解消することができました。

○川井委員 さいたまスーパーアリーナが本当にバスケットボールをやる若人の聖地になり得るのかどうか、ちょっと心配をしている思いが個人的にはございますが、それはそれとして、大変ご努力されてきたのであろうから、それは理解をします。
 二月のIOC理事会で了承を得た競技会場について、昨年十一月の本委員会での報告にあったとおり、ホッケー、アーチェリーの会場など、都民生活への影響に対する配慮を初め、整備上検討すべき課題が残されている施設もあった。
 こうした課題のある施設については、今後どのように進めていくのかお伺いをいたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 まず、ホッケーの競技会場であります大井ホッケー競技場につきましては、立候補ファイルの計画どおり、大井ふ頭中央海浜公園を会場とすることが了承されましたが、現存する野球場利用者への影響を極力抑制するよう、公園内の施設配置などの詳細につきまして、引き続き国際競技連盟、地元自治体等と協議してまいります。
 また、アーチェリーの競技会場であります夢の島公園につきましても、ユース・プラザ・アリーナA、Bの新設が中止になったことから、この用地を含むエリアの中で配置を再検討中でございまして、公園の緑や東京スポーツ文化館、現ユース・プラザでございますが、など、都民生活への影響に配慮しつつ、競技や運営等に必要な規模や配置などを踏まえ、園内スペースを有効に活用するよう、配置計画について引き続き検討してまいります。
 さらに、都が整備する他の新規の恒設施設につきましても、円滑な大会運営を見据え、後利用についても十分に検討した上で、詳細な設計を進めてまいります。

○川井委員 十八競技、二十一会場についてはIOCの評価を得て、その内容について了承されたということでありますが、例えば、先ほど報告にあったセーリング競技については、航空管制の調整など課題が多いことから、並行して代替会場の検討を始めるということでありました。
 そこで、次回のIOC理事会で報告予定の十競技について、二月の理事会で報告できなかった理由と課題についてお伺いをいたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 二月のIOC理事会におきましては、各国際競技連盟との調整状況を踏まえ、その時点で競技連盟の合意が得られました競技、会場につきまして報告をし、了承を得たものでございます。
 二月に報告できなかった十競技につきましては、会場の検討に関連し、確認すべき事項、引き続き調整すべき事項が残っている競技でございます。
 例えば、東京ビッグサイトを会場とするレスリング、フェンシング、テコンドーにつきましては、同じくビッグサイトを使用するIBC、国際放送センターと競技会場をより円滑に機能させるため、さらなる既存施設活用の可能性について検討しております。
 また、自転車競技につきましても、既存施設の活用につきまして、国際競技連盟や関係者と検討を行っているところでございます。
 六月に報告予定のこれらの十競技につきましては、こうした課題等について調整を行っておりまして、次回六月の理事会までに各競技団体の理解を得まして、報告できるよう、組織委員会と連携し、精力的に協議してまいります。

○川井委員 ぜひ精力的にご努力いただいて、六月の報告予定には間に合うようにしていただきたいと思っております。
 これまでの答弁で、組織委員会と都が六月のIOC理事会に向けて、全ての競技会場について了承を得るべく、鋭意取り組んでいることがよくわかりましたが、そこで、最後に、会場計画確定に向けた局長の決意をお伺いさせてください。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 都は、招致の段階で策定しました計画を現実妥当性のある内容とするため、さまざまな課題について徹底的に調査、分析、あるいは比較検証を行い、この間、IOCを初め、会場選定に大きな発言権を有する国際競技連盟など関係機関と幾重にも議論を重ねてまいりました。
 現在、残された課題につきまして最終的な検討、調整を行っており、残りの十競技について、組織委員会と都が連携して、国内、国際競技団体などと精力的に協議をしております。
 会場計画は、二〇二〇年大会のまさに骨格となるものでございます。現在、輸送や安全対策など、大会運営についてのソフト、ハードにわたる検討、準備を並行して進めておりますが、これらにつきましては、会場計画の内容が大きく影響いたします。
 知事が再検討を表明してからほぼ一年になろうとしておりますが、引き続き、大会後を見据えたレガシーの視点や都民生活への影響などの視点をしっかり持ちながら、会場計画の全体像について、この六月に予定されておりますIOC理事会の了承を経て、速やかに明らかにし、今後の円滑な大会準備に万全を期してまいります。

○川井委員 二〇二〇年大会まで、はや残り五年になろうとしています。会場計画を確定させ、各会場整備を着実に実施していくとともに、今後、セキュリティー、輸送など、大会運営を支えるさまざまな取り組みや区市町村との連携した大会の盛り上げなどについて全力で取り組んでいかなければならないと思います。大会成功に向け、全力で準備を進めてもらいたいと思っております。
 特にセキュリティーにおいては、ロンドン・オリンピックのときに最もロンドン市が重点的に心配りをしたのがこのセキュリティーであります。当初、セキュリティー会社にということで振ったわけでございますけれども、セキュリティー会社は対応できないということでお断りになった経緯がございます。
 そこで、新たな土俵をつくろうということで、市が中心になって、警察、消防、そして軍隊まで加えて、そこにセキュリティー会社を加えてという形で、まさにテロ、あるいはアイルランド問題等々を抱えたロンドン市の実情を見てきたわけでございますけれども、本当にそういうところを今回の世界の情勢から考えると、同じような心配りが必要だろうと思っております。今、並行して進めているという話がありましたけれども、我々にはそういう部分が見えてきていない。この部分はしっかりやっていただきたいと思っております。
 また、輸送についても特に大変な注意が必要だろうと。一般車をどう扱うのか、あるいは一般車を一切競技会場周辺から締め出すような思い切った考え方もしなければならないのではないだろうか。
 今現在でも高速のお台場のおり口というのは、特にビッグサイトで大きな競技、あるいはイベントがあるときには、土日は大渋滞でございます。そういうことを考えると、会場輸送などもしっかりと取り組んでいく必要があるのだろうという思いもしておりますので、大会を支える柱であろうと、運営をする柱であろうと思っておりますので、このセキュリティーと輸送の件についてはぜひしっかりやっていただきたいと思っております。
 最後に意見として、種目の追加に関して、我々東京都議会は、昨年第四回定例会において、二〇二〇年東京大会における野球・ソフトボールと空手道の競技実施を求める決議を行ったわけであります。
 特に空手道は、世界で五千万人を超える競技者がいる。世界で五千万人を超える競技というのは、他に一、二種目しかないわけでございます。愛好者を持つ日本発祥の世界的なスポーツになっていると思っております。
 先般、全日本空手道連盟において署名活動を実施いたしております。世界中から七十二万人を超える署名が集まり、種目追加の機運が高まっているわけでございます。
 ぜひこうした世界中からの声に耳を傾け、日本においてなじみの深い野球、ソフトボール、特にこれは日本中が沸き上がる、あるいは被災地の宮城球場を利用すれば、被災地の方々を勇気づけることにもなる、そういう種目でございますので、この両競技の持つ魅力を世界中に広めることができるように尽力をいただくことを強く強く要望して、私の質問を終えます。

○橘委員 会場計画の再検討につきまして、私からも何点か伺います。
 二月に行われましたIOCの理事会におきまして、二〇二〇年東京大会の立候補ファイルの時点から変更のない十七競技の十八会場と、立候補ファイルの時点から変更となりますバスケットボール、カヌースラローム、馬術の三競技、三会場の変更が承認されたわけであります。そのほかの会場は、六月に予定されているIOCの次回理事会で報告されるとのことでございます。
 競技会場の見直しの手続につきましては、国内競技団体の理解を得まして、そして国際競技団体の了承を得た上で、IOCが検証して承認するという手続で行われるとのことでございます。
 その手順を踏まえた今回の見直しにおきましては、見直しの基準という視点といいますか、基準といいますか、その一つが、大会後に施設を有効利用していくというレガシー、これは今までの大会でもありましたけれども、大会後に負の遺産とならないようにするために非常に重要な視点であるかと思います。
 そして、二点目には、都民生活への影響という項目がありますけれども、これは、従来使っていた施設が利用できなくなるようなそういった影響、こうしたことをなるべく防ぐということであろうと思います。
 さらに、三点目には、整備予算の節減という視点も加味して判断した見直しということでありますけれども、五輪開催費用の節減などを打ち出したIOCの改革プランでありますアジェンダ二〇二〇を特に重視したというふうに聞いております。
 このアジェンダ二〇二〇は、東京大会から初めて適用されるわけでありまして、その点で、東京大会がどういう会場の見直しをしていくのか、どういう手順でやっていくのか、また、どういう基準でやっていくのか、そして最終的にどういう判断をするのか、これは各国が高い関心を持っていると思います。
 そこで、アジェンダ二〇二〇をどういう点で会場計画の変更に反映させているのか、見解を伺います。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 今回会場変更となった競技のうち、カヌースラロームにつきましては、公園整備の歴史的背景や公園の自然環境への配慮から、隣接地に移動いたしました。
 次に、バスケットボールにつきましては、三つの施設の競合の問題などから、夢の島ユース・プラザ・アリーナBの新設を中止し、既存施設を活用することといたしました。代替となる会場を検討した結果、バスケットボールの世界選手権を開催するなどの実績のあるさいたまスーパーアリーナに変更することで国際競技連盟などの承認を得ることができました。
 最後に、馬術につきましては、一九六四年大会の馬術競技のレガシーでもあり、既存の馬術競技場である馬事公苑を活用することで国際競技連盟などの承認を得ることができました。
 こうした都と組織委員会の行った会場再検討の取り組みに対し、IOCのバッハ会長からは、コスト縮減、既存施設の活用など、アジェンダ二〇二〇の精神と合致した計画となっていると、非常に高い評価を得ることができたところでございます。

○橘委員 この立候補ファイルの時点では、競技会場を半径八キロメートル圏内に集中させまして、移動などについて選手の負担を極力軽減するという計画が東京大会の一つのアピールポイントでもあったわけであります。
 ただし、これは明確な規定があるわけではなくて、こういうふうな方向性で整備したいという表明でありますけれども、この会場計画の変更によりまして、バスケットボールのように都外の競技場となったり、また、馬術競技も、少しだけですけれども、半径八キロの外に出るわけであります。
 これはコンパクトな会場整備の方針転換ともいえるかと思いますが、この点についてはどういうふうな認識をお持ちでしょうか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 今回了承を得ました二十一会場のうち、立候補ファイルの時点で八キロ圏内に配置されていました会場は十八会場でございましたが、再検討による変更後も十六会場は八キロ圏内にあることから、全体としてコンパクトな会場配置という特色は維持していると考えております。
 なお、会場変更する場合も、オリンピックレーンの整備を初め、輸送面でのスムーズな選手輸送や宿泊等、アスリートファーストの視点は重視してございます。

○橘委員 今、見直しの視点とか、また基準は、整備予算の節減が中心になっているかと思います。会場計画の再検討の視点の中に、これは十一月にこの委員会で説明がありましたけれども、移動に伴う選手の負担が会場変更に伴ってどうなるかという視点が入っていなかったわけですね。この点についてはどのような対策を講じていくのか、見解を伺いたいと思います。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 再検討に際しましても、コンパクトな会場配置という基本は維持しまして、会場変更する場合も、輸送、宿泊等、アスリートファーストの視点は重視してございます。
 選手の負担軽減という点に関しましては、選手に最高のパフォーマンスを発揮してもらうための競技環境の整備や、円滑な選手輸送、宿泊等の具体的な取り組みにつきまして、今後組織委員会と十分検討してまいります。

○橘委員 今、アスリートファーストという答弁がありましたけれども、本来、会場を変更するということは、また、ましてや移動がかなりあるという距離的に大きな移動をしなきゃならないという会場変更の場合には、そこを移動するのは選手なわけですね。また役員なわけですね。これはやっぱり負担が結構かかります。
 先ほどの質疑でも、交通手段であるとか、いろんな課題があるわけでして、本来ならば、会場を変更する、そしてまた、それが少し遠くになるということは、選手の負担ということをセットで考えなきゃならないんです。
 ところが、今、見直しの基準というのは、あくまでも経費の節減であるとか、そういったものが優先になっておりまして、選手は出てきていないんです。選手の負担というのは出てきていないわけです。本来ならばこれはセットであるべきなんです。
 これからも、見直しということを考えた場合に、この説明によりますと、まず会場の変更が決まって、それからどうするかということを検討するということでございましたけれども、それはそれとしてわかるんだけれども、実際は、選手の負担ということをセットで考えるという発想を持たなければ、最初に会場変更ありき、そして、そこから今度、選手の負担をどうするか考えていくというのはあっちゃいけないと私は思います。
 したがって、これからもまた会場の変更というのは課題になるわけでありますから、そういうことを踏まえまして、まず、選手の負担と会場変更というのはセットで考えて議論していって、それは、結論は最初に出なくても結構だと思いますけれども、ある程度概括的に、こんな概要で、こういうふうにして負担を軽減するということもセットで説明していただいた方が私はいいかと思いますので、これは要望にとどめますが、そういうふうに検討いただきたいと思います。
 次の質問に移りますけれども、六月に予定されているIOC理事会に、十の競技の再検討について報告をするとのことでございましたけれども、特に、東京都が整備を行う会場それぞれについて、課題と再検討の視点について説明を求めます。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 六月のIOC理事会に報告する十の競技のうち、都が会場整備を行うものはセーリング、水泳の二競技でございます。
 セーリングにつきましては、競技海域での空撮に係る航空管制上の制約等につきまして、これまで関係者と調整を進めてまいりましたが、現段階で課題が残っており、非常に厳しい状況にございます。
 そのため、先ほど冒頭の報告でもご説明させていただきましたとおり、航空管制等の調整と並行して、今後、組織委員会、競技団体とともに、代替会場となる既存施設につきましても調査検討を開始いたします。
 水泳は、競泳のほか、シンクロナイズドスイミング、ダイビング、水球、マラソン十キロメートルの種別がありますことから、複数の会場を使用するものでございまして、全ての会場について調整が完了した後、IOC理事会に報告をいたします。
 その他の競技も含め、二月に報告できなかった十競技につきましては、会場の検討に関連し、確認すべき事項、引き続き調整すべき事項について検討を行っておるところでございまして、次回六月のIOC理事会で了承を得るべく、組織委員会と連携し、国内、国際競技団体などと精力的に協議してまいります。

○橘委員 今の答弁の中でセーリングについてお触れになりましたけれども、これはきょうの質疑の対象のテーマとなっておりませんので質問はしませんけれども、セーリングの会場は二転三転しているわけですね。訓練所を使うとか、それから新たなところをまた模索しなきゃならないというふうになっておりまして、そうしますと、セーリングの会場というのは大体限定されているわけでして、私、専門じゃないのでわかりませんけれども、都内というのはまず厳しいのかなと。
 というふうに考えますと、東京都以外のところの施設を使うことになろうかと思います。かといって、セーリングの施設というのはどこにでもあるわけではございませんので、ある程度限定されていくかと思います。
 そうしますと、これも迅速に対応しないと、いろんな臆測が流れたり、また混乱が生じる可能性もございますので、これは大変でしょうけれども、迅速に候補地を決定していって、それと同時に、先ほど申し上げたように、それに対する選手の移動とか負担を軽減するというのをセットで検討していただきたいと思いますので、要望しておきたいと思います。
 次の質問に移りますけれども、競技種目の追加を予定されているわけです。その会場というのは、これから選定されます種目にもよりますけれども、追加が決まってからの会場新設というのはアジェンダ二〇二〇に逆行すると思われますし、また、時間的にもそういう制約がありますので、これは現実にはないかと思います。
 したがって、基本的には既存の施設を活用することになろうかと思いますけれども、その際、東京以外の施設の活用を求める声も結構ございます。この点について見解を伺いたいと思います。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 組織委員会は、追加種目の検討を行うため、東京二〇二〇種目追加検討会議を立ち上げましたけれども、二月のIOC理事会におきましては、種目の追加に関する今後の予定が示されたのみでございまして、それ以外の事項については未定でございます。
 追加される種目によりまして、それぞれ対応方法が異なりますことから、種目が決定した後、会場も含め具体的な検討を行うことになるものと認識しております。

○橘委員 今の時点の答えられる範囲ではこれが限度と思いますけれども、これは積極的にいろんな声に対応していただきたいと思います。
 最後の質問ですけれども、追加種目の会場についてであります。これも仮定という話になって恐縮ですが、東京以外の会場を活用する場合、施設改修等の予算措置、改修設計の承認等はどこが所管するのか、これについて、一般論で結構ですので、見解を伺いたいと思います。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、種目の追加に関しましては、二月のIOC理事会において、今後の予定が示されたのみでございまして、会場を含めた種目の追加の検討はこれからでございます。
 なお、種目の追加にかかわらず、一般的に施設整備につきましては、施設管理者においてなされるものであることから、仮に施設改修等が必要となる場合は、同様の取り扱いになるものと認識しております。

○橘委員 今、被災地もそうですけれども、我が地域に競技会場をといった意見もすごくございます。追加競技については大変に注目している地域も大変ございます。
 そういったところは、ぜひうちの施設を使ってもらいたい、そして基準を満たすために改修も行いたいけれども、予算的には大変だということも聞こえてきております。そしてまた、予算措置については、東京で開く東京大会であるがゆえに東京でも少し援助してもらいたいといった声も聞こえてきております。
 こういう面で、会場は欲しいけれどもお金がないといった課題も、また具体的に出てくるわけです。そういう中で、なかなか会場が決まらない、混乱するといった事態が、そういったことで引っ張られてはならないと思いますので、今答弁にありましたような基準を明確にした上で対応していっていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
 以上です。

○徳留委員 これまでの会場計画の再検討の状況について質問いたします。
 我が党都議団は、オリンピック・パラリンピック東京開催が決定以来、大会はオリンピック憲章に基づいて、都民の生活や環境と調和したものとして開催すべきであり、会場整備に当たっては、その費用についても、環境等への影響について最小限に抑えるべきだと主張して、そのためにも、会場の変更等の具体的な提案を行ってきました。
 この間、バスケット、バドミントン、カヌースラローム、セーリングの会場変更や既存施設の活用が報告され、今回報告の馬術の既存施設への変更など、我が党の提案とも一致するものであり、歓迎をしております。
 同時に、現時点で発表されている施設整備費は、東京都が建設する恒設施設分だけでも二千五百七十六億円と、立候補ファイル段階の千五百三十八億円を一千億円以上上回っており、一層の整備費の縮減が求められております。
 その際に、昨年IOCが決議した、持続可能性と長期的レガシーの視点を一層重視するアジェンダ二〇二〇の見地に立った取り組みが重要になっています。
 すなわち会場計画が、一つは、有益なレガシーを残せるものになっているのかどうか、二つ目は、東京の身近な自然環境の保全や省エネ、CO2など地球規模での環境の改善はもとより、都民の健康な生活を向上させるものになっているのかどうか、三つ目が、コストの縮減への対応はどうかという観点をこれまで以上に踏まえて対応していくことが求められております。
 そこでまず、水泳競技を初めとして、残り十競技の会場計画について質問いたします。
 十競技の会場については、なぜ二月に報告をせずに次回の六月のIOC総会で報告することになったのかについてお伺いします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 IOC理事会では、国際競技連盟ごとに整理を行い、承認を得られたものについて報告を行っております。競技によりましては、競技種別ごとに複数の会場を使用するものもあり、全ての会場について調整が完了した競技を報告したところでございます。
 二月に報告できなかった十競技は、会場の検討に関連し、確認すべき事項、引き続き調整すべき事項が残っている競技でございます。これらの十競技につきましては、こうした課題等について調整を行っているところでございまして、次回六月のIOC理事会で了承を得るべく、組織委員会と連携し、精力的に協議してまいります。

○徳留委員 十競技の会場について、課題等の調整など検討、調整、確認すべき事項が残っており、こうした課題等について精力的に調整、協議中ということでした。
 改めて、昨年IOCが決議した、持続可能性と長期的レガシー、コスト縮減、都民生活、環境との調和という観点を重視するアジェンダ二〇二〇の見地にしっかりと立った、これまでの取り組みの検討、見直し、調整のチャンスとして積極的に生かすことが重要になっていることを強調しておきます。
 そこで、十競技の中でも施設整備費が最も膨らんでいる水泳競技の会場となるアクアティクスセンターについてお伺いします。
 昨年の十二月二十二日のこの委員会の場で、資料要求によって提出された施設整備費恒設分の見込み内訳によると、アクアティクスセンターの施設整備費は、立候補ファイル段階では、本体工事費だけで三百二十一億円だったものが、再検討後の試算で四百七十四億円と、本体工事費だけで約百五十億円以上も膨らんでおります。
 この四百七十四億円の費用には、建設物価の上昇分やIOCが求めている工事中のセキュリティー対策費、さらに消費税一〇%の増税分は含まれていないという報告でした。それなのに、なぜこんなにも、百五十億円を超える規模に膨らんでいるのか、改めて、その内訳を含めて明確にしてほしいと思います。お答えください。

○小野寺オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 施設整備費につきましては、昨年十二月の本委員会におきましてご答弁申し上げましたとおり、アクアティクスセンターの本体工事費は、躯体やくい工事、建物内外の仕上げ、プール設備等の工事費について、開催決定後から現在までの建設物価高騰などを現在の実情に合わせて精査をいたしまして、必要な額を見積もったものでございます。
 また、これらの項目につきまして、立候補ファイル時点では、類似施設の事例における建設費を参考にして積算をしておりましたけれども、今回の再検討では、施設仕様や敷地状況に応じた工法などを検討するとともに、必要に応じてメーカー等からの見積もりやヒアリングにより得た情報などから積算額を精査したことなどによるものでございます。

○徳留委員 開催決定後からの、一年の物価高と、施設仕様や敷地状況に応じた見直しで膨らんだとのことでした。敷地状況ということで、アクアティクスセンター建設予定地である辰巳の森海浜公園で今最も大きく懸念されるのは、地面の液状化ではないかと思います。それは、液状化対策のための地盤改良費が大きく膨らんでいるのではないかということです。
 そこで質問ですけれども、アクアティクスセンター建設の計画地域は液状化が指摘されている地域であり、地盤改良が必要になります。膨大な費用がかかるのではないかと考えられますが、どれくらいの費用を見込んでおられるのか、お答えください。

○小野寺オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 液状化の発生の可能性がある地域におきましては、軟弱地盤の一般的な対策として、地盤改良やくい工事を行うこととしております。水泳会場におきましても同様の考えでございまして、今後、地盤調査等によるデータに基づき設計の中で具体的な対策を検討することとしており、現時点での地盤改良の費用見込みはお示しできません。

○徳留委員 本体工事費の中に液状化対策の費用も含まれているという理解でよろしいんでしょうか、お答えください。

○小野寺オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 含まれているということでございます。

○徳留委員 液状化の可能性があり、地盤改良などの液状化対策の工事などが必要との認識だということで、本体工事費が百五十億円もふえている大きな要因は、液状化対策ではないかというふうに考えられます。
 今でも都民の中から、年金の切り下げや消費税の増税で暮らしの厳しさが広がる中で、オリンピックの整備費が膨らんでいることについて、金をかけ過ぎではないかという懸念、不安の声が寄せられています。我が党が都民の暮らしの支援や福祉の拡充について求めると、知事がよく、金は天から降ってくるわけではないといっておられました。こうした整備費などにかかる金は、都民の貴重な税金です。都民の暮らしや福祉を犠牲にして使うわけにはいかない貴重なものだと思います。
 液状化対策に莫大な費用が必要となり、施設整備費が膨らむというのであれば、このままこの場所に会場計画を進めてよいのかということも問われてくるのではないかと思います。場合によっては、こうした液状化対策に膨大な費用を必要としない土地での会場計画を再検討するという判断も必要になるのではないかと思います。
 しかも、現在の建設予定地には、隣接して辰巳国際水泳場があります。オリンピックの開催後には同じような二つの施設が競合することになります。辰巳の国際水泳場は、まだ築二十五年程度で、一昨年に大規模な改修をしたばかりであります。
 ところが、一月に開催された後利用を考えるアドバイザリー会議では、この水泳場を、水泳競技専用の大規模なスポーツ施設としての役割がなくなるとして、転用や取り壊しの可能性が示されていたとのことであります。新しい施設を隣につくって、既設の施設はもう要らないということで壊すということになりますと、まさにアジェンダの精神からも違反するのではないかと考えます。
 同時に、どうしても現在地でアクアティクスセンターの建設を進めるということになると、相当の施設整備費の縮減の努力が求められると思います。
 そこで、アクアティクスセンターの建設についてでありますけれども、現在の計画では、二万人の観客席のうち一万五千人は仮設であり、大会終了後に五千人の観客席へと縮小、減築することになっています。しかし、IOCは観客席の基準を一万二千人として求めており、経費削減のためにも、大会後に一万五千人の減築をするのであるならば、最初から一万二千人規模の観客席で建設して、少しでも経費節減に努力すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 水泳は、陸上競技、体操と並んでオリンピックの中でも主要競技といわれており、競泳会場の観客席は北京大会で一万七千席、ロンドン大会で一万七千五百席を用意しておりました。東京においても、これら過去大会の状況を参考にし、二万席の計画としたものでございます。
 なお、オリンピック水泳競技会場には、メーンプール、ダイビングプールなど各種別に対応するプールに加え、ウオームアッププールや二万席規模の観客席、運営スペースなどが求められます。競技会場の選定に当たりましては、これらの必要な施設を整備することが可能な十分な広さを有すること、選手への負担を減らすため、できるだけ選手村から近いことなど、必要な要件を考慮し、既存施設を含めて総合的に検討した結果、新たな用地取得の必要がない都有地である現計画地において新設することとしたものでございます。
 なお、今般の再検討に際して、改めて近隣県を含めて既存施設を広く調査いたしましたが、活用できるものは存在しなかったため、現計画地で基本設計を進めてまいります。

○徳留委員 観客席の縮小と減築の提案に対して、観客席の二万席の根拠を、北京大会やロンドン大会を例に主張されました。北京でもロンドンでも二万席ではなかったということでもあり、真剣に縮小を検討する余地はあるということではないでしょうか。
 しかも、立候補ファイルの段階から、大会後は二万席を五千席に縮小、減築するという計画になっておりました。私の、コスト削減の必要性とそれにどう取り組むのかの質問に対して、これまでのオリンピック大会との比較で、あくまで二万席は必要との答弁でした。液状化対策を含むこれまでの施設整備費拡大の見通しに関して、コスト削減の真剣な努力はどうなっているのかよく見えないままで、納得はできません。アジェンダ二〇二〇の精神でいえば、そこが問われているのではないかと思います。
 IOCも、既存施設の最大活用、持続可能性、コスト削減を強く求めているのではないでしょうか。北京もロンドンも一万七千人で、現在の辰巳の計画よりも少ないわけです。改めてこのことを強調しておきます。
 そこで、アクアティクスセンターの隣には、仮設ですけれども、ウオーターポロアリーナを建設する予定になっています。水球の仮設建設の予定地にある、多くの貴重な樹木の伐採や、緑の環境を潰すことにならざるを得ないし、さらに経費がかさむことにならざるを得ません。水球の仮設会場の建設は中止して、既存施設の活用を真剣に検討すべきではないでしょうか。
 その一つとして、近接の既存施設である辰巳国際水泳場や、これは我が党の会派の畔上議員が、使うべきではないかということを何度も質問されておりました。また、千葉の習志野の国際プールなど既存施設もあります。こうした既存施設の活用も検討して、経費の削減に努めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 水球を含めた水泳につきましては、次回六月のIOC理事会において報告をし、了承を得る競技でございまして、会場の検討に関連し、確認すべき事項、引き続き調整すべき事項が残っている競技でございます。こうした課題等について調整を行っているところでございまして、各競技団体の理解を得て報告できるよう、組織委員会と連携し、精力的に協議してまいります。

○徳留委員 精力的に協議中ということですが、既存施設の活用、コストの縮減、都民の暮らし、環境との調和という観点で真剣に見直しを進めれば、幾つも新しい可能性が生まれてくるのではないかと思います。
 そこで、同じく、近くの夢の島公園に建設される予定のアーチェリー会場についてお伺いをいたします。
 この問題は、環境への影響も心配をされます。現在の会場計画の地域は、長年育ってきた大きな樹木の伐採が必要な場所になっています。当初の利用計画が大幅に見直されたもとで、貴重な樹木や緑をきちんと残す見地から、公園内の建設場所の位置を再検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○小野寺オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、アーチェリー会場につきましては、夢の島ユース・プラザ・アリーナA、Bの新設が中止になったことから、この用地を含むエリアの中で配置を再検討中でございまして、公園の緑や東京スポーツ文化館など、都民生活への影響に配慮しつつ、競技や運営等に必要な規模や配置などを踏まえ、園内スペースを有効に活用するよう、引き続き配置計画を検討してまいります。

○徳留委員 夢の島公園は、私もよく利用しておりますけれども、この公園には長年かけて育ってきた巨大な樹木や、貴重な、樹木と緑の財産が幅広く存在しております。広範な、都民の憩いの場として活用されております。それだけに、樹木や緑を最大限傷つけることがないよう、樹木や緑などの環境と調和した会場建設を進めていただくよう強く要望しておきます。
 次に、トライアスロンの会場として検討されているお台場海浜公園について質問いたします。
 この海浜公園には、遊泳禁止という立て札があったり、都が発行する会場ガイドブック、この会場ガイドブックでありますけれども、これらには、海浜公園は遊泳できませんなどと書いてありますけれども、なぜなのか。この場所をオリンピックのトライアスロンの最高のパフォーマンスの場として、安心して利用できるのかどうかについてお伺いいたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 お台場海浜公園の水域は、水質につきまして、環境省の水浴場水質判定基準を満たしていない日もあり、場所によっては急に深くなるところもあることから、許可のない遊泳は禁止しております。一方、トライアスロンの日本選手権を初め安全性の確保された大会やイベントにつきましては、毎年、お台場海浜公園で問題なく開催されております。

○徳留委員 多くのイベントが海浜公園で問題なく開催されているとの答弁ですが、特に大腸菌などの水質の衛生面については、さまざまな心配の声が上がっております。
 そこで、お台場海浜公園の水質について、大会開催の時期と同じ七月、八月前後のころには、港湾局の水浴場の水質調査によっても、大腸菌の量が不適格の基準である、百ミリリットルの水の中の大腸菌の個数が千個以上という基準を大きく超えていることがあるのではないかと思いますが、どういう認識でしょうか。
 ちなみに、日本トライアスロン連合の日本選手権開催の時期は、大腸菌が最も多くなる七月、八月ではなくて、ほとんどが大腸菌の数が少なくなる十月に、この間ずっと開催をされております。いかがでしょうか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 平成二十四年度に実施いたしました二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会初期段階環境影響評価におきまして、オリンピック開催期間十七日間の調査を実施しました結果、ふん便性大腸菌群数が水浴場水質判定基準を超過したのは、降雨後の三日間のみでございました。

○徳留委員 三年前に実施した調査において、大会開催期間を想定して、七月、八月の同時期において大腸菌数が水質判定基準を超える日が三日間もあったということは、決して少ないとはいえないのではないかというふうに思います。
 しかも、雨などの気象によっては水質が大きく左右されて、大腸菌も広がります。しかも、その後の二〇一三年、平成二十五年の七月、八月における港湾局の水質調査のデータを見れば、七月、八月の夏を中心にして、水浴場の水質基準を大きく超える大腸菌が確認されていることは事実であります。例えば二〇一三年八月五日は九万三千個、二〇一二年八月七日には十六万個という調査結果になっております。何らかの対応が必要な状況ではないでしょうか。
 そこで質問ですが、さらに、トライアスロン会場については羽田空港の航空管制エリアにあって、ヘリコプターなどによる実況撮影が困難となるのではないかというふうに思いますけれども、どのように判断されているのでしょうか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 トライアスロンは、スイム、バイク、ランの三種目から成る競技でございまして、海面と道路を利用することから、さまざまな撮影方法が考えられます。現在、競技エリアや撮影方法等も踏まえまして、競技団体などの関係者と協議を行っているところでございます。

○徳留委員 トライアスロン会場は、こうした水質の衛生面の実態からも、また航空管制のエリアの中にあることからも、最高の大会で最良の環境を提供して活躍してもらうアスリートファーストの立場から見て、他の安全な場所への変更を含めて検討が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 トライアスロンにつきましては、現在、課題等について調整を行っておりまして、次回の六月のIOC理事会で了承を得るべく、組織委員会と連携し、精力的に協議してまいります。

○徳留委員 さらに、セーリングの会場も、若洲ヨット訓練所の目前には東京ヘリポートがあり、頻繁にヘリコプターが離着陸すると同時に、競技場周辺が羽田空港の航空管制エリアになっており、ヘリコプターでの実況撮影が難しいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 セーリング会場につきましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、次回のIOC理事会において了承を得るべく、精力的に協議してまいります。

○徳留委員 セーリング会場も、観戦者に競技の模様を紹介する実況撮影ができるようにするためには、オリンピック予選やアジア大会などがやられている神奈川県の江ノ島など、ほかの適当な場所への変更の検討が必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 ただいまご答弁申し上げたとおり、次回のIOC理事会において了承を得るべく、精力的に協議をしてまいります。

○徳留委員 次に、自転車競技の会場について質問いたします。
 伊豆の旧修善寺町にある、国際大会も開催できる既存施設での開催について報道がされておりますけれども、会場計画についてどのように検討されているんでしょうか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 自転車競技会場につきましては、現在、既存施設の活用につきまして、国際競技連盟や関係者と検討を行っているところでございまして、次回のIOC理事会で了承を得るべく、組織委員会と連携し、精力的に協議してまいります。

○徳留委員 精力的に協議中ということでした。この既存施設の活用は、経費の縮減の上でも大きな効果をもたらすものではないかと思います。
 そこで、自転車競技会場については、四種目のそれぞれの会場整備費の見直しはどのようになっているのでしょうか。

○小野寺オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部長 自転車競技会場につきましては、ただいまもご答弁申し上げましたとおり、既存施設の活用について、国際競技連盟や関係者と検討を行っているところでございます。整備費につきましては、その中で組織委員会が検討中でございます。

○徳留委員 整備費については組織委員会で検討中ということですけれども、旧修善寺町の既存施設の活用は、コスト削減という点から見ても、レガシーの活用という点から見ても、重要な見直し、検討の課題になると思います。
 そこで、自転車競技会場は、コスト削減の上からも、二〇一一年十月に完成して国際大会も開催できる条件がそろっている旧修善寺町の日本サイクルスポーツセンター内の伊豆ベロドロームに変更すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 先ほどもご答弁させていただきましたとおり、自転車競技会場につきましては、既存施設の活用につきまして、国際競技連盟や関係者と検討を行っているところでございます。

○徳留委員 伊豆の旧修善寺町にある既存施設は、来年一月に、リオデジャネイロ・オリンピックの出場枠にかかわる、アジアの自転車選手権の開催も予定をされている場所です。持続可能性の理由により、一部競技または種目について開催都市以外での開催も可能としたアジェンダ二〇二〇の提言にもかなうし、かなりの経費削減にもなるのではないかと思います。ぜひ積極的な検討を要望しておきます。
 これから検討を進めて、六月のIOCに報告をし、了承をもらう十競技の会場計画についてはもちろんですけれども、既に二月に了承されたものであったとしても、それで一切変更は不可能ということではなくて、アジェンダ二〇二〇の精神であるレガシー、後利用の問題、都民の生活や環境との調和の問題、立候補ファイル段階から一千億円も上回っている施設整備費の縮減などコスト削減の問題などの観点から、さらなる見直し、検討、精査を進めて、都民が納得できる大会にすることが求められているということを強く要望して、質問を終わります。

○小山委員 さきの予算特別委員会でも、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックは、広く都民、国民が参加し、体感するオリンピック・パラリンピックとしていくべきだということを申し上げてまいりました。また、競技施設の整備に当たりましては、後利用やレガシーを十二分に踏まえた会場計画でなければならないことは、本委員会はもちろんのこと、予算特別委員会などでも求めてまいったところでございます。このような観点から、会場計画の再検討の状況等について幾つかお伺いをさせていただきます。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、この二月にリオデジャネイロで開催をされましたIOC理事会において、立候補ファイルから会場変更のない十七競技、十八会場と、そして、立候補ファイル提出後に会場を変更しました国際競技連盟からの承認を得た競技会場、三競技、三会場の報告を行い、理事会の了承を得ることができました。
 六月のIOC理事会においては、残る十競技の了承を得なければならないと思います。このうち都の恒久施設となる二施設は、競泳、飛び込み、シンクロナイズドスイミングのオリンピックアクアティクスセンター、そしてまた、本日報告がされましたけれども、セーリングの会場が予定をされております。その他は組織委員会が担当する仮設施設や東京スタジアムなどの既存施設となります。
 そこで、残る十競技につきまして、IOCに対してどのような報告が行われ、今後のスケジュールについてはどのようになっていくのか、お伺いをさせていただきます。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 二月のIOC理事会におきまして、各国際競技連盟との調整状況を踏まえ、その時点で競技連盟の合意が得られました競技、会場について報告をし、了承をいただきました。二月に報告できなかった十競技は、会場の検討に関連し、確認すべき事項、引き続き調整すべき事項が残っている競技でございます。
 これらの十競技は、こうした課題等について現在調整を行っているところでございまして、IOCにも適宜状況を報告しながら、次回六月の理事会までに各競技団体の理解を得て報告できるよう、組織委員会と連携し、精力的に協議してまいります。

○小山委員 ただいまご答弁いただきましたように、残る十競技については、会場の検討に関連をして、確認すべき事項や、引き続き調整すべき事項が残っている競技ということで、この課題等の調整を行われているということでございますが、ぜひ各競技団体や開催地の地元自治体の意見を反映できるように、都としても努めていただきたいというふうに思います。
 昨年十月二十六日にお台場で開催をされました第二十回の日本トライアスロン選手権大会に、私もお伺いをさせていただきました。この中で、さまざま皆さんからのご意見を伺いましたけれども、ぜひとも二〇二〇年の東京大会のトライアスロン競技につきましては、東京のお台場海浜公園での開催に向けて、今ありました課題の調整も含めて、引き続き取り組んでいただき、開催を実現していただきたいと思っております。
 また、自転車競技のロードレースにつきましては、皇居前を出発しまして、一九六四年大会のマラソンや、あるいは五十キロメートル競歩のレガシーともいうべき甲州街道を西へ約二十キロ走りまして、その後、府中市、稲城市、多摩市を周回するコースが予定されております。このことについても、ぜひ地元自治体の意向を十二分に踏まえたものとなるよう、都の特段のご理解とご協力をお願いしたいと思います。
 次に、さきの予算特別委員会においても申し上げましたが、海の森水上競技場についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 この海の森水上競技場につきましては、持続可能な恒久施設となるために、ロンドン大会での競技施設の事例と比較をさせていただきまして、東京大会開催時の課題や後利用について議論をさせていただきました。特に海の森公園周辺との一体的利用や、競技場の北側、南側の土地を含めた面的な一体的整備を強く求めたところでございます。
 また、本施設につきましては、施設整備とあわせて、大会開催時の輸送交通と、それから後利用の交通アクセスの課題があるというふうに考えております。都は、三月三日、都心から臨海副都心に向けましたBRT、バス高速輸送システムの中間整理を公表いたしました。虎ノ門バスターミナルと東京駅を起点としまして、勝どき地区、選手村、豊洲新市場、有明地区、そして東京テレポート駅へと、一時間当たりの輸送力約四千四百人規模となる予定でおります。
 しかしながら、持続可能な会場施設としていくためには、中央防波堤地区へのアクセシビリティーをさらに向上させていかなければならないと考えております。現在、中央防波堤地区には、東京テレポート駅から都営バスが一系統のみ運行されている状況にあります。大会期間中はシャトルバスが運行されますが、その後の展望が必要であります。臨海部では舟運の活用も検討すべきと考えます。
 昨年七月には、横浜港から羽田空港間、そして、羽田空港からお台場海浜公園間が水上バスによって結ばれました。さらなる東京臨海部の水上交通の展開が期待をされております。
 そこで、今回の理事会で了承されました競技施設、そして、六月の理事会で報告をされます競技施設には、臨海部で整備をさせる施設が多いと考えておりますが、競技施設への陸上、そして、水上交通も含めたアクセシビリティーの向上を図るべきと考えますが、都の見解をお伺いさせていただきます。

○小室オリンピック・パラリンピック準備局施設調整担当部長 都が整備します新規恒久施設は、大会後も都民、国民の共通の財産として有効活用していく必要がございます。都が先般開催しました新規恒久施設等の後利用に関するアドバイザリー会議におきましても、利用者目線に立った交通アクセスの改善を図り、施設の利活用を促進していく必要があるという意見がございました。
 都は、現在、大会後の施設の後利用のあり方について鋭意検討しているところでございます。交通アクセスの改善につきましては、今後、各施設の形態や事業内容等を十分に踏まえ検討してまいります。

○小山委員 ぜひ、この交通アクセスの問題、さらには、先般の予算特別委員会でも申し上げましたけれども、面的な一体的開発を行っていただいて、その後の、後利用について十分資するような施設整備となるように求めておきたいというふうに思います。
 次に、競技種目の追加に関してお伺いをさせていただきます。
 本年九月に、組織委員会がIOCに東京大会の追加競技種目を提案する予定となっておりますが、日本国内で盛んな野球、ソフトボールの競技の種目復活、そして、空手道の初の競技開催が期待をされているところでございます。
 昨年十一月二十八日の東京都議会本会議におきまして、二〇二〇年東京大会における野球・ソフトボールと空手道の競技実施を求める決議が議決をされました。この決議は、東京都民の総意ともいうべき重い決議であろうと考えます。野球、ソフトボールと空手道が東京大会において実現をされるよう、都として、より一層の取り組みを強めていただくことを求めておきたいと思います。
 そこで、都議会の議決の後、野球、ソフトボールと空手道の競技実施に向けて、都はどのような取り組みを行い、都民の意思を反映させるよう努力をしてきたのか、見解をお伺いさせていただきます。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 種目追加につきましては、二月のIOC理事会でスケジュールが示されているのみでございまして、評価基準は六月のIOC理事会で決定される予定でございます。この評価基準などに基づきまして、東京二〇二〇種目追加検討会議におきまして、今後、具体的な検討が進められることになります。そうした場を活用しまして、都議会における決議を初めとしまして、都民の意見についても伝えてまいります。

○小山委員 この都議会本会議の議決は、全員の、全会一致でされた決議でもあります。ぜひ都として、この実現に向けて、さらなる取り組みをお願いしておきたいと思います。
 そこで、今後、追加種目を具体的に検討していく上で、この野球、ソフトボールが開催をされました直近のオリンピック競技大会における種目、競技会場の概要、予選方法についてお伺いをさせていただきたいと思います。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 直近の二〇〇八年北京大会では、野球とソフトボールにつきましては二つの異なる競技でございました。
 野球については、男子一種目で、客席数一万二千席のメーン会場と三千席のサブ会場で行われております。競技方法としましては、参加八チームによる総当たりの予選リーグを行い、上位四チームが決勝トーナメントへ進出しております。
 ソフトボールにつきましては、女子一種目で、客席数一万席の会場で行われました。競技方法は野球と同様でございます。

○小山委員 ただいま、野球、ソフトボールが開催をされました直近の大会であります北京大会のお話をお伺いさせていただきましたが、ぜひ、この追加種目に関する提案として一つ申し上げておきたいと思います。
 野球、ソフトボール、サッカーのように予選は東京都内ということはもちろんでありますけれども、日本国内各地域で開催をしていただきたいということを求めておきたいと思います。
 これは、先ほど川井委員からもございましたように、また、既存会場の利用については橘理事からもございました。ぜひ、東北の被災三県におきまして、岩手県の県営野球場、これは盛岡市にあって二万五千人収容であるとか、先ほどもありましたように宮城県の、これは楽天イーグルスの本拠地になっています楽天Koboスタジアム宮城ということで、二万九千人収容ができる仙台市の所在がございます。そして、福島県のあづま球場などは三万人収容できるということになっております。
 このように、プロ野球の試合が行われるような設備が整った野球場が既に既存施設として存在をしております。
 また、全国を見ますと、日本各地域の特色のある、また、それぞれの地域で愛されている球場が多数ございます。ぜひ、被災地を初めとした全国の子供たちが、この二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会を体感できる機会として、追加種目の野球やソフトボールが開催されるよう取り組んでいただくことを求めておきたいと思います。
 オリンピックの理念でもあります世界平和を希求して、震災からの復興につなげることができる競技の追加種目提案が、ぜひ組織委員会から行われることを求めて、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○石川委員 オリンピックの会場の名称について、まずお伺いしたいと思います。
 東京スタジアムは、一九九四年八月、東京都、周辺市町村、金融機関等の民間企業の五十三団体が出資して、それまで仮称とした武蔵野の森スタジアムと呼んでいた競技場の正式名称を東京スタジアムと決定したわけであります。
 二〇〇一年三月から東京スタジアムは開業いたしました。二〇〇三年三月、味の素株式会社とのネーミングライツ、命名権契約を行い、競技場の名称を味の素スタジアムと変更したわけであります。
 スポーツ以外にも、野外コンサートやフリーマーケット、展示会など各種イベントの会場として使用されております。また、東京都の監理団体でもあるわけでございます。
 我が国では、二〇〇三年に味の素スタジアムがネーミングライツとして公共施設初の事例として導入をされ、ネーミングライツの導入は施設側にとっては長期的な安定収入を得られるわけであります。味の素スタジアムでは、おおむね年間二億円ほどの収入になっているわけでありますけれども、一方、スポンサー側にとっては、施設来場者へのPR、さまざまなメディアへの露出、掲載等により、企業名や製品名等の認知度向上、イメージチェンジ等の効果が得られるわけであります。
 東京スタジアムとスポンサーである味の素株式会社とが相互に深い信頼関係を構築、維持するとともに、強固な連携のもと、十年以上の長きにわたりましてスタジアムの価値を高める取り組みを一致して推進をしてきたわけであります。私も、かつて役員を務めたこともございます。
 そこで、東京スタジアムは、ネーミングライツの関係で味の素スタジアムと呼ばれておりまして、交差点にもそのような掲示もされておりまして、競技場にも大きく看板がかけられているわけでございますけれども、テストイベントや大会期間中はどのように呼ばれるのか、お伺いいたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 大会会場につきましては、IOCの規定によりまして、テストイベントや大会期間中を含む一定期間、ネーミングライツを用いることができないとされております。そのため、大会会場としての名称は、原則としましては東京スタジアムでございますが、最終的には組織委員会において定めていくこととなります。

○石川委員 現在のネーミングライツの契約は二〇一九年二月末までとなっておりまして、オリンピック・パラリンピックの会場ということで、二年間は契約をしないか、あるいは、契約をしても一時的に休止をするという可能性もあるわけでございますけれども、そうなりますと、スタジアム等の経営にもそれなりの影響があるわけでございます。この辺はしっかりと対応していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 続きまして、オリンピック・パラリンピックの会場計画の再検討の状況が、前回、説明をされたところでございます。東京都民の一体感を保つ上でも、多摩地域を主会場として開催されることは、多摩地域の都民は大いに期待をしているところでございますけれども、現段階で多摩地域で決定をしている競技についてお伺いいたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 立候補ファイルでは、多摩地域を会場とする競技は、自転車競技のロードレース、それから近代五種、サッカーの三競技でございます。このうち近代五種の会場につきましては、二月のIOC理事会において了承を得たところでございます。

○石川委員 現段階では、近代五種は確実ということでございますけれども、近代五種の会場は武蔵野の森総合スポーツ施設と東京スタジアムということになっているわけであります。射撃、フェンシング、水泳、馬術、ランニング、全てこの二つの会場で実施ができるのか、お伺いいたします。また、馬術などは他の馬術場で行うということはないのか、この点についても改めてお伺いいたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 フェンシングにつきましては、武蔵野の森総合スポーツ施設で実施し、水泳、馬術、射撃、ランニングにつきましては、隣接する東京スタジアム内に施設を仮設し競技を実施する計画でIOCから了承を得てございます。

○石川委員 そのように受けとめさせていただきます。
 続きまして、残り十競技についてもさまざまな話題が持ち上がっております。先ほど来もお話がありましたけれども、例えばテコンドーは東京ビッグサイトから千葉県の幕張メッセとの報道や、自転車トラック、BMXは八王子市が名乗りを上げたり、また、群馬県前橋市は自転車競技トラックの会場誘致方針を決定し、市長らが森会長に直接要望活動も行っているというふうに聞いております。
 また、伊豆市も、国際大会開催可能なドーム型のサイクルスポーツセンター、屋内競技場を持っておりまして、一六年のアジア自転車競技選手権も行われることから、県を挙げて招致活動を行うとの報道もございます。
 また、多摩地域で予定をされているサッカーはまだ未決定ということになっておりますけれども、残りの十競技について今後どのように決定をしていくのか、お伺いいたします。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 これまでもご答弁させていただきましたところでございますが、二月に報告できなかった十競技につきましては、会場の検討に関連し、確認すべき事項、引き続き調整すべき事項が残っている競技でございます。
 これらの十競技につきましては、こうした課題等について現在調整を行っているところでございまして、次回六月のIOC理事会までに各競技団体の理解を得て報告できるよう、組織委員会と連携し、精力的に協議してまいります。

○石川委員 多摩地域で予定をされております競技がしっかりと、まずはIOCで決定されることを願っております。
 二〇一九年には、競技によっては世界選手権並みのテストイベントが行われることもあるわけでございます。近代五種については、東京スタジアムを会場として使用するということでございますけれども、東京スタジアムはサッカー場としてつくられたこともあり、Jリーグの試合もあることから、テストイベントの後、またサッカー場としてもとに戻し、オリンピック・パラリンピック競技大会の際は、また競技場に必要な仮設施設を設置するというふうに理解してよろしいのか、この点、確認をさせていただきたいと思います。

○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 オリンピックのテストイベントは、原則としまして大会の前年を中心に、実際の大会で使用予定の競技会場を使って、可能な限り本番に近い状態で実施するものでございます。テストイベントから得られました結果を運営の改善につなげ、大会本番において最高のパフォーマンスが発揮できるよう実施するものでございます。
 近代五種のテストイベントは、立候補ファイルにおいて、大会前年の八月から十月に実施することとしております。実際に実施するテストイベントの規模や内容等の詳細につきましては、今後、組織委員会と連携し、IOC、国際競技連盟等と協議、検討していくこととなります。

○石川委員 二〇二〇年は本番でございますけれども、二〇一九年のテストイベントも実は非常に大事なわけであります。最終的に追加種目などは来年の八月のIOC総会で決定することになっておりますけれども、そうなりますと、テストイベントまでの時間は三年しかないということになるわけであります。
 しっかりとタイムスケジュールの管理をお願いしたいということと、東京スタジアムなどは、近代五種だけで改修を二回行わなければならないわけで、また、サッカーも行われるということになるかと思いますが、事業的にも手戻りのないよう、効率的な改修ができるように工夫をしていただくことを要望いたしまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。

○高島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 ご異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十八分散会

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