委員長 | 高島なおき君 |
副委員長 | 畔上三和子君 |
副委員長 | 小磯 善彦君 |
副委員長 | 村上 英子君 |
理事 | 橘 正剛君 |
理事 | 吉原 修君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
小林 健二君 | |
石川 良一君 | |
山内れい子君 | |
小山くにひこ君 | |
徳留 道信君 | |
山崎 一輝君 | |
鈴木 隆道君 | |
林田 武君 | |
川井しげお君 | |
立石 晴康君 | |
酒井 大史君 |
欠席委員 なし
出席説明員オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 中嶋 正宏君 |
次長理事兼務 | 岡崎 義隆君 | |
技監 | 佐野 克彦君 | |
技監 | 邊見 隆士君 | |
技監 | 石山 明久君 | |
総務部長 | 鈴木 勝君 | |
総合調整部長 | 加藤 英典君 | |
準備会議担当部長 | 矢部 信栄君 | |
事業推進担当部長 | 福崎 宏志君 | |
計画調整担当部長 | 鈴木 一幸君 | |
大会準備部長 | 延與 桂君 | |
連絡調整担当部長 | 浦崎 秀行君 | |
連絡調整担当部長 | 小室 明子君 | |
大会計画担当部長 | 児玉英一郎君 | |
競技担当部長 | 根本 浩志君 | |
施設整備担当部長 | 小野寺弘樹君 | |
輸送担当部長 | 荒井 俊之君 | |
スポーツ推進部長 | 早崎 道晴君 | |
スポーツ施設担当部長 | 三浦 隆君 |
本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。
報告事項
・二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況等について(説明)
・大会開催基本計画の概要について(質疑)
・大会開催基本計画について(質疑)
閉会中の継続調査について
○高島委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会を開会いたします。
これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の開催に向けた事項について調査を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取及び閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
なお、報告事項、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況等については、本日は説明を聴取し、資料要求することにとどめ、質疑は後日の委員会で行います。ご了承願います。
初めに、理事者から、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況等について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 それでは、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況等についてご報告いたします。
去る二月二十六日から二十八日までリオデジャネイロにおいて開催されましたIOC理事会におきまして、組織委員会が大会の準備状況等について報告をいたしました。
その結果、二〇二〇年大会のオリンピック競技会場計画の一部について了承されるとともに、IOCから種目追加に関するスケジュールが示されましたので、ご説明させていただきます。
お手元の資料、1、今回の理事会において報告し、了承を得た競技会場をごらんください。
(1)が、会場について立候補ファイルから変更のない競技でございます。
表に示した十七競技、十八会場につきましては、立候補ファイル時点の会場から変更はございません。
(2)が、会場について立候補ファイルから変更があり、国際競技連盟からの承認を得ている競技会場でございます。
このたび、バスケットボール、カヌースラローム、馬術の三競技の会場について変更がございました。変更は、いずれも国内、国際競技団体の理解を得まして、IOCに報告し、了承を得たものでございます。
初めに、1のバスケットボールにつきましては、十一月の本委員会におきまして説明をさせていただきましたとおり、夢の島ユース・プラザ・アリーナBの新設を中止いたしまして既存施設を活用することとし、代替となる会場を検討しておりましたが、二〇〇六年にバスケットボールの世界選手権を開催するなどの実績もあるさいたまスーパーアリーナへ変更することといたしました。
次に、2のカヌースラロームにつきましては、こちらも十一月の本委員会におきまして説明をさせていただきましたとおり、公園整備の歴史的背景や公園の緑等自然環境に配慮し、隣接する都有地を活用して整備することといたしました。
3の馬術につきましては、立候補ファイル時点では、夢の島陸上競技場内に仮設施設を設置して競技を行う計画でありましたが、既存の馬術会場であり、一九六四年大会の馬術競技のレガシーでもある馬事公苑を活用することといたしました。これは、既存施設の最大活用をうたうオリンピックアジェンダ二〇二〇の提言にも沿うものであり、前回大会より半世紀を経て、二〇二〇年大会の新たなレガシーを残すことができる選択であると考えております。
お手元の資料の2、次回のIOC理事会で報告する競技をごらんください。
残りの十競技につきましては、六月に予定されております次回の理事会で報告できるよう、都としても、組織委員会とともに国内、国際競技団体等と精力的に協議、調整を進めてまいります。
3、種目の追加に関する今後の予定をごらんください。
今回のIOC理事会において審議され、発表された、種目追加に係る今後のスケジュールでございます。
本年六月のIOC理事会におきまして評価基準を決定する予定となっておりまして、本年九月までに、組織委員会がIOCに対して二〇二〇年大会における追加の種目を提案する予定となっております。その後、IOCにおいて調査検討し、来年八月のIOC総会で決定される予定となっております。
説明は以上でございます。
○高島委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。
○高島委員長 次に、報告事項、大会開催基本計画の概要について及び大会開催基本計画についてに対する質疑を一括して行います。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○林田委員 大会開催基本計画につきまして、何点か質問をさせていただきます。
先月、二月二十七日に大会開催基本計画がIOC及びIPCに提出され、公表されました。
先日の我が党の代表質問に対しまして、知事は、計画策定によって本格化する開催準備に万全を期していくとの決意を表明いたしました。本計画にあるとおり、今後は、大会準備を始める基本段階から、大会の運用上の具体的な準備に着手する段階に移行していくことになります。
計画の中では、これまで本委員会でも議論し、再検討を行ってきた会場計画については、引き続き競技連盟、IOC、IPCと協議を重ねながら検討するとされており、具体的な会場設置などは記載されておりません。本日、質疑に先立つ前に報告された中で、最終的には六月のIOC理事会への報告を経て了承され、決まっていくものだと伺いました。
一方で、本計画においては、大会ビジョンや大会を支える機能、大会の計画、開催に向けた推進体制等が記載されており、大会までの五年間の羅針盤というべき内容が盛り込まれております。
そこで、最初に、大会開催基本計画の性格と策定の意義についてお伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会開催基本計画は大会開催準備の枠組みを提供する基本的な計画であり、今後は、本計画に基づき個々の分野における具体的な実施内容を検討いたします。
複雑かつ多岐にわたる準備業務を約五年という限られた時間の中で確実に行っていく必要があります。このため、どのような大会にしたいのかという点を大会ビジョンとして明確にするとともに、大会開催に必要な準備、大会を通して達成し残すべきもの、そのための体制構築や関係者との連携について明記しております。
特に大会を支える機能に関しましては、五十二のファンクショナルエリアを定め、大会開催に向けて必要なおのおのの機能や業務等を明確化しております。
今後は、本計画を出発点として、組織委員会はもとより、関係者と一丸となって本格的に準備に取り組んでまいります。
○林田委員 先日の代表質問において、知事は、二〇二〇年大会の成否の鍵はパラリンピックの成功であると答弁いたしました。本計画におきましても、東京は同一都市として初めて二回目のパラリンピックを開催することから、パラリンピックムーブメントのさらなる発展への貢献が強く期待されているとあります。
また、大会の成功はもとより、大会後を見据えると、超高齢化を迎える東京にとって、パラリンピックの成功に向けた準備も非常に重要になってくると思います。
そこで、大会開催基本計画におけるパラリンピックの位置づけについてお伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会ビジョンの基本コンセプトの一つである多様性と調和の実現には、パラリンピックの成功が極めて重要であります。このため、計画におきましては、パラリンピックへの取り組み姿勢を強調しております。
具体的には、パラリンピックを意識した組織運営やパラリンピック競技の認知度向上などを戦略的な取り組みとして展開することとしております。
五十二のファンクショナルエリアの一つであるパラリンピックインテグレーションにおきましては、障害者を含む全てのクライアントにすばらしい体験を提供できるよう、パラリンピックの準備全般に関与する取り組みを行うことを明記しております。
また、大会のアクセシビリティーガイドラインを策定し、会場準備などに適用してまいります。
○林田委員 先日の本委員会における説明では、大会開催基本計画の中で、都との交わりが深い分野としてセキュリティーと輸送が掲げられております。
セキュリティーの項目においては、それぞれの関係者が実感できる安心を提供するとされておりますが、昨今の情勢を鑑みますと、大会開催時のセキュリティーは重大な課題であります。
また、輸送の項目においては、円滑な輸送サービスを確保するとされておりますが、インフラ等の工事期間も含め、大会時の交通混雑等による都民生活への影響が懸念されるところであります。
そこで、セキュリティーや輸送の分野において、都は今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会が安全・安心な環境のもとで開催され、アスリートを初め、東京を訪れる全ての人々がスポーツの祭典の喜びを享受できる環境を提供することは開催都市としての責任であります。
都は、自然災害やテロなど、さまざまなリスクに対処するため、政府等関係機関や競技会場のセキュリティーを担う大会組織委員会とも緊密に連携して、開催都市の安全・安心の確保に万全を期します。
また、大量の観客や選手などの大会関係者を円滑に輸送するとともに、都民生活への影響を最小化することは、大会成功の大きな要因の一つであります。
都は、組織委員会と緊密に連携し、地元区市等関係機関との調整や、大会時の交通混雑を低減させることを目的とした交通需要マネジメントを検討いたします。
あわせまして、競技会場やインフラの工事期間中における交通混雑の問題にも取り組んでまいります。
○林田委員 これまでも申し上げてまいりましたとおり、大会後の東京、日本に残るレガシーを見据えた取り組みが重要であります。
こうした点からも、大会後のレガシーを見据えて、計画当初の段階から包括的に取り組みを推進していくためのアクション&レガシープランを策定し、都や組織委員会、国などが一体となって取り組んでいくことは大変意義深いことと考えられます。
そこで、平成二十八年に組織委員会が策定するとしておりますアクション&レガシープランと、都が今後策定するレガシービジョンの関係についてお伺いいたします。
○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局計画調整担当部長 現在、都は、知事をトップとするレガシー委員会において、民間の知恵や地域の声も聞きながら二〇二〇年大会の有形無形のレガシーについて検討を進めており、今後、レガシービジョンとして取りまとめることとしております。
このレガシービジョンの内容を反映させ、さらに国やJOC、JPCなどのレガシーの取り組みも取り込み、平成二十八年度に組織委員会がオールジャパンのレガシー計画でありますアクション&レガシープランを取りまとめる予定となっております。
○林田委員 アクション&レガシープランに盛り込まれるレガシーの例示にも、東日本大震災の被災地への支援や復興状況の世界への発信が記載されておりますが、被災地の復興支援を打ち出している点が東京大会の特色でもあり、非常に重要であると思います。
我が党の政策提言にもあるとおり、大会に向けて、スポーツ等を通じて復興を後押しするとともに、その姿を広く世界にアピールしていくことが必要であります。
そこで、都は、今後、具体的にどのように被災地支援に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○小室オリンピック・パラリンピック準備局連絡調整担当部長 招致の段階では、都、被災三県、JOCなどから構成される復興専門委員会が三十二項目の復興支援事業を提言いたしました。
昨年の七月には、都、組織委員会のほか、被災三県を含めた関係団体から構成されます被災地復興支援連絡協議会が設置され、大会を通じた復興支援事業を検討しております。
今後、復興専門委員会の三十二の提言事業をもとに、アクション&レガシープランの策定に合わせまして事業案をまとめていく予定でございます。
都は、既に継続して実施しております復興支援事業に加えまして、来年度の新規事業としまして、大会と被災地復興を結びつける映像の制作に取り組み、今後、国内外におけるスポーツイベント等で世界に向けて発信していく予定であります。
復興を遂げた被災地の姿を世界に発信していくことは、大会開催の大きな意義の一つでございます。二〇二〇年に向けて、この映像の活用を初め、さまざまな復興支援事業により復興を後押ししてまいります。
○林田委員 東京都がさまざまな事業を通じまして被災地の復興を支援していくことがわかりました。ぜひ大会に向けて、引き続き復興を後押ししていただくように強くお願いしておきます。
次に、大会の盛り上げに向けた全国自治体との連携についてお伺いいたします。
先日来日いたしました元ロンドン組織委員会CEOのポール・ダイトン卿が、新聞の取材の中で、大会の成功を何ではかるのかという問いに対しまして、大会が終わったとき、自分はその一部になれた、参加したと感じる人がどれだけいたかと答えておりました。私は常々、オールジャパンでの大会の盛り上がりが非常に重要であると思っておりましたので、まさに我が意を得たコメントであると感じました。
基本計画の中でも、エンゲージメント、つまり、大会ビジョンを浸透させながら、国内外の多くの人々とともに大会をつくり上げていく活動の推進に向けて、今後、組織委員会において戦略を策定するとしております。
都といたしましても、オールジャパンでの大会盛り上げに向けて、都内区市町村はもちろんのこと、全国自治体と連携していくべきと考えますが、具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○小室オリンピック・パラリンピック準備局連絡調整担当部長 二〇二〇年大会に向けまして、オールジャパンで開催機運を盛り上げ、国民の気持ちを一つにしていくことは重要なことでございます。
そのためには、都内市区町村を初め全国の自治体と連携し、多くの人々を巻き込んで、地域に根差した取り組みを展開することが必要でございます。
都道府県間で協力、連携を行うために、昨年九月に、四十七都道府県知事により構成される全国知事会二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部が設置されまして、大会に向けた広域での連携した取り組みを検討しております。
また、被災地復興支援では、被災地復興支援連絡協議会におきまして、組織委員会、国、被災県等の関係団体と継続的に連携を進めておりまして、都としても大会を通じた復興支援事業を実施してまいります。
一方、足元の都内の市区町村におきましては、事前キャンプ誘致のノウハウなど情報提供を行いますとともに、大会を契機としたスポーツ振興等への取り組みへの財政支援も行い、連携して取り組みを推進してまいります。
今後、各自治体との一層の連携を図りまして、全国規模で大会成功に向けた意識を広く醸成し、オールジャパン体制で取り組んでまいります。
○林田委員 これまでの答弁を通じまして、大会開催までの五年余りの短い期間で、都が非常に多くの取り組みを行っていかなければならないということを理解いたしました。
こうした多岐にわたる開催準備を進めていくに当たりまして、局長の決意をお伺いしたいと思います。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 二〇二〇年大会の開催に向けましては、今回の開催基本計画の発表からも明らかになりましたように、複雑かつ多岐にわたる準備業務がございまして、今後、さまざまに直面する課題に対処しつつ、着実に取り組みを推進していく必要がございます。都は、国や組織委員会との適切な役割分担のもと、大会準備に万全を期してまいります。
まず、競技施設や選手村の整備に当たりましては、本委員会での議論も踏まえまして、都としては一定の方向性を打ち出したところでございます。これを着実に事業を実施してまいります。
今後は、これらに加えまして、セキュリティー、輸送など都民生活ともかかわりの深い大会運営を支えるさまざまな取り組みや、市区町村と連携した多くの都民が参画する大会に向けての盛り上げなどに一層力を注いでまいります。
また、大会の成功の鍵はパラリンピックにあるとの考えのもと、来年度から予算、人員体制を強化して、パラリンピックの準備及び障害者スポーツの振興への取り組みを強化いたします。
二〇二〇年大会を必ず成功させまして、大会を通じて都民にかけがえのないレガシーを残していくという不退転の決意のもと、今後五年という限られた期間ではございますが、スピード感を持ち、都庁一丸となって準備に取り組む所存でございます。
引き続き、都議会の皆様方のご指導、ご鞭撻のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○林田委員 局長のご決意を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
実は先般、東京都がラグビーワールドカップ二〇一九日本大会の開催都市に決まりました。二〇一九年ラグビーワールドカップ、そして二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックと続いて世界大イベントが行われるわけであります。
このときこそ、まさに東京が世界で一番の都市としての存在感を世界にアピールする絶好のチャンスであると思っております。しっかりとオールジャパンで準備を抜かりないように頑張っていただくことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○小磯委員 今回、大会開催基本計画がまとまり、公表をされました。関係者の方々には大変にお疲れさまでございました。このように計画がまとまり、このオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会で説明、報告があり、きょうの審議となったわけでございます。
大会開催基本計画を拝見したところ、五十二の多岐にわたる分野で計画が練られていくことがわかったわけでございます。
そこで、大会開催基本計画の位置づけというのはどういうものかをお伺いします。
また、今後さまざまな計画や取り組みの方針が示されていくと思いますが、都議会としても、史上最高のオリンピックを目指して関与していくべきと考えておりますが、都の考えをお伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会開催基本計画は大会準備の出発点となるものであり、複雑かつ多岐にわたる準備を確実に行うため、必要となる業務等を明記してございます。今後は、本計画に基づきまして、個々の分野の具体的な実施内容を検討してまいります。
会場計画につきましては、本委員会でもご議論をいただき、一定の方向性を示すことができました。
今後、大会開催に向けては、アクセシビリティーガイドラインや輸送に関する計画の策定などを初め、さまざまな取り組みを進めていくこととなります。
都は、本会議や本委員会での議論を踏まえ、具体的な取り組み内容を肉づけしながら、組織委員会等と連携の上、大会の開催準備に取り組んでまいります。
〔「ちょっと委員長、委員長」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 暫時休憩。
午後一時二十六分休憩
午後一時二十九分開議
○高島委員長 一回休憩をさせていただいたので、今、再開をいたします。
まず最初に、もう一度暫時休憩をさせていただきたい。
傍聴者の方も、理事者も、一回退席をしていただきたい。
それで、ちょっと再開はわからないので、速やかにまた再開時には集合できるようにしていただきたい。
傍聴者の皆さんも、とりあえず休憩をさせていただく。
よろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
では、暫時休憩といたします。
午後一時三十分休憩
午後一時四十九分開議
○高島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○小磯委員 セキュリティーに関連して、一部報道では、ロンドン五輪と同規模の五万人の警備を行うとなっておりまして、警察官二万一千人、ほかは民間警備員で行うとしておりますが、その充足も大変難しい、このように出ておりました。
基本計画の一〇七ページ、ここには、適切に訓練され必要な能力を備えた民間警備員及びセキュリティーボランティアを十分に準備するとともに、実証された技術を活用して確実かつスムーズなセキュリティー措置を講じることと、このように掲載をされているわけでございます。
そこで、大会時のセキュリティー要員の規模はどのように想定をしているのか、また、セキュリティーボランティアはどのような役割を担うのか、お伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 安全・安心な環境のもと、スポーツの祭典である二〇二〇年大会を円滑に運営するためには、関係機関が連携し、万全のセキュリティーを行うことが必要となります。
新聞報道における警備従事要員五万人は、立候補ファイルで示されているセキュリティー要員のデータに基づく数字と思われます。実際の大会時の必要人員につきましては、現在、関係機関とともに精査しているところでございます。
大会運営を支えるセキュリティー要員は、警備実施の中核を担う警視庁、東京消防庁、海上保安庁に加え、適切に訓練され能力を備えた会場の出入りの管理等を行う民間警備員が担うこととしております。
お尋ねのセキュリティーボランティアにつきましては、観客の案内や整理誘導を担うことを想定しております。
○小磯委員 続きまして、都市活動・ライブサイトについてお伺いをいたします。
基本計画の四七ページには、地域コミュニティや来訪者がオリンピックとパラリンピックの生中継を観戦できる場所を提供し、大会の興奮を体験できるエリアを提供すること、このようにあるわけでございます。このライブサイトを私は都内の各自治体で展開すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 大会開催基本計画のファンクショナルエリアの一つとして位置づけられているライブサイトは、チケットを持たない方々、地域の方々などが生の競技映像を無料で見ることができ、オリンピック・パラリンピックの祝祭の雰囲気を楽しむことができる場を提供するものでございます。
二〇二〇年大会をできるだけ多くの都民が体験し、東京全体で機運を盛り上げていくため、競技会場周辺だけでなく、さまざまな場所で、各市区町村とも連携してライブサイトを開催することができるよう、来年度から、組織委員会とともに放映権者、大会スポンサーとの調整を進めてまいります。
○小磯委員 ライブサイトでは、リオ大会を放映して、大会の開催に先立ちオリンピックムーブメントを盛り上げるべきと考えますが、この点はいかがでしょうか。
○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 二〇一六年のリオ大会は、オリンピック・パラリンピックの楽しさ、すばらしさを体感してもらい、二〇二〇年東京大会に向けた期待感を膨らませることができる絶好の機会でございます。また、二〇二〇年ライブサイト時における放映、通信、警備等のためのノウハウを蓄積することができます。
このため、二〇一六年リオ大会のライブサイト実施に向け、来年度、計画策定の予算を計上しております。
今後、組織委員会と連携し、開催場所、期間、規模等について詳細な検討を進めてまいります。
○小磯委員 このライブサイトを行う場合、大パノラマビジョンといったものも必要でございますし、そういった意味では、各自治体は予算が必要になってくるわけでございまして、ぜひ都としても、そうした自治体に対する助成など支援もご検討を同時にいただければというふうに要望しておきたいというふうに思います。
最後に、二〇二〇年東京大会は、世界一安全な国、日本というのが原点であろう、私はこのように思っております。何もないことが一番いいわけでございますけれども、大会時に大きな地震が発生する可能性もあります。
避難誘導措置も重要でありますが、例えば地震が発生した場合、会場でしばらくその場にとどまることで安全を確保することもあるのではないかと思います。その場合、食料の備蓄など帰宅困難者対策も必要であり、大会用の計画が必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会時、世界中から東京を訪れる多くのアスリートや大会関係者、観客の安全を確保するためには、大規模な地震等に対する万全の備えが必要でございます。
競技会場等大会関係施設につきましては、建物の耐震化や不燃化等の対策を行うとともに、大会組織委員会と緊密に連携し、施設ごとの避難誘導計画を策定いたします。
大会時に大規模な地震が発生した場合、副委員長ご指摘のとおり、食料の確保など、帰宅困難者の発生を想定し、準備することも必要となります。
今後も地震等に対する備えを万全にするため、都庁内各局はもとより、大会組織委員会を初めとする関係機関との適切な役割分担を行い、緊密に連携してまいります。
○小磯委員 今回のセキュリティーのミッションの中に、東京二〇二〇大会が生み出すスポーツの感動を誰もが共有できる大会にするため、将来の先例となるオールジャパン体制により安全及びセキュリティーを確保し、全ての大会関係者、観客、周辺の地域社会に対し、それぞれが実感できる安心を提供する、このように出ております。そういった意味では万全の備えをお願いしたいというふうに思います。
最後に、一六五ページに、東日本大震災の被災地への支援や復興状況の世界への発信というのが出ております。そういった意味では、私は、今回の計画の中にはありませんけれども、被災三県の方々の参加もそういうセレモニーの中にぜひとも盛り込んでいただきたい、このような要望をいたしまして、質問とさせていただきます。
終わります。
○畔上委員 この基本計画は、アジェンダ二〇二〇を踏まえた最初の大会の基本計画ということですから、どのような計画をつくり、どう具体化を図るのか、まさに世界から注目されているものだと思っております。
二月に行われました第三回の事務折衝の中で、国際オリンピック委員会、IOCのコーツ副会長は、東京五輪をアジェンダ二〇二〇の改革の見本にと発言したという報道もありました。
アジェンダ二〇二〇は、持続可能性を戦略として重視しております。そして、IOCは、大会後にそのレガシーをモニタリングするということも定めたわけでございますが、会場計画にも大きな影響を与えるアジェンダ二〇二〇に対する都の認識と、この計画に具体的にどう生かされているのか、その点についてまず伺いたいと思います。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 オリンピックアジェンダ二〇二〇では、既存施設の最大限の活用や、開催都市以外での競技開催が提言されており、これは、都と組織委員会がこれまで実施してきた会場計画の再検討の方向と一致しているものと認識しております。
大会開催基本計画におきましても、第3章、会場・インフラの中で、具体的な競技会場等の配置等につきましては、オリンピックアジェンダ二〇二〇等を踏まえ、現在、レビューを実施中であると記載されております。
○畔上委員 既存施設の最大限の活用ということは大変重要なことだと思います。私は、アジェンダ二〇二〇を具体化する上で、ロンドン大会から学ぶことが非常に重要だというふうに思います。
ロンドン大会が高く評価されたのも、単にレガシーを重視するにとどまらず、大会を通じての環境の改善や、生物の多様性、健康な生活等の課題について、持続可能性戦略を早い段階から定めて具体化してきたことです。
その結果、土壌汚染が深刻だった東部地域は、東京ドーム四十八個分の巨大な緑の公園となり、その中には、低所得者でも入居できる住宅を三五%、三つの学校、九つの保育園、三つの医療機関が整備されました。交通網の整備も、公共交通や自転車道、歩道や水路の整備がなされました。
また、施設整備に当たっては、設計から資材の調達、建設の全ての段階で環境基準の遵守が重視されました。
東京は、ロンドン大会の教訓をどう学んで、大会開催基本計画とそのレガシーにどう生かすのでしょうか。伺います。
○荒井オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 ロンドン大会におきましては、ロンドン東部の低未利用地の再開発によりオリンピックパークを整備するに当たり、土壌改良や緑化などを図り、地域の環境改善も実現しました。
このような点に学び、東京大会では、都が新設する個々の会場について、都の建築物環境計画書制度や省エネ・再エネ東京仕様の適用など、環境に配慮した整備に努めることとしております。
また、会場計画の再検討に当たりましては、環境等に配慮した会場設計を具体的な検討事項とし、葛西臨海公園に予定していたカヌースラローム会場の建設予定地を、公園に隣接する下水道局用地に変更する見直しを行いました。
○畔上委員 とりわけロンドン大会から大いに学ぶべきことは、先ほど申し上げたように、早い段階から持続可能性戦略を定めることだということです。
立候補ファイルでも、ロンドン大会の持続可能性のための方針や活動、大会報告を詳細に研究するとしておりました。そういう点では、選手村などは持続可能性戦略の議論が十分でないモデルプランがひとり歩きしていると指摘せざるを得ないわけです。
前々回の委員会におきまして我が党の吉田理事が、大会後、超高層と板状のマンション配置は、海風を遮断し、ヒートアイランドを加速し、環境に逆行するんじゃないか、こうただしたのに対しまして、モデルプランの建物の配置を基本としてレガシー委員会で検討するとして、既にこのモデルプランを基本にしているわけです。
知事は、昨年十二月十九日に、モデルプランはあくまでもたたき台だと、こういいながら、実際にはモデルプランを基本として実施アセスに進んでいるという状況なわけです。
今のモデルプランをひとり歩きさせる、こういうことはやらないで、都の財政負担も明らかにして、地元区とか、また都民の意見もよく聞いて持続可能性戦略をそこで立てて、それから、このオリンピック・パラリンピックを契機に、幹線道路や自動車道中心の交通整備からの転換や、緑や水の都市空間の拡大や、ヒートアイランドの解消や、CO2の排出抑制、さらには再生可能エネルギーの拡大や公営住宅の建設など、戦略的な取り組みが進められるよう強く求めておきたいと思います。
先ほどのご答弁にもありましたが、アジェンダ二〇二〇では、大会時の会場については、持続可能性や長期的なレガシーの視点から、既存施設の最大限の活用や仮設会場の活用を積極的に推進する、このことを提言しております。
先ほどのご報告で、二月二十六日から二十八日のIOCの理事会において、バスケット、馬術、カヌースラロームについては変更が承認されたということでありました。この三会場の見直しにつきましては、我が党はこれまでも繰り返し具体的に変更を求めてまいりましたが、心から歓迎するものであります。
セーリングや水泳、自転車など十競技については引き続き検討ということでありますが、やはりコストの面で見ましても、現時点で、都の負担だけでも既に立候補ファイルの千五百三十八億が二千五百七十六億円、千三十八億円もふえていること、また、都民スポーツの振興との関連、環境問題、アスリートの競技環境などを考えますと、さらに既存施設の活用を進めることなどの見直しが必要だと思っています。
次回の委員会で会場計画の見直しについては質疑させていただきますが、アジェンダ二〇二〇の立場を貫く会場整備を求めておきたいと思います。
さて、大会計画を遂行していく上で、都民参加は欠かせないことだと思います。ステークホルダーには都民も含まれている、こういう認識でよろしいのでしょうか。伺います。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会開催基本計画におきましては、大会の開催準備を進める上でのステークホルダーは、組織委員会による決定事項に利害関係を有する組織や、組織委員会の決定や提案に関して意見や承認をする組織とされております。
一方、東京都はステークホルダーの中心的な役割を担うものとして位置づけられており、今後、都民の声を十分に聞きながら開催準備を進めてまいります。
○畔上委員 都がステークホルダーの中心として位置づけられていて、その都が都民の声を聞いて大会の準備を進めますというご答弁なんですが、大きな意味でいえば、そういう点では都民は大切なステークホルダーともいえるわけですから、都はしっかりと情報を公開して都民の意見を聞いていただきたいなというふうに思います。
この間、例えば競技会場の費用の積算など、説明責任が果たされているのかといえば、非常に不透明な部分が残されているのが実態であります。
オリンピック開催に向けても、民間資金だからどう使おうと自由だということではなくて、大会組織委員会には、来年度百三十人、都の職員も派遣して、東京都が中心になって行う事業でありますから、透明性を高めて公平、公正なことを行っていただきたい、このことが重要だというふうに思います。
例えば、組織委員会から中小企業への発注を高めるなどの中小企業振興が求められていて、今そういった意見も出ているところでありますけれども、それがどの程度行われたかということを財政的な数字で都民にしっかり明らかにしていく、こういうことも必要だというふうに思っております。
また、もし大会組織委員会が赤字になった場合には東京都が財政保証をしなければならないわけですから、その点でも、都議会、都民にしっかり報告をしていただきたいというふうに思います。
大会組織委員会は、東京都が九割を出資する公益財団法人であるにもかかわらず、都の監理団体にはなっておりません。そういう点からも、どこまで都民に明らかにされるのか、心もとないわけでございます。
そういう点では、都民に対して、税金はもちろんのことですが、全体の財政計画や収支の状況、それから内容、また会場計画の進行状況、こういった必要な情報をきちんと明らかにして、そして都民の意見に耳を傾けていただきたいと、意見として申し上げておきたいと思います。
アジェンダ二〇二〇では、大会やオリンピックムーブメントなど、あらゆる場面で持続可能性の原則を確立することも定められております。カーボンニュートラルなど二〇二〇年オリンピック・パラリンピック環境ガイドラインに基づいたこうした取り組みを、今回の大会開催基本計画にどのように反映しているのでしょうか。そのことを伺いたいと思います。
○荒井オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会開催基本計画は、大会開催準備の枠組みを提供する基本的な計画であり、準備の出発点となるものでございます。個々の分野の具体的な実施内容の検討は、今後、この基本計画に基づいて進めてまいります。
環境に関する取り組みにつきましては、基本計画において、組織委員会が主要なステークホルダーと協力しながら、東京二〇二〇持続可能性計画を含む持続可能性に関する計画について戦略的な策定を主導すると記されております。都もステークホルダーとして具体的な計画策定に積極的に協力してまいります。
○畔上委員 今、持続可能性計画を含む持続可能性に関する計画について戦略的な策定を主導するというお話があったんですけれども、こういう点でいえば、新国立競技場の建設は、環境を優先する二〇二〇東京大会というガイドラインの根本精神に逆行するといわざるを得ません。
環境ガイドラインでは、環境負荷の最小化、自然と共生する都市環境計画、スポーツを通じて地球環境、地域環境の大切さを発信する持続可能な社会づくりという三つの柱立てをしております。
ところが、この新国立競技場建設については、我が党も、神宮外苑が日本で最初に指定された風致地区であって、既存施設を活用すべきだと申し上げてきましたけれども、多くの専門家や都民の皆さんからも、景観問題、それから規模の問題、環境問題、こういった問題で疑問の声、また批判が上がっている。そういったにもかかわらず、現国立競技場は解体が始められてしまったわけです。
この計画のアクション&レガシーの中の、会場周辺等における良好な景観、魅力ある公園、緑地や水辺などの保全、創出に逆行するのではないでしょうか。伺います。
○荒井オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 新国立競技場の建設につきましては、事業主体であるJSCが有識者や各分野の専門家から成る国立競技場将来構想有識者会議を設置し、その中で、施設計画における周辺環境との調和についても検討した上で事業を進めております。
また、都市計画等関連法令に基づき、景観を含めた必要な手続が行われているほか、現在の明治公園の再編整備にも取り組むこととしております。
今後とも、関係法令に基づき、景観や緑化等についても適切な手続を行い、整備が進められるものと認識しております。
○畔上委員 今後、関係法令に基づいて、景観や緑化など適切に審査されるというふうにいわれましたけれども、既に東京都は、新国立競技場建設に伴う樹木、木竹の伐採を許可しております。しかも、その樹木は何と千七百六十四本にも上っているわけです。
木竹伐採の風致地区許可を調べてみましたら、東京都が一昨年の十二月二十七日に六十九本の伐採、昨年の三月二十六日には千六百九十五本の伐採を許可しておりました。これで緑化と逆行しないといえるのでしょうか。いかがですか。
○荒井オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 JSCにつきましては、都市計画等関連法令に基づき、現在の明治公園の再編整備に取り組むこととしております。
○畔上委員 明治公園の再生にしても、実際には伐採が合計で千七百六十四本。今、敷地内に残すとなったのはたった三本です。そして、競技場の整備後に敷地内に移植をしますというのは九十四本。つまり、ほとんど、千六百七十本の木々が、とりわけ高い木は九百本以上が失われてしまうということが明らかになっています。このような新国立競技場建設は環境ガイドラインに逆行するものであり、直ちに見直すことを求めておきたいと思います。
ほかのアクション&レガシーの分野では、例えば、国際金融センターの実現や港湾等の整備充実などは施策を進める方向ですが、貧困問題では世界的課題に対する意識の問題とし、復興も復興状況の発信となっており、子供の貧困などの深刻な現状を解決していく施策の拡充とか、また復興対策の促進などが示されておりません。
今回はあくまでも例示であるというふうにしておりますが、貧困対策や復興、障害者施策の拡充など具体的施策に結びつけて、何をどう引き上げていくのか、やはりこの計画と施策を明らかにしていくことが必要だというふうに思っております。
平和についても、オリンピック休戦プロジェクトなどだけではなくて、平和のオリンピックにふさわしい憲法九条を生かした取り組みなどを求めておきたいと思います。
そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
○酒井委員 それでは、まず初めに、平和の祭典としてのオリンピック・パラリンピックについてお伺いをいたします。
オリンピックは、改めていうまでもなく、スポーツの祭典であるということと同時に、平和の祭典でもあります。
現在、テロとの戦いが国際社会の重要な課題でもあり、また、ウクライナなど一部の地域での紛争も起こっております。日本、この東京での二度目の夏季大会開催の意義を考えるのであれば、日本が平和国家の立場で平和を世界に喚起していく姿勢を示していく必要があろうかと思います。
大会開催基本計画にも平和の維持が記されておりますけれども、オリンピックの平和運動としての位置づけを大いに高めていく計画でなければならないと思います。
しかし、過去、北京オリンピックでは、当時のジャック・ロゲIOC会長が、オリンピックは競技をすることにとどまらず、民族、性別、宗教、政治を超えた平和の集いであることを忘れないでほしいと訴えたにもかかわらず、開会式当日、ロシアによるグルジア侵攻が勃発し、オリンピック休戦は破られてしまいました。
テロとの戦いには休戦はないかもしれませんけれども、平和を世界に喚起する二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの実現に向けて、オリンピック休戦を呼びかけることは重要な取り組みであろうかと思います。
そこで、オリンピック休戦の歴史とその背景についてお伺いをいたします。
○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局計画調整担当部長 オリンピック休戦は、古代オリンピックの開催に合わせ、全ての戦いが停止されたことを起源としております。
近代オリンピックにおけるオリンピック休戦は、スポーツを通じて平和を実現していくため、一九九二年のIOCの呼びかけにより復活し、一九九三年の国連総会で、オリンピック開催期間中の休戦について決議が採択されました。この国連決議を受け、一九九四年のリレハンメル冬季オリンピックで、オリンピック休戦が現代史上初めて実現をいたしました。
それ以降、全ての大会でオリンピック休戦に関する国連決議が採択されております。
○酒井委員 ただいまご答弁をいただきましたけれども、今、全てのオリンピック大会で国連決議が採択をされているということでございます。ぜひ東京都としても、組織委員会や国と連携をしながら、この休戦プロジェクトの実現に向けて積極的に取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
次に、教育プログラムについてお伺いをいたします。
オリンピック・パラリンピックは、子供たちにとって、アスリートになるという夢や、平和を希求し、大会を通じて世界とつながる未来への希望、そして感動を与える最大の機会でもあると思います。
大会開催基本計画には、組織委員会は、夏休みの宿題として東京二〇二〇大会への期待をエッセーにして提出するよう、日本中の小中学校に協力を求め、その結果、全国から二万を超える作品が提出されたと記されております。子供たちは、二〇二〇年大会に大きな期待と夢を抱えていることがうかがえます。
未来を担う子供たちに、大会を契機として相互理解や多様性の尊重などのオリンピズムを伝え、健全に育成していくとともに、日本の将来を担う人材として育てていくことが必要であると思います。そのためには、大会に向けて実施される教育プログラムが重要な意味を持ってくるものと考えます。
そこで、この教育プログラムをどのように展開していくのか、お伺いをいたします。
○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局計画調整担当部長 大会開催基本計画に掲載されております教育プログラムとは、都が推進しておりますオリンピック・パラリンピック教育や国、大学などでの取り組みを組織委員会が一つのプログラムとして取りまとめるものでございます。
現在、教育庁では、東京のオリンピック・パラリンピック教育を考える有識者会議を設置し、過去大会の事例なども参考にしながら、都として教育プログラムに取り込むべき具体的な事業内容などについて検討を行っております。
今後、こうした都の取り組みを反映させ、国等の取り組みとともに組織委員会が教育プログラムとして取りまとめ、IOCに提出した上で、具体的な事業を展開していくこととなります。
○酒井委員 現在、具体的な取り組みを含めて検討が始まっているということであり、今後さらにこの検討を進めて、すばらしいプログラムが実施できるようにしていただきたいというふうに考えております。
なお、この教育プログラムの具体的なメニューについては、できるだけ生徒みずからが直接体験できるようなものにしていただきたいと考えております。例えば、子供たちにオリンピックの生の感動を与えるため、競技観戦のチケット枠を設けることや、キャンプ地の見学など、積極的にあっせんをしていくといったこともぜひ検討していただくように要望をさせていただきます。
次に、宿泊施設についてお伺いをいたします。
選手などの大会関係者に対し宿泊施設を確保することは不可欠であるわけですけれども、大会期間中は、一般観戦者や旅行者によって都内の宿泊施設は満室になることが予想がされます。
この宿泊施設における宿泊料金については、需給のバランスによって変化をするということは当然であるわけですけれども、過度な高騰といったものは好ましくないものと考えます。
IOCなど大会関係者に対しては、大会組織委員会が周辺ホテルを借り上げ、宿泊料金の上限を設定していると聞いております。
一方、大会時の宿泊需要の高まりに伴い、宿泊料金の高騰など、大会の観客などへの影響が大きいと考えますけれども、どのような対応を行っていくのか、見解をお伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 二〇二〇年大会では、大会の観客などに対しても、個々のニーズに応じた宿泊施設を用意していくことが重要であります。
大会開催基本計画では、業界団体やホテルチェーン、旅行会社等と強固な協力体制を維持し、大会関係者や観客を都市として迎え入れる体制を構築することを掲げております。
都は、大会組織委員会が設置する宿泊施設に関する連絡協議会に参画し、観客の宿泊料金の高騰防止なども含め、さまざまな課題について検討する予定でございます。
○酒井委員 ただいま、連絡協議会に東京都も参加をして、高騰も含めて対応を検討していただけるということですので、より多くの方々がこの東京の地を訪れ、そして宿泊しやすい環境を構築するために、ぜひご尽力をいただきたいということをお願いさせていただきます。
次に、メディカルサービスについてお伺いをいたします。
アスリートに対する医療サービスの提供はもちろん大事であるわけですけれども、それとあわせて考えておかなければならないことは、観客への医療サービスの提供であろうかと思います。
この夏季の大会は、ちょうど夏、七月、八月という大変暑い時期の大会でもございます。屋外の競技施設などでは熱中症などの危険もあると思われます。搬送については救急隊に依頼をするということになろうかと思いますけれども、さまざまな言語を話す観客が来日をする中で、言語対応などを含めて、病気を発症してしまった観客への各競技施設での初期対応についても万全を期していく必要があろうかと思いますが、その対応方針についてお伺いをいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 選手だけでなく、観客に対しても万全の医療体制を構築することは重要であります。
大会開催基本計画では、屋外競技会場を含む各競技会場における観客用医務室の設置や救急車の配備を掲げております。また、医療関係団体や医療機関等と調整し、通訳者を含めた必要な医療チームスタッフを確保するとしております。
今後、都は、大会組織委員会とともに医療関係機関と密接に連携し、具体的な取り組みについて検討してまいります。
○酒井委員 今のご答弁を伺うと、安心ができるのかなという、そういった思いを持ちました。人間というのは本当に、困ったときにどういった対応をしてもらえたかということが、ある意味では日本のおもてなしを示す最大の場面でもあろうかと思いますので、ぜひこのメディカルサービスについても、観客の方々の安心、そして安全といったものを最優先に考えられるような、そういった対策を講じていただきたいというふうに思います。
次に、聖火リレーについてお伺いをいたします。
基本計画には、被災地、日本の観光名所や歴史、文化が感じられるルート選定とあります。具体的なルート決定はまだ先の話だと思いますが、聖火リレーによって世界の人々に日本を知ってもらうのとあわせ、被災地を含め日本全国が一体感を持てるようなルートになることが望ましいと思います。
そこで、二〇一九年に聖火リレールートを発表するまでの間に、被災地三県との話し合いを進め、未来(あした)への道千キロメートル縦断リレーのルートなども参考にしながら協議していくことも必要だと思います。
この点については、ぜひご検討いただくように要望しておきますが、一方、この東京都内においても、とかく臨海部に競技施設が集中しているため、多摩地域の人々にとっては実感が湧かないということも想定がされます。ぜひ都内においては、多摩地域の方々も大会に向けて最高の盛り上がりとなるようなルート設定を考えていただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 聖火リレーにつきまして、大会開催基本計画では、参加したランナー、観衆、地域住民、それにかかわる多くの人々がベストパフォーマンスを発揮できるようサポートし、大会に向けた機運を高めることを目標に掲げております。
また、日本の観光名所や歴史、文化が感じられるルートを選定するとしており、大会組織委員会が関係機関と協力し、大会開催一年前を目途にルートを決定する予定でございます。
今後、都内のルート設定につきましては、多摩地区を初め都内全域の盛り上がりを高めていけるよう、大会組織委員会と密接に連携し検討してまいります。
○酒井委員 まさにオール東京、オールジャパンを実現していくためには、今お話をいたしました聖火リレーのみならず、二〇二〇年大会を被災地の復興支援につなげていく必要があることはいうまでもありません。
都は、被災地の声を受けとめながら、二〇二〇年大会開催の効果を復興達成につなげていくことが重要であります。この復興達成につなげていくことに対する局長の見解をお伺いいたします。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 二〇二〇年大会を被災地復興につなげるため、大会開催基本計画では、大会ビジョンの五本の柱の一つに復興・オールジャパン・世界への発信を位置づけ、復興支援の取り組みを進めることとしたことは大変意義深いと考えております。この大会ビジョン構築に当たりましては、全国から意見を募集し、被災者からもご意見をいただいております。
現在、被災三県も参加する被災地復興支援連絡協議会におきまして今後の取り組みについて意見交換を進めており、今後、組織委員会が策定するアクション&レガシープランに合わせまして復興支援事業の具体化を検討してまいります。
都はこれまでも、被災自治体の意向を聞きながら、スポーツの力による復興支援事業を実施してまいりましたが、来年度から新たに、大会と復興を結びつける映像を作成し、広く発信する事業にも着手してまいります。
大会開催に向けて、引き続き被災県と連携しながら、スポーツ、文化、国際交流などの取り組みを通じ復興を後押しするとともに、大会後も震災復興の記憶が風化されることなく、次世代に継承できるよう鋭意取り組んでまいります。
○酒井委員 ぜひこの大会が震災からの復興といったものにしっかりとつながり、未来へつながっていくことを心から望んでおります。
最後に、セキュリティーに関して一言意見を述べさせていただきたいと思います。
二〇二〇年東京大会において、選手にも観客にも安心して競技、観戦をしていただけるよう、テロや大規模自然災害に対する備えをしなくてはならないことは本計画にも盛り込まれております。
その上でセキュリティー要員の確保に当たっていくわけですけれども、その一方で、大会運営自体のためにも、多くのボランティア、スタッフといった人材の確保をしていかなければなりません。
しかしながら、多くの人間がかかわるということは、残念ながらテロを画策している者が紛れ込むということも懸念がされます。外部からのテロに対応するだけではなく、内部にテロリストを巻き込むことがないような対応も考えていく必要があろうかと思います。
こういったことは、いうはやすし行うはかたしであるわけですけれども、ぜひ最善の対応をとって、全ての人たちにとって安心で、そして楽しい大会になるように方策を考えていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わりにいたします。
○石川委員 まず、テストイベントについてお伺いいたします。
二〇一九年に開催されるテストイベントは、プレオリンピックとも呼ばれています。オリンピック大会の前年にその開催予定地で行われる競技大会で、一九六三年に、一九六四年東京オリンピックの前年に、大会組織委員会が競技の運営に万全を期すため、諸外国に呼びかけて東京国際スポーツ大会を開いたことに始まり、以後、オリンピック大会の前年に類似の大会を開くようになったといわれております。本番のリハーサルを兼ねて開催都市で行われてきたわけでございます。
まず、テストイベントの基本的な考え方や位置づけについてお伺いいたします。
○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 オリンピックのテストイベントにつきましては、原則といたしまして、大会の前年を中心に、実際の大会で使用予定の競技会場を使いまして、可能な限り本番に近い状態で実施いたします。
テストイベントから得られました結果を運営の改善につなげまして、大会本番において最高のパフォーマンスが発揮できるよう実施するものでございます。
○石川委員 テストイベントと名づけられておりますが、世界選手権や国内選手権と位置づけられている競技もありまして、正式競技とほとんど変わらないわけであります。しかし、そのテストイベントの実施状況によって、競技内容などについて変更もあるというふうに聞いております。
例えば、自転車ロードレースなどは、男子ですと二百八十キロメートル、女子百四十キロメートルほどのコースで、特に丘陵部では男子が十六週、女子が七周の周回コースも想定をされておりますが、地元自治体としては大いに気になるところであります。
テストイベントの結果が本大会にどのように反映をされるのか、お伺いいたします。
○根本オリンピック・パラリンピック準備局競技担当部長 テストイベントが終了いたしました後、大会運営にかかわるそれぞれの関係者がテストイベントから得られました課題を共有することで、大会本番に向けて改善を重ねてまいります。
また、関係者が大会の運営経験を積むことで運営能力の向上を図ってまいります。
○石川委員 三月二日、二〇一九年ラグビーワールドカップ日本大会の開催地となる十二会場が決定をしたわけであります。
その中には東京都も含まれまして、昨日、私も参加しております東京都議会ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会成功議員連盟の総会も開催されまして、東京開催決定の報告があったわけでございます。
北海道から九州までバランスよく地域が選ばれており、東日本大震災の被災地でもあり、名門、新日鐵釜石の本拠地でもあった岩手県釜石市も選出されたことは大変喜ばしいことと思っております。
東京では、翌年の二〇二〇年にオリンピック・パラリンピックの開催を控えており、その前年開催となるわけで、大いにラグビーを通じてスポーツ振興を図っていかなければならないと思いますし、また、図ることができる絶好の機会といえるでしょう。
一方で、先日発表されました東京オリンピック・パラリンピックの二〇二〇年大会開催基本計画には、ラグビーワールドカップ開催と連動させてオリンピックをどう盛り上げていくのかについて特段触れられておりませんが、オリンピック・パラリンピックとラグビーワールドカップは、組織も運営も別物ではありますけれども、世界からアスリートが結集し、また、お客様を迎える大事な世界大会であることに変わりはありません。
また、同じく二〇一九年にはオリンピック・パラリンピックのテストイベントも開催され、五輪の前年からトップアスリートが日本に結集することで、国内の関心も一気に高まり、選手、関係者のモチベーションも大いに高まるわけであります。
二〇一六年開催のリオデジャネイロ大会では、前年の二〇一五年八月、もうことしの八月ということになるわけですけれども、二〇一六年五月までの間に開催をされるとなっております。
また、プレ大会とはいっても、そのもたらす経済波及効果や大会運営のノウハウの蓄積、都民、国民に対するスポーツ振興について大きな追い風となることは必定でございます。
二〇二〇年大会開催のために、このラグビーワールドカップとテストイベントの二つの事業を成功させることは当然のこととして、大いに学び、そこから得た知恵を本番のオリンピック・パラリンピックに活用していくことをしっかりと位置づけていただくことを要望いたしたいと思います。
続きまして、少し細かい話になりますけれども、大会計画書の三五ページ、出入国(AND)についてお伺いをいたします。
主要業務・役割の中で、チャーター便、ビジネスジェットに関する方針と手続を調整するとの記述がございますが、ビジネスジェットについて具体的にどのようなものを想定しているのか、お伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会開催基本計画における出入国のファンクショナルエリアに記載のあるビジネスジェットにつきましては、大会組織委員会では、世界各国の要人などが利用する専用の飛行機を想定しております。
今後、大会組織委員会が、大会関係者や観客の円滑な出入国が確実に行われるようにするため、チャーター便やビジネスジェットの運用に関して、政府関係機関や空港及び航空会社などと調整していくこととなります。
○石川委員 先日、横田飛行場民間利用促進協議会が設立をされまして、オリンピック・パラリンピック開催に向け、多摩地域の商工会、商工会議所などの経済団体が主体になってビジネスジェットの乗り入れをまずは求めていくことを一つの目標としていくことになったわけでございます。横田基地の軍民共用化の扉を開いていくのは、オリンピック・パラリンピックが絶好の機会と思います。
新たな多摩のビジョンの中でも横田の軍民共用化は位置づけられておりまして、石原知事時代の、サッカーワールドカップ日韓共同開催をにらんで米国にも強く要請をしていたという経緯がありますが、横田基地の滑走路の工事期間等に重なるというようなことも一つの理由で実現に至らなかったわけであります。ビジネスジェットを横田基地で実現することについても、ぜひともご留意いただきたいと思います。
続きまして、大会開催基本計画書の五一ページの清掃・廃棄物についてお伺いいたします。
先日の一般質問でも触れられておりましたが、このミッションは、日本人の持つ美意識とホスピタリティーにかかわると記述をしておりますが、日本的な道徳観が具体的に、また現実的にあらわれるところであると思っております。
数年前に、私自身、パリを訪れた際に、まち角ごとにごみを捨てられるかごが設置されているのに、正直なところびっくりしたわけであります。東京の自治体では、ごみの持ち帰りを奨励しており、公園等を含めて、ごみかごは撤去することが進められていたからであります。パリは世界有数の観光地ですから、ごみかごの設置は観光客へのサービスの一環として行われてきたのかなというふうには思っているわけであります。
ごみの分別と収集は、国内でも自治体によってかなりの差がありまして、世界を見ると、分別など全く行っていない国もたくさんあるわけであります。
収集後のマテリアルあるいはサーマルリサイクル等につきましては当然のことでありますけれども、捨てる際の分別方法などは、我が国民の道徳観念を現実的に示すものといえると思います。今後、このあたりをどう考え、実施するかはさまざまな意見があろうかと思いますが、現代の日本人のありようを示すものであることから、しっかりとした議論が必要と思います。
私は、個人的には、なるべくきちょうめんに分別をしてごみを収集する方法を選択すべきと考えております。分ければ資源、まぜればごみ。このごみの扱いは、もったいないの精神を示していくことにもつながっていくというふうに思っております。
二〇二〇年大会ではどのように廃棄物処理を行っていくのか、お伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会開催基本計画では、大会から発生する廃棄物を効果的、効率的かつ持続可能性に配慮した方法で処理することを掲げております。
このため、今後、大会組織委員会が関係機関と連携し、廃棄物の発生を最大限抑制した上で再使用の徹底や再利用の促進を行うなど、具体的な廃棄物処理に関する検討を実施していくこととしております。
○石川委員 ごみの処理をどうしていくのかは、その都市のレベルを決めていくある種の要因でもあるというふうにもいわれておりますので、しっかりとした議論と対応を図っていただきたいと思っております。
続きまして、六九ページ、飲食(FNB)についてお伺いいたします。
ミッションには、各クライアントの持続可能な飲食サービスへのニーズを満たすために必要な計画を策定及び実行し、最高レベルの品質を確保する、また、多様性と調和に配慮した飲食提供とともに、日本食の質の高さをアピールし、未来へ継承するとなっております。
そして、主要業務・役割の中で、飲食提供に係る戦略、食物安全性コンセプトを作成するとなっております。
食物の安全性の問題は、世界共通の課題といえます。そういう意味では、食物の安全性について、ミッションの中では最高レベルの品質を確保するという中に包含されているということになるわけでございますけれども、改めて最大級の配慮をしていただきたいということを要望させていただきたいと思います。
また、一六三ページの街づくり・持続可能性についてでございますが、〔7〕でセンター・コア・エリア内、競技会場周辺、主要駅周辺の道路、緊急輸送道路等の無電柱化の推進となっておりますが、マラソンや自転車ロードレースはコースが非常に長いわけであります。
また、トライアスロンも同じわけでございますけれども、マラソンも自転車ロードレースも、例えば東京マラソン、ツール・ド・フランスさいたま、あるいは横浜で行われておりましたトライアスロン等に見られますように、環境に優しく健康にもよいスポーツとして、これからも競技人口も拡大をしていくスポーツといえるでしょう。そういう意味では、世界中の数億あるいはそれ以上の人々が視聴するこの三つの競技は、日本のまち並みを紹介する上でも重要なものといえるでしょう。
残された時間は、あと五年、いや、テストイベントというふうに考えますと、四年しかないわけであります。電柱の地中化の推進を図っていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
最後に、一六六ページのオリンピック・パラリンピックの価値や日本的価値観の発信についてお伺いいたします。
大会開催基本計画では、アクション&レガシープランの例示として、和をもってとうとしとなす、おもてなしの心などの日本的価値観を発信していくとあります。こうした価値に加え、より具体的でわかりやすい日本的価値を世界に発信していくべきではないかと思います。
明治以降、海外から日本を訪れた外国人がまず感動したのは日本人の礼儀の正しさであると、さまざまな著書でも指摘をされているわけであります。柔道などの武道は、礼に始まり礼に終わるといわれますが、一方で、最近の若者は礼儀も崩れつつあるといわれております。しかし、それでも世界的に見れば、礼儀正しさは日本人を特徴づけるものだといえると思います。
歴史、伝統、日本的価値をわかりやすく示していくためにも、日本人の礼儀正しさを育み、大会を機に発信をしていくべきというふうに考えますが、見解をお伺いいたします。
○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局計画調整担当部長 今後、教育庁では、礼儀作法なども掲載したオリンピック・パラリンピック学習読本を作成し、都内の小中高等学校で活用するとともに、オリンピック・パラリンピック教育推進校で、専門家によるおもてなしの学習などを進めることとしており、こうした取り組みを通じて、日本人ならではの礼節を重んじる価値観を次代に継承してまいります。
そして、二〇二〇年東京大会に世界中から訪れる多くの大会関係者や観客をおもてなしの心で迎え、礼儀正しさを初めとした日本のよさを世界に発信してまいります。
○石川委員 日本は、侍の国ともいわれてきました。礼儀正しさは、これからも青少年の教育の場でも実践をし、保持されていかなければならない美徳といえるでしょう。
礼儀正しさ、例えば節度を持って挨拶をする等、オリンピック・パラリンピックの中でも日本的価値として世界の人々に伝えられることを願って、質問を終わります。
○山内委員 二月二十七日、大会開催基本計画がIOC、IPCに提出、公表されました。
これから具体的な準備の検討を進めていくことになると思いますけれども、本特別委員会での質疑は今後の準備業務にどのように反映されるのか、お伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会開催基本計画は大会開催準備の出発点となるものであり、今後は、本計画に基づき個々の分野の具体的な実施内容を検討してまいります。
会場計画の再検討など、これまで本委員会を初め都議会でご議論をいただいたところでございます。今後も、本委員会での議論を踏まえ、大会準備を適切に行ってまいります。
○山内委員 基本計画によりますと、オリンピック・パラリンピック競技大会は、その規模と運営の複雑さにおいて他のスポーツイベントに類を見ない、施設整備や運営上の要件を正確に理解し、関係者との役割と責任を明確に定めるとともに、さまざまな資源を調達して、限られた時間の中で着実に準備を進めなければならない、大会開催準備は多岐の分野にわたり、組織も急速に拡大していくことから、情報を効果的に共有することが重要であるとしています。
巨大な組織の中での情報共有、役割分担や連携などを明らかにし、責任の所在を明確にしていく必要があると思います。
基本計画では、大会組織委員会とその事務局組織図が示されておりますが、組織委員会は、多くの関係者とどのように協力関係を築き準備に取り組むのか、都はその取り組みをどのように支えるのか、お伺いいたします。
○浦崎オリンピック・パラリンピック準備局連絡調整担当部長 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の準備は極めて広範で多岐にわたるものであり、東京都や大会組織委員会など、さまざまな関係者が連携して取り組む必要があります。
大会開催基本計画では、効果的な連携を図るために、計画段階から関係者がそれぞれの役割分担を明確にし、大会業務の重複や漏れがないようにすることが重要としております。
都は、既に大会組織委員会と協力し、輸送やセキュリティー、アクセシビリティーなど、さまざまな分野ごとに各種の検討組織を立ち上げ、関係者間の調整や連携の仕組みづくりを進めているところでございます。
大会開催準備の全体像を取りまとめた本計画に基づき、都は、今後とも、開催都市として大会組織委員会と緊密に連携を図り、支援していくことで、大会準備に万全を期してまいります。
○山内委員 予算についてお伺いいたします。
東京二〇二〇組織委員会の予算は、立候補当時、約三千十三億円となっておりました。
まず、現在の大会開催基本計画では組織委員会の予算はどのくらいの規模となっているのか、また、その財源をどうするのか、お伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会開催基本計画においては、大会組織委員会の予算に関して、立候補ファイルに記載した予算をもとに、現在、支出面、収入面で精査中であるとされております。
また、仮設、オーバーレイの整備費を初め、テクノロジー、セキュリティー等の運営経費について、オリンピックアジェンダ二〇二〇も踏まえ、各支出項目を一つ一つ見直し、費用の削減に努めるとも記載されております。
組織委員会の財源の柱は、IOCからの分担金、国内マーケティング収入、チケットの売上収入であります。その他の収入としましては、日本国政府及び東京都からのパラリンピック競技大会の運営費用に対する五〇%の支援がございます。
○山内委員 施設整備費については、JOCが整備する国立競技場を除き、昨年十一月十九日の本特別委員会において、都が整備する会場の費用は二千五百七十六億円になると説明を受けました。
東京都の四千億円の基金はどのように使われていくのか、お伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金につきましては、基金の設置条例に基づき、競技会場の整備を初め、オリンピック・パラリンピック開催に関連する社会資本等の整備に要する資金に充当することとされております。
○山内委員 二〇二〇年大会では、大会組織委員会の予算や施設整備のほかに、教育プログラムや文化プログラムなどに係る費用もあります。一般の都民の視点で見れば、二〇二〇年大会にはトータルで一体幾らかかるんだという声も出てきております。
大会に係る民間の事業活動費までも含めたトータル経費の算出は非常に困難であると理解はしておりますけれども、少なくとも大会に係る都費の支出についてはしっかりと精査していただくことを強く要望しておきます。
次に、この比類ない規模のイベントなのだから、省エネ、再生可能エネルギーの拡大をオールジャパンで取り組み、カーボンニュートラルな大会にしていく必要があると考えます。大会全体のエネルギー消費をどのぐらいと考えているのか。
基本計画によりますと、グリーンな大会の実施と環境に優しい会場を確保することによって、持続可能な社会の重要性を浸透させるとしておりますが、再生可能エネルギーの目標、実効性のある計画をどのように進めていくのか。
また、廃棄物については、基本計画によりますと、発生を最大限抑制(リデュース)した上で、再使用(リユース)の徹底や再利用(リサイクル)の促進を行う、やむを得ず残った廃棄物について、可能な限りエネルギーへの活用を実施するとしていますが、どのようにこれを進めていくのか、お伺いいたします。
○荒井オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 大会全体のエネルギー需要につきましては、仮設施設も含めた会場計画や大会運営と密接に関連する事項であり、大会開催基本計画においては、今後、大会組織委員会において特定していくこととされております。
再生可能エネルギーなどグリーンエネルギーの活用を実現するための手法と手順についても、同様に今後検討していくものでございます。
都が整備する新規恒久施設につきましては、省エネ・再エネ東京仕様に基づき、省エネルギー機器の導入を検討するなど、適切に対応してまいります。
また、大会運営に係る廃棄物処理につきましても、今後、組織委員会が検討してまいります。都の施設整備に関しましては、建設リサイクル法など関係法令にのっとり、適切に資源化を図ってまいります。
○山内委員 パラリンピックとの相違ということについてお伺いいたしたいと思います。
二〇二〇年七月二十四日の開会式から十六日間、閉会式が八月九日の日程でオリンピックが開催され、その後、八月二十五日から九月六日までパラリンピックが開催されます。
大会開催基本計画の中では、パラリンピックにおける相違点というのが挙げられており、オリンピックからパラリンピックへの移行期間における会場施設等の改修作業の最小化を図っていくと明記されておりますが、これはどういう趣旨なのか、お伺いいたします。
○荒井オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長 オリンピックからパラリンピックへの移行に当たりましては、オリンピック閉会の二〇二〇年八月九日からパラリンピック開会の八月二十五日まではわずか十六日間であることから、効率的に作業を進める必要がございます。
会場の施設整備に当たりましては、現在作成中のアクセシビリティーガイドライン等を踏まえましてパラリンピックを見据えたバリアフリー化を図り、パラリンピック移行時には、競技面の転換など最小限の改修で済む施設としてまいります。
○山内委員 施設整備のバリアフリー化は、当事者の視点が必要です。これまでも、せっかくエレベーターを設置しても、そこに行くまでに段差があるなど、当事者の視点が不十分な事態が起きております。選手や観客が十分に楽しめるように、個々の施設のバリアフリーはもちろんですが、障害のある方の移動のルートなども含めて、点と点をつなぐ情報を提供することが重要です。
そこで、バリアフリーに関する情報発信についてどのように進めていくのか、お伺いいたします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会の開催に当たり、選手や観客等に対してバリアフリーに関するさまざまな情報を発信していくことは重要と認識しております。
今後、組織委員会や公共交通事業者などの関係者と連携しながら、最も効果的かつ有効な情報発信について検討し、積極的に取り組みを進めてまいります。
○山内委員 大会開催基本計画では、二〇二〇年大会は、規模も運営の複雑さも他のスポーツイベントに類を見ないものとなっていくとしています。
しかし、一九六四年の東京オリンピックのような高度経済成長時代の開催とは異なります。成熟社会での開催でもあり、二〇二〇年を境に東京は人口減少が進むといわれています。けさの日経新聞にも、大和総研の企業価値創造に関するトップマネジメントの意識調査というのがありましたが、その中で、大企業の六割が二〇二〇年東京五輪後に国内の景気低迷を見込んでいるということがわかった、東京都が訴える五輪後に残るレガシーが景気安定につながると考える経営者は少ないようだと書いてありました。拡大路線に対して強い懸念を抱いております。
エネルギーに関しましても、原発事故はいまだ収束せず、つい先日も、福島第一原発二号機原子炉建屋の屋上で高い濃度の放射性汚染水を含む雨水が検出され、それが港湾外に流出していることがわかりました。
原発にも化石燃料にも頼らない省エネ、再生可能エネルギーを推し進め、循環型の社会にしていくことが重要です。
将来に負担を残さず、多世代が、障害者や高齢者等がともに安心して暮らせるまち東京にするために、慎重な判断が求められていることを申し置き、以上、意見といたします。
○小林委員 初めに、第1章の大会ビジョンの中のパラリンピックへの取り組みについてお伺いします。
二〇二〇年の東京大会は、同一都市として初めて二回目のパラリンピック開催となることから、本基本計画の中でも、パラリンピック大会の評価が東京二〇二〇大会全体に対する国内外からの評価を左右するといっても過言ではないと指摘されております。
パラリンピックを意識した組織運営、パラリンピック競技の認知度向上、大会に向けた盛り上がりの醸成、パラリンピックのブランド価値向上という四点を意識した取り組みを展開していくとのことで、いずれも重要な視点で着実な実行性が求められますが、何よりもパラリンピックを通して広く障害がある方への温かな連帯を築いていかねばならないと考えます。
その意味からも、東京大会におけるパラリンピックの取り組みは、あらゆる障害者に対する社会の考え方を抜本的に見直し、障害者への優しいまなざしを持った社会を構築する契機とすべきと考えますが、見解をお伺いします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 大会開催基本計画では、大会ビジョンのコンセプトの一つである多様性と調和を実現する上で、パラリンピックの成功は極めて重要な要素であるとしております。
今後、組織委員会が、今お話にありましたように、パラリンピックを意識した組織運営やパラリンピック競技の認知度向上などの戦略的な取り組みを展開していきます。
都におきましても、パラリンピックを契機として障害者スポーツの普及啓発を積極的に推進してまいります。また、アクセシビリティーガイドラインの策定により、ハード、ソフト両面のバリアフリー化の取り組みを一層加速いたします。
このような取り組みを通じて人々の意識を変革し、大会後のレガシーとして心のバリアフリーの実現につなげてまいります。
○小林委員 次に、第4章の大会を支える機能(ファンクショナルエリア)の中で、二点お伺いします。
まず一つ目が教育についてですが、主要目標の中で、オリンピック休戦プロジェクトを通じて、国内外においてその意義と価値に対する理解を推進し、世界の平和の実現に寄与すると記されております。
いまだ世界ではテロや紛争、戦争が後を絶ちません。そのような視点から考えると、五年後の東京大会は、日本の世界平和を希求する意思を世界にアピールするチャンスであると同時に、世界に平和を広げていこうとの私たちの決意が試される場でもあると思います。
ユネスコ憲章の有名な前文に、戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならないとありますが、あらゆる方法で二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを平和の祭典にふさわしい大会とし、人の心の中に平和のとりでを築き行く祭典としていかねばなりません。
そこで、オリンピック・パラリンピックにおけるオリンピック休戦の意義についてお伺いします。
○鈴木オリンピック・パラリンピック準備局計画調整担当部長 オリンピック休戦は、スポーツを通じた平和と相互理解の促進というオリンピック・パラリンピックの理想につながるものであります。世界各国から多くの人々が集い、そして世界中が注目するオリンピック・パラリンピック大会に合わせて世界に向けて休戦を呼びかけることは、オリンピックムーブメントの目的である、平和でよりよい世界の構築に寄与するものであると考えております。
○小林委員 このオリンピック休戦という言葉は、まだ一般には余りなじみがない言葉ではないかと思います。広く都民にアピールしていく必要とともに、特に、未来を担う子供たちに、そのような取り組みがオリンピック・パラリンピック大会で行われることをわかりやすく教えていくべきではないかと思います。
現在、教育庁を中心にオリンピック教育が推進されておりますが、オリンピック教育や教育プログラムにおける取り組みの中で、単にスポーツの祭典ではないオリンピックの持つ幅広い意義を学び、平和への心を育むためにも、オリンピック休戦プロジェクトの意義を未来の宝である子供たちに伝えていく取り組みも今後検討していただきたいと思います。
次に、観客の経験というファンクショナルエリアについてですが、このミッションとして、東京二〇二〇大会が観客にとってまたとない経験となるようにする、レガシーとして語り継がれる大会の興奮と感動を創出できるようにすると記載されております。
観客もオリンピック・パラリンピックを彩る大事な方々であり、東京大会を最高のものとしていくためには、選手や大会関係者だけではなく、観客に最高の経験を味わっていただく必要があると思います。
そこで、ここで触れられている観客の経験という観点における主要目標を達成するために、今後どのような準備を進めていくのか、お伺いします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 二〇二〇年大会は、国内外から来訪する観客に対し、日本人の持つおもてなしを提供する絶好の機会であります。
大会開催基本計画の中のファンクショナルエリアの一つである観客の経験におきましては、おもてなしの精神で全ての観客を迎え、全員が自己ベストのサービス、機会を観客に提供することで、またとない経験となるようにすることが掲げられております。
観客に最高のサービスを提供するため、観客がアスリートとの一体感を味わうことのできる機会の演出、祝祭的な雰囲気の醸成、大会観戦や大会関連活動に関する情報提供を実施するなど、大会組織委員会と密接に連携し大会準備に取り組んでまいります。
○小林委員 二〇二〇年東京大会において、観客がどういったことを経験できるのかということは非常に重要であります。
基本計画では、国内外の観客が自宅を出て帰宅するまでの道のりにおいて、適切なレベルの多様なサービスを提供すると記載されておりますが、観客は競技観戦だけではなく、飛行機や電車などの交通、会場案内、ライブサイト、文化、教育プログラム、大会グッズの購入、食事、観光、宿泊など、ありとあらゆる経験をすることとなります。それらのサービスの提供は、大会の運営主体である大会組織委員会のみでできるものではなく、都が積極的に関与し、関係機関とともに、観客が最高の経験ができるよう大会に係る準備を行っていただきたいと思います。
次に、第5章の推進体制についてお伺いします。
ロードマップにおいて、二〇一五年から二〇一九年までは計画立案フェーズと位置づけられており、その中で、二〇一六年のリオデジャネイロ大会を踏まえ計画を改善する段階とされております。
東京大会はリオ大会から引き継ぐわけであり、当然、そこから学ぶ点は多々あるかと思いますが、どのような視点を持って、何を踏まえて計画を改善していくことを想定しているのか、お伺いします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 都はこれまでも、ロンドン大会やソチ大会の視察などを行い、大会運営に関して多くの点を学んできました。
リオ大会は、二〇二〇年東京大会の前大会として、会場運営やセキュリティー、ボランティア、盛り上げなどの状況を実際に現地で確認できる重要な機会であります。現地視察やIOC、IPCが実施するオブザーバープログラムへの参加を通じて大会運営の特徴や課題などを学び、東京大会を必ず成功に導くという視点から運営方法を改善するなど、その結果を有効に活用してまいります。
○小林委員 また、ロードマップの中で、各国オリンピック委員会、各国パラリンピック委員会への事前キャンプに関する候補地の情報提供について触れられております。
都議会公明党はかねてより、事前キャンプを、都内を初め被災地への積極的な誘致に取り組むべきと繰り返し訴えてまいりました。昨年の第二回定例会の我が党の代表質問において、局長より、リオ大会までに、各オリンピック委員会の参考となるよう、候補地情報を記載したガイドブックを作成してホームページで公表し情報提供する予定とのご答弁がございました。
そこで、事前キャンプの今後の予定及び事前キャンプの都内誘致に関する都の取り組みについてお伺いします。
○児玉オリンピック・パラリンピック準備局大会計画担当部長 事前キャンプが都内各所で実施されることは、開催機運の醸成に極めて重要であります。
大会組織委員会は、ことし一月に事前キャンプに求められる要件を公表するとともに、二月から三月にかけて、全国の自治体向けに応募要項の説明会を開催いたしました。また、四月以降に全国から要件を満たす候補地を募集し、リオ大会までに国内の候補地ガイドを作成してホームページで公表する予定です。
都は、昨年十月に、都内区市町村に対し、事前キャンプの概要や過去大会における実例などについて情報提供を行いました。また、誘致に関する区市町村からの個別相談にも積極的に対応しております。
今後も、誘致に参考となる情報提供を行うとともに、各国オリンピック委員会などに都内候補地に関する情報を発信するなど、誘致を希望する区市町村を積極的に支援してまいります。
○小林委員 最後に、第7章、エンゲージメントについてですが、基本計画の中で、このエンゲージメントは、大会ビジョンを広く醸成し、国内外の人々とともに大会をつくり上げていく活動と定義されております。また、成功要因の一つとして、人々が能動的に参加できるプログラムを策定して、東京二〇二〇大会の成功に一個人として参画し、世界と未来に前向きな変革を起こした感動を共有することと記されております。
私は、このエンゲージメント戦略を行っていくに当たって、一九六四年の東京大会を生きた世代の方々と、二〇二〇年の東京大会でオリンピック・パラリンピックを初めて肌身で感じる青少年の世代に特に焦点を当てていくべきではないかと考えます。
私も地元の老人会などにお伺いし、一九六四年の東京大会がどんな大会だったかとお聞きすると、会場で観戦をした、テレビで見たなど、実に生き生きと当時を懐かしみながらも、笑顔で、時には熱く当時の思いを語ってくれます。ある意味、人生の中で二度も東京でのオリンピックにめぐり会える先輩方は、二〇二〇年大会における宝ともいうべきではないかと思います。
このように、一九六四年の東京大会を経験し二回目のオリンピックとなる方々と、今回が初めてとなる若い世代に特に光を当て、両世代をつなぐエンゲージメントのプログラムがあれば、さらにその先の未来にオリンピックのレガシーを継承することができるのではないかと考えますが、最後に見解をお伺いします。
○矢部オリンピック・パラリンピック準備局準備会議担当部長 大会開催基本計画におけるエンゲージメントは、年齢、国籍、言語、障害等の有無にかかわらず参加できる多様なプログラムを企画、実施することで、多くの人々とともに大会をつくり上げていく活動でございます。参加者の中に生まれる、ともに大会を成功させたという実感を新たなレガシーとして次世代につなぐことが、プログラムに一貫した共通のコンセプトとして掲げられております。
委員ご提案の一九六四年世代と若い方々をつなぐことを含め、都として、こうしたエンゲージメントの考え方が実現できるよう、組織委員会と連携し、さまざまなプログラムを実施してまいります。
○高島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。
○高島委員長 次に、本委員会に付託されております調査事件についてお諮りをいたします。
本件は、今定例会中に調査を終了することができませんので、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 ご異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時十二分散会
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