令和六年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会速記録第二号

令和七年十月二十四日(金曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十一名
委員長藤井とものり君
副委員長本橋たくみ君
副委員長福手ゆう子君
副委員長荒木ちはる君
高橋  巧君
江崎さなえ君
高田 清久君
寺前ももこ君
山田あさみ君
三雲 崇正君
斉藤まりこ君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務谷崎 馨一君
次長山崎 太朗君
技監栗谷川哲雄君
理事三宮  隆君
総務部長小泉 雅裕君
市街地整備部長澤井 正明君
防災都市づくり担当部長神子 信之君
水道局局長山口  真君
技監鈴木  理君
総務部長内田 知子君
職員部長大谷 俊也君
経理部長高角 和道君
サービス推進部長荒畑 克彦君
浄水部長特命担当部長兼務石田 紀彦君
給水部長藤川 和久君
建設部長塩田  勉君
経営改革推進担当部長小澤 賢治君
企画調整担当部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務鈴木美奈子君
設備担当部長野澤 光徳君
多摩水道改革推進本部本部長長嶺 浩子君
調整部長清水 英彦君
施設部長青山 忠史君
技術調整担当部長成田 岳人君

本日の会議に付した事件
令和六年度東京都公営企業各会計決算の認定について
都市整備局関係
・令和六年度東京都都市再開発事業会計決算(質疑)
水道局関係
・令和六年度東京都水道事業会計決算(質疑)

○藤井委員長 ただいまより令和六年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 初めに申し上げます。
 本日から二日間にわたり、本分科会所管三局の決算に対する質疑を行ってまいりますが、質疑につきましては、令和六年度決算の審査から逸脱しないように行っていただきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局及び水道局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和六年度東京都都市再開発事業会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言を願います。

○山田委員 都民ファーストの会、山田あさみです。
 泉岳寺駅地区再開発事業についてお伺いいたします。
 品川駅周辺のエリアは、羽田空港を介して海外都市や国内地方都市へのアクセスも非常に容易であるという立地性を持ちまして、また泉岳寺駅地区周辺で進展する高輪ゲートウェイシティのグランドオープンも迫るこの期間に、このエリアは、東京の国際競争力の向上という点からも大いにその役割が期待されているところでございます。
 そこでまず、令和六年度決算におきまして、最も額が大きい支出内訳とその内容について伺います。

○澤井市街地整備部長 令和六年度の支出内訳のうち、最も金額が大きいものは用地費となっております。
 また、用地費の主な内容といたしましては、建築工事着工に向けた既存工作物の解体及び撤去や、入居予定権利者が仮移転する先の家賃補償などとなってございます。

○山田委員 建築着工の準備が進められているということや、仮移転中の権利者の生活を保障していることがよく分かりました。権利者の方々も着工に向けた準備が着々と進んでおり、再開発ビルの整備に期待を膨らませていることと思います。
 次に、令和六年度東京都都市再開発事業会計決算審査意見書の四ページによりますと、令和六年十月に事業計画を変更した旨が示されております。
 そこで、事業計画変更の内容について伺います。

○澤井市街地整備部長 今回の事業計画変更では、再開発ビル工事の着手時期を令和六年度に延伸したこと等により、令和九年度までの事業施行期間を五年延伸し、令和十四年度までとするとともに、資金計画について、総事業費を約九百四十六億円から約千二百十四億円へ変更いたしました。

○山田委員 資金計画を変更したとのことでございますが、そもそも資金計画はどのような支出費目から構成されているのか、また今回の資金計画で額を変更した主な費目と内容について伺います。

○澤井市街地整備部長 資金計画の主な支出費目は、再開発ビルや公共施設を整備するために必要となる費用等を本工事費で、事業に必要な調査費などを権利変換諸費で、転出権利者の用地買収費用などを用地費及び補償費で、これらから構成されております。
 今回の事業計画変更では、物価高騰に対して本工事費を、埋蔵文化財調査範囲の拡大に伴い権利変換諸費を、事業延伸による仮移転費用に対応する用地費及び補償費の支出をそれぞれ増額しております。

○山田委員 泉岳寺駅地区におきましては、工事費高騰に加えまして、埋蔵文化財調査費用の増額にも対応されていると、事業計画の変更を行ったということで認識をいたしました。
 加えまして、権利者の仮移転に対する費用も変更しているということで、権利者の方々も安心して生活できていると考えております。
 続きまして、再開発事業では支出事業費を変更するとともに収入額も変更する必要があると思うのですが、この収入額について、増額変更した主な費目とその内容についてお伺いいたします。

○澤井市街地整備部長 資金計画における主な収入費目は、国庫補助などによる市街地再開発事業補助金、将来の公共施設管理者から施設整備などを負担してもらう公共施設管理者負担金、特定建築者からの敷地譲渡金などで構成される財産収入でございます。
 増額変更した主な費目は、市街地再開発事業補助金、財産収入等でございます。

○山田委員 財産収入に特定建築者からの敷地譲渡金額が含まれるとのことでございますが、令和四年度に特定建築者と締結した敷地譲渡金額についても、増額の変更をされたのか伺います。

○澤井市街地整備部長 敷地譲渡金額につきましては、特定建築者との敷地譲渡契約において確定しており、事業計画変更の時点において変更はしてございません。
 敷地譲渡契約書では、特定建築者が応募時に提案した資金計画に比べて著しい収益増が明らかになった場合は、敷地譲渡金額について増額変更の協議を行うこととしてございます。

○山田委員 今回の事業計画の変更に関して、敷地譲渡金額に変更がないことを確認いたしました。
 これまでの答弁で、事業計画の変更が適正に行われまして、地権者の生活の再建に向けて着実に事業が進められているということが確認できました。
 泉岳寺駅周辺地区を含む品川駅周辺地域については、羽田空港から東京に来られる多くの外国人にとって最初に目にする東京のまち並みという、玄関口としての役割もございますため、国際交流拠点にふさわしいまちづくりとなるよう引き続き要望をして、質問を終わります。

○本橋委員 泉岳寺駅地区再開発事業について伺ってまいります。
 泉岳寺駅地区を含む品川駅、田町駅周辺地域は、空港へのアクセス需要の増大や周辺開発の進展により、駅利用者の大幅な増加が見込まれております。
 そうした中、今年三月に高輪ゲートウェイシティの一部が開業し、来年三月には区域全体がグランドオープンするという発表がJR東日本よりあったところです。
 このように、周辺の開発が進展する中、泉岳寺駅地区再開発事業においても、国際交流拠点にふさわしいまちづくりを着実に進めていただきたいと考えます。
 そこでまず、令和六年度までの事業の執行額と進捗率はどの程度か伺います。

○澤井市街地整備部長 泉岳寺駅地区の全体事業費は、事務費を除き約七百五十億円であり、令和六年度までの執行額は約百七十七億で、進捗率は約二四%となってございます。

○本橋委員 進捗率が二四%ということで、事業全体の約四分の一程度の進捗ということが分かりました。
 泉岳寺駅地区は、これからまさに最盛期を迎える事業であるということだと思います。そこで、令和六年度に実施した事業内容について伺います。

○澤井市街地整備部長 従前建物の基礎やくいなど、解体、撤去する敷地整備工事を実施するとともに、埋蔵文化財の現地調査を完了させ、令和六年十一月に再開発ビルの建築工事に着手いたしました。
 また、建築工事着手に向けまして、事業施行期間などを見直す事業計画変更を行ってございます。

○本橋委員 建築工事着手に必要となる現地での整備や手続を進め、いよいよ再開発ビルの建築工事に着手したということで、権利者の方々も安堵していることと思います。また、数年にわたり進めてきた埋蔵文化財の現地調査も完了したということでありました。
 そこで、令和六年度を含め、これまでの埋蔵文化調査はどのように行われてきたのか伺います。

○澤井市街地整備部長 埋蔵文化財の現地調査につきましては、教育庁からの指導助言により、令和三年度から令和六年度まで実施してまいりました。
 明治時代の海岸線の護岸の一部や陶磁器などを出土しており、適切に記録保存してございます。

○本橋委員 長らく行ってきた埋蔵文化財の現地調査も令和六年度で完了し、再開発ビルの建築工事にも着手したということで、いよいよ本格的に事業が動き出したということを認識いたしました。事業が動き出した一方で、先ほどの答弁では、事業施行期間を延伸したということでありました。
 最近、特に二十三区内においては、再開発などで整備されたマンション価格が高騰しているという報道を耳にします。建築工事の期間が長期にわたると、その分マンションの価格高騰のあおりを受け、権利床価格も上昇するのではないかという不安をお持ちの権利者の方もいるのではないでしょうか。
 そこで、権利床の価格をどのように設定されたのか伺います。

○澤井市街地整備部長 本地区におきまして、権利者が取得する床価格は、権利者の生活再建に配慮し、用地取得費と再開発ビルの整備に基づく価格、いわゆる原価で設定しており、再開発ビル完成後の市場取引価格よりも低廉な価格としております。

○本橋委員 権利者が取得する床について、市場価格よりも低廉な価格設定をしており、権利者に不利益を生じさせていないことが理解できました。
 昨年度は、この地区内の土地や建物の所有者、借家人のうち、約六割が再開発ビルで生活再建を希望しているという答弁がありました。再開発事業では、再開発ビルの権利床を取得できるのは、土地や建物をお持ちの方に限られます。
 そこで、地区内に土地や建物をお持ちの方が、どの程度の割合で再開発ビルの床を取得する計画となっているのか伺います。

○澤井市街地整備部長 この地区内で生活再建を希望している土地や建物の所有者のうち、約八割が再開発ビルの権利床を取得する計画となってございます。

○本橋委員 今の答弁から、泉岳寺駅地区の再開発事業では、土地や建物の所有者の約八割という非常に多くの方が資産を持ち続けるということで、まさに権利者に寄り添った再開発事業であることが理解できました。
 泉岳寺駅地区を含む品川駅周辺のエリアは、環状第四号線の整備、京浜急行の連続立体交差事業や高輪ゲートウェイシティの開業など、開発が進展している地域において都施行再開発事業を進める意義は大変大きいと思います。
 泉岳寺駅地区の再開発事業の進展とともに、東京のまちづくりを着実に進めていただくことを要望して、質問を終わります。

○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。
 私からも、泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業について質問をいたします。
 本事業は、地権者の土地を都が一旦全て買い上げるという、都が直接施行するという極めて強力な手法、第二種市街地再開発事業で進められており、その公共性と公正性が今問われているというふうに思います。
 まず初めに、二〇二四年度の取組についてですけれども、先ほどご答弁がありました。令和六年度は、敷地整備工事や埋蔵文化財調査等を行った後、建築工事に着手するとともに、昨年度は事業計画を変更したというご答弁でした。
 事業計画が変更されたとのことですけれども、それでは、この事業期間や総工事費に変化はないのか、また変更内容とその金額について改めて伺います。

○澤井市街地整備部長 令和六年度の事業計画の変更では、事業施行期間を令和九年度から令和十四年度へ延伸してございます。
 また、資金計画では、調査範囲拡大に伴う埋蔵文化財調査費や物価高騰に伴う建築費の増等によりまして、総事業費を約九百四十六億円から約千二百十四億円に変更してございます。
 なお、本工事費を約四百六十億円から約五百二十二億円に、用地費及び補償費を約百二十五億円から約百五十六億円に、権利変換諸費を約二十四億円から約六十五億円へ、それぞれ変更してございます。

○斉藤委員 令和十四年度まで五年間も工期が延びて、総事業費は、今ご答弁ありましたとおり、約九百四十六億円から約千二百十四億円へと約一・三倍にも膨れ上がりました。
 この巨額の増加分は、物価高騰や埋蔵文化財調査費の増額が主因ということですけれども、これはあくまで東京都が負担することになるはずですけれども、この特定建築者である東急不動産や京浜急行電鉄ですね、これへの敷地譲渡価格二百九億円は変わらないのかどうか、改めて確認させてください。

○澤井市街地整備部長 敷地譲渡契約書におきまして、当初資金計画に比べ著しい収益増が明らかになった場合は、敷地譲渡金額について増額変更の協議を行うこととしております。
 なお、事業計画上、敷地譲渡価格は変わってございません。

○斉藤委員 譲渡価格は変更しないとのことです。物価高騰や埋蔵文化財調査に伴う約二百六十八億円もの巨額の事業費の増額分が、特定建築者である東急不動産などは負担せず、全て東京都が負う、そういう構造になっているということです。
 都が地権者の土地を全て買い上げるという極めて強力な手法で直接施行しているにもかかわらず、特定建築者である東急不動産などは、工期の延伸やコストの高騰というリスク、これ、極力負わず、固定された二百九億円という譲渡価格だけで、大きな利益が見込める八割もの保留床を手に入れることができるというものです。
 この再開発の構造的なゆがみの一つであるということを強く指摘しておきたいというふうに思います。
 この再開発は、都営地下鉄の泉岳寺駅の拡幅工事と一体に、上部に三百八十戸の住宅、オフィス、商業施設から成る複合ビルを建てる再開発で、高さは百四十五メートル、三十階建ての超高層ビルになります。
 二年前に私が行った質疑の際にも、既に二十三区の新築マンションの平均価格は一億円を超えていました。都心では、企業や投資家による投機目的の購入が増え、住むことを目的として購入できるのは富裕層など一部にとどまると、特定建築者である東急不動産自身の分析が報道されていました。
 一億円をはるかに超えるような高額物件を買うことができる富裕層の住宅を、都が巨額の税金を使ってつくる意義は何か、改めて伺います。

○澤井市街地整備部長 本事業は、羽田空港や都心部とのアクセスを担う泉岳寺駅の機能強化に併せ、都市計画道路補助第三三二号線の整備や泉岳寺駅の改良とともに、権利者の生活再建を目的として、駅とまちの一体的な整備に取り組むこととしたものでございます。

○斉藤委員 今、東京では、住宅価格、家賃の爆上がり現象が起こっています。この高騰は自然現象ではありません。そこには都と国が一体となって進めてきた無責任な再開発が背景にあります。
 都が主導したり推進するこの再開発が、東京の地価を先頭に立って押し上げているという状況だと思います。
 事実、明治大学の野澤千絵教授の指摘によれば、都が施行中の泉岳寺再開発に隣接した地点の地価は、この十年間で二十三区で最も上昇し、坪六百十八万円から一千四百五万円へと二・三倍に爆上がりしたとしています。
 これは、都の再開発が、都民の暮らしを置き去りにして土地価格を爆発的に高騰させたといっても否定できないというふうに思います。
 しかも、都が民有地を全面買収して進める泉岳寺再開発で整備されるのは、超富裕層や海外投資家の投機目的を満たすコンシェルジュつきの億ションです。再開発で地価は上昇、固定資産税も上がり、その結果、家賃も上がり続ける、この悪循環によって、一般の都民はもう東京に住めないという事態が、都内各地で今現実のものとなっています。特定建築者への利益誘導を歯止めなく進めさせることは許されません。
 そこで、先行事例である晴海フラッグでは、特定建築者との敷地譲渡契約において、将来の敷地譲渡価格の変更が盛り込まれていたと認識していますけれども、本事業は、特定建築者への譲渡価格、この増額は可能ですか。改めて確認をさせていただきます。

○澤井市街地整備部長 都が施行する市街地再開発事業では、特定建築者制度を活用しております。
 晴海フラッグでは、申込みが高倍率になったため、状況の改善を特定建築者に要請いたしました。
 泉岳寺駅地区など、都が施行する市街地再開発事業においては、申込みの制限といった実効性のある対策を特定建築者に要請するなど、必要な対策を実施することになります。

○斉藤委員 今、ちょっと私が再確認させていただいたのは、この特定建築者への譲渡価格、先ほど二百九億円ということで質疑しておりますけれども、この増額は可能かどうか、これを改めてご答弁いただきたいと思うんです。お願いします。

○澤井市街地整備部長 申し訳ございません、敷地譲渡価格が変わらないのかというご質問ですね。申し訳ございません。
 敷地譲渡契約におきまして、当初資金計画に比べ著しい収益増が明らかになった場合は、敷地譲渡金額について増額変更の協議を行うこととしてございます。
 なお、事業計画上の敷地譲渡金額は変わりません。

○斉藤委員 ありがとうございます。つまり、現在の計画上は二百九億円で変わっていないけれども、特定建築者が当初の計画に比べて著しい収益増を得ることになれば、この敷地譲渡金額について増額変更の協議を行うことができるということですね。
 しかし、先ほど申し上げたとおり、物価高騰による約二百六十八億円もの総事業費の増額分は、特定建築者の負担にはならず、あくまで東京都が負うという構造です。リスクは都が負い、利益は特定建築者が得るという、この構造的なゆがみを正すためにも、その増額協議の具体的な仕組みが重要です。
 晴海フラッグでは、どれくらいの収益増で、東京都の取り分はどれくらいなのか教えていただけますでしょうか。

○澤井市街地整備部長 晴海フラッグの例でございますけれども、晴海フラッグにつきましては、収益については一%というキャップをはめてございます。ただ、額につきましては、まだ確定してございませんので、今後の協議となってございます。

○斉藤委員 一%以上の収益増で都が回収するということで、事前にお聞かせいただいたときは、都はその半分をもらうというふうにも聞いております。
 確かに、特定建築者が一%以上の収益増で、その半分を都がもらうという契約内容は、この収益が上がった際の一部を都が増額協議によって回収するという最低限の仕組みとしてつくっているということだと思います。
 しかし、その一方で、本事業の約二百六十八億円もの巨額な総事業費の増額分は、特定建築者の負担には一切ならず、そして事業の主要なコスト増などリスクはほとんど東京都が負うという構造です。特定建築者にとって一方的に有利な構造であるということは変わりないというふうに思います。
 確かに、この敷地譲渡契約書において、著しい収益増が明らかになった場合はこの増額変更の協議を行うという条項があることは、特定建築者の利益誘導に対する最低限の歯止めだと思いますが、特定建築者は、この巨大なコスト増のリスクを回避した上で、固定された二百九億円という譲渡価格で物件を手に入れることができます。
 これは、総事業費の増額分全て東京都が負う一方で、特定建築者の利益を保障するという、特定建築者への利益誘導型の事業であることが改めて明らかになったということだと思います。
 こうした特定建築者制度の下、都施行で行われている再開発が地価を引き上げ、企業や投資家からの投機目的の購入、転売によって、マンション価格を押し上げているということは看過できません。
 そこで伺いますが、都は三月に、泉岳寺駅地区再開発について、申込制度などの投機目的のマンション購入を防止する対策を事業者に要請すると表明しました。
 どのような理由で、どういった検討を経て、こうした要請を行うことを決めたのか、その具体化はどうなっているのか伺います。

○澤井市街地整備部長 都が施行する市街地再開発事業では、特定建築者制度を活用してございます。
 晴海フラッグで申込みが高倍率となったため、状況の改善を特定建築者に要請したところでございます。
 泉岳寺地区など、都が施行する市街地再開発事業におきましては、申込みの制限といった実効性のある対策を特定建築者に対し要請するなど、必要な対策を実施していくこととしております。

○斉藤委員 泉岳寺の再開発事業でも申込みの制限という実効性ある対策を要請するということで、当然のことだというふうに思います。
 結局のところ、都が事業者に申込みの制限といった対策を要請するに至ったのは、都が施行する再開発が投機マネーをむやみに呼び込み、それが結果として都民の住宅確保に甚大な悪影響を及ぼすという重大な認識を都自身が持っているからだという理解でよろしいでしょうか。認識について伺います。

○澤井市街地整備部長 この取組でございますけれども、この都が施行する市街地再開発事業におきまして、申込みの制限といった実効性のある対策を特定建築者に要請すると、こういうことで必要な対策を実施していくということとしております。

○斉藤委員 先ほどのご答弁の繰り返しなんですけれども、つまり、そういう対策をする必要があるという認識に東京都が立ったということだと思うんですね。まず、この再開発が都民に甚大な悪影響を及ぼしているという事実を認めること、そして深く反省するべきだというふうに思うんです。
 国際交流拠点の名の下で、都民の税金を投入し、特定建築者の巨額の利益を保障しながら、超富裕層向けの超高額マンションを政策的に供給する、こうした行いが地価と固定資産税を押し上げ、結果として一般都民の住宅費の爆上がりを招いた、こういう構造的な問題を生み出しているという現実を直視するべきだというふうに思います。
 建築工事は始まっていますが、都には公の立場に立ち返り、今からでも建物の高さを見直し、マンション価格の高騰への影響や環境への負荷を低減する対策、これ、やることは可能だというふうに思います。都施行以外の再開発も含め、投機を抑制する同様の措置も検討をするべきです。
 今後、このような格差拡大を助長し、一般の都民の住宅確保に決定的な困難を与えるような再開発はやめるべきです。都政は一部の富裕層や事業者のためにあるわけではありません。この利益誘導型の再開発政策を直ちに転換するべきだと強く求めて、質問を終わります。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。

○藤井委員長 これより水道局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和六年度東京都水道事業会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○内田総務部長 さきの分科会におきまして要求のありました資料を取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
 一ページをご覧ください。水需要予測と実績の推移でございます。
 将来の水道需要の見通しと、令和二年度から六年度までの一日最大配水量及び一日平均配水量の推移をお示ししてございます。
 二ページをご覧ください。多摩川水系、利根川、荒川水系の年間取水量の推移でございます。
 令和二年度から六年度までの推移をお示ししてございます。
 三ページをご覧ください。各浄水場等における再生可能エネルギーの導入及び発電状況でございます。
 浄水場などにおける太陽光発電設備、次の四ページをご覧いただきまして、水力発電設備について、それぞれの発電規模及び令和二年度から六年度までの発電実績をお示ししてございます。
 五ページをご覧ください。水道管路における耐震継ぎ手化の計画と実績でございます。
 東京水道施設整備マスタープランにおける耐震継ぎ手率の計画値と、令和二年度から六年度までの耐震継ぎ手率の実績をお示ししてございます。
 六ページをご覧ください。水道管路の布設年度別管理延長でございます。
 配水本管及び配水小管の布設年度別の管理延長を、一定期間ごとに区切ってお示ししてございます。
 七ページをご覧ください。未納カード発行枚数及び給水停止件数の推移でございます。
 令和二年度から六年度までの推移をお示ししてございます。
 八ページをご覧ください。政策連携団体への委託料及び主な委託内容でございます。
 政策連携団体に対する令和二年度から六年度までの実績をお示ししてございます。
 九ページをご覧ください。政策連携団体における法人税等と株主配当の推移でございます。
 政策連携団体の令和二年度から六年度までの推移をお示ししてございます。
 一〇ページをご覧ください。水道料金の減免実績でございます。
 令和六年度の使用件数と減免額について、その区分ごとの実績と合計をお示ししてございます。
 一一ページをご覧ください。水道施設の耐震化状況でございます。
 令和二年度から六年度までの実績をお示ししてございます。
 一二ページをご覧ください。政策連携団体における固有社員の人数、平均年収及び平均勤続年数でございます。
 政策連携団体の令和二年度から六年度までの実績をお示ししてございます。
 一三ページをご覧ください。政策連携団体における外国籍社員及び平均勤続年数でございます。
 政策連携団体の令和二年度から六年度までの実績をお示ししてございます。
 一四ページをご覧ください。雇用障害者数及び実雇用率でございます。
 水道局及び政策連携団体の令和二年から六年までの実績をお示ししてございます。
 一五ページをご覧ください。政策連携団体における団体交渉の実施状況についてでございます。
 全労連全国一般労働組合東京地方本部一般合同労働組合TW分会、次の一六ページをご覧いただきまして、全水道東京水道労働組合について、令和二年度から六年度までの団体交渉の実施状況をお示ししてございます。
 一七ページをご覧ください。政令指定都市との水道料金の比較でございます。
 令和二年度から六年度までの政令指定都市との水道料金の比較をお示ししてございます。
 一八ページをご覧ください。水道料金の減免実績の推移でございます。
 令和二年度から六年度までの推移をお示ししてございます。
 以上、大変簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わります。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 ただいまより本件に対する質疑を行います。
 ご発言を願います。

○寺前委員 都民ファーストの会、寺前ももこです。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 私は、これまで教員として教育の現場で多くの子供たちと接し、保護者の方々からも様々なご意見を伺ってまいりました。
 その中で、子供たちの安全と安心を確保することは、とても重要な課題であると感じています。都民の生活を支える重要なライフラインである都の水道は、日々子供たちが口にするものであり、その安全と安心について関心を持つ都民も多くいらっしゃると思います。
 本日は、令和六年度の決算審査に当たり、水道の安全性や重要性の視点から質疑をさせていただきます。
 まずは、有機フッ素化合物であるPFOS、PFOAに対する取組について伺わせていただきます。
 PFOSなどが多摩地区の一部地域において地下水から検出されたことが、これまで度々報道されてきており、我が会派も、繰り返し水道局の対応について確認してきました。
 また、来年の四月からはPFOSなどが水質基準に加わるとの報道もあり、地域の方から自分が飲んでいる水道水の水質は大丈夫なのかとの声が改めて寄せられています。
 まず、PFOSなどに対する水道水の安全性の確保の取組について、改めて伺わせていただきます。

○石田浄水部長特命担当部長兼務 水道局では、PFOS等につきまして、国に先んじて都独自の対策を講じてきておりまして、現在は、国が定めた暫定目標値を給水栓で下回るよう水質管理を徹底しております。
 令和六年度は、都内百三十一か所の給水栓におきまして、延べ五百四十八回の水質検査を行い、全て暫定目標値を大幅に下回っております。
 また、浄水施設の原水及び浄水の検査の結果、給水栓におきまして暫定目標値を超過するおそれのある場合には、一部の水源井戸を直ちに停止する運用を従前から行っております。
 さらに、こうした取組を、有機フッ素化合物に関する東京都の取組として都のホームページに掲載し、お客様に水道水の安全を周知しております。

○寺前委員 水道局がPFOSなどに適切に対応し、水質管理に万全を期していることが分かりました。
 一方、国は、令和六年度にPFOSなどを水道法上の規制対象となる水質基準に見直すことを検討し、来年四月から水質基準に位置づけることとしています。
 そこで、PFOSなどの水質基準の見直しに向けた水道局の対応について伺わせていただきます。

○石田浄水部長特命担当部長兼務 水道法の省令改正によりまして、令和八年四月からPFOS及びPFOAが水質基準項目に追加され、基準値は現在の暫定目標値と同じ、PFOSとPFOAの合算値として、一リットル当たり五十ナノグラムとなります。
 また、給水栓での水質検査及び検査結果の公表が義務づけられ、検査回数は三か月に一回が基本となります。
 当局では、令和二年度から全ての給水栓で三か月に一回の検査を行い、一リットル当たり五十ナノグラムを安定的に下回るよう管理するとともに、局のホームページにおきまして、四半期ごとに検査結果を公表しており、基準強化への対応は既に整っております。
 これらを通じまして、水道水の安全を確保するとともに、お客様に安心していただけるよう、分かりやすい情報発信を行ってまいります。

○寺前委員 国による水質基準の強化に先行して、水道局が都民の安全・安心を確保する取組を着実に進めていることが確認できました。引き続き、水道水の安全性確保に向けた取組と分かりやすい情報発信を通じて、都民の理解と信頼を深めていただきたいです。
 安全な水道水への理解を広げるためには、子供たちへの教育や啓発も重要であると考えます。
 次に、学校水道キャラバンの取組について伺わせていただきます。
 この取組は、小学四年生を対象に学校への出前授業を実施し、児童に対して直接水道事業の取組などを紹介していると聞いています。
 私も、子供の頃に浄水場を見学した経験があり、実際の現場で水がきれいになっていく工程を目の当たりにして、水道の仕組みに興味を持ちました。その経験を通じて、水道の安全を守るためには、多くの人が工夫や努力をしていることを学びました。
 東京の水道は、先ほどの質疑にもあったように、徹底した水質管理によって安全性が確保されています。このように世界に誇れる水道を、次世代を担う子供たちにも理解してもらい、将来につなげていく取組は重要だと考えます。
 まず、令和六年度の学校水道キャラバンの実施状況について伺わせていただきます。

○荒畑サービス推進部長 学校水道キャラバンは、水道の仕組みや水道水の重要性、おいしさ、安全性などにつきまして、子供たちに理解を深めてもらうとともに、水道水が手元に届くまでの過程を学び、水を大切にする気持ちを高めてもらうことを目的として実施しております。
 令和六年度は、給水区域内の小学校の約九割に当たる千百五十四校で実施いたしまして、九万二千十六人が受講いたしました。

○寺前委員 学校水道キャラバンについては、大変多くの小学校で実施し、多くの児童が受講していることが分かりました。
 児童に水道事業の取組などについて関心を持ってもらい、理解してもらうためには、大人に説明するよりも分かりやすく丁寧に事業を説明していく必要があると考えます。
 そこで、学校水道キャラバンの実施に当たり、どのような工夫を行っているのか伺わせていただきます。

○荒畑サービス推進部長 学校水道キャラバンにおきましては、水道水源林から蛇口までの過程を映像で伝えるとともに、実際の浄水処理を体験できる凝集沈殿実験を行うなど、分かりやすく親しみやすい手法で実施しております。
 また、令和六年度には、より児童の印象に残るように、給水袋の持ち運びや水道水源林特有の、いわゆるふかふかな土の模型を触っていただくなど、新たな体験型のプログラムを実施いたしました。
 さらに、学校水道キャラバンの復習等ができる特設ホームページ、おうち水道キャラバンを通じまして、継続的に水道への興味、関心が持てるよう工夫しております。

○寺前委員 児童に興味、関心を持って水道事業を理解してもらえるよう、水道局が様々な工夫をされていることが分かりました。こうした取組が児童にきちんと伝わっているかが重要であると考えます。
 そこで、学校水道キャラバンを受けた児童の反応について伺わせていただきます。

○荒畑サービス推進部長 学校水道キャラバンでは、受講いたしました児童を対象にアンケートを実施しております。
 令和六年度のアンケート結果におきましては、水道水源林や浄水場等の各項目につきまして理解したかどうかを聞いておりまして、全ての項目で分かったという回答が九〇%以上を占めました。
 また、今後、水道水を大切に使おうと思った児童が九〇%以上おり、受講を通じて水の大切さへの関心や理解が深まっていることを確認できました。
 さらに、水道管についてもっと知りたい、水道水源林についてもっと知りたいなどの意見がありまして、水道事業に対する興味、関心の向上につながっていることが確認できました。

○寺前委員 児童へのアンケート結果により、学校水道キャラバンを受けた児童の理解度が高く、水を大切に使うという気持ちが高まっていることがよく分かりました。
 また、学校水道キャラバンの受講をきっかけに、さらに水道事業に対する児童の学びの意欲があることも確認できました。
 次世代を担う子供たちが水道事業について学び、水を大切にする気持ちを高め、大人へと成長していくことは非常に重要なことであり、受講した児童からの意見を踏まえて、より伝わる内容にするなど、改善や工夫を重ね、今後も効果的な学校水道キャラバンとなるよう要望して、次の質問に移らせていただきます。
 キャラバンを受講する世代の子供たちは、デジタルが当たり前の世の中で生まれ育っていくため、水道局においてもデジタルサービス事業を推進していくことが、今後ますます重要になってくることが考えられます。
 そこで、現在の水道局のデジタルサービスの中心となる東京都水道局アプリについて伺わせていただきます。
 我が会派は、東京都水道局アプリの開発に当たり、リリース前から利用者目線に立った使いやすい設計と利用者拡大に向けた取組を要望し、これまでの様々な質疑においても、ユーザー数や事業効果について継続的に確認してまいりました。
 まず、令和六年度末時点のユーザー数、導入効果について伺わせていただきます。

○荒畑サービス推進部長 令和六年度末におけます東京都水道局アプリのユーザー数は、五年度末から六十五万人増加いたしまして、二百十七万人となっております。
 また、アプリユーザーのうち、九七%が検針票等を電子形式で受け取っておりまして、一年間に請求書及び検針票合わせて千七十三万件を電子発行することで、ペーパーレス化の推進に寄与いたしました。
 さらに、紙の請求書が電子請求に変わったことで、スマートフォン決済及びクレジットカード払いの割合が増えまして、水道料金の支払いのキャッシュレス割合は八割となっております。

○寺前委員 水道局アプリは、令和四年十月のリリースから二年半で、二百万以上のユーザーを抱えるサービスへと成長していることが確認できました。
 また、都が掲げるシン・トセイの一環である五つのレスのうち、ペーパーレス、キャッシュレスの取組においても着実に成果が上がっていることが分かりました。
 一方で、デジタルサービスを推進する意義として、都民に対する水道局からの情報発信の強化も挙げられます。
 とりわけ、近年、全国的に災害が頻発する状況に鑑みれば、災害対策に役立つ情報を発信することは重要であると考えます。
 アプリを用いた災害対策に係る、都民への情報発信に向けた取組と効果について伺わせていただきます。

○荒畑サービス推進部長 当局ではこれまでも、地震などの災害時に都内約二百か所の給水拠点で水をお配りしていることや給水拠点の所在地を、局ホームページやパンフレット等におきまして周知しております。
 また、東京都水道局アプリでは、平時からこうした給水拠点の情報を掲載しておりまして、発災時には個々の給水拠点の開設状況を確認することが可能でございます。
 さらに、スマートフォンの位置情報を活用いたしまして、お客様から一番近い給水拠点が把握でき、そこに至るまでの経路も確認できます。

○寺前委員 アプリにこのような機能が搭載されており、安心いたしました。災害はいつ発生するか分からないため、日頃からの備えが大切であり、日常的にアプリを使っていただくことが必要であります。特に、災害時に弱者となる高齢者の皆様にとっては、非常に意義のあることだと考えます。
 こうしたことから、引き続き、高齢者も含めたユーザー数の利用拡大を促進し、都民の安心につなげていただくよう求めます。
 先ほどの質疑にあった給水拠点の開設状況をアプリから情報発信するには、まず局が正確な情報を迅速に集約することが重要であると考えます。
 水道局では、給水拠点に扉の開閉を自動で検知するセンサーや開設を知らせるスイッチを設置し、その情報をクラウドで集約する取組を進めています。
 昨年度の決算特別委員会において、我が会派は、区市町等と連携しながら着実に設置を進めるべきと意見し、局からは、令和六年度中に設置を完了させる旨の答弁がありました。
 そこで、令和六年度の取組状況について伺います。

○荒畑サービス推進部長 給水拠点の開設状況を迅速に集約するセンサーなどにつきまして、令和六年度は五年度に引き続き、対象となる計二百二か所の給水拠点の現場調査を行い、具体的な設置箇所を確定させるとともに、事業者との連携の下、綿密な工程管理を実施いたしまして、全箇所への設置を完了いたしました。
 本取組を進めるに当たりましては、区市町の職員にユーザーテストへご協力いただき、情報を集約するデータベースの改良を図るとともに、給水拠点が設置されている学校や公園などの施設管理部署と連携いたしまして、施設利用者の動線等を踏まえた最適な設置箇所を個別に調整するなど、多くの関係者の意見を反映いたしました。

○寺前委員 我が会派の意見を踏まえ、丁寧に取組を進めていただいたことを評価いたします。有効な仕組みが構築されたと認識しておりますが、発災時にしっかりと機能するよう、今後も訓練などの機会を通じて、取組の浸透を図っていただきたいと考えております。
 災害時に確実に応急給水を実施するためには、浄水施設での備えも必要であると考えております。
 そこで、浄水施設の災害対策について伺わせていただきます。
 まずは、富士山の噴火に伴う火山灰、いわゆる降灰対策についてでありますが、我が会派では、昨年度の分科会においても、これを重要課題と捉え質疑を行い、水道局は、降灰の影響をシミュレーションし、リスクが想定される長沢浄水場において沈殿池の覆蓋化を実施しているとの答弁があったところでございます。
 そこで、長沢浄水場における降灰対策の取組状況について伺わせていただきます。

○石田浄水部長特命担当部長兼務 当局では、降灰が浄水処理に与える影響を調査、実験し、長沢浄水場におきまして、火山ガス成分によりフッ化物イオン濃度が水質基準値程度まで上昇する可能性があることを確認いたしましたことから、沈殿池にシート型の覆蓋を整備する方針としております。
 これに基づきまして、令和五年十一月に覆蓋整備工事に着手し、予定どおり六年度末に完成しております。
 今後は、富士山噴火の危険性が高まった際に速やかにシートを設置できるよう、年一回の設置訓練を行い、手順の確認やシートの劣化状況の点検を継続的に実施してまいります。

○寺前委員 富士山噴火による水質への影響を確認し、長沢浄水場において適切に対策を取り、工事が完了したとのことで、ひとまず安心しております。
 災害の被害を最小限にするためには、事前の備えが重要であることからも、その準備を怠ることなく、着実に取組を進めていただきたいと考えます。
 次に、浄水場の耐震化事業について伺わせていただきます。
 昨年の能登半島地震では、浄水場が被災したことなどにより、長期間にわたり断水が続きました。切迫性が指摘される首都直下地震の際、都民の命と暮らしを守る水道水の提供を続けるためには、水をつくり、送り出す要となる施設である浄水場の耐震化は極めて重要であります。
 そこで、浄水場における耐震化の取組状況について伺わせていただきます。

○石田浄水部長特命担当部長兼務 当局では、地震による断水被害を軽減するため、水道施設の耐震化と送水管のネットワーク化等によるバックアップ機能強化の両面から取組を推進しております。
 浄水場の耐震化に当たりましては、これまで浄水処理の最終段階であります、ろ過池や配水池の耐震化を優先的に実施してきており、おおむね完了しているところでございます。
 現在は、耐震化の効果を確実に発揮できるよう、浄水場の入り口でございます着水井から沈殿池、ろ過池、配水池までの連続性を考慮した耐震化を推進しておりまして、令和六年度は、金町、三郷及び朝霞浄水場におきまして、沈殿池等の耐震補強工事に着手しております。
 これらの取組によりまして、水道システム全体で災害時の給水を可能な限り確保してまいります。

○寺前委員 水道局では、浄水場の耐震化だけではなく、バックアップ機能の強化も図りながら、両輪でしっかりと地震への備えを進めていることを理解いたしました。
 今後も、震災時においても可能な限り給水を継続できるよう、残る施設の耐震化を着実に進めていただき、震災に揺るがない強靱な浄水場を構築していただきたいです。
 ここまでの質疑で、水道水の安心・安全だけではなく、サービス面においても、日々努力を重ねられていることを確認させていただきました。
 こうした取組を一つ一つ着実に積み重ねていくことが大切であると思いますが、それらをしっかりと下支えする、いわば水道事業を支える土台ともいうべき経営の基盤、事業運営体制について、最後に確認させてください。
 水道局がグループ経営と業務移転を推進する意義を改めて伺うとともに、令和六年度における業務移転の実績について伺わせていただきます。

○小澤経営改革推進担当部長 当局では、広域水道の一体性と責任を確保しつつ、公共性と効率性を両立する観点から、当局と東京水道株式会社とによるグループ経営を推進しております。
 また、これまで当局が培ってきた技術を確実に継承し、かつ民間ならではの技術力や経営ノウハウを活用するため、同社への業務移転を推進していくこととしており、営業所業務や工事監督業務などの事業運営上重要な業務を順次移転しております。
 令和六年度におきましては、荒川営業所及び墨田営業所を新たに業務移転いたしました。また、長沢、砧、砧下の三浄水施設における業務及びあきる野給水事務所が所管するエリアにおける技術系、営業系業務を対象といたします性能発注方式による包括委託の導入に向けた準備も実施いたしました。

○寺前委員 本日は、水道局が方針として掲げる安全でおいしい高品質な水の安定供給に向けた取組を、令和六年度も着実に進められてきたことを確認いたしました。
 今後も、都民生活に欠かせない基幹ライフライン事業者としての使命を果たしながら、お客様に寄り添い、より質の高いサービスの提供に努めていただくことを要望し、質問を終わらせていただきます。

○三雲委員 立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会の三雲崇正です。
 まず、政策連携団体についてお伺いします。
 都では、水道局と政策連携団体である東京水道株式会社とが水道事業の基幹的業務を担う一体的事業運営体制によるグループ経営というものを推進しています。
 都が八〇%超の株式を保有していることもあり、一般的な外部委託とは異なり、東京水道に不祥事があったとしても、他の事業体に委託先を変更することが事実上困難な関係にあります。
 安定的かつ適正な水道事業の運営のためには、局として適切に東京水道株式会社の管理運営を監督し、関与する必要があると考えますが、どのように対応しているのかお聞かせください。

○小澤経営改革推進担当部長 当局では、東京水道株式会社に対し、政策連携団体の指導監督等に関する基準などに基づいた指導監督を行っているほか、同社の約八〇%の株式を保有する支配株主であること、同社の非常勤取締役に当局職員が複数名就任していることなどによりまして、同社の適切な経営を確保しております。

○三雲委員 政策連携団体では、合併前の株式会社PUCにおいて、始業開始前に開かれる朝会、これを労働時間に含めない取扱いであるとか、就業規則において超過勤務時間を一分単位ではなくて三十分以上十分単位でカウントして超過手当を支払うといった、労働基準法違反の超過勤務手当の未払いが生じていました。
 労働者側からの指摘によって、合併後の東京水道株式会社が未払いの超過勤務手当を支払うといったこともありました。
 それ以降も、多摩地区のサービスステーションの給水装置業務において、従業員が昼休憩時間中に電話対応であるとか利用者対応を余儀なくされる一方で、これに対する代替休憩であるとか超過勤務手当の支払いがなされておらず、これは労働基準法に違反しており、東京水道株式会社においても未払い賃金が生じている事実を認めております。
 また、配水小管の工事現場の夜間業務では、監督業務従事者が深夜零時を超えて長時間労働に従事した後、夜勤明け措置が取れないまま、翌朝そのまま現場に出ているといったことも指摘をされております。事実であれば、労働基準法違反となるリスクがあります。
 局として、これらの実態を把握しているのかお聞かせください。あわせて、こうした事実は解消され、未払い賃金は支払い済みであるのか、それぞれの事案への対応と再発防止策を伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 当局では、いずれについても確認しており、まず給水装置業務における事案につきましては、東京水道株式会社において、昼当番制度の社員への周知等により、確実な休憩の取得を図るとともに、追加で超過勤務手当の支給が必要な社員の調査を進めており、完了次第、速やかに必要な対応を行うこととしております。
 工事監督業務における事案につきましては、事故対応などにより、やむを得ず夜勤明け措置が取得できなかったものであり、その際の超過勤務手当については支払ってきておりますが、引き続き、適切な対応を図ってまいります。

○三雲委員 東京水道株式会社の従業員については、局からの退職者であるとか異動による従業員が多い一方で、生え抜きの固有社員の育成、技術継承が課題と指摘されています。
 東京水道株式会社の固有従業員の正規、非正規従業員の構成比、局と東京水道株式会社の間の待遇格差や勤続年数の違いについて、局としてどのような課題意識を持っているのかお聞かせください。

○小澤経営改革推進担当部長 当局と東京水道株式会社は、それぞれの事業内容や目的、地方公営企業や民間企業という組織形態などを踏まえ、おのおの適切な人事、給与、福利等の制度を構築しているところでございます。

○三雲委員 東京水道株式会社の技術系職場では、中途退職者が多くて、中堅、ベテラン従業員が不足する中、外国籍の従業員の採用も行われるようになりました。令和六年度には、四名の技術職常勤従業員が在籍しています。
 他方で、外国籍従業員については、日常会話はできるものの、漢字や土木の専門用語が分からないため、道路管理者や警察への対応もできず、実質的に欠員が生じた状態と同様であり、現場に負担が生じている、在留ビザの更新申請やマイナンバーの取扱いなど、プライバシーに密接に関係しているところまで現場に押しつけてくるとの声が、現場で働く方の間から上がっています。
 局として、政策連携団体におけるこうした現場の実態を把握しているかお聞かせください。あわせて、今後、増加も予想される外国籍従業員の日本語教育、技術教育等の育成体制はどのように整備されているのかお聞かせください。

○小澤経営改革推進担当部長 東京水道株式会社において、外国籍の社員を採用していることは承知しております。
 同社におきましては、多様な社員が個々の能力を発揮できるよう、働きやすい職場環境の整備に努めており、外国籍の社員に対しましては、専任のチューターを任命し、良好なコミュニケーションを図っているほか、研修などの支援体制を整備しております。

○三雲委員 また、東京水道株式会社においては、労働組合との交渉において、人員削減であるとか、あるいはその必要な人員が配置されない理由として、受託料に言及しているといった指摘もあります。
 そこには、局からの受託料を前提として、それを上限として、従業員の待遇と人員配置を検討するとの東京水道株式会社の姿勢が見受けられるんですけれども、委託業務の現場実態に照らして、受託料の決定が適切になされているのか、局としての所見を伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 当局では、東京水道株式会社への委託を含め、全ての業務委託におきまして、適切な委託料の算出を行っております。

○三雲委員 局では、東京水道株式会社に対する包括委託契約を仕様発注から性能発注に変更していますけれども、変更を行ったそれぞれの事業所に関し、当該変更の理由をお聞かせください。

○小澤経営改革推進担当部長 当局では、東京水道株式会社に業務遂行の責任を持たせるとともに、創意工夫を促し、お客様サービスの向上及び業務の一層の効率化を図るため、性能発注方式による包括委託を導入することといたしました。

○三雲委員 東京水道株式会社との間の性能発注方式による包括委託契約において、要求水準に達しなかった場合のペナルティーと、要求水準を上回ったり、業務改善提案を行った場合のインセンティブはどのように設定されているのかお聞かせください。

○小澤経営改革推進担当部長 性能発注方式における包括委託では、業務要求水準書等で示す手法より効果的かつ効率的な業務手法を提案し、当局がこれを採用した場合などにインセンティブを付与し、要求水準の未達成が確認された場合にペナルティーによる違約金を請求する仕組みを契約で設けております。

○三雲委員 このペナルティーが過大である場合、東京水道株式会社の経営、あるいは、ひいては水道事業自体にも悪影響が生じるリスクも懸念されますけれども、この点に関する局としての所見を伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 今回の契約において定めておりますペナルティーは、故意または重大な過失により、広域的な断減濁水が発生したときなど、社会的あるいは業務の履行に重大な影響を及ぼす事象が発生した場合を対象としており、合理的なものと考えております。

○三雲委員 長沢浄水場及び砧浄水場の業務移転は、砧浄水場、砧下浄水場の業務を遠隔制御、無人化によって長沢浄水場に移管するとともに、直営で行ってきた浄水場業務をほぼ丸ごと東京水道株式会社に包括委託するものです。
 その目的と目指す効果をお聞かせください。あわせて、移管及び包括委託後の運営状況をどのように把握しているかも伺います。

○石田浄水部長特命担当部長兼務 東京水道株式会社が総合的な運営ノウハウを身につけるとともに、効率的に業務運営を行うため、当局では、令和五年度から長沢、砧、砧下の三浄水施設の業務を包括的に委託しております。
 運営状況につきましては、毎月、業務報告書の提出を受けるとともにヒアリングを実施し、把握しております。

○三雲委員 東京水道株式会社への性能発注方式での包括委託による業務移転を進めた場合、公益性の高い水道事業の現場での技術を局が失ってしまうことにつながらないかという懸念があります。
 政策連携団体とは別に、局内における水道技術の継承について、どのような考え方を持っているのかお聞かせください。あわせて、具体的にどのような取組を行っているかについても伺います。

○大谷職員部長 将来にわたり安定的に水道事業を運営していくためには、局と東京水道株式会社が連携して技術を継承していくことが重要と考えており、当局では、同社との共同研修や相互派遣等の取組を実施しております。

○三雲委員 東京水道株式会社における料金徴収業務については、現場訪問をせずに郵送による催告での未納料金の回収に切り替えた結果、回収率の低下と未納の増大、給水停止件数の増加が生じています。
 令和六年度からは、自動音声による電話催告が試行導入されていますが、その効果についてどのように把握しているか、また具体的な効果をお聞かせください。

○荒畑サービス推進部長 当局では、効果的な徴収業務の手法の一つといたしまして、自動音声による電話連絡を試行しており、電話連絡を実施している営業所と実施していない営業所との収納率を比較いたしまして、その効果を把握しております。
 令和六年度における両者の収納率の差は、約五%となっております。

○三雲委員 水道事業の管理運営を民間事業に移管していくことについては、効率的な経営を実現するとか、民間の創意工夫を導入しやすいといった議論がある一方で、やはりその公共団体が水道事業の現場のノウハウを失ってしまって、民間事業体に委託した水道事業のコントロールが困難になると。また、水道料金を原資として多額の配当や役員報酬が支払われる、こういった弊害の生じるリスクも指摘をされてきました。
 今の政策連携団体である東京水道株式会社については、東京都が八〇%以上の株式を保有している支配関係にあることから、多額の配当であるとか、役員報酬といった問題は生じにくい体制であると思われます。
 他方で、目指すべきとされている効率的な経営というものが、現場の労働条件であるとか労働環境を犠牲として実現されるものであったりとか、あるいは水道局が現場での技術、ノウハウを失う結果につながる、そういった場合には、長期的な視点に照らして、水道事業者の不足であるとか、あるいは事業そのものの質の低下を招いて、都民全体の利益を損なうということが懸念されます。
 局として、政策連携団体である東京水道に対して、本質問において指摘をした法令違反及びその疑いのある事案に対する再発防止策の徹底を含めて、引き続き、現場の実態に即した適切な業務の委託並びに管理監督を行っていただきますよう要望いたします。
 続いて、災害対応について伺います。
 東京都の水道事業は、世界トップレベルの低い漏水率と高度な水質を誇っておりますけれども、災害であるとか、事故などのリスク発生時においても可能な限り給水を継続し、都民生活を支えることが求められております。
 まず、令和六年度における配水管路の耐震継ぎ手化及び水道管附属施設の耐震化の進捗状況をお聞かせください。

○藤川給水部長 令和六年度の配水管の耐震継ぎ手率は、五年度から一ポイント上昇し、五二%となっております。
 また、水道管附属設備のうち、対策が必要な空気弁につきましては、元年度までに全て耐震化を完了しております。

○三雲委員 計画的に進めているということがうかがわれます。
 次に、令和六年度の浄水施設の耐震化の進捗状況をお聞かせください。

○石田浄水部長特命担当部長兼務 当局では、浄水施設の耐震化を計画的に推進しており、これまで優先的に進めてまいりました浄水処理の最終段階であります、ろ過池や配水池につきましては、おおむね完了しております。
 令和六年度は、金町、三郷及び朝霞浄水場におきまして、沈殿池の耐震補強工事に着手しており、引き続き、浄水施設の耐震化を着実に進めております。

○三雲委員 こちらも計画的に進めているということがうかがわれます。
 多摩地域では、災害であるとか、事故、更新時などにおけるバックアップ機能を強化するために、断水長期化予防のための送水管二系統化を進めてきましたけれども、令和六年度における進捗状況をお聞かせください。

○青山施設部長 令和六年度は、立川市の柴崎給水所と日の出町の文化の森給水所において送水管の二系統化工事を進めるとともに、新たに清瀬市の清瀬梅園給水所についても工事に着手いたしました。

○三雲委員 区部だけでなくて、多摩地域においても進めているということがうかがわれます。
 また、都内の島しょの町村では、独自の水道事業を運営していますけれども、地理的条件であるとか、人口規模、財源などの制約の中で公営水道を維持することにも課題があります。
 こうした島しょ町村の水道事業に対する助言、技術協力の令和六年度における実施状況、これを受けた課題、今後の展望についての認識をお聞かせください。

○清水調整部長 令和六年度は、島しょ町村等を対象とする水道担当者会議において、水道技術に関する講習を実施したほか、個別の相談対応を行っております。
 小規模な水道事業体は、技術力や人材不足などの課題を抱えておりまして、当局の知見を生かし、水道技術の維持向上に貢献していくことが重要と認識しております。

○三雲委員 島しょ町村において、渇水であるとか、災害が生じた場合、独力で給水を継続することに困難が生じる懸念もあります。
 島しょ町村の渇水災害等対策として、局としてどのような事業を準備しているのか、その令和六年度における実施状況をお聞かせください。

○内田総務部長 当局は、島しょ地域の水道において渇水や災害等の被害が発生した場合、事業主体である各町村からの依頼に応じて、応急給水等の支援を実施することとしております。
 また、令和六年度の実績はございません。

○三雲委員 これまで災害対策を伺ってまいりましたけれども、区部、多摩地域、島しょ部で水道事業の主体は異なっているものの、その利用者、受益者というのは、いずれも都民の方です。
 引き続いて、区部における災害対策を充実させるとともに、市町村と連携した多摩地域、島しょ部における災害対策も着実に進めていただくよう要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○本橋委員 昨年一月に能登半島で発生した地震や、先日、八丈島を襲った台風、その他日本各地における被害の頻発は、自然の脅威や災害に対する備えの重要性を改めて認識させる出来事でした。
 都は、自民党が以前から指摘してきた都市の強靱化について、プロジェクトとして取りまとめ、取組を積極的に推進しています。
 水道局も例外ではなく、送水管のネットワーク化や施設の耐震化など、持続可能な水道システムの構築に取り組んでいますが、本日は、歴史的な背景から区部に比べるとまだまだ広範囲で強化の取組を進めていく必要がある多摩地区における施設整備の令和六年度の取組実績と、その基盤となる財政運営について確認をしていきます。
 まず、施設整備について伺います。
 多摩地区の水道施設は、市町が水道事業を運営してきた経緯から、配水区域が市町単位で設定され、バックアップ機能が脆弱であることに加え、小規模で老朽化した、耐震性を有していない施設が多数点在していることから、計画的に施設整備を進めていると承知をしています。
 我が党では、以前より多摩地区における給水安定性の向上に向けた取組を推進するよう強く要望してきましたが、能登半島地震でも水道施設の耐震性やバックアップ機能の確保の重要性が再認識されたところです。
 そこで、多摩地区における強靱化の取組状況を確認していきます。
 まず、特に重要となる基幹施設である給水所の整備についてですが、災害や事故時においても安定した給水を行うためには、施設の耐震化や配水池容量の確保が必要です。
 そこで、多摩地区における給水所整備の進捗状況について伺います。

○青山施設部長 多摩地区では、市町域にとらわれない合理的な配水区域に再編するため、給水所等の更新に合わせ、配水池容量を確保するとともに、耐震化を推進しております。
 整備に当たっては、安定給水確保のため、計画一日最大配水量の十二時間分の容量を確保することを目指しております。
 令和六年度は、調布市の深大寺給水所一号配水池築造工事を完了し、運用を開始するとともに、二号配水池築造に向けた撤去工事を実施いたしました。
 また、立川市の柴崎給水所、福生市の福生武蔵野台給水所、町田市の小野路給水所、府中市の若松給水所においても整備を進めてまいりました。

○本橋委員 給水所の整備は、平常時のみならず、災害時における給水安定性の向上につながる重要な取組のため、引き続き着実に整備を進めるよう強く要望しておきます。
 一方、給水所から都民に確実に水を配るためには、浄水場から給水所に至る送水管の機能の確保も重要であり、水道局では、バックアップ機能が確保されていない施設について、複数のルートから水を受けられるよう二系統化を推進しています。
 そこで、多摩地区における送水管の二系統化の取組について伺います。

○青山施設部長 多摩地区の給水所などには、浄水場からの送水管が一系統の施設もあり、事故時には給水所などへの送水ができなくなる可能性があるため、二系統化を推進しております。
 令和六年度は、立川市の柴崎給水所と日の出町の文化の森給水所への送水管二系統化工事を進めるとともに、新たに清瀬市の清瀬梅園給水所についても、立て坑築造工事に着手いたしました。
 また、国分寺市などの給水所四施設においても、工事に向けた設計に着手いたしました。

○本橋委員 私の地元である国分寺市にある施設も含め、送水管の二系統化が着実に進捗している状況を確認できました。給水所の整備に加えて、バックアップ機能の確保も重要な取組であるため、引き続き推進していただきたいと思います。
 次に、風水害対策について伺います。
 近年、台風や集中豪雨等が各地で頻発しており、河川の増水により水管橋等が損傷した場合、甚大な被害が発生をしています。
 多摩地区においても、令和元年東日本台風によって、橋梁に添架した管路が流出した例があるなど、その対策は急務であり、我が党の指摘を踏まえて事業化したという経緯があります。
 そこで、多摩地区における河川横断管路の地中化の取組について伺います。

○青山施設部長 当局では、水管橋や添架管の損傷、流出の被害を未然に防止し、可能な限り断水リスクを低減するため、河川横断管路の地中化を推進しております。
 水管橋以外の送配水ルートが確保されておらず、被災した場合に影響の大きい水管橋等を優先的に整備しております。
 令和六年度は、八王子市の川口川を横断する水管橋の地中化工事を完了させるとともに、多摩川を横断し、あきる野市と福生市を結ぶ睦橋の添架管の地中化工事に着手いたしました。
 また、八年度以降の工事着手に向け、四か所の地中化工事の設計を実施いたしました。

○本橋委員 風水害対策についても計画的に進められていることが分かりました。河川横断管路の地中化は、関係機関との調整や技術的な検討に時間を要すると聞いておりますが、引き続きスピード感を持って進めていただきたいと思います。
 次に、非常時における電力確保の取組について伺います。
 震災などによる大規模停電時においても、電力事情に左右されず、安定的に水道を供給するためには、電力の自立化も必要となります。
 水道局では、大規模な浄水場においては、高度浄水施設に常時一定程度の電力が供給可能となるよう、常用発電設備の整備を進めていますが、多摩地区に所在するような小規模な施設においては、非常用発電設備の整備を進めています。
 そこで、多摩地区における非常用発電設備の整備状況について伺います。

○青山施設部長 多摩地区では、現在、停電時においても送配水に必要な電力を確保するため、ポンプ所などに非常用発電設備の整備を推進しております。
 令和六年度は、瑞穂町の石畑増圧ポンプ所及び八王子市の北野増圧ポンプ所において、非常用発電設備の整備が完了いたしました。
 また、小規模なポンプ所二施設において、非常用発電設備の工事に着手いたしました。

○本橋委員 整備した給水所や送水管等を有効に機能させるには、安定的な電力確保が必要となるため、着実に取り組むことを求めておきます。
 ここまで、様々な角度から施設整備の取組状況について確認してきましたが、施設が完成したとしても、平時はもちろん、非常時においても、それらの施設が適切に稼働しなければ意味がなく、しっかりとした運転管理体制の構築が重要となります。
 昨年の決算特別委員会でも質疑していますが、水道局は、従来複数箇所に分かれていた多摩地区の運転管理室を一か所に統合する取組を進めてきました。
 そこで、改めて、多摩地区における管理室統合の目的、経緯について伺います。

○成田技術調整担当部長 多摩地区における水道施設の運転管理は、都営一元化以前は市町単位で行われていましたが、当局では、これらを段階的に集約し、平成二十年度から四つの拠点において監視を実施してまいりました。
 令和元年度からは、より効率的な体制を構築するため、機能を一か所に集約した統合管理室の整備を進め、六年度に運用を開始しております。
 また、非常時に統合管理室が使用不能となった場合に備え、従来の拠点においても操作が可能なシステムを構築いたしました。

○本橋委員 効率的な運転管理を行えるよう管理の集約化を図ってきたこと、それに加え、非常時に備えたバックアップ体制を確保したことを評価します。
 しかし、重要なのは、統合した運転管理室が想定どおりの効果を発揮し、平時の効率的な運転監視をはじめ、非常時に的確な対応が図れるかどうかです。
 管理室の統合による、平時及び非常時における効果について伺います。

○成田技術調整担当部長 令和六年度から水道施設の監視の拠点を一か所に統合し、給水所やポンプ所等の各施設の運転情報を集約することで、効率的な管理体制を実現するとともに、水量、水圧や水質など、多摩地区全体の水配の状況をリアルタイムで確認できるようにいたしました。
 また、事故や災害発生時には、被害状況の迅速な把握や、総合的な復旧対策の立案が可能となるなど、平時のみならず、非常時においても効果が発揮されるものと考えております。

○本橋委員 管理室の統合により、運転管理体制が強化されていることを確認しました。今後とも、効率的な運転管理を徹底するとともに、万が一事故等が発生した場合の対応にも万全を期していただくよう要望しておきます。
 これまで、運転管理体制の見直しも含め、多摩地区における施設整備の進捗状況について確認してきましたが、初めに申し上げましたとおり、市町が水道事業を運営してきた経緯もあり、多摩地区水道の強靱化に向けて取り組むべき施設整備は、まだまだ多いのが実情です。
 多摩地区における施設整備を引き続き着実に進めていく必要があると考えますが、取組の方向性について伺います。

○成田技術調整担当部長 当局では、多摩地区における施設整備を計画的に進めており、現在は、東京水道施設整備マスタープランに基づき、多摩地区を四つのエリアに分け、それぞれの特性に合わせた取組を推進しております。
 一方、多摩地区の山間部は、能登半島地震で被災した奥能登地域と共通点があり、地震によって道路の寸断等が発生した場合には断水が長期化する可能性があるなど、課題も顕在化しております。
 今後の取組に当たりましては、これまでの施設整備の進捗状況を踏まえた工程等の見直しに加え、新たな課題への対応について検討を行い、改定を予定している施設整備マスタープランに適切に反映いたします。
 これにより、広域水道としてのスケールメリットの発揮を図るとともに、バックアップ機能の確保などにより災害対応力を強化し、強靱な多摩地区水道を構築してまいります。

○本橋委員 顕在化した課題への対応も含め、計画的に取組を進めていく方向について確認できました。
 引き続き、多摩地区の給水安定性の向上に向け、多摩地区水道の強靱化の取組に全力で取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。
 財政運営について伺います。
 これまで確認してきた多摩地区を含め、東京の水道全体の強靱化に資する取組を今後も着実に推進するためにも、その基盤となる安定的な財政運営を確保することは重要であり、その状況について質問していきたいと思います。
 水道局は、現行の東京水道経営プラン二〇二一の計画期間五年間で収支を均衡させる見込みの下、事業を運営していますが、昨年の決算特別委員会における質疑等でも、計画値と乖離が生じていることを確認しています。
 まず、令和六年度の収支の状況について伺います。あわせて、計画と乖離が生じている要因についても伺います。

○内田総務部長 令和六年度の単年度資金収支は約三十億円の不足で、年度末時点での累積収支は約二百億円の不足でございまして、経営プラン策定時の推計に比べますと不足額が拡大しております。
 これは、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、料金収入が大幅に減少し、その回復に時間を要していることに加えまして、物価や労務単価の上昇に伴い、電気料金等の動力費や施設の維持補修に係る費用などが想定以上に増加したことが要因でございます。
 いずれも、経営プラン策定時には十分に見込むことが困難だったリスクの顕在化によるものと認識してございます。

○本橋委員 社会経済状況の大きな変化など、計画策定時には想定できなかった要因によるものとのことでありますが、不足額が拡大していると聞くと、今後の経営は大丈夫かなとの懸念が生じます。
 水道局は、経営プランにおいて、経営状況に関する説明責任を果たすことを目的に、幾つかの経営指標を設定しています。
 経営指標の令和六年度実績について、それぞれ伺います。

○内田総務部長 当局では、経営に関する目標管理として、経営の安定性の観点から、対外的に分かりやすく、他の水道事業体との比較や分析に適した経営指標を六項目選定し、目標数値を設定してございます。
 令和六年度の実績は、経常収支比率が目標値一〇〇%以上に対しまして一〇三・三%、流動比率が目標値一〇〇%以上に対しまして一四六・二%、自己資本構成比率が目標値七四%以上に対しまして八二・三%、給水収益に対する企業債元利償還金の割合が目標値二〇%以下に対しまして四・九%、給水収益に対する企業債残高の割合が目標値三〇〇%以下に対しまして九七・四%、料金回収率が目標値一〇〇%以上に対しまして九八・八%となってございます。
 六つの指標のうち五つについて目標を達成しておりまして、安定的な経営は引き続き確保できているものと認識しております。

○本橋委員 六つの経営指標のうち五つについては目標数値を達成しているとのことですが、目標を達成できていない料金回収率については、昨年も状況について質問しています。給水に係る費用がどの程度給水収益で賄えているかを表す指標であり、資金不足が生じていない状態であることを示す数値として一〇〇%以上を目標として設定しているということですが、ここ数年、一〇〇%を下回る状態が継続しています。
 水道局からは、指標の改善に向けた努力を続けていくとの答弁をいただいていますが、その状況について確認をしたいと思います。
 経営プランの計画期間中における料金回収率の推移及び改善に向けた局の取組について伺います。

○内田総務部長 経営プラン二〇二一における料金回収率の実績は、令和三年度から六年度までにそれぞれ九九・七%、九四・〇%、九六・一%、九八・八%で推移しております。
 主に新型コロナウイルス感染症の影響による料金収入の減少に伴い、四年度に大幅に数値が下落いたしましたが、その後は改善傾向にございます。
 料金収入が徐々に回復していることに加えまして、保有している土地等の活用や資金運用による料金収入以外の収入確保、効率的な事務事業の推進による経費の節減等の経営努力を、これまで以上に実施してまいりました。
 また、将来を見据えた施設整備は着実に推進しつつ、施設の維持補修等の経常的な作業等について、必要に応じて実施時期を見直すなど、事業費を縮減いたしました。
 今後とも、こうした取組を推進することで、料金回収率の目標数値の達成を図るとともに、安定的な財政運営に努めてまいります。

○本橋委員 料金回収率は一定の改善が図れているとのことでありました。全国の水道事業体に目を向けると、水道施設の老朽化が深刻な課題となっており、それに対するための財政負担も極めて厳しい状況にあります。
 都の水道については、本日の質疑により、経営状況に大きな問題はないとのことですが、冒頭にも申し上げましたとおり、我が党が常々主張してきた都市の強靱化は待ったなしに対応しなければならない課題であります。
 今後とも、必要な施設整備をしっかり見極めつつ、安定的な財政運営にも留意しながら、着実に取組を進めていただくことを要望して、私の質問を終わります。

○高田委員 初めに、今月、伊豆諸島を相次いで襲った台風第二十二号及び第二十三号による被害状況と復旧対応に関連して質問をいたします。
 十月九日、台風第二十二号が伊豆諸島を襲い、八丈島などで多数の被害が発生しました。これを受け、都議会公明党は、現地の声を踏まえ、翌十日、小池都知事に対して緊急要望を行いました。
 さらに、十三日には、台風第二十三号が伊豆諸島を直撃しました。二つの大型台風が立て続けに襲来するという極めて異例かつ深刻な被災状況となりました。改めて、被災に遭われた方に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 都議会公明党は、十六日、特に被害の大きかった八丈島を視察、調査いたしました。私も参加しました。現地では、町長や関係機関から被害の概要を聴取するとともに、被災された島民の皆様から直接ご要望をお伺いしました。
 二度の台風により、道路の閉塞や崩壊、建物被害が相次ぎ、特に断水が長期化するなど、生活への影響が深刻でございます。発災から一度もお風呂に入れていない、そういった切実な声も直接お伺いし、改めて被災地の厳しい現状を痛感いたしました。
 東京都は、発災直後から八丈町に各局職員を派遣し、現地での支援活動を展開しています。私も現場でお会いしましたけれども、水道局職員の皆様も断水解消や給水活動に全力を注ぎ、現地で懸命に作業されておりました。
 昼夜を分かたず復旧や被災者支援に取り組まれている姿に、心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。引き続き、被災者に寄り添った対応をお願い申し上げます。
 その上で、島しょ地域の水道事業運営は小規模であり、災害時の対応はもちろん、平時でも人材不足などにより、技術面での課題を抱えております。
 そこで、水道局が実施している島しょ地域の水道事業への支援の枠組みと、令和六年度の取組をお伺いいたします。

○清水調整部長 当局では、国内水道事業体への貢献事業の一つとして、庁内関係局とも連携して、都内島しょ町村を対象に、事業運営で抱える様々な課題の解決に向け、当局がこれまで培ってきた技術やノウハウを活用した技術支援や助言を行っております。
 また、災害等が発生した際には、要請に基づき、人的、技術的支援を行うこととしております。
 令和六年度は、漏水防止に関する講義及び実技研修を実施し、八丈町をはじめ、島しょ七町村が参加したほか、個別に寄せられる技術的な相談への助言を随時行っております。

○高田委員 ご答弁ありがとうございました。島しょの町村に対する支援の枠組みが構築されていること、理解をいたしました。
 現在、八丈島では、なお断水が続く地域があり、住民の皆様が生活に大変なご苦労をされております。水道局の職員の皆様が、昼夜を問わず懸命に取り組まれていることも承知しております。どうか現場で奮闘される職員へのバックアップを含め、一刻も早い断水の解消に全力を尽くしていただきたいと要望し、次の質問に移ります。
 八丈島で応急復旧活動に取り組む水道局の職員の皆様のお話をさせていただきましたけれども、今月に東村山浄水場を視察させていただいた際も、現場で水道局職員の皆様が高い技術を持ってお仕事をされる姿を拝見してきました。
 その上で、いざ災害や事故が発生したとき、復旧に当たるのは、水道局の皆様だけではありません。民間の水道事業者の皆様もまた、現場で昼夜を分かたず応急復旧に尽力をされております。
 本年一月、埼玉県八潮市で下水道管の老朽化、劣化が原因と思われる痛ましい事故が発生しましたけれども、水道管も例外ではありません。
 これまで水道局は、外部衝撃に弱い材質の管路や長い年月を経過した管路などを、粘り強く強度の高いダクタイル鋳鉄管へ更新してきており、その更新は九九・九%完了しているとのことでございます。
 しかし、道路の下には、水道管のほかにもインフラに係る様々な設備が埋められており、都内でも埋設から四十年から五十年が経過し、老朽化や腐食などによる漏水のおそれがある管路も僅かではありますが点在していると聞いております。
 こうした古い管路は早急な更新が必要であり、水道局は積極的に対応していると伺っておりますけれども、地震の発生への備えも考えると、都内全域を面として捉えた水道管路の耐震継ぎ手化も計画的に実施していくことが重要と考えます。
 そこで、埋設年度が古く、漏水の可能性が高い管路の解消に向けた令和六年度の取組実績についてお伺いさせていただきます。あわせて、給水区域全体における配水管の耐震継ぎ手化の令和六年度の実績についてもお伺いをさせていただきます。

○藤川給水部長 当局では、施工が困難な箇所にあり、布設年度が古く、漏水発生のおそれがある管を取替え困難管と位置づけております。これらは、国道、都道などの交通量が多い幹線道路の交差点や鉄道との近接箇所、電気、ガス、下水道などの他企業の地下埋設物がふくそうする箇所等に点在しております。
 令和六年度は、道路管理者や他企業と埋設位置の変更や工事時期の調整に努めた結果、約三キロメートルを解消し、取替え困難管の解消率は、五年度の五六%から七五%に上昇しました。
 また、給水区域全体の耐震継ぎ手率については、六年度に約三百三十六キロメートルの配水管の取替えを行ったことなどにより、五年度から一ポイント上昇し、五二%となっております。

○高田委員 ご答弁ありがとうございました。今後も着実に進めていただくとともに、防災、減災の観点からも、配水管小規模整備工事請負単価契約及び多摩水道整備工事請負単価契約も適宜活用されることを求め、次の質問に移ります。
 さて、昨年の能登半島地震においても、都内の水道事業者が現地に駆けつけ、被災地の水道復旧のために力を尽くされてこられました。
 こうした事業者の皆様は、日頃から防災訓練などを通じて災害対応力を高める努力をされ続けております。
 東京都は、これら事業者団体の防災訓練に対し支援を行っていると承知しておりますけれども、令和六年度はどのような支援を実施されたのかお伺いさせていただきます。

○内田総務部長 当局では、災害時に被害を受けた管路等を早期に復旧するため、工事事業者で構成される四団体と災害時の協力に関する協定を締結しております。
 この協定に基づき、団体が応急復旧訓練や出動する班の編成訓練を行う場合、当局は、会場の使用や設営等に係る経費の一部を負担しております。
 令和六年度は、この仕組みによりまして、一団体延べ七十五者の訓練を支援し、工事事業者の応急復旧技術の維持向上につなげました。

○高田委員 ありがとうございます。会場使用料や設営費等への補助について理解をいたしました。
 その上で、事業者団体の皆様からは、材料費や運搬費などにも支援の拡充を望む声が寄せられております。
 これらの点について、どのように対応されたのかお伺いさせていただきます。

○内田総務部長 当局は、令和六年度に、訓練に使用した水道管を工事に再利用できないことや、訓練後の保管場所がなく、処分せざるを得ないなどの状況を工事事業者の団体から聞き取っております。
 こうした現場の実情を踏まえて、団体による訓練を一層促進するため、これまで団体の負担としていた水道管等の材料費について、今年度から当局の負担対象に追加することといたしました。

○高田委員 事業者団体のご要望を踏まえて、材料費や運搬費も補助対象に加えていただいているということで、感謝を申し上げたいと思います。
 災害発生時、現場で応急復旧に当たる事業者の技術の維持向上は、極めて重要でございます。首都直下地震などへの備えの観点からも、引き続き防災訓練等への支援を充実していただくようお願い申し上げます。
 続いて、人材育成についてお伺いさせていただきます。
 水道事業を将来にわたり安定的に維持していくためには、高い技術を有する人材の育成が欠かせません。配水管工事などの技術は日々進化しており、確かな技能を若手に継承していくことが不可欠でございます。
 水道局は、経営プランの中で、水道工事事業者の技術力の維持向上を掲げていらっしゃいますけれども、具体的にどのような取組を行っているのかお伺いさせていただきます。

○塩田建設部長 水道事業を着実に推進していくためには、工事を担う事業者の技術力向上を支援していくことが必要です。
 中でも、口径の大きい配水本管の更新に当たっては、大規模な仮設工事が必要となるなど、高い技術力が求められます。
 このため、当局では、配水本管工事に関わる事業者の技術力の維持向上を目的に、令和元年度から、工事事業者に対して技術支援研修を実施しております。

○高田委員 ありがとうございます。その上で、どのような内容の研修が実施をされ、どのような方々が講師や受講者として参加されているのか、また参加者の反応や成果についてもお伺いさせていただきます。

○塩田建設部長 令和六年度は、区部に加えて多摩地区にも研修会場を設け、合計四か所において研修を実施し、中小規模の事業者を中心に延べ百三十九名が参加いたしました。
 この中では、配水本管工事の施工に必要な土留め等の仮設工や、耐震継ぎ手管の採用経緯や接合方法、工事の安全管理などについて、局職員に加えて外部講師を招いて幅広く研修を実施いたしました。
 研修後に実施したアンケートでは、参加した事業者から、配水本管工事の実施の流れが把握できた、施工に必要な高度な技術に関する知識が深まった、また配水本管工事の経験の浅い若手技術者や協力会社への教育に活用したいなど、研修を評価する声を多くいただいたところでございます。

○高田委員 充実した研修内容であること、また令和六年度から多摩地域にも研修会場を設けていただいたことを評価いたします。
 現場に近い形での実践的な学びが進んでいることは、大変有意義でございます。今後も、受講者の声を踏まえ、より充実した技術支援研修を実施していただくことを強く期待いたします。
 次に、水道事業者の事務負担の軽減についてお伺いさせていただきます。
 事業者の皆様からは、都の受注工事に関する提出書類が非常に多く、段ボール数箱分にも及ぶ、担当者が残業を余儀なくされているといった声が寄せられております。
 水道局では、工事関係書類の削減について、どのような取組を進めているのかお伺いさせていただきます。

○塩田建設部長 当局ではこれまでも、東京都統一様式や局独自様式について、書類の簡素化に取り組んでまいりました。
 令和五年度は、局内に検討会を立ち上げ、工事受注者から特に要望の多い材料関係の書類を含め、全ての書類を精査し、削減や運用の変更を検討いたしました。
 この検討結果を踏まえ、六年四月には、水道局様式の記載例集を改定し、約二割の書類を削減したほか、記載内容の省略など簡素化の取組を進めたところでございます。

○高田委員 ありがとうございます。提出書類のうち約二割を削減されたとのこと、一定の成果として評価をいたします。
 しかし、中小零細企業にとっては依然として大きな負担であり、書類作成を専門業者に委託せざるを得ない場合もあります。また、施工中や工事完了後に発生する伝票整理など、専門の業者に委託できない書類もあり、事業者のご苦労は依然続いていると伺いました。
 水道事業は、安全性の確保が最優先でありますけれども、都全体でDX化が進む中、水道局においてもデジタル技術を積極的に活用し、さらなる効率化、簡素化を図る必要があると考えます。
 特に、中小事業者への配慮を重視し、提出書類の見直しやチェック体制の改善など、現場に寄り添った対応を求めます。見解をお伺いします。

○塩田建設部長 工事事業者の負担軽減を図っていくことは、働き方改革の観点からも重要であると認識しております。
 当局ではこれまでも、ほぼ全ての工事書類について、紙に代えてメールによる提出ができるよう改善したほか、クラウド上で工事書類を提出し、その状況等を局と事業者の双方が確認できる情報共有システムを、令和五年度から六年度の試行を経て、今年度から本格運用しております。
 今後とも、デジタル技術の活用を進めるとともに、業界団体と意見交換しながら、工事事業者の負担軽減に向けた取組を進めてまいります。

○高田委員 ぜひ水道事業者の実情に寄り添い、不断の改革を続けていただくよう要望いたします。
 次に、猛暑対策についてお伺いします。
 今年八月、都心では十八日間の猛暑日を記録し、酷暑の中で作業を行う現場の安全確保が喫緊の課題となっております。
 この大変暑い中、作業を行う方への熱中症対策は、発注する都側も最大限に取り組む必要があり、また工事中止、中断に伴う補償、補填が求められます。
 水道局としては、水道工事の担い手確保のために熱中症予防対策に取り組んでいるとお伺いしました。
 一つは、熱中症対策の費用について、真夏日日数に応じて現場管理費の補正を行うというものでございます。共通仮設費と併せて、工事費全体の〇・五%から〇・七%程度、対策費用として計上でき、テントつき休憩所や送風機、空調機能付作業服、スポーツドリンクなどの購入のために充てられるというもので、令和二年から実施されているとお伺いしました。
 一億円の事業であれば、事業者にとって受注額が五十万円から七十万円程度増額されるものですので、多くの事業者にぜひ使っていただきたいわけでございますけれども、まず水道局発注工事のうち、どれだけ現場管理費補正が行われたのかお尋ねします。

○塩田建設部長 令和六年度に完了した競争入札による管路工事三百四十四件のうち、受注者からの申請に基づき現場管理費の補正を実施したのは百三十五件で、全体の四〇%でございます。
 この経費補正の実施割合は、前年度より約一五ポイント増加しております。

○高田委員 令和六年度の実績が増加していることは評価させていただきます。
 しかし、依然として全体の四割にとどまっており、多くの事業者が制度を十分に活用できていないと思います。中には、この制度自体をご存じない事業者もいらっしゃいました。
 せっかくの熱中症対策制度でございます。都は、改めて周知を徹底し、より多くの事業者が活用できるよう支援を強化すべきと考えます。見解を伺います。

○塩田建設部長 当局ではこれまでも、熱中症対策制度を取りまとめたリーフレットを作成し、ホームページにて周知してきたほか、業界団体と意見交換を行い、現場管理費補正の変更手続を簡略化するなどの取組を実施してまいりました。
 今後、さらに工事事業者の熱中症対策を推進するため、工事契約後の初回打合せや施工中における受発注者間の連絡会など、あらゆる機会を捉えて、熱中症対策制度の周知徹底を図ってまいります。

○高田委員 ありがとうございました。ぜひ周知のほどよろしくお願い申し上げます。
 さらに、水道局の熱中症予防対策の一つとして、猛暑による休工で工期への影響が見込まれる場合は、当局への工期延伸の協議ができるようになったと伺いました。これは事業者にとって大変にありがたい制度だと思います。一般工事案件だけでなく、ぜひ単価契約工事においてもご対応をお願いしたいと思います。
 そこでお伺いしますけれども、令和六年度の水道局発注工事のうち、熱中症対策を理由に工期延伸が行われた実績は何件あったのかお伺いさせていただきます。

○塩田建設部長 令和六年度に完了した競争入札による管路工事において、受注者から協議があり、工期を延伸したのは一件でございます。
 なお、工期設定に当たっては、全庁の方針の下、雨天や猛暑日等を考慮した割増し補正を行い、必要十分な日数を契約工期として確保しております。

○高田委員 実績が一件だけだったということで、ほとんどないということでございました。率直に申し上げて、これは残念なことだと考えております。
 猛暑の中で工期を継続した場合、現場作業員に過度な負担が集中し、安全面でのリスクも高まります。事業者から協議があれば工期延伸は可能とのことでございますので、水道局はこの制度を事業者にしっかり周知をし、現場で活用しやすい仕組みとして運用するよう強く求めます。
 現場の安全と作業員の健康を守る観点からも、実効性ある取組の拡充をお願いし、私の質問を終わります。

○藤井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十九分休憩

   午後三時十五分開議

○藤井委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 ご発言をお願いいたします。

○福手委員 よろしくお願いします。共産党の福手ゆう子です。
 まず初めに、経営計画で掲げた工事の状況について伺っていきます。
 令和六年度は、施設の工事で入札不調またはその影響を受けている案件というのはどれくらいあるのか伺います。

○高角経理部長 令和六年度における浄水施設や給水所の築造工事及び耐震補強工事等については、契約が不調となった案件は七件でございます。

○福手委員 令和六年度中の入札で不調になったのは七件だと。今のは令和六年度中の件数だったんですが、確認したところ、令和六年度以前の年で、入札不調になって完了時期が延びるなどで、令和六年度の計画に影響が及ぶという案件や、また管渠の工事でも同様の状況があるということはお伺いをしています。
 では、入札不調の原因、理由を伺います。

○高角経理部長 先ほどお答えした七件の不調案件における辞退または不参の理由として、大多数の事業者は、配置予定技術者の確保が困難になったことを挙げております。

○福手委員 七件の理由は、水道技術管理者の確保の問題ということでした。それ以外の理由があるかというふうで、ほかの影響のところで聞いたところ、例えば金額が合わないということや、あと工事の困難性というのも不調の原因としてあるということを伺っています。
 では、入札不調によって、完成時期や工期の延長、工程を見直すだけではなく、工事をするかどうかを見直したものはどれくらいありますか。また、工事をしないと判断した場合の考え方、その後の対応を伺います。

○高角経理部長 先ほどお答えした七件のうち、令和六年度に工事を実施しないとの判断に至ったものはございません。

○福手委員 答弁は、工事自体をやらないということはないということでした。時期をずらして計画をして、完了時期を延長するという対応となったものもあります。その中には、またその工事をいつやるかが定まっていないというものもあるというお話を伺っています。
 耐震化やバックアップ機能の確保など、必要な工事が人材不足などを理由に延びてしまう状況が複数出てきている状況は、やはり軽視はできないと思っています。
 工事を受注する事業者の方から、入札の状況について、私はお話を伺ってきたんですけれども、実態として、特に大規模な工事の場合には、資材高騰の影響で設計との乖離が出て先が見通せないため、事業者は大きな工事は入札しないということがあるというお話を伺いました。やはりこれも一つの入札不調の理由だと思いました。
 東京都は、調査をして、資材価格が上がった場合にはスライド条項に基づいて対応をされています。しかし、これ、対応がやっぱり遅くて半年ずれると、すぐに反映されないと、そういう課題が残されています。
 例えば、契約金の中でウエートが高いとされているダクタイル鋳鉄管というのは、直管の生産者っていうのは国内に三社のみなんですね。この三社が値上げをした場合というのは、それをすぐに単価に反映するということができるのではないかと私は思います。
 伺いますが、最新単価を早く反映させるためにはどういう対応ができるのかを伺います。

○塩田建設部長 当局では、国や都の各局と同様、最新の物価資料等を基に、毎月、設計単価の見直しを行っております。

○福手委員 単価の見直しは、物価資料を参考にして行われます。物価資料は、事業者も見ている資料で、共有している情報なので、一つのよりどころとして参考にすると聞いていますが、今の物価高騰の状況で単価が追いつかない。事業者の方は、先ほどもいいましたが、半年ずれるといっていました。これが実態です。
 そういう状況で工事を受けるとなったら、そのしわ寄せは事業者が負うことになります。事業者が安心して工事を受けられるような対応が求められると思います。
 また、本管工事のような、工期が長く、規模も大きい工事の場合は、四〇%の前払い金を受けてもお金の立替えがもたないという実態も、現場の事業者から伺っています。
 中間払いの制度もありますが、中間検査が必要で、技術者は通常の仕事もやりながら中間検査もやるとなると大変だと、そういう課題も伺ってきました。現場の声をシステムに反映していく検討を求めておきます。
 質問を次に移ります。
 給水停止の質問です。令和六年度の給水停止の人数を伺います。

○荒畑サービス推進部長 令和六年度の給水停止件数は、約十六万五千件でございます。

○福手委員 令和三年度は約十万五千件でした。令和四年度は約十八万件でした。令和五年度は約十六万六千件と。そして、令和六年度が今の答弁で約十六万五千件というふうで推移をしてきました。つまり、給水停止は高止まりの状況となっています。
 東京都は、郵送や電話で支払い催告を行っていますが、支払いが滞った理由として、物価高騰という方はいたのでしょうか、伺います。

○荒畑サービス推進部長 水道料金が未納となる理由につきましては、プライバシーに関わる内容が含まれている場合もございまして、全て把握することはしておりません。
 なお、料金のお支払いが困難なお客様には、個別の事情により、支払期限の延長や分割払いに応じるなど、丁寧な対応を行っております。

○福手委員 やはりこれだけ多くの給水停止が行われる中で、なぜ支払いが滞ってしまっているのか、物価高騰の影響が水道料金の支払いに出ているのではないかなど、局として都民生活の中で起こっていることに目を向けることが求められていると思います。
 水道局は、水道料金の未納者に対して郵送のみの催告にして以降、給水停止件数が大幅に増え、そうした状況の中で電話催告も行っています。先ほど、全てを把握することはしていないとのことですが、例えば電話催告などによって支払いの相談を受け、対応しているのではないでしょうか。
 とりわけ長く物価高騰という異常な社会情勢において、十六万件という膨大な数の給水停止を行って支払いを促すという乱暴な方法は、都民の暮らしに寄り添う対応とはいえません。このやり方を見直し、以前のように訪問を再開し、都民に寄り添った対応をすることを求めて、次の質問に移ります。
 政策連携団体、東京水道株式会社について質問をしていきます。
 水道局は、水道事業の運営に重要な業務を政策連携団体である東京水道株式会社が担うことで、将来にわたり必要不可欠なサービスを提供すると、グループ経営を推進しています。
 こうした中、水道関係の同じ業界の方から、東京水道では社員がたくさん辞めてしまうようだと、そういう話を聞くことがあります。
 東京水道株式会社は、募集をかけると百人程度入社するようです。実際、新入社員の人数をお伺いしましたら、百人以上が入ってきているということでしたが、社員がたくさん辞めてしまうと、こういう状況をどのように分析されているのでしょうか、伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 東京水道株式会社における定年退職を除く離職率は、令和四年度が四・四%、五年度が四・五%、六年度が二・九%となっており、国が公表しております全産業の一般労働者の離職率一一・五%を大きく下回っております。

○福手委員 大きく下回っているということでした。つまり、そんなに辞めている状況ではないという意味での答弁だと私は受け止めました。
 しかし、民間に比べて公務員の離職率というのは極めて低いんですけれども、公務員の離職率っていうのは一%から二%で、やはりこれと比べると、当然、東京水道株式会社の離職率というのは高いということがいえます。
 では、続けて伺いますが、東京水道株式会社では、賃上げの状況というのはどうなっているのか伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 東京水道株式会社では、都の人事委員会勧告を参考に、適切にベースアップを実施しております。

○福手委員 東京水道株式会社は一民間企業ですが、都の人事委員会勧告を参考にしているとのことでした。
 東京水道株式会社は、水道局との間で業務運営に関する協定書を締結しています。そこでは、職員の採用計画や職員の就業規則や、そのほか職員の労働条件、職員の給与、こういったことなどなどについて、東京水道株式会社が決定する前に水道局と協議をするということになっています。
 この協定の二条、基本的事項には、東京水道は、都庁グループの一員として、都民の信頼を確保しつつ、水道局と協働して事業等を執行し、または提案するなど、水道局の政策実現に向け連携し、適切な業務運営を行うというふうに書かれています。
 つまり、東京水道株式会社には、水道業務を行う準公務員的な役割が求められているという意味が含められているのではないでしょうか。だから、給与についても協議が必要とされ、実際に都の人事委員会勧告を基に給与改定がされているということなのではないでしょうか。
 この給与改定ですが、中身は、若年層を重視した賃上げはされたんですけれども、中高年層にはあまり変わらない、そういうものでした。
 昨年の決算委員会で、共産党都議団の和泉なおみ都議が、この東京水道株式会社で働く人たちの実態というのを取り上げました。
 働いている人たちからは、とてもじゃないが今の給料では賄えない、野菜さえぜいたくに感じる、今の賃金では親から独立できない、家族を養えない、節約のために風呂は週一回、トイレも極力外で済ませている、局の仕事を次々と受託している社員の待遇も局並みにしてほしい、こういう訴えが出ていることを取り上げたんですが、東京水道株式会社で働く全社員の処遇改善はまだされていない状況のままです。
 格差をつけないで全ての社員の賃上げを行うことは、水道局の政策実現や、それが都民への還元、都民の信頼を確保する、そういうことにつながるのではないでしょうか。
 東京水道株式会社と一体となったグループ経営というのであれば、そこで働く労働者の処遇改善に局も目を配り、責任を持っていただきたいということを要望しておきます。
 最後に、一点確認で質問いたします。
 東京水道株式会社の事業報告によりますと、二〇二五年三月、社員が水道料金の収納金等を無断で持ち出した事案があったとありますが、どういった対応がされたのか確認します。

○小澤経営改革推進担当部長 一時的に持ち出しのありました水道料金等の収納金につきましては、社員からの返還を受け、直ちに当局への払込みが行われております。
 また、同社において、速やかに全事業所へ現金管理等の徹底及び管理体制の強化を指示するとともに、コンプライアンスに係る特別研修を実施するなど、再発防止の取組を行っております。
 なお、先ほど社員の処遇の話がございましたけれども、東京水道株式会社では、適切なベースアップを実施するとともに、社員住宅の拡充など処遇向上に努めているところでございます。

○福手委員 この事業報告にあった事案ですけれども、結果として水道料金は水道局に振り込まれたので、局としては重大事故という扱いではなかったようです。
 実際に、この事案は公営企業委員会では報告されていません。しかし、やはり重大事案なのではないでしょうか。今後は、議会にも報告していただくことを求めておきます。
 次に、PFASについて伺います。
 令和六年度で新たに停止した水源井戸の数と停止井戸の合計数を伺います。

○成田技術調整担当部長 令和六年度にPFOS等を理由に停止した井戸は、工事により停止していた井戸を引き続き停止とした一本でありまして、六年度末に停止している井戸の合計は四十四本でございます。

○福手委員 令和元年から停止井戸が毎年増えていき、令和六年度末で四十四本にまで増えてしまいました。
 では、PFASの検査を始めた当初、これ、平成十六年ですけれども、この当初から値が高い井戸で、現在停止中になっている井戸というのは幾つあるのか伺います。

○成田技術調整担当部長 調査を開始した当初から定期的に調査していた井戸は五本でありまして、現在は全て停止しております。

○福手委員 そもそも最初に調査した井戸というのは五本だけだったということだったので、答弁は五本なんですけれども、今も停止したままなので、この二十一年間ずっと値が高いままで、しかも停止した井戸の数も増え続けているという状況です。
 PFASの値が高いために、停止する井戸が増え続けている、この状況を水道局としてはどのように受け止めているのか伺います。

○成田技術調整担当部長 当局では、給水栓で暫定目標値を超過するおそれのある場合、原因となる井戸を停止し、水道水の安全性を確保してございます。

○福手委員 水道水の安全性を汚染井戸の停止で確保しているということですが、停止するだけでは、この先も停止井戸が増え続けていくなら、水道水の安全確保の前に水の確保ができなくなり、生活に影響を及ぼすということになっていくのではないでしょうか。つまり、停止するだけでは対応としては不十分だということです。
 そこで伺いますが、停止中の井戸について、再開するために何か対応しているのでしょうか、伺います。

○成田技術調整担当部長 水質悪化により停止した井戸の再開に当たりましては、水質の確認を行っておりますが、停止している井戸のPFOS等の検査結果に大きな変化は見られておりません。

○福手委員 再開のために水質検査をしているということで、結果としては停止井戸が増え続けているという状況です。
 では、局として、PFASの除去を検討したことはありますでしょうか。

○成田技術調整担当部長 当局では、井戸の停止により、水道水の安全性を確保してございます。

○福手委員 PFAS汚染問題というのは、今、全国で起きていますが、その中で、例えば岐阜県各務原市は、水源地の地下水から高濃度PFASが検出されました。そして、その対応として、市は粒状活性炭による浄水作業を行っていて、この活性炭、四か月に一度、交換をしていると。中期的対策としては、全国初のイオン交換樹脂を使った新浄水場を建設しますと。また、水源地域にある小中学校、高校には浄水器を設置するという対応をしています。
 また、千葉県鎌ケ谷市は、海上自衛隊下総航空基地内の排水口から高濃度PFASが検出されたため、基地の排水口に流出防止策として、ろ過装置を設置させました。住民に対しては、血液検査や健康相談、浄水器補助などを行っています。
 また、栃木県下野市では、水道水と水源井戸から高濃度PFASが検出されました。市は、汚染源の特定に取り組むとともに、配水場の仮設の浄水装置の整備と、そして新たな水源井戸の掘削も進めています。
 このように、自治体独自で安全な水を確保、提供するために、PFAS除去の取組や、汚染源を特定していく取組や、また汚染元に対策を取らせるというようなことなども行っています。
 水道局としても、汚染井戸を停止するだけではなく、関係局と連携して、こうした取組を行うことを強く求めておきます。
 国は、PFAS対策の重要な柱として、リスクコミュニケーションの強化を位置づけました。これは、科学的なリスク評価を基に、行政、専門家、市民が情報を共有し、理解を深めるというプロセスです。
 環境局は、それを踏まえて、令和五年度の結果から、国に先駆けてPFOSとPFOAを分けて結果を公表することになりました。
 水道局も同様のことが求められているのではないでしょうか。検査結果の公表を、PFOSとPFOAの合算値ではなく個別で行うことを求めますが、いかがですか。

○石田浄水部長特命担当部長兼務 国は、PFOS及びPFOAの合算値で暫定目標値を設定していることから、当局におきましても、合算値を検査結果として公表しているものでございます。

○福手委員 一般的に、泡消火剤はPFOS、企業が製造した製品からはPFOAが検出されるといわれています。汚染が泡消火剤由来なのか、産業由来からなのか、汚染源を探って汚染の除去を目指す意味でも別々で値を示すことを、共産党都議団としてこれまで求めてきました。
 情報を東京都と都民が共有して、そして理解を進めていく、こういう過程がPFAS対策では大事だと、そういう立場で、水道局も調査はPFOS、PFOAは別々で測っているんですから、別々で公表することはできると思いますので、重ねてお願いしたいと思います。
 では、水道局は、都独自の水質調査で、令和三年四月から調査項目にPFHxSを追加していますが、その理由は何でしょうか、伺います。

○石田浄水部長特命担当部長兼務 PFHxSにつきましては、国が令和三年四月に要検討項目に位置づけたことを踏まえ、当局の検査項目に加えたものでございます。

○福手委員 PFAS対策は、各局連携で取り組むことが大事です。
 今年の九月に、環境省は要調査項目を見直し、新たにPFNAをはじめとした七つのPFASを追加しました。都としても、連携して取り組むことを求めて、次の質問に移ります。
 スマートメーターのデータの活用についてです。
 スマートメータ先行実装プロジェクトが令和六年度まで行われてきましたが、そこでは、十三万個のスマートメーターから得られるデータの活用についてはどのような議論がされたのか伺います。

○鈴木企画調整担当部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 当局では、スマートメーターのデータを活用した自動検針など業務の効率化や、漏水の早期発見など、お客様サービスの向上等について検討してまいりました。

○福手委員 データの活用の検討は、業務の効率化やお客様サービスの向上等ということでの答弁でした。
 以前、このことを伺ったときにも触れたんですけれども、水道局は、スマートメーターから得られるデータについて、こういうふうにもいっていたんです。将来的には、庁内各局だけでなく、ほかのインフラ企業などとの連携も視野に入れ、ビッグデータを活用するということ、そういうことも言及をされています。
 得られるデータというのは、具体的にどういうものなのか伺います。

○荒畑サービス推進部長 スマートメーターで得られるデータは、一時間ごとの指針値や漏水などのアラーム情報でございます。

○福手委員 以前、質問で取り上げたときに、水道局がデータの有効活用の調査研究を行ったときに活用したデータというのは、一時間ごとの使用水量に加えて、データの住所や、使用年月日や、使用用途や、メーターのIDなどありました。こういったデータも含めることも可能性としてあるのならば、これはとてもプライバシー性が高い個人情報となります。
 個人情報保護法に基づいて、厳しく取り扱われるべきと考えますが、いかがですか。

○荒畑サービス推進部長 スマートメーターで得られるデータは、個人情報保護法等に従いまして、適切に取り扱ってございます。

○福手委員 取り扱う場合には、個人情報保護法を厳しく遵守していただくことを改めて求めておきます。
 地方議会からも、スマートメーターで収集された情報の利活用が可能になったことを受けて、情報の利活用の目的や効果、活用の在り方などについて、スマートメーター導入前に都民への適切な情報提供をして、説明責任を果たすことを東京都に求めていますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、今、電気の方のスマートメーターでは、民間活用っていうふうになっているんですけれども、水道のスマートメーターのデータというのは、民間活用していくのでしょうか、伺います。

○鈴木企画調整担当部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 当局では、業務の効率化やお客様サービスの向上などの観点から、スマートメーターから取得したデータを活用しております。

○福手委員 水道局としては、業務の効率化やお客様サービス向上に活用するということで、民間活用の検討は現段階ではしていないということです。
 先ほどの地方議会からの要請にもあるように、都民に適切な情報提供と説明をきちんとしていただくことを重ねてお願いをして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○高橋委員 国民の高橋巧です。よろしくお願いします。
 私からは、まず資産の有効活用について伺いたいと思います。
 事前の説明では、水道事業の収入の約八割は水道料金収入が占めているとのことでしたが、将来に向けて安定的な財政運営を確保するためには、局が持つ資産を有効に活用し、収入を得ていく取組が重要です。
 水道事業は、いわゆる装置産業として多くの資産を有していますが、都の水道局も同様に、事業に使用する土地などを多く所有していると聞いています。
 そこでまず、水道局における土地の利活用に関する基本的な考え方について伺います。

○高角経理部長 当局は、利活用可能な土地等を貴重な経営資源として捉え、経営努力の一環として、積極的な利活用を図ることにより、収益の確保に努めております。
 具体的には、市街地再開発事業への参画により取得いたしました建物の床の賃貸や、事業用借地権の設定、駐車場としての暫定利用などを実施しております。

○高橋委員 用地の利活用に関する基本的な考え方について確認しました。これまでも、その考え方に基づき、様々な工夫を行いながら収入の確保に努めてきたことと思います。
 それでは、その実績について伺いたいと思います。
 令和六年度において、土地の活用等によって、どれだけの収益を上げているのか、五年度との比較で伺います。

○高角経理部長 令和六年度の土地物件収益は八十三億円でございます。その内訳は、土地の使用許可に伴う使用料などが二十九億円、市街地再開発事業を通じて取得した建物の床の賃貸料等が五十四億円となっており、前年度に比べ、それぞれ二億円及び五億円増加しております。

○高橋委員 令和六年度の実績が昨年度に比べて増加している状況について確認できました。水道局も様々な努力を行い、収入の増加に取り組んでいることと思いますが、近年の物価等の上昇は想定以上であり、その影響を受けている部分も多々あると思います。
 それでは、土地の活用等による収益の増加要因をどのように分析しているのか伺います。

○高角経理部長 土地物件収益が前年度に比べ増加している要因は、景気の回復によります商業地を中心とする都内の地価の上昇が土地使用料に反映されたことや、コロナ禍で落ち込んだオフィス需要が回復傾向にあり、賃貸ビルの入居率が増加していることによるものと分析しております。

○高橋委員 増加要因についても分析が行われていることを理解しました。今後の経済状況がどのように変化していくか見通すことは難しいですが、引き続き状況をしっかり把握し、収入の確保に努めていただければと思います。
 一方、社会経済状況の変化の影響という点では、金利の変動もあります。長らく続いた低金利からいよいよ脱し、住宅ローンの固定金利が上昇したことがニュースになることも増えてきました。
 資産の活用は、必ずしも土地や建物だけを対象とするものではなく、個人の資産運用でもお金に働いてもらうという言葉が使われるときがあります。水道局でも、保有する資金を活用して利息収入を得ていると聞いています。
 そこで、令和六年度の資金運用の実績について、五年度との比較で伺います。

○高角経理部長 当局の令和六年度における資金運用収入は約五億一千万円で、その年間利回りは〇・二七五%となっております。
 令和五年度との比較においては、運用収入が約三億六千万円、年間利回りが〇・二ポイント増加しております。

○高橋委員 利息収入についても増加していることが確認できました。先ほど申し上げたとおり、金利の影響が大きいことは想像できますが、水道局としては、増加要因をどのように分析しているのか伺います。

○高角経理部長 令和六年三月に金融緩和策が解除され、政策金利が徐々に上昇する局面となりました。
 各金融機関が融資の原資となる預金獲得へ大きく動き出したことで預金金利が上昇し、運用収入が増加したと分析しております。

○高橋委員 着実に運用実績を確保していることが確認できました。引き続き、しっかりとお金に働いてもらいたいと思いますが、運用している資金は、水道局が都民の皆様から預かった水道料金です。公金としての性格を有していることを忘れず、間違っても元本割れするようなリスクを避け、安全性を確保しつつ、できるだけ利率の高い資金運用を行っていただけるよう要望しておきます。
 次に、水道局の環境対策について伺います。
 水道局は、事業の特性から、一年間に都内の電力使用量の約一%、約八億キロワットアワーという大量の電力を使用しており、それに伴い大量のCO2を排出していると聞いています。
 国や都が目指す脱炭素社会の実現に向けては、まだまだ多くの取組が必要ですが、特に重要なのは、再生可能エネルギーの活用です。
 水道局では、これまでも太陽光発電設備や小水力発電設備を積極的に導入してきたと聞いています。
 そこで、令和六年度の再生可能エネルギーの発電実績について伺います。

○鈴木企画調整担当部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 令和六年度の再生可能エネルギーの発電量は約九百十万キロワットアワーであり、そのうち太陽光発電設備の発電量は約六百五十万キロワットアワー、また小水力発電設備の発電量は約二百六十万キロワットアワーとなっております。

○高橋委員 環境省のホームページによると、一世帯当たりの年間電気消費量は三千九百キロワットアワーであり、九百十万キロワットアワーというのは相当な規模ではありますが、水道局はそもそも使用する電力が膨大であり、全体に占める割合は低くなってしまいます。引き続き、積極的な導入に向けた努力を続けていただければと思います。
 一方、水道局は、再生可能エネルギーの活用も含めた環境施策を計画的に進めるため、定期的に環境計画を策定してきましたが、現行の計画は、令和六年度に計画期間が終了しました。
 環境問題は深刻さを増す一方であり、対策の重要性は今後ますます高まることが予想されます。水道局においても、新たな計画に基づき、確実に環境施策にも取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。
 水道局は、令和七年三月に新たな環境計画を策定したと聞いていますが、今後の環境対策の方向性をどう定めたのか伺います。

○鈴木企画調整担当部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 当局では、新たに策定した東京都水道局環境五か年計画二〇二五―二〇二九において、環境に関する国内外の動向を踏まえ、気候変動やサーキュラーエコノミーなど、四つの重要分野に対する基本方針を定めております。
 本計画では、新たに二〇三〇年カーボンハーフを目標として定めるとともに、四つの基本方針に基づき四十五の取組事項を設定しておりまして、この計画に基づき、着実に環境対策の取組を進めてまいります。

○高橋委員 新たに二〇三〇年カーボンハーフを目標に定め、着実に取組を進めていくとのことです。脱炭素社会の実現に向け、電力を大量に使用する事業者としての責務を自覚しながら、積極的な取組を進めていただけるようお願いいたします。
 最後に、水道局が推進しているグループ経営に関しても伺います。
 水道局が掲げるグループ経営は、局とその政策連携団体である東京水道株式会社とで構成されています。効率的に業務が行える体制の構築などを目的として、二十年近く前から取り組まれていると聞いていますが、水道は都民生活に直結するものであり、その中心はあくまで水道局であるべきです。
 グループ経営の推進に当たっては、水道局が会社の経営についてきちんとガバナンスを確保し、両者が同じ方向を向いて事業を進めていくことが何より重要です。
 そこで、東京水道株式会社の経営に対するガバナンス確保に向けた取組について伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 当局及び東京水道株式会社では、両者の幹部で構成するグループ経営戦略会議を開催し、同社の経営に係る計画の策定や進捗状況等、的確な経営判断に必要な協議を行うことにより、統一的な経営戦略の下、適切な事業運営を行っております。

○高橋委員 統一的な経営戦略に基づき事業を進めているとのことですが、将来に向け、東京の水道が安定した経営を進めていくためにも、引き続き、局と東京水道株式会社が方向性を一つにして水道事業を運営されるよう要望しておきます。
 以上で令和六年度の水道局に関する私の質問を終わります。

○江崎委員 参政党の江崎さなえです。よろしくお願いいたします。
 東京水道経営プラン二〇二一に記載のグループ経営の推進について伺います。
 水道局は、都民生活や都市活動を支える極めて重要な基幹インフラであり、水の安定供給を確保することは、都政の根幹的な責務であります。
 現在、経営効率化の観点から、水道事業の営業系、技術系業務が東京水道株式会社に移管され、現場の機能の多くが同社において担われております。
 このような状況において、災害時や重大な事故発生時における指揮命令系統の明確化並びに行政として統治機能の実効性を保有することは、都民の安全と信頼を守る上で必要不可欠です。
 とりわけ、水道法の認可事業者は東京都であり、命の水の最終責任は都にあります。そのため、実際に現場が適切に統制され、緊急時に確実に指揮命令が遂行されている体制になっているかどうかは極めて重要です。
 そこで、営業、技術の現場機能が広域に、広範に東京水道株式会社に移管されている現状において、最終責任の所在、現場統制の実効性、緊急時の指揮命令系統について、現場が統制され、緊急時にも確実に機能する体制が整備されているか、都としてどのように体制を整えているのか伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 当局では、当局の責任の下、水道事業の基幹的業務を都と東京水道株式会社が担う一体的事業運営体制によるグループ経営を推進し、同社への現場業務の移転を進めることとしております。
 同社への業務移転に当たりましては、各業務の委託契約に基づく履行確認により、実効性を確保するとともに、災害等発生時におきましても、当局の指示に基づき対応を行う体制を整備しております。

○江崎委員 ありがとうございます。局の責任の下、緊急時を含め現場の指揮命令系統が確実に機能するよう、組織体制の強化を強く進めていただくことを要望いたします。
 次に、業務移転に当たって、取り扱われる膨大なデータについて、業務移転により、設計工事監督、浄水場運転管理、給水装置の図面、お客様データ情報、料金システム運営、水道料金徴収データなど、これまで水道局が管理してきた多様なデータを東京水道株式会社が利用しています。
 こうしたデータには、都民の個人情報や重要なインフラ情報も含まれ、情報漏えいや外部依存のリスクを最小化する上でも慎重な管理が求められます。
 そこで、東京水道株式会社が使用しているデータの所有権限はどこにあるのか伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 当局が東京水道株式会社に委託している業務に関するシステムのデータにつきましては、当局が保有し、契約に基づき同社において適切に管理、利用しております。

○江崎委員 ありがとうございます。東京水道株式会社に委託している業務に関するシステムのデータの所有権限は東京都が所有し、契約に基づき適切に管理されていることが確認できました。
 引き続き、都が所有するデータの安全性が確実に担保されるよう、委託先である東京水道株式会社における管理体制の適切な運用と監督を求めます。
 次に、東京水道株式会社の株式について伺います。
 現在、東京都が東京水道株式会社の八割の株式を有し、経営管理を行っております。同社は上場しておらず、非公開会社ではありますが、今後、都の方針変更や経営環境の変化によっては、将来的に都の持ち株比率が引き下げられる可能性も否定できません。
 しかし、水道事業は、営利を目的とする一般企業とは根本的に異なり、その本質は、公共性と継続性を最優先に据えるものでございます。
 したがって、都の出資比率の変動によって経営の支配構造が変化し、公共性が損なわれる事態を未然に防ぐためには、制度的、法的な歯止めを講じておくことが極めて重要と考えます。
 そこで、将来的に東京都の持ち株比率を引き下げるような方針変更が行われることのないよう、どのような歯止め策を設けているのか伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 東京水道株式会社は、株式の譲渡に取締役会の承認を必要とする、いわゆる非公開会社でございます。
 同社の非常勤取締役には当局職員が複数名就任していること、また当局は同社の約八〇%の株式を保有する支配株主であること、政策連携団体である同社を指導監督する責任を有していることなどによりまして、同社の適切な経営を確保しております。

○江崎委員 取締役会の承認には、最終的には知事の意向など行政判断による裁量的な要素が含まれる可能性がございます。
 水道事業の公共性、安定性を将来にわたって確保するためには、その判断を行政内部だけに委ねるのではなく、議会の特別多数決要件等による制度的な歯止めを設けるべきだと考えます。
 都として、こうした制度的担保の整備についてどのようにお考えか伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 繰り返しになりますが、東京水道株式会社は、株式の譲渡に取締役会の承認を必要とする、いわゆる非公開会社でございます。
 同社の非常勤取締役に当局職員が複数名就任していること、また当局は同社の約八〇%の株式を保有する支配株主であること、政策連携団体である同社を指導監督する責任を有していることなどによりまして、同社の適切な経営を確保しております。

○江崎委員 公共性と安定性を維持するため、議会による制度的歯止めの整備も含め、今後、適切な対応を検討、実施していただくよう要望いたします。
 次に、東京都が保有していない残りの二割の株式について、都が将来的に買い上げ、完全公営体制にするお考えはあるか伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 当局は、東京水道株式会社の約八〇%の株式を保有する支配株主であり、現状におきましても、同社の適切な経営の確保に関与しております。

○江崎委員 残り二割の株式については、現段階では具体的な方針の言及はございませんでした。我が党としては、インフラは民営化や民間委託ではなく公営を主張してきた政党でございます。
 東京都の現状を鑑みれば、現時点では、将来的に株式の変動が生じる契機が訪れた際には都が積極的に買上げを行うとともに、都の保有率が減少することのないよう堅持していただくことを強く要望いたします。
 次に、水道料金の委託会社について伺います。
 水道料金の定期検針、中止清算などの徴収事務については、現在、株式会社宅配、第一環境株式会社、ヴェオリア・ジェネッツ株式会社、そして三鷹市管工事業協同組合の四社が外部委託により徴収業務を行っていると承知しております。
 そこで、外国企業のグループ企業であるヴェオリア・ジェネッツが委託された経緯を伺います。

○荒畑サービス推進部長 徴収事務委託は、入札に参加するための必要な要件を定め、総合評価指名競争入札方式により委託事業者を選定しております。

○江崎委員 委託事業者の選定方法及び委託期間を伺います。

○荒畑サービス推進部長 徴収事務委託は、総合評価指名競争入札方式により委託事業者を選定しております。
 また、契約期間は、契約ごとに一年間から五年間までとしております。

○江崎委員 それでは、現在受託している四者それぞれの契約金額、さらに受託地区の選定基準や選定プロセスについても伺います。

○荒畑サービス推進部長 複数年契約のものが含まれていることから、契約期間により割り返して令和六年度契約額を試算いたしますと、株式会社宅配は約四十億円、第一環境株式会社は約二十四億円、ヴェオリア・ジェネッツ株式会社は約十七億円、三鷹市管工事業協同組合は約三億円でございます。
 また、徴収事務の委託地域は、営業所等の所管区域を基本としておりまして、総合評価指名競争入札方式により公表いたしまして、各社が希望して入札に参加しております。

○江崎委員 ありがとうございます。受託企業の入札方式、契約内容、受託地域の選定について理解をいたしました。これらを踏まえ、次に伺います。
 水道料金の徴収業務では、都民の住所、氏名、利用状況、支払履歴、未納情報など、極めて機微性の高い個人情報を取り扱っております。このような重要情報を、外資系企業や海外資本と関わりを持つ事業者が受託することは、情報が国外へ流出する可能性を否定できません。
 水道は都民の命を守る基盤であり、情報安全性を確保することは、都政にとって不可欠な責務です。
 そこで、都は、こうした情報安全保障の観点から、外資規制や委託先の情報管理体制をどのように確認し、どのような監査、検証を行っているのか、具体的にお示しください。

○荒畑サービス推進部長 当局では、徴収事務委託の委託事業者に対しまして、入札参加要件として、プライバシーマークやISO27001などの認証取得を求めるとともに、契約書及び仕様書等に基づき、情報管理体制を含めた業務の履行状況、関係書類等について検査を実施しております。

○江崎委員 ご答弁ありがとうございます。現時点におきましては、外資系企業や外国資本と関わりを持つ事業者に対して特段の規制は設けられていない状況であることを確認いたしました。
 徴収業務のみにとどまらず、都民の個人情報や重要情報を取り扱う水道事業全般の性質、そして重要な基幹インフラとしての保守という観点も踏まえ、今後は、情報安全保障の側面からも、外資規制を含めた適切な制度的規制要件の整備を検討していただくよう要望し、質問を終わります。ありがとうございました。

○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。資料のご提出ありがとうございました。
 私からは、三つのテーマで質問いたします。水道局用地の活用と災害時の対応、そして政策連携団体への業務移行について質問いたします。
 まず、水道局のあらゆる事業において守られなければならない基本原則について伺います。
 公営企業である水道局は、地方公営企業法に基づいて運営されていますが、その基本原則を示す第三条には何と書かれているか、お答えください。

○内田総務部長 地方公営企業法第三条では、地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないとされています。

○斉藤委員 その言葉のとおり、本来の目的は、公共の福祉を増進することだという認識でよろしいでしょうか。

○内田総務部長 繰り返しになります。地方公営企業法第三条では、地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないとされているところでございます。

○斉藤委員 認識を伺ったんですけれども、書いてあることしかいわないという状況ですが、ここに示されているとおり、この地方公営企業法第三条で求めていることは、事業の本来の目的は公共の福祉を増進することであり、つまり経済性の発揮ということに偏って、本来の目的を見失ってはならないということだというふうに思います。
 常にこのことを念頭に運営をしていくということを、まず初めに求めるものです。
 まず、最初のテーマに、水道局が持つ土地の有効活用について伺います。
 まず、基本的なことから伺いますが、水道局が所有する土地を民間事業者が活用する事例は幾つあるのか、また、その活用事例についてお示しください。

○高角経理部長 水道局が所有する土地を民間事業者に貸し付けている事例は、約七十件ございます。オフィスや駐車場などがございます。

○斉藤委員 オフィスや駐車場というご答弁でした。都有地を活用した民間の事業として、その活用に当たっては、単に営利を目的とするものではなく、公共の福祉、地域への貢献、都民利用に資するものにする必要があると考えますが、水道局の基本的な認識について伺います。

○高角経理部長 当局は、公営企業として独立採算により事業運営を行っており、常に経済性の発揮を求められていることから、利活用可能な土地については、貴重な経営資源として捉え、有効活用に取り組んでおります。

○斉藤委員 常に経済性の発揮を求められているということを強調されるんですけれども、最初に確認したように、本来の目的は公共の福祉を増進するように運営しなければならないということなんですね。これを忘れないでいただきたいというふうに思います。
 足立区の江北給水所用地の有効活用について、昨年、二〇二四年十月に基本方針が発表され、民間事業者による有効活用を図ることが示されましたが、今般、温浴施設を営業する事業者が選定されました。
 具体的には、極楽湯が誘致されるということですけれども、都有地を使って営業するのですから、公共の福祉に資する運営をしていただきたいというふうに思います。
 地元からは、温浴施設が誘致されることに期待の声も上がっています。しかし、一方で、同事業者の都内の店舗では、利用料金が二千円を超える店舗が多く、そんなに高いのかという声や、もっと手軽な価格で利用できないのかという声が寄せられています。
 事前に伺ったお話では、現地も行かせていただきまして、視察もさせていただきましたけれども、事前のお話では、水道局は民間事業者に料金の条件などは出さないというふうに聞いています。
 建物の所有は水道局と東京都市開発株式会社であり、水道局は、民間事業者から賃料を得るということになっているということです。
 しかし、公共の福祉に資する運営を求められている水道局として、単に水道局が賃料を得られればよいということではなくて、都民にも恩恵のある運営の在り方を検討するべきだと思いますが、認識について伺います。

○高角経理部長 施設の利用料金等につきましては、運営を行う民間事業者が決定することになります。

○斉藤委員 料金については民間事業者が決めると。地元の方々は、公有地を使うからこその期待感を持っていました。しかし、利用者にとって、料金が民間事業者がやるのと同じなら期待外れだという声があるんですね。広がっています。
 例えば、都民割引をつくるとか、銭湯価格で入れる時間帯をつくるとか、水道局の工夫次第でできることというのはいろいろあるのではないかというふうに思います。水道局の土地でやるからこその魅力を発揮することができるのではないでしょうか。アクセスしやすい、都民利用に資する在り方を検討していただくことを要望いたします。
 もう一つ伺いたいのですが、昨年度策定された江北給水所用地の活用の基本方針では、防災に貢献する機能を有するものとするということが示されていますが、どのようなことが具体化されているのか、あるいは検討されてきたのか伺います。

○内田総務部長 施設整備に当たりまして、発災時の応急給水等に必要な環境を確保することを条件とし、詳細については、事業者と検討することとしております。

○斉藤委員 詳細については、これから事業者と検討ということですが、防災に貢献する機能というのは、ぜひ重視していただきたいというふうに思います。
 給水所の土地を利用するので、発災時に給水の機能や環境を守るということはもちろんですけれども、近隣で災害による避難などが発生したときに、施設が安全に使える状況だったら、お風呂を避難者の方々に開放するなど、災害時に貢献する機能として、今後、事業者との間で結ぶ協定の中で位置づけていただくということを求めておきます。
 次に、被災した自治体の水道の応急復旧の支援、応援体制について伺います。
 現在、水道局では、台風二十二号、そして二十三号で大きな被害を受けた八丈島に職員を派遣し、断水した地域への応急給水や水道管の復旧などに当たっておられるというふうに思います。
 まず、被災された方々へ心からのお見舞いを申し上げると同時に、職員の皆さんのご尽力に心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
 今回は決算の質疑ですので、都外で大きな災害が起きたときの水道局のこれまでの取組を中心に伺っていきたいと思います。
 水道局では、被災地での水道施設の被害に対して迅速に救援支援が行えるように、東京水道災害救援隊を創設して活動していますが、その経過と取組の強化について伺います。

○内田総務部長 平成二十八年の熊本地震への対応を踏まえ創設した東京水道災害救援隊は、昨年の能登半島地震においても、給水車による応急給水のほか、被害を受けた管路等の応急復旧支援を行いました。
 また、これまでの派遣を通じて把握した課題を踏まえた改善策を派遣マニュアルに反映するなどの対応を図りました。

○斉藤委員 二〇一六年の熊本地震を契機に、災害時に即応できる体制として東京水道災害救援隊を創設したということです。まさに台風二十二号の災害対応で、八丈島に水道局の職員や、また政策連携団体の東京水道株式会社の職員を迅速に派遣して、応急給水に尽力していただいているというふうに思います。
 昨年度は、さらに改善策を派遣マニュアルに反映したということで、事前に伺いましたけれども、具体的には、給水車だけでなく、大きなタンクも運んで効率的に給水ができるように、八丈島での対応も改善しているというふうに伺っています。
 不断の努力で災害時の対応力を強化していくということは、都民にとって、また都外の方々にも心強い貢献になっていくというふうに思います。
 昨年の元旦に起きた能登半島地震では、断水が長期間にわたり、東京都からの派遣人員数も延べ千七百二十五人と、ほかの災害に比べても圧倒的に多い派遣人員数になりました。
 水道管の復旧のほか、被災された方々への給水体制も重要な取組だったと考えますが、それぞれの課題や教訓とその対応として、どのようなことがあるのか伺います。

○内田総務部長 能登半島地震においては、配水管等の管路が広範囲に損傷し、長期間かつ大規模な断水への対応が必要になったことや、応急給水について、避難所等で給水車から直接水を配る方法の効率性などの課題を把握し、発災時の対応マニュアル等において、応急復旧時に施工しやすい材料の追加や、仮設水槽の活用を反映するなどの対応を図りました。

○斉藤委員 水道管の応急復旧についても、現場ですぐに施工しやすい材料を運んで使うなど、この能登半島地震での教訓が生かされているということだと思います。
 日本共産党都議団は、八丈島の方々から現地の状況を伺い、申入れも行いましたけれども、とにかく島で一番大きな水源が台風で被害を受けて、大規模な断水が発生して大変だということでした。
 困っていることの一つとして、高齢者の方々になかなか給水の情報が届かないということです。若い人ならネットにアクセスして、町のホームページで情報を見ることができるけれども、高齢者だけの世帯だと難しく、町からの放送も少しぐらいでは聞き逃してしまうということでした。
 また、高齢者の方々は水を自力で運ぶことがなかなかできないという声も届いています。
 水道局では、給水車だけでなく、調査のための車を三台、八丈島に送っているということですけれども、例えばそこにも水を積んで、困っている方には直接配るということも念頭に調査に回るなど、工夫をしていただきたいと思います。
 また、中長期的には、被災した水道管をどう再建していくかということも重要な課題になっていくと思います。これまでの管路は、山の中を通った古い管で、定期検査も難しかったのではないかというお話も伺いました。
 水道局として、八丈町の新しいこの水道管の布設についても、アドバイスなど協力連携していただくことを要望いたします。
 第三回定例議会では、震災発生時の給水装置の修繕工事を、ほかの水道事業体が指定した事業者が施工できるようにするための条例改正が行われました。
 能登半島地震の際には、大きな水道管が復旧できても、住宅の敷地内の給水装置を修繕する事業者が県が指定している事業者に限られていて、最終的な復旧に時間を要してしまったということでした。
 首都直下型地震が起きた際に、東京都の指定事業者が被災すれば、全ての漏水には対応できない可能性があるということでご説明がありましたが、どのような検討が行われたのか伺います。

○藤川給水部長 令和六年度は、都の被害想定を基に、災害発生時における東京都指定給水装置工事事業者の過不足を分析いたしました。

○斉藤委員 過不足を分析した結果、全ての漏水に対応できない可能性があるということだと思いますが、東京都の指定事業者一者当たりの戸数というのはどれぐらいになるのか、輪島市との比較と併せてお答えください。

○藤川給水部長 令和五年の住宅・土地統計調査における都の住宅数を、令和六年度末における東京都指定給水装置工事事業者数で割り返した一者当たりの戸数は約千五百でございます。
 また、同様に、輪島市の住宅数を、令和四年九月における輪島市の指定給水装置工事事業者数で割り返した一者当たりの戸数は約二百でございます。

○斉藤委員 当然ですけれども、東京都の方が圧倒的に人口が多いので、工事事業者一者が受け持つことになる戸数も輪島市に比べて、単純計算でですけれども、七・五倍もの数になるということです。東京都が指定する事業者だけでは賄えないのは明らかです。
 条例改正等を基に、災害時の給水装置の修繕を円滑に行ってもらうために体制を整えていくということは重要だというふうに思います。国が条例改正を求める通知を出している下で、他県との連携を一層進めていくように求めます。
 次に、現場業務の政策連携団体、東京水道株式会社への移行について伺います。
 水道局は、経営計画二〇二一の中で、営業系業務は十年間で、技術系業務は二十年を目途として政策連携団体に移行することを掲げています。
 二〇二四年度に、東京水道株式会社、TWに移行することが決まった業務について、まず伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 令和六年度は、杉並営業所及び港営業所の業務移転のほか、あきる野給水事務所が所管するエリアにおける営業系、技術系業務につきまして、性能発注方式による包括委託の導入を決定いたしました。

○斉藤委員 大体毎年二つの営業所を東京水道株式会社、TWに業務移転しているというふうに思いますけれども、現在では、全部で二十一か所の営業所のうち、杉並と港を合わせると十四か所の営業所が業務移転されるということで、多くの営業所の仕事が都の直営からは離れてしまっているという状況だと思います。
 技術系を含む業務では、あきる野給水所が所管するエリアにおいて、性能発注方式による包括委託の導入が決まったということです。
 今期最初の決算の質疑ですので、基本的なことから伺っていきたいんですけれども、従来行ってきた仕様書発注による委託と性能発注方式の委託の違い、そして包括委託についてご説明ください。

○小澤経営改革推進担当部長 性能発注方式による包括委託は、実施方法等を詳細に指示する仕様発注方式とは異なり、安定給水に必要なサービス水準を当局から同社に提示し、その水準を確保することを条件として、実施方法等における創意工夫を促すとともに、複数の業務を一括して効率的に委託する契約方式でございます。

○斉藤委員 仕様書発注では、水道局が長年水道事業を担ってきた中で培ってきたノウハウに基づくやり方で業務をしてもらうので、技術については水道局が把握できるわけです。
 しかし、やり方は問わない委託では、いわばTWへの丸投げに近い在り方になっていき、どのようにやっていくのか、そのノウハウは局の直営の手から離れていくということになります。
 続けて伺いますが、性能発注方式による包括委託が決まった浄水場について、従来の運用と変わる点とその目的、契約期間について伺います。

○石田浄水部長特命担当部長兼務 当局では、東京水道株式会社によります創意工夫の発揮や効率化などを図るため、長沢、砧、砧下の三浄水施設の業務につきまして、五年間を契約期間とする性能発注方式による包括委託を導入することといたしました。

○斉藤委員 長沢、砧、砧下の三つの浄水施設で性能発注方式による包括委託が始まっているということですが、これは局の中でも初めてのケースだというふうに伺っています。しかも、本来は単年度契約が原則の中で、五年間という長期にわたる契約です。
 また、創意工夫の発揮や効率化を図るためといいますが、それは局直営ではできないことなのか。TWへの業務移転について、私も福手理事も繰り返し質疑してきましたけれども、水道事業の最前線で事業を行ってきた水道局では、これまでも技術革新によって多くの効率化を図ってきたと思います。これからも、DXやAIの活用やドローンによる点検など、局直営の中で創意工夫は十分にできるんじゃないかというふうに思います。
 さらに伺いますが、機器や設備の改修や軽微な修繕などは、委託者である東京都が行うのか、それとも受託者であるTWが行うのか、その業務範囲はどのように定めているのか伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 当局が所有する設備機器につきましては、原則として当局が修繕等を実施し、一部の業務における軽微なものに限り、東京水道株式会社が行うこととしております。

○斉藤委員 軽微なものに限りTWが実施するということですけれども、機器の修繕や更新ということまでTWに任せていくようなことをすれば、ますます局直営の手を離れて技術を把握できなくなっていくということを指摘しておきます。
 性能発注方式でやり方を問わないということが長年の契約の中で続く中、そのやり方について、水道局はどのように把握していくのか、TWの技術者に教えてもらうということになるのか伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 性能発注方式による包括委託におきましては、東京水道株式会社が毎年度作成する業務計画書や、局が実施するモニタリングなどによりまして、業務の実施状況を確認することとしております。

○斉藤委員 ご答弁のとおりですけれども、TWが作成する業務計画書の中で、やり方や技術について把握していくしかないわけで、つまり教えてもらうしかなくなるわけですよね。向こうからの情報でしか分からないわけですよね。
 技術力の立場が逆転していくという中で、都がまともにTWの業務をチェックする、モニタリングするという力が失われていくということになるんではないでしょうか。
 TWへのインセンティブについても伺います。
 二〇二三年度の水道事業運営戦略検討会議の資料には、インセンティブについて、要求水準を上回った場合の表彰等業務改善提案の実現費用を付与するとありますけれども、業務の工夫やコスト削減等で得た利益は、受託者であるTWのものになるということに間違いないでしょうか。

○小澤経営改革推進担当部長 業務委託におきまして、受託者の努力などにより費用の圧縮がなされた場合、その圧縮分は受託者の利益となります。

○斉藤委員 受託者の利益になるわけですね。当たり前のように思えるかもしれませんが、水道局の直営事業で、業務の工夫などで事業費を縮減できた場合はどうでしょうか。その分はどのように活用されるのか伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 当局では、事務事業の効率化による経費節減など不断の経営努力を行い、安定的な財政運営に努めております。

○斉藤委員 安定的な財政運営に努めているというシンプルなお答えでしたけれども、重要なことだと思うんですね。
 以前にも、これ、質疑をしましたけれども、局直営で事業費を縮減できた場合は、それを財源として、管路の維持更新などの投資や水質の向上につなげていくということが直接できるわけです。
 そもそもインセンティブなどなくても、公共の福祉の増進という使命を担う公の皆さんの仕事だからこそ、低廉で安全な水の供給を安定的に誰にも保障するということが可能なんじゃないでしょうか。
 もう一つ伺います。法人税の支払いについて伺います。
 資料要求で出していただきましたが、TWが支払いをしている法人税等は、設立当初の約一億八千万円から二〇二四年度の約七億二千万円と増加しています。この要因についてはどのように認識しているか伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 東京水道株式会社における法人税等が増加した主な要因は、売上高が増加した一方で、プロジェクト別収支管理を徹底し、費用の圧縮に努めた結果によるものでございます。

○斉藤委員 東京水道株式会社が前身の株式会社PUCと東京水道サービス株式会社が合併して設立された当初から、売上げが増加しているということだと思います。
 この法人税についても、この間繰り返し取り上げてきましたが、本来、局直営で事業を行えば、支払いの必要のない支出です。
 世界的には、水道事業は再公営化の流れが主流になっていて、株式会社の経営では、公営の事業であれば必要のない支出があることが明らかにされています。その一つが法人税です。そして、過度な役員報酬、また株主配当も同様です。
 先ほどは、福手理事から、このTW、東京水道株式会社では、せっかく就職してもすぐに辞めてしまう人が多いという問題を指摘いたしました。
 我が党は、TWの社員の待遇の低さについても、この間取り上げてきました。民間や政策連携団体に仕事を移転していくということの最大の理由に、人件費を低く抑えることができるということがあると思いますが、それでは安定的な運営にならず、官製ワーキングプアをつくり出していく問題も生まれます。
 余計な支出を生まず、安定的に効率的に水道事業を行うのであれば、水道局の直営で、公的な責任を果たして事業を行うことこそ必要だということを繰り返し述べておきたいと思います。
 最後に一つ、ちょっと伺いたいんですけれども、二〇二一年三月に、経産省の下で水ビジネスの海外展開に関する有識者研究会が開かれて、東京都水道局の当時の総務部国際施策推進担当課長がメンバーとして参加していると思いますが、これに間違いありませんか。

○鈴木企画調整担当部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 当時参加していたことに間違いはございません。

○斉藤委員 この会議では、日本の民間企業にビジネスとして水道事業を担わせて、海外市場に展開していくことを目指した議論が行われています。
 その中で、自治体と民間企業の連携の方向性として、自治体の管理運営ノウハウの民間企業への共有ということが掲げられています。まさに今の東京都水道局とTWの関係そのものだというふうに思います。
 TWは、今は都の政策連携団体だとしても、この先、全ての現場業務がTWに移行され、TWがあらゆる技術を掌握していく中で、都から独立した民間企業になるということもあり得るというふうに思います。
 先ほども、株式の保有の話もありましたけれども、変化する可能性も否定できないですね。そして、日本の水メジャーをつくるという国の思惑があります。
 最後に伺いたいんですけれども、都民の命と暮らしに直結する水道事業を、お金もうけの道具、ビジネスにしてしまっては絶対にいけないというふうに思いますが、水道局の見解を伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 当局では、広域水道の一体性と責任を確保しつつ、公共性と効率性を両立する観点から、基幹的業務を当局と東京水道株式会社とが担うグループ経営を推進しております。
 また、先ほど法人税のお話ございましたけれども、同社におきましては、法にのっとり適切に法人税等を納税しているところでございますし、処遇の話もございましたが、先ほど申し上げたとおり、適切なベースアップや処遇向上を行っているところでございます。
 また、経営の方針についてのご質問でございましたけれども、冒頭ございましたとおり、地方公営企業法第三条におきましては、経営の基本原則として、経済性の発揮と公共の福祉の増進が掲げられているところでございますが、解釈によりますと、両者の関係性につきましては、能率的、合理的な業務運営を行い、最少の経費で最良のサービスを提供することこそ、住民の福祉向上に資するものであるとされておるところでございまして、東京水道グループといたしまして、引き続き効率的な業務運営に努めてまいりたいと思っております。

○斉藤委員 今、いろいろお答えいただいたんですけど、肝腎なところを聞きたいんですね。ビジネスにしてはいけないという認識はありますでしょうか。

○小澤経営改革推進担当部長 繰り返しになりますが、当局では、広域水道の一体性と責任を確保しつつ、公共性と効率性を両立する観点から、基幹的業務を当局と、当局の政策連携団体でございます東京水道株式会社とが担うグループ経営を推進しているところでございます。

○斉藤委員 現状のお話を繰り返していただいたわけですけれども、こうした公的に行ってきた水道事業を変質させてしまうということは絶対にあってはならないということを、繰り返し私の方も述べておきたいと思います。
 二十年間で全ての業務をTWに移行し、水道局の直営から手を離していくということは、意図していなかったとしても、力関係が変わって民間企業の方が強くなると、政策連携団体の方が力を持つということもあり得ることだと思うんですね。そうなれば、公的に水道事業を行ってきた、この根幹を揺るがす本当に危険な道だというふうに思います。
 この計画は撤回をし、局直営の事業を堅持することを求めて、質問を終わります。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後四時四十三分散会