令和五年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会速記録第三号

令和六年十月二十八日(月曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十一名
委員長高倉 良生君
副委員長田村 利光君
副委員長あかねがくぼかよ子君
副委員長中田たかし君
青木 英太君
玉川ひでとし君
田の上いくこ君
福手ゆう子君
早坂 義弘君
菅原 直志君
和泉なおみ君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務谷崎 馨一君
次長小平 基晴君
技監小野 幹雄君
理事都市づくり政策部長事務取扱山崎 弘人君
総務部長山崎 太朗君
市街地整備部長井川 武史君
防災都市づくり担当部長池内 光介君
下水道局局長佐々木 健君
次長相田 佳子君
総務部長小泉 雅裕君
職員部長鈴木  豊君
経理部長和田 慎一君
計画調整部長藤橋 知一君
施設管理部長新谷 康之君
建設部長萩原 清志君
企画担当部長DX推進担当部長兼務澤村  航君
技術開発担当部長家壽田昌司君
施設管理担当部長須賀 隆行君
設備調整担当部長小池 利和君
施設整備担当部長杉山  純君
流域下水道本部本部長袰岩 滋之君
管理部長池島 英稔君
技術部長井上  潔君

本日の会議に付した事件
令和五年度東京都公営企業各会計決算の認定について
都市整備局関係
・令和五年度東京都都市再開発事業会計決算(質疑)
下水道局関係
・令和五年度東京都下水道事業会計決算(質疑)

○高倉委員長 ただいまから令和五年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局及び下水道局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 三宮理事は、所用のため、本日の分科会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都都市再開発事業会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○田村委員 泉岳寺駅地区を含む品川駅、田町駅周辺地域は、航空へのアクセス需要の拡大や周辺地開発の進展により、駅利用の大幅な増加が見込まれています。
 そうした中、令和二年三月に山手線の高輪ゲートウェイ駅が開業し、今年度には、隣接するJR車両基地跡地の開発であるTAKANAWA GATEWAY CITYの一部が開業するということです。周辺の開発が進展する中、国際交流拠点にふさわしいまちづくりを着実に進めていただきたいと考えています。
 そこで、本地区の再開発事業の目的について伺います。

○井川市街地整備部長 泉岳寺駅周辺では、現在、JR東日本の車両基地跡地などを中心として開発が進められておりまして、駅の利用者がさらに増加することが見込まれることなどから、駅利用者の安全性、利便性の確保を図るため、駅の改良が不可欠でございます。
 また、令和元年度の高輪ゲートウェイ駅開業までに、同駅と国道一五号を結ぶ都市計画道路補助第三三二号線を整備する必要がございました。
 このため、本地区におきましては、再開発事業により、鉄道施設の改良と幹線道路など都市基盤の整備を一体的に進めることといたしました。

○田村委員 駅の改良と道路の整備を一体的に進めることを目的とした再開発であるということで、民間の開発とは異なる公共性の高い事業であることが理解できました。
 本地区は、駅の改良も一体に整備していくということですが、この泉岳寺駅は、羽田空港につながる京浜急行線や成田空港につながる都営地下鉄線が接続しており、交通結節点として重要な機能を持っていると考えています。
 その泉岳寺駅との一体的な開発を行う本地区を国際交流拠点の形成に寄与するものとするため、どのように取り組んでいるのか、伺います。

○井川市街地整備部長 羽田空港へのアクセスに優れた泉岳寺駅と直結する地区のポテンシャルを十分に生かすため、地下駅前広場から本再開発ビルを経由し、高輪ゲートウェイ駅へアクセスするデッキレベルでの歩行者ルートを構築することとしてございます。
 また、駅直結となる再開発ビルでは、権利者の要望も踏まえつつ、例えば小規模なオフィス機能を持ったSOHOや、外国人の居住も想定した居住面積の広い住戸を導入するなど、国際交流拠点にふさわしい、多様なライフスタイルに対応した住戸を整備することとしてございます。
 こうした考え方を下に、令和三年度から五年度にかけまして実施設計を行ってございます。

○田村委員 回遊性を高める歩行者デッキや、小規模なオフィスの機能を持ったSOHOなどが実施設計に盛り込まれているとのことです。この開発が地区のポテンシャルを高めることにつながるよう、しっかりと実現していってもらいたいと思います。
 次に、災害対応の観点から伺います。
 都が行う再開発であることから、災害対策には万全を期していく必要があります。近年では、異常気象による線状降水帯の発生など、大雨に見舞われることが多くなってきており、水害に対する建物の対策は大変重要なことであると考えています。
 そこで、実施設計ではどのような浸水対策を行ったのか、伺います。

○井川市街地整備部長 本地区の一部は、港区の浸水ハザードマップで浸水域となっており、地盤面から最大で七十センチメートルの浸水が想定されてございます。
 本再開発ビルの実施設計におきましては、外構デザインの工夫や開口部への防水板の設置により、建物内部や地下駅前広場への浸水を防止することとしております。
 また、敷地外への雨水の流出を抑制するため、再開発ビル内に雨水流出抑制槽を設置いたします。
 これらによりまして、再開発ビルや泉岳寺駅の浸水被害を防ぎ、安心・安全なまちづくりに努めてまいります。

○田村委員 再開発ビルのみならず、地下鉄駅への浸水対策が考えられているということで安心いたしました。しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
 これまで何点か質問をしてきましたが、この再開発事業は、国際交流拠点の形成など、様々な観点において重要であることから、着実に進めていくことが必要です。そのためには、権利者の理解と協力が重要であり、丁寧な対応が求められると思います。
 そこで、令和五年度は、権利者に対してどのような対応を行ったのか、伺います。

○井川市街地整備部長 本地区では、多くの権利者が再開発ビルでの生活再建を希望していらっしゃいます。
 仮移転中などの権利者に対する支援といたしまして、令和五年度におきましても、仮住居費用や家賃減収などの補償を実施してございます。
 また、権利者の方々に対しまして、広報誌や再開発全員協議会などの場を通じて、事業の進捗状況や再開発ビルの仕様などについての情報を提供するなど、きめ細やかな対応を実施してございます。

○田村委員 権利者に対してきめ細やかな対応を行うことは、円滑な事業推進のために必要不可欠です。これからも権利者に寄り添った対応を行っていただきたいと思います。
 品川駅、田町駅周辺地区では、羽田空港に直結するとともに、今後、リニア中央新幹線の始発駅となります。交通利便性が高いこの地区が日本の玄関口として国際交流拠点を形成することにより、日本の成長を牽引し、発展につながるよう、着実に取り組んでいただきたいと思います。このことを要望して、質問を終わります。

○和泉委員 私も泉岳寺地区市街地再開発事業について質問をします。
 泉岳寺駅の改良と一体に都施行で行われる第二種市街地再開発事業が本事業になります。
 この事業について、これまでの経緯と、それから今後の事業の進み方、これについて伺います。また、進捗状況についても、具体的に説明を求めます。

○井川市街地整備部長 当事業につきましては、平成二十九年度に都市計画決定をいたしまして、平成三十年度に事業計画決定を行い、事業に着手いたしました。その後、令和元年度に管理処分計画を決定し、令和三年度に特定建築者を決定してございます。
 事業完了は令和十四年度の予定でございます。

○和泉委員 昨年の本分科会において、我が党の斉藤議員が質問しましたけれども、泉岳寺駅の機能増強に合わせて、都市計画道路の整備や権利者の生活再建を目的として開始した事業であると、このように都は答弁をしています。
 また、二〇一八年に私がこの泉岳寺の問題で質問をしたときには、再開発ビルの敷地は一旦都が買い上げる、そして、建物の建築が完了した後、その敷地を特定建築者に売却するという話だったと思います。
 今回の決算説明書の二二ページの泉岳寺駅地区都市再開発事業に係る施設建築敷地の処分代金の予納金、これが計上されていますけれども、施設建築敷地の処分代金全体は幾らになるのか、伺います。

○井川市街地整備部長 令和五年二月に特定建築者と締結した敷地譲渡契約では、譲渡価格は二百九億円でございます。

○和泉委員 泉岳寺駅地区都市再開発事業については、先ほども述べたとおり、当該地区の地権者から一旦都が土地を買い取る第二種市街地再開発事業として、都が直接施行をし、建物が完成した時点で特定建築者に底地を売却する。
 用地の買取りは、全て完了したのでしょうか。また、転出及び入居を含め、用地の取得に要した額についても併せて伺います。

○井川市街地整備部長 土地の権利につきましては、既に都へ移転してございまして、権利が変換される権利者の資産の金額は、約二百五十三億円でございます。
 事業に参加しない権利者からの用地の取得に要した費用は、約百九億円でございます。

○和泉委員 地権者が新しい再開発ビルに移る、その権利者が持っている資産総額は二百五十三億円と。要するに権利床に置き換えられる、それは二百五十三億円だということです。事業に参加しないで、この土地を売って全く手放してしまう、こういった方たちから用地を買い取るために要した費用の累計は百九億円だと、このような話でした。
 ということは、今現在は全て都有地になっている、都が所有する土地になっているということだろうと思います。
 敷地全体が、今申し述べたように、全て今は都に帰属していて、土地を売却した人に支払った費用が百九億円、権利床を得る人が二百五十三億円、合わせて三百五十九億円が敷地全体の額ということになろうかと思いますが、合っていますか。二百五十三億円プラス百九億円、これで合っていますでしょうか。いかがですか。

○井川市街地整備部長 先ほどご答弁申し上げましたように、権利が変換される権利者の資産の金額は約二百五十三億円、で、事業に参加しない権利者からの用地取得に要した費用は約百九億円でございますので、それを合算いたしますと三百六十二億円ということだと考えます。

○和泉委員 すみません。そうですね、三百六十二億円ということです。底地全体の資産総額は三百六十二億円ということです。
 第二種市街地再開発に限らず市街地再開発事業は、地権者が土地の所有権を一旦全て喪失しますね。そうして、持っていた土地を評価した額を建物の床の価格に割り返して、権利床として床面積が与えられます。土地に関しては、敷地権が設定され、その敷地権割合が土地に及ぶ所有権ということになろうかと思います。
 昨年の本分科会では、その敷地の譲渡によって特定建築者が得る土地の持分は四二%になるということでしたけれども、この四二%という数字は、どんな計算によるものなのか、ご答弁ください。

○井川市街地整備部長 特定建築者が取得することになります保留床の持分の合計ということになります。

○和泉委員 ということは、建物全体に占める特定建築者が保有することになる保留床の床面積を土地の持分に割り返したということになるかというふうに思います。
 そうすると、残りの五八%というのはどういうふうになるんでしょうか。

○井川市街地整備部長 残りの五八%につきましては、権利者と東京都の持分になります。

○和泉委員 要するに、建物全体に占める床面積の割合に割り返して、特定建築者が四二%を保留床として保有する、残りの五八%は権利者と都が保有する。
 では、この五八%のうち、都が保有する割合はどのぐらいになりますか。

○井川市街地整備部長 基本的に、取得者の財産に関わる情報につきましては公表してございません。
 この保留床の敷地の共有持分割合というところを明確にすることで、権利床の敷地の共有持分割合が類推できますことから、こちらにつきましても、取得者の財産に関わる事項であるということで公表してございません。

○和泉委員 今、特定建築者が得る土地の割合が四二%という答弁がありました。それに基づいて、残り五八%は権利者と都の保留床の分だ、というか床面積の分だという答弁でした。
 権利者のが幾らになりますかということを聞いているんじゃないんです。東京都が保有する、この建物全体に占める割合、これがどうなりますかと聞いているんです。あくまで都の分を聞いています。
 いかがですか。

○井川市街地整備部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、保留床の敷地の共有持分の割合を都の部分についてもお答えしますことで、権利床の敷地の共有持分割合が類推できますことから、取得者の財産に関わる事項であるということに該当いたしますことから公表してございません。

○和泉委員 それはおかしいと思うんですよ。特定建築者に渡る敷地の割合、これが四二%という答えは答えられる。私は、決算質疑に当たって、都が保有する分は幾らかと聞きました。もともと持っている土地の権利者の誰の分がどうなるのかということを個別にお聞きしているわけではありません。東京都が持つ床面積の割合はどうなるのかということをお聞きしたのに、それが答えられない。これ、本当に質疑が十分に行えないというふうにいわざるを得ないんです。
 先ほど、権利が変換される権利者の資産の総額は二百五十三億円だという答弁がありましたけれども、建物が建った後には、土地の高度利用や利便性の向上などがありますから、土地の評価は必ず上がるはずです。けれども、権利者の土地というのは、評価されるときに、後々評価が上がることは全く前提にせずに算出をされます。置き換えられる床面積は、建物の性質上、当然、高度な建物だったり、いろんな複合的な施設が中に入ったりすることで建物の価値が上がりますから、その建物の性質上、床単価の高いものというふうになります。
 土地の評価が上がることが想定されないで算出をされた土地の価格が、高くなった床面積に割り返されるわけですから、当然、権利者が取得する床面積も小さなものになります。その上、そこに建つ建物が高くなればなるほど延べ床面積が増えて、反比例して、土地に及ぶ権利というのは小さくなります。必ずしも権利者にとって有利な等価交換とはなりません。
 本来であれば、地権者が建築物を建てる費用を賄うために必要な保留床を有する規模で建物を建てれば、敷地に及ぶ権利もある程度確保されるはずです。
 しかし、ゼネコンが超高層の建物を建て、多くの保留床を有し、その処分益で莫大な利益を上げる第一種市街地再開発に関しては、その多くがそう進められているというのが実態です。第一種市街地再開発においては、地権者にそういう説明が果たしてちゃんとされているかどうか、極めて疑問ですけれども、少なくとも第一種市街地再開発は地権者の合意がなければ進められません。
 しかし、この案件は、都施行による第二種市街地再開発です。民間事業による再開発と同様の手法で、ゼネコンが大もうけをするような事業でいいのかということが問われます。
 この事業で、東急不動産、京浜急行が特定建築者として事業に参画することになった経緯について伺います。

○井川市街地整備部長 特定建築者の選定に当たりましては、令和二年十二月に公募を開始いたしまして、学識経験者から成る選考委員会においての審査を経て、令和三年六月に東急不動産株式会社と京浜急行電鉄株式会社のグループを選定いたしてございます。

○和泉委員 市街地再開発事業の建物には、従前の権利者に保障される床面積である権利床と、それから、処分して収益を上げる保留床、これがありますけれども、権利床については、全て建築後の建物に入ることを条件に土地を手放した従前の地権者のものであるというふうに説明を受けています。
 この権利床と保留床の延べ床面積に対する割合についてはどうなっているでしょうか。伺います。

○井川市街地整備部長 保留床や権利床の面積につきましては、先ほどもご答弁申し上げましたが、取得者の財産に係る情報のため、公表してございません。

○和泉委員 先ほど、東京都が所有する床面積の割合も答えないといった。今回、権利床と保留床の延べ床面積に対する割合についても答えないと。
 権利床に変換される地権者の土地の価格は二百五十三億円だというご答弁が先ほどありました。三百六十二億円の土地のうち、七割を超える権利者の資産がこの再開発ビルでどう変わるのか、権利者の財産権に関わる問題です。それを保護する必要もあります。であるにもかかわらず、都が施行する事業なのに公表がされない。果たしてそういう事業でいいのかというふうに、私は本当に思います。
 続けて伺いますけれども、処分して収益を上げることのできる保留床について、都と特定建築者の保有面積の割合はどうなっていますか。

○井川市街地整備部長 管理処分計画におきましては、保留床のうち、都に帰属予定の割合は約一六%、特定建築者の割合は約八四%でございます。

○和泉委員 この建物全体では、権利床と保留床に分かれる、権利床は全て従前の土地の所有者のものである、残りの保留床が東京都と特定建築者のものということになろうかというふうに思いますが、それが、八四%は特定建築者のもの、そして一六%が東京都のものという今のご答弁でした。
 つまり、敷地の四二%を取得する特定建築者が保留床の八四%を取得する。特定建築者が二百九億円で手に入れた土地を使って八四%の保留床を取得し、それを売却して莫大な収益を上げることができるということなんです。
 その一方で、先ほど述べたとおり、一旦、土地の所有権を放棄した地権者が新しい建物で得る床面積の割合は、建物が大きくなればなるほど土地に及ぶ権利が小さくなります。
 都が土地を買い上げて都施行で行う市街地再開発で、特定建築者であるゼネコンが莫大な利益を得る、こういうことが許されるんでしょうか。
 私たちは、再開発といえば何でもかんでも反対というわけではありません。建物の更新に当たって、地権者が資金調達できなかったり、まちづくりのノウハウが十分でなかったりするときに、コーディネーターが計画に参画して、住民と一緒に住民の要求がかなうまちづくりを行っていくことは大事だと思っています。
 そして、都が間に入って地権者同士の調整を行い、地権者の財産権を保護しつつ良好な住環境、都市生活環境を形成するために住民合意を得ながら進めることは、自治体として当然なことだとも思います。
 しかし、この泉岳寺のように、都が買い上げた土地のうちの四二%で建物の保留床の八四%を得て、結局、ゼネコンが圧倒的な利益を収めるような再開発事業を都施行で行うなどということは認められません。
 今後、このような都施行の第二種市街地再開発はやめること、そして、私たちは、この立場で今後の都の事業を厳しくチェックしていくということを表明して、質問を終わります。

○高倉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。

○高倉委員長 これより下水道局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都下水道事業会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○和田経理部長 さきの分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の令和五年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会要求資料をご覧いただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、一ページをご覧願います。二十三区における主な浸水被害状況の推移でございます。
 令和元年度から令和五年度までの浸水棟数をお示ししてございます。
 二ページをご覧願います。多摩地域における主な浸水被害状況の推移でございます。
 区部と同様、多摩地域における浸水棟数をお示ししてございます。
 三ページをご覧願います。政策連携団体への委託内容と委託料の推移でございます。
 当局が所管しております政策連携団体、東京都下水道サービス株式会社への主な委託内容と委託料の推移をお示ししてございます。
 四ページをご覧願います。再生可能エネルギーによる主な発電設備の規模と発電量の実績の推移でございます。
 項目ごとに、設備の所在する施設名、施設規模及び令和元年度から令和五年度までの年間発電電力量をお示ししてございます。
 五ページをご覧願います。マンホールと下水道管の接続部の耐震化が完了した施設数の推移と仮設トイレの設置ができるマンホールの数でございます。
 マンホールと下水道管の接続部の耐震化が完了した施設数の推移及び仮設トイレの設置ができるマンホールの数をお示ししてございます。
 六ページをご覧願います。区部における下水道料金の減免実績の推移でございます。
 令和元年度から令和五年度までの減免措置を実施した減免額と使用件数をお示ししてございます。
 七ページをご覧願います。政策連携団体における法人税等と株主配当の推移でございます。
 政策連携団体である東京都下水道サービス株式会社における法人税、住民税及び事業税と株主配当の推移をお示ししてございます。
 資料の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高倉委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○青木委員 私からは下水道の再構築について、まずは伺います。
 東京の下水道整備は、一八八四年の神田下水に始まり、百年以上の歳月をかけて、一九九四年度に普及が一〇〇%を達成しました。
 下水道は、家庭や工場等から排出される汚水の処理、宅地や道路等に降った雨水の排除、あるいは川や海などの公共用水域の水質保全といった多くの役割を担っており、二十四時間三百六十五日、いっときも止められない重要なインフラであります。
 この重要なインフラである下水道管は、ふだん目にすることのない、道路の下に網の目のように張り巡らされており、その規模は、東京とシドニーを往復する距離に匹敵する一万六千キロメートルにも及び、その多くは、家庭などの排水を受け入れる枝線が占めております。
 一方、整備開始から百四十年が経過し、経営レポートによると、法定耐用年数である五十年を超える下水道管の延長は、今後二十年間で約七割にも達し、老朽化が進行していくことになります。
 道路下に埋設されている下水道管が老朽化により破損すると、下水道が使用できなくなるほか、道路陥没などを引き起こすおそれもあり、社会的影響は極めて大きいと考えます。
 下水道局では、こうした状況の中、膨大な下水道管の老朽化対策を行う再構築事業を計画的に実施しているところでありますが、そこで、区部における枝線の再構築事業の進め方について、まずは伺います。

○藤橋計画調整部長 老朽化した枝線の再構築に当たりましては、ライフサイクルコストや中長期的な再構築事業の平準化などを勘案しつつ、アセットマネジメントの手法を活用し、計画的かつ効率的に事業を推進してございます。
 また、老朽化対策と併せて、雨水排除能力の増強や耐震性の向上などを一体的に行うことにより、機能のレベルアップも図っております。
 事業の実施に当たりましては、区部を整備年代により三つのエリアに分け、整備年代の古い都心部の処理区を第一期再構築エリアとして優先的に進めております。

○青木委員 首都東京の下水道管の再構築事業は、アセットマネジメント手法などを活用するとともに、老朽化対策と併せて機能の向上を図るなど、計画的、効率的に進めていることが確認できました。
 そこで、再構築事業は、都民の安全・安心や首都機能を支える大切な取組であると考えますが、枝線の再構築事業の令和五年度の実績とこれまでの進捗状況について改めて伺います。

○萩原建設部長 令和五年度につきましては、目標の整備面積七百ヘクタールに対しまして、一部の工事で入札不調や対外調整に時間を要したものの、約九六%に当たる六百六十九ヘクタールを実施いたしました。
 その結果、第一期再構築エリア一万六千三百ヘクタールの約七五%に当たる、累計一万二千百九十三ヘクタールの整備が完了いたしました。

○青木委員 令和五年度は、今、答弁にあったとおり、約九六%ということで目標をおおむね達成していると思いますが、第一期再構築の完了に向け、様々な課題の解決を図りながら、しっかりと取り組んでいただければと思います。
 次に、経営レポートによりますと、再構築事業の効果として、道路の陥没の件数が減少しています。
 そこで、第一期再構築エリアにおいて、道路陥没の発生件数がどの程度減少したのか、伺います。

○新谷施設管理部長 第一期再構築エリアにおける道路陥没の発生件数につきましては、再構築に着手いたしました平成七年当時は年間約八百件でございましたが、再構築工事を計画的に進めてまいりました結果、令和五年度末には八割以上減少してございます。

○青木委員 下水道管の再構築による整備効果が発揮されていることを確認いたしました。引き続き、将来にわたり安定的に下水道の機能を維持し、都民の安全を守り、安心で快適な生活を支えるため、下水道管の再構築を着実に進めていただきたいと思います。
 次に、浸水対策について伺います。
 近年、気候変動の影響が顕在化しており、世界平均気温は、二〇五〇年頃までには約一・五度から二度に上昇するとされ、降雨量の増加、台風の強大化等が想定されています。
 先月末には、アメリカ南部を大型ハリケーン・へリーンが襲い、記録的豪雨により、二百人以上の死者が出るとともに、各地で洪水や土砂崩れが発生する大災害が生じました。
 我が国でも、台風の大型化や局地的な集中豪雨など、雨の降り方が激しくなっており、毎年のように記録的な豪雨が日本各地で観測され、東京においても、今年の夏には各地で浸水被害が発生しております。
 都は、豪雨対策の基本的な考え方を示す東京都豪雨対策基本方針に基づき、区部において、内水氾濫による被害を軽減するため、時間七十五ミリ降雨に対応する下水道の施設整備を進めているところですが、今後、着実に浸水対策を進めていくことが重要だと考えます。
 そこで、区部における下水道の浸水対策の具体的な整備の進め方について伺います。

○藤橋計画調整部長 区部におきましては、早期に内水氾濫による被害を軽減するため、浸水リスクが高い六十七地区を重点化し、既存施設の能力を評価した上で、幹線や貯留施設などの基幹施設を整備しております。
 基幹施設の整備に当たりましては、雨の量の変化に応じた下水道管内の雨水の流れなどを表現できる流出解析シミュレーションを活用することで、既存施設の余裕部や人孔内の空間など、施設の能力を最大限評価し、幹線や貯留施設などの施設計画を定めて整備を進めております。

○青木委員 激甚化、頻発化する豪雨から都民の生命、財産を守るために、対策を重点化し、事業を進めていることが分かりました。さらに、流出解析シミュレーションを用いて効率的に施設整備を進めていることも確認いたしました。
 今、答弁いただいた六十七地区の重点地区のうち、私の地元目黒区には重点地区が四地区あります。
 そこで、目黒区内の重点地区における取組について改めて伺います。

○萩原建設部長 四つの重点地区のうち、目黒区上目黒、世田谷区弦巻地区では、既設の蛇崩川幹線の排水能力を強化するため、延長約二・八キロメートル、内径最大五メートルの蛇崩川増強幹線の上流部を整備しております。
 次に、目黒区八雲、世田谷区深沢地区では、既設の呑川幹線の排水能力を強化するため、延長約四・五キロメートル、内径最大三・二五メートルの呑川増強幹線を整備しております。
 また、目黒区下目黒地区や目黒区自由が丘、世田谷区奥沢地区では増強施設の整備を予定しており、具体的な取組については、現在設計中でございます。

○青木委員 目黒区の重点地区における取組を確認いたしました。
 今、答弁にあった内容のうち目黒区八雲、世田谷区深沢地区については、シールドマシンの掘進停止があったと聞いております。その後の状況が気になるところでございます。
 改めて、目黒区八雲、世田谷区深沢地区の令和五年度の進捗状況について伺います。

○萩原建設部長 目黒区八雲、世田谷区深沢地区におきましては、施設の完成まで長期間を要することから、上流部と下流部に分けて施工をしております。
 上流部につきましては、世田谷区立三島公園から世田谷区深沢まで、内径二・四メートル、延長七百メートルの区間を施工するものであり、令和七年三月の暫定貯留の開始に向けて整備を進めました。
 下流部につきましては、目黒区大岡山の東京科学大学のグラウンドを発進立て坑といたしまして、世田谷区立三島公園までの区間に、内径三・二五メートル、延長約三・八キロメートルの下水道管をシールド工法で施工するものでございます。
 令和三年度に、発進立て坑から約七百二十メートルの地点におきまして、シールドマシンの故障により掘進不能となり、令和五年度は、対策検討会を実施し、シールド掘進の再開に向けた取組を進めたほか、到達立て坑において人孔の築造を行いました。
 なお、ご心配いただいておりますシールド掘進につきましては、本日再開したところでございます。

○青木委員 本日再開ということで確認をいたしました。しっかりと対応をよろしくお願いいたします。
 続いて、多摩地域における浸水対策について伺います。
 多摩地域では、原則として市町村が雨水排除を担っていますが、分流式下水道の区域では雨水管整備率が三割にとどまっていると聞いています。
 こうした中、我が会派ではこれまでも、都が令和五年度に創設した新たな補助制度について取り上げてきましたが、都が市町村の管理する公共下水道の強靱化を支援していることは有意義な取組だと考えます。
 そこで、新たな補助制度の概要と浸水対策に関する対象事業について伺います。

○井上技術部長 都は、市町村の公共下水道の強靱化に資する事業に対しまして、市町村が負担する費用の二分の一を補助する新たな制度を令和五年度に創設いたしました。
 浸水対策につきましては、新たな雨水管の整備に加え、合流式下水道区域における下水道管の雨水排除能力の向上や、分流式下水道区域における雨天時浸入水対策に資する下水道管の改良などを補助対象としております。
 また、下水道管への河川からの逆流対策といたしまして、樋門、樋管の遠方制御化や、放流先となる河川の増水時にも雨水を排除するポンプ施設の整備なども補助対象としております。

○青木委員 補助制度の対象事業について、また、幅広い事業が補助対象になっていることも分かりました。
 多摩地域でも集中豪雨が多発しており、浸水対策の強化を図るためには、市町村が強靱化補助を活用し、効率的、効果的に取組を進めることが重要であると考えます。
 そこで、浸水対策における市町村の取組状況や都の支援について具体的に伺います。

○井上技術部長 多摩地域におきましては、市町村が浸水リスクの高い地区を選定し、重点的に施設整備を行っており、令和五年度は、十の市町の十一地区で、シールド工法による雨水管整備や雨水排除能力の向上に資する下水道管改良等、様々な手法により対策を進めております。
 これらに加えまして、流出解析シミュレーションを用いた浸水対策計画策定や設計等を合わせますと、十八市町で補助制度を活用しております。
 また、都は、財政支援に加えまして、計画策定の勉強会や管渠更生工法講習会を通じた技術支援の実施により、市町村の対策を継続的に後押ししております。

○青木委員 市町村への新たな補助制度の実施状況や市町村による浸水対策の取組状況、都の支援状況について確認させていただきました。
 ここまで区部と多摩地域の浸水対策について伺いましたが、今年も各地で大雨による甚大な被害が発生しており、下水道による浸水対策は、より重要なものになっております。都の事業の一日も早い完了と市町村への支援を引き続きしっかり行っていただくよう要望して、次の質問に移ります。
 今年初めには能登半島で大きな地震があり、下水道管の一部は、被災により流出機能が失われ、下水道が使用できない状態が続きました。
 先月末に国土交通省から公表された、能登半島地震に関する上下水道地震対策検討委員会の報告書によりますと、下水道管の被害は、能登六市町で約三割に達し、また、地盤の液状化によるマンホールの浮上により交通障害も発生、一方、耐震化実施済みであった施設では、機能に重要な影響を及ぼすような被害は確認されておらず、耐震化の効果が確認されました。
 首都直下地震が起こり、能登半島地震のような下水道施設の被害が発生すれば、都民生活や東京の経済活動に大きな影響を及ぼすだけでなく、ひいては日本全体の機能が麻痺する事態になりかねません。このような事態にならないよう、事前の対策は極めて重要であると考えます。
 そこで、区部における下水道管の耐震化をどのように進めているか、伺います。

○藤橋計画調整部長 下水道管の耐震化につきましては、震災時の下水道機能の確保及び緊急輸送道路などの交通機能の確保という二つの面から実施しております。
 具体的には、下水道機能の確保として、避難所や一時滞在施設など五千九百か所を対象とし、これらの施設から排水を受け入れる下水道管とマンホールとの接続部の耐震化などを実施しております。
 また、交通機能の確保として、液状化の危険性の高い地域における緊急輸送道路や緊急車両が通行する無電柱化道路など一千六百二十キロメートルを対象とし、マンホールの浮上抑制対策を実施しております。

○青木委員 震災時における下水道機能や交通機能の確保など、都民の生命や生活を守るとともに、救助活動にもつながる対策を計画的に進めていることが分かりました。
 そこで、下水道管の耐震化の令和五年度の実績とこれまでの進捗状況について伺います。

○萩原建設部長 令和五年度における避難所などからの排水を受け入れる下水道管の耐震化は、目標の施設数二百五十六か所に対しまして、約八四%に当たる二百十四か所の施設で事業を実施いたしました。
 その結果、経営計画二〇二一における中長期目標の約八割に当たる累計五千か所で対策が完了いたしました。
 また、令和五年度におけるマンホールの浮上抑制対策につきましては、目標の延長七十九キロメートルに対しまして、約四二%に当たる三十三キロメートルで対策を実施いたしました。
 その結果、経営計画二〇二一における中長期目標の約八割に当たる累計千三百七十六キロメートルで対策を完了いたしました。

○青木委員 今、事業の進捗状況をご答弁いただき、中長期的に見れば約八割の対策が完了していることが確認できましたが、これ、単年度で見れば、令和五年度の目標を下回っている状況であります。
 その原因と対策について伺います。

○萩原建設部長 避難所などからの排水を受け入れる下水道管の耐震化につきましては、一部の工事において入札不調があったことや、区の地域防災計画の対象施設の見直しなどにより、予定していた工事を発注できなかったものでございます。
 マンホールの浮上抑制対策につきましては、日本下水道協会の下水道施設の耐震対策指針と解説の改定に伴い、対策箇所を精査する必要が生じたことや、区の地域防災計画の対象施設の見直しなどにより、予定していた工事を発注できなかったものでございます。
 今後、耐震化工事の発注規模を見直すなど、経営計画期間内での目標達成に向け、対策を実施してまいります。

○青木委員 いつ起こってもおかしくない首都直下地震に備えることは重要であります。下水道の主要施策である再構築や浸水対策、震災対策を進めることで、強靱な、持続可能な首都東京の実現に貢献してもらいたいと考えます。
 次に、エネルギー、地球温暖化対策について伺います。
 我が会派は、脱炭素社会に向け、クリーンなエネルギー都市をつくることを政策に掲げ、再生可能エネルギーの利用拡大を求めてきました。
 下水道事業は、下水を処理する過程で多くのエネルギーを必要とすると聞いております。脱炭素社会の実現には、下水道局の取組が極めて重要だと考えます。
 そこで、下水道局におけるエネルギー、地球温暖化対策の取組について伺います。

○藤橋計画調整部長 下水道局では、下水道事業における地球温暖化防止計画アースプラン二〇二三を策定し、温室効果ガス排出量を二〇三〇年度までに二〇〇〇年度比で五〇%以上削減する目標を掲げ、脱炭素化に向けた取組を進めております。
 具体的には、水処理に必要な空気を水に溶けやすい小さな気泡にして送風量を少なくする微細気泡散気装置などの省エネルギー型機器を導入するとともに、消化ガス発電などの再生可能エネルギーの活用を拡大しております。
 また、汚泥焼却炉の廃熱を活用した発電により焼却炉の運転に必要な電力が自給できるエネルギー自立型焼却炉などの先進技術の導入など、様々な取組を推進しております。
 二〇五〇年ゼロエミッションに向けては、これらの先進技術の開発を進めておりますが、今後、さらなる革新的技術の導入が必要でございます。
 そのため、次世代型ソーラーセルなどの新たな技術やスタートアップの技術も含めた革新的な技術を活用することで、温室効果ガス排出量の削減を推進してまいります。

○青木委員 温室効果ガス排出量については、二〇三〇年度までに二〇〇〇年度比で五〇%以上の削減をするという目標を設定し、様々な取組を進めていることは確認しました。
 そこで、改めて令和五年度の主な取組について伺います。

○藤橋計画調整部長 令和五年度は、三河島水再生センターなどで微細気泡散気装置などの省エネルギー型機器を二十二台導入するとともに、葛西水再生センターにおきまして、エネルギー自立型焼却炉を導入いたしました。
 また、焼却廃熱を最大限活用して発電することでほかの設備へも電力を供給し、電力供給による温室効果ガス削減量が、焼却炉から発生する温室効果ガス排出量を上回るエネルギー供給型焼却炉の開発を令和五年八月に完了させました。
 さらに、社会全体のゼロエミッションに貢献する取組といたしまして、令和五年十一月には、麻布台ヒルズにおいて、下水道管から回収した熱を地域冷暖房へ活用する国内初の取組を開始いたしました。

○青木委員 二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けて着実に取り組むとともに、二〇五〇年ゼロエミッションに向け、先陣を切って始めていることが確認できました。
 今後も、下水道局の持つ高い技術力を駆使し、総力を挙げて環境負荷の少ない都市の実現に貢献していくことを期待し、私の質問を終わらせていただきます。

○あかねがくぼ委員 私からは、豪雨対策について伺っていきたいと思います。
 さきの令和六年第三回定例会の代表質問で、私たち会派から、激甚化、頻発化する豪雨への対策について質問を行いましたところ、東京都豪雨対策基本方針を昨年度改定をし、気候変動に伴う影響を織り込み、目標降雨量を一・一倍に引き上げ、施設整備を推進しているという答弁がございました。
 そこで、区部における浸水対策の方針と令和五年度の進捗状況について伺います。

○藤橋計画調整部長 下水道局では、時間七十五ミリ降雨を目標整備水準といたしまして、くぼ地や坂下など浸水の危険性が高い六十七地区を重点化して施設整備を進めております。
 六十七地区のうち、令和五年度までに二十八地区で対策を完了し、二十地区で工事に着手しており、十九地区で設計作業を実施しております。
 令和五年度には、大田区上池台地区でのシールド工事による下水道管の築造や、江東区木場、東雲地区でのポンプ所の建設をそれぞれ進めるなど、施設整備を推進いたしました。

○あかねがくぼ委員 浸水対策の重点地域であります六十七地区の進捗状況について確認できました。令和五年度までに二十八地区で対策を完了して、二十地区では工事着手ということでございました。
 こうした下水道施設は、大規模で地中の深くでの工事となることもありますので、事業用地の確保や施工に時間を要し、完成まで長期間を要する、そういった事業も多いと理解をしておりますけれども、地域の住民のために、早期の浸水被害軽減に向けた取組も重要であると考えます。
 そこで、浸水対策の効果を速やかに発揮する、そのための工夫について、令和五年度の取組を伺います。

○萩原建設部長 幹線など規模の大きな施設整備には長期間を要するため、一部完成した施設を暫定的に貯留施設として活用することで、早期に整備効果を発揮させる取組を推進しております。
 令和五年度につきましては、板橋区小茂根、向原地区、中野区東中野、杉並区阿佐谷地区の二地区で暫定貯留を開始いたしました。

○あかねがくぼ委員 一部完成した施設を貯留施設として活用しているということでございました。
 私の地元杉並区では、先ほど答弁にありました中野区東中野、杉並区阿佐谷地区におきまして第二桃園川幹線の工事が行われています。この地域では、過去に浸水被害も発生しておりまして、本工事に対する地元の関心も高いということです。
 そこで、第二桃園川幹線の整備状況を伺います。

○萩原建設部長 第二桃園川幹線は、既設の桃園川幹線の雨水排除能力を補完、増強するため、約五十メートルの深さに、内径二・六メートルから四・二五メートル、延長約七キロメートルの下水道管を整備するもので、平成二十八年度から工事に着手しております。
 このうち、上流部の杉並区立天沼弁天池公園から区立蚕糸の森公園までの区間では、内径二・六メートル、延長約四キロメートルの下水道管の整備が令和五年度に完了し、整備効果を早期に発揮するため、約一万八千立方メートルの暫定貯留を開始いたしました。
 下流部につきましては、蚕糸の森公園から中野区中央一丁目まで整備を進めることとしており、令和五年度に工事着手いたしました。

○あかねがくぼ委員 上流部は暫定貯留を開始し、既に効果を発揮できる状況にあるということが確認できました。
 上流部の建設には八年を要しておりまして、下流部の工事も同様に、完成までは数年かかると考えられますことから、事業を円滑に進めるために、地域住民の工事への理解の醸成、これは非常に重要であると思います。
 長期にわたる工事について地域住民の方々の理解を得るために、どのように取組を行っているか、伺います。

○萩原建設部長 工事の施工に当たりましては、これまで五回の住民説明会を開催し、工事の目的や内容、対策の効果について説明するなど、工事へのご理解をいただくよう努めてまいりました。
 さらに、地域の皆様に工事に対するご理解を一層深めていただくため、シールド工事の現場見学会の開催や、工事の週間作業予定を防音建屋の壁面にデジタルサイネージで提示するなど、情報発信を行いました。

○あかねがくぼ委員 引き続き、地域の皆様に対して丁寧に説明を行っていただきながら、一日も早く施設が完成しますように整備を進めていただきたいと思います。
 次に、区部の合流式下水道の改善について伺ってまいります。
 合流式下水道の改善は、強い雨の日に河川や海などに放流される汚れを削減し、良好な水環境を創出するための取組であります。
 私は、過去の委員会の質疑におきまして、合流式下水道の改善による水質改善についても強く求めてきたところでございます。
 そこで、合流式下水道の改善の取組は、主にどのようなものがあるのか、改めて伺います。

○藤橋計画調整部長 下水道局では、合流式下水道の改善の主な取組といたしまして、雨水吐き口やポンプ所からのごみなどの流出を抑制する施設の整備や、雨天時の下水をより多く水再生センターへ送るための下水道管の整備、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備などを進めてまいりました。

○あかねがくぼ委員 下水道局の合流式下水道の改善の取組を様々実施していただいているということを確認いたしました。
 下水道局の経営計画二〇二一には、下水道法施行令への対応に必要な対策を令和五年度末までに完了させるとしています。その中でも、下水を貯留する施設の整備は、良好な水環境のために、取組としては非常に効果が高いものであると考えます。
 そこで、貯留施設の取組状況について伺います。

○萩原建設部長 降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設につきましては、令和五年度は、浮間水再生センターや中野水再生センターなど、合わせて二十万立方メートルの貯留施設を完成させました。
 これにより、令和五年度末を期限とする下水道法施行令で定められた分流式下水道並みの放流水質基準を達成するために必要となる累計百七十万立方メートルの貯留施設の整備が完了いたしました。

○あかねがくぼ委員 下水道法施行令で定められた放流水質基準を達成していただくために必要な貯留施設の整備というのは完了しているということが確認できました。
 法令への対応に必要な貯留施設の整備が完了ということを確認はできましたけれども、私の地元杉並区の善福寺川では、特に上流部におきまして、水辺環境の改善について、多くの地元住民から関心を寄せられているところでございます。
 そこで、令和五年度における善福寺川上流の合流式下水道の改善について、その取組状況を伺います。

○萩原建設部長 善福寺川上流での合流式下水道の改善の取組といたしまして、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備を平成二十六年から進めてまいりました。
 この貯留施設は、都立善福寺公園から杉並区上荻二丁目に至る内径二・四メートル、延長約三・四キロメートル、貯留量約一万五千立方メートルの施設でございまして、令和五年度末に稼働を開始いたしました。

○あかねがくぼ委員 善福寺川の貯留施設をはじめとする区部全体での法令対応に必要な施設整備の完了までには、大変な、いろいろご苦労があったと思いますけれども、引き続き、地域の水環境のニーズを踏まえまして、良好な水環境を創出していただくための取組を進めていただきたいと思います。
 最後に、AIなどのデジタル技術の活用についても伺ってまいります。
 今年度も、集中豪雨や大型化した台風によりまして、全国で浸水被害が発生しております。
 都は「未来の東京」戦略を推進しておりまして、下水道局では、幹線やポンプ所などの施設整備によるハード対策に加えまして、ソフト対策としてAIを活用した雨水ポンプの運転に関する技術開発に取り組んでいると伺っております。
 私は、AIなどデジタル技術を活用してこれらの対策に取り組んでいくということが、今後の生産年齢人口減少の局面におきまして、非常に重要であると考えております。
 そこで、このAIを活用した雨水ポンプの運転に関する技術開発の狙いについて伺います。

○家壽田技術開発担当部長 近年頻発する集中豪雨などの発生時には、短時間で大量の雨水がポンプ所などに流入いたします。
 これまで、雨水ポンプの運転は、ベテラン職員が、東京アメッシュの降雨データや下水道幹線の水位データなど各種データを監視しながら適切に行っておりますが、経験の浅い職員がこうしたスキルを習得するには、長い期間を要しております。
 本システムは、降雨や水位など膨大なデータをAIが解析し、ポンプ所への流入水量を予測するものであり、AIの支援を受けることで、経験の浅い職員でも雨水ポンプの運転を確実に行うことを目指しております。

○あかねがくぼ委員 ベテラン職員が今後減少していく、そういう中におきまして、下水道局では、経験の浅い職員でも、AIの支援を受けながら雨水ポンプの運転ができるように取り組んでいるということを理解しました。
 そこで、AIを活用した雨水ポンプ運転に関する技術開発について、令和五年度の取組内容を伺います。

○家壽田技術開発担当部長 令和五年度には、過去の降雨データなどで構築した試作モデルを後楽ポンプ所や篠崎ポンプ所など五か所に設置し、実際の降雨における予測精度の向上などに取り組んでおります。
 また、AIが解析した雨水ポンプ起動のタイミングを職員へ適切にガイダンスする機能など、現場への適用性についても検証を行っております。
 引き続き、実用化に向けて技術開発に取り組んでまいります。

○あかねがくぼ委員 AIなどデジタル技術の活用について、実用化に向けた検証段階であるということが分かりました。
 このAIなど技術の進歩は目まぐるしいものがありますので、長い時間をかけて検証していくという、その間に、技術がどんどん刷新して先に進んでいってしまうということもあろうかと思います。できる限り迅速に実用化できるよう、来年度におけます予算確保も含めて、しっかりと一層、今後も取り組んでいただきたいと思います。
 こちらは、以上で私の質問を終わります。

○玉川委員 下水道に油を流さない取組について質問させていただきます。
 持続可能な社会、SDGsの実現を目指して、日本でもごみのリサイクルが定着するなど、循環型社会の流れが生まれてきているように感じております。
 SDGsでは十七の目標を掲げており、その一つに環境負荷の低減があります。
 下水道事業は、下水の処理を通じて公共用水域の保全に重要な役割を果たしていますが、家庭や飲食店などから排出される油の処理が十分でないと、結果的に公共用水域に負荷を与えることになります。
 さらに、家庭の台所などから油を流すと、その油が下水道管の中で冷えて固まり、公共下水道の詰まりや悪臭の原因となることがあります。
 都民一人一人が下水道に油を流さないことを意識した行動を取ることが重要であることから、下水道局では、今現在においても普及啓発を行っていると聞いています。
 まずは、どのような経緯で普及啓発の取組を実施するに至ったのか、伺います。

○小泉総務部長 平成十二年に、白色固形物、いわゆるオイルボールが東京湾沿岸に漂着したことを契機といたしまして、局内で原因の分析や対策を検討した結果、下水道に油が流入しないようにすることが必要であると考え、下水道に油を流さないための行動について普及啓発をスタートさせたものでございます。
 具体的には、「油・断・快適!下水道」と題しまして都民の皆様に協力をお願いするキャンペーンを平成十三年から展開してございます。

○玉川委員 この「油・断・快適!下水道」というキャンペーンは、今月十月を強化月間として取り組んでいると聞いておりますが、下水道に油を流さないことを普及啓発するため、キャンペーンにおいて、都民に向けてどのような取組を進めてきたのか、伺います。

○小泉総務部長 下水道局では、気温が下がり始めて油が固まりやすくなる十月をキャンペーンの強化月間と位置づけまして、スーパーの店頭や都内で行われるイベントにおいて、チラシや油を吸い取るグッズを配布することなどを通じて、直接都民の皆様へ呼びかけを行ってまいりました。
 また、SNSや局のホームページのほか、都営地下鉄の動画広告やデジタルサイネージなど、様々な媒体を活用したPRを実施いたしました。
 さらに、学生に向けましては、大学キャンパス内に設置されました無料コピーの裏面広告にポスターを掲載し、令和五年度は五万枚を配布しました。

○玉川委員 多様な媒体を用いて多方面に周知できるよう丁寧に取り組んでいるということが確認できましたが、それでは、これまでの取組による効果についても伺います。

○小泉総務部長 下水道モニターを対象に行いましたアンケート調査によると、汚れた鍋や食器を洗う際に、いつも拭き取る行動を取ってくださる方の割合は、平成十五年度時点では三五・七%であったものが、令和五年度時点で五〇・三%であり、二十年間で約一五ポイント向上いたしました。
 下水道に油を流さないことへの認知度は、着実に高まってきているものと認識してございます。

○玉川委員 これまでの普及啓発の取組を通じて都民の認知度が高まっていることが確認できましたが、一方、鍋や食器をいつも拭き取るといった方の割合にはまだまだ向上の余地があり、今後も、さらなる認知度の向上に継続して取り組んでいく必要があると考えますので、ぜひこれからも継続して普及啓発に努めていただければと思います。
 一方、インバウンドなどの増加などもあって都内の飲食店が活発に営業されている中、家庭だけでなく、飲食店における下水道に油を流さない取組も重要と考えます。
 そこで、飲食店における下水道に油を流さないための取組に関して、どのような普及啓発を行っているのか、伺います。

○須賀施設管理担当部長 下水道局では、「油・断・快適!下水道」キャンペーンをお知らせする広報紙に、都民への協力の呼びかけに加えて、飲食店に向け、下水道に油を流さないようにするための重要な機器であるグリース阻集器の設置等に関する啓発記事を掲載するなど、広く広報しております。
 さらに、各区保健所が主催する飲食店向け講習会に参加し、厨房排水から油を取り除いて下水道に流さないようにすることの重要性について、当局職員から飲食店経営者等に対し、直接説明しております。

○玉川委員 都民に加えて、飲食店に対しても具体的な普及啓発を行っていることは確認できましたが、このような啓発をしても、実際に下水道管を詰まらせ、汚水があふれたり、臭気苦情の原因となっている飲食店もあると聞きます。
 そこで、下水道局では、実際に下水道管を詰まらせてしまった飲食店に対して、どのような指導を行っているのか、伺います。

○須賀施設管理担当部長 油詰まり等による汚水の溢水や臭気発生の連絡をいただいた場合には、直ちに当局職員が現地に赴き、詰まりの状況などを確認し、必要な応急措置を講じた上で発生源の調査を行っております。
 調査の結果、飲食店の厨房排水中の油が原因と判明した場合には、飲食店立会いの上、公共汚水ますを開け、油の付着状況を現認していただいたり、詰まりを防ぐ方法をリーフレットなどを用いて説明するといった具体的な指導を行っております。

○玉川委員 飲食店の皆様に、実際の油の付着状況を見ていただき、具体的な解決策を説明するなど、丁寧に指導していることが確認できました。
 一方、都内では、外国人による経営、または外国人が従業員となっている飲食店も数多くあり、日本語に慣れていないという方もいらっしゃることから、日本語のみを用いた啓発には限界があるのかと思います。
 そのため、外国人が働いている飲食店などに向けた、下水道に油を流さないことへの啓発について多言語対応を進めるべきと考えますが、局の取組について伺います。

○須賀施設管理担当部長 外国人が働く飲食店が増えている中で、様々な言語を用いて、飲食店に対して下水道に油を流さないよう促していくことは重要でございます。
 特に、飲食店の排水経路に設置され、排水中の油脂分を分離、貯留することで厨房排水から油を取り除く機能を有するグリース阻集器は、下水道に油を流さないようにするために有効な機器であり、グリース阻集器の設置や維持管理について重点的に伝える必要がございます。
 そこで、グリース阻集器設置の必要性や適切な清掃箇所、頻度などを分かりやすく伝えるためのリーフレットについて、日本語に加えて、英語や中国語など四か国語で作成し、普及啓発に用いております。

○玉川委員 「油・断・快適!下水道」キャンペーンについて、令和五年度における都民及び事業者に対する下水道局の取組を確認いたしましたが、家庭における油の拭き取りの実施率が向上しているなど、下水道に油を流さないという普及啓発の取組は着実な成果を上げていると考えますが、都民生活を下支えする下水道の機能保全には、都民や事業者の皆様のさらなる協力が不可欠であります。
 外国人経営による中華料理屋、カレー屋さんなど、その国の人たちのコミュニティの場にもなっているお店も多くあり、独自のネットワークもありますので、うまく情報が共有される利点もあります。
 飲食店に関わる外国人の増加などを踏まえ、多言語の活用などで伝わる手法を用いて、引き続き啓発していっていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○福手委員 よろしくお願いいたします。日本共産党の福手ゆう子です。
 浸水対策について伺っていきます。
 下水道局は、浸水リスクが高い地区を重点地区に指定して浸水対策を行っていますが、二〇二三年度、令和五年度の区部における重点地区の取組状況を伺います。

○萩原建設部長 令和五年度の重点地区の取組状況といたしましては、二十地区で事業を推進しておりまして、十九地区で設計作業を実施してまいりました。

○福手委員 重点地区は全部で六十七地区あり、そのうち、既に二十八地区が終了していて、残りの三十九地区についても、昨年度で事業中または設計が進められてきました。
 東京都は、昨年十二月、東京都豪雨対策基本方針を改定し、都内全域で目標降雨を十ミリ引き上げることなどを示しました。改定は、気候変動の影響で激甚化、多発化する豪雨災害に備えるため、浸水対策のさらなる強化を進めることを目的としたものです。
 では、昨年度、区部において、時間降雨五十ミリ、七十五ミリ、百ミリを超える降雨の発生回数を伺います。

○藤橋計画調整部長 建設局が公表している東京都水防本部報告によりますと、令和五年度の区部における時間五十ミリを超える降雨は三回発生し、時間七十五ミリ及び百ミリを超える降雨はありません。

○福手委員 昨年度は、それほど降らなかったことが分かりました。しかし、今年は、既に何度も時間百ミリ近くの豪雨があり、浸水被害も発生しました。こうした状況を踏まえた対策を行うことが必要になってきています。
 下水道局は、雨水幹線の整備を進める際に流出解析シミュレーションを使っています。時間七十五ミリ降雨に対応する施設整備を、浸水リスクのある地区で下水道管の水位が地表に出ないようコンピューターで再現しながら確認して、豪雨に対する下水道施設の整備効果を検証しながら進めてきています。
 では、この流出解析シミュレーションにはどのようなデータがモデル化されているのか、伺います。

○藤橋計画調整部長 流出解析シミュレーションでは、下水道管の大きさや深さ、地盤の高さなどのデータを使用してモデルを構築しております。

○福手委員 流出解析シミュレーションには、下水道管の位置や大きさ、地盤の高低差などの詳細な地形データが入っています。そこに時間七十五ミリの雨を降らせ、下水道に流入する雨水、あふれて流れる雨水の状況が表現されます。浸水面積や深さも分かります。また、浸水面積を表示するメッシュが十メートル掛ける十メートルに細分化され、浸水発生状況も、より詳細に特定することができるようになっています。
 こうして、より実態に近づけてシミュレーションでき、この浸水予測を基に施設整備を効果的に行えるようになっています。非常に優れた技術だと思います。
 このシミュレーションは委託で行っていますが、昨年度に区部の重点地区でシミュレーションを行った委託の件数と契約金額を伺います。

○萩原建設部長 浸水対策の重点地区におきまして、令和五年度に実施した流出解析シミュレーションを活用した委託件数は十件で、その契約金額の合計は約三億五千万円でございます。

○福手委員 実際、金額は、規模にもよってくると思うんですけれども、単純計算すると、一件につき三千五百万円ということです。下水道建設費に含まれて計上されているということでした。
 では、次に、重点地区の一つである文京区千石、豊島区南大塚地区では千川増強幹線の整備が進められていますが、どのようにして施設規模を検討してきたのか、伺います。

○藤橋計画調整部長 文京区千石、豊島区南大塚地区では、既設の千川幹線及び第二千川幹線流域の排水能力を強化するため、千川増強幹線の整備を行いました。
 この幹線の設計に当たりましては、流出解析シミュレーションを活用することで、既設の幹線等の能力を最大限評価し、時間七十五ミリ降雨に対応する施設規模を設定いたしました。

○福手委員 既存の幹線を最大限評価した上で七十五ミリの雨を降らせ、増強幹線の規模がどれくらいなら浸水を防ぐことができるのかをシミュレーションで検証して、施設の規模を設定したということでした。
 千川増強幹線の二〇二三年度、令和五年度までの進捗を伺います。

○萩原建設部長 令和五年度は、千川増強幹線を完成させまして、引き続き、幹線に接続する取水施設の整備を行いました。

○福手委員 一部工事が残っていますが、二三年度で増強幹線は完成したことを確認いたしました。ちなみに、現在の状況は、稼働を始めたと聞いております。
 千川地域の住民の方々は、二〇一三年に起きた浸水被害で大変な思いをしてきましたので、整備完了を本当に待ちに待っております。
 このように流出解析シミュレーションで整備後の浸水状況を確認しながら整備を進めてきたということも、住民の方々にとっては安心と感じる部分になっているのではないかと私は思いました。
 では、次にお伺いしますが、今後、浸水被害が多発した場合には、どのように重点地区への追加を検討していくのでしょうか。伺います。

○藤橋計画調整部長 下水道局では、浸水被害の実績に加え、事前防災の観点から、流出解析シミュレーションを活用して浸水に対する危険性を評価し、重点地区を選定しております。
 引き続き、東京都豪雨対策基本方針に基づき対応していくこととしております。

○福手委員 浸水実績に加え、事前防災の観点を踏まえ、流出解析シミュレーションを実施して、優先度の高い地区を選定していくということでした。基本は、豪雨対策基本方針に基づく対応だということです。
 では、開発や建築で設置された雨水貯留施設のデータというのはシミュレーションに反映されているんでしょうか。伺います。

○藤橋計画調整部長 民間等で設置された雨水貯留浸透施設は、東京都豪雨対策基本方針において流域対策に位置づけられていることから、これら施設のデータは、下水道の施設計画を検討するためのシミュレーションには反映しておりません。

○福手委員 では、続けてお聞きしますが、区で水害に備えるハザードマップをつくる際、流出解析シミュレーションの結果は区と共有するのか、伺います。

○藤橋計画調整部長 区がハザードマップを作成するに当たり、下水道局は、流出解析シミュレーションにより作成した浸水予想区域図の情報をこれまでも提供しております。

○福手委員 区に対しては、流出解析シミュレーションから作成した浸水予測区域図の情報を提供しているということで、情報の中身としては、シミュレーションの結果の情報と同じものだということでした。
 先ほどの質問では、流出解析シミュレーションは下水道の施設整備を検討するためのものなので、流域対策は反映していないということでしたが、私は、ぜひこの優れた技術は、豪雨対策を行う他局とも共有し、活用を発展してほしいと思っています。
 さらには、施設整備に向けたシミュレーションを行った場合に、地元区にその結果を使いやすい情報で共有することなども、ぜひ検討していただきたいと思います。
 お聞きした雨水貯留浸透施設は自治体で進めていて、自治体では、降っている雨をどれだけ受け止めるか目標を持っているところもありますので、自治体の取組がより効果的に進められるよう役立てるという意味で、共有することをぜひ検討してほしいと思います。
 貯留浸透施設については、民間だけではなく公共施設でも進めると、都としてもいっています。他局とも情報を共有することで、効果が発揮できるのではないでしょうか。
 また、豪雨対策基本方針では、目標を超える降雨については、まちづくりなどを併せて備えるということが示されていて、こうしたことも都全体で進めるために技術を共有し、より効果的な予防対策を進めることは大事なことではないでしょうか。ぜひ検討をお願いいたします。
 先ほど伺ったように、今、シミュレーションは委託で行っていますが、将来的に、委託ではなく局職員自らが流出解析シミュレーションを操作し、活用することが考えられると思いますが、見解を伺います。

○萩原建設部長 流出解析シミュレーションによる検討は、膨大なデータの入力やモデルの構築などにおいて、経験やノウハウなどが豊富な民間コンサルタントを活用していくことが効率的でございます。
 当局職員は、その結果を基に、施設規模の検討や施設計画の策定など行政判断が必要な業務を行っております。
 引き続き、行政と民間企業がそれぞれの特性を生かした役割分担の下、浸水対策を進めてまいります。

○福手委員 局の職員の方々がシミュレーションを操作できるようになれば、もっと効率的、効果的に浸水対策を進めることができると思います。解析ソフトの設計をぜひ研究し、将来的に局のところで操作できるよう、重ねて検討していただくことを求めて、次の質問に移ります。
 包括委託の状況について質問をいたします。
 下水道局が二〇二二年度から五年契約で、性能発注の包括委託を落合水再生センターと清瀬水再生センターで導入して、二三年度は二年目になります。
 つまり、これまでの仕様書に基づく業務委託ではなく、要求水準さえ満たせばよいということで、やり方などは、民間の裁量で自由にやることができる委託になっています。
 まず伺いますが、包括委託されている事業の履行状況などの検証を、都は、いつ行っているのでしょうか。また、その結果はどういうものだったのか、具体的に伺います。

○新谷施設管理部長 包括委託を導入した令和四年四月から、落合水再生センター、清瀬水再生センターともに、年間を通して、放流水質や施設の健全度などの契約基準が遵守されていることを確認しておりまして、適切な運転管理が行われ、安定的に運営されてございます。

○福手委員 現場に常駐する局職員によって、委託契約での基準が遵守されているかを日報などで確認しているということをお聞きしています。そして、確認した結果は、適切に行われているという答弁でした。
 では、落合水再生センターと清瀬水再生センターの二三年度の状況を伺いますが、受託者の創意工夫の内容とその実現にかかった費用、創意工夫によって縮減したコストを伺います。

○新谷施設管理部長 受託者の創意工夫としまして、維持管理の高度化、効率化を図るため、水再生センター内を三百六十度カメラで撮影した画像を用いまして、机上でも現場の状況を確認できるツールを作成し、活用してございます。
 創意工夫を含めた包括委託の評価は、五年間の契約期間全体にわたる実施体制、運転管理業務、保全管理業務などの履行状況などを総合的に踏まえて行う予定でございます。
 包括委託における費用面の効果は、包括委託が終了した時点で検証いたします。

○福手委員 性能発注の包括委託をしたことで実現した受託者の創意工夫としては、センター内を三百六十度カメラで確認できるようになり、二三年度もそれを活用しているということでした。
 では、創意工夫によって削減した経費は何に生かされたのか、伺います。

○新谷施設管理部長 包括委託の評価は、五年間の契約期間全体にわたる実施体制、運転管理業務、保全管理業務等の履行状況などを総合的に踏まえて行う予定でございます。
 費用面の効果につきましても、その中で検証してまいります。

○福手委員 契約期間の五年間で評価をするということでした。つまり、二三年度の決算では、途中経過はどうなのかを確認することはできないということです。
 では、お聞きしますが、落合水再生センターと清瀬水再生センター、それぞれ配置している社員数を正規、非正規別で伺います。前年度との比較も併せて伺います。

○新谷施設管理部長 令和五年度の社員数は、落合水再生センターは四十二人で増減なし、清瀬水再生センターは八十七人で十一人増員と報告を受けております。
 なお、正規、非正規につきましては、報告を受けてはおりません。

○福手委員 落合水再生センターでは四十二人で減っていない、清瀬水再生センターでは十一人増えて八十七人になったという答弁がありましたが、私が伺った正規か非正規かというところは分からないということでした。
 結局、創意工夫にどれくらい費用がかかったのか、効率化によってどれくらいコストが削減したのか、その結果、そこで働く労働者がどういう労働条件になっているかということなど、決算でも分からないということです。
 しかも、答弁を聞いていますと、実際には、効果は五年間たたないと評価できない、そして、コスト削減したことによるしわ寄せが、最終的に働く人に行くかどうかも見えなくなってしまっています。
 また、包括外部監査でも余剰金がたまっていると指摘されていましたが、そのこと自体も公営企業の在り方として問題です。そもそも下水道事業は、公共の福祉を目的とした自治体本来の事業です。
 しかも、民間だから創意工夫できるといいますが、局直営であっても、創意工夫すれば、そのまま下水道事業に還元することができるということではないでしょうか。
 下水道事業を将来にわたって安定的に進めるためには、公的に責任を果たすべきだと考えます。改めて性能発注の包括委託を見直すことを求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○高倉委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時三十八分休憩

   午後二時五十五分開議

○高倉委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○中田委員 それでは、よろしくお願いいたします。
 これまで浸水対策について様々質疑が出てきましたので、あまりかぶらないところで質問をさせていただければと思います。
 令和四年三月に策定した下水道浸水対策計画二〇二二において、区部全域で時間七十五ミリ降雨に対することを目標とするとともに、これまでの五十七地区に加えて、新たに十地区を重点地区と選定し、合計六十七地区を重点地区として今、事業を推進しておりますが、この新たに追加した十地区の選定の考え方と令和五年度の進捗状況について伺います。

○萩原建設部長 下水道浸水対策計画二〇二二では、浸水実績に加え、流出解析シミュレーションを活用し、床上相当の浸水がまとまって発生する可能性がある地域を重点地区に選定しております。
 十地区全てにおきまして、令和五年度は、対策に必要な施設規模の検討など調査設計を進めてまいりました。

○中田委員 今、流出解析シミュレーションにおいて重点地区を選定したということで、七十五ミリに対するものというところで、今、時間百ミリを超えるような雨も降ってきていますので、その辺も、これだけの、下水道局の対策だけではないと思いますけれども、様々な対策を含めて、豪雨対策というのをしっかり進めていっていただければと思っております。
 この新しく、全部の六十七地区のうち、私の地元の渋谷区でも何か所か指定をされておりますが、そこに関しても、適宜対策をしっかり進めていっていただければと思っております。
 その中で、この豪雨対策、浸水対策については、施設整備に関するハードの対策に加えて、ソフトの対策を進めることも重要であると考えております。
 その中でも、やはり都民の皆さんが自ら、自分たちが住んでいる地域のハザードマップの確認とかを含めて、日々、自分たちがどういうところで暮らしていて、浸水の被害がどれくらい起こるのかというところも、適宜自分たちで確認するということもしていただくことが必要だと考えておりますが、下水道局として、都民の皆さんにどのようなPRを行っているのか、令和五年度の取組について伺います。

○新谷施設管理部長 下水道局では、浸水の危険性の理解や迅速な避難に役立てるよう、区市が作成します洪水ハザードマップの基となる流出解析シミュレーションを活用した浸水予想区域図を局のホームページなどで周知してございます。
 また、局が施設の運転管理に活用しております降雨情報を、東京アメッシュとしてリアルタイムで発信してございまして、スマートフォンなどで活用されてございます。
 さらに、毎年六月を浸水対策強化月間と定めまして、都民の皆様に浸水の備えをしていただくよう、区市などと連携いたしまして、土のうや止水板の準備のお願いや、半地下家屋にお住まいの方々への戸別訪問などを実施してございます。
 令和五年度につきましても、これらの取組を実施いたしました。

○中田委員 今、様々やっていただいていることをいっていただきましたけれども、ホームページなど、私も浸水予想地区の図などをいろいろ見ていると、本当にすごくいいことをやっているなというのを思いつつも、なかなか、多分、都民の皆さんがどこまでそれを、やっていることを知っているのか。東京アメッシュに関しても、やはりどれだけ都民の皆さんに知っていただくかというところで効果が出てくると思いますので、引き続きのPRというところに全力を努めていただければと思いますので、要望をさせていただきます。
 続いて、下水道局の地球温暖化対策について伺います。
 下水道局は、温室効果ガスの排出に関して、今、アースプランの策定をし、排出削減に取り組んでいると認識しておりますが、アースプラン二〇二三の目標と取組内容、そして、今の、現状の温室効果ガスの削減の達成状況について伺います。

○藤橋計画調整部長 アースプラン二〇二三では、温室効果ガス排出量を二〇三〇年度までに二〇〇〇年度比で五〇%以上削減する目標を掲げています。
 この目標の達成に向けて、省エネルギー型機器を導入するとともに、太陽光発電など再生可能エネルギーの活用や、新たに技術開発した先進技術の導入などの取組を推進しております。
 これらの取組により、令和五年度、二〇二三年度末時点で、二〇〇〇年度比で約二八%の温室効果ガス排出量を削減いたしました。

○中田委員 今、削減の状況を聞いておりますけれども、二〇三〇年カーボンハーフに向けて、あと、まだまだちょっと、取組がさらに必要になってくるのではないかなというようなところです。現状、二〇〇〇年度比で二八%の削減というところで、残りのその取組を積極的に行っていただければと思っています。
 昨年六月、我が会派として、森ヶ崎水再生センターで実証実験を行っているペロブスカイトの状況を視察させていただきました。こういった技術も、さらに実証実験を進めていただき、実用化、そして、前回見に行ったときは、まだ本当に一部の小っちゃい区域での実証実験だったと思いますので、積極的にこういうのも取り入れていただいて、今後のカーボンハーフ、そしてゼロエミッションへと向けて頑張っていただければと思いますけれども、令和五年度における水再生センターでのペロブスカイトの実証実験の状況と今後の太陽光発電の取組について伺います。

○家壽田技術開発担当部長 次世代型ソーラーセルにつきましては、環境局、開発企業と共同研究を行っており、令和五年五月に森ヶ崎水再生センターの水処理施設の覆蓋上部に設置し、発電状況や耐久性などの検証を開始しております。
 太陽光発電につきましては、アースプラン二〇二三において、施設の再構築や維持管理などに支障のない場所を活用して太陽光発電の導入を進め、二〇三〇年度までに約一万キロワットまで増強することとしております。

○中田委員 今、実証実験中ということで、今回、決算の委員会なので、これ以上は先は聞きませんけれども、積極的にこの取組を進めていただいて、もちろん、これだけでカーボンハーフ、ゼロエミッションというところは無理だと私は思っているので、様々な技術開発や、さらに技術発展などで、これに向けて取り組んでいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、水質規制について伺います。
 先日発表された循環のみち下水道賞において、下水道局の透析医療機関排水対策の取組が国土交通大臣賞を受賞していますが、受賞内容を見ると、この取組は、下水道の機能確保に向け、透析医療機関から排出される透析装置洗浄水の水質を法令の規制値以内に収めるため、下水道局が医療機関等に様々な指導を行い、対策を進めてきたというものでした。
 まず、そもそも、なぜ下水道の機能確保のために透析排水対策が必要なのか、お伺いをいたします。

○須賀施設管理担当部長 透析医療機関では、一般的に、透析装置の洗浄に酸性の薬剤を、また、透析装置の消毒にアルカリ性の薬剤を使用しており、中和処理などの排水対策を講じないまま下水道に排除された場合、下水排除基準に違反するおそれがございます。
 さらに、酸性排水は、一般にコンクリートを腐食させる性質を持つことから、そのまま下水道に排除された場合は、コンクリート製の下水道施設を損傷する可能性がございます。

○中田委員 ありがとうございます。今、様々、対策を取らなければ下水道への損傷があるということが分かりました。
 その上で、令和五年度における透析医療機関への指導実績についてお伺いをします。

○須賀施設管理担当部長 令和五年度は、区部三百十九の透析医療機関を対象に、透析排水の水質に関する調査を実施し、下水排除基準を満たしていなかった透析医療機関に対して、基準遵守に向けた指導を行いました。
 さらに、透析医療に関する業界団体主催の委員会やワーキンググループに当局職員が参加し、法令上の規制の内容や排水対策の必要性等を透析医療機関に対して直接説明するなど、具体的な注意喚起を行いました。

○中田委員 今、様々な指導を行ってきたというところで、下水道は都民生活を下支えする重要なインフラですので、そういった損傷等が起こるような原因についてはしっかりと、これからも適宜指導等をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、繁華街における臭気対策について伺わせていただきます。
 私の地元の渋谷区にも、センター街をはじめとする様々な飲食店街などもありますけれども、やはりそこを通りかかると、下水臭のような臭いを感じることが多くあります。
 臭気の原因は様々ありますけれども、何が原因か、一概にいえることでもないですが、その中には、やはりビルピットに起因するものが多くあると聞いております。
 このビルピットに起因する臭気発生のメカニズムについてお伺いをいたします。

○須賀施設管理担当部長 一般に、ビルの地下にある厨房やトイレなどから排水された汚水を下水道に流すためには、一時的にビルの地下に汚水を貯留するビルピットが必要であり、当該ビルの所有者等が管理しております。
 このビルピットに汚水を長時間滞留させると、腐敗して硫化水素が発生いたします。この腐敗した汚水をポンプでくみ上げて下水道に排出する際に、道路上の雨水を下水道管に取り込む雨水ますなどから臭気が外部へ拡散されることがございます。

○中田委員 今の話を聞いていると、やっぱりビルオーナーや管理会社といったビルピットの管理責任者の自主的な管理が欠かせないとは思いますけれども、やはり臭気の発生のメカニズムが複雑であるところからも、行政の積極的な指導や啓発といったことも欠かせないと思っています。
 そうした中で、発生の原因に関する予防的、保全的な取組が欠かせないと思いますけれども、令和五年度における予防保全的なビルピット指導実績と内容について、私が住んでいる渋谷区の実績も含めてお伺いをさせていただきます。

○須賀施設管理担当部長 令和五年度、予防保全型の調査として、区部全体で七十七ビル、そのうち臭気発生が認められた四十一ビルに対して改善を要請いたしました。渋谷区内においては、そのうち二十ビルに対して改善を要請しております。
 改善要請に当たっては、当該ビルの所有者等に対し、臭気発生のメカニズムの説明を行った上で、ビルピット内の排水の腐敗が進む前に小まめに下水道に流すことなどにより、長時間、水を滞留させないなどの指導を行いました。

○中田委員 今、様々指導を行っていて対策を取っていただいているというところが分かりました。
 この問題については、やはり下水道局だけで対応できるというところでもないと思っております。様々な局が関連して、しっかりと連携を取っていただいて取り組んでいく必要があると思いますけれども、このビルピットの臭気対策について、各局との連携した取組についてお伺いをいたします。

○須賀施設管理担当部長 ビルピットの臭気発生が、ビルピットの構造や排水ポンプの運転管理に起因することが多いことから、建築基準法を所管する都市整備局、建築物における衛生的環境の確保に関する法律を所管する保健医療局、さらに、悪臭防止法を所管する環境局の関係四局でビルピット問題連絡協議会を設置しておりまして、各局が連携してビルピット排水対策に取り組んでおります。

○中田委員 今、各局で取組をやっていただいて、連絡協議会もつくっていっているというところで、引き続き対策を進めていただければと思います。
 なかなか、ビルオーナーは分かっていても、借りている店舗の方々などは知らず、また、まちを歩いている人も臭いなというところが、今、インバウンドも多く来ている中で、臭いまちというのはなかなか、東京としてこれから世界都市を目指していく中、今なっていく中で対策が必要だと思いますので、引き続き対策に取り組んでいただきたいということを要望させていただきまして、質問を終わります。

○田の上委員 ミライ会議の田の上いくこです。よろしくお願いいたします。
 初めに、令和五年度の下水道事業会計決算説明資料の中から、決算額に着目して伺います。
 令和五年度下水道事業会計決算では、下水道収益の決算額が三千六百二十三億六千五十七万二千六百二十二円、流域下水道事業収益は、決算額が三百三十億四千八百七十二万四千百七円で、どちらも前年度の決算額と同様の規模であります。
 支出では、排水設備費の予算額が十六億七千四百万円に対し、決算額は十三億五千百五十六万六千十五円で、執行率が八〇・七%となっていますが、その理由は何なのか、伺います。

○須賀施設管理担当部長 排水設備費では、主に、お客様の財産である排水設備の指導事務等に係る費用を計上してございます。
 執行率が八〇・七%となった理由でございますが、契約差金が発生したことなどによるものでございます。

○田の上委員 契約差金が理由ということで確認をいたしました。
 支出の営業外費用の雑支出の予算額が五億四千六百七十八万四千円に対し、決算額が十二億三千百二十四万千二百四十六円で、六億八千四百四十五万七千二百四十六円も多くなっており、前年度決算額の二億八千八百二十万七千四百五円の約四・三倍となっています。この理由を伺います。

○和田経理部長 雑支出の決算額が増えた主な理由は、過年度の消費税申告について修正申告を行ったことによる納付額や、民間事業者が開発事業等に伴い整備し、当局に引き継いだ下水道施設について、整備に係る経費が確定した後、過年度分の減価償却費を計上したことなどによるものです。

○田の上委員 過去何年かの消費税の修正申告の納付額であったりとか、時期がずれて経費が正式に確定することによる下水道施設の減価償却費などが理由ということであります。ご答弁を伺いますと、今年度以降も、このような同様の金額が継続するものではないと推測をいたします。
 次に、流域下水道事業における決算額について伺います。
 下水道局では、令和三年三月に東京都下水道事業経営計画二〇二一を策定し、老朽化施設の再構築、浸水対策、震災対策、合流式下水道の改善などの主要施策を進めています。
 市町村からの維持管理負担金収入の伸びが期待できない流域下水道事業は、さらに厳しい状況となっています。
 令和三年四月より、流域下水道事業における改良費の市町村負担の在り方について見直しがありました。改良費の市町村負担分について、これまでは流域下水道事業が黒字であったときに累積した利益余剰金から賄っていましたが、昨今、赤字が続き、利益剰余金の残高が減少し、本来の仕組みを導入することになりました。
 経営計画に基づいて取り組んでいることは認識をしておりますが、市町村の改良負担金による直接負担方式となり、各市町村の負担は増加をしています。
 都は、市町村での起債を想定しているのでしょうか。地方債は借金であり、将来にわたり負担を残すことになります。
 まず、改良負担金について確認をいたします。
 流域下水道の改良事業の費用については、下水道法に基づき、国費を除いた額を都と市町村とで原則二分の一ずつ負担することとしており、その市町村分を改良負担金としていると認識をしています。
 そこで、各市町村の負担金額の算出方法を伺います。

○池島管理部長 流域下水道におきましては、施設の長寿命化や機能、能力の向上などに資する改良事業に係る費用の市町村負担分を改良負担金として収入しており、各市町村の負担金額は、水再生センターへの流入水量の比率により案分し、算出しております。

○田の上委員 ご答弁いただきました。
 さらに、見直しを二段階に分けるとし、市町村維持管理負担金については、今後、市町村と見直しを継続的に検討するとしておりますが、これまでの検討経過について伺います。

○池島管理部長 これまでの経過でございますが、市町村の急激な負担増とならないように配慮し、まず令和三年度に改良負担金を導入し、次に維持管理負担金単価等の見直しの検討というように、段階的に進めてまいりました。
 維持管理負担金につきましては、維持管理収支の状況を踏まえ、市町村と情報共有を図りながら、単価等の見直しの検討を継続的に進めております。

○田の上委員 市町村の急激な負担増とならないように段階的に実施をしていることや、維持管理収支の状況を踏まえ、市町村と話し合いながら単価等の見直しの検討をしているということが分かりました。
 利益剰余金の残高推移について伺います。

○池島管理部長 流域下水道事業における利益剰余金残高でございますが、令和三年度末時点で約七十九億円、令和四年度末時点で約五十五億円、令和五年度末時点で約二十四億円でございます。

○田の上委員 昨年度末時点で約二十四億円ということでありました。利益剰余金の残高が減っているのは、維持管理収支の赤字で、剰余金で補填をしていることが原因であると考えます。
 そこで、維持管理収支の赤字が続いている理由と、収支の改善に向けた取組についてお伺いいたします。

○池島管理部長 流域下水道事業の維持管理収支につきましては、多摩地域の下水道普及率が九九%に達し、さらなる増収が期待できない中、労務単価や電気料金などの増大により支出が増加し、赤字基調となっております。
 引き続き、施設の更新に合わせた省エネルギー型機器の導入による電気料金削減などの経営努力に取り組むとともに、今後、利益剰余金の枯渇も見込まれることから、市町村と情報共有を図りながら、維持管理負担金単価等の見直しを継続的に検討してまいります。

○田の上委員 ただいまのやり取りで、流域下水道事業を取り巻く経営環境は厳しい状況であるということが分かりました。引き続き、市町村との情報共有を密に行っていただき、維持管理費の縮減などに努め、安定的な事業運営を図っていただきたい旨をお願いしておきます。
 次に、下水道事業の主要施策から、令和五年度の取組を中心に幾つか質問をいたします。
 初めに、浸水対策についてです。
 浸水実績と流出解析シミュレーションの活用などで六十七地区を重点地区として選定し、事業を推進とありますが、このなどというのは何でしょうか。ほかに選定基準があるのであれば教えてください。

○藤橋計画調整部長 重点地区は、浸水実績に加え、流出解析シミュレーションを活用し、床上相当の浸水がまとまって発生する可能性がある地域を選定していますが、流出解析シミュレーション技術が発展する以前に選定した、浸水被害の影響の大きい大規模な地下街のある地区が含まれております。

○田の上委員 流出解析シミュレーション技術が発展する以前に選定した地区が含まれているということでありました。
 江戸川区では、六十七番目に記載のある江戸川区中央が増強施設の対応となっています。
 最近では、浸水被害もあまり耳にしなくなってはきましたが、江戸川区中央以外にも、西小松川町や松島、北葛西など、過去、浸水被害があった場所については、これまでどのような対策をしてきたのでしょうか。伺います。

○新谷施設管理部長 ご質問にございました三地区など浸水被害のありました地域では、速やかに現場の状況を確認するなど、必要な対応を行いました。
 なお、三地区の中で浸水被害の大きかった北葛西地区におきましては、バイパス管の設置などの対策を実施するとともに、区と連携いたしまして、道路雨水ますの増設やグレーチング蓋への取替えなどを実施いたしました。

○田の上委員 私の地元の北葛西地区では、バイパス管の設置やグレーチング蓋への取替えをしていただいたということであります。その後は、浸水被害のお話も聞いていません。
 二〇二〇年の都知事と区長との意見交換で江戸川区が要望したポンプ所の耐水化について、区部下水道のポンプ所は八十一施設ありますが、うち江戸川区に六施設あります。
 江戸川区内では、津波対応はAP三・七四メートルで対策済みでありますが、高潮対策の潮位とされるA.P.プラス五・一メートルには対応していないポンプ所もあると認識しています。
 今後、高潮に対応した耐水化も実施してほしいと考えますが、耐水化の取組方針について伺います。

○藤橋計画調整部長 昨年十二月に改定した東京都豪雨対策基本方針におきまして、目標を超える降雨や複合災害等により水害が発生した場合においても、揚水機能などの下水機能を確保することとしておりまして、高潮、津波、外水氾濫、内水氾濫に対し、各施設における最も高い対策高さで耐水化を実施していくこととしています。
 このため、ご質問の江戸川区内では、A.P.プラス五・一メートルにも対応していくこととなっております。

○田の上委員 当初は津波対応が中心となっておりましたが、昨今の集中豪雨や複合災害などにも対応するということで、大変心強く思っております。今後も計画的に進めていただきたいと要望いたします。
 次に、震災対策についてでありますが、マンホール浮上抑制対策について質問をするつもりだったんですが、ここで達成率が四二%にとどまった原因を伺いたかったのですが、先ほど同様の質疑がございましたので、割愛をさせていただきます。
 指針の改定により対策箇所を精査する必要が生じたことや、区の地域防災計画の対象施設の見直しにより工事を発注できなかったというふうに聞いております。引き続き、達成に向けてご尽力をお願いいたします。
 次に、合流式下水道の改善についてです。
 貯留施設等の貯留量は、五か年の目標値二十五万立米、昨年度の目標値二十万立米を一〇〇%達成しています。
 江戸川区の合流式下水道の改善としての貯留施設の取組状況について伺います。

○杉山施設整備担当部長 江戸川区内につきましては、小松川ポンプ所において、平成八年度までに一万五千立方メートルの貯留施設を、また、葛西水再生センターにおいて、平成十九年度までに十五万六千三百立方メートルの貯留施設をそれぞれ整備いたしております。

○田の上委員 二か所で整備をしていただいたということです。規模も含めてお答えをいただきました。
 部分分流化については、再開発などの際に関係者の合意が取れた場合に実現するものと認識をしておりますが、過去五か年で部分分流化を導入した区域はあるのでしょうか。あれば、実例も含めて伺います。

○藤橋計画調整部長 目黒川や日本橋川の流域で、過去五年間に三地区の導入実績がございます。

○田の上委員 良好な水環境を創出する取組として、合流式下水道の改善は極めて重要な取組です。引き続き、川や海などへ放流される汚濁負荷量の削減に努めていただきたいと思います。
 良好な水環境を維持するためには、下水道管が健全に保たれ、流下機能や下水道機能が確保されていることが前提となります。下水道局では、堆積した土砂などを撤去する作業も行っていると認識しています。
 家庭からの排水による課題もあると考えますが、油による課題ではどのような作業が必要となるのでしょうか。それにかかる費用や労力も数値化できれば教えてください。

○新谷施設管理部長 下水道に油を流しますと、下水道管の中で冷えて固まることによりまして、詰まりや悪臭の原因となりますので、高圧洗浄車を使用しまして油を除去する作業を実施しております。
 令和五年度は、区部におきまして、油の除去作業を約二百か所で実施いたしまして、かかった費用は約一千八百万円でございました。

○田の上委員 昨年度は、約二百か所で油の除去作業を実施し、千八百万円ほどかかったとのことです。油を流せば固まってしまうということは容易に想像ができますが、都民がどれくらいその意識を持っているのか、懸念をするところであります。ここで普及啓発について質問をしようと思っておりましたが、同様の質疑がございましたので、割愛をさせていただきます。
 下水道局では、油を流さないための普及啓発で様々なPRをしていただいているものと認識をしております。今後は、他局ではありますが、連携を図り、身近な団体である町自治会などの掲示板や回覧板なども活用するなど、あらゆる方が目にするような工夫をしていただきたいと要望をいたしておきます。
 最後に、エネルギー、地球温暖化対策について、令和五年度の取組実績を含めてお伺いをいたします。
 下水の処理は、東京都内における年間電力使用量の約一%に当たる電力を消費するなど、多くのエネルギーを必要とします。これを補うためにも、再生可能エネルギーなどを積極的に導入、活用し、消費する電力を少しでも低減させることが重要であると考えます。
 下水道局では、以前より葛西水再生センターなどに太陽光パネルを設置し、施設や土地の広い面積を積極的に太陽光発電に生かしてきたと認識をしています。
 下水道局所有の施設で、太陽光発電設備の導入に向けて、令和五年度の取組実績について伺います。また、局全体でどのくらい導入できると考えているのでしょうか。伺います。

○藤橋計画調整部長 令和五年度には、砂町水再生センターでの太陽光発電の導入に向けた土質調査に着手するなど、取組を拡大いたしました。
 局全体での導入につきましては、令和五年度末までに約五千九百キロワットの設備を導入しておりまして、アースプラン二〇二三において、二〇三〇年度までに約一万キロワットまで増強することとしております。

○田の上委員 ご答弁いただきました。本来、一〇〇%自家発電が望ましいところではありますが、外部からのエネルギーの購入も含めて、一〇〇%再生可能エネルギーとすることを目標としてほしいと考えますが、二〇五〇年ゼロエミッションに向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。

○藤橋計画調整部長 二〇五〇年ゼロエミッションに向けては、再生可能エネルギーの活用を進めるとともに、省エネルギー型機器の導入や革新的技術の活用に向けた検討などの取組を進めてまいります。

○田の上委員 下水道局は電力使用の多いところですので、局単体で一〇〇%自家発電はなかなか難しいかもしれませんが、再生可能エネルギーの活用を進め、省エネ機器の活用もしていくということで、引き続き、ゼロエミッション達成に向けてご努力いただきたいと思います。
 以上、令和五年度の取組を中心に事業の進捗を確認できました。今後も、都民生活の根幹である下水道局には着実に各施策を推進してほしいということを申し上げて、質問を終わります。

○菅原委員 それでは質疑させていただきます。
 まずは、市町村下水道の強靱化の補助についてです。
 近年、大規模地震の発生や豪雨災害が頻発しており、激甚化、そして頻発化する災害への備えが急務となっています。
 多摩地域の下水道は、都が管理する流域下水道と市町村が管理する公共下水道が一体となって機能を発揮するというシステムでありまして、その強靱化には、都の取組だけではなくて市町村の取組も重要です。
 公共下水道を管理する多摩地域の市町村に対し、都は、令和五年度から市町村下水道の強靱化に資する補助を新たに実施しております。
 そこで、強靱化補助の目的と執行状況について伺います。

○井上技術部長 都は、市町村の強靱化に資する公共下水道の浸水、地震対策のレベルアップ、スピードアップを図るため、従来の補助率二・五%の補助制度に加えまして、令和五年度から、市町村が負担する費用の二分の一を補助する新たな制度を創設し、財政支援を実施しております。
 具体的には、国費対象事業におきまして本制度を活用した場合、国庫補助で二分の一を充当し、残る費用の半分を都が補助することで、市町村の負担は四分の一となります。
 強靱化補助制度の対象となります市町村の下水道事業の令和五年度の執行額は約四十二億円であり、このうち、国庫補助を除き、都の強靱化補助の執行額は約十億円であります。

○菅原委員 ありがとうございます。強靱化補助の執行状況については確認できました。
 そして、この強靱化補助の対象には地震対策というのがあります。今年の一月には能登半島地震が発生をし、能登半島の市町の下水道施設にも大きな被害が生じました。
 そこで、多摩市町村の地震対策のこれまでの取組の状況と強靱化補助の活用状況について伺います。

○井上技術部長 震災時におきましても下水道機能を確保するため、避難所など、発災後に人が集まる施設などへの対策が重要と認識しております。
 市町村の地震対策につきましては、二十七市町が下水道総合地震対策計画を策定し、計画に位置づけた避難所や災害拠点病院等から排水を受ける下水道管の耐震化などにつきまして、令和四年度末までに十六市町で対策が完了しております。
 令和五年度は、十一市町が事業継続中でありまして、強靱化補助を活用し、四市で対策を実施し、このうち一市で対策を完了いたしました。

○菅原委員 地震対策の取組状況も確認をさせていただきました。
 都内においても、高い確率での地震発生が予知されていることから、能登半島地震を踏まえると、一層の地震対策の強化が必要だと考えます。
 そこで、市町村の強靱化に向けた取組を進めるため、都としてどのように支援をしているのかを伺います。

○井上技術部長 能登半島地震では、施設の状況や地勢的な要因もありまして、下水道管の破損、抜け出しや液状化現象によるマンホールの浮上など、広範囲に被害が発生し、流下機能が失われている箇所もありました。
 そこで、下水道局では、今年二月に市町村下水道の強靱化に向けた勉強会を開催いたしまして、発災時の流下機能の確保に向け、強靱化補助の活用により下水道管の耐震化のスピードアップを促しました。
 また、能登半島地震の被害の実態や都の支援状況など地震対策の重要性を説明することで、市町村の対策を後押しするとともに、防災意識の醸成を図りました。

○菅原委員 ありがとうございます。
 令和五年度に創設をした浸水、地震対策に特化した制度ということでありますが、この補助率は二分の一です。
 市町村に主体的な取組を促すための制度になっておりますが、この補助制度を導入したことによって、市町村の対策は強化されたのか、具体的な効果について都の認識を伺います。

○井上技術部長 従来の補助制度の対象となる市町村の下水道事業の執行額は約百億円で推移しておりましたが、令和五年度は、新たな強靱化補助制度の執行額約四十二億円が加わったことで、補助制度の対象となる市町村の下水道事業の執行額は約百四十億円と増加いたしまして、下水道事業の拡大が見られます。
 新たな強靱化補助制度の創設が市町村の浸水、地震対策のレベルアップにつながるなど、補助制度の導入効果を認識しております。

○菅原委員 次に、流域下水道の省エネルギー対策について伺います。
 下水道局では、東京都内における年間電力使用量の一%に当たる電力を使用しています。
 特に水再生センターの水処理工程ではエネルギーが大量に消費されているということですが、エネルギーの大幅な削減に当たっては、最新の技術を活用することで、さらに環境負荷が低減できると聞いています。
 そこで、流域下水道の水処理過程における省エネルギーの対策について伺います。

○井上技術部長 水処理過程におきましては、生物反応槽に送風機で空気を送り、微生物の力で下水の汚れを分解しておりまして、送風のために多くの電力を使用しております。
 令和五年度は、水処理に必要な空気を水に溶けやすい小さな気泡にして送風量を少なくすることにより電気使用量を約二割削減できる微細気泡散気装置を北多摩二号水再生センターで導入するとともに、多摩川上流水再生センターなど二つのセンターで工事を推進いたしました。
 さらに、南多摩水再生センターでは、微細気泡散気装置の工事に合わせまして、下水の流入量や水質の変動等に応じてリアルタイムに送風量を制御できる、デジタル技術を活用した新たな送風量制御技術を導入する工事に着手いたしました。

○菅原委員 水処理工程における省エネルギーの取組、これも確認させていただきました。
 次に、汚泥処理について伺います。
 汚泥処理工程も、環境負荷が大変大きいと認識をしております。
 そこで、流域下水道の汚泥処理工程における省エネルギーの対策についても伺います。

○井上技術部長 汚泥処理工程につきましては、従来の焼却炉に比べて、電気や燃料使用量を大幅に削減できる省エネルギー型の焼却炉に加えまして、省エネルギー型の濃縮機や脱水機を導入するなどの取組を実施しております。
 令和五年度は、省エネルギー型焼却炉につきまして、北多摩二号水再生センターなど二つのセンターで二基を導入するとともに、浅川水再生センターで工事に着手いたしました。
 また、省エネルギー型の濃縮機や脱水機につきましては、清瀬水再生センターなど三つのセンターで十一台を導入するとともに、北多摩一号水再生センターで三台の工事を推進いたしました。

○菅原委員 汚泥処理工程における省エネルギーの取組も伺いました。私の地元である日野市の浅川水再生センターにおいても、焼却炉の工事に着手したとの答弁でございました。地元にも丁寧な連絡、告知をしていただいて感謝を申し上げます。
 環境負荷の少ない都市の実現に向けた省エネルギーの取組は重要と認識しています。引き続き、安全かつ着実に推進していただくことを要望して、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○高倉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。
 以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
   午後三時三十九分散会