委員長 | 柴崎 幹男君 |
副委員長 | 関野たかなり君 |
副委員長 | 尾崎あや子君 |
副委員長 | 高倉 良生君 |
もり 愛君 | |
関口健太郎君 | |
たかく則男君 | |
平田みつよし君 | |
保坂まさひろ君 | |
山加 朱美君 | |
あぜ上三和子君 |
欠席委員 なし
出席説明員交通局 | 局長 | 久我 英男君 |
次長 | 梅村 拓洋君 | |
総務部長 | 豊田 義博君 | |
職員部長 | 市川 雅明君 | |
資産運用部長 | 小林 弘史君 | |
電車部長 | 神永 貴志君 | |
自動車部長 | 櫻庭 裕志君 | |
車両電気部長 | 生越 啓史君 | |
建設工務部長 | 坂口 淳一君 | |
企画担当部長DX推進担当部長兼務 | 渡貫 貴浩君 | |
技術企画担当部長 | 一條 勝夫君 | |
安全管理担当部長 | 太田 純也君 | |
鉄軌道事業戦略担当部長 | 築田 直樹君 | |
バス事業経営改善担当部長 | 佐藤 和哉君 | |
技術調整担当部長 | 神田 隆司君 | |
技術管理担当部長 | 飯沼 健一君 |
本日の会議に付した事件
令和四年度東京都公営企業各会計決算の認定について
交通局関係
・令和四年度東京都交通事業会計決算(質疑)
・令和四年度東京都高速電車事業会計決算(質疑)
・令和四年度東京都電気事業会計決算(質疑)
○柴崎委員長 ただいまから令和四年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
初めに申し上げます。
本日から三日間にわたり、本分科会所管三局の決算に対する質疑を行ってまいりますが、質疑につきましては、令和四年度決算の審査から逸脱しないよう行っていただきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の決算に対する質疑を行います。
これより交通局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和四年度東京都交通事業会計決算、令和四年度東京都高速電車事業会計決算及び令和四年度東京都電気事業会計決算を一括議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○豊田総務部長 過日の分科会で要求のありました資料を、お手元の令和四年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
一ページをお開きいただきたいと存じます。都営地下鉄におけるホームからの転落事故件数の推移でございます。
ホームからの転落件数の推移につきまして、路線別の件数を過去五年間分記載してございます。
次に、二ページをご覧ください。事業別の正規職員の新規採用数と非常勤職員数の推移でございます。
正規職員の新規採用数の推移を、事業別に過去五年間分記載してございます。
次に、三ページをご覧ください。非常勤職員数の推移を、事業別に過去五年間分記載してございます。
次に、四ページをご覧ください。地下鉄事業におけるバリアフリー化した内容と令和四年度の費用及びホームドア設置の状況と令和四年度の取組実績でございます。
バリアフリー化につきましては、令和四年度に実施した内容ごとに整備駅数及び決算額を記載してございます。
ホームドアにつきましては、路線別の設置状況を過去五年間分及び令和四年度の取組実績を記載してございます。
次に、五ページをご覧ください。都営地下鉄駅の民間委託状況及び駅別職員配置数でございます。
令和四年度期首時点における都営地下鉄各駅の職員配置数を記載してございます。なお、駅名横の丸印は、業務を委託している駅を表しております。
次に、六ページをご覧ください。都営地下鉄ホームドア未整備駅の点状ブロックの整備状況でございます。
令和四年度末時点における整備状況を記載してございます。
次に、七ページをご覧ください。バス停の音声案内の設置箇所数及びシグナルエイドに対応している箇所数でございます。
令和四年度末時点における音声案内設置箇所数及びシグナルエイド対応箇所数について記載してございます。
次に、八ページをご覧ください。コミュニティバスの受託状況でございます。
令和四年度のコミュニティバスの受託状況について記載してございます。
次に、九ページをご覧ください。都営バス車両における低公害、低燃費車両の導入の推移でございます。
低公害、低燃費車両の導入の推移を過去五年間分記載してございます。
次に、一〇ページをご覧ください。都営地下鉄における痴漢等犯罪行為の通報件数、防犯カメラ映像の警察への提供件数及び警察との連携実績でございます。
痴漢等犯罪行為の通報件数、防犯カメラ映像の警察への提供件数及び警察との合同訓練の件数につきまして、過去五年間分記載してございます。
以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○柴崎委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○保坂委員 都民ファーストの会東京都議団の保坂です。よろしくお願いします。
交通局の令和四年度決算について、何点か質問をさせていただきたいと思います。
まず、高速電車事業会計から伺ってまいります。
都営地下鉄は、コロナ禍以降の乗客数の回復が都営交通の中で最も鈍く、局の経営計画二〇二二によりますと、令和四年度予算の各局要求及び予算原案が公表されました令和三年の十一月時点において、都営地下鉄の乗客数は、令和元年同月比で約三割程度の減少となっておりました。そのような厳しい状況の中で編成されたのが令和四年度の高速電車事業会計の予算であったと認識しています。
そこでまずは、高速電車事業会計の令和四年度決算の経常収支は、予算の見通しに対し、どのような結果となったのか、併せて、その原因についてを伺います。
○豊田総務部長 令和四年度の高速電車事業会計における消費税及び地方消費税込みの経常収支は、予算では二十億円の赤字に対し、二十五億円の黒字となりました。
主な要因として、収入の大宗を占める乗車料については、予算で見込んでいたとおり、コロナ禍前の八割程度の水準まで回復しました。一方、支出については、安全の確保に最大限配慮しつつ、設備の保守や修繕に係る費用について厳しく精査を行ったことなどにより、営業費用が予算に比べ四十五億円の減となりました。
○保坂委員 今、ご答弁がありました予算は、税込みで予算を計上するということで、予算の方に合わせていただきますと、決算値もそれに合わせますと、税込みで約四十五億円改善したとの答弁がありました。運賃収入はおおむね想定内である一方、経費の節減など、経営努力により収支改善を図ったことが確認できました。
コロナ禍を受けて、各事業者ともに様々な経営努力を払ったようでありますけれども、交通局においても、令和二年度以降、経費の節減や投資の抑制、こういったことによって、相当取り組まれたと伺っております。安全の確保や安定運行に関わることがあってはなりませんが、今後も可能な限り経営努力を継続され、令和五年度予算で見通しています黒字転換を、税抜きでも確実に達成されることを求めておきます。
交通局は、コロナ禍以降の厳しい経営状況を踏まえて、昨年十二月から都営交通の経営に関する有識者会議を開催しており、私も注目をしています。
今月六日にちょうど開催されました第五回目となる有識者会議では、地下鉄事業についても議論が交わされたようで、早速、(資料を示す)この資料に目を通しました。
それによりますと、平成二十五年度に約九千億円もあった長期債務残高を、十年で三千億超圧縮して財務状況が改善している一方で、コロナ禍以降は、残念なことに赤字に転落したこともあり、企業債残高が二百億円程度増加をしております。
また、平成十二年度に大江戸線の環状部約二十八キロに及ぶ区間を一斉開業しており、エレベーターやエスカレーター、空調機器など、相当規模の設備が一斉に更新時期を迎えるとの説明もありました。これらの更新に伴う資金需要が今後発生する点は注意が必要です。
このため、施設、設備の予防保全や経費の平準化の視点がとても重要になってきますが、交通局でも、この分野で様々な留意を払って経営しているものと推察します。例えば、交通局では以前からトンネルなどの構造物の長寿命化に取り組んで、補修費用の平準化を図っていると聞いています。
そこで、地下鉄構造物の長寿命化について、令和四年度の取組状況と今後の取組についてを伺います。
○坂口建設工務部長 地下鉄構造物につきましては、路線や区間ごとにトンネルの健全度を調査した上で、ひび割れ等からの漏水を遮断し、鉄筋コンクリートの劣化を防ぐ漏水対策や、将来、トンネルの劣化が進行した際に剥落の可能性がある劣化部を未然に除去し修復する剥落対策などの工事を実施いたしております。
令和四年度は、浅草線西馬込駅から五反田駅間、三田線日比谷駅から神保町駅間など三件の工事を完了させるとともに、新宿線におきましては、工法等の検討に向けた試験施工を行っております。また、浅草線東日本橋駅から押上駅間など二件の工事に着手しており、引き続き、計画的に長寿命化を図ってまいります。
○保坂委員 地下鉄構造物の点検には、現在、東京メトロと連携して、タブレット端末を活用し、データの収集や蓄積を効率化して、令和六年度から全線に拡大する計画と伺っています。
安全輸送基盤を支える大切なメンテナンスでありますので、交通局の現場の業務についてもDX化を着実に進めて、データをうまく活用しながら設備、施設を適切に保全するとともに、投資や経費の平準化も図っていくよう求めておきます。
また、鉄道におけるDXには、専門的な技術や知見を必要とすることは想像に難くありません。本件のように、ほかの事業者とも日頃から交流や連携を図る視点を持って事業運営をしていただくことを求めておきます。
続いて、都営地下鉄における輸送需要の回復や、それに関連した質問を何点かいたします。
先ほどの答弁においても、昨年度は、乗車料がコロナ禍前の八割程度の水準まで回復したという答弁がありました。昨今のテレワークやオンライン会議などの普及によって、鉄道やバスなどの公共交通の利用も変化が生じてきており、通勤通学などの定期券の利用については、相当減少しているものと思われます。
そこでまず、コロナ禍後の乗車人員の推移について、定期、定期外とでそれぞれ確認するとともに、それを踏まえた今後の取組についてを伺います。
○神永電車部長 都営地下鉄の乗車人員は、令和元年度と比較して、定期では、令和二年度に約二七%の減少となり、令和四年度におきましても約二五%の減少となっております。一方、定期外では、令和二年度に約四〇%の減少となったものの、令和四年度には約一四%の減少まで回復しております。
お客様の行動変容に伴い、定期利用者の減少など旅客需要の構造が大きく変化する中では、定期外の利用者の拡大に向けたサービス展開を図る必要があり、今後、さらなる定期外需要の創出に向け、旅行者向けの企画乗車券、Tokyo Subway Ticketの販路の拡大や観光施設とのタイアップなどの取組を展開してまいります。
○保坂委員 令和四年度において、定期は、コロナ禍前の令和元年度と比較して二五%の減少、定期外は、同じく一四%減少との答弁がありました。
通勤手当の支給をやめたり、従業員にサテライトオフィスやワークブースの利用を認めたりする企業もあるようですので、定期の利用率は、今後、大幅に増えることはないだろうというのは理解できます。実際に、私の友人、知人らも、コロナ後も週五日の通勤に戻ることはなく、例えば月、水、金とか火、木に出社が減っている、その分、テレワークが増えたという話も珍しくないほど聞いております。そういったことも状況は理解いたします。
その分、定期外の利用を促進していくことが、都営地下鉄の収益強化にとってますます重要になってきていると思います。都庁各局はもとより、沿線自治体、相互直通運転各社など様々な主体と連携しながら積極的に取り組んでいただくよう求めておきます。
さて、本年七月に、国土交通省から鉄道路線の令和四年度の混雑率が発表されております。都営地下鉄四線のラッシュ時間帯最混雑区間における混雑率は、大江戸線と三田線が一三五%で一番高く、新宿線が一三〇%、浅草線が一〇五%とのことであります。
三田線では、昨年度、六両編成から八両編成にする取組を進めていますので、その効果も期待したいところであります。
そこで、三田線において、令和四年度から一部編成を六両から八両編成化していますが、どの程度輸送力が増強されたのか、伺います。
○生越車両電気部長 都営三田線では、輸送力の増強を図るため、昨年九月までに、老朽化した十三編成を更新に合わせて八両編成化いたしました。
六両編成から八両編成になることにより、定員が一編成当たり八百六十二人から千百七十二人に増加しており、三六%の増加となっております。
○保坂委員 三六%、かなり大きな効果が期待できると思います。
私も、三田線の新型六五〇〇形、これが導入される際に、実際に視察をさせていただきました。二〇二二年度にはグッドデザイン賞も受賞されたということですので、随所に工夫が凝らされていて、とても良い車両だと思っております。令和四年度に乗客数が回復してきているという中にあって、輸送力の増強により、混雑緩和や車内の快適性の向上において効果が現れてきているものと思います。
加えて、三田線は、本年三月から東急電鉄の新横浜線との直通運転も開始しており、新横浜まで乗換えなしで行けるということになりました。
ネットワーク利便性の向上と八両編成化による輸送力増強の二つを同時に実現されたことは、私は大いに評価されてもいいと思っております。
三田線の新型車両には、都営地下鉄で初めて導入された車両情報システム、これが搭載されていると伺っておりますが、そのシステムが利用者の便益につながっているということを、都民や利用者らに広く知ってもらうことが重要です。
そこで、三田線の新型車両に搭載されている車両情報システムの概要と今後の活用並びに都民や利用者に向けたPRについて伺います。
○生越車両電気部長 車両情報収集システムにより、車両の異常時には、詳細な状況を運輸指令や保守の係員が迅速かつ正確に共有することで、復旧作業等をより円滑に実施することが可能となっており、収集した車両のデータを蓄積、分析し、部品交換周期の最適化などによる効果的な予防保全を目指してまいります。
また、PRにつきましては、これまで報道発表や鉄道専門誌への掲載などを通じて都民やお客様に本システムを紹介しており、今後も様々な機会を捉え、情報発信に努めてまいります。
○保坂委員 このシステムで復旧作業が円滑になって、今後は部品交換する周期の最適化を目指すという力強い答弁を今いただきました。ぜひそれを実現していただきたいと思いますし、そういった取組を都民や利用者に分かりやすく伝えることで、都営交通への安心感、そして信頼感を高めていっていただきたいと思います。
また、車両は、一度投入したら二十年以上使用を継続すると伺っています。コストとの見合いもあり、後でこういった新たなシステムを搭載することが難しいのかもしれません。しかし、今後、新たな車両を導入する際には、ほかの路線でも導入されることを求めておきます。
次に、インバウンド需要の回復についてお尋ねします。
私の地元台東区でも、上野や浅草など観光地は外国人の方々の姿が目立つようになってきております。また、地元の店舗関係者とも話をしましても、コロナ禍前と同程度までお客さんが戻ってきているという声も出てきております。この三年、大変厳しい状況が続きましたので、いささか安堵はしております。
都営地下鉄では、訪日外国人への案内のために、コンシェルジュの配置やツーリストインフォメーションセンターの設置をされておりましたが、これは私も推進をしてきましたが、外国人観光者にとっても利便性が高くて、大変喜ばれているのではないかと思っております。
上野御徒町駅のツーリストインフォメーションセンターについて、コロナ禍前と比べて、どのように利用状況が推移しているのか、そして外国人への対応も含めて伺います。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 上野御徒町駅におけるツーリストインフォメーションセンターの対応件数は、コロナ禍前の令和元年度は約二万四千件、うち外国人への対応は約五〇%でございました。令和二年度には、対応件数は約七千件、うち外国人への対応は約五%と大幅に落ち込みましたが、令和四年度には約一万四千件、うち外国人への対応は約三五%と増加してございます。
○保坂委員 コロナ禍前までにまだ及びませんが、かなり回復しているということが分かりました。
今、ツーリストインフォメーションセンターについて伺いましたが、都営交通には、ほかに都庁前駅の都営交通案内所と都電の三ノ輪橋おもいで館があります。また、今年度末には、新宿線市ヶ谷駅に都営交通のオリジナルショップも設置されると聞いています。これらの拠点を役割に応じて有効に活用され、訪日外国人への案内の充実はもとより、都営交通そのものの魅力や沿線の魅力を広く発信していただきたいと思います。
特に三ノ輪橋の停留場、おもいで館は、平成三十年十月二十一日にオープンしており、私も何度も訪れております。先日、五周年を無事に迎えました。私も、毎年発売を楽しみにしている都電カレンダーを先日購入させていただきました。
現在、都電では、沿線の四区と連携して、十月、今月一か月間、クイズラリーを実施されており、おもいで館はクイズのポイント設置場所にもなっていると伺っております。また、先週十九日から二十三日、本日までは、五周年を記念して、一日当たり五十セット限定で、昭和三十年から四十年代に撮影されたレトロな都電のポストカードも配布されております。
本日は、都電については質問しませんが、今後も、おもいで館をフル活用して都電の魅力を発信していただくことを求めておきます。
さて、次に、新交通事業、日暮里・舎人ライナーについて伺ってまいります。
先日の有識者会議でも日暮里・舎人ライナーが議題となっておりました。資料を拝見しますと、平成二十年の開業以来、平日の朝のラッシュ時間帯における混雑が大変な課題となっており、十二編成で開業した後に八編成を増備して、現在は二十編成になっていると説明がありました。
現在、交通局では、経営計画に基づいて、令和四年度から令和六年度までの三年間で、開業時に導入した合計十二編成の更新を進めていくとともに、ソフト対策として、我が会派も推進しているオフピーク通勤の促進、いわゆるスムーズビズにも取り組んでいると承知しております。
日暮里・舎人ライナーは、コロナ禍後であっても混雑率が高止まりしており、昨年度は一五五%とのことです。そうした中、今年の冬、昨年度です。今年の冬も、交通局はスムーズビズに取り組んできました。
そこで、日暮里・舎人ライナーにおいて、今年二月に実施されたスムーズビズの実施状況についてを伺います。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 令和四年度は、時差ビズキャンペーンといたしまして、二月の平日十九日間で実施し、ピーク時間帯を避けて利用したToKoPo会員にオフピークポイントを付与いたしました。
その結果、参加者は、令和三年度と比べ、一日平均で約二割増加いたしました。
また、参加者の一部を抽出して期間中の利用状況を分析したところ、期間前よりピーク時間帯の利用割合が約四%減少したことが確認できました。
○保坂委員 ピーク時間帯の利用割合が四%と、まだまだこれからだと思います。ポイントサービスを活用したオフピーク通勤の施策を継続的に実施されておりますが、乗客がラッシュ時間帯を避けるために、日々の生活のルーチンに組み込まれたその時間帯をあえて変更してもらうには、相当のインセンティブが働かないと、なかなかその行動を変容していただくことは難しいかと思います。実効性がある、こうした施策の実現には様々な制約もあるかと思いますが、他社の取組も参考にしながら、工夫を凝らした取組を検討するよう求めておきます。
最後に、電気事業会計について伺います。
まず、決算について伺いたいと思いますが、電気事業の収入合計を確認しますと、予算において十二億三千七百万円と見込んでいたのに対して、決算では約一割少ない約十一億二千万円でした。
そこで、令和四年度の電力収入は、予算で見込んでいた電力収入を下回っていますが、その原因についてをまず伺います。
○生越車両電気部長 交通局の水力発電は多摩川の流水を活用して行っており、発電に使用できる水量は、降雨等、気象状況による影響を受けるものでございます。
令和四年度は、多摩川上流部の降水量が平年と比べて一割程度少なかったことなどから、発電電力量が予算を下回ったものでございます。
○保坂委員 奥多摩地域の降水量に大きく影響を受けることは理解をしています。昨年度は、万一の電力逼迫に備えて、冬に予定していた白丸調整池のダムの大規模点検を今年度に延期したと聞いていましたので、想定よりも発電量が増える要素があったのかと思いますが、それを加えても、なお一割程度の減収ということが分かりました。
ただ、昨年夏の電力逼迫を契機として、都としてHTT、電力を減らす、つくる、ためるを推進している中、それを踏まえた対応をされたことは評価をしたいと思います。
さて、昨年度の分科会におきまして、令和三年度から五年度までの現在の売電契約について質問をさせていただきましたが、その際、水力発電による電気の環境価値に着目した、そうした契約を採用したという説明がありました。
契約に基づいた取組も、既に今年で三年を迎えています。そこで、令和三年度に公募型プロポーザルにて契約を締結した以降、再生可能エネルギーの普及拡大に向けて、これまでどのように取り組んできたのか、伺います。
○生越車両電気部長 水力発電所で発電した電気につきましては、令和三年度から、都内における再生可能エネルギーの普及拡大を図ることを評価に加えた公募型プロポーザルにより、売却先となる小売電気事業者を選定しております。
その結果、東京産水力発電由来の電気が、都内のRE一〇〇宣言企業や奥多摩町などの自治体で利用されております。また、都の率先行動の一環といたしまして、都営バスの全営業所において、この水力発電の電気を使用しております。
○保坂委員 再生可能エネルギーを創出するだけではなくて、様々な観点から普及拡大につなげていくことは、都が電気事業を経営する意義にも関わりますので、大変重要な取組と考えます。
また、今月十八日には、令和六年度から令和七年度までの電気の売却先、つまりは事業者の選定についての公募型プロポーザルを実施する旨の発表がありました。来年度からは、いよいよ都電も一〇〇%東京産水力発電で運行するようになります。再生可能エネルギーを都民に身近に感じていただく、とても良い取組と評価します。
さらには、先ほど都バスの営業所で電気を使用しているという答弁もありましたが、やがては都バスにおいてもEVバスが走る時代が訪れるときがやってくるかもしれません。電気でバスが走り、しかも、その電気が奥多摩の水力で発電した一〇〇%再生可能エネルギーであるということをPRできれば大変理想的だと思いますので、こちらも強く要望しておきます。
さて、先ほどは、三田線の新型車両に搭載されている新システムについて、都民や利用者にもっと知ってもらう努力を行うべきとの観点から質問をさせていただきました。都の水力発電の事業についても同じことがいえます。地下鉄やバスを運行している東京都交通局が多摩地域に発電所を保有していて、年間約三万世帯の消費量を超えるクリーンな電気をつくっていることを、多くの都民は、残念なことに知りません。
そこで、エネルギーの地産地消や交通局の水力発電について、広く都民に知ってもらうことが重要と考えておりますが、交通局の取組についてを伺います。
○生越車両電気部長 交通局では、再生可能エネルギーPR館、エコっと白丸を活用し、再生可能エネルギーの意義や水力発電の仕組みなどを分かりやすく紹介しております。
また、令和四年度には、白丸調整池ダム六十周年を記念した限定カードの配布のほか、交通局の電気事業について学べる親子向けのセミナーを開催するとともに、地産地消をPRするポスターを売電先の小売電気事業者と共同で作成し、都営地下鉄の駅構内等に掲出いたしました。
○保坂委員 昨年度は、白丸調整池ダムの六十周年記念とのことですが、今後も、都民へ積極的なPRを継続されることを求めておきます。
本日は、令和四年度決算を通じて、新技術を活用した安全の確保、混雑緩和などのサービス向上並びにメンテナンスコストの平準化、魅力発信による需要創出など、交通局が所管する事業について幅広く質問をさせていただきました。
三年以上続いたコロナもようやく落ち着いて、アフターコロナの時代に移りつつあります。これまではコロナに伴う経営へのダメージを理由にブレーキをかけられていた面があるかもしれませんが、これからはコロナを理由にすることはできません。
令和四年度の事業運営における実績や課題を十分に踏まえ、令和六年度の予算や局の次期経営計画の検討にも結びつけて、首都東京を支える交通機関として、今後もその役割をしっかりと果たされることを強く求めまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○山加委員 公決、交通局には、久しぶりに質疑をさせていただきます。
私、一期生のときに、当時、寺内局長でいらっしゃいましたが、あらゆる角度から見た交通局のバリアフリー、また、世界に胸を張って誇れる交通局として、ぜひバリアフリーを力強く推進してほしい、そんなことを強くお願いを申し上げました。
もうあれから二十二年がたつなと計算をいたしまして、今、皆さんがご自身の年から二十二年を引きますと、恐らく、生まれていない人はいないと思いますが、学生時代だったのかなと、そういう方もいらっしゃると思いますが、今日は、十三点、お伺いをさせていただきますので、久我局長の強い意を反映して、各担当部長の力強い答弁を求めるところでございます。
令和元年十二月、中国で最初の新型コロナ感染症が確認され、僅か数か月で全世界が人獣共通感染症、コロナウイルスのパンデミックとなりました。日本も例外ではなく、数年間に及び、コロナ禍の影響を強く受けたところであります。
日常生活も、このコロナ禍で大きな変化がありました。テレワーク、リモートワークといった、自宅や、職場以外で働くワークスタイルの定着など、特にこれは交通事業者にとっては、乗客数の大きな減少により厳しい経営環境が続いてきたと思います。
都営交通においても、様々、創意工夫を行いながら事業運営に取り組んできたものと思いますが、首都東京の公共交通の担い手として、どのような厳しい経営環境下においても、お客様の安全・安心を最優先に、着実に事業を進めていく必要があります。
本日は、こうした観点から質問をさせていただきます。
先日の事務事業説明では、交通局が所管する三会計の令和四年度決算は、電気事業会計を除き三年連続の赤字となり、引き続き厳しい経営状況が続くとのことでありました。
まず、令和四年度、確認の意味で、決算の概要について改めてお伺いいたします。
○豊田総務部長 令和四年度の交通局全体での決算は、基幹収益である乗車料収入が前年度に比べ百七十二億円増加した一方、経費については、電気料金や物価の高騰等により、前年度に比べ六十五億円増加いたしました。この結果、経常収支は、前年度に比べ百七億円改善したものの、二十一億円の赤字となりました。
乗車料収入がコロナ禍前の水準に比べ三百億円下回っていることに加え、経費の増加により厳しい経営環境にあるものと認識しております。
○山加委員 前年度に引き続き、令和四年度も大変厳しい状況であったことを確認いたしました。
乗車料収入がコロナ禍前の水準に比べて三百億円下回っているという大変厳しい状況の下で、持続可能な経営基盤を確立するためには、支出面で抑制を図る取組が一層重要であろうかと思います。
そこで、令和四年度に行った支出抑制の取組についてお伺いをいたします。
○豊田総務部長 予算編成段階から、安全の確保を前提に、設備の保守や修繕費用についても厳しく精査し、コロナ禍前に編成した令和二年度予算と比べ、経費を一三%、約百二十五億円削減いたしました。また、設備投資についても、庁舎改修を緊急性の高いものに限定するなど、事業全般にわたり幅広く見直しを行いました。
さらに、予算の執行段階においても、状況変化を踏まえながら、経費をきめ細かく精査するとともに、設備投資の実施時期を見直すなど、可能な限り支出の抑制に努めました。
○山加委員 今のご答弁で、まさに重箱の隅をつつくような、厳しく精査を行い、経費の削減に全力で取り組んでいることを確認いたしました。一方で、安全の確保にも十分な配慮を行っていると感じております。今後も、厳しい状況の中でも、収入の確保に引き続き努めるとともに、支出についても適切に対応することで、経営基盤の確立に向け、取り組んでほしいと願います。
さて、昨年、令和四年三月、福島県沖で発生した地震の影響により火力発電所が停止をいたしました。これを受けて、電力の供給力が不足をし、六月に入ってからは電力需給逼迫注意報が出されたことは記憶に新しいところであります。
交通局は、地下鉄などの運行電力などに、年間で約五億キロワットアワーもの電力を使用しています。一キロワットアワーが三十一円と想定すれば大変な数字でありますが、これまでも環境に配慮した事業運営を行ってきていると考えますが、昨年の電力需給逼迫における対応は予断を許さないものであったと思います。
そこで、地下鉄など多くの電力を使用する交通局が、電力の削減、創出に率先して取り組むことが重要だと考えますが、令和四年度の取組について伺います。
○一條技術企画担当部長 これまで駅の照明のLED化や太陽光発電設備の導入等を進めてまいりましたが、令和四年度は、お客様への影響を考慮しながら、地下鉄駅構内の照明の一部消灯や券売機の一部停止を行いました。
また、六月の電力需給逼迫注意報発令時には、券売機の停止範囲を拡大するなど取組を強化いたしました。
さらに、冬季においても電力逼迫が想定されていたため、予定していた水力発電用ダムの抜水点検を令和五年度に延期することで、一般家庭の使用量に換算して約一万一千世帯分に相当する電気を創出し、安定的な電力供給に貢献いたしました。
○山加委員 交通局が様々な創意工夫を行うことにより、省エネを率先して行ったことを確認いたしました。
また、今のご答弁にもありましたが、交通局は、多摩川の流水を活用した水力発電により電気事業を行っています。三か所の水力発電所で年間約一億キロワットアワーもの電力が都内に供給されていると認識をしております。
先ほどの答弁で、関係者の皆さんが事前に様々な調整を行い、点検時期を延期したことで、都民の皆様の冬の電力需給逼迫時への対応を適切に行っていただいたことを、改めて評価をさせていただきます。
次に、本年二月に策定された交通局浸水対策施設整備計画について伺います。
昨今、気候変動の影響により、毎年のように、国内において大規模な豪雨災害が発生をしております。本年も、梅雨前線の影響によって、北海道、東北地方、九州地方において河川が氾濫し、多くの被害が起きました。
我が党は、かねてより、激甚化する災害に対して対策を講じるべきだと主張してきたところでありますが、そこで、交通局浸水対策施設整備計画を策定した経緯について、改めてお伺いいたします。
○一條技術企画担当部長 これまで交通局では、東海豪雨規模の降雨を想定した都市型水害の対策を完了させるなど、浸水対策を進めてまいりました。
その後、近年の集中豪雨等の頻発、激甚化を受けて水防法が改正されたことに伴い、浸水予想区域図等について、浸水が想定される区域や深さが拡大するなど、順次見直しが行われました。また、国の中央防災会議で示された荒川氾濫時の被害想定では、地上の浸水のみならず、氾濫水が地下鉄のトンネル等を通じて都心部まで達することで被害が拡大する可能性も指摘されております。
こうした状況を踏まえまして、従来の都市型水害に加え、大規模水害による浸水被害についてもシミュレーションした上で対策を検討し、令和五年二月に東京都交通局浸水対策施設整備計画を策定いたしました。
○山加委員 計画策定に当たって、浸水被害のシミュレーションを実施したとのご答弁でありました。
今後は、大規模水害において想定されている被害の特徴を踏まえた施設の整備を行うことが何より重要であると思います。
そこで、計画に沿って、今後どのような施設整備を行うのか、今後の取組方針についてお伺いをいたします。
○一條技術企画担当部長 大規模水害では、トンネルや乗換駅などの接続部を通じて浸水が広範囲に拡大することから、駅出入口等の地上部での対策に加え、地下部で防水ゲートや防水扉の整備等の対策を実施し、浸水区域の拡大を防止してまいります。
実施に当たりましては、お客様への影響等を考慮しつつ、対策による効果が早期に発揮されるよう手順を定め、効率的に進めていくとともに、地下鉄ネットワーク全体の減災を図るため、他の鉄道事業者等と緊密に連携して対策を講じてまいります。
○山加委員 トンネル、乗換駅などの接続部での対策をしっかりと行うことで浸水区域の拡大を防止することができることはいうまでもありません。対策を着実に進めることで、早期に整備効果が現れることをご期待申し上げます。
次に、都営地下鉄におけるサービス向上の取組についてお伺いいたします。
都営地下鉄は、浅草線、三田線、新宿線、大江戸線の四路線で運行されており、昨年度は、一日平均で約二百二十万人もの多くの人に利用されております。
いうまでもありませんが、障害の有無にかかわらず、また、全ての世代、小さなお子様から高齢者まで、そして、海外から訪れる訪日外国人にとっても、誰もが快適で利用しやすい都営交通を実現するためには、ソフト、ハード両面から質の高いサービスの提供が重要であります。
まず、ソフト面の取組として、例えば、駅の乗換えで困っている方、障害のあるお客様に対する適切な声かけなど、私自身の体験からも、従前から、交通局は職員に対する教育が大変よく行き届いていると感じております。
そこで、都営地下鉄職員の接遇、サービス向上の取組について、まずお伺いをいたします。
○神永電車部長 都営地下鉄では、お客様が安心して移動できるよう、駅構内でお困りの方に対し、駅係員や乗務員が積極的に声かけを行っております。
また、駅係員等がおもてなしの心と安全な介助技術を身につけられるよう、サービス介助士の資格を順次取得させているほか、お客様への言葉遣いや目配りなどに関する接遇研修や、高齢者や障害者に係る疑似体験器具を用いた研修などを定期的に実施しております。
加えて、令和四年度は、ベビーカーと形状が類似しておりますが、機能が異なる子供用車椅子について、適切に対応することができるよう、研修を新たに実施いたしました。
○山加委員 先ほど、私の体験からと申し上げましたが、私はよく大江戸線を利用させていただいております。大江戸線から、例えば青山一丁目であったり、他線に乗り換えるときに、うまく切符が入らなかったり、大変まごついてしまうことがあるんですけれども、もう即座に職員さんが飛んできて、お困りですかと声をかけてくださって、本当に不安なときには安心をするものであります。
都内に住んでいる私もそうでありますから、県外から東京にお越しいただいて、やはり駅の改札口の在り方とか、自分が住んでいるところとは違うことがよくありますから、そういう方たちにとっては、不安はなおさらのことと思います。
大変研修が行き届いているなと常々感じておりましたので、改めて交通局の接遇研修、サービスの向上取組を伺ったところでございますが、納得をしております。引き続き、接遇面の充実に向けて、職員が一丸となって取組を進めていただきたいと思います。
次に、ヘルプマークの普及啓発の取組について伺います。
私は、今から十一年前、二〇一二年、都議会の予算特別委員会から、このヘルプマークの提案を行いました。(実物を示す)当時、ヘルプマークの提案とともに、野澤局長だったと思うんですが、三十八年ぶりに優先席を二倍にするという、大変力強い英断をともにいただきました。今、思い出したのですが、ちょっとそれました。
このヘルプマークの提案を行ったときに、所管局は福祉局なんですが、まず交通局の皆さんが、もう本当に頑張っていただき、恐らく福祉局は、当時、日本中に広がるということを想定していなかったと思います。
私が提案したのが二〇一二年、その五年後に、日本工業規格、JISの新しい日本の福祉マークに追加はされたわけですが、提案をしてすぐに全駅でポスターの掲示、そして車内での、電車のアナウンス、それから優先席の上にポスター掲示、各改札口では、私も別にチェックをしたわけではないのですが、幾つか、駅の改札口でヘルプマークいただけますかとお願いをしたことがありますが、どの駅も知らないという駅員さんは誰もいませんでした。見事に下まで徹底をされていたこの伝達、教育は、すばらしいなと思ったところであります。
そのおかげで日本中に広がり、現在は、四十七都道府県全ての区市町村で、そしてまた都道府県で、このヘルプマークが無料配布をされているところであります。
昨年、福祉局所管に、ちょっと駅でも、古くなったり、破けたりしているポスターがあるものですから、やはり常に新しいポスターを貼っていただきたい、そのためには、しっかりと現場に新しいポスターをお届けするようにということをお願いしたところでありますが、時々、エレベーターのところで、ヘルプマークのシールがちょっと剥がれているところなんかもありますが、私、お届けしようかななんて思っていることもあるんですけれども、ぜひ今後とも、しっかりと皆様方のお力添えをよろしくお願いをしたいと思います。
このヘルプマークは、外見から分からなくても、配慮や援助を必要としている方が身につけることで支援のニーズを周囲の方に知っていただくことを目的としています。交通局の皆さんのおかげだと、本当にいつも感謝を申し上げておりますので、これからもどうぞ力強い後押しをお願いしたいと思います。
というのは、まだヘルプマークの認知度が一〇〇%ではありません。お亡くなりになった、当時、このヘルプマークをしっかりと受け止めてくれた石原慎太郎東京都知事、また安倍総理もそうでしたが、このマークをつけている方が、これを周りの方の一〇〇%の認知がなければ、せっかくマークをつけていても安心して社会参加ができない、ですから、一〇〇%の認知度が必要であるということを常々おっしゃってくださっておりました。私も、もちろん提案者としてそう思うわけであります。
どうかこれからもヘルプマークのポスターの掲示、また配布、それから、最近はちょっと車内放送は少ないかなと感じておるのですけれども、誰もが不安を感じることなく安心して社会参加のできる真の共生社会の実現に向けて、引き続き、配慮の福祉マーク、ヘルプマークの普及啓発を進めていくことが重要と考えていますので、お願い申し上げます。
そこで、地下鉄でのヘルプマークの配布実績についてお伺いをいたします。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、関係局と協力し、平成二十四年度から大江戸線の各駅でヘルプマークの配布を始め、平成二十五年度には、当局が管理している百一駅全てに配布箇所を拡大しており、令和四年度の配布実績は約五万枚となっております。
また、お客様に広く周知を図るため、優先席の上部の窓や優先席近くのホームドアにヘルプマークをご案内するステッカーを貼るほか、駅構内や車内へのPRポスターの掲出、駅改札口のモニターを使ったPRなどを行っております。
○山加委員 これらの取組は、支援を必要とする人の社会参加を一層力強く後押しをするものであります。継続した取組を求めます。
さらに、バリアフリーの観点では、ハード面の取組として駅のホームドア整備を進めることは、ホームから線路への転落、進入してきた車両との接触事故を防ぐ上で有効であります。
都営地下鉄では、これまで三田線、新宿線、大江戸線の全駅でホームドアの整備が完了し、現在は、残る浅草線について整備を進めていると思います。
そこで、浅草線のホームドア整備の状況についてお伺いをいたします。
○神田技術調整担当部長 浅草線のホームドアについては、令和三年度までに泉岳寺、三田、大門、新橋、東銀座の五駅で整備いたしました。
令和四年度は、宝町、日本橋、人形町、東日本橋の四駅に整備するとともに、残る駅についても、ホーム補強やホームドア用の配線類の設置等の作業を進めており、本年十一月までに、当局が管理する全駅での整備を完了いたします。
また、京成電鉄との共同使用駅である押上駅についても、整備主体となる同社との調整を進め、来年二月には、都営地下鉄全駅で整備が完了する予定でございます。
○山加委員 ホームドアの設置は、お体の不自由なお客様、特に目の不自由な盲人のお客様が間違えてホームに転落するという、そんな悲しい事故が減ることにつながってまいります。
交通局の取組により、先ほどの資料の中でも、各五年間、平成三十年度から令和四年度まで、その件数が大きく、もうゼロということでありますから、評価をしたいと思います。誰もがより安心して安全に利用ができる都営地下鉄になりますので、当初は、たしか来年三月だったこの完了予定を、作業の効率化を図って前倒しをしたと思いますので、評価をしたいと思います。
それから、これまで都営地下鉄では、ホームからエレベーターを利用して移動可能な経路を、全駅で一つ以上確保していると思います。このルートを複数化することで、車椅子等の利用者にとって利便性が大変向上いたします。
また、ホーム上の段差、隙間の幅を小さくすることで、障害者だけではなく、小さなお子様、高齢者にとっても、また、つえや松葉づえを使用のお客様も、より安全に乗り降りができるようになると思います。
これらの取組、移動のバリアをなくし、安全かつスムーズな移動を実現するものであり、非常に重要であります。
そこで、都営地下鉄における駅のバリアフリー化、とりわけエレベーターによるバリアフリールートの複数化、ホームと車両の段差、隙間の縮小について、令和四年度の取組状況をお伺いいたします。
○飯沼技術管理担当部長 駅のバリアフリー化の充実に向け、令和四年度は、浅草線日本橋駅で再開発事業者との調整を行い、エレベーターの供用を開始するとともに、大江戸線光が丘駅など三駅で設計を完了させ、現在、工事を実施しております。
また、ホームと車両との段差、隙間対策につきましては、車椅子をご利用のお客様が駅員等の介助なしに車両に乗り降りしやすくするため、ホーム先端部のかさ上げや、くし状ゴムの設置を進めております。
令和四年度は、三田線三田駅から日比谷駅までの工事を完了しており、今年度は、大手町駅から西巣鴨駅までの工事を完了する予定でございます。
○山加委員 次に、都営交通では、車両のバリアフリーの観点から、車椅子やベビーカーを利用する方に配慮して車内にフリースペースを設けるなど、人に優しい車両というコンセプトで車両の更新を進めていらっしゃいますが、このことは誰もが利用しやすい都営交通の実現に資するもので重要であります。
そこで、人に優しい地下鉄車両の導入状況についてお伺いをいたします。
○神田技術調整担当部長 車両の更新に当たっては、各車両へのフリースペースの設置、低いつり手や荷棚の採用、優先席への縦手すりの追加、多言語対応の車内液晶モニターによる分かりやすい案内表示など、ユニバーサルデザインの考え方に基づいた人に優しい車両を導入することとしております。
令和四年度は、三田線で十三編成、新宿線で四編成、大江戸線で二編成導入し、運行を開始いたしました。
○山加委員 これまで、ソフト、ハードの両面から都営地下鉄の取組を確認させていただきました。これらの取組は、障害のある方だけではなく、配慮を必要としている方々にとって、社会参加の力強い、そして大きな後押しとなります。ひいては共生社会の実現にも資するものであり、引き続き計画的に取組を進めていただくことをお願い申し上げます。
次に、環境に配慮したバス車両についてお伺いをいたします。
都内の二酸化炭素排出量の二割が運輸部門から、そのうち八割は自動車に起因しており、自動車の脱炭素化は、バスを運行する都営交通にとっても重要な課題であります。
これまで交通局は、燃料電池バスの導入を先導的に進めていますが、令和四年度に新たに二両導入し、現在、全国のバス事業者の最多七十三両を運用されています。今後は、令和六年度までに八十両まで拡大する計画であると伺っておりますが、さらに導入拡大に向け、我が党はかねてより、バス営業所内の水素ステーション整備が不可欠であると主張してきたところであります。
そこで、燃料電池バスの導入拡大に向けた取組についてお伺いをいたします。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 燃料電池バスのさらなる導入拡大には、営業所内への水素ステーション整備が効果的であることから、令和四年度は、営業所の敷地の形状等を踏まえた整備可能性や整備運営手法等について調査検討を行うとともに、補助制度に関する国や関係局等との調整を重ねました。
これを踏まえ、有明営業所に国内初となるバス営業所内水素ステーションを整備することとし、本年九月には整備運営事業者を公募により選定したところでございます。
○山加委員 有明営業所内の水素ステーションの運用は、令和七年四月には開始される予定と伺っております。営業所の敷地内に新たな施設を設置することになりますが、水素を充填する際の動線など、実際の運用面でぜひ支障が生じないよう、公募事業者とも十分に調整をして準備を進めていただきたいと思います。
次に、事故の再発防止に向けた取組をお伺いいたします。
令和三年十月、千葉県北西部を震源とした地震により発生した日暮里・舎人ライナーの脱輪事故は、復旧まで多くの時間を要し、多くの利用者に影響を及ぼすこととなりました。今後もこのような事故が起きないよう実効性のある対策を講じることが何より重要であることはいうまでもありません。
そこで、令和三年度に発生した日暮里・舎人ライナーの脱輪事故を踏まえ、どのような対策を講じたか、取組をお伺いいたします。
○太田安全管理担当部長 脱輪事故を踏まえ、局独自の減災対策として、緊急地震速報を受信した際に、指令所の職員が手動で行っていた列車停止の操作につきまして、自動停止する機能を令和三年度中に追加するとともに、走行路から脱輪した場合の衝撃を緩和するため、分岐部の段差を解消する工事を令和四年度に完了いたしました。
また、本年二月の運輸安全委員会からの勧告を受けまして、速やかに乗客の避難誘導の手順を整理して異常時対応マニュアルを改定し、本年三月には、改定した内容に基づく訓練を実施いたしました。
あわせて、事故現場付近の施設におきまして、地震の影響による脱輪を防止するため、鉄道の専門的知見を有する第三者機関を活用し、構造物の施設管理者である建設局と連携して対策の検討を進めております。
○山加委員 ありがとうございます。ハード、ソフト両面からの対応を行っていることが分かりましたが、一方で、本年四月にもライナーの輸送障害が連続して生じているところであり、再びこのような事故が起こることのないように、しっかりと取り組んでいただきたいと願います。
最後に、私の地元である練馬区の悲願であります大江戸線の延伸についてお伺いをさせていただきます。
私は、二〇〇一年、都議会に初当選をいたしました。最初に受けた陳情が、地元の皆様が都庁にお越しになって、鉄道空白地域の土支田、大泉方面の地主の皆さんでした。かなりの高齢になっていらっしゃって、自分たちが生きている間に、どうか、土地はもう幾らでも提供するから大江戸線の延長を実現してほしい、それが悲願でございました。もうあれから二十二年、長い年月が過ぎてしまいました。当時陳情にお越しになられた大半の方が、残念ながら、今、天国からこの延伸を望んで、また見守ってくださっております。
昨年度、そんな中、都が初めて主要事業として調査経費を計上し、延伸の検討に向けて本腰を入れて取り組む姿勢を示したことは、かねてから延伸について早期実現を要望してきた我が党としても評価をしています。
そこで、大江戸線の延伸に関する令和四年度の調査検討状況について、改めてお伺いをいたします。
○一條技術企画担当部長 大江戸線の延伸の事業化に当たりましては、将来的な旅客需要の見通しや事業の収支採算性の確保等について十分に見定める必要があり、これまでも、練馬区など関係機関と連携しながら調査検討を進めてまいりました。
令和四年度は、将来の旅客需要について、新型コロナウイルス感染症に伴うお客様の行動変容も踏まえながら調査を行いました。
また、令和五年三月には、関係局で構成するプロジェクトチームを立ち上げ、課題解決の方向性などについて検討していくことを確認いたしました。
今後とも、関係局や練馬区と連携を図り、課題解決に向けて取り組んでまいります。
○山加委員 庁内に新たにプロジェクトチームを立ち上げ、課題解決に向けて前進している状況が確認をできました。将来の旅客需要や収支採算性に関する調査検討をこれからも進めていっていただけることと思いますが、大江戸線延伸の実現により、区北西部の鉄道空白地域の改善、都心への移動時間の大幅な短縮、地域の活性化など多くの効果が見込まれ、地元から期待の声も大きいところであります。様々な課題もあることは承知をしておりますが、ぜひとも練馬区と密に連携をしていただいて、全力で検討を進めることを改めて要望させていただきます。
今年の五月からコロナ感染症が五類に移行し、都内のにぎわいが戻ってまいりました。私の地元でも、これまで中止、縮小が続いてきた秋のお祭りなど、地区祭も再開をされております。
また、先週十八日、日本政府観光局から、本年九月の訪日外客数の推計値が発表されました。コロナ前の実績に迫る勢いでインバウンドが急回復している状況が、統計上からも明らかになっております。
このように、経営面からは先行きが明るい見通しもありますが、一方で、これまで三年間にわたって赤字が続いてきたこともあり、引き続き、収入の確保、経費の削減などを続けていくことが重要であります。
このような状況下ではありますが、今後とも、お客様にとって質の高いサービスを提供し、快適で誰もが不安なく利用しやすい、そして、毎回申し上げておりますが、世界一と胸を張っていい切れるような都営交通の実現に向けて、ぜひとも全職員が今まで以上に一丸となって取組を進めていただくことを要望し、質疑を終わります。ありがとうございました。
○たかく委員 それでは、私の方から順次質問させていただきます。
最初に、交通事業会計の決算について伺います。
交通事業会計は、都営バスを運行する自動車運送事業、東京さくらトラムを運行する軌道事業、日暮里・舎人ライナーを運行する新交通事業及び懸垂電車事業の四つの事業の収支であります。
この四つの事業では、一日当たり約七十万人の利用者で、東京の都市活動や都民生活に欠かせない公共交通機関として重要な役割を担っております。
令和四年度経常収支決算では約十八億三千一百万円の赤字。新型コロナウイルス感染症の影響により減少した乗車人員は、一部回復の兆しはあるものの、依然としてコロナ禍の前の水準を下回っており、引き続き厳しい経営状況が続くものと考えられます。
令和四年度の交通事業会計の当年度末累積欠損額は三百三十二億円となっておりますが、今後、この欠損金の縮減に向け、どのような経営努力を行っていくご予定か、伺います。
○渡貫企画担当部長DX推進担当部長兼務 自動車運送事業、軌道事業、新交通事業は、いずれも厳しい経営状況が続くものと見込んでございまして、中長期的に安定した事業運営を行えるよう、引き続き経営改善を進める必要があると認識しております。
このため、一層の経費節減に努めるとともに、沿線地域等と連携した旅客需要の創出や資産の有効活用などにより収益力の強化に取り組むなど、様々な観点から収支の改善を図ってまいります。
○たかく委員 今、答弁にありましたように、経費削減に努めるとともに、旅客需要の創出や資産の有効活用等、収益力の強化に取り組み、収支改善を図るように求めて、次に高速電車事業会計の決算について伺います。
高速電車事業会計は都営地下鉄の収支です。
都営地下鉄は、一日約二百二十四万人に利用されており、東京の都市活動や都民生活には欠かせない公共交通機関であります。
収益的収入では、乗車料収入が一千百五十八億七千万円など、合計で一千三百八十億一千六百万円、それに対して支出は、人件費が三百六十四億四千六百万円など、合計で一千三百八十四億六千三百万円で、令和四年度の経常損益では四億四千八百万円の赤字となっております。
この令和四年度決算では、累積欠損額は二千百五十一億七千五百万円となっております。
高速電車事業会計では、乗車料収入が百三十五億円の増収となっておりますが、経常収支では四億四千八百万円の赤字でございます。
今後の人口減少社会、また、労働力人口の減少、コロナ禍以降の在宅勤務の定着などの環境下において、どのように今後収益を増やしていくのか、お聞きいたします。
○渡貫企画担当部長DX推進担当部長兼務 都営地下鉄の乗車人員は、コロナ禍に伴うお客様の行動変容の定着などにより、定期利用の回復が鈍い一方、定期外の利用につきましては、足元ではコロナ禍前に近い水準まで回復してございます。
また、今後の人口減少社会の到来等により、長期的にも公共交通機関の乗客数が大きく増加することは期待できない中、定期外の利用促進や関連事業の強化が重要と考えてございます。
このため、外国人向け企画乗車券の販路拡大や民間企業等と連携したイベントの実施などにより旅客需要の創出を図るとともに、不動産の利活用やニーズの変化を的確に捉えた広告事業や構内営業の展開により収益力の強化を図ってまいります。
○たかく委員 現在、新型コロナウイルス感染症の影響で減少した乗車人員は、依然としてコロナ禍前の水準を下回っている状況であります。また、昨今の電気料金の高騰などにより、これからも厳しい経営状況が続くものと懸念されます。そういった中で、今お話がありましたように、イベントの実施であるとか、また新たな需要の創出、また不動産の有効活用、広告事業、そういったことで、さらなる収益力の向上に努めていただきたいと思います。
持続可能な経営基盤の確立に向けては、収益を増やしていくことと併せて、負債を減らしていくことが重要と考えます。
令和四年度の高速電車事業会計の長期債務は五千八百六十億円となっておりますが、地下鉄事業の長期債務の縮減に向けたこれまでの取組と今後の削減に向けた取組について伺います。
○豊田総務部長 地下鉄の建設や改良工事には多額の資金を必要といたしますが、これまで、将来負担を考慮しながら適切に企業債を活用するとともに、長期債務の縮減に努めてまいりました。
具体的には、近年、企業債の発行を抑制することなどにより、長期債務残高は、大江戸線環状部が開業した平成十二年度の一兆五千八百九十億円から、令和四年度には五千八百六十億円と、約六三%、一兆三十億円縮減しました。
今後とも、企業債の発行を適切に行いつつ、大江戸線環状部の建設費をはじめ、残る債務の償還を着実に進めることで、長期債務の縮減を図ってまいります。
○たかく委員 地下鉄の建設や改良工事には、やはり多額な資金がかかるということで、そのためには企業債の発行というのが必然でありましたが、今までこういった企業債の発行を抑制することなどで長期債務の縮減を図り、平成十二年度の一兆五千八百九十億円から、令和四年度には六三%縮減してきたことについては評価いたします。
今後、企業債の適切な発行と、そして着実な長期債務の償還で長期債務の縮減を図ることを求めて、次の質問に移ります。
次は、浸水対策の強化について伺います。
交通局では、安全・安心の確保に向け、二〇一三年には東海豪雨規模の降雨を想定した地下鉄の都市型水害の対策を完了させるなど、今まで浸水対策を着実に進めてきたとのことであります。
また、東京都が二〇二二年に策定したTOKYO強靱化プロジェクトにおいては、激甚化する風水害から都民を守る上で、地下鉄の浸水対策をリーディング事業として位置づけ、浸水に伴う被害拡大防止を着実に推進していくとのことであります。
近年の集中豪雨等の異常気象に伴い、災害が頻発、激甚化するなど、気象災害におけるリスクは非常に高まっており、台風などの大規模な水害に備えて浸水対策の強化が必要と考えます。
そこで、都営地下鉄の浸水対策について、令和四年度の実績と、また、今後の取組について伺います。
○坂口建設工務部長 交通局では、水防法改正により浸水想定区域等が見直されたことを受け、令和二年度から、駅出入口の止水板の高さの見直しなどに取り組んでおります。
昨年度は、浅草線大門駅などの駅出入口における対策工事を六か所、浅草線の通風口への止水壁設置を六か所実施いたしました。
また、都市型水害に加え、荒川氾濫や高潮といった大規模水害による浸水被害につきましても、シミュレーションをした上、対策を検討し、施設整備の方向性や具体的な整備手法、手順を取りまとめた東京都交通局浸水対策施設整備計画を令和五年二月に作成いたしました。
本計画に基づき、引き続き、駅出入口等の地上対策を実施するとともに、地下部を通じた浸水区域の拡大防止に向け、防水ゲートの整備などの地下対策にも取り組んでまいります。
○たかく委員 今、お話がありました東京都交通局浸水対策施設整備計画においては、都市型水害については二〇三〇年代半ばの対策完了、大規模水害については、荒川氾濫は二〇四〇年頃、高潮は二〇四〇年代半ばの対策完了を目指し、施設整備を着実に進めていくとされております。この計画をしっかりと実施していくことを求めて、次の質問に移ります。
次に、都営バスの停留所の上屋とベンチの設置について何点か伺います。
今年の夏、三十五度を超える猛暑日が連日のように続いておりました。そのような中で、高齢者やお子さんが四十度近い気温の中で上屋もないバス停で待つことは、非常に危険な状況であり、一刻も早いバス停の上屋とベンチの整備が求められております。
そこで、そもそも都営バスの停留所は、今、何か所あるのか、また、令和四年度の上屋及びベンチの設置数、そして、令和四年度末の上屋とベンチの設置数について伺います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 交通局では、お客様がバスをお待ちいただく際の快適性の向上を図るため、停留所への上屋やベンチの整備を進めており、令和四年度は、上屋三十一棟、ベンチ三十六基を整備いたしました。
令和四年度末時点で、停留所総数は三千八百三十一か所で、うち上屋は千五百八十九棟、ベンチは千百五十九基を設置しております。
○たかく委員 今のお話ですと、停留所総数が三千八百三十一か所の中で、上屋は一千五百八十九棟、ベンチは一千百五十九基設置ということですが、まだまだ、これからさらにさらに進めていく必要があると考えます。
さて、都議会公明党の推進によって、広告収入により、ゼロ予算で費用をかけずにバスの停留所に上屋やベンチを設置する、こういった取組が進められてきました。広告収入を財源に維持管理される広告表示板と一体となった上屋付のバス停留所は、運用が開始されて以降、現在、都内の様々な場所で整備が実現しているとのことであります。
民間事業者が整備する、広告収入を財源とした上屋、ベンチ付のバス停について、都営バスにおける令和四年度までの整備実績と、その事業の課題について伺います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 交通局では、お客様の快適性の向上に向け、広告付上屋を自ら整備するほか、官民連携方式により事業協力者の負担で整備しており、この方式により、令和四年度末時点で累計百九十六棟を設置しております。
広告付上屋の設置には、歩道の幅員が確保されていること、共同溝など地下埋設物の支障がないことなど様々な条件があるほか、警察の許可や停留所付近の地権者等の同意を得る必要がございます。
今後とも、民間活力も活用しながら整備を進めてまいります。
○たかく委員 先ほど申し上げましたが、今年の猛暑の夏を考えると、バス停の上屋の整備、また、高齢社会への対応等では、上屋、ベンチの整備は必須と考えます。いろいろな課題がありますが、今後とも、さらなる民間活力を活用し、バス停留所に上屋、ベンチの整備を早急に推進していただきたいことを要望して、次の質問に移ります。
次は、質の高いサービスの提供、バリアフリールートについて伺います。
東京都経営計画二〇二二では、質の高いサービスの提供として、駅空間の質的向上を図ることとしておりますが、その取組の一つにバリアフリールートの充実があります。
そこで、バリアフリールートの充実について、令和四年度の実績について伺います。
○飯沼技術管理担当部長 都営地下鉄では、全駅でのワンルート整備後のさらなる取組として、乗換駅等でのエレベーター整備を進めるとともに、さらなる利便性向上を図るため、駅の構造や周辺状況等を踏まえながらバリアフリールートの複数化を進めております。
経営計画二〇二二では、令和六年度までの三か年で六駅にエレベーターを整備することとしており、令和四年度は、浅草線日本橋駅で再開発事業者との連携によりエレベーターを整備いたしました。
○たかく委員 ユニバーサルデザインの取組をより充実させるため、乗換駅などにおけるエレベーターの設置や、また、バリアフリールートの複数化に積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。
次に、これは、先ほど山加委員からも質問がありましたが、環境に配慮した燃料電池バス車両の導入について何点か伺います。
東京都は、世界の平均気温上昇を、よりリスクの低い一・五度Cに抑えることを追求し、二〇五〇年に世界のCO2排出量実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現に向け、ゼロエミッション東京戦略を策定いたしました。
ゼロエミッションビークル、いわゆるZEVの普及促進は、特に重点的に取り組む分野として戦略の柱の一つに位置づけられており、二〇五〇年に目指すべきビジョンと具体的な取組、ロードマップが示されております。
東京都交通局では、このゼロエミッション東京の実現に貢献するため、燃料電池バスを全国に先駆けて導入し、現在、国内バス事業者最大の七十三両を運用して、令和六年度までには八十両まで拡大すると聞いております。
それでは、最初に、このリース料などの燃料電池バスの導入コストについて伺います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 交通局では、燃料電池バスを購入したリース会社から、六年間のリース契約により車両を導入しております。
燃料電池バスは、一般のディーゼルバスと比べて極めて高額であることから、ディーゼルバスを上回る差額分につきましては、車両の購入者が国及び都から補助を受けており、現在、通常のディーゼルバスと同程度の価格で導入できる仕組みとなっております。
補助を踏まえた令和四年度のリース料は、七十三両分で約一億九千四百万円でございます。
○たかく委員 七十三両分で、リース料は一億九千万近くということで、一台平均にすると二百六十万円のリース料と、かなりな高額ではありますが、今の答弁では、現在、国及び都からの補助金があり、ディーゼルバス並みの価格で導入できているとのことは理解いたしました。
それで、燃料電池バスの導入拡大を進めるための課題について、次に伺います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 燃料電池バスの導入拡大には、安定的な水素の供給体制が不可欠であり、水素の充填に時間がかかることや、水素ステーションの定期点検時のバックアップが必要となることなどから、バスに充填できる十分な能力を持つ水素ステーションが営業所の近隣に複数整備されることが必要となります。
○たかく委員 今の答弁ですと、バスに充填できる十分な能力を持つ水素ステーションが営業所の近隣に整備される必要があるとのことであります。
それでは、水素ステーションを営業所内に整備するための課題について伺います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 営業所内における水素ステーション整備につきましては、大型設備のための十分なスペースが必要となることや、整備、運営に多額の費用や専門的な技術力等を要することなどの課題がございます。
○たかく委員 このゼロエミッション東京の実現に向けて、燃料電池バスの普及促進というのは重要な今後の取組と考えております。燃料電池バスの導入拡大に大きな障害となっているのが、この水素ステーションの整備であります。整備箇所の地域偏在をなくして整備されることが重要であり、都の関係局が連携して取り組んでいただくことを求めて、最後の質問に移ります。
最後に、都営地下鉄構内で障害者施設の物品販売の促進について伺いたいと思います。
事業所で働く障害のある方が、働くことの喜びや達成感を得ながら地域で自立した生活を送るためには、障害者施設での物品の販路拡大を進めていく、そして、工賃向上に取り組んでいくことが重要と考えます。
しかし、三年前からの新型コロナウイルス感染症の影響で、イベント等もなかなか開催できず、そこでの売上げが大幅に減少していた状況で、障害者施設は大変に厳しい経営状況にありました。
現在、コロナ感染症も二類から五類に移行し、私の地元世田谷区でも、ようやく障害者施設で作られたパンであるとか菓子などが区などで主催するイベント等で販売されるようにもなってきました。
都営地下鉄の駅構内でも障害者施設の物品販売を実施していると聞いておりますが、都営地下鉄における令和四年度の障害者施設の物品の販売状況についてお伺いいたします。
○小林資産運用部長 交通局では、障害者の自立と雇用を支援する観点から、沿線の自治体と連携し、駅構内において障害者が働く店舗の設置に取り組んできたところであります。
令和四年度は、都営地下鉄の大門駅、人形町駅、高島平駅、若松河田駅において、社会福祉法人等により四店舗が運営され、障害者施設それぞれで創意工夫を凝らして製造したパンや菓子、工芸品などを販売いたしました。
○たかく委員 今、四店舗で運営されているということでございます。
この都営地下鉄の駅は、多くの人が利用する空間であります。駅構内を利便性の高い空間として、さらなる収入の確保を図るとともに、障害のある方が自主物品を販売するスペースとして利用し、障害者の販路拡大、そして工賃アップ等につながるよう、交通局としても支援していかれることを要望して、私からの質問を終わらせていただきます。
○あぜ上委員 資料の作成、ありがとうございました。
私からも、二つのテーマで伺いたいと思います。
まず第一に、視覚障害者も安心して安全に利用できる都営交通を目指した都バスの事業の取組について伺います。
最初に伺いたいのですが、都バスにおいて、視覚障害者にとっての音声による案内の重要性、これについての交通局の認識をまず伺いたいと思います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 音声によるご案内につきましては、視覚に障害のあるお客様が都営バスをご利用になる際の一助となるものと考えております。
○あぜ上委員 今、一助というご答弁だったのですが、ぜひ視覚障害者の方々と同行して調査をしていただきたいなというふうに思いました。というのは、視覚障害者の方々にお話を伺ったり、また、私自身、一緒に行動したりしていますと、いかに音と、それから音声が重要な役割を果たしているのか、音を頼りに、まさに命を守り行動されている、そのことを実感しています。
やはり、一助というお話だったのですが、非常に重要な役割を果たしているという認識を持っていただくためにも、同行調査の実施、ぜひやっていただきたいなと、これは要望しておきます。
では、改めて伺いますが、バス事業においてどのような音声案内の取組をされているのか、伺います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 停留所でお待ちのお客様に対しまして、バスが到着した際に、乗務員が車外マイクにより行き先等をご案内するとともに、車内では、行き先や次の停留所の案内放送を行っております。
さらに、一部の停留所には、バスの行き先や接近状況のほか、停留所があることを音声でお知らせする装置が設置されております。
○あぜ上委員 視覚障害者の方々からは、まず、バス停を探すのが大変なんだ、そして、バス停が分かっても、幾つかの路線がある場合は、どのバスが自分の目的地に行くバスか分からない、バス乗車というのはハードルが高い、こういう声を伺いました。
ある視覚障害者の方は、最寄りの駅まで、歩くと三十分ぐらいかかるけれども、バス乗車がうまくいかなかった経験から、結構危険も伴うんだけれども、歩いて駅まで行くようにしているとおっしゃっていました。
視覚障害者の方も安心してバス利用ができるようにしなければならないと思います。そのためには、まず、バス停が分かるようにすることです。
視覚障害者の方々は、日常生活用具で給付されておりますシグナルエイドというのを持っていますが、このシグナルエイドに対応し、音声でバス停名を発声する音声案内機が重要だと思います。
いただいた資料によりますと、シグナルエイドに対応した音声案内機は、昨年度末時点で三十八か所。都バスのバス停は、先ほどもお話がありました三千八百三十一か所ということですから、一%の設置率ということになるわけです。大変少ない。昨年度に比べて、バス停は若干増えていますけれども、このシグナルエイド対応の音声機は増えていないんです。
現在、このシグナルエイドに対応した音声案内機は、区の負担による設置となっていますが、交通局としてはどのような関わりを、支援をしているのでしょうか。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 区がシグナルエイドに対応した音声誘導装置を設置する際には、上屋の柱など必要な場所を提供するとともに、現場調査における立会いや道路管理者との調整、電源の供用に向けた調整などの協力を行っております。
○あぜ上委員 協力はされているということであります。
それでは、音声案内機を設置するには、どのような課題があるのでしょうか。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 シグナルエイドに対応した音声誘導装置の設置につきましては、費用が高額となることに加え、上屋が装置の設置に適した形状であること、電源の確保が必要であることなど、様々な課題がございます。
○あぜ上委員 費用が高額ということなんですが、これは所管が違うんですが、今は福祉局の包括補助が二分の一出ております。一か所つけるのに、一番多く今設置されている江戸川区に伺ったところ、二〇二一年度でしたが、この実績では一か所八十八万円ということでした。都の補助は、その二分の一出るということであります。場所によっては、若干、工事も変わる可能性がありますが、経費はこういう状況なんですね。
電源の確保は、確かにできないところも今ありますが、ついているところも多くあるわけです。
交通局として、他局とも連携して設置することを検討したことはあるのでしょうか。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 交通局では、視覚障害者団体からの要望を受けた際には、必要に応じて、その内容を関係局に情報提供しております。
○あぜ上委員 情報提供をしているということですが、検討はされていない。情報提供そのものは大変重要だというふうに思うんですが、やはり、どうやったら増設できるのか検討すること、このことが今求められているんじゃないでしょうか。
先ほどお話しいたしました福祉局の包括補助では、調べてみますと、本当に区によって、この設置、活用は非常にアンバラがあるんですね。やはりこれは、都営バスのバリアフリーとして位置づけて整備する必要があるんじゃないでしょうか。やはり交通局がイニシアを取って、福祉局などとも連携して、交通局の政策としてやるべきだと考えます。ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。これは要望しておきます。
都バスとして、バス停に音声案内付バス接近表示があるところは、資料によりますと百八十九か所となっております。
この音声案内付バス接近表示装置、これを設置する基準というのはあるのでしょうか。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 音声案内付バス接近表示装置は、国の補助制度発足を受け、昭和五十年代後半に都市新バスシステムの一環として導入し、乗客数や乗り入れ系統数などを勘案しながら、平成十二年度にかけて順次設置していたものでございます。
〔委員長退席、関野副委員長着席〕
○あぜ上委員 音声案内付バス接近表示装置、これをつけていること自身は大事だと思います。
今のご答弁を聞きますと、平成十二年まで設置していたという完了形になっていたので、ということは、今後は設置の見通しはないという理解でいいのでしょうか。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 音声案内付バス接近表示装置は設置費用が高額でありまして、平成十五年度以降、音声案内機能を省略した簡易型バス接近表示装置の設置を進めております。
○あぜ上委員 ということでありますが、確かに、常時音を出すという、そういう接近表示、音声付の接近表示になると、限られた場所になってしまうだろうなというのは分かります。そういう点から考えても、やはり視覚障害者の方が日常生活用具として持っているシグナルエイドで、必要なときだけ音声を発してもらう。やっぱりこの音声案内機、シグナルエイド対応の音声案内機、これが非常に大事だということなんじゃないでしょうか。これをもっと増やして、視覚障害者の方が安心してバス利用できるようにしていただきたいというふうに思います。
また、バスの車外放送などについてなんですが、バス停への停車時には車外放送を流す、そういうふうになっていると聞いていますが、これを徹底すべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
そして、交通量の多い幹線道路の場合は、やはり音量を大きくするなどの配慮も必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○櫻庭自動車部長 都営バスでは、全ての停留所におきまして、乗車扉が開いている間、車両から系統名や行き先などの自動案内放送を繰り返し流しております。
交通量が多い幹線道路などでは、周囲の騒音で案内放送が聞こえにくい場合がございますことから、放送の音量を上げるとともに、発車する際には、車外マイク、車両の外に聞こえるマイクも活用しながら、ご乗車になるお客様がいらっしゃるかどうか、十分に確認することとしております。
〔関野副委員長退席、委員長着席〕
○あぜ上委員 私も、このたび、改めて視覚障害者の方々と一緒にバス停の調査をさせていただきましたが、車外放送が全く聞こえていない。流していたんだと思うんですが、全く聞き取れない。そういうバスがあったり、あと、運転手さんがアナウンスをする、そういう方もいらっしゃいましたが、マスクをしているので聞き取りにくい。
バス停にたくさんの人がいたのですが、いた方々は、それを聞いてじゃなくて、やっぱりバスの横にある行き先案内、これを見て乗車をされているというのが率直な印象でした。
視覚障害者の方々も一緒に聞いていたのですが、私より全然耳がいいのですけれども、聞こえないというようなお声もいただきました。
視覚障害を持つ方にとって、やはりバスがハードルが高いというふうに最初に私申し上げましたが、そういうふうにいわれたことが、私自身、やっぱり一緒に同行調査をする中で、よく理解できました。
また、音声案内付のバス接近表示の装置、この方ですけれども、バスが来たことをお知らせするチャイム、これは非常によく聞こえるんですけれども、交通量の多い幹線道路などでは、どのバスが来たのか、ほとんど聞こえませんでした。たまたま車の通行量が少ないときに聞こえたのですけれども、大体四回から五回に一回聞こえるかなというような状況でありました。行き先の案内の音量を上げる工夫なども、ぜひ要望したいと思います。
視覚に障害を持つ方も安心してバス利用できる対策を、財政的には、やはり一般会計から支出する、こういうやり方だって検討できると思います。現に、シグナルエイドに対応した音声案内機は区市町村補助を行っているわけですから、そうした補助制度の仕組みもつくれるのではないかと思います。
そして、音声案内機設置の地域格差、これを生まないためにも、しっかりと交通局の政策として位置づけていただくことを改めて求めて、次のテーマに移りたいと思います。
次のテーマは、昨年度導入されました女性専用車など、都営地下鉄におけます痴漢、盗撮対策についてです。
これは、私たち日本共産党都議団としても、痴漢、盗撮は性犯罪、性暴力であり、なくしていくことが重要な課題という認識の下、被害の実態や対策について、アンケート活動や聞き取り調査を行って、様々な提案をさせていただいてきました。
そして、最初に、痴漢などの被害に遭った年齢が十八歳以下だったという回答が、私どものアンケートでも七一・五%に及んでいたことや、被害に遭われた方の心に一生の傷を負わせるような事態になりかねない、こういった深刻な実態を明らかにして、とりわけ、やはり被害を受けた場所が電車の中が最も多かったということから、交通局に性暴力、性犯罪から守る取組の抜本強化を求めてまいりました。
そうした中、昨年度の一月十八日から大江戸線の女性専用車の導入がスタートしました。
私は、大江戸線の女性専用車がスタートした頃、四号車前のホームの様子を何度か見に言ってきました。駅係員、それから警備員の方が、女性専用車両が始まりました、四号車ですと声をかけていらっしゃって、本当に心強く、大変うれしく思って、そのお姿を拝見していました。これで、痴漢被害がトラウマになって電車に乗れなかったといった少女がいたのですけれども、そういう人たちも本当に安心して電車に乗れるようになるといいなと願っています。
そこでまず伺いますが、女性専用車の導入による意義と効果について、交通局の見解を伺います。
○神永電車部長 車内での痴漢等の性犯罪、迷惑行為の防止を図り、より安心して電車をご利用いただけるよう、女性専用車を運行しております。
○あぜ上委員 交通局は、ホームページで、Q&Aですね、きちんと、痴漢被害に遭われ精神的な苦痛を受け、社会参画に影響が出ることもあり、痴漢行為は決して許されないもので、より安心して電車を利用できるよう、大江戸線にも女性専用車を導入しましたと。そして、導入の意義もこうやって書いていましたし、強制力も帯びないことも書いていた。私は、とても大事なこのQ&Aのメッセージだなというふうに思いました。
導入のスタートが一月ですから、二〇二二年度の件数にどれぐらい影響が出ているのか、そもそも通報件数ですから、実際の件数とはかなり乖離があって難しいとは思うんですが、二〇二二年度の大江戸線の痴漢、盗撮被害通報件数、これは経年的に見て変化があったのかどうか、教えてください。
○神永電車部長 大江戸線における令和四年度の痴漢被害に関する警察への通報件数は十三件であり、過去二年と同程度でございます。
また、盗撮被害に関する令和四年度の通報件数は二十七件であり、過去二年と比べ増加しております。
○あぜ上委員 今のご答弁を伺って、やっぱり痴漢、盗撮等の対策が進んだことの効果検証は、コロナの影響で乗客数の変動もあったりしましたし、そういう点ではこれからなのかなというふうに思いましたが、やはりこの件数の把握の仕方の検討も含めて、今後も実態をしっかり把握していただいて、必要な対策を講じていただきたいと思います。
そういう点では、六月に交通局が取ったアンケート、大変重要なアンケートだったと思います。
この点は、後ほど触れたいと思うんですが、私たち都議団は、この間、三田線や浅草線にも女性専用車をということを要望してきました。それに対して、公営企業委員会の過去の質疑を見てみますと、交通局は、三田線や浅草線など他社の乗り入れがあるところでは、課題は共有しているとご答弁されています。
そこで伺いますが、女性専用車を三田線や浅草線で実施する上で、乗り入れている他社との共有している課題とはどのような課題なのか、伺います。
○神永電車部長 浅草線及び三田線における女性専用車の設定につきましては、事業者ごとに混雑する車両の位置が異なることに加え、急行、普通といった運行形態や一編成当たりの車両数が異なるなどの課題を共有しております。
○あぜ上委員 事業者ごとに混雑の車両の位置が異なることは分かりますが、新宿線では、そうした中でも、話し合って新宿線内のみで先頭の車両にしているという実態があるわけですね。
そして、現在、八両編成の三田線と相互乗り入れしている東急電鉄は八両編成の車両拡大していますし、また、東急東横線では、八両編成と十両編成と車両編成が異なってはいますけれども、一号車を女性専用車両にするなど工夫をされています。
浅草線と相互乗り入れをしています京浜急行電鉄、それから京成電鉄、これは、確かに車両数はいろいろ異なりますけれども、それぞれの路線で朝の時間帯に女性専用車両を導入しています。
昨年度末、ちょうど三月三十日でしたが、内閣府と国土交通省などが痴漢撲滅パッケージというのを発表いたしました。打ち出しました。そこでは、改めて女性専用車の導入が打ち出されたんですね。やっぱり、課題をどう解決するか、前向きな検討が必要だと思います。
痴漢撲滅パッケージの具体策の一つとして女性専用車が打ち出されて以降、交通局は、乗り入れの関係がある他社と、女性専用車について具体的にどのような話合いをしたのでしょうか。
○神永電車部長 各事業者とは、日頃から運行ダイヤの調整や車両の運用などのために様々な情報交換を行っており、この中で、浅草線、三田線における女性専用車の設定に関する課題を共有しております。
○あぜ上委員 つまり、私が知りたかったのは、この痴漢撲滅パッケージが出てから、改めて話合いをしたのかということだったのですが、今のご答弁を聞く限り、改めてこれについての話合いをしたということではないという理解でいいのかな。新たな発展が国の方でもあったわけですから、ぜひ話合いをしていただきたいと思います。
交通局が今年の六月に取った、さっき申し上げたアンケート、この結果を見ましても、やはり女性専用車が非常に大事な役割を担っていることが示されていました。早期の実施が求められています。ぜひ具体化を進めるための話合いを実施していただきたい。これは要望しておきます。
私は、痴漢に注意とか気をつけろとか、以前、そういったポスターがたくさんありましたけれども、こういうポスターに違和感を強く感じていました。そして、私たち都議団として、ポスターの内容は、被害者に注意を呼びかけるんじゃなくて加害者にやめさせる、痴漢は性犯罪、性暴力なんだということをみんなの共通認識にしていただく、そういうものに改善するよう求めてまいりました。
私も以前、奈良の経験なども聞き取りをしてきました。そういう中で、学生と作ることで担当者の方々の認識も発展したということを知ったのですけれども、交通局も、都内の学生と共同で作成するなど画期的な取組をされました。そうした中で、第三者に助けを促す視点での呼びかけポスターを作成されました。これは大変、交通局のご努力を評価しますし、大きな前進だというふうに思っています。
痴漢等の防止に向けた第三者に助けることを促す、そういった視点での呼びかけポスターを作成された経緯と、その効果について伺います。
○渡貫企画担当部長DX推進担当部長兼務 交通局では、痴漢等の防止に向け、より幅広い層への普及啓発を図るため、東京都立大学の学生との意見交換を重ね、痴漢を目撃した場合の対処方法を例示したポスターを作成し、掲出してございます。
この取組は、複数のメディアでも紹介され、普及啓発に一定の効果があったものと考えてございます。
○あぜ上委員 痴漢等は性暴力であり、性犯罪であり、人ごとにはしないということが大事という認識を広げたということは大変重要なことだと思います。
さらに、都立大学の学生の皆さんと懇談を重ねてポスター作成に取り組んでいただいたわけですけれども、これからも、ぜひそういった利用者、学生等の意見を聞きながら、一緒に作成することを要望しておきたいと思います。
昨年度の一月十一日から、受験シーズンに向けた痴漢撲滅キャンペーンも実施されたことは重要です。
受験シーズンに向けた痴漢撲滅キャンペーンの対策の方法と、その効果について伺います。
○神永電車部長 本年一月から三月に実施したキャンペーンでは、駅係員による巡回を強化するとともに、車内や駅構内放送、SNSでの情報発信、新たなポスターの掲出等により、集中的にお客様へ痴漢撲滅の呼びかけを行いました。
お客様からは、多くの女性や男性が安心するのではないかといった声などが寄せられております。
○あぜ上委員 特に受験生は、試験時間に間に合わなくなったら大変だからと、通報したくてもできないという、そういうせっぱ詰まった状況を悪用して痴漢行為が行われるんだということを聞いています。警察とも連携して、しっかり巡回をしていただきたいと思います。これも要望しておきます。
最後に、盗撮被害に遭われた方に対する対策の強化について伺います。
○神永電車部長 都営地下鉄では、駅構内や車内で盗撮被害の訴えがあった場合には、駅係員や警備員が初期対応に当たるとともに、速やかに警察に通報し、対応しております。
○あぜ上委員 痴漢問題で、実は私も、現役の高校生たちにお話を聞く機会を持ちました。そのときに高校生たちが一様にいっていたのは、痴漢と同時に盗撮被害も多いんだということでした。ネットで流されているのではないかと不安になる、まさか自分が盗撮されているとはとショックを受けた、思い切って警察に通報したけれども、通報した本人がとてもつらい思いをしているのに、再現をさせられたりして追い打ちをかけられ、通報するべきではなかったんじゃないかと苦しんだ、こんなお話も伺いました。
盗撮に対しても、盗撮撲滅キャンペーン、これを実施するなど対策を強化していただきたいと思いますし、また、警察との連携した取組になると当然思うんですが、本当に被害者に寄り添った、今日も男性が多いのですけれども、ほとんど男性ですけれども、やっぱり女性の駅員さんが寄り添うとか、そういった、やっぱり被害者の思いに寄り添った、そういった対策をぜひ講じていただきたいなということを要望しておきます。
そのことを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○柴崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時一分休憩
午後三時十五分開議
○柴崎委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言をお願いいたします。
○関口委員 よろしくお願いします。
まず初めに、何点か確認をいたしまして、メインとしては偽装請負について質問したいと思います。
まず初めに、ホームドアについてでありますけれども、先ほど山加委員の方からも質疑がありましたので、カットしたいと思います。
また、バリアフリールート複数化に関しては、先ほどたかく委員の方から質問がありましたので、一問カットしまして、一点だけ質問させていただければと思います。
バリアフリールートの複数化でありますけれども、まだまだ道半ばであると思います。都営地下鉄全百六駅中、三十九駅ということで、まだまだだということを思っております。
インフラ整備には、スペースの問題や地理の問題など様々な課題があることは承知をしておりますけれども、さらなる加速を求めたいと思います。
私自身、二人の子供を育てておりますけれども、ベビーカーに子供を乗せて都営交通をはじめとした地下鉄の乗り降りをしておりますと、時々、やってしまったなというときがあります。自分自身が向かった方向にバリアフリールートがなかったりですとか、改札を出てからバリアフリールートがないと気づいたりですとか、あるいは、地上に出るために、非常に大回り、遠回りをしなければいけないということが多々ございます。
特に、都内に住んでいる人であれば、まだあれかもしれませんが、都外から来る人であれば、なおさらだと思います。
そういう観点から、バリアフリールートを都民に分かりやすく表示をすることが重要だと考えます。現在の取組を伺います。
また、今後、さらなる取組が求められると考えますが、見解を伺います。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、バリアフリールートにつきまして、駅構内の案内図等に表示するとともに、交通局のホームページや、駅で配布しておりますバリアフリーガイドにも掲載しております。
また、エレベーターの位置が分かりにくい駅では、壁や柱などに加えまして、床面にも案内サインを設置しており、今後も、各駅の状況に応じて案内の充実を図ってまいります。
○関口委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。現在の取組もそうですけれども、また新しいアイデアなども、ぜひ取り入れていただきたいと思います。
続いて、電気事業会計について伺います。
小河内ダム直下の多摩川第一発電所、白丸調整池に隣接する白丸発電所及び多摩川第三発電所の三水力発電所におきまして発電をし、都の施設及び都の区域内に電気を供給する事業者に電気の供給を行っているほか、水力発電によるカーボンフリー電気を、公募型プロポーザル方式により選定した事業者を通じて、都内のRE一〇〇宣言企業等に販売をしているということであります。
電気事業会計では黒字が続いておりますけれども、さらなる発電量の向上が重要と考えますけれども、取組について伺いたいと思います。
○生越車両電気部長 多摩川第一発電所及び多摩川第三発電所におきましては、運用開始から五十年以上が経過していることから、設備の大規模更新を計画しておりまして、老朽化が進んでいる水車などをより効率的に発電できるものに更新することで発電量の増加を図ることとしております。
○関口委員 まずは、今の三発電所の施設の大規模更新を行っていく、あるいは水車などの効率的な発電を進めていくということでご答弁をいただきました。まず、こうしたものから発電量の増加を図るということは重要だと思います。
一方で、先ほども他の委員からも質疑がありましたけれども、どうしても発電量に関しては水量との兼ね合いがあるということでなかなか、電気事業会計の支出の方も、まだまだ経営の効率化が必要なのではないかと思っております。
また、今後の話でありますけれども、三水力発電所だけではなくて、都の持つ様々な資源を最大限に活用して、再生可能エネルギーによる発電を都内各地で展開をしていくべきと考えております。
例えば、ドイツのシュタットベルケなどにおいては、複数の事業を展開して、収益の出やすい事業の売上げを、そうでない事業に投資をしたり、補填をしたりしています。エネルギービジネスで利益をしっかり出して、公共交通などの利益の出にくい事業に充てることで地域に必要なサービスを維持しているということで、今回であれば、電気事業会計以外は赤字であるということでありますので、再生可能エネルギーや、この三水力発電所に限らず、様々なところで東京都としてエネルギービジネスを展開していって、その分を地域公共交通に充てていく、こういう考えが私は必要なのではないかと思っております。ぜひご検討いただきたいということを要望したいと思います。
続きまして、カスタマーハラスメント対策についてでございます。
私たち立憲民主党は、カスタマーハラスメント条例を制定すべきということで、第三回都議会定例会におきまして、知事に代表質問をいたしました。公労使会議で検討していく、そうした答弁でございまして、今後、東京都においてカスハラ対策というものが大きく前進をしていく可能性があると考えております。
一方で、この都営交通におきましても、カスタマーハラスメントに苦しんでいる職員の方が多くいらっしゃるのではないかと思います。
都営地下鉄における暴力行為や暴言等のトラブルに対して、お客様にどのような呼びかけをしているのか、伺います。
また、駅係員が暴力行為や暴言等を受けた際は、どのような対応を取ることになっているのか、伺います。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、鉄道各社や警察等と連携し、ポスターや車内放送などにより、駅や列車内での暴力行為等の防止をお客様に呼びかけております。
また、駅係員が暴力の被害に遭った場合には、対応マニュアルに基づき、直ちに他の係員に連絡を行い、複数の係員で対応するとともに、警察へ通報することとしております。
さらに、発生した暴力行為に関する事例につきましては、朝の点呼等において共有し、注意喚起も行っております。
○関口委員 今ご答弁いただいた中で感じましたのは、暴力行為については様々な対応が取られているんだと思います。暴力行為になりますと、どうしても警察を呼んだりですとか、様々なものに発展をしていくかと思いますけれども、やはりカスタマーハラスメントというものは、暴力行為とはまた異なって、暴言であったりとか、あるいは駅の職員さんに土下座をしろであったりとか、あるいは悪質な意味で駅員さんを拘束するであったりとか、そういった、暴力行為とはまた違うグレーゾーンのところだと思っております。
そういった観点では、今後、東京都の方の動きもあるかと思いますけれども、ぜひ都営交通におきましても、カスタマーハラスメント対策、こうしたものをしっかり進めていただきたいと思います。
続いて、偽装請負についてでございます。
交通局は昨年度、東京労働局から、駅業務の交通協力会への委託について、労働者派遣法違反の疑いで指導を受けました。駅業務の委託契約の仕様書の一部に、局の職員が協力会の駅係員に直接指揮命令できる余地が認められ、改善措置を講ずるよう指導を受けたことも明らかになりました。この問題は、交通局の組織体制や運営や経営、これに大きく関係をする極めて重大なものであると考えております。
こうした観点から、先日の第三回定例会の公営企業委員会におきまして、交通局より、東京労働局からの指導、いわゆる偽装請負に関わる件について報告を求める動議を、私たちの会派の西沢都議から提出したところであります。
そこでまず、この偽装請負について様々な動きがございました。その後の対応について伺います。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 東京労働局の調査では、法律違反の事実は確認されませんでした。
東京労働局から指導を受けました駅業務委託の仕様書の一部記載については、疑念を持たれることのないよう修正するとともに、全ての業務委託に関する点検、確認を行いました。
加えまして、駅の全指導職を対象に、委託者と受託者の業務を再確認する研修を実施し、これらの対応につきまして、本年五月に東京労働局に報告をいたしました。
○関口委員 都営地下鉄の全駅のうち、何駅が都営交通協力会に委託をされているのか、伺いたいと思います。
また、どのような理由で都営交通協力会に委託をしているのか。また、委託をされている駅の選別方法について伺いたいと思います。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 交通局では、安全性やサービス水準を維持しつつ、経営の効率化を図ることを目的に、局が管理する全百一駅のうち五十九駅を委託しております。
委託駅は、常時列車の折り返しが発生する駅や駅務管区が所在する駅などを除き、総合的に勘案し選定しております。
○関口委員 百一駅中、五十九駅ということで、大変多くの駅が委託をされております。委託駅には、交通局の職員が助役、つまり駅長として一名のみ配置をされる、そして、助役の一名以外は、都営交通協力会の職員で駅が構成されているということになります。
原則としては、同じ駅で働く交通局職員である助役と協力会の駅員との間で指示を行うことはできないとされ、助役、まあ駅長と協力会職員リーダーのみが伝達をすることが可能とされています。
ただ、一方で、こうした情報伝達の方法で現場が回るのかというのは大変疑問であります。
同じ駅で働く助役と協力会の駅員との間で指示を行うことなく、意思伝達が現場で問題なく行われていると考えているのか、伺いたいと思います。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 委託駅におきましては、協力会の駅員が、窓口業務やお客様の案内などの駅業務を仕様書に基づきまして適切に行っております。
なお、助役と協力会の駅員との間では、列車の遅延情報や急病人の発生などにつきまして、必要に応じて情報の共有を行うとともに、日々の業務終了後の都度、異常の有無等について報告を受けております。
○関口委員 今、答弁の方では問題がないというような話でありましたけれども、しかし、一方で、偽装請負の、この報道などもございましたけれども、やはり起きるべくして起きたといいますか、本当に、実際にこの形で駅員同士の、つまり駅長と協力会の駅員との間で、しっかりコミュニケーション、情報伝達ができているのかといったら、やはり私は難しいと思っております。
先日、協力会の職員の方とお話をしましたが、本当にこれでうまく回っているのかというのは、疑問を非常に持っておられました。
東京労働局についてでありますけれども、緊急時以外も駅長が駅員に直接指示できると読み取れる契約書の内容を問題視しておりました。
そもそも、緊急時とはどのようなケースが想定をされるのか、伺います。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 例えば、鉄道内における死傷、放火事件、地震、浸水等の自然災害など、人命に関わる重大な事案を想定しております。
○関口委員 今、緊急時のケースをご紹介いただいたわけでありますけれども、裏を返せば、この緊急時のときに関しては、直接指示ができるということだと思います。
一方で、これも、先日、協力会の職員の方とお話をしましたが、むしろ、この緊急時のときほど、日頃のコミュニケーション不足であったりとか、伝達方法のぼろが出てしまうということをおっしゃっていました。本当に緊急時のときに——日頃からうまくコミュニケーションというか、伝達方法が非常にいびつな形で行われているにもかかわらず、果たして、そうした緊急時のときだけ、うまくいくのかということは大変に心配をされていたところであります。
続いて、東京都営交通協力会の職員について伺ってまいります。
まず、この職員の昇給や退職金はあるのか、伺います。
また、直営職員、つまり交通局の職員が利用できる福利厚生は利用できるのか、伺います。
○豊田総務部長 昇給、退職金等の給与制度や福利厚生制度については、法令等で定められた基準や手続に基づき、東京都営交通協力会がその責任において適切に対応するものでございます。
○関口委員 今、答弁の中にございましたけれども、百一駅中、五十九駅が委託されている都営交通協力会について伺っているにもかかわらず、その答弁は、非常に無責任じゃないかなと思っております。
毎日新聞の取材では、職員の訴えなどが取り上げられております。協力会の職員は、年収三百万円程度で、同年代の交通局職員より百万円以上低い。交通局以上のサービスを求められるのに、給料は低く、非正規雇用で昇給も望めない、罰ゲームのようだと語っているそうです。協力会の職員は、鉄道好きで、憧れの駅員さんになれると、喜んで働き始めた人ばかりだそうです。そうした立場を都合よく利用されているようでむなしいと語っているということで取り上げられておりました。
また、私が先日お話をしました協力会の職員の方も、働き始めてからほとんど昇給がない、そして、退職金もないから将来への展望もないというお話をされておりました。大変に厳しい生活だということもおっしゃっておりました。
さらに、今、質問の方でもさせていただきましたが、福利厚生についてもそうですね。特に駅で働く方々は、他の現場に比べて、健康管理というものが非常に重要かと思いますけれども、交通局職員が使える健康診断、こういったものは、局の職員は使えるけれども、都営交通協力会だと使えなかったりとか、様々、そういった福利厚生の部分で使えないものがあるんだということをおっしゃっておりました。
同じ現場で働いて、同じ制服を着る労働者にもかかわらず、直営と委託で、待遇に大きな差があると思います。
こうした動きを改善すべきと考えますけれども、都の見解を伺います。
○豊田総務部長 東京都営交通協力会における従業員の労働条件に関しては、法令等で定められた基準や手続に基づき、東京都営交通協力会がその責任において適切に対応するものでございます。
○関口委員 今の答弁も、百一駅中、五十九駅が委託されている都営交通協力会について伺っているにもかかわらず、その答弁はないんじゃないかなというところは思うところです。
続いて、協力会の執務要領では、窓口業務について詳しく定めてあります。一方で、都交通局には、こうした決まりがないそうです。
例えば、協力会の職員は窓口で立って応対をしなければならないそうですけれども、直営職員は座って応対をするという、こうした実態が新聞の報道などでもされておりました。
こうした実態があるのか、そして、協力会職員のみ、窓口での起立を求めるのは、交通局職員との身分差別になるのではないかということを伺います。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 交通局では、駅係員は規程等に基づき駅業務を遂行していますが、窓口での起立による対応は定めておりません。
また、協力会におきましても、起立による対応を求めておらず、駅業務委託の仕様書にも記載はしておりません。
委託駅における起立による対応につきましては、受託者である協力会が自ら行っているものと伺っております。
○関口委員 協力会自ら行っているものという答弁でありましたけれども、一方で、こういったことが現場で、ある種、身分差別のような形で行われているということこそが、まさにコミュニケーション不足の一つなんじゃないかなと思っておりますし、現場もそれで士気が上がらなかったり、現場がぎすぎすする、こういったこともあるかと思います。
最後になりますけれども、阪急電鉄の一例をご紹介したいと思います。
阪急電鉄では、約十年前に、子会社に在籍する駅員や乗務員など約八百四十名を本社の直接雇用にいたしました。つまり、都営交通協力会と同じような業務を子会社に委託をしていたけれども、それを本社の直接雇用にしたということであります。
都営交通と同様で、コスト削減を進めてきたそうでありますけれども、安全強化を図り、社員の士気を高める必要があったとの理由です。また、福知山線の事故におきまして、安全対策の強化を痛感したということ、あるいは、鉄道におけるテロ対策、乗客同士のトラブル対処など、駅員同士のコミュニケーションが必要になったということで、本社の直接雇用に踏み切ったということであります。
こうした観点から、都としても、都営交通協力会の職員を積極的に直営職員として採用すべきと考えますけれども、見解を伺います。
○市川職員部長 地方公務員の採用については、地方公務員法に定める平等取扱いの原則や成績主義の原則に基づき行うものであります。
交通局でも、法律に基づき、公平、公正に職員の採用選考を行っております。
○関口委員 最後となりますけれども、こういったことを、今お話ししました阪急電鉄、民間の会社が踏み切るというのは、非常に大きなことだと思っております。
防災対策であったり、テロ対策であったり、様々な場面で都営交通というものは、ある種、テロの場所になる可能性もあり得るだろうし、防災の避難場所になる可能性もあるだろうし、都営交通というものは様々なフィールドになるかと思います。そういったときに、しっかりと現場の駅員同士がコミュニケーションを取れる、しっかり直営の職員で回すことができる、そういった体制をつくることが重要だと思っております。
電気事業会計以外は赤字会計ということでありますけれども、この赤字、赤字、赤字ということにとらわれ過ぎるのではなくて、経営の効率化というのは、私、非常に大事だと思いますけれども、公共交通というのは、どうしても利益が出づらいという側面があります。だからこそ、まちとしての黒字化というものを考えながら公共交通をつくっていくことが大事だと思っております。
欧米などでは、公共交通は赤字になってしまったとしても、まちとして黒字になっているからそれでいいんだという考えでありまして、ぜひそういった考えを念頭に置きながら、都営交通協力会のこの偽装請負についても真摯に向き合っていただきたいことを最後に要望いたしまして、質問を終わります。
○もり委員 令和四年度決算は、東京都交通局経営計画二〇二二が作成され、計画の初年度となります。
都営交通は、都民生活を支える公共交通として重要な役割を担っていただいております。
まず、交通事業会計について質問をいたします。
令和元年度には一日三百六十万人の利用者から、コロナ禍の令和二年度は、約二百五十三万人まで利用者の減少が顕著でしたが、令和四年度においては、利用者の推移では回復傾向が見られます。
自動車運送事業の経常収支は、三年度は五十六億四千七百万円の赤字から、四年度は十七億七千九百万円の赤字と赤字が縮小しましたが、その要因についてお伺いをいたします。
○豊田総務部長 令和四年度の自動車運送事業の経常収支は、前年度に比べ三十八億六千八百万円改善しました。
主な要因は、乗車料収入が二十八億八千五百万円増加したことに加え、減価償却費が七億六千四百万円減少したことなどによります。
○もり委員 さらに、バスの二〇二四年問題の対応も求められます。
バス運転手の年間の労働時間の上限が、現在の三千三百八十時間から三千三百時間に引き下げられ、退勤から出社までの休息時間が、現在の八時間から十一時間が基本、最低九時間となります。
これは、運転手の労働環境の改善につながり、評価する一方で、今までの路線を維持するには、より多くの運転手を確保する必要があり、日本バス協会の試算によると、二〇三〇年にはバスの運転手が三万六千人不足するとの試算がある中で、都営交通としてどのように運転手の確保を行ってきたのか、令和四年度の取組をお伺いいたします。
○市川職員部長 バス乗務員の確保に向けては、採用PRの充実や採用時の年齢要件の拡大、大型二種免許の未取得者に対して免許取得を支援する養成型選考などを行っており、令和四年度も、こうした取組を実施いたしました。
○もり委員 ありがとうございます。今後の運転手不足に対応するのは大変重要な課題だと考えております。
平成十三年度の運転免許統計では、十代から二十代の保有者は一千七百四十二万人を超えていた数字が、令和三年度の運転免許統計によると、十代、二十代の運転免許保有者数は一千八十七万人余と、この二十年間で免許取得者の数が半減している影響も顕著だと思っています。
今後のバス乗務員の確保に向けては、養成型選考の充実なども大変重要だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
都営バスでも、全体の四分の一余りに当たる三十六路線で減便を実施したと伺っています。経営改善の手法として、減便だけが赤字の解消ではないと考えます。特に都営交通は公共インフラとして、昨今、高齢ドライバーの事故に幼い子供が巻き込まれてしまう悲劇も後を絶たず、都として免許の返納を促すためにも、福祉の視点からも、採算が取れない路線であっても維持する生活路線はあると思います。
減便の実施に際して、どのくらい都民が影響を受けたのか、十分に地域住民の声を聞く機会は設けられたのか、どのような声が寄せられたのか、お伺いをいたします。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 減便に当たりましては、お客様の利便性に最大限配慮し、ほとんどの路線について、ご利用が多い時間帯の運行間隔を変えずに維持するか、あるいは、運行間隔を拡大しても三分程度の拡大にとどめるなど、影響をできる限り抑えております。
ダイヤの見直しに当たりましては、日々の運行実績の分析、利用状況の変化やお客様から寄せられた声などについて、全ての営業所からヒアリングを行っております。
なお、お客様からは、時刻等のお問合せが数件寄せられております。
○もり委員 全ての営業所からヒアリング等を実施していただいて、可能な限り影響を抑制していただいたとの答弁をいただきました。ぜひ、引き続き、そういった地域の声を十分に受け止めながら改善を図っていただきたいとお願いをいたします。
運転手の処遇の改善は常に行われていると考えますが、今後の二〇二四年問題を控えて、経営改善に向けて、早期の黒字化と経費削減、乗車料収入の増加をどのように図っていくのか、お伺いをいたします。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、経営改善に向け、収入、支出の両面から様々な取組を行っております。
支出面では、これまでも、民間事業者への営業所の管理の委託や現業系職員の給与水準の見直しにより、人件費の削減を図ってまいりました。
さらに、コロナ禍による収支の悪化を受けまして、営業所の水道光熱費などの経常的経費や車両の更新などの投資的経費について、幅広く見直しを行っております。
一方、収入面では、需要や乗客潮流の変化を的確に捉え、需要が高まっている地域におきましては路線やダイヤを増強するとともに、大規模な集客施設等とのタイアップや広報誌の発行などにより沿線の魅力をPRし、需要の創出を図っております。
引き続き、こうした取組を着実に進め、収支の改善を図ってまいります。
○もり委員 ありがとうございます。今、様々な経営改善の取組についてご説明をいただきました。
ぜひ引き続き、バスだからこそ行けるエリアなども多いと思いますので、そういった地域の魅力をPRしていただいて需要の創出にも取り組んでいただくとともに、双子用のバスの乗り入れが可能になったことですとか、本当にきめ細やかな公共インフラとしての取組をしていただいておりますので、引き続き、弱者にも寄り添う公共交通として取組を要望して、次の質問に移ります。
続きまして、さくらトラムについてお伺いをいたします。
軌道事業、東京さくらトラム、都電荒川線の経常収支は、三年度は一億八千九百万円の赤字から、四年度は一億五千九百万円の黒字へと転換していますが、その要因についてお伺いをいたします。
○豊田総務部長 令和四年度の軌道事業の経常収支は、前年度に比べ三億四千八百万円改善いたしました。
主な要因は、乗車料収入が二億一千八百万円増加したことに加え、減価償却費が七千万円減少したことなどによります。
○もり委員 ありがとうございます。乗車料収入の増加が大変大きな要因だと伺いました。
続きまして、新交通事業、日暮里・舎人ライナーの経常収支は、三年度は八億四千八百万円の赤字から四年度は二億千二百万円の赤字と、赤字が縮小しましたが、その要因についてお伺いをいたします。
○豊田総務部長 令和四年度の新交通事業の経常収支は、前年度に比べ六億三千六百万円改善いたしました。
主な要因は、乗車料収入が五億一千七百万円増加したことに加え、減価償却費が二億七千四百万円減少したことなどによります。
○もり委員 コロナ禍が明けて、改善の見込みが大きく増加をしていることをご報告いただきました。
また、二〇二一年十月、震度五の揺れを観測した足立区で、日暮里・舎人ライナーが緊急停止をする際、脱輪し、乗員八名がけがをした事故に関して、先ほども質疑がございましたが、二〇二三年二月十六日に、国の運輸安全委員会調査報告書がまとめられました。
局が講じた事故の対策と、その費用についてお伺いをいたします。
○太田安全管理担当部長 脱輪事故を踏まえ、局独自の減災対策として、令和三年度に、緊急地震速報を受信した際に自動停止する機能の追加工事として約二百五十万円を支出いたしました。
また、令和四年度は、走行路から脱輪した場合の衝撃を緩和するための工事について、約三千万円を支出いたしました。
さらに、本年二月の運輸安全委員会からの報告を受け、速やかに乗客の避難誘導の手順を整理し、改定した異常時対応マニュアルに基づく訓練を実施いたしました。
あわせて、事故現場付近の施設において、地震の影響による脱輪を防止するため、第三者機関を活用し、現在、対策の検討を進めているところでございます。
○もり委員 ありがとうございます。乗客の避難誘導に当たっては、都営交通は大変地下鉄が多いですとか、そういった中においてはなかなか、避難のマニュアルについて、近隣の自治体との連携も重要となると考えますので、ぜひ引き続き、今、第三者機関を活用して対策を検討中とのことですので、そういった取組も要望をいたします。
次に、高速電車事業会計についてお伺いをいたします。
高速電車事業、都営地下鉄の経常収支は、三年度は六十四億三千五百万円の赤字から、四年度は四億四千八百万円の赤字と、赤字が縮小しましたが、その要因についてお伺いをいたします。
○豊田総務部長 令和四年度の高速電車事業の経常収支は、前年度に比べ五十九億八千八百万円改善いたしました。
主な要因は、乗車料収入が百三十五億五千五百万円増加する一方で、動力費などの経費が五十九億六千万円増加したほか、減価償却費が十四億八千四百万円増加したことなどによります。
○もり委員 経営計画二〇二二の中で、高速電車事業の課題と今後の経営の方針の中で、車両、信号安全設備の更新や浅草線及び三田線の老朽化対策など、今後も大規模な投資が控えているとしています。
地下鉄の経常収支は、令和二年度から四年度まで赤字が続いており、大規模な投資を実施していくためには収支の改善が必要と考えますが、今後の経常収支の見通しについて見解をお伺いいたします。
○豊田総務部長 令和三年度末に策定した経営計画二〇二二の収支見通しでは、高速電車事業の経常収支は、令和五年度に黒字化し、その後、百億円前後の黒字で推移するものと見込んでおります。
また、電気料金や物価の上昇等が継続した場合、将来の経常収支はより厳しくなるものと見込まれることから、引き続き、収支両面にわたり経営改善に努めてまいります。
○もり委員 ありがとうございます。令和五年度には黒字化が見込まれるということで、そういった中でしっかりと、今後も持続可能な公共交通として都民の生活を支えていただくようお願いを申し上げます。
都営交通における情報アクセシビリティーについてお伺いいたします。
東京二〇二〇パラリンピック開催地であり、二〇二五年にデフリンピックを開催する東京都として、また、手話言語条例を制定し、合理的配慮の一層の充実が求められます。フラッシュライト等、障害のある方もない方も、文字、光、音、誰もが利用しやすい環境整備が求められています。
都営地下鉄の駅には、駅構内の設備を点字や音声で案内する触知案内板なども設置をされておりますが、車内における案内情報の充実も重要です。
そこで、都営地下鉄車両内における情報アクセシビリティーについて、令和四年度の整備状況をお伺いいたします。
○神田技術調整担当部長 都営地下鉄では、車両の更新に合わせ、ドアの開閉をお知らせする表示灯や多言語対応の車内液晶モニターを新たに設置するなど、案内情報の充実を図ることとしており、令和四年度は、これらの機能を有した車両十九編成を導入いたしました。
○もり委員 先ほども他の委員の質疑の中にも、ホームドアの設置については、全線で設置を進めていただいていましたり、また、情報アクセシビリティーの観点で、視覚障害者の方はホームからの転落の経験があるという方も、地元でも本当に多く聞いております。
そういった中では、光によるフラッシュライト等の設置状況などもまだ、今後も、さらに建設局や他局とも連携をしながら、一層の情報アクセシビリティーの推進に取り組んでいただきたいことを要望させていただきます。
次に、都営交通の広告料収入についてお伺いいたします。
都営交通には、地下鉄の車内広告、ラッピングバス、広告付バス停、駅構内のデジタルサイネージ等、広告媒体があります。決算額で二十五億円。うち七割が地下鉄、二割がバスであると伺いました。
令和四年度の広告料収入確保のための取組についてお伺いをいたします。
○小林資産運用部長 令和四年度は、都営地下鉄の大江戸線月島駅や勝どき駅の壁面を利用した広告枠を増設するとともに、車両の更新に合わせ、車内液晶モニターの設置などデジタル広告の充実を図りました。
また、都営バスでも、バス停留所の上屋に広告板を増設するなど、広告料収入の確保に向けて取り組んでおります。
○もり委員 ありがとうございます。
一方で、局が持つ多様な媒体を行政情報の発信にも役立てていることは有効だと考えます。
広告における行政関連の内訳についてお伺いをいたします。
○小林資産運用部長 交通局では、都営地下鉄や都営バスなどにおいて、車内液晶モニター、車内広告、駅貼りポスターなど局の所有する様々な媒体を活用し、都政情報の発信に協力しています。
そのうち都営地下鉄では、令和四年度は、中づりポスター、窓上ポスター、駅貼りポスターで、約二割弱が行政関連の有償広告出稿となっております。
○もり委員 東京都では、各局が様々な事業を行っていても、本当に必要とする方に届かなければ、その効果が実感していただけないと思っています。
そういった中では、毎日利用する公共交通機関の中で、そういった情報を都民の方にお知らせをしていただくこと、また、高校生や学生さんなどにはなかなか行政情報が届きづらい中でも、こういった行政情報の発信にも大変有効だと考えますので、引き続き、各局と連携をしながら行政関連の情報発信にも取り組んでいただきたいと思います。
最後に、都営交通における環境の取組についてお伺いをいたします。
西武鉄道では、サステーナブル車両として中古車両を受け入れるとの発表がありました。SDGsの視点からも、車両の有効活用は有効だと考えます。
東京都交通局では、ゼロエミッション東京戦略における再生可能エネルギーの基軸エネルギー化の方針を受けて、令和三年より、再生可能エネルギーを率先的に活用することで環境負荷に取り組んでいることを高く評価しています。
令和四年度における交通局の再生可能エネルギー導入の一環として、太陽光パネルの設置状況についてお伺いをいたします。
○飯沼技術管理担当部長 交通局では、老朽化した庁舎の改修等の機会を捉えて、活用可能な屋上スペースに太陽光パネルを設置しております。
これまでに五か所の庁舎に合計百十六・五キロワットの太陽光発電設備を設置しており、令和四年度は、大島庁舎及び江戸川自動車営業所臨海支所で改修等の工事を進めました。
○もり委員 庁舎に積極的な設置をいただいており、また、二〇二一年度からは、水力発電における再生可能エネルギーの価値を高め、交通局の電気がRE一〇〇宣言企業等で活用されていると伺っております。持続可能な環境に寄与する都市交通としてCO2フリー電気の利用を高めるよう、引き続き、さらなる取組の推進を求めます。
公営企業というのは、本当に独立採算が求められますが、その中でも、やはり公共交通を担っていただいている交通局の皆様においては、障害のある方や、またベビーカーのお母さん方、誰もが利用しやすい公共交通として、福祉的な役割も担っていただいております。そういったことについては、ぜひ、一層の誰もが利用しやすい都営交通となるよう願い、全質問を終わります。ありがとうございます。
○関野委員 それでは、質疑を行わせていただきます。
まずは、都営地下鉄の緊急一時避難施設の指定についてです。
昨今、世界情勢や近隣国をはじめとして相次ぐミサイル発射による脅威を、もはや現実的なリスクとして直視する必要が出てきました。
都は、爆風などの被害から都民を守るため、国民保護法に基づき、緊急一時避難施設への指定を進めている状況ではありますが、昨年五月に、国民保護法に基づく緊急一時避難施設として、地下鉄駅舎では、都内で初めて都営地下鉄の五十五駅が指定されました。
改めて、避難施設の概要についてお伺いをいたします。
○太田安全管理担当部長 緊急一時避難施設は、国民保護法の規定に基づき、ミサイル攻撃の爆風等からの直接被害を軽減するための施設でありまして、東京都では、既存のコンクリート造り等の堅牢な建築物のほか、地下街、地下駅舎などの地下施設が指定されております。
都営地下鉄の地下駅舎につきましては、現在までに五十八駅が指定を受けております。
○関野委員 ありがとうございます。私たちの日々の生活に密着している都営地下鉄の駅に緊急的に避難できるというのは、とても心強いところであります。
この緊急一時避難施設に関して、十月十三日に開催された都知事の定例記者会見においては、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を、緊急一時避難施設にしている都営地下鉄の練馬駅周辺を主会場として十一月に行うと発表をされました。
ぜひ、こういった有事の際に都営地下鉄の駅にスムーズに避難できるよう、今回のような訓練に当たっては、関係機関や地元自治体と密に連携をしながら取組を進めていただきたいというふうに要望をして、次の質問に行かせていただきます。
次に、都営地下鉄における半導体不足の影響についてです。
令和四年度の決算数値では、日々、二百二十万人を超える人々が都営地下鉄を利用しており、都民にとって生活に欠かすことのできない重要な役割を担っている状況にあります。
多くの人に利用されている都営地下鉄において、ホーム上の事故を防ぐためには、ホームドアの整備が有効とされております。
都営地下鉄のホームドアは、既に三田線、新宿線、大江戸線の全駅で設置を完了し、現在、残る浅草線の整備を進める一方で、世界的な半導体不足により、ホームドアの納期にも影響があったと認識しているところですが、半導体不足でホームドアの納期が遅れる中、全駅整備の目標達成に向けて、残る浅草線の整備にどのように取り組んでいたのか、昨年度における取組を中心にお伺いをいたします。
○神田技術調整担当部長 浅草線のホームドア整備においては、世界的な半導体不足の影響により、ホームドア本体の製造が最大十か月遅延いたしました。
こうした中でも、令和五年度に全駅整備完了する目標を達成できるよう、昨年度、検討を重ね、ホームドア設置後の動作確認手順を見直すことで運用開始までの期間を短縮するとともに、工事管理の体制等を工夫して、複数駅で同時に施工を進めることとし、工程を大幅に圧縮いたしました。
これにより、当初計画より早い本年十一月までに、当局管理全駅の整備を終える予定でございます。
○関野委員 この半導体不足の問題は、ホームドアの整備事業のみならず、都営地下鉄の安全・安心を支える信号機設置や、保安設備など、様々な設備の新設や更新作業にも支障を与える可能性があるものと懸念しておりました。
設備ではないですが、半導体不足の影響で、今年になって、無記名、記名式、どちらのPASMOのカードについても、販売が一時中止されているというような状況もあります。
ぜひ、今回のように、現場で培った経験に基づき様々な工夫を重ねるとともに、施工期間などの検討にあっては納期への影響なども見据えるなど、着実に取組を進めていただきたいというふうに要望して次の質問に入ろうと思ったのですが、今日の新聞で、浅草線のコストが二十億円だったものが、ある工夫をして、QRコードを設置したことで二百七十万まで下がったと。ある意味、こういうちょっとしたことで、予算も下がり、かつ設備も予定よりも早くなっていくということですので、これに関しては、私もすばらしいことだなというふうにも思っておりますので、ぜひこういった考えを今後も進めていっていただきたいというふうに思っております。
続きまして、子育て応援スペースに関する取組です。
子育て応援スペースは、小さなお子様連れのお客様が安心して地下鉄を利用しやすくなる、こういった取組として、我が会派の提案により、都営地下鉄において令和元年に導入され、拡大している事業であります。
子育て応援スペース導入拡大に向けた令和四年度における取組についてお伺いをいたします。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、令和元年七月から子育て応援スペースを設置しており、令和三年度までに、大江戸線に十三編成導入いたしました。
令和四年度は、大江戸線に二編成追加したほか、新宿線、浅草線、三田線にも導入を拡大し、相互直通運転を行っている他社の路線内にも乗り入れを開始いたしました。
また、装飾デザインにつきましては、これまでのきかんしゃトーマス、だるまちゃんシリーズ、ぐるんぱのようちえんに加えまして、ミッフィーなどの作者であるディック・ブルーナ氏の作品を新たに採用し、四シリーズ、十一パターンのデザインで装飾した車両を三十六編成運行しております。
○関野委員 ありがとうございます。令和元年、大江戸線から導入が始まった子育て応援スペースが、昨年、ついに都営地下鉄線の全線に導入され、現在は四路線三十六編成を運行しているなど、取組が大きく前進していることを確認できました。
また、きかんしゃトーマスなどに加え、新たなデザインも採用したことで、より多くの利用者が楽しく利用できる環境も充実してきたものと認識をしておりますが、利用者の方からどんなような声が届いているのか、子育て応援スペースに関する利用者の反応や意見について、これについてお伺いをいたします。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 子育て応援スペースに対しましては、お客様や都民の方々から様々な声が寄せられており、子供連れ以外にも配慮すべきとの意見もございますが、多くは、絵柄がかわいく視覚的な工夫がよい、子供が喜んでいる、非常によい取組であり、もっと増やしてほしいといった好意的な意見でございます。
○関野委員 子供連れ以外にも配慮すべきとの声もある中、子供が喜んでいるなどと、多くのお客様方から取組の好意的な意見が寄せられているというふうに理解をしました。
多くの方に好意的に受け止められているこの子育て応援スペースの取組をさらに拡大していくには、より多くの都民の方々に知ってもらうことも重要であります。
子育て応援スペースの普及や認知度向上に関する取組について、改めて伺います。
○築田鉄軌道事業戦略担当部長 交通局では、子育て応援スペースの取組を多くの方に知っていただけるよう、ポスターの掲出やSNS等を通じまして情報を発信しており、令和四年度には、子育て応援スペースのある列車の走行位置を都営交通アプリでリアルタイムに確認できるようにいたしました。
また、子育て世代を対象とした雑誌にPR記事を掲載するとともに、親子連れのお客様を招き、子育て応援スペースのある車両の中で絵本の朗読を楽しんでいただくイベントを実施するなど、さらなる認知度の向上に取り組みました。
○関野委員 昨年度の、普及や認知度向上に向け、新たな取組を実施したことが確認をできました。
この子育て応援スペースは、本年七月、一般社団法人日本子育て支援協会が主催する、第四回、日本子育て支援大賞二〇二三年を、鉄道事業者として全国で初めて受賞したというふうに聞いております。
審査委員からのコメントを少し紹介しますと、お子様と一緒に外出したくなるような地下鉄車両の子育て応援スペース、お子様に人気のキャラクターの装飾で楽しい時間を過ごせるだけでなく、乗車している乗客全員で、お子様に配慮し、温かく見守ることが推進できるような企画ですというふうに記載をしておられました。実際、お子様連れのお客様はもちろん、一緒に同乗している乗客の皆様からの視点でも評価されての受賞だというふうにも考えております。
今回の受賞も糧に、ぜひ子育て応援スペースの、経営計画に掲げる二〇二四年度、七十一編成導入という目標の確実な達成と、普及や認知度の向上に向けた取組推進を要望しておきます。
次に、都営地下鉄構内におけるサービス機器に関する取組についてです。
令和四年の都営地下鉄乗車料収入については、令和三年度に比べ約百三十五億円の増収と回復してきておりますが、依然としてコロナ禍前の水準を下回っており、厳しい現状が続いた一年であるというふうに思います。
交通局ではこれまでも、駅構内のスペースを活用して、自動販売機などサービス機器を設置し、お客様に必要とされるサービスを提供しており、厳しい経営状況の中、こうしたサービスにも着実に取り組んでいく必要があります。
そこで、収益強化とサービス向上両面から、駅構内にサービス機器を積極的に設置していく必要があるというふうに考えますが、令和四年度における特徴的な取組についてお伺いをいたします。
○小林資産運用部長 令和四年度は、コロナ禍により店舗等の出店業者の誘致が厳しい中においても、お客様の利便性の向上と収益確保を図るため、従前、活用が難しかった狭小なスペースを有効活用し、モバイルバッテリーレンタルスタンドを三駅に追加設置しました。
また、駅構内における新たなサービスについて、お客様の目線から局職員にアイデアを募集し、購入したその場で生絞りオレンジジュースができる様子を見て楽しむことができる自動販売機を、令和五年三月から三田線白山駅に設置いたしました。
○関野委員 令和四年度は、まさにコロナ禍にあって、新規店舗の誘致などに大変苦労したというふうに思っております。そのような厳しい状況の中にあっても、都営地下鉄を利用されるお客様のスマートフォン等の充電需要に対応するため、モバイルバッテリーのレンタルスタンドや、見て楽しむ面白い自動販売機などを設置するなど、利用者目線でサービスの展開に取り組めたこと、これについて理解ができました。
一方、少子高齢化や安全・安心意識の高まり、デジタル化の進展など、私たちを取り巻く社会環境の変化に合わせて、お客様の目線も変化していきます。スペースが限られる状況もあるとは思いますが、そこに新たなサービスを展開する余地が生まれていくのではないか。
利用者のニーズも変わってきており、新たなサービスや機器の導入を進める余地が生じているというふうに考えますが、駅構内を活用した今後の取組についてお伺いをいたします。
○小林資産運用部長 構内営業の展開に当たりましては、お客様の声や事業者などとのヒアリングを通じて、変化するお客様のニーズを的確に捉えながらサービスを提供していくことが重要と認識をいたしております。
令和五年度は、子育て世代のニーズに対応するため、大江戸線上野御徒町駅において、国内の地下鉄駅で初めてベビーカーレンタルサービスを開始いたしますとともに、乳児用液体ミルクや紙おむつなどを購入できる自動販売機を新たに設置いたしました。
今後も、お客様のニーズの変化を捉え、お客様の利便性の向上と収益確保を図ってまいります。
○関野委員 都営地下鉄を利用される皆さんがどのようなサービスを望んでいるか、引き続き、しっかりと考えて取り組むことが重要であり、お客様の利便性の向上と収益確保の両面から、これまで以上に充実した新たなサービスの展開について検討をしていただきたい。
また、東日本大震災の際は、都内にも帰宅困難者が多く発生し、コンビニや自動販売機のミネラルウオーターの品切れ状況が続き、緊急時の飲み水の確保にも苦労したと聞いております。今後、サービス機器の設置、導入に当たっては、災害対応という視点もご検討いただきながら取組を進めていただきたいということも要望しておきます。
また、先ほどの答弁の中にも、お客様の目線から局職員にアイデアを募集しというふうにもありました。ある意味、利用者の意見を多く聞くために、車内に、例えば意見募集のQRコードを表記して、安く、早く、確実な意見募集など、こういったことも検討をしていただければというふうにお伝えをしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○高倉委員 交通機関の経営ということについて申し上げますと、昨今は極めて厳しい環境ということが継続して続いているということであると思います。
特に、今回の令和四年度の決算の審議ですけれども、令和四年度も、引き続くコロナ禍、さらに、それに加えてウクライナでの戦争、そうしたことに伴う燃料高でありますとか、さらには電気料金の高騰といったような幾重にもわたる厳しい状況が、やはり経営に大きな負担となってのしかかってきているのではないかなと、そういうふうに思っております。
そこで、まず最初に、こうした今、申し上げたようなコロナ禍、そして、ウクライナ戦争に伴うような燃料高あるいは引き続く電気料金の高騰、こういったことを踏まえて、そういうことが、いわゆる勃発する以前と比べて、この令和四年度の状況、特に運賃収入の減少でありますとか、燃料、電気料金の負担増といったことが、具体的にどういう影響額であったのか、このことについて明らかにしていただきたいと思います。
○豊田総務部長 令和四年度の都営交通の乗車料収入は、前年度に比べ百七十二億円増加したものの、コロナ禍前の水準に比べ三百億円下回っている状況でございます。
バスや地下鉄の運行、また、駅の空調やエレベーターを動かすために必要となる燃料費や電気料金については、前年度に比べ、自動車運送事業で三億円、高速電車事業で三十八億円の増加を含め、全体では四十三億円の増加となりました。
○高倉委員 今、答弁にもありましたけれども、コロナ禍の前に比べてということで、乗車料の収入も三百億円ほどまだ下回っている状況であるということ、それから、燃料、電気料金の影響を考えたときに、自動車運送事業では三億円、そして、高速電車事業では三十八億円と、これを合わせますと四十三億円という、やはり大変大きな影響が、この交通事業の経営にのしかかってきているという状況であると思います。
これはもう令和四年度以前からの話であるというふうに思いますけれども、こうしたことが勃発する前の交通局の事業の取組ということについて考えますと、毎年毎年、不断のといいますか、いわゆる絶え間のない形での経営努力というのは重ねてきていると思うんですね。これはまさに、これまでもずっと続けてきている、一生懸命やってきているというふうに思います。
収入を何とか多くなるように頑張る、そして、さらに経費も、安全とか、あるいは利用者の利便性に影響がないような形で、無駄といいますか、経費を節減していく。こうした努力は、ずっと毎年毎年やってきていると思いますけれども、今申し上げたようなこの新たな、経営に対して非常に大きな影響のある事態が起こってきているときには、毎年毎年、そういうものはなくてもやってきたような経営努力に加えて、さらに特別なといいますか、この期間にさらに、本当はもうこれ以上頑張れないのかもしれませんけれども、もっと頑張る、こうしたことも強く求められてきたのではないかというふうに思います。
そうした、より一層の取組ということの内容についてお伺いしたい。特に、この令和四年度に取り組んだ内容についてお伺いしたいと思います。
○豊田総務部長 乗客数の減少や電気料金の高騰等により厳しい事業環境が続く中、交通局では、収支両面から経営改善に向けた取組を進めてまいりました。
収入面では、観光施設と連携した企画乗車券の販売など需要創出に向けた取組を展開するとともに、資産の利活用や構内店舗の誘致により関連事業収入の増加を図るなど、収益力の強化に努めました。
支出面では、安全の確保を前提に経費の縮減に努めるとともに、設備投資の時期を見直すなど、支出の適正化を図りました。
令和四年度につきましては、地下鉄車内の広告用デジタルサイネージの設置を拡大するなど、収入の確保に努めたほか、庁舎改修を緊急性の高いものに限定するなど、支出の削減をさらに徹底いたしました。
○高倉委員 今、答弁で、具体的な取組、様々な取組について明らかにしていただいたわけであります。
毎年毎年、取り組んできているそうした経営努力に加えて、本当に厳しい、さらに厳しい状況の中で、それにさらに上乗せをするような形での取組、こうしたことをしっかり進めていっていただいているということを確認させていただきましたけれども、昨今の状況は、コロナ禍がようやく、何といいますか、この影響が、以前に比べますと少なくなってきている。一方で、やはり、燃料高とか、それから電気料金の高騰というものがいつまで続くか分からないような極めて厳しい状況があるわけでありまして、こうした、今ご答弁もいただいた様々な一層の経営努力といったようなことは、今後も求められていくのではないかというふうに思いますけれども、この点についての交通局長の見解をお伺いしたいと思います。
○久我交通局長 交通局を取り巻く事業環境は、今後も厳しい状況が続くものと見込んでおりますが、こうした中でも、安全・安心で質の高いサービスを提供し、都市活動や都民生活を支え続けていくことが、首都東京の公営交通事業者として果たすべき責任と役割であると考えております。
こうした認識の下、旅客誘致や経費の縮減など、収支両面から経営改善に努めますとともに、物価高騰などの事業環境の変化も踏まえ、昨年度、外部の委員で構成いたします有識者会議を立ち上げ、幅広い見地から、持続可能な経営基盤の確立に向けた議論を進めているところでございます。
今後、有識者会議での意見を踏まえまして、経営努力を積み重ね、中長期的に安定した輸送サービスを提供することで、これまで以上に都民やお客様に信頼され、支持される都営交通を目指してまいります。
○高倉委員 今、局長からご答弁をいただきました。本当に大変な努力が必要だというふうに思っております。私どもも、交通局の事業に対しては、全力を挙げて応援をしていきたい、このように考えております。知恵を絞り、そして、本当に、皆様の汗で、何とかそうした努力で、この厳しい状況を乗り切っていただきたい、このように思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
次に、電気事業会計についてお伺いしたいと思います。
今日も、このことについては、委員の皆さんからも取り上げられているわけでございますので、若干、少し割愛をしながらお聞きをしたいというふうに思います。
この事業収益が前年比で八二・四%になっている、こうしたことについては、自然の影響、降雨量の影響等があるというようなことも、今日、答弁でございました。
現在、水力発電所の売電を行っているというようなことになっておりますけれども、この契約の形態がどうなっているのか、このことについて、これまでの経緯、そして、この現状についてお伺いしたい、明らかにしていただきたいと思いますし、併せて、売電単価の決定方法といったことについてもお伺いをしたいと思います。
○生越車両電気部長 昭和三十二年の電気事業開始から平成二十四年度までは、総括原価方式により算定した価格で東京電力と随意契約しておりましたが、平成二十五年度からは、競争入札により落札者と契約いたしました。
令和三年度からは、都内における再生可能エネルギーの普及拡大を図ることを評価に加えた公募型プロポーザルにより、売却先となる小売電気事業者を選定しておりまして、一キロワット時当たり、税抜き十・一二円で契約しております。
○高倉委員 今、改めて、この売電の契約の形態、単価等についてのお話があったわけであります。
そもそも、この水力発電によって電気を交通局自らがつくり出しているということは、これをエネルギーといいますか、電車等を動かすためのものとしてつくり出していたというところがあるわけでありますけれども、しかしながら、今は売電をしっかりやっている、契約を結んで。こういう状況になっているわけであります。
ただ、先ほど冒頭に質疑をさせていただいたとおり、電気料金といったものが、非常に今、高騰しているということになっているわけであります。
本来、自分でつくり出した電気を、自分のところでいろいろなものを動かすために使う、こういったこともあってしかるべきだというふうに思いますけれども、現在の形態を見ますと、この水力発電でもって生み出した電気は売電している、単価は、先ほどお話があったとおりであります。
一方で、都営地下鉄を動かす電気、これは、電気料金の高騰の影響を受けながら、その電気を使っているということなんですね。
端的にいえば、自分でつくった電気を使って動かせば、そこまで高い電気を買わなくても、一定部分ですよ、済むのではないかという考え方も当然あるわけであります。
昨今の燃料費高騰の影響を受けることのない水力発電でありますけれども、一方で、地下鉄等を運行するために、高騰している電気を購入している、こういう状況を踏まえますと、交通局自らが積極的に、この水力発電で生み出した電気を活用すべきではないかというふうにも思うわけであります。
交通局は、都営バスの営業所で水力発電の電気を活用しているということでありますけれども、さらなる拡大に向けた取組につきまして、その使用割合も含めてお答えをいただきたいと思います。
○生越車両電気部長 東京都の率先行動として、令和三年度から、都営バスの全営業所で水力発電による電気を使用しており、令和四年度は、発電量のおおむね六%に当たる電気を使用いたしました。
今後、それをさらに進めるため、現在、公募手続を進めている令和六年度からの売電契約では、新たに、約三%に当たる電気を東京さくらトラム、都電荒川線にも供給して、一〇〇%東京産水力発電の電気で運行することとしており、都営バスの営業所と合わせますと、発電電力量の約九%を活用することを見込んでおります。
○高倉委員 この令和六年度からの売電契約でもって、東京さくらトラム、都電荒川線にも一〇〇%、その運行のために電気を活用するということでありまして、これは、先ほど保坂委員のご質問のときにも明らかにされた話であります。
今、割合をお聞きしたわけですけれども、都営バスの営業所で使っている水力発電による電気、これが発電量のおおむね六%に当たると。そして、今度、新たに売電契約を結んで、必要な一〇〇%の電気を東京さくらトラムに使う、これに必要な電気が発電量の三%であるということでございました。
ぜひ、これは積極的に進めていただきたいと思いますけれども、今、割合を見る限りでいいますと、まだまだ自前で活用する余地はあるのではないかというようなことを、率直に今、思った次第であります。もちろん、そう簡単な話ではないということは承知の上で申し上げているわけでありますけれども、こうした、特に電力料金などの大きな変化があるときに、まさに自前で発電をしている電気をどう使っていくかということも、やはり経営努力につながっていく一つの方策でもあると思います。
もちろん、その反対に、市場の電気料金が下がっているときは、今度、また反対なことになるわけですけれども、そうした環境変化にも柔軟に対応できるような今後の契約ですとか、あるいは、そこで電気を活用する在り方についても、今回、この東京さくらトラムで使うということになるわけですけれども、さらに、この活用方策については、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
次に、この電気事業に関わるお話でありますけれども、令和四年度の予算に対する電気事業費の支出の執行率が六三・一%、また、電気事業の資本的支出の執行率が三九・七%。なぜこんなに低いのかということについては、今日も質疑で明らかにされておりますので、この質疑は割愛をさせていただきます。
今回は、やむを得ない理由といいますか、当然、それは仕方ないですねという理由でもって、この執行率が低かったということがあるわけであります。
皆さんが予算を編成するときには、いろいろな事態を想定して予算を積算して、予算を組んでいくということであろうかと思います。必ずしも執行率だけが全ての指標ではないと私は思いますけれども、しかしながら、想定し得る限りの状況を考えながら、やはり予算というものをしっかりと組んでいかなければならないのではないかと。そうしないと、予算も、必要ないところまで膨らんでいくというような、これは一般的な話ですけれども、そういうこともあるんじゃないかなというふうに思います。
そこで、他の会計も含めて、令和四年度予算の見積りをどう行ってきたのか、また、その予算の残額は、どういう理由から生じたのかということについて答弁をいただきたいと思います。
○豊田総務部長 公営企業は、経済性の発揮と公共の福祉の増進を実現することが求められており、予算編成及び執行において、最少の経費で最大の効果を発揮することが重要と認識しております。
令和四年度の予算編成に当たっては、一つ一つの業務について、必要性や効率性などを検証の上、安全の確保を前提に無駄の排除を徹底することで、コロナ禍前に編成した令和二年度予算と比べ、経費については一三%、約百二十五億円削減いたしました。
また、予算残額については、競争入札の結果、生じた契約差金のほか、経営状況を踏まえ、予算執行段階におけるさらなる経費縮減努力を行ったことなどによりまして、不用額が生じたものでございます。
○高倉委員 次に、バス路線の維持のことについてお伺いしたいと思います。
都内にも、利用者の状況によって、バスの路線の維持が難しいというところがあるというふうに思います。しかしながら、単純に、そういう利用者がどれくらいあるのかとか、採算が取れているのかいないのかとか、そういうことだけでなくて、やはり、このバス路線は、地域の住民にとっては極めて重要なものであります。それをしっかり確保していくということも、やはり公営の交通事業者には求められているのではないかというふうに思っております。
こうした地域の貴重なバス路線を維持していくために、都営バスの運行に対しまして、経費を負担している自治体があるわけでありますが、その負担している自治体の数、それから路線の数、それから負担金の総額について明らかにしていただきたいと思います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 令和四年度において、都営バスの運行に対しまして、経費の一部を負担いただいている自治体数は、二区四市一町七路線で、負担金の総額は約三億二千八百万円でございます。
○高倉委員 今、自治体の数、そして路線の数、そして負担金の総額について明らかにしていただきました。
私の下には、率直に申し上げますと、やはり財政的に厳しい、どこの自治体も厳しいといえば厳しいわけですけれども、さらに厳しい自治体というのもあって、こうしたことも負担になっていると。そういう中で、東京都交通局ともいろいろな形で意見交換をしながら、何とか少しでも負担が軽減できないだろうかと、そういう自治体からの要望、あるいは、自治体の関係の議員の方からも、そういう声も聞いているわけであります。もちろん、単純にその負担の金額を少なくしてしまえばというようなことを、皆さんが、はいそうですかと、単純にそういうわけにはいかないというふうに思います。
毎年、今、挙げていただいた自治体と、負担について協議をされているというふうに思います。
今後、そうした自治体から負担軽減などの要望があった際には、ぜひ適切に対応していただきたい、このように考えるわけでありますけれども、見解を求めます。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 毎年度、関係自治体に、当該路線のお客様のご利用状況や燃料費を含めた支出の状況などを詳細に報告いたしまして、協議の上、負担額を決定しており、今後とも、各自治体と情報を共有しながら十分協議を行ってまいります。
○高倉委員 最後に、通信環境の整備についてお伺いしたいと思います。
都営地下鉄、それから都営バスともに、これまでといいますか、以前といいますか、無料のWi-Fiのサービスというのが行われていたわけであります。私も、そういったことが行われるというようなことを利用者の方々にも積極的にお伝えをして、ぜひ、都営交通を利用した際には、車内でそうしたWi-Fiも使っていただきたいということもアナウンスをしてきたわけであります。
利用する方々からは、よかったというか、ぜひ使わせていただきたいという声もずっとあったわけでありますが、残念ながら、今、この両方とも、無料のWi-Fiはもう行われていないと。事業者の方が、何といいますか、撤退をされたという状況があるんだというふうに思います。
こういう交通機関に限りませんけれども、今やはり、コロナ禍の中で減っていた外国からの観光客も、東京に来たときに、どうしてWi-Fiがあまり使えないのでしょうかみたいな話が以前からずっとあったわけですね。海外に行きますと、主要な都市では、こうした公共Wi-Fiというのはしっかりしている場合もある。東京はどうなのかという話が以前からずっとあって、そうした中で、こういう都営交通の公共Wi-Fiが行われてきたということでありますけれども、残念ながら、今、ちょっと行われていない状況にあるわけであります。ぜひまた、どうしたらいいかということも検討を重ねていただきたいというふうに思います。
駅あるいはバス、そして地下鉄を利用するお客さんの方々が、そこで必要な情報を得たりすることができるというのも、やはり、こうした情報の環境が充実していればこそというふうに思いますし、さらに今後は、5Gの環境をどうしっかり整備していくか、こうしたことも課題であるというふうに思います。
そこで最後に、都営地下鉄をご利用するお客様が快適に携帯電話で通信できる環境整備について、現在の取組状況、そして、今後の対応についてお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○小林資産運用部長 交通局では、都営地下鉄を利用されるお客様が携帯電話を快適に使用いただけますよう、関係機関と調整しながら、駅構内や駅間における通信環境の整備に取り組んでおります。
令和四年度は、通信速度の向上や通信混雑状況の緩和を図りますため、使用可能な周波数帯を増やす取組を進めました。
さらに、令和五年度からは、機器を設置するスペースや設置スケジュールを調整しながら、都営地下鉄駅構内の5G環境の整備を推進しております。
○尾崎委員 最初に、都営地下鉄の浸水対策について質問します。
地球沸騰化の時代といわれるほど気候危機が急速に進み、ゲリラ豪雨が多く、都営地下鉄の浸水対策は、早急に行わなければならない課題になっていると思います。二〇二二年度の予算についても、重要な柱の一つだと認識をしています。
そこで、二〇二二年度における都営地下鉄の浸水対策の予算額、決算額について伺います。
○豊田総務部長 令和四年度における浸水対策の強化に関する事業費は、予算額三億九千三百万円に対し、決算額は七千五百万円となりました。
○尾崎委員 予算額と決算額だけを見ると、ただいまご答弁ありましたように、予算額が三億九千三百万円に対し、決算額が七千五百万円で、あまりにもかけ離れており、差が大きいと思います。
そこで、この差について詳しく教えていただきたいと思います。
○坂口建設工務部長 施工条件や関係者調整による施工時期の変更や、契約差金等によるものでありまして、引き続き、浸水対策を着実に推進してまいります。
○尾崎委員 決算額が予算額よりも三億一千八百万円少なかった理由については、施工時期の変更があったこと、設計委託が不調になるなどで二〇二三年度に再発注したものが差額の半分くらいであるということ、また、委託をしないで、都の職員が直でできたこともあり、経費の削減ができたところもあるということも伺っております。都の職員が直接できることもあると思いますので、今後の委託事業の見直しを行うことも必要ではないかと要望しておきたいと思います。
施工時期の変更があったということなので、確認したいと思いますけれども、浸水対策について、二〇二四年度までの三か年計画の目標と、二〇二二年度の具体的な実績について伺います。
○坂口建設工務部長 経営計画二〇二二では、令和六年度までの三か年で、駅出入口七か所、通風口二十か所での対策工事完了を目標としております。
このうち、令和四年度は、駅出入口六か所、通風口六か所での対策工事を完了いたしました。
○尾崎委員 二〇二二年度に予定していた施工時期が二〇二三年度に変更されても、掲げている三か年の浸水対策工事の完了の目標に向かって取り組んでいくということだと思います。二〇二四年度までに通風口二十か所の目標ですが、完了できるのか、今のスピードで大丈夫なのかと不安はありますが、都営地下鉄の浸水対策は、都民の安全・安心のために急いでやる必要があるものなので、引き続き頑張っていただきたいと要望するものです。
次に、都営バスの運転手の問題について質問します。
マスコミ報道によると、運転手の不足などで、全国でバスの減便が相次ぐ中、業界団体は、二〇三〇年度には三万六千人の運転手が不足するという試算をまとめたとのことです。
運転手不足に拍車をかけるとされているのが二〇二四年問題だとの指摘があります。二〇二四年問題とは、運転手の環境を改善するため、二〇二四年四月から労働時間の上限を引き下げることなどが決まっています。特に、民間バスや運送業などでは大きな課題となっています。
都営バスや民間バスには、女性の運転手も増えています。働く環境をもっとよくすることで、女性でも安心して運転手として働くことができると思います。そして、住民の要望に応える移動の手段、移動権の保障となる都営バスを安全に運行することができると、私は日頃から感じているところです。
そこで、都営バスの運転手の職員数について、五年間の推移を伺います。また、そのうち女性の運転手はどのくらいなのか、伺います。
○市川職員部長 平成三十年度から令和四年度までの年度末におけるバス乗務員の職員数は、順に、二千四十五名、二千六十三名、二千百六名、二千百五名、二千三十八名でございます。
そのうち女性職員数は、同様に、十六名、十六名、十八名、二十二名、二十一名でございます。
○尾崎委員 二〇二一年度までは、少しずつではありますが、増えている状況が分かります。二〇二二年度は、前年と比較すると六十七人減少していますが、都営バスの運転手の職員数は、民間バスの運転手不足とは状況が異なるということも聞いています。
女性の運転手も少しずつ増えている状況が分かり、今後、都営バスの運転手、職員の方々が安心して働ける環境をつくることは大事な問題だと思います。当事者の方々の要望を聞き取りながら、必要な休憩、休日を保障することを求めるものです。
都営バスの運転手になるには大型二種免許が必要ですが、都営バスでは、二種免許がない方でも都営バス運転手を目指せる都営バス運転手養成枠採用を二〇一五年から導入しています。
過去五年間の実績の推移について伺います。
○市川職員部長 平成三十年度から令和四年度までに行ったバス乗務員の養成型選考による採用実績は、順に、十九名、十九名、十六名、十九名、十九名でございます。
○尾崎委員 二〇一五年から導入した都バス運転手養成枠採用で、着実に採用が増えていることが分かりました。
先ほどもマスコミ報道について紹介しましたが、報道でも、民間バスの運転手不足が話題となっています。
都営バスでは、都バス運転手養成枠採用のほかに、どのような対策を講じているのか、伺います。
○市川職員部長 交通局では、バス乗務員の確保に向け、養成型選考の導入のほか、採用PRの充実や採用時の年齢要件の拡大など、様々な取組を行っております。
○尾崎委員 直前に迫っている二〇二四年問題がありますから、運転手の働き方だけでなく、職員を含めた働き方に関わる改善策については、今まで以上に力を入れていただきたいと要望するものです。都営バスで取り組んでいることは、民間バス会社などのモデルになると思います。
最後になりますが、梅70系統について質問します。
私の活動地域で都バスが運行しているのは、梅70だけです。赤字路線であるために、地元自治体である青梅市、瑞穂町、武蔵村山市、東大和市、小平市が運行費の一部を負担しています。
いつから自治体負担が行われているのか、事実確認のために伺います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 昭和五十九年度から、欠損額の一部を自治体に負担いただいております。
○尾崎委員 この問題、以前も私、この公営企業決算、交通局のところで質疑をしましたけれども、一九八〇年、昭和五十五年十一月ですが、公営企業等財政再建委員会の答申で、内部補助——赤字系統を黒字系統の収入で支えること——この内部補助の可能な限度を超えて路線を存続する場合は、その性格、内容により、特別区や市、町の公共負担も検討すべきであるとなったわけです。この答申を踏まえて、梅70系統の関係自治体との協議を行い、先ほどご答弁ありました、昭和五十九年、一九八四年に協定を結び、自治体負担が始まったということです。
一九八〇年の答申が基になっているということですが、今から四十三年も前のことになります。
それでは、地元自治体の負担額について、計算方法はどうなっていますか。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 地元自治体の四市一町との間で多摩地域における都営バスの公共負担に関する協定を締結し、これに基づき、三年ごとに負担額を更新しておりまして、原則として、欠損見込額の三分の二を四市一町に負担いただいております。
○尾崎委員 二〇二一年度は、コロナ禍でも、赤字額、欠損額が減少していることが分かります。
梅70の決算に関わる赤字額はどのくらいでしょうか。五年間の推移を伺いたいと思います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 平成三十年度から令和四年度までの欠損額は、順に、約一億九千三百万円、約二億一千六百万円、約二億二千八百万円、約一億九千九百万円、約一億九千九百万円となっております。
○尾崎委員 ほかの路線などでは、コロナ禍の中で赤字が増えてしまっているという状況、乗客者数が減っているということがこれまでの質疑でも明らかになりましたが、梅70系統については、今ご答弁あったように、二〇二一年度、二〇二二年度の欠損額は、二〇一九年比で減少していることが分かります。
それでは、地元自治体とは三年ごとに協定を結んでいるということですが、二〇一九年度からの協定における自治体負担額は、合計で幾らでしょうか。また、各自治体、それぞれ幾らになるのか、伺います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 令和元年度から三年度までにつきましては、年間の負担額は約一億二千五百万円であり、その内訳は、青梅市が約三千二百万円、瑞穂町が約一千七百万円、武蔵村山市が約二千百万円、東大和市が約二千三百万円、小平市が約三千二百万円となっております。
○尾崎委員 ただいま、二〇一九年度から二〇二一年度までの年間の負担額を教えていただきました。合計で約一億二千五百万円ということです。
そして、今後も、二〇二二年度から二〇二四年度の三年間については、協定において、自治体負担額の合計は一億三千二百六十八万円であるということを伺っています。コロナ禍で乗客数が減る見込みだということで試算をしたということで、決算後、負担額が多かった場合には返却するということにもなっているんだということもお聞きしています。しかし、財政力が厳しい多摩地域の自治体において、これらの負担額は大変な負担になっていると思います。
二〇二二年度決算で見ると、都バスは百二十七路線ある中で、赤字路線は、何と百路線あります。
二〇二二年度の決算に基づいて、バス系統別収支状況が交通局のホームページに掲載をされているわけです。その中に、決算から推計された営業係数の一覧があります。この営業係数は、百円を稼ぐためにかかる費用というような数字を出すものです。梅70系統は百八十五円です。
以前、公営企業決算特別委員会のこの交通局での質疑で、私は、二〇一六年度にも同じような質問をしたことがありますが、このとき、営業係数は、梅70系統で二百十九円でした。
二〇一六年度と二〇二二年度では、三十四円も差が出ています。この数字は、この間の営業係数は改善されているということを示す数字になっています。
また、二〇二二年度の営業係数で、梅70系統の百八十五円を上回っている路線は六路線あります。しかし、六路線全てが地元自治体が負担をしているわけではありません。
都民の移動権を保障するためには、赤字路線であろうとも、都の責任で補償する必要があると思います。しかも、赤字だから、地元自治体で欠損額の三分の二を負担するようなことは、本来あってはならないことだと思っています。
都営バスが赤字の場合は、地元自治体からの負担で賄うのではなく、東京都の一般会計で支払うべきだと考えますが、いかがですか。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 梅70系統は、昭和五十年代に著しい赤字系統となっており、廃止の対象として検討せざるを得ない中、地元自治体との協議の結果、地元自治体の負担を前提に路線を存続することとしたものでございます。
○尾崎委員 廃止の対象として検討せざるを得ない中で、地元自治体と協議して、その結果として、地元自治体の負担を前提に路線を存続したということですが、路線を廃止にしないで存続させたことは、住民の足を守った重要なことだと思っています。
しかし、そのために、地元自治体が赤字路線を支えるためにお金を出すということは、今の公共交通、都バスとして、都民の足を守る、移動権を守る立場で検討をし直す必要があると厳しく指摘をするものです。地元自治体の負担を求めるのではなく、都の一般会計から支援すべきだと強く要望しておきます。
次に、運行本数について伺います。
二〇二二年度は、平日、土曜、休日の運行本数は何便でしたでしょうか。また、運行本数の改正時期と、改正前のそれぞれの本数について伺います。
○佐藤バス事業経営改善担当部長 平成三十一年四月一日に改正した現在の運行本数は、平日二十五便、土曜二十四便、休日十八便で、改正前の運行本数は、平日二十七便、土曜二十七便、休日十九便でございます。
○尾崎委員 二十三区と多摩地域の公共交通について比較しますと、多摩地域の公共交通は、非常に貧弱な状況だと思います。都営バスの路線も少ない、都営地下鉄もない、多摩都市モノレールは都の直営ではないということも大きな違いであります。数少ない都営バス、私の地元を走っている梅70系統なのに、この間、運行本数が減っているということが分かりました。多摩地域の公共交通の役割を考えるなら、運行本数を減らすのではなく、増やすべきだと強く要望しておきます。
住民の皆さんの中には、高齢化し、バス停でつらく立っている、立っているのもつらいという状況が見えます。そこで、梅70系統でも、上屋の数と同じぐらいに、ベンチの数を増設していただきたいということを要望しておきたいと思います。
東京都は、東京における地域公共交通の基本方針を二〇二二年三月にまとめました。しかし、私は、多摩地域の公共交通の役割と今後の課題について、地元自治体や住民の意見を聞きながら抜本的に改善を行う必要があると思っています。
多摩地域では、車を持っていないと買物にも病院にも行かれないという声が多く、高齢者の方は、子供たちから運転免許は返納すべきだ、こういうふうにいわれても、免許を手放せない人がたくさんいます。
交通不便地域も、多摩地域では、まだまだたくさんあり、各自治体では、コミュニティバスやデマンドバスを運行し、住民の足を守る移動権の保障に努めています。しかし、地元自治体だけでの努力では、財政的に維持できない事態になっています。
東京で、本気になって気候対策、CO2排出削減に取り組む上でも、公共交通の改善が必要です。東京都の交通局の役割が今まで以上に求められていることを指摘し、交通局の取組の強化を強く求めて、質問を終わります。
○柴崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柴崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で交通局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後五時三分散会
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