令和三年度公営企業会計決算特別委員会速記録第三号

令和四年十一月十四日(月曜日)
第十五委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長福島りえこ君
副委員長おじま紘平君
副委員長うすい浩一君
副委員長小松 大祐君
理事中田たかし君
理事慶野 信一君
理事清水やすこ君
理事曽根はじめ君
理事川松真一朗君
かまた悦子君
玉川ひでとし君
土屋 みわ君
星  大輔君
もり  愛君
保坂まさひろ君
原  純子君
渋谷のぶゆき君
西崎つばさ君
本橋たくみ君
森村 隆行君
藤井とものり君
あぜ上三和子君
和泉なおみ君

欠席委員 なし

出席説明員
知事小池百合子君
副知事武市  敬君
副知事黒沼  靖君
副知事潮田  勉君
副知事宮坂  学君
福祉保健局長西山 智之君
中央卸売市場長河内  豊君
港湾局長矢岡 俊樹君
交通局長武市 玲子君
水道局長古谷ひろみ君
下水道局長奥山 宏二君

本日の会議に付した事件
議席について
令和三年度東京都公営企業各会計決算の認定について(質疑)
令和四年度東京都病院会計決算の認定について(質疑)
・令和三年度東京都病院会計決算
・令和三年度東京都中央卸売市場会計決算
・令和三年度東京都都市再開発事業会計決算
・令和三年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・令和三年度東京都港湾事業会計決算
・令和三年度東京都交通事業会計決算
・令和三年度東京都高速電車事業会計決算
・令和三年度東京都電気事業会計決算
・令和三年度東京都水道事業会計決算
・令和三年度東京都工業用水道事業会計決算
・令和三年度東京都下水道事業会計決算
・令和四年度東京都病院会計決算

○福島委員長 ただいまから令和三年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の傍聴人の定員は、委員会傍聴規則第五条第二項の規定により、二十四名にいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○福島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○福島委員長 次に、委員の辞任及び選任について申し上げます。
 議長から、去る十月十八日付をもって米川大二郎委員の辞任を許可し、新たに森村隆行委員を選任した旨通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員をご紹介いたします。
 森村隆行委員です。

○森村委員 都民ファーストの会の森村隆行です。よろしくお願いいたします。

○福島委員長 紹介は終わりました。

○福島委員長 次に、議席についてお諮りいたします。
 本委員会室における議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○福島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○福島委員長 次に、委員外議員の発言の申出について申し上げます。
 上田令子議員から、会議規則第六十三条の規定により、本日の委員会に出席して発言したい旨の申出がありました。
 本件は起立により採決いたします。
 上田令子議員の発言を許可することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○福島委員長 起立少数と認めます。よって、上田令子議員の発言は許可しないことに決定しました。
 本日は、小池知事並びに武市副知事、黒沼副知事、潮田副知事及び宮坂副知事にご出席いただいております。
 本日は、お忙しいところご出席いただきましてありがとうございます。
 これより決算の審査を行います。
 令和三年度東京都公営企業各会計決算の認定について及び令和四年度東京都病院会計決算の認定についてを一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 なお、去る十月十七日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり報告書が提出されました。
 朗読は省略いたします。

   〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕

○福島委員長 これより質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領などに従い運営してまいります。
 また、質疑を行う際は、令和三年度等決算の審議から逸脱しないよう、ご協力のほどお願い申し上げます。
 なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭にご答弁されるようお願いいたします。
 なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
 これより順次発言を許します。
 川松理事の発言を許します。

○川松委員 それでは、令和三年度東京都公営企業会計決算及び令和四年度東京都病院会計決算に関する自民党を代表しての全局質疑を行わせていただきます。
 これまで、第一分科会、第二分科会で、それぞれの局の決算について審査をさせていただきましたけれども、今日は、先ほど委員長からお話がありましたように、小池知事及び副知事の皆様方ご出席の下ですから、知事にここで確認すべきこと、あるいは未来の東京に向けて重要な視点を知事と共に確認する、そういう思いで、幾つか質疑をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、水道事業について水道局にお聞きいたします。
 まずは工業用水道事業についてです。
 この工業用水道事業の事業廃止決定から三年が経過いたしまして、今年度は、切替えについて、いよいよ最終年度ということになっております。
 廃止については、当時、この東京都議会でも、公営企業委員会、財政委員会を主として、様々な議論が展開をされました。その際、大きな注目点は、工業用水道を廃止し、そこを、いわゆる飲み水が流れる上水道へ切替えをしていく作業、あるいはそこに関わる各種費用の在り方についてどう考えていくのかというのが大きなテーマでありました。そういった議論をして、工業用水道の廃止が、実際に東京都で決まって、進んでいく中で、今年度末までに切替えを整えるということになったわけですが、令和三年度末までに、工業用水、一般雑用水は三百八十三件、そして、集合住宅雑用水はおよそ二万三千件の切替えが完了したという報告がありました。
 これまでも我々都議会自民党は、ユーザーと向き合いながら、切替えをしっかりと進めていただく、この切替えによって、多くの方が不利益になってはいけませんよということを要望させていただきました。
 これに対して、水道局は、ユーザーが経営断念しないようにしっかりと支援すると、繰り返し答弁をされてきたところですが、この点は本当に重要であります。それぞれの事業者にとって、経営の継続や、あるいは日常生活において、水の供給というのは欠かせないからであります。
 念を押すと、水道局は、工業用水道から上水道への切替えを、多くの皆さん方、今まで使っていたユーザーの皆さん方にしっかりと気を使いながら、確実に進めていかなければならないという使命があったわけですが、では、この三年間で、上水道への切替えがどのように進んできたのか、また、年度末までに確実に完了することができるのかを伺います。

○古谷水道局長 工業用水道事業の廃止に伴う上水道への切替えに際しては、利用者のご理解、ご協力が不可欠と認識しております。
 切替えに当たり、一部の利用者からは、水道料金の増加や工場内の限られたスペースでの工事実施などについて不安の声が寄せられておりました。
 こうした声に対し、水道料金への差額補填について説明するとともに、上水道への切替えにより、新たに整備が必要となります給水管の布設や受水槽の設置のほか、塩素除去装置の導入などについて技術的な助言を行ってまいりました。
 これに加え、工場の稼働日や居住者の生活実態に合わせ、工事日程や施工方法の調整を綿密に行い、これまで切替えを円滑に進めてまいりました。
 現在、ほぼ全ての利用者から合意をいただいており、着実に年度内の切替え工事を完了させてまいります。

○川松委員 ありがとうございます。
 突然、当時ですね、当時突然示された工業用水道事業の廃止という政策においては、ユーザーの皆様の中には、あれっ、どうなっちゃうのかという大きな不安に包まれた方も少なくありませんでした。切替え工事を、この後、皆様方、水道局の各現場の皆様方が、ユーザーの方々の声をしっかりと聞いて進めてきて、もう本当に完了目前ということになっておりますが、改めて、企業活動や日常生活が脅かされることのないよう、多くの皆様方が安心して続けていけるように、水道局が責務を負っているわけですから、しっかりと、今、局長が答弁されたように、切替えを完了させていただきたいというふうに思います。
 次に、水道事業の運営について伺います。
 いまだに続くコロナ禍、あるいはロシアのウクライナ侵攻による物価の高騰など、日本の先行きは見通しが不透明であります。
 さらに、中長期的には、人口減少に伴う料金収入の減少や労働力人口の減少などが見込まれる中で、水道局は、ライフライン事業者として、安定給水を将来にわたって確保していかなければなりません。
 どのような取組を進めるにも、それぞれを支える土台が強固なものでないと、十分な効果を発揮できません。
 水道局では、経営基盤強化のために、グループ経営を推進するとともに、これまで培ってきた技術を着実に引き継ぐため、政策連携団体への業務移転を行っております。しかし、単に業務を移転しただけで、技術が継承されるというのは、違うと思うんですね。ただ業務移転するだけでは駄目だと。人から人に確実にその技術が引き継がれるための取組をしっかりと、これも着実に行っていかなければならない、これが重要であると考えますが、そのためには、組織一丸となった人材の育成に注力をすべきです。
 そこで、水道局、グループ一体となった人材育成の取組について伺います。

○古谷水道局長 水道局及び政策連携団体であります東京水道株式会社では、効率的かつ効果的に事業を運営していくため、共同で策定いたしました東京水道グループ人材育成方針の下で、グループ一体となった人材の育成に取り組んでおります。
 令和三年度は、組織的にOJTを進めるための体制構築や、局と団体が共同して研修を実施したほか、相互に職員を派遣し、局の現場力の維持向上と団体のマネジメント力向上を図りました。
 今後とも、東京水道グループがこれまで培ってきた技術を着実に継承し、次世代を担う人材を育成していくための取組を進めてまいります。

○川松委員 ありがとうございます。
 今、答弁ありましたように、局と団体が統一的な方針の下、将来にわたって東京の水道を支える人材をグループ全体で育成しているんだというお話でございました。人材育成、技術継承は、一朝一夕にはなし得ることができないため、これは息の長い取組でありますけれども、一日一日、着実に進めていっていただきたいと思います。
 こういう東京都水道局の基本姿勢を確認した上で、次に参りますが、令和元年の水道法改正を受けて、本年四月から、宮城県ではコンセッション方式が導入されるなど、ほかの水道事業体でも様々な官民連携が検討されているようです。コンセッションには、水道施設の運営権を民間事業者に設定することにより、水道事業に関するノウハウの継承が困難になるのではないかという意見があります。
 そこで、これまでも、様々この点、議論されてきていますが、改めて、東京都として、この水道事業、官民連携については、将来に向けてどう考えているのか、小池知事の見解を伺います。

○小池知事 都の水道事業は、都民生活と首都東京の都市活動を支える基幹的、まさに基幹ライフラインであります。また、安全でおいしい高品質な水を二十四時間三百六十五日、安定して供給していく、そのことは、東京の持続的な成長に不可欠でございます。
 また、人口減少に伴う料金収入の減少や高度経済成長期に整備した施設の老朽化、環境リスクへの対応など、都の水道事業を取り巻く環境は、かつて経験したことのない局面を迎えております。
 こうした状況を踏まえまして、改めて、グループ経営やコンセッションなど様々な官民連携の在り方を検討いたしました結果、現在、そして、将来の安定給水の確保、公共性と効率性の観点から、都の広域水道としての一体性と責任を確保しつつ、グループ経営を推進してまいります。
 今後とも、東京水道グループ一丸となりまして、強靱な水道システムを構築するとともに、世界に冠たる東京水道の技術力を国内外に向けて発信することで、東京のプレゼンスを一層高めてまいります。

○川松委員 ありがとうございます。
 今、小池知事から、今後とも、グループ経営を推進していくという答弁がございました。
 宮城県のことが全国的なニュースになって、これ、東京に限らず、様々な地域の皆さんが、自分たちの水道はどうなってしまうんだろうか、民営化なんてことになったら、将来にわたって水道料金、あるいは自分のところに水がちゃんと来るんだろうか、こういう心配もあったわけですけれども、小池知事から、今、そういうことは全く将来に向けても考えていないという趣旨の答弁がございました。ぜひ、今後とも、グループ経営が、持続可能な東京水道を実現するための最適解であるということを私たち考えておりますので、引き続き、事業運営で、しっかりと都民の皆様に、安全・安心の安定給水というものを示していっていただきたいと思います。
 次に、下水道局について質問をしてまいります。
 まず、資産の有効活用の取組について伺います。
 私は、様々なところで下水道についてお話をしておりますけれども、どうしても下水道というのは、地下にあるし、なかなか目にすることがなくて、上水道に比べると、この都市生活においては、最も重要なインフラであるにもかかわらず、なかなか身近な存在になり得ていないというものだというのは、私、課題だと思っています。
 汚水の処理や市街地から浸水を防除するなど、本当にこの都市の生活を支えているわけですが、例えば、衛生環境を守るために下水道が発展してきて、そして、それが将来にわたって各地域の繁栄を生んできたわけですけれども、施設の老朽化や激甚化、頻発化する豪雨への対応、処理水質の向上による水環境の向上、温室効果ガスのより一層の削減など、新たな課題が次から次へと出てきて、これを乗り越えていかなければならない、的確に対応していかなければならないというのも、下水道局の大きな使命であります。そのために、下水道事業というのは、さらなる効率化は当然として、下水道が持つポテンシャルを存分に生かしていく必要があると考えます。
 東京都下水道局ではこれまでも、水再生センター等の施設の上部を公園や運動場、災害時の避難場所等に利用するなど、周辺地域の環境整備に貢献しており、この取組について高く評価をされておりますが、一方で、局が有する資産や資源を活用し、収入の確保につなげてきたということもあるなど、経営基盤の強化に向けた取組も、さらに一層推進していく必要があるのではないかと思います。
 下水道局はこれまでも、例えば、芝浦の水再生センターの上部を民間事業者に貸し付けるなど、自らの持つ資産等の有効活用に取り組んでいると私は認識しておりますが、そこで、水再生センターの上部利用をはじめとするこれまでの資産等の有効活用の取組と令和三年度の実績について伺います。

○奥山下水道局長 下水道局では、水再生センターの上部の民間事業者への貸付けや下水熱の冷暖房熱源としての活用など、資産等の有効活用により収入を得ております。
 例えば、芝浦水再生センターでは、下水道事業で初めて立体都市計画制度を活用し、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する七万六千立方メートルの貯留池の上部を民間事業者に貸し付け、業務商業ビルを建設しております。
 令和三年度には、水再生センターの上部の貸付けなど、資産等の有効活用により約百四億円の収入を確保いたしました。

○川松委員 まさに、上部利用することによって、下水道局としても、いわゆる下水道事業以外からの収入を得ていますし、一方で、今、上部利用のお話をしてきましたが、まさに皆さん方が上部利用を民間事業者と組むことによって、あの地域の景色が一変したわけですね。地域の皆様の憩いの場も創出できた。
 ですから、今までは、新しいまちをつくるときに、下水道を敷くというところからまちづくりが始まってきたわけですけれども、今度は、下水道の施設がある上部をさらに開発することによって、その地域のにぎわいの創出に貢献しているというのは、これ、すばらしいことだと思いますので、もっと下水道局もPRを発信していただいて、下水道局が、いかに東京都民のみならず、多くの皆様方に貢献しているかということを発信していただきたいなと思います。もっともっと、局の皆さんが持たれている知見を生かして、地域、まちを活性化させていただきたいということを要望いたします。
 その上で、その上でですね、さらなる取組として、下水道局は、東京駅前の区画において進んでいる常盤橋街区再開発事業についても、地権者として事業に参画しているわけですが、この常盤橋街区再開発プロジェクトにおける下水道事業の取組を改めてお伺いします。

○奥山下水道局長 常盤橋街区再開発プロジェクトは、事業者が東京駅北側の街区におきまして、四棟のビルや大規模広場等を平成二十九年度から令和九年度にかけて段階的に整備する計画でございます。
 本事業区域内には、都心部の下水を水再生センターへ送水する銭瓶町ポンプ所がありますが、建設から五十年以上が経過しており、再構築が必要な状況でありました。
 地権者としての当局が本事業に参画することで、土地の確保が難しい都心部におきましても、必要な用地を確保することができたことから、工事中も機能を維持しながら再構築を進め、本年四月に新たなポンプ所が稼働いたしました。
 今後、再開発ビルの地下に下水を貯留する施設を整備することで、合流式下水道の改善を推進してまいります。
 加えまして、再開発ビル内に保有する権利床を貸し付けることにより、収入の確保にも努めてまいります。

○川松委員 ありがとうございます。
 今、局長から答弁ありましたように、地権者としての利点を生かして、下水道施設の老朽化対策を再開発事業と同時に進めることに加えて、資産を有効活用して収入を安定的に確保するということは、本当にこの下水道局のすばらしい戦略的な取組であるというのは、もう誰もが分かると思います。こういった取組を継続的に行って、持続可能な財政基盤も、今後、当然ながら築いていっていただきたいということを要望いたします。
 これは質問ではないんですが、先日、私、地元の墨田区で、立川というところで建設が進められている三之橋雨水調整池の工事現場を地元町会の皆様と見学をいたしました。この工事は、浸水被害の軽減を図るための調整池と合流改善対策としての貯留池を整備するものですが、工事現場の仮囲いに、近隣の小中学生の児童生徒が描かれた絵を掲げてほしいというふうにお願いをして、下水道局の許可をいただいて、今、壁に広がっているわけです。
 この取組が、たまたまスカイツリーで、スカイツリーのデザインコンクールみたいなものを小学生でやったら、もうきれいに壁が、みんな、児童が思い描くカラフルなスカイツリーが並んで、新聞でも取り上げられまして、こういう何か、何もなければ殺風景な工事現場の壁が、下水道局の皆様方が、その壁を使っていいよと許可していただいたおかげで、まちの雰囲気も変わるし、明るくなるし、そして、子供たちが、今度は下水道というものを身近に感じるというすばらしい取組だと思います。
 現在、幾つかの、都内で、地域で、既に同じようなことをやっているということですが、各それぞれの工事現場のときには、下水道局から、地域の皆さんに、むしろ働きかけると。お願いされるんじゃなくて、どうですかというのをそれぞれの地域に声をかけて、下水道局の工事というのを身近に感じていただくところから、下水道局の理解者をもう増やしていくというのはいかがかなというので提案させていただきたいと思います。
 本当に、私が見学をさせていただいた施設というのも、実は騒音だとか、振動とか粉じんとか、地元の皆様には、近くの人たちには迷惑をかけていることもありますから、そういうことに気を使いながら、下水道局の工事、結構長期にわたります、すぐ終わる工事ではありませんので、丁寧に、真摯に向き合って、地元のために頑張っていただきたいと思います。
 今日は、収入を得るための戦略的な取組、周辺地域と連携した取組など、様々な視点を持って、下水道局が有する資産を有効に活用して、安定的な事業経営につなげ、そして、多くの下水道局ファンを増やすということを期待して、次の質問に移ります。
 交通局について伺います。
 今日の全局質疑では、都営地下鉄の新型コロナウイルス感染症への対応について伺います。
 大江戸線は、全路線地下を走行し、また、他社の鉄道路線との乗り入れを行っていないということから、比較的輸送障害に強いと認識されておりまして、東日本大震災の際にも、いち早く運行を再開したのは、今でも誰もが覚えているのではないでしょうか。地震に強い大江戸線として、私は、自分自身のいろんな、様々な発信媒体でも、多くの方にPRをしてまいりました。
 この大江戸線も、令和三年一月に、新型コロナウイルス感染症の影響によって運転士が確保できず、減便することになったのも、また広く報道をされました。
 私が考えるのは、公共交通機関として不測の事態にも事業を継続していくことが求められるものであり、BCPがとても重要になってくるという考えであります。
 交通局には、地下鉄の運転士が感染症により欠員することを想定したBCPがあると伺ってはおりますが、大江戸線減便の際には、BCPにより、どのように運行を継続されたのか、確認のため、教えてください。

○武市交通局長 交通局では、感染症の発生時に、都営交通の機能維持に努め、公共交通機関としての使命と社会的役割を果たすことなどを目的として、BCPを策定しております。
 都営地下鉄の運行継続に当たりましては、相互乗り入れやダイヤの調整等を行いながら、確保した要員に見合った運行を実施することとしております。
 令和二年十二月、大江戸線の清澄乗務区に在籍する運転士等が同時期に集中して新型コロナウイルスに感染した際には、あらかじめ定めたBCPダイヤを基にしつつ、できる限り運行本数を増やせるよう、休日出勤や他部署からの応援等により運転士を確保し、同月二十七日から翌年一月十一日までの間、通常ダイヤの七割程度で運行いたしました。

○川松委員 当時は、あらかじめ定めていたダイヤを基に対応したということになりますが、これ、今後も、コロナに限らずに、感染症が蔓延し、都営地下鉄の運転士が影響を受けてしまうという事態は、より厳しい視点で想定しておく必要があろうかと思います。
 運転士の感染を完全に防ぐのは難しいというのは、これまでの私たちの経験から推測ができることです。また、感染した場合、誰でもが運転できるわけではなく、シフトですね、シフトを、簡単に穴を埋められるというものでもない特殊な体制であります。
 しかしながら、公共交通機関であるがゆえに、できる限りBCPダイヤを適用せずにオペレーションが進められるよう対策を講じておくことも重要ではないかということを指摘しておきます。
 そこで、大江戸線のコロナ減便を教訓に、令和三年度は、通常どおりの運行を維持するために交通局はどのように取り組まれたのか、このことをお聞きしたいと思います。

○武市交通局長 都営地下鉄では、職場内の感染拡大防止を図るため、手洗い、マスクの着用、換気等の基本的対策や、ワクチン接種の促進に加え、共用箇所の消毒の徹底、仮泊室の寝具のリネンの都度交換など、対策を強化しております。
 さらに、同一職場内で感染等により運転士に一定数の欠員が生じた場合でも、日頃指導監督を行っている助役が速やかに運転業務につけるよう、本庁や他事業所からの応援体制を整備いたしました。
 こうした取組により、令和三年度は、一定の陽性者等が発生したものの、通常運行を維持することができました。
 今後とも、都民生活を支える公共交通機関としての役割を果たし、お客様に安心してご利用いただけますよう、感染防止の取組を徹底してまいります。

○川松委員 ありがとうございます。
 公共交通機関が減便ということになれば、都民生活への影響は大きいものです。ただいまの局長答弁で、都営交通利用者の皆様のために、交通局のみならず、都庁舎全体でスクランブル体制を構築したんだということがよく分かりました。
 新型コロナウイルス対策について、現場の奮闘というと、どうしても医療提供体制の維持に取り組まれた方ばかりを思い浮かべがちですが、本当に、都庁舎全体で、各局、各部署が、それぞれの立場で、全力でこの困難に対して向き合っていたということが分かる、局長の一例だったと思います。
 今現在、極めて強い緊張状態ということではありませんが、第八波ということに関しては、要警戒状態が続いています。
 小池知事におかれましては、こうやって、都民、都内事業者など多くの方々のために、行政サービスを支え続ける職員一人一人の存在を、常に重く頭に置いていただいて、そして、今、質問してきた交通局におかれては、様々難しい状況もあると思いますけれども、できる限り通常運行を維持できるように努めていただきたいということをお伝えして、次の質問に移ります。
 豊洲市場について伺います。
 豊洲市場は、都民の食生活に関わるだけでなく、豊洲市場に出荷する産地の方々や、豊洲市場の目利きの力を通して仕入れを行ってきた小売店や料理店の方々など、全国に深い関わりがあり、豊洲市場が活性化することは、全国の活性化にもつながります。
 ですから、思い返せば、コロナが流行し、東京の繁華街を中心に飲食店の皆様が先行きどうなるのかと悩まれていたときに、私たち都議会自民党のコロナ対策プロジェクトチームは、永田町や霞が関を回っては、東京の飲食店がこうやって打撃を受けることは、仕入れが止まることになる、例えば、豊洲市場の取引が沈んでいるという現状は、巡り巡って全国の産地の皆様に影響が出ますよ、だからこそ、家賃支援なども含めて、飲食店への支援策を求めて、全力で動き回ったものです。当時、本当に、マグロが並ぶ様子というのも、活気がなくなっていて寂しい思いをして、都内のおすし屋さんなどを回っては、様子を聞いていったものです。
 今の話は、コロナが始まった頃の初期の頃の令和二年の話になりますが、そこから、今回、審議している令和三年度、復活傾向であるというイメージがあるわけですけれども、令和二年度から引き続き、コロナ感染の拡大に令和三年度は見舞われました。
 その影響の長期化もあって、消費行動の変容の中、卸売市場を含む生鮮食料品等、流通は、大きな変化に直面したものと認識しています。
 そして、開場から四年経過した豊洲市場では、業務運営にも慣れ、新しい施設や設備をてこにして、新たな取組に挑もうとしたその矢先に、大きな課題が立ちはだかったのではないでしょうか。
 しかし、卸売市場が社会の重要なインフラであることからすれば、市場が、全国の産地や小売店、飲食店の方々の必死の努力を支え、そして、都民の方々にしっかりと生鮮食料品を届ける役割を果たせたのかどうかということが問われた一年であったかともいえます。
 今日、今、決算の審査をしておりますけれども、豊洲市場は、社会の変化にどのように向き合って、そして、開設者として、東京都はそれをいかにして支えてきたのかを伺っていきたいと考えています。
 まず、豊洲市場の取引状況についてお聞きしましたら、コロナ禍前の令和元年度と令和三年度を比較すると、水産物の取扱金額は三・〇%の減少、青果は四・三%の減少となっておりまして、その単純な比較では、取扱いが減少しているようにもうかがえます。
 よもや生鮮品の供給がしっかりとなされていないのでは、これ、都民生活に影響しますから、少し不安さえも感じるわけですが、そこで、コロナ禍における都民の消費動向を踏まえて、令和三年度の豊洲市場における取引状況を、市場としてどのように分析をされているのか伺います。

○河内中央卸売市場長 都民の消費動向についての都の調査によりますと、令和三年における調査対象世帯の消費支出を令和元年と比較いたしますと、外食への支出は約三割と大幅に減少した一方で、家庭内で消費された魚介類への支出は約九%、野菜、海藻類は約七%増加しております。
 こうした需要の変化を反映し、豊洲市場におきましては、飲食店等での需要が高い活魚は約二三%、ワサビ等のつま物野菜は約一六%、取扱金額がそれぞれ大きく減少した一方で、家庭内での消費にかなった鮮魚は約三%増加し、大根等の主要野菜は約一%の減少で、ほぼ横ばい状況でございました。
 その結果、水産物、青果ともに取扱金額は減少しているものの、都民の消費動向に合わせて、水産物、青果の供給を滞りなく行うことができたものと分析しております。

○川松委員 ありがとうございます。
 特に豊洲市場の特徴というのは、銀座、赤坂、六本木など、東京というよりも日本を代表する繁華街に全国の新鮮な食材を供給し、国内のみならず、海外の方の舌をうならせてきたこと、そして、着実に家庭需要にも対応する、そうした幅広い利用者層に対応する力にあるのだと私は考えております。
 そうしたことが、これまで築地ブランド、そして、今や豊洲ブランドとしてその地位を築き上げているのだと感じているわけですが、コロナ禍にあって、豊洲ブランドの力も生かして、厳しい環境の中で都民の消費行動を映す鏡のように、需給の調整をしっかりと行い、その役割を果たしてきたものだといえるのではないかと思います。
 そして、こうしたブランドを支えているのが、取引を担う市場業者の方々であるわけですね。市場業者の経営の安定化が重要なことはもとよりですが、全国の産地の方々などに支持をされ、利用していただく市場であるためには、急激かつスピードの速い環境の変化にも柔軟に対応していく取組を下支えしていくことが、東京都にとっては重要であると思います。
 そこで、令和三年度において、産地や小売店等の方々のニーズに対応した市場業者の取組に対して、東京都はどのように支援をされたのか伺います。

○河内中央卸売市場長 中央卸売市場では、コロナ禍をはじめとした様々な環境変化に柔軟に対応し、生鮮品等の安定的な流通を確保する役割を果たしていくため、中央卸売市場強靱化推進事業により、産地や実需者のニーズに応える市場業者の取組を支援しております。
 令和三年度における一例を申し上げますと、国際的な認証を得て資源管理や環境配慮に取り組む漁業者が養殖したタイにつきまして、市場業者が味覚等を科学的に分析し、レストラン等に伝えることなどにより、販路拡大につなげる取組を支援いたしました。
 また、宅配をはじめとする中食需要の増加に対応する飲食店等のニーズに応えるため、生産性の高い鮮魚加工設備等を市場業者が導入する取組や、小売店等の受発注業務の負担を軽減するため市場業者がデジタル技術を活用したシステムを構築する、そのような取組に対して支援を行いました。

○川松委員 もうまさに環境が変化していく中で、市場業者も対応していく、その対応に対して、しっかりと支援をされてきたということの一例のお話だったと思いますが、今まで、コロナ禍における豊洲市場の取引の状況、そして、そういった厳しい状況にあっても、今お話に出ていたような経営革新に取り組む市場業者の状況について伺ってきたわけですが、答弁を今聞いて思うのは、私が、豊洲か築地かというときの議論の中で何度も申し上げてきたことは、豊洲市場が活性化すれば、間違いなく全国が活性化すると。このことに向けて、市場業者の方々と東京都はしっかりと取り組んでいってほしいということでしたけれども、まさに、その一端が見られたと。取り組んでいるということを市場長から強い答弁をいただきました。
 今のように、東京都と市場業界が一体となって市場運営に取り組み、産地や飲食店の皆様の間に立って、変動が大きい需要と供給をマッチさせる役割をより一層強く果たしていっていただきたいというふうに思います。そして、今、こうした市場の役割を、多くの都民の皆様方、ひいては国民の皆様方に知っていただくことが、さらなる活性化を引き出して、そして、好循環を生むのではないでしょうか。
 私たち都議会自由民主党はこれまで、豊洲市場の果たす役割や市場ならではのにぎわいなど市場本来の機能や働きを広く知っていただくために、情報発信、もう強い情報発信が重要なんだということを繰り返し指摘してまいりました。
 豊洲が開場した後、コロナ禍の影響により、令和二年度、三年度は、市場見学などは中止になったというふうに認識しておりますが、それ以前は、国内外から多くの見学者が豊洲市場を訪れ、にぎわいを見せていたというふうに思います。
 そこで、令和三年度までの豊洲市場における情報発信の取組について伺います。

○河内中央卸売市場長 中央卸売市場は、生鮮食料品等を円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラであり、卸売市場が果たしている役割を分かりやすく多くの都民に伝えていくことが非常に重要でございます。
 このため、豊洲市場では、ポストコロナを見据えて、等身大マグロパネルや青果初市の縁起物であります宝船のレプリカ、いつでもマグロや活魚等の競りの様子を楽しめるQRコード等を設置いたしまして、展示物の充実を図ったところでございます。
 加えまして、その場にいなくても豊洲市場を体感できるVR動画やプロの料理人によるオンライン料理教室の配信などを行いました。
 また、にぎわい施設である江戸前場下町では、感染対策を講じ営業を継続するとともに、日曜の営業を試行し、食を通じて豊洲の魅力を体感できる機会を増やしました。

○川松委員 今ご答弁いただいたように、豊洲市場では、その周辺地域も含めて、ポストコロナを見据えた様々な取組を着実に行っているということがよく分かりました。
 今振り返ってみると、今年度は、豊洲市場のちょうど向かい側の四街区がまち開きを行い、オフィスやホテルなどが開業したわけです。そして、来月には、小池知事が記者会見でも、ばちっとお話をされたように、いよいよ環状二号線が全面開通するなど、新豊洲の地域も、より一層にぎわいを増してきております。
 さらに、今後は、千客万来施設もいよいよオープンが控えていると聞いてはおりますが、こうした近隣の施設とも連携して、豊洲市場の情報発信をより活性化させることで、この豊洲でしかできない、豊洲ならではの活気やにぎわいを生み出して、魅力を高めていくものだと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 今お話ししてきたように、豊洲市場、開場から四年の中で、華々しいスタートからコロナということで、非常に厳しい状況を乗り越えて、今、ポストコロナを見据えている、新しい時代を見つめているという局面に来ましたけれども、この四年を経た豊洲市場の現状を踏まえて、今後の市場運営に向けての知事の見解、豊洲市場の評価も含めてお伺いしたいと思います。

○小池知事 これまで私は、折に触れまして豊洲市場を訪れております。そして、市場業界の皆様方とコロナ禍における取引状況など意見交換も重ねてまいりました。
 先月も、豊洲市場の水産仲卸団体であります東京魚市場卸協同組合、ちょうど創立七十周年を迎えられまして、その記念式典に出席をいたしました。仲卸業者をはじめとする市場業者の皆さんが、長年にわたりまして、生鮮品の流通を守り抜いてこられたんだな、そのエネルギーを肌で感じたところでございました。
 まさしくこうした市場業者の方々が、豊洲という地におきまして、日々熱意を持って取引に汗を流しておられる、このことが、まさに移転の評価を示しているものと認識いたしております。
 長年積み重ねてきた歴史、そして、伝統の力をしっかりと継承しつつ、豊洲市場が、時代の変化に対応して世界を見据えた食文化の新たな発信拠点として、確かな歩みを進めていけますように、市場業界の皆様と手を携えて取り組んでまいります。

○川松委員 今、小池知事からお話がありましたが、本当に豊洲市場に移転してよかったという内容のお話だったと思います。
 さんざん移転のときには様々な議論をしてきましたが、まさにこの豊洲市場というのはポテンシャルが高いわけで、この四年間の中で、コロナも経験して、様々なノウハウが、また、僕らが当時想像していたものとは違うノウハウが、この市場の関係者の皆さん方に蓄積されましたから、これを一気に、市場長から今お話がありましたように、SDGsに対した取組に対して販路を拡大していくとか、あるいは工場の環境だとか、世の中のニーズに合わせた対応をしていくことによって、本当に市場が、当時いっていたような、パリだとか、ニューヨークに負けない世界で一番の市場になるように、引き続き、今年度、そして、来年度とつなげていっていただきたいということを要望しまして、次の質問に移ります。
 次は、港湾局にお聞きします。
 ここでは、臨海副都心におけるまちづくりについて伺いますが、臨海副都心は、様々な商業施設の進出が進むとともに、大規模展示場や研究開発拠点等が集積するなど、国内外からの多くの人々でにぎわうエリアとして発展してまいりました。一方、エリアが広大なため、台場や青海、有明の各拠点間の移動を気軽に行うことが難しいんだということがいろんな方から指摘をされていたところであります。
 臨海副都心は、デジタル技術の活用により新たなサービスを創出し、都民の皆様が質の高い生活を送ることができるスマート東京の先行実施エリアとされておりますが、このエリア内の移動に関する課題を克服し、まちの魅力をさらに高めるために、現在注目されているデジタル技術の一つである自動運転技術を活用することが重要であると私は考えております。
 そこで、東京都は、臨海副都心における自動運転技術の実装に向け取組を進めておりますが、令和三年度における実績と今後の展開について伺います。

○矢岡港湾局長 臨海副都心の魅力をさらに高めるためには、自動運転技術を活用した新たなモビリティーを導入し、エリア全体の回遊性を向上させることは重要でございます。
 このため、都は、昨年度から新たに、シンボルプロムナード公園において自動運転車両を実際に走行させることにより、車両の安全性や利便性等の確認を実施いたしました。
 今年度は、公園内に加え、公道においても自動運転車両を走行させ利用者ニーズ等を把握するとともに、少人数が利用する新たな自動運転による小型モビリティーや、視覚障害者の移動支援のためのスーツケース型ナビゲーションロボットの実用化に向けた検証も進めてまいります。
 こうした様々な先進的な取組を進めることにより、臨海副都心において、誰もが快適に移動し、気軽に楽しむことができるインクルーシブなまちづくりを実現してまいります。

○川松委員 ありがとうございます。
 自動運転技術を活用したサービスの社会実装には、引き続き多くの課題があるわけですけれども、課題を着実に解決することによって、多くの方々が利用可能なサービスの提供が可能になりますから、ぜひ推進を、さらにやっていただきたいと思いますが、こうしたデジタル技術を活用した先進的な取組を進めることによって、臨海副都心エリアに対する、もう都民の皆様のみならず、国内外からの関心も高まって、先端技術の集積エリアとして知名度の向上も期待できることから、私は、この点については加速していただきたいということを要望して、次の質問に行きます。
 これが最後になりますが、都立病院についてですけれども、今回は、都立病院に関しては、令和三年度及び令和四年度の会計決算ということで、いうまでもなく、東京都議会において、決算を審査するというのは、これが最後ということであります。
 ですから、分科会においても、福祉保健局には、都立病院の今後の在り方も踏まえて、繰り返し様々な観点から私は質問をしてきたわけですけれども、ただ、やはり独法化をする、した、このあたりの議論が、明確に多くの皆様に伝わっていない、それは、都立病院で働かれている皆さんに伝わっていなければ、あるいは患者さんの皆さんにも伝わっていないんですよ。だから、私たちは、この独法化するメリットというのを繰り返し繰り返し、不安を持たれた職員の皆さん、患者さんの皆さんには、丹念に、入念に説明をしてきましたけれども、それでも実は追いついていません。
 そこは、私は、小池知事を中心とした東京都の皆さん方が、もっと積極的に発信すべきだということを先般の本会議でも質問し、福祉保健局からは、この病院の発信については、戦略的に取り組んでいくという新たな方針も示していただいたわけですが、本当に都立病院のみならず、公社病院というのは、新型コロナウイルス対策、東京都におけるコロナ対策においては、大きな役割を果たしました。
 コロナ禍で経営形態を変えるということについては、心配の声があるんだと、なぜ、コロナ禍で厳しいときに、突然、知事は独法化を表明し、進めていったんだ、何も説明がないじゃないかというような批判の声もあるわけですけれども、やはり、私は、この数か月ですけれども、いろんな取組をして、独法化になってよかった点があると思いますから、改めて、知事が自ら決断して示したことですから、この意義、独法化の意義というのを知事の口から力強く説明していただきたいと思います。

○小池知事 都立病院につきまして、重点医療機関化、そして、専用医療施設の開設などによりまして、重症の方、中等症の方、この患者さんや新型コロナによる症状が軽くても重い基礎疾患のある方々の受入れに率先して取組をいたしまして、都民の安心を守ってまいりました。
 一方で、短いサイクルで変異を繰り返す新型コロナウイルスから都民を守るためには、ウイルスの特性に応じた対策を先手先手で講じる必要がございますが、地方公務員法などの制約によって、迅速、柔軟な人材の確保が困難などの課題が改めて明らかになったところでございます。
 そして、独法化をいたしましたその後、人、物、予算、これらの面で柔軟な病院運営が可能となった新たな都立病院におきましては、機動的な人材確保をはじめ、感染症医療提供体制の強化を進めているところでございます。
 今後、独法化のメリットを生かしまして、新型コロナへの積極的な対応はもとより、都立病院の使命でございます行政的医療、そして、高度専門的医療に一層磨きをかけまして、誰もが安心して質の高い医療を受けられる東京を実現してまいります。

○川松委員 ということが独法化のメリットであるということを、今まとめて知事からお話をされましたけれども、これを議会にかける、あるいはこういう方針で行くといったときから、繰り返し、知事の会見だとか、何度も、もっともっと説明をしていただきたかったということ、これは振り返っての決算の審議ですから、知事にはお話をしますけれども、また、今、行政的医療と出たので、この後、質問しますが、一方で、コロナ禍においての都立病院の役割を考えれば、これは分科会でもお話をしましたが、第五波のときに、日本ECMOnetが、多摩総合医療センターに拠点を置いて都立病院を支援しました。
 この日本ECMOnetが中心になって、ECMOを必要とする重症患者さんを広く都内全域で守り抜いたという、その必要性が分かったわけです。
 当時、要はECMOを使える人、集中治療の観点で、救急医療の観点で、長い時間にわたってECMOを動かし続けるドクターが本当に少なかった。だから、こういう知見を持っている人たちに全国から集まっていただいて、東京、重症化が増えているときに助けてもらうことが必要なんじゃないかということを私たちが菅内閣にお願いをして、そして、菅内閣が、厚生労働省で決めて、東京都と連携しましたから、ECMOnetがこうやって広域で活用できた、活動できて、そして、多くの人が救われたというのは、私は菅内閣の大きな功績であったというふうに思うし、この点において、多摩総合医療センターは、多くのノウハウを得ることができました。
 ですから、この後、行政的医療の話をしますが、今まで都立病院だと、これは公務員の給与規定です、だから、どんなに頑張っても、どんなに残業したとしても、あくまでこれは都立病院の規定です。どんどんどんどんコロナで濃厚接触者になったり、ご自身が陽性になったりして、職場から離れていく人たちがいて、穴を埋めたとしても、この頑張りは、とにかく二倍、三倍、四倍とかという評価はできなかったからこそ、独法化することによって、これは違う給与形態、あるいは評価形態で、多くの皆様方に、職員の皆様方にやる気を出していただくということが必要なんじゃないかというお話をしてきましたが、そのためには、とにかく財源なわけですよ。
 今までも、都立病院、公社病院には、多くの財源が東京都の一般会計から投入をされました。独法化に反対されている方たちは、独法化をすると、東京都から一般財源が入らなくなる、東京都と独法化というのは、もうける医療をするだけで、弱者の切捨てだと。こんなことを繰り返しいわれているわけですから、職員の皆さんは不安になるし、患者さんの皆さんは不安になるわけです。
 改めて、この場で、多くの皆さんがそろっている、そして、知事もいる場で東京都にお聞きしますが、都立病院、今後、行政的医療を確実に提供していくために必要な財源というのは措置し続けるべきだと私は考えますけれども、未来に向けた見解をお伺いします。

○西山福祉保健局長 感染症医療や周産期医療など、民間医療機関だけでは対応が困難な行政的医療の提供は、都立病院が果たすべき重要な役割でございます。
 行政的医療は、採算の確保が困難であることから、将来にわたって都民に必要な医療を安定的、継続的に提供できるよう、都は、運営費負担金として、これまでと同様、確実に財源を措置してまいります。

○川松委員 この都立病院の議会における最後の決算の場で、福祉保健局長は、一般財源を未来にわたって措置し続けるという力強い約束の答弁をいただきました。
 ぜひ、このことは忘れずに、必ずずっと何年も何年も引き継いでいっていただきたいと思いますが、一方で、私が今お話をしたように、その財源があってこそ、頑張った人たち、職員の皆さん方が報われる機動的な体制というのがつくられると思いますが、これ、分科会でも給与制度など確認しましたけれども、機動的に人材をどうやって確保していくのか、これ、本当に医療人材が不足している中で厳しいと思いますけれども、見解を伺います。

○西山福祉保健局長 都立病院の看護師や助産師は、これまで都が一括して採用してまいりましたが、都立病院機構では、各病院の状況に応じて機動的に人材を確保できるよう、病院長の裁量で随時採用できる権限を付与しておりまして、現在までに四十四名の看護師と七名の助産師を採用いたしました。
 また、これまで年一回の採用であった職種につきましては、迅速に職員を確保するため、年度途中での採用機会を設け、薬剤師九名、心理職一名、管理栄養士五名を採用いたしました。
 さらに、バイオインフォマティシャンや造血細胞移植コーディネーターといった採用困難な専門職種について新たな職を設定いたしまして、それぞれ一名を採用いたしました。
 こうした取組によりまして、高度専門的医療等の提供に必要な専門人材を時機を逸することなく採用し、医療課題や患者ニーズに機動的に対応してまいります。

○川松委員 今のが、まさにコロナ禍においてこそ、この独法化というのが必要だったということの一つの答えだと思うんですね。
 公務員の採用形態だと限られたタイミングでしか採用できません、機動的に各病院で、判断で、採用できませんということが、独法化されたことによって、いつでも必要なタイミングで採用することができる、そして、実際に、独法化されてから数か月の間ですけれども、もう動いてきた。このことが今の局長の答弁で分かったわけであります。
 一方で、これは確保するだけで終わりではなくて、この後は、さらにどういうことが待ち構えるか分からない、医療ニーズが出てくるか分からない中で、継続的に人材を育成していく、確保とともに育成して、そして、質の高い医療、私は、分科会では、松沢病院なども個別にお話をしながら、いろいろとお聞きしてまいりましたけれども、行政的医療も守っていかなければいけないわけですが、専門性の高い人材や中心的役割を果たす人材の育成に力を入れていくというのは、新しい機構側の使命であります。
 この取組状況について伺います。

○西山福祉保健局長 都立病院では、医療の質を向上させるため、東京医師アカデミーや看護アカデミーなど、職員の臨床能力を高め、病院現場で中核となり得る人材を育成するための取組を推進してございます。
 医師アカデミーでは、高い専門性と総合診療能力を兼ね備えた医師を育成し、令和三年度は九十三名が修了し、都立病院を含む都内の医療機関に七十二名が就職いたしました。
 また、看護アカデミーでは、小児や感染管理等、特定の分野で高い実践能力を発揮できる看護師を育成し、令和三年度は、急性かつ重篤な患者の全身管理等を行うクリティカルケア等の分野で、新たに四名が認定看護師資格を取得いたしました。
 今後、新たな都立病院では、こうした取組をさらに強化するとともに、地域の医療機関等との人材交流を推進し、地域医療の充実に貢献できる人材を育成してまいります。

○川松委員 ありがとうございます。
 まとめになりますが、東京都の公的病院でしか救うことができない患者さんがたくさんいるということも忘れてはいけません。しっかりと新法人として、局と連携しながら多くの患者さんを救っていただきたいと思いますし、改めて、今お話があったように東京都の公的な病院ですから、福祉保健局もはじめ、あるいは東京都庁舎全体で、やはり患者さんに優しい病院であるべき、そして、職員の皆様を大切にする病院であるべきだということを繰り返し私はいってきましたし、分科会でも質疑をいたしました。
 ぜひ、東京都知事、小池知事、そして、福祉保健局はじめ多くの皆様方には、もう本当に、患者さんや職員が心配になったとしても、私たちがしっかりと皆さんを救っていきますという強いメッセージを常に発信し続けていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○福島委員長 川松理事の発言は終わりました。
 次に、おじま副委員長の発言を許します。

○おじま委員 昨年度を振り返って、また、来年度以降につなげていくという大事な委員会でございます。今日は、知事、副知事もご出席ですので、実りある都民益に資する質疑にしたいと思っております。
 まず、旧病院経営本部、現福祉保健局関係について質疑をしたいと思います。
 本年七月からの都立、公社病院の独立行政法人化に向けて、令和三年度は準備の年でありました。当時、西山局長は病院経営本部長で、私は厚生委員長だったわけですが、様々議論が交わされたところであります。
 独立行政法人化の意義の一つとして、人材の柔軟な活用というのが挙げられておりまして、民間医療機関との人材の融通などが進むことが期待をされています。
 今年度から早速効果を上げるべく、都立、公社病院の独立行政法人化に向けて準備に取り組んできたと認識をしていますが、民間医療機関等との柔軟な人材交流についてどのように取り組んできたか、まずは伺いたいと思います。

○西山福祉保健局長 新たな都立病院では、独自の人事制度の下、地域における医療連携の推進を目的として、民間医療機関等に人材を派遣するほか、地域の医療従事者を受け入れ、実践的な研修を実施することとしております。
 本年八月から、大塚病院では、地域の医療機関の依頼に基づき、看護師の継続的な派遣を開始し、医師の訪問診療への同行や外来業務等に従事をしております。
 病院の看護師が、専門的ケアの技術協力を行うとともに、在宅療養の現場で幅広い知見を身につけて病院に戻ることで、急性期治療終了後の療養生活まで見据えたケアを行うことが可能となります。
 患者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域包括ケアシステムの構築に向けて、さらに取組を進めてまいります。

○おじま委員 今、患者が住み慣れた地域で安心して暮らせるようというご答弁があったんですけれども、都立病院の長所を発揮するには、まさに地域に根差した医療連携というのが進むこと、地域包括ケアシステムがしっかり機能することが重要と考えます。区市町村とも連携をして、しっかりと進めていただきたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症に対峙をする中で、旧都立、公社病院が果たしてきた役割は非常に大きく、特に現場で多くのご苦労をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
 病床確保においても、様々な医療提供を調整し、約二千床の確保ができるよう体制を整えてきました。一方、病床確保に当たり、病床確保料は各病院の大きな収入となっていますが、多額の税金が投入をされていることから、その透明性の確保は極めて重要です。
 コロナ禍における病床確保の取組と病床確保料収入及び病院経営の経常損益について、令和二年度、三年度の結果を伺いたいと思います。

○西山福祉保健局長 都立病院は、臨時の医療施設を除き、令和二年五月に四百四十一床、令和三年一月に五百四十床、二月に八百二十床、四月に千床、本年一月に千五十床と、都内の感染状況に応じて確保病床を順次拡大し、他の医療機関では困難な小児や妊婦、精神疾患等の合併症を有する患者等を積極的に受け入れてまいりました。
 また、令和二年度は約二百四十一億円、令和三年度は三百三十億円の病床確保料を受け入れました。
 病院会計の経常損益は、令和元年度約四十二億円の赤字から、令和二年度は百二億円の黒字、令和三年度は約百二十二億円の黒字となってございます。

○おじま委員 今ご答弁をいただいたように、ほかの医療機関では対応困難な患者を受け入れる最後のとりでともされてきたので、ある程度はバッファーを確保しなければならないという考え方も理解はできます。一方で、確保病床に対してどれくらい患者を受け入れてきたのかという点については、これは都立病院も含めて注目を浴びたところです。公の病院が受け入れていないのに、何で民間が頑張らなきゃいけないんだというご批判を受けることもありました。
 そのような中で、我が会派では、昨年、第三回定例会や三月の予算特別委員会において病床確保料の適正化を指摘し、受入れ実績や病床使用率が低い医療機関に対して確認を取るという措置が取られることとなりましたが、旧都立病院においてどのような対応となったのか伺いたいと思います。

○西山福祉保健局長 都は、令和三年十月、第五波とされる八月のピーク時の病床利用率が八割に満たない医療機関に対して、患者受入れ状況の調査を実施し、都立病院では、広尾病院や多摩総合医療センターなど四病院が調査対象となりました。
 調査対象期間である第五波におきまして、これらの四病院を含め都立病院では、コロナの重症患者や他の医療機関では対応困難な妊婦、小児、精神疾患等の合併症を有する患者を多く受け入れ、医師、看護師等多くのマンパワーを必要としたことから、さらなる患者の受入れが困難な場合もございました。
 このため、次の感染拡大に備え、コロナ病棟の看護師の配置体制の見直しや、看護助手や救命救急士の配置などによる看護師のタスクシフト、一般病棟からの医師のさらなる応援体制の構築、転院の促進など、円滑な患者受入れに向けた取組を進めております。

○おじま委員 第八波に向けては、患者の受入れ体制だったり、病床の運用、これをさらに柔軟にしていくという方針を、この間、福祉保健局として出されていたと思います。これはぜひお願いしたいところであります。
 一方で、そもそも医療リソースというのは有限でありまして、コロナ病床を確保するということは他の病床を削ることでもあるということは、これは忘れてはならない点だと思います。
 新型コロナウイルス感染症に対応するため、通常医療に大きな影響を与えることとなりましたが、コロナ重症患者は大きく増加せずに推移をしており、様々な疾患に対応することも必要です。
 今後、都立病院では、通常医療とコロナ医療についてどのように対応していくのか、見解を伺います。

○西山福祉保健局長 都立病院は、感染症医療をはじめとする行政的医療の提供を役割としており、できる限り通常診療への影響を抑えながら、コロナ医療に最優先に取り組んでまいりました。
 本年六月以降の第七波では、重症、中等症の患者や新型コロナによる症状は軽くても重い基礎疾患のある方、認知症など介護度の高い方、障害のある方などを受け入れる一方、熱中症患者等の増加や救急医療機関のクラスター発生等により、救急医療が逼迫した状況を踏まえまして、多くの救急患者を受け入れるなど、地域のニーズに臨機応変に対応いたしました。
 今後の感染状況に応じて、コロナ医療と通常医療との両立を考慮した医療提供体制を確保し、都民の生命と健康を支えてまいります。

○おじま委員 医療資源が有限という中で、今ご答弁いただいたバランスというのをどうとっていくかというのが、非常にこの後も重要になるかと思います。
 第七波では、猛暑による熱中症患者が増えたということもあって、救急が逼迫をいたしました。冬は、心筋梗塞とか脳梗塞とか、あるいはこういう急性期疾患だったり、転倒による骨折というのも増えたかと思います。
 第八波は、インフルエンザとの同時流行も予想されておりまして、また医療の逼迫が懸念をされるところです。都立病院を要に、万全に備えていただきたいということを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 続いて、中央卸売市場関係であります。
 新型ウイルス感染症の影響の長期化や、あるいはコロナを経て、人々の生活様式が変わり、コロナ後も飲食店の売上げが元に戻らない可能性が高いと想定をしていく必要があると、昨年の決算特別委員会などでも、我が会派から指摘をいたしました。
 こうした変化に的確に対応していくため、市場業者が行うICTを活用した販路の多角化や販売方法の多様化などの付加価値を高める取組、輸出業務に精通した人材を育成する取組などに対し支援を実施してきたと理解をしています。
 販売チャンネルの多角化や販売商品の付加価値を高める取組、輸出の拡大に向けた取組について、どのような成果が上がっているのか具体的に伺うとともに、ポストコロナに向けて、市場業者の皆様の競争力をどのように高めていくのか、見解を伺います。

○河内中央卸売市場長 都は、中央卸売市場強靱化推進事業により、市場業者の経営力強化に資する取組を支援しておりまして、令和三年度は、七十七件の取組に対し約三億四千万円を補助いたしました。
 具体的には、販路拡大に向けたECサイトの構築とその普及活動等により、新規顧客を二十社獲得した事例、また、商品の品質管理を強化し、競争力を高めるため、荷さばき場に冷却設備を導入して定温化した事例、さらには、輸出手続を自動化するシステムを導入し、業務改善で生じた人材を営業活動に充てたことにより売上げを約一千五百万円増加させた事例など、これらの事例に対して支援を行ったところでございます。
 今後、こうした取組や成果を情報誌等で広く発信し、機運醸成を図ることなどにより、市場業者自らが稼ぐ力を強化できるよう、取組を推進してまいります。

○おじま委員 今ご答弁にあった発信をして知っていただくというのがすごく重要だと思っています。強靱化推進事業による支援、これは、補助率も高くて、非常に使い勝手のよいものだと認識をしていますが、千社近くの事業者がいる中で、令和三年度、七十七件にとどまっております。事業者が新しい事業にチャレンジをすることができない要因というのを一つ一つ丁寧に取り除くとともに、意欲を喚起していくことを求めたいと思います。
 原油高や資材費等の高騰も、直近の課題として大きな影響があります。
 また、直近の課題のみならず、脱炭素化の取組や循環型の経済、いわゆるサーキュラーエコノミーの実現の観点は、市場経営においても重要であります。
 市場経営全般や各市場業者への取組の中で、脱炭素化、そして、資源循環の取組をどのように行ってきたのか、実績と課題について伺います。

○河内中央卸売市場長 中央卸売市場では、設備や照明などで多くのエネルギーを使用していることから、消費電力を削減し、脱炭素化につながる照明器具のLED化に取り組んでおり、令和三年度は、五市場でLED化工事を実施いたしました。
 さらに、市場内で使用される小型特殊自動車のZEV化を推進するため、充電設備を増設しておりまして、令和四年二月一日現在での電動化率は約八〇%となっております。
 また、市場の流通過程で容器類など多くの産業廃棄物が発生していることから、市場業者に、木製パレット及び発泡スチロールの再生処理に要する費用の一部を支援することにより、リサイクルを推進しております。
 持続可能な社会の実現に向けて、市場設備等の省エネ化や容器類のリサイクル等を一層推進していきたいと考えております。

○おじま委員 小型特殊自動車、いわゆるターレでしょうか、などのZEV化も進めていただいているということです。
 また、市場で出る木製パレットとか発泡スチロールとか、そういう産廃を可能な限り全てリサイクルをしていけば、かなりの資源の有効活用になるのではないかと思っています。
 今ご答弁いただいたようなこれまでの実績と課題を踏まえて、今後どのように脱炭素化や資源循環の取組を強化していくのか伺います。

○河内中央卸売市場長 本年三月に策定した東京都中央卸売市場経営計画では、市場の脱炭素化に向けて、施設の維持更新等の機会を捉えまして、太陽光発電装置の導入を進めるとともに、生鮮品の鮮度保持等の観点から使用している冷蔵庫設備等について、環境に配慮した省エネ型でノンフロンの冷媒機器等への更新にも取り組むこととしております。
 また、資源循環の推進に向けまして、市場業者と連携し、容器類等のさらなる排出量の削減に取り組むとともに、発泡スチロール製容器のリサイクルの高度化に向けた取組を進めることで、より環境負荷の低い循環利用を促進することとしております。
 こうした取組を通じまして、中央卸売市場として、脱炭素化や資源循環を積極的に推進してまいります。

○おじま委員 今、市場における取組についてご答弁をいただいたところですが、市場の中での取組だけではなくて、日本の食品流通のまさに核として、産地から消費者までの食の流通全体が脱炭素化や資源循環となっていくように、大きなビジョンについても描き、推進をしていただくよう求めたいと思います。
 持続可能な市場会計の実現に向けた取組の早期具体化は重要であります。
 執行体制の見直しによる市場運営費の縮減や収入確保等、取り組んでいると理解をしていますが、経常収支の黒字化のためには、これまでの延長線上での取組だけでなく、抜本的な改革も必要であると認識をしています。
 豊洲の市場移転から四年が経過をしまして、この間の経常収支がどのように推移をしてきたのか、取組の成果や要因分析と併せて見解を伺います。

○河内中央卸売市場長 中央卸売市場が、経営の健全性を確保し、持続可能な市場経営を実現するためには、経常収支の改善を図ることが重要と認識しております。
 平成三十年十月の豊洲市場の開場以降、年度を通じて初の決算となった令和元年度の中央卸売市場会計の経常収支は百三十一億円の赤字となっており、これ以降、令和二年度の経常損失は百二十一億円、令和三年度は百十四億円と、段階的に改善しながら推移してございます。
 改善の主な要因は、収入面におきまして、遊休施設の有効活用による使用料収入の増加等を図るとともに、支出面におきまして、組織、人員体制の見直し、新規企業債の発行抑制による支払い利息の圧縮を進めたことなどによるものでございまして、経営改善の取組を継続的に進めてきた成果が現れたものと考えております。

○おじま委員 今ご答弁いただいたとおり、収入面、支出面、両方からのご努力を様々行われてきて、段階的に改善はされてきており、この後も努力をされていくということについても確認をさせていただきました。ただ、まだまだ赤字でございます。さらなる改善を求めていきたいところです。
 三月末に発表いたしました東京都中央卸売市場経営計画では、経常収支について、豊洲市場の減価償却費等の影響により、大幅な赤字で推移をする見込みですが、各市場の取扱数量や取扱金額を伸ばし、売上高割使用料収入を毎年五・五%ずつ増加させていくことを想定していますというふうに記載をされています。
 先ほどの答弁内容も踏まえて、経常収支の黒字化に向けてどのような過程にあると認識をしているのか、今後の抜本的な取組強化への姿勢も含め、当時、市場長として指針の策定をされた黒沼副知事に見解を伺います。

○黒沼副知事 市場会計の経常収支につきましては、ただいま市場長がご答弁申し上げたとおり、豊洲市場の開場以降、一定の改善は図られてきておりますが、令和三年度決算においては、いまだ大幅な赤字となってございます。
 そのため、経常収支の黒字化に向けまして、今後は、より一層、収支改善の取組を推進する必要があると認識しております。
 そこで、都は、将来に向けて中央卸売市場が進む、いわば羅針盤というべき経営指針を策定させていただきまして、これに続きまして、経営計画を具体的に策定し、経営状況等により精緻な分析を踏まえたさらなる経営改善策を検討、実施することとしております。
 加えまして、市場の活性化に向けた様々な取組を通じまして、使用料収入総体の増加を図るとともに、市場使用料の在り方の検討なども行うこととしてございます。
 こうした取組を通じまして、市場経営の抜本的な改善を図り、中央卸売市場が、今後も、都民に対する円滑で安定的な生鮮品等の供給を確保する役割を着実に果たしてまいります。

○おじま委員 ただいま市場経営の抜本的な改善というご答弁をいただきました。
 おっしゃるように、本当に抜本的なことをやらないと、この百億円超の赤字というのを埋めるのは難しいかと思います。元市場長である黒沼副知事の課題認識も今伺ったところなので、ぜひ経営改革の取組を加速させていただきたいと思います。
 交通局への質問に移ります。
 コロナ禍における乗客の減少により、交通局においても多大な影響がありましたが、今後、日常生活のみならず、観光需要など一定の回復も見込まれます。
 一方、特に通勤に関しては、よい意味でも、対面とテレワークのハイブリット勤務というのが常態化するなど、コロナ禍を経て、働き方が変わった影響は残り続けると想定をされています。
 コロナ禍を経て、交通需要と収入にどのような影響を与えているのか、回復傾向も含めて状況を確認するとともに、今後の見通しについて見解を伺います。

○武市交通局長 都営地下鉄の乗車人員は、令和三年度は一日当たり約二百万人であり、二年度に比べ約四%増加いたしましたが、コロナ禍前の令和元年度と比べますと約三〇%の減少となっております。
 今年度は、昨年度に比べ回復傾向にあるものの、テレワークやオンライン会議の浸透など、人々の行動変容の定着に加え、新型コロナウイルス感染症の第七波の影響などもあり、コロナ禍前と比べ約二〇%の減少とした年度当初の想定を下回る状況が続いております。
 今後も、コロナ禍前の水準への回復は期待できず、乗車料収入の減少により、厳しい経営環境に置かれるものと見込んでおります。

○おじま委員 コロナ前と比べて三〇%の減少ということで、これがそのまま乗車料収入に打撃を与えているのだと思います。
 こういった状況を踏まえて、新たな需要の創出やテレワークに対応した新たな収益源の獲得が重要であります。
 対面とテレワークのハイブリッド勤務など、コロナ禍による働き方を捉え、駅にテレワーク用のブースの設置やカフェ機能を導入するなど、新たなサービスの展開が必要になってくると考えますが、どのように新たな収益を生み出す取組を行ってきたのか、見解を伺います。

○武市交通局長 交通局では、お客様の利便性の向上と収益確保を図るため、駅構内の限られたスペースを有効に活用し、店舗や自動販売機などのサービスを展開しており、事業者等とのヒアリングやお客様の声を通じて、利用ニーズを把握しながら、新たなサービスの導入に努めてまいりました。
 令和三年度は、USBポートによる充電サービスを利用可能なコーヒーショップをリニューアルオープンしたほか、活用が難しかった狭小なスペースにモバイルバッテリーレンタルスタンドを四駅に設置したところでございまして、今後も、働き方の変化等に対応し、取組をさらに進めてまいります。

○おじま委員 今ご答弁いただいたモバイルバッテリーのレンタルスタンドというのは、私も本当によく使わせていただいているところであります。メトロとかにも最近増えてきていまして、民間でも、様々努力が、取組がされているところです。
 まさに、ウイズコロナ、ポストコロナ、働き方における細かなニーズにアンテナを張って応えていかなくてはならないと考えています。
 例えば、新たな外出機会の創出についても、今後、取組を求めていきたいと思います。
 テレワークの勤務の普及で、定期券利用者は減ったものと理解をしています。
 一方で、テレワークでの通勤時間の短縮や会食の減少などは、ビジネスマンが夕方以降に余暇を楽しむ余裕が生まれた面もあります。例えば、美術館などの夕方、夜間の観賞と交通運賃を組み合せて、新たな目的での外出機会を促し、公共交通を利用してもらうなどといった攻めの取組も庁内外で連携をして取り組んでいくべきと考えておりますので、これについても検討を求めたいと思います。
 支出面を見ると、電気料金などをはじめとするエネルギーや資機材コストの増大や、人手不足への対応は重要であります。
 我が会派ではこれまでも、デジタルやテクノロジーの導入により、業務の効率化やサービスの向上に取り組むよう求め、交通局においても検討を進めてきていただいていると認識をしています。
 都営交通におけるデジタルやテクノロジーの導入にどのように取り組んでいるか、見解を伺います。

○武市交通局長 交通局では、お客様の安全性、利便性のさらなる向上や業務の効率化を図るため、デジタル技術の活用に取り組んでおります。
 具体的には、お客様が時差通勤や密の回避などを判断しやすくなりますよう、地下鉄車両から収集した膨大な混雑データを活用し、号車ごとの混雑予測情報を都営交通アプリで提供しております。
 また、トンネル等の点検にタブレット端末を活用し、現場で点検結果や画像等の入力を行うことで、業務の効率化を図る取組も進めております。
 さらに、民間事業者と連携して、都庁前駅に地下鉄駅初となる5G環境を整備し、保守やサービスへの活用可能性を検証するプロジェクトを実施しております。
 今後とも、技術開発の動向を注視し、効果を見極めながら、デジタル技術の活用を進めてまいります。

○おじま委員 最近は、公共交通機関での移動、特に電車で移動するときは、私は本当にスマホがないとどこにも行けないくらい頼りきりになっているんですけれども、裏を返せば、ここを強化していけば、サービスがそのまま強化をされるということだと思っています。
 我が会派としても、このビッグデータというのを活用していくと、都民の暮らしが随分便利になっていくんじゃないかということも申し上げてきたところであります。デジタル、テクノロジーを通じて、引き続きお客様サービスの向上に努めていただきたいと思います。
 また、都として脱炭素化の取組を強化しておりまして、戸建て住宅においても、太陽光パネルの設置を加速する方向で議論が進んでいます。
 そのような中で、都の率先行動の一つとして、都営交通において再生可能エネルギーの利用拡大は急務であります。
 国においても、線路沿いや廃線の跡地などに、太陽光発電や風力発電の設備を設置する取組について検討が進んでいます。
 都営交通における脱炭素化の取組についてどのように取り組んできたか、カーボンハーフの実現に向けた取組の加速も必要ですが、見解を伺います。

○武市交通局長 都営交通は、環境に優しい公共交通であると同時に、事業活動に伴い、相応のエネルギーを消費することから、その抑制等に取り組むことが重要と考えております。
 このため、エネルギー効率の高い地下鉄車両や、ブレーキ時に発電する電気を再利用する電力回生システム等の導入を進めるほか、地下鉄の駅やバス停留所へのLED照明の導入を拡大しております。
 また、バス事業者として国内最多の燃料電池バスを導入するとともに、庁舎改修等の機会を捉えて、屋上にソーラーパネルを設置しております。
 加えて、都営バスの営業所で使用する全ての電力を局の水力発電による再生可能エネルギーで賄っております。
 カーボンハーフの実現に向けては、さらなる対策を進めていく必要があり、今後とも、最新の技術動向等を注視しながら環境負荷低減に努めてまいります。

○おじま委員 今、交通局において、省エネ、再エネ、様々なご努力を行ってきているし、これからも行っていただくという答弁だったと思うんですけれども、ただ、現状の取組の延長だけだと、カーボンハーフ、これは五〇%にするということですから、この実現というのはなかなか難しいのではないかと認識をしています。省エネ化や発電設備を導入できる場所を徹底的に増やしていただくとともに、コスト面も踏まえた省エネ電力等の調達など、庁内の協力も得ながら、カーボンハーフ、カーボンニュートラルの道筋をつけていただくよう、検討の深化を求めたいと思います。
 一方で、そもそも、自動車などに比べて、公共交通を利用すること自体が環境負荷が低いということから、モーダルシフトの推進については、都市整備局と連携して取り組むことを求めたいと思います。
 次に、交通局の電気事業について伺いたいと思います。
 過去に路面電車事業を行ってきた経緯などから、東京都交通局では、電気事業を現在も保有しています。本来の交通事業とは別の事業を運営している中で、経営効率が最適化されているのか、交通事業の経営や採算とは分けて見る必要があります。
 電気事業の事業状況について、発電量や収支について伺うとともに、電気事業を交通局が持つ意義としてどのように考えているのか、見解を伺いたいと思います。

○武市交通局長 令和三年度における販売電力量は、三つの水力発電所の合計で約十一万六千メガワット時であり、電気事業の経常損益は約三億一千万円の黒字でございます。
 交通局は、明治四十四年に電気局として発足した組織であり、昭和三十二年の多摩川第一発電所の運転開始以来、水道局や地元自治体等と密接に連携し、ダム下流の安全確保を図りながら、安定的に電気事業を運営してまいりました。
 交通局が自ら電気事業の運営を担うことで、今後も、緊急時における水運用の変更等にも円滑に対応できるほか、都庁の一員として、環境に優しい電力を供給することで、都内における再生可能エネルギーの普及拡大に貢献できるものと考えております。

○おじま委員 今、交通局が発足した経緯についてもご答弁をいただきました。そして、この後も、電気事業の運営を担うことで、再エネの普及拡大に貢献できるという話もいただきました。
 ただ、率直に申し上げて、現状では、交通局における電気事業の相乗効果という点でいえば、薄いように感じておりまして、そもそもの在り方も考えていく必要があるかと思います。これを交通局が保有し続けるということであれば、何らかの相乗効果を生み出せる施策を検討すべきということも指摘をしておきたいと思います。
 新宿駅の西口と都庁の間で、デジタルサービス局と民間事業者とが連携をしまして、自動運転バスの実証実験が行われました。行く行くは期間限定の実証実験ではなくて、都庁のお膝元で、まさに実装を行い、職員や来庁者の方々が新たなテクノロジーに日常的に触れられる機会としていくべきであります。
 新宿駅の西口と都庁の間の路線については、そもそも乗客が限られていることに加えて、ロータリーに人を配置するなど、現状の収支については赤字であろうかと思われますが、一方で、高齢の方など様々な方が都庁へアクセスできるように、公共交通を維持していく必要もあります。
 新宿駅西口と都庁の間を走行するバス路線について、都営バスにおける路線の昨年度の利用者数と収支を伺うとともに、自動運転技術の導入に関する交通局の取組状況について伺います。

○武市交通局長 新宿駅西口と都庁との間を運行するCH01系統は、京王バスと共同運行をしており、都営バスにおける昨年度の一日当たりの乗車人員は約三百人で、収支は約一千八百万円の赤字となっております。
 この路線の運行ルートを活用し、昨年度、デジタルサービス局が、小型の路線バス車両による自動運転の実証プロジェクトを行っており、交通局では、停留所の共用や自動運転車両の運行ダイヤへの助言のほか、都営バスの車内デジタルサイネージを用いたお客様へのPRなどの協力を行いました。
 今後も、こうしたプロジェクトの結果や開発動向を注視しつつ、都営バスのフィールドやこれまで培ってきた運行上のノウハウを様々な技術検証に提供するなど、自動運転技術の開発に貢献してまいります。

○おじま委員 今、最後にご答弁をいただいたとおり、この自動運転技術という、これの開発に貢献をしていくという側面もありますことから、しっかりとこの後も進めていただきたいと思っています。
 実証実験を踏まえて、利用者からの意見や課題、あるいはメリットなどをデジタルサービス局ともしっかりと協議をして、交通局としても知見を高め、取組の進展に寄与するように求めたいと思います。新宿駅西口と都庁の間の公共空間は、特にモビリティー分野のテクノロジーの実装の場として適地でありまして、関係局で連携をして実装の取組を進めるように求めておきたいと思います。
 我が会派の提案によりまして、都営地下鉄において、子育て応援スペースを実施してきました。今、この導入の拡大というのも進んできていますが、まずは、子育て応援スペースの導入についての状況と利用者からの意見について伺います。

○武市交通局長 都営地下鉄では、小さなお子様連れのお客様に安心して気兼ねなく電車をご利用いただけますよう、令和元年七月から子育て応援スペースを設置しており、令和三年度までに大江戸線に十三編成導入いたしました。
 今年度は、八月末から、新宿線及び浅草線に順次拡大し、相互直通運転を行っている他社の路線内にも乗り入れを開始いたしました。
 今後、さらに三田線にも導入し、年度末には、四路線合計で三十六編成を運行する予定でございます。
 子育て応援スペースに対しましては、お客様や都民の方々から様々な声が寄せられており、子供連れ以外にも配慮すべきとのご意見もございますが、多くは、子供が喜んでいる、非常によい取組なのでスペースを増やしてほしいといった好意的な意見でございます。

○おじま委員 多くはとてもいい取組という好意的な意見が寄せられている、スペースを増やしてほしいなどの前向きな意見も出てきているということであります。
 また、子供連れ以外にも配慮すべきという声もいただいているところだと思うんですが、その方々への理解もどうやってしていただけるかというところについても、引き続き考えていっていただきたいと思っています。
 社会全体で子供たちを育み、心理的にも子育てのしやすい東京を築いていくということが重要であります。これまでの取組成果や意見なども踏まえて、子育て応援スペースについて新たなデザインも検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○武市交通局長 子育て応援スペースの装飾デザインにつきましては、より多くの方々に身近なものとして親しまれるよう、工夫を凝らしていくことが必要であると考えております。
 これまでに実施したアンケートにおきまして、装飾デザインに対しましては、子供に親しみやすい、周囲の人にも分かりやすいなど、好意的なご意見が多くあった一方で、様々なキャラクターのデザインがあるとよい、お年寄りや車椅子を使用される方が気軽に利用できるデザインではないなどのご意見もございました。
 こうしたご意見も踏まえ、これまで複数のデザインを展開しており、今後、ミッフィーなどの作者であるディック・ブルーナ氏の作品を新たに採用し、インクルーシブに配慮したデザインを追加する予定でございます。

○おじま委員 私も都営大江戸線ユーザーでありまして、通勤のときにいつもトーマスは見るんですけど、この後はミッフィーが導入されるということで、非常に楽しみにしているところであります。
 小田急電鉄においても、今年三月から、子育て応援車を設置し、ステッカーによる明示やイラストにより装飾をするなど、子育てを応援する取組を強化し始めました。都営地下鉄の取組が先行する形で、民間事業者にも動きが広がってきたことと思います。
 今後、さらに民間事業者とも都営地下鉄が取り組んでいる成功例などを共有し、理解や取組を広げていただくような働きかけというのも必要と考えますが、見解を伺います。

○武市交通局長 子育て応援スペースの取組を、他の鉄道事業者をはじめ、より多くの方に知っていただくことは、子育てをする方々が公共交通機関を利用しやすい環境づくりにつながるものと考えております。
 令和元年の導入以降、鉄道事業者の連絡会等におきまして情報提供を行うとともに、報道発表やホームページ、SNSなどを通じ、子育て応援スペースの情報の発信に努めているところでございます。
 また、相互直通運転を実施している新宿線、浅草線及び三田線への導入に際しましては、関係各社に趣旨を丁寧に説明し、ご協力いただいており、今後も様々な機会を捉えて機運の醸成に努めてまいります。

○おじま委員 今、情報発信というご答弁もいただきましたけど、これをいかにPRしていくか、いかに使ってもらえるか、いかに理解を得ていくかということも非常に重要な点だと思いますので、これについても、引き続き力を入れていただきたいと思います。
 既に動いていただいている授乳スペースの設置の拡大に加えて、ベビーカーシェアリングのサービスの導入、あるいは乳児用液体ミルクを売店など駅構内で購入できるようにするなど、子育てに優しいさらなる取組を求めまして、最後、水道局、下水道局への質問に移りたいと思います。
 コロナ禍による経済や生活への影響緩和のため、水道、下水道料金などについて、支払いが困難な場合の猶予制度の実施と、影響の長期化を踏まえて猶予の延長というのを求めてまいりました。事業者や都民から、助かったとの声を多数聞いています。
 そこで、コロナ禍における水道料金、下水道料金の支払い猶予について、令和三年度末までの利用実績や返済実績について伺います。

○古谷水道局長 新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、都民の暮らし、企業の活動などに様々な影響が及んでおります。
 このため、水道局及び下水道局では、新型コロナウイルス感染症の影響により、上下水道料金の支払いが困難な事情にあるお客様への支援のため、支払い猶予を実施しております。
 支払い猶予の受付を開始いたしました令和二年三月二十四日から令和四年三月末までの水道局及び下水道局の実績としては、受付件数が約二万五千件、猶予総額が約十八億二千万円、このうち支払い総額は約十五億七千万円で、約八六%が支払い済みとなっております。

○おじま委員 受付件数が約二万五千件で、猶予総額が約十八億二千万円、このうち支払い総額は約十五億七千万円ということで、かなり多くの都民がやはり助かったのではないかと思います。一方で、これだけの支払い猶予をして、果たして経営は大丈夫なのかという心配もあるところです。
 この間、料金収入や使用量についてどのように推移をしてきたのか、両事業の持続的な経営の観点から見解を伺います。

○古谷水道局長 コロナ禍の影響を大きく受けました令和二年度の料金収入は、コロナ禍前の元年度から、税抜きで水道が百六十二億円、下水道は百三十七億円の大幅な減収でございました。
 この要因は、ステイホームや経済活動停滞の影響により、オフィスビルや商業施設などで使用される単価の高い大口使用者の使用水量が減ったためでございます。
 また、令和三年度の料金収入は、経済活動等の再開により、大口使用者の使用量が回復傾向となり、コロナ禍以前の収入構造に戻りつつはありますが、前年度から、水道が二億円の増、下水道が五億円の減とほぼ横ばいでございました。
 引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響を含めた今後の社会経済状況の変化を踏まえ、料金収入の動向について注視しながら、徹底した経営努力などにより、健全な財政運営を進め、持続可能な経営を行ってまいります。

○おじま委員 コロナ禍で大幅な減収ということなんですが、先ほど来の交通局の話にもありましたが、社会経済の状況、あるいは働き方というのが変わっていく中で、本当にコロナ前の需要というのが戻ってくるとは限らないわけでありまして、引き続き、水道、下水道というものを持続可能な経営とするために、そのあたりの検証、需要の見込みというのも、この後、またやっていただきたいと思っております。
 これまでの質疑のとおり、新型コロナウイルス感染症の経済影響は、公営企業三局の経営環境にも大きな影響があります。一方で、ゼロエミッション東京を掲げる中で、公営企業におけるゼロエミッションの取組については、さらなる取組が必要であります。
 交通局、水道局、下水道局の公営企業三局の共通の課題として、これまでのゼロエミッションの取組について、小池知事の見解と今後の意気込みを伺います。

○小池知事 二〇五〇年ゼロエミッション、この実現に向けましては、まず、マイルストーンとなる二〇三〇年までの行動が極めて重要と考えております。そのため、タイム・ツー・アクト、この考えの下で、全庁挙げて取組を加速しているところでございます。
 多くのエネルギーを消費する都自身でございます。まずは、隗より始めよの意識の下で、温室効果ガス削減などの取組を一層強化し、そして、都民、事業者の取組を牽引していく必要がございます。
 お尋ねの公営企業三局についてのエネルギー消費についてでありますが、その公営企業三局のエネルギー消費量は大きいものがございます。そして、都庁の温室効果ガス排出量の約七割を占めるという、このような数字が上がってきております。
 これらの目標の達成のためには、公営企業三局の取組が極めて重要だということになるわけでございます。
 こうしたことから、省エネルギー化の推進に加えて、太陽光発電、小水力発電、バイオマスエネルギーの活用など、再生可能エネルギーの利用を拡大しているところでございます。
 また、燃料電池バスの導入によって、水素エネルギーの積極的な活用を進めることになりますし、さらに、排出量の一層の削減に向けまして、新たな技術開発に取り組んでいるところでございます。
 これらの取組を着実に都として推進をしていく、そして、二〇五〇年ゼロエミッションの実現に向けましては、脱炭素化に取り組んでいく、このような考えで進めてまいります。
 以上でございます。

○おじま委員 先日、ちょうど財政委員会の事務事業でも、都有建築物の省エネ、再エネというものについて質問をしたところなんですが、都民の理解と共感を得ながら、環境施策というのを進めていくには、まさに今、知事からご答弁をいただいた隗より始めよというのが重要であります。これを全庁的な取組として進めていただきたいということであります。
 ちょうど先週は、エジプトの出張に知事が行かれまして、COP27にも出席をされて、水素に関する意見交換、あるいは発信というのをしてこられたということであります。この環境政策というのは、未来への投資でもありますから、ぜひ、知事を先頭に、さらに加速をさせていっていただきたいということをお願いし、少し時間は巻いてしまいましたが、これにて私の質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○福島委員長 おじま副委員長の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後二時五十四分休憩

   午後三時十分開議
○福島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 うすい副委員長の発言を許します。

○うすい委員 公明党のうすいでございます。どうかよろしくお願いいたします。
 令和三年度を振り返りますと、変異株の猛威もありまして、新型コロナウイルス感染症がさらに長期化した影響で、経済活動全体に急ブレーキがかかり、世界的なサプライチェーンの混乱を来しました。
 これに加えて、本年二月には、ロシアのウクライナへの軍事侵攻が勃発をし、資源、エネルギー問題などを引き起こし、今に至る物価高騰、電力不足問題などで都民生活に多大なる影響を及ぼしております。さらに、引き続く気候変動による今後の自然災害の勃発、激甚化リスクを考えますと、まさに危機の複合化という視点からのリスクヘッジが今後ますます重要となると考えます。
 本委員会では、令和三年度の各公営企業会計決算をしっかりと分析をし、未来に向けて何をなすべきなのか、こうした点を踏まえまして、公明党を代表して質疑をさせていただきます。
 初めに、交通局の事業について伺います。
 昨年度、交通局が策定した経営計画二〇二二の財政収支計画によりますと、コロナの影響による今後の乗客数の見込みは、コロナ禍前と比較して、地下鉄は一五%程度、バスなどのその他の事業は一〇%程度減少が続くものと想定しています。また、少子高齢化や、それに伴う生産年齢人口の減少等が進むことが見込まれています。
 こうした中、将来の交通局の経営を見据えた場合、新たな需要の掘り起こしや関連事業の強化など経営改善に取り組むとともに、事業運営に必要な人材を確保していくことも大変に重要であると考えます。
 そこで、局の経営を中長期的にどういうスタンスで臨んでいくのか、見解を伺います。

○武市交通局長 厳しい経営環境が続くことが見込まれる中にありましても、中長期的に安定した輸送サービスを提供し続けていくことが交通局の果たすべき役割であると考えております。
 このため、安全・安心の確保を最優先としつつ、支出の適正化や収益力の強化、業務の見直しに取り組んでおります。
 具体的には、投資の抑制や経費の縮減を徹底するとともに、魅力的な企画乗車券の販売等による新たな旅客需要の創出や、利便性の高い構内店舗の展開などを通じて収益力を高めてまいります。
 また、乗務員など事業を支える人材の確保、育成を進めるほか、デジタル技術も活用し、生産性のさらなる向上を図ってまいります。
 事業環境の変化に的確に対応できるよう、今後も多様な観点から経営改善に取り組み、持続可能な経営基盤を確立してまいります。

○うすい委員 持続可能な経営基盤を築くには、都民の直接的なサービス提供の積み重ねが大切であり、ユニバーサルデザインの推進が重要です。
 そこで、都営地下鉄のトイレのユニバーサルデザインの取組として、洋式化や介助用ベッドの整備について、令和三年度の取組状況を伺います。

○武市交通局長 都営地下鉄では、全てのお客様が駅のトイレを快適にご利用いただけますよう、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、清潔感と機能性を備えたトイレへの改修を計画的に行っております。
 令和三年度は、浅草線西馬込駅など十四駅、十五か所でトイレの洋式化を実施し、大規模改良工事を予定している駅を除く全駅で洋式化が完了いたしました。
 介助用ベッドにつきましては、浅草線の宝町駅と本所吾妻橋駅の車椅子使用者対応トイレに設置し、令和三年度末時点で二十二駅、二十五か所で整備済みとなっております。

○うすい委員 介助用ベッドの設置は、令和三年度末時点で二十二駅、二十五か所とのことでございました。都営地下鉄の駅は全部で百一駅ありますので、全体からしますと、利用者は限られてしまいます。
 また、鉄道利用者の方からは、一般用トイレの個室扉のフックの位置が高く、ご高齢の方にとっては不便なので、もっと低い位置への設置を求める声が少なからず私のところに届いております。最近寒くなってきましたので、コートも着る季節となりました。トイレの高過ぎない位置にコートをかけられるよう、フックを設置してほしいという要望も受けております。私も、実際に都営地下鉄等の駅のトイレを見てまいりましたが、やはり高いところにフックがありました。
 また、車椅子使用者対応トイレや女性用トイレにはサニタリーボックスを設置していますが、男性用トイレには未設置であります。ユニバーサルデザインの観点からも、よりトイレの利用がしやすい環境をつくっていく必要があります。
 そこで、介助用ベッドが設置されていない駅での計画についての考え方を伺いたいと思います。また、一般用トイレの個室内の利用しやすい位置にコートがけフックの設置や、男性トイレの個室にサニタリーボックスの設置を進めるべきですが、併せて見解を伺います。

○武市交通局長 地下鉄駅は、一般的に駅構内が狭く、トイレの面積が限られておりまして、介助用ベッドを新たに設置するには、駅レイアウトの大幅な変更が必要となります。
 このため、駅の大規模改修等の機会を捉え、活用可能なスペース等を勘案しながら、車椅子使用者対応トイレ内に介助用ベッドを設置してまいります。
 また、一般用トイレの個室内のフックは、現在、安全性を考慮して扉の上部に設置しております。扉以外の箇所にフックを追加するには、壁の補強が必要になり、トイレ改修の機会を捉えて設置に向けて検討を進めます。
 男性用トイレ内のサニタリーボックスにつきましては、簡易型車椅子使用者用個室に設置いたします。

○うすい委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 先週、元バレーボール選手の大山さんが双子用ベビーカーで都営バスに乗車しようとしたところ、一台目のバスは後ろのドアを開けてくれず乗れなかった、二台目には乗車できたが乗務員は手伝ってくれなかったとブログ等で発信をし、複数のメディアで報道されたところでございます。
 交通局としても、今回、乗務員への聞き取りとドライブレコーダーの映像での確認により、乗務員の対応に一部適切ではない取扱いがあったと聞いております。
 こうした状況を踏まえ、都営バスとして、双子用ベビーカーを利用される方々のご意見や要望を丁寧にお伺いしながら、利用される方々の不安をできる限り解消できるように、利用者の方々と交通局相互の理解を深めていくことも重要と考えますが、取組についてお伺いをいたします。

○武市交通局長 このたびのご利用に関しましては、双子用ベビーカーを固定する際の座席の跳ね上げなど、乗務員の対応が十分でなかったほか、ご乗車の際、前扉からお声がけいただくことなど、ご利用方法が十分に浸透していませんでした。
 このため、今回の事例を各営業所へ直ちに周知し、マニュアルに沿った手順の実施や、停留所におけるお客様の状況確認の徹底を全乗務員に改めて指導するとともに、利用方法に関するホームページのご案内をより分かりやすく見直しました。
 さらに、今後、乗務員の研修を強化し再発防止を徹底するとともに、双子用ベビーカーをご利用のお客様に乗車を体験いただくなど、様々な工夫を凝らしながら相互理解を深めてまいります。

○うすい委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 多胎育児のサポートを考える会からのご要望をいただきまして、都議会公明党も後押しをさせていただきました。双子用ベビーカーを折り畳まずにバスに乗車できるようにする取組につきましては、昨年六月に、都営バス全ての路線で双子用ベビーカーにお子様を乗せたままご乗車できるようになりました。本年六月からは、東京バス協会加盟の民間バスでも、この取扱いが広がっております。
 都営バスからスタートしたという、こうした経緯からも、都営バスの役割はとても大きいと評価しているところでございます。都営バスの利用者だけではなく、都民全体という視点で見ますと、今後は民間バス会社と共同で普及促進を図っていくべきと考えます。
 そこで、双子用ベビーカーの利用に当たっては、周囲の方への理解促進や、都内の事業者全体への浸透も重要であると考えますが、交通局の取組を伺います。

○武市交通局長 双子用ベビーカーをご利用の方をはじめ、全てのお客様に安全、快適にご利用いただくためには、車内での譲り合いなど、周囲の方々のご協力も必要でございます。
 このため、ポスターやSNS等でお客様のご協力を呼びかけるほか、席を譲るシーンを盛り込んだ動画を作成し、バスや地下鉄の車内サイネージで放映するとともに、動画サイトで発信しております。
 また、利用方法の周知に加え、周囲のお客様へのご協力を呼びかけるリーフレットを作成し、車内や営業所のほか、区役所や福祉施設の窓口等でも配布しております。
 さらに、他事業者の参考となるよう、局のマニュアルなどを東京バス協会を通じて各バス事業者に情報提供しておりまして、現在、都内の主なバス事業者が同様の取扱いを行っております。
 こうした取組を進めることで、誰もが利用しやすい環境整備に努めてまいります。

○うすい委員 ぜひ、都内のバス事業者に普及啓発がさらに進むよう、交通局の取組をよろしくお願いをいたします。
 続いて、私の地元足立区を走る日暮里・舎人ライナーでございますが、昨年十月七日夜に発生した千葉県北西部地震により、ライナーの車両が脱線し、四日間、運行を見合せた事故がありました。
 事故翌日の八日早朝に、私も、すぐさま我が党の地元選出の衆議院議員、区議会議員と共に現場に駆けつけ、近藤やよい足立区長とも合流し、早期復旧への対応や代替輸送といった交通支援について打合せを行い、地元観光バス会社への代行バス等の手配につながったところでございます。
 また、事故から年が明けまして、令和四年一月と三月には二度の輸送障害が発生しました。一月六日は、降雪予報では五センチ程度でありましたが、急速に天候が悪化し、除雪を上回る積雪となり、列車がスリップして走行不能となりました。三月二十三日は、氷点下を記録することはないとの予報でありましたが、実際には氷点下を記録し、加えて、高い湿度と弱風状態といった条件が重なる、まれな気象状況となり、架線に霜が付着して凍結し、走行不能となりました。
 日常の点検や対策を含め、車両や設備に係る保守を実施し、運転見合せを発生させないことはもとより大事なことでありますが、利用者からお困りのお声が上がったのは、代行バスや振替輸送の案内などの情報が十分に届かないということでありました。バスの代行や振替輸送の案内が早く利用者に分かれば、いつもより少し早く家を出るなど対応できたのにといった声が事故当日も私のところに多く届いております。
 そこで、振替輸送や代替輸送の案内について、当日の対応及びその後の具体的な改善についてどう対応したのかお伺いをいたします。

○武市交通局長 昨年度、日暮里・舎人ライナーが運行を停止した際、直ちに鉄道や路線バスによる振替輸送、都営バス里48系統の増便、沿線の観光バス会社等の協力による代替輸送などを実施し、こうした情報を、報道発表やホームページ、SNSを通じて適宜発信いたしました。
 また、各駅に職員を配置し、代替バスへの誘導やお客様からの問合せに対応するとともに、職員が代替バスに添乗し乗降案内を行うなど、現地においても、お客様の声を踏まえつつ、きめ細かい対応に努めました。
 さらに、現在は、運行停止時の振替輸送の手段や経路等を分かりやすくお知らせするため、主要路線の案内図と最寄りのバス停案内図を全ての駅の改札口付近に常時掲出しておりまして、今後とも、案内の充実を図ってまいります。

○うすい委員 交通局には、今後とも、災害時における対策を充実させるとともに、地元行政区との連携体制もしっかりと確立しておくことを要望させていただきます。
 次に、下水道事業についてお伺いをいたします。
 令和三年度は、下水道局が五年間の事業運営指針として令和三年三月に策定した経営計画二〇二一の初年度に当たります。
 経営計画では、下水道事業を将来にわたり安定的に運営し、都民の皆様に質の高いサービスを提供していくことを経営方針に掲げ、老朽化した施設の再構築や浸水、震災対策、エネルギー、地球温暖化対策など多岐にわたる施策について目標を定め、推進していくこととしております。
 とりわけ、近年激甚化、頻発化している豪雨災害への対策は極めて重要な施策であると考えていますが、下水道局では、本年三月に下水道浸水対策計画二〇二二を策定し、目標整備水準をレベルアップするとともに、新たに十地区を重点地区に追加するなど対策強化に打ち出しており、着実な取組を期待するものであります。
 あわせて、浸水対策と同じく、震災対策の強化が重要であると考えております。
 水再生センターや、雨水などを海や川に放流するポンプ所は、二十四時間三百六十五日、下水処理を継続しなければならない重要な施設であります。三十年以内に七〇%の確率で発生すると想定されている首都直下地震で、下水道施設が機能停止に陥ることのないよう、震災への備えに万全を期す必要があります。
 そこで、水再生センターやポンプ所の耐震対策や震災時の停電対策についてお伺いをいたします。

○奥山下水道局長 下水道局では、水再生センターやポンプ所の耐震対策に取り組み、百七施設全てで揚水機能など最低限の下水道機能を一系統で確保しております。
 さらに、震災時におきましても施設能力を最大限に発揮するため、水処理施設の流入渠や汚泥処理関連施設などを含めた対策を推進しております。
 また、震災時など停電の際にも下水処理機能や雨天時のポンプ排水機能を維持するために、全ての施設に非常用発電設備などを設置しており、現在、発電容量の増強を進めております。
 さらに、中川水再生センターなど五か所の施設では、灯油と都市ガスのどちらでも運転可能なデュアルフューエル型の非常用発電設備を導入し、燃料の多様化を推進しております。

○うすい委員 下水道施設は重要なインフラであり都民の生活を支えるものであることから、有事に備えて耐震化や電力確保の取組を引き続き着実に推進していただきたいと思います。
 次に、ビルピット排水対策についてお伺いをいたします。
 ビルピットは、ビル地下の厨房やトイレ等で発生した排水を一時的に貯留し、ポンプでくみ上げて下水道に排除する施設であります。ビルピット内に排水されてためられた汚水が徐々に腐敗することにより硫化水素が発生し、臭気の原因ともなっており、その解決は、快適な魅力あふれる東京を構築していくための重要な課題の一つであります。
 東京都下水道事業経営計画二〇二一においても、ビルピット排水対策の推進を掲げておりますが、令和三年度におけるビルピット排水が占める臭気苦情の件数と下水道局におけるビルピット排水対策についてお伺いをいたします。

○奥山下水道局長 下水道局では、ビルピット排水からの硫化水素により下水道管が腐食し、道路陥没を引き起こすおそれがあり、臭気の発生原因にもなることから、ビルピット排水対策に取り組んでおります。
 令和三年度に下水道局に寄せられた臭気に関する苦情は六百四十三件で、そのうちビルピットが原因と思われる苦情は五百十二件、約八割を占めております。
 臭気に対する予防保全型の対策としましては、苦情が多い十二の地区をビルピット排水重点対策地区に設定し、調査を実施しております。
 令和三年度には、重点対策地区の対象三百六十棟のビルのうち六十五棟のビルで硫化水素ガス濃度調査を行い、濃度が高い四十九棟のビルの所有者等に対しまして、関係法令を所管する関係局及び各区と連携して改善を要請いたしました。

○うすい委員 ビルピット排水は、管理を怠ると、臭気の問題だけではなく下水道管の腐食の原因にもなり、道路陥没につながるおそれもあるとのことであります。
 都議会公明党では、令和三年公営企業委員会において、安全対策の観点から、ビルピット排水が多く設置されている地区における下水道管の枝線の再構築の取組について質問しましたが、その際に、今後は、ビルピットが多く設置されている地区において、重点的に腐食対策を実施していくとの答弁をいただいたところであります。
 そこで、ビルピット排水などにより下水道管などが腐食するおそれの大きい地区における枝線再構築について、令和三年度の取組についてお伺いをいたします。

○奥山下水道局長 下水道局では、これまでの臭気苦情の維持管理情報などに基づき、千代田区など十区におきまして、ビルピット排水等の硫化水素により下水道管などが腐食するおそれが大きい地域を対象地区として選定し、再構築を実施する際に重点的に腐食対策を行うことといたしました。
 具体的には、対象地区での枝線の再構築では、管渠やマンホールに防食性の高い材料を使用するなどの取組を行い、腐食するおそれが大きい地域でも安定的に下水を流す機能を確保してまいります。
 令和三年度には、中央区など五つの区の対象地区におきまして、腐食対策と併せた枝線再構築を実施いたしました。

○うすい委員 民間において臭気発生を抑制するビルピット対策に対する技術開発も進んでいるようでございます。
 下水道局では、苦情が寄せられた場合、現地の臭気調査及び改善要請を実施しておりますが、ビルオーナー等に改善要請をする場合、こうした民間技術の活用も参考にするなど、引き続き、路上での臭気の発生抑制と安全対策のため、ビルピット排水対策の推進をお願いしたいと思います。
 次に、下水汚泥の資源化についてお伺いをいたします。
 東京都では、一日当たり約六百万立方メートルの下水を処理しており、その下水を処理する過程で約二十万立方メートルと、大量の下水汚泥が発生しているとのことであります。
 下水道法では、下水汚泥を燃料または肥料として再生利用することを努力義務として定めており、また、廃棄物となる下水汚泥を資源として有効活用することは、サステーナブルな都市を形成する上で欠かせないことであります。
 下水道局では、これまでに下水汚泥の資源化に積極的に取り組んできたと聞いております。
 そこで、下水汚泥の資源化の取組と令和三年度の資源化の実績についてお伺いをいたします。

○奥山下水道局長 下水道局では、限りある埋立処分場の延命化に寄与するため、下水汚泥を全量焼却し灰などに減量化した上で、資源化を進めております。
 具体的には、汚泥焼却灰をふるい分けや粉砕処理により粒の大きさをそろえた粒度調整灰を、高品質の鉄筋コンクリート管の材料として利用しております。
 また、焼却灰は、建設材料としてのセメント原材料や軽量骨材などの資源としても有効活用しております。
 令和三年度には、区部と流域下水道を合わせて、焼却灰の約七割の資源化を実施いたしました。

○うすい委員 ありがとうございます。
 下水汚泥を建設資材などの資源として有効利用していることについて確認をさせていただきました。
 一方、下水汚泥には肥料の三要素の一つであるリンが含まれています。日本は、肥料を大多数輸入に頼っており、近年、肥料の価格が高騰する中、下水汚泥中のリンを資源として活用することは有効な取組であると考えております。
 神戸市などの自治体では、下水から肥料成分であるリンを回収し、事業者に向けて販売していると聞いておりますし、東京都においても同様の取組を進めるべきだと考えます。
 そこで、下水汚泥中のリンの資源化の取組状況についてお伺いをいたします。

○奥山下水道局長 下水道局では、令和三年度から令和七年度を計画期間とする経営計画二〇二一におきまして、各水再生センターに流入する水質などに合わせた対策を行い、効果的に処理水質の向上を進めることとしております。
 そのうち、汚泥を集約処理している施設からの排水を受ける水再生センターにおきまして、排水の中に含まれるリンを効果的に除去する施設の導入に着手する予定でございます。
 こうした取組で得られましたリンにつきましては、農業用肥料などの資源として、有効利用に向けた検討を行います。

○うすい委員 ありがとうございます。
 ぜひ、近い将来、リンの資源化について実用化していただくことを強く要望しておきます。そのために下水道局の持つポテンシャルを最大限発揮してもらいたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 次に、外濠浄化プロジェクトについて質問いたします。
 都議会公明党は、玉川上水の上流から隅田川まで河川水の導水で清流を復活させ、多摩地域から外堀、日本橋周辺まで水辺を楽しめる空間を創出する水と緑あふれる豊かな都市東京の実現を提言しています。
 都は、これらを受けて「未来の東京」戦略に外濠浄化プロジェクトを掲げ、外堀への導水に向けた取組を開始しました。神田川を経由し日本橋川に接続する外堀は、春先から秋にかけて発生するアオコによって水面が覆われ、悪臭を放つなどの課題を抱えています。この主たる原因は、そもそも外堀に水を供給していた水源である玉川上水からの導水がなくなったことや、大雨が降るたびに汚水まじりの雨水が流れ込むことなどといわれています。
 まず、外濠浄化プロジェクトを着実に進めるためには、降雨初期の特に汚れた下水が外堀に流入することの抑制が重要であり、下水道局では、地下に貯留施設を施工中です。
 そこで、令和三年度の施工状況と貯留を開始する見込みについてお尋ねをいたします。

○奥山下水道局長 下水道局では、雨天時に合流式下水道から放流される汚濁負荷量を削減するため、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備など、合流式下水道の改善に取り組んでおります。
 外堀の流域では、一万六千六百立方メートルに及ぶ貯留施設の整備を進めており、そのうち千八百立方メートルを稼働させております。残りの一万四千八百立方メートルにつきましては、貯留管本体の工事が完了しております。
 令和三年度には、降雨初期に外堀へ放流されている下水を、この貯留管へ取り込む取水管の準備工事や、取水や維持管理に必要な貯留管のマンホール工事などを実施いたしました。
 引き続き、令和五年度末の貯留開始に向け、施設整備を推進してまいります。

○うすい委員 車両交通量も多く埋設物もふくそうし、厳しい施工条件にある中で整備が着実に進んでおり、外堀に放流される汚濁負荷量の削減効果に大いに期待をします。今後も合流式下水道の改善に積極的に取り組み、外堀の水質改善への貢献を求めます。
 都議会公明党は、外濠浄化プロジェクトにおいて、玉川上水を導水路として活用する上で、下流部について速やかな調査、検証を求めるとともに、荒川の河川水を外堀へ導水するに当たり、工業用水事業廃止後の施設活用も提案してまいりました。令和三年予算特別委員会では、水道局長から、荒川からの導水の可能性を視野に、玉川上水の現況調査等についての答弁を得ているところであります。
 そこで、水道局における令和三年度の調査検討結果をお尋ねいたします。

○古谷水道局長 水道局は、外濠浄化プロジェクトにおいて、杉並区にある浅間橋から新宿駅西側付近までの玉川上水下流部及び荒川から玉川上水までの導水区間の施設整備を担当しております。
 令和三年度に行った調査のうち、玉川上水下流部の暗渠区間の健全度調査では、内部に泥の堆積やコンクリートの剥離等が一部で見られたものの、大きな損傷や導水に支障となる沈下等は認められませんでした。
 また、荒川からの導水区間については、既存施設の活用や、新たに整備が必要となります玉川上水との接続部の構造等について検討いたしました。
 これらの調査結果については、関係五局による庁内検討会で共有しており、引き続き各局で連携しながら取組を進めてまいります。

○うすい委員 外堀通りの雨水貯留施設が完成する令和六年度以降は、外堀がたまり水と同様になり、環境問題にもなりかねないことから、都においては、外堀の水質改善の早期実現に向けて、スピード感を持って積極的に取り組むよう強く求めます。
 引き続き、水道事業についてお伺いいたします。
 令和三年度における浄水場、給水所等の動力費は約百二十億円で、令和二年度とおおむね同程度と聞いております。
 一方、原油価格の高騰やガスの供給不安など、国際情勢によってエネルギーを取り巻く環境が大きく変化していることに伴い電力市場の価格が高騰しているため、令和四年度は動力費の上昇が予想されています。国際情勢の変化を正確に見通すことはできませんが、動力費の増加を抑えるためには、当然のことながら使用電力を少しでも減らすことが有効であると考えます。
 水道局はこれまで、環境施策の一環として省エネルギー化を推進してきたということは承知をしておりますが、この情勢下では、使用電力の削減による動力費の抑制という効果こそが強調されるところであります。
 そこで、令和三年度においても省エネルギー化等の推進に資する取組を進めていると思いますが、その取組実績についてお伺いをいたします。

○古谷水道局長 水道局では、東京都水道局環境五か年計画二〇二〇−二〇二四に基づき、省エネルギー化の推進や再生可能エネルギーの導入拡大など、環境負荷低減に向けた取組を行っております。
 当局の消費エネルギーの多くは浄水場や給水所からの送配水工程が占めておりますことから、効率的な水運用に努めるとともに、太陽光や小水力発電設備、省エネ型ポンプの導入を推進しております。
 令和三年度は、太陽光発電設備等により約一千四百万キロワットアワーの電力を発電したほか、江東給水所などに省エネ型ポンプを新たに導入することによりポンプ運転の効率を一〇%向上させました。
 今後も本計画を着実に推進し、エネルギー消費の抑制に努めるとともに、CO2排出量の削減に取り組んでまいります。

○うすい委員 環境に配慮した水道局の取組について理解をいたしました。こうした取組は、結果として動力費の抑制にもつながるものと思います。
 水道局はこれまでも、社会経済情勢の変化に対して様々な工夫を行いながら、平成六年以降、二十八年以上にわたり、料金の値上げを行っていないことは高く評価をするところであります。引き続き、こうした取組により、持続可能な事業運営に努めていただくことを要望させていただきます。
 次に、安定給水の視点から施設整備の状況についてお伺いをいたします。
 まずは堤体強化事業について伺います。
 村山、山口貯水池は、東京ドーム約二十八杯分、三千四百三十五万立方メートルの貯水容量を持ち、安定給水を確保する上で重要な施設であるため、地震による被害を最小限にとどめる必要があります。
 そのうち、村山上貯水池は大正十三年に都が初めてつくった歴史あるダム湖であり、小河内貯水池と同様に都民の貴重な水がめの一つであります。そのため、さきに実施された山口貯水池と村山下貯水池の堤体強化に引き続き、村山上貯水池についても堤体を強化する必要があります。
 そこで、村山上貯水池堤体強化事業の令和三年度の事業についてお伺いをいたします。

○古谷水道局長 水道局では、大規模地震が発生した場合において安定給水を確保するため、水道施設の耐震化や管路のネットワーク化等を実施しております。
 水道水の源となります原水を貯留する村山上貯水池は、震災時に貯水機能は損なわないものの、堤体の沈下や斜面に変形が生じる可能性があり、耐震強化が必要でございます。
 これまで、貯水池の一部を締め切る工事や施工ヤードの整備等、準備工事を実施してまいりました。
 令和三年度は、堤体を強化するため、ICTを活用した盛土工事を開始し、当初計画どおり約四割の盛土が完了しております。
 令和五年度の完成に向けて、貯水池の堤体強化を着実に進め、都民の貴重な水がめとして次世代に継承してまいります。

○うすい委員 村山上貯水池の工事が順調に進捗していることを理解させていただきました。
 また、私の住んでいる区部北東部におきましても給水所の整備を進め、足立区では平成二十一年度に小右衛門給水所、平成三十年度に江北給水所が完成をしました。王子給水所の整備事業についても、今取り組んでいただいておるところでございますけれども、引き続き、給水所の完成につきましては、尽力賜りますことをよろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、病院事業についてお伺いをいたします。
 都議会公明党は、がん治療の放射線治療に関しまして、高精度な放射線治療装置を安全かつ効率的に運用するためには、専門的な物理工学的知識のある医学物理士の重要性を訴えてまいりました。
 一方、医学物理士は、令和三年十二月時点で、全国でも千三百七十名程度であり、人材不足が指摘をされております。
 そこで、令和三年度の都立病院における医学物理士の確保の状況について説明を求めます。

○西山福祉保健局長 高精度放射線治療の治療計画の立案や検証、管理を行う医学物理士は、放射線治療の安全性や治療成績の向上に重要な役割を担っており、都立病院では、平成二十四年度に二名を配置して以降、人材確保を進め、本年三月時点で六名を配置してございます。
 また、平成三十年度からは、診療放射線技師を対象に医学物理士の資格取得支援を行っておりまして、服務面や資格取得に要する経費を支援してございます。

○うすい委員 都立病院は、ご存じのとおり、令和四年七月一日に地方独立行政法人化しました。
 医学物理士の確保に向けては、独法の新たな人事給与制度を活用していくべきだと思いますが、独法化後の医学物理士の確保、育成に向けた取組について見解を求めます。

○西山福祉保健局長 新たな都立病院では、柔軟な雇用形態や勤務時間等によるライフスタイルに合わせた働き方が可能となっておりまして、医学物理士の募集に当たりましても、こうしたことをアピールしてまいります。
 また、必要に応じて、特定の資格や経歴等を持つ者を対象とした特別選考を実施するほか、都立病院機構の新たな人事給与制度で創設した特別な技術や知識を有する職員や確保困難な職種の職員等への手当を支給いたします。
 このほか、一層の技術向上に向け、豊富な症例を生かしたOJT等や、診療放射線技師への医学物理士の資格取得支援によりまして、医学物理士の確保、育成に取り組んでまいります。

○うすい委員 不妊治療相談窓口の令和四年四月から六月までの都立病院での対応については、しっかりと実績も上げていただきまして、今後、そうした方で悩む方々が困らないように、ぜひとも周知に関しましても、しっかりと広報活動に力を入れていただくことを要望させていただきたいと思います。
 最後に、知事にお伺いをさせていただきます。
 公営企業の地下鉄や上水道、下水道などは、都民生活や首都東京の都市活動を支える重要な基幹インフラであります。この東京中に張りめぐらされた資産や蓄積された技術力は、公営企業が持つ強みであり、東京を変える大きな原動力となります。
 昨年度大成功で終わった東京二〇二〇大会のレガシーを発展させるとともに「未来の東京」戦略の実現に向けた歩みを本格的に進めるべき今こそ、公営企業の果たすべき役割は大きいと考えます。
 そこで、都の政策の実現に向けては、公営企業局の取組とこれまで以上に連携をして施策を進めるべきと考えますが、知事の見解を求めまして、私の質問を終わらせていただきます。

○小池知事 都はこれまで、公営企業を含めまして、都庁一丸となって課題の解決に取り組み、政策の効果を最大限発揮させてまいりました。
 例えば、東京二〇二〇大会におきましては、お台場海浜公園の水質の改善に向けまして、下水道局が、貯留施設の整備やごみの流出抑制によりまして、トライアスロン競技等の成功に貢献をいたしております。
 また、外濠浄化プロジェクトにおきましては、水道局、下水道局が連携して、玉川上水などを活用して、下水再生水や荒川からの河川水を導水することで魅力あるまちづくりにつなげてまいります。
 交通局におきましては、環境負荷の低減に向けて、多摩川の流水を活用した水力発電によって、都内における再生可能エネルギーの普及拡大に寄与しております。
 また、今後も、都の重要プロジェクトを推進するため、公営企業も含めまして、都庁全体の知恵を結集し、持続可能で人が輝く明るい未来の東京の実現に向けまして、取組を加速させてまいります。
 以上です。

○福島委員長 うすい副委員長の発言は終わりました。
 次に、和泉委員の発言を許します。

○和泉委員 日本共産党都議団を代表して質問いたします。
 まず初めに、水道事業です。
 知事に伺います。
 ガスや電気などのライフラインの中でも、安定した給水は重要であり、命に直結するものだと思いますが、知事の認識はいかがでしょうか。

○古谷水道局長 都の水道事業は、最も重要な基幹ライフラインとして都民生活と首都東京の都市活動を支えており、引き続き、安全でおいしい高品質な水を安定供給するという水道の根源的使命を果たしていくことが重要と考えております。

○和泉委員 命の水の大切さについて、知事の認識をぜひ語っていただきたいと思いましたが、答弁いただけず残念です。
 局長が答弁されましたけれども、水が命に直結するという認識がなかっただけでなく、大事なことが抜け落ちています。
 これは水道法第一条です。パネルにしましたのでご覧ください。
 法律の目的として何と書いてあるでしょうか。この法律は、水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道の基盤を強化することによって、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とすると書いてあります。
 低廉な水の供給、つまり、できるだけ安い料金で水を供給することが、水道法第一条、法律の目的の中にきちんと位置づけられていることを水道局長はどう受け止めているんでしょうか。

○古谷水道局長 安定的においしい水を供給することは水道局の本務でありますが、当局はまた地方公営企業であり、水道法だけでなく、地方公営企業法第三条に基づく企業の経済性の発揮も求められており、それぞれの法の趣旨を踏まえ、適切に事業運営を行っております。

○和泉委員 水道法というのは、水道事業を行う上での根本なんじゃないんでしょうか。その法律の目的に、低廉な水を供給することが目的だというふうに書いてあるんです。
 もちろん、最初に局長が答弁された安全でおいしい高品質な水の安定供給、大事です。
 同時に今、物価高騰やコロナ禍で都民生活が逼迫している下で、低廉な水の供給ということが都民生活を支える上で重要になっています。そのことが局長答弁から抜け落ちているということは見過ごせません。命に直結する水をできるだけ安く、この視点が欠けているために、どんな状況が生まれているか。
 まず、給水停止状況について伺います。
 令和三年度の給水停止件数と今年度の直近まで給水停止件数はどうなっているでしょうか。

○古谷水道局長 令和三年度の給水停止の件数は約十万五千件、令和四年度の九月末までの給水停止件数は約九万件でございます。

○和泉委員 ただいまご答弁いただきました数字をパネルにしました。
 今年度は既に上半期だけで約九万件に上っているとのことです。令和三年度の上半期が約五万件ですから、倍近い数字で給水停止が増えているということになります。このままでいくと、今年度末には十八万件を超えるペースです。
 給水停止が増えているのは、水道料金を払えない、督促されても払い切れない、そういう滞納が増えているからです。水道料金が払えない人の水道を止めたら、飲み水が確保できません、ご飯を炊くこともできません、お風呂に入ることもできません。公衆衛生の向上、生活環境の改善に寄与するという水道法の目的にも反するんじゃありませんか。
 知事、命に直結する水の供給停止がこれほど増えているのは深刻な問題だと思いますが、いかがですか。住民福祉向上に責任を持つ行政の長として、どう受け止めますか。

○古谷水道局長 水道局では、区部において、初回請求から複数の催告実施後、委託による訪問催告を行い水道料金の徴収を行ってまいりましたが、委託による訪問催告を令和四年四月からは郵送による催告に変更しております。
 これの影響の中で、一時的に催告方法に関する制度変更の影響があり、現在過渡期でありますため、一時的に給水停止件数が増加していると考えており、今後の推移を見守りたいと思っております。

○和泉委員 去年の倍近い勢いで給水停止が増えている。今、恐らく初めてこの実態を知事はお聞きになったと思います。
 これを率直にどう受け止めますかと、私は、知事に聞きました。いかがですか、知事。答えてください。

○古谷水道局長 繰り返しのご答弁になりますが、催告方法の変更により、一時的に給水停止件数が増えたものと思っておりまして、今後、この推移を見守りたいと思っております。

○和泉委員 これほど大変な状況に対して、知事が語る言葉を持たないというのは本当に残念です。それで都民の暮らしに責任を負える東京都知事として、いいんでしょうか。
 シングルマザーサポート団体全国協議会が、十月に、ひとり親家庭の物価高による影響調査を行った結果が今月公表されました。その内容は余りにも深刻です。(パネルを示す)九七%の方が収入が減った、あるいは変わらないと答えている中で、物価がかなり上がったと感じている方が八三・五%、主食のお米が買えないことがあったという方も五六%に及んでいます。そして、水道料金を滞納していると答えた方が一八・九%います。お風呂は使わずシャワーで一日一人三分以内に済ませるとか、お風呂を週二回にする、トイレの水を流すのは三回に一回にする、本当に胸が苦しくなるような実態が幾つも挙げられています。
 知事、このリアルな実態、何とかしなければと思いませんか。打開するために具体的な手だてを講じることが必要ではありませんか。知事、いかがですか。

○古谷水道局長 給水停止に当たりましては、初回請求でお支払いのないお客様に対しては催告文書を送付するなど、複数回にわたり催告を行っておりますし、その上でお支払いいただけない場合については、お客様宅を訪問した上で、やむを得ず給水を停止しておりますが、お客様には、支払い期限の延長や分割払いに応じるなど丁寧な対応をしております。
 その結果、給水停止をした大半のケースはすぐにお支払いをいただいております。

○和泉委員 水止められた後で払うのは当たり前なんですよ。水止められたら生きていけないんですから。こういう深刻な実態が広がっている中で、全国の百七十を超える自治体が水道料金の減免に踏み出しているんです。
 知事、生活逼迫による水道料金の滞納を減らして、滞納による給水停止という深刻な事態をなくすために、水道料金の減免に足を踏み出すことが必要ではありませんか。知事、いかがですか。

○古谷水道局長 水道事業は、独立採算制の下、料金収入によって運営されております。
 上下水道料金の減免措置は、受益者負担の原則、公営企業における独立採算制の原則及び使用者間の負担の公平に対する例外措置でございまして、その拡充については慎重に考えるべきものであると認識しております。

○和泉委員 地方公営企業法第十六条には、住民福祉の向上に必要な場合には知事が直接指示を出すことができると、こういうふうに規定されているんじゃありませんか。
 水道料金を下げるのは、知事の決断でできることではありませんか。知事、いかがですか。

○古谷水道局長 繰り返しになりますが、上下水道料金の減免措置は、受益者負担の原則、公営企業における独立採算制の原則及び使用者間の負担の公平に対する例外措置でございまして、その拡充については慎重に考えるべきものであると考えております。

○和泉委員 全国でもう既に百七十を超える自治体が決断しているんですよ。東京でこそ深刻な実態が広がっているときに、慎重だといっている場合じゃないでしょう。
 先ほど、局長は、丁寧に催告の文書を行って、それでも払ってもらえない場合には、やむを得ず水を止めているとおっしゃいました。果たして本当にそうでしょうか。
 水道局が、水道料金を払えない方のところを検針員さんが何度も訪問して催告を行うという委託事業を実施してきました。生活困窮がうかがえる場合には福祉行政にもつないできました。ところが、その大事な事業を、都民の暮らしがいよいよ深刻な事態になっているときに、業務の効率化を理由にして今年度から廃止してしまった。これも、今年度の給水停止が急増している原因の一つになっています。
 水の供給を止めれば命に直結するから、何度も訪問し、幾らかでも支払ってもらって給水停止を回避する。そういう最大限の努力を行ってきたんですよ。それを廃止して郵送による催告に変えてしまった結果、払えない方々の徴収は進まず、給水停止が昨年度の倍近くに増えているんです。これのどこがやむを得ない対応ですか。都は、水を止めないための努力を尽くさない。そういう政策転換を行ったということです。
 東京都は、水道料金の減免という、やるべきことをやらず、検針員による訪問事業の廃止という、やってはならないことをやった。その責任は極めて重いものです。
 知事、都民の暮らしの実態が見えていますか。見ようとしていますか。
 第三回定例会の所信表明で、大きな危機に直面している今だからこそ、人々のうつむきがちな視線を前へと向ける転換点にしていきたい、私たちは、まさに明るい未来の入り口に立っていると高らかにいい放った知事の言葉が本当に空虚に聞こえる態度だといわざるを得ません。今、困窮する都民の負担を減らして、東京で生きていくことを全力で支えてこそ、そのうつむきがちな視線を前へと向けることができるんじゃありませんか。
 水道法の目的は、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与することです。そして、地方公営企業法は、経営の基本原則を、公共の福祉を増進するように運営されなければならないと定めています。経営の健全化、効率化が公共の福祉に優先することはあってはならないんです。
 異常ともいえる物価高の中で、賃金は上がらず、多くの都民が苦しんでいる今こそ、安心で安い水を提供して、公共の福祉の増進を図ることは、公営企業である水道局の責務です。
 そして、水道料金減免の決断は、水道局だけではなく知事にかかっている、そのことを強く求めて、次の質問に移ります。
 次に、病院事業です。
 知事が、多くの都民の反対の声に背を向けて、コロナ感染が第七波を迎えようとしていた七月一日に、都立病院、公社病院の独法化を強行したことに改めて強く抗議します。
 独法化がどのように進められたのか、独法化について知事がどのように説明してきたのか、その内容について検証することが、決算審査を行う上で不可欠です。この立場から質問します。
 知事は、都立病院の独立行政法人化に際し、行政的医療を将来にわたって提供するためだと繰り返し答弁してきました。また、今年の第一回定例会では、独法化の目的として、感染状況に応じて、さらなるコロナ対応が必要ということを挙げました。その考えに変わりはありませんか。

○小池知事 お答えいたします。
 新たな都立病院の使命は、これまでと同様に、新型コロナ対応等の感染症医療をはじめとした行政的医療の提供などの役割を将来にわたって果たし続けることでございます。

○和泉委員 さらなるコロナ対応が必要ということについて聞いたんですけれども、そこに対する答えはありませんでした。これでは、独法化前は聞こえのいいことをいってきたけれど、独法化した途端に、さらなるコロナ対応が必要だといわなくなったのかと思わざるを得ません。都民の医療にきちんと責任を持つ姿勢があるのかと、非常に疑問に感じます。
 実際に、コロナ対応の実績はどうなっているでしょうか。
 第六波のときの都立病院のコロナ病床確保数とコロナ患者の最大受入れ人数、あわせて、第七波のときの都立病院のコロナ病床確保数、コロナ患者の最大受入れ人数について伺います。

○西山福祉保健局長 本年一月から五月までの期間における都立八病院の確保病床数は、臨時の医療施設を除き千五十床で、疑い患者も含めた一日当たりの最大入院患者数は六百十九人でございます。
 本年六月以降、独法化以前から独立病院であった八病院の病床確保数は、臨時の医療施設を除き千五十床で、疑い患者も含めた一日当たりの最大入院患者数は四百七十七人でございます。

○和泉委員 第七波では、千五十床に対して最大入院患者数は四百七十七人だったとのことです。
 東京都は、これまでよりも受入患者数が少なくなった理由は、介護が必要で人手がかかる患者が増えたことや、職員に感染者と濃厚接触者が増えたことだと説明しています。どちらの理由もマンパワーが課題だということになります。
 確かにそのようなことはあると思いますし、職員は必死に対応してきたと思います。しかし、知事が、さらなるコロナ対応が必要ということを独法化の理由に挙げていたこと、そして、第七波では、救急搬送する病院が見つからなかったり、本来入院が必要なのに入院できないまま亡くなる方も生じるという深刻な事態だったことを考えれば、都立病院により多くの患者を受け入れてほしいということが多くの都民の願いではないでしょうか。
 そのために、何より重要なのは職員を増やすことです。実際、先ほどお話したように、東京都自身の説明でも、課題はマンパワー、職員の数だということなんです。感染症医療をはじめ、行政的医療の提供体制を守り発展させていくためには、人員体制の確保、拡充が欠かせない、抜本的な増員が必要だということが、コロナ禍から学ぶべき教訓です。
 そこで伺いますが、都立病院機構が引き続き行政的医療の提供体制を維持向上させていくために、職員を今後どう増やしていくんでしょうか伺います。

○西山福祉保健局長 行政的医療の充実強化の取組は中期計画に定めておりまして、都立病院機構では、計画の実現に必要な体制について、独法化のメリットを生かして機動的に確保していくこととしてございます。

○和泉委員 私は、職員を今後どう増やしていくのかということを聞いたのですが、そもそも増やしていくつもりがあるのかもはっきりしない答弁でした。それでよいのかということが本当に問われます。
 都民が必要とする医療を提供しようと思ったら、どれだけの職員が必要なのかを明確にし、計画的に増やしていくことが不可欠です。
 しかし、独法化以降、どれだけの職員が必要なのか、そのこと自体が示されなくなってしまいました。職員定数がなくなっただけでなく、それに代わる職員数の目安となる数字もありません。
 それでは、都立病院が担うべき医療を行うためには、何人の職員、医師、看護師やコメディカルが必要なのか、現在の職員数が足りないのか、多過ぎるのか、あるいは適正なのか、何を基準にして判断するんでしょうか。

○西山福祉保健局長 都立病院機構では、都と同様の定数管理は行ってございません。
 新たな都立病院では、現員数、診療報酬上の施設基準、中期計画の取組、その時々の医療需要、医療環境、退職者等を踏まえまして、必要な採用数を決めてございます。

○和泉委員 もう一度伺いますよ。
 現在の職員数が足りないのか、多過ぎるのか、あるいは適正なのか、何を基準にして判断するのですかと伺いました。いかがですか。

○西山福祉保健局長 繰り返しの答弁になりますけれども、都立病院機構では、都と同様の定数管理は行ってございません。
 都立病院機構では、院長に採用権限を付与して、各病院が主体となって病院現場の状況に応じて人材確保を行うほか、採用機会が年一回であった職種については随時採用選考を行うなど、柔軟かつ機動的に人材を確保しております。
 また、採用を単に増やすだけではなく、コロナ対応のために一般病棟から看護師の応援体制を構築するとともに、看護助手や救急救命士の配置による看護師のタスクシフト、介護業務を行う看護助手の機動的な採用、柔軟な単価設定による非常勤看護師の確保など、様々な取組によりまして職員の体制を整備してございます。

○和泉委員 結局、今、長々答弁されましたけれども、私が聞いた判断の基準というのは何一つ示されていないんですよ。
 しかし、同じ独立行政法人の健康長寿医療センターでは、職員の計画数が定められています。これについて東京都は、センターの運営に必要な標準的な人員数と説明しています。
 このような目安となる数字は、都立病院機構には必要ないということでしょうか。いかがですか。

○西山福祉保健局長 都立病院機構では、都同様の定数管理は行ってございません。

○和泉委員 同じ独法化された健康長寿医療センターでは、センターの運営に必要な標準的な人員数、これちゃんと計画で定めているんです。
 私が聞いたのは、都立病院機構にはそういうものは必要ないということでしょうか。定数管理を行っていないというのは、もう何度も答弁いただいているから分かっているんですよ。
 新しい都立病院にどのぐらいの職員が必要なのかという目安は必要ないんですかということを聞いています。

○西山福祉保健局長 新たな都立病院では、その時々の医療需要や医療環境、診療報酬上の施設基準、中期計画の取組等を踏まえまして、職員を配置することとしてございます。

○和泉委員 独法化したら人員体制は充実できると、東京都は繰り返しいってきたんじゃないんですか。そもそも何人職員が必要なのかという目安すらないということです。
 そもそも、都が独法化の方針を決めた二〇二〇年三月の新たな病院運営改革ビジョンには、法人独自に配置・育成計画を策定し、事務職員等を含め、病院実態に見合った専門性の高い職員を計画的に育成することが可能と書かれています。
 この配置・育成計画というのは都立病院機構において作成されているんでしょうか。

○西山福祉保健局長 新たな都立病院では、地域と医療人材を共有するための週四日の常勤医師の採用、それから、柔軟な勤務時間設定などの導入によりまして、多様な働き方を行う常勤職員を確保してございます。
 繰り返しになりますけれども、看護師につきましては、病院長の裁量による常勤看護師の採用、柔軟な単価設定による非常勤医師の職員の機動的な確保のほか、看護助手、救命救急士の配置等によるタスクシフトも行っておりまして、様々な取組によりまして、必要なマンパワーを確保してございます。

○和泉委員 長々答弁されるんですけど、聞いていることに何一つ答えていないんですよ。
 二〇二〇年三月の新たな病院運営改革ビジョンには、法人独自に配置・育成計画を策定し、策定し、事務職員等を含め病院実態に見合った専門性の高い職員を計画的に育成することが可能と書かれているんです。
 配置・育成計画は策定されているんですか。されているか、されていないかでお答えください。

○西山福祉保健局長 中期計画に基づきます令和四年度の年度計画で、人材を安定的かつ機動的に確保するとしてございます。

○和泉委員 二〇二〇年三月の新たな病院運営改革ビジョンに書かれている配置・育成計画、このことについてはどうしてもお答えがいただけない。はっきりいえないということは、要するに、ないということです。都自身の方針に書かれていた配置・育成計画の策定も行われていないということなんです。これでは、計画的な職員体制の確保、充実を行うことはできません。抜本的な職員の増員を求めることを改めて強く求めるものです。
 日本共産党都議団は、都立病院がこれまで果たしてきた役割を後退させず、行政的医療の充実や職員の体制強化、処遇改善を進めるために力を尽くします。そして、都立病院を直営に戻すよう求め続けていくことを改めて表明するものです。
 行政的医療の充実という点で、今、焦点になっていることが、地域の住民から声が上がり続けている多摩北部医療センターへの産科の設置です。
 知事が昨年度策定した東京都立病院機構の中期目標には、多摩北部医療センターについて、着実に整備を進めていくとありますけれども、産科を整備することの重要性を知事はどう受け止めていらっしゃるでしょうか。

○西山福祉保健局長 多摩北部医療センターの改築に向けた検討委員会では、救急やがん、小児、産科、総合診療等の地域の医療ニーズがあるという意見が出されてございます。
 今後、都立病院機構では、委員会での意見も踏まえながら、新病院の基本構想を策定することとしてございます。

○和泉委員 検討委員会では、救急やがん、小児、産科、総合診療等の医療ニーズがある、そういう意見が出されているというお答えでした。
 私、知事に伺いたいんです。
 この多摩北部医療センターについて産科を整備する、このことの重要性、知事はどうお考えになっていらっしゃいますか。

○西山福祉保健局長 お尋ねの多摩北部医療センターは公社病院でありまして、本決算委員会の直接の所管ではございませんが、多摩北部医療センターの改築に向けた検討委員会が現在行われておりまして、今後、委員会での意見を踏まえながら、新病院の基本構想を策定することとしてございます。

○和泉委員 知事、今年十月に、東村山市の市長との懇談の中で、知事は、この病院の改築に当たって、産科の−−地域ニーズを踏まえて病院の改築を検討していきたい、そうお答えになっておられます。なぜこの場で、きちんとそういうふうにいえないんでしょうか。
 地域の人にとっては、多摩北部医療センターに産科を設置すること、ずっと前からの切実な願いなんです。改築に当たって、知事が東村山市長との懇談の中でそういうふうに述べられた、そのことに地域の皆さんはとても希望を感じていらっしゃるんです。
 なぜこの場で、産科についての重要性をお答えになれないんですか。東村山市長との懇談の中で、知事、どうおっしゃいましたか。思い出して答弁していただけませんか。いかがですか。

○西山福祉保健局長 繰り返しになりますが、お尋ねの多摩北部医療センターは公社病院でありまして、本決算委員会の直接の所管ではございませんが、多摩北部医療センターの改築に向けた基本構想検討委員会で、新たな病院の医療機能について検討している趣旨の発言をされたものでございます。

○和泉委員 検討委員会で様々意見が出されているということですけれども、実際に、基本構想検討委員会では、産科の設置を求める声が次々と出されて、その声を受けて、先日の委員会で出された報告書案の中でも、産科を設置することの検討が必要であると明記されています。
 地域の皆さんは、多摩北部医療センターへの産科の設置が検討されていることを喜んでいます。また、同時に、独法化された下で、入院、出産費用が高くなるのではないかということを心配しています。引き続き行政的医療を提供するという使命をしっかり守る上でも、費用の心配なく安心して出産できる産科の設置をしていただくことを強く求めます。
 また、NICUについても設置することを求めるものです。
 石原都政の下で清瀬小児病院が廃止され、北多摩の北部がNICUの空白地域となってしまいました。現在は、小平市の公立昭和病院にNICUが六床ありますが、安心して子供を産み育てられる地域にするために十分とはいえず、多摩北部医療センターにNICUを設置してほしいということは、住民の長年の願いでした。多摩北部医療センターに、産科とともにNICUを設置することを強く求め、次の質問に移ります。
 私は、二〇二〇年の公営企業決算全局質疑や文書質問などで、荒川から東側の内水氾濫への備えについて対策を求めてきました。最近の台風や豪雨で川の水位が上がっているときに、これまでのように、ひたすら下水管からポンプで川に水を放出するという対策だけで、荒川の東側地域の内水氾濫を防止できるのかという不安があったからです。
 今年三月に策定された下水道浸水対策計画二〇二二では、内水氾濫による浸水の防除を下水道の大きな役割の一つと位置づけ、新たに十か所重点地区が追加されました。その中に、葛飾区金町地区、江戸川区中央地区が含まれたことは、とても重要だと思います。
 なぜ、葛飾区金町地区、江戸川区中央地区が重点地域になったのか伺います。

○奥山下水道局長 下水道局では、本年三月に下水道浸水対策計画二〇二二を策定し、目標整備水準を一時間五十ミリ降雨から七十五ミリ降雨へとレベルアップするとともに、新たに十地区を重点地区に位置づけました。
 葛飾区金町地区、江戸川区中央地区につきましては、浸水実績に加え、流出解析シミュレーションにおきまして床上相当の浸水がまとまって発生する状況が確認できたことから、新たな重点地区として選定いたしました。

○和泉委員 先ほども述べましたけれども、重要だと思うんです。流出解析シミュレーションを、改めて七十五ミリの雨を降らせて、この流出解析シミュレーションを行った結果、今回重点地域となったところで相当の浸水が見られたと。それで、改めてこの葛飾区金町地区、江戸川区中央地区が重点地域に選定をされたということです。
 伺いますが、これまでで、荒川の東側地域において、浸水対策の重点地区として選定されたのは初めてのことなんでしょうか。いかがでしょうか。

○奥山下水道局長 下水道局では、経営計画におきまして、早期に浸水被害を軽減するため、繰り返し浸水が発生している地域など浸水の危険性が高い地区などを重点化し、対策を進めてまいりました。
 荒川の東側地域で重点地区に選定されたのは、下水道浸水対策計画二〇二二におけます葛飾区金町地区、江戸川区中央地区が初めてでございます。

○和泉委員 三月に発表されたこの浸水対策計画で初めて選定されたわけですから、西側の地域で起こる浸水のシステムと、それから、東側で起こる内水氾濫のシステムとでは大きく異なってくるというふうに思いますので、策定されたばかりの対策計画においては、今後どのような具体化がされていくのか、まだまだこれからだというふうに思っています。
 ただ、これまで重点地域においてどんな対策が講じられてきたんでしょうか。また、新たにこの荒川の東側地域二か所が選定をされたことで、これから進められる対策について、今後どのような調査や検討を行って対策を講じていくということになるんでしょうか、お答えください。よろしくお願いします。

○奥山下水道局長 下水道局ではこれまで、経営計画で選定しました重点地区におきまして、新たな幹線や貯留施設などの施設整備を進めてまいりました。
 下水道浸水対策計画二〇二二で新たに選定した地区につきましては、詳細に流出解析シミュレーションを行い、現在の下水道管などの能力を評価した上で、必要な施設の規模等を検討し、対策の強化を図っていくこととしております。

○和泉委員 私、この問題を分科会でも取上げましたけれども、これまで荒川の東側の地域には貯水施設が一か所しかありませんでした。あとは全部ポンプなんです。
 先ほども申し上げたように、これまではひたすらそのポンプで川に水を放出するという対策が取られてきた。そして、下水道局は、それで十分に対応できるというのがこれまでの方針でした。
 ですから、この浸水対策計画二〇二二で、新たに、荒川の東側地域でも内水氾濫が起こる、そのことの具体的な想定を基にして重点地域に選定してきた、これは本当に重要だというふうに思っています。
 いうまでもなく、二〇一九年の台風十九号によって、荒川は、よもや越水をするという危険に遭遇しました。気候変動の影響による台風や豪雨には、これまでの延長線ではない対策強化が求められているというふうに思います。
 ぜひ、下水道貯留施設の整備も含めて検討していただくよう求めて、質疑を終わります。ありがとうございました。

○福島委員長 和泉委員の発言は終わりました。
 次に、中田理事の発言を許します。

○中田委員 それでは、よろしくお願いいたします。
 令和三年度公営企業会計決算に対して、都議会立憲民主党を代表し、知事はじめ各局長に質問をさせていただきます。
 まず初めに、交通局から質問をさせていただきます。
 令和三年度の決算では、都営交通全体で百三十一億円の経常赤字となっており、収入減の大部分を占めている乗車料収入が、今後もコロナの感染拡大での第八波を迎える中で、そして、ポストコロナの行動変容という中で、乗客数の増加、それに伴う増収がなかなか見込めない中、今年度以降も赤字が続くおそれがあります。その中で、鉄道他社、また、公営、民間バス事業者においても値上げの動きがあります。
 新たに制度されたバリアフリー料金を運賃に加算することや、時差別運賃や子供運賃の導入など、他社では様々な取組が行われている中で、運賃改定について、東京都としてはどのような考えを持っているか、見解を伺います。

○武市交通局長 運賃収入は、都営交通の経営における基幹的な収入でございまして、事業環境等を踏まえ、引き続き適切に対応してまいります。

○中田委員 知事は、このコロナ禍において、公共交通機関利用者に行動変容を促し、テレワークや時差ビズを推進してきました。分科会でも指摘させていただきましたが、日暮里・舎人ライナーで行いました冬の時差ビズに関しては、参加者が少ないのも大きな問題ではありますが、開催期間中に行動変容した方は、特定期間の抽出約百二十名に対して七名であったことが明らかになりました。
 改めて、東京都として行う事業として、参加者の少なさ、事業の効果があったのかとはなかなかいえない結果であったということを認識していただき、今後ももし同じような取組を行うのであれば、しっかりと事業の改善を図ることを要望させていただきます。
 一方で、先ほども話しましたが、都営交通は赤字が続いており、黒字化するための経営改善の取組を進めていかなければいけないと考えております。
 都営交通の収入の大部分を占めている乗車料収入をいかに回復していくかを考えますと、乗客数を増やすことが大きな鍵となっていますが、知事が進めてきたテレワーク政策との整合性など、様々難しい面があるのが現状であります。
 都営交通の経営について、政治家として、また、都知事としてどのように考えているのか、抜本的な改善が必要と考えているのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 まず、公営企業は独立採算制の下で、経済性の発揮、そしてまた、公共の福祉の増進を実現することが求められている事業でございます。
 都民の皆様の期待に応えて、将来にわたって安定した輸送サービスを提供できるように、交通局におきましては、公営企業管理者の下で経営改善の取組を進めているところであります。

○中田委員 先週、東京メトロは上半期決算が黒字化するという報道がありました。連結決算なので、広告収入や不動産収入なども含んでではありますが、都営地下鉄においても、メトロとほぼ同様の乗客数の回復が見込まれている中で、都営交通においてはなかなか難しい現状となっています。
 乗車料収入に頼っていることが大きいことから、メトロ同様に乗客数が回復しても、その回復はコロナ以前と比べると減少していることが大きな要因であると考えられます。
 もちろん、公営企業ということで、知事が述べたように、独立採算制の下ということですので、将来にわたって公共の福祉としての都営交通の運営を行っていくには、やはり避けては通れない議論であると思います。
 都営交通として、コロナ禍だからというフェーズから、これが日常であり、乗客数の回復だけを考えるのではなく、この社会の流れ、構造にしっかりと対応していくというフェーズに変わってきていることを改めて認識していただき、経営の改善に取組を進めていただければと思います。
 次に、双子用ベビーカーの乗車拒否の問題について触れさせていただきます。
 私も、多胎児育児支援に区議会議員時代から取り組んできた身としては、社会の理解が少し進んできて、行政としても様々な取組が行われている中での、この再びの乗車拒否の報道はとても大変残念であります。
 そこで、双子用ベビーカーの都営交通における乗車拒否の報道を受け、局としてどのように捉え、そして、どのように改善していくのか、見解を伺います。

○武市交通局長 このたびのご利用に関しましては、双子用ベビーカーを固定する際の座席の跳ね上げなど、乗務員の対応が十分でなかったほか、ご乗車の際、前扉からお声がけいただくことなど、ご利用方法が十分に浸透しておりませんでした。
 このため、今回の事例を各営業所へ直ちに周知し、マニュアルに沿った手順の実施や、停留所におけるお客様の状況確認の徹底を全乗務員に改めて指導したところであり、今後、研修も強化し、再発防止を徹底してまいります。
 また、利用方法に関するホームページのご案内をより分かりやすく見直したところであり、引き続き、誰もが利用しやすい環境整備に努めてまいります。

○中田委員 全国各地のバスで乗車拒否の問題がクローズアップされた三年前から、知事としては、当事者の方々と面会したり、都営交通としても、様々な取組を行ったことは理解しています。しかしながら、改めてこの問題が起こってしまったことは、交通局として重く受け止めていただきたいと思います。
 交通局としても、また、東京都としても、もう一段階、子育て世代に寄り添う、利用者目線に立ったサービスの提供を行っていただきたいです。
 私も二人の子供が年子でいます。そうすると、電車に乗るにも、バスに乗るにも、静かに座っていてくれるのか、騒いでしまうのかと、外出するだけでも様々な不安を抱えます。この気持ちは、子育て世代の方、また、子育てを終わられた方々はよく分かるのではないかと思いますが、小さい子供がいるから、双子の子供がいるからと、外出を控えなければいけないという気持ちにならなくていい、当たり前の社会をつくっていかなければいけない中で、今後、このようなことが起こらないよう、しっかりと乗務員の方への研修、利用者への周知、また、都民の方への理解の促進など、様々図っていただきたいことを強く要望をさせていただきます。
 続きまして、上下水道に質問を移らせていただきます。
 公共インフラとしての持続可能な上下水道を維持していくためにも、今後の経営をどのように行っていくのか、また、上下水道の民営化も含め、上下水道の運営体制は幾つか方法がありますが、今後どのような体制で行っていくのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 東京の水道、下水道は首都東京の重要な基幹ライフラインでございます。
 このため、事業運営体制については、公共性、そして、効率性の観点などから、政策連携団体とのグループ経営を推進することといたしております。
 今後とも、それぞれのグループが持つポテンシャルを最大限発揮しまして、都民生活と首都東京の都市活動を支えてまいります。

○中田委員 水道、下水道は、都民の暮らしになくてはならないものであるというのはいうまでもありませんが、それをどうやって維持していくのか、持続可能性を持っていくかが重要となってくる中で、他県では、コンセッション方式の導入などが始まったりしているわけではありますが、海外の事例などを見ると、一度は民営化するが、再び公営化するような事例が散見されるようになっています。
 その観点からも、東京都としては、公共インフラとして維持管理していく立場として、しっかりとこのことを念頭に置いていただき、長期的視点に立ち、運営方式についても考えていただき、都民の命と暮らしを守っていく基幹インフラの確保に努めていただきたいです。
 そして、各家庭の、また、都民の方々への支援という観点に移りますが、上下水道を使わない家庭はほとんどいない中で、基本料金は必ずどの家庭にもかかってくるものになります。
 新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、支払い猶予を行ってきましたが、そこから社会情勢は、またさらに変わりつつあります。
 このコロナの第八波が迫る中で、今、物価高、そして円安と、都民の生活に及ぼす影響は、コロナの影響の限定的なものでなく、各家庭一律、全ての都民への影響となっています。
 その中で、今こそ都民への一律の支援策として、上下水道の減免を行うべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○古谷水道局長 上下水道料金の減免措置は、受益者負担の原則、公営企業における独立採算制の原則及び使用者間の負担の公平に対する例外措置でございまして、その拡充については慎重に考えるべきものであると認識しております。

○中田委員 国では、電気料金、ガス料金を値下げするために、負担軽減策で約三兆円もの補正予算を組むとしています。物価高対策として、全国各地の自治体では、上下水道料金の減免が行われ始めています。
 その観点からも、東京都としても、今、物価高で苦しんでいる都民の支援策として、上下水道料金の減免を行うべきであると強く要望をさせていただきます。
 次に、漏水対策、耐震対策としての私道内給水管整備について、事業の内容、進捗状況、今後の計画について伺います。

○古谷水道局長 私道内給水管整備事業は、漏水の未然防止と耐震性の向上等を図ることを目的に、私道内に布設されております給水管を対象に、耐震性能を有する配水管への整理統合や、給水管のステンレス化を行う事業でございます。
 約二千六百キロメートルの私道を対象として事業を進めており、令和三年度末時点での整備延長は約千二百七十五キロメートル、私道内給水管耐震化率は約五〇%でございます。
 水道局では引き続き、東京水道経営プラン二〇二一に掲げた目標でございます令和十二年度末六七%の達成に向け、着実に事業を進めてまいります。

○中田委員 漏水の原因の一つとなっている私道内の給水管の取替え工事は、いつ来るか分からない首都直下型地震への備えとしても早急に進めるべきであると考えております。
 しかしながら、令和三年度末で私道内給水管耐震化率は五〇%で、今後の目標としても令和十二年度末の目標が六七%と、九年かけて一七%しか積み上がらない目標になっている点は、さらなるスピードアップが必要であるのではないかと考えております。
 私道内ということで、権利者が多かったり、様々問題があることは承知はしておりますが、そもそもこの事業の周知がどこまで広がっているのかも含め、事業のスピードアップを要望いたします。
 また、あわせて、こちらも、浸水対策、また、震災対策としての長期不使用給水管整理事業についての事業内容、そして、進捗状況について伺います。

○古谷水道局長 長期不使用給水管整理事業は、漏水事故の未然防止などの観点から、公道に布設されております使用実態がない給水管を、お客様に意向を確認し、同意が得られた場合に水道局が撤去するものでございます。
 撤去の対象は、使用中止から五年以上経過しているなど、再び使用する可能性が低い給水管一万四千四百件でございます。
 事業を開始いたしました令和三年度は、一千四百四十件を対象に、所有者の意向を郵送等により確認し、撤去の同意が得られた給水管から工事を行い、四百六十六件の撤去が完了いたしました。

○中田委員 ありがとうございます。
 今、長期不使用給水管整理についてお伺いをいたしましたが、令和三年度から始めたという事業ということで、今、達成率が三%であるとのことです。
 この計画の目標を見ますと、令和七年度で一〇〇%達成すると書いてありますが、先ほどの事業と整合を図ったとしても、なかなかこの数字にたどり着くのかなというのが現状考えているところではありますが、水道局として、今後の計画について伺います。

○古谷水道局長 給水管は、お客様が所有、管理するものでございまして、撤去に当たりましては、所有者の同意が不可欠となります。
 令和三年度の取組においては、未回答や所有者不在等で連絡が取れず、四割の所有者の意向が確認できないという課題が明らかになりました。
 このため、こうした所有者に対しては、再度郵送により意向を確認するほか、個別に訪問し丁寧に説明するなど、粘り強く意向確認を実施しております。
 さらに、お客様に本事業を知っていただくため、局のホームページやSNS、広報紙等を活用して事業のPRも実施しております。
 こうした取組により、東京水道経営プラン二〇二一に掲げる長期不使用給水管対応率の目標達成に向け、着実に事業を進めてまいります。

○中田委員 今、局長からもお話がありましたけれども、なかなか所有者が不在、不明であったりというところが多く確認されていると聞きました。この中で令和七年度での一〇〇%の達成、どのようにしていくのか、改めてしっかりと事業の再構築なども求めたいと思います。
 なかなか家の取壊しの際などに給水管を撤去しなければならないということ自体知らない都民の方が多いのではないかと思います。その点に関しても改めてしっかり周知していただくことで、所有者が不明になってしまう長期不使用の給水管が出てしまうという事態も減らしていかなければいけないと思っています。
 この二つのことを両輪でしっかりと進めていただき、この目標達成になるべく近づくような事業の運営をよろしくお願いいたします。
 次に、下水道局に質問を移らせていただきます。
 まず、東京アメッシュについて伺います。
 平成十四年からホームページで、平成二十九年からスマートフォンから、リアルタイムで降雨状況の提供を行っているこの事業ですが、改めて概要、そして予算、運用方法の詳細を伺います。

○奥山下水道局長 東京アメッシュは、観測メッシュが百五十メートルとほかのレーダーシステムよりも細かく、局地的な集中豪雨などの状況を高精度に把握することができる降雨情報システムでありまして、雨水ポンプの適時適切な運転管理を支援するなど、下水道施設の維持管理に活用しております。
 また、浸水への備えなどに活用していただけるよう、インターネット配信を行っております。
 令和三年度の維持管理費は約九千万円でございました。

○中田委員 維持管理費の約九千万円のうち、インターネット配信に係る費用が四千万円であるとのことです。維持管理費の約半分が配信費用というところになっておりますが、今、様々なお天気アプリやサイトなどがあります。
 この東京アメッシュのインターネット配信について、知事は日常的に活用しているのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 東京アメッシュは、先ほど下水道局の方から報告がありましたように、独自に開発したものでございます。
 そして、スマートフォンを使って、リアルタイムに色の変化でもって雨の強弱が確認できるということから、非常に分かりやすいシステムとなっております。
 また、GPS機能によって現在地の降雨状況も把握できるとともに、英語、中国語、韓国語でも対応ができております。
 昨年度は、アクセス回数が五千万回を超えておりまして、多くの方が活用されておられます。
 また、私自身も活用しておりまして、防災対策の一助として、豪雨などの際に多くの都民に活用も呼びかけているところでございます。

○中田委員 知事は活用しているとのことでしたが、東京アメッシュはリアルタイムでインターネット配信を行っておりますが、民間の天気サイトやアプリと比べると大きく見劣りする点が一つあります。
 それは、リアルタイム配信にとどまり、民間のサイトやアプリにある予報という機能がついていないということです。よくテレビCMでも流れていますが、五分後にここが雨がやむのかとか、十分後に雨が降っているか降っていないかというような機能がついていない点が大きな欠点であるのではないかと私は考えています。
 その中でのインターネット配信に係る費用四千万円が大変高額であるのではないかと私は考えますが、もし今後も活用していくのであれば、独自でのインターネット配信ではなく、例えば、気象情報を配信している民間気象会社へのデータ提供をしたり、データ提供できないのであれば、民間気象会社と連携して配信をしたり、そういったことももし難しいのであれば、思い切ってインターネット配信をやめ、この毎年の配信経費としてかかっている四千万円を、レーダーの更新、また、設備の更新など、レーダーの精度を上げることに注力をし、下水道局としてしっかりと浸水対策などを行っていくために、都民の安心・安全を守る、その方向に予算を削って、予算を転換していった方がいいのではないかと思いますが、都の見解を伺います。

○奥山下水道局長 下水道施設の維持管理に必要な東京アメッシュは、他社にデータを提供することを目的としていないため、データをリアルタイムで提供するシステムとなっておりません。
 東京アメッシュの情報は、インターネット配信により、豪雨による浸水への備えなどにも広く活用していただいておりまして、都民生活の安全性向上などに寄与していると考えております。

○中田委員 今、局長の答弁から、下水道施設の維持管理のためのものであり、他社に提供できないとのことでした。
 そうすると、四千万円をかけて配信を続けることは、民間の各社が、様々なサービスが日進月歩で進んで開発を進めている中で、今後の運用を考え直すべきではないのかと指摘せざるを得ないと思っております。
 やはりこういう事業に関しても、民間で何をやっているのかというところをしっかりと連携を図って、様々なところで手を組めるところは手を組んでいただき、そして、サービスを受ける都民の皆さんが本当に使い勝手のいいものを常々つくっていただければと思います。
 東京都としては、このような、今はアメッシュの指摘をさせていただきましたけれども、国と同じようなアプリを開発するのにお金をかけたりと、様々な、ちぐはぐな部分も正直見受けられるところが多くありますので、その点はしっかりと、予算、一円たりとも無駄にしないというような気持ちで、都民の税金をしっかり使っていただければと思いますので、指摘をさせていただきます。
 次に、アースプラン二〇一七について質問をさせていただきます。
 アースプラン二〇一七では、二〇三〇年度までの温室効果ガス排出量の削減目標を三〇%としています。これは、知事が掲げている二〇三〇年カーボンハーフ、そして、二〇五〇年ゼロエミッションとかけ離れてしまっているのが現状です。
 また、スマートプラン二〇一四では、再生可能エネルギーの活用拡大、そして、省エネルギーのさらなる推進を図るとしており、これに関しても、東京都は、再エネ電力の利用割合を二〇三〇年、五〇%を目指していますが、そことも乖離が生まれてしまっている現状があります。
 下水道局としての現状の排出量の削減率、また、再生可能エネルギーの利用はどれくらいなのか。また、現状計画と都の計画との乖離はありますが、知事が掲げる目標達成に向けた取組状況について伺います。

○奥山下水道局長 下水道事業におけます令和三年度の温室効果ガス排出量は、二〇〇〇年度比で約二七%削減いたしました。また、総エネルギー使用量に対する再生可能エネルギー等の割合は約一三%でありました。
 今後は、処理水質の向上や浸水対策の強化などにより、温室効果ガス排出量の増加が見込まれておりまして、二〇三〇年カーボンハーフや二〇五〇年ゼロエミッションを実現するためには、一層の削減が必要でございます。
 そのため、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギー利用の拡大を図るとともに、AIを活用した送風量の制御など新たな技術開発を推進し、温室効果ガス排出量のより一層の削減を進めているところでございます。

○中田委員 下水道施設というところで、エネルギーを大量消費する施設であるという点、なかなか難しい面もあるかもしれません。しかしながら、今、現状でお伺いをしましたが、再生可能エネルギーの割合は約一三%と、正直まだまだ低く、これからさらに技術が発展していく中で、さらにこれは積み上げていけるのではないかと思います。
 東京都が、今掲げている目標をどれだけ達成できるのか、そこをしっかりと、下水道局としても、今後の次期計画などの策定の際には、その着実な実行を行っていただく、目標を立ててもそれが達成できない目標であれば意味がありませんので、しっかりと着実に進めていける、そして、この東京都知事が掲げている二〇三〇年カーボンハーフ、そして、二〇五〇年ゼロエミッションというところの達成に向け、事業を行っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、病院に移らせていただきます。
 我が会派でも、コロナ禍での独立行政法人化については拙速に進めるべきではないと常々訴えさせていただき、条例案にも反対をしましたが、七月一日より都立病院は独立行政法人化されてしまいました。
 その中で、今回、病院会計の六月末までの決算も今決算審議に入るということで、独立行政法人化直前の職員の動きであったり、また、本会議や委員会などで答弁してきた職員の身分保障の点や、知事が約束してきた行政的医療の確保の点などを質問させていただきます。
 まず初めに、病床使用率についてです。
 民間病院との差が大きくなっている現状があります。中身を精査すると、受入れ患者数は都立病院の方が民間病院より多いものの、確保している病床を使い切れていないということが分かります。
 例えば、第六波の際の二月十六日の一日を抜き出しますと、都立駒込病院では、百八十一の病床を確保している中で入院患者は八十九人で、病床使用率は四九・二%です。そして、その後、独法化後の第七波の八月十七日では、同じ駒込病院の病床使用率は三三・七%となってしまっています。せっかく確保していても活用できないのであれば、それは無駄というしかありません。
 今、第八波を迎えつつある中で、確保しているけど使い切れていない病床の活用についてどのように行っていくのか、見解を伺います。

○西山福祉保健局長 都立病院は、コロナ対応を最優先とし、重症、中等症患者や他の医療機関では対応が困難な妊婦、小児、精神患者等を積極的に受け入れてまいりました。
 また、第六波では、認知症患者や介護度の高い高齢者等、マンパワーを要する多くのコロナ患者を受け入れました。
 こうした患者を円滑に受け入れるため、一般病棟から看護師の応援体制を構築するとともに、介護業務を担う看護助手の機動的な採用や柔軟な単価設定による非常勤看護師の確保など、職員体制の整備に取り組んでいるところでございます。
 引き続き、こうした取組を進めて多くの患者を受け入れ、病床を有効に活用してまいります。

○中田委員 今、局長からも答弁がありましたが、しっかりと病床を使っていく、引き続き取組を進めて多くの患者を受け入れ、病床を活用というところがありました。これが一番、独法化するときによく皆様がいっていた、医師、看護師の柔軟な採用ができることというところとつながってくるのではないかと思います。
 今まで、都立病院でしたら、患者数が増えて病床が空いているけど医師が確保できないという問題があったということも、委員会などでも答弁がありましたが、そうであるにもかかわらず、独法化された第七波を迎えたとき、病床使用率が下がってしまっていることは、独法化のメリットとしてうたっていたことと大きくかけ離れてしまっているのではないかと考えてしまいます。
 また、公社病院に関しても、退職者の充足も十分にできていないと聞いています。そうすると、知事が訴えてきた独法化のメリットはどこに行ってしまったのかといわざるを得ないのではないでしょうか。この確保しているのに使えない病床が機能するよう、しっかりと第八波に備えていただくことを強く要望させていただきます。
 独法化に当たって、次に、退職者の主な理由などについて伺っていきたいと思います。
 独法化に当たって、医師、看護師とも昨年の六月と今年の六月を比べますと、倍以上の七十人の方が六月三十日付で退職をしています。
 まず、退職者の方の主な理由について、局として把握をしているか伺います。

○西山福祉保健局長 職員の退職者数は、年度ごとに変動するものでございます。
 その主な理由は、転職や進学、病気療養、転居によるものでございます。

○中田委員 ありがとうございます。
 様々な理由があるということでしたが、昨年の六月と比べても倍以上の方が退職しているというのは、独法化したからではないのかと考えてしまうところもあります。この点に関しても、しっかりと、また、退職した方の充足などもしっかり図っていただく。先ほど、公社病院の話ではありましたけれども、充足し切れていないということも聞きますので、その点、独法化したメリットとしての柔軟な人材の確保、それをしっかりとやっていただくことを強く要望をさせていただきたいと思います。
 また、公務員の定年延長が段階的に行われます。都立病院であれば公務員でありましたから、もちろんこれが適用され、定年が順次延長されることとなっておりましたが、独立行政法人化後の定年延長の有無について見解を伺います。

○西山福祉保健局長 都立病院の就業規則では、職員の定年を、令和五年度から、二年に一歳ずつ、六十五歳まで段階的に引き上げることとしてございます。

○中田委員 ありがとうございます。
 今、局長から答弁がありました。都立病院機構でも就業規則で職員の定年を段階的に引き上げるということでしたので、これをしっかりと実行していただきたいと思います。
 改めて、これで都立病院としての決算が終わりとなりますが、これからも行政的医療を確保していく、さらには、今現在も増えてしまっている感染者、第八波へ突入していく中で、先ほども指摘をさせていただきましたが、病床を使い切れていない問題など、当初、知事が述べていたことと既に乖離が生まれてしまっているのではないかと考えております。
 このコロナ禍の独法化の是非について、改めて知事の見解を伺います。

○小池知事 都立病院は、コロナ患者の受入れに率先して取り組んでまいりました。
 また、一方で、地方公務員法などの制約もあり、迅速、柔軟な人材の確保が困難などの課題が改めて明らかになったところでございます。
 新たな都立病院でございますが、柔軟かつ機動的な人材確保を進めまして、新型コロナ患者を積極的に受け入れるとともに、都立病院の使命であります行政的医療、高度専門的医療を安定的に提供してまいります。

○中田委員 ありがとうございます。
 今、知事からも改めて答弁がありましたが、都立病院の使命である行政的医療、そして、高度専門的医療を安定的に提供していく、もちろんこれはとても大切なことであります。さらに、知事がその前段で述べました、柔軟な人材の確保が困難であったと、都立病院のときは。それが独法化したことによって、柔軟かつ機動的な人材確保を行えるようになったということですので、この第八波、今から迎えるというのが様々報道されている中で、病床使用率がなかなか上がらないという現状、それはしっかりと医師の確保、また、看護師の確保、柔軟にできるということですので、今後、同じような数字しか出てこないと思いますので、しっかりとその辺対応していただきたいと思いまして、要望させていただき、質問を終わります。ありがとうございました。

○福島委員長 中田理事の発言は終わりました。
 以上で本日予定いたしました質疑は全て終了いたしました。
 お諮りいたします。
 令和三年度東京都公営企業各会計決算の認定について及び令和四年度東京都病院会計決算の認定についてに対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○福島委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
 なお、十一月二十四日の午後に理事会を、また、理事会終了後に委員会を第四委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時六分散会


令和3年度公営企業会計決算特別委員会 第1分科会審査報告書

第1分科会で行われた令和3年度東京都公営企業各会計決算に関する審査の概要を次のとおり報告する。
  令和4年10月31日
令和3年度公営企業会計決算特別委員会
第1分科会委員長   小松大祐

令和3年度公営企業会計決算特別委員長
福島りえこ 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
 ・ 本分科会は、令和4年9月29日に設置され、次の案件を審査した。
   令和3年度東京都公営企業各会計決算中、中央卸売市場、港湾局、交通局所管分

 ・ 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
   10月17日(説明聴取・資料要求) 交通局、中央卸売市場、港湾局
   10月21日(質疑)        交通局
   10月24日(質疑)        中央卸売市場
   10月26日(質疑)        港湾局

2 本分科会における質疑の概要
(1)令和3年度東京都中央卸売市場会計決算(中央卸売市場所管分)
 〔1〕 決算の概要について
 〔2〕 東京都中央卸売市場経営計画について
  ア 策定の経緯及び基本的な考え方について
  イ 経営改善の取組及び市場会計の見える化について
  ウ 地産地消の取組について
  エ 板橋市場の市場機能の強化について
 〔3〕 市場経営の健全性の確保について
  ア 市場業者への指導監督の実績等について
  イ デジタル化推進のための支援について
 〔4〕 新型コロナウイルス感染症への対応について
  ア 感染状況及び感染拡大防止対策について
  イ 市場取引への影響及び市場関係者への支援について
 〔5〕 市場業者に向けた経営支援策及び活用促進について
 〔6〕 施設整備について
  ア 施設整備の状況及び老朽化対策について
  イ 旧築地市場解体工事に係る契約内容及びアスベスト飛散防止対策について
  ウ 板橋市場及び葛西市場の施設整備について
 〔7〕 市場施設の利用状況及び遊休施設の利用促進について
 〔8〕 豊洲市場について
  ア 水産物の取扱状況と販路開拓の取組について
  イ 地下水の管理について
  ウ 空気調査及び地下水質調査について
  エ 地下水管理システムに係る維持管理経費について
  オ 安心につながる情報発信について
 〔9〕 廃棄物の発生状況及びリサイクル推進に向けた取組について
 〔10〕 水産資源の持続的利用に係る取組への支援について
 〔11〕 葛西市場におけるフォークリフト等の電動化率について
 〔12〕 市場における事故の発生件数及び豊洲市場での死亡事故と原因について
 〔13〕 市場見学等について

(2)令和3年度東京都臨海地域開発事業会計決算(港湾局所管分)
 〔1〕 決算における営業収益及び企業債について
 〔2〕 土地の処分実績と用地の貸付及び今後の予定について
 〔3〕 Digital Innovation Cityの実現に向けた取組について
 〔4〕 臨海副都心のまちづくりについて
  ア アートによるまちづくりの実績及び今後の取組について
  イ 民間事業者への補助事業について
 〔5〕 有明南地区における事業計画の進捗及び今後の予定について
 〔6〕 施設整備について
  ア 臨海部における既設道路及び橋りょうの改修について
  イ 有明親水海浜公園及びシンボルプロムナード公園の整備について
 〔7〕 臨海部における自転車通行空間の整備状況及び今後の取組について
 〔8〕 東京港視察船「東京みなと丸」について

(3)令和3年度東京都港湾事業会計決算(港湾局所管分)
 〔1〕 太陽光発電設備の設置状況について

(4)令和3年度東京都交通事業会計決算(交通局所管分)
 〔1〕 決算の状況及び経常収支について
 〔2〕 経費節減等の取組について
 〔3〕 東京都交通局経営計画2019の達成状況と今後の事業運営について
 〔4〕 関連事業収入について
 〔5〕 環境対策について
  ア 太陽光発電設備の設置状況及び電力の利用方法について
  イ 東京2020大会開催時における燃料電池バスの活用と評価について
  ウ 燃料電池バスの導入状況及び電気バス導入の検討状況について
  エ バス停留所へのLED照明の導入状況について
 〔6〕 バリアフリー対策について
  ア 双子用ベビーカーの利用への取組状況及び評価について
  イ 都営バスにおける視覚障害者への配慮について
  ウ シグナルエイドの設置計画及び自治体への支援等について
 〔7〕 安全対策について
  ア 重大事故の発生件数及び事故防止の取組について
  イ 「危険なバス停」への取組について
  ウ 自然災害を想定した訓練について
  エ 交通安全教室の実施状況について
 〔8〕 お客様サービスについて
  ア 都営バスの利用状況及びダイヤ改正における路線の休廃止、減便について
  イ お客様が意見を伝えやすい環境整備とフィードバックについて
  ウ 停留所の上屋及びベンチの設置状況と設置条件について
 〔9〕 ToKoPoを活用した時差Bizキャンペーンについて
 〔10〕 日暮里・舎人ライナーについて
  ア 利用促進の取組について
  イ 地震対策の取組について
  ウ 千葉県北西部の地震における代替措置について
  エ 凍結・雪害に備えた車両及び設備の保守について
  オ 雪害による輸送障害時の気象状況や運転見合わせの原因について
 〔11〕 東京さくらトラム(都電荒川線)について
  ア 浸水を想定した車両の避難訓練について
  イ 道路併用区間と踏切における隙間・段差対策について
  ウ 需要創出に向けた地元商店街等との取組について
 〔12〕 人材確保及び人材育成について
  ア 運輸系職員採用選考の状況及びバス乗務員の養成型採用選考の変更内容と効果について
  イ 女性職員の確保に向けた環境整備の取組について
  ウ 職員の懲戒処分件数及びコンプライアンス推進に向けた取組について
 〔13〕 ライフ・ワーク・バランスの推進に関する取組について

(5)令和3年度東京都高速電車事業会計決算(交通局所管分)
 〔1〕 決算の状況及び経常収支について
 〔2〕 経費節減等の取組について
 〔3〕 東京都交通局経営計画2019の達成状況と今後の事業運営について
 〔4〕 関連事業収入について
 〔5〕 安全対策について
  ア 地下鉄構造物の長寿命化について
  イ 都営浅草線のホームドア整備及び都営地下鉄の今後の整備について
  ウ ホームドア設置工事中又は未設置のホームの人員配置について
  エ 車内トラブルの未然防止対策及び防犯カメラの整備について
  オ 痴漢犯罪防止対策と今後の取組について
  カ 重大事故の発生件数及び事故防止の取組について
  キ 自然災害を想定した訓練について
  ク 浸水対策の実績と今後の取組について
  ケ テロ対策等訓練について
 〔6〕 お客様サービスについて
  ア 混雑緩和に向けた輸送力の強化について
  イ ツーリストインフォメーションセンターの設置状況について
  ウ 女性専用車両の導入拡大について
  エ お客様が意見を伝えやすい環境整備とフィードバックについて
 〔7〕 バリアフリー対策について
  ア 都営三田線の隙間・段差対策について
  イ 介助用ベッド付トイレの設置について
  ウ 音声付エスカレーターの設置について
 〔8〕 太陽光発電設備の設置状況及び電力の利用方法について
 〔9〕 駅業務委託について
  ア 委託の基準と契約内容について
  イ 正規職員と契約職員の比率及び雇用条件について
  ウ 委託における安全管理及び委託駅の拡大について
 〔10〕 人材確保及び人材育成について
  ア 女性職員の確保に向けた環境整備について
  イ 職員の懲戒処分件数及びコンプライアンス推進に向けた取組について
 〔11〕 ライフ・ワーク・バランスの推進に関する取組について

(6)令和3年度東京都電気事業会計決算(交通局所管分)
 〔1〕 決算の状況及び経常収支について
 〔2〕 経費節減等の取組について
 〔3〕 東京都交通局経営計画2019の達成状況と今後の事業運営について
 〔4〕 関連事業収入について
 〔5〕 太陽光発電設備の設置状況及び電力の利用方法について
 〔6〕 東京産水力発電の売電契約について
 〔7〕 人材確保及び人材育成について
  ア 女性職員の確保に向けた環境整備について
  イ 職員の懲戒処分件数及びコンプライアンス推進に向けた取組について
 〔8〕 ライフ・ワーク・バランスの推進に関する取組について
 〔9〕 お客様が意見を伝えやすい環境整備とフィードバックについて


令和3年度公営企業会計決算特別委員会 第2分科会審査報告書

第2分科会で行われた令和3年度東京都公営企業各会計決算及び令和4年度東京都病院会計決算に関する審査の概要を次のとおり報告する。
  令和4年10月31日
令和3年度公営企業会計決算特別委員会
第2分科会委員長   うすい浩一

令和3年度公営企業会計決算特別委員長
福島りえこ 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
 ・ 本分科会は、令和4年9月29日に設置され、次の案件を審査した。
   令和3年度東京都公営企業各会計決算中、福祉保健局、都市整備局、水道局、下水道局所管分
   令和4年度東京都病院会計決算
 ・ 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
   10月17日(説明聴取・資料要求) 水道局、下水道局、福祉保健局、都市整備局
   10月21日(質疑)        下水道局
   10月24日(質疑)        水道局
   10月26日(質疑)        都市整備局、福祉保健局

2 本分科会における質疑の概要
(1)令和3年度東京都病院会計決算及び令和4年度東京都病院会計決算(福祉保健局所管分)
 〔1〕 決算の各種計数について
 〔2〕 新型コロナウイルス感染症への対応について
  ア 患者の受入れに係る取組と実績及び第5波・第6波の特徴について
  イ 後遺症に係る相談実績及び後遺症対策について
  ウ 地域医療機関との連携及び日本ECMOnetからの支援について
  エ 防護服の確保状況について
  オ 職員の増員について
 〔3〕 地方独立行政法人化について
  ア 法人化前の制度運用における制約について
  イ 人事給与制度及び人材確保に向けた環境整備について
  ウ 行政的医療の財源措置について
  エ 職員の理解を得るための取組と成果について
  オ 地方独立行政法人東京都立病院機構定款の提出について
 〔4〕 医療介護専用SNSの活用について
 〔5〕 不妊治療の相談実績及び相談窓口の周知について
 〔6〕 感染症科に勤務する医師の時間外労働の時間数について
 〔7〕 松沢病院の役割と取組及び医業収支の推移について
 〔8〕 広尾病院における工事の概要及び必要性について

(2)令和3年度東京都都市再開発事業会計決算(都市整備局所管分)
 〔1〕 泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業について
  ア 事業目的とこれまでの実施状況について
  イ 特定建築者の決定過程及び仮移転中の権利者への支援について
  ウ 国際交流拠点の形成に向けた取組について
  エ 施設建築物のバリアフリー及び環境に係る方針について
  オ 災害時における対応について
  カ 経営の課題について
 〔2〕 大橋地区、環状第二号線地区及び北新宿地区の市街地再開発事業について
  ア 都施行で実施した意義と成果について
  イ 事業実績及び大橋地区の営業損失について
 〔3〕 再開発事業における保留床の確保について

(3)令和3年度東京都水道事業会計決算(水道局所管分)
 〔1〕 経営状況について
  ア 決算の各種計数について
  イ 経営指標の実績と評価及び経営努力について
 〔2〕 水道料金の支払猶予について
  ア 実績と周知方法及び今後の対応について
  イ 猶予期間が終了した都民への対応について
 〔3〕 災害対策について
  ア 停電時における給水確保及び自家用発電設備の整備について
  イ 耐震継手化の実績及び重要施設への供給ルートに係る取組について
  ウ 応急給水訓練の実施状況及び給水拠点の周知について
  エ 千葉県北西部の地震による空気弁漏水被害の把握方法及び対応について
 〔4〕 朝霞東村山線及び東村山境線の整備の進捗状況と今後の取組について
 〔5〕 多摩地区水道の強靱(じん)化の目的及び施設整備の状況と効果について
 〔6〕 東京都水道局環境5か年計画について
  ア 計画の内容及びCO2排出量の削減とペーパーレス化の状況について
  イ 上北沢給水所の工期及び太陽光発電設備等の整備について
 〔7〕 再生可能エネルギーについて
  ア 発電量及び使用状況と拡大の取組について
  イ 浄水場における太陽光パネル追加設置の検討について
  ウ 未利用地の活用について
 〔8〕 新たな浄水処理技術への取組状況及び今後の予定について
 〔9〕 スマートメータについて
  ア 調達実績及び価格低減の効果と発注方法の検証について
  イ 新たなスマートメータの開発及びパイロットエリアの選定理由について
 〔10〕 海外水道事業体への貢献の実績について
 〔11〕 シンボリックなドリンキング・ステーションの活用について
 〔12〕 水道水源林について
  ア 決算の状況及び民有林の購入実績について
  イ 保全・管理のための人的体制の確保について
 〔13〕 徴収業務における給水停止までの対応及び要支援者情報について
 〔14〕 水道サポーター制度と目黒区における交流会の実施状況について
 〔15〕 政策連携団体への業務移転について
  ア 推進の利点と浄水場の直営維持との関係について
  イ 財政状況の透明化について

(4)令和3年度東京都工業用水道事業会計決算(水道局所管分)
 〔1〕 決算審査意見書における指摘事項への対応について

(5)令和3年度東京都下水道事業会計決算(下水道局所管分)
 〔1〕 経営状況について
  ア 決算の各種計数について
  イ 区部における企業債残高の縮減と施設更新による将来負担の平準化について
  ウ 建設・維持管理コスト縮減の実績及び取組について
 〔2〕 浸水対策について
  ア 区部における対策の考え方及び重点地区の進捗状況について
  イ 下水道浸水対策計画2022における新規重点地区の選定理由について
  ウ 下水道浸水対策計画2022における対策の強化及び計画期間について
  エ 流出解析シミュレーションについて
  オ 大田区及び目黒区における対策状況について
  カ 事業を円滑に進めるための広報戦略について
 〔3〕 区部における枝線と幹線及び下水道設備の再構築に係る取組方針及び進捗状況について
 〔4〕 下水道管に起因する道路陥没対策と効果について
 〔5〕 合流式下水道について
  ア 仕組みと特徴及び水面制御装置について
  イ 改善に向けた取組及び区部における実施状況について
  ウ 大田区内における改善の取組及び呑川の貯留施設の整備状況について
 〔6〕 エネルギー・地球温暖化対策について
  ア これまでの取組及び実績について
  イ 水処理及び汚泥処理工程における温室効果ガスの削減について
  ウ 森ヶ崎水再生センターにおける取組について
  エ 太陽光発電設備の導入方針と設置状況及び浮間水再生センターにおける太陽光発電の活用状況について
  オ 太陽光発電以外の再生可能エネルギーの導入方針及び取組について
 〔7〕 東京2020大会における取組と成果及び東京湾の水質改善の取組について
 〔8〕 雨天時浸入水対策について
  ア 多機能型マンホール蓋の効果と設置状況及び発生源対策について
  イ 市町村への技術支援及び清瀬市と連携した対策工事の進捗状況について
 〔9〕 国際展開について
  ア 東京発の下水道技術の海外展開における実績について
  イ コロナ禍における国際展開事業の取組について
 〔10〕 新型コロナウイルス感染症への対応について
  ア 下水道料金の支払猶予の受付実績及び猶予金額について
  イ 下水中の新型コロナウイルスの分析に係る取組について
 〔11〕 城南三河川における清流復活事業の取組及び目黒川の降雨時の送水ルールについて
 〔12〕 震災対策について
  ア 下水道管の耐震化の進捗状況及び整備状況の周知について
  イ マンホールトイレの指定状況及び指定箇所の拡大について

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