令和三年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第四号

令和四年十月二十六日(水曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十一名
委員長小松 大祐君
副委員長中田たかし君
副委員長慶野 信一君
副委員長清水やすこ君
かまた悦子君
星  大輔君
保坂まさひろ君
原  純子君
本橋たくみ君
藤井とものり君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
港湾局局長矢岡 俊樹君
技監山岡 達也君
理事総務部長事務取扱相田 佳子君
企画担当部長石井  均君
調整担当部長堀内  弘君
港湾経営部長野平雄一郎君
港湾振興担当部長猪倉 雅生君
臨海開発部長松本 達也君
開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務佐藤 賢治君
臨海副都心まちづくり推進担当部長大野 克明君
臨海副都心開発調整担当部長小原  昌君
港湾整備部長片寄 光彦君
計画調整担当部長山本 康太君
担当部長港湾計画担当部長兼務水飼 和典君
離島港湾部長村田 拓也君
島しょ・小笠原空港整備担当部長川崎  卓君

本日の会議に付した事件
令和三年度東京都公営企業各会計決算の認定について
港湾局関係
・令和三年度東京都臨海地域開発事業会計決算(質疑)
・令和三年度東京都港湾事業会計決算(質疑)

○小松委員長 ただいまから令和三年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、港湾局長から、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員の紹介があります。

○矢岡港湾局長 過日の分科会を欠席させていただきました幹部職員をご紹介させていただきます。
 臨海開発部長の松本達也でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○小松委員長 紹介は終わりました。

○小松委員長 決算の審査を行います。
 令和三年度東京都臨海地域開発事業会計決算及び令和三年度東京都港湾事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○相田理事 去る十月十七日の当分科会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の令和三年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料をご覧いただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に八件の資料の件名を記載してございます。
 それでは、一ページをご覧ください。臨海地域開発事業会計における土地処分の状況でございます。
 令和三年度の土地処分の状況につきまして、臨海副都心地域とその他の埋立地に区分し、それぞれ場所、面積、金額を記載しております。
 なお、単位については、面積は平方メートル、金額は百万円で記載してございます。
 二ページをご覧ください。臨海地域開発事業会計における公共用途での土地処分実績でございます。
 平成二十九年度から令和三年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積、金額を記載してございます。
 なお、単位については、面積は平方メートル、金額は百万円で記載してございます。
 三ページをご覧ください。臨海地域開発事業会計における資金運用益の推移でございます。
 預金運用益につきまして、平成二十九年度から令和三年度までの五年間における実績及び期末残高を百万円単位で記載してございます。
 四ページをご覧ください。臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
 平成二十九年度から令和三年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を記載しております。
 なお、単位については、面積は平方メートル、金額は百万円で記載してございます。
 五ページをご覧ください。臨海副都心地域を除く埋立地の土地処分実績でございます。
 こちらも、前ページと同様に、平成二十九年度から令和三年度までの五年間における土地処分の実績について、各年度の面積、金額及び実績の内訳を記載しております。
 なお、単位については、面積は平方メートル、金額は百万円で記載してございます。
 六ページをご覧ください。株式会社東京臨海ホールディングスの当期純利益等の推移でございます。
 平成二十九年度から令和三年度までの五年間における、縦の欄にございます四項目、当期純利益、現金及び預金の期末残高、投資有価証券の期末残高、長期借入金の期末残高を百万円単位で記載してございます。
 七ページをご覧ください。臨海関係第三セクターのビル入居率の推移でございます。
 平成二十九年度から令和三年度までの各年度末におけるビルごとの入居率をパーセントで記載してございます。
 八ページをご覧ください。臨海副都心用地の長期貸付等に係る賃貸料収入の推移でございます。
 平成二十九年度から令和三年度までの五年間における賃貸料収入につきまして、それぞれ長期貸付等、暫定利用を記載しております。
 なお、単位については百万円で記載してございます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小松委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○本橋委員 初めに、臨海地域開発事業会計について伺います。
 昨年度、臨海部は、東京二〇二〇大会の主要会場として、改めて、国内外に対し、その知名度を大いに高めたところであります。大会終了後は、レガシーを活用したまちづくりが本格的に動き始めており、さらなるまちづくりに向けた新たな一歩が踏み出されたところであります。
 今後は、新型コロナウイルス感染症の終息も見据えながら、国内外からの来訪者の回復を見込んだ取組を着実に進めていくことが重要でありますが、そのためには、臨海地域開発事業会計の健全な財政運営を継続することが必要不可欠であります。
 そこで、本日は、令和三年度決算について、何点か確認してまいりたいと思います。
 まず、令和三年度決算では、営業収益が前年対比で大きく増加をしておりますが、その要因について伺います。

○松本臨海開発部長 臨海地域開発事業会計の令和三年度決算についてでございますが、営業収益を約五百一億円計上しており、これは、前年度と比較して約三百八十六億円増加しております。
 その主な要因は、土地処分に関する収益が増加したことによるものでございます。
 昨年度の土地処分収益の主な内容でございますが、晴海地区の選手村跡地の開発に伴い、同地区の都有地二か所を、中央区へ百七十七億円で売却しております。今後、これらの土地につきましては、中央区によりまして、小中学校や公共施設等の整備が進められる予定でございます。
 また、臨海副都心の有明南地区におきましては、令和二年度に実施した公募により選定したコナミグループの不動産会社に対し、都有地を約百十九億円で売却しております。
 さらに、本件地の隣の都有地につきましても、同時に公募により選定いたしましたテレビ朝日に対し、本年八月に売却したところでございます。
 なお、土地処分収益のほかには、都有地の賃貸料収益を約百億円計上しており、これにつきましては、前年度とほぼ同じ金額になっております。

○本橋委員 財源を確保する上で重要な営業収益について、前年比で高い実績が計上され、土地の売却が着実に進んでいることが確認をできました。
 臨海部のうち、とりわけ臨海副都心は、多くの観光客等が訪れる注目を集めるエリアであります。
 先日も、トヨタグループから、青海地区のメガウェブの跡地に、新たに次世代型のアリーナを建設するプロジェクトが発表されたところです。新アリーナは、プロバスケットボールリーグ、アルバルク東京のホームグラウンドとして、令和七年度の開業が予定をされており、臨海副都心の新たな集客施設として大いに期待をされるところであります。
 一方、先ほどの答弁によれば、有明南地区にも新たな事業者が進出をされる予定であるとのことでありますが、有明南地区における新たな進出予定事業者について、進出に向けた進捗状況と今後の予定について伺います。

○松本臨海開発部長 有明南地区につきましては、今後、新たな事業者として、コナミグループとテレビ朝日が進出する予定でございます。
 コナミグループにつきましては、スタジオやショップが併設されたグループの研究開発拠点が整備される計画となっておりまして、今年度に着工の上、令和七年度の竣工が予定されております。
 また、テレビ朝日につきましては、多目的ホールやエンターテインメントスペース等が整備される計画となっておりまして、来年度に着工に入り、同じく令和七年度に竣工する予定でございます。
 これらの事業者が進出することによりまして、有明南地区に新たな来訪者が増えることにより、にぎわいが創出され、まちが活性化されることを期待しております。

○本橋委員 新しい事業者が進出することにより、ビジネスや観光、エンターテインメント等を目的として臨海副都心を訪れる方々が、今後、さらに増えるのではないかと期待をするところであります。ぜひ新しいにぎわいにつなげ、臨海副都心を活性化させていっていただきたいと思います。
 さて、都議会自民党はこれまで、臨海地域開発事業会計について、その健全な会計運営について注視をしてきたところであります。冒頭にも申し上げましたが、臨海副都心のまちづくりを今後着実に進めていくためには、前提条件として、会計の健全な財政運営が不可欠であります。
 そこで、臨海地域開発事業会計について、今後の企業債の償還見込みを含め、今後の見通しを伺います。

○松本臨海開発部長 令和三年度決算におきましては、土地の売却が進んだことなどにより、約二百四十九億円の純利益を計上しております。
 令和三年度末現在、臨海地域開発事業会計の企業債残高は約九百七十五億円でございますが、内部留保金を約二千九十一億円保有しており、令和六年度に企業債を全額償還する予定でございます。
 今後とも、社会経済状況の動向を踏まえながら、未処分地の処分を適切に進めていくとともに、既存施設の改修に伴う資金需要に対応するなど、引き続き、健全な会計運営に努めてまいります。

○本橋委員 十分な資金が確保されており、企業債の全額償還に向けて、土地売却が着実に進んでいることが確認をできました。引き続き、臨海部において魅力あるまちづくりを進めるために、着実な会計運営に努めていただきたいと思います。
 次に、臨海副都心における先端技術の実装に向けた取組について伺ってまいります。
 都は、デジタルの力により東京のポテンシャルを引き出し、都民が質の高い生活を送ることができるスマート東京の実現を目指しております。特に、コロナ禍からの回復が急務である今、デジタル化を進めることにより、様々な社会課題を解決し、経済の持続的な発展につなげていくことは重要であります。
 ベイエリアは、スマート東京先行実施エリアの一つに位置づけられておりますが、中でも臨海副都心については、デジタルテクノロジーの実装とスタートアップの集積によるデジタルイノベーションシティの実現を目指し、昨年度から、デジタルの可能性を引き出す様々な取組を進めていると聞いております。
 そこでまず、デジタルイノベーションシティの実現に向け、昨年度は具体的にどのような取組を行ってきたのか、伺います。

○小原臨海副都心開発調整担当部長 先進的なまちづくりを進めてまいりました臨海副都心を、デジタルテクノロジーの活用により、さらに魅力的なまちとしていくために、昨年度、都は、地元企業、研究機関、エリアマネジメント団体から成る協議会を立ち上げました。
 協議会では、スタートアップの先端技術を活用し、実際の景色にデジタルコンテンツを組み合わせた謎解きイベントや、オンライン上のバーチャル空間を活用したイベントを開催し、まちの新たな魅力を体験する機会を創出いたしました。
 さらに、デジタルインフラである5G基地局の設置を推進するため、都や進出業者等が保有する臨海副都心内の建物等の情報を一元化して通信事業者へ提供することにより、現在、青海、台場地区では、おおむね5G通信網が整ったところでございます。

○本橋委員 昨年度は、協議会を立ち上げるとともに、デジタルテクノロジーの実装に向けたイベントなどを実施したことを確認できました。また、5G通信網が青海、台場地区でおおむね整備されたとのことでありますが、デジタルテクノロジーの実装を進めるに当たって、最も重要なインフラが整ったことを評価したいと思います。
 こうした様々な先進的な取組を行うことにより、先端技術の集積エリアとして臨海副都心の知名度が向上し、まちの魅力がさらに高まることを期待したいと思いますが、今年度はどのような取組を行っていくのか、また、その狙いについても伺います。

○小原臨海副都心開発調整担当部長 今年度は、まちの課題をデジタルテクノロジーにより解決するため、協議会などから提案を受けた取組を進めてまいります。
 具体的には、エリア内の自由な移動や回遊性の向上を図るため、三人乗りの小型モビリティーの導入や、視覚障害者用のスーツケース型のナビゲーションロボットの実用化に向けた検証等を行ってまいります。
 これらの取組により、健常者のみならず、移動に不自由がある方々も、気軽にまちやイベントを楽しむことができるインクルーシブなまちづくりを実現してまいります。
 また、新たなにぎわいを創出するため、お台場レインボー花火と連動させた3Dホログラム映像を投影するほか、解像度が極めて高い映像と光や音楽により、これまでにない臨場感が体験できるライブビューイングの検証を行うなど、最新デジタルテクノロジーを活用した新たなエンターテインメントコンテンツの実用化に向け、取り組んでまいります。

○本橋委員 臨海副都心は広いため、エリア内を歩いて移動するのは、やや難があるという声を聞いておりますが、ただいまの答弁にあったとおり、新型モビリティーは、この課題を克服する手段として大いに期待をしたいと思います。
 また、最新のデジタルテクノロジーを活用したイベントを積極的に実施することによって、内外からの関心を集め、臨海副都心のブランドを高めていただきたいと思います。
 実用化に向けては、様々な課題があると思いますが、課題を一つ一つ解決し、社会実装につなげていってもらいたいと思います。
 また、スマート東京先行実施エリアである臨海副都心ならではの施策として、国内外から訪れる多くの人々の利便性を高めるために、様々なデータを活用した取組を検討すべきだと考えます。
 現在、海外の幾つかの先行都市では、複数のデータを一元管理し、目的に応じて必要なデータを取り出せるデータプラットフォームの構築に向けた検討が進められていると聞いております。
 そこで、臨海副都心においてデジタルイノベーションシティを実現するためには、データプラットフォームの構築が不可欠であると考えますが、その取組状況について伺います。

○小原臨海副都心開発調整担当部長 データの蓄積、流通を促進することは、経済の活性化や防災、防犯などのあらゆる分野で利活用することが可能となることから、昨年度、協議会においても積極的な検討を進めてまいりました。
 検討の結果、今年度より、都は、エリア内のデータを蓄積する機能と、そのデータを用途に応じて可視化する機能を有するデータプラットフォームの構築を進めることとしたところでございます。
 今年度は、まず、発災時におけるエリア内の帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設の備蓄情報等を集約するとともに、様々な防災関連情報を地図上に可視化する機能の構築に向け、動作イメージの確認や検証を重ねてまいります。
 また、臨海副都心におけるデータプラットフォームの全体構想を整理いたしますとともに、他エリアとのデータ連携や相互運用の検討を行うなど、臨海副都心エリアにおけるデータ利活用基盤の構築を進めてまいります。

○本橋委員 データセンター情報などを活用したデジタル技術の推進は、社会課題の解決と経済成長の鍵になるものであります。デジタルの力によって、場所、年齢を問わず、都民一人一人が最適なサービスを選択することのできる社会の実現に向けて、引き続き、協議会や様々な関係機関と連携しながら先進的な取組を進めていただきたいと思います。
 これで質問を終わります。

○清水委員 よろしくお願いいたします。
 私からは、臨海副都心におけるアートの取組についてお伺いしたいと思います。
 昨年度は、臨海部が東京二〇二〇大会の舞台となり、世界のアスリートたちによって白熱した競技が繰り広げられました。
 一方で、新型コロナウイルス感染症の影響によって、無観客での開催となったため、臨海副都心に世界各国から多くの来訪者の方々に来ていただけなかったことは、非常に残念でありました。
 この二〇二〇大会の無観客開催も含め、コロナ禍によって、臨海副都心への来訪者は大きく減少したと聞きます。今年度は回復の途上にあるとも伺っていますが、今後は、引き続き感染防止対策を講じながら、国内外からの来訪者の誘致に取り組み、まちのにぎわいの回復につなげていくことが重要であると考えます。
 臨海副都心へ多くの人を引きつけ、にぎわいを取り戻すための取組という点では、令和三年度の臨海地域開発事業会計においては、都は、アートによるまちづくりに取り組んでいます。
 本日は、この点について何点か確認いたします。
 まず、アートによるまちづくりに取り組む目的と令和三年度における実績についてお伺いいたします。

○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心では、アートにより新たなまちの魅力を創出し、来訪者の満足度や臨海副都心のブランド力を向上させることを目的として、令和元年度からアートプロジェクトに取り組んでおります。
 令和三年度においては、令和二年度にシンボルプロムナード公園の夢の広場に整備したARTBAY HOUSEを活動拠点として、様々なアートプログラムを展開いたしました。
 コロナによる緊急事態宣言の発令等により休館した時期もございましたが、感染防止対策を徹底しながら、テレビ番組と連携した臨海副都心の魅力をテーマとする写真展、書道を基盤とした現代アート、ARTBAY HOUSEの外壁をキャンバスにした絵画の展示等、多彩で魅力的なアートを発信いたしました。
 なお、ARTBAY HOUSEは、設置期間が限定された仮設建築物であったため、昨年度にフィナーレイベントを開催し、現在は撤去しております。

○清水委員 ありがとうございます。
 国内や海外を見渡しても、アートは、まちに人々を引きつける重要なコンテンツであり、アートによって新たな魅力を創出する取組は大変有意義であると考えます。
 ただいまの答弁から、コロナ禍においても様々なアートの発信に取り組んできたことが分かりましたが、ARTBAY HOUSEは仮設建築物であったため、残念ながら、既に撤去済みとのことです。
 このようなまちの個性をつくる取組は、一朝一夕で結実するものではありませんが、継続して取り組んでいく必要があります。
 令和四年度以降のアートプロジェクトの取組に当たっては、まずは、ARTBAY HOUSEを拠点に活動したことの効果や課題を検証することが重要であると考えます。
 そこで、ARTBAY HOUSEでの活動における効果と課題についてお伺いいたします。

○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 昨年度にARTBAY HOUSEで実施したアンケートでは、九割以上の方から、HOUSEでの展示内容に満足したという回答をいただいており、ARTBAY HOUSEでの活動が臨海副都心への来訪者の満足度向上に大きな効果があったものと考えております。
 一方、アンケートでは、限られた空間での展示内容に物足りなさを感じたとする声も見受けられました。また、ARTBAY HOUSEへの来訪者には若年層が多く、年齢的な偏りがあったとも考えております。
 そのため、今後のアートによるまちづくりについては、まち全体を対象とした広がりのある取組や、より幅広い年齢層が楽しめる取組を進めることが課題となりました。

○清水委員 ARTBAY HOUSEでの活動における満足度の高さからも、アートプロジェクトは、臨海副都心の新たな魅力の創出に効果的であったといえます。
 一方で、課題も見つかったとのことであり、今後、より効果的にプロジェクトを実施していくためには、これらの課題に対して、的確な解決策を講じるべきと考えます。
 先月、都は、臨海副都心における新たな取組として、初めてアートフェスティバルを開催したと聞いています。
 そこで、ARTBAY HOUSEでの活動による課題を踏まえ、今年度のアートフェスティバルをどのように開催したのか、伺います。

○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 都は、本年九月十六日からの十日間、臨海副都心で初となるアートフェスティバルを開催し、民間事業者等の協力も得ながら、エリア内の多くの箇所で、幅広い層が楽しめる様々なアートの展示や体験プログラムの実施等に取り組みました。
 具体的には、シンボルプロムナード公園の広場や東京国際クルーズターミナル、あるいは民間事業者の屋内施設等、開催会場を複数設けるとともに、さらなる回遊性の向上を図るため、鑑賞ツアーの実施や、複数の会場を訪れた方へのグッズのプレゼントなど、まち全体へ広がりのあるイベントとなるよう工夫いたしました。
 展示内容についても、有名海外アーティストによる巨大迷路のような展示物をはじめ、スマートフォンをかざすと空中にオブジェが浮かぶ拡張現実、いわゆるARアートの体験や、プロジェクションマッピングなど大がかりなものから、子供たちと一緒に紙芝居をつくるワークショップまで、年齢を問わず、多くの方々に楽しんでいただける様々な作品やプログラムを展開いたしました。

○清水委員 ありがとうございます。
 複数の会場での開催により回遊性の向上を図るとともに、幅広い年齢層が楽しめる様々な作品やプログラムを展開したとのことであり、これまでの課題を踏まえつつアートフェスティバルを開催したことが確認できました。
 開催期間中に二度の台風の影響を受けるなど、天気に恵まれない日もあったと思いますが、複数の会場で多様なアートを発信したことにより、多くの来訪者に楽しんでいただけたのではないかと思います。
 そこで、アートフェスティバルの成果についてお伺いいたします。

○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 アートフェスティバルの開催期間中は、台風十四号の接近が予想されたことから、シンボルプロムナード公園の展示などを一時的に縮小、撤去するなどの対応を余儀なくされましたが、ワークショップの開催場所を変更するなど、安全面に配慮した運営を柔軟に行うことで、開催期間を通して幅広い年齢層の方々が来場されました。
 有名アーティストによる展示物は、指紋を模した巨大な迷路を楽しめる仕掛けになっており、アーティストのファンや若年層だけでなく、大人や子供まで多くの方々に楽しんでいただきました。また、親子を対象としたワークショップでは、参加者それぞれが描いた絵をまとめて紙芝居にしたり、リユース素材や廃材により制作した大きな羽を人力車に飾ったりするなど、多彩な体験プログラムを実施し、アートに触れていただきました。
 その結果、来場者数は、当初想定を大幅に上回る約五万人にも上り、初開催ながら大きな成功を収めることができました。

○清水委員 ありがとうございます。
 五万人ということで、たくさんの方にご来場いただいたとのことですが、特に、子供たちに向けてアートに触れる機会を提供したことは、未来を支える子供たちの想像力や豊かな発想を養う上で大変有意義だったと考えます。そして、何よりも、初のアートフェスティバルの成功は、アートによるまちづくりを大きく前に進める一歩になったと思います。
 今後もアートのまちづくりを進めていくためには、一過性のイベントに終わることなく、継続して取り組んでいく必要があると考えますが、アートによるまちづくりをどのように進めていくのか、方向性をお伺いいたします。

○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 アートによって新たなまちの魅力を創出し、来訪者の満足度や臨海副都心のブランド力を向上させるためには、継続した取組が重要であると考えております。
 引き続き、民間事業者等とも連携を図りながら、都が率先してアートプロジェクトを展開し、臨海副都心のまち全体から多彩で魅力的なアートを発信していくことにより、アートのまちとしての認知度を高めるとともに、まち全体にアートの機運を広げてまいります。
 今後も、アートによるまちづくりを継続することで、しっかりとまちに根づかせ、臨海副都心の一層の発展につなげてまいります。

○清水委員 ありがとうございます。
 新型コロナの感染拡大は、我々の働き方や消費行動の変化を生み出すとともに、外出する機会を大きく減少させました。
 一方で、それだからこそ、実際に足を運び、見て触れるリアルな体験の価値を、これまで以上に向上させることとなりました。その一つがアートの鑑賞であり、実際に見て触れることで、アートは、強い驚きや感動あるいは癒やしを与え、人々の感性や創造性を豊かにするものであることを、私は改めて実感しました。
 臨海副都心はこれまでも、商業、エンターテインメント施設の集積や、様々なイベントの開催などにより、にぎわいのあるまちへと成長してきました。今後、臨海副都心がにぎわいを回復し、これまで以上に発展していくためには、来訪者に、より貴重な体験や驚き、感動を与えるまちに進化していくことが不可欠であります。
 そのためには、引き続き、都が率先してアートによるまちづくりを進めて、臨海副都心の企業、商業施設などを巻き込んでいくことが重要です。
 さらに、都の継続した取組が呼び水となり、民間事業者による様々なアート系のイベントの開催や、アート関連施設の集積が進むことも考えられます。
 ちょうど昨日まで、奥多摩でも、アートの、非常にエリアを広げたアートの開催があったのですけれども、そんなこととも絡められれば、何だか東京が一体化していいなと感じます。
 驚きや感動にあふれるまちへと臨海副都心を成長させるために、今後もアートによるまちづくりを強く進めていただきたいと要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○かまた委員 私からも、臨海副都心のまちづくりについてお伺いをいたします。
 臨海副都心につきましては、これまで、民間事業者がそれぞれの創意工夫に基づいた様々な取組を行うことにより、国内外から多くの人々が集まり、にぎわいにあふれ、魅力のあるまちへと成長してまいりました。今日の臨海副都心の発展の一因は、このような民間事業者の取組のたまものであるといえます。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症による影響は大きく、このエリアでも、来訪者数の減少等につながったと伺っております。そのため、昨年度は、コロナ禍においても安心して訪れることができる環境を整備し、来訪者数を一日も早く回復させることが、まちにとって喫緊の課題でもありました。
 都議会公明党は、この地域の魅力向上には、都独自の取組はもちろんのこと、地域の事業者の方々との連携した取組が重要であると、これまでも主張させていただき、都は、民間事業者に対する補助事業を創設し、様々な支援を進めてくださいました。
 そして、特に昨年度は、コロナ禍の状況の中、民間事業者の取組を後押しする事業を実施してくださいましたけれども、令和三年度の東京都臨海副都心感染症拡大防止事業及び東京都臨海副都心賑わい創出事業の概要と実績についてお伺いをいたします。

○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 都は、昨年度、臨海副都心へ安心して訪れることのできる環境整備に向けた民間事業者の取組を支援するため、東京都臨海副都心感染症拡大防止事業を実施いたしました。
 この事業では、密や接触を避けるため、来訪者等の流れを分散させる施設内通路の改良や、商業施設の案内表示のデジタル化など、計八件の取組に対し、約三千八百万円の補助を行い、まちへの来訪者の感染リスクを低減させました。
 また、来訪者の増加に寄与するイベントへの補助事業として東京都臨海副都心賑わい創出事業を行い、冬のイルミネーションイベントなど、二件のイベントに対し、約一千百万円の補助を実施いたしました。
 これらの補助を行うことにより、感染リスクを低減させる環境整備と来訪者を呼び込むイベント開催を積極的に促進し、来訪者数の回復につなげることができました。

○かまた委員 コロナ禍がいつまで続くのか、また、どこまで対策を講じれば万全なのかが不透明な状況において、感染防止対策のための投資は、民間事業者にとって大きな負担である一方、来訪者の落ち込みをイベント等の開催で回復させたいとの思いも切実なものであったと思います。
 そのような状況の中、都が民間事業者独自の取組に対して支援を行ったことは、必要なことであり、高く評価をいたします。
 一方で、コロナ禍からの回復に向けた取組を着実に進めつつ、まちのさらなる発展を促すためには、その先の未来を見据えたまちづくりを推進していくことが不可欠であります。
 このため、都は、昨年度、民間事業者への補助事業としてベイエリアDIC推進事業を実施したと伺っておりますが、令和三年度のベイエリアDIC推進事業の概要と実績についてお伺いをいたします。

○小原臨海副都心開発調整担当部長 都は、現在、臨海副都心におきまして、デジタルイノベーションシティ、通称DICの実現に向けたまちづくりといたしまして、デジタルテクノロジーの実装とスタートアップの集積を目指しております。
 DICの実現を推進するためには、民間事業者の新たな投資を引き出す仕組みづくりが重要でございます。
 このため、都は、昨年度、民間事業者による先端技術の導入や、スタートアップが臨海副都心に進出する際のオフィス改修費用等の負担を軽減するため、ベイエリアDIC推進事業を創設いたしました。
 令和三年度では、オフィスの改修費用、約九百万円の補助を行うことにより、AI技術を活用したオンライン販売等を行うスタートアップの臨海副都心への進出を実現させたところでございます。

○かまた委員 臨海副都心において、デジタルテクノロジーの実装とスタートアップの集積を実現することは、まちの経済活動の活性化やブランド力の向上はもとより、東京、ひいては日本の国際競争力の強化につながるため、非常に重要であります。
 先ほどのご答弁で、都が昨年度、民間事業者への補助を行うことにより新たな投資を引き出す取組を着実に実施したことが確認できましたが、今後も、スピード感を持って施策を推進するため、民間事業者に対し、必要な支援を行いながら、まちづくりを進めていくことが必要であります。
 そこで、今年度の事業者支援の取組についてお伺いをいたします。

○小原臨海副都心開発調整担当部長 今年度は、先端技術の導入やスタートアップの進出に伴う設備投資負担の軽減に加えまして、新たに、先端技術を活用したにぎわい創出イベントの開催経費への支援を行うことも目的とする東京都臨海副都心DX推進事業を実施いたしております。
 これにより、臨海副都心において、デジタルテクノロジーの実装とスタートアップの集積に加え、さらなるにぎわいの創出にも取り組んでまいります。
 これまでも臨海副都心では、民間事業者とともに、未来を見据え、活気と魅力にあふれるまちづくりを進めてまいりました。
 今後も、社会経済状況の変化に的確に対応しながら、民間事業者の発想力や機動力を最大限に引き出し、まちのさらなる発展に尽力してまいります。

○かまた委員 臨海副都心の発展には、まちを支える民間事業者の活発な事業活動や創意にあふれた取組が不可欠であります。引き続き、社会経済状況の変化を素早く捉え、民間事業者の力を最大限に活用しながら、まちづくりを進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 次に、臨海部の自転車通行空間についてお伺いをします。
 自転車は、身近で利便性が高いことに加え、環境への負荷が少ない交通手段であることから、東京を車中心から人中心のまちへと展開していくために、なくてはならない乗り物であります。
 本年七月に都が公表しました都市強靱化プロジェクトの策定に向けた論点においても、感染症のリスクへの対応策の一つとして自転車の利用が挙げられるなど、コロナと共存する新しい日常生活において、自転車はふさわしい乗り物であると考えます。
 都議会公明党は、従来より、人混みを避けられる交通手段として、また、まちを活性化していく上でも、臨海部において自転車を積極的に活用すべきことを主張し、昨年の公営企業会計決算特別委員会でも取り上げたところであります。
 多くの人が、車ではなく自転車を使って移動するようにしていくためには、誰もが安全かつ快適に通行できる自転車通行空間を臨海部に積極的に整備する必要があります。
 そこで、臨海部の自転車通行空間のこれまでの整備実績についてお伺いをいたします。

○佐藤開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 これまで都は、東京二〇二〇大会の競技会場周辺を中心に自転車通行空間の整備を進め、国道等とのネットワークの形成を図ってまいりました。これにより、お台場周辺や夢の島、若洲地区等において、合計約三十二キロメートルの自転車通行空間の整備が昨年度までに完了しております。
 さらに、現在は、昨年度実施した調査委託等を基に、観光施設などが集まる臨海副都心青海地区内の約六キロメートルの整備に着手したところでありまして、この整備が終わると、台場、青海地区内における自転車通行空間の主要なネットワークがおおむね完成いたします。

○かまた委員 臨海部における自転車通行空間について、積極的に整備を進めていることが確認できました。
 観光施設や商業施設などが多く集まる台場、青海地区に自転車通行空間のネットワークが完成すれば、さらに多くの注目を浴び、にぎわいの創出につながっていくと思います。また、大いに期待しているところであります。
 一方、臨海部は、首都圏四千万人の産業と生活を支える東京港を抱えることから、コンテナ車をはじめとする大型の物流車両が頻繁に通行しているエリアでもあります。
 そこで、臨海部における自転車通行空間は、自転車利用者の安全面に十分に配慮したものにすべきであると考えますが、見解を伺います。

○佐藤開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 首都圏の産業活動や住民の生活に必要な物資の流通を支える東京港の周辺では、東京港と生産地や消費地とを結ぶ大型物流車両が多数通行していることから、自転車の安全性の確保に十分配慮することが必要でございます。
 そのため、特に大型の物流車両の通行が多い道路は整備対象から除外するとともに、整備対象とした道路におきましては、交差点での自転車待機エリアの設置や、歩道の一部を活用した通行区間の整備を進めております。
 さらに、歩行者と自転車が接触しないよう、植栽等により歩行者と自転車を分離する整備形態を基本とするなど、臨海部の道路の特徴を踏まえ、安全性を確保しております。

○かまた委員 臨海部の特徴を踏まえた整備を進め、自転車利用者の安全面に配慮していることを高く評価いたします。
 また、来月には、レインボーブリッジや臨海副都心を中心とする臨海部において、自転車愛好家やファミリー層等が参加する三千人規模の自転車イベント、レインボーライドが初めて開催されます。
 こうした自転車活用のニーズの高まりに応え、より多くの方々に自転車を利用してもらうためにも、臨海部における自転車通行空間の整備をさらに推進していく必要があると考えます。
 そこで、臨海部における自転車通行空間の整備について、今後どのように進めていくのか、お伺いをいたします。

○佐藤開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 臨海部の自転車通行空間のさらなる充実に向け、今年度、港湾局自転車通行空間整備計画を改定し、既存の自転車通行空間と公園等をつなぐ路線や、自転車通行空間のネットワークの連続性を確保できる路線を新たに整備対象に追加することといたしました。
 具体的には、既存の自転車通行空間から有明西ふ頭公園や新木場緑道公園へつながる路線や、地元区の自転車通行空間とレインボーブリッジや大井ふ頭中央海浜公園をつなぐ路線などを整備し、自転車通行空間のネットワークのさらなる充実や利便性の向上を図ってまいります。
 今後とも、臨海部における自転車通行空間の一層の拡充に向け、地元区等とも連携しつつ、着実に整備を進めてまいります。

○かまた委員 地元の区等とも連携をしてくださるということで、どうぞよろしくお願いいたします。
 自転車は、環境負荷が少なく、健康増進にも寄与するだけではなく、コロナ禍の現在では、密を気にせずに気軽に移動できる身近な交通手段であります。観光施設が多く集まり、美しい水辺と緑の空間が広がる臨海部において、誰もが気軽に自転車で移動できるようになれば、さらなる回遊性の向上や魅力の創出につながるのではないかと考えます。
 引き続き、安全かつ快適な自転車通行空間の整備を着実に推進するとともに、価値ある臨海部の自転車通行空間の情報につきましても、都民などに十分に周知していただきますよう、よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

○原委員 原純子です。よろしくお願いします。
 東京湾の視察船「東京みなと丸」は、それまでの「新東京丸」に替わり、都民の生活と深く関わる東京湾の役割、状況を多くの人に知ってもらうことを目的として臨海部を案内する視察船です。
 コロナ禍、運航を見合わせていた時期もありましたが、今は再開しており、私も四月に乗船させていただきました。
 海側から見ることで、東京湾を全体で捉えることができ、コンテナふ頭の役割と扱う荷物の種類、また最終処分場の現状など、丁寧な解説をいただき、とても勉強になりました。
 この視察船「東京みなと丸」についてお聞きいたします。
 「東京みなと丸」は、二〇二一年十一月から運航を再開いたしましたが、二〇二一年度の乗船者数について伺います。

○相田理事 「東京みなと丸」の二〇二一年度の運航状況につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、十一月十六日より運航を再開し、翌年一月八日までの二カ月に満たない期間での運航となりました。
 この間の乗船者数は、六百四十六名となってございます。

○原委員 コロナ禍は、定員五十名のところを、半数の二十五名を上限にしているということをお聞きしましたので、かなりよく利用されているなと思います。
 「東京みなと丸」は、今年二月から法定点検を行ったようですが、法定点検は何年ごとに行うのですか。

○相田理事 「東京みなと丸」については、船舶安全法により、年一回の定期検査が義務づけられております。
 この年一回の定期検査は、オフシーズンとなる毎年二月から三月までの期間にメンテナンスと併せて実施してございます。

○原委員 お客さんの少ないであろう寒い時期に、メンテナンスを毎年行うということですね。
 「東京みなと丸」のランニングコストは、「新東京丸」と比較してどうなっていますでしょうか。

○相田理事 令和三年度の「東京みなと丸」の運航費、燃料費等のランニングコストは、平成二十九年度の「新東京丸」のコストと比較すると一・七%の減となり、ほぼ同水準となりました。
 また、船を運航するに当たり、毎年必要となる定期修繕費につきましては、令和三年度の「東京みなと丸」の実績は二千五百二十万円であり、平成二十九年度の「新東京丸」の約六千六百七万円と比較すると、六一・九%の減となりました。

○原委員 新しくした船の修繕費は二千五百二十万円ということです。そのぐらいは、毎年かかるということですね。
 「東京みなと丸」の耐用年数は何年ですか。また、二〇二一年度の減価償却費はどの程度になりますでしょうか。

○相田理事 「東京みなと丸」の耐用年数は十四年で、二〇二一年度の減価償却費は一億一千百二十万五千八百七十五円でございます。

○原委員 視察船をリニューアルするに当たっては、当初、二十億円レベルの契約で、都民から豪華過ぎるとの声が出され、我が党もこの問題を取り上げましたが、その後、経費の削減が検討された結果、費用は十五億円となった経過があります。
 都税を使うわけですから、視察船としての役割を果たす目的に対して、適正な予算なのかを問われたことからも、今後も、都民が必要だと納得のいく経費となるようにお願いをいたします。
 また、都民に還元できる使い方を創意工夫していただきたいと思います。
 「新東京丸」は三十五年間使ったということですから、大事に使っていきたいです。
 都民に開かれた視察船の利用拡大という点で、いかがでしょうか。
 土日、祝日、月曜日が運休と案内には書かれていますが、「新東京」丸では、土日、祝日に乗船する機会を設けていたと記憶しております。
 これまでや今後の取組について伺います。

○相田理事 旧視察船の「新東京丸」では、土日、祝日の特定日に、親子乗船会等の企画乗船会を開催するなどの取組を行ってまいりました。
 現在、「東京みなと丸」の運航につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、便数や座席数を減らすなど暫定的な運用を行っておりますが、今後、本格運用に向けて、便数の在り方や企画乗船会等の取組について、感染状況を注視しながら適切に対応してまいります。

○原委員 ありがとうございます。夏休み、春休みや都民の日などに親子乗船会をやっていたことを教えていただきました。とてもいい学びの機会となると思いますので、こうした取組の再開を願っております。
 「東京みなと丸」のPR活動について、実施している内容と今後の取組について伺います。

○相田理事 「東京みなと丸」は、港湾局ホームページやツイッター等のSNS、地域情報誌を活用し、PRを行っております。
 今後も、先ほどお話しした企画乗船会を実施するなど、多くの方にご利用いただけるよう取り組んでまいります。

○原委員 ありがとうございます。ツイッターなどSNSは、とても大事だと思います。地域の情報誌にも、ぜひ載せていただきたいと思います。
 最後に、安全な運航をお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○中田委員 よろしくお願いします。私からも、何点か確認をさせていただきたいと思います。
 臨海副都心の土地の処分収益の決算額については、先ほども質問に出ましたので、コナミグループの不動産会社に売却とのことでした。
 今後の未処分地、臨海副都心の残りの未処分地の面積と今後の開発予定について、まず伺わせていただきたいと思います。

○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 令和三年度末における臨海副都心の未処分地の面積は、約三十九ヘクタールでございます。
 これらの未処分地については、臨海副都心まちづくり推進計画及び臨海副都心まちづくりガイドラインに基づき、社会経済状況等を見極めながら適切に処分を進めてまいります。

○中田委員 ありがとうございます。臨海副都心の未処分地は、約三十九ヘクタールとのことでした。これは、臨海副都心の大体二五%ぐらいに当たると思いますが、今、現状、東京都としても、駐車場などに使っている土地や、国際展示場のサテライトを今、建設中の土地などもありますので、引き続き、開発等については、都民の声をしっかりと反映させた形で、まちづくりに取り組んでいただきたいことをお願いさせていただきます。
 続いて、令和三年度における道路、そしてまた橋の改修状況、また公園の整備状況について、随時、伺っていきます。
 まず初めに、令和三年度の既設道路、橋梁の主な改修状況について伺わせてください。

○佐藤開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 令和三年度におきましては、城南島野鳥橋平面道路化工事や新砂夢の島線道路改良工事などを実施しております。
 そのうち、城南島野鳥橋平面道路化工事につきましては、周辺水域の埋立造成の後、耐震性能が不足している既設の橋梁を撤去した上で、同じ位置に新たに平面的な道路の整備を行うものでありまして、昨年度には整備が完了し、供用を開始しております。
 また、新砂夢の島線道路改良工事につきましては、老朽化した舗装の打替え等を実施したものでございます。
 引き続き、臨海部の橋梁の耐震機能の強化や道路の改良等を図り、首都圏の経済活動や生活を支える役割を担ってまいります。

○中田委員 ありがとうございます。東京の物流の根幹を担っている臨海部の交通が麻痺するということは、東京の経済に多大な影響を与えます。臨海部という地域特性からしても、内陸部の橋梁や道路に対しても傷みが大きくなるというのは予想される中で、臨海部の橋梁の耐震化の強化であったり、改良は、引き続き重要ですので、長寿命化等を図るとともに、適宜の更新計画、実施をお願いいたします。
 次に、本年度、一部開園いたしました有明親水公園の整備状況について伺わせてください。

○松本臨海開発部長 有明親水海浜公園についてでございますが、令和三年度の東京二〇二〇大会終了後、隣接しております有明アリーナの周辺部、約一・九ヘクタールにつきまして、開園に向けた仕上げの工事を行い、本年八月の有明アリーナの開業時期に合わせまして一部開園をしたところでございます。
 今後、残るエリアにつきましても、東京二〇二〇大会のスケートボード競技でも注目を集めました有明アーバンスポーツパークの整備と整合を図りつつ、オリンピックレガシーを伝える空間として、順次、整備を推進してまいります。

○中田委員 ありがとうございます。残りのエリアに関しては、有明アーバンスポーツパークの整備との整合性を図りつつとのことでした。
 今回、開園された場所は、まだかなり一部ではありますので、様々な計画が織り交ざっている中で、都民の声も、ここもしっかりと聞いていただき、また、この地域が新たな臨海副都心の顔となっていくような全面開園を目指していただきたいと思います。
 ここには、民間がやっている船着場であったりとか、また、今後、多分、砂浜とかも整備されていくと思いますので、しっかりと声を反映させつつ、やっていただければと思います。
 次に、シンボルプロムナード公園の改良状況、こちらもお伺いをいたします。

○松本臨海開発部長 シンボルプロムナード公園は、青海、有明、台場の各エリアを結ぶ臨海副都心のいわゆる骨格をなしておりまして、周辺の商業施設やオフィスビル等を遊歩道によりつなぐ、総延長約四キロメートル、面積約二十六・四ヘクタールの公園でございます。
 これまで、トイレのバリアフリー化や、暑さ対策としてのミスト施設の設置など、利用者のニーズに応じた改良整備を進めてまいりました。
 令和三年度につきましては、延長約二千メートルの点字ブロックシートを設置するとともに、テレポートブリッジの一部補修工事を実施しております。

○中田委員 ありがとうございます。点字ブロックが整備されたということで、障害を持った方々などにも利用しやすい公園へと前進したのではないかというところで、大きく評価するところでありますので、引き続き、当事者団体などの方々の声をしっかりと反映をさせた公園整備を続けていただければと思います。
 次に、昨年度、臨海副都心で行いましたデジタル技術を活用したイベントについて、先ほどからも質疑が出ておりますが、デジタルイノベーションシティについて、昨年度、行った二つのイベントについての、それぞれの目的を伺います。

○小原臨海副都心開発調整担当部長 令和三年度は、臨海副都心におきまして、スマートフォンからマルチアングルでコンサート映像を視聴するイベントや、オンライン上のバーチャル空間を活用した体験型のイベントを実施いたしました。
 これらのイベントは、先端技術のショーケースとして臨海副都心の知名度向上を図るとともに、エリアに訪れた方々の満足度や来訪意欲の向上を図るため、実施いたしたものでございます。
 これらの取組によりまして、最新のデジタルテクノロジーを活用し、これまでにない高揚感と臨場感を感じられる新たな魅力が体験できる機会を創出することができたところでございます。

○中田委員 ありがとうございます。二つのイベントについて、それぞれ伺いました。このイベントに関しても、単発のイベントで終わってしまうのではなく、そのイベントから得た経験を次の事業へしっかりとつなげていっていただきたいと思います。
 全ての事業にいえますが、しっかりと事業効果を測った上で、様々、このデジタルイノベーションシティ、いい取組だと思いますので、進めていただければと思います。
 最後に、令和三年度末現在におけます上屋等への太陽光発電設備の設置状況について伺わせていただきます。

○野平港湾経営部長 都はこれまで、港湾関係事業者が利用する都有の上屋等につきまして、新築、改築等の機会に太陽光発電設備の設置を進めてまいりました。
 港湾事業会計所管の都有施設では、令和三年度末現在で、品川内貿ふ頭、辰巳ふ頭の上屋や中央防波堤内側ふ頭の荷役連絡所に太陽光発電設備を備えておりまして、今後とも、上屋などの建て替え等に合わせ、太陽光発電設備の導入を図ってまいります。

○中田委員 ありがとうございます。建て替え等に合わせての整備とのことでした。先日、経済・港湾委員会の方でもいわせていただきましたけれども、臨海部という土地柄、内陸部と違う様々な影響が太陽光パネルにもあると思います。潮風による腐食など、太陽光パネルに与えるダメージは少なくない場所でありますので、耐用年数内での補修工事などの費用がかさまないよう、しっかりとその辺も、技術の検討など、新たな技術の導入なども含めて検討していただくことを要望して、質問を終わります。

○あぜ上委員 資料の作成、ありがとうございます。
 私からも質疑をさせていただきますが、まず、二〇二一年度の臨海地域開発事業会計の埋立地処分収益の主な内容について伺いたいと思います。
 埋立地処分収益の決算額百七十七億円、要は、主に中央区への晴海四丁目、五丁目の土地処分だ、契約分だと、先ほどご答弁がございました。
 資料も作っていただいたのですけれども、改めて、この晴海四丁目と晴海五丁目の土地処分の面積、金額、用途を教えてください。

○松本臨海開発部長 晴海四丁目の土地でございますが、約一万四千六百平米であり、中央区に対し、公共施設及び学校用地として七十七億五千万円で昨年度に売却いたしました。
 また、晴海五丁目の土地につきましては、約一万六千八百平米であり、同じく中央区に対し、学校用地として九十九億五千万円で売却しております。

○あぜ上委員 晴海四丁目は、中央区の区立晴海東小学校、それから、晴海の特別出張所等複合施設として、また、晴海五丁目については、中央区立の晴海西小学校及び晴海西中学校の施設整備用地としての土地用途ということであります。
 これは、財産価格審議会を経て価格が決定されたものなのでしょうか。また、いつの財産価格審議会だったのか、伺います。

○松本臨海開発部長 当該地の土地の評価額につきましては、昨年六月に開催されました東京都財産価格審議会において決定しております。
 また、売却額につきましては、同月に開催されました東京都臨海地域用地管理運用委員会におきまして、評価額の五〇%を減額することを決定しております。

○あぜ上委員 土地の評価額については、昨年六月の財産価格審議会で決定したということであります。確認させていただきました。
 平米単価は、それぞれ幾らになったのでしょうか。

○松本臨海開発部長 売却額の一平米当たりの単価でございますが、晴海四丁目の土地が約五十三万一千円、晴海五丁目の土地が約五十九万二千円でございます。

○あぜ上委員 つまり路線価が、二〇二一年度、この辺りは、一平米単価、約百十万円前後ですから、公共減額をしたということでありますね。
 その五年前に、二〇一六年には、同じ晴海五丁目の土地処分が港湾局でなされておりまして、消防庁に所管替えをされていました。
 ちょっと伺いたいのは、所管替えと区への売却だと、同じ公共減額でも割合が異なるのかどうか。そして、そういったものについては、何が基準になるのか、教えてください。

○松本臨海開発部長 土地価格の減額につきましては、臨海地域における用地等の管理及び処分に係る価格の減額等に関する取扱基準に基づきまして、東京都臨海地域用地管理運用委員会において決定しております。
 減額を実施する場合につきましては、所管替え、区への売却ともに、当基準を適用しております。

○あぜ上委員 臨海地域における用地等の管理及び処分に係る価格の減額等に関する取扱基準ということですね。これも見させていただきましたが、これに基づいて五〇%を減額したということが分かりました。
 この晴海四丁目、五丁目の処分地は、価格については、既に合意をして中央区に処分しておりますが、どのように評価額が決まってきたのか、また幾らで処分されたのか、今日は確認をさせていただいたところです。
 晴海地域におきましては、東京二〇二〇大会の選手村が整備されることとなって、大会後に改修して住宅にするということとなりまして、晴海地区の開発フレーム及び土地利用計画等の一部が改定されて都市整備局に換地され、いわゆる所管替えをして第一種市街地再開発事業が進められたわけです。
 選手村として使われていた土地は、既に民間の大手ディベロッパーに売却しておりますが、その土地の価格は、一平米当たり九万七千円という破格な価格、しかも、第一種市街地再開発事業という、この手法を使ったことによって、今なお正式な譲渡がされておりません。都市整備局にも確認したら、まだ譲渡はしていないということですから、民間マンションが立ち並んでいるにもかかわらず、しばらくは固定資産税も入らない、そういう土地になっているということであります。
 私は、この間、この晴海五丁目の選手村に使った都有地処分、これは問題だということを議会でも取り上げてまいりましたが、その土地処分は、今回の晴海四丁目、五丁目の小学校、中学校の用地などの土地処分価格の約五分の一以下であるということが、今回、改めて明らかになったというふうに思うわけです。
 やはり、都市整備局に換地したこの土地処分については、きちんと検証し、私は総括をしていただきたいと思います。そのことを一言申し上げておきたいと思います。
 さて、次に、臨海副都心用地の貸付けについてです。
 二〇二一年度で、臨海副都心用地の中で貸付期間が終了したものはどのようなものか、伺います。

○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 令和三年度で事業用定期借地による暫定利用の貸付期間が終了した区画は、アニヴェルセル株式会社が結婚式場を運営していた有明南H区画と、大江戸温泉物語株式会社が温泉テーマパーク施設を運営していた青海E区画の二件でございます。

○あぜ上委員 その中で、用途が決定したものはどこで、決まっていないのはどこなのか、教えてください。

○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心において、令和三年度で事業用定期借地による貸付期間が終了した二件のうち、処分が決まっていない区画は、青海E区画一件でございます。

○あぜ上委員 青海E地区ということでありますので、大江戸温泉物語の跡地ということでありますね。
 この土地はどのぐらいの面積で、活用については公募するのでしょうか、伺います。

○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 大江戸温泉物語に貸し付けていた青海E区画の面積は、約三・一ヘクタールでございます。
 今後の土地処分については、社会経済状況等を見極めながら適切に対応してまいります。

○あぜ上委員 都は、二〇二〇年の七月に、青海地区のまちづくりに向けた民間事業者からの事業提案の募集を行うサウンディング調査を行っております。その結果を見ますと、提案内容というのは、アーバンスポーツ施設、また、アンテナショップ、エンターテインメント施設、グランピング施設など、様々あったわけです。
 臨海地域の土地利用については、これまで、業務、商業系中心の土地利用から、都市生活に必要な多様な機能の配置を目指すというふうになっておりますけれども、具体的にはどういう配置を想定していらっしゃるのでしょうか、伺います。

○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心は、臨海副都心まちづくり推進計画及び臨海副都心まちづくりガイドラインに基づきまして、業務、商業をはじめ、住宅、医療、防災、文化、スポーツレクリエーションなど、多様な機能を配置してまいりました。
 引き続き、様々な施設を配置しつつ、まちの形成を図ってまいります。

○あぜ上委員 引き続き、様々な施設を配置し、まちの形成を図っていくということであります。
 例えば、向かいには、ちょうどその土地の向かい側なんですけれども、臨海特別支援学校があります。この学校には、既に、江東区、中央区、港区、千代田区、品川区、そして江戸川区と、六つの区の子供たちが通っていまして、結構、新しい学校なんですけれども、満杯状態に近い状況になっているというふうに伺っています。学校の分校とかをつくってほしいんだと、こういった声も、関係者の方から私のところに声も寄せられているところです。
 この間、民間事業者からの事業提案の調査は行っているのですけれども、やはり都民意見の公募、これは行っていないわけですね。ぜひ近隣の学校、それから、施設、都民の声をしっかりと聞いていただいて土地の活用を決めていただきたいと、このことは、何度か経済・港湾委員会では指摘をさせていただいてきましたけれども、改めて、ぜひこういった実態も踏まえて検討していただきたいということを求めまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

○小松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小松委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 以上をもちまして第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出をいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
   午後二時十七分散会

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