委員長 | 村松 一希君 |
副委員長 | 小林 健二君 |
副委員長 | 平けいしょう君 |
副委員長 | 鈴木 錦治君 |
理事 | 細田いさむ君 |
理事 | たきぐち学君 |
理事 | 斉藤まりこ君 |
理事 | 松田 康将君 |
理事 | 宮瀬 英治君 |
石島 秀起君 | |
もり 愛君 | |
かつまたさとし君 | |
たかく則男君 | |
磯山 亮君 | |
林あきひろ君 | |
伊藤しょうこう君 | |
田の上いくこ君 | |
須山たかし君 | |
森口つかさ君 | |
阿部祐美子君 | |
曽根はじめ君 | |
とくとめ道信君 | |
里吉 ゆみ君 |
欠席委員 なし
出席説明員副知事 | 武市 敬君 |
副知事 | 黒沼 靖君 |
副知事 | 潮田 勉君 |
副知事 | 宮坂 学君 |
病院経営本部長 | 西山 智之君 |
中央卸売市場長 | 河内 豊君 |
東京都技監都市整備局長兼務 | 上野 雄一君 |
港湾局長 | 古谷ひろみ君 |
交通局長 | 内藤 淳君 |
水道局長 | 浜 佳葉子君 |
下水道局長 | 神山 守君 |
本日の会議に付した事件
議席について
令和二年度東京都公営企業各会計決算の認定について(質疑)
・令和二年度東京都病院会計決算
・令和二年度東京都中央卸売市場会計決算
・令和二年度東京都都市再開発事業会計決算
・令和二年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・令和二年度東京都港湾事業会計決算
・令和二年度東京都交通事業会計決算
・令和二年度東京都高速電車事業会計決算
・令和二年度東京都電気事業会計決算
・令和二年度東京都水道事業会計決算
・令和二年度東京都工業用水道事業会計決算
・令和二年度東京都下水道事業会計決算
○村松委員長 ただいまから令和二年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
本委員会室の傍聴人の定員は、委員会傍聴規則第五条第二項の規定により、二十四名にいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○村松委員長 次に、議席についてお諮りいたします。
本委員会室における議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○村松委員長 次に、委員外議員の発言申出について申し上げます。
上田令子議員から、会議規則第六十三条の規定により、本日の委員会に出席して発言したい旨の申出がありました。
本件については、理事会において協議の結果、必要なしとの結論になりました。
お諮りいたします。
本件については、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
次に、出席要求をいたしました小池知事につきましては、議長宛て、出席できない旨の回答がありました。ご了承願います。
本日は、武市副知事、黒沼副知事、潮田副知事及び宮坂副知事にご出席をいただいております。
本日はお忙しいところご出席いただきましてありがとうございます。
これより決算の審査を行います。
令和二年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
なお、去る十月二十日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり報告書が提出されました。
朗読は省略いたします。
〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕
○村松委員長 これより質疑を行います。
この際、一言申し上げます。
質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領等に従い運営してまいります。
また、質疑を行う際は、令和二年度決算の審査から逸脱しないよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
次に、理事者に申し上げます。
答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるようお願いいたします。
なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
これより順次発言を許します。
松田理事の発言を許します。
○松田委員 都議会自民党を代表して質問をさせていただきます。
令和二年度は、コロナ禍の影響もあり、民間でも非常に厳しい状況でありました。公営企業においても、努力と工夫をしながら、新型コロナウイルス対策、それから、同時に、収益確保という点でも努めていただいたと思います。
各局ごとには各分科会で質疑をさせていただきましたので、まず初めに、この総括質問では、公営企業会計全体として令和二年度決算はどうであったのか、武市副知事にお伺いいたします。
○武市副知事 令和二年度は、お話にもございましたとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大により社会経済活動が大きな制約を受け、また、人々の暮らしや企業活動に多くの変化が生じました。
そうした中におきましても、公営企業会計を所管する各局では、堅実な事業運営に取り組み、特に公営企業では、料金収入の減少を見込んだ効率的な財政運営や事業執行に努めるとともに、テレワーク、時差出勤を踏まえた働き方を実践するなど、様々な対応や工夫を行いながら、都民生活と首都東京の都市活動を支える基幹ライフラインとして着実に事業を進めてまいりました。
令和二年度における公営企業会計決算は、年間を通し、各局が全力を挙げて、このような不透明な事業環境を乗り越えながら、着実な事業運営に取り組んできた結果であると、このように考えております。
○松田委員 ありがとうございます。コロナ禍にあっても着実に事業を進めてきた、また、収益確保にも努めていたという副知事のご答弁をいただきました。
この総括質疑で、私は、各局の耐震ですとか、安心・安全について中心に、各局ごとに伺っていきたいというふうに考えております。
十月七日には、千葉県の北西部でマグニチュード五・九という地震が発生をしました。都内でも、東日本大震災以来、十年ぶりに震度五強を観測いたしました。いつ首都直下型地震が来るとも分からない中、公営企業は都民の安心と安全を守っていかなければなりません。
それでは、各局ごとに質問させていただきます。
まず、交通局にお伺いをさせていただきます。
交通局では、先般の地震で日暮里・舎人ライナーの脱輪が発生をして三日間の運休となりました。分科会でも質疑をさせていただきましたが、現在、地震発生時の詳細な被災状況の分析を開始して、今後必要な対策を検討されると聞いておりますので、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
併せて重要なのが、都営地下鉄の耐震対策であります。
昨年度は、新型コロナウイルスの影響もあって、不要不急の外出自粛要請、それから、集客イベントの中止、インバウンド需要の激減、こういったことで都営地下鉄の乗車人数は大きく約三割ぐらい減ったと聞いております。しかし、それでも一日当たり百九十二万人の方が利用をされています。都営地下鉄が運休となると、その影響も大きいことから、地震への備え、特に、被害を抑えるための耐震補強を講じることは大切であります。
地下鉄には、高架部、地下部それぞれありますので、それぞれの取組状況、令和二年度をお伺いいたします。
○内藤交通局長 都営地下鉄では、阪神・淡路大震災を受けて出されました国の通達に基づく耐震対策は、既に平成二十二年度で完了しており、施設の崩壊などの被害に対します安全性は確保されております。
その後、東日本大震災を踏まえまして、構造物の安全性をより一層高めるとともに、早期の運行再開を図るため、さらなる耐震対策といたしまして、高架部の橋脚及び地下部の中柱の補強を進めてございます。
令和二年度は、三田線高架部の高島平−西高島平駅間の橋脚と、新宿線神保町駅、浜町駅、大江戸線都庁前駅等の中柱、合わせて百六十九本の補強工事を実施しており、累計で千六百九十二本、全体の約五割の補強を完了いたしました。
引き続き、耐震対策を着実に進めまして、安全・安心の確保に万全を期してまいります。
○松田委員 非常に大切なところでありますので、引き続きよろしくお願いいたします。
首都直下地震というのは、今後三十年で七〇%の確率で発生をするといわれております。ハード整備には時間もかかることですから、計画的に着実に取組を進めていくことをお願いいたします。
十月の三十一日には、京王線内で十七人の乗客、そして、八月の小田急線の事件では十人の乗客が傷害事件の被害に遭われました。心からお見舞いを申し上げますとともに、ご回復をお祈りいたします。
こうした事件では、電車内で起きていることを乗務員などが正確に把握するのは難しいという状況が分かりました。
それでは、都営地下鉄では、車内トラブルが発生したとき、どのように対応しているのかお伺いいたします。
○内藤交通局長 都営地下鉄では、走行中の車内トラブルが発生した場合、ご乗車のお客様からの非常通報器での通報によりまして、乗務員が車内の状況を把握することとしております。
通報を受けた乗務員は、その状況を運輸指令に連絡し、指令は、乗務員に対して必要な指示を行うとともに、状況に応じまして、駅における係員の手配、警察、消防への連絡等の措置を行っております。
また、安全確保の観点から、原則として次の駅に速やかに停車し、乗務員及び駅係員は、放送によりお客様へのご案内に努め、警察、消防等と連携を図りながら、救護や避難誘導等の対応を行うこととしてございます。
○松田委員 今、車内トラブルのご対応についてご説明をいただきました。この頼みの非常通報装置、通報器、私自身も、どこにあるか分かりづらいということを感じたことがあります。
先日も、これはほかの私鉄、私、東武東上線に乗っていたら、下赤塚の駅で、ちょうどドアが開いたときに乗ってこられた方がすぽっと下に落下をされて、電車とホームの間に挟まってしまった。自力で脱出をされたんですが、私、そのとき、すぐ押そうと思ったときに、どこにあるのか、これ統一ではないということもあったので分からなくて、一緒にいた方にホームに降りていただいて、駅の非常停止ボタンを押していただいたという経験があります。
先ほど申し上げた京王線ですとか小田急といった凶悪な事件というのも、今、いつ起こるか分からない状況でありますので、対応に抜本的な見直しも必要であろうと考えております。
国も、今月二日には、大手鉄道会社の安全統括責任者を集めて、再発防止に向けた緊急会議を開いたと聞いております。
それでは、こういった他社での事件を踏まえて、乗客の安全確保に向けてどのような取組をしているのかお伺いします。
○内藤交通局長 交通局では、お客様に安心して都営地下鉄をご利用いただけるよう、車内トラブルの未然防止に努めるとともに、万一、事案が発生した際にも被害を最小限にとどめることが重要と考えております。
このため、これまでも、防犯カメラの整備や各種訓練など様々な取組を進めてまいりましたが、他社線での事件が続いていることを踏まえ、緊急対応といたしまして、現在、駅構内や車内巡回の体制を増強してございます。
また、お客様に非常通報器による通報にご協力いただけますよう、ポスター等による周知に取り組んでおり、今後は、通報器の位置をより分かりやすく示すステッカーを作成し、車内に表示してまいります。
さらに、車両が非常停止した場合のホームドアや車両ドアの取扱いにつきましても、国や他の鉄道事業者と具体的な検討を進めており、マニュアルや訓練の充実を図るなど、一層の安全確保に努めてまいります。
○松田委員 今ご答弁ありましたとおり、ほかの会社ともぜひ連携を取って、いかにして素早く、そして適切に対応できるかを検討していただきたいと思います。
さて、公共交通機関は不特定多数の方が利用されるものでありまして、人流抑制の中でも移動せざるを得ない方もいらっしゃることから、交通事業者の新型コロナウイルス感染症の拡大防止は大変重要なことであります。
それでは、この感染症の拡大防止を図るために、都営交通において、令和二年度どのような取組を行ったのかお伺いいたします。
○内藤交通局長 交通局では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るため、業種別ガイドラインに基づきまして、様々な取組を行っております。
令和二年度は、元年度に引き続き、車両の窓開けなどによる換気の徹底、窓口等への消毒液の設置、駅の階段の手すりやエレベーターのボタンの消毒などを行ったところでございます。
さらに、車両の抗ウイルスコーティングを進め、本年夏には全車両への施工を完了したところでございます。
このほか、職員の感染症対策を徹底するとともに、お客様に対しましては、駅改札口のディスプレーや局のホームページ、ツイッターなどを活用して、マスクの着用や、せきエチケット、これらにつきまして呼びかけを行っております。
引き続き、お客様に安心して都営交通をご利用いただけますよう、感染症対策に取り組んでまいります。
○松田委員 ありがとうございます。都内の新規陽性患者は、先月以降低調に推移をして、この一週間平均でも二十人程度と低い水準で推移をしておりますが、今後、第六波もいつ来るか予断を許しません。引き続きしっかりと感染防止対策をよろしくお願いいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大は人々の行動を大きく変えました。人流抑制、テレワーク推進、このことによって、公共交通機関を利用される方は大幅に減少しました。その結果として、都営地下鉄が十五年ぶりに赤字になるなど、都営交通の経営にも大きな影響を与えています。
こうした中、不動産の利活用や広告など料金収入以外の収入、いわゆる関連事業収入の確保も重要となります。具体的には、事業跡地や鉄道高架下などの土地をビルや店舗用地として貸付けを行う賃貸料や、地下鉄、バスなどの車両、駅、停留所を活用した広告料などであります。
近年は、関連事業収入も順調に増えてきておりましたが、令和二年度の関連事業収入の状況についてお伺いいたします。
○内藤交通局長 交通局では、保有する資産を有効に活用し収益向上を図るため、不動産や広告、構内営業等の関連事業を展開しております。
令和二年度の関連事業収入のうち、不動産の賃貸料収入は、コロナ禍においても堅調に推移し、前年度から約二%増の約六十七億円となってございます。
一方、広告料収入及び構内営業料収入は、乗車人員の影響を受けやすく、デジタル広告の充実等を図ったものの、約一八%減の約三十五億円となってございます。
これらの結果、関連事業収入の合計は約六%減の約百二十億円となってございます。
今後とも、不動産の有効活用や新たな広告需要の掘り起こし、旅客ニーズに即した店舗展開を図るなど、関連事業を積極的に推進してまいります。
○松田委員 不動産の賃料は上がったけれども、広告収入が下がったという、結果的に全体で六%減というご報告をいただきました。前年度に続いての減収ということですが、引き続き、関連事業収入の方、確保にも努めていただくことをお願いいたします。
さて、分科会でも確認いたしましたが、厳しい経営環境に置かれていることは承知をしております。
都営交通は、都民の生活や東京の都市活動を支える重要な役割を担っており、将来にわたって安定的に安全で良質なサービスを提供していく責務があると考えます。コロナ後も見据えて、今後どのように事業を運営していくのか所見を伺います。
○内藤交通局長 新型コロナウイルス感染症の影響によるお客様の行動変容によりまして、現在、都営交通の乗車人員は大幅な減少が続いております。
加えまして、人口動態として生産年齢人口の減少等が見込まれ、今後も、コロナ禍前の水準への回復が期待できない厳しい経営状況が続くものと認識しております。
このため、まずは収入の確保や経費の節減に努めるとともに、お客様の需要の変化を慎重に見極めまして、中長期的な投資計画を検証しているところでございます。
これらを踏まえた今後の経営の方向性や考え方につきましては、現在策定を進めている次期経営計画で明らかにしてまいります。
今後とも、事業環境の変化に的確に対応しながら、将来にわたり持続可能な経営基盤を確立し、安全の確保を最優先に事業運営を行うことで、都営交通としての役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
○松田委員 ありがとうございます。
中長期の見通しをしっかりと持って安定した経営を行うとともに、安全対策に着実に取り組むなど、めり張りをつけた事業運営を行うことを要望しまして、続いて、下水道局の、今度はまた耐震化から伺ってまいりたいと思います。
下水道については、東日本大震災における被害が顕著であります。特に千葉県浦安市など液状化した地域においてマンホールが地表面から浮上する現象が発生をして、下水道機能のみならず、道路の交通機能を阻害するなど大きな被害をもたらしました。
東京においても、区部を中心に液状化地域が広がっており、対策が急務であります。計画的に進めていく必要があると考えますが、液状化のリスクが高い地域における下水道マンホールの耐震化についてお伺いをいたします。
○神山下水道局長 下水道局では、液状化の危険性が高い地域において交通機能などを確保するため、マンホールの浮上抑制対策に取り組んでおります。
具体的には、マンホールは、地震に起因する液状化現象による地下水圧の上昇で浮上することがあるため、その水圧をマンホール内に逃がす装置を設置しております。
この対策を、震災時の応急活動などに重要な役割を果たす緊急輸送道路等を対象に実施し、令和二年度末までに、経営計画二〇一六の目標である対象道路千二百五十キロメートル全てを完了いたしました。
今後は、震災時に緊急車両が通行する無電柱化している道路などに対象を広げ、耐震化を推進してまいります。また、液状化によるマンホール目地からの土砂流入を防止するための取組も新たに進めてまいります。
引き続き、都民の安全・安心確保に向け、着実に耐震化を推進してまいります。
○松田委員 今お話もありましたとおり、気候変動がどんどんどんどん、今、地球規模で危機となっております。この東京をめぐる環境も変化をしております。世界各地で台風、洪水、干ばつなどの自然災害が猛威を振るっていて、東京においても降雨量が増大し、内水氾濫が発生するなど被害が発生をしております。
国は、令和二年度に、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を閣議決定し、河川の管理者をはじめとした、あらゆる関係者がそろって対策を進める流域治水を進めていく方針であります。
一方で、下水道は、この広い都内に面的に張り巡らされているため、浸水対策を進めるためには、過去の浸水被害状況などを踏まえ、より浸水リスクが高いところで事業を実施していく必要があります。下水道局をはじめ関係局は、令和元年台風十九号の浸水被害状況などを踏まえ、東京都豪雨対策アクションプランを令和二年に策定し、新たな取組による強化として、下水道整備による浸水対策を強化する地域を昨年度末までに拡大していくこととしております。
そこで、新たに追加をした地区の選定方法と、その地区について伺います。
○神山下水道局長 下水道局では、本年三月に経営計画二〇二一を策定し、浸水対策を強化する地区を新たに三地区追加いたしました。
新たな地区の追加に当たりましては、雨量の変化に応じた下水道管内の雨水の流れや、雨水が地形に沿って流れる状況などを評価できる流出解析シミュレーション技術を活用し、区部全域で一時間七十五ミリ降雨があった場合の下水道施設の能力検証を実施いたしました。
その結果、広い範囲に床上浸水が確認された世田谷区野毛地区と目黒区自由が丘、世田谷区奥沢地区の二つの地区を、一時間七十五ミリ降雨に対応する対策強化地区として追加いたしました。
また、近年の浸水被害の状況などを踏まえまして、一時間五十ミリ降雨への対応を基本とする対策重点地区として、板橋区熊野町、中丸町地区を追加いたしました。
○松田委員 ありがとうございます。
新たな追加地区には私の地元である板橋区の熊野町も含まれているということですが、私もこの地区を実際に歩いてみました。ちょうどあのときお話をいただきまして、都庁から山手通りをずっと板橋方面に向かって行きますと、川越街道とクロスするところで地下に入ります。その側道のところ、地下に入る壁のために側道がプールのような状態になってしまいまして、豪雨になるとそこがあふれて、反対側のお店ですとか、店舗ですとか家、マンションの方に水が入ってしまうという状況を目の当たりにさせていただきました。そのときも、雨水ます増強などいろんな対策を取っていただきました。
こういったことは地元からも大変大きな期待が寄せられておりますので、ぜひ早期に対策を進めていただきたいと思います。
下水道局は、流出解析シミュレーションを活用して対策地区を選定するなど効果的に進めているということですが、これまでに重点化した地区も含めて、対策の状況を確認したいと思います。
そこで、重点化した地区の浸水対策について、令和二年度末時点での状況と今後の見通しについて伺います。
○神山下水道局長 浸水対策につきましては、早期に浸水被害の軽減を図るため、五十七地区を重点化いたしまして、幹線や貯留施設等の整備を進めているところでございます。
経営計画二〇一六の期間である平成二十八年度から令和二年度までの五年間では、一時間七十五ミリ降雨に対応する対策強化地区である渋谷駅東口地区など十一地区の整備を完了し、累計で二十五地区が完了いたしました。
今後は、新たに追加した三地区も含めた残る九地区について、経営計画二〇二一の期間である令和七年度までの着手を目指すとともに、既に着手している二十三地区についても、施設整備を着実に進めてまいります。
○松田委員 ありがとうございます。
続いて、合流式下水道の改善についてお伺いをいたします。
今年開催された東京二〇二〇大会では、臨海部で開催される競技も多くて、東京の水辺環境の改善が課題となっているので、大会開催に向けては、組織委員会や関係各局が連携をし、様々な対策に取り組んでまいりました。
このうち、下水道局では、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設を整備するなど、合流式下水道を改善することで水辺環境の改善を計画的に進めてこられました。オリンピック・パラリンピックが成功に至ったのは、こうした下水道局の地道な努力もあったからだと思います。
そこで、二〇二〇年大会に向けた合流式下水道の改善対策の取組について伺います。
○神山下水道局長 下水道局では、東京二〇二〇大会に向け、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備に加えまして、既存施設の改造により、早期に導入可能な高速ろ過施設を組み合わせることで、整備ペースを従来に比べ二倍にスピードアップする対策を推進してまいりました。
こうした取組によりまして、東京二〇二〇大会開催前の令和二年度末までには累計で百五十万立方メートルの貯留施設が稼働するなど、開催都市にふさわしい環境の整備を着実に前進させました。
今後とも、合流式下水道の改善の取組を進め、首都東京にふさわしい水辺環境の形成に貢献してまいります。
○松田委員 ありがとうございます。震災対策ほか様々な取組について下水道局に確認をさせていただきました。
続いて、臨海副都心のまちづくりについてお伺いをいたします。
臨海副都心地域は、これまで多くの観光客でにぎわってきた東京を代表するエリアでありますが、昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響によってインバウンド需要が減少するとともに、外出の自粛要請によって人出も落ち込むなど大きな打撃を受けたかと思います。この感染者数が今低下にある中、今後は、ウイズコロナの中において、にぎわいの回復を図るとともに、さらに魅力あるまちづくりを進めていく必要があると考えます。
昨年度、臨海副都心では、有明南地区への新たな進出事業予定者として、コナミ・ホールディングスやテレビ朝日が公募に選定されるとともに、まちの活気を取り戻すためにアートによる魅力づくりが新たに開始をされました。コナミやテレ朝の進出は、エンターテインメントのまちづくりという点で大いに期待が持てるところであり、またアートは、臨海副都心に新たな魅力を付加する意義のある取組であると思います。
そこで、この臨海副都心のまちづくりを進めるに当たって、ポストコロナを見据えて、今後も、都は、エンターテインメントやアートといった観点から、にぎわいづくりに積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
○古谷港湾局長 臨海副都心の継続的な発展のためには、アートを核とするにぎわい創出や先端テクノロジーの実装等により、まちに新たな魅力を付加していくことも重要でございます。
昨年度は、アートプロジェクトとして、国のメディア芸術祭と連携した体験型のイベントを実施するとともに、デジタルとアートを融合させたプロジェクションアートを、アートの拠点として整備いたしましたARTBAY HOUSEに投影するなど、最先端技術を活用いたしました取組を実施してまいりました。
今後は、進出事業者とも連携し、まち全体にアートを浸透させる取組を進めるとともに、eスポーツなどデジタルエンターテインメント事業の新たなイノベーションの創出にも取り組むことで、臨海副都心を多くの人々でにぎわうエリアとしてまいります。
○松田委員 まちを持続的に発展させるために、進出事業者と都が協力し合うことによって魅力を高め続けていくことが大切であります。
また、臨海副都心には、日本科学未来館や国の産業技術研究所、また、都の産業技術センターがあり、デジタルやサイエンスの分野でも最先端の研究が行われております。こうした事業者ともしっかりと連携をして、地域の魅力を高めるよう要望しておきます。
続いて、この臨海部における耐震化対策についてお伺いをいたします。
臨海部には、埋立地と埋立地の間を結ぶ橋梁や鉄道を横断する陸橋などがありますが、高度経済成長期までに集中的に整備されたものが多く、耐震化が必要な施設もあると聞いております。これらは首都圏四千万人の生活と産業を支える東京港の物流を確保していくために重要な施設であることから、耐震化を着実に推進していくべきであります。
そこで、臨海地域開発事業会計が所管をする橋梁の耐震化について、令和二年度の取組を伺います。
○古谷港湾局長 震災時において東京港の物流機能を着実に確保するためには、臨海部にある橋梁の耐震化を確実に推進していくことが重要でございます。
このため、施設の健全度調査等に基づき、橋脚部分の補強や橋の落下を防止する装置の設置等、必要な耐震補強工事を進めております。
昨年度は、江東区内に設置されております新末広橋や南千石橋の健全度調査などを行うとともに、大井ふ頭内にある大井中央陸橋の耐震補強工事を完了させたところでございます。
今後とも、臨海部の橋梁などの耐震機能の強化を図り、首都圏の経済活動や生活を支える役割を担ってまいります。
○松田委員 ありがとうございます。
我々、都議会自民党も、先日、臨海部、東京港、そしてコンテナふ頭を見学、視察させていただきました。この臨海部の物流を確保することは非常に大切なことであり、橋梁などの耐震化、今、渋滞もすごいですので、こういったときにさらに被害を上げないためにも耐震化を着実に進めていることを今確認させていただきました。
大震災はいつ起こるか分かりませんので、引き続きしっかりと取り組んでいただくことを要望して、次は、市場関係の質問に移りたいと思います。
ポストコロナを見据えて、中央卸売市場のさらなる活性化を図っていくためには、取引を担う市場業者ができるだけ活動しやすい環境を整え、新たなビジネスにも挑戦して取引を拡大していけるよう、その土台となる施設の整備について計画的に進める必要があります。
そこで、令和二年度における施設整備の取組と、その考え方についてお伺いをいたします。
○河内中央卸売市場長 中央卸売市場が都民の消費生活を支える基幹的なインフラとしての役割を着実に果たすためには、施設の老朽化対策等に計画的に取り組むとともに、流通環境の変化に対応するための機能強化に向けた施設整備を着実に進めていくことが重要でございます。
このため、令和二年度におきましては、老朽化対策として、板橋市場ほか三市場におきまして低温倉庫や冷蔵設備の改修などを実施いたしました。また、市場機能の強化に向けて、大田市場におきまして屋根つき積込み場の整備を行い、買い出し人の利便性向上を図るなど、小売店やスーパーなど実需者の多様なニーズに応えるための整備を行ったところでございます。
○松田委員 着実に、毎年毎年こうした施設整備を進めていただけていることを確認させていただきました。
次に、市場の活性化について伺ってまいりたいと思います。
今後の社会環境の変化に対応して市場取引を活性化するためには、経営方針の考え方も踏まえながら、規制緩和を生かした新たなビジネスに取り組んでいく必要があると考えます。
そこで、これからの市場経営において、どのように市場の活性化に取り組んでいくのかを伺います。
○河内中央卸売市場長 中央卸売市場が今後とも産地や実需者から選ばれ支持されるためには、将来を展望しながら市場に求められる多様なニーズに適切に対応していくことが必要でございます。
このため、令和二年度に改正東京都中央卸売市場条例が施行された機を捉え、急速に進展するデジタル化への対応や販路の多角化、多様化する消費者ニーズへの対応、品質、衛生管理の強化等について、市場業者の取組を力強く後押ししてまいりました。
このような取組を通じて、中央卸売市場が将来にわたり都民の豊かな消費生活を支えていくことができるよう、市場の活性化に取り組んでまいります。
○松田委員 ありがとうございます。施設の整備、そして市場の活性化、とても大事な視点でありますので、十一の中央卸売市場一丸となって、ぜひ取り組んでいただきたく要望いたします。
次に、豊洲市場の円滑な運営についてお伺いをいたします。
平成三十年十月に豊洲市場が開場してから、この間、施設を日々使用している市場業者の皆さんから、場内の交通ルールの徹底や、荷さばきスペースの確保、駐車場の確保、そして、市場の安心、そして安全の確保など様々な意見や要望が寄せられてまいりました。
移転前には、例えば、地下水管理システムが機能していないですとか、揚水井戸が目詰まりをしている、スロープをターレが曲がり切れない、管理棟の柱がゆがんでいるなどといった、一部会派の方々とマスコミの皆さんが不安をあおりました。
しかし、開場から三年が経過し、こうした不安を都はどう払拭してきたのか、そして、市場の施設の運営に当たりどのように取り組んできたのかお伺いいたします。
○河内中央卸売市場長 豊洲市場を円滑に運営していくためには、最新の施設や設備に係る市場業者の習熟度と利便性を高めるとともに、市場の安全・安心を図ることが重要であり、都は、開場以来、業界団体と連携して取り組んでまいりました。
令和二年度におきましては、交通安全講習会の実施や巡回指導などにより、場内の安全性の向上に努めてまいりました。
また、水産におきまして、利用実態等に応じて施設の使用区分を見直し、荷さばきスペースを新たに確保したほか、買い出し人や通勤者向けの駐車場などを追加整備することにより、交通アクセスの改善を図ったところでございます。
さらに、地下水管理システムを適切に運用管理するとともに、地下水質の状況や地上部の安全性を専門家の見解と併せて定期的に公表することにより、豊洲市場を安全・安心な市場として運用してまいりました。
○松田委員 ありがとうございます。
この築地市場の移転、そして豊洲市場の開場については、市場業者の方々はもちろん、市場に出荷をされている全国各地の産地の方々、そして、市場に仕入れに来られる小売業や飲食店の方など、大変多くの方々のご苦労があって成し遂げることができました。
移転前後は築地市場のときと使い勝手が異なり、市場を利用される方々の戸惑いの声も大きく、例えば、マグロが切れない狭い売場、アクセスの悪い不便な市場、そして、土壌汚染への懸念と心配に満ちたネガティブな声も残念ながら多く聞かれました。
しかしながら、市場の開設者としてこうした方々の声にしっかりと耳を傾けながら、一方で、新しい施設での新しい利用の仕方を丁寧に伝える、そして、時には施設の使い方を見直していく、市場の安全性については、検証と対策の積み重ねといった取組を進めてきたからこそ今があるのだと思います。
知事は、豊洲市場の安全性に懸念を示して移転を延期した後、私もこの場所で五年前やり取りしました、豊洲、安全だけれども安心ではないというご答弁でありましたが、そこから平成三十年には、豊洲市場は安全であり安心してご利用いただけると小池知事自ら表明して移転を決断したわけでありますから、これからも双方向で、きめ細やかなコミュニケーションを欠かさずにしっかりと取り組んでいただきたいとお願いをしておきます。
それでは、次に、都立病院について伺います。
まず、独法化についてでありますが、独法化については、昨年度準備予算が計上されて、法人の組織運営体制や財務や人事などの各種制度の検討の準備が進められたと聞いております。
先日の分科会質疑においても様々な議論をさせていただきましたが、都民から、独法化によって経営重視となり、不採算医療が後退するのではないかという不安があるという話がありましたので、経営効率優先となってしまうとの主張がありますが、どうなのか、都の見解を伺います。
○西山病院経営本部長 行政的医療を提供していくためには、持続可能な病院運営に向けて経営基盤の強化が必要でございます。
このため、都立病院はこれまで、業務の改善や効率化など様々な経営努力を行ってきており、このことは独法化後も変わりはございません。
独法化の目的は、超高齢社会の本格化や医療の担い手不足など医療課題がさらに深刻化していく中でも、行政的医療をはじめとした質の高い医療の安定的、継続的な提供などの役割を将来にわたって果たすことにございます。
独法化後は、十四病院一施設のスケールメリットを生かした共同購入や、競争入札により交渉の相手方を選定し契約締結前に減額交渉を行います交渉権入札など、多様な契約手法の活用等により、より効率的、効果的な病院運営を行い、行政的医療をさらに充実強化してまいります。
○松田委員 都立病院は、都民の税金も使いながら運営しておりますので、最少の経費で最大のサービスを提供できるよう経営努力をするのは当たり前であり、現に、現在も様々な経営努力をされております。
経営効率優先になって必要な医療が削られてしまうことではないということは、今明らかにしていただきましたが、都民に必要な医療を安定的に提供し続けるためには盤石な経営基盤が必要であり、効率的、効果的な病院運営について独法化のメリットを生かして、できることは進めていただきたいと思います。
次に、民間医療機関だけでは対応が困難な行政的医療について、都は、独法化後も提供していくとしていますが、都が直接病院を運営しなくなることで、この行政的医療が縮小するという声も聞こえてきますので、改めて都の見解を伺います。
○西山病院経営本部長 感染症医療や救急医療など、民間医療機関だけでは対応が困難な行政的医療を提供することは都立病院の使命でございます。
地方独立行政法人には、知事が議会の議決を得て策定する中期目標を通じて行政的医療を確実に提供するための指示を行うとともに、採算の確保が困難な行政的医療等の経費について現在と同様に都が負担する仕組みがございまして、都が求める医療を確実に提供させることができます。
独法化によりまして機動的な人材確保や民間医療機関等への職員派遣等が可能となることから、こうした独法化のメリットを生かし、各病院の特徴に応じて行政的医療を充実強化していくこととしておりまして、昨年度は、各病院と意見交換しながら具体的な検討を進めてまいりました。
○松田委員 独法化後も必要な財源は都が確実に措置をするということで、行政的医療を縮小させることなく、しっかり提供をしていくとのご答弁でありました。また、独法化のメリットを生かして、各病院の医療機能強化を図る取組を検討しているということであります。ぜひ、都民にとって必要な医療が提供できるよう、しっかり進めていただきたいと思います。
行政的医療は、救急医療、周産期医療、精神科医療など様々ありますが、昨年度は、その中でも感染症医療として新型コロナの対応に率先して取り組んでいただきました。三病院の重点医療機関化や専用医療施設の開設などによって、感染状況に応じて、順次病床確保、拡大をし、役割を果たしていただいたと思っております。
こうしたコロナのような緊急時に、都の対応方針の下で同様の対応ができるのか、これが都民の知りたいことではないかと思います。
独法化後、災害や感染症などの緊急時の対応がどうなるのかお伺いいたします。
○西山病院経営本部長 感染症医療は行政的医療の最たるものでございまして、平時からの備えはもちろんのこと、今回の新型コロナウイルス感染症のような事態や災害時などの緊急時におきましては、都立病院が率先して取り組む必要がございます。
このため、法人の定款には、法人自らの役割として、災害や公衆衛生上の緊急事態等への対応を定めるとともに、緊急時には、都の指示の下、必要な業務を行うことを定め、確実な実施を担保してございます。
また、現在検討してございます中期目標にも、今回の新型コロナウイルス感染症への対応も踏まえまして、専門人材の確保、育成など感染対応力を強化するとともに、緊急時の率先した対応を明記して、法人に取組を指示していくことを検討してございます。
○松田委員 独法は、都が設立する法人でありまして、都の方針に沿って対応していくのは当然のことだと思います。
神奈川県や埼玉県など、県立病院が独法化しているところも多いですが、率先したコロナ対応により、県の医療政策に貢献をしております。独法化によって、より一層機動的な対応ができるということでありますので、ぜひしっかり検討を進めていただきたいと思います。
次に、都立病院の耐震化について伺うところでありましたが、事前に確認をさせていただきましたところ、平成二十年に病院経営本部耐震化整備プログラムを策定して、災害時の医療提供や医療従事者の確保といった役割を要する病院施設や職員宿舎など、防災上重要な公共建築物百十七棟のうち二十三棟あった耐震化整備プログラムの対象となる建築物を、順次耐震化、建て替え、用途廃止など努めて、平成三十年度までに全て完了していることを確認させていただきました。
以上で病院経営本部の質問を終わり、次に、水道局の質問に移りたいと思います。
まず、やはり耐震からお伺いしてまいりたいと思います。
十月七日の地震では、当初は、報道では至るところで道路上に水があふれ出す映像が流し出され大きな被害が心配をされましたが、結果的に断水に至るような水道施設の被害は生じませんでした。これは、これまで水道局が着実に進めてきた震災対策の取組の成果ともいえます。
しかし、都では、さらに規模の大きい首都直下地震の発生が想定されており、気を緩めてはいけない。
そこで、水道施設の震災対策に対する考え方を伺います。
○浜水道局長 水道局では、震災対策を最重要課題の一つと位置づけ、東京を支える強靱で持続可能な水道システムの構築を目指し、令和三年三月に東京水道施設整備マスタープランを策定いたしました。本プランに基づきまして、震災時においても水道施設の被害を最小限にとどめ、給水を可能な限り確保するため、水道システム全体の耐震化を効率的かつ効果的に推進してまいります。
具体的には、浄水場や水道管路等の耐震化とともに、管路の二重化、ネットワーク化によるバックアップ機能の強化等を進めてまいります。
○松田委員 水道は、水源から蛇口に至るまで多くの施設によって成り立っており、どこかで損傷が起きると断水被害につながる可能性があるため、水道システム全体でしっかりと震災対策を進めていくべきであります。
特に水源施設は水道の起点であり、多摩川の上流にある小河内ダムは六十年以上にわたり都民の暮らしを支えてきた都の重要な水源施設であります。この我が国最大級の水道専用ダムである小河内ダムに万一のことがあれば、都民の生活に与える影響は甚大であります。
そこで、この小河内ダムの耐震性についてお伺いいたします。
○浜水道局長 小河内ダムは、固く安定した地盤の上に百六十八万立方メートルのコンクリートを使用した重力式コンクリートダムで、高さは百四十九メートル、堤頂の長さは三百五十三メートルであり、昭和三十二年に完成いたしました。
水道局では、ダム完成後から十年に一度の頻度でダムコンクリートの強度を測定しており、平成三十年に実施した調査結果におきましても、設計時に想定した強度を確保していることを確認しております。
こうしたことを前提として、国が策定した大規模な地震に対する耐震性能を評価するための最新の指針に基づき、堤体の耐震性について平成二十一年度に検証しており、ダム地点に影響を及ぼす最大級の強さの地震に対して十分な耐震性を有していることを確認しております。
○松田委員 十分な耐震性を有していることを確認ということでありました。
この小河内ダム、我々都議会自民党でも平成二十七年に、当時の醍醐水道局長と一緒に視察をさせていただきました。非常に巨大な、実際行ってみないとやはり分からない。上から船で見て、下に入って、真夏だったんですが、非常に寒さを感じるぐらいの場所でありました。
この小河内ダムについては、我が党、ずっと質問し続けてきて、去年もこの公決の分科会で、将来にわたって適切に保全することが必要だということを質問し、水道局からは、この堤体の健全性について、令和元年度から二年度にかけて調査を行うという説明がありました。
この調査の内容、それから、この結果から分かった小河内ダムの現在の状況についてお伺いします。
○浜水道局長 水道局では、国が定めるダム総合点検実施要領に基づき、ダム堤体の健全度調査を実施し、本年三月に完了いたしました。
この調査では、堤体内部における漏水量や底面に作用する揚圧力などの管理記録の分析や現地調査を行い、堤体の安全性を検証いたしました。また、堤体外面についてドローン等の新技術を活用した調査及び解析などを行い、コンクリートの劣化状況を把握いたしました。
これらの結果から、補修を必要とする損傷はなく、健全であることを確認しております。
一方、毎年度実施している堆砂量の測定では、令和二年度の総貯水容量に対する堆砂率は、前年度より〇・一ポイント上昇し、約三・六%であり、当初想定していた堆砂率を〇・六ポイント上回る結果となっております。
○松田委員 ダムの堤体の健全性は現時点でおおむね良好ということであります。また一方、堆砂は、当初計画よりも若干進行しているというご答弁でありました。堆砂、砂がだんだんたまってくるという状況ですが、また、令和元年度の台風十九号によって、貯水池に大量の土砂、流木の流入の影響もあると聞いております。小河内ダムと同時期に建設されたダムでは、この小河内よりもさらに堆砂が進んでいるところもあると伺っております。
現在は健全な状態にあるとはいえ、様々なリスクがある中、将来にわたって小河内貯水池を運用していくために、ダム堤体のみならず、貯水池全体について、水道局はどのように維持管理をしていくのか伺います。
○浜水道局長 水道局では、東京水道施設整備マスタープランにおいて、新たに小河内貯水池の総合的な予防保全事業に取り組むことといたしました。事業実施に向けて、令和四年度までに予防保全計画を策定するため、堤体の最適な管理方法や堆砂対策などについて調査検討を進めています。
検討に当たっては、ダム管理の知見がある専門家に他のダムの事例をヒアリングするとともに、航空レーザー測量などを実施し、貯水池全域の堆砂状況を立体的に把握しています。
今後百年以上使い続けられるよう、長期的な視点に立ち、必要な対策を講じることで、小河内貯水池の機能維持や健全性の確保に努めてまいります。
○松田委員 ありがとうございます。今後百年以上使い続けられるよう、しっかりよろしくお願いをいたします。
最後に、この水道局としては最後に、水源確保ということで質問したいと思います。
東京都では、小河内ダムが完成をした昭和三十年代以降も、高度経済成長に伴って水道需要が急増して、オリンピック渇水、毎年のように渇水が発生をしてまいりました。
その後、長い間にわたって水源開発を推進した結果、矢木沢ダム、奈良俣ダム、また八ッ場ダムなどが完成をして、ようやく水道需要を満たす水源を確保することができました。こうした水源開発には、地元自治体の並々ならぬ協力や、そこに暮らす人々の生活や故郷を奪うなど、多大な犠牲の上に成り立つことを我々は忘れてはならないと思います。
一方、令和三年八月に国から公表された地球温暖化研究に関する科学的知見を取りまとめたIPCC第六次評価報告書では、将来、温暖化によって干ばつなどの気象の深刻さが増大すると指摘をされています。当然、日本も例外ではなく、現在、国内では、毎年のように豪雨災害が頻発をしておりますが、一方で、厳しい渇水の発生も懸念がされます。
どのような状況になっても、首都東京の安定給水は不可欠であるため、その根幹となる水源の確保は極めて重要であります。
こうした様々な需要を踏まえた水源確保の考え方について伺います。
○黒沼副知事 都の水道は、都民生活と首都東京の都市活動を支える基幹ライフラインでございまして、水源の確保は、事業運営上最も重要でございます。
ただいま理事ご指摘のとおり、多摩川などの固有の水源のほか、国などと実に長い年月をかけて協議を重ね、他県にある利根川等に水源を求めた結果、今日では、安定給水が可能な水源量についてはおおむね確保できたところでございます。
しかし、利根川流域では、平均して三年に一回は渇水が発生するなど、利水安全度はいまだ十分な水準とはいえず、気候変動に伴う影響が顕在してきているといわれている今日、渇水の懸念も高まってきております。
このため、都としては、これまで確保してきた水源について、首都東京の貴重な水道水源として最大限に活用できるよう、これまで以上に国をはじめとする関係機関と連携し、適切にこれを運用できる体制を確保してまいります。
○松田委員 副知事、ありがとうございます。水源確保、非常に大事なことであります。
そして、今まで各局ごとに、耐震化、コロナ対策、安心・安全、こういった視点でずっと質疑を続けさせていただきました。
最後に、黒沼副知事にお伺いしたいんですが、公営企業全体としてこの耐震を進めていくこと、この重要性について、そして、これからどうしていきたい、こういった思いも含めて所見をお伺いいたします。
○黒沼副知事 都の公営企業では、都民生活と首都東京の都市活動を支える基幹ライフラインとして、事業運営上の重要課題の一つに施設の耐震化を位置づけまして、着実に対策を進めてきております。
具体的には、交通局では地下鉄高架部の橋脚や地下部の中柱の補強、水道局では浄水場や水道管路等の耐震化や耐震継ぎ手化、下水道局では水再生センターや下水道管等の耐震化に、それぞれ鋭意取り組んできております。
これにより、先日発生をしました震度五強の地震においても、一部の交通機関への影響や漏水は発生したものの、各公営企業が所有する施設では、倒壊などの甚大な被害を避けることができております。これはまさしくこれまでの取組の成果であり、改めて耐震化を推進していくことの必要性、重要性を痛切に感じたところでございます。
首都直下地震の切迫性が指摘されている今日、発生した場合、先日の地震以上の被害が生じることは、残念ながら明らかでございます。
そのため、都民の安全・安心の確保に向け、公営企業を担当する副知事として各局を取りまとめ、施設の耐震化を強力に推進をしてまいります。
○松田委員 各公営企業ごとに、個別具体的に、丁寧にご回答をありがとうございます。本当にこの耐震化、首都直下地震、すぐ起こるとも限らない、こういった地震でありますので、都が主体となって都民の安心を守っていただきますよう心よりお願いを申し上げます。
本日は、新型コロナウイルス対策ですとか、安心・安全、さらには、こういったコロナの状況においても、収益を確保していかなければならないという観点から、ちょっと時間の関係で下水道局の収益確保、聞けなかったのは申し訳ないと思っておりますが、これからも、公営企業が、収益確保、コロナ対策、こうした震災対策、安心・安全にしっかりと取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○村松委員長 松田理事の発言は終わりました。
次に、平副委員長の発言を許します。
○平委員 都民ファーストの会を代表いたしまして、私、平から質疑を行わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
令和二年度は、新型コロナウイルスが本格的に流行する中で、外出自粛や飲食店への時短要請など、社会経済活動が様々制限されると同時に、新しい日常の定着など、都民の生活様式に大きな変化が見られました。こうしたコロナ禍における様々な変化は、都の公営企業にも多大な影響を及ぼしています。
特に、最前線で新型コロナ患者の対応を続けてきた都立病院をはじめ、都の公営企業には、いまだ厳しい状況下にある都民生活を多方面から支えていく使命があります。同時に、東京の基幹インフラである水道、下水、市場、交通など、アフターコロナを見据えた事業の見直しや経営基盤の強化が不可欠です。
本日は、コロナ禍において都の公営企業が果たしてきた役割を検証するとともに、アフターコロナを見据えた経営について質問をしていきたいと思います。
初めに、都立病院についてお尋ねをいたします。
まず、令和二年度において、病院経営本部の皆様には、新型コロナウイルス感染症対策の最前線でご尽力をいただき、医療従事者、職員の皆様に、改めて心より敬意と感謝を申し上げます。
令和二年度病院会計決算において、病院事業収益は千八百三十九億五千六百万円で、令和元年度の決算と比べると百七十九億五千八百万円の増収、一一〇・八%となっています。収益の内訳を見ると、コロナの影響を受けて、医業収益は昨年度と比べマイナス百三十一億二千七百万円と大きな減収となっておりますが、国庫補助金が出たために、三百四億七千三百万円交付され、全体収支は改善しています。その結果、令和二年度は百五億八千八百万円の黒字ですが、病院会計は平成二十八年度から四期連続赤字決算が続いており、赤字額も年々拡大しているのが現状です。
こうした中で、都立病院は、令和四年度内をめどに独立行政法人化することとなっていますが、独法化を契機に、経営上の課題となっている各種契約や人事制度の見直し、そして、医業収益の改善につなげていかなければなりません。
一方で、コロナ禍を経て、行政的医療の提供に加えて、感染症などへの緊急対応の役割はますます重要となっています。令和二年度の経験は、今後の都立病院の役割や機能提供の観点から学びとしなければなりません。
そこで、改めて、第一波から第三波に至るまで、都立病院としてどのように病床を確保し、患者を受け入れ、対応してきたのか、機動的な対応をするために直面した当時の課題と併せて、令和二年度の都立病院の感染症への対応についてお伺いをいたします。
○西山病院経営本部長 都立病院は、行政的医療の代表的なものである感染症医療について、小児、周産期医療など他の行政的医療にも対応しながら、最優先に取り組んでまいりました。
都内の感染状況に応じ、令和二年五月に四百四十一床を確保し、本年一月に五百四十床、二月に八百二十床と順次拡大し、他の医療機関では対応困難な精神疾患等の合併症患者や透析患者等を積極的に受け入れてまいりました。
病床の拡大に当たりましては、院内感染対策が重要であり、一般病棟への簡易陰圧装置の導入や、汚染区域と清潔区域のゾーニング等を行いました。
また、コロナ患者は短期間で急変しやすいなどの特徴があり、一般医療と比較して、より多くの医療従事者を迅速に確保する必要がございました。
○平委員 昨年は、新型コロナウイルスに感染した患者が重症化するケースも多く、通常医療よりも一人の患者に対して多くの医療従事者、看護師の確保が課題となりました。
もともと日本は、世界と比較しても医療従事者が不足しているとの指摘があります。例えば、人口千人当たりの臨床医師数で見ると、日本はOECD加盟国三十五か国中二十八位となっており、G7の中では最下位です。また、厚生労働省の発表した資料によると、百病床当たりの看護師数において、イギリスが二百人、アメリカが百四十一人、イタリアが百三十六人に対して、日本は三十八人という結果になっています。
こうした状況を踏まえると、医療人材の確保に向けて、給与や残業代など賃金の引上げ、医療に関わる専門の研修や学習環境の整備、デジタル活用による業務プロセス効率化など、中長期的に取り組む必要があります。
そこで、令和二年度末にかけて、都立病院の一部をコロナ専門病院化し、都立病院では合計八百二十床の病床確保を行うなどの取組の強化が図られましたが、患者の受入れのために必要な医師、看護師をどのように確保したのかお伺いをいたします。
○西山病院経営本部長 医師については、感染症科や内科の医師に加え、外科などの他の診療科からも応援体制を構築することで、全診療科が協力して新型コロナの治療に当たってまいりました。
また、看護師については、感染状況に応じて、順次一般病棟からコロナ病棟に配置転換を行いました。この際には、個人防護具の着脱訓練や、防護具をつけた状態での口腔ケアの方法等について研修を実施いたしました。
さらに、働きやすい環境を整備するため、精神科医師を中心としたサポートチームがメンタルヘルスの相談を実施するなど、コロナ病棟で働くスタッフを支援してまいりました。
こうした取組を通じ、多くのスタッフの協力を得ながらコロナ病棟を運用し、令和二年度は、疑い患者を含め、延べ六万二千五百十五名の患者を受け入れました。
○平委員 都立病院では、長期休職中の医療従事者の復職支援事業など、独自に医療人材の確保に努めてきた。特に、育児等で離職していた医師を対象に、オーダーメード型復職支援研修を平成三十一年四月から実施しており、これまで八名が研修に参加。そのうち大学病院に二名、都立病院に二名、療育センターに一名が復職したと聞いています。ぜひ、長期的な視点で事業の有効性を捉え、引き続き取組を要望いたします。
医療従事者の確保に加えて、コロナ以外の患者の転院や受入れの制限など、患者や民間病院等との調整に関しても、調整の過程に、経過においては課題があったと理解しております。将来的な新たな感染症の対応においても、都立病院は、重要な役割を担う中で、これまでの課題の検証を行った上で、よりスムーズに病院間の連携が図られなければなりません。
都立病院の独立行政法人化の意義の一つとして、人材の柔軟な活用が挙げられていますが、コロナ禍において独立行政法人化が済んでいれば、民間医療機関等との人材の融通など、どういったことが実現できたと想定されるかお伺いをいたします。
○西山病院経営本部長 都立病院の独法化後は、地方公務員法などにとらわれない法人独自の人事制度の構築によりまして、民間医療機関等との柔軟な人材交流が可能となります。昨年来のコロナ禍を踏まえますと、地域ニーズに応じて、都立病院の医師や看護師等の専門人材を派遣するなど、地域の感染症対応力強化に貢献していくことが必要でございます。
このため、平時から保健所等と連携し、訪問看護ステーション等と人材交流を図るなど、感染予防に関する知識や技術の向上を支援するとともに、有事の際には、クラスターが発生した施設等に感染管理の専門看護師等を一定期間派遣して、感染拡大の防止に向けて技術支援することなどを検討してございます。
○平委員 今のご答弁では、クラスター施設等に感染管理の専門看護師を一定期間派遣して技術支援をしていくと、検討するとのことでした。
それは大切な取組である一方、独法化による人材の柔軟な活用という観点では、もっと多くの可能性を検討すべきだと考えます。
例えば、民間の医療機関が感染症患者を受け入れるのは、経営上、様々な困難が生じるために、なかなか踏み出せない現状もあります。そうした中で、独法化後の都立病院において、感染症患者を重点的に受け入れると同時に、民間病院から医療人材を臨時で採用するなどのより柔軟な雇用体系の下で人材の融通を利かせることも想定すべきです。
今回の独法化を契機に、特に感染症発生時における医療人材確保をより機動的に行えるような雇用制度についても検討していただきたいことを求めておきます。
続きまして、中央卸売市場について質問を行います。
令和二年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を年間を通して受けた年度であり、新型コロナの大きな影響をどのように克服し、将来に資する事業強化につなげたのか、確認しなければなりません。
また、加えて、令和二年度は、豊洲市場へ二〇一八年十月に移転してから二年目から三年目の期間であり、一つ、移転当初の課題が解決されたのか、二つ、集客施設について適切に進捗してきたのか、三つ、持続的な市場会計に向けた取組がどのように進んだのか、この三点を確認していきたいと思います。
まず、新型コロナウイルス感染症の市場業者への影響についてどのように対応してきたのか、特にコロナ後を見据えて経営基盤の強化が重要ですが、その成果を具体的にお伺いいたします。
○河内中央卸売市場長 新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営状況にある市場業者に対して、都は、市場使用料と光熱水費の支払い猶予を実施するとともに、都や国の各種支援制度の周知等をきめ細かく行いました。
こうした取組に加え、コロナの影響を乗り越えるため、市場業者が行う経営基盤の強化などの取組を中央卸売市場活性化支援事業により支援いたしました。
具体的には、温度管理を細分化することにより鮮度面で商品価値を高める取組や、規格外野菜を用いて新たな商流を創出し販路を開拓する取組、ICT活用による業務改善で生じた人的資源により営業力を強化する取組などを後押しいたしました。
令和二年度は、全十一市場で六十件の取組が行われ、約四億四千万円の補助金を交付したところでございます。
○平委員 コロナを経て人々の生活様式が変わり、コロナ後も飲食店の売上げが元に戻らない可能性が高いと想定しておくことは必要であります。
一方、市場業者の販売チャンネルは、コロナ禍において、飲食店向けなどの従来の商流が大幅に減少し、代わりに、通販など消費者への直売や小売店向けの販売などが増加したものと考えられます。
こうした販売チャンネルの多角化、販売商品の付加価値を高める取組、輸出の拡大に向けた取組などを強化すべきですが、コロナ禍でどのような経験を積み、次につなげていくのか見解をお伺いいたします。
○河内中央卸売市場長 今般のコロナ禍におきましては、非接触、非対面に対するニーズの高まりや、販路の多角化の重要性が改めて認識されるなど、市場を取り巻く環境に変化が見られました。
こうした変化に的確に対応するため、令和二年度は、中央卸売市場活性化支援事業により、市場業者が行うICTを活用した販路の多角化や販売方法の多様化などの付加価値を高める取組、輸出業務に精通した人材を育成する取組などに対し支援を実施いたしました。
また、海外販路の開拓に主体的に取り組む市場業者同士の連携体制を構築するためマッチング会を開催するなど、輸出力の強化に向けた環境整備を行ったところでございます。
こうした取組を通じまして、市場のさらなる活性化に向けて、ポストコロナを見据えた新たな生活様式に対応してまいりたいと考えております。
○平委員 ありがとうございます。
厳しい事業環境を支える必要があった一方、コロナ禍は、事業強化や新たな取組に対する事業者の心構えを変えた面もあります。コロナで事業が駄目になってしまったということではなく、コロナを経て、中長期的な視点で事業が強くなったとなるように、市場業者の皆様と取り組んでいただくよう改めて求めます。
次に、移転当初の各種課題について伺います。
昨年二月より、新型コロナウイルスへの対応が非常に大きな課題となりましたが、市場移転後に明らかとなった各種課題について適切に対処し、改善を積み上げていくことも重要です。
豊洲市場への移転当初に指摘されていた駐車場不足や交通アクセスの利便性向上、荷さばきスペース等の確保やターレ等の運行の安全性など、各種の課題について解決に努めてきたものと思いますが、豊洲市場へ平成三十年に移転してから一定の期間が経過した中で、施設や運用に関する各種課題をどのように解消してきたのかお伺いいたします。
○河内中央卸売市場長 豊洲市場において、より一層活発な取引をしていくためには、市場関係者の利便性の向上を図っていくことが重要であり、都は、豊洲市場協会などの業界団体と共に、運営上の課題を検討し、様々な方策を連携して講じてまいりました。
令和二年度におきましては、交通アクセスのさらなる改善に向け、買い出し人が一時的に駐車できる場所を六街区に確保するとともに、買い出し人や通勤者向けの駐輪場を六街区と七街区の間に四か所、追加整備いたしました。
また、取引の一層の円滑化を図るため、施設の利用実態等を踏まえて使用区分の見直しを行い、六街区及び七街区に新たに荷さばきスペースを確保しました。
これらに加え、場内の安全性を高めるため巡回指導等を行い、ターレ等の安全走行の徹底に努めたところでございます。
○平委員 駐車スペースや駐輪場の追加整備、新たな荷さばきスペースの確保などを実施してきたとの答弁がございました。
豊洲移転直後に、私が伺ったおすし屋さんの大将が、築地と比べたらアクセスが不便になった、駐車場も遠く駐車料金も高くて大変だといっていたのが大変印象に残っております。
これまで、市場関係者や業界団体と共に連携し、様々な改善を図ってきたことを評価いたしますが、コロナが落ち着いた段階で、改めて関係者の声を聞いてレビューをするなど、引き続き不断の改善を求めます。
次に、にぎわい施設についてお伺いをいたします。
豊洲市場のにぎわい施設については、暫定施設である江戸前場下町を三年間営業し、千客万来施設を二〇二三年春に開業させるべく、二〇二〇年秋に着工する予定でしたが、この間の江戸前場下町の取組、成果を伺うとともに、千客万来施設の工事等の進捗をどのように事業者と協力して取り組んできたのかお伺いをいたします。
○河内中央卸売市場長 令和二年一月に開業した江戸前場下町は、コロナ禍に伴う緊急事態宣言により、令和二年四月から五月にかけて全館休業に至ったものの、その後は、営業時間の短縮や十分な感染防止対策を講じるなどして営業を継続し、豊洲地区のにぎわいの創出に取り組みました。
また、令和二年度における千客万来施設事業に関しましては、事業者による着工に向け、建設予定地の整地工事を都が実施した上で事業者へ用地を引き渡しました。
さらに、都は、工事に向けた協議が円滑に進むよう、関係機関との調整を図るなど事業者への協力を行ったところでございます。
○平委員 千客万来施設について、昨年秋には、都で実施した整地工事は完了し、事業者は事業を進めることができたと認識をしています。
また、今のご答弁にもございましたが、用地引渡し後も定期的に事業者と協議を重ねているとのことです。
しかし、開業に遅れが生じる可能性があることも伺っております。千客万来施設にかかわらず通ずるものですが、都の事業目的を適切に達成するために、受注した事業者に計画どおり事業を履行させることは極めて重要であります。
事業者の報告を単に受けるだけでなく、履行状況を管理する取組に工夫ができるのではないでしょうか。中央卸売市場より、他局に培ったノウハウや経験があると思いますので連携をしていただきたい、そして、プロジェクトマネジメントの視点を持って履行状況を管理することに取り組まれるよう、強く求めます。
市場会計について、最後に伺います。
持続的な市場会計の実現に向けて、昨年度策定した市場経営指針で示した強固で弾力的な財務基盤を確保するための取組の早期の具体化と、当面の経営改善の着実な実施が重要です。
そこで、平成三十一年に示し実施している当面の経営改善の取組について、その成果をお尋ねいたします。
○河内中央卸売市場長 中央卸売市場が将来にわたって持続的な市場経営を実現していくためには、収支両面から経営改善に取り組むなど、財務基盤の強化を図ることが重要でございます。
そのため、都は、執行体制の見直しによる市場運営費の縮減や収入確保等により、令和十五年までの間に経営改善を段階的に行うこととしております。
令和二年度におきましては、体制の見直しによる人件費の圧縮や未利用施設の有効活用による使用料収入の増加などに取り組み、前年度対比で、管理費は九九・六%と減少し、施設使用料収入は一〇一・六%と増加しております。
引き続き、こうした取組を積み重ねるとともに、本年三月に策定した経営指針の方向性に基づき、強固で弾力的な財務基盤の確保に向けて取り組んでまいります。
○平委員 ありがとうございました。
令和二年度は、コロナ禍の中での取組で苦労もあったものと思いますが、収支改善の一歩を踏み出したものと理解をしております。
今年度は、令和二年度に策定した経営指針を基に経営計画を策定するとしております。持続的な市場会計の実現に向け、抜本的な取組を求めるとともに、収支改善など、できるところは先んじて進めていくことを改めて求めます。
次に、交通関係について質問を行います。
まず、先日の日暮里・舎人ライナーにおける脱輪事故についてです。
先月七日夜に千葉県北西部を震源とする最大震度五強の地震が発生した影響により、日暮里・舎人ライナーの一編成が脱輪し、全線で運転を見合わせることとなりました。詳しい事故原因については、国の運輸安全委員会が現在も調査中ですが、日暮里・舎人ライナーも含めた都営交通が、震災時にどのような被害想定と対策を行ってきたのか、確認する必要があります。
そこで、日暮里・舎人ライナーにおいて、地震発生により今回の脱輪のような列車が走行不能になることを想定し、どのように備えを講じていたのかお伺いをいたします。
○内藤交通局長 交通局では、お客様の安全確保、被災施設の復旧及び一刻も早い運転の再開を図るため、震災対策に関します基本的な事項を定めた危機管理対策計画を策定しております。
日暮里・舎人ライナーでは、本計画に基づきまして、緊急地震速報を受信した際には、お客様の安全を確保するため、指令所から全列車を緊急停止させるとともに、列車が駅間に停止し走行不能な場合には、係員を急行させ、徒歩で最寄り駅へ誘導することとしております。
こうした事態を想定した避難誘導訓練や本線上で故障した車両を牽引するための車両連結訓練を定期的に行いまして、異常時に備えた対応力の維持向上に努めてまいります。
○平委員 今のご答弁の中にあった交通局の危機管理対策計画においては、首都直下地震等が発生したときは、交通局長は、応急活動を推進するため、交通局災害対策本部を設置すること、特に、夜間、休日等の勤務時間外において、都内で気象庁発表震度六弱以上の地震が発生したときは、局本部は自動に設置され、全職員は一斉参集することとされております。今回は最大震度五強だったため、対策本部の設置には至りませんでした。
また、地震発生時等の避難誘導、異常時の係員編成区分、警察、消防、災害時避難所一覧等、異常時対応マニュアルを定めており、同マニュアルに基づいて避難誘導を行ったとのことです。
一方で、危機管理対策計画においては、脱線や脱輪など個別の事故ケースに応じた対策などは盛り込まれておらず、ここは現場での判断に委ねられているのが現状です。
そこで、今回の事故で、実際にどのように対応したのかお伺いをいたします。
○内藤交通局長 今回の千葉県北西部地震の際にも、日暮里・舎人ライナーでは、お客様の安全確保を最優先に、全ての列車を停止させるとともに、お客様に落ち着いて行動していただけるよう、車内放送により、それぞれの列車の状況や避難方法をお知らせしたほか、負傷したお客様の状況確認を行っております。
その間にも、救急車の手配を行うとともに、走行可能な列車は次の駅まで運行し、脱輪により走行不能となった列車には係員が急行してございます。
駆けつけた係員は、お客様を徒歩で最寄りの駅まで避難誘導するとともに、負傷したお客様への対応に当たるなど、現場の状況に即した迅速な対応に努めてございます。
○平委員 今回の事故を受けて、まずは国の運輸安全委員会による原因調査を踏まえて、再発防止策を構築しなければなりません。
一方で、対策を講じたとしても、特に首都直下型地震等の大型地震が発生した場合に、例えば、脱輪や車両が転倒する事故が複数箇所で同時多発的に起こり得る可能性もあります。そうしたケースも幅広く想定した上で、危機管理対策計画や異常事態対応マニュアルの見直しを今後検討すべきです。
同時に、事故発生後の情報発信については、特に代替となるバスの手配など見通しが難しいケースもあると思いますが、利用者や近隣住民に対してできるだけきめ細かく情報を伝えるよう、改めて求めておきます。
続いて、令和二年度の交通事業会計についてです。
令和二年度は、新型コロナウイルスの影響により、都営交通も大幅な利用者減となり、局としても大変な苦境にあったことと存じます。
まず、令和二年度の都営地下鉄、都営バスの乗車人員について、令和元年度と比較してどのような状況か、また、今年度に入ってからの状況についてもお伺いをいたします。
○内藤交通局長 令和二年度における一日当たりの乗車人員につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、都営地下鉄が前年度と比べまして約九十一万人、三二%減少したほか、都営バスにつきましては約十三万人、二一%減少いたしました。
今年度に入りましても、感染再拡大の影響等を受け、都営地下鉄ではコロナ禍以前の水準から三割程度の減少が続くとともに、都営バスにおきましてもおおむね二割弱の減少が続いております。
○平委員 今のご答弁にもありましたように、今年度に入っても都営地下鉄では、コロナ禍以前の三割程度、都営バスにおいては二割弱の減少が続いているとのことでございました。
コロナ禍によってテレワークが進むなど、都民の生活様式も大きく変化している中で、今後、たとえコロナが終息したとしても、利用者数が以前と同水準に戻るのは困難だと考えられます。つまり、コロナ禍以前の利用者数を前提とした現在の各種経営計画も、今後、抜本的な見直しを行わなければなりません。
交通局の次期経営計画は来年度からの計画でありますが、次期経営計画においては、事業収益の一定の減少を前提に、投資の抑制による減価償却費等のコスト縮減に努めるとともに、乗車料収入はもとより、構内営業料、広告料等の収益増加対策を一層強化すべきと考えます。見解を伺います。
○内藤交通局長 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、地下鉄をはじめ都営交通の乗車人員は大幅に減少し、今後も、コロナ禍前の水準への回復が期待できないものと見込んでおります。
このため、安全の確保に最大限配慮しつつ経費の節減に取り組みますとともに、今後の需要動向を慎重に分析した上で、中長期的な投資計画を検証し、減価償却費などのコスト水準を精査しております。
あわせて、感染症の流行状況等に留意しながら、旅客誘致を図りますとともに、局で保有する資産を有効に活用し、駅構内店舗の営業料や広告料など、関連事業収入の確保にも努めてまいります。
次期経営計画につきましては、こうした観点も踏まえ策定を進めており、今後とも、コロナ禍による経営環境の変化に的確に対応しつつ、事業運営に取り組んでまいります。
○平委員 ありがとうございます。
今のご答弁にもありましたような一層の経営努力を続けていただく一方で、利用者の二割から三割の減少が今後も継続する場合には、より抜本的な運行本数の見直しや料金体系の見直しが必要となるかもしれません。
今後、国土交通省や他鉄道事業者とも協議、連携を重ねながら、都民生活を支える公共交通機関として、より安定的な経営基盤の確保に努めていただくよう求めておきます。
さて、令和二年はスマート東京実施戦略が策定をされ、都庁各局でデジタル技術を活用した調査や新規事業が立案されました。
交通局においては、5G等のデジタル技術を活用した今後の事業展開に関する調査検討を実施したと聞いておりますが、その内容と今後の取組についてお伺いをいたします。
○内藤交通局長 交通局では、お客様の安全性、利便性のさらなる向上や業務の効率化を図るため、5G等の新たなデジタル技術の活用につきまして検討を進めております。
令和二年度は、日暮里・舎人ライナーにおきまして、車両から撮影した軌道の状況などを5G等の通信を用いて遠隔で確認する技術の検証や、駅構内で移動型ロボットを遠隔操作し、非接触、非対面でお客様との対話や誘導案内を行う実証実験を行いました。
また、都営バスでは、お客様の動きを車内に設置した高精細カメラで撮影し、映像をAIで解析しまして、一人一人がどこからどこまで乗車したのかなどのデータを取得する実験を行ってございます。
今後、5G環境の整備状況やAI解析能力の向上など、技術開発動向を注視するとともに、費用対効果も見極めながら、さらに検討を深めてまいります。
○平委員 近年、日本の鉄道業界では、少子高齢化に伴う人手不足や熟練技術者の減少が進んでおり、作業現場における自動化や省力化、安全性の向上などに必要なインフラとして、ローカル5Gの活用が期待されております。
ローカル5Gは、自治体や企業などが主体となり、限られたエリアで柔軟に5G網を構築できる無線通信システムです。エリアごとにローカル5G網を構築することで、高速大容量で超低遅延かつ多数同時接続という特徴に加え、外部環境に依存しない安定したネットワークを保有できます。
特に、列車や駅のホームに設置した高精細4Kカメラで撮影した映像をローカル5Gで伝送しAIで解析することで、今まで目視で行っていた線路巡視業務及び車両ドア閉扉合図業務の効率化、高度化を目指す実験は民間でも多く活用されているとのことでございます。
こうした各地の実証実験、事例も踏まえながら、ぜひ先端技術の活用を一層進めるよう求めさせていただきます。
最後に、水道事業、下水道事業について質問を行います。
まず、下水道事業についてです。
都の下水道事業について、都は、二十三区内に一万六千キロを超える下水道管を整備、管理しておりますが、この膨大な下水道管を将来にわたって適切に維持管理し続けることは、下水道局に課せられた重大な使命です。
しかしながら、下水道管は地下にあることで点検や調査が容易ではないことに加えて、汚水が絶えず流れ、時には雨水が一気に流れてくるという、維持管理する立場で見れば、これほど苛酷な環境はありません。
さらに、苛酷な環境にあるがために、維持管理を担う担い手の減少が、今後より一層進むことも懸念されます。こうした重い課題を切り開く一つの解決策、これがデジタル技術であると私どもは考えております。
AI、IoT、ロボットなどの第四次産業革命を下水道の分野でも推し進めること。
そこで、下水道管の点検調査におけるデジタル技術の導入に向けた令和二年度の取組についてお伺いをいたします。
○神山下水道局長 下水道局では、膨大な量の下水道管を適切に維持管理していくため、これまでも、劣化状況の撮影、診断等を自動に行うことができるミラー方式テレビカメラを採用するなど、デジタル技術の導入に取り組んできているところでございます。
令和二年度には、この技術をより発展させ、劣化状況等をAIが判定する技術について、東京都下水道サービス株式会社や民間会社と研究を開始いたしました。
また、水位が高い等の理由により、調査員が下水道管の中に入り劣化状況の確認を行うことが困難な箇所への対応といたしまして、水上を走行して撮影可能なロボットにより遠隔で調査ができる技術の研究を東京都立大学と開始いたしました。
今後、これらの技術の開発や導入を精力的に進めるなど、下水道事業のより一層の効率化やサービスの向上を図ってまいります。
○平委員 下水道局では、膨大な下水道管を適切に維持管理していくために、東京都下水道サービス株式会社、民間企業、また都立大学との連携もされているということでございます。
都の下水道事業は、従前より、SPR工法をはじめとした様々な技術開発に積極的に取り組んできました。ぜひ、デジタル技術の活用においても先進的な取組を進め、都政のDXをぜひともリードしていただきたい、このように思います。
続いて、水道局、下水道局のゼロエミッションの取組について質問を行います。
都は、二〇一九年十二月にゼロエミッション東京戦略を掲げ、国に先駆けて、二〇五〇年に実質排出量ゼロに貢献すると宣言しました。
先般の都議会第三回定例会において、知事は所信表明の中で、太陽光発電、太陽光パネルを、これから建設される住宅等に設置することを検討するということまで発表しております。これは国に先駆けて発表したことであり、知事の本気度、東京都の本気度がうかがえるところでございます。
このように、二〇五〇年、実質排出量ゼロに貢献する、全庁挙げて取組の具体化をぜひとも進めていただきたい、このように思います。
水道局は都内電力使用量の約一%に相当する約八億キロワットアワー、下水道局も同様に約十億キロワットアワーという膨大なエネルギーを消費しております。ゼロエミッションに向けた東京都の率先的な取組として、水道局、下水道局の重みは非常に大きいものがありますが、ゼロエミッション元年である令和二年度においてどのような取組を行ってきたのか、水道、下水道両局にお尋ねいたします。
○浜水道局長 水道局では、送配水工程において多くの電力を使用しており、令和二年三月に策定した東京都水道局環境五か年計画二〇二〇−二〇二四に基づき、環境負荷の低減に向けた取組を行っております。
特に環境確保条例に基づくトップレベル事業所等の認定取得を進めており、これまで六事業所が認定を受けております。
その他の事業所におきましても、太陽光発電設備や省エネ型ポンプ設備の導入等の取組を実施し、令和二年度における同条例上のCO2排出量の削減率は一九・四%となっております。
今後とも、本計画を着実に推進するとともに、令和六年度までの削減義務率である二五%の達成を含め、より一層のCO2削減に取り組んでまいります。
○神山下水道局長 下水道局では、アースプラン二〇一七に基づき、温室効果ガス排出量を二〇三〇年度までに二〇〇〇年度比で三〇%以上削減する目標を掲げ、排出量の多い水処理工程や汚泥処理工程等で削減対策を推進しております。
令和二年度は、森ヶ崎水再生センターにおいて、水処理に必要な空気を小さな気泡にして水に溶けやすくすることで送風量を少なくし、電気使用量を削減する微細気泡散気装置を導入いたしました。
さらに、みやぎ水再生センターで、電力や燃料の使用量を大幅に削減できる高温省エネ型汚泥焼却システムの整備を完了するなどの取組を進めた結果、温室効果ガス排出量を二〇〇〇年度比で約二八%削減いたしました。
今後、これまでの取組に加え、新たな技術開発を推進するなど、温室効果ガス排出量のより一層の削減を進めてまいります。
○平委員 CO2排出量の二〇〇〇年度比の削減率は、水道事業で一九・四%、下水道事業で二八%とのことで、両事業とも努力を重ねられていることは評価いたします。
一方、小池知事は、今年一月のダボス・アジェンダ会議にて、二〇三〇年までに都内の温室効果ガスを二〇〇〇年比五〇%削減する目標を表明いたしました。この高い目標の実現に向けては、都内の電力消費量の合計二%以上を占める水道事業、下水道事業のさらなるご努力が不可欠であります。
そこで、二〇三〇年のカーボンハーフ、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けた水道局、下水道局の中長期的な方針を副知事にお伺いいたします。
○黒沼副知事 未来の東京戦略では、二〇五〇年までにゼロエミッション東京を実現するため、気候変動対策についての意欲的な目標でございます二〇三〇カーボンハーフスタイルを提起し、取組をこれまで以上に深化させることとしております。
水道局と下水道局は、都の組織の中でも特にエネルギー消費量が大きく、これらの目標の達成のためには、両局の取組が極めて重要でございます。
水道局では東京都水道局環境五か年計画二〇二〇−二〇二四、下水道局ではアースプラン二〇一七に基づき、ただいま両局長が答弁したそれぞれの取組を進めております。
これらの取組を着実に推進するとともに、都が掲げるこの目標達成に向けて、鋭意取り組んでまいります。
○平委員 ありがとうございました。
現行の計画に基づいた取組を着実に進めていただくとともに、二〇三〇年のカーボンハーフという目標達成に向けては、ぜひ両事業において新たな計画を早急に策定することを改めて求めさせていただきます。
この間、交通局、水道局、下水道局、港湾局、病院経営本部、中央卸売市場、各分科会において、各委員、また副委員長が質疑に立たせていただきました。
都の公営企業、コロナによって多大な影響を及ぼしました。しかしながら、アフターコロナを見据えた事業の見直し、経営基盤の強化が不可欠だと、先ほど冒頭でも申し上げたとおりでございます。
公営企業各局の皆様方におかれましては、コロナ禍において都の公営企業が果たす役割を今後ともぜひともかみしめて、しっかりとご努力をしていただきたいというふうに思います。
都民ファーストを代表いたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○村松委員長 平副委員長の発言は終わりました。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十六分休憩
午後三時五分開議
○村松委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
小林副委員長の発言を許します。
○小林委員 令和二年度は、新型コロナウイルスとのまさに闘いの一年間でございました。この間、今日お集まりの皆様方も大変なご苦労をされながら事業執行を進めてこられたと思います。改めて敬意を表し、そしてまた感謝を申し上げて、質疑に入らせていただきます。
初めに、病院事業についてお伺いをいたします。
都立病院は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に応じ、多摩総合医療センターにおけるコロナ専用病院の設置、広尾病院のコロナ重点医療機関化など、感染拡大においても患者を受け入れ、重要な役割を果たしてきたと思います。
一方、都立病院は、一般診療において果たす使命も大きく、コロナ禍にあっては、一般診療への影響もあったことと思います。
そこで、令和二年度の診療実績について、入院、外来患者などの実績や、全体としてどのような状況であったのかお伺いをいたします。
○西山病院経営本部長 都立病院では、コロナ患者受入れのため、都内の感染状況に応じ、令和二年五月の四百四十一床から、令和三年二月には八百二十床まで、順次コロナ対応病床を拡大し、軽症から重症まで、他の医療機関では対応が困難なコロナ患者を率先して受け入れてまいりました。
また、コロナ病床の確保に伴い、一般病棟を活用したため、コロナ患者以外の一般患者の受入れに影響が生じ、入院患者数が前年度と比べ一五・八%、外来患者が一七・三%と減少いたしましたが、救急や手術を含め、全体として、他の医療機関では対応困難な患者や緊急度の高い患者には対応してまいりました。
○小林委員 コロナの影響で、一般医療を縮小せざるを得ず、患者数自体は減少したものの、他の医療機関では対応困難な患者や緊急度の高い患者には対応してきたということでございますが、コロナ病床を確保するため、一般医療を縮小するに当たってどのような対応を行ったのかお伺いをいたします。
○西山病院経営本部長 コロナ病床を確保するため、できる限り一般医療への影響を抑えながら、一般病床をコロナ病床に転用してございます。この際、継続的治療が必要ながん患者や複数の診療科での対応が必要な合併症の患者、周産期医療や精神科救急医療等の行政的医療の患者等については、引き続き都立病院で治療を行いました。
一方で、他の医療機関での治療が可能な場合には、患者さんに丁寧に説明をした上で、地域の医療機関や希望する病院などに転院をお願いいたしました。
こうした患者の個別の症状に合わせた丁寧な対応により、患者が必要な治療を受けられるよう取組を進めてまいりました。
○小林委員 都議会公明党は昨年五月、小池知事に対し、コロナ専用病院の開設を緊急要望し、十二月に、旧府中療育センターを改修し、都内二か所目のコロナ専用病院が整備をされました。
そこで、旧府中療育センターを活用し整備したコロナ専用病院について、これまでの取組内容や実績についてお伺いをいたします。
○西山病院経営本部長 コロナ専用医療施設は、令和二年十二月に開設し、当初の三十二床から段階的に病床を拡充し、本年二月から百床で運用してございます。
本施設は、多摩総合医療センターの病棟の一つとして位置づけまして、中等症及び軽症で、高齢者や介護が必要な方など、他の医療機関で受入れが困難な患者を対象に、開設以降、令和二年度延べ三千百五十六名の患者を受け入れました。
また、患者に重症化リスクが生じた場合に速やかに多摩総合医療センター本館へ搬送する体制を構築するとともに、本館で症状が回復したものの、引き続き入院加療が必要な患者を受け入れる後方支援病床の役割を果たしてまいりました。
こうした取組によりまして、多摩総合医療センター本館と連携しながら、より多くの患者の受入れに貢献をしてまいりました。
○小林委員 コロナ専用医療病院で働く医師、看護師は、全都立、公社病院及びがん検診センターからの派遣で確保したと聞いておりますが、今後も、有事に備えた人材確保は、重要な課題として取り組んでいく必要があります。
都立病院では、公社病院と一体となって、東京医師アカデミーや東京看護アカデミーを運営し、医師の育成、確保や専門性の高い看護師の資格取得支援などの取組を行っておりますが、令和二年度の医師アカデミーや看護アカデミーにおける医師、看護師の育成に関する取組状況についてお伺いいたします。
○西山病院経営本部長 都立病院ではこれまで、東京医師アカデミーや看護アカデミーなどの取組を通じて、医師や看護師を育成してまいりました。
医師アカデミーでは、令和二年度は、九十四名の医師がコースを修了し、このうち四十六名を都立病院及び公社病院で採用いたしました。他の医療機関等を含めますと、計七十四名、全体の約八割の修了生が、都内の病院を進路先としておりまして、東京の医療現場で活躍する医師を育成したものと思ってございます。
また、看護アカデミーでは、各分野において卓越した看護技術を有する看護師を育成するために、専門看護師や認定看護師の資格取得支援に取り組んでおりまして、令和二年度は、感染管理や救急、認知症看護などの分野において、専門、認定合わせて八名の看護師が新たに資格を取得いたしました。
○小林委員 今後においても、医師、看護師などの医療人材の育成、確保は喫緊の課題でありますので、引き続き、専門性の高い医療人材の輩出に取り組んでいただきたいと思います。
都立病院は、多くのコロナ患者を受け入れてきた実績とともに、都立病院への都民からの期待は高いものがあると、私自身も都民の皆様からのご相談をいただく中で実感をしております。
都立病院は、今後も、行政的医療を安定的かつ継続的に提供し、都民の期待に応えていくことが求められ、それには、安定的な病院運営を行っていく必要があります。
コロナの教訓を踏まえ、都立病院の今後の安定的な病院運営について、都の見解をお伺いします。
○西山病院経営本部長 都立病院に求められる役割を安定して果たしていくためには、経営基盤のさらなる強化が不可欠であり、とりわけ最前線で医療を提供する人材を弾力的に確保することが何よりも重要でございます。
コロナ対応を通じ、有事の際に即戦力となる医師や看護師を平時から多数確保するとともに、年度途中でも機動的に人員配置を行うことの重要性を改めて認識いたしました。
このため、独法化により、働きやすい勤務時間制度や専門性に着目した手当の支給など、法人独自の人事給与制度を構築し、良質な人材を安定的に確保していく、また、スケールメリットを生かした柔軟な人員配置を行い、より効果的な医療を安定的に提供していく、こうした取組を通じまして、安定的な病院運営を図り、将来にわたって都民の生命と健康を守るという使命を果たしてまいります。
○小林委員 安定的な病院運営の大事な礎の一つは、医療人材の確保であります。今、答弁にもありました機動的な人員配置、都民の命を守る人材の確保、育成に、今後ともしっかり取り組んでいただきたいと思います。
次に、交通局の事業についてお伺いします。
さきの分科会においても、コロナ禍における都営交通の決算状況について確認いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、電気事業を除く都営交通の四事業が経常赤字との答弁があったところであります。
特に高速電車事業においては、一日当たりの乗車人員は、前年度の二百八十三万人から百九十二万人と三二%減少、乗車料収入も前年度一千五百六十億円から千四十億円と、三三%の減少と聞いており、今後の経営の立て直しは重要な課題であります。
財政的な課題がある一方、都民の足である都営地下鉄の安全、安定した運行の確保の必要性は変わらず、殊に、地震や水害などの災害に備え、施設の対策を着実に進めていくことも重要であると考えます。
そこで、地下鉄施設の災害対策の取組状況についてお伺いいたします。
○内藤交通局長 都営地下鉄の耐震対策につきましては、阪神・淡路大震災を受けた対策を平成二十二年度に完了しております。
その後、東日本大震災を踏まえまして、早期の運行再開を図るため、さらなる対策として、高架部の橋脚及び地下部の中柱の補強を進めており、令和二年度は、都庁前駅の中柱など百六十九本の工事を実施し、累計で千六百九十二本、全体の約五割の補強を完了いたしました。
浸水対策につきましては、東海豪雨相当の降雨を想定した中小河川の対策を平成二十五年度に完了しております。
その後、水防法改正により降雨規模が大きく見直されたことから、追加対策に取り組んでおりまして、令和二年度は、二か所の出入口で止水板のかさ上げ等を実施しております。
さらに、荒川氾濫等大規模水害を含む対策の検討を進めているところでございます。
引き続き、都営地下鉄の災害対策を着実に進め、安全・安心の確保に万全を期してまいります。
○小林委員 自然災害に対する取組とともに、安全、安定した運行の確保のためには、施設の維持管理に向けた着実な取組も重要です。
私は、以前の決算委員会で、予防保全型管理による地下鉄構造物の長寿命化について質問しましたが、維持管理の推進に当たっては、財政面の負担軽減においても予防保全型管理を推進していくことが重要であると考えます。
そこで、都営交通における地下鉄構造物の長寿命化工事について、現在の取組状況についてお伺いいたします。
○内藤交通局長 地下鉄構造物の長寿命化につきましては、開業年度の古い浅草線及び三田線におきまして、予防保全型の管理手法に基づき、平成二十三年度より順次工事を進めております。
具体的には、トンネルの健全度を調査した上で、ひび割れ等からの漏水を遮断し鉄筋コンクリートの劣化を防ぐ漏水対策や、将来、トンネルの劣化が進行した際に剥落の可能性がある劣化部を未然に除去し修復する剥落対策などを実施しております。
令和二年度は、浅草線泉岳寺駅から新橋駅間や三田線白金高輪駅から御成門駅間など四件の工事を進めてございます。
実施に当たりましては、過去の工事におきまして、漏水が冬場に顕著になる傾向が明らかになったため、実際に漏水の状況を確認しながら、冬場に工事を施工することで、より確実に対策を行うこととしております。
○小林委員 今の答弁に、確実に対策をするための工夫をした事例がありましたが、こうした効率的、臨機応変な対応は大変大切でありますので、今後も工夫を凝らし、効果的な維持管理の取組を進めていただきたいと思います。
次に、地下鉄車内における安全確保策についてですが、この課題については、都議会公明党としてかねてから問題意識を持ち、平成十七年には、都議会公明党の提案を受け、都営新宿線に女性専用車両が導入されました。その後も、痴漢や迷惑行為を抑止する観点から、車両への防犯カメラの設置など、地下鉄利用者の安心につながる取組が進められていると認識をしております。
こうした中、小田急線や京王線で電車内での傷害事件が相次ぎ、改めて電車内の安全確保が課題となり、一昨日には、斉藤鉄夫国土交通大臣が、電車内での安全対策を確認するため、東京メトロの訓練センターを視察されたところであります。
そこで、都営地下鉄車内における傷害事件や痴漢、盗撮被害などに対する安全確保のための取組状況についてお伺いいたします。
○内藤交通局長 交通局では、誰もが安全に安心して都営地下鉄を利用できる環境を整備することが重要と考えております。
このため、車両更新に合わせまして、防犯カメラの設置を進めており、令和二年度は、浅草線七編成、大江戸線四編成に導入いたしました。
また、鉄道事業者や警察と連携し、痴漢撲滅キャンペーンを実施するなど、犯罪や迷惑行為の未然防止を図ってございます。
現在は、他社線の事件を踏まえ、緊急対応として、地下鉄全路線で巡回の体制を増強してございます。
また、都営地下鉄の全車両に非常通報器を設置しており、お客様に非常通報器による通報にご協力いただけるよう、ポスターやSNS等による周知に取り組んでいるところでございます。
加えまして、防護盾等、暴漢対策用具の配備を進めるなど、引き続き、お客様の安全確保に努めてまいります。
○小林委員 昨今は、想定を超えた予期せぬ事態が起こっている事実があります。国土交通省としても、一連の事件の課題について検証を進めると仄聞しております。また、視察した斉藤国土交通大臣は、非常時には、非常通報装置をちゅうちょなく使ってほしいとも呼びかけています。
都営地下鉄でも、いつ同様の事態が発生するか分かりませんので、国とも連携するなど、対策の強化を改めて要望させていただきます。
次に、都営バスにおける双子用ベビーカーの乗車における啓発活動についてお伺いします。
都議会公明党はこれまで、多胎育児のサポートを考える会の皆様と共に、双子用ベビーカーを折り畳まずにバスに乗車できる取扱いを、知事、交通局、東京バス協会、国土交通省などに積極的に働きかけてまいりました。
これを受け、都営バスでは、令和二年九月より、一部路線で試行を開始し、令和三年六月からは、全ての路線で双子用ベビーカーを折り畳まずに乗車できるようになりました。
また、六月には、東京バス協会に対して、民間バス事業者でも、速やかに同様の取扱いをするように要望したところでありますが、今般、東京バス協会から、今年度末までには、準備が整った事業者から順次双子用ベビーカーを折り畳まずにバスに乗車できる取扱いを開始していくとの回答をいただいたところであります。
このように、本取扱いが都営バス以外の民間バス事業者にも広がりを見せる中、双子用ベビーカーを利用する方々が安心してバスを利用できるようになるためには、バスを利用する周囲のほかのお客様の理解の浸透が重要であります。
そこで、双子用ベビーカーを利用する方以外の周囲の方の理解促進に向けた取組についてお伺いいたします。
○内藤交通局長 双子用ベビーカーをご利用の方をはじめ、全てのお客様に都営バスを安全、快適にご利用いただくためには、周囲の方々にも譲り合いなどのご配慮をお願いする必要がございます。
このため、ポスターやSNS等でお客様のご協力を呼びかけているほか、席を譲るシーンを盛り込んだ動画を作成いたしまして、バスや地下鉄の車内で放映するとともに、ユーチューブで発信しております。
また、利用方法の周知に加えまして、周囲のお客様へのご協力を呼びかけるリーフレットを作成し、バス車内や営業所のほか、関係局との連携の下、区役所や福祉施設の窓口等でも配布してございます。
動画やリーフレットにつきましては、他事業者の参考となりますよう、東京バス協会を通じて情報提供しており、今後とも、誰もが移動しやすい環境整備に積極的に取り組んでまいります。
○小林委員 局においても啓発活動に取り組んでいただいているとのことですが、引き続き、理解促進に向けた対応をお願いいたします。
様々な懸案事項がありますが、コロナ禍で経営状況が厳しい中にあっても、引き続き、乗客の安全やサービスを向上させる取組は進めていかねばなりません。
今後の都営交通の事業運営について見解をお伺いします。
○内藤交通局長 都営交通の乗客数は、新型コロナウイルス感染症の影響により大きく減少し、今後も、コロナ禍前の水準への回復が期待できない厳しい状況が続くと見込んでおります。
こうした中におきましても、何よりも優先すべきは安全・安心の確保であり、地震や水害などの災害への備えや、地下鉄車内におけるお客様の安全確保に資する取組を着実に推進してまいります。
また、誰もが便利で快適に都営交通をご利用いただけますよう、お客様の声を積極的に活用しながら、質の高いサービスの提供に努めてまいります。
これらの観点も踏まえまして、現在、次期経営計画の策定を進めており、今後とも、都民やお客様に一層信頼され、ご支持いただける都営交通を目指しまして、局一丸となって事業運営に取り組んでまいります。
○小林委員 さらなる安全・安心、快適な都営交通の構築に向けて、よろしくお願いをしたいと思います。
次に、水道事業についてお伺いをいたします。
都議会公明党はかねてより、将来にわたり安全でおいしい高品質な水を安定して供給するため、水道水源林を守り育て、豊かな自然環境を次世代に引き継ぐとともに、都民の皆様に水道水源林の重要性を理解していただくことが必要であると主張してまいりました。
実際に現地に足を運んでいただき、その重要性を理解してもらう取組も大切ですが、昨年は、コロナ禍にあって、そのようなこともままならなかったと思います。
そこで、令和二年度における水道局が実施した水源林の魅力発信の取組についてお伺いいたします。
○浜水道局長 水道局では、現地での水源林ツアーに代えて、自宅などで気軽に視聴できるよう、水道水源林の散策動画や解説動画を配信する、おうちで水源林ツアーを実施いたしました。これらは、職員自らが企画、出演し、撮影や編集まで行ったものであり、令和二年九月から合計九本の動画をホームページ上で配信いたしました。
配信開始から三か月間、感想を募集したところ、四百三十三件の声が寄せられました。その内容は、森の中を歩いているような気分になり自宅で手軽に散策を楽しめた、実際に行って自分の目で確かめたくなったなど好意的な感想が多数でございました。
○小林委員 本年三月に公表された東京水道経営プラン二〇二一にも、水源地保全の重要性に対する都民の理解を促進する取組が記載されておりますが、先ほど答弁のあったような成果を踏まえて、今後の水道水源林の魅力発信について見解をお伺いいたします。
○浜水道局長 水道局では、おうちで水源林ツアーに寄せられた感想等を踏まえ、引き続き水道水源林を楽しんでいただけるよう、季節ごとの散策動画等を配信するなど、ホームページの掲載内容を拡充いたしました。
また、水道水源林の特設サイトに動画コンテンツのプラットフォーム等を設けることによって、より見やすい通信環境での配信を検討しております。
この動画配信は、現地案内型のツアーが再開された後も継続し、実際に現地を訪れて自然を体感していただく現実体験と、いつでも自宅等で気軽に水道水源林を視聴できる疑似体験の双方で、水道水源林の魅力や重要性を発信することを検討しております。
○小林委員 魅力発信に向けて、ぜひとも充実した取組をお願いしたいと思います。
次に、水道局及び政策連携団体で構成する東京水道グループのコンプライアンスと人材育成の取組についてお伺いいたします。
水道局及び東京水道株式会社では、過去にコンプライアンス上の問題があり、都議会公明党としても、これまで課題を指摘し、対策の徹底を求めてまいりました。
都の水道事業は重要なライフラインであり、事業運営に当たっては、都民からの信頼を得ることが不可欠であり、過去の教訓を踏まえ、着実な取組が必要であります。
東京水道グループでは、情報管理の徹底やチェック機能の強化などの再発防止策を講じてきたと聞いておりますが、こうした取組の実効性を高めるためには、個々の職員、社員にまでコンプライアンス意識を浸透させていくとともに、真に有為な人材を育成していくことが重要であります。
そこで、東京水道グループのコンプライアンスの徹底と人材育成に対する取組について見解をお伺いいたします。
○浜水道局長 東京水道グループでは、お客様からの信頼確保に向け、グループを挙げてコンプライアンスの徹底や人材育成に取り組んでおります。
このため、令和二年度も、過去の不祥事や不適正事案を踏まえた再発防止策等を実施し、コンプライアンス重視の組織づくりを推進いたしました。
こうした取組の実施状況は、外部の有識者委員会に報告し、改善に向けた助言等をいただいております。
当局職員と政策連携団体社員に向けては、コンプライアンスや汚職等非行防止に関する悉皆研修を実施したほか、当局及び同社の幹部が事業所を訪問して意見交換を行うなど、一人一人の意識向上を図る取組を着実に推進いたしました。
○小林委員 重要なライフラインを担っているという責任感、使命感の下、誇りを持って水道事業を担っていく人材の育成にグループ全体で取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に、下水道事業についてお伺いします。
初めに、浸水対策についてですが、全国各地で甚大な風水害が毎年のように発生していることを踏まえると、いうまでもなく、浸水への備えを万全にしていくことが喫緊の課題であります。
東京においても、二年前の台風十九号、令和元年東日本台風が襲来し、広く都内でも激甚な豪雨をもたらし、多摩川の増水の影響による浸水被害などが発生しましたが、令和元年東日本台風の際には、下水道の雨水貯留施設全体の六割で雨水を貯留し、八か所の貯留施設で満水になるなど、浸水被害の軽減の効果が現れており、今後、さらに安全を確保していくためにも、対策の強化が求められます。
そこで、令和二年度の浸水対策の取組と貯留施設の整備状況についてお伺いいたします。
○神山下水道局長 下水道局では、東京都豪雨対策基本方針等に基づき、浸水の危険性が高い地区や浸水被害の影響が大きい大規模地下街など五十七地区で重点的に幹線や貯留施設等の整備を進めているところでございます。
令和二年度は、渋谷駅東口地区で、時間七十五ミリの降雨に対応する貯留量約四千立方メートルの貯留施設の整備が完了し、同年度末までに、累計二十五地区で事業を完了させました。これにより、区部全体で二十五メートルプール二千杯分に相当する合計六十万立方メートルの貯留施設が稼働しているところでございます。
引き続き、幹線や貯留施設等の整備を推進し、安全・安心の確保に全力で取り組んでまいります。
○小林委員 浸水対策に関しては、これまで、下水道局が開発し情報を公開してきた東京アメッシュは、どこでどのくらいの強さで雨が降っているかが一目で分かるもので、スマートフォンなどでも確認ができ、都民に向けた大事な情報発信の取組であると思います。
下水道事業において、こうしたICTの技術に加え、今後は、最新のAIなどの技術を研究、採用し、将来にわたり安定的な下水道事業を運営していくことが欠かせないと考えますが、取組状況についてお伺いいたします。
○神山下水道局長 下水道局では、降雨情報をリアルタイムで確認できる東京アメッシュやインターネットで閲覧できる下水道台帳情報システムなど、ICTを活用した取組に加えまして、AI等を活用した技術の開発に取り組んでいるところでございます。
具体的には、今後激甚化する豪雨に対して的確に対応していくため、東京アメッシュの降雨データなどをAIが解析し、雨水ポンプの運転操作を支援する技術について、政策連携団体である東京都下水道サービス株式会社や民間会社との共同研究を令和二年度に開始いたしました。
また、水再生センターの水処理工程においてAI技術を活用いたしまして、電力使用量削減と水質改善の両立を図る技術についても、令和元年度から研究開発を進めているところでございます。
引き続き、AI等を活用した技術の開発を進めまして、局が直面する課題を克服し、お客様サービスのさらなる向上に取り組んでまいります。
○小林委員 次に、エネルギー対策についてお伺いします。
今月十三日にかけ、イギリス、グラスゴーでCOP26が開催され、脱炭素化に向け、再生可能エネルギーの導入などの議論がなされました。
下水道事業は、水処理や汚泥処理の工程において大量のエネルギーを消費し、東京における消費電力の一%を占めており、下水道事業が率先して再生可能エネルギーの利用割合を高めていくことが重要な責務であると考えます。
そこで、これまでに下水道局で実施してきた再生可能エネルギーの導入状況と令和二年度の実績についてお伺いいたします。
○神山下水道局長 下水道局では、下水や下水汚泥が持つエネルギーの有効活用など、再生可能エネルギーの導入を進めてきております。
これまで、下水汚泥の処理過程で発生する消化ガスを利用した発電や下水熱を冷暖房用の熱源として活用する取組を実施してまいりました。
令和二年度は、多摩川上流水再生センターで、汚泥焼却時の廃熱を活用した発電設備を新たに稼働させセンター内の電力に利用するなど、再生可能エネルギーの活用を進めてまいりました。
令和二年度の再生可能エネルギーの実績は、一般家庭一万九千世帯分の一年間の電力使用量に相当いたします約二百四十テラジュールとなっております。
今後とも、再生可能エネルギーの導入を推進いたしまして、環境負荷の少ない都市の実現に貢献してまいります。
○小林委員 引き続き、再生可能エネルギーの活用をより一層進め、東京都下水道局の取組で日本の下水道事業における環境政策をリードしていくとの使命感で、今後も取り組んでいっていただきたいと思います。
次に、外濠浄化プロジェクトについて質問します。
都議会公明党は、玉川上水の上流から隅田川まで、河川水の導水で清流を復活させ、多摩地域から外堀、日本橋周辺まで水辺を楽しめる空間を創出する水と緑あふれる豊かな都市東京の実現を提言しています。
都は、これらを受けて、外濠浄化プロジェクトを未来の東京戦略に掲げ、外堀への導水に向けた取組を開始しておりますが、外濠浄化プロジェクトを進めるためには、降雨初期の特に汚れた下水が外堀に流入することの抑制が重要であります。
下水道局では、現在、地下に貯留施設を施工中ですが、令和二年度の施工状況と貯留を開始する見込みについてお伺いいたします。
○神山下水道局長 下水道局では、雨天時に合流式下水道から放流される汚濁負荷量を削減するため、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備など、合流式下水道の改善に取り組んでいるところでございます。
外堀の流域では、一万六千六百立方メートルに及ぶ貯留施設の整備を進めており、そのうち千八百立方メートルの貯留施設を平成二十六年度に稼働させているところでございます。
残りの一万四千八百立方メートルにつきましては、外堀通りの地下約五十メートルの深さに、貯留管本体の整備を昨年九月に完了しております。
今年度からは、降雨初期に外堀へ放流されている下水をこの貯留管へ取り込む施設の整備を進め、令和五年度末の貯留開始を予定しております。
引き続き、外堀の合流下水道の改善を着実に進めてまいります。
○小林委員 外濠浄化プロジェクトの推進に当たっては、水道局の取組も重要です。
都議会公明党は、昨年の予算特別委員会で、外堀の水質改善のために、玉川上水を導水路として活用する上で、下流部について速やかな調査、検証を行うことを求め、水道局長より、導水路としての活用について検討する旨の答弁を得たところであります。
そこで、水道局における玉川上水に関する調査について、令和二年度における調査検討の状況をお伺いいたします。
○浜水道局長 水道局は、杉並区内にある浅間橋から新宿駅西側付近までの約十キロメートルの調査を担当しており、令和二年度は、このうち開渠部の全区間約〇・五キロメートル、暗渠部の一部区間約〇・五キロメートルについて調査を実施いたしました。
開渠部では、流量が増大した場合、水路にどのような影響を与えるかについて検討し、一定量以上の水量を流す場合には、一部ののり面で補強が必要になることを確認いたしました。
暗渠部では、内部の劣化状況を調査し、一部のコンクリートに損傷を確認しました。また、沈下状況などを調査した結果、導水に支障を及ぼす沈下は認められませんでした。
これらの結果は、関係五局の庁内検討会にて共有しております。
○小林委員 都においては、施設の詳細調査を進め、外堀への導水に向けた基本計画を取りまとめるとともに、外堀通りの雨水貯留施設が完成する令和六年度以降は、外堀が、たまり水と同様になり、環境問題にもなりかねないことから、外堀の水質改善の早期実現に向けて、スピード感を持って積極的に取り組むよう、強く要望させていただきます。
次に、中央卸売市場について伺います。
新型コロナウイルス感染症は、中央卸売市場の運営に当たっても大きな影響を及ぼしたと思いますが、まず、都内の市場における令和二年度の感染者の発生状況と感染拡大防止対策について伺うとともに、あわせて、本年三月に公表した経営指針を踏まえ、ポストコロナを見据えた今後の市場経営の在り方について見解をお伺いします。
○河内中央卸売市場長 都内の中央卸売市場における令和二年度の感染者の発生状況と感染拡大防止対策についてでございますが、中央卸売市場が、コロナ禍におきましても生鮮品等を都民に安定的に供給する基幹的なインフラとしての役割を果たしていくためには、都と業界団体とが連携して感染拡大防止に取り組むことが必要でございます。
令和二年度における市場全体の感染者の発生状況につきましては、七月に最初の感染者を確認して以降、特に十一月から一月にかけて、主に大規模市場におきまして多数の感染者が確認されたところでございます。
こうした状況に対しまして、都は、正しいマスクの着用や手洗い、体調不良者の出勤抑制など、基本的な衛生対策を業界団体と共に着実に徹底してまいりました。また、業界団体が行う競り場の飛沫防止対策、体温測定装置の設置等による水際対策、スクリーニングなどの取組について、都も協力し、感染の拡大防止を図ってまいりました。
次に、ポストコロナを見据えた今後の市場経営の在り方についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の拡大は、都民生活や企業活動のほか、社会や人々の意識にも大きな変化をもたらしました。
中央卸売市場におきましては、生鮮品等流通の基幹的なインフラとしての事業継続性の強化やキャッシュレス、eコマースといった非接触、非対面の取組などへの対応が以前にも増して重要となりました。
令和二年度に策定した経営指針におきましては、流通環境をめぐるこうした諸課題に対しまして的確に対応するとともに、環境問題や地域共生などの多様な社会的要請にも応えられるよう、多面的な役割を果たしていくこととしております。
今後とも、市場業者と将来のビジョンや課題等の共有を図りながら、市場運営を行ってまいります。
○小林委員 今、答弁にもありましたが、市場業者と将来のビジョンや課題などの共有を図りながら市場運営を行っていくとのことでございますが、現在、豊洲市場におけるにぎわいを生むための観光施設、千客万来施設の建設が、当初の完成予定から大幅に遅れる見込みとの報道がなされております。
千客万来施設は、これまで都議会公明党が求めてきた重要なにぎわい施設でもありますので、都は、契約に基づいた約束が実施されるよう、関係各所と緊密に連携を取りながら、影響を及ぼすことのないよう、積極的な調整をお願いしたいと思います。
最後に、副知事にお伺いをさせていただきます。
公営企業は、都民生活と首都東京の都市活動を支える基幹ライフラインであり、新型コロナウイルス感染症という想定外の事態が起きている中においても、都民サービスに支障を及ぼすことがあってはなりません。
最後に、今後の公営企業の事業運営に関する副知事の見解をお伺いいたします。
○黒沼副知事 都の公営企業は、大都市全体のインフラを支える大動脈として重要な役割を担っており、事業運営に当たりましては、独立採算制の下、経済性の発揮と公共の福祉の増進を実現することが求められております。
公営企業が安定した事業運営を続けていくためには、創意工夫を凝らし、収入の確保を図るとともに、効率的な事業執行を徹底するなど、収入、支出両面から不断の見直しを続けていくことが必要でございます。
一方、新型コロナウイルス感染症が今後の社会経済活動に与える影響や、テレワークの推進などによる新たな生活様式の定着の状況もしっかりと見極める必要がございます。
こうした状況を踏まえまして、施設の整備や人材育成を着実に行い、事業運営基盤の強化を図るとともに、時代の要請を的確に捉えた施策を展開し、首都東京の重要なライフラインとしての使命を果たしていくことこそ、各公営企業の根源的な責務であると、このように認識をしております。
○小林委員 ありがとうございました。
今日まで、各局の皆様方には、本当に様々なご努力をいただいていることと思いますが、これからまだまだコロナとの闘いは続きますが、引き続き、公営企業の使命を再確認し、有事にあっても盤石な体制を構築していただくよう強くお願いをいたしまして、都議会公明党を代表しての質問を終わります。ありがとうございました。
○村松委員長 小林副委員長の発言は終わりました。
次に、里吉委員の発言を許します。
○里吉委員 日本共産党都議団を代表して、公営企業会計決算の全局質疑を行います。
まず、都立病院、公社病院の独法化について質問します。
都立病院、公社病院の独立行政法人化の方針について、知事が、二〇一九年十二月、第四回定例会で突然表明し、さらに、コロナの感染が急激に拡大する中で、三月に方針を決定したものです。
決算年度である二〇二〇年度、令和二年度は、都立病院も公社病院も、一年を通じて新型コロナウイルス感染症との闘いでしたが、この中で、都は、独立行政法人化の準備を進めてきました。
本日は、特に私の地元世田谷区にあります都立松沢病院での取組と独法化問題について質問をいたします。
まず、都立松沢病院について、この病院は、百四十二年の歴史ある精神科病院として、東京だけでなく日本の精神科医療をリードしてきました。この歴史の重さ、果たしてきた役割の重要性を、副知事はどのように認識していらっしゃるでしょうか伺います。
○黒沼副知事 松沢病院は、明治十二年に創立されて以来、東京における精神科医療の先駆的な役割を担ってまいりました。
現在も引き続き、精神科救急、精神科身体合併症など専門性の高い精神科医療を提供するとともに、他の医療機関や保健福祉施設等と密接な連携を推進することによりまして、地域の精神科医療の水準向上に貢献し、東京都における精神科医療の拠点として重要な役割を果たしている、このように認識をしております。
○里吉委員 今ご答弁にもありましたように、松沢病院は、専門性の高い精神科医療を提供する病院ですから、本当に多くの方々から頼りにされている病院です。同時に、他の医療機関では受入れが困難な患者の最後のとりでとしての役割を果たしているところが重要です。都立、公社病院の独立行政法人化の方針が出されてから今日まで、地元世田谷区はもちろん、多くの皆さんから、松沢病院の独法化はやめてほしいと声が広がっています。
ある当事者の方からは、私は松沢病院に何回も入院を繰り返しながら今まで何とか生きてきました、松沢病院がなかったら、今、生きているか分かりませんという声、また、当事者家族の方からも、精神疾患だけでなく、他の医療も受けられるのは松沢だけ、本当に頼りにしているなどなど、たくさんの声が寄せられています。
昨年来のコロナ禍では、精神疾患のある方や認知症のコロナ患者を松沢病院は積極的に受け入れ、都立病院として大きな役割を果たしてきました。その様子は、NHKのETV特集やハートネットTVなどで放送されました。私もどちらも見ましたけれども、精神疾患のある方のコロナ治療がいかに困難か、その中で、松沢病院がどれだけ大きな役割を果たしたかを一年間の丁寧な取材を通じて、本当に一つ一つ拾い上げた、そういう番組でした。
そこでまず、松沢病院では、昨年度の新型コロナウイルス感染症患者をどれくらい受け入れたのか、最初に受け入れたのはいつか、あわせて、福祉保健局からコロナ患者の受入れの要請があったのはいつ頃なのか、併せて伺います。
○西山病院経営本部長 令和二年度に、松沢病院では、疑いも含めて延べ三千六百八十九人のコロナ患者を受け入れました。
最初の受入れは、令和二年四月八日に、ほかの病院からの転院依頼により認知症の患者を受け入れました。
また、松沢病院において、福祉保健局からの依頼によるコロナ患者を受け入れたのは、令和二年五月からでございます。
○里吉委員 昨年の四月八日から、延べ三千六百八十九人のコロナ患者を受け入れたということでした。福祉保健局から要請が来る前に、既に他の病院からの要請で受け入れていたということも分かりました。実は、松沢病院では、「ダイヤモンドプリンセス」でコロナ感染が問題になっていた頃から、体制を変えて、二か月間かけて、コロナ患者の受入れの準備をしていたと伺いました。早くから迅速、柔軟な対応をしたことで、四月初旬から受け入れることができたわけです。
次に、重症者患者についてですが、松沢病院では、新型コロナウイルス感染症で重症となった患者の治療を行った実績はあるでしょうか。今年度まで含めた実績について伺います。
○西山病院経営本部長 感染者が急増した令和二年十二月二十八日から令和三年三月までの集計によりますと、延べ二十三人の実績がございます。
また、令和三年四月から十月までの実績の重症患者は、延べ四十四人でございました。
○里吉委員 昨年度から今年にかけて、第三波の時期だと思うんですけれども、二十三人の重症者の方を受け入れた、また、今年夏の第五波では、それを上回る四十四人の重症者を引き受けていたということです。
昨年、集中治療医学会が出した声明では、重症化した新型コロナ患者の治療は、通常のICUの約四倍のマンパワーが必要だとしています。ふだんから合併症医療を行っているとはいえ、もともと職員の少ない精神科病院で重症患者の治療を行うことは本当に大変なことです。
都立、公社病院のコロナ対応で、独法化しなければ解決できない重大な不都合が何かあったのかという我が党の代表質問に、都は答えることができませんでした。何ら不都合はないのです。それどころか、松沢病院では、先進的なこうした様々な仕事を行ってきたのです。様々な精神疾患、統合失調症、認知症、知的障害の方など、コロナ患者の中でも、松沢病院に入院してくる方は、皆さん一般の病院では受け入れてもらえない方です。それでも、松沢病院に入院できればよい方で、精神科病院に入院している方で、コロナの治療のために転院ができずに亡くなった方は、日本精神科病院協会の調査で、分かっているだけで二百三十五人にも上ります。
ここで一つ伺いますが、病院経営本部が今年十一月にまとめた文書で、松沢病院は、独法化後、地域の医療機関への技術支援を行うとしていますが、これは、今、見てきたように、独法化しなくてもできることではありませんか。伺います。
○西山病院経営本部長 松沢病院では、今回のコロナ禍において、クラスターが発生した医療機関、高齢施設等に対して、医師や感染管理認定看護師等が、施設のゾーニングや防護具の着脱等の管理対策について、半日から一日かけての研修を行いました。
独法化後は、民間医療機関等とも柔軟な人材交流も可能となるため、相手方の施設の職員として、例えば、身分を併せ持つ形で、医療行為や看護行為が可能となるほか、一定期間派遣することで、改善状況の確認なども含め、より相手のニーズや状況に応じた支援が可能となると考えてございます。
○里吉委員 今ご説明いただいたゾーニングですとか、防護服の着脱などといった感染拡大防止の指導ですね、これを行う上では、都立病院のままでも何ら問題なかったということです。本当に丁寧にこういうことをやってきて、でき得る限りの患者を受け入れながら、それだけでなく、コロナ患者を出してしまった精神科病院のクラスターへの支援まで積極的に行ってきた、これすごいことだと思うんですよね。なかなかできないことだと思います。でも、都立病院としてこういうことをやってきました。
私は、これは都立病院で十分できたし、何ら不都合はなかったというふうに思うんですね。
改めて、都立松沢病院は、こうした支援を積極的になぜ行ったのか、行うことができたのか、お答えいただきたいと思います。
○西山病院経営本部長 都立病院の役割は、行政的医療の提供と地域医療の充実への貢献でございまして、松沢病院は、地域の感染拡大防止の観点から、施設等の支援を行いました。また、職員がこれまでに培ってきた知識やノウハウを活用することで対応できたと認識しております。
先ほどご答弁申し上げましたとおり、研修等については、現在でも可能でございますが、独法化後は、より民間医療機関とも柔軟な人材交流が可能となるため、より深い支援ができるというふうに考えてございます。
○里吉委員 本当に、民間ではない独立行政法人化になって新たにできることって、長期間にわたって支援に行くだとか、そういう話を私も聞きましたけれども、今回、本当に、もう何回も何回も、ちょこちょこちょこちょこ通っているんですよ、一日とか、半日とか。自分の病院の治療をしながらですよ。それは、長期間通うというのはなかなか逆にできないんじゃないかなと、こういう現場では。というふうに思います。
ちょっと話を進めますけれども、本当に幾つもの精神科病院で、クラスター、発生しているんです。マスクをしてくださいとか、手洗いちゃんとしましょうといっても、なかなかできないということがあったり、密の状態を避けられない病院の状況があったり、なかなか思うように、きちんとした感染症予防の指導が入りにくいということもあったというふうに伺っています。
この病院に支援に入っていたときの病院のホームページにも出ていますけれども、当時の院長のコラム、最近は、クラスター発生予防の目的で、感染防護対策チェックのために、民間病院からも要請を受けることがある、公務員冥利に尽きるとありました。コロナ禍の中で、松沢病院は、昨年六月以来、クラスターコントロールがうまくできない病院に、内科、精神科の医師、感染管理専門の看護師、PSW、精神科のソーシャルワーカーですね、そのメンバーから成る松沢病院コロナチームを派遣し、現地で先方の病院職員と協議し、患者の受入れスケジュールを決め、先方が対応できる範囲でゾーニング等の感染防止の手伝いをしてきたそうです。
東京都は、クラスターが発生した施設等に、さっきもお話ありましたけど、感染管理の専門の看護師を派遣して、感染防止拡大に向けて技術支援することなどを検討しているということでしたけれども、松沢病院では、既にここまで柔軟にできている。職員がこれまで培ってきた知識やノウハウを活用して、対応できていたという点も重要だと思います。
先日、独法化に向けて中期目標を議論していた地方独立行政法人評価委員会では、むしろ職員が働き続けることを問題視する発言がありました。公務員の看護師さんたちは、新陳代謝があまりない、ずっと働いている方が多い、年をとっても辞めないような方々がいらっしゃる、こういう発言なんですね。実際、独法化をして、給与制度を変更すると、働き続けても給与が上がらないようになるという話は私もよく聞くんですが、こうなるとどうなるか。独法化を議論した都立病院経営委員会では、都立墨東病院と首都圏にある独立行政法人の病院との比較をしているんですね。これを見ますと、独立行政法人の病院の看護師の平均年齢は二九・九歳、平均勤続年数は六・一年なんですよ。ここまで短いと、培った知識やノウハウを生かした対応は、逆に困難になるんじゃないかと私は思うんですね。
今回の話を私いろいろ聞いてきたんですけれども、病院では、昼夜分かたず働き、その上、ほかの病院に出かけていって支援する、それがずっと続いていたわけです。病院の看護師さんに話を聞きましたけれども、精神科病院のクラスターが出るたびに出かけていったように思えると、そういうふうに見えたと、本当にいろんな病院のクラスター状況の報告を受けたといっていました。
私、ここで指摘したいのが、現場でこれだけ大変な状況が続いているときに、これだけ頑張っているときに、昨年度、東京都は、独法化に向けた準備をとにかく進めていたということなんです。
なぜ、このときにここまで急いで進めなければいけないのかと、私は理解に苦しむ、理解できませんが、伺いますけれども、昨年度、独法化の準備のために、病院長や病院の幹部職員などが参加する会議は何回行われたか、どのようなメンバーが対象で、どのような内容だったのか伺います。
○西山病院経営本部長 各病院の医療機能強化等の取組の検討の依頼のほか、人事給与制度の考え方や案、地方独立行政法人への移行に向けた検討状況についての職員への周知の依頼などにつきまして、月一回程度、ウェブ上で院長や事務局長に対して説明や連絡を行いました。
○里吉委員 元松沢病院の院長で、今、名誉院長ですけれども、齋藤先生が、この忙しいときに独法、独法と何をやっているんだと思ったとおっしゃっていました。忙しくても、独法化の会議だけはやるんだとおっしゃっていましたけれども、多くの都立病院が、必死でコロナ禍で大変だったときも、本当に月一回も会議をやっていたということで驚きです。
具体的に、いつ開催したのか、今年度も含めてお答えください。
○西山病院経営本部長 令和二年度は、四月、五月、六月、七月、十月、十一月、十二月、一月、三月に説明を行いました。
今年度は一、二か月程度に一回程度、説明を行ってございます。
○里吉委員 今お答えありませんでしたけど、今年度は、四月、六月、八月、九月、十一月と会議をやっているということなんです。本当に驚きです。十二月、一月といったら、第三波のただ中です。さらに、第五波のただ中の八月にも行っている。東京都が定款を議会に提出すると決めたのも八月でしたが、今年度もそのときも含めて、本当にコンスタントに会議を行っていたということが分かりました。しかも、各病院の取組の検討を依頼したということは、それを受けて病院側も検討する仕事が増えたということなんですよね。ほかに対応しなければいけないことや考えなければいけないことが山ほどあるのに、なぜ独法化の準備のための会議かと、私も本当にそう思います。
こういう中で、本当に独法化を進めていくということについて、多くの皆さんから心配の声が出ているわけですが、コロナとも関連して、ちょっと重要な合併症医療についても伺いたいと思うんですね。
松沢病院の特徴の一つでもありますけれども、精神科身体合併症医療、行政医療の一つとして行っています。精神疾患の方が、がんなどの他の病気になったり、骨折などしたときに、ほとんどの精神科病院は、精神科のお医者さんしかいませんので、内科や外科などの医師がいて、治療ができる松沢病院に転院をしてくるわけです。
東京都は、松沢病院が、この精神科身体合併症医療で果たしている役割についてどのように評価しているのか、改めて伺います。
○西山病院経営本部長 松沢病院では、精神疾患による不穏、興奮等の症状があり、一般医療機関の整形外科等で治療することが困難な精神科身体合併症患者を積極的に受け入れてございます。
都立病院は、こうした行政的医療を提供するという重要な役割を担っていると認識してございます。
○里吉委員 積極的に受け入れているという答弁がありました。
松沢病院、本当に積極的に受け入れていると思います。なぜなら、本当に多くの場合、ほかの病院、総合病院で受け入れてもらえないからです。精神科の患者さんだって、ほかの病気になったり、骨折することはあるでしょう。でも、精神疾患があると、入院させてもらえないんですね、そういう場合がほとんどです。そして、松沢病院は、ふだんから合併症医療も行っているからこそ、コロナ患者の受入れもできたんだと思うんです。
精神科医療のいろいろな取材を全国でしてきた方からお話を聞いたんですけれども、他県の精神科病院はもっと深刻で、松沢病院のような精神科身体合併症医療を行ってくれるところが本当に少ないので、助かる命も助からない、こういう例がたくさんあったということでした。
コロナに限っても、先ほども紹介しましたけれども、精神科病院から転院できなくて、コロナ治療ができなくて亡くなった方、二百人以上いたわけですから、本当に深刻なわけですね。
なぜ、こんなに精神科身体合併症の医療、これが少ないのかといいますと、やっぱり不採算部門だからだと思うんですね。松沢病院でも、精神科身体合併症医療が最も不採算だといわれていました。
この不採算となってしまう理由はなぜなのか、改めて伺います。
○西山病院経営本部長 精神科身体合併症医療は、多くのスタッフが必要となり、また、入院期間が長く、診療報酬も低いことなどから、採算の確保が難しいと認識してございます。
○里吉委員 そうなんです。総合病院だったら、十対一とか七対一の看護基準を取得できるんですが、合併症だと、在院日数の基準を満たせないので、低い診療報酬基準しか取れないわけです。ご答弁にもありましたけれども、精神疾患のある方ですから、他の病気になれば、身体の先生、ほかの先生と精神科の先生、二人体制で見なければならないわけです。
松沢病院でお話を聞いてきたんですけれども、骨折を入院先の病院が見落としていて、転院先も見つからずに、松沢病院に来たときは、骨折から何週間もたった後だった、こういうケースもあったそうです。そうなると、すぐに骨折の手術はできず、手術をするための体の状態に戻してから手術、そして、やはりすぐには退院することができない、長期間入院しなきゃいけないということで、本当にすごく手間暇もかかるけれども、不採算部門だということで、齋藤先生、こういう部分はちゃんと税金で見てほしいということもおっしゃっていましたけれども、本当にこういうことがたくさんあるんですね。
先ほども話しましたコロナで忙しい中、各病院に協力させて、独法化の準備として作成したものが、多分、この昨年十一月に出された都立病院、公社病院の地方独立行政法人への移行に向けた検討状況についてというものではないかと思うんですが、松沢病院について見てみますと、精神科身体合併症の受入体制強化というふうに書かれています。
そこで、改めて伺いますが、精神科身体合併症の受入体制の強化は、独法化しないと強化できないものなのでしょうか伺います。
○西山病院経営本部長 独法化の目的は、超高齢社会の本格化など医療課題がさらに深刻化していく中でも、行政的医療の安定的な提供などの役割を将来にわたって続けることでございます。
松沢病院では、精神科身体合併症になってございますが、これはまさに行政的医療でありまして、これから独法化のメリットを生かして、さらに医療ニーズに合わせて充実強化を図ってまいります。
○里吉委員 メリットがよく分からなかったんですけれども、独法化しないと強化できないっていうことについてちょっとお答えがなかったように思うんですよね。私、これ、松沢病院が出している松沢病院通信というのを見たんですけれども、これを見ると、今、着実に松沢病院、精神科身体合併症の受入体制、強化されているんですよね、都立病院ですけれども、今。内科や外科の二人の気鋭の医師も着任したとあります。医師もちゃんと確保できていますし、それから、目標もきちんと立てて、がん治療だとか、それから、糖尿病診断の強化だとか、四つの目標も設定して、独法化しなくても、今、ここまでやっているんだなと、身体合併症患者の地域連携についてとか、こういう患者さんを受け入れますよってことが、すごく細かく書いてありますけれども、独法化しなくても、今、本当に現場で先生たち頑張って、つまり、松沢でしか受け入れられない患者さんですから、ほかの病院では診てもらえない、精神疾患があるというだけで、総合病院では診てもらえない、なので、おうちからも入院してくるそうですけれども、ほかの総合病院からも転院してくる、ほかの精神科病院からも転院してくる、全部集まってくるんですよ、松沢病院にね、東京でいえば。これは本当に大事だということで、今、既に松沢病院は、総力を挙げて、都立病院としてできている、独法化しなくても十分強化できるというふうにいえると思います。
次に、退院促進、入院されている精神疾患の患者さんを退院させるというこの支援についても伺いたいんですが、これは、長期間入院している方が、長期に入院しているために社会に出て生活できなくなってしまう方や、親や親戚など頼る家族がいないために戻る家がない方に対して、それから、訓練しないと地域で暮らせないということで、そういう方に行うと。私も以前、松沢病院でお話を聞いたことがあるんですが、家を一緒に探すために不動産屋さんを回ったり、病院内の生活訓練室というアパートの一室みたいなところで生活訓練をしたり、買物の仕方、公共交通の乗り方、料理、洗濯、一人で生活ができるように支援していくというのを、当時、お話を伺ったことがあります。大変、手間と時間がかかる仕事だなというふうに思いました。最近は、精神障害のためのグループホームもできているので、そこで生活するための支援もするということも伺いました。
私は、松沢病院の近くに住んでおりますので、こうした支援を受けて地域で暮らしている方を何人も知っていますが、退院後も、具合が悪くなれば、再度入院して体調を整えて、先ほどのお話しした方もそうですけれども、入退院を繰り返しながら、地域での生活に移行していく、こういう方が何人もいらっしゃるんですね。
こういう方々にとって、本当に松沢病院の退院促進の支援、大事な支援だと思いますが、この退院促進の支援について、果たしている重要な役割についてどのように認識していらっしゃるか伺います。
○西山病院経営本部長 松沢病院においては、平成十五年度に社会復帰支援室を設置し、長期入院患者の退院促進に取り組んでまいりました。
社会復帰支援室は、多職種の職員が地域の様々な機関と連携することで、精神疾患を持つ患者が早期に退院し安心して地域で暮らせるよう、機能を担っていると認識してございます。
○里吉委員 今、支援の説明をしていただきましたけれども、重要性を認識しているのか、今の答弁ではよく分かりませんでした。さっきもお話ししましたけれども、退院したら終わりじゃないんですよね。その後もずっと長く、その方が地域でトラブルやストレスから具合が悪くなったときの対応も含めて行っていく。ですから、松沢病院がある私が住んでいる地域などは、その近くのアパートとかグループホームに、たくさんの方が、すぐに病院に行けるということで、たくさん暮らしていらっしゃるんです。そういう意味では、本当に頼りになる病院で、独法化した後、そうした支援が本当にちゃんとできるのか、入院して、落ち着くまでちゃんと治療してもらって退院する、長期の入院も含めてできるのか、同じようにいかないんじゃないかという心配がすごくあるわけなんです。
それで、先にといいますか、一つ例を申し上げますと、独法化された国立精神・神経センターで働いている方からお話を伺いました。もともと民間では賄えない採算性の悪い患者の受入れを含め、六百四十三が精神科病棟だったと。これが独法化によって三分の一以下になる一方、採算の取れる医療観察法病床や一般病床へと次々と変えていった、その結果、近年では、採算性の悪い患者の受入れを敬遠するようになってきているということだったんですね。
松沢病院の前院長である齋藤名誉院長は、病院の経営を考えれば、都立と独立法人では同じとはいかない、独法化を正当化できるとしたら、財政支出を減らして、よりよいサービスができるということだけれども、東京都は減らさないといっているのは本当に不思議だ、以前、私たちがお話を聞いたときは、独法化について聞かれたとき、淡々とやるしかないといったと思うが、今は分からない、なぜ、これでうまくいくのか分からないとおっしゃっていました。
東京都は、病院への財政支出の削減が目的ではないという一点張りですが、正直に説明せずに、ひたすらばら色に描くのは、本当に不誠実だと思います。既に独法化された病院を見れば明らかなように、独法化されれば、経営効率が優先され、不採算部門の縮小など、医療の後退につながります。
また、都立松沢病院はこれまで、東京における精神科医療の先駆的役割を果たし、都直営の都立病院として、東京都の他の部門とも協力しながら、東京都の精神保健医療政策を引き上げる役割を担ってきたと思います。着実にこれを担ってきた。
しかし、松沢病院の経営形態が、都直営から独立行政法人に変わることは、他の行政部門から切り離されることになり、東京都全体の精神科医療の水準の後退にもつながると。これは、松沢病院に限ったことではなく、都立病院が直営であることの大きな意味がここにあるというふうに思います。
改めて、都立病院、公社病院の独法化の中止を求めて、この質問は終わります。
次に、公営企業三局の気候危機問題を質問しようと思ったんですけれども、大分ほかの質問と重なっていますので、少し割愛しながら質問していきたいと思います。
私が質問したいのは、水道局、下水道局、そして交通局の気候危機対策について伺いたいと思います。
気候危機と呼ぶべき非常事態が起こっています。既に世界各地で、異常な豪雨、台風、猛暑、森林火災などが起こっています。大問題になっています。国連IPCC一・五度特別報告書、二〇一八年十月に出されたものですが、二〇三〇年までに大気中への温室効果ガスの排出を二〇一〇年比で四五%削減し、二〇五〇年までに実質ゼロを達成できないと、世界の平均気温の上昇を、産業革命前に比して一・五度まで抑えることができないということを明らかにしました。
東京都は、ゼロエミッション東京戦略をまとめ、今年三月に、二〇二〇 Update&Reportを発表しました。そこにはこう書かれています。
コロナ禍を乗り越え、未来に向けて、今、行動を加速するとして、二〇五〇年CO2排出実質ゼロの実現に向けて、二〇三〇年までの十年の行動は極めて重要です、二〇三〇年カーボンハーフ、そして、二〇五〇年実質ゼロの実現には、あらゆる分野において、全方位で脱炭素行動を加速させていく必要があると述べています。そういう意味では、これまでも議論がありましたけれども、公営企業のそれぞれの局でも、今までの延長線上ではない取組が求められると思います。
水道局から質問していきたいと思います。
水道局は、水をつくり、届ける過程で、都内の使用電力量の約一%に当たる年間約八億キロワットアワーという大量のエネルギーを消費しているということで、この水道局の昨年度の再エネ、省エネの取組内容について伺います。
○浜水道局長 水道局では、令和二年三月に策定した東京都水道局環境五か年計画二〇二〇−二〇二四に基づき、省エネルギー化の推進や再生可能エネルギーの導入拡大など、環境負荷の低減に取り組んでおります。
本計画の初年度である令和二年度には、玉川給水所に省エネ型ポンプを二台導入するとともに、金町浄水場及び上北台給水所に、計百八十九キロワットの太陽光発電設備を設置するなど、着実に取組を進めております。
○里吉委員 着実にいろいろ取り組んでいるということで、私も読ませていただきましたが、省エネ型ポンプは、五年間で二十台以上購入とか、太陽光発電設備についても、ほかにもどんどん進めているということが書かれておりました。
東京都のキャップ・アンド・トレードの制度でも、きちんと目標達成していると、二十の事業所で、ということも確認させていただきました。
私、水道局の事業で一点お伺いしたいのが、水道水源林の保全、機能向上、この事業は、水道水源を保全するということもあるんですけれども、CO2の吸収という大事な役割を果たしております。
そこで、この水道水源林の昨年度の保全作業実績とCO2吸収効果について伺いたいと思います。
○浜水道局長 水道局では、多摩川上流域に、約二万五千ヘクタールの水道水源林を保有しております。
この水道水源林を健全な状態に育成し、管理するため、令和二年度は、間伐や枝打ちなどの森林保全作業を約六百ヘクタールで実施いたしました。
これらの森林保全作業等を通じて、広大な水道水源林を適切に管理することにより、年間約二万三千トンの二酸化炭素を吸収しており、地球温暖化の防止に貢献しております。
○里吉委員 お話を聞きますと、荒廃の進んだ森林が増える中で、さらに民有林も積極的に購入するために努力しているということでした。森林の機能回復に向けて重要な事業だと思いますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
次に、下水道局について伺います。
これは、アースプラン二〇一七で、削減目標を達成したという話が先ほどありました。私、改めて、この要因の一つ、一酸化二窒素の削減に成功したことが、温室効果ガス削減の目標を達成した大きな一因だと思うんですけれども、この取組についてだけ伺いたいと思います。
○神山下水道局長 下水道局では、埋立処分場の延命化などを目的に、下水汚泥を全量焼却処分して埋立量を減らしておりまして、汚泥焼却時に、二酸化炭素の三百倍の温室効果を持つ一酸化二窒素が発生しております。
このため、汚泥焼却時の燃焼温度を従来の焼却炉に比べて高温化することで、一酸化二窒素の発生を大幅に削減できる焼却炉の導入を、再構築に合わせて進めているところでございます。
○里吉委員 具体的に、温室効果、CO2の三百倍近く出すという物質について取り組まれているというお話で、これはさらに進めていただきたいと思いました。
次に、交通局についても一問だけ伺いますが、鉄道やバスなど公共交通機関は、環境に優しい交通手段で、ぜひ利用促進に向けて取り組んでいただきたいと思うんですが、一方、それを進めると、やっぱり電気をたくさん使ってしまうということで、環境負荷を増やしてしまうということなんです。
それで、東京都が行っている環境確保条例で、都内で二百台以上の自動車を使用する事業所に対して、特定低公害、低燃費車の導入義務を課していますけれども、これについて、都営バスの達成状況を伺いたいと思います。
○内藤交通局長 交通局ではこれまでも、最新の排出ガス規制や燃費基準に適合したバス車両の購入を進めてまいりました。
令和二年度末における保有車両千五百三十四両は、全て導入時点の最新の規制に適合した低公害車であり、このうち、特定低公害、低燃費車が、燃料電池バス七十両、ディーゼルバス四百五十三両、計五百二十三両でございます。
この車両数を基に、条例で定められた方法により導入率を算定いたしますと、約四三%となりまして、条例上の義務である一五%を大きく上回っている状況にございます。
○里吉委員 三局とも、今年の三月に決めた東京ゼロエミ戦略の目標に引き上げて、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問終わります。
○村松委員長 里吉委員の発言は終わりました。
次に、宮瀬理事の発言を許します。
○宮瀬委員 このたびの質疑に当たりまして、今回、知事がご欠席されているわけでありますけれども、まず最初に確認いたしますが、副知事は、常に小池知事と意思疎通を図り、課題意識や共通見解というものは、副知事の答弁は知事の答弁と同じと考えてもよろしいでしょうか。
○武市副知事 都知事と、議会の選任の同意をいただき都知事が選任した四名の副知事は、庁議や重要案件のブリーフィング、常日頃からの意見交換などを通じて、都政運営に関する考え方を共有しております。
東京都の推進している事業に関する質問につきましては、知事に代わって副知事から答弁することは可能であり、本日も副知事が都を代表して答弁をしております。
ただし、知事の政治信条など政治家として答弁するものにつきましては、当然のことでございますが、副知事がお答えする性質のものではございません。
○宮瀬委員 確認できました。
それでは、まず、がん対策からお伺いしたいと思います。
コロナで亡くなった都民は、延べ約三千人でございますが、がんは年間三・五万人です。今、健康診断やがん検診控えが懸念されておりまして、それぞれ七掛け、六掛けまで落ち込みました。
そこで、私は、がん対策として、血液一滴で十三種類のがんが精度九九%、診断結果まで二時間、費用は二万円で済む取組を提案し続けてきました。都には、臨床研究に取り組むべきと、二月に質問しましたが、病院経営本部からは、新たながんの検診方法や治療法の開発など、都立病院における臨床研究を推進するとのご答弁がありました。
改めて、進捗をお伺いいたします。
○西山病院経営本部長 がんの早期発見に資する正確で迅速な診断方法の確立や新たな治療法の開発等には、臨床研究が重要でございます。
都立病院においては、駒込病院を中心に、東京都医学総合研究所をはじめとする研究機関との連携も図りながら、がんに関する臨床研究に取り組んでございます。
また、最先端の研究では、例えば、新たながん診断方法の開発のため、国立がん研究センターが、令和二年十二月から、血液中マイクロRNAがんマーカーの乳がん検診への応用について検証する大規模臨床試験を、愛媛県など四道県の住民検診を活用して実施してございます。
今後も、こうした研究の動向も注視しながら、がんに関する最新の臨床研究への協力の可能性について情報収集をしてまいります。
○宮瀬委員 ついに乳がんで大規模臨床試験が始まったということでありますので、都民が一番がんで命を落としているわけであります。ぜひ、さらに積極的なご協力を強く要望いたします。
次に、医療でございます。
知事は、ツイッターで、豊島、荏原、広尾の病院を実質コロナ専用病院とする旨の、こちら(パネルを示す)印刷させていただきましたが、一月十四日にこういったツイッターを出しました。転院が必要となる妊婦には、出産費用や紹介料の差額分を都が負担して、安心して出産できるよう努めると明言されましたが、私、実態を全て現場で確認いたしましたが、支援を行っているのは広尾だけでありました。ほかの二病院での転院は、妊婦側の自己都合とされ、支援がゼロ。その理由として、二病院では、地域事情に加え、消毒や通路分離など感染対策が十分であることが、産科を継続する理由とのことでありました。
しかし、私が実際に現場を確認いたしますと、入り口で手の消毒をせずとも素通りができたり、体温チェックどころか入り口に誰も人がいない病院すらありました。こちらのパネルを用意させていただいていますが、こちらの荏原病院と豊島病院、こちらの玄関の方に一人もいないのが荏原です。また、豊島の方は玄関の扉の外側に消毒のポイントがあって、実際、消毒したかどうか分からない、消毒しないで入っていく人も、私も何人も見ました。こういったことが行われていて、私は、都に対しまして、事実確認を求めました。そうしましたら、都が、体温測定や手指消毒をせず通過することがないよう、声かけ等の徹底を図っておりますと。また、動線もしっかりやっていますとの答弁でありましたが、私、現場でこのものを見て、実際に感染対策をちゃんとやっているのかどうかの事実確認を問うたわけですが、その答弁が、対策を図っているというご答弁でした。
まず、この状況について、実態と答弁が違うことについて見解を求めます。
○西山病院経営本部長 都立病院では、感染症専門医等の知見を生かしながら、一般患者とコロナ患者の動線を分離し、一般患者の出入口では、来院者の体温計測や手指消毒を行うなど院内対策を行ってまいりました。
全ての出入口で常時来院者の状況を確認している状態ではなかったため、ご指摘も踏まえ、改めて各病院に対して、来院者が体温計測や手指消毒をせず院内に入ることがないよう、職員等による確認や声かけなどの徹底を図りました。
本年、東京都議会第一回定例会一般質問における答弁につきましては、その徹底を図った事実に基づいてお答えしたものと認識してございます。
○宮瀬委員 これ、都立の病院の広尾病院も同じ状況で、人がいないといったことがございました。
今の答弁で、事実を認めるんですかということに対しまして、その答えがなく、全ての出入口で、常時来院者の状況を確認している状態ではなかったとだけありまして、いまだ感染対策の徹底がなされていなかった事実をお認めになっておりません。写真があって、現場に行って私、動画はこの委員会では流せない仕組みですけれども、動画も撮っているわけであります。百歩譲って、これは多分、同じことを聞いても、お認めにならない答弁が続くと思っておりますので、百歩譲ってですね、今は対策をしっかり行っているといったことと少なくとも受けるわけでありますが、そこで、私は、先週、広尾病院に改めて足を運んでまいりました。(パネルを示す)こちら、出入口の正面玄関でありますが、こちら、人が一人いらっしゃったんですが、その方が受付で、その受付対応をしているときは、人がどんどん入ってしまうような状態でありました。この写真を撮ったときは、人がいないときでありました。
こういった形が、都立病院の方でも、いまだに行われているといったことが続いているわけでありますから、さきの本会議で聞いた状況と、やはり改めて答弁と実態が違うのではないかと思いますけれども、見解を伺います。
○西山病院経営本部長 繰り返しのご答弁になりますけれども、全ての出入口で常時来院者の状況を確認している状態がなかったため、改めて各病院に、職員等による確認や声かけの徹底を図ったものでございます。
なお、広尾病院につきましては、複数の配置をしているというふうに伺っておりますが、そのときどういう状況だったかということについては、私としては、本部としては、確認している状況ではございません。
○宮瀬委員 私は、現場に行って、一時間ほど現場の職員さんともお話ししたりしていましたよ。やっぱりやっていないということではいっていないです。でも、こうやって抜け漏れがあって、実際に人が消毒をしない、そして、そのまま通っていく人もたくさんいらっしゃったわけであります。この事実をやっぱり自分の目で見ていただいて、どうなっているのか、やっぱり現場に行っていないから、そういった形になるんじゃないでしょうか。厳しく指摘させていただきたいと思います。
そういった状況の中で、こういった感染対策の不徹底がどのような結果を招いたのか。今年の十月三十一日付で、数字をちょっと局にまとめていただいた表があります。広尾と墨東病院が延べ一万二千人ほどのコロナウイルス患者を受け入れているんですけれども、両病院とも、院内感染が二十三人、二十三です。亡くなった方も、広尾が九、墨東病院が七名であります。こういった状況が起きているんですけれども、多摩総合医療センターは、院内感染がゼロであるわけであります。
今いった数字、相違がないかどうか確認させていただき、また、どのような対策を取っていたのか、この状況をどう認識しているのかお伺いいたします。
○西山病院経営本部長 都立病院におきましては、新型コロナウイルス感染症患者の受入れに当たりまして、感染症専用病棟を設け、ゾーニングを明確化するとともに、検査機器の使い分け、高頻度接触面の頻回な消毒など、感染管理を徹底してございます。
また、医療従事者につきましては、国立感染症研究所が作成をいたしました新型コロナウイルス感染症に対する感染管理等に基づきまして、マスクの着用や手指衛生等の標準予防策の徹底、適切な防護具の着用などを実施してございます。
さらに、患者に対しても、マスクの着用や手指衛生をお願いするとともに、感染状況に応じて、面会制限などの対応を取ってまいりました。
都立病院の職員や患者が感染し、患者がお亡くなりになったことについて、重く受け止めてございます。
引き続き、感染管理の徹底に努めてまいります。
○宮瀬委員 対策、今、患者にもマスク着用や手指消毒、衛生という表現でしたが、今やっているといったことでありますけれども、実際院内感染が起きている病院があって、実際に、今やっているといっておりましたが、やっていないわけであります。
そこで、あまり批判ばかりいっても恐縮なので、ご提案なんですけれども、地元板橋区にある大学病院、これは実は私の息子が生まれた病院なんですけれども、コロナで、やはり妊婦さん含めてみんな心配なわけであります。(パネルを示す)この絵を見ていただくと、入り口からテープが貼ってありまして、絶対にこの通路を通らないと、一本道を通っていかないと、病院の中に入れないような仕組みになっています。その途中に、こちらちょっと分かりにくいですけれども、手指消毒をするキットが置いてあって、こちら、最終的に検温すると。こちらの真ん中のところに一人だけ看護師さんがいて、しっかりと抜け漏れがないような対策を行っているわけであります。
こういったことを提案したいのですけれども、見解を伺います。
○西山病院経営本部長 都立、公社病院、十四病院ございますが、各病院の状況は様々でございます。
現場の状況に合わせた感染管理の徹底に引き続き努めてまいりたいと思います。
○宮瀬委員 ぜひお願いしたいと思います。
いずれにせよ、(パネルを示す)冒頭お見せしました知事のツイッターなんですけれども、どう読んでも、この内容、広尾、荏原、豊島と並列に並んでいて、広尾だけが妊婦の転院支援をするといった内容、全く読み取れないわけであります。
公決の決算ですので、広尾を中心に聞きますが、なぜ広尾だけだったんでしょうか。
○西山病院経営本部長 広尾病院は、新型コロナウイルス感染症の重点医療機関とすることに伴いまして、産科を全面休止といたしました。そのため、転院をお願いする妊婦に対し、通常の出産にかかる費用は、保険診療の対象外であることを踏まえ、広尾病院で出産した場合との差額分、また、転院先へ通院する際のタクシー代等を支援することとしました。
一方、東京都保健医療公社の豊島病院、荏原病院については、重点医療機関とした後も、感染対策を徹底しながら産科を継続していることから、転院した場合の支援は実施してございません。
○宮瀬委員 ツイッターを見ると、広尾は、病院の転院費用を出してくれるということで、ほかの二病院は出さないという表現は、あのツイッターでは読み取れないわけであります。三病院並列で、その言葉を受けてあのツイッターが書いてあるわけですから、広尾も荏原も豊島も同じ条件だと読むのが、普通の、一般的な形だと思います。豊島の方等は、感染対策を十分やっているから、自己都合での転院だから、自分でお金を出してくださいといったことになりますが、その感染対策がやはり十分でなかったのではないかと、その前提が私は崩れているんだと思います。
そういったこともありまして、このツイッターの知事の投稿に対しまして、いまだ謝罪も訂正もないわけであります。転院費用が出ると思った妊婦さんも実際に多くいたわけでありますから、改めて、ツイッターで訂正や謝罪、必要なのではないでしょうか。私は、これは知事のツイッターの件ですので、副知事にお伺いいたします。
○黒沼副知事 知事のツイートの件でございますが、転院が必要となる妊婦さんについては、出産費用の差額分等を都が負担する旨が示されてございます。
この転院が必要となるということでございますが、病院側の一方的な事情で転院をお願いせざるを得ない状況であると認識をしておりまして、訂正、謝罪が必要なツイートとは、都としては考えておりません。
○宮瀬委員 であれば、しっかりとその補足を入れて、豊島、広尾、荏原と並列で書くべきではないと思いますよ。
実際に私のところで、ただでさえコロナで不安な妊婦さんが、実際にあのツイートを見て、豊島の方でしたけれども、転院ができると、コロナ専用病院というのはびっくりしたけど、ほかの病院で、三十週の方でしたけれども、実際は照会をかければ、違うと。でも、病院の院内を見れば、感染対策が十分かどうか不安だと。挙げ句の果てに、紹介状には、出産予定日を間違えて、既往症も間違えていたんですよ。
そういった対応、寄り添わない対応をしていて、今のようなご答弁でありますが、あのツイッター、謝罪も訂正も必要ないということであれば、そういったつらい思いをした妊婦さんは、あのツイートをあのような形で見た妊婦さん自身が誤解したから悪いということなんでしょうか。お伺いいたします。
○西山病院経営本部長 豊島病院及び荏原病院では、重点医療機関となった後も、感染対策を徹底しながら産科を継続することをホームページやチラシ等でも周知するとともに、不安や疑問を感じた妊婦やそのご家族には、主治医や各種相談窓口におきまして、その都度、丁寧に説明してございます。
○宮瀬委員 最終的にその方は転院されましたけれども、自腹で。終始、寄り添った対応をしてもらえなかったといっていましたよ。
実際にこのような妊婦さんがほかにもたくさんいるのではないかなと思いまして、一月十四日の知事の突然のツイートの発表があってから、実際にどれぐらいの妊婦さんが、その三病院から転院をされたのか、最終的にその病院で出産されたのか。その差を見れば、何人の方が転院されたかが分かりますので、一月十四日時点、つまりこの発表があったときの数字を教えてください。
○西山病院経営本部長 広尾病院において、一月十四日時点で出産を予約していた妊婦は二百二十人であり、全員、他院に転院してございます。
豊島病院、荏原病院については、一月十四日時点の予約数は不明でございますが、豊島病院では、二月十九日時点で予約していた妊婦は二百四十八人であり、そのうち百九十五人が豊島病院で出産をいたしました。
荏原病院では、二月二十二日時点で、三百九人予約があり、そのうち二百四十六人が荏原病院で出産をしてございます。
○宮瀬委員 私が聞いたのは、一月十四日時点での妊婦さんの数です。今のご答弁だと、二月の時点です。
要は、政策を立案し、それを世に公開したときの妊婦さんの正確な、通っていた数が分からないんじゃないですか。そのような状況で、見切り発車で、実際に何人の妊婦がいて、こういう支援をするというのは、一月十四日時点のものが出てこないというのは、私はあまりにもずさんだったのではないかなと思います。
いずれにせよ、今からでも謝罪はしない、訂正もしない、感染対策が徹底されていることが、荏原、豊島病院での出産事業を継続する前提となっていたわけですから、徹底されていなかった事実がある以上、今からでも、望む方には、支援の対象とすべきではないでしょうか。見解を伺います。
○西山病院経営本部長 荏原病院及び豊島病院は公社病院でございますので、答弁するのは適切ではないかもしれませんが、両病院は、重点医療機関化後も、感染対策を徹底しながら産科を継続したため、病院側の事情で転院をお願いせざるを得ない状況にならなかったため、対象としなかったものでございます。
○宮瀬委員 広尾を含めて、感染対策が徹底しているか、していないかというところがポイントだと思いますけれども、もう写真、お見せしたのが全てでありますので、私はそれは成り立たないと思っております。百十六名で、一人当たりの転院費用は大体二十万円ぐらいだと聞いておりますので、総額二千四百万円ですよ。ぜひ支援していただきたいと思います。
次に、水道局でありますが、コロナの影響は、水道事業にも大きく現れており、うがいですとか手洗いを推奨しましたので、水道使用量が、家庭用で五%、前年度比で上がったと。料金未納発生件数は、前年度比一一%上がっているということでありますが、私自身、ここは件数ベースでの数字を聞いております。つまり、人ベースで、水道料金を未納されている方、水を止められた方、餓死や自殺された方の人数をお伺いしようと思いました。実際ちょっと時間が押していますので、自分でいいますけれども、その件数は分かっていても、人数、人を軸にした人数では分かっていないといったことでございました。ぜひ、これは、蛇口の管理から、人を軸とした考え方をぜひ加えていただきたいと思っております。
そういった水の動きによって、その水の動きのビッグデータが取れるようになれば、これから、実際に孤独死、餓死、また、虐待等いろいろあると思いますけれども、この宝の山を、今回質問いたしませんが、宮坂副知事、また福祉保健局長には、ぜひ連携をしていただきたいと思っております。
次に、見守り事業でありますが、実際に水道メーターを見て異変があった場合には、区の方、区市町村の方に連絡が行くといった取組がございます。
しかし、これ例年ずっと見ているんですが、その発生件数、通報件数が、僅か七件、八件、六件と、こういった数字が数年続いているわけであります。
改善すべきだと、抜本的な対策を求めてまいりましたが、進捗をお伺いいたします。
○浜水道局長 水道局では、ライフライン事業者として、高齢者などの見守りに貢献するため、都が給水している全ての区市町と、平成二十八年度までに、行政による支援を必要とする者に係る情報の提供に関する協定を順次締結しております。
これによって、当局職員や検針委託会社社員等がお客様宅等を訪問した際に、明らかな異変が感じられた場合、各区市町の福祉部署に情報を提供しております。
今後も、要支援者の見守りについては、水道事業者としての業務を行っていく中で、可能な限り取り組んでまいります。
○宮瀬委員 今のご答弁、もう数年前から答弁ほとんど変わっていないわけであります。
全く、困っている人、たくさんいる状況の中で、行政、東京都が、水道局ですけれども、アウトリーチを必ず二か月に一回するといった大変貴重な場だと思います。
私は、水道局だけ単体では、なかなかこの取組は拡大していくとは思っていませんので、ちょっとさら問いで恐縮ですが、この状況を、福祉保健局ですとか、他の公営企業、他局とも連携をするなどして、私は改善すべきだと思いますけれども、答弁変わりませんので、副知事にお伺いいたします。
○浜水道局長 繰り返しの答弁で恐縮ですが、今後も、要支援者の見守りにつきましては、水道事業者としての業務を行っていく中で、可能な限り取り組んでまいります。
○宮瀬委員 水道事業者の取組の中でというのに限界を感じたから、あえて副知事にお伺いしたんですけれども、いずれにせよ、これぜひお願いいたします。
また、検針業者も、これ、私が経験したことなんですけれども、水道メーターの検針に我が家に来たときに、やはりこういった時代、ご時世ですから、身元の確認をさせていただいたところ、名刺は持っていませんと、名前もいえませんと、制服を見れば、水道メーターの検針員だと分かるでしょうといったご発言もありました。こちら要望といたしますが、ぜひ都民の皆さんに寄り添うような姿勢というのが大前提だと思いますので、こちらは要望させていただきます。
また、新型コロナの影響を受けまして、都の水道事業においては、支払い猶予はあっても、減免というものがございません。大阪市など他の大都市のように、料金を減免すべきだと私は考えていますが、令和二年度における減免の議論の有無も併せて伺います。
○浜水道局長 水道料金の減免措置は、受益者負担の原則、公営企業における独立採算制の原則及び使用者間の負担の公平に対する例外措置であり、その拡充については慎重に考えるべきものと認識しております。
令和二年第二回都議会定例会で、上下水道料金の減免についてのご質問があり、同様の考え方を知事からお答えしておりますが、そのほかには特段の議論は行っておりません。
○宮瀬委員 これだけ皆さんコロナで困っていて、水の料金の支払いが一番最後のとりでだと思うんですよ。他の自治体でもやっているのに、その議論というものすら特段の検討を行っていないといったことに、大変驚きを覚えます。ぜひ、コロナ、どこまで続くか分かりませんけれども、我が会派といたしましては、減免を強く要望いたします。
また、十月七日に地震がありまして、通報ベースで二十三件の道路の冠水があったということで対応をされたと聞いております。ちょっと時間がありませんので、要望に代えさせていただきますが、私は、この問題意識の中で、全ての管路の一斉点検を行っていないといったことが、意見交換の場で分かりました。通常やっているのは、水圧、管を通っている圧、水圧の変化と地上を巡回することで対応しているということなんですが、それはルーチンの対応でありまして、あれだけ大きな地震が起きれば、しっかりと全ての水道管を、やり方は工夫があると思いますが、しっかりとチェックするのが私は必要だと思います。
そういった状況の中で、二十三か所の空気弁が破損したといったことでありますが、そのときも水圧は変わっていなかったわけでありますから、新たなチェックの方法を考えていただくことを要望いたします。
また、今、見守り事業、また地震発生時の事故時による対応として、やはり希望が見えてくるのは、スマートメーターの活用だと思います。私もこれ七年ぐらい前から提案し続けてまいりましたが、スマートメーターの効果と取組内容について伺います。
○浜水道局長 お客様宅等に給水スマートメーターを導入することで、使用水量の変化などをお客様に通知することが可能となることから、離れて暮らしているご家族等の安否確認などに活用することについて、ニーズや技術的課題を今後検討していくこととしております。
また、配水小管にもスマートメーターを設置することで、配水管内の流量や水圧の変化の常時監視が可能となり、事故や地震発生時等の漏水への対応を迅速に行うことができるようになります。
水道スマートメータトライアルプロジェクト推進プランに基づき、着実にスマートメーターの設置を進めてまいります。
○宮瀬委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
次に、交通局でございます。
知事は、一期目に、満員電車ゼロといった公約を挙げられていまして、私のときにも、二期目はどのようなことを、扱いになっているのかといった方、都民の方からお伺いいたします。知事にその答弁を求めたところ、都政の課題に全力で邁進をしてまいりますとだけの大変不誠実な答弁でありました。
そこで、交通局に対しまして、知事サイドから、二期目の公約である満員電車ゼロ公約について、何か言及等あったのかと委員会で確認をいたしましたら、交通局では、混雑対策に取り組んでおりますとし、明言されませんでした。
そこで、副知事にお伺いいたしますが、しっかりと交通局に対し、知事の満員電車ゼロ公約の二期目の扱いについて、何かご指示をされたのでしょうか。
○黒沼副知事 本年三月に策定をいたしました未来の東京戦略、こちらはまさに新たな都政の羅針盤となるものでございまして、その中で、目指す二〇四〇年代の東京の姿として、満員電車は過去のものとなっていることを示しております。
その実現に向けまして、新型コロナの危機を契機とした都市づくりの観点から、働き方改革と連携したオフピーク通勤の促進の取組などを進めるとしており、交通局でも、こうした都の羅針盤との基本戦略を踏まえまして、地方公営企業法で独立した経営権限を有する公営企業管理者の下、鋭意混雑対策に取り組んでいる、このように認識をしております。
○宮瀬委員 指示したのですか、していないのですかといったところで、明確なご答弁がないわけであります。結局、満員電車ゼロへといった表現は、結局どうなったのかといったことを、知事、交通局、そして副知事に聞いても要領を得ないわけであります。私はしっかりと対応するべきだと思っております。
最後の質問になりますが、ちょっと時間が押してしまい恐縮ですけれども、決算の数字を見ますに、大変厳しい状況であります。私は、都民の皆さん、約一千名の方に対しまして、公営企業に求めることは何ですかといったことを聞きますと、やはり料金であります。
副知事にお伺いしますが、コロナの影響が懸念される間は、公営企業において安易な値上げをしないように求めますが、見解をお伺いし、質問を終わります。
○黒沼副知事 地方公営企業法第二十一条では、料金について、公正妥当なものでなければならず、かつ、能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし、地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならないとしております。
このように、地方公営企業法に定められているとおり、料金につきましては、今ご指摘がございましたとおり、理事ご指摘のとおり、地方公営企業の経営の基幹中の根源でございます。
新型コロナウイルス感染症が、引き続き与える影響や新たな生活様式の浸透など、今後の社会経済状況の変化の見通しが不透明な中でございますが、それぞれの公営企業を取り巻く状況を踏まえて対応し、引き続き、経営の根幹となる適切な料金設定を行ってまいります。
○村松委員長 宮瀬理事の発言は終わりました。
以上で本日予定いたしました質疑は全て終了いたしました。
お諮りいたします。
令和二年度東京都公営企業各会計決算の認定についてに対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
なお、十一月二十二日の十二時四十五分から理事会を、また、十三時から委員会を第四委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時二分散会
第1分科会で行われた令和2年度東京都公営企業会計決算に関する審査の概要を次のとおり報告する。
令和3年11月8日
令和2年度公営企業会計決算特別委員会
第1分科会委員長 鈴木 錦治
令和2年度公営企業会計決算特別委員長
村松 一希 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
・ 本分科会は、令和3年10月6日に設置され、次の案件を審査した。
令和2年度東京都公営企業会計決算中、中央卸売市場、港湾局、交通局所管分
・ 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月20日(説明聴取・資料要求) 交通局、中央卸売市場、港湾局
10月25日(質疑) 交通局
10月27日(質疑) 中央卸売市場
10月29日(質疑) 港湾局
2 本分科会における質疑の概要
(1)令和2年度東京都中央卸売市場会計決算(中央卸売市場所管分)
〔1〕 中央卸売市場会計について
ア 決算の特徴及び収入確保に向けた取組について
イ 資本的収支の状況と建設改良費の執行率及び収益的収支の改善について
ウ 営業収益が低下した要因と増収への見解について
エ 青果物売上高割使用料が増収となった要因について
〔2〕 東京都中央卸売市場条例の改正について
ア 改正の考え方と内容及び改正後の取引の変化について
イ 規制緩和によって生産者や消費者に不利益が生じた場合の対応について
ウ 第三者販売及び仲卸業者の直荷引きの取扱いに関する他都市との違いについて
〔3〕 東京都中央卸売市場経営指針の策定意図と今後の取組について
〔4〕 生鮮食料品等の取扱数量の状況について
〔5〕 新型コロナウイルス感染症について
ア 感染状況と市場取引への影響及び感染拡大防止に向けた取組について
イ 感染拡大防止に取り組む業界団体への支援について
ウ 売上げが減少した市場業者への支援について
エ 豊洲市場内の飲食店における影響について
〔6〕 監視カメラの活用と不法投棄対策について
〔7〕 中央卸売市場活性化支援事業について
ア 事業実績及びコロナ禍を契機とした市場業者の新たな取組に対する支援について
イ 豊洲市場における実績と支援した取組の具体的な内容について
ウ 事業の活用促進やプッシュ型支援の取組について
〔8〕 施設整備について
ア 計画していた施設整備が未着手となった原因について
イ 市場業者の要望を踏まえた施設整備の実現について
ウ 市場施設の長寿命化の取組について
エ 照明器具のLED化工事の実施状況及び進捗状況について
オ 旧築地市場の解体工事におけるアスベスト含有建材の除去について
〔9〕 豊洲市場について
ア 卸売業者、仲卸業者及び関連事業者の数の推移について
イ 市場運営の安定化に向けた市場業者との連携について
ウ 仲卸業者を対象とした融資制度の利用件数について
エ 融資の借入返済と新型コロナウイルス感染症の影響によって資金繰りに不安がある市場業者に対する支援について
オ 移転延期に伴う補償の実績について
カ 地下水質・空気調査の状況及び地下水質の改善状況について
キ 地下水の管理について
ク 市場の利用者の安心につながる情報発信について
〔10〕 市場業者間の情報交換の場を提供することについて
〔11〕 本庁と各市場のコミュニケーション不足を克服するための取組について
(2)令和2年度東京都臨海地域開発事業会計決算(港湾局所管分)
〔1〕 臨海地域開発事業会計について
ア 資本的収支の不足要因について
イ 企業債の償還計画を含めた会計運営の今後の見通しについて
ウ 埋立事業費の執行率が低くなった要因及び現状と対策について
エ 土地売却の状況及び土地売却以外の収入実績について
〔2〕 海上公園について
ア 晴海地区における整備実績について
イ 晴海ふ頭公園・晴海緑道公園における東京2020大会終了後の整備状況及び開園予定について
ウ 有明親水海浜公園における整備状況及び今後の予定について
〔3〕 臨海部における自転車通行空間の整備実績と今後の取組及び都民への周知について
〔4〕 臨海副都心のまちの魅力づくりについて
ア アートプロジェクトの目的及び取組実績について
イ コロナ禍における集客への対応について
〔5〕 臨海副都心開発事業における土地処分の進捗と今後の見通し及びIR構想に関する検討について
〔6〕 東京臨海ホールディングスグループにおける決算と新型コロナウイルス感染症の影響について
(3)令和2年度東京都港湾事業会計決算(港湾局所管分)
〔1〕 10号地その2ユニットロードターミナル施設整備事業の内容及び執行率について
〔2〕 太陽光発電設備の設置について
ア 実施設計の予算が執行されていない理由について
イ 設置の推進に向けた今後の取組について
(4)令和2年度東京都交通事業会計決算(交通局所管分)
〔1〕 決算の状況及び今後の対応について
〔2〕 バス事業について
ア 営業収支の状況及び黒字路線と赤字路線の割合について
イ 経営状況の悪化による路線の見通し及び今後の路線運営について
ウ 収入減に伴う職員の勤務条件の変更について
〔3〕 バス車両について
ア 燃料電池バス導入の経緯と実績及び導入拡大の取組について
イ 燃料電池バスに係る利用者の声や課題について
ウ 電気バスの導入に関する具体的な検討内容について
エ 環境に配慮した低公害車・低燃費車の導入実績について
オ バス車両の売却実績について
〔4〕 都営バスにおける二人乗りベビーカーの利用について
ア 具体的な安全対策及び国が策定したガイドラインへの協力について
イ 利用者の声及び他の利用者の理解の浸透を図る取組について
ウ ベビーカーの利用可能な席が空いていない場合の対応について
エ 他事業者への普及拡大について
〔5〕 都営バスにおける視覚障害者への対応について
ア 視覚障害者からの要望について
イ シグナルエイドに対応したバス停の設置経緯と効果及び他路線への設置の検討について
〔6〕 「危険なバス停」の報道に関する受止め及び対応について
〔7〕 コミュニティバスについて
ア 受託状況及び地元区市などとの連携による拡大について
イ 区市町村から連携や運転手養成制度の提案があった場合の対応について
〔8〕 バス乗務員の養成型選考について
ア 実施状況と近年の制度改善及び合格者の研修概要について
イ 採用者が採用前に在籍していた業種について
ウ はとバス委託路線への適用状況について
〔9〕 女性職員用の施設整備の取組状況について
〔10〕 日暮里・舎人ライナーについて
ア これまでの地震への備えについて
イ 運行に支障が生じた際の振替輸送の実績について
ウ 千葉県北西部で発生した地震への具体的な対応と帰宅困難者の状況及び今後の対応について
エ 緊急停止等の対応及び日常の安全確認とトラブル発生時の対応について
オ 無人走行及び駅舎の無人運営体制の見直しについて
カ 終電繰上げの状況及び解除の条件について
〔11〕 無料乗車券のICカード化の取組及び今後の方針について
(5)令和2年度東京都高速電車事業会計決算(交通局所管分)
〔1〕 決算の状況及び今後の対応について
〔2〕 今後の経営の考え方と中長期的な経営戦略について
〔3〕 コロナ禍における経営状況の変化及び乗車料収入の減少への対応について
〔4〕 乗車人員減少の要因と今後の見通しについて
〔5〕 新型コロナウイルス感染収束後の旅客誘致について
〔6〕 無料乗車券のICカード化の取組及び今後の方針について
〔7〕 終電繰上げの状況及び解除の条件について
〔8〕 混雑対策の取組について
ア 混雑率の推移及び混雑状況のデータ収集・蓄積について
イ 時間帯別運賃の導入について
ウ 都営三田線の8両編成化及びホームドア更新工事の進捗について
〔9〕 都営大江戸線における子育て応援スペースの設置について
ア 取組状況について
イ 認知度向上への工夫及び朝の時間帯にも利用しやすくするための取組について
〔10〕 エレベーターの整備について
ア 整備状況と今後の設置予定について
イ バリアフリールートの複数化に係る取組と進捗について
ウ 森下駅への新設の経過について
〔11〕 ホームドアの整備について
ア 設置状況と今後の取組及び設置工事における安全対策について
イ 都営浅草線の取組状況について
〔12〕 ホームと車両の段差・隙間対策について
ア 対策の取組状況及び改善状況について
イ 三田駅における可動ステップの実証実験結果及び今後の取組について
〔13〕 地下鉄駅の手すりの改修について
〔14〕 東大島駅の階段工事の取組及び今後の見通しについて
〔15〕 大島駅の階段と地面との間の段差について
〔16〕 介助用ベッド付トイレの整備について
ア 整備状況と今後の取組について
イ ピクトグラムのJIS認証取得の経過を含めた経緯と取組状況について
〔17〕 都営三田線の駅におけるトイレの自動水栓化について
〔18〕 女性職員用の施設整備の取組状況について
〔19〕 高濃度PCB廃棄物処理の経過について
(6)令和2年度東京都電気事業会計決算(交通局所管分)
〔1〕 決算の状況及び今後の対応について
〔2〕 白丸ダムの放流時における安全管理について
第2分科会で行われた令和2年度東京都公営企業会計決算に関する審査の概要を次のとおり報告する。
令和3年11月8日
令和2年度公営企業会計決算特別委員会
第2分科会委員長 小林 健二
令和2年度公営企業会計決算特別委員長
村松 一希 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
・ 本分科会は、令和3年10月6日に設置され、次の案件を審査した。
令和2年度東京都公営企業会計決算中、病院経営本部、都市整備局、水道局、下水道局所管分
・ 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月20日(説明聴取・資料要求) 水道局、下水道局、病院経営本部、都市整備局
10月25日(質疑) 水道局
10月27日(質疑) 都市整備局、病院経営本部
10月29日(質疑) 下水道局
2 本分科会における質疑の概要
(1)令和2年度東京都病院会計決算(病院経営本部所管分)
〔1〕 経営状況について
ア 決算の状況と評価及び今後の経営について
イ 新型コロナウイルス感染症対策による国庫補助金の交付額について
ウ 国庫補助金の受入額に対する一般会計繰入金の減少について
エ 黒字に対する受止めと活用方法について
オ 地域の医療環境や各病院の医療機能を踏まえた患者確保の取組について
カ 令和元年度の総合病院5病院の病床利用率について
キ 診療実績における令和元年度との比較について
ク 患者数が減少した中での経営状況及び経営改善に向けた取組について
〔2〕 未収金について
ア 令和元年度以前の総額と過去5年間の推移について
イ 回収及び発生防止の取組について
〔3〕 新型コロナウイルス感染症への対応について
ア これまでの具体的な対応について
イ 施設の改修工事や購入器材の内容及び経費について
ウ 院内感染防止対策の取組について
エ コロナ専用病床及び医療従事者の確保について
オ 新型コロナウイルス感染症専用医療施設の運用状況について
カ 民間病院での対応が困難な患者及び島しょ地域の患者の受入れについて
キ 広尾病院における妊婦の転院に対する支援について
ク 松沢病院における精神疾患のある患者への対応について
ケ 重症化リスクがある患者への対応及び受入状況の把握について
コ コロナ後遺症相談窓口の設置状況と相談件数について
サ 都立病院が果たした役割について
シ 感染症科医師の時間外労働及び増員の必要性について
〔4〕 人材の確保と育成について
ア 具体的な取組及び地方独立行政法人化後の考え方について
イ 東京医師アカデミーにおける取組及び都立・公社病院への就職率について
ウ 医師の復職支援事業の実績について
エ 東京看護アカデミーにおける取組について
〔5〕 病児・病後児保育の取組状況と利用実績及び多摩メディカル・キャンパスにおける施設整備について
〔6〕 周産期医療について
ア M-FICUとNICUの利用実績について
イ 多胎妊娠の分娩数及び分娩リスクへの対応について
〔7〕 都立病院におけるQIの導入について
〔8〕 広尾病院における画像電送システムによる診療支援及び島しょ地域への支援の取組と実績について
〔9〕 松沢病院における身体拘束ゼロに向けた取組と実績について
〔10〕 都立病院における水害対策の進捗について
〔11〕 ICTを活用した地域医療機関との連携に係る取組及び東京総合医療ネットワークに参加する上での課題について
〔12〕 地方独立行政法人化について
ア 具体的な取組について
イ 地方独立行政法人化に向けた検討体制及び医療機能強化の方向性に関する検討について
ウ 職員や都民に対する説明について
エ 都立病院及び地方独立行政法人の病院の定義と設置主体について
オ 都民アンケートの実施と結果の受止め及び自由意見欄の非開示の取扱いについて
〔13〕 医療機器の購入を迅速に行うための対応について
(2)令和2年度東京都都市再開発事業会計決算(都市整備局所管分)
〔1〕 泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業について
ア 主な事業内容について
イ 特定建築者の初回募集における不調の理由及び再募集に向けた取組について
ウ 事業期間の延伸に伴う権利者への対応と補償の内容及び隣接するまちづくりとの連携について
エ 障害者のためのバリアフリー化への対応について
オ 再開発ビルの浸水対策や地震時の帰宅困難者対策及び環境性能向上への対応について
(3) 令和2年度東京都水道事業会計決算(水道局所管分)
〔1〕 財政運営について
ア 東京水道経営プラン2016の期間における水道料金収入の推移及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響について
イ 水道料金収入が大幅な減収となった理由と今後の影響について
ウ 東京水道経営プラン2016における三つの指標の実績と評価について
〔2〕 資産の有効活用について
ア 東京水道経営プラン2016の期間における資産の有効活用による収入の推移について
イ 土地売却の実績について
ウ 旧南千住浄水場の廃止から用地売却までの経過について
エ 活用する予定のない資産の活用方針について
〔3〕 東京都水道局環境5か年計画の進捗状況について
〔4〕 水道料金・下水道料金の支払猶予について
ア 制度の概要と周知方法及び受付実績と現在の対応について
イ 受付期間を延長した理由及び猶予対象とされた料金の支払実績について
ウ 個別相談への対応及び減免措置とすることへの見解について
〔5〕 福祉での対応が必要と思われるお客さまに関する区市町との連携について
〔6〕 耐震継手化について
ア 東京水道経営プラン2016における目標に対する取組実績及び計画どおりに進捗していない状況の解決策について
イ 東京水道施設整備マスタープランにおける今後の進め方について
ウ 重要施設への供給ルートにおける進捗状況について
エ 避難所となる中学校への供給ルートにおいて完了していない理由について
オ 避難所となる小学校などへの供給ルートにおける進捗状況及び今後の取組について
〔7〕 空気弁の震災対策及び点検状況について
〔8〕 震災時の給水確保について
ア 避難所における取組及び応急給水栓の設置状況について
イ 給水車の配備体制拡充の効果について
〔9〕 断水率の算出方法と断水率が高いことが想定される地域及びその低減方法について
〔10〕 水管橋及び添架管について
ア 東京都における設置数及び点検や補修の実績について
イ 風水害への備えと破損時の影響について
〔11〕 多摩地区の風水害対策について
ア 山間部の水道施設における課題について
イ 土砂流入等による水道施設の損傷や停電及び通信障害が生じるリスクへの対策について
〔12〕 施設整備について
ア 第二朝霞東村山線の完成時期及び効果について
イ 第二朝霞上井草線の整備の進捗状況について
ウ 給水所の現状と更新の考え方及び上部利用の具体例について
エ 上北沢給水所の整備の進捗状況について
オ 和田堀給水所の役割と整備目的及び取組状況について
〔13〕 水源確保について
ア 気候変動を踏まえた水源確保の考え方について
イ 民有林の購入実績及び重点購入地域における取組状況について
〔14〕 「うつらない!うつさない!みんなで手洗い東京水キャンペーン」の実績及び効果について
〔15〕 コロナ禍における広報活動について
〔16〕 水道局が所管する政策連携団体の統合について
ア 監査等委員会設置会社としたことによる効果について
イ 監査等委員の意見の受け止め方について
ウ 社員の働く意欲を引き出すための取組について
〔17〕 水道局及び政策連携団体における女性の比率と女性管理職の割合について
〔18〕 職員の技能継承の観点から行った人材育成の取組について
(4) 令和2年度東京都工業用水道事業会計決算(水道局所管分)
〔1〕 上水道への切替えについて
ア 直近2か年の進捗及び調整状況について
イ 集合住宅の切替完了に向けた取組及び利用者への周知方法について
ウ 利用者からの要望と相談について
エ 切替えに伴う水道料金への影響とその緩和策について
〔2〕 工業用水道事業の廃止に伴う施設等資産の取扱いについて
(5) 令和2年度東京都下水道事業会計決算(下水道局所管分)
〔1〕 財政運営について
ア 決算の状況及び今後の財政運営について
イ 新型コロナウイルス感染拡大による下水道料金収入の減少について
ウ 下水道料金の支払猶予の受付実績について
エ 資産の有効活用の取組と今後の見通しについて
〔2〕 経営計画2016の達成状況及び経営計画2021への課題の反映について
〔3〕 道路陥没対策について
ア 区部における下水道管に起因する道路陥没の状況について
イ 取付管における取組について
〔4〕 下水道管の枝線の再構築における考え方及び第一期再構築エリアの目標と実績について
〔5〕 下水道管の老朽化対策について
ア 区部における老朽化調査の実績と結果の活用について
イ 下水道幹線の再構築の実施状況について
ウ SPR工法の技術開発の取組と国内外における実績について
〔6〕 下水道管の耐震化の取組状況及び経営計画2016の目標に対する達成状況について
〔7〕 下水道管の保守点検を省力化するための技術について
〔8〕 浸水対策について
ア 基本的な進め方について
イ 浸水予想区域図の作成状況について
ウ 重点化している地区のうち対策が完了した地区について
エ 弦巻地区と深沢地区の整備状況について
オ 板橋区内の重点化している地区の現状と進捗及び暫定的な浸水被害を防止する取組について
カ 一部完成した施設の暫定的な浸水対策への活用の取組について
キ 小泉公園雨水調整池の平成25年豪雨における貯留状況について
ク 半地下家屋の浸水への備えに関する周知について
〔9〕 区部における非常用発電設備の整備状況及び燃料調達の取組について
〔10〕 合流式下水道の改善に向けた取組状況及び目黒川と立会川における対策について
〔11〕 千川増強幹線の工期の延伸に伴う対応及び今後の計画について
〔12〕 処理水質の向上について
ア 水再生センターにおける取組について
イ 三河島水再生センターにおける省エネルギーに配慮した取組について
ウ 高度処理施設の整備状況について
〔13〕 臭気対策について
ア 下水道からの臭気に関する苦情件数とビルの排水槽が占める割合について
イ ビルピットの臭気の発生原因と局の取組について
〔14〕 アースプラン2017の取組の進捗状況について
〔15〕 下水中の新型コロナウイルスの感染性及びマイクロプラスチックの調査について
〔16〕 東日本大震災における原発事故による東京電力ホールディングス株式会社の損害賠償と汚泥焼却灰の再資源化について
〔17〕 政策連携団体や民間も含めた下水道業界全体の人材育成について
〔18〕 下水道局と政策連携団体における職員及び管理職の男女比率について
〔19〕 事業のPRにおける課題を踏まえた広報活動について
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.