委員長 | 長橋 桂一君 |
副委員長 | 藤田りょうこ君 |
副委員長 | 川松真一朗君 |
副委員長 | 鈴木 邦和君 |
藤井とものり君 | |
うすい浩一君 | |
伊藤しょうこう君 | |
とくとめ道信君 | |
鳥居こうすけ君 | |
後藤 なみ君 | |
木下ふみこ君 |
欠席委員 なし
出席説明員下水道局 | 局長 | 和賀井克夫君 |
技監 | 神山 守君 | |
総務部長 | 小林 忠雄君 | |
職員部長 | 白川 敦君 | |
経理部長 | 坂井 吉憲君 | |
計画調整部長 | 佐々木 健君 | |
施設管理部長 | 猪八重 勇君 | |
建設部長 | 青木 秀幸君 | |
技術開発担当部長 | 袰岩 滋之君 | |
流域下水道本部 | 本部長 | 矢岡 俊樹君 |
技術部長 | 小団扇 浩君 |
本日の会議に付した事件
令和元年度東京都公営企業各会計決算の認定について
下水道局関係
・令和元年度東京都下水道事業会計決算(質疑)
○長橋委員長 ただいまから令和元年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、下水道局関係の決算に対する質疑を行います。
これより下水道局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和元年度東京都下水道事業会計決算を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○坂井経理部長 さきの分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の令和元年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
恐れ入りますが、一ページをお開き願います。二十三区における主な浸水被害状況の推移でございますが、平成二十七年度から令和元年度までの浸水棟数をお示ししてございます。
二ページをお開き願います。政策連携団体への委託内容と委託料の推移でございます。
当局が所管しております政策連携団体、東京都下水道サービス株式会社への主な委託内容と委託料の推移をお示ししてございます。
三ページをお開き願います。再生可能エネルギーによる主な発電設備の規模と発電量の実績の推移でございます。
項目ごとに、設備の所在する施設名、施設規模及び平成三十年度、令和元年度における年間発電電力量をお示ししてございます。
四ページをお開き願います。下水道マンホールと下水道管の接続部の耐震化が完了した施設数の推移と仮設トイレの設置ができるマンホールの数でございます。
マンホールと下水道管の接続部の耐震化が完了した施設数の推移及び仮設トイレの設置ができるマンホールの数をお示ししてございます。
五ページをお開き願います。下水道料金の減免実績でございます。
令和元年度に減免措置を実施した使用件数と減免額の実績を示してございます。
六ページをお開き願います。下水道事業における公共雨水浸透ますの設置状況でございます。
平成二十七年度から令和元年度までの設置個数を示してございます。
七ページをお開き願います。災害時における他都市への支援実績でございます。
平成二十二年度から令和元年度までの支援実績を示してございます。
八ページをお開き願います。流出解析シミュレーション技術の主な活用の経過でございます。
資料の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○長橋委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○鳥居委員 令和元年度東京都下水道事業会計決算について伺います。
下水道は、都民の日常生活や都市活動で発生する汚れた水をきれいにして川や海に戻すほか、道路や宅地に降った雨水を速やかに排除するなど、安全で快適な生活環境の確保や良好な水環境の形成に不可欠な役割を担っております。
また、近年では、再生水や下水熱など下水道が持つ資源、エネルギーの有効利用や下水道施設の有効活用などにより、良好な都市環境を創出するという新しい役割も担っております。
公共下水道事業は、原則として市町村の事業とされておりますが、都内の下水道事業は、特別区の存する区域では、行政の一体性を確保する観点から、区部全体を東京都が市の立場で役割を担っております。
一方、多摩地域では、市町村が公共下水道事業を行っておりますが、水再生センターやポンプ所、下水道幹線等の基幹施設の建設、維持管理等の流域下水道を東京都が行っております。
こうした事業区分のもと、下水道局では、五年間の経営計画を定め、下水道サービスのさらなる向上と課題解決に向けた取り組みを進めておりますが、まずは、現行の経営計画二〇一六の四年目となる令和元年度の決算の概況について、それぞれの事業区分ごとに確認をいたします。
○坂井経理部長 令和元年度の区部下水道事業の収益的収支につきましては、税抜き額で、収入三千四百四十六億円であり、うち下水道料金収入は千五百八十四億円と、前年度に比べまして八億円の減でございました。
一方、支出は三千百七十五億円であり、収入と支出の差引額は、二百七十一億円の純利益でございました。
また、流域下水道事業の収益的収支につきましては、税抜き額で、収入が三百十五億円、支出が三百十四億円でございまして、差し引き三千万円の純利益でございました。
なお、資本的支出でございます建設改良事業につきましては、税込み額で、区部下水道事業で二千七十四億円、流域下水道事業で百五十二億円を執行したところでございます。
○鳥居委員 一般会計繰入金の額は、例年、一千六百億円強と、特筆する変化はなく、下水道料金の値上げも二十年以上行っていないと認識しております。
そのような中で、区部と流域下水道事業ともに純利益を計上しており、堅実な財政運営のもと、下水道事業を着実に実施していることがわかります。
一方で、今のご答弁でもございました下水道料金の収入は、前年と比較すると八億円の減収となるということですが、報道によると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は各事業にも及んでおり、減収、減益の企業も多いと聞いております。下水道局において、その影響も受けておられると思いますが、その状況を確認させてください。
今年度の下水道料金の収入について伺います。
○坂井経理部長 令和二年度の四月から九月末までの下水道料金の調定額は、昨年度の同じ時期との比較でございまして、おおむね一割、税抜き額でおよそ八十億円の減少となってございます。
○鳥居委員 九月までの年度上半期で八十億円が減少しているとのことを報告いただきました。これからの状況はまだわかりませんが、単純計算すると、一年間で百六十億円の減収、年間収入の約一割に当たる可能性がございます。
さらに、このような状況に加えて、今後は、人口減少に伴い使用者が減ることで、料金収入の減収も見込まれております。
将来に向けて、下水道料金を値上げせず、安定的に下水道事業を運営していくためには、減収分を穴埋めする企業努力が必要になると考えます。
そこで、下水道局が令和元年度に実施した企業努力とその成果について伺います。
○坂井経理部長 下水道局では、将来にわたり、最少の経費で最良のサービスを安定的に提供するため、必要な財源を確保する観点から、毎年、さまざまな企業努力に取り組んでおります。
令和元年度におきましては、これまで培ってきた知識や経験を活用し、コスト縮減を進める技術や工法を積極的に活用することで、建設から維持管理までのトータルコストを四十一億円縮減いたしました。
また、芝浦水再生センターの上部利用に伴う土地の貸付料や、上部ビルのオフィス床からの賃料収入など、当局が保有する資産の有効活用によりまして、六十七億円の収入を確保したところでございます。
こうした取り組みの結果、当初計画よりも十九億円多い百八億円の企業努力を行ったところでございます。
○鳥居委員 下水道事業に関する経営計画二〇一六や見える化改革報告書を更新しつつ、引き続き、事前準備、アーリープレパレーションを意識した対応をお願いいたします。
ここからは、下水道局の各施策の取り組みの達成状況を確認しつつ、質疑を進めさせていただきたいと思います。
まずは、区部下水道事業における主要施策の一つである再構築の取り組みについて。
明治時代より始まった東京の下水道整備は、百十年ほどかけて、平成六年度に普及概成、すなわち、ほぼでき上がっています。
普及概成直後から開始した下水道管の再構築は、枝線と呼ばれる比較的小さい下水道管については、ライフサイクルコストを踏まえて、法定耐用年数の五十年より三十年程度延命化して、達成率一〇四%と、計画的に取り組んでおられます。
一方、幹線と呼ばれる比較的大きな下水道管についても、老朽化した幹線を中心に、再構築を順次進められていると認識します。
これら下水道管の枝線及び幹線の再構築における令和元年度の目標及び実績について伺います。
○青木建設部長 下水道管の枝線の再構築事業につきましては、区部を整備年代により三期に分け、整備年代の最も古い都心の第一期再構築エリアを優先して進めてございまして、令和元年度は、七百ヘクタールの整備目標に対しまして七百二十七ヘクタールを実施いたしました。
下水道幹線の再構築でございますが、一九五〇年代以前に建設された老朽化した四十七幹線や、幹線調査に基づき対策が必要な幹線などを優先して進めておりまして、令和元年度は、八キロメートルの整備目標に対し、入札不調の影響や、工事の多くが、雨季を避け渇水期に限られることなどによりまして、目標を三キロメートル下回る五キロメートルとなっております。
今後は、工事の発注時期の平準化や発注規模の調整など、さまざまな対策を実施いたしまして、目標達成に向けて事業を推進してまいります。
○鳥居委員 下水道管の幹線は、直径が数メートルに及ぶものも多く、その工事は非常に困難を伴うものと認識しております。目標に対しては、昨年と同様に厳しい状況であったものと思いますが、進捗を踏まえて今後の見通しを確認するために、より具体的にお伺いしたいと思います。
幹線の再構築の今後の目標、昨年度までの進捗及び具体的な施工の方法について伺います。
○青木建設部長 下水道幹線の再構築事業でございますが、平成十一年から着手しておりまして、昨年度までに八十キロメートルの再構築を完了しております。
今後は、中長期的な目標といたしまして、老朽化した四十七幹線や、幹線調査に基づき対策が必要な幹線など、三百キロメートルを再構築していく予定としてございます。
委員ご指摘のとおり、下水道幹線は規模が大きく、道路を掘削して取りかえることが困難な幹線が多いことから、主に、掘削せずに再構築ができる更生工法を活用し、事業を推進してございます。
また、幹線内の水位が高く、再構築を行うことが困難な幹線につきましては、先行して、水の流れを切りかえるために必要となる代替幹線などの整備を進めてございます。
○鳥居委員 ありがとうございます。幹線再構築については、まだ二百二十キロメートルが残されていることから、まだ相当規模の事業量が残っておりますが、ある意味、相当規模の市場が残されているとも考えられます。
不調対策をさまざま実施していると思いますが、今後の事業見直しを市場に示しながら進めることは必要と考えますので、今後も計画的に進められるように対応をお願いいたします。
また、更生工法を積極的に活用されていると答弁がありましたが、長期にわたる再構築の事業を進める上での課題解決のためには、その解決に必要となる技術を生み出していくことが必要と考えます。
そこで、幹線の再構築に関連して取り組んでいる技術開発について伺います。
○袰岩技術開発担当部長 下水道幹線は、水位が高く、流速が速いなどにより、人が下水道管内に入って損傷や劣化状況調査を行うことが困難な箇所があるため、無人で調査を行う技術の開発に取り組んでおります。
具体的には、ドローンや船の形をしたロボットなどを用いて、下水が流下している管内でも確実に調査ができる技術の研究を進めております。
また、過去、水路であったものを暗渠化し、下水道幹線に転用した、いわゆるふたかけ幹線のうち、コンクリート構造中に鉄筋がないために強度が低いものについて、必要な強度を確保する技術の開発に取り組んでおります。
具体的には、老朽化した下水道管を塩化ビニール製の板で巻き立て、新しく布設した管と同等の機能まで回復する更生工法であるSPR工法について、炭素繊維の補強材と組み合わせて必要な強度を確保する技術開発に取り組んでおりまして、令和元年度から試行工事を実施し、現在、施工性と施工後の品質等の検証作業を行っております。
引き続き、幹線再構築の推進に向け、技術開発に取り組んでまいります。
○鳥居委員 水位が高い箇所の調査や強度確保の技術の開発のように、現場の課題を踏まえて技術の開発に鋭意取り組んでいることなどをお示しいただきました。
下水道事業においては、直面する課題や将来を見据えて解決すべき課題が多いと認識しておりますので、引き続き、しっかりと取り組んでいただくよう要望しておきます。
次に、浸水対策について伺います。
近年の降雨特性や水浸被害の発生状況を踏まえ、対策を一層効果的に進めるため、平成二十六年度に東京都豪雨対策基本方針が改定されました。
下水道局では、区部全域で時間五十ミリ降雨の対応を基本とし、早期に浸水被害を軽減するために、地区を重点化し、施設整備を進められております。
豪雨対策基本方針の改定から六年を過ぎましたが、令和元年度における浸水対策の取り組みと進捗の状況についてお聞きします。
○青木建設部長 下水道局では、ご指摘のとおり、豪雨対策基本方針に基づき、浸水の危険性が高い地区や、浸水被害の影響が大きい大規模地下街など、五十四地区で重点的に大規模な幹線や貯留施設の整備を進めております。
時間五十ミリに対応する施設整備を行う三十五地区につきましては、令和元年度末までに十六地区で事業が完了し、令和元年度に新たに着手した板橋区小茂根、向原地区を含め、十三地区で事業中でございます。
五十ミリ拡充対策地区六地区につきましては、令和元年度に杉並区荻窪地区など二地区で事業を完成させ、累計三地区で事業が完了し、三地区で事業中でございます。
さらに、七十五ミリ施設整備を行う地下街対策地区など十三地区につきましては、令和元年度までに五地区で事業が完了し、八地区で事業を実施中でございます。
○鳥居委員 大規模な幹線や貯留施設の整備は長期にわたる取り組みとなりますが、一たび完成すると、その地域の浸水被害の軽減効果は相当なものとなります。
その点で、昨年度の各地で大きな災害をもたらした台風十九号、いわゆる令和元年東日本台風において、下水道局が整備してきた浸水対策施設が効果を発揮したと思いますが、令和元年東日本台風における整備効果について伺います。
○猪八重施設管理部長 区部において、全体で約六十万立方メートルの貯留施設がございまして、これは、二十五メートルプール約二千杯に相当いたします。
昨年十月の令和元年東日本台風の際には、貯留施設総容量の約六割まで貯留いたしました。
その中でも、杉並区、中野区等の浸水被害の軽減を図るために整備いたしました和田弥生幹線では、直径八・五メートル、延長二・二キロメートル、貯留量は、接続する枝線も含め、約十五万立方メートルの区部最大の貯留施設でございまして、昨年十月の台風十九号の際には、満水になるまで雨水を貯留し、地域の浸水被害軽減に大きく貢献いたしました。
○鳥居委員 ありがとうございます。これまで整備を重ねてこられた下水道施設が、大きなストック効果を発揮していることをお示しいただきました。
浸水被害に悩まされてきた地元杉並区におきましても、被害は抑えられましたし、区内で河川沿いを中心に、一部、内水氾濫はございましたが、浸水被害を軽減し、広く内水氾濫から守ってきていることがよくわかり、心強く感じます。引き続きのご対応をお願いしたいと思います。
近年、世界的に気候が変動しているといわれる中、日本においては豪雨が激甚化してきているといわれますが、こうした施設が被害を大きく軽減してくれると期待する一方、完全に被害をなくすことは、当然ながら限界があることから、被害に備えるソフト対策をあわせて進めていくことが必要と考えます。
特に、リスクから身を守るため、都民がそのリスクを認知することがまずは必要であるといわれます。そのリスク認知において、昨今、ハザードマップの有効性がさまざまなメディアでも取り上げられ、一般的に知られるようになりつつあるのは望ましいことと考えます。
さらに、下水道局では、区市が作成する洪水ハザードマップのもととなる浸水予想区域図を作成しているとのことですが、浸水予想区域図の具体的な作成状況をお伺いいたします。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、平成十二年に発生した、総雨量五百八十九ミリ、時間最大雨量百十四ミリの東海豪雨と同規模の雨が降った場合を想定して、関係局と連携して浸水予想区域図を作成し、平成二十年までに公表しております。
現在は、平成二十七年の水防法の改正を踏まえ、浸水想定に用いる降雨を、国土交通省が定める総降雨量六百九十ミリ、時間最大雨量百五十三ミリの想定最大規模降雨に変更して見直しを進めているところでございます。
令和元年度末までに、対象としている十六流域のうち十二流域で浸水予想区域図を公表しており、残りの流域につきましては、今年度に作成予定でございます。
○鳥居委員 ありがとうございます。区市の洪水ハザードマップやこの浸水予想区域図は、都民における浸水に対する備えの意識醸成に必要なものと思います。作成した区域図のPRもしっかりと取り組んでいただくようお願いいたします。
次に、震災対策について伺います。
今年度末には、東日本大震災から、はや十年がたとうとしておりますが、ことしは幸いなことに、比較的甚大な地震は発生しておりません。しかしながら、東京は首都直下地震という大規模地震のリスクを有しており、震災対策は急務と考えます。
下水道局では、下水道管と水再生センターなどの施設の震災対策に計画的に取り組んでおられると認識しますが、一方で、大規模地震の際に震災リスクをゼロにすることは、ハード対策だけでは困難と考えます。
したがって、震災後を想定し、万が一の震災に対する応急復興を万全にすることも重要な対策の一つと考えます。
そこで、下水道局における下水道管の応急復興の考え方について伺います。
○佐々木計画調整部長 下水道管の復旧につきましては、東京都地域防災計画などを踏まえ、段階的に下水道機能を確保していくこととしております。
このため、発災直後には、下水道管周辺の路面異常などを確認する緊急調査、マンホールのふたをあけて内部の状況を目視で確認する一次調査や、下水道管の亀裂や土砂堆積に対する応急復旧工事などを実施いたします。
これらの調査や応急復旧調査を速やかに実施するために、当局では、事業継続計画、いわゆるBCPの考え方を取り入れた東京都下水道局災害対策マニュアルを策定いたしまして、発災時に優先して遂行する業務に対して、限られた人材や資機材などの資源を効率的に投入することとしております。
さらに、都だけでは対応が困難な広域的な被害が発生した場合に備え、下水道災害時における大都市間の連絡・連携体制に関するルールなどを策定いたしまして、各都市との連携を強化するとともに、下水道メンテナンス協同組合などの民間団体とも協定を締結し、万全を期しております。
○鳥居委員 発災後における下水道管の応急復興の考え方についてお話しいただき、理解いたしました。
次に、水再生センターなどの震災対策の取り組みについて、令和元年度の状況を伺います。
○佐々木計画調整部長 水再生センターやポンプ所につきましては、想定される最大級の地震動でございます震度七相当に対し、震災後においても必ず確保すべき揚水機能、簡易処理機能、消毒機能の三機能を維持するための施設の耐震化に取り組んでおります。
令和元年度は、目標四十七施設に対しまして五十施設の耐震化を実施し、経営計画二〇一六の計画期間でございます五年間で目標とする百七施設の耐震化を全て完了いたしました。
これらのハード対策に加え、水再生センター、ポンプ所におきましても、東京都下水道局災害対策マニュアルに基づきまして、発災後に、速やかに応急復旧活動に必要な体制を確保し、下水道機能の維持、回復を図ることとしております。
あわせまして、下水道管と同様に、各都市や東京下水道設備協会などの民間団体と協定等を締結し、万全を期しております。
○鳥居委員 発災後において、BCPの考え方に基づいて業務を遂行することや、甚大な被害の場合等、他都市との連携の仕組みを構築している状況がわかりました。こうした取り組みを万全にし、地震発生後の首都機能を確保できるよう、訓練の実施などにも継続して取り組んでいただくようお願いいたします。
次に、合流式下水道の改善について伺います。
東京都の区部の大部分は、汚水と雨水を一本の下水道管で流す合流式を採用しています。この合流式では、雨が強く降ると、汚水がまじり、汚れた雨水が川や海に放流されてしまいます。
東京都では、合流式下水道を分流式につくり変えるためには十兆円を超える費用がかかることから、合流式下水道の改善を推進しております。この手法により、将来的には、川や海へ放流される汚れの量、いわゆる汚濁負荷量が、分流式の場合と同じ程度になることを目標にされております。
さらに、この合流式の改善については、下水道の法令で放流の水質基準が定められており、令和五年度までにその水質基準への適合が求められております。
そこで、合流式下水道の改善対策の取り組み状況をお伺いします。
○佐々木計画調整部長 合流式下水道は、道路や宅地内にたまった汚れも、雨と一緒に下水道管に集め、水再生センターで処理できるという長所がございますが、強い雨の日には、まちを浸水から守るため、汚水まじりの雨水を川や海などに放流せざるを得ない仕組みとなっております。
当局では、令和六年度から強化される下水道法施行令の雨天時放流水質基準の達成に向けて、合流式下水道を改善する取り組みを進めており、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設などを累計約百七十万立方メートル整備する事業を進めております。
令和元年度は、池尻幹線、新駒沢幹線を改造するなど、三十万立方メートルの施設を整備し、元年度末までの累計で約百五十万立方メートルの貯留施設等が稼働しております。
○鳥居委員 昨年度には、約三十万立方メートルに相当する貯留施設などが完成したとのことであり、法令対応には、残り二十万立方メートルの整備が必要と思います。期限が残り少なくなっていることから、必要量確保に向けた取り組みをお願いいたします。
次に、高度処理についてお伺いします。
東京湾でさらに良好な水環境を形成するためには、赤潮の発生原因である窒素やリンの削除に取り組んでいくことが必要です。
下水道局は、区部と多摩地域で二十カ所の水再生センターを管理していますが、それらの水再生センターにおける高度処理の令和元年度の取り組み内容を伺います。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、標準的な処理法と比べ、窒素やリンを大幅に削減できる高度処理の導入を進めております。
しかしながら、高度処理は、標準的な処理法と比べ、規模が大きい施設を新たに整備する必要がございまして、用地の確保が必要になるとともに、整備に時間を要します。
そのため、窒素とリンの除去率は若干劣るものの、既存施設の改造などにより効率的に水質改善を図ることができる準高度処理の導入も、水処理施設の設備更新に合わせて進め、早期の水質改善を図っております。
令和元年度は、高度処理と準高度処理を合わせた一日当たりの処理能力につきまして、三十七万立方メートル増強する目標に対して、入札不調の影響などにより、三十三万立方メートルの施設増強にとどまっておりますが、不調により達成できなかった施設につきましては、既に工事契約を締結しており、今年度中の完成に向けて工事を進めているところでございます。
○鳥居委員 令和元年度については目標に達していなかったとのことですが、おくれを取り戻すように、契約となった工事の早期の完成をお願いいたします。
また、東京湾の水質は、東京都だけではなく、関係する自治体の総合的な取り組みが必要です。そのためには、引き続き、東京都が率先して高度処理の取り組みなどを推進していただきたいと考えます。
次に、エネルギーの取り組みについて伺います。
下水道事業においては、水処理や汚泥処理の工程において大量のエネルギーを消費しており、東京における消費電力の一%を占めていると聞いております。省エネルギー化の取り組み等が、事業を進める上で必須と考えます。
下水道局では、そうした背景のもと、下水道事業におけるエネルギー基本計画であるスマートプラン二〇一四を策定し、積極的な省エネルギー化等に取り組んでいると認識しております。
そこで、スマートプラン二〇一四の計画内容と事業の進捗状況について伺います。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、スマートプラン二〇一四を策定し、総エネルギー使用量に対する再生可能エネルギーと省エネルギーの割合を、二〇二四年度までに二〇一四年度比で二〇%以上とすることを目標に取り組みを推進しております。
令和元年度には、多摩川上流水再生センターにおきまして、電気や燃料の使用量を大幅に削減できる高温省エネ型焼却システムの整備を進めております。
このような取り組みによりまして、総エネルギー使用量に対する再生可能エネルギーと省エネルギーの合計の割合は、令和元年度末時点で一二%となっております。
○鳥居委員 これまで各主要施設の取り組み内容等を中心にお伺いしてきました。
ここからは、改めて技術開発についてお伺いいたします。
一昨年前の公営企業会計決算特別委員会において、再構築に関する我が会派の質疑に対して、枝線の再構築に必要な今後の概算総事業費用は、さまざま条件を仮定した上での概算で約二兆二千億円の見込みであるとの答弁がありました。
首都東京を支える区部の下水道管は、総延長で一万六千キロメートルを超え、毎日、四百万立方メートルの下水を集めており、その更新費用としては理解できるものではあります。
また、これは見方を変えれば、相当の規模の市場、マーケットであるともいえます。こうした市場規模を背景として、多方面から技術の参入を図り、その技術の開発により、東京の下水道をより一層進化させていくことが下水道局に求められているのではないでしょうか。
そこで、技術開発に対する下水道局の取り組み方針と、令和元年度における取り組み状況について伺います。
○袰岩技術開発担当部長 下水道施設の老朽化など、下水道事業が直面する課題や将来を見据えて解決すべき課題につきましては、計画的に技術開発に取り組む必要がございます。
このため、下水道局では技術開発推進計画二〇一六を定め、将来にわたる技術開発ニーズを的確に把握し、開発テーマの優先度をつけ、重点化するなど、効率的に技術開発を推進するとともに、下水道に限らず、さまざまな分野との技術の融合を図るオープンイノベーションにより課題の解決を図ることなどを取り組み方針とし、技術開発を推進しているところでございます。
こうした取り組み方針のもと、再構築におけるSPR工法や省エネルギー型の焼却炉など、数多くの技術を開発し、現場に導入してまいりました。
これまで開発してきた技術には、日本国内を初め、海外に展開している技術もございます。
令和元年度には、民間企業や大学などとの共同研究のさらなる活性化のため、研究開発の拠点である下水道技術研究開発センターを拡充したところでございます。
このセンターは、水処理実験プラントや実験フィールドなどの施設を有するとともに、実際の流入下水や汚泥等の試料を提供することで精度の高い実験を行うことができ、これらを活用して下水中から効率的にリンを回収する技術などの共同研究をスタートさせているところでございます。
今後とも、産学公が連携し、先進的な技術開発に積極的に取り組み、日本における下水道技術をリードしてまいります。
○鳥居委員 ありがとうございました。技術開発推進計画に基づき計画的に取り組むとともに、技術開発ニーズの発信や共同研究などの仕組み構築により、民間企業や大学などの連携を図るなど、オープンイノベーションを推進しておられると認識いたします。
超高齢社会化が進み、また、巨大な成熟都市となった東京が直面する大きな課題に対し、その解決策を見出すことを求められる環境にいるということは、アドバンテージとして捉えられると考えます。
また、将来にわたり継続する再構築の事業については、大きな市場規模を有しており、多方面からの技術の参入が図られると考えます。
そのような環境にある東京は、課題を乗り越えて解決法を見出すことにより果実が得られる、さらなる成長のきっかけとして捉えられていると考えます。
そのような中、下水道局においては、抱える課題に対し、公募型共同研究などによりニーズを追求した取り組みを進め、民間企業などへの還元として、開発された技術を導入することを前提として共同研究を進めておられます。
また、民間企業等が持つシーズを活用するため、ノウハウを提供し、また、固有の研究ができるフィールドを提供した共同研究を進めていると認識いたします。
開発した技術は、民間企業とも連携しながら、日本中が抱えている課題として、東京が今後も積極的に全国に展開し、さらには海外へと展開していくことを期待しております。
また、開発した技術によるベネフィットにより次の開発につなげる、知的創造サイクルともいいますが、そうした好循環をつくって、新たな持続発展の道を切り開いていただきたいと期待しております。
最後に、昨年度の決算委員会の中でも我が会派から確認させていただきましたが、今後の下水道施設の運営手法のあり方について一言申し上げます。
下水道局では、二〇一八年度以降、包括委託やコンセッション方式などの施設運営手法について検討した結果、さらなる生産性の向上を図る観点から、二〇二二年度より、区部と多摩の一部の水再生センターにおいて包括委託を導入していく方針が、さきの第三定例会の常任委員会に報告されました。
効率的かつ効果的な事業運営により、持続的、安定的に下水道サービスを提供するということは重要であり、今後の方針が都民にとって最適な施設運営手法の選択となるよう、今後、しっかりと取り組んでいただきたいことを要望し、私の質疑を終わります。
○伊藤委員 まず、区部下水道事業の浸水対策について伺います。
区部においては、十三カ所の水再生センターで、一日当たり約四百二十万立方メートルの下水を処理しています。
汚水と雨水の合流式である区部の下水道事業の役割は、汚水の処理のほか、雨水排水など衛生的な生活環境の確保や、良好な水循環をつくっています。
下水道局では、近年、激甚化する豪雨に対応するため、浸水対策を進めていますが、東京都下水道事業経営計画二〇一六の四年目となった令和元年度は、五十ミリの降雨に対する浸水対策がどの程度進捗しているのか、伺います。
○青木建設部長 下水道局では、区部全域で時間五十ミリ降雨に対応することを基本に、幹線やポンプ所等の基幹施設の整備を進め、雨水排除能力の強化に取り組んでおります。
時間五十ミリに対応する施設整備を行う地区といたしましては、五十ミリ施設整備地区三十五地区、五十ミリ拡充対策地区六地区を重点化し、令和元年度は、杉並区荻窪地区及び文京区千駄木地区の二地区で事業が完了いたしております。
これらの施設整備により、同年度末までに十九地区で事業が完了し、区部における一時間五十ミリの降雨に対応できる面積の割合は七〇%となっております。
○伊藤委員 五十ミリ対策が約七割進んでいる状況が確認できました。
経営計画二〇一六では、五十ミリ降雨への対応に加えて、大規模地下街や甚大な被害が発生している地区について、レベルアップして、一時間七十五ミリ降雨への対応など、地区を重点化して下水道施設の整備を進めています。
そこで、七十五ミリ施設整備の進捗状況についても伺います。
○青木建設部長 下水道局では、ご指摘のとおり、時間七十五ミリの降雨に対応した施設整備を、地下街対策地区九地区、市街地対策地区四地区で推進しております。
地下街対策地区は、新宿駅など六地区で事業が完了し、現在、上野・浅草駅など三地区で事業を推進しております。
市街地対策地区は、平成二十五年の豪雨で甚大な被害が発生した地区で、大量の雨水を取り込むための大口径で延長の長い下水道管を整備してございますが、完成まで相当な期間を要する見込みでございまして、三地区では、令和元年度から、一部完成した施設を暫定貯留管などとして活用することで効果を発揮させております。残る一地区につきましても、令和三年度中に効果を発揮させるよう、暫定貯留に向けた工事を実施中でございます。
○伊藤委員 ご答弁をいただいたように、五十ミリや七十五ミリの整備を着実に進めていただくことが重要です。
一方、大規模な施設を整備する工事におきましては、用地の確保等のさまざまな課題があることと思います。
そこで、このような施設整備を進める上で、この工事の難しさについても伺います。
○青木建設部長 下水道管は、下水が自然に流れるよう、傾斜をつけて設置するため、深い位置に埋設することが多く、技術的に大きな土圧や水圧に耐えられる構造とする必要がございます。
また、限られた地下空間に、水道管やガス管など、ほかの多くのインフラ施設も埋設されてございまして、それらを避けながら、慎重な掘削や設置が必要であることから、工事に長い時間を要します。
加えまして、工事に必要な用地を確保することが難しく、工事着手までに相当な時間を要する工事が多い状況となっております。
○伊藤委員 区部という、さまざまな困難があるものの、課題を克服しながら事業を進めていただきたいと思います。
それでは、昨年の令和元年東日本台風では、都内でも記録的な豪雨となりましたので、浸水対策はこれまで以上に強力に進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
○佐々木計画調整部長 激甚化する豪雨等を踏まえまして、これまで進めてきた施設整備を着実に推進するとともに、新たな検討を加えたさらなる取り組みの加速、強化が必要でございまして、本年一月に、関係局とともに東京都豪雨対策アクションプランを策定いたしました。
このアクションプランに基づきまして、幹線や貯留施設の整備などの対策を加速、強化していくとともに、七十五ミリ施設整備する地区等の追加につきまして、最新の流出解析シミュレーション技術を活用した検証を令和二年度末までに完了いたします。
○伊藤委員 ご答弁ありがとうございます。
次に、八月末に供用開始しました渋谷駅東口の雨水貯留施設について伺います。
渋谷駅周辺は、すり鉢状の地形であるため、雨水がたまりやすく、過去には、西口で地下街への浸水被害も発生しています。
よって、浸水対策が急務でありますが、建物が密集しているほか、地下埋設物がふくそうしていることなどから、大規模な施設整備が困難でありました。
今回、開発事業者と連携して整備を行ったようですが、この雨水貯留施設の整備はどのように進めたのか、伺います。
○佐々木計画調整部長 渋谷駅西口及び東口を地下街対策地区に選定しておりまして、このうち西口につきましては、平成十八年度に、貯留量四千立方メートルの雨水貯留管を既に整備してございます。
一方、委員お話しのございました東口につきましても、渋谷駅周辺の再開発の機会を捉え、整備を行うこととし、整備に当たりましては、当局が開発事業者と協定を締結し、開発事業者が駅前交通広場の地下に雨水貯留施設を、貯留施設に接続する下水道管を当局が整備することといたしました。
○伊藤委員 さて、ご答弁いただきました渋谷駅西口では、平成十八年に、既に下水道局により同規模の貯留施設を整備済みであるとのことです。
それでは、今回、この新しい施設の供用開始により、浸水対策にどのような効果が期待できるのかも伺います。
○青木建設部長 渋谷駅東口の雨水貯留施設でございますが、東口周辺の雨水を広場の地下に整備をいたしました貯留施設に流入させ、二十五メートルプール十三杯分に匹敵する約四千立方メートルを貯留するものでございまして、本年八月に供用を開始したところでございます。
この施設の供用開始により、西口の貯留施設と合わせ、渋谷駅周辺の雨水を約八千立方メートル貯留することができるようになったことから、渋谷駅の地下街への雨水浸入を防止し、近年、増加しております豪雨への安全度が高まるものと考えております。
○伊藤委員 多くの人が集まる場所ですので、ご答弁のあった効果を期待しています。
続いて、ソフト対策についても伺います。
そもそも、下水道施設の整備により、大幅に浸水被害は減りますが、規模が大きい場合などは、非常に長期間を要します。もちろん、幹線や調整池などのハード整備も大事ですが、ソフト対策も重要であります。
どのような取り組みを行っているのか、伺います。
○猪八重施設管理部長 豪雨からお客様の生命や財産を守るため、お客様みずからが浸水に備える取り組みを支援いたしますソフト対策は、委員お話しのとおり、極めて重要でございます。
具体的には、東京アメッシュにより、きめ細かな降雨情報をリアルタイムで発信しておりまして、スマートフォンなどで活用いただいているところでございます。
また、毎年六月を浸水対策強化月間と定めておりまして、下水道施設の総点検を行いますとともに、お客様に浸水の備えをしていただきますよう、区や市などと連携して、土のうや止水板の準備などの注意喚起を行うことに加えまして、浸水のおそれのある半地下家屋に対しましては戸別訪問を実施しております。
さらに、浸水の危険性の理解や迅速な避難に役立てていただきますよう、区市が作成する洪水ハザードマップのもととなります浸水予想区域図の見直しを河川管理者と連携して実施いたしております。
○伊藤委員 浸水対策は、都民の安心・安全確保のために重要な施策でありますので、引き続き、ハード、ソフト両面で着実に対応していただきたいと思います。
続きまして、流域下水道の単独処理区の編入について伺います。
多摩地域の下水道は、流域下水道と単独公共下水道などから構成され、流域下水道区域では、東京都が幹線及び水再生センターなど基幹施設を、そして、市町村が各家庭から流域下水道幹線までの施設を設置、管理しています。
また、古くから市街化が進んできた八王子市や立川市などでは、市が単独で各家庭から処理場までの下水道施設を設置、管理しています。
例えば、私の地元、八王子市単独処理区の北野下水処理場のうち、合流区域の下水を受け入れる施設は昭和四十四年から、分流区域の施設は昭和五十五年から、それぞれ供用開始したので、既に四、五十年が経過しています。
このように、八王子市や立川市の単独処理区では下水処理場が更新時期を迎える中、平成二十一年に流域下水道への編入計画が決定されています。
八王子市は令和二年度、立川市は令和五年度にそれぞれ編入予定と聞いていますが、単独処理区の編入の現状はどこまで進んだのか、伺います。
○小団扇技術部長 単独処理区の編入に向け、都と市が必要な施設整備の役割分担を定め、事業を進めております。
八王子市単独処理区の編入につきましては、平成二十七年度に、全体の四割に当たる分流区域を編入いたしました。
現在、残る六割の合流区域の編入に向け、都は下水を受け入れる八王子水再生センターの高度処理施設やポンプ施設の増設を、八王子市は流域下水道の幹線に接続する施設整備を進めており、令和三年一月には、十年以上にわたり、市と緊密に連携して取り組んでまいりました八王子市単独処理区の編入が完了する予定でございます。
一方、立川市単独処理区の編入につきましては、令和五年度の編入に向け、現在、都は下水を受け入れる北多摩二号水再生センターのポンプ施設や汚泥処理施設の増設を、立川市は接続幹線などの施設整備を進めております。
引き続き、関係市と連携して編入事業を進めてまいります。
○伊藤委員 八王子市については来年の一月に完了するということですし、立川市についても着実に進めてもらいたいと思います。
編入事業は、両者にとって大きな意味合いがあります。
そこで、単独処理区の編入は、都と市にとってどのような効果があるのか、改めて伺います。
○小団扇技術部長 八王子市、立川市、いずれの下水処理場も老朽化が進んでおりますが、敷地が狭いため、施設の更新などへの対応が困難でございました。
編入することで、市による現在地での施設の更新が不要となるとともに、高度処理による水質改善も可能となります。
さらに、スケールメリットを生かして、施設の更新費や維持管理費の軽減を図ることもできます。
さらに、多摩川を挟む二つの水再生センター間を結ぶ連絡管によるバックアップ機能を活用して、震災時における下水道機能を確保できます。
これらにより、多摩地域のさらなる水環境の向上や安定した下水道サービスの提供を実現していきます。
○伊藤委員 編入による都と市の効果を確認いたしました。
さて、単独処理区が編入された場合には、当然のことながら、編入先の流域下水道の水再生センターで汚水処理を行うことになります。各水再生センターは、施設の整備や必要な手続を進めていくことになりますが、編入分だけ汚水処理の区域が広がることになります。
それでは、編入された場合の各水再生センターの地元への理解や周知は図られているのか、伺います。
○小団扇技術部長 都はこれまで、市と連携して、単独処理区の編入の計画策定や工事着手など、事業の進捗に応じて地元に説明するとともに、理解を得られるよう意見交換を行ってまいりました。
具体的には、ホームページでの情報発信に加え、編入事業や接続幹線工事などの説明会、地元の代表者と都、市で構成する協議会などを実施しております。
今後も引き続き、市と連携して、単独処理区の編入について丁寧に説明してまいります。
○伊藤委員 そもそも各水再生センターは、施設の立地する地元住民のご理解とご協力により支えられていますので、単独処理区の編入についても、丁寧な説明と対応を要望しておきます。
続いて、区部下水道の合流式下水道の改善についても伺います。
衛生環境の改善と雨水排除の両方を早期に進める必要があったため、二十三区の大部分は、汚水と雨水を同じ下水道管で流す合流式下水道で整備されています。合流式では、大雨が降ると汚水まじりの雨水が流れ出ることがあり、雨天時の水質悪化の要因の一つになっています。
経営計画二〇一六では、令和六年度から強化される下水道法施行令の雨天時放流水質基準の達成に向け、降り始めの雨による特に汚れた下水を貯留する施設の整備を進めるとしています。
また、従来の処理に比べ、省スペースで汚濁物を約二倍多く除去することが可能な技術である高速ろ過施設を水再生センターに導入することを事業指標に掲げています。
そこで、高速ろ過施設の導入について進捗状況を伺います。
○青木建設部長 下水道局では、経営計画二〇一六におきまして、東京二〇二〇大会に向け、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設に加えまして、既存施設の改造により、早期に導入可能な高速ろ過施設を組み合わせることで、整備ペースを、前計画に比べ約二倍にスピードアップする対策を推進してございます。
令和元年度は、導入を予定しておりました六カ所全ての水再生センターで高速ろ過施設が完成したことにより、貯留施設に換算をいたしまして、累計で百五十万立方メートル相当の降雨初期の汚れた下水を貯留することが可能となっております。
○伊藤委員 かつて東京の河川は、工場排水や生活雑排水で汚染が進みましたが、下水道の整備で、河川の水質は劇的に改善しました。
私の地元でも、都内の河川ワーストテンに幾つも上がっていましたが、現在、下水道普及率はおおむね一〇〇%となり、市内の河川で、清流の象徴であるアユ釣りができるようになりました。これらも下水道整備のおかげだと思っていますので、引き続き、区部下水道の合流式下水道改善を進めていくことを求めておきます。
さて、下水道局では、サービスの維持向上を図るために計画的に技術開発に取り組むとともに、日本の下水道技術をリードしていくこととしています。技術開発と一口にいっても、施設の再構築や浸水対策、水処理など、下水道事業の技術開発は多岐にわたります。
先ほど答弁のあった合流式下水道の改善に関連して、水面制御装置の開発と国内外への展開が、土木分野で栄誉のある賞の令和元年土木学会賞を受賞したとのことであります。
それでは、下水道局が開発に携わった水面制御装置の特徴と、また、国内外の導入状況についてもあわせて伺います。
○袰岩技術開発担当部長 水面制御装置は、雨天時に合流式下水道の雨水はけ口から河川などへのごみの流出を防ぐことを目的とした技術でございまして、ごみを七割以上できることに加え、構造が単純で設置や維持管理などが容易なこと、低コストであること、動力を必要としないことなど、すぐれた特徴を有しております。
国内外の導入状況についてでございますけれども、下水道局では、区部にある約七百三十カ所の雨水はけ口への設置はおおむね完了しているところでございまして、東京都のほかでは、大阪市や名古屋市など約六十の都市に導入されております。
海外では、令和元年度は新たにイギリスで試験的に導入され、これまで導入されていたドイツなど計五カ国で設置されているところでございます。
○伊藤委員 水面制御装置の特徴について確認できました。また、国内のみならず、海外も含め、多くの都市で使われているとのことであり、下水道局の技術開発力の高さを評価しますので、さらなる技術開発に挑戦していただきたいと思います。
最後に、経営基盤の強化に関して、人材育成と技術継承についても伺います。
さきの三定で、東京にふさわしい下水道施設運営手法のあり方について報告がされましたが、東京の下水道は、ネットワーク化された上に、豪雨対応のリスクなどを考慮し、一部は包括委託を導入しますが、基本は下水道局が運営していくことになりました。
さまざまな課題を抱える中、持続可能な下水道サービスを維持発展させていく上で、人材育成と技術継承は重要な課題であります。
加えて、下水道事業には、民間事業者も多くの役割を担っていることから、下水道局、政策連携団体、民間事業者など、官民あわせての人材育成、技術継承も必要であります。
それでは、ベテラン職員の大量退職などにより、下水道事業に携わる人材の育成と技術継承が喫緊の課題となっておりますが、どのような取り組みを行っているのか、伺います。
○白川職員部長 下水道事業を安定的に運営していくためには、事業に係る人材の育成と技術の継承が重要でございます。
そのため、下水道事業を担う局、政策連携団体である東京都下水道サービス株式会社--これをTGSと呼んでおります--及び豊富な現場経験を有する民間事業者、これら三者の人材育成や技術継承につきまして、局はこれまで、推進、支援を行ってまいりました。
具体的には、工事現場や水再生センターの施設などを再現した、局が所有する実習施設である下水道技術実習センターを活用いたしまして、TGSと連携協力し、局職員に対する研修を行うとともに、民間事業者等のニーズに合わせ、TGSや民間事業者の新入社員や若手技術者を対象にした研修などを実施しているところでございます。
今後とも、こうした現場重視、実践重視のさまざまな取り組みを行いまして、下水道界全体の人材育成、技術継承を進めてまいります。
○伊藤委員 人材育成と技術継承は、東京の下水道事業にとっての大変重要な課題でありますので、しっかり取り組んでいただくことを要望し、質問を終わります。
○うすい委員 下水道局は、経営計画二〇一六を策定し、中長期の目標は五カ年の計画を立案して、計画的に事業を実施していることと認識しているところであります。
下水道事業は、家庭等からの汚水を処理し、宅地や道路に降った雨を排除する等の役割を持ち、一日も休むことなく施設を稼働させる必要があるわけですが、一方で、大規模な浸水対策など、数カ年に及ぶ取り組みも多いため、毎年度の取り組みをしっかりと確認することが重要であると思っております。
そこで、令和元年度の決算の内容について、主なものを取り上げながら、何点か質問をさせていただきたいと思います。
まず、東京都下水道事業会計決算の区部下水道事業を取り上げ、最初は再構築事業について伺いたいと思います。
再構築事業は、建設事業費の約半分を占めている主要な事業であり、中でも二十三区内に網の目のように張りめぐらされている枝線の再構築は、まさに都民の生活に直結することから、まずは、下水道管の枝線の再構築の考え方と令和元年度の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
○佐々木計画調整部長 老朽化した枝線の再構築に当たりましては、ライフサイクルコストの最小化や中長期的な再構築事業の平準化などを図るアセットマネジメントの手法を活用し、計画的かつ効率的に事業を実施しております。
具体的には、下水道管の状況を調査し、適切な維持管理を行うことで、法定耐用年数の五十年から、経済的耐用年数である八十年程度まで延命化を図り、その上で、経営計画二〇一六期間内に三千五百ヘクタールの再構築を実施することとしております。
また、区部を整備年代により三つのエリアに分け、老朽化対策とあわせて、雨水排除能力の増強などを一体的に図り、効率的に再構築を実施しております。
このうち整備年代の古い都心部の約一万六千三百ヘクタールを第一期再構築エリアとして、普及概成後の平成七年度から優先的に再構築を進め、令和十一年度までに第一期再構築エリアを完了させることを中長期的な目標としております。
令和元年度につきましては、七百二十七ヘクタールの再構築を実施しており、累計で、第一期エリアの五八%に当たります九千三百七十三ヘクタールを完了しております。
○うすい委員 ありがとうございます。区部の三つのエリアのうち、第一期再構築エリアについては約六割が完了したとのことでありますが、答弁をいただいたとおり、令和十一年度末の完了に向けて、今後とも着実に取り組んでいただきたいと思います。
続いて、震災対策について伺います。
東京の抱えるさまざまなリスクのうち、中でも地震のリスクは極めて大きく、インフラの対策は喫緊の課題であります。
特に、さきに言及したように、膨大にある下水道管の対策が重要であるわけでございますけれども、下水道管の震災対策について、経営計画の目標に対する進捗状況をお伺いしたいと思います。
○青木建設部長 下水道管の震災対策につきましては、震災時の下水道機能の確保及び緊急輸送道路などの交通機能の確保という二つの面から推進しております。
下水道機能の確保といたしましては、避難所やターミナル駅などを対象といたしまして、これらの施設から排水を受け入れる下水道管とマンホールの接続部の耐震化を実施しております。
経営計画で示してございます令和二年度末累計目標の対象施設四千百五十五カ所のうち、令和元年度に百九十六カ所で工事を完了させ、同年度末までに、約九九%に当たる四千百十一カ所で対策を完了しております。
交通機能の確保といたしましては、地盤の液状化により浮上したマンホールが交通の障害となるおそれのある緊急輸送道路に加えまして、緊急輸送道路と避難所などを結ぶ道路を対象に、マンホールの浮上を抑制する対策を実施しております。
令和二年度末累計目標でございます対象道路千二百五十キロメートルのうち、令和元年度に約二十四キロメートルで工事が完成し、同年度末までに、約九九%に当たります千二百三十四キロメートルで対策を完了しております。
引き続き、計画の達成に向け、着実にこれらの耐震化を推進してまいります。
○うすい委員 ありがとうございます。膨大な下水道管に対して重点化して取り組んでいるということで、目標に対して、おおむね達成の見込みであることを理解しました。五カ年の目標に対して、あとわずか一%ですので、引き続きの着実な取り組みとともに、次期計画においてもしっかりと進めていただくことを強く要望しておきます。
次に、高度処理について伺います。
老朽化や地震リスクの取り組みについて伺いましたが、下水道事業の目標には公共用水域の水質保全という大事な役割があり、環境の面でも水質向上に取り組み続けていく必要があります。
そこで、高度処理の考え方と取り組み内容についてお伺いをいたします。
○佐々木計画調整部長 下水中に含まれる窒素やリンは、東京湾における赤潮発生要因の一つであるため、下水道局では、標準的な処理法と比べ、窒素やリンを大幅に除去できる高度処理の導入を進めておりますが、高度処理は、標準的な処理法と比べ、規模が大きい施設を新たに設置する必要があり、用地の確保が必要になるとともに、整備に時間を要します。
そのため、窒素とリンの除去率が若干劣るものの、既存施設の改造などにより効率的に水質改善を図ることのできる準高度処理の導入も、水処理施設の設備更新に合わせて進め、早期の水質改善を図っております。
令和元年度末までに、高度処理と準高度処理を合わせた一日当たりの処理能力は、累計で四百十一万立方メートル完了しておりまして、引き続き、経営計画の目標でございます令和二年度末累計四百三十万立方メートルを目指して取り組みを進めてまいります。
○うすい委員 令和二年度末の目標である四百三十万立方メートルに向けて、引き続きの取り組みをお願いいたします。
また、高度処理は、維持管理に使用する電力使用量が、標準的な処理法に比べ増加すると聞いていますが、一方で、持続可能性の観点から地球温暖化対策などの取り組みも重要だと思っています。
下水道局はこれまでも、良好な地球環境を次世代に引き継ぐため、平成十七年の京都議定書の発効に先駆けて、平成十六年に下水道事業における地球温暖化防止計画アースプラン二〇〇四、平成二十二年にはアースプラン二〇一〇を作成したと聞いています。
さらに、平成二十九年には、前年に策定された東京都環境基本計画を踏まえ、アースプラン二〇一七を策定し、温室効果ガスの削減に積極的に取り組んでいるとのことでありますが、アースプラン二〇一七の考え方について改めてお伺いをしたいと思います。
○佐々木計画調整部長 アースプラン二〇一七では、浸水対策や高度処理などの下水道サービスの向上により温室効果ガス排出量の増加が見込まれる中、下水道事業から発生する温室効果ガス排出量を二〇三〇年度までに二〇〇〇年度比で三〇%以上削減するという高い目標を設定しております。
本計画では、エネルギー基本計画であるスマートプラン二〇一四との両立や最新技術の先導的導入などの三つの基本方針のもとに、徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの活用、水再生センターにおける処理工程、方法の効率化などの六つの取り組み方針を掲げまして、温室効果ガスの削減に取り組むこととしております。
○うすい委員 今、ご答弁いただいたとおり、温室効果ガス排出量について、二〇三〇年度の目標である二〇〇〇年度比で三〇%以上の削減という高い目標は、ぜひ達成をしていただくことを強く要望しておきます。
そこで、アースプラン二〇一七の目標を達成するために、具体的な取り組みの内容と進捗状況をお伺いいたします。
○佐々木計画調整部長 アースプラン二〇一七に掲げた取り組み方針のうち、徹底した省エネルギーでは、下水処理の過程で発生する汚泥を重力を利用してろ過濃縮する省エネルギー型の濃縮機を葛西水再生センターなどで導入いたしました。
また、処理工程、方法の効率化につきましては、送風機と散気装置の組み合わせを見直すことで送風量の最適化を図る取り組みを新河岸水再生センターなどで進めました。
このような取り組みの結果、令和元年度末時点で、温室効果ガス排出量を二〇〇〇年度比で二六%の削減となっておりまして、引き続き、目標の達成を目指して取り組んでまいります。
○うすい委員 温暖化対策の取り組みについて、二〇〇〇年度比で二六%の削減ということで、目標まであと四%。高い目標なので、達成までは容易ではないと思いますけれども、良好な地球環境を次世代に引き継ぐために、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
ここまで下水道局の各施策について伺ってきましたが、これらの施策を着実に推進するためには、安定的な下水道経営を続けていく必要があります。
局の財政状況を見ますと、下水道料金収入は、使用者の小口化の進展により、長期的に逓減傾向にありますが、このような状況の中でも、これまで下水道局が培ってきた知識や経験を活用し、建設から維持管理までのトータルコストの縮減を図ることが重要であります。
そこで、令和元年度に実施したコスト縮減の事例とその効果についてお伺いをいたします。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、将来にわたって、最少の経費で最良のサービスを安定的に提供していくため、経営計画二〇一六に基づき、建設から維持管理までのトータルコストの縮減に取り組んでおります。
令和元年度は、建設コストの縮減といたしまして、アセットマネジメント手法を活用した雨水ポンプなどの再構築などを実施するとともに、維持管理コストの縮減といたしまして、省エネルギー型汚泥脱水機の導入などを行いました。
これらの取り組みにより、四十一億円のコスト縮減を実現いたしました。
○うすい委員 ご答弁いただきまして、建設から維持管理まで全体的に取り組んで、四十一億円のコストを縮減したことを確認させていただきました。
下水道局は、コスト縮減だけではなくて、収入の確保にも取り組んでおられます。経営レポート二〇二〇では、品川シーズンテラスの収益を含む資産の有効活用では、一年間に六十七億円の企業努力があったと記載されているわけですが、一方で、私の地元のみやぎ水再生センターでは、上部が公園など、地域住民の憩いの施設として活用されております。こうした地域への貢献は金額であらわすことはできませんが、下水道事業への住民の理解を得るよい機会にもなり、非常に意義深いことだと思っております。
そこで、水再生センターの上部利用についてはどのような活用がなされているのか、お伺いをいたします。
○佐々木計画調整部長 現在、水再生センターの上部利用は、下水道局が管理する全ての水再生センター二十カ所で、東京ドーム約十六個分に相当する七十五ヘクタールで実施しております。
上部利用施設につきましては、基本的に地元区市が利用形態を決め、整備や維持管理を行っており、主に公園や運動場などとして活用されております。
○うすい委員 水再生センター二十カ所、約七十五ヘクタールで東京ドーム十六個分という広さの上部利用が地域に貢献をしているということを理解しました。
さらに、震災などの災害時にも有効活用されるべきです。昨今の災害の状況も踏まえ、避難所施設を管理する地元区市もさまざまな意見を持っていると思います。
そこで、上部利用施設における震災などの災害時に備えた取り組みが極めて重要と考えます。局としてはどのような取り組みがあるのか、お伺いをいたします。
○猪八重施設管理部長 二十カ所の水再生センターのうち、十カ所の水再生センター施設上部の公園などが避難場所として指定されております。
下水道局では、震災時などの停電の際に、非常用発電設備の電力の一部を、下水処理機能に支障がない範囲で、これらの避難場所に供給する取り組みを実施しているところでございます。
具体的には、避難場所を管理する地元区市からの要望を踏まえまして、停電時に上部利用施設に電力を供給する設備を、令和元年度末までに八カ所の水再生センターで設置しておりまして、今後も、地元区市からの要望に可能な限り協力してまいります。
○うすい委員 下水道施設が、防災に対しても貢献していることがわかりました。
先ほど申し上げた、私の地元、みやぎ水再生センターにも、宮城ファミリー公園という上部利用施設があります。
みやぎ水再生センター付近は東部低地帯に位置しており、河川の氾濫の際には大規模水害が発生することが想定されております。
今、国や区などで対策も始まっていると思いますが、国や区などから要望があった際には、ぜひ下水道局としても相談に乗っていただき、スムーズに事が進むように取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
冒頭でも述べましたが、下水道事業は長期間にわたるものが多く、決算書では見えにくい部分もあります。
例えば、私の地元の足立区千住地区における浸水対策事業でありますが、この地域は東部低地帯に位置しており、過去にたびたび浸水被害が発生しており、下水道局でも対策を進めているところであります。
平成二十九年度公営企業会計決算特別委員会でも質問させていただいておりますけれども、千住地区で建設中の隅田川幹線及び千住関屋ポンプ所とは、どういう役割を担う施設なのか、改めてお伺いをしたいと思います。
○青木建設部長 隅田川幹線及び千住関屋ポンプ所は、都市化の進展に伴う雨水流出量の増大による浸水被害の軽減を目的といたしまして、地域の雨水排除能力を向上させる役割を担う施設でございます。
隅田川幹線は、内径最大五・五メートル、総延長約三・四キロメートルの長大な幹線でございまして、千住地区約二百九十三ヘクタールの面積に降った雨を収容するものでございます。
千住関屋ポンプ所は、二十五メートルプールの水を約十秒で排水できる能力を備える大型のポンプにより、隅田川幹線で集めた雨水を隅田川に放流する施設でございます。
○うすい委員 ありがとうございました。答弁をいただいたとおり、この地域の雨水排除能力を向上させる抜本的な役割を担う、大変に頼もしい施設であることを改めて確認させていただきました。
隅田川幹線及び千住関屋ポンプ所建設の工事の進捗状況についても、どうなのかお伺いをいたします。
○青木建設部長 当局では、隅田川幹線と千住関屋ポンプ所の整備を平成二十一年度から着手してございまして、隅田川幹線は、令和元年度にシールド工事が完了いたしまして、現在、幹線に雨水を取り込む取水管等の整備工事を施行中でございます。
千住関屋ポンプ所は、ケーソンと呼ばれます二つの大型コンクリートブロックを地下五十メートルを超える深さに沈め、ブロック同士を連結することで築造するものでございますが、平成二十八年度に二つのブロックの沈設が完了いたしまして、現在、ブロックの連結に向けた作業を実施中でございます。
今後とも、令和七年度末の完成に向け、建築工事や設備工事などを着実に施行してまいります。
○うすい委員 ご答弁いただきまして、大規模な施設であり、非常に深く掘る工事でもあり、技術的に難しい面もあると思いますけれども、千住地区の豪雨災害の対策として大きな期待をしております。今、令和七年とありましたけれども、一日も早い完成を目指して頑張っていただきたいと思います。
こういった施設が完成をすれば、大きな効果があると思いますけれども、非常に長い期間の工事となっているわけでございます。
一方、千住地域というのは、低地部に位置しており、豪雨に弱い地域となっています。
そこで、早期に浸水被害を軽減するために、先行して、どのような工夫をして取り組んできたのか、その内容をお伺いしたいと思います。
○青木建設部長 当該ポンプ所及び幹線は、委員ご指摘のとおり、規模が非常に大きく、完成までに相当の時間を要することから、早期に浸水被害を軽減するため、平成七年度から平成二十三年度にかけまして、隅田川幹線に接続する取水管三カ所を先行整備いたしまして、暫定貯留管として順次稼働させております。
具体的には、足立区千住五丁目や千住仲町等におきまして、最大径三・二五メートル、総延長三千九百八十メートルの暫定貯留管を稼働させておりまして、総貯留量は二万九千百立方メートルとなってございます。
○うすい委員 ご答弁いただきまして、さまざまな工夫をして、隅田川幹線や千住関屋ポンプ所の完成前に浸水被害の低減を図っていることがわかりました。
今後も、現在建設中の二つの施設の一日も早い完成に向けて、引き続きのご努力を再度お願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○藤田委員 昨年度は、台風十五号、台風十九号と二回の台風によって、私の地元大田区では甚大な被害に見舞われました。二つの台風は、時間当たりの降雨量などにより、被害のあり方が異なっていましたので、それぞれの対策について質問させていただきたいと思います。
二〇一九年九月の台風十五号では、大田区での降雨量は、一時間当たり七十六ミリメートルを観測したと大田区のホームページに記載されています。一九八〇年代には、一時間当たり九十ミリとか、十五分で三十ミリといった激しい雨が降ったことで、大田区内でも、当時は千件から五千件という被害が起きていましたが、この十年余りを見ますと、被害件数は大分減ってきています。昨年の台風十五号でも、七十六ミリという観測ではありましたが、区内の被害は十五件ということでした。
一方、時間五十ミリを超えるような集中豪雨のたびに繰り返し被害を受けていたのが大田区上池台三丁目です。この地域は、周囲が高台となっているために谷地になっていて、二〇一三年の豪雨対策下水道緊急プランの中で七十五ミリ対策地区と位置づけられ、二〇一六年からは、ポンプ排水区へ切りかえるための整備という一つ目の対策工事を開始していました。
一昨年の私の一般質問に対し、東京都は、二〇一九年度末までに、一部完成した下水道管を暫定的に稼働させるなどして効果を発揮していくと答弁をしています。
これらの経過から、実際の効果がどうなっているのか、確認させていただきたいと思います。
経営レポート二〇二〇の一〇ページには、大田区上池台の洗足池幹線の増強施設について、事業中、一部効果発揮済みと記載されているのですけれども、具体的には、どういった工事によって効果が発揮されているのでしょうか。また、この効果はどのようなものか、伺います。
○青木建設部長 大田区上池台地区につきましては、経営計画二〇一六において七十五ミリ対策地区に位置づけ、既設洗足池幹線の雨水排除能力の増強を目的といたしまして、洗足池増強幹線の整備を推進しております。
当該増強幹線は、大量の雨水に対応するため、施設規模が大きく、完成までに相当の時間を要す見込みでありますことから、早期に整備効果を発揮させることを目的に、大田区立小池小学校南側の区道の下に、直径一メートル、延長約二百五十メートルの下水道管を先行整備いたしまして、令和二年一月より、雨水の暫定貯留管として稼働させております。
この貯留管の整備により、雨水が集まりやすい谷地となっております上池台三丁目付近において浸水被害の軽減が期待できるものと考えております。
○藤田委員 早期に効果を発揮させることを目的に下水道管を整備したということで、上池台三丁目付近で多発している浸水被害の軽減が期待できるということです。下水道管整備による効果を発揮したのがことしの一月ですから、前回の豪雨より被害は軽減されるものと思われます。これまで地元の方も出水期のたびに心配していましたので、都の事業に大変期待をしております。
一方、この一つ目の整備は昨年度末に完了し、今年度から既設の洗足池幹線を増強する整備という二つ目の対策へと移行する予定でしたけれども、一つ目の対策で工事が難航し、おくれているというお話を伺いました。
もともと洗足池幹線の整備にはかなりの時間を要するということでしたので、こうした想定外の課題も発生するものです。今後も着実に実施していただくよう求めておきます。
被害は減少してきているものの、豪雨災害も激甚化しているのが現状です。浸水被害が繰り返し起きている地域にとって、今後も過去に経験のない想定外の豪雨に見舞われる可能性はあり、不安は拭い切れません。
上池台地域の雨水幹線の増強施設は、施設の規模が大きく、完成までに相当の時間を要す見込みだということですので、早期に効果が発揮できる対策など、さらなる取り組みを進めていただくよう要望いたします。
そのような中、昨年度、東京都では、一月に豪雨対策アクションプランを策定していますが、なぜ策定したのか、策定した背景と取り組みの概要について伺います。
○佐々木計画調整部長 激甚化する豪雨等を踏まえまして、これまで進めてきた施設整備を着実に推進するとともに、新たな検討を加えたさらなる取り組みの加速、強化が必要であるため、関係局と東京都豪雨対策アクションプランを策定いたしました。
アクションプランでは、これまでの取り組みの着実な推進と加速、対策強化エリアの拡大などの新たな取り組み、樋門等の施設改良などを実施することとしております。
○藤田委員 激甚化する豪雨災害を踏まえて、新たな検討を加えたさらなる取り組みの加速、強化が必要と判断したため、策定したということです。
昨年の台風十九号による多摩川の逆流は、豪雨時に河川からの流入を防ぐために設置されている樋門が一部手動であったために、樋門に職員が到達できず、閉鎖できなかったことで発生しました。そのため、私も、昨年の一般質問で樋門操作の遠隔化を求めました。
豪雨対策アクションプランでは、樋門の転落防止対策と遠隔化について、ことしの出水期までに実施することが示されています。確実な実施を求めます。
また、歴史的に、多摩川の樋門管理は、区部では世田谷区や大田区に委託をされていますが、本来は都道府県の事業となっていますので、地元自治体の状況や課題を十分把握し、都として対策を進めることを要望いたします。
新たな検討を加えるということでは、昨年の台風十九号の検証も必要だと思います。台風十九号の多摩川が増水したことによって起きた被害について、複合的な原因があるという観点から、大田区や世田谷区と連携し、シミュレーションするなどして、都として原因究明すべきということも、昨年、私は質問で求めてまいりました。
豪雨対策アクションプランの中にシミュレーション技術の活用とありますが、このシミュレーションとは、どのようなことを目的として行ったのですか。
○佐々木計画調整部長 豪雨対策アクションプランにおけるシミュレーションにつきましては、区部全域で時間七十五ミリ降雨があった場合の下水道施設の能力検証を行うものでございます。
この検証結果を活用いたしまして、対策を強化する地区の追加を検討してまいります。
○藤田委員 今回のシミュレーションの活用は、区部全域で時間七十五ミリ降雨があった場合を想定して行ったものであり、今後、対策を強化する地区を選定することが目的だということです。つまり、私が求めた多摩川周辺の水害を想定して行ったものではないということです。
今回のシミュレーションは、下水道施設の能力の検証ということですから、検証結果については、地元の区と協力して、しっかりと地域の皆さんに検証結果をお知らせしていただくことを要望いたします。
下水道局では、低地などの浸水の危険性が高い地区等を五十四地区選定し、重点化して、五十ミリや七十五ミリの降雨に対応するための施設整備を進めています。
経営レポート二〇二〇では、七十五ミリ施設整備の地区の中に、五十ミリ施設整備の重点地区から移行した地区があることがわかります。
今回の流出解析シミュレーションの検証結果によって、五十ミリ施設整備の地区が七十五ミリ施設整備の地区になることもあり得るのか、伺います。
○佐々木計画調整部長 新たな七十五ミリ対策地区等の追加につきましては、現在、検討中でございまして、シミュレーション技術を活用した検証を令和二年度末までに完了する予定でございます。
○藤田委員 新たな七十五ミリ対応地区等の追加は、現在、検討の途上だということで、今年度末に検証が完成するという答弁でした。つまり、今回の流出解析シミュレーションの検証結果次第では、五十ミリ施設整備の重点地区が七十五ミリ施設整備の地区になることもあり得るということです。
昨年の台風十九号では、多摩川の増水や内水氾濫などの影響から、大田区の公表によると、田園調布四、五丁目一帯で五百九十九件が浸水被害を受けました。この地域は、五十ミリ施設整備の重点地区となっていて、二〇一七年度末から上沼部雨水幹線の事業を行っていますが、今回の被害を受けて、七十五ミリ対応にしてほしいという意見も出ています。
シミュレーションの検証結果から、こうした要望に応えることができるかどうかについても、地域の方へ丁寧に説明をしていただくことを求めるものです。
一方で、昨年の台風被害は、この地域に長年住んでいた方でも浸水は未経験という地域であり、これまでの整備の延長線上では十分な対策となり得ないと考えます。
昨年の私の一般質問に対して、東京都は、河川管理者など関係機関とともに大田区の対策会議に参画し、関係機関と連携し、これらの会議等を通じて技術的な助言や情報提供を行っていくと答弁しました。実際、大田区も、お隣の世田谷区でも、自治体が専門家などの力をかりて、それぞれシミュレーションを行って、対策について検証しています。
しかし、水害は、単独の自治体だけの原因で起きているわけではありませんので、シミュレーションについても、地元自治体の検証だけでなく、広域自治体の東京都としても実施し、原因究明と対策を講じていただくよう求めておきます。
豪雨対策アクションプランでは、対策を強化するエリアの拡大を検討とありますが、拡大したエリアにおいて、具体的にはどのように対策を強化することを想定しているのか、伺います。
○佐々木計画調整部長 これまで貯留施設やバイパス管整備などの浸水対策を実施してきておりますが、具体的な対策内容につきましては、新たな対策地区を選定した後に実施する調査や設計を行う段階で検討してまいります。
○藤田委員 新たに選定された地区ごとに調査や設計を行い、その段階で、具体策についても検討していくということでした。
これまで東京都は、くぼ地や坂地などの浸水の危険性が高い地域を優先して整備してきたという経過があります。また、内水氾濫を防ぐためには、雨水管の整備は重要と答弁もしてきました。
昨年の台風十九号では、内水氾濫によって、坂下の地域である田園調布四、五丁目に甚大な被害が発生いたしました。この地域で行われている上沼部雨水幹線の整備事業は、今年度末で完了予定となっています。
現在、都が行っているシミュレーションは、七十五ミリ降雨があった場合を想定しているということでしたが、昨年の台風十九号のような被害についても想定したシミュレーションを行うことが必要だと考えます。なので、国や自治体と連携して、東京都としてもシミュレーションなどを行うよう、改めて要望いたします。
下水道事業の中でも、水害対策は、整備計画が長期にわたる中で、気候変動などの影響により、災害のあり方も激甚化するなどの変化が起こり得るものです。
昨年度、東京都は、こうした激甚化する災害への対策として豪雨対策アクションプランを策定したのですが、その計画も、広域自治体としての調査や検証が求められています。
都民の命と財産を守るために多角的な検証を行うことを求めて、私からの質問を終わります。
○藤井委員 よろしくお願いいたします。
まず、浸水対策についてお伺いをしたいと思います。
昨年十月の令和元年東日本台風では、東日本を中心に甚大な被害が発生いたしましたし、また、本年も九月の台風十号の接近など、近年、頻発をいたします豪雨を考えますと、浸水対策を着実に進めていくことが重要であると考えます。
まず、下水道局におかれましては、区部の浸水対策にどのように取り組んでおられるのか、簡単にお伺いをしたいと思います。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、東京都豪雨対策基本方針等に基づき、区部全域で時間五十ミリ降雨に対応することを基本として、早期に浸水被害を軽減するために地区を重点化し、施設整備を進めております。
具体的には、五十ミリ施設整備として三十五地区を、五十ミリ拡充施設整備として六地区を、七十五ミリ施設整備として十三地区を選定し、幹線や貯留施設などの整備を進めております。
○藤井委員 ありがとうございます。着実に取り組みを進められていることと理解いたしました。
私の地元の練馬区においては、北町、田柄という地域がございますが、過去にも浸水被害がたびたび発生をしているわけであります。
この地域は、昔、河川であった田柄川にふたをかけて、下水道幹線として利用しているものであります。ふたかけされた部分は緑道となっておりまして、地域からも親しまれている空間となっておりますが、一方で、浅く埋設された下水道幹線のために、浸水に対するリスクが極めて高いところでもあります。ハザードマップでも青く塗られている地点が点在をしている地域でもあります。
このため、下水道局では、練馬区の田柄、そして、板橋区の桜川地区を重点地区に位置づけて浸水対策を進められていることは評価をしているところであります。
そこで、この田柄、桜川地区における実施中の工事の進捗状況についてお伺いをいたします。
○青木建設部長 田柄、桜川地区におきましては、既設の田柄川幹線が浅い位置に埋設されていることから、大雨のときに幹線内の水位が上昇しやすく、地盤の低い地域等で浸水被害が発生しております。
このため、既設田柄川幹線の雨水の一部を、新たに建設をいたします第二田柄川幹線に収容させ、流域の雨水排除能力を高める事業を推進しております。
具体的には、都立城北中央公園を発進基地、練馬区東部土木出張所支所の用地を到達基地といたしまして、既設田柄川幹線の下に、延長約四・二キロメートル、内径約三・五メートルの幹線をシールド工法により整備するものでございます。
平成二十七年度に発進したシールドマシンは、令和元年十二月に到達しておりまして、現在、田柄川幹線と第二田柄川幹線をつなぐ接続管等の施行を行っております。
○藤井委員 答弁ありがとうございます。ちょうどシールドマシンが到達して、そして、接続管等の施行を行っている最終段階にあると理解をいたしました。
この地域は、田柄川ということで、本当に、暗渠化されて目には見えないんですけれども、非常に浸水等の被害がたびたび出ている地域でございますので、今後、着実に整備を進めて、そして、浸水被害を軽減していただくように取り組んでいただきたいと思います。
次に、下水道に起因をいたします道路陥没対策についてお伺いをいたします。
区部では平成六年度末に一〇〇%普及し、練馬区においても、下水道が当たり前のように使えるようになり、住民の皆様方も非常に喜んでおられます。
その一方で、高度経済成長期に大量に整備されました昭和の時代の下水道管が古くなっているという問題もございます。道路陥没等の事故を起こさないようにし、生活に支障をなくすということが重要であると考えます。
そこで、令和元年度における下水道管に起因する区部における道路陥没件数についてお伺いをいたします。
○猪八重施設管理部長 一〇〇%普及概成後の区部における道路陥没件数は、道路陥没対策を計画的に進めてきました結果、令和元年度には、陥没の兆候でございます路面の落ち込みも含めまして、約四百件となっております。
これは、道路陥没の発生件数がピークとなっておりました平成十二年度と比較いたしまして、約四分の一まで減少したものでございます。
○藤井委員 対策を進めていかれる中で、一定の成果があらわれているものと理解いたしました。
下水道管に起因する道路陥没でありますが、主に老朽化が原因だと思います。
これはどのような要因で、どのような箇所で発生をしているものなのか、もう少し詳しくお伺いできればと思います。
○猪八重施設管理部長 下水道管に起因する道路陥没の多くは、家庭などからの排水を受けて下水道管につなぐ取りつけ管の破損に起因しておりまして、発生件数全体の約七割を占めております。
取りつけ管の破損の要因といたしましては、平成元年までに整備された取りつけ管の多くが陶器製で衝撃に弱いこと、また、比較的浅い位置に埋設されており、車両通行による振動の影響を受けやすいことなどと認識しております。
○藤井委員 この取りつけ管が主な原因だというような答弁でございました。
では、取りつけ管における道路陥没対策について、どのように取り組んでおられるのか、伺いたいと思います。
○猪八重施設管理部長 経営計画二〇一六におきまして、区部における道路陥没が多い地区など六十四地区を道路陥没対策重点地区として位置づけておりまして、陶器製の取りつけ管を衝撃に強い硬質塩化ビニール管へ取りかえるなど、優先的に対策を実施しております。
また、整備年代の古い都心部の処理区の第一期再構築エリアにおきましては、下水道管の再構築に合わせまして、取りつけ管を硬質塩化ビニール管へ取りかえる取り組みを実施しております。
○藤井委員 対策については、陥没が多い地区を重点的に進めていくとともに、整備年代が古い第一期再構築エリアでの再構築に合わせて対策を行われているという答弁でありました。
私の地元であります練馬区においては、第一期再構築エリアには含まれていないものであります。
六十四地区の重点地区でありますが、進捗状況でありますが、私の地元の練馬区も含めて、進捗状況はどのようになっているのか、次にお伺いしたいと思います。
○猪八重施設管理部長 練馬区内の道路陥没対策として、重点地区として位置づけております中村北三、四丁目地区につきましては、平成三十年度末までに対策を完了いたしております。
また、令和元年度末までに、残る重点地区も含めた六十四地区全てで対策を完了しております。
今後も引き続き、取りつけ管の取りかえなど、計画的に道路陥没対策を推進してまいります。
○藤井委員 着実に事業を推進していただきたいと思います。
次に、合流式下水道の改善について伺いたいと思います。
先ほども指摘がございました、質疑がございましたけれども、合流式下水道については、強い雨が降りますと汚水まじりの雨水が川に放流されるなどの、水質に影響を与えてしまうという問題もあろうかと思います。
区部における合流式下水道の改善対策のこれまでの取り組みと、令和元年度に投資した事業費についてお伺いをしたいと思います。
○佐々木計画調整部長 合流式下水道の改善対策といたしましては、主に三つの対策を進めております。
具体的には、雨天時の下水をより多く水再生センターに送るための下水道幹線の整備、雨水はけ口からのごみ等の流出を抑制する施設の整備、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設等の整備を進めており、このうち下水道幹線の整備とごみ等の流出を抑制する施設の整備につきましては、おおむね完了しております。
また、令和元年度の合流改善対策に投資した事業費は約二百億円でございます。
○藤井委員 ご答弁ありがとうございます。二百億円の事業費を投下されたということであります。
この事業費に見合うだけの効果があるのかどうかという点も、しっかり見ていかなければいけないなと思っているんですけれども、経営計画二〇一六に掲げられている目標値はどのようなものであるのか、また、その目標値と令和元年度における進捗状況について、あわせて伺います。
○佐々木計画調整部長 合流式下水道の改善対策を進めるため、平成十五年の下水道法施行令の改正により、雨天時に河川沿いのはけ口などから放流される水質の基準が規定され、二十三区では令和五年度末までに改善対策を完了させることが義務づけられました。
これを受け、令和六年度から、水の汚れの指標でございますBODが、雨天時放流水質基準として、処理区平均で一リットル当たり四十ミリグラム以下となるように、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設などの整備を進めております。
この施行令の水質基準の達成には、令和五年度末までに累計で百七十万立方メートルの貯留施設等が必要でございまして、これを経営計画二〇一六の目標値としておりまして、令和元年度末で累計百五十万立方メートルまでの施設整備が完了しているところでございます。
○藤井委員 ありがとうございます。水の汚れの指標であるBODという水質基準があるそうでございますけれども、これを一リットル当たり四十ミリグラム以下となるように頑張っていくということで目標値が定められたところでありますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
これも私の地元の話で恐縮なんですが、石神井川については、やっぱり雨が降った次の日は、何か川が濁っているんじゃないかだとか、あるいはにおいがするとか、そういった地元の区民、都民の方からお声をいただくこともございます。
ぜひこの改善方に取り組んでいただきたいなと思うわけでございますけれども、石神井川における対策の進捗状況についてどうなっているのか、伺いたいと思います。
○青木建設部長 石神井川の下流部は、潮の干満の影響を受ける河川区間でありますことから、雨天時に放流された汚水まじりの雨水が滞留しやすい状況にございます。
これまで、石神井川にある全てのはけ口百三十九カ所に、ごみなどの流出を抑制いたします水面制御装置の設置を完了させるとともに、北区王子本町付近に貯留量約六百八十立方メートルの貯留施設を稼働させております。
さらに、流域の王子第二ポンプ所、北区栄町、北区十条台の三地区で、合わせて二万一千立方メートルの貯留施設の整備を進めているところでございます。
○藤井委員 ご答弁がありましたとおり、さまざまな対策も進められていると思いますので、今後とも着実に頑張っていただきたいなということを要望させていただきたいと思います。
最後に、下水道料金についてお伺いをしたいと思います。
ことしに入ってから、新型コロナウイルスの影響が拡大をしているわけであります。これは、下水道局も決して例外ではないと思います。
料金収入の減収などの影響を受けているのではないかと推測をするところでありますけれども、そこで、令和元年度の三月における下水道料金の収入についての新型コロナウイルスの影響についてどのように考えておられるのか、答弁を求めます。
○坂井経理部長 令和元年度三月の下水道料金の調定額でございますけれども、税抜きで約百二十七億円、前年同月との比較でございますけれども、三億円の増加でございました。
こうした三月の調定状況を見る限り、新型コロナ感染症の影響につきましては、明確には把握できないというふうに考えてございます。
○藤井委員 むしろ三億円ふえたということでございまして、三月に関しては、コロナウイルスの影響との関係性が、明確にはなかなか見出せなかったというふうに受けとめております。
他方で、これは新聞報道で私は見たのですが、四月以降においては、飲食店だとか宿泊施設が売り上げが激減しているということでありますので、これは相当な影響が出てくるのかなというふうに想像するわけでありますけれども、下水道料金の収入について、今年度、これが四月から九月とかでも結構ですので、影響についてわかっていたらお教えをいただきたいと思います。
○坂井経理部長 下水道料金の調定額でございますけれども、今年度の四月以降、前年度対比で減少となってございまして、緊急事態宣言の解除以降は回復傾向を見せているといったことはございますけれども、いまだ昨年度の水準まで回復してはございません。
四月から九月までの累計について見ますと、昨年度に比べ、およそ一割減少してございまして、税抜きで約八十億円の減少となっているところでございます。
○藤井委員 下水道料金は、半期で約一割、八十億円程度減収をしているということであります。
経営計画二〇一六によりますと、将来的にも人口が減少をする、ですので下水道料金は減っていく、維持管理費は増加傾向にあるということでございまして、それに加えて、今回のコロナのような事態も起きているということでございます。これは企業努力をして安定的な経営をしていくということが非常に重要であると思います。
コロナでもありますので、なかなか、利用者の方に負担を強いるというのは非常に難しい状況だと思いますので、現行の下水道料金の水準を維持すべく、しっかり安定的な経営に取り組んでいただきたいなと思いますけれども、その点についてお伺いをしたいと思います。
○小林総務部長 東京の下水道は、汚水の処理によります生活環境の改善や、雨水の排除による浸水の防除、公共用水域の水質保全など、安全で快適な都市環境の確保や良好な水循環の形成などを担っておりまして、都民生活や都市活動を支える重要な都市基盤施設でございます。
このため、事業の運営に当たりましては、膨大な施設の維持管理と計画的な更新などが必要でございます。
これまでも、国費の獲得や、将来負担を踏まえました企業債の発行などによりまして、事業に必要な財源を確保することに加え、コスト縮減を進める技術や工法の積極的な活用によります建設から維持管理までのトータルコストの縮減や、水再生センターの上部利用を初めとする施設の有効活用など、さまざまな企業努力を行い、円滑かつ安定的に事業を運営してまいりました。
引き続き、こうした取り組みによりまして財政基盤を強化し、健全な財政運営に努めてまいります。
○藤井委員 ぜひ安定的な経営に努めていただきたいと思います。
今回、コンセッションについては導入を見送るということでございますが、極力、局の事業の中においても、民でできることは民で進めていっていただいて、サービスを維持向上しつつ、そして、経費をしっかり削減していくということに取り組んでいただきたいということを申し上げまして、私からの質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○とくとめ委員 最後の質問になります。
まず、要求資料の提出、大変ありがとうございました。
経営計画二〇一六と、その後の東京都豪雨対策アクションプランに基づく昨年度の台風、集中豪雨対策の事業の進捗内容を踏まえて、私がこれまでも質問してきた地元板橋区の浸水対策事業の進捗状況などについて質問いたします。
近年、全国各地で豪雨被害が発生して、気候変動に関する政府間パネル、IPCCの第五次報告書では、気候システムの温暖化については、疑う余地がないとしています。気象庁は、このまま温室効果ガスの排出が続いた場合、短時間強雨の発生件数は、現在の二倍以上に増加する可能性があると報告をしています。激甚化、頻発化している豪雨災害の対策を強めることは急務です。
ことしの九州地方を含めて、近年、全国各地で経験したことのない自然災害が頻発しています。さらに、新型コロナ感染が拡大して、自然災害のあり方も複合化しています。住民の命と安全、財産を守るためには、今までにない多様な治水対策、浸水対策が求められていると痛感します。
下水道局を初め、都の災害関係の局の取り組みも、縦割りではなくて、局横断的な総合的な対策、いわば合わせわざによる水害対策が一層重要になっていると思います。
都では、ことし一月に、都市整備局と建設局と下水道局の三局を中心にして豪雨対策アクションプランを策定し、取り組みは一層強化されつつあると感じております。
その中で、庁内における総合的な治水対策について、下水道局を初め、都市整備局や建設局との具体的な役割分担とあわせて、その中における下水道局の取り組み内容について伺います。
○佐々木計画調整部長 都では、東京都豪雨対策基本方針に基づきまして、下水道や河川の整備、それから、雨水浸透ますなどの雨水流出を抑制する施設を民間施設などに設置を促進いたします、いわゆる流域対策につきまして、役割分担を定め、関係局が連携して浸水対策を推進しております。
具体的な役割分担といたしましては、下水道整備は下水道局、河川整備は建設局、流域対策を都市整備局が担当しております。
下水道局は、市街地に降った雨を速やかに川や海に排除し、浸水からまちを守る役割を担っており、施設整備などを実施しております。
○とくとめ委員 下水道局の主な役割、取り組みの内容は、雨水が河川や海に流れる前に、下水道などからあふれる内水氾濫からまちを守る役割を担っており、二十三区内では下水道の施設整備を行っているということでした。
この間も、頻発する台風、集中豪雨による浸水被害が各地で広がる中で、私の活動地域の地元板橋は、提出してもらった要求資料からもわかるように、二十三区内の二〇一五年から二〇一九年までの五年間の浸水被害状況の推移を見ると、床上浸水と床下浸水の合計棟数は七十七棟で、都内四位の多さになっています。こうしたことから、浸水対策について、さまざまな意見や要望が寄せられています。
板橋区作成の浸水実態の地図を見ると、同じ地域で、何度も繰り返し浸水被害に遭いながら改善されていない実態があり、何とか解決できないものかと、本当に痛感をしています。
下水道局では、こうした各地の浸水実態を踏まえて、下水道建設など浸水対策の事業の具体化を行っていると思います。
現在、板橋区の小茂根、向原地域、西台、徳丸地域、成増地域の三つの地区では、浸水対策の事業が重点地域として具体化され、推進をされています。
私は、昨年の公営企業委員会でも、この地域の浸水対策の早期完成を求めて質問いたしました。
確認のために伺いますけれども、こうした事業は、どのような計画に基づいて実施されているのでしょうか。また、事業完了後はどのような効果が期待されているのか、お伺いします。
○青木建設部長 下水道局では、東京都豪雨対策基本方針に基づき、区部全域で時間五十ミリ降雨に対応することを基本とし、早期に浸水被害を軽減するため、浸水の危険性が高い地区など五十四の地区を重点化しており、板橋区では、成増地区、小茂根、向原地区、西台、徳丸地区の三地区を選定し、事業を推進しております。
これらの三地区は、かつての川を利用した、浅く埋設された幹線の流域でございまして、豪雨時に下水道幹線内の水位が上昇すると雨水があふれ、地盤の低い箇所で浸水被害が発生しやすい状況にございます。
そのため、既設の下水道幹線の雨水排除能力を補う新たな下水道管を整備することで、浸水被害の軽減が期待できるものと考えております。
○とくとめ委員 区部全体で、一時間降雨量が五十ミリまでは対応できるようにすると。中でも板橋区のこの三地区は、早期に浸水被害を軽減するために取り組んでいただいているということでした。
浸水対策事業そのものは、切実な問題で、地域の住民に歓迎されるものですけれども、工事中に交通規制があったり、公園がシールドマシンの発進場所となり、立て坑が設けられて使えなくなるなどの影響も生じます。工事中の日常生活への影響は住民には見えても、工事後の効果はよく見えない側面もあるために、理解を得ることが非常に大切になってくると思います。
そこで、下水道局は、工事の実施に当たって、このようなことについて、住民の皆さんにどのように丁寧に説明をされているのでしょうか。お伺いします。
○青木建設部長 浸水対策事業は、大量の雨水に対応するため、施設規模が大型となり、長期間の工事となることが多い状況にございます。
工事中は地域住民の方々に交通規制等の影響を及ぼしますことから、事業へのご理解をいただくため、工事着手前に、工事の目的や内容、浸水対策の効果などを、住民説明会や工事の広報紙の配布などにより丁寧に周知しております。
また、工事期間中におきましても、地域住民の方などからの問い合わせや要望等に丁寧に対応し、事業の必要性や工事内容への理解をいただくよう努めております。
○とくとめ委員 工事の目的や内容、工事完了後の浸水対策の効果について、住民説明会やチラシなどによって周知されているということでした。これは、さまざまな水害対策の重要性、下水道局事業の役割を地域住民によくわかってもらうためにも、ぜひ重視をしていただきたいと思います。
次に、板橋区内の三地区の浸水対策の現在の進捗状況と今後の見通しを具体的に確認したいと思います。いかがでしょうか。
○青木建設部長 成増地区におきましては、既設の成増幹線の雨水排除能力を増強するため、抜本的対策として新たな下水道幹線を整備することとしてございまして、本年二月に、ルートや規模等に係る調査設計等を完了し、今後、具体的な実施設計を予定しております。
この抜本的対策には多くの時間を要しますことから、早期に浸水被害の軽減を図るため、既設成増幹線の中流部に、水の流れを円滑にするためのバイパス管を昨年五月に完成させております。
また、下流部におきましても、本年二月に新たなバイパス管の工事に着手しておりまして、今年度内の完成を目指して工事を進めております。
小茂根、向原地区では、既設の向原幹線を増強するため、新たな下水道幹線を整備する計画でございまして、現在は、幹線に雨水を取り込む取水管を先行して整備しております。
当該取水管は、令和四年度内の完成を目指して工事を進めておりまして、完成後は、早期の浸水被害の軽減のため、暫定貯留管として稼働させる予定としております。
西台、徳丸地区につきましても、既設の下赤塚幹線を増強する新たな下水道幹線等を整備するため、ルートや規模等に係る調査検討を進めているところでございます。
○とくとめ委員 今、答えていただいた中で、成増地区では、成増三丁目付近で、昨年五月に既にバイパス管の工事が完了していましたけれども、この時点で、この工事の具体的な効果はどのようにあらわれているのでしょうか。
○青木建設部長 成増三丁目付近におきましては、平成七年から平成二十八年までの間に四回の浸水被害が発生しておりますが、当該バイパス管が完成した令和元年五月以降、浸水被害は発生しておりません。
昨年十月に発生いたしました台風十九号におきましても、付近に設置されております区の雨量計では、時間雨量四十七ミリを記録してございましたが、浸水は発生しておりません。
○とくとめ委員 昨年十月の台風十九号でも浸水発生がなかったという答弁でした。私も、昨年も、ことしの先日も、現地を訪ねて住民に確認しましたけれども、大変喜ばれておりました。
昨年の公営企業委員会は、台風十九号の直後だったこともあって、降雨量については確認ができていませんでしたけれども、時間四十七ミリの、ほぼ五十ミリで浸水はなかったということです。
かつてこの地域は、二〇〇五年から二〇一六年の間に五十ミリ以上の降雨があり、四回も浸水がありましたが、今回完成したバイパスの効果があったということを改めて感じることができました。
現在は、下流部のバイパス管に着手し、さらに、抜本対策としての下水道幹線を整備するための立て坑用地も、昨年のときは、よい場所が見つからずに、板橋区とも連絡をして進めてほしいという要請をしてきましたが、その用地のめども立ったとのことです。さらに着実に、早期完成を目指して推進していただくことを心から求めたいと思います。
小茂根、向原地区は、取水管を先行整備中だということです。西台、徳丸地区は、ルートや規模を検討中とのことで、完了は今後十年以上かかると聞いています。ぜひ中長期的な目標を据えて、できるだけ早く、早期に進めていただくことを心からお願い申し上げます。
さらに、下水幹線整備前でも、可能な対策は先行してやっていただくことを、こちらも要望しておきたいと思います。
先ほど、昨年の台風十九号では時間降雨四十七ミリという答弁がありましたが、台風十九号は、二十三区内の一日の降雨量は、当初、四百ミリ、五百ミリとなる可能性があるといわれておりました。実際には二百ミリ、三百ミリで済んだという状況です。もし、一日に四百ミリ、五百ミリの雨が降っていたら、時間五十ミリ以上の雨が広範囲に降ることもあり得たのではないかと思います。
今後、激甚化、頻発化が予想される豪雨災害への対策として、五十ミリ対応を推進するとともに、現在、下水道局では七十五ミリ対応の地域の拡大を検討されておりますけれども、板橋区でも、先ほど紹介したように、二十三区内の浸水被害地域で見ますと、過去五年間で見ても四番目に多いほど、床上、床下浸水の合計棟数が広がっているところです。
ぜひ七十五ミリ対応にすることを含め、浸水対策を一層強めていただくことを心から要望して、質問を終わります。
○長橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長橋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で下水道局関係を終わります。
以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
午後三時二十九分散会
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