委員長 | 細谷しょうこ君 |
副委員長 | 柴崎 幹男君 |
副委員長 | 白戸 太朗君 |
副委員長 | 高倉 良生君 |
けいの信一君 | |
龍円あいり君 | |
斉藤れいな君 | |
舟坂ちかお君 | |
馬場 信男君 | |
入江のぶこ君 | |
和泉なおみ君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 黒沼 靖君 |
管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務 | 松田 健次君 | |
事業部長 | 西坂 啓之君 | |
企画担当部長 | 猪倉 雅生君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 佐々木 珠君 | |
財政調整担当部長渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 | 村上 章君 | |
移転支援担当部長 | 石井 浩二君 | |
施設担当部長 | 渡辺 正信君 | |
環境改善担当部長 | 佐々木宏章君 |
本日の会議に付した事件
令和元年度東京都公営企業各会計決算の認定について
中央卸売市場関係
・令和元年度東京都中央卸売市場会計決算(質疑)
○細谷委員長 ただいまから令和元年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
初めに申し上げます。
本日から三日間にわたり、本分科会所管三局の決算に対する質疑を行ってまいりますが、質疑につきましては、令和元年度決算の審査から逸脱しないよう行っていただきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の決算に対する質疑を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和元年度東京都中央卸売市場会計決算を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○松田管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務 去る十月十四日の当分科会で要求のございました資料につきまして、お手元に配布してございます令和元年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
資料は全部で七項目ございます。
恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、国内における新型コロナウイルス感染者確認後の市場取引の状況でございます。
十一の中央卸売市場における令和二年一月から三月までの取扱数量及び金額を取扱品目ごとに示してございます。
二ページをお開き願います。2、令和元年度の中央卸売市場における新型コロナウイルス感染拡大防止対策及び所要経費でございます。
(1)、主な感染拡大防止対策について、衛生対策の強化、市場関係者との連携、周知徹底、その他の項目に分けてお示ししてございます。
また、(2)に所要経費をお示ししてございます。
三ページをご覧ください。3、令和元年度の中央卸売市場等における東日本大震災の被災地支援の取り組みでございます。
(1)、中央卸売市場等の市場まつりにおける取り組みにつきまして、その概要と実施日及び場所を記載してございます。
(2)、豊洲市場における復興支援イベントの開催につきまして、その概要と実施日を記載してございます。
四ページをお開き願います。4、令和元年度における豊洲市場の地下水質、空気調査結果等でございます。
(1)、令和元年度地下水質、空気調査の概要につきまして、四ページに地下水質調査結果、五ページに空気調査結果の概要をお示ししてございます。
六ページをお開き願います。地下水質及び空気調査の位置図を示してございます。
七ページをご覧ください。このページから一一ページにかけまして、地下水質及び空気調査の詳細をお示ししてございますので、後ほどご覧いただければと存じます。
一二ページをお開き願います。(2)、令和元年度地下水位測定結果についてでございます。一二ページに豊洲市場観測井戸配置図を、一三ページから一五ページにかけまして、豊洲市場五街区から七街区の測定結果についてお示ししてございます。
一六ページをお開き願います。5、十一市場の耐震改修等工事費及び修繕工事費の推移(過去十年間)でございます。
市場ごとに、耐震改修等工事費及び修繕工事費の過去十年間の推移をお示ししてございます。
一七ページをご覧ください。6、豊洲市場等の生鮮食料品の取扱数量及び金額の推移(平成三十年度分、令和元年度分)でございます。
平成三十年度と令和元年度の取扱数量及び金額を、水産物と青果物に分けましてお示ししてございます。
一八ページをお開き願います。7、平成二十四年度以降に発行した企業債と元金償還金の推移でございます。
表頭にございますように、平成二十四年度以降に発行した企業債を新規債と借換債ごとに、また、元金償還金につきましても豊洲市場分とそれ以外の市場分に分け、令和十一年度までの状況を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましてのご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○細谷委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○白戸委員 それでは、中央卸売市場会計の令和元年度決算について質疑を行わせていただきます。
昨年五月、元号が平成から令和となり、まさに新しい時代の幕があけました。このことは、中央卸売市場にも当てはまるのではないでしょうか。平成三十年十月には、長きにわたり取り組んできた築地市場の豊洲市場への移転を終え、中央卸売市場も新たな時代を迎えており、こうした時代の転換期を捉えた市場経営を進めていくことが重要でしょう。
そこで、まず初めに、令和元年度決算の特徴について伺います。
○松田管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務 令和元年度は、平成三十年十月に開場しました豊洲市場の運営が平年度化するとともに、大幅な規制緩和を含む改正卸売市場法とそれを踏まえた東京都中央卸売市場条例などが本年六月に施行されるなど、東京の市場全体が新たな局面を迎えることに対しまして、必要な準備に取り組んでまいりました。
令和元年度決算は、純利益が二百五十七億円であり、二年連続の黒字となりました。
一方、経常収支は百三十一億円の赤字で、前年度と比較して約九億円悪化しているところでございます。
○白戸委員 会計としては二年連続の黒字ということですが、経常収支は二年連続して百億円を超える赤字ということであります。
我が会派がかねてより主張しているように、市場会計の持続可能性を確保するためには、市場運営について、従来の延長線上ではなく、抜本的に見直していく必要があるのではないかと考えます。例えば、土地や建物の有効活用など市場直接の売り上げではなくて、ほかの収入の手段といったことも検討していくべきと考えます。
このような状況において、中央卸売市場は、外部有識者により構成されます市場の活性化を考える会の議論などを踏まえた経営指針を今年度中に策定すると伺っております。
そこで、仮称ですけれども、この経営指針の策定について、市場活性化を考える会におけるこれまでの議論及び今後の進め方について伺います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 市場の活性化を考える会は、市場の活性化につながる戦略的な経営と強固な財務基盤の確保に向けて、食品流通や企業経営、財務、会計の専門家の方々により、既成概念にとらわれない幅広い議論を行っていただくために、昨年七月に設置いたしておりまして、令和元年度は計六回開催し、市場が果たすべき役割や物流の効率化の必要性などについて議論をしてまいりました。
現在、コロナ禍を契機とした社会変化なども踏まえ、今後の市場経営の方向性について提言の取りまとめに向けた議論がなされているところでございます。
この取りまとめがなされました後、提言を踏まえ、二〇四〇年代の中央卸売市場の姿を展望した市場経営のビジョンを経営指針として今年度中に策定していくこととしております。
○白戸委員 この流通構造の変化に加えまして、今回のコロナ禍による社会変化、こういったところで、変革は待ったなしという状況でございます。幅広いこの議論を進めまして、持続可能な市場経営の実現に向けまして、実効性のある経営計画の策定につなげていっていただきたいと思います。
さて、市場の機能は、市場における取引を通じて果たされるものであり、取引の担い手である市場業者が生き生きと取引をすることが市場の活性化において重要なポイントと考えます。
そこで、市場業者の経営支援を通じた中央卸売市場の活性化について伺います。
都では、昨年度から中央卸売市場活性化支援事業を展開し、意欲のある市場業者の先駆的な取り組みを促進しているというところではありますが、昨年度の取り組み状況について伺います。
○石井移転支援担当部長 都では、市場を取り巻く環境の変化や大幅な規制緩和を盛り込んだ改正条例の施行を踏まえ、卸売市場のさらなる活性化を図るため、令和元年度から中央卸売市場活性化支援事業を実施しております。
昨年度は、合計四十の事業に対しまして、約二億六千万円の補助金を交付し、都内十一の中央卸売市場全てで、市場業者による意欲あるさまざまな取り組みが行われたところでございます。
例えば、ICTを活用した販売力の強化や海外取引等の販路拡大、市場業務に精通した人材育成等の取り組みなどについて支援をしたところでございます。
○白戸委員 卸売市場を取り巻く環境が大きく変化する中で、中央卸売市場の市場業者の置かれている状況は非常に厳しいものだと認識しております。そうした中、本事業を通じまして、市場業者の意欲のある取り組みを引き出し、市場全体の活性化につなげていくことは大変重要なことだと考えます。
そこで、活性化支援事業を通じて行われた取り組みにより、どのような効果があったのか、見解を伺います。
○石井移転支援担当部長 ICTを活用した販売力の強化では、産地の生産情報と実需者への販売情報とのマッチングをする取り組みなどが行われ、また、海外取引等の販路拡大では、業界団体主催の輸出セミナーや海外バイヤーとの交流会の実施など組合員の輸出に対する理解促進を図る取り組みなどが行われ、取引先との関係強化や販路拡大が図られました。
また、そのほかにも、専門家による衛生管理講習やフラワーアレンジメント講師による花飾りの技術講習など従業員意識や提案力を向上させる取り組みや、受発注業務のモバイル化などによる働き方改革を進める取り組みなどにより、人材育成や人材の確保が図られたといった効果が上がっております。
こうした取り組みの成果につきましては、報告会を実施するなどして、場内の他の市場業者に波及させますとともに、都におきましても、先駆的な取り組みを広く周知することなどを通じまして、より多くの市場業者に取り組みを促すことで市場全体のさらなる活性化を図っているところでございます。
○白戸委員 変革というのは、当事者である、ここでいうと事業者の意欲がなければ効果は半減してしまいます。だからこそ、こうした取り組み意欲の高い事業者を応援していくことは非常に大切であると考えます。そんな本事業の趣旨を踏まえ、市場業者のさまざまな取り組みに対応していることがよくわかりました。
また、新型コロナウイルス感染症は、市場業者の経営に非常に大きな影響を及ぼしております。そうした中、都では、本事業の補助率の拡充を実施し、さらに今般、補助上限額の見直しを図るなど、コロナの影響を乗り越えようとする市場業者の取り組みをしっかりサポートしていると認識しております。
市場の改革は、目ききである市場業者の皆さんをしっかり支えていくことが重要であり、それを持続していくための支援、そして、新たな収入源の創出、この両輪が必要ではないかと考えております。都民の食を守るために、取引の現場を担う市場業者の活力が必要なことはいうまでもありません。そして、今後もしっかりとこの後押しをしていくようお願いしておきます。
さて、市場を活性化していくためには、今ご答弁いただきました活性化支援事業により、意欲のある市場業者を後押ししていくことはもちろん大切なことではあるんですが、市場業者に加えて、市場を利用する買い出し人の使い勝手、いわゆる利便性の向上を図っていくこともまた非常に重要であります。
そこで、開場して初めて一年を通じて運営された豊洲市場について伺います。
我が会派はこれまで、バス停、そして買い回りバスなど、豊洲市場の利便性の向上に向けたさまざまな取り組みを都に対して求めてきました。
そこで、都が令和元年度に実施した豊洲市場における利便性の向上に向けた取り組みについて伺います。
○村上財政調整担当部長渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 都はこれまで、業界団体等からの意見を踏まえ、豊洲市場の利便性の向上についてさまざまな取り組みを行ってまいりました。
令和元年度は、六街区水産仲卸売り場横にある都バスの停留所に屋根を設置しまして、バスを待つ買い出し人などが雨にぬれない快適な環境整備を行いました。
また、開場時から場内を循環している買い回りバスについては、築地地区と豊洲市場との間のシャトルバスとして運行経路を拡大するとともに、利用状況に即したダイヤ改正も行い、利用者の増加につなげております。
○白戸委員 買い回りバスの本数等、非常に現場でお話を聞いても、これは便利になったということのお話をお聞きしております。こういった会派の要望を踏まえた取り組みによって、快適な環境整備を実現することによって利用者の増加といった効果につなげられることは、非常に大切なことであると考えます。何事も最初から完全というものはありません。もちろんこれは施設も同様でございます。ぜひ今後もしっかりと業界の声を聞きながら、さらなる改善に取り組んでいただけるようお願いしておきます。
豊洲市場が開場し、一方、築地市場が閉場して二年が経過しております。旧築地市場だった広大な跡地は、閉場後にほぼ同時に始まりました解体工事を皮切りに、環状二号線の整備など新しいまちづくりに向けて大きく変貌しようとしています。
解体工事は、まちづくりを進めるに当たり、引き続き大変な事業だと考えますが、これまでの取り組みと今後の見通しについて伺います。
○渡辺施設担当部長 平成三十年十月から着手いたしました旧築地市場の解体工事は、東京二〇二〇大会の車両置き場として使用する旧勝どき門駐車場などを除く建物計百五十五棟を解体対象とし、旧東市冷蔵庫棟と旧東卸冷蔵庫棟の二棟以外の百五十三棟につきましては、本年二月二十八日までに解体を完了いたしました。残る二棟につきましては、解体工事の着手後に新たにアスベスト含有建材があることが判明したことから、工期を延長し、本年七月二十二日に解体を完了いたしました。
現在、旧築地市場は、東京二〇二〇大会の車両基地や環状二号線の整備用地などとして使用されておりますが、残存している旧勝どき門駐車場などにつきましては、東京二〇二〇大会終了以降に順次解体を行う予定でございます。
○白戸委員 旧築地市場には、まだまだ解体すべき建物が残存しているということです。引き続き、安全面に十分配慮しながら解体工事を行っていただけるようお願いしておきます。
ところで、解体した建物の中には、築地市場ならではの特徴的な建具などもあったと聞いております。
今回の解体工事を実施するに当たり、昨年の予算特別委員会の代表質問において、我が会派から、築地市場の記憶を何らかの形で保存しておくことが必要ではないかという提案をさせていただいたところです。
その際、建具や鉄骨部材の一部を保存することを予定しているという答弁をいただきましたが、その後の進捗状況を伺います。
○渡辺施設担当部長 解体に当たりましては、専門家から歴史的な観点でのアドバイスを受け、昭和初期に建設された閉場時に現存していた扉などの建具や鉄骨部材の一部について、建物解体前に取り外したところでございます。
主なものといたしましては、旧水産物部本館にあった建物の外形に合わせて曲線上に製作された木製の三連窓の窓枠や木製の扉などでございます。
また、旧水産仲卸売り場棟の大空間を形づくっていた鉄骨につきましては、部材同士の接合について、現在のようなボルト接合ではなく、東京タワーなどで用いられているリベットによる接合であり、当時の建築技術がわかる貴重な資料でございます。これらの部材は、現在、旧勝どき門駐車場内に保管しております。
今後、活用方法などにつきましては、他の事例も参考にしつつ、関係部局と情報共有を図りながら検討しているところでございます。
○白戸委員 このように、長年にわたり都民の食生活を支えてきたこの築地市場の功績を後世に伝えていくためにも、こうした貴重な歴史的資産について、引き続きしっかりと保存に向けた検討をお願いしておきます。
最後に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
本年一月に国内で感染者が確認されて以降、さまざまなイベント中止や長期にわたる都立学校の臨時休校など、これまでに体験したことのないさまざまな影響が社会全体で出ています。
こうした中、都民の消費生活を支える中央卸売市場を継続して運営していただくために、感染防止対策の徹底に都としても速やかに取り組んだものと認識しております。
今年度に入ってからは、市場業者の方々の感染例も発生しているようです。つい先日もそんなお話を聞いております。しかし、今のところ、この市場内でクラスターが生じたということはないということであります。この間の感染拡大防止の取り組みが機能したというものと考えており、引き続き、業界と連携した取り組みをしっかりと進めていただきたいと思います。
中央卸売市場は、生鮮食品などの流通の中核の拠点であり、その機能が停止するようなことがあっては都民の生活に重大な支障を与えてしまいます。国による四月の緊急事態宣言に伴い、都民活動を制御せざるを得ない状況となりまして、飲食店を初めとする都内の施設においても休業要請が行われるなど、厳しい状況下においても、市場が休むことなく営業を持続、継続したからこそ、都民の安定した消費生活が維持できたものと認識しております。
これは、結果的に、コロナ禍で基幹的インフラとしての市場の重要性を再認識したところであり、今後も、感染拡大などの厳しい状況にあっても、とまらない市場であり続けることが何よりも重要と考えます。
そこで、このコロナ禍においても、基幹的なインフラとしての機能をしっかりと維持することについて、市場長の決意を伺います。
○黒沼中央卸売市場長 東京の中央卸売市場は、生鮮食料品等を安定的に供給することで、都民生活を下支えするまさに基幹的なインフラでございます。その使命を着実に果たし、一日たりとも市場機能の停滞を招くことのないよう、この間、都と市場関係者が一体となって感染拡大防止対策に取り組み、営業を継続してまいりました。
具体的には、各市場におきまして、都と市場関係者による感染発生時の緊急連絡体制を構築するとともに、本庁におきまして消毒作業に必要な資器材を確保する、また、各市場への応援体制を整えたところでございます。あわせまして、全市場における消毒液の設置などの衛生対策を初めまして、新型コロナウイルス感染症関連の幅広い情報について、適時適切に市場業者に提供いたしてまいりました。
また、市場業者におきましては、競り場や事務所等におきまして、さまざまな感染拡大防止対策を実施するほか、従業員の検温等の健康管理を徹底するなど、ハード、ソフト両面から対策を行ってございます。
新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する中、感染防止対策につきましては、適宜必要な見直しを行いますとともに、コロナ禍での影響を受けている市場業者に対しましては、その経営に配慮した支援策を講じることによりまして、今後とも、生鮮食料品等の円滑な供給を図り、都民の消費生活を支える市場機能を確実に維持してまいります。
○白戸委員 ありがとうございます。最近の都内の感染者数を見ましても、依然として厳しい状況が続いているといわざるを得ません。
ただいま市場長から決意表明をいただいたところではありますが、都は、市場業者に常に寄り添い、連携を図りながら、今後とも、気を緩めることなく市場における感染防止策を徹底し、都民の消費生活の安定に努めていただくことをお願いし、質疑を終えます。
○柴崎委員 私の方からは、まず、中央卸売市場を取り巻く環境、これにつきましては、産地における生産力が低下したり、あるいは実需者である消費者ニーズの多様化、そして、加えて、今般のコロナ禍ということによりまして大変厳しい状況にあるわけであります。
こうした中で、我々都議会自民党といたしましては、都民の豊かな消費生活を支えるという中央卸売市場が果たす役割の重要性を踏まえまして、活気あふれた市場を実現することを求めてまいりました。
市場の活気を取り戻すために、出荷元である産地から多くの荷を集め、消費者側の販路を広げるなど、いわゆる川上や川下も含めた流通全体を視野に入れまして、市場の物流、商流を大きく太くする取り組みを進める必要があるものと考えております。
こうした中、昨年度から始められました活性化支援事業、これについて先ほど答弁がありましたので、この事業について、都としてどのように総括しているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○石井移転支援担当部長 都におきましては、中央卸売市場活性化支援事業によりまして、流通結節点である卸売市場の機能を一層発揮するため、市場業者による産地からの集荷促進や実需者ニーズに応えた販売力強化などにつながるさまざまな取り組みを支援しております。
具体的には、卸売業者が共同で市場機能や特徴を紹介する冊子を作成し産地や取引先にPRする取り組み、ICTを活用し出荷者がオンライン上で直接商品をPRできる取り組みを支援し、産地からの集荷の促進を図りました。
また、仲卸業者が持つ商品情報や知識、経験等のノウハウを生かし、小売店舗に対しまして、商品の陳列方法などの助言を行う仕組みを構築するなど、市場業者による実需者ニーズへの対応強化を図る取り組みを支援してございます。
都は、こうした取り組み事例につきまして、他の市場業者に広く周知することなどを通じまして、より多くの市場業者の取り組みを促し、市場全体のさらなる活性化を図っているところでございます。
○柴崎委員 今、答弁をいただいたわけでありますけれども、その一方では、この二億六千万ですか、予算で組み立てられたこの事業も執行率五割なんですね。つまり、十分に伸びていないという課題があるわけです。
都は、こうした状況を踏まえて、今年度から、事業の補助率、これを三分の二まで引き上げ、その後、新型コロナウイルスの影響を踏まえて、さらに五分の四まで引き上げて、今般は、補助上限額を最大で四千万円までに拡充をしたということであります。市場業者にとってより使いやすい制度へ見直しを図っているということだと思います。
しかしながら、市場業者にとりましては大変厳しい経営環境の中で、変革、変革と、変革も必要なんですが、やはり今まで多くの方々が長年時間をかけて築き上げてきた商慣習、商取引、この制度を維持拡充するということが重要なんだと思っています。つまり、この執行率五割という数字を見てもわかるとおり、やはり市場業者としては、我々の生活を支えている流通の拠点となっている卸売市場という意識を強く持っております。したがって、この卸売市場のさまざまな機能が十分に発揮できるような体制づくりを、開設者である都は、取り組んでいかなければならないものと考えております。市場事業者にさらに寄り添って耳を傾けながら、活気ある卸売市場づくりに邁進していただくよう、強く私の方から要請しておきたいと思います。
次に、市場本来の機能を十分に発揮していくためには、やはりハード整備、これも重要なことだと思っております。市場施設の現状、大変老朽化が進んでいる施設もありまして、各市場の市場業者からは、ハード整備の充実、このことを求める声も大変多く寄せられているところであります。
そこで、令和元年度における卸売市場、この施設整備の状況について伺いたいと思います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和元年度は、主な整備工事といたしまして、大田市場で品質、衛生管理の高度化や加工パッケージへの対応など販売先のニーズに対応するため、市場業者が温度管理された閉鎖型の環境のもとで、野菜のカットや袋詰めを行うことのできる、そのような目的のための加工、荷さばき棟を新たに設置したほか、淀橋市場など二市場で、老朽化した受変電設備の更新工事を実施いたしました。
また、環境への対応として北足立市場、世田谷市場及び多摩ニュータウン市場で、特定フロンにかわる冷媒を使用した設備とするため、低温設備の更新工事を実施いたしましたほか、足立市場など四市場におきまして、照明器具のLED化を行ってございます。
○柴崎委員 今、答弁いただきまして、昨年度、さまざまな施設整備を進められているということはわかりました。
しかしながら、先日説明を受けた決算資料、これを見ても明らかなように、執行率の低さ、これは非常に我々としては課題であるというふうに考えております。
そこで、今回、この執行率が低くなっている原因、この原因について、その課題に対しての対応、これについて伺いたいと思います。
○村上財政調整担当部長渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 建設改良費の執行率が低くなった主な原因は、入札不調により工事の着手時期がおくれたことや工事の調整に時間を要したことなどにより年度内に工事が終わらず、約二十億円の予算を翌年度に繰り越したことによるものでございます。
こうした状況を踏まえ、予算を確実に執行していくため、発注の前倒し等により、調整に必要な時間を十分確保するとともに、円滑な調整が行えるよう計画的な発注に努めてまいります。
○柴崎委員 日々動いている市場の現場なので、工事に関する調整が難しいといった課題があるとは思うんですけれども、やはりそこは工夫をして、事業の執行管理、これをしっかりと行っていただきたいと思います。
そして、市場全体、この施設整備については着実に進めていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
次に、豊洲市場について何点かお伺いをしたいと思います。
まず、市場運営に関してでありますが、昨年度は、豊洲市場が開場して以来、初めて通年で運営した年であるというふうに先ほど説明があったわけでありますが、このことを踏まえて、今年度は、昨年度の豊洲市場の実績を踏まえた光熱水費、この単価が決定されたということであります。
しかしながら、市場業者からは、コロナ禍で大変厳しいときに、単価の改定で料金が上がったということで、私のところにもこうした事業者の声が届いているところであります。このコロナ禍の中で、結果的に料金が引き上げとなるわけなんですが、やはり時期が、大変タイミングとしてはよくない時期だと思います。そして、そうした中で、本当に配慮がまだまだ足りないんじゃないかな、そんなふうに感じるところでございます。
したがって、市場業者への寄り添いが余り見られないんだというような声も受けているところでありますが、こうした点を踏まえながら、こうした料金の変更、改定について、やはりしっかりと説明をするということが必要だと思っております。特に今回は、金額が引き上げられるわけでありますから、この説明もしっかりと進める必要があると思います。
そこでお伺いしたいと思いますが、豊洲市場の光熱水費について、これはどのような仕組みになっているのかという点と、またこうした業界の声、この皆さんの声をどう受けとめるのか伺いたいと思います。
○村上財政調整担当部長渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 豊洲市場を初めとする都の中央卸売市場における光熱水費については、東京都中央卸売市場条例において使用者の負担とされており、その単価については、同施行規則において、前年度の確定した決算額による料金をもとに算定することを原則としております。こうした仕組みについては、業界にも説明をしてございまして、引き続き丁寧に対応してまいります。
なお、今般のコロナ禍に伴う業界からの要望も踏まえまして、都としては、使用料や光熱水費について市場業者の経営に配慮する観点から、本年四月より、支払い猶予や分割納付といった取り組みを行っております。
○柴崎委員 条例や規則で定められて、前年度実績を採用するということ、全市場共通のものであるということを、今、説明をいただいたわけでありますが、やはり現場では、唐突に単価が上がった、こういう認識、意識なわけなんです。したがって、業界にしっかりと理解をしていただくように、さらに、さらに丁寧な説明をぜひお願いしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、にぎわい事業について伺いたいと思います。
豊洲市場のさまざまな取り組みの中に、千客万来施設やにぎわい創出事業もあります。これらの事業というのは、市場が地元に受け入れていただくため、重要な事業となっているわけでありますが、やはり何よりも市場業者にとって、この事業が商取引、あるいはこういった事業に、商売につながる、そういったにぎわい事業でなければならないわけであります。
こうしたことから、地域の期待に応えて、にぎわいを途切れさせることなくしていくわけでありますけれども、そこでまず、にぎわい創出事業について、昨年度どのような取り組みを行ったのか伺いたいと思います。
○村上財政調整担当部長渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 千客万来施設事業用地を活用したにぎわい創出事業として、昨年度は、まず、六街区の同用地におきまして、市場の食材を使った食の提供や鮮魚等の販売を行う豊洲市場おいしい土曜マルシェを実施するとともに、民間事業者等が行うイベントや、都の各局が行う施策のPRや事業の普及啓発を図るためのイベントも実施しました。
豊洲市場おいしい土曜マルシェでは、全十七回の実施で約七万人の方にご来場いただくなど、多くの来場者でにぎわったところでございます。
これに加えまして、本年一月には、五街区用地に江戸前場下町をオープンしまして、継続したにぎわいを創出しております。
○柴崎委員 にぎわい創出事業、この取り組み内容や実績については、今、説明いただきました。
また、今、答弁にありました中に、江戸前場下町について、これも地元の期待も大変大きいものだったと聞いております。しかし、三カ年というこの期間の中で、単なるにぎわい創出事業に終わらせるのではなくて、やはり市場業者の商業活動に効果的な事業にしていくことも重要だと考えております。
そこでお伺いしたいんですが、江戸前場下町、この開業後の状況についてお聞きいたします。
○村上財政調整担当部長渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 本年一月二十四日にオープンした江戸前場下町は、事業者として選定された三井不動産株式会社が運営し、休市日を除く平日も含めてにぎわいを創出してございます。
施設内容は、飲食店舗から成るフードホール、物販店舗が集まるマルシェ棟、イベント等が開催できる多目的広場から構成されておりまして、国内外の観光客や市場関係者、地元の方々に来場していただけるよう、豊洲市場の新鮮な食材を身近に感じることができる飲食店など二十一店舗を配置してございます。昨年度末までに、地元の方など約十万人が来場したところでございます。
○柴崎委員 今、説明をいただきましたが、この江戸前場下町のテナントからは、コロナ禍で急にお客さんが入らなくなって大変だ、そんな声も聞こえてくるわけであります。
いずれにしても、先ほど申し上げましたように、三年という期間の中で、このテナントがもし抜けてしまったりすると、継続したにぎわいを維持するというのは非常に難しくなる、こういうふうに考えるわけであります。したがって、しっかりと継続して運営できる環境づくり、これが必要であると考えております。
また、地元の期待に応えることにも当然つながっていくわけであります。このことを十分に認識していただきたいと考えております。具体には、事業者にとりまして、やはり今、こうしたコロナ禍におきましては、家賃の支払いもかなり重い負担になっているわけであります。当然、売り上げが上がれば、それも解消していくわけでありますけれども、やはり都として、こうしたコロナ禍といえども、この場下町のPRをさらにしていく、このこともこれから必要なんじゃないかと考えているところでございます。
また、これに加えまして、昨年度は、この用地におきまして、観光バスの乗降場や車両スペースとしても活用したというふうに聞いているところであります。この観光バス乗降場や車両スペースの具体的な取り組み内容について伺いたいと思います。
○村上財政調整担当部長渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 千客万来施設事業用地では、豊洲市場おいしい土曜マルシェなどイベントを継続して開催する一方で、イベントなどで使われていないスペースや時間帯を有効に活用する取り組みも実施いたしました。
具体的には、地元からの要望を踏まえ、六街区の同用地の一部に観光バスの乗降場を昨年十二月から設置し、活用しました。利用開始から約三カ月間で、延べ三百二十台を超える車両の利用がございました。
また、市場業界からの要望も踏まえまして、観光バスの乗降場として使用されていない早朝の時間帯には、買い出し人車両の待機スペースとしても活用いたしました。
○柴崎委員 それぞれ地元や業界からの要望を踏まえて、限られたスペースと時間を有効に活用した取り組みであるということを今理解しました。
この間、一連の答弁で、千客万来施設、この事業用地を活用して、イベントや江戸前場下町などにぎわいを創出してきたことはわかりましたが、こうした取り組みによるにぎわいをしっかりとこれから千客万来施設へつなげていくということが極めて重要だというふうに考えております。そのためには、将来この地で千客万来施設を運営する万葉倶楽部自身もにぎわい創出事業に協力すべきであり、我が党もその旨を強く求めてきているところであります。
そこで、この万葉倶楽部がどのような協力をしてきたのか、これについて、これまでの取り組みを伺いたいと思います。
○村上財政調整担当部長渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 令和五年春の千客万来施設開場を見据え、事業者であります万葉倶楽部株式会社は、地元への定着を目指し、にぎわいイベントへの盛り上げに意欲的に協力をいたしました。
具体的には、昨年十一月二日及び本年一月十八日、都主催のにぎわいイベントへブースを出店いたしました。出店ブースでは、PR動画、チラシなどによる千客万来施設の紹介やキャラクターなどとの撮影会、抽選会による万葉倶楽部施設の宿泊券、割引券の配布などを実施いたしまして、家族連れや若者グループなど多くの来場者が訪れたところでございます。
○柴崎委員 万葉倶楽部には、長きにわたって事業を行う千客万来施設事業の事業者として、さらなる意欲を持って取り組んでもらいたい、このことを改めて指摘をしておきたいと思います。
また、千客万来施設の開業に向けては、施設整備を初めとした準備を着実に進めていく、このことが重要だと思っております。
そこで、千客万来施設の開業に向けた取り組みの進捗について伺いたいと思います。
○村上財政調整担当部長渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 今の取り組み状況の進捗についてでございます。
令和元年度は、五街区におきまして、地域のにぎわいイベントで豊洲地区を訪れる方などの利用にも供するため、立体駐車場の整備工事を進めまして、本年五月から千客万来施設に先行して営業を開始いたしました。
また、六街区の千客万来施設については、令和五年春の開業に向けまして、諸手続の協議や設計内容の調整を行っておりまして、都としても、助言や協力を行いながら着工に向けた取り組みを進めてまいります。
○柴崎委員 都としては、切れ目のないにぎわい創出とともに、万葉倶楽部と連携をし、千客万来施設の開業に向けた取り組みを着実に進めてもらいたい、このことを申し上げておきたいと思います。
同時に、本施設の届け出業務等々、こうしたことが終了したら直ちに、市場業者にこの施設の概要ですとか、今後のスケジュールについても説明をするということが極めて重要だと考えております。この市場は、それぞれの事業者が一体となった施設というふうな形で取り組みを進めていただきたい。このように考えておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
最後に、旧築地市場跡地について伺いたいと思います。
現在、旧築地市場跡地では、今後の築地再開発を見据えて、土壌汚染調査が進められております。この土壌汚染調査の経費につきましては、市場会計から執行されているというふうにお聞きをしているところでございます。
したがって、昨年度、この中央卸売市場が予算に計上した土壌汚染調査費、その執行状況について伺いたいと思います。
○村上財政調整担当部長渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 旧築地市場跡地の有償所管がえに関して、財務局及び都市整備局との三局で締結した覚書では、土壌汚染調査等の費用については、中央卸売市場会計で負担することとなっております。
これに基づきまして、昨年度は、都市整備局に執行委任しまして土壌汚染調査を行ったところであり、その執行額は約四千二百万円でございます。
○柴崎委員 昨年度の執行状況については、今、説明をいただきました。
こうした中におきまして、旧築地市場跡地については、築地場外市場も今後の築地再開発に期待をしているというふうに仄聞をしているところであります。そのため、築地再開発に向けて、欠かせない手続である土壌汚染調査等につきましても、三局が連携して、スピード感を持って取り組むことを求め、私の質問を終わります。
○高倉委員 それでは、令和元年度の市場会計決算について質問をいたしたいと思います。
まず、新型コロナウイルスに対する取り組みについてであります。
国内で新型コロナウイルスの感染が初めて報告をされたのが、一月の十六日であったと思います。そこから数えてもう九カ月ぐらい経過をしている中で、まだまだ終息といったものが見通せていないという状況にあって、この困難な状況というのは、相当長期にわたって続くといったこともある程度覚悟しなきゃならない、こういう状況にあるのではないかなというふうに思います。
そうした中で、やはりこの市場における新型コロナの影響といったものが、どういったもので、今後どうするのか、これは非常に重要なテーマであると思います。
今回は、令和元年度の決算ということでありますので、現状のことをお聞きするわけにはいきませんけれども、少なくとも一月に発生してから、一月、二月、三月は令和元年度の決算のまさに該当する期間ということでありますので、そういう観点から、きょうは質問をさせていただきたいと思っています。
特に、今回の感染というものが、やはり未曽有のもの、未曽有というか、私たちが経験したことのないような、そういうことにいわば直面をしているわけだと思うんですね。
したがって、今回さまざまな取り組みをされて--取り組みをこれからお聞きしていきますけれども、こうした取り組みを踏まえて、いずれしっかりとした、また、検証しながら今もやっていらっしゃると思うんですけれども、特にこうした従来想定をされていなかったような事態、こうしたことに対する市場としての危機管理といったようなものを今後どういうふうにしていくのかという、新しくそういうものを明らかにしていくようなことも早急にやっていかなきゃならないというふうに思いますし、当然ながら、コロナを乗り越えたときには、ポストコロナの市場のあり方、こういったものもできるだけ早急に明らかにしていくということが、私は必要ではないかなというふうに思っております。
いずれにしても、本当に生活に不可欠な生鮮食料品でありますとか、花き、こういうようなものを取り扱っておりまして、流通の中心拠点である市場において、万が一にも感染、まあ感染者が時々出て、今も出ているわけでありますけれども、クラスターが発生して、一部の機能が全く麻痺して、使えなくというか、機能を発揮できなくなってしまうような事態があってはならないというふうに思っております。
そうした中で、まず、この新型コロナウイルスの感染防止対策について、令和元年度に行った取り組みについてお伺いをしたいと思います。
○西坂事業部長 副委員長ご指摘のとおり、未曽有のコロナ禍にありましても、都の中央卸売市場は、都民の消費生活を支える基幹的なインフラとしての機能を維持することが必要でございます。
このため、中央卸売市場では、都と市場関係者が緊密に連携して、新型コロナウイルスの感染拡大防止に取り組んできました。
具体的には、施設の入り口や主要なエレベーターホールなど、人の動線となる場所におきましてアルコール消毒液を設置するとともに、接触感染のおそれのある箇所につきましては重点的に清掃を行うなど、衛生対策の強化を図りました。
また、都と市場関係者とで感染者発生時における緊急連絡体制を構築したほか、手洗いや、せきエチケットなどの確実な実施について、ポスター等で周知を徹底してきました。
さらに、市場関係者に対しましては、改めて、手洗い、手指消毒等の徹底、従業員の健康管理などを要請するほか、正確な情報に基づく適切な感染拡大防止対策がそれぞれ行われますよう、厚生労働省などの感染拡大防止に関する情報の提供を行いました。
○高倉委員 今ご答弁で、先般私が資料要求をさせていただいて、きょうは、資料が二ページの方に詳しく載っかっておりますけれども、これに基づいて今ご答弁をいただいたというわけであります。
このことについては、既に新型コロナの感染がまさに今、現在進行形の形で続いているという状況でありますし、特に、感染が始まった時期、まさに令和元年度の年度末の時期でありますけれども、世の中では必要な備品といったようなものがなかなか入手が難しかったわけですね。これは、一般の方もそうでありますし、さまざまな事業をされている皆さんもそうでありますし、恐らく市場においても、そういうなかなか入手しづらい環境の中にあって、今、答弁をいただいたような対策をとったんだと思うんですね。
その必要経費ということで、所要経費も資料には書いていただいていて、括弧つきでアルコール消毒液とかマスク等の対策物品の購入ということがありますけれども、実際に感染が広がったとき、特にその初期段階ですよね、非常にこういう物品が品薄になる、入手が難しくなる。本来ここまで必要なんですけれども、それが入手できなくて限られた対策しかできなくなる、こういうことは当然もう想定をされるわけですよね。
したがって、今回の、いろいろ対策をとっていただいて、万全な形でやっていただいていると思いますけれども、これを踏まえて、今後こうした、こういう感染のような事態が始まったときに、ほかのさまざまな危機的な事態があるかもしれませんけれども、そのときに必要となるようなものは、やっぱり、あらかじめ備蓄をしておかなきゃならないんですよ。
そういうようなきちっとした計画も持っていく。そのために、今度新たな、予算要求もこれからされていくと思いますけれども、そういう必要経費なんかもきちっと予算要求をして反映させていくということが、まさにこの決算審査を通しての取り組みではないかなというふうに思っておりまして、そういったこともしっかりお願いをしたいなと思っております。
それから、この感染症においては、正確な情報に基づいて、いわば正しく恐れるということが大事だと思います。
そういう中で、生鮮食料品を扱っていらっしゃるわけですけれども、この生鮮食料品について感染といったことが、例えばこの食品を通して感染があるのかどうかとか、こういったことは、消費者の方々からしてみれば非常に気になるところでもありますし、そこを明らかにしていくということが不安を払拭する、あるいは風評被害といったようなものが起こってくることを防いでいくということにもつながるのではないかなと思います。
この新型コロナウイルスは食品を通して感染が拡大するものであるのかどうか、このことについて市場の見解をお伺いしたいと思います。
○西坂事業部長 厚生労働省の新型コロナウイルスに関するQアンドAによりますと、食品を介して--この食品には、生で喫食する野菜、果物や鮮魚貝類を含むというふうにされておりますが、新型コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されておりません。
製造、流通、調理、販売等の各段階におきまして、食品取扱者の体調管理や小まめな手洗い、アルコール等による手指の消毒、せきエチケットなど、通常の食中毒予防のために行っております一般的な衛生管理が実施されていれば心配する必要はないとされてございます。
○高倉委員 今、明確なご答弁はいただきました。しっかりとした感染防止対策をとっている。その上で、こうした食品からの感染といったようなことについての見解といったものも、よくわかりやすく、都民にも伝えていっていただきたいというふうに思いますが、しかし、やっぱり万一、食品を通しての感染といったような事態も当然想定されるわけですから、そこのところはしっかりと取り扱い、あるいは対策をお願いしたいと思います。
私が要求をいたしました資料、一ページ目ですけれども、ここには、新型コロナの感染があった令和元年度の年度末はどんな影響があったのかということで、わかりやすくということで、前年度の同じ月に対しての影響といったこういう表にしていただいたわけであります。これを見ると、やはり影響はしっかりと出ているということが見てとれるわけであります。これは三月までのことでありまして、ここから先がすごいわけですね、本来は。そこのところのいろんなご見解とか対策をお伺いするというのは、また別な機会にしたいというふうには思いますけれども、いずれにしても、今、飲食店等が非常に厳しい状況に置かれているという状況が、市場の取引の方にも大きな影響を与えてきているというような状況であると思います。
そこで、令和元年度におきます新型コロナウイルスの感染症による市場取引への影響について明らかにしていただきたいと思います。
○西坂事業部長 本日ご提出いたしました資料にもございますとおり、令和二年の一月以降の市場取扱金額でございますが、一月、二月はおおむね前年並みでございましたが、ごらんいただきましたとおり、三月につきましては、前年同月比で水産物、それから食肉、花きに関しては、それぞれ減少しておりまして、青果物を除き、減少してございました。
内容を見てみますと、水産物におきましては活魚類が前年同月比で六八%、青果物全体では増加でございましたが、中ではワサビが五九%、食肉におきましては牛肉が七九%になるなど、主に飲食店向けの高級商材の取り扱いが大幅に減少していたものと考えられます。
また、花きにおきましては、切り花が前年同月比で八一%となってございまして、年度末卒業シーズンの宴席などが軒並みキャンセルとなったことなどの影響を受けたものと考えられます。
以上、申し上げましたような商材を含みますそれぞれの減少傾向でございますが、二月二十七日の内閣総理大臣の要請に伴う三月二日からの都内公立学校の臨時休業や、三月九日からの入国制限、国内感染の広がりによる自粛ムード等によりまして、市場取引に一定の影響があったものと考えております。
○高倉委員 今、感染による影響、具体的なお話もあったわけであります。
高級な食材を扱うようなお店において、その取り扱いが減っているとか、あるいは卒業式も、実際もうほとんど行われないような状況があったわけです。それがまさにお花の取り扱いに影響がある。その他一定の影響があったという、今、一定というお言葉を使われましたけれども、先ほど申し上げたように、四月以降は、これはもう大変な影響が出ているということが少なくとも想定をされるわけであります。
こういったことについて、今後どういうふうに取り組んでいくのかということはしっかり考えていっていただきたいというふうに思いますし、やはりこの取扱量に影響が出てくる中で、当然ながら中央卸売市場としての全体をどうするかということを皆さん考えていかれると思いますけれども、実際のこの市場の関係の事業者の方々も大変な影響を受けているわけでありまして、それに対して皆様の方でもさまざまな支援を行っていると思いますけれども、今回の感染の影響の大きさを考えたときには、もう一段も二段も新たな市場の事業者への支援といったようなことも十分に検討していただきたいと、きょうはそのことだけ申し上げておきたいなと思います。
次に、被災地支援についてお伺いをしたいと思います。
被災地支援、具体的には東日本大震災の被災地のことをきょうはお聞きするわけですけれども、その後も実は、全国各地でさまざまな、地震でありますとか、あるいは大雨の災害がもう本当に頻繁に発生をしてきておりますが、東日本大震災が、その規模においても、それから犠牲になられた方々の数においても、本当に非常に大きな災害だったわけであります。
振り返ってみますと、私どもも、東日本大震災が発生した直後から、すぐ直後はなかなか現地に入るということもできなかったわけですけれども、その後、私たち現地に行って、私たち都議会公明党では、特に被災三県、福島、宮城、岩手、三つにチームを分けまして、継続的にそのチームでもって被災地に行っていたわけであります。
私は主に福島チームに入っておりましたので、福島の状況を、さまざま生の声をお聞きしては、こちらに持って帰ってきて、そして、直接知事に要請したり、もしくは議会で、さまざまな形でご提案を申し上げたり、こういうことをしてきたわけであります。
今日まで続いている被災地応援ツアーといったようなものを、当時、福島の商工関係の団体の方から直接お聞きしたものを当時の石原慎太郎知事に要請をして、実現されて、実は今日までまだ続いていて大変喜ばれているものであります。
その被災直後に、私は相馬に行ったんですけど、大変有名な立谷さんという市長さんがいらっしゃって、あの方とも直接お会いをして、そのときお聞きしたのが、あそこでは天然のヒラメがとれて、築地の方に出しても大変な高値で取り引きされると。そのヒラメが実はもう流通できなくなっているという悲痛な声があって、それとはまた別ですけれども、福島の県知事とも何度もお会いをしたわけですけれども、県知事もこちらに、福島特産の桃のPRに来られたり、本当に農産物、畜産物、そして水産物について、ぜひ大消費地である東京に何らかのお力添えをいただければというような思いがずっと今日まで続いてきているわけであります。
そして、来年は、オリンピック・パラリンピックが延期されて開かれるわけですけれども、来年の三月十一日は、震災が発生してちょうど十年なんですね。十年、あれからたっているわけです。一つの節目の時期を迎える。ここで改めて、被災地の皆様の思いを共有して、そして、オリンピック・パラリンピックも被災地をしっかり支援していく。復興五輪、復興パラリンピックということで招致をしたわけですね。世界中からもいろんな支援をいただいたわけでありまして、やはりそれは、私は、原点、今回のオリンピック・パラリンピックの原点であるというふうに思っております。決して忘れてはならないことだというふうに思うんですね。
したがって、来年の三月十一日が十年目を刻むということで、改めて、今後どういうような被災地支援を行っていくべきなのか。この後ちょっとお聞きしますけれども、特に市場からはいろんな支援をこれまで行ってきているわけで、そのことを改めて、もう一度また原点に戻って、また、あの災害が発生した当初の思いに戻って、被災地の方々の思いに戻って、改めて取り組んでいく必要があるんじゃないかと思っています。
そこで、きょうは、令和元年度に市場が行った被災地支援の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
○猪倉企画担当部長 中央卸売市場では震災直後、今、副委員長からもお話ございましたが、被災した出荷者に対しまして流通支援金を交付したほか、平成二十七年度まで、各市場の業界関係者等と福島の漁業、農業関係者等と意見交換などを行う被災産地支援研修会を実施してまいりました。
令和元年度は、十月に開催した五つの市場の市場まつりにおきまして、被災地支援を目的に福島県PRコーナーを設置しましたが、この取り組みは、震災があった平成二十三年以降実施をしております。
福島県PRコーナーは、都が展開する、ふくしま東京キャンペーンの一環として実施しておりまして、福島県の協力のもと、福島県産農産物に関するパネル展示や福島米に関する企画などを行いまして、市場まつりに訪れる地域住民の方々へ福島県産品に対する理解促進を求めました。
また、加えまして、昨年の十一月に豊洲市場の六街区、千客万来施設事業用地を提供し、都の復興支援イベント、東日本大震災復興応援元気市が実施されました。イベントの一環といたしまして、豊洲市場の市場業者に対し、被災三県の生産団体が取引拡大に向けたPR試食会を実施いたしまして、交流が図られたところでございます。
○高倉委員 今後の支援をしっかりお願いしたいと思います。
昨年十月に、豊洲市場が開場して一周年を迎えたわけであります。十月五日に一周年を記念しました豊洲市場開場一周年記念フェスタが開かれまして、私も当日、現地に行かせていただきまして、本当にいろいろとありがとうございました。現場の皆さんからは、豊洲市場がさらなる飛躍に向けて踏み出していこうというような様子がよくうかがえました。
そこで、昨年の一周年の記念フェスタの内容と実績についてお伺いしたいと思います。
○猪倉企画担当部長 豊洲市場開場一周年記念フェスタは、開場して一周年という機会に、改めて地元や都民の方々に豊洲市場に対する親しみや理解を深めていただき、豊洲市場のさらなる発展に向けまして、都と市場関係者が意識を共有していくことを目的に行ったものでございます。
具体的には、豊洲市場六街区の千客万来施設事業用地に加え、ららぽーと豊洲にも会場を設けまして、地元江東区の団体による公演や、さかなクンによるトークショーなどを実施するほか、市場関係者の協力のもと、市場の新鮮な魚や野菜、果物を販売するマルシェや魚や青果の目ききセミナーなどを開催いたしました。
その結果、地元を初め延べ約七千人の方々にご参加いただきまして、豊洲市場やそこで扱う食の魅力につきまして理解が深まったものと認識してございます。
○高倉委員 豊洲市場もことしの十月で二周年を迎えるわけでありまして、非常に基幹的な市場として、これからもますますその重要性が増してくると思いますし、できるだけその魅力も発信をしていただきたい、特にあの豊洲ブランドといったようなものをしっかり内外にアピールをしていただきたいというふうに思います。
令和元年度に行いました豊洲市場の魅力の発信に向けた取り組みについてお伺いしたいと思います。
○猪倉企画担当部長 ただいま副委員長からお話のございましたとおり、豊洲ブランドの発信は大変重要と私ども考えているところでございます。
今回、令和元年度に行いました豊洲市場の魅力発信でございますが、出荷者を中心といたします業界関係者へ豊洲市場の魅力や機能を知っていただくため、国内最大級の水産関係者が集う見本市、ジャパンインターナショナルシーフードショーや、日本各地の水産業者や飲食関係者が出展するジャパンフィッシャーマンズフェスティバルなどに豊洲市場PRブースを出展いたしました。
ブースでは、閉鎖型施設で商品の品質管理を行いやすい豊洲市場の特徴等を映像で紹介するなど、豊洲市場の利用促進に向けて取り組んだところでございます。
また、地元江東区を初めといたします都民の方々へ、豊洲市場に対する理解を深めていただく観点から、七月三十日から八月一日まで開催されました小学生と保護者向けの学習体験イベントに出展いたしますとともに、十月十九日、二十日に開催されました江東区民まつり中央まつりにブースを出展いたしまして、来場者の皆様に豊洲市場の役割や水産、青果物の魅力をPRいたしました。
○高倉委員 きょうは、質疑の中で、新型コロナウイルスの感染に対する取り組みですとか、あるいは東日本大震災の被災地の支援、また、市場の魅力といったようなことについてお伺いをしてきましたけれども、十一あります中央卸売市場の中でも、やはり多面的な役割を果たすことが強く期待されているというのが豊洲市場であるというふうに思っております。
非常に厳しい経営環境といったものも豊洲市場を取り巻く中にはあろうかとは思いますけれども、市場の業者としっかり手を携えて、こうした厳しい状況を打ち破りながら前へ進んでいただきたい、そして、引き続き、被災地の支援にも取り組んでいただきたいというふうに思います。
最後に、市場長の見解をお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。
○黒沼中央卸売市場長 豊洲市場は、今月、開場から二周年を迎えたところでございますが、この間、水産物、青果物の中核拠点市場として機能をしております。
全国の産地から多種多様な産品を集荷し、とりわけ水産物につきましては、価格形成の指標となります建て値市場、全国の価格の指標となります建て値市場としての機能を発揮しており、我が国のいわゆる基幹市場として大きな役割を果たしてきております。
都内の在住者で感染者が確認をされました二月以降、豊洲市場におきましては、速やかに場内で業界と連絡会議を立ち上げるとともに、都と市場、業界と一緒になって連絡会議を立ち上げるとともに、こうした一体となった感染防止対策を徹底いたしました。
加えまして、都の本庁によるバックアップ体制、これは、場の体制がそちらに引っ張られたときに、本庁が直ちにバックアップをするという、それぞれの職員に割り当てをしたようなそういう体制でございますが、こういった体制も直ちに整えました。感染者発生とその拡大への備えを講じたところでございます。
また、このコロナ禍を契機といたします外食需要の低迷といった厳しい経営環境にある事業者に対しまして、対象を拡大した経営相談等の活用や、コロナの影響を乗り越える市場業者の意欲ある取り組みに係る補助率の拡充など適宜充実を図り、事業の継続を支援してまいりました。
東日本大震災の被災地支援についてでございますが、本日のご質疑で、これまで市場といたしましても、さまざまな機会を捉えて復興支援に取り組んできたところでございます。
私ごとで恐縮でございますが、当時、私は、初代の被災地支援担当部長としまして、都議会の皆様と一緒になって各局が、それこそ当時のエールは、東京ができることは何でもやるんだと、こういうことで都議会の皆様の全面的な協力をいただきながら取り組んできたことを思い出します。
この市場におきましてもさまざまな取り組みを行ってきましたが、副委員長ご指摘のとおり、まだ復興は回復途上にございます。
こうした被災産地の現状をしっかりと受けとめまして、豊洲市場とはという、まさにこのブランディング、発信力のあるこの市場の場を活用いたしまして、市場業者ともしっかりと連携をして、被災産地の商品の魅力等について、より一層積極的にPRしていくことが必要と考えております。
こうした取り組みを通じまして、豊洲市場をこれまで以上に発展させることができるよう、今後も業界と緊密に連携しながら全力で取り組んでまいります。
○和泉委員 私からは、まず、中央卸売市場活性化支援事業について伺いたいと思いますが、二〇一九年度の当初予算額や決算額、それから補助実績について具体的に伺おうと思っておりましたけれども、先ほど同様の質問がありまして、もう既にご答弁いただいていますので、重複は避けたいと思います。
一つだけお聞きします。
十一市場のさらなる活性化を図るために、二〇一九年度から中央卸売市場活性化支援事業が実施されていますけれども、この活性化が必要であるというふうに判断をした、その理由はどのようなものからだったんでしょうか。
○石井移転支援担当部長 市場を取り巻く環境変化や卸売市場法改正等を踏まえまして、中央卸売市場のさらなる活性化を図り、都民に生鮮食料品等を安定的に供給する基幹的なインフラとしての役割を引き続き果たしていくために、取引の担い手でございます市場業者が行う意欲的な取り組みに対する支援を実施しているところでございます。
○和泉委員 都民に生鮮食料品等を安定的に供給する基幹的なインフラであるという認識が示されました。
続いて、この市場の活性化ですけれども、昨年七月に立ち上がっています市場の活性化を考える会についても伺っていきたいというふうに思います。
卸売市場法が変わって規制が大幅に緩和をされ、これに伴って、都の卸売市場条例をどのように改定するのか、都は、条例改正準備会議を開いて、専門家、市場の関係者を入れて四回にわたって議論を重ねています。
また、市場を通す取引の減少傾向、生産者や物流を担う方たちの減少など、市場を取り巻く環境が変わってきている。しかし、市場を取り巻く環境にどんな変化があったとしても、食料品、生鮮食料品等を安定的に都民に提供するために中央卸売市場の機能を維持し続ける、その必要があって、都民から信頼される市場であり続けるために、どのように市場を活性化するかは重要である。おおむねこのような理由で市場の活性化を考える会が設置されたというふうに理解をしているところです。
第一回の議事録を見ますと、知事はその挨拶の中で、今後とも、中央卸売市場を適切に運営していくためにも、公営企業会計としての強固な財政基盤の確保、これらを図るためにも、民間経営手法の検討などさまざまな観点から、長期的な視点に立ちまして市場経営のあり方を検証することが必要だと、このように述べられています。
昨年十月二十九日の事務事業質疑で、我が党の尾崎あや子議員がそのことに触れて、具体的にどういうことかと聞いた際に、都は、市場の役割を引き続き果たすために、市場のさらなる活性化を図るとともに、戦略的な市場運営を行っていくためのさまざまな施策を検討することが必要であると考えるが、現時点では具体的なことは決まっていないと、このように答弁しています。
ほぼ一年経過して、活性化を考える会も第八回まで行われていますので、改めて、戦略的な市場運営とは何か、民間の経営手法とは何か、具体的にお示しいただきたいというふうに思います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 市場の活性化を考える会におきましては、現在、今後の市場経営の方向性について忌憚のない議論を重ねているところでございます。
議論の途上でありまして、現時点では、具体的にお示しできることはないという段階でございます。
○和泉委員 一年たってもまだ具体的にお示しできることはないという答弁でした。
昨年の事業概要の七七ページ、これを見ますと、市場の活性化を考える会を設置し、専門家からの意見を聴取し、今年度末に市場の経営計画を策定する予定と、このようになっています。おおむね二カ月に一度開かれているこの活性化を考える会の委員の任期が今年度末となっていることからも、あと一、二回で取りまとめを行って、提言なのか報告なのかわかりませんけれども、少なくともその案が出てくるのではないかというふうに思います。
そこで伺いますが、都が策定する経営計画に反映するために、市場の活性化、民間経営手法の検討などで専門家の知見を活用するために市場の活性化を考える会が設置されたと、こういうわけですけれども、この会と都の経営計画策定までの具体的なスケジュールについて、それぞれ伺います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 現在、市場の活性化を考える会におきまして提言の取りまとめに向けた議論がなされているところでありまして、この取りまとめがなされた後、今後の市場経営のビジョンを経営指針として今年度中に策定をしていくこととしております。
その後、この経営の指針で示す方向性に基づきまして、経営の計画を策定することとしております。
○和泉委員 今年度末までに策定するのは経営指針なんだと。その後、経営計画が策定されるんだというようなご答弁でした。そうしますと、昨年の事業概要から若干スケジュールの予定が変わっているということなんでしょうか。
卸売市場条例準備会議でも、昨年の事業概要でも、また、今回の活性化を考える会でも、卸売市場は生鮮食料品等を安定的に供給する基幹的なインフラであるということを繰り返し都は記載していますし、この間の質疑を通しても、その答弁を繰り返し行っておられます。
さらに、活性化を考える会第二回の資料では、都民に信頼される市場を目指すというふうになっています。卸売市場が都民生活において重要な役割を果たしていて、市場の活性化は、いわば都民に安定して生鮮食料品等を供給するために必要だと。そのための会議なのに、会議自体が非公開になっていて、第二回以降、議事録も公開されていないというのはどういうことなんでしょうか。なぜ非公開にしているのか、理由について伺います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 会議につきましては、外部有識者の方々から忌憚のないご意見を伺うため、原則として非公開で行うこととしてございます。また、議事概要につきましては、公開をしてございます。
○和泉委員 有識者の皆さんは、それぞれご自分の知見を専門家として発言されるわけですから、公開されると忌憚なく意見を述べることができないなどということはないのではないでしょうか。
議事録は非公開でも議事概要は公開されている、ただいまこのように答弁をされましたけれども、その公開されている資料と議事概要で、私、きょう質疑をしているわけですから、議事概要が公表されていることは承知しています。
けれども、議事概要は、委員から出された意見が箇条書きで列挙されているだけですから、どのような議論の流れの中で委員が発言をされているのか、それを受けて都がどのように発言をしているのか、全くわからないわけです。
さらに、議事概要を見ると、資料についても全て公表されているわけではなくて、一部非公開となっているようですけれども、これはどうしてでしょうか。非公開となっている資料は何でしょうか。せめて資料くらいは公開するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 資料については、委員の方々から忌憚のないご意見を伺うため会議を非公開で行うこととしているという趣旨を踏まえ、座長が必要と認める場合、その全部または一部を非公開とすることとしております。
これに基づき、資料の一部を非公開としておりまして、委員によるプレゼンテーションの資料などがこれに該当いたします。
○和泉委員 資料として非公開にしているのは委員のプレゼンテーション資料などだという答弁ですけれども、例えば、第五回の議題となっている市場の活性化に向けた論点整理についての資料は公開されていません。
一回から四回まで議論した中で、改めて論点を整理する必要があって、あえて議題に上ったというふうに推察をしていますが、なぜ資料を公開しないんでしょうか。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員の方々から忌憚のないご意見を伺うため会議を非公開で行うこととしているという趣旨を踏まえまして、お話の資料につきましては非公開となってございます。
○和泉委員 先ほどの答弁では、委員のプレゼンテーション資料などが非公開とする対象だという答弁でしたけれども、私が今申し上げた非公開の資料は、都が議事として説明をしている資料です。委員の忌憚のない意見とは関係ないんじゃないでしょうか。非公開とする理由が到底都民の理解を得られるものではないということは指摘しておきたいというふうに思います。
続けて伺いますが、この資料を使って、都はどのような説明を行ったんでしょうか。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 資料が非公開となったという趣旨を踏まえて、説明したシナリオにつきまして具体的なお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、概略といたしましては、生鮮食料品等の流通を支える基幹的なインフラである市場が、サプライチェーンにおいて果たしていく役割のイメージ、産地や実需者、さらには消費者とのかかわりの中で市場が果たすべき機能、その上で取り組むべき活性化の方向性などにつきまして、議論のための素材としてご説明をしたものでございます。
○和泉委員 生鮮食料品等、流通を支える基幹的なインフラである市場が、サプライチェーンにおいて果たしていく役割のイメージ、産地や実需者、消費者とのかかわりの中で市場が果たすべき機能、これなどはもう既にそれまでも資料で示されています。今さら非公開とするようなものではないんじゃないでしょうか。取り組むべき活性化の方向性について、議論の素材として説明したというふうにもご答弁なさいましたけれども、取り組むべき既成概念にとらわれない斬新なアイデアや自由なご意見を聴取するのが、この考える会に求められていることなのに、一回から四回までやってきて、第五回で、議論の素材として都が活性化の方向性を説明するというのも、何とも理解しにくい話だというふうに思います。
先ほど私が申し上げたように、都の説明資料が委員に忌憚のない意見を述べてもらうことを妨げるものになるというふうには到底考えられませんから、早急に資料を公開することを強く求めておきたいというふうに思います。
第二回の議事概要の中には、市場外の担い手による生鮮食料品等流通が増加しているというトレンドに向き合いつつ、都民に提供する価値を追求していくのか、あるいは規模を縮小して効率化に向かうのか、市場のゴールを見定めた議論を進めるべきだという意見が出されているんです。ですから私、心配をしているんですね。
また、第三回の議事概要では、委員のプレゼンテーションが行われて、EU主要国の青果物流通の現状が報告されています。
スペインでは、公的セクターにより運営されている卸売市場で活発な取引が行われ、公的セクターの必要性に触れられています。あわせて、報告が行われているはずのフランス、オランダについては、議事概要に内容の記載がないので、どのような報告が行われたのか全くわかりません。
プレゼンテーションの中のフランス、オランダの部分について、骨子で構いませんので、ご説明いただけますでしょうか。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 プレゼンテーションの資料が非公開となっているため、具体的な内容についてお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、スペイン、フランス、オランダを含むEU主要国の青果物流通の現状におけます公的セクターの関与ですとか、流通形態の特色などについてご説明があったものでございます。
○和泉委員 市場の活性化を考える上では、非常に興味深いテーマだったというふうに思っているんですが、スペイン以外のフランスやオランダの青果物流通の現状、公的セクターの関与や流通形態の特色の具体をお聞きしたかったんですが、それもお答えいただけないということです。ぜひこの資料も公開していただくよう求めておきたいと思います。
卸売市場法が改正されて、農水省は、卸売市場に関する基本方針を告示しています。この基本方針では、集荷及び分荷、価格形成、代金決済等の調整機能は重要であり、この機能が果たされることにより、食品等の流通の核として国民に安定的に生鮮食料品等を供給する役割を果たすことが期待されるとしていますが、これらの機能は何によって担保されてきたと都は考えているんでしょうか。また、都は、この機能の重要性をどのように認識しているんでしょうか、あわせて伺います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 集荷及び分荷、価格形成、代金決済などの調整機能は、中央卸売市場が有する極めて重要な機能でございます。
これらの機能は、市場の開設者として都が整備する取引環境のもと、集荷を担う卸売業者や物品の評価及び分荷を担う仲卸業者などの市場業者、こうした方々による実際の取引を通じて実現されているものと認識をしております。
○和泉委員 要するに、卸売市場法が改正されたもとでも、重要な集荷及び分荷、価格形成、代金決済等の調整機能、これは市場の方たちが実際の取引の現場で実現をしてきたという認識が示されたわけです。集荷、分荷機能、価格形成機能、代金決済等の調整機能は、極めて重要な機能であるという認識もあわせて示されました。重要な答弁だというふうに思います。
今の答弁を踏まえた上で、疑問がありますので伺います。
第二回市場活性化を考える会の資料の四六ページになりますけれども、これですね。(パネルを示す)この四六ページには、基本方針にもありますように、ただいま都からもご答弁いただいたような機能を卸売市場の主な機能とすると記載があります。
しかし、今回、考える会の資料に出されています同じ資料の四一ページです。東京の卸売市場が目指すものというところでは、食品流通の核として必要な機能の中に、集荷、分荷機能、価格形成機能が入っていないんです。これはなぜでしょうか。考える会では、この二つの機能について、どのような意見が出て、都は、どのように答えているんでしょうか。あわせてお答えください。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ただいまご提示をいただきました第二回の会議資料の四一ページの方でございますが、こちらの記載は、昨年の五月に開催されました東京都中央卸売市場条例の改正準備会議で配布された資料をそのまま転載したものでございまして、条例の改正事項に直接関係する論点に絞って記載をしているものであると理解しております。
先ほども申し上げましたとおり、集荷、分荷、価格形成の機能は、中央卸売市場の重要な機能でございまして、市場の活性化を考える会におきましても、同様の趣旨の意見が出ているところでございます。
○和泉委員 集荷、分荷、価格形成の機能は重要なんだという認識を改めて示されたわけですけれども、活性化を考える会でも同様の意見が出ているということです。この機能があってこその卸売市場だというふうに思いますので、しっかりと守られるように、都が今後も設置者として責任を果たしていただきたいということをお願いしておきます。
また、今年度末に策定を予定しています経営指針の中にも、この極めて重要な機能、これを明記していただいて、しっかり堅持していただく、このことを強く求めておきたいと思います。
その上で、もう一つ、とても重要だと考えているのが現場の方たちの声です。東京都卸売市場条例改正準備会議の際には、広く市場の関係者も入れた議論がされていましたけれども、この考える会では市場の関係者が入っていません。これはどういう理由によるものでしょうか。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 市場の活性化を考える会は、中央卸売市場の戦略的な市場経営のあり方について、既成概念にとらわれない幅広い議論を行っていただくため、食品流通、企業経営、財務、会計など、外部の有識者の方々を委員として委嘱したものでございます。
なお、卸売市場法では、条例改正の場合など、市場取引に関して法で定める事項以外の遵守事項を定める場合には、取引参加者の意見を聞くこととなっておりまして、市場関係者を条例改正準備会議の委員としたものでございます。
○和泉委員 卸売市場法で規定されているから、取引参加者の意見を聞いたと。
私は、法や条例がどう規定していても、現場の方の話は聞く、意見は聞く、この姿勢が非常に重要だというふうに思います。専門家がどのようないい提言を行っても、都がどのような指導監督を行っても、実際に市場を活性化させていく、動かしていくのは、現場で働く方たちです。市場の重要な機能は、業者の方たちの実際の取引によって実現してきたと、都も先ほど答弁されました。ですから、実際に市場で働く卸、仲卸の方たちを抜きに、市場の活性化を図ることはできないと思います。
活性化を考える会の資料を見ますと、これまで三名の市場関係者から意見を聴取しただけということのようですけれども、今後において、もっと広く意見を聞き、市場の経営計画に現場の声を反映させるべきだというふうに思いますが、都の見解を伺います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 これまでも、中央卸売市場の運営等に関しまして、さまざまな場面を通じて市場関係者と意見交換を重ねてきております。
経営指針や経営計画の策定に当たりましても、これまでと同様に、市場関係者などに広く意見を伺うこととしております。
○和泉委員 経営指針策定の際には、市場関係者などに広く意見を聞くという重要な答弁もいただきました。ぜひそうしていただいて、現場の実態、実情、要求にかみ合った経営指針としていただくこと、そして、その後の経営計画にも反映していただくこと、これを重ねて要望して、私の質疑を終わります。
○斉藤委員 無所属東京みらいを代表しまして、私、斉藤から質問させていただきます。よろしくお願いします。
二〇一五年九月の国連サミットで採択をされましたSDGs、持続可能な開発目標は、二〇三〇年までに達成すべき十七の国際目標のことでございます。
その十四番目の目標は、海の豊かさを守ろうというものです。海の豊かさ、正確に読み上げますと、海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用するという目標でございます。
日本の漁業の未来のために、今、東京都中央卸売市場ができることは何かという観点から質疑を行わせていただきます。
漁獲高が減りまして、漁業が衰退しているといわれる日本で、釈迦に説法ではありますけれども、中央卸売市場での水産物の取り扱いも、平成十年度には三百六十万二千トンが、平成三十年までに百四十一万六千トンにまで落ち込んでおります。これは世界的な潮流なのかと思いきや、先進国の中で、漁業が衰退しているのは現在日本ぐらいということで、逆に、漁業が成長しているノルウェーなどでは、漁獲量は十年ほどで二割ほどふえるということであります。
ノルウェーは水産物輸出も伸び続けておりまして、二〇〇〇年に約五千億円だったものが、二〇一三年には倍の約一兆円にまで達しておりまして、漁業大臣は、今後、二〇六〇年度までに現在の十倍を達成できる可能性を示唆しているそうでございます。
同じ地球で、なぜノルウェーと日本、こう差が出てしまっているのか、それは漁業規制のあるなしであるということを伺っております。これはどちらに規制があるかといいますと、漁獲高、漁獲量の多いノルウェーの方に規制があるということです。漁獲をしてよいとされる数量や海産物の年齢に規制があるために、乱獲でまだ幼い稚魚や幼魚をとってしまうようなことが起きず、その規制により、資源を管理し、価値を創出していくことのできる漁業が実現しているということでございます。
食べない、とらないというのではなくて、長く食べ続けていくことができるように、サステーナブルシーフード漁業のあり方を、漁師さんたちの、また家族のお暮らしの方も支えながら、構築をしていくことが求められていると考えております。
そこで、このサステーナブルの考え方を包有するエシカル消費について伺わせていただきたいと思います。
令和元年度、中央卸売市場におけるエシカル消費の普及啓発の取り組みについて、どのようなものがあるか伺います。
○猪倉企画担当部長 人や社会、環境に配慮した消費行動でございますエシカル消費の普及啓発についてでございますが、中央卸売市場では、卸売市場の持つ生鮮食料品等の流通に関する機能や役割を都民の皆様に伝えるとともに、市場関係者との連携によりまして、食育、花育や、被災した産地の支援を目的とした取り組みも行っております。
令和元年度は、小学生向けのこどもいちば教室や夏休み親子見学会、肉料理講習会などの講習会等を十九回開催いたしまして、五百六十六名の参加者がございました。参加者の皆さんに市場の仕組みを知っていただくとともに、市場関係者の協力のもと、旬の食材の見きわめ方や、適切な調理方法、食の大切さについて周知を行いました。
また、昨年の十月に開催いたしました五つの市場まつりでは、中央卸売市場のPRに加えまして、被災地支援を目的に都が展開する、ふくしま東京キャンペーンの一環といたしまして福島県PRコーナーを設置いたしまして、福島県産農産物に関するパネル展示や福島米に関する企画などを行いまして、福島県産品に対する理解促進も図ったところでございます。
○斉藤委員 ありがとうございます。
エシカル消費はとても幅が広い意味合いを持っている言葉でございまして、その商品が、生産から販売まで、どのような工程を、どのような環境で働く方々によってつくられて提供されているのかというサプライチェーンの起点から終点までを追跡できるというトレーサビリティーが今、消費者の中でも大変注目を高めています。
どれくらい注目をされているかといいますと、既に昨年、令和元年度から、全国的に女性誌がこぞってサステーナブルをテーマに取り上げておりまして、ファッション誌、例えば、VOGUEとかSPUR、皆さんも多分ご存じであると思います。また、お子さんのいるママが読むママ雑誌のVERYなどでも、ファッションを初め、食のサステーナビリティーを取り上げておりまして、エコラベルつき商品や認証マークつき商品を紹介するページなども載せているという状況でございます。今、消費者はかなりこちらの方に注目をして動き始めているというのが現状でございます。
ぜひここは、生産者の方にも、もっともっと動けるように、市場にできることというのを積極的に展開をしていただきたいと考えているんですけれども、今のご答弁では、市場まつりなどについてもお答えをいただいたんですけれども、例えば、横浜の中央卸売市場の方では、エシカル消費講座と銘打ちまして、エシカルに特化して市場でイベントを開かれているということがあります。ぜひ今後は、サステーナブルな食というのを、こちらも本当に一本釣りでテーマに持っていただいて、イベント開催や普及啓発を行っていただきたいというふうに考えております。
次の質問に移ります。
海のエコラベルといわれるMSC認証やASC認証などの第三者認証の取得について、どのように支援を行っているか伺います。
○石井移転支援担当部長 令和元年度から実施しております中央卸売市場活性化支援事業では、市場業者の品質、衛生管理に係る第三者認証取得を支援対象としておりまして、水産エコラベルであります海洋管理協議会のMSC認証、水産養殖管理協議会のASC認証、そしてマリン・エコラベル・ジャパン、いわゆるMEL認証、こういったものの取得についても支援することとしております。
昨年度は、本事業を活用いたしまして、業界団体が組合員向けの輸出セミナーの一環といたしまして、MEL認証の取得促進を図る取り組みを実施したところでございます。
○斉藤委員 令和元年度の東京都が行われていました認証取得支援の取り組みの具体例についてお答えをいただきました。
MSC認証の方は余りまだ広がりがないのかもしれないのですけれども、MEL認証の方は業界団体主催でセミナーが行われて、取得促進に努められたということであります。
ぜひ今後も積極的にこの活用を働きかけていただきたいところですが、現状、懸念されますのは、新たに認証を取得するために動き出すための意義、また、モチベーションというものが事業者の皆様に共有されていないのではないかということと、また今回、コロナのこともありますので、その余力が残されていない可能性についても考え、今後どうしたら事業者の皆様が第三者認証の取得に取り組んでいけるのかということを、ぜひ主体的に中央卸売市場が考えていってほしいと思っております。
実は、このエコラベルや認証マークについて教えてくださったのは、とある長年エシカル商品の普及啓発に取り組む民間の方でございます。実際に、東日本大震災の後に津波で養殖設備の全てを流されてしまい、ゼロからのスタートとなった宮城県の石巻市では、二〇一八年には、県内養殖の六割がASC認証を取得したということを伺っております。
震災以前は、かなり狭い範囲に過密で環境負荷の高い養殖を行っていたということなんですけれども、これ、食べる方のカキの話なんですけれども、この養殖を行っていたんですが、持続可能な漁業をつくるため、養殖施設を震災前の三分の一の面積に減らしまして、それでもカキの品質を上げて、その結果、漁業者の皆さんには休みをとる余裕が生まれて、一週間に恐らく二日の休みがとれるということになりまして、収穫までの期間も三年間かかっていたものが一年まで短くなったと。そして、とれるカキの身がとても大きくなったという結果が出ているそうです。こういった好事例から学べることも多くあるのではというふうに感じています。
何かきっかけがなくてはこういった大々的な方針転換は難しいのかもしれないのですが、持続可能な漁業や農業を応援したいと考える消費者もふえていることを、ぜひ積極的に事業者の皆様とも共有し、必要な支援を行っていっていただきたいと考えております。
これに関連して、東日本大震災の被災地支援の話をしたかったんですけれども、こちらは先ほど高倉委員からもご質問ありましたので、割愛させていただきます。
来年、東京では、二〇二〇オリンピック大会が開催をされる予定となっております。二〇一二年に開催されたロンドン・オリンピック大会は、持続可能性をテーマとして最もサステーナビリティーに配慮をしたオリンピックとなったというふうに伺っています。会期中に提供する食事についても、食材調達方針にルールを作成し、資源が枯渇しているものは取り除く、環境によいものを推奨などを盛り込んでいました。この結果、スポンサー企業や団体に加え、政府、公営施設や学校なども率先して取り組んで、イギリス全土の公営施設の三分の一にサステーナブルシーフードが導入され、大会開催後も、国や地域にサステーナブルをレガシーとして残すことができたと伺っております。
国内の方では、パナソニック株式会社が日本初、社員食堂でMSC及びASC認証水産物の提供を開始し、社員の家族を初め消費者の変革への転換点となることや、それに伴い、業者や養殖業者が認証取得をする動機にもつながるということが期待をされております。
二〇一九年の消費者庁の調査によると、エシカル消費に興味を持つ人は、前回の二〇一六年の調査に比べて一・六倍と大変ふえているという状況がございます。また、対応する商品を購入したいと考える人は八割に上っている状況でございます。消費者の意識の変革の動向も注視していただきつつ、都として、学校を所管する教育庁やエシカル消費の普及啓発に取り組む生活文化局、また産業労働局とも連携をして、サステーナブルなシーフードやサステーナブルな市場を実現していっていただきたいと申し上げ、次の質問に移ります。
次に、市場のあり方について伺います。
昨年、事務事業質疑で森澤都議から質問をさせていただきました、豊洲市場の施設特性を生かした新たなHACCP認証の取得や海外販路の開拓といった取り組みを進めている、この件についてでございますけれども、令和元年度に、こういったことにおいてどれほど補助実績があったと捉えているか伺います。
○石井移転支援担当部長 豊洲市場は、高度な品質、衛生管理が可能な閉鎖型施設として整備されておりまして、加工パッケージなど新たなニーズに対応できる設備を備えてございます。こうした施設特性を生かして、市場業者は衛生管理の強化や海外への輸出拡大に取り組んでいるところでございます。
昨年度は、HACCPの食品衛生管理手法を含むISO22000などの国際認証取得には、合計八件に対しまして約二千二百万円を支出いたしました。
また、海外販路開拓に向けた取り組みにつきましては、合計七件に対しまして約二千八百万円を支出いたしました。
○斉藤委員 昨年度の補助実績をそれぞれお答えいただくことができました。
では、海外への販路開拓について、令和元年度に中央卸売市場活性化事業で支援した内容について伺います。
○石井移転支援担当部長 活性化支援事業では、海外販路の拡大など、市場業者の意欲ある取り組みを支援しております。
令和元年度に豊洲市場において海外販路の開拓に向けて支援した具体的な取り組みの内容は、業界団体主催による輸出セミナーや海外バイヤーとの交流会の実施、また、水産仲卸業者による海外の展示会への出展などでございます。
○斉藤委員 この海外販路開拓やHACCP認証取得は、例えば、昨年度スタートしたものが、今年度以降どのように実を結んでいくことができるのかということを、例えば売り上げなども含めて定量的に図っていくことも必要と考えるんですけれども、ことしは、新型コロナという想定外、そして、未曽有の大変厳しい現実がやってきてしまうこととなりました。海外販路開拓の事業継続に当たっても、事業者の皆様は大変ご苦労をされているということで、今、実際起きていることと拝察いたします。
このセミナーや交流会はとてもいい手応えを得ていたというような感想も事業者の方々から出ていたというふうに伺っております。全世界的に流通や貿易の状態が通常の状態に戻るまでにかなり時間を要するかもしれませんけれども、昨年度のこのコロナ以前に取り組んでいた活性化事業の内容につきましては、成果を、ことし、来年で短期間に図っていくことは難しいという前提のもと、ただし、その取り組みによりどんな展望を描いていけるのかという将来的な可能性の方に光を当てて、今後もぜひ継続して取り組んでいっていただきたいということを要望させていただきます。
最後に、経営戦略についてお伺いをいたします。
第十次東京都中央卸売市場整備計画では、各市場における戦略的な機能強化が求められるとされていますが、私の地元です、多摩ニュータウン市場も含めまして、現在、経営戦略が立てられている大田市場と淀橋市場以外の市場について、令和元年度に経営戦略の策定に向けてどのように取り組んでいられたか伺います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和元年度は、大田市場水産物部、北足立市場、葛西市場において、都と業界代表者により構成される会議体で各市場を取り巻く環境を分析し、それぞれが持つ強みや弱みなどを整理いたしました。
その上で、各市場の戦略的な取り組み内容について検討を行い、年度末にそれぞれの市場の経営戦略として策定をいたしました。
○斉藤委員 多摩ニュータウン市場の方は、作成の状況がまだ伺えないのはちょっと残念なんですけれども、地元の市民の方からのお声をお伝えさせていただきます。
多摩ニュータウン市場が、場として地域で果たしてくださっている役割の大きさが非常に大きいということで、今後、市場会計全体では大変厳しい状況が続いていく中でも、ぜひ市場ならではの強みを生かしていってほしいと、継続に対するご希望、ご要望の声を伺っております。
東京都と業界代表者の方との会議体で、こういった強み、弱みを整理し、経営戦略として策定されていくということですので、さらに多摩ニュータウン市場も含め、取り組みを進めていただけるようお願いを申し上げます。
また、その検討状況の見える化についてどのように取り組んでこられたか伺います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 経営戦略の検討に当たりましては、都と業界代表者を初めとする関係者の間で検討状況などを共有するとともに、策定した経営戦略は、市場のホームページなどを通じて広く周知を図っております。
○斉藤委員 東京都のホームページ、私も見させていただきました。既に大田、淀橋、北足立、葛西市場の経営戦略が見られるようになっておりますが、それぞれの市場の立地や特徴からスポット分析を行い、強みと弱み、そこから得られる期待できる機会と脅威となっている実情などについて、それぞれ整理をされていることがよくわかりました。
特に大田、淀橋に関しては、本文の資料も公開をされておりまして、分析に当たり、多岐にわたって状況把握や数値の検証が行われてきたということがわかりました。
今後は、この経営戦略に基づいて導き出された戦略オプションから、具体的な取り組みを実施されていくと思いますけれども、目的や定量の目標を具体的に数値で設定することや、企業などの組織体と違ってさまざまな主体が入りまじる場である中央卸売市場ならではの、システムやツールの共有に関する課題を克服していくことなど、実際の経営計画の策定へと落とし込んでいく作業にも期待を寄せたいと考えております。
卸売市場会計は、市場外流通の増加や地産地消の増加も受け、年々取引量が少なくなっていくものの、いまだ農水産物流通全体に占める卸売市場取引量シェアは、約五割あるといわれていると思います。
また、これだけICT化が進み、卸売市場に依存しなくてもやっていける出荷者や産地業者がいる時代でも、市場の代金決済機能はとても重宝されているということや、全国各地向けに転送する荷の集散地としての役割を持つことなど、東京都の市場の強みはまだまだあると考えております。
この市場の強みを生かして、一方で、物流面の課題などを解消していくために、例えば人員コストの削減や作業時間の短縮を目指して、一貫パレチゼーションの実現に向けて、パレットの標準化や回収システムの確立をいかに行っていくかということを検証することなどを、例えば活性化支援事業において取り組んでいただくことなども、今後、検討の余地があるのではないかというふうに考えております。
食文化の集積地として規制を強めることや、場として活用していただいている機会を減らしてしまうおそれのある施設利用料を、今、行っている積みかえのみの業者の方からも取るようなことではなく、いかに今後、活気やにぎわいがあふれる市場をつくっていけるか、これは中央卸売市場の皆様の腕にかかっていると感じております。
これまでも地道な取り組みを日々重ねてこられたと思いますけれども、ぜひ合理化、効率化や利便性の向上、また、本日取り上げましたサステーナブルな食の推進についても、市場のもともと持つ需給調整機能を今後さらに充実させていくことなども通して、さまざまな食の選択肢をふやしていくことに寄与していただくことや、市場の強みをさらに充実させ、広く都民や事業者への周知や発信支援を行っていただきますようお願い申し上げ、私の質問を終わります。
○細谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細谷委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了しました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時二分散会
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