委員長 | 中屋 文孝君 |
副委員長 | 菅原 直志君 |
副委員長 | 三宅 正彦君 |
副委員長 | 伊藤こういち君 |
理事 | 小林 健二君 |
理事 | 小松 大祐君 |
理事 | 白石たみお君 |
理事 | おじま紘平君 |
理事 | 村松 一希君 |
古城まさお君 | |
成清梨沙子君 | |
藤井あきら君 | |
田村 利光君 | |
細田いさむ君 | |
鳥居こうすけ君 | |
宮瀬 英治君 | |
斉藤まりこ君 | |
奥澤 高広君 | |
西郷あゆ美君 | |
森口つかさ君 | |
福島りえこ君 | |
とくとめ道信君 | |
尾崎あや子君 |
欠席委員 なし
出席説明員病院経営本部長 | 堤 雅史君 |
中央卸売市場長 | 黒沼 靖君 |
東京都技監都市整備局長兼務 | 佐藤 伸朗君 |
港湾局長 | 古谷ひろみ君 |
交通局長 | 土渕 裕君 |
水道局長 | 中嶋 正宏君 |
下水道局長 | 和賀井克夫君 |
本日の会議に付した事件
平成三十年度東京都公営企業各会計決算の認定について(決定)
・平成三十年度東京都病院会計決算
・平成三十年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成三十年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成三十年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成三十年度東京都港湾事業会計決算
・平成三十年度東京都交通事業会計決算
・平成三十年度東京都高速電車事業会計決算
・平成三十年度東京都電気事業会計決算
・平成三十年度東京都水道事業会計決算
・平成三十年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成三十年度東京都下水道事業会計決算
○中屋委員長 ただいまから平成三十年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、平成三十年度東京都公営企業各会計決算の認定についての採決を行います。
これより決算の審査を行います。
平成三十年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
本決算の認定の際に付する意見につきましては、お手元に配布してあります。
朗読は省略させていただきます。
〔意見は本号末尾に掲載〕
○中屋委員長 これより採決を行います。
初めに、平成三十年度東京都病院会計決算、平成三十年度東京都中央卸売市場会計決算、平成三十年度東京都都市再開発事業会計決算、平成三十年度東京都臨海地域開発事業会計決算及び平成三十年度東京都水道事業会計決算を一括して採決いたします。
本決算は、起立により採決いたします。
本決算は、いずれもそれぞれお手元配布の意見を付して認定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○中屋委員長 起立多数と認めます。よって、平成三十年度東京都病院会計決算外四会計決算は、いずれもそれぞれお手元配布の意見を付して認定することに決定いたしました。
○尾崎委員 ただいま廃棄されました本決算に対する我が会派の意見は、少数意見として留保いたします。
○中屋委員長 ただいま尾崎委員から、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は、会議規則第六十七条第一項の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
尾崎委員の発言に賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○中屋委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は少数意見として留保されました。
なお、少数意見報告書は、議長に提出いたしますので、速やかに委員長までご提出を願います。
次に、平成三十年度東京都港湾事業会計決算、平成三十年度東京都交通事業会計決算、平成三十年度東京都高速電車事業会計決算、平成三十年度東京都電気事業会計決算、平成三十年度東京都工業用水道事業会計決算及び平成三十年度東京都下水道事業会計決算を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本決算は、いずれもそれぞれお手元配布の意見を付して認定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中屋委員長 異議なしと認めます。よって、平成三十年度東京都港湾事業会計決算外五会計決算は、いずれもそれぞれお手元配布の意見を付して認定することに決定いたしました。
以上で平成三十年度東京都公営企業各会計決算の認定についての審査は全て終了いたしました。
なお、本会議における委員長口頭報告につきましては、理事会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中屋委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○中屋委員長 この際、所管七局を代表いたしまして、下水道局長から発言の申し出がありますので、これを許します。
○和賀井下水道局長 公営企業会計関係七局を代表いたしまして、ご挨拶を申し上げます。
中屋委員長初め委員の皆様方には、平成三十年度公営企業会計十一会計の決算につきまして、大変厳しい日程の中、長時間にわたり、慎重かつ熱心なご審議を賜りまして、まことにありがとうございました。
また、ただいま貴重なご意見とともに決算を認定いただきまして、厚く御礼を申し上げます。
今後、私ども所管事業の執行に当たりましては、委員会審査の過程におきまして委員の皆様方からいただきましたご指摘、ご意見等につきましても、その趣旨を十分に踏まえまして、適正かつ効率的な事業運営を図ってまいる所存でございます。
今後とも、中屋委員長初め委員の皆様方の変わらぬご指導、ご鞭撻を心よりお願いを申し上げまして、簡単ではございますが、御礼のご挨拶とさせていただきます。まことにありがとうございました。
○中屋委員長 発言は終わりました。
この際、私からも一言ご挨拶をさせていただきます。
本委員会は、去る九月十八日、第三回定例会における設置以来、本日までの限られた日程の中、委員会を五回、二つの分科会で延べ八回の審査を行い、また、本年の決算委員会では、都政史上初となる、委員会に知事、副知事が出席するなど、活発な審査が行われました。
審査の中でのさまざまなご意見、ご要望を初めご審議いただいた結果につきましては、必ずや来年度の予算編成に生かされるものと強く確信しております。
本日、ここに無事決算の審査を終了することができますのも、ひとえに三宅副委員長、伊藤副委員長、菅原副委員長を初め理事、委員の皆様、そして、理事者の皆様の特段のご協力のたまものでございます。心から御礼を申し上げ、簡単でありますが、私のご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時七分散会
○病院会計
1 都立病院は、感染症医療、救急医療、がん医療、周産期医療、精神科医療、難病医療などの行政的医療を適正に都民に提供するとともに、都における医療の質的向上に努められたい。
2 更なる収益の確保や費用節減、未収金縮減の取組を進めるとともに、適切な一般会計からの繰入れを行いつつ繰入金の対象範囲などについて継続した見直しを行うなど、経営改善に向けた多様な努力を行い、安定した経営基盤の確立・強化及び効率的運営に努められたい。
3 都立病院の独立行政法人化については、経営の持続可能性を高め、将来にわたる行政的医療の安定的提供や医療人材の確保を実現するという観点から、丁寧、迅速かつ精力的に検討を進められたい。
4 経営力の向上に資する取組については、コンサルティングなどの外部からの視点を十分にいかされたい。
5 災害拠点病院である都立病院は、災害時においても医療を継続的に提供できるよう、特に水害が想定される地域の病院にあっては、非常用発電機等の施設、設備の整備及び維持管理に万全を期すなど、災害対策を一層強化されたい。
6 都立病院における災害時の非常電源の確保については、燃料の備蓄を増やされたい。とりわけ、改修整備が予定されている、基幹災害拠点病院でもある広尾病院については、改修整備の機会を捉え6日分以上とされたい。
7 水害時に浸水想定区域に位置する墨東、大塚、広尾病院での浸水対策において、万全を期されたい。とりわけ、止水板設置などの防水対応が一部の出入口にとどまり、地上にある排気口などには対応がなされていない状況を全て改善されたい。
8 医師や看護師が出産後も働き続けられる環境・体制整備のために、現場職員への聞き取りや、アンケート調査を行い、課題抽出と働き方改革を進められたい。また、女性医師が育児中でも安心して働くことができるよう、院内保育室などの環境整備を推進されたい。
9 東京医師アカデミー及び東京看護アカデミーの取組により、行政的医療を担う質の高い医療人材の確保・育成を図られたい。また、医療人材の確保や育成に向け、特に専門分野ごとの研修体制や臨床研究機能を強化されたい。
10 複数の専門性の組み合わせによる高度な医療の拡充のために、必要な体制や人的配置を行われたい。具体的には、医療事務職員や看護助手の配置拡充により医師や看護師等が医療的行為に集中できるよう努められたい。
11 外国人患者の受入れ体制の強化に向け、全都立病院がJMIP認証の取得を行うとともに、職員の語学研修や異文化理解研修を実施し、宗教や習慣の違いから生じる医療現場の課題に対応されたい。また、多言語化に加え、更なる外国人対応のニーズを把握し、適切な医療提供と他機関との連携を推進されたい。
12 精神科と一般科との連携体制の充実を図り、措置入院や精神科身体合併症に係る精神科救急医療体制の整備、患者の円滑な地域移行・地域定着を図られたい。
13 がん診療について、集学的治療を積極的に実践するとともに、がんゲノム医療などの先進的な医療にも取り組み、患者の治療の選択肢を広げるほか、小児がん医療の更なる充実を図られたい。また、がん患者への就労支援など、きめ細かい患者支援に取り組まれたい。
14 都立病院における病児・病後児保育の実施を推進されたい。
15 都心部唯一の基幹災害拠点病院である広尾病院の整備に当たり、施設、設備面で万全の体制を確保し、島しょ医療の充実及び地域医療への更なる貢献に取り組まれたい。
16 島しょ地域における医療サービスの拡充などに対応するため、5Gによる遠隔医療の早期実現を図るなど、都立病院におけるICT化を推進されたい。
17 都立病院における患者満足度の向上を図るため、診察までの待ち時間等を全病院において把握されたい。また、ICT技術やアプリ、患者呼出し装置等の活用により、待ち時間の解消など、患者の利便性向上に取り組まれたい。
18 急性期を脱した入院患者の転院に関しては、患者の症状や家族の意向などを踏まえながら、丁寧に対応されたい。
19 医療における地域連携の旗振り役として、地域全体の医療水準を高められたい。特に、松沢病院における地域に開かれた精神医療をより一層推進されたい。
20 ロボットスーツなどの先端技術をより一層活用し、より効果的な医療を提供するとともに、患者のQOL向上を図られたい。
○中央卸売市場会計
1 営業損失が120億円を超えるなど厳しい状況にあることから、今後は赤字解消に向けて、輸出促進、産地直送、市場間ネットワークの強化などにより取扱高を増加させ、収入を確保するとともに、コスト削減に不断に取り組み、経費削減を徹底する等、より一層の収支の改善に努められたい。
2 中央卸売市場が公共的役割を着実に果たしていくため、継続的な経営努力に伴う収支改善を図るとともに、日々の事業運営の基礎となるキャッシュフローを重視した事業経営に努められたい。
3 市場業者の使用料収入などによって賄われている会計であることを踏まえ、各市場業者が経営しやすい環境づくりを推進されたい。
4 市場会計の持続可能性に向けて、経営戦略を策定するなど、道筋を明確にするとともに、市場別収支の明確化や市場財政白書の再発行など、会計の透明化及び情報発信に取り組まれたい。
5 平成30年6月の卸売市場法改正の趣旨を踏まえ、卸売市場の創意工夫の促進と、卸売市場を含めた食品流通の合理化及び取引の適正化を図られたい。
6 豊洲市場の使い勝手及び利便性の向上に当たっては、市場業者や買出人の声に真摯に耳を傾けられたい。また、多くの方々が訪れたくなるよう、今後も国内外に対して市場の魅力を積極的に発信し、豊洲ブランドの確立を図るとともに、地元と連携したにぎわいの創出やバリアフリーの一層の取組に努められたい。
7 千客万来施設の完成までのにぎわいづくりは、地元区や市場業界と十分に調整の上、対応されたい。
8 豊洲市場の安全性に関しては、都民や事業者の理解を得るために、引き続き「見える化」を進め、地元区の理解が得られるよう、良好な関係構築のため万全を期されたい。
9 豊洲市場については、諸課題の解決、市場ルールの徹底など、業界と一体となって、円滑な運営に万全を期されたい。
10 豊洲市場については、基幹市場として取引量の拡大に取り組むとともに、引き続き、食の安全・安心に万全を期されたい。
11 豊洲市場以外の10市場については、老朽化対策や特性を踏まえた機能強化、省エネルギー対策を進め、各市場の活性化を図られたい。
12 「東京都卸売市場整備計画(第10次)」を踏まえ、各市場がそれぞれの特色をいかし、卸売市場として活性化を図るよう努められたい。また、引き続き、市場施設内のLED照明の採用等省エネルギー対策などを推進されたい。
13 「東京都卸売市場整備計画(第10次)」に基づく各市場における戦略的な機能強化を進めるため、市場業界と連携して、各市場の経営戦略の策定に取り組まれたい。
14 築地市場跡地の有償所管換えを機に、市場会計の持続可能性を確保し、健全な財政運営の下、都民の期待に応えられる事業運営に努められたい。
15 中央卸売市場は、将来的には民営化も視野に入れ、また、定期的な外部監査等の手法も活用しながら、抜本的な経営改革にスピード感を持って取り組まれたい。
16 中央卸売市場の在り方の検討においては、議論の過程や取り扱われる情報の可視化に努められたい。
○都市再開発事業会計
1 泉岳寺駅地区市街地再開発事業については、空港需要の増大や、品川駅周辺地域の開発に対する機能強化が必要となる泉岳寺駅の改良を実現するため、駅とまちの一体的な整備を遅滞なく実行されたい。
2 泉岳寺駅地区市街地再開発事業の再開発ビルにおいて、バリアフリーに配慮されたい。
○臨海地域開発事業会計
1 東京2020大会の開催に向けて、計画どおりの造成・開発及びMICE・国際観光拠点化を推進し、臨海副都心の魅力を積極的に世界に発信されたい。また、東京2020大会の先も見据え、豊かな水辺環境をいかした、快適でにぎわい豊かな魅力あるまちづくりのモデルとなるよう、取り組まれたい。
2 未処分地の開発においては、都としてのグランドデザインを示した上で、民間事業者との連携を確実に図られたい。
3 臨海地域の土地処分においては、未来に配慮した価値的な開発を誘導されたい。
4 都心部とを結ぶ広域幹線道路の整備や防災対策などに、着実に取り組まれたい。
5 海上公園の整備に当たっては、「海上公園ビジョン」で示された基本的な考え方に基づき、水辺の魅力を伝える公園となるよう、着実に取組を進められたい。
6 「東京ベイエリアビジョン」の策定に当たっては、検証可能な財政見通しを示されたい。
7 臨海部におけるまちづくりにおいては、官民双方の知見をいかすとともに、計画段階から開発後のエリアマネジメントも見据えた取組を進められたい。
○港湾事業会計
1 首都圏を支える重要な物流拠点である東京港が、今後も日本トップの港としての役割を果たしていけるよう、状況の変化に的確に対応しながら、利用者ニーズを踏まえた施設整備や事業運営の効率化など機能強化を図り、将来を見据えた利用者に使いやすい港づくりを進められたい。
○交通事業会計
1 経営環境の変化を踏まえ、乗客誘致など増収対策を進めるとともに、経営の効率化を更に推進し、引き続き、収支改善に努められたい。
2 臨海地域など増加する輸送需要に対応した取組を推進されたい。
3 ダブルバギーなどの乗車については、国や他の事業者との調整も必要であるが、議論をリードするよう取組を進められたい。
4 外国人旅行者が安心・快適に都バスを利用するための取組を、着実に進められたい。
5 ドライブレコーダーや運転訓練車などの活用により安全対策や事故防止対策を更に充実させるとともに、運転手の接遇マナーなどのサービス向上や、新たな交通需要への対応に努められたい。
6 バス乗務員の確保に取り組まれたい。また、大型2種免許取得支援も含めた職員採用の改善を一層進められたい。
7 都営バスの停留所における運行情報の提供や、上屋、ベンチの設置などの利便性の向上及び環境への配慮に努められたい。また、5G基地局の設置や太陽光パネルを利用した充電設備の設置などの有効活用を図るとともに、適切な使用料を得ることで、収入の増加を図られたい。
8 利用者が気持ち良く乗車できるよう、ノンステップバスやフルフラットバスによるバリアフリー化や、多言語対応などの取組を継続されたい。
9 赤字路線であっても、代替交通手段が十分に整備されておらず、地域の足として必要な路線は、黒字系統の収入等によって維持されたい。
10 バス営業所の増設に当たっては、他のバス路線や営業所に影響がないようにされたい。
11 軌道事業について、安定的、効率的経営に努められたい。また、利用者が減少している中で、子育て世代を始めとした様々な世代の乗客を獲得できるよう、魅力向上に努めるとともに、沿線地域との連携を密に図り、東京さくらトラム(都電荒川線)の魅力を広く発信し、利用者の誘致に取り組まれたい。
12 新交通事業について、早期の経営安定化に努めるとともに、朝の混雑対策と昼間の乗客誘致に取り組まれたい。
13 局が提供するオープンデータについて、局自らも積極的に活用するとともに、公開するデータのブラッシュアップに努められたい。
○高速電車事業会計
1 安定的に黒字を維持し、経営基盤を強化することで、累積欠損金の解消や長期債務の縮減に努められたい。
2 利用者が増えている都営地下鉄の輸送力増強に取り組むとともに、時差Bizの推進など、ソフト面での取組も推進されたい。
3 台風などによる大規模な水害に備えた浸水対策や、耐震対策の強化に取り組まれたい。
4 浸水対策については、東海豪雨災害を基準にしたものから、激甚化する現在の災害状況に見合った対策へと抜本的に改められたい。また、都営地下鉄における浸水対応について、止水板や防水扉などの設置が駅出入口や一部の隣接ビルの民間出入口に限られていることから、地下で接続する他の事業者やビル管理者の出入口を含めた全ての出入口に対応を拡大されたい。
5 手動式となっている都営浅草線本所吾妻橋駅のトンネルの防水扉を、早急に電動式に改善されたい。
6 安全管理体制を強化し、ハード・ソフトの両面にわたる安全対策に万全を期されたい。
7 都営浅草線のホームドア整備を着実に進めるとともに、ホームドアの整備を推進し、QRコードなど新しい技術により他の事業者のけん引役になられたい。
8 都営大江戸線勝どき駅の混雑緩和を一層推進されたい。
9 満員電車解消の取組については、東京2020大会以降を見据えて、事業ごとに効果検証を行われたい。
10 都営地下鉄における混雑対策の最大の課題は、混雑率の目標値を短期、中期、長期にわたり明確にしないことであるため、早期に目標値を設定されたい。また、現在実施している取組については、PDCAサイクルを機能させ、混雑率の改善に向けた寄与度を明確にすることで、都民の要望に応えられたい。
11 迷惑行為の防止について、防犯カメラの設置を推進するなど、ハード・ソフトにわたる防犯対策を充実されたい。
12 東京2020大会に向け、エレベーターの整備や外国人旅行者への対応、テロ対策を着実に進められたい。
13 バリアフリー化をより一層充実させるため、乗換駅などにおけるエレベーター設置やバリアフリールートの複数化に積極的に取り組むとともに、トイレの洋式化やだれでもトイレへの大型ベッドの設置等の取組を着実に進められたい。
14 「東京都交通局経営計画2019」で掲げられている都営地下鉄のバリアフリー化の推進という方針の下で、乗換駅や要望の強い駅への2ルート目のエレベーター設置及びホームドアの全駅への設置を促進されたい。
15 東京2020大会に向け、バリアフリー化については、障害者やベビーカー利用者などの当事者の目線で総点検を行い、見つかった課題については、特にソフト面での対策を図られたい。
16 一般のトイレにもベビーベッドを設置して、子育て世代の利用を分散するなど、身体障害者がストレスなく、だれでもトイレを利用できるよう工夫されたい。
17 地下鉄駅のトイレについては、介助の必要な高齢者や障害者などが利用できるよう、大型ベッドの設置を全駅で実施されたい。
18 車両更新時には、人にやさしい車両というコンセプトで、誰もが利用しやすい車両へと更新されたい。
19 安全のための駅施設の点検や改修工事等を確実に実施されたい。また、駅構内を魅力的で利便性の高い空間とし、更なる収入の確保を図るとともに、障害者が働く店舗としての利用など、公共の福祉の増進に努められたい。
20 地下鉄構内の通信環境整備事業については、今後の5G基地局の設置などにおいても、適切な使用料を得ることで、収入の増加を図られたい。
21 企業の社会的責任を果たすという観点から、再生可能エネルギーの利用をより一層拡大するとともに、エネルギー利用の「見える化」に取り組まれたい。
○電気事業会計
1 効率的経営の下に、安定的な事業運営に努められたい。
2 今後の経営の方向性の検討に当たっては、直営継続、コンセッション方式、民間譲渡の三つの選択肢についての検討を深められたい。また、その意思決定の過程においては、外部有識者も交え、透明性を高められたい。
3 クリーンエネルギーの創出のみならず、その販売においても、再生可能エネルギーへのエネルギーシフトを見据えた、次世代電力ネットワークの構築に貢献されたい。
○水道事業会計
1 水道事業の予算の執行に当たっては、不要不急の事業については執行停止をすることも含めて、常に優先順位を明確にするとともに、事業執行に係る法令遵守を徹底されたい。
2 事業実施については、耐震化など重点施策を推進し、将来にわたって安全でおいしい水が提供できる体制を維持するため、局長のリーダーシップの下、局の体制見直し並びに将来を見据えた業界の健全な発展を推進されたい。
3 水道は、生命に直結する社会的なインフラであるという認識の下、安定供給に全力で取り組むとともに、不断の経営努力により、都民負担の低減に努められたい。
4 「東京水道経営プラン2016」を遂行し、人材の確保・育成、政策連携団体と連携した効率的事業運営の推進など、経営基盤の強化に努められたい。また、事業評価制度の活用などにより、都民への説明責任を果たし、より一層信頼される水道を目指した事業運営に努められたい。
5 「東京水道サービス株式会社に対する特別監察 結果報告書」を踏まえ、東京水道に対する都民の信頼を再構築するために、政策連携団体を含めた東京水道グループ全体で内部統制の強化とコンプライアンスの確立を図り、適正な業務執行や執行体制の最適化などに責任を持って取り組まれたい。また、その取組をはじめとする東京水道全体の取組について、より一層の「見える化」を図られたい。
6 入札談合に関して、事故を起こした職員については、民間企業と同様、厳正な処分を行われたい。
7 事故時や震災時においても必要な水を確保できるよう、救急医療、警察、消防、また有事の際の避難所となる学校等の施設など、行政機関も含め首都機能を支える重要施設への供給ルートについては、優先的に管路の耐震継手化などの災害、事故対策を強化されたい。
8 災害時に備えた電源確保の取組として電源喪失による広域な断水が発生しないよう、浄水場や給水所等における自家用発電設備の整備を迅速に進められたい。また、災害発生に備え、給水車の増台など、一層の応急給水体制の強化を図るとともに、災害時には、住民の要望を的確に把握し、寄り添った対応を行うなど応急給水の充実に努められたい。
9 切迫性が指摘される首都直下地震などの大規模地震に備え、貯水施設の堤体強化のほか、浄水施設及び給水所の耐震化や更新を計画的に進められたい。
10 老朽化が進む、導水管、送水管、浄水場、給水所など水道システムの基幹施設の更新を計画的に進められたい。
11 東京水道が長年培ってきた強みである高い技術やノウハウを活用し、無収水を始めとする様々な課題に直面するアジアなどの途上国に対する技術協力や現地事業体の人材育成など、積極的な国際展開を図るとともに、国内他事業体の水道事業への貢献にも、より積極的に努められたい。また、国際展開においては、ビジネスの観点から、政策連携団体である東京水道サービス株式会社をより一層活用するとともに、東京の企業のビジネスチャンスが広がるよう取り組まれたい。
12 エネルギー効率の高い水道システムの構築を進め、水源林の適正な管理を行うとともに、安定給水に向けた水源開発を着実に進めるよう引き続き国に要望し、貴重な東京水道の水源を最大限有効活用されたい。
13 水資源の有効活用を図るため、節水諸施策を推進し、節水型都市づくりに努められたい。
14 AIなどICT技術を積極的に導入し、都民の利便性を一層向上させるとともに、水道事業の効率化やイノベーションを推進されたい。
15 ICT技術やAIの進展を念頭に、エネルギーの効率的な利用を推進するとともに、更なる再生可能エネルギーの利用を促進されたい。
16 全ての契約における支払の遅延防止に努められたい。
17 安全でおいしい水の安定供給に向けた、局の取組の広報・広聴施策を推進するとともに、非常時においても、広く都民に対して正確な情報を迅速に提供できるよう努められたい。
18 水道の検針データを自動で収集し、水道使用量の変化を使用者自らが把握でき、かつ、高齢者等の見守りサービスにも活用できるスマートメータを早期に全世帯に導入されたい。また、スマートメータの設置に当たっては、将来的に電気・ガスなどのライフラインや福祉的サービスとの一体的な運用も念頭に、技術開発や普及拡大に努められたい。
19 水道料金の未納に関し、徴収整理を未納カードで行う現状に対し、今後は未納者を更に防ぐことや貧困対策などの福祉との連携が求められていることから、未納者の人数や実態、未納の原因など現状の正確な把握に努められたい。
20 水道の検針サービスについては、入札の競争性を担保するとともに、受注企業と都職員との再就職の関係が、都民からの疑念を招くことがないようチェック体制を構築されたい。
21 障害者雇用について、技術職における障害者の就労環境を整備するなど、都内企業のモデルとなる取組を推進されたい。
22 Tokyowater Drinking Stationを活用し、東京水の更なるPRのみならず、マイクロプラスチック対策などの世界規模の環境問題における東京のプレゼンス向上に取り組まれたい。
○工業用水道事業会計
1 工業用水道事業については、事業廃止までの間、安定給水及び施設の安全性確保に引き続き努められたい。
2 工業用水道事業の廃止に当たっては、利用者の経営等への影響を最小限にとどめることを前提に、関係各局と連携し、都民の十分な理解を得た上で利用者に対する支援策を進められたい。また、防災の観点から、配水管の破損による道路陥没などの被害を防止するため、その安全性の確保に最大限努められたい。
○下水道事業会計
1 「東京都下水道事業経営計画2016」の達成に向けた取組を通じ、一層の都民サービスの向上と経営の効率化に努められたい。また、現行の計画よりも長い中長期の計画を策定し、健全な下水道経営の維持及び発展に取り組まれたい。
2 巨大台風や局地的集中豪雨の発生などを踏まえ、都民の命と暮らし及び安全を守るために、「東京都豪雨対策基本方針(改定)」に基づく浸水対策を着実に推進するとともに、50ミリ施設、75ミリ施設の整備を促進する際に、75ミリ対策を行う地域を一層増加されたい。あわせて、気象災害の激甚化に伴い、グリーンインフラの観点から、「東京都豪雨対策基本方針(改定)」を都市整備局と連携して見直されたい。
3 地下街の浸水対策については、貯留施設の整備にとどまらず、止水板の設置や情報提供など、各地元自治体や関係機関との連携をより一層強化し、対策の拡充に努められたい。
4 下水道管の耐震化、水再生センター及びポンプ所の耐震対策、非常時の自己電源の確保、マンホールトイレの充実等、首都直下地震などの巨大地震に備える震災対策を着実に推進されたい。また、災害拠点連携病院における下水道管の耐震化については、令和5年度の目標年次の前倒しも含め、早期の完了に向けて取り組まれたい。
5 暗渠(きょ)河川、下水管、貯留施設の水位計の設置を進め、水位計の情報を都民に提供、周知されたい。
6 良好な水環境と環境負荷の軽減に向けて、東京湾など公共用水域の水質をより一層改善する合流式下水道の改善、高度処理施設などの整備を推進されたい。また、貯留施設等を整備し、下水道法施行令に対応する水準を達成されたい。
7 分流式の地域で、雨水管が未整備の地域には対策を強化して、雨水管の整備を進められたい。
8 諸計画を着実に推進し、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量のより一層の削減に努めるとともに、エネルギー収支に優れた汚泥処理方法について継続して調査、導入し、エネルギー・地球温暖化対策を推進されたい。
9 下水熱ポテンシャルマップの作成、公表などにより、民間事業者のアイデアやノウハウを取り入れることで、未利用エネルギーの更なる活用を図られたい。
10 老朽化施設への対応と下水道機能の向上を図る再構築を着実に進められたい。
11 国際展開については、東京下水道の優れた技術やノウハウ等を活用し、積極的に取り組むとともに、欧州を始めとする世界各国への普及拡大を進められたい。また、その際に海外との共同研究で得た知見を、東京の産業力向上にいかされたい。
12 海外展開については、事業目標に合わせたPDCAサイクルを再構築されたい。とりわけ、東京の企業のビジネスチャンスに広がるよう新たな取組や目標を数値化されたい。
13 多摩地域の流域関連公共下水道を実施する市町村との連携を強化することなどで、多摩地域全体の下水道事業を効率的かつ効果的に進められたい。
14 下水道サービスの安定的な提供に向け、これまで培ってきた技術やノウハウの継承、人材育成に着実に取り組まれたい。
15 障害者雇用について、技術職における障害者の就労環境を整備するなど、都内企業のモデルとなる取組を推進されたい。
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