平成二十九年度公営企業会計決算特別委員会速記録第四号

平成三十年十一月十九日(月曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長早坂 義弘君
副委員長保坂まさひろ君
副委員長鈴木 章浩君
副委員長藤井  一君
理事内山 真吾君
理事柴崎 幹男君
理事斉藤まりこ君
理事関野たかなり君
理事まつば多美子君
けいの信一君
鈴木 邦和君
滝田やすひこ君
田村 利光君
うすい浩一君
もり  愛君
おときた駿君
あかねがくぼかよ子君
つじの栄作君
増田 一郎君
森澤 恭子君
山口  拓君
尾崎あや子君
曽根はじめ君

欠席委員 なし

出席説明員
病院経営本部長堤  雅史君
中央卸売市場長村松 明典君
都市整備局長佐藤 伸朗君
港湾局長斎藤 真人君
交通局長山手  斉君
水道局長中嶋 正宏君
下水道局長小山 哲司君

本日の会議に付した事件
平成二十九年度東京都公営企業各会計決算の認定について(意見開陳)
・平成二十九年度東京都病院会計決算
・平成二十九年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成二十九年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成二十九年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成二十九年度東京都港湾事業会計決算
・平成二十九年度東京都交通事業会計決算
・平成二十九年度東京都高速電車事業会計決算
・平成二十九年度東京都電気事業会計決算
・平成二十九年度東京都水道事業会計決算
・平成二十九年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成二十九年度東京都下水道事業会計決算

○早坂委員長 ただいまから平成二十九年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 これより決算の審査を行います。
 平成二十九年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 本決算につきましては、いずれも質疑を終了いたしております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○もり委員 平成二十九年度公営企業決算について意見開陳を行います。
 公営企業は、地方公共団体が住民の福祉の増進を目的として設置し、経営する企業であり、その活動は供する財貨またはサービスの対価である料金収入によって維持されることとされています。
 東京都の十一の公営企業会計のうち、公営企業法の全部適用事業について経常損益を見ると、交通事業会計は四・七二億円の黒字、高速電車事業会計は三百四十・四三億円の黒字、電気事業会計は五・二六億円、水道事業会計は三百十五・六八億円、工業用水道事業会計は一般会計補助金六・七五億円を投入してゼロ円、下水道事業会計は区部下水道事業が三百七十二・二一億円、流域下水道事業が一・三七億円です。
 一部適用事業の経常損益は、病院会計は一般会計繰入金三百九十四億円を入れてマイナス二十・四六億円、中央卸売市場会計は一般会計繰入金二十八・〇五億円を入れてマイナス二十三・三九億円、都市再開発事業会計はマイナス〇・〇二億円、臨海地域開発事業会計は百三・八八億円、港湾事業会計五・一八億円となっています。
 東京都の十一の公営企業会計のいずれにおいても、都民に対して質の高いサービスを提供し、単年度の決算だけではなく、将来を見通して料金収入を中心とする財源と事業の継続のための投資との均衡を図っていかなければなりません。
 その観点から、各会計について意見を述べさせていただきます。
 初めに、病院事業会計について申し上げます。
 一、都民の生命と健康を守るため、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供することを努められたい。
 一、行政的医療を安定的に、継続的に提供するため、都民の税金を財源とする一般会計繰入金に関しては不断の見直しをし、未収金回収業務に努め、一層の経営努力に努められたい。
 一、女性医師が働きやすい社会環境の整備に一層取り組むとともに、離職した女性医師の復職支援の強化に取り組まれたい。
 一、産科医不足を補う助産師とのチーム医療連携を進められたい。
 一、都立病院と地域の医療機関との一層の連携の強化に取り組まれたい。
 一、地震発災時、また感染症の蔓延など非常事態に対応した準備、訓練などの備えに努められたい。
 一、広尾病院は、島しょ救急患者の受け入れと島しょ地域の医療機関と連携した一層の診療支援に取り組まれたい。
 一、多摩総合医療センターに導入した手術ロボットに関して、メリットを広く都民が享受できるよう努められたい。
 一、急激にふえる訪日旅行者、来日外国人に対して、都立病院としての受け入れ体制を整えるよう努められたい。
 次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
 一、第十次東京都卸売市場整備計画に基づいて、品質、衛生管理の高度化、物流の効率化、各市場施設の老朽化設備の円滑な更新と多様なニーズへの対応を目指した施設整備と活性化に取り組まれたい。
 一、二〇二〇年の市場法改正を見据えて、輸出促進に向けた課題の明確化など、新たなビジネスモデルについて研究されたい。
 一、生産から消費までコールドチェーンが途切れぬよう、現場の市場関係者の声に寄り添う整備を進め、市場内の駐車違反の取り締まりと不足する駐車場の拡充に取り組まれたい。
 次に、都市再開発事業会計について申し上げます。
 一、泉岳寺駅地区の市街地再開発事業については、国際交流拠点にふさわしいまちづくりを実現するため、引き続き、地域と十分なコミュニケーションを図り、事業が円滑に進行するよう努力するとともに、風の道を確保するなど周辺地域の環境に対しても最大限の配慮をされたい。
 次に、臨海地域開発事業会計について申し上げます。
 一、東京二〇二〇大会の開催とその成功に向け、計画どおりの造成、開発を進められたい。
 一、東京の臨海部は、まさに東京の競争力強化と日本の経済成長を牽引するためのMICE、国際観光拠点として期待されている地域であり、未処分地の開発については、東京都としてのグランドデザインを示した上で、民間事業者との連携をしっかりと図られたい。
 一、着実な企業債償還を進められたい。
 一、海上公園整備に当たっては、子供たちが東京の水辺に親しむことができるよう、親水性を高めた整備とともに、東京二〇二〇大会のときには、水と緑が調和した美しい景観をPRされ、高度成長期に失われた自然を都民に取り戻すという理念に基づいて生物多様性に配慮した整備に取り組まれたい。
 次に、港湾事業会計について申し上げます。
 一、東京湾は、首都圏を支える重要な産業港であり、物流はもとより多様な舟運事業にとって使いやすい港の整備に取り組まれたい。
 一、ワイズスペンディングの観点から、屋上への太陽光パネルの設置や屋上緑化等既存施設のさらなる有効活用を図られたい。
 次に、交通事業会計について申し上げます。
 一、運転手の不足をバス業界全体の課題と捉えた上で、交通局として民間事業者とともに課題の解決に取り組まれたい。
 一、都内満員電車を解消するため、都営交通が中心となり、他交通機関や民間企業とさらに連携して、時差ビズ政策を強力に進められたい。
 一、燃料電池バスの導入拡大に向けて、都営交通は、運行事業者の立場から環境局とさらに連携し、都有地活用等、水素ステーションの整備拡大とともに、都民にPRを進められたい。
 次に、高速電車事業会計について申し上げます。
 一、都営地下鉄において、経営基盤強化のため、デジタル広告等の広告料収入や構内営業収入の増収に引き続き努められたい。
 一、サービス介助士資格取得の推進、駅構内での実践的な研修、声かけサポート運動など取り組みを通じて、ソフト面でのバリアフリー対策に積極的に取り組まれたい。
 一、都営交通地下鉄、都電荒川線、さくらトラムと営団メトロとの地下鉄サービス一体化を進め、運賃割引、乗り継ぎ改善など、利便性をさらに高めるとともに、周辺地区の下町の活性化を図られたい。
 次に、水道事業会計について申し上げます。
 一、今後、設備更新等で必要となる膨大な資金需要に対し、引き続き不断の努力で効率的な事業運営に取り組むとともに、自律点検、改革の取り組みの成果について見える化されたい。
 一、東京水道あんしん診断については、スマートメーターなどのIoT等を活用し、合理的でより効率のよい手段を施行し、生産性向上に取り組まれたい。
 一、小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業については、事業終了後もさらなる普及に向けて積極的に取り組まれたい。
 一、災害時の避難施設に対して、その供給ルートの耐震継ぎ手化を着実に実施されたい。
 一、テロ対策について、サイバーテロも含めた危機管理意識を強化し、有事への対策を進められたい。
 一、多摩南北幹線は、ネットワーク構築の総仕上げとなる重要な幹線であり、着実に整備を推進されたい。
 一、多摩水道運営プラン二〇一七では、施設の重要度や事故等の影響を踏まえ、給水所への送水管二系統化を小規模施設の再構築とあわせて取り組まれたい。
 一、配水本管の漏水事故は、断水や道路陥没、浸水など甚大な被害が想定されるため、配水本管の更新に軸足を移し、強靱な管路の構築に向け着実に取り組まれたい。
 次に、工業用水道事業会計について申し上げます。
 一、本事業の廃止に伴う手続や支援策について着実に実行されたい。ユーザーへの配慮とともに、公平性の観点からも適切な支援策を講じつつ、滞りなく進めていただきたい。
 次に、下水道事業会計について申し上げます。
 一、人口減少も見据え、将来世代が過剰な負担とならないよう、老朽化するインフラの計画的な更新とともに不断の経営改革を実行し、下水道料金は長期的な視点から適切に設定されたい。
 一、良好な水環境の形成に向け、合流式の改善事業について、下水道法令に対応する水準を平成三十五年度までに確実に達成されたい。
 一、災害時に備え、浸水対策及び震災対策を迅速に実施されたい。
 一、関係自治体や国と連携し、東京湾の良好な水環境の創出を実現されたい。あわせて、電力使用量を抑えた高度処理技術の導入やマイクロプラスチックの調査方法などに関する情報収集に努められたい。
 一、単独処理区について、流域下水道の編入に向けた取り組みを着実に進め、市町村への支援を強化し、多摩地域の下水道事業の効率化を図られたい。
 一、下水道局の経営基盤強化として、資産の有効活用で収益力を高め、将来にわたり最少経費で最良のサービスを利用者へ提供するとともに、自治体の行政解決にも協力されたい。
 都民から、真に活用、信頼される事業となるよう、さまざまな意見を真摯に受けとめ、積極的な改善に取り組まれることを要望し、意見開陳を終了とさせていただきます。ありがとうございました。

○けいの委員 都議会公明党を代表して、平成二十九年度の公営企業会計決算について意見の開陳を行います。
 初めに、共通事項について申し上げます。
 まず、経常利益及び経常損失の合計は一千百十億円の黒字となり、三年ぶりに黒字額が増加に転じました。また、累積利益剰余金についても二千六百三十七億円の黒字となり、経営努力の成果があらわれているものと考えますが、今後も不断の経営改善が求められます。
 公営企業が本来の目的である公共の福祉を増進していくためには、社会経済状況の変化に迅速かつ的確に対応し、都民サービスのさらなる向上に不断に取り組んでいくことが重要です。同時に、企業としての経済性を最大限発揮させ、より効率的で効果的な経営を行っていくことが求められます。
 こうした視点を踏まえ、引き続き財務状況の改善に向けた一層の努力を各局に求めます。
 次に、各事業会計について申し上げます。
 初めに、病院事業会計について。
 一、都立病院は、感染症医療、救急医療、がん医療、周産期医療、精神科医療、難病医療などの行政的医療を適正に都民に提供するとともに、都における医療の質的向上に努められたい。また、このような役割を果たしていくために、さらなる収益確保の費用節減、未収金縮減の取り組みなど、経営改善に向けた多様な努力を行い、安定した経営基盤を確立されたい。
 一、災害拠点病院である都立病院は、災害時においても医療を継続的に提供できるよう、水害編のBCPに基づき、着実にBCMを推進するなど、災害対策を一層強化されたい。
 一、がん診療について、集学的治療を積極的に実践し、患者の治療の選択肢を広げるほか、小児がん医療のさらなる充実、がん患者への就労支援などについての取り組みに努められたい。
 一、東京医師アカデミー、東京看護アカデミーの取り組みにより、行政的医療を担う医療人材の確保、育成を図られたい。また、女性医師が育児中でも安心して働くことができるよう、院内保育室などの環境整備とともに、都立病院における病児、病後児保育実施を進められたい。
 次に、中央卸売市場会計について。
 一、平成二十九年度決算については、二期連続で経常損失となったことから、今後は、より一層、収入の確保や経費削減の徹底などにより収支の改善に努められたい。
 その上で、公共的役割を着実に果たしていくため、以下の事業については特に重点的に取り組んでいくことが必要である。
 一、豊洲市場については、活気にあふれた取引を体験しながら市場の仕組みを学び、新鮮な料理を楽しめる、学びともてなしの場として活用するとともに、環境に配慮した市場の魅力などを国内外に積極的にアピールし、豊洲ブランドの早期確立に努められたい。
 一、豊洲市場の安全性に関しては、都民や事業者の理解を得るために見える化を進め、今後も情報発信の充実化に取り組むとともに、地元区の理解と協力が得られるよう、良好な関係構築のため万全を期されたい。
 一、第十次東京都卸売市場整備計画を踏まえ、各市場がそれぞれの特性に応じた機能を十分に発揮し、卸売市場として活性化が図られるよう努められたい。
 一、LED照明の採用など、省エネルギー対策などに引き続き取り組まれたい。
 以上、中央卸売市場がその公共性を確実に発揮していくために、収支改善を図ることはもとより、日々の事業運営の基礎となるキャッシュ・フローを重視した事業経営が不可欠になる。その点を踏まえ、豊洲市場移転後の築地市場跡地は、一般会計への有償所管がえを早期に実現し、市場会計の持続可能性を確保することで、健全な財政運営のもと、都民の期待に応えられる事業運営に努められたい。
 次に、都市再開発事業会計について。
 空港需要の増大や品川駅周辺の開発に対する機能強化が必要となる泉岳寺駅の改良を実現するため、泉岳寺駅地区の市街地再開発事業を推進されたい。
 次に、臨海地域開発事業会計について。
 東京二〇二〇大会の開催に向け、MICE、国際観光拠点化を推進し、臨海副都心の魅力を積極的に世界に発信するとともに、広域幹線道路の整備や防災対策などに着実に取り組まれたい。また、臨海地域の土地処分においては効果的な開発を誘導されたい。
 次に、港湾事業会計について。
 東京港は、首都圏を支える物流拠点であり、今後も日本のメーンポートとして東京港の役割を果たしていけるよう、利用者にとって使いやすい港づくりを進められたい。
 次に、交通事業会計について。
 一、経営環境の変化を踏まえ、乗客誘致など増収対策を進めるとともに、経営の効率化をさらに推進し、引き続き収支改善に努められたい。
 一、ドライブレコーダーや運転訓練車などの活用により、安全対策をさらに充実されたい。
 一、都バスの停留所における運行情報の提供や、上屋、ベンチの設置など利便性の向上に努められたい。
 一、沿線地域との連携を密に図り、都電荒川線のさらなる魅力発信に努められたい。
 一、ノンステップバスに加え、フルフラットバスの導入に向けた取り組みを着実に実施されたい。
 次に、高速電車事業会計について。
 一、安全管理体制を強化し、ハード、ソフト両面にわたる安全対策に万全を期されたい。
 一、新宿線のホームドア設置を着実に進めるとともに、浅草線のホームドア整備に向け、積極的に取り組まれたい。
 一、迷惑行為の防止について、防犯カメラの設置を推進するなど、ハード、ソフトにわたる犯罪対策を充実されたい。
 一、バリアフリー化をより一層充実するため、エレベーター設置に積極的に取り組むとともに、トイレの洋式化や温水洗浄便座の設置等の取り組みを着実に進められたい。
 一、地下鉄の無料Wi-Fi等の通信環境の着実な整備に努められたい。
 一、駅構内を魅力的で利便性の高い空間とし、さらなる収入の確保を図るとともに、障害者が働く店舗としての利用など、公共の福祉の増進に努められたい。
 また、電気事業会計については、効率的経営のもと安定的事業運営に努められたい。
 次に、水道事業会計について。
 一、将来にわたる安定給水を確保するため、新規水源の開発促進を国などに対し引き続き強く要望し、国庫補助金等の拡大導入に努力されたい。
 一、漏水防止対策、広報による節水意識の高揚、循環利用及び雨水利用の促進など、節水諸施策を推進し、節水型都市づくりに努められたい。
 一、事故時や震災時に必要な水を確保できるよう、重要施設への供給ルートの管路の耐震継ぎ手化、浄水場等の自家発電設備の整備などを推進されたい。また、各区市町や他事業体等と連携した共同訓練の充実、住民みずからが主体となる応急給水の支援、災害時給水ステーションの認知度向上など、危機管理対策に万全を期されたい。
 一、広域水道のメリットを発揮し、多摩地区水道事業のより一層の水道サービスや給水安定性の向上と効率的な事業運営を図るため、施設の再構築や地域との連携強化などの取り組みを積極的に推進されたい。
 一、水質監視体制に万全を期し、あらゆるリスクを想定した水安全計画に基づき適切に対応していくなど、安全でおいしい水の確実な供給に努められたい。
 一、都民の理解を一層得ていくため、広報広聴施策を推進するとともに、非常時においても広く都民に対して正確な情報を迅速に提供できるよう努められたい。
 一、無収水を初めとするさまざまな課題に直面する、アジアなどの途上国に対する技術協力や現地事業体の人材育成などに積極的に貢献されたい。
 一、水道事業者として、環境負荷低減の取り組みを進めるため、省エネルギー化、再生エネルギーの導入、水源林の保全など、諸施策を推進されたい。
 一、東京水道経営プラン二〇一六に盛り込まれた経営努力や人材の確保、育成、監理団体と連携した効率的事業運営の推進等、経営基盤の強化に努められたい。また、事業評価制度の活用などにより、都民への説明責任を果たし、より一層信頼される水道を目指し、事業運営に努められたい。
 次に、工業用水道事業会計について。
 一、工業用水道事業会計については、安定給水及び施設の安全性確保に引き続き努められたい。
 一、工業用水道事業の廃止に当たっては、企業、ユーザー等への影響を最小限にとどめることを前提に支援策を進められたい。また、防災の観点から、配水管の破損による道路陥没などの被害を防止するため、その安全性の確保に最大限努められたい。
 最後に、下水道事業会計について。
 一、東京都下水道事業経営計画二〇一六の達成に向けた取り組みを通じ、一層の都民サービスの向上と経営の効率化に努められたい。
 一、老朽化施設の再構築を着実に進められたい。
 一、局地的集中豪雨の発生なども踏まえ、東京都豪雨対策基本方針に基づく対策など浸水対策を着実に進められたい。
 一、下水道管の耐震化、水再生センター、ポンプ所の耐震対策、非常時の自己電源の確保など、震災対策を着実に進められたい。
 一、東京湾など公共用水域の水質をより一層改善するため、合流式下水道の改善や高度処理施設などの整備を推進されたい。
 一、スマートプラン二〇一四やアースプラン二〇一七を着実に推進し、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量のより一層の削減に努められたい。
 一、多摩地域の流域関連公共下水道を実施する市町村との連携を強化することなどで、多摩地域全体の下水道事業を効率的、効果的に進められたい。
 一、下水道サービスの安定的な提供に取り組むため、これまで培ってきた技術やノウハウの継承、人材育成に着実に取り組まれたい。
 一、このすぐれた技術やノウハウを活用して国際展開に積極的に取り組まれたい。
 以上で都議会公明党の意見開陳を終わります。

○柴崎委員 東京都議会自由民主党を代表いたしまして、平成二十九年度公営企業会計決算について意見開陳を行います。
 平成二十九年度決算における公営企業全十一会計の損益の状況は、中央卸売市場事業会計など三会計が合計百二億余円の純損失、下水道事業会計など七会計が一千九百六十五億余円の純利益を上げ、工業用水道事業会計が収支均衡となっています。純損失となった会計は、前年度の四会計から三会計に減少しており、全体としては経営の改善が進んでいることがうかがわれます。
 公営企業会計においては、独立採算制のもと経済性を最大限発揮し、さらなる経営改善と財政の安定化が求められています。特に公営企業は、住民生活に身近な社会資本を整備し、サービスを提供する役割を果たしており、将来にわたり本来の目的である公共の福祉を増進していくためには、経営環境の変化に適切に対応し、長期的視点から経営改革を一層進めていく必要があります。
 また、災害対策の取り組みなど社会的責任を果たす必要もあり、公共性と効率性を同時に追求しながら、都民サービスの一層の向上に努める必要があります。
 以上の観点から、各会計について意見を申し上げます。
 まず、中央卸売市場会計についてです。
 平成二十九年度は、平成二十八年八月に始まった豊洲市場の移転延期が継続し、豊洲移転が決定されないまま、閉場するはずの築地市場を結果的に通年で運営することになった事業年度でありました。
 市場関係者の意見も聞かず、都議会の意向も確認せず、独断で移転延期を強行し、施設が完成しているのに市場として開場できない豊洲市場の維持費や、移転作業を中断した市場関係者への補償費など、さまざまな経費を無駄に支出した、知事の責任は極めて重いと指摘しておきます。
 市場会計には、こうした経費のほか都内十一市場の運営に係る経費も含まれています。事業全体で見れば第十次東京都卸売市場整備計画に基づき、各市場の老朽化した施設の維持更新を図るなど、課題の解決に向けて一定の前進があったと考えています。
 市場会計は、豊洲や築地だけでなくそのほかの十市場で働く市場業者の使用料収入などによって賄われている会計です。それぞれ課題を抱えている各市場において、市場業者が経営しやすい環境づくりを推進していくことを強く求めるものであります。
 以下、今後の事業運営に際し、具体的な意見を申し上げます。
 豊洲市場については、風評被害の払拭に努めるとともに、市場業界、関係区、都民の理解と協力を得ながら、新橋からの動線のさらなる円滑化、諸課題の解決など、円滑な運営に万全を期されたい。あわせて、豊洲移転を契機に、安全で衛生的な市場ルールの徹底遵守に努められたい。
 また、先送りされている今後の見通しがついていない千客万来施設についても、早急に具体策を明らかにすべきです。
 そして、第十次東京都卸売市場整備計画を踏まえ、引き続き、老朽化施設の維持更新を着実に進め、各市場の特性を踏まえた機能強化や省エネルギー対策に積極的に取り組まれたい。
 災害時には、生鮮食品等の安定供給を担う重要な社会インフラとしてその機能が発揮できるよう、災害対応力の強化に努められたい。
 病院会計について申し上げます。
 高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供していくため、引き続き経営改善を進め、経営基盤の安定強化と効率化かつ持続可能な病院運営を行うとともに、その取り組みが都民のみならず他の病院経営者にも理解されるよう努められたい。
 都心部唯一の基幹災害拠点病院である広尾病院について、施設整備面で万全の体制を確保するとともに、島しょ医療の充実及び地域医療に対するさらなる貢献に取り組まれたい。
 多摩メディカルキャンパスの整備について、基本構想を踏まえ、着実に医療機能の強化を図るとともに、地域の医療機関との連携ネットワークの構築を推進されたい。
 都市再開発事業会計について申し上げます。
 泉岳寺駅地区市街地再開発事業については、空港需要の増大や国際交流拠点となる品川駅周辺地域の開発に対応する駅の機能強化に向け、泉岳寺駅の改良を実現するため、駅とまちの一体的な整備を推進されたい。
 臨海地域開発事業会計について申し上げます。
 東京二〇二〇大会の先も見据え、IRも視野に入れ、臨海副都心のMICE、国際観光機能を強化するとともに、快適でにぎわい豊かな魅力あるまちづくりのモデル地域となるよう、取り組みを着実に進めること。
 臨海副都心地域と都心部とを結ぶ広域幹線道路の整備を推進するとともに、都心に近接した豊かな水辺環境を生かしたまちづくりを目指して事業を進めること。
 港湾事業会計については、利用者ニーズに的確に応える施設整備や事業運営の効率化を推進するなど、東京港の機能強化を図ること。
 交通事業会計について申し上げます。
 バス事業は、事故防止対策の強化や、さらなるサービスの向上に取り組まれたい。また、新たな交通需要への対応やバス乗務員の確保に向けた取り組みを継続されたい。
 軌道事業は、安定的、効率的経営に努めるとともに、東京さくらトラム、都電荒川線の魅力を国内外に広くアピールし、さらなる利用者の誘致に取り組まれたい。
 新交通事業は、早期の経営安定化に努めるとともに、朝の混雑対策と昼間の乗客誘致に取り組まれたい。
 高速電車事業会計について申し上げます。
 増客増収と一層の効率化により安定的に黒字を維持し、経営基盤を強化することで、累積欠損金の解消や長期債務の縮減に努められたい。
 東京二〇二〇大会に向け、ユニバーサルデザインの考え方に基づくエレベーターの整備や、外国人旅行者への対応、テロ対策の強化など、特に準備を着実に進めるとともに、大会の機運醸成に努められたい。
 新宿線と浅草線のホームドア整備を着実に進められたい。
 電気事業会計については、一層の安定的、効率的な経営に努められたい。
 水道事業会計について申し上げます。
 将来にわたる安定給水を確保するため、東京水道施設整備マスタープランに掲げた施策を着実に進め、エネルギー効率の高い水道システムの構築に向けた取り組みを推進されたい。
 八ッ場ダムなどの新規水源の開発、水道管路の耐震継ぎ手化の重点的、優先的整備、主要幹線の二重化等の取り組みを推進されたい。
 また、都民の貴重な水源地を守るため、荒廃した民有林対策とともに、都民や企業と連携した森づくりを推進されたい。
 そして、水道管路の耐震継ぎ手化、漏水リスクが高い管路の解消、浄水場等の自家用発電設備の増強、主要幹線二重化等のバックアップ機能や私道内給水管の整備など、災害、事故対策の強化に精力的に取り組まれたい。
 工業用水道事業会計については、事業廃止までの間、安定給水及び施設の安全性確保に継続して努められたい。事業廃止に伴うユーザーへの支援は、関係各局と連携し、都民の十分な理解を得た上で実施されたい。
 最後に、下水道事業会計について申し上げます。
 都民の安全を守り、安心で快適な生活を支えるため、老朽化対策に合わせて下水道機能の向上を図る再構築、局地的な大雨などから都市を守る浸水対策、首都直下地震などに備える震災対策を推進されたい。
 良好な水環境と環境負荷の少ない都市を実現するために、東京湾などの公共用水域の水質をさらに改善する合流式下水道の改善や、高度処理、再生可能エネルギー活用の拡大と省エネルギーのさらなる推進や、温室効果ガスのさらなる削減を図るエネルギー、地球温暖化対策を推進されたい。
 以上、各会計に対する意見を申し上げましたが、公営企業は、都民生活に欠かせない事業であります。安全・安心はもとより、一層の経営改善と都民サービスの向上を図り、都民の信頼をさらにかち取るよう全力で取り組まれることを要望し、意見開陳を終わります。

○斉藤委員 日本共産党都議団を代表して、平成二十九年度公営企業会計決算に対して意見を述べます。
 貧困と格差を広げる安倍内閣による経済政策のもとで、労働者全体の実質賃金は、この五年間減り続ける一方で、大企業は法人税減税を初めとした優遇政策によって利益を拡大し続け、その内部留保は四百二十五兆円にも達しています。生活保護費の切り下げ、医療費の負担増、介護の利用料値上げなど、社会保障制度の相次ぐ改悪のもとで、都民の暮らしは一層厳しさを増しています。
 さらに昨年は、七月に九州北部豪雨による土砂崩れや浸水によって甚大な被害が発生し、ことしに入ってからも、これまでに経験のないような大災害が続いています。
 こうした中で、東京都には、貧困と格差の広がりを是正し、都民の暮らしを守り、震災や水害に備えた取り組みが一層求められています。
 水や食料の安定供給、水害を防ぐ浸水対策、命を守る医療の確保、そして公共交通の機能の確保など、都民生活に欠かせない大事な役割を担っている公営企業各局には、今こそ、公共の福祉の増進へ確固とした立場で臨み、安心・安全を最優先にした本来の責務を果たすよう強く求めて、以下、会計ごとの意見を述べます。
 まず、中央卸売市場会計についてです。
 小池知事が、豊洲市場予定地の地上も地下も有害物質を環境基準以下にするという都民と市場関係者への約束を放棄したこと、築地市場の豊洲への移転を強行するため、地下ピットをコンクリートで封じ込めるなどの不十分な対策を打ち出し、当初予算にはなかった築地市場の豊洲移転の補正予算を臨時議会に提出したことは許されません。
 また昨年、発見して以来、一年近く公表しなかった豊洲市場内の地盤沈下や、地下水くみ上げに伴う環境への影響もまともな調査が行われていません。
 豊洲新市場については、地下の汚染の実態を徹底調査するとともに、地盤沈下などによるひび割れを初め、地上への有害物質の影響を継続調査するよう求めます。
 豊洲市場において地下水の噴出などが起きないよう万全の対策をとること、市場問題プロジェクトチーム会議で明らかにされた豊洲市場の毎年百億円規模の赤字への対処を明らかにすることを求めます。
 築地市場のアーチ型の建物について、文化的価値に配慮して保存するよう求めます。
 豊洲市場対策を優先させることで、ほかの市場の老朽化対策がおくれることはあってはなりません。都内各市場の改修等を急ぐよう求めます。
 次に、臨海地域開発事業会計についてです。
 臨海副都心開発は、一九八〇年代に政府の肝いりで強引に進められましたが、直後のバブル経済崩壊で破綻に直面したものです。都は必要な見直しを行わないまま、埋立会計などの都民のための資産をつぎ込み、債務超過の三セクビルに都の出先機関を移転させるなど、崩壊寸前の開発の莫大な赤字を穴埋めしてきました。
 赤字補填のために臨海三セクビルに移転または新設された港湾局初め都の事務所などについて、都民本位に抜本的に見直すように求めます。
 臨海副都心の開発用地で、未処分の用地を会計から外し、都民利益に即して活用を検討すべきです。
 臨海部でのおもてなし支援事業など、事実上大企業の支援となっている事業を抜本的に見直すよう求めます。
 次に、都市再開発事業会計と高速電車事業会計についてです。
 泉岳寺駅の再開発事業は、JR東日本が中心となった十三ヘクタールもの巨大開発に伴い、オフィス人口や住宅人口が大幅に増加することによる駅の乗降客数に応えるものであり、我が党は、JR東日本に開発責任者にふさわしい負担を求めるべきだと指摘をしてきました。再開発ビルは、居住中心の超高層ビルになっていますが、環境や地域への負荷の高い超高層ビルの建設は、公営企業が行う事業としてふさわしいものとはいえません。
 公共性、公益性が本来の目的として求められている公営企業会計として、再開発事業のあり方を根本から見直すことを求めます。
 都営地下鉄の泉岳寺駅の拡張工事をJRの新品川駅や周辺の大規模開発の一環として行うやり方を改め、あくまで乗客本位の改善とするよう求めます。
 都営地下鉄の駅ホームドアについては、未設置駅の早期解消を目指し、優先的に取り組むことを求めます。
 次に、交通事業会計についてです。
 都営バス事業が黒字に転換したことは、都営バスが都民の身近な交通機関として需要が拡大していることと、これに応えるノンステップバスへの改善などの努力の成果です。
 引き続き安全・安心な運行を目指して、バス車両や停留所の改善などを求めます。
 バス運転手の確保のため、大型二種免許取得支援も含めた職員採用の改善を進め、職員の労働時間、休暇の取得など労働環境改善に努めること。
 バス営業所の増設に当たっては、ほかのバス路線や営業所にしわ寄せすることのないようにすることを求めます。
 消費税が増税された場合は、増税分を値下げして現行の運賃を維持するように求めます。
 次に、病院会計についてです。
 救急医療や周産期医療、小児医療や高度医療、感染症医療、精神医療など、不採算性が強く一般の医療機関では対応が困難な行政的医療を担う重要な責任を果たすため、都立病院の充実を進めることを求めます。
 都立病院においては、繰り返し労基署から是正勧告を受けていることは重大であり、都民に安心・安全な医療を提供するためにも、医師と看護師などを増員して、労働環境を改善することを求めます。
 都立病院は、今後も、都の直営を堅持して、病床の縮小や独立行政法人化は行わず、行政的医療を充実させることを求めます。
 次に、水道事業会計についてです。
 水道管路の耐震化、老朽化対策は、都民の命と暮らしを守る上で重要です。
 耐震化、老朽化の対策は予算をふやして拡充していくことを求めます。
 都民生活の福祉の向上に資する施策を充実させるためにも、過大な水需要予測を改め、水源分担金を見直しすることを求めます。
 低所得者や福祉施設などへの水道料金の減免制度について、対象と金額を拡充すること、監理団体を含めた労働者の処遇改善を図ることを求めます。
 消費税が増税された場合には、増税分を値下げして現行の料金を維持するように求めます。
 最後に、下水道事業会計についてです。
 相次ぐ大災害や、都内でも多発している集中豪雨から都民の暮らしと安全を守るためにも、下水道管の震災対策や浸水対策が重要です。
 五十ミリ対策、七十五ミリ対策を強化していくことを求めます。
 震災時にも下水道機能を維持し、災害時のマンホールトイレなどの対応を充実させるためにも、震災対策を強化することを求めます。
 コンセッション方式を含めた施設の経営形態の検討については、先行事例の浜松市の契約書や現状、海外での再公営化の流れから学んで、直営を堅持して、全ての都民に衛生的で安全な住環境を保障する役割を果たすことを求めます。
 消費税が増税された場合は、増税分を値下げして現行の料金を維持するように求めます。
 以上で日本共産党都議団の意見開陳といたします。

○山口委員 私は、都議会立憲民主党・民主クラブを代表して、平成二十九年度公営企業会計決算について意見開陳を行います。
 公営企業会計に共通する事項として、それぞれの事業において、財政計画を含めた長期的な経営戦略を策定するとともに、社会状況の変化や将来的な需要などを踏まえながら、適切に施設設備の更新を図るなど持続可能な事業経営に取り組まれることを求めます。
 さらに、各公営事業局が所管する監理団体、報告団体については、その関係性において都民の誤解を招くことがないよう、情報公開を徹底するよう強く求めておきます。
 また、現在、水道局発注の委託契約について、談合疑惑の調査がされていますが、発注、契約に関して、くれぐれも都民から疑惑が持たれることのないよう、各局においても特段の緊張感を持って対応されることを求めておきます。
 以上、総括的な意見を述べ、それぞれの会計について申し上げます。
 まず、病院会計について。
 一、災害時、発災直後の迅速な対応や関連機関との連携等、都立病院が十分な医療機能を果たすことができるよう、三日分以上の医療資機材、水、食料、燃料などの備蓄を強化し、災害対策を充実させること。
 一、病院機能評価やJMIPなど、第三者機関による評価制度を積極的に活用し、その結果を公表するなど、都立病院の見える化を推進すること。
 次に、中央卸売市場会計について。
 一、豊洲市場については、経営戦略を策定するなどして、市場取引の活性化、取引量の拡大に積極的に取り組むとともに、引き続き食の安全・安心に万全を期すこと。また、開場延期に伴う市場業者への損失補償を着実に実施すること。
 一、有償所管がえなど、さまざまな工夫、努力を講じることで、市場会計の持続可能性に向けた道筋を明確にするとともに、市場別収支の明確化や、市場財政白書の再発行など、会計の透明化及び情報発信に取り組むこと。
 次に、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計について。
 一、平成十八年に臨海地域開発財政基盤強化プランを策定したように、東京ベイエリアビジョンの検討に当たっても、あわせて検証可能な財政見通しを示すこと。
 一、東京臨海ホールディングスについては、「ゆりかもめ」やビッグサイトを初め進出事業者とも連携しながら、地域の魅力向上に向けて取り組むとともに、ビル事業については不断の見直しを行うこと。
 次に、交通事業会計及び高速電車事業会計について。
 一、地下鉄の都市型水害対策として、職員の防災対応力の向上を初め、新たな浸水想定に対応した取り組みを早急かつ確実に実施すること。また、大規模水害対策として、タイムラインの活用及びさらなる改善に取り組むとともに、広域避難の際の移動手段として機能するよう対応策を検討すること。
 一、地震時における電車からの誘導避難については、高齢者や障害者、外国人利用客への対応に万全を期すとともに、早期の運転再開に向けて、職員の安否確認や参集見込みの適切な把握に努めること。
 次に、水道事業会計及び工業用水道事業会計について。
 一、水道の検針データを自動で収集し、水道使用量の変化を使用者みずからが把握でき、かつ高齢者等の見守りのサービスにも活用できるスマートメーターの導入を推進すること。
 一、工業用水の廃止に向けて、事業者等への支援を適切に講じるとともに、保有資産の売却や配水管撤去費用の圧縮など、廃止の影響が都民に及ぶことがないよう最大限努めること。
 最後に、下水道事業会計について。
 一、集中豪雨対策として、七十五ミリ対策地区、五十ミリ拡充対策地区での施設整備を推進すること。あわせてハザードマップを活用しながら、公共雨水浸透ますの設置を進めること。
 以上で都議会立憲民主党・民主クラブを代表しての意見開陳を終わります。

○おときた委員 私からも、平成二十九年度の公営企業会計決算についての意見開陳を行います。
 公営企業改革は、東京都政を飛躍的に前に進める起爆剤ともなり得るものです。都立病院の独立行政法人化が提唱され、また、都政改革本部からも下水道事業における民営化が強く提唱されたことは高く評価をされるところでありますが、これらの改革姿勢をさらに推し進め、公営企業事業全般にわたって民間の力を生かすことこそが今後の都政における最重要課題の一つであることを、まず冒頭に申し上げます。
 そして、中央卸売市場会計については、延期によって、平成二十九年度だけで約七十億円の追加支出があった点について、複数の委員から指摘がありました。あたかも追加対策工事が移転の絶対条件であったかのような主張も聞かれるところでありますが、その論拠となっている専門家会議でも、地上部分の科学的安全については早くから結論が出ていたところであり、移転延期及び追加対策工事を開場の条件としたのは、知事一人の政治判断によるものです。
 移転決断の先延ばしによって生じたコストについては真摯に受けとめることを期待するとともに、私自身、移転決断の先延ばしと築地、豊洲両立案を支持したことは誤りであったことを認め、改めて都民の皆様に深くおわびを申し上げるものです。
 また現在、国による不合理な偏在是正措置への対応が佳境を迎えておりますが、こうした延期費用に加えて、莫大な行政資産である築地市場跡地の活用方法が不透明なままであることは、地方都市から見れば極めて説得力のない状態です。
 築地市場跡地については、早期に民間売却を前提とした有償所管がえを行い、二〇一七年六月に発表された基本方針は速やかに撤回、修正されることを強く求めます。
 続いて、各局について意見を申し述べます。
 初めに、交通事業会計についてです。
 累積欠損金を解消するために、引き続き、削減プロセス、目標年次を明確にし、交通事業全体の財政健全性を保つこと。
 一、地域活性化、地場産業振興に向け、駅構内を活用した出店、店舗販売を促進すること。
 一、資産活用の一環として、駅ナカ保育を推進すること。
 一、東京メトロとの一体化を引き続き目指すこと。
 一、障害者、高齢者、妊産婦、子供連れの乗客への一層の接遇向上に努め、AIやIoTなどのテクノロジーを積極的に導入すること。
 一、満員電車ゼロに向けて、時間差料金の導入を早期に検討すること。
 一、シルバーパスについては、交通事業者としての立場から、合理化、IC化への前向きな検討を進めること。
 一、多くの事業を特命随意契約している都営交通協力会との関係を抜本的に見直し、競争入札を通じて他の事業者にも門戸を開くこと。
 次に、水道事業会計についてです。
 一、健全な経営状態に慢心することなく、老朽化対策も踏まえ、適正かつ効率的に事業を進め、業務の現状と財務状況を積極的に情報公開していくこと。
 一、将来的な民営化を念頭に、各国の事例などの研究、検証を行うこと。
 一、安全でおいしい飲用可能な水道水、東京水を、都民はもとより、オリンピック・パラリンピックを踏まえて外国人観光客にも広く普及すること。
 一、国際展開については、国との役割分担を明確にした上で、都市外交基本戦略など、関係各局と統一した方向性、指針で進めること。
 一、入札については、特命随意契約の不断の見直しを図り、競争性と公平性をより一層保ち、適切な情報公開に努めること。
 次に、下水道事業会計についてです。
 一、将来的な経営リスクに鑑み、都政改革本部で指摘されたコンセッション方式の導入を早急に進めること。
 一、簡易処理水の放流、汚濁負荷の発生など、運河、河川に係る水質については、地域住民へはもちろんのこと、周辺区並びに海上保安庁への迅速な情報提供と対策強化に努めること。
 一、合流式下水道については、環境負荷も含め、アセスメントの高度処理の推進を図り、改善に努めること。
 一、入札については、特命随意契約の不断の見直しを図り、競争性と公平性をより一層に保つこと。
 次に、病院事業会計についてです。
 一、民間医療機関、医師会、区市町村との連携、分担を推進していくこと。
 一、入院中の子供の教育環境、保育環境の整備に努めること。
 一、虐待について、警察、児童相談所など関係各機関とさらなる連携を強化し、得られた知見は関係各部署で共有し、対策をとること。
 一、周産期医療については、得意分野に特化しながらも、医療機関との機能別役割分担と地域医療連携システムを推進していくこと。
 一、患者への虐待防止、看護ケア、職員の接遇教育などQOL担保の取り組みを推進すること。
 一、平時の稼働率が低いDMATカーについては、病院間転送などに、より一層利用するなど積極的な活用方法を検討すること。
 一、独立行政法人化に向けた検証を加速し、速やかな移行を目指すこと。また、独法化の際は、責任の所在を明確化するため、一病院一法人という形態も検討すること。
 最後に、中央卸売市場会計についてです。
 一、少子高齢化や市場外流通に鑑み、将来の統廃合をも視野に入れた選択と集中の検討を進めること。
 一、経営状況改善のために、管理運営面での一部民営化を検討すること。
 一、市場内における都の指導力を強化し、業界団体と連携しながら、通路の占有など事業者による不適切な行為を防止すること。
 一、各市場への新規事業者への門戸を開き、仲卸事業者の参入を促進すること。とりわけ旧築地市場で続いてきた、いわゆる鑑札制度の実態を検証し、豊洲市場においては新規参入を早期に開始すること。
 一、旧築地市場において営業権を主張する一部の事業者に対しては、毅然とした対応をとり、跡地活用を迅速に進めること。
 一、築地市場跡地については、民間売却を前提とした有償所管がえを実施すること。
 そして最後に改めて、各局の監理団体においては、障害者雇用率が未達成である状況を早急に改善し、障害の種別にとらわれない人材活用を進めることを要望いたしまして、意見開陳を終わります。

○早坂委員長 以上で意見の開陳を終わります。
 なお、本決算を認定する際は、意見を付することにいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 また、意見案文の取りまとめにつきましては、理事会にご一任いただきたいと存じますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十八分散会

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