委員長 | 米川大二郎君 |
副委員長 | 小林 健二君 |
副委員長 | 村松 一希君 |
副委員長 | 山崎 一輝君 |
古城まさお君 | |
奥澤 高広君 | |
舟坂ちかお君 | |
たきぐち学君 | |
山田ひろし君 | |
尾崎あや子君 | |
あぜ上三和子君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 村松 明典君 |
次長 | 澤 章君 | |
理事 | 福田 至君 | |
管理部長 | 松永 哲郎君 | |
事業部長 | 白川 敦君 | |
企画担当部長 | 吉村 恵一君 | |
渉外調整担当部長 | 有金 浩一君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 松田 健次君 | |
財政調整担当部長 | 長嶺 浩子君 | |
移転支援担当部長 | 赤木 宏行君 | |
新市場整備部長 | 岡安 雅人君 | |
新市場整備調整担当部長 | 影山 忠男君 | |
新市場事業推進担当部長 | 櫻庭 裕志君 | |
移転調整担当部長 | 前田 豊君 | |
事業支援担当部長 | 西坂 啓之君 | |
基盤整備担当部長 | 村井 良輔君 | |
技術調整担当部長 | 鈴木 理君 | |
施設整備担当部長 | 佐藤 千佳君 | |
建設技術担当部長 | 吉野 敏郎君 |
本日の会議に付した事件
平成二十八年度東京都公営企業各会計決算の認定について
中央卸売市場関係
・平成二十八年度東京都中央卸売市場会計決算(質疑)
○米川委員長 ただいまから平成二十八年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の決算に対する質疑を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十八年度東京都中央卸売市場会計決算を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○松永管理部長 去る十月十六日の当分科会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます平成二十八年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
資料は全部で三項目ございます。
恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、耐震改修等工事費及び修繕工事費の推移(過去十年間)でございます。
市場ごとに耐震改修等工事費及び修繕工事費の過去十年間の推移をお示ししてございます。
二ページをお開き願います。2、豊洲市場整備に係る当初事業費、執行済額でございます。
土壌汚染対策費、建設費、用地取得費及びその他関連工事費等の項目ごとに、上から計画額、年度別の執行済額をお示ししてございます。
三ページをお開き願います。3、豊洲市場整備に係る国庫交付金の推移でございます。
平成二十三年度から平成二十八年度までの豊洲市場整備に係る国庫交付金につきまして、名称、事業費、交付申請額、対象事業をそれぞれ記載しております。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○米川委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○村松委員 私から、平成二十八年度東京都中央卸売市場会計決算についてお伺いをいたします。
まず、農林水産省のデータによりますと、国内中央卸売市場の取扱金額は、平成五年ごろの六兆四千億円をピークに、平成二十五年ごろから四兆円程度まで減少し、今は横ばいであります。
卸売市場の経由率で見ますと、平成五年の水産物市場経由率は七〇%で、現在、五〇%程度まで落ち込んでおります。青果で見ますと、国産に限れば八四・四%と高い水準ではありますが、外国産を含めますと六〇%となっております。
さて、東京都の中央卸売市場はというと、水産物で見ますと、平成二年、八千四百三十七億円であった取扱金額が、平成二十八年は四千五百四十七億円となっております。青果については、平成三年、七千七百五億円をピークに、平成二十八年は五千九百九十三億円となっております。
我が国の卸売市場の状況を確認した上で、まず、この平成二十八年度決算の特徴をお答えいただきたいと思います。
○松永管理部長 平成二十八年度決算においては、市場施設の維持管理に関する経費である管理費において、既存の十一市場の管理運営に豊洲市場が新たに加わったことなどにより、対前年度比一一五・一%となるとともに、豊洲市場建設工事の完了に伴う消費税及び地方消費税の相殺による還付金の発生と消費税額の控除に関する会計上の処理などに特徴がございます。
こうしたことから、損益計算書の経常損失は約三十二億円となってございます。
○村松委員 経常損失についてお答えいただきましたけれども、営業収益で見ますと、百五十五億円余であり、二十七年度の百五十八億円に比べて若干減っております。
どのような傾向があるのか、また、今後の見通しをお答えいただきたいと思います。
○松永管理部長 営業収益は、過去十年間では、消費税込みで約百四十三億円から百五十八億円の間で推移してございます。
今後は、営業収益の大宗を占める売上高割使用料及び施設使用料は収入として比較的安定しているという特徴がございまして、おおむね、これまでと同様に推移するものと考えております。
とりわけ収益の中心となる施設使用料は、事業者が使用する面積に応じて課されるものでありまして、近年、使用料を徴収する総面積は大きく変化していないことから、収入額は安定しているというふうに考えております。
○村松委員 今後も、その収支採算性については確認をしながら、私も見ていきたいと思っております。
そして、この二十七年度、昨年度の決算は不認定でありました。都として二十八年度の決算をどのように評価しているのか、お答えをいただきたいと思います。
○松永管理部長 平成二十八年度決算においては、市場開設者として、通年運営した築地市場と完成後の施設の維持管理が必要となった豊洲市場を管理運営するとともに、他の十市場を含めまして施設の老朽化への対応などを行い、中央卸売市場全体として、都民への生鮮食料品等の安定供給を各種の事業を通して行ってまいりました。
こうした事業の実施過程につきましては適切に会計処理し、ただいまこのような形で決算の審査をいただいているところだというふうに考えております。
○村松委員 お答えをいただきまして、ありがとうございます。
この二十八年度は、都知事がかわり、年度途中で豊洲移転の見直しという大きな計画の変更がございました。豊洲市場管理費などで十一億円余の不用額が出るなど、決算額にもあらわれていると思います。不用額とともに、追加モニタリング費用なども二十八年度決算に計上されていると思います。
そこで、移転延期以降、どのような検証がされ、その結果がどのようなものであったのか、この間の経過について改めてお伺いしたいと思います。
○岡安新市場整備部長 豊洲市場への移転延期以降、地下ピットの存在や基準を超える地下水の検出、豊洲市場の事業継続性の問題など、さまざまなことが明らかになっておりまして、こうしたことに対しまして、専門家会議、市場問題PT、市場のあり方戦略本部における議論を進めてまいりました。
こうしたさまざまな検証を経まして、専門家会議による提言や市場問題PTの報告書等がまとめられまして、本年六月に築地と豊洲の両方を生かす旨の基本方針が示されたところでございます。
○村松委員 ここで、もし昨年十一月七日に移転していたらと考えていただきたいと思います。移転後に盛り土の問題や地下水の問題が出てきたらと考えたらどうなるでしょうか。
風評被害も出ていたことと思いますし、また、移転後に追加対策工事が必要だとの結論に達したとき、どのように対応できるのか。例えば、地下ピットにコンクリートを流すような追加対策工事ができるのか、お答えいただきたいと思います。
○影山新市場整備調整担当部長 開場後の追加対策工事につきましては具体的な検証をしているわけではございませんが、一般に、開業している市場において工事を実施する場合には、工事によって市場業者の営業活動に支障が生じないよう配慮する必要があり、工事スペースの確保や工事車両の動線など、さまざまな事項について市場業者との調整を要することとなります。
○村松委員 現実的には、営業中に地下ピットにコンクリートを流すような大規模な工事はかなり難しい、ほぼ不可能ではないかと私は思っております。そういうふうに考えてみますと、昨年移転すべきだったということはいえないと、改めて私は感じております。
移転の準備に関して、間に合っていなかったと思われることがほかにもございます。ある仲卸業者さんにお伺いしたところ、いまだ豊洲市場内での買い回りの問題が解決されていない、このままだと市場内で大渋滞を生み、多くのエンドユーザーがお困りになるだろうということでございました。また、そのほかにも、六街区のバス停の問題や、氷の製造と配氷の問題もあると思います。
二十八年度は、この移転に向けての事業者のための費用を計上していますけれども、こうした課題について意見を聞き、検討する場というのはあるのでしょうか。
○影山新市場整備調整担当部長 移転に向けた課題に関する業界調整につきましては、新市場建設協議会のもとに設置しました街区別検討会のほか、業界が設置しております物流施設管理協議会などの場も活用しまして、さまざまな課題に関する調整を精力的に進めているところでございます。
○村松委員 先日、会派でも豊洲市場を視察させていただきまして、カーブミラーなど、現実的にどんなものなのかということを確認させていただきました。やはりカーブミラーに関しては、いわれているとおり、かなり小さくて、これでは、運転中、見て安全確認をすることはやはり難しいだろうというのは、もう見れば一目瞭然というところでありましたので、こうした意見をしっかりと聞きながら進めていただきたいと思います。
ただ、移転するはずだった業者の方で、豊洲市場に冷凍庫など設備投資をして、移転しなくても経費がかかってしまうという方々もおり、その補償は当然大切だと思っております。
二十八年度決算では計上されていないということでございましたが、先週の事務事業質疑の中で、今年度四十九億円という答弁をお伺いいたしました。この中には、当然、二十八年度にかかった経費が入っていると考えられますけれども、この二十八年度分というのは幾らになるのか。また、その中で、卸、仲卸、それぞれ補償金額はどのような内訳になっているのかをお答えいただきたいと思います。
○西坂事業支援担当部長 豊洲市場への移転延期に伴う市場業者に対する補償につきましては、これまでに、八回、補償審査委員会を開催しておりまして、第一回から第五回までの補償審査委員会におきまして、平成二十八年度分の損失に対する補償について審査しております。
その累計額は約十一億四千万円となっておりまして、そのうち、卸業者が約三億三千万円、仲卸業者が約一億二千万円となってございます。
なお、現時点で、平成二十八年度分の補償について相談途中の事業者などもおりますので、引き続き、誠実かつ丁寧に補償事務に対応してまいります。
○村松委員 補償審査委員会で審査をして決定しているということでありますけれども、その補償内容についても丁寧に審査をしていただきたいと思いますけれども、やはり都民の方が見て適正だといわれるような補償をしていただきたいなと思っております。
最後に、この移転が決まったからには、早期に移転できるように準備をしていただきたいと改めて申し上げます。そして、豊洲市場への円滑な移転に向けて、市場長の意気込みをお伺いしたいと思います。
○村松中央卸売市場長 豊洲市場への移転を早期に実現するためには、行政として必要な取り組みを着実に進めるとともに、業界団体と連携いたしまして、移転に向けたさまざまな準備を整えていく必要がございます。
まずは、専門家会議の提言に基づく追加対策工事を着実に実施するとともに、工事完了後は、対策の有効性について専門家会議に確認していただくこととしております。
また、農林水産大臣の認可手続など必要なステップを一つ一つ前に進めることで、安全で安心な豊洲市場を実現してまいります。
あわせて、造作工事や引っ越し準備など移転に向けたさまざまな準備について、業界団体と緊密に調整しながら推進するとともに、ターレスロープの改善や通勤駐車場へのトイレ整備など、豊洲市場の使い勝手の向上も図ってまいります。
豊洲市場への早期移転は最優先事項でございまして、その実現に向け全力で取り組んでまいります。
○村松委員 ありがとうございます。市場六団体を初めとした利用者と十分に協議をしながら、早期移転を目指していただきたいと思います。
次に、地方卸売市場助成事業費五千三百四十五万四千百四十八円についてお伺いいたします。
申し上げるまでもなく、地方卸売市場の役割は大きいと感じております。特に多摩地域の中央卸売市場は、青果を取り扱う多摩ニュータウンの一つだけであり、地方卸売市場が十一あり、青果、水産、花きと、多摩地域における生鮮食料品等の供給に大きな役割を果たしていると思います。
まず、地方卸売市場の役割とその助成の考え方についてお答えいただきたいと思います。
○白川事業部長 多摩地域の地方卸売市場は、生鮮食料品等を安定的に供給する上で重要な役割を担っております。
そのため、地方卸売市場の適正かつ健全な運営を確保し、生鮮食料品等の流通の円滑化と消費生活の安定化を図ることを目的といたしまして、地方卸売市場の開設者等の行う事業に対しまして助成を行っているところでございます。
○村松委員 そして、この助成の主な使い道についてもお答えいただきたいと思います。
○白川事業部長 地方卸売市場への助成は、三つの事業に対して行っております。
まず、中央卸売市場にはない施設整備事業費補助を実施しております。これは、多摩地域の水産、青果の市場開設者等が市場機能の維持向上を図るための整備事業に対し、経費の一部を補助したものでございます。
このほか、場内の衛生保持のために、廃棄物の処理に要する経費の一部を補助する管理衛生費補助、さらに、食育等の普及促進を図るために行う市場見学の経費の一部を補助する地域貢献補助がございます。
これらは、一般会計からの補助金を財源といたしまして五千三百万円を支出したところでございます。
○村松委員 中央卸売市場への一般会計からの補助金と、ご説明をいただきました地方卸売市場への助成金、同じ公共的役割を果たす市場への補助金として、その差が余りにも大きいと感じております。
例えば、大まかな傾向をつかむという意味で、平成二十八年度の取扱金額を一つの基準として、それに対する補助金の割合を計算してみますと、中央卸売市場は、取扱金額が一兆二千八百三十五億一千万円に対し、補助金の収入額が三十三億五百万円で、〇・二六%でありますが、地方卸売市場は、取扱金額が一千十三億九千五百万円に対し、補助金の収入額が五千六百万円で、〇・〇六%、約四分の一、下回っているという現状であります。
もっとも、この中央卸売市場と地方卸売市場は、地方自治体である都が開設者となるか、民間企業が開設者かという大きな違いがありますけれども、実際に繰り出される一般会計からの補助金の性質も異なるものだと思いますけれども、具体的にどのような違いがあるのか、お答えいただきたいと思います。
○松永管理部長 都の中央卸売市場は、都が開設者として市場を設置し、使用料を主な収入として、原則、独立採算で事業を行っております。このうち、卸売業者や仲卸業者等、市場業者の公正かつ効率的な取引は、都民への生鮮食料品等の円滑かつ安定的な供給にとって基本的なものであるため、この指導監督に要する経費などのいわゆる行政的経費につきましては、一般会計からの補助金を財源として充当しております。
都内の地方卸売市場は、民間業者が開設者として市場を設置し、卸売業者が中心となって事業を行っており、都民への安定供給という点では中央卸売市場と同様ですが、その公共的な役割を踏まえまして、施設整備事業や衛生管理費などに対しまして、一般会計の補助金を財源として一定の補助を行っているところでございます。
○村松委員 それにしても、地方卸売市場への助成金は少ないと感じます。
地方卸売市場からは、経常費補助の要望も聞いております。地方卸売市場の役割の重要性を踏まえた補助や支援のあり方をさらにご検討いただくことを要望して、私からの質問を終わります。
○小林委員 私からは、築地市場及び豊洲市場についてお伺いをいたします。
初めに、築地市場の修繕工事についてですが、昨年十一月に予定をしていた豊洲市場への移転が延期をされ、ことし六月の市場移転問題に関する基本方針などにより改めて移転することになったわけですが、築地市場の修繕工事について、豊洲市場への移転延期に伴い、平成二十七年度と比較して平成二十八年度はどのように対応しているのか、確認をいたします。
○白川事業部長 築地市場において実施をいたしました修繕費の執行額でございますが、平成二十七年度は約一億五千万円でございまして、平成二十八年度につきましては約八千六百万円でございまして、比較をいたしますと減少しているところでございます。
これは、電気通信関係の改修工事などの機械及び装置補修が減少しているのが主な要因でございます。
また、路面、マンホール、グレーチング、便所等の修繕の一部は都の職員が直接修繕したことによりまして修繕費には反映していない、こういったこともございまして、工事実績の金額が減少しているものでございます。
○小林委員 本日提出をされました資料の過去十年の築地市場の修繕工事費の推移を見ますと、平成十九年度から平成二十七年度の平均修繕工事費は約二・五億円となりますが、平成二十八年度は、当初、移転が予定をされており、先ほど答弁にもあったような執行額の減少理由があったわけでございますが、豊洲市場への移転は来年秋とされておりますので、まだ一年あるわけでございます。
豊洲市場への移転まで築地市場の機能を維持していくための修繕などに今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○白川事業部長 昨年十一月に、築地市場内の都の施設の劣化状況につきまして臨時の点検を実施しております。
路面のひび割れの補修など緊急を要するとされた百二カ所につきまして、昨年度から今年度にかけて、既に対応を実施しているところでございます。
今後も、老朽化した施設の劣化状況につきまして、引き続き監視を強化しながら、危険な箇所を早期に発見し、直ちに適切な対応を行うことで、市場が支障なく運営できるように取り組んでまいります。
また、市場の機能維持に要する修繕費用につきましては、必要に応じて適切に確保してまいります。
○小林委員 移転まで、しっかりと築地市場の機能を確保することは大変重要であります。先ほどの答弁にもありましたが、都の職員の方々が一部の修繕について直接取り組んでいるとのことですが、残りの一年間、迅速かつ手を抜くことなく必要な修繕を引き続き着実に実施して、築地市場の機能を確保していっていただきたいと思います。
次に、移転延期に伴った市場業者の皆様への支援策についてお伺いをいたします。
昨年、移転が延期になって以降、都議会公明党は、繰り返し市場業者への不安解消に向けた取り組みの充実というものを求めてまいりました。私も、昨年十月、豊洲市場の一連の問題について実質的な集中審議の場となった経済・港湾委員会で、市場業者への支援策について質疑を行わせていただきました。
まず、豊洲市場への移転延期前までの移転支援に係る実績についてお伺いいたします。
○赤木移転支援担当部長 都は、豊洲市場に移転する市場業者の移転に関する経済的な負担を軽減し、円滑な移転を推進するため、制度融資等に対する利子補給事業に加えまして、市場独自の融資事業を実施しております。また、環境・省エネ設備に対する補助事業を行いまして、市場業者の円滑な移転を進めております。
これらの移転支援策の利用実績は、平成二十八年八月末現在で、利子補給事業が二百件、融資実行額が七十八億五千万円、各種融資事業は四十六件、六十四億八千万円でありまして、環境・省エネ設備補助事業は千百六十七件の申請がございました。
○小林委員 ありがとうございます。
次に、移転延期決定後の移転支援に係る実績と取り組み内容について確認をいたします。
○赤木移転支援担当部長 都は、豊洲市場への移転延期に伴う市場業者の経済的な負担を軽減しますため、平成二十八年十二月から、利子や保証料等の融資条件を大幅に緩和した新しいつなぎ融資制度を創設いたしまして、仲卸業者、関連事業者、合わせて二百八十八件の融資を新たに行いました。
環境・省エネ設備補助事業につきましては、補助金相当額のつなぎ融資の実施と、豊洲市場内に設置が確認できた設備に対する早期交付を実施しております。
また、市場業者の資金繰り等の課題や不安などに適切に対応するため、金融機関等と連携をいたしまして、平成二十八年十月から築地市場関係事業者向け特別相談窓口を設置し、相談体制の強化を図っております。
こうした取り組みを行ったことなどによりまして、平成二十八年九月から二十九年三月末までの移転支援策の利用実績は、利子補給事業が八十九件、融資実行額が二十四億三千万円、各種融資事業が三百十六件、二百八億七千万円でございまして、環境・省エネ設備補助事業は九百二十九件の申請となってございます。
○小林委員 今ご答弁のありました、市場業者の資金繰りなどの課題や不安などに適切に対処するため、築地市場関係事業者向け特別相談窓口の設置というものがございましたけれども、この相談窓口の設置は、ちょうど私が経済・港湾委員会で質疑をした日でございました。
その際、どのような相談内容を想定しているのかということをお伺いしましたが、そのときの答弁では、資金繰りに関係する相談内容が多いと想定されるということと、延期による経済的な損失と補償について、相談窓口に寄せられた内容を適切に補償に結びつけるよう、資料としていきたいという答弁がございました。
移転延期後、都は、相談体制を強化する中で、相談窓口には具体的にどのような相談が寄せられ、都はどう対応していくのか、お伺いをいたします。
○赤木移転支援担当部長 都では、移転延期による市場業者の資金繰りなど経済的な不安に対応するため、平成二十八年十月から、築地市場内にある豊洲移転サポート相談室の相談員を増員しまして体制を強化いたしました。
サポート相談室にはさまざまな相談や質問が寄せられましたが、主なものといたしましては、例えば、年末に向けた資金繰りが不安であり、つなぎ融資はいつ出るのか、あるいは設置予定の設備が補助金の対象となるのか確認をしたいというような資金繰りの不安などについての相談が寄せられました。
そのため、こうした市場業者の相談につきましては、融資を実施している金融機関にも伝え、丁寧な対応を依頼するとともに、都におきましても、市場業者向けの説明会を開催するなど、支援策の実施に向けて適切に対応を行っております。
市場業者の置かれた状況はさまざまでありますことから、今後とも、豊洲市場への移転に向けまして、市場業者に真摯に対応しながら移転支援策を実施してまいります。
○小林委員 明年の移転に向けて、さらに具体的な相談も今後予想されるかと思います。市場業者の皆様に並々ならぬ心労をおかけしたからこそ、誠意を持った丁寧な支援策の充実を今後ともお願いしたいと思います。
こうした市場業者への支援策とともに、豊洲地域の風評対策、都民への情報発信の充実を図っていくために、私は、昨年のこの経済・港湾委員会の質疑の中で、関係者間で情報共有、意見交換を行っていくために、そのときに既に設置をされておりました土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会を早期に開催していくべきではないかと述べさせていただいたところでございますが、この土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会の現在の状況について確認をいたします。
○鈴木技術調整担当部長 協議会は、学識経験者、市場業者、地元区、都民などから構成されておりまして、豊洲市場の土壌汚染対策工事の進捗状況や地下水管理について関係者間で情報共有し、意見交換を行う場として平成二十四年六月に設置されたものでございます。
昨年十月七日の委員会での質疑以降、早期の開催を目指しましたが、日程調整が整わなかったため、まずは専門家会議における検証を実施することといたしまして、十月十五日に第一回専門家会議を開催いたしました。
専門家会議では、協議会の所管事項でもあります地下水モニタリングの結果も含めまして、市場業者や都民に対し開かれた場で審議してまいりました。
また、地元区に対しても適宜情報を提供するとともに、区議会におきまして報告、質疑を行うなど、必要な情報共有を図ってまいりました。
○小林委員 協議会の早期開催に向けて取り組んだけれども、日程調整が整わなかったということでございますけれども、形式的に協議会を開催するということではなく、今ご答弁にもありましたけども、地元区に対しての適切な情報提供、また、区議会等にも報告、質疑を行う、こういった、関係者間でどう情報を共有し、意見交換を行っていくのかということが最も大切であると考えます。
今後、この協議会を開催する予定があるのか、お伺いをいたします。
○鈴木技術調整担当部長 都では、専門家会議の提言に基づく追加対策工事の着実な実施とその過程を都民や事業者にわかりやすく発信するという具体的な取り組みによりまして、都民等の理解を求めていくこととしております。
このため、学識経験者、市場業者、地元区、都民などが一堂に会する協議会は有効であると認識しておりまして、追加対策工事の進捗状況なども勘案しながら、開催に向けて、今後、各委員と調整を進めていく予定でございます。
○小林委員 今ご答弁にもありました、協議会の有効性は都もしっかり認識をされているということでございますし、また、協議会は、単に情報共有するだけではなく、専門家の方々の意見も確認できる重要な場であると思います。ぜひとも、この協議会の本来の役割を果たしていくことによって都民の理解が進んでいくように取り組みを進めていただきたいと思います。
最後に、豊洲市場の地下水位についてお伺いをいたします。
豊洲市場では、地下ピットの対策や地下水管理システムの機能強化といった追加対策は、不断の取り組みを進めていかねばなりません。そのためにも、地下水位を下げることは重要な取り組みであります。
昨年、豊洲市場の一連の問題発覚後、都議会公明党は直ちに現地調査を行いまして、地下水位の問題に着目をし、今日まで繰り返し地下水位のコントロールへの取り組み強化をただしてまいったところでございます。
このたびの決算説明においても、地下水位を下げる、管理するための経費が計上されておりますが、その内容について確認をいたします。
○鈴木技術調整担当部長 地下水管理システムの整備のための地下水管理施設整備工事や、地下水管理システムの運転管理のための地下水管理システム運転保守業務委託、さらには地下ピットからの強制排水のための豊洲市場排水工事などが計上されております。
○小林委員 都もこれまで、地下水管理システムでのくみ上げや地下ピットからの強制排水により地下水位の低下に取り組んできたとのことでございますけれども、早期に水位を下げることが必要である中、雨が降れば地下に雨が入り、大雨の際には、それだけ多くの雨が地下に入ってしまうことになることが懸念をされます。
先日の甚大な被害をもたらした台風二十一号は、二十三日の午前六時ごろには八王子市付近を通過し、東京を初め関東地方全域が暴風域となり、多くの河川が危険水位を超えるなど、かなり降雨があり、当然懸念をされるのは、これだけの雨が降ったことで豊洲市場の地下水位はどうなったのかということであります。
直近に起きたことでもあります。また、大事なことでもありますので確認をさせていただきますが、今回の台風二十一号の降雨によって地下水位がどうなったのか、この状況についてお伺いをいたします。
○鈴木技術調整担当部長 市場内の地下水位でございますが、九月中旬から続く秋雨の影響に加えまして、台風による集中的な降雨の影響もあり、台風直後の二十三日には、五街区では、APプラス一・五六メートルからAPプラス五・〇二メートルでございまして、平均でAPプラス二・八〇メートル、六街区では、APプラス二・一五メートルからAPプラス四・九六メートルであり、平均でAPプラス三・〇七メートル、七街区では、APプラス二・二六メートルからAPプラス五・四四メートルであり、平均でAPプラス三・二九メートルとなっております。
○小林委員 今確認をした地下水位ですけれども、地下水位が一番高いところはAPプラス五メートルを超えているようですが、それはどこの地点なのでしょうか。
多くの箇所で五メートルを超えているということなのか、あるいは五メートルを超えた地点には特徴的なことがあるのか、お伺いいたします。
○鈴木技術調整担当部長 地下水位は、建物周辺の外周部で二十カ所、建物下で十三カ所の計三十三カ所で計測しております。
十月二十三日の計測でAPプラス五メートルを超えていたのは、五街区の一カ所と七街区の一カ所の計二カ所でございます。これらはいずれも植栽部に設けられました観測井戸における水位でございまして、二十五日の計測では、APプラス五メートルを超過した井戸は一カ所でございます。二十三日にはAPプラス五・四四メートルだったものが、APプラス五・一三メートルと、約三十センチ低下しております。
○小林委員 台風により水位が一時的に上昇したものの、二日後には下がってきているとのことですが、さらに懸念をされるのが地下ピットの中であります。
経済・港湾委員会の質疑の中で、我が党の上野和彦議員より、昨年、盛り土がなく、地下ピットが問題とされていたとき、地下ピットに水がたまっている映像が流されました、それは本当にショッキングな話で、不安を助長させた、もう二度とこういったことが起こらないようにしていただきたい、地下ピット内に二度と水がたまることがないように、肝に銘じて万全の対策を行ってもらいたいと、繰り返し強く要望してきたところであります。
台風二十一号による大雨で地下ピットに水がたまるようなことがなかったのか、確認をいたします。
○鈴木技術調整担当部長 二十一日の土曜日と二十二日の日曜日でございますが、台風の接近に伴いましてかなりの降雨が予想されたことから、必要な体制を整えて地下ピット内の釜場からの排水作業を実施いたしました。
これによりまして、地下ピットでの地下水位は、二十三日の計測結果によりますと、十三カ所全ての観測地点で地下ピット床面より低く、床面に水がたまるといったような状況にはなっておりません。
○小林委員 今のご答弁で、台風の降雨後に地下水位が五メートルを超えてしまったのは、植栽部に設けられた観測井戸の二カ所とのことでありましたが、こうしたことに対し、今後、地下水管理システムを有効に機能させていけるのかが重要であると考えます。
今後、地下水管理システムの機能強化に取り組んでいくはずでありますが、今回のような地下水位が高い植栽部に都としてどう対応していくのか、最後にお伺いいたします。
○鈴木技術調整担当部長 植栽部などの地下水位の高い箇所では、地下水位の低下工法として実績のあるウエルポイント工法により地下水位の低下を図っていくことといたしまして、現在、入札契約手続中でございます。
これに加えまして、現在実施しております揚水井戸からの揚水や観測井戸からのバキューム車による揚水、地下ピット内の釜場からの排水を継続いたしまして地下水位の低下を図ってまいります。
○小林委員 都議会公明党が今まで一貫して訴えてきた柱の一つは、この地下水位をどうコントロールしていくのかということであります。
このたびの台風でも地下ピットには水がたまることがなかった、また、地下水位が高い緑地部では、ウエルポイント工法という地下水位を下げるための工法を行うとのことでありますが、今週末から来週にかけて、また台風二十二号が本州に近づくとの予測もされております。改めて、今後とも、地下ピット内に二度と水がたまることがないよう、油断なく万全の対策を講じていっていただきたいということを強く求めたいと思います。
また、先ほど土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会についてお伺いいたしましたが、この協議会が直近で開催をされたのは、昨年の十一月七日の開場予定を間近に控えた昨年の六月二十八日でありました。この日の会合の席上、出席されていた市場関係者の発言を、昨年の経済・港湾委員会での私の質疑の中で紹介をさせていただきました。その方は、きれいな市場をつくってくれた東京都に本当に感謝しているんです、東京都が熱い声で、完全な完璧な市場なんだと声を大にしていってもらいたい、このように発言をされておりました。
豊洲市場の一連の問題が発覚してからのこの一年間、さまざまな課題に対処してきたことと思いますが、これから移転までの一年間、こうした思いで豊洲市場への移転に思いをめぐらせてきた方々の心を、私たち議会も、そして都の職員の皆様もよくよく心にとどめて前進をしていきたいと申し上げまして、私の質問を終わります。
○山崎委員 それでは、質問をさせていただきたいと思います。
まず、昨年を振り返っての話をさせていただきたいと思います。昨年は、この二十七年度中央卸売市場会計決算、我々都議会自民党は認定すべきであるという意見を表明させていただきました。その際に認定すべきとした主な理由を改めて申し上げておきたいと思います。
築地市場の豊洲市場への移転は、都政における重要な施策の一つでありました。中央卸売市場当局が、要は、予算審議のときの説明と異なる執行をしていたという事実は許されざることであります。しかし、重要なことは豊洲市場の安全性の確保であり、二十七年度決算審議においても、土壌汚染対策等の関係法令にのっとった安全性が豊洲市場で確保されていることには疑いがないということであります。こうした点から豊洲市場関連の執行を確認し、認定することとしたのであります。
また、いうまでもありませんが、この中央卸売市場会計の決算は、豊洲市場だけでなく、都内の十一の中央卸売市場の予算執行を審査するものであるということであります。
こうした認識に立って、我々は、平成二十七年度決算審査に、主に三つの観点を通して臨みました。
第一に、第九次卸売市場整備計画の最終年度として、その実施状況と経過期間五年間の成果、第十次計画への課題の反映、そして、第二に、市場における品質衛生管理の取り組み内容、そして、第三は、地方卸売市場を中心とする多摩地域における市場事業の状況についてなど、中央卸売市場がこの公共性を十分に発揮するため、その成果と課題について確認した上で、議会におけるPDCAサイクルを途切れさせず、その後の予算審議につなげるためにも認定をすることとしたものであります。
そもそも、九月の定例会と十二月の定例会の間のこの時期に二十八年度決算審査があるのは、都の行財政運営に必要な提案や提言を行って、都議会のチェック機能を果たしていくためであります。
それはつまり、前々年度、要するに二十七年度に編成した予算を二十八年度に執行し、ことしの春に確定した執行状況を秋のこの時期にチェックして、そして、それを来年の春、三十年度予算に生かしていくという一連のプロセスの中で、都議会が必要な提案、提言を行って翌年度予算案や執行体制への反映を理事者に促して、そして行政サービスの向上を図っていくということであります。
だからこそ、決算特別委員会において十分な審査をした上で、各会計について意見の開陳を行っているのでありまして、理事者側は、その意見を踏まえて翌年度の予算案を編成して、予算特別委員会の審議を経て予算が成立するという大きな流れが続いていくのであります。
このような観点から、我々都議会自民党は、二元代表制のもとでの自治体運営における節目としての決算審査に臨んでおり、今回も、中央卸売市場の事業全般にわたって平成二十八年度執行状況を確認していきたいと思います。
そこで、平成二十八年度決算はどのような決算かを考えてみますと、都議会が議決をした後、昨年十一月七日に豊洲市場へ移転をするという平成二十八年度予算が、実際は、八月三十一日に知事が突如行った会見で、議会への何ら説明もないまま移転延期を決断して、その結果、豊洲市場へ移転しないこととなった決算となったわけであります。
移転延期の手続はおろか、移転を大前提とする二十八年度予算は、何らの補正も行われないまま執行をされました。なぜでしょうか。このことこそが二十八年度決算の大きなポイントであります。このため、移転を前提とする予算との対比で決算を審査することに難しい面があることは否めません。当初予算と異なる執行を、なぜ補正を組まなかったのでしょうか。なぜそのまま進めたのでしょうか。私は、知事の政治的、また道義的責任は極めて大きいと思います。
しかし、このことをもって、直ちに決算を不認定にすべきだとは考えておりません。都民のために各種事業を着実に前に進めるためには、都議会としても、自治体運営の大きなマネジメントサイクルの中で、事業の成果と課題を明確にし、改善に向けた取り組みを促していくことが必要であるからであります。
そこでまず、平成二十八年度予算の補正を行わなかったことにより、予算と決算において、具体的にどういった点が、内容が異なっているのか、伺いたいと思います。
○松永管理部長 平成二十八年度においては、築地市場を通年で運営するとともに、豊洲市場開場前の施設の管理を行ったことから、決算では、支出科目のうち市場施設の維持管理に関する経費である管理費において、当初予算に対して増減が発生しております。
具体的な主な増減は、築地市場の場内警備、清掃、設備保守などの各種業務委託費及び施設の稼働に要する光熱水費が年間経費となりまして増加する一方で、施設管理のみを行った豊洲市場に関するこれら委託料、光熱水費は減額となっております。
○山崎委員 先ほども申し上げましたが、豊洲市場への移転が延期されたことにより、予算と決算は、当然、例年になく大きく乖離をしたわけであります。
しかし、中央卸売市場は、もちろん築地と豊洲だけではありません。葛西、北足立、足立、そして食肉、大田、板橋、豊島、淀橋、世田谷、多摩ニュータウン、こうした都内の十一の卸売市場を運営し、都民全体に生鮮食料品等を安定的に供給することが事業の本質であって果たすべき役割であります。
平成二十八年度は、第十次卸売市場整備計画を策定した年度で計画初年度でもあります。老朽化を初めとした卸売市場が直面する課題をどう認識し、築地、豊洲以外の市場の施設整備をどのように進めたのか、その実績について具体的に伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 第十次東京都卸売市場整備計画におきましては、生鮮食料品等を安定的に供給する基幹的インフラでございます卸売市場として、必要な施設の維持更新などの老朽化対策や環境対策に加えまして、卸売市場を取り巻く環境の変化を踏まえ、品質衛生管理の高度化など、時代の要請に応える取り組みを推進していくことが重要としてございます。
平成二十八年度におきましては、各市場の施設設備の状況を踏まえまして、老朽化したエレベーターや受変電設備の改修、照明器具のLED化など、必要な維持更新工事を実施するとともに、物流機能の改善や機能強化を目的とした施設整備に着手したところでございます。
○山崎委員 築地市場に限らず、ほかの十の市場においても施設設備の老朽化は進んでおり、計画的に補修や更新などのメンテナンスを行うことは、施設を長く使用していく上で不可欠であります。
また、卸売市場は、冷蔵庫や低温倉庫などの施設でエネルギーを大量に消費する大規模事業所であり、省エネ型の器具や設備の導入は、地球温暖化対策の観点からも、今後も積極的に取り組むべきと考えます。
各市場の機能を維持するため、老朽化対策を着実に行うのは当然に必要でありますが、加えて、各市場を、それぞれの特性を踏まえつつ、どのように機能強化していくかも、もちろん重要であります。
先ほど、実績とかそういった部分を聞いておりましたが、第十次整備計画では、各市場の機能強化に向けてどのような方針を立てて進めているのか、伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 生鮮食料品等の流通構造が大きく変化する中で、都内の卸売市場が今後ともその役割を着実に果たしていくためには、各市場がみずからの特性を踏まえまして、創意工夫しながら特色のある市場づくりを行っていくことが求められてございます。
都内十一の中央卸売市場は、施設規模や立地、取扱数量、商圏など、それぞれ大きく異なる特性を有してございまして、それらを踏まえ、各市場において目指すべき将来像を明確にし、小売店やスーパーなどの実需者などからの要請に応えられるよう、戦略的な機能強化の取り組みを進めていくための検討を行ってまいります。
○山崎委員 今、松田部長からも答弁の中でありました。とにかく、要請にしっかり応えられて、戦略的な機能強化の取り組みを進めるために検討を行っていくという、今お話がありました。
十一の市場は、都心部にある市場もあれば、埼玉や千葉、神奈川の各県に隣接する市場もあります。スーパーや量販店の需要が高い市場がある一方、飲食店等の買い出し人が多い市場もあるなど、それぞれの市場ごとに個性があり、多様性を有していると思います。
各市場が、都民の毎日の食卓を支えるのみならず、食生活や暮らしに彩りを添える役割を果たしていくために、みずからの個性を生かした特色のある市場づくりに積極的に取り組んでいくことを大いに期待しております。
今後、十次整備計画に基づき、市場施設を計画的に整備し、機能強化を進めていくこととなるわけでありますが、都として具体化を図るためにどのように取り組んでいくのでしょうか、所見を伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 第十次整備計画におきましては、各市場において経営戦略を策定することとしてございまして、その策定に当たりましては、東京都と市場関係業者が一体となって検討組織を立ち上げ、短期的取り組みと中長期的取り組みとを分けて検討した上で、都として具体的な方向性を取りまとめ、さらなる機能強化を行ってまいります。
例えば、大田市場青果部におきましては、この経営戦略を踏まえまして、物流機能の改善を図るため、狭隘化が進む敷地において、荷さばき場の建てかえを行うとともに、重層化した上層部に加工パッケージ施設を整備するなど、業界との連携を図りながら実効性のある取り組みを推進してまいります。
○山崎委員 今、例えで、大田市場の例が答弁の中でありましたが、私は、いろいろなところからお話を聞くと、各市場によって温度差があるとも聞いております。やはり経営戦略をしっかりと業界に、皆さんと一緒に連携をしながら進めていくことが第一。そして、各業界のそれぞれの皆さんに、やる気や意欲、こういったものをどのように都が主体性を持って出してもらうか、私はこれが非常に大きなポイントになると思います。だから、市場関係者が一堂に会して、そして、市場の将来を議論するということが何よりも大切なことと思いますので、その点はよろしくお願いをしたいと思います。
各市場が一つの組織として、開設者である東京都と市場関係業者が一体となって、目標とする市場の将来像を明確にし、目標の実現に向かって連携をして取り組むことが求められているわけであります。五年間の計画期間はあくまでも一つの区切りであって、さまざまな環境の変化に対し、必要に応じて戦略を立て直して継続的に取り組んでいくことが重要であると、また考えるわけであります。
続きまして、市場における品質衛生管理の取り組み内容について確認をしていきたいと思います。
生鮮食料品を扱う卸売市場においては、場内で取引される野菜や果物、魚介類や牛肉、豚肉などの品質衛生管理に万全を期すことが極めて重要であることはいうまでもありません。
そこで、昨年度、品質衛生管理について、どのような課題認識のもとで具体的な取り組みを行ったのか、まずお尋ねします。
○白川事業部長 都民に安全な生鮮食料品を提供するためには、事業者みずからが品質衛生管理の取り組みを自主的に実施していくことが重要でありまして、有効であると認識しておるところでございます。
各事業者においては、施設の清掃点検や温度管理等の一般的な衛生管理項目を網羅した品質管理マニュアルをみずから作成することとしておりまして、現在、水産、青果及び食肉の全卸売業者でマニュアルを作成し、現場で活用しているところでございます。
平成二十八年度は、このうち卸売業者五社に対しまして、マニュアルに基づく衛生管理の取り組み状況を現場巡回により確認、指導するなど、事業者の継続的な取り組みを促したところでございます。
また、食品に関する事故等の情報を収集、周知する体制である安全・品質管理者制度、SQM制度と申しておりますが、これに基づく取り組みの一環といたしまして、品質衛生管理の専門家による研修会を二回実施するとともに、食品危害の発生を想定した情報伝達訓練を行ったところでございます。
これらによりまして、事業者における自主的な品質衛生管理の取り組みを支援したところでございます。
○山崎委員 市場内で取り扱う商品の品質衛生管理については、開設者である都と、そして、卸売業者などの市場業者とが協力をして対応する必要があると思います。今後も、ソフト、ハード両面で、さらなる品質衛生管理の高度化に取り組んでいただきたいと思います。
また、都内には、中央卸売市場だけでなくて十二の地方卸売市場があり、これらは、多摩地域を中心に、都内の生鮮食料品等の流通において重要な役割を果たしております。
先ほども質問があったと思いますけれども、こうした地方卸売市場に対して、都は指導や補助金等の支援を行っておりますが、指導監督で具体的にどのようなことを行っているのでしょうか。また、平成二十八年度に行った施設整備事業費補助、そして管理衛生費補助、地域貢献事業補助、こういった補助金の支援の実績についてお伺いをしたいと思います。
○白川事業部長 都は、地方卸売市場における取引の公正性を確保するため、毎年、都内全十二市場を巡回し、荷受けから販売、保管などの業務運営状況や施設の現況などについて確認をし、必要な指導を行っているところでございます。
このほか、定期的に卸売業者の財務状況や経営実態を把握し、経営改善につなげられるよう助言等を行う経理検査も実施しております。
また都は、中央卸売市場とともに都民の食生活を支える地方卸売市場の運営を支援するため、助成事業を実施しておりまして、平成二十八年度は、施設整備事業費補助として約四千五百万円、管理衛生費補助として約七百六十万円、また、地域貢献事業補助として約三十七万円を補助しているところでございます。
今後も引き続き、ソフト、ハードの両面から、地方卸売市場業務の適正かつ健全な運営の確保に努めてまいります。
○山崎委員 今、白川部長が答弁の中で、三つの、施設整備事業費補助は四千五百万円、そして管理衛生費補助が七百六十万円、地域貢献事業補助が三十七万円と。ですから、これを見ると、いかにその施設整備事業費補助四千五百万がその大半を占めているか、そういったことがわかりました。
そこで、地方卸売市場に対する施設整備事業費補助について、具体的な対象施設、そしてまた、補助率をお伺いしたいと思います。
○白川事業部長 施設整備事業費補助は、卸売り場などの基幹施設や加工処理施設の事業費に対し、それぞれ十分の四から五分の一までの補助率によりまして補助金を支出しているところでございます。
平成二十九年度から平成三十三年度にかけましては、照明設備のLED化などの省エネ対策や、特定フロンの生産全廃を見据えた冷蔵施設の更新などの事業につきまして、補助率を二分の一に設定いたしまして事業者の自己負担の低減を図り、地方卸売市場が取り組む省エネ、環境負荷低減事業に対して重点的に支援することとしております。
○山崎委員 補助率はわかりました。昨年度の当分科会において、我が党の清水議員が地方卸売市場について質疑をやらせていただきました。その際、地方卸売市場に対する補助金をより使いやすく見直していく必要があるのではという指摘をさせていただいたわけであります。
省エネ、環境負荷低減事業への補助率を上げて使い勝手をよくしたことは、我が党が決算審査において指摘をした課題に対して、理事者側が引き続く予算編成において課題を改善していくというPDCAサイクルの一つの例といえるわけであります。
地方卸売市場は、先ほど来、質問もありましたけれども、民設民営の市場でありますが、一般の民間企業と異なり、多摩地域を中心に都民生活を支える公共的な役割を有する、都民にとって大変重要な施設でもあります。地方卸売市場の開設者は、厳しい社会経済状況の中、さまざまな経営改善を行いながら事業を運営しているのでありまして、都としても、地方卸売市場の公共性を踏まえつつ、指導や支援のさらなる充実を図ってもらいたいことを要望したいと思います。
これまで、中央卸売市場各場の施設整備や活性化、品質衛生管理など、事業の根幹となる事項について確認をしてまいりました。もちろん、ほかにも、市場業者への取引業務指導や広報PR事業などさまざまな事業を実施しておりますが、卸売市場の公共性という観点から特に重要と思われる点について質疑を行い、各事業とも、課題を克服すべく平成二十八年度予算を執行してきたことが、今の答弁の中でも確認ができたわけであります。
そして、これらの事業を実施する基盤となるのは、市場会計の健全性であります。平成二十八年度決算は赤字となりましたが、その要因は、豊洲市場へ移転をするという、いわば市場事業にとって特殊な時期にあって、移転に向けてさまざまな準備を行い、また、豊洲市場と築地市場の二つの市場を同時に管理するという状況であったためと考えられます。
そして、ここであえて触れざるを得ないのは、今後、築地市場から豊洲市場へ移転をし、開場しても、恐らく市場会計は赤字となることが予想されるということであります。しかし、ただ単に、赤字だから豊洲市場への移転はだめなんだと判断するのはおかしいのであります。この赤字は、使用料を値上げせず現状のままであることを前提としております。
では、赤字を解消するためには、単に使用料を値上げすればいいとなるかというと、そんな単純な問題ではありません。
例えれば、東京都は大家であります。市場業界はたな子であります。市場機能は、たな子である市場業界が健全に経営をしてこそ十分に発揮されるものであります。大家である都は、市場業界が働きやすい状態に環境を整備することが真の役割だと私は思います。
使用料を単純に値上げすれば、市場会計の収支は一時的に改善するかもしれませんが、業界の経営は、もちろん今まで以上に苦しくなり、市場機能が十分に発揮されなくなるわけであります。つまり、市場事業を適切に運営するためには、使用料と業界経営とのバランス、このバランスが大切なものとなってきます。
豊洲市場は、土壌汚染対策も行い、多額の建設費も投入をして整備しましたが、多様なニーズに対応をするため、品質衛生管理においても、物流の高度化においても、最先端の機能を有する豊洲市場が必要だからこそ整備をしたものであります。
そして、豊洲市場への移転後も市場の持続可能性という観点から資金面の収支を見てみると、平成二十八年度決算においても、バランスシートを確認すると、現金預金は一千八十一億円あり、現時点において持続可能性は十分担保されているといえます。赤字だから移転をしないなどと短絡的に判断するのではなく、今後の都民への生鮮食料品の安定供給をどう確保していくのかという中央卸売市場の原点に立ち返って判断すべきであり、そのように判断するなら、間違いなく豊洲市場へ移転すべきという結論になるのであります。
その上で課題をいかに解決していくかが重要な観点であり、そのためには、今後とも、コスト削減、新たな収入確保に向けた取り組みなど、効率的な事業運営を続けていくべきであるということはいうまでもありません。
引き続き、経営努力を行いながら、さらなる財政基盤の強化に努めていただくよう、この点も強く要望をしておきます。
前段でも指摘をさせていただきましたが、豊洲市場へ移転をする予算と、移転を延期し、築地市場において年度末まで営業した決算とは、もちろん大きな乖離がありますが、中央卸売市場の事業全体を見れば、課題の解決に向けて事業が進められてきたこと、そして、さらなる改善を進めるべく事業に取り組んでいることが確認ができる点、こういった点をこの決算への評価として申し上げておきたいと思います。
理事者である市場当局は、本日の議論を踏まえた所要の対応を進め、一方で、我々都議会は、冒頭に申し上げた決算審査を中核とした議会におけるPDCAサイクルを途切れさせないで今後の予算審議につなげていくべきと改めて申し上げて、私の質問を終わります。
○あぜ上委員 それでは、私からは豊洲市場の建設費について質疑をしたいと思います。
資料も作成していただきましたが、二〇一六年度末までの執行済額は二千五百七十四億円と。当初計画が九百九十億円でしたから、実に二・六倍の費用がかかりました。なぜこのように建設費がふえてしまったのか、その要因を明らかにすることは大変重要だというふうに思います。
そこで、何点か伺いたいと思います。まず、水産卸売場棟ほか建設工事(その二)外で、決算額が一千二百四十八億六千七百九万一千百二十六円で、約五十九億円もの不用額が決算で出ておりますが、その理由をお示しください。
○佐藤施設整備担当部長 豊洲市場の水産卸売場棟ほか建設工事(その二)外の予算現額につきましては、建物の建設工事に加え、地下水管理施設や歩行者デッキの整備等に関する工事も含めまして、平成二十七年度予算を繰り越して計上したものでございます。
これらの工事につきまして、執行段階で内容を精査した上で工事を進めました結果、予算額の執行残が生じたものでございまして、予算の執行率は九五・五%となってございます。
○あぜ上委員 ありがとうございました。
これで、豊洲市場の主な建物の建設費、ほぼ確定ということになるわけですが、先ほども申し上げたように二千五百七十四億円。建設費増加の要因の一つに、市場業界からの要望に応えるための設計変更や追加工事がありましたが、特に建設費が伸びたのは、二〇一三年十一月の入札不調に伴う対応によるものでありました。
二〇一三年十一月の入札では、工事を急ぐ都は、入札参加企業へのヒアリングを行い、工事面積を減らした上で、予定価格を六百二十八億円を一千三十五億円というふうにしたわけです。
一・六倍にはね上がったということ、このことについてはどう総括をされているでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 平成二十五年度の豊洲市場建設工事の当初の予定価格につきましては、前年度までの工事で低入札と低価格の傾向が続いておりました状況を前提に、予算の範囲内で積算を行ってございました。
しかしながら、入札不調後、東日本大震災の復興工事が本格化したことなどによりまして、人件費や建設資材価格が上昇し始めていた状況等を踏まえまして、改めて予定価格の見直しを行ったところでございます。
○あぜ上委員 確かに資材の高騰や人件費の高騰という事態はあったわけですが、しかしながら、一・六倍といった増額率は高過ぎるのではないかと思うのですが、人件費や、また資材の高騰をどの程度と見込んだ結果なのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 当時は、東日本大震災からの復興や経済復調によりまして、全国的に建設工事が増大し、職人の不足に伴う人件費や専門の職人を要する工事費などの急騰、建設資材価格の上昇が始まっておりました。特に豊洲市場につきましては、施設規模が非常に大きく、躯体工事の割合が高いという特徴から、こうした状況が建設工事費により顕著にあらわれたものと考えてございます。
そこで、実勢を的確に反映しますため、直近の標準単価や建設資材定期刊行物などの採用と合わせまして、設計会社や資材メーカーへのヒアリングなどにより状況を把握した上で積算しました結果、予定価格が上昇したものでございます。
○あぜ上委員 例えば、一般財団法人の建設物価調査会の建設資材と工事費単価の推移と今後の動向の解説を読みますと、確かに東日本大震災の年の単価より二〇一四年度の単価は人件費も高騰していますが、普通の作業員で単価差は六・三%、鉄筋工で一四・二%です。鉄筋工事については三五・五%。東京で一・六倍というものはありませんでした。
また、同じ年の七月に、やはり一度目の入札が不調になった、そして十月に再入札となりました武蔵野の森総合スポーツ施設の場合は、上昇分は一割を切っております。
躯体工事の割合が高いという、今ご説明もあったのですけれども、そうはいっても、なぜ一・六倍にふえたのか、これではよくわからないといわざるを得ません。
異例なことに、二〇一三年十一月の入札不調後に、不調になったJV、共同企業体へのヒアリングを行っているわけですね。このヒアリングなんですが、具体的にどのような内容のヒアリングを行ったのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 委員お尋ねのとおり、建設工事の入札の不調後、不調の翌日に、建設会社三社においでいただいてヒアリングを行ったところでございます。
具体的には、建設会社から、入札を辞退した理由、発注者への意見要望、再発注した場合の入札参加の有無などの回答を受けたところでございます。
○あぜ上委員 その建設会社からの聞き取りの資料も読ませていただきました。そうしましたら、やはり各社から共通して出されていたのは、予定価格の引き上げの期待、それと再入札の参加希望だったわけです。
その後、再入札をして、どこのJV、共同企業体がこの建設工事を請け負ったのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 ヒアリングの対象につきましては、委員おっしゃるとおり、各街区の建設工事において入札への参加を辞退しましたそれぞれのJVの代表者である鹿島建設、清水建設、大成建設の三社でございます。また、最終的に工事を請け負いましたのは、鹿島建設、清水建設、大成建設を代表者とする各JVでございます。
このヒアリングは、不調であったことについて何が原因であったかを確認するために、入札に参加されたけれども不調並びに辞退であった結果を受けた当事者の皆様に、いち早くヒアリングを行うことを前提として行ったものでございます。
○あぜ上委員 今ご答弁いただいたように、結局、建設工事は、ヒアリングを行った鹿島と清水、大成を中心としたJV、共同企業体が受けたということなわけですね。しかも、その落札率は九九・八七%となっております。
そして、その後、減らした分の工事についても、それぞれ同一の共同企業体と随意契約を結んで工事が施工されたと。
結果、先ほどの資料で示されているように、二〇一六年度末までの建設費の執行済額が二千五百七十四億円だったと。設計などもこの建設費には含まれているということですから、全てがJV、共同企業体が受注した金額ではありませんけれども、ほとんどの金額がそうだということであります。
二〇一六年第三回定例会で、我が党が一般質問において建設費の高騰についてただしたことに対し、知事は、市場問題プロジェクトチームに豊洲市場の建設費について検証をお願いしているとご答弁されていましたが、市場問題プロジェクトチームで検証したのでしょうか。
○長嶺財政調整担当部長 市場問題プロジェクトチームでは、平成二十九年一月二十五日に開催された第五回会議におきまして、座長から、建設費、入札の経過を内部統制チームで検証しておりますと発言がございました。
また、平成二十九年六月十三日付の市場問題プロジェクトチーム第一次報告書には、豊洲市場の建物建設費用が高騰した経過に関する記載がございます。
○あぜ上委員 今のご説明では内部統制チームで検証しているということですが、そうなりますと、この都政改革本部ではどのような検証結果だったのでしょうか。
○長嶺財政調整担当部長 都政改革本部では、平成二十八年十一月一日の第三回会議から平成二十九年二月一日の第六回会議まで、四回にわたって豊洲市場の整備費について報告されております。
第六回会議では、豊洲市場建設費増加の主要な要因として、見積価格が高く、かつ入札制度が一者入札で行われたということ、このように見てよいのではないかと思いますと、内部統制プロジェクトチームから報告がございました。
○あぜ上委員 見積価格が高く、かつ入札制度が一者入札で行われたという、この報告については、市場としてどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 先ほどお尋ねのヒアリングの件も含めてご答弁させていただきますと、平成二十六年六月に、公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる公共工事の品確法でございますが、こちらが施行されたところでございます。こちらにおきましては、発注者の責務として、入札者または落札者がいなかった場合において、当該入札に係る工事の全部または一部の見積書を徴取することなど協力を得て再度積算を行い、公共工事の発注者責任として、できる限り速やかに契約締結に至るよう努めるということが定められた実情がございます。
私どもが発注した時期は、ちょうど平成二十六年二月が再入札の時期でございますので、この法律の施行前ではございますが、それまでの低入札、低価格情勢から背景が一転したところでございまして、私どもがこの公共工事を責任を持って進めるということについては、きちんと対応したものと考えてございます。
○あぜ上委員 背景が一転したからだというご答弁が今あったのですが、知事は、二〇一六年十月の本会議の答弁で、都民に開かれた場で、なぜこのような額になったのか、その理由を明らかにしてまいりたいと考えておりますとご答弁されていますから、都政改革本部で、なぜこの見積価格が高くなったのかという点については、しっかりと調査をしていただきたかったなというふうに思っております。
都議会としても、ことしの二月二十二日に設置した百条委員会では、この豊洲市場の建設工事における契約についても調査事項に入れていました。残念ながらこのことについては、調査事項に入ったんだけれども、実際には調査が行われなかったということであります。
建設工事が入札不調になって、再入札に参加したいという共同企業体のトップの企業にヒアリングを行って、一気に建設工事の予定価格がはね上がったのですから、引き上げの要望に応えられなければ辞退するといわれたんじゃないか、また、そういう中で予定価格を引き上げざるを得なかったんじゃないかと疑問が残るわけです。
現に、二〇一三年、建設工事が不調になった当時、「しんぶん赤旗」の取材に対しまして、そのゼネコン関係者は、都は、二〇一六年三月の完成時期に間に合わないと焦っていたと語っていたといわれています。何が何でも築地市場を豊洲市場に移転させることを最優先させてきた、その結果といわざるを得ないというふうに思います。
そうした高額な費用のかかった建物であるにもかかわらず、使い勝手の問題で改修が必要になる、そういった事態などが起こっているわけですけれども、使い勝手の問題では、また新たに、床のコンクリートにひびがあり心配だと、こういった不安の声が寄せられております。
お話を伺ったところ、六街区の水産仲卸売り場棟の四階、物販のところなんですけれども、そこの床にひびが出ていると。あるお店では、長いもので四メーターから五メーター続いている。一つのお店で四本から五本、ひびが入っているということでありました。
ひびの原因は一体何なのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 委員のおっしゃる水産仲卸売り場棟四階の物販店舗の床面のコンクリートの一部に発生しておりますひび割れにつきましては、その幅、位置などから乾燥収縮によるものと考えてございます。
こういったひび割れは、コンクリート内の水分が蒸発することで収縮をし、この収縮に伴って発生するものでございまして、一般的に起こり得るものとされてございます。
また、ひび割れは表層部にのみ生じておりまして、構造上問題ないと判断してございます。
○あぜ上委員 構造上問題ないということにつきましては、私も専門家の方に、写真をお預かりして見ていただいたけれども、そうだろうというふうにおっしゃっていたのですけれども、先ほど一般的に起こり得るものというお話がありましたが、やっぱり、ひびは当たり前のものではない、やり方次第ではひびが入らないことも可能なんだという、そういった専門家の指摘もあります。
九月には都にも連絡したと、そういう業者の方のお話がありましたが、補修はされたのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 ひび割れのいただいたご質問に対しましては、その原因や構造上問題がないこと、今後の対応等について、事業者の方へ速やかに回答してございます。
このようなひび割れにつきましては、一般的な乾燥収縮によるものであるため、工事請負契約書で定められております工事完了日から二年以内の調査を踏まえまして、施工業者において補修することが当初より予定されてございまして、今後、開場の時期なども勘案して、適切な時期に補修してまいります。
○あぜ上委員 補修はこれからだということなんですが、いつ調査し、補修をするのか、四階を使用する物販の業者の方々は大変心配をされています。既に、内装工事が入ったお店などは修繕したところもあるというふうに伺っています。また、設計ミスではないかという不安の声も寄せられました。
原因については、きちんと調査を行って、そして説明会などをすべきだというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 今回の床のひび割れにつきましては、市場業者の方からのお問い合わせなどを受けて、直ちに、現場の状況を把握しております設計会社及び建設会社とともに現地を確認してまいったところでございます。こうした確認を経た上で、一般的に生じ得る乾燥収縮によるひび割れであり、構造上問題ないと判断してございます。
なお、豊洲市場の施設に関します市場業者の皆様からのさまざまなご意見に対しましては、都はこれまでも、業界からの要望への回答や業界団体による説明会等の場において都の考え方等をご説明してまいりました。
また、今回のひび割れに対するご質問など、個別のお問い合わせに対しましても適宜回答してございまして、引き続き、市場業者の方々に対し丁寧に対応してまいります。
○あぜ上委員 本当に丁寧に対応していただきたいのですが、丁寧に対応しているということなんですが、丁寧に対応してくださっていたら、不安の声が私のところに複数届くということはないと思うんですね。
四階の物販の市場業者の方々からは、大型冷蔵庫や物販ケースなど重い物を置くから、その重みが影響しているんじゃないかとか、また、直すといっても、大型冷蔵庫はもう入れているわけで、動かせなくなっているけれども、その辺はどうなるんだと、こういった不安の声も寄せられているわけです。
この間、市場関係者の皆さんと、私たちもいろいろお話をする機会が多くなりましたが、そういう中で、市場業者の皆さんが、豊洲市場にも将来が見えない、そして事業の計画を立てることさえできない、本当に苦しんでいると、こういう声をいっぱい聞いて、本当に胸が痛むわけですよ。もっと市場関係者の皆さんに心を寄せていただいて、丁寧というなら、ひびの原因についても、補修についても、市場業者の方々が本当に納得のいく、理解ができる、そういった説明をしていただきたいということを強く求めて終わりたいと思います。
○古城委員 私からは、中央卸売市場会計について、平成二十八年度における施設整備、経営戦略、さらには災害等危機への対応に関連して質問をいたします。
第十次東京都卸売市場整備計画では、市場の施設整備について、卸売市場として最低限求められる機能の確保や老朽化設備の維持更新、そして、省エネ、地球温暖化対策の推進のために必要な施設整備、これらを東京都が主体となり計画的に実施していくこととされております。
そこで、平成二十八年度における中央卸売市場の施設整備の実績についてお伺いをいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 各市場の施設整備につきましては、第十次東京都卸売市場整備計画に基づきまして、施設の老朽化対策や環境対策などに加え、加工パッケージ対応や物流の効率化などの機能強化の取り組みを推進しているところでございます。
平成二十八年度におきましては、各市場の状況を踏まえ、エレベーターや受変電設備などの老朽化設備の維持更新を初め、低温設備のノンフロン化や照明器具のLED化といった環境対策など、卸売市場として必要な施設整備を実施いたしました。
また、物流機能の改善や加工パッケージ施設などの機能強化を目的とした大田市場青果プロセスセンターの整備工事を開始したところでございます。
○古城委員 ありがとうございます。ただいまのご答弁によりまして、中央卸売市場全体の整備実績は理解をさせていただいたところでありますけれども、個別の市場を例に、具体的な整備状況を確認させていただきます。
私の地元新宿区にある淀橋市場では、平成二十八年度を初め、これまでにどのような施設整備が行われたのか、お伺いをいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 淀橋市場におきましては、平成二十八年度、老朽化しております卸売り場の荷物用エレベーターや、卸売り場の照明器具のLED化などの施設整備を実施したところでございます。
これに先立ちまして、平成二十三年度から二十六年度にかけまして、狭隘な敷地を有効活用し、低温施設を備えました新仲卸業者売り場棟を建設するとともに、これは古い方ですけれども、旧仲卸業者売り場棟の跡地に大型車両の待機駐車場を整備することによりまして、仲卸機能や物流機能の強化を図ったところでございます。
○古城委員 ありがとうございます。ただいまのご答弁によりまして、市場機能を維持するための施設整備のほか、狭隘な市場を効率的に活用していくという機能強化の取り組みがわかりました。また、新仲卸業者売り場棟が低温施設を備えましたと言及がございましたけれども、品質管理の高度化及び衛生対策の強化のための低温施設の整備が進められていることも改めて確認をすることができました。
都内の中央卸売市場は、築地市場のように大規模な市場や、また、今、言及をいたしました淀橋市場のように地域密着型の市場など、それぞれ特徴があると考えます。
淀橋市場は、一九三九年、昭和十四年から業務を開始した、七十八年という長い歴史を持つ卸売市場であります。
そこで、淀橋市場の特性とは何か、改めて都の見解をお伺いいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 淀橋市場は、敷地面積が約二・三万平方メートルと、都内の中央卸売市場の青果市場の中でも二番目に狭隘な市場でございます。
その一方、新宿エリアという一大消費地かつ人口密集地に立地してございまして、近隣の商圏には、飲食店やホテルだけでなく八百屋さん等の専門小売店など、多様な実需者が存在してございます。こうした立地条件を背景に、青果市場としての取扱数量は、平成二十八年実績におきまして約二十三万トンと、大田市場、築地市場に次いで三番目に多い市場でございます。
○古城委員 ありがとうございます。新宿に隣接をし、また、新宿にまさに立地をし、利便性が高く、青果で都内三番目の取扱量を誇る重要な市場である淀橋市場の特性を改めて理解させていただきました。
十一市場の中で、都内の一大消費地といえる地域のど真ん中にあり、それぞれの地域に根差した、密着した八百屋さんが多数買い出しに来られております。そうした中で、卸、仲卸、また小売店の皆様が知恵を出し合って始められたのが市場の日であります。淀橋市場直送の安全で新鮮な野菜や果物を都民の皆様に届けていただいております。
この市場の日、もともと語呂合わせで毎月十八日に行われていたものを、今は第三金曜日とされておりますけれども、こうした取り組みをしておられる市場関係者の皆様を積極的にこれからも支援していただきたいと要望させていただきます。
続きまして、経営戦略について質問をいたします。
全国的に少子高齢化等による社会構造の変化、そして、食料消費、小売形態の変化や消費者ニーズの多様化などによって、卸売市場を取り巻く環境は変化しているところでございます。こうした状況に着実に対応し、市場運営を確保していくためには、十一市場がそれぞれ特性を踏まえて創意工夫ある取り組みを推進していくことが重要であり、淀橋市場においても例外ではないと考えます。
淀橋市場の業者、そして業界の皆様は、市場運営の強化に大変意欲的でございまして、ほかの市場に先駆けて、平成二十七年度から経営戦略の検討を開始したと聞いております。
そこで、淀橋市場における経営戦略の検討の経緯についてお伺いをいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 第十次東京都卸売市場整備計画におきましては、全ての市場において、平成三十二年度までの計画期間内に、立地や顧客層など、それぞれの市場ごとに異なる特性を踏まえた経営戦略を検討、確立していくこととしてございます。
淀橋市場ではこれまでも、狭隘な敷地を有効に活用するための施設整備を実施してまいりましたが、さらなる機能強化を求める声が強く、平成二十七年度に、都と市場関係業者が一体となって経営戦略を検討していくこととしたところでございます。
検討に当たりましては、組織体を立ち上げまして、検討の手順といたしましては、淀橋市場の特性や強み弱みといった現状分析を行い、目指すべき将来像を明確化し、取り組みの方向性を取りまとめているところでございます。
○古城委員 ありがとうございます。先駆的に取り組んでおられる淀橋市場の経営戦略の検討状況につきまして理解をさせていただきました。引き続き、積極的な市場運営を行われている市場関係者の皆様の取り組みを支援していただきたいというふうに考えます。
現在、今ご答弁がありましたとおり、経営戦略を取りまとめているところでございますけれども、今後どのような取り組みを検討、実施されるのでしょうか、お伺いをいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 経営戦略につきましては、集荷面、販売面、機能面などの観点から、ソフト、ハード両面の取り組みを検討し、実施していくこととしてございます。具体的に申し上げますと、集荷面、販売面につきましては、実需者ニーズを把握した上で適した産地を選定し、例えば業務用取引の拡大などに取り組んでいくとともに、機能面につきましては、物流に関する調査を実施した上で具体的な機能強化策の検討を行ってまいります。
都心部に立地していることや、近隣の商圏に多様な実需者が存在しているといった淀橋市場の特性を踏まえまして、実効性のある方策を検討してまいります。
○古城委員 ありがとうございます。計画的に施設整備を図り、そして、運営面でも、市場関係者の皆様が連携をして将来を見据えた取り組みを検討、実施されていることを理解させていただきました。
次に、災害時の事業継続性について確認をさせていただきます。
今週の日曜日、二十二日には、世田谷、豊島、そして淀橋の各市場で市場まつりが行われました。市場まつりは、都民の皆様に、卸売市場と、そして生鮮食料品に対する理解を深めていただくとともに、食生活の向上や食育、花育の普及などを目的として、中央卸売市場の各市場において開催をされております。
私も、当日、地元の新宿区淀橋市場の市場まつりに足を運ばせていただきました。梨、それからリンゴなど旬の果物や野菜など、全国から集荷された新鮮な、まさに品ぞろえが充実をして、多くの買い物客でにぎわっておりました。月々日々の市場関係者の皆様のご努力とともに、年に一度である市場開放のイベントであることも相まって、地元の皆様、周辺地域の皆様に支えていただいている淀橋市場であることを実感いたしました。
さて、当日は、本州に上陸した記録的な超大型台風二十一号が東京へ接点をいたしておりました。この台風二十一号は、全国各地に甚大な被害をもたらしました。お亡くなりになられましたお一人お一人のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族並びに被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
都内の市場では、大きな被害はなく、通常どおりの取引が行われたと市場関係者の方から伺っております。
ところで、予報の精度が上がっている気象、気候とは異なり、突然発生をする大地震は事情が異なるのではないでしょうか。発災から六年七カ月となる東日本大震災、また、一年半となる熊本地震、これらの大地震の発生により、被災地の農林水産業は甚大な被害を受けました。被災地及び近隣の卸売市場においても、施設の損壊や交通網の分断で物流に大きな混乱が生じ、生鮮食料品の流通の拠点として、その機能を継続的に維持することが困難な事態に直面したことを忘れてはいけないと考えます。
こうしたことを踏まえて、大地震発生時に市場の機能が損なわれることなく生鮮食料品の流通が確保できるよう、災害時の事業継続性の強化に向けて取り組むべきであると考えます。
そこで、都はどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。
○松永管理部長 都の中央卸売市場は、東京都地域防災計画におきまして、災害発生時における生鮮食料品の流通を確保する役割を担っております。
この役割を果たし、大地震などの災害時においても市場業務を早期に再開できるよう、震災対策マニュアルを整備するとともに、応急復旧業務に必要な電源を確保するため、各市場へ災害用非常用発電機の設置を計画的に進めてまいりました。
しかし、昨年四月に発生した熊本地震では、熊本市内の田崎市場など熊本県内の市場で、老朽化した施設が損傷し市場業務が困難になるなど、生鮮食料品流通に大きな影響を及ぼしました。
このため、第十次東京都卸売市場整備計画では、事業継続計画、いわゆるBCPの策定や、応急復旧に必要な資機材の備蓄などを盛り込んだところでございます。
今後、本整備計画に基づきまして、災害時の事業継続性強化に向け、取り組みを進めてまいります。
○古城委員 ありがとうございます。
卸売市場に求められている社会的インフラとしての公共的役割、そして、整備計画にも示されている地域への貢献など、多面的な役割を果たすためには、毎日の取引業務を担っておられる市場関係者の皆様との連携した取り組みが重要であることはいうまでもありません。
引き続き、首都直下地震など大地震への備えを固め、災害時の事業継続性の強化に一層努めていただきたいと要望させていただきまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○米川委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十分休憩
午後三時六分開議
○米川委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○尾崎委員 私の方からは、豊洲新市場用地の地下水モニタリングについて幾つかお尋ねいたします。
地下水モニタリングは、本来、土壌汚染対策法のガイドラインに基づけば、汚染地域に指定された豊洲新市場用地は、土壌汚染対策工事完了後、二年間のモニタリング調査を行い、その結果、基準値をクリアして初めて汚染地域指定が解消されるものです。
二〇一六年度では、第九回目の地下水モニタリングの入札がありました。第九回目の地下水モニタリングの入札額と執行額は幾らなのか、お尋ねいたします。
○村井基盤整備担当部長 第九回地下水モニタリングの入札額は三百二万四千円であります。
執行額は、契約締結後、井戸の修復や現場において採水する器具を工夫するなど変更が生じたことから、三百四十七万九千七百六十円であります。
○尾崎委員 第九回目の地下水モニタリングの結果は、二百一本の観測井戸のうち、七十二カ所で有害物質が検出され、ベンゼンは環境基準の七十九倍を超えて検出、環境基準では検出されてはならないとされている猛毒のシアンやヒ素も検出されました。この結果は、都民や市場関係者に大きな衝撃を与えました。
地下水モニタリングについて検証するため、豊洲市場移転問題特別委員会では、ことしの三月四日にモニタリング業者の参考人聴取を行いました。
専門家会議では、九回目の地下水モニタリングの結果が、一回目から八回目のモニタリングの結果から見ても、急激に地下水の濃度が上昇したということから、専門家会議の指導のもとに地下水モニタリングの再調査が行われました。
そこで、専門家会議のもとで地下水モニタリングの再調査が行われたわけですが、かかった費用は幾らだったのか、伺います。
○村井基盤整備担当部長 第九回地下水モニタリングの結果が、これまでの調査結果と大きく乖離していることなどから、専門家会議の管理のもと、基準の五倍を超えた箇所を中心に地下水モニタリングの再調査を実施しました。
再調査は、専門家会議の中で継続的に調査を実施している会社が採水と分析を行い、加えて、これまでの地下水モニタリング調査で分析を行っていた会社二社と公的機関の四社で実施いたしました。
この地下水モニタリングの再調査に要した費用は約一千百万円でございます。
○尾崎委員 二〇一七年三月四日の豊洲市場移転問題特別委員会で、地下水モニタリングを請け負った業者の参考人聴取を行ったわけです。第九回目を請け負った湘南分析センターの参考人の証言で、五十九カ所でふぐあいがあったことが明らかになりました。
この間の特別委員会の質疑で、モニタリングポストの再設置を行った本数は百三十二本で、要した費用は約五千万円ということも明らかになっていますが、二〇一六年度決算では、モニタリングポストの再設置と費用はどのように計上されていますか。
○村井基盤整備担当部長 モニタリング井戸の再設置は、街区ごとの地下水管理施設整備工事などにおいて実施したことから、その費用を各工事費に計上しております。
○尾崎委員 費用は各工事費に計上しているということでしたけれども、それでは、二年間モニタリングにかかった費用は幾らになりますか。
○村井基盤整備担当部長 二年間モニタリング調査は、平成二十六年十一月より九回実施しております。
このうち第四回目から第八回目については、地下水管理施設整備工事の中で採水や分析を行っており、調査に要した費用を正確に算出することは難しいですが、経費率などを案分し試算すると、二年間モニタリング調査全体で要した費用は、概算で約七千万円弱となります。
○尾崎委員 二〇一七年二月から三月にかけて行われた専門家会議のモニタリング業者へのヒアリングでは、一回目から八回目までのモニタリングには、都の職員はほとんど立ち会っていないことがわかっています。第三回目のモニタリングで二回立ち会っただけですが、九回目のモニタリングは、十日間の作業で、そのうち九日間は都の職員が立ち会っています。
どうして九回目だけ都の職員が九日間も立ち会ったのか、伺います。
○村井基盤整備担当部長 第九回の受託業者は、豊洲市場での調査が初めてであり、照明や換気設備などがない地下ピット内での調査を含むことから、都の職員が、十日間の作業実施日のうち九日間立ち会いを行っております。
○尾崎委員 モニタリングを請け負った業者は、一回目から三回までは、地下水管理システムの設計にかかわった日水コンです。しかし、パージ作業について、一回目から三回目までは各街区のJVに委託したことが専門家会議のモニタリング業者へのヒアリングで明らかになっています。
パージ作業を各街区のJVに委託したのはどこの判断ですか。日水コンの判断か、都の判断なのか、伺います。
○村井基盤整備担当部長 パージ作業は、一回目から八回目まで、各街区のJVが実施しております。
各街区のさまざまな工事がふくそうして行われている中、工事の進捗に合わせながら、現場の安全管理を確保した上でパージ作業を適切に実施する必要があることから、都の判断でJVの工事の中で実施することといたしました。
○尾崎委員 井戸にたまっている水を引き抜くパージ作業と検査するための水を採取する作業は一体で行うという、私はそういう認識をしていたわけですけれども、土壌汚染対策工事や建設工事中で、現場の安全性のために、ただいまご答弁があったように、第一回目から八回目までは、各街区の建設工事を請け負ったJVにパージ作業を委託したのは東京都の判断だということです。
そうなると、第一回目から八回目までを通じて、パージ作業は各街区でJVに委託したということになるわけです。そうすると、土壌汚染対策工事を請け負ったJVが地下水モニタリングのパージ作業にかかわったということです。
土壌汚染対策工事の結果を検証する、土壌汚染対策工事の効果を見定めるための地下水モニタリングの作業を土壌汚染対策工事を請け負っていたJVが請け負うのは、公平公正な地下水モニタリングになるのか、やはり疑わざるを得ません。どうして第三者の事業所に地下水モニタリングを頼まなかったのか、科学的検証としてはやってはならないこと、禁じ手だといっても過言ではありません。
専門家会議のヒアリングで、採水しても濁っていたりなどの理由で、時間を置いてから再採水していたことが明らかになりましたが、いつ、どこの街区で再採水していたのか、伺います。
○村井基盤整備担当部長 再採水は、第一回目から第三回目までは、試料を確認し懸濁が認められた場合に、また、第四回目から第八回目では、液状化対策など、近くで地下水の計測に影響すると思われる作業があった場合など、分析値にその影響が出るのを防ぐために各街区で行っておりました。
なお、詳細については、本年五月に開催された第六回専門家会議において公表しております。
○尾崎委員 ただいまのご答弁で、再採水を行った理由が幾つか述べられたわけです。分析値にその影響が出るのを防ぐために行っているということでした。
再採水は、どこの指示、判断で行われたのか、伺います。
○村井基盤整備担当部長 第一回目から第三回では、試料を確認し懸濁が認められた場合に、都の指示で実施しております。第四回から第八回では、分析結果の速報値並びに周辺の現場作業の状況を確認した上で、都からの指示で実施した場合と受注者の判断で実施した場合とがございます。
○尾崎委員 ただいまのご答弁で、第四回目から第八回目までは、都の指示で実施した場合と受注者の判断で実施した場合があるということですが、都の指示した場所、そして、受注者のJVの判断で実施した場所は具体的にどこなのか、伺います。
○村井基盤整備担当部長 第四回から第八回では、分析結果の速報値並びに周辺の現場作業の状況を確認した上で再採水を実施しております。
五街区では、第四回から八回のいずれの回でも再採水を実施しており、このうち第四回は都の指示で、第五回以降は受注者の判断で実施しております。六街区では第四回から第六回、七街区では第四回で再採水を実施しており、いずれも都の指示で実施しております。
これらについては、本年五月に開催された第六回専門家会議において公表しております。
○尾崎委員 ただいまのご答弁で、六街区と七街区、そして、五街区については第四回目を都が指示したんだということでした。これは大変重要なことだと私は思っています。しかも、五街区については、五回目から八回目までは受注者であるJVの判断だったということです。
再採水について、専門家会議がヒアリングを行って報告もしています。先ほども答弁にありましたが、第一回目から八回目の地下水モニタリングにおいて、採取した地下水試料に濁り、懸濁物が多く含まれているとき、液状化対策など、近くで地下水の計測に影響すると思われる作業があった場合、分析値にその影響が出るのを防ぐために地下水試料を再採水したことが明らかになっているわけです。そして、専門家会議の報告には、都から、分析結果の速報値を見て、基準超過や今までの傾向と違う結果があったら再採水するよう指示があったというのです。これは、データの改ざんだといわれかねません。都民や市場関係者への情報を操作したのではないかと疑問が残るところでもあります。
しかし、第六回専門家会議では、地下水モニタリングにおける再採水について、別途資料がまとめられています。その中で、再採水について作業方法に問題はない、再採水の前にパージが行われなかったものも一部あるが、分析結果は有効と評価もしてあります。作業方法に問題がない、分析結果は有効だと専門家会議ではいわれていますが、本当にそうなのかと疑問に思ってしまうわけです。
ヒアリングでも、第一回目から三回目までは資料が残っていないことが明らかになっているんです。
そうであるなら、全ての観測井戸で、地下水モニタリングは最初からやり直す必要があるんじゃないでしょうか。改めて、今後二年間のモニタリングを行い、土壌汚染対策の効果を判断すべきものだと思います。
専門家会議は、再採水について有効だとする一方で、地下水基準に不適合な状態であった可能性があるとして、第五回目のC11-5及びC13-2、第六回目のE20-7、ここをベンゼンであると推測されると書いてあるんです。不適合な状態であった可能性があると指摘された、この青果棟の五街区のC11-5、C13-2、E20-7について伺います。
このうちC11-5、E20-7については、現在、調査している箇所に含まれていますが、C13-2については調査箇所には入っていません。C13-2について、現在行っている調査の箇所に入っていないのはなぜか、伺います。
○村井基盤整備担当部長 現在行っております地下水調査は、専門家会議の助言に基づき、市場用地全体の地下水質の傾向を把握するため、第九回地下水モニタリングで基準の五倍を超えた箇所を中心に、街区などのバランスを考慮した四十六カ所で行っております。
C11-5及びE20-7については、第九回で基準の五倍を超えていたことから対象としていますが、C13-2は、基準以下であったため対象としておりません。
なお、C13-2については、専門家会議で不適合とされた第五回を除いて、第九回まで環境基準以下でありました。
○尾崎委員 C13-2は基準以下だったから対象としていないということですが、専門家会議で、再採水にかかわり、地下水基準に不適合な状態であった可能性があると指摘したわけですから、一度でもそういう状況があれば、現在行っている調査の箇所にC13 2を入れるべきだと私は思っています。
これからでも追加で調査することを求めるわけですけれども、いかがですか。
○村井基盤整備担当部長 二年間モニタリングは、汚染土壌を掘削除去した区画を対象に、土壌汚染対策の効果の確認やリスク管理の一環として地下水質の状況を把握することなどを目的に実施したものであり、専門家会議の評価については、この二年間モニタリングの結果として行ったものと認識しております。
一方、現在行っている地下水質調査は、専門家会議の助言に基づき、市場用地全体の地下水質の傾向を把握するために実施しており、二年間モニタリングとは調査の趣旨が異なります。
先ほどもご答弁したとおり、調査箇所については、第九回地下水モニタリングで基準の五倍を超えた箇所を中心に選定しており、C11-5とE20-7は、第九回で基準の五倍を超えていたため対象としておりますが、C13-2は、基準以下であったことから対象としておりません。
○尾崎委員 二百一本の観測井戸のうち、七十二カ所から環境基準を超えるベンゼン、シアン、ヒ素が検出されても、全ての観測井戸での再調査はやらない。しかも、専門家会議で、再採水にかかわり、不適合な状態であった可能性があると指摘された箇所も、基準の五倍を超えていたところは調査するが、C13-2は基準以下だから調査しないということでは、安心・安全の市場は目指せません。本気で検証するというのであれば、C13-2も継続的に調査すべきだと要望するものです。
次に、二〇一七年三月四日の豊洲市場移転問題特別委員会で参考人聴取をしました。私はそのとき、第九回目のモニタリングを請け負った湘南分析センターに質問しました。
湘南分析センターの方は、一カ所、地下水が枯渇してしまったため、パージ後、地下水がたまるであろう翌日以降に採水をするように提案した箇所があったが、パージ水を分析試料として採水するよう指示があったと発言もしました。専門家会議の中でも、パージ水は、採水されたことにより、モニタリング結果としては不適切であると判断されました。再調査を行う必要があると判断されたのです。これは、いってみれば都の判断が間違っていたんだと思います。
しかも、湘南分析センターの参考人の方は、分析結果が暫定的なものという扱いを受けたことは極めて不本意というほかございませんと怒りを込めて発言し、ないものは検出されませんが、あるものは必ず検出されます、東京都が暫定値として報告したことで、私どもが受けた風評被害は実に大きいものがございます、データは慎重に取り扱っていただきたいと願っていますと切実に訴えられました。
東京都は、専門家会議で確定値とした後、湘南分析センターとの話し合いは行ったのか、伺います。
○村井基盤整備担当部長 受託事業者には、三月十九日の第五回専門家会議の審議を踏まえて、第九回地下水モニタリングの結果が妥当であると判断されたことから、暫定値から正式な値とすることを説明しております。
なお、このことを受けて、三月二十二日よりホームページにおいて、結果の取り扱いを暫定値から正式な値としている旨を公表しております。
○尾崎委員 湘南分析センターの方は、湘南分析センターは計量法に基づく計量証明事業所であり、湘南分析センターの一グラムは国家の一グラム、国家の一グラムは世界の一グラムというトレーサビリティーをモットーに、確かな計量を迅速に提供するために日々研磨している会社でございますと述べ、自分たちの仕事に誇りを持っていることが伝わりました。
しかも、高性能な分析機器を用い、万全を期すために複数台での分析機器を用いてデータを確認したにもかかわらず、分析結果が暫定的なものという扱いを受けたのです。湘南分析センターの方は、極めて不本意というほかございませんと怒りをあらわにしました。
私はその場にいて、東京都の誠意のなさに、それこそ怒りが込み上げてきました。湘南分析センターが受けた風評被害については、都が払拭する努力をしなければならないのではないでしょうか。
大事なことなので、もう一度伺いますけれども、湘南分析センターが受けた風評被害については、都はどのように認識しているのか、伺います。
○村井基盤整備担当部長 当時、受託事業者からは、会社などへのいたずら電話やメールなどがあったとお聞きしたことを記憶しております。
なお、第九回モニタリング調査の結果を暫定値として公表したことについては、三月十九日の専門家会議の審議を踏まえて、暫定値から正式な値としたことを受託事業者に対し説明するとともに、ホームページ上で、分析結果が妥当であったことと正式な値として採用したことを公表しております。
○尾崎委員 東京都の責任をもっと自覚すべきだと思います。ホームページに公表しているからという答弁をされましたけれども、それで風評被害は払拭できないんです。今回の問題では、都は湘南分析センターに謝罪し、誠意ある対応を強く求めるものです。
次に、第九回地下水モニタリングで地下水基準を超過する観測井戸が急増した理由について伺います。
○村井基盤整備担当部長 専門家会議では、各街区の地下水管理システムによる揚水が稼働を開始し、帯水層下部を中心に地下水流動に変化が生じたことが影響した可能性があるとしております。
また、透水性の低い土壌の間の汚染地下水が地下水管理システムの稼働によって移動した可能性や、局所的に土壌汚染が残存していた可能性などがあるとしております。
○尾崎委員 地下水管理システムによる揚水が稼働を開始し、帯水層下部を中心に地下水流動に変化が生じたことが影響した可能性があるというご答弁でしたが、その根拠は何でしょうか。
○村井基盤整備担当部長 街区周縁を遮水壁で囲まれた豊洲市場用地は、外部と地下水の行き来がない閉鎖された区域であることから、昨年八月から九月にかけて稼働を始めた地下水管理システムにより地下水を揚水したことで、地下水流動に変化が生じた可能性を専門家会議が指摘したものと考えております。
○尾崎委員 専門家会議が指摘したものと考えるということで、明確な根拠は示されませんでした。地下水管理システムが稼働したことで地下水の流れに変化が生じたことが、地下水モニタリングで環境基準を超過する観測井戸が急増した可能性があるということです。あくまで可能性なので、これが理由だとは断言できないわけです。地下水管理システムを稼働することは、最初からわかっていたことではありませんか。はっきりしているのは、汚染物質の塊が残っているということです。
そもそも、豊洲新市場の用地は東京ガス工場の跡地です。東京ガス豊洲工場は一九五六年に開設され、当時、東洋一とうたわれた大規模な都市ガス製造工場でした。三十年以上にわたり、三百六十五日二十四時間操業され、石炭や原油から都市ガスを製造する過程で、大量のタール、発がん性物質のベンゼン、猛毒のシアン、ヒ素、水銀、鉛などの有害物質が発生しました。ベンゼンなどを含むタールが地中深く大量にしみ込み、土壌や地下水が大規模に汚染されています。
先ほどの答弁にもありましたが、専門家会議でも土壌汚染調査や底面管理で把握できずに、土壌汚染対策後も局所的に土壌汚染が残存していた可能性があるとしています。
専門家会議のもとで再調査した結果は、ベンゼンは環境基準の百倍が検出され、その後の九月十四日に発表されたものでは、ベンゼンは環境基準の百二十倍が検出されました。調査した四十六カ所中三十八カ所で環境基準を超える有害物質が検出されているのです。これで食の安全・安心が確保されるとは到底いえません。
小池知事は、土壌も地下水も環境基準以下にする、無害化するという約束を放棄して、豊洲新市場への移転推進にかじを切りました。しかし、豊洲新市場用地は、土壌汚染が塊として今なお残っているのです。いつになったらきれいになるのか、明確にはできない。しかも、小池知事は安全宣言もできない状況です。
そうであるならば、豊洲新市場への移転の判断は、地下水モニタリングの今後の調査を踏まえて見直すべきだと厳しく指摘をして、質問を終わります。
○米川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○米川委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
以上をもちまして、第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時三十七分散会
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