平成二十八年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会速記録第三号

平成二十九年十月二十五日(水曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十一名
委員長神林  茂君
副委員長おじま紘平君
副委員長細田いさむ君
副委員長米倉 春奈君
平  慶翔君
三宅 正彦君
西沢けいた君
斉藤れいな君
河野ゆりえ君
田の上いくこ君
石川 良一君

欠席委員 なし

出席説明員
下水道局局長渡辺志津男君
次長津国 保夫君
総務部長安藤  博君
職員部長久我 英男君
経理部長田中 宏治君
計画調整部長中島 義成君
施設管理部長池田 匡隆君
建設部長佐々木宏章君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
IWA世界会議準備担当部長兼務
鈴木  豊君
技術開発担当部長小団扇 浩君
施設管理担当部長廣木 健司君
流域下水道本部本部長神山  守君
管理部長飯田 一哉君
技術部長猪八重 勇君

本日の会議に付した事件
平成二十八年度東京都公営企業各会計決算の認定について
下水道局関係
・平成二十八年度東京都下水道事業会計決算(質疑)

○神林委員長 ただいまから平成二十八年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、下水道局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより下水道局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十八年度東京都下水道事業会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○田中経理部長 さきの分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成二十八年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。
 二十三区における主な浸水被害状況の推移でございますが、平成二十四年度から二十八年度までの浸水棟数をお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。監理団体への委託内容と委託料の推移でございます。
 当局が所管しております監理団体、東京都下水道サービス株式会社への主な委託内容と過去十年間の委託料をお示ししてございます。
 三ページをごらん願います。区部下水道事業における収益的収支、資本的収支及び損益勘定留保資金の推移でございます。
 区部下水道事業の平成二十四年度から二十八年度までの収益的収支、資本的収支及び損益勘定留保資金をお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。再生可能エネルギーによる主な発電設備の規模と発電量の実績の推移でございます。
 項目ごとに、設備の所在する施設名、施設規模及び平成二十七年度、二十八年度における年間発電電力量をお示ししてございます。
 五ページをごらん願います。下水道マンホールと下水道管の接続部の耐震化が完了した施設数の推移と仮設トイレの設置ができるマンホールの数でございます。
 区部におけるマンホールと下水道管の接続部の耐震化が完了した施設数の推移及び仮設トイレの設置ができるマンホールの数をお示ししてございます。
 六ページをお開き願います。下水道局における長時間労働面接対象者数でございます。
 平成二十八年度の月別の長時間労働面接対象者数をお示ししてございます。
 七ページをごらん願います。下水道料金の減免実績でございます。
 区部において、平成二十八年度に減免措置を実施した使用件数と減免額の実績をお示ししてございます。
 資料の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○神林委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○斉藤委員 よろしくお願いします。私からは、主にエネルギー、地球温暖化対策事業についてと、流域下水道の震災対策について、また、障害者雇用達成や下水道PR、資産の有効活用についてお伺いさせていただきます。
 まず初めに、エネルギー、地球温暖化対策についてです。
 スマートプラン二〇一四やアースプラン二〇一〇に基づいて、焼却炉を順次、第二世代型焼却システム、また第三世代型焼却システムへと整備を行っておられることが、温室効果ガス排出量削減や省エネルギー効果に大きな効果を出しており、また先進的な技術を世界に先駆けて実用化していく取り組みとして高く評価をいたしております。
 まず、下水道における汚泥処理の従来施設を第一世代型として、第二世代型焼却システム、第三世代型焼却システムとはどのようなものか説明をお願いします。

○小団扇技術開発担当部長 かつての焼却炉では、汚泥焼却の過程で二酸化炭素の二百九十八倍の温室効果を持つ一酸化二窒素と呼ばれるガスが大量に発生しておりました。
 そこでこの課題を解決するため、一酸化二窒素の削減とともに補助燃料の削減も行える第二世代型焼却システムと呼ばれる技術を開発いたしました。
 この技術は、従来より汚泥中の水分量を削減できる低含水率型脱水機と汚泥を燃やすために必要な空気の供給方法を工夫することなどで、燃料使用量を削減した高温省エネ型焼却炉を組み合わせた技術でございます。
 さらに、一酸化二窒素と燃料の削減に加え、発電設備を追加することで使用電力をみずから賄う技術を開発し、当局ではこれを第三世代型焼却システムと呼んでおります。

○斉藤委員 第二世代型は電気や燃料を大幅に削減できる汚泥焼却システムであり、第三世代型は発電の機能を併置したエネルギー自立型の焼却システムであるということがわかりました。ありがとうございます。
 第三世代型焼却システムは二〇一五年に開発されたものと認識しておりますが、脱水汚泥の水分量を一層削減しつつ焼却廃熱を使用して発電し、みずから電力供給を可能とするという画期的なもので、これを実用化のレベルにまで引き上げた技術レベルの高さは、やはり世界にも誇れるすばらしい技術であると評価されるべきではないかと考えております。
 ただ、実際に整備を進めていくに当たりましては、大きな初期コストもかかるものであると考えておりますので、具体的に第三世代型焼却システムを導入することでどのようなメリットがあるかお伺いをいたします。

○小団扇技術開発担当部長 第三世代型の焼却システムを従来の焼却システムと比較した場合、廃熱発電システムなどが追加されることで建設費などが増加しますが、焼却時の補助燃料が不要となり、さらに購入している電力費より安いコストで発電することから、維持管理コストの削減効果が見込まれます。
 また、補助燃料及び電力使用によって排出される二酸化炭素を大幅に削減できるといったメリットがございます。

○斉藤委員 初期コストは決して低くはないものの、ランニングコストが低いということや省エネルギー効果、また温室効果ガス排出削減に一定の効果があることを鑑みましても、この事業をより一層の情熱を持って進めていっていただきたいと思える答弁をいただきました。
 私の方からのお願いとしまして、初期コストや維持コストに加えて、耐用年数や大規模修繕に係る予算の見込みや、廃炉に係るコストまでのライフサイクルコストを今後しっかりと精査しつつ、経営感覚を持って引き続き取り組んでいただきたいという点をお伝えしまして、次の現状の進捗についての質問に進ませていただきます。
 総エネルギーの使用量に対する再生可能エネルギーと省エネルギーの割合を、平成三十六年度までに二〇%以上とするスマートプラン二〇一四の目標に対して、平成二十八年度末までに一一%以上が達成されておりますが、平成二十八年度に行われました南部汚泥処理プラントなど二カ所、また新河岸水再生センターの整備などを経て、現時点での第一世代型焼却システムと第二、第三世代型焼却システムの比率はどのようになっておりますでしょうか。

○中島計画調整部長 平成二十八年度末におきまして、第一世代型焼却炉が約六割に対し、第二世代型焼却システムは約四割でございます。
 なお、第三世代型焼却システムは、下水道事業での実運用で日本初のシステムとして、新河岸水再生センターにおきまして平成三十二年度に稼働予定でございます。

○斉藤委員 非常に意欲的かつ計画的にスマートプラン二〇一四の目標達成のために取り組まれているということがわかりました。
 ただ、下水道局では、汚泥の処理量が一年間の中でも上下の変動があり、一定ではないという性質上、一概に現行の全ての焼却システムを第三世代型への焼却炉へと整備をしていくということは、汚泥が少ない時期にむしろ稼働電力が必要とされてしまうという問題もあると伺いましたので、引き続き事業目標と効果を精査しつつ、取り組みを進めていただきたいと考えております。
 次に、アースプラン二〇一七で掲げられております温室効果ガス削減についての質問に移ります。
 温室効果ガスについては、平成十二年度比で、平成三十二年度までに排出量二五%以上の削減を目標とされておりましたが、平成二十八年度にその目標を既に達成されております。
 アースプラン二〇一七では、都内の人口増加や浸水対策等の下水道サービス向上の取り組みにより、温室効果ガス排出量の増加が見込まれるため、平成四十二年度までに平成十二年度比で三〇%以上削減という、さらに一段高い目標が掲げられております。この達成にかけまして、具体的にどのような整備計画を策定していらっしゃるかをご教示くださいませ。

○中島計画調整部長 アースプラン二〇一七では、徹底した省エネルギーや水再生センターの処理工程、方法の効率化等、六つの取り組み方針に沿って具体的な対策を掲げております。
 例えば徹底した省エネルギーでは、既存施設の改造により、これまでの高度処理に比べ電力使用量を二割以上削減するとともに、同等の水質を確保できる新たな高度処理の導入や、使用時間の長い照明器具を中心にLED化を推進してまいります。
 また、処理工程、方法の効率化では、下水の汚れの分解を行う微生物に空気を送り込む曝気システムの最適化に加え、多摩地域におきましては、多摩川の対岸にある水再生センター間の連絡管を活用し、高効率な焼却炉で定格運転の焼却を行うなど、システム全体としての効率化を図ることとしております。
 さらに、汚泥焼却廃熱を一層活用して発電を行うエネルギー供給型焼却システムの技術開発を進めることなどにより、さらなる温室効果ガス排出量の削減を目指してまいります。

○斉藤委員 平成二十八年度事業におきましても、南多摩水再生センターにおいて、汚泥焼却工程における温室効果ガスと補助燃料を削減するための汚泥ガス化炉と、この焼却廃熱を活用するバイナリー発電設備が完成したとも伺っております。今後とも、目標達成に向けて整備計画を進めていただきたいと考えております。ありがとうございました。
 それでは、次に、流域下水道について伺ってまいりたいと思います。
 東京都が設置管理をする二十三区部の公共下水道に対し、多摩地域の下水道は市町村が各家庭から流域下水道幹線までの施設を設置管理する流域関連公共下水道と、東京都が幹線や水再生センターなど基幹施設を設置管理する流域下水道から成っています。
 流域下水道は都市の発展に伴い、家庭や工場排水が流れ込み、水質汚濁が生じていた多摩川流域を、設置の始まった昭和四十三年以降は下水道普及率の上昇とともに、きれいな水をたたえる河川へと生まれ変わらせ、現在では下水処理水が多摩川の水量の五、六割を占めつつ、平成二十九年には百五十万尾のアユの遡上を記録するほど、多摩地域の水環境は大幅に改善をされてきております。
 一方、大規模震災時に水道管、下水道管の破損などが起きますと、トイレやお風呂が使えなくなるだけではなく、下水の流出や浸水被害の発生など、都民の生命と財産にかかわる重大な事態が生じるおそれがあるため、流域下水道においても震災対策を進めることが急務であると考えております。
 流域下水道の震災対策においては、平成三十二年度末までに下水道の確保すべき機能を維持するための耐震対策を実施した割合を一〇〇%にすることを計画されておりますが、二十八年度末の実績は現在二二%となっております。
 計画目標を達成するための今後の見通しについてご教示ください。

○猪八重技術部長 流域下水道本部が管理する水再生センターやポンプ所では、震災後においても必要不可欠な最低限の機能でございます揚水、簡易処理、消毒機能を確保するため、ポンプ施設や沈殿施設などの耐震補強を推進しております。
 引き続き計画的に耐震対策を進め、平成三十一年度末までに完了させることとしております。

○斉藤委員 現在は五カ年計画のうち一年目が終了した時点ですが、現状においても、今後の計画においても、目標達成に向けて、むしろ目標よりも一年度先駆けて達成を進めておられる、それを見通しておられるという力強いご答弁をいただきました。ありがとうございます。
 下水道機能をとめることなく耐震対策を施していくという作業には、その年度末の課題や状況の変化もあることとは思いますが、引き続きの努力をお願いしまして、次の質問に移らせていただきます。
 北多摩一号、南多摩水再生センターという多摩川を挟む二つの水再生センター間を結ぶ内径三・五メートル、長さ三・三キロメートルに及ぶ連絡管の整備を完了し、震災時などにも、もしどちらかの施設が機能停止せざるを得なくなった場合にも、下水や汚泥を処理することができる震災対策を進めておられます。
 平成二十八年度は北多摩二号、浅川水再生センター間の連絡管の供用を開始され、合計で三本の連絡管により震災時などにおける下水道機能を確保するとともに、効率的な再構築や維持管理に活用されるということですが、連絡管三本、こちらの整備費用は幾らだったでしょうか。

○猪八重技術部長 多摩川を挟む水再生センター間を結ぶ連絡管は、平成十五年度に一本目の建設に着手いたしました。
 その後、平成十八年度に多摩川上流、八王子水再生センター間で、平成二十五年度には北多摩一号、南多摩水再生センター間で、平成二十八年度には三本目となります北多摩二号、浅川水再生センター間で順次稼働いたしております。
 連絡管の規模はそれぞれ内径が三・五メートル、三本の総延長は約四・九キロメートルでございまして、シールド工法で多摩川の下を横断して建設いたしました。三本の連絡管の整備費用は、合計で約百八十六億円でございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。引き続き質問を続けさせていただきます。
 また、その連絡管が果たす役割と、一日当たりの水再生センターが担う下水処理量のうち、どれほどの量をバックアップすることができるかをお教えください。

○猪八重技術部長 連絡管の整備により、下水や汚泥を多摩川を挟む二つの水再生センター間で相互に処理することなどが可能となり、震災時におけるバックアップ機能の確保に加え、定期点検や補修工事などに伴う施設停止時の機能低下を防ぐことが可能となります。
 このバックアップ能力についてでございますが、水処理施設では、下水を複数の系列に分割して処理をしてございまして、そのうち最大規模の処理系列に相当する下水を送水できるよう設定してございます。これは各水再生センターの処理能力の四分の一程度に相当いたします。

○斉藤委員 各水再生センターの平時の処理能力の平均四分の一程度のバックアップが可能だということがわかりました。また、震災時のみならず、補修工事などに伴う施設停止時の機能低下に対する保障となるということもご説明をいただきました。
 連絡管の整備費用に関しましては、地下を通るものでもあり、ざっと計算してみたところ、一キロメートル当たり三十七億九千五百九十一万ほどかかるということではありますので、決して安くはないと思いますけれども、都民の生命や財産を守るためにも必要な事業ということで、引き続き進めていただきたいと考えております。
 流域下水道における建設財源の仕組みとしまして、総事業費のうち国庫補助対象事業費から国庫補助金を控除した建設費は、東京都と関係市町村が折半をしております。
 また、流域下水道の維持管理に要する経費は、関係市町村から徴収する維持管理負担金で賄っているということです。
 例えば野川処理区の野川第二幹線並びに北多摩一号及び北多摩二号処理区の幹線は、河川の役割を兼ね合わせた特殊性があるということで、国庫補助金充当後の建設費負担を東京都が十分の七、関係市町村が十分の三としているということですが、震災対策や主要設備の再構築にかかわる市町村の負担を減らすためにも、流域下水道事業の補助率を上げる仕組みをつくっていく必要性があるということを私の意見として申し述べさせていただきまして、このことにも関連をしまして、次の市町村との連携の質問に移らせていただきます。
 下水道情報交換会を市町村との連携として実施されていると思いますけれども、この市町村からの要望や意見にはどのようなものがあるでしょうか。

○猪八重技術部長 流域下水道本部では、多摩地域全体の下水道事業の着実な運営を図ることを目的として、広域的な維持管理体制の構築に向けた技術支援や維持管理、危機管理などのノウハウを提供するために、都と市町村とによる下水道情報交換会を平成二十四年度から実施しております。
 市町村からは、地震などの災害により、市町村が管理する下水道管などが被災した際の復旧支援や、区部における大規模な管渠の工事現場見学会の開催など、技術支援、人材育成支援に関する要望が出されております。

○斉藤委員 市町村からの要望として、市町村が管理主体である下水道管について、被災時の復旧支援が求められているということがわかりました。ぜひ有事の際に、東京都下水道局からの支援を行う準備を進めていただきたいと考えております。
 多摩地域において、今後、区部と同様、管渠の老朽化が進んでくると考えられます。
 こうした管渠の老朽化に対して今後、市町村とどのように連携をしていくのか伺います。

○猪八重技術部長 多摩地域の下水道普及率は九九%を超え、市町村が管理する下水道管は、平均経過年数が三十年を超えるものが約四割を占めるなど、維持管理、更新の時代に移行してきており、今後、管渠の再構築が主要課題となってまいります。
 流域下水道本部では、こうした市町村の課題に対応するため、これまでも下水道情報交換会の中で、区部で再構築時に採用している更生工法に関する見学会を開催するなど、市町村を支援してまいりました。
 今後とも、区部で培ってきた再構築のノウハウを生かし、市町村に技術提供を行うなど、より一層の支援の充実に努めてまいります。

○斉藤委員 管渠の維持更新の時期がこれから一斉にやってくるという市町村に対しましては、今後さらに下水道情報交換会や見学会を開催していただきまして、また引き続き市町村からの要望に耳を傾けつつ、対応を進めていただきたいと私の方からお伝えをしまして、次の質問に移らせていただきます。
 平成二十八年度事業の効果をお伺いさせていただきたい項目の一つといたしまして、東京都下水道サービス株式会社の障害者雇用達成について伺います。
 現状の東京都下水道サービス株式会社の障害者雇用状況については、どのようになっておりますでしょうか。

○安藤総務部長 東京都下水道サービス株式会社の障害者雇用率は、同社が公共職業安定所に提出した平成二十八年六月一日時点の障害者雇用状況報告書によりますと、一・六〇%でございます。

○斉藤委員 目標の二%はまだ達成されていないということは残念ではありますが、障害者雇用の促進を進めておられる事業として、ぜひ今後も募集や周知、また研修を進めていただきたいと思っております。
 そこで教えていただきたいんですが、現場の業務について、障害者の就労に際してはどのような制約がありますでしょうか。

○安藤総務部長 下水道管の維持管理や汚泥処理施設の運転管理などの現場業務は、地下や高所の作業が多く、例えば、身体障害者で車椅子やつえ等の補助具が必要な方は作業に携わることは困難でございます。

○斉藤委員 実際に障害者の方が従事をするには困難であると思われる現場があるということもわかりました。
 では、ぜひ困難である現場以外で、事務や机上の作業でも全く問題ないと思いますので、障害者の配属が進められるよう努めていただきますようお願いを申し上げます。
 そこで、現時点では障害者の配属職場の確保状況はどのようになっておりますでしょうか。また、その確保にかけまして、どのような指導監督を行っておられますでしょうか。

○安藤総務部長 東京都下水道サービス株式会社では、障害者の雇用に向けて関係機関からの情報収集を図るとともに、障害者の配属職場の確保に努めるなど、障害者の法定雇用率達成に向け取り組んでございます。
 当局では、障害者雇用促進法を踏まえた総務局の通知に基づき、東京都下水道サービス株式会社における障害者の雇用を促進していくため指導等を行っておりまして、今後も引き続き情報提供や適切な指導監督を行ってまいります。

○斉藤委員 障害者雇用促進法には、障害者採用に向けての合理的配慮の提供義務が設けられておりまして、募集や採用の機会を障害のあるなしや、車椅子の利用を理由として拒否することは禁止されておりますが、下水道サービスにおいては、技術職や現場での危険も伴う職務以外に従事するための教育訓練の実施や研修機会の拡大など、引き続き障害者雇用達成に向けて努めていただけますようお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
 東京下水道の応援団の獲得にかけましてショートムービー、トーキョー・マンホール・ストーリー、作成されておりますが、これにかかりました予算と配信数、またアクセス数を教えてください。

○安藤総務部長 映像制作に要した費用は一千二百九十六万円でございます。
 平成二十八年九月に動画共有サイト、ユーチューブへ配信を開始しまして、平成二十九年九月には東京都公式動画チャンネル東京動画からもアクセスが可能となっております。
 アクセス数は平成二十九年十月二十四日現在、十八万件でございます。
 また、このほかにも下水道局が実施する各種イベントや、広報施設、東京都虹の下水道館などでも放映してございます。

○斉藤委員 自分もこの動画を見させていただいたんですが、非常によくつくられておりまして、最近は民間の映像制作費もコスト縮減が現場の常となっておりますが、伺った予算とも照らし合わせますと、しっかりとつくられているこの動画をもっともっと都民の皆様に見ていただいてもいいのになと、もったいないなと感じているところでございます。
 内容は、下水道のイメージアップを図って、人々の生活を見えない部分で支えているということをお伝えする大きな意味合いでの理解促進を促す目的があるように感じておりますが、実際にこの映像によって都民の理解、進んでいるとお考えでいらっしゃいますでしょうか。

○安藤総務部長 平成二十七年度に実施しました下水道事業都民意識調査の結果、若者を中心に下水道の認知度が低くなっていることが浮き彫りとなりました。
 このため、認知度が低い若者を対象に、まずは下水道に関心を持ってもらうことを目的としまして、この映像を作成いたしました。
 映像の中に下水道をイメージさせるシーンをさりげなく挿入し、人知れずまちや生活を守っている下水道を間接的に表現いたしました。あわせまして、映像をごらんいただいた方に下水道への理解を深めていただけるよう、映像シーンを解説する特設ページへのリンクを設けてございます。
 映像を見た若者百人へのアンケートによりますと、七割が下水道のイメージがアップしたとの回答をいただいてございます。また、下水道の大切さを改めて感じましたなどの好意的な感想も寄せられておりまして、一定の理解は進んでいるものと考えております。

○斉藤委員 この動画によりイメージアップをしたという、若者のアンケート結果を伺うことができました。
 しかしながら、自分の一感覚で僣越ではありますが、東京都の下水道は既に世界でもトップレベルの処理能力を持ち、海外先進諸国でも類を見ないほど、処理された下水は澄んできれいで、下水道管の不調や逆流などもほぼ起きていないという現状でございます。
 下水道局の方が考えるほど、世間の下水道に対するイメージは暗くも低くもないというふうに私は考えておりますので、余りご自身を低く見積もられることなく、PRにおいては、より東京都の下水道局の技術のすばらしさを伝えていただけるような取り組みや、実際の下水道局と都民をつなげる事例が盛り込まれた周知も図っていただきたいと考えております。
 そこで伺いますが、さらなる下水道事業への理解を深める具体的かつ実質的なPRや広報の必要性は感じておられますでしょうか。

○安藤総務部長 お客様の暮らしにとりまして、下水道は今、あって当たり前のものとなっておりまして、下水道に関心を持っているお客様の割合が低くなる傾向にございます。
 その結果、下水道工事など必要な事業へのご理解が得られないこともございますので、より多くの東京下水道の応援団を獲得し、下水道事業を円滑かつ着実に推進していくために広報は重要であると認識しております。
 そこで、本年四月、広報の基本的な方針として、東京下水道見せる化マスタープランを策定しまして、事業の必要性や効果等について、より積極的に情報発信する見せる化を推進することといたしました。東京下水道の将来を展望し、ハード、ソフトの両面から戦略的に見せる化を展開することといたしております。
 さらに、取り組みを具体的に進めていくための実施計画として、東京下水道見せる化アクションプランを今年度中に策定する予定でございます。

○斉藤委員 見えないところで活躍をされ、都民の生活を支えていらっしゃる下水道局の取り組みをもっと見える化を進めていくという局の意気込みを伺うことができました。比較対象がふだんの生活で見当たらないというのも、下水道局にとってはその功績が日陰に隠れがちになってしまう理由の一つかと思っております。
 技術的にも世界を牽引する東京都の下水道局のさまざまな取り組みをさらにより具体的にわかりやすく発信していただけますよう、私からの要望をお伝えさせていただきまして、最後の質問に移らせていただきます。
 最後に、資産の有効活用について伺います。
 芝浦水再生センターの雨天時貯留池の上部を民間事業者に貸し付けた貸付金収入の額を教えてください。

○田中経理部長 本事業は、芝浦水再生センターの雨天時貯留池の建設にあわせて、当局がその上部を民間事業者に貸し付け、事業者が業務商業ビルを建設、運営する事業でございます。
 平成二十八年度におきましては、土地の貸し付けによる地代収入が約十三億円あり、さらに、借地権の対価を現金で受け取るかわりに上部ビルのオフィスの床を取得しているため、その賃料収入が約四十一億円、合わせて五十四億円の収入を得ております。

○斉藤委員 独立会計で不断の経営努力を行っておられます下水道局事業において、非常に意義ある取り組みであると思いますので、ぜひこのような資産の有効活用をさらに展開していただきたいと考えております。
 下水道局には、芝浦水再生センターのほかに区部で十二カ所、多摩地域で七カ所の水再生センターがあると伺いましたが、こうした施設の上部を有効活用する今後の展開について所見を伺います。

○中島計画調整部長 下水道施設の上部は、これまでにも水辺や緑、生き物が集まる都市のオアシスとしての公園、また、大人から子供まで汗を流すスポーツ施設など、さまざまな形態で地域の住民の皆様に利用されてまいりました。
 近年では、芝浦上部の取り組みのほか、太陽光発電施設の設置などのように、利用の幅を拡大してきておりまして、今や下水道施設の上部空間は、東京の貴重な都市空間において、新たな価値を生み出すポテンシャルを有するものと考えております。
 水再生センターやポンプ所などの下水道施設は、これから新設するものだけではなく、老朽化した施設を再構築する機会も捉え、計画段階から地域特性や地元の声などを踏まえまして、地元区市や民間事業者など多様な主体と連携をし、上部空間に複合的な機能を付加していくことが重要でございます。
 今後とも、地域の潤いやゆとり、安全・安心、さらには活力を生み出す拠点としての下水道施設の上部利用を推進してまいります。

○斉藤委員 ありがとうございます。芝浦の例とは、全く同じとは限らないと思いますけれども、さまざまな地域の特性を生かして、今後も取り組みを行っていかれるということを伺いまして、東京都にある水再生センターは、所によっては大変立地もよく、また広い面積を有している貴重な資産であると考えておりますので、ぜひ今おっしゃっていただいたようなことを実現に向けて尽力をしていただきたいということを私の方からお願い申し上げまして、私の質問はこちらで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

○細田委員 私の方からは、浸水対策、それから下水道管の再構築などを、大綱二点にわたって伺いたいと思っています。
 東京都下水道局は、浸水対策を推進することで、都市機能を確保して、お客様が安全・安心に暮らせる東京を目指して着実に進んでいる、このように理解しています。
 浸水からまちを守る、これはいうまでもなく都民の生命と財産を守って、社会経済活動を支えていくという面でも大変に重要なことであります。
 また、三日前には台風二十一号が来て、超大型で上陸した、こんなような状況もありますし、また、今週末には、また新たな二十二号も来るかもしれない、こんな状況もあります。
 七月には九州北部豪雨で大きな被害が発生して、東京でも数年に一度しか降らないような記録的短時間大雨情報が発表されるなど、浸水の危険性は年々増してきている、身近な危機である、このように思っております。
 このために下水道局が尽力される浸水対策は大変重要なことでありまして、より一層着実に前進、進めていっていただきたい、このように思います。
 まず、下水道局が取り組んでいる浸水対策の進め方についての大枠の内容、進め方について伺います。

○中島計画調整部長 浸水対策といたしましては、区部全域での時間五十ミリ降雨への対応を基本とし、くぼ地、坂下など、浸水の危険性の高い対策促進地区や、かつての川を下水道幹線として利用している浅く埋設された幹線の流域などの重点地区を選定し、対策を実施しております。
 これに加え、既存の貯留施設を活用するなどして、時間五十ミリを超える降雨に対しても被害を軽減する五十ミリ拡充対策地区を選定しております。
 さらに、浸水被害の影響が大きい大規模地下街や、甚大な浸水被害が発生した市街地において、雨水整備水準をレベルアップする時間七十五ミリ降雨への対策地区を定めて対策を進めております。

○細田委員 区部全域で時間五十ミリの降雨への対策を基本として、そして大規模の地下街や甚大な浸水被害が発生している地区では、雨水整備の水準のレベルアップを図っていくということであります。
 それでは、浸水対策についての進捗状況はどのようになっていますでしょうか。この点についてお尋ねします。

○中島計画調整部長 時間五十ミリ降雨対策では、対策促進地区、重点地区、合わせて三十五地区を選定し、既に新宿区北新宿地区など十二地区で事業が完了しており、現在、十四地区で事業を推進しております。
 時間五十ミリ拡充対策地区では、六地区を選定し、現在五地区で事業を進めております。
 時間七十五ミリ降雨対策では、地下街対策地区、市街地対策地区、合わせて十三地区を選定し、既に渋谷駅西口など四地区で事業が完了しており、現在、九地区で事業を推進しているところでございます。

○細田委員 五十ミリの拡充においては全六地区、また、経営計画二〇一六でも、港区白金、品川区の上大崎地区、一部完成した施設では暫定的に稼働させて効果を発揮している、こんなふうにも記されておりますし、またあわせて、降雨情報を運転管理、活用して東京アメッシュとして一般に提供したり、また、地域の下水道の水位情報を関係区に提供していく、こういう水防対策にも、ソフト対策にも取り組んでいるというふうに理解しております。
 今の五十ミリのことについて、施設整備について伺いたいんですが、私の地元の江東区でも、時間五十ミリの降雨への対策が必要な対策促進地区になっていまして、木場、東雲地区が位置づけられております。
 現在事業が進められているんですが、そこで、この木場、東雲地区の実施状況、実施中の対策とその内容、また効果についてお伺いいたします。

○佐々木建設部長 江東区の木場、東雲地区は、浸水の危険性が高い対策促進地区として位置づけ、時間五十ミリの降雨に対応するため、現在、江東幹線と江東ポンプ所を整備しております。
 江東幹線は木場、越中島地区など、江東区の八分の一を占める約五百ヘクタールに降った雨水を速やかに排除するために敷設するもので、江東区千石地区から江東ポンプ所へ至る最大径約六メートル、延長約五キロメートルの下水道幹線でございます。
 江東ポンプ所は、江東幹線で集めた雨水を辰巳運河に毎秒約五十立方メートル放流する雨水ポンプ所で、江東幹線と一体となって浸水被害を軽減するものでございます。
 これに加えて、この事業により越中島ポンプ所を廃止し、雨水排水を江東ポンプ所へ切りかえることにより、越中島川の水質改善にも寄与いたします。

○細田委員 幹線もポンプも一体となった非常に大規模な施設でありまして、完成後には大きな効果を発揮する、このように期待しております。
 そして、今、越中島川の水質改善にも寄与するということでありましたが、まさに深川の伝統もある中で、水彩都市江東を代表する、そういういいところでして、ただ、地域の方々からは水が、においがするとか汚いと、こういう声も寄せられて、たびたび江東区議会なんかでも審議されている、こんな内容でありますから、一日も早い整備が待たれているところであります。
 ここでお伺いしたいんですが、江東幹線と一体となっている江東ポンプ所の平成二十八年度末工事の進捗状況についてはいかがだったんでしょうか。この点についてお尋ねいたします。

○佐々木建設部長 江東幹線につきましては、平成二十六年五月に木場公園からシールド機が発進した直後は、地下の支障物の撤去に時間を要しましたが、平成二十八年度末時点で、全長約五キロメートルのうち約四キロメートルについて完成し、木場公園から東京メトロ有楽町線辰巳駅付近まで達しております。
 一方、江東ポンプ所は、平成二十五年度より開始した建築物を築造する際の基礎工事の施工中に、場内地盤の深層部においても地盤変位が計測されました。これはこれまでほとんど例がない現象だったことから、平成二十八年十二月より工事を中止し、さらに詳細に地盤変位を計測して状況を確認するとともに、対応策について慎重に検討しております。

○細田委員 先ほどのご説明でもありましたが、江東幹線と江東ポンプ所が一体的に、両方大事なことで、まさに浸水対策におきましても、江東幹線はもう目の前のところまで来ていると、計画どおり実現できるということですが、昨年の十二月の江東ポンプ所の、今の、一時中止を検討しているということで、これは想定外のことであると思うんですが、大変に厳しい状況で、突然の事態なんだと、このように理解いたしますが、確実に実施していただきたいんです。
 今のポンプ所の工事の一時中止している、この検討を行っていることについて、平成二十八年度における工事の中止の経費及び検討に要した費用、そして今後の見通し、こういうことは、どうなっていくのか。この点について現状、今後の見通しについてどうしていくのかという、この点について伺います。

○佐々木建設部長 まず、現在の検討状況から説明させていただきますけれども、江東ポンプ所は軟弱な地盤である場所において、ポンプ棟と沈砂池棟の二つを近接して施工し、ポンプ棟は最大で地下約五十メートルの深さに達するという大変難易度の高い工事であり、安全に施工する対策を検討するために、変位に関するデータを詳細に収集、分析する必要がございます。
 このため、場内において地盤変位を計測する傾斜計や変位計を増設するともに、学識経験者を入れた検討会を開催し、安全に施工する方法を検討しております。
 今、委員からご質問いただきました検討の費用等についてでございますが、このような状況のもとで、二十八年度における工事中止に伴う増加費用、検討に要した費用でございますが、工事の中止に伴い増加する費用は約二千万円でございます。これは国土交通省の基準に基づき積算したものであり、現場の維持等に関する費用でございます。
 また、軟弱地盤における大深度施工を安全に実施するために必要となる土質試験、地盤変位の計測、地下水位の計測、地盤変状解析などの費用は約一億円でございます。
 調査検討項目や方法につきましては、学識経験者の意見をもとに、安全に施工できるということを最優先といたしまして、慎重に適切かつ効率的に実施していけるよう最善を尽くしております。
 今後とも、江東ポンプ所工事の早期再開に向け、全力を尽くしてまいります。

○細田委員 安全・安心と着実なこれの進捗、このために全力を尽くすという力強いご答弁を大いに期待いたします。
 学識経験者の専門家の方が入って、なかなか異常な事態で、とまっちゃっているということだと思うんですけれども、そこで、一億円と、あと二千万、一億二千万円の費用が想定外でかかったと、こういうことなんだと理解しますが、それがいい形で実現に向けて展開するよう、無駄な支出とならないように、また、この江東幹線の実現とあわせて江東ポンプ所が動いて、そして、五十ミリ対応の早期完成地区の第一期のところの一地区が確実に実現できることを要望し、望みまして、次の質問に移りたいと思います。
 それでは、下水管の再構築のことについて伺いたいと思います。
 浸水対策と並んで重要なのが下水道管の老朽化対策でありまして、経営計画二〇一六では下水道管の老朽化対策、つまり再構築が施策の最初に記載されています。
 このことは、下水道局が再構築に力を入れていることのあらわれでありまして、下水道管が老朽化して損傷してしまったら、下水道が使えなくなる可能性があるだけではなくて、近ごろにぎわしている、よくあります道路陥没の原因にもなっている重要な課題であると認識しています。
 そこで、下水道管の老朽化の現状と再構築の進め方についてお伺いいたします。

○中島計画調整部長 区部における下水道管の延長は現在、一万六千キロメートルでございます。そのうち、法定耐用年数五十年を超えた下水道管は一千八百キロメートルに達しており、対策を行わなければ、二十年後には合計で八千九百キロメートル、全体の約五割の下水道管が法定耐用年数を超える見込みでございます。
 再構築事業の実施に当たりましては、施設の劣化状況を調査し、適切な維持管理を行うことで、法定耐用年数より三十年程度延命化し、経済的耐用年数である八十年程度で再構築するアセットマネジメント手法を活用することにより、計画的かつ効率的に実施してまいります。
 また、中長期的な事業の平準化を図るため、区部を下水道管の整備年代により三期に分け、最も古い都心部の第一期再構築エリア、約一万六千三百ヘクタールを平成七年度から優先的に再構築を進めており、平成四十一年度までの完了を目指しております。

○細田委員 都民の安心・安全のために、この膨大な下水道管の再構築、早く完了していただくことを望みます。
 そして、この再構築のスピードアップも必要だと考えるんですが、このための工夫はどのように取り組んでいるんでしょうか。お尋ねいたします。

○佐々木建設部長 老朽化した下水道管を再構築するには、道路を掘り返して新しい下水道管に取りかえる工法が基本でありますが、大型の掘削機を使用するなど、大規模な交通規制が必要であり、費用や時間が多くかかっておりました。
 そこで、道路を掘らずに、既設の下水道管をリニューアルすることができ、工期が短く、低コストである更生工法を活用し、スピードアップを図っております。

○細田委員 工夫しているということがわかるんですけれども、じゃあ、実績がどうなのかということも確認したいんですが、この経営計画二〇一六によりますと、私の地元の江東区でも、大部分が第一期の再構築のエリア、こうなっています。
 進捗が気になるところなんですが、この再構築の進捗状況についてはいかがでしょうか。

○佐々木建設部長 第一期再構築エリアにおいて、平成二十八年度は六百九十四ヘクタールにおいて再構築を完了させ、累計で四五%に相当する七千二百五十八ヘクタールにおいて再構築が完了しております。

○細田委員 再構築が、今いわれた数、着実に実行している、このことを評価いたします。
 また、効果なんですが、ライフラインの老朽化が引き起こす道路陥没というものがたびたびマスコミに取り上げられています。また、もう一般の方にも広く認知されていまして、下水道局はエリアを決めて重点的に再構築を行っている、今、そのようなお話ありましたけれども、この再構築を行ったことにより、どのような効果があったのでしょうか。
 特に道路陥没というものは、調査をしてもなかったよという調査をされる、また、非常に精度が高い調査が行われるということもあって、いろんな自治体等が、東京都区部においては特に費用をかけて調査しています。
 けれども、あるんだけど、ないと見過ごすこともあったりして、非常に都民にとってみては具体的にどうなのかということがわからないという現状があります。
 それなので、まさに、その一つの要因を起こす部分を未然に防いでいくという下水道局の取り組みというものは非常に重要でありまして、今いわれたようなご努力によって再構築を行ったことによって、どのような効果があったと都の下水道局は認識をしているのか、見解をお尋ねいたします。

○中島計画調整部長 再構築事業の主な効果でございますが、本来の下水道機能を維持することのほか、能力不足の解消、枝線管渠の耐震性の向上などが図られることに加え、管渠の損傷により発生する道路陥没の減少などがございます。
 例えば道路陥没について例を挙げますと、再構築を行っている都心四処理区では、取り組みを開始した時期には八百件近く発生していた道路陥没が約二百件となり、七割程度減少しております。

○細田委員 七割程度効果があったということで、減少に大きく貢献するものだというようなことがわかりました。
 次に、下水道施設を稼働させるための非常用発電の設備について伺います。
 実は水道局のときも聞いたんですけれども、震災時等において停電が発生しても、重要なインフラであります下水道が機能することは極めて重要であります。
 対策として、下水道施設には非常用発電設備が設置されていると思います。
 そこで、下水道局における非常用発電設備の設置の状況についてお尋ねいたします。

○池田施設管理部長 震災などで停電が発生した場合においても、雨天時のポンプ排水機能や水処理機能の一部を維持するために必要な電力を確保することは、都民の生命と財産を守るために必要なことでございます。
 そのため、当局では、都内にある水再生センターやポンプ所において、非常用発電設備の整備や老朽化した発電設備の再構築を推進しております。
 平成二十八年度末現在、ディーゼル発電設備七十二台、ガスタービン発電設備七十五台、合計百四十七台の非常用発電設備の整備が完了いたしました。

○細田委員 下水道局が非常用発電設備を積極的に設置してきていることはわかりました。
 これらの発電設備のことなんですが、百四十七台ということで、排気ガスの規制などで、関係法令上、規制がないと理解していますが、その中でもガスタービンに移るということになっていると思うんです。ディーゼルの方が--NOxに関してはガスタービンははるかに低いという数値はわかっておりますが、どのような環境対策を工夫していく、そういうことは今、現状あるのかということを伺いたいんです。
 ガスタービンの方は二万キロワットですか、飛行機のエンジンのような、こういうような発電力を持っていると聞いています。それに匹敵するようなものを維持するようにディーゼルもあるわけで、二万キロワットって、都庁第一庁舎と第二庁舎と、それから、この都議会の議事堂を合わせて六千キロワットぐらいだという、その三倍以上というような発電量を誇るものがディーゼルで代替されているという現実もあるわけで、非常用であったとしても環境の負荷を軽減していく環境対策の工夫というのは当然あってしかるべきだと、このように思うんです。
 この環境への配慮についてはどのようにお考えでしょうか。この点についてお尋ねいたします。

○池田施設管理部長 当局が設置している非常用発電設備については、大気汚染防止法上の非常用施設に該当し、ばい煙発生施設における規制の対象外でございます。
 しかし、ディーゼル発電設備については、運転初期には黒煙の排気ガスが出るといった課題があるため、対策が必要であると考えております。
 そのため、非常用発電設備の新規設置や、老朽化したディーゼル発電設備の再構築などにあわせて、小規模なものを除き、ばいじんや窒素酸化物の排出量が少なく、環境負荷の低いガスタービン発電設備への移行を進めております。

○細田委員 もう一つ、非常用発電設備は常時動かすものじゃなくて、もちろん非常用ですから、非常事態のときに動かすもので、まさに停電時に浸水被害によって、また震災時の津波などによって--その機能は発揮しなくちゃいけないわけでありまして、そのときに動かないなんていうことがあっては当然いけないわけです。
 そこで、非常用発電設備の耐水化についてはどのようにされているんでしょうか。その点についてお伺いいたします。

○池田施設管理部長 下水道施設は雨水排除の役割を担っており、特に津波の影響を受けるおそれのある東部低地帯の水再生センターやポンプ所の機能確保として、耐水化は重要でございます。
 これらの施設は外郭堤防に守られているものの、地震により外郭堤防が損壊したときに、津波が襲来した場合に備え、東京都防災会議で示された最大津波高さに対して耐水化を実施してまいりました。
 具体的には、開口部などから水の浸入を防ぎ、万一の浸水時にも非常用発電設備などの機能を確保しております。
 耐水化が必要な施設は三十四カ所あり、平成二十八年度は新宿ポンプ所など六カ所で対策を行い、これら全ての施設で耐水化を完了いたしました。

○細田委員 耐水化、完了しているということなので、よかったと思います。引き続いて、ぜひ都民の生命、そして生活を守っていただくために、下水道局の着実な前進を願うものであります。
 先ほど質問させていただきました江東ポンプ所におきましては、さまざまなご苦労や努力をされながら工事を進めているということは理解いたしましたので、ぜひ着実に、確実に実現できること、早期に実現できることを改めて要望させていただいて、今後のご活躍を願いまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○三宅委員 私からは、震災対策について質疑をさせていただきたいと思います。先ほど斉藤委員からもありましたが、若干視点を変えたり、掘り下げた質問をさせていただきますので、若干の重複はお許しいただきたいと思います。
 昨年四月に発生した熊本地震では、本震の前に最大震度七という前例のない地震が発生し、想定を超える大きな揺れを二度受けたことにより、家屋の倒壊や液状化現象による道路のひび割れなどの被害が拡大いたしました。熊本地震における被害の復興状況も道半ばであり、地元の方々におきましては、通常生活を取り戻すためのご苦労がまだまだ続いているところです。
 熊本地震以降も全国各地で震度五強以上の地震が発生し、また、東日本大震災の余震も引き続き発生しており、いつ、どこで大きな被害をもたらす地震が発生してもおかしくない状況にあると思います。
 政府の地震調査委員会によりますと、マグニチュード七クラスの首都直下地震が発生する可能性は三十年以内に七〇%とされており、東京では大規模な地震による被害が危惧されています。
 我々都議会自民党は、上下水道施設などのライフラインの耐震化の推進を政策提言に掲げており、震災による被害を最小限に食いとめるためにも、一刻も早く東京の下水道を震災に強いものにレベルアップし、震災への備えを万全にする必要があると考えております。
 そこでまず、下水道管の耐震化の取り組みについてお伺いいたします。

○中島計画調整部長 下水道局では、お客様の安全を守り、安全で快適な生活を支えるため、首都直下地震などに対応するためのさまざまな対策を推進しております。
 まず、被災時の下水道機能を確保するため、下水道管とマンホールの接続部の耐震化を進めております。
 次に、交通機能を確保するため、道路の液状化によるマンホールの浮上抑制対策を推進しているところです。

○三宅委員 下水道機能の確保というご答弁がありましたが、過去の震災では、各地で下水道管とマンホールの接続部が破損し、下水が流れなくなり、避難所ではトイレが使用できないという深刻な事態が発生しております。
 トイレが使用できないため、水分を控えた結果、エコノミー症候群を発症し、亡くなられた方も出るなど、被災地におけるトイレ機能の確保は命にかかわる重要な問題だと思います。
 また、過去の大震災では地盤の液状化現象によりマンホールが浮き上がり、救急車や自衛隊車両などの緊急車両の通行へも影響するなど、交通機能を確保することも重要となっております。
 震災時においても下水道機能と交通機能を確保する取り組みを行っているとのことでございますが、それぞれ具体的にどういう対策を行っているのかお伺いいたします。

○小団扇技術開発担当部長 今、委員ご指摘のとおり、大規模な地震が発生いたしますと、構造が異なる下水道管とマンホールは地震の揺れに対して別々に動くため、その接続部が外れたり破損することがございます。
 そこで、下水道管とマンホールの接続部を柔軟性のある構造に変更し、地震の揺れによる力を吸収することで耐震性の向上を図り、下水道機能の確保をする対策を講じております。
 また、地震により液状化現象が発生いたしますと、地盤の内部で地下水圧が上昇し、その圧力でマンホールが浮上することがございます。平成十六年の新潟県中越地震におきましては、このような被害が多発したことから、地下水圧が上昇した場合に、その地下水をマンホール内に逃がす消散弁と呼ばれる装置を設置することで、マンホールの浮上を抑制し、交通機能を確保する対策も講じております。
 どちらの技術につきましても、当局が監理団体である東京都下水道サービス株式会社や民間企業と共同で開発したものであり、道路を掘り起こすことなく、マンホールの中で工事が行えるため、周辺の地下埋設物への影響や周辺道路の交通に大きな影響を与えることなく、効率的に対策工事を行うことができます。

○三宅委員 接続部の耐震化も、また浮上抑制対策も、道路を掘ることなく、既存のマンホールの中から作業できるという画期的な技術であるということがわかりました。
 この技術を活用すれば、地元の反対なども少なく、工事は順調に進むものだと思っております。
 そこで、下水道管の耐震化はどれくらい進んだのか、平成二十八年度までの進捗状況についてお伺いいたします。

○佐々木建設部長 下水道機能を確保する接続部の耐震化は、避難所など約二千六百カ所の対策を既に完了させています。さらに、ターミナル駅や災害復旧拠点など、二千カ所を新たに追加し、平成二十八年度までに累計で八百二十五カ所で対策を完了させております。
 交通機能を確保するマンホールの浮上抑制対策は、緊急輸送道路など約五百キロメートルで対策を既に完了させています。
 さらに、緊急輸送道路と避難所などを結ぶ道路約七百五十キロメートルを新たに追加し、平成二十八年度までに累計で約六百五十キロメートルで対策を完了させております。

○三宅委員 下水道機能、また交通機能を確保する取り組み、引き続き頑張っていただきたいと思います。
 一方、都におきましては、地域内の不燃化が進み、万が一大震災が発生しても、地域内に大規模な延焼火災のおそれがなく、広域的な避難を要しない地区内残留地区を選定しております。
 東京都下水道事業会計決算の概要によりますと、この地区内残留地区におきましても震災対策に取り組んだとの記載がございます。
 こうした地区において大震災が発生した際に、避難せずにとどまっておくためには、下水道の機能も停止させないことが重要です。
 そこで、地区内残留地区における下水道管の耐震化の平成二十八年度までの進捗状況についてお伺いいたします。

○佐々木建設部長 地区内残留地区では、下水道管が敷設されている七千百八十ヘクタールを対象に、下水道管とマンホールの接続部の耐震化とマンホールの浮上抑制対策を面的に推進しております。
 平成二十八年度は七百三十三ヘクタールの耐震化を実施しており、平成二十五年度に着手して以来、累計で二千五十五ヘクタールの対策を完了させております。

○三宅委員 ぜひ下水道管の震災対策について、引き続きしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、水再生センター、ポンプ所などの下水道施設について伺います。
 下水道管で集めた汚水や雨水をくみ上げるポンプ所が停止すると、まちが汚水や雨水であふれることになります。また、水再生センターの機能が停止すると、河川や海などの水質に深刻な影響を与えます。
 東京都下水道事業会計決算の概要によりますと、震災後においても必ず確保すべき機能を維持するため、水再生センター及びポンプ所施設の耐震対策を進めたとの記載がありますが、その取り組みについて改めてお伺いいたします。

○中島計画調整部長 下水道局が管理する水再生センターやポンプ所は、合計百八施設あります。これらは昭和の時代に整備されたものが多く、当時の耐震基準に基づき整備されたものでございます。
 その後、平成七年に発生した阪神・淡路大震災の被害実態を踏まえまして、耐震基準が改定されております。現在は、改定後の想定最大級の地震動に対し、震災後においても必要不可欠な最低限の機能である揚水、簡易処理、消毒機能を確保するため、ポンプ施設や沈殿施設などの耐震補強を推進しております。

○三宅委員 では、水再生センターやポンプ所の耐震対策はどこまで進んでいるのか、下水道施設の耐震対策の平成二十八年度までの進捗状況についてお伺いいたします。

○中島計画調整部長 百八施設ございます水再生センターやポンプ所のうち、平成二十八年度までに区部では京浜島ポンプ所など二十八カ所、多摩地域では稲城ポンプ所など二カ所の合計三十カ所の耐震対策を完了しております。
 引き続き対策を進め、平成三十一年度末までに全百八施設の耐震対策を完了することとしております。

○三宅委員 これまでの質疑を通して、下水の入り口から出口まで、つまり下水道管からポンプ所、水再生センターの震災対策について計画的に進められていることが確認できました。
 この一方で、下水処理やポンプ運転には多くの電力が必要となります。東日本大震災では、発電所が甚大な被害を受けたことから、計画停電や夏季の電気使用制限が実施されました。
 昨年、都心部で大規模停電を起こした埼玉県新座市の地下送電線火災のように、電力供給を受ける上でのリスクもあることから、震災対策を進める上では、非常用発電設備の整備など、非常時における電力の確保も重要であると思います。
 そこで、水再生センターやポンプ所における非常用発電設備の整備状況についてお伺いいたします。

○池田施設管理部長 下水道局では、震災時などにおける停電の際にも、雨天時のポンプ排水機能や水処理機能の一部を維持するため、非常用発電設備により必要な電力を確保する取り組みを実施しております。
 そのため、水再生センターやポンプ所全百八施設で非常時の電力設備の未整備施設を解消する取り組みを推進しており、平成二十七年度末までに百二の施設に非常用発電設備を導入し、平成二十八年度は新たに中野水再生センターや熊の木ポンプ所など五施設で増強するとともに、未整備施設の天王洲ポンプ所と城南島ポンプ所の二施設で整備を推進いたしました。

○三宅委員 震災時等においても、電力を確保するための取り組みが行われていることが確認できました。
 ところで、その発電機を動かすためには燃料が必要になります。東日本大震災の際には、広域にわたり流通網が混乱し、燃料の調達が困難になった状況が発生いたしました。
 また、震災対策を進める上では、非常用発電設備の整備だけではなく、燃料調達が困難な状況に対する備えも重要だと思いますが、この点について見解を伺います。

○池田施設管理部長 東日本大震災の際に発電燃料の調達に苦慮した経験を踏まえ、非常用発電設備の導入とともに、その燃料の確保についても、多重の安全対策をとることが重要と考え、さまざまな取り組みを実施しております。
 例えば、災害時に燃料を安定的に確保するため、都と石油関係の組合との間で、石油燃料の安定供給等に関する協定を締結しているほか、水再生センターやポンプ所間で燃料を相互融通できるよう、非常時の輸送手段の確保に向けて検討を行っております。
 また、東日本大震災では耐震性にすぐれている中圧の都市ガス管からの供給には支障がなかったことから、灯油のほかに都市ガスにも対応できるデュアルフュエル型の非常用発電設備を設置可能な水再生センターを中心に導入することとし、平成二十七年度には、下水道局として初めての設備が中川水再生センターで完成し、平成二十八年度は引き続き中野水再生センターと葛西水再生センターで設置を推進いたしました。

○三宅委員 災害時の燃料確保に当たっては、ソフト、ハードの両面から対策が講じられている、そういうことを確認させていただきました。こうした取り組みを着実に進め、震災時における安定的な下水道機能を確保していただきたいと思います。
 次に、多摩の流域下水道における水再生センター連絡管についてお伺いいたします。
 決算概要には、震災時などにおける下水道機能を確保するとともに、効率的な再構築や維持管理に活用するため、北多摩二号、浅川水再生センター間の連絡管の供用を開始したとの記載がありました。
 そこで、流域下水道における連絡管の整備効果について伺います。

○猪八重技術部長 流域下水道の連絡管は、平成十八年度に多摩川上流、八王子水再生センター間で、平成二十五年度には北多摩一号、南多摩水再生センター間で順次稼働し、また、平成二十八年度には北多摩二号、浅川水再生センター間で供用を開始いたしまして、三本の連絡管が全て稼働いたしました。
 これら三本の連絡管により、下水や汚泥を多摩川を挟む二つの水再生センター間で相互に処理することなどが可能となり、震災時におけるバックアップ機能の確保に加え、施設更新や維持管理の効率化を図ることができることとなりました。
 これによりまして、東日本大震災で一部の施設が停止いたしました際には、汚泥を対岸の水再生センターに送りまして、安定的な汚泥処理を確保いたしました。
 さらに今後、汚泥焼却炉を更新する際には、焼却炉を集約化、大型化することで台数を削減し、建設費を抑えることができるとともに、定期点検や補修工事などに伴う施設停止時にも焼却能力を安定的に確保することが可能となってまいります。

○三宅委員 今のご答弁から、安全・安心の確保という面で大変心強く思っております。また、効率的な維持管理にもつながるということで、この連絡管をしっかりと活用していただきたいと思います。
 最後にもう一点確認させてもらいますが、多摩地域の下水道は区部と異なり、市町村が設置管理する公共下水道と、都が設置管理する流域下水道幹線や水再生センターなど、基幹施設が一体となって機能することで、下水道機能が確保されます。
 多摩四百万都民の安全・安心で快適な生活を支えるためのさまざまな取り組みを進めていくためには、互いの連携が大変重要になってまいります。
 そこで、多摩地域の震災時などにおける都と市町村との連携についてお伺いいたします。

○猪八重技術部長 多摩地域では、これまで地震などの災害時に公共下水道を管理する市町村単独では対応が困難な場合に備え、流域下水道本部と全三十市町村などとの間で、多摩地域の下水道事業における災害時支援に関するルールを定め、職員派遣などの相互支援体制を構築してまいりました。
 これに加え、被災した市町村が管理する下水道管などを速やかに復旧するため、市町村や下水道のノウハウを持つ協力団体などと多摩地域における下水道管路施設の災害時復旧支援に関する協定を本年三月に締結し、支援体制を強化いたしております。
 さらに、避難所の仮設トイレなどから発生するし尿を水再生センターで受け入れるための覚書を市町村と締結いたしまして、毎年実践的な訓練を実施しております。
 今後とも、多摩地域の安全・安心の確保に向け、都と市町村との連携を強化してまいります。

○三宅委員 災害時の協定や、また覚書の締結など、多摩地域の安全・安心を確保するための取り組みを推進していることを大いに我々は評価したいと思います。
 今後も多摩地域の安全・安心の確保に向け、都と市町村との連携を強化していただきたいと思います。
 きょうは我が党の政策提言である世界で一番の都市東京の実現のため、安全・安心を守る取り組み、とりわけ震災対策について質問、確認させていただきました。
 下水道局では、このほかにも老朽化対策や浸水対策、公共用水域の水質保全を目的とした合流式下水道の改善や高度処理、あるいはエネルギー、地球温暖化対策などの多岐にわたる取り組みを推進しておられます。
 今後も多様なサービスを展開しつつ、経営計画二〇一六の目標達成に向けて頑張っていただくようお願いいたしまして、質問を終わります。

○河野委員 私は豪雨対策と、それからエネルギー対策、そして職員問題の三点について質問をいたします。
 初めに、豪雨対策について伺います。
 先ほど来お話がありますように、ことしも七月の九州北部豪雨、そして、この二十二日、二十三日の大型台風二十一号の被害など、豪雨対策が続いています。
 近年多発しているゲリラ豪雨などに加えて、東京都は平成十九年度に東京都豪雨対策基本方針を策定して、下水道局も平成二十五年十二月の豪雨対策緊急プランによる取り組みを進めて、そして現在は東京都下水道事業経営計画二〇一六に基づいて浸水対策の充実強化に取り組んでいますけれども、順次この点で質問いたします。
 経営計画二〇一六には、震災対策について、目標年度五カ年の取り組みや目標が示されております。示されている対策の中で、五十ミリ対策はどのように取り組まれているか、五十ミリ対策の目標と到達状況はどうなっているのかをお答えください。

○中島計画調整部長 時間五十ミリ降雨への対策を実施する地区としましては、対策促進地区、重点地区、合わせて三十五地区を選定しており、経営計画の最終年度である平成三十二年度までに累計二十三地区で対策を完了させることを目標としております。
 これまでに十二地区で事業が完了し、現在、十四地区で事業を推進しているところでございます。

○河野委員 先月になりますが、九月二十五日に新聞でも報道されましたが、国土交通省の調査では、五年に一回程度の大雨に対応できるよう下水道の整備を求めているが、全国の到達は四二%にとどまっているとのことでした。
 大都市では、京都七九%、愛知県七七%、大阪府七三%となっていますが、東京の到達は六六%でした。
 この到達について、局の見解を伺いたいと思います。これまでの取り組みの経過、到達状況についてどのような認識をお持ちでしょうか。

○中島計画調整部長 委員ご指摘のデータは、下水道による浸水対策の整備状況について、国が都道府県別に集計した都市浸水対策達成率でございますが、都市ごとに対策施設の規模や対策区域の面積、整備開始年次等が異なるため、一律の比較は困難と考えます。
 区部における都市浸水対策達成率は、平成二十八年度末で七〇%、経営計画の最終年度である平成三十二年度には七四%まで引き上げることを目標としております。
 引き続き、浸水対策を推進することで都市機能を確保し、お客様が安全に安心して暮らせる東京の実現を目指してまいります。

○河野委員 一律に比較は困難というご答弁がありました。それも私は専門家じゃないから、専門家の下水道局の部長さんがおっしゃるんだから、そういう、一律じゃないということはあるのかなと思いますが、国土交通省は、ゲリラ豪雨など強い雨の頻度がふえている状況のもとで、市街地が浸水被害に遭わないように対応を全国の自治体に求めているとのことです。
 東京都としても、こういう数値の中でどう考えるかというのはこれからの課題だと思うんですが、全国の取り組みも検証しつつ、対策を強めていかれることを望んでおきます。
 次の質問です。
 私は江戸川区に住んでおります。大雨が降ると浸水被害が起きています。きょう資料を出していただいて、大変ありがとうございます。この資料を見ますと、東京東部地域、各区の比較でも江戸川区は被害件数が多いのがわかると思うんです。
 二〇一五年に下水道局は江戸川区の北葛西、西葛西地域の一部を小規模緊急対策地区に指定しました。
 三年以内の平成二十八年度中に完了とされていますが、現在の進捗状況はどのようになっているか具体的にお示しをいただきたいと思います。

○佐々木建設部長 北葛西や西葛西地区は、豪雨対策下水道緊急プランにおいて、緊急に対策を進める地区の一つとして選定し、対策を推進してまいりました。
 具体的には、区や関係局と連携し、雨水ますの増設、連続のグレーチングぶたへの取りかえ、既設の雨水貯留管を改良し、雨水が貯留管に流れ込みやすくする対策は既に完了しております。
 さらに、雨水の流れをより広域的視点から検証するために、雨水流出解析シミュレーションを行い、雨水の流れの改善や下水道管の増設などの追加対策を検討いたしました。
 その結果、下水道管の流下能力を増強するため、既存の下水道管をより大きい下水道管に取りかえるほか、新たにバイパス管が必要となりました。
 平成二十八年度は、より大きい下水道管に取りかえる工事、約二百メートルを完了させるとともに、バイパス管の敷設工事も推進しております。

○河野委員 対策指定地区というか、小規模対策地域ということで指定されたこの地域で雨水が地上にたまり続けないように努力されているということは今のご答弁でわかりました。
 経営計画二〇一六には七十五ミリ対策地域も示されております。大規模地下街や対策市街地が指定されておりますが、七十五ミリ対策が行われる地域の事業の内容と到達状況及び事業完了に向けての見通しについてご説明をいただきたいと思います。

○中島計画調整部長 時間七十五ミリの降雨対策といたしまして、地下街対策地区、市街地対策地区、合わせて十三地区を定め、既に四地区で事業が完了しており、現在九地区で事業を推進しております。
 経営計画の最終年度である平成三十二年度までに累計七地区で対策を完了させることを目標としております。

○河野委員 今のご答弁で努力されていることはわかりました。
 平成三十二年度完了ということで、この経営計画にも指定されているものがあるんですが、その目標に到達しない地域も残されるということも、この数字、今挙げられた地区の数字でそのように理解してよろしいのかどうか、この点、もう一回ご答弁いただけますか。

○中島計画調整部長 先ほどご答弁させていただきましたが、地下街対策地区、市街地対策地区、合わせて十三地区を定めております。
 そのうち、経営計画の最終年度である平成三十二年度までに完了するのは累計で七地区でございます。
 残りの地区につきましては、引き続き事業を推進することとしております。

○河野委員 まだこれから取り組みしなくてはならない地域が残されているということだと思いますので、ぜひご努力をいただきたいと思います。
 いただいている資料では、江戸川区の浸水被害は、平成二十五、平成二十六年度はそれぞれ七十七件、五十一件となっていて、平成二十八年度は五件となっています。
 でも、実際はもっと多くの被害発生があるというのが江戸川区に居住している私の実感なんですね。現に大雨が降ると、江戸川区役所が区内に何カ所も設けている土のうステーションに地域住民が土のうを取りに来ますし、高齢者のお宅に運んであげている様子も見られます。自家製の止水板を使って水に備えているというお宅も何軒もあります。
 浸水被害が発生している荒川下流の江戸川区、葛飾区など東部低地帯についても、七十五ミリ対策地域として指定すべきじゃないかと、こういう大雨のたびの被害の状況を見ていますと、感じてしまうんです。
 経営計画二〇一六の三〇ページに対象地区が図示されておりまして、わかりやすく対象地区を挙げていただいておりますが、ほとんどが東京の北西部地域で、隅田川から東は三カ所という印になっています。
 大雨の際、浸水被害が多く発生している荒川の東側、いわゆる左岸というんでしょうか、東側下流域の江戸川区、葛飾区の地域を七十五ミリ対策地域に指定していただくことを願っているものなんですが、いかがでしょうか。

○中島計画調整部長 時間七十五ミリ降雨の対策地区につきましては、浸水被害の影響が大きい大規模地下街や、甚大な被害が発生している地区で実施しており、その他の地域は時間五十ミリ降雨に対する対策を基本としております。

○河野委員 これは前も一度そういうご答弁を伺ったことがあります。でも、実際被害を受けている方がありますし、荒川下流、東側の地域、河川よりも、水位よりも低いところに住んでいる住宅の人たち、そこの実態もよく調査をされて、地域指定の検討をしていただきたい、このことを求めておきたいと思います。
 経営計画二〇一六には、浸水対策地区と取り組み内容が示されております。
 一時間当たりの降雨量五十ミリ、それから七十五ミリ対策とは、それぞれどのような事業内容なのでしょうか。対策はどういう方法を講じていくのか。また、五十ミリ、七十五ミリ対策の事業費の見込みなどについてもお答えをいただきたいと思います。

○中島計画調整部長 時間五十ミリを超える降雨に対しても被害を軽減する五十ミリ拡充対策地区におきましては、既存の貯留施設を活用するなど、可能な対策を組み合わせて対策を実施しております。
 時間七十五ミリ降雨への対策地区では、既存ストックを最大限評価した上で、既存幹線の下に新たな幹線を整備するなどの対策を実施しております。浸水対策の事業費としましては、経営計画二〇一六におきまして、計画期間内の平成二十八年度から三十二年度までに約二千億円を見込んでおります。

○河野委員 平成二十八年度から三十二年度までの五年間で約二千億円ということで、割り算すると一年間に平均四百億円、大きな財源が投入された下水道局としての浸水対策だと思います。命と財産を守っていくという上では大変重要な取り組みなので、これはこれで本当に頑張っていただきたいと思っています。
 浸水被害を防止する上で、私は、雨水の対策に力を注ぐ、このことを提案したいと思います。
 かつて浸水被害が続いていた江戸川区の隣りの墨田区の関係者の方にお話を聞いたことがあります。墨田区も低地帯で、隅田川がすぐそばに流れております。浸水被害防止のために、まちの中の小さなダムづくりを区の施策として推進し、降った雨をまち全体に貯留する方策を講じたそうです。
 墨田区役所や両国国技館などの大きな建物の地下に貯留槽を設置したり、区内でもいろいろな建築物の下に雨をためる貯留槽を設ける、そういうことを区が積極的に取り組み、また、一軒一軒の家にも雨水貯留タンクを置いてもらうよう区が支援を行ったと聞いています。
 雨水貯留タンクは下水道局の所管かというと、これは違うということにお考えはなるかもしれないんですが、下水管に一気に水が流れ込まない方法として、下水道局も施策の一つに加えてよいのではないかと私は常々考えております。
 さきに紹介しました九月二十五日の新聞報道では、福岡県は、樋井川水系河川整備計画に、各戸への雨水タンクの普及などによる流出抑制に努めるとしていることが紹介されています。
 きょうは、朝、NHKのラジオニュースでやっておりましたが、栃木県の小山市では、水田ダムという構想で、水田のところに雨を一時的にためる施設をつくる、全体で二、三千カ所、数千カ所設置するということをいっておりましたが、それは一カ所二万円程度で、何か市が支援していくというようなことをいっておりましたし、雨を吸い込ませる、流さない、ためる、その辺ではそれぞれ、下水道局と違う局かもしれませんが、各地方自治体が工夫していることが全国的にも広がっているんだと思います。
 まちの中に小さなダムをつくり、下水管の負担を軽くしていく。この雨水をなるべく多くため込んでいく方法は、本当に浸水被害防止に役立つ方法だと思います。
 そのほかに、先ほど努力されている下水道局の取り組みの雨水浸透ますとか、グレーチングぶたの取りかえとか、いろいろありますけれども、加えて私たちは、下水道工事の際の道路の復旧に当たって、透水性舗装を位置づけるなど、そういう方法もあるんじゃないかというふうに考えています。かつて提案もさせていただいたことがあります。
 こうした対策について、下水道局はどのような認識をお持ちでしょうか。また、雨をきちんとためていく、まちにあふれさせない、そういうことでの取り組みの状況についてお聞かせをいただきたいと思います。

○中島計画調整部長 被害が比較的小規模な地域では、区などと連携した雨水ますの増設、グレーチングぶたへの取りかえなど、現場状況に応じた対策を実施しております。
 また、雨水貯留タンクや雨水浸透ますなどの雨水の流出を抑制する流域対策につきましては、総合治水対策の一環として、都市整備局が主体となり区と連携して設置を推進しております。

○河野委員 一応いろいろ方策がありますよということを提案しました。既設の下水道管に新しく七十五ミリや五十ミリの雨水貯留管を設置していく対策をとっているとか、浸水被害に役立つということでは努力されておりますが、こういう七十五ミリ、五十ミリの今の対策は新設管の建設費用も多くかかると思うんですね。
 雨水浸透ますとか、グレーチングぶた、透水性舗装などは少ない事業費で実施できますし、被害防止の効果を考えても、ぜひ下水道局としても取り組みを強めていただきたい問題です。
 私は、区内の各自治体や、そして都庁内各局とも連携して、下水道局が引き続き検討と努力を強めていただくようにお願いをしておきます。
 次に伺いたいのは、合流式下水道についての問題です。
 先日、お台場海浜公園の水質について報道があり、ふん便性大腸菌群数が極めて高くて、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのトライアスロン競技に影響が出るかもしれないとのことでした。合流式下水道で、雨が降った際、下水と雨水が一緒になって流出していることが大腸菌の検出値が高い原因とされていました。
 経営計画二〇一六には水質汚濁の改善について、下水を貯留する施設の増設など、五カ年の主な取り組みが示されております。特に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けて対策をスピードアップとも書かれています。下水貯留施設増設や高速ろ過施設の組み合わせで整備ペースを二倍にアップするというのが下水道局の経営計画に書かれている取り組みです。これはこれとして必要だと思います。
 私は以前から質問をしてきたんですけれども、江戸川区の西側を流れている旧中川、ここの川が合流式下水道による水質汚濁について、大変つらい状況が続いているので、今回も伺いたいと思います。
 旧中川は、降雨量が多いと墨田区や江東区からの雨水と下水が一緒になった水が流れ込んできます。そのために川の水は黄土色になりにおいもひどい、そういう状態です。
 長年の課題となっているわけなんですけれども、旧中川の水質改善について、下水道局はこれまでどのような対策を講じ、現在の到達はどこまで進んでいるのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

○佐々木建設部長 旧中川の水質改善に向けた合流改善の対策として、ポンプ所の雨水はけ口からごみやオイルボールなどの固形物の流出を抑制するため、オイルフェンスや目幅の細かいスクリーンを設置しました。
 吾嬬第二ポンプ所と小松川ポンプ所におきましては、降雨初期の特に汚れた下水を貯留するため、合わせて二万八千立方メートルの雨水貯留池が完成しております。
 吾嬬ポンプ所につきましては、現在、約七千立方メートルの雨水貯留池を併設するポンプ所として再構築工事を施工しており、平成二十八年度には旧ポンプ所下部躯体の撤去を実施いたしました。
 大島ポンプ所につきましては、雨水の放流先を旧中川から荒川へ切りかえることなどを目的とした約七千立方メートルの雨水貯留池を併設する小松川第二ポンプ所を建設中でございまして、平成二十八年度は導水渠を整備しております。
 大島ポンプ所の放流先を切りかえるためには、内径六メートルの東大島幹線及び内径四・五メートルの南大島幹線が必要であり、平成二十八年度末時点で、全長約二・一キロメートルのうち約一・六キロメートルについて完成しております。

○河野委員 経営計画二〇一六では、小松川第二ポンプ所の完成は平成三十二年というふうに示されています。問題は、江東区、墨田区側からの東大島幹線、そして南大島幹線の工事が地中の障害物の関係で想定よりも難航している、そのようなことも聞いています。
 雨水、下水の合流で旧中川の水が汚濁している現状が改善されるのは一体いつになるのかというのは近隣地域住民の本当に切実な要望なんですね。
 一体いつになるのか。現段階でこの問題についてどのような見通しをお持ちでしょうか。お聞かせください。

○佐々木建設部長 旧中川の水質改善に寄与する小松川第二ポンプ所は、流入する南大島幹線の発進立て坑を兼ねていることから、その工事工程は南大島幹線工事と密接に関係しております。現在、南大島幹線は、地下鉄営業線の直下を通過する際の障害物撤去を施工中であり、地下鉄への影響を最大限抑制する必要があることから慎重に施工しております。
 こうしたことから、経営計画二〇一六期間である平成三十二年度以降も事業を継続いたしますが、早期の完了を目指してまいります。

○河野委員 平成三十二年度以降も事業継続という答弁がございました。
 しかし、完了目標年度は現時点では明らかにできないのかもしれませんが、ここの決算特別委員会の場では明らかにされませんでした。せめて早急に完了予定年度は住民に対して、都民に対して示していただくことが必要だと思いますので、そのことはお願いをしておきたいと思います。
 一言申し上げますと、旧中川の水質改善は地元の方々の長年の要望になっています。都議会にも何回も陳情が出されています。水質汚濁の原因が雨水と下水が一緒になって川に流れ込む合流式下水道、ここにあるのですから、雨水を一定の間ため込む方策が効果的だと思うんです。
 下水道局の対策は、容量が大きい貯留施設や高速ろ過器の導入で改善を目指していくということなんですが、そのためにかかる費用も多額になると思うんです。雨水をため込む能力をまちの数多くの場所にふやしていくという発想の転換で、合流式下水道の欠陥を補うことができると思うので、ぜひ検討していただきたい。
 まちの中の小さなダムづくり、このことについて先ほども申し上げましたが、この雨水、汚水が一緒になる合流式下水道についても私は効果が図られるというふうに思いますので、前向きな取り組みを重ねてお願いしておきます。
 続いて、省エネ、再エネの問題について伺います。
 下水道局には、地球温暖化防止のアースプランと、エネルギー基本計画と書かれましたスマートプランがあります。省エネや再生エネルギー活用などについて伺いたいことはこの二つのプランに基づいて数多くありますけれども、きょうは二点に絞って質問をいたします。
 出していただいた資料を見ますと、下水道局施設での再生可能エネルギーによる年間発電電力量は、平成二十八年度は、太陽光発電が四カ所の施設でふえたのがわかります。江戸川区の葛西水再生センターにも太陽光パネルが設置されていて、再生可能エネルギーの導入拡大に下水道局が努力される様子も見せていただいております。
 環境に優しく安全なエネルギーの供給を促進する取り組みは大変重要だと思います。
 これまで下水道局がスマートプラン二〇一四で取り組んできた再生可能エネルギー導入の実績と、目標に対しての到達などについてお示しをいただきたいと思います。

○中島計画調整部長 これまでに、森ヶ崎水再生センターなどで太陽光発電設備を合計約五千八百キロワット整備するとともに、汚泥焼却時の廃熱を活用した発電を南多摩水再生センターに導入いたしました。
 このような取り組みにより、スマートプラン二〇一四で掲げた目標である総エネルギー使用量に対する再生可能エネルギー等の割合を二〇二四年度までに二〇%以上とする目標に対して、平成二十八年度末では一一・二%まで高めたところでございます。

○河野委員 では、ぜひ目標に向かって取り組み、頑張っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それで、下水道局の地球温暖化防止計画でありますアースプランは、ことし改定されています。昨年三月に策定された東京都の環境基本計画で温室効果ガス排出量を二〇三〇年までに三〇%削減する。この削減目標が引き上げられて、下水道局もアースプランに反映をしております。
 アースプラン二〇一七とスマートプラン二〇一四の基本方針について、下水道局はこれからどのような取り組みをされていくのか、努力方向についてお示しをいただきたいと思います。

○中島計画調整部長 アースプラン二〇一七での主な取り組みといたしまして、豊富な水量と放流落差を有効活用した小水力発電を森ヶ崎水再生センターで増強するとともに、南多摩水再生センターでは新たに整備いたします。
 また、汚泥焼却時の廃熱を活用した発電を多摩川上流水再生センターなどで導入拡大を図ってまいります。
 今後とも、再生可能エネルギーをより一層活用し、下水道事業で発生する温室効果ガスをアースプラン二〇一七の目標である、二〇三〇年度までに二〇〇〇年度比で三〇%以上削減することを目指してまいります。

○河野委員 下水道局は本当にたくさんの省エネ、再エネのポテンシャルを持っていると思います。ある本では、下水道はエネルギーの宝庫というような銘打ったものもありました。下水道局が持っているそのポテンシャル、下水熱のほかにも、汚泥焼却時の廃熱利用やバイオマス、今ご紹介ありました太陽光パネルや小水力発電など、こういう多くの可能性を秘めている下水道局が、アースプラン、そしてスマートプランの二つの計画に基づいて積極的な省エネ、再エネ施策を進めていただくように改めてお願いをしておきます。
 最後に、職員問題について伺います。
 特にきょうは技術の継承を確実に進めていく取り組みについてお聞きいたします。
 まず、下水道局全体の職員数、それから技術職、技能職の職員数について、十年前の平成十九年度と平成二十八年度、いわゆるこの十年間、どのような変化があったでしょうか。お答えください。

○久我職員部長 平成十九年度の局全体の職員数は三千百三十八人で、このうち技術職は二千四百三十五人、技能職は百九十六人でございます。また、平成二十八年度の局全体の職員数は二千四百四十三人で、このうち技術職は千九百二十四人、技能職は八十人でございます。
 平成十九年度と平成二十八年度と比較しますと、局全体の職員数は六百九十五人の減で、このうち技術職は五百十一人の減、技能職は百十六人の減となります。

○河野委員 ありがとうございます。大変長い期間の職員数の比較、ありがとうございました。
 十九年度と二十八年度で、全体では六百九十五人の職員が減員になっているんですが、そのうち技術職が五百十一人減というのは大変大きな比率だというふうに、ご答弁を受けて思いました。
 最近の都政新報に、済みません、局長の名前を出しますが、渡辺下水道局長がお話しされた記事が載っておりました。記事によりますと、約十年前は二十代、三十代の若手職員が全体の二割以下だったが現在は約四割にふえた、十年後には六割に達する見込み、若手が多いと活気はあるが、事業進捗に危うさがあると述べておられます。
 今、お示しいただいた下水道局の約二千人の技術系職員の年齢構成については、局長の答弁を見まして、一体どのような状況なのかなというのが私の率直なお聞きしたいことなんですけれども、年代ごとに人数と割合をお示しいただけますでしょうか。

○久我職員部長 まず、平成二十八年度末におけます技術系職員二千四人の年代別職員数と構成比でございますけれども、二十代以下が四百四十一人で二二・〇%、三十代が三百人で一五・〇%、四十代が五百七十人で二八・四%、五十代が三百六十六人で一八・三%、六十代が三百二十七人で一六・三%となってございます。

○河野委員 三十代の技能系職員の比率が一五%ということで、かなり低くなっているのがわかりました。局長が、活気があるけれどもこれから技術継承が大切だとおっしゃっている意味合いがここにもあるのかなと思うんですが、その局長のお話の中で、若手が多いと事業進捗に危うさがあるということについて、より具体的にご説明をお願いできますでしょうか。

○久我職員部長 事業進捗に危うさが残るということについてでございます。
 職員の年代構成が変化していく中で、今後とも事業を円滑に推進していくためには、ベテラン職員の持つ知識や技術、ノウハウをこれまで以上にしっかりと継承していかなければならない。こういう認識をあらわしたというものでございます。
 引き続き、局組織を挙げまして、若手職員を計画的、継続的に育成してまいります。

○河野委員 伺ったこととちょっとご答弁がすれ違っている感じはします。事業進捗にどういう危うさがあるのかというところで伺いたかったんですが、きょうはご答弁を受けておきます。
 都政新報の局長のお話の記事で、下水道局が直面している課題に着実に技術継承を進めていくことが課題として強く認識されているということを感じておりますので、どうぞこの点で力を注いでいただきますようにお願いをしたいと思います。
 もう一点伺いますが、今年度から技術継承のために再任用のベテラン職員の配置など、努力されていることも局長が語られておられます。
 私は、砂町水再生センターにある下水道技術実習センターも見せていただき、技術継承の努力に下水道局が力を入れていることを感じて、研修センターの重要さも認識させていただきました。
 同時に感じたのは、研修センターの模型みたいなところでの実習じゃなくて、現場での実践的な作業を通して、技術を学ぶ、身につけることも局としての大事な課題だと思っているんです。
 下水道局として取り組んでいる作業現場における技術の継承、スキルアップへの取り組みなど、若手職員に対してどのように取り組まれておられるのかもお伺いしておきます。

○中島計画調整部長 下水道局では、平成二十六年度に設置した下水道局技術継承検討委員会のもと、局一丸となって、若手技術職員の育成に取り組んでおります。
 具体的な取り組みとして、若手技術職員の現場感覚を養うため、日々ベテラン職員と現場に足を運ぶことを計画的に実施しております。
 さらに、技術継承業務を専ら担当するベテラン課長代理三名を新設し、出先事務所を巡回し、若手技術職員に対する実践的なアドバイスや、工事現場などを活用したディスカッションを行うなど、下水道技術の知識、ノウハウを学ぶ機会をふやすことに努めております。

○河野委員 下水道は都民生活には本当に欠かすことのできない重要な、社会的な公的インフラで、トラブルもたくさん出てくると思います。そうした問題について、多様なことに対応できる技術力を、それぞれの下水道局の職員の方が力をつけておく、備えておけるように、さらなる局の努力を要望しておきます。
 最後に、これは要望として、意見として申し上げたいと思います。
 職員の皆さんの長時間労働是正に関してのことです。
 資料でお示しいただきましたが、下水道局の長時間労働面接対象者は、平成二十八年度で三十三人いるという資料になっております。注書きにあるように、一月当たりの超過勤務時間が百時間を超えた職員の方などの人数です。
 先日、東京都人事委員会から、職員の給与に関する報告と勧告が出されて、長時間労働の是正について、きちんとした勧告が述べられていました。詳細な紹介は省きますけれども、職員相互の協力により帰りやすい雰囲気の醸成に努めていくことが大切として、これらの取り組みを進めてもなお長時間労働の是正が困難な場合には、適正な人員配置が行われているかについても、こうしたことも検証していくべきであるというというふうにしています。
 これまでも下水道局に対しては長時間労働是正の努力を求めてきましたけれども、東京都人事委員会の勧告を局としても重く受けとめていただいて、職員の心と体の健康が守られる職場環境をつくっていただくよう努力をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○神林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時五分休憩

   午後三時二十一分開議

○神林委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 発言を願います。

○西沢委員 では、私からも質問させていただきたいと思いますが、私は大きく財政面、財務面を中心に、それから、区部下水道を中心にお伺いをしていきたいと思います。
 今回の決算になります下水道の収入のうち、営業収益で主なものは下水道料金と、それからもう一つが一般会計の補助金という形になっていると。
 特に水道と比較しても、一般会計からの補助金というものが非常に多くなっているというふうに思うわけです。
 この理由を知りたいと思うわけですが、下水道料金と一般会計の負担の仕組みについて、まず最初にお伺いをいたします。

○安藤総務部長 下水道事業における経費の負担区分については、汚水処理に要する経費は特定の利用者が便益を受けるため下水道料金により賄い、雨水処理に要する経費は社会全体が便益を受けるため一般会計が負担するのが原則となっております。
 この雨水処理に要する経費の対象や範囲は総務省の基準で示されておりまして、都におきましてもこの基準に従い一般会計補助金として収入しているところでございます。

○西沢委員 汚水の処理は料金を直接ということですけれども、雨水の処理、要するに雨の処理というのは社会全体のものであるから、これは税金を使った一般会計を入れるということは道理なんだというようなことだと思います。これはそのとおりだというように私も思います。
 じゃあ、この雨水処理にかかわる経費の対象ですが、総務省の基準というような話がございました。この総務省の基準というのは具体的にどんな基準なのかお伺いをいたします。

○安藤総務部長 総務省の繰り出し基準でございますが、地方公営企業がその性質上、企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費など、一般会計が負担すべき経費について基本的な考え方を示したものでございます。
 下水道事業におきましては、雨水処理に要する経費や高度処理に要する経費などについて負担基準が明示されておりまして、都においてもこの基準に従い、補修費や電力費など経費の性質に応じて負担割合を算定し、一般会計補助金として収入しているところでございます。

○西沢委員 今、総務省の基準についてご答弁いただいたわけですけれども、私、イメージとしては、税金を入れるのは理解できるんだけれども、きょうも台風が来て、被害はどうなんだと、下水道の対応、震災対応についても先ほど議論があったわけですけれども、例えば台風の多い地域は下水の負担がやっぱり大きいわけですよね。逆にそうでない地域なんかもあると。
 地域によってやっぱり違うから、こういうものはやっぱり国がある程度基準を、もう少し範囲を入れていくこともあっていいんじゃないのかと私は思うんですね。税金を負担する以上は、やっぱりそれなりの理屈がなければいけないというふうに私は思うので、この基準というものはちょっと考えていかなきゃいけないのかなということは、まず最初にちょっと申し上げておきたいというように思います。
 いずれにしても、この基準をもとにして一般会計から、いわゆる都民の皆様のお金を入れているというような理屈はわかりました。
 水道局の決算審査でも申し上げてきたことなんですけれども、これまで、これからも少子高齢化や人口減少など、社会経済状況は変わっていくというようなことがあります。
 そこで、過去の決算の状況と比較をして確認をしていきたいというように思います。
 まず、収入と支出を大きく見ていくわけですが、まず収入ですけれども、平成十一年度は消費税の影響を除いた分が千七百六十五億円、これがピークで、平成二十八年度決算では千五百七十七億円と、長期的には約一一%も減少していると。
 この長期的な料金収入の減少について、一割以上減っているわけですが、下水道局ではどのような要因があるのか、分析をしているのかお伺いをいたします。

○田中経理部長 料金収入の動向につきましては、近年、増減を繰り返しながらほぼ横ばいで推移をしております。
 一方、料金収入のピークであった平成十一年度からの長期的な傾向を見ますと、使用件数は増加しておりますが、一件当たりの使用水量は減少しておりまして、料金収入は逓減傾向にございます。
 その要因につきましては、節水意識の向上や、節水型機器等が普及していること、使用水量の少ない単独世帯が増加していることなどによるものと考えております。

○西沢委員 近年は横ばいとはいいつつも、やっぱり料金収入は逓減傾向にあるという答弁ありました、減っていると。その原因が節水器であったり、それから単独の世帯、核家族化も進んで単身世帯がふえているよということだと思うんですね。
 さらに、経営計画二〇一六、これは皆様も持っているもので、これを中心に聞いていっているわけでありますが、今後の料金収入はほぼ横ばいを予測しているという一方で、維持管理費や借金の返済、償還金などの支出についても横ばいをキープするということになっている。
 料金収入については、さらに高齢化が進んでいくと。先ほど単独世帯の増加も料金収入の利用の一つだとありましたが、将来的、長期的に見れば、二〇三〇年代も東京は人口が減っていくと。人口が減っていくに加えて、いよいよ都市化、先進国でも初めて都市として東京は高齢化というものを経験しなければいけないと。高齢世帯がふえて、さらに、ひとり暮らしの高齢者の方が多くなると、今よりさらに小口化していくというようなことが当然予測できるものだと思うんですね。
 さらに節水技術も進んでいくだろうということですから、こうした中で、ほぼ横ばいとしている料金収入の見通しは甘いのではないかなというように私は思いますが、見解をお伺いいたします。

○安藤総務部長 料金収入は、これまで人口は増加してきたものの、使用者の小口化の進展により、近年はほぼ横ばいで推移しております。
 都の人口推計によりますと、区部の人口は引き続き二〇三〇年まで増加が見込まれております。経営計画二〇一六の五年間においても人口の増加と小口化の進展がございますので、料金収入はほぼ横ばいで推移するものと見込んでおります。

○西沢委員 そもそもこの経営計画は五年計画ですから、近年、この五年後ということでいえば、ある程度の予測、見込みは立つと思いますが、当然ですけれども、この経営計画も含めて、二十年後、三十年後という将来を見据えた上で考えていかなければいけないということは申し上げておきたいというように思います。
 下水道料金は少なくなっていくということとなると、当然収入はこれからどうしていくんだというような議論になると思います。収入を確保していくということであれば、料金の値上げと、それから資産活用をしていくということと、もう一つは補助金ですね、この三つをどうかしていくということだと思います。
 当然、料金収入を上げる、下水道料金を値上げするというのは余りにも単純な話ですし、これは必要最低限というか、最終手段という形で考えなければいけないと。
 資産活用については、先ほども少し議論がありまして、きょうはそこまで詳しくは議論しませんけれども、私の方で、もう一つ最後に、資産活用をしっかりしていくということは前提の上ですけれども、やっぱり補助金で、国費の確保ということをぜひしっかり進めてもらわなければいけないだろうというように思います。
 そこで、先ほどのご答弁でもありましたが、一般会計の補助金は雨水処理に要する費用に充てているということでありましたが、国からの補助金はどのような費用に充てているのかお伺いをいたします。

○安藤総務部長 国費につきましては、下水道法により、国は公共下水道等の設置または改築に要する費用の一部を補助できると規定されております。
 また、補助率については、下水道法施行令によりまして、管渠、終末処理場などの区分に応じて定められております。
 平成二十八年度決算では、区部の建設改良費の財源のうち約四分の一が国費となってございます。

○西沢委員 今の答弁で、区部の建設改良費の四分の一と話ありましたけれども、維持管理費には充てていないということですよね。
 冒頭の質問の方でちょっとお話ししましたが、さっきもいったんですけれども、やっぱり台風が来ていて、もしくは局地的に下水道の処理が許容量を超えていたりとか、エリアによって、地域によって大分違いが出てくると思うんです。
 さらには、東京都そのものの抱える課題というものが当然あります。都市部ならではの課題というときに、それは自治体ごとに任せるというよりは、私は、国全体のことにつながりますから、やっぱり国の中である程度この補助金は確保していくということに努めなければいけないんじゃないのかなというように思います。
 でなければ、地域事情によって、ここに住んでいれば下水道はしっかり、ちゃんとしていると。でも、この地域に住むと浸水が多いとか。きょうも議論がありました。これは東京都内だけでもさまざま事情があるにもかかわらず、広域自治体でもそういった状況が出てきてしまうということになるというように思うわけであります。
 聞くところによると、国は費用は削減をしていくというような方針だということですから、ぜひしっかりと確保していくため、毎年要望されているというように聞いていますが、しっかりと取り組んでいただきたいということをお願いをしておきたいというように思います。
 続いて支出について、今まで収入についてお伺いしてきましたが、支出についてです。
 経営計画二〇一六を見ると、企業債の償還費が減少していくということを見込んでいるということでございました。
 今、日本が直面している課題の一つは高齢化と、もう一つがインフラの高齢化、二つの高齢化がございますね。ここで収入が減っていくという話を今してきましたが、もう一つは支出がふえていくということであります。
 これは、先ほども再構築の話、それから施設の老朽化に伴う更新費用、これがまたこれからかかっていくという話があったわけでありますけれども、ただし、この経営計画を見ると、支出については比較的横ばいをキープしていくというようなことも書いていると。
 これは何なのかというと、要するに、借金の返済が減少していくということなわけですよね。収入は減っていくと。その一方で支出はふえていく。だけれども、均衡はとれていますよと。それは借金の返済が終わるからということだと思うんですね。
 じゃあ、この企業債をどう見るかということ、ここをちょっと考えていきたいと思うんです。
 企業債の利用というものは、これまでも議会でも何度も議論がありますが、平準化を保つということで、今、大きなお金をここでつくると。でも、その設備、施設の恩恵は何年、何十年先の世代まで負担をしてもらうと、こういった考え方で企業債の発行をしていくと。このこと自体は問題ないと思います。いいと思います。
 ただし、企業債の返済期間というものは何をもって決めているのかというところに視点を置きたいと思います。これは普通は耐用年数であったりとか、更新時期でありますが、まずこの耐用年数や更新時期にあわせたものなのかどうかお伺いをいたします。

○安藤総務部長 企業債は長期借入金でございます。委員ご指摘のとおり、下水道の建設投資はその事業効果が長期にわたりますことから、企業債を利用して、長年にかけて償還することにより世代間の負担の公平を図っております。
 企業債の償還年限についてでございますが、国の基準では、建設改良費等に係る企業債につきましては、原則として四十年以内とすることが適当であるとされ、また、施設の耐用年数等の範囲内であることとされております。
 当局では下水道施設の耐用年数等を考慮した上で、償還年限を最長三十年といたしております。

○西沢委員 今の答弁、耐用年数を考慮しているという話でした。耐用年数の考え方ですけれども、三十年というものが本当にいいのかどうかということを議論する時期に来ているんじゃないかというように私は思います。
 国では原則四十年という話になっています。四十年までできると。さらにふやしていくこともできるんじゃないかというふうに思うんですね。
 先ほどは再構築の話があって、アセットマネジメントを利用して、例えば下水管のパイプは八十年使うわけですよね。八十年使うんだけれども、三十年で返すというと、五十年はそのまま使っていくよというようなことになるわけです。
 裏を返せば、八十年で返済期間をすれば、八十年間公平にそれを使う年代で平準化することができるということにもできるわけでありますね。
 先ほどの財政面から見てみると均衡は保てているように見えると。だけれども、うがった見方をすれば、悪いいい方をすれば、例えば三十年で返済期間を保つと、三十年間は、いや、返済がきついです、だけれども、将来的には返済が進めば減少していくから均衡を保てますと、財政面的にはそうはいえるかもしれない。三十一年目以降はどうなのかといったら、いや、老朽化が大変なんです、これからは老朽化なので、これからお金がかかっていくから大変なんですと。いかようにもいえるようなところが、悪いいい方をすれば見えてしまうと。うまいこと書かれているような気がするんですね。
 公営企業の役割、使命というのは、当然もうかり過ぎてもいけないと思います。その一方で、赤字を垂れ流すというようなことも当然あってはいけない。そのバランスが重要であるから、こうした形になっているというように思うんです。
 ただ、これだとやはり財政的に少しわかりづらくもなるし、このバランスが本当に保てているのかというのは、財務指標的にはそうかもしれないけれども、現実的にはどうなのかというと、まだまだちょっと見えづらい部分があるんじゃないのかなと思います。
 そこで、これを解決する手法としては、私は企業債の返済、耐用年数は下水管でいうと五十年ですね。だけれども、当局の場合は、下水道局の場合は最長三十年としているという話でした。
 例えば水再生センターとかは鉄筋コンクリートですから、これも五十年弱ぐらい、五十年かな、耐用年数が五十年だと思うんですね。その一方で、工場とかで使うものだとか、中の施設は例えば七年とか八年とか十年、そういったものもあると思います。
 決算資料の一三ページを見ると、区部の資産平均耐用年数は四十二・九年となっている。その一方で、パイプについては、先ほどもありましたが、アセットマネジメントなどを利用すると八十年ぐらい使っていると。この開きが大分あると。
 やはりこれを埋めていく考えとして、企業債の返済期間の考え方、これを例えば長期間にするであるとか、まさに企業債償還改革に取り組むべきと、これを検討するべきなんじゃないかなというように私は考えますが、見解をお伺いいたします。

○安藤総務部長 償還年限につきましては、企業債残高の縮減や利子負担の軽減などを考慮しつつ、経営状況や将来的な財政負担も見据えまして、常に検討していく必要があると認識してございます。

○西沢委員 検討をぜひしていただきたいと思います。答弁にもありましたけれども、利子の負担というところがありますから、今、低金利ですけれども、極端に八十年返済となると、社会情勢がどうなっているか、そういったリスクも当然あると思いますし、法律の壁もあると思います。
 ただ、まだこの話を続けて恐縮なんですけれども、木造住宅、二十二年の耐用年数だけれども、住宅ローンはやっぱり三十五年で組んだりすることもありますよね。そういったことを考えれば、決してこれから、建物をリノベーションして住み直すということが最近はトレンドとなってきている状況から考えると、十分前向きに検討をしていっていただくことはいいことなんじゃないかなということを申し上げておきたいというように思います。
 全国に先駆けて下水道が普及した東京都においては、その膨大な管路や設備などの老朽化対策、この老朽化対策についてお聞きしていくわけでありますが、長期的な維持管理費の動向について、これは支出がふえていっているんじゃないかという話を先ほどしましたが、この長期的な維持管理費の動向についてどのように認識をしているのかお伺いをいたします。

○安藤総務部長 維持管理費の主なものは、下水道施設に係る補修費や電力費などでございます。特に当局は下水道施設の運転を行うことで、都内の電力使用量の一%強に当たる電力を使用しております。
 そのため、これまで省エネルギー型機器の導入や運転管理の工夫などにより、電力使用量を抑えるなど、維持管理経費を縮減してまいりました。
 しかしながら近年は労務単価や電気料金の上昇などの影響が大きく、維持管理費は増加傾向にございます。
 今後も労務単価の上昇や施設の老朽化などにより維持管理費の増加が見込まれますが、引き続き適切な維持管理を行いつつ、経費の縮減に取り組んでまいります。

○西沢委員 料金の収入は減少にあるという話をした上で、今の答弁ですけれども、管渠費など維持管理費は増加傾向にあるというような答弁、今後もその増加が見込まれているというようなご答弁がございました。
 決算の審査ですから、ここで、これまでの十年間の経常収支比率がどのように変化してきているのか、確認の意味を込めてお伺いしたいと思います。

○安藤総務部長 経常収支比率は、料金収入や一般会計補助金等の収益で、維持管理費や企業債利息等の費用をどの程度賄えているかをあらわす指標でございまして、一〇〇%以上が一般的に健全といわれております。平成十九年度の区部の経常収支比率は一〇九・六%であり、その後、ほぼ横ばいで推移し、平成二十八年度は一一二・二%と、十年間を通して一〇〇%を上回っている状況でございます。

○西沢委員 今の答弁を聞く限りは、今のところ経営としては大丈夫なんだというようなことでありますが、繰り返しになりますが、指標にとらわれることなく、安心せず引き続き頑張っていただきたいというように思います。
 支出の増加の部分ですが、一昨日の水道局での質疑については、配水費なんですけれども、単価の上昇と、それから経費上昇の因果関係を水道局さんの方にただしました。そのときは、他の自治体と比較して水道局は決算ベースで見ると高くなっていると、こうしたことを答弁されて、その詳細は不明だというようにも答弁されました。
 下水道局も同様のことがいえるんじゃないかと私は思いまして、確認をいたしますが、維持管理費について、他の自治体と比較すると単価としては高いものなのでしょうか。また、比較は詳細にはできないという認識でよろしいんでしょうか。見解をお伺いいたします。

○安藤総務部長 維持管理費の他の自治体との比較でございますが、総務省が公表しております経営比較分析表の一立方メートル当たりの汚水処理経費をあらわす汚水処理原価につきまして、平成二十七年度の決算値を比較しますと、当局の百十・二五円に対しまして、横浜市は百十・一一円、名古屋市は百十四・三六円、大阪市は九十四・〇〇円となっております。
 都と大阪市の違いは、労務単価の差、また、大阪市は整備年代が古く、減価償却費が低いことなどが要因として考えられます。
 経営比較につきましては、公表データに限りがあることや、各都市の地形、合流式下水道と分流式下水道との違い、整備年代の違いなどにより経費に差が生じますことから、詳細な要因分析は困難であると認識しております。

○西沢委員 比較的、他の自治体と比較して高いということではあると思うんですが、名古屋の方が高いんですね、名古屋の方が高いということです。大阪とか横浜とかよりは東京の方が高いということですが、名古屋の方が高い。これ、どういう理由があるのかというところは、ぜひ参考にする必要があると思うんですね。
 今、比較するのはなかなか困難だというようなことがありましたが、現地で話を聞いたりとか、そういったことは十分できると思うんですね。比較しちゃって本当に恐縮なんですけれども、一昨日の水道局さんの方では、モデルケースとしての横浜のモデルケースなど、そういったところとの比較はできるんじゃないかというような前向きな答弁はもらいました。
 東京という特殊なところはありますが、大都市、もしくは海外と比較してもいいと思うんですね。ロンドンであるとか、下水道、非常に大きな歴史のあるところでもあります。他の自治体とか海外、こうした比較をしていくということは有効と考えますので、ぜひやってもらいたいということを改めて申し上げたいと思いますが、見解をお伺いいたします。

○安藤総務部長 先ほども答弁申し上げましたとおり、比較分析には限界がございますけれども、公営企業として、他都市の状況なども参考にして、より効率的な事業運営に努めていくことが重要であると認識しております。

○西沢委員 ぜひ参考にして、事業運営に努めていくことは重要というご答弁をいただきましたので、そういった認識のもと、施策を進めていただきたいというように思います。
 今、海外の話ちょっとありましたけれども、先々月のニュースでしょうか、ロンドンの下水道局で油の塊が百三十メートルにもわたって詰まっていたというようなことがございました。
 東京都下水道局で油を流さないでという形で、油を使わない料理のレシピ本をつくられたりとか、油を流さないような啓発活動をされていると思いますが、ロンドンの方の下水道では、聞くところによると、がんがん油を流すというような文化があって、あちこちで油を取り除く道路工事が行われているというような現状が聞こえてきます。
 お国柄の違いというのもあると思うんですけれども、やっぱりこういった現場を聞くということは参考になると思うんですね。
 都議会で、今そういった現場を視察して話を聞くというのは、ちょっと海外視察そのものがどうなのかというところがあるのでなかなか難しいと思うんですが、執行機関の皆さんがそういった事例を参考にするというのは大いに有効なことなんじゃないかなというように私は思います。
 今回の議論とはちょっと違いますけれども、ぜひそういった視点も含めて、他の自治体であったり、他の事例を参考にしていただきたいということを申し上げておきたいというように思います。
 最後にというか、もうこれで質問は終えますけれども、下水道管の再構築についてお伺いしようと思いましたが、きょうは大分議論がもう既に出ておりますので、要望だけにとどめたいと思いますが、人口減少社会、収入の減少と、それから施設の老朽化や維持管理費の増加と、収入が減って支出がふえていくという課題の中、ぜひコストの縮減や国費の財源確保、それから企業債の改革ということを含めて、持続可能な財政基盤を築き上げていただきたいということを申し上げて質問を終わらせていただきます。

○田の上委員 ラストバッターですので、多少の質問項目の重複等もございますが、また、河野議員は同じ江戸川区選出ですので、問題意識を一にしているところもございますが、ご容赦いただきたいというふうに思っております。
 まず、合流式下水道改善について伺いたいと思います。
 下水道局では、衛生環境改善と雨水排除のために合流式下水道を早くから進めてきました。下水普及率は平成六年度末に一〇〇%を達成し、当時は画期的だったことと思います。
 しかしながら、雨の強い日には汚水まじりの雨水を河川に放流するため、その放流水質に課題があり、改善を図っているものと認識しております。隅田川におけるBODの数値が年々着実に下がってきており、二十八年度は平均、リッター当たり二・七ミリグラムというふうに聞いております。
 まず、下水道局が進めている合流改善の取り組みとはどのようなものなのかお聞かせください。

○中島計画調整部長 合流式下水道では、浸水からまちを守るため、強い雨が降ると、川や海などに汚水まじりの雨水を放流せざるを得ないことから、合流式下水道の改善対策に取り組んでいるところです。
 主な取り組みといたしましては、雨天時の下水をより多く水再生センターへ送るための下水道管の整備、雨水はけ口からのごみなどの流出を抑制する施設の整備、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備の三つがございます。このうち下水道管の整備、ごみの流出を抑制する施設の整備の二つにつきましては、おおむね完了しております。
 現在は、下水を貯留する施設の建設を進めており、オリンピック・パラリンピックの開催に向け、平成三十一年度までに累計で百四十万立方メートルを整備することを目標としており、平成二十八年度までに累計百十五万立方メートルの整備を完了しております。

○田の上委員 ありがとうございます。さまざまな取り組みをされているように伺いました。合流式下水道は汚水まじりの雨水が課題でありますので、放流においても、浸水においても気になるところですが、雨天時の下水をより多く水再生センターに送るための下水道管や、貯留施設の整備など、未処理水を放流しないようにする取り組みが進んでいるものというふうに認識をしております。
 区部では、分流式下水道が採用されている地域がございます。再開発予定地などで部分分流化を進めていたことも記憶しております。
 下水道局はどのように部分分流化を進めているのか伺います。また、実施例も含めて教えてください。

○中島計画調整部長 下水道局では、下水道から河川などへ放流される汚濁負荷量を削減するため、合流式下水道の改善対策を進めておりますが、その対策の一つとして、市街地再開発などの面的な開発行為がある場合などに部分分流化を実施しております。
 市街地再開発事業などの開発事業の中で部分分流化を進めるためには、道路に汚水、雨水の二本の管渠を別々に敷設し、さらに、事業者の理解と協力により、開発区域内の建物の排水管を汚水と雨水に分けなければなりません。
 また、部分分流を進めるための条件として、汚水を水再生センターへ送水するための遮集管渠が近くにあることや、開発区域内から放流先まで雨水を導水することを考慮いたしますと、再開発事業地区が河川や海に隣接していることも必要でございます。
 これまで新宿区北新宿地区、目黒区大橋地区などで部分分流を進めてまいりました。

○田の上委員 部分分流化ですので、広い範囲ではないということでしょうが、条件が整えば分流化を進めることができるというふうに確認をいたしました。
 私は、特に浸水の多い地域などで分流化が進められないものかというふうに思っております。また、部分分流化には河川や海に隣接しているなどの条件もあるようですが、事業者の要望も聞きながら、必要と思われる地域で進めていただきたいと要望をさせていただきます。
 現在、下水道局では、平成三十六年度から強化される下水道法施行令の雨天時放流水質基準の達成に向けた取り組みを着実に推進していると聞いております。
 未処理水の放流の課題について前述したところでございますが、合流式下水道の改善事業の効果として、貯留施設などを整備することなどにより放流回数頻度はどれくらいになるのでしょうか、伺います。

○中島計画調整部長 整備効果といたしましては、雨天時における汚水まじりの雨水を放流する回数の削減などがあり、流域条件などで一律ではないものの、例えば北区の神谷ポンプ所では、貯留施設の建設前後で放流回数が年平均四十二回から十三回と、約七割減少しております。

○田の上委員 場所によってですが、放流回数も減少しているというふうに伺いました。先ほども、二十八年度は累計百十五万立方メートルの整備を完了したというご答弁がございましたけれども、今後、経営計画二〇一六に中長期的な目標として、三十三年度以降もいろいろ数字が掲げられておりました。今後もさらに効果が高められることを期待しております。
 平成十五年の下水道法施行令の改定に伴う平成三十六年度からの雨天時放流水質基準とはどのようなものなのか、改めて教えてください。

○中島計画調整部長 平成三十六年度からの雨天時放流水質基準は、雨天時における処理区から放流される放流水質の水質基準でございまして、降雨による雨水の影響が大きいとき、水の汚れをあらわす生物化学的酸素要求量、いわゆるBODが処理区の平均で一リットル当たり四十ミリグラム以下と定められております。

○田の上委員 BODでリッター当たり四十ミリグラム以下ということでございました。基準値は地域特性や雨天時の水質変動の大きさを考慮しての数値であり、また、合流式下水道の改善目標が分流並みになっていることが前提としたものというふうに聞いております。
 隅田川のBODが平成七年に既にリッター当たり三ミリグラムになっているということには感心をしておりますが、ほかの河川においてもご努力をお願いしたいというふうに思っております。
 また、分流化を進めることには課題がたくさんございますが、汚水を含む雨水の排水ですので、ぜひともさまざまな角度から水質向上に努めていただきたいと思います。
 次に、浸水対策について伺います。
 江戸川区では、ほぼ毎年のように浸水被害が発生し、昨年七月の浸水では、荒川、中川沿いの低地帯の浸水被害のご相談をいただいております。地盤の低い地域では四方八方から雨水が集まり、何軒もの建物が浸水しました。未処理水があふれてしまい、悪臭や水が引いた後の汚れにも同時に悩まされております。こういった地域に対する浸水対策をどのようにお考えになっているのかお聞かせください。

○中島計画調整部長 下水道局が平成二十五年十二月に策定した豪雨対策下水道緊急プランにおきまして、被害箇所が点在し、区の協力や、地元からの要望等がある地域を小規模緊急対策地区と定め、区などと連携し、対策を早期に実施しているところです。
 小規模緊急対策地区としては、北葛西、西葛西地区を含む六地区におきまして、区と連携した雨水ますの増設、グレーチングぶたへの取りかえや、局が実施するバイパス管の設置など、現場状況に応じたきめ細やかな対策を実施しております。

○田の上委員 平成二十五年十月の台風二十六号では、区内で七十棟を超える床上、床下の浸水被害があり、私のまさに地元の北葛西、西葛西地区でも甚大な被害がございましたが、昨年はそのような話を聞いておりません。
 道路管理者との連携はもちろんのこと、より大きい下水道管に取りかえる工事やバイパス管の敷設工事もしていただいたとのことで、成果があらわれているように思います。
 北葛西、西葛西地区以外で、先ほど申し上げたような繰り返し浸水被害があった地域でも、小規模緊急対策地区のような取り組みが可能かどうかお聞かせください。

○中島計画調整部長 浸水被害のあった地域では、降雨の特性、被害状況、被害の発生原因や下水道施設の雨水排除能力等を確認し、調査検討を行った上で、区の協力や、地元からの要望等も踏まえて、必要な対策を実施してまいります。

○田の上委員 ありがとうございます。対策の完了した地域を見ると、非常に落ちついた状態のように思っております。
 一方、現在も浸水に悩まされている地域では、雨量が多くなるたびに心配を抱えており、トイレも使えないなどの状況にあるようでございます。ご自身で防水板設置をしている方もいます。ぜひ地元の要望にも耳を傾けていただきまして、現場の状況に応じた対策をとっていただきたいと要望いたします。
 一方、河川管理者との連携も重要と考えます。建設局では、河川の治水安全度を向上するため、区部では一時間当たり七十五ミリ、多摩地域では六十五ミリの降雨に対応することを目標に河川整備を進めています。
 下水道局においても、下水道管の流下能力アップによる浸水被害の軽減を進めていかなくてはなりません。
 今後の河川管理者と連携した浸水対策について伺います。

○佐々木建設部長 河道や地下調節池など、河川施設の整備が行われた区間では、河川管理者と連携し、はけ口の新設や、はけ口断面の拡大などを進めることにより、下水道から河川への放流量を段階的に増強し、下水道施設の能力を早期に発揮させています。
 平成二十八年度には、新宿区において第二・十二社幹線のはけ口を新設し、雨水流出量の増大に対応しております。

○田の上委員 コストも含めて、より効率的、効果的な浸水対策のために今後も連携を進めていただきたいと思っております。
 下水道からの河川への放流量を増強させていくということですが、もちろん浸水被害の軽減になるんですが、一方で、私たちが住んでいるような低地帯では洪水などによる危機意識がとても高くて、一概に放流量の増大がよいものに思えない部分もございます。
 ちょっと相反する部分があるんですけれども、現実的には内水の問題が大変大きいとは思うんですが、これからも河川管理者との連携を深めていっていただき、バランスをとっていただきたいというふうに要望させていただきます。
 次に、オリンピック・パラリンピック関係なんですけれども、先ほどもちょっとお話が出てきましたけれども、東京湾の水質問題について伺いたいというふうに思っております。
 二〇二〇年東京五輪パラリンピックで、トライアスロンと水泳のオープンウオーターの会場となるお台場海浜公園の水質についてでございます。
 私は地元のトライアスロン連合の役員をしておりますが、これまでにもお台場海浜公園ではトライアスロンやアクアスロンを何回も開催しております。事海外のアスリートが一堂に集まる東京五輪でございますので、大変気になるところでございます。
 東京都と大会組織委員会は、十月四日、七月から九月の計二十六日間に実施した水質調査の結果を公表しました。大腸菌数が百ミリリットル当たり最大五千三百個、腸球菌数は最大七百二十個に達し、国際トライアスロン連合が定める基準値のそれぞれ二十一・二倍と七・二倍で、基準値を下回ったのは六日だけだったとのことでした。
 環境省が発表している水浴場水質判定基準というものでは、ふん便性大腸菌群数が百ミリリットル当たり千個以下が水質Cということになっておりますが、千個を超えると不適というふうにされております。
 アスリートは海水を飲みません。口に入っても喉を通さないんですけれども、ですので、腹痛を起こすという事例は私も聞いたことがないのですが、いずれにいたしても、水浴場水質判定基準を大きく超える値になっているということは事実でございます。
 報道では、八月の長雨により処理し切れなかった下水が会場に流れ込んだことが原因というふうに聞いております。降雨が原因となると、大会時の天候とともに、水質については読めないところでもございますが、下水道施設からの放流水質や放流回数などを含めた水質改善の努力が必要です。
 一方、東京湾域を考えると、東京都だけの努力では限界があるというふうにも考えます。そこで、東京湾に注ぐ全体の排出負荷量のうち、東京以外の近隣県ではどれくらいの割合があるのか伺います。

○中島計画調整部長 国土交通省が平成十九年九月に取りまとめた東京湾流域別下水道整備総合計画に関する基本方針策定調査報告書によりますと、東京湾に流入する他県の排出負荷量の割合は、化学的酸素要求量、いわゆるCODの負荷量で約七割でございます。

○田の上委員 近隣県ということで、埼玉県を初め、千葉県や神奈川県も含めて約七割ということですが、そういった近隣県も合流式下水道が多いと聞いております。都と同じような課題を抱え、水質改善が望まれるところでございます。
 平成十四年から開催されている東京湾再生推進会議では、これまでにも関係自治体との話し合いがされていると思いますが、特に日本の一大事業となる二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会に向けての協力が不可欠です。
 東京湾の水質改善に向けた都からの働きかけも必要と考えますが、ご所見をお聞かせください。

○中島計画調整部長 国及び東京湾流域の都県及び政令市で構成される東京湾再生推進会議におきましても、東京二〇二〇大会に関する情報提供を行うとともに、関係自治体に東京湾の水質改善に向けた取り組みを要請しております。
 さらに、実効性を持たせるため、国の施策及び予算に対する東京都の提案要求といたしまして、東京湾の水質改善に向け、関係自治体が取り組む施策に対し必要な財政措置を講じるなど、国が中心となって、広域的な視点からその実施を推進することを要望しております。

○田の上委員 引き続き、東京湾の水質改善に向けてご努力をお願いしたいと思っております。
 報道では、水質改善策として、過去効果のあった合成繊維製の二重スクリーンを三重にしての対応を検討、検証すると聞いております。これはちょっと他の局になるのかもしれませんけれども、どれくらいの距離を囲うのか、費用がどれくらいになるかもちょっとわかりませんけれども、将来的に、恒常的にこの東京湾がきれいになることが一番大切だと考えております。
 一時的に大腸菌群数を抑えることも大切ですが、私、アスリートの声を聞いている身としては、この大会を機に東京湾がきれいになったねといわれるような取り組み、水質改善こそが必要だと思っております。
 下水道局における不断のご努力をお願いし、内外の選手の喜ぶ環境を創出していただきたいというふうにお願いいたします。
 関連する二〇二〇年大会でございますが、我が江戸川区での開催が予定されているカヌースラローム会場が下水道局の所有地内に設置されます。葛西水再生センターでは、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けてどのような取り組みを進めているのか伺います。

○田中経理部長 下水道局が保有する土地は、下水道事業に活用することを前提に保有しておりますが、局事業に支障がなく活用が可能な土地につきましては、各局等から利用の要望があった場合には必要な対応を行うなど、都庁内の施策への協力に努めております。
 葛西水再生センターでは、事業予定地の一部九・三ヘクタールを東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会のカヌースラローム競技会場として活用することにより、大会開催に貢献をしております。

○田の上委員 ありがとうございます。カヌースラロームの会場選定では、東なぎさを中心とする葛西臨海公園の、世界でも希少な鳥類や爬虫類などの自然保護の側面からもご配慮をいただいたと思っております。下水道局さんの土地を利用することができるようになり、大会の喜びと、長年住民が培ってきた自然保護が同時に達成できることとなったと認識しております。
 跡地利用につきましては、オリンピック・パラリンピック大会のレガシーを大切に、また、維持費などのコスト面を考えながら、負の遺産にならないように計画しなくてはならないと同時に、下水道局の水再生センターとしての機能も考えていかなくてはなりません。
 関係各局と引き続き連携を図りながら、大会の成功に向けてご協力をいただきたいと思っております。
 今回、水質の問題を中心に質問させていただきましたが、下水道局では、下水処理水をさらにきれいにし、再生水として、ビルのトイレ用水などとして活用しております。
 さまざまな機会を捉えて、今後も再生水の活用をしていただきたいと意見を申し上げさせていただき、今回の質問を終わらせていただきます。

○神林委員長 ほかに発言ございませんね。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○神林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○神林委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会といたします。
   午後四時十一分散会