平成二十七年度公営企業会計決算特別委員会速記録第四号

平成二十八年十一月二十一日(月曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長藤井  一君
副委員長高倉 良生君
副委員長鈴木 章浩君
副委員長鈴木 隆道君
理事遠藤  守君
理事大場やすのぶ君
理事和泉 武彦君
理事河野ゆりえ君
理事今村 るか君
大門さちえ君
おときた駿君
宮瀬 英治君
西沢けいた君
斉藤やすひろ君
山内れい子君
里吉 ゆみ君
清水 孝治君
木村 基成君
栗山 欽行君
山内  晃君
河野ゆうき君
島崎 義司君
曽根はじめ君

欠席委員 なし

出席説明員
病院経営本部長内藤  淳君
中央卸売市場長村松 明典君
東京都技監都市整備局長兼務邊見 隆士君
港湾局長斎藤 真人君
交通局長山手  斉君
水道局長醍醐 勇司君
下水道局長石原 清次君

本日の会議に付した事件
平成二十七年度東京都公営企業各会計決算の認定について(意見開陳)
・平成二十七年度東京都病院会計決算
・平成二十七年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成二十七年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成二十七年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成二十七年度東京都港湾事業会計決算
・平成二十七年度東京都交通事業会計決算
・平成二十七年度東京都高速電車事業会計決算
・平成二十七年度東京都電気事業会計決算
・平成二十七年度東京都水道事業会計決算
・平成二十七年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成二十七年度東京都下水道事業会計決算

○藤井委員長 ただいまから平成二十七年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 これより決算の審査を行います。
 平成二十七年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 本決算については、いずれも質疑を終了いたしております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○木村委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、平成二十七年度公営企業会計決算について意見の開陳を行います。
 平成二十七年度決算における公営企業全十一会計の損益の状況は、臨海地域開発事業会計及び交通事業会計が合計九十六億円の純損失、下水道事業会計など八会計が九百八十億円の純利益を上げ、工業用水道事業会計が収支均衡となっています。
 純損失となった会計は、前年度の三会計から二会計に減少しており、全体としては、経営の改善が進んでいることがうかがわれます。
 公営企業会計においては、独立採算制のもと、経済性を最大限発揮し、さらなる経営の改善と財政の安定化が求められます。特に公営企業は、住民生活に身近な社会資本を整備し、サービスを提供する役割を果たしており、将来にわたり、その本来の目的である公共の福祉を増進していくためには、経営環境の変化に適切に対応し、長期的視点から経営改革を一層進めていく必要があります。
 また、災害対策の取り組みなど、社会的責任を果たす必要もあり、公共性と効率性を同時に追求しながら、都民サービスの一層の向上に努める必要があります。
 以上の観点から、各会計について意見を申し上げます。
 初めに、中央卸売市場会計について申し上げます。
 築地市場の豊洲移転につきましては、これまで、業界、都議会の長きにわたるさまざまな議論を経て進められてきた。このような関係者の長年にわたる努力にもかかわらず、新市場の建屋の構造形式が従前の説明と異なることに関して、議会にも、業界にも、一度も説明がなされていなかったことは、都政の重大な不祥事といわざるを得ない。都庁の執行機関全体に猛省を求め、二度とこのようなことが起こらぬよう、組織マネジメントの改革の徹底を強く求める。
 一方で重要なのは、豊洲新市場の安全性の確保であり、土壌汚染対策法や建築基準法等の関係法令にのっとった安全性は既に検証済みである。また、正確な情報を責任を持って発信し、都民に安心を届けるとともに、移転準備を進めてきた市場業者への早期の補償を実施するなど、さまざまな取り組みを進め、信頼回復が図られるよう全力で取り組まれたい。
 第十次東京都卸売市場整備計画の策定を通じ、老朽化施設の維持更新を着実に進めるとともに、各市場の特性を踏まえた機能強化に積極的に取り組まれたい。
 災害時においても、生鮮食料品等の安定供給を担う重要な社会的インフラとしてその機能が発揮できるよう、災害対応力の強化にも努められたい。
 次に、病院会計について申し上げます。
 都立病院改革推進プランの着実な推進に努めるとともに、安定した経営基盤の強化に取り組み、地域との連携を一層深めながら、都民にとって安全・安心な医療の提供に努められたい。
 効率的な経営を実現するために、引き続き経営改善努力を行い、一般会計からの繰入金への依存度を軽減することに努められたい。
 首都災害医療センター(仮称)の整備及び多摩メディカルキャンパスの医療機能の充実強化については、専門的な見地からの意見も踏まえ、着実に推進していくことに努められたい。
 病児、病後児保育について、都立病院の限られた医療資源を最大限に活用するという観点から、区市のニーズを踏まえ、率先して協力し、都民サービスの拡充に努められたい。
 次に、都市再開発事業会計について申し上げます。
 環状第二号線新橋・虎ノ門地区市街地再開発事業については、都市の骨格を形成する環状第二号線とその周辺を含めた一体的なまちづくりを行い、東京の都市再生に向け、魅力ある複合市街地の形成を推進されたい。
 次に、臨海地域開発事業会計について申し上げます。
 臨海副都心の開発は、東京の活力と創造力を生み出し、都民生活を支える新しいまちを創造する重要な事業であります。東京二〇二〇大会の先も見据え、臨海副都心のMICE、国際観光機能を強化することで日本経済の成長に資するとともに、にぎわい豊かな魅力あるまちづくりに向けた取り組みを着実に進め、切れ目のない開発を推進されたい。
 臨海副都心地域と都心部を結ぶ広域幹線道路の整備を推進するとともに、都民の憩いの場である緑豊かな海上公園の適切な管理に取り組み、さらには、都心に隣接した豊かな水辺環境を生かしたまちづくりを目指し、積極的に事業を進められたい。
 次に、交通事業会計について申し上げます。
 バス事業は、経常赤字であることを踏まえ、さらなる効率化に努力されたい。また、事故防止対策などの安全対策推進や、さらなるサービスの向上、新たな交通需要への対応などに努められたい。
 軌道事業は、安全対策やサービスの向上に努めるとともに、安定的、効率的経営に向けて、一層努力をされたい。
 新交通事業は、早期の経営安定化に努めるとともに、朝の混雑対策と昼間の乗客誘致に取り組まれたい。
 次に、高速電車事業会計について申し上げます。
 増客増収と一層の効率化により安定的に黒字を維持し、経営基盤を強化することで、累積欠損金の解消や長期債務の縮減に努められたい。
 また、地下鉄施設のさらなる耐震補強や浸水対策、実践的訓練の充実など、防災対策の強化に取り組まれたい。
 あわせて、新宿線と浅草線のホームドア整備を着実に進めるとともに、整備が完了するまでの間のホーム上の安全対策の充実を図られたい。
 電気事業会計については、一層の安定的、効率的な経営に努められたい。
 次に、水道事業会計について申し上げます。
 将来にわたる安定給水を確保するため、東京水道施設整備マスタープランに掲げた施策を着実に進めるとともに、エネルギー効率の高い水道システムの構築に向けた取り組みを推進されたい。
 八ッ場ダムなどの新規水源開発については、国等に一層推進を要望するとともに、水源県との協力関係を深め、関係自治体と連携して推進に努められたい。
 また、都民の貴重な水源地を守り続けるため、荒廃した民有林対策を進められたい。
 多摩地区水道の再構築や災害対応力の強化に向けた諸課題の解決に積極的に取り組み、都営水道にふさわしい広域水道としてのメリットをさらに発揮できるよう努められたい。
 水道管路の耐震継ぎ手化の重点的、優先的整備、浄水場等の自家用発電設備の増強、主要幹線二重化等のバックアップ機能や私道内給水管の整備など、災害、事故対応を強化されたい。
 安全でおいしい水の供給のため、直結給水化の促進、貯水槽水道の適正管理に向けた取り組みなどとともに、水道水のよさを実感してもらうための施策を積極的に推進されたい。
 東京水道の持つ技術、ノウハウなどの強みを生かし、諸外国の水事情改善に貢献するとともに、日本経済の活性化のためにも、官民連携を図りながら、積極的に国際展開に当たられたい。あわせて、国内ほか事業体への一層の貢献に努められたい。
 工業用水道事業については、安定給水及び施設の安全性を確保するとともに、効率的な事業運営を推進し、財政の安定化に努められたい。
 最後に、下水道事業会計について申し上げます。
 東京都下水道事業経営計画二〇一六の達成に全力で取り組み、都民サービスの一層の向上と経営の効率化を図られたい。
 老朽化施設の更新に合わせ、雨水排除能力の増強や耐震性の向上などを効率的に図る再構築を計画的に推進されたい。
 平成二十六年度改定の東京都豪雨対策基本方針に基づく対策など、浸水対策を着実に推進されたい。
 首都直下地震などの地震や津波に対し、下水機能を確保するため、震災対策を一層推進されたい。
 東京湾など公共用水域の水質改善のため、貯留施設の整備などによる合流式下水道の改善や高度処理施設等の整備を推進されたい。
 スマートプラン二〇一四やアースプラン二〇一〇に基づき、再生可能エネルギーの活用や省エネルギー型機器の導入を進め、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量の削減に努められたい。
 流域下水道事業の維持管理の効率化に引き続き取り組み、維持管理費の縮減と事業の安定的な運営を行われたい。
 下水道のニーズがある国等の課題解決に貢献するなど、国際展開を維持されたい。
 国費等の財源確保を図るとともに、コスト縮減や資産の有効活用などの企業努力を行い、経営基盤の強化に努められたい。
 以上、各会計に対する意見を申し上げましたが、公営企業は都民の生活になくてはならない事業であります。安全・安心はもとより、一層の経営改善と都民サービスの向上を図り、都民の信頼をさらにかち取るよう、全力で取り組まれることを要望し、私の意見の開陳を終わります。

○斉藤委員 都議会公明党を代表して、平成二十七年度の公営企業会計決算について意見開陳を行います。
 初めに、共通事項について申し上げます。
 まず、経常利益及び経常損失の合計は九百七十二億円の黒字となりましたが、利益額は前年度に比べて減少しています。また、累積利益剰余金についても、全会計合計で前年度の二千九百三十四億円から一千九百五億円へと一千二十九億円減少しており、今後も不断の経営改善が求められます。
 公営企業の事業は、都民生活を支える必要不可欠なものです。その本来の目的である公共の福祉を増進していくためには、社会経済状況の変化に迅速かつ的確に対応し、サービスの向上に絶えず取り組んでいくことが重要であり、同時に、企業としての経済性を最大限に発揮し、効率的、効果的な経営を行っていくことが求められます。こうした視点を踏まえ、財務状況の改善に向けた一層の努力を各局に求めます。
 次に、各事業会計について申し上げます。
 初めに、病院事業会計について。
 一、都立病院は、感染症医療、救急医療、がん医療、周産期医療、精神科医療、難病医療などの行政的医療を適正に都民に提供するとともに、都における医療の質的向上に努められたい。また、このような役割を果たしていくために、経営改善に向けた多様な努力を行い、安定した経営基盤を確立されたい。
 一、広尾病院の改築に当たっては、改築後の病院の医療機能等について、基本構想検討委員会において丁寧に検討を進めていくとともに、改築後の病院においても、都民の期待に応えられる病院となるよう努められたい。
 一、がん診療について、集学的治療を積極的に実践して患者の治療の選択肢を広げるほか、院内がん登録の推進、小児がん医療のさらなる充実、がん教育を初めとするがんに関する普及啓発などについての取り組みに努められたい。
 一、患者支援センターについて、相談業務の拡充や地域の医療、介護サービスなど、関係機関とのさらなる連携強化に努め、患者の立場を第一に考えたきめの細かい支援の実現に努められたい。
 一、外国人患者の受け入れ環境を整備するとともに、外国人患者の未収金対策に着実に取り組まれたい。
 次に、中央卸売市場会計について。
 一、豊洲市場については、食の安全という都民の関心の高い問題について、あらぬ風評を未然に防止することが重要であり、正確で適切な情報発信を行われたい。また、将来の展望が描けずに不安を抱える市場業者に対しまして、補償内容の明示や相談対応の充実などを早期に行い、不安解消に取り組まれたい。
 一、東日本大震災の被災地を支援するため、今後とも、被災地産品に対する風評被害の解消や消費拡大に向け、積極的なPRなどの取り組みを引き続き進められたい。
 一、豊洲市場の維持管理経費など、今後さまざまな経費の支出が見込まれるが、都の中央卸売市場全体としての事業継続性が確保できるよう、長期的な視点に立った財政運営に努められたい。
 なお、平成二十七年度予算審議の際、三月十七日の経済・港湾委員会での公明党議員の質問に対して、盛り土は実施したと明言し、しかし、実際、予算執行においては、盛り土をせず地下空間を建設していたこと、今回の決算審議で市場長はそれを認め陳謝しております。したがって、今回の中央卸売市場会計の決算については認定することができません。
 次に、都市再開発事業会計について。
 都市の骨格を形成する幹線道路とその周辺部の都市機能の再生を図るため、環状第二号線新橋・虎ノ門地区の市街地再開発事業を推進されたい。
 次に、臨海地域開発事業会計について。
 東京二〇二〇大会の開催に向けて、MICE、国際観光拠点化を推進し、臨海副都心の魅力や可能性を世界に発信するとともに、広域幹線道路の整備などに着実に取り組まれたい。また、臨海地域の土地処分については効果的な開発を誘導されたい。
 次に、港湾事業会計について。
 東京港は、首都圏を支える物流拠点であり、今後も日本のメーンポートとしての東京港の地位を維持していけるよう、利用者にとって使いやすい港づくりを進め、京浜三港で連携して事業を推進されたい。
 次に、交通事業会計について。
 一、経営環境の変化を踏まえ、乗客誘致など増収対策を進めるとともに、経営の効率化をさらに推進し、引き続き収支改善に努められたい。
 一、ドライブレコーダーや運転訓練車の活用などにより、安全対策をさらに充実されたい。
 一、都バスの停留所における運行情報の提供や、上屋、ベンチの設置など、利便性の向上に努められたい。
 一、観光、文化施策と連携するなど、都電のさらなる魅力発信に努められたい。
 一、低公害ノンステップバスによる環境対策、バリアフリー化の取り組みを継続されたい。
 次に、高速電車事業会計について。
 一、新宿線のホームドア設置を着実に進めるとともに、ホームと電車の段差解消等にも取り組まれたい。
 一、地下鉄駅のバリアフリー化をより一層充実するため、乗りかえ駅などにおけるエレベーター設置に取り組むとともに、駅施設の誘導チャイム、音声案内触知図やサービス介助士の充実などを図られたい。
 一、ユニバーサルデザインの視点に立ったトイレの整備を進めるとともに、和式トイレの洋式化や温水洗浄便座の設置等に取り組まれたい。
 一、地下鉄のフリーWiFi等の通信環境を強化されたい。
 一、駅構内を魅力的で利便性の高い空間とし、さらなる収入の確保を図るとともに、障害者が働く店舗としての利用など、公共の福祉の増進に努められたい。
 また、電気事業会計については、効率的経営のもと、安定的事業運営に努められたい。
 次に、水道事業会計について。
 一、水資源の有効利用を図るため、漏水防止対策、広報による節水意識の高揚、循環利用及び雨水利用の促進など、節水諸施策を推進し、節水型都市づくりに努められたい。
 一、事故時や震災時においても必要な水を確保できるよう、水道管路の耐震継手化十カ年事業等を推進するとともに、各区市町や他事業体等と連携した共同訓練の実施、東京消防庁と連携し、住民みずからが主体となる消火栓を活用した応急給水の支援、災害時給水ステーションの認知度向上など、危機管理対策に万全を期されたい。
 一、広域水道のメリットを発揮し、多摩地区水道事業のより一層の水道サービスや給水安定性の向上と効率的な事業運営を図るため、施設の再構築や地域との連携強化などへの取り組みを積極的に推進されたい。
 一、水質監視体制に万全を期すとともに、あらゆるリスクを想定した水安全計画に基づき適切に対応していくなど、安全でおいしい水の確実な供給に努められたい。
 一、より安全でおいしい水の安定的な供給に向けた水道局の取り組みに関し、都民の理解を一層得ていくため、広報広聴施策を推進するとともに、不安をあおるデマ報道に対しては断固反論し、非常時においても広く都民に対して正確な情報を迅速に提供できるよう努められたい。
 一、水道局が有する高い技術やノウハウを活用し、無収水を初めとするさまざまな課題に直面するアジアなどの途上国に対する技術協力や現地事業体の人材育成などに積極的に貢献されたい。
 一、東京水道経営プラン二〇一六に盛り込まれた経営努力や人材の確保、育成、監理団体と連携した効率的事業運営の推進など、経営基盤の強化に努められたい。また、事業評価制度の活用などにより、都民への説明責任を果たし、より一層信頼される水道を目指した基幹的ライフラインの事業運営に努められたい。
 次に、工業用水道事業会計について。
 一、工業用水道事業会計については、安定給水及び施設の安全性を確保するとともに、事業運営の効率化、財政の安定化に努め、庁内各局と連携して、工業用水道事業のあり方に関する検討を着実に推進されたい。
 最後に、下水道事業会計について。
 一、東京都下水道事業経営計画二〇一六の達成に向けた取り組みを通じ、一層の都民サービスの向上と経営の効率化に努められたい。
 一、老朽化施設の再構築を計画的に進められたい。
 一、局地的集中豪雨の発生なども踏まえ、平成二十六年改定の東京都豪雨対策基本方針に基づく対策など、浸水対策を着実に進められたい。
 一、下水道管の耐震化や水再生センター、ポンプ所の耐震対策など、震災対策を着実に進められたい。
 一、東京湾など公共用水域の水質をより一層改善するため、合流式下水道の改善や高度処理施設などの整備を推進されたい。
 一、スマートプラン二〇一四やアースプラン二〇一〇を着実に推進し、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量の削減に努められたい。
 一、多摩地域の流域関連公共下水道を実施する市町村との協同を基本に、流域下水道事業を効率的、効果的に進められたい。
 一、すぐれた技術やノウハウなどを活用して、国際展開に積極的に取り組まれたい。
 一、監理団体と民間事業者と協働し、公共性と経済性を最大限に発揮し、永続的に経営することに努められたい。
 以上で都議会公明党の意見開陳を終わります。

○里吉委員 日本共産党都議団を代表して、二〇一五年度公営企業会計決算に対して意見を述べます。
 安倍内閣によるアベノミクス推進のもとで、労働者の賃金は五年連続減り続け、母子家庭や子供の貧困率の深刻さ、加えて毎年の年金切り下げ、高齢者の介護、医療の負担増、介護報酬の大幅削減など、連続した社会保障の改悪で、都民生活は一層厳しさを増しました。
 また、昨年九月の関東・東北豪雨では、甚大な浸水被害が発生するなど、この間も多くの自然災害が発生しました。
 この中で、都政には、貧困と格差の広がりを是正し、住民の福祉を守り、震災や水害に備えた取り組みが求められています。
 東京都の公営企業各局は、水や食料の安定供給、水害を防ぐ治水対策、命を守る医療の確保、公共交通の充実や都市基盤の整備など、都民生活に欠かせない大事な役割を担っています。
 我が党は、各決算審議に当たって、都民第一の立場から臨んできましたが、昨年度は、都民の食の安全を守るべき中央卸売市場が、汚染の深刻な豊洲の新市場整備を強行した上に、不十分な汚染対策さえ計画どおり執行せず、都民を裏切り続けてきたことが、決算委員会の質疑を通じて白日のもとにさらされました。
 また、上下水道施設や都営地下鉄の浸水、耐震対策、命を守る医療を確保する取り組み、省エネ促進、再生可能エネルギーの導入、上下水道料金の軽減を迅速に進める重要性などが明らかになりました。
 公営企業各局は、今こそ公共の福祉の増進へ確固とした立場で臨み、安全・安心最優先の本来の責務を果たすべきです。各局の努力を強く求め、以下、会計ごとの意見を述べます。
 まず、病院会計です。
 薬剤師の拡充は、医師、看護師の負担軽減や薬物の有効性や安全性の向上のため必要です。都立駒込病院においては、なかなか定数充足に至らなかった中で拡充が図られたのは一歩前進と判断します。病棟だけでなく、通院治療センターにも薬剤師の常駐は必要であることから、さらなる拡充を求めます。
 都立病院における看護師夜勤の二人体制を改善し、介護の安心を守っていただくことを求めます。都立病院の看護師夜勤回数の一人当たりの平均は、夜勤免除となっている看護師を除くと、三交代で八・七二回、二交代で四・三〇回となっています。夜勤回数の多さは、看護師の命と健康にかかわる問題です。育児や病気等で夜勤ができない看護師のことも考慮して、定数をふやすよう求めます。あわせて、夜勤免除は、就学前の子供を育てている看護師を対象としている現行のあり方を改善すること、年度途中退職や産休にも対応できるよう、期限つき、任期つき職員の採用についての制度も活用していただくことを要望します。
 次に、都市再開発事業会計です。
 環状二号線新橋・虎ノ門地区の第二種再開発事業は、従前居住者の大部分が住みなれたまちを離れなくてはならない結果になりました。都施行の再開発事業においては、とりわけ公共性、公益性、経済性を見きわめていくことが重要です。再開発事業のあり方を根本から見直すことを求めます。
 次に、下水道事業会計です。
 豪雨対策緊急プランに基づいて、時間五十ミリ、七十五ミリ降雨対策を急ぐよう求めます。また、下水管やマンホールの耐震化など、近い将来と想定される大地震への対策にも努力を求めます。
 省エネの取り組みを促進、再生可能エネルギーの推進、下水熱の利用など、下水道の持つ潜在エネルギーの有効活用を強力に進めるよう要望します。
 下水道局の職員は、条例定数と実人員数に開きがあり、職員の労働時間は過労死ラインを超えている例があり、病気休職もこの十年、毎年十人を超えています。下水道局は、被災地への職員派遣があり、技術の継承も必要ですから、仕事量に見合った職員数を配置するよう求めます。
 次に、水道事業会計です。
 管路の耐震継ぎ手化は、断水の軽減に有効であり、予算もふやして促進されるよう求めます。
 小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業は、全体で目標の三割に達していません。支援を強めるとともに、都立特別支援学校にも普及拡大するよう教育庁への働きかけを要望します。
 水道料金の未納カードの発行、給水停止は命にかかわる問題であることから、区市町の福祉事務所に連絡するなど丁寧な対応を求めます。
 職員の条例定数と実人員数に開きがあり、長時間労働が蔓延しています。過労死ラインといわれる月八十時間を超えて超過勤務となった職員は五十九人もいました。人員をふやし、労働時間を短縮して、心身の健康保持に尽力し、仕事量に見合った職員数を配置するよう求めます。
 次に、高速電車事業会計及び交通事業会計、電気事業会計です。
 都民の移動の自由を保障する公共交通としての都営交通の使命をしっかり果たす立場を認識し、赤字系統路線や一部が自治体のコミュニティバス運行地域であることを理由に、都バス路線の減便を行わないことを求めます。
 都営バスの上屋、ベンチの設置は、高齢化が進む中で急務です。道路の無電柱化によって上屋が建てられないような事態が起こることがないよう、道路管理者や関係機関との協議、検討の仕組みを設けることを求めます。
 都バスの職員研修や経験交流を深め、駅広場への警備員配置など事故再発防止へ一層の努力を求めます。
 都営地下鉄新宿線、浅草線のホームドア設置の促進を求めます。特に、ホームドアが設置されている都営三田線と接続している新宿線神保町駅と浅草線三田駅の設置は視覚障害者の強い要望です。
 点字ブロックの上に柱がかかっている駅ホームの安全対策を講じてください。
 ホームドア未設置の駅に介助、誘導の人員を配置してください。
 今後、設置予定の都営浅草線には、左右開閉式のホームドアを採用してください。
 LED照明導入など省エネを促進するとともに、都営地下鉄東大島駅や高島平駅への駅舎にソーラーパネル設置を実施することを初め、再生可能エネルギー導入拡大を要望します。
 電気事業会計では、一九五七年から発電してきた多摩地域の三つの水力発電所を継続し、発電力の増強を求めます。
 次に、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計です。
 平成十三年に行った埋立事業会計、羽田沖埋立事業会計を吸収して、三会計統合によって臨海副都心事業の開発会計は、赤字、資金ショートを免れてきましたが、開発のコンセプトが変化してきていることから、所有地の活用など新しい方向性を探る時期に来ていることを指摘します。
 都民の立場から、福祉施設や教育施設などの必要な土地活用に開発のあり方を変えるべきです。
 最後に、中央卸売市場会計についてです。
 地下水管理システムにおける揚水井戸、観測井戸の配置を初め、豊洲の土壌の実態に即した設計段階からの抜本的な見直しを行うべきです。当面、揚水井戸ごとの揚水量の記録、管理システム全体の記録の自動化、雨量計の設置などを行うことを求めます。
 築地市場の建物、施設の補修は、応急対策にとどまらず、速やかに本格的に取り組みを進めるよう要望します。
 豊洲移転への準備をしていた業者への補償は、直ちに十分な職員体制をとり、個別事業者への訪問、ヒアリングを行い、要望に応えていただくよう求めます。
 市場の直接関係者だけでなく、都内や近郊からの関係業者を含め、都民全体の要望を聞くルートをつくることを要望します。
 青島都政時代の世界都市博中止のときに実施した、無利子の緊急特別融資制度を設けるなど、既存の制度の枠内にとどまらない対応を求めるものです。
 以上で日本共産党都議団の意見開陳といたします。

○西沢委員 私は、都議会民進党を代表して、平成二十七年度公営企業会計決算に対して意見を申し上げます。
 まず、公営企業会計に共通する事項について申し上げます。
 各公営企業においては、全十一会計のうち、下水道事業会計、水道事業会計、高速電車事業会計など八会計が黒字、臨海地域開発事業会計、交通事業会計など二事業会計が赤字、工業用水道事業会計が続けて収支均衡となりました。
 各公営企業においては、社会状況の変化や今後の需要などを踏まえながら、施設、設備などの更新や新たな課題への対応、持続可能な事業経営に取り組み、多様化する都民ニーズにしっかり応えるとともに、経営の健全化を図ることを求めるものです。
 中央卸売市場会計に関しては、豊洲新市場整備の土壌汚染対策工事によって敷地全体に盛り土を行い、建設工事をすることとしていましたが、実際の工事では、建物下には盛り土をしないとする工事を発注し、平成二十七年度も地下空間の整備を進めていました。
 実態と異なる答弁が都議会において繰り返されてきたことや、前知事の視察時にも実態と異なる説明をしていたこと、豊洲市場で水産や青果を日々取り扱う卸売業者や仲卸業者、売買参加者、関連事業者などの市場業者にも実態が伏せられてきたこと、こうした答弁を前提として市場移転が進められてきたことは、都民や市場関係者の信頼を損ねる大問題であり、決して見過ごせるものではなく、許せるものではないと考えるものです。
 以上、総括的な意見を述べ、それぞれの会計について申し上げます。
 まずは、中央卸売市場会計について。
 一、豊洲市場移転問題において、都民の食の安全・安心に対する信頼が損なわれたことから、新市場の安全性に向けて徹底検証に取り組むこと。
 一、豊洲市場整備に関する自己検証報告書での調査、分析が不十分であったことから、新たな検証報告書などによって盛り土問題などの全容解明に取り組むこと。
 一、豊洲市場の建築部分に盛り土をしていないにもかかわらず、実態と違う豊洲市場の敷地全体に盛り土をするとの虚偽答弁が行われてきたことから、再発防止と行政としての役割を再認識すること。
 一、豊洲市場の建物下に盛り土が適切に行われず、地下空間が構築されている中、前知事が間違った情報をもとに開場決定を判断したことから、東京都庁内の部門間の連携や組織ガバナンスが欠如していたといえる。庁内の組織ガバナンスの再構築に取り組むこと。
 一、中央卸売市場に関する情報公開をさらに積極的に行うこと。
 一、視察の受け入れを拒否しないこと。特に、豊洲市場移転問題に関する視察には特段の配慮を図り、マスコミに対しても積極的に行うこと。
 一、豊洲市場移転問題に関するメモや会議の議事録、説明資料などを保管し、情報公開に対応できる体制を構築すること。
 一、豊洲市場の開場が延期となっているが、食品流通合理化の目標達成に向けて調整も含めて取り組むこと。
 次に、病院会計について。
 一、よりよい医療の提供に引き続き努めるとともに、病床利用率の向上に取り組むこと。
 一、質の高い医療を継続的に提供するために適切な医療機器の更新整備に取り組むこと。また、各病院内に設置している製品指定委員会などで調査、審議を行うなど、契約手続における透明性や競争性を確保すること。
 一、都立病院において、女性医師や看護師、女性職員が働きやすい職場環境づくりに取り組むこと。
 次に、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計について。
 一、臨海副都心の重要な都市基盤である共同溝の管理については、引き続き適切な保守点検や維持補修を行うこと。
 一、自転車走行空間の整備に当たっては、円滑な港湾物流の維持と自転車の安全かつ快適な走行を両立させるものとすること。また、江東区などの自転車シェアリング事業と連携し、効果的に活用すること。
 次に、交通事業会計、高速電車事業会計及び電気事業会計について。
 一、浅草線や新宿線において、ホームドアが設置されるまでの間にも、転落防止対策などの安全対策を徹底すること。
 一、新宿線のホームドア設置に伴う乗降口へのスロープ設置を進めること。
 一、輸送障害や震災の発生時の対応も含めて、外国人旅行者が安心して都営交通を利用できるよう、多言語対応の案内表示を整備すること。
 一、一般財団法人東京都営交通協力会は、東京都交通局と密接不可分の関係があるため、監理団体に指定して業務等の透明性を確保すること。
 次に、水道事業会計及び工業用水道事業会計について。
 一、浄水場などの基幹施設や管路の整備など、必要な水道事業運営にかかわる支出を行うに当たっては、料金収入や企業債収入、累積の資金剰余などを計画的に使用することで、安定した財政運営を行うこと。
 一、震災対策としての配水管の耐震継ぎ手化の進捗については、計画を上回るスピードによって、一日でも一年でも早く完成させること。
 一、小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業については、市区町と意思疎通を図り、事業を進めること。
 一、東京水道サービス株式会社の障害者雇用達成と優先調達の促進に向け、適切な指導監督を行うこと。
 最後に、下水道事業会計について。
 一、流域下水道と多摩地域三十市町村による災害時相互支援ルールに基づいて、災害時に単独処理区の処理場や管渠が被害を受けた場合に確実な支援を行えるよう備えること。
 一、下水汚泥の広域的処分施設を整備するなど、流域下水道における汚泥焼却灰の資源化に引き続き取り組むこと。
 一、単独処理区の編入に向けた施設整備を着実に進め、多摩地域の下水道事業運営の効率化と震災時対応の向上を図ること。
 一、東京都下水道サービス株式会社の障害者雇用達成と優先調達の促進に向け、情報提供や適切な指導監督を行うこと。
 以上で都議会民進党を代表しての意見開陳を終わります。

○宮瀬委員 私は、民進党都議団を代表し、平成二十七年度公営企業会計決算について意見の開陳を行います。
 平成二十七年度決算における公営企業全十一会計の損益状況は、水道事業会計など八会計が約九百八十億円の純利益を上げ、工業用水道事業会計が収支均衡となっております。一方、交通事業会計が約十八億円、臨海地域開発事業会計が約七十八億円の純損失となっており、とりわけ交通事業会計の内訳を見ると、自動車運送事業、新交通事業、軌道事業において、過去五年で赤字がほぼ継続しております。交通局の作成した平成三十年度までの目標収支を記した二〇一六年経営計画においても赤字目標となっており、黒字化に向けた長期経営計画の作成の必要性を強く痛感するものです。
 公営企業は、都民の生活に最も身近なサービスを提供する事業です。今後も、公共の福祉のために、効率的で効果的な経営を行い、都民のためのさらなるサービスの向上に取り組み、不断の経営改革を進めることを要望いたします。
 中央卸売市場会計に関しては、豊洲新市場整備においては、土壌汚染対策工事として盛り土をする予定工事が、実際には建物下にはなされておらず、地下空間及び地下ピットの整備に充てられておりました。平成二十七年度予算と執行に差異が生じていることに加え、都議会や市場関係者に対し、事実を伏せ、虚偽の説明をしていたことは、都民の豊洲新市場に対する食への安心・安全を根底から崩す事態となりました。断じて見過ごすことのできない、また、到底看過されるべきものではないと考えるものです。
 以上、総括し、各会計について意見を申し上げます。
 初めに、病院会計について申し上げます。
 一、首都直下地震対策として、とりわけ発災後七十二時間の対応、電力の確保、患者の受け入れ体制など、さらに強化し、実態に合った形で総合防災訓練に参加すること。とりわけ燃料の備蓄は三日程度とせず、さらに拡充すること。
 一、業務委託や医療機器の買い入れ契約は、さらに競争性、公平性、効率性を確保するため、改善を図ること。
 次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
 一、豊洲市場移転問題において、石原元都知事からの回答書を初め、過去の経緯や資料、正確な情報をつまびらかにし、全容解明に取り組むこと。
 一、地下水管理システム及び地下ピット内等の水位を適切に把握し対処すること。とりわけ加工パッケージ棟の地下水位は目視ではなく正確に把握すること。
 一、施設全体内、地下施設、補助三一五号線等の大気や地下水に含まれる有害物質を絶えず測定し、適切に対処することで、都民の安心・安全を確保すること。
 一、虚偽や隠蔽体質、風通しの悪い組織風土を改め、都民第一の視点から、一人一人が業務に邁進できる環境を整えること。
 一、汚染土壌の有害物質と盛り土が交わらないよう、首都直下地震対策や液状化対策、噴砂対策に万全を期すこと。
 次に、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計について申し上げます。
 一、臨海副都心におけるMICE関連事業においては、外国人の来場者人数等、現状数値を正確に把握すること。定量的な数値目標を、会議数のみならず来場者数や経済効果を換算し、中長期計画を策定すること。
 一、国際競争に打ち勝つため、シンガポールをベンチマークとし、関係団体とともにコモンゴールを設定すること。
 次に、交通事業会計、高速電車事業会計について申し上げます。
 一、交通事業会計については、黒字化に向けた長期経営計画を策定し、長年続く赤字体質からの脱却を目指し、本来の経営を行うこと。
 一、都営地下鉄においては、災害時の帰宅困難者対応のため、百一ある全ての駅において区市との連携、協議及び訓練を実施すること。とりわけ現在協議が行われていない江東区、品川区、大田区、渋谷区、千代田区、豊島区との連携を早急に行うこと。
 一、サービスを初めとしたソフト面のみならず、ハード面においても、東京メトロとの一元化をさらに進めること。
 一、都営地下鉄の混雑緩和に向け、ダイヤ改正、車両編成数の増加、増発等をさらに進めること。とりわけ都営三田線は、六両編成から八両編成化に向けた関係者協議を早急に行うこと。
 一、バリアフリー、待合室、下りエスカレーターの設置など駅の設備に関しては、お客様のニーズを捉え直し、さらなる改善を図ること。
 一、都バスにおいて、車椅子利用者の乗車中の車内事故防止のため、乗務員が車椅子の特性などを正しく理解し、安全確保及び教育を徹底させること。
 次に、水道事業会計について申し上げます。
 一、自動検針システムなど新たな技術開発により、検針業務の効率化を目指すこと。さらには区市町と連携した孤独死、孤立死未然防止対策など、福祉と連携した取り組みを一層強化すること。
 一、水道料金未納者の世帯数、滞納回数、滞納理由などの数値全体や状況の全体像の把握に努める改善を行うこと。
 一、検針業務及び徴収整理業務は、三社による特命随意契約を改め、早急に見直しを図るとともに、現在行っている局管理職による受託企業三社への再就職、いわゆる天下りを改めること。
 最後に、下水道事業会計について申し上げます。
 一、下水処理場の上部利用は、利用率、満足度を調査し、区市町村とともに有効活用すること。
 一、首都直下地震や集中豪雨に備え、耐震化、新たな幹線整備など、災害対策をさらに強化すること。
 一、国際展開事業に関しては、国際協力事業が東京の中小企業の発展や産業力の強化に確実につながるよう進めること。
 以上で民進党都議団の意見開陳を終わります。

○山内(れ)委員 私は、都議会生活者ネットワークを代表して、二〇一五年度の公営企業会計決算について意見を申し述べます。
 二〇一五年度は、舛添前知事が編成、執行しましたが、高額な海外出張や公用車の私的利用、さらには政治資金疑惑などが噴出し辞任、四年間に三人も都知事が任期途中で辞任する事態となりました。都政の停滞、迷走が続く中、この夏誕生した小池都政では、これまでの都庁の仕事の進め方や隠蔽体質が一気に明るみに出ました。
 特に豊洲市場問題では、これまでの調査でも、土壌汚染対策をめぐる工事の決定過程が全て明らかになったとはいえず、混迷が続いています。都政への信頼を回復するためには、市民参加と情報公開をベースにした都政改革を進めていかなければなりません。
 豊洲市場とオリンピック・パラリンピックの問題だけでなく、解決すべき東京の課題は多くあり、持続可能な社会づくりに向けて、都は各自治体と協議し、地域にマッチした具体的な政策を支援すべきです。
 公営企業である上下水道や交通、市場、病院などは、都民の重要な都市インフラです。多くの施設は更新時期を迎えており、長期的な視野に立って、今後の人口減少社会も見据えた整備に当たる必要があります。企業としての社会的貢献と、公としての役割を精査し、効率的な事業運営に全力で取り組むことを要望いたします。
 以下、個別の会計について申し上げます。
 病院会計について。
 一、女性専用外来の充実、配偶者暴力対策の充実、LGBTのパートナーの暴力対策にも対応すること。
 一、救急医療体制については、精神科初期救急、二次救急、身体合併症の受け入れの整備をさらに充実すること。
 一、低年齢化、増加傾向にある子供の精神疾患について、早期に専門的医療につなぐため、地域の医療機関や学校、福祉などの関連機関に広く普及啓発、理解を図るとともに、子供、保護者に十分情報共有すること。
 一、NICU、GCUも含めて、東京全体で周産期医療の充実を図るとともに、退院後の支援についても地域連携に努めること。
 一、退院や転院に当たっては、患者にかかわる多職種による医療チームで十分に患者、家族と相談し、きめ細やかな支援をさらに拡充するとともに、地域の病院、診療所などとのネットワークを機能させること。
 一、認知症支援センターを中心に、認知症患者や家族が安心して生活できるよう、地域連携への支援を拡大すること。
 一、リスクの高い未受診妊婦に対する早期の支援のために、関連部局と連携して実態を把握し、望まない妊娠や未受診が減るよう対策を講じること。
 一、精神疾患の長期入院者の退院促進と、退院後も地域で暮らせるよう、病院と地域との調整を進めること。
 一、都立病院における病児、病後児保育を多摩地域にも拡充すること。
 中央卸売市場会計についてです。
 一、食品安全条例に基づき、安全な食品の管理の観点から、食品危害対策マニュアルを十分に活用して、安全・品質管理者への研修を実施し、安全性に問題のある食品に関しては、市場に入れない、流通させないことを徹底して行うこと。
 一、生産流通履歴、トレーサビリティーシステムや産地表示を徹底すること。
 一、豊洲市場への移転は、食品の安全確認をするまで進めないこと。
 臨海地域開発事業会計について。
 一、臨海部は、風の道の起点となることから、住宅開発より、広い空間を生かした緑や公園をふやし、再生可能エネルギーを生み出す場とすること。
 交通事業会計及び高速電車事業会計について。
 一、全ての交通機関においてバリアフリー化を進めるとともに、外国人、障害者、旅行者にもわかりやすい案内表示を進めること。
 一、券売機に障害者用ボタンを増設すること。
 一、災害時の駅や車内での利用者への的確な情報提供と安全確認に努めること。
 一、施設整備は、ユニバーサルデザインへの転換を進め、特にトイレについては統一規格にすること。
 一、女性職員の労働環境の整備をさらに進めること。
 一、障害者や子供の女性専用車両利用について周知を進めること。
 一、乗客の安全対策のために、ホームドアの設置を着実に進めること。
 水道事業会計についてです。
 一、水源地付近の民有林を、地域の林業者と協力して水道水源林として保全を進めること。
 一、水需要予測は、実績と実態に合わせて再度早急に見直しを行うこと。
 一、多摩地域の地下水源は、未統合市も含めて把握し、都の独自水源と位置づけて保全すること。
 一、応急給水などの訓練は、地元自治体、地域住民と連携して行うこと。
 一、ベテラン技術職員の減少に伴う若手人材の育成、技術継承に取り組むこと。
 下水道事業会計について。
 一、水環境の改善と水循環の促進の観点から、早期の合流改善を進めること。
 一、豪雨対策下水道緊急プランに基づき、浸水対策の充実強化を図ること。
 一、施設における太陽光発電設備の導入をふやし、再生処理水や下水熱などの未利用エネルギーの有効活用を進めること。
 一、下水道施設の耐震化を着実に促進すること。
 一、下水汚泥や放流水に含まれる放射能測定を継続し、結果を公表すること。
 以上で都議会生活者ネットワークを代表しての意見開陳を終わります。

○おときた委員 かがやけTokyoを代表して、平成二十七年度公営企業会計決算についての意見開陳を行います。
 都税も少なからず投入される公営企業においては、民間企業以上の効率的で効果的な運営が求められるとともに、適切な情報公開と説明責任があることは論をまちません。しかるに今回、公営企業の一角である中央卸売市場会計において、いわゆる盛り土問題が発生し、豊洲市場の安全性については各会議体で検証が進んでいるものの、情報ガバナンスにおいて生じた問題については、今なお十分な原因解明がなされておらず、その政治的責任も果たされていないことは極めて遺憾です。
 先般公表された報告書も、歴代市場長が事の経緯を知らなかったということは、にわかに信じがたく、また当事者の一人から、その内容に異議が唱えられている状態であり、そうした中で執行されている平成二十七年度決算については、現時点で認定することは困難であることを、まずは申し上げます。
 続いて、各局について意見を申し述べます。
 初めに、交通事業会計についてです。
 累積欠損金を早期解消するために、削減プロセス、目標年次を明確にし、交通事業全体の財政健全性を保つこと。
 一、地域活性化、地場産業振興に向け、駅構内を活用した出店、店舗販売を促進すること。
 一、資産活用の一環として、駅ナカ保育を推進すること。
 一、お客様センター、職員の接遇力向上、東京メトロとの一体化等の事業を通じ、サービス、ホスピタリティー改善に努め、集客増を図ること。
 一、障害者、高齢者、妊産婦、子供連れの乗客への接遇向上に一層努めること。
 一、痴漢や暴力行為に対応するため、警察との連携を進めるとともに、通報記録の適正管理を進めること。
 一、テロ対策については、警察と強固な連携を図ること。
 一、シルバーパスについては、交通事業者としての立場から合理化、IC化への前向きな検討を進めること。
 次に、水道事業会計についてです。
 一、収益、資産、財務、施設効率性、生産性、費用、一般会計繰入金に関する指標に問題はないことから、今後悪化をしないように、老朽化対策も踏まえ、適正かつ効率的に事業を進め、業務の現状と財務状況を積極的に情報提供していくこと。
 一、水道水源林においては、産業労働局、環境局、関係各局、ボランティアも含む民間と連携を図り、多摩の森林全体の取り組みとして、管理、育成に当たること。
 一、水道水源林確保と森林の荒廃防止に向け、民間林購入事業を引き続き推進すること。
 一、安全でおいしい飲用可能な水道水「東京水」を、都民はもとより、オリンピック・パラリンピックを踏まえ、外国人観光客にも広く普及すること。
 一、安定した水源の確保と地域特性を反映した地下水を利活用すること。
 一、環境負荷の低減に向けて、太陽光発電、小水力電力等再生可能エネルギー導入を拡大していくこと。
 一、国際展開については、国との役割分担を明確にした上で、都市外交基本戦略など、関係各局と統一した方向性、指針で進めること。
 一、入札については、随意契約の不断の見直しを図り、競争性と公平性をより一層保つこと。
 一、多摩地区水道経営改善計画に基づき、適正な人員配置にて良好な労働環境を構築すること。
 一、一般職員はもとより、管理職を含め、メンタルヘルス対策に注力をすること。
 一、女性職員と管理職比率向上に、アファーマティブアクションを含め、推進すること。
 一、女性職員、子育てや介護中の職員に配慮したサポート、人員体制を整えること。
 次に、下水道事業会計についてです。
 一、企業債残高、金利の状況に鑑み、財政の安定性を担保し、都民へ情報提供をしていくこと。
 一、簡易処理水の放流、汚濁負荷の発生など、運河、河川に係る水質については、地域住民へはもちろんのこと、周辺区並びに海上保安庁への迅速な情報提供と対策強化に努めること。
 一、合流式下水道については、環境負荷を含め、アセスメントと高度処理の推進を図り、改善に努めること。
 一、水再生センターの上部公園との地域連携の取り組みを進めること。
 一、民間事業者の水質自主管理の意識向上の取り組みを進めること。
 一、入札については、随意契約の不断の見直しを図り、競争性と公平性をより一層に保つこと。
 次に、中央卸売市場会計についてです。
 一、経年化している営業損失と退職引当金確保を加味しつつ、費用対効果を念頭に入れた中長期的、効率的な老朽化対策を図ること。
 一、少子高齢化や市場外流通に鑑み、将来の統廃合をも視野に入れた選択と集中の検討を進めること。
 一、各市場への新規事業者への門戸を開き、仲卸事業者の参入を促進すること。
 一、豊洲市場への移転に当たっては、風評に惑わされることなく、科学的知見に基づいた安全確認を着実に進めていくこと。また、都民や市場関係者に対しては、迅速かつ適切な情報開示を行っていくこと。
 一、豊洲市場移転の際に発生した情報ガバナンスの問題については、徹底解明に努め、責任の所在を明らかにし、都民に適切な形で説明責任を果たすこと。
 一、築地市場の老朽化については、衛生面、環境面から科学的見地に基づいて考察し、持続可能性を念頭に適切な対応を行うこと。
 次に、臨海副都心開発事業についてです。
 一、一般会計繰入金を引き続き圧縮していくこと。
 一、売却、長期貸付、暫定利用と、目的が違う三地区の一体感あるまち並み形成を図り、民間投資を推進すること。
 一、ヴィーナスフォートなどの暫定利用の土地返還については、原状回復、返還を速やかに実施すること。
 一、貯木場においては、原木の取扱量激減に伴い、立入禁止地区の見直しと有効活用を図ること。
 一、コンテナ置き場、シャシープール整備を実施し、トレーラーによる渋滞を解消していくこと。
 一、都市開発事業については、この再開発事業で得た知見について、市街地再開発事業整備を初め、都の都市づくりの課題解決に活用していくこと。
 次に、病院事業会計についてです。
 一、民間医療機関、医師会、区市町村と連携、分担を推進していくこと。
 一、入院中の子供の教育環境、保育環境の整備に努めること。
 一、虐待について、警察、児相など関係各機関とさらなる連携を強化し、得られた知見は関係各部署で共有し、対策をとること。
 一、周産期医療については、得意分野に特化しながらも、医療機関との機能別役割分担と地域医療連携システムを推進していくこと。
 一、患者への虐待防止、看護ケア、職員の接遇教育など、QOL担保の取り組みを推進すること。
 一、監察医務院の研究成果を積極的に生かしていくこと。
 一、入院患者の地域移行支援を強化すること。
 一、地域包括ケアシステムに鑑み、医療、介護連携を推進すること。
 一、患者中心の医療を提供できる環境が整った自治体病院の強みを生かし、意欲ある医師、看護師の就労インセンティブに働きかける人材確保に努めること。
 一、平時の稼働率が低いDMATカーについては、病院間転送などに利用するなど、積極的な活用方法を検討すること。
 一、都立病院の予約時におけるメール活用など、言語聴覚障害者対応の早急な実施に努めること。
 最後に、各局共通して関係する監理団体、報告団体の派遣職員数や業務委託内容を随時検討、適正化し、民間人登用、民間投資の拡大を進めることを求めまして、意見開陳を終わります。

○藤井委員長 以上で意見の開陳を終わります。
 なお、本決算を認定する際には、意見を付することといたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 また、意見案文の取りまとめについては、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時散会

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