委員長 | 鈴木 章浩君 |
副委員長 | 高倉 良生君 |
副委員長 | 大場やすのぶ君 |
副委員長 | 河野ゆりえ君 |
宮瀬 英治君 | |
西沢けいた君 | |
清水 孝治君 | |
木村 基成君 | |
山内 晃君 | |
島崎 義司君 | |
曽根はじめ君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 村松 明典君 |
次長 | 澤 章君 | |
理事新市場整備部長事務取扱 | 福田 至君 | |
管理部長 | 松永 哲郎君 | |
事業部長 | 白川 敦君 | |
企画担当部長 | 吉村 恵一君 | |
渉外調整担当部長 | 有金 浩一君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 金子 光博君 | |
財政調整担当部長 | 長嶺 浩子君 | |
移転支援担当部長 | 長田 稔君 | |
新市場整備調整担当部長 | 井上 佳昭君 | |
新市場事業推進担当部長 | 櫻庭 裕志君 | |
移転調整担当部長 | 赤木 宏行君 | |
基盤整備担当部長 | 村井 良輔君 | |
施設整備担当部長 | 佐藤 千佳君 |
本日の会議に付した事件
平成二十七年度東京都公営企業各会計決算の認定について
中央卸売市場関係
・平成二十七年度東京都中央卸売市場会計決算(質疑)
○鈴木委員長 ただいまから平成二十七年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の決算に対する質疑を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十七年度東京都中央卸売市場会計決算を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○松永管理部長 去る十月十九日の当分科会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます平成二十七年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、表紙を一枚おめくり願います。要求資料の一覧でございます。
資料は全部で十五項目でございます。
一ページをお開き願います。豊洲市場の施設整備につきまして、土壌汚染対策費、建設費及び基盤整備費等の項目別に予算額と執行状況をお示ししてございます。
二ページをお開き願います。豊洲市場移転に係る市場関係者への支援につきまして、支援内容、予算額及びその執行状況をお示ししてございます。
三ページをお開き願います。築地市場の施設等の修繕につきまして、過去五年間の執行額をお示ししております。
四ページをお開き願います。各市場の耐震改修等工事費及び修繕工事費につきまして、過去十年間の推移をお示ししてございます。
五ページをお開き願います。豊洲市場の整備につきまして、当初事業費、執行済額及び見込み額をお示ししてございます。
六ページをお開き願います。豊洲市場用地における土壌汚染対策につきまして、見積もり及び実績をお示ししてございます。
七ページをお開き願います。豊洲市場整備に係る国庫交付金につきまして、年度別の実績をお示ししてございます。
八ページをお開き願います。地下水管理システムの設計委託の経緯でございます。本資料には、九ページ以降にそれぞれの契約書類の写しを添付しております。
恐れ入りますが、三七ページをお開き願います。豊洲新市場整備に係る工事につきまして、件名、契約金額及び契約者氏名などをお示ししてございます。
四一ページをお開き願います。入札不調後の建設工事会社とのヒアリング結果につきましてお示ししてございます。
四四ページをお開き願います。豊洲市場の施設別の延べ面積につきまして、また、次のページには、施設別、項目別の建設費につきましてお示ししてございます。
四六ページをお開き願います。豊洲市場整備のために起こした企業債及び償還金につきまして、平成十七年度からの推移をお示ししてございます。
四七ページをお開き願います。土壌汚染対策及び地下水管理システムの設計費及び工事費の推移をお示ししてございます。
四八ページをお開き願います。豊洲市場に関する小池知事から石原元知事への質問書及びその回答でございます。
恐れ入りますが、五七ページをお開きください。補助第三一五号線高架橋部の土壌汚染対策工事につきまして、その概要をお示ししてございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○鈴木委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
この際、委員の皆様に申し上げます。
本日の分科会は、平成二十七年度決算を審査する分科会でございますので、何とぞ逸脱しないようによろしくお願いを申し上げます。
それでは、発言を願います。
○島崎委員 都議会自民党の島崎義司でございます。
質問に先立ちまして、昨日、三笠宮崇仁親王殿下が薨去あそばされたことに対しまして、謹んで心から哀悼の意を表したいというふうに思っております。
それでは、質問に入らせていただきます。
私からは、本日、中央卸売市場のあり方と築地市場の豊洲市場への移転問題について伺ってまいりたいというふうに思っております。
このたびの豊洲市場整備に向けた一連の問題は、都政の極めて重大な不祥事でありました。建物下に盛り土をしない工法に変更したこと、その手続や説明に多くの問題があったこともさることながら、そのことによって東京都及び職員が失った都民からの信頼の影響は甚大だといわざるを得ません。
メディアで種々取り上げられている虚実入りまじった情報の中で、特に虚の部分や過度に不安をあおりかねない報道への対応について、職員が直接当たれないのか、当たらないのか、そのことによって風評被害が途方もなく拡大し、東京における食の安全への不信が世界的にも広がってしまっている現状があります。
私は、先週、個人的に、築地市場で仲卸を営む事業者の方と場内視察や懇談をさせていただきました。そこでは、取引のある国内大手顧客の一部はもとより、海外のお客さんが都内の他の市場や他県の市場にシフトを検討し始めており、さらに、直接顧客から、豊洲に移ったら他の業者に切りかえるとまでいわれた事例をお聞きいたしました。今回の件での風評被害は極めて深刻であるということを感じました。
一刻も早く豊洲市場の安全性の確認と必要な対策を講じるとともに、冷静で科学的な知見に基づいた議論や広報、メディア対応などを通じて、全庁を挙げて風評被害の払拭に全力を挙げていかなければなりません。
都議会自民党は、さきの定例会代表質問で豊洲市場の安全性をただすとともに、都民や市場関係者の安心を確保することに全力を傾注することを幹事長談話で明らかにしたところでもあります。
こうした立場から、平成二十七年度決算の審査においても、豊洲市場の建設費や土壌汚染対策等について質問していきたいというふうに思っております。
まず、市場における個々の問題に入る前に、平成二十七年度決算の審査に当たり、市場会計決算の意味などについて確認をしていきたいというふうに思っております。
改めて申し上げるまでもなく、市場会計は、独立採算を旨として運営されている公営企業会計であり、都民からの税を原資とした一般会計とは会計の性質を異にしております。一部、一般会計からの補助金が充てられておりますけれども、それは、生鮮食料品の都民への安定供給や消費者行政の適切な執行のためであるというふうに承知しており、企業会計の趣旨を損なうようなものではなく、この点を混同すると議論がかみ合わなくなってしまうというふうに思っております。
そこでまず、一部、一般会計から繰り入れられている補助金について、その趣旨や金額はどのようなものになっているのか伺います。
○松永管理部長 島崎委員のお話のとおり、市場事業は、地方財政法により公営企業として位置づけられており、都では、地方公営企業法の一部、つまり財務規定等を適用し、独立採算を原則として運営しております。
この市場事業の収入は大部分を市場使用料等が占めており、税を主な原資とする一般会計からの補助金は、平成二十七年度決算において約十九億七千九百万円、収益全体の一〇・三%となっております。その使途でございますが、公正取引の実現を目的とした業務や消費者行政などの行政的経費に充当しております。
このような独立採算の原則のもと、私どもは十一の中央卸売市場の運営を行っております。
○島崎委員 税金の投入が、その目的を含め必要、適切な範囲内であり、その用途も行政的経費に限られている市場会計の特徴がよくあらわれているというふうに感じました。
基本的に、独立採算を原則としている以上、市場使用料などの貴重な収入をより効果的に活用し、市場業者の取引業務を支えていくのが都中央卸売市場の役割であるというふうに認識しております。
近年、卸売市場を取り巻く環境はさまざまに変化をしておりますが、そういった中でも、創意工夫をしながら適切に対応し、生鮮食料品等の安定供給という使命を確実に果たしていくことが重要であります。
そこで、次に、卸売市場を取り巻く環境について確認しておきたいと思います。
そもそもの市場の始まりは、市と呼ばれる物々交換の場でありましたが、中世になると、商業活動、経済的利益は、貴族や寺社などに金銭を払い、営業や販売の独占権を認められた座や、その座の中の問屋などが株仲間をつくり、今でいうカルテル、価格や販売地域等の協定を結ぶなどして、市の利益は独占、既得権益化されていきました。十六世紀末から十七世紀初頭、我が国では、織田信長や豊臣秀吉など戦国大名によって楽市楽座の令が発布され、それまでの有力な商工業、座による独占、既得権益は解体され、市は自由交易を保障する場となっていきました。
中央卸売市場のホームページによると、東京における市場の始まりは、江戸時代、徳川家康が大坂の漁師に江戸城に納めさせた魚などの残りを漁師が日本橋のたもとで売るようになり、それが日本橋魚河岸となり、同時期に、江戸八辻ケ原--現在の神田須田町あたりだそうでございますが--では、自然発生的に青果市場が形成されていったこと、その後、明治維新によって社会経済情勢が激変し、市場が一時衰退したこと、これに伴い、東京府許可制により民営二十数市場が開設したこと、しかし、関東大震災により、その民営市場が大規模被災したこと、昭和十年以降、築地、神田、江東ほか各市場が次々と開設することにより、生鮮食料品の流通において、中央卸売市場が公正な価格の決定と取引の明朗化、価格と品質の安定、市場内の良好な衛生環境などに大きな効果をもたらしたことが記されております。
私が今、市場の成り立ちから公営企業たる中央卸売市場への歩みを長々と申し上げたのは、昨今、公営企業としての市場の信頼性や必要性に疑問を持たれているところがあるからであります。
先週のテレビのワイドショーでは、生鮮食料品におけるアマゾンのような国内の水産物インターネット流通業者が紹介されておりましたけれども、そこでは、地方の市場に水揚げされた水産物を現地の目ききの仲買人に委託して買い付けてもらい、そのネット流通業者の加工場に集荷して、ネットで価格を設定して出品したものを全国各地の料理店などが早い者勝ちで購入し、ネット業者は、宅配業者を利用して水産品を注文のあった料理店などに配送するというシステムでありました。
番組の論調としては、今の時代、生鮮食料品の売買は、インターネットやスマートフォンなどでの受発注による生産地直送取引だけで十分ではないかとも受け取れるような論調が展開をされていたところであります。
確かに、近年の生鮮食料品等の流通については、身近な例を見ても、専門小売店が減少する一方で、インターネットを利用したネットスーパーの成長が著しいなど、その構造は大きく変化をしているものと感じておりますけれども、私は、こうした変化に伴って、卸売市場のあり方や求められる姿も変わってくるのではないかと考えております。
まず、近年の卸売市場を取り巻く環境変化について、東京都としてどのように認識しているのか、お伺いしたいと思います。
○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 近年、卸売市場を取り巻く環境は、少子高齢化の進行、単独世帯の世帯数の増加などの社会環境の変化に加え、食の外部化、簡便化、専門小売店の減少、それから小売業態の多様化、出荷団体の大型化など大きく変化しております。また、生鮮食料品等の流通チャンネルの多元化や輸入品の増加等を背景に、卸売市場経由率は長期的に低下傾向にあります。
このような流通環境の変化に対応し、卸売市場が都民、消費者に対し、生鮮食料品等を円滑かつ安定的に供給していくことが重要であると考えております。
○島崎委員 卸売市場を取り巻く環境変化についての具体的な説明にあわせて、その変化に対応することが重要であるとの東京都の認識を確認いたしました。
そこで、それでは、東京都は、卸売市場を取り巻く環境の変化に対応するため、これまでどのような取り組みを行ってきたのか伺います。
○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都はこれまで、卸売市場を取り巻く環境の変化を踏まえ、食の安全・安心への期待に応え、都民の食生活を支えるための品質、衛生管理の向上や、生産者、実需者の多様なニーズに応えるための機能強化等を図るため、卸売り場等の低温化、加工パッケージや物流改善に対応する施設整備等を市場関係業者と連携しながら推進してまいりました。
具体的には、北足立市場等における品質管理の高度化に向けた施設整備、板橋市場花き部における加工場の整備等による多様なニーズへの対応、さらには、淀橋市場における待機駐車場整備工事などのリニューアル事業による物流改善などに取り組んでまいりました。
○島崎委員 ことし九月十三日に出されました東京都卸売市場整備基本方針の答申では、物流の効率化、サービス水準向上及び取引の電子化という項目の中で、今後、生鮮食料品の取引における電子取引、EDIの普及が期待されており、中央卸売市場の市場関係業者においても、業務の効率化等の観点からEDI導入を検討すべきであるというふうにしております。
そこで、ICTを活用した新たな市場戦略をどう考えているのか伺います。
○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大消費地に立地する都の卸売市場には、全国の産地から多種多様な荷が集まり、卸売業者や仲卸業者、売買参加者、買い出し人など数多くの市場関係者により、日々活発な取引が行われております。
生鮮食料品等の取引においては、加工食品に比べまして電子取引の導入がおくれておりますが、近年、市場業者の全国団体が流通システムの標準化を推進する協議会に参加するなど、導入の機運が高まりつつあります。
卸売市場は、サプライチェーンの中間結節点としての役割を果たしており、市場業者が産地や実需者との取引においてICTを活用することで、業務の正確性の向上ですとか効率化、コスト削減などの効果が期待できるものでございます。
また、市場業者により、インターネットを通じた発注の受け付けや、場内物流の管理におけるバーコードの利用などの取り組みも進められております。
今後、卸売市場が時代の要請に応えるため、みずからの特性を踏まえ、特色のある市場づくりを進めていくこととなりますが、産地や実需者ニーズへの的確な対応、市場の活性化や業務の効率化を図る上でICTを活用していくことが重要であると考えております。
○島崎委員 ICTを活用した市場の近代化を期待しております。
さて、市場を取り巻く環境変化への対応については今話がありましたが、私はその中でも、特に品質、衛生管理については、消費者の食の安全・安心に対する関心が高まっている今日、大変重要な課題になっているというふうに思います。
生鮮食料品流通の一翼を担う卸売市場には、さまざまなニーズに対応しつつ、新鮮で安全・安心な生鮮食料品をできるだけ早く消費者に届ける役割が求められているというふうに思っております。
そこで、このような卸売市場の役割を果たしていくための中央卸売市場としての品質、衛生管理とその考え方について都の所見を伺います。
○白川事業部長 卸売市場で取り扱う食品の安全・安心を実現させるためには、ハード面での施設整備に加え、ソフト対策としての品質、衛生管理の取り組みが大変重要でございます。
中央卸売市場におけるソフト対策といたしましては、法令に基づく市場衛生検査所の監視指導や開設者による検査指導のほか、業界と一体となった品質管理マニュアルの策定、普及などにより市場業者の自主的な品質管理の取り組みの推進を図るなど、ハード、ソフト両面から品質、衛生管理の確保に努めているところでございます。
今後は、消費者の食品の安全・安心に対する関心の高まりを背景に、産地や顧客のさまざまなニーズや、輸出やインバウンド需要など新たなニーズにも対応する必要があると考えております。そのため、国内の衛生管理基準の遵守徹底を図るだけでなく、国際的な基準であるHACCPの考え方を取り入れたより高度な品質、衛生管理の実現を目指し、必要な施設整備や市場業者の自主的な品質、衛生管理の取り組みの向上を図る必要があると認識しております。
○島崎委員 東京都の市場における品質、衛生管理の考え方についてはよくわかりました。
ただ、冒頭、個人的に市場内事業者をお訪ねしたことを紹介しましたが、現場を見ながらお話を聞いている最中も、大きなネズミが私たちの周りを堂々と走り回るなど、開放型の施設だからいたし方ない面もありますが、率直にいって、衛生管理的には問題だと感じました。
今後の中央卸売市場の進むべき方向性については、今ご答弁いただいたように、産地や顧客のさまざまなニーズに対応し、生鮮食料品の中間流通を担う卸売市場の役割の強化にあるというふうに思っております。そのためにも、だからこそ、施設の機能強化や品質、衛生管理の高度化などの取り組みが求められ、今後の卸売市場のあるべき姿を実現できるよう、豊洲市場の建設も進められてきたのだというふうに承知をしております。
今回の決算では、豊洲新市場における主要な建物の建設費等が計上されております。建設費用については後ほど詳しく質問をいたしますが、その前に、豊洲新市場の施設設備の機能について確認しておきたいと思います。
先ほどから質問をしてきた流通環境の変化や消費者等のニーズに対し、豊洲新市場ではどのように対応する予定であったのか、東京都の取り組みについて伺います。
○井上新市場整備調整担当部長 豊洲市場は、流通環境の変化に対応した高度な品質、衛生管理機能や効率的な物流、実需者の多様なニーズに対応する機能を備えた施設として整備しております。
具体的には、売り場施設などを温度管理ができる閉鎖型として品質管理を強化するとともに、外周道路の設置や売り場に隣接した荷さばきスペースの配置など、車両と荷が円滑に流れるよう工夫しております。また、加工パッケージや他市場への転配送機能を持たせるなど、多様なニーズに的確に対応する施設も整備しております。
○島崎委員 豊洲新市場が流通構造の変化や顧客の多様なニーズに対応できるように建設されてきたということを確認したところであります。
このように、卸売市場のあるべき将来に向けたさまざまな取り組みをしてきたのにもかかわらず、今回の地下空間の問題によって、その機能が十分に発揮できないような事態になってしまっていることは全くもって遺憾であります。市場当局には改めて猛省を求めるとともに、市場長を初めとした新体制のもと、生まれ変わったつもりで信頼回復に全力で取り組んでもらいたいというふうに思っております。
さて、地下空間問題の発覚以降、豊洲新市場に対しては、さまざまな疑いの目が向けられております。その一つが建物の建設費用の問題であります。
小池知事も記者会見で指摘されておりましたが、建設費用だけで見ても、当初の計画額九百九十億円が平成二十五年度には千五百三十二億円になり、最終的な事業費は二千七百四十四億円にまで増額をしている状況にあります。さきの経済・港湾委員会においても議論されてまいりましたが、改めてこの増額の理由について確認をしていきたいと思います。
まず、当初の計画額九百九十億円が千五百三十二億円に増大した理由について伺います。
○佐藤施設整備担当部長 施設建設費の増加理由につきましては、設計に際しまして、業界要望に的確に対応し、施設計画を充実させたことが挙げられます。
例えば、物流の円滑化を図るため、ターレ用スロープや売り場通路等を拡充したことや、水産仲卸売り場の空調効率が向上しますよう、十分な広さの空調機器置き場を売り場の直上階に新設したことなどが挙げられます。
また、東日本大震災を踏まえまして、災害対応力を一層強化するため、建物下の地盤改良や非常用発電設備の能力増強を図りましたほか、豊洲地区のまちづくりにも貢献するため、親水護岸と一体となった水際緑地や歩道を充実したものでございます。
また、業界要望を受け、それまで民間整備予定でございました加工パッケージ棟ほかを東京都の方で整備するということで方針を決めたものでございます。
○島崎委員 計画額の変更については、その理由はわかりましたけれども、さらに次の段階として、工事予定価格も大きく変更をしております。
当初の工事予定価格で入札不調となり、東京都は、その後、事業者へのヒアリングを実施しております。その内容は、既に経済・港湾委員会の要求資料として明らかにされており、同委員会での議論もあったところでありますが、改めてこの点について質問しておきたいと思います。
工事予定価格は、どのような考え方に基づいて設定され、なぜ予定価格が大きく上昇することになったのか伺います。
○佐藤施設整備担当部長 工事予定価格の積算につきましては、東京都標準単価や建設資材定期刊行物などのほか、単価設定のない項目につきましては、メーカーなどから徴取した見積書を用いております。
このように積算を行い、平成二十五年度に豊洲市場の建設工事を発注いたしましたが、入札不調となりましたため、単価の見直しを行い、再入札に係る工事予定価格の積算を行ったものでございます。
その当時は、東日本大震災からの復興や経済復調により全国的に建設工事が増大し、職人の不足に伴う人件費や専門の職人を要する工事費などの急騰、建築資材価格の上昇といった状況が見られました。この状況を的確に反映いたしますため、直近の標準単価や建設資材定期刊行物などの採用とあわせて、改めて設計会社へのヒアリングなどにより把握しました実勢価格を踏まえて積算を行いました結果、予定価格が上昇したものでございます。
○島崎委員 ところで、建設費に関連して、市場問題PT、プロジェクトチームでは、委員の一部が、以前からメディアなどを通じて繰り返し豊洲市場施設の耐震性について疑問を指摘していました。
項目を挙げると、構造計算書の誤記問題、水産仲卸売り場棟の床面の積載耐荷重問題、地下空間をつくったことによる耐震強度問題などについてでありましたけれども、今回、この市場問題PTで日建設計から説明がなされたと報道ベースで承知をしております。そして、同PT会議終了後、座長が会見で、委員の間では耐震性について安全性を満たしているとの共通認識だと語ったことも報道をされておりました。
そこで、それぞれ指摘された問題と設計会社による説明の概要、それに対する専門家の意見や判断をご報告いただきたいと思います。
○佐藤施設整備担当部長 今月二十五日、市場問題プロジェクトチームの第二回会議が開催されました。この会議におきましては、それまで指摘されてまいりました問題につきまして、設計会社による説明があり、それに対しての議論がなされたところでございます。
まず、構造計算書の誤記問題についてであります。
設計会社からは、水産仲卸売り場棟四階の防水押さえコンクリートの厚みにつきまして、構造計算書上では十ミリ、設計図面上では百五十ミリと、そごがあること、そして、実際は百五十ミリで施工しており、厚さがふえたことによって総重量は増加しますが、耐震強度には余裕を持っているため問題はないとの説明がございました。これにつきまして、プロジェクトチームとしての同意がございました。
次に、水産仲卸売り場棟床面の積載耐荷重問題についてでありますが、同じく設計会社からは、築地市場での実際の使い方を参考に設計がされており、想定される荷重に対しまして十分なゆとりがあり、地震のときでも安全な積載荷重を設定しているとのご説明がありました。これにつきましても、プロジェクトチームとしての同意がございました。
最後に、地下空間をつくったことによる耐震強度問題についてでございます。
参考人から、地下部を含めて構造計算すべきであるとの指摘がございましたが、これに対しまして設計会社からは、地下部は頑強で地震時にほとんど変形せず、階、一階とみなして計算する必要はないとの説明がございました。本件につきましては、本プロジェクトチームとして法令上の安全性を確認したが、専門的な見地から引き続き検証を行うこととなったところでございます。
○島崎委員 建設費用について確認をしてまいりましたけれども、建物を建てれば、当然、維持管理の経費もかかってまいります。
先般も議論がありましたけれども、豊洲新市場の維持管理経費については、報道では一日七百万円ともいわれておりますけれども、移転延期に伴って生じる経費については極力抑制していく必要があるというふうに考えております。これについて都の見解を伺います。
○井上新市場整備調整担当部長 豊洲市場の維持管理費については、開場時期の変更等に伴う影響を検討するために試算したものであります。
主な内訳は、場内警備、設備の法定点検などの保守、樹木管理や清掃などの業務委託費として約三百六十万円、電気料金や水道料金などの光熱水費として約三百四十万円でございます。
市場がまだ開場していないという実態に応じまして委託経費の見直しを行うなど、経費の削減に努めてまいります。
○島崎委員 極力経費を抑える工夫を要望し、次の質問に移ります。
これまで建設費用に関連する質問をしてきましたが、もう一つ確認しておくべき重要な論点が土壌汚染対策についてであります。
今回の決算においても、土壌汚染対策の費用が計上をされております。
繰り返し申し上げるまでもなく、豊洲新市場の問題は、本来されているべき盛り土がなされず、建物地下が空間になっていたということに端を発し、かつ、それについて事実と異なる説明が繰り返しなされてきたということでありまして、都政の信頼を失う重大な事態を招いてしまったということであります。
土壌汚染対策を取りまとめた専門家会議の先生方にとっても、みずからの提言がないがしろにされたととられても仕方のない現在の状況は、受け入れがたいという心情なのではないかというふうに推察をしております。
現在の状況で土壌汚染に対する安全性が確保されているのかという点については、前回の専門家会議と同様に、平田先生を座長とした専門家会議において議論されていると承知をしております。
そこで、現在の専門家会議においては、どのような考えのもとに議論が進められ、今後はどのようなスケジュールで進められていくのか、都の所見を伺います。
○村井基盤整備担当部長 専門家会議は、都から独立した組織として、地下ピットがある状態の確認と評価、リスク管理上必要な対応策などについて検討を行うこととしております。
会議は全て公開で行うこととし、市場関係者の方々との質疑応答など会議の様子はインターネットで配信しております。
また、会議のスタンスとしては、市場関係者の方々とのリスクコミュニケーションを重視して検討を進めることとしております。
なお、次回の会議は十一月中旬に開催する予定でございます。
○島崎委員 ぜひとも専門的な知見に基づいて安全確保に向けた道筋をしっかりと示してもらいたいというふうに思っております。
ところで、第八回地下水モニタリングの結果で、三地点でベンゼンやシアン等が環境基準を超過していました。また、さきの専門家会議では、地下空間から国の指針値を超える水銀が検出されたとの報告がなされていました。都民はこうした状況をどのように考えるべきなのか。平田座長はリスクコミュニケーションといわれておりますけれども、まさに科学的な観点から冷静に捉えていくことが必要だというふうに思っております。
そこで、モニタリング調査の結果に関する専門家の見解はどのようなものであるのか、代表質問でも答弁がありましたが、再度ここで確認をさせていただきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 モニタリングの調査結果について、専門家会議の平田座長は、土壌汚染対策実施後に地下水中の汚染物質濃度が変動しながら低下していくことはよくある現象である、現在は対策後の地下水中の濃度の推移を確認している状態であり、一時的な上昇をもって判断するものではなく、今後の推移を見守るべきであるとコメントされております。
○島崎委員 通常は、土壌汚染対策実施後に地下水中の汚染物質濃度が変動しながら低下していくものでありまして、経過観察を要するものの、過度に不安視する必要はないものと理解をいたしました。
とはいえ、特に水銀については過敏に反応している方もおります。確かに、メチル水銀汚染の食物連鎖で起きた公害病、水俣病の記憶を呼び起こすこともありまして、イメージとしてはいいものとはいえません。
ただ、一方で、私たちは毎日の食事などから一定量の水銀を摂取していることも知っておくべきではないかというふうに思っております。
厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課の平成二十二年五月十八日付の資料、魚介類の摂食と水銀に関する対応についてによると、魚介類は、良質なたんぱく質や健康によいと考えられるEPA、DHA等の高度不飽和脂肪酸をその他の食品に比べて一般に多く含み、また微量栄養素の摂取源である等、健康的な食生活にとって不可欠ですぐれた栄養特性を有している、反面、自然界に存在する水銀を食物連鎖の過程で体内に蓄積するため、日本人の水銀摂取の八〇%以上が魚介類由来となっているというふうにあります。
同資料によると、厚生労働省が実施している一日摂取量調査の平均値、これは平成七年から十六年にかけての調査でありますけれども、これによると、水銀の摂取量、総水銀換算では、人については一日当たり八・四二マイクログラムであり、妊婦への注意事項として、食品安全委員会の食品健康影響評価結果の耐容量が一週間につき体重一キロ当たり二マイクログラム以内であれば、妊婦が魚介類を食べても健康に影響を及ぼさないということが記述をされております。
話を今回の豊洲市場でのデータに戻しますが、報道では、今回、豊洲施設地下空間の空気から検出された水銀濃度は、一立方メートル当たり最大〇・二八マイクログラムとのことでありました。第一回の専門家会議でのコメントでは、主に工場労働者が数年単位で働いていた方たちの水銀蒸気を吸入した文献では、最少毒性量は一立方メートル当たり二十マイクログラムが指針値をつくるときの出発点であり、今回の〇・二マイクログラムくらいは非常に微量であるとも述べられているようであります。
そこで、今回、同地で水銀が検出されたことに対して、専門家会議ではどのように考えているのか、改めて伺いたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 専門家会議では、検出された水銀の値は非常に微量であり、人体に対し、特に直ちに何か影響を与えるものではないと考えてよいとコメントをされております。
○島崎委員 各種公的機関のデータや専門家会議のコメントなどから、今回のデータは過度に反応するべきほどのものではないということを確認いたしました。水銀についてはデリケートに考えている方が多いと感じますので、正確な情報発信していただくことを強く求めておきたいというふうに思います。
次に、土壌汚染対策において、もう一つ重要となる地下水の管理について伺います。
今回の決算においても、地下水管理システムの施設整備工事費が計上をされております。地下水管理システムは十月十四日から本格稼働したということでありますが、一方で、地下水位は必ずしも管理水位まで下がっていないという現状があります。
そもそも、AP二・〇メートル以下で管理をすることが土壌汚染対策の重要な柱の一つであったというふうに思っておりますが、これが守られていないことが都民に不安をもたらしている原因だろうというふうに思っております。地下水位の上昇に対して、早急に対策を講じることが必要不可欠だと思います。
そこで、地下水位の低減に関する今後の見通しについて、都の見解を伺います。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムは、約四十ヘクタールの豊洲市場用地全域にわたり、地下水位を常時一定水位に管理、制御する非常に重要なシステムでございます。
本年八月から試運転を行っており、各井戸のポンプや処理施設の稼働状況の確認、バックアップ機能の確認、排水の際の水質確認などを行ってきております。
十月十四日からは二十四時間自動運転を行っており、水位の低下については長期的な視点が必要であります。
地下ピット内にたまった水は、専門家会議の意見を踏まえて適切に対応してまいります。
○島崎委員 正確な環境分析という観点は理解できますけれども、一方で、地下ピットにたまった水を早期に排出するための備えは必要だと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 委員ご指摘のとおり、地下水位を低下させるために、地下ピット内の水をポンプ等で排水することも考えられるものでございます。
排水可能な状況が整った際に迅速に対応できますよう、来る第九回の地下水モニタリングの採水を見据えながら必要な準備を進めてまいります。
○島崎委員 市場関係者や都民の不安を払拭するためにも、ぜひ早急に対策を進めていただきたいというふうに思っております。
次に、土壌汚染対策についてもう一点確認しておきたいことが、盛り土の量に関する問題であります。
一部報道によると、掘削した土壌の量と埋め立てた土壌の量が合致せず、消えた盛り土などと報じられているようでありますけれども、これについての都の見解を伺います。
○村井基盤整備担当部長 ご質問の記事は、掘削土量百六十九万立方メートルに対し、埋め戻し及び盛り土の土量が百十二万立方メートルであるため、その差の五十七万立方メートルの行方が不明であるとしております。
しかしながら、掘削土量のうち、埋め戻し及び盛り土に再利用したもの以外についても、外部の埋立処分場へ搬出しております。
したがって、掘削土量の行く先は全て判明しております。
○島崎委員 外部の埋立処分場とはどこかということを確認したいのと、処理費用の算出式はどうなっているのかについて伺っておきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 外部の埋立地としては、新海面処分場及び中央防波堤外側埋立地に搬出しております。
処理費用の算出に当たっては、受け入れ料金、運搬費と掘削積み込み費を積算基準などに従い適切に算出しております。
○島崎委員 わかりました。信頼回復には、正確な情報をわかりやすく伝えていくことが何よりも重要であります。今後も、そうした姿勢を持ち続けてほしいというふうに思っております。
次に移りますが、今回の決算の中では、豊洲新市場の六、七街区の連絡通路建設工事の費用が計上をされております。この通路は、都市計画道路補助三一五号線の下を通る通路になりますけれども、この通路が建設された道路の下に土壌汚染が残ったままであるとの指摘がなされております。
そこで、補助三一五号線の土壌汚染対策についてはどのような処理がなされているのか、その取り組み状況を伺います。
○村井基盤整備担当部長 補助三一五号線高架下については、ガス中圧管や橋脚に影響を与えない範囲で汚染土壌を可能な限り掘削除去した上、舗装や遮断層による封じ込めと液状化対策を実施しております。また、六街区と七街区の間には遮水壁が設置されており、補助三一五号線とは隔てられております。
これらの土壌汚染対策による安全性の確保については、専門家会議において大気のモニタリング調査を行い、確認することとなっております。
○島崎委員 建物内には影響を及ぼさないということでいいですよね。
次に、移転延期に伴う市場関係者への支援について伺います。
今回の問題で最も心を痛めているのは、築地市場で仕事をされている業界関係者の皆さんであります。一人一人がさまざまな事情を抱える中、悩み、逡巡しながら、移転に向けて気持ちを切りかえておられたところに、今回の問題によって全てがとまってしまいました。関係者のご心痛はいかばかりかと考えると、この間、事実と異なる説明を繰り返してきた都の対応は断じて許されるものではないというふうに申し上げておきたいと思います。こうした事態が引き起こされた原因について、都としての説明責任をしっかりと果たしていくことが重要であります。
市場関係者へ与えた衝撃は大きく、都への信頼はすっかり損なわれております。先日の専門家会議の中でも、都に対し、非常に厳しい声がぶつけられていたようであります。また、江東区などの関係区の取り組みに与えた影響も非常に大きいものがあります。市場長を初め体制が刷新された今、都には、市場関係者や関係区との信頼関係を再構築していくことが求められていると思います。
そこで、こうした関係者との信頼関係の構築に向けて、都としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
○井上新市場整備調整担当部長 関係者との信頼関係を取り戻すため、都は、連絡体制を強化し、関係者とのコミュニケーションの充実を図ってまいりました。
今後、各業界団体の会長のほか、理事等の役員の方々を対象とした説明会などを行うとともに、市場業者全体に対する説明会や適切な情報提供、市場業者の不安解消に向けた取り組みなどを実施してまいります。
また、関係区に対しても、区議会などにおいて、今回の移転延期の経緯や豊洲市場での各種測定結果などについて丁寧に説明を行ってまいります。
○島崎委員 市場関係者の皆さんに対しては、本当に丁寧な対応をお願いしたいというふうに思っております。市場関係者の皆さんは、宙ぶらりんな状態に置かれて、さまざまな不安を抱えている状況にあります。都は、これまで講じてきた移転支援策を継続、さらには拡充をして市場の皆さんを支えていく必要があります。
また、市場関係者の中には、既に、豊洲新市場での開業に向けてリース機器などの契約を結んでいる方もおられます。先ほどご紹介した、個人的にお話を聞いた事業者は、ターレを二十四台新規に購入し、冷蔵庫や製氷機を特注し、店舗の規模を拡大するため、廃業者の店舗の権利を購入し、その従業員を雇うことにもなっていたそうであります。
そこで、今回の移転延期に伴って、具体的にどのような影響が生じると考えられるのか、都の見解を伺います。
○赤木移転調整担当部長 これまでに都において把握をしております市場関係者への主な影響といたしましては、豊洲市場において既に整備をした設備、システムなどの維持管理費、什器設備のリース代や借入金返済の発生などが挙げられます。
また、新規事業展開を見据えて確保した従業員につきましても、開場までの扱いに影響が生じている場合がございます。
さらに、現在、築地市場周辺において確保している事務所や駐車場につきましても、契約の解約申し出をした事業者がございます。
○島崎委員 移転延期に伴うこうした影響について、延期を決定した東京都として、市場関係者をしっかりと支えていくことが重要であります。小池知事も、記者会見の中で、補償の問題を整理すべき課題の一つとして挙げておられました。
そこで、今後の移転支援策の拡充や移転延期に伴う補償についてどのように進めていくのか、都の見解を伺います。
○吉村企画担当部長 豊洲市場への移転延期に伴い、市場関係の事業者の皆様には、ご指摘のように、さまざまな影響が生じていることから、事業者の状況を踏まえた支援の充実を図るとともに、具体的に生じている損失に対して適切な補償を行っていく必要がございます。
このため、都は、業界団体や事業者のヒアリングなどにより業務の実情やニーズを的確に把握し、当面の運転資金などに充てるための資金繰り支援策や適切な補償スキームの構築に向けた検討を精力的に進め、準備ができたものから速やかに取り組んでまいります。
○島崎委員 ぜひしっかりと検討して、丁寧に市場関係者の皆さんと話し合いながら、事業者を力強く支えてもらいたいというふうに思っております。
さて、冒頭、確認したとおり、流通環境が変わる中においても、卸売市場は重要な役割を果たしていく必要があります。多様な流通形態が民間でも提供されることは、消費者にとって決してマイナスなことではありませんけれども、公営企業が公の責務として食のセーフティーネットを守るということも極めて重要な役割だというふうに思っております。
豊洲市場は、こうした時代に即して、築地市場の築いてきた歴史と伝統を継承、発展させていくために整備されてきたものであり、その必要性は今も変わらないというふうに考えております。
現状、都政を見る目は非常に厳しく、進むべき道は困難をきわめることが容易に想定をされておりますけれども、中央卸売市場という組織を再生させ、市場関係者とのきずなを結び直して、都政の信頼を回復していかなければならないと考えます。
こうした状況に今後適切に対応していくことが必要だと思いますけれども、最後に市場長の見解を伺いたいと思います。
○村松中央卸売市場長 今回の豊洲市場の問題につきまして、市場関係者や都民の皆様方が食の安全・安心への不安を抱いていることは十分に認識しております。
まずは、専門家会議におきまして、地下空間の安全性について専門的な見地から科学的に検証、確認をしていただきまして、都として必要な対応を図ることで、豊洲市場に対する不安を払拭していくよう努めてまいります。
また、関係者への情報提供を適時的確に行うとともに、市場事業者の皆さんの実情を十分に踏まえた検討を行いまして、必要な支援策などについて早急に構築してまいります。
今回、中央卸売市場の組織を刷新し、強化したことから、新たな体制のもとで信頼回復に向けて全力で取り組んでまいります。
○高倉委員 今回、豊洲市場をめぐりまして、これまで市場が、例えば、議会で、また都民に対して行ってきた説明、そういったことが、盛り土の問題を初めとして事実と異なっていた、さらに、それによって、都民を初め多くの方々に、この安全に対して、また安心に対する大きな懸念、不安というものを引き起こしてしまった。まさに言語道断のことでありまして、私どもは、そうしたこれまでの市場の対応については厳しく糾弾されるべきである、このように考えているわけであります。
今回の問題が明らかになった後、私ども都議会公明党としては、繰り返し豊洲市場の現地の調査を行いました。特に、建物の地下にある地下の空間、そして地下水がたまっているこうした状況、さまざまな角度から調査をしながら、小池東京都知事に対しても直接の申し入れも行ったところであります。
一昨日も私どもは、二十七年度の決算にかかわる事項といたしまして、豊洲市場の地下水管理システムの状況を、私も行きましたけれども、現地に参りまして、その状況について調査をさせていただいたところでございまして、今後とも、この市場移転にかかわるさまざまな課題につきましては、引き続き、追及すべきところは追及をしながら、指摘すべきところは指摘をしながら、また、私どもとして提案すべきところは提案をしながら、しっかりと論議を展開してまいりたいというふうに考えております。
まず最初に、二十七年度の決算についてお伺いをするわけでありますけれども、きょう提出していただいた豊洲市場の施設整備の項目に関する予算額と執行状況の資料を見ますと、その中で、豊洲新市場建設工事の平成二十七年度の予算額とその執行額を比較しますと大きな差があるわけでありますけれども、このことについての理由をお伺いしたいと思います。
○鈴木委員長 理事者の答弁を求めます。速やかに答弁をお願いします。
○松永管理部長 大変申しわけございませんでした。
豊洲新市場の建設工事につきましては、二十七年度、予算現額二千二百五十一億八千九百万円余に対しまして、執行額は九百六十九億六千万円余になっておりますが、その差額につきましては二十八年度に繰り越してございます。
○高倉委員 二十七年度に実施をしました豊洲新市場、これについてはさまざまな取り組みを行ってきて、特にこの建設工事については、いわゆる今問題になっている地下の空間、地下ピット、こうしたことが実は行われていたというふうに思いますけれども、二十七年度に実施をした豊洲新市場の建設工事のうちの地下ピット、実際にこの二十七年度に実施をしたのか、そして、その理由は何なのかということについてお答えをいただきたいと思います。
○佐藤施設整備担当部長 ただいまもありましたように、本体施設の建設工事につきましては、工期を延伸して、平成二十七年度末で終わる予定を平成二十八年度の五月末まで、青果棟、水産卸売り場棟、水産仲卸売り場棟並びに管理施設棟、この主要の四棟につきまして工期を延伸し、対応したところでございます。
主に、平成二十六年度から二十七年度末までにかけまして、躯体工事並びに内装工事を進めたところでございます。
○高倉委員 改めて確認をしますけれども、二十七年度に行った建設工事の中で、この地下の空間、地下ピットについての工事を行ったということでよろしいですね。
○佐藤施設整備担当部長 副委員長お話しのとおり、平成二十六年二月から、先ほど申しました主要な四棟の工事が開始され、平成二十八年五月末までの工期を設定してございます。
平成二十六年度は、主に地盤事業、くい事業、それから躯体の初期の状況、平成二十七年度の当初からは、一階部分より上の躯体工事並びに一年かけて外装、内装の工事まで進んだところでございます。
○高倉委員 もう一度確認をしますけれども、二十七年度に行った工事、この工事費の中に、建物の地下の空間、地下ピットとも呼んでいますけれども、この工事が行われた、工事費の中にそれは入っていた、こういうことでよろしいですね。
○佐藤施設整備担当部長 五街区、六街区、七街区、それぞれの街区に多少の進捗の差異はございますが、副委員長お話しのとおり、二十六年度末から二十七年度当初にかけまして、地下部分並びに一階以上のところの躯体工事を進めておったところでございます。
○高倉委員 何といいますか、はっきりとお答えになっていただいていないような答弁だというふうに思いますけれども、平成二十七年三月の経済・港湾委員会は、当然ながら二十七年度の予算の調査を行っていた委員会であります。そのときに、私ども都議会公明党の木内良明議員の質問に答えて、市場は、盛り土は行いましたと、こういう答弁をしたわけであります。そうしますと、その説明のとおりだとすれば、盛り土が行われたということは、地下の盛り土が行われていなかったということではなくて、盛り土は行われていた、つまり地下の空間はなかった、そういうような説明であったと思います。
しかしながら、二十七年度の予算の執行においては、まさにこの地下空間の工事を行っていたということになるわけでありますけれども、この予算に対する説明と実際の執行というのは異なっていたということになりませんか。
○鈴木委員長 答弁を願います。
○佐藤施設整備担当部長 副委員長ご指摘のとおり、実施設計以降、発注図面におきましては、地下ピットの中は盛り土がない状態で発注をし、主要な三棟につきましては、平成二十六年二月以降、先ほど申しましたような工程で建設工事を進めてまいりました。ですので、ご指摘のとおり、平成二十六年度末から二十七年度にかけて、地下ピットに盛り土がない状況で事務を進めておったところでございます。
○高倉委員 市場長にお伺いをしたいわけでありますけれども、今やりとりをして、まさに二十七年度の予算調査の委員会において皆さんが説明をした内容と、実際に二十七年度にこの予算の執行を行っていたことに大きな違いがあるわけでありまして、このことについて市場長はどうお考えになっているのか、ご見解をお伺いしたいと思います。
○村松中央卸売市場長 盛り土に関する問題につきまして、副委員長ご指摘の昨年三月の経済・港湾委員会、また、それら以外の議会に対する答弁、そういった中で、これまで事実と異なる説明を行ってきたことは事実でございまして、この場をおかりいたしまして、まことに申しわけございません、おわび申し上げます。
また、こうしたことが都議会、都民、市場関係者の皆様方の不安、不信につながってきたことは十分私も認識しております。こういったことはあってはならないということを考えておりまして、今後は、正確な情報を都議会を初め都民や市場関係者の皆様に提供するとともに、丁寧にご説明を申し上げ、市場用地の安全・安心を確保していく、そういう考えで取り組んでまいります。
○高倉委員 今回、二十七年度の決算が議会に提出をされて、今まさに、こうした公営企業会計決算委員会、そしてこの分科会で二十七年度の決算の審議が行われているわけであります。
皆さんからこの決算が議会に提出をされている、この意味は多分よくお考えになっていると思いますけれども、皆さんとしては、この二十七年度の中央卸売市場会計決算を認定してほしい、こういうことでこの決算を提出されているというふうに思います。
そういう中で、今、質疑をさせていただきましたけれども、まさに予算調査のときの説明とこの執行が違っている、これは私どもとしては大変重大な問題である、このように今、考えているところでございます。
次に、また別のことについてお伺いをしたいわけでありますけれども、今回、この二十七年度の市場の取り組みの中で、豊洲市場において地下水管理システムの工事が行われていたわけであります。
このことについては、今回の第三回定例会においても、私ども都議会公明党が本会議あるいは一般質問等を通してさまざまな角度で指摘をさせていただいたわけでありますけれども、例えば、私たちが豊洲市場の現地調査をした際に、観測井戸のふたをあけてもらって、実際にそこに私どもがスケールを差し入れて水位を調べた。そうしたところ、非常に高いところまで地下水の水位が上がっていた。私たちが地下の空間、地下ピットに入っていって、水が何センチたまっていたか、こういったことも調査をしたわけでありますけれども、そうしたことに比べて、この観測井戸の中にあった地下水の水位が非常に高いところまであった、こうしたことも指摘をさせていただいたところでございます。
いずれにしても、平成二十七年度に行った地下水管理システムの工事でありますので、このことについてお伺いをしていきたいと思います。
まず、平成二十七年度に行われた豊洲新市場の地下水管理システムの概要について簡単にご説明をいただきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムは、豊洲市場用地内の地下水の水位の上昇を抑え、おおむねAPプラス一・八メーター前後で安定させるとともに、くみ上げた地下水を検査し、下水の排水基準を超える汚染物質等を検出した場合には浄化して下水道に放流することとしております。また、これらの機能は二十四時間自動運転で運転しております。
○高倉委員 今、概略を説明していただいたわけでありますけれども、特にこの豊洲新市場については、土壌の汚染の問題に全力で取り組んでこられた、そういうところでありまして、土壌そのものの浄化とともに、まさにこの地下水の管理というのが、あわせて極めて重要であったわけであります。
今、APプラス一・八メートルというようなお話もありましたけれども、この地下水管理システムを実際に設置しなければならなかったことの理由と、この管理システムが実際にシステムとして果たさなければならない役割、これは一体どういうものであったのかについて答弁を求めたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 豊洲市場用地内においては、AP二メーターから下の部分について土壌汚染対策工事を施しております。汚染土壌については掘削除去し、さらに、地下水についても、水を取り除き新たな水を入れております。
そういった措置を施した上に、さらに、地下水が二メーター以上に上昇しないように、また、汚染物質が水を介して上がってこないために、地下水管理システムでそれ以下に地下水を抑える、そういう機能をもって食の安全・安心を確保するという趣旨で設置したものでございます。
○高倉委員 今、答弁で二メーター以上に上げない、このことのお話がありましたけれども、後ほどこのことについても質問をさせていただきますけれども、この地下水管理システムについての工事はいつ行われたのか、いわゆる工期ですね。このことについて街区ごとに明らかにしていただきたいと思います。
○鈴木委員長 答弁よろしいでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの工事については、街区ごとに三つの工事を発注しておりまして、平成二十七年六月から着工し、平成二十八年の十月までが工期となっております。
なお、一部、六街区と七街区については、建築工事も含まれていることから、二つ、工期を来年の一月まで延伸しております。
○高倉委員 今、それぞれの街区の地下水管理システムの工期、工事の時期について答弁をいただきました。それぞれ二十八年の十月に完成する、こういうお話であったと思います。
この地下水管理システムですけれども、この工事を発注する段階で当然明らかだったと思いますが、いつから本格的に稼働することにしていたのか、このことについて説明を求めたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの工事につきましては、街区ごとの進捗状況に多少の違いはありますが、基本的には十月中旬に本格稼働する予定で工事を進めておりました。その前には、既に試運転は九月ぐらいから開始をしております。
○高倉委員 この地下水管理システムの工事期間をそのように設定して、その稼働時期を今答弁にあったような時期に設定したという理由についてお伺いしたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムは、揚水井戸といいまして地下水をくみ上げる井戸、そして観測井戸、その二つの井戸を設置するとともに、処理施設までの間に配管工事を施しております。
また、処理施設は地下空間につくったりする関係上、そこに処理機能を持った装置を置いております。これは下水に排水するときに処理をする機械等を置くものでございますが、こういった工事の取り合わせの中で、配管工事や井戸の設置については、外構工事の取り合わせなどもありまして、上の舗装などをするまでは--舗装などとの工事の関係、そして、建設工事を同じ敷地内でやっていた関係がありますので、そこの調整をしながら工事を進めたということで工期を設定しております。
○高倉委員 今、ご答弁をいただきました。このことについては、また後ほど、施設の建築の関係との間で、もう一度改めて質問させていただきます。
この地下水管理システムについてですけれども、専門家会議あるいは技術会議、ここからはどういうふうな提言を受けていたのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムにつきましては、専門家会議からはAPプラス二・〇メーターで地下水位を管理することというふうに提言を受けております。また、技術会議の提言の方では、APプラス一・八メーターで日常管理することとし、これは、APプラス二メーターと一・八メーターの間の二十センチを貯留機能として、大雨の際にも二メーター以下で地下水を管理できるように、また、自動制御機能なども備えるようにと提言を受けております。
○高倉委員 先ほどの答弁の中で、この地下水管理システムについて、揚水井戸と観測井戸があるという答弁もあったと思いますけれども、この揚水井戸、それから観測井戸について、それぞれ何カ所ずつ設けられているのかについて明らかにしていただきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 揚水井戸につきましては、五街区で十九カ所、六街区で十四カ所、七街区で二十五カ所の三街区合計で五十八カ所を設置しております。また、観測井戸につきましては、それぞれの街区七カ所ずつ、三カ所で総計二十一カ所の観測井戸を設置しております。
○高倉委員 揚水井戸と観測井戸というふうに分けているわけでありますけれども、それぞれどういう目的で設置をされているのか、簡潔にご答弁をお願いしたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 揚水井戸といいますのは、地下水をそこからポンプでくみ上げる井戸でございます。それに対し、高さをはかるのが観測井戸でございますが、井戸の場合、ポンプをくみ上げますと、揚水井戸の方が、地下水面は観測井戸に比べると少し低目に出てくるという実情がございます。
○高倉委員 質疑の中でAP一・八メートルというようなお話も出てきておりますけれども、この揚水井戸と観測井戸、水位をはかる水位計というのは、そもそもどこに設置をされていたのかについて明らかにしていただきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 水位につきましては、観測井戸で観測をしております。
なお、これにつきましては、日々、午前、午後、二回観測をして、現在、インターネット等で公開をしております。
○高倉委員 今、私が聞いたのは、井戸の高さのどの辺のところに設置をされていたのかということを聞いているんですよ。どの辺に設置をされていたのか。
つまり、どこからどの辺のところをはかろうとして設置をされていたのか、このことについてお答えください。
○村井基盤整備担当部長 井戸については不透水層面から上に設置をされておりまして、その深さをはかるに当たっては、設定する高さを変えることによって観測する高さは変更はできますが、運転中は、一・八メーター前後を管理するために、その前後の高さを計測します。
ただし、今の場合は、水位が高くなっておりますので、五メーター程度までははかれるように設定をしております。
○高倉委員 現在五メーター程度まではかれるということの答弁が今ありましたけれども、これは、さっき私申し上げましたけれども、私たちが実際に現場に行って、そして井戸のふたをあけて、先ほどいいましたけれども、スケールを入れて、その結果として、AP四メートルとか非常に高い水位になっていた、このことを申し上げて、実際、そもそもの水位計というのは、そこまではかれるような状況の場所には設置されていなかったんですよ。私たちがそのことを指摘して、今、その水位計をつけている、恐らくそういうふうなことだというふうに思います。
それで、そもそもの場所にあった水位計ということを前提としたときに、この地下水が大きく水位が上がる、そうした場合のことは想定をしていたのですか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムは、当初から二メーターまでに地下水を管理するシステムでございますので、当初は、それ以上、水位が上がる計測については想定をしておりませんでした。
○高倉委員 揚水井戸と観測井戸における現在の水位、これは今、先ほど計測をしながら公開しているというお話でありました。
現在の水位の状況というのは、大体どういうふうな感じになっているのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 十月二十七日木曜日の午後五時の時点で計測いたしましたデータによりますと、五街区は平均でAPプラス三・一メーター、六街区では平均でAPプラス三・一メーター、七街区ではAPプラス三・八メーターということになっております。
○高倉委員 一昨日、地下水管理システムを私ども見に行ってきたわけでありますけれども、お話では水位は少し下がっているということでありますけれども、依然として高いところにこの水位があるわけであります。
そこで、先ほどこの地下水管理システムの工期についてお伺いをしたわけでありますけれども、この豊洲新市場の主要な施設、二十七年度にこの施設の建設工事が行われていたわけでありますけれども、各施設の建設工事の工期、このことについてお伺いしたいと思います。
○佐藤施設整備担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、主要な四棟の建物につきまして、青果棟、水産卸売り場棟、水産仲卸売り場棟につきましては平成二十六年二月から平成二十八年五月末までの工期設定をし、また、もう一つの大きな施設でございます管理施設棟につきましては、平成二十五年十一月から同じく二十八年五月末までの工期設定で建設工事を行ったものでございます。
○高倉委員 今、答弁をいただきまして、それぞれの施設については、平成二十八年、ことしの五月に完成をしているということでありました。
先ほど地下水管理システムの工期についてお伺いをしまして、この管理システムの工期については、ことしの十月、完成をしている。
いわゆる施設の完成が、今の答弁にもありましたとおり、ことしの五月に完成をしている、そして、地下水管理システムはことしの十月に完成をしている。この二つのことが時期が大きくずれているということについて、皆さんは特に何もお感じにならなかったのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 建物工事中の水管理全般についてのご質問だと受けとめさせていただきます。
豊洲市場の土壌対策工事から建設工事中のお話につきましては、各街区とも、まずは雨水を集水させるためのくぼ地を宅内に設けまして、そこに集まった水を沈砂槽にポンプで送水をした後、土砂などを除去し、既設の雨水管に排水してきた表層処理の面がございます。
また、外構工事など他の工事も同様でございますが、工事で掘削した施工範囲におきましては、地盤の低い箇所に一時的に水がたまったような場合、必要に応じまして仮設の排水設備を設置し、そこにつなぎ、汚水処理をして下水道に流す処理を行ってきております。
このように、工事期間中については、長い時間の間、まずは雨水を可能な限り地下水化しないよう努めると同時に、宅内の一時的にたまった水を汚水として処理をし、公共下水道に流しておったところでございます。
○高倉委員 今、各施設の建設中の、工事中の地下水の管理について具体的なお話があったわけでありますけれども、この施設がことしの五月に完成をしている。その中で、この施設の建築工事が終わった後の地下水の管理はどのようにしていたのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの工期につきましては、五街区は、先ほど答弁させていただいたとおり、昨年六月から十月まで、六街区、七街区についても同じ十月まででありましたが、現在は、六街区、七街区については工期を延伸しております。これは豊洲市場建物のPTで検証していただいている関係で工期を延伸してございます。
今現在は、三つの管理システムについてはほぼ本格稼働ということでございます。
○高倉委員 今、私が聞いたのは、先ほど答弁があったのは、施設の工事が終わるまでは地下水の管理をしていたと詳細な説明があったわけであります。その後の施設の建物が完成をした平成二十八年の五月以降、この工事以降の地下水の管理というのはどうしていたのですかと、このことを聞いているんですよ。
○佐藤施設整備担当部長 主要施設四棟の竣工が、先ほど申しました五月末でございますので、六月以降、東京都が引き継ぎ、本年の六月以降は、地下水のくみ上げにつきましては、これまた街区ごとによっても若干異なる場面はございますが、本年の七月下旬から八月上旬までにかけて地下水のくみ上げを行っておりました。
また、表層につきましては、外構工事が進むにつれて、表層の土に水がしみ通るという範囲がだんだん狭くなってまいりまして、表層が滑らかなところ、公共下水道がつながってくる外構工事の進捗にあわせて公共下水道に表面の雨水をつなぐことが、だんだん範囲が広まり、可能な範囲がふえてまいりました。
先ほど申しました七月下旬から八月下旬まで行っておったその時期までは、先ほど申しましたとおり、地下水をくみ上げ、仮設の排水設備を通じて処理をし、排水を行ってございました。
その後、外構工事が進み、外構の十月中旬の工期を目指して、最終的な舗装や植栽等の仕上げを行う必要がございましたので、途中、工程調整をしながら仮設の排水設備を撤去したことがございます。
○高倉委員 今、仮設の排水設備を撤去したという話もありました。
私は、この施設の建設が終わってから地下水管理システムが完了するこの間、五カ月という長い期間があるわけでありまして、この間、適切な対処が行われていたのかどうか、このことは、今、大変大きな問題である、課題であるというふうに思っているわけであります。
この施設の地下に水がたまっているということを皆さんが認識したのはいつのことですか。
○佐藤施設整備担当部長 建物竣工後、本年の八月、長雨が続いたときに私どもで認識をしたところでございます。
○高倉委員 水がたまっていることに気がついた。気がついている中で、すぐに手を打ったのでしょうか。さらに、水がたまっているということについての原因についてきちんと追求をしたのでしょうか。それとも、気がついたのだけれども放っておいたのでしょうか。いかがですか。
○佐藤施設整備担当部長 先ほどご答弁申し上げました、ちょっといい間違えていたら申しわけございません。
地下水のくみ上げにつきましては、本年の七月下旬から八月上旬までにかけて、竣工後、東京都が引き継いだ後も、地下ピットについてくみ上げを行ってございましたが、その後、外構工事が進み、舗装や植栽等の仕上げを行う必要が生じたことから、どうしても大きな仮設の排水設備の設置場所を継続して確保することが難しく、排水設備を解体撤去することを余儀なくされたところがございます。
それと、長雨が続いたというところで空白ができた実態がございます。
ここの調整がうまくいかなかったというところは、まことに申しわけなかったところでございます。
○高倉委員 専門家会議の方々は、せっかく土をきれいにしても、地下水が上がってくれば、この地下水が土に触れることになる、こうしたことを懸念もしていらっしゃったのだというふうに思います。したがって、地下水を上げないということについては大変重要な課題として提言もし、そして、それに伴って地下水管理システムといったものも構築をしてきたのだと思います。
今の答弁によりますと、建物の完成の時期、それから地下水管理システムの完成の時期、この間、約五カ月間のいわば空白の時期があるわけでありますけれども、その中で、工事が終わった後に適切に地下水の管理が行われていたのかどうか、先ほど答弁がありましたけれども、一部の期間においては行われていた、しかしながら、さまざまな要因で、そのことについて排水の設備を撤去した、こういうようなお話があったわけであります。
もう一回、改めてお聞きしますけれども、地下水管理システムが本格稼働するまでの間、特に施設が完成をした後、この地下水の管理ということについて、どういう認識で取り組んでいらっしゃったのか、このことについて改めて見解を求めたいと思います。
○佐藤施設整備担当部長 先ほども申しましたとおり、本年の七月下旬から八月上旬までという範囲で、竣工後の時期、同じく仮設の排水設備を通しまして排水を行ってございましたが、八月以降、十月中旬の外構工事の竣工を目指して排水設備の撤去等に至ったのは事実でございます。
この際、地下水の水位管理の重要性は認識してございましたが、この夏、外構の舗装工事が計画ではほぼほぼ九割以上、敷地にふたができるというような時期を迎えるところが、その完了を迎える前に長雨が続き、相当量の雨が降ったということに加えまして、先ほど申しました排水設備を措置できない期間が生じたことから地下水位が上昇したものと思われます。
私どもとしては、これを常態として思っているわけでございませんでしたが、結果的にはそういう実態が生まれたこと、まことに申しわけなく思っております。
○高倉委員 この豊洲市場の施設の完成の時期が平成二十八年の五月であったわけであります。そして、平成二十七年度に行われた地下水管理システムの完成が平成二十八年の十月であったわけであります。何度も繰り返しますけれども、この間、五カ月間の期間があいているわけであります。
今、さまざまに質疑を行わせていただきましたけれども、この期間を見ると、五月に完成をした、六月、七月、これはまさに雨の降る時期、雨季を迎えるということであります。そして、八月、九月は、まさに豪雨でありますとか、あるいは台風が来る、非常に大雨になる可能性が高い時期であったわけでありまして、建物の施設の完成、そして地下水管理システムの完成、稼働、このことを考えていったときに、今申し上げたこの時期が、非常に雨が降るあるいは大雨が降る、こういうことを考えたときに、果たしてその工事の期間が適切であったのかどうか、こういうことが今、大きな問題になるんだと思います。
豊洲市場の敷地は、街区ごとに遮水壁が設けられ、そして地下には不透水層がある。いってみれば、大きなプールが三つある状況、こういう状況なわけであります。汚染対策としては、この地下水の管理が極めて重要な取り組みであったわけであります。
私は、そもそもの建物の工事、そして、それに伴ってということになると思いますけれども、地下水管理システムの完成の時期が大きく異なっていた、ここのところに、今、豊洲の地下に地下水が非常に高いところまで来てしまっている大きな原因があったのではないかと思います。
そして、これについて、本当に市場が、特に施設の完成後、地下水の管理を適切に行ってきたのかどうか、このこともあわせて今、問い直されている、こういったことであると思います。
この地下水管理システム、統括する技術の責任者は理事であると思いますけれども、このことについてどうお考えになっているか、ご見解をお伺いしたいと思います。
○福田理事 今、いろいろ大変厳しいご指摘をいただきまして、議論を聞いておりました。
副委員長おっしゃるとおり、地下水管理がこの工事の中で非常に重要、この市場の中で重要という認識は、まさにご指摘のとおりと思います。工事の期間中あるいは特にその後、本体工事の竣工後になりますが、その期間において地下水の計測や管理を万全に行ってきたかという観点で見れば、仮に大雨という自然条件あるいは工事の段取り上の要因というものがあったにせよ、工事期間中及びその後の引き取り後の期間における地下水管理の重要性に対する認識が甘かったといわざるを得ないと思っております。
結果として地下水位が非常に高い位置まで上がってしまったということに対しましては、真摯に反省するとともに、市場関係者の皆様や都民の皆様の不安につながったということで大変申しわけなく思っております。
今後、この地下水管理システムの安定的な稼働に努めますとともに、地下ピット内の水質や大気の調査の動向も見据えながら、ポンプの排水等についても検討し、地下水位の低下に取り組んでいく所存でございます。
○高倉委員 今、理事から答弁をいただいたわけでありますけれども、繰り返して申し上げますけれども、大雨があったということは、これは当然に予想されるわけですよ、時期として。ことしは雨が多かったからどうこうということではないと私は思います。当然ながら予想される。そうした中で、やはりこの工事を、何というのですか、計画をし、発注をして、そして完成を見ていく、そもそものこの取り組みの中で、まさに今申し上げたように、施設の完成と地下水管理システムの完成の時期が異なっていた。これは本当に--例えば、先ほど専門家会議の先生方の懸念ということもお話をしました。つまり、水が大きく上がってしまえば、せっかく大きな費用をかけて取りかえたこの土に地下水が触れることになってしまう。もし、地下に汚染があって、地下水が汚染をされているというような事態になれば、それが上まで大きく水が上がってしまうということになれば、これは大きな問題になってしまうわけであります。
したがって、本来、施設の完成と地下水管理システムの完成、細心の注意を払わなければならなかったというふうに思うんですね。まさにトータルな環境対策といったことをしっかり考えておかなかったがゆえに、今こうして施設の地下の空間にたまり水があり、そして、この揚水井戸や観測井戸を見てみると、非常に水位が上がっている、こうした事態になっていると思うんですね。このことを本当にしっかりと認識していただかないといけないんじゃないかと私は思うんです。
もう一度、理事にお伺いしますけれども、そもそもの建物の完成の時期、そして地下水管理システムの完成の時期が大きく異なっている、五カ月も開いている。先ほど申し上げましたけれども、専門家会議の先生方は、この地下水の管理については非常に厳しい目で見ていらっしゃったはずであります。そうした中で、まさにトータルな環境対策が行われなかった、そもそもそこに市場の大きなミスがある、私はこのように思うわけでありますけれども、改めて理事のご見解をお伺いしたいと思います。
○福田理事 副委員長ご指摘のように、地下水管理システムの完成時期と建物建築工事の完成時期をなるべく近づけていく努力というのは、当然すべき話でございまして、そこが、先ほど部長答弁いたしましたように、完全に工事の段取り上あるいは工事調整上難しいとなっても、そこに近づける努力、それから、仮に離れた場合には、だからこそ、仮のポンプなどで地下水排水、地下水管理を徹底するという視点が必要であったことは当然のことと思います。そういった意味で、地下水管理の重要性に対する認識が非常に甘かったというところがあり、反省しているところでございます。
今後、これを生かしながら地下水管理、それから、地下水の排水などの手法も含めて検討して地下水位の低下に取り組んでまいります。
○高倉委員 今、地下水管理システムのことについて、さまざまな角度から質問をさせていただいたわけであります。本当に、この間の市場の取り組みといったことについても、私は大きな問題があったというふうに今、思っているわけであります。
その中で、地下水の管理ということについて、今、まだ水位が非常に高くなっているわけでありますが、完成をしたこの地下水管理システムというものは、本来、きょうの答弁にもありましたけれども、水位をAPプラス一・八メートル程度に保っていく、こうした状況の中でしっかりと稼働していく、こうした前提に立ったシステムであろうというふうに思っております。
したがって、今、質疑をしてきたように、施設の工事が終わって、その間、五カ月間、水が大きくたまってしまった、このことについては、今、理事を初め、お話があったわけでありますけれども、この水位については、一刻も早く想定しているところまで下げなきゃならないというふうに思うわけであります。
一昨日、豊洲市場を視察して、そして、この管理システムを拝見させていただいたわけでありますけれども、具体的にいいますと、このシステムはAPプラス一・八メートルまで--いわゆる井戸のうちの揚水井戸について、そこの中に、直径五十センチでしょうか、管がありまして、そこに地下水がしみ出てくる。それをはかりながら自動的に排出をしていくというようなシステムであったわけでありますけれども、APプラス一・八メートルまでいくと排出を始める。水が減ってくると、一・三メートルになると、そこで一旦とまる。そして、また水がしみ出てきて、それが一・八メートルまで上がるとまた排水を始める。こうしたシステムであったわけでありますけれども、今、水が非常に高いところまであるということは、もう既にそれはわかっていることでありまして、そういう状況であるならば、本来であれば、このシステムがどんどんどんどん休みなく稼働すべきというふうにも思うわけでありますけれども、実際、一昨日見てきた印象では、今いったように、五十センチメートルの管の中にしみ出てくる水がAPプラス一・八にならないと--一旦、排水をした後にとまるわけでありますが、とまっている時間が非常に長く感じたという印象もあるわけであります。
このことですが、今、私が申し上げてしまったわけでありますけれども、非常に水が高い状況にありながら、断続的にといいますか、このシステムが今、稼働している。このことについてどういう見解を持っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 地下水をくみ上げるポンプは、土の中に設置している揚水井戸の中にございます。揚水井戸の中には、ストレーナーという細かい溝がAPプラス二メーターより下の全面についております。そこから井戸の中に地下水がしみ出すようになっております。こうして井戸の中にたまった水がAPプラス一・八メートルを超えるとポンプが動き出し、APプラス一・三メーター、すなわち五十センチ水位が下がるとポンプが停止するようになっております。その後、地下水がしみ出すことで復水し、AP一・八メーターを超えると、またポンプが動き出す。
地下水をくみ上げることを繰り返しているということで、復水する時間の間はポンプが停止しているということになります。
○高倉委員 今、水位が非常に高いわけでありまして、この水を下げなきゃならない。
今、いろいろ説明があったわけでありますけれども、実際に水位が大きく下がっていないわけですよ。これはどういうことなのですか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムのポンプというものは、先ほどもご答弁させていただきましたが、あくまで一・八メーターのところを管理するポンプでございまして、プールのようなところから水をかき出すようなポンプとは違ったシステムでございます。
そのため、地中にある土とまじった中にある、土から水をとる関係上、水がしみ出す時間がかかりますので、どうしてもポンプがフルに運転することができないという状況にあります。
○高倉委員 そうしますと、今、非常に水位が上がっているこの地下水、地下水管理システムによってこれを排出するのに、一体どれぐらい時間がかかるのですか。
○村井基盤整備担当部長 地下水位を下げるのに必要な日数の計算に当たって、土の間隙率、すなわち、土の中にどの程度水があるのかを設定した上で地下水量を求めることが必要であります。
豊洲市場用地内における地下水管理はAPプラス一・八メーターで管理することとしており、APプラス二メーターよりも上の砕石層や盛り土の間隙率は特に設定しておりません。このため、現時点では地下水量を算出しておらず、APプラス一・八メーターまで下げるのに必要な日数については試算しておりません。
具体的な期間はわかりませんが、このシステムの稼働により徐々に低下をしていくものと考えております。
○高倉委員 今、日数がわからないということでありましたけれども、これ、放っておくのですか、そうすると。
○村井基盤整備担当部長 ご指摘のとおり、地下水位を低下させるためには、地下ピット内の水をポンプで排水することも考えていかなければならないと思っております。
排水可能な状況が整った際に迅速に対応できるよう、第九回の地下水モニタリングの採水を見据えながら、必要に応じて準備を進めてまいります。
○高倉委員 一昨日、私どもが見てきたときに、特に揚水井戸の中、地下水がしみ出てくる、これをくみ上げているというわけでありますけれども、いわゆるしみ出てくるこの周りのところ、目詰まりというのはしていないのですかということは、いろいろと現地でも聞かせていただいたところであります。これはいかがですか。
○村井基盤整備担当部長 ポンプは機械設備であり、定期的なメンテナンスを行う必要があります。
これに加え、ポンプの揚水時間が通常よりも長いことが確認された場合などには、ポンプの状態を確認し、洗浄が必要な場合には、揚水井戸からポンプを引き上げ、クリーニングを行います。
また、井戸には、土が入らないように、ストレーナーという細かい溝がAPプラス二メーターよりも深いところの全面にございます。復水が通常よりもおくれることが確認された場合は、このストレーナーの状況をカメラなどで確認し、必要に応じてジェット噴射による洗浄等を行います。
このように、仮に目詰まりが生じたとしても、その影響を最小限にとどめるよう、メンテナンスを適切に行っております。
○高倉委員 今、目詰まりについてのメンテナンスのお話があったわけでありますけれども、そうすると、本格稼働をしているのに、どうしてそれでなかなか水が下がらないのか、あるいは、稼働の状況が、実際どの程度効果が出ているのか、こうしたことが即座に疑問として湧くわけでありますけれども、この点についていかがでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムでは、各揚水井戸から地下水をくみ上げ、一定時間ごとに水質を自動分析し、中和後、下水に放流しております。
放流量が最大で六百立米に満たないのは、ポンプが地下水をくみ上げた後、場所によっては復水に時間を要することや、水質の分析後、中和に時間がかかっているということでございます。
○高倉委員 しかし、管理システムの質問をした中で、揚水井戸の数についても先ほど答弁があったわけであります。揚水井戸五十八カ所ということでありますけれども、実際、この五十八カ所で揚水井戸というのが足りているというふうにお考えなのですか。
○村井基盤整備担当部長 揚水井戸の配置につきましては、過去の降雨状況や現地の土質状況などを踏まえるとともに、地下水流動解析を行い、適切かどうかを確認しております。
こうしたことから、揚水井戸五十八カ所で豊洲市場用地の水位を管理することは可能であると認識しております。
○高倉委員 この地下水管理システムでありますけれども、しっかりとこのシステムが役割を果たしていくということについては、きょうも何度も答弁もいただいておりますけれども、APプラス一・八メートル、こうした話が答弁でもありましたけれども、そうした前提を踏まえて、そうした前提の中で、しっかりと機能を果たす、こういうシステムであると思うんですね。
実際、今、さまざまに水かさが、水位が大きく上がっている。このことについての地下水管理システムの効果といったようなことを質問もさせていただきましたけれども、今、上がっている地下水が、実際、このシステムの稼働が想定をされているAP一・八メートル程度の状況になったときに、本当に本来のこの管理の機能を果たすことができるのかどうか、これはいかがですか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムについては、今現在、本格稼働中であり、地下水の観測井戸の状況も、当初に比べると低下傾向にございます。また、地上面においても、外構工事が終了して舗装などが施された関係から、地下水化する雨水というのは、現在は減っているというふうに考えております。
こういったことで、一・八メーターまで水位が下がれば、地下水管理システムは正常に稼働するというふうに考えております。
○高倉委員 専門家会議は、特に施設の地下にたまっているこの水、もちろん、今、地下水ということに--全体についてもそうだと思いますけれども、これについては、恐らくしっかり調べていらっしゃるところであって、それまでの調べている間、大きく変化がないようにと、こういったお話もあったというふうに思います。十一月に入ってモニタリング調査の九回目の調査というのが行われるわけでありまして、このときまでは急激な変化がないようにというような趣旨のお話でもあるというふうには思います。
そこで、この調査が終わりましたら、早急にこの地下水を下げるように、しっかりとした取り組みをしていく必要があると思うんですね。その際には、専門家会議からの意見もちゃんと受けて行っていくべきというふうに思いますけれども、見解をお伺いします。
○村井基盤整備担当部長 副委員長ご指摘のとおり、現在、専門家会議等で地下ピットの安全性等について検証していただいております。そういった結果が出て安全性が確認され次第、地下水のくみ上げ等については適切に対応していきたいというふうに考えております。
○高倉委員 この施設、建物の地下、私どもも、これまでも繰り返し現地調査を行ってきたわけであります。いわば建物の地下には、地下ピット、地下の空間がある。そして、私どもが明らかにいたしましたけれども、いわゆる重機を出し入れするというような説明もありましたけれども、こうしたハッチもあるわけでありまして、私は、この水位を早急に下げていく、こうした取り組み中では、この地下ピット、ポンプも、恐らくこのハッチから入れることも可能ではないかなというふうに思うんですね。
したがって、ピットにかまどを設けまして、そしてポンプも入れて、その水が適正になるように処理もして、一刻も早く水をくみ出すべきというふうにも思うわけであります。そして、当初、前提として予定をされているAPプラス一・八メートルの水準まで水を下げていくというふうなことを早期に取り組むべきというふうに思うわけでありますけれども、今、私、ちょっと具体的なことを申し上げましたけれども、今、私が申し上げたことについてのご見解をお伺いしたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 副委員長ご指摘のとおり、何らかの処置をしていく上においては、そういったことも利用ができるかどうかを含めて検討させていただきたいと思います。
ただ、現在は専門家会議の管理下にある調査をしておりますので、そういったことが終わりました時点で、専門家会議とも調整させていただきながら対策の案を講じていきたいというふうに考えております。
○高倉委員 ぜひしっかりとした取り組みをお願いしたいと思います。
それでは、市場の移転の関係についての質問をさらにしてまいりたいと思いますが、この豊洲の移転に向けまして、市場の業者に対して実施をしてきた支援策、これはどういう必要性から行ってきたのかについてお伺いしたいと思います。
○長田移転支援担当部長 市場卸売業者、仲卸業者など、さまざまな規模、業態の市場業者が密接に連携をいたしまして、生鮮食料品を安定的に供給する機能を担っております。これらの事業者が豊洲市場においても引き続き事業活動を行い、生鮮食料品を円滑に供給していくことが、都民の食生活の安定を図る上で非常に重要だというふうに考えております。
このため、豊洲市場への移転に当たりましては、移転を希望する事業者が新市場で円滑に事業を行うため、市場業者が抱える不安や負担を解消し、安心して移転ができるよう、移転の準備から移転後に至る各段階における支援策をこれまで実施してきたところでございます。
○高倉委員 豊洲市場の開場が延期をされているわけでありまして、これについては市場業者にも多大な影響があるわけでありますけれども、このことについて、影響はどういうふうに皆さんはご認識されているのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○長田移転支援担当部長 今回の移転延期によりまして、市場業者は、十一月の移転を前提とした経営計画の見直しを余儀なくされ、本来支払う必要のない資金が発生するなど、経済面でさまざまな影響が生じているものと考えております。
具体的には、豊洲市場での事業収入を見込んで返済計画を立てていた市場業者は、移転延期によりその収入が得られなくなるため、資金繰りに不安を抱えるなどの影響が生じているものと考えております。
また一方、築地市場におきましては、現在使用している古い設備につきまして、更新して使用しなければならないなどのケースが出てくることが想定されております。
○高倉委員 そうした市場業者への影響を踏まえまして、今後、都はどう対応していくのかについて見解をお伺いしたいと思います。
○吉村企画担当部長 今回の移転延期により生じておりますさまざまな市場業者への影響に対しまして的確に対応していくため、都は、先般、体制を強化いたしました豊洲移転サポート相談室におきまして、事業者の実情に応じたきめ細かな相談対応を行ってまいります。
また、資金繰りなどの各支援策の充実や移転延期に伴う損失に適切に対応するための補償スキームの構築に向け、速やかに検討を進め、準備ができたものから速やかに取り組んでまいります。
○高倉委員 最後に、今の築地市場の、特に修繕の問題についてお伺いしたいと思います。
きょう資料を提出していただきまして、その資料を見ますと、築地市場の修繕にかかわる平成二十七年度の執行額というのが前年度よりも減少しているわけであります。
恐らくこれは移転を前提としているというふうに思うわけでありますけれども、本来、行わなければならない修繕といったものは、やり残しているというようなことがあるのでしょうか。あるとすれば、どう対応しようとしているのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○白川事業部長 お話の平成二十七年度の修繕費の執行額は約一億五千万円でございまして、平成二十六年度と比較すると減少してございます。
これは、電気通信関係の改修工事などの機械及び装置補修が減少しているのが主な要因でございます。
さらに、路面、マンホール、グレーチング、便所等の修繕の一部は、都の職員が直接修繕したことによりまして、この修繕費には反映しておりませんが、ふぐあいに対しましては、可能な限り適切に対応しておりまして、市場機能を維持してまいりました。
こうしたことから、今お話しの平成二十七年度の本来行わなければならない修繕のやり残しというものにつきましてはないものと考えております。
○高倉委員 今、豊洲市場の開場が延期になっているわけであります。当然ながら、来年度においては、この築地市場の修繕といったようなことも、延期のことを考えますと、しっかり考えていかなきゃならない、そういった課題もあるのではないかというふうに思っておりまして、今後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
○白川事業部長 今後、老朽化をしました施設の劣化状況につきましては、引き続き監視を強化してまいります。その上で、危険な場所を早期に発見し、直ちに適切な対応を行うことで、支障なく市場が運営できるようにしてまいります。
○鈴木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時十九分休憩
午後三時三十五分開議
○鈴木委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○曽根委員 昨年度、平成二十七年度の中央卸売市場の決算を審議するに当たりまして、今、大問題となっている築地市場の豊洲への移転計画をめぐる問題の質疑を避けて通ることはできません。
都の計画では、豊洲新市場の施設整備は、昨年度には建物を完成させる予定だったはずです。しかし、百年の歴史を持ち、食の安全を最優先すべき中央卸売市場を深刻な土壌汚染地である東京ガス豊洲工場跡地に移転させるという事業を都民や関係事業者の反対を押し切って強引に進めた結果、さまざまな問題が噴出し、大きく行き詰まりに直面し、市場関係者に甚大な被害を及ぼすとともに、都民からの信頼を大きく失墜する事態となっております。
きょうは、決算審議として、昨年度を中心に、豊洲と築地での市場整備や事業運営に関連して問題点をただしていきたいと思います。
最初に、豊洲新市場の地下水管理システムについて質問いたします。
さきの経済・港湾委員会の集中審議で、我が党は、日水コンによる地下水管理システムの詳細設計、補足設計、そして修正設計について質問をいたしました。設計の内容については村井基盤整備担当部長が答弁をされました。そして、設計書ができたときは、当然ながら成果品を上げていただいておりますと答弁されております。これは間違いないでしょうね。
○村井基盤整備担当部長 委員ご指摘のとおりでございます。
○曽根委員 村井部長は、日水コンが提出した詳細設計、補足設計、そして修正設計の成果品、すなわち報告書は、ご自身はごらんになっておられますか。
○村井基盤整備担当部長 確認はしております。
○曽根委員 日水コンによる詳細設計、補足設計、そして修正設計に基づく地下水管理システムは、基盤整備部の所管ということになると思うのですが、いかがですか。いいんですか、これで。
○村井基盤整備担当部長 所管は、新市場部の土木担当の方で発注しております。
○曽根委員 新市場土木管理部とおっしゃいましたか、今。基盤整備部の中の部署ということでよろしいのですか。
○村井基盤整備担当部長 新市場整備部基盤整備担当でございます。
○曽根委員 詳細設計報告書が提出されたのは二〇一四年三月、補足設計報告書が二〇一四年の七月、そして修正設計報告書が提出されたのは二〇一五年、昨年の三月でした。この資料にもいただいております。
村井部長が見ただけでなく、この大事な土壌汚染対策及び地下水管理システムを所管する基盤整備部として、きちんと報告書の内容を把握し、情報共有していると思いますが、いかがでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 組織としては、新市場整備部の中に基盤整備担当部長、そして、その下にそれぞれの課長、課長代理がおります。
それで、その中で資料については確認をしております。
○曽根委員 それでは、ちょっと伺いたいのですが……(パネルを示す)このパネルを見てください。
これは何の図かわかりますか、村井部長。いかがでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 豊洲市場用地における断面図だと思いますが。
○曽根委員 これは詳細設計報告書の五ページに私たちが見つけたものです。奇妙なことに、この建物の地下に空間が描いてあるんですよね、あいていますよね。
この絵は当然確認をされていると思うのですが、間違いないですか。この詳細設計報告書が出された時点で、この図が報告書の中に入っていたと思います。いかがでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 報告書の中に、委員ご指摘の図は入ってございます。
○曽根委員 この時点で、周りは盛り土がもう既にされている図になっているにもかかわらず、建物地下には、コンクリートの厚さがちょっと厚過ぎる感じはしますが、その下に白抜き、つまり空間があるという図が日水コンの報告書に入っていたと。
もう一つパネルを見てほしいんです。これは盛り土がない絵が示されていますが、これは基盤整備担当部長、ご存じですか。
○村井基盤整備担当部長 その絵については確認しておりませんでした。
○曽根委員 さっき盛り土がないといいましたが、間違いで、盛り土が建物下もされている図が、同じ詳細設計報告書の五九ページに示されているんです。
つまり、同じ報告書の中に、建物の地下が空間になっている絵と盛り土がされている絵が両方あると。同じ報告書の中ですよ。
土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会に提出した絵がこちらの絵だと。つまり、協議会ですから市場関係者が参加している会議。九月来問題になっている、建物下に地下空間がなく、盛り土の上に建物が建っている。
一方、先ほどの五ページの図では、建物下に地下空間があって盛り土がない絵が示されている。
なぜ使い分けられているのか、このことについてはご存じですか。
○村井基盤整備担当部長 図面が違う理由については存じ上げてございません。
○曽根委員 この協議会にかかわる各種資料作成というのも、やはり日水コンに委託をされているので、日水コンはこの報告書の中に、こういう図を協議会に出しましたという報告を載せているわけです。ここには盛り土がちゃんとされているという説明を市場関係者にした、そのときの協議会の資料。
しかし、東京都に別の形で報告したものには空間が描かれている、空間になっている。
この使い分けは、日水コンがやったというだけでは済まなくて、東京都はこの報告書を受け取っているのですから、この違いが一緒に報告書の中にあるということは認識していなければならなかったはずじゃないですか。いかがでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 その図面を見ますと、地下水管理システムの概要をあらわした図面であるので、その説明する主な内容は、地下水管理システムの概要をあらわした図面というふうに考えていたと思われますが、私が今見た時点では、地下水管理システムの概要をあらわした図面というふうに解釈いたしますが。
○曽根委員 それでは、この二つの図の違いというのは、地下水管理システムということはこちらの方ですね。揚水ポンプや浄化施設を説明するために、建物の地下は余り重視していなかったので、決して、市場関係者にはちゃんと盛り土をしていますよ、東京都には実は空間ですよねと使い分けをしたというものじゃないということですか。単に描き落とした、そういうことですか。
○村井基盤整備担当部長 現時点で、当時の担当がどういうふうに図面を使い分けたかということについては存じ上げないという次第でございます。
○曽根委員 もうこれは、日水コンもしくはそれを受け取った東京都との関係で、相手によって図を変えているということは事実として明らかですから。
もう一つ、これは明らかに東京都がかかわっているんじゃないかと思われる問題があるんですが、もう一つのパネルを見ていただきたいんです。これです。
これは修正設計における報告書に載っている図、私たちが報告書を入手しましたら、こういう図が入っていたんですよ。これは明らかに地下に空間が描かれていますよね。
修正設計の目的というのはどういうものかというのは、当然、村井部長、ご存じだと思いますが。
○村井基盤整備担当部長 当時出した修正設計については、当初、地下水管理システムは、建物の配置がまだ決まっていない段階で出しておりまして、その後、建物計画が詳細に決まってきた段階で配置が変わってきた関係で修正をしたというふうに認識しております。
○曽根委員 修正設計報告書の一ページ冒頭に、この修正設計の目的がきちんと書いてあるんですよ。本業務は、豊洲新市場用地内で施工されている建築工事等の状況を取りまとめ、地下空間の構造などを最新の情報としてモデル化し、その地下水管理への影響を検証、確認することが目的だと書いてあるんです。地下空間ですよ。地下空間の構造が地下水管理に及ぼす影響を検証、確認することが目的だと、もう最初の冒頭の目的に書いてある。
これ、まさか知らないはずはないと思うのですが、いかがですか。
○鈴木委員長 答弁いかがですか。
○村井基盤整備担当部長 目的の中には、委員ご指摘のとおり、地下空間の構造物及び地表面構造というふうには記載がございます。
実際に地下水管理システムというのは、建物下においては、ポンプを設置できないものですから、地下に水を引く砂利を格子状に設置してあります。そういったことが、建物の下AP二メーター、砕石層のさらに下に引いた構造なんかも検討しているとは聞いておりますが、この記載が建物下に地下空間があるというふうには、私としてはすぐには読めないかなというふうに思いますが。
○曽根委員 地下水管理システムにかかわる施設の地下の話ではなく、図がそれに付随して載っているように、これ、報告書の一六ページに載っていますが、これは明らかに市場の建物であり、そして、この屋根の下には搬入用のトラックが描かれており、これが一階部分ですが、下が空間になっている、今、地下ピットとか建物下空間とかいわれているものがきちんと描かれていて、この空間の問題を--ほかの敷地は盛り土がしてあるんですから、ここだけ空間になり、その後、水がたまっていることまでは把握していたかどうかはともかく、ここに空間があることが、この敷地四十ヘクタール全体の地下水管理にどのような影響を及ぼすのかを検証、確認する必要があると。
建物配置とともに、地下の状況がはっきりしてきた段階で、このことを検証せざるを得なくなったということじゃないのですか。そのことを修正設計書で東京都が発注し、日水コンが検討して報告書をつくったということじゃないですか。
これ、東京都が明らかにここにかかわっているということになりますが、いかがですか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムは、AP二メーターから下について水を管理するシステムでございますので、水位が二メーター以下にある部分について何か障害物があれば、設計の内容は変わってきます。
確かに図面を見ますと、建物がAP二メーターの上に乗っかっているような図面にはなっておりますが、システムの設計をする方からいわせていただければ、砕石の下がどうなっているかということが地下水管理システムとしては重要になってくるというふうに考えております。
○曽根委員 そんなことをおっしゃっていますが、先ほども質問の中で出たように、今、地下のピットにたまっている水をやはり強制的に排水ポンプで抜かないと、周りの地面の水位も下がらないんじゃないかというふうな質問が先ほどありましたよね。明らかに連動していますからね、地下水は。あれは地下水由来だということは、もう確認されているのですから。
したがって、あの地下のピットができていることが、明らかにそれより上にある盛り土部分まで地下水が上がる原因になるんじゃないか、もしくは、あの砕石層の下で抑える上で大きな支障を及ぼすのではないかということを検討したということじゃないか、こういうことだと思うのですが、改めて確認したいのですが、これ、全く知らないのですか、部長。いかがですか。
○村井基盤整備担当部長 報告書の中を私が見た段階では、建物の配置が決まることで配管とかポンプの位置とかが詳細に変わってきたというふうに認識しておりましたが、今の図面が地下空間との兼ね合いであるということは認識しておりませんでした。
○曽根委員 これが地下水管理システムの建物に見えますか。どう考えたって、これは市場の建物じゃないですか。卸売棟か仲卸棟かはわかりませんが、その建物の下に空間があるという図を掲げて、この空間の影響を検証するというのはもう明らかじゃないのですか。これは全く知らないのですか。
そういうふうにして、実際は、このことを東京都が日水コンに、修正設計の際に検討しなさいということを出している。その目的が地下空間の影響を調べることだというふうになっているにもかかわらず、それでも、これは主な建物の地下の空間のこととは全く思わなかったという、改めてそういう認識で本当にいいのですか、部長。
○村井基盤整備担当部長 今の委員ご指摘のとおり、改めまして今の図面を見ますと、建物には地下に、盛り土をしない部分に建物があったということは認識を改めさせていただきます。
しかしながら、地下水管理システムの設計に必要だった部分というのは、あくまで建物配置がどうなっているかということで、配置計画を再検討するために修正設計を出したものだというふうに認識しております。
○曽根委員 何度もやりとりしないでも、建物の下が空間になっていたことを認識していたということを早くお答えいただきたかったのですが、このように修正設計報告書についてただしてきましたが、土壌汚染対策担当の基盤整備担当のところで、詳細設計報告書やこの修正設計報告書を通して、建物下地下空間の存在、盛り土がないという実態をやはり把握していたということは今の答弁で明らかになりました。
しかし、九月三十日、知事に提出された自己検証報告書にはどう書いてあるか。盛り土を行わず地下空間を設けたことについて、なぜ都議会、都民などへの説明責任を果たしてこなかったかという問題について、建築担当部門は事実は知っていたが、土壌汚染対策部門は知らなかったと報告書には書かれています。だから、当時の答弁で事実と異なる答弁を行っている認識はなかった、うそをついているとは思わなかったということが書いてあるんですよ。これは自己検証報告書の根幹が覆る虚偽報告だったということが明らかになるじゃありませんか。土壌汚染対策部門は空間の事実を知っていた。知りながら議会と都民を欺いてきた、市場関係業者も欺いてきた。
市場長にお聞きしたいのですけれども、この事実についてどう受けとめられますか。
○村松中央卸売市場長 自己検証報告書につきましては、九月三十日のときに第一回報告書を出しました。その後、さらに調査を継続ということで、今現在、調査を行いながら、第二回目の報告書のまとめに向けて作業をしているところでございます。
先ほど来、土木部門が知らなかった、あるいは建築部門が知っていたとかという話の議論だと思いますけれども、そういったことにつきましても全て含めまして、今いろいろな調査をしているところでございます。この件についてはどうこうということではないのですけれども、さらなる調査を現在進めているところでございます。
○曽根委員 やはりこの自己検証報告書の問題点は、今もおっしゃったように、引き続きその後も検証が必要です、これは。例えば岸本前市場長は、自己検証報告書で、地下ピットを視察したが、盛り土の上に建設されていると理解していたと報告していますよね。しかし、高さ五メートルの地下空間が盛り土の上にあるとしたら、市場の建物の入り口が地上部よりも五メートル高いところにある、いわゆる高床式の建築物ということになります。したがって、地面から建物の入り口までスロープを上がっていかなきゃいけない、もしくはエレベーターを使わなきゃならないという、これぐらいのことに気がつかないわけがないんですよ。
したがって、この点も、当時の市場長のこの報告書の答弁、認識というものも非常に疑問が湧くじゃないですか。市場長、そう思いませんか。
○澤次長 九月三十日の第一次報告書では、委員ご指摘のような内容となっておりますが、当時の前岸本市場長が実際にどのような認識を持っていたかについては確認をしてございません。
○曽根委員 これは、改めて自己検証報告書の問題点についても引き続き追及をしていきたいと思いますし、現市場長を先頭に、この問題でのさらなる検証をお願いしたいと思います。
さらに、修正設計報告書について、もう一つ重大な問題があります。それは、報告書の九八ページで、地下の地盤環境が当初設計の想定条件と違っている、すなわち、当初設計と違って建物下に地下空間がつくられ、盛り土がない状態になっているので、その影響を検討する必要があるとして、地下空間に土壌を充填しなくても大丈夫なのかというリスク評価を行っています。床下空間の土壌充填--詰め込むわけですね--の有無による大気暴露の影響評価というものです。
基盤整備担当部長、この影響評価の動機、目的は何でしょうか。
○村井基盤整備担当部長 報告書の内容をそのまま読めば、地盤から気化物質が暴露するということの検証だというふうに考えられます。
○曽根委員 専門家会議の提言にある四・五メートルの盛り土がない、空洞のままで本当に大丈夫か、健康への影響は出てこないか調べる必要があるということで、空洞のままの場合と空洞に土壌を充填した場合についての影響評価を行っているわけです。その結論が、またまた私はとんでもないと思います。
すなわち、今回想定した床下空間の条件での目標地下水濃度、十万人に一人という目標発がんリスクをクリアする地下水濃度は、地下水環境基準の十倍までは許容範囲だから空洞のままでよいという結論になっているわけです。そして、ご丁寧に、ベンゼンでは、地下水の環境基準〇・〇一ミリグラム・パー・リットルですけれども、〇・一一八ミリグラム・パー・リットルでよい、何と環境基準の十倍の濃度案で許容されるのだというふうに書いてある。
これは、ほかならない市場の地下の空間の問題です。何といいますか、健康軽視、食の安全や安心を軽視したことも甚だしいと思います。
今、問題になっている建物下の地下空間は、その上にも下にも盛り土がない、しかも閉鎖的な空間です。他の地上部と違って、気化したベンゼンなどが拡散しにくく、建物内の大気に入ってくる危険性が強い。
どういう根拠でベンゼンなどの濃度が地下水の環境基準の十倍まで許容されるというような報告をまとめたのか、この点についてはいかがですか。
○村井基盤整備担当部長 大変申しわけありませんが、その点については、私の方では把握をしておりませんでした。
報告書を読みますと、暴露してきた物質がどうなのかという評価については、今の、検討の中でやっていたというふうには読めていると思います。
○曽根委員 東京都が修正設計として発注をして、その成果物の報告書が出たのは、まだ去年の三月。出たばかりの話ですよ、大昔の話じゃないんです。そこで、許容範囲は、ベンゼンは環境基準の十倍だったら大丈夫ですというようなことを、市場の地下になるはずのところの空間についてもう許容している。十倍でいいんだ、こういう発想が問題だと思うんですよ。
既に、地下空間の大気中で、先日も環境基準の七倍の水銀が検出されております。まさに市場が最も大事にすべき食の安全・安心が脅かされる事態が発生しているわけです。食の安全・安心を第一にする立場ではなく、いってみれば、コスト優先で地下水の浄化も手抜きしようという許されざる報告だと思います。
市場長に改めて伺いたいのですが、ベンゼンなどについて、地下水の環境基準を超えても問題ない、環境基準の十倍まで許容されるという立場なのか、こうした立場はとらないとはっきり答えるべきですが、いかがですか、市場長。
○福田理事 その委託報告書の中で、これは恐らくですが、一つのシミュレーションとしてやったということだと思います。
正式にやるには、当然、専門家とかに確認をしていかなければいけないと思いますが、そうした中で一つのシミュレーションとしてやったものと考えておりまして、環境を軽視するような立場でという認識はなかったのではないかと考えております。
○曽根委員 シミュレーションだから環境軽視していないんだというのは、何か根拠でもあるんですかね。
いずれにしても、この報告を受けとめた東京都として、ここに書かれているように、ベンゼンは環境基準の十倍程度だったら大丈夫ですよという立場は、この報告書を受け取って、その上で立場はとらないというふうにはっきりさせるべきだと思うのですが、いかがですか。
○福田理事 その委託報告書の位置づけが現時点では定かではありませんので、具体的なお答えはできませんが、必ずしも、委員がおっしゃるような環境を軽視する立場からそうしたシミュレーションをしたということではないものと考えております。
○曽根委員 この報告書は、市場が発注したものの成果物です。これをどうしていくのか、これはこれからの市場の運営に任されている問題だと思いますが、その上で、この報告書のように環境基準の十倍まではオーケーという立場をとるべきではないと思うのですが、いかがですか。
○村井基盤整備担当部長 豊洲の市場用地においては、AP二メーターから下については、土壌の汚染が確認された土については全部掘削除去をしております。なおかつ、地下水が汚染されている場合については水を入れかえております。そういう前提に立ちますと、まずは二メーターから下については土壌汚染対策が終了しているということになります。そういう観点に立って、万が一、揮発物質が出てきた場合にどういう評価をしたかというのが今の委託の内容であるというふうに考えます。
しかしながら、専門家会議等に報告せず、地下空間をそのまま存置するわけにはいきませんので、まさに今、専門家会議の方で再度地下空間の安全性を検証していただいて、もう一度それがどうなのかということを安全性の確認をした上で、これから豊洲用地の安全をさらに確保できるかどうかということをはっきりさせていくというふうに考えております。
○曽根委員 こっちの報告書は日水コンがつくったものです。今度は、今お話しの部長のご答弁は、専門家会議へのご相談ということになるだろうと。専門家会議が出した結論が、もしこの十倍まではオーケーよと--どうも私はそんな結論が出そうな気がするのですけれども--だったらば、あの専門家会議が出した結論だからオーケーになるのですか、東京都も。
○村井基盤整備担当部長 今、地下ピット内においては、大気、そして水質の調査をしております。実際に今できた状態でどうなのか、当時の検討とは違って、今の現状を把握して安全性を確保することは非常に重要かと思います。
それなので、今の現状を把握して検証していただくことが一番大事なのかなというふうには考えております。
○曽根委員 現状の安全確認は当然ですが、もしベンゼンなどが基準値を超えて発見される、もしくは、今、モニタリング調査では、現に基準を超えたベンゼンなどが発見されておりますから、これが十倍までは、まあいいんじゃないのということになるのだったら、私たちは、この問題は強く反対の態度だということを申し上げておきたいと思うんです。
それから、先ほど、砕石層の下、AP二・〇以下の土地は基本的に浄化されているんだ、きれいなんだということが前提になっているというお話でしたが、だったらば、AP二・〇もしくは一・八以下で必ず地下水を抑えなさいという専門家会議のあのもう一つの根幹、これからやりますけれども、あれは必要ないんじゃないですか。
しかし、地下には汚染がまだ眠っているかもしれないと。それで、豊洲という場合は、地下水が絶えず上がってきて、それが万々が一にも汚染があったら、上にせっかくきれいな土を盛り土したのに、地下水が入ってしまうと再汚染という危険があるということがあるからこそ、だから、汚染の危険はなくなっていないからこそ地下水コントロールというのが極めて重要なんじゃないですか。部長、その認識はいかがですか。
○村井基盤整備担当部長 土壌汚染対策工事をやっても、実際には、環境基準以下に抑えておりますが、ゼロではない状態になっています。そういったことが、対策工事がちゃんとうまくいっているかということを評価する上でモニタリング調査をやって、二年間どういう状態になっているかということを継続して安全確認しているところでございます。
そういう観点からも、安全の検証はそういう形でやるのですが、盛り土について、ない部分については、これはもう一度立ち戻って安全検証をしなきゃいけないというふうに認識しておりますので、そこはしっかりと検証していただいて、対策を講じるなら、必要があれば何らかの対策が必要であるというふうには考えております。
○曽根委員 盛り土の下の部分については安全の検証は必要なんですよ。
私のちょっと古い経験で申しわけないのですが、二〇〇一年に東京ガスが、まだ持ち物だったときに、東京ガス自身が当時の基準である三十メートルメッシュで土壌汚染調査をやりました。そうしたら、一千倍以上のベンゼンの汚染が見つかったんですよ。それで、当然ながら土壌の入れかえをしました。土壌はきれいになったという形で東京都に売却した。ですから、結構、高値で買いましたよね、あのとき。千八百五十九億円ですか。
ところが、その六年後に、当時、石原知事のときに専門家会議が設置され、東京ガスと全く同じポイントですよ、三十メートルメッシュの同じポイントで調べたら、土壌はもう大丈夫、入れかえているから大丈夫だと思って調べなかったんだけれども、地下水を調べたら基準を超える一千倍のベンゼンが出てきたんです、地下水から。同じポイントですよ。
なぜかと聞いたら、私が質問したら、いや、それは、当時、東京都がいっていた不透水層のすぐ上のところまでボーリングを掘って、そこの地下水も全部攪拌して調べたら一千倍が出ましたと。ですから、一見、東京ガスのように土壌を入れかえてきれいになったといっても、地下の深いところの、特に有楽町層ですね、粘土層のところには相当な汚染がたまっている可能性がある、それで、それが地下水に乗って上がってくれば、結局、入れかえた土壌が一千倍の環境基準を超えるベンゼンで再汚染されたということになるという問題があって、この豊洲は再汚染という問題があるんだということが共通の認識になったわけです、あのときに。もう九年前ですけれども。
さらにその一年後に、二〇〇八年に四万三千倍のベンゼンが出ましたよね。これも極めて豊洲は特殊なのですけれども、四万三千倍のベンゼンが地表近くで見つかった。それで、当然ながら、その周りの汚染を調べるわけですよ。わずか二メーターちょっとしか離れていないところを調べても汚染が出てこないんですよ。ということは、本当にピンポイントで超高濃度の汚染物質が塊になって入っている、そういうことがあり得るということが、あのときは十メートルメッシュでしたけれども、四千二百カ所調べましたが、その中で見つかったんです。
十メートルメッシュですから、その塊が一メートル程度の大きさのものだったら、十メートルメッシュじゃ見つからないものがいっぱいあるということになり得るわけですよね、可能性としては。千分の一ぐらいの可能性でしか見つからないんですよ、小さな汚染の塊は。
そういうピンポイントの汚染がまだ残されているかもしれないといわれているその四万三千倍のベンゼンというのは、今の六街区と七街区の間、つまり魚を卸売棟から仲卸棟に運んでいくあの通路の、道路予定地の端っこのあたりから見つかっているわけです。
したがって、豊洲の汚染というのは、そういう問題をたくさん抱えているということを前提にしなければ地下水管理システムなんか要らないのですけれども、やっぱりそれが必要だというぐらい地下に汚染がある可能性が高いんですよ。このことはぜひ、これからその仕事をされていく上で、豊洲の問題、対策、いずれにしても汚染は除去しなきゃなりませんから、この対策は必ずやってもらいたいということは申し上げておきたいと思います。
次に、本格稼働が始まった地下水管理システムについて伺います。
地下水管理システムはどういう目的のためにつくったものか、先ほどのご質問とダブるところもありますが、改めてお聞きします。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムは、地下水面の上昇を防止し、集中豪雨時や台風時においてもAPプラス二・〇メートル程度で地下水の管理が可能となるよう、平常時は水位をAPプラス一・八メートルに保つものであります。
本システムは、市場用地全域を対象に地下水位の観測及び揚水を行う井戸を設置しております。また、各街区でくみ上げた地下水を下水排除基準まで浄化する処理施設を設置しております。
この地下水管理システムによりまして、長期的に徹底したリスク管理を行うものであります。
○曽根委員 砕石層の高さはAP二・〇から二・五、大体五十センチの厚さで敷設されているとお聞きしましたが、その砕石層からわざわざ二十センチ下のところで水位を管理するというのはなぜでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 今ご答弁差し上げましたけれども、平常時は一・八メーターで管理をいたします。大雨や異常な降雨があった場合については二十センチの余裕高を持っているということでございます。
○曽根委員 六月二十八日に開かれた地下水の協議会のときに、こういうふうに説明をされています。私どもが管理する目標というのはAP二メートルでございますので、常時AP一・八にしておきましょうと。前々から集中豪雨のときに対応するような部分のリスクを管理するということでございまして、ここで二百ミリ、つまり二十センチですね、というものを確保してございますので、ですから、百三十ミリがそのまま何も対策をしないで入ったとしても、この二十センチの中にまずは吸収できるという発言があります。
つまりは、時間降雨百十三ミリというのが最近の最大降雨のようですけれども、仮に、その前後も見て百三十ミリの大豪雨が降ったとしても、この二十センチの余裕があれば、ここの中でおさめることができる、そういう意味ですか。
○村井基盤整備担当部長 豊洲の市場用地は、全体で四十ヘクタールほどございます。その中には建物も建っております。建物に降った雨については全て下水に流れます。しかし、地表面に降った雨につきましては、アスファルト舗装をしている部分や植栽の部分がございます。しかしながら、舗装面に降った雨も、設計では一五%ほどしか地下水化しないというふうになっております。
建物以外の部分で一五%の雨が地下水化しても、その部分はその二十センチの中で収容できるということですので、舗装がありますので、あくまで全部が入ってくるという想定はしておりません。
○曽根委員 この協議会が六月二十八日で、その後、地下水管理システムも九月には試運転を始め、十月十四日には本格稼働を始めました。
この夏の降雨は確かにありましたが、時間百ミリを超えるような豪雨があったわけでもないにもかかわらず、協議会で説明されたように、余裕を見て二百ミリを確保したということの説明にもかかわらず、高いところは五メートルまで地下水が上がってしまい、現在フル稼働しても平均三・四メートルの状態です。
これは、雨が地中にしみ込んでの水位上昇というだけでは説明がつかないということじゃないですか。
○村井基盤整備担当部長 現在、地下水位が高い状態にあるのは、工事中、舗装がされていない状態で水が入ったというふうに先ほどからご答弁させていただいておりますが、舗装をかければ水は入ってこない、あくまで工事中に今の水位が上がったというふうに考えております。
○曽根委員 先ほどの協議会の話から大分しぼんでしまっているのですけれども、確かに現在は、私たちが最初に九月に現地視察に行ったときには地面だったところも、先日行きましたら、アスファルトで固めて雨がしみ込まないように対策をされていました。
しかしですよ、夏には雨が少し多かったとはいえ、その雨の全てが四十ヘクタールの砕石層にしみ込んだとしても、そのせいで、そこから盛り土の半分以上まで、AP四メートルから五メートルまで水位が上がってしまうとは到底思えません。
二百ミリの、二十センチの余裕を見ておけばという説明では、ここまで上がってしまった地下水位というのは説明がつかないんじゃないかと思うのですが、雨以外には原因は全く考えられないのですか。
○村井基盤整備担当部長 地下水位というのは、土の中に入った水の高さを示すものでありますので、地中にどれだけの空隙があるかということが大事になってきます。例えば、二割のコンマ二の空隙率だとすると、水が二十センチ入っても、地下水位は一メーターになってしまいます。五倍になります、評価としては。
そういうことで、割合が上がってくるので地下水位が高くなっている、五倍の評価になってしまうということが原因なのかなというふうには考えております。
○曽根委員 だけれども、その空間をつくるために砕石層という、空隙率というのですか、これが比較的大きいですよね、石の層ですから。そういうものを敷いて、そこまで上がってくれば、かなりの水はそこで蓄えられるということも考えたのでしょう。
しかし、私が知りたいのは、今月六日、七日の集中審議の際に、東京都は、地下水位は今、上がっているけれども、地下水管理システムが稼働すれば下がると答弁しておりますし、専門家会議の平田座長は、九月二十四日に、地下空間の視察の際に、システムの稼働で地下空間の水は引くという見解も述べておられますが、しかし、現実には、地下水位もシステムが本格稼働してもなかなか下がらないし、建物下の空間に大量の水がたまったままなんだと、これが現実です。そうしてみると、豊洲の地下水位が上がってしまう原因として、雨の浸透だけではなく、また別のメカニズムが働いているということを考えざるを得ないんじゃないかということなんですよ。
環境学会の元副会長の坂巻さんは、専門家会議の指示で、今回、私も初めてのような気がするのですが、地下水のイオンの測定をやりましたよね。その結果、全体にナトリウムイオンと塩素イオン、つまり海水成分が多い。特に海に面した護岸付近の観測井戸から、非常に高い濃度でこの海水成分が検出されている。これは、地下深くから、粘土層やその切れ目を通して海水が上がってきている可能性を坂巻先生は指摘されています。これが実態としてあるんじゃないですか。いかがですか。
○村井基盤整備担当部長 豊洲市場の用地はかつては埋立地でございましたので、地下水の海水とのやりとりは昔はあったかと思います。
しかしながら、土壌汚染対策工事においては、街区ごとに遮水壁を全部打っております。囲っておりまして、底面においては不透水層がございます。ですから、ある意味、水槽のような状態になっておりまして、これがある意味、汚染の水を外に出さない、中で処理するということでございますので、ここに入ってくる水というのは、今の状況では雨以外に考えられない。
しかしながら、かつての地下水の中に海水分が少しは残っている可能性は否定できないというふうに思います。
○曽根委員 今、不透水層という言葉を使われましたが、以前から地質の専門家は、沖積層の中でも東京湾に面したいわゆる沖積低地の地層は、地層の歴史でも第四紀の終わりごろで最も新しく、粘土層である、有楽町層というそうですが、ここも、海や河川の地下で堆積した砂れきや泥を含むやわらかい地層で水を通す地層と、さらにもっと地下深くの粘性の強い地層の二つに分かれているという学説が有力だというふうにお聞きしました。
しかも、豊洲の地下の有楽町層は切れ目があって、そこから汚染も下に漏れ出している可能性も指摘されております。当然、海水も浸透して上がってくることはあり得ることじゃないかと。現に海水成分が井戸水に出てきているのも、その一つの証拠だと思います。
都として、今の対策で、もともとの計画であるAP一・八メートルにいつごろまでに水位を下げることができるのか、その見通しはあるでしょうか。根拠のある見解を示さない限り、この地下水システムは機能していないという事実を認めざるを得なくなってしまうと思いますが、いかがでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムというのは、先ほどから答弁させていただいておりますが、水位を一定にコントロールするために設置するものでありますので、ポンプなども、土からしみ出してくる水を吸うだけでございますので、一気に地下水を下げるということはかなり難しいというふうになっております。
しかしながら、今、地下水が地下のピット内にあるということについては我々も問題であるというふうに認識しておりますので、専門家会議の方で検証をしていただいて、また、二年間モニタリングが終了した段階ではすぐにでも対応したいというふうに考えております。
○曽根委員 つまり、今の地下水管理システムそのものですね。五十八基の揚水ポンプによって少しずつ、雨水などがしみ込んだ分の地下水を抜いていく、こういうシステムだけでは、上がってしまった水位がいつになったら下がるのかは見通しが立たないということですね。
だから、地下ピットのたまった大量の水を強制的に一気に抜けば影響が出るんじゃないか、そっちに頼らざるを得ないという意味ですか、それは。
○村井基盤整備担当部長 地下ピット内の大気において水銀などが出ている現状から鑑みますと、そこの原因とか安全性、そういったことが確認できれば、ピットの水はすぐにでも抜けるというふうに思います。ただ、原因が今特定できていませんので、そこの検証をした上で水の処理をしていかなければならないということです。
また、何度も同じ答弁になりますけれども、二年間のモニタリングが、来月、最終回が予定されておりますので、こういった地下水のモニタリングが終了してから、そういった水の動きをさせていきたいというふうには考えております。
○曽根委員 改めて指摘をさせていただきますが、今、ほとんどの建物の地下に大量の水がたまっています。これは、地下水管理システムの一環ではありません。東京都が建物下に盛り土をしなかったために偶然起こっている現象ですよね。それを強制的に大型の排水ポンプからだあっと出しますよね。これは、いってみれば、揚水ポンプ、今の揚水井戸の小さなポンプでは到底間に合わないので、地下水管理システム以外の、いってみれば、かなり乱暴な方法で地下水を下げなきゃならなくなったということで、私にいわせると、今の五十八基のこのシステムがその後もちゃんと稼働するかどうかの保証にはならないわけですよ。破綻が明らかになってくるだけなんですよ、これは。
ですから、私は、日水コンに任せている、あの揚水ポンプ五十八基の井戸による地下水管理システムそのものを、改めて根本から検証し直すことが必要と思うんです。
私たちも、なぜこれは下がらないんだ、実態はどうなんだということで、繰り返し当局にお願いしていて、ようやくおととい二十六日に、揚水ポンプの現場を見させてもらい、それから、それをコントロールしている管理棟に行かせていただきました。
それで、私ちょっと愕然としたんですよ。というのは、この井戸のポンプの仕組みは、先ほどちょっとお話がありましたけれども、直径五十センチの長い筒状の井戸の下の方に細いすき間がありますよね。そこから水がしみ出してくる。それを、AP一・八まで上がったら水をくんで五十センチ下げて、一・三メートルになったらポンプが自動停止する、これの繰り返しですよね。つまり、一回のポンプの作動でくみ上げる量は百リットル、一分間四十リットルのポンプだそうですから、手押しポンプ以下かもしれませんね、くみ上げ量というのは。そのポンプが、わずか二分ちょっとか、二分か三分動けば、それで停止というのを繰り返すわけですよね。
揚水ポンプと次の揚水ポンプの間が、私が見たところは五十メートルぐらい離れているんですよ。五十メートルぐらい離れているところを二つの井戸で水位差五十センチをくんで、その影響で、五十メートル離れている向こうの井戸との連携で、その一帯の地域の水位をどれだけ下げる力があるかと。地下水位ですよ。
私、どう考えても間尺に合っていないと思うんです。四十ヘクタールの広大な土地ですよ。五十八基しかないんです、そういう小型のポンプが。とても間に合わない。だから、ちょっと雨が降れば--この間、稼働を始めてからも水位がちょっと上がったことがありますよね。そういう影響を受けてしまうのじゃないかというふうに思わざるを得なかったわけです。
一個のポンプが動くのは最大一日十トン、全体でも六百トン。現実には、豊洲全体の排水量、処分をして排水する量が平均二百七十トンぐらいだというふうに、この間の実績としてはお聞きしました。それで、この程度で本当に、今後、本格的にまた雨が降ったりしたときに水位が上がるのを抑えられるのかというのが、私、大変疑問です。
それと、もう一つ心配なのは、管理棟で見ていたとき、先ほどお話があったように、ある揚水井戸は、私たちが画面をずうっと見ていて、そこで、ポンプが動いているときにはパソコンの画面に赤いランプがつくのですけれども、十五分間ぐらい赤いランプがついているので、つまりポンプは回っているんですよ。回っているのですが、水位は下がらないんですよ、その揚水ポンプの中の水位が。
これは、毎分四十リットルくみ上げているのに、同じ量の水が周りからどんどんどんどんしみ込んできて水位が下がらないのか。ちょっとそれは考えにくいと。だとすると、ポンプの吸い込み口のフィルターが目詰まりして空回りしているんじゃないか。
これが、くみ上げた量そのものは、一個の井戸ではわからないのだそうです。だから、空回りしているのか、本当にくみ上げているのだけれども、次々、外から水が入ってきているのかが判断できないというふうに現場でいわれました。
これは、少なくとも井戸ごとにくみ上げた量ぐらいは測定し、記録するぐらいのことができるように、なぜしなかったのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 このシステムは、街区ごとの下水道への排出量を管理しております。個別の井戸のくみ上げ量については把握しておりません。あくまで、最後にまとめて下水道管に流す量を管理しておりますので、その量でポンプが正常に稼働しているかどうかということを判断しているというものでございます。
また、地下水の監視については正確な分析が必要であることから、公定分析機関などにも分析もしております。
○曽根委員 やっぱり各揚水井戸ごとにくみ上げ量がわからないと、私、目詰まりが起きているかどうか最終判断できないと思うんですよ。くみ上げ量がわかれば、少なくとも、ポンプ自体がふぐあいなのか、井戸への流入量が少ないのかなど原因がわかるわけです。一基ごとの井戸の揚水量もわからないと、なぜ水位が下がらないのか、どの井戸の揚水量が足りないのか、多過ぎるのかということもわからないと、対策の打ちようがないと思うんですよ。
井戸の周りはスリットが入っているといいましたが、その外側に、珪砂という細かい砂粒のものを厚さ二十五センチで井戸の周りに埋めているそうですね。それがフィルターになっているそうなんですが、この珪砂のフィルター層の中に外側から、粘土層ですから、そういった砂粒、土の塊が入ってきて、それが目詰まりを起こす、外側で目詰まりを起こすというようなことは私はあり得ると思うんですが、そうした場合、先ほどいったように、ポンプを引き上げてポンプを洗うだけじゃ済まない、外側の珪砂そのものの目詰まりというのは、なかなか解決が難しいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 委員ご指摘の点につきましては、ポンプを引き上げた上で、先ほどもご答弁差し上げましたけれども、ジェットで噴射します。そうしますと、かなり強い水圧の水が出てきますので、珪砂の中がもう一度洗い出されます。そういったことで、細粒分の土も洗い流されて、もう一度正常な状態に復帰するということでメンテナンスも行うようにしております。
○曽根委員 つまり、井戸の筒の中からジェットを噴射して、あの細いスリットを通して外側の珪砂の目詰まりを直すということだと思いますけれども、それで本当に直るのかというのは、やってみないとわからないですよね。
実際には、現場の担当者の方のお話では、珪砂のフィルターの目詰まりは想定していないという話も聞きましたので、本当にこれで大丈夫なのかということを、改めて心配だということは指摘したいと思うんです。
私たちは、何人もの専門家から、こういった揚水井戸をつくる場合、フィルターの目詰まり問題というのは必ず起きてくる、早いものは数カ月でもう目詰まりしてしまうものはあるというふうにお聞きしました。こういう対策もきちんとやっていないとすれば、とんでもないことだと思います。
しかも、観測井戸の水位も記録されないそうで、したがって、観測井戸の水位がなぜ私たちの前に発表されるかというと、職員の方がパソコン画面から筆記で写しとっているのだそうです。休日もポンプは動いていますが、井戸の水位は記録されないということで、これは日本でも初めてともいえるような地下水管理なのに、システムの機能が見えない上に水位もコントロールできない。
これでは、本当に全体として機能しているかどうかの判断もつかないんじゃないかと思いますが、この点はやはり大きな改善が必要じゃないかと思いますが、いかがですか。
○村井基盤整備担当部長 地下水位の状況を記載できないということについては、今現在、システムの方についても変更を検討しております。そういった点においても自動的に記録できるような形に今後は変更していきたいというふうには考えております。
○曽根委員 変更は余りにも当然の話だ、改善は当然の話だと思いますし、それにしても、このシステムを誰がどのように設計したのか、やっぱりここに根本問題があるんじゃないかと思います。
目標とした水位にも届かない、そして、いつそこに到達できるかも見通しはまだ出ていない、地下水には環境基準を上回るベンゼンも検出されている、建物の地下空間の大気からも水銀も検出されている。まさに盛り土が汚染されて市場の安全・安心が脅かされる事態が進行しかねないという事態だと思いますが、この全体状況について、やはり地下水の問題を改めて根本から見直しが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムにおいては、地下水が今高い状況にあるという事実はございますが、システムそのものは正常に動いております。これが、水が下がってきて一・八メーターの管理水位に達すれば正常に作動し、豊洲地域の安全は確保されるものと考えております。
○曽根委員 目標まで達していないのに正常に作動していると。今、それがポンプが動いているというだけで、このシステムが機能しているんだというふうにはならないと思うんですよ。
いわゆる管理目標も達成していないし、実績のデータも出せないという、これを竣工だと認めて、東京都はもう引き取るということになるのですか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの工事につきましては、三つの街区でそれぞれ一つずつの工事を出しておりまして、五街区については竣工しております。
しかしながら、六街区、七街区につきましては、建屋、建築構造物がついている関係で、今、延伸をしているということでございます。ですから、六街区、七街区につきましては、引き続きJVの管理下にあるという形になります。
○曽根委員 先ほど申し上げた日本環境学会の元副会長の坂巻さんは、豊洲の井戸の配置について、揚水井戸、つまり水をくむ井戸と観測井戸が余りに離れ過ぎていて、その相互関係もわからないし、揚水井戸が本当に効果を上げているかどうかの検証もできないというふうに声を上げております。
揚水井戸の本数、五十八本というので本当に足りるのかという、このことをどうやって計算したのか、割り出したのかということも、私は根本から問われると思うんです。大体、四十ヘクタールのこれだけの広大な土地を、わずか数十センチの幅で地下水位をコントロールするというのは、ほかに余り聞いたことがないのですが、東京都は、何かほかの例を知っていて、それを参考にするとかということはあるんですか。
○村井基盤整備担当部長 豊洲市場の地下水管理システムは、約四十ヘクタールの敷地の地下水を管理し、浄化処理を行う施設であります。
本システムと同等な規模の仕組みを有する事例は把握しておりません。
○曽根委員 先日、市場長が、地下水管理システムの設計の委託先については、極めて高度な技術が求められると述べております。確かに、これほどの広大な土地の地下水をコントロールするというのは、恐らく前代未聞のことだと思います。
にもかかわらず、地下水の流動解析が本業ではなく、水道や下水道の水質管理が本業である日水コンになぜ設計を任せたのか。この点についてはいかがですか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムに関する施設等詳細設計の見積もり参加条件は、汚染水に関する対策検討業務の実績を有すること、地下水流動解析を行うための実験研究施設を有することなどがあります。これらの条件を付して見積もり参加希望者を募り、その結果、株式会社日水コンと契約したものであります。
業務実績と実験研究施設を有していることを確認の上、契約しており、株式会社日水コンは業務遂行能力を十分に有していると認識しております。
○曽根委員 私たちが入手したこの契約書や、それから報告書の方を見ても、いわゆるコンピューター解析と思われるデータはありますが、あの豊洲の現場で、揚水井戸や、もしくはその効果をはかるための観測の井戸を掘って、これを使って時間をかけて調べないと、井戸の全体の配置や本数は決められないと思うんですけれども、契約期間は、たしか七カ月というふうに資料に出ていますね。
この七カ月間の間、それも梅雨の時期を外した期間で、そのような綿密で時間をかけた調査を行って設計を提出したとは思えないのですけれども、具体的に豊洲での調査の内容はあったのかどうかを説明してください。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの設計に当たりましては、用地内を十メーターメッシュで切りまして、その中に五十センチずつの層を決めて、そこに現地に合わせた透水係数などのデータを持った土のデータを入れまして、そこを三次元のシミュレーションをかけます。それで、今まで降った最大降雨量の雨を降らせて、地表面には舗装をした上でどれだけ水が入ってどういう動きをするかという解析、シミュレーションをしております。そういう結果に基づいて安全性を検証しております。
○曽根委員 私たちは、地下水の調査や管理を行っている企業や研究者を調べてきたのですが、共通して、地下水の流動解析の実験や調査は、もちろんコンピューター解析もありますが、現場で井戸を掘って、そこでどれだけの地下水をくみ上げたら周辺の地下水位にどれだけ影響が出るか、また、雨が降ったときの影響や、海辺ならば潮の干満の影響、さらには、埋立地のような軟弱地盤ならば複雑な地下の地質分布を、気候変動もありますから一定の長い期間をかけて丹念に調べて、どれだけのくみ上げ能力の井戸を、どれだけの間隔で配置すればよいかを調べ上げた上でないと、地下水を一定の深さでコントロールするというような設計は到底できない、したがって、現場で綿密な調査を行ったデータを解析ソフトでシミュレーションすることになるというふうに聞きました。
七カ月間でその詳細設計をつくる際、五十八本の井戸をどこに配置するか、この本数でいいのかということを決める際に、確かに豊洲の土壌の地質のデータは持っていたのかもしれませんが、実験井戸を掘ったというような記録は、一切、この報告書の中には出てこないわけです。これは早急に、前もって本当に現場で調べた上で、あの五十八本で足りるという結論を出したのかどうか、この点をつまびらかにするように強く求めておきたいと思います。
それで、専門家や技術者が共通して必要だといっている現場での実験用の井戸、それから性能の実験や調査を行うこと、こういうことはやられていないとするならば、結局は、豊洲の地下水管理システム全体が、東京都の汚染対策の弱点をごまかすための役割を果たすためのものだったんじゃないかという疑いを強く持たざるを得ません。
また、実験についていっても、後で修正設計の中に、改めて現場の土を三カ所だけ持っていって実験室で実験しましたというような記述が出てくるのですが、これが初めてなんですよ。しかも、現場でやっていないんです、実験室に持っていっているんですよ。
私は、豊洲の汚染対策の根幹にかかわる重大問題として、全体として汚染対策は破綻状態であるといって過言ではないと思います。築地市場移転中止を本格的に検討に入るべきだということを改めて強調しておきたいと思います。
最後に、築地市場の建物、施設の補修と事業者への対策についてお聞きします。
築地市場の三年間の補修工事の実績は、どの部分を中心に、どれぐらいの額で行われてきたのか、これについてお聞きします。
○白川事業部長 平成二十五年度は、水産仲卸売り場棟の屋根やとい、場内の路面補修、特別高圧受変電設備定期補修、電力量計取りかえなどで合計約三億二千八百万円、平成二十六年度は、青果部、水産物部の漏水、シャッター修理、場内の路面補修、場内電気通信配線の補修、給排水設備など合計約三億七百万円、平成二十七年度は、関連棟などの屋上防水工事、場内路面補修、場内放送設備など合計約一億五千万円など、場内各所のさまざまな修繕に対応してきたところでございます。
○曽根委員 昨年度の築地の補修費が、例年三億円以上かけているのに対して半分程度だったわけです。しかし、先日、築地市場を訪れたところ、市場の施設は、一刻も早く屋根の雨漏りや通路などの床の補修をしなければ、もう限界という印象を受けました。
にもかかわらず、昨年度の補修費は例年の半分というのはどういう理由からでしょうか。
○白川事業部長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、職員が直接、直営で行うというようなことによりまして、工事実績としての数値は少なくなってきているというものでございます。
○曽根委員 これは築地の業者の方もおっしゃっていました。とにかく職員の方が現場の限られた予算の中で懸命にやってくれている、しかし、もうこれは限界だという話をされていましたよ。
築地は雨漏りがひどくてもう大変だというのは、マスコミでも、また現場でもさんざんいわれています。これを、事実上放置しているのじゃないか、築地は穴だらけでもうだめだ、早く豊洲に移転しろという口実にしているのではないかとさえ疑ってしまいます。少なくとも、当分の間、築地市場を使うことは確実ですから、それにふさわしい対策を打つべきであります。
先日、行きましたら、建物の中はちょっと薄暗いですよね、あそこは。屋根を見ますと、星空のように光っているんですよ。何で光って空が見えるのかと聞いたら、ひょうが降ったそうなんですよ。あそこの屋根は、スレートか、もしくは塩ビのあれですよね、波形の。ですから、ひょうで穴があいちゃうんですよ。それがほったらかしになっているんですね。
これは直ちに補修すべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○白川事業部長 ご指摘のとおり、劣化した施設が多数あることは事実でございます。
これまでも監視を行いまして、危険な箇所、それから、今お話しのように、至急の修繕が必要な場合には適時適切な対応を行っているところでございます。
○曽根委員 通路の方も、昔から石畳が敷いてありますが、一部剥がれて穴があいたり、アスファルトで応急舗装をしてあったりしていました。
しかし、先日、ターレの車輪が穴にかかって、運転手の方が転落したという話も本人からお聞きしました。したがって、床も急いで、応急で、確かにアスファルトが一部、現場の職員の方や何かが手当てしたんだと思いますが、この応急だけでは間に合わない、可能なところは本格的な補修が必要ではないかと思いますが、いかがですか。
○白川事業部長 お話のように、直営で修繕を行うか、あるいは工事で発注をした上で行うか、これは各業者の営業の実態、それから、実際に工事を発注して行う場合には、ある程度、営業をとめながら、あるいは休市日に行うという対応が必要でございますので、そういったものは、実態をよく見ながら適切に対応していきたいと思っております。
○曽根委員 次に、豊洲市場への移転が延期となる中で、市場業者の中に大変な問題が渦巻いております。
まず第一に、豊洲移転を決断した事業者の悩みは非常に大きいものです。無理やり崖を飛べといわれて飛び出してみたら、着地する場所がなかったという状況です。
まず、新しい施設で使う棚や調度品やシンクや水槽が、築地で使っていたものが豊洲でも使えるものはよいとしても、作りつけの棚やはしごは、もうどうにもなりません。ステンレスの棚が二十九万円、はしごが十四万円、さらに上へのはしごで七万円など、工事費を入れて、もう百万円かそれ以上をかけてしまった、こうした費用をどうするのかという問題があります。
それから、ある業者の方は、とにかく豊洲移転を決断しましたということでお得意さんに案内状を出している。これが数百のお得意さんがいるということで出している。今度は、豊洲にしばらく行きません、築地で頑張りますという案内状をまた出さなきゃならない。豊洲で使う車のシール、郵送費など、これから延期のお知らせをするとなれば、かなりの額になるという話もありました。
それから、先ほどもちょっとありましたが、豊洲の一軒の間口が内のりで一・三メーターしかないために、パフォーマンスをよくするために、築地市場内で売りに出ている店の権利を購入し、多いところは億単位の融資を受けてたくさんのお店の権利を買ったと。これらの店は、豊洲では全部一列に並ぶ配置が内々に決まっているそうなんですが、築地市場では全部ばらばらの場所にあるお店を買っているわけで、現状では使いものになりません。しかし、権利を購入するのに約二千万円以上、それから、当然、家賃と組合の関係の費用もかかっているというお話でした。
ある大手の仲卸の社長さんは、豊洲に造作したものについては、少なくとも東京都で買い取ってほしいという要望も述べていました。
こうしたもろもろの要望にきめ細かく対応していく必要があると思いますが、都の対応の、いや、補償の考え方についてお聞きします。
○吉村企画担当部長 今、委員からご指摘がございました、さまざまな市場業者の皆様の具体的な損失に対しましては適切な補償を行っていく必要がありますことから、補償スキームの構築に向けた検討を精力的に進めてまいります。
また、その際、どのようなものを対象にしていくかということにつきましても含めて検討を行ってまいります。
○曽根委員 先ほどから都の相談室、相談窓口をつくるというような話も出ていましたが、しかし、市場の卸売業者や仲卸業者については、多くのお店がそれぞれ事情が違って、それぞれにさまざまな問題を抱えております。このままでは倒産などの犠牲も出かねない状況です。
ですから、直ちに抜本的な職員体制をとり、一軒ごと都の職員が直接訪ねて、抱えている悩みや都への要望を聞き取るようにやっぱりすべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○吉村企画担当部長 事業者の皆様の実情の把握に向けましては、業界団体、それから個別事業者からのヒアリング等を行ってまいります。
○曽根委員 必ず個別事業者の訪問をやってください。
一旦、廃業を決めた、豊洲に行けないと決断したけれども、築地が残るなら廃業をせずに権利売却を取り消したいという方もいました。一方で、権利を買い取ったが、豊洲行きが中止になってどうしようか悩んでいるという業者もおられました。少なくとも双方の合意が成り立つならば、東京都が、市場での営業権、これの現状での営業を継続できるよう最大限の便宜を図っていただきたいんです。ここのところを強くお願いしておきます。
相談は待っているだけではだめで、ぜひ東京都は重い不信を買っていることを自覚して、みずからこういった問題について調べて回るという態度をとっていただきたい。
同時に私が申し上げたいのは、現場の職員は大変です。したがって、現場の職員にこれ以上の無理をさせないことも、あわせてお願いをしておきたいと思います。
また、築地に買い出しに来ている、私の地元北区も含めて中小零細の魚屋さんやおすし屋さんを初めとする業者の意見、要望もしっかり聞く仕組みをつくるよう要望しておきたいと思いますが、市場の直接の関係業者だけではなく、東京全体から、もしくはその近郊からも買いに来ているこうした業者の方々や、ここに来る都民の方々の意見、要望を聞くという、そういうルートをつくってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○吉村企画担当部長 豊洲への移転の延期に伴う影響というのは、さまざまあるという認識でございます。まず、市場の事業者様もありますし、その他幅広い影響はあるかもしれません。その中身につきまして把握をした上で対応してまいりますけれども、どのような形で対応していくか、支援のような形にするのか、また補償のような形にするのかにつきましても、どのようなものを対象にしていくかということも含めまして、しっかり検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○曽根委員 この支援の問題なんですが、私は、かつて青島知事が当選したときに、彼の公約であった世界都市博覧会中止、この決断のときに都議会におりました。
この中止の決断、大変だったのですが、東京都がとった措置は、契約が決まっている業者は、もちろんこの契約額の補償。しかし、それだけじゃなくて、契約業者の下請もしくはその関連で契約を予定していて準備のために先行投資を行った分も含めて、実態を調べて全額を補償するという措置をとったんですよ。それから、そのための経営対策として緊急特別融資をつくったんです。無利子で、被害を受けた事業者への貸し付けや損失補償も行いました。
このときに大決断をしてやったこの措置は、全てとはいいませんが、大いに参考にして、今回の事業者の被害補償に当たっていただきたいことを要望しておきたいと思います。
最後に、直ちに--こうした取り組みを進める上で、市場の予算だけでは、私は到底間に合わないと思います。財務局と相談して、次回の都議会にでも補正予算をやはり組むべきだというふうに思いますが、この点についての考え方はいかがでしょうか。
○吉村企画担当部長 先ほど来申し上げておりますけれども、補償スキームの検討等を進めまして、必要な経費につきましては適時適切に対応してまいります。
○曽根委員 最後に意見を申し上げたいと思います。
豊洲の市場予定地の現状、地下水管理システムは事実上機能しておりませんし、私は、今のシステムのままならば破綻は間違いないだろうというふうに思います。しかし、豊洲の市場の建物、あの広大な敷地、今後の活用が全くできないということではないと思うんです。したがって、汚染対策は当然やらなきゃならないし、そのための手だても打つ必要があります。
しかし、生鮮市場をあそこに持っていくということは、私は一日も早く中止を決断すべきだと。その検討に入るよう、これは当局からも知事に申し上げるべきだと私は思います。
そして、そのことから見ても、築地市場で今頑張って、廃業をしようかと思っていたけれども、築地で頑張れるならばもう少し営業を続けたいという業者の方も含めて、東京都が与えてしまった大きな被害を取り戻す、全部を取り戻すことは難しいでしょうけれども、信頼を取り戻すことも含めて、最大限、東京都が頑張らなきゃならない。今、本当に頑張らなきゃならないときだということを申し上げて、質疑を終わります。
○西沢委員 私からも、この決算の審議において、特段、認定、不認定を審議していくという場でございます。この決算の認定、不認定を審議していく場の中で、豊洲問題についての議論は避けられません。この問題をしっかりと議論し尽くして、その上で判断をしていかなければいけないわけでございます。その点を中心に質問していきたいというように思っております。
まず、中央卸売市場の人事が大きく変わったわけでございます。村松市場長を初め、幹部職員の皆さんも大分変わられたわけでございます。
そこで、市場長に最初に改めてお伺いをしたいと思いますが、今回のこの豊洲問題において大きなポイントとなりますが、自己検証報告書が出ています。きょうも、大分ここがもとになって議論、審議がされたわけでございますが、九月三十日に提出された自己検証報告書を踏まえて組織運営をどう見直していくのかということと、この自己検証報告書が十分なものだと考えていらっしゃるのかどうか、お伺いをいたします。
○村松中央卸売市場長 九月三十日に公表いたしました自己検証報告書では、いつどの時点で誰が盛り土をしないことを決めたのかといった点について、必ずしも十分ではなかったと考えております。知事からの指示を受けまして、改めて検証を行っているところでありまして、知事にも報告の上、第二次報告書として早急に取りまとめていきたいと考えております。
また、公表いたしました報告書では、意思決定プロセスの不備や連携不足など、組織運営上の問題も指摘されております。今回、中央卸売市場の組織を刷新し、強化を図ったところであります。
新たな体制のもと、局一丸となりまして、議会の皆様方、市場関係者や都民の皆様方からの信頼回復に向け取り組んでまいります。
○西沢委員 この自己検証報告書は、必ずしも十分ではなかったというような答弁でございました。前の岸本市場長も、三定の一般質問の中ですけれども、キーパーソンからの聞き取り、分析についてでございますがという前提の上で、今回の調査報告書につきましては、いまだ不十分でございますというような答弁をしています。
この一般質問は十月五日だったわけでございますけれども、自己検証報告書は九月三十日に提出されているものであります。一般質問ですから、少し前には、恐らくこの答弁は決まっていたのだと思いますから、九月三十日に自己検証報告書がつくられて、もうその時点で、ほぼ十分ではないということを認めていたということを指摘しておきたいと思います。
これは、都庁がこれまでの、私の経験も含めてですけれども、自分たちでつくったものを、そもそも最初から十分ではないということを認めた上で提出するというのは異例なことなんじゃないかと思います。ですから、その時点で、引き続きの調査が必要だということは、はっきりいえば認めていたということがいえるのではないかと私は思います。
そうした中で、先ほど、十一月一日に新たな検証報告書が出るというような発表があったようでございます。この十一月一日に出る検証報告書というのは十分な報告書になるのでしょうか、お伺いをいたします。
○村松中央卸売市場長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、最初の報告書、九月三十日の報告書で必ずしも十分でなかった。その後、さまざまな調査、分析をいたしまして、次の報告書を出すこととしております。
○西沢委員 不十分な報告書から一歩前進したものが出るというように受けとめさせていただきます。十一月一日に出た後には、この決算審議の中では全局質疑もございますから、こうしたもとで審議を進めていくことになろうかと思います。
そして、問題になっていますけれども、この盛り土の問題でございますが、さまざまな議論がありますが、大変専門的な話も多いですし、聞いている方にとってもわかりづらいところがありますが、この盛り土の量がどうなっているのかというのを端的にお聞きしたいと思います。
そもそも議会に説明をしていた敷地全体に盛り土をするとしていた当初の量と最終的な量、これはどう違うのでしょうか、お伺いいたします。
○村井基盤整備担当部長 敷地全体にわたりAPプラス二・五メートルからAPプラス六・五メートルまでの四メートルを盛り土するとしていた当初の盛り土量は、約百六十万立方メートルでございます。
一方で、土壌汚染対策工事で実施した盛り土量は、第十八回技術会議で報告しているとおり、建物敷地を除いた約六十三万立方メートルでございます。
○西沢委員 つまり、議会には、都民に対しても同じですけれども、議会には百六十万立方メートルの盛り土をするといっていたけれども、最終的には六十三万立方メートル、つまり百万立方メートルの土はなくなっているというようなことがわかったわけでございます。
この盛り土をしなかった費用、百万立方メートルの盛り土をしなかったわけですから、この費用がどこかに消えたのではないのかというような指摘がありましたが、これは、最初の九月二十一日の調査報告書、小池知事に最初に見せたもので経済・港湾委員会の資料要求で出たものでございますが、そこによると、そもそもこの盛り土の費用を計上していないというようなことだったと。費用が消えたというよりは、そもそも最初から計上していませんでしたというようなことになっていたわけであります。
しかし、都議会に対しては予算を提案しているわけですね、当然ですけれども。都議会に提案していた予算には盛り土をしているというような説明をしていたと、こういう認識でいいのか、お伺いをいたします。
○村井基盤整備担当部長 ご指摘のとおり、予算要求時には、敷地全体にわたり盛り土を行うこととしておりました。しかしながら、実際の工事では、建物部分に盛り土をしないで工事発注をしておりました。
○西沢委員 つまり、議会の方に金額的に提案していたものと実際の額が違う。何度も議論はされてきたものでございますけれども、決算で審議をするに当たって、予算と違うものだったというようなことがわかるわけであります。そこをちょっと確認したかったわけであります。
この盛り土でございますけれども、盛り土をしなかった理由については、国の基準を上回る対策をしてきたから、だから盛り土をするというようなところまではいかなかった、そこまでは対策をしなかったというような答弁がこれまでありました。つまり、国の基準を二重三重に上回る対策をいろいろとほかにやっているから盛り土はしなくてもいいやというような、そうしたことがこの自己検証報告書でわかるわけでございますけれども、私は、この二重三重に上回る対策というのが、していたから盛り土をしなくていいということではなく、二重三重に上回る対策そのものに盛り土をするということが含まれているというように考えるわけであります。
ですから、専門家会議が提言したように、国の基準を二重三重に上回る対策として土壌汚染対策後に盛り土をするということを繰り返し述べられてきましたが、それが誤りである、こういった認識でいいのか、改めて伺います。
○村井基盤整備担当部長 盛り土にかかわる議会答弁の多くは土壌汚染対策の一環として行われ、歴代の土木担当部長によると、盛り土がある旨の事実と異なる答弁を行っておりました。結果として、都議会、都民、市場関係者に対する説明責任を果たしていなかったと認識しております。
○西沢委員 済みません、もう一回ちょっと聞きますけれども、国の基準を二重三重に上回る対策の中に盛り土をするということが含まれているという認識でいいのでしょうか、お伺いいたします。
○村井基盤整備担当部長 土壌汚染対策法上は、AP二メーターの部分より下の部分で掘削除去または地下水の取りかえを行っておりましたので、それ以上の盛り土などをやったということでは、委員ご指摘のとおりだと思っております。
○西沢委員 そういうことですね。つまり、国の基準を上回る対策をしてきたから十分なんだ、だから盛り土をしなくてもいいんだということではなくて、二重三重に上回る、国の基準以上のものをやるという中に盛り土をするということが含まれているということですよね。ですから、二重三重の対策と盛り土をするというのは別じゃないということを確認させていただきました。
この土壌汚染対策でございますけれども、都議会では、平成二十二年と二十四年のときですけれども、土壌汚染対策工事の予算に当たりまして付帯決議をしております。この付帯決議には、例えば、豊洲新市場の施設の建設工事は、汚染の処理を完了した上で実施することとかが書いてあります。これは平成二十四年のときですけれども、豊洲新市場の施設の建設工事は、汚染の処理を完了した上で実施することと。付帯決議というのは、いってみれば、予算を議決するに当たっての前提条件みたいなものですね。ですから、汚染の処理を完了した上で実施するのであれば可決しますよというようなことで平成二十四年の予算案は可決しているわけであります。
そのほかにも、二十二年、いろいろ書いてありますけれども、土壌汚染対策については、無害化された安全な状態での開場を可能とすることであったり、安心・安全な状態で行うこととし、都民や市場関係者の理解と信頼を得ていくことと、いろいろとこうあります。
この上で予算案を可決しているわけでありますが、そう考えると、特に汚染の処理を完了した上でという部分については、私は付帯決議違反ではないのかと、こう思うわけでありますが、認識をお伺いいたします。
○村井基盤整備担当部長 都議会で議決されました付帯決議を遵守することの大切さは十分に認識しております。
豊洲市場の安全・安心の実現に向けて、現在、土壌汚染対策や地下水の浄化に取り組んでおりますが、盛り土をせずに地下空間を設けたことについては、専門家会議で調査、検証を行っていただいて適切に対応してまいります。
○西沢委員 大切さは十分に認識していると、ちょっと答弁になっていないと思うんです。汚染の処理を完了した上で実施することとしていることに違反しているんじゃないか、こう思うわけですね。
違反しているかもしれないけれどもやるという認識なのか、そもそも違反していると思っていないとか、その認識をお伺いしています。改めてお伺いいたします。
○村井基盤整備担当部長 盛り土をしなかったことについては、盛り土をせずに地下空間を設けていたことについては誤った措置であったというふうに認識しております。
その空間については、専門家会議で調査、検証を行って適切に今後は対応していきたいと考えております。
○西沢委員 ちょっとですね、認識、この期に及んで--そういうことをお伺いしているわけではなくて、今、専門家会議に伺っていますということでありましたけれども、専門家会議に聞いた上で、それが完了ということではなく、例えば、我が党の中村ひろし議員が、平成二十六年十月に、この決算の場でお伺いしているわけですけれども、そのときの基盤整備担当部長の答弁の中では、土壌及び地下水におけるガス工場の操業に由来する汚染対策が完了したことを技術会議において確認してきたと、こういうふうに答弁しているわけですね。
つまり、東京都としては、完了したというようなことを技術会議に報告しているわけですけれども、技術会議に報告したことで完了とはいっていないですよね。ですから、付帯決議違反に当たるのじゃないかというふうに私はいっているんです。答えますか。改めてお伺いいたします。
○村井基盤整備担当部長 付帯決議でいっております汚染の処理を完了したということは、土壌汚染対策工事及び地下水の浄化を完了しているということで技術会議に報告して確認しておりますので、汚染の処理は完了したということでございます。
○西沢委員 ちょっとよくわからないのですが、改めて市場長にお伺いいたしますが、これは付帯決議に違反しているのか、違反していないという認識なのか、お答えいただけないでしょうか。
○村松中央卸売市場長 今、基盤整備担当部長が答弁したとおり、汚染の処理を完了したということについては技術会議にも報告しておりますし、これについては付帯決議違反とは考えておりません。
また、無害化された安全な状態での開場を可能とすること、あるいは開場に当たっては安心・安全な状態で行うこととする、こうしたことにつきましては、現在、盛り土をせずに地下空間を設けたという、その工法の変更もございましたので、専門家会議等の専門家の知見をいただきながら、その安全性の検証並びに確認、そういったことを行っているところでございます。
○西沢委員 付帯決議には違反していないという認識であるということでありました。
私は、どういう答弁が来るのかわからなかったのですが、付帯決議に違反していると思われてもしようがないことをしているという認識の上で取り組んでいくというような姿勢が見られるのかなというふうに思いましたが、今のご答弁ですと、いってみれば、議会の議決に基づいて、そこの部分、付帯決議の部分については何ら問題なかったんだというように聞き取れました。ですので、その上で市場がこれから取り組んでいくということは、私は少し危険というか、その認識で本当にいいのかというように思いました。
質問を続けてまいりますけれども、この自己検証報告書の中でも、土木部門と建築部門、この部分で差異があったのではないか、連携がとれなかったのではないかという話がございます。こうした部分で確認をしていきたいと思いますが、あさの議員が経済・港湾委員会で質疑をしてまいりましたが、実際に盛り土をしないと決めた期間というのがどの辺にあるのかということですが、平成二十三年三月の応用地質株式会社の土壌汚染対策工事設計報告書には、AP四メートルまできれいな土で埋め戻すとあり、砕石層の上に二メーターの盛り土をすることと理解できるわけでありますが、建物予定地以外は、予定どおり、さらに二・五メートルの盛り土をするというようにあります。建物予定地には、建物基礎工事等の根切り深さを除く高さまで盛り土をすることになっていたということであるが、そういう理解でいいのか、お伺いいたします。
○村井基盤整備担当部長 平成二十三年三月の報告書によりますと、APプラス四メーターまで購入土などのきれいな土で埋め戻し、計画地のうち、新市場の建設予定地以外はAP六・五メーターまで盛り土をするとされております。また、建設予定地は、AP六・五メーターから建築基礎工事などの根切り深さを除く高さまで盛り土をするとなっております。
○西沢委員 こういう理解でいいということでありますけれども、土木部門では、少なくとも平成二十三年の三月までは予定どおり盛り土をするということになっている。自己検証報告書を見ると、建築部門の時系列の詳細が記入をされ、土木部門の詳細が調査をされていません。
これでは真実はわからないわけですが、市場として土木部門の時系列の詳細を調査し、建築部門と比較することでより真相がわかるのではないかと考えます。調査すべきと思いますが、見解をお伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 先ほど市場長からも答弁をさせていただきましたけれども、ここで問題になっているのは、やっぱり、いつどの時点で誰が盛り土をしないことを決めたのかという点につきましては、第一次報告書でも不十分だったという認識を持っておりますので、今回、第二次報告書を現在取りまとめております。その中で取りまとめて、そういったことも含めて公表していきたいと考えております。
○西沢委員 では、十一月一日に出るものでは、この辺は調査をしたものが出てくるというように理解しました。
次に、平成二十七年度の豊洲市場の施設建設工事と開場の決定についてお伺いをいたします。
建物の下に盛り土を行わなかった土壌汚染対策工事が完了した後に、地下空間をつくる前提での施設建設工事が実施をされていました。
一方で、都議会には実態と異なる答弁を行っていたわけであります。それは、土壌汚染対策工事が始まった平成二十三年度から終了した二十六年度まで、毎年度、豊洲市場敷地全体にわたり盛り土を施す、こういうふうに、トップである市場長を初めとした都からの答弁がずっと連綿と行われていたというわけであります。
この公営企業会計決算特別委員会においても、現状と異なる同様の答弁が行われていたわけでありますが、平成二十六年二月から、都は豊洲新市場の建設工事に着手しましたけれども、二十七年度の豊洲新市場建設工事はどのような進捗であったのか、まずはお伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 豊洲市場の主要本体施設の建設工事の進捗につきましては、街区ごとの差はあるものの、平成二十六年度につきましては、夏ごろより、くい工事、コンクリート工事などの基礎躯体工事が始まりまして、徐々に鉄骨工事や地上の躯体工事へと移行してまいりました。
お尋ねの平成二十七年度につきましては、引き続き鉄骨工事や地上の躯体工事から始まりまして、その後、内装工事等の仕上げ工事へと移行してまいりました。
○西沢委員 既に建物の下には盛り土がない中で建設工事が進んでいたわけですけれども、平成二十六年九月には舛添前知事が豊洲新市場を視察して、十月には土壌汚染対策工事が完了したわけであります。十一月に技術会議で工事完了を確認し、十二月十七日に、新市場開場時期を平成二十八年十一月上旬と決めた新市場建設協議会が行われたわけであります。これは二十六年十二月十九日の経済・港湾委員会に報告をされております。さらに、舛添前知事は、昨年十一月にも視察をして、このときは建物の中にまで入って視察を行っています。
こうした豊洲市場に関する重要な節目の視察や会議において、建物下に盛り土がないことや地下空間が構築されていくということなどを説明していたのか。また、地下空間を、舛添知事は、前知事は視察したのでしょうか、お伺いいたします。
○井上新市場整備調整担当部長 前知事の視察、専門家や業界との会議においては、豊洲市場の建築整備の進捗状況や今後の見通しなどの説明を行いましたが、建物下の盛り土や地下空間については説明しておりません。
○西沢委員 説明していないという答弁でしたが、第十八回の技術会議がありますね。土壌汚染対策工事は完了しましたという、第十八回技術会議にありましたが、このときの議論では、埋め戻しが少ないのではないか、土量が少ないのではないのかという議論が行われています。冒頭の方に質問しましたけれども、大体、百万立米ほどの盛り土がなくなってきたというようなご答弁をいただきましたけれども、技術会議でも、ここ、今のところだけではないと思いますが、掘削した土量について、埋め戻し土量がちょっと少ないので、そこら辺の差分についてということでございますと、こんな議論が行われております。
私、こういうときに、本来は説明するチャンスがあったんだと思いますが、つまり、説明する機会があったのに、あえてしなかったのではないかというように受け取れますが、なぜこのときに説明をしなかったのか、お伺いいたします。
○村井基盤整備担当部長 私の方としては、現時点で、当時どういった議論が行われたかについては把握しておりません。
○西沢委員 技術会議の議論のことをいっているんですが、第十八回で埋め戻しの土量が少ないんじゃないかというような話があったのですけれども、把握していないのですね。--はい。わかりました。
いずれにしても、こういう機会はたくさんあったと思うんですね。舛添前知事のときですけれども、舛添前知事の視察のときには、写真がホームページにも出ていますけれども、青果棟の上を歩いているんですよね。青果棟の上をこう歩いている写真がホームページにあって、先ほども議論がありました、岸本前市場長も、上に立ったけれども気づかなかったというようなことがありましたけれども、普通に考えれば、そういった部分については--土壌汚染対策工事、二重三重に上回る部分に盛り土があるということも先ほどご答弁いただきました。大変重要なこの工事について、前知事に本当に説明していなかったのかということは疑わざるを得ないというように思うんですね。
確かに、前知事が、そこに行ってすぐそれがわかるというような知識を持っていたかというと、そうではないのかもしれません。ですけれども、先ほどの技術会議もそうです、前知事の視察のときもそうです。あらゆる場で、そういった盛り土のことについて、土壌汚染対策工事について説明する機会がたくさんあったんじゃないかということを指摘しておきたいというように思います。
平成二十七年七月には、新市場建設協議会において豊洲市場の開場日を平成二十八年十一月七日にすることを合意して、舛添前知事が開場決定の記者会見を行いました。このことについて、さっきの経済・港湾委員会では、我が会派のあさの理事が、都民、市場関係者を欺く行為だというような質疑を行ったことに対しまして、岸本前市場長は、私どもの方に、この盛り土が適切に行われていないという、そういった認識が欠けておりましたので、この知事の判断もそういった間違った情報の上に立っていたということで、まことに申しわけなく思っておりますという答弁がありました。
建物の下に盛り土がない、地下空間が構築されていることを説明しなかったことが明らかになっていたのであれば、豊洲市場開場の時期決定がどうなっていたと考えるのか、これは市場長にお伺いをいたします。
○村松中央卸売市場長 仮定に基づくご質問でございますので、なかなか端的にお答えすることは困難だと考えておりますが、お話の開場時期の決定も含めて組織として判断を行う際には、その決定権者なりに正確な情報をきちんと的確に伝達して、それをもとに判断すべきものと考えております。
○西沢委員 私は、何らかの影響はあったんだというように思います。
舛添前知事が開場を決めたわけですけれども、都議会もそれは議決をしました。知事は、何度も何度も視察をして、現場を繰り返し確認した上で判断しましたというような発言をされています。実際は、開場までは公式には一回ぐらいしか行っていないんじゃないかということはちょっと思いましたけれども、いずれにしても、舛添知事は現場を見た上で判断しましたということです。
私たち都議会議員も、この間、都民の皆さんからもさまざまな批判的な声をいただきます。なぜ都議会が現場を見てそれを見抜けなかったのか、都議会として怠慢なんじゃないかと、お叱りをいただくことも多くございます。そうした中で、都議会民進党としてはこれまで、昨年、前知事が視察した際に、豊洲市場を引き続き視察したいということを申し入れてまいりました。ところが、実現したのは、この地下空間の話も含めた問題が大きくなってから視察を受け入れてくれたわけですね。それまで視察を受け入れてもらえなかったというような現実があります。
これは、なぜ視察を受け入れていただけなかったのか、お伺いいたします。
○井上新市場整備調整担当部長 工事中の視察については、工事エリア内の工事関係者以外が立ち入ることによる安全面の確保の点と、視察のために工事作業を中断させて工程に影響を与えないように、原則、ご遠慮をいただいております。
○西沢委員 安全面というところもあると思いますし、工事に影響があるというところはあると思いますが、では、その判断は正しかったのでしょうか。
私たちが視察したから、これだけ問題が--防ぐことができたのかどうかというのはわかりませんけれども、少なくとも、二元代表制の中で、都議会で現場を見てから議決に参加するというのは当たり前だと思います、私は。工事に影響があるからとか、安全面、安全性があるからというところで、視察が、現場が見られないのであれば、その現場も見ずして議決に参加しろというのは、私はおかしいんだと思います。
視察の受け入れを、その理由で受け入れなかったことは今はどう思われているのでしょうか、お伺いいたします。
○井上新市場整備調整担当部長 委員おっしゃるとおり、今となってからというわけではありませんけれども、やはり市場の果たす役割とか重要性について、議会の皆さん、それから都民の皆さんにPRしていくためには、できるだけ、可能な限りですけれども、受け入れることも必要かと、そういうふうに感じます。
○西沢委員 ありがとうございます。一般論として、おっしゃるように、個人情報とかもあるかもしれませんし、安全性や工事の進捗に致命的な影響が出るということであれば、それを押しのけて視察をするというのはなかなか難しいところもあると思います。
ですから、これは一般論として、何でもかんでも視察を受け入れなければいけないというようなことをいうつもりはありませんが、少なくともこの豊洲の問題については、これだけ問題が大きくなっています。きょう、私の前に質問された委員の先生方も含めて、現場を見てやはり問題意識を持たれて、この地下水管理システムについても現場でこういう話があったんだというようなことで、みんなで今、何とかこの信頼回復をやっていこうというような、こうした議論ができるわけですよね。
ですから、これは、メディアの皆さんも含めて、マスコミの方々も含めて、私は積極的に公開をしていくべきだと思いますし、少なくともこの豊洲問題については積極的な公開や視察を受け入れるということを市場長にぜひお約束していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○村松中央卸売市場長 豊洲市場のさまざまな機能だとか、いろいろな課題もこれありで、そういったものを正確に多くの方に理解していただくというためには、積極的な情報の公開だとか、施設の視察も含めて対応が必要と考えております。
また、その中で、いろいろ事務的な、先ほど安全性の確保だとかいろいろありましたが、そういったことを調整して、可能な限り多くの方に現場をごらんいただければと思っておりますので、今後そういったことで取り組んでいきたいと思っております。
○西沢委員 可能な限りということで、ぜひお応えをいただきたいというように思います。
次に、この豊洲市場に対する国庫支出金についてお伺いをいたします。
平成二十七年度も建設が続けられていた豊洲市場整備に関して、豊洲市場の土壌汚染対策工事及び建設工事に対する企業債収入や国庫交付金収入が計上されてきていますが、国の支援理由についてお伺いをいたします。
○長嶺財政調整担当部長 豊洲市場整備に当たり交付を受けている国庫交付金は、食品流通の合理化を目的として卸売市場の施設整備を支援するものです。
安全で効率的な市場流通システムの確立のため、中央卸売市場整備計画に即して整備する低温卸売り場等が交付対象となっております。
○西沢委員 豊洲市場の開場延期によって--国への報告の義務はありませんが、交付金の交付は、食品流通の合理化を成果目標としているものであります。豊洲市場の施設が完成してから三年後に評価報告を行わなければなりません。長期間、開場が延期されるということになれば、指導の可能性ということも出てくるというように聞いております。
この開場延期が短くなると問題は大きくならないのかもしれませんけれども、現時点では、当然ですけれども、その見通しが立っているわけではありません。この辺の見解をお伺いいたします。
○長嶺財政調整担当部長 国庫交付金の成果目標の目標年度は事業完了年度から三年以内とされており、豊洲市場整備に関しては、目標年度の翌年度である平成三十一年度に、達成状況についてみずから評価を行い、国へ評価報告することとなっております。
豊洲市場への移転延期に伴い、今後、成果目標の取り扱い等について調整の必要が生じた場合は、適宜、国と協議してまいります。
○西沢委員 私がいいたいのは、国に対して報告をするわけですけれども、移転ができなかった--つまり、お金が交付されて建物をつくったけれども、そこから三年以内ということですけれども、ただ、移転の延期があった場合は、適宜、国と協議するというようなご答弁がありました。この移転をどうするかというような話において、国からのそういった圧力であったり、協議についてを理由とはしないでいただきたいということなんです。あくまでも、これは安全性というものが第一でありますから、国にいわれているからどうこうしますというような議論にはならないということを指摘しておきたいと思います。当然、国からお金をもらっていますけれども、だから都民の安全が脅かされるということにはならないんだということを指摘しておきたいというように思います。
続いて、この財政といいますか、建設費についてお伺いをしていきたいというように思いますが、平成二十七年度市場会計決算では、先ほどもちょっと議論がありましたが、予算上、見積もっていた建設改良事業二千四百七十二億円余りのうち、豊洲市場にかかわる千三百二十六億円余を繰り越し、千四十六億円の執行となっているわけであります。
その内容と、執行した豊洲市場関連の予算について確認したいと思います。
○長嶺財政調整担当部長 建設改良事業の繰越額の主な内容は、豊洲市場建設工事、地下水管理施設整備工事関連等であり、工事の調整に日時を要したため、必要な予算を繰り越したものでございます。
また、建設改良事業の執行額の主な内訳は、豊洲市場の水産仲卸売り場棟ほか建設工事に約三百三十六億四千百万円、水産卸売り場棟ほか建設工事に約二百六億九千八百万円などであり、豊洲市場整備に関する執行額の合計は約一千十一億三千三百万円となっております。
○西沢委員 水産仲卸棟ほか建設工事費に三百三十六億四千百万円、水産卸棟ほか建設工事費に二百六億九千八百万円の執行であるという答弁でございましたが、これらは、いずれも建物の下に盛り土がない状態で、かつモニタリング空間、地下空間を設けることを前提とした建設工事であると理解をしていいのでしょうか、お伺いをいたします。
○佐藤施設整備担当部長 委員お話しのとおり、水産仲卸売り場棟及び水産卸売り場棟、また加えまして青果棟と加工パッケージ棟につきましては、建設工事において地下に盛り土のないモニタリング空間を設けることとしてございました。
○西沢委員 盛り土をしていますと今までいっていたのだけれども、その決算上は盛り土をしていないというようなことを、改めて二十七年度決算でも確認させていただきました。
その上で、現在、豊洲市場の事業費については、東京都の市場問題プロジェクトチームでも議論すると聞いております。この間、豊洲市場の建設費は、一・六倍とか一・七倍近くにはね上がったと。これは資料要求でもお願いしていますけれども、建設費は、なぜ九百九十億円から千五百三十二億、二千七百五十二億、二千七百四十七億円へとはね上がったのか、お伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 建設費の増加理由につきましては、設計に際しまして、業界要望に的確に対応し施設計画を充実させたことや、民間整備施設の整備主体の変更による増額分が挙げられます。さらに、平成二十五年度に豊洲市場の建築工事を発注いたしましたが、東日本大震災からの復興などを背景といたします人件費や工事費の急騰により入札不調となったため、予定価格を見直し、再入札を行った経緯がございます。
こういった大きな社会情勢の変化もありまして、現時点での工事の契約総額を反映させますと、結果として建設費が二千七百四十四億円まで増加したものでございます。
○西沢委員 民間整備施設の整備主体というのは、これは加工パッケージ棟のことですよね。であるとか、あと入札の不調ということで、これがふえていったということはわかりますが、その細かい中身について聞いていきたいんですね。
ちょっとこれ聞きますけれども、空調設備とか空調換気設備、衛生設備の額について大幅にふえているのかいないのか、お答えいただければお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 委員お尋ねの件は、先ほども答弁させていただいた件で、建築工事費の件を私の方でご答弁した関係で、例えば機械設備というお尋ねだといたしますれば、設備工事一般につきましても、先ほど申しました建築工事と同様、取り巻く状況は同様でございます。
設計に際しましては、業界要望への対応、民間整備施設の整備主体の変更、また、繰り返しですが、東日本大震災による人件費や工事費の急騰等により建設費が増大したものでございます。
○西沢委員 設備関係についても同じように上がっているということだと思うんですが、これ、全体に占める割合なんですけれども、ここの部分が--要するに、どこの部分がはね上がっているのかということをお伺いしたいんですね。
そうした中で、躯体なのか、それともこの設備の部分についてかというところなんですが、今申し上げたこの設備関連は大幅にふえていないというのか、それとも、同じようにここもはね上がっているのかということをお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 先ほど、三時点で、それぞれの建設費の計画額、また現時点での建設費予定額の契約総額のベースに立った額での比較考量のお尋ねでございました。
建築工事費は、今現在の契約金額ベースで申しますと、主要な四棟ほかの今年度十月現在での建築工事総額につきましては一千八百五十億余円、それから、電気工事につきましては契約ベースで二百七十億余円、それから、機械工事につきましては三百四十八億余円ということで、比率にいたしますれば建築工事費が一番割合を占めますけれども、これ、申しわけないですが、九百九十億並びに千五百三十二億のときの比較考量する数値が私どもの手元にございませんので、現時点での額を今申し述べたようなところで申せば、全体の二千七百億という予定額に占める割合は建築工事が一番多いものの、それなりの物騰分を含んだ電気工事並びに機械工事の高騰もあるということを申し述べさせていただきます。
○西沢委員 今、数字をおっしゃっていただきましたが、基本的に比較の資料がないというようなことでございました。
百歩譲って、この三施設の建築高騰費は理解をしたとしても、管理棟や加工パッケージ棟というのは建築費は高騰となっているのか、お伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 管理施設棟、加工パッケージ棟の建設費についてのお尋ねでございますが、これらにつきましても、具体的な比較考量の、従前従後のもので比較考量することはなかなか難しいところでございますが、実際の契約額、建物の発注に当たりましては、建物用途や具体的な仕様などを踏まえて、その時点で積算を行っておるものでございます。
○西沢委員 比較をする前と後の資料がないけれども、ちゃんとやっていますよというような答弁ですね。この問題は、都政改革本部の話になるのかもしれませんけれども、東京都の市場問題PTで議論をするということになっていますから、その議論を注視したいとは思います。
いずれにしても、この建設費の高騰についてもう少し確認しますが、民間整備主体を、加工パッケージ棟を東京都が整備することにしたということであったり、そもそも比較ができないというようなことであったり、それともう一つ、答弁にあったのが入札の不調ですね。
この入札不調ということについてですけれども、これもこの前の経済・港湾委員会でも議論がありましたが、単価設定がない項目については、改めて設計会社へのヒアリングなどにより把握した実勢価格を踏まえて積算を行うと。設計会社に話を聞いた上でやり直していますよというようなものでした、単価設定のない項目。単価設定のある項目というのは、これは基準があるわけですね。財務局とかが定める基準があって、そのとおり普通にやっていますと。でも、その項目にないものに関しては設計会社に聞いていると。
じゃあ、単価設定のない項目というのは具体的に何なのかということ、積算の結果、見積もりにどのような影響があったのか、お伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 委員お尋ねの単価設定のない項目とは、見積書を採用した項目のことでございます。
具体的なお話をいたしますと、東京都建築工事積算標準単価表などに設定のない品目や該当する規格、寸法がないものでございます。例えば、鉄骨の加工費、建具工事、金属工事、防熱工事などの項目におきまして、設定のない品目が多うございます。
積算におきましては、標準単価とともに、このような製品の見積もり等も用いまして工事費を算定しておるところでございます。
○西沢委員 単価設定のない項目ということですけれども、これ、ちょっとよくわからないんですね。
積算の結果、見積もりに反映させるということですけれども、これはそもそも都庁の方針なのか、他の公共工事の入札と比較してどんな取り扱いとしているのか、それとも、これは中央卸売市場だけの特例なのか、お伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 東京都の積算基準によりますと、積算標準単価表等にない単価につきましては、建設資材定期刊行物あるいは公表価格、カタログ価格の順に確認いたしまして、それでも、いずれにも単価設定のない項目につきましては、見積もりによる価格設定を用いるというふうに定められてございます。これに基づきまして、市場におきましても見積もり価格を用いることがございます。これは何も市場だけの特例ではございません。
○西沢委員 一般的なやり方の一つだということなんですけれども、であれば、最初の見積もりに何でこういう形で入っていないのかというのをお伺いしたいんですね。
単価設定のないここ、入札が不調だったから、これ、もう一回、設計会社にヒアリングをして、そして見積もりをし直したと。で、結果的に高くなったということが問題になっているわけですけれども、であれば、最初からこの見積もりにしておけばいいんじゃないのかと、こう思うんですが、これはなぜそうしないのでしょうか、お伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 先ほどご説明させていただきましたとおり、いわゆる優先順位、役所の単価表に載っておる製品、またカタログで市場に公表されているような製品、それらによらない、例えば規格あるいは寸法のものは見積もりを直接とり、私どもでそれを積算の中に組み込むということが許されてございます。
それで、先ほども、見積もりに関しましては、東日本大震災からの影響というお話も前の答弁でさせていただきましたけれども、それまで少し時間差があって、そういう大きな社会情勢の変化が訪れる手前では低入札傾向等もございました。そういう実績に鑑みて、私どもで見積もりの組み込み方について議論があったと聞いております。同じ項目でも、取り巻く状況、取り巻く項目に係る判断が求められる時期だったというふうに理解しております。
○西沢委員 私は、だから最初に入れておけば別に、入札が不調になって後から建物がどんと上がりましたということではないように思うのですが、今答弁があったように、当時さまざまな事情があって最初には入れなかった、そういうことですね。
それで、この単価設定のない項目について、設計会社へのヒアリングなどによりということで把握した実勢価格を踏まえてと答弁しているわけですが、この設計会社というのはどこでしょうか、お伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 お尋ねの設計会社とは、この時期に実施設計に携わっていただいていた日建設計でございます。
この日建設計のヒアリングにつきましては、建設工事の不調を受けまして、再入札に向けて予定価格を見直すに当たり、資材費や労務費などの動向を把握するために実施したものでございます。
○西沢委員 きょうの資料要求でも出ていますけれども、ヒアリングについては、JVへのヒアリングというのがあるんですね。清水建設、大成建設、それから鹿島建設、ゼネコンへのヒアリングはしているというようなことでしたが、ゼネコンさんの場合は、ここに資料要求に出ていますけれども、都庁の第一庁舎の三十七階のD会議室に来てもらってやっているわけですけれども、日建設計の場合のヒアリングは、これはどういった形、電話とかでしょうか、それとも直接会ってヒアリングしたのでしょうか、お伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 設計会社へのヒアリングについては、結果も含めまして、資料として具体的な内容は残っておりませんが、当時の担当者に確認したところ、設計会社へのヒアリングについては、おおむねの価格の動向を把握した上で、見積もり先である各メーカーにヒアリングを行い、価格の変化の状況等を確認しているというふうに伺っておるところでございます。
○西沢委員 資料はないということですよね。つまり電話で聞いたのかどうかも--これは聞けばわかるような気がするのですけれども、いずれにしても、その日建設計とのやりとりというのは残っていないということでしたね。このゼネコンの方は残っているわけですね。きょうの資料要求でもあります。不調後JVヒアリング結果というのがあるわけですね。
私は、ここで、ちょっと何かおかしいんじゃないのかと思うわけであります。今までの答弁の中では、不調による再入札のときには、設計会社などとか設計会社にヒアリングしてと、私も何度も先ほどから引用していますが、そして、不調だったものをもう一度再入札するに当たって、改めて見積もりをやり直していると。設計会社にヒアリングをしているといっていますが、答弁もそうしているんですが、この設計会社、つまり日建設計ですけれども、この日建設計のヒアリングの結果が資料として残っていなくて、設計会社などの「など」に含まれるゼネコンのヒアリングが資料として残っているというのは不自然じゃないかと思うわけですね。日建設計とのやりとりを、何かあえて隠しているんじゃないかと。
日建設計とヒアリングをした上で、その上で価格がどかんと上がっているわけですよね。その資料は残っていないと。日建設計にヒアリングした結果は残していません、ただし、ゼネコンとのやりとりは残っていますというのはちょっと不自然で、何かこう、日建設計とのやりとりを意図的に隠しているんじゃないかと思うわけです。
じゃあ、この日建設計はどういうふうなことなのかというと、十月二十五日の東京都の市場問題プロジェクトチームの後に、会合後の報道陣の取材に応じて、これ、引用するのは都政新報さんですけれども、コストが当初よりも大幅に増加した点については、守秘義務を理由に回答しないというようなことをおっしゃっているわけですね。日建設計は、守秘義務があるから、コストが高くなったことはいえませんと。東京都は、先ほどから答弁があるように、前と後の資料はない、持ち合わせていません、だから答えられないということですよね。これじゃ、価格が上がった理由がわからないわけですよね。
これ、日建設計の守秘義務というのは東京都に対してですよね。ですから、私は、日建設計に対し、東京都から守秘義務に関係なく回答をすべきというように要請するべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 設計会社へのヒアリングにつきましては、先ほどちょっと言葉が不十分でございましたが、再起工、再発注まで相当時間が迫っていたということから、大きなトレンド、そのおおむねの価格の動向、各製品に関する動向を把握した上で、直接、東京都がその次の策、本来ならば設計会社さんにもお動きいただくようなこともあり得ると思うんですが、見積もり先であります各メーカーさんに東京都の職員が直接ヒアリングを行い、例えば、先ほど申しました規格や寸法が合わないような製品、個々に私どもが採用しようと思って積算に組み込んでおった規格の製品について、例えばサッシュみたいなものをイメージしていただくとありがたいのですが、その価格の最近の変化の状況等を個別に確認したというふうに聞いております。
ゼネコンさんへのヒアリング、今回、資料をお出ししておりますものは、前にもご議論いただきましたが、そこにおいてはちょっと観点が違いまして、不調の直後に、辞退された理由や再発注した場合の入札参加の有無、それから最近の労務確保についてなどをお話しいただいたので、さきに述べました設計会社並びに各メーカーさんにお聞きしたのは、単価設定のないものに係る情報とりでございます。そこはご認識いただければ大変ありがたく存じます。
○西沢委員 ゼネコンさんへのヒアリングと設計会社へのヒアリングは、そもそも目的が違うからというようなことだと思うんですね。
このゼネコンから来てもらった方々ですけれども、確認したいんですけども、この役職者、三社とも管理部長ないし財政課長なのかどうか。対する東京都側でのヒアリングに応じた部署はどういったところなのか、お伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 委員お尋ねのゼネコン三社さんにやりましたヒアリングにつきましては、技術的な観点から資材等の実勢価格の動向等についてもお話を伺いながら、先ほど申しましたような、不調の理由等について主にヒアリングを行ったところで、その内容は箇条書きで項目をあらわしているところでございます。
このヒアリングにつきましては、都庁におきまして工事主管課であります新市場整備部施設整備課が企画、実施したものでありました。
なお、ヒアリングに応じていただいたさきの部署につきましては、三社さんとも、ゼネコン側の了承がいただけなかったために、お役職やお名前についてはお示しすることはできないと考えております。
○西沢委員 ゼネコンさんからのヒアリングは、直接お会いをしてやると。
ちょっと確認しますけれども、ゼネコンさんとのヒアリングは、東京都とゼネコンさんだけなのか、例えば第三者、日建設計さんが間に入ったりしているのでしょうか、お伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 お示しさせていただきました資料で明示はしておらないので申しわけないんですが、ヒアリングにつきましては、不調となった原因の実情把握のために、東京都がゼネコンさんと相対して実施したものでございまして、第三者は一切入ってございません。
○西沢委員 もう最後の質問にしますけれども、今までいろいろやってきましたけれども、最後に、なぜこの三社からヒアリングしたのかということですね。ゼネコンさん三社、このヒアリング先の選定理由というのをお伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 お尋ねの件でございますが、工事主管課として、不調であったことについて何が原因であったかを確認するために、入札に参加されたけれども不調並びに辞退であった結果を受けた、当事者の皆さんにヒアリングを行うことを前提としてございました。
なお、ちなみに、平成二十六年六月に施行いたしました公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる公共工事の品確法でございます。こちらにおきましては、発注者の責務として、入札者または落札者がいなかった場合において、当該入札に係る工事の全部または一部の見積書を徴取することなどにより積算を行い、できる限り速やかに契約締結に至るように努めることという定められた実情がございます。
また、東京都財務局におきましても、不調対策といたしまして、平成二十七年八月以降、見積金額が予定価格を超過したことを理由に入札を辞退する参加者さんには、積算内訳書の提供を任意にお願いして、その実情をつかみ、発注者の責務として再起工を急ぐということが流れとしてございます。
私どもが発注した時期は、低入札の背景がある時期から一転したものですから、こうしたことはそれほど一般的ではなかったかと存じますが、その後の動きといたしましては、このような、発注者が急ぎ公共工事を進めるということを前提とした、入札者、まあ入札できなかった皆さんへの情報提供のご協力を仰いでおったところでございます。
○西沢委員 ちょっとよくわからないんですけれども、最後の質問といいましたけれども、この三社からヒアリングした理由というのが、こう聞くと、一社一入札、一企業体一入札を前提としたヒアリングになっているんじゃないかなと思うんですね。つまり、この五街区にはどこどこ、六にはどこどこ、七にはどこどこみたいなものが前提となっているようなヒアリングになっているんじゃないかというように受け取れるのじゃないかと思うんですね。だから、なぜこの三企業体からヒアリングをしたのか。
これ、別にもいるわけですよね、あるところ。だけれども、ヒアリングをして、なぜ辞退したのですか、どうすればいいのですかというのを聞いて、何もしゃべらない設計会社にもヒアリングをした上で総合的に再入札しているわけですよね。結果としてはどかんとなっているというと、このヒアリングそのものが一街区一入札一企業体というものがセットになっているようになる、だからこう上がった。
つまり官製談合が疑われるということなのですが、そういうふうに受け取れるのですけれども、いま一度説明いただけないでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 この不調になりました入札手続につきましては適切に進め、一般競争入札の結果として、辞退者も含め、一社の入札で不調になってしまったということがございます。
それで、結局、積算をして適正な価格でお入れいただいたけれども不調になったという事由につきまして、たとえ一社じゃなくても、二社、三社おられても、当時、私どもとしては、発注者の責務から、やはり同じようなヒアリングはいたしておったと思います。
それで、先ほど品確法のことをお話し申し上げたのは、それまでそういう発想に立ってはいなかったと推察されるのですけれども、国、それから東京都財務局におきましても、その不調という社会現象が明らかになってくるところで、情報とりをして適切に世の中の実勢価格の動き等を捉えて、公共事業を適切に進めようという動きに変わったということを申し上げたくて申し述べさせていただいた次第でございます。
○西沢委員 当時は、こういう形の再入札のやり方は珍しかったから特異に見えるけれども、今はそうではない、法律もあって、そのとおり一般的になっているよということですよね。でも、やっぱり当時としては、こういうことをやっているというのは、いってみれば珍しいわけですよね。結果としてはどかんと上がっているとなれば、これはやっぱり疑わざるを得ないと私は思ったわけですね。
決算の審議の場ですから、きょうはこれで終わりにしますけれども、いずれにしても、この問題、まだまだ審議が必要なところもありますし、決算審議の場ではやはり明らかにできないところもあります。私たちとしては、特別委員会を設置したわけでありますから、ここできちんと議論をして真相を解明して、安全性に向けた取り組みを進めていく、この信頼の回復に努めていくということを早急にやるべきだというように思っております。
そういった意味で、ぜひ早急に特別委員会を開いて、この問題については審議をしていくということを申し述べて、質問を終わります。
○鈴木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後六時二十一分休憩
午後六時三十四分開議
○鈴木委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○宮瀬委員 民進党都議団の宮瀬英治でございます。
平成二十七年度決算審査におきまして、工事関連費用が計上されております豊洲新市場について私どももお伺いいたします。
まず、冒頭、盛り土がなされていなかったこと、また、都民の食の安心・安全のための取り組みが十分でなかったことを見抜けなかったことがございました。都議会議員の一人としておわびを申し上げます。
さて、私たち民進党都議団は、いわゆる豊洲市場問題におきまして、二会派合同で民進党の特別調査チームを設け、本審査に当たり、引き続き現地調査や報告書、関連資料について調査してまいりました。平成二十七年度決算審査に当たりまして、真相を明らかにするために、局長及び皆様の誠実なご答弁を望むものでございます。
さて、新たな市場長が就任いたしました。そこで、まず市場長にお伺いいたしますが、新たな市場長が新しい体制のもと果たすべき責務とは一体何であるかということをここで確かめておきたいと思います。
○村松中央卸売市場長 食の安全・安心の確保に向けた取り組みを着実に実行し、市場行政を円滑に進めていくことが当局の責務であると認識しております。とりわけ、豊洲市場の問題によりまして生じた市場関係事業者や都民の皆様の不安を早急に払拭することが重要と考えております。
議会の皆様方、市場関係者や都民の皆様方の信頼回復に向け、局一丸となって全力で取り組んでいく所存でございます。
○宮瀬委員 本日は、地下ピット、あと、今回、資料要求させていただきました石原元都知事の回答書、地下通路の件、また、職員の皆様に対して質問したいと思っております。
今回の質疑の最後に、また市場長に同じ質問をさせていただきたいと思っております。それは、今回の質疑を通じて信頼回復につながっていくのか、また、全力で取り組むそのあかしを私も確認したいと思っております。大変失礼な、二回同じ質問が続きますが、最後にまた教えていただきたいと思います。
また、市場長の交代だけではなく、幹部職員及び管理職員も交代いたしました。今回の課題の一つとして、引き継ぎの不十分さ、つまり、前任のことはわからない、担当者がかわってしまって不明であるといった声も多く、問題点として挙げられてまいりました。
このたび人事異動が行われましたが、引き継ぎは、抜け、漏れ、余すことなく十分行われたのか、また、どのような内容が引き継がれたのか、過去のことも十分答えられるのか、お伺いいたします。
○松永管理部長 職員の人事異動に際しましては、担任事務に関する処理経過や課題等に関しまして、後任者に引き継ぎを行うことになっております。短期間での引き継ぎのみでは、なかなか過去の経緯を全て伝えることは困難であるため、必要によっては前任者に確認をすることで対応しております。
そのようなことを通して、私ども、正確な情報に基づく説明責任を果たすという観点から、今回、十分な引き継ぎをしていきたいというふうに考えております。
○宮瀬委員 場合によっては前任者に確認をするということでありますが、組織としてはしっかりとお答えいただくという認識でございます。
では、改めての最初の確認ではございますが、市場長を初め皆様、包み隠すことなく誠実にご答弁をいただきたいと思っておりますが、改めてよろしいでしょうか。
○松永管理部長 私ども職員一同は、信頼回復のために、今、全力で取り組んでいくことが最重要な課題だというふうに認識しております。
そのことを通しまして食の安全・安心の確保に向けた取り組みを着実に実行して、局一丸となって市場行政を円滑に推進していくためにも、先ほど申しましたように、正確な情報に基づく説明責任というのを、この議会あるいは市場関係者、都民の皆様に全うしていくことが責務だというふうに思っております。
○宮瀬委員 ぜひよろしくお願いいたします。
都政の信頼を取り戻すために、また、何よりも都民の食の安全と安心を取り戻すために、皆様は皆様のお立場で、私は都議会議員の立場で、お互い役割や職責を今回全うしていきたいと思っております。
本日、都庁に来る際に、私、家の、公園の横を通るのですけれども、子供が大変楽しそうに遊んでいまして、こういった子供が実際食べるものに対して、やはり問題があるようなものを食べさせてはいけないと、改めて子供の視点からも--子供は、親からこれが安心だよといわれたものは食べるわけでありますから、やっぱりそういった面から見ても、我々大人はしっかりしないといけないと思っております。
では、質疑の方に入りたいと思っております。
工事費関連について、地下ピットについてお伺いいたします。
今回、さまざま質疑を聞いておりまして、地下ピットの議論を聞かせていただきました。
私の方でも新たに気づいた情報を持ってきておりますが、最初は少し基本的な確認をさせていただきたいと思います。
まず、改めて地下ピットの目的とは何でしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 主要施設の地下ピットにつきましては、このような大規模建築物には必須ともいえます設備配管スペースとしての活用や、また、それらの長期的なメンテナンスを行うための空間でございます。
また、このような主要な三棟と加工パッケージ棟におきましては、今まで世に出ておりますような地下水のモニタリングなどの作業にも有用として、当時、設けられたものと考えてございます。
○宮瀬委員 では、それぞれの施設の地下ピットの床加工はどうなっているのか。また、棟や施設ごとに、それぞれ床加工が違うのはなぜなのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 お尋ねの青果棟や水産仲卸売り場棟、水産卸売り場棟、また加工パッケージ棟、これらの地下につきましては、東京都の発注内容につきましては、砕石層の敷きならしということで設置を図面で指示しておるものでございますが、これら実情としましては、その上部に、構造耐力上はその耐力を期待されない、いわゆるならしコンクリートが敷かれてございます。
これらのならしコンクリートにつきましては、工事の際に足場を固めるなど作業性を向上させることを目的に、各街区それぞれの建設事業者がみずからの必要に応じまして、都との協議を経て敷設されたものでございます。その際、それぞれの施工方法や状況に合わせて、作業上必要な箇所にコンクリートを敷きならしたため、ならしコンクリートの敷設範囲については、それぞれの街区で異なってございます。
○宮瀬委員 私も見てまいりましたが、管理施設棟に関しては、防水のコンクリートが張られて水はなかった。また、加工パッケージ棟、青果棟に関しては、床加工はさまざまでありましたが、水がある状態でございました。
先ほど地下水のモニタリングというお話もありましたが、では、当初から水がそこにあるということは、正しいことといいますか、間違ってはいないことなのでしょうか。そもそも、水は何か、水があるのはどうしてでしょうか、お伺いします。
○佐藤施設整備担当部長 お尋ねのこの地下ピットにたまっております水は、去る専門家会議の場において地下水と分析されておるところでございます。
この水が地下ピットにたまっておりますのは、舗装がおおむね完了する前の、この夏の時期に雨がかなり多く降ったことですとか、今申しました外構工事の進展で舗装や植栽工事を進めることを目的に、大きな排水設備を措置したままで継続できないような期間があったことなどでございます。
ただ、決してこのような状況を常態として想定しておったわけではございません。
○宮瀬委員 常態ではないと。常態ではなく、あくまでイレギュラーなことですというご答弁でございました。
先ほど、地下ピットの中の水はことし八月からあるということに気づいたというご答弁、質疑を聞いておりましたので割愛しますが、管理システムが動けば地下ピットの水位も本当に下がるのかというところで、下がるという答弁も聞いておりました。では、たまってしまった水をどうするのかというところは、排水をしていくと聞いております。
では、この質問はなかったとは思うんですけれども、施設全体で、地下ピットに限らずいえることだと思いますが、停電ですとか災害時に電力が喪失したときに、ピットの地下水の排水等、電力がないわけでありますから、どのような対応をしているのか、お伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 豊洲市場におきましては、停電や災害等により電力が喪失した場合を想定いたしまして、非常用発電設備の整備や近接する地域冷暖房施設からの電力供給が可能な施設として整備されております。
電力喪失時においても、非常用発電設備により地下水管理システムは機能を維持できますことから、地下水位の管理や排水機能の確保は可能でございます。また、地下ピットの水位も、それに合わせて低下していくものと考えてございます。
○宮瀬委員 では、災害時は非常用電源を活用すると思っているんですけれども、今、豊洲新市場に整備されている非常用電源は何時間もつのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 非常用発電設備につきましては、基本的に、停電や災害が発生して以降七十二時間を目途として整備してございます。
○宮瀬委員 過去、東日本大震災におきましては、宮城県では約六日間ほど電気が復旧していなかったという実績がございます。七十二時間ですと三日間でございますので、その間、二日から三日間、非常用電源が動かないと切れてしまう期間が、あいてしまう期間がある。その際に、地下水管理システム、また、いろいろな設備がとまってしまうと思いますが、そこについてはどうお考えですか。
○佐藤施設整備担当部長 お尋ねの非常用発電設備につきましては、標準的七十二時間を目途として、軽油ですとかをしつらえておるところでございますが、事実上、非常用発電設備は、軽油でもガスでも稼働できるようにはつくってございます。
したがいまして、ガスが通じておればという前提でございますが、軽油がある程度なくなって、七十二時間を超えて間もなくなくなったといたしましても、中圧ガス等が復旧あるいは稼働しておれば、状況に応じた非常用発電は、しばらくのところは可能かなと思っております。
○宮瀬委員 東京都の発表によれば、インフラの復旧は約五日から六日目以降となっておりますが、ガスも通じていない可能性がありますが、そこはどうお考えですか。
○佐藤施設整備担当部長 なかなか、非常時のしつらえというのは無際限にというわけにはまいりませんが、ただ、ガスも併用して使えるということから、中圧ガスの確保がある程度、耐震には非常に耐力があるということもございますので、状況に応じた判断により、継続的な業務、継続的な対応ができるのではないか、このように考えております。
○宮瀬委員 どうしてここにこんなにこだわっているかといいますと、豊洲新市場は、やはり地下水管理システムが肝になっている。しかも、その管理システムが正常に稼働するか、また、稼働するための電源があるかというところは大きなポイントだと思っております。
災害時に、いわゆる大雨が降っていた際に、当然、地下水の水はたまっていくわけであります。その水位がどんどん上がってしまえば、既に稼働している新市場の、稼働していた場合でございますが、その食品が汚染される可能性があるわけであります。ぜひ、七十二時間ではなく、ガス、インフラが復旧する五日から六日をめどに検討していただきたいと思います。
では、地下ピット自体の安全性について改めてお伺いします。
ピット内の水、大気、それぞれ教えてください。
○村井基盤整備担当部長 五街区及び七街区の地下ピットの空気において、水銀が指針値を上回っていることは認識しております。
空気については、引き続き調査を実施するとともに、原因などについては専門家会議で検証していただいております。
また、ピット内の水質については、今まで、いずれも基準値を下回っております。
○宮瀬委員 では、地下空間の大気中に、地上や施設内の大気から検出される水銀が、環境基準の七倍出たということについて改めて認識を伺うとともに、その対策、また、新たな質問でありますが、地下ピット内に、現在、換気及び排気のシステムはあるのか、あるとしたら、その換気された大気はどこに出ていくのか、お伺いします。
○村井基盤整備担当部長 専門家会議では、検出された水銀の値は非常に微量であり、人体に対し直ちに影響を与えるものではないとコメントされております。
原因については、現在、専門家会議で検証中であり、その結果を踏まえ、適切に対処してまいります。
なお、地下ピット内には換気施設はございません。こういった点につきましても、専門家会議等で検証していただく予定となっております。
○宮瀬委員 では、今回の大気の汚染の話も出ておりますが、建設段階からその危険性を認識していたのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 AP二メーターより以下につきましては、ガス工場の操業に由来する汚染土壌は掘削除去しております。また、汚染地下水は浄化するなど対策を実施しておりました。
○宮瀬委員 ここは大事なポイントなのでありますが、危険性を認識していたのか、いないのかという質問に対して、端的にどうなのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 土壌汚染対策法上は、二メーター以下の土壌汚染対策工事を実施しておりますので、安全という認識をしております。
○宮瀬委員 今のご答弁でありますと、まとめますが、水銀は出ていますけれども、人体に直ちに影響を与えるものではない、また排気や換気システムはない、さらには危険性はないということでよろしいでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 土壌汚染対策工事は、汚染土壌を一旦取り除き、それで、地下水についても浄化しております。直接的には、暴露経路を断てば人体に影響ないような対策は施してございます。しかしながら、盛り土をしなかったことで建屋内に暴露してくる可能性というものは、まだ現在ではございます。
そのため、専門家会議等でそこの安全を検証し、対策を講じれば、安全な対策は施されるものと考えております。
○宮瀬委員 そこで、今回、パネルを持ってまいりました。(パネルを示す)多分、お見えにならないかもしれませんが、まず管理施設棟です。この看板、地下ピットに出入りする際の留意事項でございます。これは管理施設棟でございます。
残り、青果棟と加工パッケージ棟の案内を持ってまいりました。
しかし、これ、私も事務所でこの両留意点を比較しますと、内容が違っております。
管理施設棟に関しては、つまり、今回、水が出ていない。防水のコンクリートで加工がされている床はこちらであります。
では、加工パッケージ棟、青果棟に何が書いてあるか。これは、両方、内容は同じでございます。これは、まず、入る場合には原則二名と書いております。何でこちらは二名と書いてあるのでしょうか。また、こちらの加工パッケージ棟、青果棟に関しましては、地下ピットに入る前に酸素濃度、有害物質濃度等の測定を行う、また、ピット内の安全を確認してから入ること、必要に応じて仮設換気対応を行うことと書いております。さらには、ピット内での作業時には、保安灯、小型拡声機、ポータブルサイレン等を持って入ることと書いてあります。
つまり、地下水がある施設と地下水がない施設で、この表現が違うわけであります。
そこで、確認していきたいのですが、この看板自体、間違いないもので、誰の指示で、いつ、これは地下ピットの前に設置されたのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 現時点では、はっきりしたことはちょっと確認はできておりませんが、三街区とも共通なのは、私も現場を見て理解しております。
恐らく、建設の三街区集まった協議会等で議論をして、私ども東京都の指示のもと、表現を統一したものと推察されます。
○宮瀬委員 では、どうして管理棟の下は同じ表現ではなく、今回、水が出たとされる施設のみ、この看板が設置されているのでしょうか。もう一度お伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 五、六、七街区の本体主要施設と異なり、管理施設棟につきましては、委員のお話のとおり、ドライな機械ピットでございます。また、横に配管設備がございまして、その洞道となっているような場所があるので、その関係上、換気もしつらえてございます。
先ほどご答弁の中で申しましたように、五、六、七街区は換気設備はございませんで、また、地下の中では、通常、立入禁止としておる関係で、気密性の高い扉で仕切られ、鍵をかけて常時塞いでおります。この点は管理施設棟の地下も同じでございますが、通常、立ち入って施設を管理する頻度もかなり違うものと思われます。それで指示を変えておるものと推察いたします。
○宮瀬委員 誰の指示で、いつこれが置かれたのかというところが一つポイントではありますが、なかなか、今、明確なご答弁はできないということで、またそこは機会があるごとに追及していきたいと思いますが、改めてこの内容について一つ一つ確認できればと思うのですが、まず、なぜ二名以上と書いてあるのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 先ほどもご答弁いたしましたとおり、五、六、七街区の主要施設棟は、地下ピットにおいては換気施設がございませんのと、電気のしつらえもございません。ですので、ピット内の安全確保という点で、複数名で連絡がとり合えるような体制、また、酸素濃度もはかって奥の方に立ち入るような指導ですとか、そのようなものが議論されたものと推察します。
これは、申しわけございません。冒頭に申しましたとおり、私どもも、現時点ではそこは確認してございませんので、あくまで推察ということでお話しさせていただきます。
○宮瀬委員 では、質問を変えますが、有害物質濃度等と書いてありますが、有害物質濃度は何の有害物質の濃度でしょうか。
また、ポータブルサイレンというのを、何のために二人入ったときに使うのでしょうか。それぞれお答えください。
○佐藤施設整備担当部長 先ほど来、申しておるように、五、六、七街区と管理施設棟が全く異なるのは、ドライな空間か否かという点でございます。
地下は、一般的に湿度が高いということを考慮し、主要三棟の地下ピットについては、建材ですとかは耐水や耐食性のあるものを使用してございますが、例えば、何か、長い年月で、カビですとか硫黄成分ですとか、そういうものが発生する可能性もございます。
それから、実質的には、先ほど申しました、地下ピットと売り場の境は階段室で気密性の高い扉で仕切られ、鍵がかけられてございます。通常、立入禁止としており、特別な作業点検のタイミング以外での日常的な出入りや中だけでの作業というのはございませんが、複数の人間で目配りをして、かつ、広大な空間でございますので、連絡がとり合えるようにという趣旨で、サイレンですとかの注意喚起を書いているものと推察いたします。
これについては、現時点では推察ばかりで大変恐縮でございますが、確認してご報告させていただきます。
○宮瀬委員 今のご答弁、たくさん聞きたいことがあるんですけれども、まず、先ほどのご答弁の中に、換気システムはないといっていたと思います。それは私も確認いたしました。しかし、この中には仮設換気対応と書いてあります。つまり、この中で換気対応ができる状況があり、その換気対応を行うと、空気はどこに行くのですか。
これは、別に私が用意したものではなく、このボードに沿って、そのまま聞いているわけであります。換気施設と換気対応というのは違うわけでありますか。
○佐藤施設整備担当部長 五、六、七街区の地下ピットについては、先ほど来ご答弁しておるように、常設の換気設備はございません。
作業に際しましては、例えば工事中も、階段室を通じて、また、大きく吸排気が要るような場合は外側からのマシンハッチを利用して、吸気、排気の仮設のダクトを入れて作業しているような場面もございました。
したがいまして、何か大きな工事を行うような場面ですとか奥底での作業が必要な場面では、そのようなダクトによる吸気、排気という、行って来いの管を敷設しなければならないような場合もあるということでの注意喚起だと推察いたします。
○宮瀬委員 やはりこれはものがあるわけでございまして、何を想定してつくっているのかと。しかも、これだけ都民の皆様が地下空間、地下設備がどうなっているのかといった状況の中におきまして、やはり書いてある事実に関しましては推察ではなく--今のご答弁の中でも、私、正直よくわかりませんでした。
結局、仮の排気ダクトを入れて出すと。では、その空気はどこに出しているのでしょうか。今までの事実でありますと、環境基準を上回る水銀が出た大気でありますよね。そういった空間の排気を、仮設であろうが、一応、行っていると。どこに出しているのでしょうか。そこを明確にお答えいただきたいと思います。
○佐藤施設整備担当部長 工事中のダクトに関して申せば、ファンを回して、外と中を通じさせて吸気管、排気管を敷設していたところでございますので、直接外に空気を出しておる状況でございました。
○宮瀬委員 空気を直接外に出すというのは、施設の外に出しているという認識でよろしいですね。--はい。
となりますと、もう一度確認したいんですが、ここに書いてある有害物質濃度というのは、水銀のことではないんですか。それとも何のことなのですか。
先ほどの答弁、もう一度ちゃんと聞きたいのですけれども、何を想定した有害物質濃度なのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 冒頭、ご答弁の中で申しましたとおり、この文章に至るまでのプロセスを私自身が把握してございません状況で……(発言する者あり)まことに申しわけありません。
また、確認の上、ご報告させていただきたいと思っておりますが……(発言する者多し)
○鈴木委員長 ご静粛にお願いします。
○佐藤施設整備担当部長 一般的に、酸欠並びに硫化水素による中毒、このようなものが閉鎖空間においては非常に危険性が高いといわれておりまして、そのようなものを確認しながらの作業を注意喚起しておるというところだと思っております。
○宮瀬委員 では、作業が終わりましたら、この看板は外すのですか。作業中のためのものなのでしょうか。それとも、常時これは置かれているものなのでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 委員も視察におかれてごらんになったとおり、各地下ピットへの出入り口にそれは掲出してあります。固定してあり、それを外せるような仕組みにはなってございません。
前提として、人が立ち入るところではない状況、例えば、何カ月に一回かの点検作業みたいなものでお入りになる方はいますけれども、地下ピットと売り場は気密性の高い扉で仕切られて鍵がかけられており、通常、立入禁止区域となっており、施設管理者の了承を得て入るということになっており、日常的な出入りはございません。あくまでも、作業員として入る例外的な場合での注意喚起を呼びかけておる記述でございます。
なお、現在のピット内の地下水、また大気の対応につきましては、先ほどの答弁にもございましたが、今後、専門家会議において議論をいただき、適切な対応を考えてまいりたいと思っております。
○宮瀬委員 答弁を聞いていても、なかなか私には理解がしづらいのですが、普通にこの看板を見ましたら、この地下空間に関しては、一人で入ったら危ない、また、有害な空気が中に入っている、万が一、その空気を吸って倒れるようなことがないようにサイレンまで用意しているというふうに見るのが普通ではないでしょうか。その点はいかがでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 よく機械室の点検に潜った作業員が、一人だけではなく、二、三人あるいはもっと大勢の方が倒れて中毒になってしまうという事故などもニュースなどでお見受けになるようなこともおありだと思いますが、そういったことがないような事前の注意喚起だと見ていただければと思っております。
繰り返しでございますが、気密性の高い扉で仕切られ、通常は鍵をかけております。通常は立入禁止としており、日常的な出入りがない空間でございますので、それは、作業空間としながらも、常時、人が立ち入る場所ではないよということで管理者確認をするということを、この看板を掲出して呼びかけておるというところでございます。
○宮瀬委員 お話を聞いていますと、何といいますか、あの空間自体は気密性がある扉で仕切られているということを繰り返しおっしゃっていましたが、それを裏返せば、あの地下空間自体は危険性があり、建設段階からこの看板が置かれ、そのリスクを事前に承知していたんじゃないのでしょうか。
普通、この看板を見れば、建設者の方もそうだと思いますが、この地下空間には大変なものが、有害な空気がある、東京都も、そのことの注意喚起のためにこれを置いたという認識でよろしいのでしょうか。
先ほどのご答弁の中では、いわせていただきますと、人体に対して直ちに影響を与えるものではないというご答弁がございました。人体に直ちに影響を与えるものではないのにもかかわらず、この内容は矛盾しておりませんでしょうか。
また、排気のシステムはないと先ほどおっしゃっておりましたが、排気の仕組みはあるわけでございますよね。
さらには、この有害物質濃度という言葉が圧倒的な、何よりも東京都側が認めている証拠になっているのではないでしょうか。
その上で、何度も事前に確認をさせていただきましたが、ご答弁と食い違っているように感じます。その辺はいかがでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 この施設は、開場した後に何十年と使われるものでございまして、管理者が確認しながらといっても、皆様にこの場所のことの内容を認知していただくためでの注意喚起の看板だと私どもは考えております。
それで、例えば六街区の地下ピットなどは、出入り口が、たしか三カ所ぐらいしか階段からおりてくる場所がございませんで、その奥を行きますと、約三万平米に近い地下ピットがございます。ですので、作業計画を出していただき、管理者の了解のもと、時間帯を定めて複数名で作業してくださいと呼びかけるのは、私どもからすれば当然のことと考えますし、先ほども申しました酸欠、それから硫化水素の中毒、これらについては十分に予防して作業をするように呼びかけるのは、これは管理者の責務だと考えてございます。
○宮瀬委員 今のお話ですと、管理施設棟は複数で工事はしないのでしょうか。しますよね。なぜこちらにはなくて、地下水といわれている空間はこの表現になっているのかと。
今のお話ですと、私もちょっとわかりにくかったのですが、矛盾しませんでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 先ほどもご答弁の中で申しましたが、管理施設棟は、地下空間はアスファルト防水によるドライな構造となっており、かつ換気設備と電気がございます。それでも、たしか複数名で入るような呼びかけはしておったかと思いますが、いかんせん、そのような状況の差から、書き込んでいる内容が異なるものと考えております。
○宮瀬委員 このやりとりは非常に矛盾も私は感じてしまいまして、これをやっていると質疑が終わってしまうので、一旦、細かい指摘はまたの機会にしたいと思いますが、私が現場で見た限りにおきましては、先ほど気密性の高い扉と、たくさんお話がありました。しかし、地下におりる際の扉、この施設のところから地下ピットにおりる際の扉が一つ--鍵はもちろんかかるものでございました。しかし、とりわけ気密性が高い扉であるという認識もなく、また、地下ピットに入る際の扉に関しましても、普通の扉であるといったように感じました。
また、地下ピットの扉がありまして、そこと地下空間を結ぶ、いわゆる地下ピットに入る敷居も大変低くて、ひょっとすれば、地下空間の水も階段の方にあふれてしまう、地下ピットに入る階段のところに水があふれ出る危険性もあるのではないかと思いました。
改めてお伺いいたしますが、水銀もそうでありますが、有害物質濃度のある気体が地下ピットから施設内に漏れ出す危険性はないのか、改めてお伺いいたします。
○村井基盤整備担当部長 地下ピット内につきましては、先ほどからご答弁差し上げているように立入禁止となっております。
また、専門家会議の指示のもとに施設の、地下ピットだけでなく、一階においても同時に空気の測定を行っております。その結果は基準値を下回っているという状況になっており、ピット内の地下水が基準以下であることも確認しております。
○宮瀬委員 地下空間、地下ピットに関しては、このあたりにしたいと思っておりますが、これは私の私見であります。私見でありますが、市場に関しましては、いわゆる今回の市場の安全性を問われるときには、水銀が出た際に、人体には直ちに影響があるものではありませんという言葉を専門家会議の名前で伝えながら、一方で、内側では、この空間はやはり危険なものであり、こういった看板を置かなければいけないという対応と受けとめられてもいたし方ないような考えを私は持ってしまいます。
これ以上、質疑をしますと次に行けないので、次に行かせていただきます。
さて、次は、小池知事から石原元都知事への質問書の回答についてお伺いいたします。
本資料は、十月十九日の本委員会におきまして、私、民進党都議団が資料要求したものでございます。十月二十五日にも公開となりましたが、今回も、この資料要求の中に14番で入れていただきましたが、委員会の資料として出していただきました。
本来、本委員会は二十七年度の決算を審議する場所でありますが、二十七年度に建設が行われた地下空間関連の疑惑に関しましては、その解明については、計画、設計が行われた過去に焦点を当てなければなりません。事の重大さ、都民の関心の高さを鑑み、本資料をもとに質疑をさせていただきます。
まず、この中の文章におきまして、幾つか固有名詞、及び配られている資料の五〇ページからになってまいります3の豊洲市場の経営形態についてということで、豊洲市場の事業の採算性をどうお考えだったのか、また、減価償却費、運営費、採算性に関して質問をされております。
その中で、石原元都知事からの回答は、場面、場面で決裁を求められたことはあったのかもしれませんが、特段、知事の判断を求められたことはありませんでしたから、その専門的、実務的内容に鑑み、実務を担当した職員に任せておりましたので、わかりませんという回答が出ております。ここに関しましては、当然、豊洲市場の話でございますので、確認をしていきたいと思います。
まず、今回のこの内容につきまして、事実でしょうか。確認をいたします。
○松永管理部長 本日お配りしました資料14の五五ページには、委員ご指摘のとおり、その専門的、実務的内容に鑑み、実務を担当した職員に任せておりましたというような元知事からの回答がございますが、私ども、元知事の回答内容につきましてお答えする立場にございませんので、ご答弁は控えさせていただきたいと思います。
○宮瀬委員 石原元都知事のコメントから、実務的内容に鑑み、実務を担当した職員とありますが、これは中央卸売市場の皆さんを指していると思ってもよろしいのでしょうか。
○松永管理部長 元知事の回答内容がどのようなものを指しているのかというのが、私どもも、明確ではないというふうに思っていますので、元知事の回答内容につきましては、私どもはお答えする立場にございませんので、申しわけありませんが、ご答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○宮瀬委員 普通の理解力でありましたら、この質問、豊洲市場に関して書かれていることでありまして、その実務的内容に鑑みというのは、当然、豊洲市場の実務に詳しい方であり、実務を担当している職員、都の職員であると書いてあるわけでありますが、それでもお答えできないということでしょうか。
○松永管理部長 元知事のご発言が、実務者の範囲というようなものも含めまして、私どもにはなかなか……。
その発言内容につきましてお答えする立場にはないということでご理解いただきたいと思います。
○宮瀬委員 市場の方で、担当者のところの担当者は誰であり、名前は明かせないにせよ、その担当者、担当をする部署はどこなのかなと、そこまでしっかりと聞こうと思っていたのですが、それぞれどうですか。
○鈴木委員長 宮瀬委員、これは二十七年度決算の審査ですので、それに準じた質疑をよろしくお願いいたします。
○宮瀬委員 はい。
○松永管理部長 当時の都政の状況につきまして政策企画局に確認しましたところ、当時、知事、副知事などが都政の重要事項について幅広く議論する場としての政策会議というものがありました。仮に政策会議だとしても、政策会議は政策形成過程の自由闊達な議論の場であることから、非公開かつ記録をとっていないということですので、内容についても確認することはできないということを承っております。
○宮瀬委員 本日は平成二十七年度の決算でありますが、今回、要求資料の中に豊洲市場に関する質問書及び回答ということで、打診をして委員会の資料として出していただいたつもりであります。冒頭申し上げましたが、二十七年度の決算をするのに当たって、やはり過去を確かめなければ--市場長から冒頭にありましたように、全力を尽くしてやっていくというご答弁もいただいておりました。委員会の資料要求をいたしまして、その資料に基づいて質疑をしたいと。しかし、今のご答弁を聞きますと、答える立場にない、お答えできない、わからないということが続いたと思っております。やはり中央卸売市場としてゼロ回答だといった認識でよろしいのでしょうか。
また、逆に、どういう条件であれば、いつになれば、また、今いえることというのは何なのでしょうか。
○松永管理部長 ゼロ回答ということではなくて、元知事の回答内容につきましては元知事の発言が基本になっておりまして、その内容等について、私どもが直接何かを言及したり、あるいはそれに基づいて意見を述べるという立場にはないということでお話をしているわけでございまして、今、委員おっしゃったように、冒頭、市場長からありましたように、私ども正確な情報に基づいて説明責任を果たしていきたいというふうに私自身もお話ししましたので、そういう意味において、この元知事の回答につきましては、私ども言及する立場にはないということでご答弁差し上げました。
○宮瀬委員 すれ違いが続くわけでありますので、今回はこの辺にしたいと思っておりますが、今回の質問への回答に関しましても、石原元都知事自身が、市場においては、現在非公開とされている部分、いわゆるノリ弁的な細工をすることなく全て開示すべきであると、元知事本人がおっしゃっているわけであります。
そこで、全ての資料、とりわけ、さきの経済・港湾委員会におきまして、東京ガスとのやりとりの非公開部分に関しまして、あさの委員の質疑において、ただいま、東京ガスがかかわることもあり、東京ガス側に確認しているとのご答弁がありました。今、公開できる状態でしょうか。
○櫻庭新市場事業推進担当部長 現時点におきましても、情報公開条例の手続に準じまして、まだ先方に意見照会中でございますので、公開はいたしかねます。
○宮瀬委員 そのご答弁、結構続いているわけでありますが、委員会の中におきましては、早い段階で、早急にやっていくという答弁を見ております。
では、経済・港湾委員会後、何回交渉しているのでしょうか。
○鈴木委員長 宮瀬委員、再三お願いいたしますけれども、これは二十七年度決算ですので、特別委員会が設置されておりますので、そちらの関連の質疑はそちらの方でお願いしたい。
○宮瀬委員 わかりました。
○鈴木委員長 お願いいたします。
○宮瀬委員 では、委員長からご指摘もありましたので、またこれは特別委員会の方で、改めて我が会派としても確認をしていきたいと思います。
今回は、私も十分、決算の審査だということは理解した上で質疑をさせていただいたつもりでございます。今回の質問書の回答の中にも固有名詞が結構出ておりまして、そういった固有名詞に関しまして、本当であれば聞きたいところであると思っています。しかし、もともとそこまではこの場ではやってはいけないと思っておりましたので、早急に特別委員会を開くことを重ねて皆様にお願い申し上げます。
では、時間の関係もありますので、最後の項目にしたいと思っております。
今回、盛り土の問題が早い段階で公にされ、そして、改善に結びつかなかったのかということについて伺います。
豊洲新市場の建設をめぐる都議会での議論においては、盛り土があることが大変重要なポイントになっていたと思っております。都議会はもとより、中央卸売市場の幹部の職員の皆様、管理職員の皆様、現場職員の皆様にとりましても、周知の事実であったと認識をしております。
まさにこういった場で質疑をしていれば、盛り土があることがいかに重要かということは認識されていたかと思います。その認識でよろしいでしょうか。
○井上新市場整備調整担当部長 豊洲市場の建物建設地ほか、建物建設地以外とも、APプラス六・五メートルまで盛り土することは専門家会議の提言で示されており、大変重要であると認識しています。
○宮瀬委員 盛り土があるということは重要であるということで認識があったと受け取りました。
平成二十二年の段階から、この問題が発覚する平成二十八年九月十日まで、すなわち計画、設計、建設、完成というプロセスがあるわけでありますけれども、その六年間の間に、大変申しわけありませんでしたが、私たち都議会議員も、また都民もわからなかったわけであります。
ここで市場の皆様に質問させていただきますが、小池知事が新たに知事にならず問題が発覚しなかったとしたら、開場するまで、いや、開場してからもずっと明らかにしなかったつもりでしょうか。
また、明らかにするつもりがあったのであれば、それはいつだったのでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 仮定の話についてはお答えすることはできませんけれども、今回、先般、九月三十日に公表いたしました自己検証報告書、こちらにもありますとおり、地下空間の設置に伴い、盛り土がなくなることにつきまして、明確な形で局として意思決定を行っていなかった、これは事実でございます。また、専門家会議や技術会議、こちらの方に報告をしなかったといったことも事実でございます。
こういった意思決定プロセスの不備あるいはガバナンスの欠如については、我々、それは反省しなければならないというふうに認識をしております。
○宮瀬委員 今お聞きしているのは、その意思決定プロセスをいつ行う予定であったのですかと。知事がかわらなければ、その意思決定プロセスがなく、そのまま進んでいたのでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 最初に申し上げたとおり、仮定の話については、今の段階でお答えすることはできません。
○宮瀬委員 ここは、もう議論をしても同じ答弁でしかないという認識を今持ちましたので、次に進んでいきたいと思います。
では、どうして六年近くも世に公表されることなく、途中で修正、改善が図られなかったのか、改めて所見をお伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 先般公表いたしました自己検証報告書におきましては、盛り土を行わず、地下空間を設置することにつきましては、法の義務を超える二重三重の対策を講じてきたことや、建物下と地下空間との間の一階部分のコンクリートの厚さを確認していたことなどから、十分安全性が保たれるという認識があったとされております。こういった認識のもと、対応がなされなかったのではないかというふうに思われます。
○宮瀬委員 二重三重の対応をしていたからという数々のご答弁がありましたが、では、ちょっと角度を変えまして、豊洲新市場におきまして、今回の業務がいろいろあると思いますけれども、幹部職員、管理職員、現場職員はそれぞれ何人がかかわっている事業なのでしょうか。
○井上新市場整備調整担当部長 豊洲新市場整備事業の担当部署は新市場整備部でございます。事業は、関係部署と連携を図りながら推進しております。
本年四月一日現在における新市場整備部の職員は、管理職十五名、一般職員七十名の計八十五名でございます。
○宮瀬委員 一つの部だけではなくて、やはりこのような場でいろんな部署の方がいらっしゃっているわけでありますので、全体で今回のプロジェクトにかかわっていた方というのはどれぐらいかという意図だったのでありますが、いかがでしょうか。
○井上新市場整備調整担当部長 申しわけありません。質問の意味を取り違えておりまして、今現在、手元にその資料がございませんので、後ほどお知らせいたします。
○宮瀬委員 では、よろしくお願いいたします。
ここで確認したかったのは、今回の豊洲新市場につきましては、大変多くの、工事関係者の外部の方もそうでありますし、もちろん皆さんの中でもいろんな多くの方々、土木の方、建築の方、さまざまかかわっていたと思っております。そこで、冒頭に聞きました盛り土があるということがいかに重要かというのは、皆さん認識をお持ちであったと。関係者の方は、人数八十五名というお話もありましたが、切り方によっては、さまざまなレンジで本当にたくさんの人がいらっしゃるということであります。
では、幹部職員及び管理職員は、盛り土がないことをいつ知ったのでしょうか。また、それはどのように知ったのでしょうか。
また、現場職員も、見てみたいといえば、実際に地下ピットの案内をしてくれて地下ピットに誘導してくれる。すなわち、地下ピットの空間、もしくはそういったその空間があるということは、現場職員の方も知っていたのではないかなと。知っているから案内していただいているわけでありますので、盛り土がないということをいつ知り、どのように知ったのでしょうか、お伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 自己検証報告書の中では、歴代の市場長のうち、平成二十四年七月から平成二十六年七月まで在籍をしておりました塚本元市場長のみが、地下空間の存在と盛り土が行われていないことについては認識をしております。
また、歴代の建築担当部長につきましては、平成二十五年二月の実施設計完了以降につきましては、建物下には盛り土がなく、地下空間となっていることは認識をしております。
しかしながら、歴代の土木担当部長につきましては、そのような認識はなかったということで、議会答弁におきましても事実と異なる答弁を行っていたという認識はなかったというふうに確認をしているところでございます。
あと、現場職員のお話が出ましたけれども、自己検証報告書の中ではそこまでは検証していないため、不明という形になっております。
○宮瀬委員 不明ということでありますが、やはりそこの設計、建設、そして、さまざまなところでかかわった現場の方もたくさんいらっしゃると思っておりますので、そこは間違いなく存じ上げていたのではないかなと思っております。
また、管理職員の方々や現場の職員の方々は、盛り土が実際されていないということを公表しないといったことに疑問を持った方というのは、実際いなかったのでしょうか。幹部職員と同様、管理職員及び現場職員、本当に多くの人がかかわっている事業でありまして、その全てが、もうこれは二重三重の、また報告済み事項だという認識で議会で承認も受けていた、つまり問題なしと捉えていたのでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 個々の職員の内面までは、我々ちょっと知る由もないところはあるんですけれども、先ほど答弁をさせていただいたとおり、盛り土を行わずに地下空間を設けるということにつきましては、非常に安全性が高いというふうに認識を持っている方が多いということもございましたので、そういう認識のもと、もう盛り土がないことについて対応する必要がなかったというふうに行動していたのかなと思われます。
ただ、しかしながら、盛り土をしないということについて、さっきも申し上げましたけれども、局として明確な意思決定を行っていない、また、専門家会議、技術会議に報告をしなかった、これはやっぱり落ち度があるということでございますので、そういったことにつきましては、しっかりと反省をして今後対応していかなければいけないというふうに認識をしております。
○宮瀬委員 やはり盛り土がないということは知っていた方もいて、それがなぜこういった場で公開、公表されていないのかというところが一つポイントだと私は思っております。普通に考えて、今回の質疑の頭のところで、盛り土があることは大変重要なポイントであると、その認識を聞きまして、重要であるというご答弁をいただいていました。その観点からすると、全ての理事者である職員の皆さんや関係者の皆さんが盛り土がないことが公表されていないことに疑問を生じなかったということは、なかなか考えづらいのが自然ではないでしょうか。とりわけ、こういった場での同席、出席している管理職の方々は、都議会の委員会でのやりとりを聞いていたはずであります。
そこで、質問になりますが、外部公益通報制度、このたび新しい知事のもとで制定される予定のものでありますが、それが制定される前の公益通報制度というものがあったと聞き及んでおります。制度の話でありますので、改めて、どのようなもので、実際にその制度はどこに通報されるのでしょうか、お伺いいたします。
○松永管理部長 先ほど宮瀬委員の方から、この豊洲新市場のプロジェクトはどのぐらいの規模かということでお尋ねがあって、必ずしも十分なお答えじゃなかったので、まず補足させていただきたいと思いますが、私ども中央卸売市場、新市場整備部を含めまして、平成二十八年四月一日現在、六百二十四名の職員が在籍しております。そのうち管理職が三十六名、その他一般職員が五百八十八名、こういう体制の中で豊洲新市場関連のプロジェクトに携わっているというふうにご理解いただければと思います。
今お尋ねの件でございますが、公益通報とは、公益通報者保護法に基づきまして、職務遂行上の法令違反を通報する制度であり、都においては、公益通報の処理に関する要綱に基づき、平成十八年度から運用を開始しております。
公益通報窓口としては、所属長である上司、各局各部の庶務担当課、総務局行政監察室、一般財団法人東京都人材支援事業団の管理部相談課のほか、局の窓口といたしまして人事主管課、全庁窓口といたしまして総務局人事部人事課がございます。
これらの公益通報窓口は、職員からの通報を受理した後、遅滞なく被通報者及びその他関係者から事情聴取、その他の必要かつ相当と認められる方法で調査を実施いたしまして、通報対象事象がある場合には、速やかに是正措置、再発防止措置を講ずることとなっております。
○宮瀬委員 答弁ありがとうございます。
端的に申し上げますと、御局内での中央卸売市場の方々への通報窓口と、東京都、都庁全体の総務局の二ラインという受けとめ方をいたしました。
では、今回の豊洲新市場をめぐる建設、盛り土を含めていろんなことがありましたが、それが発覚する前に、実際にその公益通報制度を使って通報はあったのでしょうか。
○松永管理部長 都においては、公益通報の処理に関する要綱に基づき、先ほど申しましたように十八年度から運用を開始しておりますが、同制度による私ども局窓口への通報実績はございません。
また、他の窓口からの通報実績もございません。
○宮瀬委員 通報実績はゼロだったということであります。となりますと、今回そのものを、皆さんが、六百二十四名の方々が今回は問題ないと実際には思っていたか、もしくはこの通報制度に相談をなかなかできない環境であったか、どちらかなのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○鈴木委員長 宮瀬委員、それも局が違う質疑になりますので、お気をつけいただければと思います。
○宮瀬委員 はい。
○鈴木委員長 市場の方で、今のことについて答弁することはありますか。
○松永管理部長 職員の方から通報がなかった、また、他局からもなかったということで、前段の局窓口へということが、通常であれば私ども所属職員の通報窓口だというふうに理解をしたときに、通報しなかったことが、個人個人の事情なのか、それとも制度的なものなのかというのは、私どもには把握できておりません。
○宮瀬委員 では、改めてちょっとお伺いいたしますが、本件が露見されるのは九月十日であります。その以前、六年間という月日がありまして、どこまでの職責の人が知り得る立場にあったのか、また実際に知っていたのか。また、現場そのものを知っている現場の職員の方々は、誰にどこまでその情報を上げていたのか。また、この重大な情報が公表されていないことに疑問を持つ職員がいたのでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 この盛り土の問題について、どこまでの人が知っていたのかということですけれども、自己検証報告書、先ほども申し上げましたけれども、市場長であれば塚本元市場長は知っていたと。あと、建築部門でいえば、実施設計完了後については知り得る立場にあったということになるかと思います。
ただ、しかしながら、そういった中で、ヒアリングの中では、モニタリング空間というのは存在は知っていたけれども、それが地下にあるとは思わなかったといったような証言をしている者もありますので、具体的にどこまでの人が知っていたのかということは、今の段階では非常に困難であるということでございます。
○宮瀬委員 正直なご回答ありがとうございます。
やはり仕事現場でもありますので、地下空間の存在を知っていた現場の職員や管理職員の方は当然いらっしゃったと思います。皆様でありましたら、公表されないことがおかしいと思う職員の方、勘違いをせず、これはいうべきだと思った良識のある職員の方も私はきっといたと信じております。しかし、それが、制度なのか、人間関係なのか、上司との兼ね合いなのか、それとも部下との兼ね合いなのか、どこかでとまってしまったというのは間違いないと私は思っております。
私は、今の答弁を受けて、実は再質問をしようと考えておりました。それは、同じ問いを--皆さんの良心、そして、都庁マンとしてのプライドを皆さんお持ちの方だと思っております。その中で、今回の件を実は知っていていえなかった、もしくはおかしいと思っていた、そういったことをしゃべれる方がこの中にいればと聞こうと思いましたが、そういったことではなく、外部公益通報制度もできましたけれども、そういった制度に頼らず、まずは皆さんの中で風通しのよい組織、そして、これは問題ではないかと思ったときに気兼ねなく上司に相談ができ、また、共有が行われ、すぐさまこれは議会にかけなければいけないという風土づくりがやはり必要だと思いました。今回、その皆さんの良心と、そして、生意気ではありますが、皆様の都庁マンとしてのプライドをぜひ取り戻していただく仕事をしたいと思っております。
最後になりますが、外部公益通報制度、私どもが提案してきたものでありますが、これに頼ってはいけないということで、皆さん自身でまずは変えていただき、また、この制度も使うことなく、今後、今回の一連の疑惑に対しまして皆さんが真摯に真相の解明をしていただきたいと思っております。
今回の質疑の冒頭に、市場長の方から決意を聞いてまいりました。私自身は、今回の質疑を通じまして、なかなかご答弁がいただけなかったり、実際にかみ合わない質疑も正直たくさんあったと思っております。本当に大事な知りたい内容というのは、なかなか私にとっては明らかにならなかった質疑になってしまったことは大変残念でしようがありません。
新市場長が冒頭に、信頼回復に向け、局一丸となって全力で取り組んでいくと決意を新たにされましたが、この一時間半の質疑を経まして、改めて同じ質問を新市場長にしたいと思います。
○村松中央卸売市場長 議会の皆様方、市場関係者や都民の皆様方から信頼される組織であるよう、全力を尽くしていくことが何よりも重要と考えております。
食の安全・安心の確保に向けた取り組みを着実に実行し、局一丸となって市場行政を円滑に進めていくため、事務や技術の職種間、並びに各部各課及び担当者間において情報や課題を共有し、職員一人一人の力を結集していくことが課せられた責務と認識しております。
○宮瀬委員 九十分近く議論をしてきてなかなか、冒頭の答弁と同じ答弁、当たり前なのでありますが、私は一期生の都議会議員として、皆様とこうやって議論をやってきたつもりでございます。また、拙かったかもしれませんが、自分の言葉で極力お伝えしたつもりでございます。私よりも経験豊富な皆様でありますので、残念ではありましたが、ぜひ今後とも、豊洲市場、一緒になって私たちも解決していくのが仕事だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。
○清水委員 都議会自民党の清水孝治でございます。
二回りでございますし、冒頭、同僚の島崎義司委員の方から、そして皆様の方から、いわゆる豊洲市場問題につきましては詳細なやりとりがあったわけでございますし、東京都内にはほかにも市場がたくさんあるんだぞ、俺たちのことも聞いてくれよと、そんなような声が聞こえてまいりましたので、恐縮ではございますが、豊洲市場問題以外のことについてお伺いをしたいと思います。
東京都内にいわゆる卸売市場が幾つあるのかと、この機会を得まして調べてみました。東京都が開設者であるいわゆる中央卸売市場が、二十三区を中心といたしまして十一、そして、民間企業が開設者となります地方卸売市場、これは三多摩地域を中心として十二、都合二十三も、いわゆる市場があるということでございます。
この二十三の卸売市場がお互いに相互補完をいたしまして流通ネットワークで結んで、東京都民に新鮮な食料品ですとか、あるいはお花を提供しているというふうなことでございますが、この機能を引き続き十分に果たしていただくためには、それぞれの市場におきまして必要な整備がしっかりと行われていかなければならないということが重要だと思うわけでございますし、本日の質疑を通しまして、他の委員さんも、このことについては異論はないと思うわけでございます。
東京都におきましては、都内の卸売市場の整備につきまして、地方卸売市場を含めました東京都卸売市場整備計画を策定しているわけでございますが、本分科会の審査対象であります平成二十七年度は、平成二十三年度から五カ年の計画期間としております第九次整備計画の最終年度に当たるわけでございます。
この第九次整備計画におきましては、中央卸売市場の整備につきましては、このように書かれているわけでございます。都民の食の安全・安心への期待に応える品質管理の向上、あるいは生産者、実需者の多様なニーズに応える市場機能の強化をするといったような方針が示されているわけでありますし、また一方で、地方卸売市場のことにつきましても同じく機能強化ですとか、あるいは東日本大震災を踏まえました卸売市場の災害対応能力の強化等も取り組むこととなっているわけでございます。
まさにこの施設整備というのが卸売市場にとっては重要であるということがいわれているかと思うわけでございますが、そこでお伺いしたいと思いますが、中央、地方それぞれ聞きたいと思うんですが、まずは、この第九次整備計画に基づきます中央卸売市場の施設整備につきまして、当該年度でございます平成二十七年度では、具体的にどのような取り組みがなされ、どのような実績があったのかお示しをいただければと思います。
○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都では、第九次東京都卸売市場整備計画に基づき、平成二十七年度には、大田市場において、老朽化対策に加え、加工パッケージにも対応できるよう、荷さばき場の建てかえに向けた実施設計を行いました。
また、食肉市場及び大田市場において、震災などの災害発生時に応急復旧業務等に必要な電源を確保するための非常用発電機を設置しました。これにより、非常用発電機につきましては、築地市場を除いた十市場全てにおいて設置が完了いたしました。
加えまして、市場機能の維持を図る取り組みといたしまして、板橋市場におけるエレベーター改修工事を実施したところございます。
○清水委員 ありがとうございました。
当該年度の取り組みにつきましてお示しをしていただいたわけでございますが、このほかにも、この第九次の計画期間内、五年間の取り組みといたしまして、北足立市場などにおける品質管理の高度化に向けた、これまた施設整備ですとか、淀橋市場におきますリニューアル事業などを実施したとのことであります。
したがって、既存の十一の中央卸売市場におきます施設整備は、総じて着実に行われてきたのかなと評価するものでございますし、ここで答申が出されましたが、これからも、新たな整備方針、これは第十次となるわけでございますが、その方針にのっとって着実な整備をぜひともしていただきたい、このように思うわけでございます。
続きまして、主に多摩地域で生鮮食料品等の流通を担う地方卸売市場と呼ばれるものにつきましてお伺いしたいと思います。
この多摩地域の卸売市場につきましては、かつては中央卸売市場をつくってくださいという、開設を求める動きがあったそうではございますが、関係法令の整備によりまして、その機能は地方卸売市場に委ねられたというふうな、そういった経過があるそうでございます。
この第九次整備計画におきましては、地方卸売市場につきましてこのように記されているわけでございますが、この地方卸売市場が都内の生鮮食料品等流通の一端を担っており、食の安全・安心の確保の観点などから、中央卸売市場と同様に品質、衛生管理の充実を図る必要があるというふうにされているわけでございます。
特にこの多摩地域におきましては、前述のとおり、地方卸売市場が生鮮食料品等の流通の中心的な役割を果たしていることを踏まえまして、都は地方卸売市場の施設整備等を支援していくということとしておりまして、私も多摩地域の選出ということで、四百万都民の生鮮食料品等の流通に対しては、大きな関心と、そして期待を持っている者でございます。
そんな中なのですが、実は、数年前、昭島にございます青果の地方卸売市場が廃止となりました。そのときに、地域の八百屋さんなど買い出し人といわれている方々が、これからの仕入れ先についていろいろと悩まれたことも、私は記憶に新しいわけでございます。
そこでお伺いしたいと思いますが、まず初めに、現在の多摩地域の地方卸売市場の近況につきまして、新設、廃止の状況も含めてお伺いしたいと存じます。
○白川事業部長 多摩地域の地方卸売市場は、現在、青果市場が四市場、水産市場が三市場、花き市場が四市場の合計十一市場となっております。
近年の動きについてでございますが、過去五年間の新設、廃止の動きでございます。
平成二十三年度に、東京都小平丸新城西青果地方卸売市場と東京都福生青果地方卸売市場の二つの青果市場が廃止をされました。
また、平成二十五年度にも、青果市場でございます東京都東京青果昭島地方卸売市場が廃止をされたところでございます。
直近では、本年五月に、立川生花地方卸売市場が廃止をされ、第一花き立川地方卸売市場が新設をされたところでございます。
厳しい流通環境の中、多摩地域では、この五年間で三つの青果市場が廃止をされまして、一つの花き市場が入れかわったということになってございます。
○清水委員 ありがとうございました。
多摩地域におけます卸売市場の厳しい状況というのを今ご答弁で示されたわけでございますが、ただいまご答弁でありました、多摩地域に地方卸売市場が十一市場という話でございました。先ほど私、十二と申し上げましたが、あと一つは練馬区にある青果地方卸売市場だそうでございます。合わせて十二だそうでございますので、ご承知おきをいただければと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、この卸売市場を取り巻く社会環境は、少子高齢化の進展など社会構造の変化に伴います消費ニーズの多様化ですとか、あるいは農林水産物の国内生産、流通構造の変化など、年々厳しさを増しておりまして、多摩地域の地方卸売市場にもこのような影響を及ぼしたものだと考えられるわけでございます。
特に青果市場の廃止につきましては、多摩地域の生鮮食料品流通という点におきましては、その影響が大変、大変、気になるところであります。
そこでお伺いしたいと思いますが、多摩地域の地方卸売市場におけます青果物の取扱数量、取扱金額の推移はどうなっているのか、その傾向をお示しいただければと思います。
○白川事業部長 三市場廃止前の平成二十二年度と比較をいたしますと、平成二十二年度の取扱数量は約四十二万四千三百トン、取扱金額は約千六十九億二千七百万円でございました。平成二十七年度につきましては、取扱数量は約三十四万二千五百トン、取扱金額は約八百六十五億七千七百万円となっておりまして、数量、金額とも、おおむね二割減少しているところでございます。
○清水委員 おおむね二割、取扱量が減少したとのことでございますが、やはり三つも地方卸売市場が廃止されたということは、これは影響は少なくないということがよくわかるわけであります。
生鮮食料品等の流通チャンネルは、卸売市場を経由する流通だけではございません。産地と実需者の直接的な取引やインターネットを利用した直販、地域の産地直売所による販売など、まさに多元化をしているわけであります。
しかし、私は、地場産も含めたさまざまな産地のものが取り扱われ、公正公平な取引が確保されている卸売市場が国産青果物においていまだ八割を超える経由率が示すとおり、生鮮食料品流通の担い手の中心であると思っておりまして、今後の多摩地域の生鮮食料品流通にとっては、地方卸売市場の活性化が何よりも重要だと考えているわけであります。
そこでお伺いしたいと思いますが、都は、多摩地域の地方卸売市場に対して助成金を交付していると決算説明資料に記載がございましたが、改めてこの助成金の目的と平成二十七年度の具体的な事業内容についてお伺いしたいと思います。
○白川事業部長 多摩地域の地方卸売市場は、生鮮食料品等を安定的に供給する上で、中央卸売市場と同様に重要な役割を担っているところでございます。
そのため、地方卸売市場の適正かつ健全な運営を確保し、生鮮食料品等、流通の円滑化と消費生活の安定化を図ることを目的に、三つの事業に対して助成をすることといたしております。
第一は、施設整備事業費補助でございます。これは、多摩地域の水産、青果の市場開設者等が市場機能の維持向上を図るために行う整備事業に対し、経費の一部を補助するものでございます。平成二十七年度では、国立、八王子、府中の三地方卸売市場におきまして、照明のLED化、低温倉庫整備等に対しまして約二千四百万円を支出したところでございます。
次に、管理衛生費補助でございます。これは、場内の衛生保持のために、廃棄物の処理経費に要する経費の一部を補助するものでございまして、十地方卸売市場に対しまして約七百六十万円を支出してございます。
さらに、地域貢献事業補助といたしまして、市場の役割や流通の仕組みに対する理解を深め、食育等の普及促進を図るために行う市場見学等の説明員の経費の一部を補助してございまして、三地方卸売市場に対しまして約二十万円を支出しております。
○清水委員 ありがとうございました。
公設、民設の違いはあれど、中央卸売市場と同様の役割を担っております多摩地域の地方卸売市場が今後も卸売市場の役割を全うし、都民の消費生活を支えていくため、都がそのサポートをしていくことが重要だと思うわけでございます。
そこでお伺いしたいと思います。ただいまのご答弁で、それぞれの事業に助成を行っていくとの必要性はわかったわけでございますが、決算説明資料を読んでみますと、前年度の決算額に比べて大幅に当該年度は減少している。その要因と課題についてお示しをいただければと思います。
○白川事業部長 決算額についてのお尋ねでございます。
助成事業の大半を占めます施設整備事業費補助の減少が大きな要因となっております。これは、各市場とも厳しい経営状況の中で、施設の老朽化や顧客要望に応えるコールドチェーンの構築など施設整備の必要性は十分認識しつつも、最大で八割となる整備費用の自己負担分の融通がつかずに整備を進めることができないという実態があると聞いております。
○清水委員 ありがとうございました。
この施設整備につきましては、変化の厳しい流通環境のもと、地方卸売市場の経営実態を踏まえれば、最大限で八割の自己負担は余りにも厳し過ぎるのかなと思うわけでございます。
そこで伺いたいと思いますが、今後の多摩地域の生鮮食料品等の円滑な流通を確保するためにも、地方卸売市場に対する助成金をより使いやすいものに見直す必要があるんじゃないかなと思いますが、ご見解をお伺いしたいと思います。
○白川事業部長 卸売市場を取り巻く流通環境は、中央にしても地方にしても同様に厳しく、特に多摩地域の生鮮食料品流通の中心的役割を果たしている地方卸売市場に対する支援につきましては極めて重要なものであり、状況に応じた見直しの必要性を認識しているところでございます。
そのため、地方卸売市場の市場機能の維持向上が図られるよう、助成事業の見直しに当たりましては、開設者や卸売業者の経営状況、各市場のニーズを踏まえることが必要であると考えておりまして、本年度も地域貢献事業補助における補助単価の見直しを行ったところでございます。
今後も、地方卸売市場がさまざまな課題に的確に対応できるよう、施設整備事業費補助につきましても、支援効果が高められるよう、必要な見直しにつきまして検討を進めてまいります。
○清水委員 ご答弁ありがとうございました。
せっかく都が支援を行うわけでございますので、地方卸売市場の実情と要望を踏まえ、そのニーズに合った助成、そして、助成目的を達成できるような制度にすることが重要であると思いますし、そうでなければ制度の意味が全くないと思うわけでございます。
これ、助成制度でございますので、補助金と違いまして、一定の要件がそろえば漏れなく助成していただけるというふうなことでございますので、じゃ、そのハードルをどこに設定するかがまさに東京都の考えるべきところだと思いますので、施設整備の見直しを含め、ぜひともご検討いただければと思うわけでございます。
本日は、豊洲市場問題に注目あるいは関心が集まる中で、あえて、ほかの市場の必要性ですとか、あるいは今後につきまして質問させてもらいました。
先ほども申し上げましたが、昭島市の青果地方卸売市場が廃止されたとき、買い出し人はもとより、地元の生産者、農家の方は、もっと苦悩をきわめたわけでございます。一生懸命、菜っぱをまるっていても、これを機に宅地化しようかななんていう声も私の耳に入ってくるようなありさまでございまして、つまり、この卸売市場の存廃は、都市農業、農地の存続に多大な影響を及ぼすのじゃないかと思っている次第でございます。
ぜひとも、今後さまざまな検討を進めていただきまして、東京都民の食生活等を支えているこの卸売市場、今後もその役割をしっかりと果たせるような適切な支援の実施をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
以上です。
○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
午後八時二十分散会
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