平成二十七年度公営企業会計決算特別委員会速記録第二号

平成二十八年十月十九日(水曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長藤井  一君
副委員長高倉 良生君
副委員長鈴木 章浩君
副委員長鈴木 隆道君
理事遠藤  守君
理事大場やすのぶ君
理事和泉 武彦君
理事河野ゆりえ君
理事今村 るか君
大門さちえ君
おときた駿君
宮瀬 英治君
西沢けいた君
斉藤やすひろ君
山内れい子君
里吉 ゆみ君
清水 孝治君
木村 基成君
栗山 欽行君
山内  晃君
河野ゆうき君
島崎 義司君
曽根はじめ君
欠席委員 なし
病院経営本部長内藤  淳君
中央卸売市場長村松 明典君
東京都技監都市整備局長兼務邊見 隆士君
港湾局長斎藤 真人君
交通局長山手  斉君
水道局長醍醐 勇司君
下水道局長石原 清次君

本日の会議に付した事件
平成二十七年度東京都公営企業各会計決算の認定について
平成二十七年度決算概要(説明)
・平成二十七年度東京都病院会計決算
・平成二十七年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成二十七年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成二十七年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成二十七年度東京都港湾事業会計決算
・平成二十七年度東京都交通事業会計決算
・平成二十七年度東京都高速電車事業会計決算
・平成二十七年度東京都電気事業会計決算
・平成二十七年度東京都水道事業会計決算
・平成二十七年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成二十七年度東京都下水道事業会計決算

○藤井委員長 ただいまから平成二十七年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 本日から、さきの委員会で決定いただきました実施要領及び審査日程に従いまして、平成二十七年度決算の審査を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、決算審査の参考資料として、平成二十七年度予算の審議等における懸案事項の措置状況調をお手元に配布してあります。後ほどご参照願います。
 本日は、決算審査の第一回目でありますので、平成二十七年度公営企業各会計決算について、所管の長から順次概要説明を聴取いたします。
 なお、局別の説明の聴取と資料要求は、本委員会終了後、それぞれの分科会に分かれて行いますので、ご了承願います。
 それでは、それぞれ所管の長から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○山手交通局長 交通局長の山手斉でございます。
 藤井委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから交通局の所管事業につきましてご理解、ご支援を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
 事業運営に当たりましては、東京の都市活動や都民生活を支える公共交通機関として、お客様から信頼され、支持される都営交通を目指し、安全・安心の確保を最優先に、お客様が求める質の高いサービスの提供と経営基盤の強化に取り組んでまいる所存でございます。
 委員の皆様方におかれましては、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 それでは、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の土岐勝広でございます。本委員会との連絡を担当いたします財務課長の市川雅明でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○醍醐水道局長 水道局長の醍醐勇司でございます。
 委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局の事業につきましてご理解とご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 当局におきましては、水道事業並びに工業用水道事業を所管し、都民の暮らしを守り、都市活動を支える基幹的な都市施設として、全力を挙げて健全な事業運営に取り組んでおります。当局に課せられた使命達成のため、局一丸となって職責を果たしてまいる所存でございます。
 委員長を初め委員の皆様方には、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 本日出席をしております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の黒沼靖でございます。次に、本委員会との連絡に当たります主計課長の芹沢孝明でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○石原下水道局長 下水道局長の石原清次でございます。
 藤井委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから下水道事業につきましてご指導、ご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 下水道局は、二十三区における区部下水道事業と多摩地域の流域下水道事業を所管しておりまして、都民の皆様の生活や都市活動を支える下水道の整備と施設の適切な維持管理に取り組んでいるところでございます。
 今後も、局一丸となって下水道サービスのさらなる向上に努めてまいります。引き続き、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 経理部長の田中宏治でございます。本委員会との連絡を担当いたします会計課長の飯森隆士でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○邊見東京都技監 東京都技監の邊見隆士でございます。都市整備局長並びに土木の技監を兼務してございます。
 藤井委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 市街地再開発事業は、道路、公園等の公共施設並びに住宅などの施設建築物を一体的に整備することにより、良好な生活環境を備えた安全で快適な都市空間を創出する事業でございます。
 とりわけ、当委員会でご審議いただきます都市再開発事業会計で経理を行っております環状第二号線新橋・虎ノ門地区などの市街地再開発事業は、都市再生の一端を担う都施行の事業として、職員一丸となって取り組んでございます。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。
 続きまして、本日出席をしております幹部職員をご紹介させていただきます。
 総務部長の今村保雄でございます。当委員会との連絡などに当たらせていただきます担当部長で総務課長事務取扱の小泉雅裕でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○斎藤港湾局長 港湾局長の斎藤真人でございます。
 藤井委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから港湾局所管の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 東京臨海地域におきましては、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催時に中心的なエリアとなることが予定されております。この地域の特性や潜在力を最大限に生かし、東京全体の活力の牽引役となるよう、総力を挙げて開発を進めてまいります。
 また、東京港は、首都圏四千万人の生活と産業を支え、年間四百万個を超えるコンテナ貨物を扱う日本一の取扱量を記録している港でございます。引き続き、東日本のメーンポートとしての役割を着実に果たすことができるよう、港湾の現場に精通した強みを最大限に生かして、的確に港湾経営を行ってまいります。
 委員の皆様方には、今後も引き続き、ご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の古谷ひろみでございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の野平雄一郎でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○内藤病院経営本部長 病院経営本部長の内藤淳でございます。改めまして、どうぞよろしくお願いいたします。
 私ども病院経営本部は、医療環境の変化に的確に対応し、福祉、保健医療行政とも密接に連携しながら、都民の皆様にとって安全・安心な医療を提供してまいる所存でございます。
 藤井委員長を初め委員の皆様方には、今後とも、なお一層のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、本日出席しております当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
 経営企画部長の矢田部裕文でございます。当委員会との連絡等に当たらせていただきます総務課長の船尾誠でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いします。
   〔理事者挨拶〕

○村松中央卸売市場長 中央卸売市場長の村松明典でございます。
 藤井委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから中央卸売市場所管の事務事業につきまして、ご指導、ご支援を賜りまして、厚く御礼申し上げます。
 まず、豊洲市場用地の土壌汚染対策につきましては、昨年度の当委員会におきましてもご審議いただいておりましたが、当局の説明が事実とは異なっておりましたことにつきまして深くおわび申し上げます。
 今後、議会の皆様方、市場関係者や都民の皆様方からの信頼回復に向け、全力で取り組んでまいります。
 また、首都圏の生鮮食料品等の円滑な流通を確保し、都民生活を支える重要な役割を果たしていくため、引き続き、消費者ニーズに的確に対応した市場運営に取り組んでまいります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 管理部長の松永哲郎でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の高角和道でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○藤井委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○藤井委員長 これより決算の審査を行います。
 平成二十七年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 決算の概要について、順次説明を願います。

○山手交通局長 それでは、交通局が所管しております三会計の平成二十七年度決算のご審議をいただくに当たり、事業及び決算の概要につきましてご説明を申し上げます。
 お手元にお配りしております平成二十七年度東京都交通事業会計、東京都高速電車事業会計、東京都電気事業会計決算の概要の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 初めに、1の事業の概要でございますが、交通局は、地方公営企業法に基づきまして、独立採算制の原則により、三会計で六つの事業を運営しております。
 (1)の交通事業会計では、自動車運送事業を初めとする四事業を経理しております。
 (2)の高速電車事業会計では、都営地下鉄四線を運行する高速電車事業を経理しております。
 (3)の電気事業会計では、多摩川の流水を利用した水力発電を行う電気事業を経理しております。
 平成二十七年度は、東京都交通局経営計画二〇一三の最終年度といたしまして、引き続き、安全・安心の確保を最優先に、質の高いサービスを提供するとともに、東京の発展への貢献や経営基盤の強化に努めました。
 さらに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた取り組みを進めました。
 続いて、二ページをごらんください。2の事業実施状況についてご説明を申し上げます。
 初めに、(1)の自動車運送事業でございますが、安全・安心の確保として、都営バスの全車に導入してございますドライブレコーダーの映像や運転訓練車を活用した事故防止研修等を全ての営業所で実施いたしました。
 次に、質の高いサービスの提供として、全ての路線バスをノンステップバスで運行するとともに、簡易型バス接近表示装置の増設や停留所上屋とベンチの整備を進め、停留所におけるサービスの充実を図りました。
 さらに、バス車内において、次の停留所名をお知らせする次停留所名表示装置を四カ国語に対応した液晶ディスプレーに更新し、情報サービスを強化いたしました。
 次に、東京の発展への貢献として、最新の排出ガス規制に適合した低公害ノンステップバスを導入したほか、バス停留所の標識柱にLED照明を採用するなど、環境負荷の低減に努めました。
 また、燃料電池バスの導入に向け、走行性能を確認調査するための実証実験に協力いたしました。
 (2)の軌道事業でございますが、バリアフリー化と快適性を向上させた新型車両六両と、大規模改修を行った車両二両を導入いたしました。
 また、荒川遊園地前停留場のホームを延長し、円滑な乗降を図るとともに、停留場への固定式ホーム柵の設置を進めるなど、安全性と利便性の向上に取り組みました。
 さらに、沿線四区と連携してスタンプラリーを実施したほか、車内装飾を施した都電「バラ号」を運行するなど、沿線地域の活性化と積極的な乗客誘致の取り組みを行いました。あわせて、軌道敷における緑化検証実験や営業所における燃料電池コージェネレーションシステムの実証実験を開始し、環境に調和した都市づくりに協力いたしました。
 次の三ページをごらんください。
 (3)の新交通事業でございますが、座席を全てロングシートとし車内空間を広くするとともに、バリアフリー化と快適性を向上させた新型車両を一編成増備いたしました。
 また、ダイヤ改正を実施し、増発による輸送力の増強を図るとともに、早起きキャンペーンを展開し、ラッシュ時の混雑緩和に努めました。
 (4)の懸垂電車事業でございますが、上野動物園と連携したサービス向上と乗客誘致の取り組みを行いました。
 (5)の高速電車事業でございますが、安全・安心の確保として、新宿線全駅へのホームドアの整備に向け車両の改修などを行いました。
 また、地下鉄施設の耐震補強や地下鉄構造物の計画的な補修を実施いたしました。
 次に、質の高いサービスの提供として、新宿線に十両編成の新造車両三編成を導入し、既存の八両編成車両と置きかえて輸送力を増強するとともに、大江戸線にも新造車両二編成を導入いたしました。これらの車両は、バリアフリー化と快適性を向上させた、人に優しい車両といたしました。
 また、駅で行っている無料WiFiサービスに加え、浅草線の車内においてもサービスを開始いたしました。
 さらに、東京メトロとのサービス一体化の取り組みとして、改札通過サービスを拡大するなど、利便性の向上を図りました。
 次に、東京の発展への貢献として、LED照明など省エネ機器を導入するとともに、PRポスターの掲示により公共交通機関の利用促進を図るなど、環境負荷の低減に取り組みました。
 また、職員のサービス介助士資格の取得拡大や駅構内への触知案内図の整備を行うなど、福祉施策を推進いたしました。
 さらに、車内液晶モニター、チカッ都ビジョンの運用を開始いたしまして、都政情報などを発信いたしました。
 次に、四ページをごらんください。
 (6)の電気事業でございますが、クリーンエネルギーである水力発電による電気の安定的な供給に努めました。
 続きまして、3の決算の概要についてご説明を申し上げます。
 (1)の交通事業会計でございますが、まず業務量につきましては、自動車運送事業は、百二十九系統、一千四百五十八両の車両をもって営業を行いまして、乗車人員は一日平均五十九万五千人となりました。
 軌道事業は、三ノ輪橋-早稲田間の十二・二キロメートルを運行し、乗車人員は一日平均四万六千人となりました。
 新交通事業は、日暮里-見沼代親水公園間の九・七キロメートルを運行し、乗車人員は一日平均七万六千人となりました。
 また、上野動物園内でモノレールを運行しております懸垂電車事業の乗車人員は一日平均三千人となりました。
 収益的収支につきましては、収入総額四百七十四億三千百万円に対し、支出総額は四百九十二億七千五百万円で、差し引き十八億四千四百万円の純損失となっております。
 次の五ページをごらんください。
 資本的収支につきましては、収入総額六十四億六千九百万円に対し、支出総額は百十四億三千百万円で、工事資金一億六千万円を翌年度へ繰り越しまして、五十一億二千二百万円の差引資金不足となりましたが、この不足額につきましては、損益勘定留保資金などで補填をいたしました。
 (2)の高速電車事業会計についてご説明を申し上げます。
 まず、業務量につきましては、地下鉄四路線の百九キロメートルを車両数一千百四十六両をもって運行いたしまして、乗車人員は一日平均二百六十万人となりました。
 収益的収支につきましては、収入総額一千五百九十五億一千五百万円に対し、支出総額は一千三百三十六億五千八百万円で、差し引き二百五十八億五千七百万円の純利益となっております。
 資本的収支につきましては、収入総額二百五十五億三千五百万円に対し、支出総額は八百七十六億三百万円で、工事資金二十一億七千五百万円を翌年度へ繰り越しまして、六百四十二億四千三百万円の差引資金不足となりましたが、この不足額につきましては、損益勘定留保資金などで補填をいたしました。
 最後に、(3)の電気事業会計でございます。
 業務量につきましては、三つの発電所合計の最大出力は三万六千五百キロワットで、年間の販売電力量は九万六千五百七十メガワット時となりました。
 次の六ページをごらんください。
 収益的収支につきましては、収入総額十五億七千万円に対しまして、支出総額は九億八千三百万円で、差し引き五億八千七百万円の純利益となっております。
 資本的収支につきましては、僅少の収入総額に対し、支出総額八億七千九百万円で、工事資金二千万円を翌年度へ繰り越しまして、九億円の差引資金不足となりましたが、この不足額につきましても、損益勘定留保資金などで補填をいたしました。
 以上、三会計合計では、二百四十五億九千九百万円の純利益となりましたが、引き続き、増収に努めますとともに、経営効率化を図りまして、さらなる経営基盤の強化に努めてまいります。
 今後とも、公営交通としての役割を十分認識し、これまで以上にお客様から信頼され、支持される都営交通を目指しまして、局一丸となりまして取り組んでいく所存でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○醍醐水道局長 平成二十七年度水道事業会計及び工業用水道事業会計の決算をご審議いただくに当たり、両事業の決算の概要についてご説明を申し上げます。
 お手元に配布してございます平成二十七年度東京都水道事業会計及び工業用水道事業会計決算の概要をごらんいただければと存じます。
 一ページをお開き願います。初めに、水道事業会計について申し上げます。
 水道事業の最大の使命は、都民生活や都市活動に欠かすことのできない清浄な水を安定して供給することにあります。
 現在はもとより、五十年、百年先の将来を見据えて持続可能な事業運営を目指し、平成二十七年度は、東京水道経営プラン二〇一三の最終年度として、計画に掲げました主要施策を中心に事業を着実に推進いたしました。
 また、二〇一八年国際水協会世界会議、展示会や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会、さらにその先の将来を見据え、多様な主体と連携し、東京の水道システムを一層進化させ、国内外へ発信するための具体的取り組みを示した東京水道イノベーションプロジェクトを開始いたしました。
 以下、平成二十七年度の事業の実施内容についてご説明申し上げます。
 第一は、安定給水であります。
 まず、安定した水源の確保について申し上げます。
 平常時はもとより渇水の際にも安定した給水を確保できるよう、水源開発の促進に引き続き努めてまいりました。
 民有林購入事業の推進につきましては、多摩川上流域の管理が十分でない民有林を百三十四ヘクタール購入いたしました。
 また、平成三十年代から更新時期を迎える大規模浄水場の更新に向けた代替浄水施設の整備を進めるとともに、事故時や震災時等においてもバックアップ機能を確保するため、導水施設の二重化及び送水管の二重化、ネットワーク化等を推進いたしました。
 恐れ入ります。二ページをお開き願います。第二に震災対策であります。
 まず、防災機能のさらなる強化について申し上げます。
 震災時における水道施設の被害を最小限にとどめ、給水を可能な限り確保するため、水道管路の耐震継手化十カ年事業において、避難所等への供給ルートや被害が大きいと想定される地域を優先的に耐震化するとともに、私道内給水管の耐震強化等を推進いたしました。
 次に、電力確保に向けた取り組みにつきましては、大規模停電時などにおいても安定的な給水を実現するため、浄水場などにおける自家用発電設備の増強、整備や、水運用に必要なデータを送信する配水本管テレメーターのバッテリーを順次設置するなど、電力の自立化に努めました。
 続きまして、応急体制の充実につきましては、消火栓等を活用した応急給水が可能となるよう、区市町に応急給水用資器材を貸与するとともに、区市町と連携し、地域住民による応急給水訓練を支援いたしました。
 また、給水拠点の認知度向上に向けた新たな取り組みとして、応急給水を行う場所を、災害時給水ステーションと総称するとともに、シンボルマークを作成し、さらには、オープンデータ化した位置情報を水道局のホームページ上で公開いたしました。
 第三に、安全でおいしい水であります。
 まず、水質への対応について申し上げます。
 貯水槽内での水の滞留時間が長いなど、特に残留塩素の消費量が多いと推定される貯水槽水道について詳細調査を実施し、設置者に対して適正な管理に向けたアドバイスを行いました。
 次に、直結給水方式への切りかえ促進につきましては、蛇口から直接水を飲むという日本が誇る水道文化を次世代に継承していくため、小中学校水飲栓直結給水化モデル事業を六十二校で実施いたしました。
 また、貯水槽水道から直結給水への切りかえに際し、給水管を現状より太くする必要がある場合に、配水管からメーターまでの増径工事を当局が施行するなど、直結給水方式の一層の普及促進を図りました。
 第四に、広域的事業運営であります。
 まず、多摩地区水道の広域的事業運営について申し上げます。
 広域水道としてのメリットをさらに発揮できるようにするため、多摩地区水道施設の再構築や災害対応力の強化など、多摩水道改革計画二〇一三に掲げた施策を推進いたしました。
 また、平成二十七年度は、奥多摩町の基幹施設として整備を進めてまいりました、ひむら浄水所が完成いたしました。
 次に、国内水道事業者との連携につきましては、発災時における水道事業者間の相互応援体制を強化するため、関東地方の全都県を含む八都県の十八水道事業者が参加する合同防災訓練を初めて実施いたしました。
 三ページをお開き願います。第五に、お客様とのコミュニケーションであります。
 平成二十七年度は、蛇口から直接飲める安全でおいしい水をより身近に実感していくいただくため、お客様が自宅の水道水質を簡易測定する水道水質モニターを実施し、約八割の方から、水道水に対する満足度が向上したとの評価を得られました。
 また、次世代を担う小学生を対象に、学校水道キャラバンを都内小学校の約九割を超える千二百六十九校で実施したほか、乳幼児の親世代を主な対象とした地域水道キャラバンを都内各所で二百十六回実施いたしました。
 さらに、全てのお客様に高品質の水道を実感していただくとともに、ニーズをきめ細かく把握するため、東京水道あんしん診断を開始いたしました。
 第六に、エネルギー、環境対策であります。
 より一層の環境負荷低減に向け、東京都水道局環境五か年計画及び東京水道エネルギー効率化十年プランに基づき、再生可能エネルギーの活用やエネルギーの効率化に向けた取り組みなどを推進いたしました。
 平成二十七年度は、朝霞浄水場、鑓水小山給水所及び国分寺緊急資材置き場に太陽光発電設備を、また、東村山浄水場及び八坂給水所に高効率ポンプ設備を整備いたしました。
 第七に、国際展開であります。
 世界的な水問題への対応など、我が国の技術に対して高まる期待に応えるため、引き続き国際展開に取り組みました。
 平成二十七年度は、東京水道の国際展開を総合的、体系的に取りまとめた東京水道国際展開プログラムを策定いたしました。
 また、二〇一八年国際水協会世界会議、展示会の東京開催に向け、準備、運営のための開催国委員会を設立いたしました。
 さらに、ベトナムのハノイにおきまして、都の監理団体である東京水道サービス株式会社と連携し、技術協力事業を開始いたしました。
 第八に、経営基盤の強化であります。
 監理団体が担う責任が一層大きくなる中、平成二十七年度は、効率的な事業運営と公正性、透明性を確保するための取り組みを引き続き推進いたしました。
 四ページをお開き願います。
 また、平成三十年代以降に集中する大規模浄水場の更新に備え、代替浄水施設の整備に必要な資金を自己財源により確保するため、昨年度に引き続き、利益処分案として大規模浄水場更新積立金への積み立てを五十億円計上させていただいております。
 さらに、経営努力として、職員定数を七十人削減したほか資産の有効活用などによる収入の確保に努めました。
 次に、給水状況について申し上げます。
 給水件数は七百三十九万件で、前年度より十万件増加いたしました。年間総配水量は十五億三千三十万立方メートルとなり、前年度より九百四十六万立方メートル増加いたしました。有収水量でありますが、十四億六千六百四十万立方メートルで、前年度より八百六十一万立方メートル増加いたしました。
 なお、漏水防止対策に取り組んだ結果、漏水率は三・二%でございます。
 次に、財政状況について申し上げます。
 まず、収益的収支におきましては、収入総額三千三百二十六億一千六百万円、支出総額二千九百七十九億四百万円、差し引き三百四十七億一千二百万円の純利益となりました。
 また、資本的収支でございますが、前年度からの繰越額を含めまして、収入総額百五十一億三千万円、支出総額一千七十九億円、翌年度への繰越工事資金二十七億二千六百万円、差し引き九百五十四億九千六百万円の不足となりました。この不足額でございますが、損益勘定留保資金などで補填をいたしました。
 恐れ入ります、五ページをお開き願います。工業用水道事業会計について申し上げます。
 都の工業用水道事業でございますが、地盤沈下防止という所期の目的を十分果たしてまいりましたが、工場の移転、水使用の合理化等により需要の減少が続いている一方、老朽化した施設の更新時期を迎えるなど、厳しい事業環境にございます。
 このため、平成二十七年度におきましても、より一層の経営の効率化と財政の安定化を図ることを基本に事業運営を行いました。
 まず、給水状況について申し上げます。
 年間総配水量は一千四十九万立方メートルとなっており、前年度より二十一万立方メートル減少いたしました。給水件数は五百四十七件で、前年度より七件減少いたしております。
 次に、財政状況について申し上げます。
 まず、収益的収支におきましては、収入総額十五億五千九百万円、支出総額十五億五千九百万円となり、収支均衡となりました。
 また、資本的収支は、収入総額一億八千三百万円、支出総額二億三千三百万円、差し引き五千万円の不足となりました。この不足額は、損益勘定留保資金で補填をいたしました。
 以上、平成二十七年度水道事業会計及び工業用水道事業会計の決算の概要についてご説明申し上げましたが、両事業とも幾多の重要課題を抱えております。都民から両事業を負託された公営企業管理者といたしまして、基幹的ライフラインとしての使命を全うしていくために、課題解決に向け、職員ともども全力を挙げて取り組み、現在及び将来の安定給水の確保に努めてまいります。
 本決算につきまして、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○石原下水道局長 平成二十七年度東京都下水道事業会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要についてご説明を申し上げます。
 お手元にお配りしてございます平成二十七年度東京都下水道事業会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。第1の事業方針でございます。
 平成二十七年度は、経営計画二〇一三の最終年度として、ここに掲げております三つの経営方針のもと、区部下水道事業と流域下水道事業を着実に実施いたしました。
 次に、第2の区部下水道事業についてでございます。
 まず、1の主要施策でございます。
 施設の再構築では、将来にわたって安定的に下水道機能を発揮できるよう、老朽化した施設の更新にあわせて、雨水排除能力の増強や耐震性の向上、温室効果ガスの削減などを効率的に図る再構築を計画的に推進いたしました。
 二ページをお開き願います。
 浸水対策では、都市化の進展による下水道への雨水流入量の増加や局地的な集中豪雨に対応するため、下水道幹線やポンプ所などの基幹施設の整備を進めました。
 また、平成二十六年六月に改定した東京都豪雨対策基本方針などに基づく浸水対策を推進しました。
 震災対策は、次のページにわたっておりますけれども、震災時においても下水道機能を確保するため、また、東日本大震災の経験を踏まえ、高度防災都市づくりに向け、下水道施設の耐震化、耐水化に取り組みました。
 四ページをお開き願います。
 合流式下水道の改善では、雨天時に合流式下水道から河川や海などへ放流される下水の汚濁負荷量を削減するため、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設などの整備を進めました。
 高度処理では、東京湾などに放流される下水処理水の水質をより一層改善するため、準高度処理や新たな高度処理の整備を進めました。
 五ページをごらん願います。
 エネルギー、地球温暖化対策では、下水道事業初のエネルギー基本計画スマートプラン二〇一四に基づき、総エネルギーに占める再生可能エネルギーと省エネルギーの合計の割合を平成三十六年度までに二〇%以上とすることを目指して取り組みを推進しました。
 六ページをお開き願います。2の事業実績でございますが、平成二十七年度の実績を、建設改良事業、維持管理事業に分けてお示しをしております。
 七ページをごらんいただきます。第3の流域下水道事業についてでございます。
 1の主要施策でございますが、老朽化施設の更新では、将来にわたって安定的に下水道機能を発揮できるよう、老朽化施設の更新を推進しました。
 震災対策では、震災時においても必ず確保すべき機能を担う下水道施設の耐震化を進めました。
 水再生センター間の相互融通機能の確保では、震災時などにおけるバックアップ機能の確保と効率的な施設更新や維持管理への活用を目的とする、北多摩二号、浅川水再生センター間の連絡管が完成しました。
 八ページをお開き願います。
 高度処理では、多摩川などに放流される下水処理水の水質をより一層改善するための処理施設の整備を進めました。
 エネルギー、地球温暖化対策では、スマートプラン二〇一四に基づき、再生可能エネルギー活用の拡大と省エネルギーのさらなる推進に向けた取り組みを行いました。
 九ページをごらん願います。
 単独処理区の編入についてでございますが、流域下水道に含まれていない単独処理区の処理場は、敷地が狭隘などの理由で、施設の更新や高度処理化、耐震性の向上などへの対応が困難となっております。
 これらの課題を解決するため、平成二十七年七月から、八王子市の単独処理区の分流区域を前倒しして編入するとともに、平成三十二年度の全量編入に向け、八王子水再生センターで施設の整備を進めました。
 市町村との連携強化では、多摩地域の下水道は、市町村が管理する公共下水道と都の流域下水道が一つのシステムとして機能を発揮するものであり、市町村との連携を一層強化することが重要となっております。
 このため、多摩三十市町村との下水道情報交換会を開催し意見交換するとともに、維持管理業務の効率化に向けて、水質検査の共同実施について、全ての多摩地域の市町村と協定を締結いたしました。
 一〇ページをお開き願います。2の事業実績は、平成二十七年度の実績を、建設改良事業、維持管理事業に分けてお示しをしております。
 一一ページをごらん願います。第4、サービスの向上と経営基盤の強化についてでございます。
 1の危機管理対応の強化でございますが、お客様の安全・安心を支えるため、震災や浸水などの災害への予防対策を計画的に推進するとともに、首都直下地震などの発生時に的確に対応できるよう監理団体等と連携した訓練を実施しました。
 また、お客様の浸水への備えに資する東京アメッシュのシステム再構築が完了し、より精度の高い降雨情報の提供が可能となりました。
 2の東京下水道の応援団を獲得では、お客様に下水道事業を理解していただき、より多くの方々に東京下水道の応援団となっていただけるよう広報活動を展開いたしました。
 一二ページをお開き願います。
 3の東京下水道の国際展開では、監理団体と連携協力し、海外インフラ整備プロジェクトを推進するとともに、個別技術の海外展開などに積極的に取り組みました。
 また、平成三十年に東京で開催する国際水協会世界会議に向け、関係機関とともに開催国委員会を設立しました。
 4の技術開発の推進では、下水道事業が直面するさまざまな技術的課題を解決するため、開発ニーズの発信や開発技術の導入を前提とする共同研究などにより、先駆的、効果的な技術開発に取り組みました。
 一三ページをごらん願います。
 5のあすを見据えた体制づくりでは、日本の下水道技術を牽引し、将来にわたって下水道サービスを安定的に提供していくため、下水道局技術継承検討委員会の組織体制を強化し、技術職員の育成を進めました。
 さらに、下水道技術実習センターにおいては、さまざまな実習などを通じて、知識、技術の習得を推進したほか、活用の範囲を他団体や民間事業者などにも広げてきており、下水道界全体の人材育成に寄与しています。
 6の資産の有効活用では、芝浦水再生センターの雨天時貯留池の上部を民間事業者に貸し付け、事業者が建設、運営を行う品川シーズンテラスが平成二十七年五月に開業し、土地の貸付金収入と所有する上部ビルのオフィスフロアの賃料収入を得ております。
 一四ページをお開き願います。第5の東日本大震災の被災地への支援についてでございます。
 宮城県石巻市に職員を長期派遣し、下水道施設の復旧業務などの被災地支援を行いました。
 第6の経理状況についてご説明を申し上げます。
 1の収益的収支でございますが、表の中ほど、合計欄のとおり、総収益三千七百十四億五百万円、総費用三千三百六十五億二千九百万円でございまして、差し引き三百四十八億七千七百万円の純利益が生じました。
 2の資本的収支でございますが、表の合計欄のとおり、資本的収入一千八百五十億八千三百万円、資本的支出三千七百三十三億一千百万円でございまして、工事資金百四十三億六千八百万円を翌年度へ繰り越しました。この結果、二千二十五億九千六百万円の差引資金不足額が生じましたが、この不足額につきましては、損益勘定留保資金などをもって補填いたしました。
 以上、平成二十七年度東京都下水道事業会計決算の概要につきましてご説明申し上げました。
 今後とも、公営企業として公益性と経済性を最大限に発揮し、経営基盤を強化するとともに、下水道サービスのより一層の向上を目指して、局一丸となって全力で取り組んでまいります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○邊見東京都技監 平成二十七年度東京都都市再開発事業会計決算のご審議をいただくに当たりまして、お手元に配布してございます東京都都市再開発事業会計決算の概要によりご説明をいたします。
 一ページをお開き願います。1、都市整備局事業概要でございます。
 都市整備局は、都市づくり全般や住宅にかかわる政策の立案、道路や鉄道など都市基盤の整備、土地区画整理事業や都市再開発事業などによる市街地の整備、宅地開発や建築物にかかわる指導、都営住宅の建設、管理、米軍基地対策など、幅広い分野にまたがる業務を担ってございます。
 都市整備の計画から事業実施まで幅広い領域を所管する局の特性を生かして、オリンピック・パラリンピックの開催や、少子高齢、人口減少社会の到来など、二〇二〇年並びにその先を中長期的に見据えた都市づくりを展開し、平成二十七年度は、以下の五つの分野における事業を総合的に推進いたしました。
 第一に、都市計画、調査に関すること、第二に、都市基盤整備に関すること、第三に、市街地整備に関すること、第四に、建築行政に関すること、第五に、住宅政策に関することでございます。
 これらの事業の経理を、一般会計、四つの特別会計、一つの公営企業会計に区分しておりまして、本委員会では、このうち公営企業会計である都市再開発事業会計についてご審議をいただきます。
 二ページをお開き願います。
 2、都市再開発事業会計事業概要でございますが、この会計は、北新宿地区、環状第二号線新橋・虎ノ門地区及び大橋地区における市街地再開発事業について、事業収支の一層の明確化を図るためのものでございます。
 地区の事業の概要についてご説明を申し上げます。
 まず、環状第二号線新橋・虎ノ門地区でございます。
 当地区では、立体道路制度を活用し、道路と建物の共存を図りながら、都市計画道路環状第二号線とその周辺を含めた一体的なまちづくりを行い、都市機能の更新や魅力ある複合市街地の形成などを図ることを目的としてございます。
 当事業は、平成十年十二月の都市計画決定及び平成十四年十月の事業計画決定を経て、平成二十八年度の完了を目途に事業を進めているところでございます。
 平成二十七年度の事業実施状況でございますが、環状第二号線の地上部道路整備工事などを行ってございます。
 三ページをお開き願います。既に整備を完了した地区でございます。
 まず、北新宿地区でございます。
 当地区は、都市計画道路放射第六号線とその周辺の低層密集市街地を一体的に整備することにより、新宿副都心地域にふさわしい土地の高度利用と都市機能の更新を図り、生活環境の改善と防災性の向上を図ることを目的として実施いたしました。平成二十六年度末までに工事の全てを完了してございます。
 次に、大橋地区でございます。
 当地区では、首都高速道路中央環状新宿線大橋ジャンクション整備と一体的にまちづくりを進め、合理的かつ健全な土地の高度利用と都市機能の更新を図ることを目的として実施をいたしました。平成二十四年度末までに工事の全てを完了してございます。
 四ページをお開き願います。最後に、3の収支状況についてご説明を申し上げます。
 まず(1)の収益的収支でございますが、収入総額は三千万円、支出総額は十三万円、差し引きは三千万円でございます。
 次に(2)の資本的収支でございますが、収入総額は十六億四千七百万円、支出総額は十四億八千九百万円、翌年度繰越額は八億二千九百万円、これらの差し引きで資金不足額は六億七千百万円となりますが、これは前年度からの繰越工事資金で補填してございます。
 以上、平成二十七年度都市再開発事業会計決算の概要でございます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○斎藤港湾局長 平成二十七年度港湾局関係の決算をご審議いただくに当たりまして、概要をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料の平成二十七年度東京都臨海地域開発事業会計、港湾事業会計決算の概要の一ページをお開きください。
 1、港湾局の事業概要をごらんください。
 当局は、東京港及び島しょにおける港湾、空港等の整備、管理や臨海地域の開発事業等を通じて、物流の円滑化や都市再生、防災機能の充実などを図り、都民生活の向上や産業の発展に努めております。
 これらの事業につきまして、一般会計、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計の三会計に区分して経理を行っております。
 本委員会におきましては、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計の二会計につきましてご審議をお願いするものでございます。
 それでは、2、臨海地域開発事業会計につきましてご説明申し上げます。
 この会計の所管する事業は、埋立地の造成、整備及び開発でございます。
 まず、(1)、東京港の埋め立て事業についてですが、埋め立て事業の計画面積二千七百六十六ヘクタールに対し、平成二十七年度末において二千五百十九ヘクタールを処分し、都市の物流施設の充実、既成市街地の再開発への対応などを図ってまいりました。
 次に、(2)、臨海副都心の開発状況でございますが、現在、就業人口が約五万九千人、居住人口が約一万五千人に達しており、臨海副都心地域は、東京の新しいまちとして定着をしております。
 二ページをお開きください。(3)、決算の概要についてご説明申し上げます。
 まず、〔1〕、土地処分についてでございますが、臨海副都心地域で三件、六・八ヘクタール、その他埋立地で七件、一・七ヘクタールを処分いたしました。
 続きまして、支出のうち、〔2〕、主要事業についてでございますが、広域幹線道路の整備等への開発者負担や大井ふ頭その一、その二間水域埋め立てを実施いたしました。
 これらによりまして、〔3〕、収支状況にありますとおり、収益的収支は、収入総額四百二十八億六千百万円、支出総額五百四億五千五百万円、純損失七十五億九千五百万円となりました。
 一方、資本的収支は、収入総額十六億八千五百万円、支出総額百八十四億七百万円、翌年度の繰越額二十億八千七百万円、差し引き百八十八億九百万円の不足となりました。この不足額は、損益勘定留保資金等を充当いたしました。
 続きまして、三ページをごらんください。3、港湾事業会計についてご説明申し上げます。
 この会計の所管する事業は、荷役機械、上屋、野積み場、貯木場等の運営でございます。
 (1)、東京港の貨物取扱量ですが、平成二十七年取扱総量は八千五百三十三万トン、そのうち外貿貨物は四千六百七十万トンでございました。コンテナの取扱個数については四百十五万個で、十八年連続の日本一となりました。内貿貨物は三千八百六十三万トンでございました。
 次に、(2)、所管する主な港湾施設ですが、荷役機械や上屋、野積み場など、東京港における荷役業務のために必要な施設を整備し、使用に供しております。
 四ページを開きください。(3)、決算の概要についてご説明申し上げます。
 〔1〕主要事業といたしまして、十号地その二フェリーふ頭施設整備を行いました。
 これらにより、〔2〕、収支状況にお示ししておりますとおり、収益的収支は、収入総額四十七億六千九百万円、支出総額三十八億一千八百万円、純利益九億五千百万円となりました。
 一方、資本的収支は、収入総額六千二百万円、支出総額十八億九千七百万円、翌年度繰越額三十億五千二百万円、差し引き四十八億八千七百万円の不足となりました。この不足額は、損益勘定留保資金等を充当いたしました。
 以上、二会計の決算の概要につきましてご説明申し上げました。よろしくご審議賜りますようお願いを申し上げます。

○内藤病院経営本部長 平成二十七年度東京都病院会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要につきましてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます資料、平成二十七年度東京都病院会計決算の概要の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 まず、1、事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 病院経営本部は、都民の生命と健康を守ることを使命としております。そのため、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられました行政的医療、具体的には、小児医療、救急医療、周産期医療、感染症医療などを適正に都民に提供し、他の医療機関等との密接な連携を通じまして、都における良質な医療サービスの確保を図ることを基本的役割としてございます。
 この使命及び役割を果たすため、普通病院六、小児病院一、精神科病院一の合計八病院の運営を行ってございます。
 平成二十七年度につきましては、平成二十五年三月に策定いたしました都立病院改革推進プランに基づき、事業を着実に推進してまいりました。
 次に、2、平成二十七年度の主な事業実施状況につきましてご説明申し上げます。
 まず、(1)、医療の質と患者サービスの向上でございます。
 アの東京ERの機能強化でございますが、重篤な救急患者の治療効果を高めるため、墨東病院におきまして、HCU、すなわちハイケアユニットを整備したほか、救急診療機能の強化を行い、高度救命救急センターの指定を受けたところでございます。
 次に、イ、患者サービスの向上といたしまして、オリンピック・パラリンピックの開催等により、今後増加が見込まれます都内に居住、滞在する外国人の皆様に対し、安全・安心の医療を提供するため、全都立病院におきまして、職員の語学研修を開始いたしました。
 また、患者の療養生活を総合的に支援していくため、全都立病院に患者支援センターを設置いたしました。
 ウの病児、病後児保育の実施につきましては、地域の子育てを支援するため、墨東病院におきまして、病児、病後児保育室の運営を開始いたしました。
 恐れ入りますが、二ページをごらん願いたいと存じます。(2)、都立病院を支える人材の確保と資質の向上でございます。
 アの東京医師アカデミーの運営につきましては、行政的医療を適正に都民に提供していくため、次代を担う若手医師の確保、育成に努めてまいりました。
 また、イの東京看護アカデミーの運営でございますが、看護要員の育成及び定着を図るため、専門看護師及び認定看護師の資格取得支援などを実施いたしました。
 次に、(3)、迅速で的確な危機管理体制の強化でございます。
 まず、アの感染症医療体制の充実強化といたしまして、エボラ出血熱患者の受け入れに備え、駒込病院及び墨東病院におきまして、感染防護具を整備したところでございます。
 さらに、墨東病院における感染症診療機能及び救急診療機能の強化を図るための病棟等改築工事が完了いたしました。
 また、イの災害に備えた体制強化につきましては、基幹災害拠点病院に指定されております広尾病院におきまして、老朽化した衛生設備及び空調設備の更新工事を実施いたしました。
 (4)、経営力の強化でございます。
 新たな施設基準の取得などにより収益の向上を図るとともに、後発医薬品の採用拡大により費用の縮減を図るなど、経営力の強化に努めてまいりました。
 また、未収金の縮減を図るため、引き続き、未収金回収専門員を中心に回収業務を着実に実施したところでございます。
 次に、三ページをごらん願いたいと存じます。3、決算の概要についてご説明申し上げます。
 まず、上段の(1)、診療実績でございますが、入院患者は延べ百四十九万六千九百四十一人、外来患者は延べ百九十三万八千二百八十二人でございまして、一日当たりでは、入院患者は四千九十人、外来患者は六千五百九十三人となってございます。
 次に、経理状況でございます。金額につきましては百万円単位で表示してございます。
 中段の(2)、収益的収支は、病院事業収益が一千五百八十億四百万円、病院事業費用が一千五百七十二億五千八百万円でございまして、差し引き七億四千六百万円の純利益となってございます。
 病院運営の主要指標でございます自己収支比率につきましては七五・六%となっております。
 下段の(3)、資本的収支は、資本的収入が六十七億七千九百万円、資本的支出が百三十八億四千六百万円でございまして、差し引き七十億六千七百万円の不足となりました。この不足額は、損益勘定留保資金等で補填いたしたところでございます。
 以上、平成二十七年度東京都病院会計決算の概要につきましてご説明申し上げました。
 今後とも、都民の生命と健康を守るため、職員一丸となって取り組んでまいる所存でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○村松中央卸売市場長 平成二十七年度東京都中央卸売市場会計決算のご審議をいただくに当たりまして、その概要についてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます平成二十七年度東京都中央卸売市場会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。初めに、1の事業の概要でございますが、中央卸売市場の事務事業を四項目にまとめて記載しております。
 まず、(1)の中央卸売市場の設置及び管理運営でございますが、生鮮食料品等の円滑な供給を確保し、都民の消費生活の安定に資するため、市場の管理運営を行っております。
 (2)の卸売市場整備計画に基づく市場施設の整備でございますが、第九次東京都卸売市場整備計画に基づき、品質管理の高度化や物流の効率化、環境対策の推進などを目指した施設整備を進めております。
 (3)の市場関係業者の業務に係る許可及び指導監督でございますが、市場関係業者に対する業務許可などのほか、市場取引の公正かつ円滑な運営と効率的な市場流通を確保するため、これらの業者に対して必要な指導監督を行っております。
 (4)の地方卸売市場の取引指導及び助成でございますが、都内に設置されております地方卸売市場につきまして、適正かつ健全な運営が確保されるよう、業務に対する指導、助成を実施しております。
 次に、2の平成二十七年度事業実施状況についてご説明申し上げます。
 (1)の市場施設の整備でございますが、老朽化した施設、設備の更新のほか、大田市場において青果冷蔵庫棟エレベーター改修工事を、また、板橋市場において花き棟北側エレベーター改修工事などを実施いたしました。
 (2)の豊洲市場の整備でございますが、水産仲卸売り場棟ほか建設工事その二、水産卸売り場棟ほか建設工事その二などを実施いたしました。
 (3)の食の安全・安心でございますが、牛肉の安全性に対する都民の不安を払拭するため、芝浦と場でと畜した牛に対して、放射性物質検査を引き続き実施いたしました。
 (4)の地方卸売市場に対する助成でございますが、各地方卸売市場の開設者が負担する廃棄物処理や施設整備などに対する助成を実施いたしました。
 恐れ入りますが、二ページをお開き願います。3の決算の概要についてご説明申し上げます。
 (1)の生鮮食料品等取扱高でございます。水産物、青果、食肉及び花きを合計した取扱金額は一兆二千七百十七億二千百万円で、前年度と比較いたしますと三・七%の増加となっております。これは、水産物を除く部類において取扱金額が増加したことによるものでございます。
 続きまして、(2)の収支状況についてご説明申し上げます。
 アの収益的収支でございますが、収入総額は百八十億七千八百万円、支出総額は百七十八億百万円、差し引き二億七千八百万円の純利益となりました。前年度繰越欠損金七十二億五千三百万円に、この純利益及びその他未処分利益剰余金変動額五十一億五千万円を加えた当年度未処理欠損金は十八億二千五百万円となりました。
 次に、イの資本的収支でございますが、収入総額は千百三十四億八千二百万円、支出総額は千百九十一億六千八百万円、翌年度繰越額は千三百二十六億五千二百万円、差引資金不足額が千三百八十三億三千七百万円となり、この不足額につきましては、損益勘定留保資金等をもって補填いたしました。
 以上、平成二十七年度東京都中央卸売市場会計決算の概要についてご説明申し上げました。
 今後も引き続き、生鮮食料品等流通の中核を担う拠点として、中央卸売市場がその機能を果たしていくため、品質管理の高度化や物流の効率化など流通環境の変化に的確に対応し、生鮮食料品等の安定供給を図るとともに、食の安全・安心の一層の確保に向けまして、局一丸となって取り組みを推進してまいります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 この際、各分科会委員長に申し上げます。
 分科会における局別質疑終了後は、速やかに委員長まで審査報告書を提出されますようお願いいたします。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時散会