平成二十六年度公営企業会計決算特別委員会速記録第四号

平成二十七年十一月二十日(金曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長ともとし春久君
副委員長遠藤  守君
副委員長河野ゆりえ君
副委員長崎山 知尚君
理事菅野 弘一君
理事栗林のり子君
理事西沢けいた君
理事尾崎あや子君
理事田中たけし君
小林 健二君
堀  宏道君
小松 久子君
ほっち易隆君
田中 朝子君
上田 令子君
和泉なおみ君
神野 次郎君
高椙 健一君
新井ともはる君
島田 幸成君
高橋 信博君
小宮あんり君
山田 忠昭君

欠席委員 なし

出席説明員
病院経営本部長真田 正義君
中央卸売市場長岸本 良一君
東京都技監都市整備局長兼務安井 順一君
港湾局長武市  敬君
交通局長塩見 清仁君
水道局長醍醐 勇司君
下水道局長石原 清次君

本日の会議に付した事件
平成二十六年度東京都公営企業各会計決算の認定について(意見開陳)
・平成二十六年度東京都病院会計決算
・平成二十六年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成二十六年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成二十六年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成二十六年度東京都港湾事業会計決算
・平成二十六年度東京都交通事業会計決算
・平成二十六年度東京都高速電車事業会計決算
・平成二十六年度東京都電気事業会計決算
・平成二十六年度東京都水道事業会計決算
・平成二十六年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成二十六年度東京都下水道事業会計決算

○ともとし委員長 ただいまから平成二十六年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 これより決算の審査を行います。
 平成二十六年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 本決算につきましては、いずれも質疑を終了いたしております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○菅野委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、平成二十六年度公営企業会計決算について意見の開陳を行います。
 平成二十六年度決算における公営企業全十一会計の損益の状況は、中央卸売市場会計、交通事業会計及び電気事業会計が合計五十四億円の純損失、下水道事業会計など七会計が千五百四十億円の純利益を上げ、工業用水道事業会計が収支均衡となっています。
 純損失となった会計は、前年度の一会計から三会計に増加しましたが、経常収支では九会計が利益を上げ、十一会計全体で二百八十五億円増加しており、経営の改善が進んでいることがうかがわれます。
 公営企業会計においては、独立採算制のもと、経済性を最大限発揮し、さらなる経営の改善と財政の安定化が求められています。特に公営企業は、住民生活に身近な社会資本を整備し、サービスを提供する役割を果たしており、将来にわたり、その本来の目的である公共の福祉を増進していくためには、経営環境の変化に適切に対応し、長期的視点から経営改革を一層進めていく必要があります。
 また、地球温暖化対策の取り組みなど、社会的責任を果たす必要もあり、公共性と効率性を同時に追求しながら、都民サービスの一層の向上に努める必要があります。
 以上の観点から、各会計について意見を申し上げます。
 初めに、病院会計について申し上げます。
 一般会計繰入対象経費の算定方法及び負担区分の一層の明確化に努めるとともに、引き続き経営改善努力を行い、強固な経営基盤の構築に努められたい。
 高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療について、安定的かつ継続的に提供するとともに、救急医療、感染症医療、災害医療について、さらなる充実に努められたい。
 PFIによる病院の運営に当たっては、病院と民間事業者との協働体制を強化するとともに、業務履行状況を適切にチェックする体制を構築するなど、経営の効率化や患者サービスの一層の向上に努められたい。
 東京都長期ビジョン及び都立病院改革推進プランの着実な推進に努め、安全・安心の医療を提供していくために不断の改革に取り組まれたい。
 次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
 豊洲市場については、食の安全・安心に万全を期すとともに、高度な品質管理の実現など、国際的にも最先端の市場としてその機能を果たすよう着実に整備を進め、平成二十八年十一月七日の開場をしっかりと実現されたい。また、市場業者が安心して移転できるよう、その要望にも十分配慮しながら、効果的な支援を行われたい。
 第九次東京都卸売市場整備計画に基づき、着実に施設整備を推進するとともに、第十次東京都卸売市場整備計画の策定を通じ、卸売市場の機能強化や活性化を積極的に推進されたい。
 災害時においても、生鮮食料品等の安定供給を担う重要な社会的インフラとしてその機能が発揮できるよう、災害対応力の強化に努められたい。
 次に、都市再開発事業会計について申し上げます。
 環状第二号線新橋・虎ノ門地区市街地再開発事業については、都市の骨格を形成する環状第二号線とその周辺を含めた一体的なまちづくりを行い、東京の都市再生に向け、魅力ある複合市街地の形成を推進されたい。
 次に、臨海地域開発事業会計について申し上げます。
 臨海副都心の開発は、東京の活力と創造力を生み出し、都民生活を支える新しいまちを創造する重要な事業であります。二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの先も見据え、民間事業者の創意工夫を引き出しながら、臨海副都心のMICE、国際観光機能の強化に取り組むとともに、まちの魅力を高め、IRも視野に、切れ目のない開発を推進されたい。
 臨海副都心地域と都心部とを結ぶ環状二号線など、広域幹線道路の整備を積極的に推進するとともに、都民の憩いの場である緑豊かな海上公園の適切な管理に取り組み、さらには都心に近接した豊かな水辺環境を生かしたまちづくりを目指し、積極的に事業を進められたい。
 次に、港湾事業会計について申し上げます。
 東京港が首都圏四千万人の生活と産業活動を支える物流拠点として欠くことのできない重要な社会基盤施設であり、利用者ニーズに的確に応えて施設を整備し、事業運営の効率化を推進するなど、さらなる国際競争力の強化を図られたい。
 次に、交通事業会計について申し上げます。
 バス事業は、経常赤字であることを踏まえ、さらなる効率化に努力をしていただきたい。また、安全対策の推進や、さらなるサービスの向上、新たな交通需要への対応などに努めていただきたい。
 軌道事業は、安全対策やサービスの向上に努めるとともに、安定的、効率的経営に向け、一層努力をしていただきたい。
 新交通事業は、早期の経営安定化に努めるとともに、朝の混雑対策と昼間の乗客誘致に取り組んでいただきたい。
 次に、高速電車事業会計について申し上げます。
 増客増収と一層の効率化により安定的に黒字を維持し、経営基盤を強化することで、累積欠損金の解消や長期債務の縮減に努めていただきたい。
 また、地下鉄施設のさらなる耐震補強や浸水対策、実践的訓練の充実など、防災対策の強化に取り組んでいただきたい。
 あわせて、新宿線と浅草線のホームドア整備を着実に進めていただきたい。
 電気事業会計については、一層の安定的、効率的な経営に努めていただきたい。
 次に、水道事業会計について申し上げます。
 将来にわたる安定給水を確保するため、東京水道施設整備マスタープランに掲げた施策を着実に進めるとともに、浄水場におけるテロ行為等への危機管理対策に万全を期されたい。
 八ッ場ダムなど、新規水源開発については、国等に一層促進を要望するとともに、水源県との協力関係を深め、関係自治体と連携して推進に努められたい。
 また、都民の貴重な水資源を守り続けるため、荒廃した民有林対策を進められたい。
 水道管路の耐震継ぎ手化の重点的、優先的整備、浄水場等の自家用発電設備の増強、主要幹線二重化等のバックアップ機能や、私道内給水管の整備など、災害、事故対策を強化されたい。
 水道水のよさを実感してもらうため、東京タップウォータープロジェクトに掲げた直結給水化の促進、貯水槽水道の適正管理に向けた取り組みなどの施策を積極的に推進されたい。
 多摩水道改革計画二〇一三に基づき、都営水道にふさわしい広域水道としてのメリットをさらに発揮できるよう、多摩地区水道の再構築に向けた課題と災害対応力の強化に向けた課題に積極的に取り組まれたい。
 諸外国の水事情改善に貢献するとともに、日本経済の活性化のためにも、東京水道の持つ技術、ノウハウなどの強みを生かし、公民連携を図りながら、積極的に国際展開に当たられたい。あわせて、国内他事業体への一層の貢献に努められたい。
 水道局と監理団体とが連携した効率的で責任ある運営体制の構築に努められたい。
 工業用水道事業については、安定給水及び施設の安全性を確保するとともに、効率的な事業運営を推進し、財政の安定化に努められたい。
 最後に、下水道事業会計について申し上げます。
 東京都下水道事業経営計画二〇一三の達成に全力で取り組み、都民サービスの一層の向上を図られたい。
 老朽化施設の更新に合わせ、雨水排除能力の増強など、機能向上を図る再構築を計画的に推進されたい。
 豪雨対策下水道緊急プランに基づく対策など、浸水対策を着実に推進されたい。
 高度防災都市づくりに向け、下水道施設の耐震化及び耐水化を推進されたい。
 東京湾など公共用水域の水質改善のため、貯留施設の整備などの合流式下水の改善や、高度処理施設等の整備を推進されたい。
 スマートプラン二〇一四やアースプラン二〇一〇に基づき、再生可能エネルギーの活用や省エネルギー型の機器の導入を進め、エネルギー利用の高度化や温室効果ガス排出量の削減に努められたい。
 流域下水道事業の維持管理の効率化に引き続き取り組み、維持管理費の縮減と事業の安定的な運営を行われたい。
 下水道のニーズがある国等の課題解決に寄与するなど、国際展開を推進されたい。
 経営の効率化に取り組み、国費等の財源確保を図るなど、経営基盤の強化に努められたい。
 以上、各会計に対する意見を申し上げましたが、公営企業は都民の生活になくてはならない事業であります。安全・安心はもとより、一層の経営改善と都民サービスの向上を図り、都民の信頼をさらにかち取るよう、全力で取り組まれることを要望いたしまして、私の意見の開陳を終わります。

○小林委員 都議会公明党を代表して、平成二十六年度の公営企業会計決算について意見開陳を行います。
 初めに、共通事項について申し上げます。
 まず、経常利益及び経常損失の合計は一千百九億円の黒字となり、三年ぶりに黒字額が増加に転じました。また、累積損益は、全会計合計で前年度と比べ二千九百八十八億円増加し、二千九百三十四億円の黒字となり、経営努力の成果があらわれているものと考えますが、今後も不断の経営改善が求められます。
 それぞれの公営企業が本来の目的である公共の福祉を増進していくためには、社会経済状況の変化を敏感に捉え、サービス向上に不断に取り組んでいくことが重要です。同時に、企業の経済性を最大限発揮させ、より効率的で効果的な経営を行っていくことが求められます。こうした点を踏まえ、引き続き財務状況の改善に向けたさらなる経営努力を求めます。
 次に、各事業会計について申し上げます。
 初めに、病院事業会計について申し上げます。
 一、都立病院は、感染症医療、救急医療、がん医療、周産期医療、精神科医療、難病医療などの行政的医療を適正に都民に提供するとともに、都における医療の質的向上に努められたい。また、経営改善に向けた多様な努力を行い、安定した経営基盤を確立するとともに、PFI事業においても、病院と事業者とが一体となった経営改善の取り組みや患者サービスの向上を図られたい。
 一、災害拠点病院である都立病院は、発災時における医療提供体制の確保に万全を期すとともに、一定期間が経過した後も継続的に医療を提供していくため、BCPに基づき、着実にBCMを推進するなど、災害対策を一層強化されたい。
 一、がん診療について、集学的治療を積極的に実践して、患者の治療の選択肢を広げるほか、院内がん登録の推進、小児がん医療のさらなる充実、がん患者への相談支援の強化などについての取り組みに努められたい。
 一、都立病院改革推進プランに基づく病院改革に当たっては、感染症医療、救急医療、がん医療などの行政的医療の充実について、引き続き都民の安心と納得を得るよう最大限努力されたい。
 次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
 一、豊洲市場については、平成二十八年十一月七日の開場に向けて、着実に整備を推進するとともに、円滑な移転のため、市場業者へのきめ細やかな支援を実施されたい。また、都民や消費者が安心できるよう、正確な情報提供と丁寧な説明を行われたい。
 一、第九次卸売市場整備計画に基づき、市場の活性化が図られるよう、施設整備に努めつつ、効果的な第十次卸売市場整備計画策定の検討を進められたい。
 一、環境負荷の低減のため、LED照明の採用など、省エネルギー対策などに引き続き取り組まれたい。
 一、東日本大震災の被災地を支援するため、今後とも、被災地産品に対する風評被害の解消や消費拡大に向け、積極的なPRなどの取り組みを引き続き進められたい。
 次に、都市再開発事業会計について。
 都市の骨格を形成する幹線道路とその周辺部の都市機能の再生を図るため、環状第二号線新橋・虎ノ門地区の市街地再開発事業を推進されたい。
 次に、臨海地域開発事業会計について。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、臨海副都心において、国内外の人々がその魅力を堪能できる環境整備を強化することで、MICE、国際観光拠点化を推進していくとともに、環状二号線などの整備などに着実に取り組まれたい。また、臨海地域の土地処分においては効果的な開発を誘導されたい。
 次に、港湾事業会計について。
 今後も、日本のメーンポートとしての東京港の地位を維持していけるよう、利用者ニーズに的確に応える施設整備を行い、京浜三港で連携して事業を推進されたい。
 次に、交通事業会計について申し上げます。
 一、経営環境の変化を踏まえ、乗客誘致など増収対策を進めるとともに、経営の効率化をさらに推進し、引き続き収支改善に努められたい。
 一、ドライブレコーダーや運転訓練車の活用などにより、安全対策をさらに充実されたい。
 一、都バスの停留所における運行情報の提供や、上屋、ベンチの設置など、利便性の向上に努められたい。
 一、観光、文化施策と連携するなど、都電の魅力向上に努められたい。
 一、低公害ノンステップバスによる環境対策、バリアフリー化の取り組みを継続されたい。
 次に、高速電車事業会計について申し上げます。
 一、安全管理体制を強化し、ハード、ソフト両面にわたる安全対策に万全を期されたい。
 一、新宿線のホームドア設置を着実に進めるとともに、浅草線へのホームドア設置に向け、積極的に取り組まれたい。
 一、地下鉄駅のバリアフリー化をより一層充実するため、乗りかえ駅などにおけるエレベーター設置に取り組むとともに、駅施設の誘導チャイム、音声案内触知図やサービス介助士の充実などを図られたい。
 一、地下鉄の通信環境を強化するとともに、ICカードを活用したポイントサービスの環境施策との連携に取り組まれたい。
 一、駅構内を魅力的で利便性の高い空間とし、さらなる収入の確保を図るとともに、障害者が働く店舗としての利用など、公共の福祉の増進に努められたい。
 また、電気事業会計については、効率的経営のもと、安定的事業運営に努められたい。
 次に、水道事業会計について申し上げます。
 一、将来にわたる安定給水を確保するため、新規水源の開発促進を国などに対して引き続き強く要望するとともに、国庫補助金などの拡大導入に努力されたい。
 一、水資源の有効利用を図るため、漏水防止対策、広報による節水意識の高揚、循環利用及び雨水利用の促進など、節水諸施策を推進し、節水型都市づくりに努められたい。
 一、事故時や震災時においても必要な水を確保できるよう、水道管路の耐震継手化十カ年事業などを推進するとともに、各区市町や他事業体などと連携した共同訓練の充実、住民みずからが主体となる応急給水の支援など、危機管理対策に万全を期されたい。
 一、水質管理体制に万全を期すとともに、あらゆるリスクを想定した水安全計画に基づき適切に対応していくなど、安全でおいしい水の確実な供給に努められたい。
 また、近年の水源水質悪化や水質事故に鑑み、水道水源の水質保全対策について、国に対し強く要望されたい。
 一、広域水道のメリットを発揮し、多摩地区水道事業のより一層の水道サービスや給水安定性の向上と効率的な事業運営を図るため、多摩水道改革計画二〇一三に基づき、多摩地区水道の再構築や地域との連携強化などへの取り組みを積極的に推進されたい。
 一、より安全でおいしい水の安定的な供給に向けた水道局の取り組みに関し、都民の理解を一層得ていくため、広報広聴施策を推進するとともに、非常時においても広く都民に対して正確な情報を迅速に提供できるよう努められたい。
 一、水道局が有する高い技術やノウハウを活用し、無収水を初めとするさまざまな課題に直面するアジアなどの途上国に対する技術協力や現地事業体の人材育成などに積極的に貢献されたい。
 一、東京水道経営プラン二〇一三に盛り込まれた経営努力や監理団体と連携した効率的事業運営の推進など、経営基盤の強化に努められたい。また、事業評価制度の活用などにより、都民への説明責任を果たし、より一層信頼される水道を目指した事業運営に努められたい。
 次に、工業用水道事業会計について。
 安定給水及び施設の安全性を確保するとともに、事業運営の効率化、財政の安定化に努め、庁内各局と連携して、工業用水道事業のあり方に関する検討を着実に推進されたい。
 最後に、下水道事業会計について申し上げます。
 一、東京都下水道事業経営計画二〇一三を着実に実行し、一層の都民サービスの向上と経営の効率化に努められたい。
 一、老朽化施設の再構築を計画的に進められたい。
 一、局地的集中豪雨の発生なども踏まえ、豪雨対策下水道緊急プランに基づく対策など、浸水対策を着実に進められたい。
 一、下水道管渠や水再生センター、ポンプ所の耐震化、耐水化など震災対策を着実に進められたい。
 一、東京湾など公共用水域の水質を改善するため、合流式下水道の改善や高度処理施設などの整備を推進されたい。
 一、スマートプラン二〇一四やアースプラン二〇一〇を着実に推進し、エネルギー利用の高度化や温室効果ガス排出量の削減に努められたい。
 一、多摩地域の流域関連公共下水道を実施する市町村との協同を基本に、流域下水道事業を効率的に進められたい。
 一、すぐれた技術やノウハウなどを活用して、国際展開に積極的に取り組まれたい。
 以上で都議会公明党の意見開陳を終わります。

○和泉委員 日本共産党都議団を代表して、二〇一四年度公営企業会計決算に対して意見を述べます。
 二〇一四年度は、アベノミクスの円安による小麦、乳製品、ガソリン、灯油など、暮らしに不可欠な物価の高騰が相次いだ上に、消費税率が八%に引き上げられ、都民の家計は大きく脅かされました。消費税増税分は、水道局では十カ月で六十九億円、交通局では四十六億七千万円などになり、都民に重い負担をもたらしました。
 また、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料の値上げなど、連続した社会保障の改悪も都民の暮らしを直撃しました。
 災害については、地球温暖化、気候変動に起因したゲリラ豪雨による水害の被害が深刻でした。
 貧困と格差の広がりの中で、増税と社会保障切り下げから、暮らしと福祉を守ることと、いつ起きるかわからない水害や震災に備える対策を強めることが都民の切実な要望となっています。
 東京都の公営企業各局は、公共の福祉を推進するために、水や食の安定供給、命を守る医療の確保、そして都民生活に欠くことができない公共交通や都市基盤の整備など、大事な役割を担っています。
 決算特別委員会の質疑を通し、上下水道施設や都営地下鉄の浸水、耐震対策、命を守る医療を確保する取り組み、省エネ促進、再生可能エネルギーの導入、上下水道料金の軽減を迅速に進める重要性が明らかになりました。
 各局の皆様には、安全・安心を最優先にして、本来の責務にふさわしい役割を果たしていただくことを求めて、以下、会計ごとに意見を述べます。
 まず、病院会計です。
 都立病院は、どのような経済的事情の人にもひとしく医療を提供するために高額な差額ベッド料の徴収はやめるべきです。無料低額診療制度を導入して、経済的な困難を抱えている患者さんたちが安心して受診することができ、未収金の発生も減らせるよう求めます。
 水害対策では、中央防災会議の首都圏大規模水害対策大綱でも推進の方向が示されている、水害時における業務継続計画、BCPを策定し、浸水被害の際にも医療機能を確保できるよう、職員の参集ルールなどを定めるよう求めるものです。
 次に、都市再開発事業会計です。
 都施行の再開発事業においては、とりわけ公共性、公益性、経済性を見きわめていくかが重要であり、再開発事業のあり方を根本から見直すことを求めます。
 次に、下水道事業会計です。
 下水道汚泥、焼却灰の再利用について、安全といい切れる放射線量の基準については、さまざまな議論があります。都として、放射能はもとより、必要な情報の提供も含めて、受け入れ事業者の心配を正面から受けとめ、対応するよう求めます。都として、今後も検査費用や処分費用が発生する限り、東京電力に対して賠償金請求を続けるよう申し添えます。
 再生可能エネルギーの推進や、下水道の持つ潜在エネルギーの有効活用を強力に進めるよう要望します。
 水害対策では、東部低地帯の被害を防ぐために、雨水が流入しやすいグレーチングぶたの雨水ますや、下水道貯留管設置を促進すること。あわせて、時間当たり降雨七十五ミリ対策地区に指定し、被害の発生が起きない対策を講じていただくことを要望します。
 次に、水道事業会計です。
 再生可能エネルギーによる発電の促進とともに、コージェネレーションシステムによる排熱利用での省エネルギー化を強力に促進するよう求めます。
 城東地域の断水率を低下させることは、災害時の安定給水に欠かせません。応急給水車を増車し、消火栓等につないで応急給水できるキットの普及とともに、日常の訓練についても、区市町や住民との連携を強めるよう求めます。
 東京水道あんしん診断で、都営水道供給区域内の全使用者宅を訪問する際には、消費税増税が水道料金の負担を増加させていることについても、都民の声を聞く取り組みを進めることを要望します。
 老朽施設の増加に備え、新規投資を抑えて、維持、補修を重視すること。潤沢な保有資金は水道料金の負担の軽減に使うことを求めます。
 社会福祉施設に該当しているにもかかわらず、日常生活支援事業や訪問事業を行っている施設が減免対象から除かれている現状を改善し、さらに減免の拡充を行うことを求めます。
 次に、高速電車事業会計及び交通事業会計、電気事業会計です。
 運賃改定の消費税増税分四十六億七千万円を値下げするとともに、改定に伴う機器改修費を運賃に転嫁しないよう求めます。
 多摩地域の公共交通のあり方、役割についての検討を求めます。
 都営交通の使命をしっかり果たす立場で、赤字系統であっても、住民の重要な交通手段となっている都バス路線の減便は行わないことを求めます。
 都営バスの上屋、ベンチの設置は高齢化が進む中で急務です。せめて、上屋があるところは急いでベンチの設置を行うことを求めます。
 都営地下鉄のトイレを障害者などが使いやすいものにするため、障害者団体など当事者の要望を聞き、使いやすく改善することを求めます。
 都営地下鉄、駅舎等、照明のLED化促進を求めます。
 経営計画二〇一三に掲げたとおり、都営地下鉄地上駅である高島平駅と東大島駅の屋根に太陽光発電を設置すること。残り六つの地上駅や日暮里・舎人ライナーの駅の屋根などにも設置することを要望します。
 電気事業会計では、一九五七年から発電してきた多摩地域の三つの水力発電所を継続し、発電力の増強を求めます。
 次に、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計です。
 臨海地域開発事業会計は、今後、各施設が大規模改修、設備の維持更新時期を迎えるとともに、企業債の償還も山場を迎えます。さらなる都市基盤整備は、都民負担の増大につながる危険があることから、厳しい検討を求めます。
 大企業の資産形成の支援となっているMICE補助事業はやめ、これまでの取り組みについては、各企業に経過報告をさせることを徹底すべきです。
 次に、中央卸売市場会計です。
 豊洲新市場の事業費は、当初の計画額は四千三百十六億円でしたが、見込み額も入れた事業費は五千八百八十四億円となりました。これが中央卸売市場会計を圧迫し、豊洲新市場以外の十市場の老朽化対策などの改修に影響することは明らかです。豊洲新市場を開場先にありきで進めるのではなく、移転計画は凍結し、市場関係者の要望、意見をよく聞き、納得と理解が得られるようにすることを強く求めます。
 東京ガスに対して、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策費、地下埋設物の撤去費用の追加負担を求めるべきです。
 以上です。

○島田委員 私は、都議会民主党を代表して、平成二十六年度公営企業会計決算の認定に当たり、意見を申し上げます。
 まず、公営企業会計に共通する事項について申し上げます。
 公営企業においては、全十一会計のうち、会計制度の見直しによる退職給付引当金の計上により特別損失を計上した中央卸売市場会計と、東京電力に対する解決金など特別損失が生じている電気事業会計、そして、交通事業会計が赤字、病院会計や下水道事業会計など七会計が黒字、工業用水道事業会計が続けて収支均衡となりました。
 昨年、東京都長期ビジョンが策定され、公営企業における中長期的な展望が示されました。社会状況の変化や今後の需要を踏まえながら、施設などの着実な更新や、新たな課題への対応、持続可能な事業経営に取り組み、多様化する都民ニーズにしっかり応えることを求めるものであります。
 以上、総括的な意見を述べ、それぞれの会計について申し上げます。
 まず、病院会計について申し上げます。
 一、救急や周産期医療、感染症医療など、高度な行政的医療を担う都立病院においては、医療の質を高めながら、経営効率を追求して、収支のバランスを保つ経営を行うこと。
 一、本部と八病院の経営管理手法であるバランススコアカードの全指標二百十三のうち、達成率が五一・二%であることから、今後は、達成率をより高めていくこと。目標未達成指標の原因分析と改善策を実施すること。
 一、未収金回収に対する取り組みを継続して行うこと。
 一、高齢化の進展に伴う医療需要が増大する中で行われる病床機能の分化において、患者紹介を通じた地域医療機関との連携を引き続き促進すること。
 一、医療の標準化を実施し、診療単価の増加を図るなど、さまざまな経営努力を行いながら、収益を確保すること。
 一、経営的なメリットとともに、医療費の抑制にも寄与する後発医薬品の採用を進めること。
 次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
 一、豊洲新市場用地での地下水モニタリングで基準値を超える操業由来の汚染が確認された場合には、都民に一刻も早く公表すること。
 一、土壌汚染状況調査を行う指定調査機関の調査に関しては、公平性の確保に一層努めること。
 一、食品への意図的な毒物の混入を初めとした事件や事故を未然防止するために、リスク管理を行うことや、日ごろから信頼関係を構築するなど、市場内に流通する食品の安全・安心を確保すること。市場業者の衛生管理の徹底を推進すること。
 一、多摩ニュータウン市場と地方卸売市場が連携し、多摩地域の住民に生鮮食品流通を迅速かつ安定的に供給すること。
 次に、都市再開発事業会計について申し上げます。
 一、都施行の市街地再開発事業においては、幹線道路の整備に合わせて緑化の推進を図るなど、快適で魅力的なまちづくりに取り組むこと。国際競争力の強化にも寄与させること。
 一、市街地再開発においては、収支に留意しながら事業を進めること。
 次に、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計について申し上げます。
 一、臨海副都心の観光情報を取得できるお台場FreeWiFiについては、認証の課題を解消する新たなサービスを提供するなど、利用者目線の取り組みを進めること。
 次に、交通事業会計、高速電車事業会計及び電気事業会計について申し上げます。
 一、先進的技術を取り入れ、浅草線に早急にホームドアを導入すること。
 一、東日本大震災時の経験を踏まえ、避難誘導や外国人お客様対応など、災害対策を推進すること。
 一、乗りかえ駅や他路線との乗りかえ経路などへのエレベーター整備に取り組み、バリアフリー対策を一層推進すること。
 一、交通局TAIMSネットワークを乗客サービス推進のために有効活用すること。都営地下鉄の全駅に交通局TAIMSの端末が整備されるが、職員に活用されるよう工夫すること。
 一、サイバーセキュリティー対策を推進すること。
 一、監理団体である東京交通サービス株式会社への業務委託などの実態を踏まえて、管理体制を見直すこと。
 次に、水道事業会計及び工業用水道事業会計について申し上げます。
 一、飲料水や生活用水、工業用水を提供する必要不可欠な都市インフラを整備する水道事業については、社会状況が変化する中、長期的な水需要を見通して、安定給水を確保するとともに、持続可能な事業運営を行うこと。
 一、多摩丘陵幹線の整備などにより、浄水場や送水幹線の事故時や災害時にも安定して給水できる広域的なバックアップ機能確保に向けて取り組むこと。
 一、日の出町の大久野浄水所が運転再開となりましたが、今後とも、地下水の水質監視体制を強化し、運転停止することがないよう管理運営を行うこと。
 一、水道局所管の出資団体である東京水道サービス株式会社や株式会社PUCの経営管理について、多額な交際費の支出管理、検針業務の特命随意契約、業務の再委託など、意見や指摘を踏まえて管理体制を見直すこと。
 最後に、下水道事業会計について申し上げます。
 一、汚水や雨水を処理するために必要不可欠な都市インフラを整備する下水道事業については、適切な維持管理による延命化や、効率的な施設整備を進め、持続可能な事業運営を行うこと。
 一、東京の河川や東京湾の水質を向上させるために、下水道の改善を進めること。
 一、東京都下水道サービスの受託事業の再委託先の総点検を実施して、履行状況を監督すること。
 一、虹の下水道館の展示、企画が、来客者に対する都の下水道事業への理解やアピールとなるよう取り組むこと。PR施設として、虹の下水道館と水の科学館との連携を進めること。
 以上で都議会民主党を代表して意見開陳を終わります。

○田中(朝)委員 私は、都議会維新の党を代表して、平成二十六年度公営企業会計決算について意見の開陳を行います。
 平成二十六年度決算における公営企業全十一会計の損益の状況は、水道事業会計など七会計が千五百三十五億円の純利益を上げ、工業用水道事業会計が収支均衡となっています。一方、交通事業会計が三十四億円、電気事業会計が五千九百万円、中央卸売市場会計が十八億円余の純損益となっており、平成二十五年度と比べ、純損益となった会計は一会計から三会計に増加していますが、そのうち中央卸売市場会計の純損益については会計制度の見直しに伴うものとなっています。
 公営企業は、都民の生活に最も身近なサービスを提供する事業です。今後も、公共の福祉のために、効率的で効果的な経営を行い、都民のためのさらなるサービスの向上に取り組み、不断の経営改革を進めることを要望いたします。
 次に、各会計について意見を申し上げます。
 初めに、病院会計について申し上げます。
 一、超高齢社会を迎え、病院経営を取り巻く環境は今後ますます厳しくなることが予測されることから、長期的な視野で医療の将来像を捉え、都立病院の新しい経営形態への移行は、手おくれにならないよう、しっかりと取り組むこと。
 次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
 一、流通チャンネルの多様化や民間との競合という状況下で、今後も市場が重要な役割を果たしていけるよう、時代の変化を先取りして対応しながら、多面的な活性化を図っていくこと。
 一、第十次東京都卸売市場整備計画では、市場の機能をどうするかだけでなく、市場そのものが存続するかという危機に立っているという認識を持って当たること。
 一、豊洲新市場への移転に関しては、経営が厳しく、廃業する事業者も多いことから、支援を引き続き行うこと。
 次に、臨海地域開発事業会計について申し上げます。
 一、埋め立てることにより新しい土地をつくり出し、そこを新たな都市空間にする臨海副都心の開発事業は、土地の販売や貸出収入等で、埋立地の造成等の投資額の回収を図れるよう、積極的、効果的な事業展開を図ること。
 一、地盤沈下している埋立地の売却や貸し出しの際には、売却先や借り主などの相手方に、地盤沈下の事実や状況をしっかり伝えること。また、埋立地の地盤沈下の調査を続け、慎重に見ていくこと。
 次に、交通事業会計、高速電車事業会計について申し上げます。
 一、交通事業会計については、会計制度の見直しの影響があるものの、純損失は前年度に比べて拡大していることから、一層効率的な経営に努めること。
 一、都営交通を利用する聴覚障害者への事前の情報提供のために、バリアフリー便利帳に、問い合わせ先のファクス番号や、情報バリアフリーに関すること等を掲載すること。
 一、都バスにおいて、聴覚障害者のために、文字情報をより多く、できるだけリアルタイムに提供できるカラーの液晶ディスプレーによる情報提供を充実させること。
 一、都バスにおいて、車椅子利用者の乗車中の車内事故防止のために、乗務員が車椅子の特性などを正しく理解して安全を確保すること。また、事故、災害発生時において、適切な対応を行うために、乗務員への指導、教育を徹底させること。
 一、都バスにおいては、運行の見える化システムを導入し、的確で素早い運行ダイヤの最適化や再編をして、さらなる経営改善や利用者の利便性アップを図ること。
 一、都営地下鉄において、聴覚障害者のために、文字情報や携帯情報端末を通じての情報などをふやし、情報バリアフリー対策の充実を図ること。また、聴覚障害者が混雑時でも目で見てわかる発車時の点滅ランプ等を設置するなど、設備の充実も図ること。
 一、都営地下鉄において、駅の構造上、エレベーターの設置スペースの確保が厳しく、階段昇降機によりワンルートを確保している駅などでは、車椅子利用者の一層の利便性向上を図るため、電動車椅子の重量化の傾向など、車椅子利用者の実態に配慮した設備の更新を行うこと。
 一、関連事業として、駅広告や車内へのデジタルサイネージ、車内モニター広告の導入を進め、また、中づり広告掲載率向上を図るなど、広告料収入の増加に努めること。
 次に、水道事業会計について申し上げます。
 一、水道メーターの検針の際に行っている区市町と連携した孤独死、孤立死未然防止対策など、都民生活向上のための取り組みを一層強化すること。
 一、災害時の貯水池へのテロ攻撃など、複合リスクに対応した事前想定及び対応を、警視庁等と連携し、さらに強化すること。
 最後に、下水道事業会計について申し上げます。
 一、集中豪雨による雨量の増大に合わせ、さらに浸水対策を強化すること。
 一、首都直下地震に備え、耐震化、マンホール浮上抑制対策など、震災対策をさらに強化すること。
 一、国際展開事業においては、国際協力事業が東京の中小企業の発展や産業力の強化に確実につながるよう進めること。
 以上で都議会維新の党の意見開陳を終わります。

○上田委員 かがやけTokyoを代表して、二十六年度公営企業会計決算について意見開陳を行います。
 公営企業会計は、価格メカニズムを通じたパレート効率性のもと、適切な準公共財の供給により、効率的な資源配分が達成されると考えます。少子高齢化に伴い膨らみ続ける福祉費と都債残高六兆円を鑑みれば、いつまでも一般会計から繰り入れがあることを当然視することなく、公費負担の軽減を将来的にも考える必要性があるということを念頭に置いて審査に当たりました。
 以下、意見を申し添えます。
 まず、交通局について述べます。
 累積欠損金を早期解消するために、増加した原因は徹底究明し、前年の繰り返しにならぬよう、削減プロセス、目標年次を明確にし、交通局全体の財務健全性を保つこと。
 東京電力への解決金全額につき速やかに増収分にて回収をすること。
 地域活性化、地場産業振興に向け、駅構内を活用した出店、店舗販売を促進すること。
 資産活用の一環として、駅ナカ保育を推進すること。
 お客様センター、職員の接遇力向上、東京メトロとの一体化等の事業を通じ、サービス、ホスピタリティー改善に努め、集客増を図ること。
 障害者、高齢者、妊産婦、子供連れの乗客への接遇向上に一層努めること。
 痴漢や暴力行為に対応するため、警察との連携を進めるとともに、通報記録の適正管理を進めること。
 テロ対策については警察と強固な連携を図ること。
 水道局について述べます。
 収益、資産、財務、施設効率性、生産性、費用、一般会計繰入金に関する指標に問題はないことから、悪化しないよう、老朽化対策も踏まえ、適正かつ効率的に事業を進め、業務の現状と財務状況を積極的に情報提供していくこと。
 水道水源林においては、産業労働局、環境局、関係各局、ボランティアも含む民間と連携を図り、多摩の森林全体の取り組みとして、管理、育成に当たること。
 水道水源林確保と森林の荒廃防止に向け、民間林購入事業を引き続き推進すること。
 安全でおいしい飲用可能な水道水「東京水」を、都民はもとより、パラリンピック・オリンピックを踏まえ、外国人観光客にも広く普及すること。
 安定した水源の確保と地域特性を反映した地下水を利活用すること。
 環境負荷の低減に向けて、太陽光発電、小水力電力等再生可能エネルギー導入を拡大していくこと。
 国際展開については、国との役割分担を明確にした上で、都市外交基本戦略など、関係各局と統一した方向性、指針で進めること。
 入札汚職事件を風化させず、対策本部、契約監視委員会を形骸化させず、綱紀粛正、モラルの向上と情報公開の徹底を図ること。
 多摩地区水道経営改善計画に基づき、適正な人員配置にて良好な労働環境を構築すること。
 職員全体の残業が過労ラインを超えないよう、適正な労働環境を整えるとともに、必要なときは、適正な分限処分も運用した定数管理を実現すること。
 一般職員はもとより、管理職を含め、メンタルヘルス対策に注力をすること。
 女性職員と管理職比率向上に、アファーマティブアクションを含め、推進すること。
 女性職員、子育てや介護中の職員に配慮したサポート、人員体制を整えること。
 広報物等、局における調達の選定に当たっては、選定者の主観に影響されることなく、公平公明かつ客観性を担保し、情報公開に努め、透明性を担保すること。
 下水道局について述べます。
 企業債残高、金利の状況に鑑み、財政の安定性を担保し、都民へ情報提供をしていくこと。
 小松川第二ポンプ所を初め東部低地帯を中心としたポンプ所の耐震、耐水化対策を進めること。
 簡易処理水の放流、汚濁負荷の発生など、運河、河川に係る水質については、地域住民へはもちろんのこと、周辺区並びに海上保安庁への迅速な情報提供と対策強化に努めること。
 合流式下水道については、環境負荷を含め、アセスメントと高度処理の推進を図り、改善に努めること。
 葛西水再生センター初め、汚泥の放射性物質管理を引き続き徹底すること。
 水再生センターの上部公園の地域連携の取り組みを進めること。
 民間事業者の水質自主管理の意識向上の取り組みを進めること。
 中央卸売市場について述べます。
 経年化している営業損失と退職引当金確保を加味しつつ、費用対効果を念頭に入れた中長期的、効率的な老朽化対策を図ること。
 少子高齢化、市場外流通を鑑み、将来の統廃合をも視野に入れた選択と集中の検討を進めること。
 各市場への新規事業者への門戸を開き、仲卸事業者の参入を促進すること。殊に、豊洲新市場においては満床とすること。
 豊洲新市場開設においては、千客万来撤退事案を真摯に受けとめ、情報提供を進めながら対応していくこと。
 臨海副都心開発事業について述べます。
 一般会計繰入金を引き続き圧縮していくこと。
 売却、長期貸付、暫定利用と目的が違う三地区の一体感あるまち並み形成を図り、民間投資を推進すること。
 ヴィーナスフォートなど暫定利用の土地返還については、原状回復、返還を速やかに実施すること。
 貯木場においては、原木の取扱量激減に伴い、立入禁止地区の見直しと有効活用を図ること。
 コンテナ置き場、シャーシープール整備を実施し、トレーラーによる渋滞を解消していくこと。
 都市開発事業については、この再開発事業で得た知見について、市街地再開発事業整備を初め、都の都市づくりの課題解決に活用していくこと。
 次に、病院事業会計について述べます。
 新改革プランを速やかに策定し、債権放棄額の早期解消、一般会計繰入金医業収益比率並びに一〇〇%未満の医業収支比率の改善、適正な職員給与費対医業収益比率維持に向け、改善プロセス、目標年次を明確にし、財務健全性を保つこと。
 民間医療機関、医師会、区市町村と連携、分担を推進していくこと。
 精神医療における向精神薬投与は、単剤処方など多剤投与による副作用リスクを減らしていくこと。
 子供への向精神薬投与については、投薬以外の方法を第一に選択すること。
 身体拘束率を減少させていくこと。
 電気けいれん療法については、国内外の情報を取り入れ、常に効果の是非を検証し、代替の医療も研究するなど、極めて慎重に扱うこと。
 精神医療早期介入は、子供を中心に関係各機関と情報を共有し、極めて慎重に取り組むこと。
 入院中の子供の教育環境、保育環境の整備に努めること。
 虐待について、警察、児相など関係各機関とさらなる連携を強化し、得られた知見は関係各部署で共有し、対策をとること。
 周産期医療については、得意分野に特化しながらも、医療機関との機能別役割分担と地域医療連携システムを推進していくこと。
 患者への虐待防止、看護ケア、職員の接遇教育など、QOL担保の取り組みを推進すること。
 松沢病院における死亡退院患者については、原因分析をし、日常医療に反映していくこと。
 監察医務院の研究成果を積極的に生かしていくこと。
 入院患者、殊に精神障害者の地域移行支援を強化すること。
 地域包括ケアシステムを鑑み、医療、介護連携を推進すること。
 患者中心の医療を提供できる環境が整った自治体病院の強みを生かし、意欲ある医師、看護師の就労インセンティブに働きかける人材確保に努めること。
 誤嚥事故に当たり、高齢者の誤嚥性肺炎は致命的となることから、防止対策のさらなる徹底強化を図ること。
 自治体病院とは、採算が得られずとも医療を住民へ提供する一方で、私的医療機関へは補助を出し、収支は均衡させなければならないという相矛盾しかねない二つの要素を求められています。持続可能な患者中心の医療の実現のためにこそ、経営効率化とシビアなガバナンスを改革することで、人権と命を最優先にする、過不足ない医療を提供する自治体病院、都立病院の原点である住民医療となることを望むものです。
 最後に、各局共通して関係する監理団体、報告団体の派遣職員数や業務委託を随時検討、適正化し、民間人登用、民間投資の拡大を進めることを求めます。
 血税も投入される公営企業においては、民間企業以上の効率的で効果的な健全経営を重ねて求めるとともに、都民参画のかなめとなります情報公開と説明責任、モニタリング強化を積極的に取り入れることも要望するところです。
 以上ですが、分科会審査におきまして、水道局幹部メンタルヘルス対策に関する私の質疑が中断することがありました。具体案を受けて、東京都職員全体の心身ともに快適な労働環境を願っての発言でありますことを申し述べ、公決の議論が、都政と、静かなる善良で無辜なる都民と、そして真摯に働く東京都職員がほとんどである各局において生かされることを心から願いまして、かがやけTokyoの意見開陳を終わります。

○小松委員 私は、都議会生活者ネットワークを代表して、二〇一四年度の公営企業会計決算について意見を申し述べます。
 二〇一四年度、舛添都政がスタートし、十二月には、東京都長期ビジョンを策定しました。二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会への取り組みが中心となっていますが、オリンピック後の東京が抱える課題の解決には、今から着手しなければ間に合いません。
 二〇一四年四月に、消費税率が引き上げられ、公共交通や上下水道料金などの値上げによって、都民生活にも影響が出ています。
 昨年発表された増田レポートは、人口減少による消滅自治体を予測し、全国に衝撃を与えました。世界にも類のない超高齢社会への対応は待ったなしです。危機感を持った自治体間の人口獲得合戦が始まっていますが、東京でも、特に多摩地域で既に人口減少が始まっています。持続可能な社会づくりに向けて、都は、各自治体と協議し、地域にマッチした具体的な政策を支援すべきです。
 公営企業である上下水道や交通、市場、病院などは、都民の重要な都市インフラであり、長期的な視野に立って、今後の人口減少、超高齢社会に合わせて整備に当たる必要があります。企業としての社会的貢献と公としての役割を精査し、効率的な事業運営に全力で取り組むことを要望します。
 以下、個別の会計について申し上げます。
 病院会計について。
 一、救急医療体制については、精神科初期救急、二次救急、身体合併症の受け入れの整備をさらに充実すること。
 一、低年齢化、増加傾向にある子供の精神疾患について、早期に専門的医療につなぐため、地域の医療機関や学校、福祉などの関係機関に広く普及啓発を図ること。
 一、NICU、GCUも含めて、東京全体で周産期医療の充実を図ること。
 一、退院や転院に当たっては、患者にかかわる多職種による医療チームで十分に患者、家族と相談し、きめ細やかな支援をさらに拡充するとともに、地域の病院、診療所などとのネットワークづくりに積極的に参画すること。
 一、認知症支援センターを中心に、認知症患者や家族が安心して生活できるよう、地域の連携体制をさらに進めること。
 中央卸売市場会計について。
 一、食品安全条例に基づき、安全な食品の管理の観点から、食品危害対策マニュアルを十分に活用して、安全・品質管理者への研修を実施し、安全性に問題のある食品に関しては市場に入れない、流通させないことを徹底して行うこと。
 一、生産、流通履歴、トレーサビリティーシステムや産地表示を徹底すること。
 一、新市場の安全対策に万全を期すこと。
 一、築地市場の移転については、食品の安全性を第一に、関係団体との合意を丁寧に進めること。
 臨海地域開発事業会計についてです。
 一、臨海部は、風の道の起点となることから、住宅開発より、広い空間を生かした緑や公園をふやし、再生可能エネルギーを生み出す場とすること。
 交通事業会計及び高速電車事業会計について。
 一、全ての交通機関においてバリアフリー化を進めるとともに、外国人、障害者、旅行者にもわかりやすい案内表示を進めること。
 一、券売機に障害者用ボタンを増設すること。
 一、災害時の駅や車内での利用者への的確な情報提供と安全確保に努めること。
 一、施設整備は、ユニバーサルデザインへの転換を進め、特にトイレについては統一規格にすること。
 一、女性職員の労働環境の整備をさらに進めること。
 一、障害者や子供の女性専用車両利用について周知を進めること。
 一、乗客の安全対策のために、ホームドアの設置を着実に進めること。
 水道事業会計について。
 一、水源地付近の民有林を、地域の林業者と協力して、水道水源林として保全を進めること。
 一、水需要予測は、実績と実態に合わせて、再度、早急に見直しを行うこと。
 一、多摩地域の地下水源は、未統合市も含めて把握し、都の独自水源と位置づけて保全すること。
 一、応急給水などの訓練は、地元自治体、地域住民と連携して行うこと。
 下水道事業会計についてです。
 一、水環境の改善と水循環の促進の視点から、早期の合流改善を進めること。
 一、豪雨対策下水道緊急プランに基づき、浸水対策の充実強化を図ること。
 一、施設における太陽光発電設備の導入をふやし、再生処理水や下水熱などの未利用エネルギーの有効活用を進めること。
 一、下水道施設の耐震化を着実に促進すること。
 一、下水汚泥や放流水に含まれる放射能測定を継続し、結果の公表及び保管の安全管理を徹底すること。
 以上で都議会生活者ネットワークを代表しての意見開陳を終わります。

○ともとし委員長 以上で意見の開陳は終わります。
 なお、本決算を認定する際は、意見を付することにいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 また、意見案文の取りまとめにつきましては、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会は閉会いたします。
   午後一時五十九分散会

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