平成二十六年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会速記録第四号

平成二十七年十月二十八日(水曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長河野ゆりえ君
副委員長菅野 弘一君
副委員長遠藤  守君
副委員長西沢けいた君
上田 令子君
和泉なおみ君
神野 次郎君
高椙 健一君
高橋 信博君
山田 忠昭君

欠席委員 一名

出席説明員
水道局局長醍醐 勇司君
技監田村 聡志君
総務部長黒沼  靖君
職員部長松丸 俊之君
経理部長冨田 英昭君
サービス推進部長浅沼 寿一君
浄水部長青木 秀幸君
給水部長今井  滋君
建設部長山田  廣君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務斉田 典彦君
特命担当部長加藤 英典君
サービス企画担当部長金子 弘文君
設備担当部長横田 秀樹君
多摩水道改革推進本部本部長石井  玲君
調整部長石井 正明君
施設部長牧田 嘉人君
技術調整担当部長芦田 裕志君

本日の会議に付した事件
平成二十六年度東京都公営企業各会計決算の認定について
水道局関係
・平成二十六年度東京都水道事業会計決算(質疑)
・平成二十六年度東京都工業用水道事業会計決算(質疑)

○河野委員長 ただいまから平成二十六年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、水道局長から幹部職員の紹介があります。

○醍醐水道局長 去る十月二十三日付で兼務発令のありました当局幹部職員を紹介させていただきます。
 オリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします企画担当部長の斉田典彦でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○河野委員長 次に、決算の審査を行います。
 平成二十六年度東京都水道事業会計決算、平成二十六年度東京都工業用水道事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○黒沼総務部長 さきの分科会におきまして要求のございました資料を取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明を申し上げます。
 一ページをお開きいただきたいと存じます。水需要予測と実績の推移でございます。
 将来の水道需要の見通しと平成十七年度以降の一日最大配水量及び一日平均配水量の推移をお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。八ッ場ダム建設事業費に係る東京都の負担でございます。
 平成二十六年度の八ッ場ダム建設に係る総事業費、都の負担額、そのうち水道局の負担額及びその他の負担額をお示ししてございます。
 三ページをお開き願います。多摩川水系、利根川、荒川水系の年間取水量の推移でございます。
 平成二十二年度から二十六年度までの多摩川水系及び利根川、荒川水系の年間取水量をそれぞれお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。水系別使用許可量及び取水量、融通量等の実績でございます。
 利根川、荒川水系及び多摩川水系の水利使用許可量、平成二十二年度から二十六年度までの水系別の取水量、朝霞浄水場、東村山浄水場間における水の融通量及び多摩統合市町における地下水揚水量をそれぞれお示ししてございます。
 五ページをお開き願います。水道水源における民有林購入事業のこれまでの実績でございます。
 平成二十四年度から二十六年度までの購入件数、購入面積及び購入金額をそれぞれお示ししてございます。
 六ページをお開き願います。各浄水場等における自然エネルギー等による発電状況でございます。
 各浄水場などにおける太陽光発電設備、水力発電設備それぞれの設置年度、発電規模及び平成二十六年度の発電実績をお示ししてございます。
 七ページをお開き願います。水道管路における耐震継ぎ手化の計画と実績でございます。
 平成三十六年度と二十七年度の耐震継ぎ手率の計画及び平成二十六年度の耐震継ぎ手率の実績値をそれぞれお示ししてございます。
 八ページをお開き願います。漏水率の推移でございます。
 平成二十二年度から二十六年度までの漏水率の推移をお示ししてございます。
 九ページをお開き願います。未納カード発行枚数及び給水停止件数の推移でございます。
 平成二十二年度から二十六年度までの未納カード発行枚数と給水停止件数をお示ししてございます。
 一〇ページをお開き願います。料金減免を受けている生活保護等の給水件数でございます。
 平成二十六年度末における生活保護法による扶助、児童扶養手当及び特別児童扶養手当を受けている世帯の給水契約者数の合計をお示ししてございます。
 一一ページをお開き願います。定数、職員数の過去五年間の推移でございます。
 平成二十二年度から二十六年度までの条例定数及び事務、技術、技能の区分別の年度末職員数をお示ししてございます。
 一二ページをお開き願います。工事請負契約の実績がある民間企業への局退職者の過去三年間の就職者数でございます。
 一三ページをお開き願います。監理団体、報告団体における社員数、都派遣社員数、固有社員数及び都退職者数の過去五年間の推移でございます。
 監理団体及び報告団体における平成二十二年度から二十六年度までの八月一日現在の社員数と、そのうち都派遣社員数、固有社員数及び都退職者数をそれぞれお示ししてございます。
 一四ページをお開き願います。監理団体への委託料及び主な委託内容でございます。
 水道局が所管しております東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCの二つの監理団体につきまして、平成二十六年度の委託料及び主な委託内容をそれぞれお示ししてございます。
 一五ページをお開き願います。国際貢献の新たな取り組みに関する海外出張に要した経費の一覧でございます。
 平成二十六年度における海外出張に要した経費を出張先の国別にお示ししてございます。
 一六ページをお開き願います。収益的収支、資本的収支及び損益勘定留保資金の推移でございます。
 平成二十二年度から二十六年度までの収益的収支、資本的収支、損益勘定留保資金のそれぞれにつきましてお示しをしてございます。
 以上、大変簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○高椙委員 それでは、安定給水確保の観点から何点か質問をさせていただきます。
 水道は、都民生活と首都東京の都市活動を支える上で欠くことのできない重要なインフラです。ライフラインです。水道が一たび途絶えると、その影響ははかり知れません。
 そこで、本日は、安定給水確保の観点から何点か質問させていただきます。
 都は、平成二十六年十二月に、世界一の都市東京を実現するためのグランドデザインである東京都長期ビジョンを発表いたしました。
 水道局では、将来にわたる安全でおいしい水の安定供給により、世界一の都市東京を支えていくため、十年後の施設整備目標を示した東京水道施設整備マスタープランを策定しております。
 このマスタープランでは、地震等の災害や事故の発生などさまざまなリスクが想定される中、バックアップ機能の強化として、導水施設の二重化や送水管の二重化、ネットワーク化を図るとしております。
 そこで、バックアップ機能を強化するための導水施設や送水管の整備状況をお伺いいたします。

○山田建設部長 水道施設相互のバックアップ機能を強化し、給水安定性を向上させるため、現在、利根川と多摩川の原水を相互融通する導水施設を二重化する第二原水連絡管を平成三十年度完成を目途に整備中でございます。
 また、朝霞浄水場と上井草給水所を結び、局内最大の送水能力を有する重要な送水管である朝霞上井草線を二重化する第二朝霞上井草線を平成三十二年度完成を目途に整備を進めております。
 さらに、多摩地区においては、拝島給水所から聖ヶ丘給水所を結ぶ多摩丘陵幹線が平成二十七年三月に完成したところであり、現在は、東村山浄水場と拝島給水所を結ぶ多摩南北幹線を平成三十年度完成を目途に整備中でございます。

○高椙委員 こうした基幹的な管路の二重化やネットワーク化は、安定給水確保のため非常に重要な取り組みであり、着実に進める必要がございます。
 しかし、東京のような大都会での大規模工事は、道路交通への影響などさまざまな課題もあると思います。
 そこで、このような大規模工事を行う上でどのような工夫を行っているのかをお伺いします。

○山田建設部長 先ほど答弁いたしました第二原水連絡管や第二朝霞上井草線並びに多摩南北幹線のいずれも口径が大きく、延長が長いことから、道路交通などへの影響を避けるため、シールド工法を採用しております。
 このシールド工法の施工に当たっては、工区の割りつけを行い、各工区の長距離化を図ることにより立て坑の数を減らすとともに、立て坑位置を、可能な限り公共用地となるよう路線を選定しております。
 また、多摩南北幹線では、全六工区を並行して施工することにより、工期の短縮も図っているところでございます。

○高椙委員 基幹施設の整備には種々の工夫をしていることがわかりましたが、規模の大きな工事を行うときは、工事現場付近の住民理解も欠かせないと思います。
 そこで、大規模工事に対する近隣住民などの理解を得るための取り組みについてお伺いいたします。

○山田建設部長 大規模工事の施工に当たっては、近隣のお客様のご理解、ご協力を得ることが不可欠でございます。このため、工事内容をわかりやすく説明した看板を設置するとともに、立て坑周辺のお客様にお知らせビラや週間工程表などを定期的に配布することにより、工事の目的や進捗状況についてご理解をいただいております。
 また、工事説明会や現場見学会などの取り組みにより、近隣のお客様と積極的なコミュニケーションを図るよう努めているところでございます。

○高椙委員 工事を円滑に進めるため、施工上も住民へもきめ細かい対応をしていることがわかりました。今後もさまざまな工夫をし、着実に取り組みを推進してほしいと思います。
 次に、水道管路の耐震継ぎ手化についてお伺いします。
 さきの阪神・淡路大震災や東日本大震災では、水道管の継ぎ手の抜け出しによる断水が多く発生いたしました。しかし、耐震継ぎ手の水道管が布設されていたところについては被害がなかったと聞いております。
 そこでお伺いします。
 都における管路の耐震継ぎ手化の取り組み状況についてお伺いしたいと思います。

○今井給水部長 水道局では、既に管路を強度にすぐれたダクタイル鋳鉄製へ交換しており、管路の耐震化につきましてはほぼ終了しております。
 しかし、阪神・淡路大震災における教訓を踏まえ、平成十年度から抜け出し防止機能を有する耐震継ぎ手管を全面採用し、管路の耐震継ぎ手化を推進しております。
 また、平成二十二年度からはそれまでの取りかえ延長を倍にふやす事業に取り組んでおり、平成二十六年度には東京と大阪の距離に匹敵する五百五十五キロメートルの管路の取りかえを実施し、管路の耐震継ぎ手率が三七%にまで向上しております。

○高椙委員 都の水道管の長さは、地球の三分の二周に相当する約二万七千キロメートルにも及ぶと認識しております。そのため、全ての管路を耐震継ぎ手化するためには多くの時間を必要とします。
 既に水道管の材質は耐震化されていることから、我が党では、減災の観点から、優先度を踏まえた耐震継ぎ手管への取りかえを実施すべきと提案してきました。水道局では、それを踏まえて取りかえを実施しています。
 そこで、改めて管路の耐震継ぎ手化をどのように進めているのかをお伺いしたいと思います。

○今井給水部長 水道局では、ご提案を踏まえ、断水被害を効率的に軽減するため、首都中枢機関や救急医療機関など重要施設への供給ルートや被害が大きいと想定される地域などを優先的に耐震継ぎ手管へ取りかえております。
 平成二十六年度からは、大規模救出救助活動拠点やオリンピック・パラリンピック競技施設を重点施設として新たに位置づけ、平成三十一年度までに供給ルートの耐震継ぎ手化を完成させます。

○高椙委員 首都機能を震災時においても維持できる水道は、世界一の都市東京をアピールする上で非常に有効でございます。ぜひ着実に取り組みを推進してもらいたいと考えます。
 これまでの質疑で、管路については、さまざまな取り組みによって安定給水への信頼性が向上することがわかりました。
 その一方で、近年の社会情勢を踏まえると、本年も、JRの通信ケーブルを焼くような事件もございました。東京都も都庁ビルのセキュリティー強化を図っております。こういったことで、水道施設を対象としたテロ等についても、安定給水を脅かす要因の一つであると思います。テロ行為等のリスクは、オリンピック・パラリンピックを控え、今後さらに高まることが予想されます。
 そこで、浄水場ではテロ行為等のリスクに対してどのように対応しているのかをお伺いしたいと思います。

○青木浄水部長 都の浄水場におきましては、テロなどのリスクに対応するため、さまざまな取り組みを行ってございます。
 具体的には、不審者の侵入防止対策として、上部に忍び返しと侵入防止センサーを備えた高さ二・五メートルの周囲柵を整備しております。
 また、警備会社による来場者の入退場管理や巡回警備を実施するなどの警備体制を整えてございます。
 さらに、浄水場に引き込む原水への毒物混入対策として、毒物による異常を速やかに検知するため、魚の反応を利用した毒物検知水槽を設置し、三百六十五日二十四時間の監視を実施してございます。
 加えまして、浄水処理の最終工程となるろ過池におきましては、太陽光発電設備を兼ねた覆蓋化を実施してございまして、異物の混入防止対策を講じているところでございます。

○高椙委員 ただいまの答弁で、テロ等に対しても、浄水場でハード面、ソフト面の対応がとられていることを聞き、安心いたしました。
 さきの第三回定例会において、我が党からの質問に対し、大規模浄水場更新に際しては、沈殿池等を含めたさらなる覆蓋化を検討していくとのご答弁がございました。今後も着実にテロ等の危機管理対策を進めていただきたいと思います。
 次に、多摩地区の状況について何点か確認させていただきます。
 東京水道施設整備マスタープランでは、安定給水確保のため、多摩地区の施設整備を大きな柱として掲げております。多摩丘陵幹線や多摩南北幹線の整備を推進し、広域的なネットワークを構築していることは評価いたします。
 しかしながら、多摩地区では、水源確保や料金格差解消などの課題を解決するため、もともと市や町が運営していた水道事業を、市や町からの要望により都営水道に一元化し、その際、業務の一部を各市町に事務委託してきたことから、課題も多いのではないでしょうか。
 そこで、施設面において具体的にどのような課題があるのかをお伺いしたいと思います。

○芦田技術調整担当部長 多摩地区には、七十カ所の浄水所、百二十六カ所の給水所等が点在し、そのほとんどが市町が水道事業を経営している時代に整備された小規模な施設で、築造から四十年以上経過したものが多く、老朽化が進行しております。
 また、震災や事故時等においても給水の確保につながる給水所等における配水池の容量が不足しております。
 さらに、給水所等からお客様のご家庭まで水をお届けするための配水管については、市町域を越えた管路が十分でないなど、区部と比べて管網の整備が進んでいないことから、漏水事故の際に断水が広範囲に及ぶとともに、老朽化した管の取りかえも困難な状況となっております。

○高椙委員 都営一元化などの歴史的経緯から、施設面において多摩地区特有の課題が多くあることがわかりました。
 そのうち、まず配水管網について伺います。
 配水管網が不足しているため、事故時等に広範囲に断水が生じるばかりでなく、古くなった管の更新も難しいとのことでありました。
 そこで、既に事務委託は平成二十四年に完全解消され、都が直接業務を行うようになりましたが、現在の配水管網整備の状況についてお伺いしたいと思います。

○牧田施設部長 平成二十五年度に策定した多摩水道改革計画二〇一三に基づき、配水管ネットワークの構築を目指して、配水管網の骨格となる配水本管の整備を積極的に進めております。
 これによりバックアップ機能が強化され、震災時や事故時はもとより、管路更新時における給水の安定性が向上いたします。
 平成二十六年度に新設した配水本管の延長は約二十キロメートルであり、事務委託解消前の平成二十三年度に比べて倍増しております。

○高椙委員 事務委託の解消後、配水管網については着実に整備が進んでいるようでございます。
 また、先ほどのご答弁では、小規模施設の老朽化や配水池容量の不足も課題であるとのことでした。
 そこで、こうした課題への対応状況についてお伺いしたいと思います。

○牧田施設部長 多摩地区の小規模施設につきましては、老朽化の進行や配水池容量の不足などの状況を踏まえ、計画的に整備を行ってございます。
 現在、調布市内の深大寺浄水所と立川市内の柴崎浄水所におきまして更新工事を進めております。また、府中市内の幸町浄水所などで更新工事の設計を進めております。
 これらの施設では、いずれも老朽化した施設の更新に合わせて必要な配水池容量を確保することで、平常時はもとより、施設の事故時や震災時においても給水の安定性が向上いたします。

○高椙委員 私も国分寺でございまして、多摩地区に住んでおります。多摩地区の水道施設は住宅地に隣接しているものが多く、また、敷地が狭隘なものもあります。配水池容量をふやすといっても、相当の工夫が必要ではないでしょうか。
 そこで、小規模施設整備の際にどのような工夫をしているのかをお伺いしたいと思います。

○牧田施設部長 多摩地区の施設整備には、住宅の隣接や狭隘な敷地など多くの制約が存在しております。
 立川市内の柴崎浄水所では、狭隘な敷地の中で、施設の部分的な撤去により生み出された空間を利用して段階的に施設を整備することで、施設の機能を全停止させることなく更新工事を進めております。
 府中市内の幸町浄水所では、配水池を地下深くまで築造することにより、必要な配水池容量を確保することとしております。
 また、多摩北部地域におきましては、既存の敷地内で更新が困難な小規模施設を統合し、清瀬小児病院跡地を活用して新たに給水所を整備してございます。
 施設整備を進めるに当たりましては、丁寧な住民説明などを行うとともに、低騒音、低振動工法を採用することにより、近隣の住環境に十分配慮しております。

○高椙委員 整備に当たっての課題も多く、施設整備は一朝一夕にはなし得ないことがわかりましたが、着実に推進して、多摩地区の給水安定性の向上に努めてもらいたいと思います。
 次に、多摩地区の業務運営体制についてお伺いします。
 多摩地区では、各市町が事務委託という形で業務を実施してきており、業務運営も各市町がそれぞれ行ってきたことから、区部とは異なる特有の課題があったのではないでしょうか。
 そこで、事務委託においての業務運営面などの課題と、それが事務委託解消でどのように変わったのかお伺いをしたいと思います。

○石井調整部長 事務委託により市町ごとに水道業務運営が行われていたため、転居手続や問い合わせがお住まいの市町内に限られていたことや、市町域を越えた給水の融通が困難であるなど、広域水道のメリット発揮に限界がございました。
 事務委託の解消により、多摩地区全域の転居手続等を多摩お客さまセンターで一括して受け付けるワンストップサービスの実現や、料金支払いが可能な金融機関数の大幅な増加等により、お客様サービスが格段に向上いたしました。
 また、施設の遠隔制御と運転管理の集中化による市町域にとらわれない一体的な管理体制を導入したことにより、給水安定性が一層向上したことに加え、施設管理における業務の効率化が図られました。

○高椙委員 業務運営面においても、事務委託解消により多摩地区住民へのサービス向上などが図られたとのことでした。引き続き、さらなるサービス向上等に努めてもらいたいと思います。
 ところで、事務委託解消が本格的に始まったのは平成十八年でありますが、平成二十四年までの短期間で、大きな混乱もなく都に業務を移管し、完全解消を実現しました。
 そこで、業務移管に当たってどのような工夫があったのかお伺いしたいと思います。

○石井調整部長 事務委託の解消に当たり、市町の職員約一千百人が行っていた業務の全てを都が直接行うことは困難でございました。そのため、水道に関するノウハウや専門性を有する監理団体との一体的な業務運営体制を構築し、業務に当たっております。
 具体的には、給水装置の審査、浄水所や給水所の運転管理等の技術的業務は東京水道サービス株式会社へ、お客様対応の窓口や未納料金の徴収整理等の事務系業務は株式会社PUCへ業務委託を行っております。
 これらを通じて、公共性と効率性を両立しながら、多摩地区水道事業の安定的な業務運営を確保してまいりました。

○高椙委員 各市、各町において多くの職員が実施してきた業務を、スムーズに、しかも短期間で業務移管ができたのは、監理団体二社の存在が大きいことがわかりました。
 市が直営で行ってきた業務を監理団体と連携して行うことで、公共性を確保しつつ、効率性をも両立した業務運営体制は評価できます。
 現在、都では、監理団体を都政グループの一員として積極的に活用していくとしていますが、水道局の取り組みはその先駆けとなるものであると考えます。
 しかし、監理団体への業務委託にはいろいろと批判のあることも事実でございます。今後とも、しっかりとした対応でこの体制を充実させていただきたいと思います。
 これまで安定給水確保の観点で質疑を行い、特に私が住んでいる多摩地区の課題について浮き彫りにしてまいりました。
 さきの第三回定例会の代表質問でも我が党は取り上げましたが、施設整備面に加え業務運営面でも、多摩地区水道を真の意味での広域水道に再構築していく必要があると考えます。
 そこで最後になりますが、今後の多摩地区水道の運営について局長の決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
 よろしくお願いします。

○醍醐水道局長 当局では、多摩地区水道の事務委託完全解消などを踏まえまして、平成二十五年五月に多摩水道改革計画二〇一三を策定し、この計画に基づき、さまざまな施策を推進してまいりました。
 平成二十六年度には多摩丘陵幹線が全線完成をいたし、本年五月には奥多摩町の基幹施設である、ひむら浄水所が完成するなど、広域的な整備に一定の成果を上げているところであります。
 しかしながら、ただいまの委員からのご質問、それに対する答弁のとおり、市町営水道時代に整備された多くの施設で老朽化が進行していることや、今なお配水管網が不十分であることなど、依然として多くの課題が残る状況であります。
 私どもといたしましては、今後、こうした課題を解決し、名実ともに広域水道と呼べるよう、多摩地区水道を本格的に再構築することにより、将来にわたる給水安定性の向上とお客様サービスのさらなる充実に向け全力で取り組んでまいります。

○遠藤委員 よろしくお願いいたします。
 先日、二十六年度の水道局の決算について、局長並びに総務部長からご報告をいただきました。
 この二十六年度の水道局の事業、決算をどう評価して、それを二十八年度、決算質疑ですから翌年の予算にどう反映するかと、こういうことだと思いますけれども、一言でいうと、二十六年度を総括するとどうだったのかということをまずお聞きしたいと思います。

○黒沼総務部長 平成二十六年度は、東京水道経営プラン二〇一三に基づきまして、各種施策を着実に推進するとともに、事務事業の効率化や建設維持管理コストの縮減等に努めまして、プランで見込みました経営努力の規模を上回ります約四十一億円を確保いたしました。
 また、今後の施設更新によります財政需要、これに備えるため、新規債の発行抑制に努めた結果、企業債の残高は約二千五百二十億円となりまして、前年度に比べ約二百九十三億円減少いたしております。
 今後とも、安全でおいしい水の安定的な供給に必要な事業を着実に推進していくため、本決算の結果を平成二十八年度の予算編成にも適切に反映するとともに、引き続き経営の効率化を図ることなどによりまして健全な財政の運営に努めてまいります。

○遠藤委員 さまざまご尽力いただいて、経営の効率化を図られているという趣旨の答弁だったと思います。
 水道局が長年培われてきたすぐれた技術、またノウハウ、その国際展開、また、そういうすぐれた技術、ノウハウは、裏を返せば、危機に陥ったときにも脆弱性もあると思いますので、その辺のところは後で質疑したいと思いますけれども、いずれにしても、すぐれた技術、ノウハウというのは、我が国のみならず、特にアジア地域の途上国における水質の改善、また、水道技術の発展等々にも寄与するものだと、このように思っております。
 いろいろいただいた資料の中で、特にトピックとして扱われているのが、昨年度、ミャンマーのヤンゴンで展開をされました無収水対策です。これはパイロット事業だということでお伺いをしております。
 この具体的な中身、取り組みと成果について詳しくご報告をいただきたいと思います。

○斉田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 漏水などの無収水の割合が七割近くあり大きな課題となっておりましたミャンマーのヤンゴン市から、東京水道に対しまして技術支援の要請がなされました。
 このため東京水道では、平成二十五年度に技術協力等に関する覚書を締結し、現地セミナーの開催や訪日研修などの技術協力を進めております。
 さらに、平成二十六年十月から平成二十七年三月まで、政府開発援助、いわゆるODAを活用した無収水対策事業を実施しております。具体的には、漏水調査、修繕、水道管の取りかえ、水道メーターの設置などであり、実施に当たりましては、現地職員の人材育成を図るため、東京水道の技術者が直接技術指導を行っております。
 事業成果といたしましては、対象地域の無収水率を七七%から三二%まで大幅に削減するとともに、二十四時間給水を実現するなど、現地の水道事情を大きく改善させております。

○遠藤委員 今、答弁していただきましたけれども、無収水率を七七から三二%まで大幅に削減したと、こういう努力の一端をご答弁いただきました。
 大分前になりますけれども、私もたしかNHKの報道番組で、これは東京都水道局の皆さんの取り組みかどうかわかりませんけれども、いわゆる途上国に行かれて、こういう技術、ノウハウを伝えるというドキュメントをやっていました。
 やっぱり皆さん方にしては当たり前の取り組みなんですけれども、現地のこういう方々にとっては、なぜ漏れちゃいけないんだと、なぜそこまでやるんですかと。夜中いろいろ動いて、漏水のチェックをしたり、ちょっとやそっと漏れても、それは問題ないじゃないですかと。
 こういう中で、いやいや、そうじゃないんですと。きっちりと全部つなげてやることが安全・安心な水を供給することになるんだということを、本当に文化の差とか言葉の壁がある中、一生懸命伝えていた、そういうドキュメンタリーというか映像を見まして、今の答弁と二重写しになりました。
 今、答弁の中でもありましたけれども、人材の育成、これは現地の事業体の、人を育成していくという取り組みも大変大事であると思います。
 途上国の水道事情の改善に向けた国際展開、特に人材育成という観点で、今後の取り組みについてもう少しお答えいただきたいと思います。

○斉田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多くの途上国におきましては、職員の技術やノウハウが不足しておりまして、持続的な事業運営のための人材の育成支援や課題解決のための技術協力が必要となっております。
 そこで、本年六月に策定いたしました東京水道国際展開プログラムに基づきまして、訪日研修や職員派遣などによりまして、東京水道のすぐれた技術、ノウハウを伝え、海外水道事業体職員の育成に貢献してまいります。
 さらに、海外都市の実情やニーズに合わせまして、現地の水道事情を改善する技術協力事業やインフラ整備事業を進めるなど、総合的な取り組みを推進してまいります。

○遠藤委員 中にもありましたとおり、水道国際展開プログラムということで事前に頂戴いたしましたけれども、実に幅広い分野で国際展開されているなということがよくわかります。
 知事は、きのうからですかね、海外出張にまた行かれましたけれども、まさに知事が唱える都市外交というのは、単なる儀礼にとどまらないで、具体的にそれぞれの都市が持つ技術、ノウハウを互いに交流し合いながら、それによって民生を安定して、ひいてはその地域の平和と安定に貢献すると、これが知事が唱える、そして我が党もそれは大いに賛同でありますけれども、そういう国際都市外交を展開すると。
 その中で、今答弁いただいた水道局の国際展開というのは、まさに最も売りというか、かなめになる、こういう事業であると思いますので、今後の展開を大いに期待いたしたいと思います。
 次いで、水質、水の管理、これについて何点かお伺いしたいと思います。
 ことしの予算特別委員会で、先ほどテロについて質疑がありましたけれども、私は、サイバーセキュリティー対策ということで、都におけるサイバーセキュリティー対策について質疑を行いました。
 主に、統括をする総務局さんに質疑をいたしましたけれども、その際、水道局長からも答弁を頂戴したわけであります。
 その際、水道局長からは、水道施設をコントロールするシステムは、インターネットからは接続ができない仕組みになっている、現在考え得る最大限のセキュリティー環境対策を講じていると。一言でいえば心配ないですよと、こういう答弁がありました。
 折しも、きのう、その質疑に沿った形で、東京都として、都庁の情報セキュリティーに関する指針を八年ぶりに改定した。そして、来年の四月でしょうか、全庁統一の都庁版CSIRTを構築すると、こういうことが発表されて、マスコミにも大きく取り上げられました。
 この予特の際も私は申し上げましたけれども、この後触れますけれども、やはり事故というのは思わぬところから発生するわけでありますので、想定外を想定する、こういう危機感をぜひ持っていただきたいと、このように思います。
 きょうは詳しくはやりませんけれども、事前にご説明いただいた東京版の水安全計画ということで、さまざまな国際安全基準等々を非常に高度な仕組みとして確立されているんだと思います。
 冒頭申し上げましたとおり、こういうシステム等々は、健全な状態でワークしているときはいいんですけれども、一旦ほころびが出ると人の手に負えないという状況が想定されると思いますので、改めての依頼となりますけれども、ぜひ想定外を想定する危機感を持ってサイバーセキュリティー対策に臨んでいただきたいと、このように思います。
 水質の管理ですね。水道局さんの狙い、根本、理念、スローガンは、やはりいろんなところでいわれていますけれども、安心でおいしい高品質の水の安定給水というか供給、これが、水道局さんの使命を一言であらわすと、安心でおいしい高品質の水を安定的に供給する、これが先にも後にも水道局さんの使命であると、こういうことを聞いておりますし、局長もいろんなところで述べておられます。
 そこで、水源水質に影響を与える事故というのはどんな頻度で発生しているのか、平成二十六年度における水質事故の発生状況について答弁をいただきたいと思います。

○青木浄水部長 平成二十六年度に都の水源で発生した水質事故は二百件でございます。その主な原因は、車両事故等に伴う油の漏出が約六割を占めてございまして、そのほかに工場からの化学物質の漏えいなどがございます。
 なお、断水、減水など、給水に影響を与えた事故はございませんでした。

○遠藤委員 今、手元でわかれば教えてもらいたいんですけれども、二十六年度は水質事故は二百件と、こういうことでありますけれども、この年間二百件というのは、大体いつもこれぐらいの数字で平均的なものなのか、それとも例外的に例えば多いとか、少ないとか、またその傾向は、二十六年度は二百件ということで、六割が車両等の事故、残りの四割は工場からの化学物質の漏えい等だと、こういっておりますけれども、さかのぼると近年の傾向ではどんなことがいえるのか、今手持ちの資料の中でいえることがあればお願いします。

○青木浄水部長 水質事故の近年の傾向でございますが、ほぼ、件数としては横ばいの状況でございます。
 それから、原因につきましても、車からの油の漏出事故等が同じようにかなり多くを占めてございまして、傾向としてもここ数年間は同様の傾向を示してございます。

○遠藤委員 ほぼ二百件ぐらいで車の事故等々で六割ということで、車の事故が何を原因として起こるのかよくわかりませんけれども、六割が大体続いているということなので、その辺の事故防止みたいなものを、交通局がやるべきことなのか、それとも、その道を整備している当該自治体の関係者、道路管理者がやることなのかよくわかりませんけれども、事故を減らす取り組みというのも積極的にかかわって、まず事故の数字を減らすということが大事なんだろうなと思います。
 局長も、新たに就任されて、いろんなところでインタビューを受けられていますけれども、局長はいろんなところ、現場を見られて、感想を述べられて、水源林管理のために多くの林業職の職員を配置して、治山や林道の整備まで行っているということで感嘆しているというんで、私もこれを読ませていただいて、水道局の職員さんがこういうこともされるのかと、私も驚くと同時に、こういうところまでされているんだなと思って、感心というか、感嘆したんですけれども--年間二百件、しかしながら、先ほど答弁ありましたとおり、幸い断水ですとか減水などの、給水に影響したということはないということでありました。
 しかしながら、記憶にあるところでは、近接の県で水道水にホルムアルデヒド、これが混入というか発生して、広域的な断水が発生したというニュースが以前ありました。このような大きな水質事故が発生すれば、水道の供給継続にも重大な影響が及ぶんであろうと、このように思います。
 当時を振り返ってみて、一体ホルムアルデヒド事故、どんなものであったのかについて、振り返るようですけれども、ご報告をいただきたいと思います。

○青木浄水部長 平成二十四年五月に、利根川水系において発生した水質事故の概要でございますが、埼玉県や千葉県の一部の浄水場で、国の基準を超えるホルムアルデヒドが浄水から検出されたことから、最長で約四日間の送水停止を余儀なくされ、千葉県野田市や柏市など五市で約九十万人に影響する断水が発生したものでございます。
 その原因は、浄水場で消毒のために注入する塩素と反応しホルムアルデヒドを生成する化学物質を、群馬県にある事業場が適切に処理せずに河川に排出したことによるものでございます。

○遠藤委員 原因は特定されておりますけれども、かなり大規模かつ深刻な事故であったということであります。
 都も当然利根川水系、都も取水しているわけでありますけれども、都としてこの事故で影響があったのか、あったとすればどんなことなのか、なかったのであれば何があったから影響がなかったのか、お答えいただきたいと思います。

○青木浄水部長 ホルムアルデヒドやその原因物質は、高度浄水処理で効果的に取り除くことが可能でございます。事故当時、利根川水系の全ての浄水場に高度浄水処理の導入を進めておりましたが、三郷浄水場では、場内管路の連絡工事に伴いまして高度浄水処理を停止し、通常の浄水処理で運転をしていたため、取水及び送水を約三日間停止したところでございます。
 事故発生後、直ちに水道水の水質に影響を及ぼすあらゆるリスクを想定した水安全計画に基づきまして、必要な対応を実施いたしました。
 具体的には、利根川水系の浄水場に加えまして、多摩川水系の浄水場におきましても増量運転を行うとともに、東京都全域の送水管ネットワークを活用することにより、三郷浄水場の給水区域を含め全ての給水区域で断水等を回避したところでございます。

○遠藤委員 全国に先駆けて導入した水安全計画が有効にワークして、幸い一つの、三郷は工事していてとまったけれども、迂回させるような形で、ネットワークとして有効にワークさせたんで、都としては大きなリスクというか被害を回避することができたと、こういうことなんだろうと思います。
 ただ、技術が絶えず進歩していく中で、先ほどのサイバーテロの話もそうですけれども、過去に例のない化学物質の発生と新たなリスクが懸念されます。
 そこで、この新しいリスクが発生するおそれというのはさまざまな状況があると思いますけれども、水道局さんが策定している水安全計画、これは全ての浄水場、浄水所でそれぞれ個々別々に水安全計画をつくっているようでありますけれども、この辺のリスク管理、対応はどうなっていますでしょうか。

○青木浄水部長 水安全計画では、水道水質に影響を及ぼすおそれがある全てのリスクを分析いたしまして、五百種類以上の対応方法を明確化した上で、約四十種類のマニュアルに取りまとめております。
 さらに、新しいリスクに対しても、PDCAサイクルの活用により、浄水処理方法などの情報を速やかに水安全計画のマニュアルに取り込み、機動的に対応してございます。
 ホルムアルデヒド事故は、原因物質が消毒用の塩素と反応しホルムアルデヒドが生成されるという特殊な事例でございましたが、この事故で得た浄水処理や検査体制に関するノウハウを直ちに水安全計画に取り込み、日常的な監視や浄水場での処理に活用しております。
 今後もさまざまなリスクに関する最新の情報を収集、調査いたしまして、水安全計画に取り込むことにより、水質管理のレベルアップを図ってまいります。

○遠藤委員 PDCAでチェックして、それをマニュアルに反映して、より安全な水の供給制度を高めていくと、こういうことだったと思います。
 ただ、事故があるとか、問題があって、それをマニュアルに反映すると一概にいっても、やっぱり現場の職員の皆さんというのは、これは大変な労力が要ると思いますので、そうじゃないと思いますけれども、マニュアルに書いてあるから大丈夫だということではなくて、不断の研修というか、そういったこともしっかりやっていただきたいと思います。
 後段、水の管理、水質の管理に向けた点について確認をさせていただきました。
 水道局長就任から三カ月ということで、いろんな思いがあると思いますけれども、最後に、水質管理、やっぱり安全・安心ですので、ここに対する局長の今後の決意というか、またほかに、三カ月たって、いろいろいいたいことがあるということであれば、それも含めてしていただきたいと思います。

○醍醐水道局長 水道は、都民生活や都市活動に欠かすことのできない基幹的なライフラインであります。副委員長からも今お話がありましたとおり、安全でおいしい水の安定供給というのは、私ども水道事業者の最大の使命であるというふうに認識をしたところであります。
 その中でも水質管理への取り組みは、安全・安心を一層向上させる上で最も重要な施策の一つであります。こうした認識のもと、私どもといたしましては、これまで高度浄水処理による水質悪化への対応や送水管ネットワーク等を活用した給水の確保、さらには水安全計画の着実な運用による危機管理体制の構築など、ハード、ソフト両面から、徹底した水質管理に取り組んでまいりました。
 今後とも、新たな有害物質の出現などのあらゆるリスクを想定した万全な水質管理体制を水道システム全体で構築していくことによりまして、現在はもとより、将来にわたりまして都民の暮らしの安全と安心を支えてまいります。

○遠藤委員 水道については以上です。
 最後に、工業用水道事業について一言だけ意見を申し述べたいと思います。
 改めて申すまでもなく、工業用水道は、地盤沈下の防止という目的のために、地下水をくみ上げないと。こういう規制に伴う、代替水を確保するという行政の目的のために導入されたわけであります。
 資料をいただきましたけれども、五〇年代以降、地盤沈下は鎮静化して、そういった意味では所期の目的は達成されているんだろうと思います。
 さらに、工場の都外への移転や、または水使用の合理化等によって、需要そのものも減少してきていると。地盤沈下を防ぐという目的が達成されて、使われている方々も減ってきていると、こういう客観的な状況があります。
 決算書を見てみると、二十六年度末の給水件数は五百五十四件、前年度末から十四件減少と。それに対応するように、基本の水量、また配水量も減っていると、こういうデータであります。
 お金の方については、二十六年度は料金収入は七億一千六百万に対して、一般会計からの補助金は二億一千万、支出金は六千七百万、かなりの額が繰り入れられている。後で足していただければわかりますので、かなりの額が繰り入れられているわけであります。
 一方で、施設は老朽化が進んでおり耐震化もままならないと、こういう状況であります。
 庁内で関係各局によるあり方検討会を設置して議論を進めているということであります。それぞれ中小企業をバックアップする産労さんは産労さんの考え方があるんだと思います。お金を取り扱う財務さんは財務さんの考え、または長い歴史の中で、水道局は水道局のお考え、つながりがあるんだと思いますけれども、どこかで決断をしなければいけない、こういう時期になっていると思いますので、ぜひスピード感を持ってこのあり方検討会で検討していただきたいし、またそこの鍵を握るのは水道局さんであると思いますので、ぜひこの取り組みを加速化していっていただきたいと、このように思います。
 あともう一つ、先日、私も都議にしていただいて十年になるんですけれども、申しわけないことに、初めて水道橋にあります水道局の歴史館に行かせていただきました。入るとすぐ左側に、平成十八年だったと思いますけれども、皇太子様もご視察に来られているという由緒ある資料館でありました。
 本当に江戸から始まる東京水道の歴史、または最近の取り組み等々、非常によく展示をされておりまして、ぜひああいう施設、十年たった私が行ったんで、偉そうなことをいうのは大変申しわけないんですけれども、ぜひ都民にも広くアピールしていただいて、局長も、ある席というか、こういう報道でいっておられますけれども、やはり東京の水というのは、局の大変な努力があるからこそ、世界的に見ても安全な水が安定供給されているんだと。
 ぜひこうした取り組みも都民の皆さんに、供給側の水道局さんと需要側の都民が、共通の理解を持ってもらいたいと、こういう願いも書かれております。この水道歴史館というのは、本当にそれに寄与する非常にいい施設だと思いますので、このアピールの積極活用を二十八年度に、さらにしていただきたい、このことを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○和泉委員 私からも若干質疑を行います。
 要求資料を見ますと、二〇一四年度の浄水場における自然エネルギー等による発電状況は、三郷浄水場、金町浄水場が大変低いものになっていますが、まずその原因について伺います。

○横田設備担当部長 三郷浄水場の太陽光発電設備は、平成二十六年七月から平成二十七年二月までの約八カ月間、発電した電力の送電先にある電気設備工事の影響によりまして、太陽光発電設備そのものを停止いたしました。
 平成二十六年度に金町浄水場へ設置した太陽光発電設備は、平成二十七年二月末に工事が完了し発電を開始したため、平成二十六年度は約一カ月分のみの発電実績となっております。

○和泉委員 太陽光発電については、日照に左右されるということもあるんでしょうから、単純計算はできないとは思いますけれども、三郷と金町における太陽光発電は今後ふえるはずだというふうに思いますので、期待したいと思います。
 昨年、私は、地域の住民の皆さんと金町浄水場の高度浄水処理を見学に行きました。原発事故の影響で放射性物質が検出されたことから、地域の皆さんの関心も高く、職員の皆さんの話を熱心に聞いて質問する姿があちこちで見られました。
 原水、浄水ともに放射能測定を行って、測定値を公表し、さまざまな対策も講じていることを直接住民の皆さんが見て確かめたことが不安を取り除くことにもつながりました。
 蛇口から安心して水を飲めるように、職員の皆さんが本当に使命感を持って、熱意を持って取り組んでいるということも同時に感じました。こういった職員の皆さんの努力に敬意を持って感謝したいと思います。
 さて、この金町浄水場ですけれども、とんがり帽子が地元の皆さんに愛されている取水塔があります。少し後につくられた丸い屋根の取水塔とともに葛飾の観光スポットにもなっています。
 見学された方たちからも、そのときの職員の方たちからも話が出ていましたけれども、この取水塔については、つくられてから相当の年数がたっています。老朽化の心配もなされているところです。施設更新の計画はどのようになっているか伺います。

○青木浄水部長 金町浄水場の取水塔につきましては、耐震補強工事を予定しておりますが、現在の外観に大きな影響はないものと考えてございます。

○和泉委員 寅さんの映画にもたびたび登場して、寅さんと同様に葛飾の、柴又の風景になくてはならないものとなっているのがこのとんがり帽子の取水塔です。ぜひ外観を守って工事を行っていただくよう改めてお願いします。
 浄水場、給水所への太陽光発電の設置計画ですけれども、今後どのようになっているのか伺います。

○斉田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 水道局では、これまで浄水場のろ過池覆蓋や配水池の上部などに太陽光発電設備を計画的に設置してきております。
 平成二十七年二月に策定した東京水道エネルギー効率化十年プランでは、平成二十七年度に朝霞浄水場、国分寺緊急資材置場、鑓水小山給水所に太陽光発電の設置を完了し、平成三十六年度までに浄水場、給水所など二十二施設に順次設置または導入規模などを検討する計画となっております。

○和泉委員 わかりました。小水力発電の設置計画についてもあわせて伺います。

○斉田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 水力発電は、地形の高低差などから生じる水の位置エネルギーを電力に変換する発電方式であり、水道局では貯水池と浄水場との高低差や給水所の配水池に引き入れる際の余剰圧力を活用しております。
 先ほど申しました十年プランでは、小水力発電設備を平成三十年度に江北給水所、三十一年度に上北沢給水所、平成三十三年度に境浄水場に設置し、平成三十六年度までにそのほか三施設に設置する計画となっております。

○和泉委員 先ほどの太陽光発電、そして小水力発電ともに、このような再生可能エネルギーによる発電を促進していただくとともに、コージェネレーションシステムによる排熱利用での省エネルギー化など促進していただきたいというふうに思います。
 次に、耐震継ぎ手化について伺います。
 二〇一四年度は、当初計画と比較して実績がどうだったのか。これは先ほど高椙委員への答弁で三七%というふうに答弁がありましたので質問は割愛しますが、この実績が計画についてどの程度までの達成率なのか、あるいは当初に比べてどの程度アップしたのか、この点について伺います。

○今井給水部長 水道局では、管路の耐震継ぎ手化率の計画を東京水道経営プランにおいて、平成二十七年度末までに三八%にするとしております。
 先ほどご答弁させていただいたとおり平成二十六年度末の耐震継ぎ手率の実績は三七%でございますので、計画に対する達成率は九七%というふうになってございます。
 なお、平成二十五年度末の達成率は九二%でございましたので、二十六年度は五%上昇したということになります。

○和泉委員 おおむね目標数値をクリアできているということになるんだと思います。都の建設局、港湾局が発表したデータでは、私の地元葛飾は、液状化の可能性が高い地域と可能性がある地域を合わせると全体の面積の九九%に達しているということです。断水率は、東京湾北部地震が起こった場合に七一・二%、これは区部の断水率四五・二%に比べるとかなり高くなっています。
 この傾向は葛飾だけではなく、城東地域に共通した傾向です。この地域の断水率を低下させていく、これは災害時の安定給水に欠かせないものだというふうに思います。さらに目標を引き上げて取り組んでいただくよう求めておきたいと思います。
 災害時の水の確保に重要な給水車ですけれども、この何年かで給水車の増強はあったのか伺います。

○浅沼サービス推進部長 給水車につきましては、平成二十六年度末現在、区部に十台、多摩に四台、計十四台を配置しており、直近では平成二十四年度に多摩地区に一台購入してございます。
 なお、震災時には、全国の水道事業者間の相互協定によりまして、他都市が保有します給水車等の支援を受け入れる体制を整備してございます。

○和泉委員 相互協定により、他都市からも給水車が支援に入ってくるということでございますけれども、道路が寸断されるとか、それから、まるきり通行どめになってしまうというようなこともあることが想定される中で、果たして十四台で足りるのかなという若干の不安がございます。
 震災時の給水確保については、障害者、高齢者など、震災弱者に対してごく身近な場所で飲料水が確保できる、そういう体制が必要になると思いますが、このような多面的な飲料水確保について、ここ何年かでどのような進展があったのか伺います。

○浅沼サービス推進部長 震災時等により断水した際には、給水拠点、車両輸送及び消火栓等の三種類の方法で開設いたします災害時給水ステーションで応急給水を行います。
 まず、給水拠点では、区市町または都が資器材を設置し、区市町が住民等への応急給水を行います。
 次に、車両輸送は、都が避難場所まで飲料水を運び、区市町が住民等への応急給水を行います。
 さらに、消火栓等を活用した応急給水につきましては、水道局があらかじめ区市町に貸与した資器材を区市町等が設置し、住民等への応急給水を行います。

○和泉委員 この消火栓等において必要な資器材は、水道局が区市町に貸与しているということですが、私も区に確認しましたところ、葛飾では消火栓等につないで応急給水できるキットが今年度中に七十七カ所、全ての避難所に貸与されるということでした。
 いざというときに住民が実際に使えるように、日常の訓練が今後は必要になってくるだろうというふうに思います。区市町や住民との連携を強めていただくようお願いします。
 二〇一四年度は消費税の増税があった年でございます。我が党は、厳しい都民の暮らし向きの状況を示して、その上ライフラインである水道料金にまで消費税増税分を転嫁し、値上げするべきではないと指摘をいたしました。
 しかし、都は、都民の声、生活実態をつかんでいないことが明らかになった中で値上げを行いました。これによる水道料金への都民負担の増額部分について伺います。

○黒沼総務部長 消費税でございますが、ご案内のとおり、消費一般に広く薄く負担を求めまして、消費者がその最終的な負担者となる税でございまして、民間企業と同様に法令上、納税義務があります水道事業者は、その課税対象となる水道料金に適正に転嫁をする必要がございます。
 そのため、平成二十六年四月一日に税率五%から八%に引き上げられました分につきましては、全てのお客様が新税率の適用を受けます同年六月分の水道料金から転嫁してございまして、平成二十六年度の影響額は約六十九億円でございます。

○和泉委員 水道事業会計の二〇一四年度決算を見ますと、配水事業ではもとより、営業外収益も増加しています。預金は五年前より一千億円増加、一方、借り入れとなる企業債残高はこの五年間で一千億円減少。結果的に、年度末資金残高は昨年より約七百億円増加して二千億円を超えました。
 一方、消費税増税による都民への影響額は、当初、七十四億円と試算されていましたが、結果的には六月からの十カ月で六十九億円、単純に一年に換算しますと約八十三億円もの負担増になっているんです。
 水道局は、二十六日に、東京水道あんしん診断を実施し、今後四年半で都営水道供給区域内の全使用者宅を訪問すると発表しています。この際、このような莫大な利益を上げる中で、都民へ水道料金の負担を増加させていることについて、都民の声を聞く取り組みもあわせて進めていただくよう求めておきます。
 公営企業法では、基本原則として、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないと規定しています。新規投資を抑え、老朽化施設が増加することに備えて維持補修を重視し、潤沢な保有資金は水道料金の負担の軽減に使うべきだと考えます。
 また、現状では、社会福祉事業に該当しているにもかかわらず、日常生活支援事業や訪問事業を行っている施設が併設されていると、減免対象から除かれてしまうというのが実態です。この点の改善とあわせて、さらに減免の拡充を行うことを求めて質問を終わります。

○西沢委員 私からも質問していきたいというように思います。
 私からは、特に包括外部監査で触れられていたこと、ことし包括外部監査がございましたので、その点について、特に監理団体についてお伺いをしていきたいというように思います。
 水道事業において、水道局と監理団体、それから民間企業があると思いますが、この役割分担についてお伺いをいたします。

○黒沼総務部長 水道事業は、首都東京の都市活動と都民生活を支える最も重要なライフラインでございます。将来にわたり、安全かつ安定的に水道水を供給し続ける必要がある一方、公営企業として常に事業環境の変化等を踏まえて、根本的な経営改革を推し進めていく必要がございます。
 このため当局では、平成十八年度に、公共性と効率性を両立させた一体的な事業運営体制を順次構築していくことを方針決定いたしました。この方針では、民間に委ねられる業務につきましては可能な限り民間事業者に委託をする。これとともに、水道事業における基幹的な業務、このうち経営方針の策定など水道事業の根幹に係る業務は当局が行い、民間事業者に委託した業務の監督指導など、事業運営上重要な業務を監理団体が担うこととしております。
 役割分担については以上でございます。

○西沢委員 根幹にかかわる部分を監理団体でという話でございました。この監理団体も民間企業というか株式会社でございますけれども、具体的には東京水道サービス株式会社、それから株式会社PUC、この二つのことでございますけれども、この二つの監理団体の決算額に対する東京都水道局発注額の割合がどれくらいなものかお伺いいたします。

○黒沼総務部長 ただいまご答弁いたしました当局の基幹的な業務の一端を担っております監理団体につきましては、浄水場の運転管理業務など技術的な業務を担っております東京水道サービス株式会社、それと、未納料金の徴収整理などの事務系業務を担っております株式会社PUCとがございます。
 平成二十六年度におけます東京水道サービスの売上高は約百五十九億円、このうち当局からの受注額は百五十六億円で、売上高に占める割合は約九八%でございます。同じくPUCの売上高は約百十九億円で、当局からの受注額は約百五億円、売上高に占める割合は約八八%でございます。

○西沢委員 東京水道サービスは、ほぼほぼ九八%ということですから、この監理団体、東京水道サービス株式会社は、いってみればその原資は東京都から来ているといっていいと。東京都の税金というか、公金ですね。水道料金というものがほとんど。ですので、民間企業といってもこれはもう公的機関といっても差し支えない。PUCも八八%ということですから、それだけ公の会社だということがいえるということを確認しておきたいというように思います。
 それで、重要な監理団体ということですけれども、外部監査では一体的な事業報告というところがございます。というのは、東京都は、監理団体について、水道経営プラン二〇一三において、不断の経営努力をしていきますということを出しています。
 その中で職員が毎年減っていますよと、ちゃんと整理をしてきましたというようなことでございますが、その一方で、監理団体の職員の数が毎年ふえています、委託額もふえていますということですから、これはいってみれば水道局で幾ら努力していますよといっても、監理団体につけかえているだけなんじゃないのかと、こういうふうに触れられているわけでございます。
 確かにこれはおっしゃるとおりで、わかりづらいというところがあろうかと思います。ですから、事業の報告とか財務情報、一体的な情報の報告などの必要性というものがあるというように思いますが、見解をお伺いいたします。

○黒沼総務部長 水道局ではおおむね三年ごとに取り組むべき事業計画とそれを支える財政計画、これを広く明らかにしました経営プランを策定してございます。
 また、当局と一体となって基幹的業務を担う監理団体二社につきましても、経営状況等を総務局が策定いたします都の基準等に準じて公表しているところでございます。
 しかし、これらを今お話がございました、別々に公表することはわかりにくいため、既に今年度作成いたしました当局の事業概要におきまして、監理団体の財務状況等の一体的な公表に取り組んでおりまして、今後とも公表手法を工夫してございます。
 なお、今、副委員長の方からお話がございました局の方の定数は、職員数は減っているけれども、監理団体の方がふえているというお話、これは事実でございます。業務を移管してございますので、その関係でそういう現象が起きておりますが、監理団体、特にTSS、PUCがふえている最も大きな原因は、先ほどもございました多摩地区水道、こちらを、要は千百人が担っていた業務を完全一元化した際に、東京都の職員をふやさずに、監理団体のノウハウ、定数を活用して実施してきた。こちらが一体型経営のいわば基幹的な内容となってございます。ご理解をお願いしたいと思います。

○西沢委員 定数の話、今、こういう答弁がありましたけれども、やはりそうであればそういうふうに説明をするということだと思います。既に事業概要なんかでは書いていますということですけれども、事業概要、私たちは見ますけれども、一般の方がぱっとわかるものという形では、考えていらっしゃると思いますけれども、ホームページであったりだとか、私たち都民代表ですから、議会に報告する際にも改めて別々に分けての報告というところでなくて、意識していただいて、こういう形で職員定数は減っている、額も減っている、でも、監理団体はこれだけふえている、その理由は何なのだというようなことを議会側が一々一個一個調べてこうなんじゃないかなということではなくて、執行機関の皆さんの方からぜひわかりやすく説明をしていただけるように意識していただきたいと申し上げておきたいと思います。
 続けて、監理団体の交際費についてお伺いをしていきたいと思います。
 包括外部監査の指摘というか意見の中で、監理団体は交際費が高過ぎるんじゃないかというようなことが触れられているところでございます。
 交際費は具体的に幾らなのかというところですが、二十三、二十四、二十五年度の平均では九千三百万円ぐらい、二十三年度は一千二百万超えていますけれども、平均すると大体一千万弱ぐらい、約一千万ぐらいというところだと。これTSSですね、東京水道サービス。PUCの場合は、三年平均すると千六百万円ぐらいですか。年によってばらつきがあるようですけれども、千数百万円で推移しているというようなことだと思います。
 交際費が何千万円かかっているということで、本体である水道局の方が交際費がどれくらいかかっているのかというと、これが昨年、平成二十六年度でいうと千二百六十一円ですね。一件、千二百六十一円で、平成二十五年度になると三件あって二万二千六百六十四円。これはホームページで誰でも見られるものですけれども、千円とか一万円とか二万円の支出に比べて、監理団体が、TSSに関しては一千万ぐらいの--さっき数字を間違えましたね、一千万円ぐらいの額があるよということですが、かなり開きがあるということに触れられているわけであります。
 これはどういったことに使われているのかというと、例えば水道事業の平成二十五年ですか、三月五日、ボランティア参加者向けお茶代の支出という形で七千三百五十円支出しているわけですね。これがこういったことになりますね。
 ほかの局もどうなのかと見てみると、例えば多そうだなとか、大きなものがあるのかなと思うと、意外にそうではない。建設局に関しては、平成二十五年度でいうと四万円、八件でというようなこともあります。環境局に至ってはゼロ円ですね。交際費を全く使っていないというようなところがあります。
 監理団体は株式会社ですから、普通の純粋な会社であれば、交際費というのは例えば受注するために使うこと、社長がさまざまな人脈をつくるために使ったりだとか、接待もそれはあると思います。交際費そのものが悪だということをいうつもりはないです。
 ないんですけれども、先ほども答弁でありました、例えばTSSはその受注額の九八%が東京都です。まさか東京都を接待するということはないですよね、一〇〇%ないと思いますが、なのにもかかわらず、一千万円の交際費を使っているということ、これはおかしいんじゃないかと。これは私もそのとおり思うわけであります。
 ですので、これが実際、何に使われているのかということも含めて、監理団体の交際費について見解をお伺いいたします。

○黒沼総務部長 外部監査の監理団体二社に対する交際費でございますが、今、副委員長からお話がございましたとおり、局と比べて多額であるという意見がございました。
 なお、副委員長も途中で訂正をいただきましたが、計数としましては、TSSは三年間で平均で約九百三十万程度、PUCについては百六十万程度でございますが、局と比べると多額であるという意見がございました。
 こちらにつきましては、これも既にご答弁申し上げておりますが、東京水道サービスは、局のいわゆる基幹的な業務を担うとともに、国際展開事業を実施してございます。いわゆる海外から来客を受ける場合の国際儀礼、慣習等で、例えば歓迎会、送別会等を行うという中で、総体的に支出が多くなっているということでございます。局の事業とは単純に比較できない側面もあろうかとは考えております。
 また、そのほかの支出につきましても、監理団体につきましては局からの事業運営のシェアが圧倒的に多いわけですが、一方で自主事業も展開してございます。この自主事業につきましては、いわゆる民間企業と同じでございますので、例えば営業活動に伴う経費等、こちらはそれぞれ会社が交際費の支出基準を定めて支出したものと認識しております。
 しかしながら、今般の監査の意見を真摯に受けとめまして、局としましても交際費を初め各種支出の内容につきましては、引き続き適切に管理監督をしてまいります。

○西沢委員 国際貢献、国際儀礼などがあるということと、それから自主事業も行うから当然交際費は発生しますよということだと思います。
 TSSに関しては、自主事業は二%ですよね。やっぱりそう考えると、私はすごく多いんじゃないかというように思います。
 きょうの資料に、国際貢献の海外出張に要した経費の一覧がありますけれども、一五ページ、これは交際費に入っていないのかな。このうちの多分幾つか交際費なのかもしれませんが、これは出ていくもので三百十五万円ですね。約三百十四万九千円ですよね。それを差し引いたとしても、やっぱりちょっと高いんじゃないかという気がします。
 ですので、うがった見方をすれば、東京都のものは公開されています。どういったものに使っているのか。お茶代に使っていますよとか、それから、環境局の方ではお葬式だと、慶弔ですね。そういうものに使っていますよということが公開されています。
 ですから、監理団体は、そういった意味で、私はもっと情報公開をきちんとすべきだというように思います。こういうふうにうがった見方をされてしまえば、きちんと説明できるというような形に--もちろん説明できるわけですよね。そういうようにしておかなければ、やはり民間企業、株式会社とはいえ、東京都の公金がほぼ流れて、そのお金で何か飲み食いに使っているんじゃないかと。実際、意見交換会等ということも複数散見されると。
 もちろんそういう必要性があればいいと思いますけれども、じゃ、どれだけ必要なのかというのは、やはり説明をしていただかなければいけないということを申し上げておきたいというように思います。
 それで、包括外部監査の話で続けますけれども、PUCと東京都水道局とで管理運営委託をしています。PUCは、東京都が五六%出資して成り立っている会社で、PUCは検針業務などを管理していると。
 検針をする会社に株式会社宅配、それから第一環境株式会社というものがあると。ここに検針業務を、東京都水道局が委託をしているわけですね。水道局があって、PUCという監理団体があって、PUCというところは検針業務などの管理をしている。
 検針をやるのは、水道局が、これは委託をしているという関係があるわけですが、委託をしている第一環境、それから宅配がPUCの株を三二%持っていると。つまり、管理をする側が株主であるというわけです。株主が管理をするというような状況になってしまっていると。これについて触れられているわけであります。
 ここにも書いていますけれども、監理団体として、事業報告、財務諸表などは、本来株主でなければ閲覧できないさまざまな経営情報の開示を行っていると。透明性、公平性に努めていますよということですから、今のところはそれで大きな問題は起きていないよということですが、やはり外見上、それはおかしいんじゃないのかというように書いているところでございますが、全くそれはそのとおりで、結局、検針業務などを委託しているところに、本当にそれできちんと管理ができるのかといわれれば、やっぱりそれはできないところもあるんじゃないのかというふうに思わざるを得ないところがありますが、検針業務における民間会社二社との関係についてはどうなっているのかお伺いいたします。

○黒沼総務部長 当局が検針業務を委託しております株式会社宅配と第一環境株式会社は、今お話がございましたとおり、株式会社PUCの株主でございます。しかしながら、これは会社法におけます株式会社、こちらでは株主と経営陣というのは、もともと所有する側の株主と執行体である経営は分離をするという大原則がございます。したがいまして、PUCの経営には直接株主は関与してございません。
 また、PUCは一般の民間企業と違います監理団体でございますので、事業報告書など、本来株主でなければ閲覧できないようなさまざまな経営情報の開示を積極的に行っておりまして、対外的に一定の公正性、中立性は確保しております。
 こうしたいわゆる原則論につきましては、包括外部監査人からも一定の理解は得られておりますが、一体的事業運営体制構築の基本方針から約十年が経過してございます。今般の包括外部監査の意見等も踏まえまして、改めまして事業運営のあり方については不断に検証を行ってまいります。

○西沢委員 不断の検証を行うということです。問題はないんだけれども、こういう意見があったんで考えますよということだと思います。
 もちろん株主が直接経営に口を出していませんよということですが、普通に考えれば、やはり三二%の議決権比率を持っているというのは非常に大きいですよね。それは、経営に対してかなり口を出せるような存在に今なっていると。経営に口を出せる存在になっている会社に対して、東京水道が随意契約で検針業務を委託していると。これは、やっぱり見た目がすごくおかしいと思わざるを得ないというように思います。
 ちょっと思ったんですけど、さっき交際費の話がありましたが、PUCから宅配とか第一環境に交際費を使っていますか。わかりますか、わかれば。あるなしでも結構です。金額は急なんで。

○黒沼総務部長 ただいまのご質問でございますが、PUCの交際費の内訳の個別具体の内容につきましては、大変申しわけないんですが、現時点では手持ちがございませんが、一般論として、株式会社PUCの営業活動に付随する交際費ということで当局が認識をしてございます。

○西沢委員 ちょっと明確ではないですけれども、可能性はあるということだと思うんですね。これはまた今後詰めるかもしれませんけれども、要するにいびつな関係なんじゃないのかとやっぱり思わざるを得ないですよね。
 PUCという監督業務するのが株主に対して監督をしなければいけなくて、そこに対してもし交際費として使っていると。交際費といっても、もともとをいえば東京都の都民の水道料金からになってきますよね。
 東京都水道局は規定に基づいて支出しているけれども、監理団体については民間の会社ですから、当然、営業活動の中で交際費が出ていきますよと。だから、それに使ったお金は別に構いませんよとなってしまえば、迂回してやっていると見られてもおかしくないんじゃないかと思います。ぜひそういった部分の考えも是正をしていただきたいというように思います。
 さらに、宅配、第一環境株式会社については、都を退職した、再就職した役員はいらっしゃるんでしょうか。

○黒沼総務部長 検針委託会社への再就職についてでございますが、株式会社宅配へは、平成二十二年度及び二十五年度にそれぞれ一名ずつ再就職をいたしております。
 都を退職した幹部職員の再就職につきましては、在職中に培いました知識や経験を退職後に社会のさまざまな分野で活用するもので、このこと自体は有意義なことだと考えております。
 なお、幹部職員が再就職する場合は、都は、企業の求めに応じて求人内容にふさわしい人材情報を提供しておりますが、その後の選考や採用等につきましては、民間企業の判断等において実施されております。都の再就職基準も準拠した上で適正に運用しているものと認識しております。

○西沢委員 やっぱり退職役員がいるということですよね。だから、ますますかなり深い関係なんじゃないかなと思わざるを得ません。
 さらに今、答弁の中で、その方が退職された後に自分でハローワークに行くなりして就職活動して就職したということではなくて、東京都の方で人材情報を提供しているわけですよね。
 つまり、この人どうですかと。もちろん、最終的に採用するか採用しないかというのはその会社が決めるわけですけれども、これだけ一体的な会社ですよ。随意契約で検針業務を水道局から受託している会社で、東京都の監理団体の株を三二%取得して、そこに検針業務の管理をされるという会社なわけですよね。私は、うがった見方をすれば、何かあるんじゃないかというように思ってしまいます。
 もし希望があれば受け入れざるを得ないでしょうし、そういったものはあった方がいいと都側も思うんじゃないかとやっぱり思ってしまいますよね。ぜひそうしたところにおいて情報公開というもの、監理団体は情報公開が進んできています。退職職員がどれだけあるのかというのは、ホームページでもわかるようになっておりますけれども、それ以外のところについても、役員ですけれども、私は情報公開をもう少ししていくべきなんじゃないかなと。
 それから、やっぱり説明ですね。きちんとした説明があればということだと思いますから、ぜひ説明を、今後そういったことについても求めていきたいというように思います。
 この民間会社、宅配と第一環境、検針業務をやっている会社については、平成十六年の包括外部監査でも、これは随意契約について見直すべきなんじゃないかというような意見がございました。
 十年たってもいまだに随意契約しているということですか、この経緯は何でしょうか。

○浅沼サービス推進部長 平成十六年度の包括外部監査の意見を受け、検針業務の契約につきましては、それまで継続的に行ってきた随意契約を見直すこととし、平成十九年度に一部区域において競争入札を導入いたしました。
 その結果、新規事業者が落札いたしましたが、能力不足によりまして業務継続が困難となり、契約を解除する事態に至りました。
 こうしたことから、平成二十年度以降は、価格競争のみで契約を決定するのではなく、契約類型上は随意契約ではあるものの、安定した履行能力を担保しつつ、競争性、透明性を確保するため、履行能力を総合的に評価し、事業者を選定する履行能力等審査方式を一部区域から実施し、現在、実施区域を順次拡大しているところでございます。

○西沢委員 これまでの質疑で、検針業務について幾つかの課題があるというようなことがわかったんじゃないかと思います。今の随意契約も、一旦は競争入札にしたけれども、能力不足なのでかえましたということですけれども、もちろんそういうことがあろうかと思いますが、今の、いってみれば一体的過ぎる団体と会社との関係を見れば、本当にそうなのかとやっぱり見られてしまうと思います。
 この課題も私は指摘をさせていただいた上で、今後の検針業務のあり方についてお伺いいたします。

○浅沼サービス推進部長 検針業務は、水道事業におきまして料金算定の根幹をなすものでございます。お客様サービスの品質の維持向上の観点からも、安定的かつ適正な業務の履行を確保するための取り組みが必要であると考えてございます。
 そのため、このような検針業務の特性や市場の実態を十分に踏まえるとともに、今般の外部監査の意見を真摯に受けとめまして、安定的かつ適正な業務の履行を確保しつつ、競争性も発揮される契約形態を引き続き検討してまいります。

○西沢委員 議会の意見もぜひ真摯に受けとめていただきたいというふうに思います。
 時間を思ったより使ってしまってないんで、ちょっと駆け足で質問していきたいと思いますが、再委託についてお伺いをしていきます。
 下水道局の、おとといの分科会でも質問しましたが、監理団体の再委託の件数、金額、割合についてお伺いいたします。

○黒沼総務部長 都の監理団体指導監督基準におきましては、都から受託を受けた業務の一部を再委託することにより、都民サービスの効率化を図ることができる業務はこれを推進することとしております。
 当局の監理団体におきましても、受託した業務を効率的に行うため、補助的業務等につきましては再委託を活用しております。
 平成二十六年度におけます東京水道サービスの再委託の件数でございますが、百七件、金額にして約四十六億円でございまして、局受託事業に占める再委託の割合は約二九%になってございます。
 同じくPUCにおけます再委託件数は五十七件、金額にして約十六億円、再委託の割合は約一五%となってございます。

○西沢委員 下水道局でも同様の質問をしていますけれども、水道局、特にTSSは二九%、三割ぐらい、そこそこあるのかなという印象を持ちました。
 再委託の規制についてです。当然、国なんかでも一括再委託は原則禁止であったり、再委託をする場合には、合理的な理由があって、審査をして、承認をするというような基準があったり、経済産業省の外郭団体、NEDOの中においては、再委託全般に含めても五〇%以上は再委託禁止と。これは、全部含めて、一括再委託はもちろん禁止なんですけれども、そうじゃない、理由があったとしても五〇%以上だめよというような、こんな基準があるわけですが、東京都水道局において監理団体の再委託についての規制はどんなものなんでしょうか、お伺いいたします。

○黒沼総務部長 当局では、監理団体二社への委託契約につきまして、全部または大部分を一括で再委託することを原則禁止しております。
 また、それぞれの業務委託の仕様書に基づきまして、補助的業務などにつきまして監理団体各社が再委託をする場合には、必ず事前に当局の承諾を得ることといたしております。

○西沢委員 事前に局の承諾を得るということでございますが、同じく、TSSもPUCも一体的な会社でございますので、承諾といっても、私は、本来は国の方では合理的な理由があるか審査するとしているんですよ、物にもよりますけれども。そうした中で承諾というのは、私は緩いんじゃないかなという気がします。
 再委託について質疑をするのは、マンションの傾きの問題、一次下請、二次下請、三次下請と、委託というようなことがさらに再委託されるということは、民間企業でもよくあることではありますけれども、それによって三次請、四次請になってしまうということになると、なかなか業務について管理ができなくなってしまうというようなこと。
 おとといも指摘をしていますけれども、横浜銀行のシステムについてのトラブルであったりとか、逮捕者も出たものがあります。それは、やっぱり下請業者の下請に、さらに下請を重ねた業者によるものであるというようなこともありました。
 こうしたことから、再々委託、TSS、PUCともに、先ほど冒頭の質問の答弁の中でありましたけれども、やはり重要な根幹をなす業務については、直接民間にではなく、監理団体に発注するというような方針です。
 でも、監理団体に発注したものがさらに別のところに再委託されて、さらにそこから別のところとなってしまうと、その根幹のところというものをやっている業者が、水道局とTSSも離れてしまって本当に管理できるのかと。もしトラブルがあったときに、その責任の所在も曖昧になりますし、責任は当然、TSSなり水道局になるんでしょうけれども、そういったところが曖昧になりますし、事業について管理ができにくくなってくると思いますが、再々委託について把握しているのかどうかお伺いいたします。

○黒沼総務部長 監理団体二社につきましても、原則として再委託した業務の全部、または大部分を一括でさらに再々委託することは、こちらは禁止しております。適正に管理していると認識しております。
 なお、二社からは、現在、再々委託は行われていないと聞いております。

○西沢委員 下水道局は、再々委託は、金額はわからないけれども、やっているということでした。この辺がちょっと違うのかなと思いましたが、再々委託についても、委託の問題、また今後もさらに詰めたいと思いますけれども、ぜひこの管理、きちんと監督をしていただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

○上田委員 まず、水道水源林についてお尋ねします。
 水源涵養機能、土砂流出防止、そして水質浄化、これらの機能を高め、東京の安全でおいしい水を生む源となります水道水源林の管理、育成に当たりまして、自然環境保全、林業産業振興など、地域や事業に接点がございます産業労働局、環境局など関係各局との平成二十六年度の連携の取り組みについてのご所見と課題をお聞かせください。

○青木浄水部長 水道局では、東京都花粉症対策本部や東京都シカ保護管理計画検討会の一員といたしまして、関係各局との情報共有を初め、連携して森林の保全に取り組んでございます。
 平成二十六年度は、スギ花粉対策として、水道水源林の間伐を約二十五ヘクタール、枝打ちを約〇・六ヘクタール実施いたしました。また、鹿による森林被害対策として、水道水源林内において鹿の生息状況を調査するとともに、約八千メートルの鹿侵入防止柵を設置いたしました。

○上田委員 一つの森を各局連携を図りまして保全していることを確認させていただきました。
 さらに、水道局においては、おいしさに関する水質目標を高く掲げられ、今度は量から質というところでご努力をされていると思いますが、その一環としまして、民間林購入事業の進捗と手入れについての所見と課題をお聞かせください。

○青木浄水部長 民有林購入事業の平成二十六年度購入実績は三件、面積約百九ヘクタール、購入金額は約九千八百万円となってございます。
 購入した山林は、詳細な調査を実施し、森林ごとに調査結果に基づく整備計画を策定することが必要でございます。

○上田委員 水道局では、先ほどもどなたか委員が指摘していましたように、水道局の職員もあわせ、また学習活動や保全活動で延べ二万人の方が参加をされている。私も登録だけでまだ行っていないんですけれども、水源森林隊にも登録をしまして、広くいろいろな方が恐らく山の情報を得て、あの辺が荒廃している、購入についてはどうか、一般公募と違った情報源をもちまして、年々、確実に民間林の購入事業が進められているということを確認させていただいた次第でございます。
 続きまして、太陽光発電と小水力発電についてお尋ねをいたします。
 平成二十六年度の各浄水場、給水所の小水力発電の実績についてご説明ください。

○横田設備担当部長 平成二十六年度の水力発電設備の発電実績は、東村山浄水場、葛西給水所等の五カ所合計で約三百十万キロワット時でありまして、これは一般家庭の年間使用電力量の約九百六十軒分に相当いたします。

○上田委員 ちょうど週刊誌の十月三十日号で、まさに日本向き小水力発電が自治体にもてる理由ということで、東京都水道局の水運用センターの課長さんが、昨年度の発電量は、一般家庭三百九十軒に相当する百二十七万キロワット時、新電力のエネットが買い取り、四千五百万円程度の売電収入があったと。設備投資額の二億六千万、このままいけば約六年で回収、その後は黒字化するということが取り上げられております。私の地元の江戸川区の葛西給水所のことでもございますので、引き続き注目して応援をしてまいりたいと思います。
 次に、脱原発社会、持続可能社会の実現に向けては、新たな電力源の確保は不可欠と考えております。二十六年度の太陽光発電、小水力発電の成果と今後の展開に向け、どう生かされていくのか、ご所見をお聞かせください。

○斉田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十六年度は、金町浄水場、楢原給水所に太陽光発電、ひむら浄水所に小水力発電を導入しております。平成二十六年度を含め、これまで太陽光発電、水力発電、合わせて累計約八千六百キロワットを導入するなど、環境負荷が少ないエネルギーを創出し、新たな電力源確保に寄与しております。
 引き続き環境負荷の低減を図るため、導入可能性を総点検した上で策定した東京水道エネルギー効率化十年プランに基づき、再生可能エネルギーの導入を拡大してまいります。

○上田委員 お取り組みの一環として、量的にはどうかというご意見もあるとは思うのですけれども、殊に該当区市町村と連動して、子供たちの学習、脱原発社会に向けました環境教育の一環としても活用されることを要望して、次に移ります。
 次に、水道水を飲む習慣の推進についてお尋ねします。
 日本の浄水技術は最先端でありまして、蛇口をひねれば、いつでも安全で安心な水道水を飲むことができます。また、フードマイレージの観点からも、水道水を飲む習慣は大切です。この習慣の普及について、都の取り組み状況、意気込みをお答えくださいませ。

○斉田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 利根川水系の浄水施設が高度浄水を一〇〇%達成したことなどによりまして、安全でおいしい水の供給が実現し、飲み水としてのお客様の満足度は、平成十五年度から約十年間でほぼ倍増するほどに向上しております。
 しかし、飲み水としての水道水に不満を持つお客様がいまだ存在していることから、水道水が安全でおいしいだけでなく、環境の影響が少ないことなどのすぐれた側面もわかりやすく伝えております。水道は、ボトルウオーターのように車両を使った輸送などが不要なため、環境への影響がはるかに少ないシステムとなっております。
 今後とも水道水が安全でおいしいことに加え、環境負荷が少ないことなど、そのよさをお客様へ一層広く伝える、そして、伝わる取り組みを進めてまいります。

○上田委員 その一環とされましての「東京水」の販売実績と採算性、課題についてご説明ください。

○金子サービス企画担当部長 ペットボトル「東京水」は、イベント等での無償配布のほかに、購入を希望するお客様のニーズに応えるために、都の関連施設での販売や通信販売を行っております。平成二十六年度の販売実績は、約四万四千本でございます。
 次に、採算性でございますが、販売により得られる収入と製造コストがほぼ同額となるよう販売単価を設定してございます。
 また、ペットボトル「東京水」は、高度浄水の安全性やおいしさのPRを目的に製造しておりまして、一定の成果を上げておりますが、今後もPRグッズとしての効果等については不断に検証を行ってまいります。

○上田委員 売り上げが四万本というと四百万ぐらいの売り上げなのかなというふうには考えているところでありますが、城東地区におります私としても、かなり水はおいしくなったなというふうに思っております。やはりペットボトルのごみの問題や、山から大手飲料水事業者さんがくみ出すことへの懸念も考えていることから、これからオリンピック・パラリンピックに向けまして、日本は水道で水が飲めるということで、逆に海外の人から、日本人に水道水が飲めるありがたみが伝わっていっていただきたいというふうに思っている次第でございます。
 次に、安定した水源の確保と地域特性を生かしました水道事業におけます地下水利活用の状況について、四ページの資料にもございますが、お尋ねを申し上げます。
 都は、平成十五年六月に多摩地区水道経営改善基本計画を策定し、事務委託の廃止及び東京都への業務移行について関係市町との協議を進めてきていますが、市町から都へ移管した後、地下水の割合が大幅に減少した市があると聞きますが、なぜ地下水の取水量が落ちたか、原因についてご説明くださいませ。

○芦田技術調整担当部長 地下水揚水量は、水質悪化、地盤沈下、水位低下などによるほか、施設の補修や更新等による施設停止など、さまざまな要因によって低下しております。

○上田委員 地下水の確保は、また防災の上でも重要と考えております。取水施設の稼働状況についてご説明ください。

○芦田技術調整担当部長 多摩地区には二百七十八本の水源井戸がございます。水質悪化、水位低下などによる揚水量の減少等の原因により、これら水源井戸のうち二十九本は休止してございます。
 これまでも水源井戸は、災害や事故時などの備えとしても可能な限り活用しており、引き続き地盤沈下や水質の動向に十分配慮しつつ、適切に対応してまいります。

○上田委員 やはり災害時の水確保、事業概要の一八四、一八五の給水ステーションとあわせまして、お取り組みの推進をお願いしたいと思います。
 次に、浄水と地下水の給水単価、供給単価につきましてご説明ください。

○石井調整部長 河川水や地下水といった水源ごとの会計処理を現在行っていないため、個別に算出することは困難でございます。

○上田委員 済みません、供給単価ではなくて販売単価でございました。数字がないということですが、コスト意識は大切に考えております。一般に水質が川の水より同等か、あるいは高いとされ、給水、浄化コストが低廉な地下水をもっと有効活用すべきと考えますが、水道局の地下水活用の考え方をお示しください。

○斉田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 一般に、地下水は年間を通じて水温の変化が小さく、濁りが少ないといった特徴を有しておりますが、過剰なくみ上げは地盤沈下を引き起こすおそれがあります。また、水質の面からも、さまざまな問題が発生しております。
 こうしたことから、地下水は将来にわたる安定的な水源として位置づけることは困難でありますが、引き続き地盤沈下や水質の動向に十分配慮しつつ、平常時はもとより、震災時や事故時等の備えとしても可能な限り活用を図ってまいります。

○上田委員 私の江戸川区も水をくみ上げて大分地盤沈下をして、その懸念はよく理解するところではございますが、その研究も重ねつつ活用をしていただきたいと思います。
 改善基本計画に基づき、料金支払い、届け出、相談窓口など、事務委託の解消を都は進めてきました。計画の推進に当たって発生する人員配置、担当職員の業務量等、課題はないかを伺います。

○石井調整部長 市町への事務委託の解消によりまして、市町職員の約一千百人が行っていた業務が都に移行いたしました。これに対応するため、監理団体との一体的な業務運営を行い、多摩地区水道事業を安定的に運営してまいりました。
 これにより、公共性と効率性を両立しつつ、業務量に見合った人員体制を構築しております。

○上田委員 計画に伴う対応、人的配置、適正性があるということを確認させていただきました。
 次に、国際展開についてです。
 昨年八月、水道技術の海外提供と政府開発援助の関係について、東村山浄水場を視察された際の知事の発言内容をまず確認させていただきまして、この発言内容は東京水道国際展開プログラムと矛盾しないのか、オール都庁で統一した方向性、指針を共有されているか確認いたしたく、ご所見を伺います。

○斉田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十六年八月二十七日、東村山浄水場を視察した際、舛添都知事は、高度な技術は都市外交の武器となり、途上国を助けることができると発言。また、国のODAを含めて全体を支援する形の中で都の技術が使えるため、国と協力したODA外交が必要と発言しております。
 本年六月に策定した東京水道国際展開プログラムでは、都市外交の一環として、東京水道の技術力を活用した国際展開を推進することとしております。
 また、同プログラムでは、途上国の水道事業体からの支援要請をもとに、国際協力を進める国、政府関係機関などと連携しながら、ODAなどの国際協力に関する資金を活用した案件形成に取り組むこととしております。
 このように、同プログラムは都の基本政策のもとに作成したものとなっております。

○上田委員 オール東京で連動が図れましたということの東京水道国際展開プログラムですが、それに基づく職員派遣の成果について、ご所見を伺います。

○斉田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京水道では、水道事業に関する豊富な知識や、すぐれた技術を有する専門家を途上国の水道事業体などに派遣し、途上国における事業課題の抽出や、東京水道の経験と知識を生かした事業改善提案を実施しております。
 その成果として、無収水削減、アセットマネジメント、水道料金制度など、さまざまな分野におきまして東京水道が持つ技術、ノウハウを提供することにより、途上国の水道事業体の能力強化につながっております。
 また、こうした支援を通じて、現地経営層と人的パイプを構築するなどの成果が上がっております。さらに、これらの取り組みは当局職員のスキルアップにつながるとともに、国際社会で通じるグローバル人材の育成にも大きく寄与すると考えております。

○上田委員 現地の経営層と直接パイプがつながるという草の根的な技術提携、それとても、やはり都の計画の下にあるということで、都市外交基本戦略が策定されまして、水道の国際展開については、そこにはどのように位置づけがあるのか確認をさせてください。

○斉田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都では、昨年十二月、東京都が取り組む全ての国際的な活動を都市外交と捉え、これを戦略的、包括的に進めるための指針となる東京都都市外交基本戦略を策定しております。
 この中で、大都市の課題解決に向け、都が先進的な技術などを持つ分野で貢献、協力を行う方針のもと、水道などの分野で海外からの研修受け入れなどを行うとともに、民間企業とも連携した貢献、協力を行うこととしております。

○上田委員 総務委員会でも確認させていただきました都市外交におかれましては、今ご答弁いただいた具体的な事業の一つとして、本年四月に都立産業労働技術研究センターが開設して技術相談が非常に殺到し、大変好評を得ているということが報道されていました。
 一方、販売開拓の拠点が、産業労働局が今度タイに分室をつくる予定ということなのですが、連携はしていかれるのでしょうか。また、アジア水道事業体人材育成ネットワークとの連携などはどうなっているのかについてもお示しください。

○斉田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 産業労働局によりますと、同局の所管する東京都中小企業振興公社が都内中小企業の海外販路開拓を支援する海外拠点をバンコクに設置する予定としております。
 また、アジア水道事業体人材育成ネットワークは、アジア諸都市の水道事業体が人材育成や研修手法に関する知識やノウハウについて情報交換を行うため構築したネットワークでありまして、当局では、東京水道国際展開プログラムの取り組みの一つに位置づけております。
 国際展開を進めるに当たりましては、庁内二十二局で構成する東京都都市外交推進会議の場などにおきまして、広く情報共有を行い、連携を図っております。

○上田委員 まさに水道というのは、下水道もそうですが、ライフラインということで、庁内でも二十二局で連携、そして国際的な発展も遂げていかれることを、世界のライフラインを支える技術となることを願いまして、次の質問に移らせていただきます。
 入札汚職についてです。
 二十六年度は、二十四年度に続き、契約情報の漏えいという入札汚職事件により、水道局職員二名が地公法違反容疑で書類送検されました。これを受け、局内に対策本部が設置されましたが、調査の実施状況、再発防止策についてご報告ください。

○松丸職員部長 この事件につきましては、事件発覚の当日に水道局汚職等防止対策本部を設置し、事件の発生原因の調査及び汚職等防止策の検討を進め、昨年十二月に事件の原因及び背景と、これを踏まえた汚職等防止策を盛り込んだ水道局汚職等防止策検討結果報告書としてまとめました。
 今回の事件は、契約にかかわる制度のほか、職員の情報保持意識の弛緩、職場における情報管理、チェック体制のすきが主な背景となっており、さらに、二年前に続く不祥事であることを重く受けとめ、防止策が形骸化しないよう常に工夫して取り組んでいく仕組みをつくるなど、再発防止に向けた取り組みを徹底することといたしました。

○上田委員 具体のお取り組みのご報告を受けました。このお取り組みを受けまして、局全体の規範意識の確保、モラルの向上、綱紀粛正に向けて、現状の取り組みと、その評価についてご所見を伺います。

○松丸職員部長 汚職防止策の具体的な内容といたしましては、システム変更による最低制限価格情報の管理徹底など、契約に関する制度運用上の改善、管理監督者を対象といたしました外部講師による研修など、情報保持意識の徹底、来訪者受け付け簿による入出管理など、職場におけるチェック体制の強化、さらには、全職員向け一斉メールの月一回送付、汚職等非行防止強化月間の年二回実施などに取り組んでおります。
 これらの取り組みにより、職員の汚職等防止意識の浸透、定着化を確かなものとし、組織風土全般にわたる改革を推進していると認識しております。

○上田委員 一方で、契約監視委員会は二十二年に設置されています。一応こうした自浄作用の組織を水道局は持っていらしたんですね。現在のメンバー、活動状況についてご説明ください。

○冨田経理部長 契約監視委員会は、技監を委員長として、本庁及び多摩水道改革推進本部の部長級の十名が委員となってございます。
 この委員会において、物品に関しては、入札参加数及び落札単価の推移について年一回検証を実施しており、工事に関しては、契約結果の分析及び調査を年二回実施しております。いずれの調査も公正取引委員会に報告してございます。

○上田委員 情報漏えいが心配なので、一応、庁内の部長級職員十名ということはわからないでもないんですけれども、ちょっとそこで身内だけのチェックというのに対して、どうかなということと、年に一回と工事は年二回ということでございますので、数的にどうかなということで、引き続き注目、定点観測をさせていただきたいと思います。
 次に、一般競争入札、指名競争入札、随意契約について、二十六年度の件数と構成比をご説明ください。

○冨田経理部長 平成二十六年度の水道局の契約件数は四千九百四十件であります。契約類型ごとの件数と構成比については、一般競争入札が三百五十五件で七%、指名競争入札が二千五百四十一件で五二%、随意契約が二千四十四件で四一%となってございます。

○上田委員 随契の割合が多いかなというところであります。引き続き、これにつきましては私も口うるさくいっていますが、議案が上がるたびに検証させていただきたいと思います。
 次に、資料一一ページ、適正な定員管理についてお尋ねします。
 昨年来の勤務が苛烈だったのか、本年、水道局幹部職員が自殺する事案が発生しました。業務及び心身の健康状態など、部下の人事管理をする立場の身に生じたことの背景に、水道局の残業、休暇取得など、適法な労働状況にあったか、それに加え意欲を持って働ける風通しのいい組織環境であったのか、早期発見、早期治療及びアフターケアにも結びついていたのかという点につき確認をさせていただきたく、以下につきまして伺います。
 まず、この件についての経過報告を求めます。
   〔遠藤委員発言を求む〕

○河野委員長 まず申し上げます。速記をとめます。
   〔速記中止〕

○河野委員長 速記を始めてください。発言を願います。

○上田委員 職員の残業時間は、全て事実どおりに申告されているか、そのチェック体制はどのような形で行われ、残業が過労ラインを超えた場合は、どのような対応をとっているかについて、取り組み状況についてご説明ください。

○松丸職員部長 超過勤務は、所属長の事前命令により行うことを原則としており、事後に、所属長が資料等に基づき超過勤務の事実を確認しております。この命令確認手続につきましてはシステム化されており、各所属長が端末で超過勤務の状況を随時確認することが可能となっております。
 なお、超過勤務が一般的に過労死ラインとされる月八十時間を超えるような状況が続く場合には、職員部労務課から各所属へ通知し、職員の申し出に応じて産業医の面接指導を実施しております。

○上田委員 次に、週休二日が取得されていない人員と部署、過労ラインとされる月八十時間を超えて残業している人員と部署、年間一千時間以上残業している人員と部署について、どのように把握していますか。また、把握している内容についてご説明ください。

○松丸職員部長 当局におきましては、浄水場等の交代勤務職場については四週八休制、その他の職場は全て週休二日制となっております。週休日勤務や超過勤務の実績につきましては、システムにより各所属長が把握しており、超過勤務が月六十時間を超えた場合、各所属から職員部労務課へ報告がなされます。
 なお、平成二十六年度は千時間を超える超過勤務実績はなく、月八十時間を超える超過勤務実績は、年間延べ百八十八人で、月平均で見ると約十六人となっております。

○上田委員 状況を把握させていただきました。
 次に、課長級以上のメンタルヘルス、過労ラインを鑑みた残業時間の把握はしているのか。また、課長級以上の同対策についての取り組み状況をご説明ください。

○松丸職員部長 課長級以上の管理職につきましては、労働基準法の管理監督者に該当することから、労働時間の管理は行っていませんが、メンタルヘルス対策につきましては、一般職員と同様の取り組みを実施しております。
 具体的には、産業医による面接指導、専門機関によるメンタルヘルス相談室の開設、心の健康度チェック、事業所を巡回したメンタルヘルス講習会等を実施しております。

○上田委員 やはり課長になるまでは大変なコストがかかっていますし、本人のご努力も並々ならぬものかと思いますので、管理職になりますと、どうしても手薄になりかねないかということを危惧しているところでございますので、そのあたりも含めたさらなる取り組みをよろしくお願いします。
 次に、非常勤を含む欠員補充の状況、考え方についてご説明ください。

○松丸職員部長 欠員につきましては、局全体の人員状況等を総合的に勘案の上、可能な限り補充を行っております。今年度は、年度途中の退職等により、七件について欠員を補充いたしました。

○上田委員 水道局職員の長時間労働の問題と、その局の考え方については、いまだ危惧するところもございます。ここもまた議論になるかもしれませんが、改めて今回の幹部職自殺を受けての水道局の所見と今後の対策についてご説明ください。

○松丸職員部長 職員の心身の健康の保持増進は大変重要であると認識しており、平成二十六年度に、労使協議により超過勤務時間の上限を年間九百九十時間から八百五十時間に引き下げたところでございます。
 今後も超過勤務の縮減等、メンタルヘルス対策の充実に努めてまいります。

○黒沼総務部長 ただいま上田委員からのご質問の中に、改めて今回の幹部職員の自殺を受けての水道局の所見を伺うというご質問がございました。答弁漏れになるといけませんので。
 先ほど副委員長からご提案がありましたとおり、こういった趣旨のご質問につきましては、個別具体の事案に基づくプライバシーの侵害のおそれが極めて大きい事柄というふうに執行機関としても認識しておりますので、この部分についての答弁は控えさせていただきたいと存じます。

○上田委員 全体的な都の取り組みとして、都は定時退庁の日を設け、メンタルヘルス環境の改善の促進を図っていますが、長時間労働の問題を鑑みれば、抜本的な人員配置の再検討の必要を感じているところであります。殊に、課長級以上の残業については度外視されているのではないかと危惧をしておったところです。
 昨日、小学生のいじめは過去最高と報道されていました。自殺にしても、いじめにしても、虐待にしても、永らく行政側や我々議会においても個人の問題にすりかえ、矮小化して片づけ、対策が後手後手に回り、失わなくてもよい命を失い続けてきたのではないかと自戒を込めて痛感しております。
 この五年間で都職員は十一人自殺をしていることからも、通常のメンタルヘルス対策のみならず、生じてしまった案件から知見を得て、局内のみならず都全体で共有し、日常業務に生かされることを希望するものでございます。
 次に、水道局における女性登用について伺います。
 部長職、課長職、それぞれにつき、女性の実数と比率をお答えください。

○松丸職員部長 部長級の女性職員は一人で、部長級職の職員数に対する比率は三・三%でございます。課長級職の女性職員は十人で、課長級職の職員数に対する比率は八・二%でございます。

○上田委員 次に、現業部門の女性の実数と比率をお答えください。

○松丸職員部長 水道局の事業所に勤務している女性職員は三百九十一名で、事業所の職員数に対する比率は一四・〇%でございます。

○上田委員 次に、技術職の女性の実数と比率を教えてください。

○松丸職員部長 技術職の女性職員数は百四十四人で、技術職の職員数に対する比率は七・二%でございます。

○上田委員 部課長が、部長職が三・三%、課長が八・二%ということでありまして、東京都は全国平均をたしか上回って、国家公務員よりも、たしか平均で一五%の役職の女性がいるというところですが、水道局の方は、まだ女性の割合が追いついていないのかなというふうに見させていただきました。
 女性職員の昇進試験につきましては、女性職員の昇進試験の動機づけ、アファーマティブアクションなどについての取り組み状況をご説明ください。

○松丸職員部長 主任試験や管理職試験の有資格者につきましては、各所属長が人事考課の一環として全庁的に実施されている職員との面接の機会を利用し、育児や介護を含む家庭事情を聴取して相談に乗りながら、積極的な受験を勧奨しているところでございます。

○上田委員 まさに子育て支援、大変ありがたい面はございますが、現業部門には深夜勤務もあり、水道局としては女性職員、子育てや介護中の職員、またそうした職員を補完する職員への何らかの配慮はされているのかお答えください。

○松丸職員部長 東京都水道局職員の勤務時間、休日、休暇等に関する規程によりまして、育児または介護を行う職員につきましては、職員の請求に基づき、超過勤務や深夜勤務を免除し、または制限することといたしております。これにより生ずる仕事の再配分につきましては、特定の職員に負担が偏らないよう極力分散するなど、職場全体で支援する体制を組むようにいたしております。
 また、育児、介護を含む家庭事情がある職員、健康状態に問題がある職員につきましては、本人の申し出や事前の調査等により、その内容を的確に把握し、超過勤務が発生する職場や交代制勤務職場等の特殊な勤務形態の職場への配置は極力避けております。

○上田委員 女性への配慮は、まさに女性差別撤廃条約の理念を反映したものだとは思います。私も育休をとったりして、身内に苦労をかけてサポートしてもらいました。権利の行使をするに当たっては、またそこをサポートする職員も出てくる、非常にバランスをとりながらの人的配置をしなきゃいけないご苦労を読み取った次第でございます。引き続き、子育て中、介護中の職員、それを支える職員にも目を向けていっていただきたいというふうに思います。
 次に、一三ページの資料を請求して、いただきました監理団体についてです。
 この件については、同僚委員から非常にすばらしい示唆に富んだ質問があったので、端的に質問させていただきます。TSSの職員派遣と退職者雇用について、現状をご説明ください。

○黒沼総務部長 平成二十六年度の東京水道サービス株式会社への退職派遣職員数は四十二名、また、当局退職者の雇用数は二百六十六名でございます。

○上田委員 るる技術的な継承ということは、非常に水道局の課題になっているので、よく理解しております。ですので、技術者以外の職員派遣と退職者雇用は、ちょっと不要ではないのかなというふうに思うんですが、ご所見を伺います。

○黒沼総務部長 監理団体は、従来から都政の重要なパートナーとして位置づけられておりまして、本年三月に総務局から公表されました都庁組織・人事改革ポリシーにおきましても、都政の一体的な運営を担う都政グループの一員として捉え、積極的に活用していくという都の方針が示されてございます。
 そのため、監理団体には、都に準じた公共性、公正性の確保が求められることから、技術職以外につきましても、都政運営に精通した職員の派遣、退職者の雇用も不可欠であると考えております。

○上田委員 私の同僚議員のおときた議員は、実は民間水道事業者のご子息でありまして、こうした民間の水道技術を持っている人、そして、ご多分に漏れず経営が大変で会社を閉じないといけない人等、東京都には水道の技術を持っている人材が多くいると思います。国際展開と同時に、地域展開で技術の共有を、人材を採用することで展開していっていただければというふうに思う次第でございます。
 次に、一三ページにあります新宿グリーンビル管理会社の業務内容についてご説明ください。

○黒沼総務部長 新宿グリーンビル管理株式会社でございますが、新宿グリーンタワービル及びその敷地の維持管理、修繕業務などを行ってございます。

○上田委員 同社の必要性、有用性についてですけれども、民間のビルメンテナンス会社に委託すれば十分機能するのではないのかなというふうに考えますが、ご所見を伺います。

○黒沼総務部長 新宿グリーンビル管理株式会社でございますが、ご案内のこちらの淀橋浄水場の跡地等を再開発するに当たりまして、多数の地権者がおったわけでございますが、この多数の地権者が、新宿グリーンタワービルのメンテナンスを行う、このことを目的にこの会社は設立されたものでございまして、当時の地権者十一名が合同出資して設立した株式会社でございます。
 したがいまして、こうした設立の経緯、目的及び当時の出資者の総意に照らしますと、他の民間のビルメンテナンス会社に委託をするということは、そもそも前提とされていないというふうに認識しております。

○上田委員 設立等事業の趣旨は理解をいたしましたが、いずれにしろ監理団体は血税がやはり投入されております。都庁組織・人事改革ポリシー、都政グループの趣旨は十分承知しているんですけれども、都政グループに都民を入れてほしいなと。都民グループとなっていただきたいというふうなことをお願いいたしまして、最後に、財政健全性の確保についてお尋ねをしたいと思います。
 水道事業会計において、収益性指数を示す指標、企業債償還元金対減価償却費比率などの資産状況を示す指標、財務状況を示す指標、施設の効率性を示す指標、生産性を示す指標、費用に関する指標、そして、一般会計繰入金に関する指標の計七つの指標を確認させていただきました。公営企業会計の企業の状況、特に健全性の確保を果たしていらっしゃる意義につきまして、ご説明をいただければと思います。

○黒沼総務部長 委員お話しの指標でございますが、これは総務省が公表してございます水道事業経営指標と思われますが、この指標は、地理的条件や事業規模などがさまざまに異なります全国の事業体を類型化した上で、各経営指標の平均値を算出したものでございまして、事業体間の比較による健全性の把握などを可能とするなど、一定の意義があるものと考えてございます。
 当局におきましても、こうした各指標における代表的な事項を活用いたしまして、水道事業経営プランなどで公表することによりまして、経営の健全性を説明してございます。

○上田委員 確かに現状を見る限り、特筆して問題のある指標は出てこなかったと受けとめます。ただ、水道事業においても、今後、喫緊の課題として、設備の老朽化対策、メンテナンス、投資が迫られるものと考えます。設備の規模が大きいため、事業展開に当たっては優先順位を明確にし、適正な投資が行われ、各指標とも悪化しないよう、適正かつ効率的に事業を進められ、業務の現状と財務状況を幅広く、積極的かつ迅速な情報提供をしていくことをお願いします。
 最後になりますが、今回、資料や答弁作成に当たり、担当職員において、通常業務に加え大変な労をいただきましたことをありがたく存じております。二元代表である東京都議会は、議会と理事者側、都政の円滑な運営のために力を合わせることもあれば、都民の血税が充てられている行政事業に関しては、時として議会は厳しく疑義をたださねばならない関係もあわせ持っていることからも、多岐にわたる確認をさせていただいた次第でございます。
 しかるに、我々都議会議員は、常に公正、公明であらねばなりませんし、そのためにはどうしても綿密な調査や点検が必要であり、その結果を都民に報告する義務もございます。委員会での発言は全て議事録に残り、都民に情報をお伝えできる貴重な機会なことから、本日の議論も、都政と、静かで善良な無辜なる都民、そして真摯に働く職員がほとんどである水道局に、今回の質疑で得られた知見が生かされることを渇望し、公正と良識ある組織として、水道事業がさらなる発展を遂 げられますことを願い、引き続き私の課題としていく決意を申し述べ、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。
 以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承をお願いいたします。
 これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
   午後三時四十分散会

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