委員長 | 河野ゆりえ君 |
副委員長 | 菅野 弘一君 |
副委員長 | 遠藤 守君 |
副委員長 | 西沢けいた君 |
上田 令子君 | |
和泉なおみ君 | |
神野 次郎君 | |
高椙 健一君 | |
島田 幸成君 | |
高橋 信博君 | |
山田 忠昭君 |
欠席委員 なし
出席説明員下水道局 | 局長 | 石原 清次君 |
技監 | 渡辺志津男君 | |
総務部長 | 坂巻政一郎君 | |
職員部長 | 久我 英男君 | |
経理部長 | 安藤 博君 | |
計画調整部長 | 神山 守君 | |
施設管理部長 | 中島 義成君 | |
建設部長 | 池田 匡隆君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 永野 実君 | |
技術開発担当部長 | 小団扇 浩君 | |
施設管理担当部長 | 田中 宏治君 | |
流域下水道本部 | 本部長 | 坂根 良平君 |
管理部長 | 関 雅広君 | |
技術部長 | 佐々木宏章君 |
本日の会議に付した事件
平成二十六年度東京都公営企業各会計決算の認定について
下水道局関係
・平成二十六年度東京都下水道事業会計決算(質疑)
○河野委員長 ただいまから平成二十六年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、下水道局関係の決算に対する質疑を行います。
これより下水道局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動及び過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、下水道局長から紹介があります。
○石原下水道局長 初めに、十月二十三日付で兼務発令のありました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
オリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします企画担当部長の永野実でございます。
次に、所用のため、過日の分科会を欠席いたしました幹部職員をあわせてご紹介いたします。
施設管理部長の中島義成でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○河野委員長 紹介は終わりました。
○河野委員長 次に、決算の審査を行います。
平成二十六年度東京都下水道事業会計決算を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○安藤経理部長 さきの分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の平成二十六年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
恐れ入りますが、一ページをお開き願います。二十三区における主な浸水被害状況の推移でございますが、平成二十二年度から二十六年度までの浸水棟数をお示ししてございます。
二ページをお開き願います。監理団体への委託内容と委託料の推移でございます。
当局が所管しております監理団体、東京都下水道サービス株式会社への主な委託内容と過去十年間の委託料をお示ししてございます。
三ページをごらん願います。区部下水道事業における収益的収支、資本的収支及び損益勘定留保資金の推移でございます。
区部下水道事業の平成二十二年度から二十六年度までの収益的収支、資本的収支及び損益勘定留保資金をお示ししてございます。
四ページをお開き願います。再生可能エネルギーによる主な発電設備の規模と発電量の実績の推移でございます。
項目ごとに、設備の所在する施設名、施設規模及び平成二十五年度、二十六年度における年間発電電力量をお示ししてございます。
五ページをごらん願います。下水道マンホールと下水道管の接続部の耐震化が完了した施設数の推移と仮設トイレの設置ができるマンホールの数でございます。
区部におけるマンホールと下水道管の接続部の耐震化が完了した施設数の推移及び仮設トイレの設置ができるマンホールの数をお示ししてございます。
六ページをお開き願います。料金減免を受けている生活保護等の世帯数でございますが、平成二十六年度末の世帯数をお示ししてございます。
七ページをごらん願います。代表的なポンプ所の雨天時における放流回数の推移でございます。
放流先ごとに、代表的なポンプ所の平成二十二年度から二十六年度までの雨天時放流回数をお示ししてございます。
八ページをお開き願います。海上保安庁からの水質汚濁防止法にかかわる問い合わせ回数の推移でございますが、平成二十二年度から二十六年度までにおいて問い合わせは受けておりません。
九ページをごらん願います。区部の水再生センターにおける簡易処理回数でございますが、水再生センターごとに、平成二十六年度の簡易処理回数をお示ししてございます。
一〇ページをお開き願います。監理団体、報告団体における職員数、都派遣職員数、固有職員数及び都退職者数の推移でございます。
当局が所管しております監理団体及び報告団体について、平成二十二年度から二十六年度までの職員数、そのうち、都からの派遣職員数、団体の固有職員数、都の退職者数をそれぞれお示ししてございます。
一一ページをごらん願います。定数、職員数の推移でございますが、平成二十二年度から二十六年度までの当局職員の定数及び職員数をお示ししてございます。
一二ページをお開き願います。工事請負契約の実績二年以内がある民間企業への局退職者の就職者数の推移でございますが、表にある各年度までの二年以内に、当局と工事請負契約の実績がある民間企業へ就職した局退職者数について、平成二十四年度から二十六年度までお示ししてございます。
以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○河野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○菅野委員 それでは、私からは最初に、下水道における浸水対策について伺いたいと思います。
先日の関東・東北豪雨を見ましても、いかに浸水被害が恐ろしいものであるかということを目の当たりにいたしました。一方、近年になって局地的な集中豪雨も増加をしてきています。
この都心部において浸水被害が発生すると、都市機能が麻痺するなど、より甚大な被害となる可能性があります。また、オリンピック・パラリンピックの開催に向け、海外からのお客様なども安心してお迎えをする対策としても、この浸水対策はしっかりと進める必要があるかと思います。
都内で都市型の浸水を防ぐためには、河川の対策はもとより下水道の対策が重要であると思います。
そこで、まず、下水道の浸水対策についてお伺いをしたいと思います。
○神山計画調整部長 下水道局では、経営計画二〇一三並びに豪雨対策下水道緊急プランに基づき浸水対策を進めているところでございます。
経営計画二〇一三では、時間五十ミリの降雨への対策を基本としており、浸水の危険性が高い対策促進地区二十地区と、かつての川を下水道幹線として利用している浅く埋設された幹線の流域などの重点地区二十地区を定めております。
また、特に浸水被害の影響が大きい大規模地下街では、時間七十五ミリ降雨への対策として九地区を定めております。
一方、平成二十五年の甚大な浸水被害を受けて策定した豪雨対策下水道緊急プランでは、七十五ミリ対策地区四地区と五十ミリ拡充対策地区六地区を定め、市街地においても時間七十五ミリ降雨への対策へ踏み出すなど、雨水整備水準のレベルアップを図っているところでございます。
豪雨対策下水道緊急プランでは、一部完成した施設を暫定的に稼働させるなど、オリンピック・パラリンピック前の平成三十一年度までに整備効果を発揮させることとしております。
○菅野委員 浸水対策として局がさまざまな取り組みを行っていることがわかりました。
そこで、現在の浸水対策の進捗について確認をしたいと思います。平成二十六年度の浸水対策の主な取り組みの進捗についてお伺いをいたします。
○池田建設部長 対策促進地区二十地区のうち、平成二十六年度に練馬区中村地区が完了するなど、これまでに合計八地区で事業完了しており、他の地区でも工事を着実に進めました。
重点地区においては、平成二十六年度に練馬区田柄、桜川地区で事業着手するなど、五地区で工事を進めており、他の全ての地区でも設計を進めております。
また、豪雨対策下水道緊急プランにおける七十五ミリ対策地区、五十ミリ拡充対策地区においては、全ての地区で早期着手を目指し設計を進めました。
○菅野委員 昨年度も下水道局の浸水対策が着実に進められていることがわかりました。
ところで、先日、私の地元港区でも工事が進められている第二溜池幹線について、内部の見学の機会を得ました。施設を拝見させていただき、東京都心の地下にあのように大きな下水道施設が存在していることに改めて驚きました。
そこで、第二溜池幹線の事業の概要について、再度改めて伺いたいと思います。
○池田建設部長 第二溜池幹線は、最大径八メートル、最大深度約四十五メートル、延長は千代田区紀尾井町から中央区勝どきまで約四・五キロメートルで、下水道管の規模としては都内で最大級の幹線でございます。
日本の政治経済の中心地である千代田区、港区の浸水被害を軽減するとともに、閉鎖性水域である皇居内堀から流れのある隅田川へ雨水の放流先を切りかえることで、内堀の水質を改善いたします。
幹線は、上流部、下流部に分けて施工しており、上流部は平成三年度に事業着手し、平成十三年度から貯留管として暫定的に活用しております。引き続き施工した下流部では、平成二十六年度に既設の雨水管を接続する工事が完了し、雨水を隅田川に放流する流下管として稼働しております。
また、今年度中には、上流部と下流部の間に設置している仮壁を撤去し本格稼働となる予定であり、長年にわたった大事業が完了いたします。
○菅野委員 第二溜池幹線は、今答弁にありましたように都内最大級の下水道幹線とのことで、都心でのこうした大規模な工事は大変困難が伴ったものと思われますが、今回、下流部が稼働開始をし、工事完了も近いというふうにお聞きし、このことについては高く評価したいと思います。
また、この施設が千代田区、港区の浸水被害の軽減に寄与するとともに、皇居内堀の水質改善にもつながることに大いに期待をするものです。
一方、都内における大規模地下街では、浸水時に大きな被害が出ることから、局としても既にレベルアップをした対策を実施していると聞いています。
そこで、大規模地下街の浸水対策の取り組み状況をお伺いしたいと思います。
○池田建設部長 浸水が発生すると甚大な被害が想定される大規模地下街九地区では、時間七十五ミリ降雨への対策として、これまでに四地区で事業を完了いたしました。
平成二十六年度は、残る五地区のうち新橋・汐留駅地区、渋谷駅東口地区において、それぞれ工事を着実に進めました。このうち新橋・汐留駅地区においては、地下街周辺の枝線再構築に合わせて時間七十五ミリ降雨に対応する下水道管を整備し、地区内の浸水被害に関する安全性を向上させるものでございます。
残る三地区においても、早期の工事着手に向け関係機関との協議や設計等を精力的に進めております。
○菅野委員 都民の生命や安全な暮らしを守るためのさまざまな浸水対策を昨年度も着実に進められてきたことがわかりました。さらなる取り組みを大いに期待して、次の質問に移りたいと思います。
それでは次に、下水道局に関係する施設としてもう一カ所、先日、品川のシーズンテラスを視察させていただきました。これは、芝浦水再生センターの雨天時の貯留施設の上部にオフィスビルを建築するという画期的な取り組みで完成した施設です。
つまり、下部は下水道施設の本来の機能を持ち、上部は地代収入等により下水道事業経営に貢献するというものであります。
そこで、品川シーズンテラスは、本年二月に竣工したばかりではありますが、平成二十六年度はどのぐらいの収入があったのか、この際伺いたいと思います。
○安藤経理部長 本事業は、芝浦水再生センターの雨天時貯留池建設に合わせ、当局が、その上部を民間事業者に貸し付け、事業者が業務商業ビル、品川シーズンテラスを建設し運営する事業であり、本年二月に竣工し五月に本格開業いたしました。
当局は、土地の貸し付けによる地代収入及び借地権の設定対価で取得した上部ビルのオフィス床からの賃料収入を得ております。平成二十六年度の収入は、本格開業前であったため、地代約四億二千五百万円、賃料約千百万円でございました。
本格開業によりまして今後は増収が見込まれ、下水道事業経営の安定に寄与するものと考えております。
○菅野委員 まだ年度の途中ということでもありましたので、数字的には途中の経過ということになりますけれども、今後も安定的な収入を得ることで下水道事業経営に大きく貢献してもらいたいと願っています。
次に、下部の貯留施設についてお伺いします。
この地域の高浜運河などは、以前に比べれば大分きれいになっていると思いますけれども、それでも、いまだに雨が降った後には臭気の発生や濁りが見られます。
近くでは、毎年運河祭りなどが開催され、町内対抗ボートレースなど、運河や海に親しむイベントなども行われています。私もそうした行事に参加をしていますが、地元からは、水辺を活用したにぎわい創出や、まちづくりを進める上でもさらなる水質改善の要望があります。
そこで、芝浦水再生センターの貯留施設の効果についてお伺いしたいと思います。
○神山計画調整部長 本施設の目的は、芝浦水再生センターに流入する降雨初期の特に汚れた下水を貯留するもので、貯留した下水は晴天時にセンターで処理いたします。
施設は七万六千立方メートルの容量がございまして、これは二十五メートルプール約二百五十杯分に相当いたします。試算では、雨天時の汚濁負荷量を約三割削減することができまして、高浜運河や東京湾の水質改善に寄与いたします。
今後も、水再生センターの再構築に合わせまして、貯留池のさらなる増設を行うことで対策を強化してまいります。
○菅野委員 今のご答弁で、さらに新たな貯留施設が整備されるということですので、その効果には期待したいと思います。今後も芝浦エリアの水質改善のため、引き続き、どうぞ頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
この芝浦エリアに限らず、区部の八割で合流式下水道が採用されていますが、合流式下水道は、衛生環境の改善と雨水排除の両方を早期に達成できたというメリットがある一方で、大雨の際には汚水まじりの雨水が放流されるという課題があります。
そこで、最後に、区部全体の合流式下水道の改善についてお伺いしたいと思います。
○神山計画調整部長 合流式下水道の改善の主な取り組みといたしましては、雨天時の下水をより多く水再生センターへ送るための下水道管の整備、雨水はけ口からのごみなどの流出を抑制する施設の整備、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備の三つがございます。このうち、下水道管の整備、ごみの流出を抑制する施設の整備の二つにつきましては、おおむね完了しているところでございます。
現在は、下水を貯留する施設の建設を進めており、オリンピック・パラリンピックの開催に向け、平成三十一年度までに累計で百四十万立方メートルの整備を目標としております。
平成二十六年度は、芝浦水再生センターでも七万六千立方メートルの貯留施設が完成するなど、これまでの累計は百十四万立方メートルでございます。
今後とも、合流式下水道の改善の取り組みを着実に進めまして、首都東京にふさわしい水辺環境の形成に貢献してまいります。
○菅野委員 当面、オリンピック・パラリンピックに向けては、海外から訪れる多くのお客様、そして、世界で一番安全な防災都市というか、災害に強い都市をつくる意味でも、そうした震災対策の強化、そして、オリンピック・パラリンピックの各競技会場にもなります水辺、海、そうしたところの浄化というのは、大変大きな課題があるかと思います。
そして、これの改善への取り組みは大変重要であります。そこで下水道局の役割というのは、とても大きなものがあると思います。これからも、さらなるレベルアップを図っていただき、着実に取り組みを進めてもらうことを大いに期待申し上げまして、私の質問を終わります。
○遠藤委員 それでは、私も、平成二十六年度の下水道事業会計の決算について何点か質問をさせていただきます。
平成二十六年度は、経営計画二〇一三の中間年ということであります。先日いただいた決算書並びに局長等の過日のご説明によりますと、平成二十六年度、施設の再構築や、今質疑もありました浸水対策、または大震災、首都直下地震をにらんだ震災対策など、さまざまな事業を展開している、その中身が、この決算書の中に書かれておったと思います。
そして、先日財務局さんからいただきました、この「財政のあらまし」にも公営企業の各局の取り組みが記されている中で、下水道事業会計ということで二十六年度の取り組みということでいろいろ書いてありました。
区部の下水道については、先ほど申し上げましたとおり、老朽化した施設の再構築、さらには雨水の氾濫の防止及び公共用水域の水質保全に向けた取り組みとして、管渠ですとかポンプ所、水再生センター等々の整備を行ったと、このように記されておりました。
改めてこの数字を見させていただきますと、下水道の使用件数は、前年度、すなわち平成二十五年度になると思いますけれども--七万九千件増加し、五百三十八万四千件となって、処理した下水道の量も十六億八千五百二十七万三千立方メートルということであります。
あわせて流域下水道の取り組み等々も記されておりますけれども、この数字を見ると本当に、下水道局さんが取り組む仕事の膨大さ、また、なかなか下水道局の仕事というと目立たないですけれども、こうした都市機能を支える上で非常に重要な役割を担っていただいているということが、こういう数字の中からも明らかになっているんだと思います。
事業はともあれ、その一方、この財政の状況に目を転じますと、企業債の未償還残高は平成二十六年度末で一兆七千億円、以前と比べると大分縮減されたということでありますけれども、依然としてやはり膨大な額であります。
そこで、下水道局として、平成二十六年度の決算、これは決算の中の財政状況をどう総括して、その総括を生かして、決算審議は二十八年度の予算に反映をさせていくということが主な目的であると思いますけれども、来年度の予算編成に、どうそこを反映させていこうとしているのか、現時点で結構ですけれども、お答えをいただきたいと思います。
○坂巻総務部長 平成二十六年度の下水道事業会計決算でございますけれども、副委員長お話しのとおり使用件数は伸びておりますが、下水道料金収入が引き続き逓減傾向にございます。これに加えまして、労務単価や電気料金の上昇により維持管理費が逓増傾向にあるなど、厳しい経営環境に置かれてございます。
お話の企業債につきましては、下水道サービス向上のための重要な財源として発行してきたものでございます。未償還残高はピーク時の平成十二年度末には約三兆円であったのに対しまして、平成二十六年度末では約一兆七千億円と大幅に減少させてまいりました。
しかしながら、依然として元利償還費の負担は重いものでありますので、収支全体で見て均衡が図られるよう、中長期的な視点に立った財政運営を行っていく必要があると考えてございます。
今後とも、二十八年度も含めて将来的な財政負担を見越して、企業債の適切な発行、償還の管理を行うとともに、コスト縮減や資産の有効活用、業務執行体制の見直しなどの企業努力によりまして経営基盤の強化に努め、将来にわたって下水道サービスを安定的に提供してまいりたい、こういうふうに思ってございます。
○遠藤委員 それでは、この決算書に書かれている各事業の中から、都民の皆さんの身近な安全・安心確保、これにつながる、またかかわる平成二十六年度の取り組みについて幾つかお伺いしたいと思います。
初めに、道路陥没対策であります。
数週間前の、たしか都政新報さんだと思いますけれども、この道路陥没について、下水道局さんを初め東京都全体でしっかりと取り組んでいくという一面の、かなり大きな記事が載りました。
区部には下水道管が一万六千キロ埋設されており、この、下水道管の老朽化が原因となる道路陥没が発生しているようであります。私も、この道路陥没がなぜ起こるかというのを、専門家の方にいろいろとレクチャーを受けたんですけれども、一つはやはり、老朽化した下水管から水が漏れて、そこから、吸い出しというんですか、砂が崩されて、空洞になったところに車等々があると落ちるという、当然の理だと思います。
あともう一つは、これは地下鉄の施設を建設する際に地下を大規模に掘るわけでありますけれども、その際の、いわゆる埋め戻しが、使った砂が昔は余りよくなかったというような話もありますけれども、そういう使った砂ですとか、または工法自体に何らかのふぐあいというか、瑕疵というかがあったのかもしれませんし、そもそもそういうところは、一回掘ったわけですから脆弱であるということで、そこが経年劣化も起こし道路陥没につながるんだと、こういう説明を受けました。
そこで、この道路陥没対策でありますけれども、平成二十六年度、区部全体と私の地元であります大田区、ここにおける下水道局さんの取り組み状況について、答弁を求めたいと思います。
○中島施設管理部長 下水道局では、道路陥没の発生を未然に防ぐため、計画的にテレビカメラや目視による内側からの管路内調査を実施して、お話にあったような道路陥没の主な原因となる下水道管の破損や劣化状況を把握し、その結果を活用して都心部では再構築事業を進めております。さらに、再構築エリア外では、必要に応じて補修工事を実施しております。
また、経営計画二〇一三では、道路陥没の発生件数を地区ごとに比較し、件数の多い地区から五十地区を重点地区と定め、道路陥没の原因となる陶製の取りつけ管を衝撃に強い硬質塩化ビニール製に取りかえる対策を進めるなど、予防保全に努めております。
平成二十六年度末までに、この五十地区のうち二十地区で対策を完了しております。また、大田区内では四地区を重点地区として定めており、西蒲田七丁目及び大森東二、三丁目の二地区で対策を完了しております。
今後も道路陥没を未然に防ぐため、残りの地区につきましても早期の完了を目指して取り組んでまいります。
○遠藤委員 施設管理部長さん、ありがとうございました。
それで、もう少し聞きたいんですけれども、今の答弁で、道路陥没の発生件数を地区ごとに比較する、それで、件数の多い地区から五十地区を重点地区と定めたと、こういう答弁だったと思いますけれども、これは裏を返すと、この五十地区というのは、事前のテレビカメラを入れたり云々かんぬんという、こういう管路内の調査をした結果、ここがリスキーである、一回落ちたかもしれないし、さらには、老朽化しているんで落ちる懸念があるということで五十地区を定めたという、そういう理解でよろしいですか、どうですか。
○中島施設管理部長 先ほども答弁の中でちょっとご説明をさせていただきましたが、道路陥没の発生件数、これを地区ごとに比較して、件数の多い地区から五十地区を選定してございます。その際に、調査の結果等も当然に参考にしてございます。
○遠藤委員 では、もう既に道路陥没が発生している、そこから、多いところから順にやったと、そういう理解ですね、わかりました。
それで、この道路陥没については、改めていうまでもなく、東日本大震災を受けて総務局がつくられました東京都の地域防災計画、その見直しの中にも、道路陥没対策は非常に重要であり都の防災対策の中でも力を入れるべき項目の、たしか四項目か五項目ぐらいの中の一項目として新たに加わったと、そういうふうに理解をしております。
それぞれ、さっき申し上げたとおり、そもそも道路の管理は、都道については建設局がされるんだと思いますし、また、冒頭申し上げましたとおり、地下鉄周辺のということになると、ひょっとすれば交通局さんにもかかわるテーマだと思います。
さらに、さきの東日本大震災では、こういう事例があったそうであります。仙台市内もかなり揺れまして、やはりこの地下鉄の入り口の道路が陥没をして、その結果、仙台の市民病院に入る車がなかなか病院に入れなかった。患者さんもそこに入れないし、当然救急車両も通れない。仙台市内ということで、その結果、大渋滞を起こしたということが、新聞報道でもされておりました。
何がいいたいのかというと、先ほど確認したとおり、あえて答弁していただきましたけれども、道路陥没の発生件数を地区ごとに割り出した。これは下水道局さんの仕事としてそうされたんだと思いますけれども、やはり、今申し上げましたとおり、さまざまな複合的な要因が絡み合って、この道路陥没というのが起こるわけでありますので、他局との連携というか、その辺は十分に留意された上で、下水道さんとして、この五十地区を選定して、また将来、今、二十地区は終わったということなんで残りの三十地区も早急に工事完了を目指すとおっしゃっておりますけれども、その後の、この五十が終わった段階で、その先について答弁は求めませんけれども、ぜひ、交通局さんですとか建設局、または災害時の重要施設となる、繰り返しになりますけれども、病院ですとか、警察ですとか、また、避難所等々に至るルートなんかも、この検討の中に加味をしながらやっていただきたいと思います。もしも何かそれで答弁があるのならば、していただければと。
○神山計画調整部長 ただいま陥没のお話がございましたけれども、震災時には、陥没による交通障害だけではなくて、液状化による道路の沈下とか、そういったものも考えられます。
そういったことにつきましても、下水道局では、マンホールの浮き上がりであるとか、液状化しない埋め戻し、あるいはマンホールと下水道管の接続部が壊れないような対策も進めております。
また陥没につきましても、建設局、あるいは国土交通省と協定を結びまして陥没の調査を実施しているところでございます。
○遠藤委員 わかりました。そんな心配をする必要ないよと、こういう答弁だと思いましたので、ぜひしっかりやっていただきたいと思います。
ちょっと順番を入れかえて、次に下水汚泥の焼却灰、これについて質問をしたいと思います。
東日本大震災で福島第一原発があのような大変な事故を起こしました。当時、もちろん今も現地では、風評と、そして風化という二つの風に悩まされているわけでありますけれども、下水道局さんに関連するものでは、この下水汚泥の焼却灰について、大変な、いってみれば騒ぎになりました。
下水道の処理過程で発生する汚泥が汚染されていたということで、当時の二〇一一年の夏過ぎから秋ぐらいにかけて、マスコミで大きく取り上げられました。残念なことでありますけれども、一部の我々の同僚の中からも、殊さらこれが非常に危険であるというような、不安を一部あおるような、必要以上にあおるような、こうした同僚がおりました。
私は当時、事態の進行中でもあり、いたずらに都民の不安をあおるようなことは控えるべきだと、このように思っておりましたけれども、残念ながらそうした事例も散見をされたわけであります。
私の地元は大田区でありますので、森ヶ崎の水再生センターもあり、そして、それを処理する南部のスラッジプラントもありまして、どういうことなのかということで私も現地に行きまして、しかじか、これこれこうですという説明を承りまして、あっ、マスコミで騒がれている、一部の方が取り上げているのは、極めて例外的なはかり方をした場合にはこのような高い数値が出るんだろうと。
これはふだんの生活をしている都民、または近隣の皆さんには決して健康被害、また、環境に影響するということはないんだろうということで感じましたけれども、やはりマスコミの影響等々というのは大変大きいもので、今なお、あのときのあの話題は結局どうだったんだということを、地域へ行きますと、そのようなことを聞かれます。
下水道は一日もとめられないので、焼却灰というのは毎日出てくるわけでありますけれども、当時の説明でも、国の基準をしっかりと守って適切に処理を進めていますと、こう職員の方はおっしゃられました。これは本当に、当時のあのような、バッシングともいえる、そういう状況の中で職員の皆さんは本当に努力されておられたんだと思います。
そこで、あの事故から四年が経過したわけでありますけれども、現在の、この焼却灰の放射能の現状、そして、この処分の方法ですね、何が変わって何が変わっていないのか、放射線の濃度というか、値も含めてぜひ報告をしていただきたいと思います。
○中島施設管理部長 下水汚泥焼却灰の放射能濃度につきましては、福島第一原子力発電所の事故に伴い放射性物質が検出されて以降、定期的に測定を実施しており、その結果は局のホームページで公表しております。
汚泥焼却灰の放射性セシウム濃度は、平成二十七年三月末の値では、放射性物質汚染対処特別措置法の指定廃棄物となる一キログラム当たり八千ベクレルの基準を大幅に下回る、一キログラム当たり五十九から千二百八十ベクレルの範囲まで減少しております。
事故当時から汚泥焼却灰の処分につきまして、下水道局は、国の法令の基準に基づき適切に処分してまいりました。具体的には、下水道施設から発生した汚泥焼却灰をタンクローリーを使用した密閉状態で南部スラッジプラントまで運搬し、汚泥焼却灰に飛散防止措置としてセメントと水を加え、混練り灰とした上で中央防波堤外側の埋立地に投入し、上部を土で覆うなどの管理を行い、安全を確保してまいりました。
放射能濃度が大幅に減少した現在でも、指定廃棄物と同等の対応、従前と同様の対応を継続しております。引き続き対策に万全を期し、都民の安全・安心の確保に努めてまいります。
○遠藤委員 今の答弁で、事故当時から国の法令に基づいて適切に処分をしてきたと。裏を返せば、都民の安全・安心は、それは事故当時も当然のこと確保されていたと、こういう答弁でよろしいですね。--よろしいといっていますので。
それでは、この焼却灰は資源化もされているわけでありますけれども、残念ながら、この放射能の結果、この資源化が震災前に戻っていない、こういうことを聞いております。処分地の延命化を考えると、いつまでも全てを埋め立てに頼っているわけにはいかないんだと思います。
そこで、この資源化について、現状と今後の見通し、決意も含めて今後どうしようとしていくのか、お伺いしたいと思います。
○中島施設管理部長 下水汚泥の資源化につきましては、東日本大震災以前は汚泥の約八割を資源化していましたが、汚泥から放射性物質が検出された以降、資源化を見合わせておりました。
現在、放射能濃度の値が低下してきたことから、安全性を確保しつつ、下水道工事で使用する鉄筋コンクリート管の材料や建設資材としての軽量骨材などとして、汚泥の約三割を試行的に資源化しております。
今後も、下水道施設の工事での利用に加え、下水道事業以外にも利用されるよう、下水汚泥のさらなる資源化に取り組み、ご指摘の埋立処分場の延命化と循環型社会に貢献してまいります。
○遠藤委員 今答弁がありましたけれども、震災前は汚泥の八割が資源化されていたと。しかしながら、現在は三割。しかも、その三割の中でも、これが完全に製品として出ているというわけではなくて試行的に資源化をしていると、こういうようなことでありました。なかなか回復するのは大変なんだなと思います。
ただ、先ほどの答弁にもありましたとおり、この放射線の測定値というのは、震災前のレベルに回復しつつあるということでありますので、やはり、どこかの段階で安全宣言ということ、そういう言葉を使っていいのかどうか、そこはわかりませんけれども、自然な状態でこの市場の行方を見ているということではなくて、やはり、安全なんですよ、元に戻っていますということで、しっかりと打って出る、こういうことが回り回って被災地の風評被害等々の解消にも間接的に役に立つのではないのかなと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
最後に、集中豪雨対策であります。
先ほど冒頭申し上げましたとおり、局の総力を挙げて集中豪雨対策、浸水解消の取り組みをしていただいております。大田でも平成二十五年の七月に時間五十ミリを超える集中豪雨に見舞われまして、多くの浸水被害が発生をいたしました。
ちょうど、その地域であります上池台地域というのは、谷間になっているところでありまして、両サイドから水が集まってくる、まさに構造的に洪水が起こりやすい、そういう地形をしているわけであります。
これまで、その豪雨を受けまして下水道の緊急プランにも七十五ミリ対策地区ということで、この大田区上池台地域を指定していただきまして、今、鋭意取り組んでいただいていると思いますけれども、最後に、この二十六年度の大田区上池台地域での浸水対策の進捗状況について、お答えをしていただきたいと思います。
○池田建設部長 浸水対策については、経営計画二〇一三において、時間五十ミリ降雨への対策を基本としておりますが、豪雨対策下水道緊急プランの中で七十五ミリ対策地区に位置づけた大田区上池台地区においては、平成二十六年度は河川水位の影響を受ける低地部をポンプ排水区へ切りかえるために、必要な下水道管につきまして大田区と調整や設計を進めました。
平成三十一年度までに整備効果を発揮するとしておりますことから、早期の工事着手に向け、今後も大田区と協議等に精力的に取り組んでまいります。
○遠藤委員 どうもありがとうございました。
下水道は二十四時間三百六十五日、都民の生活を支え、そして災害となれば甚大な影響を与えるという、都市インフラの中でも極めて重要な設備だと思っております。
仕事量は膨大で大変であると思います。また、お金がかかれば、かかったらかかったで、なぜかかったんだ、もっと減らせないかという、こういう声もある中で大変に厳しい仕事だと思いますけれども、ぜひ局の総力を挙げて、また来年度も頑張っていただきたいことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○和泉委員 では、私の方からも二〇一四年度下水道会計決算について、汚泥の処理の問題と再生エネルギーの推進の二つのテーマで質疑を行います。
ことし七月から改正下水道法が一部施行されまして、下水道管理者には下水汚泥を燃料や肥料として再生利用するよう努力義務が課されました。下水汚泥の再利用、再資源化は、全国的にも進んでいます。
しかし、福島第一原発の事故によって、下水汚泥から放射性物質が検出をされ、再資源化ができなくなりました。我が党は、この問題を一昨年の決算でも取り上げましたが、その後どうなっているでしょうか。二〇一四年度に新たに取り組まれたこと、拡充されたことがあるか伺います。
○中島施設管理部長 平成二十六年度は、下水汚泥の資源化回復に向けて、資源化事業者に受け入れ量の拡大を求めるとともに、新たな受け入れ先の開拓などの取り組みを行ってまいりました。
○和泉委員 受け入れ量の拡大、新たな受け入れ先の開拓に取り組んでいるということですので、既に資源化が一部回復しているということだろうというふうに思います。この下水汚泥の再利用、再資源化を進めるに当たって、現状ではどのような課題があるというふうに考えているでしょうか、伺います。
○中島施設管理部長 下水汚泥の再利用、資源化に当たりましては、放射能濃度が低下してきてはいるものの、風評被害を懸念して資源化事業者の受け入れ量が減少していることが課題となっております。
○和泉委員 そうはいっても、放射線量に安全といい切れる基準がどうなのか、これについてはさまざまな議論があるところです。受け入れる業者側にしてみれば、作業する従業員や一般の人が使用する場所において、再利用するに当たって放射能に汚染された下水汚泥を受け入れる、このことに懸念を示すのは当然ではないかというふうに思います。
都として、放射能測定はもとより、必要な情報の提供も含めて事業者の心配を正面から受けとめていただくようお願いしたいと思います。
再資源化ができなかった汚泥焼却灰について伺う予定でしたが、先ほど遠藤副委員長の質問にも答弁がありましたので、私から重複の質問をすることは避けたいと思います。
福島の原発事故から四年半たった今でも、下水道の汚泥からは放射性物質が検出をされ続け、風評被害への懸念、安全性への懸念から、再利用の障害になっているということがわかりました。
私は今回改めて勉強させていただきましたけれども、農業の肥料になるだけではなく、焼却するときに二酸化炭素をビニールハウスに引き込めば、作物の生育を促し、同時に温暖化ガスを減らせる、汚泥処理で発生するメタンガスは発電や燃料に使えるなど、下水汚泥はさまざまな再利用ができる宝の山だと知りました。
法律も改正され、福島の原発事故がなければ下水汚泥の再利用、再資源化はもっと進んだはずです。改めて、この原発事故の深刻さ、被害の甚大さを痛感しています。
都として、この間、東京電力に対しては損害賠償請求も行い、東京電力からは逐次入金もされています。さらに今後も検査費用や処分費用が発生する限り賠償請求を続けるよう求めたいと思います。
次に、再生エネルギーの推進について伺います。
都内最大のエネルギー消費者として、再生可能エネルギーの利用拡大、省エネルギーの推進によってエネルギー消費や購入量を減らす努力をしているということは大変評価できます。
平成二十六年度のエネルギー使用量と再エネ量、省エネ量、エネルギー購入量のそれぞれの内訳を伺います。
○神山計画調整部長 下水道局では、電気だけでなく都市ガス等の燃料も使用しておりまして、電気と燃料で異なる単位を統一するため、スマートプラン二〇一四ではエネルギーを熱量換算いたしまして、熱量の単位であるジュールであらわしております。
平成二十六年度の再生可能エネルギー量は二百テラジュール、省エネルギー量は九十テラジュール、エネルギー購入量は四千四百十テラジュールでございまして、これを一般家庭一世帯が一年間に使用する電力量として換算いたしますと、概算ですが、それぞれ一万五千世帯分、七千世帯分、三十四万世帯分に相当する量となっております。
○和泉委員 スマートプラン二〇一四では、総エネルギー使用量に対する再生可能エネルギー等の割合を、二〇二四年までに二〇%以上にするとしています。
二〇一四年度の再生可能エネルギーの主な発電設備の年間発電量は、本日いただいた要求資料によれば九七%に減少しています。取り組みの一層の拡大を求めておきたいと思います。
このスマートプラン二〇一四によれば、平成二十六年、平成二十七年度の再生可能エネルギー拡大の取り組みとして、要求資料にある以外にも、下水の持つ熱エネルギーの利用拡大、太陽熱を利用した熱供給設備の導入などの取り組みが記載されています。それぞれの進捗状況について伺います。
○神山計画調整部長 冒頭、エネルギー量が減少しているというお話がございましたけれども、これにつきましては、幾つかのセンターにおきまして設備の工事をやったために減少した分でございます。
次に、下水の持つ熱エネルギーの利用拡大といたしましては、芝浦水再生センターの再構築に伴う上部利用事業で、平成二十七年二月から上部ビルへ下水熱の供給を開始し、冷暖房として利用しております。
また、有明水再生センター、中川水再生センターの空調に下水熱を利用するシステムにつきましては、平成二十六年度に設計に着手いたしました。
一方、太陽熱を利用した熱供給設備は、砂町水再生センターで平成二十六年度から稼働しております。
○和泉委員 平成二十五年度と二十六年度を比較して九七%に減少している、これは幾つかの施設で工事を行ったからだというご答弁がありましたけれども、であるとしたら、なおのこと目標達成に向けて一層の努力が必要なんではないかというふうに思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。この取り組みについてもさらなる拡大、継続を求めておきます。
下水の持つ熱エネルギーの利用について、現在、下水道局が取り組んでいるのは、水再生センター、ポンプ所における水再生センター内での熱利用、地域冷暖房利用です。全国の進んでいるところでは、下水道管底部の更生材と管路の間に薄く熱回収管を配置することで三〇%の省エネ効果が見込まれるという、ヒートライナー工法という技術があります。これは下水管の再構築と同時に進められており、注目できる取り組みではないでしょうか。
直接的には再エネ、省エネにつながるものではありませんけれども、横浜市ではメッキ工場などから排出される工場排水を処理する過程で発生する脱水ケーキを金や銀と建設資材とに分けることに成功しています。
このような全国の先進事例にも学んで、さらに再生可能エネルギーの推進や下水道の持つ潜在エネルギーの有効活用を進めることが重要だと思いますが、いかがでしょうか。
○神山計画調整部長 再生可能エネルギー等の活用の取り組みは、下水道のセンターに流入する流入水質や都市の立地条件等に応じて変わるものでございます。
下水道局では、下水の持つ熱エネルギーの利用などを既に行っておりまして、平成二十六年度に策定したスマートプラン二〇一四の先進的な取り組みを進めているところでございます。
今後も東京に適した技術の開発を推進するとともに、費用対効果などを見きわめた上で開発した技術の局内への導入を順次進めてまいります。
○和泉委員 まさに全国でそれぞれの地域がその流入水質、立地条件を生かしたさまざまな技術開発や取り組みを進めているということだと思います。ということは、都にもまだまだ豊かなポテンシャルがあるということもいえるんじゃないのでしょうか。
スマートプラン二〇一四の確実な目標達成はもとより、全国の先進事例を積極的に学んで、目標の超過達成、都の条件を生かした技術開発の研究も含めて、潜在エネルギーの有効利用の拡大を強く求めて、私の質問を終わります。
○西沢委員 私からも決算について質問をしていきたいと思います。
これまでの議論の中で、東京都下水道局が、浸水対策や陥没の対策であったり、都民の生命や財産、そして快適な生活を担っているということに深く感謝を申し上げ、皆さんが尽力いただいているということを十分理解した上で質問させていただきたいというように思います。
先ほど遠藤副委員長から財政についての話がございました。これは質問しませんけれども、その答弁の中で、今、維持管理、資材や労務単価が高騰していくという中で厳しい状況にありますというような話もございました。
そして、経営計画というものをつくられていますが、その中で不断の改革を行っていくと。職員の削減もその一つだというところで、これまで大分努力をしてきたところもあるんだと思います。
職員は、削減すればそれでいいというふうには思いませんけれども、努力はしてきたということなんだろうと思います。そこで私は監理団体について質問していきたいと思うんですが、きょうの資料にも出ていますけれども、これは一〇ページのところでしょうか、監理団体の職員数はふえていっていますよということであります。
東京都の職員の方で努力をしても、監理団体の方でふえているということですから、仕事が減っているわけではなく、つけかえているというふうなところになろうかと思うんですね。
この監理団体、東京都下水道サービス株式会社、TGSについてでございますけれども、そもそも下水道局にとってこのTGSがどんな役割を果たしているのか、また、このTGSの売り上げに占める下水道局からの受注割合についてお伺いをいたします。
○坂巻総務部長 東京都下水道サービス株式会社、TGSは、下水道局からの受託事業を主要事業として、局の事業を補完、代行する役割を果たすため設立された監理団体でございます。
汚泥処理施設の運転管理業務や下水道管の管理業務などを受託し、確実に業務を実施してございます。
平成二十六年度のTGSの売上高は約二百十七億円で、このうち下水道局との契約に係る額は約二百八億円でございます。
売上高に占める割合は九五・八%でございまして、TGSの設立目的からも、その割合は、おのずと高くなってございます。
○西沢委員 売り上げの九五・八%が東京都下水道局からの収入であるということで、今答弁にもあったように、自身でもその割合はおのずと高いということは認めますと。当然それは設立目的からしてもそういうものなのだと、もともとそういう会社なんだということなんだと思いますが、このTGSへの委託契約について、契約の方法がどのようになっているのか、お伺いいたします。
○坂巻総務部長 TGSへ委託している業務でございますが、都の下水道事業の運営と密接な関係を有するとともに、多岐にわたる複雑で専門性の高い困難な作業を束ねて、総合的かつ一体的に実施する必要がございます。
こうした業務は、TGS以外では確実な実施が確保できないため、全て随意契約により行ってございます。
○西沢委員 全て随意契約だという答弁でございました。つまり、東京都下水道サービス株式会社という会社は、お金について、売り上げについてはほとんど東京都からで、それも競争性がないわけで、東京都からもうそのままお金が流れている、密接な関係ということでございましたが、もうほぼ一体的な会社ということがいえるんだろうというように思います。
さらに、このTGSは、資料にもありますけれども、その職員の数ですけれども、職員の数は毎年上がっていますけれども、固有職員は三分の一ぐらいですか、大体東京都からの派遣と、それからOBの再就職ということで、そういった意味では、人的な面から見ても一体的な会社、東京都とも同じようなことをやっている、東京都といってもいいぐらいの会社なんだというようにいえるのではないかと思います。
今話がございました、専門性が非常に高いところで、このTGSという会社にお願いしなければ、使わなければ下水道局の事業はできないんだよということでございますが、そこで確認していきたいのが再委託であります。
東京都下水道サービスに任せる仕事の中で、さらに別のところに発注をしているものがあろうかと思いますが、TGSの再委託の状況がどのようになっているのか、お伺いいたします。
○坂巻総務部長 下水道局からTGSへの委託金額に対しTGSが外部に委託した金額の割合は、平成二十六年度実績で約三八%でございます。
TGSでは、監視制御設備の保守点検など、製造メーカー固有の技術が必要な作業や、空調設備の保守点検などの定型的な作業を委託することで、確実かつ効率的な事業執行を図っているところでございます。
ただし、この場合でもTGSみずからが下水道局からの受託事業に含まれるさまざまな作業を束ねて全体を調整し運営することで、受託者としての責任を十全に果たしているというふうに考えてございます。
○西沢委員 約四割はさらに別の会社に発注をしているという答弁でございました。三八%ですね。印象としては、結構あるなというふうに思うわけであります。この話を今聞いて感じるのが、今のマンションの傾きの話ですね。
マンションの建設で、旭化成建材が偽装をして大きな問題になりました。これはやっぱり下請が多重になって偽装を誘発したという指摘、朝日新聞の二〇一五年十月二十二日、四日前の記事ですけれども、こういう構造が問題なんじゃないかと。
つまり、売り主である三井不動産レジデンシャルが、元請である三井住友建設に発注をして、さらにそこから日立ハイテクノロジーズなどにくい打ちなどを発注して、さらにそこから旭化成建材に発注して、さらにそこからと三次請まで、どんどんどんどん違うところに再委託をしていくということによって、監視ができなくなってしまっていると、わからなくなってしまっているというようなことなんだと思います。
ただ、この下水道局、東京都を含めてだと思いますが、原則一括再委託というのは禁止をしていると思います。個人情報を取り扱う業務とかについても再委託を禁止していると思いますが、東京都下水道サービスに対してはどのようになっているのか、お伺いいたします。
○坂巻総務部長 TGSへの委託契約につきましても、局が発注する他の委託契約と同様、原則として一括下請を禁止してございます。
また、個人情報を取り扱う業務につきましても、他の委託契約と同様、原則再委託を禁止した上で、やむを得ず一部を再委託する必要があるときは、再委託理由などを示して当局の承諾を得ることとしてございます。
○西沢委員 やむを得ず一部再委託する場合は当局の承諾を得るということですね。総務省、国の方でどうなっているのかというと、国の方では、これは試験だとか研究などというところですが、これを委託するときには、国はあらかじめ再委託を行う合理的理由、再委託の相手方が再委託される業務を履行する能力等について審査し、承認を行うと、こうあるんですね。
審査し、承認を行うということで、やっぱり再委託そのものについて、簡単にはできないようにしているというところだと思うんです。
さらにもう一つ、経済産業省の外郭団体のNEDOというところ、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構でございますが、ここはどうなっているのかというと、一括再委託の禁止、さらに、再委託割合五〇%以上の原則禁止というような形になっています。
つまり、再委託というものがそもそも余りよろしくないというようなところになって、一括再委託は禁止、だけれども、理由があって再委託するときも、それも含めて五〇%以上超えちゃだめですよという形にしていることがわかるわけですね。
今の東京都下水道局の場合は、四〇%近くが再委託していますよということで、やむを得ずやる場合というのは当局の承諾を得るということですよね。つまり、さっきいったようにTGSというのは東京都と非常に密接なもの、一体的な会社です。そこの承諾を得るということですから、これはもう、いってみれば、いえばすぐみたいなところはあると思うんですね。
私は、そういう意味において、このTGSに対して、再委託に対して国と同じようなこうした方針が、まずそもそもあるのかどうかお伺いいたします。
○坂巻総務部長 再委託に関しまして、TGSに対しては、先ほどお答えいたしましたとおり、一括下請を禁止するなど、局が発注する他の委託契約と同様の措置をとってございます。
TGSに対する特別な方針は出しているものではございませんけれども、TGSは局が直営で行う業務と密接に連携して受託業務を行っており、その一部を外部に委託する場合であっても、確実かつ効率的に業務を遂行していることを実際に確認してございます。
○西沢委員 方針は特別に出していないけれども、実際に確認をしているというような答弁でした。
再委託先について、ちゃんとやっているということですか。具体的に、それはどういうことなんでしょうかね。再委託先、方針を出して--今の答弁で、きちんと管理をやっているかというのは、管理しているということでしたよね。ちゃんとやって報告をもらっているということですか。--ということですね、わかりました。いいです。わかりました。
そうしたら、この再委託について私は、今ちゃんとやっているということでしたけれども、再委託そのものについては特別な方針も、国だとか、そういったものに対して出しているわけでもない、同じようなものは出していないけれども、ちゃんとやっているということでした。
私がもう一つ問題にしたいのが、この再委託先がさらに別のところに委託をする、いわゆる再々委託についてです。この再々委託というものがどの程度あるのか、お伺いいたします。
○坂巻総務部長 当局の委託先であるTGSが外部に再委託をし、その再委託先の事業者がさらに別の事業者に下請に出す、いわゆる再々委託は、純粋な民間事業者間の取引でございまして、下水道局としてはその取引金額まで調査、把握する必要があるとは考えてございません。
ただ、再々委託等がある場合でも、TGSから受託業務の作業体制について報告を受けるとともに、業務の履行状況について確認を行っているところでございます。
○西沢委員 金額は把握していないということですね。だけれども、報告をちゃんともらっていますよということですが、このTGSが委託先に対して再委託に関する--さらに再委託をするという意味ですね、再委託に関する制限を示しているのかどうか、お伺いいたします。
○坂巻総務部長 TGSにおきましても委託先に対し原則として一括再委託を禁止するとともに、個人情報を取り扱う業務について、やむを得ず一部を再委託する必要があるときは、再委託理由等を示して、TGSの承諾を得ることとしてございます。
○西沢委員 これまで再委託についての質疑をしてまいりましたが、今の答弁でもTGSの承諾を得るということです。問題はここだと思います。つまり、このマンションの問題は、これだけ大きくなりましたけれども、やっぱりそれは個人の生命、財産もかかわっているというのと、一生に一度の買い物ということもあります。個人にとっては大きな問題になりますよね。
でも構図というものは、一概に比較はできないということかもしれませんが、その制度というものについて私は同じだと思うんですね。
このマンションの問題で、朝日新聞のさっきの記事の中で、日本建築検査研究所の岩山さんという方もいっていますけれども、やっぱり元請というのが現場に出なくて、煩雑なやりとりというのをしなくて済むというところで手間が省けるから、こういうふうな構図になっているというところがありました。
こんな一次下請はやめるべきだ、元請は現場の状況を把握し、データ偽装などを見抜く責任感を持たせた方がいいと。今大きく話題になっているのは、こういったところだと思うんですね。
やっぱり、こういうふうに何重にも下請業者が重なるときに、どうしても監視の目が届かなくなってくるというのは現実にあると思うんですね。
ほかにも、これは二〇一四年二月の日経新聞ですけれども、横浜銀行の話です。横浜銀行も、このシステムについては、実はNTTデータに発注したわけですけれども、やっぱり委託先のさらに委託先のさらに委託先というところの方が、キャッシュデータを偽造して、他人の口座から現金五十万を引き出すという問題があったわけですね。
これについては、実際に横浜銀行はNTTデータから富士通に発注して、さらにそこから富士通フロンテックという別会社に下請して、結局、委託先の正社員、再委託先の派遣社員ら、さまざまな所属の従業員が入りまじり、誰がシステムのアクセス権にかかわっているのかもわからなくなってしまうというようなことで問題が挙げられているわけであります。
こうしたことから、さまざまな問題をはらんでいるわけであります。ですので、私は、この下水道局の再委託先、TGSになっていますけれども、さらに再々委託先などに関して総点検を実施して、履行状況などに対してきちんと監督をするべきだと考えるわけでありますが、見解をお伺いいたします。
○坂巻総務部長 TGSへ委託している業務は、局が直営で行う業務と密接に連携して行う必要がある業務でございます。例えば、汚泥処理施設の運転管理業務は、局が直営で行う水処理業務から、日々発生する汚泥の質や量に応じて適切に汚泥を処理する必要がございます。
このようなTGSの委託業務につきましては、局とTGSとで日常的に打ち合わせを行い、提出された点検報告等により履行状況を確認するなど、日々の業務において局とTGSが常に連携して業務を遂行し、その履行を確認しているところでございます。
○西沢委員 TGSと都が常に密接に連携をして確認しているから問題ないよという答弁だと思います。それは、私は、密接だからこそ行政改革の意味もなくなれば、であればきちんとやれる体制をつくる必要があるんじゃないかというように思っている次第でございます。
契約の話なんかも絡みますとまた大きな話になりますから、また別の機会があれば話をさせていただきたいと思いまして、次の質問に移動させていただきます。
次に、PR施設、虹の下水道館についてお伺いをしたいと思います。
これも東京都下水道局が委託をしているものになるわけでありますけれども、この虹の下水道館ですけれども、来場者数と、まず管理運営業務の委託費について伺います。平成二十二年からの五年間、二十六年の決算、昨年までお伺いいたします。
○坂巻総務部長 来場者数でございますが、平成二十二年度から二十四年度までが各年度とも二万六千人程度、リニューアル後の平成二十五年度が三万九千人、二十六年度は四万一千人でございます。
年間の管理運営業務の委託費でございますが、平成二十二年度から二十四年度までが各年度とも約二千九百万円、リニューアル後の二十五年度、二十六年度はともに約三千五百万円でございます。
○西沢委員 平成二十五年度にリニューアルをしたということでございます。それ以降はふえているよということですが、私も先日、この下水道館へ行ってまいりましたが、リニューアルする前も行ったことがあるんですけれども、多分皆さんの中でもリニューアル前に行ったことがある方は少ないんじゃないかな。局の皆さんの中でも、わからないですけれども、そうなんだと思うんですけれども、行ったことないと。
リニューアル前は、ひどいといったらちょっと失礼なんですけれども、私たちが視察したときは、都議会民主党の当時の議員団で視察を、十何人ぐらいでしたか、したときにもかかわらず、ビデオは壊れていて回らなかったり、電気は消えていたりとか、足で踏んでできる、そういうアトラクションというものも壊れていて動かなかったりという感じで、大変に、こんなものにお金をかけているのかというような印象を持って、まさにPR施設というものを--財政が厳しいという話が先ほどありました、そうした中でPR施設にお金をどれだけかけるものなのかというのは大きな問題だと思います。
前回、リニューアルする前は、そういったところにお金をかけて本当に無駄なんじゃないかということを指摘もさせていただいたわけであります。
先日行ったときには、リニューアルされた後はすごくいいなというように思いました。この下水道館、かなり考えられて、恐らくそこに小さい子が、小学生、中学生が行って、そこで下水道局の仕事がどういったものなのかというのを見て、将来、下水道局に入りたいといった生徒さんや児童がいるという話で、下水道局の、特に現場の皆さんの中で話を聞いたら涙が出るぐらいうれしいような、そんな話なんてあったんじゃないかなというところで、やっぱりそれぐらいのリニューアルの効果というものはあったんだろうというように思います。
このお金については、リニューアル前までが大体年間二万六千人、二千九百万円ぐらいかけていましたよということです。平均すると一人当たり千百十五円ぐらいですか、単純に見学者一人当たりで割ってみて。それぐらいの入館料を取れば元が取れるということ。無料でやっていますし、お金を取るようなものでは当然ないと思いますけれども。
リニューアル後に関しては、四万人の見学者数について三千五百万円分ぐらいかかっていると。八百七十五円ぐらいだと思うんですね。この金額について、さらにリニューアル費が二億五千万ぐらいかかっているので、例えば十年で減価償却という考えがなければ--これを十年ぐらいで割ってみたら、やっぱり高くなるんですよね。
単純に十年だとすると一人当たり千五百円ぐらい取らないとという形になって、こういった考え方もあるんだと思うんですね。
私自身、行ってみて設備自体はいいと思ったんですが、この四万人前後の今の来場者数というところをどのように評価をしているのか、下水道局の考え方をお伺いいたします。
○坂巻総務部長 リニューアル後の管理運営業務の委託業者を決定するに当たりまして、運営体制や来場者目標数、イベント企画などについてコンペを行いまして、最もすぐれた提案をした業者と三年間の複数年度契約を締結しているところでございます。
平成二十五、二十六年度の来場者数は、採用した提案に示されました二十五年度三万七千八百人、二十六年度四万四百人の目標を両年度とも上回っておりまして、また、リニューアル前の実績と比較いたしましても、二十六年度は一・五倍を超えているところでございます。
こうしたことから、平成二十五年度にリニューアルしたことはもとより、複数年度契約を導入することにより、評価とインセンティブを組み合わせたPDCAサイクルを機能させることで、来場者数の増加に結びつけることができたものというふうに考えてございます。
○西沢委員 コンペによって、その会社にいいものを出してもらって、目標なんかも定めてもらって、いいものを選んだというようなことだと思います。目標の数も一番大きかったとか、今いった成果の話ですけれども、来館者がどれだけ多くてもやっぱりどうなんだろうというよりは、下水道局さんの仕事を思っていただいて東京都のアピールにならなければ意味がないと思うんですね。
そうしたところから、やっぱりそのままにならず不断の見直しというものは当然考えていかないといけないとは思います。
そんな中、三年の契約ですね、この内容を使ってもらっているのが。この三年間契約というところがありますが、このあり方で業者のモチベーションを高く維持するためにはどうするのかと。
つまり、三年間契約ですから、最初の一年で目標数にいっちゃったとなったら、もう残りの二年は消化試合みたいになっちゃうんじゃないのかとか、もしくは一年目で、来場者数が全然来なかった、評判がよくないとなっても二年間まだあるとなると、そこまで業者が力を入れるかどうかというと、またちょっと疑問になってくるんじゃないかと思うんですね。
そういった意味で、業者のモチベーションを高く維持するためのインセンティブというものなどの仕組みについてお伺いいたします。
○坂巻総務部長 本業務では、運営の効率化や企画の創意工夫、来場者目標数の達成度、また、今お話のありましたお客様の満足度、こういったものの管理運営状況につきまして毎年度審査を実施し、評価してございます。
次期の契約更新時にコンペを行う際、現在の受託者が応募した場合、この評価実績に基づいて加点や減点をする仕組み、こういったものを設けてございます。
○西沢委員 工夫を凝らしているというところです。今の答弁を聞いても、同じ話ですけれども、例えば加点や減点をするのであると、その業者が目標人数を超えてきましたとなった場合に、次の契約もとれるかもしれないとなると、さらに工夫を凝らしたいという別の業者さんが入札とかコンペに参加しづらくなっちゃうような気もするんですよね。
逆に、減点をしましたとなったら、その業者さん、ああ、もううちは無理だ、次は絶対にもうとれないわというふうな形になったら、それこそ残りの一年ないしは二年、消化試合みたいな形になって、次はどっちにしろコンペに参加しないから、どうせとれないんだからみたいな感じになると、やっぱり運営に支障を来してしまうんじゃないかと思います。
いろんな方法があると思いますから、私は話を聞いてそういうふうにちょっと感じたんで、ぜひそういった部分も含めて、よりよい、効率のいい運営をしていただきたいというように思います。
最後に、水道局にもPR施設があります。水の科学館というところがあります。この水の科学館は五百メーターぐらい離れたところにありますよね。施設が違うし、局も違うし、事業も違うから、これは前の決算の場でもいいました、一緒にやったらいいんじゃないのかという話をしました。
水の科学館も直接行ってきました。やっぱり水の科学館、雨が降って、川に流れて、そして家庭で蛇口をひねって出てくるというところまでが水道の仕事で、その先はどうなるんでしょうってなったときで終わるんですよね、水の科学館は。
その後は下水道館へ行ってくださいといっても、歩いて行くのも結構大変な距離だったりするんですよね。私は三階に、例えば水道のをやったらどうなるんでしょうとなったら、じゃ、それは二階に下水道館がありますという形になっていくとか、もちろん施設は違うとは思うんですけれども、そういった形にするとさらに相乗効果が高まるんじゃないかと思います。
下水道館の入場者数、今四万人という話でしたが、水道館の方は十四万人ぐらいとか、十五万人に届くぞというようなところですね。大体四倍近くになります。その分、四倍近い予算をかけているんだと思いますけれども、やっぱり効率を考えてPR施設、特に行政がやるPR施設というのは、うがった見方をすれば、効果がわからないですから無駄なんじゃないかというように私なんかも思うときがあります。
水の科学館については、さまざまそういった無駄なことをやっているということを指摘したわけですけれども、いかに効率を考えるというところを考えれば、局の垣根を越えて、そういったPR施設を同じ施設でやるなどの効果も必要なんじゃないかと思います。見解をお伺いいたします。
○坂巻総務部長 下水道事業を広報するに当たりましては、お客様に下水道の仕組みをわかりやすく伝え、理解していただくことが重要だというふうに考えてございます。
下水道施設はほとんどが地下にございまして、お客様に下水道の役割や大切さについて実感していただくことが難しいというのが現状でございます。このため、虹の下水道館は、有明水再生センターと併設してございまして、展示の見学や疑似体験を経た上で実際の水処理の様子を見てもらえるようになってございます。
こうした、PR施設と下水道施設とを同時に見学できることが、お客様の理解を深めるのに有効であるというふうに私どもは考えてございます。今後とも、お客様に下水道事業をわかりやすく紹介する観点から、両施設が連携したPRを行っていきたいというふうに考えております。
また、お話のありました水道局のPR施設の連携についてでございますが、互いの施設を案内するなど、双方の施設におきまして見学者に水循環全体について紹介をしているところでございます。
○西沢委員 連携というところがありました。どちらの施設に行っても、水の方へ行っても、下水道の方の施設のパンフレットが置いてあるだけなんですよ。行ったこと、部長はありますか。
水再生センターの上にある虹の下水道館の方は、確かにおっしゃる水再生センター、下水道局の施設のそこにあるという意義はあろうかと思うんですけれども、普通にきれいですからね、あそこ。あの場所自体が、行って。
普通の施設があって、エレベーターを上がって施設があるものですから、余り下水道局の施設の中にあるという印象を持たないんですよ、もともとが。だからそういうふうに思うわけで、これは私の意見として申し上げておきますけれども、あらゆることを考えて、PR施設をやるんであれば効果的にやっていただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○上田委員 まず、浸水対策からお尋ねしたいと思います。
私の地元の江戸川区は、東部低地帯に位置しまして、東京都の豪雨対策基本方針、また、この豪雨対策下水道緊急プラン等、浸水対策促進地区として下水道局も率先して取り組みを進めていただいているところでございます。
つきましては、小松川ポンプ所の方ですが、昨年度、耐震化が完了していることは承知しているところでございますが、耐水化についてはどうなっておるのか。
また、第二小松川ポンプ所の耐震、耐水化工事の二十六年度の進捗状況と完成目途をお答えください。また、工事に関しまして、地域住民、周辺自治体からの要望、苦情等が出ているか、出たものがあれば、その概要と対応状況をお示しください。
○池田建設部長 小松川ポンプ所の耐水化については、ポンプ所の建物の出入り口扉を防水扉に取りかえるなどの工事を平成二十六年度に着手し、既に完成しております。
一方、小松川第二ポンプ所については、地震や津波に対する耐震性能及び耐水性能を保有する施設として現在建設中でございます。平成二十六年度は、予定していたポンプ所本体の土木工事などを実施いたしました。
なお、工事に対する要望、苦情等でございますが、平成二十六年度において地元住民や地元区から寄せられた実績はございません。
今後とも、平成三十一年度の完成を目指し、ポンプ所建設工事を着実に推進してまいります。
○上田委員 資料の一ページを見ますと、浸水被害総数の一割が江戸川区となっておりまして、満潮だけじゃなくて、干潮時においても、ゼロメートル地帯に私自身も住んでいる者として命綱となりますことから、完成が待たれることでございます。
しかしながら、ハードウエアがそろっても、かつて新川の水門で昭和三十年代、水門を閉め忘れて浸水被害が出たというようなことがございますので、ハードウエアが整った後のソフトウエアの運用はしっかりと管理をお願いしたいというところでございます。
続きまして、簡易処理水についてお尋ねをしたいと思います。
水再生センターの簡易処理水と呼ばれる水が、地域住民から汚水をそのまま放水しているのではないかとの声が上がっている点について質問したいと思います。
水再生センターでは、各地域より汚水が集められ、浄化した後、河川や運河へ放水をされるということになっております。
しかし、現在の下水道の仕組みは、トイレ、台所の汚水など生活排水だけではなく、雨水も一緒に処理する仕組みであるがために、雨天時には一部の下水を、反応槽を通さず、沈殿処理と塩素をまぜただけで簡易処理水と称して直接河川や運河に放水しているのが現状でございます。ほかの委員からもご指摘がございました。
現実には、河川と海に囲まれた江戸川区では、潮干狩りなど日常的に海に親しむ住民も多いことから、私の耳には、海や河川に対する悪臭及び衛生面に関する不安の声、苦情の声が絶えません。
江戸川区では行ってはおりませんけれども、資料の九ページの方をごらんいただきますと、断トツの一位が芝浦ですね。百十三回。こちらの芝浦水再生センター、放水回数が特出している港区においては、運河の水質が環境基本法に基づく水質汚濁にかかわる環境基準に達しているかについて、雨天時の水質検査と下水処理場の排水口付近の水質調査を港区が独自に行い、ホームページで公開されています。
現在、平成二十五年度の水質調査をちょっと取り上げてみました。雨天時三回、晴天時に一回行い、港区のホームページにそのデータがアップされているところですが、排水調査項目の中で、海水浴基準などに用いられる大腸菌群数を見ると、ちょっと驚くべき数字が書かれておりました。
江戸川区では、都の関係各局の協力もございまして、ことしから葛西において海水浴場を実験的に開催、大勢の都民、江戸川区民でにぎわったことは広く知られているところでありますが、環境省が示す海水浴場の判定基準では、百ミリリットル中大腸菌群が一千個を超える水質は不適格とされているところです。
港区が独自に行った水質調査によりますれば、平成二十五年十月に行った雨天時の測定においては、高浜水門という芝浦運河の出入り口の測定では百ミリ中二百四十万個、平成二十六年五月二十九日の調査では、晴天時においても九十三万個という少々桁違いの数値が並んでおりました。
一年間に晴天時一回、雨天時三回という少ない調査ではございますが、この数値は環境基準をはるかに上回っており、看過できない数値ではないでしょうか。
港区は、オリンピックのトライアスロン競技が行われることになっており、これらの数値を見る限り、本当に開催していいのかなと大変不安になるところでございます。トライアスロン選手が体調不良などを起こしては、日本の環境イメージは大変なダメージをこうむることになるのではないかということを危惧している次第でございます。
下水道局のホームページ、数字で見る東京の下水道、下水処理の状況にも水質データを上げていただいておりますが、港区が独自に排水口付近で調査した数値とはかけ離れており、単純比較しますと、少し愕然とした次第でございます。
これらの理由は、雨天時に放水する排水基準を満たさない未浄化の汚水ではないかと都民が危倶する、下水道局がいうところの簡易処理水の放水が原因ではないかと指摘されているところです。
この放水がどのくらい行われているかと申しますと、平成二十五年のデータで年間百二十三日、量にして二千五百四十八万二千百三十立方メートル、実に東京ドームにして二十杯以上という莫大な量になってしまいます。ほぼ三日に一度は流しているのでございますから、これは既に緊急の放水ではなく、日常的ともいえるのではないでしょうか。
芝浦水再生センターは、中央、千代田、文京、豊島、新宿、渋谷、目黒、品川--都内十区のトイレ、台所の汚水を港区に集め、週に二日以上はくだんの簡易処理水が運河に放水されているわけで、港区の調査は簡易処理の実態を知る上には示唆を与えるものではないでしょうか。
なお、今お話しした放水に関する日数は、下水道局が発表した年間の数値から割り出したものですが、都では、簡易処理水の放水情報を個別には公開されてはいらっしゃいません。
そこで、まず最初に質問をします。
水質汚濁防止法に基づく海上保安庁からの通報について、資料では八ページ、ゼロ回とのことです。
港区では、平成二十六年第三回定例議会において、区長が、引き続き芝浦水再生センターの簡易処理水の放流に関する情報を区及び区民に提供するよう東京都へ要請してまいりますと答弁されていますが、この点に関して、都の現状把握の状況と港区及び周辺住民への対応状況をご説明ください。
○中島施設管理部長 まず、芝浦水再生センターから雨天時に放流する水が大腸菌の排水基準を満たさないということですが、雨天時においても排水基準を遵守しております。
ご質問の港区からの要請についてでございますが、承知しておりまして、区が行っている高浜運河の水質調査にも立ち会うなど協力をしているところです。
港区及び周辺住民への対応状況につきましては、当局ホームページにて、区部水再生センターにおける月ごとの一回当たりの平均放流量及び年度の集計結果を公表しております。このことは、区にも説明しているところでございます。
○上田委員 ありがとうございました。
確かに排水口の前と後というところの基準については、法令を満たしているというところではございますけれども、やはり絶え間ない悪臭に関する住民の苦情、こうしたことには常に懸念を抱いているところであります。
また、下水道局の、数字で見る東京の下水道、先ほどの下水処理の状況、毎月数値を公表してくださるんですが、ホームページで見ても、とても都民が見つけ出すことができないほど深い階層にありまして、これをもって公表というのはなかなか難しいのかなというふうにも思っておりますので、更新したらリンク先を下水道のアースくんのツイッターでつぶやいたり、欲しい情報を都民がすぐに検索できる下水道局のホームページの刷新など、引き続き善処を求めるものでございます。
次に、運河の水質は法律で定める環境基準に適合していないのではないか、排水を大規模に流出を行っている観点から、都が放水の事前通知や、放水後、いつ、どのくらい、どのような水質の水を流したのかという事前の通知や事後の報告を、周辺住民、周辺区へすべきだと考えますが、東京都のご所見をお聞かせください。
○中島施設管理部長 雨の降り始めやその量を正確に予測するのは困難であり、簡易処理をいつ開始するかは予測できません。
さらに、降雨時には、何をおいても浸水を防除するため、ポンプ等の運転作業を最優先する必要があり、事前通知は極めて困難でございます。
放流後につきましては、先ほど申し上げたとおり、当局ホームページにおいて公表しております。
○上田委員 先ほど私も申し上げましたが、引き続き情報発信のもうちょっと見える化のお願いを重ねてするところでございます。
次に、多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画におきまして、各水再生センターが平成三十六年度までに目標とする水質の中で、簡易処理水はどのような扱い、位置づけになり、三十六年度までに簡易処理水をどのぐらいの量として削減目標を立てているのかお示しいただければと思います。
○神山計画調整部長 多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画におきましては、簡易処理水の削減目標は設定されておりません。
なお、下水道法施行令の雨天時放流水質の基準では、区部では平成三十五年度末までに合流式下水道からの雨天時放流水質について、処理区平均BODを四十ミリグラム・パー・リットル以下とすることが定められております。
○上田委員 簡易処理水の削減目標、さまざまな計画の中に入っていると思いますが、いろいろなところで反映をしていっていただきたいというふうに思っております。
また、これも私の地元の方になりますが、旧中川の合流下水の放流につきまして、第二小松川ポンプ所が完成することで状況が改善することが待たれるところでございますが、昨年二月に、臭気などにおけます江戸川区平井、旧中川への合流下水に関する陳情が趣旨採択をされました。
その後の江戸川区並びに周辺住民からの要望と対応状況につき、お示しください。
○神山計画調整部長 趣旨採択後の要望といたしましては、昨年度、陳情者が数回都庁に来庁されまして、旧中川への雨天時における放流に関する要望をされました。
また、小松川第二ポンプ所の工事現場視察の要望もあり、現場に案内し、事業の内容等につきましてご説明いたしました。
その都度、旧中川における現在の取り組み状況を丁寧にご説明いたしまして、ご理解を得ております。
○上田委員 ご丁寧な対応ありがとうございました。
こうしたやはり一つ一つの取り組み、対応が都民の信頼に非常に貢献していくものと思います。ありがとうございます。
また、JR田町-品川間におけます山手線新駅計画で注目の集まる芝浦地域なんですが、都では、駅前に位置する芝浦水再生センターの施設改築計画に基づかれ、大規模な再構築工事を始められています。
都は、平成三十六年度までを計画期間とする、先ほどの多摩川・荒川等流域別下水道整備計画において、芝浦水再生センターの計画処理水の水質目標を定めていらっしゃいます。
また、芝浦水再生センターは、施設の再構築を段階的に進めるとしまして、雨天時貯留池を整備し、その上部に商業ビルが建設されています。
警察・消防委員会におりまして、過日、本当に空から、ヘリコプターからしっかりと見させていただいたところでございます。芝浦水再生センターの簡易処理水の放水地域は、お台場があります。先ほど来いっていますように、トライアスロン等オリンピック・パラリンピックの競技が行われることから、水質については協議会でも議論になってきた経過があります。
しかるに、下水道整備計画の計画処理水の水質の目標数値達成に向けまして、芝浦水再生センターの整備計画を早急に進め、水質改善を図るべきと考えます。
最後になりますが、これまでの実績を受けて、計画の早期実現に向けて下水道局の意気込みをお聞かせください。
○神山計画調整部長 多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画で設定されました芝浦水再生センターの水質目標の達成に向けましては、これまで準高度処理や新たな高度処理の整備を進めてきており、今後も着実に対策を進めてまいります。
一方、芝浦水再生センターでは、先ほども答弁いたしましたけれども、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設が平成二十六年度末に完成いたしました。これによりまして、試算では雨天時の汚濁負荷量を約三割削減することが可能となります。
さらに、オリンピック・パラリンピックの開催に向けまして、平成三十一年度までに、累計で百四十万立方メートルの貯留施設を整備することといたしております。
加えて、下水道法施行令への対応を図るため、平成三十五年度末までに、芝浦水再生センターを含めまして区部全体で百七十万立方メートルの貯留施設の整備を目標としております。
今後も、芝浦水再生センターの水質改善に向け、着実に取り組みを進めてまいります。
○上田委員 済みません、最後というのは簡易処理水に対しての最後の質問でございます。
要望ですけれども、区は、今まで環境基本法に基づく環境基準を物差しとされ水質調査をしてきましたが、海の水質汚濁に関しましては、海上保安三法と呼ばれる中に水質汚濁防止法というのがあるのは承知しているところでございますが、これは工事や下水処理場などが排出する水質基準を定め、基準に達しない排水を行う施設に対し、海上保安庁が業務停止命令や罰金を科すことのできる法律です。
近年では、臨海部の開発が進み、高層住宅が林立したこともあり、高層階住人は海がよく見えることから、居住者からの、警察の一一〇番に相当する海上保安庁の一一八番に対し、船から投棄された油に関する通報、浮遊ごみの通報が相次いでいると周辺区から報告があり、通報に基づき海上保安庁では、運河の水質調査を実施、東京都下水道局に対し、本年、問い合わせも行ったということも仄聞しております。
その中でも異常な色をした水が放水されているとの通報に基づき調査したところ、下水処理施設から放水される簡易処理水が原因であったのではないかというケースが少なからずあるとも伺っております。
無論、海上保安庁としても、下水道局を書類送検し、業務停止命令を出すことはないでしょうが、都としても、強制力を持った上位行政である海上保安庁と情報共有するなどして連携し、排出の水質改善計画を進めていただくことをぜひご検討いただきたいというところでございます。
臨海部が倉庫街であった時代とは大きくさま変わりしたがゆえに、今まで看過されてきたことが見過ごせない時代になってきたと思います。都の努力と意気込みをしかと受けとめさせていただきましたことからも、今後は、希釈は浄化に当たらないと、未浄化の水ではないかと都民に危惧されるような下水は一滴も流されないよう目標を高く掲げられ、東京港に隣接する港区を初め我が江戸川区など、水再生センターのあります周辺区とともに力を合わせて取り組まれ、東京の海を、世界に誇れる、泳げる首都の海にしていただきたいと要望をして、次の質問に移ります。
本当に最後になりますが、下水道局の企業債残高についてお尋ねします。
平成二十六年度の企業債残高は一兆七千億円でした。そのうち区部下水道の残高は一兆六千五百七十二億円でした。平成二十二年度の二兆百八十五億円から年々減少傾向にありますが、依然として高い水準にあります。これにより、本年度の企業債利息は三百七十二億円もありました。
毎年、これだけ多くの企業債利息の支払いがあると、財政状態が不安定なままなのではないかと懸念しますが、これについてのご認識と、この問題に対しての今後の具体的な対応策をお示しください。
○坂巻総務部長 平成二十六年度の区部下水道事業につきましては、維持管理費、元利償還費、建設改良費を合わせた財政規模五千四十億円の支出を、下水道料金、雨水、汚水の負担割合に基づく一般会計繰入金のほか、企業債や国費などの収入で賄ってございます。
委員お話しの二十六年度の企業債利息三百七十二億円は、財政規模の七%程度でございます。企業債残高の縮減や金利低下の影響により減少傾向にあるものの、その負担は依然として重いものであるというふうに認識してございます。
このため、収支全体で見て均衡が図られるよう、中長期的な視点に立った財政運営を行っていく必要があると考えてございます。
今後とも、将来的な財政負担を見越して企業債の適切な発行、償還の管理を行うとともに、コスト縮減や資産の有効活用、業務執行体制の見直しなど、企業努力によりまして経営基盤の強化に努め、将来にわたって下水道サービスを安定的に提供してまいりたいというふうに考えております。
○上田委員 自覚と危機感を持たれて取り組まれていることを確認させていただきました。
さて、人口減少社会に今後突入し、下水道だけではなく、都市のインフラをどうしていくかということは大きな課題となっています。
東京は、殊に江戸から明治、そして高度成長期と増加し、集中してまいりました。それに合わせ、東京市となり、明治十七年、神田下水に始まり、世界の各都市と比べていち早く下水道の普及が進められました。
戦後は、医師でもあり日本下水道協会初代会長を務めた東龍太郎知事によりまして、飛躍的に整備が進むとともに、地域的にも拡大していきました。
一方、地球を取り巻く環境が激変し、いわゆるゲリラ豪雨といわれる集中豪雨など、雨水対策が新たな政策課題となり、都市下水道はその担うべき役割をいや応なく拡大してまいりました。
当初は、合流下水道でも何ら矛盾なく機能しておりましたが、都市の過密化、気候変動により、インフラの維持と更新が課題となっております。
いうまでもなく、下水道は、憲法第二十五条で保障されている公衆衛生の増進のための不可欠な設備です。都民に理解を得ながら、計画性を持って進められることは、現在、そして未来に向け、持続可能な都市東京を維持発展していく上で不可欠なものです。
一朝一夕に合流下水から分流化を実現することは、莫大な投資が必要であることは重々理解しておるところですので、都民の理解を得るために、常に環境負荷を含めアセスメントを進めるとともに、業務の現状と財務状況は積極かつ迅速な情報提供をしていくことを要望し、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○高橋委員 それでは、私の方からは、平成二十六年度の流域下水道事業の財政状況について伺います。
多摩地域の下水道につきましては、これまで積極的に下水道整備を進めてきた結果、下水道の普及率が一〇〇%近くになり、これからは維持管理の時代を迎えることになりました。
今後、維持管理を的確に進めていくためには、流域下水道の財政基盤がしっかりとしていることが何より重要であります。しかし、平成二十六年度の決算資料によりますと、流域下水道事業の収支は赤字とのことでありました。
そこで、流域下水道事業の財政状況について何点か確認をいたします。
まず、これまで財政収支はどのように推移してきたのか伺います。
○関管理部長 流域下水道の維持管理費の主要な財源は、市町村からの維持管理負担金でございまして、処理水量一立方メートル当たりの単価は三十八円となっております。
維持管理収支の推移でございますが、平成二十三年度に十六億円、平成二十四年度に十億円、平成二十五年度に六億円の黒字となっておりました。平成二十六年度には八億円の赤字となりました。
ここ数年で黒字が徐々に減少してまいりましたが、平成二十六年度に収支がさらに悪化し、赤字となったものであります。
○高橋委員 ただいまの答弁によりますと、流域下水道の維持管理費の主な財源は、市町村の維持管理負担金であり、処理水量一立方メートル当たりの単価は三十八円ということであります。
そしてまた、維持管理収支の推移は、平成二十三年度に十六億円の黒字、そして二十四年度に十億円の黒字、平成二十五年度に六億円の黒字となり、十六億円、十億円、六億円というふうな黒字の推移で、そして平成二十六年度になりまして、ついに八億円の赤字ということになり、ここ数年で黒字が徐々に減少してきましたが、平成二十六年度に収支がさらに悪化したということでございます。
そこで、ここ数年で収支が悪化してきたとのことでございますが、平成二十六年度、なぜそのような結果になったのか、その具体的な要因について伺います。
○関管理部長 ここ数年の収支悪化の要因についてでありますが、まず収入につきましては、多摩地域の下水道の普及がほぼ概成をしたため、下水道の流入水量の伸びは見込めない状況であります。
また、維持管理負担金の単価につきましても、昭和五十七年以降、さまざまな経営努力により、これまで据え置いてきております。
一方、支出につきましては、労務単価の上昇、電気料金の値上げなどの影響により増加したため、収入と支出のバランスが崩れ、収支が悪化いたしました。
特に、平成二十六年度収支が前年度と比べ十四億円悪化しておりますが、労務単価の上昇などで八億円、燃料費の増加により電気料金が一億円、消費税率の引き上げの影響が四億円あり、こうした外的要因により収支が悪化いたしました。
○高橋委員 労務単価、電気料金、消費税などの外的要因により収支が悪化したとのことであります。これは、下水道局の責任ではない社会経済状況の影響によるものではありますが、それでも努力する余地はあると思います。
この厳しい財政状況において、維持管理費のより一層の縮減を図るため、下水道局は多様な取り組みを進めてきたと思います。
そこで、維持管理費の縮減に向けてどのように取り組んできたのか伺います。
○佐々木技術部長 流域下水道の主な維持管理費は、流域水再生センターの処理経費であり、これまで運転管理の工夫により、電力、燃料、薬品などの使用量を抑制し、徹底した経費削減に取り組んでおります。
具体的には、電力使用量の約三割を占める送風機の運転を水量や水質の変動に合わせてきめ細かく調整し、使用量を抑制するとともに、ナトリウム硫黄蓄電池を活用し、夜間に蓄電した電力を昼間のピーク時に放電することなどにより、ピーク時間調整の割引を受けております。
また、燃焼効率のよい焼却炉の優先運転による補助燃料の削減や、汚泥性状の計測による最適な薬品注入率の設定など、水処理から汚泥処理においてさまざまな取り組みを実施しております。
さらに、設備の更新に合わせて、省エネルギー型汚泥濃縮機や微細気泡散気装置の導入など、新技術の活用により維持管理費のさらなる縮減にも取り組んでいます。
平成二十六年度の電気料金は、平成二十二年度に比べ東日本大震災の影響による値上げなどにより十億円増加しておりますが、さまざまな創意工夫に取り組んだ結果、使用量は四年間で八%、一千三百万キロワットアワーを削減しています。特に、平成二十六年度単年度では四%、六百万キロワットアワーを削減いたしました。
○高橋委員 維持管理費の縮減のため、ハード対策やソフト対策など流域下水道が真摯に取り組んでいることがわかりましたが、収支改善に向けて引き続き取り組んでいただきたいと思います。
そこで、多摩地域の安定的な下水道事業運営について、流域下水道本部長の見解を伺います。
○坂根流域下水道本部長 多摩地域の下水道は、普及概成が目前に控えており、いよいよ本格的な維持管理の時代を迎えることとなります。
先ほどもご説明いたしましたように、労務単価の上昇などの外的要因によりまして、経営環境は厳しさを増しておりますが、流域下水道本部といたしましては、さらなる維持管理費の縮減が不可欠であると認識しており、さまざまな省エネ、創エネに取り組み、徹底した経営改善に努めてまいります。
そこで、今年度末には、水再生センター間を結ぶ三本目の連絡管が完成することから、相互融通機能を活用して、水処理や汚泥処理における工夫にも一層積極的に取り組んでまいります。
また、ことし七月から、八王子市単独処理区の流域下水道への編入を一部開始しておりまして、そのスケールメリットを生かし、多摩地域全体の下水道事業の効率化にも資する事業を着実に推進していきます。
今後とも、労務単価の上昇や消費税の引き上げなど社会経済情勢を見きわめつつ、困難な経営環境ではありますけれども、市町村に対し丁寧な説明を行いながら連携を強化し、多摩地域の安定的な下水道運営に努めてまいります。
○高橋委員 ただいまは、今後も労務単価の上昇や消費税の引き上げなど、社会経済状況を見きわめつつ、困難な事業環境下ではありますが、市町村に丁寧な説明をしながら連携を強化し、多摩地域の安定的な下水道運営に努めていくとの流域下水道本部長の決意でございました。
事業運営に当たっての流域下水道本部長の姿勢を確認できました。今後とも、関係市町村の声を受けとめつつ、多摩地域の生活環境をよりよくするため、しっかりと流域下水道の経営に取り組んでいただきますよう強く要望し、質問を終わります。
○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で下水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時七分散会
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