平成二十五年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第四号

平成二十六年十月二十四日(金曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十一名
委員長中屋 文孝君
副委員長高倉 良生君
副委員長山崎 一輝君
副委員長畔上三和子君
柴崎 幹男君
鈴木 錦治君
上田 令子君
西崎 光子君
宇田川聡史君
中村ひろし君
大西さとる君

欠席委員 なし

出席説明員
港湾局局長多羅尾光睦君
技監石山 明久君
総務部長浜 佳葉子君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務山口 祐一君
調整担当部長田中  彰君
港湾経営部長古谷ひろみ君
港湾経営改革担当部長藏居  淳君
臨海開発部長笹川 文夫君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務原   浩君
営業担当部長中村 昌明君
港湾整備部長大和田 元君
計画調整担当部長宮地  豊君
離島港湾部長小野 恭一君
島しょ・小笠原空港整備担当部長小幡 和輝君

本日の会議に付した事件
平成二十五年度東京都公営企業各会計決算の認定について
港湾局関係
・平成二十五年度東京都臨海地域開発事業会計決算(質疑)
・平成二十五年度東京都港湾事業会計決算(質疑)

○中屋委員長 ただいまから平成二十五年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十五年度東京都臨海地域開発事業会計決算及び平成二十五年度東京都港湾事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○浜総務部長 十月十日開催の当分科会でご要求のございました資料をご説明申し上げます。
 お手元の平成二十五年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらん願います。
 ご要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり、十一項目でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。臨海地域開発事業会計における公共用途での土地処分実績でございます。
 平成二十一年度から二十五年度までの五年間における土地処分の実績について、それぞれ用途、面積、金額を掲載しております。
 なお、単位につきましては、面積は平方メートルで、金額は百万円で掲載してございます。
 二ページ目をお開き願います。臨海地域開発事業会計における資金運用益の推移でございます。
 資金運用益を債券による運用益と預金による運用益に区分し、それぞれの平成二十一年度から二十五年度までの五年間における運用益及び期末残高を百万円単位で掲載してございます。
 なお、債券による運用につきましては、二十一年度途中で満期を迎え、その後、新たな債券の購入は行っていないため、二十一年度以降の期末残高は該当なしとなっております。
 三ページをお開き願います。臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
 平成二十一年度から二十五年度までの五年間における土地処分の実績について、各年度の面積、金額及び実績の内訳を掲載しております。
 なお、単位につきましては、面積は平方メートルで、金額は百万円で掲載してございます。
 四ページをお開き願います。臨海副都心地域を除く埋立地の土地処分実績でございます。
 こちらも前ページと同様に、平成二十一年度から二十五年度までの五年間における土地処分の実績について、各年度の面積、金額及び実績の内訳を掲載しております。
 なお、単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円で掲載してございます。
 五ページをお開き願います。株式会社東京臨海ホールディングスの当期純利益等の推移でございます。
 平成二十一年度から二十五年度までの五年間における、縦の欄にございます四項目、当期純利益、現金及び預金の期末残高、投資有価証券の期末残高、長期借入金の期末残高を百万円単位で掲載してございます。
 六ページをお開き願います。東京テレポートセンターに対する臨時駐車場の延べ貸付面積及び貸付料でございます。
 平成二十三年度から二十五年度までの三年間における延べ貸付面積及び貸付料を掲載しております。
 なお、単位につきましては、面積は平方メートル、金額は千円で掲載してございます。
 七ページをお開き願います。建設発生土の受け入れ土量等の推移でございます。
 平成二十一年度から二十五年度までの五年間において、受け入れ土量の搬入元を都及び都以外に区分いたしまして、それぞれの受け入れ土量及び合計、受け入れに伴う収入額を掲載しております。
 なお、単位につきましては、土量は千立方メートルで、金額は百万円で掲載してございます。
 八ページをお開き願います。臨海地域開発事業会計の工事請負契約における一者応札、入札不調、随意契約件数等の推移でございます。
 (1)、工事請負契約における一者応札の件数及び構成比の推移でございます。
 平成二十三年度から二十五年度までの三年間について、一者応札件数、総入札件数に占める一者応札件数の割合、総契約金額に占める一者応札契約金額の割合を掲載してございます。
 (2)、工事請負契約における入札不調件数の推移でございます。
 平成二十三年度から二十五年度までの三年間の入札不調件数を掲載してございます。
 (3)、工事請負契約における随意契約件数等の推移でございます。
 平成二十三年度から二十五年度までの三年間について、随意契約件数合計、総契約件数に占める随意契約件数の割合、総契約金額合計に占める随意契約金額合計の割合につきまして、単位を件数及びパーセントで掲載してございます。
 九ページをお開き願います。港湾事業会計の工事請負契約における一者応札、入札不調、随意契約件数等の推移でございます。
 (1)、工事請負契約における一者応札の件数及び構成比の推移でございます。
 平成二十三年度から二十五年度までの三年間について、一者応札件数、総入札件数に占める一者応札件数の割合、総契約金額に占める一者応札契約金額の割合を掲載してございます。
 (2)、工事請負契約における入札不調件数の推移でございます。
 平成二十三年度から二十五年度までの三年間の入札不調件数を掲載してございます。
 (3)、工事請負契約における随意契約件数等の推移でございます。
 平成二十三年度から二十五年度までの三年間について、随意契約件数合計、総契約件数に占める随意契約件数の割合、総契約金額合計に占める随意契約金額合計の割合を掲載してございます。
 一〇ページをお開き願います。東京港のサイズ別コンテナ取扱個数の推移でございます。
 平成二十一年度から二十五年度までの五年間において、縦の欄に記載してございます二十フィート、四十フィート、四十五フィート、また、(注1)に記載しておりますとおり、八フィートや十二フィートコンテナなどISO規格外のコンテナとしてその他、そして、その総計について、単位を上段に個数、下段にパーセントで掲載しております。
 一一ページをお開き願います。海外主要港のコンテナ取扱個数の推移でございます。
 平成二十一年度から二十五年度までの五年間において、東京を含め、ニューヨーク・ニュージャージー、ロサンゼルスなどの海外主要港のコンテナ取扱個数について、単位をTEUで掲載してございます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のございました資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中屋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○山崎委員 私から、東京港の交通混雑対策についてと臨海副都心のブランド価値の強化について、質問を何点かさせていただきたいと思います。
 まず初めに、東京港の交通混雑対策について伺います。
 近年、東京港は順調に貨物量を伸ばしており、昨年の外貿コンテナ貨物取扱個数は四百三十五万TEUと、前年に引き続き過去最高の更新をしたわけでございます。
 しかし、一方で、東京港のコンテナターミナルの処理能力が、貨物量の伸びに対し十分に追いついていないことから、季節や時間帯のピーク時に、一部のコンテナターミナルの周辺に待機車両による混雑が発生し、これが効率的な物流を妨げている理由の一つになっているわけであります。
 我が党ではこれまでも、東京の国際競争力を高めていくためには物流の効率化が不可欠という観点から、東京港周辺の交通混雑対策について、たびたび質疑を行ってまいりました。本日は、平成二十五年度における都の交通混雑対策の進捗を確認する意味で、何問か質問をさせていただきます。
 都は、東京港の中で特に混雑が激しかった青海ふ頭における交通混雑対策の一環として、同ふ頭を利用するトレーラー向けの車両待機場を中央防波堤外側地区に整備いたしました。
 まず、この青海コンテナふ頭用の車両待機場の平成二十五年度における利用状況について伺います。

○古谷港湾経営部長 都は、東京港埠頭株式会社と連携いたしまして、平成二十四年十二月に、青海ふ頭の利用者向けに、コンテナ車二百十台を収容できます車両待機場を供用開始いたしました。
 供用開始後、初めて通年で運用した平成二十五年度における利用台数は約七万三千台でございます。

○山崎委員 年間の利用台数が七万三千台とのことで今、答弁もありましたが、東京港の年間の取扱個数、先ほどもお話をしましたが、四百三十五万TEUであることを鑑みますと、一見それほどの大きな数字ではないようにも感じるわけであります。
 この車両待機場の供用開始により、どのような効果があったのかお伺いをいたします。

○古谷港湾経営部長 青海コンテナふ頭におきましては、従前より各コンテナターミナルに車両待機場が設置されておりましたが、近年の取扱貨物量の増加に伴いまして、コンテナ車両が集中する夕方の時間帯を中心に、コンテナターミナルに並んでいる待機車列が車両待機場からはみ出して、臨海副都心と中央防波堤地区とを結ぶ青海縦貫線などに並んでしまうことがございました。
 その結果、一般車両の円滑な通行や効率的な物流に支障が生じまして、例えば、テレコムセンター駅と中央防波堤内側地区との区間を移動するのに一時間以上もかかったと苦情が寄せられることもありました。
 中央防波堤外側地区の車両待機場の供用開始によりまして、こうした青海縦貫線を初めとする周辺道路へのコンテナ車の滞留はほとんど解消いたしまして、先ほど申し上げました区間の移動は十分程度となりますなど、青海ふ頭における交通混雑の緩和に大きな効果があったと認識しております。

○山崎委員 私もこの青海縦貫線はよく利用させていただいておりますが、以前のようなひどい状態ではなくなってきているということは少し感じておりますが、青海地区の交通混雑は緩和に向かっているという今の答弁でありましたけれども、やはり時間帯によっては、まだ少し渋滞があるのかなと、そういうこともありますから、引き続き積極的な施策というか、まだやることはあると思いますから、よろしくお願いしたいと思います。
 また、その青海と同時に、もっとひどいところが大井の地区だと思います。本当に厳しい状況にあると思いますが、このため、都は、大井ふ頭の交通混雑対策として、東京港では最大となる、コンテナ車両を五百三十台収容できる大規模な車両待機場を整備することを表明しております。
 大井ふ頭その一、その二間の埋立事業は、この大井地区の車両待機場を整備するための種地を造成する重要な事業であると伺っておりますが、平成二十五年度の執行率は三四・八%と極めて低い状況であります。
 そこでまず、大井ふ頭その一、その二間の水域埋立事業の執行率が低迷している理由と、大井地区における車両待機場整備事業への影響についてお伺いをいたします。

○古谷港湾経営部長 平成二十五年度におけます大井ふ頭その一、その二間水域埋立事業は、主に調査、設計、護岸建設工事、埋立造成工事から構成されております。
 このうち、事業費の約六割を占める埋立造成工事について、地盤改良に必要な期間が当初想定していたよりも長くなったことから、当該工事に要する経費を平成二十六年度に全額繰り越したため、平成二十五年度の執行率が低くなってございます。
 事業進捗におくれが生じておりますが、今後、各種調整を迅速化することなどにより、大井地区の車両待機場が当初目標としていた平成二十八年度中に供用できるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

○山崎委員 年度末までに三カ月程度のおくれがあるということを聞きました。とにかく、しっかりとこのおくれを取り戻していただいて、予定している供用開始時期におくれがないよう、確実に進めていただきたいことを指摘させていただきます。
 これまで、二十五年度における取り組みを中心に質疑を聞いてきました。車両待機場の整備等により着実に状況は改善をしておりますが、これまでもたびたび指摘してきたとおり、東京港の交通混雑の一番の要因はコンテナターミナルの処理能力の不足であり、対策として何よりも重要なのは、東京港の抜本的な機能強化であります。
 最後に、東京港の交通混雑解消に向けた考え方と取り組み姿勢について伺います。

○古谷港湾経営部長 東京港の交通混雑は、物流の効率化の面からも、周辺環境への影響の面からも、早急に解決すべき重要な課題であると思っております。
 また、その解消に当たっては、東京港の処理能力がコンテナ貨物取扱量に見合っていないという事実を踏まえ、副委員長のご指摘のとおり、東京港の抜本的な機能強化を確実に行っていくことが何よりも重要と認識しております。
 今後も、東京港総合渋滞対策に基づきまして、中央防波堤外側のY1からY3のコンテナターミナルの早期供用、青海、大井コンテナターミナルの再編など東京港の抜本的な機能強化を軸に、確実な取り組みを推進してまいります。
 また、港湾関係者等との連携のもと、短期的で即効性のある取り組みも積極的に実施してまいります。特に、コンテナ車両の運転席部分を切り離した台車部分の、いわゆる台切りシャシーの違法駐車に対する取り締まり強化については、今年度中の施行に向け、現在、警察との協議を進めております。
 その他、コンテナ待機車両の集中を分散させる取り組みとしての早朝ゲートオープン、ITを活用した渋滞情報の効果的な提供など、引き続き積極的な対策を進めてまいります。

○山崎委員 交通混雑の対策は、東京港の宿命的な課題であると私は思います。
 国際貿易港である東京港が、そのサービスの質を海外諸港と競い合っていくには、この交通の混雑問題が弱点とならないよう、しっかりと克服していく必要があります。これは非常に根深い問題であり、すぐに完全な解決が図れるものではないため、中長期的に対策を考え、取り組んでいかなければならないと思います。
 今後も引き続き、創意工夫を重ねた取り組みを進めていただきたいことを要望し、次の質問に入ります。
 続きまして、臨海副都心のブランド価値の強化について何点かお伺いをいたします。
 臨海副都心は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの主要会場の一つとして、東京の魅力をアピールできる重要なエリアであります。オリンピック・パラリンピックで来訪するお客様に十分なおもてなしをするには、競技会場だけではなく、会場のあるまちを、オリンピック・パラリンピックに向けて、お客様を迎えるにふさわしい、にぎわいのあるまちとしていく必要があります。
 これまで我が党は、オリンピック・パラリンピックを契機に、外国人旅行者のための宿泊施設の受け入れ環境を整備することや、東京の魅力をアピールし、ブランド価値を向上させることにより、首都東京から景気を回復、経済再生を牽引していくと提言してきました。そうした観点から質問をしていきたいと思います。
 昨年度、新規に公募した区画の土地処分が行われたと聞いております。昨年度の臨海副都心における用地処分に係る決算状況について伺います。

○中村営業担当部長 平成二十五年度の臨海副都心用地処分収益については、ご指摘の土地を含めまして約百八億円の収益がございました。
 ご指摘の土地については、平成二十五年四月に臨海副都心の有明南K区画の進出事業者の公募を開始し、同年九月五日に応募があったものでございます。最終的に十数者から問い合わせをいただき、同年十一月にホテル事業者の進出を決定し、本年一月に土地売却を行ったところでございます。

○山崎委員 リーマンショック以降、都心部も含めて土地取引が冷え込み、去年の九月五日の時点では、まだ二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催都市が決定しなかったにもかかわらず、有明南K区画の土地処分への応募があったことは、臨海副都心のポテンシャルの高さを示す端的な一つの事例であると思います。
 同年九月八日には、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの東京開催の決定も追い風となって、今後の開発にさらに弾みがつくことも期待をするわけであります。
 ハード面の整備については、土地処分に伴い、開発が進められていくと思いますが、それだけで都市の魅力が向上するわけでは決してありません。ハード整備と相まって、ソフト面の環境整備も不可欠と考えます。
 このエリアは、多数の外国人旅行者が来訪するまちとしてにぎわっていますが、オリンピック・パラリンピックの開催時はもちろんのこと、開催前からも、世界各国から、企業やスポーツ団体など、さまざまな視察や研修の旅行が見込まれております。こうした外国人旅行者を快適にお迎えするためのホテルなどの宿泊施設等において、受け入れ環境を十分に整備していく必要があると考えます。
 既に臨海副都心には複数のホテルがあります。東京ビッグサイトの催事への参加者やアジアを中心とした海外からの旅行者が多数来訪する中、ホテルなどの宿泊施設が不足しているという声も聞くわけであります。
 また、先ほどの答弁で、昨年度には、有明南のK区画についてホテル事業者への売却が決定し、新たなホテルが建設される予定も聞いたわけであります。
 そこで、臨海副都心における外国人旅行者を受け入れるための宿泊施設の整備状況について伺います。

○中村営業担当部長 昨年度処分をいたしました有明南K区画のホテルについては、平成二十九年の開業に向けて都市計画手続に入っているところでございます。
 現在、臨海副都心内のホテルの客室数は、大手町、丸の内、有楽町、いわゆる大・丸・有地区や六本木、赤坂地区と同程度の約三千六百室を誇り、東京を代表する宿泊施設の拠点となっております。さらに、今回、新たなホテルの整備により、約四千室の宿泊環境が整うことになります。

○山崎委員 ホテルの整備については、大・丸・有や六本木にも引けをとらない量的な環境が整いつつあるという今答弁がありましたが、外国人旅行者を増加させていくためには、より一層のサービスの充実やグレードの高いホテルの誘致など、質的な環境についても整備をしていく必要があると考えます。
 外国人旅行者にも配慮した宿泊施設の受け入れ環境について伺います。

○中村営業担当部長 臨海副都心には、ビジネスから観光までさまざまな目的での来訪者があることから、多様な人々のニーズに対応した宿泊施設を整備していくことが重要であると考えております。
 有明南K区画のホテルは、比較的利用しやすいビジネスホテルでございまして、りんかい線国際展示場駅と新交通「ゆりかもめ」有明駅を結ぶ結節点にあり、外国人旅行者にもわかりやすい立地にございます。
 受け入れ環境の整備といたしまして、多言語対応のコンシェルジュを配置するほか、隣接する商業施設には、外国人にも人気のスポーツバーなども設置する計画であり、外国人旅行者にも喜ばれる施設になるものと考えております。
 また、新たなホテルの開業に加えまして、既に進出しているホテル事業者に対して、多言語対応を初めとした外国人旅行者へのおもてなしの取り組みについて働きかけており、今後とも外国人旅行者の宿泊施設の受け入れ環境を向上させてまいります。
 さらに、今後は、MICE、国際観光拠点化のさらなる進展に向けて、ハイエンドユーザーの外国人旅行者の獲得につながるよう、最高級ホテル等の誘致にも取り組んでまいります。

○山崎委員 臨海副都心のMICE、国際観光拠点化を推進するために、ホテルなどの宿泊施設の量的、質的な整備は重要なファクターであるため、今後の整備に期待をいたします。
 東京を世界で一番の都市にするためには、こうした受け入れ環境を生かし、さらにブランド価値を向上させるための取り組みが必要であります。都市のブランドとは、すなわち、国内のみならず、世界から人々を引きつける力、発信力、求心力だと考えます。
 知事も引用している森記念財団発表の世界の都市総合力ランキングに関する研究において、交流、文化発信力や集客資源は、都市の魅力を示す重要な指標であるといわれております。そこでしか得られない価値を求めに、多くの外国人旅行者が東京、しかも臨海副都心へ行きたいと思ってもらえるような都市の魅力が必要であります。
 これまでの外国人観光客も対象としたイベントの開催状況についてもお伺いをいたします。

○中村営業担当部長 臨海副都心では、これまでに国際色豊かなイベントを開催しております。
 例えば、メキシコ合衆国の独立記念日をお祝いするフィエスタ・メヒカーナはことしで十五回目を迎え、日本とメキシコの友好の輪を広げるお祭りに成長しております。
 また、ことしの二月から六月にかけて、世界的に有名なエンターテインメント集団であるシルク・ドゥ・ソレイユの興行「オーヴォ」が開催され、多くの外国人旅行者が訪れ、公演を楽しんだと聞いておるところでございます。
 直近では、本年九月に臨海副都心の青海地区において、ウルトラジャパンという世界最大級のミュージックフェスティバルを誘致するなど、進出事業者や臨海副都心まちづくり協議会等と連携し、さまざまなイベントの誘致や開催支援を精力的に行い、外国人旅行者にも楽しんでいただけるイベントを実施しております。

○山崎委員 青海地区で開催されましたウルトラジャパンについては、テレビでも放映されて大変大きな話題となったわけであります。このイベントには、一般の音楽のファンだけでなく、世界的なセレブや著名人も参加をするということになって話題となって、先日の開催では、キャロライン・ケネディ駐日アメリカ合衆国大使もこのイベントを楽しんでいただいたと聞いております。
 このイベントに参加するために、多くの外国人旅行者が駆けつけたと聞いておりますが、今回の開催状況について伺います。

○中村営業担当部長 臨海副都心の青海地区で開催されたウルトラミュージックフェスティバルは、これまで、アメリカ、スペイン、ブラジルなど世界八カ国で開催されている世界最大級のダンスミュージックフェスティバルでございます。
 主催者からは、臨海副都心の立地のすばらしさや、フェスティバルの本拠地であるアメリカ・マイアミと似た開放的な都市空間を高く評価していただき、今回の日本初上陸の誘致が成功したものでございます。
 二日間の開催で四万人以上の観客が来訪し、うち三割以上が、このイベントのために海外から来訪されたお客様であり、周辺のホテルに宿泊し、商業施設で買い物や食事を楽しむなど、このイベント開催による経済効果は非常に大きかったものと考えております。
 また、チケットを購入できなかった大勢の音楽ファンが会場周辺に集まりましたが、大きな混乱もなく、イベントは成功裏に終わることができたと聞いております。
 このように、臨海副都心は、国際的なイベントが開催される日本を代表する集客スポットへと発展してきているところでございます。

○山崎委員 最先端の音楽フェスティバルの開催は、まさに先進性を取り入れてきた臨海副都心ならではのイベントの一つとしてふさわしいと考えます。
 このような世界からお客様を引きつけるイベントの積極的な誘致や開催の支援などを通じて臨海副都心のブランド価値を向上させることは、我が党の提言する海外から東京への観光客の増加、そして東京の魅力のアピールにつながるものと考えますが、局長の意気込みをお聞きいたします。

○多羅尾港湾局長 臨海副都心開発がスタートして二十五年、ちょうど四半世紀が経過しております。成熟しつつ、かつ新たな展開を目指す臨海副都心として、ブランド価値の向上というのは非常に重要なテーマであるというように認識しております。
 ただいま副委員長のお話にもございましたけれども、ブランド価値の向上とは、臨海副都心が、世界の人々が憧れ、一度は行ってみたいと思うまちに、そして、一度訪れれば何度でも行ってみたいと思うまちに、そういうまちとしての魅力を高めることで実現できるものと考えております。
 これまでも臨海副都心では、MICE、国際観光拠点化に向けて先進性の高い事業に取り組む努力を続けてきたところでございますが、先ほどご答弁申し上げたウルトラジャパンのような、海外のお客様に直接アピールでき、インバウンド観光の増加にも効果がある世界的なイベントを支援し、成功できたことは、臨海副都心が世界的なまちへ飛躍できる新たな展開の第一歩だったともいえるのではないかと思っております。
 このような世界から注目される東京の臨海副都心ならではといわれるようなイベントを誘致し、進出事業者等とも協力しながら開催を支援していくことが大切であると考えております。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けて、世界中から来訪するお客様を迎えるにふさわしい、にぎわいのあるまちとなるよう、世界に目を向けた取り組みをさらに推進し、臨海副都心のブランド価値を高め、ひいては東京のプレゼンス向上を目指してまいります。

○山崎委員 局長の答弁を伺って、臨海副都心のブランドの価値が非常に高まってきているという確信を得たわけであります。
 大・丸・有や六本木、日本橋等は、民間事業者がブランド価値を高めていくあらゆる努力をしてきております。ただいまの答弁でいただいた取り組みをとにかく一層推進していただくことが、臨海副都心の開発に弾みがつくという形になると考えます。また、臨海会計も収入がふえるなどのプラス効果が期待できるほか、国内外からのビジネスワーカーや観光客が多数来訪することになると思います。
 そうなると、当然、臨海副都心へのソフトやハード、宿泊施設やイベント、それが非常に大きくなるのは私たちもうれしいことなんですけれども、やはり、先ほども局長がいったように、海外の観光客に何回も来てもらうようにするためには、交通のアクセスというものが私は絶対に重要になってくると思います。
 とにかく、引き続き、この交通アクセスの問題に対しても、例えば臨港道路南北線、そしてまた、国道の三五七号、東京港トンネル区間の着実な整備に向けて、より一層積極的に取り組んでいただきたいことを最後に強く要望して、私の質問を終わります。

○高倉委員 平成二十五年度の会計決算に関しまして、臨海副都心の外国人旅行者の来訪状況、また受け入れ環境、特に情報環境についてお伺いをしたいというふうに思います。
 昨年は、我が国を訪れた外国人旅行者数が一千万人を突破しまして、ことしも八月の推計値で既に八百六十三万人を超えているということで、昨年を大きく上回る勢いで今推移しております。
 国は、二〇二〇年までに二千万人にするといった目標を掲げているわけでありますが、それを達成するためには、外国人旅行者が最も多く訪れるこの東京がそれを牽引していかなければならないというふうに思います。
 とりわけ臨海副都心は、ビジネス拠点としても、また観光地としても多くの外国人が訪れているわけであります。また、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの主要な会場のエリアであるということもあります。
 臨海副都心では、MICE、国際観光拠点化を推進するために、平成二十四年度ですけれども、東京都臨海副都心MICE拠点化推進事業といったものを創設いたしております。そして、民間事業者の創意工夫のある事業への補助金を出してきているということであります。
 この臨海副都心における外国人旅行者へのおもてなしの取り組みといったものは、今後の外国人旅行者数を増加させる上で、ますます重要ではないかというふうに思います。
 そこでまず、平成二十五年度並びに現在の外国人旅行者の臨海副都心への来訪の状況についてお伺いをしたいと思います。

○中村営業担当部長 都が実施いたしました平成二十五年度の国別外国人旅行者行動特性調査によりますと、外国人旅行者が東京を訪問して一番満足した場所として臨海副都心を挙げている旅行者も多く、特に、台湾や韓国からの旅行者に人気がございます。近年は、LCCの就航やビザ発給緩和などの後押しを受けて、東南アジアからの観光客が非常にふえております。
 臨海副都心には、東京ビッグサイトの催事に参加するビジネス利用や多彩な商業施設でのショッピング、アミューズメント施設での体験などを目的に、多くの外国人旅行者が来訪しております。その数は、推計ではございますが、年間約百五十万人でございます。

○高倉委員 臨海副都心が、外国からの旅行者にとっては大変魅力がある場所であるということだと思います。
 観光庁の調査によりますと、訪日した外国人旅行者が旅行中に困ったこととしまして、公共交通に関する移動情報の取得、こういったものを初めとして、コミュニケーションの問題を挙げる例が多いわけであります。
 世界中から来訪するお客様を迎え入れるためには、語学といったものを習得していくということも大事でありますけれども、これはなかなか短期間では達成ができないことであります。外国人旅行者とのコミュニケーションを円滑に行っていくためには、これまで先進技術のショーケースとして活用されてきた臨海副都心ならではの先駆的な取り組みが必要であるというふうに思います。
 先ほど補助事業に触れましたけれども、この補助事業を活用したこれまでの取り組みとその効果についてお伺いしたいと思います。

○中村営業担当部長 臨海副都心ではこれまでに、多くの外国人旅行者が来訪する商業施設の出入り口やホテルのロビーなどに多言語対応の電子案内板、いわゆるデジタルサイネージを整備し、臨海副都心内の観光情報や交通案内情報を無料で提供し、外国人旅行者の利便性の向上を図ってきております。
 また、臨海副都心への玄関口となる新交通「ゆりかもめ」の新橋駅にも、タッチパネル式のデジタルサイネージと、縦一・三メートル、横三・六メートル、百六十五インチという大型ディスプレーのデジタルサイネージを配備し、臨海副都心の施設案内、イベント情報等を提供しております。
 あわせて、各駅に多言語対応のタブレット端末を導入し、地図案内や乗りかえ案内等を行い、外国人旅行者からの問い合わせに円滑に対応できるようにしているところでございます。
 さらに、急病で搬送された外国人旅行者のために、臨海副都心内の救急医療機関に多言語対応のタブレット端末による指さし会話帳を配備したほか、外国人患者が医者や通訳と同時に会話ができる機器を配備し、外国人旅行者が安心して診療、治療を受けられる環境を整備いたしました。
 昨年度は、これらの外国人旅行者の受け入れ環境整備に係る事業を含めまして、当事業全体として二億五千万余りの補助を行っております。

○高倉委員 今、多言語対応のタブレット端末のお話がありましたけれども、こうした先進的な最新の機器の活用といったものは、外国語が苦手な日本人が外国人旅行者と気軽にコミュニケーションがとれる環境を醸成していくといった意味で、おもてなしの向上につながるものであるというふうに思います。
 先ほども、外国語の習得は短期間ではなかなか難しいというお話をさせていただきました。五十年前の東京オリンピックのとき、私は生まれておりましたけれども、まだ小さかったので、詳しいことは一切承知はしておりませんけれども、当時は恐らく、外国に行くのもなかなか容易ではない時代であったと思いますし、たくさんの外国人の人が日本に来て、自分たちのまさに目の前に外国人の方がたくさんいらっしゃるというようなことは、本当に特別なことではなかったかなと思います。そうした中で、語学に志して、いろんな言葉を身につけたという方々もたくさんいらっしゃるんだと思います。
 一方、それから五十年が経過して、これから六年後には、また再びのオリンピック・パラリンピックを開催するわけでありますけれども、当然ながら、またこれに当たって、外国語を習得したり、あるいはボランティアでいろんな活動をしたり、こういう方々もたくさんいらっしゃると思いますけれども、外国語を一つ、二つ身につけるだけでも大変ですので、いろんな国の方が来て、いろんな方とコミュニケーションをとるのは大変難しいわけですよね。
 ただ、五十年前と違うことは、今いろいろご答弁がありましたけれども、情報通信の環境、特にインターネットの環境が本当に発達をしている、そして、その端末もいろんな機能を持っているという状況の中で、もしかすると、それほど外国語を身につけることがなくても、そういった機器を使って、いろんな海外からのお客様と普通に日本人がコミュニケーションがとれる可能性がある。そんなようなオリンピックになるのではないかなというふうにちょっと私も想像しているわけであります。
 さきの定例会において、舛添知事が、デジタルサイネージの活用方針をまとめまして多言語化の取り組みを進めるというふうに表明しております。既に臨海副都心では先進的にこのことを採用しておりまして、さらにこうした取り組みを継続し、発展させていただきたいというふうに思います。
 先ほど、外国人旅行者が困ったこととしてコミュニケーションの問題というのを挙げましたけれども、もう一つ、無線公衆LANの環境、いわゆる無料の公共WiFiが十分でないといったことが、いつも指摘をされているわけであります。
 海外に行きますと、先進都市においては、この無料WiFiの環境というのは普通に存在をしていて、したがいまして、日本を訪れる外国人の方もそういう思いで来ますので、日本に行って、さまざまなところに行ったときに、こういう無料のWiFiは普通に使えるんじゃないかと思って来るわけですけれども、全然使えないというところがまだまだ多いわけです。
 こうした中で、この臨海副都心においては、先ほどご答弁もありましたけれども、これまでの取り組みもあるし、また、これからも本当に先駆的に取り組んでいってほしいなと思います。
 この臨海副都心においては、外国人の方々へのおもてなしといった取り組みをさらに充実させていくべきというふうに思いますけれども、これまでの取り組み状況についてお伺いしたいと思います。

○中村営業担当部長 公共エリアにおける無料WiFi環境につきましては、二〇一二年のIMF、世界銀行年次総会の東京開催を契機に銀座で整備され、ことしに入って、浅草、仲見世で整備されておりますが、無料WiFi環境が整備されている公共エリアは、外国人旅行者が多い東京においても、まだまだ少ない状況でございます。
 臨海副都心では、平成二十五年度に、MICE拠点化推進事業の補助制度を活用し、外国人旅行者から最もニーズの高い無料WiFi環境の整備について、お台場海浜公園に面する自由の女神像の前、東京テレポート駅前、国際展示場駅前など、外国人旅行者が多く来訪する公共エリアにアクセスポイントを整備し、外国人旅行者も利用できる環境を整備いたしました。
 今年度は、さらに新交通「ゆりかもめ」の各駅の構内を初め、シンボルプロムナード公園やお台場海浜公園へとサービスエリアを拡充し、外国人旅行者の利便性の一層の向上に取り組んでいるところでございます。

○高倉委員 今の答弁で、臨海副都心で無料WiFi環境の整備が進んでいる、そして、ほかの地域の手本になっているといったようなことがわかりました。
 現在、SNS、ソーシャルネットワーキングサービスが世界中に浸透してきております。旅先でのメールの送受信や写真の共有、今こうしたことが当たり前の環境になっておりまして、また、SNSでの口コミといったものが観光ガイドブックに比肩をするような有力な情報源になっているといったような状況があると思います。したがって、そういったものを活用するために不可欠な無料WiFiの環境は、旅先においての重要な情報インフラであるというふうに思います。
 ぜひ、日本の観光、そして、この東京の観光を本当に牽引していっている臨海副都心においては、外国からの旅行者の方々にとってまさに不可欠な無料WiFiの環境を、スポット的なものではなくてエリア全体で普通に使えるような、こういったまちを私は目指してほしいなというふうに思います。
 ところで、先日発表された東京都長期ビジョンの中間報告において、二〇二〇年には、東京を訪れる外国人旅行者数を一千五百万人にするという目標が掲げられております。オリンピック・パラリンピックの成功のためにも、情報や言葉のバリアフリー環境など、外国人旅行者の受け入れ環境の整備が重要であります。
 それについて先進的な取り組みを続けてきた臨海副都心として、さらにおもてなしの質を向上させることが必要と考えますけれども、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○中村営業担当部長 公共エリアでの無料WiFi環境については、エリアの拡充が重要でありますが、臨海副都心は、あわせまして、アジアからのお客様に人気があることを踏まえて、対応言語についても、これまでの日英の二カ国語対応から、日、英、中(簡体字・繁体字)並びに韓国語の五カ国語対応へとサービスを拡充しております。
 さらに、臨海副都心を訪れる外国人旅行者も対象に、ホテルなどにおいて、観光音声ガイドサービスを提供する多言語対応のタブレット端末の貸し出しを開始しております。
 このサービスの導入により、屋外でも施設内でも、その場所に応じたガイドが多言語で提供され、外国人旅行者が安心してまちを歩き、ショッピングを楽しめる環境が整備されたところでございます。
 今後も、多言語対応を初めとした外国人旅行者へのおもてなしにつながる取り組みを充実させてまいります。

○高倉委員 今、さまざまな形で質疑をさせていただきましたけれども、外国人旅行者を受け入れる際に、言葉の壁というのは大きな障害であります。したがいまして、多言語対応の取り組みは、心の壁を取り除き、東京のおもてなしの心を伝えることのできる非常に重要な取り組みであるというふうに思います。
 今後とも、積極的に外国人旅行者の受け入れ環境の向上に努めていただきますように強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

○畔上委員 臨海地域開発事業会計の決算書によりますと、昨年度の営業外収益が約四十七億。この中には、東京テレポートセンターが利用した臨時駐車場に対する貸付料が含まれているということであります。
 作成していただきました資料の6を見てみますと、東京テレポートセンターに対する臨時駐車場の土地貸付料は、二〇一一年度には約一億円であったものが、二〇一二年度には一億九千万、そして、昨年度の実績が一億七千万というふうになっておりました。
 そこで、まず伺いたいのですが、この臨時駐車場の貸付実績が二倍近くふえている理由はどういうことでしょうか。

○中村営業担当部長 臨海副都心の来訪者駐車場事業は、イベント等における交通対策の一環として行う極めて公共性の高い事業であります。
 一方、会計運営上、適切な歳入の確保が必要なため、事業による収入については、適宜適切に見直しを行ってきているところでございます。
 今回の収入増につきましては、車両一台に係る貸付面積の算出方法を見直したためのものでございます。

○畔上委員 今、車両一台当たりの貸付面積の算出方法を見直したために変わったんだというご説明だったんですけれども、それならば、普通自動車一台当たりの貸付面積を何平米として算出したのでしょうか。

○中村営業担当部長 普通自動車一台当たりの貸付面積については、駐車場枠十二・五平方メートルに共通通路部分として五平方メートルを加えた十七・五平方メートルとなっております。

○畔上委員 これまで我が党は、都が東京テレポートセンターに貸している都有地を使った臨時駐車場の都の使用料の徴収の仕方は問題があって、形を変えた公的資金の投入ではないかと強く是正を求めてきたところでありますが、一昨年度から是正したということがわかったわけです。
 一昨年度から是正したことは改善であるというふうに認識しておりますが、臨時駐車場といいましても、私も地元なので時々見てくるんですが、確かに、平日はぱらぱらというような駐車状況のところもあるんですが、例えば東京テレポート駅の前のあの臨時駐車場などは、やっぱり立地条件もよいということもあって、それなりに車が入っていたりするわけです。そういう点では、そういう立地条件のよい場所については、例えば面貸しにするとか、そういう貸し付けの方法を、仕方をさらに改善する、そのことを求めたいと思います。これは意見として述べさせていただきます。
 次に、土地処分について伺いたいと思います。
 先ほど、有明南のK区画の土地処分のお話があったんですけれども、この二〇一三年度の土地処分先は、ほかにどういうところがあったのか教えてください。

○中村営業担当部長 昨年度は三件の土地処分を行っております。
 青海C1、C2区画については、教育庁へ所管がえを行ったものであります。
 また、ただいまお話がありました有明地区の用地については、ホテル事業者等への売却を行っております。

○畔上委員 今ご説明のあった青海のC1、C2の学校への土地処分、この所管がえについては、私は非常に問題があるというふうに思っているんです。
 というのは、先ほどもホテルのお話がありましたが、りんかい線の国際展示場駅の前の、非常に立地のいいところにあるわけですけれども、この学校の方はどうかといえば、テレコムセンターの裏側なんですね。隣はコンテナふ頭、そして横が大江戸温泉物語というようなところで、住民が居住しているようなところでもないわけです。
 私は、学校そのものは、特別支援学校が本当に足りなくて、一刻も早くつくらなきゃいけない、創設しなければいけないという点では早く増設していただきたいというふうに思うんですけれども、しかし、先ほども青海には集客スポットというようなお話もありましたけれども、なぜここに学校なのかと。しかも、地域や近隣の学校と連携を深めなきゃいけないといわれている特別支援学校なのかと疑問を持たざるを得ない、そういう土地処分だというふうに思っております。
 なぜ、この特別支援学校を青海のC1、C2に所管がえをされたのでしょうか。

○中村営業担当部長 特別支援学校に係る用地につきましては、教育庁からの要望に基づき土地処分を行ったものであります。
 なお、教育庁が当該用地を選定した理由については、新交通「ゆりかもめ」テレコムセンター駅から直近にあり、駅より学校までの通学路の安全が確保されているためであると教育庁から聞いております。

○畔上委員 教育庁からのオーダーだというご答弁なんですけれども、港湾局が作成されています臨海副都心地域の土地利用広報パンフレットを見ますと、青海地区は企業創生ゾーンというふうに紹介されているんですね。また、この場所を含む臨海副都心地域は、アジアのヘッドクオーター特区の区域内ということであります。
 私たちは、臨海副都心開発のまちづくりの方針は、住民参加で都民本位の方向に転換すべきだということを考えてはおりますが、今、臨海開発を進める方針は、東京都として変えているわけではないわけです。そうした中で、なぜテレコムセンターの裏に学校なのか。やっぱりどう考えても納得がいかないんです。
 子供たちのことを考えたら、それから、災害時、本当に親がすぐに迎えに行くことができるか、こういうことを考えれば、もっと庁内できちんと調整すべきだったというふうにいわざるを得ないと思います。このことは指摘しておきたいと思います。
 最後に、MICEの問題について伺いたいと思います。
 二〇一三年度のMICE拠点化推進事業、先ほど二〇一三年度は二億五千万だというご説明があったんですが、この補助対象の事業者数、それから昨年度の主な事業について伺いたいと思います。

○中村営業担当部長 平成二十五年度の補助対象事業として九件を選定しております。
 主な事業としては、アフターコンベンションとして新たな観光資源となるイルミネーションの整備や、外国人旅行者から要望の高い無料WiFi環境の整備、さらに、急患で搬送される外国人旅行者の受け入れ環境の整備に係る事業などでございます。

○畔上委員 今、九件ということでございましたが、事業を行った補助対象事業者を見ますと、株式会社フジテレビは、売り上げが六千四百二十億、経常利益は三百四十八億円です。一昨年度の京浜急行電鉄株式会社は、売り上げは三千億を超え、経常利益も二百億を超えております。今年度のトヨタ自動車株式会社は、売り上げは十一兆円、そして経常利益は一・八兆円。さらに、三菱地所リテールマネジメント株式会社の親会社ですけれども、三菱地所は売り上げが一兆円、経常利益も一千四百億を超える。どこも超優良企業です。こんな超優良企業に、昨年度の実績でいえば、わざわざ二億五千万も補助をする。私は、これこそ本来は自助努力でやるべきだというふうに思うんです。
 MICE補助事業で、わざわざこうした超優良企業に補助する理由は何なのでしょうか。補助事業の実施理由を伺いたいと思います。

○中村営業担当部長 現在、アジア諸都市は、MICE施設の整備とあわせ、アフターコンベンションとなる観光資源を相次いで開発し、世界中から人、物、情報、技術を集め、大きな経済効果を得ております。
 東京が厳しい都市間競争を勝ち抜くため、事業者の創意工夫を生かした事業への補助を行うことにより、臨海副都心のMICE、国際観光拠点化をさらに推進するものと考えております。
 このため、臨海地域開発事業会計から補助事業を行っているものでございます。

○畔上委員 補助対象の事業となっていますMICEの会議室、設備の整備、そして集客施設となる観光資源の整備など、それぞれの大企業の資産になるものであって、このようなものは、各自の資金で投資して各自の収益につなげるものだというふうに思います。現に、同じMICE事業でも、六本木では補助を行っていないわけですね。
 また、先ほどのご答弁で、臨海会計からの補助だというご答弁があったんですけれども、これまでずっと臨海副都心開発は、一般財源の投入を極力抑制して、開発利益の還元で整備していくんだというふうにしてきたわけです。実態はどうかといえば、臨海副都心まちづくりの都市基盤整備に要した事業費の内訳を見てみますと、総事業費に占める一般会計の割合というのは徐々に高まっています。
 しかも、昨年度の決算審査の際に、臨海副都心のポテンシャルは高く、中長期的には、保有している土地の処分で確実な起債償還が見込めるんだというふうにおっしゃっていたんですが、結局、今年度は借りかえせざるを得ない状況だということであります。
 昨年の三月、我が党の清水議員が、質疑の中で、MICE事業のもとになっているアジアヘッドクオーター特区構想なるものは、間違った経済政策だと指摘をさせていただきましたが、今、国会でどうなるかわかりませんが、これでまたカジノの法案が通って、IR、カジノ統合リゾートとして、都民の貴重な都有地を使ってカジノを誘致すればどうなるかと。
 幸いというか、知事は今のところ、カジノには慎重な対応をされているようですが、近年、アトランティックシティーでのカジノの閉鎖が相次いでいますけれども、アメリカでカジノ依存の地域振興策が破綻。そもそもIR型のカジノは、施設全体で集客してカジノが刈り取るという形で、地域経済への打撃も指摘されているところであります。
 私はやはり、大企業や投資家がもうかれば経済はうまく回るんだという、こういう経済政策に基づいたまちづくりではなくて、本当に都民が主役で、一人一人の生活や人生の質的な向上を目指す産業政策や地域づくりこそ求められているんだと思います。
 それに、そもそも青海の北地区は、もともとは都民提案街区でありました。都民の意見に耳をしっかりと傾けていただいて、都民のためのまちづくりに転換すべきだという意見を述べさせていただいて、質問を終わりたいと思います。

○中村委員 臨海地域開発事業会計の決算について質問します。
 まず、決算年度における収益的収支のうち営業収益についてですが、臨海副都心用地処分として三件、二・二ヘクタール、埋立地処分として四件、一・四ヘクタールの土地の処分が行われました。主な処分先の用途は何でしょうか。
 執行率で見ると、臨海副都心用地は一六七・八%と高いのですが、埋立地は三二・五%と低くなっています。その理由は何か伺います。

○笹川臨海開発部長 平成二十五年度には、臨海副都心地域では、ホテル用地等で二件を売却いたしまして、一件を学校用地として教育庁へ所管がえを行いました。
 その他埋立地につきましては、公募により、主に運送事業等の用途で三件の売却を行ったほか、雨水放流施設用地として下水道局へ一件の所管がえを行いました。
 埋立地の処分に当たりましては、事業者からの購入意向等を踏まえまして、開発計画の調整を行いながら入札の実施時期等を検討し、売却予算の計上を行っております。
 その他埋立地につきましては、問い合わせ状況等から予算計上したものの、公募により決定した事業者が、環境アセスメントにおいて、購入前に地下水調査等を行う必要が生じたことなどにより売却時期が延期となるなど、事業者の都合等により平成二十五年度中の処分に至らなかったため、執行率が低くなっております。

○中村委員 一般会計とは違うため、事業者の購入の意向で予算計上する事情はわかりますが、それだけに的確に市場動向などを把握し、公営企業会計として予算の目標が達成できるような取り組みをお願いします。
 臨海副都心には、まだ未処分地があります。とりわけ、お台場近くの未処分地ではよくイベントをやっているのですが、イベントやそのための駐車場のスペースとしては便利だとしても、土地の有効活用とまではいえないと思います。
 今後、オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、土地の処分の方針も変わってくるとは思いますが、どのような方針で土地の処分を決めているのでしょうか。見解を伺います。

○中村営業担当部長 未処分地については、さまざまな活用策があると考えておりますが、臨海副都心全体の発展という観点から見ると、イベントの開催やそれに伴う駐車場利用は有効な活用方策の一つであると認識しております。
 臨海副都心の土地処分については、社会経済状況や都市基盤の整備状況等に合わせて開発を進めてきたところでございます。
 さらに、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの東京開催決定を受け、史上最高のオリンピック・パラリンピックを実現するため、未処分地について、関連施設の土地需要に最優先で対応しながら、開催後のまちづくりも見据えた処分を進めてまいります。

○中村委員 オリンピック・パラリンピックに向けて、臨海副都心への期待はますます高まると思いますが、競技施設同様、開催後も見据えたまちづくりを視野に入れて土地処分を行っていただきたいと思います。
 さて、決算年度の土地の処分について伺いましたが、こうした土地の処分で民間事業者などが事業を行い、臨海副都心そのものがますます人を引きつけるようになります。そこで、改めてそのエリアマネジメントが重要になり、それを担っている都の監理団体である株式会社東京臨海ホールディングスについて伺います。
 臨海会計の貸借対照表の固定資産に、投資有価証券としてホールディングスの三百十二億円が計上されていますので、この会計決算として質問します。
 臨海ホールディングスは、ビル経営に失敗し民事再生となった第三セクターの救済のために設立されたともいわれています。そもそも都の第三セクターがビル事業を行う必要があったのかという根本的な疑問はありました。
 改めて臨海ホールディングスの設立の経緯と役割を伺います。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 臨海副都心における東京テレポートセンターなどによるビル事業につきましては、多様な企業集積の拠点となるなど、高い公共的役割を持つオフィスビルを管理運営し、臨海副都心開発の先導的役割を果たしてまいりました。
 民事再生についても、当時の金利上昇による支払い利息の増加による長期的な経営への影響が懸念されるため、早期の債務圧縮を目指して行ったもので、ビル経営自体は開発に大きな効果があったと認識しております。
 さらに、持ち株会社制度による臨海部の監理団体の子会社化につきましては、民事再生計画が認可され、債務超過状態が解消されるなど、経営基盤が強化されることを条件に実施しておりまして、臨海部の監理団体の救済のために株式会社臨海ホールディングスを設立したものではございません。
 株式会社東京臨海ホールディングスは、平成十八年五月に東京都が公表いたしました「臨海地域における監理団体改革-持ち株会社構想-」に基づき、臨海地域を活動基盤とする東京都の監理団体を経営統合いたしまして、東京港の国際競争力の強化と臨海副都心開発の総仕上げの推進体制を一層充実していくことを目的として、平成十九年一月に設立した持ち株会社でございます。
 同社は、平成二十一年一月に経営統合が完了した臨海ホールディングスグループの中核としてグループを統括するとともに、臨海地域のエリアマネジメントを推進していく役割を担ってございます。

○中村委員 都議会民主党は、過去、ビル事業については民間への売却なども可能ではないかと指摘してきましたが、臨海副都心のまちづくりの進展などを見据えて、事業の不断の見直しを改めて要望しておきます。
 さて、臨海ホールディングスのグループ経営計画を策定したのは平成二十一年一月です。平成十九年の夏ごろからサブプライムローン問題が顕著になり、平成二十年九月にはリーマンショックがあるなど、経済の先行きが見えない時期でもあったので、都は、平成二十二年一月にグループ経営計画を改定しています。
 ちょうどこの決算年度は、ホールディングスの経営計画の最終年度に当たりますが、計画の達成度について伺います。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 臨海ホールディングスグループ経営計画につきましては、ただいまお話のあったとおり、平成二十五年度を目標年次といたしまして、平成二十一年一月に策定、二十二年一月に一部改定されたものでございます。
 グループ経営計画に掲げられた目標につきましては、平成二十三年三月に発生した東日本大震災の影響などにより、期間内の投資額や連結営業利益等、一部未達成となったものもございますが、連結自己資本比率四〇%、有利子負債の五百億円圧縮を初めとして、東京都としては、そのほとんどが達成されたと考えてございます。

○中村委員 連結で見ればおおむね達成されたということではありますが、個々の事業については、また後ほど質問します。
 今回、質問に当たって資料を出していただきましたが、計画年次が終われば、当然、達成状況の総括をし、公表すべきですし、それをやるのが持ち株会社の重要な役割のはずです。
 また、次期の経営計画はまだ策定されていないとのことですが、さらなる地域の魅力向上に努めるためにも早期に策定すべきと考えます。
 なぜこうした状況になるのか、港湾局はどのように経営を監督しているのか、伺います。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 グループ経営計画の達成状況につきましては、毎年度、各社の決算並びにグループとしての連結決算を通じて各目標項目の達成状況を公表しております。
 また、東京都といたしましては、監理団体の経営評価、経営目標の設定及び達成状況の報告などを通じて、グループ経営計画の達成状況を毎年確認してきたところでございます。
 次期グループ経営計画につきましては、昨年九月のオリンピック・パラリンピック競技大会招致成功時に、その会場が臨海ホールディングスグループの活動の拠点でございます臨海部に多数計画され、今後の経営計画に大きな影響を与えるという視点から計画の改定を延期したと聞いてございます。
 同大会の会場計画の内容や、MICE、国際観光拠点化の進展状況といった、グループ各社の経営に少なからず影響を与える周辺環境の動向を見きわめることとしたため、現時点まで策定を控えているとの報告を受けております。
 東京都といたしましては、オリンピック・パラリンピック競技大会の会場計画などの動向を見きわめた上で、適切な時期に次期経営計画を策定するよう、株式会社東京臨海ホールディングスに対して、引き続き指導助言してまいります。

○中村委員 グループとして計画を発表しているのですから、毎年、各会社の決算を通じて発表しているだけではなくて、グループとしての達成状況を公表していただきたいと思います。
 また、オリンピック・パラリンピックの開催による変化は当然見据えていくものになりますが、来年、会場計画が定まってから計画をつくっていくとなると、最低二年近く空白になってしまいます。当然、それまで何もしないというわけではないと思いますので、有利子負債の圧縮などは毎年毎年行うものですので、すき間のない改革をお願いします。
 さて、経営計画には、設備投資について、六百三十億円の計画が四百八十八億円となり、必要な設備投資は実施とありました。その差額の発生は、執行残なのか、それとも予算の見積もりが甘かったということなのか、どちらなのでしょうか。昨今の建築資材の高騰などで大変な状況ですが、影響はなかったのでしょうか。伺います。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 グループ全体の経営計画の改定が延期されたことにより、改革にすき間がないようにとのご意見をいただきました。有利子負債の圧縮を初め各社の経営目標につきましては、東京臨海ホールディングスでは、毎年度の事業計画策定時に指導監督を初め、年度内の進行管理を通じて経営管理を行うなど、常に経営改革に努めているところでございます。
 設備投資資金額の計画値と実績値の差額でございますが、経営計画改定時に、設備投資、修繕の対象となっていた施設設備を総点検した上で設備投資計画の見直しを行いまして、軽微な修繕を行うことで引き続き利用可能な施設設備につきましては、必要な修繕等は実施しつつ、大規模な設備投資、修繕を後年度に後ろ倒しにするなど、既存の施設設備及び資金の有効活用を図ったことが最も大きな要因として認識してございます。
 また、昨今の建築資材等の高騰につきましては、臨海ホールディングスの工事についても、一般的な施設と同様に、設備投資、修繕の実施に当たり、一定の影響があったと聞いてございます。

○中村委員 必要な修繕を行うことで施設そのものの長寿命化を図ることで、大規模な設備投資を後ろ倒しにすることができたので、単なる未執行ではなかったと受けとめます。バブルのころにつくられた設備の修繕も必要になってきていますので、保有施設の計画的な修繕と、それによる長寿命化を計画的に行っていただきたいと思います。
 さて、連結での経営ということですが、各事業の内容はそれぞれ違います。展示場と「ゆりかもめ」はイベント時に連携しているとはいいながら、事業全体の中では大きなインパクトというわけではないと思います。
 グループ経営の意義は何でしょうか。ホールディングスが生み出す付加価値というのは何か、伺います。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 臨海ホールディングスグループ各社におきましては、物流、交通、展示会、都市管理と、それぞれ異なる事業を担いつつ、大規模な展示会の開催時には、交通環境対策やタイアップイベントなどを実施するなど、可能な限りの連携を図り、事業の相乗効果を生み出していると認識しております。
 こうした取り組みを初めとして、グループ全体で臨海地域の新たなまちづくりに寄与し、発展を推進するところにホールディングスグループ経営の意義があり、持ち株会社である株式会社東京臨海ホールディングスの付加価値が存在すると考えてございます。
 その他の具体的な取り組みといたしましては、臨海副都心まちづくり協議会と連携した地域全体での防災対策の取り組み、にぎわい創出を目的とした各種イベントの実施などであり、グループ各社が臨海地域という同じエリアで事業を展開しているという利点を生かし、株式会社東京臨海ホールディングスがグループ各社を取りまとめ、他の進出事業者と連携してエリアマネジメントに取り組んでおります。
 さらに、株式会社東京臨海ホールディングスは、グループ経営の一環として、グループ全体の資金効率の向上及び都民に対する還元に向けて、グループ各社の資金を集約し、一括運用及びグループ内融資を実施する仕組みであるグループファイナンスを運営しております。

○中村委員 臨海会計の中では、臨海高速鉄道の有価証券として六百九十三億円も計上されていますが、ホールディングスのグループには入っていませんし、所管は都市整備局になっています。エリアマネジメントというのでしたら、これも同じ都の関連団体として連携はしているようですが、臨海副都心全体の魅力が増すよう、さらなる取り組みに努めていただきたいと思います。
 さて、今回の経営計画では、ふ頭、交通、展示会、都市管理は計画を上回る数値を出し、おおむね達成したとはいえますが、ビル事業は未達でした。計画当初は、五つの事業の中では最も金額が大きく、四二%を占めていました。今後の見通しはどうするつもりでしょうか。
 とりわけオフィスの賃料は上昇基調にあるとの報道もありますが、なぜうまくいかないのでしょうか。とりわけテレコムセンターの入居率が低いのはなぜか。もともと入居率の目標数値がなかったのでしょうか。計画として不十分だったのではないかと思いますが、伺います。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 臨海ホールディングスグループのビル事業が、平成二十一年度から平成二十五年度までの経営計画に定める目標を達成できなかった原因は、平成二十年九月のリーマンショックに端を発した予想を超えた長期にわたる世界的な不況の継続や、平成二十三年三月の東日本大震災の影響により、不動産業界を含む日本全体の社会経済状況が計画期間のほとんどで深刻な不況下にあり、臨海副都心もその例外ではなかったためと考えております。
 テレコムセンタービルの入居率につきましては、複数の電力供給回線を持つなど災害に強いメリットを生かし、今後も営業活動の強化に努めていくと聞いております。
 近年の都心におけるオフィスビルの賃料水準及び入居率の改善は、平成二十五年度末の時点ではまだ臨海地域にまで波及しておりませんでしたが、今後、こうした傾向がグループのビル事業にもあらわれていくと考えられます。
 さらに、ビル事業の目標値についてでございますが、入居率は経営指標の一つと考えられますが、賃料収入が発生しないフリーレントの期間などがあることなどから、事業の全体像を示すものとはなりません。そのため、ビル事業の成果を総合的にはかる指標として、売上高及び営業利益について具体的な目標値を設定したものでございます。
 なお、入居率につきましては、経営計画上、その維持向上に努めることとなっておりまして、収益力の強化に向けた戦略の一つと位置づけられております。

○中村委員 グループ経営計画を策定した平成二十二年一月三十一日時点のビルの入居率は、テレコムセンタービルが前年比八・三ポイント減の八八・一%でしたが、フロンティアビルの三棟は、台場フロンティアビル一〇〇%、有明が八七・三%、青海が九八・七%と、ほぼ前年実績を維持していました。
 そこで、これらのビルの入居率は、平成二十二年一月を起点に、二十五年度決算ではどのようになっているのか伺います。
 また、特にテレコムセンタービルでは、都職員研修所がビル全体の九・四%を占めていたこともあり、みずから入居することで入居率を上げているのではないかといった指摘もありました。
 二十一年度から二十五年度決算における状況はどうなっているのか伺います。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 平成二十六年三月末時点の各ビルの入居率でございますが、テレコムセンタービルが七〇・四%、台場フロンティアビルが一〇〇%、有明フロンティアビルが八一・九%、青海フロンティアビルが八一・三%でございます。前年からの景気回復の影響や経営努力によりまして、二十六年九月末までの半年で入居率が一〇ポイント以上改善したビルもございます。
 また、テレコムセンタービルの契約面積のうち、東京都の施設が使用している床面積の割合は、平成二十一年度から二十五年度の間、一貫して九・四%でございます。

○中村委員 グループ経営計画では、有明、青海、台場、竹芝の四地区における特性を生かした戦略的な営業活動を展開しなどと記載がありました。
 臨海副都心の土地処分では、区画規模の見直しやインセンティブの付与など事業者が進出しやすい環境を整備し、積極的な営業活動を実施するとしていました。
 テナント誘致では、具体的にどのような営業を行ったのか、その成果の検証と今後の取り組みを伺います。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 テナントの誘致に向けた具体的な営業活動についてでございますが、内覧会の開催やテナントを仲介する多数の大手不動産業者との連携などの基本的な営業活動に加えまして、例えば青海地区では、周辺に研究機関が集積しているという立地を生かした企業誘致に努めており、近年は、ものづくり企業の創業支援を行う施設を誘致するなど、その成果があらわれてきているところでございます。こうした企業と連携し、ベンチャー企業などを対象として起業家交流会を開催するなど、その取り組みを強化しているところでございます。
 また、竹芝地区では、地理的な利点を生かし、都心からのオフィス移転を検討している企業への営業活動を重点的に行った結果、大規模なテナントの誘致に成功したと聞いております。
 臨海ホールディングスグループにおきましては、今後も引き続き、社会経済状況や地域の変化に的確に対応した戦略的な営業活動を展開していくとのことでありまして、東京都としても、ビル事業の収益力の強化に向けて指導助言を行ってまいります。

○中村委員 グループ経営計画が二十一年度から二十二年度に改定された際に、ビル事業の収益力の強化として、入居率の確保と有利子負債の圧縮に加え、効率的なビル管理の実施として、グループ会社間でビル修繕のノウハウの共有化を進めるなど連携を深め、効率的なビル管理を実施していくという文言が追加されました。その実績と効果の方を伺います。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 臨海ホールディングスグループでは、オフィスビルを所有するグループ会社間で、例えば、省エネに向けた取り組みの情報交換により、LED照明の導入など効率的なビル管理の推進につなげたほか、テナント需要などに係る情報の共有や、両社共催によるビルの内覧会を開催するなど、効率的なビル管理に向けた連携を深めてまいりました。
 結果として、両社共催の内覧会を初めとした取り組みによりまして、新たなテナントの誘致につなげることができたとの報告を受けてございます。

○中村委員 先ほどのグループ経営の答弁でお話のありました、都からホールディングスに五十億円を長期間無償で貸し付けてグループファイナンスを行っていることについて伺います。
 ファイナンスの残りは運用にして利益を出したともしていますが、実際には、これは都が利益を供与しているだけではないかとの見方もありますが、その意義と効果を伺います。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 株式会社東京臨海ホールディングスの運営するグループファイナンスでは、グループ内の会社に市中金利より低い金利、現在は短期プライムレート、一・四七五でございますが、それ前後で資金を貸し付けまして、あわせて、グループ外への資金流出の抑制を図りつつ、一括運用を通じたスケールメリットによる有利な運用を行っております。
 また、グループファイナンスの運用益につきましては、その一部を原資として、臨海地域のにぎわい創出や防災対策などのエリアマネジメントを実施することで、都民への還元を図っているところでございます。
 例えば、毎年十一月から十二月にかけて、毎週土曜日にお台場レインボー花火を開催し、平成二十五年度には約四万四千人の動員実績を上げ、「ゆりかもめ」や沿線の飲食店等の売り上げ増に大きく寄与しており、こうした取り組みを通じて地域の発展に十分貢献しているものと認識しております。
 なお、東京都が無利子で貸し付けました五十億円につきましては、グループファイナンスを安定的に稼働させることでグループ各社の資金需要に機動的に対応するとともに、臨海地域のエリアマネジメントを推進することを目的としたものでございます。

○中村委員 最後に、有利子負債を計画の五百億円を上回る五百十三億円は圧縮しましたが、まだ千九十六億円残高があります。これまでの返済の状況や、そして、今後どのように返済するのかの見通しを伺います。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 平成十九年一月の株式会社東京臨海ホールディングスの設立以来、グループ各社において、当初の計画どおりに確実に有利子負債を返済しております。
 具体的には、平成二十一年一月の経営統合時には約千八百億円あった有利子負債を、平成二十五年度末までに、五年間でその約四割に当たる約七百億円圧縮したところでございます。
 今後も、株式会社東京臨海ホールディングスによる経営管理のもと、エリアマネジメントを通じて地域の発展を推進しつつ、グループ全体として一層の経営努力に取り組み、安定的な経営を行う中で計画的に有利子負債を返済していく見通しでありまして、東京都としても、グループ全体及び各社の財務状況を注視しながら、必要な指導助言を行ってまいります。

○中村委員 さまざまな質問をしましたが、これからますます注目される臨海副都心ですから、港湾局としても、監理団体の運営について、引き続き指導助言を行い、健全な財務状況のもとで臨海副都心のより一層の魅力向上が図られるよう求めまして、質問を終わります。

○上田委員 まず、臨海副都心開発事業について、魅力あるまちとして事業者の進出を促す取り組みを求めて質問させていただきます。
 臨海副都心開発は、時の鈴木俊一都政下の第二次東京都長期計画において、七番目の副都心として位置づけられた事業であります。鈴木知事の掲げた副都心育成のもと、都心部から業務機能を分散、誘導しようという多心化政策の一環として誕生したものが臨海副都心開発事業であると理解しておるところでございます。平成三年には事業会計予算が否決されるなど、紆余曲折を経てきてはいますが、今日に至り、おおむね軌道に乗り、成果を生み出しつつあるものと考えております。
 一方、昨今は、都心高層化論も活発となり、東京マンハッタン計画とも称される、山手線内側の徹底した高層化を進める大手ディベロッパーが推進します丸の内マンハッタン再開発構想や、通称マッカーサー通りが、ことし三月、新橋-虎ノ門間が開通いたしまして、新虎通りとして、地域住民と事業者が連動し、まちの活性化を目指し、東京都が進める東京シャンゼリゼプロジェクトも展開している中で、臨海部副都心開発計画会議設置以来、二十八年の歳月と多額の資金を投入しました臨海副都心の開発は、オリンピック・パラリンピック招致も決まり、いよいよ事業として成熟段階に突入したものと認識をしているところでございます。
 つきましては、さらなる事業の発展、過不足なき効果的な投資を求めまして、以下を伺わせていただきます。
 最初に、まち並みの統一感についてでございます。
 臨海副都心では、現在、土地の処分や利活用については、売却、長期貸付、暫定利用とそれぞれの区画が点在しており、開発事業者においては、土地の利用期間も、償還期間も、そして目的も違うことから、建造物のクオリティーに差異が生じてしまうのは当然のことかもしれません。プレハブのような建物もあれば、売却物件のアクアシティ、長期貸付のフジテレビ、暫定利用の大江戸温泉を見れば、その差異は一目瞭然というところでございます。
 臨海副都心は、魅力あるまちとして発展することが目的となっているのは誰しも疑わないところではございますが、このままの状況で開発を進めると、統一感のないまち並みとなってしまい、魅力と付加価値が失われ、同僚議員もブランド力といっておりましたが、そういったものが失われ、民間からの投資活動に影響が出るのではないかと危惧しております。
 つきましては、この目的が違う三地区のある副都心において、どうバランスをとりながらまち並みのグランドデザインの統一化を担保して、三地区の特性をそれぞれ生かして事業を進められているのかを伺います。

○中村営業担当部長 これまで臨海副都心は、売却、長期貸付並びに暫定利用と、都市基盤の整備状況に合わせて土地処分を行い、段階的に開発しているところでございます。
 このまちの景観につきましては、臨海副都心まちづくりガイドラインにより、小規模開発を抑制するとともに、屋外空間の圧迫感軽減のために建築物の外壁面の位置を定めるなど、まち全体が一体となって調和のとれた都市空間の形成を図っているところでございます。

○上田委員 まち並み、訪れる人それぞれの建物のリレーションの重要性を確認させていただけたかなと思っておりますが、そのガイドラインのもと、二十六年度はBMWが暫定利用区画へ進出を果たしましたが、観光客がわざわざ副都心で高級外車を求めるとは、ちょっと私個人はにわかに想像ができないのですが、どのような効果を期待して事業決定をしたのか、お答えください。

○中村営業担当部長 青海K区画における暫定利用事業者については、臨海副都心のMICE、国際観光拠点化の推進に寄与する、国際的な集客力が見込まれる体験型の展示施設の開設を目的に公募したものでございます。
 今回、暫定利用事業者に決定したBMWグループは、単なる販売店を設置するのではなく、この公募目的に合致した同グループの世界的な拠点の開業を予定しております。

○上田委員 世界的な拠点ということで、モーターショーなど--車に関しては、日本全国のみならず海外の関心も非常に高いところではあるとは思うんですけれども、副都心において、モーターショーのようなイメージなのでしょうか。
 海外の販売拠点として東京の副都心にあることが、どのようにこの開発事業に、にぎわいのまちづくり、まち並み、付加価値、こういったものに機能をするのかということをお答えいただければと思います。

○中村営業担当部長 今回の施設は、全車種の展示や試乗ができる体験型の施設とするほか、車に興味のない方も気軽に立ち寄れるカフェを併設するなど、工夫を凝らした施設として、海外の富裕層のお客様も視野に入れ、年間約二百五十万人の集客を見込んでおり、このエリアへの経済波及効果が期待できる施設になると考えております。

○上田委員 カフェを創設するということで、車に興味のない観光客へのにぎわいづくりに期待をし、また、BMWがその後どのように貢献したかを引き続き把握していく必要もありますことから、引き続き検証をお願いしたいと思います。
 そこで、そもそも論なのですが、暫定利用地区の中には期間の延長をしている施設があります。暫定利用期間の延長並びに返還後の取り扱いにはどのような決まりというか取り決めがあり、どんなお考えをお持ちか、お答えいただければと思います。

○中村営業担当部長 当面処分を予定しない土地について、事業者との協議により、まちのにぎわいを創出し、また、土地の有効活用ができる場合には延長を認めております。貸付期間終了時には、原状回復して返還していただくことになっております。

○上田委員 原状復帰ということで、回復をして返還していただくということを確認させていただきました。
 同じく暫定利用地区であったヴィーナスフォートは、その建造物自体も、いかにもちょっと--私も、息子が車が好きなので、よく子供のころは連れて行きましたけれども、いかにも短期利用という外観が否めないかなと思います。
 更地で返却するはずであったものの、そのまま残っているようでございますが、この施設はこのまま固定して利用していくのかを含めた現状とあり方について伺います。

○中村営業担当部長 暫定利用につきましては、先ほどの考え方に基づき、事業者との協議により延長を認めているところでございます。
 ご指摘のあったヴィーナスフォートのある青海ST区画につきましては、平成二十年に公募を実施し、売却先の事業者が決定をしております。したがいまして、延長期間終了後には、現在の施設は取り壊され、新たな施設が建設される予定でございます。

○上田委員 先ほど聞きましたガイドラインの趣旨を酌みまして、その重要性も鑑みまして、今後も、この暫定利用地については、ヴィーナスフォートの部分も含めまして注視をさせていただきたいと思います。
 さて、答弁いただいたとおり、これまでの取り組みの中で見えてきた課題を、募集状況と今後の展開に向けてどのような準備をされているかも踏まえ、改善策を検討されているか、伺いたいと思います。

○中村営業担当部長 現在、臨海副都心の土地処分については、長期貸付や売却だけでなく、まちのにぎわいの創出にもつながる暫定利用を導入しており、社会的ニーズの変化にも柔軟に対応できるようになっております。
 都市基盤整備の状況等に合わせて順次土地処分を行っていく中で、当面処分を予定していない土地について有効活用できる暫定利用は、臨海副都心のまちの発展に大きく寄与しているものと考えております。
 また、オリンピック・パラリンピック開催時は、未処分地については関連施設の土地需要に最優先に対応しつつ、進出事業者と連携し、さらなるまちのにぎわいを目指してまいります。
 今後とも、臨海副都心の開発に当たっては、社会経済状況に適切に対応しながら計画的に開発を進めてまいります。

○上田委員 これまでの歴史的経緯も踏まえまして対策を講じていっていただきたいと思います。
 次に、私もトレーラーの渋滞問題について質問を用意していたところでございますが、同僚委員によりまして、詳細質問は重複いたしますので、引き続きまして、東京港の総合渋滞対策に基づく取り組みを期待するとともに、これは単なる要望でございますけれども、大型客船が周航した後のピストン輸送としての大型バス輸送は非常に重要になるということで、港湾局におきましては、いろいろと駐車場の再配置等の検討はしているということでございますが、私の要望としては、来るまでに渋滞してしまうということで、東京港の中にバスの車両保管基地、車庫、バス事業者さんに来ていただいて、そこからピストンすることで無駄な渋滞を防ぐのではないかといった、こちらの観光客向けのバス渋滞対策についても要望を申し上げまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 次は、貯木場の有効活用についてお尋ねいたします。
 年々、原木輸入量が減少しており、実際のところ、原木が貯木場に浮かぶ風景もすっかり過去のようになってきたかと思い、現状、ほとんど使用されていない状況にあるかと思われます。
 つきましては、過去十年及び二十五年度の林産品、原木の取り扱いの推移についてどのように変化したのか、お示しくださいませ。

○古谷港湾経営部長 東京港における林産品全体の取扱量は、十年前の平成十五年においては二百十八万トンでございましたが、国内における木材需要の減少などの要因によりまして、平成二十五年は百二十八万トンに減少しております。
 また、原木の取扱量は、平成十五年においては十七万トンでありましたが、平成二十五年は〇・七万トンに減少しております。

○上田委員 原木の取り扱いが大幅に減少している状況がわかりました。また、なぜ貯木場の稼働が低迷しているかも、あわせて理解したところでございます。
 かつて、輸入原木に関税をかけるために立入禁止の保税蔵置場であったようですが、現在は、今の貯木場が保税地域ではないということではありますが、今なお立入禁止となっており、地域の方々から、ほとんど使っていないのに立入禁止なのは何でなんだろう、事業者や地域住民に還元し、活用はできないのかという声が上がっています。
 東京港は、国家主導で港湾整備を進め、ハブ機能を強化し、取扱貨物量を五倍にふやしてきた釜山、シンガポール、上海といった港湾の国際化からのおくれを挽回すべく、今後、ハブ港として躍進していこうとする中、港湾地域の海上も陸上も限られた面積の中、先ほどのトレーラー渋滞の原因となる外資コンテナ貨物取扱数は増加の一方、外資系、アジア貨物も加え激増して、国内他港と比べると圧倒的な数になっているような状況の中、ますます過密化していくであろうことから、現在の立入禁止地区の緩和を含め、あり方と有効活用策を検討してはどうかと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

○古谷港湾経営部長 東京港では、現在、トータルで約九十万平方メートルの水域が原木の一時保管等を行う貯木場でございますが、貯木場の利用減少を踏まえ--ただ、まだ利用価値もございますので、都ではこれまで、東京港内での海上工事を行う作業船や台船などの係留場所として貯木場の有効活用を図ってまいりました。
 今後とも、東京港の将来の貨物の見通しや関係事業者の要望、地元区の意向なども踏まえまして、適切に対応してまいりたいと思っております。
 なお、お話の立入禁止規制につきましては、安全性の確保や物流の円滑化などの観点から、港湾施設を管理する上では一般的な規制であり、今後も必要だと思っております。

○上田委員 海は、都民、国民全体のものでありますし、国際化すれば世界の東京港になることから、ぜひ有効活用の再検討をお願いいたしますし、答弁のとおり、殊に地域住民、関係事業者、地元区--江東区になりましょうか--の意向と需要を念頭に入れていただければと思います。
 さて、独自に取り寄せました資料を見ますと、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計の報告団体への委託の平成二十五年度の決算額は約二十七億円となっております。ちなみに、局全体の委託経費は三十七億円ということで、約七割が報告団体に委託しているということになります。
 また、委託先の報告団体は、東京港埠頭株式会社と株式会社東京テレポートセンターでありますが、東京港埠頭株式会社には、職員数百六十六人のところ、都からの派遣社員が二十五人、都を退職した者が十五人おり、東京テレポートセンターには、職員三十人のところ、都を退職した者が四人いるということであります。
 地方公営企業法第三条では、地方公営企業は経済性を発揮することが求められており、世界でも屈指の国際貿易港である東京港として、経済性のみならず、効率性、公平性が求められるところでありますが、前述の二十七億円の委託は、こうした経済性、効率性、公平性に基づいて事業執行されているか、具体的にお答えください。

○山口企画担当部長オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長兼務 当局所管の報告団体及び監理団体につきましては、臨海部における都の施策推進の強力なパートナーであり、事業の公共性、継続性、行政との一体性の確保などの観点から、都から職員派遣を受けるとともに、都を退職した職員の採用を行っているところでございます。
 一方、都といたしましても、現場での事業執行の実態を把握するとともに、人材育成を図り、今後の施策展開に資するために、職員を団体に派遣しているところでございます。
 報告団体への約二十七億円の委託のうち、約十七億円とその大部分を占めております大井埋立用材の確保事業につきましては、毎年度末に精算を行う、いわゆる実費精算方式で、利益を生む事業ではございません。
 また、共同溝の管理につきましては、臨海副都心における上、中、下水道管や電力ケーブル、ガス管などのライフラインが一カ所にまとまっている共同溝を常に万全なセキュリティー体制で二十四時間管理するものでございまして、高い守秘義務が求められるとともに、共同溝施設に関する十分な知識が必要でございます。
 加えて、全長十六キロメートルに及びまして、かつ多数の枝線が存在する共同溝全体を、細部にわたり、水道、ガス、電気など関係各事業者との密接な連携体制のもとでトータルコーディネートしながら管理を行う必要がございます。
 こうした特性から、共同溝を建設し、供用後、長きにわたり管理を行ってきましてノウハウを蓄積してきた株式会社東京テレポートセンターに委託することが最も安全かつ効率的であると考えてございます。
 ほかの事業につきましても、同様に、経済性、効率性、公平性の観点はもちろんのこと、当該事業を確実かつ円滑に推進できるという視点も踏まえて、前記両団体に委託しているところでございます。

○上田委員 鈴木都政時代の東京テレポート構想をそのまま冠したかのような東京テレポートセンターが、長期にわたり、技術と経験値を蓄積してきたことは理解ができましたが、先ほどの中村委員の東京臨海ホールディングスの事業についてのきめ細かい質問を聞いていて、ビル事業も随分苦労されているなというふうにお見受けしました。
 この東京臨海ホールディングスにおきましては、職員数二十三人のうち、東京都派遣が十六名、都退職者が一名ということでありまして、ほぼ東京都関係者で占められているところでの経営マネジメントのご苦労があるのだなというふうには考えております。
 蓄積した技術、そして経験値があるということでございますれば、広くその知見を業界全体でも共有し、民間育成、参入に、ぜひ生かしていただきたいと切望いたします。
 最後になりますが、臨海地域開発規則についてです。
 臨海地域開発事業は、知事決定であります東京都臨海地域開発規則に基づき、具体的な権利、義務を定め、用地の管理や処分を行っていますが、公営企業法第四条、経営の基本に関する事項は条例で定めなければならないに鑑みれば、規則ではなく、条例の方がなじむように思いますが、なぜ規則であるのか、歴史的経緯と背景も踏まえてお示しください。

○笹川臨海開発部長 地方公営企業法第四条において、条例で定めるべきとされている経営の基本に関する事項につきましては、東京都地方公営企業の設置等に関する条例第二条に、常に企業の経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進するように運営されなければならないと定められております。
 また、地方自治法施行令第百七十三条の二は、普通地方公共団体の財務に関し必要な事項は、規則でこれを定めると規定しております。
 加えて、地方公営企業法第四十条第一項で、地方公営企業の業務に関する契約の締結並びに財産の取得、管理及び処分については、条例または議会の議決によることを要しないと規定されております。
 この規定は、昭和四十一年の地方公営企業法改正におきまして、できる限り効率的、機動的に企業の業務運営を行えるようにという趣旨から、現行規定のように設けられたものでございます。
 これら法令上の規定に従いまして、臨海地域開発事業会計における用地等財産の取得、管理及び処分に関しまして、東京都臨海地域開発規則を設けております。

○上田委員 ご丁寧なご答弁、このままいくと法解釈論争になりそうですけれども、私が気になりますのは、条例または議会の議決によることを要しないというところが注目するところなんです。もちろん、地方公営企業法第四十条第一項の背景は理解いたしますが、逆からいえば、議会の関与なく、是非を問われることもなく、知事決定のもと事業を推進できるのではないかとも読み取ることができるから、なぜ規則なんだろうということがひっかかっておりました。
 実際、冒頭申し上げたように、平成三年、議会が否認するというようなこともありまして、引き続き、用地等財産の取得、管理及び処分の監視者の責任の所在を常にわかりやすく、必要な情報は積極的に議会と都民に明らかにしていくことを求め、そして、我々議会もしっかりと監視することをお約束申し上げたいと思います。
 さて、資料要求をして、お調べいただきました工事請負契約については、一者応札、随契はなし、不調一件ということでありました。
 ご承知のとおり、不調というのは外的な要因も多く、港湾局におかれましては、公営企業として経済性と公共の福祉を自覚され、執行されたことを評価させていただきたいと思います。
 引き続き健全な入札環境並びにバランスのあるグランドデザイン、統一感を持ち、付加価値を高め、民間投資が集まり、都民の憩いの場、また、世界の観光客でにぎわう副都心開発、もちろん費用対効果を鑑みた開発事業を求めまして、私の質問を終わらせていただきます。

○西崎委員 私からは、臨海副都心の環境への取り組みについて伺いたいと思います。
 臨海副都心ではこれまで、水と緑のネットワークを形成していくことを目指し、さまざまな先進的な取り組みが行われてきています。その一環として、平成二十五年度臨海地域開発事業会計におきまして、臨海副都心の開発のまちづくりにかかわる調査が実施されたと聞いています。
 東京の緑地は、公園や街路樹が増加している一方で、宅地造成などの開発で減少しており、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させるために、水と緑のネットワークをつくっていくことが重要だと考えております。
 そこで、臨海副都心における緑化等の環境対策の取り組み状況を中心に、何点か質問をしたいと思います。
 臨海副都心では、開発事業者を誘導していくための指針となるまちづくりガイドライン、先ほどもお話が出ましたけれども、定められておりますけれども、まず、この臨海副都心まちづくりガイドラインの策定の目的と経緯について改めて伺います。

○原開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 臨海副都心まちづくりガイドラインは、優良な開発を誘導し、良好な都市景観、都市環境の形成等を図ることを目的といたしまして定めたものでございます。
 本ガイドラインは、平成二年に策定して以来、社会情勢の変化及び上位計画に当たります臨海副都心まちづくり推進計画の策定などに合わせ、これまで四度にわたり改定を行い、民間事業者の優良な開発を誘導してきているところでございます。

○西崎委員 臨海副都心まちづくりガイドラインは、優良な開発を誘導して、良好な都市景観、都市環境を形成していくことを目的に制定されたと今ご説明がありましたけれども、私は、開発による環境の負荷を最小限とするために、省エネルギー、太陽光発電などの自然エネルギーの利用、都市緑化などを推進して、自然と共生する環境保全都市づくりを進めることが重要だと考えております。
 そこで、臨海副都心まちづくりガイドラインでは、敷地内の緑化面積を確保するため、どのような基準に基づいて開発事業者を誘導しているのか伺います。

○原開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 現在、平成二十一年度改定のまちづくりガイドラインにおきまして、敷地内で確保する緑化面積を敷地面積の四〇%以上と定めまして緑化を進めるよう開発事業者を誘導しているところでございます。
 この緑化基準につきましては、臨海副都心を環境先進都市のモデルとして環境負荷の低減や緑化を強化するため、東京における自然の保護と回復に関する条例における建築物の緑地面積の基準を上回る規定として定めたものでございます。

○西崎委員 今のお話ですと、平成二十一年度改定のまちづくりガイドラインにおいて、敷地内で確保する緑化面積を敷地面積の四〇%以上と定めて緑化を進めるよう開発事業者を誘導しているとのことですが、それでは、四〇%に引き上げたことにより、どの程度の緑地がふえるのか伺います。

○原開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 平成二十一年度改定のまちづくりガイドラインの緑化基準が適用となる開発事業は、現在、二施設の計画が進められているところでございます。
 都におきましては、進出事業者の公募の段階から、まちづくりガイドラインに基づき緑化面積を確保することを要件とするとともに、進出事業者決定後におきましては、緑化計画について、きめ細かく指導、誘導を行っているところでございます。
 その結果、この二件の開発によりまして、壁面緑化を含め、約六千二百平方メートルの緑化面積が確保される見込みとなってございます。
 仮に、改定前のガイドラインに基づき緑化面積を試算しますと、約千八百平方メートルであることから、緑化率を引き上げたことにより、新たに約四千四百平方メートル、緑地が増加することになります。
 引き続き、臨海副都心全体の一体的な水と緑のネットワークの形成と豊かな都市景観の形成に寄与するよう、緑化対策を積極的に推進してまいります。

○西崎委員 今のお話ですと、四〇%に引き上げたことによって新たに約四千四百平米増加するということで、この都心部ではなかなか四〇%という高い目標値というのは設定できないと思います。臨海副都心では緑化率四〇%と、既成市街地より高い目標を設定して、積極的に緑地を確保しようとする姿勢は大変評価したいと思います。
 今後も引き続き、進出する開発事業者への緑化対策の誘導をぜひ進めていっていただきたいと思います。
 私は、緑化とともに、自然エネルギーのうち、普及が進んでいます太陽光発電についても、同じく積極的に導入していただきたいと考えております。
 そこで、臨海副都心における太陽光発電の導入の取り組み状況についてお聞かせください。

○原開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 太陽光発電等の自然エネルギーの積極的な利用につきましては、CO2排出削減やヒートアイランド対策についての社会的な関心の高まりを踏まえ、平成十九年度の臨海副都心まちづくりガイドラインの改定におきまして、新たに規定したところでございます。
 これまでに、七施設で約三百八十キロワットの発電容量の太陽光発電設備が設置済みでございます。
 現在、二施設の開発計画で約二十五キロワットの発電容量が計画されており、それらを含めますと、合計約四百キロワットとなる見込みでございます。
 今後とも、開発業者を適切に指導、誘導し、太陽光発電等、自然エネルギーの積極的な導入を推進してまいります。

○西崎委員 臨海副都心においては、今後とも、太陽光発電等の自然エネルギーの利用などを積極的に進め、ぜひとも環境先進都市として環境に優しく魅力あるまちとなるよう努力していただきたいと思います。
 平成二十三年に策定されました「二〇二〇年の東京」では、水と緑のネットワーク化について、多摩川と荒川で囲まれる大きな軸と、その内側の水辺空間や緑地で東京を包み込み、海の森から都心部へ緑の風が吹き抜ける風の道をつくり出すことが書かれておりました。今後、今、検討中の長期ビジョンにおいても、このような構想を持っていくことが大切ではないかと思っています。
 首都東京にふさわしい美しい都市景観を創出し、東京の価値を高めるためにも、今後の取り組みを積極的に行うことを求めまして、質問を終わります。

○大西委員 東京港の管理運営について伺います。
 平成二十五年度港湾事業会計決算の概要には、平成二十五年の外貿コンテナ取扱個数は四百三十五万個と記載されており、十六年連続で日本一になったと伺っています。
 東京港では、グローバリゼーションの進展に伴い、近年、右肩上がりにコンテナ貨物が増加しています。こうした状況に的確に対応していくためには、新規のコンテナターミナルの整備のみならず、港湾局の所有する遊休地を活用して、空コンテナ置き場などの関連施設の整備を着実に行っていくことが必要だと考えています。
 まず、確認のために伺いますが、空コンテナ置き場などのコンテナ関連施設の役割について伺います。

○古谷港湾経営部長 コンテナは、一般的には船会社が所有しておりまして、輸入荷主は、貨物をコンテナから取り出した後、空になったコンテナを船会社に返却しなければなりません。一方で、輸出荷主は、貨物を輸出する場合には、空のコンテナを船会社から借りた上で輸出貨物を詰め込み、輸出を行っております。
 こうした空コンテナの受け渡しをコンテナターミナル内で行いますと、膨大なトラックがコンテナターミナルのゲートに集中しまして、ゲート前の混雑を助長することになります。そこで、コンテナターミナルとは別に、空コンテナを受け渡す場所としてバンプールを設けますことで、ターミナルのゲート負荷を軽減しております。
 また、陸上輸送事業者は、通常、コンテナのサイズごとに、複数のコンテナ搬送用の台車、いわゆるシャシーを保有しておりますが、ある台車を使って輸送している際には、ほかの台車を保管する場所が必要となります。こうした台車を保管する場所といたしまして、ふ頭の近隣のエリアにシャシープールを設置いたしまして、コンテナターミナル周辺の物流の円滑化を図っております。

○大西委員 今、コンテナターミナルのゲートの負荷軽減など、コンテナ関連施設の果たす役割や重要性の説明がありましたが、それでは、これまでのコンテナ関連施設の整備実績はどのようになっているのか伺います。

○古谷港湾経営部長 東京港ではこれまで、コンテナ貨物の増加に対応すべく、東京港埠頭株式会社などとともに、バンプール、シャシープールなどコンテナ関連施設を整備してまいりました。
 平成二十五年度には、中央防波堤外側埋立地にバンプールを三・五ヘクタール、城南島にシャシープールを二ヘクタール新たに整備したことにより、現在は約七十ヘクタールのコンテナ関連施設が稼働しております。

○大西委員 今、七十ヘクタールの施設ということで、東京港のコンテナターミナルの総面積が約百五十ヘクタールですから、この半分の面積に相当する広大なコンテナ関連施設を整備しているということになります。引き続き、着実に対応することを求めます。
 さて、東京港は日本一のコンテナポートでありますが、世界に目を向けますと、本日提出いただきました資料の一一ページに出ておりますが、上海の三千三百六十二万個、シンガポールの三千二百二十四万個には遠く及ばない状況で、桁違いになっているわけです。七倍ぐらいの差がつけられている。この差を見れば、世界の物流動向にしっかりとアンテナを張り、着実に対応していかなければ、この差はますます広がるばかりです。
 その中の対応の一つで、四十五フィートコンテナへの対応というのがあると思います。これまでコンテナの規格というのは、二十フィート、四十フィートが主流でありましたが、近年、四十五フィートコンテナも急激に普及しつつあります。
 四十フィートコンテナと比べて、長さが一・五メートル長く、容量が二七%大きいため、荷主の輸送コスト低減に役立つというのが四十五フィートコンテナのメリットで、例えばロッテルダム港やロサンゼルス港では、平成十九年の時点で一〇%近く普及しており、今はもっともっとふえているはずでございます。
 日本国内では、この四十五フィートコンテナ、移動するには、法整備など、ほかの必要もございます。それもあり、余り問題として取り上げられる機会も少ないのが現状ではございますが--取り上げられていません。そのため、東京港では七百十四個、全体の〇・〇二%しか取り扱われておりません。世界の潮流が四十五フィートに向いていけば、日本が取り残されることも考えられます。
 この問題は、少しテリトリーが違うということで、ここでは質問はいたしませんが、今後、東京港が世界の主要港を目指すのであれば、この四十五フィートのコンテナへの対応もしっかりしていくべきだということを強く求め、質問を終わります。

○中屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中屋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 以上をもちまして、第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
   午後三時十分散会

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