平成二十五年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第二号

平成二十六年十月二十日(月曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十一名
委員長中屋 文孝君
副委員長高倉 良生君
副委員長山崎 一輝君
副委員長畔上三和子君
柴崎 幹男君
鈴木 錦治君
上田 令子君
西崎 光子君
宇田川聡史君
中村ひろし君
大西さとる君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長新田 洋平君
次長塩見 清仁君
総務部長小泉  健君
職員部長土岐 勝広君
資産運用部長樋口 正勝君
電車部長太田  博君
自動車部長広瀬 健二君
車両電気部長石井 明彦君
建設工務部長技術管理担当部長兼務野崎 誠貴君
企画担当部長根木 義則君
安全管理担当部長岡本 恭広君
バス事業経営改善担当部長渡邉 範久君
技術調整担当部長奥津 佳之君
調整担当部長仁田山芳範君

本日の会議に付した事件
平成二十五年度東京都公営企業各会計決算の認定について
交通局関係
・平成二十五年度東京都交通事業会計決算(質疑)
・平成二十五年度東京都高速電車事業会計決算(質疑)
・平成二十五年度東京都電気事業会計決算(質疑)

○中屋委員長 ただいまから平成二十五年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 初めに申し上げます。
 本日から三日間にわたり、本分科会所管三局の決算に対する質疑を行ってまいりますが、質疑につきましては、平成二十五年度決算の審査から逸脱しないよう行っていただきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十五年度東京都交通事業会計決算、平成二十五年度東京都高速電車事業会計決算及び平成二十五年度東京都電気事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○小泉総務部長 過日の分科会で要求のありました資料を、お手元の平成二十五年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
 一ページをお開きいただきたいと存じます。事業別非常勤職員数の推移でございます。
 各事業における非常勤職員数を過去五年間分記載してございます。
 次に、二ページをお開き願います。地下鉄事業においてバリアフリー化した内容と費用でございます。
 平成二十五年度に地下鉄事業においてバリアフリー化した内容ごとに、整備駅数及び決算額を記載してございます。
 次に、三ページをお開き願います。都営地下鉄の浸水対策でございます。
 平成二十六年三月三十一日現在の地下鉄の浸水対策の内容ごとに、対策済み箇所数を路線別に記載してございます。
 次に、四ページをお開き願います。工事請負契約における一者応札、入札不調、特命随意契約の件数等の推移でございます。
 工事請負契約における一者応札の件数と構成比及び入札不調件数の推移並びに特命随意契約の件数等を過去三年間分記載してございます。
 次に、五ページをお開き願います。日暮里・舎人ライナーの乗客数及び運転本数の推移でございます。
 日暮里・舎人ライナーの一日当たり乗車人員及び一日当たり運転本数を年度別に記載してございます。
 次に、六ページをお開き願います。お客様センター開設後の主な問い合わせ等の内容と件数でございます。
 お客様センター開設後の主な問い合わせ等の内容とその件数につきまして、平成二十五年度の状況を記載してございます。
 次に、七ページをお開き願います。都営バス(乗合)におけるドライブレコーダーの設置についてでございます。
 乗合バスに設置しているドライブレコーダーの概要とその活用状況を記載してございます。
 次に、八ページをお開き願います。大江戸線における転落件数でございます。
 大江戸線におけるホームからの転落件数を過去五年間分記載してございます。
 以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中屋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○柴崎委員 平成二十五年度の決算の審査に当たり、何点かお伺いいたします。
 初めに、地下鉄事業について伺います。
 都営地下鉄は、四つの路線の合計で、一日平均二百四十六万人の乗客を輸送しておりまして、都民生活を支える重要な公共交通機関であります。
 地下鉄は、文字どおり、道路などの地下にトンネルを掘って建設するため、莫大な初期投資を必要とするわけであります。そして、長期にわたる運営により建設費を償還していくという事業の仕組みであります。
 過日の決算概要説明では、平成二十五年度の地下鉄事業の経常損益は百四十九億円の黒字になったとの説明がありました。しかしながら、地下鉄の経営状況の評価は、単年度ではなく複数年度の推移で捉える必要があると思います。
 したがいまして、まず、都営地下鉄の過去五年間の決算の推移をお伺いいたします。

○小泉総務部長 都営地下鉄は、昭和三十五年の浅草線開業以来、長年にわたり厳しい経営状況にありましたが、交通局は、増収対策や経費削減などの経営改善に取り組んでまいりました。
 この結果、平成十八年度決算から八期連続で経常利益を確保するなど、地下鉄事業の経営状況は着実に改善をしています。
 過去五年の経常利益を申し上げますと、平成二十一年度、百二十二億円、平成二十二年度、九十一億円、平成二十三年度、八十六億円、平成二十四年度、百二十三億円、平成二十五年度、百四十九億円と、おおむね百億円前後の経常利益を確保しております。
 しかしながら、いまだに平成二十五年度末で三千八百四十七億円の累積欠損金と九千八十五億円の長期債務を有しておりまして、楽観は許されない状況にあると認識しております。

○柴崎委員 ただいまの答弁に私も同感であります。
 地下鉄事業は、多額の累積欠損金と長期債務を有しているわけでありますから、中長期的な視点に立ちまして、引き続き着実な経営努力をお願いしたいと思います。
 次に、地下鉄の乗客数についてお伺いしたいと思います。
 決算を考える上で、基幹的な収入である乗車料や乗車人員の動向を分析することも重要であります。都営地下鉄の乗車人員は、平成二十四年度と比べてどのような状況になっているのか、その理由も含めてお伺いいたします。

○太田電車部長 平成二十五年度の都営地下鉄の一日平均乗車人員は、各線とも前年度に引き続き増加しており、浅草線が約六十五万八千人で前年度より三・五%の増、三田線が約五十八万九千人で二・八%増、新宿線が約六十九万人、三・六%増、大江戸線が約八十五万九千人、四・一%増であり、全線では、都営線間の乗り継ぎを除きますと約二百四十五万七千人で、対前年度三・五%の増でございました。
 その主な増加理由としましては、沿線区の生産年齢人口の増加や都心オフィスビルの空室率減少に見られる景気の回復傾向、さらには、訪日外国人の増加のほか、本年四月の消費税率改定に伴う定期券の前倒し購入の影響もあったと考えております。
 また、平成二十五年三月の東京メトロ副都心線と東急東横線との相互直通運転の開始や、新宿線岩本町駅と東京メトロ日比谷線秋葉原駅を新たに乗りかえ駅に指定したことによる定期旅客の増加も影響したものと考えております。

○柴崎委員 乗客数は増加傾向にあるとのことであります。これを契機と捉えまして、増客、増収に向けて、たゆまぬ営業努力を続けていただきたいと思います。
 ところで、公共交通機関である都営地下鉄には、日々の運行を安全、確実に行う責務があります。そこで、安全の確保につきまして何点か質問をさせていただきます。
 まず、都営地下鉄の浸水対策について伺います。
 近年、猛暑、集中豪雨、大雪といった異常気象が相次いで発生しております。本年八月には、西日本を中心に記録的な大雨に見舞われ、気象庁が平成二十六年八月豪雨と命名したことは記憶に新しいところであります。
 このような集中豪雨による被害は各地で頻発していることから、いつ東京で発生してもおかしくないので、その対策をしっかりと施しておくべきであると考えます。
 そこで、交通局では、都営地下鉄への浸水防止対策として、これまでどのような取り組みを行ってきたのかお伺いしたいと思います。

○岡本安全管理担当部長 都営地下鉄では、沿線各区が平成十二年九月の東海豪雨の規模を想定したハザードマップを平成二十年度までに公表したことを受け、これに基づきまして、これまで整備してきた浸水防止設備の改良や増設を進め、平成二十六年三月には、必要とされる全ての箇所で整備を完了いたしました。
 具体的には、各区のハザードマップに適合するように、周辺の過去の浸水被害や地形を考慮して、駅の出入り口に止水板や防水扉を設置するとともに、地下鉄内の自然換気を行うために歩道上に設けた通風口に浸水防止機を設置してまいりました。
 また、万一の浸水に備え、お客様を避難誘導するための水防法に基づく避難確保計画を全ての地下駅において策定しております。この計画を踏まえ、都営地下鉄全体で、駅、運転、保守の各部門が合同して、お客様の避難誘導、止水板や土のうの設置、部門間の情報伝達等を内容とした自然災害防止訓練を毎年行うとともに、日ごろから職場単位で個別に訓練を実施しております。
 今後とも、都営地下鉄の浸水防止対策について適切に取り組んでまいります。

○柴崎委員 都営地下鉄では、浸水対策として、今ご説明がありましたように、ハード面の整備だけではなくて、避難誘導訓練等、こうした対策も行っているということでございます。
 そして、大規模な水害等の発生によりまして駅に大量の水が流れ込んでくるおそれが生じた場合、利用者の安全を確保するためには迅速に対応する必要があると思います。
 こうした中で、実際に浸水のおそれが生じた場合、都営地下鉄の駅ではどのように対処をしていくのか。そして、その場合に、例えば障害者がいたら、こうした障害者に対してはどのように対応するのか。その辺についてお伺いをしたいと思います。

○太田電車部長 都営地下鉄では、水害等の異常時には、各駅の避難経路の状況や駅出入り口の海抜等を踏まえ、駅務管理所ごとに定めた異常時対応マニュアル等に基づき対応することとしております。
 具体的には、駅の出入り口から浸水のおそれがある場合は、直ちに現場の状況を確認し、総合指令等、関係各所に連絡するとともに、出入り口に止水板や水のうを設置いたします。
 さらに、浸水が駅構内に広がる場合には、お客様の避難を最優先に行うという原則に基づき、速やかにお客様を安全な場所に誘導いたします。この際、障害をお持ちのお客様などに対しては、移動の補助をしながら避難誘導し、必要に応じて周りのお客様の協力を得ることとしております。
 また、万が一、軌道に浸水するなど被害が拡大するおそれがある場合には、状況により、駅の閉鎖や列車の折り返し運転、さらには運行中止などの措置を実施いたします。
 今後とも、駅係員への防災教育や訓練について積極的に取り組み、お客様の安全確保に努めてまいります。

○柴崎委員 浸水のおそれが生じた場合でも、このように、今ご説明にありましたように、駅においてその対応が図られているということであります。引き続きしっかりとやっていただきたいと思います。
 次に、地下鉄のトンネルにおける湧水に関する対策についてお伺いしたいと思います。
 東京は、昭和三十年代から四十年代にかけまして、地下水の過剰なくみ上げによりまして地下水位が著しく低下しました。激しい地盤沈下を経験したことから揚水規制を進めた結果、地下水位は上昇し、地盤沈下は鎮静化をしたということであります。
 しかしながら、水位が戻ったことによりまして思わぬ影響も出ているようであります。新聞報道によりますと、JR東京駅などでは、地下の水位が上昇したことから、その対策を実施しているようであります。
 あらかじめ交通局に確認をしましたところ、都営地下鉄では、地下水位変化による施設の浮き上がりの影響はないとのことで安心をしたわけであります。しかしながら、湧水が発生している以上は、地下鉄施設を適切に維持管理していく観点から、水に対する管理は慎重である必要があると思われます。
 地下鉄のトンネル湧水はどのように処置をしているのか、お伺いしたいと思います。

○仁田山調整担当部長 都営地下鉄のトンネル内から発生いたします湧水の量は、毎年約四百五十万立米であり、近年、ほぼ横ばいで推移しております。
 この湧水につきましては、全体の約八四%、年間約三百八十万立米を河川等へ放流し、残りは下水道に排水しており、全てを適切に処置しております。
 放流は、大江戸線では妙正寺川や石神井川等の河川へ、浅草線では隅田川のほか大田区の池上梅園や墨田区の吾妻橋親水公園等へも行っており、それらの水質改善や景観整備にも役立っております。
 こうした放流や排水のための管等は、老朽化対策といたしまして順次更新するとともに、首都直下地震等への備えとして、管破損防止のための耐震化や管の複数系統化を実施しているところでございます。
 引き続き、地下鉄施設を適切に維持管理する観点から、管の更新等を計画的に行いながら湧水の処理を確実に実施してまいります。

○柴崎委員 今後も、湧水を適切に管理していただきまして施設の維持を図るとともに、河川等の水質改善にも寄与することを期待しております。
 一方で、こうした湧水のうち、トンネル構造物の亀裂から浸入する漏水は、剥落ですとか劣化の要因となるために、このまま放置していくと、さらに老朽化が進むものと考えます。
 トンネル構造物の老朽化の進行を抑制し、さらに安全に長く使い続けるためには、その長寿命化を図っていくことが重要であると考えます。トンネル構造物の長寿命化を図るためにはどのような取り組みを実施しているのか、お伺いしたいと思います。

○野崎建設工務部長技術管理担当部長兼務 都営地下鉄では、開業から相当期間経過したトンネルもあることから、剥落対策や漏水対策等の大規模修繕工事を進め、施設の長寿命化を図っていくことが重要な課題であると認識しております。
 このため、浅草線では平成二十三年度から工事に着手しておりまして、三田線においても平成二十五年度から工事を開始したところでございます。
 加えて、トンネル内の変状箇所を早期に発見し、状況に応じたより適切な工事を効果的、効率的に行うため、今年度から、浅草線及び三田線全線においてトンネル内の連続かつ全方位的な画像撮影を開始いたしました。
 今後、画像撮影の対象を新宿線や大江戸線にも拡大していくとともに、この画像データに検査や工事の情報などを加えたデータベースを構築し、漏水対策工事などの事前調査に生かしてまいります。
 引き続き、こうした取り組みを通じて、トンネル構造物を適切に維持管理してまいります。

○柴崎委員 今後とも、地下鉄を安全かつ安定的に運行するためにも、鋭意努力をしていただきたいと思います。
 次に、都営バスについてお伺いしたいと思います。
 都営バス事業は、乗客数の減少傾向に加え、平成二十三年度からは東京電力株式会社からの配当金収入がなくなったわけであります。したがって、より一層の経営改善への努力が求められているわけであります。
 一方で、臨海地域のように、開発に伴う人口の増加によりまして公共交通網の充実が必要な地域もあります。
 この二つの課題に対応する手段が、需要に応じた適切なバス路線の見直しなのだと思います。
 こうしたことから、バス路線の廃止あるいは新設の際の路線再編の考え方についてお伺いをしたいと思います。

○渡邉バス事業経営改善担当部長 都営バスではこれまで、需要の変化に合わせて、人や車両など経営資源を有効に活用することで、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう、路線やダイヤの見直しを行ってまいりました。
 具体的には、オフィスビルや大規模住宅と鉄道駅を結ぶ路線など、需要が高まっている路線の増便等を行う一方、鉄道等の開業やコミュニティバスなど新規事業者の参入により代替交通が確保され、利用者の少ない路線については減便等を行ってまいりました。
 今後、迅速かつ柔軟に対応できる都営バスの特性を生かし、臨海地域などにおける増大する交通需要にも的確に対応してまいります。

○柴崎委員 機動的な事業運営ができる点がバス事業の強みだと思います。
 交通局ホームページで調べたところ、交通局は、平成二十五年四月一日付で、バス路線の変更等を十六系統行ったようであります。そして、増減便などのダイヤ改正を五十六系統で行いました。
 都営バス事業は、平成二十五年度決算で約五億円の経常利益を計上しましたが、バス路線の見直しの効果も含まれたものだと思われます。経営改善と新たな交通需要への対応、この両面から、今後も引き続き適切な対応を行うことを要望いたします。
 続きまして、日暮里・舎人ライナーについて伺います。
 日暮里・舎人ライナーの開業によりまして、これまでバスが中心となっていた沿線地域の交通アクセスが飛躍的に向上しました。所要時間の短縮、そして鉄道との乗りかえ利便性が高まるなど、大きな効果をもたらしたわけであります。加えて、沿線地域では住宅建設も盛んになり、駅周辺の人口も増加傾向にあるようです。これによりまして、日暮里・舎人ライナーの乗客数も順調に増加し、朝の通勤時間帯の混雑も相当厳しい状況にあると聞いております。
 一方で、先ほどの地下鉄と同様に多額の建設費を要することから、経営の安定には長期間を要するものと思われます。
 まず、日暮里・舎人ライナーの経営状況と、乗客増に伴う混雑対策についてお伺いしたいと思います。

○根木企画担当部長 日暮里・舎人ライナーにつきましては、委員ご指摘のとおり、初期投資が多額であり、これを回収するには長い期間を要することから、事業の性格上、当分の間は赤字基調が続きます。
 そうした中、平成二十五年度決算は十三億五千六百万円余の経常赤字となりましたが、輸送人員が一日当たり約六万七千人と、前年度に比べ約四千人ふえたことや、減価償却費及び支払い利息が減少したこと等により、経常損益が約四億円改善してございます。
 乗客増に伴う混雑対策についてですが、これまで、平成二十一年度と二十三年度に車両をそれぞれ二編成ずつ増備するとともに、お客様が車両の中ほどまで入りやすいよう、座席のレイアウトをクロスシートから一部ロングシートに変更するなどの取り組みを行いました。
 また、ダイヤにつきましても、開業以来、乗客数の増加に対応し、順次改正してまいりましたが、昨年十二月と本年九月にも、平日の朝のラッシュ時間帯を中心としたダイヤ改正を行いました。
 今後、既存車両のレイアウトをさらに改善するとともに、平成二十七年度には車両一編成を増備し、さらなる輸送力の増強を図る予定でございます。

○柴崎委員 日暮里・舎人ライナーは、ゴムタイヤで走行し、路線の中にも急勾配区間があることから、これまでも降雪時に運休あるいはダイヤが大きく乱れたりすることがたびたびありました。しかし、ことしの二月の記録的な大雪にあっては、以前と比べ、運行がとまっていた時間は短かったと仄聞しております。
 こうしたことから、日暮里・舎人ライナーの降雪時の運行確保への対応について、これまでどのような取り組みを行ってきたのかお伺いいたします。

○太田電車部長 新交通日暮里・舎人ライナーは、ただいまお話にありましたように、ゴムタイヤによる自動運転を行っておりますことから、降雪による輸送障害が発生しやすく、これまで安定運行のためのさまざまな対策を講じてまいりました。
 具体的には、気象情報会社から降雪、積雪、凍結、気温などについて詳細な地域や時間ごとの情報を入手し、その情報に基づき、走行面の凍結防止のためのロードヒーターの使用や融雪剤の散布、さらには、走行面の雪を払うササラ電車の運行などを行い、輸送障害を最小限に抑えております。
 また、積雪によるスリップが予想される場合には、通常、日暮里駅等に勤務している運転士が電車に乗車し、走行面の状況に応じた手動運転を行うとともに、応援の職員により、駅出入り口の除雪やお客様への案内等を実施いたします。
 昨年度は、ロードヒーターを車庫からの出庫線の一部に増設するとともに、除雪効果と耐久性の向上を図るため、ササラを改良するなどの対策を強化いたしました。
 また、夜間に保守作業員による除雪作業などを行い、朝の通勤時間帯における運行をできる限り確保したところでございます。

○柴崎委員 利用者にとりましては、安全運行は切実な願いであります。今後も、沿線地域の重要な交通手段として、安全で安定的な運行が確保できるよう努めていただきたいと思います。
 次に、電気事業についてお伺いいたします。
 交通局は、昭和三十二年以降、再生可能な多摩川の流水を利用した水力発電による電気事業を運営しております。現在では、三カ所の発電所で、一年間、おおむね一般家庭の三万四千世帯分の使用量に相当する電力を発電していると聞いております。
 水力発電は、発電する際に二酸化炭素を排出することのないクリーンエネルギーであり、環境に配慮した取り組みとして非常に意義があることと思います。
 一方、発電した電気の供給先についても、これまでは東京電力株式会社に限定されておりました。しかし、平成二十四年十月の条例改正によりまして、他の電気事業者に供給することが可能となったわけであります。実際に、平成二十五年度からは新たに公募で選定した事業者への電気の供給を開始しているとのことであります。
 こうした中、電気の供給先を変更したことによりまして、電気事業の経営状況にどのような変化があったのかお伺いいたします。

○小泉総務部長 電気事業の経営状況でございますけれども、これまで電気料金算定方式の制約がありましたことから、毎年度の総収入が十億円程度、純利益が一億円程度で推移してまいりましたが、平成二十四年度の条例改正を受けまして、新たに公募で選定した事業者への電気の供給を開始いたしました平成二十五年度は、降雨量が少なく発電量が減少したものの、販売単価が上がったため、総収入で十一億円、純利益で三億円を確保することができました。
 しかしながら、今後は、販売単価が市場価格に影響を受けることや、老朽化した施設の大規模な改修の財源を確保する必要もありますことから、引き続き、効率的、安定的な事業運営を図ってまいります。

○柴崎委員 新たに公募で選定した事業者に電気を供給することによりまして、平成二十五年度は利益を確保することができたわけであります。電気事業の自由化が進められており、今後とも、電気の安定供給を第一に事業運営に当たっていただきたいと思います。
 ここまで、各事業の決算から読み取れる課題等について伺ってまいりましたが、最後に、今後の事業運営について局長の決意をお伺いいたします。

○新田交通局長 交通局におきましては、経営方針に、安全・安心の確保、質の高いサービスの提供、東京の発展への貢献、そして経営基盤の強化の四点の目標を掲げ、その実現に向けて計画的に取り組みを進めております。
 平成二十五年度におきましても、局事業の指針となります経営計画二〇一三に基づきまして、都営地下鉄における浸水防止対策を初め、全駅でのエレベーター等による地上までのワンルート確保や、大江戸線ホームドアの整備を完了させますとともに、都バス全車両で無料WiFiサービスを開始するなど、着実に事業を前に進めることができました。
 こうした取り組みの一方、不断の経営努力を積み重ねてまいりまして、その結果、平成二十五年度決算では、おかげさまで、交通局の全事業を合計した経常損益は百四十三億円の黒字を確保することができたところでございます。
 しかしながら、都営交通を取り巻く事業環境は、少子高齢化の進展により、今後、乗客数の大幅な増加が期待できないなど厳しさが増していくものと考えておりまして、そうした中、首都直下地震や施設の老朽化に備えた安全対策や、より質の高いサービスの提供、世界一の福祉先進都市の実現に向けたバリアフリー化の一層の推進、さらには二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた取り組みなど、増大する課題に確実に対処していかなければなりません。
 交通局といたしましては、今後とも、都民サービスの最前線を担っているという責任と誇りを持って、多様化、高度化するさまざまな事業課題に着実に対応してまいります。それとともに、経営基盤のさらなる強化に努めまして、お客様に一層信頼され、支持される都営交通を目指し、局一丸となって取り組んでまいります。

○柴崎委員 舛添知事は、東京の最大の問題の一つは交通体系であると認識をされております。また、国におきましても、東京圏の鉄道を中心とする交通体系のあり方について、平成二十七年度ごろを目途に審議会答申を取りまとめると仄聞しております。
 そして、私の地元練馬区におきましても、まさに今、鉄道ネットワークの充実、具体的には大江戸線の延伸であります。この期待が非常に高まっているところであります。
 交通局は、地下鉄、バスなどの合計で都内交通の約一〇%を担う主要な公共交通機関であります。現在にも増して、東京の都市活動と都民生活の向上に積極的な役割を果たすことを期待いたしまして、私の質問を終わります。

○高倉委員 それでは、都営地下鉄について質問をさせていただきます。
 私も中野区に住んでおりますので、都庁に来ますのに、東中野駅から大江戸線を利用することがたびたびあるわけであります。朝の時間帯などに乗車をしますと、これは大変な混雑の状況であります。利用客が多いというのは、収益の向上に結びついてくるという点もありますけれども、一方で、利用者にとっては、利便性といいますか、さまざまな課題といったものも存在をしているわけであります。
 そこでまず、平成二十五年度の都営地下鉄四路線の混雑状況についてお伺いをいたします。

○太田電車部長 都営地下鉄各線の混雑状況でございますが、朝ラッシュ時の最混雑時間帯は、平成二十五年度は四路線とも七時五十分から八時五十分であり、各路線の最混雑区間の平均混雑率は、浅草線が一一三%、三田線が一四七%、新宿線が一五五%、大江戸線が一四八%でございました。

○高倉委員 今、答弁がありましたけれども、三田線、新宿線、そして大江戸線の平均の混雑率が一五〇%前後であるというようなお話であります。これは大変利便性の高いところを通っているということでやむを得ない部分というのはあると思いますけれども、先ほど申し上げたように、利用者にしてみれば、少しでも改善をしてほしいといったような思いを持っているのではないかと思います。
 サービスの向上の観点から、特に最混雑時間帯あるいは最混雑区間、こういったところについては、ダイヤのあり方あるいは車両の増強、可能な限りの取り組みをこれからも進めていくべきであるというふうに思っております。
 交通局としてはこれまでも、こうした輸送力の増強といったところについては心を配ってきているというふうに承知をしておりますけれども、そうした具体的な取り組み、また、それによる効果、こういったものを、利用者にもわかりやすく今後とも説明をしていくということが大事ではないかと思います。
 この輸送力増強についてのこれまでの取り組み、特に平成二十五年度における取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○太田電車部長 交通局ではこれまでも、定期的に都営地下鉄各線の乗客量調査を行い、その結果を踏まえましてダイヤ改正を実施し、混雑緩和と利便性向上を図ってまいりました。
 また、乗客潮流などを踏まえ車両の増備を行ってきており、平成二十五年度は、新宿線の混雑緩和を図るため、三編成をそれまでの八両編成から十両編成に変更し、輸送力を増強したところでございます。

○高倉委員 ぜひ、引き続きしっかり輸送力の増強には取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そして、車両の混雑状況にかかわる課題として、きょうは、ひとつ要望ということでお話をさせていただきますけれども、女性専用車両の導入といった課題があるというふうに思っております。平成二十五年度の時点でも、現在もそうですけれども、都営地下鉄においては、女性専用車両が導入されているのは新宿線だけであるということであります。
 都営地下鉄を利用しますと、駅の構内には、女性へのいわゆる痴漢根絶に向けたアピールポスターといったものも張ってあるわけでありまして、実は私も実態はよく承知はしていないんですけれども、年間を通して、さまざまな実態があるのではないかなというふうに思っておりまして、例えば把握をされているような実態といっても、もしかすると氷山の一角ではないかと、このような思いも強くするわけであります。都営新宿線以外の三つの路線についても、女性専用車両の導入といったことをぜひ検討すべきだというふうに思っております。
 これまでも、交通局さんとさまざまな形で、この課題については意見交換をしてきておりますけれども、例えば浅草線、それから三田線といった路線については、ほかの私鉄線との相互乗り入れということがありますので、東京都交通局だけの判断では、なかなかこれは実現できない、いわゆる調整協議が必要な路線ではないかというふうに思いますけれども、一方、大江戸線については、これは相互乗り入れがあるわけではありませんので、東京都交通局独自の判断で検討もしくは導入といったこともできるのではないかというふうに思います。
 大江戸線の状況を見ますと、車両が比較的小さいというようなこともあって、こういうことの導入をした場合に混雑をより高めてしまうというか、こういった課題も当然あるんだというふうに思いますけれども、先ほどちょっと答弁もいただきましたけれども、一方で、輸送力の増強を図っているというような状況もあるわけでありまして、ぜひ、そうした点も含めて今後ご検討をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 次に、都営地下鉄の省エネの取り組みについてお伺いをしたいと思います。
 東日本大震災を契機としまして、省エネの取り組みといったものが大変クローズアップをされてきているわけであります。電気を使う都営地下鉄においても、この省エネということについては、経営の面からも不断の取り組みが必要であるという課題だと思います。
 省エネにはさまざまな取り組みがあるわけでありますが、例えば外を走っている自動車を見ますと、今、ハイブリッド車が随分走っているわけでありますけれども、車が走るというときではなくて、いわゆるブレーキをかけてとまっていくとき、制動するときに、今度はその力を利用して発電するといったことで、車の制動のエネルギーを再利用しているという面もあるわけであります。
 地下鉄の場合は、スタートするときは、どんどんスピードを上げてスタートするわけですけれども、今度は、次の駅にとまるときは、ずうっとブレーキをかけていって駅にとまるということで、こうした制動のエネルギーといったものも十分に活用できるのではないかなと思います。
 このことについては、既に交通局としては、さまざまな取り組みをされているということであります。このことについて、ぜひわかりやすくご説明をいただきたいのと、あわせて、平成二十五年度における都営地下鉄の省エネの取り組み状況についてお伺いをしたいと思います。

○石井車両電気部長 これまで都営地下鉄では、さまざまな省エネルギー対策に取り組み、電気の使用量削減に努めてきております。
 特に車両の更新につきましては節電効果が大きいことから、VVVF制御装置など効率のよい装置ですとか省エネ機器を積極的に採用しております。
 ほかに、車体の軽量化ですとか、エネルギーを有効に利用できる電力回生システム等の導入にも取り組み、更新前の車両に比べ約二〇%の電力を削減しております。
 削減した年間の電力量は、全体で一般家庭約一万六千世帯分の使用電力量に相当いたします。
 このほか、駅などの車両以外の電気設備におきましても、新設時や更新時に省エネで効率的な機器を採用するなど、節電に努めております。
 また、従来の蛍光灯に比べ大幅な節電効果がありますLED照明の導入も進めておりまして、平成二十五年度末時点で、車両は千百十六車両中七十両、約千七百カ所、駅は百一駅中二十六駅、約六千カ所にLED照明を採用しております。

○高倉委員 今、詳細な説明があったわけでありまして、車両の更新のときも活用して、省エネ効果の高い機器をどんどん導入しているといったようなお話も今あったわけでありまして、まだまだこれから取り組む余地がたくさんあるのではないかなというふうに思います。
 車両の更新も含めまして、都営地下鉄全体での省エネの取り組みを今後とも積極的に取り組んでいくということが大変重要だと思いますけれども、そうした今後の取り組みについて見解をお伺いしたいと思います。

○石井車両電気部長 車両の更新につきましては、引き続き、VVVF制御装置などの効率のよい装置を導入するほか、機器の省エネ化や車体の軽量化などをより一層進めまして、さらに省エネルギー化を図ってまいります。
 また、駅等におきましても、老朽化した設備の更新に合わせ、より効率的な機器を導入してまいります。
 LED照明につきましても、平成二十六年度に新たに、車両で五十六両、約千二百カ所、駅で十三駅、約五千二百カ所に採用するなど、計画的に導入を進めてまいります。
 今後も、最新の技術動向を踏まえまして、省エネ技術の情報収集に努めるとともに、より効率的な機器の採用など、積極的に省エネルギー対策に取り組んでまいります。

○高倉委員 先ほども、柴崎委員の方から地下鉄の浸水対策ということの質疑がありましたけれども、私の方からも、この問題について簡潔に質疑をさせていただきたいと思います。
 ことしは全国各地で大雨が降りまして、所によっては大変甚大な被害が発生をしたという事態でありました。
 東京においても、大雨による浸水被害への備えということは、大変重要な防災対策の一つであるというふうに思います。特に都営地下鉄については、地下に駅が、あるいは路線があるわけでありまして、構造上、水害への備えには、さらに万全な対策ということが必要ではないかと思います。特に、地上部分そのものが低い位置にある、そうした地下鉄の駅、路線については、さらにしっかりとした対策が求められるのではないかなと思います。
 そこで、平成二十五年度におきます都営地下鉄駅の駅出入り口の浸水防止設備の設置状況について明らかにしていただきたいと思います。

○野崎建設工務部長技術管理担当部長兼務 都営地下鉄では、周辺の地形や過去の浸水被害を考慮し、また、沿線各区が公表しておりますハザードマップを踏まえ、想定される浸水の深さに応じて、九十四駅、三百七十七カ所の駅出入り口に浸水防止設備を設置し、駅構内への浸水被害の防止を図っております。
 浸水防止設備の内訳でございますけれども、まず、駅出入り口に設けているガイドレールに止水板をはめ込む落とし込み式止水板を三百七カ所、次に、駅出入り口の床面に埋め込まれている止水板を垂直に立ち上げるはね上げ式止水板を三十九カ所、さらに、駅出入り口付近の壁面に設置している金属製の扉を閉めることで浸水を防止する防水扉を三十一カ所設置しております。

○高倉委員 今、答弁でいろいろとお話があったわけですが、例えば落とし込み式の止水板という話がありました。これは、実際に設置をするのに、自動ではなくて、駅員の方がいわば人力でといいますか、駅員の方みずからが板を運んできてはめ込むというような設備であるというふうに思います。
 こうした落とし込み式の止水板も含めまして、駅の浸水防止設備の作動に駅係員がどういうふうに関与をする形になっているのか、このことについて明らかにしていただきたいと思います。

○太田電車部長 都営地下鉄では、水害等の異常時には、駅務管理所ごとに定めた異常時対応マニュアル等に基づき対応することとしております。
 駅の出入り口から浸水のおそれがある場合は、直ちに現場の状況を確認し、総合指令等、関係各所に連絡するとともに、駅係員が分担して止水板などの浸水防止設備の設置に当たります。
 ただいまお話のございました、設置数が最も多い落とし込み式の止水板では、出入り口の階段下などにある止水板格納箱から駅係員が一枚ずつ運び、出入り口壁面のガイドレールに沿って順番に落とし込んだ後、最後に固定とめ具で固定し、設置いたします。
 各駅では、全ての駅係員が浸水防止設備を迅速、確実に設置できるように、毎年訓練を複数回実施し、お客様の安全確保に努めております。

○高倉委員 今、さらに詳細に説明をいただいたわけでありますけれども、実際の水害の発生時には、その対策において、駅の係員の方々の人の力が大変大きなウエートを占めているというような感じを持ちました。
 実際に災害が発生をしたとき、これは当然ながら停電といった事態も予想されますし、停電がなく例えば自家発電の装置が仮にあったとしても、水によって電気系統に支障が出るといったことで、電気と動力が使えなくなるといったことも想定されますので、人の力によるということは、一方では大変大事なところだというふうに思います。さらに、いろいろなケースで災害が発生をしますので、場合によっては、必ずしも人の力が十分でない、手薄なときに災害が発生する危険性もあるといったことも想定をしておかなければならないんだというふうに思います。
 ことしの五月に、私は、都議会公明党の同僚の議員とともに、大阪の堺市にあります民間の実験施設に参りまして、自然起立型防潮堤という設備の実験を拝見してまいりました。
 これは、洪水とか津波のときに、川底とか海底にゲートを伏せておきまして、水が襲ってきたときに、その浮力でゲートが浮き上がっていくという設備なんですね。したがいまして、実はこれは電気で動いているわけではなくて、電力は一切必要がない、そして、まさに水の力によって浮き上がるものですから、いわゆる係員を、作業員を配置しておく必要もないというものでありました。
 それから、私たちが見に行ったとき、その前に、実は静岡の海で津波の防潮堤に使われている実験というのを見てきました。これは大変大がかりな措置でありましたけれども、原理は同じでありまして、もっと幅も小さく、高さも低くできるわけでありまして、防潮堤とか水門のほかに、浸水被害の防止のために、ビルあるいは地下街の入り口にも設置ができるし、先ほどからお話をしている地下鉄駅の入り口にも活用ができるというようなものでありました。
 繰り返しになりますけれども、災害のときには、動力となる電源が喪失をする、一方で人手が足りなくなる、さまざまな事態を想定する中で、まさにこうした民間の技術といったものも参考にして、今後、どういうふうな浸水対策の、例えば設備の面でもどういう対策を講じていけるのか、こうしたことをぜひ十分ご検討していただくように要請いたしまして、質疑を終わりたいと思います。

○畔上委員 私からも、都営地下鉄につきまして、大綱二点、伺いたいと思います。
 初めに、浸水対策の問題です。
 今、お二人の方からもお話がありましたが、本当に近年、地球温暖化の影響、また、異常気象によって極端な大災害が各地で起こっているということであります。こうした中で、改めて首都東京で台風やゲリラ豪雨対策をしっかり耐震対策とともに行っていくことは非常に重要だというふうに思っています。
 先ほど、これまでの都営地下鉄の浸水対策についてのご説明をいただきましたが、二〇一三年度に拡充させた取り組みについて、まずお示しいただきたいと思います。

○岡本安全管理担当部長 都営地下鉄では、平成十二年九月の東海豪雨の規模を想定いたしまして沿線各区が公表したハザードマップに基づいて浸水防止設備の整備を進めてきたと、先ほどお話ししたとおりでございます。
 平成二十五年度におきましては、止水板を一カ所、浸水防止機を十三カ所増設しまして、必要とされる全ての箇所で整備を完了いたしました。
 また、毎年、都営地下鉄全体で、駅への浸水を想定いたしました訓練として、駅、運転、保守の各部門の合同により、お客様の避難誘導、止水板や土のうの設置、部門間の情報伝達等を内容とした自然災害防止訓練を行っております。平成二十五年度におきましては、大江戸線の勝どき駅で実施いたしました。

○畔上委員 昨年度は一カ所の訓練だったということでありますね。
 ハードの面なんですけれども、地下鉄のハード面での災害対策について、二〇一三年度に国庫補助及び一般会計補助金の交付対象となった事業はあるのでしょうか。

○小泉総務部長 地下鉄の災害対策のうち、平成二十五年度に国庫補助金及び一般会計補助金の交付対象となりました事業は、高架橋の橋脚及び地下駅の中柱の耐震補強工事のみでございます。
 なお、浸水対策については交付対象事業とはなっておりません。

○畔上委員 水害、浸水対策に対する国庫補助は、そもそも項目がないというお話なんですが、それ自体、私は改善が必要だなというふうに思いました。
 先ほど浸水対策は完了といわれたんですが、しかし、今、改めて、先ほど来、皆さんからもお話があったように、局所的な豪雨の対策ということが、やはり国でも、東京都としても、さらなる対策の拡充が求められる、そういう水準に来ているんじゃないかというふうに思うんですね。
 そういう点では、やはり耐震化助成と同じように、喫緊の課題の水害対策、浸水対策促進のための補助をぜひ国に求めると同時に、一般会計でも浸水対策促進のための補助を拡充するように、交通局としても、財務に、また国にぜひ要望していただきたいというふうに思います。
 建設局や下水道局は、こうした都市型の水害対策として、国に対しては、来年度要望としても、必要額を確実に配分しなさいという要望をされています。そういう点では、交通局として、ぜひ要望していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 中央防災会議が二〇一〇年四月に発表した首都圏における大規模水害の被害想定の結果を踏まえまして、東京都として、ことしの六月の豪雨対策基本方針が出されたわけですが、それを受けて、交通局として対策をさらに拡充する、強化する、そういう点はあるのでしょうか。

○岡本安全管理担当部長 都営地下鉄に設置しております浸水防止設備は、平成十二年九月に一時間当たりの最大雨量百十四ミリを記録した東海豪雨の規模を想定して整備しております。
 東京都豪雨対策基本方針がおおむね三十年後の床上浸水防止の目標としております一時間当たり七十五ミリの雨量に対して、既に対応を済ませております。

○畔上委員 今お話があったように、地下鉄では七十五ミリで対応済みだというお話なんですが、やはり近年の降雨特性を踏まえて進めることが大事だということが、都の豪雨対策基本方針でも述べられているわけです。
 私の地元は江東区なんですが、この江東区のハザードマップでも最大百十四ミリ、交通局としても、時間最大は百十四ミリで想定していますよというお話ではありましたけれども、江東区のハザードマップでは、地下鉄はあっという間に冠水しますというふうに書いてあって、洪水時に特に危険な場所だということで、地下街、地下鉄を警告しているんですね。
 やはり私は、地域特性をしっかり踏まえていただきたいと思いますし、また、繰り返しますけれども、近年の豪雨特性もしっかりと含めて再検討していただきたいと思います。
 そして、災害対策の訓練、先ほどのお話では一年に一駅ということでありましたけれども、もっと各駅でしっかりと訓練もやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 昨年の公決におきまして、かち議員が、浅草線の本所吾妻橋駅のトンネル内の防水ゲート、防水扉が手動であることを指摘して改善を求めたのに対しまして、交通局は、電動化の必要はないというふうにご答弁されていました。
 トンネル内の防水扉を操作する必要性の発生というのは、どんな事態を想定されていらっしゃるのでしょうか。

○野崎建設工務部長技術管理担当部長兼務 都営地下鉄浅草線本所吾妻橋駅付近に設置されておりますトンネル内の防水扉は、台風や大雨の際の押上駅トンネル入り口からの浸水対策として、昭和三十五年の浅草線開業時に設置されたものでございます。

○畔上委員 昭和三十五年の開業時の設置だというお話であります。
 都営地下鉄のほかの四カ所、新宿線の森下、浜町、それから大江戸線の築地市場と蔵前は、トンネル内の防水扉は電動で行われております。
 東京メトロは、河川の管理者からの指導を受けまして、河川の川の底の崩壊を想定した対策として、トンネル内の防水ゲートと出入り口への防水扉の設置を行っているということでありました。そして、私、東京メトロに確認したんですが、トンネル内の防水ゲートは全て電動だということでありました。
 つまり、都内の地下鉄の中で、唯一、手動で行われている防水扉というのが、この本所吾妻橋駅のトンネル内の防水扉だけだということであります。
 昨年度、本所吾妻橋のトンネル内の防水扉、防水ゲートを電動にすることは検討されなかったのでしょうか。防水ゲートは、やはり電動にすべきではないでしょうか。

○野崎建設工務部長技術管理担当部長兼務 万が一、防水扉を操作する必要が生じた場合でも、気象情報をもとに事前に準備を行えること、また、扱い訓練を毎年実施し操作の習熟を図るなど、万全の体制をとっていることから、手動であっても十分に対応が可能であり、防水扉の電動化は必要ないと考えております。

○畔上委員 先ほど申し上げたように、東京メトロの場合は、河川の川底の崩壊も含めた対策として講じられているわけですね。都のご説明では、先ほどの押上駅のトンネル入り口からの浸水しか想定していないわけです。しかも、手動というのは本所吾妻橋だけだということでありますから、ここだけは手動でいいよということにはならないと私は思うんです。そういう点では、やはり本所吾妻橋も含めて電動にするということをぜひ進めていただきたいと、これは意見として述べておきたいと思います。
 さて、都営地下鉄の場合、隅田川以東の駅舎の出入り口での防水扉の設置状況はどうなっていらっしゃるでしょうか。

○野崎建設工務部長技術管理担当部長兼務 都営地下鉄の隅田川より東に位置する駅出入り口で浸水対策として防水扉を設置しておりますのは、新宿線では、森下駅など五駅二十カ所、大江戸線では、両国駅など四駅七カ所でございます。

○畔上委員 東京メトロにこれも確認したんですが、隅田川以東の駅舎については、全ての駅舎の出入り口は、止水板の設置と同時に防水扉をつけているということでありました。
 新宿線の大島とか西大島などは、ハザードマップでは水深一メートルから二メートルということですから、駅の出入り口は、そもそも階段が三段ぐらい上がってから、また地下におりるというような構造になっておりまして、それとあわせて防水扉も設置されております。
 しかし、例えば大江戸線の清澄白河駅の場合は、出入り口は大江戸線側で四カ所あるんです。出入り口によっては高さが違うんですが、海抜〇・六メーターというところで、ハザードマップで浸水一、二メートルのところでは、さすがに防水扉はあるんですが、防水扉のない出入り口もございます。清澄白河駅の駅員の配置というのは、助役が二人、それから、鉄道営業の泊まりは三人というふうになっております。
 そういう点では、隅田川以東の浸水対策の強化をぜひ本腰を入れて行っていただきたいと、これも要望として申し上げておきたいと思います。
 次に、バリアフリー対策についてです。今回は、視覚障害者の問題でお伺いしたいと思います。
 九月八日に、全盲の女子学生がJRの川越駅で、白杖が触れた、つえがどなたかに触れたということで蹴られてしまったという事件がございました。この事件とか、それから盲導犬が傷つけられる事件がこの間、相次いだことを受けて、埼玉県の視覚障害者福祉協会が九月に県内や東京都内などの視覚障害者にアンケートを行って、六七%の方が外出時に危険を感じたというふうに回答したことがわかったという報道がありました。
 視覚障害者の皆さんの安全な歩行を支えるはずの点状ブロックの役割が十分に発揮されない現状を、やはり一日も早く改善する必要があるというふうに思いますし、交通局におかれましても、視覚障害者の皆さんが安心して都営交通が利用できるようにすることを強く求めたいと思います。
 まず伺いたいんですが、都営地下鉄において二〇一三年度に視覚障害者の安全対策として講じた対策はどういうものだったのでしょうか。

○太田電車部長 平成二十五年度に視覚障害者の安全対策として実施しました駅施設の改善は、触知案内図の設置、ホーム階段などの位置を知らせる音声案内の設置、ホームの先端などへの点状ブロックの整備でございます。

○畔上委員 この間、可動式ホーム柵の設置については繰り返し求めてまいりましたが、新宿線が順次設置ということになったことは前進だと思いますが、浅草線においては、いまだ見通しが立っていないということであります。
 浅草線の可動式ホーム柵の検討状況をお示しください。

○根木企画担当部長 浅草線につきましては、交通局も含め京成電鉄や京浜急行電鉄など五つの事業者で相互直通運転を実施しており、ホームドアを設置するには、乗り入れている各社の車両にも新たに定位置停止装置を搭載する必要があるなど、さまざまな課題がございます。
 こうしたことから、現在、京成電鉄や京浜急行電鉄と情報交換を行っているところでございます。

○畔上委員 京急線では、先日、この方は視覚障害者の方ではありませんでしたけれども、車椅子の方が転落するという事故がございました。京急線は、ご答弁のあった五つの事業者の一つなわけですけれども、浅草線がホームドアの設置をしっかりと具体化していく、このことが京急や東急、それから京成、北総線のホームドアの促進につながっていくんじゃないか、やっぱり東京都がこういうときこそイニシアチブを発揮すべきじゃないかというふうに思います。
 今、ホームドアについては情報交換をしているんだというお話がありましたけれども、ホームドアの種類というのは、さまざまな工夫があって、やり方によっては設置は十分可能だというところまできていると思うんですね。そういう点では、浅草線での早急な設置を求めたいと思います。
 視覚障害者の方と先日、電車に乗ったんですが、そのときに、ホームドアがあるとないとでは安心感が全然違うんだというお話を伺いました。そして、ホームドアがないホームは、せめてJIS規格の点状ブロックで統一してほしいというお話を伺ったので、私も改めて新宿線などの点状ブロックの点検をしてみました。
 そうしますと、ホームによって点状ブロックが全然違うんだということを私も初めて認識いたしました。例えば、曙橋のところでは、点状ブロックの一枚の点の数が八掛ける十になっていた。住吉駅は八掛ける六だった。西大島駅が四掛ける五だったと。
 現在のJIS規格が四掛ける五だというふうに伺っていますけれども、ホームの点状ブロックが駅によってこんなに違うというのはなぜなのでしょうか。

○仁田山調整担当部長 都営地下鉄における視覚障害者誘導用ブロック、いわゆる点状ブロックは、国のガイドラインやJIS規格等に基づきまして、昭和五十五年に初めて新宿線に設置したのを初め、以降、浅草線、三田線及び大江戸線に順次整備してまいりました。
 この間、国のガイドライン等が変遷しております。まず、国が昭和五十八年に、公共交通を対象とした公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設整備ガイドラインを初めて制定いたしました。その後、平成十二年の交通バリアフリー法制定に伴い、平成十三年に移動等円滑化整備ガイドラインが制定され、今日まで数度改定されております。
 また、平成十三年九月には、点状ブロックのJIS規格が初めて制定されました。
 ホームの点状ブロックが駅によって異なるのは、こうしたガイドライン等の変遷に伴い、点状ブロックの規格が変更され、その時々の規格に基づき点状ブロックを設置してきたためでございます。

○畔上委員 今、るるその経過についてご説明をいただいたわけですけれども、視覚障害者の方は、同じ路線に乗ったのに、乗った駅とおりた駅で点状ブロックが違うということでは本当に戸惑う、そういう状況があるんだというふうに伺っています。
 新宿線の曙橋の駅は、私も歩いてみたんですけれども、点状ブロックがかなり古くなっていて、すり減っている部分もありました。
 二〇一三年度は、全ての駅舎の点状ブロックを点検したのでしょうか。私は、全ての駅舎の点状ブロックの点検をするべきだと思いますけれども、求めたいと思いますけれども、いかがですか。

○仁田山調整担当部長 都営地下鉄の全ての駅では、点状ブロックも含め、駅施設の点検を年二回行っております。この点検結果を踏まえ、必要な修繕については適切に対応してございます。

○畔上委員 今、必要な修繕については適切に対応されているというお話でしたけれども、先ほどいいました曙橋の点状ブロック、これはかなり古くなっていて、点の高さも低いんですね。それで、視覚障害者の方たちからも、何年も前からこの改善要望を出されていたものなんです。しかし、ずっと改善されてこなかった。点検しているのであれば、何のための点検だったといえるのでしょうか。
 全てのホームの点状ブロックは、私は直ちに現状のJIS規格のブロックに統一するなど改善をすべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 あわせて、この点状ブロックの敷き方について、通路も含めた改善など、視覚障害者の皆さんの声をよく聞いて行うことを求めたいと思いますが、いかがですか。

○仁田山調整担当部長 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー新法第八条第一項において、施設設置管理者が講ずべき措置といたしまして、旅客施設を新たに建設し、もしくは大規模な改良を行うときは、公共交通移動等円滑化基準に適合させなければならないとされております。
 このことも踏まえ、交通局では、既設の点状ブロックについては、駅の大規模改修等に合わせて、最新のJIS規格に適合するよう改修していくこととしております。
 また、改修に当たりましては、視覚に障害をお持ちの方を初めとするお客様等のご意見も参考に適切に対応してまいります。

○畔上委員 事は安全の問題ですから、やっぱり私は--大規模改修に合わせていたら、それこそ何年もかかっちゃうわけですよ。ですから、せめてホームドアのない新宿線、それから浅草線については、点状ブロックは早急に新しいJIS規格の点状ブロックに改善していただきたい、これは意見として申し上げておきたいと思います。
 視覚障害者の方々の場合は、階段かエレベーターに誘導するという点状ブロックの敷き方になっているんですけれども、ホーム柵がない、そういう危険なホームを歩く場合には、エスカレーターに誘導した方がむしろ安全じゃないか、こういう声も伺っています。
 三田線の大手町駅、新宿線の新宿駅、それから大江戸線の清澄白河駅などは、エスカレーターの音声案内はあるんですけれども、そういった事情で階段かエレベーターに誘導するという、これまでのバリアフリー法の規定に基づいてやったんだと思いますけれども、ほとんどのエスカレーターは音声案内がないんですね。
 いただいた資料によりますと、二〇一三年度、トイレへの誘導とホームへの誘導があったんですけれども、やはりエスカレーターの音声案内というのはないわけです。そういう点では、エスカレーターの音声案内をすべきではないでしょうか、いかがですか。

○仁田山調整担当部長 現在、エスカレーターの音声案内装置については、移動等円滑化整備ガイドライン等に基づき設置しております。
 音声案内装置が未設置のエスカレーターは、ガイドラインの当該規定が定められる以前に整備されたものでありまして、今後、ガイドラインの規定に基づき、エスカレーターの更新に合わせて音声案内装置を整備していくこととしております。

○畔上委員 エスカレーターの更新に合わせてというお話なんですけれども、現状の中でも設置できる箇所はないのでしょうか。例えば三田線の大手町駅では、音声案内は上りのエスカレーターしか最初はなかったんですね。しかしながら、視覚障害者の皆さんがつけてほしいという要望をされていて、私も現地に調査に行ってみたら、改善されて、今は下りも音声案内がされておりました。
 昨年度の移動等円滑化整備ガイドラインの改定によって、改めて、利用者の動線が遠回りをすることがないように配慮する必要があるというふうに規定しておりました。とりわけホーム柵がない、そういうホームで、点状ブロックではエレベーターに誘導されているけれども、ホームを長く歩く方がむしろ危険だというところでは、私は近くのエスカレーターに乗る方が、むしろ安全確保の上でも重要だというふうに思うんです。
 そういう点では、もちろんエレベーターも大切な移動手段ではありますけれども、エレベーターを探す、そういう困難のことを考えたり、また、乗りおりの位置確認に、視覚障害者の方の場合にはとりわけ時間を要するわけです。そういうことを考えたときには、やはり点状ブロックをエスカレーターの方にもきちんと誘導して、エスカレーターに安全に乗れるように音声案内をしていくということをぜひやっていただきたい。繰り返しますけれども、とりわけホーム柵のないホーム、こういうところでは、エスカレーターは直ちに音声案内をつけていただきたいということを要望して、私の質問を終わりたいと思います。

○中村委員 それでは、交通局所管の三つの会計の決算について質問いたします。
 公共交通の役割として、路線による収益事情がそれぞれ異なる中で、全体として経営を維持することで交通不便地域の解消を図り、かつ安全な運行を行うことが重要です。以下の質問では、こうしたことを主眼として決算について伺いたいと思います。
 まず最初に、二十五年度の予算の達成度と成果を伺います。
 円安などによる建築資材の高騰や東日本大震災の復興支援による技術者不足などにより、多くの公共事業について契約不調が出ていますが、交通局の事業に影響はどう出ているのでしょうか。
 二十五年度の予算と、二十五年度が初年度の三カ年計画である交通局経営計画二〇一三の掲げた目標は一致をしていると思いますが、計画に掲載された二十五年度の達成とされたうち、その結果として、耐震強化など四事業が未達になったとのことです。
 そこで、経営計画二〇一三で未達となった四事業の今後の取り組み、及び達成できた事業に関しても、当初予算に比べて事業費が膨らんでいないのか、伺います。

○根木企画担当部長 計画事業百事業のうち、地下鉄施設の耐震対策の強化など四つの事業につきましては、入札不調や法令改正による設計の見直し等の理由により、平成二十五年度の計画目標に到達することはできませんでした。これらの事業につきましては、発注方法を工夫することで契約を締結し事業に着手するなど、計画期間内の完了に向けて取り組んでいるところでございます。
 また、平成二十五年度における計画事業の決算額は約百六十億円であり、当初計画の範囲内におさまっております。

○中村委員 計画の後、社会状況の変化ということは起こり得るものです。今年度の未達成分は、計画期間内に向けて取り組まれるとのことですが、状況の変化に対応して新たな目標設定を行い、変化に対応していただきたいと思います。
 さて、この交通局経営計画二〇一三は、既に今行われつつあるわけですが、定量的な数値目標が少ないという感じを受けます。都議会民主党は、さきの定例会の代表質問でも、長期ビジョンに関して、都民の生活満足度、住民幸福度をより重視し、都民がイメージしやすい目標を設定することが必要と主張しました。
 公共交通の役割として、高齢者の増加への対応や顧客の満足度向上なども指標として示していくことが必要だと思いますが、見解を伺います。

○根木企画担当部長 交通局経営計画二〇一三では、計画期間中の財政収支目標のほか、計画事業につきましては、例えば駅へのエレベーターの整備目標など、可能な限り数値目標を明らかにしてございます。また、毎年度、各事業の達成状況や進捗状況のほか、都営交通巡回モニターによるサービス評価の結果などを局のホームページで公表するなど、都民、お客様に対して情報の開示に努めてございます。

○中村委員 これから少子高齢化時代も進んでいきます。特に今、高齢化社会ということになるといろいろと状況も変わっていきますし、顧客のニーズも変わるところもあるかと思いますので、的確に把握をしながら、こういった動きに対応していただきたいと思います。
 次に、財務状況について伺います。
 地下鉄の平成二十五年度末の累積欠損金は三千八百四十七億円、長期債務は九千八十五億円と、金額が余りに大きいのですが、経営計画にも、いつ累積欠損と長期債務を完済するのかは書かれていません。早期に完済しないと、毎年支払う利子も膨大になります。地下鉄事業を初め日暮里・舎人ライナーなど、全事業で昨年度支払った利子の金額は約百九億円とのことです。
 利子負担を早期に軽減するためにも、長期債務の完済に向けての計画を立て、早期に完済すべきと考えますが、見解を伺います。

○小泉総務部長 長期債務でございますけれども、企業債には、世代間の負担を公平にするという意義もございます。このため、こうしたことも念頭に、長期債務につきましては縮減に努めつつ、適切に管理してまいりたいと考えております。

○中村委員 世代間の負担の公平とか、適切な管理が行われるということですが、そうであれば、なおさらに見通しを立てていくことが大切だと思います。毎年支払う利子の金額も大きいわけですから、完済に向けた計画的な取り組みを求めます。
 次に、関連事業について伺います。
 関連事業収入は本業ではないので、そこに依存した経営になるのは余り好ましいことではないと思います。構内営業については、周辺地区の民間事業者への影響から、どこまで拡大するかも注意が必要です。
 交通局の資産管理と活用はどうなっているのでしょうか。未利用地はどのくらいあるのでしょうか。私は、処分をして早期に完済することが検討されるべきだとも思います。包括外部監査でも指摘があるのですが、早期に処分等を含めた有効な資産活用の方法を検討することが必要とされています。
 新規の地下鉄建設がなければ、代替地を保有している意義もないとも思われますが、見解を伺います。

○樋口資産運用部長 交通局所管の普通財産で、現在、恒久的な利用に供していない未利用地は、小規模な用地を除きました二百五十平方メートル以上一千平方メートル未満の土地が八件、一千平方メートル以上二千平方メートル程度の土地が七件の合わせて十五件でございまして、このうち、売却予定の一件を除きまして、全て駐車場として暫定活用しております。
 これらの土地は、例えば地下鉄の変電設備を更新する際に、資材や機材の置き場として利用することなども想定する必要がございます。
 こうしたケースや包括外部監査の指摘も踏まえまして、土地の処分等について検討してまいります。

○中村委員 駐車場ということであれば、設備更新のときの資材置き場にすぐ転用できるとは思いますが、設備更新の際に資材置き場の確保をその都度やるのは大変なのでしょうが、そのためにずっと土地を確保していくのがよいものなのかということはあります。そのときだけ、どこかから借りるというのも大変だとは思いますけれども、そういったことを、それぞれどちらがいいかということも検討しながら、財政面からの検討をしていく必要があるというふうに思っております。
 さて、事業展開をする上で不動産を保有しているということですが、長期債務を抱え、利子の支払いがあるのであれば、先ほどもいいましたが、処分をして早期に完済するということも検討すべきです。資産活用をするとはいえ、そこにはリスクもあるので、必要以上に保有することは見直しが必要ではないかと思います。仮に、すぐに処分ということにならないなら、全庁的な課題の中で、保育園や特別養護老人ホームなどへの活用も考えることはいかがでしょうか。
 そもそも、では、この不動産を保有しているという意義は何でしょうか、改めてお伺いします。

○樋口資産運用部長 交通局におきましては、自動車事業、地下鉄事業などの本来事業の経営基盤の強化に寄与するために、保有する土地建物などの不動産を有効に活用しているところでございます。
 活用に当たりましては、東京都全体の施策に沿った地域のまちづくりにも寄与していくなど、利用者や地元の理解をいただきながら事業を推進しております。

○中村委員 経営基盤の強化ということですが、先ほども申しましたが、資産の活用には常にリスクも伴い、また民間との競合にもなります。十分そうしたことも検討していただきたいと思います。
 さて、関連事業では広告事業も展開をしていますが、景気の動向が厳しい中、あいているところも多いようです。公営企業のために、都の広報にも利用されているところもあるようです。
 それでもまだまだあいているところがあれば、例えば、東京都の役割として、中小企業の広告を割安で掲載するといったことも考えられるのではないかと思いますけれども、見解を伺います。

○樋口資産運用部長 交通局におきましては、都営地下鉄やバスの車内、駅構内などのスペースを有効活用し、長期的に安定した収入を得ることを目的として広告事業に取り組んでおります。
 広告料金につきましては、公共的な目的で掲出する場合は割引をすることもございますが、公平性の観点から、掲出場所、掲出期間、掲出規模に応じて設定をしておりまして、割引料金の設定にはさまざまな課題があると考えているところでございます。

○中村委員 あいていないということであればともかく、あいているわけですから、そこを有効活用するということも必要だと思っています。もちろん、広告料金の値崩れを起こすということになっても困るところがあるのでしょうが、そもそも広告を出す余裕がない中小企業のための活用ということは、あいているときだけであれば、一般の広告とは競合しないというふうに思いますので、ぜひとも今後検討していただきたいというふうに思っています。
 次に、グループ経営について伺います。
 これまで都議会民主党は、監理団体、報告団体等の関連団体については、各委員会でその透明性、公平性について指摘もしてきました。
 今回、経営計画にはグループと一体とあるわけですが、余り具体的には記載がないようですので、どういう意義があるのでしょうか、伺いたいと思います。
 包括外部監査でも、清掃などは競争性を発揮すべきと指摘があります。グループとしての効果があるのでしょうか。監査に対してどのような対応をしたのか伺います。

○小泉総務部長 交通局では、経営計画二〇一三で、関連団体との効果的な役割分担のもと、一体的な事業運営を行っていくこととしております。これに基づき、お客様の安全に直接かかわる業務の一部を委託する場合には、関連団体に担わせることで経営の効率化とともに安全の確保を図っており、清掃事業につきましても、セキュリティーや安全を確保する必要がある場所については関連団体に委託してまいりました。
 しかしながら、包括外部監査の意見を受けましたことから、清掃場所ごとに必要度などを改めて精査し、競争入札の適否について検討を行っているところでございます。

○中村委員 包括外部監査を受けて対応を検討していただくとのことでした。もとより安全の部分は大切ですけれども、そこはしっかり見ていただきたいとは思うんですが、こういった機会に、検討する際に、全体的なあり方も含めて検討していただきたいと思っています。
 さて、石原元都知事以降、都庁全体で財政再建が必要だったとはいえ、急激に職員を減らしているようですが、その影響は出ていないのでしょうか。また、これは単純に削減なのか、その分を委託で補充しているのか。また、削減により、職員の年齢構成、安全についてどうなっているのでしょうか。職員の健康管理は大変重要で、とりわけメンタルでの休業者がどのくらいなのか、お伺いします。

○小泉総務部長 交通局では、組織や業務運営の見直し、委託の拡大などにより経営の効率化を推進してまいりました。実施に当たりましては、安全面やサービス面など事業運営に支障を及ぼさないよう、関連団体に駅業務や保守業務の一部を担わせることで、安全で安定的な業務履行を確保しています。
 こうした取り組みによりまして、局の職員数は、平成十一年度の八千六百九十八人から二十五年度には六千二百九十二人となりました。職員の平均年齢は、平成十一年度の四十一・六歳から二十五年度には四十四・九歳となりました。
 なお、平成二十五年四月一日時点で、メンタルヘルスに関する疾患により九十日以上にわたり職場を休んでいる病気休職者は十五人でございます。

○中村委員 これは、決算上、職員の給与というのは人件費になると思うんですが、委託の場合は物件費になると思います。事業の規模が変わらなければ、見かけ上の人員削減とは違い、実際に働いている人はいるのですから、乗客の安全の確保が大切であり、そのためには職員の健康も大切です。とりわけ、こうした効率化が行われると、残された方々の負担がふえてメンタルが問題になり、委託を受けて従前よりも低い待遇で同じ仕事をする場合にはモラルの低下などが起きがちです。いずれにしても、安全面に支障が出かねませんので、そのようなことが起らないようにしていただきたいと思います。
 次に、そういった面で、バス事業の管理の委託について伺います。
 バス事業の中で、はとバスに委託をされているところもあるというふうに聞いておりますが、委託料、路線はどのくらいでしょうか。委託により、どのくらい経営状況が変わっているのでしょうか。
 一般的に業務委託というと、専門性のある一分野を委託する場合はあるんですが、本業そのものの一部を委託しており、その意義が問われますが、見解を伺います。

○渡邉バス事業経営改善担当部長 バス事業における管理の委託とは、道路運送法に基づき、交通局がダイヤ、運賃等の決定権を留保しながら、事業所における運行等の業務を外部に委託するものでございます。これは、都営バスのサービス水準を維持しながら経営の効率化を図る上で有効な手段の一つであります。
 平成二十五年度におきましては、契約金額は約三十一億円、委託路線は三十九系統でございます。
 管理の委託によるコスト削減効果につきましては、委託金額を直営で運営した場合の人件費等と比較して算出した場合、平成二十五年度において、三割程度の削減効果に相当いたします。

○中村委員 直営よりも人件費が安いから委託をされているようですが、安全などの直営との場合との差はないのでしょうか。路線の決定は都がするので、委託先が選定するわけでもありません。公共交通の役割を考えると、コストダウンのためだけに委託を拡大するのであれば不安にもなります。
 直営と同じだけの安全が都民に保証されているのか、都はどう指導しているのか、事故数は、直営とはとバスと比べてどうなっているのか伺います。
 また、これまでの事故の推移と委託の規模拡大に相関性はあるのかどうか伺います。

○渡邉バス事業経営改善担当部長 委託に当たりましては、安全やサービスについて直営と同様の水準を確保するよう、乗務員の教育訓練などを受託者であるはとバスに義務づけております。また、道路運送法により、はとバスと交通局は、ともに運輸安全マネジメント制度の導入が義務づけられております。さらに、交通局とはとバスで合同で訓練を実施いたしましたり、交通局の安全対策に関する会議にはとバスも出席するなど、一体となって安全性向上の取り組みを進めております。
 こうしたことから、基本的に、安全面において直営と委託とで異なる点はないと認識しております。
 平成十五年度から委託を開始いたしましたが、委託の拡大により事故件数が増加したという事実はございません。

○中村委員 もとより、ハンドルを握る方は、どういうことであろうとも、人の命を運んでいるという重さを痛感されて運転されていらっしゃると思いますので、今お話があったように、事故件数が委託拡大によって増加をしたということではないという話は、ひとまず安心ではあるのですけれども、それでも、そういった公共交通の役割、人の命を運んでいる重みということをしっかり考えて、今後とも運用については慎重に考えていただきたいというふうに思っています。
 さて、バス事業の乗客の状況だけではなくて、地域の高齢化などの状況も把握をしてダイヤの見直しをするということについては考えなければならないと思います。減便や廃止の場合は地域への影響が大きいのですが、どういうプロセスで決めているのでしょうか。
 二十六年度の期首では、六路線でダイヤの増強、一路線で延伸、七路線で減便ということですが、バス事業における路線、ダイヤの見直しの考え方及び見直しの影響や周知はどのようにしたのか伺います。

○渡邉バス事業経営改善担当部長 都営バスではこれまで、需要の変化に合わせて、人や車両など経営資源を有効に活用することで、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう、路線やダイヤの見直しを行ってまいりました。
 具体的には、オフィスビルや大規模住宅と鉄道駅を結ぶ路線など、需要が高まっている路線の増便等を行う一方、鉄道等の開業やコミュニティバスなど新規事業者の参入により代替交通が確保され、利用者の少ない路線については減便等を行ってまいりました。
 路線、ダイヤの変更を行う場合には、事前にその内容を交通局ホームページに掲載するとともに、該当する路線のバス停留所やバス車内に掲示するなど周知し、ご利用のお客様に影響がないように対応しております。

○中村委員 需要動向を勘案して見直しをしているようですが、当然、生活に大きく影響も出ますので、行う場合には丁寧にしていただきたいと思います。
 特に、このバス路線の見直しの中でも、都心に比べて交通不便地域である青梅地域の本数の減少の影響はどうなっているのでしょうか。これらの地域は、近隣自治体からも公費の投入があるようですが、その経緯、意義、地域自治体の負担割合等を伺います。

○渡邉バス事業経営改善担当部長 多摩地域の都営バス路線につきましては、昭和二十四年八月以降、順次運行を開始しましたが、著しい赤字系統となっていたため、関係自治体と協議を行い、昭和五十九年六月に、関係自治体の負担を前提に、地域住民の日常生活にとって必要な路線として存続を図ることといたしました。
 運行回数など公共負担の内容につきましては、青梅市等の関係自治体と協議を行っており、関係自治体の負担額は、欠損額の三分の二としております。

○中村委員 この青梅の地域では、公共交通機関を維持するために、地元自治体がお金の方も出しているということです。本数が減れば全く影響がないということではないでしょうから、またその後の状況の方も調査をしていただきたいというふうに思います。
 次に、地下鉄の事業について伺います。
 地下鉄で、事故などによりダイヤが乱れたときの対応について改めて伺います。
 事故時の対応をより乗客の視点に立って改善すべきと思いますが、見解を伺います。
 これは例えば、地下鉄の中で、万一、事故時に閉じ込められると、本当に不安になります。もし満員のまま長時間閉じ込められたら、とても耐えられるものではありません。すぐにでも最寄り駅に停車ができるような対応をとれないのでしょうか、伺います。

○太田電車部長 都営地下鉄では、事故などによりダイヤが乱れた場合、お客様に対して、列車の運行状況や振りかえ輸送の案内など、お客様の必要とする情報を適時適切に提供するよう努めております。
 また、自然災害や事故等の場合でも、原則として、トンネル内で停止しないよう運行いたしますが、安全確保のためにやむを得ず駅間に緊急停止した場合には、乗務員からの車内放送により、お客様の動揺防止に努め、運行の安全が確認され次第、速やかに最寄りの駅へ向かうこととしております。

○中村委員 鉄道で事故などによってダイヤが乱れると、本当に乗客は混乱します。幸い、私は都営の地下鉄ではそういう状況になったことはないんですけれども、例えば事故が起きたときにどこかの駅にいると、これはいつまでとまっているのか、原因は何なのか、そういうのがなかなかわかりません。少し時間がたっても何時だとわかっていればいいんですけれども、すぐなのか、先なのかも全くわからない状況では動きようがないところがあります。できるだけ正確な情報が伝わるように努めていただきたいと思います。
 また、経営計画を見ると、係員の呼び出しのインターホンの設置を進めるとありますが、こうした安全対策は、何よりも緊急で設置すべきではないかと思いますが、見解を伺います。

○石井車両電気部長 駅ホーム上の安全対策につきましては、非常時にお客様がボタンを押すことによりまして駅付近の列車を自動的に緊急停止させる非常停止ボタンの改修及び増設について優先的に取り組んできたところでございます。平成二十五年度末までに地下鉄全線の工事を完了しております。
 また、現在、さらなる駅ホームの安全性の向上やお客様サービス向上のため、駅係員呼び出しインターホンの改修及び増設を進めておりまして、平成二十六年度末で六十九駅が完成する予定となっております。未実施の駅につきましても、今後、計画的に整備を進めてまいります。

○中村委員 早期に進めていただけるということではあるんですけれども、逆に最近、こういった鉄道の駅等でも、人がなかなか、乗務員がなかなかいないところもあるので、ついていないところは不安もありますから、できるだけ早くつけていただきたいと思っています。
 ホームドアの設置が進めば事故は減るとは思いますが、いつ何が起こるかわからない中、特に大江戸線とか、地下がだんだん深くなっていますので、何かあっても職員がいるところまで行くのも大変ですから、何より安全対策が重要ですので、早期の整備を求めたいと思っています。
 以上、いろいろと、バスや地下鉄を中心に公共交通の役割について確認をする意味で質問しました。何より安全に都民にサービスを提供することが大切ですので、引き続きしっかりと取り組んでいただくよう要望して、質問を終わります。

○中屋委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後二時四十三分休憩

   午後二時五十九分開議

○中屋委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上田委員 公営企業会計決算特別委員会第一分科会初日ということで、重なる部分もございましたが、トータル二十六問あります。どうぞよろしくお願いします。
 まず最初に、局事業全般についてです。
 都営交通のクレーム件数、対応、接遇サービス向上に向けての研修体制について、第二回定例会にて文書質問をし、現状確認はさせていただいているところであります。質の高いサービス提供として、二十五年度に都営交通お客様センターが開設されましたが、そこで受けた意見など、その後のサービス改善にどう反映しているのかお示しください。

○小泉総務部長 いただいた意見等については、局内の担当部門に迅速に引き継ぎ、対応が必要なものに対しては速やかに対応しております。また、事業所等でも、意見や要望を参考にして改善の取り組みを行っております。苦情があれば事実を確認し、内容に応じて局全体に周知を行い、類似した苦情の再発防止を図っております。
 交通局では、これらの取り組みを通じてサービスの向上に努めているところです。

○上田委員 殊にバス走行中のトラブルに関してはなかなか、運転に集中をされる運転手が多いと思います。そこにつきましても、きめ細かい対応をお願いしたいと思います。
 さて、同僚議員から多額の累積欠損、長期債務が指摘をされたところではございますけれども、経営基盤の強化として、業務と組織を見直すため、条例定数をこのたび四十人削減したということであります。
 監理団体を活用した経営の効率化とその成果についてお示しください。

○小泉総務部長 交通局では、経営計画二〇一三に基づき、平成二十五年度は、総合指令の構築に伴う組織の見直しや駅業務の委託拡大などにより執行体制をより効率化することで、条例定数四十人の削減を実施いたしました。
 監理団体である東京交通サービス株式会社に対しましては、施設、設備の保守業務などの委託を進めており、今後とも、こうした監理団体等を活用しながら経営効率化を進めてまいります。

○上田委員 引き続きの取り組みを求めるものということと、監理団体におきましても、やはり民営化といいますか、広く広報を図りまして、全て民間からの登用をあわせて望むものでございます。
 さて、現在、生活文化局の企画で「東京オリンピックと新幹線」を開催しています。新幹線は世界に冠たる高速鉄道ではありますけれども、公営交通として、関東大震災、戦前戦後を経て都民の交通を支えてきた都営交通のソフト、ハードの技術を世界に向けて発信し、多くの観光客に活用してもらうオリンピック・パラリンピックは絶好のアピールの機会であると考えております。
 オリンピック開催に向けた局の推進体制の構築と、都営交通PRに向けた問題意識についてお伺いいたします。

○根木企画担当部長 都営交通は、大会期間中、輸送の相当部分を担うことから、昨年、局内に各部長を構成員とする推進本部を立ち上げ、大会準備に局を挙げて取り組んでいるところでございます。
 また、都営交通のPR活動につきましても、今後、関係機関や関係局などと連携を図りながら、さまざまな機会を捉えて取り組んでまいります。

○上田委員 招致に向けまして、特に地下鉄構内での広告はかなり功を奏したと思っております。できれば東京オリンピックと都営交通というような企画も期待したいところでございます。引き続きのオリンピック・パラリンピック、各局と連動したPR作戦を期待するものでございます。
 次に、障害者や災害弱者についての対応についてであります。
 殊に私立の小学校に通うお子さんなどは、朝からラッシュの中、小さい体でランドセルを背負って通学をしている姿を見受けます。また、私の息子もそうでしたが、夕方は塾に通う児童も散見され、こうした子供、障害者、妊産婦など災害弱者には、有事時のときに特別な対応が必要だとかねがね考えておりました。
 災害発生時におけます子供、妊産婦、障害者に対する避難誘導対策について、現状はどうなっているのか伺います。

○太田電車部長 自然災害などが発生した場合、都営地下鉄では、異常時対応マニュアル等に基づき対応することとしております。お客様の避難誘導の際には、避難路の安全を確認した上で、子供や妊産婦、障害をお持ちの方などに対して移動の補助などを行うとともに、必要に応じて周りのお客様の協力を得ることとしております。

○上田委員 どうもありがとうございました。東日本大震災を受けまして、毎年毎年、きちっとコストをかけまして対策を練っていることと思われます。引き続きしっかりと、かけるべきところのコストはかけつつ、今年度におきましても、きちっと取り組んだということを確認させていただいた次第でございます。
 さらに、震災のときでございます。JR各線が運休する中、三・一一のときでございますが、地下鉄、バス、都電は、いち早く運転を開始、殊に地下鉄、バスは終夜運転を実施し、多くの都民が非常に助かったという声が上がっておりました。
 この経験値を踏まえましての、今後の災害時に対する都営交通の早期復旧と終夜運転などへ向けての危機管理対策についてお伺いいたします。

○岡本安全管理担当部長 東日本大震災の経験を踏まえまして、平成二十五年六月に、交通局危機管理対策計画震災編の修正を行いました。その中で、震度六弱以上の地震が発生した際の営業再開及び終夜運転等については、交通局災害対策本部で決定することといたしました。
 なお、地下鉄の現場では、大地震等の異常事態に対する職員の即応力の維持向上を図るため、異常時総合訓練を毎年実施しております。

○上田委員 また、先ほど監理団体における効率化についてご答弁いただいたところでございますが、災害対策について、これらが生きているのかどうかを鑑み、東京交通サービス株式会社の監理団体化による安全対策の連携強化はどう図れたかということもお示しくださいませ。

○小泉総務部長 東京交通サービス株式会社は、局を支援、補完する団体としての位置づけを明確にするため、平成二十二年度に監理団体化し、安全対策の連携強化を図っているところでございます。例えば、東日本大震災発生時には、同社は交通局と連携いたしまして、施設、車両、駅務機器等の被害状況の把握、点検、エレベーター内のお客様閉じ込めへの対応などを迅速に実施することで、都営交通の早期の運行再開に貢献いたしております。
 平成二十五年度におきましては、同社が局主催の事故防止研修や異常時総合訓練に参加するなど、一体的な事業運営体制及び安全管理体制の構築を進めているところでございます。

○上田委員 引き続き、機動力のあるサービスを監理団体によりまして求めるものでございます。
 さて、昨今の国際事情を踏まえまして、オリパラ開催地として注目が集まる首都東京におけます、災害の一つでもございますが、テロなどに向けて、警察との連携についてお示しください。

○岡本安全管理担当部長 交通局では、警察と連携しながら、NBC対応等のテロ対策訓練等を実施しております。平成二十五年度におきましては、地下鉄で四回、バスで四回、都電荒川線で一回、訓練を実施いたしました。

○上田委員 今後も、想定外のことが起こり得るであろうことから、常時、警視庁との情報交換を重ねて求めるものでございます。
 さて、事故に対してでございます。二〇一一年、名古屋市交通局が過去十年にわたって二千件近くも警察に届けていなかった物損事故不申告事件は記憶に新しく、東京都交通局では決して起こってはいけないと危惧をしているところではございます。
 つきましては、局が推進する運輸安全マネジメント制度に基づく内部監査の二十五年度の取り組みの結果についてお伺いを申し上げます。

○岡本安全管理担当部長 運輸安全マネジメント制度に基づく内部監査は、年に一回の定期監査のほか、必要に応じまして臨時監査を行っております。
 平成二十五年度においては、本庁と事業所を合わせて十四カ所の職場で実施いたしました。内部監査において改善を指摘した事項につきましては、年度末において適切に実施されていることを確認いたしました。

○上田委員 今後も、企業風土として、公明正大なる物損事故の取り扱いをお願い申し上げます。
 引き続きまして、バス事業について七問お尋ねいたします。
 事故関連ではございますが、事故マネジメント体制を今ほど確認させていただいたところではございますが、事故の実際のところを知りたいと思います。
 都営バスにおけます物損事故の傾向と、ドライブレコーダーを活用した事故の再発防止策についてお伺いいたします。

○広瀬自動車部長 都営バスにおける物件事故は、乗用車、タクシーなど、他の車両との比較的軽微な接触事故が大半を占めております。
 また、ドライブレコーダーは、事故発生時の状況の確認、事故原因の分析や再発防止策の検討に使用しているほか、乗務員を対象にした研修の教材としても使用しているところでございます。

○上田委員 次に、都民のニーズに柔軟に対応するバス路線として評価されている江戸川区内の路線のうち、深夜バス及びアクセスラインAL01系統について。
 例えば、深夜03系統の終点のなぎさニュータウンは、近年、高齢化が進んでおりますことから、需要動態というのはどうなっているのか気になっているところでございます。
 深夜03、10系統並びにアクセスラインの現在の利用状況と今後の方向性についてお伺いいたします。

○渡邉バス事業経営改善担当部長 都営バスにおきましては、乗客潮流の変化を的確に把握し、需要に見合った路線やダイヤの見直しを行っており、今後とも、地域のニーズも踏まえつつ、需要の動向を見きわめながら適切に対応してまいります。

○上田委員 適切な対応というご答弁ではありましたが、しっかりと数字を把握いたしまして、要、不要を検討していただければと思います。
 また、効率的な運営を順次進めている交通局にありまして、管理の委託についてですが、平成二十一年度の新宿支所の委託をもって委託営業所の拡大は落ちついたのかなというふうには認識していますが、管理の委託の効果についてお伺いいたします。

○渡邉バス事業経営改善担当部長 管理の委託につきましては、平成十五年度に杉並支所の二系統で初めて実施し、平成二十五年度末において、五支所、三十九系統を委託しております。
 管理の委託によるコスト削減の効果につきましては、委託金額を直営で運営した場合の人件費等と比較して算出した場合、平成二十五年度において三割程度の削減効果に相当いたします。

○上田委員 引き続き、必要とあれば管理委託をする等の選択肢をもちまして推進していっていただきたいと思います。
 次に、二十五年度も都バス運行情報の検索のさらなる利便性向上に向けて取り組みを実施している中で、システムにGPSを導入したことの効果、また、高齢者向けの案内サービスについてお伺いをいたします。

○広瀬自動車部長 都営バスでは、ホームページ都バス運行情報サービスにおきまして、路線やバス停留所の検索機能などを提供しております。路線は、停留所名による検索のほか、駅名や観光施設名、地図上から検索する方法などがございます。
 また、GPS機能つきのスマートフォンと携帯電話向けに、お客様が現在いる場所の最寄りの停留所を表示する機能を提供し、利便性の向上を図っているところでございます。
 次に、このサービスでは、バス車両の走行位置の把握に、平成二十五年度からGPSを利用しており、以前の無線方式に比べまして、より正確な運行情報の提供が可能となったところでございます。
 また、IT機器を利用しないお客様に対しましては、都営交通お客様センターにおきまして、電話による運賃、時刻、ルート案内などを年中無休で行っているところでございます。

○上田委員 ありがとうございました。資料要求の中にもありましたが、この電話による高齢者への情報提供ということが、やはりかなり活性化されているということでございます。バス停に電話番号を明示しているということでありますので、そちらの方は高齢者に活用していただきまして、高齢化社会の都民の足を支えるバス事業として、この検索情報は、恐らく、都民の皆様のお声を聞きながら随時更新をされていくことと思いますので、さらに取り組みの方をお願いしたいと思っております。
 また、利用料の負担を軽減するということで、都バスの一日乗車券を活用する都民がいます。私も利用させていただいておりますけれども、二十五年度の発売実績と過去三年間の発売実績の推移についてお示しいただければと思います。

○広瀬自動車部長 平成二十五年度の発売実績は百十二万枚でございます。
 過去三年間の発売実績は、平成二十三年度が百十一万枚、二十四年度が百十六万枚となっており、横ばいで推移してございます。

○上田委員 横ばいで推移ということで、そんなに増減がないというようなお話でございます。これは、一日乗車券が都民に認知され、固定客がついてきたということで評価したいと思います。現状の周知、広報で充足しているものと思われ、これ以上、またどんどん広報をしろというのではなく、引き続き現状維持ということでお願いをしたいと思います。
 次に、地域の身近な交通手段でございますバスは障害者、高齢者の利用が多く、局としても、全車両をノンステップバスに移行し、ハード面の対策は推進。評価をする一方で、接遇など人が人へ施すサービスも重要視しております。今回どのように取り組んできたのか、また、ほかの乗客の理解を深めるための妊産婦や内部障害など各種マークの取り組み状況もあわせ、今後の展開についてお示しください。

○渡邉バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、障害者、高齢者に関する接遇として、乗務員に対する高齢者疑似体験器具による疑似体験を含むバリアフリー研修を実施することで、高齢者や障害者に対する理解促進など、対応力の向上を図っております。
 次に、妊産婦や内部障害など援助が必要な方の各種マークの取り組み状況でございますが、バス車内へのマタニティーマークやヘルプマークのステッカー貼付、啓発ポスターの掲示などを行い、営業所窓口におきましてはヘルプマークを配布してございます。
 今後もこうした取り組みを継続させ、障害者や高齢者を初め、誰もが安心して快適に利用できる都営バスを目指してまいります。

○上田委員 ぜひバス乗務員におかれましてのさらなる取り組みの方をお願いするところでございます。やはり段差もありますし、ほかのお客様をお待たせすることもあるので、トラブルにならないような心がけを殊にお願いしたいと思います。
 さて、需要の低下に伴いまして逐次減車してきました貸切バスですけれども、現在どのようなニーズがあるのか。そもそも、都バスが貸切バス事業を展開していることを都民がどう知ることができるのかといったことから、利用案内はどのように行っているかについてもお答えいただければと思います。

○広瀬自動車部長 交通局の貸切バスは、小中学校の行事、各区や町会などが開催する催し物などのほか、大規模施設でのイベントなどの送迎にご利用いただいております。
 貸切バスのご利用方法につきましては、ホームページや広報物などでご案内しております。

○上田委員 江戸川区の方も、賀詞交歓会や災害の訓練などのときに大いに活用させていただいておりました。普通の路線車両の方の活用は非常に理解できるところではあるんですけれども、この五台確保しております観光バスのあり方につきましては少々、民間でもいいのかなとか、いろいろ検討をこちらの方でもさせていただきたいと思います。懸念事項とさせていただきたいと思います。
 次に、軌道事業、都電についてお尋ね申します。
 昭和の郷愁を誘うレトロ九〇〇〇形車両の都電「おもいで号」ですが、伸び悩む都電の集客に向けての効果を期待いたしたく、周囲の反響についてお示しいただければと思います。

○太田電車部長 都電「おもいで号」は、荒川線の命名四十周年を記念して運行した新たな取り組みでございまして、十月一日から三十一日までの期間、通常の営業ダイヤに組み込み、普通運賃で乗車できるものとなっております。
 この都電「おもいで号」につきましては、新聞やインターネットのニュースで取り上げられたほか、交通局の公式ツイッターでの反響も大きいものがございました。

○上田委員 ありがとうございます。都電「おもいで号」、そうした反響があるということでございますが、それとあわせまして、失われつつある下町の風景を色濃く残す都電荒川線沿線におけます地域密着型イベントの内容と、荒川区も力を注いでいる区立あらかわ遊園との連携は相乗効果をさらに生むものと考えております。あらかわ遊園とのコラボレーションについての実績と今後に向けての取り組みをお示しください。

○太田電車部長 荒川線の地域密着型イベントとしましては、例年六月の路面電車の日イベントや、十月の荒川線の日イベントなどがございまして、車両の撮影会やブースでの物品販売、車庫内の見学会など、荒川電車営業所で開催しております。
 また、あらかわ遊園との連携につきましては、都電一日乗車券を利用してあらかわ遊園へ行く場合に、その乗車券を提示すれば入園料が無料になるという取り組みを行っておりまして、今後とも、こうした連携を図ってまいりたいと考えております。

○上田委員 地元の基礎自治体と連携を図りましてのさらなる効果を期待するものであります。また、同じく地元から、鹿児島市電のような都電の占有用地への芝生化の声が上がっております。財政については、厳しく私の方も審査はしているものの、観光資源の投資として、個人的にはあってもいいかなというふうに考える次第でもございます。
 芝生化に向けての取り組み、また検討についてお示しください。

○野崎建設工務部長技術管理担当部長兼務 都電荒川線の軌道内緑化につきましては、平成十五年度から二十二年度まで、大塚駅前停留場や町屋駅前停留場付近で芝やタマリュウなどを植えまして、育成状況の観察や維持管理について実験を行いましたが、健全な状態を維持することができませんでした。
 軌道内緑化を実施するには、維持管理方法などの技術面や費用負担などで多くの課題があると認識しております。

○上田委員 なかなか厳しい状況であるということがわかりました。先ほどの基礎自治体との協力をということですが、この緑化維持につきましては、ぜひ沿線の住民と沿線地区の基礎自治体とともに進めていっていただければよろしいかなと思います。当事者意識を持ちまして、都電の集客増を地域住民にも協力いただくという考え方、多分、新しいまちづくりに向けていいかなというふうに思っている次第でございます。
 そして新交通事業ですが、柴崎委員より先ほど、例えば熊野前では乗客が乗れないというような事象が発生をしていることにつきまして、混雑解消に向けての質問があり、ロングシート、ダイヤ改正で対応しているとの答弁がありました。ライナーは五年しかたっておらず、モデルチェンジは厳しいのかなとは承知しておりますが、ハードウエアの方の努力もされていることを確認させていただきました。
 一方、設備投資をせずにできる対策として、二十五年度に実施された日暮里・舎人ライナー早起きキャンペーンの効果はどうであったか、ご報告ください。

○太田電車部長 日暮里・舎人ライナーでは、朝ラッシュ時間帯における混雑緩和対策の一環としまして、平成二十六年一月二十日から三月二十日までの期間で、日暮里・舎人ライナー早起きキャンペーンを実施いたしました。その効果でございますが、平成二十五年度の実施時には、混雑緩和に対する特段の効果は把握できなかったところでございます。

○上田委員 ご報告ありがとうございました。なかなか効果が厳しいということでありましたが、コストをかけずに知恵を絞った統べる姿勢は評価したいと思います。費用対効果を鑑みながら、今後も、都民とアイデアを共有し合いまして、トライアル・アンド・エラーを繰り返しながら、あの手この手でまた対策を実施していっていただきたいと思います。
 次に、高速電車、都営地下鉄について四問お尋ねいたします。
 集客増と定着化、イメージアップ、お客様への還元に向けて都営地下鉄で実施しているイベントについて、二十五年度のイベントの応募状況、反響についてお伺いしたいと思います。

○太田電車部長 都営地下鉄では、お客様の日ごろのご利用への感謝を込めまして、毎年、都営フェスタのイベントを実施しております。
 平成二十五年度は、十一月二日に浅草線の馬込車両検修場で開催いたしましたが、約六千人ものお客様がご来場し、多くのお客様に都営地下鉄を身近に感じていただいたところでございます。その際、事前申し込み制の運転台見学などの体験型イベントには、約三倍から五倍の申し込みがあり、大変好評をいただいたものと考えております。

○上田委員 三倍から五倍ということで、非常に投資をしたかいがあるということで、また来年度予算に向けても検討をしていっていただきたいと思います。
 さて、どうせ乗るなら都営地下鉄、やっぱり乗るなら都営地下鉄へ向けて、ToKoPoの付加価値には関心を持つところであり、予算委員会でも確認させていただきましたが、ToKoPoの二十五年度の利用実績とその効果についてご報告ください。

○太田電車部長 交通局のポイントサービスToKoPoの会員数は、平成二十五年度末現在で約八万四千人でございます。これを平成二十四年度末と比較しますと約八千人増加しておりまして、平成二十三年八月のサービス開始以降、着実に会員数を伸ばしております。
 ToKoPoの利用実績としましては、毎月約五万人の会員の方がポイントを付与されておりますことから、都営交通の利用促進に寄与しているものと考えております。

○上田委員 非常に効果があるということがわかりました。引き続き、これに関しましては、ぜひ利用者をふやしていただきたいと思います。
 やはり今、さまざまポイントカードを持ってお財布は膨らんでいるような利用者もいっぱいいると思いますが、毎日のことですし、やっぱり沿線住民並びに先ほど--ポイントがたまるからというインセンティブというのは集客に効果があると思われますし、実際、数字でも出ているところでございますので、推進に向けての取り組みを求めるものでございます。
 さて、東京都の交通機関のおもてなしの接遇能力は、グローバルスタンダード、サービスのバリアフリーの域まで達してほしいものと願いますし、実際に、目に見える形での地道な取り組みとして駅職員のサービス介助士資格取得を実施されています。この取り組みと今後の目標、並びに駅職員がこの資格を持ったことで日常業務などにどのような変化が起こったのかなどをお聞かせください。

○太田電車部長 都営地下鉄では、平成十九年度から、駅係員がおもてなしの心と安全な介助技術を身につけるため、サービス介助士資格の取得を進めております。資格の取得には、講習や体験学習等を二日間行い、検定試験に合格する必要がありますが、平成二十五年度末で約千人の駅係員が資格を有しており、現在では、都営地下鉄全駅にサービス介助士を配置しております。その結果、お客様の声でも感謝の声がふえてございます。
 今後も、計画に基づき、年間百人を目標に拡大してまいります。

○上田委員 介助士資格を持つことは、介助が必要な人のみならず、あまねく人々へのサービス向上と、そして技術と知見が高まるものと考えております。先ほどもご答弁いただきました災害時の弱者対応にも、必ずや生かすことができると思います。
 資格を取った人たちが、駅の皆さん、職員の仲間で、どんどんと百人という目標以上に受けていただけるようになっていけるといいなというふうに考えております。ぜひ、その介助の経験をしたことを常に情報交換、共有して、ますますのサービス向上に、一人一人の技術の向上に努めていただきたいと思います。
 さて、平成二十五年六月に、東京の地下鉄の運営改革会議設置合意がなされ、二回ほど会議も催されております。それぞれのサービスや運行技術の共有、共同連携はますます求められていく中で、会議も行われた二十五年度であることから、都営地下鉄、東京メトロのサービスの一体化のこれまでの取り組みについてお示しください。

○根木企画担当部長 交通局では、お客様の利便性向上を図るため、東京メトロとのサービスの一体化を進めてまいりました。これまでの取り組みといたしましては、春日駅や門前仲町駅などにおける改札通過サービスや案内サインのデザインの統一化等がございます。

○上田委員 一元化というのは、平成二十二年、前都知事により検討が開始され、民でできることは民でという観点から我が党もアジェンダを掲げたところではあるので、引き続き注目はしていきたいところではございますが、この経営状況の厳しい中で一元化が図られるのかどうかは時間がかかるものと思いますが、今、端的にお答えいただきましたが、まずは目の前の乗客、お客様最優先でのサービス一体化は大いに進めていただきたいと思います。
 次に、関連事業について、二問、質問をさせていただきます。
 都知事の提唱する駅ナカ保育実現に向け、都営交通事業と保育サービス事業者との連携や、今後の取り組み、計画について、また、先ほど同僚議員からも指摘がありましたが、資産の有効活用に当たり、福祉インフラ整備のための土地活用検討チームの検討についてどのようになっているのか、お伺いいたします。

○樋口資産運用部長 交通局が所有いたします資産における保育の充実などに向けた取り組みにつきましては、福祉インフラ整備のための土地活用検討チームの検討とあわせて、都の長期ビジョン策定に向けて適切に対処してまいります。

○上田委員 適切に対処いただくということですが、ぜひ前向きにという思いも込めまして、予算でも申し上げましたが、新宿線は京王線と乗り入れをしていることから、京王線の広告を目にする機会が多いです。保育事業と連動した形で、子育てと保育、子育て支援に優しい京王線という非常に上手なPRをされております。
 保育園待機児童におきましては、さきの定例会で緊急補正予算が通ったところでもあります。
 働く保護者は、少子化解消に貢献をし、税収増に貢献してくれる担税力のある納税者であります。こうした層に都営地下鉄沿線にお住まいいただくビジョンは非常に大切だと考えます。引き続き、交通局の資産を活用し、各局が力を合わせて実現を図っていただきたいと要望いたすところでございます。
 最後に、景気に左右されることから、広告料収入が過去三年間伸び悩んでいます。ピンチはチャンスと捉えまして、知っていて得する、助かる、未然に虐待やDV、いじめなど都民のピンチを救うなど、多岐にわたります都政事業について直接都民に届けることができる、殊に地下鉄等の中づり広告は絶好の場所だと思っております。
 他局からの交通局におけます広告への評価も踏まえ、都政事業広告の相乗効果、実態についてご報告ください。

○樋口資産運用部長 交通局におきましては、都営地下鉄の車内や駅構内などのスペースを活用して広告事業に取り組んでおります。都営地下鉄は、昼間人口の多い都心エリアを運行しておりまして、一日約二百五十万人のお客様が利用していることから、広告のアピール力は極めて高いと考えております。
 本年五月には、総務局が東京愛らんどフェアを、六月から九月には、環境局が家庭における省エネといったイベント告知や普及啓発などに都営交通の広告媒体を利用してございます。これは、都営交通の広告による情報発信の効果が評価された結果であると認識しているところでございます。

○上田委員 現在、ピンクリボン等さまざまな、虐待防止週間、月間などもあります。こういったことを各局と連携を図りながら、例えば、ピンク色のチラシをある一両、女性専用車でする等の新しいアイデアをもちまして、都政事業の都営交通を使った、交通局を使ったPRをすることで--やはり、東京都も多岐に事業がわたり過ぎまして、都民の皆さんが知らなかったりすることが多いので、絶好の機会として、伸び悩む広告、あいているところを活用しまして都政のPRに、殊に困った方々を救うような取り組みにつきましては情報発信を重ねていただきたいというふうに考えます。
 工事請負契約につきまして資料提供をいただきました。一者応札、入札不調、随契につきまして拝見させていただいたところ、おおむね健全な入札状況ではないのかなというふうには考えておりますが、残念ながら水道局の案件もありましたことから、今後の不調と一者応札を可能な限り排除した公明正大なあり方を課題とさせていただきたいと思います。
 今回は、私は各事業ごとの成果を、この二十五年度の成果の方を細かく、ほとんどの部署の課長さんに答えていただいたかと思います、調査の段階で。経営状況やマネジメントにつきましては、全局質疑にしてたださせていただきまして、今回、きょうの私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。

○西崎委員 私からは、まず初めに、都営地下鉄について伺います。
 これまでも各委員からお話が出ておりますけれども、平成二十五年度の高速電車事業会計の営業収益を見てみますと、前年度と比較して二・八%増となっており、乗車料収入も各線二%から三%増加しております。乗車人員も乗車料収入と同様に伸びているわけですけれども、二十五年度の二年前の平成二十三年度は、東日本大震災の影響を受けまして、乗車人員は減少したとも聞いております。平成二十五年度の乗車人員が増加していても、震災以前と比べなければ本当に増加しているのかわからないと思います。
 そこで、平成二十五年度の都営地下鉄の乗車について、東日本大震災の影響を受ける以前と比べてどのような状況にあるのか、お伺いします。

○太田電車部長 平成二十五年度の都営地下鉄全線の一日平均乗車人員は約二百四十五万七千人で、これを平成二十三年三月に発生した東日本大震災の影響を受ける前の平成二十一年度と比較しますと、約十二万七千人、五・五%の増となっております。
 二十一年度以降は、震災の影響を受けて対前年で減少した二十二年度に引き続き、二十三年度も、計画停電などの影響により、さらに減少しましたが、二十四年度は、震災の影響による乗車人員の減少が回復するとともに、東京スカイツリーの開業などもありまして増加に転じ、二十五年度はさらに増加となったものでございます。

○西崎委員 震災の影響から回復し、スカイツリーの開業などもありまして、乗車人口は、平成二十四年度から増加に転じて、さらに伸びているということですけれども、東京の人口は、二〇二〇年をピークに減少に転じるともされております。景気も、やや回復したものの、このままの状況でいる保証はありません。今後もしっかり営業収入を得ていくためには、乗車人員をふやすための積極的な取り組みが重要だと考えます。
 先日、多摩地域も含めました都内の美術館、博物館等の入場券と、都営地下鉄や都バスなどの一日乗車券、都営まるごときっぷとをセットにしました都営deぐるっとパスの中づり広告を、大江戸線を乗りましたときに見かけました。東京のさまざまな地域を網羅する都営交通の特色を生かしましたよい取り組みであり、乗客をふやすために有効だと思いました。
 そこで、この都営deぐるっとパスなど、都営地下鉄が発売する主な企画乗車券の発売枚数についてお聞かせください。

○太田電車部長 都営地下鉄で発売しております主な企画乗車券の平成二十五年度の発売実績でございますが、都営地下鉄、都バス、都電及び日暮里・舎人ライナーを一日何回でも乗車できる都営まるごときっぷが約九十三万枚、都営地下鉄と東京メトロの全線を一日何回でも乗車できる都営地下鉄・東京メトロ一日乗車券が約四十七万枚、都営交通と東京メトロ全線、さらにJR東日本の都区内を一日何回でも乗車できる東京フリーきっぷが約十五万枚、また、期間を限定して発売し、ワンコイン五百円で、都営地下鉄を一日何回でも乗車できる都営地下鉄ワンデーパスが約九十万枚でございました。そのほか、ただいまお話のありました都内の美術館、博物館、動物園等の入場券や割引券と都営まるごときっぷ二枚をセットにした都営deぐるっとパスは約千四百枚でありまして、合計では約二百四十四万枚でございます。

○西崎委員 美術館とかそういう入場券割引の新しい都営deぐるっとパスは、まだ余り知られていないようですけれども、今のお話ですと、主な乗車券だけでも、年間で二百四十四万枚売れているということがわかりました。
 年間の乗車人員約九億人というふうに伺っていますけれども、その数字から見ればわずかかもしれませんけれども、こうした企画乗車券により都営地下鉄に乗る機会をつくれば、乗車人員の増加にも今後つながってくるのではないかと考えます。
 それと、私は京都をよく旅行するんですけれども、京都も、京都市営バスや市営地下鉄などが一日あるいは二日間にわたって何回も乗れる乗車券を発売しておりまして、これをよく利用するんですけれども、この切符が、非常に記念に持って帰りたくなるような、京都のいろいろなお寺とか風景がデザインされておりました。都営の都営deぐるっとパスは余り売れていないようですけれども、より広く積極的に宣伝するほか、利用した方が記念に持って帰りたくなるような乗車券のデザイン、例えば、都立美術館とか都の施設の写真とかを配置するとか、キャラクターを利用するとか、いろいろアイデアはあると思うんですけれども、ぜひこういうことも取り入れていただいて、より魅力的なものにすることで発売枚数も伸びる余地もあると考えます。
 そこで、さまざまな施設やほかの鉄道事業者とも連携し、工夫することで、魅力ある企画乗車券を発売できると考えますが、今後の取り組みについて伺います。

○太田電車部長 都営地下鉄では、先ほど申し上げました都営まるごときっぷなどの乗車券のほか、これまでも、相互直通運転をしております京急、京成、京王の各社などと連携した観光等に便利な企画乗車券を発売し、乗客誘致を図ってまいりました。
 具体的には、羽田及び成田の各空港から都心までの乗車券と都営地下鉄・東京メトロ一日乗車券や、京王線からの往復乗車券と都営まるごときっぷをセットにした便利でお得な企画乗車券等を発売しております。
 また、本年四月には、東京メトロと連携しまして、国内外から東京を訪れる旅行者向けの乗車券、Tokyo Subway Ticketを発売したところでございます。
 今後とも、他の鉄道事業者等と連携しまして、お客様のニーズを捉えた魅力のある乗車券を企画し、乗客誘致に積極的に取り組んでまいります。

○西崎委員 円安もあって海外からの旅行客がふえている状況もありまして、東京を訪れる観光客もふえていると思います。また東京は、ほかの都市、札幌とか名古屋とか京都に比べても、交通アクセスがとても便利で、公共交通を使っての移動がしやすいと思います。さらに利用者ニーズを掘り起こせるような企画乗車券が発売されることを期待しております。
 次に、都営交通における女性職員が活躍するための職場環境の整備について伺います。
 今国会では、女性の活躍推進に関する法整備などが提案され、審議されておりますけれども、あらゆる職場においても、女性が能力を発揮して活躍できる環境整備が求められております。
 東京都においても、舛添知事が、都庁内における女性管理職を二〇二〇年までに二〇%にするという方針を示しました。私は、平成二十一年度の公営企業会計決算特別委員会の総括質疑におきまして、都営交通での女性職員の進出に伴う課題と今後の取り組みについて質問いたしました。これに対しまして、当時の交通局長から、施設整備に当たり課題はあるものの、女性職員が能力を発揮できるような職場環境の整備に引き続き努めていくと前向きな答弁をいただいたところです。そこで、その後の状況などについて伺います。
 前回質問いたしました平成二十一年度以降、五年間における交通局の女性職員数とその割合の推移についてお聞かせください。

○土岐職員部長 交通局の職員は、男性、女性を問わず、ひとしく局事業を支える貴重な人材であり、局における採用や昇進等につきましては、男女の区別なく実施しております。
 平成二十一年度当時では、交通局の常勤職員六千二百九十一名のうち女性職員は百四十一名であり、女性職員が占める割合は二・二%でございました。その後、女性職員数は毎年増加しており、平成二十二年度は百四十八名、二十三年度は百五十五名、二十四年度は百六十四名となっております。平成二十五年度におきましては百六十九名となっており、この結果、女性職員が常勤職員六千二百九十二名に占める割合は二・七%と増加しております。

○西崎委員 交通局で働く女性が、その人数、割合とも、わずかですけれども着実にふえていることがわかりました。そうした女性職員たちが男性職員と肩を並べてその力を発揮するためには、職場での環境を整えていくことがぜひとも必要です。特に交通機関を守る仕事として泊まり勤務もある交通局の職場では、女性のための設備を整えることは、女性が安心して働く上での出発点になります。
 そこで伺いますが、交通局における女性職員が宿泊勤務をするための施設の整備状況について伺います。また、このような施設を含めたハード、ソフト両面での環境整備について、今後の取り組みを伺います。

○土岐職員部長 平成二十五年度末におきまして女性職員が宿泊できる施設を備えた職場は、地下鉄におきましては、全百二十五カ所の宿泊施設のうち三十四カ所、バスでは、全十九カ所のうち十四カ所、都電では、全一カ所のうち一カ所、日暮里・舎人ライナーでは、全二カ所のうち一カ所となっております。
 今後とも、女性職員が十分能力を発揮し、安心して働けるよう、引き続き、仮泊室の整備を初めトイレ、休憩室等の充実に努めるとともに、育児時間や子供の看護休暇などの支援制度の活用促進はもとより、例えば妊娠期間中は、体への負担を軽減するため不規則勤務を日勤に切りかえたり、事務室内の業務に従事させるといった勤務形態にも配慮するなど、ハード、ソフト両面での取り組みを進めてまいります。

○西崎委員 最近では、バスや地下鉄の運転手にも女性の方がおり、これまで男性の職場といわれていた職場で、決して例外ではなく、これからますます女性の活躍の場は広がっていくと思います。
 私は、以前、航空会社に勤めていたことがあるんですけれども、今や女性のパイロット、女性の整備士も誕生するような時代になってまいりました。交通局において、今後とも、交通機関の現場で働く女性のための環境整備に向けて取り組みを続けていくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○大西委員 最後となりました。若干かぶっているところもございますが、ご容赦をいただきたい と思います。
 まず、私が資料要求いたしました、五ページからの資料に沿って質問をさせていただきます。
 最初は日暮里・舎人ライナーですけれども、この日暮里・舎人ライナー、私の地元でもございますが、陸の孤島といわれたような地域に開業した電車でございますが、当初は、最初のころは、五万一千人という乗客見込みが本当に果たせるのかというのを何度も公営企業委員会では議論がされていたようにも思います。
 しかし、開業以来、急速に乗客数がふえておりますが、この状況をどのように捉えているのか、まずお伺いいたします。

○太田電車部長 日暮里・舎人ライナーは、区部北東部の交通の利便性向上を図るために整備された路線でございまして、平成二十五年度の一日平均乗車人員は約六万七千人と、開業以来、着実に増加しておりまして、沿線地域の発展に貢献しているものと考えております。

○大西委員 今後なんですけれども、これから先、この日暮里・舎人ライナーの乗客数の予測をどのように考えているか、伺います。

○太田電車部長 日暮里・舎人ライナーの今後の乗客数でございますが、ただいま答弁申し上げましたように、日暮里・舎人ライナーは、開業以来、着実に乗車人員が増加しており、沿線では、現在もマンションや戸建て住宅が建設され、開発が進んでおりますことから、ライナー沿線の人口増は当面の間続くものと見込まれ、それに伴いまして、今後も乗車人員の増加傾向が続くものと考えております。

○大西委員 そうなんですよね。どう見ても、これからこの沿線、もっとふえるわけです。というのは、またまだ土地は余っています。たくさんあります。それに、山手線まで二十分で行けるというのはやはり魅力でもあります。
 一方で、混雑が異常なほどひどくなっています。この新交通の輸送量は、これからまだふやせるんでしょうかね。輸送量をふやすということになれば、一編成当たりの輸送人員数をふやす、これは椅子を変えたり、例えば両編成をふやすとかということもできると思いますし、編成数自体をふやして、たくさんの電車を走らせるということが考えられますけれども、こういう方法は可能なのでしょうか。

○太田電車部長 交通局では、経営計画二〇一三に示したとおり、平成二十七年度の日暮里・舎人ライナーの車両一編成の増備に向け、現在、準備を進めているところでございまして、これにより輸送力を増強する予定となっております。また、一編成当たりの輸送人員をふやすため、これまでも、座席の一部をロングシート化するなど車内レイアウトの改善を行ってきたところでございます。

○大西委員 今、一編成ふやしていくということでございますが、多分、それでも間に合わないぐらい、どんどんこれからもふえていくと思われます。今後を見越して計画も立てていただきたいなというのがことしの課題だというふうに思います。
 一方、先ほどいいましたように、この日暮里・舎人ライナーは、いってみれば、本当にほかの公共交通がないようなところにできました。ということは、振りかえ先がないわけです。バスで振りかえるということになりますと、この六万七千人をバスで振りかえようとしても、ほとんど至難のわざとなります。この新交通が運行できなくなった際の影響はとても大きいと思います。
 ただ、この新交通、雪に弱いとよくいわれておりますが、どのような対策を行っているのか、改めて伺います。

○太田電車部長 降雪に対する対策でございますが、予報段階から気象情報会社の積雪や気温などの詳細情報を入手しまして、これに基づき、走行面の凍結防止のためのロードヒーターの使用や融雪剤の散布、さらには走行面の雪を払うササラ電車の運行などを行い、輸送障害を最小限に抑えるよう努めております。
 また、積雪によるスリップに対しましては、通常の自動運転から切りかえ、駅等に配置しております運転士が走行面の状況に応じた手動運転を行うとともに、応援職員が駅出入り口の除雪やお客様への案内等を行っております。
 さらに、昨年度は、ロードヒーターの一部増設やササラの改良などの対策強化のほか、夜間に保守作業員による除雪作業などを行うことで、朝の通勤時間帯における運行をできる限り確保したところでございます。

○大西委員 職員の方の手作業も大変だとは思いますけれども、精いっぱい、とまらないように頑張っていただきたいとお願いをさせていただきます。
 続きまして六ページになりますが、運賃、時刻の問い合わせとか忘れ物の問い合わせは別としまして、お客様センター開設後の問い合わせにつきまして、ダイヤ、設備、車両等への意見、要望等というのは、実際どのような内容があるのかお伺いをいたします。

○小泉総務部長 都営交通お客様センターに寄せられます意見のうち主なものにつきましては、地下鉄やバスのダイヤについて運行本数にかかわるもの、地下鉄駅の設備についてエレベーター、エスカレーター等にかかわるもの、地下鉄やバスの車両について車内温度設定にかかわるものなどでございます。このほかに、例えば、幾つかの地下鉄駅におきまして、構内の通行区分がわかりにくいというような意見も寄せられております。また、接遇に対する苦情や感謝などもございまして、さまざまな意見をいただいております。

○大西委員 それらの意見をどのようにサービス向上につなげているのか、伺います。

○小泉総務部長 いただいた意見等につきましては、局内の担当部門に迅速に引き継ぎ、対応が必要なものに対しましては速やかに対応しております。例えば、先ほど申し上げました地下鉄駅構内の通行区分がわかりにくいとのご意見を受けまして、現地の状況を調査し、新たに矢印の床サインを設置した例が幾つかの駅でございました。
 また、事業所等でも、意見や要望を参考にして改善の取り組みを行っているほか、苦情があれば事実を確認し、内容に応じて局全体に周知を図り、類似した苦情の再発防止に努めております。
 交通局では、これらの取り組みを通じてサービスの向上に努めているところでございます。

○大西委員 これからも、どんどんそういうふうに効果的に使っていただきたいなと思います。
 続きまして、七ページにありますところのドライブレコーダーの設置について、どういうふうな活用状況があったのか詳細に書かれておりますが、都営バスにおけるこのドライブレコーダーの設置による効果についてお伺いをいたします。

○広瀬自動車部長 都営バスでは、全ての路線バス車両へのドライブレコーダーの設置を平成二十三年度に完了いたしました。さらに、運転者の視線、車内の動揺などを記録する機器を搭載した運転訓練車をあわせて活用することなどにより、事故防止を図っているところでございます。
 ドライブレコーダー設置の効果でありますけども、記録された画像を使うことで、事故原因の詳細な分析や、実効性の高い再発防止策の検討が行えるようになったほか、画像を研修教材にすることで、より実践的な乗務員指導ができるようになりました。
 今後とも、ドライブレコーダーや運転訓練車などを活用しながら、乗務員の安全意識と運転技術の向上を図り、事故の防止に努めてまいります。

○大西委員 ドライブレコーダーで、頑張っている運転手さんが、逆に悪いようにいわれることがないということもあったと聞いております。本当に、こういう効果は絶大だと思っています。
 次に、最後になりますが、八ページのホームドアを設置した後の転落件数ですが、これを見れば歴然としているんですけれども、ホームドアを設置した後の転落件数はゼロ件ということで、これほどたくさん、四十五件、二十二件、二十四件と来ていた転落件数がゼロになったという、改めてこのホームドアの設置の効果について認識をお伺いいたします。

○太田電車部長 現在、ホームドアを設置しております三田線と大江戸線につきましては、設置後は転落事故が発生しておりませんことから、ホーム上のお客様の安全確保に有効なものと考えております。
 さらに、ホームからの転落などにより輸送障害が発生した場合には、極めて多くのお客様に影響を与えてしまいますことから、ホームドアの設置により、安全、安定輸送の確保に役立っているものと考えております。

○大西委員 ということは、これほどの効果があるわけですから、当然、ほかの未設置路線にも早急に設置することが望ましいというのは誰もが考えることではありますが、そのお考えをお伺いいたします。

○根木企画担当部長 ホームドアにつきましては、平成十二年に三田線へ、昨年四月には大江戸線への整備を完了しており、新宿線につきましても、全駅の整備に向けて、現在、準備に取りかかっているところでございます。残る浅草線につきましては、経営計画二〇一三において整備に向けた検討を進めるとしております。
 ホームドアの整備に当たりましては、車両全てをホームドアの開く位置に正確に停止させること、また、ホームドアの開閉などにより各駅での停車時間が延びてしまうことから、従前の輸送力を確保しなければならないこと、こういった技術面や輸送面の課題がございます。
 浅草線につきましては、交通局も含め京成電鉄や京浜急行電鉄など五つの事業者で相互直通運転を実施しており、乗り入れ可能な車両が約二百二十編成と多く、かつさまざまな形式となっているため、定位置停止装置の搭載や停止精度の確保など、技術面や輸送面の課題があり、その解決に向け、関係各社となお一層の検討が必要であると考えております。

○大西委員 いろいろ伺いましたが、安全に、そして快適さを追求されている皆さん、これからも、その安全、快適さをもっと目指していただくという要望と感謝の念を表明させていただき、私の質問を終わります。

○中屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中屋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後四時三分散会

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