委員長 | 松村 友昭君 |
副委員長 | 田中 健君 |
副委員長 | 大松あきら君 |
副委員長 | 桜井 浩之君 |
栗山よしじ君 | |
宮瀬 英治君 | |
まつば多美子君 | |
松田やすまさ君 | |
北久保眞道君 | |
大島よしえ君 | |
早坂 義弘君 |
欠席委員 なし
出席説明員水道局 | 局長 | 吉田 永君 |
次長 | 福田 良行君 | |
総務部長 | 黒沼 靖君 | |
職員部長 | 松丸 俊之君 | |
経理部長 | 石井 正明君 | |
サービス推進部長 | 冨田 英昭君 | |
浄水部長 | 田村 聡志君 | |
給水部長 | 青木 秀幸君 | |
建設部長 | 今井 滋君 | |
企画担当部長 | 斉田 典彦君 | |
サービス企画担当部長 | 宇井 利見君 | |
設備担当部長 | 横田 秀樹君 | |
多摩水道改革推進本部 | 本部長 | 石井 玲君 |
調整部長 | 浅沼 寿一君 | |
施設部長 | 山田 廣君 | |
技術調整担当部長 | 芦田 裕志君 |
本日の会議に付した事件
平成二十五年度東京都公営企業各会計決算の認定について
水道局関係
・平成二十五年度東京都水道事業会計決算(質疑)
・平成二十五年度東京都工業用水道事業会計決算(質疑)
○松村委員長 ただいまから平成二十五年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
初めに申し上げます。
本日から三日間にわたり、本分科会所管四局の決算に対する質疑を行ってまいりますが、質疑につきましては、平成二十五年度決算の審査から逸脱しないよう行っていただきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の決算に対する質疑を行います。
これより水道局関係に入ります。
初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について水道局長から紹介があります。
○吉田水道局長 病気療養のため、過日の分科会を欠席いたしました幹部職員をご紹介いたします。
多摩水道改革推進本部調整部長の浅沼寿一でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○松村委員長 紹介は終わりました。
○松村委員長 次に、決算の審査を行います。
平成二十五年度東京都水道事業会計決算、平成二十五年度東京都工業用水道事業会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○黒沼総務部長 さきの分科会におきまして要求のございました資料を取りまとめ、お手元にお配りしてございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
一ページをお開きいただきたいと存じます。水需要予測と実績の推移でございます。
将来の水道需要の見通しと平成六年度以降の一日最大配水量及び一日平均配水量の推移をお示ししてございます。
二ページをお開き願います。八ッ場ダム建設事業費に係る東京都の負担でございます。
平成二十一年度から二十五年度までの八ッ場ダム建設に係る総事業費、都の負担額、そのうち、水道局の負担額及びその他の負担額をお示ししてございます。
三ページをお開き願います。多摩川水系、利根川、荒川水系の年間取水量の推移でございます。
多摩川水系は、羽村及び小作の取水堰と、砧浄水場及び砧下浄水所における取水量の合計を、利根川、荒川水系は東村山、朝霞、三園、金町及び三郷の各浄水場における取水量の合計を、それぞれ平成十六年度から二十五年度までお示ししてございます。
四ページをお開き願います。各浄水場における自然エネルギー等による発電状況でございます。
各浄水場などにおける太陽光発電設備、水力発電設備それぞれの設置年度、発電規模及び平成二十五年度の発電実績をお示ししてございます。
五ページをお開き願います。水道管路における耐震継ぎ手化の計画と実績でございます。
平成三十五年度と二十七年度の耐震継ぎ手率の計画及び平成二十二年度から二十五年度までの耐震継ぎ手率の実績値をそれぞれお示ししてございます。
六ページをお開き願います。漏水率の推移でございます。
平成六年度以降の漏水率の推移をお示ししてございます。
七ページをお開き願います。未納カード発行枚数及び給水停止件数の推移でございます。
平成十六年度から二十五年度までの未納カードの発行枚数と給水停止件数をお示ししてございます。
八ページをお開き願います。監理団体への委託料及び主な委託内容でございます。
水道局が所管しております二つの監理団体に関しまして、東京水道サービス株式会社につきましては、平成十六年度から二十五年度までの委託料と主な委託内容、また、株式会社PUCにつきましては、監理団体に指定されました平成十八年度から二十五年度までの委託料と主な委託内容につきましてそれぞれお示ししてございます。
九ページをお開き願います。国際貢献の新たな取り組みに関する海外出張に要した経費の一覧でございます。
平成二十五年度における海外出張に要しました経費を出張先の国、地域別にお示ししてございます。
一〇ページをお開き願います。収益的収支、資本的収支及び損益勘定留保資金の推移でございます。
平成十六年度から二十五年度までの収益的収支、資本的収支、損益勘定留保資金のそれぞれにつきましてお示ししてございます。
以上をもちまして、大変簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議をいただきますようお願い申し上げます。
○松村委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○北久保委員 平成二十五年度公営企業会計決算の水道局関係を審査するに当たり質問させていただきます。
まず、安全でおいしい水の供給について伺います。
水道局では、平成二十五年度、利根川水系における高度浄水一〇〇%を達成し、給水区域全域で安全でおいしい水を提供できるようになりました。私も知事が東村山浄水場を視察されたとき、一緒に高度浄水処理の過程を見せていただき、安全でおいしい水が安定的に供給できることを間近で確認し、安心しました。
しかしながら、ビルやマンション等に設置されている貯水槽については、管理が不十分な場合、高度浄水処理された安全でおいしい水がそのまま蛇口まで届かないことになります。
水道局では、これまで貯水槽の点検調査を実施し、管理が不十分な施設の設置者に対し指導助言を行ってきたと聞いています。
そこで、平成二十五年度の取り組み状況について伺います。
○青木給水部長 水道局では、平成十六年度から二十四年度まで、継続して貯水槽水道の点検調査を実施してまいりました。
平成二十五年度からは、新たにこれまでの調査結果を踏まえ、調査の協力が得られていない施設に加え、管理が不十分と推定される施設など、三カ年で約九万件を対象に点検調査を実施し、管理が不十分な施設の設置者に対しては、水道水が長時間滞留しない措置等の指導助言を行うこととしております。このうち平成二十五年度につきましては、約三万六千件を対象に調査を実施いたしました。
○北久保委員 本来貯水槽は、設置者の責任において管理すべき施設でありますが、水道局が、管理が不十分な施設の設置者に対して指導助言を行ってきたことは評価しております。
しかしながら、課題がある貯水槽を改善していくためには、設置者のアクションがなければ進みません。
そうした中、点検調査の協力が得られない施設が多いと聞きますが、その原因や問題点はどのようなことなのかお伺いいたします。
○青木給水部長 貯水槽水道は、設置者が責任を持って管理することとなってございますが、これまでの点検調査では、設置者の約七割が調査を拒否するなど、責任を十分に理解していない設置者も見受けられます。
また、貯水槽水道の衛生管理は衛生行政の所管となっており、水道局の点検調査には強制力がなく任意であることから、設置者の理解と協力を得ることが調査を効果的に進める上で課題となってございます。
○北久保委員 今の答弁にあったように、調査に強制力がない中で設置者の理解と協力を得ることは困難であります。
しかし、集合住宅等の場合、実際に水道を使用するのは設置者ではなく入居者です。貯水槽の衛生管理を所管する衛生行政との連携をさらに強化するなど、設置者の理解と協力を得られるような取り組みが必要であると考えます。
そこで、点検調査を設置者に促していく方策について見解を伺います。
○青木給水部長 平成二十五年度からの点検調査とあわせて、調査の際に配布するパンフレットに貯水槽水道の管理は設置者の責任であることを大きく記載いたしまして、設置者に調査の趣旨や必要性を理解していただく取り組みを強化してございます。
また、設置者が貯水槽の管理を管理会社などに委ねるケースが多いことから、平成二十六年度から新たにビルやマンションなどの管理会社や管理組合の団体に対し、会員向けのホームページ等の広報媒体により、調査の趣旨を周知していただくよう協力を依頼してございます。
さらに今後は、衛生行政と共同で設置した連絡協議会におきまして、区市町ごとの貯水槽水道の管理状況に関する情報をよりきめ細かく提供し、共有するなど、連携の強化を図ってまいります。
○北久保委員 設置者の理解と協力を得る取り組みを強化し、点検調査をさらに効果的なものとして実施していただきたいと思います。
また、集合住宅等の貯水槽水道を利用している都民も含めて、全ての都民が安全でおいしい水が飲めるよう、引き続き給水槽水道の適正管理に向けた取り組みを着実に推進していただきたいと思います。
次に、水道水質モニター制度について伺います。
先ほど触れましたように、高度浄水処理の導入等で、品質のよい水がつくられています。これは都民も理解していますが、自宅に届く水道水には、いまだ不安が残る方もいると思われます。
そこで、我が党は世界に誇れる安全でおいしい東京の水を都民に理解してもらうため、水の見える化を提案しました。水道局は、簡単に水道水質を測定できるキットで都民がセルフチェックする水道水質モニター制度を平成二十五年度に創設しました。
そこで、この水道水質モニターの具体的な成果を伺います。また、この成果を踏まえ、制度をどのように展開しているのか伺います。
○斉田企画担当部長 水道水質モニター制度は、自宅の水道水質をモニターみずからが確かめることができる新しい制度であり、平成二十五年秋に初めて都内ほぼ全域に及ぶ五百五十五件のモニターの方が水質の測定などを行いました。
その結果についてでありますが、測定結果は残留塩素、全硬度、鉄の三種類とも全件適正であり、アンケートでは水道水に対する満足度が向上した、あるいは、安全性に自信があるからこその制度であるといった声が数多く寄せられるなど、水道水に対する不安を払拭する契機となりました。
また、制度の展開についてでありますが、水道水質モニターの結果を水道局のホームページなどで公開し、お客様の誰もが情報を共有できるようにしております。さらに、モニターの方からは、モニター数の拡大や測定を定期的に行いたいなどの声があり、今後ともこうした意見も踏まえて制度を展開してまいります。
○北久保委員 この制度は、セルフチェックで水道水質の不安解消が図れるとともに、その情報を広く発信することにより、都民が共有できる仕組みであります。さらに、都民の意見を施策に反映することができ、まさに一石三鳥といえます。
このように水道水質モニターは、水道水への安心感の向上に有益であり、この制度を一層推進してもらいたいと思います。
次に、水道水源林の管理について伺います。
我が党では、都民の貴重な水を育む多摩川上流域の森林は水源地として保全することが重要であると繰り返し主張してきました。
また、民有林の荒廃が進むことによって、土砂の流入などにより小河内貯水池に悪影響を及ぼすことなどの懸念を表明してきたところであります。
これを受け水道局では、平成二十二年度からモデル事業として民有林の購入を開始しました。しかし、実際の購入、契約締結に向けては、山林特有の課題も多いと聞いております。
そこで、改めて民有林購入事業の課題と水道局の取り組みについて伺います。
○田村浄水部長 購入に向けての課題としましては、山林が相続されても、所有者の登記が変更されていないことが多く、相続にかかわる権利者の特定が難しいことが挙げられます。
また、隣接する土地につきましても、同様に相続登記がされていないため、権利者を特定することが難しく、境界確認の作業に時間を要しております。
これらの問題が申込者にとって負担になっていることから、水道局で土地家屋調査士に調査業務を委託するなど、権利者の特定作業について積極的に支援を行っております。
○北久保委員 山林特有の事情はありますが、これまでのノウハウを生かした局の積極的な支援があれば、申込者の負担軽減が申し込みの増加につながると考えます。
特に権利者の特定作業については、相続登記が放置されている場合など、かなりの労力が必要になってくると思います。今後も積極的な支援を行っていただきたいと思います。
次に、これまでの民有林購入の進捗状況と今後の見込みについて伺います。
○田村浄水部長 これまで、平成二十四年度に二件、三十六ヘクタール、本格事業化した平成二十五年度に三件、千一ヘクタール、計五件、千三十七ヘクタールを購入いたしました。
現在は七件、百六十六ヘクタールの購入に向けて手続を進めております。
また、平成二十六年度は十一件の申し込みがあり、書類審査や現地調査を実施しております。
今後も購入に向けての手続を効率的に行い、本事業を着実に推進してまいります。
○北久保委員 多摩川の水源地を将来にわたって守るため、水道局がみずから千ヘクタールを超える面積の森林を購入したことは極めて意義あることです。
また、平成二十六年度の申し込みも十一件あったとのことで、着実に事業が進められていることがよくわかりました。
今後は、購入した森林を適切に整備し、森林の持つ機能を回復させることが重要であると考えます。
そこで、購入した森林についてどのように森林整備を進めていくのか、あわせてこれまでの整備の進捗状況と今後の予定について伺います。
○田村浄水部長 購入した森林の多くは手入れが行き届いておらず、植えた樹木が密生し、森林内が暗く、地面に草が生えていない状態でございます。このため、間伐や枝打ち等の手入れを行い、森林内に光を入れ、下草や背の低い樹木の生育を促します。
その後も、樹木の成長に合わせて手入れを繰り返すことにより、長い時間をかけて針葉樹と広葉樹がバランスよくまざり合った森林の持つ機能を最大限発揮できる良好な森林へと育成してまいります。
次に、これまでの整備状況でございますが、購入した五件のうち一件については森林内の調査を行い、一回目の間伐、枝打ちを実施いたしました。その他の四件につきましては、面積が広いため、森林調査用の歩道を整備するとともに詳細な調査を実施しております。
今後は、調査に基づいて、購入した森林のエリアごとに整備計画を策定し、間伐、枝打ち等の森林整備を着実に実施してまいります。
○北久保委員 水源地を適切に保全することは、一朝一夕でかなうものではなく、地道な努力の積み重ねが大切であることはいうまでもありません。水源林を良好な状態で将来世代に確実に受け継ぐため、購入した民有林を含めた実効性ある管理を期待します。
次に、多摩地区の水道について伺います。
多摩地区ではこれまで、お客様に給水するために必要な業務を各市町に事務委託していましたが、平成二十三年度末にはそれが完全解消されました。これにより、お客様サービスや給水安定性の向上、効率的な事業運営などの成果があらわれてきたと聞いております。
事務委託の解消は、多摩地区の水道の充実に向けた改革のスタートといえます。
我が党ではこれまで、長年にわたる多摩地区市町への事務委託が完全解消されたことから、広域水道の視点に立ち、水道施設をさらにレベルアップする必要性を提言してきました。
我が党の提言を受け、水道局では昨年五月に多摩水道改革計画二〇一三を策定し、多摩地区水道の充実に向けた方向性を示したことは評価しております。
そこでまず、改めて多摩水道改革計画二〇一三の内容について伺います。
○浅沼調整部長 ただいま先生からお話ございましたように、多摩地区の水道は、長年にわたる市や町への事務委託が完全解消され、名実ともに都営水道となったことから、当局では、新たなステージにおける多摩地区水道のレベルアップを図るため、昨年五月に平成二十五年度から五年間を計画期間とします多摩水道改革計画二〇一三を策定したところでございます。
この計画では、送配水管路の充実強化を進め、バックアップ機能の強化を図るとともに、老朽化した小規模施設の整備を進めるなど、都営水道にふさわしい多摩地区水道の再構築に取り組むこととしております。
また、東日本大震災の教訓を踏まえまして、水道管路等の耐震化や自家発電設備や給水拠点の整備など、災害対応力の強化に取り組むこととしております。
加えて、引き続き効率的な業務運営を推進するため、監理団体とのさらなる連携を強化するとともに、事務委託解消後の防災対策などを円滑に推進するため、当局と多摩地区二十六市町とで構成します多摩水道連絡会を活用するなど、地域とのさらなる連携強化に取り組むこととしております。
今後、この計画に基づきまして、さまざまな課題の解決に向けて必要な施策を着実に推進してまいります。
○北久保委員 ただいまの答弁にあったとおり、計画に基づきさまざまな課題に取り組むとのことですが、多摩地区の水道施設は市町が独自に運営していたことから、老朽化が進行した小規模施設が多く、いまだに区部と比べて施設整備水準が低い状況であります。
こうした施設が震災や事故等で停止してしまっては、住民生活に大きな影響が出ることが懸念されます。
そこで、多摩地区の小規模水道施設をどのように整備していくのか伺います。
○芦田技術調整担当部長 多摩地区には七十カ所の浄水所、百二十六カ所の給水所等が点在し、そのほとんどが市町が水道事業を経営していた時代に整備された小規模な施設で、築造後四十年以上経過したものが多く、老朽化が進行しております。
また、震災時や事故時等においても給水の確保につながる給水所等における配水池の容量が不足しているなど、多くの課題がございます。
このため、老朽化が進行し、配水池容量が不足している施設から優先的に更新や整備を行うこととしております。
整備に当たっては、施設の統廃合も視野に入れ、今後の維持管理の効率性を向上させてまいります。
具体的には、平成二十五年度に府中市にある幸町浄水所、立川市にある柴崎浄水所の設計を実施しており、さらに、本年度から清瀬市の全域、東村山市及び東久留米市の一部を計画給水区域とする仮称多摩北部給水所と青梅市にある千ヶ瀬第一、第二浄水所の設計に着手しております。
こうした施設整備を順次、計画的に進めることにより、多摩地区の給水の安定性向上に引き続き取り組んでまいります。
○北久保委員 浄水所等の小規模施設の整備を計画的に進めていくとのことでありますが、こうした小規模施設の整備に加え、つくられた水を送る送水管の整備も重要です。
多摩地区の送水幹線は、北部にある大規模浄水場から南に向けて枝のように広がる状態となっており、広域的なネットワーク化が十分でなく、震災時や事故時のバックアップ機能が低い状況にあります。このため、多摩地区では、多摩丘陵幹線及び多摩南北幹線を整備中と聞いております。
そこで、この二つの送水幹線が完成することによる効果について伺います。
○山田施設部長 多摩丘陵幹線は、昭島市にある拝島給水所と多摩市にある聖ヶ丘給水所を結ぶ延長約三十二キロメートルの送水幹線であります。
また、多摩南北幹線は、東村山浄水場と多摩丘陵幹線の始点である拝島給水所を結ぶ延長約十六キロメートルの送水幹線でございます。
この二つの送水幹線の完成により、全長約五十キロメートルに及ぶ広域的な送水管ネットワークが形成され、多摩地区西南部地域約百七十万人のお客様の給水安定性が飛躍的に向上いたします。
また、この新たに構築されるネットワークを最大限に活用することで、これまで断水ができないなどの理由により取りかえることが困難であった老朽化した送水管の計画的な更新が可能となります。
○北久保委員 ただいまの答弁を聞き、多摩地区水道施設の広域整備が大きく前進し、多摩地区における給水安定性が一層向上することがわかりました。
全長五十キロという広域的なネットワークの構築には長期間を要すると思います。そこで、この二つの送水幹線の整備状況について伺います。
○山田施設部長 延長約三十二キロメートルの多摩丘陵幹線のうち、八王子市にある鑓水小山給水所から聖ヶ丘給水所までの約十二キロメートルにつきましては、平成十七年度に運用を開始しております。
また、拝島給水所から鑓水小山給水所までの約二十キロメートルにつきましては整備の最終段階に入っており、今年度中の全線完成及び運用開始を目指しております。
一方、多摩南北幹線につきましては、平成二十五年度からシールドトンネルを築造するための立て坑等の工事に着手しております。今年度中には約十六キロメートル全ての区間においてトンネル築造工事に着手する予定であり、平成三十年度の完成に向けて、引き続き整備工事を着実に推進してまいります。
○北久保委員 着実に整備を実施していただき、一日も早く多摩地区の広域的な送水管ネットワーク化を図っていただき、今後も多摩水道改革計画に掲げた施策を着実に推進していただきたいと思います。
これまで多摩地区水道の安定給水の観点から幾つか質問させていただきましたが、水道局では、昨年二月に策定した東京水道経営プラン二〇一三に基づき、都全体の水道施設について、更新時はもとより、渇水や災害、事故時においても安定給水を確保するために必要な取り組みを推進しており、大変心強く感じました。
最後に、今後の安定給水の確保に向けた局長の決意を伺って、質問を終わります。
○吉田水道局長 都の水道は、明治三十一年に近代水道として通水を開始して以来、清浄な水を常に安定して供給するため、水源の確保や施設の拡充、整備などを推進してまいりました。
一方、施設の老朽化や大地震などの自然災害、気候変動といった新たな課題やリスクに直面しており、これらへ適切に対応し、将来にわたり安全でおいしい水を安定的に供給することが東京水道の使命であります。
その使命を果たすためには、高い安全度を備えた水道システムの構築が不可欠であり、今後とも多岐にわたる施設整備が必要となっております。このため、中長期的な施設整備の方向性を明らかにし、今後十年間の施設整備の具体的な取り組みを定めました東京水道施設整備マスタープランを本年四月に策定いたしました。
このマスタープランに掲げました施策を着実に推進し、顕在化している諸課題に時期を逸することなく対処していくことにより、将来にわたる安定給水の確保に万全を期し、一千三百万人都民の生活と首都東京の都市活動を支えてまいります。
○まつば委員 広報広聴の取り組みについて質問をいたします。
初めに、PR施設についてお伺いいたします。
水道局では、水道水のよさについてわかりやすく伝える場として、各種PR施設を設置しておられます。その中でも、東京都水の科学館は、科学の視点から映像や実験などを用いた体感型の展示を取り入れることで、暮らしを支える水道水がどのようにつくられ、届けられているのか、楽しみながら学ぶことができる施設になっています。
私も、子供が小学生のときにはたびたび訪れ、学ばせていただきました。特に夏休みの期間には、子供の宿題や自由研究等、親子での来場が多いのではないかというふうに思っております。
そこで、水の科学館の平成二十五年度の来館者数についてお伺いいたします。
○宇井サービス企画担当部長 平成九年に開設いたしました水の科学館は、平成二十二年に社会科見学向けの総合学習施設として、また、ファミリー向け実体験施設としてリニューアルいたしました。
平成二十五年度の来館者数につきましては約十二万五千人であり、リニューアル以降はおおむねこの規模の入館者数で推移しているところでございます。
○まつば委員 毎月一万人近くの方が訪れている計算になりますけれども、それだけ多くの方が身近な水道について、親子で楽しみながら学べるということは、水の大切さやおいしさを伝えるために非常に効果的だと思います。
何度訪れていただいても、水道についてより一層理解を深めていただく機会となるように、内容を工夫する取り組みも重要だと思っております。
そこで、平成二十五年度に新たに実施いたしました取り組みについてお伺いいたします。
○宇井サービス企画担当部長 平成二十五年度の新たな取り組みといたしましては、水の科学館の地下にございます有明給水所を紹介するアクアツアーにおきまして、給水所のポンプ内部の仕組みをわかりやすく説明するプロジェクションマッピングを始めました。
また、来館者が参加できるミニイベントの実施回数をふやすとともに、プログラムに実験やマジックなどを加え、親子で参加できるワークショップなども実施いたしました。
さらに、水の科学館のホームページでは、連載漫画で施設の様子を紹介するなど、さまざまな工夫によりPRを実施しているところでございます。
○まつば委員 日ごろ見ることのできない給水所の内部を公開したツアーやさまざまなイベントの開催によりまして、内容の充実に取り組まれているということでございます。
今月の十月十七日には、リニューアル以来、来館六十万人を達成したという報道がありましたけれども、さらに水の科学館が子供たちに愛される施設となりますよう、ご努力をお願いしたいと思います。
PR施設の来館者にはやはり親子連れが多いということでしたけれども、次世代を担う子供たちやその親御さんに対して、水道の大切さを伝えていく取り組みは非常に重要であります。
水道局ではこのような取り組みの一環として、学校における水道キャラバンを実施しておられます。この取り組みを学校以外にも広げるべきであるということを平成二十三年の決算特別委員会の際に我が党から提案させていただきまして、平成二十五年度からは学校における水道キャラバンに加えて、新たに児童館における母親学級などにおいて、地域における水道キャラバンを本格実施されたという答弁を三月の公営企業委員会でもいただいたところでございます。
そこでまず、この平成二十五年度における水道キャラバンの実績についてお伺いいたします。
○宇井サービス企画担当部長 平成二十五年度におきましては、小学四年生を主な対象とした学校における水道キャラバンを、千二百五十五校におきまして約九万人に対して実施いたしました。
また、主に子育て世代の保護者を対象とした地域における水道キャラバンは六十二カ所で、親子合わせまして約二千八百人に対して実施したところでございます。
○まつば委員 これまで小学生を対象としていた水道キャラバンを、子育て世代の保護者の方も体験できるようになったということでありますけれども、東京の水道に対する関心を高めるよいきっかけになっているのではないかというふうに思います。
そこで、この地域における水道キャラバンを体験した未就学児を持つ親御さん初め、参加者の方の感想や意見についてどのような状況であったのかお伺いいたします。
○宇井サービス企画担当部長 地域における水道キャラバンに参加された方に対して行ったアンケートによりますと、震災時の備えについてとても参考になった、水道水の安全性やおいしさが改めてわかったなど、おおむね好意的な回答をいただいております。
一方、寸劇や映像を活用するなど、一緒にいる子供にも配慮されていたが、より小さな子供向けの対応に工夫があると、なおよかったといった意見もいただいております。
○まつば委員 さまざまご意見があったということでございますけれども、こうした意見とか感想というのはとても貴重なものでありますので、できる限り施策に反映していただくことが大事かというふうに思っております。
こうした参加者からの感想や意見を、平成二十六年度の地域における水道キャラバンにどのように反映されていらっしゃるのかお伺いいたします。
○宇井サービス企画担当部長 地域における水道キャラバンのアンケート結果によりますと、震災対策への関心が高いことがわかりました。このため、今年度から水のくみ置き方法や近くの給水拠点を掲載したパンフレットを参加者に配布しております。
また、小さなお子さんが途中で飽きることのないよう、親子で一緒にできる体操の時間を設けるなどの工夫も行っております。
○まつば委員 今後とも、参加者の皆様の意見を反映した見直しを適宜行っていただきたいというふうに思います。
今のご答弁で、子育て世代の保護者の方にとっては、震災対策に関心が高いということでございましたけれども、私は、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故の放射性物質の問題であったり、また、利根川水系のホルムアルデヒドによる水質事故の際に地元のお母様方から、水道は安全なのかといったお声や飲んでも大丈夫なんでしょうかといったお声をたくさんいただきました。
おいしいということも大変大事でございますけれども、安全ということが最も大事なことだと思っております。水道局では、安全性の確保を第一に取り組まれていらっしゃると思いますけれども、この水道水の安全性についてはどのように伝えているのかお伺いいたします。
○田村浄水部長 水道局で策定している水質検査計画に基づいて、水道法で検査が義務づけられています水質基準項目のほか、放射性物質や微生物などの水質管理上必要な項目について検査を行い、その結果を定期的に公表しております。
また、検査結果を公表するだけではなく、水道水の基本的な性質のほか、浄水処理によって放射性物質やホルムアルデヒドを除去する仕組みなど、水質に関するさまざまな情報について、ホームページの水質に関するトピックでわかりやすく解説しております。
このような取り組みによって、水道水の安全性についてお客様にご理解いただけるよう努めてまいります。
○まつば委員 大変重要なお取り組みだというふうに思っております。ぜひとも今後とも、都民の皆様が安心して水道水を使用できるように、こうした取り組み、さらに充実していただきたいというふうに思っております。
また、実際に水道水をつくっている浄水場を多くの都民の方に訪問していただくということになりますと、より安全性が伝わっていくのではないかというふうに思っております。
そこで、浄水場の見学についてどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
○田村浄水部長 浄水場では、小学生や地元自治会などの団体見学を受け入れるほか、水道週間等において施設見学会を開催し、幅広く一般の見学者を受け入れております。
このように浄水場を訪れる方々が水道事業への理解をより一層深め、気持ちよく見学していただくためには、浄水処理の過程をわかりやすく紹介するとともに、浄水場が飲み水をつくる場所であることを意識した清潔感のある施設とすることが必要でございます。
このため、施設全体を見渡せるステージ、簡潔でわかりやすい説明看板、浄水処理の様子が見える窓などを整備するとともに、見学コースのカラー舗装化、季節の花を植えた植栽帯の整備などを行っております。
また、見学コースを仕切る柵やスロープの整備を行い、見学時の安全確保にも努めております。
○まつば委員 今までの質疑でPR施設や水道キャラバン、施設見学など、さまざまな広報広聴の場を活用されているということがわかりました。
また、ホームページも拝見しておりますけれども、大変工夫されているというふうに感じております。水滴くんとか水玉ちゃんというかわいいキャラクターがあるわけでございますが、ホームページの中に水滴くんの歌というコーナーがありまして、大変いい歌だなと思って聞いております。
これがご紹介の中では、水道局の取り組みを広くPRしていくため、職員が作詞、作曲、編曲、演奏した水滴くんの歌を作成いたしましたと書いてありまして、作詞から作曲、編曲、演奏ということで、大変私も驚いたわけなんです。
その歌詞もなかなかよくて、本当に上手な歌詞をつくられたものだなというふうに思っているんですけれど、中でこんなところもありました。浄水場発蛇口行き、豊かな自然で育った僕らは、高度な技術で安全おいしく、みずみずしい、水おいしい、浄水場からみんなのとこまで、水道管通ってやってきたのさ、蛇口をひねってゴックンしてね、みんなで飲もうよ水道水というようなくだりもありまして、本当に安全でおいしい水が蛇口から飲めるという、水道文化を伝えていこうという、そういう意気込みが感じられるなというふうに思っております。
こうしたPR施設、水道キャラバン、施設見学、またホームページ、さまざまな媒体を活用されて広報広聴されていらっしゃるわけなんですけれども、さらに今後は、この広報広聴施策を効果的に推進するために、こうした多様な取り組みをばらばらに進めるのではなくて、具体的な計画を持って体系的に進めていくという視点が非常に重要になってくるのではないかなというふうに思います。そのための枠組みとして、水道局では広報・広聴計画二〇一三を策定されています。
そこで、広報・広聴計画二〇一三の概要と、そのスタートの年であります平成二十五年度の取り組み内容についてお伺いをいたします。
○宇井サービス企画担当部長 広報・広聴計画二〇一三は、お客様が必要とする水道事業に関する情報を確実に提供していくことで、情報不足を解消し、水道事業に対する信頼をより確かなものとすることを目指しております。
計画初年度であります平成二十五年度におきましては、十月に利根川水系における高度浄水処理が一〇〇%に達したことから、水道水のおいしさを多くのお客様にご理解いただくため、さまざまな媒体を活用したPRを重点的に実施いたしました。
中でも水道水とミネラルウオーターとの飲み比べイベントでは、年間で五万八千人以上の参加があり、東京水のおいしさを広くアピールすることができたと認識しております。
○まつば委員 二十五年度は、利根川水系における高度浄水一〇〇%達成ということから、水道水のおいしさを重点的にPRしたということでございますけれども、飲み比べは都民の皆様に実際に飲んで実感をしてもらうという意味で、大変興味を引くよい企画だというふうに思います。
特に五万八千人というこれまでにない規模での実施により、局の施策のPRになると同時に、都民の皆様とじかに接することで、さまざまなニーズを受けとめることができたのではないかというふうに思います。
その上で、きめ細やかな対応をするためには、こうした都民の皆様の声や社会情勢の変化を受けて、適宜計画の見直しをかけることも必要かと思います。
計画二年目の今年度はどのような見直しを行ったのかお伺いいたします。
○宇井サービス企画担当部長 昨年度は年間を通じまして、飲み比べなどにより水道水のおいしさを広くお客様へPRいたしました。
今年度からは、水道水のおいしさに加えまして、環境や家計に優しい、生活に欠かせないといった新たな視点からのPRを展開しております。
また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、水道ニュースの英語対応や外国人を対象とした飲み比べなど新たな取り組みも実施しております。
○まつば委員 今、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けた施策ということもお話ございました。今月は、ちょうど五十年前の一九六四年、昭和三十九年のオリンピックから五十年でございますけれども、地域の方に伺いますと、この当時、東京砂漠というような言葉があったぐらい、東京で大渇水の時期に当たっていたということで、大変水道局の皆様もご努力されながら、東京オリンピックを迎えられたんではないかなというふうに思っているわけですけれども、それから五十年の、大渇水の時代から今の本当に安全でおいしい水が飲める歩みというのが、本当に二〇二〇年オリンピックを迎えるに当たって、水道局の五十年の歩みというのは非常に東京都は誇れるものではないかなというふうに思っております。
二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックへ向けて、世界を見据えた取り組みということになるわけですけれども、ロンドン・オリンピックの際には、過去最多の二百四カ国地域から参加者があったわけでありますので、東京でも同様の参加があるというふうに思います。
蛇口から水を飲める国は十数カ国ともいわれておりますので、そうした意味では、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、安全でおいしい水を蛇口から飲めるという東京水道のすばらしさを世界の国々へ発信する機会ともなるのではないかなと思っております。そうした意味でも、さらにこうした取り組みが進んでいきますことを期待いたしております。
最後に、多くの方に水道事業に理解を深めていただくために、今後の広報広聴の取り組みについて局長の決意をお伺いいたします。
○吉田水道局長 現在はもとより、将来にわたり水道事業を円滑に運営していくためには、水道水の大切さや安全性などをわかりやすくお客様に伝え、理解を深めていただくことが極めて重要であると考えております。
このため、今お話にもございましたように、水の科学館を初めとするPR施設の活用や水道キャラバン、施設見学など、さまざまな取り組みを積極的に展開するとともに、常に新たなお客様のニーズを把握し、広報・広聴計画二〇一三の見直しに反映させることで、広報施策を体系的に推進してまいります。
今後とも都民の暮らしを支える水道の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
○まつば委員 ただいま局長から力強いご決意がございました。広報広聴、大変重要であると思いますので、さらなる充実をお願いいたしまして、質問を終わります。
○大島委員 私からも、水道局の震災対策などを中心にお伺いしていきたいというふうに思っております。
今、震災に対する関心は非常に高くなっておりますが、政府の地震調査研究推進本部では、南関東でマグニチュード七程度の地震が今後三十年以内に七〇%の確率で発生すると推測しております。
東日本大震災では、東京でも震度五強の地域もあり、地震への備えを重視した取り組みへの都民の関心、要望が非常に強まっています。
水道局も、この震災対策を最重要課題の一つとして位置づけておりまして、断水のない水道の構築を目指して、予防対策として、二〇一三年九月に二〇一三年度から二〇一五年度までの水道局震災対策事業計画を策定いたしました。
また、発災後の応急対策活動については、水道局震災応急対策計画を二〇〇九年三月に改定しています。
都民は大震災の際に、ライフラインの機能停止、これに大きな不安を感じています。東京湾北部を震源とするマグニチュード七・三の地震発生時における都の断水被害想定では、東京全域で三四・五%、最も被害の大きいマグニチュード八・二と想定している元禄型関東地震では、断水率四五・二%となっています。
水道管路の耐震継手化緊急十カ年事業というチラシをいただきましたが、震災時における断水被害の想定のこの表というか絵を見ますと、特に東部地域、私は足立区に住んでおりますけれども、東部地域の断水率の想定というのが四〇%を超えているということで、足立区についていえば七三%ということで、大変大きな被害が出るということが予測されます。
東京都の新たな被害想定では、平常給水に復旧するまでの日数をどの程度と見込んでいるのでしょうか。
また、今回、資料ありがとうございました。このいただいた資料を見ますと、耐震継ぎ手管への取りかえの二〇一三年度の実績は三五%となっておりますが、足立区も含みますけれども、断水率の被害想定の高い区部東部地域などについては、特に重点的に進めるべきと思いますが、取り組み状況についてお伺いいたします。
○斉田企画担当部長 東京都防災会議が平成二十四年十一月に発表した東京都地域防災計画では、新たな被害想定に基づき、水道管路の復旧について、平常時と同様に水道が使用できるまでの日数を三十日以内と設定しております。
また、管路の耐震継ぎ手管への取りかえについてでありますが、東日本大震災の教訓や新たな被害想定を踏まえ、効果的に断水被害を軽減することが必要であります。このため、平成二十五年三月に策定し公表した水道管路の耐震継手化十カ年事業では、首都中枢機関、医療機関、避難所等のほか、区部東部地域等、液状化により被害が大きいとされる地域などを優先して耐震化することとしており、この計画に基づき着実に事業を推進しております。
○大島委員 よろしくお願いします。特に区部東部地域、私も非常に心配しておりますので、よろしくお願いします。
耐震継ぎ手率の実績の経過を見ますと、大体一年間で二%から三%程度伸びているんですね。このペースでいきますと、一〇〇%にするのに二十年以上かかってしまうということになって、都内全域ということを考えますと、なかなか大変だということはわかっておりますが、ぜひこういった事業にもっと力を入れていただいて、前倒しでお願いできたらと思っております。
水道局の震災対策計画における、そこの目的のところに、応急対策諸活動を迅速、的確に実施できる態勢をつくり、一刻も早い平常給水への回復及び可能な限りの飲料水の確保を図ることと書かれてあります。
復旧順位として、首都中枢機関、それから災害拠点病院等の重要施設については、発災後三日以内の復旧を目指すと書かれてありました。
いただいた資料では、耐震継ぎ手率の計画を二〇一五年度に三八%、二〇二三年度に五七%にするとしておりますが、この計画が実現できると、平常給水に復旧するまでの日数はどのようになるのでしょうか。また、断水率はどのように変わるのかお聞きいたします。
○斉田企画担当部長 本年四月に策定、公表した東京水道施設整備マスタープランでは、水道管路の耐震継ぎ手化率を平成三十五年度、五七%としております。
このマスタープランでは、想定される被害が最大となる元禄型関東地震が発生した場合の平常給水までの復旧日数については、現在の三十日から十七日以内としております。また、断水率については、現在の四五・二%から二九・三%に軽減させることとしております。
○大島委員 ぜひよろしくお願いいたします。
断水となった場合の飲料水の確保という点については、浄水場とか給水所、それから応急給水槽などを給水拠点として位置づけておりますが、応急給水槽の日常的な維持補修も含め、管理はどのように行っているのかお伺いいたします。
○横田設備担当部長 応急給水施設は、給水に必要なポンプ設備や電気設備、停電時にもポンプを動かすことができる自家用発電設備などを備えております。
これらの施設や機器につきましては、災害時の給水活動に支障を来さないよう、定期的な点検やふぐあい箇所の修理などを実施するとともに、水質検査を毎月一回実施し、適切に管理しております。
○大島委員 いざというときの備えという点では、水質検査も行い、安全で安心なお水がそのときでも飲めるようにという日ごろからの努力に本当に感謝いたしております。
災害が起きたときに、給水拠点等の現場対応というのはどのようになるのでしょうか。
○冨田サービス推進部長 災害時におけます給水拠点等の現場対応については、応急給水槽においては、区市町職員が応急給水に必要な資器材等の設置及び住民等への応急給水を行うこととなっております。また、浄水場及び給水所等においては、局職員が応急給水に必要な資器材等を設置し、区市町職員が住民等への応急給水を行うこととしております。
○大島委員 区市町村との連携というのが非常に大事だというわけですから、そういう点では綿密な打ち合わせなども行っているかと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
二〇一三年九月策定の水道局震災対策事業計画を見ますと、給水拠点として、浄水場、給水所が百二十四カ所、応急給水槽が五十三カ所、小規模応急給水槽が二十五カ所、その他が一カ所ということで、合計二百三カ所となっています。
これは、これまで居住場所からおおむね二キロメートルの距離に一カ所の給水拠点の設置を目標として整備してきたということですけれども、この数で都内全域を網羅できているというふうには思いません。
また、高齢者や障害者など災害弱者の方が直線距離で二キロメートルもの道を、一日一人三リットル、水が必要だといわれておりますけれども、この三リットルの水を運ぶというのは並大抵の努力ではできないんですね。
私も、千住公園というところに実は応急給水槽がありますので、そこから私の事務所、龍田町にあるんですけれども、そこまで三リットルの水を持ってやったことがあるんですけれども、とても大変でした。
そういうことを考えると、応急給水槽や小規模応急給水槽を含めまして、給水拠点をもっとふやしていただきたいというふうに思っています。
災害対応については総務局が所管をするということで、水道局ではこれについてはなかなか答弁が難しいというふうにいわれましたので、これは要望としておきますが、水道事業者としても、ぜひこうした災害弱者の皆さん方のことを思って、給水拠点をふやす努力をしていただきたいなというふうに思います。
まず、給水拠点から二キロ以上離れている、そういう避難場所については、必要に応じて水道局が車両輸送によって応急給水を行うとしていますが、どの程度の水量を運べる給水車が何台ぐらいあるのか、配置台数と配置場所についてお伺いいたします。
○冨田サービス推進部長 給水所は、区部に十台、多摩に四台の計十四台を配置しており、一台当たり二立方メートルから四立方メートルの水量を運搬することが可能でございます。これらに加え、震災時には、全国の水道事業者間の相互協定等により、他都市が保有します給水車等の支援を受け入れる体制を整備してございます。
○大島委員 給水車配置台数というのを区部、多摩別に教えていただいたんですね。これを見ますと、確かに二立方から四立方メートルの給水車を配置はしているんですけれども、断水率の被害想定の高い区部東部地域には給水車が一台も配置されていないんですね。また、東京全体で、多摩も含めて十四台というのは余りにも少ないのではないかなと思います。また、震災時には、道路障害などで輸送が困難になるということも考えられます。
身近に水道局の営業所というのがあるんですけれども、こういうところには給水車の設備などを配置することはできないのでしょうか。
○冨田サービス推進部長 営業所に給水車は配備しておりませんけれども、車両で運搬可能な応急給水タンク等を約三百基、同じく角形ポリタンク約九千個を保有してございます。これらを営業所の局有車及び雇い上げ車両で輸送する体制を整備してございます。
○大島委員 応急給水タンクを営業所の車に乗せて運んでいくということですし、あと角形のポリタンクに水を入れて運ぶということで、これもまたすごい大変だなというふうに思うんですよね。
震災時の飲み水の備蓄というのは、先ほどもいいましたけれども、一人一日三リットル、三日分用意しなさいと今いわれていますけれども、車載用の応急給水タンクとかポリタンクの水の確保では、平常給水に復旧するまで相当不足するのではないかなというふうに思うんです。そういう意味では、こういった対策はもっと拡充していってほしいなというふうに思います。要望しておきたいと思います。
それから、震災時における給水の安定性を向上させるためには、水道施設全体の耐震性を向上させるということが必要です。浄水場、ろ過池の耐震化の到達状況と今後の見通しについてお伺いいたします。
○斉田企画担当部長 平成二十五年度末における浄水場、ろ過池の耐震化率については七六%、配水池の耐震化率については六七%となっております。
これら施設の耐震化に当たっては、更新計画等に留意するとともに、浄水場間において施工時期の調整等を行い、安定給水の確保を図りながら進めることが必要であります。
これらの点を踏まえて、先ほどのマスタープランでは、ろ過池の耐震化率は平成三十年度に一〇〇%、配水池の耐震化率は平成三十四年度末に九九%とすることを目標としております。
今後とも、マスタープランに基づき施設の耐震化を着実に推進してまいります。
○大島委員 震災対策の事業計画では、震災や事故などで個別の施設が停止しても、可能な限り給水できるようにバックアップ機能の強化に取り組み、浄水場と給水所との間及び給水所間を連絡する広域的な送配水管ネットワークを構築するとしています。
震災時のバックアップ機能の確保やアンバランスな配水地域再編のために、新たな給水所として足立区に江北給水所というのが今建設されておりますが、二〇一二年三月、環状七号線側の側道部分の脇の駐車場で、長さ八メートル、幅六メートル、深さ三メートルの陥没事故が発生いたしました。
この事故の原因や対策、影響などについてお伺いいたします。
○今井建設部長 本工事では、工事現場の外周部に設置している土どめ壁の内側において、地下水をくみ上げながら掘削を行っておりました。
事故の原因としては、土どめ接続部の止水性が低下し、工事現場地下の土砂がくみ上げた水とともに少しずつ流れ込んでしまったためと考えてございます。
対策といたしましては、地下水の流入を遮断するため、土どめ壁の補強及び工事現場の底板部から止水効果のある薬液を注入し、対策工事を完了しております。
こうした事故原因や再発防止策の検討及び地盤改良工事による対策の実施に二年を要しました。
○大島委員 こうした事故などが起きますと、時間もかかりますし、お金もかかってしまうということで、当初の事業計画は平成十五年度から平成二十四年度でこれは完了する予定だったんですが、変更後は二年おくれてしまって、平成二十六年度までかかってしまうということで、今、また工事が再開したということで安心はしておりますけれども、二〇一三年度中は結局、対策工事をずっと行っていたんですよね。
こういう対策工事をやらなければならない、それは当然なんですけれども、事前の調査などでこうした事態は想定されなかったのでしょうか。
○今井建設部長 ボーリング等の事前調査を踏まえ、当初の工法で十分だと考え施工しておりました。
○大島委員 地元の方たちは、結構この辺は地盤沈下などが起きたり、それから環七が通っているので、その工事のときなんかもかなり水が出たという話も聞いているんですね。だから、当然水が出るだろうと。それをくみ上げられちゃったら、うちの方が地盤沈下しちゃうんじゃないかとか、当初からかなり心配されていたんですね。
それから、環七通りとちょうど尾久橋通り、放射一一号線の交差点のところ、ちょうど江北陸橋という陸橋の下なんですけれども、そこに近いということで、地元の人たちも結構行き帰りに見るわけですよね。何やってるんだろうかと。やっぱり地域の皆さんは大変心配されています。
これを教訓にいたしまして、想定外では済まさずに、事前の調査や対策、こういったものを充実させていただきたいというふうに思うんですが、その決意を語っていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○今井建設部長 ただいまご説明しましたとおり、引き続き十分な調査等を踏まえて施工に当たってまいりたいというふうに思っております。
○大島委員 ぜひ想定外をなくすような方向で検討を進めていただきたいと思います。
次に、東京水道エネルギー効率化十年プランでは、施設や機器の一斉更新時期を迎えることを踏まえて、水道機器の効率化とあわせて、太陽光発電設備導入や水力発電機の設置スペースを確保するなど、効率的な導入に努めるとしています。
再生可能エネルギー導入に向けての取り組みについてお伺いをいたします。
○斉田企画担当部長 水道局では、都内電力使用量の約一%に相当する年間約八億キロワットアワーの電力を使用しております。このため、一層のエネルギー効率化を目指し、平成二十六年度から三十五年度までの十年間を計画期間とする東京水道エネルギー効率化十年プランを本年三月に策定、公表し、このプランを着実に推進しております。
十年プランでは、施設の更新などを踏まえ、再生可能エネルギーとしては太陽光発電二十五カ所、小水力発電六カ所の設置を計画しており、これまでの整備分約一千万キロワットアワーを含めて、年間発電量約二千五百万キロワットアワーを見込んでおります。
○大島委員 きょういただいた資料の中でも、各浄水場における自然エネルギー等による発電の状況、太陽光発電と水力発電でそれぞれ出していただきました。
こういったものも見てみますと、やっぱり再生可能エネルギーとして、浄水場などを利用した太陽光発電、それから、配水池へ水道水を引き入れるときの圧力と流量を利用した小水力発電、これが行われているということはよくわかります。
足立の中では、残念ながら小右衛門給水所では、小水力発電とか行っていないんですね。現在建設中の江北給水所では、小水力発電装置などを設置することができるんでしょうか。また、施設上部の活用計画というのは何かあるのでしょうか。
○横田設備担当部長 江北給水所につきましては、十分な引き入れ圧力と流量があるため、小水力発電設備を導入いたします。
なお、施設上部を活用した太陽光発電設備の導入につきましては、費用対効果を勘案しつつ検討を行っております。
○大島委員 江北給水所では小水力発電ができるということで、よかったなと思っています。ぜひ太陽光発電の設備も導入していただきたいなというふうに思います。
都内の電力使用量の一%が水道局の関係で使われているということですから、それはやっぱり、必要なところで、使えるものは使っていくということで考えていただきたいなというふうに思います。
東京都は、東京の消費電力に占める再生可能エネルギーの割合を二〇%程度に高めることを目指すといっているんですね。今後も、再生可能エネルギーの導入、拡大に向けた取り組みをぜひ進めていただきたいというふうに思います。
また、江北給水所の上部活用については、区民利用のできるものをという要望も地域からありますので、ぜひ検討もしていただきたいなというふうに思います。
きょうは、震災対策の取り組みなどについて質問させていただきましたが、震災時のライフラインの確保という点では、都民の関心は非常に高いものがあります。震災時における被害を最小限にとどめるための予防対策と、発災後の速やかな復旧と給水対策をさらに充実させることを要望し、質問を終わります。
ありがとうございました。
○田中委員 他の委員と重なっているところも多々あるため、まとめてまた質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
水道局の給水拠点について、今、大島委員から質問がありましたが、まず質問させてもらいます。
災害時最も懸念されることの一つは、水資源をいかに確保するかという問題であります。震災時に重要となるのは、浄水場や給水所、公園や学校に設置されているいわゆる給水拠点であります。
まず、給水拠点の役割と現在都内に設置されている数、あわせて、この数というのは、私の大田区では八カ所、お隣の目黒区では二カ所と数がそれぞれ違っておりますので、この数についてはどのような基準で設置がなされているのかお聞きします。
○冨田サービス推進部長 給水拠点ですけれども、震災時に必要となる飲料水を確保するための施設として、現在、都内に二百三カ所設置してございます。
それと、給水拠点でございますけれども、都内におおむね半径二キロメートルの距離内に一カ所設置することとされておりまして、その結果、大田区では八カ所、目黒区では二カ所が整備されているものでございます。
○田中委員 この基準の二キロメートルの距離での充足率は一〇〇%ほどだというので、つまり都内の二キロ以内にほとんど給水拠点が整備されているということには、数字上ではなります。
一方、これら給水拠点というのは、基本的に無人のところが多くて、私の地元大田区の一番近い上池台給水所もふだんは鍵が閉まっており、無人であり、地域の人でもあるのは知っていたけれども、生まれてこの方一度も入ったことがないという人がほとんどでありました。
そこで、本年、水道局と連携して防災訓練を行うために、給水所の脇に設置してあります応急給水栓を使っての給水訓練の説明を私も一緒に受けさせていただきました。
また、その後の話し合いで、給水栓の鍵の管理が、今までは出張所から飛んでくるという形であったんですが、大田区と地元の自治会とで鍵の管理も行うという協力関係ができ上がって、地元の自治会としては、自分たちがこの給水所を守るんだというか、使うんだといった自助を推進する大変大きなきっかけとなりました。
実際、この給水拠点、今二百三カ所あるといいましたが、震災時における管理運営というのはどのようになっているのか伺います。
○冨田サービス推進部長 大田区の給水拠点八カ所のうち五カ所につきましては、応急給水槽でありますけれども、こちらは区が応急給水活動を実施します。
また、三カ所の給水所につきましては、給水所の一画に区職員や地域住民が水道局職員の到着を待たずに応急給水活動ができるよう、応急給水エリアを順次整備してございます。
今後、応急給水エリアの整備が完了した給水所につきましては、区と覚書を締結し、区職員や地域住民の方による円滑な応急給水の実施が可能となるようになってございます。
○田中委員 震災が起きて鍵が、あかずの間で使えないのでは、先ほどいいましたように、せっかくかなり充足率高くなって整備したんでありますが、絵に描いた餅になってしまいます。今回、私の地域では、このようにして鍵の管理を区や地元自治会に任せていただいたわけでありますが、どの地域でも住民による応急給水が可能になるように、今順次、給水所の特に応急給水エリアという一部を囲って、そこを、鍵を管理できるようにするということをいっていただきましたし、また、これ整備計画の中にも入っておりますが、ぜひ整備を急いで、地元自治体との連携をさらに急ぐことを要望したいと思います。
これをいいましたのは、やっぱり、災害時において知っておいてよいことがたくさん情報としてはあるんですが、その中でもライフラインの確保というのは特に最優先課題であります。先ほどの議論でも、この数をふやすかどうかというのもありまして、もちろん目の前にたくさん、一キロ以内でも五百メートル以内でもたくさんあるのには、こしたことがないというのは私も理解はあるんですが、まずその前に、自分の家の近くの給水拠点はどこなのかということを、まず今、現時点であるものから知ってもらうことが必要かと思っております。
給水拠点に関しては、インターネット上で東京都給水拠点で引きますと、まず一番最初に出るのが水道局のホームページで、一覧表が出ます。その次に、グーグルの給水拠点一覧というのを水道局の方がつくっていただいたと思うんですけれども、それが出ます。
しかし、これ、二〇一一年につくられておりましたが、いまだ千回ほどしか表示されておらず、これもまだまだ浸透していないのかと思っています。
また、さらにホームページを見ますと、スマートフォンのアプリを開発したようで、アプリをダウンロードできるようなコードもホームページに載っておりましたが、アプリをダウンロードするというのは抵抗がありまして、これもなかなかちゅうちょする人が多いんじゃないかと思います。
そもそも、今挙げたもの、全てはインターネットがないと意味がありませんし、震災時に、では、家の近くに何があるんだろうとそのアプリを立ち上げるということは、使えないというのは、容易に想像できることでありますので、ぜひまず自分の身の回りの給水拠点がどこかということを知らせる努力をしていただければと思っております。
先ほどまつば委員の方から二〇一四年の地域向けの水道キャラバンということがご提案の方で始まっているということで、児童館や地域イベント等の出前講座も行っているということでありますが、ぜひ地域の防災訓練等のときも、このような防災拠点の話は、さらに給水拠点も使って防災訓練をするなど、あらゆる機会を通じて、誰もが自宅近くの給水拠点をまず知っているように、さらなる啓発活動を求めたいと思います。
また、学校で子供さんたちに教えることも有効かと考えております。子供がお父さん、お母さんに伝えるということがよくいろんな場面でありますので、子供に教えるという防災教育、これは局が違ってしまいますが、防災教育の中にも取り組みを盛り込んでいただけるように、私も提案をしていきたいと思っております。
次に移りたいと思います。次は、水道管管理図の電子閲覧について伺います。
本年第一回の定例会の一般質問で、私は水道管の管理図の電子閲覧について質問を行い、水道工事事業者が閲覧できるシステムを構築する旨の答弁がありました。
その後、どのようなシステムが構築されて運営が行われているのかをまず伺います。
○青木給水部長 水道管管理図の電子閲覧につきましては、IDとパスワードを取得した指定給水工事事業者を対象として、水道局のホームページからインターネットを介して閲覧するシステムを平成二十六年三月二十日から運用を開始しております。
○田中委員 IDを付与して、パスワードで見られるようにしたということでありますが、実際のIDの取得数、つまり利用者数というのは現在どのくらいであるかお聞きします。
○青木給水部長 平成二十六年八月末におけるIDとパスワードの交付者数は、約千七百社でございます。
○田中委員 このシステムを一からつくりまして、今回初めて立ち上げたということでありますが、このシステムの構築にかかった費用は幾らかお伺いします。
○青木給水部長 水道管管理図の電子閲覧に関するシステム構築費用は、約一千七百万円でございます。
○田中委員 このシステムは、水道工事の事業者のみに閲覧を可能にしたということでありますが、水道管管理図というのはなかなか専門的なものなんですが、公道から家の中に水道管がどういうふうに入っているかという図なんでありますが、これを必要としているのは、工事事業者だけではなく他の業種もありまして、特に代表的なものは不動産事業者であります。
ちなみに、先ほどこれを利用している工事事業者千七百といいましたが、平成二十五年三月末の都内における都知事の免許付与の不動産業者数は二万二千九百二十四社であり、この数の業者の人たちがこの管理図を必要としております。
水道工事事業者だけでなく、不動産事業者など利用頻度の高い業種にもぜひインターネットでの閲覧を可能にすべきだと考えますが、見解を伺います。
○青木給水部長 水道管管理図に記載されております給水管は、下水道管やガス管と異なりお客様の私有財産でありまして、情報管理の徹底が必要であると考えております。
このため、図面の閲覧は、窓口において閲覧者を確認し、さらに記載内容を理解している指定給水装置工事事業者以外の閲覧者につきましても、記載内容の誤解を防止する観点から対面にて実施しております。
水道管管理図の電子閲覧は、給水装置に精通し、記載内容を理解している指定給水装置工事事業者を対象に実施しているもので、さらに水道施設に対するテロ防止及び情報セキュリティーの面を考慮し、IDとパスワードを付与する対策を講じているものでございます。
○田中委員 今、部長の答えで二点、私有財産であるため記載内容の誤解があると困ると。また、テロの対策の観点からは、セキュリティーがあるという二点なんですが、この二点のことをいいますと、記載内容の誤解を防止するという理由においては、図面の読み方がわからない人は対面で説明を受ければいいわけで、またそうでない人は電子閲覧でというふうにすみ分けは簡単に可能でありますし、そもそも部長はわかっていっていらっしゃるとは思うんですけれども、窓口において閲覧者は一切確認しておらず、私も行きましたが、私でも見ることができ、さらにコピーも誰でもすることができ、さらにコピーも無料ですることができますし、対面にて実施はしておりません。
さらに、テロ対策の観点からできないという理由においては、IDとパスワードを使ってセキュリティー対策をしているのに、さらにこれをできないということであれば、裏を返せば、これでも守れないということをいっているともとられかねません。
また、テロ対策というならば、今いいましたように、現在の見ようと思えば誰でも閲覧可能な状態の方が問題かと考えております。
システム構築、運用に多くの費用が投じられています。千七百万というお金でありますから、この多くの費用が投じられている中で、一部の人だけが閲覧可能であるということには違和感を覚えまして、さらに公平性の観点からも、これからの運用においては、ぜひ運用が始まったばかりではありますが、検討すべき課題はあるかと思います。もう一度見解を伺います。
○青木給水部長 水道管管理図には、水道局が管理しております配水管とお客様の財産であります給水管を記載し、配管状況を表示しており、この表示内容を理解するには、配水管及び給水管に関する専門知識が必要でございます。
特に給水管はお客様の私有財産でございまして、情報管理の徹底が重要であります。このため、図面の閲覧は、事業所の窓口におきまして、閲覧者を氏名、住所等を記載していただいて確認するとともに、記載内容の誤解を防止する観点から、対面にて実施しておるものでございます。
このように、情報の取り扱いには十分配慮する中で、電子閲覧につきましても記載内容を十分理解している指定給水装置工事事業者を対象に、ことし三月に運用を開始したものでございます。
○田中委員 同じ答えであったんですが、私が疑問なのは、なぜ工事事業者のみがこのシステムを利用できるのか、裏返せばなぜ工事事業者しか利用できないのかということなんですね。
やりとりを一般質問の前にもさせてもらったときは、そもそも電子閲覧をやらないという話だったんですが、そのやらない理由が先ほどの二点であったわけでありますが、このように一部の業者は利用することになりました。
流れとしては、この間政府も電子閲覧、電子申請を大きく進めておりますし、東京都でも電子閲覧、電子申請は各局で進めております。登記簿謄本も住民票も、今や電子閲覧申請が可能であります。
先ほど部長にいってもらいましたが、不動産業者においてその他必要なのには、下水道の埋設管図やガスの埋設管図がありますが、これらは電子閲覧でとることができ、わざわざ水道局に毎日不動産業者の人たちが行って、コピーして、それを添付してということをやっていますから、それが必要なくなり、二十四時間閲覧ができます。
事業者のホームページを見ますと、二十四時間閲覧できますと。また、来訪しなくても、便利ですよ、ぜひ使ってくださいといっているんで、それであるならば、同じように不動産業者も宅建の免許を取って、国家資格を取ってやっているわけであって、さらにいえば、水道管管理図は、重要事項説明書の必要書類として要望されているわけであって、決して個人のもので使うとか、お金もうけのために使うんでなくて、売買取引においては必要だからこそいっているわけであります。
さらにいえば、不動産業者においては、私有財産の点が問題ではなく、その前面道路、公路面からどれだけの管が入っているかと。百ミリの管があったらそこから二十ミリの管が家の中に入っているということが必要であって、中の配線がどうこうというのは、そこまでは重要事項説明書では必要とされておりません。
そういうことを加味すると、かたくなに閲覧はしないということは水道局の考えがあるようでありますが、検討をすることぐらいはできるかと思います。
もっといえば、これを始めるに当たり、どのような検討があって、最終的にこのような話になったのか、そこから伺いたいと思うんで、経緯をお聞かせください。
○青木給水部長 ただいま先生からお話がございましたガス、下水の電子閲覧につきましては実施しておりますが、いずれも個人の情報は含まれていない形で閲覧されているというふうに認識しております。
私どもの給水装置につきましては、水道の施設とお客様をつなぐお客様所有の重要施設と認識しておりまして、これに関する新設や改造などの工事は水道法などで定められております指定給水装置工事事業者のみが実施できるとされております。
こうした点を踏まえまして、お客様の個人情報に関する記載のある水道管管理図につきましては、十分に管理された仕組みで閲覧していただくことが重要であるとの認識のもと、電子閲覧につきましても記載内容を理解している指定給水装置事業者を対象にして、情報セキュリティー等を考慮し、本年三月に運用を開始したところでございまして、引き続き運用状況や情報セキュリティーなど、さまざまな面で留意しつつ、適切に運用してまいりたいと思っております。
○田中委員 これ以上いっても堂々めぐりになってしまうので最後にしますが、不動産業者はあくまで、工事をするためにそれを必要とするのでなく、さらに、工事をした後その図面を書きかえるわけでなく、現在、今の時点で水道管が公道からどのように入っているかという、今の現状の情報だけを知りたいので、コピーしに毎日局に通っているわけでありますので、必要の用途が全く違うということを部長も理解されていていわれているかと思うんですが、その上で、私は再度、不動産業者だけではありませんが、必要として毎日窓口に決まった時間の中で行かなきゃいけないという各事業者の人に使えるように検討していただきたいということだけ要望させていただきたいと思います。
時間がなくなりますので、次の質問に移ります。民間林の購入事業について伺います。先ほどこれは北久保先生の方からありましたので、一問だけお聞きしたいと思います。
二十五年度、千ヘクタールという広大な山林を購入したということが報告されましたが、この事業は、東京水道経営プラン二〇一〇において、事業期間はおおむね五年とする民間林の購入モデル事業を計画して、平成二十二年度から着手されている事業かと思います。
先ほどの実績のお話は、二十四年度で二件、三十六ヘクタール、二十五年度で三件、千一ヘクタール、計五件の千三十七ヘクタールを購入したといった報告はありました。
その中でちょっと視点を変えますと、私たち党でも二十二年の本会議で民間林購入事業について大きく取り上げましたが、森林の買収において、これも各党の先生からも意見が出ておりました外国資本の動向というのが大変問題視されております。
当時では、東京都においての外国の資本による買収の事例はなかったということでありますが、そこから数年たっております。現在の状況は、農林水産省が全国の事例を取りまとめて発表しているということでも伺っておりますが、調査結果はどのようなものが出ているのか伺います。
○田村浄水部長 外国資本による森林買収の事例につきましては、国が外国資本による森林買収に関する調査の結果を取りまとめて、平成二十六年四月に公表しております。
これによりますと、東京都において、外国法人または外国人と思われる者による森林買収の事例はないとの結果でございました。
○田中委員 ないということで、今時点では安心しました。
外国資本による買収もなく、また、今回のような大きな民有林購入の事例もあり、この事業が順調に進んでいることかというふうにも見えます。
一方で、先ほどの委員の質問の中にもありましたが、間伐、枝打ち等の整備においても、まだ多々課題はあるということであります。
森林づくりは百年の計ともいわれ、大変に息の長い取り組みであります。さらに、森林とそこから生み出される水源というのを、私たち世代ではなく、後世にもしっかり引き継いでいかなくてはなりません。
この間、平成二十二年に質問した後、国もこのことについて大きく取り上げ、新しい制度もスタートし、売買契約の後の事後届も義務づけられました。さらに、一ヘクタール未満が多くを占める中、把握が難しいといわれておりましたが、面積基準もなくなって、かなり森林の土地所有者の把握が法的にも進んでいるということもお聞きしております。ぜひともこの事業を着実に進めてもらいたいことを要望したいと思います。
最後に、工業用水の事業会計についてお聞きします。
報告の中での最後に報告があった事業会計でありますが、この事業は地盤沈下防止ということで昭和三十九年から始まり、大変大きな役割を果たしてまいりました。
一方、利用ピークは昭和四十九年であり、所期の目的は昭和五十年代には十分果たされたということであります。
決算概要の中でも需要減少が続き、厳しい事業環境にあるという報告を受けましたが、需要の減少の状況というものを伺います。
○田村浄水部長 工業用水道の需要は、工場の都外への転出、水利用の合理化の進行等に加え、近年の景気低迷による工場のさらなる閉鎖などによりまして、年々減少を続けてきております。
その結果、料金収入に影響する基本水量は、平成二十五年度末では日量四万立方メートルで、ピーク時の九分の一近くまで減少しております。
○田中委員 ピークの九分の一と大変大きな減少をし、さらに所期の目的を果たしてから、振り返れば四十年近くたっています。
この四十年の間、この事業の運営を、どのように効率を考え、また事業運営として進めてきたのか伺います。
○田村浄水部長 水道局では、工業用水の需要減少に対しまして、工業用水道施設の余剰能力を有効活用し、冷却水、洗車用水、トイレ用水などの雑用水の供給を開始し、工業用水の需要拡大を図ってまいりました。
また、二地区あった事業を統合するとともに、四カ所あった浄水場を一元化し、事業のスリム化を図りました。
さらに、施設の維持管理業務や料金徴収業務を水道事業に委託するなど、業務執行体制の効率化を進めるとともに、資産の利活用や不用となった事業用地の売却などを行い、収入の確保にも努めてまいりました。
このように水道局では、工業用水道事業を安定的に運営していくため、これまで可能な限りの経営努力に取り組んできております。
○田中委員 今、一部の取り組みをいってもらいましたが、幾つかいろいろと教えていただきまして、この間の取り組みを聞きますと、本当にあらゆることを、全てやれるだけのことをやってきて、取り組みを進めてきたわけでありますが、かなりやれるだけのことはやって、もう根本的にどうするかというところまできているんじゃないかという考えがします。
そんな中、一方で根本的な計画改革に関しても議論が行われているということも聞いておりますが、この根本的な経営改革議論がいつごろからされているのかお聞きします。
○田村浄水部長 工業用水道事業の抜本的な経営改革につきましては、庁内関係各局による工業用水道事業のあり方に関する検討会を設置して、平成十八年から検討を進めております。
○田中委員 平成十八年からということで、十年近い議論が毎年されているということでありまして、事業運営の最終的な判断というのは、財務局が事業をどうするかというのは判断するということもお聞きしましたが、この事業のあり方検討会の中では、廃止を含めた抜本的改革も必要ではないかといった声も上がっております。近いうちに今後の見通しを示す必要があると考えております。
もちろん、工業用水の安定供給というのは持続していかなければなりませんし、現在利用している企業がありますから、今すぐ廃止をして、はい、終わりというわけにはいかないわけであります。しかし、このあり方に対する検討会が毎年毎年行われ、十年近くにわたる議論というのは、一方では結論を先延ばしにしているともとりかねません。
ですので、現在利用している企業等の実情ももちろん聞いているかと思いますが、このようなことを加味した上で、今後の事業のあり方を徹底的に議論して、結論に導いてもらうことを要望しまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○宮瀬委員 今まで震災対応の話も出てまいりましたが、私からも異なる視点から首都直下地震について質問させていただきます。
東京都防災会議は、平成二十四年四月に首都直下地震等による東京都の被害想定を発表いたしました。三十年以内にマグニチュード七以上の地震が七〇%の確率で起きるとされている東京湾北部地震、いわゆる首都直下地震の断水被害においては、都全体では三四・五%、内訳を見ますと、区部四五%、多摩地区一一・七%となっております。
また、房総半島の南沖を含む広範囲が連動した地震、いわゆる元禄型関東地震に至っては最も断水被害が発生し、都全体では四五・二%、内訳を見ますと、区部五〇・四%、多摩地区三四%に及ぶとされております。
そこで、さきの分科会での水道局のご説明においては、主な事業の中に震災対策が挙げられておりました。水道管路や給水管の耐震強化、横浜市との合同訓練を実施するなど、予防について詳細がありましたが、私の方からは特に、発災直後の動きについてご質問させていただきます。
まず最初に、今後予想される首都直下地震に際し、水道局としてどのような体制を組んでいるのかお伺いいたします。
○黒沼総務部長 首都直下地震等の災害が発生した場合、まずは応急対策の活動方針策定に必要となりますさまざまな情報を迅速に収集することが不可欠でございます。そのため当局では、発災後直ちに情報室を設置いたしまして、水道施設の被害状況や職員の参集状況等の情報を集めることといたしております。
なお、夜間、休日の発災に関しましては、あらかじめ指定しております情報室初動要員が自動的に参集して情報収集活動に従事いたします。
また、応急対策活動の方針を定める期間といたしまして、水道局長を本部長とする給水対策本部を速やかに設置してまいります。
さらに、これらの活動に必要な職員の体制につきましては、勤務時間内におきましては局長が状況に応じて発令いたしまして、夜間、休日等におきましては、震度に応じてあらかじめ定めました基準に基づき、職員が自動参集し、初期活動を展開することといたしております。
○宮瀬委員 ありがとうございます。震度や災害の規模に応じた体制がとられていることが確認できました。
一方、災害は昼夜を問いません。また、必ずしも局長が都庁に来られるとも限りません。今後は、ぜひ日ごろから指揮命令系統を明確化していただき、集まった人数においても常に最低限の判断ができるようシミュレーションをしていただくことや、勤務時間外での参集も取り入れていただくよう要望いたします。
さて、厚生労働省では、水道の危機管理対策指針策定調査を実施し、水道事業者が危機管理対策マニュアルを策定する際の参考となるよう、危機管理対策マニュアル策定指針及び災害時相互応援協定策定マニュアルなど、報告書をまとめてまいりました。
そこで、このような報告書を受けまして、東京都水道局ではどのようなマニュアルを策定しているのかお伺いいたします。
○黒沼総務部長 当局で策定しております東京都水道局震災応急対策計画では、地震災害等により平常給水に影響がある場合に、一刻も早い平常給水への回復及び可能な限りの飲料水の確保を図ることを目指しまして、職員の活動体制や応急復旧及び応急給水活動等について定めてございます。
なお、この計画の内容は、今お話のございました厚生労働省の地震対策マニュアル策定指針に基づいたものとなってございます。
○宮瀬委員 ありがとうございます。しっかりと国の方針に基づき、東京都のマニュアルが整備されていることが確認できました。
一方、厚生労働省の報告書にも書かれておりますが、訓練を定期的に実施し、随時同マニュアルの内容を点検、検証し、必要に応じ改定していくこともあわせて要望いたします。
さて、首都直下地震の際に、一刻も早い水道復旧が望まれることが予想されておりますが、その鍵を握るのは初動、すなわち発災後七十二時間の対応が最も重要であることはいうまでもありません。
そこで、発災後七十二時間の水道局の対応を改めてお伺いいたします。
○黒沼総務部長 発災後七十二時間までのいわゆる初動の段階では、応急復旧、応急給水、情報提供、この三つの活動を軸に実施してまいります。
まず、応急復旧活動におきましては、首都中枢機関や災害拠点病院等の重要施設につきまして、三日以内の復旧を目指してまいります。あわせて、取水、導水、浄水施設等の被害状況を把握しつつ、各施設の機能回復に向けた復旧活動を開始いたします。
また、応急給水活動では、断水等の発生状況を踏まえまして応急給水計画を策定し、給水拠点等において区市町との役割分担に基づいた応急給水を実施いたします。
さらに、水道に関するさまざまな情報を機動的かつ適切に都民に提供するために、多様な媒体等を活用した広報活動を展開してまいります。
○宮瀬委員 体制と七十二時間の対応についてお伺いしてまいりましたが、では、引き続きまして、実際にどのような訓練をしているのか、また、二十五年度は具体的にどのような取り組みを実施したのかお伺いいたします。
○黒沼総務部長 当局では、職員の危機対応能力の強化を図るため、さまざまな主体と連携した防災訓練を実施しております。具体的には、水道局の総合防災訓練としまして、監理団体や区市町等、関係団体等と連携をいたしました実動訓練を毎年一回実施しております。
このほか、平成二十五年度におきましては、拠点給水訓練といたしまして、退職者災害時支援協力員や区市町職員、地域の住民の方々と連携いたしました応急給水訓練を四十回実施してございます。
さらに、消火栓等からの仮設給水栓を使った応急給水訓練につきましては、区市町職員を対象に四十一回実施いたしました。
加えまして、他都市との訓練といたしまして、災害時の相互応援協定を締結しております横浜市との合同訓練や、連絡管の相互融通訓練を川崎市、朝霞市と実施したところでございます。
○宮瀬委員 ありがとうございました。家庭での水、食料、生活必需品の備蓄を二〇二〇年までに一〇〇%を目指していく方針を東京都は掲げているものの、現在は半分を超えるにしか至っておりません。
水はまさに生命線であります。既に、冒頭申し上げました東京都防災会議にて、元禄型関東地震においては、都全体では四五・二%、すなわち約過半数が断水することが既に予想されておりますので、想定外という言葉は通用しなくなっております。
何とぞ、その四五%の数的根拠と、それに基づく断水箇所を詳細につかんでいただき、具体的な給水のシミュレーションを組んでいただければと思っております。
さて、次に、首都直下地震において、東京都の水道局だけでは対応できないケースも十分予想されます。
そこで、横浜市との合同訓練をしたとのことでありますが、応援都市はどのように決定しているのかお伺いいたします。
○黒沼総務部長 水道局では、政令指定都市等の大都市の水道事業体との間で、十九大都市水道局災害相互応援に関する覚書を締結いたしまして、大都市において災害が発生した場合には、各都市の水道事業体が相互に応援することを定めております。この覚書におきまして、応援活動を円滑に実施するため、あらかじめ各都市にそれぞれ応援幹事都市が設定されておりまして、東京都には、第一順位として横浜市が、第二順位として仙台市が割り当てられてございます。
○宮瀬委員 ご答弁の中で仙台市の名前がございましたが、東日本大震災が発生した際には、仙台市を含めまして被災地に実際に職員をどう派遣されたのでしょうか。また、何を教訓として持ち帰ることができたのでしょうか。
○黒沼総務部長 東日本大震災の発生時には仙台市を含めました被災地全体に対しまして、三月十二日から五月十一日にかけて、応急給水六十一名、応急復旧四十三名、その他被災状況調査二名の計百六名を派遣いたしました。
この中で、発災直後の仙台市におきましては、応急給水を行うための職員が不足し、給水を行えない施設もあったと聞いております。
こうした教訓を踏まえまして、東京都では、水道局職員の参集を待たずに、住民の方みずからが応急給水を行えるよう、給水拠点の施設用地内に応急給水エリアを区画いたしまして、専用の給水栓を設置するなどの整備を順次行ってきているところでございます。
○宮瀬委員 本当にお疲れさまでございました。ぜひその教訓を東京都の首都直下地震の際にも生かしていただければと思っております。
しかし、一方、東日本大震災においては、仙台市だけでなく、東京都もまた被害が出ました。首都直下地震においては、東京が被災した場合は、横浜市においてもまた同様の被害も予測されます。
そこで、日本水道協会救援本部だけでなく、今後、応援幹事都市に関しましても、その見直し、または追加の際には、太平洋側である横浜市が日本海側である新潟市と覚書を結んでいるように、東京もまた同一災害で被害に遭うリスクが低い他の都市を検討すべきことを要望とさせていただきます。
さて、続きまして、都市型災害の阪神・淡路大震災のケースについてお伺いいたします。
阪神・淡路大震災の際は、助けに行ったのにすぐ動けなかった、そういった事情もあったと聞いております。実際に阪神・淡路大震災のときは、どのような教訓が得られ、どう生かしているのかお伺いいたします。
○黒沼総務部長 ご質問にお答えする前に、先生の方からただいまご要望ございました日本海側の都市との連携につきまして、若干お話をさせていただきたいと思います。
先ほど申し上げました十九大都市の水道局の応援に関する覚書とは別に、先生からも言及がございました全国の水道事業体におきましては、日本水道協会による支援の枠組みが整備されてございます。
東京が被災した場合は、関東支部内での支援に加えまして、日本水道協会の本部から日本海側を含みます中部支部のほか、関西、九州といった他都市からの応援を受けることが可能な枠組みが整備されてございます。
ただ、こうした広範囲からの応援隊の移動を受ける受け皿が非常に問題でございまして、このため、その中継ぎとなる中継水道事業体に関しまして、当局は先日、茨城県の企業局と覚書を締結し、こうした日本水道協会による広域応援の枠組みの実効性を高めたところでございます。
それでは、ただいまのご質問にお答えいたします。阪神・淡路大震災発生後、神戸市に応急復旧の応援を行った際には、水道管のバルブの構造が異なりまして、都のバルブ操作用の開栓器が使用できず、急遽、開栓器を製作したという事態がございました。
こうしたことから、先ほど申し上げました十九大都市の覚書におきまして、東京都の応援幹事都市と定められております横浜市及び仙台市とは別途覚書を交わしまして、定期的に資器材等に関する情報交換を行い、互いの資器材等の相違点や備蓄状況について確認をしているところでございます。
さらに、その他の広域応援ということで都市を受け入れる場合の対応といたしまして、資器材の規格が合わないことも想定いたしまして、当局における資器材の備蓄状況を確認し、資器材を増強する等により、他都市からの応援隊にも貸し出せるように備えをしているところでございます。
○宮瀬委員 ありがとうございました。ここまで東日本大震災、阪神・淡路大震災の教訓をどう生かしていくのかということで、水道局でお伺いさせていただきました。ぜひ首都東京の水を守っていただきたいと思っております。
では、次の質問に参ります。過去、関東大震災の際には、井戸に毒が投げ込まれたといったデマが広がり、多くの悲惨な事件が起きました。予想される首都直下地震に際しましても、水に対する正確な情報をどうスピーディーに都民に提供していくのかは大きな課題であります。
そこで、水道局において、災害時にどのような広報活動を行うのかお伺いいたします。
○黒沼総務部長 震災時の広報活動といたしましては、東京水道全体の情報に関する本部広報と各地域ごとの水道の情報に関する地域広報、これを二元的に実施してまいります。
まず、本部広報につきましては、都災害対策本部を通じてプレスリリースを行うことに加えまして、局のホームページやツイッター並びに在京ラジオ七局の生放送も活用しながら、プレスリリースの内容を幅広く都民に情報提供してまいります。
また、地域広報につきましては、局事業所の拡声機つき広報車の使用やビラ等の配布、あるいは区市町設置の防災無線、屋外放送塔の活用などにより、給水拠点における応急給水の実施状況など、各地域で必要とされる具体的な情報をきめ細かくお伝えすることとしております。
○宮瀬委員 ありがとうございます。水道局だけの話ではありませんが、ぜひこの取り組みを平時からあらゆる角度からシミュレーションしていただければと思っております。
携帯も通じず、電気もつかず、道路も寸断され、車両が通れないような事態も十分想定されます。また、実際に水道局各事業所自体が被災し、連絡がとれない場合はどうするのか、FMラジオが東日本大震災のときは活躍したということでありますが、どうそれを生かしていくのか、実際にデマが広がった場合、どう収拾させるかなどなど、あらゆる想定をし、平時から訓練に生かしていただければと思っております。
では、最後の質問になります。残念ながら、首都直下地震が起きた際に、一部暴徒化した住民やテロ組織などによって、浄水施設や水源地が狙われるかもしれません。
浄水施設や水源地ではどのようなテロ対策を行っているのか、また実際に起こってしまったときの対応をお伺いいたします。
○田村浄水部長 浄水場におけるテロ対策といたしましては、水質の異常を速やかに察知するため、魚の反応を利用した毒物検知水槽によって、原水及び浄水を二十四時間監視しております。
また、浄水処理の最終工程となるろ過池におきましては、異物の混入を防止するため、上部にアルミ製の覆いを設置しております。
さらに、貯水池におきましては、テレビカメラによる監視や船からの湖面巡視によりまして、魚の大量死などの異常や不審者、不審物の早期発見に努めております。
これに加えて、浄水場や貯水池などでは、不審者の侵入を防止するため、周囲柵の設置や赤外線による侵入防止センサーの整備等の対策を講じております。
そのほか、テロの未然防止と緊急時の対応に備えて、警察を初めとする関係機関との連携を強化し、浄水場の巡回等協力体制を整えております。
次に、実際に浄水場等でテロが発生し、毒物などが投入された場合でございますが、TOKYO高度品質プログラムにおきまして策定している水質事故時の対応マニュアルに基づきまして、粉末活性炭の注入など、浄水処理を強化することで対応してまいります。
このような浄水処理の強化で対応できず、送配水を停止した場合や、浄水場や給水所など水道施設が破壊された場合には、緊急時の対応マニュアルに基づいて、他の施設からの送配水量の増強により対応していくこととしております。
○宮瀬委員 ありがとうございます。単体のテロ対策であれば、通常のマニュアルも機能するかもしれません。しかし、首都直下地震の際は、通信手段も限られ、孤立した事業所の職員だけでは何かあった場合、対応することが難しいかもしれません。
また、海外では、水源地を明らかにしていない国もあるほどであります。
首都直下地震の際に、何者かに職員が拘束され、浄水池に毒物を投げ込まれた場合、ともすれば地震の死者を上回る死者の想定もあるやもしれません。
これは逆に提案ではございますが、あらかじめ警視庁と協定を結び、首都直下地震など大規模災害においては、浄水施設や水源地に武装した複数の警官を自動的にあらかじめ配備していただくような状態、要請はいかがでしょうか。ぜひご検討いただくことを要望いたしまして、私からの質問を終わります。
ありがとうございました。
○松村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時七分散会
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