委員長 | 山加 朱美君 |
副委員長 | 中山 信行君 |
副委員長 | 近藤 充君 |
副委員長 | 大島よしえ君 |
河野ゆうき君 | |
塩村あやか君 | |
中山ひろゆき君 | |
栗山 欽行君 | |
桜井 浩之君 | |
新井ともはる君 | |
神林 茂君 |
欠席委員 なし
出席説明員交通局 | 局長 | 新田 洋平君 |
次長 | 塩見 清仁君 | |
総務部長 | 鈴木 尚志君 | |
職員部長 | 小泉 健君 | |
資産運用部長 | 樋口 正勝君 | |
電車部長 | 太田 博君 | |
自動車部長 | 土岐 勝広君車 | |
両電気部長 | 石井 明彦君 | |
建設工務部長 | 遠藤 正宏君 | |
企画担当部長 | 広瀬 健二君 | |
安全管理担当部長 | 岡本 恭広君 | |
バス事業経営改善担当部長 | 根木 義則君 | |
技術調整担当部長 | 奥津 佳之君 | |
技術管理担当部長 | 野崎 誠貴君 |
本日の会議に付した事件
平成二十四年度東京都公営企業各会計決算の認定について
交通局関係
・平成二十四年度東京都交通事業会計決算(質疑)
・平成二十四年度東京都高速電車事業会計決算(質疑)
・平成二十四年度東京都電気事業会計決算(質疑)
○山加委員長 ただいまから平成二十四年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の決算に対する質疑を行います。
これより交通局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十四年度東京都交通事業会計決算、平成二十四年度東京都高速電車事業会計決算及び平成二十四年度東京都電気事業会計決算を一括して議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○鈴木総務部長 過日の分科会でご要求のありました資料を、お手元の第一分科会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
一ページをお開きいただきたいと存じます。事業別非常勤職員数の推移でございます。
各事業における非常勤職員数を、過去五年間分記載してございます。
次に、二ページをお開きいただきたいと存じます。日暮里・舎人ライナー各駅一日平均乗車人員の推移についてでございます。
日暮里・舎人ライナー各駅の一日平均乗車人員を、過去五年間分記載してございます。
以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○山加委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○河野委員 まず、都営地下鉄について何点かお伺いいたしたいと思います。
都営地下鉄は、昭和三十五年の浅草線の開業に始まり、三田線、新宿線、大江戸線と順次開業をして、東京の都市生活、都市活動を支えている大きな大動脈として機能しておりますが、先日の決算概要説明では、局長から、平成二十四年度は経営計画ステップアップ二〇一〇の最終年度として、安心・安全の確保、質の高いサービスの提供や社会的な要請への対応、経営力の強化に取り組んできたとの説明がありました。交通事業を行う者として、安全を最優先にされているという局の考え方は、そのとおりだと私も思います。
そこで、質問いたします。防災の対策についてお伺いしたいと思いますが、去る十月十六日、台風二十六号の直撃により、伊豆大島では甚大な被害が発生したわけですけど、例年に増して、ことしは台風が多く上陸いたしました。また、ゲリラ豪雨も、近年では多数発生しているということもあり、これに対して、地下鉄での大量の水が流れ込むという可能性も懸念されているわけですけど、そこで質問いたします。
交通局では、水害による都営地下鉄への浸水を防ぐため、これまでどのような取り組みをされてきたのか、お伺いいたします。
○岡本安全管理担当部長 都営地下鉄では、周辺の過去の浸水被害や地形を考慮し、これまで、駅の出入り口に止水板や防水扉を設置するとともに、地下鉄内の自然換気を行う歩道上の通風口に浸水防止機を設置してまいりました。
こうした中、沿線各区が、平成十二年九月の東海豪雨の規模を想定したハザードマップを平成二十年度までに公表したことから、改めて浸水の可能性について検証を行いました。現在、その結果を踏まえ、止水板のかさ上げや浸水防止機の増設等を順次実施しており、今年度末には、必要とされる全ての箇所で整備を完了する予定でございます。
また、駅、運転、保守の各部門が、毎年合同で避難誘導、止水板や土のうの設置、部門間の情報伝達等を内容とした自然災害防止訓練を行っているほか、万一の浸水に備え、お客様を避難誘導するための水防法に基づく避難確保計画を全ての地下駅において策定し、マニュアルに従って、日ごろから職場単位で個別に訓練を実施しております。
○河野委員 ありがとうございます。ハード面の整備ももちろんですけど、ソフト面においても、そのような誘導訓練を含めて、しっかりとこれからも行っていただきたいと思います。
また、浸水対策とともに忘れてならないのは、地震への対策だと思います。本年の第一回定例会で、地下鉄施設におけるさらなる耐震対策が必要であると、我が会派からの代表質問がなされましたが、局長は、東日本大震災での教訓を踏まえ、運行の早期再開の観点から、国の方針に先駆けて、一歩進んだ対策に取り組むと答弁をしていただいております。
そこで、都営地下鉄の耐震対策はどのようにされているのか、この間の進捗状況を含め、お伺いいたします。
○遠藤建設工務部長 耐震対策についてのお尋ねでございます。
都営地下鉄におきまして、阪神・淡路大震災を受けて発出されました国の通達に基づく施設の耐震対策は既に完了してございます。
しかし、一昨年の東日本大震災では、高架部に被害を受けた仙台市営地下鉄などが、全線での運行再開までに二カ月近くの時間を要することとなりました。
都営地下鉄といたしましては、首都直下地震が発生しても、施設が大きな損傷を受けることなく機能を保持できることが重要であると、このように考えてございます。
このことを踏まえた独自の取り組みといたしまして、運行の早期再開を図る観点から、高架部の橋脚及び地下駅の中柱、約三千八百本を対象といたしまして耐震補強を進めております。
具体的には、まず、運行の起点となる車両基地から、折り返し運転が可能で他社線との乗りかえ駅までの間を優先的に実施してまいります。三田線の場合で申し上げますと、志村車両基地から巣鴨駅までがこれに該当いたします。既に、志村車両基地と本線を結ぶ高架橋の補強工事を本年六月に完了しておりまして、引き続き、高島平駅から西台駅までの工事を実施してまいります。現在、高架下を車庫として利用している方々と一時移転の調整を行いながら、鋭意準備を進めているところでございまして、年明けには現地での工事を開始する予定でございます。
今後も、経営計画に基づきまして耐震対策を着実に進め、より安全・安心な地下鉄を目指してまいります。
○河野委員 特に三田線に関して詳しいご答弁をいただきまして、ありがとうございます。
東日本大震災の際には、都営地下鉄や都電、都営バスがいち早く運行を再開されたということで、都民の皆さんも感謝の声が大変多かったと思っております。この早期の運行再開には、施設の被害を最小限にとどめることが必要であり、今後とも耐震対策に万全を期していただきたいと思います。
耐震対策にあわせて都営地下鉄の安全性を高めていくためには、老朽化した施設の更新が課題となります。老朽化が進行したインフラを更新するのは、特にトンネルが多い都営地下鉄では大変困難をきわめると思いますが、したがって、この高度経済成長期に建設された都営地下鉄の構造物については長寿命化を図っていくことが重要だと考えておりますが、老朽化したトンネルについて、点検とともに、長寿命化についても考慮した計画的な維持補修、修繕を実施していただきたいと思います。
そこで、開業後五十年を超えた都営地下鉄において、長寿命化にどのように取り組んでいるかを質問いたします。
○野崎技術管理担当部長 都営地下鉄では、開業から相当期間が経過したトンネルもあることから、老朽化対策を進め、施設を健全な状態に保つことは重要な課題であると認識しております。
本年春に、トンネル側壁部の剥落が発生しましたことから、直ちに緊急対策工事を実施し、七月までに全て完了いたしました。
今後は、新たな検査手法を取り入れながら、効率的かつ入念な打音調査等を行い、国基準を上回る内容でトンネルの点検を実施してまいります。
また、剥落の主たる原因は、漏水により鉄筋が腐食、膨張し、コンクリートが押し出されたものと推定されますことから、漏水対策工事など大規模修繕工事をスピード感を持って実施してまいります。
引き続き、地下鉄施設の長寿命化に積極的に取り組み、安全・安心の確保に万全を期してまいります。
○河野委員 施設の確実な点検とあわせ、効果的な長寿命化対策を行い、今後とも安全な運行を確保していただきたいと思います。
次に、バリアフリーについてお伺いいたします。
地下鉄利用者の安全対策として、ホームからの転落事故を防止する上で有効なのはホームドアの整備であります。ホームドアを整備した駅では、転落事故が発生していないと聞いておりますが、交通局は、我が会派の要望に応え、三田線に続き大江戸線のホームドアの設置を進めていただいております。
そこで、地下鉄でのホームドアの整備状況についてお聞かせください。
○奥津技術調整担当部長 交通局では、都営地下鉄四路線のうち、二路線でホームドアの整備を完了しております。
初めに三田線の整備を実施し、平成十二年に全駅で稼働させました。さらに、平成二十三年度より大江戸線の整備を実施し、本年四月に全三十八駅で稼働を開始いたしました。
現在、都営地下鉄百六駅中六十五駅においてホームドアが稼働しており、これは、都営地下鉄全体の六一%の整備率となってございます。
残る浅草線、新宿線につきましては、現在、相互直通運転各社との協議を鋭意進めているところでございます。
○河野委員 浅草線と新宿線は、相互乗り入れの関係で、やや時間がかかっているということですけど、積極的にぜひとも進めていただきたいと思います。
ホーム上の安全を確保する対策として、国土交通省及び鉄道事業者で構成されるホームドアの整備促進等に関する検討会の中間報告では、利用者十万人以上の駅では、ホームドアの整備、または、どちらが軌道側なのかを示した内方線つき点状ブロックの整備を優先して速やかに実施するよう努めることとしておりますが、この点について、一昨年の公営企業会計決算特別委員会で我が会派から質問し、内方線つき点状ブロックの整備予定を伺っていますが、そこで、その確認を含めて、内方線つき点状ブロックの整備状況についてお伺いいたします。
○野崎技術管理担当部長 都営地下鉄では、ホームでのお客様の安全性を確保するため、平成十六年度から内方線つき点状ブロックの整備を順次行ってまいりました。
こうした中、平成二十三年八月、視覚障害者のホームからの転落死亡事故を受けまして設置された国の検討会中間報告の中で、転落防止対策として、利用者一日一万人以上の駅においては、原則として、内方線つき点状ブロックの整備等を速やかに実施するよう努め、特に利用者十万人以上の駅においては、内方線つきJIS規格化点状ブロックの整備を実施するよう努める旨の考え方が示されております。
これを受けまして、ホームでのより一層の安全性を確保するため、浅草線、新宿線の内方線が設置されていない二十九駅の点状ブロックに、緊急措置といたしまして内方線を付加することとし、平成二十四年度末までに対応を終えました。
さらに、今年度から、利用者十万人以上の神保町など五駅において、内方線つきJIS規格化点状ブロックへの改修を行っておりまして、平成二十六年度末までに完了する予定でございます。
○河野委員 ホームドアが整備されていない浅草線、新宿線の整備が待たれるところですが、先行して安全対策を行っているとのことで、安心への取り組みを引き続き期待いたします。
さて、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、開催時には、国内のみならず、外国からも多数の方々が東京に訪れることになります。障害者の方も含め、誰もが利用しやすい公共交通機関の実現に向けて一層の取り組みが求められております。
先日の決算概要説明で局長から説明がありました。交通局は、二十四年度に、都営地下鉄の優先席を、一両当たり二カ所から四カ所に倍増させております。加えて、本分科会の委員長である山加先生の提案に応え、内部障害など援助が必要な方々に公共交通機関を安心して利用していただけるよう、統一したマークであるヘルプマークの普及に取り組んでいただいております。
このマークをつけている方が確実に必要な配慮を得られるためには、より多くの方にヘルプマークについてご理解いただく、普及させていくことが必要と考えますが、現在のヘルプマーク普及への取り組みについてお聞かせください。
○太田電車部長 ヘルプマークにつきましては、交通局としましても、福祉保健局に協力し、昨年十月から、まず大江戸線の駅長事務室において配布を開始いたしました。平成二十四年度には、約一万三千枚を配布したところでございます。
また、この普及啓発につきましては、車両優先席上部の窓や優先席付近のホームドアにヘルプマークのステッカーを貼付するとともに、駅構内及び車内にPRポスターを掲出いたしました。あわせて、車内放送や駅の構内放送により、ヘルプマークをお持ちの方に対するご理解とご協力の呼びかけなどを行いました。
本年七月からは、これらの取り組みを、都営地下鉄全線、都電荒川線、日暮里・舎人ライナー及び都営バスの全ての都営交通に広げており、引き続きヘルプマークの普及に取り組んでまいります。
○河野委員 大変早い対応をしていただきまして、本当にありがとうございます。今後とも、ぜひとも普及にご尽力いただきたいと思います。
本日は、平成二十四年度の決算に関して、都営地下鉄の安全対策やバリアフリーへの取り組みを中心に伺ってまいりましたが、そうした取り組みも、強固な財政基盤があってこそ可能であります。
先日の決算概要説明の中でも説明がありましたように、地下鉄事業は約四千億の累積欠損金があり、長期債務も九千四百億円に上り、都営バス事業も、平成二十三年度から経常赤字が続くなど、都営交通の財政状況は依然として厳しい状況にあります。さらに、今後も少子高齢化が進展し、東京において人口減少が見込まれる中、乗客の大幅な増は期待できません。
こうした状況において、安心・安全の対策やバリアフリーの対策等の推進に対するニーズはますます高まっております。交通局には、今後とも引き続き、ニーズを速やかに、的確に捉えて対応していただきたいと思っております。
また、けさほどもニュースになっておりましたが、大阪の市営交通などでも、カッターが座席のすき間に置いてあり、二歳の子供がけがをしたということもあります。これは通告していないので答弁は結構ですけど、防犯カメラの設置なども含めて、今後とも検討していかなきゃいけない課題がたくさんあるかと思います。
また、私の個人的な要望でございますけど、三田線の六両から八両編成や、三田線の延伸等も含めて要望したいところですけど、最後に、今後の事業運営について局長の決意を伺って、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○新田交通局長 交通局におきましては、お客様の安全・安心の確保を最優先に、耐震対策や水害対策、トンネルの老朽化対策など、安全輸送を支える基盤の整備に取り組みますとともに、エレベーターによるワンルートの確保やノンステップバスの導入によるバリアフリーの推進など、質の高いサービスの提供に取り組んでまいりました。
こうした中、当局の平成二十四年度決算は、委員ご指摘のとおり、依然として厳しい状況にあり、また、将来的にも、乗客の増加が期待できない中、施設の老朽化に伴う更新投資の増大も見込まれているところでございます。
今後、交通局が安定的な事業運営を確保し、多様化、高度化する都民の期待に的確に応えてまいりますためには、なお一層の増客、増収に努めますとともに、経営の効率化に取り組み、経営基盤の強化を図っていく必要があるものと認識しております。
今後とも、経営計画二〇一三に基づき不断の経営改革に取り組みつつ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催も見据えまして、ハード、ソフトの両面にわたり、さまざまな安全対策を進めますとともに、お客様のニーズに対応した質の高いサービスの提供に努め、お客様から一層信頼され、支持される都営交通の実現を目指してまいります。
○中山(信)委員 初めに、都営バス事業についてお伺いをいたします。
都営バスの乗客数は、鉄道の開業などにより減少傾向にございますが、都民の日常生活に欠かすことのできない交通機関でありますことから、事業環境の変化に適切に対応しながら、多様化、高度化するお客様ニーズを的確に把握し、誰もが便利で快適なサービスを提供していくことが必要でございます。加えて、環境の変化などに迅速かつ的確に対応するために、経営基盤の強化を図ることも必要であります。
都営バス事業は、東日本大震災の影響を受け、約二十六億円もの東京電力の配当がなくなり、経常損益は赤字に転落しております。こうした厳しい状況を踏まえて、交通局は、これまでもさまざまな工夫を重ねて経営改善に取り組んできていると思いますが、まず、平成二十四年度の都営バス事業の経営状況についてお伺いをいたします。
○鈴木総務部長 都営バス事業はこれまで、鉄道の開業等による乗客数の減少が続く中、不断の経営改善に努めてきた結果、平成十六年度から二十二年度まで、毎年、経常黒字を確保してまいりました。しかしながら、副委員長ご指摘のとおり、東京電力株式会社の配当金収入がなくなったこと等により、平成二十三年度決算の経常損益は約十八億円の赤字となりました。
平成二十四年度は、増収に努めるとともに、人件費の抑制や車両の延命化、備品、消耗品の節減など徹底した支出削減の取り組みを行った結果、二十三年度に比べ、経常損益で約十四億円改善し、四億六百万円の赤字に圧縮することができました。
経営計画にお示ししております平成二十七年度の収支均衡に向け、これまでの取り組みに加え、資産の利活用による増収を図るなど、経営改善を確実に進めているところでございます。
○中山(信)委員 二十四年度は、二十三年度に比べて十四億円もの経常収支を改善したとのご答弁でございました。交通局の経営努力を、まずは評価したいというように思います。引き続き経営改善への取り組みをお願いしたいと思います。
バスは、地域の身近な公共交通機関であり、また、乗客需要にきめ細かく対応できるのも特徴であります。特にスカイツリー周辺や豊洲、勝どき及びその周辺などでは、オフィスや住宅建設などの開発が進んでおり、都営バスへの需要が高まっている地域があると考えられております。
交通局では、乗客ニーズの変化を的確に捉え対応していくことが必要と考えますが、そこで、平成二十四年度に行った都営バスにおける路線見直しについてお伺いをいたします。
○根木バス事業経営改善担当部長 都営バスではこれまでも、乗客潮流の変化を的確に捉え、人や車両など、限りある経営資源を有効に活用することで、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう、路線やダイヤの見直しを行ってまいりました。
具体的には、大規模住宅や集客施設と鉄道駅を結ぶ路線など、需要が高まっている路線の増便等を行う一方、コミュニティバスなどの代替交通が確保されたことなどにより利用者が減少している路線につきましては減便等を行ってまいりました。
この結果、平成二十四年度におきましては、十路線で経路を変更し、十一路線でダイヤを増強するとともに、七路線で減便、一路線を廃止、一路線を統合いたしました。
○中山(信)委員 新たな需要にも的確に対応していただいていることがわかりました。
バスは、上下の移動が必要な地下鉄などに比べ、高齢者や障害者を初め、誰でも利用しやすい交通機関でございます。
平成二十四年度の区部の年齢人口によりますと、区部全体の六十五歳以上の老年人口は二〇・五%となっており、確実に高齢者人口がふえております。こうした状況を踏まえますと、高齢者や障害者が利用しやすいバスとしていくことが、公共交通機関としての大事な使命であると考えます。
そこで、これまでの都営バスにおけるバリアフリー対策の取り組み状況についてお伺いをいたします。
○土岐自動車部長 バリアフリーの取り組みについてでございますが、都営バスでは、バリアフリー対策といたしまして、平成十一年度から、更新する車両をノンステップバスとしており、平成二十四年度末で、全ての路線バス車両、千四百五十二両のノンステップ化を完了させたところでございます。また、停留所の上屋やベンチの増設のほか、お客様が乗りおりしやすいよう、バスの乗降口とガードレールの開口部のずれが生じている箇所の改修も進めております。さらに、全ての営業所に車椅子や高齢者体験器具を配置し、車椅子固定方法の訓練や高齢者疑似体験などの実習を行い、乗務員の接遇能力と意識の向上も図っております。
今後とも、高齢者や障害者など、誰もが安心して都営バスを快適にご利用いただけるよう取り組んでまいります。
○中山(信)委員 何か聞いたところによると、一部の新聞では、都営バスでノンステップ化されていない車両が一台あるという報道があったそうですけれど、それは都営バスが持っている車両じゃなくて運行委託を受けているところで、その管理主体がなかなかノンステップ化をしてくれていないということだそうですので、都民にとっても、ノンステップが一〇〇%完了したということをちゃんと知っていただくために、ぜひ記事の訂正等をお願いしたいところだと思っております。
二十四年度に全ての路線バス車両がノンステップ化されたということは、交通バリアフリー法基本方針の平成三十二年度までに七〇%という目標を大きく上回ることになりますので、その交通局の取り組みについては、私は高く評価されるべきだというふうに思っております。
車両については、バリアフリー化がかなり進んでいるようでございますが、高齢者や障害者の方には、バス停留所でバスを待っているのも大きな負担になります。先ほども、上屋やベンチの増設などを進めているとの答弁がありましたが、昨年度の決算特別委員会分科会質疑では、我が会派の栗林委員も、バス停留所の上屋やベンチの整備について質問しております。
交通局はこれまでも、上屋やベンチの設置に取り組んでいるとのことでございますが、特にベンチについては、増設を求める強い要望が寄せられているところであります。
そこで、平成二十四年度の都営バスにおける上屋やベンチの設置を初めとしたサービスの充実についてお伺いをいたします。
○根木バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、上屋やベンチにつきましては、一定の歩道幅員が確保でき、支障物のない箇所に順次整備を進めており、平成二十四年度におきましては、上屋三十二棟、ベンチ三十八基を設置いたしました。これにより、平成二十四年度末では、停留所総数三千八百七十二カ所のうち、上屋は千四百七十七棟、ベンチは八百九十四基が設置されております。
このほか、情報提供サービスといたしまして、バス停でお待ちになっているお客様のいらいら感を緩和するため、バスが幾つ前の停留所まで来ているのかをお知らせするバス接近表示装置を、平成二十四年度は三十基増設し、合計で七百八十九基となっております。
今後とも、こうしたサービスの充実に取り組み、お客様の利便性や快適性の向上を図ってまいります。
○中山(信)委員 上屋やベンチの設置に当たりましては、歩道上の幅員の問題など、事業者だけの事情では設置できないことは理解しておりますが、着実に進めていることがわかりました。
あわせて、停留所におけるバスの接近情報提供も充実させ、バスを待つ利用者に少しでも快適に待っていただくよう、さまざまな工夫を重ねていることもわかった次第でございます。
これからも、人に優しい都営バスを目指して、経営状況が厳しい中でも、乗客ニーズを踏まえたサービスの提供やバリアフリー対策など、利用者の目線に立った取り組みを引き続きお願いしたいと思います。
次に、新交通事業についてお伺いをいたします。
私の地元の悲願でございました日暮里・舎人ライナーが開業して五年余りが経過いたしました。これまでよりも大幅に通勤通学時間が短縮されるなど、その効果は大変大きいと思っております。
この間、乗客数も、毎年度、順調に増加をたどっており、収入もふえているだろうと思いますが、やはり鉄道事業というのは多額の建設費負担があり、借入金やその利息の支払いも大きいと思います。決算書を見ますと、経常損益は赤字でございますが、償却前損益ですと黒字のようでございます。
そこで、新交通事業の経営状況についてお伺いをいたします。
○鈴木総務部長 日暮里・舎人ライナーは、初期投資が多額でございまして、これを回収するには長い期間を要することから、事業の性格上、開業から当分の間は赤字基調が続いてまいります。
そうした中で、平成二十四年度決算も、経常損益で十七億五千四百万円の赤字となっておりますが、ご指摘のとおり、減価償却費を除いた償却前損益で見ますと五億七千六百万円の黒字となっており、開業以来、堅調に推移をしております。
また、経営計画上の財政収支見込みと比較いたしましても順調に推移してきておりまして、今後も、減価償却費や支払い利息の減少により、経営状況は着実に改善していくものと見込んでおります。
今後も引き続き、乗車料収入の確保に努めるとともに、経費の削減など経営の効率化を進め、経営基盤の強化に努めてまいります。
○中山(信)委員 償却前損益が黒字である、これが非常に大事なことですよね。まずこれがないと--減価償却をちゃんと果たしていって、さらには黒字を果たしていくということに結びつきませんので、それがきちっと行われているということはとても大事なことだと思います。
まだまだ経営状況は厳しいとは思いますけれども、年々、利用者数は増加しており、沿線でも住宅建設が堅調に推移しております。特に通勤通学時間帯の混雑は激しくなっておりまして、交通局ではこれまでも、ダイヤの見直しですとか、車両の座席の一部をロングシートにするなどの取り組みを行っていただいてまいりました。増加する乗客対策には、しかし、一層の取り組みが必要かと考えます。
そこで、日暮里・舎人ライナーの混雑対策についてお伺いをいたします。
○太田電車部長 日暮里・舎人ライナーは、平成二十年三月の開業以来、乗車人員は順調に増加しておりまして、平成二十四年度は、一日当たり約六万三千人となっております。
混雑対策の取り組みとしましては、乗客数の増加に応じて、平成二十一年と二十三年にそれぞれ二編成ずつ車両増備を行い、それに伴うダイヤ改正により輸送力の増強を図ってきておりまして、本年十二月にも、早朝を中心に運行本数をふやすダイヤ改正を予定しております。
また、車両につきましても、国の定めた重量制限の範囲内で、ただいまお話のありましたように、一部ロングシート化の導入など座席レイアウトの改善を順次行い、混雑の緩和を図ってきたところでございます。
さらに、輸送力を増強するため、経営計画でお示ししているとおり、平成二十七年度の車両一編成の増備に向け、現在準備を進めているところでございます。
○中山(信)委員 混雑対策につきましては、これまでも、さまざまな制約がある中で、いろいろ工夫をしていただいて着実に取り組んできていただいていることがわかりました。
ただ、これ、国の定めた重量制限という安全基準が悩ましいですね。満員時の車両の乗客を含めた重量が、一車両当たり十八トンという規制ですかね。ロングシートに変更する分をふやすと、ロングシートに変更すると、当然、乗客人数もふえるわけですから、立っている利用者は、〇・一平米当たり一人、一人当たり五十五キロで計算するということでございました。五十五キロというと、私なんかが乗車すると、重量制限上、さらに困ることになっちゃうわけですけれども、この安全基準を超えた場合、車両の沈み込み率がふえて、駅での乗客の乗りおりに段差が生じてバリアフリーでなくなったりするということだけではなくて、何よりも、車両走行上の安全性について誰も保証できないということになってしまうわけでありまして、軽々に、大丈夫だからやってしまえというわけにはいかない問題であります。したがって、現状、この基準を守らざるを得ないというご答弁は、よく理解できます。
一方、今のご答弁では、ぎりぎりのご努力を傾注していただいて、平成二十七年度には一編成の増備を図っていただけるということでございましたので、地元としては、混雑対策上、大変に歓迎したいと思います。ぜひその際には、現状の車両よりも軽い車両の導入を前向きにご検討いただいて、現行の重量制限の中でも少しでも乗車できる人員の増加を図るための、さらなるロングシートへの移行などをご検討いただきたいと思います。この点は要望とさせていただきます。
さて、増加する利用者に対し、きめ細かいサービスを提供することも、交通事業者として重要な施策でございます。日暮里・舎人ライナーは、駅員のいない無人駅がほとんどでありますことから、ホーム上の安全対策はもとより、列車の運行状況などを的確に利用者に伝達していく手段を確保しなければなりません。
とりわけ、ことし大きな台風が関東地方を直撃し、数時間にわたり、多くの鉄道路線が運休や大幅に運行本数を減らしたことは記憶に新しい事柄でございます。
こうした事故時や災害時には、どの路線が運行しているのか、また、代替路線はどこなのかなどの情報が錯綜することもあり、正確かつ的確な情報提供が重要であります。
そこで、日暮里・舎人ライナーにおける事故時や災害時の情報提供を充実させていく必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。
○太田電車部長 列車の事故や遅延等の情報を正確に、また、迅速かつ的確にお客様に提供していくことは、ご指摘のとおり、大変重要であると認識しております。このため、平成二十一年度から、日暮里・舎人ライナー全十三駅の改札口付近に四十インチディスプレーの列車運行情報表示装置を設置し、都営線及び他の鉄道の運行状況の情報提供を行っているところでございます。
また、大規模災害等の発生時には、指令所からの一斉放送による情報提供に加え、さらに、この表示装置においてNHKの緊急災害放送を全駅で提供できるよう、今年度中に改修を行いまして、情報提供の充実に努めてまいります。
○中山(信)委員 緊急時の情報提供機能も向上させているとお伺いしまして、安心いたしました。引き続きの取り組みをお願いしたいと思います。
日暮里・舎人ライナーの川を渡るときに風を受けます。私なんかは、見ていて手で支えてあげたくなるわけですけれど、余計なお世話なんですが、本当に、これからも皆さんの足として、安全で、また、何かあったときには、お話があったように、すぐに情報提供していただいて、ご努力をお願いしたいと思います。
本日は、都営バス事業と新交通事業について質問してまいりました。地下鉄事業の経営状況については堅調に推移しているようでありますが、一方で、バス事業と新交通事業については、まだまだ厳しい経営状況が続いております。しかしながら、ともに都民の地域の重要な交通手段として、経営が厳しい中でも、安全・安心の確保を第一に、的確なサービスの提供に向けた一層の取り組みをお願いしたいと思います。
最後に、ちょっと私のお願いでございますけれども、新交通システムが通りまして、その下に走っている都営バスについては、本当に大変厳しい状況の中、運行存続をしていただきました。ご案内のとおり、日暮里・舎人ライナーは上に上らなければなりませんので、高齢者にとってはなかなか難しい問題がありますし、バス停というのは、より短い間隔でバスがありますから、地域の移動手段としては、お年寄りが今でも使っていらっしゃいます。
これからも、大変厳しい状況の中、ご努力をお願いして恐縮ですけれども、日暮里・舎人ライナーのさらなる発展とともに、下を走るバス路線についても堅持をお願いしたいと思いますので、これは要望とさせていただいて、私の質問を終わります。
○大島委員 私も、二〇一二年度の交通事業会計の決算についてお伺いをします。
中山副委員長と私は同じ足立区で、地元なものですから、どうもちょっと質問がかぶってしまうので、ご容赦いただきたいというふうに思います。
私の地元なんですけども、例の、今いわれた日暮里・舎人ライナーの件です。二〇〇八年三月に、隣の荒川区と結んで開業しました。都は、開業時の需要予測を、一日当たり五万九千人としていました。いただいた資料を見ていただくと、すぐわかるんですけれども、もう二〇一〇年度にはこの予測目標を達成し、その後も乗車人員はふえ続けています。
二〇一〇年度から二〇一二年度までの交通局の経営改革を示したステップアップ二〇一〇を見ましたら、日暮里・舎人ライナーは、経常損益の改善を目指すとなっておりました。
乗車人員が伸びておりますし、営業収益は着実に伸びていると思いますが、経常損益の改善は進んでいるのかお伺いをいたします。
○鈴木総務部長 日暮里・舎人ライナーの乗車人員は、確かに、開業直後の平成二十年度、一日当たり四万九千人でございましたが、二十四年度には六万三千人にまで増加をいたしております。この乗車人員の増加に伴いまして、乗車料収入も、平成二十年度決算では三十三億七百万円でございましたが、二十四年度決算では四十億四千九百万円と増加をいたしております。
しかしながら、初期投資が多額でございまして、事業の性格上、開業から当分の間は、経常損益で見ますと赤字基調が続いてまいります。
今後、改善していく見込みではございますが、平成二十四年度の経常損益は十七億五千四百万円の赤字でございまして、この数年間、ほぼ同水準で推移しているところでございます。
○大島委員 開業して間もないということもありますし、減価償却費や利息の支払いの負担も大きい状況ですから、経常損益で赤字となっているのは仕方のないことだと思います。
しかし、乗車人員は、沿線開発もあって着実に伸びておりますし、今後も乗客は一層ふえることが考えられます。収支は改善していく見込みということですから、期待はしたいと思っています。
一方、この乗車人員がふえることによって、ラッシュ時の混雑というのは、ますます深刻な状況になっています。朝、日暮里駅に向かうライナーでは、江北駅、ちょうど真ん中よりも少し先のところなのですけれども、江北駅ぐらいから乗り切れない乗客が出るようになってしまいまして、大変な混雑になっています。
東京都は、このような現状を認識していると思いますけれども、また、こうした状況を改善するためにどんな取り組みをしてきたのか、お伺いをいたします。
○太田電車部長 日暮里・舎人ライナーの乗車人員は、開業以来、着実に増加しており、特に朝のラッシュ時におきましては、通勤等のお客様が集中し、混雑してございます。
このため、混雑対策として、平成二十一年と二十三年に、それぞれ二編成ずつ車両増備を行い、それに伴うダイヤ改正により輸送力の増強を図ってまいりました。また、座席のレイアウトを、一部、クロスシートからロングシートに変更し、混雑の緩和を図ってきております。
なお、本年十二月にもダイヤ改正を予定しておりまして、さらに、平成二十七年度の車両一編成増備に向け、現在準備を進めているところでございます。
○大島委員 改善の努力をしてきたことは理解できます。また、ことし十二月にはダイヤ改正が予定され、二〇一五年には、さらに一編成、五両がふえるということですから、改善への期待は大きく、乗客の皆さんは大変喜ぶことだと思います。
しかし、こうした努力はあっても、乗客がふえているということもあって、ラッシュ時の混雑は余り改善されているように見えないというのは残念です。
私は、その原因の一つに、座席の問題があるというふうに思っています。座席については、改善されたとはいえ、片側だけがロングシートになっていて、ボックス型のクロスシートが片側に残っています。そのため、入り口付近に乗客がたまって、なかなか中に入れないという状況がつくり出されているんです。
ラッシュ時には、ボックスシートで向かい合って座っている乗客の足の間に入るということはなかなかできませんから、不安定な姿勢でずっと立っていなければならない、こういう状況も生まれています。
乗車人員が今後もふえてくることを考えると、車両の座席をすべてロングシートにするとか、ラッシュ時にもっと乗りやすくするというようなことについては考えられないでしょうか。
○太田電車部長 車両の座席につきましては、繰り返しになりますけれども、これまでも、国の定めた重量制限の範囲内で、一部、クロスシートからロングシートに変更してきたところでございます。
今後は、本年十二月に、早朝を中心に運行本数をふやすダイヤ改正を予定しておりまして、さらに、平成二十七年度の車両増備等によりまして、輸送力の増強と混雑緩和に努めてまいります。
○大島委員 全てロングシートにすると、定員以上の乗客が乗り込んで重量制限をオーバーしてしまうために、クロスシートを残しているんだという考えだと思います。しかし、冬に向かって着膨れラッシュの時期をこれから迎えます。
乗車口にお客さんがたまって乗降しにくいという状況が改善されないために、せっかくの改善努力が、乗客の皆さんに実感として感じられていないのかもしれません。ホームの延長などともかかわってくるので、すぐには難しいと思いますけれども、現在、五両編成の車両を六両編成にして車両をふやしてほしいという要求も強く出されています。
車体と、先ほど一人五十五キロという話もありましたけれども、人間とを合わせて重量制限をオーバーしないようにするということですけれども、先日、どのくらいの重量かと聞きましたら、一車両十八トンということでした。今後、車両の軽量化を図るとか、技術的な検討もぜひしていただいて、少しでも改善を図っていただきたいと思っています。
次に、都営交通のバリアフリー対策について質問をします。
交通局は三カ年の経営計画を発表しておりますが、二〇一〇年度から二〇一二年度までのステップアップ二〇一〇では、社会的要請への対応として、福祉施策などの推進が掲げられていました。さまざまな障害をお持ちの方たちも安心して都営交通に乗車できるように、それぞれの障害の特性に応じた配慮や支援が求められています。
都営交通のバリアフリー対策として、視覚障害者への配慮や支援の状況についてお伺いをいたします。
○広瀬企画担当部長 交通局ではこれまで、目や耳の不自由なお客様が都営交通を円滑に利用できるよう、国が監修いたしましたバリアフリー整備ガイドラインを踏まえまして、施設、車両の整備に努めてまいりました。
視覚障害者への対応といたしましては、都営地下鉄及び日暮里・舎人ライナーの施設においては、視覚障害者誘導用ブロック、誘導チャイム、点字運賃表等を設置しております。三田線、大江戸線及び日暮里・舎人ライナーの全駅にホームドアを、都電荒川線の一部の停留場に固定式ホーム柵を設置しております。都営バス及び都電荒川線の一部の施設におきましては、音声による接近案内を行っております。
また、車両においても、都営地下鉄、日暮里・舎人ライナー、都営バス、都電荒川線で案内放送を実施しているとともに、都営地下鉄、日暮里・舎人ライナーの優先席のつり手や都営バスの手すりの色を、弱視の方にも視認しやすいようオレンジ色とするなどの整備を行っているところでございます。
○大島委員 先ほども出ましたけれども、都電荒川線、三ノ輪橋から早稲田を結んでいるんですけれども、この都電が、沿線の住民だけでなく、全国各地から都電の写真を撮ろうなんていう方も見えまして、非常に親しまれております。
この都電荒川線では、全ての停留場に、スロープと視覚障害者誘導用ブロック、点字ブロックが設置されていて、ホームのかさ上げを行って、車両との段差を解消しているというふうに聞きました。こういった取り組みは非常に喜ばれています。
これは理解しておりますけれども、今、視覚障害者の方たちからは、都電荒川線の全ての駅に、ホームからの転落を防ぐ防護柵を設置してほしいと、こういう要望が寄せられているんです。
都電荒川線の停留場の防護柵などの安全対策はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
○野崎技術管理担当部長 交通局では、停留場からの転落事故を防止し、お客様により安全に都電荒川線をご利用いただけるよう、設置可能な全ての停留場に固定式ホーム柵の設置を進めておりまして、既に設置済みの大塚駅前停留場に加えまして、平成二十四年度には、二停留場の設置を終えたところでございます。
今後、経営計画に基づきまして、今年度は八停留場に、二十六年度には九停留場に設置していく予定でございます。
○大島委員 設置可能な全ての停留場に固定式ホーム柵の設置を進めていくというご答弁でした。
都電荒川線には三十カ所の停留場があるんですね。現在、防護柵が設置されている停留場というのは、今、お答えがありました大塚駅を含めまして三停留場だけなんです。これからさらに設置が進められていくということですけれども、確かに設置可能なというところで、設置が可能じゃないところは無理なのかなというふうに逆に思ってしまうんですね。でも、都電の全ての停留場に、こうした固定式のホーム柵が設置できるような対策も、今後、検討していっていただきたいなということを強く要望しておきます。
次に、難聴者の方のこの問題でお聞きをしたいと思います。
難聴者の人口というのは、WHOの算定値は人口比の五%ということなんですけど、これによりますと、都内では、約六十万人から二百万人もの難聴者がいるという計算になります。特に七十歳以上の高齢者のおよそ半数は、加齢性の難聴と推定されています。今後もさらにふえていくということは確実です。
こうした難聴者を含めまして、聴覚障害者への配慮や支援の状況はどうなっているのかお聞きします。
○広瀬企画担当部長 聴覚障害者への対応につきましても、先ほど答弁いたしました国のガイドラインを踏まえまして整備に努めているところでございます。
都営地下鉄及び日暮里・舎人ライナーの施設におきましては、駅改札口に運行情報表示装置、ホームに行き先表示器を設置し、都電荒川線及び都営バスにおいては、接近情報表示装置を増設するなど、文字等による案内の強化を図っております。
車両においても、都営地下鉄、日暮里・舎人ライナー、都電荒川線、都営バスで車内表示装置を設置し、文字により停車案内を行うほか、都営地下鉄及び日暮里・舎人ライナーでは、扉の開閉案内や乗りかえ案内なども行っております。
また、都営地下鉄の駅係員や都営バスの乗務員が筆談での対応を行うなど、聴覚障害者が安心して利用できるよう、サービスの充実に努めているところでございます。
○大島委員 筆談での対応ということで、これも意思疎通がなかなか難しいというような話も聞いています。
ところで、磁気ループ、ヒアリングループともいいますけれども、これについてはご存じでしょうか。磁気誘導コイルつきの補聴器や、人工内耳をTモード等に切りかえることができるか、またはその専用の受信機を使えば、とてもよく聞こえると、体験した難聴者の方から感想が寄せられています。
東工大の教授が二〇一〇年に実施したアンケートでは、聞こえの支援が必要な場所の第一位は病院でした。第二位は、駅ホーム、駅窓口でした。電車内の要望も強くあります。
イギリスや北欧の諸国では、駅や空港、タクシーに磁気ループが設置されておりまして、それを示すマークも表示されています。アメリカでも、地下鉄の窓口やハンバーガー店、博物館などへの設置が進んでいると聞いています。ところが、日本では、欧米諸国に比べて、磁気ループの普及は大きく立ちおくれています。
山口県の宇部市では、市営バスに、難聴者の聞こえ、情報保障を支援する集団補聴装置として、磁気ループ、このヒアリングループを搭載し、宇部市内の路線を走っているということです。京都市のメーカーが国の事業で研究開発した設備を導入したもので、補聴器や人工内耳の利用者は、周囲の会話や音を気にすることなく、車内放送をはっきりと聞き取ることができると好評だそうです。市交通局の局長さんの話によりますと、路線バスへの導入は全国初だということです。
こうした磁気ループを、都営交通ができるところから率先して、モデル実施なども行って、車両や駅ホーム、駅窓口などに設置していくことも検討するように求めまして、私の質問を終わります。
○新井委員 都営地下鉄は、安全で快適な公共交通機関として、利用者から高い信頼を受けております。鉄道事業者にとって、安全の確保は最優先の使命ですが、そのために、交通局はしっかりとした安全確保体制を構築し、常に安全を心がけて都営地下鉄を運行しているものと考えております。
最近、列車の火災、脱線、線路幅の基準値超過などといった安全を揺るがす事態が相次いで発生し、マスコミをにぎわせております。都営地下鉄では大きな事故は発生しておりませんが、この件を受けて、都民の中にも、鉄道の安全に対して不安を覚える方がいるかもしれません。ここで改めて、都営地下鉄の安全について確認させていただきたいと思います。
都営地下鉄の安全管理体制について、交通局の取り組みをお伺いします。
○岡本安全管理担当部長 交通局では、JR福知山線の脱線事故などを教訓に創設されました運輸安全マネジメント制度に基づきまして安全管理規程を制定して、安全管理体制を構築してまいりました。
具体的には、当局の安全にかかわる基本的な姿勢である安全方針を策定し、安全対策推進委員会で、安全対策の目標の重点化、具体化を図る安全重点施策を毎年定め、全部門で実行し、内部監査などの結果を踏まえてマネジメントレビューを行い、継続的な改善に結びつけています。
また、経営トップであります局長を初めとする幹部職員が、機会あるごとに事業所を巡回し、現場職員と積極的にコミュニケーションを図り、現場における課題を的確に把握しております。
さらに、自然災害や重大事故を想定した訓練を定期的に行うなど、職員の異常事態への即応力の向上に取り組んでおります。
このような取り組みを通じまして、経営トップの局長から現場の職員まで一丸となって安全の確保に努めております。
○新井委員 安全管理体制について、交通局がさまざまな努力をされていることがわかりました。都営地下鉄を安心して利用できるよう、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、都営バス事業についてお伺いします。
都営バス事業は、平成十六年度以降、経常収支で黒字を計上してきましたが、東日本大震災の影響から、それまで充当していた東京電力の株式配当の収入がなくなり、平成二十三年度決算においては、八年ぶりに経常収支が赤字を計上し、その額は約十八億円となりました。
しかしながら、平成二十四年度決算では、先ほど総務部長が答えたとおり、約四億円の赤字にまで改善されており、これは、交通局のさまざまな増収対策や経費の削減といった結果があると思います。その努力は評価いたします。
収支を改善するためには、経費の削減も必要ですが、交通事業者として、いかにして乗客数を伸ばすかが重要であり、そのためには、路線やダイヤの充実にも努めるべきだと考えております。
平成二十四年度には、五月にスカイツリーが開業し、周辺も多くの人でにぎわいました。路線も充実されたと聞いております。
そこで、スカイツリー開業に対してどのような対応をされ、結果として、乗客数はどのようになったのか伺います。
○根木バス事業経営改善担当部長 スカイツリー開業への対応といたしまして、都営バスでは、周辺を運行する路線について増便を行うとともに、上野や錦糸町からの路線を、新たに完成した押上駅のバスターミナルに乗り入れるなど、お客様の利便性向上を図りました。あわせて、利用者の増加に対応するため、特に混雑が予想された開業から二カ月間につきましては、浅草などから臨時便の運行を行いました。
また、東武線の駅名変更に合わせ、周辺のバス停の名称を、とうきょうスカイツリー駅前などに変更したほか、東京スカイツリーにアクセスする路線や周辺のスポットなどをPRするため、日本語、英語、中国語、ハングルの四カ国語版のパンフレットを作成し、成田空港や羽田空港の外国人観光案内所などで配布いたしました。
その結果、平成二十四年度の東京スカイツリー周辺の路線バスの乗客数は、前年度に比べ、一日当たり約五千五百人増加いたしました。
○新井委員 関係する路線の充実を図り、乗客数もふえているとのことですが、乗客数をふやすためには、通勤通学客はもとより、今回のスカイツリーのように、観光地周辺の利便性を向上させ、国内外からの観光客の誘致を図ることも重要であると考えます。
交通局では、既に、こうした取り組みとして、観光路線バス「東京→夢の下町」を平成二十年から運行しているとのことですが、そこで、観光路線バス「東京→夢の下町」の利用状況は、現在どのようになっているのか伺います。
○根木バス事業経営改善担当部長 観光路線バス「東京→夢の下町」は、東京の観光振興に寄与するため、平成二十年四月に、上野や浅草など下町の主な観光スポットをめぐるバスとして運行を開始いたしました。
昨年、東京スカイツリーという新たな観光スポットが誕生したことに合わせ、経路を変更し、スカイツリー経由とするとともに、ダイヤを増強いたしました。
これにより、平成二十四年度の乗客数につきましては、一日当たり約二千人となり、前年の平成二十三年度と比べ倍増いたしました。
今後も、都内を訪れる国内外の観光客に対しまして、この観光路線バス「東京→夢の下町」を積極的にPRし、利用促進を図ってまいります。
○新井委員 運行開始から五年目を迎え、着実に乗客数は伸びているということですが、引き続きPRに取り組んでいただきたいと思います。
さて、都営バスの利用者数をふやすためには、路線、ダイヤを充実させることが大切ですが、あわせて、利用者に対して適切な情報を提供することも重要だと考えております。
特に近年、IT技術の進展は目覚ましく、今や、パソコンさえあれば世界中のあらゆる情報をリアルタイムで知ることができます。こうしたIT技術は、さまざまな分野でサービスや快適性の向上のため活用されており、鉄道やバスといった運輸サービスの世界も例外ではございません。
最近では、バスが今どこを走っていて、どれだけの所要時間がかかるのかといったことが、バス停の装置や携帯電話の画面などで、まさにリアルタイムに知ることができるようになっています。
そこで、都営バスでは、IT技術を活用した乗客サービスの向上について、これまでどのような取り組みをしたのか伺います。
○土岐自動車部長 IT技術を活用したサービスについてでございますが、都営バスでは、昭和五十七年からバスの走行位置を把握する運行管理システムを導入し、お客様にバスの接近情報を提供するとともに、営業所におけるバスの運行管理にも活用してまいりました。
その後、IT技術の進展に対応し、システムを更新してきており、平成二十二年度からは、順次、車両にGPSを搭載し、バスの走行位置をこれまで以上にリアルタイムに捉えることができる新たなシステムに切りかえたところでございます。これにより、停留所における接近情報や、お客様の携帯電話などに提供する運行情報がより正確になるとともに、営業所においても、運行間隔の調整をきめ細かく行えるようになっております。
また、このシステムの導入によりまして、これまで二十三区内の路線で実施していました携帯電話やパソコン向けに運行情報を提供するサービスを、平成二十四年度から多摩地域の路線にも拡大したところでございます。
○新井委員 IT技術を活用した都営バスのサービス向上策については、今後の技術の進展に合わせ、さらに幅広い可能性を秘めていると思います。
今後とも、乗客サービスの向上に向けて、たゆまぬ努力を続けていくことを期待しまして、質問を終わりにします。
○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山加委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で交通局関係を終わります。
以上をもちまして、第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第一分科会を閉会といたします。
午後二時八分散会
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